1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十年四月三十日(木曜日)
午前十時開議
出席委員
委員長 谷津 義男君
理事 植竹 繁雄君 理事 小此木八郎君
理事 穂積 良行君 理事 佐々木秀典君
理事 倉田 栄喜君 理事 三沢 淳君
逢沢 一郎君 遠藤 利明君
小野寺五典君 越智 伊平君
佐藤 信二君 田中 和徳君
野田 実君 萩野 浩基君
桧田 仁君 平沢 勝栄君
生方 幸夫君 鹿野 道彦君
葉山 峻君 石井 啓一君
鰐淵 俊之君 瀬古由起子君
寺前 巖君 深田 肇君
出席国務大臣
国 務 大 臣
(総務庁長官) 小里 貞利君
出席政府委員
総務庁長官官房
長 菊池 光興君
総務庁長官官房
審議官 瀧上 信光君
総務庁行政管理
局長 河野 昭君
委員外の出席者
議 員 北村 哲男君
議 員 木島日出夫君
内閣委員会専門
員 新倉 紀一君
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委員の異動
三月二十四日
辞任 補欠選任
熊代 昭彦君 桧田 仁君
四月二十七日
辞任 補欠選任
粟屋 敏信君 生方幸夫君
同月三十日
辞任 補欠選任
近岡理一郎君 遠藤 利明君
武藤 嘉文君 田中 和徳君
池端 清一君 葉山 峻君
同日
辞任 補欠選任
遠藤 利明君 近岡理一郎君
田中 和徳君 武藤 嘉文君
葉山 峻君 池端 清一君
同日
理事粟屋敏信君同月二十七日委員辞任につき、
その補欠として中沢健次君が理事に当選した。
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四月二十八日
行政情報の公開に関する法律案(北村哲男君外
五名提出、衆法第一一号)
行政機関の保有する情報の公開に関する法律案
(内閣提出第一〇二号)
行政機関の保有する情報の公開に関する法律の
施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
(内閣提出第一〇三号)
は本委員会に付託された。
四月三十日
行政情報の公開に関する法律案(倉田栄喜君外
七名提出、第百四十一回国会衆法第二号)
は委員会の許可を得て撤回された。
三月二十七日
元日赤救護看護婦に対する慰労給付金増額に関
する請願(瀬古由起子君紹介)(第九一八号)
同(寺前巖君紹介)(第九一九号)
四月三日
元日赤救護看護婦に対する慰労給付金増額に関
する請願(石井啓一君紹介)(第一一八四号)
同(倉田栄喜君紹介)(第一一八五号)
同(虎島和夫君紹介)(第一一八六号)
同(萩野浩基君紹介)(第一一八七号)
同(武藤嘉文君紹介)(第一二〇五号)
同月十日
元日赤救護看護婦に対する慰労給付金増額に関
する請願(越智伊平君紹介)(第一二二七号)
同(逢沢一郎君紹介)(第一二二九号)
同(粟屋敏信君紹介)(第一二四〇号)
同(佐々木秀典君紹介)(第一二四一号)
同(野田実君紹介)(第一二四二号)
同(石田幸四郎君紹介)(第一三七二号)
男女平等基本法の制定に関する請願(池坊保子
君紹介)(第一三〇九号)
同(土肥隆一君紹介)(第一三七三号)
同(中川智子君紹介)(第一三七四号)
恩給欠格者の救済に関する請願(赤松正雄君紹
介)(第一三一〇号)
同(河本三郎君紹介)(第一三一一号)
同(戸井田徹君紹介)(第一三一二号)
同(宮本一三君紹介)(第一三一三号)
同(小池百合子君紹介)(第一三六九号)
同(砂田圭佑君紹介)(第一三七〇号)
同(土肥隆一君紹介)(第一三七一号)
同月十六日
元日赤救護看護婦に対する慰労給付金増額に関
する請願(深田肇君紹介)(第一四三〇号)
同(池端清一君紹介)(第一五一九号)
同(志位和夫君紹介)(第一五四一号)
同(山原健二郎君紹介)(第一五四二号)
男女平等基本法の制定に関する請願(石毛鍈
子君紹介)(第一四三一号)
同(武村正義君紹介)(第一四三二号)
恩給欠格者の救済に関する請願(塩田晋君紹介
)(第一四六六号)
同月二十一日
恩給欠格者の救済に関する請願(井上喜一君紹
介)(第一六七〇号)
同(瀬古由起子君紹介)(第一六七一号)
同(櫻内義雄君紹介)(第一七〇三号)
同(土井たか子君紹介)(第一七〇四号)
男女平等基本法の制定に関する請願(瀬古由起
子君紹介)(第一七六三号)
同月二十四日
恩給欠格者の救済に関する請願(赤羽一嘉君紹
介)(第一八二八号)
元日赤救護看護婦に対する慰労給付金増額に関
する請願(瀬古由起子君紹介)(第一八八七号
)同月三十日
戦争被害に関する調査会設置法の早期制定に関
する請願(秋葉忠利君紹介)(第二〇〇二号)
元日赤救護看護婦に対する慰労給付金増額に関
する請願(安住淳君紹介)(第二〇九〇号)
同(粟屋敏信君紹介)(第二〇九一号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
三月三十日
傷病恩給年額の改善等に関する陳情書
(第一二五号)
靖国神社・護国神社公式参拝に関する陳情書
(第一二六号)
紀元節復活反対に関する陳情書
(第一二
七号)
北海道建設業等の受注機会の確保に関する陳情
書
(第一二八号)
国民の祝日に関する法律の改正に関する陳情書
(第一七七号)
同外一件
(第二〇三号)
公務員倫理法の制定及び天下り規制強化に関す
る陳情書
(第一七八号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
理事の補欠選任
行政情報の公開に関する法律案(倉田栄喜君外
七名提出、第百四十一回国会衆法第一一号)の
撤回許可に関する件
行政機関の保有する情報の公開に関する法律案
(内閣提出第一〇二号)
行政機関の保有する情報の公開に関する法律の
施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
(内閣提出第一〇三号)
行政情報の公開に関する法律案(北村哲男君外
五名提出、衆法第一一号)
情報公開法案(松本善明君外一名提出、第百四
十一回国会衆法第五号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114204889X00719980430/0
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001・谷津義男
○谷津委員長 これより会議を開きます。
理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114204889X00719980430/1
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002・谷津義男
○谷津委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は、理事に中沢健次君を指名いたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114204889X00719980430/2
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003・谷津義男
○谷津委員長 この際、お諮りいたします。
第百四十一回国会、倉田栄喜君外七名提出、行政情報の公開に関する法律案につきまして、提出者全員から撤回の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114204889X00719980430/3
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004・谷津義男
○谷津委員長 御異議なしと認めます。よって、撤回を許可することに決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114204889X00719980430/4
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005・谷津義男
○谷津委員長 次に、内閣提出、行政機関の保有する情報の公開に関する法律案、内閣提出、行政機関の保有する情報の公開に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、北村哲男君外五名提出、行政情報の公開に関する法律案及び第百四十一回国会、松本善明君外一名提出、情報公開法案の各案を一括して議題といたします。
順次趣旨の説明を聴取いたします。小里総務庁長官。
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行政機関の保有する情報の公開に関する法律案
行政機関の保有する情報の公開に関する法律の
施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
〔本号末尾に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114204889X00719980430/5
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006・小里貞利
○小里国務大臣 ただいま議題となりました二つの法案について、御説明申し上げます。
初めに、行政機関の保有する情報の公開に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
さて、御承知のとおり、我が国においては、情報公開法制を確立することが国政上の重要課題となっていたところであります。
このため、行政改革委員会において、行政機関の保有する情報を公開するための法律の制定等に関する事項について、二年間にわたり専門的かつ広範な調査審議を重ねていただき、その結果、平成八年十二月に、内閣総理大臣に対し、情報公開法制の確立に関する意見を提出されたところであります。これを受けて、政府は、同意見に沿って、このたび行政機関の保有する情報の公開に関する法律案を取りまとめ、御提案することとなったものであります。
次に、法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
この法律案は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求することができる権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府が有しております。その諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判のもとにある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とするものであります。
この法律案の要点は、第一に、何人も国の行政機関の長に対し行政文書の開示を請求することができるものとするとともに、開示請求があったときは、行政機関の長は、不開示情報が記録されている場合を除き、行政文書を開示しなければならないこととするものであります。不開示情報については、個人に関する情報、法人等に関する情報、国の安全等に関する情報、公共の安全と秩序の維持に関する情報、審議、検討等に関する情報、行政機関等の事務または事業に関する情報の六つの類型に分けるとともに、各類型ごとにその範囲を明確かつ合理的に定めております。
第二に、行政機関の長が行った開示決定等について不服申し立てがあった場合に、行政機関の長の諮問に応じ不服申し立てについて調査審議する機関として、総理府に情報公開審査会を置くこととするものであります。これは、行政機関が保有する行政文書を開示するかどうかの判断を当事者である行政機関の長の自己評価のみに任せるのではなく、第三者的立場からの評価を踏まえた判断を加味することによって、より客観的で合理的な解決を図ろうとするものであります。このため、情報公開審査会には、行政文書の提示を求める権限等、調査審議のために必要な権限を付与することとしております。
以上が、行政機関の保有する情報の公開に関する法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
引き続きまして、行政機関の保有する情報の公開に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
この法律案は、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下、情報公開法と言います)が施行されるのに伴いまして、関係法律二十四件について、必要な規定の整備等を行おうとするものであります。
次に、法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
第一に、会計検査院長の諮問に応じ不服申し立てについて調査審議するため、会計検査院に会計検査院情報公開審査会を置くこととし、その組織、委員等について所要の規定を整備したことであります。
第二に、情報公開法または情報公開条例の規定により行政機関の長または地方公共団体の機関が著作物等を公衆に提供し、または提示する場合におけるその著作者等の権利の取り扱いについて、所要の規定の整備等をしたことであります。
第三に、登記簿、特許原簿、訴訟に関する書類等、謄本もしくは抄本の交付または閲覧について独自の手続が定められているものについて、情報公開法の規定の適用を除外することとしたことであります。
第四に、その他関係規定の所要の整備を行うこととしたことであります。
以上が、行政機関の保有する情報の公開に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の提案理由及びその内容の概要であります。いずれも、情報公開法の趣旨に照らし必要とされる関係法律の改正であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114204889X00719980430/6
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007・谷津義男
○谷津委員長 次に、北村哲男君。
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行政情報の公開に関する法律案
〔本号末尾に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114204889X00719980430/7
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008・北村哲男
○北村(哲)議員 ただいま議題となりました民主党、平和・改革及び自由党に所属する議員が共同で提案し、無所属の会を加えた四会派の議員が賛成者となっております行政情報の公開に関する法律案につきまして、提案者を代表して、その提案理由及び法律案の概要を説明いたします。
まず、本法律案の提案理由について説明いたします。
明治以来、行政は専ら官が独占し、国民はそれに従っておればよいという考え方が支配しておりました。しかし、そのような行政姿勢が、行政の密室性や情報隠しとなり、薬害エイズ問題を初め、厚生省や大蔵省、日銀の汚職事件を生み出し、現在の深刻な政治不信を招いているのであります。この政治不信を解消するためにも、抜本的な行政改革、政治改革が求められているわけですが、まさにこの情報公開法の制定こそ、明治以来の日本の政治、行政を根本から改革するものと言っても過言ではないでしょう。
情報公開法の目的はただ一つ、国民に開かれた行政を実現することにあります。行政を常に国民の目に見えるようにし、国民が行政を監視し、また行政に参加できる道を開くものでなければなりません。
政府・自民党は、長い間、情報公開法の制定に反対し続けてまいりました。野党側は十八年も前から情報公開法案を提案してきましたが、自民党と官僚の反対により、日の目を見ることはできませんでした。この間に、地方自治体では、一九八二年を皮切りに、国に先駆けて次々と情報公開条例が制定されております。政府・自民党が当然なすべき法制化の検討を怠ってきた責任は、厳しく糾弾されてしかるべきでございます。
今回提出された政府案は、国民の知る権利を法律に明記せず、特殊法人を公開対象から外し、また不開示の範囲を広げるなど、多くの問題点を抱えております。これに対し、本法律案は、市民の立場に立ち、市民にとって使いやすく、そして行政の執行に支障を来さない限度で可能な限り行政情報の全面公開を求めるものであります。
次に、本法律案の内容について、その概要を説明いたします。
第一に、法律の目的に国民の知る権利を明記しております。そして、政府の諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにし、国民の行政に対する監視及び参加の充実に資することを目的として掲げております。
第二に、公開対象となる行政機関には、実質的な行政主体である特殊法人も含めております。さらに、公開対象となる情報には、行政機関の職員が職務工作成、取得したものであるならば、その行政機関の職員が組織的に用いるものでないものも含めております。このことにより、薬害エイズ問題の解明のために決定的とされた郡司ファイルなどが公開の対象となります。
第三に、行政機関が公開を拒否できる情報、いわゆる不開示情報の範囲を極力制限し、かつ規定を明確にして、行政の裁量の余地を狭めております。
すなわち、不開示情報の範囲については、一、個人に関する情報で、特定の個人を識別でき、かつ一般に他人に知られたくないと望むことが正当であると認められる情報、二、法人等に関する情報または個人の事業に関する情報で、その正当な利益を害することが明らかである情報、三、国の安全や外交関係を害することが明らかである情報で、かつ二十年を経過していない情報、四、公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすことが明らかである情報、五、行政機関の事務または事業に関する情報で、開示すると当該事務または事業の目的を達成することができないことが明らかである情報、以上五つに明確に限定しております。
また、政府案では不開示とされているいわゆる意思形成過程情報や法人の非公開特約情報については、本法律案ではあえて規定を置かないことによって開示の対象とするなど、情報開示の範囲を極力広げております。
第四に、不開示とされた場合の救済措置を手厚くしております。具体的には、総理府のもとに行政情報開示不服審査会を設置することと、同審査会への諮問手続及び裁判所への抗告訴訟について定めております。また、それぞれの審理に際して必要と判断されるときは、ボーン・インデックス手続及びインカメラ制度を導入することにより、より公正な判断ができるよう配慮もしております。
なお、裁判管轄につきましては、原告となる住民の住所地の裁判所にも訴訟の提起を認めることとし、より実効性を高めております。
第五に、開示請求の手数料については、請求時や閲覧時には徴収せず、写しの交付を受ける場合にのみ実費の範囲に限り徴収することができることとし、その場合でも、経済的困難や公益上の理由がある場合には減免することにしております。
第六に、行政情報の公開の総合的な推進として、国会への報告、検索ファイルの作成、サービスセンターの設置、情報管理専門官の設置等の規定を置くとともに、行政機関の制定する行政資料の管理に関する定めの主要内容に関する基準等を別に法律で定めることにしております。
第七に、この法律は、平成十一年四月一日から施行することにしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
慎重に御審議の上、党派を超えて御賛同賜りますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114204889X00719980430/8
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009・谷津義男
○谷津委員長 木島日出夫君。
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情報公開法案
〔本号末尾に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114204889X00719980430/9
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010・木島日出夫
○木島議員 日本共産党提出の情報公開法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
この法律案は、日本国憲法に由来する国民の知る権利を明記して保障し、行政情報の公開を進める上での行政機関の責務と行政情報の開示を請求する国民の権利を明らかにすることにより、行政運営における公正の確保と透明性を実現し、もって行政の民主化を進めようというものであります。
行政の情報を公開し、ガラス張りの行政にすることは、企業・団体献金の禁止や天下り禁止と並んでへ行政の腐敗とゆがみを正していく上で決定的に重要な課題です。それだけに、本法案では、行政当局による情報隠しや情報操作を許さないために、非公開情報の範囲を可能な限り具体的に限定して、行政当局による恣意的な解釈を抑え、国民の知る権利が具体的に保障されるよう配慮しております。
次に、法律案の概要について御説明申し上げます。
第一に、情報公開の対象とする機関は、すべての国の行政機関と機関委任事務を行う地方自治体とし、政府案では欠落している特殊法人も含めています。
第二に、情報公開を求める権利及び国の行政機関の責任については、何人も国の行政機関の長に対して行政情報の開示を請求できる権利を有するものとし、請求を受けた行政機関の長は速やかに開示しなければならない責務を有することとしております。
公開の対象とする行政文書等は、職務上または職務に関連して作成しまたは取得したものとし、政府案のように、組織的に用いるものという制約はつけておりません。
第三に、行政機関が不開示にできる情報についてでありますが、個人を識別できる情報は不開示にします。ただし、国民の生命、財産等を保護するため特に必要がある場合や公益上必要な場合は公開すべきものとしています。また、官官接待の防止等に不可欠な公務員の職務の遂行にかかわる氏名も公開すべきものとしています。
法人等の正当な利益を著しく害することが明らかである情報や、犯罪捜査、入札、試験など行政機関等の事務遂行を著しく阻害することが明らかな情報及び外交交渉過程の情報で交渉に支障を来すおそれがあるものは非公開としていますが、政府案にあるような非公開特約制度や、いわゆる外交、防衛、捜査情報について行政機関の長の判断を優位に置く特別扱い、政策形成過程情報の非公開扱いなどの規定は盛り込まず、不開示情報が行政機関の裁量によって不当に拡大される危険性を取り除いています。
第四に、情報公開制度を国民に利用しやすく実効性あるものとするため、手数料については、経済的困難その他特別の理由のある場合には免除、減額ができることとしています。また、不開示となった場合の救済制度として裁決機関としての不服審査会を設け、インカメラ審理を行えることとしています。同様に裁判でもインカメラ制度を導入することとしています。裁判管轄については、請求者の住所地の裁判所に訴えを提起できることとしております。
法案の骨子は以上のとおりですが、委員各位の御賛同をいただき、速やかに可決されますことを要望いたしまして、提案理由説明を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114204889X00719980430/10
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011・谷津義男
○谷津委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十時十八分散会
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114204889X00719980430/11
4. 会議録のPDFを表示
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