1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十一年十一月十九日(金曜日)
午前九時三十五分開議
出席委員
委員長 武部 勤君
理事 太田 誠一君 理事 笹川 堯君
理事 杉浦 正健君 理事 与謝野 馨君
理事 横内 正明君 理事 北村 哲男君
理事 日野 市朗君 理事 上田 勇君
理事 西村 眞悟君
奥野 誠亮君 鯨岡 兵輔君
熊谷 市雄君 左藤 恵君
佐藤 勉君 菅 義偉君
高市 早苗君 山本 有二君
渡辺 喜美君 枝野 幸男君
坂上 富男君 福岡 宗也君
漆原 良夫君 安倍 基雄君
木島日出夫君 保坂 展人君
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法務大臣 臼井日出男君
法務政務次官 山本 有二君
政府参考人
(法務省民事局長) 細川 清君
政府参考人
(国税庁次長) 大武健一郎君
法務委員会専門員 井上 隆久君
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委員の異動
十一月十九日
辞任 補欠選任
加藤 紘一君 佐藤 勉君
同日
辞任 補欠選任
佐藤 勉君 加藤 紘一君
同日
理事太田誠一君同日理事辞任につき、その補欠として笹川堯君が理事に当選した。
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本日の会議に付した案件
理事の辞任及び補欠選任
政府参考人出頭要求に関する件
民事再生法案(内閣提出第六四号)
午前九時三十五分開議
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/0
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001・武部勤
○武部委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、民事再生法案を議題といたします。
趣旨の説明を聴取いたします。臼井法務大臣。
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民事再生法案
〔本号末尾に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/1
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002・臼井日出男
○臼井国務大臣 民事再生法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
現行の倒産法制におきましては、経済状態の悪化した債務者がその再建を図る倒産処理手続として、会社更生法上の会社更生手続、商法上の整理手続及び和議法上の和議手続の三つがございます。
このうち会社更生手続と整理手続とは、株式会社のみを対象とするものであり、株式会社以外の法人や個人は利用することができないものであります。また、会社更生手続は、大規模の株式会社を想定した複雑な手続であるため、中小規模の株式会社が利用することは事実上困難となっており、整理手続も、原則としてすべての債権者が再建計画案に同意しない限り再建ができない仕組みの手続であるため、利用することができる場合が限定されております。
そこで、株式会社以外の法人や個人あるいは中小規模の株式会社が再建型の倒産処理手続を利用しようとする場合は、すべての法人及び個人を対象とする和議手続によることが大部分を占めております。
しかし、和議手続についても、破産状態に陥らなければ手続を開始することができないこと、再建計画の履行を確保するための有効な手段が用意されていないこと等、多くの制度的な問題点が指摘されております。
また、和議法は、大正十一年に制定され、その後の大きな社会経済構造の変化及び発展にもかかわらず、制度の見直しがされていないことから、公平かつ迅速な倒産事件の処理という現在の社会の要請に十分にこたえていないという指摘もされているところであります。
そこで、この法律案は、現行の和議法にかわる再建型倒産処理手続の基本法を制定し、経済的に窮境にある債務者について、その事業または経済生活の再生を合理的かつ機能的に図ろうとするものであります。
この法律案の要点を申し上げますと、第一は、手続開始前の債務者財産の保全のための制度を充実させたことであります。
倒産手続の申し立てがされますと、債権の回収を図ろうとする債権者の権利行使等により、手続が開始されるまでに債務者の財産が散逸してしまうおそれがあります。これを防止するため、現行の倒産手続においても保全処分の制度が設けられておりますが、民事再生手続につきましては、債権者の強制執行等を全面的に禁止する包括的禁止命令の制度を創設するなど、保全処分の制度を充実させ、債務者財産の散逸防止を図っております。
第二は、手続の開始原因を緩和したことであります。
現行の和議手続は、債務者に破産原因があることを開始原因としているために、経済的な破綻の状態が深刻にならなければ手続を開始することができないものとなっておりますが、民事再生手続につきましては、債務者が破産状態に陥るおそれがある段階で手続を開始することができることとし、その事業または経済生活の再生が容易になるようにしております。
第三は、簡素かつ合理的な債権の調査及びその確定手続並びに再生計画の成立手続を整備したことであります。
再建型の倒産処理手続におきましては、債権の総額を調査、確定し、これを前提として再建計画を立案した上でその成立を図るという一連の手続が必要となりますが、民事再生手続につきましては、これらの手続を簡素かつ合理的なものとすることにより、迅速な処理を図っております。
第四は、再建計画の履行確保の手段を設けたことであります。
現行の和議手続は、再建計画の履行確保の手段が不十分であり、この点が制度の信頼性を損なう要因となっておりましたが、民事再生手続につきましては、再生計画の認可後も裁判所による監督等を継続することができるものとするほか、再生計画に執行力を与えること等により、その履行確保について適切な措置を講じております。
なお、この法律の制定に伴い、最高裁判所規則の制定等所要の手続を必要といたしますので、その期間を考慮いたしまして、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとし、また、現行の和議法等を廃止するほか、民法等の関係法律につき所要の整備をし、必要な経過措置を定めております。
以上が、この法律案の趣旨であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/2
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003・武部勤
○武部委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/3
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004・武部勤
○武部委員長 この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として法務省民事局長細川清君、国税庁次長大武健一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/4
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005・武部勤
○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/5
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006・武部勤
○武部委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上田勇君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/6
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007・上田勇
○上田(勇)委員 公明党・改革クラブの上田でございます。
今度の臨時国会、別名中小企業国会と言われておりますが、この臨時国会の中で法務委員会に付託されております重要な課題の一つが、きょうから審議が始まります民事再生法案でございます。きょうは、そういう意味で、これは法案審議の最初の質問でございますので、基本的、概括的なところからまず始めさせていただきたいというふうに思いますけれども、法案の性質上、多分、細目的、技術的な面にわたる場合もあるかと思いますので、その場合には政府参考人の方にお答えいただいても結構でございます。そういう形で進めさせていただきたいと思っていますので、よろしくお願いをいたします。
これはもうだれもが認識していることでありますけれども、バブル経済の破綻以降、我が国の経済はかつて経験したことのない不況が非常に長期間にわたって続いております。その間、多くの企業、これは大規模な企業もありますし、特に中小企業の多くが経営困難に陥りまして、この委員会の調査室の方でまとめていただいた資料を見てみましても、倒産件数、負債総額、これは負債額一千万円以上の倒産に限っていますけれども、それでも平成十年度においては倒産件数が一万九千件以上、負債総額にしましても十四兆円を超えるというような数字になっております。平成元年からずっと、この資料にも書いてありますけれども、それを見てみますと、倒産件数は平成元年に比べて三倍、負債総額で十二倍というふうに増加しているわけであります。
このような大変長期にわたります経済の低迷の中で、中小企業を中心といたしまして、多くの企業がこうした事態に至っていることにつきまして、まず基本的な御認識を伺いたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/7
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008・山本有二
○山本(有)政務次官 企業倒産の実情についての認識は御質問の上田委員と同様でございますが、我が国における企業倒産は、いわゆる第一次石油危機以来増加を続け、昭和五十九年ころに一たんはピークを迎え、その後は減少傾向にありました。しかし、いわゆるバブル経済崩壊後から再び増加に転ずるところとなり、ここ数年、とりわけ中小企業の不況型倒産が高水準で推移しているとの指摘がされております。また、倒産件数の伸び率以上に倒産企業の負債総額の伸び率は大きく、金融機関、保険会社等の大型倒産がその原因であるとの指摘もされております。
本年に入りましてからは、件数的にはやや減少しているようでありますが、倒産件数及び倒産企業の負債総額は依然として高水準にありまして、予断を許さない状況が続いているものと認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/8
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009・上田勇
○上田(勇)委員 こうした深刻な状況の中で、今回、再建型の倒産法制とも言われておりますこの民事再生法案の早期成立が強く望まれているところであります。今御説明にありました、これまでのバブル崩壊以降の経済の動向を考えたときに、今回のこの法整備というのは、むしろ遅きに失した感もあるのではないかというふうに思います。そこで、この法案の提出に至るまでの経緯につきまして御説明をいただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/9
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010・山本有二
○山本(有)政務次官 法務省では、平成八年十月に倒産法制の見直し作業を開始し、平成九年十二月には倒産法制全般について見直しが考えられる具体的事項を取りまとめた「倒産法制に関する改正検討事項」を策定し、これを公表するとともに、関係各界に対する意見照会を行いました。その後、この意見照会に対する関係各界からの意見を踏まえて、倒産法制全体についての統一的な見直しを図るべく作業を進めてまいりました。
しかしながら、昨年九月には、最近の経済情勢にかんがみ、特に緊急の対応を必要とする中小企業等に利用しやすい再建型の倒産処理手続の整備について、他の検討課題と切り離し、最優先の課題として検討することとされ、それ以降、この課題につきまして集中的に検討を進め、民事再生法案の提出に至ったものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/10
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011・上田勇
○上田(勇)委員 先ほどの質問で参照させていただきましたこの調査室の資料を見てみましても、また先ほどの答弁の内容を見てみましても、倒産件数が急激に増加に転じているのは平成三年ごろからであります。ちょうど平成二年と三年の間にとりわけ負債総額が四倍に急増しているわけでありますけれども、今のこれまでの経緯についての御説明ですと、検討に着手したのが平成八年ということでございます。その辺、どうも経済の動向を見てみますと、五年間ぐらいずれがあるような気がいたしますが、その辺についてはどのようなお考えであったのか、もし御見解があれば伺いたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/11
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012・細川清
○細川政府参考人 実は、民事訴訟法を改正するために改正大作業をしておりまして、それで御審議いただいて、平成八年にそれが成立いたしました。そこで、この倒産法制に取りかかったという経緯でございまして、ですから、確かに経済情勢と関係なく作業を進めているのではないかと御指摘いただきますと、それはなかなか否定することはできないなというように感じているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/12
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013・上田勇
○上田(勇)委員 これは質問ではございませんけれども、今、司法制度改革の中で、いわば民事関係の法律、商法等、実体の経済を十分把握しないでそぐわなくなっているし、タイミングもおくれぎみであるというようなことが、やはりこの司法制度改革の議論の中で経済界の方からは強く示されているところでございますので、そういう意味で、今回提出に至ったということは大変評価できることでありますけれども、そうしたこれまでの経緯をちょっと考えてみますと、これだけ経済の低迷が長期化している中で、やはり対応としては問題があったのではないのかなというふうに指摘せざるを得ないというふうに思います。
そこで、ちょっと今度、若干内容の方にも言及させていただきますが、先ほど大臣の提案理由説明におきまして、現在、再建を図る倒産処理手続として、会社更生法上の会社更生手続、それから商法上の整理手続及び和議法上の和議手続の三つがある、そのとおりでございますけれども、これに加えて、今回新しい法制度を制定するというように至った理由は何なのか。また、本法案はなぜ現在のそういう法制度がある中で新しく制定をするということになったのか、その法案の趣旨についても御見解をお伺いしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/13
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014・山本有二
○山本(有)政務次官 現行法制のもとでは、すべての法人及び個人を対象とする再建型の倒産処理手続といたしましては、和議法による和議手続がございます。
和議手続は、その開始後も従前の経営者が事業を継続することができることなど中小企業等に利用しやすい面もありますが、他方で、和議開始の原因が破産原因と同様とされていること、和議成立後の履行確保につき実効性のある制度が設けられていないことなど、さまざまな制度上の問題点が指摘されており、また、和議法が大正十一年に制定されたものであることから、その後の社会経済構造の変化及び発展に対応していないとの指摘もされております。
そこで、経済的に窮境にある債務者について、その事業または経済生活の再生を合理的かつ機能的に図るため、和議法にかわる新たな再建型の倒産処理手続の基本法として、民事再生法が立案されたものでございます。
この民事再生法は、現行の和議法に比して、手続開始前の債務者財産の保全制度を充実させ、手続の開始原因を緩和し、簡素かつ合理的な再建の調査・確定手続及び計画成立手続を整備し、計画の履行確保の手段を設けるなど、多くの点で再建の実が上げられるよう改善を図っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/14
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015・上田勇
○上田(勇)委員 今、山本次官の答弁の中で、現行の和議法には、時代にそぐわなくなっている、十分に適応できない面があるということでございました。また、先ほどの提案理由説明の中でも、大臣から、この和議法が大正十一年に制定されまして、その後の大きな社会経済構造の変化及び発展にかかわらず制度の見直しがなされていない、したがって、公平かつ迅速な倒産事件の処理という現在の社会の要請に十分こたえていないという指摘をされているというようなことがございました。
そこで、今若干答弁の中でも触れていただきましたけれども、もう少し、現行の和議法にはどのような問題点があるのか、そうした点どのような御見解か、再度御質問したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/15
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016・山本有二
○山本(有)政務次官 現行の和議法につきましては、次のような問題点があると指摘されております。
第一に、破産原因があることが和議手続開始の原因とされているため、手続開始の時期がおくれ、事業の再建が困難になる場合があること。
第二に、和議手続開始の申し立てと同時に、和議条件と呼ばれる再建計画案を提出しなければならないとされておりますが、倒産前後の混乱時に将来を見通した適切な和議条件を作成することは困難でございます。
第三に、和議手続開始の申し立てをして、裁判所から債務の弁済を禁止する旨の仮処分を得ることによって、手形の不渡りを免れつつ、みずからが危機を脱すると、和議手続開始の申し立てを取り下げてしまうなど、保全処分を乱用する事例が見られること。
第四に、担保権者は、和議手続に制約されずその権利を実行することができるとされているため、事業の継続に必要不可欠な財産が担保権の実行により失われて再建が困難になる場合があること。
第五に、破産管財人、更生管財人のように、従前の経営者にかわって経営権や財産管理権を掌握する管理機関が存在しないため、従前の経営者の事業経営や財産の管理処分が不適当である事案について適切に対応することが困難であること。
第六に、裁判所が和議を認可することにより和議が成立しますと、和議手続は直ちに終了し、その後、和議条件の履行を監督する機関が存在しないため、債務者が和議条件の履行を怠ることが少なくないこと。
以上のような問題点が指摘されているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/16
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017・上田勇
○上田(勇)委員 今、現行の和議制度につきまして問題点、認識をお聞かせいただきましたけれども、それぞれの点について、今御説明にあった現行の和議法の問題点、本法案においてはそれをどういうふうに認識をされて、どのように対処、改善をされておられるのか、再度御説明をいただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/17
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018・山本有二
○山本(有)政務次官 民事再生法案は、現行の和議法による和議手続にかえて、中小企業等に再建しやすい法的枠組みを提供し、債権者等の利害関係人にとって公平かつ透明であり、現代の経済社会に適合した迅速かつ機能的な再建型の倒産処理手続である再生手続を新設するものでございます。
民事再生法案が定める再生手続は、債務者が業務の遂行及び財産の管理処分を原則として継続しつつ再生計画を立案し、債権者の法定多数の同意によって可決された再生計画に基づいて、債務者の事業または経済生活の再生を図る手続でございます。
和議手続の問題点につきまして、次のとおり改善を図っております。
第一に、債務者が経済的に窮境にあれば、破産原因がなくても再生手続開始の申し立てをすることができるものとし、手続開始時期の早期化を図っております。
第二に、手続が開始され、債権届け出期間が満了した後の裁判所が定める期間内に再建計画案を作成、提出すれば足りるものとして、再建計画案の作成時期に余裕を持たせております。
第三に、保全処分等が行われた後は、裁判所の許可を得なければ再生手続開始の申し立てを取り下げることができないものとして、保全処分の乱用を防止しております。
第四に、裁判所は、競売手続について、その申立人に不当な損害を及ぼすおそれがない場合などには、相当の期間、その中止を命ずることができるものとしております。
第五に、担保権のついた財産が事業の継続に欠くことができないものであるときには、裁判所の許可を得て、その財産の価額相当の金銭を裁判所に納付することにより担保権を消滅させる制度を導入して、担保権の実行を制限しております。
第六に、従前の経営者による事業の継続を原則としながらも、必要がある場合には、これにかわる管財人を選任することができるものとして、債務者の事業経営及び財産管理処分の適正化を図っております。
第七に、再生計画の成立後も、監督委員による監督や管財人による管理を継続することができるものとするなどして、再生計画の履行確保措置を充実させております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/18
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019・上田勇
○上田(勇)委員 従来から、我が国の法制度の中で、中小企業が使いやすい再建型の法制度がないということが指摘されておりまして、そのときよく引き合いに出されたのが、アメリカの倒産法制としてのチャプターイレブンと言われる法制度でございます。
もちろん、アメリカにおきます企業の成り立ち、また経済の状況は我が国のものとは異なるわけでありますけれども、再建型の倒産法制度としてよく事例として挙げられますこのチャプターイレブン、それと今回の民事再生法はどのような点が共通しておるのか、またどのような点で違いがあるのか。簡単で結構でございますので、御説明いただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/19
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020・細川清
○細川政府参考人 共通点の最大の特徴は、チャプターイレブンではDIP型の手続となっております。デター・イン・ポゼッションといいまして、要するに、従来の経営者が経営を継続しながら再建を図るというところがチャプターイレブンの特徴でございますが、今度の民事再生法案におきましても同じ考えがとられております。
違うところは、実務的に非常に大きいところは、チャプターイレブンではいわゆるオートマチックステイという制度がございまして、申し立てがありますと、すべての債権者の権利の実行がとめられてしまう、自動的にとまってしまうということになっているんですが、この民事再生法案では、そういたしますと申し立ての乱用が考えられるということから、それは適当でないという各界の意見が大多数でございましたので、これにつきましては、先ほど大臣から御説明申し上げたとおり、あるいは政務次官から御説明申し上げたとおり、包括禁止命令というものをつくりまして、個々一々執行をとめるのではなくて全体的にとめることができる制度をつくった、これが一番違うところと言っていいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/20
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021・上田勇
○上田(勇)委員 あと若干、法案の中身につきまして何点かお聞きしたいというふうに思うんです。
先ほどからの御説明でも、今回の民事再生法案の特徴の一つが、従前の経営者がそのまま経営を継続できるという点であったわけですけれども、ただ、それは一方で、もちろん再建に向けての経営がしやすいという面がありますし、またこうした再生手続を申請しやすいという面もあると思うんですが、一方では、そうしたいわゆる経営の破綻に陥った経営者がそのまま経営を続けるということになりますと、モラルハザードという問題が出てくるというふうに思います。その点につきまして、この法案ではどのような措置が講じられているのか、御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/21
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022・細川清
○細川政府参考人 ただいまの御指摘の点は大変大事なことでございまして、この民事再生法案立案の上でも重要なポイントであったわけでございます。
まず、従前の経営者が経営を継続することが前提でございますが、その経営が失当であって、これでは再建できないという場合がございます。そういう場合には、例外的に裁判所が債権者の申し立てにより管財人を選ぶ、管財人が事業の経営あるいは財産の管理について専権を持って行うことができるようにするというのが第一点でございます。
それから、モラルハザードを防止するためにはさらに幾つかありまして、まず刑事責任を明確化するということでありまして、従来の和議法におきましては詐欺破産罪に当たるような条文がなかったわけなんですが、これは、詐欺再生罪ということを設けております。ですから、事前に財産を隠匿してその上で再生を申し立てるということはできないようになっているわけでございます。
それからもう一つは、民事責任を追及する方法を容易にするという手だてを考えておりまして、従来の経営者が忠実義務に違反する行為をしていたという場合に、これは会社がその従来の経営者に損害賠償請求権があるわけで、これについては債権者の申し立てによって、裁判所が決定手続によって査定をすることができるということにしております。このようなことで、モラルハザードを防止する方策を取り入れたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/22
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023・上田勇
○上田(勇)委員 もう一点だけ、中身でちょっと御質問させていただきます。
今回、迅速かつ機能的な手続ということで、それなりにいろいろな規定の中で工夫がされているんですけれども、その中で、やはり営業譲渡、減資等につきまして、株主総会の決議にかわる裁判所の許可制度を創設したというのがございます。
私、これは合理的な措置だというふうには思いますけれども、一方で、やはり株式会社というのは株主に権利がございまして、こうした商法で定められております規定に特例を設けるということによって、そういう株主の権限を侵害するというようなことはないのか、その辺のお考えをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/23
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024・細川清
○細川政府参考人 営業譲渡につきましては、民事再生法案では二つの措置をしております。
第一点は、通常の状態、再生計画の申し立てをしたりしている会社が営業譲渡をする場合には、これは裁判所の許可を得なければならないということになっています。要するに、これは特別決議があった上でさらに裁判所の許可を要するということにしておりますので、軽々に営業譲渡が行われないようにという意味での制限でございます。
今、委員御指摘の問題は、そうではなくて、株主総会の特別決議にかわる代替的な裁判所の許可のことを言われているわけなんですが、これは、趣旨といたしましては、倒産状態になりますと、株主が非常に経営に関心を失いまして、株主総会が開けない、特別決議の定数を得られないという問題があります。
これは、一番有名な例は山一証券の例だったんですが、そういう場合には、株主権は実質は価値がなくなっているということもございますし、二番目といたしましては、この条件といたしまして、法律の条文上の要件として、営業譲渡がその事業の継続に欠くことはできないんだ、ですから、営業譲渡すれば営業譲渡した先で事業が継続できる、そういう二つの厳しい要件を課した上でこれを裁判所が代替で許可をするということになっています。
ですから、債務超過状態であって株主権が実質ゼロになっていて、かつ営業譲渡すれば営業譲渡した先で事業が継続できる、この二つの要件を裁判所が認定することが必要だということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/24
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025・上田勇
○上田(勇)委員 ありがとうございました。
以上で質問を終わらせていただきますけれども、本法案の制定によりまして、従来の法制度下では、結果的になかなか再建型の手続がとれないために、最終的には清算に至っている、そういう中小企業の相当な部分が再建が可能になり、そうした企業の経営者や従業員だけではなく、結果的には債権者の利益にもなるというふうに思っているところでございます。
そういう意味では、今国会でこの法案が提出をされまして、今成立に向けまして審議が始まったということは、今後の経済の動向につきましても大変いい影響があるものだというふうに思っておりますので、また、これにつきまして早期成立を強く望まれているところであるというふうに私も考えておるところでございます。
時間でございますので、以上で質問を終わらせていただきます。大変にありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/25
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026・武部勤
○武部委員長 西村眞悟君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/26
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027・西村眞悟
○西村(眞)委員 これから、本法案について質問させていただきます。
大正年間にできた和議法は、実務家には余り利用されませんでした。それは、実務家が、この現行和議法をもって再建型処理を図るという実効性を認めがたかったからだと思います。しかるに、本法案は、実務的に実効性のある再建型倒産処理法を目指す画期的な法案でございます。実効性を確保されるためには、利用しやすい手続であること、公平かつ透明な手続であること、迅速かつ機能的な手続であること、この手続をもって迅速簡易な再生が図られるというふうな要素が確保されていなければなりません。
したがって、以下、この法案の中で今私が申し上げたことがいかに具現化されているかについて、七問ほどお聞きしたいと思います。
まず、中小企業等にとって利用しやすい手続とするために、再生手続上どのような方策が設けられておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/27
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028・山本有二
○山本(有)政務次官 再生手続は、制度面でさまざまな問題がある和議手続にかわるものとして、大規模な株式会社が利用している会社更生手続の長所をも踏まえつつ、中小企業や個人事業者等にとって利用しやすい再建型の手続として構想されたものであって、それは次のような点にあらわれております。
第一に、株式会社のみならず、すべての法人及び個人が利用可能な手続としております。
第二に、手続開始の原因を緩和し、破産状態に至る前でも申し立てをすることができるようにしております。
第三に、手続開始後も、従前の経営者による事業経営及び財産の管理処分を継続することを原則としつつ、事案に応じて、監督委員、調査委員、管財人等の各種の機関の選任を柔軟に行うことができるようにしております。
第四に、一つの命令で再生債務者に対するすべての強制執行等を禁止する包括的禁止命令の導入を初めとして、保全処分を充実させ、手続開始申し立て後の財産の散逸防止を図っております。
第五に、親子会社または法人とその代表者個人の一方について再生事件が係属している場合には、他方についての再生事件の管轄の特例を設け、親子会社等の事件の一体的な処理を確保しております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/28
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029・西村眞悟
○西村(眞)委員 次に、債権者等の利害関係人にとって公平かつ透明な手続とするために、いかなる再生手続上の方策が設けられておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/29
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030・山本有二
○山本(有)政務次官 再生手続が債権者等の利害関係人にとって公平かつ透明な手続であるということは、以下のような点にあらわれております。
第一に、否認制度を導入して、一部の再生債権者に対する不公平な弁済行為等について、その効果を否定し、原状回復をすることができるようにしております。
第二に、取締役等の損害賠償責任を簡易迅速に追及できる査定制度等を採用し、また、財産隠匿等に対する罰則規定を整備して、取締役等のモラルハザードの防止を図っております。
第三に、再生計画の履行を確保するため、計画認可後も、監督委員による監督の継続や管財人による再生計画の遂行を可能としております。
第四に、再生債権者全体の利益を代表する債権者委員会に対し、手続上、各種の権限を認め、再生債権者の関与を強化しております。
第五に、再生手続中の営業譲渡について、裁判所が再生債権者及び労働組合等の意見を聞いた上で許可するものとすることにより、再生債権者その他の利害関係人の利益の保護を図っております。
第六に、事件関係書類の閲覧等の規定を整備して、手続の透明性を確保しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/30
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031・西村眞悟
○西村(眞)委員 次に、現在の経済社会に適合した迅速かつ機能的な手続とするために、本再生手続上、いかなる方策が設けられておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/31
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032・山本有二
○山本(有)政務次官 現行のいわゆる倒産五法は、いずれも大正時代から昭和二十年代にかけて制定されたものでございます。各手続の基本的枠組みは、その当時の経済社会の状況を前提として定められていたものであるために、現代の経済社会の要請に十分対応できないものとなっていると考えております。
そこで、再生手続は、和議手続と比較して次のような点を工夫することにより、現代の経済社会に適合した迅速かつ機能的な手続としております。
第一に、債権の調査は、全債権者が一堂に会する期日の方式によらず、債権者等が書面によって異議を述べる方式を採用することとし、異議のある債権の確定手続につきましても、決定手続による査定の制度を導入して、債権の調査・確定手続を簡素化し、かつ合理化しております。
第二に、事業の継続に不可欠な資産が担保権の目的となっている場合、これを事業の再生に生かすために、担保権消滅請求の制度を新設しております。
第三に、事業の再建支援のための融資を得やすくするために、手続開始後の救済融資に係る債権等が共益債権として優先的に弁済されることを明確化しております。
第四に、債務超過の状態にある株式会社につきましては、営業譲渡のために必要となる株主総会決議を得ることが困難であるため、裁判所の許可による営業譲渡の制度を導入しております。
第五に、再生債務者による再生計画の履行の確保を図るため、履行を遅滞した場合に再生計画に基づく強制執行を可能とするほか、再生計画取り消しの制度を導入するなど、履行確保のための手段を充実整備しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/32
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033・西村眞悟
○西村(眞)委員 次に、再建型倒産処理の最終目的である債務者の簡易迅速な再生のために、本再生手続ではどのような方策がございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/33
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034・山本有二
○山本(有)政務次官 再生手続は、主として中小企業等に再建しやすい枠組みを提供することを目的とするものですから、再生債務者の事業または経済生活を簡易かつ迅速に再生させることが重要であるという点、先生御指摘のとおりでございます。
そのための具体的な手当てとして、再生手続では、次のような方策を設けております。
第一に、監督委員、調査委員、管財人等の機関をいずれも任意的なものとし、事案に応じて必要な機関を選任することにより、柔軟な対応を可能としております。
第二に、現行の和議手続では必ず開催することとされている債権者集会を任意的に開催するものとし、再生計画案の決議につきましても、集会による決議の方法と書面による決議の方法とを選択できることとしております。
第三に、以上のほか、手続の簡素化のための措置として、大方の再生債権者が再生債務者等が提出した再生計画案に同意し、かつ、債権の調査・確定の手続を経ないことにつきましても同意している場合には、手続の一部を省略して、簡易かつ迅速に再生計画を成立させることができる簡易再生制度、再生債権者全員の同意があるときは、さらに再生計画の決議の手続も省略することができる同意再生の制度、この二つを新たに導入することとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/34
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035・西村眞悟
○西村(眞)委員 本再生手続は、大企業も利用することができるものでありましょうか。大企業は会社更生法の手続によっておりますけれども、本再生手続といずれを利用することになるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/35
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036・山本有二
○山本(有)政務次官 再生手続は、中小企業等に利用しやすい手続として構想されたものでありますが、法律上、手続を利用できる者を限定しておりませんので、大企業が再生手続開始の申し立てをすることもできます。
そして、大企業が会社更生手続と再生手続のいずれを利用するかは、両手続の構造上の相違と手続による権利調整が必要となる範囲等とを勘案して、申し立て権者が判断することとなります。
会社更生手続は、担保権や優先権がある租税債権、労働債権等及び株主の権利のすべてを手続に取り込み、組織法的、社団的な事項につきましてもこの手続によらなければ変更等ができないものとして、株式会社をめぐるすべての権利関係を更生計画により変更するものでございます。
これに対し、再生手続は、中小企業等に利用しやすい簡素な手続とするため、担保権、優先権がある債権及び株主の権利を手続外の権利とし、企業の組織法的、社団的な事項にも原則として変更を加えないものとしております。
したがって、担保権や優先権がある債権につきましても権利変更を行わなければ企業の再建を達成できないような事案、企業の組織法的、社団的な事項をも再構築する必要がある事案等につきましては、会社更生手続を利用することとなります。
このような事情がない事案につきましては、いずれの手続を利用するかは、申し立て権者の裁量にゆだねられることとなります。
ちなみに、予納金を取り上げてまいりますと、従来の経験から申し上げれば、会社更生の予納金は、最低一千万円、上場会社であれば三千万円から五千万円。これに対し、再生手続の予納金は、和議と同様とするならば、二百万円から一千万円の範囲で済むというように言われております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/36
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037・西村眞悟
○西村(眞)委員 本手続では、一度経営に失敗した者の再チャレンジを容易にするためにはいかなる方策が設けられておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/37
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038・山本有二
○山本(有)政務次官 再生手続は、すべての法人及び個人が利用することができる手続でありますが、特に中小規模の企業または事業者が、その事業の再生を図りやすくするために、従前の経営者が事業経営を継続することを原則としております。
また、再生手続は、現行の和議手続よりも、手続開始前の保全処分を充実し、手続開始原因を緩和しているほか、事業の継続に欠くことのできない資産に付された担保権に対する消滅請求の制度を導入していることなど、事業の再生を容易にするための方策を設けることにより、一度経営に失敗し経済的に窮境にある債務者に対し、再チャレンジの機会を提供するものとなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/38
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039・西村眞悟
○西村(眞)委員 今お答えいただいたことの反面、企業を一度倒産させた者がこの再生手続開始後も経営を継続するということにおいて、モラルハザードを招くのではないか、無責任に流れるのではないかという批判があることも事実でございますが、これについてはいかなる方策が設けられておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/39
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040・山本有二
○山本(有)政務次官 再生手続は、再生債務者が一方的に債務の減免等を得ることができるのではなくて、裁判所に再生計画案を提出して、再生債権者の多数の同意を得ることが必須の条件であります。したがって、再生計画案においては、再生債権者の多数の賛同を得られる弁済率、弁済方法等を提示しなければならず、また、経費削減等の経営努力も当然しなければならないと考えられております。
さらに、再生手続においても、従前の経営者の事業経営に問題がある事案につきましては、裁判所により管財人が選任されて、従前の経営者の業務遂行権等が奪われることがあります。
これに加えて、経営者等の役員の損害賠償義務を簡易迅速に追及するため、決定手続による査定の制度を設け、また、企業の財産を隠匿するなどの債権者を害する行為に対しましては、十年以下の懲役または二百万円以下の罰金という刑罰も定めて、倒産前後に違法行為を犯した経営者の民事、刑事上の責任を厳格に追及することとしております。
したがいまして、従前の経営者が再生手続開始後も経営を継続することを原則としても、モラルハザードを招くとは言えないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/40
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041・西村眞悟
○西村(眞)委員 私が七問御質問させていただいてお答えになったことから、本法案が再生型、再建型の倒産処理の分野に実務上大きな前進をもたらすものと期待しております。
これで質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/41
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042・武部勤
○武部委員長 杉浦正健君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/42
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043・杉浦正健
○杉浦委員 杉浦でございます。
まず、本格的な質問に入る前に、きょうは大蔵省の方から来ておられますか。——国税の方、御多忙のところ来ていただいておりますので、まず国税の方にお伺いしたいと思います。
この制度が有効に機能するかどうかは、一番主要な点において、税金の問題がかかわっております。つまり、この制度によって切り捨てられる債権が貸し倒れとして損金算入できるかどうかという点が肝心な点でございます。和議法にかわって導入される制度であり、裁判所がかかわっておられるということなので、例の国税通達で和議法による切り捨て分については認めるということになっていますが、当然この通達が変更になって、本手続による切り捨て分については損金算入ができるというふうに理解してよろしいかと思うんですが、当局の御答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/43
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044・大武健一郎
○大武政府参考人 お答えさせていただきます。
ただいま御審議いただいております民事再生法案の場合には、御指摘の民事再生計画の認可決定に基づく債権の免責につきまして、その認可決定によって債権の全部または一部が切り捨てられ、消滅するということでございますれば、会社更生法や和議法の場合同様、ただいま先生が言われましたとおり、その切り捨てられた債権は、法人税または所得税の課税所得の計算上、損金の額または必要経費に算入されるということになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/44
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045・杉浦正健
○杉浦委員 ありがとうございました。もうお引き取りいただいて結構でございます。御苦労さまでございます。
私の前に質問された両委員から、基本的なこの法律についてのさまざまの問題について御質問がありました。両委員の質問から漏れた部分について後ほど順次質問させていただきますが、その前に、私はこの制度が和議法にかわって導入される際に、基本的に重要な要素は二つあると思うんですね。和議法の欠陥、会社整理手続の欠陥、そういうものを克服する。あるいは、会社更生法が大企業にしか事実上適用されていない、厳格過ぎるものですから。中小企業は、金もかかるし、申請する人はだれもおらぬのですが、そういう状況が一方にあって、したがって、とりわけ中小企業、個人企業等の倒産の場合には、世間ではいわゆる私的整理とか任意整理とか言っておりますが、そういう裁判所あるいは弁護士さんのような公的なものに頼らないで、債権者が債務者と協議して、あるいは弁護士の助力を得ることもありますが、私的に清算したり、あるいは再建したりするということは多いわけであります。中小企業の倒産の圧倒的部分がそういう処理が行われているのじゃないかと思います。
今税務当局に質問したのも、そういう処理をする際に、中小企業が危殆に瀕した場合に、再建した場合、切り捨て部分についてはなかなか税務当局が認めないのですね。公的機関が関与していれば認めるけれども、していない場合は切り捨て分は認めないものですから、そこで非常にみんな困っておる面があったわけであります。こういう制度を導入されることによって切り捨て分が税務当局に認められるということは、大変結構なことだと思います。
また、この制度を不幸にも危機に瀕した中小企業、個人企業の方が利用されて、裁判所の力もかり、債権者の協力を得て再建に当たることができるようになれば本当にいいと思うんですが、先ほど申しましたように二つの要素がないと、逆な言い方をすれば、利用されないということになると思います。
その一つが時間の要素であります。
申し立ててからその計画が認可されるまでの間にどれぐらい時間がかかるのかということが大きな問題だと思います。余り長引くようですと必然的に、企業は生きていますから、生きたままの形で再建しなければいかぬわけですから、そんなに長い時間なんかはかけてはおれない。中小企業ですともたもたしているうちにつぶれてしまうこともあるわけで、その時間的要素が大変大事だと思いますが、どれぐらいかかると当局ではお考えなのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/45
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046・山本有二
○山本(有)政務次官 実務に精通しておられる先生の方が詳しいだろうと思いますが、再生手続に要する時間を具体的な数字で示すことは、個別の事案ごとにさまざまな事情があり、難しい面もございます。
概括的に申し上げれば、特別な事情のない中小規模の企業については、申し立てから一年以内に再生計画の認可に至るものと予想しております。さらに、簡易再生の決定がされる事案につきましては、数カ月間、期間が短縮されるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/46
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047・杉浦正健
○杉浦委員 今一年以内というお言葉でありますが、私は何十という私的整理をやった経験からすると、勝負は三カ月、もたもたしても半年でないと、債権者とか関係者がもたないのですね。一年以内というのは非常に安全率を見た言い方だと思いますが、法律の運用においては、そのあたり、ともかく早く結論を出して、それも一〇〇%でなくても、みんなが満足する計画を出して進めていくということがかなめだということは強調しておきたいと思います。
これは更生事件手続の手続開始の申し立てをすることから始まるわけですが、裁判所は更生手続開始の決定をいたします。これは裁判所の時間ですが、これはできるだけ短縮して、申し立て即保全処分みたいに、出すぐらいのことを裁判所に望みたいと思います。
一番時間がかかるのは計画の作成と更生債権の届け出確定手続だろうと思います。これは並行してやるわけですが、どうしても、任意の場合でも、あした持ってこいというわけにいきませんから、一週間とか十日以内に届けてくれという話になるわけなので、これはできるだけ短い時間にすることが大事じゃないか。簡易な確定手続もありますので、早急に、早く届けてもらって、早く確定する。これに一カ月もかけるようでは、とてもだめだと思うわけでございます。
その間に更生計画を検討して、債権者を交えて、債権者委員会等、いろいろ債権者の合意を取りつける等の努力をして、債権確定をすると同時ぐらいに更生計画案を決議できるというふうに持っていく。これは関係者の努力が要りますが、裁判所あるいは関与される弁護士、債権者、みんなで協力して、ともかく計画案の決議から認可までできるだけ早く、三カ月以内を目途ぐらいに出せるというふうにしないと、要するに、余り時間がかかり過ぎる、面倒くさいから私的にやっちゃおうというふうになりかねないということを強調しておきたいと思うわけでございます。
もう一つの要素は、お金の要素でございます。手続に金がかかり過ぎるというのが私的整理、任意整理をやってしまう理由の大きなものになっています。和議手続ですと、先ほど山本先生がおっしゃったように、最低でも二百万ぐらい、多いのは一千万ぐらいかかっておるということなんですが、危機に瀕した中小企業が予納金を納められるはずがない。和議手続の欠点はそこであります。それから、弁護士さんも申し立てに頼まなければいかぬ。ちょっと大きくなるとそうですね。和議だと弁護士さんに着手金を払わなければいかぬというようなことが起こるわけなんですが、このケースにも予納金が要ると思うんですけれども、現時点で和議手続ほどは要りませんね、整理委員だとか管財人を選任しなくてもいいのですから。必要的機関がないですから、和議よりも少ないとは思うんですが、和議手続と比較して予納金がどれぐらいになると思うのか。もちろん、予納金ということは必ず認めますね、そのあたりのことをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/47
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048・山本有二
○山本(有)政務次官 現行の和議手続においての予納金がどれくらい必要かについて、まずお答えさせていただきます。
予納金は、送達、公告等の費用やそれぞれの手続上裁判所が選任する機関、例えば管財人、整理委員、監督員等でございますが、それの報酬など、手続を進行させるために必要となる種々の費用に充てられるものでございます。事件を受理した裁判所が、個々の事案につきまして資産及び負債の内容及び企業規模等を考慮して決定するものでございます。したがいまして、一般的に、その具体的金額を申し述べることは困難でございます。
現在の和議事件の運用に関しましては、予納金の額は、債務者の負債総額を基準といたしまして、負債総額が五千万円未満の場合で二百万円程度、負債総額が百億円にも上る場合は九百万円程度であると言われております。これは、東京地方裁判所の破産部の運用例から引用させていただいております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/48
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049・杉浦正健
○杉浦委員 本手続の場合にはそれよりも低額になるだろうということは言えますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/49
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050・山本有二
○山本(有)政務次官 簡易手続等ございますので、低額になる場合もあろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/50
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051・杉浦正健
○杉浦委員 基本的に、和議の場合ですと整理委員とか管財人は必要的機関ですね。報酬が要りますから、今度の場合、必要的ではないですから、その分ぐらいは確実に低額になるんじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/51
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052・山本有二
○山本(有)政務次官 再生手続開始の申し立てをする者は、和議の申し立てをする者と同様に、裁判所が手続の費用として定める金額を予納しなければならないものとされております。
再生手続は、すべての法人及び個人を対象とするものであり、実務上は監督委員の選任されるケースが少なからずあると予想されますが、制度上は、監督委員等の機関の選任は必要的なものとはされておりません。このように、再生手続にはさまざまな態様のものがありますので、予納金も、具体的な事案を離れて一般的にその金額を予測することは困難であります。
しかしながら、再生手続では手続の簡素化、弾力化が図られておりますから、予納金も、整理委員及び管財人の二つの機関を必要的に選任しなければならない和議手続よりも総体的には低額になるものと考えております。この点は杉浦委員のおっしゃるとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/52
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053・杉浦正健
○杉浦委員 再生債務者が、裁判所の決定した予納金を支払うことができない場合にはどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/53
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054・山本有二
○山本(有)政務次官 再生手続開始の申し立てをした者が、裁判所の定めた予納金を支払うことができない場合には、裁判所が再生手続開始の申し立てを棄却する決定をすることになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/54
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055・杉浦正健
○杉浦委員 お金の要素は非常に重要だと思うのです。お金がかかるから申し立てできないという点について、本手続もやはりある程度の予納金は、金額は別にして、どうしても必要になることが予想されるわけですが、そのことがこの手続を中小企業、個人企業等が利用する妨げになるということを、私は実際問題として懸念しておるわけです。
中小企業の方々、私も弁護士時代にも随分御相談を受けたのですが、結局、破産の場合でも裁判所へ予納金が要るのですね。和議でも要るのです。相当高額です、数百万の単位で。それが納められないから、済みません、先生、整理やってくださいというケースが多いわけですよ。弁護士にも頼めない人がおりまして、それなら債権者の中で気のきいた人がおるから、そういう人が中心になって債権者委をつくってわあっとやってしまう。またベテランもおりまして、弁護士顔負けという人も企業によっては、商社なんかはいらっしゃるわけで、私的に済ませてしまうということになると思うのです。
ですから、私は、これは前からも法務省当局に申し上げているのですが、申し立てのための弁護士さんを頼まなければいかぬ、その弁護士費用だとか予納金をつくるのに、今の扶助協会の扶助の制度が利用できないのか。いや、今の制度は利用できません、個人しかだめだから、企業の場合はだめなんですが、そういうふうに扶助制度によって立てかえる。再生すればそのお金は返ってくるわけですから、立てかえだけなんですが、そういうことをしたらどうかということを申し上げておるわけです。
また、そういうことをしないと、この制度ができたけれども、仏つくって魂入らずということになるおそれも大きいのじゃないかということを私は懸念しているのですけれども、中小企業に対するこの弁護士費用、予納金の立てかえ制度導入について、総括政務次官の御見解をお伺いしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/55
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056・山本有二
○山本(有)政務次官 ただいまの委員御指摘の点につきましては、大変重要な問題点でございまして、私といたしましても重かつ大に受けとめて今後研究してまいりたいと考えておるところでございますので、ひとつ御指導をよろしくお願い申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/56
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057・杉浦正健
○杉浦委員 この制度がある、しかもこの中に簡易手続というのがございまして、債権者五分の三の同意を得て再生計画をつくれる、つくって決議できるという規定もありますので、私は、実際問題としますと、簡易手続ですと予納金も恐らく少なくなるでしょうし、この利用が多いのじゃないか。
全員の同意による再生計画案、同意再生というのですか、こういうものも用意されているのですが、これは現実問題として一人二人反対したらだめですから、会社整理があれば商法の債権者の全員一致が要るから利用する人がほとんどいないのと同様に、余り利用する人はいないと思うのですけれども、簡易再生の方は随分利用する人がいるだろう。私が頼まれた弁護士であれば、五分の三の話をつけて、計画から同意書から全部つくって、セットして裁判所へ持ち込む。それでばたばたとお墨つきをいただくというような形で進める余地がございます。
運用の面でこれからそういうふうに、実際の世界のニーズに応じた運用がどうなされていくかにもかかわっておるわけですが、これはふえるのじゃないかと思います。また、仮にそうでなくても、こういう制度があるために私的整理が進めやすくなっていくという面もあると思いますので、このたびのこの制度は極めて有意義な制度だと考えておる次第でございます。
それでは、この二つの要素以外の、本制度について前の両委員から御質問の漏れた基本的な点について幾つかお伺いさせていただきたいと思います。
まず、この法律の策定について、いろいろな各方面の御意見をお聞きになられたと思いますが、まず、経済界の意見はどのようなものか。この参考資料の一に経団連の意見もついておりますが、経済界の意見はどのようだったのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/57
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058・山本有二
○山本(有)政務次官 民事再生法は、関係各界の意向を十分に考慮し、その支持を得てつくられております。
この法案は、法制審議会が法務大臣に答申した民事再生手続に関する要綱に基づいて立案されたものでありますが、法制審議会におきましては、経済団体からの推薦を受けた委員も含め、全会一致で要綱を決定しております。また、その要綱案の作成作業に当たった法制審議会倒産法部会におきましても、経済団体の推薦委員を含め、全会一致で要綱案を決定しております。
法制審議会における審議の過程におきましては、経済団体の推薦委員から、株式会社である再生債務者が債務超過である場合には、株主総会の特別決議を要せずに、営業譲渡、再生計画による資本の減少及び定款変更を行うことができるようにすること、次に、再生債務者の事業継続に必要な資金の貸し付けが共益債権となることを明確にすることなどの意見が述べられましたが、これらの意見はすべて民事再生法案に反映させております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/58
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059・杉浦正健
○杉浦委員 この法案が成立した場合に、産業界が利用される場合、弁護士さんの関与が不可欠だと思いますが、この法案について弁護士さんたちは、日弁連を通じてでございましょうが、どのような御意見でどのように反映されたか、お答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/59
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060・山本有二
○山本(有)政務次官 法制審議会におきましては、日本弁護士連合会、日弁連から推薦を受けた複数の委員も含め、全会一致で要綱を決定しております。また、その要綱案の作成作業に当たった法制審議会倒産法部会におきましても、日弁連から推薦を受けた倒産処理の実務に精通している複数の委員を含め、全会一致で要綱案を決定しております。
法制審議会における審議の過程におきましては、日弁連の推薦委員から多岐にわたる意見が述べられました。その主なものといたしましては、一つに、債権調査・確定の手続を省略することのできる簡易手続を併設すること、二つ目は、管財人が選任されるのは例外的な場合に限られることが明らかになるよう、要件等を厳格なものとすること、三つ目は、担保権消滅の制度に裁判所による抹消登記の嘱託と配当手続を盛り込むことなどでございましたが、これらの意見はすべて民事再生法案に反映しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/60
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061・杉浦正健
○杉浦委員 会社の再生については労働者の協力が不可欠であります。組合がある場合には組合の円滑な協力が要るわけでございますが、この法案に対する労働団体の意見はいかほど、どのように反映されておりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/61
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062・山本有二
○山本(有)政務次官 先ほどと同様なお答えでございますが、法制審議会におきましては、労働団体からの推薦を受けた委員も含め、全会一致で要綱を決定しております。また、その要綱案の作成作業に当たった法制審議会倒産法部会におきましても、労働団体の推薦委員を含め、全会一致で要綱案を決定しております。
法制審議会における審議の過程におきましては、労働団体の推薦委員から、労働債権の保護や再生手続への労働組合の関与を充実させる観点から意見が述べられました。
民事再生法案におきましては、これらの労働団体からの意見を踏まえ、第一に、労働債権は原則として再生手続による制約を受けることなく優先的に弁済されるものとし、第二に、再生計画案につきまして労働組合等の意見を聴取しなければならないことなど、労働組合の再生手続への関与を保障する規定を整備しており、労働団体からの意見を十二分に反映したものとなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/62
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063・杉浦正健
○杉浦委員 以下、法案の中身につきまして若干お伺いさせていただきます。
先ほど弁護士会からの意見で採用することとなったと伺った、簡易再生とか同意再生といった簡易型の手続が導入されておるわけでありますけれども、この簡易型手続にはどんなようなメリットがあるのか、どんな仕組みなのか、お答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/63
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064・山本有二
○山本(有)政務次官 これらの手続はいずれも、大方の債権者が再生計画案に同意している場合に、債権の調査及び確定の手続等を省略して再生計画を成立させることを認めるものであります。これらの手続は、再生債務者にとっては極めて簡易かつ迅速にその事業の再生を図るための有効な手段になるものであり、とりわけ、小規模な倒産事案や、再生手続開始前に私的整理がある程度先行して行われていたような場合において活用されるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/64
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065・杉浦正健
○杉浦委員 私は、この簡易手続が、費用もかからない、早いという意味で最も利用されるんじゃないかと思っておる一人でございます。余り重くならない運用を裁判所関係者に望みたいと思う次第でございます。
申し立てについても要件が緩和されておりますが、企業がどのような状態になった場合に再生手続の申し立てをすることができるのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/65
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066・山本有二
○山本(有)政務次官 再生手続の申し立てをするためには、和議手続と異なり、再生債務者が破産状態にある必要はありません。再生債務者につきまして、破産の原因たる事実の生ずるおそれがある状態にある場合、または事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができない状態、言いかえれば、弁済期にある債務を弁済するためには事業の継続に必要な財産を処分、換価しなければならないような状態になった場合には、再生手続開始の申し立てをすることができるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/66
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067・杉浦正健
○杉浦委員 この手続に弁護士さんたちがどういう形で関与をすることが考えられるのでしょうか。申し立てを代理するという場合、これは債務者が選ぶかどうかということなんですが、手続中にもいろいろございますね、そのあたりを御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/67
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068・山本有二
○山本(有)政務次官 再生手続における弁護士の関与につきましては、第一に、再生債務者の申立代理人として関与する場合や、第二に、裁判所によって監督委員、管財人、保全管理人等の再生手続の機関に選任されることによって関与する場合などが見込まれております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/68
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069・杉浦正健
○杉浦委員 その場合の弁護士さんの費用は、申し立ての場合には、これは債務者、再生債務者ですが、払うのは当然だと思いますし、それから、その手続の中で選任される場合には、予納金の中にその費用が含まれてそれぞれの弁護士さんに支払われるというふうに理解してよろしゅうございますでしょうか。お答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/69
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070・山本有二
○山本(有)政務次官 申立代理人である弁護士への着手金、報酬等の費用は、再生手続開始の申し立てをする者がみずから支払うことになるものでございますし、また、予納金につきましても同様でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/70
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071・杉浦正健
○杉浦委員 次に、新たに包括的禁止命令という制度が導入されております。実際問題として、包括的禁止命令が出されるのはケースとしては少ないのじゃないかとは思うのですけれども、弁護士会のベテランからの御要望でこういう制度が導入されたと聞いておるんですが、この制度の中身と、どのような制度であるのか、御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/71
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072・山本有二
○山本(有)政務次官 再生手続においては、再生債務者について、再生手続開始の申し立て後、再生手続開始の決定前に個別執行の手続が申し立てられた場合には、これに対する中止命令を得ることができるものとしております。
ところが、この個別執行の申し立てが多数に及ぶ場合、申し立てがあるごとに中止命令の申し立てをしなければならないものといたしますと、中止命令の申し立てに要する手続が極めて煩雑なものとなり、再生債務者の事業の継続等に支障が生じ、結果的に再生手続の開始前に事業の継続が困難になるおそれがございます。
そこで、個別の中止命令によっては再生手続の目的を十分に達成することができないおそれがあるときには、裁判所は、再生債務者の財産に対する再生債権に基づく強制執行、仮差し押さえ、仮処分、または再生債権を被担保債権とする民事留置権による競売の手続を包括的に禁止する命令、すなわち包括的禁止命令を発することができるとしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/72
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073・杉浦正健
○杉浦委員 法制審でもこの包括的禁止命令についてはいろいろ御議論があったと聞いておりますが、反対論の中では一番、物すごい禁止命令ですから債権者を害する、一方で再生債務者を過度に保護することになるんじゃないかという批判があったように聞いております。そういう意見は十分考えられるところなんですが、その点について御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/73
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074・山本有二
○山本(有)政務次官 包括的禁止命令は、再生債権者の権利行使を包括的に禁止する強力な保全処分ではありますが、その発令要件は厳格でございます。
一つには、個別の中止の命令によっては再生手続の目的を十分に達成することができないおそれがあると認めるべき特別の事情があるとき、すなわち仮処分等が多発する場合でございます。二つ目には、あらかじめまたは同時に再生債務者の主要な財産に関する保全処分、監督命令または保全管理命令をしたときの両方の条件が満たされたときに限り発令されるものでございます。
さらに、包括的禁止命令に対しましては、利害関係人に即時抗告権を認め、強制執行等の申立人である再生債権者には個別の命令解除の申し立てをも認めております。
したがいまして、過度に保護するものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/74
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075・杉浦正健
○杉浦委員 実際に使われるケースは少ないかもしれませんが、こういう強力な権能を手続自体が持っておるということは、伝家の宝刀を抜くか抜かないか、場合によっては抜くよという余地が、ある意味において非常に大事なことだと思っております。
次に、営業譲渡について伺いますが、実際問題として営業を譲渡することは極めて少ないと思うのですね。つまり、再生する場合に、もうかる事業は残しておかないとだめで、損する事業はどんどん切っていく。リストラをやって、それで利益の出る将来性のある事業を残すということですから、営業を譲り渡す場合に、大体譲り受ける方ももうからないものを譲り受けるばかはいませんから、そんな経営者はおりませんから、有望な営業を再生の過程で第三者に譲るということはまず考えられないと思うのですが、あり得る場合もあるということで、こういう株主総会の決議にかわる裁判所の許可の制度を設けられたんだと思いますが、その理由はどうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/75
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076・山本有二
○山本(有)政務次官 営業譲渡そのものの許可、このことは、先ほども民事局長が申し上げましたように、営業譲渡自体は、重要な財産でございます。しかし、再生債務者にそのまま存続させておりますとその営業部分自体も継続できないという場合には、取締役会の決議、株主総会の決議等にかわって裁判所が許可を与えるという形で簡易迅速に営業譲渡を可能ならしめて、いわば社会的損失を防ぐ、こういう趣旨で設けられたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/76
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077・杉浦正健
○杉浦委員 この制度は、更生手続の開始後も従前の経営者による事業経営を継続することを原則としているわけです。それがこの制度の目玉の一つでもあるわけなんですが、この理由をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/77
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078・山本有二
○山本(有)政務次官 再生手続は中小企業にとって利用しやすい再建型の倒産処理手続として構想されたものでありますが、中小企業におきましては、経営者が有する事業上のノウハウや取引先との間の信頼関係等に基づいて事業が行われている場合が少なくないため、常に管財人を選任するものとすれば、そもそも事業継続が困難となる事案が多くなることが予想されております。
他方で、従前の経営者による業務遂行及び財産の管理処分を原則とすることにより、早期に再生手続の申し立てがされ、事業の解体、清算に伴う社会的な損失が回避されることが期待されます。そこで、再生手続におきましては、原則として、従前の経営者が事業を継続しつつみずから再生手続を遂行するものとしております。
しかしながら、再生手続の開始後も従前の経営者が必ず業務遂行等を継続するものといたしますと、まじめに再建に取り組む意欲に乏しい経営者が安易に再生手続を利用するという事態を招くおそれもないわけではありません。そこで、再生手続におきましては、例外的に、再生債務者の財産の管理処分が失当であるとき等には、裁判所が管財人による管理を命ずる処分をする余地を認めております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/78
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079・杉浦正健
○杉浦委員 私の知っている限りの任意整理におきましては、再建といいますか、企業を存続させて事実上継続させる形による解決がかなりあったのですけれども、その場合でも例外がありませんのは、責任者、社長は一切関与させませんね。会社をつぶした元凶ですから、これは大体排除されます。大体、役員の中に債権者に信頼のある方がおれば、そういう方を社長にして続けるのが一番多かったように思います。本当に少数ですけれども、職員の中で信望のある人、部長とか、そういう人が事業経営の責任者になって再建したケースもございます。
ここで言う従前の経営者による事業経営ということは、さっきのモラルハザードの問題もありますし、実際には社長なんかはすぐ首になっちゃうのですが、従前の経営者による事業経営というのは、要するに、責任者による経営という趣旨ではございませんね、経営を担っておった人たちが引き続き経営していくというふうに理解してよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/79
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080・山本有二
○山本(有)政務次官 いわば従前の経営者という中に、個人の場合であれば申請する個人自体になるでしょうが、個人事業者という場合においては、信頼に足る事業経営に参加している者も含まれると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/80
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081・杉浦正健
○杉浦委員 個人営業の場合だってもちろんあるわけですが、失念しておりました。それは、個人の場合には信用がなければ続きませんからね。
裁判所によって監督命令、管理命令が発せられることになっておりますが、これらはどういうような場合に発せられるものとお考えになっているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/81
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082・山本有二
○山本(有)政務次官 再生手続におきましては、原則として、手続開始後も、再生債務者自身が業務遂行や財産の管理処分の権限を保持しております。しかし、その業務遂行等の適正を確保するため、裁判所による直接の監督のほかに、より日常的にきめ細かい監督を行うことが必要となる事案につきましては、裁判所は、再生債務者の行う一定の法律行為等につき同意権限を有する監督委員を選任する旨の監督命令を発することになります。
具体的に、どのような事案において監督委員を選任するかは実務の運用にゆだねられることになりますが、一般論として言えば、一つは、再生債務者がごく小規模の企業であって特別の事情のない場合には、監督委員を選任しなくても、現経営者が申立代理人の助言を受けながら裁判所による直接の監督を受けて手続を遂行することも可能であります。二つ目には、中規模以上の企業である場合には、監督委員が選任されることが多くなるものと考えております。
次に、再生手続におきましては、管理命令が発せられるのは、財産の管理処分が失当である場合や、再生債務者の事業の再生のために特に必要がある場合に限られております。その要件を充足する例といたしましては、経営者が放漫経営を続けていたり、経営者の経営能力が不十分であるために再生債権者の多数が経営者の交代を希望している場合や、または経営者が再生手続係属中に重大な職務上の不正行為をした場合などが考えられております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/82
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083・杉浦正健
○杉浦委員 次に、新たに導入された担保権消滅の制度についてお伺いします。
これも、例外的といいますか、担保権が消滅するにはお金が要りますから、新しい有力な協力企業が生まれたとか、そういうような場合に限られると思うのですけれども、この制度を導入した理由、その制度とはどういうものか、御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/83
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084・山本有二
○山本(有)政務次官 再生手続におきましては、特別の先取特権、質権、抵当権及び商事留置権を有する者に別除権を与え、別除権者は、再生手続による制約を受けないで自由に担保権を行使することができるものとしております。しかしながら、担保権の実行について何ら制約しないものとすれば、再生債務者の事業の継続に欠くことのできない財産について担保権が実行されることにより、事実上事業の継続が不可能となるおそれがございます。
そこで、利害関係人間の公平を図りつつ、再生債務者の事業継続に欠くことのできない財産を確保するため、担保権者に対して目的財産の価額に相当する満足を与えることにより、当該財産の上に存するすべての担保権を消滅させる制度を創設したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/84
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085・杉浦正健
○杉浦委員 これも先ほどの包括禁止命令と同様に相当強力な権限を持った制度でありますので、それが乱用されたり悪用されたりするおそれはないのかという点も法制審等で議論されたと思いますが、その点についての御見解はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/85
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086・山本有二
○山本(有)政務次官 担保権消滅制度におきましては、再生債務者の事業の継続に不可欠な財産であることを裁判所が認定した上で、担保権消滅の許可を与え、再生債務者等が当該財産の価額に相当する金銭を現実に裁判所に一括納付して、初めて担保権が消滅することとしております。
また、担保権者が財産の価額について不服がある場合には、裁判所が評価人による評価に基づき公正な価額を決定することとしております。
したがいまして、担保権消滅制度が乱用または悪用されて、担保権者の利益が不当に害されるおそれはないものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/86
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087・杉浦正健
○杉浦委員 次に、再生計画案について伺いますが、再生計画もこれは千差万別だと思うのですが、どのような内容のもので、どの程度の債権者の賛成が得られたときに可決されるのか、御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/87
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088・山本有二
○山本(有)政務次官 再生計画は、再生債務者と再生債権者との権利を適切に調整して、再生債務者の経済的再生を図るために定められるものでございます。
その内容といたしましては、再生債権者の権利についてどのように減免その他の変更をするかを定めることが最低限必要でございます。また、計画全体の履行可能性を明らかにする等の観点から、再生手続によらないで随時弁済する共益債権と一般優先債権とについて、どのように弁済することを予定しているか等をも定めるものとされております。
次に、可決要件についてでございますが、現行の和議手続及び破産法上の強制和議におきましては、和議条件の可決のためには、出席債権者の過半数であって、議決権の総額の四分の三以上の同意を要するものとされております。これに対しまして、再生手続におきましては、出席債権者の過半数であって、議決権者の議決権の総額の二分の一以上の同意を要するなどとして、要件を緩和しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/88
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089・杉浦正健
○杉浦委員 和議の場合には和議条件が履行されない場合が多いということで評判がよくなかったわけでありますが、この計画の場合、裁判所が認可した再生計画を債務者が履行しない場合はどうなるのか、御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/89
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090・山本有二
○山本(有)政務次官 再生手続は、再生債権者の権利について減免その他の変更をすることにより、再生債務者が変更後の債務を弁済しつつ経済的再生を図るものですから、その変更後の債務すら履行できない場合には、もはや再生債務者の再生を期待することができないものと考えられます。そこで、再生債務者が再生計画の履行を怠った場合には、再生債権者は再生計画の取り消しを求めることができるとしております。
もっとも、再生計画の履行をわずかでも怠れば直ちに再生計画全体が取り消されるものとしてまいりますと、かえって再生債権者の一般的利益に反する場合もあり得ると考えられます。そこで、再生計画の取り消しの申し立てをすることができる再生債権者は、一定額以上の再生債権を有する者に限定することとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/90
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091・杉浦正健
○杉浦委員 以上で予定した質問は終わりますが、最後に、立派な法案を法務省当局が非常に短期間に仕上げて提出されたことに敬意を表する次第であります。
経過についてお触れになっておりませんでしたが、金融危機のさなかのころ、金融再生トータルプランというのを我が党で本部をつくって検討に入った中に、この項目があったわけであります。
当時、法務省は、これは法制審議会にかけなきゃいかぬ、立案をして法制審にかけて、結論が出るのに三年ぐらいかかるというようなことを当初言っておられまして、そんなに時間がかかったのではこの緊急事態に間に合わないということで、太田先生お見えになりませんが、太田先生などが、では法制審抜きで議員立法でやろうかというような御主張も、太田先生に限らず強くあったわけであります。
そういう状況下で、法務省の方も法制審議会の方も、できるだけ早くこれを世に問うということで、あれは一年かからなかったと思いますが、審議をして、法制審を通して出してこられたということでございます。私の友人の倒産法制に詳しいベテランの人たちもこの倒産法部会の審議に参加されまして、十分に意見を言い、そしてそれが全部取り入れられて、実務を担当している者からしても満足すべき内容の法案だと彼らもおっしゃっているところでございます。
現下の事態が、一番最初政務次官が申されたとおりの厳しい経済状況でございますので、一刻も早くこの法案を世に送りまして、窮境にありながら再生の可能性のある中小企業、個人事業者にとって、この制度を利用して立ち上がって再生する方向で、この法律が有効な役割を果たすことを大いに期待しておるわけでございます。
以上、所見の一端を申し述べまして、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/91
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092・武部勤
○武部委員長 理事の辞任についてお諮りいたします。
理事太田誠一君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/92
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093・武部勤
○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/93
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094・武部勤
○武部委員長 御異議なしと認めます。
それでは、理事に笹川堯君を指名いたします。
次回は、来る二十四日水曜日午後零時五十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時二十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114605206X00719991119/94
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