1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成九年三月五日(水曜日)
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平成九年三月五日
午後四時 本会議
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○本日の会議に付した案件
平成九年度一般会計予算
平成九年度特別会計予算
平成九年度政府関係機関予算
平成九年度における財政運営のための公債の発
行の特例等に関する法律案(内閣提出)
酒税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
租税特別措置法及び阪神・淡路大震災の被災者
等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法
律の一部を改正する法律案(内閣提出)
関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
出)
午後五時三分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/0
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001・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/1
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002・荒井広幸
○荒井広幸君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
平成九年度一般会計予算、平成九年度特別会計予算、平成九年度政府関係機関予算、右三案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/2
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003・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 荒井広幸君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/3
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004・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。
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平成九年度一般会計予算
平成九年度特別会計予算
平成九年度政府関係機関予算発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/4
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005・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 平成九年度一般会計予算、平成九年度特別会計予算、平成九年度政府関係機関予算、右三案を一括して議題といたします。
委員長の報告を求めます。予算委員長深谷隆司君。
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平成九年度一般会計予算及び同報告書
平成九年度特別会計予算及び同報告書
平成九年度政府関係機関予算及び同報告書
〔本号(二)に掲載〕
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〔深谷隆司君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/5
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006・深谷隆司
○深谷隆司君 ただいま議題となりました平成九年度一般会計予算外二案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
この予算三案は、去る一月二十日本委員会に付託され、同月二十四日三塚大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、二月三日から質疑に入り、公聴会、分科会を行い、本日討論、採決をいたしたものであります。
まず、予算の概要について申し上げます。
平成九年度一般会計予算の規模は七十七兆三千九百億円であり、前年度当初予算に対し三・〇%の増加となっております。
歳出のうち、国債費及び地方交付税交付金等を除いた一般歳出の規模は四十三兆八千六十七億円であり、前年度当初予算に対し一・五%の増加となっております。
歳入のうち、租税及び印紙収入は五十七兆八千二十億円が見込まれております。また、公債の発行額は、建設公債九兆二千三百七十億円、特例公債七兆四千七百億円で、合計十六兆七千七十億円が予定されております。この結果、公債依存度は二一・六%となっております。
特別会計及び政府関係機関の予算につきましても、資金の重点的、効率的配分を行い、事業の適切な運営を図ることとされており、その数は、三十八及び十一で、ともに前年度と変わりありません。
なお、財政投融資計画の規模は五十一兆三千五百七十一億円であり、前年度計画額に対し四・五%の増となっております。
次に、質疑について申し上げます。
質疑は国政の各般にわたりまして行われたのでありますが、その主なものは、第一に、財政と経済運営問題についてであります。
質疑者からは、「橋本内閣は、施政方針演説の中でも財政再建を中心に置いて述べている。日本経済の再建がなければ総理が言う財政再建も達成できない」、「また、特別減税二兆円を制度化し、所得税の累進構造を緩和していくことに充てるべきではないか。このまま国民に九兆円の負担を求めることによって平成九年度の日本経済がどういう状況になると判断しているのか」との趣旨の質疑がありました。これに対し橋本内閣総理大臣から、「日本経済を安定した成長軌道に乗せていかなければならない。その意味で、経済構造を改めていき、新たな仕事をつくり出していく必要性を一方で強調している。しかし、現在の財政状況の中で、これ以上赤字が拡大することにブレーキをかけなければならないとも思っている。財政構造改革の手を緩めることによって仮に多少の刺激が可能となったとしても、その手を引いた瞬間にむしろ経済もおかしくなってしまう。我々はこの時期をむしろ、規制緩和あるいは経済にかかるコスト、いわゆる高コスト構造を是正していく努力を一方で払い続けながら、財政構造改革を並行していく厳しさが必要である」、「また、国民への負担増によって景気への影響は否定できない」旨の答弁がありました。
第二に、橋本総理の提唱する六大改革についてであります。
まず、その基本姿勢について、質疑者から、「福祉削減の道、これは高齢者切り捨てということで不安が増幅する。大増税への道、これによって国民負担率が六〇%にいくようなら活力が低下する。膨大な財政赤字を放置すると国家破産につながる。唯一残された道は、構造改革、橋本内閣の掲げる六つの改革、唯一の道しかない。総理自身が決断をされ、この改革をなし遂げていくべきだと思うが、どうか」との趣旨の質疑がありました。これに対し橋本内閣総理大臣から、「極めて厳しい問題が山積していることを予測した上で、方向性を示しながら、同時に皆さんの意見も十分聞かせていただく。そして議論をし、決断、実行する、そうした責任を負っている」との答弁がありました。
次に、財政構造改革について、「基本的に、財政構造改革というのは一体何をイメージしているのか。総理は聖域なしでやると言っているが、具体的な考えがあるのか」との趣旨の質疑があり、これに対し橋本内閣総理大臣から、「財政構造改革会議の中で議論をしていく。二〇〇五年までのできるだけ早い時期に国及び地方の財政赤字の対GDP比を三%以下にし、特例公債依存から脱却し、公債依存度の引き下げを図ることを財政健全化の目標とする。そのために、国の一般歳出の伸び率を名目経済成長率より低く抑え、地方にも同じ要請をすることを閣議決定した。財政構造改革会議における議論で聖域なしということを申し上げ、社会保障関係費、公共事業あるいは文教、そしてさらには農業といったものを例示で挙げた。来年度予算要求については、要求の基準、概算要求のルールを決めたい。少なくとも総額の上限を抑え、スクラップ・アンド・ビルド、個別政策の目標設定、削減の目標設定などの手法があり得る」との答弁がありました。
次に、公共事業を中心とした歳出削減の問題について、「六百三十兆円の公共投資基本計画、これは規模あるいは実施の年数も含めて全体的に縮小あるいは年限の延長をすべきではないか。総理の決断として、いつごろまでに具体的な見直しをするのか、規模、年限の延長を含めて明確にされたい」との趣旨の質疑がありました。これに対し橋本内閣総理大臣から、「公共投資基本計画は、今後我が国が整備していくべき社会資本の一定のレベルというものに到達させるため形成されたものである。そして、これとは別に、各公共事業それぞれがいわゆる五カ年計画というものを持っている。当然のことながら、財政構造改革に取り組んでいく中で、聖域なくそれぞれの分野を見直していかなければならない。また、九年度予算においても、道路ならば高規格幹線道路へ、あるいは空港ならハブ空港にシフトしていくこと、そして一つ一つの工事の期間を短縮していく、そういう努力をすべきことを既に申し合わせている」との答弁がありました。
次に、行政改革について、「行政改革の理念、あるいは改革を終えた後の我が国のイメージがはっきりしない。地方分権や経済的規制の撤廃というのは大変大事だと思うが、規制がなくなれば、消費者の利益がより大切にされる一方で、地方自治体、民間企業、個人、市民の責任は大きくなる。もちろん、自分で選択できないハンディを負っている人には自立を支援するということが大事である。総理は基本的にどのような理念で進めようとしているのか」との趣旨の質疑がありました。これに対し橋本内閣総理大臣から、「若い人々が自分の夢を持ち、その夢を追って挑戦し、それがかなえられるチャンスのある社会をつくっていきたい。同僚に、本当に手を差し伸べなければならない方々には必要な手たてを講じることが必要であるが、それだけの自己責任が求められる。地方分権あるいは規制の緩和をしていくことによって、中央省庁そのものが形の上でスリムになるだけではなく、持っている機能自体をよりスリム化し、地方に任すべきこと、民間に任すべきこと、あるいは官が行うにしても中央が行うのか地方に任すのかといったことまでを突き詰めて考え、仕組みをつくっていかなければならない」との答弁がありました。
なお、医療保険改革、経済構造改革、金融システム改革、教育改革に関しても活発な論議がなされました。
第三に、沖縄問題についてであります。
まず、沖縄の基地問題について、「普天間基地の移転先をどうするのか。また、五月十四日に期限切れとなる軍用地の問題についてはどう考えているか」との趣旨の質疑がありました。これに対し橋本内閣総理大臣から、「沖縄の方々が背負ってこられた重荷というものを国民全体で分から合うという姿勢に立ちながら、沖縄に所在する米軍の施設・区域の整理、統合、縮小を、日米安全保障条約の目的達成との調和を図りながら実現していくことが内閣の最も重要な課題の一つであり、今後、普天間飛行場の返還を初め、SACO最終報告の内容を的確かつ迅速に実現するように全力を尽くしてまいりたい。地元の強い反対を押し切ってまで移設を強行することがあってはならないと考えている。また、軍用地の問題については、収用委員会においで、使用期限までの権原取得の必要性をぜひ踏まえていただいて、裁決に至る手続を円滑かつ迅速に行っていただけるよう、本当に願っている」との答弁がありました。
次に、鳥島射爆場における劣化ウラン弾誤射問題について多くの委員が取り上げ、政府の今後の対応のあり方等について真剣な質疑が行われました。
さらに、在ペルー日本大使公邸人質事件及びロシア船籍タンカー・ナホトカ号の重油流出事故については、政府の危機管理対応のあり方等の質疑があり、また、政府に対し、今後万全の対策を講ずるよう強い要請がありました。
以上申し述べましたほか、
財政経済関係では、景気判断と今後の経済見通し、円安、株安の原因と対応策、不良債権の現状と対応方針、整備新幹線建設のあり方、旧国鉄の長期債務の処理、NTTの再編成問題、情報通信網の整備方針、三池炭鉱の閉山問題、
外交、防衛関係では、日中、日米等外交の基本姿勢、日米防衛協力のための指針の見直し問題、北朝鮮によるとされる日本人少女拉致事件に対する政府の取り組み状況、
政治行政関係では、オレンジ共済組合及び泉井石油商会に関する疑惑問題、公務員の綱紀粛正と公務員倫理の確立方策、情報公開法の制定時期、審議会制度等政策決定のあり方、行政監視院構想及び行政監察のあり方、特殊法人、公益法人のあり方、
そのほか、郵政事業の経営形態のあり方、少子化及び高齢化対策、教科書問題、首都機能移転構想と財源問題、阪神・淡路大震災に対する支援策、オウム真理教と破壊活動防止法との関係、環境アセスメント法のあり方などについて質疑が行われましたが、その詳細については会議録によって御承知願いたいと存じます。
かくて、本日質疑を終局したところ、新進党及び太陽党の共同提案により、また、民主党、日本共産党のそれぞれから、平成九年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出され、北側一雄君、中沢健次君及び穀田恵二君から趣旨の説明がありました。
次いで、予算三案及び各動議を一括して討論に付しましたところ、自由民主党を代表して中川秀直君から政府原案に賛成、各動議に反対、新進党を代表して小池百合子さんから新進党及び太陽党共同提出の動議に賛成、政府原案及び他党提出の動議に反対、民主党を代表して海江田万里君から同党提出の動議に賛成、政府原案及び他党提出の動議に反対、日本共産党を代表して矢島恒夫君から同党提出の動議に賛成、政府原案及び他党提出の動議に反対、社会民主党・市民連合を代表して北沢清功君から政府原案に賛成、各動議に反対、太陽党を代表して岩國哲人君から新進党及び太陽党共同提出の動議に賛成、政府原案及び他党提出の動議に反対の意見が述べられました。
討論終局後、採決の結果、それぞれの動議はいずれも否決され、平成九年度予算三案はいずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/6
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007・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 平成九年度一般会計予算外二案に対しては、中野寛成君外十一名及び赤松広隆君外一名から、それぞれ三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。
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平成九年度一般会計予算、平成九年度特別会計予算及び平成九年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議(中野寛成君外十一名提出)
平成九年度一般会計予算、平成九年度特別会計予算及び平成九年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議(赤松広隆君外一名提出)
〔本号(二)に掲載〕
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/7
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008・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) この際、順次その趣旨弁明を許します。平田米男君。
〔平田米男君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/8
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009・平田米男
○平田米男君 私は、新進党及び太陽党を代表いたしまして、平成九年度一般会計予算案外二案につき、政府が撤回のうえ編成替えを求めるの動議についで、提案理由及び概要を御説明いたします。(拍手)
我が国経済は、今、長期停滞を続ける中で、産業の空洞化、金融不安、雇用の悪化、年金制度等々、深刻な構造的な課題を抱えております、急務の課題は、我が国経済の潜在的な成長力である三%程度の路線に戻すことにあります。しかるに、橋本内閣は、我が国の置かれている状況に対する危機意識が欠如し、問題先送りとつじつま合わせの対策に終始をいたしております。
平成九年度予算案において公共事業を旧態依然のまま踏襲し、平成八年度補正とあわせ一層拡大する一方で、消費税の増税や特別減税の廃止などによって、消費を抑え、景況を一層深刻化させる約十兆円規模の国民負担の増大を強いるなど、時宜を得ない一貫性のない予算編成を行っております。
また、九年度を財政構造改革元年と称しながら、財政健全化目標に示されている「聖域なく見直しを行う」という問題意識に相当する歳出削減等はどこにもありません。国民へのしわ寄せによる消費税の増税分を国債の減額に回しただけで、歳出構造や行政改革への切り込みなど全く行っていないのであります。
また、橋本総理の施政方針演説において強調されたいわゆる六つの改革は、予算に何ら反映されておりません。来るべき少子・高齢社会を展望し、我が国が抱える構造的な課題を考えたとき、ここに至ってもなお改革を無視し問題解決の先送りを重ねることは、もはや反国民的行為と言わなければなりません。昨今の円安、株安の進行は、まさに橋本内閣に対する内外からの不信任の表明であります。
我々新進党は、我が国経済の再生と国民生活立て直しを図るため、大幅な減税を柱とする経済構造の改革や、国、地方を通じた行財政改革など、抜本的な大改革の推進を主張してまいりました。
現下の厳しい経済情勢に対応し、中長期的な経済の構造改革を進めるためには、規制の撤廃・緩和等を徹底して推進するとともに、国民の可処分所得をふやし消費の拡大を図ることによって民間投資の回復を図り、民間産業の振興を図るべきであります。また、あわせて金融の空洞化を防ぎ、直面する金融システムへの不安を解消するためにも、証券市場における活性化や国際的な制度の調和化あるいは土地の流動化の促進等のための措置が不可欠であります。
所得税、法人税その他の税制の抜本的な改革の必要性を踏まえつつも、当面する経済の活性化及び経済構造の改革に資するために、これ以上の景気の悪化を防ぎ国民生活を守るために、緊急措置として、政府に対し、平成九年度予算案を以下の重点事項に基づいて組み替えるとともに、施策の充実を求めるものであります。
以下、組み替えの重点事項について申し述べます。
その第一は、消費税率の据え置きであります。
国民大多数の声を全く無視して実施しようと予定している平成九年四月一日からの消費税率の五%への引き上げを行わず、三%のままに据え置くべきであります。(拍手)
第二は、特別減税の継続であります。
国民生活を守り可処分所得をふやすことによって、GDP、国内総生産の約六割を占める消費を喚起し民間産業の振興を図るためにも、平成八年度に引き続き、少なくとも所得税、住民税の特別減税を実施すべきであります。(拍手)
第三は、資本市場の活性化対策についてであります。
金融機関等の抱える不良債権問題の解決と金融・資本市場の空洞化を抑止するためには、資本市場の活性化は必要不可欠な措置であります。このため、資本市場活性化のネックとなっております有価証券取引税について廃止をするとともに、オプション、先物取引に係る取引所税を廃止するべきであります。
第四は、土地の流動化等に関する措置であります。
不良債権問題の処理には土地の流動化対策は不可欠であり、そのための隘路となっている税制については是正するべきであると考えます。したがって、地価税についてはこれを課さないこととし、また法人の長期所有土地等の譲渡益に対する特別課税を適用しないこと、あわせて法人の新規取得土地等に係る負債の利子の課税の特例について適用しないこと、さらには個人が土地等を取得するために要した負債の利子に係る不動産所得の損益通算の特例制度は適用しないこと、これらの措置を講ずるべきであります。
なお、これらの組み替えに伴う歳出歳入措置に係る財源については、政府において、歳出について聖域を設けず思い切って見直しを行うとともに、公共事業における事業単価の見直しや優先順位の明確化、経常経費における不要不急な経費の思い切った節減などを行うとともに、歳入面においても公債発行等を含め万全の措置を講ずるべきであります。
以上が、動議の概要であります。
議員各位におかれでは、何とぞ本動議の趣旨を御理解いただき、御賛同賜りますようお願いをいたしまして、私の趣旨弁明を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/9
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010・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 中沢健次君。
〔中沢健次君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/10
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011・中沢健次
○中沢健次君 私は、民主党を代表して、平成九年度一般会計予算、平成九年度特別会計予算及び平成九年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議についで、提案理由及びその概要を御説明いたします。(拍手)
提案に先立ち、昨日の我が党の予算組み替え要求に対する与党三党の回答について一言申し上げたいと存じます。
この回答において、与党は、歳出削減についで、予算成立後、閣議で経費節減合理化の努力目標を明らかにするよう政府に申し入れたいと表明されたわけでありますが、もし現段階において既に歳出圧縮の必要性で与党三党が一致しているのであれば、政府はメンツにこだわることなく、予算案を撤回し、みずから組み替えを行うことこそ本筋ではありませんか。
基本方向において一致しているにもかかわらず、国会を舞台に予算の修正を行わず、予算成立後、政府・与党の中だけで歳出削減を行おうということでは、国会軽視であるばかりではなく、密室政治のそしりを免れず、到底国民の理解を得られないのであります。
政府は、平成九年度を財政構造改革元年と位置づけ、歳出全般について聖域を設けることなく徹底した洗い直しに取り組むと明言したわけでありますが、提出された予算を見れば、それは財政再建の一歩を記すというには、余りにも不十分な内容であると言わざるを得ないのであります。
特に、消費税率の五%への引き上げと所得税、住民税減税措置の打ち切りにより、国民に約七兆円の負担増を強いながら、財政構造の根本的改革のために不可欠な従来型の公共事業からの転換、また特殊法人のリストラなど根本的な見直し要求に対して全くこたえていないことは重大であります。政府予算案は財政構造改革のための予算ではなく、まさしく構造改革なき負担増予算と断言せざるを得ません。(拍手)
したがって、民主党は、目に見える歳出削減に着手するとともに、既得権益の温床となっている公共事業のあり方を見直し、経済と国民生活の再生を図ることを平成九年度予算から始めるべきであると考え、以下の基本方針に基づいて予算を組み替えることを求めるものであります。
その第一は、公共事業費のコスト削減と公共事業長期計画の繰り延べ、特殊法人などへの補助金、補給金の削減であります。
公共事業コストについては、資材費などの低減、用地費、機械賢、管理費、労務費などの一割程度の削減を行うこととし、総額二百六兆円と言われている十六本の公共事業長期計画については、不要不急の公共事業の実施を繰り延べるとの観点から、住宅、道路整備、農業・農村整備、治山治水、海岸、漁港などの事業計画を二年から三年程度繰り延べることであります。
また、特殊法人、公益法人については、住宅金融公庫、日本道路公団への補給金の減額、住宅・都市整備公団、農用地整備公団、水資源開発公団などへの補助金の削減、その他の公団、事業団への交付金の削減によって、相当額の補助金、補給金、交付金の減額を図るものであります。
第二は、赤字国債を財源とする減税や歳出増は行わず、可能な限り赤字国債の減額を追求することであります。
第三は、特定財源の見直しであります。
特に、揮発油税などの道路特定財源の一般財源化を図り、特別会計の整理統合を断行することによって、財政構造の改革を推進し、将来の総合交通網整備や旧国鉄長期債務償還のための財源を確保することが可能となります。
第四は、行政改革、財政構造改革による削減された予算の使い道についてであります。
民主党は、このようにして削減された費用については、その半額を将来世代の負担軽減のため、公債費の削減に充て、残りの半額を現役世代の負担軽減のため、所得税特別減税と阪神・淡路大震災被災者への生活支援等の措置に充当することを強く求めるものであります。(拍手)
最後に、財政構造を着実に改革し、市民主導の行政システムを確立していくために、行政監視院を設置し、あわせで総務庁行政監察局を廃止することを強く求めるものであります。
以上が、我が党提出の動議の概要であります。
議員各位におかれましては、平成九年度を文字どおり財政構造改革元年とするために、本動議に対して御賛同を賜りますようにお願い申し上げまして、私の提案説明を終わります。(拍手)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/11
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012・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) これより、予算三案に対する討論と、動議に対する討論とを一括して行います。順次これを許します。小里貞利君。
〔小里貞利君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/12
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013・小里貞利
○小里貞利君 私は、自由民主党を代表し、ただいま議題となりました平成九年度一般会計予算外二案に対し、賛成の討論を行うものであります。(拍手)
まず、討論に先立ちまして、在ペルー日本大使公邸占拠事件について一言申し上げます。
現在、事件解決に向けての進展が見られるものの、依然としてその先行きは不透明であります。人質とされている方々の心身の健康状態も危惧され、その御苦労はいかばかりかと存じます。また、御家族、関係者の御心痛も察するに余りあるものがあります。政府におかれましては、一日も早い平和的解決に向けて全力を挙げて取り組まれんことを、この際、強く要望いたします。
まだ、ナホトカ号の重油流出事故による被害は甚大なものがありますが、関係者等の御努力に対しまして、この際、深甚なる感謝と敬意を表するものであります。
さて、平成九年度予算についてでありますが、私は本予算に全面的に賛成するものであります。(拍手)
以下、賛成する主な理由を申し述べます。
その第一は、財政健全化に向けて大きな一歩を踏み出す予算となっていることであります。
既に御承知のとおり、今や我が国の財政状況は先進国中最悪の状況となっております。今後、我が国は本格的な高齢・少子社会を迎えることとなり、医療、年金、福祉等の社会保障分野において財政需要の増大は避けることができません。こうした事情のもとで、我が国が活力ある経済社会を維持し、将来世代に過度の負担を残すことのないようにするため、財政構造改革に正面から取り組むことは喫緊の課題であります。
このため、政府は、平成九年度を財政構造改革元年と位置づけ、本予算編成に当たっては、各般の制度改革に大胆に取り組むとともに、歳出全般についても徹底した洗い直しを行っているのであります。すなわち、本予算は、一般歳出を前年度に比べて一・五%の伸び率に抑え、消費者物価上昇率の見通し一・六%をも下回る、実質伸び率ゼロ予算となっております。また、歳入面においては、特例公債を四兆五千億円以上減額し、昨年十二月に閣議決定された財政健全化目標のうち、現世代の受益と負担を均衡させるというプライマリーバランスを早くも実現しており、財政再建にかける政府の熱意が感じられます。
その第二は、経済構造改革に向けての各般の施策が講じられていることであります。
御承知のとおり、現在、我が国の経済は大きな転換期を迎えております。国際化の進展、人や企業が国を選ぶ、いわゆる大競争時代の到来という大きな潮流変化の中で、さまざまな構造的諸問題が顕在化し、我が国経済社会の先行きに不透明感と閉塞感をもたらしております。経済社会構造の抜本的改革による強靱な経済基盤の確立なくしては、豊かな国民生活、健全な財政、質の高い福祉などの実現は不可能であります。
かかる観点から、本予算においては、新規産業の創出等を図る創造的、基礎的研究の充実強化が図られているほか、情報通信の健全な発展、産業の空洞化対策、中小企業対策等に配慮がなされております。
経済構造改革推進の先兵となる科学技術振興費は、前年度に比べ実に一一・九%増の八千四百九十三億円が計上されております。我々が平和で質的に豊かな生活を実現していくためにも、科学技術のさらなる発展に期待するところは極めて大きいものがあり、まことに妥当適切な措置と言えるのであります。
その第三は、公共事業関係費におきましてめり張りのきいた予算配分がなされており、欧米諸国に比べ著しくおくれている社会資本整備の推進等が図られていることであります。
本予算においては、公共事業関係費は前年度に比べ一・三%増と一般歳出の伸び率を下回る低い伸びであるにもかかわらず、経済社会の要請が、産業重視から生活重視、ハード重視からソフト重視へと質的に大きく変化していることを踏まえ、国民生活の質の向上、次世代の発展基盤の整備、防災対策及び自然環境等に資する分野に重点的、効率的な投資が行われております。
なお、整備新幹線建設事業費として、昨年度と比較いたしましてマイナス二百六十六億円の一千七百三十五億円が計上され、そのうち新規着工区間分として百億円が確保されており、これを批判する向きもありますが、計画沿線の十六道府県、四千万にも及ぶ関係住民の長年の悲願であり、かつまた、二十一世紀の交通体系の構築を見据え、国土の均衡ある発展、環境保全、地域経済の振興などを図る観点と、採算性やJR等の意見を参考にしながら、その整備が強く望まれるものであります。
公共事業関係費については、予算のばらまきとか配分比率が変わっていないとかの指摘がありますが、いま一度予算書をよく見ていただきたいのであります。すなわち、事業別の伸び率をつぶさに見てみると、例えば、高規格幹線道路が一三・七%、河川堤防耐震化事業に至りましては実に二〇三・四%もの高い伸び率となっているのであります。防災公園、森林環境整備等またしかりであり、弾力的な重点性のある内容となっております。巷間の指摘は正確さを欠き、真実を伝えておりません。
また、公共事業は当面の景気対策としましても極めて有効な政策手段であります。もとより構造改革下の公共事業は効率的な投資が強く求められるものであり、内容を厳しく吟味した上で、将来の日本の活力を維持すべく、推進すべきは力強く推進していかなければなりません。
その第四は、簡素にして効率的な行政の実現を目指し、行政の制度運営について徹底した見直しが行われていることであります。すなわち、特殊法人の統廃合を進めることとしているほか、補助金等については一層徹底した見直しを行い、その廃止や一般財源化等の整理合理化を積極的に推進していることであります。
以上、四点にわたり賛成の理由を申し述べましたが、最後に、討論を終えるに当たりまして、一言申し上げたいと存じます。
橋本総理は、就任以来、一貫して沖縄問題の解決に心血を注いでまいられました。その沖縄を思う揺るぎない政治姿勢に強い感銘を覚えるものであります。沖縄問題は、今まさに正念場を迎えております。沖縄の心を心として厳しく受けとめ、その解決に当たらなければならないことは当然であります。政府一丸となった万遺漏なき対応を強くこの機会に求めるものであります。
さて、我が国は多くの困難に直面しており、まさに歴史的岐路に立っているのであります。剣道で言うところの「遠山の日付」よろしく、橋本総理が、社会全体をとらえ、六つの要請の改革を標榜したのはまことに時宜にかなったものと高く評価するものであります。(拍手)
橋本総理は、これらの改革の取り組みに並々ならぬ不退転の決意を示されておりますが、これらの改革を断行するにはさまざまな障害や困難が伴うのもまた事実であります。宰相の印綬を帯び、はや一年余り。今や総理としての風格も十分備わり、橋本総理に寄せる国民の期待は大なるものがあり、必ずや国民の期待にこたえていただけるものと確信をいたしております。
六つの改革の成否は、二十一世紀の日本の命運に直結するものであります。活力に満ちあふれた日本を創造するため、我が自由民主党は一致結束いたしまして橋本内閣を支持していく決意であります。山積する内外の諸問題の解決に向けて、後顧の憂いなく敏腕を振るわれ、勇往邁進されんことを強く期待いたすものであります。
なお、新進党及び太陽党共同提出の撤回のうえ編成替えを求めるの動議並びに民主党提出の撤回のうえ編成替えを求めるの動議につきましては、いずれも見解を異にするものであり、反対の意思を表明することとし、私の賛成討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/13
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014・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 二階俊博君。
〔二階俊博君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/14
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015・二階俊博
○二階俊博君 私は、新進党を代表いたしまして、政府提出の平成九年度一般会計予算外二案に反対し、新進党及び太陽党提出の動議に賛成する立場から、討論を行います。(拍手)
平成九年度予算に対する内外からの要請は、当面する長期停滞する経済を活性化するとともに、中長期的な視点から、経済、財政、社会保障、教育、行政等の各分野の改革に取り組むための具体的な第一歩であるはずでありました。
しかしながら、橋本内閣は、本予算において、景気対策としては比較的効果の薄い従来型の公共事業を踏襲する一方、消費税の五%への引き上げや特別減税二兆円の廃止など約十兆円規模の国民負担の増大を強いることによって、消費を抑え、景気にブレーキをかけるといった一貫性のない誤った政策判断を下しています。
予算が時の政権の看板とすれば、まさにみずからの政権延命だけを目的とした、国民の願いとは逆行する反国民的な予算となっております。我が国の現在と将来に対する危機感の欠如した欠陥予算と言うほかはありません。
マクロ経済の動向を配慮することなく、官僚の発想に基づく教条的な財政再建論だけにとらわれて、経済のデフレ化を招き、近い将来にはより大きな財政赤字をもたらさざるを得ないその責任は実に重大であります。もし、ささやかれている金融危機が現実のものとなれば、それは挙げて政府・与党の責任であります。やがて、国際社会からも、我が国に対して外需に頼らない内需拡大策への圧力がいよいよ強まることは必至と思われますが、そうした事態を招けばこれまた政府・与党の責任はさらに重大であります。
新進党が予想するとおり、平成九年度の経済が落ち込んできた場合、我々が主張している内容の積極的な経済活性化策が必ず必要となってくるであろうことを、この際、改めて指摘しておきたいと思います。
以下、順次本予算案に反対する理由を申し述べます。
反対する理由の第一は、改革なき増税予算であり、国民に大きな負担をもたらす内容であるからであります。
本予算案は、八割を超える国民が大反対している消費税の増税という大きな負担を国民に求めたにもかかわらず、政府みずからは、歳出の削減も思い切った行政改革についても格別の配慮がなされておりません。民間では、失業率三・三%という数字が示すような過去最悪の雇用状況が続く中で、金融機関等の不良債権の処理や、金融あるいは産業の空洞化などにいかにして対処しようとしているのか、経済の活性化をどう図ろうとしているのか、一切明らかとなっておりません。今後の国民生活や経済の構造的な課題に対し、その展望を政府が国民の前に明確に指し示すべきでありますが、全く不透明であり、不明確なままであります。
まさに国民の期待と遊離した、問題先送りに終始した予算と言わざるを得ません。連立政権の維持だけを目的とした橋本政権与党の体質とその実態だけを忠実に反映した予算となっているのであります。
反対する第二の理由は、行財政改革について何らの措置を講じていないことであります。
行財政改革は、橋本内閣の最大の課題のはずでありました。橋本総理は、六つの改革として、改革の対象範囲を言葉の上では広げてしまいましたが、その優先度、具体的スケジュールも明らかでなく、残念ながら実態は全く伴っておりません。例えば行財政改革にも金融システム改革にも深く関連する郵政事業の取り扱いについて、閣内不統一をさらけ出すといった状況であります。また、平成九年度を財政構造改革元年と称しながら、国民へのしわ寄せによる消費税の増税分を国債の一部減額に回しただけであります。ただ増税してわずかばかりの国債を減額する程度のことならば、だれでもができることであり、財政再建元年の名にはほど遠いと言わざるを得ません。(拍手)
予算審議の最中であるにもかかわらず、与党間において、予算の執行段階で減額するかのような協議が行われておりますが、それはまさにごまかしと言うしかありません。当初予算の段階で減額補正に言及するのなら、本予算案において明確に措置すべきことは当然であります。そもそも本予算の不備を補正予算で手当てするなどということは、あしき慣例であり、これこそ財政構造改革の名に逆行するものであります。
反対する理由の第三は、予想される景気後退に対する経済活性化及び構造改革に対する措置が全く盛り込まれていないことであります。
我々新進党はこれまで、経済の回復なくして財政再建は達成し得ないということを再々主張しております。さらに、当面する深刻な経済状態を活性化し構造改革を断行するために、勤労意欲や投資意欲を高めるため、大幅な直接税の減税を柱とする民間主導型経済構造への改革や、国、地方を通じた行財政改革に積極的に取り組むなど、抜本的な大改革の推進を提唱してまいりました。規制の撤廃・緩和等を徹底して推進することはもちろん、消費の拡大を図り、民間投資の意欲を回復させ、需要供給の両面から民間経済の振興を図ることを主眼とするものであります。本予算案にこれら民間経済の振興のための具体策が欠如していることは、当面する厳しい経済状態に対しほとんど無為無策ではないかと言わざるを得ないのであります。
特別減税の継続に対する勤労者階層などを中心とした国民の強い要請や労働団体の要求を全く無視したような与党各党の態度は、国民とりわけ勤労者階層に対してさえも明白な裏切りと言うべきであります。
反対する理由の第四は、金融の空洞化を防ぎ、直面する金融システムへの不安を解消する措置が全く講じられていないことであります。
不貞債権の問題が表面化してからでも、既に四、五年が経過しております。証券市場の活性化、国際的な制度との調和あるいは土地の流動化等の促進は、不良債権の処理の上からも、我が国の金融システムの空洞化回避の面からも、今最も必要にして不可欠な措置だと言わなければなりません。
所得税、法人税その他の税制についての抜本的な改革の必要性を踏まえつつ、当面する経済の活性化及び経済構造の改革に資するための税制改正措置を緊急に講ずることは急務であります。
我々新進党は、これらの観点から、多くの国民が憂慮しているこれ以上の景気の悪化を防ぎ、国民生活を守るために、緊急措置として、政府に対し、消費税率の据え置き、所得税、住民税の特別減税の継続、有価証券取引税等の廃止、地価税の凍結等を柱として、本予算案の撤回、編成替えと施策の充実を政府に求めたところであります。
以上、政府提出の平成九年度予算三案が、今日、国民的要請にこたえるものでないことは明らかであり、政府提出の予算三案に反対し、新進党及び太陽党提出の動議に賛成する主な理由を申し述べました。
なお、民主党提案の組み替え動議は、若干意見を異にする部分があり賛成いたしかねることを申し上げ、私の討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/15
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016・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 前島秀行君。
〔前島秀行君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/16
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017・前島秀行
○前島秀行君 私は、社会民主党・市民連合を代表して、ただいま議題となっております平成九年度予算三案に対し、賛成の討論を行うものであります。(拍手)
我が国財政は、主要先進国の中でも最悪の財政赤字を抱え込み、引き続き危機的な状況になっております。今後の少子・高齢化の一層の進展を踏まえれば、次の世代に過大な負担を残すことのないよう財政構造改革を本格的にすべきことは、党派を超えた喫緊の課題であろうと認識するところであります。平成九年度予算三案は、このように危機的な我が国の財政状況を踏まえた上で、財政構造の抜本改革の端緒を開こうとする姿勢が見られるものとして評価するものであります。
この見地に立ち、まず、本予算案に賛成する主な理由を申し述べます。その上で、国民の批判にも真摯にこたえていく政府・与党の態度を明確にするという意味からも、二月二十五日の我が党の申し入れに対する政府の誠実な取り組みをあわせて求めておきたいと存じます。
さて、賛成する第一の理由は、ただいま申し上げましたように、平成九年度予算三案が財政構造改革の取り組みを開始したものであるということであります。
一般会計予算においては、歳出全般について聖域を設けることなく洗い直しに取り組んだ結果、一般歳出の伸び率は一・五%と平成元年度以降最も低い伸び率になっております。平成九年度の消費者物価上昇率見通しが一・六%であることからすれば、実質伸び率ゼロの予算と言えるものであります。
また、焦点となっている防衛関係費においても、SACO関連経費を含めた伸び率を二・一%に抑えることができたのは、前年度が二・六%であったことからも、国民の一定の評価を得られるものと考えるところであります。
もとより、一部野党の乱暴な削減論にくみすることは我が党の選択ではないことは言うまでもありません。今政治に求められているのは、社会保障費を目の敵にするような単純な削減論ではなく、暮らしに直結する社会資本整備や、立ちおくれている高齢者介護、育児、障害者ケアなどの社会的サービス等の着実な進展を保証する生活重視型歳出構造への転換であり、そのための大胆な財政シフトを断行できる実行力だと私は訴えたいのであります。(拍手)
賛成の理由の第二は、厳しい歳出削減に取り組む一方、豊かな国民生活の創造に向けて、限られた財源の重点的、効率的配分を行おうという工夫と努力の跡がうかがわれるからであります。
具体的には、公共事業関係費につきまして七年ぶりに、前年度当初予算と実質的に同水準とすべく抑制基調を貫くことができました。しかし、施工単価等が国民の常識からして高過ぎるという声には率直に深く耳を傾けなければいけないと思います。その徹底した効率化を図り得る具体的な手だてを今後必ずや講じていくということを前提に、引き続き、国民生活の質の向上に直結する分野や、阪神・淡路大震災の教訓を生かす防災対策の充実、自然環境への配慮等の課題にも、生活者の視点に立ちつつ改善を進めていくことを与党全体で確認したいと存じます。
国民生活優先の姿勢が顕著な例としては、例えば、国民が注目する雇用対策に対し、現下の雇用失業情勢に機動的に対応するとともに、中長期的な産業構造変化や本格的な高齢化に対応するため、失業なき労働移動と新規雇用創出の支援、高齢者や女性が働きやすい環境の整備等に施策の努力をうかがうことができるのであります。
環境保全対策につきましては、平成六年十二月に策定された環境基本計画の具体化が進められるとともに、所要の環境保全経費が計上されております。さらに、温暖化等の地球環境問題についても、その解明と解決に向け貢献していくべく重点的に配分が行われているのであります。
このほか、中小企業対策費や農林水産関係予算につきましても、施策の重点的、効率的な展開を図ることとしております。これらは、いずれも厳しい財政事情のもとで生活者重視の観点を踏まえて行われるものであり、適切な選択であると考えられます。
賛成の理由の第三は、社会経済情勢の変化に即応して、簡素で効率的な政府の実現に向けて、行財政改革の推進の努力が見られる点であります。
特殊法人については、統廃合等によって改革の実効性を高めることとしているほか、補助金等につきましては、地方分権の時代を展望しつつ、地方行政の自主性の尊重、財政資金の効率的使用の観点から、徹底した見直しを行い、その廃止や一般財源化等の整理合理化をさらに積極的に推進しなければならないと考えています。
以上のとおり、今回の予算案は、厳しい財政事情のもとで、歳出抑制に努力し、重点的、効率的な配分による生活重視型予算と評価しつつも、予算に対する国民の批判は厳しいものと受けとめざるを得ません。
我が党は、予算審議の終局に当たって、九年度予算の執行段階で節減の実を上げ、その使途は、減税の実現を初め、景気回復、生活と消費に資することを最優先するとともに、国債発行減額にも振り向けること、医療保険制度改革については、国民生活に配慮する立場から、抜本的改革を優先し、国民的理解を求め、慎重に対処すること、消費税については、逆進性緩和や益税解消等にさらに努力するとともに、税制特別委員会を開催して、制度的欠陥の見直しに速やかに着手することなどを柱とする申し入れを政府・自民党に行い、回答を求めてまいりました。名実ともに国民本位の予算へと磨き上げていくためにも、我が党の申し入れに対し、確認メモを含め、政府の具体的、誠実な対応を改めて強く求めるものであります。(拍手)
同時に、我々社会民主党も、国民の要望と期待にこたえつつ、与党としての責任を全うし得る立場を確認した上で、本予算案を一日も早く成立させ、諸課題に適切に対応するとともに、緊急を要する行財政改革に全力を尽くすことを表明するものであります。
なお、新進党及び太陽党提出の平成九年度予算三案を撤回のうえ編成替えを求めるの動議並びに民主党提出の平成九年度予算三案を撤回のうえ編成替えを求めるの動議については、いずれも見解を裏にするものであり、反対することを明らかにして、私の本予算案賛成の討論といたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/17
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018・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 細川律夫君。
〔細川律夫君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/18
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019・細川律夫
○細川律夫君 私は、民主党を代表して、政府が提案している平成九年度一般会計予算外二案に対し撤回のうえ編成替えを求める我が党の動議について賛成し、政府が提案する平成九年度予算案外二案に反対する立場から、見解を述べ、討論をいたします。(拍手)
まず最初に、我が党が提案する平成九年度予算案に関する編成替え動議に対して、これを取り入れることによって財政再建元年の予算にふさわしい内容とすべきその努力を全く行わず、惰性的な既得権維持のための予算内容をそのままにし、しかも、討論の場たる本会議や予算委員会でのたび重なる指摘にもかかわらず、その修正を認めようとしない政府の態度に強く抗議をするものであります。
一体、だれが財政再建元年を語ったのでありましょうか。橋本総理は、みずからその方針を高々と掲げながら、今日に至るまでそのリーダーシップを発揮することなく、その間の我が党を初めとする一連の議会質問に対しても、専ら官僚答弁に終始したのであります。
このような惰性的な予算の編成をそのまま続ける姿勢は、必ずや将来世代に大きなツケを回すことにほかならず、到底責任ある政治の姿とは言えないのであります。それどころか、現在の国民に大きな負担増をお願いしておきながら、それに対応する努力を一切見せようとしないこういうやり方は、政府と政治に対する国民のより一層の不信感を暮らすものであり、橋本内閣の責任は極めて大きいものと言わざるを得ないのであります。
これに対して、民主党が提案する平成九年度予算案の編成替え動議は、現在の世代に対してはもとより、将来の世代に対しても責任の持てる予算内容にし、かつ、政府みずから掲げる財政再建元年によりふさわしいものに切りかえようとするものであります。
第一に指摘をしたいのは、政府予算案は構造改革を欠いた予算であり、その場しのぎの予算でしかないという点であります。
予算のすべての分野にわたって見られる既得権と族議員に縛られた硬直した公共事業や特殊法人のあり方、特定財源等を抜本的に見直し、その膨大なむだを解消しなくてはなりません。そうした構造改革を行えば、民主党の主張する三兆四千億円相当の歳出削減は十分可能なのであります。
歳出の見直しを求める我が党の予算質問に対し、橋本総理は、聖域を設けることなく徹底した歳出の洗い直しに取り組む旨を繰り返し発言されました。にもかかわらず、平成九年度予算案に関しては一切の見直し要求を退け、すべてを平成十年度以降に先送りしたのであります。一体、これはなぜでありましょうか。なぜ、それができないのでありましょうか。私は、その理由は二つあると考えるのであります。
一つは、総理自身が官僚をリードする強い意思に決定的に欠けているということであります。
国会での議論を踏まえ、その成果として、大胆に総理の指導力を発揮して歳出の思い切った削減を指示するならば、橋本総理は日本政治史上にも残るリーダーとして記憶されることも十分あり得たと考えられます。にもかかわらず、あえてそれを避け、省庁縦割り型の既得権予算案を今日まで擁護し続けたことは、まことに情けなく、かつ、もったいないことでもあります。橋本総理は、それほどに官僚制を信頼されているのでありましょうか。
歳出削減に踏み込むことのできない二つ目の理由は、総理自身が総裁を務めておられる自民党族議員体質の改革に正面から挑む決意が欠けている点にあります。
さきの本国会の代表質問において、我が党の菅代表が、橋本内閣が掲げる財政再建、行政改革の足を引っ張るのは、野党の我々ではなく、総理自身が属する自民党そのものとなるであろう、こう警告を発していたように、見事にそのシナリオどおりの筋書きで推移してしまったのであります。ここに問題の本質があると言わなければなりません。
民主党は、ウルグアイ対策関連農業予算、整備新幹線と旧国鉄の長期債務問題、住宅、河川、道路等の公共事業の問題について、党の代表を交えて厳しい党内議論を繰り広げております。それは、今日の日本の財政の現状を変革し、財政構造の改革に挑戦する上で欠くことのできないプロセスであると判断するからであります。
一体、総理は、二重三重の会議に検討をゆだねても、みずから自民党総裁としてこうした議論を巻き起こし、一つでも改革の道を前に進もうとしたことがあるのでありましょうか。私には一向にその姿が見えないのであります。
次に、第二として私が主張したいのは、我が党が求める歳出削減の実現を前提に、その成果を、一つは将来の世代に対する責任を、いま一つは現在の世代に対する責任を果たすために活用したいというものであります。
歳出の削減によって生じた財源は、その半額を国債発行額の削減に充て、残りの半分の多くを、消費税二%アップなどおよそ七兆円規模の負担急増に直面する国民の皆さんに対する緩和措置として充てるべきだと提案をしているのであります。
今期待されていることは、常に国民の声に耳を傾け、必要なときには大胆に決断し、行動をしてみせることであります。天文学的な財政赤字の現状に、国民の多くは将来に不安を抱いております。必要なのは、平成九年度予算の段階から、その不安を解消すべく、国債発行額の削減に踏み切ることであります。また、国民生活を覆う負担急増感を少しでも解消する努力を示すのが政治にできることだと考えるのであります。こうした国民生活と財政再建の双方に寄与しようとする民主党のこの提案を、いかなる理由で退けるのでありましょうか。納得できないことであります。
第三の内容は、阪神・淡路大震災被災者に対する支援に係る予算措置のための組み替えてあります。
我が党は、新進党及び太陽党と共同提案したさきの平成八年度補正予算に対する修正要求においても、重油流出事故対策の場合と同じような必要な措置についてはすぐにでも予算に計上する機動性が必要だと主張したのでありますが、総理は覚えておられると思います。
地震発生から三年目を迎えた今現在も三万八千世帯が仮設住宅に暮らすなど、被災者の生活再建が著しい困難を抱えている現状に対する政府の姿勢は、余りにも無情と言わなければなりません。政治に心がないと言わなければなりません。真に緊急性と強いニーズを持つ阪神・淡路大震災の被災者に対する支援策の充実については、全くこれを無視するその姿勢に憤りすら覚えるのであります。まさに、無為無策の橋本内閣を持った国民は不幸であります。(拍手)
さて、先日、与党三党と民主党の間で、政府のかたくなな姿勢の中にあっても、政治のリーダーシップを発揮するわずかばかりの望みを残して、平成九年度中における歳出節減について互いに努力する旨の申し合わせが行われました。
その内容は、我が党が提案している予算編成替えにはほど遠いものであり、与党各党の責任はそれによって免れるものではないと判断しているところであります。しかし、一面では、こうした予算成立の勢いの中にあって、立法府に属する政党がぎりぎりのところでその責任を果たすことの確認でもございました。その中で、総理が設置されました財政構造改革会議の場を生かし、一歩でも歳出の見直しや財政構造の改革を平成九年度中に実現する姿勢が重要であるとの共通認識に至ったのであります。
橋本総理は、改めてリーダーシップを発揮するチャンスを提供されたと受けとめ、みずから公言された財政構造改革元年にふさわしい政治的決断をされることをここに強く要請いたします。
なお、新進党及び太陽党の予算組み替え動議についてでありますが、民主党として既に独自の編成替えを提案しており、同党の提案には賛成することができないことをつけ加えさせていただきます。
与党、野党を問わず、私たちは今、子供たちが将来安心して暮らせる、平和で安全な、そして繁栄の中にも自然環境のとうとさを失わない社会を築いていくために、今の政治を考えなくてはなりません。そのためにも、停滞し硬直した行財政を早急に改革していかなくではならないのであります。民主党は、改革のためにそのすべてを尽くしてチャレンジすることを申し上げ、私の意見といたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/19
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020・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 山原健二郎君。
〔山原健二郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/20
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021・山原健二郎
○山原健二郎君 私は、日本共産党を代表し、九七年度政府予算三案に対して、反対の討論を行うものであります。(拍手)
反対の最大の理由は、本予算案が、我が国戦後史上いまだかつて経験したことのない国民大収奪予算案であるからであります。
消費税増税で五兆円、特別減税打ち切りで二兆円、そして医療保険改悪で二兆円、合わせて九兆円もの負担増を強いるものとなっており、その規模たるや、史上最悪と言われた鈴木内閣の一兆六千五百億円の大増税をはるかにしのぎ、実に五・五倍もの未曾有の大負担を押しつけるものであります。
しかも、重大なことは、政府の経済白書でも「驚くべき例外的な低成長」と指摘しているように、国民が長期にわたる深刻な不況にあえぎ、家計は冷え込み、中小企業は経営難と倒産の危機に直面しているさなかの強行であります。国民一人当たり七万五千円、一家族にすれば三十万円という負担増、これでは景気をますます底冷えさせ、増税不況が到来することは確実と見なければなりません。九兆円もの負担増は、国民に道理もないいわれなき負担を押しつけるだけでなく、日本経済のかじ取りを根本から誤る最悪の選択と言わなければなりません。
総理は、景気に影響がないとは言えない、共産党の指摘は一つの見識と答弁されましたが、それならば、今からでも遅くはありません。国民の意思に基づいて、直ちにこれらの大増税の見直しを行うべきであります。
とりわけ消費税の問題は、国民への公約の重みが厳しく問われています。さきの総選挙では、与党の中でも、凍結、見直し、据え置きを主張した者が多数を占め、現在の閣僚でも八名に上っているのであります。橋本内閣には消費税の増税を行う資格はありません。
しかも、与党としてこの選挙での共通した公約は「国民の厳しい声を受けとめ、総選挙後に税制のあり方について国会において徹底的に審議する。そのために国会に特別委員会を設置する」というものでありました。第二次橋本内閣の発足に当たりましての与党三党の政策合意においても、この公約を再確認していたのではありませんか。
ところが、この特別委員会は昨年の臨時国会でたったの一日、それもわずか七時間しか開かれておりません。今国会に至っては、我々の重ねての要求にもかかわらず、一日も開かれていないのであります。九百万に上る増税中止を求める請願が付託されているのは税制特別委員会であることは明らかです。九百万の声に一顧だにせず、審議もしないということが行われてよい道理はありません。このように、公約を二重三重に裏切って膨大な国民負担を押しつけるなどということは、まさに民主政治を根本から否定するものであり、国会の自殺行為と言わなければなりません。
国会に寄せられた増税中止を求める請願署名は九百万人を超え、医療保険改悪反対署名は三百万人、合わせれば一千二百万人余に達しています。自治体の消費税増税反対の決議も六百八十三市町村に上っています。最近のマスコミ報道では、消費税引き上げ反対が八三・八%にも達し、まさに列島は深い怒りの声に包まれているのであります。
日本共産党は、この天の声、地の声ともいうべき国民世論にこたえ、四月一日からの増税中止の措置を政府がとることを改めて要求するものであります。(拍手)
反対理由の第二は、財政危機を言いながら、一方では、財政上の浪費構造を温存し拡大する予算であるからであります。
この間、公共事業の浪費が大問題になりました。百億円の釣り堀と言われる福井港、減反しながらの農地造成・干拓事業、しかもこれから二十一世紀にかけて二十五兆円もつぎ込む首都機能の移転問題。まさに、自治体を巻き込んでゼネコン奉仕型の巨大開発の裏に巨額の借金の山を築き、そのツケの解消に国民の血税を投入するということが繰り返されたのであります。これが今日の深刻な財政危機の元凶であることは、もはや国民の常識になっています。
この大もとには、アメリカとの約束である六百三十兆円の公共投資基本計画による、初めに総額ありきの枠組みがあります。これを取り払えと追った我が党の追及に対し、橋本首相も、聖域とせず検討すると言わざるを得なかったのであります。一かけらの誠意があるならば、公共投資基本計画と各分野の長期計画を白紙に戻し、巨大プロジェクトは中止凍結すべきであります。この浪費構造に指一本触れることせずして国民に大負担を押しつけるがごときは、言語道断と言わなければなりません。
第三に、医療保険の大改悪が実施されようとしていることであります。
健康保険本人負担を一割から二割に引き上げ、また、七十歳以上のお年寄りの患者負担の引き上げ、薬代に新たな自己負担の増大など、これだけで二兆円もの負担を押しつけるのであります。この医療改悪は、金の切れ目が命の切れ目という情け容赦のない、国民の命と健康に対する攻撃と言わなければなりません。
論戦を通じて明らかなように、医療保険財政の赤字原因は、製薬大企業や病院寝具、医療用給食業界などのぼろもうけを許し、医療費の中の膨大な浪費を温存する一方、公的責任を投げ捨て、国庫負担を削ってきた政府の医療政策の破綻によるものであります。
医療保険財政の赤字を言うならば、真っ先にメスを入れなければならないのは、異常に高い薬価、すなわち薬の値段であります。とりわけ新薬の価格が欧米に比べて異常に高く、使用割合も大きいことが薬剤費を巨額なものにしております。この高薬価構造にメスを入れれば、二、三兆円の財源を生み出すことができるのであります。橋本首相も、また小泉厚生大臣も、薬価基準の見直し、薬価の透明化を図っていくと答弁せざるを得ませんでした。薬価構造にメスを入れずして国民に負担増を求めるのは、本末転倒、非情冷酷な予算と言わなければなりません。
大企業への優遇税制も同様です。我が国の大企業は、数々の特例措置により税負担率二八・二%と、ただでさえ欧米諸国に比べて少なくなっています。ところが、橋本首相自身、法人税引き下げの可能性を否定しなかったのであります。その一方で国民に増税を押しつけるということは、不公平をさらに押し広げるものと言わなければなりません。浪費と不公平をそのままにして、何が財政構造改革元年かと言いたい。国民を愚弄するにもほどがあります。
軍事費の突出路線も踏襲されています。新中期防衛力整備計画の二年目の本年度予算は、沖縄県民に基地のたらい回しを押しつける沖縄米軍基地移転経費を含め軍事費二・一%増という、一般歳出の中でも最も高い伸び率を示しています。政府は、正面装備のツケ払いの一部を来年度以降に先送りすることで見かけの伸び率を圧縮するというごまかしを行っていますが、これを含めれば実質的には三・四%の大幅増となっているのであります。
ここ数年、欧米の主要国が軍事費を軒並みに削減する中で、日本だけが軍事費を突出させているのは、まさに異常としか言いようがありません。軍事費の半減を目指して大胆に軍縮に踏み出すことこそが我が国の歩むべき大道であり、憲法の指し示す道と言わなければなりません。
米海兵隊攻撃機による沖縄鳥島訓練場での劣化ウラン弾の大量発射事件に対しましても、政府は、劣化ウラン弾の在日米軍基地での管理情報の確認も、その撤去要求も一切しない、卑屈きわまる恥ずべき態度に終始しているのであります。沖縄県民と日本国民の生命と安全を脅かし続ける元凶である海兵隊を初めとする在日米軍に、二千七百三十七億円もの思いやり予算を出すいわれはどこにもありません。世界への殴り込み部隊である海兵隊やあるいは空母機動部隊の撤去など、米軍基地の撤去返還、思いやり予算の全額削除を改めて要求するものであります。
さらに、政府は、五月十四日に期限が切れる沖縄での米軍基地強制使用をめぐっても、米軍用地収用特別措置法の改悪を行い、安保最優先、米軍基地の確保のため、新たな土地強奪の無法を重ねようとしているのであります。この土地は、半世紀前に、沖縄県民一人一人の胸に銃剣を突きつけるようにして奪い取った土地であります。
日本共産党は、沖縄県民の闘いに連帯しまして、この暴挙を断固葬り去るために全力を挙げることを誓うものであります。(拍手)
ことしは憲法施行五十周年の記念すべき年であります。労働基準法、児童福祉法、教育基本法なども施行五十年を迎えております。しかしながら、本予算並びに政府提出予定法案を見ると、医療保険の大改悪を初め、児童福祉法の抜本見直し、女子保護規定の廃止、大学教員への任期制導入など、どれ一つとっても戦後の民主主義的諸制度を根底から覆す中身となっておるのでございます。私は、橋本内閣が危険で反国民的な政策をあらゆる面で推し進めていることを指摘しなければなりません。
この節目の年、日本共産党は、これらの改悪を断固許さず、国民の命と暮らし、雇用と営業、子供たちの未来を守るために、そして平和で豊かな二十一世紀を切り開くために全力を挙げることをここに表明するものであります。
なお、新進党、太陽党共同提案の組み替え動議及び民主党提出の組み替え動議にはいずれも賛成できないことを申し添えまして、私の反対討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/21
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022・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 堀込征雄君。
〔堀込征雄君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/22
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023・堀込征雄
○堀込征雄君 私は、太陽党を代表して、太陽党、新進党共同提出の平成九年度予算に対し撤回のうえ編成替えを求めるの動議に賛成し、政府提出の平成九年度一般会計外二案に対して、反対の討論を行うものであります。(拍手)
我が国経済は、バブル崩壊後、長期にわたり停滞を続ける中、産業の空洞化、不良債権問題、雇用不安等、種々の問題について根本的な解決策を見出せないまま今日に至っております。また、年初来の円安、株価低迷なども重なり、景気は一向に回復の兆しを見せておりません。
このような状況にもかかわらず、橋本内閣は事態の深刻さに対する認識を全く欠いており、平成九年度予算においても、旧態依然の既得権益化したシェア配分のままのばらまき型公共事業費を計上しているほか、消費税の引き上げに加え、特別減税の打ち切り、医療費の大幅な国民負担増、公共料金の引き上げ等、総額で九兆円以上の負担を国民に押しつけるなど、およそ国民生活への配慮など歯牙にもかけない内容となっています。政府の失政のツケはすべて国民に回すという橋本内閣の政治姿勢を端的にあらわしたのが、まさにこの予算だと言えます。
かかる観点から、政府提出の平成九年度予算は、低迷する経済を完全に失速させ、財政再建を一層困難にするもので、財政構造改革元年予算という看板とは全く正反対の予算と言わざるを得ません。
橋本総理は、去る二月二十日の第二回財政構造改革会議で、歳出カットなどによる増税なき財政再建を目指すと明言されましたが、平成九年度予算は財政再建なき増税路線そのものであります。総理は、なぜ、増税なき財政再建を直ちに平成九年度予算から実行しようとしないのでありましょうか。今、国民は、言葉だけの空手形ではなく、目に見える改革を望んでいるのであります。これ以上改革の先送りを重ねれば、我が国は再生へのチャンスを失い、後世に大きな汚点を残すことになります。
各種の世論調査でも、橋本内閣の支持率は下落し、不支持が急増しております。このことは、橋本内閣の、経済実態、国際社会の中における我が国の置かれた現状を無視した経済財政政策、円安、株安への無策に対する国民の落胆を反映するものであり、国民の橋本内閣に対する失望と不信感を端的に示すものであると考えます。
また、小泉厚生大臣の郵政事業に関する所管外発言に端を発した閣内不統一問題は、橋本内閣が、内閣として種々の改革に取り組む基本方針を明確に定めていないことを物語る象徴的な事例であります。閣内に対立、意見の大きな違いを抱えたまま、思い切った改革など断行できるはずがありません。
我が党は、我が国経済の再生と国民生活を守るため、第一に、日本経済の活性化とデフレ抑制のため、平成八年度に引き続き所得税、住民税の特別減税を行う、二つ目に、高齢化社会の到来に向け、財政の対応能力を高める一方、財政の早期健全化を達成するため、予算の編成については、聖域を設けず、公共事業の縮減や特殊法人に対する補助金等の削減を図る、第三に、土地の流動化を推進するため、土地取引に関する税の軽減を図る、第四に、金融自由化への対応、資本市場の活性化等の観点から有価証券取引税を廃止することなどを従来から主張し、その実現を求めてきたものであります。
さて、現下の国民生活、経済の状況を考えた場合、これ以上の景気悪化は許されません。国民生活の安定と向上に努めることが政府の、そして政治の責任である以上、この際、その原点を再確認し、国民の真剣で切実な要求に対し謙虚に耳を傾け、太陽党、新進党が主張する予算の組み替えを受け入れるべきであります。(拍手)
以下、太陽党、新進党共同提出の動議に賛成し、政府提案の予算に反対する理由を申し述べます。
その第一の理由は、橋本内閣が編成した平成九年度予算には、財政構造改革元年という言葉とは裏腹に、具体的な改革の姿が全く見えていないことであります。
明確に示されているのは、将来に大きな不安を抱えつつある国民に九兆円以上もの負担増を強いていることだけであります。政府がこのような負担を国民に求める場合、それ以前に実施すべき諸施策が多数あると考えます。すなわち、諸経費等の縮減を図るとともに、既得権益化した公共事業について思い切った削減、見直しを図る一方、公共役資基本計画及び各種公共事業長期計画の抜本的な見直しや、特殊法人に対する補助金、補給金を削減すると同時に、その改廃を積極的に進めるべきであります。
政府みずからが痛みを覚悟して行財政改革を断行し、国民の理解を得た上で負担を求めるのが筋道であるはずです。その意味で、旧態依然の改革先送り、ばらまき型である平成九年度予算には大きな失望と疑問を感ぜざるを得ないわけであります。
第二の理由は、経済状況に対する認識の問題であります。
現在、我が国経済は非常に微妙なかじ取りが求められている局面にあり、このデフレ型予算がこのまま実施されれば、景気の下支えをしている個人消費に冷水を浴びせることになり、景気の急激な落ち込みは必至であります。経済そのものが失速すれば、総理の提唱する六大改革など絵にかいたもちと化すことは明白であると考えます。景気回復を確かなものにするためにも、我が党が要求している特別減税の継続は必要不可欠だと考えるのであります。政府に対し、その継続を強く要求するものであります。
第三の理由は、我が国経済を再活性化させるための最大の課題となっている不良債権問題への対応が非常に心もとないことであります。
この不良債権問題を処理するためには、土地の流動化対策が極めて有効であることは論をまちません。しかし、現状は、さまざまな規制が障害となり、土地の有効利用がなかなか進んでおりません。土地取引を活発化させるとともに、景気回復を図るためにも、土地取引に関する税の軽減等土地流動化対策を速やかに実施するよう強く要求をいたします。
第四の理由は、日本版ビッグバンと言われる金融改革の進め方についてであります。
政府は、この問題について、外国為替管理法の改正のみを先行実施させる方針と伺っておりますが、もしこれが事実だとすれば、その結果、我が国の金融市場の空洞化促進、外国資本による国内金融機関の経営権取得等が急速に進展するおそれがあります。我が党としても基本的には金融改革には賛成でありますが、外為法を改正するのであれば、これとあわせて有価証券取引税の撤廃や規制緩和の促進などインフラ整備もあわせて実施しなければ、約千二百兆円とも言われる国内個人金融資産の海外逃避は必至であり、市場の活性化など望むべくもない事態に陥る危険性があります。速やかに有価証券取引税の撤廃を要求するものであります。
探り返して言うならば、この予算案は、財政再建を実行する展望と手法が全く不透明であります。不明確であります。今日の危機的な財政状態を見るとき、財政再建は何としても急がなければならない課題です。しかし、それは、注意深く経済の体力、景気の局面を判断しながら実行されなければなりません。何が何でも増税をし、政府支出を削減する方法だけでは、この局面を打開できないばかりか、日本経済の破局を招くことになりかねません。
九兆円を超える増税と九六年度の政府支出の減額による経済成長失速への懸念は、つとに指摘されているところであります。今、ようやく日本経済は企業利益が好転し、消費主導の景気回復のめどが立ちそうなこのとき、増税と緊縮型の財政政策を発動し、わざわざ冷水をかけようとしている予算案だと言わなければなりません。足元の諸経済指標が景気回復を示唆しているにもかかわらず、株価が思うように回復せず、下落傾向にあるのは、行き先の改革に市場が不信感を募らせていることにほかなりません。速やかに予算案の修正を求めたいと思います。
以上、太陽党、新進党共同提出の動議に賛成し、政府原案に反対する理由を申し上げてまいりました。
なお、民主党提出の動議については、その趣旨においておおむね一致するものの、若干の点において相違があるため賛成できないことを表明し、討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/23
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024・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) これにて討論は終局いたしました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/24
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025・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。
まず、中野寛成君外十一名提出、平成九年度一般会計予算外二案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。
中野寛成君外十一名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/25
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026・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 起立少数。よって、中野寛成君外十一名提出の動議は否決されました。
次に、赤松広隆君外一名提出、平成九年度一般会計予算外二案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。
赤松広隆君外一名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/26
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027・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 起立少数。よって、赤松広隆君外一名提出の動議は否決されました。
次に、平成九年度一般会計予算外二案を一括して採決いたします。
この採決は記名投票をもって行います。
三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
氏名点呼を命じます。
〔参事氏名を点呼〕
〔各員投票〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/27
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028・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖、
投票を計算させます。
〔参事投票を計算〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/28
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029・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
〔事務総長報告〕
投票総数 四百九十八
可とする者(白票) 二百六十七
否とする者(青票) 二百三十一
〔拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/29
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030・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 右の結果、平成九年度一般会計予算外二案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
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平成九年度一般会計予算外二件案を委員長報告の通り決するを可とする議員の氏名
安倍 晋三君 相沢 英之君
逢沢 一郎君 赤城 徳彦君
浅野 勝人君 麻生 太郎君
甘利 明君 荒井 広幸君
井奥 貞雄君 伊藤 公介君
伊吹 文明君 飯島 忠義君
池田 行彦君 石川 要三君
石崎 岳君 石橋 一弥君
石原 伸晃君 稲垣 実男君
稲葉 大和君 今村 雅弘君
植竹 繁雄君 臼井日出男君
江口 一雄君 江渡 聡徳君
江藤 隆美君 衛藤征士郎君
衛藤 晟一君 遠藤 利明君
小川 元君 小此木八郎君
小里 貞利君 小澤 潔君
小野 晋也君 小渕 恵三君
尾身 幸次君 越智 伊平君
越智 通雄君 大石 秀政君
大島 理森君 大野 松茂君
大野 功統君 大原 一三君
大村 秀章君 太田 誠一君
奥田 幹生君 奥野 誠亮君
奥山 茂彦君 加藤 紘一君
加藤 卓二君 嘉数 知賢君
柿澤 弘治君 梶山 静六君
粕谷 茂君 金子 一義君
金子原二郎君 金田 英行君
亀井 静香君 亀井 久興君
亀井 善之君 川崎 二郎君
河井 克行君 河村 建夫君
瓦 力君 木部 佳昭君
木村 隆秀君 木村 義雄君
菊池福治郎君 岸田 文雄君
岸本 光造君 久間 章生君
久野統一郎君 鯨岡 兵輔君
熊谷 市雄君 熊代 昭彦君
栗原 博久君 栗原 裕康君
栗本慎一郎君 小泉純一郎君
小杉 隆君 小林 興起君
小林 多門君 古賀 誠君
河野 太郎君 河野 洋平君
河本 三郎君 高村 正彦君
佐田玄一郎君 佐藤 孝行君
佐藤 静雄君 佐藤 信二君
佐藤 剛男君 佐藤 勉君
斉藤斗志二君 坂井 隆憲君
坂本三十次君 阪上 善秀君
桜井 郁三君 桜井 新君
櫻内 義雄君 桜田 義孝君
自見庄三郎君 実川 幸夫君
島村 宜伸君 下地 幹郎君
下村 博文君 白川 勝彦君
新藤 義孝君 菅 義偉君
杉浦 正健君 杉山 憲夫君
鈴木 俊一君 鈴木 恒夫君
鈴木 宗男君 砂田 圭佑君
住 博司君 関谷 勝嗣君
園田 修光君 田中 和徳君
田中 昭一君 田中眞紀子君
田邉 國男君 田野瀬良太郎君
田村 憲久君 高市 早苗君
高鳥 修君 高橋 一郎君
滝 実君 竹下 登君
竹本 直一君 武部 勤君
橘 康太郎君 棚橋 泰文君
谷 洋一君 谷垣 禎一君
谷川 和穗君 谷畑 孝君
玉沢徳一郎君 近岡理一郎君
中馬 弘毅君 津島 雄二君
塚原 俊平君 戸井田 徹君
東家 嘉幸君 虎島 和夫君
中尾 栄一君 中川 昭一君
中川 秀直君 中島洋次郎君
中曽根康弘君 中谷 元君
中野 正志君 中村正三郎君
中山 太郎君 中山 利生君
中山 成彬君 中山 正暉君
長勢 甚遠君 丹羽 雄哉君
西川 公也君 西田 司君
額賀福志郎君 根本 匠君
能勢 和子君 野田 聖子君
野田 実君 野中 広務君
野呂田芳成君 葉梨 信行君
萩山 教嚴君 橋本龍太郎君
蓮実 進君 浜田 靖一君
林 幹雄君 林 義郎君
原 健三郎君 原田昇左右君
原田 義昭君 桧田 仁君
平沢 勝栄君 平沼 赳夫君
平林 鴻三君 深谷 隆司君
福田 康夫君 福永 信彦君
藤井 孝男君 藤波 孝生君
藤本 孝雄君 二田 孝治君
船田 元君 古屋 圭司君
保利 耕輔君 穂積 良行君
細田 博之君 堀内 光雄君
堀之内久男君 牧野 隆守君
町村 信孝君 松岡 利勝君
松下 忠洋君 松永 光君
松本 和那君 松本 純君
三ツ林弥太郎君 三塚 博君
御法川英文君 宮澤 喜一君
宮路 和明君 宮下 創平君
武藤 嘉文君 村岡 兼造君
村上誠一郎君 村田敬次郎君
村田 吉隆君 村山 達雄君
目片 信君 持永 和見君
茂木 敏充君 森 英介君
森 喜朗君 森田 一君
森山 眞弓君 八代 英太君
谷津 義男君 保岡 興治君
柳沢 伯夫君 柳本 卓治君
山口 俊一君 山口 泰明君
山崎 拓君 山下 徳夫君
山中 貞則君 山本 公一君
山本 有二君 与謝野 馨君
横内 正明君 吉川 貴盛君
吉田六左エ門君 渡辺 具能君
渡辺 博道君 渡辺 喜美君
綿貫 民輔君 秋葉 忠利君
伊藤 茂君 上原 康助君
北沢 清功君 辻元 清美君
土井たか子君 中川 智子君
中西 績介君 畠山健治郎君
濱田 健一君 深田 肇君
保坂 展人君 前島 秀行君
村山 富市君 横光 克彦君
新井 将敬君 石破 茂君
土屋 品子君 望月 義夫君
園田 博之君 武村 正義君
岩永 峯一君 遠藤 武彦君
笹川 堯君 中村喜四郎君
米田 建三君
否とする議員の氏名
安倍 基雄君 愛知 和男君
愛野興一郎君 青木 宏之君
青山 丘君 青山 二三君
赤羽 一嘉君 赤松 正雄君
東 祥三君 井上 喜一君
井上 義久君 伊藤 英成君
伊藤 達也君 池坊 保子君
石井 啓一君 石井 一君
石垣 一夫君 石田 勝之君
石田幸四郎君 一川 保夫君
市川 雄一君 今井 宏君
岩浅 嘉仁君 上田 勇君
上田 清司君 漆原 良夫君
江崎 鐵磨君 遠藤 乙彦君
遠藤 和良君 小沢 一郎君
小沢 辰男君 大口 善徳君
大野由利子君 太田 昭宏君
近江巳記夫君 岡島 正之君
岡田 克也君 長内 順一君
加藤 六月君 鹿野 道彦君
海部 俊樹君 鍵田 節哉君
鴨下 一郎君 川端 達夫君
河合 正智君 河上 覃雄君
河村たかし君 神崎 武法君
神田 厚君 木村 太郎君
北側 一雄君 北橋 健治君
北村 直人君 北脇 保之君
旭道山和泰君 久保 哲司君
草川 昭三君 倉田 栄喜君
小池百合子君 木幡 弘道君
古賀 一成君 古賀 正浩君
今田 保典君 権藤 恒夫君
左藤 恵君 佐々木洋平君
佐藤 茂樹君 佐藤 敬夫君
斉藤 鉄夫君 坂口 力君
坂本 剛二君 笹木 竜三君
笹山 登生君 塩田 晋君
島 聡君 島津 尚純君
城島 正光君 白保 台一君
菅原喜重郎君 鈴木 淑夫君
田中 慶秋君 田端 正広君
高木 義明君 武山百合子君
達増 拓也君 谷口 隆義君
玉置 一弥君 樽床 伸二君
冨沢 篤紘君 富田 茂之君
中井 洽君 中川 正春君
中田 宏君 中西 啓介君
中野 寛成君 中野 清君
中村 鋭一君 仲村 正治君
永井 英慈君 並木 正芳君
二階 俊博君 西 博義君
西岡 武夫君 西川太一郎君
西川 知雄君 西田 猛君
西野 陽君 西村 章三君
西村 眞悟君 野田 毅君
原口 一博君 平田 米男君
福岡 宗也君 福島 豊君
福留 泰蔵君 藤井 裕久君
藤村 修君 二見 伸明君
冬柴 鐵三君 細川 護煕君
前田 正君 増田 敏男君
桝屋 敬悟君 松崎 公昭君
松沢 成文君 松浪健四郎君
丸谷 佳織君 三沢 淳君
宮地 正介君 宮本 一三君
村井 仁君 矢上 雅義君
山中 燁子君 山本 幸三君
山本 孝史君 吉田 治君
吉田 幸弘君 米津 等史君
若松 謙維君 鰐淵 俊之君
安住 淳君 赤松 広隆君
井上 一成君 伊藤 忠治君
家西 悟君 池田 元久君
池端 清一君 石井 紘基君
石毛 鍈子君 石橋 大吉君
岩田 順介君 生方 幸夫君
枝野 幸男君 小沢 鋭仁君
大畠 章宏君 海江田万里君
金田 誠一君 川内 博史君
菅 直人君 北村 哲男君
桑原 豊君 玄葉光一郎君
小平 忠正君 小林 守君
五島 正規君 近藤 昭一君
佐々木秀典君 佐藤謙一郎君
坂上 富男君 末松 義規君
仙谷 由人君 田中 甲君
辻 一彦君 中桐 伸五君
中沢 健次君 葉山 峻君
鉢呂 吉雄君 鳩山 邦夫君
鳩山由紀夫君 日野 市朗君
肥田美代子君 藤田 幸久君
古川 元久君 細川 律夫君
前原 誠司君 松本 惟子君
松本 龍君 山花 貞夫君
山元 勉君 山本 譲司君
横路 孝弘君 渡辺 周君
石井 郁子君 大森 猛君
金子 満広君 木島日出夫君
児玉 健次君 穀田 恵二君
佐々木憲昭君 佐々木陸海君
志位 和夫君 瀬古由起子君
辻 第一君 寺前 巖君
中路 雅弘君 中島 武敏君
春名 直章君 東中 光雄君
平賀 高成君 不破 哲三君
藤木 洋子君 藤田 スミ君
古堅 実吉君 正森 成二君
松本 善明君 矢島 恒夫君
山原健二郎君 吉井 英勝君
粟屋 敏信君 岩國 哲人君
奥田 敬和君 熊谷 弘君
小坂 憲次君 羽田 孜君
畑 英次郎君 堀込 征雄君
前田 武志君 吉田 公一君
土肥 隆一君 平野 博文君
渡部 恒三君
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/30
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031・荒井広幸
○荒井広幸君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
内閣提出、平成九年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、酒税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法及び阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案、右四案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/31
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032・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 荒井広幸君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/32
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033・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。
―――――――――――――
平成九年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案(内閣提出)
酒税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
租税特別措置法及び阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/33
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034・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 平成九年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、酒税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法及び阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案、右四案を一括して議題といたします。
委員長の報告を求めます。大蔵委員長額賀福志郎君。
―――――――――――――
平成九年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び同報告書
酒税法の一部を改正する法律案及び同報告書
租税特別措置法及び阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法
律の一部を改正する法律案及び同報告書関税定率法等の一部を改正する法律案及び同報告書
〔本号(二)に掲載〕
―――――――――――――
〔額賀福志郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/34
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035・額賀福志郎
○額賀福志郎君 ただいま議題となりました各案につきまして大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
初めに、平成九年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案について申し上げます。
まず、本案の主な内容は、
第一に、平成九年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、財政法の規定による公債のほか、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行することができること等といたしております。
第二に、平成九年度における一般会計からの厚生保険特別会計年金勘定への繰り入れのうち経過的国庫負担については、七千二百億円を控除した金額を繰り入れるもの等としております。
本案は、去る二月二十一日三塚大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、同日質疑を終局いたしました。次いで、本日討論を行い、採決いたしましたところ、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
次に、酒税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、昨年十一月のWTOの勧告に対応するため、まず、しょうちゅう及びリキュール類の税率をスピリッツ類の水準まで引き上げ、これらの酒類の税率をアルコール分一度当たりで同一とすることにしております。
また、これらの酒類とウイスキー類とのアルコール分一度当たりの税率格差を一・〇三倍に縮小するため、ウイスキー類の税率を引き下げることにしております。
本案は、去る二月二十一日三塚大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、本日質疑を終局いたしました。次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、租税特別措置法及び阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
まず、租税特別措置法の一部改正につきましては、第一に、住宅・土地関連税制について、住宅取得促進税制を当初拡充した上、段階的に適正化を図っていくという見直しを行うほか、住宅の取得等に係る登録免許税の特例を拡充することにいたしております。
第二に、特定の中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除の創設等の措置を講ずるほか、沖縄に対する税制上の特例措置の新設拡充を行うことにしております。
その他、企業関係の租税特別措置等について、整理合理化等を行うほか、適用期限の到来する特別措置につきまして、実情に応じてその期限を延長する等の措置を講ずることにいたしております。
次に、阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部改正につきましては、被災者の住宅の再取得等を支援するための住宅取得促進税制の特例等の措置を講ずることにいたしております。
本案は、去る二月二十一日三塚大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、本日質疑を終局いたしました。次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
最後に、関税定率法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、第一に、石油製品、粗糖等の関税率の引き下げ等を行うことにいたしております。
第二に、中間留分石油製品等の増産に係る関税の還付制度を廃止し、石油アスファルト等に係る関税の還付制度を新設するとともに、平成九年三月三十一日に適用期限の到来する石油関係の還付制度等について、その適用期限の延長等を行うことにいたしております。
第三に、税関手続の簡素化のため所要の改正を行うほか、過少申告決算税及び無申告加算税の導入のため所要の改正を行うことにしております。
本案は、昨三月四日三塚大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、同日質疑を終局いたしました。次いで、本日討論を行い、採決いたしましたところ、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
以上、御報告を申し上げます。(拍手)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/35
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036・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。
まず、平成九年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、酒税法の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案の三案を一括して採決いたします。
三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/36
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037・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
次に、租税特別措置法及び阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案につき採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/37
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038・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/38
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039・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
午後七時二十八分散会
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X01419970305/39
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