1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十一年三月十二日(金曜日)
午前九時三十分開議
出席委員
委員長 岩田 順介君
理事 荒井 広幸君 理事 能勢 和子君
理事 森 英介君 理事 柳本 卓治君
理事 石橋 大吉君 理事 川端 達夫君
理事 前田 正君 理事 青山 丘君
井奥 貞雄君 石川 要三君
稲垣 実男君 大村 秀章君
小林 興起君 佐藤 勉君
坂本 剛二君 白川 勝彦君
田中 昭一君 田村 憲久君
棚橋 泰文君 藤波 孝生君
保利 耕輔君 島 聡君
城島 正光君 中桐 伸五君
松本 惟子君 河上 覃雄君
岩浅 嘉仁君 大森 猛君
寺前 巖君 畠山健治郎君
土屋 品子君
出席国務大臣
労働大臣 甘利 明君
出席政府委員
労働大臣官房長 野寺 康幸君
労働省職業安定
局長 渡邊 信君
労働省職業能力
開発局長 日比 徹君
建設省住宅局長 那珂 正君
自治省財政局長 二橋 正弘君
委員外の出席者
労働委員会専門
員 渡辺 貞好君
委員の異動
三月十二日
辞任 補欠選任
棚橋 泰文君 佐藤 勉君
長勢 甚遠君 田村 憲久君
城島 正光君 島 聡君
同日
辞任 補欠選任
佐藤 勉君 棚橋 泰文君
田村 憲久君 長勢 甚遠君
島 聡君 城島 正光君
三月十二日
就職難を解決し、学生生活を守る緊急措置に関する請願(上原康助君紹介)(第一二五二号)
は本委員会に付託された。
本日の会議に付した案件
雇用・能力開発機構法案(内閣提出第二三号)
午前九時三十分開議
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/0
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001・岩田順介
○岩田委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、雇用・能力開発機構法案を議題といたします。
これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石橋大吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/1
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002・石橋大吉
○石橋委員 大臣、おはようございます。きょうは少しおくれられるというような話でしたが、初めからお出かけをいただきまして、ありがとうございました。
きょうは十二時から本会議も予定をされておりますので、非常に限られた時間ですが、初めに幾つか質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、雇用促進事業団が廃止になって新たに雇用・能力開発機構になる、それに伴って、従来雇用促進事業団がやっておりました事業の中で、廃止になるというか解散されることになる移転就職者用宿舎あるいは福祉施設の扱いなどについて、幾つかお伺いをしておきたいと思うのです。
まず、移転就職者用宿舎についてでありますが、現在の利用状況を見ますと、平成九年で、運営戸数が十四万四千三百二十三戸、入居戸数が十一万七千七百九十二戸、うち移転就職者等の入居戸数は二万九千七百七十戸で、空き家が二万六千五百三十一戸。入居戸数に対する移転就職者の入居率は二五・三%。こういう状況になっておるようであります。
また、移転就職者用宿舎の入居期間別入居戸数の状況を見ますと、入居期間が三年未満が四万一千六百七十一戸、三五・四%。三年以上が七万六千百二十一戸、六四・六%。そのうち三年以上七年未満が三万七百八十九戸、二六・一%。七年以上が四万五千三百三十二戸、三八・五%。こういう状況になっているわけです。
宿舎の家賃について見ますと、宿舎が暫定的に利用される住宅であること、宿舎の構造、面積等が第二種公営住宅に準じたものであること、宿舎の入居者が第二種公営住宅に転居しやすいようにすることなどから、低所得者を入居対象とする第二種公営住宅の家賃水準を参考にして定められておって、民間の賃貸住宅より相当安い家賃になっているわけであります。
第二種公営住宅との比較を見ましても、平成四年度ですが、最低では公営住宅の方が、相当古い住宅があってのことだろうと思いますが、宿舎の十分の一程度ですけれども、最高の家賃を見ると宿舎の方が公営住宅の約六割の水準でありまして、これを民間のアパートだとかマンションなどの家賃に比べれば、かなり低い家賃になっているわけであります。長期入居者についても、割り増しがありますけれども、〇・四%と非常に割り増し率も低い、こう思うのです。
しかし、そういう低い家賃、しかも約二割は空き家になっている、こういう状態にもかかわらず、全体の収支状況というか経営状況はおおむねとんとんだ、こういう話を聞いているわけでありますが、こういう低家賃でしかも空き家があってとんとん、こういう比較的経営状態がいいというか、その秘密、原因はどこにあるのか、この点をまず伺っておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/2
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003・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 移転就職者用宿舎の入居状況あるいは家賃等の状況は今議員御指摘のとおりであります。
平成九年度の収支の状況を見てみますと、家賃収入が三百七十三億円でございましたが、支出の方は、管理のための人件費あるいは固定資産税あるいは改修の経費等で三百七十一億円でございまして、二億円の剰余が出ていますが、これは改善費のために積み立てているというようなことで、この移転就職者用宿舎につきましては、狭隘なものは二戸を一戸にするというふうな工事もやっておりますが、そういったものを含めましても、これまで収支はほぼとんとんで来ております。
秘密ということもないのですけれども、今委員御指摘のように、家賃の設定は近隣の公営住宅の家賃を参考にして設定しておりますし、入居率も八三%ということですから、これはかなり高い方ではないかというふうに思います。それから家賃も、原則として五年に一度は見直しをするということにしていまして、平成十一年度もその見直しの年に当たっています。それから管理も、直接事業団の管理というよりは公益法人に委託をしておるというふうなことで、かなり効率的な運営に努めている、こういったことで、この住宅につきましては、幸いなことにほぼ独立採算で現在まで来ているというふうな状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/3
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004・石橋大吉
○石橋委員 雇用促進事業団が解散をされる、それに伴って、さっきもちょっと言いましたが、移転就職者用宿舎は、関係自治体あるいは民間もあるでしょうが、譲渡することになっているわけです。そこで、雇用促進事業団の解散からこれらの宿舎等の譲渡までの間の管理運営について、念のためにお聞きをしておきたいと思うのです。
今申し上げましたように、現在の宿舎の運営実態を見ると、かなり安い家賃だ。しかも、入居率は非常にいい方だとしても、まだ二割ぐらいはあいている、こういう状況。それから三年以上の長期の利用者が六割を超えている、こういう状況。こんなことから見ると、移転就職者用のごく短期の入居を前提条件にしたこの宿舎の本来の性格からいえば、実態はかなり違ったものになっているのではないか、こういうふうにも思われるわけであります。
まあ、それでも今よりもっともっと家賃を下げろ、こういう意見もあるようですが、しかし、雇用促進事業団から自治体だとか民間にこういうものを移管するというか譲渡するということは、やはりもう少し経営効率を高めるべきじゃないかと思う。よく民間活力の導入など、こう言われるわけですが、そういう議論もあると思うのですね。そういう意味では、もうちょっと家賃も上げてもいいんじゃないか。あるいは、入居の資格要件などはもう事実上有名無実に近い状態になっているのだから、必要最小限度、移転就職者のために必要な戸数は確保するとしても、その他についてはそういう入居条件なんかはやはり緩和するか撤廃してもいいんじゃないか、こういう感じもするわけであります。
いずれにしても、譲渡を前提にした管理運営ということにこれからはなると思うのですが、そういうようなことについて、どういう管理運営をされるのか。従来の方針をあくまでも踏襲されるのか、この際かなり思い切って運営の方向というものを変えられるのかどうか、この点を二番目に伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/4
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005・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 新法人の設立に伴いまして住宅も譲渡をするというふうなことにしておりますが、譲渡ができるまでの間は新法人において管理をするという規定になっております。そこで、譲渡ができるまでは、従来の移転就職者用の住宅であるという基本的な性格は変わらないわけでありますので、新機構になってその住宅の性格を基本的に変えていくということは難しいのではないかというふうに思っております。
今、確かに本来の入居目的で入っておられる方は二五%ぐらいで、残りの方については、安定措置を認めた場合、住宅の困難な労働者について貸しておるということでございますが、いずれにしましても、移転就職者、あるいは員外利用といいますか、そういうことで入っている方にしましても、臨時的な一時的な住居であるという性格は踏襲すべきだというふうに思っておりまして、現在でも、長期の入居者についてはできるだけ早期の退去というものの働きかけをやっております。
こういったことはこれからも続けていく必要がありますし、またこれから譲渡ということになりますと、できるだけ近隣の公営住宅の紹介とか住宅に関する情報の提供とか、そういうこともしながら、譲渡が円滑にできるようにする必要があるというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/5
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006・石橋大吉
○石橋委員 次に、勤労者福祉施設の関係についても同じような質問をさせていただきたいと思うんですが、勤労者福祉施設の現状を見ますと、勤労者体育施設、A型、B型合わせて千百二十九カ所、共同福祉施設が三百二十カ所、勤労者野外活動施設、A型、B型合わせて約百七十カ所、勤労者総合福祉センター、A型、B型合わせて百二十三カ所、こういうものを代表にして全国で約二千ぐらいの福祉施設があるようですが、そのほかにも港湾労働者用宿舎が五百八十戸ある、こういうふうになっているわけです。
福祉施設もかなり多様な性格を持ったいろいろな福祉施設があるようですが、この福祉施設の全般的な経営状態について、わかればこの際伺っておきたいということがまず一つと、このうち勤労者福祉施設の宿泊施設などの状況については、資料がありましたからちょっと見ましたが、宿泊施設の関係については、全体の施設の数が約六十ありまして、赤字経営が三十八ぐらいじゃなかったかと思います。約六割の施設が宿泊施設に限っていえば赤字経営、こういうことになっているようであります。
その辺も含めて、経営実態がどうなっているか、お聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/6
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007・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 勤労者福祉施設には、体育施設や共同福祉施設等のいわゆる小型の施設、これが一千九百六十八現在設置をされております。それから、サンプラザとかいわゆるハイツ、いこいの村というふうな大型の施設が七十一施設ございまして、二千余の福祉施設が現在あるわけであります。
このうち一千九百六十八の小型施設ですけれども、これにつきましては自治体に運営を委託しておりまして、自治体がさらに公益法人等に運営の委託をしておるということになっておりまして、基本的に管理運営は地元の自治体が責任を負って行っているとなっておりますので、私ども、その収支の状況は、これらについては把握をしておりません。
後者の、サンプラザ、ハイツ等の大型の施設につきましては収支の状況を把握しておりますが、これを平成九年度の収支状況について見てみますと、これは七十一施設のことですが、収入が一施設平均で五億七千八百万円、支出の方が一施設平均で六億五百万円となっておりまして、収支差が一施設平均二千六百万円くらいの赤字になっております。この赤字施設は四十五施設に上っておりまして、七十一施設中六三%くらいになっているわけであります。
この収支に赤字が生じた場合の処理ですけれども、都道府県に委託をしております六十施設につきましては、借入金あるいは地方公共団体がみずから補てんをするというふうなことで賄っていると思います。その他の十一施設につきましては、過去に積み立てておりました剰余金を取り崩すというふうなことで現在補てんをしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/7
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008・石橋大吉
○石橋委員 これについても、今大体経営は自治体などに委託をしているというか自治体が直接やっているというか、公益法人なんかに小型のものは委託して運営しているということですから、これは余り問題がないかなという感じがするんですが、宿舎にしてもこういう施設にしても、譲渡するに当たってかなり長期的な計画みたいなものも必要なんじゃないか、こういうふうに思うのですが、その辺はどういうふうにお考えになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/8
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009・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 この法律が成立しますと基本的には譲渡を行っていくということですが、その譲渡の相手は、この施設はもともと自治体の強い要望によって設置されたものが大部分でありますし、特に福祉施設については、土地は自治体から提供していただいているというか、土地は提供していただいてこれを事業団が借り受けているというふうなことでありますので、基本的には自治体への譲渡ということになると思いますけれども、これは自治体の意向をよく聞きながら、譲り受ける意思があるかどうか、どういう条件ならばというようなことをよく調査をした上で、譲渡の計画というものもそれから考えるということになるのではないかというふうに現時点では思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/9
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010・石橋大吉
○石橋委員 今の質問の続きですが、主として移転就職者用の宿舎にしても福祉施設にしても自治体に譲渡をする、こういうことが基本になろうと思うのですが、しかし、現在の自治体の財政状況などから見て、果たしてうまく譲渡できるのかどうか、率直に言って大きな疑問と心配をせざるを得ないような感じでおるわけです。
最近の地方財政の現状、状況についてちょっと申し上げますと、この五年間大幅な財源不足に悩まされておりまして、平成六年度の財源不足は五兆九千億円、七年度が七兆円、八年度八兆六千億円、九年度五兆九千億円、十年度五兆四千億円、平成十一年度の財源不足は十三兆円ぐらいになるんじゃないか、こう言われているわけであります。
不況の長期化、あるいはたび重なる景気対策の一環として公共事業を賄うために地方債の大幅発行をしたなどによりまして、平成十年度末で地方財政の借入金は百七十六兆円に達する、こう言われているわけであります。また、公債費負担比率が警戒ラインの一五%を超える自治体が全体の半分を超えて千八百四十七団体、平成九年度の推計ですが、こういうことになっておりまして、この公債費負担比率の上昇が自治体における公共事業受け入れの大きな障害になっている、こういう状況になっているわけです。
このような危機的な地方財政をさらに混乱に陥らせる可能性があるのが第三セクターの深刻な経営状態だ、こう指摘をされているわけであります。
去年の秋、毎日新聞が実施した、都道府県や政令市の出資する第三セクターの経営実態調査によりますと、調査対象になった三セクの数が六百七十八社、赤字の三セクの数が二百八十二、九七年度決算ですが、民間ならもう完全に倒産する、こういう状況になっておる債務超過の会社の数が四十九社に上っているわけであります。
こういう地方財政の非常に深刻な危機的な状況を考えたときに、最初に申し上げましたように、果たして移転就職者用の宿舎、福祉施設の譲渡がうまくいくのかどうか。宿舎と福祉施設とではかなり違いますから、今説明があったように、福祉施設の関係は現にかなりのものが自治体の要望によって建設をされ、また自治体も運営にかかわっている、こういうようなことからすれば、施設の性格もありまして、比較的福祉施設の方は受け入れてもらえるかなという感じがするのですが、問題は移転就職者用の住宅十四万戸分、これが果たしてうまく譲渡できるのかどうか、大変心配をしているわけであります。
この点については、大事な話ですから、ひとつ大臣の方からちょっと答弁をいただきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/10
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011・甘利明
○甘利国務大臣 確かに先生御指摘のとおり、今地方自治体の財政は非常に厳しい状況下にあります。そして、現在の雇用促進事業団が所有をしております雇用促進住宅あるいは福祉施設の利用に関して、今の形態でそう支障は生じていないわけでありますから、確かに、スムーズに右から左へ譲渡が進むとは思っておりません。
ただ、先生も今御指摘のとおり、福祉施設につきましては、土地というのは地方自治体が所有している例が非常に多うございまして、現実に、三十件ほどはもう既に譲渡が終わって、自治体の意向に沿った使用がなされているわけであります。
どちらが先に進むかといえば、福祉施設の方が移転はしやすいと確かに私も思うのでありますが、いずれにいたしましても、自治体の意向とすり合わせをしながら、スムーズに移転が進むようにいろいろと努力をしていきたいというふうに思っております。もちろん、そう簡単ではないということはよく承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/11
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012・石橋大吉
○石橋委員 移転の状況いかんによっては、雇用促進事業団を解散して民間に譲渡する、こういう形でやるにもかかわらず、十年たっても二十年たっても事実上譲渡ができない、結果、国鉄清算事業団じゃないけれども、事実上解散が名前ばかりになってしまう、こういうようなことになりかねないような面もあるかなと思っていますので、ぜひひとつそういうことがないように頑張っていただきたい、こういうことをお願いしておきたいと思います。
次に伺いたいのは、今度の省庁再編によりまして厚生省と労働省が労働福祉省ですか、に変わる、こういうことでもありますから、こういうことにも関連をしまして、移転就職者用の宿舎、全国で十四万戸もあるわけですが、こういうものの譲渡、処理と厚生省の新ゴールドプランなどを結合させて有効利用なり処理の仕方というものを考える手が一つあるんじゃないか、こういう感じがするわけであります。
御承知のように、九四年の十二月十八日にスタートした新ゴールドプラン、高齢者福祉サービス施設として、例えば、在宅サービス施設として、ホームヘルパーステーションを一万カ所、ショートステイ六万人分、デイサービス、デイケア一・七万カ所、在宅介護支援センター一万カ所、老人訪問看護ステーション五千カ所、施設サービスとして、特別養護老人ホームを二十九万人分、老人保健施設二十八万人分、高齢者生活福祉センター四百カ所、ケアハウス十万人分、こういう整備目標を立てているわけであります。恐らく、この目標どおりこれが順調に進んでいるという状況にはないんじゃないかというふうにも感ずるわけであります。
そういう意味では、せっかく労働福祉省で省庁も一本化をする、この宿舎の譲渡、処分とこれを結合させていけば新ゴールドプランの目標達成も比較的容易じゃないか、国民の福祉にも役に立つのではないか、こういう感じがしているわけであります。この辺について、どういうふうにお考えなのか、ちょっと聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/12
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013・甘利明
○甘利国務大臣 新ゴールドプランは、マンパワーの整備と施設整備と、両々相まって初めて可能なわけでありますし、先生御指摘のとおり、比較的順調に進んではいますけれども、自治体によっては施設整備がタイムラグを持っているところも当然あろうと思います。
これらの移転用の施設を、例えば特養老人ホームに使用するとかゴールドプラン関連に使用する選択肢も当然あろうかと思います。
ただ、いずれにしましても、受け取った側に意思がありますから、どう利用するかは自治体の判断でありますが、確かに選択肢としてはそういう方法も、方向もあろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/13
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014・石橋大吉
○石橋委員 うまく譲渡ができればいいんですが、かなり難しいんじゃないか、こう思いますので、今言った新ゴールドプランと結合させたりすれば比較的スムーズに譲渡あるいは解決可能じゃないか、こういうふうにも考えますので、特に省庁一本化で新しい労働福祉省がスタートしたら、その時点でまたしっかり御検討をいただきたい、こういうことを要望しておきたいと思います。
もう一つ、この移転就職者用宿舎については公的な賃貸住宅に転換をする、こういうようなことも当然考えられると思うんですが、この辺はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/14
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015・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 雇用促進住宅は、もともと自治体の強い要望に基づいて設置されたものが大部分でありますし、先ほど少し申し述べましたが、かなり多くの部分が、安定所長が認定をして、住宅がなかなか見つからないために職の安定を得ることが難しい、そういった労働者に対してこの雇用促進住宅への入居を認めているわけであります。そういうことでは、地元の方の住居の確保、安定といいますか、そういった点でもかなりの役割を従来から果たしてきておりますし、その地域地域における公営住宅の一種としての位置づけも十分にあるのではないかというふうに思っております。
そういうことで、自治体の方に譲渡できるということになったその後の使用については、実際に現在も住んでいる方が多いわけですから、公営の住宅として活用されるということは大変意義があるのではないかというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/15
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016・石橋大吉
○石橋委員 続いて、雇用開発に関することについて一つだけ伺っておきたいと思うんです。
御承知のように、一月の完全失業率は四・四%で過去最高だ、完全失業者が二百九十八万人、一月の有効求人倍率〇・四九、こういうように雇用失業情勢が大変厳しい状況になって、労働省や、雇用開発に対する非常に切実なニーズ、要求が全国的にあると思うのですね。そういうことを前提にしながら雇用促進事業団における雇用管理などの仕事を見ますと、かなり広範多岐な仕事になっているわけですね。
雇用開発、雇用管理に関する仕事をちょっと挙げてみますと、企業に対する雇用管理全般についての相談だとか、中小企業の人材確保のための相談援助及び助成金の支給、それから労働保険事務組合に対する助成金の支給、介護労働力確保のための援助、育児及び介護休業者の円滑な職場復帰を支援するための奨励金の支給、特定不況業種等関係労働者の雇用の安定のための相談援助及び助成金の支給、勤労青少年に対する職業相談、派遣労働者の雇用管理改善のための相談援助及び助成金の支給など、かなり幅広い仕事をやられている、こう思うのです。
しかし、これが各地域のレベルになりますと、地域の雇用センターがこれを現場でやっていると思うのですが、各県に一カ所、県庁所在地に一カ所だけしかないわけですね。完全雇用状態が続いておれば案外そういうことは比較的少ないかもしれませんが、雇用失業情勢が厳しくなる、企業の経営も厳しくなる、同時に、今言ったような仕事に対する需要というかニーズというか、そういうものはぐっとまた広がってくる、多忙になってくる、こういうふうに思うのです。
そういう意味でいうと、各県一カ所ではやはり非常に利用者にとって利用しにくいんじゃないか、またサービスを提供する方からいっても不十分な面がやはりあるんじゃないか、できれば全国の市町村に一カ所ぐらいそういうのがあってもいいんじゃないか、こういう声もあるわけですね。せめて職業安定所並みに、全国六百カ所ぐらいあるようですが、職業安定所並みの窓口があれば利用者にとっては非常に好都合だ、こういう声も聞くわけであります。
この辺は、雇用開発に関する業務を実施していく上で大変重要な問題点の一つではないか、こう思っていますので、この際、この辺をどういうふうに今後展開していくつもりか、できれば今言ったような方向でもっと充実強化をしてほしい、こういうふうに思うんですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/16
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017・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 現在、雇用促進事業団は、本部のもとに各都道府県に一カ所ずつ雇用促進センターというものを設置して、今委員御指摘のような仕事を行っているわけであります。
特に、このセンターは、さっきおっしゃいました事業主の方の雇用管理全般の相談、そういったことで大変利用されておりまして、勤労者の雇用管理の改善等に大きな役割を果たしていると思いますし、また、いろいろな助成金の実際の支給事務もここで行っているものが多いわけであります。
特に、さきの国会で成立をさせていただきました中小企業労働力確保法、これは新しい雇用の場の創出に大いにこれからも必要な仕事だと思いますが、その計画の認定は都道府県知事が行いますが、実際の助成金の支給はこの雇用促進センターで行うということで、そのときの御議論としても、実際にこれが活用されやすいようにもっと広く広げていくべきではないかという御指摘もございました。ただ、いろいろと行革を進めていかなきゃいけない、政府がスリム化をしていかなければいけないという中で、この箇所を一気にいろいろとふやしていくということは、現実にはなかなか難しい問題があるかと思いまして、できるだけ機能の強化ということで対応していきたいというふうに思っております。
例えば、大体県庁所在地にありますから、地域によっては大変この利用が不便だというふうなことも実際にあります。そこで、例えば申請書類は郵送でももちろんいいし、ファクス等でもこれを受け付けるというようなことを従来からやっておりますし、最近では、電子メールによってこれを受理するというふうなことも始めております。
また、先ほど申しましたが、中小企業労働力確保法、これは実際に使われることが必要なわけですが、そのためにいわば巡回相談員というようなものをセンターに配置いたしまして、この相談員の方が安定所に出かけていきまして安定所で相談を受け付ける、あるいは申請を受け付ける、こういったふうなサービスをしたいというふうに思っておりまして、全県一カ所でありますけれども、そういったことで利用についてはできるだけ手を広げていきたいというふうに考えております。
また、いろいろ現在助成金があるわけですが、主要な安定所にその助成金を一括して相談できる窓口を設けまして、そこでこの雇用促進センターの扱っている助成金の情報も提供する、あるいは申請書の様式の提供もする、こういったサービスをしたいというふうに思っております。
ということで、現在は、各県確かに一カ所の設置でありますが、機能面を充実することによってサービスの拡充をしたいというふうに考えているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/17
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018・石橋大吉
○石橋委員 ぜひひとつサービスの向上に向けてさらに一段と努力をしていただきますようにお願いをしておきたいと思います。
続いて、職業能力開発業務の関係についてちょっとお聞きをしたいんですが、新しく雇用・能力開発機構が設立をされるわけですが、それに伴いまして、二十六ある職業能力開発短期大学校のうち三校を廃止して十程度の職業能力開発大学校に再編成する、あるいは職業能力開発促進センター六カ所を廃止して合理的に再配置をする、より高度な職業能力及び企業の新分野展開に対応できる人材の育成に効果的な教育訓練をする、そういうことに重点を置く。
そういうようなことや、今言った職安と提携してそういう問題についての選択肢を整備していく、こういうことも考えられているようですが、雇用失業状況が厳しくなって、自発的でない失業者がふえる、新たに就職をするためにはどうしても技術を身につけなきゃいかぬ、しかも、その技術もできるだけ高度な技術を身につけなきゃいかぬ、こういう意味での職業能力開発事業に対する期待が非常に高まっておる、こういうふうに思うんです。
新機構を設立されることによって、全体として、この雇用・能力開発ということについてどういう構想で充実強化をされ、それを必要とする人々の期待にこたえようとしておられるのか、全体の構想についてまず伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/18
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019・日比徹
○日比政府委員 ただいまの、新機構における職業能力開発業務といいますか、職業能力開発をどう進めていくかということでございますが、今先生の方から数字等も挙げていただきまして御紹介賜ったようなことで、いわゆる施設といたしましては、こういう行政改革等の折でもございますので、職業能力開発促進センターにつきましては、再配置ということで、一割程度は減らしつつ、しかし必要な地には置く、また短期大学校につきましては、これまた先生からお話ございましたように、来年度から三カ年度ほどかけまして十校程度の大学校化を図り、いわゆる高度化を図っていくというようなことで考えております。
いわゆる能力開発施設につきましてはそういう整備あるいは再編成というものを進めてまいりたいと考えておりますが、もともとの職業能力開発そのものにつきましては、御案内のごとく産業構造の転換する中、あるいはいろいろと国際問題等ある中で、職業能力開発ということが働く方々どなたにとっても非常に重要な課題になりつつございますし、この動きというのは強くなることはあっても弱くなることはないだろうと思っております。
その中で、基本的には職業能力開発が多様な形で、またその機会を提供する人も、国とか公共団体だけじゃなくて、民間の教育訓練機関というものも含めまして、訓練機会を提供する人も多様化し、また内容も多様化する。そうしまして、内容面におきましても、もちろんいろいろな方々がおられますので、すべての訓練内容が一律に高度化ということはないと思いますけれども、技術的な問題、あるいはホワイトカラーの場合もそうであると思いますが、高度化が求められるものが非常に多い。そういう中で、多様化を図りつつ高度化を図っていくということが基本になろうかと思っております。
先ほど申し上げました施設につきましても、そういうふうな観点から整備してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/19
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020・石橋大吉
○石橋委員 さっきも言いましたように、能力開発に対する期待やら要望は非常に強くなっておると思いますから、ぜひひとつこの充実強化に向けてのさらなる努力をお願いしておきたいと思うんです。
きょう十二時から本会議がありますので、後の質問の方のこともあって、私は少し終わりを早めたいと思っていますが、最後に、職員の合理化というか定数の合理化、当然、特殊法人の合理化の方針に沿って人員の削減だとか機構の再編だとか、そういう問題が大きなテーマになっておると思うんですが、この職員の定数の合理化等に関連をして、与党の議論の場でも、労働者の雇用についてとにかく万全を期する、そういうことが再々にわたって確認をされているわけであります。
当然、これらの点については、関係の労働組合などとも協議をしながら、賃金の低下だとか労働条件の低下だとか、そういうことが生じないように、そういうことも配慮をしながら円滑な処理をしてほしい、こういうふうに思いますが、この点について伺って、少し早いですが、後の都合もありますから私の質問を終わりたいと思います。どうですか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/20
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021・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 平成九年五月の与党特殊法人改革協議会におきまして、「特殊法人等の整理合理化を行うに際しては、いささかも雇用不安を招来することがないよう、雇用問題に万全を期す。」あるいは「雇用対策を進めるにあたっては、給与水準の低下や年金支給額の低下など、労働条件の悪化を招かないよう留意する。」というふうに決議をされているわけでありまして、私ども、今回この組織の改編を進めるに当たりまして、できるだけ合理化を進めなきゃいけないというふうに考える一方、この与党の協議会の了解事項もよく踏まえながら対応していきたいというふうに思っておるわけであります。
私ども、この間事業団とも話を進めながら、平成十一年度におきましては、新機構への移行に伴って百六名の人員減をするというところを考えておりますが、これは解雇者を出さないで欠員不補充で対応できるぎりぎりの線かというふうに思っております。そのためには、業務の一部移管とか、先ほどから申しております業務の廃止とか、そういった業務量の見直しもしながら進めていくわけであります。
そういったことで、これからも事業団労使あるいは労働省と事業団と、話し合いを、よく意思疎通をしながら、この了解事項を踏まえながら対応していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/21
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022・石橋大吉
○石橋委員 それでは、ぜひその辺をよろしくお願いをいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/22
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023・岩田順介
○岩田委員長 次に、前田正君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/23
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024・前田正
○前田(正)委員 私は、改革クラブの前田正でございます。公明・改革を代表いたしまして、質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
まず最初に、大臣におかれましては、今まさに参議院の予算審議の最中でもございます。連日いろいろと大変お忙しい中でございましたけれども、私も随分心配をしておりましたこの間のG8の労働大臣の会議、雇用サミット、二十四日から二十八日、開かれておったわけでございますが、ぜひ大臣にも行ってもらいたいというふうに思っておりました。しかし、予算の関係があって行けるか行けないかというふうなこともいろいろあったようでございますが、皆さん方の御理解を得て、大臣がワシントンに行かれ、NHKのニュース等で大臣の活躍ぶりを報道されていること、私も大変感激をしながら見ておったわけでございます。
そういったことから考え、今、日本も、御承知のとおり非常に不況の中で雇用という問題が大変大きく社会でも取り上げられておるわけでございます。その中で、大臣として行かれ、また大臣として日本の現状を各国に訴えられ、その辺どういうふうな成果があったのか、あるいはまた大臣が行かれてどういう御感想を持たれたのか、その辺をまずお聞かせをいただきたい、かよう思っております。
〔委員長退席、石橋委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/24
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025・甘利明
○甘利国務大臣 前田先生や委員長を初め多くの皆さん方の御理解のもとに、参議院の予算委員会総括中にもかかわらず、国会史上初めて、その間に国際会議に出るということができました。本当に感謝を申し上げます。
私は、G8労働大臣会合に出て本当によかったと思っております。この会議は、第一セッションと第二セッションから成りまして、第一セッションは各国の雇用戦略、労働戦略といいますか、施策の披瀝のし合いということでありました。第二セッションがILOと国際機関との連携のあり方について、ここは相当な対立があったところであります。
第一セッションに関しましては、私が口火を切って日本の労働雇用政策、戦略の発表を行い、それに続いて数カ国が同じような発表をしたわけであります。第一セッションで思いましたことは、同じ雇用失業に対するとらえ方でも、欧米と日本は随分違うなということでありました。この随分違うなということの根源は何かというと、通年採用と日本のような新卒一括採用との違い、あるいはいわゆる日本型の終身雇用、年功序列と能力主義との違いという点だったと思います。
日本の雇用形態というのもかなりいいところがあるということを感じたと同時に、もう少し労働移動に関して柔軟性を持たせてあげる、これは何も経営者側への配慮ではなくて、働く側の自由意思が発揮できるように整備をしてあげるということも大事だなということを思いました。もちろん、欧米側も日本のよさを取り入れてもいいんだろうなということを随分思いました。
失業対策に関しましては、割と自信を持って帰ってくることができました。それは、欧米が必死に取り組んでいる施策は、濃淡は別として、既に我々が取り組んでいるものが多うございまして、そういう点では日本は全く引けをとっていないなという自信を持ちました。それが第一セッションでありました。
第二セッションに関しましては、実はこれは正直、大議論になって、最後までもめたところであります。労働基準をしっかり定着をさせるという国際的な役割はILOが担っているわけでありますが、もちろんこれからもILOが労働基準の設定とその水準を引き上げていくということについては全責任を持つんでありますが、それ以外の国際機関とどう連携協力をするかということに関してであります。
私の方は、ILOが労働基準に関する全責任機関として進めていくのに対して、ブレトンウッズ機関、つまり世銀であるとかIMFがそれを支援的にサポートをしていくということが理想的な形であるという主張をいたしました。これ自身は、各国の共感を得まして、最終的に議長の取りまとめの中に盛られたことでありますが、もう一つ、アメリカとEU、フランスが中心に、WTOとの連携も殊さら大事であるという主張をされたところであります。
もちろんILOとWTOというのは事務局間の情報交換みたいなものは当然今までもやっているわけでありますし、これからもそれはやると思いますけれども、アメリカ、EU、フランスの主張は、中核的労働基準、コア・レーバー・スタンダードと呼ばれているものに関してWTOの貿易制裁と連動させようというものでありました。これは、私にとっては到底受け入れられない、もちろんアジアにとっても絶対受け入れられない項目であります。
アメリカの主張は、アメリカから見て例えば労働条件が悪い、賃金がかなり低いとかいうことは、労働条件が低いことをもって競争力になっているんだから、その競争力をつけた生産物がアメリカに輸出されるとアメリカの国内生産が脅かされる、そうすると国内生産に携わっている労働者が失業する。つまり、それは低い労働基準をもって失業をアメリカに輸出をすることであるというのが彼らの主張でありますから、だからそれについては貿易制裁をかけて、労働基準を引き上げていくべきだということでありました。
私の方は、労働基準は引き上げなければならない、それは当たり前のことである、ただし、それは引き上げられる環境を整備することが大事じゃないか。引き上げたいと思ってもできないという国情があったとしたら、それを経済発展を促すことを通じて引き上げてやる、そういう中でILOが道義的に指導していくというのが本来的姿じゃないのだろうか。力で強引に押さえつけても、そのときは変わるかもしれないけれども、それは抜本解決には全くなっていないのだから、もとのもくあみで、かえってひどくなるかもしれませんよということでありました。これは、私が主張したのに対して、ドイツがすぐ賛意を表明してくれまして、イギリスも、おれもそう思うということを言ってくれました。
事務局会議と閣僚会議と並行で進みました。事務局もドンパチをやる、閣僚会議でもドンパチをやるという方法で、相互に情報交換をしながらパラレルに進んでいくという会議の形をとったわけでありますが、おかげさまで支援的に連携をとるということで話がまとまったわけでありまして、これはアジアがかたずをのんで見守ったところであったと思いますし、出席できたからこそそういう形にまとまったというふうに思っておりまして、大変よかったと思っております。
〔石橋委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/25
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026・前田正
○前田(正)委員 大変詳しく御報告をいただきまして、御活躍ぶりに期待をしておりますし、どうぞこれからも、その経験を生かしながら、労働行政にいろいろと御指導をいただきたい、かように思っております。
次に、いよいよ本来の雇用・能力開発機構法案について幾つかお尋ねをさせていただきたいと思います。
今回のこの機構法は、特殊法人の改革に関する平成九年六月の閣議決定に基づいて、雇用促進事業団を一たん解散した上で、その業務を見直して、中小企業の事業主への人材確保の支援とか、あるいはまた人材の育成のために特殊法人を設立するための、こういった関連の法律案だと理解をしております。
そこで、この機構法によって雇用促進事業団をどのように見直されたのか。つまり、新機構にはどのようにそういった意味での簡素化、合理化をされることになるのか、この辺を少しお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/26
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027・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 雇用促進事業団が新機構に移行するに当たりましては、まず、大変大きなスリム化は、従来設置をしておりました移転就職者用住宅あるいは福祉施設の設置をしない、さらに、これを譲渡するということをこの法案の中に書き込んでいることであります。この点が一番大きい改革ではないかというふうに思いますが、そのほかさらに、従来行っております融資業務の一部廃止ですとかあるいは他の法人への移管、そういったことも考えております。
また、能力開発の関係では、職業能力開発短期大学校、二十六あるわけですが、これを一部大学校に格上げするということに伴いまして、短期大学校三校は今後廃止するということにしております。さらに、現在、全国六十六カ所配置をしておりました職業能力開発促進センター、これにつきましては全国的なバランスも考えながら六カ所のセンターを廃止した、こういったふうなことで業務の改編について考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/27
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028・前田正
○前田(正)委員 そうすると、次に、これまで雇用促進事業団として様々の事業をやってこられたわけでありますけれども、これまで事業団が行ってきた業務のうち、民間などに委託をされようとしているものがこの改革によってあるのかどうか、この辺をひとつお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/28
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029・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 従来、雇用促進住宅につきまして、その業務の管理等については公益法人に委託をしていたわけでありますが、この業務のうち、入退去とかあるいは退去の猶予の決定でありますとか、それから家賃の滞納があった場合にその滞納者への督促の事務、あるいは退去の促進業務、二戸を一戸に改造するような大規模な改修、こういったものについては雇用促進事業団が従来は直接行ってきましたけれども、今回の業務の見直しによりまして、これら事業団の行ってきた業務は、この住宅の管理をしている公益法人の方に移管をするということに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/29
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030・前田正
○前田(正)委員 そこで、我々が一番注目するのは公益法人のことでございます。
公益法人、いろいろいっぱいあるようでございます。要するに、今度の機構法の問題の中で、公益法人がその下にいろいろあって、今申されたように、いろいろとした委託業務というものが行われておるわけでございますが、私は、この公益法人を今後どのように整理統合をしていくのか、この問題もやはり大変大きな問題だと思いますが、この辺はどうお考えなのか、お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/30
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031・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 現在、事業団が設置している施設には、その目的、性格によっていろいろな種類のものがあります。例えば、住宅は大変大きなものでありますし、そのほかの福祉施設につきましても、勤労青少年の育成というふうな観点から設置をしている施設がありますし、あるいは中小企業の勤労者のレクリエーションの施設として設置をしているものもあります。さらに、最近では、勤労者のリフレッシュ休暇制度に対応するというふうなことで設置をした施設もあるわけでありまして、現在はそれぞれの施設の性格、目的に応じて、それぞれを得意の分野とする公益法人に運営の委託をしているところであります。
かつ、それらは基本的には独立採算で運営を行っておりますし、現在、事業団が直系的にやっておりますものも、例えば勤労者福祉振興財団というふうなものもことしの四月からは独立採算の方式に移行する、あるいは、先ほど申し上げましたが、住宅の管理運営をしております協会につきましては、これは独立採算の範囲で行っているというふうに、それぞれの能力、ノウハウを生かして、現在、事業団の施設の管理運営を行っているかというふうに思っております。
当面は、さらにこれらの受託を受けている公益法人の効率化あるいは合理化等に努めながら、基本的にはこれらのものに委託を続けていきたいというふうに考えておりますが、いずれにしましても、将来のあり方につきましては、これからの施設の動向等を見ながら十分検討しなければいけない課題であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/31
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032・前田正
○前田(正)委員 公益法人、財団法人、例えば雇用振興協会というのが東京都千代田区鍛冶町二丁目二番一号にあるようであります。理事長が野崎さん、役員以下職員数が千五百三十五。これは主に移転就職者用の宿舎、あるいはまた港湾労働者用の宿舎、こういうものを事業団から委託を受けてやっておられるようであります。
この千五百三十五人のうち、住宅用の管理人、こういう方が説明を聞くと非常に多い。そのうち千二百三十七人が実はその宿舎のための管理人ということになっておるということでございます。宿舎数が約十四万戸ぐらいあるわけでありますから、かなりの数の管理をしなければならないということからこれだけの管理人を置かなければいかぬということだろう、私はそう理解をするわけでございますが、しかし、こういったものも一遍見直しながら、できるだけやはり簡素化する、小さくまとめていくということが大事なことだ、私はそのように思っています。
そのほか、勤労者福祉振興財団、これが職員数が二百十五人。さらに日本勤労福祉センターという財団法人、これは職員数が三百二十三人おられます。また勤労者福祉施設協会、これには職員数はわずか十一人しかおられない、こういうことであります。さらにまだまだ、これは言いますと切りがないのですが、勤労者リフレッシュ事業振興財団、これは職員が百二十六人おられます。それから海外職業訓練協会、これは四十三人であります。
こういった、いわば公益法人、財団法人等々があって、事業団から委託をしてそれぞれ事業を行っておる、こういうことになるわけでありますけれども、私は、この中でも十一人とか四十三人とかいう小さなものなんかは、できるだけその財団法人ももう少し見直していただいて、統廃合していく中でともにそういう事業の委託というものができるだろうと思いますし、また、この中には、申しわけないけれども、労働省から天下っていらっしゃる方がたくさんおられます。
その中で退職金をもらわれ、給料をもらわれておるわけでございますけれども、この退職金が果たして高いのか、あるいは給料が高いのかということは、私どももそれははかり知れないところがありますけれども、しかし、こういうことを今度の新機構の中でやはり見直して、できるだけこういったものをスリムにすることによって利用する施設をその分安くやってあげるということが、本来のこういった機構改革の中でも大きな問題であろうというふうに私は思っておるわけでございます。
この辺についてできればお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/32
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033・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 行政改革の議論は、中央省庁だけではなくて、関連する特殊法人やあるいは公益法人についてもいろいろと問題点が指摘をされて改革を進めていくというふうにされているわけであります。
今おっしゃいましたような公益法人につきましても、当然、こういった基本的な方針にのっとって検討していかなければいけないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/33
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034・前田正
○前田(正)委員 それからあと、移転就職者用の宿舎をいろいろと全国調査をして、いよいよこういったものも地方自治体にできるだけ譲渡を図りたい、こういうことであります。あるいはまた福祉施設等々についてもそういう方向に進めていくということでございます。
しかし、この移転就職者用の宿舎等々については、先ほどもお話がありましたとおり、本来の目的よりもむしろ三年以上とかあるいは七年以上、七年以上ということはさらにそれ以上の方々もたくさんおられるということでありましょうけれども、こういった方々がなおかつずっと続けて入居されておるわけでございます。今の話では、おいおい、そういった方々に目的を周知徹底し、極力出ていってもらうような方向に指導はしていくというものの、しかし、一たん入居された方を外へほうり出すということは、なかなかこれは難しい面もあろうと思うわけであります。
こういう状況の中で、果たしてそういう条件で、お金の面もありますけれども、自治体としてそういうものを引き受けてもらえるかどうかというところに私は大変大きな疑問を持つわけでございます。しかも、その本来の目的のままで住宅を移行するのか、あるいは、それを譲渡する時点においてもう全く目的を変えてもいい、こうおっしゃっておられるのか。この辺どうお考えであるのか、お尋ねをさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/34
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035・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 現在、移転就職者用宿舎は、もちろん基本的には移転就職者のための一時的な宿舎として設置をしているわけでありますが、これを譲渡するということになる場合には、その土地も基本的には地元の自治体が整備をして事業団がこれを買い上げて住宅をつくったというふうな経緯、あるいは、実際の運用としては地域の勤労者の方にこれが利用されているというふうな経緯、こういったことを考えますと、やはり地方自治体への譲渡というものが中心になるというふうに思いますが、この譲渡を受けた地方自治体がそれをどういうふうに活用していくのかということは、それぞれの自治体の事情によっていろいろあろうかと思いますが、やはりこれは、基本的には住宅として設置をされて地域のいわば公共的な住宅の一部の機能も実際には担っているというふうなことを考えますと、公共的な住宅として使用されるというふうなことが望ましいんではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/35
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036・前田正
○前田(正)委員 こういった宿舎並びに施設というものを我々としては極力そういう方向でやってもらいたいと思いますが、やはり、その中に入っていらっしゃる方々というものも十二分に尊重しながら十二分に自治体との折衝をし、早急にできたらこういったものは譲渡を行っていただくようにお願いをいたしたいというふうに思っております。
次に、今回、新しいこの機構における本部というものを、これも首都圏からできるだけ地方にというふうなことから、今麹町にある本部を、今度は横浜の方へ移られるようでございますが、この辺の経緯についてまずお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/36
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037・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 特殊法人の主たる事務所の所在地というものはそれぞれの法律の中に規定するということになっておりまして、現在は、雇用促進事業団については東京都にこれを置くというふうになって、実際には麹町に置かれているわけであります。今回、新機構の移転に当たりましては、これを「横浜市に置く。」ということで法案の中に規定をしております。
これは、昭和六十三年の閣議決定、竹下内閣の当時でございますが、特殊法人につきましてもできるだけこれを東京都から移転するという決定がなされまして、労働省関係につきましては、労働福祉事業団と雇用促進事業団がその主たる対象とされたわけであります。
従来というか今日までこれで来たわけでありますが、今般、新機構に衣がえをするということに伴いまして、主たる事務所の所在地もこの当時の決定に従いまして横浜市に移す、こういったことで法案に規定をさせていただいたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/37
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038・前田正
○前田(正)委員 そこで、本部の移転等の関係費用について過日少し請求をいたしました。その移転に要する経費について、運送料が四千万ちょっと、それから、今のビルを原状回復するのに二億七千万、さらに本部移転整備経費、今度の新しいところにいろいろとした設備といいますか、何か、下にコンピューターを引くために床を上げたり、あるいはところどころ仕切ったりするものが約十億円ほどかかる、それらによって移転をする費用が十三億円ほどかかるという報告をいただいております。
一方、現在の本部賃借による経費というものは、事務所の借り上げ費用というのが一年間四億二千万、共益費が三千七百万、光熱費、水道料を含めて二千五百万、そういった経費が年間約四億八千万ほどかかっておるということであります。
一方、今度横浜で借りる事務所の、概算だと思います、どこに場所を決めるかというのはこれから考えなければならぬとはおっしゃっておりましたけれども、事務所の借り上げ料というものが約八億九千万、共益費が二億四千万、それから光熱水道費が三千五百万、まあ敷金が要るかどうかというのはまだ未定だとおっしゃっておられました。これだけ計算すると十一億七千万ということになります。
広さは、前の麹町が五千七百平米、今度の新しいところは八千平米で、ともに非常に大きな平米数だということでありますけれども、これから考えると、前の麹町が四億八千万、今度借りる新しいところが十一億、これは倍以上のお金がかかるということになるわけであります。
私どもは、新しいところへ移る、しかも麹町より遠いところへ移るということですから、市場としては普通は、横浜の方へ置くということになると当然家賃も東京都よりも安くなるのかな、そういうふうに素人としては考えるわけでありますけれども、しかし、平米数も多少高いことがあってもやはりこれも倍の経費がかかるということは、私どもとしてもこれは納得のいかないような気もいたすわけであります。
ならば、十一億円も年間使うのであれば、これは十年使ったら百十億円ということになるわけでありますから、私は、もういっそのこと新しい事業団は、できればどこかで金を借りて、あるいはそこで月々払っていくとか年間払っていくとかすれば、十年後には一つのビルが買えるんではないか、その方がむしろ将来としては安くつくんではないかという、これは単純な発想かもわかりませんけれども、そういう思いをするわけであります。事業団としてビルを持つことが今いいのかどうかということも問われる時代でもあります。しかし、住都公団なんかもちゃんと、本社ビルといいますか本部ビルというのを持っている事業団もあるわけでありますから、こういったことも踏まえて、どういう形が本当に安くつくのかということもやはりここで考えるべきではないかというふうに私は思うわけでございます。その辺について、ちょっとお考えをお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/38
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039・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 現在麹町にあります雇用促進事業団の本部は、これは大変古くから借りているところでありまして、実際に大変手狭な本部ということになっております。
今般移転するに当たりまして、例えば事業主への説明会場をできるだけ広くとるとかあるいは障害者のための動線についていろいろ工夫しなければいけないだろう、そういったことを考え合わせますと、かなり面積も広いものを想定しておりますし、近代的な情報機器が十分活用できる、そういったインテリジェントビルを借り上げたいというふうなことも考えまして、面積も広くなるし借料も相当高くなるというのは御指摘のとおりであろうかというふうに思いますが、特殊法人で自社ビルを持っているというのは大変希有な例でございまして、私ども、発想としてはなかなかそういったことを考えつかなかったわけでありますが、できるだけ賃料等、低いところを借り上げるということを検討していきたいというふうに現在思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/39
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040・前田正
○前田(正)委員 例えばの話を申し上げたわけでございますが、これからできるだけそういった事業団は簡素化し、スリム化し、あるいは人員も削減していこう、こういう方向でございます。今のところが狭い、広いところへ移りたい、これは人情として私もよくわかるわけでありますけれども、これから少なくしていこうというのにさらに大きな場所を借りてやるということがいいのかどうかということも、これも頭に入れていただいて、極力長い目で、どうすれば安くコストが済むのかというふうなことも考えてぜひ新しいビルにはお入りをいただきたい、あるいはまた、そういったことも踏まえてやっていただきたいということを申し上げまして、質問時間が参りましたので終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/40
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041・岩田順介
○岩田委員長 次に、大森猛君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/41
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042・大森猛
○大森委員 日本共産党の大森猛でございます。
今回の法案は、政府の行政機構改革の一環として、一九九七年の六月六日に閣議決定された特殊法人の整理合理化について、これに基づいて、今ある雇用促進事業団を解散して雇用・能力開発機構、これを新たに設立しようというものでありますけれども、新たに設立される雇用・能力開発機構の行う業務について、現在の雇用促進事業団の業務とどう違ってくるのか、ごく簡潔にお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/42
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043・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 新しい機構におきましては、従来事業団が設置しておりました移転就職者用宿舎あるいは勤労者福祉施設の設置は行わない、かつ既に設置をしたものについては譲渡等を行うというふうにしているところが大変大きな相違であろうと思います。
新機構におきましては、能力開発を主体としながら事業主のためのさまざまな支援、こういった業務に特化をして行っていくことを予定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/43
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044・大森猛
○大森委員 法案を拝見して、私は最初から、なぜ現在の雇用促進事業団を解散しなくてはならないのか、こういう思いがしてきたわけなんです。要するに、今回の法案によって従来の雇用促進事業団から一番大きく違うのは、御答弁あったように、雇用促進住宅の建設、管理運営という業務と、福祉あるいは福利厚生施設関連業務からの撤退というのが一番大きな業務の変更ということと理解していいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/44
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045・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 御指摘のとおりかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/45
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046・大森猛
○大森委員 住宅業務からの撤退というと、やはり一番大きな問題になるのは、現在の入居者、この方たちがどうなるのかという問題だと思います。私もこの間、私の近くにも住宅がありまして、現地を見たりあるいは入居者の方からもいろいろお話を伺いました。大家さんがかわるということになるわけですから、一体だれが大家になるのか、あるいは家賃は一体どうなるのか、強いいろいろな不安もお持ちなわけですね。
言うまでもなく、住まいは人権、住まいは福祉とも言われるわけなんです。私がお話を伺った方は、たまたま昭和三十年代に炭鉱関係を離職されて三十年代に建った雇用促進住宅に建った直後から現在まで三十数年お住まいという方でありますけれども、お子さんたちももう独立されて、いわばそこが地域社会としての第二のふるさとになっている、できればついの住みかとして過ごしていきたい、そういう思いなども持っておられるわけなんです。そういう愛着も生まれ、また、さまざまな人間関係も生まれているということであるわけなんです。ですから、家賃が高くなること、あるいは引っ越し代がどうなるかとか、さまざまな不安を訴えられるのは、これは当然だと思うんですね。
そこで、お聞きしますけれども、全国で約一千五百カ所、約十四万戸、三十八万人の方が現在お住みだということですが、入居者の年齢構成あるいは所得階層をどういうぐあいに把握しておられるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/46
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047・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 これは平成五年の一月に実施した実態調査でございますけれども、まず年齢構成について見ますと、二十歳から三十歳で二三・三、三十一から四十で三一%というふうになっておりまして、二十歳から五十歳で七七・八%と、この層が大半を占めております。
所得水準は、二百万から五百九十九万円で全体の八〇・三%というふうな状況になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/47
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048・大森猛
○大森委員 私がお会いしたりあるいはいろいろ調べた範囲では、かなり高齢の方が非常に多い。年金だけで生活されている方も少なくないわけですね。
そこで、所得階層についてなんですが、これは労働省の方からいただいた資料でも、一番多い階層が三百万円台、これが二八%。それから一八・九%、約二割が年収二百万台ですね。さらに二百万未満、これが九・二%、約一割。ですから、約五割が三百万台以下ということになるわけです。それが今の入居者の生活実態だと思うんですね。
そういう状況ですから、低所得階層の方が非常に多いというのが現在の大きな特徴ですね。したがって、家賃がどうなるかというのは、非常に強い関心、不安をお持ちになるのは当然だと思うわけなんです。
そこで、私はこういう入居者のために原則的な点を確認しておきたいと思うんですが、今回の法改正で雇用促進住宅の大家さんがかわる。これはもう入居者の意思等にかかわりない、関係のないことでして、政府側の都合によるものでありますけれども、そういう状況から、入居者の悪質な長期の滞納などの事例は別として、原則として、いかなる理由があろうとも入居者の同意のないまま退去の強制をしたり、あるいは家賃、管理費などの一方的引き上げ、契約条件の一方的な改悪、こういうものは絶対にあってはならないということを、今不安をお持ちの三十八万の入居者の方々にぜひ大臣の口からその点お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/48
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049・甘利明
○甘利国務大臣 御指摘のとおり、この十四万戸の雇用促進住宅には三十八万人という人が現在現実に入居をされているわけでありますし、結論から申し上げますれば、入居者の理解を十分に得ながら譲渡を行っていくということであります。
具体的に申し上げますと、地方公共団体等と譲渡について合意がなされることとなった場合には、その対象となる移転就職者用宿舎の入居者に対して、譲渡のスケジュール等についての説明を行うとともに、近隣の公営や公団住宅等に関する情報の提供、近隣の移転就職者用宿舎へのあっせん等も行っていくということといたしております。
雇用・能力開発機構におきましては、これらの措置をきめ細かに講ずることによりまして、入居者の生活に配慮しながら移転就職者用宿舎の譲渡を進めてまいりたいというふうに思います。
なお、譲渡後も引き続き居住する場合には、入居条件とか賃貸借契約は譲渡の相手方に引き継がれることになるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/49
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050・大森猛
○大森委員 最後の部分がちょっと聞き取りにくかったのですが、改めてお聞きをしたいのですが、今回の譲渡、その譲渡業務については、法案では附則の第十一条に盛り込まれているわけなんですが、譲渡業務は盛り込まれておりますけれども、譲渡先については法案上は何ら限定をされていないということなので、まず、そこの基本的な考え方をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/50
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051・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 この移転就職者用宿舎につきましては、まず、土地は地元の自治体が造成されたものを購入するというような形でつくってまいりましたし、設置自体について、地元の自治体からの要望が強いものについて設置をしてまいったわけであります。
そういったことで、この譲渡につきまして、法律はもちろん明記をしておりませんけれども、実際の譲渡先というのは、地方自治体へ中心的に譲渡の働きかけをするということになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/51
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052・大森猛
○大森委員 法案に明記されていない、この点が非常に心配だったわけでありますけれども、地方自治体を最優先、中心にするという点は、これは確認しておきたいと思います。
特に、これは私どもの事務所でも調査したわけなんですが、例えば、九七年、千葉県船橋市にある雇用促進住宅が、事業団から船橋市の第三セクターである船橋市街地改造公社に用地が払い下げられたわけなんですが、実際は民間業者の宅地開発への名義貸しになっていたということで、千葉県あるいは市議会では大変大きな問題になったわけなんです。
もともと、先ほど述べられたような経過もあることですし、加えて、雇用促進住宅の土地代、住宅建設費、そういうものは、雇用保険会計の雇用対策三事業の会計区分から支出されてきたものだ。ですから、中小企業を含む事業主の負担金によって少なくない部分が賄われてきたという経過からも、公共性が非常に高いという点からも、地方自治体最優先、そして中心にするという原則を貫いていただきたいと思いますが、これは先ほどの質疑にもありましたけれども、地方公共団体ではどういう考えを持っているのか、今承知されている範囲でお答えいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/52
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053・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 地方公共団体からもいろいろと意見が寄せられておりますが、多くの地方公共団体からは、この移転就職者用宿舎につきましては、地域において労働力の確保あるいは職業の安定に大変大きな貢献をしているものであって、引き続き運営の継続を要望するというふうな意見が多く寄せられております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/53
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054・大森猛
○大森委員 福祉施設、それから促進住宅、これを含めていいますと、労働省内に寄せられている要望は、四十七都道府県中四都県を除いて、四十三道府県が、現状のままでやってほしい、新法人あるいは国で維持運営してほしいというのが今現在では圧倒的な要望になっているわけですね。住宅に限っても、二十三府県、約半数の県が新法人や国による維持運営を要望されている。
これも先ほどの質疑でお話ありましたけれども、自治体財政は大変な状況の中で、築後三十年以上、こういう住宅も少なからずあるわけでありますから、そのまま引き受ければ補修費用なんか大変だということで、自治体側にそれを移譲するという点では、現局面ではかなり厳しい状況がやはりあるのではないか。そういう意味で、私は、移譲の条件を本当に整えていくために、あらゆる知恵や制度等を活用していただきたいということをお願いしたいと思います。
例えばリフォームですね。内装、外装を含めたリフォームとかそういうものをきちんとやって、居住条件、資産価値等を高めて自治体が買いやすくするとか、それから、起債の条件、枠の拡大とか条件の緩和とか、そういうことも、関連する自治省などとの協議もやって最大限の努力をやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/54
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055・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 譲渡の条件等につきましては、当然、相手方自治体と十分協議をするということになると思いますし、また、現在でも、住宅につきましては、家賃収入の範囲内ではありますけれども、いろいろと修繕、改善、リフォームというものに努めておるわけであります。
これからも、資産価値を保持するというふうな観点から、当然必要なリフォーム等は行っていく考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/55
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056・大森猛
○大森委員 それに関連して、これはお話にもありましたけれども、現在まで進められてきた二戸を一戸に改造する、いわゆる二戸一化の計画、これについて、当初の計画、それからそれの進行状況、今後のお考えについてお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/56
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057・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 移転就職者用宿舎は相当古くなったものがありまして、当初つくられたものは大変狭隘であるというふうなことから、二戸を一戸にする、いわゆる二戸一改造というものをこれまでも進めてきました。昭和五十年度から二K宿舎を中心に五万四千戸を対象として進めてきたところでありますが、これまでに二万二千戸が実施済みであります。残りの狭隘宿舎三万二千戸につきましては、入居者の協力を得まして、既に計画に着手している狭隘宿舎につきましては計画を継続実施したいというふうに思っています。その余のものにつきましては、これから譲渡等を図っていくということになりますと見直しが必要であろうかと思いますが、できるだけ二戸一改造というものを、従来の計画を基本にしながら進めていきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/57
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058・大森猛
○大森委員 一カ所の住宅にしても、やはり何百世帯、何百人という方々の居住にかかわる移譲でありますから、あしたすぐできるという状況ではないと思うのですね。したがって、見直しの話もありましたけれども、入居者が希望した場合、全体的な時間との関係で、可能であればできるだけ二戸一化計画についても行っていく、それがむしろ自治体の方としても移譲をできる条件にもつながるのではないかと思いますので、その点は希望があれば行うことを引き続き進めていくことをぜひ検討いただきたいという点、もう一度この辺確認しておきたいと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/58
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059・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 今お話ありましたが、もう住宅もただ狭くて安ければいいという時代ではございませんから、住宅の価値を高めるというふうな意味からもこういった事業の継続が必要かというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/59
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060・大森猛
○大森委員 私が今回お話を伺ったところも、六カ年計画で順々にずっと二戸一化工事をやって、やっとことし終わったというようなところも何カ所かあったわけですね。ですから、今そういう改造をしたとなると、また今後数十年は住宅として使えるし、使わなければならないと思いますので、ぜひその御答弁のとおりやっていただきたいと思います。
そこで、そういう地方自治体を最優先、中心に考えるという御答弁をいただいたわけですけれども、実は、労働省から説明資料をいただいて大変私もびっくりしたのですが、「移転就職者用宿舎の整理縮小のフローチャート」という資料です。これによると、大きな柱として「退去促進業務の推進」ということで、こういうのが、これは表現上の問題とか、そういうことであればいいんですが、今後の業務として、仮に退去促進業務、言ってみたら追い出し業務が新機構の仕事の中心になるというようなことになれば、これは大変な問題だと思うわけであります。まさかそういう追い出し業務が今後の機構の中心業務の一つになるということになったら、これはまずいと思いますので、基本方針は、あくまでも地方公共団体に移譲していくということが基本である、中心であるという点で、その点、これとのかかわりでお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/60
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061・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 住宅の譲渡先は地方自治体が当然主体となるというふうに思いますし、また、そういったことにつきましても、入居者の方のいろいろと意向を聞きながら進めていくことが当然だろうというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/61
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062・大森猛
○大森委員 入居者の意向を聞きながら、仮にも強制的な追い出し等があってはならない。
もう一つ、労働省の資料では、民間に売却するケースについての資料がありますけれども、それについて御説明をいただけるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/62
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063・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 この住宅は、設立の経緯等、あるいは実際にこれが地域で果たしている役割等から考えまして、やはり地元の自治体への譲渡が一番適切であるというふうに思いますが、これから将来どういう事態が生じるかよくわかりません。
例えば、工業団地等が一括して譲り受けたいというふうなケースもあるかもしれませんし、それは今後法案が成立しましたら、いろいろと地元の意向調査をしながら検討を進めていきたいと思います。その中には、あるいは民間への譲渡ということもあるかもしれませんが、いずれにしましても、これからのことではないかというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/63
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064・大森猛
○大森委員 そうした場合の選択は極めて限定した、やはり入居者の居住権を本当に確保するという点が極めて重要になるわけでありますけれども、その点で、仮に退去するという場合、機構が管理する他の住宅とか、あるいは公営住宅への優先的なあっせんとか、それから引っ越し代、管理費その他もろもろ費用がかかると思うんですね、家賃の差額なども問題になると思うんですが、そういうことも含めて、家主が仮に民間になったら後は知らぬということでは絶対まずいと思うんですね。
その点で、居住者の居住権の保障、これをどう守っていくのか、その点をどう担保していくのか、この点、明確にお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/64
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065・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 この移転就職者用宿舎は、本来、住居を移転して就職される方にとっても一時的な居住の場として位置づけられておりますし、いわば員外利用として、安定所長の認定を受けて地元の勤労者の住宅の確保の難しい方が入居してもらっておる場合にも当然一時的な入居の場として、本来そういうふうな住宅でありまして、できるだけ多くの労働者の方に利用してもらいたいといった性格のものですから、居住権というふうな性格のものではもともとないんだというふうに私ども思っております。
ただ、いずれにいたしましても、この譲渡、移転等に当たりまして、実際に入居しておられる方の意向をいろいろとよくお聞きするというのは当然のことだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/65
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066・大森猛
○大森委員 居住権ということについて言えば、これは確かに当初の政策目的、本来の入居の性格、そういうものと、いわゆる移転就職者のためでない面もそれは当然あるわけなんですが、しかし、それを超えてやはり居住権というのは保障されなければならないと思うんですよ。その点は、ただこれはちょっと本来の使い方と違うからということで、そういう点で差別があってはならないと思いますので、やはり居住権については基本的に保障していくということをはっきりおっしゃっていただきたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/66
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067・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 基本的な住宅の性格に照らしまして、これを居住権と呼ぶかどうかは別にしましても、特に現行の法律あるいはこの法案におきまして借地借家法の特例は何も規定はしておりませんので、借地借家法の適用がこの住宅にもあるということは言えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/67
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068・大森猛
○大森委員 それは当然です。借地借家法は当然適用される。したがって、いろいろ長期にわたる方もありますけれども、ともかく家賃を払って、事業団は家賃を受け取ってきたわけですから、そこにはしっかり立派な居住権が成立しているわけですね。ですから、きちんとそれは法のもとに保護していくという立場をしっかりとっていただきたいと思います。
それで、最近の不況で雇用失業問題が大変な状況であることは言うまでもないわけなんですが、そういう中で、かつてのような農村から都市へ、あるいは炭鉱地帯から新たな工業地帯へ、そういう移転というのはないにしても、しかし、先ほどの御答弁にもありましたように、移転就職者用の確保という点では、減ってはきているけれども、なおかつ二五%、四分の一以上あるわけですね。それはそうですね。そういう点からいって、今十四万戸すべてをゼロにするということじゃなくて、二五%に見合う数かどうかはまた検討するとしても、今後、職を求めるために広域的な移動をしたい、ついては仮の住宅を欲しいという需要は当然あると思うんですね。
そういう意味で、収入の極めて不安定な労働者が安心して住むことのできる、そういう住宅について、一挙に十四万戸からゼロにするのはやはりどうかなと思うわけなんです。したがって、一定部分そういうものについてきちんと確保するということも求められるのではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/68
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069・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 先ほどからいろいろと御議論ありますように、新機構におきまして住宅を地元自治体を中心にして譲渡するというふうにいいましても、実際の譲渡が直ちに速やかにできるというふうな簡単なものではないと私ども思っておりまして、したがって、条文でも、譲渡までの間は新機構においてこれを管理運営するということを規定しているわけであります。
ただ、この雇用促進住宅についてもう新設は行わない、譲渡するというふうに、いろいろな御議論を踏まえて法案に規定しましたのも、やはり、これを設置し始めました昭和三十年代あるいは四十年代等々の状況と比べますと、公営住宅の整備も随分日本全国で進んできた、こういった状況を背景にしながら今般こういった措置が検討されたということであるというふうに私ども理解しておりますから、将来にわたってもこれを一定部分にしろ維持していくということは、基本的には今は考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/69
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070・大森猛
○大森委員 では、すぐに全部ゼロになるわけじゃないから、実態的にはそういう需要があった場合に応じられるということですか。優先的にそれは配慮するということでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/70
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071・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 譲渡が済むまでの間は新機構においてこれを管理運営するということですから、その間について従来どおりの使用方法に沿って運営していくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/71
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072・大森猛
○大森委員 最後にもう一度確認しておきたいと思うんですが、先ほど船橋市の公社の事例を申し上げたわけなんですが、居住する人たちの数でいって三十八万人、生活そのものがかかる、そういう問題であると同時に、資産としても、簿価だけでいっても土地で百数十億ですか、ですから実勢価格でいえば数千億あるいはそれ以上の資産になると思うんです。
先ほど申し上げましたように、中小企業を含む事業主の負担等によってそういうものが形成されてきたという性格から、間違っても、こういう土地が民間のディベロッパーなどの利潤追求、そういうものに使われてはならないということを、実際に事例を見てきただけに非常に思うわけなんですが、この点、大臣への質問通告としては申し上げてなかったんですが、ぜひ大臣から、非常に重要な問題でありますので、一言御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/72
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073・甘利明
○甘利国務大臣 本委員会で議論をされた点を踏まえて対処させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/73
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074・大森猛
○大森委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/74
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075・岩田順介
○岩田委員長 次に、畠山健治郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/75
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076・畠山健治郎
○畠山委員 本法案につきまして、限られた時間でございますから、端的にお伺いをいたしたいというふうに思っております。
一昨年の特殊法人等の整理合理化に関する閣議決定に基づきまして雇用促進事業団を廃止するとともに、現在事業団が行っておる業務の五つを廃止し、残余を新法人に引き継ぐ、こういうことになるわけでありますが、中でも、移転就職者用の宿舎の設置、運営及び福祉施設の設置、運営の廃止は本法案の目玉ということになっております。
この廃止する業務につきまして、これまでの事業団のやってきた仕事の役割、やめてしまうからそれでいいではなくて、どのような評価をなさっておるのか、この点をひとつお伺いいたしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/76
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077・甘利明
○甘利国務大臣 雇用促進事業団は、幾つかの業務を担当いたしておりますが、それぞれ公的な責務として時代の要請を担ってきたというふうに思っております。その幾つかの業務の中で、今回行革関連として、一応事業団としては歴史的な使命を果たし終わってきたのではないかと指摘されている分について、事業団業務としては撤退をしていくということであります。
雇用促進住宅に関しまして言えば、歴史的な経緯は、炭鉱の閉山、これは国策としての決断でありますから雇用者の責任じゃないわけでありまして、その国策としての転換の中で、移転を余儀なくされている雇用者に当面の居住の地を提供しなければならない、いきなり他地域に行ってすぐ住むうちが見つかるわけでもないのでありますし、そういう面でいろいろ役割を果たしてきたと思いますし、その後、炭鉱だけではなくて造船であるとか、いわゆる構造不況業種を転換していく際に重要な使命、役割を果たしてきたというふうに思っているわけであります。
そうした歴史的な役割は評価をされてきていると思いますし、また、事業団自身が他に手がけている能力開発については、昔も今もこれからもますます担う役割は大きくなっていると思います。
また、事業団で雇用管理改善ということに取り組んでおりますが、昨今では、さきの国会で中小企業労働力確保法の改正を御決定いただきました。その法案の中で、新しい雇用を創出していくという役割ができたわけでありますが、新しい使命もこれから担っていくということでありますから、常に適正な業務であるかどうか見直すということは、これは不断の努力としてしていかなければならないと思いますが、そういった中で、そろそろ歴史的使命を果たし終わった部分については手放していいのではないかという行革本部からの御指示を受けて今回の対処となったものと理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/77
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078・畠山健治郎
○畠山委員 お話しのように、歴史的な役割を果たしてきた宿舎や福祉施設であるだけに、これを自治体や公益法人、あるいは場合によっては民間に売却することになるわけでありますから、当然資産価値については十分精査しておることだろうというふうに思います。
そこで、お尋ねをいたしますが、宿舎や福祉施設等の土地建物等についての、簿価で結構でございますから、価格を示していただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/78
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079・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 移転就職者用宿舎の資産としましては、土地建物、フェンス等、こういったものがあるわけですが、これを簿価で申し上げますと、土地が一千八百三十億円、建物が五千二百四十五億円、構築物等が三百三十九億円で、七千四百十五億円というふうになっております。
なお、これを譲渡するに当たりましては、複数の鑑定評価を行って資産の評価を行うということで考えていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/79
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080・畠山健治郎
○畠山委員 簿価で七千四百十五億円というお話がございました。建物の減価償却を見込んだとしても相当な時価になろうかと思います。それだけに、資産を仮に売却するにしても、ただ売ればいいというものではないはずでありまして、国民福祉に役立てるという観点が求められるものだと考えます。
そうした観点からすれば、約十四万四千の宿舎並びに二千の福祉施設を売却するに当たっては、当然売却の計画がしっかりあるべきだというふうに考えます。これに関する計画をお示しいただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/80
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081・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 住宅と福祉施設の譲渡につきましては、先ほどから御議論ありますけれども、やはり地元の自治体というものを中心、主体にして検討すべきであろうというふうに考えております。したがって、この法案が成立しましたら、地元の意向の打診をすることがまず第一にすべきことではないかというふうに思っております。
そういったものを踏まえまして、今申しましたが、鑑定評価の上有償で譲渡するということになりますが、いずれにいたしましても、住居の利用状況あるいは福祉施設の利用状況、あるいは先ほど申しました地元自治体の意向調査、こういったものを踏まえた上で売却の具体的な計画について検討を開始するということになるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/81
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082・畠山健治郎
○畠山委員 法案が通ったらということですが、これぐらいの大仕事をするに当たって、通ってからでなきゃ売却計画が立てられないというようなこと自体、これはとてもじゃないけれども考えられないことだというふうに言わなきゃいけないと思うんです。具体的な中身は法案が通ってからということになるかもしれませんけれども、いずれやめるということが決まっておるわけですから、だとすれば、何年計画でどうしてというような一応の方向は持たなきゃいけないというふうに思うんですが、まだありませんということであれば無責任過ぎるんじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/82
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083・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 住宅や福祉施設につきましては、既に平成十年度から新設はストップしております。これは従来の検討でそういうふうにしたわけですが、これを譲渡するかどうかということはこの法案が通って初めて決定を見るということでございますから、成立前にそういった意向打診を地元等にすることは、私どもとしてはできないものだというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/83
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084・畠山健治郎
○畠山委員 計画がないとすれば、今持っていないから仕方がないと言ってしまえばそれまでですが、それではいつまでに計画を持とうとしているのか、今言えますことのおおよその方向性だけでも出してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/84
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085・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 先ほどからの議論に出ていると思いますが、地方財政も大変厳しい、あるいは八割ぐらいの住宅に現に入居しておられるというふうな状況でございますから、なかなかいつまでに何件と言うことは難しいかと思いますが、法律が成立いたしましたら、法律に規定された方針にのっとって、できるだけ速やかに意向打診等を行って計画を立てたい、計画について検討したいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/85
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086・畠山健治郎
○畠山委員 まことに無責任と言わざるを得ないというふうに思うんです。法律が成立するのかしないのかわからないなんというのは、そんな法律を出しているんですか、そう言わざるを得ないと思うんです。出すからには成立をさせるということを見込んでお仕事をなさっていると思うんです。そういうことを特にきつく申し上げておきたいというふうに思っております。
先へ進ませていただきます。
現在、宿舎に入居している方の賃貸契約は民法上の契約であり、当然借地借家法の適用対象となろうかと思いますが、この点、確認をいたしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/86
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087・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 この住宅につきましては、一般法であります民法の適用を受けますと同時に、借地借家法の適用を受けます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/87
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088・畠山健治郎
○畠山委員 借地借家法の対象である以上、既存の入居者の契約内容は、所有者がかわっても当然保障されるということになろうかと思いますが、この点も確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/88
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089・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 借地借家法の規定によりまして、いわゆる家主がかわりましても、建物の引き渡しを受けている住居につきましては、承継者に対して権利を主張することが可能でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/89
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090・畠山健治郎
○畠山委員 借地借家法の保障を受けるとしても、売却によって家主がかわることになるわけでありますから、当然入居者は不安を感ぜざるを得ないというふうに思います。
とすれば、既存の契約内容が保障されても、実態的には入居者の同意がなければ売却することはなかなか困難であるんではないかというふうに思いますが、この点、どのように御認識をなさっているのか、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/90
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091・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 移転就職者用宿舎の譲渡、これを円滑に進めますためには、入居者の同意を得ることが何よりも大切であるというふうに考えております。このために、既に入居している方に対しまして、住民説明会を行いますとか、あるいは公営や公団住宅等の情報提供をする、あるいは近隣の宿舎へのあっせん等を行っていく、こういったことによりまして、入居者の方の理解を得ていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/91
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092・畠山健治郎
○畠山委員 先ほどの答弁でも明らかになりましたように、自治体に売却したいとされる宿舎の価格は簿価を相当上回るものと思われます。これを自治体が購入するとすれば、それ相応の財政措置がなければスムーズにいかないのではないかというふうに思われます。しかし、これまでもたびたび御指摘がありましたように、地方財政の窮乏化が激しい今日、財源手当てなくしては極めて難しいものと考えます。
まず、労働省としては受け皿となる自治体の財源についてどう考えておられるのか。また、建設省並びに自治省にお伺いをいたしますが、このことに当たって、労働省から今までどんな御相談がおありになり、そしてまたどう受けとめていらっしゃるのか、お伺いをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/92
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093・渡邊信
○渡邊(信)政府委員 雇用促進住宅は、不況産業から離職をして、広域な移転をして就職をせざるを得ないという人のためにまずつくったわけでありますが、また一方、地方自治体等が工業団地を造成する、企業誘致をするということで住宅も必要だというふうなことで、地元の強い要望に基づいてつくったということも事実であります。また、土地も造成等していただいた上で雇用促進事業団において購入したというふうなことでありますし、実際に入居しておられる方について見ましても、地元の勤労者の方が多いわけであります。
こういったことから見ますと、私ども、地元の自治体に、財源の問題も含めまして十分な理解を得ながら、譲渡についてお願いをしてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/93
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094・那珂正
○那珂政府委員 御指摘の、雇用・能力開発機構の移転就職者用宿舎について、公営住宅として活用できるかどうか、どういうふうに考えているかというお尋ねでございますけれども、公営住宅の供給方式といたしましては、通常、建設して供給するということのほかに、買い取りという方式も確かにございます。が、公営住宅としては、入居者の収入要件あるいは公募による募集要件等、公営住宅として供給、管理するにふさわしい条件が必要でございまして、一般的に申し上げますと、新築の住宅を想定しているものでございます。
ただ、御指摘の移転就職者用宿舎についても、そのような条件が満たされて、地方公共団体からの買い取り方式による公営住宅供給の要望があれば、国としても建物相当額の二分の一を補助することは可能でございます。が、現実には、今もお話ございましたように既存の入居者の方が多くおられますことなどから、公営住宅として買い取りを今のままで進めていくということには相当の困難が伴うものと存じます。(畠山委員「御相談は」と呼ぶ)
失礼いたしました。この宿舎の譲渡について、これまで労働省から正式な協議は受けておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/94
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095・二橋正弘
○二橋政府委員 委員御指摘のように、大変地方財政厳しい状況の中でのお話でございまして、私どもと労働省の方との間では、いずれにしてもこの施設の譲渡について地方団体に強制するようなことがないようにということは相談をいたしておるところでございます。
要は、地方団体がどう判断するかというお話でございますが、仮にその地域住民のレクリエーション施設として使えないかといったような意向が出てきて、譲渡条件について合意がまとまった場合、これは金額にもよりますが、地方債など現在ある財政措置を活用して対応してまいるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/95
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096・畠山健治郎
○畠山委員 どうもこれまでの答弁を聞きますと、労働省は本気に処分する意思があるのか疑問を持たざるを得ないというふうに思います。
というのも、売却計画も持たない、あるいは具体的につくる方向性もまだ具体的には示されておらない。これでは、雇用促進事業団を廃止し新法人に業務を特化させるどころか、実態的には特例業務がいつまでも本業となりかねないというふうに言わざるを得ないと思うんです。勘ぐって言えば、形としては新法人に衣がえをするが、本音は業務は残したいと言われても仕方がないというふうに言わざるを得ないと思います。制度改正をする以上は、それを保障する確たる内容と体制があってしかるべきというふうに考えます。大臣の所見をお伺いいたしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/96
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097・甘利明
○甘利国務大臣 雇用促進住宅、福祉施設の譲渡は、第一の基本が関係地方公共団体であります。相手の意向をしっかりと調査をしなければなりませんし、相手があることですから、なかなか、こちらの思いどおりにプランを立てて、思いどおりに引き取ってくれるというわけにもいきません。いきませんが、それぞれ地域に定着をしている福祉施設あるいは雇用促進住宅でありますから、地方自治体の意向をしっかりと聞きながら、できるだけスムーズに事が進んでいくように今後とも努力をしていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/97
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098・畠山健治郎
○畠山委員 最後になりますが、さきに政府が示した七十七万人の雇用創出についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
福祉保健分野の十万人に加えて情報通信分野については実数として一定の雇用数が見込まれることは認めますが、住宅、観光分野の数値は、雇用増ではなくて雇用機会の創出を数値的に示したにすぎないというふうに思います。つまり民需頼みと言わざるを得ないというふうに思うわけであります。
そこで、お尋ねいたしますが、この七十七万人の雇用創出規模は政府の公約なのか、それとも単なる期待値なのか、政治的な性格を明らかにしていただきたいというふうに思います。
七十七万人中四十九万人プラスアルファは、政府みずから認めておるように、雇用機会創出の換算数値にすぎません。雇用行政責任を持つ労働省としては、内閣がこんな代物を出すことを認めるなら、一体労働省は何のためにあるのか。失業問題が深刻であればあるほど、内閣の責任は重いものがあるはずであり、それを保障するのが労働省の役割ではないかと考えます。大臣の所見をお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/98
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099・甘利明
○甘利国務大臣 七十七万人は、予算の規模がそっくりそのまま雇用に算定できるエリアもあれば、民間の経済活動に依存する部分がありますから、このぐらいの数が生まれるはずだという期待値も当然ございます。
そこで、日本は自由主義市場経済でありますから、計画経済のもとで幾らの雇用ということであるならば政府は公約としてお約束できるかもしれませんが、自由主義市場経済、つまり民間の活力に依存しながら経済運営をしている国でありますから、全体を通して政府が公約として約束できるかと言われると、そういう性質のものではないと思います。
ただ、例えば住宅関連でいいますと四十万人、これは産業連関表等を通じて、税制、金融、最大の措置をした結果によって当初の百十万人よりも二十万ふえる見込みがある、そうすると、その関連波及効果を含めてこれぐらいの雇用創出効果があるはずであるという期待値を含めた目標数値であり、それに向かって政府が努力をしていくという目標数字であるというふうに御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/99
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100・畠山健治郎
○畠山委員 時間になりましたから終わりますけれども、こういう数値を出せば国民はそれなりに大変大きな期待を寄せるわけでありますから、ぜひひとつ国民の期待にこたえるように頑張っていただきますことをお願いをしながら、終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/100
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101・岩田順介
○岩田委員長 以上で本案に対する質疑は終局をいたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/101
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102・岩田順介
○岩田委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
雇用・能力開発機構法案について採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/102
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103・岩田順介
○岩田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/103
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104・岩田順介
○岩田委員長 この際、本案に対し、能勢和子君外四名から、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、自由党及び日本共産党の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者より趣旨の説明を求めます。石橋大吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/104
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105・石橋大吉
○石橋委員 私は、提出者を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
雇用・能力開発機構法案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一 雇用・能力開発機構に、その業務運営の円滑適正を期する目的をもって、公労使を含む関係者で構成する運営協議会を設置し、中小企業とその労働者が利用しやすいよう各種情報の提供や相談援助の充実に努めること。
二 企業活動の高度化に対応しうる人材を育成するため、雇用・能力開発機構における職業能力開発事業の一層の拡充・強化を図るとともに、自発的に職業能力開発を行おうとする離転職者も含め広く労働者一人一人が、高度な知識・技能を習得することができるよう段階的かつ体系的な職業訓練体制の整備・充実に努めること。
三 移転就職者用宿舎及び福祉施設の譲渡について、利用者へのサービス低下を招かないよう十分配慮するとともに、当該施設が地域振興に資するよう地方自治体等と十分に協議すること。
四 この法律の施行後三年を経過した場合において、施行の状況を勘案しつつ、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/105
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106・岩田順介
○岩田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
採決をいたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/106
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107・岩田順介
○岩田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。
この際、労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。甘利労働大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/107
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108・甘利明
○甘利国務大臣 ただいま決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、努力してまいる所存であります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/108
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109・岩田順介
○岩田委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/109
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110・岩田順介
○岩田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/110
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111・岩田順介
○岩田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時三十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505289X00519990312/111
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