1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成八年五月二十四日(金曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第三十二号
平成八年五月二十四日
午前十時開議
第一 公営住宅法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
第二 勤労者財産形成促進法の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
一、特別委員会設置の件
一、日程第一及び第二
一、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案
(趣旨説明)
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/0
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001・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
この際、特別委員会の設置についてお諮りいたします。
金融、税制、財政制度及び経済構造全般にわたる改革並びに金融機関等の諸問題を調査するため、委員三十五名から成る金融問題等に関する特別委員会を、
海洋法に関する国際連合条約及び千九百八十二年十二月十日の海洋法に関する国際連合条約第十一部の実施に関する協定の締結について承認を求めるの件、領海法の一部を改正する法律案、排他的経済水域及び大陸棚に関する法律案、海上保安庁法の一部を改正する法律案、排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律案、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律案、水産資源保護法の一部を改正する法律案、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案を審査するため、委員三十名から成る海洋法条約等に関する特別委員会を、それぞれ設置いたしたいと存じます。
両特別委員会を設置することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/1
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002・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 過半数と認めます。
よって、両特別委員会を設置することに決しました。
本院規則第三十条の規定により、議長は、議席に配付いたしました氏名表のとおり特別委員を指名いたします。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/2
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003・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 日程第一 公営住宅法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。建設委員長永田良雄君。
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〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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〔永田良雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/3
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004・永田良雄
○永田良雄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本法律案は、住宅に困窮する低額所得者に対して公営住宅の的確な供給を行うため、高齢者等に配慮した入居者資格を設定するとともに、適切な負担のもとで居住の安定を確保できるよう、公営住宅の家賃を入居者の収入と住宅の立地条件、規模等に応じて設定し、あわせて民間事業者等が保有する住宅を買い取りまたは借り上げて公営住宅として供給する方式を導入する等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、補助制度改正に伴う地方財政への影響、買い取り・借り上げ制度の運用方法、家賃制度変更による入居者負担増加の可能性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党の緒方理事より反対の意見が述べられ、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
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005・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/5
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006・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/6
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007・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 日程第二 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。労働委員長足立良平君。
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〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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〔足立良平君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/7
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008・足立良平
○足立良平君 ただいま議題となりました法律案につきまして、労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、近年における少子・高齢化の進展等社会経済情勢の変化にかんがみ、育児、介護等の費用を一般財形貯蓄から支出する勤労者を支援するための助成金制度を創設するとともに、中小企業への財形制度普及促進に向け、財形事務の代行制度を創設することなどを主な内容とするものであります。
委員会におきましては、財形制度の果たしてきた役割、財形政策基本方針を策定していない理由、非課税限度額の引き上げ、中小企業への普及がおくれている原因とその改善策、新たな助成金制度を創設する理由、ドイツの制度との比較等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対し、各派共同提案による附帯決議を全会一致をもって行いました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/8
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009・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/9
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010・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 総員起立と認めます。
よって、本案は全会一致をもって可決されました。
これにて休憩いたします。
午前十時八分休憩
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午後二時十八分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/10
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011・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
この際、日程に追加して、
厚生年金保険法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/11
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012・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。菅厚生大臣。
〔国務大臣菅直人君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/12
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013・菅直人
○国務大臣(菅直人君) ただいま議題となりました厚生年金保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
公的年金制度の長期的安定と整合性ある発展を図るため、これまで逐次、全国民共通の基礎年金制度の導入、被用者年金制度の給付の公平化等の改革を進めてきたところでありますが、今後二十一世紀にかけて我が国の人口構造が急速に高齢化する中、被用者年金制度を公平で安定したものとするためには、被用者年金制度を再編成し、財政単位を拡大するとともに、費用負担の公平化を図ることが必要であります。
この法律案は、こうした状況を踏まえ、被用者年金制度の再編成の第一段階として、既に民営化されている旧公共企業体の共済組合の長期給付事業を厚生年金保険に統合するとともに、日本鉄道共済組合または日本たばこ産業共済組合の組合員期間を有する者に係る年金給付に要する費用の一部に充てるため、年金保険者たる共済組合が拠出金を納付する制度を創設すること等、所要の措置を講ずるものであります。
以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
第一は、旧公共企業体の共済組合の長期給付事業の厚生年金保険への統合であります。
統合後新たに受給権が発生する年金給付について厚生年金保険法による年金給付を行うとともに、統合時までに受給権が発生している年金給付について厚生年金保険から支給することとしております。また、これらの年金給付に要する費用に充てるため、積立金の移換を行うとともに、年金保険者たる共済組合が厚生年金保険に対して拠出金を納付することを法定することとしております。
第二は、国家公務員共済制度の適用対象の見直しであります。
旧公共企業体を国家公務員共済制度の適用対象から除外し、厚生年金保険の適用対象とするとともに、関係規定について所要の整理を行うこととしております。また、厚生年金保険に対する積立金の移換、恩給公務員期間等に係る給付等の業務を行うため、旧公共企業体の共済組合は、大蔵大臣が指定した厚生年金基金が当該業務を行う場合を除き、なお存続することとしております。
このほか、旧公共企業体の共済組合の短期給付事業の健康保険組合への移行、被用者年金制度間の費用負担の調整に関する特別措置法の廃止等の所要の措置を講ずることとしております。
以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/13
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014・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。山本保君。
〔山本保君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/14
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015・山本保
○山本保君 私は、平成会を代表して、ただいま趣旨説明のございました厚生年金保険法等の一部を改正する法律案につきまして、橋本総理大臣、菅厚生大臣並びに関係の諸大臣に御質問をいたします。
我が国は、高齢化が急速に進みまして、近い将来、人口の四分の一にも達するお年寄りがみんな長生きしてよかったなと実感できる社会をどのようにつくっていくのか、このことが最も重大な課題となっております。その意味から、年金制度と公的介護の問題が国民すべての関心事なのであります。
ところが、年金制度はこれまで右肩上がりの経済成長を前提として組み立てられてきました。一方、介護制度はその多くを家族の負担にゆだねてまいりました。このような現状では、ふえ続ける社会的な費用負担をどうするのか、特に経済活動のバイタリティーを損なわずどのように個人間、世代間で公平に分担するのかが大問題となっております。
総理大臣は、これらの難問、とりわけ年金制度を含む社会保障制度全般の今後のあり方についてどう対処されようとしているのか、最初に御所信をお聞きしたいと存じます。
特に、これに関連して、私は二つの課題について具体的にお聞きいたします。
第一は、高齢社会を生み出す要因でもあり、また、高齢者を支える社会的な負担を重くしている子供の出生率の低下についてであります。
政府は、平成三年、海部内閣のときに「健やかに子供を生み育てる環境づくり」という少子化対策の原則を打ち立てました。これは、本来私ごとである子供を産み育てること自体に政府は直接に介入するのではなく、子育ての不安や負担を減らすための社会環境を整備するものであることを方針としたものであります。
私は、この方針はまことに道理にかなったものと考えますが、残念ながら子供の出生数は依然として上昇しておりません。政府は、いま一度、子育て支援の社会環境つくりに全内閣を挙げて取り組むべきだと思いますが、総理並びに厚生大臣のお考えをお聞きいたします。
第二に、増大する社会的な費用負担を税負担や社会保障負担の割合を上げることによって対応していくことが難しい以上、ここで考えられる社会経済構造の抜本的な改革は、もはや市民社会内部での自助、共助の福祉体制を築くことを国が支援するほかにはないと確信するものであります。
その意味から、地域の非営利公益法人NPOが税制優遇を受け、寄附金を中心として活動し、お年寄りのお世話や生きがいの社会つくりを進めるためのNPO法案の成立が喫緊の課題ではないでしょうか。既に福祉や芸術の部門では、たくさんの世のため人のために働く人たちが活動しておられます。
私は、ここであえて自由民主党総裁の橋本総理大臣と新党さきがけの人望あるリーダーの一人である菅厚生大臣にお尋ねいたしますが、現在、衆議院に提出されているNPO法案を、小異を捨てて超党派でいっときも早く成立させるようお骨折りいただくわけにはまいりませんでしょうか。率直な御所信をお聞きしたいと存じます。
次に、新聞報道等によりますと、総理は新しい橋本ビジョンを公表されるとのことであります。そこでは、国民負担率を四五%に抑え、その範囲内で福祉政策や財政再建を行うとも伺っておりますが、この橋本ビジョンの主な内容とその発表時期について、ここで明確に御答弁されるよう要求いたします。
ところで、政府は今国会への介護保険法案の提出を見送ったとの報道もございます。厚生大臣にお聞きいたします。今後の公的介護システムについてどのような制度をつくろうと考えておられるのでしょうか。現在までの検討の経過と今後の見通しをお話しください。
また、平成六年の年金法改正において、国会修正により基礎年金の国庫負担割合の引き上げについて検討規定が新たに設けられ、衆参の厚生委員会の附帯決議では、その国庫負担の割合を二分の一を目途とする旨が示されました。総理大臣、これについて今後の見通しをお聞きいたします。
さて、我が国の被用者年金は現在八つの制度に分かれており、現役時代の保険料負担や今後の給付の点で著しい格差があります。個人個人が加入する制度の違いによってこのような格差が生じるということは、公的年金にあってはならないことであります。年金制度を将来にわたって安定的に運営していくため、関係者の合意のもとに、一元化を早急に進めることが必要であろうと思います。
この問題につきましては、既に昭和五十九年十二月の閣議決定により、平成七年を目途に公的年金制度全体の一元化を完了させるとされております。しかしながら、一年以上おくれてようやくまとまった今回の改正案でも、旧公共企業体の共済年金だけが厚生年金へ統合されるのにとどまっております。さらに、本年三月の閣議決定では、公的年金全体を統合する目標年次の設定がなされませんでした。
そこで、今回なぜ一元化の完了に至らなかったのか、そして今後いつまでにどのように道筋をつけていくのか、お伺いいたします。総理大臣はどのようなリーダーシップをお示しになるのでしょうか。
今回のように、個々の共済制度の財政が悪化し、制度として立ち行かない状況になってから統合するというのでは、一元化について国民の理解が得られなくなるのではないでしょうか。このことについて総理の御見解をお願いいたします。
さらに、特に現在、財政に比較的ゆとりがある地方公務員共済組合及び私立学校教職員共済組合の所管大臣に年金一元化に向けての決意のほどをお伺いいたします。
次に、それでは改正案の内容に関連してお伺いいたします。
第一に、積立金の移換の問題、特に不足額が約一兆円に及ぶJR共済の問題についてであります。
JR共済の不足額については、国鉄清算事業団が約八千億円、JR各社が約二千億円を負担することとされております。しかしながら、清算事業団については、巨額な長期債務を抱え、今なお債務縮減のめどの立たない現状にあります。昭和六十二年、国鉄を民営化したときには二十五兆五千億円であった債務は、平成八年度には二十七兆六千億円と見込まれるなど、むしろ増加しております。このまま行けば清算事業団の債務は雪だるま式にふえるのではないかと懸念されているのであります。清算事業団の長期債務をどのように処理するのか、今後の方針について総理にお聞きいたします。
加えて、このような現状に照らし、今回清算事業団が負担する約八千億円についてどのような対応をなされるつもりなのか、総理大臣に御所見をお聞きしたいと存じます。
第二に、JR共済の自助努力についてお尋ねいたします。
JR共済につきましては、制度間調整事業により広く他の共済組合等から財政支援を受けるとともに、自助努力措置として、既裁定年金について一〇%のスライド停止などが課せられております。さらに、現役の組合員に対しましても、現在の高い保険料率が厚生年金の保険料率と同じ水準になるまでの間はそのまま据え置かれることとされております。このような重い自助努力についてはできるだけ早く解消すべきであると考えますが、これについて大蔵大臣の積極的な御答弁を求めます。
第三に、厚生年金基金をめぐる問題についてお聞きします。
平成六年に解散した日本紡績業厚生年金基金に対し、本年三月、厚生年金基金連合会が初めて支払い保証を行うことが報じられました。このように、現在、厚生年金基金の財政悪化が深刻な問題になっております。また、基金が厚生年金の代行をしている部分につきましても、給付に必要な積立金が不足している基金が少なくないとも報じられております。
サラリーマンの三人に一人が厚生年金基金に加入している現状にかんがみまして、加入者の不安をこれ以上増幅させないためにも、支払い保証及び代行給付のあり方を含め厚生年金基金全体の総合的な見直しが必要になっていると思いますが、厚生大臣のお考えをお聞かせください。
第四に、基礎年金番号についてであります。
基礎年金番号は来年の一月からの導入を目指して準備が進められているようであります。この制度にさまざまな利点があることは認めますが、多くの国民はプライバシーの保護は大丈夫かと心配しておられます。例えば、自治省では住民基本台帳番号の導入を検討しているようでありますが、この際、厚生大臣は基礎年金番号を他の制度に転用しないことを国民に明確に説明すべきだと思いますが、いかがでしょうか。御所信をお伺いいたします。
最後に、年金制度の情報公開のあり方についてお伺いいたします。
現在、我が国の年金制度の将来についての不信感が、国民、特に若い世代の間に広まっております。このような不信感を払拭し、世代間扶養の重要性をよく御理解していただくためにも、年金に関する財政の実態、その安定性や制度間の負担の公平性、将来見通し等の情報の積極的な公開を進めるべきであります。
今後、一元化の議論がさらに本格化していくことを期待しておりますが、その際には、公平中立な立場から、各制度について統一的に分析評価できる情報公開の仕組みがどうしても必要であると思います。
これらの点について総理の御見解を承りまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/15
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016・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 山本議員にお答えを申し上げます。
まず、社会保障制度の今後のあり方についてでありますが、高齢化の進展によりまして社会保障の費用が増大することは避けられませんけれども、これを経済の活力を損なわず、また、国民に過重な負担を課さないようにしながら必要な給付を確保しなければなりません。このため、負担の公平に留意しながら、いかに制度を合理化し、制度運営の効率化を図っていくか、こうした視点を我々は持たなければならないと思っております。こうした観点から、社会保障制度全般のあり方について今後さらに検討していきたいと考えております。
子育て支援についてお尋ねがありました。
子供を持つか持たないかは、これはもちろん個人のお考えの問題でありますけれども、子供を持ちたい方が持てない状況を解消し、安心して子供を産み育てることができる環境を整備していくことは、社会全体の問題だということは御指摘のとおりであります。
このため、保育対策の充実や育児休業制度の定着など、エンゼルプランに基づいて保育、雇用、教育、住宅などを含めた総合的な子育て支援施策の着実な推進を行っております。こうした施策の推進を通じ、子育てのしやすい環境の整備に努めていきたいと考えております。
次に、NPO法案につきましては、与党においても、現在、今国会に提出すべく鋭意検討されていると聞いております。
いずれにいたしましても、高齢化の進展など我が国の経済社会を取り巻く環境変化に適切に対応していこうとするなら、ボランティアや市民活動団体が行う市民活動の活性化というものは絶対に必要なものでありますし、今後、十分御議論いただくべき課題であると考えております。
次に、私は、自分で福祉についての橋本ビジョンといった言葉を使ったことはありませんけれども、高齢化が進む中で、一方で財政が極めて厳しい状況にある、さらに我が国の経済の活力をどう保持していくかが問われている状況の中で、従来から年金あるいは医療等を含めました国民負担、税と合わせましての国民負担率といった問題の意識は持ち続けてまいりました。
そのような観点から、現在、経済審議会、財政制度審議会、税制調査会、社会保障制度審議会の会長などにお集まりをいただき、本院の予算委員会で御提起がありましたようなことを踏まえまして御議論をいただくなど、勉強を進めていっているところであります。
次に、基礎年金の国庫負担引き上げ問題につきましては、平成六年の年金改正の審議の過程で附則検討規定が追加修正され、また、附帯決議もなされました。
この附則検討規定におきましても、「年金事業の財政の将来の見通し、国民負担の推移、基礎年金の給付水準、費用負担の在り方等を勘案」すべきこととされておりまして、巨額の財源をいかに確保するか、さらに医療あるいは福祉なども含めました社会保障施策全体の中での優先順位をどうするか、幅広い観点から検討していく必要があるものと考えております。
また、公的年金の一元化の問題につきましてお尋ねがありました。
公的年金の一元化問題につきましては、制度の安定化と公平化を図るという見地から、各制度の目的、機能、経緯などに配慮しながら鋭意検討してまいりました。
被用者年金制度の分立による不安定な制度運営、負担の不均衡は、主として各制度の成熟化の進展に伴って生ずることから、今後、各制度が成熟化していく段階において漸進的な対応を進めていくことが適当であるという結論に達しました。
このたび、被用者年金制度の再編成の第一弾として三共済の統合法案を提案させていただきますとともに、今後の再編成の基本方針を閣議決定したところであり、この基本方針に沿いまして被用者年金制度の再編成を着実に進めてまいりたいと考えております。
財政が悪化してから統合を行うのでは国民の理解が得られないという御指摘がありました。しかし、公的年金制度の一元化の推進について国民の御理解を得ていくために、これは各制度の財政悪化が放置されることのないように、財政運営状況や将来見通しに関する積極的な情報公開と、専門的、中立的立場からの検証を行っていくことは、御指摘のとおり、重要なことだと思います。
次に、今回の八千億円の移換金負担を含む国鉄清算事業団の長期債務の処理につきましては、閣議決定において、土地処分収入などの自主財源を充ててもなお残る事業団の債務などについては、最終的には国において処理をするものとされておりまして、その本格的な処理のために必要な新たな財源措置については、土地の処分などの見通しのおおよそつくと考えられる段階で、歳入歳出の全般的な見直しとあわせ、検討、決定することとされております。
また、事業団の土地の処分につきましては、平成九年度までにその実質的な処分を終了することとされております。
事業団の債務などの処理のための新たな財源措置につきましては、これらの閣議決定を踏まえて、土地やJR株式の処分の状況を見定めながら、必要な措置について検討してまいります。
年金制度の情報公開について御意見がございました。
国民の老後生活にかかわりの深い年金の財政運営状況などに関する情報について、わかりやすい形で国民に提供していくことは、御指摘のとおり、広く年金に対する国民の理解と信頼を得ていく上で極めて重要なことだと思います。今後とも各制度がそれぞれ適切な情報を積極的に公開していくように努めてまいります。
また、各制度の統一的な分析評価についての御意見をいただきました。
社会保障制度審議会の年金数理部会におきまして、専門的、中立的な立場から各制度の安定性、公平性について検証を行ってまいります。
残余の質問につきましては、関係閣僚から御答弁を申し上げます。(拍手)
〔国務大臣菅直人君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/16
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017・菅直人
○国務大臣(菅直人君) 山本議員の御質問にお答えをいたします。
まず、子育て支援の社会環境づくりについてでございますが、先ほど総理からも詳しくお述べいただきましたが、特に今の日本の人口構造を見ますと、大変子供さんの数が減っておりまして、ある意味では全体のバランスが非常に悪くなっているということ、さらには年金の計算などにおいても出生率が非常に大きな要素となっていることなどにかんがみますと、平成七年度から緊急保育対策五カ年事業を初めとするエンゼルプランを現在実施しているわけですが、さらに必要なことをいろいろやっていかなければならないという感じがいたしております。
連休中、私も八丈島の八丈町というところに行きましたら、三人目からの子供に対して町独自でいろいろな一時金などを出されている。そういう例も見まして、いろいろな実例を参考にしながら、今後二十一世紀を見据えて、個性豊かでたくましい児童が育つような、あるいは子供をつくっても仕事が同時的にやっていけるような、女性の社会参加が維持できるような、そういう制度をさらに充実していくために頑張らなければならない、このように考えているところであります。
次に、NPO法案についてのお尋ねであります。
この法案につきましては、さきがけの政治家としてのお尋ねということでありますが、さきがけだけではなく、自民党、社民党を含めて三党で努力をしていただいているというふうに理解をいたしておりまして、その与党三党がこの国会に提出すべく鋭意検討を進めていただいているわけでありまして、法案が出た段階では野党の皆さんともいろいろ協議があるのではないか、そのように考え、また、期待もいたしているところであります。
介護保険法についてのお尋ねでございますが、この介護保険法の状況につきましては、平成六年の「二十一世紀福祉ビジョン」において、国民だれもが身近に必要な介護サービスを手に入れられるシステムの必要性が初めて提言をされました。その後、高齢者介護・自立支援システム研究会において、高齢者自身がサービスを選択することを基本とする社会保険方式による新たな高齢者介護システムの構築を提言する報告がまとめられたことは御承知のとおりであります。
そして、平成七年の二月からは老人保健福祉審議会においてこの問題の検討が開始されまして、六月の社会保障制度審議会からの公的介護保険制度の創設に関する勧告をいただくことも経過としてありまして、そして老人保健福祉審議会では七月には第一次中間報告を取りまとめていただきました。また、本年、平成八年一月には第二次中間報告を取りまとめ、さらに本年四月二十二日に老人保健福祉審議会としての最終的な報告が提出されたところであります。
そして、去る五月十五日には老人保健福祉審議会の報告を受けて策定いたしました厚生省の制度試案を老人保健福祉審議会にお示しをし、さらに五月二十二日にも御審議をいただいたところであります。今後、この制度試案をもとに検討を進め、自治体など関係者の御意見を十分に踏まえながら、何とか成案を得てこの国会へ法案という形で提出してまいりたいと、今、最後の努力を続けているところであります。
厚生年金基金制度の見直しについてのお尋ねでございますが、制度創設から三十年を経て、かつてのような経済成長が期待しにくくなっている今日、厚生年金基金の今後の安定的な発展を図っていくためには制度全体についての見直しが必要と考えております。
このため、現在、基金関係者や学識経験者などによる研究会において、基金財政の安定化や支払い保証制度の充実など制度全体について検討し、六月末をめどに報告をまとめていただくことといたしております。この検討結果を受けて、年金審議会や関係者の御意見を聞きながら、必要な制度改正に取り組んでいきたい、このように考えております。
最後に、基礎年金番号と他の制度との関係についてのお尋ねでございます。
基礎年金番号は、現在の年金番号を各制度で共通して使用できるものとすることにより、行政サービスの向上と未加入者の解消を図ろうとするものでありまして、公的年金加入者を対象とするとともに、専ら年金業務において使用されることを目的として実施するものである、このように考えております。
基礎年金番号の実施に当たりましては、プライバシー保護の重要性にかんがみ、徹底した対策を講じ、万全を期してまいりたい、このように考えております。
以上、お答え申し上げました。(拍手)
〔国務大臣倉田寛之君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/17
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018・倉田寛之
○国務大臣(倉田寛之君) 地方公務員共済組合の所管大臣としての年金一元化についてのお尋ねでございますが、今回の旧三公社共済の厚生年金への統合に当たりましては、地方公務員共済組合は公的年金の一翼を担うものとして、費用負担の平準化を図りながら財政的な支援を行うこととしているところでございます。
今後、三月八日の再編成についての閣議決定に従いまして、成熟化の状況等に応じて財政再計算時ごとに将来の財政見通し等について分析を行い、公務員制度としてのあり方をも踏まえながら、まず地方公務員共済、国家公務員共済の両制度におきまして財政安定化のための措置を検討してまいる所存でございます。(拍手)
〔国務大臣奥田幹生君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/18
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019・奥田幹生
○国務大臣(奥田幹生君) お尋ねの私学共済の年金一元化への対応につきましては、総理からお話のございました去る三月八日の閣議決定を踏まえまして、現役職員と年金受給者の割合を示します成熟度や、五年に一度行われます財政再計算時ごとに将来見通しを分析しまして、年金制度としての安定性を検証しながら、公的年金制度の再編成という大変大きな課題に的確に対処してまいりたい、このように考えております。(拍手)
〔国務大臣久保亘君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/19
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020・久保亘
○国務大臣(久保亘君) お尋ねのございました鉄道共済年金につきましては、他の公的年金制度から財政支援を受ける前提として、給付、負担の両面にわたる自助努力を実施しているところであります。
給付面の自助努力のうち、標準報酬再評価の繰り延べ措置につきましては、公的年金制度の一元化に関する懇談会の報告書において、統合に際し見直すことが適当であるとされております。統合後は、鉄道共済に係る受給者についても厚生年金水準の年金を支給することが適当であると考えられることから、統合に伴い解除することといたしております。なお、既裁定年金の一〇%スライド停止措置等については、鉄道共済の給付水準を厚生年金相当水準に合わせるという趣旨で実施しているものでありますので、統合後においても継続することといたしております。
また、負担面の自助努力である高い保険料率につきましては、同報告書において、厚生年金より高い保険料率については、従来の経緯を踏まえ、統合に際し段階的にその格差の解消を図るべきこととされていることを踏まえて、厚生年金の保険料率が追いつくまでの間、据え置くことといたしております。
以上でございます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/20
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021・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 竹村泰子君。
〔竹村泰子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/21
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022・竹村泰子
○竹村泰子君 私は、自由民主党、社会民主党・護憲連合、新党さきがけを代表いたしまして、ただいま議題となりました厚生年金保険法等の一部を改正する法律案につきまして、橋本総理並びに関係大臣に質問いたします。
橋本総理は、厚生大臣も務められ、福祉政策については高道な理想と熱意をお持ちと御尊敬申し上げております。
そこで、質問をいたします。
我が国は、現在、世界に例を見ない速さで高齢化が進んでおり、二十一世紀には本格的な少子・高齢社会が到来します。そういう時代の中で私たちがなすべきことは、後に続く世代が不安のない生活を送ることのできる新しい社会の仕組みを構築していくことであります。
老後生活の所得保障の中心を担う公的年金制度もまた、国民が将来にわたって安心できるような制度として継続していくため、世代間の給付と負担の公平を基本に各年金制度間の給付と負担の均衡を図るいわゆる年金の一元化を進めるなどの改革に取り組んでいくことが必要であります。
さて、公的年金制度の長期的な安定を図るために年金の一元化は不可欠であると考えますが、国民の連帯による公正公平な年金制度を国民合意のもとでどのように確立していくかを明らかにする必要があります。まず、橋本総理に、年金の一元化の基本理念はどのようなものであるか、お伺いをいたします。
次に、本改正案の趣旨でありますJR、JT、NTTの各共済年金を厚生年金に統合することに際しましては、統合される三共済が合計二兆五千百億円の積立金について責任を持って移換しなければならないことは言うまでもありません。
中でもJR共済は約一兆二千億円を厚生年金に移換することになり、その負担についてJR各社の最大限の経営努力が求められます。しかし、国鉄清算事業団の債務については現在二十七兆円を超えると言われており、JR共済年金の厚生年金への統合に伴う負担はどのようにして賄われるのでしょうか。運輸大臣の御見解をお伺いいたします。
年金の一元化を進めるに当たりましては、各年金制度の財政状況や将来の見通しなどについての情報を公開し、公平な機関において定期的に検証していくことが必要であります。そして、それを踏まえた上で一元化の具体的な方法を検討しなければならないと考えますが、年金財政の情報公開やその検証方法の確立について、厚生大臣の御見解をお伺いいたします。
次に、二十歳以上の国民に共通の基礎年金部分に関する課題についてお尋ねいたします。
最初に、国民年金の未加入者、保険料の滞納者が増加しているために問題となっております国民年金の空洞化についてであります。
未加入、滞納は本人にとっても将来の低年金、無年金につながり、ひいては国民年金の形骸化をもたらします。国民年金の空洞化を解消するため、運営、制度の両面にわたる総合的な対策を講ずる必要があると考えますが、厚生大臣の御見解をお伺いいたします。
また、年金の空洞化解消との関連において、九四年の年金改正時に議論され、国会修正が行われた基礎年金の国庫負担引き上げの問題について、橋本総理のお考えをお伺いいたします。
また、少子・高齢化社会を迎え新しい社会システムを構築していく上で、私が強調したいのは、子育て対策の飛躍的な充実が必要であるという点であります。
子供を持ちたい人が安心して子供を産み育てることができるよう、また、子供自身が健全に成長していけるよう、子育てを社会全体で支えていくようなシステムづくりが必要です。特に、仕事をしている女性たちの出生率が低いことを考えますと、仕事を続けながらも子供を産み育てることのできる幅広い社会的支援が要請されます。
現状を放置すると、少子化が一層進行し、女性の社会参加、職場への進出が阻害され、結果として、急速に高齢化が進行する日本の経済社会を支える労働力の著しい不足を招くことにもなりかねませんし、年金制度への影響も大きいと考えます。
子育ての社会的支援について、政府が積極的に取り組まれる御決意を橋本総理にお伺いいたします。
最後に、介護保険についてお尋ねいたします。
最近の報道によりますと、橋本総理は介護保険法案の今国会提出に慎重な御発言をされておられますが、私ども与党プロジェクト並びに政府の審議会においては、昨年来議論を積み重ね、それを踏まえた厚生省試案が先般提示されたところであります。
新たな介護制度の創設は、特に現在、家庭介護の担い手となっている女性はもちろん、多くの国民が待ち望んでいるところではないでしょうか。私たちは、政府がぜひ今国会に介護保険法案を提出し、国民的議論を巻き起こしていく必要があると考えます。
介護保険法案の今国会提出について、橋本総理のしかとした御決意をお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/22
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023・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 竹村議員にお答えを申し上げます。
まず第一点、公的年金の一元化の基本理念についてというお尋ねでありますが、公的年金制度は、申し上げるまでもなく、老後の生活を支える柱となるものでありますし、その長期的な安定と同時に、給付と負担の公平が極めて重要であります。公的年金制度の一元化の目標は、まさにこの制度の長期的な安定性、そして公平性の確保だと考えております。
政府としては、今後とも、就労構造の変化、制度の成熟化の進展などに応じながら、公的年金制度の安定化と公平化を図るため、その再編成を着実に進めてまいりたいと考えております。
次に、平成六年の年金改正の御審議の過程におきまして、基礎年金の国庫負担引き上げ問題につき附則検討規定が修正追加されました。この附則検討規定におきましても、「年金事業の財政の将来の見通し、国民負担の推移、基礎年金の給付水準、費用負担の在り方等を勘案」すべきこととされており、巨額の財源をいかに確保するか、さらには医療や福祉も含めました社会保障施策全体の中での優先順位をどうするかとか、幅広い観点から検討していく必要がある、そのように考えております。
次に、少子化や女性の社会参加にお触れになりながら、子育ての社会的支援についてのお尋ねがございました。
子供を持つか持たないか、これはもちろん個人のお考えの問題でありますけれども、子供を持ちたい人が持てない状況を解消すること、そのため、家庭における子育てを基本としながらも、いかにしてこれを社会が支援し、安心して子供を産み育てることができる環境を整備していくかは社会全体の課題だと思います。
このため、保育対策の充実や育児休業制度の定着など、エンゼルプランに基づきまして保育、雇用、教育、住宅などを含めた総合的な子育て支援施策の着実な推進を図っているところでありますが、こうした施策の推進を通じ、子育てのしやすい環境の整備に努めていきたいと思います。
次に、介護保険についてのお尋ねがございました。
高齢者介護の問題は、少子・高齢化の進展に伴って国民の老後生活の最大の不安要因となっておりますし、高齢者介護保険制度の制度化は重要な国民的課題だと思います。
菅大臣とも御相談をいたしました上で、先日、私自身が、老人保健福祉審議会の会長にもお越しをいただき、さまざまな問題点のあることは承知しつつも、できるだけ早く結論を出していただきたいというお願いを申し上げたばかりでありますが、高齢者介護保険制度については、現在、老人保健福祉審議会を中心に精力的な検討が行われているところでありますし、保健・医療・福祉にわたる高齢者介護サービスというものを総合的、一体的に提供する新たな高齢者介護システムの制度化に向けて努力していきたい、そのように考えております。
残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
〔国務大臣菅直人君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/23
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024・菅直人
○国務大臣(菅直人君) 竹村議員の御質問にお答えいたします。
私への御質問は、年金財政の情報公開や検証方法の確立についてであります。
国民の老後生活にかかわりの深い年金の財政運営状況に関する情報について、わかりやすい形で国民に提供していくことは、広く年金に対する国民の理解と信頼を得ていく上で極めて重要なことだと考えております。このため、今後とも各制度がそれぞれ適切な情報を積極的に公開していくように努めるとともに、社会保障制度審議会年金数理部会において、専門的、中立的な立場から各制度の安定性や公平性について検証を行っていただくことといたしているところであります。
次に、国民年金の空洞化についてのお尋ねでございます。
国民一人一人の将来の年金権を確保するとともに、公的年金制度の健全な運営を図っていくためには、未加入者、未納者の解消は極めて重要な課題であると認識しております。このため、二十歳到達者に対する年金手帳送付による適用、国民健康保険との連携の強化、基礎年金番号の導入による適用対策の推進を図るとともに、口座振替の促進、専任徴収員の増員など、保険料納付対策の推進に努めることとしております。
さらに、国民の理解と信頼を深めるため、各種の広報活動の強化を図るなど総合的な対策を講じてまいりたい、こう考えております。(拍手)
〔国務大臣亀井善之君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/24
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025・亀井善之
○国務大臣(亀井善之君) お答えをいたします。
お尋ねは、JR共済年金が厚生年金に統合される際の移換金について国鉄清算事業団はどのように負担をするかと、このように考えております。清算事業団が抱える長期債務等の償還については、昭和六十三年一月二十六日の閣議決定において、土地、株式の資産売却収入等の自主財源を充ててもなお残る事業団の債務等については、最終的には国において処理するものとするとされているところであります。
今回の鉄道共済の厚生年金への統合に当たり必要とされる移換金に係る負担についても、平成八年三月八日の法案提出時の閣議決定において、既存の債務等と同様の取り扱いをするものとされたところであります。
なお、各年度における支払い額を初めとする移換金の具体的な支払い方法等については、今後、関係者間で調整を図ることとしております。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/25
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026・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02019960524/26
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