1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十三年六月十六日(金曜日)
午前十一時五分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 楠 正俊君
理 事
大谷藤之助君
福岡日出麿君
対馬 孝且君
安武 洋子君
委 員
岩崎 純三君
下条進一郎君
中村 啓一君
長谷川 信君
真鍋 賢二君
前田 勲男君
増岡 康治君
穐山 篤君
大塚 喬君
大森 昭君
小柳 勇君
馬場 富君
峯山 昭範君
市川 正一君
藤井 恒男君
柿沢 弘治君
国務大臣
通商産業大臣 河本 敏夫君
政府委員
通商産業省機械
情報産業局長 森山 信吾君
通商産業省生活
産業局長 藤原 一郎君
資源エネルギー
庁長官 橋本 利一君
事務局側
常任委員会専門
員 町田 正利君
説明員
海上保安庁警備
救難部長 村田 光吉君
消防庁技術監理
官 矢筈野義郎君
参考人
石油開発公団総
裁 徳永 久次君
石油開発公団理
事 江口 裕通君
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本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に
関する法律の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
○石油開発公団法及び石炭及び石油対策特別会計
法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
送付)
○特定機械情報産業振興臨時措置法案(内閣提
出、衆議院送付)
○地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
き、鶴岡繊維製品検査所の出張所の設置に関し
承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○構造的不況及び円高対策に関する請願(第二一
九号)
○大規模小売店舗法の改正促進に関する請願(第
二二一号)
○流通法規緩和に関する請願(第二六〇号外六
件)
○金属鉱業危機打開のための緊急施策に関する請
願(第五一一号外八三件)
○電気工事士法改正に関する請願(第二八〇一
号)
○栃木県小山地区の大型店進出延期等に関する請
願(第三一五五号外三件)
○中小企業の景気回復等に関する請願(第四〇〇
三号外三件)
○消費者側からの流通法規の見直しに関する請願
(第四三九九号外一九件)
○水素エネルギーの実用化促進に関する請願(第
四五七二号外四件)
○中小企業の不況対策に関する請願(第四八八一
号外一件)
○札幌市真駒内地区の地域暖房事業の助成に関す
る請願(第五二〇五号外一件)
○流通関係法規の規制暖和に関する請願(第五五
三五号外一〇件)
○大規模小売店舗法等の改正に関する請願(第五
七七三号外二件)
○ゴム履物製品の輸入規制等に関する請願(第五
八九二号外一五件)
○冠婚葬祭互助会法制定に関する請願(第六二七
七号外三〇件)
○円高為替差益の実態調査等に関する請願(第六
八八九号)
○継続審査要求に関する件
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
○理事の辞任及び補欠選任の件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/0
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001・楠正俊
○委員長(楠正俊君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律の一部を改正する法律案、石油開発公団法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案、特定機械情報産業振興臨時措置法案、及び地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、鶴岡繊維製品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの件の以上四案件を便宜一括して議題といたします。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/1
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002・大森昭
○大森昭君 機情法の関係について、時間の制約がありますから十分な質疑ができませんが、要領よくひとつ回答していただきたいと思います。
まず、この法案でありますが、さきに提案説明されていますように、機電法が本年三月で期限切れになったことに伴って、これにかわる法案として提案されておるというふうに思いますが、まず、機電法が過去七年間にわたりまして電子工業及び機械工業の振興にどのような役割りを果たしてきたのか、そしてまた機電法の成果を政府がどのように評価しているか、この機電法実施の中で内外の批判もあったかと思いますので、最初に伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/2
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003・森山信吾
○政府委員(森山信吾君) 機電法が昭和四十六年に制定されまして七年間運営をさせていただいたわけでございますが、その間、対象の機種といたしまして政令指定をいたしましたものが九十八機種ございました。それから資金の助成を行いましたものが日本開発銀行及び中小企業金融公庫を通じまして七百十億円でございました。それから機電法に基づきます共同行為、規格の制限が九業種、品種の制限が一業種、合計いたしまして十業種の共同行為の指示を行ったわけでございます。
こういった一連の政策によりましてどういう成果が上がったかという御質問でございますが、これを定量的に申し上げることは大変困難かと思いますが、あえて定性的に申し上げますと、機電法を施行いたします前の昭和四十五年と昭和五十年を比較をしてみた場合に、まず生産額におきましては大体二倍ぐらいになっておるわけでございまして、四十兆円ぐらいに達しております。それから輸出額が三・七倍でございまして、約十二兆円に達しておるということでございまして、まあ機電法があったためにこれだけ生産額がふえ、あるいは輸出額がふえたという直接的な因果関係はなかなか申し上げにくいわけでございますけれども、私どもの意識といたしましては、機電法が呼び水となりましてこういった機械工業の進展が図られたのではないか、こういう意識を持っておるわけでございます。
そこで、具体的に機械工業の中でどういう変化があったかということをかいつまんで申し上げますと、第一点は、機械工業がこれだけ進展いたしましたのは、一つは設備のスクラップ・アンド・ビルドが進んだのではないかと思うわけでございます。この設備のスクラップ・アンド・ビルドはまさに機電法で志向したところでございますので、先ほど申し上げました開発銀行あるいは中小企業金融公庫等の融資がこういったスクラップ・アンド・ビルドに相当な呼び水的な効果を果たしたのではないか、こういう気がいたしております。
それから第二番目の問題といたしまして、機電法はいわゆる機電一体、機械と電子工業を組み合わせるということを政策目途としたわけでございますけれども、従来、単体機械の振興は図られておったわけでございますが、機電法によりまして、いま申し上げた機械と電子の組み合わせがかなり進んでまいった、こういうことが言えようかと思います。その端的な例として申し上げますと、金属工作機械があろうかと思いますが、御承知のとおり、金属工作機械は、現在はNC工作機械というものが普遍的になっておるわけでございます。機電法施行前は工作機械のNC化率は八%程度であったわけでございますけれども、昭和五十一年には二二%に達しておりまして、現在金属工作機械の大宗を占めるのはいま申し上げましたNC工作機械ではないかと、こういうことでございます。
それから三番目に申し上げたいことは、機械工業のウイークポイントでございます多品種小量生産形態の解消という問題がございます。これにつきましては、いわゆる共同化、グループ化というものを通しまして幾らかでもその解消に役立ったのではないか、こういう感じがしておるわけでございます。
以上申し上げましたようなことは一つのメリットとして考えられているのでございますけれども、では、どういう問題点が生じてきたかという点でございます。これは機械工業というものを日本の産業構造の中核的な業種といたしまして育成いたしてまいりまして、冒頭に申し上げましたように、輸出も大変好調になってまいりました。その輸出の好調が現在大変大幅な経常収支の黒字という問題とリンクして問題があるのではないかと、こういう御指摘がございます。しかし、私どもの意識といたしましては、日本の産業構造に占めます機械工業の進展というものに役立ったわけでございますけれども、たまたま内需の大変な低迷、あるいは国際的な景気の長期にわたる停滞、こういう問題がございまして、いま申し上げました経常収支の大幅黒字という問題があったわけでございますので、機電法と直接的な因果関係はない、こういうふうな解釈をしておるわけでございます。なお私どもが意識といたしまして問題と思っております点は、るる申し上げましたように、機電法はいわばハードウエアの振興を図ってきたということでございます。世の中はだんだんとシステム化されてまいっておりますので、単にハードウエアの振興だけでは十分ではない、こういう意識がございます。日本の機械工業はハード面におきまして相当先端的な成功をおさめたのではないかと、こういう気がいたしますけれども、ソフトウエア面におきましてなお欧米諸国に比べまして劣悪なる条件にある、こういう反省がございますので、今回機情法といたしましてハードウエアを取り上げさしていただいた、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/3
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004・大森昭
○大森昭君 メリットがあったようなないような、ちょっと説明が長いからあれですが、いずれにいたしましても、従来の機電法の中で役割りを果たしてきたというお話に理解をいたしますが、いずれにしても、いまお話しのように、ハードウエアからソフトウエアへという新しい客観情勢の変化もあるでしょうし、厳しい世界の経済の動きもあるでしょうし、いろいろな点から検討されたのだろうと思うのでありますが、しかし、率直に申し上げまして、もう少し改正をするという立場になれば基本的にやるべきじゃないかという意見もありますし、中途半端なものなら機電法をそのまま延長したっていいじゃないかというような意見もあるようでありますが、いずれにいたしましても、機情法を提案されておるわけでありますが、説明をちょっと短かくしまして、機電法と今回改正をされて提案をされておる法律の手直しした部分を端的にちょっと説明していただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/4
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005・森山信吾
○政府委員(森山信吾君) 機情法をお出しするに際しまして、延長か新法かという論議をしたわけでございますが、結局は新法でお願いしておるわけでございます。
変わった点を申し上げますと、第一点は、先ほどお答え申し上げましたハードウエアの振興だけではなくてソフトウエアを新たなる法律の対象にさしていただきたい、これが一番変わった点でございます。そのほか、たとえば機械の指定要件の見直しを若干行っておりますし、あるいは高度化計画策定に当たっての配慮規定をつけ加えたという問題もございます。また指示カルテルの行える場合のうちの条件の変更という問題もございますけれども、一番大きく変わった点は、いま申し上げたソフトウエアを対象に取り上げたということではなかろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/5
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006・大森昭
○大森昭君 いまのお話によりますと、相当程度ソフトウエアの方に振興策を高めたというような御説明ですが、法案自体をちょっと読ましていただきますと、確かに多少ソフトウエアの関係にということは言えますけれども、しかし、全体の流れは、率直に申し上げますと、やはり産業といいますか企業といいますか、そういう視点で法案が提案をされているのじゃないかというふうに思われるわけです。
そこで、やはり産業のあり方というのは、そういう企業とか産業という視点も必要ではありますけれども、むしろ産業のあり方の基本というのは、やはり生産をされる物とか、企業とか産業のみならず、問題はこれを利用する国民の立場に立ってやはり行われていきませんと、情報化が進むにつれてプライバシーの保護の問題だとか、いろいろなことが論議されております。したがって、そういう意味合いからいきますと、少しこの法案自体が手直しをされているとは言いながらも産業だとか企業を中心にしての法案じゃないかと思いますので、いろいろ提案されている中に高度化計画などについても言われておりますが、やはりこういう問題は十分利用者の立場に立って法案の運営がされませんといけませんし、とりわけ、医療関係などについての機械器具というのは厚生省が所管しているのでしょうし、そしてまた通信関係の機器については郵政省が従来から所管をしているのだと思いますので、そういう立場で考えますと、そういう専門的にいろいろ検討をしておる人たちの意見を聞かなければ本当の意味での高度化計画というのは成り立たないのじゃないかと思いますが、その辺はどのように理解をされていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/6
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007・森山信吾
○政府委員(森山信吾君) 御指摘のとおりでございまして、私どもは、従来やらしていただきました機電法等によりましていわゆる産業振興ということを図ってまいったわけでございます。しかしながら、機械工業、あるいは今後は情報産業ということになろうと思いますが、こういったものがユーザーの観点を十分踏まえた政策でなければならぬという御指摘には全くの同感を感ずるところでございまして、私どももそういう配慮は十分してまいりたい、かように思っておる次第でございます。
ちなみに、従来、機電法の時代におきましても、政策決定をする際には審議会に諮問をいたしまして広く関係の方々の御意見を聞いた上で政策決定をする、こういうメカニズムをとったわけでございまして、今後そういった方向は、機情法を成立さしていただきました後にも続けてまいりたい、かように考える次第でございます。ちなみに審議会の構成を申し上げますと、生産業界の方が二十三名入っておられますし、これに対しましてユーザー業界といたしまして八名の方が入っておられます。これは先生御指摘のございました関係各省庁の方々もこの中に入っていただいておりまして、十分とは言えないまでもユーザー業界あるいは関係官庁の方々の御意見を拝聴する仕組みはつくっておるつもりでございます。冒頭に申し上げましたように、先生の御指摘につきましては全く同感でございますので、今後ともそういう方向で関係の方々の御意見を十分政策決定に反映できるようなメカニズムというものをつくり上げていきたい、かように考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/7
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008・大森昭
○大森昭君 先ほどちょっと説明の中にもありましたけれども、私どもの理解では、この機電法が大企業を優遇して輸出競争力を強化して、ひいては今日の円高になっているという批判が海外を中心に根強い意見があるのではないかと思うのでありますが、今度の法案の中では、こういった点についてはどういうように改められておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/8
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009・森山信吾
○政府委員(森山信吾君) 先ほど冒頭にお答え申し上げました機電法時代に約七百十億円の資金的助成をしたというふうに申し上げましたが、そのうちの七割強は、いわゆる中堅中小企業に属する企業でございます。日本開発銀行を通します融資が大部分でございますから、あたかも大企業に融資されたかのごとく見受けられますけれども、実態的に申し上げますと、資本金十億円以下の企業ということでございまして、七割強がいわゆる中堅中小企業向けの融資であるわけでございます。したがいまして、私どもは、直接大企業に対しまして融資をする仕組みといたしましての機電法というふうには考えていなかったわけでございます。御承知のとおり、機械工業といいますものは大変すそ野の広い産業でございまして、このすそ野でございます中堅中小企業の方々のレベルアップというものがなければ機械工業全体のレベルアップは図られない、こういう考え方のもとに、主として中堅中小企業の方々を対象にこの法律の運営を図っていくということが過去の哲学でもございますし、新しい法案の機情法の哲学でもあろうかと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/9
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010・大森昭
○大森昭君 今度の法案には新しく情報産業、省資源、省エネルギー関連産業が対象に加えられたというお話がありましたけれども、まあ、これをまとめて言いますと、いわゆる知識集約産業と呼ばれるのだと思いますが、いずれにいたしましても、この昭和六十年代の展望といいますか、そのことについて、現在の状況とあわせて、通産省側は具体的に何かお持ちになっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/10
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011・森山信吾
○政府委員(森山信吾君) 情報産業の将来展望につきましては、昭和五十一年に産業構造審議会の情報産業部会がまとめました計量予測がございます。これによりますと、昭和六十年におきます情報処理総額が約八兆円ということでございまして、ちなみに現在の各業種別の生産額を申し上げますと、自動車が約九兆円でございます。船舶が三兆円でございますけれども、そういった産業に肩を並べる程度まで昭和六十年には成長するのではないか、こういう予測がございます。
この内訳を申し上げますと、電子計算機の売上高が約二兆五千億になるのではないか、それから情報処理産業の売上高が約一兆三千億になるのではないかということでございまして、電子計算機は四・三倍、情報処理産業は五・三倍と、こういった高い成長が期待される業種ではなかろうかと、かような予測をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/11
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012・大森昭
○大森昭君 時間がありませんから、後でまたいまの局長の答弁、また資料を別途御説明していただきたいと思いますが、そこで、そういうような展望を持っているというお話に関連するのだろうと思うのでありますが、通産大臣が衆議院におきましてわが社会党の渋沢委員の質問に答えて、「二十世紀の第三・四半紀の基幹産業が鉄であるとするならば、第四・四半紀の基幹産業はコンピューターである、」と、議事録に書いてありますが、七〇年代以降の基幹産業がコンピューターであると考える根拠は、通産大臣はどのように根拠をお持ちになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/12
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013・河本敏夫
○国務大臣(河本敏夫君) まず第一に、典型的な省資源、無公害、高付加価値産業でありまして、産業構造の高度化を担う戦略産業であると、こういうことであります。第二に、複雑かつ多様化した国民的なニーズにこたえ得る社会経済の中枢神経でありまして、国民生活をサポートする重要な柱であると考えております。それから第三には、その開発、製造のための技術は日進月歩であるばかりでなく、電子工業を中心に広範囲な産業分野に波及しておりまして、技術先端産業の典型として今後の産業を技術的に支えるものであると考えております。さらに第四といたしまして、産業構造審議会の情報産業部会の昭和六十年度におけるわが国の情報化及び情報産業の計量予測というのがございますが、これを見ますと、昭和六十年代の汎用コンピューター設置金額は約七兆五千億弱となっておりまして、昭和四十九年度末に比べまして三・八倍であります。年の平均伸び率から言いますと一三%前後の伸び率になっておりますが、きわめて高い成長が見込まれる成長産業であるということ。
以上のような幾つかの観点から、コンピューター産業の特質から判断をいたしまして、今後の戦略的な基幹産業としての役割りを十分期待していくことが可能であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/13
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014・穐山篤
○穐山篤君 委員長、関連です。
関連で政策的な態度についてお伺いをするわけですが、これは本委員会でも議論をされたことでありまするが、たとえばカラーテレビなどの問題につきましてアメリカでトラブルがあったわけですね。そういう立場でこの機情法を客観的にながめてみますと、産業保護の振興対策である、あるいは輸出振興対策というふうに映るのは当然だと思うのです。しかし、幸か不幸かわかりませんが、いまわが国のコンピューターを含めてソフトウエアの位置づけというのは、かなりアメリカに比べれば格差があるし、それから日本を基点にしますと東南アジアを含めましてこれまた非常に格差がある。ちょうど日本は中間点にあるわけですが、この法律が制定をされて高度化計画が逐次実践に移されていきますと、当然国際競争力というものを持ってくるわけです。そこで必然的に出てきますのは、日本は非常に産業保護ということに力を入れている、この法律にもありますように、具体的に国が財政的な措置の裏づけをする、それからさらに税金の措置も軽くする、それからさらに輸出に当たりましては関税もまた問題になってくるということで、例のゼニス社のカラーテレビのごとき相殺関税という問題がこれから出ないとも限らないし、また、最近ECの態度からいいますと、求めて日本を攻撃をしている態度にあるわけです。したがって、国内産業を振興しなきゃならないという一つの戦略はありますけれども、片方では国際的な協調を十分に図っていくという、もうこれも当然なことだと思うのです。このソフトウエアの分野がこれから相当高いスピードで進んでいきますと、この国際的なトラブルというものを念頭に入れてかからなければならない私は時代ではないかというふうに考えますが、その点についての過去の国際的なトラブルの反省から考えてみて、この計画を推進し、そして、いよいよ輸出を大幅に進めていくに当たっての具体的な摩擦をできるだけ少なくして国際競争力をつけていく、あるいはIBMに肩を並べるということにはしばらくの間はならないと思いますけれども、追いつきながら、なおかつ国際的な協調を図るために何らかの具体的な対応措置というものが私は必要ではないかというふうに考えるわけですけれども、その点についての考え方があればひとつ明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/14
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015・森山信吾
○政府委員(森山信吾君) ただいま穐山先生から御指摘になりました点は大変大きな問題ではないかと思っております。
先ほど大森先生の御質問に私が答弁しました中に、機電法をやめまして機情法という新法の制定をお願いした、こういうふうに申し上げました一つの理由は、機電法当時と客観情勢が大幅に変わっているということではないかと思います。その大幅に変わりました客観情勢の一つの中に国際摩擦の問題があろうかと思います。機械工業というものが日本の総輸出の約六割を占めておりますから、現在摩擦を起こしている代表的な商品は機械工業が多いわけでございます。私どもは機電法と国際摩擦との因果関係というのは必ずしも結びついていないと思っておりますけれども、現実の問題といたしまして、機械の中の商品が摩擦を起こしているという状況ではないかと思います。そこで、やはり今後七年間の機械産業のあり方あるいは情報産業のあり方というものを考えてみますときに、国際的な分業論といいましょうか、その摩擦をできるだけ解消するという方向でその政策を推進する必要がある、こういう考え方で新しい法律を立案さしていただいたわけでございます。
そこで、いま御指摘のコンピューターあるいは情報産業というものの国際協調性、あるいはそういったものを配慮した日本の国内における政策のあり方という点につきましての御質問があったわけでございますが、私どもは、端的に言いまして、国内における情報産業は外資を一概に排除する、排撃する時代ではない、こういう気がいたしておりまして、情報産業に関します産構審の答申の中におきましても、たとえばコンピューターにつきましては半々ぐらいで、外資系半分、国産半分、これぐらいの目標でやったらどうかと、こういうような答申もいただいております。現在は五七%ぐらいが国産メーカーによって占められておるわけでございまして、四十数%が外資でございますけれども、一概にこれを排撃するという政策はとっておりませんで、共存共栄、こういう政策をとるべきではないかと思います。逆に日本のコンピューターというものも、国産をむやみに外国品からプロテクトすることによりまして守るという方向から、だんだんと国際的な中における日本のコンピューターという時代も来ようかと思います。現在は大変微々たる量ではございますけれども、輸出も少しずつ出始めております。そういった過程を考えますと、国産だ、外資だということで壁をつくりまして政策をやることが果たして適当であるかどうかという問題もあろうかと思いますので、私どもは、今回機情法を通さしていただきました後は、そういった考え方のもとに、高度化計画というものは国産オンリーということだけではなくて、国際的な分業論あるいは日本のコンピューターを国際的にどう位置づけたらいいかというような問題意識も踏まえまして高度化計画というものを作成してまいりたい、かように考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/15
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016・大森昭
○大森昭君 大変厳しい経済情勢でありますし、そういう意味合いからいきますと、産業構造政策についても新しい視点で政策を遂行しなければならないわけでありますが、さきに構造不況対策の法案を審議した際に、いずれにいたしましても、撤退産業に対する政策だけが提案されておって、成長産業に対するビジョンについての提示がないじゃないかという批判もありましたし、また大臣の方からは、そういう意見について、今国会には機情法を提案しているという答弁などもあったわけでありますが、しかし、この法案を構造不況法案と裏表の関係でとらえていいのか。さらに、構造不況法案の際にいろいろ議論がありまして、いわゆるこれに伴う離職者あるいは雇用吸収部門に対するビジョンの欠如などが議論されたわけでありますが、この法案を実施する中で、今後の安定経済成長下の中で、一体、雇用の吸収の問題あるいは雇用創出の面において果たすべき役割りをどのように消化をし、また政府はどのような見解を具体的にお持ちになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/16
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017・森山信吾
○政府委員(森山信吾君) ただいま大森先生から二つの問題を御指摘を受けたわけでございます。
第一点の構造不況法案と本法案との関連といいましょうか、うらはらの関係にあるのかどうかという御指摘でございますが、私どもは、機械工業あるいは情報産業というものの持つ日本経済の中の重要性、こういった問題から法案を出させていただいたわけでございまして、必ずしも構造不況法との関連で法案を出したというわけではないわけでございます。もちろん、生きた経済活動でございますから、そこにスクラップをするものがございますれば当然ビルドするものもなければならないというわけでございますので、そういった意味での相関関係というものは当然に考えなくちゃならぬと思うわけでございますけれども、法案を提出させていただく段階におきまして直接的なリンクを考えたわけではないということでございます。
それから、第二点の雇用の問題につきましては、機械情報産業そのものは雇用吸収につきましての二つの面を持っておるのではないかと、こういう感じがいたします。その一つは、機械情報産業そのものが雇用の場であるということが言えようと思います。ちなみに労働省でおつくりになっておられます主要産業の雇用誘発係数というものを見てまいりますと、たとえば石油あるいは石炭製品の製造業等におきましては雇用誘発係数が九であるに対しまして、機械は、たとえば精密機械で申し上げますと五五、あるいは一般機械で申し上げましても四二というふうに、けた違いに雇用の吸収係数が大きいわけでございまして、機械情報産業そのものが雇用の場であるという面がございます。それから、もう一点は、機械情報産業といいますものは、他の業種に対しまして機器を供給する産業でございますから、だんだんと世の中のニーズにこたえまして、新しいタイプの機械を生み出していく産業でございます。新しいタイプの機械を生み出すことによりまして、その機械を利用した新しい産業というものが興ってくる。第三次産業あるいはレジャー産業等がそういうものに該当しようかと思いますけれども、そういった場面で、そういった職業というものがまた新たな雇用吸収力になるという、その新たな雇用吸収の職場に機械を供給する、そういった二つの面がございますので、こういう機械情報産業を振興することが単に当該業種の雇用を高めるということだけではなくて、日本全体の雇用拡大のチャンスを生み出す原動力になっているのではないか、こういう問題意識で当該産業の振興を図ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/17
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018・大森昭
○大森昭君 局長、一般的な理論としてはそういうことが言われると思いますがね。今日置かれておる状態というのは旧来の経済原則の中にあるわけじゃないのでありまして、しかるがゆえに不況と物価高が同時に進行したり、なお今日、政府の考え方では経済はやや上向きだと言いながらも、失業者は依然と増加をしているわけでありますから、所管は労働省ですけれども、やはり局長のお話はお話として、具体的に現状の中ではそう従来の理論どおりにいっていないという視点の中で十分ひとつ指導をしていただきたいというふうに思います。
そこで、新しくソフトウエアをつけ加えたわけでありますが、もうこれも御案内のように、情報産業の発展にとって欠くことのできないものであるわけでありますが、いずれにしても、今日の事情はまだハードの付帯的サービスといった立場に今日まだソフトウエアはあるのじゃないかと思うのです。そのために、ほとんどがメーカーや計算センターなどの下請機構の中に組み入れられておって、零細な業者によって複雑な多重構造をつくり出しているのじゃないかと思うのであります。そういう意味からいきますと、きわめて不安定な状態に置かれていると思いますし、ことにメーカーなどの市場競争の激化によりましてソフトウエアの無償提供のダンピングのもとでソフトウエア業に大きな犠牲がしわ寄せさせられているのじゃないか。そして需要が多いにもかかわらず、関係労働者は低賃金、長時間労働、さらには賃金の不払いなどの前時代的な劣悪な労働条件を強いられ、聞くところによりますと、労基法違反の実態などもかなりあるように聞いております。したがって、本法の制定によりまして、高度化計画の前提としてソフトウエア業の近代化を図って産業基盤を確立し、関係労働者の置かれておる立場を適正なものとしなければならないと思いますが、この法律の運用ではどのように取り扱うことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/18
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019・森山信吾
○政府委員(森山信吾君) ソフトウエア業におきます労働環境あるいは労働条件と申しましょうか、こういった面につきましては、ただいま先生から御指摘のような問題があるということは私どもも承知をいたしております。そこで、関係の業界の方々にはくれぐれも労働法規に違反することのないような配慮を望むということはたびたび勧告をしておるところでございます。しかしながら、より実態をはっきりさしたいという意識がございまして、五十三年度の一般会計予算から若干の金をもらいまして、ソフトウエア業に従事されます従業員の方々から見たソフトウエア業のあり方というものを基本的に勉強さしていただきたい、こういうことで今年度なるべく早い時期にそういった調査をやりたいと思っておるわけでございます。
それから、労働環境の改善あるいは労働条件の改善につきましては、環境なり条件そのものの改善というものもございますけれども、絶対的な要件といたしましてはソフトウエア業に従事される方々の労働力不足という問題があるのではないか、こういう気がいたします。先ほどお答え申し上げましたように、大変な成長が期待されている産業でございますから、それに比例いたしまして従業員の数もふやしていかなくちゃならぬという問題がございますけれども、これは大変な知的能力を要求される職種でございますから、一朝一夕には量がふえていかないという問題もございますので、そういった面で、この法案を通さしていただきました後は、高度化計画の配慮条件といたしまして、そういう問題を十分組み込んだ上で高度化計画を策定したい。つまり業種のあり方と労働力のあり方というものがうまくリンクしたような高度化計画でなければならないのではないか、こういう問題意識を持っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/19
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020・大森昭
○大森昭君 置かれている実態を十分調査をしていただきたいと思うのですが、いずれにいたしましても、新しい機械を購入するということになりますと相当の資本が要ります。そうすると、どうしてもその資本の投下を早いところ回収したいという考え方に立つ傾向があります。そういう意味合いからいきますと、たとえば二十二時間勤務なんていうのもあるようでありますが、どうしてもその機械をフル回転をしたいという状態の中で人間が機械に使われるという状態なども起因しているのじゃないかと思いますので、そういう意味合いからいきますと、よほどこういう新しい機械の中で働く労働者の置かれておる立場というものについての指導を強化していただきませんと、機械は発達をいたしますけども人間はむしろその機械に使われるということではどうにもなりませんので、要望しておきたいと思います。
次に、法案の中でいろいろ合理化問題などについても言われておりますが、もちろん、世の中の発展の中で極力むだを省くということは必要なことでありますけれども、ただ、この合理化を進めるに当たって、いずれにいたしましても、関係労働者の労働条件というのは変化をするわけであります。そういう意味合いからいきますと、一方的に政府の立場や経営の立場で計画を策定をして押しつけるということになりますと、当然そこに労働者の不満を招くことになりますし、ひいては高度化計画が円満に遂行しないということになると思いますので、こういう計画については、産業別に労働組合の代表の意見を聞くとか、あるいは企業ごとには関係労働者の意見を十分反映をさせるとかいうふうに義務づけておいた方がいいと思いますが、どのような見解をお持ちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/20
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021・森山信吾
○政府委員(森山信吾君) ただいま御指摘になりました点は私も全くそのとおりではなかろうかと思っております。先ほどからお話のございましたように、機械情報産業は大変新しい分野でもございますし、また関連する先が大変多いという特色も持つわけでございます。したがいまして、一方的な価値判断のもとに政策決定をするということは絶対にやってはならないという気持ちを持っておりまして、従来とも審議会におきまして十分なる審議を尽くした上で政策決定をさしていただいたわけでございますけれども、今回は特に情報産業という新しい分野の業種を対象にさしていただこうとしておるわけでございますので、いま先生から御指摘になりましたように、情報産業の中の特殊な労働問題という点につきましては十分なる配慮をする必要があろうかと思います。そこで、審議会等に意見が十分反映されるようなメカニズムというものを考えさしていただきたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/21
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022・大森昭
○大森昭君 先ほど航空機・機械工業審議会についての御答弁がありましたけれども、端的に申し上げますと、いろいろ工夫をして各界の意見を聞くというお話もありましたけれども、どうも私はいつも条文を読んでいましてね、学識経験者などによって委員を構成するというのが大体多いのですけれどね。確かに多くの点で一つのものを持っておられる学識経験者の方がいるとは思いますけれども、やはり先ほどから大臣も御答弁になりましたけれども、これからはコンピューターの時代に入るのだという、むしろ、どちらかと言えば先を見越しての産業構造政策というものを打ち出すというものだろうと思うのですね、審議会の中で議論するのも。そうなりますと、大変学識経験に豊かでありましても、過去の学識経験だけではこれはどうにもならないのですね。そういう意味合いでは、従来、政府の中にはたくさんの審議会があって、役所は全部その答申を待ってという——まあ、こういう言い方すると怒られるかもわかりませんが、少し隠れみの的な審議会の運営がたくさんあるのでありますが、むしろ、各省に置かれておる審議会とは違うという意味合いではないのでありますが、将来を語って、そしてまた将来の見通しの中で産業構造の政策を遂行するという重大な審議会でありますから、人選について十分配意をしてという御発言がありましたけれども、そういう意味合いで、ひとつせっかくつくる審議会でありますから、十分なる対応をしていただきたいと思います。
次の問題に移りますが、いま最も重要だと言われている中で、この情報産業について、この法案の中でもいろいろ融資の問題だとか、資金の問題についてのことが書かれておりますが、むしろ人材を多く育成をするということが今日の情報化社会の中では最も必要じゃないかと思うのですが、この時代の先取りとして設置をされました国立学校の情報処理系学科などについては、現状はどうなっておるのか。とかくこういう理工科系といいますか、については余り十分な対応がされていないのじゃないかと思うのでありますが、ひとつ今日の現状とまた今後のあり方についてどのような見解をお持ちになっているか、回答していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/22
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023・森山信吾
○政府委員(森山信吾君) 学校教育の面におきます情報処理技術者の教育の問題を見ますと、まず、大学につきましては、昭和五十二年度末で申し上げますと、大学院の修士課程で二十一専攻ございます。それから博士課程で十専攻、それから大学では四十一学科、短期大学で八学科が設置されております。それから、いま申し上げましたような大学に共通いたします教育センターの場といたしまして、情報処理教育センターというものが全国に八カ所設置されております。
次に、高等学校関係で申し上げますと、五十二年度末現在で、工業高校の情報技術科が三十三学科ございます。それから商業高校の情報処理学科が八十九学科ございます。なお、情報処理教育関係の助成措置といたしまして、設備の整備を中心にいたしまして昭和五十三年度予算で百三十一億円の予算が文部省に計上されているという状況でございます。
それから、職業訓練校におきましては、職業訓練法施行規則に基づきまして電子計算機学科が訓練課程として設定されておりますし、情報処理関係の課程も順次拡大の方向にございますけれども、まだ必ずしも十分とはいってないということでございまして、今後とも大いにその充実を期待したいと思っているわけでございます。
以上が学校教育の関係でございますので、文部省の方で御担当になっておられるわけでございますけれども、先ほどお答え申し上げましたように、私どもは、この業種に従事していただく方々の人材の拡大という観点から、通産省におきましても、情報処理研修センターというものを通しまして人材養成にはますます力を入れてまいりたい、かように考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/23
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024・大森昭
○大森昭君 一般的にはそういう答弁になるのだろうと思うのですがね。まあ、いずれにしても教育も必要であります。そしてまた、その教育するのには優秀な教授が必要ですけれども、私どもの見たところ、優秀な教授というのはどうもアメリカの方へ行っちゃって、日本には何人か残っているでしょうけれども、そういう新聞記事などをよく見るのですがね。やはり教育の充実をいま局長が答弁されたようにしてもらうのと同時に、やはり優秀な教授などは日本の中で少しやっていただきませんと、せっかく日本の教育の中でたくさんの金を補助して日本の中で勉強して向こうへ行ったのじゃ、これはうまくないんですよ。だからひとつ、そういう点で、とりわけこれから著しく発展をする産業でありますから、そういう視点を踏まえてやっていただきたいと思います。
なお、同時にまた、こういう新しい機械の中では職業病の関係が続発をしているのじゃないかと思いますが、官庁などの中でコンピューターが入っておりますけれども、なかなか職業病の認定などについても——きょうは人事院は来ていませんが、余りスムーズにいっていないのでありますが、こういう産業構造の変化に伴う、とりわけソフトウエア関連業界の職業病についてどのような対策をとられているか、御説明していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/24
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025・森山信吾
○政府委員(森山信吾君) 御承知のとおり、情報サービス業というものは人間が財産であるわけでございます。つまりマンパワーによってその企業が経営されていくわけでございますので、その従業員の方々が働きやすい環境をつくるということが企業にとっても一番大きな問題ではないかと思いますし、また、先生御指摘のとおり、特殊な仕事でもございますので、職業病的な問題もあろうかと思います。御承知のとおり、労働関係法令にありまして種々の規定が設けられておるわけでございます。私どもは、それに対しまして強い期待を持っておるわけでございます。しかしながら、単に労働関係法規だけで問題を処理するという考え方ではなくて、先ほど私がお答え申し上げました中に、わが省といたしましてもソフトウエア業に従事される労働者の方々の立場から見た当該業種のあり方の勉強をしたいというふうに申し上げましたけれども、その調査の一環といたしまして、ただいま御指摘のございました職業病の関係につきましては検討をさしていただきたい。その上で関係の方々とも十分なるディスカッションをしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
〔委員長退席、理事福岡日出麿君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/25
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026・大森昭
○大森昭君 まあ、きょうのところの答弁はそういうことなんでしょうけれども、もう御案内のように、コンピューターというのは、ある一定の温度がないと機械自体に支障が起きるということで、たとえば室内の温度にいたしましても常時二十度なら二十度を保っていなければいけないという状態なんですよ。ですから、そういう意味からいけば、いま局長が何をおいても人が大事だと言われますが、置かれている状態というのはそういうことじゃないのでありまして、もう機械をいかにして長もちさして、よりよい性能を持たしておくかという立場の中で労働者というのは働いているというのが現状ですから、いまあなたがもう少し検討し勉強してというお話がありましたから、ぜひやっていただきたいと思いますが、ただ、この法案全体見まして、法案の内容についてはさらにまた審議会でいろいろやられるのだと思いますが、どうもこの法案全体を見ますと、少し大ざっぱに何もかも一まとめにしたような感じなんです、正直言いますと。したがって、今後の問題というものが大変残されているように思うのでありますが、いずれにいたしましても、大ざっぱに一まとめにしたような法案ではなかなか、先ほどからいろいろ問題がありますように、その対策というのはきめ細かくしなきゃいけないと思いますので、ぜひひとつそういう点でなお一層この法案の運営に当たってはやっていただきませんと、せっかく法律ができても、具体的にそこに働く人たちの立場も無視されるということでは困りますので、そういう点でひとつ要望しておきたいし、さらにまた、この法案が通ればどのような着手を具体的にしていくのか、ちょっとお聞かせしていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/26
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027・森山信吾
○政府委員(森山信吾君) 法案が大変大ざっぱであるというおしかりを受けたわけでございますが、過去の機電法時代の例で申し上げますと、九十八の業種を指定いたしまして、それぞれに高度化計画を作成して振興策を図ったわけでございます。九十八という機種、これは大変多いわけでございますので、これ全部に共通する問題の最大公約数的なのが機電法であったのではないか、こういう感じはいたします。今回お願いいたしております機情法におきましても同じようなことが言えるのではないかと思うわけでございまして、特に情報産業というものをつけ加えさしていただきますならば、機電法時代よりは非常に幅の広い範囲で業種というものを指定していかなくちゃならぬ、こういうことになりますので、法案それ自身は最大公約数的でございますけれども、個々に行います対策は具体的なものとして振興策を図っていきたい、かように考える次第でございます。
そこで、法案が通ったら具体的にどうするかという御質問に対しましては、とりあえず政令で対象の機種を決めることになろうかと思います。繰り返して申し上げておりますように、新法でございますので、旧法時代、つまり機電法時代に指定いたしました九十八機種というものは一応御破算にいたしまして、新しい考え方のもとに政令指定をいたしたい、かように存ずる次第でございます。もちろん、機電法当時に指定をいたしまして、合理化あるいは工業生産の拡大を図っております業種も幾つかトランスファーされるものがあろうかと思いますけれども、考え方といたしましては、新たなる観点に基づきまして政令指定をしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。したがいまして、政令で機種を指定いたしますと、それぞれの機種につきましての高度化計画に着手する、こういうことになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/27
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028・大森昭
○大森昭君 時間がないので、総括的に大臣、今日情報化社会と言われておるわけでありますが、先ほどから質問をしておりますように、いろいろな問題がこの政策の中ではとっていかなければならないし、またわが国の将来にとって大変重要な問題を内包しているというふうに私は思います。このような問題は、単に生産のサイドでとらえるだけでは問題は解決しません。したがって、情報をめぐる国の政策のあり方はもう国民に対しても大変に大きな影響を及ぼすことは私から言うまでもないのでありますが、今回の法案の場合のような措置だけでは私はとうてい不十分だと思います。いまも質問いたしましたように、いずれにしても、きめ細かい対策が必要でありますし、なかんずく、なわ張り争いなどをしておったのでは、これはどうにもなりません。わが国の将来が心配であります。衆議院の附帯決議にもいろいろありますように、とにかく内閣に審議会でもつくっていただいて、政府一体となって国民の英知を集めて抜本的な基本政策を立てていかなければならないと思いますが、最後に大臣の方から取りまとめて御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/28
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029・河本敏夫
○国務大臣(河本敏夫君) 産業構造の高度化という課題は、これからのわが国経済の最大の課題でありますが、それを実現するためにこの法律が大きな役割りを果たすということを私どもは期待をしておりますけれども、もちろん、法律をつくっただけで問題が解決するはずがございません。やはり総合的に幾つかの必要な政策を強力に進めていくことがいま申し上げました産業構造の高度化ということを実現していく上に必要でございますので、御指摘もまた御注意もございましたから、そういう点も十分考慮いたしまして、成果が上がるような政策を進めてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/29
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030・大森昭
○大森昭君 どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/30
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031・対馬孝且
○対馬孝且君 承認案件につきまして二、三問ちょっと質問しておきたいと思います。
承認案件は、言うまでもなく、札幌市に繊維検査所の出張所をつくるというこの承認案件になっているわけでありますが、私は、札幌の繊維検査所は今日までなかったということに対しまして、具体的にこの繊維業界はもちろんでありますけれども、消費者保護行政の立場からどういう今日までやり方をしておったのか、この点をまず一つ最初にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/31
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032・藤原一郎
○政府委員(藤原一郎君) 今回札幌に鶴岡繊維製品検査所の出張所の設置をお願いしておるわけでございますが、従来どうしておったかと、こういう御質問でございます。
元来、繊維製品検査所は輸出繊維製品の検査を主体といたしておりまして、特に絹織物を主体としておりました関係上、北海道には絹織物の産出がございませんものですから、実は輸出検査の必要がなかったということで出張所がなかったわけでございます。近来に至りまして、繊維製品につきまして消費者の多様な御要望が非常に多くなりまして、かつ、いろいろな苦情等もたくさん出てまいりまして、これに対して消費者行政として対応しなければならない、こういう状態になってまいりまして、繊維製品検査所の仕事の半分ぐらいをいわゆる輸出検査等の検査から消費者サービスというふうな行政に切りかえる、こういうことにしてまいったわけでございます。北海道におきましては、そういう意味合いから、従来その消費者サービスのセンターがなかったわけでございまして、そのために、このたび特に出張所の設置をお願いいたしまして繊維に関する消費者行政の中心にしたいと、こういう考え方でございます。
従来、北海道におきましては、それぞれ北海道庁等の関連で消費者センターのようなものが十二ぐらいございます。ここで対応しておったわけでございますが、必ずしも技術的に十分な対応ができないということでございますので、今後は本出張所をお認め願えますれば、それぞれの消費者センターといいますか、消費センターのところに持ち込まれましたもののうち、技術的その他で処置の困難なものにつきましては、出張所の方でめんどうを見て差し上げられる、こういうことになろうかと思います。そういう意味合いでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/32
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033・対馬孝且
○対馬孝且君 産炭地振興に私どもずいぶん手をかけておりましたので、かなり産炭地帯の疲弊に対して何とか企業誘致をしようじゃないかと、
〔理事福岡日出麿君退席、委員長着席〕
その企業誘致は、いまこの繊維関係がほとんどの振興対策として対策をしてきたわけですよ。そこで、いまあなたもおっしゃったけれども、実際には札幌通産局の消費者の相談室、道庁の消費者センター、これが窓口になってやってきたのですがね、実際は専門家がいなかったわけだ。いなかったからやっぱり鶴岡まで行っておったという実態もあると、こういうわけですよ。それだからつくったんだが、私は、そういう点では一体どのぐらいのこれをつくることにおいてプラスになるのかということをお伺いしたいのと、そうだとすれば、札幌出張所に配置される人員、所長以下二名と、こう聞いているわけだ。二名ぐらいで一体検査機能が果たし得るのか、こういう懸念も一つは出てきますので、この点をあわせて、実際にそういう具体的なメリット、それから機能がこういう対応ができるのかどうか、こういう点を含めて具体的なこれからの対応の仕方についての考え方をひとつお伺いしたいと、こう思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/33
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034・藤原一郎
○政府委員(藤原一郎君) お示しのように、確かに当面配置いたします人員は二名でございまして、一見、弱体のような感じを受けるわけでございますが、窓口としては現在ございます十二の消費センターで全部受けとめておるわけでございまして、従来ここでどうしようもないものにつきましては鶴岡の検査所まで持っていっておったというのが実態でございます。その件数は非常に多くあったわけではございませんが、近くなりますとやはり件数も多くなると思いますし、お示しのとおり、二名で十分にこれに対応できるかどうかという点については、若干の危惧がないわけではございませんが、ただ検査設備その他設備も十分にいたしまして、第一次的には消費者センターで受けまして、その中でむずかしいものにつきましてはここで十分に対応ができるような優秀な人材を送りたい、特に消費者行政に向くような人材を送りたい、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/34
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035・対馬孝且
○対馬孝且君 二名では、それは何ぼ優秀だと言ったって、これは扱う種類が、私が聞いている限りでは、ここにありますけれども、家庭用品の品質表示の関係業務、それから苦情処理業務、それからJIS立入検査、品質総合検査、安全対策と、これだけの業務を扱うことになっているのだね。これに対しては、私は、いますぐとは言わぬけれども、これから機能強化をしていく、この二名にこだわらずに機能強化をしていくのだと、こういう姿勢を持っておかぬと、ただ置いたというのだったら置かない方がいいよ、ぼくに言わせたら。ただ、やっぱり置く限りは、いま私が言ったような実際に総合立入検査までできるのだと、こういう機能に向かってひとつ検査出張所をつくっていくのだと、現行は二名にしたとしているけれども、必ずこれは人的強化、機能的な強化をしていきますという方向でひとつ進めていくという考え方はどうですか、この点ひとつはっきりお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/35
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036・藤原一郎
○政府委員(藤原一郎君) 繊維製品検査所は全国に存在しているわけでございますが、その中でいろいろ再編成も含めまして、御趣旨を体しまして検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/36
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037・対馬孝且
○対馬孝且君 ひとつそういう点を十分に、つくったけれども、ただつくりっぱなしというようなことでなくて、やっぱり仏つくって魂入らないようなやり方では困るので、私は、これは現地から聞いているのだが、二名ではどうしようもないという意見ですよ。ただ、何ぼ優秀であってもあれですからね、いま言ったように、全体的な体制をどう強化をするかということを含めて積極的にひとつ検討してもらいたいということを申し上げて、私のこの件に関する質問は終わります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/37
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038・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、休憩いたします。
午後は十二時四十五分より再開いたします。
午後零時十三分休憩
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午後零時四十六分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/38
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039・楠正俊
○委員長(楠正俊君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
石油開発公団法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、参考人として石油開発公団の役職員の出席を求めることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/39
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040・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/40
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041・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 休憩前に引き続き、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/41
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042・馬場富
○馬場富君 昨日に引き続きまして、公団法の関係で、特に宮城県沖の地震につきまして、昨日は消防庁と海上保安庁が来ていらっしゃいませんでしたので、そちらの関係にお尋ねいたしますが、特に今回の石油備蓄とも関係のあるそういう流出事故が東北石油仙台製油所の関係で起こりました。この点につきまして通産側の意見はきのう聞きましたが、きょうは、消防庁並びに海上保安庁に対しまして事故の状況と、特に海上保安庁についてはその防除対策についてひとつ御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/42
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043・村田光吉
○説明員(村田光吉君) 御報告申し上げます。
事故の概要といたしましては、昭和五十三年六月十二日午後五時十四分ごろ、宮城県沖合いを震源地といたしました地震のため、東北石油株式会社の貯油タンク——これは仙台市港五丁目一番一号、いわゆる仙台新港に存在するわけでございますが、ここの貯油タンクのうち三個に亀裂が発生いたしまして漏油したわけでございます。事故直後の午後五時二十八分、私どもの出先である塩釜海上保安部にこの通報がございました。
亀裂が発生したタンクは二百十七号タンク、これには重油二万六千八百キロリットル。二百十八号タンク、これには重油二万三千八百キロリットル。二百二十四号タンク、これには軽油一万七千六百キロリットル。これが入っておったわけですが、このタンクより排出された油が同日午後七時には一次防油堤内で満杯となりまして、その一部が防油堤を越えて排水口を通じ海上に流出したわけでございます。これを私どもの海上保安庁の方で試算いたしましたが、大体二千九百キロリットルから三千キロリットルが海上に流出したものではなかろうかというふうに試算いたしております。なお、六月十六日、本日でございますが、午前七時現在までに二千六百六十キロリットルを回収して、排出した量のほぼ九二%を回収したという試算を得ております。
次に、この事故に対する防除措置でございますが、第二管区海上保安本部としては、海上排出油事故の通報を受け直ちに航行警報をまず出しまして、同港への出入船に対する航行制限を周知いたしました。それから管区海上保安部の陸上職員及び巡視船乗組員を派遣いたしまして、まずオイルフェンスを展張いたしまして、東北石油株式会社に対し油の防除作業に対する現場指導を行っております。そのほか海上保安庁といたしましては、地元の塩釜海上保安部の巡視船に加えるに、八戸、小名浜あるいは横須賀等から防災型巡視船あるいは油回収艇を含む計巡視船艇八隻、航空機三機及び特殊救難隊を派遣いたしまして——この特殊救難隊はこういう特殊な事故に対して専門的に教育をしたグループでございますが、これを派遣いたしまして防除作業及び警戒に当たらせております。なお、六月十二日、当日の午後七時十五分には第二管区海上保安本部では災害対策本部を設置いたしまして、なお官民協力体制を常々とっております塩釜地区石油防災協議会に対しまして出動を要請いたしております。
一方、油排出の原因者である東北石油におきましても、当庁の指導のもとに排水口の閉鎖作業により防油堤を越えた油の海上への排出を防止するとともに、海上においてはオイルフェンスを何重にも張りまして、総延長七千五百メートルに張りめぐらしたわけですが、油の拡散防止及びその後の回収に努めております。
なお、現在判明している海面排出油の状況は、桟橋前面のオイルフェンス内の三カ所に集積しておりまして、港外への流出並びにこれに伴う被害等は発生しておりません。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/43
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044・矢筈野義郎
○説明員(矢筈野義郎君) いま海上保安庁の方から御説明がありました三基のタンクについては私どもの方の入手いたしました情報と同じでございますが、当タンクは昭和四十七年の暮れと四十八年の正月に建設されておるものでございまして、当時の基準によって許可いたしたものでございます。
なお、補足追加的に申し上げるならば、私どもの方は、三つのタンクのみではないのではなかろうかという現地消防局の判断によりまして、注意深く慎重に他のタンクについても目視しながら点検いたしましたところ、二百二十一号タンク、これは軽油でございますが、容量二万三千七百キロリットルのものが底部の方から若干少しずつにじみ出ておるということでございましたので、直ちに他のタンクに移しかえまして、現在は当タンクには油は入っておりません。したがって、安全な状態でございます。なおさらに、百三十一号タンク、これは灯油が入っておりますけれども、三万一千五百キロリットルのものでございますが、どうもやはり少しにじんでいるという形跡が認められますので、これも直ちに他のタンクに移しかえ、現在は油が入っておりません。もう一つ百二十一号タンク、これはガソリンでございますけれども、一万一千二百キロリットルのものがタンク上部に変形を生じておる、こういう被害状況でございます。いずれにいたしましても、この地震によりましてタンクの破損状況がございましたので、私どもはこの点について非常に重視しておる段階でございます。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/44
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045・馬場富
○馬場富君 消防庁の関係の方にもう一遍再度お尋ねいたしますが、現行の消防法から改正の消防法では、一つはオイル等の貯蔵タンクに対するいわゆる防油壁ですね、これについての基準が変わってくるわけですけれども、そこらあたりの基準と今回の状況とをちょっと説明していただきたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/45
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046・矢筈野義郎
○説明員(矢筈野義郎君) 新潟地震の後、防油堤につきましていろいろな教訓を得ましたので、基準の改正を行いました。ブロックの構造は熱に弱いとか、その他いろいろなことがございましたので、耐震構造等も含めまして強化いたしました。なおさらに、水島の例の流出油事故にかんがみまして、防油堤の容量を、従前は最大タンク五〇%プラス他のタンクの一〇%でございましたけれども、それを改めまして、最大タンク一一〇%というふうに非常に容量をふやしました。したがって、それに関連して防油堤の構造等についても強化を行いました。それらをすべて過去の防油堤に遡及させまして、五十五年の十二月三十一日までに改修しなさいということで、目下防油堤については水島事故以後の教訓を生かして各企業においては改修改造中でございます。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/46
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047・馬場富
○馬場富君 今度の東北石油については、いわゆる防除壁がまだ新法で改善されていなかったと、こういうことになるわけですね。流油事故の状況を見ましても、この三基で流油量がわが党の調査によれば六万七千キロリットルあたり流出しておるわけです。その中で海上に流れ出たものが二千九百キロリットル。それでこの三基のタンクはほとんどもう満載に近かったと、そういう状況で漏れておるということからしまして、過去の五〇%というそういう壁ではなくて、今回の改正によれば一一〇%まで上げられるわけですから、やはりそういう防除壁があればなおこの被害を少なくすることができたと、こう言えるわけだと思うのですが、その点どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/47
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048・矢筈野義郎
○説明員(矢筈野義郎君) 現在の防油堤の収容能力の算定方法は、タンクを何基囲んでも、要するに一番大きいタンクを被害タンクと想定いたしまして、その被害タンクの容量を一一〇%まで収容し得る、その他のタンクというものは当然それによってかわされるという考えに基づくものでございますから、同時多発の今回の三基のタンクについてすべてそれがあふれ出る場合を想定しておるというものでは実はないわけでございます。したがいまして、私どもの推定計算によりますと、現状のあのタンクを収容している防油堤は一一〇%は十分カバーしているという収容の実態でございます。しかしながら、地震によりましてそれをオーバーフローしたというのは、三基のタンクがほとんど八割近くの収容状況でございましたので、約五万幾らかとなりますけれども、それぐらいが防油堤の中から外へ出る、陸上へ全部出るという状況に実はなるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/48
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049・馬場富
○馬場富君 だから、私がいま聞いておるのは、消防法の改正によってこの防油壁というのがやはり強固になるほど今回の場合でもかえって被害が少なくて済んだと、こういうことが言えるわけでしょう。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/49
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050・矢筈野義郎
○説明員(矢筈野義郎君) 今回の問題につきましては、御指摘のとおり、私どもの方の防油堤の基準の強化によりまして相当カバーできると思っております。
なお、さらにつけ加えて御説明申し上げますと、石油コンビナート等災害防止法に基づきまして企業内に流出油等防止堤というものを外周に——二次防油堤的性格を持つものでございますけれども、義務づけております。今回の東北石油はそれを設置していたわけでございます。しかしながら、ガードベースンのところから漏れて海上へ出た、こういう不幸な実態になったということでございまして、その点については教訓がございますけれども、私どもとしては、防油堤と二次防止堤、すなわち流出油防止堤によって十分一般的にはカバーできるだろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/50
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051・馬場富
○馬場富君 それから、いまも後から報告がございましたけれども、三基以外に追加で油が漏れておるのが十四日あたりからも確認されておる、いま消防関係のお話でいけば三基もまだ追加されておるような状況ですと、こういうことからいきまして、現在の陸上貯蔵のタンクについては、地震等があったならば、そういう点でいままで施設されたタンクについては相当地震等についての問題点が出てくるのじゃないかということを考えなけりゃいかぬと、こう思うんです。昨日も私ちょっと通産の方に聞いたのですけれども、通産の方ではよくわからないものですから消防庁の方からお願いしたいが、たとえば私が住んでおる愛知県ですらあの地盤沈下で実際タンクが傾いておる。これが私の知っておるだけでも二十六基あるわけです。いろいろな対策がなされておるでしょうけれども、こういうような状況で、ここに地震が起こった場合、やはりそういう点では危険なものがわれわれも感ぜられるわけです。仙台についてはかなり岩盤がしっかりしたところで、そういう点では埋立地じゃないから、大丈夫だと言われておったところが、いまあなたの説明でいけば三基はだめになったと、あと三基もにじみ出ておるという状況からいけば、かなり強度のやはり地震が起こった場合に、現在までのタンクの補強度においては地震に耐えるだけのものか、ちょっとむずかしい問題があるのじゃないか。それから、ましてそういう地盤沈下等については、下がやはりかなり弱くなってきておる。そういう地域については相当心配もされると、そういう点で全国の現在ある貯蔵タンクの中で地盤沈下、そういうことについて問題になっておるのはどのくらいの状況かということと、これに対して消防の方としてどういう対策がなされておるかということを御説明願いたいということです。
あわせまして、今回の貯蔵槽がマグニチュード八の耐震目標を掲げておったけれども、今度は七・五でああいう状況があったと、ここらあたりの問題点について専門の立場から説明してもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/51
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052・矢筈野義郎
○説明員(矢筈野義郎君) ちょっとその前に、先ほど私三基のほかに三基ということを申し上げましたけれども、一基は若干漏れたと、一基はにじみ出ていると、それから一基は上部の破壊だけで漏れてはいないと、その点ちょっとはっきりさしていただきたいと思います。
先ほどの先生御指摘の地盤沈下の現況と申しますか、私ども不等沈下という言葉で呼んでおりますけれども、それについて水島の例の流出油事故直後、これは容量が大きいのですが、全国的に一万キロリットル以上のタンクにつきまして、直ちに直径の二百分の一以上の不等沈下を生じているものについて調査いたしましたところ、総数二千六百九十七基のうち百九基が二百分の一以上の不等沈下がございました。したがいまして、これは直ちに内部開放検査を行い、基礎の修正等加えまして、安全なタンクとして現在はもう十分使用できるというふうになっております。
なお、もう少し小さな容量の千キロリットル以上のタンクにつきまして、これは母数が一万六百三十六基でございますけれども、昨年の六月十五日現在で、これは二百分の一よりはちょっとシビアでない方の百分の一の不等沈下の勾配を目標にして調査いたしましたところ、二百七十三基が対象として不等沈下があるものでございます。このうち、すでに基礎等の修正を行ったものが百五十基その当時ございました。したがって、残百二十三基のうち、これは一年間のうち現在はすでにこの半数の六十基が基礎修正を終わっております。したがいまして、現状は千キロリットル以上で不等沈下百分の一以上あるタンクがなお六十基はありますけれども、その後基礎修正しているものあるいは現在進行中等のものもございますので、強力にこれをできるだけ早く実現するよう現在指導を加えておると、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/52
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053・馬場富
○馬場富君 それは私の方の一県だけの調査でも大体あなたのいまの言われた方向と合ってくるわけですけれども、そういう状況で、消防の方がサボっておるというわけじゃございませんけれども、やはりこういう事故が起こった場合に、かなり岩盤がしっかりしておるところでもこういうような状況が起こっておるので、かえって不安定な個所にそういう強力な地震が起こった場合によけいやはりそういう亀裂なり事故が発生しやすいという要素はあるのじゃないか。そういう点について、これはいままでどうかという問題よりも強力にこれはやはり対策を考えてほしいと思いますし、それから先ほどのもう一点ですね、震度の問題について落ちておりますけれども、その点ひとつよろしく。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/53
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054・矢筈野義郎
○説明員(矢筈野義郎君) 古い方の五十二年前のタンクにつきましては、一律に水平震度〇・三という数値によりまして、それ以上の地震時における安全性を持つというものを許可しているという状況でございましたが、五十二年の基準改正によりまして地域別補正係数、地盤別補正係数等、いろいろな係数を加えて耐震性については水平震度のほかに鉛直方向の震度及びタンクの底部に起こる座屈の問題、それから基礎地盤については特に先生御指摘のとおり、非常に強固な圧密度のあるものでないといけませんので、そういう点についての基準の改正も行いました。それらの見通しとしては一応震度五程度、すなわち、二百五十ガルから三百ガル程度には私どもは十分耐えるというふうに考えておるわけでございます。場合によったら古いタンクで軟弱地盤のところにあるものについては防災診断項目によって耐震性の向上ということをうたい込んで指導しておりますので、そういうところについては今後基礎修正の必要があるタンクもあるいはあるのではなかろうかというふうに考えております。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/54
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055・馬場富
○馬場富君 これは通産大臣と、両方にひとつ。いまこれらの宮城沖の事故だけについて質問しておるわけじゃなくて、今度やはり、結局通産において石油備蓄という立場から、そういう陸上タンクによる貯蔵ということも相当考えられていくわけです。そういう立場でやはり今度の地震が一つはよい教訓で私はあると思う。そういう点で、ひとつ消防の方も通産の方のこれからの計画に基づいた設置とあわせまして、やはりこの教訓を生かして、今後は地震が起きたとしても耐えるだけのそういう対策の検討も両方の関係で連絡をとってひとつやってもらいたいと思うわけですが、通産大臣からも御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/55
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056・河本敏夫
○国務大臣(河本敏夫君) 今回の地震による被害のうち東北石油のタンクが三基亀裂を生じまして、そこから油が漏れまして、しかも、その一部が海上に流れると、こういう事故が発生をいたしまして、その問題についていまいろいろ議論が続けられておるわけでございますが、実は通産省といたしましても、この原因を一回徹底的に調べてくるようにということを現地並びに本省から派遣をいたした者に指示をいたしております。徹底的に調べまして、これからの石油備蓄政策を進める上の参考にもしたいと思っておりますし、また、なお事故が発生する危険性があるならば、それに対する対応も考えなければいけませんので、関係方面と十分連絡をとりながら万全の対策を立てていかなければならぬと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/56
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057・馬場富
○馬場富君 それから消防の方も、現在あるタンクの中で一万キロリットル以上のものについても百九からの問題点が起きたと、まだ対策中のものが六十基ある、こういうようなことでございますが、これは軽々に考えてもらっては困ると思うんです。あす地震が起こるやらわからぬし、あす発生するやらわからぬ、そういうときに対処して、やっぱりこれは関係の企業等とも連絡をとって速急な対策をひとつ考えてもらいたいと思うのですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/57
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058・矢筈野義郎
○説明員(矢筈野義郎君) 先ほども御答弁申し上げましたように、私どもとしては、非常に不等沈下のあるタンクについては安全性に欠けるということを心配して注意しておるものでございますから、当然に早急に基礎修正等の措置が講ぜられるよう強く希望するわけでございます。なお、地震時における問題は不等沈下だけではございませんので、その他いろいろな問題もありますから、学者、学識経験者で構成されている委員会にいまお諮りして、いろいろな問題を検討している最中でございます。今回の教訓をさらに深く原因を究明することによって生かしながら、十分なるタンクの安全基準というものをさらに強化してつくってまいる、企業側にもそれを指導してまいる予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/58
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059・馬場富
○馬場富君 それから海上保安庁の方は、わが党の調査で、きのうは通産に聞いたけれども非常に不明確な答弁で、もう六万七千キロリットルの流出、その中で二千九百キロリットルが海洋に流れ出た、これについては簡単に私は処理されたような報告を聞きましたけれども、実は十五日のわが党の現地の実態調査の状況では、この流れた状況について、まだ十五日現在の実情として二十センチの油層がまだ海面にただよっておったと、私がきのう聞いたときにですよ、ここで。通産の方では、これはもう解決されたと答弁しておるけれども、十五日、私のところの党が現地調査しておるときに、まだ海面がどす黒い二十センチの油膜に覆われておったと。作業員や自衛隊がひしゃくでくんでおったと、人海戦術で。そして、非常に回収が困難で、一時間にやっと六十キロ程度の少量の回収しかできていなかった。こういう困難な状況で最優先して油の除去をやれという対策で進めておったという状況ですが、いいですか、これも私の党の調査した実情ですが、きのうあたりの答弁を聞いていますと、簡単にフェンスに囲まれて、それはもう吸い上げてしまった、こういう報告ですが、ここらあたり、ちょっと違い過ぎやしませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/59
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060・村田光吉
○説明員(村田光吉君) 先生のおっしゃるように、現場の回収作業、これはなかなか容易なものではございません。幸いといいますか、通報が早かったものですからオイルフェンスの展張が非常に素早くなされまして、いま先生のおっしゃいました二十サンチから二十五サンチの厚さの油、これはオイルフェンスの中に閉塞いたしております。その外には、先ほど申し上げましたように、何重にも張りましたオイルフェンスの二番目のオイルフェンスの中に閉塞いたしております。それを、いまおっしゃいました岸壁からのひしゃく、あるいは会社あるいは横須賀から運びました当庁の回収船あるいは回収機、そういうものをフルに活躍させまして、現在まで九〇%ほぼ回収した、そういうことでございまして、なかなかこの回収作業、もちろん容易な作業ではございません。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/60
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061・馬場富
○馬場富君 そこで、大臣にもお願いしておきますが、あなたも知っているかもしれないが、流油事故については、私もかつて地方議員のときから、伊勢湾の重油事故は全部私は取り組んできた一人です。そういう立場からしまして、現在流油事故が起こった場合、いろいろな対策の方法がありますけれども、実際起こってしまった場合、その実情から考えてみて、いままで新潟でも、あるいは瀬戸内海についてもそうですけれども、いずれの事故についても、現場でこれを除去した場合、いろいろな環境等の状況もあって、いろいろな対策があったとしても十分できないような場合が多いわけです。たとえば海が荒れておるようなところについては、いわゆる中和剤などが投下できたとしても物理的処理ができない。反対に内海になってくれば今度は物理的処理はしやすくても、かえって薬品処理ができない、こういうような非常な困難さがあるわけです。そういう中で流油事故が一たん起こったとしたならば、現在の除去対策としては一生懸命やっていらっしゃるけれども、かなりむずかしい、こう見ていいと思うのです。そういう場合、やはりこういうものが起きたら天変なことだと、私はそう思うのです。
そういう点で、この備蓄につきましても、大臣、陸上のタンクによる備蓄についてはこの点をしっかりと考えて、起きたら何か対策を打てばいいということでは、私は、現在の防除対策では非常に困難だと思う。こういう点で大臣の御意見を聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/61
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062・河本敏夫
○国務大臣(河本敏夫君) 御意見全くごもっともでございまして、石油の備蓄政策を円滑に進めていきます上におきまして、やはり、心配要らないのだ、大丈夫なんだ、こういう体制をつくり上げるということがこれはもう何よりも肝心だと思います。そういう意味におきまして、今回の事故を徹底的に調べまして、あらゆる点から安全を期していかなければならぬ、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/62
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063・馬場富
○馬場富君 最後にLPGの関係で一点。現在、愛知県の衣浦にLPG基地が計画され、建設が進められております。シェル、兼松あるいはブリジストン、こういう形で進められておりますが、この規模とその進め方、特に輸送、ガスを外地から衣浦まで運んでくるその安全対策についてひとつ説明していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/63
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064・橋本利一
○政府委員(橋本利一君) 御指摘の点は碧南のLPガス基地の問題かと思いますが、設備の内容といたしましては、タンク容量で冷凍タンクが七万七千トン、それから高圧タンクが千四百トンでございます。それに要する敷地は十六万七千平方メートルでございます。五十年の二月に高圧ガス取り締まり法の製造許可を申請いたしまして、その後現地との災害防止協定あるいは公害防止協定を結びまして、現在点では五十二年の六月一日以降基地の建設工事に入っておりまして、現在なお工事中、こういうことでございます。
このLPガスにつきましては、高圧ガス取り締まり法によりまして、タンクの本体とそれから基地全体の安全性について、詳細は省略いたしますが、きめの細かい規制が行われておる。それから、この碧南市は石油コンビナート災害防止法の特別防災区域に指定されておりますので、そういった法律の運用によりまして安全性を確保したい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/64
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065・馬場富
○馬場富君 そこで、地元で安全度で心配しておるのは、日本にも少ないほどのLPGの大基地が一つ建設されるわけでございますが、特にその輸送について、やはり輸送船、タンカー等がかなり世界的にも事故を起こしておる、こういうことからして安全度が非常に大切なんですけれども、たとえば、あすこへガスを運ぶ船が少なくとも幅が三十五メートルから五十メートル程度の船で、長さが二百メートルくらいの船が来るわけですけれども、地元で一番心配しておるのは、あの船が必ず通らなきゃならぬところに師崎水道というのがある。これは幅が四百メートル程度の瀬なんです。それで魚礁等を抜いてみますと、三百メートル切れるような狭さのところにその大きな船が乗っかかってくるわけですね。それでここの航行安全度というのがあの地元では一番心配され、もう県でもいままでに何回か取り上げられてきた問題ですけれども、あそこの基地をつくりこのガスの供給に寄与されることはわれわれも反対じゃございませんけれども、こういう点について、私は、そういう危険度のあるガスを扱うについては、やはり立地条件というものを立案のときに地元や業者任せにせずに通産がもっと考えるべきじゃなかったか、そういうもっと航行の安全を確認できるような場所に一つは誘致を指導すべきじゃなかったかと、この点について御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/65
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066・橋本利一
○政府委員(橋本利一君) 全く御指摘のとおりだと思います。
航行安全につきましては、現在いろいろな海上保安法規、交通法規というものがあるわけでございますが、今後とも新たな立地点についても御指摘のような方向でわれわれもそれを指導してまいりたいと思いますが、なお、参考のためでございますが、ただいま御指摘の師崎水道通行に当たりましては時間規制を行うという方向で現地の漁業組合と協議中であるということでございますので、そういったことも踏まえまして安全交通が確保されるようにさらに指導してまいりたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/66
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067・馬場富
○馬場富君 それじゃ要望だけしておきます。それで長官、要望だけですけれども、特にそういうことで地元漁民とよくそこで納得のできるような話の上で——もう現在建設がされておるから、あれをストップするわけにもなかなかいかないと思うのです。そういう場合に、やはりあそこの航行の安全ということ、これは回数の問題もございますし、それからやはり漁業の補償等の問題もございますし、そういう点でひとつ現地民が納得のできるような上で、まだ現在通行はしておりませんから、通行できるまでの間に時間をかけてでもがっちりとひとつ対策をお願いしたいと思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/67
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068・市川正一
○市川正一君 きょうは、本国会最終日でありまして、最後の質問の機会でもありますので、この際、私は、通産大臣もお見えでありますので、中小企業金融に関する緊急問題について一言だけ伺いたいというふうに考えております。
御承知のように、中小企業の金融は長期の不況できわめて困難を深めておりますが、少なくない中小零細業者がいわゆるサラリーマン金融——サラ金、これに走り、その結果、悪徳業者のえじきになって暴利をむさぼり続けられ、ついには一家心中あるいは夜逃げ、こういう悲惨な事態が続出しております。
こうした問題を重視しまして、わが参議院、本院では先ほど午前十時から開かれました本会議において、いわゆるサラ金の規制強化を政府に求める警告決議を全会一致で採択いたしました。ここにその決議がございますが、第三項に「貸金業のうち、サラ金と通称される庶民金融については、借入れ方法の簡便さなどから、近年その利用者が増加しているが、この種の営業に対する規制について、不備な点があることは判例に照らして明らかである。また、政府は、関係行政機関において協議の上、法令の整備、あるいは、指導の強化により、この種営業の健全な運営を図るとともに、利用者の保護に所要の措置を講ずべきである。」という警告であります。これは官房長官が出席して答弁もなすったというふうに伺っておりますが、この決議は中小企業を所管しておられる通産省にとっても決して無関係ではないので、この際通産大臣のこの決議に対する所見をぜひ承りたい、このように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/68
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069・河本敏夫
○国務大臣(河本敏夫君) いわゆるサラリーマン金融は、近時だんだんとその規模が大きくなりまして、利用者も非常にふえております。しかも、至るところでトラブルが絶えない。社会問題としても大きな課題になっておるところでございます。
いま、私もお述べになりましたような決議ができたということを初めて聞きました。きわめて適切な決議だと考えます。その決議の趣旨に沿って政府部内におきましても関係者の間で至急にその決議の精神が実行に移されるように努力をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/69
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070・市川正一
○市川正一君 ところで、きのうの朝日新聞に大きく報道されておりますが、大阪の朝日新聞は一面トップであります。ここにございますが、「サラ金の全国組織 大阪から政界工作裏組織で政治献金」、そして東京の朝日新聞は、社会面でありますが、これは野党首脳らに政治献金という見出しで報道されている。これによりますと、サラリーマン金融の全国組織である日本消費者金融協会がサラ金業界の社団法人の資格取得、そしてまた、業界ペースの法規制をねらって消費者ローン研究会という裏組織をつくり、これが野党首脳を含む政界工作を行っていたということが報道されております。かつまた、この日本消費者金融協会の浜田会長は、自民、社会、公明、民社の代議士、自民の元参議院議員らの名前を挙げた。問題の五百万円がだれに渡ったかについて名を挙げたというふうに報じております。これに対して各地の被害者の会では、業界と政界の腐れ縁ということで批判の声を高めておりますが、この問題は通産省、中小企業庁とも無関係でないと思う。通産大臣もいま述べられたような事態、また披瀝されたような決意という見地から見ますと、こうした中小企業、零細企業者の間からも、また本院においてもサラ金に対する規制の強化の声が高まっているときに、一方でこうしたサラ金業界が政界工作のために裏組織までつくって、そして暗躍をしているということはまさに放置できない問題である、こういうふうに考えております。
そこで、直接の所管が大蔵省であることは十分承知しておりますけれども、中小零細企業の金融問題などその深刻な実情、これに特に重大な関心を払うべき通産大臣は、こうした事態についてどう考えられるか、また報告は受けておられるか、この点承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/70
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071・河本敏夫
○国務大臣(河本敏夫君) 報告は受けておりません。私も新聞で先ほど読んだばかりでございますが、内容は詳しくわかりませんので具体的に申し上げられませんが、原則論を申し上げますと、政治資金規正法による手続による寄付というものが行われ、正式な手続を経ておるということであれば、そのこと自体についてはこれは問題はないと思いますけれども、しかし、いまお述べになりましたような趣旨で政治資金という形を借りて裏工作が行われておるということであれば、これは事態はきわめて重大であると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/71
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072・市川正一
○市川正一君 いま大臣がおっしゃったように、そういうきわめて重大な事態ということも予想されますし、事は中小零細業者にも直接かかわる問題でもありますので、私は、通産省としても、一つは大蔵省に対してこうした団体に資格取得させないように申し入れられること、もう一つは至急実態を調査して御報告をいただきたい、この二点を希望いたします。この点についてお答えを賜りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/72
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073・河本敏夫
○国務大臣(河本敏夫君) 通産省の直接の担当ではありませんが、いまお述べになりましたように、中小企業金融に深い関係のある問題でございますから、関係者の間で十分正確な調査をし、必要な対策をとるように申し入れをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/73
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074・市川正一
○市川正一君 さて、私は石油開発公団法の一部改正案について若干の質疑をやらしていただきたいのでありますが、去る十三日の本委員会において、私は石油開発公団の投融資の約半分がジャパン石油開発一社に集中していることを指摘いたしました。そこで、続いて伺いますが、ジャパン石油開発の持ち主であり、最初にADMA利権を獲得した海外石油開発株式会社というのがございますが、この会社は今里広記氏を代表者とする会社で、
〔委員長退席、理事福岡日出麿君着席〕
ジャパン石油を初め、コロンビア石油、さらに合同石油開発、オセアニア石油、ベンガル石油開発、ピーエヌジー石油、サハリン石油開発協力、ノース・オイル・インク、中近東開発等々ですね、これに投資しているいわゆる統括会社、世上、今里グループあるいは今里広記石油開発企業群——グループですね、とも言われております。石油開発公団は海外石油開発を初め、これら企業にこれまでそれぞれどれだけの投融資をされてこられたのか。投融資残でなく、投融資実績でお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/74
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075・江口裕通
○参考人(江口裕通君) 御質問の海外石油が株主となっております会社は十社でございます。ただいまその中で中近東開発のことをおっしゃっておりますけれども、中近東開発については目下公団は投融資をいたしておりません。したがいまして、それを除きますと十社でございます。この十社に対しまして公団の投融資総額は千八百七十一億円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/75
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076・市川正一
○市川正一君 いま千八百七十一億というお答えをいただいたのでありますが、私どもの調査もほぼそれに近い数字を示しております。さらに、それらの額を石油開発公団の投融資の全体から対比しますと、約六割を占めるのではないかというふうに考えておりますが、今里広記氏のグループに六割ないしはそれ以上の投融資が流れているということは、いわば私物化されているというふうに私は言っても過言ではないと思いますが、全体の比率及びそういう実態に対する公団側の認識を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/76
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077・江口裕通
○参考人(江口裕通君) 後段の御質問の公団の認識の点につきましては総裁からお答えいただくと思いますが、その前に割合、数字だけを申し上げます。
この千八百七十一億円は、全体の公団がいままで投融資をしてまいりました総額の約五六%でございます。融資では七三、それから出資では三九でございます。ちなみに、この千八百七十一億円のうちの千五百八十五億円が先ほど御指摘のJODCOに流れておる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/77
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078・徳永久次
○参考人(徳永久次君) 数字は江口参考人からお答えいたしましたが、海外石油という会社、先ほど今里グループとかおっしゃいましたけれども、これは私も前に会社におりましたときに関係しておるといいますか、といいますのは、この会社は日本の産業界が四十五年につくり上げたと申しますか、海外石油開発のために、なるべく窓口を一本化して、そこへ金を集中しておいて、そこからいろいろなところへ金を出すというようなつもりでつくった会社でございます。したがいまして、出資者は、銀行もあれば電力会社もあれば、石油関係の会社もあれば鉄鋼会社も入っておるというようなことで、言うなれば日本の財界総がかりでつくり上げた会社でございます。そういう意味で、そこがいろいろな海外の石油企業に投資をするということは、これは最初の目的から見て当然のことであろうと思います。
それからもう一つ、誤解のないように申し上げたいと思いますのは、先ほどの先生のお話で、いかにもそこへ重点的に公団が投融資したと聞こえるような御趣旨のあれでございますけれども、これは結果がそうなったというとちょっと語弊がございますが、先ほど申し上げました公団の投融資の過半数はジャパン石油が占めておるわけです。約四九%占めておるわけでございます。そのジャパン石油をつくりますときに、いまの海外石油開発が中核ではございましたけれども、その力では手に負えないということになりまして、さらに産業界、経済界に呼びかけいたしまして、いわゆる財閥グループといいますか、あるいは商社グループといいますか、銀行グループといいますか、それぞれに統括会社をつくってもらいまして、それらの統括会社もすべて協力してジャパン石油に投資をするということにいたしたわけであります。そうなっておりまするので、これを別な形から申し上げますとわかりやすいと思いますが、先ほど海外石油に対する公団の投融資の比率が約五十数%と申し上げましたけれども、同じような計算をいたしてみますと、たとえば統括会社でありまする三井石油開発が関係しておるもの、それに対する公団の関連しておりまするもので、企業数で十二ぐらいございまするし、それの公団の資金の投融資の割合をはじき出してみますと六四・九%になります。それから、三菱石油開発につきましても同じような計算をいたしますと六一・四%になります。それから住友石油開発、統括会社でありまするそれでありますと五五・八%になります。そういう関係になりまして……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/78
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079・市川正一
○市川正一君 時間がちょっともったいないので、数字は後でちょうだいいたしますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/79
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080・徳永久次
○参考人(徳永久次君) はい。そういうことで総がかりでやって一番中核になるところ、そこに海外石油も関係しておるというだけのことでございまして、そこが独占したわけじゃございません。ほとんど全部の日本の産業界が関連してそこへ注ぎ込んでおるということでございますので、そういう角度からごらんいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/80
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081・市川正一
○市川正一君 私は認識を正確にし、かつ深めていくためには、きょうは時間がありませんから、またいろいろの問題を後に残しておりますので、先ほど私が指摘いたしました企業、その中で中近東開発は違うとおっしゃったので、それを除いても結構ですから、そこへの投資及び融資の実績を後で資料でお教え願いたいというふうに思いますので、よろしく願います。——結構ですね。
それでは、そういうことを前提にしながら本法案の主要な内容をなしている、あるいは側面をなしている備蓄問題でありますが、最初に備蓄目標を九十日と設定なさったその根拠をお伺いしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/81
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082・橋本利一
○政府委員(橋本利一君) 御指摘のとおり、現在民間備蓄目標五十四年度末に九十日ということで、石油備蓄工事も続きまして備蓄を進めておるわけでございますが、この九十日目標の設定に当たりましては、当時のわが国の備蓄水準が六十日程度であった、それから第二に、当時の西欧諸国における備蓄が九十日程度であった、さらにIEA等の国際的な動き、七十日の中間目標、その後九十日の努力目標といったような動きもあったわけでございますが、こういった諸般の情勢を勘案し、さらには民間石油企業における実現可能性、こういったものを勘案いたしまして、最低限西欧諸国並みの水準にまで備蓄を増強いたしたいということでこの目標を設定いたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/82
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083・市川正一
○市川正一君 論議の前提として最初に明確にしておきたいと思いますが、私ども共産党も石油備蓄そのものに反対する立場には御承知のように立っておりません。ただ、現在政府が進めようとしているこの備蓄計画、それが一体国民のためになるのかどうかという点を私は改めてただしたいのでありますが、ただいまおっしゃった九十日の備蓄計画、その根拠、これについて言えば、政府はIEPとの関係、IEPに義務づけられているという問題との絡み合いは一体どうなんでしょうか。この点ひとつお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/83
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084・橋本利一
○政府委員(橋本利一君) IEPの問題は、先ほどちょっと触れましたように、九十日の備蓄を努力目標にいたしておるわけでございまして、いわゆる緊急融通スキームを発動する場合には算出の根拠にはなるわけでございますが、これを義務づけられておるという性格のものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/84
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085・市川正一
○市川正一君 その点は従来も国会のやりとりを通じて、たとえば政府委員は、IEAの緊急融通スキームによりまして備蓄を取り崩す場合の考え方というのは全く無関係ではございませんとおっしゃったように、その関係を肯定されておるわけでありますが、同時に、このIEPにおける諸規定の特に第三章融通の場合には相当厳しい規定を行っております。これは仮定の話でありますが、たとえば中東で軍事衝突が起こって、イスラエルを支援したアメリカがアラブの産油国から石油の供給をストップされる、こういう事態が起こった場合に、IEP協定、特に第三章のこの規定から、本来わが国に来るべき石油がアメリカに回されるという事態も起こり得ると考えるのですが、そうではないのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/85
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086・橋本利一
○政府委員(橋本利一君) 直接お答えする前に、ごく簡単に融通スキームを申し上げますと……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/86
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087・市川正一
○市川正一君 ごく簡単に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/87
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088・橋本利一
○政府委員(橋本利一君) はい。IEAに十九カ国が参加いたしておりますが、この参加国の中で石油供給不足が生じた場合に、まず各国が需要抑制をやる……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/88
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089・市川正一
○市川正一君 節約でしょう、そういうのをやった上ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/89
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090・橋本利一
○政府委員(橋本利一君) 第三段階として御指摘のようなことがあるわけです。ただし、理論的には日本も加盟国でございますから、融通義務を負うことになるわけでございますが、この融通のやり方といたしましては、現在出ておる船の行き先を変更するということでございまして、現にそれぞれの国に備蓄されているものを直ちにそれを持っていくということではございません。それから、そういった比率を見る場合にも、消費量あるいはその国におけるいわゆる国産原油といったようなことも考慮されますので、事実上日本のように大量の消費国であって、しかも国産原油がほとんど見るべきものがないというような国におきましては、現実論としては日本から融通する、あるいは日本向けのものを他の地域に配給変えするということはまずまずないのではなかろうかというのがわれわれの認識でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/90
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091・市川正一
○市川正一君 まずまずないじゃなしに、要するに、あり得る場合があるという日本語の反語になるわけですが、私は、何も日本にいまある石油をアメリカへわざわざ運び直すというふうなことを言っているのじゃなしに、まさに橋本長官がおっしゃったように、配船途上にある石油がアメリカの方に回されるという可能性あるいはそういう関係が出てくるということをいま肯定なすったように、現実にそういう危険性がある、そういう意味から、決してこれは日本の国益になるのではなしに、逆に言えばアメリカの石油戦略に従属する危険性があるのだということを私は第一に指摘したい。
第二には、私は、この備蓄が先年の石油ショックのときの実態から見ましても、鉄鋼その他いわゆる石油を大量に消費している力の強い大企業に優先的に配分される危険性が実際にある。特にいまのような大企業本位の経済の仕組みの中では、国民のためには余り優先的に保障するのでなしに、いざというときには鉄鋼その他のこういう力の強い企業に優先的に回されるという危険性があると思いますが、この点はどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/91
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092・橋本利一
○政府委員(橋本利一君) まず、お答え申し上げたいのは、先生はただいま軍事に関連して御指摘になったわけでございます。私たちの方は、国民生活に先ほどの役立つかどうかという御指摘に対して申し上げたいのは、昨年の四月にアブカイクの火災事故があったわけでございます。御承知のように、LPGの六割は輸入いたしております。そのうちまた六割をサウジアラビア、特にアブカイク地域から輸入しておるわけでございまして、さような火災事故が発生した場合においても、私たちとしては、昨年、ちょうど一年ほど前になるわけでございますが、こういった火災事故に対して、LPG、特に家庭用燃料として重要性を増してきておるLPGの確保について慄然たる思いをしたことがあるわけでございます。そういった意味から、必ずしも軍事行動以外にもさようなケースもございますので、われわれとしては、必要とするエネルギーをできるだけ確保しておく必要があるということをまず申し上げておきたいと思います。
それから、大企業優先じゃないかという御指摘でございますが、私たちといたしましては、国民経済の維持ということは国民生活の維持を前提としておるわけでございますので、さような緊急事態、非常事態において大企業優先ということではなくて、国民生活を維持するために、あるいは最低限国民経済を支えるためにどのような対応をするかという立場に立って物事を判断いたしたい、またそれが当然である、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/92
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093・市川正一
○市川正一君 よろしい。そのお答えはよろしいのですが、実態が果たしてそうなるかという問題なんです。
そこでお聞きしますが、この備蓄を政府の計画どおり、たとえば昭和六十年というのをとった場合に、六十年度の末に公団備蓄の十日分を合わせると合計百日になりますが、その際に石油タンクの基数とその用地の面積、これをちょっと教えていただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/93
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094・橋本利一
○政府委員(橋本利一君) 御指摘の点につきましては、いろいろな条件がございますので、一応の前提を置いて、仮定を置いて試算した数字として御理解いただきたいと思います。
まず、積み増しの量でございますが、両方合わせまして四千二百十万キロリッターでございます。それから備蓄の施設能力は五百五十五基、十万キロリッターのタンクにいたしまして五百五十五基でございます。必要とする土地面積は八百三十万坪でございます。それから必要資金は、これもいろいろな前提を置いてでございますが、約二兆九千億、そのうち原油代が一兆程度含んでおると、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/94
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095・市川正一
○市川正一君 いまの数字をわかりやすい比較で申しますと、ほぼタンク基数は現在の倍近く、そして広さは、後楽園球場の面積が約五万四千平米ですから、いま坪数でおっしゃいましたが、換算してみると、後楽園球場の五百六個分に相当するというように私ども試算いたします。そうしますと、いま昭和五十三年ですから、七年間にこれだけのものをやっていくということになるわけであります。そうしますと、これは先年の三菱石油の水島製油所におけるあの事故、そして先ほどこの委員会でも問題になりました今回の宮城沖地震での一挙に三基もタンクが破壊されたということに見られるように、環境破壊、これに加えてきわめて重大な災害になる危険性をはらんでいるというふうに私は思考いたしますが、こうした点からも、環境の保全の問題はもとより、この機会に石油タンクの耐震構造あるいは安全基準などについて抜本的な再検討を図るべきじゃないか、こういうふうに考えますが、いま一連の六十年度末の目標などとも絡んで、こうした点についてどう考えておられるか、関係方面の見解を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/95
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096・橋本利一
○政府委員(橋本利一君) まず申し上げておきたいのは、現在のタンク容量は一億キロリッターでございます。したがいまして、この数字でいきまして五割アップということで、倍ではございません。
それから、土地につて大変だということでございます。もちろん、立地といっても大変なことでございますが、私たちといたしましては、いわゆる陸上タンクのほかに、地下備蓄だとか洋上備蓄といった経済的、技術的に可能性のある新しい別途の方式といったものも検討いたしておるわけでございます。
最後に御指摘の点につきましては、私たちといたしましても関係省庁と十分連絡をとってまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/96
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097・矢筈野義郎
○説明員(矢筈野義郎君) 石油の貯蔵施設につきましてはすべて消防法の対象になっておりますので、先生御指摘のとおり、地震を含めましてあらゆる災害から安全なものになるように、私どもの方で今回の教訓を生かしながら十分検討してまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/97
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098・市川正一
○市川正一君 ひとつその点万全を期していただきたい、引き続いて私どもも追及さしていただきたいと思います。
そこで、九十日備蓄の財源として、ことしから新しく石油税が設けられることになりましたが、いわば消費税としての石油税の創設は石油製品価格の値上げともなり、国民にとっては実質的に増税をもたらすものになることは明らかであります。現に出光興産などは石油税の創設を口実に製品価格の引き上げを公言しております。莫大な為替差益を上げている石油業者に対して、こうした石油税などを口実に製品価格の引き上げを行わせないように責任を持って通産省として指導されるべきであると思いますが、河本通産大臣、どうお考えでしょうか。
〔理事福岡日出麿君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/98
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099・橋本利一
○政府委員(橋本利一君) 石油税は、御指摘のように消費税でございます。備蓄財源とおっしゃいましたが、石油対策財源、広い意味でわれわれはこれを活用したいと思っております。性格として消費税でございますから、当然消費者が消費する量においてこれを担税していくということになろうかと、理屈はさようになるわけでございますが、現実の問題としては需給関係を反映いたしまして市場価格形成の中でこれが吸収されていくということでございまして、公定価格があるわけではございませんから、その分だけが直ちに上積みになるといった性格のものではないと思います。需給実勢に従って決まっていくものだという理解をいたしております。
それから価格問題につきましては、われわれといたしましては、エネルギー関係、特に石油の価格につきましては常に深甚なる注意を持って注視いたしておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/99
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100・市川正一
○市川正一君 じゃ、最後に大臣にお伺いいたします。
私は、時間の関係から、はしょって要点をいろいろお伺いいたしましたが、大別して三つの問題、すなわち、第一は、アメリカ主導のIEAとの関係及び大企業への優先供給の問題。第二は、石油備蓄と環境破壊、重大事故と災害の危険性の問題。第三に、石油税など増税と国民負担の増大、石油製品価格引き上げの問題などであります。
そこで、私は、真の意味で国民のための備蓄という場合、必要なこととして、第一には、IEAから抜け出して、日本が輸入する石油は確実に日本に回されるようにすること、またアラブ産油国との友好関係を打ち立てて平等互恵の経済関係を発展させるということ、これが第一です。
第二は、大企業本位の石油の供給体制でなく、国民の生活に直接かかわるところに優先的に配分される必要があること。具体的に申しますと、病院、学校、公共施設、農漁業、中小企業、製紙産業などであります。
第三には、環境破壊や災害の危険性についてしっかりした万全の対策を立て、住民参加のアセスメントが実施されること。
第四に、備蓄増強によって国民の経済負担を大きくしないこと。
こういうことが必要だし、重要だと考えますが、通産大臣の所見を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/100
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101・河本敏夫
○国務大臣(河本敏夫君) エネルギー政策は当分の間石油を中心に進めていかなければならぬことは、もう各方面の理解をいただいておりますが、その場合に柱といたしまして、石油の開発、それから節約及び備蓄、この三つが大きな柱になろうと思います。
いま御審議をお願いしておりますのは、備蓄政策を中心とする法律について御審議をお願いしておるわけでございますが、この備蓄ということは、これはもう当然国民経済全体のために広い意味での日本の安全保障、こういう意味においてこれは実施に移していくわけでございますから、国民経済全体のためになる、こういう立場からすべてのことを判断していかなければなりませんし、すべてのことを実行に移していかなければならぬと考えております。
それからもう一つ、国際的な立場からいろいろ御意見をお述べになりましたが、いまこの石油事情というものは世界的に見ました場合に非常に複雑な構成になっております。でありますから、日本だけが世界のそういう複雑な構成から離れまして、おれはこうするんだと、おまえたちは勝手にしろと、そういうわけにはなかなかいかないわけであります。そういう時代が来ればいいとは思いますけれども、とてもとてもいまそういう状態ではない。だから、やはり世界全体の動きの中におきまして日本が一番いい方法は何かと、こういうことについて総合的な判断が必要であると考えております。
それからさらにもう一点、備蓄政策を進める上において、公害対策、環境の保全、住民との対話、これはもうぜひ必要であるということを強調されましたが、その点につきましては全く同感でございます。
全体としていろいろ御注意をいただきましたが、御注意を十分体しまして進めてまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/101
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102・市川正一
○市川正一君 時間がないのが残念でありますが、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/102
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103・藤井恒男
○藤井恒男君 きょう、私の持ち時間がほとんどございませんので、承認案件であります鶴岡繊維製品検査所の出張所にちなんで、繊維問題に限って二、三御質問申し上げます。
その一つは、さきに通過いたしました特定不況産業安定臨時措置法、その中の業種指定にかかわる問題でございますが、合繊は指定業種に当初から列記されておるところでございまして、繊工審の論議もあったやに聞いておるわけでございますが、合繊のこれに対する対応、いかがになっておるか。それから、合繊を除く繊維に関して、同じようにこの特定不況業種の業種指定の申請が行われる傾向にあるということでございますが、現状はどのように推移しておるか、この点をお聞きしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/103
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104・藤原一郎
○政府委員(藤原一郎君) 特定不況産業安定臨時措置法の指定の関係でございますが、お示しのように、合繊につきましては法律上業種が特記してあるわけでございます。これにつきましては、先般業界の各社の方からこれに指定されるよう申請の申し出がなされております。したがいまして、現在、政令指定いたすべく、政令の準備を整えておる段階でございまして、いま法制局におきまして平電炉、アルミ、合繊の三業種につきまして政令の案を検討中という段階でございます。したがいまして、そう時日を経ませんうちにこれは指定になるかと思います。
そのほかの繊維の関係でございますが、あと綿紡績業及び羊毛紡績業が対象として考えられておるわけでございまして、先般繊維工業審議会の総合部会を開きまして、ここで業種指定をすべきや否やという点について審議がされたわけでございますが、その結果、紡績業ということで業種指定をしたらどうかと、こういう御意見に相なっております。したがいまして、他の業種と並びまして紡績業ということで業種指定をしたらどうかと、こういう考え方でございます。その政令指定されました後におきまして業界から申請、申し出があるわけでございますが、羊毛紡績業につきましてはほぼ設備処理につきましての見通しがついておるものでございますから、わりあい早く申し出があるのではなかろうかというふうな大体予想をいたしております。綿紡績業につきましても大体そういう業界の意向のようでございますが、ただ綿紡績業につきましては非常に会社の数が多うございまして、四百社を超える会社でございまして、特に小さな会社が多いものでございますから、この三分の二の賛成を取りつけるということに若干時間がかかるかというふうな感じがいたしておる次第でございます。以上、簡単でございますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/104
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105・藤井恒男
○藤井恒男君 そうしますと、合繊はこれは特記しておるわけでございますが、繊維工業審議会の総合部会で紡積業を政令指定しよう、羊毛、綿紡ともにその動きがある、そうなりますと、これは早晩設備廃棄の前提となるところの安定基本計画というものを策定していかなければならないわけですが、前の委員会でも私は指摘したかと思いますけれども、昨年暮れごろから合繊の輸入が急増しておる。これは十二月ごろからそういった動きがあったわけでございますが、このところ、とりわけ合繊のポリエステル加工糸あるいはポリエステルの綿、さらにはポリエステル織物などが台湾、韓国かち急増しておって、この一月から四月までの輸入量がすでに昨年一年間の輸入量をそれぞれ上回っておる、こういうふうに報ぜられております。これは業界側でも非常に困惑しておることでございまして、このように昨年一年間の輸入量がこの一月−四月の間にそれを上回っておるという原因をどのように見ておられるかですね。円高も作用しておるということであろうが、これまで行ってきた不況カルテルによる在庫調整が進み、市況が整ってきた、こういったことをやっぱりねらったものなのかどうか。これは安定基本計画をつくる上で、附帯決議にも織り込んだところでございますが、輸入問題というものをあわせ考えなければ、ちょうど休眠状態といいますか、力がいっときなくなるわけですから、これが野放しになりますと、安定基本計画に沿って動く行動が一挙に国際競争力を失遂してしまうということにもなりかねないきわめて憂慮すべき問題だと私は考えておるのです。したがって、その原因、それから、これからこういった状況を踏まえて輸入問題をどう見ていくのか。さらに、それを安定基本計画の中にどのように織り込んでいったらいいのか、あわせてお聞きいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/105
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106・藤原一郎
○政府委員(藤原一郎君) 合成繊維関係の輸入の問題でございますが、お示しのとおり、確かに本年の一−四月におきまして合成繊維糸、綿及び織物につきまして非常に顕著な増勢を示していることはお示しのとおりでございます。ただ、それが総量という点からいいますと、全生産量といいますか、国内生産量から見ますと、パーセンテージでいいますと、まだ一%程度のものでしかないわけでございますが、ただ、先生御承知のとおり、繊維が非常に市況商品であります関係上、わずかな輸入でありましても、これが市況に相当の影響を及ぼすということもあり得るということでは、無関心ではおれない問題でございます。
また、なぜそういうことになったかという御質問でございますが、それは昨年の十月から減産を始めまして、不況カルテルに移行いたしまして現在八カ月を過ぎておるわけでございますが、やはりその間市況が相当締まってまいりまして、特にポリエステルのフィラメント等におきましては価格も相当持ち直してきたというふうな関係から、ある品種によりましては品物の手当てがやや窮屈だというふうな面もありまして、特に台湾から、あるいは韓国からも輸入が急増しておるというのが実態でございます。特に特殊の加工糸につきましてはそういう面が強かったようでございますが、一時非常なラッシュの感じでございましたが、実際の糸の使用に当たりますとやはり問題点もありまして、言われるほどのラッシュでは今後ないのではなかろうかという面もございますけれども、やはり全体として十分に注目をしてまいる必要があろうかと思います。安定法によりますところの安定計画を立てるに当たりましては、したがいまして、当然五年間ぐらいの長期の需給計画を立てなければならないことはお示しのとおりでございまして、その際輸出入の数量というものも当然考えなければならぬと思います。したがいまして、お示しの輸入問題につきましても、安定計画を立てますところの繊維工業審議会の審議の中で十分な検討を加えてまいりたい、このように考えております。特に合繊につきましては、追加いたしますと、輸入も問題でございますが、輸出面に非常に大きな問題がございまして、その半ばを輸出をいたしておりますものでございますから、その輸出をどうするかということが安定計画全体のある意味では骨格にも影響いたしますので、その辺も含めまして、合繊につきましては輸出入の点に特に気をつけて安定計画をつくらねばならない、このように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/106
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107・藤井恒男
○藤井恒男君 紡協が現在続けている不況カルテルをさらに七−九にかけて延長したい、これは前回の三カ月更新の折にもユーザーである綿工連からクレームがついており、その折、綿工連との間に時限的なものという形での黙契があったというふうに聞いておるわけでございますが、今回の七−九の延長に関して、これは紡協側とすれば、現在の市況の問題もさることながら、やはり安定基本計画に基づいて設備廃棄ということを伏線に持っておるわけで、その必要性は、市況という短期的なものじゃなく、ある程度これは肯定せざるを得ない問題だろうと私は判断しておるのだけれども、一面、ユーザーはなかなかこれはオーケーということにはなるまい。同じ繊維業界の中で、供給側と需要側で対立するというような状況になりつつあるわけであります。局長としてその辺を、目の前の問題ですから、どのように裁いていかれるのか、見通しなどについてもお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/107
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108・藤原一郎
○政府委員(藤原一郎君) 短繊維紡績関係の不況カルテルの延長の問題でございますが、六月末で一応切れまして、七−九延長するかどうか、非常に現在デリケートな面にございます。綿糸の価格の面、それから在庫といいますか、在庫の面から考えますと、不況カルテルを延長するにはやや困難な感じがいたしております。
また、その経緯について申しますと、先生がお示しのように、前回延長いたします際に、ユーザー側の綿工連その他の方から、非常に高騰した場合にはいつでも打ち切るということで、私どももそのような行政指導をするつもりで発足をいたしたわけでございます。今回につきましては、したがいまして、状況として、それよりも市場としてはやや締まった感じになっておりますので、当然需要者側は今回打ち切りという考え方に立つのも当然であろうかと思います。私どもも、この際、一方で羊毛あるいは合成繊維のカルテルの延長ということを前提にいたしますと、綿の現状からすれば、ここで一度外したらどうかという感じがしないわけでもございません。ただ、相場を見ますと、現物は非常に高いのですが、先物が安い、輸入が多いということを考えますと、若干の不安要因はあるわけでございます。したがいまして、当面そろそろ決断をしなきゃいかぬわけでございますが、現在の私どもの感じとしては中立の感じでございまして、需要者側との折衝の状況というものを見守っておるという状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/108
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109・藤井恒男
○藤井恒男君 紡績は、いまの時点での価格を見れば、なるほど御指摘の動きはあるけれども、十先を考えれば、これはそろばんがはっきりわかるわけでして、この辺も十分考えなければいかぬ。そうすると、まさに御指摘のように、綿工連も前からのいきさつもありまして、そう簡単にはいかぬだろうと思う。だから、十分これは慎重に取り扱ってもらいたいと思います。
それから、羊毛紡績会の方の延長の問題に対して、どのようになるのか。
さらに、四八双糸の規制問題が前回は実施されたはずですが、今回これを再びもとに戻せという動きもあるようです。そうなりますと、これは中小に影響してくるわけだけれども、やはりこの換金という問題も出てまいりますし、片寄った増産ということが起きるやもしれない、この辺はどういうふうに行政指導しておるのか、あるいはこれからの問題としてどうするのか、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/109
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110・藤原一郎
○政府委員(藤原一郎君) 羊毛紡績関係のカルテルでございますが、これは全体といたしましては、やはりまだ需給ギャップが非常にございまして、価格もなかなかコストをペイするまでにまいらないという状況でございますので、これはまだしばらく余裕がございますが、いまの判断といたしましては、延長せざるを得ないのではないかという感じがいたしております。
ただ、四八双糸の特殊の枠をつくっての問題につきましては一−三、四−六と実は多少ユーザー側の反対がありましたけれども、若干無理をした感じもございますけれども、現在その間四八につきましての需給は相当改善いたしておりまして、特に四八双糸の特殊の供給者というものの方で、若干工場の閉鎖といいますか、生産減というふうな面もございますので、現在の私どもの感じでは、次に延長いたします際には、その辺は半年続けました四八双糸の特殊の取り扱いは撤廃したらどうかという意見でおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/110
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111・藤井恒男
○藤井恒男君 実は昨日も私は大臣にいろいろ現在の経済動向についてお聞きしたわけだけれども、大臣は、常に貿易黒字の問題も不況の問題も雇用不安の問題も、それはすべてやはり国内需要を旺盛にすることだという、短い言葉で言えばそういったお説を持っておられるわけでして、私どももそれには賛成なんです。先ほど冒頭に申し上げた合繊の大変なジレンマですね、操業度が七五%ほどである、しかも円高だと。だから本来輸出メリットは大きく減退しておるのであるが、あえて操業を維持し雇用を守るためには輸出ドライブをかけざるを得ない。したがって、全製品の六、七〇%というものを輸出しておるわけで、これは異常だと言わざるを得ない。しかし、内需にこれをシフトするわけにはまいらない。そういった状況の中で、なお黒点減らしという面もありましょうが、輸入の急増という状況を受けておる。大変これはむずかしい私は裁きになろうと思うのです。そういった中で安定基本計画というものをつくっていかなければいけない。これは単に地域の問題あるいは一業種の今日的な不況を脱却する問題じゃなくて、かなり長期の日本の繊維産業の方向づけということになるわけですから、十分これは検討を加えて慎重にやってもらいたい。同時に、当然そこには多くの労働者もおるわけですから、これも附帯決議あるいは審議過程で申し上げたとおり、労働者の意見も十分聞いて対処していただきたいと思います。
時間がありませんので、以上の点だけ御質問して終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/111
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112・柿澤弘治
○柿沢弘治君 本日は特定機械情報産業振興臨時措置法案についての幾つかの質問をいたしたいと思います。
まず、基本的な考え方を少し大臣にお伺いをしたいと思いますが、先般不況業種対策の法律が成立をいたしました。さらに中小企業については円高対策の法律ができておりますし、このたびは機械情報産業振興臨時措置法、まあ機械情報産業についてこうした法律ができるのであれば、次は生活産業について臨時措置法ができ、基礎産業について臨時措置法ができて、さまざまな分野が全部こうした振興臨時措置法というので埋まっていくという心配もないわけではない。どうも、そろそろ日本の産業もこうした政府の手による助成から離れて一人立ちをすべき時期に来ている。いつまでも甘えた子供が過保護のママにすがっているような形で成人をしていっていいのだろうかという点については、私どもは非常に疑問を持っております。特に個別企業についてすら、佐世保重工が危ないといえば総理大臣がわざわざ乗り出して救済をする。そうした政府の姿勢の中に、本当の自由企業、強靱な自由経済体制をつくっていこうという考え方があるのかどうか疑問に感じる場合もあるわけでございます。
今回の法案がそうした意味で最後であるというのならよろしいのですが、また特定工業振興臨時措置法というのが出てくる、アルミをどうやって保護するかというような問題が出てくる。果たしてそうした形で日本の自由経済体制というものが、その活力が保たれるのかどうか、その点について産業政策を主管しておられる大臣の御見識を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/112
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113・河本敏夫
○国務大臣(河本敏夫君) 自由主義経済はかくあるべしという基本的なお考えにつきまして私も同感でございます。しかしながら、いま石油危機以降の世界経済の大混乱、また日本経済の混乱、まだおさまっておりませんで収拾過程にございますので、その過程では若干の例外も万やむを得ないと考えております。
そこで、これからの産業政策でありますが、一番の基本は産業構造を高度なものに順次移していくということが一番の中心であろうと思います。そのためには幾つかのことをしなければならぬわけでございますが、一番大切な分野でしかも一番おくれておるもの、こういうものは戦略産業として、時間を限りまして、しばらくの間は政府がめんどうを見ていかなければならない、あるいはバックアップをしていかなければならない、こういう考え方に立ちまして、今回の法律にも限時立法七年間という制限を置きましてお願いをしておるわけでございます。次から次へつくっていくのではないかという御心配でございますが、こういう形のものを次から次へつくる考えはございませんが、ただ、できるだけ早くお願いをしたいと思っておりますのは、中小企業の救済対策といたしまして地域ごと、中小企業が非常な不況に陥っておる地域がございますので、その救済対策は何とか考えなければならぬと思っておりますし、それから先般の構造不況対策緊急立法、こういうものをつくっていただきましたが、これで救えない二、三の深刻な業種がございます。あるいはまた対象にならない業種がございますので、これに対してもやはり何らかの救済策が必要だ、時間を限って救済策が必要だと、このように考えております。でありますから、そういう特別のものはできるだけ早くお願いをしたいと考えておりますが、本日お願いをしておりますような法律をあらゆる分野にわたって次から次へつくると、こういう考え方はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/113
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114・柿澤弘治
○柿沢弘治君 それではお伺いいたしますが、少なくとも個別企業の救済に対して政府が介入をしていくということは、原則としてやらないというふうに考えてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/114
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115・河本敏夫
○国務大臣(河本敏夫君) 原則として、個別企業の救済をやっておると切りがないわけでありますから、これはやらないというのが原則でありますけれども、しかしながら、中には非常に影響の大きいものもございます。影響といいましても、いろいろな意味での影響があるわけでありますけれども、まあ政府が若干のてこ入れをしてやりますと、それは立ち直る、そして大きな効果が出てくる、こういうものは、現在のような混乱期にはある程度の例外はやっぱり起こってくるのではないかと、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/115
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116・柿澤弘治
○柿沢弘治君 経済の活力を維持してこれから体質の強い日本経済をつくっていく上で、やはり企業の経営責任、経営者の責任というものはしっかりと問われなければいけないと思いますし、それに対して安易に妥協していくということは、長い目で見て日本の経済を弱めるおそれがあるという点については十分留意をしなければいけないと思います。それから、こうした形でさまざまな国家の助成策をとっていく、弱い部分についててこ入れをしていく、そうして貿易収支で黒字が出れば日本は成長力が高いのだ、日本の企業の技術がすぐれているから当然だ、諸外国はそれに相応する努力をしないから悪いのだという反撃をした場合に、それが公正な国際競争と言えるだろうかという点について疑問を投げかけられるのは、私は、先方にも一分の理があるというふうに思うわけですけれども、その点について、やはり国際経済の中での日本経済、その中でのフェアな競争、その場合における政府の役割りという点から考えて、今回もこうした形で弱い部分を支持していくということが不公正競争の批判を招くことにならないかどうか、その点について大臣のお考えをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/116
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117・河本敏夫
○国務大臣(河本敏夫君) 今度お願いをしております法律は、将来の産業構造転換の一つの大きな柱になる、こういうことでもありますし、それから、この産業構造の転換というものは、近隣諸国からの追い上げ、それに対処するためでもあり、かつまた最近のエネルギー事情、それから環境に対する考え方の変化、こういうことから産業構造そのものを大きく転換していかなければならぬ。その過程におきまして、日本として非常におくれており、しかもまた、おくれておるけれども、これが将来の基幹的な戦略産業になる、こういうものに対しましては、やはりある程度の援助がしばらくの間は必要だと考えております。諸外国からの攻撃、非難等を受けないように十分配慮をしながらやっていくつもりでございますが、いまお述べになりました原則につきましては、私どもも全く賛成でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/117
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118・柿澤弘治
○柿沢弘治君 ぜひ諸外国からの不公正競争という批判を受けないように対応していただきたいと思います。
それから、期限を切って対策を講ずる、これも必要だというお話でございますが、私もその点について全面的に反対するものではありません。しかし、今回提案されております機情法にしても、機電法が期限が切れるから、これをぜひお願いをしたい、そして七年だ、また七年が終われば次に新しいものをくっつけてくる、これでは少し安易に過ぎるのではないか。臨時措置法の名に反するというふうに思いますけれども、その点についてはいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/118
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119・森山信吾
○政府委員(森山信吾君) ただいま御指摘のございましたように、機電法を四十六年に制定をさしていただきまして、七年間運用さしていただいたわけでございます。そこで、ことしの三月三十一日で期限切れとなったわけでございまして、その後どうするかというのは実は大問題であったわけでございます。私どもは、私どもサイドだけの考え方で議論をするのでは十分ではないという判断がございまして、産業構造審議会に諮問をいたしました。機電法が切れるにつきまして、今後どういう対策を講ずべきか、こういう諮問をしたわけでございますが、昨年の秋に中間的な御答申をいただきまして、機械産業あるいは情報産業、ひっくるめまして機械情報産業と言っておりますけれども、それの持つ国家的な重要性というものを五点ばかり指摘をいただきまして、機電法が切れた後引き続いて新しい法制を考慮すべきである、こういうような御答申をいただいたわけでございます。
そこで、私どもが考えましたのは、機械情報産業の持つ五つばかりの特殊な重要性というものを踏まえまして新しい法制を考えたわけでございますけれども、先ほど先生がお述べになりました客観的な情勢の変化というもの、特に最近におきましては国際摩擦というものが相当大きな問題になっておりますので、そういった問題にどう対処するかということも踏まえ、かつ国民生活の変化、また国民のニーズの高度化、こういった要望も踏まえながら今後の機械情報産業のあり方というものを考えてみますと、そこにやはり法的な裏づけがありまして、緩やかながらも一定の目標のもとに緩やかなガイダンスを行っていく、こういう必要があるのじゃないか、こういう判断をしたわけでございまして、決して機電法が切れてその延長、あるいはそれにかわるべきものを単にお願いする、こういった考え方ではなくて、いま申し上げましたように、審議会の御答申あるいはその間それをベースにいたします各界のディスカッション、そういうものを通しましてここに新法の形でお願いをした、こういうことであるわけでございますので、私どもといたしましては、それなりに機械情報産業の今後の持っていき方につきましては十分慎重な配慮をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/119
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120・柿澤弘治
○柿沢弘治君 たとえば今回入っておりますソフトウエア業、そうしたものについて新しい助成体系の中で何らかの時限的な措置を講じていきたいということであれば私にも納得しやすいのですけれども、従来のパターンをそのまま受け継いで特定機械、電子機器、それをそのまま続けていくというのが現在の国際経済関係の中でいかがなものであろうか。たとえばコンピューターについて言えば、周辺機器も含めてアメリカ側の最大関心品目として関税率の引き下げを求められている。政府調達の開放を求められている。そうした中で、こちらはこちらで政府の助成をしていくのです、げたをはかせて市場に出すのだということで果たして国際的に納得が得られるだろうか。むしろ、この辺については、もう政府としては、それは子供を裸にして外へ出すのは忍びないかもしれないけれども、目をつぶって国際競争場裏に出すということが長い目で見て大切なのではないか。まだまだ甘やかし過ぎているというふうに思える点もあるわけですけれども、電子機器を依然としてこうした形で保護をしていかなければいけないのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/120
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121・森山信吾
○政府委員(森山信吾君) ただいま御指摘のございましたコンピューターあるいはそれを含みます情報産業につきましては、私どもといたしまして、今後の日本の経済の中にビルトインされるべききわめて重要な産業ではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。しかしながら、いまお述べになりましたように、コンピューターというものは、たとえば関税の問題あるいは政府調達の問題等々、特にアメリカを中心にいたしまして幾つかのリクエストを受けているわけでございます。それはそれだけに日本のコンピューター産業というものが世界的にもかなり評価されるに至った証拠ではないかと、こう思うわけでございます。現時点におきましてはまさにそのとおりではないかと思うわけでございますけれども、コンピューター産業というのは、御承知のとおり、日進月歩の産業でございまして、現時点におきますレベルというものが必ずしも次の時点におきまして優位性を保つことにはならないわけでございます。IBMの三七〇対抗のシリーズで日本は一応成功いたしましたので、そういう評価を受けておるわけでございますけれども、その次の世代、つまりFSといわれるもの、これが一九八〇年代の初期にはあらわれてくると思いますが、これにつきましては必ずしも日本というものはアメリカに太刀打ちできるかどうかは問題があるところでございます。したがいまして、私どもは、もうコンピューターは、日本のコンピューターもこれで大丈夫なんだという気持ちがある半面、将来のコンピューターというものの日本経済に及ぼす影響の大きさを考えますと、果たしてここでもうリリースしていいのかどうかというのは大問題ではないかと、こう思うわけでございます。ただし、従来とってまいりましたように、何らかのバリアを設けまして、外資系のものにつきましては相当なコントロールをして、国内のものはわが子かわいさの余りに一生懸命かわいがる、こういうやり方は私は好ましくないのではないかということでございまして、基本的には外資と国産メーカーの共存共栄方式、設置台数で具体的に申し上げますならば、おおむね半々ぐらいのシェアで外資系と国産系が共存し合う、こういう形が日本のコンピューター業界にとりましてもまた外国のコンピューターメーカーにとりましても大変好ましいものではないか、こういうような気持ちを持っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/121
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122・柿澤弘治
○柿沢弘治君 それにしてはどうも従来の政策のパターンのしっぽみたいなのが入っていますね。大規模な事業の開始などに対する勧告、共同高度化計画をやっているところに外資が入ってくる、それは何とか締め出さなきゃいけない、こういう法体系は、いま言った閉鎖的なものはできるだけ排除していきたいという通産省の考えの中で依然として必要なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/122
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123・森山信吾
○政府委員(森山信吾君) ただいま御指摘のございました第十三条の勧告の規定は、私どもといたしましては、外資を対象にしたものとは考えておりません。むしろ理解としては、中小企業の分野調整的な規定というふうな意識を持っております。つまり、共同事業等を通じまして、中堅中小企業の方々がある種の共同事業等をして合理化を促進されておりますときに、より大きな資本が出てまいりまして、大企業がそういった中堅中小企業の方を席巻するようなことがある場合には、そういう方を対象にいたしまして勧告をしたいということでございますので、昭和四十六、七年当時の資本自由化当時に言われておりましたような外資を対象にいたします勧告ということは全然考えてないことを御理解を賜りたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/123
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124・柿澤弘治
○柿沢弘治君 その辺についてもいろいろ議論をしたいところですけれども、今回の目玉と言えばやはりソフトウエア業についての助成を法体系の中に入れたことだろうと思います。それは方向としては私も賛成なんですが、そしてハードからソフトへという形で産業政策の重点を移していかなければならない、産業構造を変化させていかなければならないということもよくわかるのですが、逆にソフトウエアについては、これは従来の高度成長時代のような誘導政策といいますか、助成政策の効きにくい分野であることも事実だと思うのです。どうやってコンピューターのプログラムの開発を国の力で助成をしていくか、国の力で誘導をしていくか、これはまさに民間企業のさまざまな創意の中で前進をしていく分野であって、国のお手伝いのできる分野というのは比較的少ないのではないか。ですから、これは高度化計画をつくるさまざまな内容を含んでおりますけれども、この法律の持つソフトウエア業育成の分野での役割りというのは余り大きくないというふうに思えてなりません。本当の意味でソフトウエア業育成の政策手段、有効な政策手段というのがあるのだろうかという点には非常に疑問があるわけですけれども、時間が参りましたので、その点についての通産省の今後の考え方、それだけお伺いをして終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/124
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125・森山信吾
○政府委員(森山信吾君) 今回お願いをいたしております機情法の機電法と違います大きな点は、ただいま先生の御指摘のございましたソフトウエア業を対象にしたことではないかと思うわけでございます。私どもは、ソフトウエア業そのものの重要性もさることながら、今後日本の機械工業なり、あるいは日本の国民生活あるいは社会的なニーズというものがいわゆるシステム化していくだろうということを考えますならば、やはりそこにソフトウエアの重要性、あるいは場合によってはエンジニアリングの重要性といってもよろしいかと思いますが、そういったいままでと変わった観点の政策はとられてしかるべきではないか、こういうことを考えておるわけでございまして、確かに法文上はソフトウエアのウエートというものは余り大きくないような形になっておりますけれども、実際、政策を遂行するビヘービアといたしましては十分その点に配慮を払いまして政策を行ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/125
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126・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 他に御発言もなければ、四案件に対する質疑は終局したものと認めて、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/126
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127・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。
まず、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/127
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128・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
対馬君から発言を求められておりますので、これを許します。対馬君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/128
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129・対馬孝且
○対馬孝且君 私は、ただいま可決をされました液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党及び新自由クラブの六会派共同提案による附帯決議案を提出をいたします。
案文を朗読をいたします。
液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、最近の液化石油ガスの流通及び消費形態の実情に対応した保安対策の充実を図るため、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一、一般家庭の液化石油ガス消費に伴う災害の絶滅を期するため、法第十五条に基づき必要事項を消費者に周知させるに当たつては、液化石油ガス販売事業者が消費者との十分な対話を行う等によりその実をあげるよう指導監督を強化するとともに、広報活動、学校教育等を通じて国等の消費者保安啓蒙活動を抜本的に充実強化すること。
二、液化石油ガスの既存設備の調査点検を徴底することにより、設備の改善等を促進するとともに、液化石油ガス設備の設置段階において重要な役割を果すべき液化石油ガス設備士制度の円滑な施行と液化石油ガス設備士の育成、充足及び事故を未然に防止し得るような安全な液化石油ガス器具等の研究開発の推進、ガス漏れ警報器の設置促進等に努めること。
三、液化石油ガス事故による第三者の被害を救済するため、液化石油ガス業者賠償責任保険における見舞金制度の充実、救済資金のプール制の導入、保険制度の創設等について検討し、その具体化に努めること。
四、液化石油ガス販売事業者の経営の近代化、体質改善のための施策を積極的に推進すること。
右決議する。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/129
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130・楠正俊
○委員長(楠正俊君) ただいま対馬君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/130
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131・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 全会一致と認めます。よって、対馬君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。河本通産大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/131
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132・河本敏夫
○国務大臣(河本敏夫君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして液化石油ガスの保安の確保等に遺憾なきを期してまいる所存であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/132
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133・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 次に、石油開発公団法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/133
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134・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
対馬君から発言を求められておりますので、これを許します。対馬君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/134
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135・対馬孝且
○対馬孝且君 私は、ただいま可決をされました石油開発公団法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、民社党及び新自由クラブの六会派共同提案による附帯決議案を提出をいたします。
案文を朗読をいたします。
石油開発公団法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一、石油の安定供給を確保するため、石油資源の探鉱開発体制及び諸制度の整備拡充を図り、自主開発原油の国内引取り体制の整備、重質原油の分解設備の設置推進について努力するとともに、とくに石油公団の技術開発力の強化及び情報収集機能の拡充強化についても配慮すること。
二、石油公団の直接備蓄及び共同備蓄の実施に当たつては、環境に与える影響について事前の調査を行うなどにより地元関係者の十分な理解と協力を得るよう努めるとともに、安全防災対策の充実を図るため、関係省庁の連絡調整の緊密化、安全指針の整備等を行い、万遺漏なきを期すこと。
三、公団備蓄の実施等石油公団の業務が拡充強化され、巨額な資金を運用することにかんがみ、財政資金の効率的かつ厳正な運用に十分配慮するとともに、そのための体制を整備すること。
四、石油政策の推進に当たつては、長期かつ巨額の資金を必要とすることにかんがみ、これに必要な資金が十分に確保されるよう措置するべく、石油税収入をその財源とするのみならず、複雑多岐化している石油諸税の合理的なあり方についても検討すること。
右決議する。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/135
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136・楠正俊
○委員長(楠正俊君) ただいま対馬君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/136
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137・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 多数と認めます。よって、対馬君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。通産大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/137
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138・河本敏夫
○国務大臣(河本敏夫君) ただいま議決をいただきました法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして万全を期する所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/138
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139・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 次に、特定機械情報産業振興臨時措置法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/139
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140・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、鶴岡繊維製品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの件を問題に供します。本件に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/140
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141・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、四案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/141
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142・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/142
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143・楠正俊
○委員長(楠正俊君) これより請願の審査を行います。
第二一九号構造的不況及び円高対策に関する請願外百九十二件を議題といたします。
これらの請願につきましては、理事会において慎重に検討いたしました結果、第二一九号構造的不況及び円高対策に関する請願、第四八八一号中小企業の不況対策に関する請願外一件計三件は議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものとし、第二二一号大規模店舗法の改正促進に関する請願外百八十九件は保留と決定いたしました。
以上御報告いたします。
この際、お諮りいたします。
ただいまの報告どおり決定することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/143
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144・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/144
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145・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/145
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146・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 次に、継続審査要求に関する件についてお諮りいたします。
危険ぼた山の崩壊防止及び整備に関する緊急措置法案、下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案、伝統的工芸品産業その他の中小企業性産業を保護するための輸入制限等に関する特別措置法案、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律の一部を改正する法律案及び小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、閉会中もなお審査を継続することとし、五案の継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/146
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147・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/147
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148・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/148
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149・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
産業貿易及び経済計画等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/149
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150・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/150
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151・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/151
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152・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱い等を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/152
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153・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/153
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154・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 次に、対馬孝且君から文書をもって都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。
これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/154
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155・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/155
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156・楠正俊
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に大森昭君を指名いたします。(拍手)
本日はこれにて散会いたします。
午後二時五十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414461X02519780616/156
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