1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
平成十一年十一月二十五日(木曜日)
午後一時四十八分開議
━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第八号
平成十一年十一月二十五日
午後一時四十分開議
第一 国務大臣の演説に関する件
第二 中小企業基本法等の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
議事日程のとおり
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114615254X00819991125/0
-
001・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
日程第一 国務大臣の演説に関する件
大蔵大臣から財政について発言を求められております。これより発言を許します。宮澤大蔵大臣。
〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114615254X00819991125/1
-
002・宮澤喜一
○国務大臣(宮澤喜一君) 今般、さきに決定されました経済新生対策を受けて、平成十一年度補正予算を提出することになりました。その御審議をお願い申し上げるに当たりまして、当面の財政金融政策の基本的考え方について所信を申し上げますとともに、補正予算の大要について御説明いたします。
まず、最近の経済情勢と、さきに決定されました経済新生対策について申し上げます。
我が国経済の現状を概観いたしますと、各種の政策効果の浸透に加え、アジア経済の回復などの影響もあって、緩やかな改善が続いており、景気は最悪期を脱出しているものと思われます。しかしながら、所得が低迷し、殊に企業のリストラが雇用に与える影響等を考えますと、消費が持続的に回復する状況には至っておらず、また、企業の設備投資につきましても、在庫水準の低下は見られるものの、遊休過剰設備の処理が十分に進まない中で、積極的な投資が見られるまでにはまだ時間を要すると思われるなど、経済の自律的回復のかぎを握る民需の動向は依然として弱い状況であります。
政府は、このような状況のもと、公需から民需への円滑なバトンタッチを行い、民需中心の本格的な景気回復を目指すとともに、二十一世紀の新たな発展基盤を確立するため、総事業規模約十七兆円、さらに介護対策を含めれば十八兆円程度の経済新生対策を決定いたしました。
本対策におきましては、まず、経済の自律的回復に向けて民間部門のダイナミズムの発揮を促すことが重要であるとの認識のもと、多様で活力のある中小企業、ベンチャー企業の振興や、ミレニアム・プロジェクト等の戦略的、重点的な技術開発、成長分野や事業活動の基盤に係る規制緩和、制度改革等に取り組むほか、雇用の創出・安定に資する雇用対策の実施により、雇用不安の払拭を図ることとしております。
また、二十一世紀の新たな発展基盤を築き、未来に向け経済を新生させるとの基本的考え方に立ち、生活基盤、基幹的なネットワークインフラ等を戦略的、重点的に整備するとともに、地域経済の動向にも十分配慮しつつ、地域の活性化に役立つ社会資本整備や災害対策を推進することとしております。
金融につきましては、日本銀行において、金融・為替市場の動向にも留意して適切かつ機動的な金融政策の運営が行われているところであります。政府としても、これまで景気の回復基盤を固めるため、金融機関に対して資本増強を行うことなどにより金融システム安定化策を講じてまいりました。また、中小中堅企業等の資金需要に的確にこたえ得るよう、政府系金融機関の融資等の資金量を確保するとともに、信用保証制度を強化して信用収縮や貸し渋りの防止に努めてまいりました。
今回の対策におきましても、こうした取り組みを一層進めるとともに、証券市場の改革や不動産の証券化を初めとする資産の流動化、住宅投資の促進を図るための住宅金融対策等の諸施策を実施することとしております。
税制につきましては、中小企業、ベンチャー企業の支援、民間投資の促進といった観点から、真に有効かつ適切な措置について検討を行い、結論を得ることとしております。
なお、財政構造改革につきましては、我が国経済が本格的な回復軌道に乗った段階において、二十一世紀の我が国経済社会のあるべき姿を展望し、根本的な視点に立って必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
次に、今般提出いたしました平成十一年度補正予算の大要について御説明いたします。
平成十一年度補正予算については、歳出面において、経済新生対策関連として社会資本整備費三兆五千億円、中小企業等金融対策費七千七百三十三億円、住宅金融対策費二千一億円、雇用対策費千九百十七億円、金融システム安定化対策費九千二百七十九億円を計上するとともに、介護対策費九千百十億円を計上することとしております。
このほか、義務的経費の追加等、特に緊要となったやむを得ない事項等について措置するとともに、既定経費の節減等を行うこととしております。
他方、歳入面におきましては、租税等について最近までの収入実績等を勘案して一兆四千四百十億円の減収を見込むとともに、前年度の決算上の純剰余金の残額五千八百四十九億円を計上し、その他収入の増加を見込んでもなお不足する歳入について、やむを得ざる措置として七兆五千六百六十億円の公債の追加発行を行うこととしております。
なお、追加発行する公債のうち、三兆八千二百六十億円が建設公債、三兆七千四百億円が特例公債となっております。
今回の措置により、平成十一年度の公債発行額は三十八兆六千百六十億円となり、公債依存度は四三・四%となります。
これらの結果、平成十一年度一般会計第二次補正後予算の総額は、第一次補正後予算に対し歳入歳出とも六兆七千八百九十億円増加し、八十九兆百八十九億円となります。
以上の一般会計補正等に関連して、特別会計予算及び政府関係機関予算についても所要の補正を行うこととしております。
財政投融資計画につきましては、経済新生対策を実施するため、この補正予算において、日本政策投資銀行、日本道路公団等十三機関に対し、総額三千三百十五億円を追加することとしております。
以上、平成十一年度補正予算の大要について御説明いたしました。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114615254X00819991125/2
-
003・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) ただいまの演説に対する質疑は後日に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114615254X00819991125/3
-
004・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114615254X00819991125/4
-
005・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 日程第二 中小企業基本法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。中小企業対策特別委員長陣内孝雄君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔陣内孝雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114615254X00819991125/5
-
006・陣内孝雄
○陣内孝雄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、中小企業対策特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、近年の我が国における中小企業をめぐる経済情勢の変化にかんがみ、中小企業に関する施策の総合的な推進を図るため、中小企業基本法を改正し、基本理念、基本方針等の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、施策の対象となる中小企業者の範囲を拡大するために、関係の三十二法律の規定を改正しようとするものであります。
委員会におきましては、内閣総理大臣の出席を求め、また、参考人から意見を聴取するとともに、二十一世紀に向けての産業構造のあり方、政府によるこれまでの中小企業施策の評価、中小企業の定義改正の妥当性、小規模企業対策の充実等につきまして熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本共産党の池田理事より反対する旨の意見が述べられました。
次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対して十項目の附帯決議を行いました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114615254X00819991125/6
-
007・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114615254X00819991125/7
-
008・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114615254X00819991125/8
-
009・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十六
賛成 二百十四
反対 二十二
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114615254X00819991125/9
-
010・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 本日はこれにて散会いたします。
午後二時一分散会
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114615254X00819991125/10
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。