1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成八年四月十一日(木曜日)
午後零時四十五分開会
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委員の異動
四月九日
辞任 補欠選任
常田 享詳君 田浦 直君
四月十日
辞任 補欠選任
田浦 直君 常田 享詳君
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出席者は左のとおり。
委員長 鈴木 貞敏君
理 事
青木 幹雄君
服部三男雄君
風間 昶君
常田 享詳君
谷本 巍君
委 員
井上 吉夫君
岩永 浩美君
浦田 勝君
佐藤 静雄君
松村 龍二君
三浦 一水君
阿曽田 清君
北澤 俊美君
高橋 令則君
都築 譲君
菅野 久光君
村沢 牧君
須藤美也子君
島袋 宗康君
国務大臣
農林水産大臣 大原 一三君
政府委員
農林水産大臣官
房長 高木 勇樹君
農林水産省農産
園芸局長 高木 賢君
農林水産省畜産
局長 熊澤 英昭君
農林水産省食品
流通局長 中須 勇雄君
水産庁長官 東 久雄君
事務局側
常任委員会専門
員 秋本 達徳君
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本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○植物防疫法の一部を改正する法律案(内閣提出
)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/0
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001・鈴木貞敏
○委員長(鈴木貞敏君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
大変おくれまして申しわけございません。実は、本日、公報におきまして三時二十分理事会、三時半から委員会と、こういうことで事前にお知らせしておったわけでございますが、昨日、それぞれ予算、いろいろ各党の話し合いがつきまして、日程的にも変更がございました。
そういうものを受けて、先ほど理事懇、理事会におきまして、公報のその線を変えてやることについていろいろ御意見がございました。こういう格好で昼三時間も繰り上がってやることについては前例としない、非常に遺憾であるというふうな御意見がそれぞれございましたが、そういう御意見を含めまして、今後これを前例にしないということを前提に、大変おくれましたけれども、また時間が二時になりますと大臣がどうしても出席できませんので、そういう意味で、ひとつ質問者の人もそれぞれ御都合願って、これから委員会を開会させていただきたい、こう思いますので、よろしくお願い申し上げます。
それでは始めます。理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/1
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002・鈴木貞敏
○委員長(鈴木貞敏君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に常田享詳君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/2
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003・鈴木貞敏
○委員長(鈴木貞敏君) 植物防疫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案につきましては、既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/3
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004・高橋令則
○高橋令則君 平成会の高橋でございます。
一昨日、大臣から提案理由の説明をいただいたわけでございます。今回の植物防疫法の一部改正でございますけれども、申すまでもなく、農業生産にとって病害虫防除対策は極めて重要でございます。そういう意味で、植物防疫に当たられる皆様方も大変御苦労されているわけでございまして、その労をまず多としたいというふうに思います。
しかしながら、一たん発生をいたしますと病害虫の被害は非常に大きく、また農家の負担も大変でございます。特に、国内もさることながら、国外との関連で病害虫対策は重要ではないかというふうに思っております。
今回の改正は国際植物検疫に関するものでございますけれども、まず、この一部改正についての提案理由説明に敷衍しての法改正の背景、そしてまた、このたびの法改正に伴って何を法益として実現されようとしておりますのか、大臣の基本的なお考えをお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/4
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005・大原一三
○国務大臣(大原一三君) 今回の法改正の背景、経過等でございますが、近年、植物輸入が非常に増加いたしております。さらにまた、質的にも劣様化しておりますし、我が国への有害動植物の悟入の危険性が非常に高まっているということも事実でございます。
第二番目に、また国際的な動きとしてFAOにおける有害動植物の危険度解析のガイドラインが策定されましたことを背景に、我が国の自然環境や農業事情等を考慮して、より効果的な植物防応を実施することを目的といたしております。
法改正に当たりましては、有識者から成る懇談会を開催いたしまして幅広い観点から検討を行ってきたところでありますが、今回の改正によりまして、海外からの有害動植物の侵入防止がさらに的確に行われ、我が国農業生産の一層の安定が画られるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/5
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006・高橋令則
○高橋令則君 今回の改正によりまして、言いかえれば従来の一律検疫から重点検疫への転換が図られるというふうに基本的な流れとしては承知をしております。
この重点検疫の中身でありますけれども、有害動植物の危険度に応じた植物検疫の実施ということが基本になるというふうに承っております。この検疫有害動植物の決定ですけれども、これは横文字になりますが、PRAというふうなものを実施いたしまして、諸外国とのハーモナイゼーションに考慮して決定をしていくというふうに聞いておりますが、この流れ、これを具体的に少し御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/6
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007・高木賢
○政府委員(高木賢君) 今回の改正は、有害動植物の危険度に応じた植物検疫をやろうというものでございます。
現行の輸入禁止制度並びに輸出国での検査、輸入時の検査と、これが今までやってきたことでございますが、これに加えまして、一つには輸入時における検査だけでは発見が困難な重要有害動植物の付着するおそれのある植物につきましては、輸出国の栽培地における検査を要求することができるようにしたいというのが一点でございます。
また、栽培の用に供しない植物で検疫有害動植物が付着するおそれが少ないものにつきましては、輸出国の検査証明書を要求しないこととするというのが二番目でございます。
それから三番目には、輸入検査で国内農業に影響を及ぼすおそれのない一部の有害動植物しか発見されない場合には消毒などの植物検疫措置を行わないということを内容とするものでございます。
このような内容の改正につきましては、今御質問がありましたけれども、昨年十月のFAO総会において策定されました有害動植物の危険度解析のガイドラインに沿ったものというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/7
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008・高橋令則
○高橋令則君 ありがとうございました。
その結果、結局今までとは違って検疫対象外になる有害動植物が現実に出てくるのではないかというふうに思っております。これは、選定に当たっては十分我が国の防疫体制、そういったものを考えながら慎重に扱われると思いますけれども、もしこの検疫対象外の有害動植物が入ったことによりまして我が国の農業生産に悪影響を与える、そしてまた植物の生態系に影響を与えるというふうなことが起こっては大変だと思うわけであります。
したがって、まずこの検疫対象外となる有害動植物としてはどんなものが考えられるのか。そしてまた、考えられるものを含めて、考えられないものも含めてですかね、今後どんなものが出てくるかわからないわけですから、それらを含めて心配がない、そういう体制を十分とっているといったことについてきちんとお答えいただきたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/8
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009・高木賢
○政府委員(高木賢君) お尋ねのありました検疫対象外となる有害動植物とは何であるかということでございますが、これは法律上も定義してございますけれども、蔓延した場合にあっても有用な植物に損害を与えるおそれがないものでございます。かつ国内の至るところに存在し、国による発生予察事業とか防除の対象とされていないものということでございます。
また、このような有害動植物の危険度の評価に当たりましては、我が国の自然環境、農業事情というものを考慮いたしまして、有害動植物が侵入する可能性あるいは侵入した場合の被害などを想定して評価を行うこととしておりますので、我が国の実情に沿った評価ということでございますので、検疫対象外の有害動植物が我が国の農業生産に影響を及ぼす、こういうことはないものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/9
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010・高橋令則
○高橋令則君 ぜひ我が国の農業生産に影響がないように、そういうことで万全を期していただきたい。要望いたします。
それから、検疫有害動植物を定めるに当たって、法の第五条の二第二項の規定によりますと、公聴会を開くことになっております。過去の事例では、形式的だというふうな批判もあったやに聞いております。したがって、この公聴会の運営、いわゆる手続の透明性の確保といった観点からも留意が必要ではないかと思いますが、この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/10
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011・高木賢
○政府委員(高木賢君) 公聴会につきましては、その適切な運営が確保されるということが肝心なことだと思います。したがいまして、公聴会の日程につきましてはあらかじめ公示をするとか、十分な数の公述人を選定するとか、あるいは議事を公開するといったことで公平性あるいは透明性のある運営に心がけているところでございます。
今後の公聴会の運営に当たりましても、このような認識のもとに適切な運営に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/11
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012・高橋令則
○高橋令則君 ぜひそのように努力をしていただきたいと思います。
次に、先ほど局長からお話があった輸出国での栽培地での検査ですが、これは今回の改正の一つの大きなメルクマールだと思うんですが、これについては、法の規定によって省令で定める地域からの植物というふうにあります。これらをどのように考えておられるか。また、向こうのことでございますので、向こうでの栽培地検査が適切に行われるかどうかということは必ずしも担保しにくいのではないかという心配をしております。この辺についてはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/12
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013・高木賢
○政府委員(高木賢君) 御指摘のありましたように、有害動植物の中には輸入時の検査では発見が困難、しかし輸出国の栽培期間の検査では発見が容易である、こういうものがございます。
具体的に申し上げますと、アメリカ合衆国で発生しているエンドウのフザリウム病というような種の伝染性の病害がございますが、これは病害のもとになりますものが種の内部に潜伏しておりまして、また寄生密度が極めて低いということで、なかなかサンプリングではひっかからない、こういうことがございます。しかし、栽培期間中にはこれが発病して病気の兆候を示すということでありますから、栽培地での検査は極めて容易であるというものがございます。
また、オーストラリアで発生しておりますナデシコ苗のテンサイシストセンチュウ、こういう根に寄生するセンチュウがございますが、これはなかなかやはり根の内部に侵入しているということで輸入時の検査では発見が困難でありますけれども、栽培地におきましては周囲の土とあわせて調査を行えば検出が容易と、こういうものがございます。
したがって、今回栽培地検査を要求することといたしておりますものは、このような重要な種の伝染性の病害あるいは根に寄生するセンチュウ類、こういったものの発生国からの寄主植物、これにつきましての栽培地検査を要求するということで、これによりまして一層効果的な植物検疫が可能となるものと考えております。
ただ、御指摘のように、その担保措置といいますか、しかとそうかということがわからないといけないわけでございますので、栽培地検査につきましては、輸出国の政府機関によって発行される検査証明書に有害動植物の未発生が確認された旨を記載させると、その検査証明書またはその写しを我が国で輸入時に確認をするということで輸出国での栽培地検査の実施の有無を確認する、こういうプロセスを考えております。
ただ、その栽培地検査が本当に行われたかどうかということになりますと、その都度確認を我が国においてするということまでは要らないと思いますけれども、担保措置としては、我が国の植物防疫官、これを適時に派遣をいたしまして、きちっとやっているかどうかを確認すると、こういうことを検討してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/13
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014・高橋令則
○高橋令則君 しっかりとやっていただきたいと思います。
これは思いつき的で恐縮ですけれども、私の聞いているところでは、商社とか我が国の大手業者が現地、いわゆる海外でいろんな農業生産を行って、そして輸入するケースも非常に多いと聞いております。したがって、今のような仕組みのほかに当該商社、業者等々と十分に連絡をとって、そして自主的な検査の実効が上がるようなPRをなさるのも一つの方法かなというふうに思います。
これは思いつきで恐縮ですが、提案を申し上げておきます。
それから次に、今回の大きな改正点の一つに植物検疫電算システム化というふうなことがあるようでございます。これは簡素化の意味で非常に結構なことではないかと思います。それで、既に関税手続、税関の方ではやっておられるわけでありますので、これを促進して、この植物検疫の速やかな簡素化の推進に努力をしていただきたいと思いますが、その導入の見通し。それから、電算化には当然ながらセキュリティーの問題もありますので、これについての所見、考え方を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/14
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015・高木賢
○政府委員(高木賢君) 植物検査手続の電算化につきましては、輸入者が輸入の申告とあわせて植物の輸入の届け出を同時に行うということを可能とすることによりまして、輸入植物の検査手続の迅速化を図るということを目的としておるものでございます。したがいまして、植物防疫法上の指定港となっており、かつ税関の通関手続が既に電算化された主要な港、空港におきまして平成九年度から実施をすることとしております。
また、電算化に伴うセキュリティーの確保につきましては、輸入植物検査手続の電算システムの利用に際しましては、磁気資格者識別カード、俗にIDカードと言われておりますが、とかパスワードなどのさまざまなチェックシステムによりまして利用者の秘密が他に流れることがないように十分配慮してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/15
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016・高橋令則
○高橋令則君 今のような体制を含めまして、非常に重要なものが当然ながら我が国の植物検疫体制全体の問題でございます。したがって、十分法改正の趣旨が徹底されるように、言うなれば検疫はしっかりやる、それからそれによる負担を余り他にかけない、簡素化というんですかね、それを両立させるような努力が必要ではないかと思います。そのためには現在の我が国の植物検疫体制の人的、物的な整備が非常に重要であるというふうに私は思います。
それで、資料を見ますと、ここ十年ぐらいの間に植物防疫官は百三十二名ですか、防疫所全体では百三十名程度の増員かなというふうに思っておりますが、必ずしも十分ではないんじゃないかという心配もするわけですが、この辺についてのあれはいかがですか。それからまた、機器整備といったいわゆる技術、機器、そういったものの整備の問題。さらには、今度は新たに国際植物検疫に植物防疫員を補助として一部の事務にかかわらせることができるシステムができる、法の三条の二項ですか、あるようですけれども、この活用、任命、そういったものについてのお考えをお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/16
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017・高木賢
○政府委員(高木賢君) 植物検疫につきましては、海外からの有害動植物の侵入防止ということで植物を輸入できる港を定めまして、全国各地の主要な輸入港に植物防疫所の本所、支所、出張所というものを設けて対応しております。御指摘のありましたように、約十年間で全体で百四十一名の増員ということでこれまで対処してまいりました。
人員だけでなくて、まさに御案内のように機器なり施設の整備、これもできるだけ最新のものを導入をいたしまして、単なる人員だけではなく総合的な植物防疫所の体制整備ということに努めてきているところでございまして、今後、ますますいろいろな面で物の量がふえたりあるいは輸送形態が変わったりと、こういうことがございますので、それに的確に対応できるような体制整備に今後とも努めてまいりたいと考えております。
それから、もう一つお尋ねがございました植物防疫員でございます。これは一年じゅう同じような量の仕事が必ずしもないわけでございます。生果実によりましては輸入が季節的で大量の輸入が短期間に集中すると、こういう事態もございますので、一年を通じての職員確保というより補助的な植物防疫員を設けた方がかえって効率的ではないかということで設けさせていただこうと思っておるものでもございます。
なお、植物防疫員につきましては、そういった季節的な業務に対応するだけではなくて、球根類の隔離栽培地の管理者、栽培農家にお願いしているわけですが、これの指導の補助とかそういった面でも御活用いただければと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/17
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018・高橋令則
○高橋令則君 この際、当面する問題について二点ほどお伺いをしたいと思います。
一つはいわゆる全酪連の牛乳の不当表示等の問題、それから英国の狂牛病問題についてでございます。
いずれもこれは三月二十六日の当委員会におきまして、先輩委員の方々から御質問があったところでございますが、私はその御質問に敬意を表しながらその後の展開についてお尋ねをしたいと思います。
まず、全酪連の牛乳問題ですけれども、三月二十六日の実態調査時点では八割程度判明したと、残りを鋭意と言っているうちに、三月二十九日でしたか、宮城工場の事件が発覚をしたわけであります。その後、いろいろ農林省当局もさまざまな措置をとられ、また各県でもそれなりの対応をとられているようでありますけれども、非常に残念な事件であるというふうに私は思っております。
司直の手も入ったようでございますし、その後の経過並びに農水省としての対策、その対策の中で特に申し添えておきたいのは、全酪連は我が国の酪農家の四分の一程度が加入しているというふうに酪農家にとっての非常にある意味では大事な納入先でありまして、この影響も心配をされるわけですね。全酪連そのものの非違はともかくとして、それに牛乳を納めている酪農家に影響が及んではどうかな、我が国の酪農振興上どうかなという心配をしております。それに対する対策。
それからまた、英国の狂牛病問題については、きょう厚生省の食品衛生調査会が開かれまして対策を協議するというふうに伺っております。これは過般のWHOの対策を受けての、勧告を受けてのことだと思いますが、これについて農水省サイドでさらに突っ込んだ対応があるべきものというふうに考えておりますが、この点についてお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/18
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019・熊澤英昭
○政府委員(熊澤英昭君) それではまず初めに、全酪連の問題についてお答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、最初に三月九日に全酪連の長岡工場において事件が起こりまして、さらに三月二十九日に宮城工場において不祥事が判明したわけでございます。
私どもまず事件直後に全酪連から事情聴取を行いまして、全酪連に対しましては、両工場におきます事実関係の詳細と事件の発生原因の究明、さらに責任者に対する厳正な処分、全酪連の再建に向けた組織体制の整備を急ぐようにということで強く指導したところでございます。
また、私どもといたしましても、当初の長岡工場問題が判明した後に、厚生省及び各県と連絡を密にしつつ、直ちに飲用牛乳を製造しておりますすべての乳業工場に対する実地調査を行ったところであります。またその後、宮城工場問題が判明したことを踏まえまして、両工場を除く全酪連の他の工場につきまして、本省職員、地方農政局の職員、各県の担当者等とともに再度詳細な調査庁行ったところでございます。これまでのところ、上記二工場以外に不正行為はなかったという報告を受けているところでございます。そこで他方、三月三十日には乳業関係団体に対しまして企業内の監査体制の強化あるいは傘下の会員に対します研修会の開催、そういったことを指導しております。
また、先生から御指摘がございました酪農農家への影響でございますが、全酪連の工場へ出荷している酪農農家への影響をできるだけ小さくするという観点から、私どもの方から中央酪農会議と全農に対しまして、長岡工場及び宮城工場、さらに全酪連のほかの工場で処理されていた生乳が円滑に集乳、配乳できますように指導いたしておりまして、同時に、集乳した生乳の加工処理につきましても、全農と大手の乳業メーカーに対して協力要請を行っているところでございます。
私ども、さらにこうした事態が生じないように指導には万全を期してまいりたいと考えておりますし、消費者の飲用牛乳に対する信頼回復に全力を挙げてまいりたいというふうに考えております。
それから次に、狂牛病の関係でございますけれども、まず第一に日本では狂牛病はこれまで発生が報告されておりません。他方、英国からの輸入に対しましては、牛肉それから生体の牛とも英国からの輸入は禁止になっておりまして入っておりません。牛等の加工品につきましては、これまで輸入は認められておりますが、それもかなり厳しい条件のもとで輸入が認められておりましたけれども、実際には牛肉などについては輸入実績がここ数年ございません。ただ、牛の胃と舌は百九十トンぐらい入っておりますが、これは国際的にも狂牛病が存在しないとして確認をされている部位でございますが、そういった部位について百九十トンばかり入っているということがございます。
さらに、今、先生から御指摘がございましたWHOの勧告を受けまして、厚生省が主催で食品衛生調査会が本日開催されております。WHOの勧告の中で、大半は私ども既に措置をいたしておりますが、なお一、二点WHOの勧告を受けて対応すべき点もございますので、本日の食品衛生調査会での検討結果も踏まえまして早急に対処してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/19
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020・阿曽田清
○阿曽田清君 平成会の阿曽田でございます。
時間が非常に限られておりまして、もう余すところ十二、三分ということのようでございますので、はしょって質問させていただきます。
今回の改正は、国内農業に影響を与えない病害虫の検疫を対象から外す、さらには輸出国での栽培地検査を要求する、三番目に検査手続の電算化による事務の合理化を図る、地方空港の検査体制の整備を図る、それに臭化メチル消毒の代替技術の開発、基本的には我々は賛意を表するわけでありますが、この中で一、二心配する点がございますので、その点をお聞きしたいと思います。
国内農業に影響を与えない病害虫を検疫の対象から外す、つまりフリーパスをするんだよということでありますが、PRAのガイドラインにはどれぐらいのフリーパスというものがあるのか、そのガイドラインの数と我が国がフリーパスしょうと思っておられる数はどれくらいあるのか、その点をまずお聞きいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/20
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021・高木賢
○政府委員(高木賢君) 御質問のありましたガイドラインは危険度の評価の方法でございますから、そのこと自体で数は出てまいりません。ただ、私どもで今予測しておりますところでは、大体有害な動植物というのは十万種類ぐらい、動物で八万、植物で二万ぐらい、約十万ぐらいです。
そのうち、今の予測では端的に言って二けたの前半ぐらいの数が除外されることになるのではないか、こういうふうに見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/21
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022・阿曽田清
○阿曽田清君 フリーパスを認めていかなければ現行と変わらないということにもなるわけでありますが、要は輸出国からより多くの緩和を求められる、いわゆる外圧というのが考えられるわけでありますが、我々にとりましては一層検疫強化が図られるということを逆に期待をするわけであります。
と申しますのは、これはもう我が熊本県の名産でありましたカラシレンコンというのがありまして、これが数年前にカラシレンコンの中のからし粉、これは韓国から輸入されたと言われておりますが、このからし粉の中にボツリヌス菌が含まれておったと。そして、三十一人の患者で九人亡くなられるというような事件があって、一時カラシレンコンの農業者が倒産するような事態に至っておるという経過がありまして、そういう意味でも検疫強化というのは香辛料まで徹底して、やっぱりその時点では大丈夫だと思っているものでも加工して出てくるということが考えられますので、その点の強化が行われるようにしていただきたい。
まして、ここ四、五年で栽培用の植物の中で、草花で二・五倍、球根で二倍、果実で一・二倍、野菜で二・二倍という量的あるいは質的多様化が大変進んできております。したがいまして、この検疫がある意味では農業を守る生命線と言っても過言ではないと思いますので、万全な検疫体制で臨んでいただきたいと願うわけで、もし起こったら大変なことになりますから、その点の大臣の御決意をお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/22
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023・大原一三
○国務大臣(大原一三君) カラシレンコンの問題、私も隣の県で大変心配をいたした一人であります。万事やはり植物、食べるものでございますから、今回の法案を通していただきましたら、いろいろ技術的にも難しい問題はあるようでございますが、先ほど御指摘のありましたように、野菜なんかのふえ方等はむしろ異常な状況でありまして、我々としてはそういった面に最大の関心を払いながら国民の健康維持のために万全を期してまいりたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/23
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024・阿曽田清
○阿曽田清君 ぜひお願いをいたしたいと思います。また、ウリミバエ等の過去の実態もありますので、撲滅には大変でございますから、どうぞひとつ水際で食いとめる努力を最大限していただきたいと思います。
あと五分しかありませんので、これは関連いたしまして水産庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。
これも地元絡みで大変申しわけありませんが、端的に申し上げまして、家畜におきましては家畜伝染病予防法というのがありまして、そして今回植物におきましては植物防疫法というのがあって、ちゃんと検査をされて入ってくることになっておりますが、水産につきましては水産検疫法というのがないわけであります。これは、ここ三年、四年前に、我が熊本の日本一を誇るクルマエビ、この養殖が大変盛んであるんですが、このクルマエビが、中国から輸入されました稚エビ、これはウイルスだったようでありますが、一時期、三年前になりますけれども、三分の一に減ってしまいました。この稚エビの輸入なりあるいは貝類の輸入、さらにはもう一件大きな事件が起こったんですが、海草が輸入されてその加工業者の方々が東京に出して、そして中毒患者が出たという事例も起こっております。これも熊本県であります。
水産につきましてのいわゆる水際でのチェックというのがなされていない、まさに検疫制度がないということは、私は国の行政上問題ではないかというふうに思うわけであります。この水産物、特にそういう稚エビとか貝類あるいは海草とかといったもの等についての検査体制をどのように考えておられるのか、その点をまず前向きな御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/24
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025・東久雄
○政府委員(東久雄君) 先生御指摘のとおり、平成五年ごろから熊本県を中心に輸入稚エビに原因があると思われますウイルス性の疾病で大分養殖が痛めつけられたということを承知しております。
従来、水産庁はいわゆる行政指導という形で汚染地域からの稚魚の輸入を抑制するようにという指導をしておったわけでございますが、これでは不十分であるというような認識に今立っております。
今回、国連海洋法条約の中に、幸いというのはちょっと語弊がございますけれども、海洋資源に有害な変化をもたらすおそれのある外来種の導入を防止するために必要なすべての措置をとるという義務規定が入りましたので、これを受けまして、今回私の方では輸出国の無病証明制度ということを中心にした新しい水産種苗の輸入に係る防疫制度の創設を図るべく、現在国会の方に水産資源保護法の一部を改正する法律案ということでお出しをいたしまして、その御審議をお願いしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/25
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026・阿曽田清
○阿曽田清君 大変ありがたい前向きな御答弁をいただきまして感謝をいたします。
外国においてそういうチェックをかけているものについては輸入を認めるということのようでありますが、かなり安易に輸入できる状況が今見出されてきておりますから、できれば国内においてもそういうものは一カ所どこかでまとめてチェックする機関というものも設けることが必要ではなかろうか。例えば、九州は九州に一カ所、あるいは関西なら関西に一カ所、少なくとも全国にそういう検査のできるところをある程度考えていただいて、水際でそういうものをきちんと検査をして入れていくというシステムを将来はとっていく必要がある。起こってからでは、少なくとも何百億という損失をこうむるわけでありますから、そういうことにならないようにどうぞひとつ、狂牛病じゃないけれども、たまたま養殖でありますから、死んでしまったということでは売れませんので消費者のもとには届きませんが、これがもし消費者の方々の口に入るようになってきたとするならば大変なことになっただろうというふうに思います。
そういう意味で、相手国での検査だけじゃなくて、国内におきまして入ってくるときにチェックをする、きちんとやっぱり検疫体制をしくということも将来にわたってお考え願いたいというふうに要望いたしまして、時間ですので終わらせていただきます。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/26
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027・須藤美也子
○須藤美也子君 今回の改正では一部の有害動植物、カツオブシムシやコウジカビ病菌などを検疫措置の対象外にしておりますが、有害動植物ではなくなったということでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/27
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028・高木賢
○政府委員(高木賢君) 検疫有害動植物につきましては、法案に定義が書いてございますが、有害動植物のうち蔓延した場合に有用な植物に損害を与えるおそれがあるものであって、国内に存在することが確認されていないもの、また既に国内の一部に存在はしておりますけれども、国による発生予察事業その他防除に関し必要な措置がとられているものというものを対象としてその範囲を定めることとしておるわけでございます。こういうことから、検疫有害動植物とならないものは、有害動植物ではあるのですけれども、実質的に害のないものとして国産の農産物に付着する場合にも防除対策が行われていないものであるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/28
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029・須藤美也子
○須藤美也子君 カツオブシムシやコウジカビ病菌などが有害動植物なら、現在の輸入検疫では検査で有害動植物が発見されれば消毒あるいは廃棄等の措置をして有害動植物の侵入を防止することになっています。これからは輸入量がどんどんふえているのに、もうこうした措置は必要がない、こういうふうに判断されたのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/29
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030・高木賢
○政府委員(高木賢君) 冒頭申し上げましたように、この検疫有害動植物というものにつきましては、蔓延した場合にも有用な植物に損害を与えるおそれがないというものを、逆にいわばネガリストで除こうとしている運用にしておるわけでございます。したがいまして、既に国内に存在していてもう水際で防ぐという意味が乏しくなった、あるいは国内の一部には存在していても国による防除事業もやっていない、こういうことになりますと、水際でいろいろ消毒をするといっても意味がなくなってきてまいっておるわけでございますから、そのようなものは検疫の対象から除くということとしたらどうかということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/30
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031・須藤美也子
○須藤美也子君 それでは、検疫するものとしないもの、つまりこっちはいい虫こっちは悪い虫、こういうふうに決めるのはだれが決めるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/31
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032・高木賢
○政府委員(高木賢君) 形式的に申し上げますと、農林水産大臣が省令で定めるということでございます。
ただ、その場合にはあらかじめもう関係機関で調査研究なり有害動植物の評価というものは十分に行っております。加えて、公聴会を開きまして、利害関係人や学識経験者の意見を聞きまして、最終的に農林水産大臣が省令で決める、こういう手続でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/32
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033・須藤美也子
○須藤美也子君 病害虫をフリーパスして環境や生態系に影響が出ないというデータは出ているんですか。先ほど、これを判断するのは大臣だということですけれども、大臣のところにはそういうデータがあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/33
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034・高木賢
○政府委員(高木賢君) 当然その動植物につきましての調査研究は基礎的にやっておるわけでございます。
ただ問題は、そういったデータが十分でない、したがって危険度が評価できない、こういうものもございます。したがって、これは逆に言いますと、疑わしきは罰せずという言葉がありますけれども、そうではなくて疑わしきは対象にするということで、先ほども申し上げましたが、大体十万種ぐらい危険な有害な動植物というものがあるというふうに言われております。したがって、この中からこれは有害ではないということがいろんな文献なり調査研究などではっきりしたものにつきましてネガリストで示す、こういうことを考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/34
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035・須藤美也子
○須藤美也子君 病害虫危険度解析実施手続には環境、生態系への影響評価が入っていませんね。
データがあります。こういう中でも、例えば資料の中に言っているカツオブシムシあるいはコウジカビ病菌、こういったものについてはもう検疫はしない、こういうふうに判断すること自体私は大きな間違いがあるのではないかと思うのですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/35
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036・高木賢
○政府委員(高木賢君) 危険度の解析に当たりまして、いわゆるPRAの実施に当たりましては、自然環境あるいは生態系というものに対する影響も当然考慮してまいる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/36
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037・須藤美也子
○須藤美也子君 大臣にお尋ねいたします。
農水省がことし一月にまとめた規制緩和要求リストを見ますと、アメリカやEUなどの農産物輸出国の検疫の簡素化は、アメリカはトマトの解禁、オランダはチューリップ球根の検査省略や花の出張検査など二十件に及んでいます。輸出国と輸入国とは立場が全く違います。日本は輸入国であります。輸出国の要求を受け入れて我が国の検査体制を緩める、こういう輸出国の立場を優先するのでしょうか。今回の法改正についてはそういうことがありありと見えるようなんですが、その点は大臣どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/37
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038・高木賢
○政府委員(高木賢君) 今回の植物防疫法の改正につきましては、現行の輸入禁止制度は堅持もいたします。
それから、輸出国での検査と輸入時の検査、これは当然原則として行うということにしているわけでございますが、先ほど来御質問のありますように、輸入時での検査では発見が困難なものにつきましては輸出国による栽培地検査または証明を求めるということにしております。その一方で、栽培の用に供しない植物で有害動植物の付着するおそれが少ないものにつきましては、輸出国での検査、証明は免除をいたしますけれども、輸入時の検査は従来どおり実施するということでありまして、そこで有害動植物の付着が確認された場合には検疫措置をとるわけでございます。
また、三番目に、国内の至るところに既に存在しておりまして、国による防除もやっていない、したがって、要するにそれは国内農業には影響を及ぼすことがない、こういうふうに判断されたものにつきましては検疫の対象とする有害動植物の範囲から除外をするということでございます。
実際に国の内外から規制緩和要望として寄せられておりますのは、大体が輸入が禁止されている植物の解禁という案件でございます。これにつきましては、従来から科学的な根拠に基づきまして個別的にその可否を判断しているわけでございますが、今回の法改正によってもその取り扱いを変更するものではございませんし、運用におきましても今後とも厳正に対処してまいりたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/38
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039・須藤美也子
○須藤美也子君 植物防疫法の一部を改正する法律案の参考資料を見ますと、一九八五年から一九九四年までに輸入数量は、栽植用植物で七・三倍、球根で五倍、切り花では六・六倍、野菜では三・五倍、また、植物の種類、輸出されてくる国、地域も非常に増加してきています。現在は約四千六百種類の植物が百六十三カ国から輸入されています。
しかし一方、植物防疫官の職員数は、一九八七年度の六百三十三人に対して一九九六年度要求でようやく七百六十五人で、一・二倍に伸びただけであります。この防疫官の数で安全な検疫ができるのですか。できますか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/39
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040・大原一三
○国務大臣(大原一三君) 今御指摘ありましたが、四千六百種類の植物、百六十数カ国から輸入されておると。先ほども他の委員から御指摘が奉りましたように、植物の現在の多様な輸入状況序考えますときに、この新法に基づきましても我々としては植物防疫官をさらにまたふやしていかなきゃならぬという要請はしっかりと受けとめております。そういう意味で、ことしはそれで決まったわけでございますが、今後とも防疫官の充実拡大についてはさらなる努力を重ねていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/40
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041・須藤美也子
○須藤美也子君 これほど輸入が多くなっている、こういう中で私は、今回の植物防疫法の一部を改正する法律以前にこの実情に見合った大幅な増員を行うこと、このことが最も今重要な問題ではないか。先ほど大臣も善処するというような答弁でしたけれども、これは強く要求をしておきたいと思います。
それから、最後になりますが、大臣、これまでの経過を見ても、外国から新たに侵入した病害虫は、気候風土が適していたり有力な天敵がいなかった場合など、猛威を振るい、思いも寄らない被害を与えることがあります。国内在来の病害虫とは違った強い危険性を持っています。そういう点で今回の改正は、「輸出入植物及び国内植物を検疫し、並びに植物に有害な動植物を駆除し、及びそのまん延を防止し、もって農業生産の安全及び助長を図ることを目的とする。」、この植物防疫法の目的の精神から外れてはいませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/41
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042・大原一三
○国務大臣(大原一三君) 先ほどもお答えしたところでありますが、植物防疫法は、輸入植物の検疫を行い、有害な動植物の国内での蔓延を防止するということが目的であることはもう御承知のとおりであります。
今回の改正では、近年の植物輸入の増加、さらにまた質的多様化というようなことを考えまして、有害動植物の危険性が高まっていることは事実であります。さらにまた、国際的な動きとして世界食糧機構において有害動植物の危険度解析のためのガイドラインが策定されたところでありまして、我が国の自然環境や農業事情等を考慮しながら有害動植物の危険度に応じた植物防疫等効果的な防疫を行おうとするものでございまして、今回の法律は植物防疫本来の目的に沿ったものと確信をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/42
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043・須藤美也子
○須藤美也子君 今、輸入食品のはんらんによって、安全性、健康についての国民の心配と不安、これは非常に大きいものがあります。今私たちが考えなくちゃならないのは、こういう農民、国民の心配を取り除くための具体的な対策こそ私は強く要求されているのではないか、このように思います。そういう点でお考えがあれば、最後に大臣からお聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/43
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044・大原一三
○国務大臣(大原一三君) 御指摘のとおりでございまして、牛の問題等も最近非常に消費者間にショックを与えております。我々はこういったことにも最大の関心を払いまして、三月二十七日、多少私の即断だったかもしれませんが、事務当局に命じまして、直ちにイギリスやさらにまたアイルランドの輸入品を禁止しろと。私はその禁止の手法というものを全然知らなかったわけでありますが、イギリスの大使館に通告すればできるというお話でございましたので、早速そういう対応をいたしたわけでございます。
今後、そういった問題が、やはりいろいろ可能性も考えられることでございますので、農林水産省としては、適時的確な覇断を絶えずできる体制をとっていかなきゃならぬと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/44
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045・須藤美也子
○須藤美也子君 時間が来たようでありますので、これで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/45
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046・島袋宗康
○島袋宗康君 政府は、検疫対象外となると言われておる有害動植物は一部害虫などに限定されるとしていますが、生産者は、検疫の対象とならない有害動植物が侵入することによりまして甚大な被害をこうむるのではないかと、その影響を懸念しているわけでありますが、その点について政府はどのように考えておられるのか、侵入、蔓延の危険はないのかどうか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/46
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047・高木賢
○政府委員(高木賢君) 検疫対象外となります有害動植物は、蔓延した場合でありましても有用な植物に損害を与えるおそれがないもので、国内の至るところに存在しておって、かつ国による発生予察事業、防除の対象とされていないものでございます。したがいまして、そのようなものは侵入いたしましても被害を及ぼすことはないと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/47
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048・島袋宗康
○島袋宗康君 時間がないようでありますから、あと一点だけお伺いしておきたいと思います。
防疫体制の国際協力の現状はどのようになっているのか、万全と言えるのか、あるいはまた問題点があるのかどうか、大臣からお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/48
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049・高木賢
○政府委員(高木賢君) 先ほど来申し上げておりますが、全国五カ所の植物防疫所の本所、支所、出張所の体制、それから所要の陣容あるいは機器ということをもちまして、万全を期してまいるということで対応しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/49
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050・島袋宗康
○島袋宗康君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/50
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051・鈴木貞敏
○委員長(鈴木貞敏君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/51
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052・須藤美也子
○須藤美也子君 私は、日本共産党を代表して、植物防疫法の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。
反対の第一の理由は、植物防疫に関する懇談会報告にもあるように、昨年発効したWTO協定に基づく新たな国際的枠組みのもとで、衛生検疫協定、SPS協定によって、検疫の基準を国際基準に合わせて基準を緩めるという問題であります。
日本は、四方を海に囲まれ、動植物の生態系は独特であり、外国の動植物や病害虫が侵入すると大きな被害が発生します。最近は、毒グモが話題になりましたが、これまでも、セイタカアワダチソウ、アメリカシロヒトリ、イネミズゾウムシ、マツノキセンチュウ、黒星病などが取り返しのつかない大きな被害を与えました。したがって、農産物の輸入がふえればふえるほど、病害虫の侵入を防ぐために検疫体制を厳しくしなければならないはずであります。
また、今回の法改正で採用しようとしているFAOのガイドラインに沿った病害虫の危険度解析は、既にアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、EUで導入されていると言われていますが、これらの国々は食糧自給率が高く、輸出国です。世界最大の輸入国である我が国がこれらの輸出国と同様に導入することの危険は明らかです。
我が国の農産物の生態系、環境などを考慮し、国際基準に統一した検疫体制の緩和はやめるべ去であります。今必要なことは、植物防疫官を増員し、抜き取り検査の数量をふやすなど、厳重次チェックこそ重要であります。貿易の拡大のために病害虫の侵入防止、国内農薬の安全を犠牲にすることは許されません。
第二の理由は、今回の改正で国際植物検疫に検疫有害動植物の定義を設けることに対してであります。
それによって、カツオブシムシやコウジカビ病菌など一部の有害動植物は検疫措置の対象から外され、その有害動植物のみが付着した植物については、消毒、廃棄処分など一切とられず、素通のすることになります。
現在の輸入検疫では、検査して有害動植物が発見されれば、消毒、廃棄などの措置を講じ、有害動植物の侵入を防止しています。それは、外国から新たに侵入した病害虫は国内の在来の病害虫とは違った強い危険性があり、原産国では思いもよらない被害を輸入国に与えるからです。
今回の改正は、病害虫の侵入を防ぎ、我が国の有用植物を保護し、農業生産の安全を図ることを目的に確立されてきた植物防疫体制を大きく後退させることにならざるを得ません。今、輸入食料品のはんらんによって安全性、健康についての国民の心配と不安を取り除くための具体的な対策こそ強化すべきであることを強く要求いたしまして、反対の討論を終わります。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/52
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053・鈴木貞敏
○委員長(鈴木貞敏君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
植物防疫法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/53
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054・鈴木貞敏
○委員長(鈴木貞敏君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、風間昶君から発言を求められておりますので、これを許します。風間君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/54
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055・風間昶
○風間昶君 私は、ただいま可決されました植物防疫法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、平成会、社会民主党・護憲連合及び二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
以下、案文を朗読いたします。
植物防疫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
植物検疫制度は、我が国の多様な自然環境や農業事情の下、輸出入植物及び国内植物の検疫、植物に有害な動植物の駆除、そのまん延の防止等を通じて、農業生産の安定と発展に貢献してきた。
しかしながら、近年「我が国においては、国民の食生活の多様化や生活にうるおいが求められるようになったことなどに伴い、植物輸入の量的増大、質的多様化等が進行し、有害動植物の侵入の危険性が高まってきていることに加え、ガット・ウルグアイ・ラウンド合意に基づく新たな国際環境下で、より効果的かつ効率的な植物検疫の実施が求められている。
よって、政府は、本法施行に当たっては、次の事項について万遺憾なきを期すべきである。
一 植物検疫制度については、本制度が果たしている役割の重要性にかんがみ、実施体制の整備等万全の措置を講じ、今後とも適時・的確な植物検疫を実施すること。
また、輸入植物の安全性や環境保全に対する国民の関心の高まりに対応して、今後とも植物検疫制度に対する国民の信頼性を確保するため、積極的に植物検疫に関する情報提供を行うこと。
二 有害動植物の危険度に応じた検疫措置の導入に当たっては、制度運営の透明性を確保しつつ、我が国の自然条件、農業実態、環境への影響並びに生物多様性の確保等を十分踏まえるとともに、全国的な影響のみならず、地域経済に与える影響にも十分配慮すること。
また、検疫有害動植物と輸出国の政府機関による検査証明書の添付を要しない植物を定めるに当たっては、厳正を期すること。
三 輸出国の栽培地における検査の義務付けに当たっては、当該輸出国における検査の厳格な実施が確保されるよう措置すること。
四 輸入禁止品を例外的に輸入許可する場合については、十分慎重に対応すること。
五 輸入植物の検査手続については、的確な植物検疫の実施を確保しつつ、電算化による簡素化・迅速化を図ること。
六 検疫くん蒸に最も多く使用されている臭化メチルについては、代替技術の開発に積極的に取り組み、オゾン層の保護等地球環境保全に資すること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/55
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056・鈴木貞敏
○委員長(鈴木貞敏君) ただいま風間君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/56
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057・鈴木貞敏
○委員長(鈴木貞敏君) 全会一致と認めます。
よって、風間君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、大原農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。大原農林水産大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/57
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058・大原一三
○国務大臣(大原一三君) ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/58
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059・鈴木貞敏
○委員長(鈴木貞敏君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/59
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060・鈴木貞敏
○委員長(鈴木貞敏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日は大変御協力いただき、ありがとうございました。これにて散会いたします。
午後一時五十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615007X00619960411/60
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