1. 会議録本文
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000・会議録情報
本国会召集日(昭和五十三年十二月二十二日)(
金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次
のとおりである。
委員長 鴨田 宗一君
理事 羽田野忠文君 理事 濱野 清吾君
理事 山崎武三郎君 理事 稲葉 誠一君
理事 横山 利秋君 理事 沖本 泰幸君
理事 高橋 高望君
青木 正久君 稻葉 修君
木村 武雄君 篠田 弘作君
田中伊三次君 二階堂 進君
鳩山 邦夫君 原 健三郎君
藤井 勝志君 前尾繁三郎君
三池 信君 村山 達雄君
田邊 誠君 西宮 弘君
武藤 山治君 八百板 正君
飯田 忠雄君 長谷雄幸久君
正森 成二君 加地 和君
阿部 昭吾君
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昭和五十三年十二月二十二日
鴨田宗一君委員長辞任につき、その補欠として
佐藤文生君が議院において委員長に選任され
た。
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昭和五十四年二月十三日(火曜日)
午前十時十四分開議
出席委員
委員長 佐藤 文生君
理事 青木 正久君 理事 鳩山 邦夫君
理事 西宮 弘君 理事 沖本 泰幸君
理事 中村 正雄君
稲葉 修君 篠田 弘作君
田中伊三次君 二階堂 進君
福永 健司君 三池 信君
村山 達雄君 木原 実君
下平 正一君 村山 喜一君
飯田 忠雄君 長谷雄幸久君
正森 成二君 小林 正巳君
出席国務大臣
法 務 大 臣 古井 喜實君
出席政府委員
法務政務次官 最上 進君
法務大臣官房長 前田 宏君
法務大臣官房会
計課長 石山 陽君
法務大臣官房司
法法制調査部長 枇杷田泰助君
委員外の出席者
法務委員会調査
室長 清水 達雄君
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委員の異動
昭和五十三年十二月二十二日
辞任 補欠選任
藤井 勝志君 佐藤 文生君
稲葉 誠一君 木原 実君
田邊 誠君 下平 正一君
八百板 正君 村山 喜一君
高橋 高望君 中村 正雄君
阿部 昭吾君 楢崎弥之助君
同日
辞任 補欠選任
楢崎弥之助君 阿部 昭吾君
昭和五十四年一月十日
辞任 補欠選任
羽田野忠文君 福永 健司君
同月三十一日
辞任 補欠選任
加地 和君 永原 稔君
同日
辞任 補欠選任
永原 稔君 加地 和君
二月一日
辞任 補欠選任
武藤 山治君 兒玉 末男君
加地 和君 小林 正巳君
同月二日
辞任 補欠選任
兒玉 末男君 武藤 山治君
同月三日
辞任 補欠選任
正森 成二君 寺前 巖君
同月五日
辞任 補欠選任
寺前 巖君 正森 成二君
同月八日
委員鴨田宗一君が死去された。
同月九日
辞任 補欠選任
正森 成二君 不破 哲三君
同月十日
辞任 補欠選任
不破 哲三君 正森 成二君
同月十三日
理事保岡興治君昭和五十三年十二月十二日委員
辞任につき、その補欠として青木正久君が理事
に当選した。
同日
理事稲葉誠一君及び高橋高望君昭和五十三年十
二月二十二日委員辞任につき、その補欠として
西宮弘君及び中村正雄君が理事に当選した。
同日
理事羽田野忠文君一月十日委員辞任につき、そ
の補欠として鳩山邦夫君が理事に当選した。
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昭和五十三年十二月二十二日
政治亡命者保護法案(横山利秋君外六名提出、
第八十回国会衆法第四〇号)
刑法の一部を改正する法律案(横山利秋君外五
名提出、第八十回国会衆法第四一号)
民法の一部を改正する法律案(横山利秋君外五
名提出、第八十四回国会衆法第二二号)
刑法の一部を改正する法律案(内閣提出、第八
十回国会閣法第七六号)
刑事事件の公判の開廷についての暫定的特例を
定める法律案(内閣提出、第八十四回国会閣法
第五三号)
同月二十六日
利息制限法の一部を改正する法律案(佐藤昭夫
君外二名提出、参法第三号)(予)
昭和五十四年二月二日
裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
閣提出第三号)
同月九日
下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣提出第一一号)
一月十九日
民法第七百五十条の改正に関する請願外二件(
土井たか子君紹介)(第一一号)
刑事事件の公判の開廷についての暫定的特例を
定める法律案反対に関する請願(松本善明君紹
介)(第九八号)
法務局、更生保護官署及び入国管理官署職員の
増員等に関する請願(正森成二君紹介)(第九
九号)
同月二十六日
民法第七百五十条の改正に関する請願外六件
(土井たか子君紹介)(第三二六号)
刑事事件の公判の開廷についての暫定的特例を
定める法律案反対に関する請願(正森成二君紹
介)(第三二七号)
同(工藤晃君(共)紹介)(第四一七号)
同(小林政子君紹介)(第四一八号)
同(柴田睦夫君紹介)(第四一九号)
同(不破哲三君紹介)(第四二〇号)
同(正森成二君紹介)(第四二一号)
同(松本善明君紹介)(第四二二号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
理事の補欠選任
国政調査承認要求に関する件
裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
閣提出第三号)
下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣提出第一一号)
法務行政、検察行政、国内治安及び人権擁護に
関する件
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108705206X00119790213/0
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001・佐藤文生
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
この際、一言ごあいさつを申し上げます。
このたび、皆様の御推挙によりまして本委員会の委員長に就任いたしました。もとより微力ではございますが、職責の重大さにかんがみ、公正なる運営を図ってまいりたいと存じます。
委員各位の御理解と御協力をお願いいたしまして、ごあいさつといたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108705206X00119790213/1
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002・佐藤文生
○佐藤委員長 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。委員辞任に伴い、現在理事が四名欠員になっております。その補欠選任につきましては、先例によりまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108705206X00119790213/2
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003・佐藤文生
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は理事に
青木 正久君 鳩山 邦夫君
西宮 弘君 中村 正雄君
を指名いたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108705206X00119790213/3
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004・佐藤文生
○佐藤委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政の適正を期するため、本会期中
裁判所の司法行政に関する事項
法務行政及び検察行政に関する事項
並びに
国内治安及び人権擁護に関する事項
について、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、国政調査を行うため、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108705206X00119790213/4
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005・佐藤文生
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108705206X00119790213/5
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006・佐藤文生
○佐藤委員長 法務行政、検察行政、国内治安及び人権擁護に関する件について調査を進めます。
この際、法務行政等の当面する諸問題について、古井法務大臣から説明を聴取いたします。古井法務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108705206X00119790213/6
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007・古井喜實
○古井国務大臣 委員各位におかれましては、平素から法務行政の運営について格段の御尽力をいただきまして、厚く御礼を申し上げます。
この機会に、法務行政に関する私の所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を賜りたいとお願い申し上げます。
昨年十二月、法務大臣に就任しまして以来、今日まで短い期間でありますが、法務省の所掌事務を見てまいりまして私の感ずるところは、法務行政はきわめてじみで目立たぬものではありますが、国民が安らかに生活していくためには大変重要な意味を持っておるということでございます。
今日、文化の重視、人間性の回復ということが言われておりますが、国民の一人一人が人間として、文化的生活を享受し得るためには、その前提として、各人の権利が保護される一方、法秩序が尊重され、みずから守るべき責任と節度、他者に対する理解と思いやりの行き届いた社会があることが必要であります。従来、法務行政の使命は、法秩序の維持と国民の権利の保全にあると言われてまいりましたが、私は、改めてその使命の重要さをひしひしと感ずるわけであります。
私は、かねがね、国の行政の任に当たる者は、国民一人一人の生きるための苦労と努力に十分な理解を持ち、愛情を持って事に当たらなければならないと考えておりますが、反面、社会の平穏を保持し、善良な国民を守っていくためには、心を鬼にしなければならぬこともあると思うのでございます。内外の諸情勢がきわめて厳しいこの時期において、私は、国民の期待にこたえられるよう、誠心誠意、みずからの良心に問いつつ、職責を尽くしたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
以下、私が考えております当面の施策について要点を申し述べます。
第一に、法秩序の維持についてであります。
最近におけるわが国の一般犯罪情勢は、全般的にはおおむね平穏に推移しつつあると認められるのでありまして、欧米諸国が顕著な犯罪増加の傾向に悩んでいるのに対し、わが国の治安が良好に保たれていることは、ありがたいことだと考える次第であります。しかしながら、暴力団関係事犯の悪質化、覚せい剤事犯の急増等なお警戒を要する諸問題も少なしとせず、今後の推移には必ずしも楽観を許さないものがあるのでありまして、そのうち、当面特に警戒を要するのは、過激派集団ないし過激分子の動向であります。
昨年五月の新東京国際空港の開港をめぐり、開港阻止を唱えてゲリラ的襲撃事犯を反復継続し、あるいは各派の組織的対立に起因する内ゲバ事件を惹起した国内過激派の動向は、現在なお楽観を許さぬものがありますが、一方、海外に根拠地を置く日本赤軍も、他の国際的過激各派との連携を強めながら、新たな国際的テロ事犯に向けて蠢動を開始しつつあるとの徴候が認められるのであります。
かかる内外過激派による不法無軌道な行動は、民主主義社会の根幹である法秩序に対する挑戦であり、いわゆる模倣事犯を誘発するばかりでなく、一般国民の間に遵法精神の低下を招くおそれがあるのでありまして、このことを考えますとき、私は、検察体制の一層の整備充実を図るため、可能な限りの努力を尽くさねばならないと考えるのであります。また、万一、不幸にして国際テロ事犯の発生を見た場合には、昨年八月、ハイジャック等非人道的暴力防止対策本部において決定された対処方針を体し、関係省庁と相携えて確固たる態度をもって臨まなければならないと考えております。
次に、いわゆるダグラス、グラマン問題につきましては、すでに東京地方検察庁がこの問題に関して捜査を開始し、法務省も、同地検の要請を受けて、去る一月十九日の閣議決定に基づき、米国司法省と折衝を行った結果、同月二十三日、同省との間で米国側非公開資料の交付に関するいわゆる司法取り決めを締結するに至り、近くこれらの資料が入手できる見込みとなっております。これにより、検察当局のこの問題に関する捜査は、さらに進展するものと考えますが、私は検察当局を信頼し、事態の速やかな解明を期待しております。
一方、立法の面で申し述べますと、第八十四回国会に提出し、現在継続審査に付されております刑事事件の公判の開廷についての暫定的特例を定める法律案は、御承知のように、一部の過激派等の刑事事件の公判審理における必要的弁護制度を悪用した審理阻止戦術に対処することを目的とするものでありまして、これまでのこの種事件における公判闘争の実績等に照らし、これを防止し得る具体性、実効性のある方策が見出せない現状においては、本法案の成立を必要とする事態に変更はないものと考えております。したがいまして、当委員会におかれては本法案について十分の審議を行われ、その成立を見ますように、委員各位の御理解と御協力をお願いする次第であります。
また、現在継続審査中の刑法の一部を改正する法律案につきましても、よろしく御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
第二は、犯罪者及び非行少年に対する矯正及び更生保護行政の充実についてであります。
犯罪者及び非行少年の改善更生につきましては、地域社会の温かい理解と協力のもとに刑務所、少年院等における施設内処遇を一層充実強化するとともに、保護関係機関を初めとする関係諸機関との連携を緊密にし、その効果を高めてまいる所存であります。
そのためには、まず施設内処遇につきまして、その実態につき広く国民の理解を得るとともに、良識ある世論を摂取し、時代の要請にこたえ得る適切な処遇態勢の実現に努力を払ってまいりたいと存じます。
なお、監獄法改正作業につきましては、法制審議会監獄法改正部会において審議が進められており、遠からず答申が得られるものと期待しておりますが、答申を得た後、できる限り速やかに改正法案を国会に提出いたしたいと考えております。
一方、保護観察等の社会内処遇に関しましては、引き続き保護観察官の活動の活発化を図り、保護司、更生保護会、関係団体との協働態勢を強化し、処遇方法の開発、多様化に努め、処遇効果をさらに高めてまいりたいと考えております。
また、一般国民に対しましても、非行や犯罪の予防と、非行少年や犯罪者の改善更生についての理解と協力を得るため、その啓発活動に一段と努力していきたいと存じます。
第三は、民事行政事務等の充実についてであります。
民事行政事務は、登記事務を初めとして量的に逐年増大し、また、質的にも複雑多様化の傾向にあります。これに対処するため、かねてから種々の方策を講じてきたところでありますが、今後とも人的物的両面における整備充実に努めるとともに、組織、機構の合理化、事務処理の能率化、省力化等に意を注ぎ、適正迅速な事務処理体制の確立を図り、国民の権利保全と行政サービスの向上に努めてまいる所存であります。
また、民事関係の立法につきましては、第八十四回国会におきまして民事執行法案の審議をお願いし、現在参議院において継続審査となっているところでございますが、同法の施行に際し関係法律の整理を図る必要から、今国会に民事執行法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案を提出すべく、目下立案作業を進めており、速やかに法案を提出して、御審議をお願いしたいと考えております。
なお、右のほか、民法及び土地家屋調査士法について、それぞれ一部改正を検討中であり、成案を得ることができれば、今国会に提出いたしたいと考えております。
次に、人権擁護行政についてでありますが、人権の尊重は民主政治の基本であり、立法、司法、行政の衝に当たる者のすべてが、常に最大の留意をしなければならないところであると考えます。
法務省といたしましては、国民の間に広く人権尊重の思想を普及させるため、各種の広報手段によるほか、具体的な人権相談や、人権侵犯事件の調査処理等を通じ、常に啓発活動を行っているところでありますが、いわゆる差別事象の根絶についても、関係各省庁等と緊密な連携をとりながら積極的な啓発活動を続けてまいりたいと存じます。また、今後とも人権擁護委員制度の充実を図り、国民の間に正しい人権思想が普及徹底するよう一層努力をする所存であります。
次に、訟務行政につきましては、国の利害に関係のある争訟事件は、最近の社会情勢を反映して、年々、複雑困難なものが多くなってきておりますので、今後とも一層事務処理体制の充実強化を図り、この種事件の適正円滑な処理に万全を期するよう努めてまいりたいと存じます。
最後に、出入国管理行政についてであります。
国際交流の拡大に伴い、わが国に出入する外国人及びわが国民の出帰国数は引き続き増加しており、また、在留外国人の活動も一層多様化する傾向を示しております。こうした情勢の中にあって、いわゆる国際過激派等不穏分子の出入国に対しては不断の監視が要請される一方、いわゆるベトナム難民問題が内外の注目を浴びるなど、総じて本行政をめぐる情勢は複雑困難の度を高めるとともに、その重要性は今後一層増大するものと考えられます。法務省といたしましては、このような情勢に対応して、国際協調の促進に資することを念頭に置きつつ、厳正な秩序ある管理を行うことによって、本行政に課せられた使命の円滑適正な達成に遺憾なきを期する所存であります。
なお、法務省の施設につきましては、昨年に引き続いて整備を促進し、事務処理の適正化と職員の執務環境の改善を図りたいと考えております。
以上、法務行政の当面の施策について所信の一端を申し述べましたが、委員各位の御協力、御支援を得まして、重責を果たしたい所存でありますので、どうかよろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108705206X00119790213/7
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008・佐藤文生
○佐藤委員長 この際、委員長から申し上げますが、昭和五十四年度法務省関係予算及び昭和五十四年度裁判所関係予算につきましては、お手元に配付してあります関係資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承願います。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108705206X00119790213/8
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009・佐藤文生
○佐藤委員長 次に、内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案、同じく下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
まず、政府から、順次趣旨の説明を聴取いたします。古井法務大臣。
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裁判所職員定員法の一部を改正する法律案下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108705206X00119790213/9
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010・古井喜實
○古井国務大臣 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
この法律案は、裁判所における事件の適正迅速な処理を図るため、裁判所職員の員数を増加しようとするものでありまして、以下簡単にその要点を申し上げます。
第一点は、裁判官の員数の増加であります。これは、地方裁判所における特殊損害賠償事件、差しとめ訴訟事件及び新東京国際空港関係事件の適正迅速な処理を図るため、判事の員数を五人増加しようとするものであります。
第二点は、裁判官以外の裁判所の職員の員数の増加であります。これは、地方裁判所における特殊損害賠償事件、差しとめ訴訟事件及び新東京国際空港関係事件の適正迅速な処理を図るため、裁判所書記官の員数を八人増加し、また、地方裁判所における特殊損害賠償事件、会社更生事件、差しとめ訴訟事件及び新東京国際空港関係事件、家庭裁判所における家事調停事件並びに簡易裁判所における民事調停事件及び道路交通法違反事件の適正迅速な処理を図るため、裁判所事務官の員数を四人増加しようとするものであります。
以上が裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の趣旨であります。
何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますよう、お願いいたします。
次に、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
この法律案は、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の別表について所要の改正を行おうとするものでありまして、以下簡単にその、要点を申し上げます。
第一点は、簡易裁判所の名称の変更であります。すなわち、簡易裁判所の名称は、その所在地の市町村の名称を冠するのを原則としておりますので、広島県賀茂郡西条町、同郡八本松町、同郡志和町及び同郡高屋町を廃し、その区域をもって東広島市を置く処分に伴い、安芸西条簡易裁判所の名称を東広島簡易裁判所に変更するほか、三つの簡易裁判所の名称を変更しようとするものでありまして、いずれも地元住民の希望を考慮したものであります。
第二点は、簡易裁判所の所在地の変更であります。すなわち、埼玉県南埼玉郡久喜町を久喜市とする旨の町を市とする処分に伴い、久喜簡易裁判所の所在地の表示を埼玉県南埼玉郡久喜町から久喜市に改めるほか、名古屋簡易裁判所々つき名古屋市東区から同市中区に移転のため、その所在地を名古屋市東区から同市中区に改める等、十八の簡易裁判所の所在地を改めようとするものであります。
第三点は、簡易裁判所の管轄区域の変更であります。すなわち、土地の状況、交通の利便等にかんがみ、鎌倉簡易裁判所の管轄に属する横浜市瀬谷区の区域をこの法律による改正後の保土ケ谷簡易裁判所の管轄区域とするほか、三つの簡易裁判所の管轄区域を変更するものでありまして、地元の住民の希望を考慮するとともに、関係諸機関の意見をも十分参酌したものであります。
第四点は、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の別表の整理でありまして、市町村の廃置分合等に伴い、同法別表第五表について当然必要とされる整理をしようとするものであります。
以上が下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。
何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますよう、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108705206X00119790213/10
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011・佐藤文生
○佐藤委員長 これにて両案に対する趣旨の説明は終わりました。
両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108705206X00119790213/11
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012・佐藤文生
○佐藤委員長 この際、最上法務政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。最上法務政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108705206X00119790213/12
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013・最上進
○最上政府委員 昨年の十二月十二日に法務政務次官に就任をいたしました最上進でございます。
大変微力でありますけれども、古井法務大臣のもと、時局柄の大任をわきまえまして、一生懸命努力する覚悟でございます。
先輩の皆様方の御指導、御教導を心からお願いをいたしまして、ごあいさつとする次第であります。ありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108705206X00119790213/13
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014・佐藤文生
○佐藤委員長 次回は、来る二十日火曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十時四十分散会
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108705206X00119790213/14
4. 会議録のPDFを表示
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