1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十年十二月九日(火曜日)
午前十時四十四分開会
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委員の異動
十一月二十一日
辞任 補欠選任
矢田部 理君 上田 哲君
野田 哲君 森中 守義君
十二月四日
辞任 補欠選任
藤田 正明君 戸塚 進也君
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出席者は左のとおり。
委員長 加藤 武徳君
理 事
世耕 政隆君
林 ゆう君
上田 哲君
片岡 勝治君
委 員
岡田 広君
源田 実君
戸塚 進也君
中村 太郎君
八木 一郎君
山本茂一郎君
秦 豊君
藤田 進君
太田 淳夫君
峯山 昭範君
河田 賢治君
国務大臣
国 務 大 臣
(行政管理庁長
官) 松澤 雄藏君
政府委員
人事院事務総局
給与局長 茨木 広君
総理府人事局長 秋富 公正君
宮内庁次長 富田 朝彦君
行政管理庁長官
官房審議官 川島 鉄男君
行政管理庁行政
管理局長 小田村四郎君
行政管理庁行政
監察局長 鈴木 博君
防衛庁参事官 伊藤 圭一君
防衛庁長官官房
長 玉木 清司君
厚生大臣官房長 宮嶋 剛君
事務局側
常任委員会専門
員 首藤 俊彦君
説明員
環境庁水質保全
局企画課長 西村 純幸君
環境庁水質保全
局土壌農薬課長 荒木 昭一君
文部省初等中等
教育局幼稚園教
育課長 鈴木 博司君
厚生省児童家庭
局企画課長 加藤 陸美君
参考人
日本住宅公団理
事 上野 誠朗君
日本住宅公団理
事 川口 京村君
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本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○許可、認可等の整理に関する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/0
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001・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告をいたします。
去る十一月二十一日、矢田部理君及び野田哲君が委員を辞任され、その補欠として上田哲君及び森中守義君がそれぞれ選任されました。また、去る十二月四日、藤田正明君が委員を辞任され、その補欠として戸塚進也君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/1
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002・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 委員の異動に伴い理事に一名の欠員を生じましたので、この際、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/2
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003・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないものと認めます。
それでは、理事に上田哲君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/3
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004・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
許可、認可等の整理に関する法律案の審査のため、本日、日本住宅公団理事上野誠朗君及び川口京村君を参考人として出席を求めたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/4
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005・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/5
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006・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 許可、認可等の整理に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/6
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007・峯山昭範
○峯山昭範君 先日の委員会で、許可、認可等の整理に関する法律案の審査に当たりまして、特に私的諮問機関の問題について、この間取り上げようとして、質疑の最中に途中で中断をいたしておりますが、私が、まず本日問題にしたいのは、これはやはり私的諮問機関といいましても、諮問機関は国家行政組織法の第八条でちゃんと規定されておりまして、審議会や、そういう名前は多少変わろうとも、結局法律でつくらなきゃならないというのが原則になっているはずであります。この問題につきましては、特に昭和三十六、七年ごろから当内閣委員会でもたびたび議論がされております。内閣委員会はもちろんこの行管の行政改革という問題を取り上げておりますので、私は当委員会で問題になるのは当然だと思うのですが、特にこの私的諮問機関というのが、最近の新聞や、いろんなあれを見てみますと相当ありますね。こういうようなものについて、行政管理庁はどういうふうにこれを把握していらっしゃるのか具体的にお伺いをしたい。特に、地方の支分部局等に設置されているそういうような私的諮問機関もありましょう。また本省関係のものもあると私は思うのです。いろいろあると思うのですが、とにかく現在行管がどういうふうなものまで掌握していらっしゃるか、この点ちょっとお伺いしたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/7
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008・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) 御指摘のとおり三十六年に行政管理局長通達が出ておりまして、「懇談会等を閣議にかけて開催しようとするときは、予め行政管理庁に協議されたい。」、こういうことになっております。したがいまして、閣議にかかる案件につきましてはすべて私どもの方に各省から協議があるわけでございますけれども、その他のものにつきましても事実上協議をいただいております。現在ございますのは、これは常時異動がございますので必ずしも正確でございませんけれども、大体ことしの初めにおきまして四十数個私の方で掌握いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/8
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009・峯山昭範
○峯山昭範君 四十数個といいますのは、これは私は非常に大変な数だと思うのですね。まずその根底に、法律に基づいた審議会、懇談会は現在どの程度あるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/9
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010・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) 法律に基づきます、いわゆる国家行政組織法八条に基づきますところの審議会は、現在二百四十六でございます。で、ただいま申し上げました四十数個と申します懇談会等はその外のものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/10
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011・峯山昭範
○峯山昭範君 これは行政改革を進めるとは言いましても、実際問題この昭和三十六年当時問題になりました審議会等の数は全部で二百六十八個ですね。いまおっしゃった数は地方の分も全部合わせてでしょうね、それはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/11
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012・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) ただいま申し上げました数字は地方の分は入っておりません。と申しますのは、地方の支分部局につくられます、いわゆる審議会的なものは、八条機関の審議会ではございませんで、地方支分部局という形になりますものでございますので、それは含まれておりません。で、先生から御指摘ございました三十六年当時二百六十幾つかございました審議会等を、昭和四十年の初めに相当数整理いたしまして現在二百四十六と、こういうことになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/12
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013・峯山昭範
○峯山昭範君 これは相当整理したとは言いましても、昭和三十六年から二十二個減って、私的諮問機関が四十数個ふえたのでは、これは結局的にはふえたということになりますね。ここら辺の整理は全く行われていないんじゃないかと私は思うんですが、特にこの四十数個ある私的諮問機関という問題について、私はきょうは問題にしたいと思うんですけれども、行政管理庁にもありますね、この私的諮問機関というのが。この行政情報処理基本問題懇話会というのは、これは現在でもあるんですか。それから、総理府にも老人問題懇談会ですか、科学技術庁には原子力行政懇談会、国土庁には国土行政懇談会、文部省に文明問題懇談会、大学院問題懇談会、文化庁に文化行政長期総合計画懇談会、厚生省に年金問題懇談会、労働省に産業労働懇話会、自治省に地方公務員公務態率研究会、最近の防衛庁の防衛を考える会、これ以外にも、全部で四十数個というのですから私の調査以外のところでずいぶんあるということになるんですが、これはいま局長から昭和三十六年の各省庁の官房長あてに出した通達の話も出てきましたが、こういう問題と絡み合わせて、行管庁はこの問題についてどうお考えなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/13
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014・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) 懇談会につきましては、この三十六年四月十二日の管理局長通達に尽きておるわけでございますけれども、通常私どもが行政を運営していくに当たりまして、外部の方々の御意見をいろいろお伺いしなければならない場合が非常に多いわけでございます。それを多くの方々にお集まりいただきまして、一堂に会してその御意見を承るというときに、懇談会という形式ができてくるわけでございますけれども、これはあくまでも国家行政組織法第八条に申しますところの機関ではないわけでございます。国家行政組織法第八条に基づきますところの審議会と申しますのは、これも民間有識者の御意見をできるだけ行政施策に反映さしていくというための組織でございますが、あくまでもこれは行政機関でございまして、行政機関としての御意思を審議会等で決定されまして、そうして政府に答申あるいは建議をされるわけでございます。これに対しましてこのいわゆる私的懇談会と称しますものは、その機関としての意思を決定するわけではございませんで、そこで自由に御発言をいただきまして、その御発言の内容を行政庁として参考として施策を進めるというところに一番大きな差異があるわけでございます。
で、このような懇談会が有効に活動していただきますことは行政庁としても非常に歓迎すべきことであろうかと思いますが、同時にまた、それが制度的な審議会と紛らわしい、あるいは審議会のような動き方をするということはきわめて好ましくない次第でございまして、その点は私どもとして常々注意しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/14
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015・峯山昭範
○峯山昭範君 それは私は、外部の人の意見を、大臣なり何なりが自分の行政を行う上において、その貴重な意見を聞くということについてはそれは当然私必要なことだと思うんです。しかし、それはやっぱりきちっとした手続をとって、ちゃんとした法に基づいた上できちっとやってもらいたいと思うんです。
それで、違反しないならしないで結構なんですけれども、私がきょうはっきりさしておきたいのは、第八条にいうこの機関と、いわゆる懇談会とを見分けるけじめのところですね、これはどういう点がこういうふうになると八条機関になる、こういう点はここまではいいというそのけじめのところを、ずっと一つずつ幾つか言ってみなさい。過去にも出ていますし、これは当時の池田総理の答弁の中にも明快に何点かあります。局長、そこにちゃんと池田総理の答弁や何か持ってきているでしょうから、その幾つか、全部で十点ぐらい挙げてみなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/15
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016・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) 十点もあるかどうかちょっと私も自信がございませんが、差異について申し上げますと、まず、ただいま申し上げましたように、第一は審議会等、要するに法律上の制度として設けられました審議会等は、その行政機関としての機関意思を決定いたします。これに対しましていわゆる懇談会におきましては、統一的な意思決定は必ずしも必要でございません。もちろん全員の意見がこういうふうに一致したという場合には一致した意見というものができ上がりますけれども、協議が分かれました場合におきまして、これがその懇談会としての意見であるということを決める必要はないわけでございます。それが第一でございます。
それから、審議会は法律に基づいてつくられるわけでございます。つまり制度的なものでございます。これに対しまして懇談会等は、たとえば閣議決定でございますとか、あるいは省議決定でございますとか、あるいは大臣に対する伺いでございますとか、そういうような形式で設けられる場合が多いわけでございまして、省令とか訓令とか、そういうものではつくらないようにということを指導しておるわけでございます。
それから第三点といたしまして、機関意思を決定いたします審議会の性格上、審議会におきましては議事手続というものが設けられるわけでございます。たとえば定足数がどれくらいであるとか、あるいは決議をいたしますときにその決議の方法はどうするとかいうような議事手続が設けられるわけでございますけれども、懇談会におきましてはそのようなことはあり得ないわけでございます。
それから第四点といたしまして、これはそれほど大きなことではございませんけれども、こういう性格を明らかにさせますために、懇談会におきましては設置するとかいうような決め方をいたしませんで、通常、懇談会を開催するというような決め方をしておるわけでございます。
そのほかにもいろいろあるかと思いますが、ただいま気がつきました相違点というものは以上のような点であろうかと存ずるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/16
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017・峯山昭範
○峯山昭範君 それではこれ、私幾つか指摘をいたします。
まず第一の機関意思を決定するとかしないとかいう問題ですね、これはそのとおりだろうと思います。それから委員を委嘱する場合、この委員の委嘱は、たとえば一つの審議会なり八条機関でいう場合は、きちっと委嘱をしたりあるいは任命をしたりするわけですね。ところが実際懇談会の場合はそれをやらない。これはどうですか、そのとおりですね。
それから、幾つか言います。それは合うているか合うてないか言ってください。
それから、答申なりあるいは意見というものについて、それを行政に反映させるかどうかという場合、これは要するにその答申なり意見というものは、直接、政策上八条機関の場合はそれを反映させる、政策上ですね。ところが懇談会とかそういうようなものは直接は反映させない。それが池田総理の答弁の中にちゃんと出ていますが、この二点はまず間違いありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/17
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018・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) 委嘱するということが適当でないということは、これは通達に出ておりますので先生の御指摘のとおりでございます。ただ、第二番目の決定なり意見を行政に反映させるかどうかということにつきましては、もちろん法律上定められました審議会等の御意見は政府として尊重すべきことは当然でございます。ただ、それが法的に政府を拘束するかどうか、つまりそのとおり実行しなければならない義務があるかどうかと申しますと、その点は法律的な拘束力はないというふうに考えております。それから、懇談会につきましてはもちろんそういう拘束力はないわけでございますけれども、懇談会で表明されました各種の御意見が政府として大変適当であるというふうに考えました場合には、当然それは施策に反映されるということになろうかと存ずるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/18
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019・峯山昭範
○峯山昭範君 もう一点お伺いしておきます。
この懇談会ですね、当時の林法制局長官が、この八条機関と懇談会の、実際に懇談会をやる場合についての長官の答弁の中に、要するにいろいろな何人かの方に集まっていただいて、たとえば何回会合開いても違反にならない。しかし、何回か同じメンバーが集まる、何回か同じ人が集まるという点についてはこれは誤解を生ずる。こういうふうな答弁があるんです。これは非常に私は重要な問題だと思うんですが、この点についてはどう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/19
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020・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) 誤解を生ずるという言葉はちょっと私も気がつきません。——失礼いたしました。林長官は「何回か同じメンバーが集まるという点において、多少千葉委員のおっしゃるような誤解を生ずる点がないではございませんが、」と、こう言っておりますが、これは、その点におきまして審議会と同じような形になるという点で誤解を生ずる点がないではなかろう、こう言っておられるのであろうと存じます。しかし、それはあくまでも審議会とは違う性格のものであるということを当時の林長官も言っておられるわけでございまして、まあ懇談会というものを開きます以上は、メンバーが同じで数回開かれるということもやむを得ないのではないかと考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/20
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021・峯山昭範
○峯山昭範君 私はあなたの答弁を聞いておりまして非常に納得しかねる。要するに、行政管理庁は国家行政組織法の法律に基づいて少なくとも八条機関というものがあるんですから、法律がきちっとあるんですから、こういうふうな私的な懇談会というものはできるだけなくしていく、そして法律に基づいた審議会をつくる、こういうふうな姿勢でなくてはいかぬのでしょう。ところがあなたの答弁を聞いていると、何となくすべて緩めていく。これはこのとき、池田総理がなぜこの当委員会に出てきてこういう答弁をしなきゃいけなかったのか、当時の審議会の実情から見まして、こういうふうな私的な懇談会というものは全部やめにしよう、やめる方向に持っていこう、そういうふうな一つの方向があったからこういう問題が出てきてわざわざ総理まで出なきゃいけなかったというあれがあるんですよ。にもかかわらず、現在私的な懇談会が四十幾つもあるとあなた初めから答弁しているんですよ。こういうふうな行管庁の姿勢では、行政改革なんて幾ら何ぼ進めたって、行政改革そのものが進みませんよ、やっぱり。もっと厳格な姿勢で臨まないといけないと思うのです。そういうような観点からもうちょっときちっとした答弁をしてもらいたい。
それでは行政管理庁当局は、まず防衛を考える会というのは、あれはどういうふうに考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/21
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022・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) 防衛を考える会につきましては、これを開催いたしますときに防衛庁の方から御相談がございました。これはあくまでもポスト四次防を検討するに当たりまして各界各層からの御意見を防衛庁として伺って、今後の立案の参考にしたいんだという御趣旨でございました。その考える会としての決定をするとか、そういうようなものではない、各先生方の自由な御意見を承るという点にその目的があるということでございましたので、それではいわゆる審議会というものではないということがわかりまして、私どもとしては差し支えなかろうと、こういう返事をしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/22
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023・峯山昭範
○峯山昭範君 それでは現在ではどう考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/23
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024・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) もう防衛を考える会は廃止されたと思いますけれども、現在でも同様に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/24
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025・峯山昭範
○峯山昭範君 現在でも同様に考えていると言いましても、防衛を考える会というのは——ポスト四次防について私は各界各層の皆さん方の意見を聞くということについてはいいんです。当然であろうと私は思います。しかしながら、あなたが初めから言いましたように、まず八条機関と一般の懇談会との第一の基本は、機関意思を決定する必要がないと。これはまず防衛を考える会のこの初めに「討議のまとめ」というのがありますよ。これは機関意思の決定ですよ。いろんな人の意見が出て、それをまとめたのが第一部になって出ているじゃないですか。この一つ一つについて幾つかの問題があります。「わが国をめぐる国際情勢」とか、「防衛の前提となる国内条件」とか、「防衛の基本についての考え方」とか、「日米安保体制」とか、「保持すべき防衛力」とか、この一つ一つについて、だれの意見ですか、これは。この一つ一つについて、この防衛を考える会に出た一人一人の、これはこの人の意見です、これはこの人の意見ですというのがはっきりしていないじゃないですか。防衛を考える会としての意見になっているじゃないですか。まず審議会の一つの問題についてだってそうじゃないですか、国家行政組織法の八条に完全に違反しているじゃないですか。それについて、初めと同じ意見なんていうことは納得できません、私。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/25
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026・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) 防衛を考える会の討議内容及びその取りまとめがどういう形で行われたかということは伺っておりませんけれども、懇談会におきましても各委員の意見が一致するということは当然あり得るわけでございまして、その一致したものをこういうまとまりができましたということで政府の方に提示なさることはたびたびあろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/26
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027・峯山昭範
○峯山昭範君 まず防衛庁、防衛庁はこの問題について行政管理庁に報告してないの。この本は渡してないの、行政管理庁には。どうなんですか。知らないけれどもなんてとんでもない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/27
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028・伊藤圭一
○政府委員(伊藤圭一君) このまとめが終わりました段階で行政管理庁の方にも差し上げてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/28
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029・峯山昭範
○峯山昭範君 どうなんですか、局長。知らないけれどもなんて、あんたね、防衛を考える会についてのまとめや序文や、みんな書いたいろいろな資料があなたの局に届いているでしょう。あなたは答弁の前提として、知らないけれどもなんて言うのはどういうわけなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/29
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030・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) 大変言葉が足りませんでおしかりをいただきましたことをおわびいたしたいと存じますけれども、この防衛を考える会のまとめというものは、私も防衛庁からちょうだいいたしまして拝見いたしております。ただ、申し上げましたのは、その具体的な討議内容がどうであり、その取りまとめがどういうふうにして行われたかということの詳しい御説明は伺っておりませんでしたということでございまして、大変言葉が足りませんでおしかりいただきましたことをおわび申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/30
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031・峯山昭範
○峯山昭範君 このまとめというものは、これはだれの意見なんですか。防衛庁、これはだれの意見なんですか、これは。要するに「第一部 討議のまとめ」というのは何ですか、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/31
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032・伊藤圭一
○政府委員(伊藤圭一君) この十一人の先生方が六回にわたりましていろいろ討議をなさいました。それを私ども事務当局が各人の発言を全部できるだけメモをとりまして、そのときに議論されました内容というものを整理したものでございます。この討議といいますのは、各先生方が自由に御議論なさいます、それを防衛庁の長官以下幹部が聞いておりましたので、皆様方の個々の御意見というのはその場で伺っているわけでございます。しかし、今後の仕事に反映させるということもございまして、大体どういうようなお話があったかということを事務当局でまとめたものでございまして、この各人がどういうことを発言したかという個々の人の発言の内容をそのままにするのはやめてもらいたい、みんなでいろいろ話し合っておって、大体こんなことになったなというようなまとめ方をしてもらいたいという先生方の御意向もございましたので、こういう形でまとめさせていただきました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/32
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033・峯山昭範
○峯山昭範君 ということは、要するに一人一人の意見を書かないで、みんなで相談をして一致したところでそれをまとめてもらいたいということで事務局がまとめたわけですね、ということは八条機関の意思決定と全く同じですよ。反対のところは省いたり、いろいろ操作をしたかもしれませんよ。けれども、やっぱりこの防衛を考えるという事務局がつくったこの本の内容を見ても、一般の答申と何ら変わるところはないんじゃないですか。この点について行政管理庁がもうちょっと厳しい、これはやっぱり、八条に違反しておる、少なくとも違反の疑いがあるというところまでの見解を出さない限り、私は今回のこの許認可の問題について、きょうこの審議を終了することは納得できませんからね。それだけの姿勢を示さない限り行政改革は進まないんです。そんないいかげんなことじゃ困りますよ。私は、あなたが幾つか先ほど言った一つの問題取り上げてさえこうですよ。たった一つですよ。まだほかにいっぱいあります。あなた方が通達を出したこういう問題幾つもありますよ。もう一つ出してみましょうか、それなら。
先ほどのたとえば委員に委嘱するという問題があります。この問題について言うと、あなた方の通達によりますと、これはあなたがたが先ほど言ったことですけれども、この集まってくる人たち、「参集者に委員、参与等を委嘱すること等は疑惑を招くおそれがあるので適当でない。」という通達を出しておる。そうでしょう。こういう疑惑を招くおそれがあるからというちゃんとこの通達が出ておるわけです。防衛庁は事務次官と参事官と一緒に一人一人お願いして回っている。前の委員会でちゃんと話があったじゃないですか。防衛を考える会の委員になってくださいと言ってお願いして回っているじゃないですか。あなた方の通達にはっきり違反しているじゃないですか。
まだあるんですよ、こんな問題。一つ一つ言えばもう全部ありますよ、これ。八条機関のときもやっぱり同じじゃないですか、はっきり国家行政組織法に違反しているのです。これは前の三十六年のときの議論と全く中身は同じ。だから三十六年のときには、全部のいろんな審議が結局最終的には総理大臣まで来て、そしてこの委員会でやらなくてはならないということになったのです。同じ問題を繰り返しているじゃないですか。私はちゃんとした答弁いただかないと納得できませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/33
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034・伊藤圭一
○政府委員(伊藤圭一君) ただいま先生からお話ございました委員を委嘱するということではなくて、御意見を伺わしていただきたいということをお願いに上がったわけでございます。
それからなお、その討議の内容は、客観的にそこで事務当局がまとめましたけれども、各先生方の個人の御意見というものを別にお聞かせいただきたいということで、それにも書いてございますように、各人が署名入りで御自分のお考えというものを敷衍してくださったことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/34
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035・峯山昭範
○峯山昭範君 私は、だからさきの委員会で、質問する前に一つずつ聞いているのです。あなた方は、防衛を考える会というのやいろいろつくるから、私は、こういう会をつくる、それで防衛に関するいろんな意見をお伺いする、その委員になってもらいたいということでお願いに上がったのかということは、私はずいぶん前の委員会で確認をした。いま伊藤さんがおっしゃった答弁とはちょっとニュアンスが違いますよ、ちょっとだけ。私は前の委員会で、だから確認をしておるのです。少なくとも行政管理庁はこの問題ではどう考えておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/35
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036・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) この通達にもございますように、「その都度参会者に参集依頼状を発して開催するのは、」「随時行われているところであるが、」「参集者に委員、参与等を委嘱すること等は疑惑を招くおそれがあるので適当でない。」、こういうことになっております。そこで、防衛庁がこの考える会に御出席をお願いするために各委員に御依頼申し上げるということは、これはやむを得ないことであろうかと思います。問題は、その委員を委嘱するという、これは一つの通常要式行為でございますけれども、そういうような行為をすることは適当でない、こういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/36
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037・峯山昭範
○峯山昭範君 あなたそんなことを言ったらますますまずくなってくる。防衛を考える会の場合は、防衛問題について毎回違う人を、今回は十人なら十人こういう人を集める、この次はこういう人を十人集める、この次はこっち側の人を十人集める。その都度違う人がこの防衛の問題を防衛庁長官なりにいろいろ建議した。これならこの八条を逃れることはできます。今度は違うんですよ、同じ人ですよ、全部初めから。六回会合開いていますが、六回とも同じ人が来ているんですよ。どこが八条機関の人と違うんですか。こういう問題がこれだけあっても、あなた方はまだこの八条機関には全く違反をしないと、ここまで強弁するのなら、私はますますこの問題は納得できませんから、委員長、この問題は重大問題として、私は今後この問題はやりますけれども、当委員会で私はこの許認可の問題をきょう審議終了するのは反対です。この問題についてはもう明確な問題なんですから。今後こういう問題については行政管理庁として厳格に取り締まる立場にあるんですから、そういう約束をしているんですから、過去にも。だからこういう疑惑を招くようなことはやらないという通達まで出してあるんですから。にもかかわらずあなた方の答弁が、そんな全く違反しない、しかも私的諮問機関が四十数個にふえておりながらまだチェックしようとしないという姿勢は、私は行政改革を進める行政管理庁としての姿勢がなっていない。納得できませんよ、そんな答弁では。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/37
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038・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) おしかりをいただきまして大変恐縮に存じておる次第でございますけれども、私どもとしては、あくまでもこの行政組織法八条の審議会等と、それからいわゆる懇談会等とは峻別してまいりたいということで従来から一貫してまいってきております。ただ、懇談会の運営等につきまして、あるいは不十分な点があったかもしれないというふうに考えますので、各懇談会の実態を調査いたしまして、もし審議会類似の運営の仕方をしておるというようなものがありますれば厳重に注意してまいりたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/38
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039・峯山昭範
○峯山昭範君 そんな答弁ではね。そういうふうな審議会と峻別してまいりたい、八条機関と懇談会とは全部峻別してきちっとしてまいりたい、違反しているものがあればちゃんとしたい。現実に具体的に例を挙げているんじゃないですか。防衛を考える会についてはどう考えているんだと。現実にこれだけの私的諮問機関があって、そういうような中でもこういうふうに答申らしきものが出ている。三十六年のときにも現実に答申出しているところがあったのでしょう。多少は違うにしても、これはもう中身は全く八条機関で出しているのと同じじゃないですか。大臣のとらえ方だってそうですよ。この中身をポスト四次防にどういうぐあいに反映させていくかという問題について、八条機関である答申の中身とこの大臣の基本的な考え方とは全く一緒じゃないですか。私はそういう点から考えても、もうちょっとちゃんとした答弁をもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/39
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040・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) 防衛を考える会につきましての例示をいただいたわけでございますが、この会は、発足の当初から各委員の御意見を自由に表明していただいて、それを防衛庁として今後の施策の参考にいたしたい、こういう趣旨で始められたものと承知いたしております。で、「討議のまとめ」という章がございますが、これはこういうようなことが一般的な意見であったと。で、この意見がまとまっても、意見がまとまることが適当でないということも言うことはできないわけでございまして、審議会、つまり行政機関としての意思決定ではないわけでございます。この後半の方にいろいろまた各人の御意見が出ておるようでございますが、それぞれニュアンスの相違があるわけでございまして、私どもは、これは審議会としての運営をしたものではないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/40
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041・峯山昭範
○峯山昭範君 第一部はこれは何だ。第一部は一体だれの意見なんですか。防衛を考える会としての意見でしょう、これは。要するに、私はたびたびもう言いませんけれども、八条機関の審議会やなんかと全く同じじゃないですか。防衛を考える会としての意見でしょう、これは。だれの意見なんですか、この第一部は。これは防衛を考える会の委員の皆さんが議論をして、その議論の中からまとまったものでしょう。ということは八条機関で言う答申と全く同じじゃないですか。そういう性格を持っているじゃないですか。答申そのものではないにしてもそういう性格を持っているじゃないですか。だから長官もちゃんとこの中身について、「結果は、私が期待した以上だった。参加してくださった委員の方たちの終始変わらない熱心な討議には、私をはじめ防衛庁の幹部のものも深い感銘を受けただけでなく、その内容は極めて有意義だった」、だから「提案されたさまざまな意見は、できるだけ今後の防衛政策に反映するつもりである」、こういうぐあいにちゃんと言っているじゃないですか。したがって私は、八条機関で言うその答申と全く——全くということは言えないかもしれませんけれども、少なくともその八条機関で言う答申と類似のものじゃないですか。あなた方がいままたこの点を言い張ろうとするならば、これは私はこの問題については、これはとてもじゃないけれども——大臣は一体どうお考えなんですか、この問題について。少なくともこういうふうな問題は、国家行政組織法をきちっと運営していく立場にある大臣として、これはもうちょっときちっとした答弁をしてもらいたい。
実は私の持ち時間がもうありませんので余りできませんけれども、少なくともこの問題ははっきりしていただかない限り、今後の行政改革とか、こういうのは幾ら口先で叫んでも進まないということです。私はこういうのをつくるのが反対と言うのじゃない。つくるのならつくるできちっとすればいいんです。きちっとした手続をとってやればいいんです。そんなことをしないで、要するに私的諮問機関なんていう、私のそういうふうないわゆる国家行政組織法に違反した、こういうようなのがまかり通ってはならぬと言うのですよ。現実にこういう問題がいっぱいあるじゃないですか。行政管理庁は許可しないから、名前を変えて現実に存在している役所がいっぱいあるじゃないですか。そういうのを許してはならぬという現実の厳格な姿勢がないから、各省庁は行政管理庁をなめているんじゃないですか。現実にそういうのはいっぱいありますよ。だから、それだけの厳しい姿勢を持って行政管理庁は行政改革というものに取り組んでいただきたいと私は思うのです。だからこれだけ厳しく言っている。もうちょっときちっとした答弁をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/41
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042・松澤雄藏
○国務大臣(松澤雄藏君) ただいままでの御質疑等を聞かせていただいておりましたのですが、厳しい態度で臨んでいくということにおいては御質問者と何ら意見は異にするものじゃないのであります。しかしながら、ただいまの問題で、懇談会をやめたらどうかとか、あるいはまた違反ではないかとか、厳格に取り締まったらどうかというふうな御意見等もあるようでございますが、しかし実際問題といたしまして、私たちから考えますると、現実の諸問題としての立場から考えていっても、この問題が直ちに法律それ自体から生まれたものだというふうには考えにくいというふうなことを申し上げておるわけであります。こういうふうな点からいたしまして、率直に申し上げまして、いまお話のございました点等は十分に心得をいたしまして、今後ともいまの御質問のような要領のもとに検討を加えて、そしてできるだけ早目に、少しでもよいような方向に取り扱っていきたい一いわば厳格に取り締まっていくようにしたいものだと、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/42
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043・峯山昭範
○峯山昭範君 大臣もまだ相当次元の低いことを言っている。何も私は防衛を考える会をやめろとか、そんなことを言っているのじゃない。国家行政組織法という一つの法律があるわけですから、その法律に基づいてそれぞれの省庁はその審議会なり懇談会をつくれという法律がこの第八条のはずでしょう。だからこの八条に基づいてきちっと法律を運用して、この防衛を考える会なり何なりをきちっとやれと言うのです。法律に基づかない会というのが余りにも多過ぎる。早く言ったら脱法行為ですよ、これは。だからこういうような脱法行為は今後やめると、どうしても急いでやらなくちゃならないのなら後できちっと出せばいいんです。そういうふうにしないと、この脱法行為のいわゆる私的な諮問機関というのがどんどんふえる、現実に。昔は四十幾つもなかったのです、こんなのは。少なくとも脱法行為に近いような形でこういうような四十幾つも私的な諮問機関ができておるわけです。こういうようなものについても必要なものと必要でないものとあるでしょう。ですから、どうしても必要なものはてきぱきと処理をして、そしてこの国家行政組織法に基づいた運営を私はしてもらいたいと、こう言っておるわけです。特に防衛を考える会については、現実に、具体的なもう中身全部そうです。たとえば先ほどから何回も言っているように、この答申の中身、答申と違うと言うかもしらぬ、答申というような意思決定はしてないと言うかもしらぬけれども、現実にまとめとして出ている、これが一つ。それから委員の任命の問題にしても、現実に事務次官と参事官が二人もお願いに行っている。お願いに行っているんです。しかも一回だけじゃないんですよ。委員そのものも毎回違う人じゃなくてずっと同じ人です、初めから。これ全部八条機関に言う委員の任命の仕方と同じじゃないですか。八条機関の委員の任命でもこんな丁寧なことしないですよ。電話でお願いしてよろしいですかと了解とってやることがあるんですよ。そうでしょう。一つ一つ、この八条に違反していることは明確なんです。だから私はこういうようなことは今後やっぱり厳に慎んでもらいたいし、こういうふうないわゆる私的な諮問機関というのは、やっぱりきちっとしたけじめをつけて今後行政を運営していただかないと行政改革の意味がないと私は言うんです。もう一回大臣の答弁をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/43
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044・松澤雄藏
○国務大臣(松澤雄藏君) ただいまの御意見ごもっともだと思いますので、十分に注意をして、いまの御要望の点を把握しながら厳格に取り締まりをするような形で持っていきたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/44
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045・峯山昭範
○峯山昭範君 まあこれ以上やってもあれですが、いずれにしてもこの問題については、特に国家行政組織法というのはわれわれの国会での審議権の問題といつも絡み合ってくるのです。ですからわれわれのたとえば内閣委員会に法案が出てこない、結局国家行政組織法を改正するという意味もそこにあるわけですから、われわれのこういう内閣委員会で議論するということと非常に重要な関連があるわけです。したがって、私は国家行政組織法の運営という問題については今後ともやっぱり厳格にやっていきたい。そうでないと各省庁の審議会とか私的懇談会なんというのがどんどんふえていく。こういうふうなやり方では私は非常に困りますから、これは今後ともきちっとしてもらいたい。
それから、もう一点だけお伺いして私の質問を終わりたいと思うんですけれども、もう一つは地方事務官の問題です。地方事務官というのは、これはわが内閣委員会で過去にも何回も議論されてまいりました。特に三大臣の申し合わせもすでにもうたびたび当内閣委員会でも確認をされたことです。事務官を廃止するということについては、もう当時の労働大臣なんかも当内閣委員会に来まして、ことしの三月までに決着をつけると、こういうふうな話が出ていたわけですね。ところが、現実には地方事務官をふやすと言うんですね、最近の新聞報道によりますと。これは三百三十五人もふやすというふうな方向が現実に事務次官会議ですか、そういうところで出ているわけです。私は、これは一体現在の三木内閣、こういうような問題についてどう考えているのか。それでまた、しかも行政管理庁はこの問題についてどう取り組んでいるのか、この点についてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/45
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046・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) 地方事務官制度の問題につきましては、先生から御指摘かございましたように、各省間で従来から協議を重ねておるところでございます。地方行政委員会の附帯決議の点もございますし、できるだけ速やかに解決をいたしたいということで、なかなかむずかしい問題でございますが一生懸命努力しておる次第でございます。ただ、先般出ました政令による増員の点でございますが、これは五十年度の予算で決められました増員を行ったわけでございまして、地方事務官の内容でございます社会保険事務所にいたしましても、職業安定行政にいたしましても、それから陸運事務所にいたしましても、いずれも業務量がきわめて増大いたしておりますので、この制度問題とは別にある程度の増員はやむを得ないと考えておる次第でございますので、その点はひとつ御了承をいただきたいと存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/46
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047・峯山昭範
○峯山昭範君 それは当然行政需要がふえているわけですから、その中でそういう定員をふやさなければいけない点は、それは当然だと私は思うんです。しかしながら、抜本的にこの問題を解決するということについてはもうたびたび言明しているわけです。あなたもいま速やかに解決するというふうにおっしゃったが、具体的にどう解決するんですか、いつごろまでに解決するんですか、どうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/47
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048・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) 御承知のとおり、この問題は業務の内容あるいは職員の身分に関します非常にむずかしい問題でございます。先般予算委員会で総理が、次の通常国会を目途に解決するように努力したいという御答弁をされたわけでございますが、私どもとしても極力その方向で努力をしておる段階でございます。具体的には、ただいま政務次官会議で関係政務次官がお集まりいただきまして、この十月以来数回会合を重ねておられるわけでございます。ただ、問題が非常に複雑でございますので、各省間の意見の対立もまだ解けておりませんし、具体的な方向を打ち出すところまではまだいっておられないようでございますけれども、極力事務レベルにおきましても努力してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/48
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049・峯山昭範
○峯山昭範君 では私はこれで質問終わりますけれども、大臣、この問題はやっぱり前々から何回も議論になっております。しかも、いま局長おっしゃったように問題が複雑だと、こういう話、確かに複雑なんです。複雑であればあるほど、これは行政管理庁がやっぱり乗り出していってちゃんとしないと解決しないと思うんです。しかも、次の通常国会をめどにという話でしたが、この点もあわせて、これはたびたびこういうふうな、いつをめどにいつをめどにというように何回か約束をしておるわけです。次の通常国会をめどにというのは今度は間違いないのかどうか、これもあわせて大臣のきちっとした答弁をいただいて私の質問を終わりたいと思うんですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/49
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050・松澤雄藏
○国務大臣(松澤雄藏君) ただいま私どもの方から御答弁申し上げましたとおりでございますが、現実の問題として、従来何百名であろうとも決定するような場合はもっと早目に決定しておったのじゃないか。すでに予算関係においては本問題等が通過しておるような現況でもあるし、いまさらこれをやめろと言ったところでやめられるものでもなかろうと思う。そういう点から、早目にやればよかったものを今日の段階、すでに十二月に入った段階において三百二十五名というものを増員したというふうなことはまことにけしからぬではないかというふうな意見を、私から閣議に、直後でございましたがすでに申し上げておったとおりでございます。これに対しまして総理大臣みずからも、何とかして次回においては、いわば昭和五十一年度においては極力それを決めるようにしたいから御了承を賜りたいと言わんばかりの態度でございましたので、私もその場は引いてまいったのでございますが、確かにいまのお話のように、現実の問題として、そのような問題でございまするだけに確実な回答というものははっきり私たち自体の手においてなしに得るものではないだけに、特にそのときには、自治大臣がその衝に当ってやってもらいたいということを私自体が申し上げたほどでございますので、自治大臣は真剣になってやっていきたいと、真剣になってやっていきたいとあなたは言うけれども、あなたの方で提案した問題じゃなかったのかというふうなことまでつけ加えて申し上げたほどでございますので、いま私の方で御答弁申し上げたように、確実なものとしては言い得ないにいたしましても、来年度においては極力地方事務官というものの定員増は慎重にいたしたいという気持ちでおることは現実でございますので、さように御了承を賜りたいと、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/50
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051・太田淳夫
○太田淳夫君 私は、今回の許認可の整理に関する法律の審査に当たりまして、二、三の点について質問したいと思います。特に今回、都市計画法とか、あるいは住宅金融公庫法とか、住宅地区改良法とか、住宅問題に関連する法律の制度がありますので、それに関連して住宅問題について質問したいと思います。
初めに長官にお尋ねしたいんですが、国民の住宅の状況というのはどうなっているのか、現在どのような調査を行っているか、それがどのような監察を行う予定を持っていられるか、その点ちょっとお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/51
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052・鈴木博
○政府委員(鈴木博君) お答え申し上げます。
過去におきまして住宅に関する行政監察は二回ほどいたしておりますが、第一回は勧告を四十年七月に行いました。第二回が四十六年二月に行いました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/52
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053・太田淳夫
○太田淳夫君 特に最近、住宅公団、公営住宅等で、せっかく建築はされましたけれども、入居者が集まらない団地であるとか、あるいは公害のために入れない団地であるとか、あるいは水が出ないために使えない団地、そういうのが問題になりました。それらについてもどのような監察結果かお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/53
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054・鈴木博
○政府委員(鈴木博君) ただいま御指摘のございました点、災害と関連しての住宅の実情につきましては、現在までのところまだ調査はいたしておりませんが、今後建設省等とも、十分事情等を聞きましてどういうふうにするかということも考えていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/54
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055・太田淳夫
○太田淳夫君 そうしますと、やる予定があるわけですね、今後。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/55
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056・鈴木博
○政府委員(鈴木博君) 第一次責任行政官庁の方の実情、実態を把握いたしておりますその実情等を私ども調べました上で判断してまいりたいと存じます。といいますのは、第一次責任官庁であります建設省等が、どのような態度なり方針なりでこの問題に臨んでいるかということを一応確認した上で行政監察するかどうかという点を判断いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/56
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057・太田淳夫
○太田淳夫君 そうしますと、その確認の作業はいつごろまでにやる予定ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/57
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058・鈴木博
○政府委員(鈴木博君) 年内にでも、建設省の方の考えなりあるいは実情なりというものをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/58
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059・太田淳夫
○太田淳夫君 その結果は公表されるのか、どのようなお考えを持っておられるかちょっとお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/59
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060・鈴木博
○政府委員(鈴木博君) 現在のところ、まだその事情を把握いたしておりません関係上、この席でもって、どうするか、行政監察するか、するとすればいつごろになるか、あるいは調査にとどめるかというようなことは、今後の問題としてひとつ余裕をお与えいただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/60
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061・太田淳夫
○太田淳夫君 それでは、私どもで調査しました具体的な問題を一つお話ししたいと思いますが、住宅公団お見えになっていますね。
まず、北区の豊島五丁目団地の土地の取得のいきさつ、あるいは団地建設の経緯というものを説明していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/61
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062・上野誠朗
○参考人(上野誠朗君) 北区にございます豊島五丁目団地と私ども言っておりますが、元日産化学の工場の跡地でございますが、この団地は四十三年から四十四年の九月にかけまして約五万坪の土地を買収いたしまして、そこに四十五年、四十六年度事業といたしまして、千九百五十九戸の住宅を建設いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/62
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063・太田淳夫
○太田淳夫君 豊島五丁目団地は日産化学の土地を取得されたわけですね。この日産化学という会社は何を製造されていたのかちょっとお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/63
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064・上野誠朗
○参考人(上野誠朗君) 硫酸、化学肥料、農薬、そういったような関係でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/64
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065・太田淳夫
○太田淳夫君 この団地で最近問題が起こっております。そのことは御承知でございますね。どのような問題ありましたかお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/65
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066・川口京村
○参考人(川口京村君) 最近、北区の方で土壌調査いたしました結果、水銀が相当量出てきたと、そういう問題がございまして、入居している方に相当不安を与えたと、そういうことが十月にございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/66
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067・太田淳夫
○太田淳夫君 いま水銀が出てきたというお話ですが、私たち調査しましたが、水銀ばかりじゃなく砒素も検出されているということです。ちょっとここでお話ししますけれども、たとえば表土と、それからダスト舗装されている場所がございますが、代表的なものをちょっと申し上げますと、豊島北中学校、ここでは鉛が一七六三PPm、全水銀が一三・四PPm、砒素が三〇三PPm。豊島西小学校の校庭では鉛が二一〇二PPm、全水銀が一四・六PPm、砒素が二一二八PPm。豊島東小学校、これは二カ所ですが、一カ所では鉛が三〇八、全水銀が二・六六、砒素が六五、もう一カ所では鉛が九九三、全水銀が二・三〇、砒素が六一・一と、このような状態です。また団地内の芝地では、三カ所これは調べましたけれども、それぞれ鉛、全水銀、砒素の順で申し上げますと、一カ所では四八四、七・五三七、五九・五、もう一カ所では五一・四、鉛が。水銀が〇・八一、砒素が二七・八、もう一カ所では鉛が七四・八、水銀が二・〇八、砒素が一四・五と、これは表土の部分ですね。その表土から一メートル下の部分でも、ひどいところでは、豊島西小学校の校庭では鉛が七一五六PPm、水銀が一七・八PPm、砒素が二八八PPm、こういう状態です。またダスト舗装されている場所におきましても、これは豊島西小学校、鉛が一二〇PPm、それから水銀が四九・八PPm、砒素が三二・五PPm。豊島東保育園、鉛が八六・二PPm、それから水銀が〇・四六、砒素が二五・一。東豊島公園芝生公園ですが、これは鉛が一四七、水銀が一・五〇、砒素が二六・三。団地内の二号棟の東側の遊び場におきましては、これは鉛が六二六、水銀が五・七六二、砒素が三三・七、こういう状況です。非常にこういった有毒物質がほかにもたくさんございますけれども、考えてみると恐るべきこういった数字で発見されているわけですけれども、確かにいま公団側のおっしゃったように住民は非常な不安に陥っております。そこで、公団はこの点につきまして調査されたかどうか、それをちょっとお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/67
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068・川口京村
○参考人(川口京村君) 北区の調査とあわせまして公団においても調査いたしました。で、いまの数字はたしか北区に移管いたしました小中学校あるいは公園の数値だと思います。それで公団におきましても、公団の所管しております地点を調査いたしまして、いま先生がおっしゃいましたと似たような数字が検出されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/68
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069・太田淳夫
○太田淳夫君 公団はその調査の結果をいまお持ちですね、公団側として調査した結果を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/69
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070・川口京村
○参考人(川口京村君) 現在手元にございます。申し上げますか。−公団側の調査いたしました点につきましては、まず鉛につきましては平均して約一〇〇〇PPmです。最高が二九一二になっております。全水銀が平均して六、最高が一二・四九でございます。それから砒素が平均三〇〇、最一局が六五二・三。それから亜鉛が七〇〇、これは平均でございます。最高が一八六〇。それからマンガンが平均八〇〇、最高が三八五八。それから全クロムが平均六〇、最高が一〇〇・六でございます。それからカドミウムが平均五、最高が一二・二。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/70
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071・太田淳夫
○太田淳夫君 まあそういう状況で非常に大変な数字になっておるわけでございますが、公団が調査されたのはどの部分ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/71
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072・川口京村
○参考人(川口京村君) 場所を申し上げますと、一号棟東側遊び場、これはダスト舗装でございます。それから二号棟東側遊び場、これはダスト舗装のところです。それから三号棟南側遊び場、その次が五号棟東側遊び場、それから八号棟東側遊び場、それから十号棟南側遊び場。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/72
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073・太田淳夫
○太田淳夫君 そうしますと、学校用地については公団としては調査をされたのかされないのかお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/73
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074・川口京村
○参考人(川口京村君) 学校用地は直接公団では調査しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/74
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075・太田淳夫
○太田淳夫君 しかし、この学校の用地についても、公団が取得をして区に譲渡をしたんじゃないですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/75
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076・川口京村
○参考人(川口京村君) この問題が起きましたのが譲渡して後からでございますので、区の方の現在所有地になっておりますので区で調査をすると。これは区と打ち合わせまして公団の調査する場所、それから区の調査する場所と分けてやりまして、ただ、調査する機関につきましては区と同じ機関にお願いしてやっております。そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/76
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077・太田淳夫
○太田淳夫君 そうすると、すでに譲渡済みの土地であるから公団としては検査しない、区に全部任したということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/77
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078・川口京村
○参考人(川口京村君) そう形式的に考えたわけではございませんで、ただ調査をするということにつきましては、それぞれの持ち分を相談して行ったと、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/78
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079・太田淳夫
○太田淳夫君 しかし、学校用地としてその土地が適当であるかどうかということを判断して提供したのは公団側ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/79
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080・川口京村
○参考人(川口京村君) まあこれは当然区と相談いたしまして、希望のところを相談してお譲りしたわけでございます。ただ、だから公団に全然責任がないとか、そういうこととは別問題でございまして、ただ公団が言ったからと、一方的に区に提供したというわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/80
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081・太田淳夫
○太田淳夫君 そうすると、北区の調査結果も公団ではつかんでおるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/81
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082・川口京村
○参考人(川口京村君) 北区から報告を受けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/82
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083・太田淳夫
○太田淳夫君 そこで、表土の中で、先ほどもちょっと私の方も発表しましたし、公団の方からもデータも発表されましたけれども、一番有毒物質の多い場所というのはどこですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/83
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084・川口京村
○参考人(川口京村君) これは、公団のいま調査いたしました範囲におきましては、先ほどの最高値のところを申し上げますと、鉛につきましては一号棟東側遊び場でございます。それから全水銀につきましては十号棟南側遊び場、それから砒素につきましては一号棟東側遊び場、それから亜鉛につきましては八号棟東側遊び場、それからマンガンにつきましては五号棟東側遊び場、全クロムについては八号棟の東側の遊び場、それから同じくカドミウムについては八号棟東側遊び場、いずれもこの最高値というのは表土ではございませんで、地表から一メーター下の部分でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/84
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085・太田淳夫
○太田淳夫君 そうすると、地表の一メーター下でもそういったデータ、すごいデータがあるわけですね。で、その小学校の校庭については区は調査したわけですけれども、その区側のデータをいまお持でございますか。校庭で一番含有量の高いところをちょっと言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/85
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086・川口京村
○参考人(川口京村君) 区側のデータ、ここにございますが、それによりますと、豊島西小学校ナンバー1という地点なんでございます。これははっきりどの地点かよくわかりませんが、そこにおきましては全水銀が七七九PPmとなっております。それからあと数値の多いのが鉛というのが、これは間違いました。保育園の方です。小学校の方で注目すべきなのはいまの全水銀の七七九というのがございます。それから砒素が一つございます。これが同じナンバー1の地点で一六〇一、それから鉛につきましては小学校のところではナンバー2のところに七一五六という数値が出ております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/86
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087・太田淳夫
○太田淳夫君 そうしますと、かなり校庭とか遊び場とか、一番子供たちが遊び戯れるところがそういった危険な物質が非常に多いということですね。まだ建設以来三年でございますので、いろんなそういった被害の発生というものはありませんけれども、しかし、そのような有毒物質が地表に異常な露出をしている場所もあります。非常に住民というのは不安におののいておるわけでございます。そういった土地を取得して住宅を建設した、あるいは学校用地として提供してきた、その公団の当局として、現在その土地について、果たして住宅適地であったかどうか、その点をどのような認識を持っておるか、ひとつお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/87
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088・川口京村
○参考人(川口京村君) まあ非常にむずかしい問題でございまして、確かにいまの数値につきましては、基準はございませんけれども相当量多いと思われるわけです。それで、公団といたしましては、環境庁の水質保全局なり土壌農薬課あるいは区の公害課なり都の公害委員会等にいろいろ問い合わしておるわけでございますけれども、現在人体にどの程度の影響を及ぼすか、あるいは許容限界について、はっきりした数字なりはいただいておらないというのが現状でございます。そういうことから、まあ果たして適地であったかなかったかという判断はいまのところはよくわからないわけです。また、これが今後、たとえば上にアスファルトを張るなりしておさまるものかどうなのかという点もはっきりいたしませんので、まあ適地であったかどうかという判断につきましては、現在はついておらないというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/88
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089・太田淳夫
○太田淳夫君 しかし、いまいろいろ六価クロムのことで問題になっております。それと軌を一にしてこういった問題が起きたわけでございますが、現在のそういった状況を踏まえて、まあ基準はないといまおっしゃった。いろいろと連絡とり合っているということもお話ありましたけれども、その日産化学というのは、先ほどお話があったように硫酸であるとか、そういう劇薬をつくっております。で、確かにそういった有毒物質が廃棄物としてそこに廃棄されていたということも前からわかってみえると思いますけれども、そういうところに住宅を建てた、あるいは学校用地として提供した。特に一番ひどいところ、いろんな廃棄物が一番捨てられたところを小学校の用地として割り当てたんじゃないかというようなことも言われておりますが、そこでいろいろ考えてみますと、公団当局として、もう一度現在の土地が住宅適地であるかどうか、そこをちょっとお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/89
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090・川口京村
○参考人(川口京村君) 現在は区と打ち合わせしておりまして、さらに重点的に調査を続行していきたいと思っております。それから、区なり都の公害局の指導を受けてとりあえずの措置というものをやっていきたいと思います。
それから、現在調査いたしましたのは土壌調査だけではございませんで、区の方では中学校の生徒の健康診断を行っております。それから公団の方では貯水槽なり水質検査等を行っておりまして、そういうことで対処していきたい。なお国の方なり都なりの指導方針が出ましたならばそれに従って措置していきたい、そういうふうに考えておるわけです。ですから、住宅地として適当であったかどうかと、こういう不安を与えたということからは反省しなきゃならないと思われるんですが、これがどの程度の人体に影響あるかという点につきましてはいま少し時間が必要ではないかと、そういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/90
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091・太田淳夫
○太田淳夫君 私は、こういう土地というのは住宅に適当な土地ではないと、このように思います。確かにそこに住んでいる人たちが非常な不安におびえているということをとってみても、もう適地じゃないとはっきり言えると思います。この公団の団地の募集の中にも、「この団地の周辺には化学工場、製鋼工場あるいは石油貯蔵所あるいは都の清掃作業所等があり、臭気、騒音、煙等の影響を受けることがありますので御了承ください。」と、こういうことがありますけれども、現在あらわれてきたような有害物質のことについてはこのときには触れてなかった。しかし、いまこうして、特に学校の用地であるとかあるいは子供さんの遊び場所にこのような有毒物質が非常に含有されている。もしもこういうことで将来にかけて、いろんな人体に影響あらわれてくるということもいまわからぬとおっしゃった、実際には基準がないしわからぬというお話でございますけれども、そういう点から見ても私は適当な土地じゃなかったと、このように思うわけですけれども、もう一度答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/91
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092・川口京村
○参考人(川口京村君) 非常に不安を与えたという意味からすれば、不適当ではあったと思われると思われるんですが、結局、直接はだに触れるということを防げば、どの程度影響があるかという点につきましては、環境庁その他にいろいろ問い合わしておるわけですけれども、まあ確たる御返事を得られないというのが現状でございまして、そういう点からいきまして、われわれとしてはどう判断してよいか、現在は判断下せないというのが状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/92
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093・太田淳夫
○太田淳夫君 ですから、まあ土地が非常に入手できない。したがって、こういうところに建てられるということも公団としてのそのお気持ちもわかりますけれども、しかし、そういう有害物質があることによって不安におののき、そして生命の危険というものにおびえなきゃならないような、そういうような中で人が暮らさなきゃならないということは、これは基本的に問題があるんじゃないかと思うんです。公団としても、そういう団地を建てる場合にはいろんな基本的な考えお持ちでしょう。その中に快適な環境をつくるということが含まれているんじゃないですか。
そうしますと、そういった地表における有毒物質の、たとえば東京都における平均の値というのはどの程度であるか、御承知ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/93
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094・川口京村
○参考人(川口京村君) 東京都の土中にどういう含有量が普通であるかというのは存じませんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/94
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095・太田淳夫
○太田淳夫君 まあ私たちの調べによりますと、東京都の平均値というのは、鉛では七六PPm、水銀では〇・三六PPm、砒素では三・五四PPmと、これが大体東京都の表土の平均値ですが、これから比べてみても非常にこれは高い含有度になっているわけです。それさえ知らないということは本当にどうかしているんじゃないか、このように私思うわけです。
それでは、この土地の取得について、その金額というのはどのくらいだったか、ちょっとお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/95
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096・上野誠朗
○参考人(上野誠朗君) 当時、四十四年当時で平米当たり二万五千七百円で買収いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/96
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097・太田淳夫
○太田淳夫君 総額ですと幾らになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/97
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098・上野誠朗
○参考人(上野誠朗君) 約四十億になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/98
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099・太田淳夫
○太田淳夫君 四十億というお金は、これは国民のお金で購入されたわけですが、それだけの国民のお金を使っていて、そこに住んでいる人たちがいま言った非常な不安におびえるような環境にあって、そのまま放置していいのかどうかということですが、これは問題だと思います。公団としては、今後どのように具体的に対処されるか、明確に答弁してもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/99
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100・川口京村
○参考人(川口京村君) 一応、区と、それから公団で先ほどお話のありましたような調査をいたしましたのですが、さらに現在区と打ち合せ中でございますが、重点的に調査をいたしたいと思っております。それから、とりあえずの措置につきましても、区なり都の指導を受けて覆土をふやすなりアスファルトを敷くなりやっていきたい。それから、根本的な問題につきましてはなお専門家の結論を待って対処していきたいと思っております。それから水質につきましては、これは水道が入っておるわけですけれども、公団の団地は一回水をためてから配給するものですから、そういう点を考慮いたしまして、少なくとも年に二回水質検査を常時これから行って、まあ口に入るものですから、そういうことを行って万全を期していきたいと、そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/100
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101・太田淳夫
○太田淳夫君 そうしますと、そういった方面の専門家を一応集めて、そういうプロジェクトチームをつくって、その対策について徹底的に協議をして、実態調査を行いながら水質の面もあるいはPPmの地表の漸減を図っていく、そういう構想を持ってみえるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/101
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102・川口京村
○参考人(川口京村君) 特に公団で組織をつくるという考えは現在のところではございませんが、幸いに都の方で公害局の方に委員会がございまして、そこに専門の先生方が集まっておられるわけです。その先生方の御意見を伺って対処していきたい、そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/102
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103・太田淳夫
○太田淳夫君 これは公団の能力以外の問題もあると思いますけれども、やはり私考えますには、それは都とかあるいは区にいろいろと任しておかれるということも方法かもしれませんけれども、やはりこの土地を購入して、そして団地を建設されたのは公団だと思うんです。公団ですね。したがって、公団もこれは重大な責任があると思うんです。東京都にそういうものがあるというお話だけじゃなくて、公団としても何かしらの積極的なそういった姿勢というものを示さなければ、団地の住民たちがこれでは安心できないんじゃないか、このように思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/103
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104・川口京村
○参考人(川口京村君) ですから、先ほど申し上げましたように、手をこまねいて結論を待っているということではございませんで、そういう専門家の意見を公団の方から聞きに行って、その御意見によって措置していきたい、そういうふうに申し上げているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/104
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105・太田淳夫
○太田淳夫君 それでは、環境庁の方にちょっとお聞きしますが、先ほど公団の方から、環境庁にもいろいろとお聞きをしている、しかし基準がない、基準が決まれば適地であったかどうかということも判断できるというお話がありましたけれども、環境庁の方としてはどうでしょうか。そういった表土の中に含まれている有害物質について、それが住宅適地であるかどうかということの環境基準というものはつくれるかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/105
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106・荒木昭一
○説明員(荒木昭一君) 土壌の環境基準につきましては、土壌の汚染と人の健康との関係で考えてみますと、土壌の組成とか機能でありますとか、それから土地の位置、形状でありますとか、土地利用の態様がさまざまであるとか、非常に複雑でございまして、一律に基準をつくるというのが非常に困難な問題でございます。しかしながら、先生の御指摘のように、やはり土壌について環境基準をつくるといいますのは、やはり環境保全行政上も重要な問題だと考えておりますので、いままでの科学的な知見をいろいろ集成したり、あるいは考え方を整理いたしまして検討してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/106
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107・峯山昭範
○峯山昭範君 関連して。
私、ちょっといまお伺いしておりまして、環境庁のいまの問題も非常に重要な問題だと思うんですが、先ほどから公団の方からもずいぶんいろいろ話が行っているようですが、もう少しやっぱり積極的に具体的に結論を出していただかないと、先ほどから出てまいりました鉛にしましても、これは最高二九一二PPmです。それから砒素にいたしましても六五二PPmなんて出ていますね。こういうふうな、すべての重金属がこういうふうに重大にあらわれてくるということは非常に大きな問題だと私思うんですね。やっぱり環境庁としても、もっと本格的にこういう問題に取り組んで早急に結論を出さないと、現実にそこへ住んでいる人たちの立場からすれば、これは重要な問題だと私思うんです。これは実際具体的に何かやっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/107
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108・荒木昭一
○説明員(荒木昭一君) 私どもといたしましては、現在、都道府県が環境調査をいろいろやっておりまして、そういった結果について、それからまた、環境庁でも微量重金属につきましてのいろんな影響調査をやっておりますし、そういった調査結果を踏まえて検討してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/108
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109・峯山昭範
○峯山昭範君 そんな抽象的なことじゃなくて、これは北区の豊島のこういうようなのが具体的に出ているわけですね。これは要するに先ほどお話がございましたように、小学校の校庭で水銀が七七九PPm、砒素一六〇一PPm、鉛が七一五六PPmというふうに具体的に出てきているわけです。しかも、先ほど公団の方からも発表がありましたように、遊び場の方も、これは鉛が二一〇二PPmとか、相当大量の重金属が出てきているわけです。遊び場並びに校庭というような、非常に子供さんがいわゆる遊ぶ場所ですね、これはやっぱり具体的にこの問題に取り組んでいるんですか、環境庁どうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/109
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110・西村純幸
○説明員(西村純幸君) いま住宅公団の豊島団地の問題が指摘されているわけでございますけれども、それに先立ちまして、六価クロム問題で大きな社会問題になったわけでございます。この土壌の汚染の原因といたしましてはいろいろありますのですけれども、六価クロム問題、先般問題になりましたそれは、産業廃棄物の処分自体の問題でございます。それで、産業廃棄物に関しましては、四十六年の九月から現行の廃棄物処理清掃法が施行されまして、それ以降の分につきましては適正な規制をやっているわけでございます。それ以前のものにつきましては適正でないものがかなりあった。そういうような経緯がございまして、それでそういうような問題を契機といたしまして重金属による——重金属の中でも有害物質による土壌汚染の問題につきまして、いろいろ調査をやり検討しておりますですけれども、さしあたりましては、現行の廃棄物処理清掃法の施行令に基づきまする廃棄物の基準がございますが、それを参考にしてよろしかろうかと当面考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/110
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111・峯山昭範
○峯山昭範君 もっと具体的に、きちっと答弁してもらいたいですね。豊島のこの問題について取り組んでいるのかと聞いているのです。現実に住宅公団から連絡があったでしょう。連絡があったんですか。住宅公団からの連絡、聞いているのですか、これ。具体的にこれだけ重金属が出てきて問題になっているわけです。環境庁は何かやっているのか、取り組んでいるのかと言うのです。何か対策を講じようとしているのか、まだ何もしていないのか、どっちなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/111
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112・荒木昭一
○説明員(荒木昭一君) 先生の御指摘の点につきましては、住宅公団の方からデータ等いただきまして検討をしておるわけでございますけれども、住宅公団からのデータは、重金属につきましてすべてトータルの形で、全水銀あるいは全鉛という形で出ておりまして、私どもが環境への影響を検討する場合に一番問題になりますのは、そういった重金属について可溶性であるかどうかという点でございまして、もし水に溶けるような形であれば、それが一面では地下に浸透しまして地下水を汚染し、公共用水域に汚濁を生じるとか、それから、あるいは植物に吸われて阻害を起こすとか、こういう問題が可溶性の場合には非常に問題になろうかと思います。しかしながら、今回の調査結果ではトータルの形で出ておりまして、その辺がどうにも判断がつかなかったわけでございます。で、一方、産業廃棄物の関係の方で有害かどうかという判定を下す場合に、いま施行令の方で、たとえて申し上げますと、六価クロムでありますと、クロム質の鉱滓なら鉱滓を水で浸出いたしまして、その中に六価クロムが一・五PPm以上ある場合には有害である、こういうふうな判定基準がございまして、もし水に溶けるような形での検討がされておれば、そういった廃棄物の場合の有害かどうかという判定基準に照らしましてどうかという判定もある程度できるのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/112
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113・峯山昭範
○峯山昭範君 どうしてそんなにピント外れな答弁をするの。要するに、可溶性であるかどうかなんということについては、これは皆さんが調べればわかることで、全水銀とか全鉛とかいう、そういう形で一応これは調査結果が出ておりますね。クロムについても平均六〇、最高で一〇〇PPmというのが出ているわけですね。これはもちろん全クロムですから、六価クロムであるか何価クロムであるかわかりません。実際問題わかりませんが、六価クロムの場合一・五PPmでもこれはえらいこっちゃということになっているわけです、現実に。現実にこういうふうな結果が出ても、あなた方の答弁を聞いておると何もやっていないんじゃないですか、結局は。住宅公団も環境庁にお願いしているみたいですけれども、環境庁は何もやっていないですよ。やっぱりこれは両方とも役所が本格的に取り組んでいただかないと——これはもっと大臣かなんか出てきていただいてきちっと答弁していただかないといけませんよ。もうちょっとこういうような問題については、それが水溶性であるかどうか、可溶性であるかどうか、そんなことは私は専門じゃありませんからわかりませんが、全水銀にしたってですよ、それは有機水銀でなくったって、無機水銀であったって有機に変わるということはあるわけですから、現実に。水俣病だってみなそうでしょう。そういう点から考えてみても、やっぱりこれだけの水銀が出ているわけです。大変なことですよ、実際問題。そういう認識を持って、やっぱりこういうような問題については、行政自体が六価クロムのことで忙しいのかもしれませんが、これはこれなりにきちっと取り組んでいただかないといけません。そこら辺のところ、まだ現在は取り組んでいないんだろうと、私は皆さん方の答弁を聞いているとそういう感じがしてなりませんけれども、今後この問題については、これだけ具体的に出ているわけです。その調査結果についても住宅公団から先ほど発表がありましたように具体的に出ておるわけです。それは、いま直ちにそれが私は住宅の適地であるかないか、そんな判断は結構です。しかしながら、これだけの重金属が出てきて、有害物質が出てきて、人体に影響を与えるんじゃないかという不信が持たれているわけですから、やっぱり環境庁としては、これは本格的に取り組んでいただきたいと思うんですがどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/113
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114・西村純幸
○説明員(西村純幸君) 確かに非常に重要な問題だと思います。さらによく実情等調査し、あるいは聞きまして、真剣に対策を講じてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/114
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115・峯山昭範
○峯山昭範君 これは住宅公団からの報告が簡単な報告でいけなかったかもしれませんが、いずれにしても住宅公団からもう少し具体的に事情を聞いて、そうして積極的にやっぱり取り組んでいただきたいと思います。
それから住宅公団の方も、これはもう少し有害物質という問題について一今度六価クロムの問題も出てきているわけですから、やっぱり本格的に取り組んで、政府の方に対してももっと積極的に、私たちはやっているのだけれども、どうも政府がやってくれないということもあるのかもわかりませんが、やはり公団そのものが積極的に取り組んでいただかないと、これは問題が解決しません。したがって、この問題については、特に有害物質に対する対策に今後具体的に取り組んでいただきたいというのがまず第一点。
それから第二点としまして、今後こういう問題については非常にこれは尾を引く問題であります。特に、この補償問題等も出てまいりますが、こういうような問題については住宅公団はどうお考えか、これが第二点。
それから第三点としまして、少なくとも豊島のこの問題については、これは平米二万五千七百円で総額四十億で買収されたそうですが、買収される時点でこれらの重金属が含まれているということを住宅公団は知っておったのかどうか、この点明らかにしていただきたい。
それから先ほど理事の答弁の中で、特に水の問題が答弁にございました。公団は一個所にためておってその水を使っている、したがってその水の検査は年二回常時やるとあなたは答弁になりました。年二回やるというのと常時やるというのはだいぶ違うわけですね。年二回毎年やるという意味なのか、毎日ずっと続けてやっているということなのか、これはどうなんですか。こういう点、あわせて御答弁いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/115
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116・川口京村
○参考人(川口京村君) 第一点の今後の問題でございますが、これは区なり都なり環境庁とよく相談して対処していきたい、そういうふうに考えております。
それから、こういう重金属なり有害物質が含まれておるということは、買収時にはうかつではございましたけれども、公団は全然それを知らなかったわけです。
それから、先ほどの水質検査でございますが、これはちょっと言葉があいまいでしたが、年二回毎年行っていくと、そういう意味でございます。
それからもう一つ忘れましたが、補償の問題につきましては、現在、当然売り主である日産化学に要求すべきかどうか、これは検討中でございまして、まだ結論は出ておりません。ということは、これの補完措置がどの程度必要なのかどうか、そういう点がまだはっきりいたしませんので、いわゆる結論が出ていないと、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/116
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117・峯山昭範
○峯山昭範君 最後に私申し上げておきますが、特にこういう問題はやっぱり早急に環境庁の方とも積極的に打ち合わせをして、人体にどういう影響があるか、どういう補完措置をすべきであるか、早急に結論を出すようにしていただきたいと思います。
それから、先ほどの水の問題についても、一般の何もないところは、これは年二回の検査でも私はいいと思うのですが、こういう問題になったところは検査回数をふやすとか、そういうふうな、住民のいわゆる安全ということを守るために住宅公団として何らかの行動を起こすべきではないか、こういうぐあいに思うのですがね。こういう点についても一遍後で御答弁をいただきたい。
それからもう一点、最近の公団家賃は非常に高い。担当であるかどうかわかりませんが、非常に高いという声がたびたび入ってくる。とてもじゃないけれどもあんな高い家賃じゃ入れない。もう少し安くできないかという問題があるわけです。私たち質問いたしておりましても、こういうふうな公害対策とか、そういういろいろな問題の費用がかさんできましょうから、そういう問題と絡み合わせると逆に私たちが言っていることが矛盾するわけでありますけれども、しかしながら、公団で安く住居を提供するということは私非常に大事なことだと思います。そこで、公団は家賃を安くするための対策というものは何か考えているのかどうか、日ごろから安い家をつくる、安いから安物だというのじゃ困るのですけれども、そういうふうな意味で、何といいますか、安い住宅、安くて住みやすい家を提供する、こういうことについて努力はしていらっしゃるのかどうか、私住宅公団に余り質問したことございませんので、こういうことを一遍ちょっと聞いておきたいと思うのです。いかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/117
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118・川口京村
○参考人(川口京村君) 家賃の問題でございますけれども、現在土地の方の値段は横ばいないし下がりぎみでございますが、石油ショック以来建築費が倍に上がっております。それから、最近公団住宅が狭いという評判がございまして、ことしから全住宅は原則として三DK以上というふうに規模の拡大をやっております。いずれもこれが家賃にはね返ってまいりまして、おっしゃるとおり高額になってきているわけです。ただ、これを歴史的に見ますと、大体公団の家賃といいますのが、所得階層でいきますと三分位の中等位というところを目安にしております。それで公団発足以来、その年の家賃、平均家賃でございますが、それと、それから総理府統計による貯蓄動向なりあるいは都市勤労者の所得の中に占める割合をたどっていきますと、大体二十年間のうちに一五、六%のところをずっと推移してきているわけです。ただ石油ショックによりまして非常に家賃が高額になりましたので、現在は傾斜家賃制度というのを採用しております。これは七年ないし十年間家賃を原価より下げまして、それで毎年五、六%ずつ上がっていくというようにいたしまして、何とかその一五、六%という数字は確保しているわけでございます。そういう点が一つございます。
それからもう一つ、家賃軽減の努力でございますが、土地についてはできるだけ安く手に入れるように努力はするわけですけれども、やはり交通が不便だとか、いろいろ問題がございましてそこら辺が思うようにいかないわけです。それから、建築費につきましては、技術の合理化なりあるいはユニット化なり大量生産によるメリットは相当できておると思います。いわゆる民間マンションなり民間の鉄筋建築と比べて公団の単価は格安になっております。そういう努力は行っております。
それから、もう一つ問題になりますのが、現在、公団の団地ができますと、地元市町村なり区なりに相当財政負担をおかけすることになります。その最も大きいのが小学校とか中学校の費用でございます。そういう点につきましては、関係各省の方から予算要求をしてもらいまして、立てかえ制度なり無利子据え置き期間なり、あるいは国の方からの補助なりをふやしていただくように努力しておりまして、最近少しずつその成果が上がってきておる、そういう状態でございます。
それから、家賃の回収利息が現在一律五%になっておりますが、来年度予算要求の中には、この豊島五丁目のようなああいう面開発というもの、あるいは市街地住宅というような非常に地価の高いところにつきましては、年利率の五分の回収を四分七厘なり四分一厘に下げていただくように、そういう要求をしておるわけでございます。そういう努力を重ねてはおると、そういうことでございます。
それから、水の検査につきましては、これは区の公害課と打ち合わせいたしまして、年二回で十分であろうという結論のもとに年二回としておるのでございまして、私も素人でございますけれども、専門家の意見でそうなっておりますので、これでいいのではないかと、そういうふうに判断しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/118
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119・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 午前の質疑はこの程度にとどめまして、暫時休憩し、午後一時十分に再開します。
午後零時三十一分休憩
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午後一時二十三分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/119
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120・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
午前に引き続き、許可、認可等の整理に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/120
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121・中村太郎
○中村太郎君 最初に、靖国神社に対する天皇陛下の御訪問、参拝、これに関連しまして一、二お伺いしておきたいと思います。
御承知のとおり、靖国神社に対しましてはいろんな御意見があります。宗教法人であるとかないとか、あるいはまた、これが憲法違反であるとかないとか言われておるんですが、このことは別におきまして、ただ、考えますことは、一般の国民はそのようなことは考えていない、あるいはこだわっていないと私どもは承知をいたしておるわけでございます。もともと日本という国は、非常に昔から、国のために殉じた、あるいは国を守り育てる、そういうことのために働いてきた人たちを祭るという、とうとぶという、そういうことを自然の習性として培われてきたと思うんです。したがって、靖国神社に対しましてもきわめて素直に、殉国の士を国家の手で公に祭るということはあたりまえではないか、当然ではないかという考え方が強いわけであります。したがって、いささか古いのですけれども、昭和四十二年の朝日新聞の世論調査を見ましても、国民の八〇%以上が国家護持を何の抵抗もなく支持しておると、こういうことにも言われておるわけでございます。事実、私どもが靖国神社に参りましても、これが戦争につながるとか、軍国主義だとか、毛頭考えません。心から祖国の英霊を弔いたいという気持ちと、もう一つは、そのためにも再び戦争をなからしめんがための努力を誓うと、これが本当の祈りの気持ちであるわけでございます。したがって、天皇陛下の靖国神社参拝もそういう国民感情、素朴な、素直な国民感情をやっぱり背景としてとらえていかなきゃならぬというふうに私どもは承知をいたしておるわけでございます。ところがなかなか、自由な社会でございますからいろんな御意見があります。たとえば、天皇陛下が仮に私的であってもたびたび靖国神社に参られると、これはまあいわゆる天皇制の復活だとか、天皇への忠誠心がまた復活する、天皇と臣下との関係が出て平等性が失われる、あるいはまた、宗教の自由が失われる、宗教が禁じられて、その結果は戦争主義あるいは侵略主義、軍国主義に舞い戻っていくんではないかというような御意見があるわけでございますけれども、こういう意見に対しましては、宮内庁自身が一体どのように受けとめておられますか、第一点お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/121
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122・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) ただいまお尋ねの天皇陛下が先日靖国神社に御参拝になられた件に関しましてお答えを申し上げます。
本年の春に、靖国神社から口頭で終戦三十年につき御参拝願いたい、こういう申し出がございました。で、昭和四十年の十月には、ちょうど終戦二十年ということで御参拝になっておられる経緯もあって、今回私的なお立場で御参拝になられたわけでございます。陛下はいつも、この戦いに行って没せられた、あるいは戦争の犠牲になられたというような方々のことを思いまして胸が痛むというようなことを常々おっしゃておられるわけであります。そういう非常に自然なお気持ちからお参りになられたものと推察をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/122
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123・中村太郎
○中村太郎君 この間の十一月二十一日でございますか、靖国神社の参拝に対しましてもいろんな意見がありました。たとえば、いま天皇陛下が靖国神社に参られると、政略的な目的とかあるいは政治的な目的に利用されるのだからおよしなさい、そういうことを宮内庁は進言しないかというような意見もあったように私は承知をいたしておるわけでございますけれども、果たしてあの二十一日の参拝が、いまの現状からながめまして政治判断に利用されたのか、されるような雰囲気にあったのかどうか、この辺の判断は一体どうなんでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/123
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124・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) あの日にお参りになられましたということについては、陛下の御日程の御都合から決まったものであるということを当委員会でもお答え申し上げたわけでございますが、そういう意味で、特別な理由ということではなく、いま先ほども申し上げましたように、純粋に私人のお立場での御参拝であり、それを政治的に利用するというようなことがあっては絶対ならない、かように考えておる次第でございます。
また、当日の出迎えの状況等につきましては、警衛を担当いたしております警察当局からの報告によりますと、一般的に平静な雰囲気であったという報告を聞いておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/124
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125・中村太郎
○中村太郎君 天皇陛下といえども、これは私的行為として御自由があるわけなので、たとえば霊を慰める、そのために参拝される、あるいはまた靖国神社へ参られる、これは憲法二十条のいわゆる信教の自由、宗教の自由、これは当然天皇陛下にも認められなければならないと思います。そういう意味で、これからもいろいろ御参拝なされると思いますけれども、そういう私的行為を制限をしたり制約することは私は間違っていると、このように判断をいたしておりますけれども、宮内庁いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/125
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126・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) ただいま御指摘のように、陛下も私人として信教の自由をお持ちになっておられるわけでございますし、純粋に私的なお立場での靖国神社へお参りになるというのは差し支えないことであると存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/126
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127・中村太郎
○中村太郎君 それでは、最後に要望しておきますがね。先ほど申し上げましたような意見というものは、私どもから言わせれば、まるで、あたかも戦争中の亡霊にまだ取りつかれているような意見である。さもなくんば、ためにせんがためのいわゆるこじつけ、牽強付会という言葉がありますけれども、これほど論理の飛躍した意見はないと思うんです。そのように受けとめておりますが、それにしてもそういう意見は今後も出ようと思います。
そこで宮内庁としては、国民の大多数、きわめて自然な素直な心で、これからも靖国神社を尊敬していきたい、ついては天皇陛下の参拝もたびたびやってもらいたいというのが大多数の国民の意思である、熱望であるということを踏まえて、ぜひひとつ対処していただきたいと思います。いいですね。
それでは、長官にひとつお願いしておきたいと思います。行政事務といいますか、官庁事務がとにかくスローモーションでテンポが遅いというのは、これは定評のあるところなんです。わけても行政簡素化事務関係の仕事が遅い。これはその典型的なものだと言われておるわけでございます。午前中も峯山先生から御意見があったんですけれども、地方事務官の問題、この程度のことが、昭和二十三年創立以来話題になっておる。今日から約三十年前から問題になっているんですよね。毎回の国会でも取り上げ、国会の決議はするわ、地方自治体は受け入れ体制十分である、そこに働く職員もよろしい、全部がいいんです。ただ一つ中央官庁の抵抗のためになかなか実現しないということなんだと思うんですね。私は、このおくれておる、二十七、八年もかかってまだ解決しない根本原因は一体何であるか。それは、先ほどお話があった、内容が複雑であるとかむずかしい問題があるとか、職員の身分の問題があるとか、いろいろ言われておりますけれども、一番の根底にあるものは一体何であるか、何が障害になってこうおくれておるのか。この程度のことが、幾ら内容が複雑であっても、これは人のやることなんです、二十数年もかかってまだ実現しないその一番の根底的な原因は何であるか、端的にひとつお答えをいただきたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/127
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128・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) 大変むずかしい御質問でございまして的確なお答えができるかどうか自信がございませんが、政府といたしましては、四十三年以来この問題の解決に努力してまいったわけでございます。ある時期におきましては、関係大臣間の覚書というようなものもできた経緯がございますが、しかし基本的には、やはりなかなかそれで解決するということに至りませんで、一昨年以来関係閣僚間の協議、あるいは各省間の事務的な話し合い、そういうものが行われてきたわけでございますけれども、この身分を国家公務員のままにするか、あるいは地方吏員にするかという点につきまして一つの意見の対立がございます。それと関連いたしまして、その行政機関を国の機関にするか、現状のような地方の機関にするかという点につきましてもやはり対立がございます。その間の対立がまだ解消しておらない、意見の調整ができておらないということが、この問題がなかなか現在まで解決できなかった原因であろうかと存ずるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/128
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129・中村太郎
○中村太郎君 ですからね、この身分の問題と機関の所属の問題、この背景に横たわるものは一体何ですか。もっと端的に言えば、もう地方庁もいいし働く人たちもよろしい、行管もよろしい、早くやってほしい一関係大臣の四十三年度、十一月二十五日、六日ですか、覚書がありますわね。これもよろしいという中にもかかわらず、なおかつ四十三年以来停滞している根底にあるのは何かということなんです。私は、端的に言えば各省庁のセクト、言うならば権限を握っていたい、あるいは人員をそのままにして国家公務員の数をふやしておきたい、こういうものにありはせぬかということを伺っているんですよ。その認識はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/129
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130・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) 私どもは、単なる官庁のセクショナリズムではなくて、それぞれやはり行政機関といたしまして事務を法律に基づいて執行しなければならない行政責任というものを持っておりますので、自分のところの権限を確保したいという気持ちではなくて、事務を執行してまいりますのにどのようなことが一番適当であるかということの、まじめな議論であるというふうに考えております。ただ、その考えが正しいかどうかということにつきましては、これはいろいろ各方面の御意見もあるわけでございまして、その間の調整には努めてまいりたいと思いますけれども、単なるセクショナリズムというふうには考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/130
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131・中村太郎
○中村太郎君 そうしますとね、この経緯を見て、行管としては、ここまでおくれたのは真剣な討議のためにやむを得なかったんだというお考えですか、それとも、もっと煮詰めて早く実現することが望ましいとお考えなんですか。現状肯定ですか、官庁事務というものはこういうおくれはやむを得ないんだというような、肯定なんですか。それとも、もっとやり方によっては早くできたんじゃないかというお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/131
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132・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) これも大変むずかしい御質問でございますが、いままでのところは、もちろん私どもあるいは関係省庁を含めまして政府全体の努力が不十分でなかったかというおしかりは甘んじて受けなければならないかと存じます。ただ、それぞれの事務当局あるいは関係各大臣方におかれましてもそれなりの真剣な努力はしてまいってこられたわけでございまして、おしかりはやむを得ないかと思いますけれども、それはそれなりにやむを得ない事情があったものと考えております。
今後どうするかという問題でございますけれども、先ほども峯山先生にお答え申し上げましたとおり、総理も次の国会を目途に解決の努力をするということを申しておられますので、私ども事務当局としてもできるだけの努力をしてまいりたいと思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/132
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133・中村太郎
○中村太郎君 まあ行政簡素化、行政改革を含めて、こんなことは思い切った決断、思い切った大なたをふるわなければこれはできないんですよね。だから、そういう意味で、とにかく直接話題になった四十三年からでも今日七年かかっておる。これの状態もやむを得なかったというような考え方自体では今後の行政改革が私は非常に思いやられると思うんですよ。そういう意味でこれを伺っておるんですけれども、これは後ほどの問題にも関連しますから後でまとめてお伺いしたいと思うんですよ。
そこで、行政監理委員会がこの四月に「今後における行政改革の課題と方針」という緊急提言を行っております。その中で、特に財政硬直化の問題に関連いたしまして、特殊法人の整理については本年度第二・四半期に、補助金等については第一・四半期に監察を行うとされていますけれども、その調査は終わっていますか、進捗状況はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/133
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134・鈴木博
○政府委員(鈴木博君) その調査を担当いたしました行政監察局といたしましてお答え申し上げますが、ただいまお話しのございましたように、行政監理委員の提言並びに本年の五月に行政改革本部でも決定いたしておりますこの特殊法人の整理をめぐっての作業でございますが、第二・四半期以降百十二の特殊法人につきまして鋭意作業を進めてまいったところでございます。で、行政改革本部でお示しになりました線も、年内になるべく処理方針を固めるようにという御指摘もございまして、その線で年内に方針が固まるように現在作業を進めておるところでございますが、今日の状況でございますが、大体は私どもの作業が一段落いたしまして、現在政府部内において鋭意話を詰めておる段階でございます。行政本部で言われましたような年内の線は、現在ぜひ実現いたしたいというようなことで鋭意、日夜作業を進めておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/134
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135・中村太郎
○中村太郎君 そうしますると、その大筋なもの、たとえば特殊法人のうちではこれとこれとがこうしたい、補助金についてもこれこれは何とかしたい。言うならば、行政管理庁としての一つの案が出ていると思うんです。それは発表できませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/135
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136・鈴木博
○政府委員(鈴木博君) この問題につきましては、非常に影響するところが大きいということと、このそれぞれの特殊法人の設立目的と現在やっております仕事というものを分析し、踏んまえまして、その結果、予算の上にも当然影響というものをもたらしますので、財政当局等とも詳細話を詰めておる段階でございます。まだどれとどれとがこの整理の対象になるかということにつきまして、この段階で発表残念ながらできないわけでございますが、気持ちといたしましては、発表の時期、方法等につきましては現在政府内部であわせて検討いたしておりますので、本日の段階はさよう御了承いただければ幸いでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/136
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137・中村太郎
○中村太郎君 なぜそういうことを聞くかというと、提言の後段の中に、特殊法人、補助金についても五十一年度予算の中で措置したいと、措置すべきであると書いてありますね。ということから言うと、ぐずぐずしておってこの提言にあるように五十一年度に間に合うんですか。そのことを心配しているんですよ。せっかく調査をして五十一年度の予算に間に合わせるという提言があるんですから、もし間に合わぬならこんな提言を行政監理委員がするはずがない。意味がないことになるんですからね。その辺の事情はどうなんですか。若干おくれても部内で調整を図って必ずできるものは五十一年度予算で措置をしたいとできるんだという自信がおありですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/137
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138・鈴木博
○政府委員(鈴木博君) ただいま御指摘いただきましたような心構え、それと意欲で、現在財政当局の方とも交渉を持っておるわけでございまして、来年度予算に反映できるものがあればぜひこれを反映さしたいという心構えで折衝しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/138
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139・中村太郎
○中村太郎君 これは緊急提言ですからね、財政硬直化排除のための緊急提言ですから、いままでのようなテンポでなしにこれだけはぜひ私は実現していただきたい、要望しておきます。
それから、同じ提言の中でいわゆる定員増加の抑制、これも非常に重大な問題だと思うんです。御案内の四十三年削減計画からずうっときて五%ないし三%減ってきておりますけれども、五十年度は純増しておる、こういう状態なんですね。定員管理のあり方については年内にこれも結論を出すよう検討すべきであると言われております。これの進捗状況はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/139
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140・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) 定員管理の問題につきましては、四月の行政監理委員会の御提言を受けまして、以来行政監理委員会におきまして御審議をいただきまして、七月の二十三日に、「国の行政機関の定員管理に関連する当面の諸施策について」という御建議をいただいております。この内容は「定員管理の現状と問題点」ということから始めまして、当面の諸施策といたしまして、総定員法の堅持と、それから現行定員削減計画の繰り上げ実施、新規増員の抑制、高齢者の離職促進、新規採用の抑制、そういうような問題についての提言をしておられるわけでございます。
政府といたしましては、この提言を受けまして七月二十九日に閣議決定を行いまして、「国家公務員数の縮減について」ということを決定いたしております。その内容は、昭和五十年度から始まりました第三次の削減計画の割合が、五十一年度は十分の三をやるということになっておりましたのを十分の四に改めたわけでございます。それから五十一年度の新しい行政需要につきましても、極力既定定員の振りかえで対処いたしまして、新規増員は厳に抑制すると、こういう方針を決定いたしております。この五十一年度の要求につきましては、現在私ども及び大蔵省におきまして内容を検討中でございまして、最終的には予算編成の段階において決まるわけでございますけれども、私どもといたしましては、極力この閣議決定の御方針に基づきまして抑制してまいりたいということを考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/140
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141・中村太郎
○中村太郎君 そうしますと、新規採用の抑制の方針、それから定員管理——定員の問題、これらは年末までに結論を出すべきであるということを言われておるんですけれども、これは十分なんですね、間に合いますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/141
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142・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/142
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143・中村太郎
○中村太郎君 それでは、同じように例の定年制の問題、これも検討に着手すべきであると言われておるんです。これは一体どんなふうに動いているのか。同時に、定年制とうらはらの関係にあると思うんですけれども、例の週休二日制、定年制とあたかも二律背反の関係にあるようなこの週休二日制との兼ね合いをどう考えているのか、これをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/143
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144・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) 公務員の定年制の問題及び週休二日制の問題、いずれも公務員の職務条件等の関係になりますので、いずれも正式には総理府の御当局から御答弁申し上げるのが筋であろうかと思います。ただ、定年制の問題につきましては、この行政監理委員会の提言をちょうだいいたしまして、総理府の方にもこの話は申し上げておるわけでございまして、長期的な問題として総理府の方で御検討いただいておるものと考えております。
それから週休二日制も同様に、人事院及び総理府が中心となって御検討していただくものであろうかと思いますけれども、この監理委員会の御提言にもございますように、いやしくもその施行によって定員が増加するということは厳に慎むべきことであろうということが私どもの考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/144
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145・中村太郎
○中村太郎君 まあ非常に、定数増を防いでいきながらなおかつ週休二日制というもの、これは大変むずかしい問題だと思います。ぜひひとつ定数増をしないという考え方に立つ定員管理の立場にある行管庁としては、その辺を十分しっかり踏まえてやっていただきたいと要望しておきます。
それから、今回提案されておりまする整理事項、これは昭和四十九年十一月六日、行政監理委員会の答申に基づく対象二百十九件中八十項が法律改正を要すると、そのうち十項目が今回提案されているのです。で、いま当面成果を得られないとして九百八十一事項が没にされておりますけれども、今回提案のわずか十項目、これは八十項目法律改正を要する中でわずか十項目しか今回提案されていないということですけれども、これは答申からこの決定までの間に期間が短いということもありますけれども、しかし行管自体としてはこの数字、十件というものは満足すべき数字でございますか、どうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/145
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146・鈴木博
○政府委員(鈴木博君) お答え申し上げます。
ただいま御指摘のございましたとおりでございまして、答申で指摘されました事項は二百十九でございます。そのうち法律で改正を要するものと、政府内部で政令とか省令でもって改正するものと二通りに内容が分かれると存じますが、二百十九のうち法律改正事項が八十、それから政令、省令で改正を要する事項が百三十九でございますが、その八十事項の法律事項で単独法によって改正いたしましたものが四ございます。今回の許認可整理法でお願いしてございますものが十事項でございます。なお、それ以外に政省令事項として措置済みのものが二十四でございます。しかし、残りのものはただいま御指摘のとおりまだ残っておるわけでございますが、われわれといたしましてもこれで決して満足するというようなものではございませんで、関係省庁とも、今後改正を要するものにつきましてはなるべく早くこれの改正の実が上がりますように折衝を重ねてまいりたいと、このように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/146
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147・中村太郎
○中村太郎君 この未措置の内容の一例を見ますと、たとえば厚生省関係は四十一項目のうち法律改正は十二項目あるんですけれども、今回の提案にこの厚生省関係は一つも上がっておりませんね。で、その内容を見ると、たとえば整理番号七十の「国民栄養調査の執行」だとか、「国民栄養調査員の任命」だとか、「「トラホーム」患者の診断届出」あるいは「興行場営業の許可」、「旅館業営業の許可」の権限委譲あるいは廃止、トラホームでもこれは廃止になっていますね。これは改善方向の中に理由が書いてあるのですけれども、こんなことはだれが見たってあたりまえ過ぎるほどあたりまえのことだし、簡単ではないかと思うのです。こういうことが一向に改善されていないということなんですね。厚生省関係というのは従来ともなかなか改善が行われていない。たとえば昭和三十九年度の臨時行政調査会以来第五次にわたる行政改革提言の総数七百七十件のうち二百三十二件、三〇%強がこれは厚生省関係なんですが、一方、民間団体から要望がありました簡素化関係総案件千七百八件のうち、民間の方からの要望は厚生省関係が強くて、これは二百九十六件あるんです。どう考えても厚生省というのはなかなか簡素化については熱意がない、消極的である、積極的でないという一つの証左になるんですけれども、これを行管庁としては一体どう受け取っていますか。これもやむを得ない、この程度の簡素化でも内部の慎重の検討のためにはこれはやむを得なかったのだというお考えですか、その辺どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/147
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148・鈴木博
○政府委員(鈴木博君) 厚生省の許認可につきましては、先生のただいまお話ございましたとおりの面があろうかと思いますが、ただ、厚生省の行政側に立ってわれわれ考えました場合には、お話の中にもございましたが、国民の生命、健康にかかわる問題でありますとか、あるいは福祉水準にかかわる問題でございますとか、または技術的な事柄のものですから、審議会にかけるとか、いろいろ法律手続を要するもの等がございまして、ややほかの省とは性格が異なる面があるのではなかろうかと思われる節もございます。しかし、大局におきましては御指摘のとおりと存じておる次第でございまして、今回の二百十九事項の監理委員会で提示されました事項のうち厚生省は四十一事項に及んでおるわけでございますが、これについては現在厚生省でも鋭意実現方に向かって努力しておるところでございます。なお、その努力の結果をも待ちまして、今後において、要すれば私どもといたしましても監察、調査等を実施いたしまして、これが効果が上がるように、許認可事項がさらにその改廃できるような措置を推進してまいりたい、このように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/148
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149・中村太郎
○中村太郎君 監察局長ね、厚生省としては人命を預かる立場だから慎重でなければならぬという御意見、それは厚生省側としてはそういう言い分があるかもしらぬ。しかし行政監理委員会としてはこの提言をしたんでしょう、りっぱに理由をつけて。自信がなければいけませんよ、自信がなきゃ。人命尊重だから慎重にやらなければいかぬというなら、それ以前にもっと慎重にやってこの提言をしなきゃいいのですよ。あなたたちは自信を持ってこれとこれは簡単にできるんだという中でこういう提言を行っているんでしょう。今度出てきたらば、厚生省の立場になったら慎重を要するかもしれぬなんということは、これは行政管理庁の監察局で言うべきことじゃないでしょう。行政監理委員会というのはそんな権威のないことじゃ承服できませんね。そうでしょう。こんなりっぱな、何日もかかって監察して、そうしてこれだけはできるんだと、公正な目で見てこれは容易にできるんだというからこれが初めてできたんでしょう。できた中で、まだいやそれは慎重を要するかもしれぬ。そんな姿勢じゃ、あんた、これは行政改革なんか全然できませんよ。大体行政管理庁こんなんじゃ行政改革なんという任務ほうっちゃった方がいいですよ。どうなんですか。具体的にあなたたち見てごらんなさい、この提言した内容を。いまの七十二番、トラホームの問題、こんなものいまどこでやったって問題ないじゃないですか。大体追跡調査なんてどうなっているんですか。ただ提言をしっ放しで後は各官庁の自主性に任せる、判断に任せるという態度なんですか、その辺のことも含めてどうなっているんですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/149
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150・鈴木博
○政府委員(鈴木博君) 私、最初に厚生省側の事情を申しました。言わずもがなだったかとも思いますけれども、先生御指摘いただきました、この監理委員会で取り上げられました事項につきましては、私これは全くそのとおりという気持ちでございまして、この四十一項目につきましては、要すれば今後監察等までしてひとつこの実現に向かって推進してまいりたいという強い決意を持っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/150
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151・中村太郎
○中村太郎君 行政監察局というのは、自分たちがこれこれこうだという提言をしておきながら、その責任を果たせない、その逃げ腰というか、弱腰のためにいろんな私は理屈を言っているような気がしてならないんですよ。これは制度的にも私は実は欠陥があると思うのです。
そこで、これは基本的な問題なんですけれども、この間の予算委員会の中でもいろんなお話がありました。これは与野党を通じて一致した意見ですけれども、とにかくこれから二兆数千億の赤字国債を発行する、来年から五兆ないし六兆の国債を発行して国民の協力を求めなければいかぬ。そういう中においては、まず官庁自身が姿勢を示す、本当に財政の硬直化を防ぐためには国はこういうことをやっているんだと、本当に自分の身を切ってこうやっているんだという姿勢を示すことが前提だと、そういうものを示して初めて国民の協力を得るための国債発行も可能ではないかと言ったんです。わずか今度の七百億程度の冗費の節約、こんなべらぼうなことではだめだと、少なくとも予算二十一兆円の一割や一割五分の予算節減をすべきだと強く叫ばれておるわけですよ。したがって、私は今日ほど国民の声が行政改革に向けられているときはないと思うんです。しっかりやっぱり政府はやっていかなきゃいかぬと思うんです。この点で行管長官としてどうお考えですか、御意見。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/151
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152・松澤雄藏
○国務大臣(松澤雄藏君) ただいまの御意見ごもっともだと私自体が考えておるような次第でございますが、ただ、率直に申し上げて、問題となると言っては語弊がありますが、出さざるを得まいという気持ちを持って私なんかは当初は促進をしたのでございます。ところが、現実の問題として出すということに対しまして、少しく他方面からも異議等のようなものもございましたので、今回は御遠慮して、そして現在出しておるものだけでもお通しを願いたいという気持ちで実は出しておるということが真実の姿でございます。できるだけ、私たちはいまの御趣旨に沿うように全力を尽くしていきたいと、かように存じますので御了承賜りたいと、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/152
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153・中村太郎
○中村太郎君 行政改革ですね、これに対する行政管理庁の権能、権限と言いますか、これは一体どうなんですか。たとえば定数管理についても、企画をするとか管理をするとかいろいろありますけれども、たとえば各省庁の行政機構の改革については、計画はつくる、企画はするけれども、これに対する指示権がない、命令権がないというようなことだと思うのですけれども、一体その辺どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/153
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154・小田村四郎
○政府委員(小田村四郎君) 行政管理庁の権限は設置法に明記されておるとおりでございまして、行政制度一般に関する基本的事項の企画、機構、定員及び運営の総合調整ということが中心であろうかと思います。ただ、あくまでも政府の中の一部局でございますので、最終決定は内閣で定められることになるわけでございますが、この内閣制度は、御承知のとおり閣議におきまして全会一致をもって決定される、こういうことでございますので、私どもの意見も必ず関係省庁の御了解をとった上で閣議に提出するということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/154
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155・中村太郎
○中村太郎君 そういう、制度的に実は問題があると思うんですよね。これは行管庁はいま言った企画、調整をする、企画をして各省間の調整を図るということで、最終的にはもう各省の判断ですね。ですから、先ほど来ずっと一貫して、たとえば地方事務官の問題にしても今度の提案の勧告にしても、非常にテンポが遅い、なかなか実現しないということにつながっていくと思うんです。これを松澤長官、まだ日が浅いんですけれども、いままでやってごらんになって一体制度的にどこに問題があるのか。たとえば行政管理庁がこういう権限を持てばとか、こういうシステムになればこれはもっとうまくいくんじゃないかという御提案がありましょうか。何か考えたことありますか。それとも、いまのままで、何というか、各省寄り集まって自分のたんぼだけは水を引いて、なるべくよその方でやっていくというふうな、こういう根性の中でうまくいくとお思いになりますか。
私がそういうことを言うのは、先ほど申し上げましたように、いまこの一番行政改革が大事なときなんだと、むだを排せ、冗費は省けと、この国民の切実な要求にこたえるためにも、これは許認可の簡素化を含めて思い切ったことをしなきゃだめだと思うんですよ。そういう意味では、行政管理庁自体にもっと権能をふやしてくれればこうだとか、あるいは行管ではとてもだめだと、こんなものは総理府の官房にでも移して総理大臣直属の指揮下に置いて、総理大臣の命令によってやった方が行政改革はうまくいくんだと、いろんなお考えがあると思うんですけれども、どうなんでしょうかね。これは私は何も変なことを言っていじめるとかそういうことじゃないんです。ともに行政改革を本当に軌道に乗せて、早く効果を上げるには一体どうしたらいいかという中で提言としてお伺いしているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/155
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156・松澤雄藏
○国務大臣(松澤雄藏君) ただいまの御意見ごもっともだと私自体が考えておるわけであります。権限自体も、言うまでもなくもちろん私たちが持っておればいまのようなお話も出なかろうと思いますが、現実の問題として、やはりいまの御質問のようなぐあいに質疑等されますると、これさえ持ってるならばと、こういう権限があるならばとか、こういうふうな気持ちを持たざるを得ないことについ考えざるを得ないような気がいたしますが、率直に申し上げまして、いまのところはいまお話がございましたようなことに対して、私自体がこうやるべきだというふうなことを話をするということが簡単にいかないような現況なんです。そうでございますから、いろいろと検討を加えて、そして率直に言って二年目あたりからいまの御趣旨に沿うような方向で全力を尽くしてみたい、かように考えておりますが、いずれにしてもお話のようなことでございまするだけに、全体的にそういう権限というものをわれわれががっちり握っておるという形においてならばより一層うまくいくんだろうと、かように考えますが、今後一層検討してみて御回答申し上げるようにしてみたいと、かように考えますので御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/156
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157・中村太郎
○中村太郎君 あのね、これからなお一層強力な行政改革が叫ばれる今日ですね、私はいまのようなシステム、制度ではこれはだめだと思いますね。恐らく百年河清を待つ。これは皆さんが何ぼ苦労してもこれはだめだと思うんですよ。そういう意味では、この際行政管理庁自体の機構改革をまず先にやって、足場をつくって、びしっとやっていかなくてはいかぬじゃないかという感じがするんです。これは一官庁の権限をやたら強くするということじゃないですよ。国全体にむだがたくさんあり過ぎる。これをやるにはやっぱり相当な強力な権限を持って、がちっとやるような体制づくりが先決だと思うんですよ。まあ松澤長官、大体そのお考えあるようですけれども、これは長官自身の個人の問題ではないんですね。松澤長官だって何ぼでも長官やってるわけじゃないでしょう、これは。だから、この際は自分が長官の経験によるとこうだという提言をして、だれかがやっぱりやらなきゃいかぬと思うんです。経験の中で提言をして、内閣へ持ち出して、総理大臣に話をして、こうすることが望ましいということで、行管自体の行政改善がまず改まればこれはもっと私は大いに効果が上がっていくと思うんです。そういう意味で、長官の勇気ある発言、勇気ある御活動を期待したいと思うんですけれども、再度どうですか、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/157
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158・松澤雄藏
○国務大臣(松澤雄藏君) 御意見ごもっともなんでございまして、言われるまでもなく、いまのお話のように閣議等におきましても私自体が率直に意見等を申し述べて、そして賛同を得ればいいということになるかと思います。しかしながら、政府自体だけでいいというものでなくって、率直に申し上げて、たとえて申し上げますならば、ここに出ておりまする法律のような問題にしても、何にいたしましても、改革的なものを加えていかなければならぬような問題がありますので、十分に検討を加えまして、御趣旨のような方向に全力を尽くしてみたいと、かように思いますので御了承賜りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/158
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159・河田賢治
○河田賢治君 行政管理庁は十一月の二十五日に「幼児の保育及び教育に関する行政監察結果に基づく勧告」というものを発表され、関係省の方へ出されたように思うんですが、これは言うまでもなく幼稚園と保育所が同じ幼児の保育、教育施設でありながら、行政の二元化のためその発展が阻まれていると、従来からわが党が指摘してきた問題でもあるわけです。そうした重要な課題をおくればせながら今回勧告されたということは、その内容においては十分でない点もあると思われますが、きわめて重視すべき問題提起であると考えるわけです。しかし、この十二月八日、この間もまた動植物検疫に関する行政監察というものがまとめられて、そして発表されておりますが、まず、この動植物検疫に関する行政監察がまとめられたのはいつであるか、それからまた、それが行政監理委員会で了承されたというのはいつであるか、この日にちをちょっと教えていただきたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/159
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160・鈴木博
○政府委員(鈴木博君) ただいま御質問いただきました動植物検疫の行政監理委員会にかけました日と、それから勧告に至りました日取りの正確なところをいま調べております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/160
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161・河田賢治
○河田賢治君 ほぼでいいです。下旬とか上旬でいいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/161
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162・鈴木博
○政府委員(鈴木博君) たしか動植物検疫につきまして監理委員会にかけましたのは十一月の中旬だったと記憶いたします。勧告いたしましたのが十二月の初めだったと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/162
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163・河田賢治
○河田賢治君 そうすると、まとめられて、それからまた監理委員会で了承を受ける、この期間は比較的短いわけですね。一ヵ月前後なものですか、大体。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/163
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164・鈴木博
○政府委員(鈴木博君) そのかけました勧告案なり報告書の内容にもよりますが、監理委員会で御審議いただきますのは大体一日ぐらいでございますが、その後監理委員会の委員の御意見等をいただきまして、各省と事実確認等で、物によりますけれども相当の日にちを要しておるというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/164
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165・河田賢治
○河田賢治君 それはわかりました。
で、この幼児保育及び教育に関する行政監察結果の勧告、これはいつごろ調査をまとめられて、それからいつごろ行政監理委員会で了承されたか、これをちょっとお伺いしたいんですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/165
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166・鈴木博
○政府委員(鈴木博君) 正確な日取りにつきましては、また要すれば調査いたしまして後ほど答えさしていただきますが、ただいま記憶をたどってみますと、この調査いたしました時期は昨年の七月から九月にかけてでございます。その後、非常に内容が膨大、広範囲になっております関係上、取りまとめに非常に日にちがかかったわけでございますが、ようやく一段落しまして、監理委員会にかけましたのが九月の中旬から下旬ごろだったと記憶いたしております。その監理委員会が済みましてから各関係省の方といろいろ事実確認——確認行為が主でございますけれども、そのようなことをいたして、これが相当日にちがかかりました。で、勧告に至りましたのは比較的最近ということになった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/166
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167・河田賢治
○河田賢治君 比較的、行管の方では監理委員会なんかで一応かけられたらすぐ発表されるようですね、大体において。非常に能率的にそれはおやりになっていると私たちも思っている。ところが、この幼児の保育、教育の行政監察の結果の勧告は九月の十七日ですか、調査がまとまったのが七月で九月十七日に監理委員会で了承をされているんですね。そうすると、発表は、これは委員会で決定されればもう当然公表して差し支えないものなんですが、これが非常におくれているわけで、十一月の二十五日。つまり、九月の半ばに委員会で了承されたそれが十一月の二十五日ということで、この点について、私自身もよくは知らないんだけれども、読売新聞などがいろいろとこれに対する、何といいますか、裏話といいますかな、そういうことを書いているわけですね。で、本来ならばこういうものはすぐ発表して、関係省庁あるいはまた国民にも非常な影響のある問題ですから、お互いにまた国民が討議をしていくということで早く発表されるべきであるのが、これが十一月二十五日だと。そこで、これは読売新聞だそうですが、十一月二十五日です。ちょうど九月十七日、今度の国会が開かれて間もないころですが、信濃川の河川敷問題の行政監察でごたごたしていた時期でもあったわけで、新たな質問の種を提供することを避けたと、こういう批評がそのうちの一つに加えられております。あるいはまた、早い時期に勧告すると、厚生、文部両省が五十一年度予算編成で何らかの具体的方向を打ち出さねばならず、十一月末の勧告なら時間的な余裕がないと弁解ができる、そういう意味から両者の立場を考慮してこの公表を延ばした、これも一つのものになっております。第三が、勧告が両者に対する相当思い切った提案をしているので、事前に両省と協議し、表現等で手心を加えるための調整に手間取ったのではないか、こういうような、これは新聞ですからわれわれ直接は責任持ちません。けれども、こういうふうに発表の期間が長くなったということですね、こういうふうに普通の新聞は裏を見ているわけです。この裏が当たっているかどうか知りませんけれども、こういうふうな事実はどうですか、若干これに当たる節もあるのですか、この辺をちょっとお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/167
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168・鈴木博
○政府委員(鈴木博君) ただいま御指摘いただきました点でございますが、最近の行政が非常に省際関係と申しますか、その省と省との接点に非常に問題があるというような場合には、その権限が一体どちらに属するのかどうか、というような非常に複雑な形態をとる場合がございます。お話の中にもございましたように、幼児保育所の問題につきましては、文部省と、それから厚生省の両省のいわゆる「行政の限界領域」というような言葉をこの勧告の中では入れておりますけれども、そのような部分の問題を、どちらの省でどう処理するかというような問題が実はございました。今後においても、そういう非常にきわどい行政を勧告で取り上げるという面が出てまいろうかと思いますけれども、そのようなものにつきましては、普通のいわゆる勧告と違いまして、その調整に非常に手間をとる、事実確認、責任の所属を決めます場合に非常に手間をとるという面も否定できないかと存じます。ところで、ある新聞紙に報道されました点でございますが、まさに御指摘どおり、九月十七日の監理委員会にかけておきながら十一月二十五日になって勧告公表したのはどうかと、これは非常に形といたしましては、最近においては比較的に長期間を要して公表したというケースになりますのでいろいろな憶測が出たろうかと存じますが、私どもの気持ちは、先ほど申し上げましたように、これは鋭意文部省、厚生省と事実確認を、監理委員会の御意見をいただきました後においてその作業を進めてまいっておりますし、またいま御指摘のございましたように、信濃川の作業の問題でありますとか、あるいは予算に間に合わせないために延ばしたのであろうかとか、あるいは国会開会中を避けるというつもりではなかったかとかというようなことは、全くそういうことはございません。全く他意はございません。ひたすらにただむずかしい点、限界領域の問題を詰めるということで、かようにその間に日にちがかかったというふうに御理解いただければ幸いでございますが、ただ、なるべく世間的に見ましてもそういうような誤解、憶測が生じないようにという意味では、現在私どもも極力そういう誤解の生じないように今後は考えてまいりたいと、このように存じておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/168
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169・河田賢治
○河田賢治君 この行政監理委員会で了承される前に、こういう勧告を出すからには、やはり相当事前の要するに協議をし、大体どういう方向で勧告するかということもある程度は打ち合せされるわけでしょう。この委員会で決定すればそれが発表される、それからまたごたごた各省と交渉するというような性質のものじゃないんじゃないかと思うんですが、この点で、やはりこういう世間的ないろいろなうわさの出るようなことを、国の行政機関のその上にあるいわば監督機関のようなものですからな、そこが、こういう批判をされるようなやり方は避けるべきじゃないかと思うんですよ。大臣どうですか、その点についてお答えちょっと願っておきたい。もう国家機関のいわゆる行政を監察する、監督する地位にあるわけですから、こういう問題は一番大きな責任問題ですから、ひとつ長官の御見解を聞いておきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/169
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170・松澤雄藏
○国務大臣(松澤雄藏君) いまのお話のように、本当にできるだけ皆さんの御要望なり国民の御要望というものを、すぐ引き受けるような気持ちになりたいというふうなことは、私自体が先ほどちょっと申し上げたほどの気持ちでございますが、結論的に申し上げますと、皆さん方の御要望というものに極力従ったような要領のもとにおいて取り上げていく、実施するように全力を尽くしていきたい、かように考えておりますことを御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/170
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171・河田賢治
○河田賢治君 行管の方に聞きますが、この勧告の基本的な姿勢についてなんです。現状の乳幼児の教育、保育上で、早急に解決されなければならない課題というものがたくさんあるわけですが、保育所、幼稚園が少なく就園あるいは就所の希望を満たしていない、父母負担を軽くしなくちゃならぬとか、建設運営費、地方自治体の負担、これもまた少なくしなければならぬとか、あるいは保育条件、また保育をしている、あるいは幼稚園の教育をしているこういう人々の労働条件を改善する、こういうことがいま必要だと思うんです。非常に多面的になるんですが、今回の勧告は相当に細かい改善点を指摘しておられるわりあいに、最も切実に求められているこうした基本問題に解れられていないというところに重大な私たちは欠陥があると思うんですが、言うまでもなく保育、教育政策の基本は、乳幼児の、心身豊かな発達、これに必要な活動を保障し、教育の基礎をしっかりと——学校教育の前段ですけれども、しっかりと築くということにあると思うんです。そのために必要なことは、保育所や幼稚園の格差の解消を図ることや、保育、教育の内容の向上や、あるいは保育、教育時間の決定、保育所、幼稚園の適正配置などであり、保育所、幼稚園の設置基準の改善、保母、教師の待遇改善と増員、建設あるいは運営の自治体の超過負担を解消するというところにさっき申したようにあると思うんですが、今回の監察の主要な目標と申しますか、これは一体どこにあるのでしょうか、この点をひとつお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/171
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172・鈴木博
○政府委員(鈴木博君) いまお話のございましたとおり、幼児の保育と教育をめぐります問題は非常に内容的にも重要でありますし、また広範多岐にわたっておるかと存じます。その問題の中で、御指摘がございました各種の問題がなお残されておると存じますが、今回、私ども取り上げましたこの勧告におきましては、戦後約三十年ほどたって、それぞれの省におきまして幼稚園、保育所の整備計画というものは相当に成績を上げてきていると言ってよかろうかと思いますけれども、三十年たって見直しました場合に、果たしてそれが幼児及び幼児を含めての家族と家庭から見ました場合に、一体このままそれぞれに整備計画を進められていいものであろうかということに問題意識を感じたわけでございまして、まず政府として整合性のある幼稚園と保育所の運営、設置も地域によりまして非常に両施設の配置がまちまちでございますし、また年齢区分等で、必ずしも保育ということから外れまして年齢でもって区分するというような運営も見られないわけでもございません。したがいまして、この際に見直しの意味で両省共通の場をつくって、そこで今後の幼稚園、保育所のあり方を十分検討し、方針を出すべきではないかというところに最大のポイントを置いたつもりでございます。したがいまして、これはそうたちどころに金のかかる問題でもございませんので、早急に勧告のポイントといたしました点が実現されまして、今後、ただいま先生御指摘になりました地方公共団体から見ました場合の財源負担の問題でございますとか、あるいは保健婦等の労働の問題でありますとか、そういうようなのもあわせて共同の場でもって十分御審議いただき方針を出していただきまして、それに応じまして、今後、監察当局といたしましても重大な関心を持ってフォローしていきたいと、このような気持ちでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/172
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173・河田賢治
○河田賢治君 それから、勧告では、文部省と厚生省の連携及び調整のための協議の場の設置を求めるということがありますが、この基本的な位置づけは、こういう連携や調整はそこで協議するということですか、この点はどういうふうにお考えなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/173
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174・鈴木博
○政府委員(鈴木博君) そのように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/174
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175・河田賢治
○河田賢治君 いま、文部省は幼稚園、保育所は厚生省と、こういわば二元的な——もちろん幼稚園というのは一つの教育の場になっておりますが、保育所になりますと、いま五歳まで大体預かりますからね、小さい乳幼児から。そうすると、上の方になりますと幼稚園と等しいようなつまり保育をせなければならぬわけですね、ほぼ、年齢から申しましても、また子供たちの発育から言いましても、保育所は単に預かっておるというだけでなく、やはり事前的な教育をしていかなければならぬ、こういう問題があると思うのです。なかなか両者が会いましても、それぞれセクトで皆仕事をやっているわけですからな、まあ自分のところは自分のところの幼稚園を拡張もし、充実もしたい。また保育所の方は厚生省でございますが、最近は特に共働きが多くなる、核家族になってきておる、それから居住と職場とがかなり離れたりして、できるだけ近くのところに預けて働きに出たいと、また働きに出なければ食えないということなんで、立場がみんなそれぞれかなり違うわけですね。だから、そこである程度の調整を図ると申しましても、こういうものを設置したりなんかするのは直接つくるわけじゃないんで、やはり自治体が申し出て、あるいは認可なりあるいは無認可なり、保育所は自治あるいは地方の特殊な人が経営する。そうすると、これは上の方で金をすっかり出して、おまえのところはこのくらいつくれ、こっちはこのくらいつくれというようなことができれば、これは申し分なく厚生省と文部省が会って計画を立てて進むわけですけれども、何しろ計画といいましても、御承知のとおり大分この中を見ますと、なかなか進んでいないところもある、別な方向へ進んでおるというようなことがあるので、なかなか文部省とそこだけの問題でやってうまくいくものでしょうか。その辺は行管の方ではちゃんといくだろうとお考えなんですか、いまのセクト主義の強い官庁だけが集まりまして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/175
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176・鈴木博
○政府委員(鈴木博君) お答え申し上げます。
従来は確かにそういうような傾向だったと存じますが、そういうこともありまして今回勧告いたしたつもりでございますので、しかし、勧告しっ放しではなく、今後共通の場においてそうむずかしい問題等が恐らく論議されると思います。われわれとしてできますことでございますれば、なるべくそれが実現できるような方向で、関心を持って両省の今後の進め方を見守ってまいりたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/176
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177・河田賢治
○河田賢治君 まあ、確かに文部とあれですけれども、地方自治体を指導しておる自治省ですな、これなんかもはやはり相当こういう問題、つまり配置の問題から、また産業やなんかの変化によってどういうところに早く認可してやるべきが当然かとか、こういうことも出てくると思うのですね。これはやはり、こういうふうにかなり各省にまたがってくるわけです、主要なものは二つにしましても。だから私は、こういう点ではもう少し広げて、必ずしもその中の委員会とか構成要素にならなけりゃならぬというわけではありませんけれども、やはり関係各省、特に重要な自治省なんかも入って地方の指導に対してもっと適切にそういうものを指導する必要があるのじゃないかと、こういうふうに思うわけです。
管理庁のこの問題についてはそれで終わりますが、文部省の方に聞きます。今度の勧告ですね、どのように受け取っておられますか、大まかにひとつお願いしたいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/177
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178・鈴木博司
○説明員(鈴木博司君) 行政管理庁から勧告をいただきました事項につきましては、各事項ごとに十分検討をさしていただきまして、事柄によりましては厚生省とも事前にお話しをした上でもってお答えをいたしたい、こういうふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/178
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179・河田賢治
○河田賢治君 いま幼稚園に就園している三——五歳の人口の三九%といいますか、相当な人々が幼稚園に入っているわけですが、しかし児童数の七五・七%が私立なんですね。御承知のとおり非常に幼稚園にしましても公立が少ない。私立である。それから、なかなか親御さんにしても、近くに幼稚園があればどうしても子供たちが集団で何か同じところへ行きたいという希望を持ちますから、収入のそう豊かでない人も幼稚園なんかへ行かなくちゃならぬ、こういう問題があるわけですね。私立ですから相当かかりますし、第一働いている人から見れば保育所が一番いいのだけれども、とにかく朝八時半か九時ごろ行って、もう十二時ごろには帰ってくるわけですから非常に短時間ですし、そういうので、私立がいま多いんですけれども、こういうものも、小学教育の前段階の教育をするということになれば、相当国としてもこの問題に立ち入って、公立をふやすとか、時間なんかをもうちょっと考えるとか、いろいろ内容はあるでしょうけれども、とにかく、このように私立が多いということはもう私立任せになっているような現状なんですから、これに対して国の方ではもうちょっとこの問題を何か、国立というわけにはいかぬでしょうけれども、地方自治体——公立ですね、こういうものをどんどんふやすような方向で、それに対する財政措置なんかをやるような計画ないしは考えというのはあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/179
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180・鈴木博司
○説明員(鈴木博司君) ただいま御指摘をいただきましたように、幼稚園教育につきましては、幼稚園のうちの約六割が私立、四割が公立ということで、特に幼児数につきましては七割五分が私立にお世話になっていると、こういうような状況でございます。さようなことでございますので、私立の幼稚園に就園をしております子供さん方の保育料等につきましては、できるだけその軽減を図るというようなことで、従前から就園奨励費の、これは市町村が行っている事業でございますけれども、その事業に対して一部を補助するというような措置を講じてきておりますし、また、私立幼稚園の経営の安定を図るとともに父母負担の軽減をできるだけ図っていくという観点から、経常費助成の措置を講じているわけでございます。それらの措置の充実を図ってまいりたいと、こういうふうに考えております。
なお、文部省といたしましては、昭和五十七年までに四歳児及び五歳児でもって幼稚園教育を希望する幼児につきましては、すべて幼稚園に入園できるようにというような計画を立てまして、毎年幼稚園の増設、整備を図ってきておるわけでございます。その計画では、私立はもとよりでございますけれども、できるだけ先生の御指摘のように公立をふやしていくということでもって公立の幼稚園の施設の整備についての助成、こういうものの充実も図っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/180
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181・河田賢治
○河田賢治君 幼稚園にも保育的な機能を認める、保育所の方にもまた幼稚園的な機能を認めて、そういうふうな内容を多少変更もする必要があるというようなことになるわけですが、保育的な機能というようなものをいまの幼稚園に、何かこう多少でもそういうものを与える、機能を果たすような具体的な方針はあるんですか、そういうものはまだありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/181
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182・鈴木博司
○説明員(鈴木博司君) 幼稚園の目的でございますけれども、これは学校教育法に「幼稚園は、幼児を保育し、適当な環境を与えて、その心身の発展を助長することを目的とする。」と、こういうことでございますので、当然その保育の機能を有しているわけでございます。ただ、その保育時間をどの程度に考えるかということにつきましては、幼稚園につきましては幼児の心身の発達の状況等を考えまして、現在のたてまえとしては四時間の保育を原則とする、こういうことにいたしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/182
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183・河田賢治
○河田賢治君 今度の勧告にもありますが、文部省の方と厚生省との連携と調整の場を設けるという提起に対して、文部省の方の見解はどういうふうになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/183
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184・鈴木博司
○説明員(鈴木博司君) 行政管理庁から勧告をいただきましたことについて、どのようにお答えいたすかということにつきましては、厚生省とも十分お話をいたしたいと、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/184
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185・河田賢治
○河田賢治君 これは厚生省にも関係するんですが、いま大学なんかで、大体女の人が保育所へ入って保母になるわけですが、何といいますか、大学の中にそういう福祉科ですか、そういうところを社会科学の一つとして持っているところがあるんですね。これは女の人が多いんですけれども、そういうところへ男の人が行くんです。男の人が行く。それから保育所に男の人もいま働き出しているんです。保父と言うんですかな。そういうふうに言葉は使っておりませんけれども、学校は出ましても、試験がありますね、保育所の保母なんかになるには試験が。そうすると、男の人は受けられぬということになっているんです、あれ。文部省あたりでは、これはまた厚生省にも聞くんですけれども、文部省あたりでは、そういう女の人だけでこれはいわゆる専門科、専科として男子はだめだということになっているとすれば、学校の方なんかは、こういう制度について教育上また将来男の人がそういうところで働きたいというような人がある場合に、一体文部省はどういうふうにこれを認めますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/185
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186・鈴木博司
○説明員(鈴木博司君) 私、幼稚園教育課長でございまして責任あるお答えを申し上げる立場にございませんけれども、保母さんの資格としまして女子に限るかどうかということにつきましては、その保母さんについて性別の上でもってどういう方が適当なのか、その辺はむしろ保母さんのめんどうを見られる観点からお答えをいただいた方がよろしいのではないかなと、こういうふうに考えているわけでございますけれども、大変どうもお答えにならなくて恐縮でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/186
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187・河田賢治
○河田賢治君 それは厚生省の方にじかに聞くわけですけれども、しかし学校で、これはあなたの幼稚園と違って大学あたりを出る人なんですけれども、短期とかね、そういう人が出て、そして自分がやりたいと思う職業、それが女の専門になっているというんで男は試験を受けられぬということになるとこれは大変なことになるんですね、本人にとってみれば。それまでまあ無資格でしょう。しかも、いまそういうところでも、子供を抱いたりいろんなことをするのに重労働で、ずいぶんと若い女の子さんが病気にかかるんです。そうすれば、男のわりあいに力強いのがいけばこれはそういう点でも軽減されるわけですね。で、そういう点と、まあこれは女ばかりの職業だと思われても男が入っていけるということをやっぱり国家試験なんか決めなければならぬだろうし、そういうのに対して文部省が送り出した学生が、学校を出て、そういう就職も希望するところにできぬというようなことになりますと、これはやっぱり文部省でも考えなければならぬ問題じゃないか、こういうふうに思って質問したわけです。
まあ、幼稚園のいま計画はわかりました。幼稚園でも、保育所があったら幼稚園じゃなくて保育所へやりたいという女の人はたくさんあるわけです、いま。どちらかといえば、働く人にとっては。幼稚園もこれは大体昔のままですからね、わりあいに金持ちのお坊ちゃんが幼稚園に行って、それでずうっと大学まで行くというようなところもあります。ですから、文部省は子供の教育ということが主体ではありますけれども、やはり社会情勢に合わせて多少こういう面を手直しする問題があるんじゃないかというふうに私たちは考えるわけです。この点であと厚生省の方に聞きたいんです。
いま保育所のこの報告書にもありますように、該当人口の総数で一三%ですか、一歳児では三%、ゼロ歳児では一%の入所というふうに、まだまだ保育所というものは非常に足らぬわけです。大分最近は厚生省の方でも保育所はずいぶんといろんな陳情を受けられてふやしてはおられますけれども、しかし、いま一般の人が要求しておるほどなかなか入れない、ずいぶんと申し込んでも受けられないという。したがってまた、無認可の保育所も相当今日では多いようです。特に無認可なんかではずいぶん無責任な、よく新聞にも出ますけれども、幼児を虐待したとか、殺さんばかりのことをしたとかいって、そういう新聞に出るほどお粗末なところもかなりあるわけですね。ですから、相当保育所が不足しているだけでなく、保育施設のいろいろな最低基準というものが非常にできていない。昭和二十六年から、改善されていないことによる保育条件の弊害ですね、たとえば労働基準法が守られていないとか、こういうことがもう始終あるわけです、たくさんあるわけです。で、労働条件がこういう劣悪さにあると、いま私たちがかなり保育所の陳情や要求を受けているのですけれども、これらについて、今回の勧告と関連して厚生省はどういうふうに考えておられるか、その点をひとつお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/187
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188・加藤陸美
○説明員(加藤陸美君) ただいま非常に広い問題についての御質問でございますので、特に要点にしぼってまずお答え申し上げたいと思いますが、まず一番最初におっしゃいました保育所の数が非常に不足しておるという問題についてでございます。これは確かにそういう情勢がここ十年ばかりの間ございまして、厚生省といたしましては最大の努力を尽くしてきておるわけでございます。先生御自身も、最近ずいぶんつくるようになったがとおっしゃっていただいたわけでございますが、なお今後とも不足状況、これは地域的な差というのは若干あるかと思いますけれども、そういうことも念頭に置きながら整備を進めていかなければならぬというふうに考えておるわけでございますし、今後ともその方向で考えてまいりたいと思っております。
それから、施設の基準の関係のお話がございましたが、これは施設整備を進めることと関連させながら施設の内容改善も進めてまいらなければならぬというふうに考えておりますが、施設数の増設との兼ね合いもありましてなかなかむずかしい問題ではございますけれども、おっしゃいますような施設の内容改善も含めて考えていくべきだというふうに思っておるわけでございます。
それから、最後におっしゃいました今度は運営の方かと存じますが、労働基準法が守られないと、特に休憩時間の確保というようなケースが、保育所の場合、これは昼中だけでございますので、そういう問題が顕著に指摘されておるというふうになっておりますが、これらの点につきましても、これは国庫の助成の対象になっておりまして、措置費という名前で、運営費でございますが、これの改善につきましても年々内容を充実改善を進めてまいっておりますし、今後も同じような努力は続けてまいりたいと思っております。先生御要望のとおり、労働基準法が守り得るような職場にという気持ちは推し進めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/188
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189・河田賢治
○河田賢治君 この労働者の問題なんかについて、やはり労働省に積極的に働きかけて、そして親の要求では長く預かってもらいたい、夜なんかも五時じゃちょっと早過ぎるとか、六時まで置いてもらいたいというような要求もありますけれども、いずれにしましても、そういう父母や、それからまた本人の労働時間をできるだけ短縮の方向と、したがって人も増員して多少の交代制をつくるとか、こういうふうにして改善する必要があると思うわけでありますが、いずれにしましても、最低基準ですね、保育所のいろいろな問題についての基準というものをもうちょっとやはり洗い直して、そうして早くこの高い現在の保育——いま幼稚園も兼ねたような問題になっておりますから、こういう子供たちの問題などもやはり決めて最低基準をつくる必要があると思うわけです。
それから、御承知のとおり勧告は現在の偏在しておる実情ですね、地方自治体が設置基準をあいまいにし、多くの保育所を幼稚園の代替施設的に運用しているというようなことも言われておるんです。だから、これはいろいろ地域の実情を十分に把握していないとこんな余りにも短絡的な結論が出るわけですけれども、御承知のとおり、それぞれの自治体が、何といいますか、住民の要求を保育所なんかについても聞きながら急速にやっているところと、そうでないところもあるわけですね、いろいろ。だからこういう問題については、先ほども言いましたようにこれは厚生省がいろいろ地域のあれを見て補助金なんかを決定するんでしょうけれども、それらのやってないところをやらせる。とか、もっと進めさすとか、やはり内容を十分見て、そしてできるだけ超過負担はなくしたりしてこの偏在をなくしていくということも必要だと思うんですし、また、どんどんと要請にこたえて保育所を増設する、こういう問題も必要だと思うわけですが、厚生省はずいぶんといま全国から保育所の設置の要求があると思うんですけれども、一体どのくらいいま満たされているんですか。たとえば五百ヵ所保育所をつくりたいと全国から上がっていくと、このうち厚生省としてことしの予算ではせいぜいそのうちの百ヵ所とかいうふうに、一体どのくらいが充足されているんですか、一応ちょっと数字があったら教えてくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/189
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190・加藤陸美
○説明員(加藤陸美君) 数字というお話になりますと、実は国庫補助もございますし、それからいわゆる寄付金といいますか、各種事業からの、たとえば船舶事業振興会などからの助成というような問題もありまして、どの分で幾らというのはなかなかむずかしゅうございますが、国庫補助分だけで申し上げますと、四十九年度で七百ヵ所を助成いたしております。で、全国的な要請数、これは計画段階と実行段階で違いますので一概には申し上げられませんが、大ざっぱに言いまして千ヵ所を超すぐらいの数字がほぼ妥当な数字かと思っております。正確には、実は計画してやめるところ、あるいは追加してというものもございますので正確には申し上げられません。したがって、先生が例に出されましたように、たとえば五百ヵ所でそのうち半分ぐらいというような状況ではございませんでして、ここ数年は要望に全部が全部応じているとまではまいりませんけれども、地域的な実情等、都道府県段階で計画を調整して、私どもその意見をもとにしながら進めていっておりますが、まあ十分とは残念ながら言えませんけれども、まあまあというところまで来ておるのが現状と存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/190
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191・河田賢治
○河田賢治君 これから文部省との調整機関でいろいろ話し合われると思うんですが、保育所の教育的な機能を強化するというような具体的な方針はおありでありますか、まず、それをひとつ聞きたいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/191
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192・加藤陸美
○説明員(加藤陸美君) 教育という言葉、これは私ども専門的な官庁というわけにまいりませんけれども、その言葉だけでいろいろな意味合いを持ってくるかと思いますけれども、実はかつて昭和三十年代の後半に厚生省と文部省の両関係局長連名で、教育も含めて、保育所の場合、幼児教育の基本的な考え方に準じてやるようにという基本線は出ております。その線は当然私どもベースに踏まえております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/192
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193・河田賢治
○河田賢治君 長時間の保育というのは、これは親の労働条件ですね、これが一番何といっても雑なんで、これが、全体的に改善されないと、なかなか保育所だけがそれに応じていくということはむずかしくもなるわけですね、労働基準法を守りながら。しかし、いろいろありますけれども、この中にもちょっと書いてありますが、夜間保育ですね、夜働らく人のために夜預かるというようなところの実態なんかはある程度つかんでおられるわけですか。東京あたりにはちょいちょいそういうところがあるんですが、あれ、私設が多いんじゃないかと思いますけれども、夜、キャバレーとかどこか、夜の女の人で出かけるんでその子供を夜間に預かるというようなところもいま大分あるようにちょいちょい新聞でも見受けるんですが、こういうような調査は余りないんですか。党なんかも余りやってないですかな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/193
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194・加藤陸美
○説明員(加藤陸美君) まず、前段でおっしゃいました長時間保育の問題でございますが、これは今回の行政管理庁からの御指摘の問題以前から、いろいろ、たとえば中央児童福祉審議会などでは議論されておりまして、また当然なことかと思いますが、各施設におきましても、保護者の方、親御さんからの希望は、通勤距離がだんだん延びるというような問題、あるいは通勤距離だけじゃなしに勤務時間がある程度不規則に、超勤等が親御さん自身があるというような状況も踏まえますと、長時間保育の要望はございます。他方、先生もおっしゃいましたとおり、その子供さんをお預かりしている人も、またこれは職員として、労働者として働いておられるわけでして、その兼ね合いが非常にむずかしい問題と思っております。しかしながら、ある程度の時間はこれはお預かりすべきだという気持ちも施設の方にございまして、先生まさにおっしゃいましたように、勤務時間を相互にずらしたり、早出遅出というようなことを言っておりますが、調整して進めてきておるのが現状でございますし、今後もその辺は考えてまいらなければいかぬと思っております。
それから、夜間保育でございますが、先生御自身、例に出されたわけでございますけれども、私どもそれらの実態調査というのは、残念ながら直接的な実態調査はしておりません。ただ、新聞とかそのほか、私ども地方の県市町村からのお話も聞く機会がございますので、若干は聞いておりますけれども、行政的な調査というのはいたしておりません。
それから他方、夜間というのは、特に乳幼児でございますので、これらの保育を夜という問題は、中央児童福祉審議会でも、つまり専門の先生方も、これはなかなか問題がありますよと、子供の福祉という立場で物を考えないと、親の方の側あるいは社会の方の側だけで物を考えては本当の児童福祉にならぬという問題もございまして、非常にむずかしい問題でございますが、そうは言うものの、研究はしなければならぬという点はございますけれども、ちょっと長時間保育の問題とはまた違った感じのもので従来から考えてきておるわけでございます。また今後、今回の問題指摘を契機にいたしまして、さらに、どういう検討を進めていくかにつきましては、関係の専門の方々の御意見等も伺ってまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/194
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195・河田賢治
○河田賢治君 いま、昔よりも、だんだん体が悪くなったり、障害児が多いわけですね、あるいは交通事故やなんかで。ぼつぼつ養護学校なんかで全寮で子供のあれをやっておりますけれども、やや障害児と言われる、通院なんかしても差し支えない程度の子供さんが大分おるわけですね、いま。こういう障害児の人々の保育というのは、なかなか専門的に預けると言うても、あちこちから集めるのはこれは大変でしょうし、しかしまた、一人や二人入ってきてそれに特殊な保母さんをつけるということもなかなか困難ではあろうけれども、しかし、こういう障害児が相当いまふえつつあるという段階ではそういう問題をも、障害児保育といいますか、こういう問題も考えなきゃならぬのではないかと思うんですが、こういう問題についてはどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/195
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196・加藤陸美
○説明員(加藤陸美君) 先生のおっしゃいます問題、これは非常に切実な問題と受けとめております。実は障害児という面から見た対策としては、まず障害児保育、保育所でという以前に基本的なものがございますことをちょっと御理解いただきたいと思います。つまり体の不自由な子供さんであれば肢体不自由児施設というのがございます。それに加えまして通園施設、昼中だけ利用するそういう障害児のための専門の通園施設というのもございます。それからさらに、小規模通園と俗称しておりますが、名のとおり、肢体不自由児、障害児の通園施設の小規模なものというものもある程度準備されております。しかしそういうところへ行きますのは、むしろ療育といいますか、体を治しにいくというのが一つの主要な目的になっているわけでございます。保育所での軽度の、つまり集団生活が可能なといいますか、むしろその方が効果があるというようなケースにつきましての問題かと思いますが、障害児保育という名のもとに、昨年度の後半から、ほぼ実験的な段階ではございますが、始めております。ただ、なかなかむずかしい問題が潜在しておることはもう先生御自身もお話の中にございましたが、そういうことも見きわめつつ将来の姿を、通園施設がベースであることはもう間違いないと思いますけれども、療育をしなければなりませんので、保育所におきましてもその辺の対応策を探っていくべきでないかというふうに考えて、実験段階ながら進めておりますのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/196
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197・河田賢治
○河田賢治君 さっき文部省の方にも聞いて、これは衆議院でも寺前国会議員が取り上げておった問題ですけれども、保母さんでなくて保父さんですか、こういう問題は非常に数は少ないと思いますけれども、しかし不景気になりますとどこでも働こうという人もありますし、本当は幼児の心理状態を研究したりなんかするには、一応そういうところで実験積む方がいいですね、学校の先生になるにしましても、小さいときからの成育なんかを研究的に。そういう熱心な人がああいうところに入るわけですけれども、資格がない。女の人は資格あるけれども男はない。大体同じように教育は受けておるわけです、みんな。こういう問題について、保母ということに保父を入れればいいわけなんですが、法律の改正ならば。そういう道を開かれる意向はないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/197
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198・加藤陸美
○説明員(加藤陸美君) これは、保育所ということはもう児童福祉法の目的に明確に書いてございますように、「乳児又は幼児」の保育という、ここからスタートしております。まあ日本の歴史的なバックもあるかと思いますけれども、やはりお母さん役ということから出ておる関係で女性の方の能力といいますか、基礎的な特性を十分生かしていくのがふさわしいということから保母さんということになってきておるものだと思います。男性の方の養成というのは最近になって確かに先生おっしゃいますようにそういう声も出てまいっております。先生がおっしゃいましたように、研究というような事例でおっしゃいましたが、そういう場合の問題というのはまた別かと思いますが、現在の段階では、お話にございましたように女性しか保母になれないという姿になっておりますので、これを急にいまどうするということまでは考えておりませんけれども、今後また実情によりまして考え方を処理していかなければならないのではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/198
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199・河田賢治
○河田賢治君 それはやはりそういうところで働きたいと熱望している人がいるんですからな。それも大ぜいの人に強制して行かすわけじゃないので、そういう人に道を開くことも別にそう大きな問題ではないので、別に弊害が起こるということは私はなくて、むしろ女の人なんかも一緒に働きながら、重労働的なことはかなり男の人は平気でやれるでしょうから、そういう点でも、そういう男の人にも保母と同じような資格を与えて、きちんとした、何といいますか、職業としてそれをやれるような道を少しでも早く開いていくべきだと、私たちはこう思っております。まあそれは十分検討していただきたいと思うんです。
今度は人事院にお伺いをしますが、義務教育等教員特別手当の支給の要求ですね、これは人材確保で、特別な措置法の規定で義務教育諸学校の教員に対する給与改善勧告制度ができました。幼稚園の教員は適用をいま除外になっているということなんです。ことしの三月の勧告にも、国立幼稚園では俸給表の三%がついた。公立ではつかない。それから特別手当もつかない。これは国立でもそうですが四%ですね、公立もつかないというふうに、幼稚園の職員が適用除外になっているのです。この問題について人事院の方の説明はどういうふうになっておりましたか、ちょっとこれを聞かしていただきたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/199
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200・茨木広
○政府委員(茨木広君) もともと人材確保法は義務教育学校の教員についての法律でございまして、その他の学校につきましては直接は適用がないわけでございます。ただ、一番密接な関係では、高等学校の教員の方々につきましては、従来とも小中学校との交流等のこともございましたし、非常に密接な関係がございますので、逆転をしない範囲内において処理をしてまいったわけでございます。義務教育の方が大変よくなったものですから、高等学校を乗り越えましてよくなってきた、高等学校をそのまま放置するというわけにまいらぬという関係からそのようにしてまいったわけであります。
幼稚園の方の問題については、第一次のときには同じような措置をそのまま受けるようにいたしたわけでございますが、第二次の際には、俸給表は国立については同じようなものが適用されておりますので自動的に同じようなことになっております。特別手当の方は、いま言ったような基本的なことからそのままそれを適用するということをしなかったわけでございます。二次の際に勧告の説明の中でコメントをいたしまして、小中学校につきましては、従来、師範卒等の、現在で言いますれば短大並みの方々が先生の中心を占めておったのが、新制大学出の方々が中心を占めるようにずっと変わっていったというようなこともございまして、給与の考え方を相当変えていかざるを得ないという一応基本的な基盤もございましたわけでございますが、その辺のところも違いますし、それから、国立と公立とあるいは私立までいろいろ影響があるわけでございますが、国立の付属は先生の養成課程に付置されましてそれのお手伝いをするという面と、それからやはり大学の付属校としての研究面を持たれるというような、いろいろ特殊性を持っております。そういうような点からいきましても、国立の付属の場合とその他の場合についてそのまま適用していくことがどうであろうか、こういう問題がございまして、すでに一次の教員給与改善で、一般職の例で申し上げますと短大を出ました者を対象にします人事院の中級試験採用者よりも二号俸ぐらいよい待遇にもうすでにその段階でなっております。それよりもさらに二次、三次というふうに加えましたものを一般の幼稚園等にそのまま及ぼしていっていいものやらどうやらというふうな問題がいろいろございまして、それで義務教育についての制度をそのままそちらの方に持っていくということをしなかったわけでございます。除外するというよりも、もともとが人材確保法の対象が義務教育ということになっていましたので、そのようなことで今後の検討課題にいたしますということを二次の際に御説明を申し上げたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/200
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201・河田賢治
○河田賢治君 この問題については、昨年参議院の文教委員会で附帯決議でも出ているんですね、附帯決議。ここで決議をしておりますし、ことしの三月二十七日ですか、この委員会で内藤議員の要求に対して茨木給与局長さんが引き続き検討するというような答弁をされているわけです。非常にこの問題は国会の中でも論議され、そして同じに扱うべきだという方向、それから、ことしもいままだ審議はしておりませんけれども、たくさん、特に自民党の方々がたくさんの請願書をずうっと出されているわけですね。ほとんどの町あたりから出ておるようです。それから、いまこれに対する要望、非常にやはり幼稚園の教員に対する要望というものはかなり広範な人々の要求になってきておると思うんですが、相当人事院でも、この問題を真剣にはおやりになっているんでしょうけれども、取り上げられるべきじゃないかというふうに考えるわけですが、この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/201
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202・茨木広
○政府委員(茨木広君) 昨年の附帯決議がございましたというのは、いわゆる人材確保法の成立の段階の際に附帯決議がついたわけでございますが、その中に「義務教育諸学校の教育職員の給与改善との均衡を考慮して」云々と、そういうような内容があったと思います。そこで、先ほども触れましたように、教員の一次改善のものはそのまま幼稚園の方にも適用するようにいたしましたと、こう申し上げましたのはその辺の均衡を考慮してそこまでやはり持っていくべきものだというふうに考えたわけでございます。二次は先ほど申しましたようなことでございます。
そこで、その後、私どもといたしましても、五月八日の日には、これは関係省庁がありますものですから、文部関係では官房、初中局、大学局、それから厚生省系統では官房、それから児童家庭局、医務局、この系統にそれぞれ保母を担当しておる課がございます。それから、地方団体が大変関係いたしますので自治省の公務員というところのそれぞれの課長さん方にお集まりいただきまして、私から問題の所在の点、それから問題点というようなものをお話しいたしまして、よく御検討をいただきますようにということで、若干のそこで意見の交換と検討する機会を持ちました。
それから、幼稚園関係、文部省さん関係は従来からいろいろ検討が進んでおったわけでございます、私どもとの関係では。厚生省さんの方との関係ではそういう面ではまだ新しい問題でございましたので、この十月にはまたさらに厚生省の関係の方においでいただきまして、先ほど来議論されておりますような問題あるいは意識等の関係の問題、そういうような点についてもいろいろ検討の機会を持ち、さらにいろいろ資料等をお頼みしたりして鋭意検討を進めておるところでございます。大変いろいろ影響の大きいところでございますものですから時間がかかるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/202
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203・河田賢治
○河田賢治君 義務教育ではなくても、義務教育のすぐ手前の段階の同じ教育者なんですから、やはりこういう問題は人事院でも鋭意進めてもらいたいということを希望しておきます。
あともう一つの問題は総理府の方ですが、非現業の公務員の労働基本権問題で、公務員問題連絡会議ですか、ここでいろいろ協議されているということですが、聞くところによると、昨日公務員問題連絡会議が行われたということであるそうですが、これはどういうふうになっておりますか、この辺の進展ぐあいをひとつお聞きしたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/203
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204・秋富公正
○政府委員(秋富公正君) 一昨年公制審の答申をいただきまして、先生の御指摘の公務員問題連絡会議を開催したわけでございますが、昨年の五月、さらにこれを新しい公務員問題連絡会議にいたしまして、新しい組織におきましても三十数回審議してきたわけでございます。現在まで審議した問題は、公制審答申のいわば十項目、今後処理すべき問題がございましたが、いわゆる現行法上のもとにおいて運用になってできる問題につきましては一昨年処置したわけでございますが、法律改正を要する問題、いわゆる法人格付与の問題、あるいは管理職の範囲の整備の問題、こういった問題につきましてはさきの通常国会に法案を国会に提出をいたしまして、ただいま御審議をいただいている状況でございます。
後に残されました問題、たとえば消防職員の団結権の問題、あるいは交渉が不調の場合の調整方法についてその新しい機関をつくるかどうかの問題、あるいは刑罰規定の問題、こういった問題以外に、いわゆる組合の方からも御要望のありました団交権についての検討、こういった問題につきまして十月の十三日にも公務員問題連絡会議を開いたわけでございますが、昨日もこの問題をさらに総務長官の主宰のもとに関係各省の次官レベルで検討した次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/204
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205・河田賢治
○河田賢治君 私の方も直接労働組合の方と会っていろいろと相談する機会というのは、余り私自身はないわけなんですけれども、関税当局などいろいろ交渉なんかで会ってくれないとか、それから総理府なんかでも、これは国公共闘といいますか、あそこも総務長官や副長官とは一回、国公労連の結成の際長官のあいさつ、そのときだけは会ってもらった。しかし、人事局長なんかにもほとんど、秋富さんですかな、人事局長になってからは一度も会っていない。こういうふうに国公共闘の方にはこういう問題で大分不満を持っているんですね。いろいろ団体が構成されておりまして、各省だけの問題でない場合もありますけれども、しかし、一応公務員のそれぞれの関係の者が——公務員でも御承知のとおり組合は第一だ第二だというてありますから、そう全体の意思がまとまったということは少ないかとも思いますけれども、しかし、なるべくやはりいろんな問題にしろ要求にしろ会って懇談的に話をするとかということで会う場合があると思うんです。ところが頭から会わぬというような調子で、団体交渉でも、ここにも御承知のとおり公務員の制度審議会ですか、これなんかでもなんでしょう、「交渉の相手方について争いがある場合も、同様とする。なお、法律や条例の存在が交渉の妨げとならないよう配意する」、そして「当局と職員団体との間の話し合いの積み重ねにより、労使間の意思の疎通に努めるものとする。」というふうに、非常に好意的に労使の間を心配してそういうふうなことを書いているわけですね。だからそれが、私の方は直接労働組合の方と会っていませんからわかりませんけれども、とにかくある組合には、ここで統計をとってみますと、四十八年十二月五日から五十年、ことしですか、十二月八日までの回数によりますと、公務員共闘には二十三回総務長官あるいは副長官が会っている。ところが国公共闘は、さっき言ったあいさつだけ、本当の話し合いというのじゃなくてただ一回ある。それから、人事局長さんでも片方は十九回会っているが二回しか会っていないとか、こういうふうに非常に差別されているわけです。話の内容で差別しなきゃならぬのかもしらぬけれども、とにかくいろいろな団体かやはり当事者として会う場合は、やはりそれに会って話し合いをする、そうしてできる限り労使間の意思のまず疎通を図る。立場は皆違うわけですから、それはやむを得ない、原則的には。しかし、どういうところに問題があるかということは、やっぱり会って話を聞いて直すようにしていきませんと、ただもう会わぬとか何とかで不満が腹の中にたまってはやっぱり問題起こると思うんですね。こういう点で、ひとつ私は、たとえばどういう理由で非登録の職員団体ですか、国公共闘には応じかねるということなのか、どういうような考えでお会いにならぬのか、その辺ちょっとひとつお答えを願いたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/205
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206・秋富公正
○政府委員(秋富公正君) ただいま先生から数字をもってお示しになりましたように、総務長官は過去二ヵ年間に公務員共闘には二十三回会っております。また人事局長も十九回会っております。しかし、これは非登録団体でございます。それから全官公、これは同盟系でございますが、これは総務長官二十回、私が、人事局長が五回でございますが、これも非登録団体でございます。大体総理府の総務長官あるいは人事局長がお会いいたしておりますのは、いま申しました公務員共闘あるいは全官公あるいは春闘共闘とかいうところでございますが、いずれもこれは非登録団体でございまして、私の方は登録団体でなければ会わないとかいうことではなくて、いま申しましたように、いずれも非登録団体でございまして、そういった点につきましては公制審の答申が出ました直後にも、非登録団体との交渉につきましても合理的理由がなく恣意的に拒否してはいけないということを各省にも徹底している次第でございます。
で、いま御指摘の国公共闘とどうして回数が少ないかという問題でございますが、御承知のように、国公共闘、これも公務員共闘に加盟している組織でございます。で、国公共闘の代表も公務員共闘の役員となっておるわけでございまして、公務員共闘が総務長官あるいは人事局長と会見の際には国公共闘の代表も入っておるわけでございますし、また国公共闘の要求というものはいわゆる公務員共闘の要求に十分織り込まれておるわけでございまして、いわばその一員として国公共闘があるわけでございますので、したがって、全部をカバーしております公務員共闘あるいは全官公と総務長官、人事局長は会っているというのが実情でございます。こういったわけでございまして、私たちは、先生御指摘のように職員団体の皆様ともできる限り意見の交換を図り、意思の疎通を図りたいと思っておるわけでございまして、事情の許す限り総務長官あるいは人事局長が会ってまいりましたが、今後もそういう気持ちで臨んでいきたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/206
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207・河田賢治
○河田賢治君 まあいろいろでして、登録、非登録もね。ここにも「登録されない職員団体が当局に交渉を求めた場合においても、当局は、合理的理由がない限り恣意的にその求めを拒否することのないよう努めるべきである。」と、やはり審議会は勧告しているわけですね。私は当局が正しければそう文句言わぬですよ。ところが、皆さんの直接の関係じゃないけれども、この委員会で、関税の問題で、第一組合は非常に数が少ない、全従業員の一割ぐらいだと。ところがここは非常な差別されていたんですよ。特別昇給というやつがありますね、制度が。大体平均すれば十五年に一遍ぐらい上がることになるわけです、予算が大体十五分の一とか決められておりますから。ところが、そういう差別をされていて、それでこれまで行職の第二ですね、運転手さんとか、それから女の方とか、こういうところは全然上がってなかったんです。二十何年上がらぬ人もあるんですよ。そういう非常な差別を関税当局がやっていたんです。私が三、四年前から少し問題にして少しずつ上がってきて、私がここで大分取り上げまして、今度大分訂正されまして、平均すれば一二、三%でしたか上がっておりますわ。行(二)の人も初めてだと言ってびっくりしているんですね。だから、そういうふうにやはり当局者も使用者に対して本当に公正な仕事をやっておられないわけでね、それで訂正されたわけですね、事実上。ですから、いろいろな問題がそれはあると思いますよ、あっちの組合もこっちの組合もとね。しかし、実際に組合が分かれたりあるいは何かしておりますれば、なかなか一つの組合で意思が本当に代表されるとも言えませんし、まあ大きな組合とまた小さな組合とも違いますしね。だから、会うぐらいのことは、まあどういう要求を持ってきたか知らぬけれどもとにかく一応会ってみる、要求は別としましても。そして意思の疎通をしませんと、うちに不公正なやり方をやっていて腹にたまると爆発するんですから、ついストライキにもなるでしょうし、だからそういう点でできるだけ、これも勧告しておりますように、非登録であろうとなかろうとやはり積極的に会って、そして面会あるいはいろいろな要請を拒むべきでないと言われているんですから、やはり会うだけは会って意思の疎通を図っていく、これが大事だと思うんですね。このことを私要望しまして、これで一応打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/207
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208・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 他に御発言もないようでありますから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
許可、認可等の整理に関する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/208
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209・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/209
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210・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
暫時休憩いたします。
午後三時二十九分休憩
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午後三時五十五分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/210
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211・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) それでは、委員会を再開いたします。
これで本日の委員会は散会いたします。
午後三時五十六分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00519751209/211
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