1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十年十月十三日(火曜日)
午前十時二分開議
出席委員
委員長 二田 孝治君
理事 植竹 繁雄君 理事 小此木八郎君
理事 小林 興起君 理事 萩野 浩基君
理事 生方 幸夫君 理事 佐々木秀典君
理事 倉田 栄喜君 理事 三沢 淳君
越智 伊平君 佐田玄一郎君
佐藤 信二君 谷川 和穗君
近岡理一郎君 虎島 和夫君
桧田 仁君 堀内 光雄君
武藤 嘉文君 矢上 雅義君
石井 啓一君 鰐淵 俊之君
瀬古由起子君 寺前 巖君
深田 肇君 笹木 竜三君
出席国務大臣
国 務 大 臣
(内閣官房長官) 野中 広務君
国 務 大 臣
(総務庁長官) 太田 誠一君
出席政府委員
人事院総裁 中島 忠能君
人事院事務総局
管理局長 尾木 雄君
総務庁人事局長 中川 良一君
総務庁行政管理
局長 瀧上 信光君
科学技術庁原子
力局長 青江 茂君
環境庁長官官房
長 太田 義武君
法務省民事局長 細川 清君
法務省刑事局長 松尾 邦弘君
通商産業省環境
立地局長 太田信一郎君
委員外の出席者
参 考 人
(核燃料サイク
ル開発機構理
事) 笹谷 勇君
内閣委員会専門
員 新倉 紀一君
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委員の異動
十月八日
辞任 補欠選任
平沢 勝栄君 佐田玄一郎君
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十月十二日
軍人恩給の改善に関する陳情書外二件
(
第二五六号)
青少年健全育成の法律制定に関する陳情書外二
件
(第二五七号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
行政機関の保有する情報の公開に関する法律案
(内閣提出、第百四十二回国会閣法第一〇二号
)
行政機関の保有する情報の公開に関する法律の
施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
(内閣提出、第百四十二回国会閣法第一〇三号
)
行政情報の公開に関する法律案(北村哲男君外
五名提出、第百四十二回国会衆法第一一号)
情報公開法案(松本善明君外一名提出、第百四
十一回国会衆法第五号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/0
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001・二田孝治
○二田委員長 これより会議を開きます。
第百四十二回国会、内閣提出、行政機関の保有する情報の公開に関する法律案、第百四十二回国会、内閣提出、行政機関の保有する情報の公開に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、第百四十二回国会、北村哲男君外五名提出、行政情報の公開に関する法律案及び第百四十一回国会、松本善明君外一名提出、情報公開法案の各案を一括して議題といたします。
この際、お諮りいたします。
各案につきましては、前国会において既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/1
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002・二田孝治
○二田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
行政機関の保有する情報の公開に関する法律案
行政機関の保有する情報の公開に関する法律の
施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
行政情報の公開に関する法律案
情報公開法案
〔本号末尾に掲載〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/2
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003・二田孝治
○二田委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。植竹繁雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/3
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004・植竹繁雄
○植竹委員 自由民主党を代表いたしまして、情報公開法案について質疑をいたします。
まず、情報公開法案につきましては、その論議は第百四十二回、第百四十三国会と約六カ月間にわたり、引き続き与野党間で熱心に論議を行ってまいりました。その間、実に、質疑時間の合計は参考人の質疑時間三時間四十一分を入れますと合計十九時間三分にも及び、本法案の論議は、ほぼ論点も出尽くし、最後の詰めの段階に入ってきたところであります。
そして、今国会に入りましても、何とかこの法案を成立させようと与野党間で鋭意折衝を継続し、努力してまいりました結果、我が党といたしましては、本法案に対し、我が党としての最後の案を取りまとめるに至りました。
そこで、本日は、先般来の与野党間の協議で煮詰まった主な論点について、政府側に再度確認することなどを含め、以下質問してまいりたいと思います。
ただし、時間が限られておりますので、政府におかれましては、できるだけ簡潔に御答弁を要望いたします。
なお、私どもも与野党間で真剣な努力をしておりますので、政府としても、法案提出者の立場から、法案の成立に向けたなお一層の御協力と前向きの御答弁をお願いする次第でございます。
まず、知る権利、特殊法人についてでございますが、質問に入ります前に、情報公開法の論議においては、よく知る権利とか特殊法人についての論議が行われておりますが、知る権利につきましては、憲法解釈の問題もありまして、情報公開法の枠外のことと考え、法案に明記することは困難であると考えるわけであります。また、特殊法人の保有する情報の公開に関する制度については、先般、自社さの三党間で合意した三党合意の内容に従って処理することが適当であると考え、この法律の公布後二年目を目途として法制上の措置を講ずるべきと考えるものであります。
続きまして、個人情報、公務員の氏名の公表に移りますが、それではまず最初に、個人情報の問題についてお伺いをいたしたいと思います。
この問題では、特に公務員の氏名の公表の是非が論議されておりますが、公務員といえども、その氏名の公開は私生活に悪い影響を及ぼすこともあることを考えないといけないと思います。さらに、公務員と一概に言っても、国立病院の看護婦さんまで含まれまして、非常にその範囲は広く、多種多様の職種にわたりますので、一般に公開するということは問題があると考えるのであります。
また、昨今の幹部公務員の不祥事、防衛庁の不正経理問題に絡んで、国民の間から情報公開法の早期制定の必要性が叫ばれておるのであります。しかしながら、現在、当委員会で審査されている情報公開法の制定の本旨というものは、このような公務員の不祥事を糾弾するためのものではないはずであります。公務員の不祥事の問題はモラルハザードの問題であり、また、防衛庁の不正経理の問題は予算執行や会計処理上の不正行為あるいは刑事犯罪の問題であります。
したがいまして、情報公開法の制定に関連しまして、防衛庁の事件などを取り上げるのは的外れの論議のような気がするのであります。これらの問題は一部公務員の問題であり、大部分の公務員は地道に、まじめに仕事をしているわけであります。
そもそも、氏名というのは個人を識別する最も基本的な情報でありまして、公務中であると私生活であるとを問わず使われるものであります。したがって、すべての公務員の氏名が開示されることとなれば、公務員であっても、一個人としての私生活への影響が懸念されるところであります。
この際、公務員の氏名は一律に公開して問題ないのかあるのか、政府の考えをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/4
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005・瀧上信光
○瀧上政府委員 お答えいたします。
公務員の氏名は担当者をあらわすために行政文書に記載されることが多いわけでございますが、私生活におきましても個人を識別する基本的な情報として一般に氏名が用いられておりまして、氏名が開示されますと、御指摘のとおり、公務員の私生活等に影響を及ぼすことがあり得るわけでございます。
このため、公務員の職名と職務遂行の内容は個人情報としては不開示とせず、氏名につきましては慣行として公にされている場合等は開示することといたしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/5
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006・植竹繁雄
○植竹委員 次に、法人情報についての主な論点としては、法律案第五条第二号ロに規定されている、公にしないとの条件で任意に提供された情報、すなわちいわゆる任意提供情報の規定の取り扱いの是非が論議されております。
政府は、去る六月四日の内閣委員会の答弁で、法人等から非公開を前提として任意に提供された情報であっても、これをすべて不開示情報とするのではなく、通例として公にしないとの約束が常識的にも理解できる場合に限るとしているところであります。
元来、非公開という条件のもとに情報を提供した法人は、提供を受けた行政機関がその条件を守ることを期待することは当然であり、このような期待は基本的に保護されるべきものと考えるのであります。
また、アメリカにおきましても政府案の考え方と同様の扱いがなされていると聞いておりますが、この際、任意提供情報の趣旨について、再度政府の考えを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/6
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007・瀧上信光
○瀧上政府委員 御指摘のいわゆる任意提供情報につきましては、行政改革委員会における検討の結果、法人等から非公開を前提として行政機関に提供されるという情報の流通の形態や、提供者の非公開の扱いに対する期待と信頼は保護に値するものとされたところでございます。
この任意提供情報につきましては、法人等における通例として公にしないこととされている場合のように、公にしないとの法人等との約束が常識的にも理解できる場合に限るという要件を付しまして、これを不開示情報とすることとしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/7
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008・植竹繁雄
○植竹委員 次に、外交防衛情報につきましても、不開示情報とする際の要件などについて論議がなされております。しかしながら、外交防衛情報の中には、我が国の安全等に重大な影響を及ぼすおそれのあるものもあり、また、他国との信頼関係や国際交渉上の利益を確保するためにも必要不可欠なものもあると思います。
したがいまして、本法案が外交防衛情報の開示、不開示の判断を行政機関の長の判断に係らしめたのは、当該問題が極めて高度の政策的判断及び専門的、技術的判断を要する事柄であり、その第一次的判断を行政機関の長に行わせることが妥当であると考えた結果であると思います。また、諸外国におきましても、情報公開法を制定している国におきましては、例外なくこの種の規定を法律で明確に設けているように思いますが、政府のお考えを再度お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/8
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009・瀧上信光
○瀧上政府委員 御指摘のとおり、外交防衛情報につきましては、開示、不開示の判断に高度の政策的判断や専門的、技術的判断を要するなど、特殊性が認められております。
こういったため、行政改革委員会意見におきましても、裁判所は、行政機関の長の第一次的な判断を尊重し、その判断が合理性を持つ判断として許容される限度内のものであるかどうかを審理、判断することとするのが適当であるということとされまして、国の安全等が害されるおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報といった規定ぶりとしたところでございます。
諸外国の情報公開法におきましても、例えば、アメリカでは大統領命令による秘密指定が正当になされたものであればこれを不開示とすることとされておりまして、オーストラリア、ニュージーランドでも、不開示文書である旨の主務大臣の判断が最終的なものとされ、行政機関の長の判断が尊重されるという仕組みになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/9
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010・植竹繁雄
○植竹委員 また、二十年を経過した情報の公開の是非につきましては、これらの情報について、請求があった都度、個別の情報ごとに開示されることによって国の安全が害されるかどうか、また他国との信頼関係が害されるかどうかなどを判断していくべきものと考える次第でございます。そして、その判断の結果といたしまして、二十年よりも早い段階で公開されるものもあれば、また二十年を過ぎても非公開とされるものもあると考えるわけであります。
したがいまして、この点については、そのときの判断によってそれは行われるべきだ、内容によって行われるべきだと考えますが、この点について政府はどう考えておりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/10
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011・瀧上信光
○瀧上政府委員 御指摘のとおり、開示、不開示の判断は、開示請求があった都度なされるべきものであるということから、時限開示の制度は設けていないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/11
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012・植竹繁雄
○植竹委員 次に、意思形成過程情報につきまして、当委員会でも今まで数々の論議があったところであります。
先般の委員会における政府の答弁は、諸外国や条例でも、検討段階中のものは不開示としている場合が多い。二、審議、検討、協議に関する情報につきましては、公開を原則としつつ、適正な意思決定等を保護する観点から、不開示情報の要件を定めております。三番目には、特に、率直な意見の交換が不当に損なわれるおそれがあるものにつきましては、公開、非公開の必要性を比較考量した上で判断するということであったかと思います。
この意思形成過程情報について、この際、不開示規定を設けた趣旨につきまして政府から再度明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/12
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013・瀧上信光
○瀧上政府委員 いわゆる意思形成過程の情報につきましては、諸外国の情報公開法や条例におきましても不開示としている例が多いわけでございますが、情報公開法案の第五条第五号は、国の機関及び地方公共団体の内部または相互間における審議、検討または協議に関する情報について、公開を原則としつつも、適正な意思決定等を保護する観点から、これを不開示とする場合の要件を法律上できるだけ明確に定めたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/13
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014・植竹繁雄
○植竹委員 また、不開示情報の件につきまして、捜査あるいは秩序維持情報というものにつきましては、これもその内容の点から考えまして、行政機関の長が認めることにつきまして相当の理由があるということの削除には、私どもはこれに対応できないと考えておるところであります。
さて次に、行政文書管理法の制定の問題につきまして、これも論点の一つとなったものでありますが、この法律を制定するにいたしましても、各省が管理している文書というのは、一律、同一のものではないわけであります。したがって、管理の基準の詳細まで法律に規定することは極めて困難であると考える次第であります。
言うまでもなく、情報公開と文書管理というのはまさに車の両輪であり、文書管理を適正かつ徹底して行うことの必要性については衆目の一致するところであります。政府案の第三十六条におきましては、法律上明文をもって文書管理の基本的な骨格を定めております。また、文書管理に関する政省令の定めは一般に公表されますので、国民あるいは国会がチェックすることは可能であります。
このような措置によりまして適正な文書管理は担保されており、いわゆる文書管理法というようなものは制定する必要がないと思いますが、政府のお考えを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/14
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015・瀧上信光
○瀧上政府委員 御指摘のように、文書管理のルールを整備し、これを国民にも明らかにすることによりまして、行政文書の適正な管理が十分確保されるものと考えております。したがって、文書管理に関する法律を特に制定する必要はないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/15
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016・植竹繁雄
○植竹委員 なおまた、開示請求に係る手数料に関する問題についていろいろとお話を伺いたいと思います。
この手数料の問題は、本委員会におきましても、土地管轄等に重要なポイントであり、今までもいろいろな論議がなされてきたところであります。
開示手数料につきましては、開示請求をする者がその請求により必要となった事務諸経費を負担するのは、当然、受益者負担の原則からいってもしかるべきだと私は思っております。さらに乱用防止の点につきましても、私どもは、この手数料はどうしても徴収する必要があると考えるのであります。
しかしながら、請求時の手数料と閲覧時及びコピー時の手数料の両方を支払うこととなるような場合も考えなければならないと思います。そのためにも、私は、国民の皆様に利用しやすい制度とする、そういう意味におきましても、これらの手数料について縮減する方向で何らかの工夫を講ずるべきでないかと考えております。その場合、本則を修正することもやぶさかではないと考えておるところでございますが、これは大変な重要な問題でもあります。
そこで、我が党といたしましては、例えば政府案の第十六条を修正し、手数料の額はできる限り利用しやすい額とすることに配慮しなければならないというような修正を行うことも視野に入れまして、本法案の成立を願う立場から、法案成立に向けた最後の努力をいたしておるところであります。
そこで、もしこのような修正をすることとした場合に、請求時や閲覧時などの手数料をどのように定めるのか。多分その詳細につきましては法案第十六条の政令で定めることになろうと思いますが、例えば請求時の手数料は閲覧手数料から控除する方式などが考えられると思いますが、政府としてその政令の中身をどのように定めるつもりがあるのか、この際、伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/16
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017・瀧上信光
○瀧上政府委員 手数料の額につきましては政令で定めることとなっておりますが、国会での御論議を踏まえまして、情報公開制度の利用の制約要因とならないよう、できる限り利用しやすい金額とすることとしたいと考えております。
御指摘の御提案につきましても、与野党の協議の結果を踏まえまして、適切に対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/17
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018・植竹繁雄
○植竹委員 今政府から御答弁いただきましたけれども、手数料の点につきましては、本当に重要な問題でございまして、特にその中身につきましては、念入りに考えましてこれを決めていただきたいと再度要望いたすものであります。
続きまして、土地管轄の問題は、当委員会における議論におきましても、手数料とともに大きな論点の一つとなっているのであります。
去る六月四日の当委員会での政府の答弁では、出先機関への権限委任や現地での事務処理状況によっては地方での訴訟が可能であることなどから、法案にはあえて特例を設けなかったという趣旨の答弁がなされておりますが、行政情報はできるだけ公開するという情報公開法の建前からいえば、国民に利用しやすい制度とする意味からも、地方の機関が保有する文書等につきましては、できる限り地方で訴えの提起ができるようにするために、各行政機関の長の権限を地方支分部局の長等へ委任することを推進するなど、地方在住者に対する何らかの工夫を講ずる必要があると考えておるのであります。
また、現在の行政事件訴訟法によれば、被告の住所地に訴えの提起をするという原則から、どうしても中央官庁の所在地の東京の裁判所に訴えの提起が多くならざるを得ないのでありますが、地方在住者のためを考慮すれば、情報公開法に特例を設けるなりして、その居住する住居地でなるべく訴えの提起ができるようにする工夫ができないのかどうか。この点は、訴訟制度全体を考慮しないといけない問題であると思います。
また、地方在住者の便宜を考慮する方法の一つといたしまして、審査会の委員が地方へ出向いて意見を聞く仕組みを活用することも考えるべきだと思います。
私といたしましては、この土地管轄の点につきましては、訴訟制度全般にわたり検討を要する重要な点を含んでおるように思いますので、これは附帯決議をつけることで対応したいと考えておるのであります。
以上の点について、総務庁長官にお考えをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/18
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019・太田誠一
○太田国務大臣 今委員のおっしゃるとおりでございまして、地方支分部局の長などに責任を委譲することによりまして、極力地方で対応できるようにするという工夫はあるかと思います。そのようにいたすべきだと思っております。
また、今おっしゃいますように、行政訴訟に関するいわゆる裁判制度の問題全般にわたることでございますので、被告の住居地でもって訴訟を起こすという原則は、この際、手をつけることが難しいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/19
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020・植竹繁雄
○植竹委員 最後の質問になりますけれども、情報公開法を制定している諸外国の例を見ましても、法施行後の見直し規定を置いている国はどこにも見当たらないのであります。最近の社会経済情勢が急速に変化している状況にかんがみまして、この法案成立を願う立場から、我が党といたしましては、三年と五年の見直し修正の間をとりまして、四年後の見直し規定を追加修正することも検討いたしております。
言うまでもなく、本医案の成立は、与野党はもとより国民の声、要望でもございます。我が党は、これら国民の声、要望にこたえまして、最終的なぎりぎりの線で、以上に述べました内容をする修正の骨子を用意いたしております。
そこで、良識ある野党の皆さん方におかれましては、ぜひこの我が党の提案に御賛同していただきまして、そして大きな期待を持って私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/20
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021・二田孝治
○二田委員長 次に、佐々木秀典君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/21
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022・佐々木秀典
○佐々木(秀)委員 民主党の佐々木秀典です。
けさの新聞各紙でも報じられておりますように、金融対策関連法案、これも今最後の一本がいよいよ上程をされようとしております。委員会の議を経て、本会議でも衆議院通過するのではないかと言われておりますけれども、このことに関連して、やはり金融機関においても情報をしっかりと公開すべきだということが言われている。
また、先ほどの質問にもお話がありましたけれども、ここのところ各省庁、特に幹部職員がさまざまな不祥事を行ってきている。これは、本当にまじめに働いている公務員の皆さんから見ると耐えがたい思いではないかと思うんですけれども、特に、さきの防衛庁の背任事件をめぐる情報隠しあるいは情報の廃棄などということは、ある意味では役所ぐるみでやったのではないかとさえ言われて、国民の皆さんの不信感、そして怒りは大変沸騰しているのではないかと思うだけに、今情報公開法の制定をという声も、それに関連して非常に強くなっているわけであります。
私は、さきの通常国会で、橋本総理大臣に対してでしたけれども、この情報公開法の提案について代表質問させていただきました。その後内閣がかわりまして、小渕内閣が発足し、そして担当としては小里総務庁長官から太田総務庁長官におかわりになった。官房長官もおかわりになったわけです。
この際、こうしたこととの絡みもありますけれども、政府が情報公開法を提出するに至った経緯、そしてなぜ今情報公開法が必要なのかというその意義、これについて、改めて新任の両大臣にお伺いをしたいと思いますので、よろしくお順いいたします。
どちらからでも結構でございます。では、担当の総務庁長官からお願いしましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/22
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023・太田誠一
○太田国務大臣 情報公開法につきましては、国民主権の我が国でございますので、結局のところ、行政の執行、行政権の行使というのは、主権者たる国民から内閣を通じて一人一人の公務員に対して負託をされているものでございます。そうであれば、主権者に対してその行政の執行について明らかにするというのは当然のことであろうかと思います。
そのことに多くの我が国の、我々議員も含めまして、あるいは官庁も含めまして、そのようであるべきだという考え方が支配的になったことから、このような法案の提出に至ったものと思っております。大変重要な時代の変化であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/23
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024・野中広務
○野中国務大臣 ただいま総務庁長官からお答えをいたしましたように、国民主権の今日的我が国の制度によりまして、国民に行政の情報を知らしむべきが責任であるという立場に立ってこの法律がつくられたと私どもは認識し、ぜひこれが実現を期待しておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/24
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025・佐々木秀典
○佐々木(秀)委員 今総務庁長官がお話しになりましたように、この行政情報の開示ということを求めるのは憲法上の国民主権の原理に基づくものだというお話がありました。まさしく、私は憲法上の、まさに一種の国民の請求権だと思うのですね。
お話のように、行政というのは、本来主人公である国民が行うべきところを行政機関がかわって行っているんだということになると、行政機関の持っている情報というのも、私は本来国民の財産的なものだと思うのですね。財産的な価値があるものだ。だから、国民がその行政活動がいかに行われているかということを知るためには、やはり行政に関する情報の公開をし、それを知るということは当然のことだと思うのですね。
そういう意味では、長官のおっしゃっている意味というのは私はよくわかります。しかし、それを実現するためには、やはりその請求権なりその権利というものが使いやすいようなものでなければいけない。それを阻害するようなものであっては、まさに換骨奪胎のそしりを免れないことになるわけですね。
ところが、御苦労をいただいたことはわかるのですけれども、政府が用意されたこの法案については、今言ったように、必ずしも、権利をしっかり確保するというようなところから見ると、問題のある点が非常に多い。逆に使い勝手を悪くするというようなこともあり、あるいは、これまでの質疑の中でも出てきましたけれども、やはりそうは言いながらも、政府はあるいは行政機関は情報を見せたがらない、あるいは隠したがっているのではないかとさえ思われるような条文の体裁になっているところがあるということが懸念されているわけです。
そこで、野党は、御案内のように二つの議員立法を政府案に対して出して、これが今継続になっておりますね。しかし、これも、私どもとしても、長官おっしゃるように、何とか、今までなかったものですからつくって、そして国民の皆さんのニーズにこたえていかなければならない。そのためには、私どもの議員立法を何が何でも通すということよりは、この際、野党間で意見を取りまとめ、あるいは与党の御理解もいただき、そしてまた政府にもその点を理解、協力していただきながら、みんなで納得のいくよりよいものをつくっていくべきだ、こう考えておるわけです。
そんなことから、実は、過日、これは九月の二十二日ですけれども、それまで随分回を重ねて協議をいたしまして、野党七会派が今の政府原案に対する修正案を取りまとめたわけです。
その修正点は、本当はもっともっとたくさんあったのです、三十点ぐらいあったのですけれども、それを削りに削って、どうしてもこれが必要だということで十二項目にまとめて、これを提示させていただきました。
これについては、後ほどお話がまた進みますかと思いますけれども、与党自民党さんの方からも一応の御回答を得ているのですけれども、その前に、まず、この九月の二十二日付の野党修正案ですね。これは、お二人の長官、ごらんいただいて御承知になっていると思うのですけれども、この修正案が出されたことに対する評価、あるいは内容についても、詳しくなくて結構ですけれども、特に特徴的なことについての御意見など、御感想をお伺いできればと思います。
とりわけ、野中長官は、この日、記者会見の際にこの修正案に触れて、それで政府の提案について修正をすることについても含みのある発言をなさったのではないかと伺っております。
ところが、十月の一日だったでしょうか、予算委員会で太田長官は、どうかこの情報公開法については政府の原案をそのとおり通してほしいというような御発言があったように聞いて、これは私、いかがなものかな、こう思っております。
先ほど植竹筆頭理事からの御質問にもありましたように、今与野党間でこれについても一生懸命協議を進めておりまして、野党としては、政府原案そのままで通すというのでは、とてもとても、これは成立、実現の見込みはない、そう考えておりまして、そこで修正に関する協議を本当に真摯に行っているところなのですから、そのことを含めて、御感想あるいは意欲といいますか、それを示していただきたいと思うのですね。
まず、官房長官の方からお願いしましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/25
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026・野中広務
○野中国務大臣 全野党が一致して修正案をおまとめになったというのは画期的なことだと思って、高く評価をいたしております。
ただ、お示しをいたしております政府提案の法案は、御承知のように、行政改革委員会において、それぞれ諸外国の制度やあるいは我が国における地方公共団体の情報公開に関する条例等も十分参考の上に、関係者の意見も求められて、そして成案を得たものでございますのは委員御承知のとおりであります。
ただ、私ども、一つの問題をまとめていくのに、ここに野党の修正案が出ましたことをぜひ委員会において十分御審議をいただき、私も、十二項目のうちでまあ二、三項目、お互いにこの機会に、二国会も続いておるものをやはり法案を通そうという気持ちになっていただければ、与野党の協議が調って成案を得ることが可能なのではないかという考えを持つところもございます。
ぜひ、それぞれ与野党の枠を超えて、情報公開法が今政治に求められておる、そして国民の主権に求められておる大きな問題であるということを御理解いただきまして、合意点に達する努力をせっかく会期末に向けてしていただくことを期待をしておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/26
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027・太田誠一
○太田国務大臣 こういう大事な法案、あるいはこういう従来から論争のあったテーマについての法案というのは、タイミングを、あるとき盛り上がって、いろいろな各方面の息が合ったときに法案が成立をしないと、何かはかのことで、外からの外生的な事情でもって、その後、急に意気が下がって盛り上がらなくなってしまう、エネルギーが結集できないということがあるわけでございます。
過去にもそういう経験を、私、議員としてしてまいっておりますので、この機会が大切だ、もし仮にここでもうちょっと先にということになった場合、またその次は何が起こるかわからないということでありますので、やや私も危機感を持っておりまして、ちょっと表現ぶりはいささか問題があったかもしれませんけれども、佐々木委員初め野党の関係の先生方の御努力に対しては大変高く評価をいたしております。与党の先生方の御努力も高く評価しております。ぜひとも、それぞれ御努力をいただきまして、最後の最後まで、この実現、成立に向けてのお力を投入し続けていただきますようにお願いを申し上げる次第です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/27
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028・佐々木秀典
○佐々木(秀)委員 お気持ちはよくわかりました。それに沿うように、私どもとしても、とにかく何とかよいものを早くつくる、そういう思いで努力をしてみたい、こう思っている次第です。
それにつけても、先ほどの私どもの修正提案に対して、自民党さんの方から御回答がありました。それぞれについて御検討をいただいて、各項目について理由を付して御回答をいただいたというこの御努力に対しては、私ども実は評価しております。
ところが、この御回答の中で、二つばかりは附則の改正でこの法案の中に盛り込むということをお認めになっている。例えば、特殊法人を対象とすることについて、これは附則で、この法律ができてから二年をめどとして法制上の措置を講じるというようなことにしたい。あるいは全体的な見直し、さっきお話がありましたように、施行後五年をめどとして検討する、この附則の修正。ただ、これは、植竹委員のさっきの御質問の中では、これをさらに縮めて四年にするというようなことも考えておるやに承りましたけれども、この二つ。
しかし、残念ながら、本則の改正については全く踏み込んでおられない。この点は、私どもとしては本当に不満なんですね。ここまでいろいろなことをお考えになっているのだとすれば、この情報公開法を本当に使い勝手のいいものにするために、国民の皆さんの憲法上の権利の発現であるこの請求権というものを実効あるものにするためには、もう少し踏み込んでもいいのじゃないかと私ども考えているわけでございます。
そういう点で、時間が大分迫ってきましたけれども、最も問題になっているのが手数料の問題とそれから管轄の問題なんですね。
先ほど植竹委員からも御質問がありましたけれども、実は手数料については、政府の法案では十六条で政令にゆだねてしまうということになっているわけでありまして、その中身がちっとも明らかになっていません。この定め方によっては、まさしくこの権利を阻害する要因になるということは明らかであります。
さきの通常国会での参考人の御意見をお伺いした中でもその点が指摘をされておりまして、例えば一つの例として、というよりも疑問が呈されております。大体、閲覧だとか請求自体について実費を取るのか、それはどのぐらいのことを考えているのか、あるいはコピー代としてどのぐらい考えているのか、それからまた申請の件数をどういうようにカウントするのか、それによっては莫大な経費が計上されるということも予想されて、それは決定的にこの権利行使の阻害要因になるという御指摘があるわけです。
これについては、この政令にゆだねるという内容についてはどの程度の具体的なことを考えているのか。今全部は言えないにしても、ある程度のことをお示しいただかないと、とてもじゃないけれども国民の皆さんも判断がつかないということになるのですね。できるだけで結構ですから、お示しください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/28
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029・瀧上信光
○瀧上政府委員 お答えいたします。
情報公開制度の開示請求権制度の運用には相応のコストがかかるわけでございますが、これは特定の者に対する役務の提供のために直接要する経費でございまして、そのうちの合理的な額につきましては、当然、当該開示請求をした人に負担をしていただくべきであると考えております、
そして、手数料の具体的な、政令でどのように定めることを考えているかということでございますが、各手数料の額につきましての基本的な考え方を申し上げますと、まず、開示請求に係る手数料は、行政機関が開示請求を受けてから開示決定等の通知書を発出するまでの間の事務に要する費用の一部につきまして、開示請求者に負担を求めるものでございます。国民の皆様が利用しやすい手数料となりますように、一請求に対し一定額の金額を徴収したいというふうに考えております。
それから、閲覧の実施に係る……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/29
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030・佐々木秀典
○佐々木(秀)委員 ちょっと途中で申しわけないけれども、その一定額というのはどのぐらいの金額を具体的に考えているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/30
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031・瀧上信光
○瀧上政府委員 手数料の積算根拠は、いろいろ開示決定等に係る行政事務の実態等を調べて、そういったものを積み上げて今後検討したいというふうに考えておりまして、今の段階で幾らということを申し上げられる段階にはございません。
ちなみに諸外国の例を一つ申し上げますと、例えばカナダでは五カナダ・ドル、日本円にしまして四百五十円ほどでございますか、大体このくらいの金額を開示請求の手数料で取っているようでございます。
それから、閲覧と写しの交付と両方ありますので、開示の実施全体でございますが、開示の実施に係る手数料につきましても、それに伴う諸経費の一部について開示請求者の負担を求める必要があると考えておりますが、少なくとも、先日参考人質疑の際に御指摘のありましたように、一決裁文書ごとに手数料を徴収する、領収書ごととか、そういったような制度にはしないよう、国民の皆様が利用しやすいような手数料にしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/31
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032・佐々木秀典
○佐々木(秀)委員 そこまででいいです。
利用しやすいようにということを盛んに言われるのだけれども、どう利用しやすいのかちっともわからないんだ。
それから、申請手数料などについては、今、日本じゅうの自治体はほとんど情報公開条例をつくっていますよ。ところが、その中で手数料を取ることにしているのは極めて少なくなっている。東京の場合には申請一件当たりでまだ二百円ということになっているけれども、これもなくする方で考えようというので、今検討中なんですね。札幌なんかはなくなっていますし、ほかでも、あったけれどもなくしたところは幾らもあるわけです。
そうやって、地方はみんな使い勝手をよくしようと努力をしている。そういう中で、国の方の法律があるいはそれよりも高いような金額設定をするなんといったら、これは笑われることになると私は思うのですよ、外国の例はともかくとして。アメリカの方では取っていませんからね。
そんなことをぜひ考えながら、もう少し具体的に示してもらいたいし、あるいはこっちに任せるよというのだったら、修正協議の中で僕らが決めますよ。そこまでひとつやりたいと思っています。
それから、どうも持ち時間が終了してしまったのですが、法務省も来ておられるのだけれども、実は、もう一つはやはり管轄の問題なんですね。
さっきもお話があったけれども、これは憲法十四条の法のもとの平等からいっても、その請求権者が自分の住所地で裁判ができるか、あるいは東京地裁まで出向いていってやらなければならないかというのは問題だと思うのです。
この間の参考人のお話の中でも、例えば一つの仮定ですけれども、同じ訴訟を沖縄の人と東京の人とがやる場合の交通費だけの違いでも、東京の新宿区に住む人だったら、本人訴訟の場合、最高裁までやっても二万円ぐらいで済む、ところが、沖縄の人の場合には二百五十万かかる、そういう計算をしているわけです。一つの例えですけれども、実際にそうだと思うのです。それに弁護士費用だとか宿泊だとかいろいろなことを考えたら、莫大な費用になるのです。
そういうことを考えると、行政訴訟あるいは抗告訴訟全体について、管轄の問題というのは考えなければならないと私は思う。しかし、これも塩野参考人が言われたように、この情報公開関連の訴訟について、これについては、各請求者の住所地で管轄をする裁判所でもできるというようにすることは法律上一向に構わないとさえ言っているわけですから、私は、やはり使い勝手ということを考えるのだったら、この点ももう少し踏み込んで考えるべきではないかと思います。
時間がなくなりましたから、申しわけないけれども、お答えを求めませんけれども、意見として申し上げておきます。あとは生方委員にお譲りをいたしますので、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/32
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033・二田孝治
○二田委員長 生方幸夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/33
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034・生方幸夫
○生方委員 民主党の生方でございます。
まず最初に、前回私は内閣委員会におきまして知る権利等について質問させていただいたのですが、今回、太田長官が新しく就任されましたので、重なる質問もあると思いますが、お答えをいただきたいと思います。
前回の質問の中で、私は、やはり情報公開法の基本は知る権利を明記してあるかしていないかということが非常に重要であるという観点から、質問をさせていただきました。
その際、知る権利という条項を入れると何か非常に不都合があるのかどうかという形で質問をさせていただきまして、小里前長官は、私のこの質問に対して、行政情報の開示請求権という意味での知る権利が憲法上保障されているか否かについては、さまざまな見解があるというのが現状ではないかというお答えで、結局、明記できないという趣旨の御答弁をなさっております。
また、自民党さんの方の回答でも、知る権利は、憲法解釈の問題で、内容が確定していないので、法律に規定することは困難であるというふうな御回答をなさっております
私は、そこで長官にお伺いしたいのですが、やはり知る権利というものが規定されていないとするならば、まさに立法府である国会がきっちりと情報公開法の中で明記するという必要があるのではないか、あるいは規定する必要があるのではないかというふうに考えております。
私たちは、知る権利というのは表現の自由の中に保障されているものだというふうに解釈をしておりますが、その表現の自由を担保するものとしても、やはり知る権利というのを法律できっちりと規定する必要があると思う、あるいは国会がするべぎだというふうに私は考えるのですが、太田長官のお考えをお伺いさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/34
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035・太田誠一
○太田国務大臣 私は、先ほどからも申し上げておりますように、国民主権という大前提のもとで考えれば、主権者である国民がみずからゆだねた行政権の執行について、その内容を知ることができるというのは当たり前のことだというふうに言っているわけでございます。
そこで、知る権利という言葉でございますけれども、私はそれほどこの言葉に抵抗があるわけではありませんけれども、何か大変一つの運動のキャッチフレーズのようにして使われてきたような印象も実はあるわけでございます。
要は、その言葉にこだわるのか内容にこだわるのかということだろうと思います。非常に長い間運動に携わってこられた方々からいえば、ここでこの言葉を使わずして成果が上がったとは象徴的に言えないというふうなお気持ちがあることはわかりますけれども、それよりも内容でもって、きちんとその内容が担保されるということの方が大事ではないか。この辺になりますと、私は、言ってみれば、メンツをそこでこだわるのかどうかということではないかというふうに思っているわけでございます。
法律上の議論をすれま、憲法に知る権利というものが、憲法解釈からすれば最高裁もその判断をしていないなどということがありますけれども、気持ちの上ではそういうことではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/35
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036・生方幸夫
○生方委員 私は、不勉強で申しわけないのですけれども、情報公開法をずっと勉強してきた人間ではないので、今長官のおっしゃったキャッチフレーズ的な意味で知る権利というのを言っているわけではありません。私は、むしろ行政側が知る権利を明示しないということについてこだわっているのではないかというふうに考えております。
つまり、知る権利というのを明記すれば、情報は公開というのが前提になる。しかし、知る権利というのを明記しなければ、情報は非公開が前提であって、公開するのが例外であるというふうになってしまうというふうに解釈をしているから、この知る権利の明記をしないということにこだわっているのではないか。
今太田長官がおっしゃるように、知る権利という言葉にこだわっていないということであるならば、やはり私は、情報公開法の中で知る権利を明記しているか明記していないかというのは、まさに画竜に点睛を入れるのかどうかという問題だと思いますので、キャッチフレーズであろうが、象徴であろうが、やはり知る権利というのをしっかりと明記するべきであり、それが二十一世紀に向けて、国民の情報公開に対する思いというものを達成する第一歩だと思うのですが、重ねて御質問をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/36
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037・太田誠一
○太田国務大臣 ですから、知る権利という言葉にこだわるよりも、情報公開法そのものが、原則はディスクローズするということが情報公開法の、まさに言葉、情報公開という言葉そのものが意味しているわけでございますから、例外的にそれがない場合もあるということであって、原則公開というのは、これはこの法律がここで成立することによって、国民各位に広く行き渡るし、行政においても広くこの考え方が浸透することは間違いがないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/37
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038・生方幸夫
○生方委員 私どもが懸念するのは、私どもは、大幅な行政改革を実施して小さな効率のいい中央政府をつくるべきだというような主張をいたしております。これは自民党さんも同じような考えであろうと思いますが、その場合、やはり行政側の力の源泉の一つとして、情報を独占するというか情報をコントロールするということがあると思うのですね。
行政改革を言う中で、やはり官僚の権限をそいでいくという意味からも、情報はきちんと公開をするべきである。情報を公開するか公開しないかの権限を行政に渡すのではなく、国民の側が知れるものはすべて知る、そこで不都合のあるものは出さないという形にしないといけないという意味からも、行政改革という観点からも、情報公開するかしないかという権限が行政にあって、その行政がその権限を行使することによっていわば官僚の力というのを保持しているわけですから、ここでやはり知る権利というのを明記する。
それは、国民の側に知る権利があるのだということを明記することによって、行政に対して国民が対等な立場というか、やや上の立場に立てるという象徴的な意味で、私は一知る権利というのを太田長官がおっしゃるようにわかっていながら入れない、具体的なことで権利が担保されればいいじゃないかと言いますけれども、やはり言葉の重みというのはあるわけで、再考していただける余地があれば大変ありがたいと思うのです。
重ねての御質問で申しわけございませんが、もう一度お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/38
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039・太田誠一
○太田国務大臣 いや、私が申し上げておるのは、情報公開法が成立をしたということになれば、つまり、むしろ知る権利というよりも、情報公開という言葉を冠した法律が通る方がもっと真実そのものを、名は体をあらわすと言いますが、体そのものをあらわすのは、情報公開という言葉の方が私は的確にその意味を反映しているというふうに思います。
だから、そこの、要するに知る権利というものがそういう言葉を、今知る権利という言葉を使わなければ情報公開の大原則が担保されないなんということはないというふうに申し上げておるわけでありまして、そこに、言葉にこだわられるよりも、言葉で言うならば情報公開法というこの言葉の方がもっともっと先生のおっしゃっている意味、そして真意に沿うものであるということを申し上げておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/39
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040・生方幸夫
○生方委員 これ以上論議してもあれなのですが、私の希望としては、やはり知る権利ということを明記しても多分不都合はないと思うのですね。不都合がないのであれば、憲法上に規定されていないからといって規定してはいけないということもないですし、やはりここで、情報公開法の中に知る権利というのを明記することによって、むしろ表現の自由というものの一つとして知る権利というものがきちんと位置づけられるのだということを国会でやってもいいということを申し上げまして、この論議は一たん終わらせていただきます。
次に移りまして、私どもの修正項目の中で非常に重要なポイントの一つである特殊法人の情報公開ということがございます。
これで、私もハイウエーカードの例の問題について調べておりまして、道路公団が身内の子会社に利権と思われるものをいわば広く渡して、道路公団そのものは赤字でありながら子会社はみんな黒字である、その黒字の会社の経営内容というのが明らかになっていないまま非常に大きな利権が放置されている、そこに道路公団あるいは運輸省の役人が天下りをしているというような実態がある。
これについて我々が調べようとしても、今の段階では非常に限界があるわけで、そうした意味からも、一刻も早くこうした特殊法人や、あるいは認可法人についてもですが、情報公開の中の対象に含めるべきであるというふうに私は考えております。
ここでは、本法公布後二年を目途として法制上の措置を講ずるものとしている。二年たってから公開すればいいものもありますが、今私が考えておりますように、道路公団とか、日銀も過剰接待で問題がありましたが、そのときも、日銀の職員の給与すら我々が出してくれと言っても出さないというようなことが、これは情報公開法に含まれていないというかその対象になっていないから、もちろん今はできていないのですけれども、だからそれを拒否できるわけです。やはり国民の側からすれば、準政府機関である日銀の職員の給与が明らかになっていないとか内容が明らかになっていないということは、非常に不都合なことだと思います。
あらゆるものを二年後を目途に公開するかどうか検討するのではなくて、すぐにでも公開するべきものは公開に盛り込むべきであるというふうに私は考えるのですが、長官のお考え方はいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/40
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041・太田誠一
○太田国務大臣 大いに特殊法人の世界の一部に問題があり、そして行政権を代行しておるということのはっきりしておる法人もあるわけでございますから、委員がおっしゃることはよくわかるわけでございます。
そこで、ではどの範囲でやるかということになった場合に、我々も、金融に関するここ数年間の問題が起こるまでは日本銀行が認可法人だなんということは知らなかった。あれは政府の機関か何かだろうと思っておったら、よく考えてみたら、確かに株式会社であるし、株を発行している認可法人だったということでございます。
そうすると、今使われている言葉というのは、特殊法人よりも常識的に見て明らかに公権力の行使と見えるものが認可法人であったりするわけでございます。そこのところを整理していかないと、明らかにこれは認可法人の中には民間の発意でできたものを政府が後から認めたというものがあるわけでございます。民間活動に限りなく近いものもあるわけでございますから、それについては、行政と同じように公権力の行使をしているに等しいとみなして開示を求めるということは、これは民間の活動でございますのでそうはいかないということがあります。
そこは、民間の活動についても、あるいは法律上の特権を持っているならば、法律上の特権を与えられているものならば、それは開示をしなければいけないという考え方も私はあると思います。そんなことまで踏み込んで整理をするのに少し時間がかかるということはあろうかと思います。
我々もいつまでも生きているわけではないから二年というのは長過ぎるということは思われるかもしれませんけれども、大体いいところではないかなというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/41
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042・生方幸夫
○生方委員 そうしますと二年後までに、例えば、道路公団に関しては一年後、これはみんなが認めるのであれば一年後あるいは半年後にもこれを対象に含めるということがあるのか、あるいは、それはなくて、やはり二年後に幾つかのものをまとめて情報公開の対象にするのか、どちらなんでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/42
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043・太田誠一
○太田国務大臣 私の理解では、法律の体系というものを考えるのだ。つまり、認可法人、特殊法人について法律ですから一般ルールをつくらなければいけないので、個別のことについてどうかというのは、ちゃんとそういう我々が今求めているものが対象になるように、しかも民間の自発的な活動というものを損なわないようにというルールをつくらなければいけない、それに二年かかるという意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/43
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044・生方幸夫
○生方委員 例えば、道路公団なんかの場合は、このように身内に利益を与えるということは、逆に言えば国民の側からすれば利用料金が高くなる。あるいは、談合して非常に高い工事をすれば、それはもともと利用者である国民にはね返ってくるわけですね。これは、情報が公開されていれば、そんな談合で非常に高い料金を設定することもできないでしょうし、身内は全部黒字だ、そこへ非常に大きな退職金を払うなんということはできないわけです。
情報公開が一年長引くということが、国民の利益にとっては一年間利益を損なうということにもつながるわけで、二年間それを仮に据え置かれたとすれば、その二年間に国民は本来得るべき利益を失ってしまうということもあるわけで、いわば実害が発生するわけです。
そういう意味からも、道路公団とか、日銀に関しては実害が発生しているかどうかわかりませんが、含めて、やはり早くできるものは早くできるというふうに、関連して言うのであれば、二年を目途としてというのを仮に例えば一年を目途としてというふうにすれば、一年後にできるものはできる。もちろん、そこでできないものは二年後にすればいいわけですから、そういう形で柔軟に対応できると思うのですが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/44
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045・太田誠一
○太田国務大臣 私の経験では、もちろん委員も随分いろいろなところを御経験しておられますけれども、二年というのはこういう場合にはあっという間にたつわけでありまして、例えば、この情報公開法に関係いたします民事訴訟法の改正にしましても、今一緒に出ておるはずでございますけれども、私の実感としては大変あっという間に時間が来てしまったなという感じでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/45
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046・生方幸夫
○生方委員 それは個人のあれで、二年は長いというふうに思う人もいるわけです。
仮に道路公団等、今公開しても何か支障はない、それを公開することによって国民の利益が非常に大きいというものがあることが明らかになれば、やはり私は、一年あれば道路公団について情報を公開するべきかするべきではないかというと、多分ここで今論議しても、公開すべきでないという人は余りいないと思うのです。そうであれば、何も二年かける必要はなく、仮に道路公団に関してはすぐ情報公開の対象に含めるという判断を大臣の判断でされてもいいと私は思うのです。
その二年云々ということではなくして、今の私の観点からの質問についてはいかがお考えになりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/46
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047・太田誠一
○太田国務大臣 ただいまと別な話になりますけれども、中央省庁の改革の話をしておるうちに、例えば独立行政法人化というようなことをやっておりますと、大変に我が国というか我が国官界といいますか、等しからざるを憂えるという、そのカルチャーというのは非常に根強いものがありまして、一部だけを標的にして物事を進めるということはなかなか難しい。やはり一般ルールをつくって、それで、もうみんなしょうがないのだということにしないとなかなか改革ができないというのが実情でございます。何とかそういうことで御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/47
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048・生方幸夫
○生方委員 そういうカルチャーをなくしていくのが行政改革であって、行政改革を今これからやろうというのですから、やはりそのカルチャーを打ち破るような判断をぜひしていただきたい。これはもうこれ以上あれしてもしようがないですが、まさにそのカルチャーが国民の利益と反しているから行政改革をやろうということなんですから、長官も、せっかく長官になっていただいたのですから、カルチャーを破るような御判断をしていただけるようにお願いを申し上げます。
次に、やはりこの間の質問で質問させていただいたのですが、国会の情報公開について御質問いたしたいのですが、憲法の中に、「両議院の会議は、公開とする。」というのが明記をされております。
この間の質問のとき質問させていただいたのは、たまたまその前にオーストラリアに視察に出かけまして、オーストラリアでは国会の中を子供がちょろちょろしていて、日本の国会の中も子供がちょろちょろしているのですけれども、日本の国会の中は縄を張った中を通させられるだけで、私も昔国会見学をしたのですけれども、何を見たのかほとんど何の記憶もないまま帰ってしまっている。
私の知人に聞いても、国会見学はしたよ、だけれども、何か印象に残っているものはあるかというと、ほとんど印象に残っているものはない。ということは、いわばその建物だけを見せて、実際の生きた議会の場というのを見せていないから、何の印象も残らず、国会見学が単なる国会の建物見学に終わってしまう。
したがって、「両議院の会議は、公開とする。」というその公開の対象にはもちろん子供も含まれているわけです。何か聞くところによると、本会議場には子供は本会議中には入れないようになっているとか、この委員会の場でもどうなんでしょうか、入れるのか入れないのかわかりませんが、私はやはり原則公開として、オーストラリアなんかの場合は、本会議場の上にガラス張りにして、子供が音だけは聞こえる、そのかわり子供のしゃべっている音は中には入らないというような工夫がされているわけです。
こうした質問をしたところ、小里長官から、十分具体的対応措置をとるべきであるというような御答弁をいただいたのですが、これは建物の構造の問題等あり、いろいろ問題があろうと思うのですが、こうした考え方について太田長官のお考えをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/48
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049・太田誠一
○太田国務大臣 今の御指摘の点については、国会の委員会あるいは本会議の審議については、広く年齢を問わず公開すべきであるというふうに私は思っております。
私自身の経験からすれば、たしか高校生のときに、一般の見学ではなかったと思いますけれども、委員会の審議を傍聴いたしまして、いまだに大変鮮明に記憶が残っているわけでございまして、そういう機会は広く与えられてしかるべきだというふうに思っております。しかし、それは、どっちかというと議運というか議会のルールの話でございますので、余り越権的なことを私がここで言ってはいけないと思います。
ただ、せっかくそういう問題の提起をいただきましたのでこの際申し上げたいわけでございますけれども、この情報公開法の話は、不特定多数の国民に新たな権利といいますか、新たな主権者としての立場を当然与える法案でございます。他方、それよりも以前に、実は、いわゆる議院証言法になるんだと思いますけれども、我々というか国会議員の情報開示を求める、政府の情報開示を求める力といいますか、その可能性の範囲というものは前から変わっていないし、今度情報公開法が制定されることによって、一般の国民にそういう権利を認めることによって、そのことを道具にして、やっとここで国会議員の力にもこれがなってくるわけでございます。
ですから、私は、我が国のさまざまな各界の意見の中で、国会の力、国会の情報開示を求める力というのは独自にあってしかるべきではなかったか、もともとそういうものではなかったかというふうに思っております。
今の国会の審議の公開という話は、この場所に一億二千万人の国民のだれでも来られるということよりも、あそこにもたくさんおられますけれども、メディアが常にここに入ってきて、メディアが常に何かあればそれを報道できる、活字にできる、あるいは電波として流せるという状態が公開という意味だと思っております。ぜひ、こういう場所はメディアにおいても尊重をしていただきたいのだというふうに思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/49
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050・生方幸夫
○生方委員 メディアも大事ですが、やはり生で見る迫力というのもありますので、ぜひ子供に見せやすいような工夫を国会としてもするべきではないかと思いますので、これは御検討をお願いをいたします。
次に、不開示情報についてお伺いしたいと思います。
我々野党の要求では、防衛外交情報について、二十年経過後に公開をするべきであるというのを追加してほしいというような修正要求を出しております。これに対して、自民党さん側の回答は、開示、不開示の判断は請求の都度行うべきであり、二十年経過しても支障がある場合は不開示とするべきであるというふうにお答えになっております。
しかし、私は、アメリカの外交文書の公開などを見ても、やはり公開することが前提であって、二十年後にはほとんどのものが全部出てくるということが行政官あるいは官僚にとっての一つのモラルハザードを来さないことになるのではないか。二十年後に公開、非公開をその都度判断するというのではなくて、やはり原則は公開であって、外交防衛文書でございますからもちろん不都合な部分というのがそこでも多少は残ると思いますが、原則はやはり公開する、それを二十年後に公開という項目をつけ加えることによってそれが担保できるのではないかと思うのですが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/50
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051・太田誠一
○太田国務大臣 原則はそういう開示すべきものであるというふうに思っております。二十年後にそれを開示するということは、我々もよく戦争中のさまざまな、まさに機密に属する交渉の経緯とかいうことを見て、大変興味深くそのような報道を読むことがあるわけでございますので、それは時間を区切って、原則的にこの部分までは公開するという考え方はあろうかと思います。ただ、それじゃ、アメリカやそのほかの国々がすべて何もかも時間がだったらば公開しているということかというと、そうではないようでございまして、絶対に最後まで、何年たっても何十年たっても公開しないというものもあるようでございますので、そこについてはまた、この法律ができた後、個別のケースに、いろいろなことがあると思うのですね。これからいろいろなことが起きてくると思いますので、個別のケースを見ながら工夫をすることができるというふうに思っております。
今、原則何もかも二十年後ということに踏み切るということは、そこまで勇気がないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/51
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052・生方幸夫
○生方委員 二十年がいいのか三十年がいいのか十五年がいいのか、これは議論があるところです
けれども、やはり年限を区切って、あるところが来たら必ず公開されるんだということがあることが行政の責任ということにつながると思うのですね。
したがって、今すぐということでなくてもいいのですけれども、いずれこれは二十年後なら二十年後にすべてを公開しますよということをまず前提としておいて、それでも、今おっしゃったように、それはどうしてもされない部分というのがあるかもしれません。それが何であるか私よくわかりませんけれども、二十年後に公開されて、何か国家の運営にとって不都合になるようなことが、実際に本当にそういう情報があるのかどうか私わかりませんが、原則は何年か後にやはりきちんと公開をするべきだということをいずれ盛り込んでいただきたいということで、これは私の希望として申し上げておきます。
それから、今佐々木委員からも質問がございましたが、手数料について質問させていただきます。
特に、私、請求料金についてぜひともお願いというかお伺いをしたいのですが、まだ情報公開法ができたばかりの段階では、国民の側にも、どこにどんな情報があるのか、どこをどういうふうにすれば自分の本当に知りたい情報があるかというのはほとんどわからないと思うのですね。わからない、でもやはりこの情報についてはぜひ知りたいというとき、例えば私がどこかの官庁に出向いていって、どこの門をたたけばいいのかわからないということであれば、とりあえずいろいろなところの門をたたいてみようということになってしまうと思うのですね。
そのときに、請求権で、そこの段階ですべてお金を取られて、そこから本当の情報が出てきてまた再度お金を取られるというようなことになりますと、実際問題として、よっぽど手間と時間とお金が余っている人しか情報公開法ができても情報公開法を利用できないということになってしまうと思います。
見直し条項というのもございますので、とりあえずできた段階、国民の皆さん方が情報公開法の利用の仕方についてなれない段階については、もちろんこれは情報公開条例が地方のところでいっぱいできていますのでなれている方もいらっしゃると思いますが、今度情報公開法ができて国の情報も見てみたいという人にとってはやはり入り口は広くしておいて、その中で本当に乱用をされたりすることがあるのかどうかも含めて見ながら、むしろ二年後とか三年後、三年か五年か知りませんが、その辺の見直しのときに、では請求料を取るべきであるか、あるいは取るべきじゃないかという判断をするべきで、最初の段階では請求料は無料にして、やはり広く利用してもらうことによって情報公開法の中身が充実するようになると思うのですが、長官のお考え方はいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/52
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053・太田誠一
○太田国務大臣 利用しやすいようにしておくということは大原則でございますし、またそのような姿勢は大原則として我々も確認を申し上げたいと思います。
ただ、庁内においてもこういう議論をいたしますと、やや私は、納税者というものはそれこそ不特定多数いるわけでございます。そして、そのある種の情報公開に対して全く関心のないという人が例えばほとんどだった、過半数だった。
過半数にはならない人が情報を欲しいと思って、その中の積極的な人は情報公開の請求をするといった場合に、それは納税者がその公務員、その窓口になる、あるいはその資料はどこにあるか、情報がどこにあるかということを調べる人たちにも人件費を払っているわけでございます。
コピー代とかなんとか言う前に、そこに人がいて、そして仕事をしている。そこで開示請求が起きたらば、窓口の人とそれを調べる人ぐらいは最小限ある程度の時間を使わなくちゃいけないということでございますので、そのテーマについて請求をした、関心を持った人が、その他の納税者、関心のない納税者との関係において、ただということはないだろう。ただということはないんじゃないか。何かそれは、何がしかの行政コストの一部を負担をされるのがこの民主主義の社会でも当たり前ではないかというふうに私は思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/53
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054・生方幸夫
○生方委員 これは、請求する方と請求していない方ということなんですけれども、請求をすることによって国民による行政の監視、参加の充実に資するということがあるわけですから、情報公開を請求していない人にとっても、請求をすることによって行政がより国民に近づくということのメリットを考えれば、何も、請求する人に対するコストを請求しない人たちが負担するのはおかしいという論理にはならないと思うんですよね。
その人たちにとっても、行政が行政を公開することによって国民の監視、参加というものが担保されるわけですから、その方たちにもメリットがあるわけで、今長官がおっしゃったことは、その方たちは関係ない、情報公開を請求する人たちは請求する人たちだけのまさに利害のためにやっているんだみたいですが、そうじゃなくて、それはあくまでも全体の行政の質を高めるということのために情報公開を請求するわけですから、納税者、払っていてそれを求めていない人たちがそのコストを負担するのはおかしいという論理にはならないと思うんですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/54
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055・太田誠一
○太田国務大臣 それは、最近もいろいろなわかりやすい例が日本だけでなくてアメリカでもあるわけでありますけれども、このことについては、公開すべきだと思う人が、実際に積極的に行動を起こして請求をしたという人だけにとどまるものではないと思いますよ。私もそう思います。
だけれども、それは、そのことについて反対であるとか、あるいは全く関心がないという人も相当世の中にはいて、例えば六〇%の人がそうだそうだと開示を請求した方の行動に共鳴はしているけれども、見えない。実際行動を起こしたのは一人だけというふうなこともあり得るから、それは、今のおっしゃることは否定いたしません。それは、行動を起こした人によって、恩恵が広く不特定多数の人に及ぶということはわかりますけれども、その逆の部分もあると私は思うんですよ。
この情報公開という制度があることによって、みんなが何がしかの最小限度のコストを払えばそういう行政の情報にアクセスできるということが大切なのであって、一つ一つの行為というものがすべて、みんなにあまねく広く、一億二千万全員に恩恵が及ぶということでもないんじゃないかと思うんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/55
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056・生方幸夫
○生方委員 運用の中でこれは判断されるべきことであって、だから、入り口の段階で狭めないで、広くまず使っていただくということであれば、私は、ずっと請求料を取るなと言っているわけじゃなくて、取ることの合理性、不合理性を、やはり一たんまず取らないから始めてやるべきで、一たん取るから始めるよりは、取らないから始めてみて、広く使っていただいてということの方が、情報公開法をせっかくつくるのであれば、いいんじゃないかという観点から質問させていただいているわけです。
この辺は、もちろん手数料がかからないということになれば、税金を使うわけですから、一概にただというわけにはいかないんでしょうけれども、希望としては、やはり二年ないし三年ということで見直しをするべきではないかなというふうに考えます。
これに関連いたしますが、この見直し条項についても、我々は三年を目途として見直してくれというふうに言っているわけで、私は、三年じゃなくて、もっと短く、一年とか二年でも見直していった方がいいと思うんですが、そうしょっちゅうやっていたのではまたこれも大変ですから三年でいいと思うんです。
こういう我々の要求に対して、五年を目途として見直しをするという回答が来たんですが、やはりこれは五年だと。ここにその理由として、三年では、審査会の答申や判決例の積み重ねに乏しく、実情に基づいた適切な見直しが期待しがたいことから、五年が適当というふうになっているんですけれども、私は、三年あれば十分に、事例も、この法律が施行された後いろいろな問題点も明らかになるのではないか。見直しは早ければ早いほどいい。三年後に例えば見直す点がなければ見直す点がないでいいわけで、五年というふうに区切るよりは、三年後に一度見直すということの方が、より、情報公開法の使い勝手という点からはいいんじゃないかと思うんですが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/56
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057・太田誠一
○太田国務大臣 いわゆる情報公開の審査会の審査の実績、あるいは当然、不開示ということになれば訴訟が起きるわけでございますから、その判例の積み重ねにどのぐらいの時間が必要かということは、ちょっとこの場で何とも、それこそ様子を見てということにしかならないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、これは、よく与野党で御協議いただいて、詰めていただいて、その結論が出れば潔く誠実に対応していくというのが私どもの立場でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/57
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058・生方幸夫
○生方委員 最後に、行政文書管理法というものを我々はつくるべきではないかというふうに要求をしております。
この間の私の質問でも、各省庁ごとに省令で定めるということになりますと、私たち情報を請求する側からすると、各省庁ごとの情報管理のルールを知らないとなかなか請求できないということになってしまう。したがって、全省庁を統合した一定のこういう文書管理のルールをまず決めておいて、その中で、いろいろな仕事の違いがございますから、細則について各省庁ごとに別途決めるという形で、もともとの文書管理そのものについては、大枠な全省庁統合した形の文書管理規程というものを設けるべきではないかというふうに私は考えでおるんです。
それが行政文書管理法という法にするのか、あるいは規程という形でいいのかわかりませんが、一定のルールというものはやはりつくっておくべきだと考えるんですが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/58
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059・太田誠一
○太田国務大臣 今の文書管理規則というのは、中央の行政機関について、各省とも持っているわけでございます。それは、その省でいいますと私は訓令だと思っておりますが、国家行政組織法上の大臣の権限として明記されております訓令というものがこれに相当するんだと思います。
そして、我々が国会でもって決めるのが法律でありますが、法律でもってある定めをして、その中でさらに具体的なことを閣議でもって政令で決めるということになります。そして、政令で決めたもののもとでさらに各省において具体的にこのルールを定める必要がある場合に、省令と訓令ということになるわけでございます。その訓令として今定めているわけでございまして、これは公開されているということになっております。
実は、私は、こうして入閣するまでは、公開されているとはいうものの、どこにあるのか、恐らくどこかにあるんでしょう、今でも私は、どこに行けば公開されているということはちょっと知らないのでございますけれども、公開されることになっておりますし、大変大部なものが、ルール、ワンセットみたいなものがどこの省庁も置いてあるわけでございますが、恐らく公開されているんだと思います。
しかし、実際には、それは文書決裁規程、文書管理規則全体ではないかと思いますが、文書決裁規則というものでさえ歴代の大臣が読む機会がなかったということがあったぐらいでございますから、これは、そういうものがあるにせよ、もっと何かアクセスのしやすい状態をつくらなければいけないということは考えております。そして、各省の文書管理についてのルールを共通化するのか、あるいは各省で今やっておることをディスクローズしていくことがどっちが先かというと、今やっているのがどうなっているんだということをディスクローズしていく方が先だなというふうに思うのでございます。
それを見ながら、これを見ていても、私も何回もことしの五月ぐらいから見ておりますけれども、まことに難解な文章で、先生方はそれこそ法曹界におられて、こういうのはわかりやすいと思われるのかもしれませんけれども、まことに難解なことで、結局何を言っているのかというのは最近になってやっとわかってきたぐらいのことでございます。もう少しそういうことについては工夫の余地があると思いますが、むしろ今やっていることをどうやって知らしめる、公開するかということが先であろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/59
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060・生方幸夫
○生方委員 時間が来ましたので、これで終わりますけれども、厚生省の問題とか防衛庁の問題とか、文書管理がずさんであるということは我々もよく知っているわけで、そうした意味からも、きちっとしたルールをつくっておいて、どこの文書がどこにあるというのがすぐだれでもわかるような体制にしていただくということが非常に重要じゃないかというような指摘をさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/60
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061・二田孝治
○二田委員長 倉田栄喜君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/61
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062・倉田栄喜
○倉田委員 平和・改革の倉田でございます。
臨時国会が始まりましてから、この情報公開法案に関する質疑はきょうが初めてであります。非常に重要な法案であり、前国会から継続をされてきており、国民の皆様が非常に関心の高い法案でありまして、私どもも、先ほどから質疑がありますとおり、この間、与野党協議、どうしたら国民の皆様方に御納得をいただけるよりよい法案ができるのかということで努力を重ねてまいりましたし、協議を続けてまいりました。
そういう意味で、この情報公開法案につきましては、御承知のとおり、閣法があり、そして私ども三会派が提出をしております法案があり、共産党さんが提出をしております法案があります。それぞれの立場でそれぞれがベストとして考えている法案を提出しているわけでありますけれども、ともかく今までなかった情報公開法は成立させるべきだということで、私どもは、政府案に対して修正を要求する。三会派案がベストですよ、だから、これをもとにひとつ政府・自民党の方も譲っていただいて修正をしていただけませんかということではなくて、私どもは、ともかく一段譲歩をして、政府案の修正を求めて、そしてこの臨時国会の中に、本当に真摯に協議を続けてきているわけであります。
そういう意味で、本委員会は情報公開法の質疑、最初になるわけですけれども、ずっとこの間、与野党間協議を続けてきた。そして野党が共同して、先ほど官房長官にも御評価いただいたわけでありますけれども、共同して修正要求をした。それは、非常に重要な意義を有しておると思いますし、その中身の十二項目というのは、一つ一つ大変重要な視点で修正要求をしている、私はこう思っております。
そういう意味で、きょう本委員会は、この情報公開法案について、あるいは総括的には最後の質疑になるかもしれないと思いますので、今までやってきた質疑、そして今までなされてきた質疑と重なるところも多いかと思いますけれども、これでこのまま情報公開法を成立させて、果たして今まで運動を一生懸命やってこられた方々に、そして国民の多くの皆さん方に納得していただけるかどうかという視点も含めてお尋ねをさせていただきたいと思います。
そこで、総括的な意味になりますので、まず総務庁当局の方に目的規定のところから重ねてお伺いをするわけであります。
先ほど総務庁長官もお答えになっておりましたけれども、なぜ知る権利が明記できないのか、これは要約、簡潔にそのポイントについてもう一度、当局の立場としてはなぜ知る権利は明記できないのだということをお答えいただきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/62
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063・瀧上信光
○瀧上政府委員 お答えいたします。
いわゆる知る権利という文言を法律に用いるかどうかといったことにつきましては、従来、憲法上の権利として行政情報に対する開示請求権が保障されているかどうかという論議と不可分となっていたわけでございます。
先般来御説明を申し上げておりますように、このような行政情報の開示請求権という意味での知る権利が憲法上保障されているか否かといったことにつきましては、なおさまざまな見解があるというのが現状であります。
こういったために、法律上の文言としては、知る権利という言葉を用いないこととしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/63
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064・倉田栄喜
○倉田委員 どうもそのお答えで、ああ、そうなのかという納得はやはり何回聞いてもできないのですね。知る権利ということが憲法上の権利としては確定されていないというふうな言い方、今までの議論の中では、抽象的、多義的概念、学説もいろいろあって、知る権利という言葉自体が法律の用語として明記することはいかがなものか、こういうことだと思うのですけれども、どうも納得できない。
先ほど長官は、知る権利という言葉にこだわらなくても、その中身が大切ですね、中身がしっかりしていればいいのではないのですか、ですから、知る権利という言葉よりも、ある意味では情報公開法という言葉の方が大切なのじゃないのですか、こういうお答えでありました。
しかし長官、まさに中身が問題であるというところに一つ重要な意義がある。情報公開法という法律を制定するのは大切だ。しかし、その情報公開法はいかなる中身なのか。本当に国民の側にとって情報公開という名に値する法律、仕組みになっているのかどうか。
その重要な中身として、私は知る権利、法律の言葉というのは、ある意味で、ああ、そういうことかというふうに、先ほど長官はいろいろな文書があって何か難しい言葉があってわかりにくいということもちょっと話しておられましたけれども、皆さんが納得する言葉が使われていなければならないということもそのとおりだと思うのですね。先ほどのお答えの中でも、私は、いまだにどうして知る権利という言葉が法案の中に明記できないのだろうということがよくわかりません。
もし、知る権利という言葉が多義的、抽象的でまだ学説としても定まっていない、そういう言葉を最高裁の最終的な判断を待たずに法律の言葉で使うことはいかがなものかということであるとすれば、これは、知る権利は私ども国会はこういうこととして規定するのですよというふうに、その中身、具体的な権利ということを規定するのは、私は、国会自身の、我々の役割なのだろう、こう思うのです。それを、いや、それはまだ決まっていないからとか、よくわからないから使えないということでは、我々委員会の、あるいは国会議員としての責務というのか責任というのは一体どこにあるのだろう、こういう思いをしてならないわけであります。
その点はちょっともう一度総務庁長官に聞きますが、その前に当局に、先ほど知る権利が憲法上との関係でどうのこうのということをお話しになっておりましたけれども、前回の委員会のときに、私は、「目的」の中に「行政文書の開示を請求する権利」、これは知る権利とはどういう関係にあるのですか、知る権利を具体化したものだと考えていいのでしょうか、あるいは行政文書の開示を請求する権利というのは、憲法から由来する、あるいは憲法による権利と考えていいのですか、こういうふうにお尋ねをしたわけでありますけれども、なかなか答えるのが困難でございますということで、お答えをいただけませんでした。
この行政文書の開示を請求する権利というのは、一体憲法から考えた場合どういう権利なのか、これはぜひお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/64
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065・瀧上信光
○瀧上政府委員 情報公開法案におきましては、開示請求権は、憲法上の国民主権の理念にのっとったものとしております。すなわち、政府には国政を信託した主権者である国民に対し、みずからの諸活動の状況を明らかにし、説明する責務、説明責任があるということから、国民一人一人が政府の諸活動の状況を吟味、評価できるようにするものと位置、つけております。
知る権利との関係につきましては、知る権利について憲法解釈上いろいろな考え方があるという状況でございまして、この開示請求権との関係を御説明するということは困難でございまして、これはあくまでも国民主権の理念にのっとった請求権であるというふうなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/65
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066・倉田栄喜
○倉田委員 第一条の「目的」のところに、「この法律は、国民主権の理念にのっとり、」こうあるわけですね。そこで、今お答えは、この行政文書の開示を請求する権利というのは、国民主権あるいは民主主義、それはまさに憲法の規定から来るわけですから、国民主権の理念にのっとった権利なんだ、こういうお答えであります。
その行政文書の開示を請求する権利は、それでは憲法上のどの条文に依拠するんだということについては、私どもは、それは知る権利というところから具体的に由来するのではないの、だから、知る権利を具体化した権利ではないんですか、こうお尋ねしているのですけれども、それについては、知る権利の概念が多義的、抽象的で定かでない、だから、知る権利を具体化した権利であるかどうかは答えるのは困難だ、こういう話であります。
どうも、それでいいのかという思いがしてならないわけでありますが、しかし、今お答えになった言葉の中には、この行政文書の開示を請求する権利が国民主権の理念にのっとるということは、我が国の民主主義の最も基本的な権利ですよ。そこから導かれる、まさに国民主権の理念にのっとった憲法から導かれる権利なんだ、それが非常に重要な権利なんだ、そういう行政文書の開示を請求する権利なんだ、そういうお答えであると私は理解いたしました。
長官、この行政文書の開示を請求する権利、「国民主権の理念にのっとり、」こう「目的」に書いてあるわけでありますけれども、我が国の民主主義の非常に基本的な根幹、非常に重要な権利である、そういう権利であるということでいいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/66
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067・太田誠一
○太田国務大臣 例えば、この情報公開法が両院で可決、成立をしたときに、新聞が、知る権利ついに具体化というふうな見出しを打っていただいたとしますね。それは、私はちっとも間違いじゃないと思うのですよ。
だから、言っていることの実態は、情報公開という言葉で言っていることと先生がおっしゃっていることは同じことであって、ただ、法律の言葉として、法律用語としてそれはまだこなれていないというか、広範囲の合意を、その言葉を使うに至っていないというだけのことだと思うのですね。だから、先生が、例えば、ここは一歩外に出て、多くの方々に対して、ついに知る権利が具体化したということを、成立をしたときに、たくさん集めてそういうふうに高揚した精神でおっしゃることは、まさに正しいことだろうと私は思うのですね。
〔委員長退席、植竹委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/67
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068・倉田栄喜
○倉田委員 大変長官のお答えは含みのあって、非常に重要なお答えなのではないのかなという気もいたしますし、それでいいのかなという気もいたします。
もう一度繰り返して申し上げることにいたしますけれども、私もこの行政文書の開示を請求する権利、「国民主権の理念にのっとり、」と「目的」に書いてあるわけでありますから、行政改革委員会の情報部会の先生方も、恐らく知る権利と書くべきだという議論も私はあったんだろうと思いますけれども、それを入れなかったとしても、この「国民主権の理念にのっとり、」というところに相当多くの意味を含ませながら、これが非常に重要な権利であるということを明示されたんだと思いますし、長官もそのことを踏まえながら、私が外に向かって、この行政文書の開示を請求する権利は知る権利を具体化したものだ、こう言ってもそれは間違いじゃないというふうにお答えいただいたんだ、こう思うのですね。
ただ、当局としては、いわゆる我々が学説として議論をしている知る権利がどの条文に由来するんですか、どういう内容を持った権利なんですかということについては、多義的だから当局としてはそれは書けないよ、こういうお答えなんだろう、そういうふうに私は今思いました。
しかし、最後にこの点をもう一つだけ言わせていただければ、長官は先ほどから、中身が大切なんです、知る権利という言葉にこだわるよりも、情報公開という、これが成立させる中身が大切なんです、こうお答えになりました。
そうであるとすれば、私ども国会は、まさに国民の皆さんが、わかりやすい、しかも、ああ、こういうふうな法律が本当にできたんだねという期待を持っていただいて、その内容に実質応じた法律をつくっていく責務が先ほどからも繰り返して申し上げますけれどもあるわけでありますから、本来からいえば、国会としては、この知る権利はこういうものですよというふうに私どもは国会で決めていいんだ、こういうふうに思っているわけであります。
そこで、目的の理念、国民主権の理念、これからいきますと、これも議論になっておりましたけれども、国民の監視と参加の明記は当然ではないかという議論がありまして、当然この十二項目の修正項目の中には入れさせていただいているわけです。当局からのお答えは、ここのあれは「国民の的確な理解と批判の下にある」、これはまさしく国民の監視と参加ということと同じですよという答弁を繰り返しいただいているのですね。
同じだったら、行政改革委員会の最初の要綱のとおり、監視と参加でもいいんじゃないのか。まさに国民主権の理念からいけば、国民の監視と国民の参加なのではないのか、こう思うのですが、この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/68
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069・瀧上信光
○瀧上政府委員 「行政の監視・参加」という表現であらわそうとした内容を法律上的確に表現した、つまり法文化した結果が「国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進」ということとなったものでございまして、行政改革委員会の「監視・参加」の趣旨、内容を変更するというものではございません。
これはあくまでも法文上の表現として、従来使われております監視、参加という用語は、この行政改革委員会の意見の中で言われております公正で国民の意思が反映された行政運営の推進といったような観点からの使われ方としては、より適切な表現は何かということで、法文化する上で検討した結果として、「国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進」というふうになったものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/69
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070・倉田栄喜
○倉田委員 ですから、そこのところも、いわゆる法律の言葉があって、それがやはり、法は行為の規範をするものですから、わかりやすいものでなければならないし、そしてそれは国民の皆さんになるほどと納得される内容でなければならない。そうだとすると、先ほどの知る権利もそうですけれども、知る権利はどうも明記できないな、監視と参加もどうもなじまないなという、その背景、根底に何かはかにあるのかなというふうに思ってしまうわけですね。
ですから、そこのところがどうも、この目的規定、非常に重要な規定でありますので、国民の皆さん方が、いや、監視と参加よりも理解と批判というのがもっとよりょく内容をあらわした言葉なんだというふうに理解をしていただけるのかどうか。それは、いろいろな意味でこれから御説明をしていただかなければならない責任もあるんだと私は思いますが、今の状況ではまだまだそこは当局の方でお考えになっているほど、いや、同じなんですよ、監視と参加と意味は変わらないんですよと言っても、まだ納得していないんじゃないのか。私自身もそうかなという思いがしてならないわけであります。しかし、これは監視と参加、こういう意味と変わらないんだ、こういうお答えであるということは受けとめておきたい、こう思います。
そこでもう一つ、これも前回の質疑のときに少し疑念を残した質問でありますけれども、政府の有するその諸活動を国民に説明する責務がある、この説明する責務があるというのはどういう責任ですかというお尋ねに対して、それは国民の皆さんに説明する責任です、こういうふうなお答えでありました。
説明する責務、説明する責任がある、こうであるとすれば、後ほどの手数料の問題にもかかわるわけでありますけれども、サービスなのではない、サービスというか消極的なものではなくて、行政機関の保有する情報の公開については積極的に行政みずからが説明する責任があるということに私はつながると思うのですね。そこのところをもう一度、「国民に説明する責務」と書いてあるその趣旨、そしてこの文言の意味するところは何なんだということをもう一度お尋ねしたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/70
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071・瀧上信光
○瀧上政府委員 説明責任、説明責務というのは、先ほど申し上げましたように、憲法で規定する国民主権の理念に由来するものでございまして、政府はその諸活動の状況につきまして、国政を信託した主権者である国民に対し、いつでも具体的に明らかにし、説明できるようにしておく責任を意味するものと理解をいたしております。
そして、この説明責任を全うするための制度として、個別の法律によって行政機関が保有する特定分野における情報を国民からの求めに応じて開示する制度や、国民からの求めを待たずに情報を積種的に提供する制度といったようなものが設けられておりますが、さらに今回、これらの制度に加えまして、国民一人一人が行政機関の保有する情報全般について開示請求をすることができる一般的な開示請求権制度を確立しようとするものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/71
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072・倉田栄喜
○倉田委員 まだ質問が多いものですから次に進みますけれども、二条の「定義」のところで、「歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究」資料の項目が二条二項の二にあるわけですね。「歴史的若しくは文化的な資料」、これがここで書いてあって、この資料というのが一般的に非開示になってしまわないのかどうか。学術研究に関して、研究者以外であったとしても、いろいろな人が知りたいと思うようなことが、この規定によってかえってアクセスできないようになるのではないのかという御意見があるのですね。これはどうなのか。
そして、この規定で、前回の質問のときに、特別の管理がされているものということについてはどういうことですかと聞きましたら、政令で具体的には定めることになるんだ、こういうふうなお答えがたしかあったと思うのですけれども、政令で定める基準というのはどうなのか。これはちょっと細かなことになるかもしれませんけれども、重要なことでもありますので、お尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/72
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073・瀧上信光
○瀧上政府委員 情報公開法案第二条第二項の「歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料」につきましては、貴重資料の保存、学術研究への寄与等の観点から、それぞれ定められた開示範囲、手続等の基準に従った利用にゆだねることが適当であるとしまして、この法律の開示請求権制度の対象である行政文書から除外をしているわけでございますが、その具体化に当たりましては、どういった機関がそれに該当するかという保有機関を政令で指定し、そして管理の方法を政令で定めるということといたしております。そして、政令で定める管理の方法の基準におきましては、部外者の閲覧等利用に関する手続を作成、公開することを想定いたしております。
したがって、ただいまの「歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用」資料につきましては、部外利用を前提とした上で、適正かつ明確な基準によって対象文書から除外をすることとしたものでございます。
そして、政令で定める管理の方法の基準の具体的な内容についてでございますが、一つは、内容、所在を明らかにする目録を作成、公開する、そして部外者の閲覧等利用に関する手続を作成、公開することといったものを想定いたしておりま
す。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/73
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074・倉田栄喜
○倉田委員 ここもぜひ、その基準というのは明確に、納得できるものにしていただいて、この法律ができたおかげで、従来見ることができた、あるいは内容をわかることができた、手に入れることができた、そういう歴史的なあるいは文化的な資料というものが、この規定によってもうできなくなりましたよということにはならないように、これは歴史学者あるいは研究者にとっても、また今からそういう勉強をしたいと思う人にとっても、非常に重要なことなんだろう、こう思いますので、この点は特に強く要望しておきたい、こう思います。
十二時で午前中の分が終わりますので、もう少しですが、公務員の氏名について先ほど質疑がございました。一般的に公務員の氏名について公開することについては、公務員といえども私生活があるわけであって、いかがなものかということで、一般的に公務員の氏名を公開するのはどうか、こういう御質疑がありました。そしてそれに対して、公にされている場合は公開をすることがあります、こういうことでした。
この項目は、第五条一号のハでありますけれども、関係するところでいえば、当該情報のうち、当該公務員の職と当該職務遂行の内容に係る部分については公開することになっている。
そうすると、この規定から読み取れること、当該公務員の職というのは、例えば局長であり部長であり課長であり係長であるということは明らかにいたしますよ。そうすると、先ほどのお答えの中で、公にされている部分の氏名は明らかにしますよ、この関係からすれば、一般的に刊行されているいわゆる公務員名簿みたいなところに、職があって、氏名が載っかっていますね。そういうことから、公務員の氏名が一般的に公にされている場合は公開されるということになりますよという趣旨なんですか。
それとも、情報開示をされるときに、職と氏名というのは、公にされている場合はきちんと明示をされて公開されることになるのかどうか。このいわゆる開示をされる氏名の範囲というのはどこまでなんだということについてお尋ねしたい、こう思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/74
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075・瀧上信光
○瀧上政府委員 情報公開法案では、個人が識別される情報であっても、慣行として公にされている情報につきましては不開示情報には当たらないということとしております。
公務員の氏名につきましても、開示することにより当該公務員の私生活に影響を及ぼすこともあり得るということから、原則として、慣行として公にされている場合に該当するかどうかといったことにより公開の有無が判断されることとなります。
公務員の氏名が公開されるかどうか、よく中央省庁の課長職以上ではないかというようなお話もかつてありましたが、これにつきましては、個別事案ごとに慣行として公にされているかどうかといったことによって公開の是非を判断するというものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/75
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076・倉田栄喜
○倉田委員 ですから、その慣行として公にされているという部分には大体どこが当たるのか、そこも一つやはり基準を明示してほしい、こういうことなのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/76
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077・瀧上信光
○瀧上政府委員 慣行として公にされている情報、法律の第五条第一号イに当たるときとして、具体的には、例えば人事異動の官報への掲載とか、あるいは行政機関が作成し一般に市販をしている職員録への掲載その他行政機関による公表の慣行がある場合、こういったようなものが該当すると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/77
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078・倉田栄喜
○倉田委員 氏名の問題では、あと各地方自治体の公開の関係でお尋ねしたいと思いますが、午後の質疑に譲りたいと思いまして、ここで午前中は終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/78
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079・植竹繁雄
○植竹委員長代理 それでは、本会議休憩後直ちに再開することとし、この際、休憩いたします。
午後零時一分休憩
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午後二時十六分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/79
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080・二田孝治
○二田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。倉田栄喜君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/80
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081・倉田栄喜
○倉田委員 午前に引き続き質問を続けさせていただきますけれども、公務員の氏名の開示の問題でございます。
条文上は、公務員の職は開示されるけれども、公務員の氏名については、プライバシーの観点もあろうしということで、慣行として公にされているものについては氏名の開示もあり得る、こういうことでありました。
そこで、公務員の氏名の開示は、裁判等々あるいは地方自治体で、既に進んでいるところがあります。この法律ができた場合、成立をした場合、一般的に開示をするのは職ですよ、氏名の場合は慣行として公になっている場合ですよ、こういうふうになった場合については、いわばこの考え方は、公務員の氏名というのはこの法律では積極的に開示することはありませんよ、こういうふうに受け取れるわけですね。
そうしますと、裁判等々で、地方条例の中で、もう既に一般的に公務員の氏名を開示をする、あるいは開示をするということで条例を検討している場合等々に、この法律ができた場合、この法律によって、それはだめだよ、一般的に開示するのは職なんだよ、そういうふうに制限をすることになりはしないかという不安を少し持っております。
四十条は、この法律の趣旨にのっとって、必要な施策を策定する、地方公共団体についてはこう書いてあるわけですけれども、ぜひここのところは、地方自治体の方で、それぞれの地方自治体の状況あるいは政策判断に応じて、その条例について、公務員の氏名もやはり我が自治体は開示するんだ、こういう条例ができるとすれば、それはこの法律に反するものではないんだ、私はこう思うわけでありますが、この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/81
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082・瀧上信光
○瀧上政府委員 この情報公開法案は、御承知のとおり、地方公共団体に直接適用されるものではございませんので、各地方公共団体における開示、不開示の判断というのは、それぞれの条例の規定に基づいて行われるものでございます。
したがって、御指摘のように、第五条第一号イの規定が自治体の判断を制限することにはならないものと考えております。
そして、ただいま御指摘の法律四十条におきましては、地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、必要な施策を策定し、実施すべき旨の努力義務を定めておりますが、御承知のとおり、この規定は訓示規定でありまして、条例の改正とかそういったようなものを拘束する、そういうふうなものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/82
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083・倉田栄喜
○倉田委員 地方自治の本旨ということで、それぞれの地方自治体がその本旨に基づいて積極的な情報公開についての条例を制定することは妨げない、こういうことでありました。この問題はそれでいいんだろう、私もこういうふうに思います。
そこで、次の質問に移りますけれども、法人の任意提供情報の問題であります。
私どもは、この任意提供情報の部分は削除した方がいいのではないのか、こういう立場でありますけれども、五条の二号のロですね。「行政機関の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供されたもの」、この公にしないとの条件で任意に提供される情報、これは、行政の立場としてはできるだけ広く情報を集めたいという趣旨なんだろうと思いますけれども、基本的な立場として、どうして任意に提供される情報まで集めなければならないのかということについて、もう一度これは御答弁いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/83
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084・瀧上信光
○瀧上政府委員 最初に、まずこの規定の趣旨でございますが、法人等からの任意提供情報につきましては、非公開を前提としなければ他人に提供されないような情報が行政機関の要請に応じて任意に提供され行政機関が保有することになった場合に、行政機関が保有していることのみを理由として当然に何人に対しても開示されるということは合理的ではないということから、行政機関の要請を受け、法人等から非公開を前提として行政機関に提供されるという情報の流通の形態や、提供者の非公開取り扱いに対する期待と信頼を保護しよう、そういうものでございます。
そして、こういう任意情報をなぜとるのかといった御質問でございますが、一般論でございますが、定期報告や緊急時の報告等で、法律の規定に基づきまして情報収集をする場合がありますが、こういったもののほか、行政運営を行っていく上で法人の協力を得て情報を収集するということが不可欠となっているところでございます。
こういったことに問題があるとすれば、任意かどうかということより、行政活動に必要な範囲を超えて不要な情報を収集するかどうかといったことではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/84
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085・倉田栄喜
○倉田委員 今、行政のあり方について、いわゆる裁量型行政というものについて行革の中でもさまざまな議論がされている。いわゆる行政の裁量の幅というのは、できる限り小さくあるべきではないのか。そうだとすると、非公開でなければ提出したくないよという情報、しかもそれは任意である。もし行政上必要な情報であるとすれば、それは強制的にとれるようにしなければならないんだ、こう思うのですね。
ところが、強制的でもない、そして一般にはこれはやはり非公開にしてくださいよ、だったら提出をいたしますよ。一方で、行政の裁量権の幅というのは極力見直しましょうということになるとすると、非公開で提出をされなければ、あるいは非公開ということで集めなければならない情報というのは一体何なんだろう、こういう思いがするわけです。
そこで、本来必要である情報であれば強制的にとるべきであるし、そして任意で非公開ということについては、どうもここも行政の幅というのか、裁量の幅が少しあり過ぎるのではないのかという気がしてならないわけでありますけれども、ここで、任意に提供される情報と任意でない情報というのはどこで区別をするわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/85
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086・瀧上信光
○瀧上政府委員 任意と強制ということだと思います。
情報公開法案第五条第二号ロの任意に提供された情報であるかどうかといったことにつきましては、当該情報の提出が法令または行政庁の処分により義務づけられたかどうかといったことにより判断されるというふうに考えております。
そして、情報の提出義務が課されていないにもかかわらず、行政機関の要請に基づきまして法人等が行政機関に情報を提供した場合には、任意に提供された情報ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/86
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087・倉田栄喜
○倉田委員 そうしますと、そういう状況で、なおかつこれは非公開にしてくださいよという申し出があった場合についても、この条文は、その状況に照らして合理的であると認められるものという制限があるわけですね。そうすると、一般的に、非公開ということで話があった場合に、非公開という条件が合理的であるのかどうかということも判断される、こう思うのですね。
そうすると、これは非公開でないと出せませんよと法人が言ってきた場合に、さまざまな状況から見て非公開というのはとても合理的とは思えませんね、こうなるケースだってあり得ると思うのです。その条件の合理性、そして、後々考えたみたいに、確かに提示してもらったときには非公開という約束はあったけれども、いろいろ状況の変化によって、合理的な見地から考えた場合にこれは開示されるべきではないかというケースがあり得るのではないか、こういう気もするわけです。
しかし、先ほどの答弁の中では、いわゆる提供者との信頼関係ということもあるというお話であります。そうだとすると、この合理性というのは、いっどのような時点で、どのような内容で判断をするのかということも問題になると思いますけれども、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/87
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088・瀧上信光
○瀧上政府委員 第五条二号ロに規定します「合理的であると認められるもの」というのは、公にしないとの条件を付すことが、当該情報の性質、それから当時の状況等に照らして常識的にも理解できる場合に限って不開示情報とする趣旨でございます。
具体的には、合理的であるものかどうかの判断に当たっては、情報が提供された当時の状況を基本としますが、その後事情が変わっている場合にはそういった事情も考慮するというものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/88
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089・倉田栄喜
○倉田委員 この問題は、例えば今ダイオキシン等々、いわゆる化学的有害物質というのが非常に大きな問題となっているわけです。同時に、産業廃棄物であったり、あるいはさまざまな有害化学物質、きょう通産省と環境庁にもお見えいただいていると思うのですけれども、いわゆる環境汚染情報あるいは地域汚染情報、そういう情報を各法人からお集めになっている。強制的に法律の規定に基づいてお集めになっている場合もあるだろうし、場合によれば、先立ってお集めになっている場合もあるのだろうと思うのですね。
例えば、有害物質をどれくらい持っているのか、あるいはどういうふうに排出をしているのか、あるいはどういうものを捨てたのか等々、いろいろ環境あるいは地域住民の生命と健康の観点から、それは知りたい、きちんと開示をしてもらわなければ安心できないというケースはこれから多々起こるのだろうと思います。
まず環境庁にお伺いしたいと思いますが、こういう情報については、例えば公にしないみたいな形で任意に提供されているような状況があり、そこで最初の合理性の判断はあるのだと思いますけれども、そういう情報の取り扱いというのは基本的にはどういうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/89
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090・太田義武
○太田(義)政府委員 お答えいたします。
五条の第二号にただし書きというのがございまして、今の委員御指摘のような情報であっても、ただし、人の生命、健康、生活または財産を保護するために、公にすることが必要であると認められる情報は除きます、つまり、こういう情報については開示していきますということだと思いますので、この規定の趣旨に沿って開示していく必要があるのだろう、私どもはそういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/90
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091・倉田栄喜
○倉田委員 通産省にもお見えいただいていると思いますが、同じ質問で、通産省の方からもお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/91
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092・太田信一郎
○太田(信)政府委員 お答え申し上げます。
企業に関する情報は、この法律案の第五条第二号において、当該企業の正当な利益を害するおそれがあるもの、または、公にしないとの条件で任意に提供されたものについては不開示とされている。今倉田先生の言われたとおりでございますが、ただし、環境汚染、地域汚染等の企業情報のうち、人の生命、健康、生活または財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報については、法律案第五条第二号のただし書きに基づき開示することが必要であると考えております。
私ども通産省としては、いずれにしても、環境汚染や地域汚染に関する企業情報の開示は重要な問題と認識しております。今後とも適切に対処していきたいと考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/92
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093・倉田栄喜
○倉田委員 地域の住民の方々の不安を取り除くという観点からも、ぜひこれは開示をしていただきたい、こう思うわけでありますけれども、しかし、やはり基準が問題なんだろうと思うのですね。どこまで開示できればいいのかという問題がいつもあると思うのです。それぞれ、環境庁におかれましても通産省におかれましても、開示する基準については明確にしていただきながら、積極的に開示をしていただきたい、こう思います。
それから、次の論点でありますけれども、意思形成過程情報、これも私どもは、いわゆる国民主権の理念ということで考えるならば、まさにどういう政策決定がなされるのか、そして、その政策は、その施策はどういう過程を通じて成立をしていったのか。まさに監視と参加というか、国民主権、民主主義の立場からすれば、まさに過程の中に参加をしていくということも非常に重要なんだろう、私はこう思っています。
そうだとすると、いわゆる意思形成過程情報、条文でいきますと第五条の五号でありますけれども、この五号には、いわゆる国の機関及び地方公共団体の内部または相互間における審議、これは原則公開とはいいながらも、一定の場合に非公開とされている。
ここを見ると、意思形成過程あるいは審議会の中の情報というのは、例えば審議会にしても原則開示、それはそういう閣議での御検討もあるんだ、こう思います。この条文を見ると、「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ」とか、そういう場合は開示しなくてもいいですよ、こう書いてあるんだけれども、そうだとすると、ここを読むと、何か原則的に意思形成過程の情報は不開示になるみたいな書き方をしてあるのではないのか、こう思えてしょうがないのですね。
意思形成過程情報、内部または相互間における審議、検討または協議に関する情報、これは、総務庁のお考え方としては、原則的に公開なのか、あるいはこの部分は原則的に非公開で我慢してくださいよという話なのか、一体どちらなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/93
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094・瀧上信光
○瀧上政府委員 情報公開法案の第五条の今御指摘の第五号の規定は、行政機関の内部または行政機関相互の間の審議、検討または協議に関する情報につきまして、具体的な支障のある特定の情報以外は公開すべきという原則公開の考え方であるということでございます。
若干具体的に申し上げますと、この規定では、率直な意見の交換が不当に損なわれるおそれ等の不開示情報の基準を設けておりまして、このおそれというのは客観的に判断をされます。そしてまた、この号で特に不当の文言を用いておりますが、これは、予想されております支障が、当該情報の性質に照らし、開示することによる利益と不開示とすることによる利益を比較考量した上で判断すべきというふうな趣旨でございます。
したがって、ここで規定します不開示の基準は、例外的なものとして、かつ、できる限り明確かつ客観的に定めることとしておりまして、あくまでも、具体的な支障のある特定の情報以外は公開すべきという考え方に立ってつくられております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/94
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095・倉田栄喜
○倉田委員 今お答えをいただきました。原則はあくまでも公開である、そして例外不開示とするのも、明確な基準のもとで例外な場合なんだ、そういうお答えでありますので、ぜひその点は明確にしていただきたい。
率直な意見の交換や意思決定の中立性が公開することによって損なわれるという書き方は、これをそのまま当てはめようと思えば、審議会というのは公開してもらったら率直な意見の交換はできませんよと、何か一般的に当てはまるような気がしてならないわけですね。それは、いろいろな審議会があってそれぞれ代表して出されるわけですから、堂々と自分の意見は、私はこういうことを言いましたよということが公開されることが当たり前であって、この規定をもって審議会の情報が一般的にクローズされるということはあってはならないと思いますし、今、そうではないということをお答えいただきました。
長官、先ほどから懸命にうなずいておられますので、ぜひこの点は長官のお答えもいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/95
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096・太田誠一
○太田国務大臣 政府提案の法律の立法企画の過程のお話が中心だろうと思いますけれども、審議会の審議の内容を開示すべしということは私もずっと言ってまいりましたけれども、今一応公開をしていることになっているわけでございます。しかし、我々が思っているものと大分まだ違うわけでございますから、一層の努力が必要だとは考えております。
ただ、私申し上げたいのは、先のことを言ってなんでございますが、六月に通りました中央省庁等の改革の基本法がございますけれども、そこでは、審議会について今後廃止の方向で、すべての審議会について廃止をしてまどうかというふうなことが書いてある、どう扱うかはこれからの話でございますが。その考え方は、そもそも審議会などをつくって、それぞれの各省の大臣の責任でもって出すべき法律案をどこかの審議にゆだねているということ、それ自体が問題ではないか、そういう考え方があるわけでございます。
ですから、むしろそのことよりも、実質的な審議はこういう場所で、つまり委員会とか本会議、そういう場所でやられることが本当の審議なんだ。審議という言葉を官界で乱用しておるのではないか。審議というのは国会がやることであって、都合のいい人たちを集めてきて何かやっていることが審議だという言葉を使うのは僭越ではないかというふうに私は日ごろから言っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/96
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097・倉田栄喜
○倉田委員 大臣のお答えいただきました趣旨は、私はよくわかります。要するに、国会審議はもっと活発にして、国会が最高の意思決定機関であるということをやっていかなければいけないという観点からのお答えなんだろう、こう思うのですね。
今やられている行政サイド、行政で決まってしまうから、あるいはさっきの環境情報等のことなんかに関しても、いつどういうふうに決まったんだということが非常に問題になってくるわけであります。これはまさに、国民主権の理念にのっとりということであるとすれば、あるいは民主主義というのが我が国の政治の根幹であるとすれば、意思形成過程情報というのは最も根幹な部分であります。国会での審議ということがもっと充実をされなければなりませんし、また、入ってくる段階の途中も原則公開ということでなければならないのだろう、こう思います。
また、次の論点に移りますけれども、国の事務または事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあれば非公開というのが五条の六号のところにあるわけですね。いわゆる国が行う事業、あるいは当該事業の性質によって事務とか事業の適正な遂行に支障を及ぼすものがあればという文言があるのですけれども、私はこの適正な遂行というのは非常に広い概念みたいに思いまして、つまり、行政がやりにくいものはだめよみたいな、場合によったらそういうふうにも読めなくもない。
それから、ここの五条の六の項目、それとあわせて六のホのところに行きますと、「国又は地方公共団体が経営する企業に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ」、こうあるわけですね。
この国または地方公共団体が経営する企業、それから民間の法人、企業、これとの関係でちょっと私は問題にしているわけでありますけれども、民間の企業の場合は、五条の二のイで、先ほどのお答えにもありましたけれども、その他正当な利益ということが書いてあります。「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」、この部分とホの部分、これは同じと考えていいのでしょうか。
私は、国の事業の場合は、基本的には国あるいは地方公共団体が行う事業なんですから、もっと積極的に公開されるということが原則であるべきなのではなかろうか、こう思うのですけれども、この点はどういうふうにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/97
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098・瀧上信光
○瀧上政府委員 御指摘の第五条第六号では、その他適正な遂行に支障を及ぼすおそれという文言を用いております。
この具体的中身でございますが、第一に、公益的な開示の必要性等のいろいろな利益を考量した上で、適正な遂行であるということが要求をされますとともに、その支障の程度につきましても、名目的なものでは足りず、実質的なものが要求される。そしてまた、おそれというものについても、客観的にこれは判断されまして、その程度は法的保護に値する蓋然性が要求をされるというふ
うに考えております。
それで、二番目の、今の法律の第五条六のホの「企業経営上の正当な利益を害するおそれ」と、いわゆる法人情報の第五条二のイの「競争上の地位その他正当な利益を害するおそれ」のその正当な利益の比較の問題でございますが、国が経営する企業の場合には、政府の活動として行っているものでございまして、国民に対する説明責務を全うするため、同種の事業を行う第三者である企業と比べて正当性の範囲は異なる場合があり得るというふうに考えております。
したがって、この正当な利益の範囲というのは、具体的にはそれぞれの経営主体の性格、事業の内容等に対応してそれぞれ判断されるわけでございますが、国の事業の方が公開の範囲というものは、国民に対する政府の説明責務を全うするということから、広くなる場合があり得るというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/98
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099・倉田栄喜
○倉田委員 そこで、次、午前中からも議論になっておりました手数料の問題に移って、もう一度確認をしたい、こう思うのですけれども、私は、やはり請求にかかる手数料という部分ですね、午前中の大臣のお答えもいただきながら、まだ考え続けているわけなんです。
「目的」のところに、いわゆる国民に説明する責務、国民に説明する責任がありますよ、こういう書き方をしながら、それでもなおかつ請求手数料、これは午前中の質疑の中で、いわゆる利用しやすい手数料ということは十分配慮をしなければならないという議論が展開されておったわけでありますけれども、この法の解釈からいった場合に、法の解釈という言い方もちょっと大げさですけれども、説明する責務がある、そうだと言いながら、なおかつ請求手数料に関しても、いわゆる利用しにくいということにならない範囲の中ではいただきますよ。
この議論は、先ほどの大臣の答弁は、要するに請求するその人にとっても、いわゆるその部分を見ればあるいは私的な利益があるわけであって、多くの納税者の観点から考えた場合、あるいはその開示を請求するに全く関係ない人たちのことも考えれば、行政サイドとして、国民の税金で運営されていることを思うならば、請求する人は請求することによって、民主主義という観点から、公の部分はあるにしても、その人個人の特定の利益があるわけだ、だから請求手数料は取らざるを得ないんだ、こういうお答えであったと思うのです。
しかし、行政文書の開示を請求する権利が、国民主権の理念にのっとって、しかも民主主義の根幹をなすような重要な権利であるとする、そして一方で、行政には国民に説明する責任がありますよ、こういうまさに大理念、大原則、そういうことを言っておきながら、なおかつ請求するのは、請求者に対して、あなたが特定の利益があるんだから、それはやはり手数料は払ってくださいよというところがどうも私はつながらないのですけれども、大臣、どうですか、つながりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/99
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100・太田誠一
○太田国務大臣 私は、例えば一つの情報開示の請求をするということに至るまで、開示をされる方は、事実の問題として、相当そこに至るまでに時間も使っておられるだろうし、勉強もしておられるだろうし、あるいは何か別のコストも払われておられると思うのですね。請求をされるという行動そのものが、そこに至るまでに随分御本人としてはコストを払っておられると思うのですよ。
そこは、私は、自分でも何かしょうと思ったら相当手間暇かかりますから、普通の人間であれば、ぱっと思いついて、もう今思いついて今やるというようなことではありませんから、相当準備をしたりいたします。そうすると、その前に随分、実際には、自分自身の機会費用ということからすれば、既に払っておられると思うのですよ、どんな方々も、請求される方は。
私は、この我が国の民主主義の中で、一つ正義を全うするとか正義を貫くことのためにコストが要らないわけじゃない。これは、民主主義というのはやはりコストのかかる話であって、そのコストがゼロであるということはやや私は釈然としない。幾ばくかでもそれはやはり一つの行動について、実際にはそれに至るまでに御自身でコストを払っておられるわけだから、請求をするというこの瞬間についても幾ばくかの御負担をした方がやはり世の中全体のバランスはいいのじゃないかなというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/100
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101・倉田栄喜
○倉田委員 私は、そこの部分は大臣と見解が違うのだろう、こう思っております。
いわゆる行政情報を開示する、あるいはこれは、基本的には、我が国の民主主義はどうなっているのだろう、我が国の行政のあり方はどうなっているのだろう、こういう視点から、ある意味では請求側にとってみても、いわゆる手数料以外のコスト、それは労働コストであったり、時間のコストであったり、かかっているわけですね。
それはもうおまえが好きだからやるんだろうという世界ではなくて、どういう立場に立つかによりますけれども、我が国の民主主義をよくしたい、行政の透明性を高めたい、これはまさに行政の方もそういう趣旨でこの情報公開法をつくっておられるわけですから、まさに共同作業なわけです。同じ我が国の民主主義の実質を高める、そして我が国の行政の透明性を高める、そこに本当に民主主義ができ上がるということなんだろうと思うんですね。
そういう意味からすれば、逆に、自分の時間的コストあるいは労力的コストを使ってやる人は、乱用の問題は確かに、全くそれはということは考えなければいけないことは私も理解できますけれども、いわゆる政治的な部分として考えれば、そこは、よくやってくだすっているな、まさに行政の透明性、民主性はこの活動によって担保されるんだなということでなければならないんではないのかという気が私はしております。ここはちょっと大臣とは少し違うのかなという気がします。
そういう意味で、この手数料というのが、先ほど、午前中来の質問にありましたけれども、実はどのくらい払えばいいのかということについて非常に国民の中に不安が多い。出てくる資料がどれくらいあるかわからない、そういうときに、時間もかかる、コストもかかる、さらに費用もかかるということでは、断念せざるを得ないという状況も出てくる。
そうすると、今、午前中からも答弁いただいておりますけれども、利用しやすい手数料、これはともかく担保するんだ、こういうふうなお話のようでございますので、そこのところも国民の皆さんに、では請求手数料は幾らなの、コピー一枚幾らなの、例えば決裁文書といってもどれくらいの割合について請求手数料についても要求をするのということが明確になれば、それだったら大丈夫だねということになるんだろうと私は思いますが、利用しやすい手数料の具体的な中身ということは、今の時点で結構ですが、どういうことをお考えになっているんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/101
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102・瀧上信光
○瀧上政府委員 現時点におきます手数料の額につきましての基本的な考え方を申し上げますと、まず開示請求に係る手数料につきましては、行政機関が開示請求を受けてから開示決定等の通知書を発出するまでの間の事務に要する費用の一部について、開示請求者に負担を求めるものでございます。国民の皆様が利用しやすい手数料となるよう、一請求に対し一定額の金額を徴収したいというふうに考えております。
そしてまた、開示の実施に係る手数料につきましても、それに伴う諸費用の一部について開示請求者に負担を求める必要があると考えておりますが、少なくとも、先日の参考人の陳述にありましたように、一決裁文書ごととか一領収書ごとに徴収するといったような制度にはしないように、国民の皆様が利用しやすいような手数料にしたいというふうに考えております。
そしてまた、写しの交付の実施に係る手数料につきましても、地方公共団体の手数料金額等も参考としつつ、利用しやすい金額となるようにしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/102
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103・倉田栄喜
○倉田委員 午前中もその答弁はいただいたんですね。だから、請求手数料の一定額あるいは経費の一部、その一定額とか一部というのは一体幾らになるんだろうということで、この問題、非常に気にしているわけですね。
ぜひ早急にこの基準というのは明示をしていただく必要がある。そうであれば、なるほど、それは請求の支障にはなりませんね、これだったら何とかなりますねということで、御納得いただける方も出てくるかもしれません。
大臣、ぜひこれは、今利用しやすい手数料ということはもうここでほぼ合意になっているみたいに出てきている話でございますので、大臣にここの部分はもう一度御答弁いただきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/103
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104・太田誠一
○太田国務大臣 私などに決めさせると大変高いことを言うような気がいたしまして、これは一つの例でございますが、余り本気で受け取らないでいただきたいんですけれども、例えば私が行って、窓口の方にこの情報開示を請求したいということを言った。その人は、どのぐらい時間を費やすかわからないが、そこで動く。そして、その人だけではもちろん終わらないわけですから、担当の局に行って担当の人が動く。その請求されたものがあるかないか、それから開示すべきでないとあるいは思うかもしれない、そういう判断のための時間がかかる。
そういうことを考えて開示の請求に対するコストを考えるわけでございますから、例えば私が総務庁の中で一人二千円ぐらいいただいたらどうかというようなことを言ったりするわけですね。そうすると、それは余りに高過ぎますよというふうなやりとりが行われたことがあるということをお話をさせていただきたいと思います。
それは世間の常識ということでございますから、ぜひその常識がこのぐらいのものであるということは、今協議もしていただいておるわけでございますので、その常識的なところに、先生の常識もまたあるし、またほかの先生方の常識、こちら側の常識もあるわけでございますし、私どもの常識もあるわけでございますから、妥当な額になるように、そこはぜひ最後の詰めのところでお互い意見の交換ができればというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/104
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105・倉田栄喜
○倉田委員 大臣にはずっと、よくよく考えてみると、実質的に意味のある御答弁を、知る権利も、それは私が外に向かって行政文書を開示する権利は知る権利と考えていただいてもいいみたいな、非常にいい答弁をいただいておったと思ったんですが、少なくとも今の答弁はどうも答えてもらわなかった方がよかったなみたいな気がしてなりません。
これは、利用しやすい手数料、こうなっているわけですから、本当に国民の側から見てなるほど実質的に利用しやすいという額にならなければいけないんだ、私はこう思いますので、この点はぜひ要望しておきたいと思います。
そこで、この問題に関連して、我々は公益目的の減免が必要と思うがということで修正要綱を出しているのですけれども、十六条の二項に「行政機関の長は、経済的困難その他特別の理由があると認めるときは、」「前項の手数料を減額し、又は免除することができる。」こうあります。この「経済的困難その他特別の理由」、その特別の理由の中に、公益目的の減免、そういうことも含めて読んでもいいわけでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/105
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106・瀧上信光
○瀧上政府委員 手数料の公益減免の点でございますが、個々の開示請求につきましては、この制度の趣旨からしましても、目的、理由を問わないということとされておりまして、公益目的かどうかということを事務的に確定することも極めて困難であります。したがいまして、一律的に公益目的の減免ということを行うことは考えておりません。
これは、政府としましては、手数料の減免につきましては、それぞれ各行政機関の長が具体的な開示請求に応じて個別に決定していくこととなると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/106
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107・倉田栄喜
○倉田委員 ちょっと今のお答えは少し、経済的困難その他特別の理由があると書いてあるわけだけれども、これは具体的にはどういうことですか。例えば、公益目的の減免は考えていないというお答えでありましたけれども、それだったらこの規定はどういう場合なんでしょうかということをお聞きしているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/107
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108・瀧上信光
○瀧上政府委員 一般論としてでございますが、例えば開示請求のあった情報が、開示請求を待つまでもなく、行政機関が何人に対しても広く情報を提供すべきものであるようなものとか、公益的な目的での裁量開示といいますか、そういったような情報であるような場合には、開示請求者に手数料の負担を求めることは不適当な場合といったことも考えられるわけでございまして、そういったような場合が相当するというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/108
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109・倉田栄喜
○倉田委員 時間がなくなってきて、まだ質問は大分残っているのですが、不服審査会についてお聞きいたします。
不服審査請求は、どうなんでしょう、請求者の住所地で不服審査請求はできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/109
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110・瀧上信光
○瀧上政府委員 不服申し立てにつきましては、行政不服審査法におきまして、不服申し立て書を郵送で送付するということにより行うこともできますので、したがって、不服申し立てを行うために行政機関まで赴く必要はないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/110
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111・倉田栄喜
○倉田委員 その場合、そうすると、審査請求は郵送でもできるから、自分の住所地から送ればいい。
実際に不服審査の意見聴取であるとかいろいろあるときは、そういう場合はどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/111
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112・瀧上信光
○瀧上政府委員 情報公開審査会の審議は、書面審理が中心となりますが、特に地方在住の不服申立人の便宜といたしまして、事件の審議に当たる委員のうちの一部の者が地方に赴きまして不服申立人の意見陳述を聞くなど、地方における案件の実情に即して適切に対応することが可能というふうに法律上いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/112
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113・倉田栄喜
○倉田委員 この不服審査会というのは非常に重要だと思うのですね。実質的に不服があればここに申し立てをするわけですから、ここで解決できれば問題ない。ですから、そういう意味で、不服審査会の窓口であるとか機構あるいは事務局、これは十分に体制を整えていただいて、今大臣がいませんからあれですけれども、審査請求が住所地で実質できるように、これはぜひ考えていただきたい、こう思うのですね。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/113
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114・瀧上信光
○瀧上政府委員 情報公開審査会は、全国に一つ設置されます権威の高い機関ということで、その委員も、この法律では、両院の同意を得て内閣総理大臣が任命する委員で構成されるものとして、総理府に設置するということとされております。
そしてまた、審査会の事務局として独立的な組織が設けられるわけでございますが、その内容につきましては、具体的には政令等において定められることになります。情報公開制度のかなめをなすこの審査会の事務処理に対応できるように、適切な体制を整えるように考えてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/114
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115・倉田栄喜
○倉田委員 そこで、行政不服審査会で、やはりこれはだめですよ、非開示ですよと言われたときに、請求者側は次の手段として抗告訴訟がある。この抗告訴訟の管轄について、まさに原告住所地でできますか、あるいは東京まで出てこなければいけませんかという問題になっているわけです。
午前中の答えを聞いていると、地方のある文書についてはできるだけ地方に権限委譲して、そしてそこでできるようにしたいし、最終的な処分権も地方に移したい、こういうお話であります。
しかし、私は、これは行政事件訴訟法との関係でありますし、この間、参考人質疑でも、この問題は実は国会でお決めになればいいというお話もありましたし、行政事件訴訟そのものも、デメリットという部分も考えながら、地方でできるように考えなければいけないのではないのかという議論もあったと思います。
きょうは法務省からお見えいただいております
ので、ぜひこれは地方管轄といいますか、抗告訴訟を地方でできるようにならないかどうか。そして、行政事件訴訟法も将来的には、今我々は官から民へ、中央から地方へというふうに議論をしているわけです。それは単に地方にある文書ということのみならず、基本的には地方、あるいは少し譲ったとしてもそのブロック単位ぐらいでは行政事件訴訟法もできるような方向に、我々は国会の意思として、この国会の審議を通じて、そういう方向にしなければいけないのではないのか、こう思っているわけですけれども、法務省、この点について御見解はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/115
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116・細川清
○細川政府委員 お答え申し上げます。
行政事件訴訟法第十二条第一項は、行政庁を被告とする取り消し訴訟について、行政庁の所在地の裁判所に一般管轄を認めているところでございますが、その理由は、被告行政庁の所在地の裁判所に管轄を認めることによって、証拠資料の収集が容易になり、円滑な審理が図れること、同一内容の処分や一連の処分が複数の裁判所において争われることにより異なった取り扱いや判断がされる事態を避けることが可能になるということにあるわけでございます。
また、行政事件訴訟法は、原告の便宜も考慮いたしまして、十二条の二項、三項におきまして、不動産等の所在地の裁判所、または処分等に関して事案の処理に当たった下級行政機関の所在地の裁判所にも特別管轄を認めているわけでございます。
さらに、行政事件訴訟法の前身である行政事件特例法の時代には、管轄は専属管轄であったわけですが、行政事件訴訟法ではこれを改めて一般管轄としておりますので、行政事件訴訟法が準用する民事訴訟法の一般規定に従いまして、これは応訴管轄も適用があるわけでございます。
この行政事件訴訟法の管轄の規定は、これは国の行政処分に対するものだけではなくて、地方自治体の行政庁の行政処分にも適用がある、すべての処分に関する一般原則でございます。
したがいまして、私どもといたしましては、こういった一般原則としての行政事件訴訟法につきましては、これは、現在の規定は十分合理性があるものと考えておりまして、現時点で直ちに見直すべきものであるとは考えていないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/116
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117・倉田栄喜
○倉田委員 現時点で直ちにということでございますので、あしたになればかどうかわかりませんけれども、ぜひこれは、直ちではなくてもいいですから、御検討いただきたい、こう思います。
今法務省にお答えいただきましたから、次に、整備法七条で、刑事事件記録というのが一般的に除外されていますね。そうすると、私どもはこの規定も問題があるな、こう思うわけでありますけれども、今の実務よりも開示されなくなるのではないのか、あるいは、やはり一般的にプライバシーの問題があるとはいえ、刑事記録、公的なものとして開示をされない部分もあるんだと思うのですね。これ、あるのはどうかという疑問があるのですけれども、この整備法七条があることによって、今の実務より後退することはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/117
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118・松尾邦弘
○松尾政府委員 刑事記録でございますが、二つの分野で申し上げたいと思います。
一つは、訴訟の確定記録でございます。
刑事訴訟法及び刑事確定訴訟記録法というのがございますが、刑事被告事件に係る訴訟の確定記録の閲覧につきましては、保管検察官は請求があったときは原則として保管記録を閲覧させるということとしております。
そのほかの記録、不起訴の記録あるいは不提出の記録ということになるのですが、刑事訴訟法上、原則として非公開とされております。刑事訴訟法の四十七条の規定がこれに当たります。
しかしながら、交通事故の実況見分調書等につきましては、弁護士法二十三条の二の規定に基づく照会あるいは裁判所からの文書送付嘱託等があった場合には、代替性がない客観的な証拠であることや、民事上の権利行使のためなどで必要があるということなどから、これらを勘案しまして、従来から照会に応じているところでございます。
先生お尋ねのこの情報公開法が成立するとどうなるかという問題でございますが、今申し上げましたようないろいろな記録につきましては、先ほど申し述べたような規定等で従来から取り扱いがなされておりまして、これがこの法律が成立したことによって取り扱い全体が変更されるということはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/118
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119・倉田栄喜
○倉田委員 時間が来ましたので終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/119
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120・二田孝治
○二田委員長 鰐淵俊之君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/120
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121・鰐淵俊之
○鰐淵委員 私は自由党の鰐淵と申します。
以前のこの委員会でも、情報公開につきましては、るる問題点について質疑が終わっておりますので、その当時のことについては十分熟知しておるのですが、その後、野党の修正要求が十二項目出されまして、それぞれ与党の御回答をいただいたわけでございますが、ほとんど進展なし。しかし、きょうの植竹理事のお話では、若干含みのある発言も聞かれたということでございます。
そこで私、まず冒頭、二十分ですから余り長く話したり答弁も長くなりますともうほとんど質疑できませんので、簡潔に私も質問しますので、簡潔に御答弁をお願いします。
先ほど佐々木委員が大臣に対しまして、この情報公開法は一体どんな意味を持って出すのだということを聞かれたと思いますが、もう一つそれを簡潔にお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/121
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122・太田誠一
○太田国務大臣 国民主権の憲法のもとに私どもはいるわけでございますから、主権者が行政権を国会を経由し、内閣を経由して一人一人の担当の公務員にゆだねているわけでございますから、その執行については、それを知るべき当然の立場に主権者はあるということをここで実行するということだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/122
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123・鰐淵俊之
○鰐淵委員 大臣の認識については十分わかりました。
そこで、先ほど官房長官が情報を知らせしめなければならないということをおっしゃったのです。これは、ちょっと言葉じりをとるようで恐縮ですが、国民に行政の持っている情報を知らせるというのは、上と下の関係の言葉ですが、これはまことに不適当な言葉だと私は思います。
情報公開というのは、いわゆる信頼に足るために行政を透明化し、そして国民が行政のことについて何か知りたいというときには、不開示を受ける機密事項とか、こういうところはいたし方ありませんが、それ以外はできるだけオープンにするのだ、そして開かれた行政、信頼された行政、国民もそれによって行政を信頼するのだ、こういうことだと思いますから、むしろ、これは積極的に開示をしていく、そして国民にはよく行政のことを知っていただくということが私は原則だと思うのです。
そこで、先ほど来、知る権利についていろいろと質疑を聞いておりましたが、知る権利につきましては、ここの回答にありまして、難しいということです。
ところが、条例で、市町村あるいは都道府県で知る権利を既に明記している情報公開があるのですが、それは一体、この憲法の解釈の問題だとかなんとかで法律に規定することは困難ですが、条例にすることは困難ということになっておらないのですが、その点はどう解釈したらいいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/123
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124・瀧上信光
○瀧上政府委員 国の立場として、条例で規定をされている内容につきましてコメントする立場にはないということであります。それはそれぞれの地方公共団体で御判断されるものと理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/124
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125・鰐淵俊之
○鰐淵委員 地方団体の議会あるいは長が判断するということですから、国の情報公開も、言ってみれば政府あるいはまた国会、こういうところで判断すれば、知る権利を明示しても何ら差し支えないと私は思うのですね。ですから、知る権利をなぜ明記できないかということについて、今の局長のるるこの委員会で答弁されている内容ではとても私は理解できないわけなのです。
私は、法律学者でもないし、法律もよくわかりませんけれども、やはり知る権利というものを条文に入れると何か不都合なことがあるのでしょうか。その点についてどうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/125
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126・瀧上信光
○瀧上政府委員 知る権利の問題につきましては、憲法上知る権利といったものが保障されているかどうかといった議論があるわけでございます。法律でこの知る権利ということを規定いたしますことが、憲法上知る権利について一定の解釈を下すといったことは適当でないというふうに考えているわけでございます。
これは、知る権利がどういつだ憲法上の根拠、それからどういつだ内容を持つ権利であるかといったようなことにつきまして、さまざまな議論があるわけでございます。そしてまた、最高裁判所におきましても、行政機関の情報の開示を請求する権利としての知る権利といったものを認めた判決はございません。
そういったいわゆる憲法解釈の問題を法律で、憲法上一定の内容を持つものであるということを規定することについては、そういった憲法解釈の問題については最高裁判所において判断されるべきものであると考えておりまして、適当でないというふうに考えたわけでございます。
〔委員長退席、植竹委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/126
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127・鰐淵俊之
○鰐淵委員 行政の立場ではそういう答弁に終始するかもわかりませんが、私どもは、国会議員として国会で法律をつくる立場にございます。したがいまして、その法律をつくったことが違憲立法審査権によって裁判所で本当に憲法に違反するのだということなら別ですが、私は素人でございますが、知る権利というものを明示したといっても、これは憲法には全く抵触しないと思います。
解釈上は、それはいろいろあるかもわかりませんが、しかし、ここで国民の主権であるということも認めている、開示請求権も基礎的に認めているとすれば、何らこれに固執するものはないのではないか。
勘ぐって我々の方から考えれば、どうもこの知る権利を明示してしまうと、行政の裁量権が狭まってしまう、そういう懸念が一つと、もう一つは、なるべく開示でき得ないようなものを開示せざるを得なくなるとか、あるいは裁判になったときに、どうも裁判の行政訴訟などを起こしても、知る権利を明記しておればやはり不利だ。目的にきちっと入れますと、それによってやはり開示している方がよりいいということになりますから、そういった点についてどうも萎縮しているのではないかと私は考えるのですが、この点について、ちょっと局長では無理かもわかりませんが、大臣としてどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/127
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128・太田誠一
○太田国務大臣 こういうことを言うとまたあれですけれども、今言葉の使い方として、例えば婦人の参政権という言葉があったとして、それを今でいえば女性の参政権と言いなさいというふうに大体世間はなっていると思うのですけれども、例えばそこで、いや、婦人のままでなければいけないという人と、いや、女性に変えた方がいいという人が同じことを違う表現で言うことについてこだわりがあるということは私はあると思うのですね。(発言する者あり)いやいや、それは、実態は私は同じであろうと思っておるわけでございますけれども、同じ実態に対してどのように表現するかという問題だと私は思っております。
だから、法律の言葉として知る権利を使うということは、さまざまな今までの法律の言葉の使い方として適当でないという立場を総務庁としては非常に固執しておるということだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/128
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129・鰐淵俊之
○鰐淵委員 都道府県、市町村において、まだそう多くはないのですが、知る権利を最近入れるというケースがだんだんと多くなってきております。現実にもう入っている都道府県がありますね。そういうところは、別に今憲法が云々とかなんとかでなくて、そこのところの知事なり議会なりが認めてやっておりますから、それで何の不都合も県民の間にあるいは道民の間に別にないのですね。何にもない。ですから、それがないにもかかわらず、条例でないのに法律になれば出てくるということは、どうも私ども腑に落ちない。
やはり法律というのま、条例をさらに上回ったものですから、もっとリードしていく、あるいはもっと先駆的な役割を果たすということが法律として必要だ。条例のしりをついていくような法律だったら、これはある意味では条例の方が上ですよ。
ですから、法律をやはりもっとしっかりとしたものにして、国民に信頼されるようにしていかなければならない。これは、与党さんと我々とは見解が違うということになりますから、国会として今後こういう問題をどうとらえるかということになりますので、これはこの辺でひとつ終わりたいと思います。
さて、次は、特殊法人等について、先ほど大臣も、これはどうしても二年かかるんだ、行政は非常にいろいろな手続等があって随分時間がかかるとおっしゃっておりました。
これは、かければ幾らでもかかるんですが、やろうと思えば一年でやれないことはないのですね。それなりの決意というか決断力というのはどうなんでしょう。やはり、物理的に絶対一年じゃ無理なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/129
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130・瀧上信光
○瀧上政府委員 特殊法人につきましての情報公開の制度化の問題でございますが、特殊法人は、その設立形態に着目をいたしました概念でございまして、公社、公団、事業団といったものからNHKとかJRとかNTTとか、いろいろ種々なものがございます。
ただいま八十二法人ございますが、こういった法人につきまして、この情報公開という政府の説明責任といったような考え方で、どういつだ法人についてどのような要件でこういった法律の適用対象とするか。そして、その開示請求の対象範囲の情報の問題とか救済制度の問題とか、そういったような制度設計の問題、こういったことを、今あります多くの特殊法人につきまして、その実態、具体的な事業内容、それから情報公開の対象とすべき一定の範囲が決められた場合にそういったものが個別の法人についてどういうものがあるか、そういったことについての線引きの問題とか、そういったことを考えますと、この三党合意にあります二年といった期間は、決して長い期間ではないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/130
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131・鰐淵俊之
○鰐淵委員 もう余り時間がありませんので。
金融法案等関連法案も随分時間もかかりました。これだって、先ほどからもありましたが、やはり、銀行が破産しているかしていないかは別にしても、非常に苦しい状況にあるにもかかわらず、幹部の方の退職金が数億円、しかも三十数歳の職員が年間一千万、銀行がもう破産するかしないかという苦しい状況の中でも、ボーナスはちゃんともらう、給料は上がる、退職金は多くもらう。これは、どんなに説明しても国民は納得できないんですね。納得できない。
中小企業だったらそんな、もうねじり鉢巻きして、みずから自分の命を絶つか、あるいは、銀行に行ったって貸さないですから、貸し渋りに遭ってしまう。そうすると、親戚じゅう駆けめぐってもお金ができないということになれば、みずから本当に悲しいことになってしまうわけですが、そういうのが今の一般の中小零細企業の姿なんだ。
それが銀行は、倒産したって悠々と日銀の特融をもらってボーナスをちゃんともらっているわけですから、国民はこれが不思議でしょうがないのですよ。ですからそれも、あれが情報開示されて初めて国民は金融問題についていろいろと勉強するわけですから、特殊法人なんて特に言ってみれば第二の予算と言われるくらいの大規模な予算を持っているわけなんで、私は、やはりこれはもっと早くやるべきだというふうに思います。
最後五分になりましたので、ちょっとトーンを下げまして、手数料に参りますが、地方自治体というのは情報公開というのは物すごく早くからやっているのです。私も地方自治体の長をやっておりまして、平成三年に情報公開条例をつくっております。
閲覧手数料はゼロです。ですから、実費弁償だけいただいています。いわゆるコピー代をもらっています。あとは、閲覧手数料とかこちらから請求して台帳を持ってきてもらうとかなんとかというのは、これはそこの職員の仕事ですよ。その仕事にコストがかかろうが、そのコストを負担せいといったら、これは税金の二重取りですな。私、そう思いますよ。ですから、そういった閲覧の手数料まで取るというのは一体どういうことなんでしょうか。この辺について、局長で結構ですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/131
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132・瀧上信光
○瀧上政府委員 情報公開法に基づく開示請求権制度の運用につきましては相応のコストがかかるわけでございますが、これは、この開示請求権制度に基づきまして、開示請求をした特定の者に対する役務の提供のために直接要する費用でございまして、そのうちの合理的な額につきましては、当然開示請求をした人に負担をしていただくという考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/132
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133・鰐淵俊之
○鰐淵委員 一つの例を申しますと、例えばある許認可を調べたいというときに、ある省に申し入れた。省でも、恐らくこれはこういう条例公開制度をやっていますと、長に要請をするとその長が調べてくれるのでしょうが、これだってまだよく見えていないのですが、窓口をきちっとつくるのかどうか、あるいは全然つくらないで、文書や何か言って請求すれば、どなたがどういうぐあいに対応するかというのは全然わからないのですね。全然わからない。
それに今度は、文書管理という問題があります。これだって、今度は電子コピー、フロッピーまで入れるということですから、私はどうも、今言いましたように文書管理上の問題も、政令、省令だけでやっても、これは国民の方が開示を要求しても、スムーズに出ていく体制に持っていくというのはなかなか大変だと思う。私は、実務上長い間経験しておりますが、大変だと思います。こういった点について、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/133
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134・瀧上信光
○瀧上政府委員 情報公開法案では、その第三十六条におきまして、文書管理に関する基本的な骨格を定めております。そして、文書管理の基準につきましては政令で規定をすることとしまして、その内容としましては、行政文書の分類、作成、保存そして廃棄に関する基準を明記しているところでございます。そして、それぞれの行政機関の長に、この政令に基づく行政文書の管理に関する定めの作成、そしてその定めの公開といったものを法律上義務づけているわけでございます。
そして実際には、こういった定めをつくり、それからさらに具体的に、政府全体として行政文書の管理、改善、それから行政情報の電子化が進んでおりますのでそういった電子情報の管理のルールづくり、そういったものに取り組んでいく必要があるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/134
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135・鰐淵俊之
○鰐淵委員 もうそろそろ時間もございませんので最後になりますが、今いろいろお言葉にありましたけれども、実際は、恐らく省庁に行かれるとわかると思いますが、フロッピーでも何でも自分でたくさん持っておると思いますよ。きちっとそういったものがどこかにファイルされて、だれが見てもそこにこういうフロッピーがあるなということにはなっていないと私は思います。ですから、これはこれから相当なエネルギーをかけてやらなくてはいけないということを私は忠告を申し上げたいと思う。
そして、やはり開示請求があったら直ちにスピーディーにフィードバックしてくる体制ということになりますと、そういうシステムができ上がってこないとそんなすぐ出てこないのですね。ですから、そのシステムをきちっとつくるためには、やはり文書管理制度というものは相当しっかりしたものがなければならないということをぜひひとつ知っていただきたい。
それから、今言った閲覧の手数料、これはもう国家公務員の仕事ですよ。それに、コストだってかかるというのは、税金でコストを取っても、給料をもらっているのですから。コピー代は実際実費がかかるわけですが、あとは、情報公開をやるというのはサービスじゃないのですから、主権者たる国民の、しかもまた全体の奉仕者たる公務員はそういうことで国民主権の名においてやはり情報公開するわけですから、それは立派な国家公務員の仕事です。その仕事にコストを二重に払う必要はないというのが私の考え方でございますので、ぜひひとつ御検討いただきたい、このように思います。
時間になりましたので、終わります。
〔植竹委員長代理退席、委員長着席〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/135
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136・二田孝治
○二田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
各案審査のため、本日、参考人として核燃料サイクル開発機構理事笹谷勇君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/136
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137・二田孝治
○二田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/137
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138・二田孝治
○二田委員長 瀬古由起子君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/138
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139・瀬古由起子
○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。
まず最初に、手数料問題について質問いたします。
事故や不祥事が相次いでいました動力炉・核燃料開発事業団を改組する法案が成立いたしまして、十月一日から核燃料サイクル開発機構が新たに発足をいたしました。
原子力基本法では、自主、民主、公開がうたわれているにもかかわらず、長い間、研究を請け負っている各企業の知的財産権を保護するという名目で、秘密主義、虚偽体質、こういうものが大きな問題になって、データや事故はできるだけ国民から隠して、そして事実が発覚すると、今度は事実を改ざんして取り繕う、こういう事態が発生をしてまいりました。原子力基本法違反は明らかだったわけです。
そのあらわれ方は、情報公開における手数料のあり方にもよく示されていると思うんです。
実は、岐阜県土岐市の動燃東濃地科学センターが岡山県津山市の市民グループの過去の放射性物質また濃度報告書などの公開を求めた手数料の請求額は、何と五十九万七千円でございました。複写費九万円を含めますと、六十九万円という請求になったわけです。あの重大な「もんじゅ」事故虚偽報告事件の罰金の二十万円の三倍にも上る、こういう金額が請求されたわけです。
どこから情報公開を妨害するこの異常な金額請求の仕組みが出てきているんでしょうか。この仕組みは、新しく改組された核燃料サイクル開発機構にも引き継がれているのかどうか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/139
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140・笹谷勇
○笹谷参考人 御説明いたします。
ただいま先生から御質問ございました情報公開請求についての手数料の件でございますが、請求がございましたものは、十年間の作業日誌等約三千ページにわたる膨大なものでございます。
私ども、旧動燃時代、情報公開指針をつくりまして、積極的に情報を公開するということで鋭意努めてまいりましたが、その中で、手数料等も、ある実費の範囲内で単価を決めさせていただいております。この単価は、既に情報公開を行っております地方自治体あるいは外国等の例も参考にいたしまして決めさせていただいております。そういうものを使いまして手数料を計算したわけでございます。
先生御指摘の六十万円という手数料は、その後、一部資料が重複しているという事実が判明いたしましたので計算し直しますと、手数料でございますが四十八万円、それに複写料九万円を加えますと約五十七万円という料金になっております。
この料金を新法人の体系で見直しますと、その後、監督官庁であります科学技術庁の指導、また私どもが透明性のある情報公開を進めていくという上で情報公開委員会、外部の先生方でございますが、そういうところでの御検討をいただきまして、その検討結果で料金を算定いたしますと、手数料が四十八万円、また複写料が三万円となりまして、計五十一万円になります。複写料は三分の一になるわけですが、手数料の方は引き続きこの公開委員会等で検討してまいる考えでございます。
今後、サイクル機構は、国民の皆様に一層利用しやすい情報公開制度になるよう努めてまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/140
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141・瀬古由起子
○瀬古委員 六十万円から五十一万円に下がったから利用しやすいなんということは到底言えないと思うんですね。実際には、新しく機構が発足してコピー代を三十円から十円にしたというだけのことでしょう。コンビニだって十円で今コピーしていますからね。この程度やったと。
ところが、今、動燃が出しております、これは新しく核燃料サイクル開発機構になったわけですけれども、「情報公開」という物すごい立派なパンフレットが出ているわけですよ。
パンフレットも立派なんだけれども、中身も見てみますと、「公開請求を受けて公開する受動的な情報公開だけでなく、自主的に、積極的に公開する能動的公開を目指します。」と、ここまで書いている。ところが、いざ使うとなったら五十一万円も請求される。言っていることとやっていることが全然違うわけですね。
そこで、この旧動燃、核燃料サイクル開発機構、ここがともかく虚偽報告、虚偽のいろいろな問題を引き起こしてきて、もう住民の方がやむにやまれず、たしか三千ページと言われたけれども、その日誌を見なければ本当のことを言っているかどうかわからぬということで請求されたわけですね。こういう市民の、国民の要求に対して、莫大なお金で、事実上見るなと言わんばかりの態度をとる。
これに対して、これを監督指導してきた科学技術庁は、この事業団にどういう指導を今までやってきたんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/141
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142・青江茂
○青江政府委員 お答え申し上げます。
いわゆる旧動燃、これは十月一日から御案内のとおり核燃料サイクル開発機構として生まれ変わったというところでございますけれども、その情報公開の手数料につきまして累次議論がなされてきておる。先国会、その改革法の議論の過程におきましても、御指摘の点につきましての議論というのもあったということを承知してございます。
そういうふうな経緯にかんがみまして、私どもといたしましては、先般、費用につきまして所要の改善というものを検討するようにという指導をきちんといたしており、それを踏まえた第一弾というのが先ほど新機構の方から説明がございました、まずはコピー機器というものをリプレースいたしまして、コピー代金というのを落とすというところまで来たわけでございます。言ってみれば、単価といいましょうか、そのやり方というものにつきましては、これも説明ございましたけれども、いわゆる他の地方公共団体でございますとか外国の機関、こういったところでなされているものを踏襲いたしまして、参考にいたしまして、その仕組みというものをつくってきておる。
その仕組みにつきましては、これから先の一つの検討課題ということではないかなというふうに思っておるのでございますけれども、新機構につきましては、いわゆる情報公開ということが一つの改革のキーワードでございまして、機構内に情報公開委員会というふうな体制もつくりまして議論をやっておるところでございまして、そこでもってのいろいろな御意見というものを承りながら検討していくということでございますので、もう少しお時間をいただけますればというふうに思ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/142
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143・瀬古由起子
○瀬古委員 科学技術庁が動燃に指導した内容がことしの四月三十日に出ているわけです。そのときに、やはり、情報公開に係る手数料が高過ぎるという指摘がある、だから、適正な金額設定について改善策を早急に検討せよ、こういう指導文書まで出ている。それは四月ですよ。ところが、十月になってからコピー代を三十円を十円にいたします、こういう話でしょう。
私は、先ほど、新機構が、キーワードが情報公開だと言うには余りにもお粗末過ぎると思うんですよね。まじめにやっているのかというように私は言わざるを得ないと思うんです。それで動燃は、しゃあしゃあと三十円を十円にいたしますなんという回答をしているわけですね。これを科学技術庁は了解したわけでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/143
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144・青江茂
○青江政府委員 引き続き検討を求めているところでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、一種の仕組みといいましょうか、単価というものを、一決裁当たり幾らというその仕組みというものを何らかの形に改善をしないと具体的には下がってこないわけでございます。
その仕組みと申しますのは、先ほど申し上げましたように、地方公共団体等でやられている仕組みというものを一応参考にいたしまして踏襲をしておるというところで、それにかわる仕組みというものがどういうものであるべきなのかということが、もう少しお時間をいただきましていい仕組みというものを考えていきたい。
やはり何らかの、単価と申しますか手数料の設定ということになりますと、公のお金を使います公法人でございますので、ルーズな仕組みというのを立てるわけにはまいらないわけでございまして、公法人には公法人なりの仕組みというもの、非常にリジッドで、かつ明確な仕組みというものを求めなければならないという点で、もう少しお時間をいただけますればというふうに思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/144
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145・瀬古由起子
○瀬古委員 四月から十月にかけて、もうかなり時間がたっているわけです。それでもそのままにしてある。今言われたように、では仕組みが全国的にないのかというと、先ほどいろいろな自治体を参考にしながらと言われたのですけれども、今、情報公開で全国的に運動を展開している市民オンブズマンが、いろいろ運動をしているわけですが、とりわけ自治体の中で手数料を取るなんというのは、民主主義のインフラというべき基本的な理解を欠くものだと、ずっと順位を書いているわけですけれども、もう失格だという烙印を押しているわけですよ。
ですから、あなたが仕組みと言われるけれども、実際には、この仕組みについての判断といいますか、情報公開がキーワードと言われるなら、余りにもまじめに検討していないということがこの中であらわれていると思うのです。
なぜこういうふうになっているのかといいますと、実は動燃は、六月三十日に情報公開指針(ガイドライン)、これを発表するに当たって、お知らせというのを明らかにいたしました。このお知らせの中には、手数料の考え方、こういうものが書かれているわけですけれども、手数料については、この指針は、国が法制化を進めている情報公開法の考え方を参考にしたとはっきり述べているわけですね。
そうすると、私はとても心配しているのですが、情報公開がキーワードだという、看板にも掲げている動燃が、今市民の皆さんが本当に反対しているこの手数料を高額に設定する。こういうやり方が先例となって、情報公開法そのものがこういう先例を見習ってつくられるんじゃないかという心配がされている。もしくは、総務庁が情報公開法に先駆けて、動燃にはこのぐらいの金額でやりなさいなんという指導をしているんじゃないか、こう思われざるを得ない、こういうことも考えられないかということなんです。
その心配については、この動燃の形が先例となって、オンブズマンが失格認定としている自治体の基準をもってこの手数料というのは決められていかないのかどうか、この点、総務庁の御見解はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/145
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146・瀧上信光
○瀧上政府委員 手数料の具体的な金額等につきましては、実費の範囲内において政令で定めるということといたしております。
例えば、閲覧の実施に係る手数料につきましても、それに伴う諸費用の一部について開示請求者の負担を求める必要があると考えておりますが、国民の皆様が利用しやすい手数料となるよう、例えば、先ほど御指摘のあったような一決裁文書ごとに手数料を徴収するような制度とするということは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/146
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147・瀬古由起子
○瀬古委員 そうしますと、先ほど私が例に挙げました動燃のこういうやり方については、これは改善すべきだと考えておられるのですか。こういうやり方は問題があるというふうにお考えですか。これを言って少し改善すればいいだろうというお考えなのか。その点、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/147
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148・瀧上信光
○瀧上政府委員 総務庁として、具体的な今のようなケースについてコメントするのはなかなか難しいわけでございますが、こういった開示請求の制度をつくるということの前提としては、できるだけ利用者の和用しやすい手数料となるような配慮が必要であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/148
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149・瀬古由起子
○瀬古委員 大臣にお伺いしたいと思うのですが、私、このような動燃の事例を出しましたけれども、やはり今度つくられる情報公開法というのは、こういう事態があってはいけない、こういう手数料の決め方はやはり考えなければならないと思うわけですけれども、率直な御感想、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/149
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150・太田誠一
○太田国務大臣 先ほどから申し上げておりますけれども、今の動燃のケースについてはちょっとよく承知をしておりませんのでコメントできませんけれども、利用しやすい料金であることは必要だ、まるでただではいけない、こういうことでございます。(瀬古委員「五十一万円はどうなの、五十一万円については」と呼ぶ)それがどういう、例えば必要なものはこれだというふうにわかっていなくて、相当周辺のものも一緒に請求をされたのか、その辺のことがわからないので、ちょっとコメントできないということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/150
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151・瀬古由起子
○瀬古委員 ある意味では、そういう生のデータを請求せざるを得ない事態があの動燃の事態に起きているということは、もう長官御存じだと思うのですよ。そういう場合のことも考えて、きちんと手数料というのはやはり検討すべきだ、検討し直すべきだというふうに思います。
時間がございませんので、次の問題に行きたいと思います。
全国市民オンブズマン連絡会議の情報公開度のランキング調査結果がことしの二月に発表されました。手数料を取る東京などは失格、こういう県を除きますと、四十二番目の最下位というのは私の住んでいる愛知県でございます。
実はこの愛知県、ワーストワンのこの愛知でどのような情報隠しがどのような理由でまかり通っているかという事例を御説明したいと思うのです。
実は、二〇〇五年に万博が開催される、そういう状況がございますが、この万博誘致の目的で行った懇談会について、情報公開請求裁判が現在行われております。その中で、愛知県知事は懇談会の出席者名の不開示の決定をしているわけですけれども、その不開示の理由なんですね。
一つは、個人識別情報である。これはどこでもそういう理由を出すわけですけれども、さらに愛知県はいろいろ理由をつけております。
懇談の目的が害される。その理由は、当該職員に対する問い合わせが殺到したり、尾行されたり、自宅の電話を盗聴されたりして、内密の協議を目的とする懇談会の相手方出席者やその懇談会の内容が探知される可能性がある、こういうふうに述べております。
それから、懇談した飲食店名を不開示とする理由。これについて一飲食店の競争上の地位を害する。その理由は、ホテル、料亭などの業者の設定は店の格式を決定するものであるから、だれにどのようなものを幾らで提供しているかという情報は、当該業者の営業上のノウハウで、秘密にしたい情報だ、こういう理由。
それから、愛知県が利用する場合には、当該業者が他の利用客に料理等を提供する単価より特に安い単価で提供してもらっていることがあるので、そうした場合には、その店の利用客が不快や不満の念を抱く者が出る。その場合、客が値下げを要求したり利用をやめることから、万博誘致対策局が本件各懇談会に利用した店舗であることが明らかになること等により、当該店舗の利用が忌避される可能性がある。
それから、万博誘致の目的が害される。この理由として、本件各懇談会の開催場所は、懇談の相手方の県政における位置づけ及びランクづけにより、複数の店で開催されているが、それを公開すると、懇談会の相手方の県政における位置づけ及びランクづけが明らかになり、相手方において不快、不信の念を抱き、相手方との信頼関係及び友好関係が損なわれ、さらに、BIE、国際博覧会協会総会における投票についての意思決定を変更したりすることが予想される。その店に盗聴器を設置したり、あるいは店内に客として入店して張り込むことにより、本件各懇談会開催後における内密を要する懇談会の懇談内容を盗聴される可能性があるだけでなく、その懇談会の相手方が割り出される。
それから、金融機関、支店名、口座番号を不開示とする理由。公共の安全と秩序に支障を生じるおそれがある情報である。その理由は、ハッカーや他の金融機関の従業員等が当該預金を窃取したり、当該金融機関の従業員が当該預金等を横領する等のおそれがある。
次々とよくもこんな不開示の理由を出したものだと言われるようなものを現在裁判で愛知県知事がまともに準備書で答弁をしているわけです。
〔委員長退席、小林(興)委員長代理着席〕
オンブズマンはあきれ果てて言っています。公開請求で得た情報に基づいて、県民が泥棒に変身したり、お庭番になったり、職員を尾行すると考える。店の格式で万博予定開催地を決定する投票の結果が左右され、県が利用した店であることがわかると県民が店の経営を圧迫するほどの値引きを求めたり、その店を利用しなくなる、権力者の住民に対する恐怖心がはっきりとここに現れている、こういうふうに書いているわけですね。
なぜこんな事態が起きているのかということなんですけれども、やはり、実際の現場で国民への情報隠しがどのような理由でどんな腐敗した行政の実態をもたらしているかということは、私は愛知県の情報公開ワーストワンの事例が大変象徴的に示していると思うんです。
実際には、万博や中部国際空港に対する、それをどう考えるかという見解の相違はあるんですよ、しかし少なくとも、県民には知らせない、県民は信頼できない、参加もさせないで恐怖心だけ持って行政に当たる、これは情報公開の制定の目的からして全く離反するような内容だと私は思うんですけれども、長官、率直な御感想を伺いたいと思うんです。
〔小林(興)委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/151
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152・太田誠一
○太田国務大臣 よく言われることでございますけれども、地方自治ということがあるわけでありまして、それぞれ条例を制定するということについては、まさに地方自治でそれぞれやるんだ。我々がそれについて感想を言ったりあるいはコメントをしたりするということは、地方自治にあれこれ指図をすることになるのではないかと思いますね。
だからそれは、今お聞きをいたしました範囲で、愛知県の方でそのような判断を持っているということでございますので、国としてそれに対していいとか悪いとかいうことは言えないんじゃないかと思いますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/152
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153・瀬古由起子
○瀬古委員 私がなぜそういうことを聞くかというと、先ほど長官が、国民の知る権利というのはなぜ今度の法律に入れられないのかというお話で、入れても入れなくても、情報公開を冠したそういう法律をつくることが大変大事なんだ、そして中身が大事なんだということを言われましたでしょう。
ですから、これだけ県民は本当に県庁の仕事を盗聴したりそういうように見られているんだというこの愛知県は、実は情報公開条例というのを持っているわけですよ。名前は情報公開というのがあるけれども、中身は実際には本当にすさまじいですね。実際に情報公開するという姿勢になっていない。
ですから、私は、同じ情報公開という名前があっても、本当に国民の知る権利をきちんとうたっていないと実際にはこんな事態になり得ますよという、まあこれは愛知県の特別に異常なひどい事例なんですけれども、だからこそ私は、先ほどから問題になっている国民の知る権利というのをきちっとうたえば、同じ情報公開というようにうたわれていても、中身が、やはり国民が参加していく、国民が行政を監視して行政をもっと質の高いものにしていく、こういう立場が生まれてくるんではないかというように思うんですね。
ですからこの点は、先ほど長官が情報公開がつけばいいと言われましたけれども、その中身を問うためには、きちんとした知る権利というものを位置づけるということがこの愛知県の例を見ても明らかではないかなというように思うんですけれども、その点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/153
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154・太田誠一
○太田国務大臣 それぞれの地方自治体でいろいろな御経験をされておられますので、受け取りようはいろいろだと思いますね。
そして、知る権利というふうに言葉がなっても、そういう言葉を使っていてもあるいは先生のおっしゃるようなことになるかもしれないわけでございますので、要は内容でございますので、早くこの法律を成立をさせて、さらに努力をして改善していくということが急がれるのではないかというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/154
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155・瀬古由起子
○瀬古委員 憲法上の知る権利というのを明確にうたわれればそれは逃げられないんですよ。いろいろ理由があっても、きちんと知る権利に基づいてどうなのかということを一つ一つチェックできるわけですね。
そういう点でもう一つ例を出したいと思うんですが、例えばこれは鹿児島の例なんですが、食糧費の支出をめぐって愛知県と同じような裁判が行われている鹿児島の地裁の判決が昨年九月二十九日に出されたんです。
この地裁の判決は、政府行政情報の開示請求権としての知る権利は憲法の国民主権原理に由来し行政機関が持つ情報は広く住民に開示される必要がある、きちんと知る権利という憲法判断を明確にこの判決はうたっているわけですね。それを示した上で、出席者名や懇談場所の全面公開を命じております。
この判決の結果を見てもやはりきちんと知る権利という位置づけで、さまざまな出席者の氏名や懇談場所や、いろいろな情報開示という場合にはここが原点になるというのは、この地裁の判決の中でも明らかだというように思うんです。
それで、鹿児島の地裁の判決は、食糧費の性格からすると出席者はプライバシー権を中心とする正当な権利、利益の侵害が生じる余地がないとして、公開による円滑な業務執行くの支障を訴えた県側主張を退け、さらに懇談場所の住所氏名公開についても、飲食店などの社会的評価を低下させるとは考えがたい、このように述べているわけです。そして、公的な懇談会等へ出席した氏名を開示すべきという判例も今全国でも生まれてきているわけで、多くの自治体では公務員の氏名も開示しています。
全国オンブズマン連絡会の調査によりますと、実際には、開催者側の自治体の公務員氏名を開示しているのは二十七、出張旅費についても、出張者名の開示をしているのは三十六にも及ぶというように述べております。
そういう意味では、公務員の氏名の開示という問題についても、この流れに沿って一定の踏み込む提案というのは私は今求められているんではないかと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/155
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156・瀧上信光
○瀧上政府委員 ただいまの例、それぞれの地方公共団体におきましては、開示、不開示の判断につきまして、条例の規定に従って個別具体的に解釈、運用をされているものと承知をいたしております。
政府案では、公務員であろうと、氏名を開示することにより私生活等に影響を及ぼすおそれがあり得るということから、慣行として公にされている場合には開示するということとしているものでございます。
それから、ただいま裁判例の引用をされましたが、公務員の氏名を公表すべきであるということとしたものがあることは承知をいたしておりますが、これは地方裁判所の裁判例でありますが、その多くは、公務員の氏名の保護を不要としているということよりは、氏名を公開することにより生じる不利益の立証が不十分であるためであると理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/156
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157・瀬古由起子
○瀬古委員 実際に氏名を公開することによって、私生活上の不都合な点、一体どこにあるのかという問題なんですね。実際には、無理にどういう不都合があるかということを出そうとすると、愛知県のような詭弁、珍弁、暴論になってしまう。ですから、ここは本当にぜひ検討していただきたいと思います。
時間が最後になりましたので終わりますけれども、情報公開法というのは、事故隠し、官官接待、行政のゆがみ、腐敗に立ち向かう、こういう人々によって地方から、本当に地をはうような活動の中で要請されているものなんですね。その法律の内容は、まさに日本の民主主義をはかる物差しとなるものだと思うのです。
そういう意味では、総務庁はいつまでも自分の法案にこだわらずに、やはり今、かなり多くの関係者の努力によって、何としても国民にとって使いやすい法律をつくろうという動きがあるわけですし、野党の修正案も本当にぎりぎりでまとめられたものでありますので、ぜひこの趣旨を受け入れていただいて成立を図っていただきたい、このことを要望して、質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/157
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158・二田孝治
○二田委員長 深田肇君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/158
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159・深田肇
○深田委員 朝からずっと情報公開法で追い込んできまして、ちょっと私、委員長の許可をいただきましたので、少し別のことについてこの機会に質問をしながら確認したいと思いますので、御了解賜りたいと思います。あと少してございますから、よろしくお願いします。
実は、この前の委員会で、やはりこの場で討議がありまして、それを拝聴しておりまして、私の方はきょうのところへ回ったのでございますから、よろしくお願いいたしたいのであります。
事前に人事院なり総務庁に申し上げておりますから、議事録などは目を通していただいているだろうということを前提として申し上げますが、一言でいえば、公務員の、国家公務員の政治的中立性についてしっかりと確認しておきたい、こういうことできようはひとつ御質問させていただきますので、お答えの方も極めて簡単、一言でいいのでございますから、お返事いただきたいというふうに思います。
まずは人事院総裁に、わざわざお出かけいただきましたが、先般のこの委員会における総裁の御発言を伺いました。同時にまた、その後活字になりましたものも拝見いたしまして、実に簡潔に、鮮明に物事をおっしゃっていることをよく理解した上で、なおかつ、いま一つ私どもの考えておりますことを申し上げた上で、御所見を賜りたいと思う次第でございます。
日本の政治でも政権交代は行われたわけでございまして、私ども社民党も村山総理大臣時代もあったわけでございますから、そういうふうな状況が今世界的に大変あるのだろうというふうに思います。特に、最近のイギリスの状況やそしてフランスだとかドイツだとか等々を考えますと、いわゆる議会制民主主義に基づいて政権交代が進んできているということが民主主義の発展過程としてお互いに確認ができるだろうと思います。
それに関しての諸先生の報告書だとか書物もそれなりに読ませていただいて、これから日本の議会制民主主義といわゆる政権交代について、いかにあるべきか。そのときに、ずばり申し上げますが、日本が世界的に大変力があると言われる官僚システムとの関係をどういうふうに考えるかと実は考えておったところでございますので、それに関して一つ御質問申し上げておきたいと思います。
申し上げましたとおり、議会制民主主義におけるところの状況と、同時にまた、日本もそのようにいわゆる連立政権なり連合の時代に入ってきているというふうに思います。
そういう状況であるだけに、公務員の方々、国家公務員の方々のいわゆる政治的中立性というのは大変大事なことだというふうに日ごろから感じているわけでありまして、それに関する前後の話は省略した上で申し上げますが、先般この場で討論になりました国家公務員法の七十三条の精神にあわせてみて、先般、報道などで話題になりましたようないわゆる幹部研修ということについて、どういうふうにこれからなるのだろうか。
それとも、今の法律が変わっていないのだけれども、これは法律を変えてでもやるということをおっしゃっているのだろうかというふうに実は思って、私はこのことについて大変疑問を持っているということを先に申し上げた上で、人事院総裁の方から少し七十三条との関連で御説明いただいた上で、今度は総務庁長官にお話をしてもらいたいと思います。総裁、ひとつよろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/159
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160・中島忠能
○中島(忠)政府委員 ちょうど一週間前でございますが、お答えをさせていただきました。
公務員というのは政治的中立性というのが大切だということを申し上げたわけですが、いかなる政党が政権を担うことになりましても、それが民主的な手続に基づいて成立している限りにおいて、公務員は忠実にその政権にお仕えしなければならないという立場にあるだろうというふうに思います。加えて、公務員はいかなる政党にも等距離でなければならないということが公務員の政治的中立性と言われるときの一つの重要な要素だというふうに思います。
なぜそういうことが言われるかといいますと、やはり国民全体の奉仕者として、行政というものを継続的に、また安定性を保ちながら公正に執行していく必要がある、そのためには公務員に政治的中立性というものが要求される、戦後、民主的な公務員法制でそういうことになっているのだというふうに思います。今、研修の話がございましたけれども、研修と並びまして、採用を含む任用制度とか、あるいは身分保障制度とか、あるいはまた服務制度、そういうものもそういう観点から整備されており、そしてそういう政治的中立性というものを保つための諸制度の中で、人事院というものが重要な役割を担うことになっておるということでございます。
今お述べになりましたように、七十三条という条文もそういう観点から読んでみなければならないということでございますが、結局、研修というのは公務員を養成するということでございますから、その養成する公務員というのは、今私が申し上げました政治的中立性というものをよく踏まえた公務員でなければならない、どの政党にも同じような立場で接するような公務員でなければならないということだと思います。
一週間前にも申し上げましたけれども、重要施策というものに関連して、幹部公務員にそれを徹底していく必要があるということをよく言う人がおりますし、そういう意見もございますけれども、例えて言いますと、この場で今現在議論されております情報公開の議論がございますが、これがたとえ法律が成立いたしましても、情報公開というのは内閣の重要施策として位置づけられるとともに、なお法律が成立した後も、各政党の重要施策でもあるだろうというふうに思います。
したがいまして、この問題につきましていろいろな政党の意見が違うということになりますと、その情報公開という重要施策について、どの機関が幹部公務員に研修をするのが最もふさわしいかということを考えますと、やはり七十三条の趣旨からいって、人事院がふさわしいだろうというふうに皆さんおっしゃるだろうと思うわけでございます。
いずれにいたしましても、議院内閣制のもとにおける政府でございますから、この政府が研修を担うというのは非常に微妙な問題を含んでいるだろうというふうに思います。
こういう問題が提起されまして、民主的な公務員制度の根幹にかかわる、一つ重要な問題が提起されたなというふうに私は受けとめておりますが、当委員会におきましても、これからいろいろな方が御議論いただきまして、さらに議論が深められることを私は心から期待いたしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/160
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161・深田肇
○深田委員 ありがとうございました。
大変具体的に、しかも詳細に御説明いただきまして、人事院に対する信頼性を高めたいというふうに個人的には感じております。我が党も全体もそういう意向だと思いますが、ぜひひとつ総裁頑張っていただきたいというふうに申し上げた上で、さて長官、もう人事局長の答弁は要らないのです、長官とやりたいのです。
ずばり申し上げまして、この間ここで私拝聴したのですが、議事録をぱっと見た感じでいいますと、いわゆる人事局長の方は、いうところの調査会があって、調査会の中で話をしてきた、その中のいわゆるまとめがあって、それに基づいて、内閣の重要政策に関する研修は総理大臣が行うものなのだ、こういうふうにおっしゃっているわけですから、総理大臣が行うものだというところまでの活字なのだけれども、これはいわゆる人事局がやるのだなというふうに私どもは思います。
そうなってきますと、先ほどから率直に質問させてもらいましたが、七十三条の関係で、人事院というものの中立性と、戦後今日までの大きな役割というものを評価する立場からいたしますと、いうところの行政改革だとか省庁再編成だということが契機になって、人事院という伝統的な、いい仕事をしたところが薄められてしまったり、それにかわるべきものがまた別に出てしまうのではないか。
そのことがストレートに国家公務員の中立性が阻害されるとは言いませんが、やはりこれは教育だし、研修だし、相手方は目的意識でそれをやるということになると内閣の側がやると。しかもそれを、重要政策については内閣がやることだと決めつけられて、それを今度は幹部研修を別にやる。まあ立派な建物をつくるという話があるようでありますが、これは時間がありませんから、我が党としては後ほどまたお呼びして、どんな建物をつくるかも伺いたいと思っております。
それは別にして、そういうふうな幹部研修会を人事局でやるということになると、時の政府というのは、今の内閣の状況を見ますと与党と政府は一体ですから、そうすると野党の方はこれだけいるわけですから、お話にもありました与党、野党の微妙な見解の違いや理念もあれば政策の違いもある。
この状況をではどういうふうに内閣総理大臣や人事局は全部把握して、それを全部説明して、ちゃんと理解することができるか。内閣総理大臣の思っておるとおりやる、そのこと自体は我々の議会との関係はどうなるのか、我々政党との関係はどうなるのかということを疑念を持たざるを得ないのですね、率直に言って。
この点を、私はこの間のやりとりを聞いた上で率直に感じましたことをもう一度簡単に申し上げた上で、総務庁長官には事前にお願いしておりますから、こういったことが、いうところの心配事が起きないように、今までの人事院がしっかり仕事をしてもらうことを前提としながら、どういうふうに国家公務員の中立性というものは堅持されるべきなのか、いや堅持されるのだよというようなことについての御所見をいただければありがたいと思いますが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/161
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162・太田誠一
○太田国務大臣 適切なお答えにはならないかもしれませんが、私は、公務員の中立性という言葉を余り拡大をして考えると、要するに議院内閣制の考え方とどこかでぶつかる場面が出てくるのではないかと思います。
それは、いろいろな国はそれぞれ苦労をして、議院内閣制であれば、あるいはアメリカでは大統領に使われる公務員であれば、当然いわゆる使用者というか、あるいはリーダーシップをとって事を進めていこうとしておるのに、私は中立だから知らないということを全部の公務員が言われたらこれは仕事にならないわけでございますから、そこは、ですから要するに……(深田委員「そういうのを偏見というのだ」と呼ぶ)いや、違うのです。それは私は大いに異論がありますよ、大いに異論がある。
どうして異論があるのかといえば、それは、この国は議院内閣制の国であって、そして議院が公務員の上に立ってリーダーシップをとるということは極めて大事なことだと思っておるのです。
公務員の仕事というのは、これは議会で決めた法律に基づいて、そこで政令ができたり省令ができたりするわけでございますけれども、そのもとでもってルールどおりにやっていただくというのが仕事でございます。だから、中立性云々というのは、例えば私が言ったらばこれはこっちにします、先生が言ったらばこっちにします、この程度にしますとかいうふうなことを、与党、野党で差をつけるとか、人によって差をつけるということがあってはならない。
それは、なるべく透明なルールにして、だれに対しても同じようにルールが適用されるようにするということが大切なのであって、それ以外に、公務を忠実に法律にのっとってきちんと執行するという以上に、それプラスアルファの何か中立性というのはどういうものなのかなというのは、ちょっと私はわからないわけでございます。
それから、特にこの公務員の研修ということについて、正直申し上げまして私もきちんと勉強しておるわけではありませんけれども、研修をだれがやるのかということは、それは内閣総理大臣のイニシアチブで行われる研修はあったって構わないし、それから人事院が行う研修があったって構わないだろうと私は思っております。
何かそこで不都合があるならば、制度を変えるということもあり得るでありましょうし、特に事大事について言えば、そういう今先生がおっしゃったルーチンとしての研修もあるかもしれないけれども、そのときのリーダーによって、あるいは政権をだれが担っておるかによって、ここにウエートを置きたいというものはおのずからそれは二通りあっても構わないと思います。
そこは、ぜひ先生方が、変な研修をしていないかどうかということをいつもチェックをしていただければいいのではないかと思っております。
〔委員長退席、植竹委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/162
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163・深田肇
○深田委員 とにかく時間がないので討論ができませんから残念なのですが、この言葉だけは返しておきます。
中立性ということが話題になるのは、時の権力構造の方が、いわゆる高級官僚を初めとする公務員全体を、今みずからおっしゃったとおり、使用者側として管理をしてそれで仕事をさせるということに対して、中立性が必要だということになるのです。そのことが人事院の方から言われると、これはきれいな言葉を使われたのだけれども、等距離でなければいかぬ、ごうおっしゃる。だから中立性を堅持しておるのです。
ところが、あなたの方から、中立性という言葉を拡大解釈してしまったら、ばらばらになってしまって、何が何だかわからないじゃないか。あっちによくこっちによくというのはこれは中立ではない、それが中立なら問題があるよということを、まさに解釈を変えて中立性の論議をする。
これは時間がないからできないのだけれども、私は、中立性というものを堅持しようではないかということを法律の中にお互い確認し合って今日まで慣例としてできてきている。人事院が中立性だし、公務員は政治的中立てなければならないという意味は、いわゆる今の内閣制の中でいかにあるべきかという極めて原点を、まさに原点をやったのであって、時の政権の言うままに物事をやるのではないよということが基礎にあるのだということ、これは共通認識できると思うのですよ。
そこをしっかり踏まえてもらわないと、今あなたの発言で、こっちが時間切れでしゃべれなかったら、あなたの中立論がばあっと通ってしまうとこれは間違った中立論になると私は思いますから、私は私の持論である中立論をもう一遍言った上で、次の機会にまた討論させてもらいたいと思います。
そこで、時間がなくなったので、ちょっと済みません、あと二分ほど、情報公開法だけやらせてください。
情報公開法につきましては、これも大詰めになって、与野党の筆頭が大変御苦労なさっていることを承知の上で言うのですが、時間がありませんから簡単に言いますけれども、もう毎度毎度申し上げているように、私どもの方は、情報公開法、早くつくるべきだという時の村山総理からの問題提起もこれありいたしまして準備した経過があります。
したがって、何遍も何遍も自民党さんから御指摘あるとおり、与党三党合意をつくり上げてきた経過があります。したがって、それを法案化されているわけですから、法案を提起をして討論する中で、私どもも今野党と一緒に並びまして、いわゆる十二項目の趣旨に賛同して、その中で少しでも国民の声が修正なり補強として取り入れられるようにという努力をして今日まで来ているわけであります。大分筆頭も御苦労されておると思いますが、まだまだこれで完全なものだとは言えないのじゃないかと率直に思います。どこが手打ちのところで落としどころかという問題があると思いますよ。
私は早くつくった方がいいと思います。同時にまた、市民運動を初めとする方々と話をしてみても、とりあえず今の閣法を中心にして修正しながらまずスタートしたい。その中で、どんどんと将来見直すなりいろいろやっていこうではないかという意見が強いので、早く欲しい、早く欲しい。
大臣がきょうもいみじくもおっしゃったとおり、知る権利の言葉が情報公開と同じものだ、これは大変な大胆な発言ですよ。そんなことまで言ってしまって大丈夫かなと思うことを言われましたから、それをもう確認されてしまったのだから、大変なことでいいことだと思いますが。
しかも中身が、いわゆるそういう知る権利の情報公開法ができてくれば、大変なことなのです、その知る権利と情報公開は違うのだと今さら言えないのだから。知る権利を入れるべきだったら、知る権利も情報公開も一緒だ、同義語だという話をされたのだから、立派なことができるのだろうと思いますから私は大いに賛成です。
しかし、私はそういったことを踏まえてやってもらいたいのですが、二つ言います。
まず最初の一つは、これはお役所の方の御苦労を認めるのだけれども、数カ月間この論議をして、その間には参考人の方のお話も聞いてやりとりしているのだけれども、きょうもう一遍、ずっと野党の先輩たちの質問に対して、昔の説明と同じ説明をされるんだ。
大臣はかわっているから、初めて聞く話が随分あるかもしらぬけれども、私らにしてみたら、これだけ与党、野党が論議をしたり、それから修正の文書を出したり、文書にならない間の詰めの言葉も随分あるはずですよ。そういったものを皆知っているはずなんだ。知っているはずなんだけれども、きょう答えるのは、一番最初に聞いたのとほとんど変わらないよ。
参考人ですら、ここで決めなさい、国会で決めたらよろしゅうございます、できることなんですよと。後で話しますが、訴訟問題等々はだめなんですかということについての、そこまでの発言までもらったり、それから、いわゆる知る権利については、知る権利に二つの意見があったことも出たし、同時にまた、知る権利の言葉と並行して出るいわゆる監視、参加の問題についても、監視、参加はいいと思いますとずばり言われたのだから。そういう発言まで皆参考人から聞いているのです。そういうことを含めて、最初の原案どおりざあっと同じ説明するんだよ、あなた。肩書は偉くなっているようだけれども。ふまじめだよ、それは。
もう時間がないね。それで、審議をやろう、このいわゆる立法府の委員会だとか国会が審議することが一番大事なんだ、これが民主主義だとこれだけ大臣が強調しているのに、数カ月たってみても初めのことだけ言ってきて、我々はばっとぶつかって終わりじゃないか。それで十六日で国会が終わったら何もできないじゃない、十六日で終わってしまったら、会期延長しない限りはなかなか上がらないと思うよ。
本当に私は、お役所の人たちの誠意を感じない。これを通そうと思うのなら、それは自分たちの提案したとおり、それは三党、与党を含めた我々の、社民党責任をとれと言われたらそれまでのことだけれども、そこで決まったものだからそれを曲げちゃいけないというのがお役所の精神かもわからぬが、大臣がかわっているのだから、その中で討論を煮詰めていくのだから、煮詰めるように答弁してもらわないとというふうに、恐らく今委員長をやっておられる自民党筆頭さんもそう感じているじゃないかと思いながら、私は大変このことは不愉快だし、まずいなと。これではいつまでたったって、日本の民主主義だとか院内討議はできないのじゃないか。あとはもう採決、白黒、手を挙げるか立つかということだけで決まっちゃう。これじゃ本当に煮詰めることにならぬじゃないかというふうに思います。
そこを申し上げておいて、私の方が一つだけ強調するのは、全部おっしゃったからもういいのですが、私のどうしても考えてもらいたい、今度の国会で上がらないのなら、次に上げてもらうときにもどうしても大臣を初めとして考えてもらいたいと思うのは、いわゆる使う側に便利にしてもらいたいのだから、何といったって。
私、知る権利よりもそっちが先でもいいと思っているんだ。しかも、きょうみたいな立派な御答弁をいただいたら、知る権利の項目はもう黙って譲ってもいい。いわゆる手数料の問題も出ましたから、あと私は管轄の問題、このことをどういうふうに、担保という言葉は強過ぎるかもわからぬが、どうするのか。これをこの委員会で確認しておきながら、そして同時に、最後の段階でそこのところをどういうふうに国民の側、利用する側に便利にするのか。
便利にするのは、いわゆる一から四十七、いろいろなことがありましょうけれども、そこはまた別の話として、何としてもいわゆる訴訟管轄のところだけは善処するということをしてもらいたい。そして、このことは、使いやすいものにしてもらって、まずスタートするということを社民党としては強くお願いをしておきたいと思います。
三十秒、大臣からお言葉をいただくとありがたい。もう時間がないので、やむを得ません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/163
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164・太田誠一
○太田国務大臣 この間から申し上げていることは、要するにここに来るまでに大変な努力の積み重ねがあって、やっとここまで来たわけですから、この訴訟管轄の問題も含めて、今の原則でいくところからスタートをしていただいて、そしてその後さらなる改善が考えられればいいということだと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/164
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165・深田肇
○深田委員 ひとつよろしくお願い申し上げます。
終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/165
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166・植竹繁雄
○植竹委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後四時二十四分散会
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114304889X00519981013/166
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