1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和六十三年十一月二十二日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
十月十九日
辞任 補欠選任
上杉 光弘君 桧垣徳太郎君
十月二十一日
辞任 補欠選任
桧垣徳太郎君 上杉 光弘君
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出席者は左のとおり。
委員長 福田 宏一君
理 事
岡部 三郎君
鈴木 貞敏君
水谷 力君
村沢 牧君
刈田 貞子君
委 員
青木 幹雄君
上杉 光弘君
大塚清次郎君
熊谷太三郎君
高木 正明君
初村滝一郎君
一井 淳治君
菅野 久光君
下田 京子君
橋本 敦君
山田耕三郎君
国務大臣
農林水産大臣 佐藤 隆君
政府委員
農林水産省畜産
局長 京谷 昭夫君
事務局側
常任委員会専門
員 片岡 光君
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本日の会議に付した案件
○畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○肉用子牛生産安定等特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315007X00319881122/0
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001・福田宏一
○委員長(福田宏一君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案、肉用子牛生産安定等特別措置法案、以上両案を便宜一括して議題といたします。
まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。佐藤農林水産大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315007X00319881122/1
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002・佐藤隆
○国務大臣(佐藤隆君) 畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
牛肉につきましては、我が国農業生産及び国民食生活における重要性にかんがみ、畜産振興事業団が行う価格安定操作の対象とするとともに、輸入割り当て制度のもとで、事業団に輸入牛肉の買い入れ及び売り渡しを一元的に行わせ、その価格と需給の安定を図ってきたところであります。
しかしながら、近年、諸外国からの農産物の市場開放要求が強まる中で、牛肉の輸入割り当て制度についてその撤廃が強く求められていたところであり、我が国は、先般の日米及び日豪間の協議において、昭和六十六年度から、牛肉の輸入数量制限を撤廃するとともに、事業団は輸入牛肉を取り扱わないこととしたところであります。
このような牛肉の輸入をめぐる事情の変化に対処して、国産牛肉を引き続き事業団の価格安定操作の対象としてその価格の安定を図りつつ、事業団の業務及びその実施方法等について所要の見直しを行うこととし、この法律案を提出することとした次第であります。
次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、事業団は、輸入牛肉については、買い入れ、売り渡し等の業務を行わないこととするとともに、これに伴う所要の規定の整理を行うこととしております。
第二に、畜産経営の改善等に資するため、事業団は、主要な畜産物に関する情報の収集、提供等の業務を行うこととしております。
第三に、事業団が政府からの交付金による資金を財源として行う指定助成対象事業についての補助について、所要の改善を図ることとしております。
以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
引き続き御説明申し上げます。
肉用子牛生産安定等特別措置法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
我が国肉用牛生産は、動物性たんぱく質食料の重要な供給源として国民食生活の向上に大きく貢献するとともに、農業総生産の増大や地域農業の発展、国土資源の有効活用等に大きな役割を果たしてきたところであり、今後も、これらの役割はもとより、農業生産の再編成、農山村の振興等を図る上で重要な役割を担うことが期待されております。
このため、政府といたしましては、肉用牛生産を我が国土地利用型農業の基軸として位置づけ、その振興と合理化を総合的に推進してきたところであり、また、牛肉の価格と需給の安定を図るため、輸入割り当て制度のもとで畜産振興事業団に輸入牛肉の一元的な買い入れ及び売り渡しを行わせてきたところであります。
しかしながら、この輸入割り当て制度につきましては、先般の日米及び日豪間の協議において、我が国は、昭和六十六年度からこれを撤廃することとしたところであります。この決定は、輸入数量制限をめぐる厳しい国際世論、我が国の置かれている国際的立場等を考慮し、所要の国境措置を確保しつつ行ったものでありますが、牛肉輸入の自由化は、今後、国産牛肉の需給及び価格に重大な影響を及ぼすことが見込まれるところであります。
このような中で、我が国肉用牛生産の存立を確保するためには、肉用牛生産の合理化を初め関連する諸施策を積極的に推進し、輸入牛肉に対抗し得る価格水準で国産牛肉を供給し得るようその生産体制を整備する必要がありますが、牛肉の内外価格差の現状、我が国の国土条件の制約等から見て、直ちにその実現を図ることは極めて困難と判断せざるを得ず、我が国肉用牛生産の基盤である肉用子牛生産の存続に大きな困難が生ずることが危惧されるところであります。
このような事態に対処して、我が国肉用子牛生産の安定その他畜産の健全な発達を図り、農業経営の安定に資するため、当分の間、事業団に、肉用子牛についての生産者補給交付金等の交付の業務を行わせるとともに、生産者補給交付金等の交付その他食肉に係る畜産の振興に資する施策の実施に要する経費の財源に関する特別の措置を講ずることとし、この法律案を提出することとした次第であります。
次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、事業団は、都道府県知事の指定を受けた都道府県肉用子牛価格安定基金協会が肉用子牛の生産者に交付する生産者補給金に充てるため、当該都道府県協会に対し、生産者補給交付金を交付することとしております。
第二に、生産者補給交付金の金額は、肉用子牛の再生産を確保することを旨として定める保証基準価格から肉用子牛の平均売買価格を控除した金額を基礎として算定することとしております。
この場合、平均売買価格が、肉用子牛生産の合理化により実現を図ることが必要な肉用子牛の生産費を基準として定める合理化目標価格を下回るときは、都道府県協会の生産者積立金から生産者補給金の一部を交付することとしております。また、事業団及び都道府県は、都道府県協会の生産者積立金に充てるため、生産者積立助成金を交付することとしております。
第三に、牛肉及び特定の牛肉調製品に係る関税収入を、生産者補給交付金等に充てるための事業団への交付金の交付並びに繁殖、育成及び肥育を通ずる肉用牛生産の合理化、食肉等の流通の合理化等に資する施策の実施に要する経費に充てるための特定の財源とすることとしております。
第四に、事業団の財務及び会計につきまして、生産者補給交付金等の交付の業務についての区分経理等所要の措置を講ずることとしております。
最後に、事業団による生産者補給交付金等の交付は、昭和六十五年度から、牛肉等に係る関税収入についての特別の措置は、昭和六十六年度から実施することとしております。なお、昭和六十五年度の生産者補給交付金等の財源といたしまして、本年度から昭和六十五年度までの間の事業団の輸入牛肉差益の一部を充てることとしております。
以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315007X00319881122/2
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003・福田宏一
○委員長(福田宏一君) 次に、両案について順次補足説明を聴取いたします。京谷畜産局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315007X00319881122/3
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004・京谷昭夫
○政府委員(京谷昭夫君) 畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
本法律案を提出いたしました理由につきましては、既に提案理由説明において申し述べましたので、以下その内容につき、若干補足をさせていただきます。
第一に、輸入に係る牛肉等に関する規定の改正であります。
畜産振興事業団が行う買い入れ、売り渡し等の業務の対象から、輸入に係る牛肉等を除外するとともに、牛肉の輸入についての事業団の一元的な運営機能に関する規定を削除することとしております。また、これに伴い、事業団が価格安定操作として行う買い入れ及び売り渡しの方法、輸入に係る牛肉の買い入れ、売り渡し等の業務についての区分経理等につきまして所要の規定の整理を行うこととしております。
第二に、事業団の業務の追加であります。
畜産経営の改善と事業団の価格安定機能の強化に資するため、事業団の業務の範囲に、主要な畜産物の生産及び流通に関する情報の収集、整理及び提供の業務を追加することとしております。
第三に、指定助成対象事業についての補助の限度の廃止であります。
指定助成対象事業についての補助の機動的な実施に資するため、その補助等に要する経費として事業団が政府からの交付金に係る資金から支出することができる額の限度に関する規定を削除することとしております。
以上のほか、事業団の理事及び監事の任期を三年から二年に改めるなど所要の規定の整備を行うとともに、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法について所要の改正を行っております。
なお、施行期日につきましては、公布の日から起算して三十日を経過した日といたしておりますが、輸入に係る牛肉等に関する規定の改正は、昭和六十六年四月一日としております。
以上をもちまして、畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由の補足説明を終わります。
次に、肉用子牛生産安定等特別措置法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
本法律案を提出いたしました理由につきましては、既に提案理由説明において申し述べましたので、以下その内容につき、若干補足をさせていただきます。
第一に、畜産振興事業団の業務の範囲の特例であります。
事業団は、畜産物の価格安定等に関する法律に基づく業務のほか、肉用子牛についての生産者補給交付金及び生産者積立助成金の交付の業務を行うこととしております。
第二に、肉用子牛についての生産者補給交付金等の交付であります。
事業団は、家畜市場における一定の肉用子牛の売買価格の平均額として、政令で定める期間ごとに算出される平均売買価格が、毎会計年度、農林水産大臣が定める保証基準価格を下回る場合には、都道府県知事の指定を受けた都道府県肉用子牛価格安定基金協会が肉用子牛の生産者に交付する生産者補給金の全部または一部に充てるため、当該都道府県協会に対し、生産者補給交付金を交付することができることとしております。
この場合、保証基準価格は、肉用子牛の生産条件及び需給事情その他の経済事情を考慮し、肉用子牛の再生産を確保することを旨として定めることといたしております。
また、事業団及び都道府県は、平均売買価格が政令で定める期間ごとに農林水産大臣が定める合理化目標価格を下回る場合の生産者補給金の財源として肉用子牛の生産者の負担等により都道府県協会が積み立てる生産者積立金の一部に充てるため、生産者積立助成金を交付することができることとしております。
この場合、合理化目標価格は、牛肉の国際価格の動向、肉用牛の肥育に要する合理的な費用の額等から見て、肉用牛生産の健全な発達を図るため、肉用子牛生産の合理化によりその実現を図ることが必要な肉用子牛の生産費を基準として定めることとしております。なお、この合理化目標価格につきましては、畜産物の価格安定等に関する法律に基づく指定食肉たる牛肉の安定価格の決定に際しても考慮することとしております。
このほか、都道府県協会の指定等について所要の規定を設けております。
第三に、生産者補給交付金の金額であります。
生産者補給交付金の金額につきましては、保証基準価格から平均売買価格を控除した金額を基礎として算定することとしております。ただし、平均売買価格が合理化目標価格を下回るときは、保証基準価格から合理化目標価格を控除した金額をその算定の基礎とし、合理化目標価格を下回る部分については、さきに申し述べました都道府県協会の生産者積立金から生産者補給金を交付することといたしております。
また、生産者補給交付金の交付の対象となる肉用子牛は、その生産者が販売したことまたはその生産者が飼養しており、かつ、一定の月齢に達したことにつき都道府県協会が確認したものとしております。
第四に、牛肉等に係る関税収入についての特別の措置であります。
政府は、毎会計年度、当該年度の牛肉及び特定の牛肉調製品に係る関税の収入見込み額に相当する金額を、生産者補給交付金の財源等に充てるための事業団への交付金の交付及び肉用牛生産の合理化、食肉等の流通の合理化その他食肉に係る畜産の振興に資するための施策の実施に要する経費の財源に充てることとしております。ただし、この関税の収入見込み額がこれらの経費を超えると見込まれるときは、その超える金額については、この限りでないものとしております。
また、これらの経費に照らして必要があると認
められるときは、当該年度の前年度以前の各年度の牛肉等に係る関税の収納済み額の累計額からこれらの経費の決算額の累計額を控除した額に相当する金額の全部または一部を、これらの経費の財源に充てることとしております。
第五に、事業団の財務及び会計に関する規定であります。
事業団は、生産者補給交付金等の交付の業務については特別の勘定を設けて他の業務に係る経理と区分して整理するとともに、さきに申しました政府からの交付金をこの特別の勘定への繰り入れ等に充てるための資金として管理する等、所要の規定を設けることとしております。
なお、施行期日につきましては、公布の日といたしておりますが、肉用子牛についての生産者補給金等の交付に関する規定は昭和六十五年四月一日と、牛肉等に係る関税収入についての特別の措置に関する規定は昭和六十六年四月一日としております。
また、昭和六十五年度の生産者補給交付金等の財源として、昭和六十三年度から昭和六十五年度までの間に事業団の輸入牛肉勘定において生ずる利益の額の一部を充てるための措置等、事業団の財務及び会計に関し所要の特例措置を講ずることとしております。
以上をもちまして、この法律案の提案理由の補足説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315007X00319881122/4
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005・福田宏一
○委員長(福田宏一君) 以上で説明の聴取は終わりました。
本日はこれにて散会いたします。
午前十時十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315007X00319881122/5
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