1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成二十年四月十日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
四月九日
辞任 補欠選任
武内 則男君 植松恵美子君
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出席者は左のとおり。
委員長 高嶋 良充君
理 事
加藤 敏幸君
那谷屋正義君
内藤 正光君
河合 常則君
末松 信介君
委 員
植松恵美子君
梅村 聡君
加賀谷 健君
行田 邦子君
榛葉賀津也君
外山 斎君
長谷川憲正君
吉川 沙織君
礒崎 陽輔君
岸 信夫君
世耕 弘成君
二之湯 智君
溝手 顕正君
吉村剛太郎君
魚住裕一郎君
弘友 和夫君
山下 芳生君
又市 征治君
国務大臣
総務大臣 増田 寛也君
事務局側
常任委員会専門
員 高山 達郎君
政府参考人
総務省自治財政
局長 久保 信保君
総務省自治税務
局長 河野 栄君
国土交通大臣官
房審議官 菊川 滋君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
、衆議院送付)
○地方法人特別税等に関する暫定措置法案(内閣
提出、衆議院送付)
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/0
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001・高嶋良充
○委員長(高嶋良充君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、武内則男君が委員を辞任され、その補欠として植松恵美子君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/1
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002・高嶋良充
○委員長(高嶋良充君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
地方税法等の一部を改正する法律案外二案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省自治財政局長久保信保君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/2
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003・高嶋良充
○委員長(高嶋良充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/3
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004・高嶋良充
○委員長(高嶋良充君) 地方税法等の一部を改正する法律案、地方法人特別税等に関する暫定措置法案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/4
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005・那谷屋正義
○那谷屋正義君 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の那谷屋正義でございます。
今日は、まず、地方財政の確立というのが今大変重要になってきている、特に地方の格差が広がっている中でこのことを確立していくことが大事であるという、こうした共通の課題はあろうかというふうに思うんでありますけれども、そんな中で、大臣に少しこの認識というものについて確認をさせていただきながら質問をさせていただきたいと、このように思っているところであります。
大臣もよく御存じのことだろうと思いますし、また前回のこの委員会での話合いの中にもありましたけれども、地方分権改革を推進しなければならないという国民意思が明確に示されたのは、一九九三年に国会が地方分権の推進に関する決議をしたことにさかのぼるわけであります。この決議は、目的をゆとりと豊かさを実感できる社会を築くことにあるとうたっているわけであります。生活重視となれば生活に身近な自治体の役割へ期待が高まるのは当然であり、そのためにも分権の推進は不可欠という決意の表明でもあったというふうに認識しております。
分権の推進とは、遠い中央政府から身近な政府である自治体への参加民主主義に基づく政策体系へと切り替えていくシナリオとも言えます。具体的には、育児、介護、医療や教育など、そうしたことを重視することによって、住民の安心、安全の生活を保障していくことを指すわけであります。
こうしたサービスは、地域社会で営まれている生活に密着して供給される必要があるために、その任務は自治体が行うべきであるというふうな結論になってくると。この流れを一定の今度ファイナンスの面で読み替えれば、税金や料金等にかかわる住民の最適負担が前提になるものの、地方分権にはそれ相当の費用がまた必要になってくるということであります。
この問題については大臣にも共有していただけるのではないかというふうに思っております。時間の関係でここは質問にしませんので、共有していただけるというふうに御理解したいと思います。
そうした中で、地方財政悪化と国の責任論についてちょっと触れてみたいと思います。
去る二月二十二日、衆議院でのこの総務委員会で委員の方が質問されたときに大臣が、今の地方財政の悪化について、国も重く受け止めなければいけないと思いますが、一方で地方団体の方も、やはり最終的には首長と議会の判断でこうした事業を行う等のことを行ってきたわけでありますので、よくそういった行動を見直してというふうな形で、いわゆる応分の責任は地方にもあるというふうな御指摘をされたところであります。
形式論で言えば大臣の答弁にも瑕疵がないというふうにも言えるかと思いますが、しかし世の中は形式論だけではやっぱり動いていかない。
そういう意味で、何というんですか、今まで知事をされていた大臣が今度は総務大臣になられたということで少し考え方が変わったとなるとこれは非常に大変残念なことだというふうにも思いますけれども、この大臣が言い出した論理は、地方財政にとっては負の作用しか及ぼしてこなかった経済財政諮問会議の陰の主宰者とも目されていたあの竹中氏ですら総務大臣時代にはさすがにこういった指摘はされてこなかったわけであります。今日時点でも大臣のおっしゃる地方の責任論というものについて適切とお思いかどうか、まずお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/5
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006・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) お答えを申し上げます。
まず、今の財政悪化の状況について、私、三点申し上げたんですが、一つは景気対策、それから二つ目が地方税収の落ち込み、それから三点目が社会保障費が増えると、こういったことを申し上げたんですが、特にその一点目の景気対策でありますけれども、これは国と地方が一定の協力関係で一体となってやるということで、今振り返ってみますと、当時の名前は自治省でありましたけれども、自治省からもそうした国から地方への協力要請ということが行われて、それを受けて国、地方一体となって行うと、こういうことであったわけであります。
そういう流れの中で、やはり私は、マクロベースでの経済運営というのはこれは国の責任でありますから、これは国がやられたと。一方で、個々の団体の財政運営というのはやはり地方団体が責任持ってやらなければいけない、議会にも説明してやらなければいけないということなんで、全く一方的に地方に責任ないということも言えないわけでありますし、現実にいろいろな判断で地方団体が多くやったところ、それから抑制的にやったところ等のこともございます。
したがって、私は、今引用された衆議院での私の答弁でございますけれども、決して地方の側に一方的な責任があるということで言ったんではなくて、国と地方が一体となって景気対策取り組んだと、そういうことでありますので、そのことも踏まえて申し上げたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/6
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007・那谷屋正義
○那谷屋正義君 どちらに責任があるというか、責任のなすり合いでは事は解決していかないというのは私も重々承知しております。これはもう両者共にやはり努力していくという、先ほどの形式論で言えばそういったことが言えるんだろうというふうに思うんですけれども、ただ、やはりその大本が国の様々な施策に影響されているということから言うならば、地方の方が、いや、国もこんな施策をしたけれども、地方には地方のやっぱり責任があったなという自覚を持って今の状況に立ち向かっていくということはあったとしても、国の方から、いや、地方にも応分の責任があるんだという物の言い方をするということでは、これは全然違うんだろうと思うんですね。やっぱり国は国として何をしなければならない、こういうふうなことをしてきたから地方に対してこういうことをしていかなきゃいけないという、そういう姿勢を見せてこそ初めて、それこそ地方に活力が出てくるんではないかと、こんなふうに思うわけであります。
その一つ一つをちょっとひもといていきたいと思いますが、まず一九九四年から九九年までの特別減税、引き続いての恒久的減税、いわゆる〇六年まで続いた定率減税であります。これはもちろん国民にとっては大変景気的あるいは経済的な効果はあったというふうに私も理解しておりますが、しかし地方財政というふうなことで言うならば、いわゆる個人住民税にかかわる減収規模が六兆円であったということであります。そして、これらはすべて国主導の減税政策に地方が付き合わされたと、まあ言葉は悪いですけれども、そういうふうになるわけであります。内閣が提案し、国会が可決した法改正によるものであり、この責任を地方が負うべき理由はちょっと考えられないというのが普通の常識ではないかというふうに思います。したがって、地方に責任があるとすれば公共投資の追加等に絞られることになるかなと。
ところで、大臣が持ち出す地方の責任論というのは、国は方針を出しただけで、地方が自主判断で公共事業等を実施したかのような、そんなふうにも聞こえる部分がございます。総事業規模で約三十兆円にも達した一九九三年度の経済対策を取り上げてその論理の破綻をちょっと指摘をさせていただきたいと思いますが、九三年度というのは、第一次分権改革によって機関委任事務の廃止等を内容とする地方分権一括法が施行される二〇〇〇年四月より前であるということから、総務省、当時の旧自治省の地方公共団体に対する指示の仕方がこれは驚くほどストレートな形になっています。
例えば、地方税法や地方交付税法等の改正案が成立した後に、これは各都道府県知事に対して事務次官名で出される、何というんですか、通知といいますか、その内容を見ると、積極的に推進すること、その推進を図ること、その活用を図ることなどという言葉が随所にちりばめられております。その実施、促進に躍起となっていることがまさにリアルに伝わってくるわけであります。
無用な箱物行政を助長した地域総合整備事業債にとどまらず、臨時地方道路整備事業債や公共用地の先行取得など、その後地方公共団体の財政運営に対して批判が集まる施策のほとんどはこの時期に政府によって用意されたものである。事業量の大幅拡充や事業債の大幅増額というようなインセンティブも当然のこととして盛り込んだ上での話でありますけれども、国の考えとは関係なく自主的、自立的に行われたものでないことはこういう意味でも明らかではないかというふうに思いますが、今私が整理をしているこの論点というのは違っているのかどうか、もう一度大臣にお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/7
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008・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) 今、一九九三年、平成五年ですね、この当時の自治省の通知などの引用もございました。ちょうどその時期から景気対策が大変大きく行われた時期であります。私が知事に就任いたしましたのはその二年後、平成七年でございまして、そういったことをやはり地方財政運営する上で、いろいろ当時の総務部財政課の人間からも聞いておりました。
やはり、国から地方団体、都道府県に対して、いろいろこういうものを用意した、交付税措置のあるそういった地方債をいろいろ用意したから、それを使って地方単独事業も是非活発にやってほしいといったような強い要請があったと。受け止め方は、私も知事をして相当各団体も重くそれを受け止めていたのは事実でありますから、したがって、そういったことで公共投資の拡大、それからその間に行われた地方債の発行が今日の地方財政の悪化の大きな要因となっていると、これはもう私はやはり否定できない事実であろうと。そういう意味で、先ほど言いましたマクロベースの経済財政運営について国に責任があるということは私も申し上げたとおりでありますし、そうしたことを国としても重く受け止めなければいけないというふうに思っております。
あわせて、どうしても申し上げなければいけないのは、やはりそれを自治体の方でも受けた上で、議会に十分に説明して、きちんとその上でやらなければ地方自治というのは死んでしまうわけでございますので、それを受けてそれぞれの団体が判断をしてそれぞれの公共事業の量などを決めていったわけでございますので、その点についてやはり自治体の受け止め方というのは大変重要な要素でありますし、それから、そういったことについて私は一方的に自治体に責任を押し付けることで申し上げているわけでも決してありません。冒頭申し上げましたように九三年の通知というものがあったわけでございまして、そのことも併せて申し上げているわけでございます。これがやはり今の財政に深く影響を及ぼしているんだろうというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/8
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009・那谷屋正義
○那谷屋正義君 マクロ的な国の責任ということで、大分感じが変わってきた回答をいただいているなというふうに思ってはおるんですが、資料を用意させていただいた手前、もう少しそこのところを追及させていただきたいと思いますが、基準財政需要額、これは言うまでもなく国が認めた標準的な行政を合理的水準で実施するための必要費用であるということでありますけれども、それに対して、税収等の基準財政収入額では不足する部分を補てんするのが地方交付税であるという、これは言うまでもない話でありますけれども。
そこで、九六年度、お手元に配らせていただきました資料を御覧いただきたいと思いますけれども、九六年というと一番左側であります。〇七年度が一番右になっていますけれども、九六年度と〇七年度の基準財政需要額を比較してみますと、九六年度の方は四十三兆円、この上の四角、黒い四角の折れ線グラフになっています。これ約四十三兆円であります。〇七年度は約四十五兆円ということで、ほぼ横ばいになっているということであります。
それに対して、この基準財政需要額に占める地方債の元利償還費はどのように推移しているかというと、地方債の元利償還金を基準財政需要額に算入する方法としては三通りあるわけでありますけれども、一つは公債費という単位費用を設けて算入する方法と、事業費補正による算入、それを算入する方法と、それからもう一つ、関係する単位費用の中に算入する方法と、この三種類に分けられるんだろうと思うんですが、この関係する単位費用の中に算入する方法というのはちょっと算出するのに困難でありますので、これを除いた形で、いわゆる公債費、そして事業費補正による算入ということで試算した結果、そこのグラフのようになってございます。
白い縦の、ダイヤというんですかね、その折れ線グラフでございますけれども、この元利償還費は九六年度が約四兆円、〇七年度は八兆円と二倍になっている。そして、基準財政需要額に占める割合も、これはその上の四角のところに出ています、これはバツと点々の折れ線グラフになっていますけれども、九六年度が九%強であったものから〇七年度には一八%へと膨らんでいるわけであります。実際はこのほかに今申し上げました関係する単位費用に溶け込んでいる分もあって、それを足せば基準財政需要額に占める公債費の割合は更に増すことになるわけであります。
したがって、増大する社会保障費等の財政需要を基準財政需要額に十分反映させた場合には、基準財政需要額全体が非常に大きな伸びになるはずでありますけれども、ところがそうなっておらず、肥大化する地方元利償還費は考慮されながらも、他の費目が圧迫されていると考えざるを得ないわけであります。
そして、この間の地方交付税額について見ると、九六年度約十六兆円、そして〇七年度は十八兆円、十六・八兆円が九六年、それから〇七年が十七・八兆円ということで、一兆円分、これは率に直して六%しか増加をしていないと。
これらをすべて併せ考えると、地方交付税の中で地方債の償還に充当する部分が大変拡大している、その一方で、それに反比例する形で暮らしに直結する政策的投資等に充当できる、いわゆる、前にも私お話しさせていただきましたが、真水に値する部分が減少するなど、地方財政の自由度が奪われ、財政硬直化が進んでいることが分かるんではないかというふうに思います。まさにこの国の政策誘導のミスが地方財政を危機的状況に陥らせたということであります。
これらの事実を直視したときに、増田大臣、もう一度、地方の責任論についてもう一歩踏み込んだお考えをいただけると有り難いなと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/9
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010・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) 地方債の元利償還金のうち、確かにいわゆる事業費補正の分とそれから公債費方式などによる分がこういうふうにグラフで書かれているわけでございますが、これについては、当然のことながら地方債の元利償還金に対する交付税措置の内容というのは法令で決められていますので、過去こういう形で増えてきたものに対して交付税の中できちんと措置はしているわけでございます。
一方で、交付税総額についてはいろいろと厳しい抑制傾向というのが続いてきたわけですが、これは国全体で、地方財政のみならず国全体の財政が非常に悪化して、そして長期の債務残高も累増する中でこれを何とかしなければいけないということがありまして、またその中で地方歳出についても、公共事業費などがその典型でありますけれども、そのほか経常経費についても厳しくやはり歳出を抑制しなければいけないんではないか。これは一方では、国も当然そうしたことの見直しを相当行ってきたわけでありますが、そういう全体としての財布をもう一度見直しをするということで地方歳出の見直しにも取り組んだ結果でもございます。
ですから、当時、大変債務残高が累増すると。今、地方債の方もやっと、地方の借金も二百兆から百九十七兆ぐらいまで少し減りましたけれども、歳出抑制に取り組んだということであるわけですが、そうしたことは一方では取り組まざるを得なかったということでございます。
今回、交付税等は今年度予算で増額の措置をとっているわけでございますが、やはり国民の目線に立って無駄は省くということで歳出抑制は今後も必要なところは続けていかなければならないと思いますが、一方で、地方の必要な経費というものも当然あるわけでございますので、それについて一般財源総額の確保はきちんとやらせていただかなければならない。
いずれにしても、過去のいろいろな国の政策、それから国一体で行われてきた景気対策、経緯も含めて十分認識をしながら今後の地方財政のハンドリングはしていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/10
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011・那谷屋正義
○那谷屋正義君 今の資料で、今質問させていただいた内容をもう少し分かりやすくなっている話が実はございまして、これを見ていただくと、〇三年から〇四年のところで地方交付税が二・九兆円、〇三年が二十三兆、約二十四兆円だったわけですけれども〇四年では二十一兆円と、約三兆円削減された、いわゆる地財ショックでありますけれども、この段階の中で、当時鳥取県の知事をされていた片山知事、今教授でいらっしゃいますけれども、この方が一種のだまし討ちに遭ったと切って捨てた有名な話がございます。この委員会でも出たかもしれませんけれども。
彼が言うには、九〇年代の累次の経済対策で政府は、地方公共団体がやる場合に、借金分も後で交付税で面倒見てあげるから、どんどん事業量を積み増ししなさいよということがあった。また、それとは別に、単独事業もどんどんやりなさい、やらないところは政府はしりをたたいて督促してきた、それも借金でやっておきなさい、後で交付税で面倒見てあげますよということだったと。このツケが回る形で多くの自治体が借金返済のピークを迎えることになったということは、過去の約束に基づいて交付税が増えなければいけない。つまり、自治体独自で使えるお金にプラスその借金分の交付税が加算されていくべき本来の姿がそうなっていないということであります。
このことは、例えて、残業をどんどんやりなさい、残業をやったら残業手当は満額出してあげますと言っておいて、一生懸命残業していざ給料をもらったらば、残業する前より手取りが減っていた。何で減っているのかと聞いたらば、残業手当は満額出してあげたけれども基本給の方を随分減らしていただいたと。これで納得するかどうかということであります、実は交付税というのは今そういう状態なのです、これは幾ら何でも理屈に合わないので、やはり政府は過去約束したことはちゃんと守るべきだと。
言葉の魔術師とも言える片山氏がこのように言われているわけで、大変分かりやすいというふうに思います。今のグラフとそして今のお話とでまさにそのとおりだろうというふうに思うわけであります。
片山氏が知事時代に味わった大変悔しい思いというものは、実は大臣の知事時代の思いと相通ずるところがあるんではないかというふうに思うわけであります。当時を思い起こしてこの片山説に対する率直な感想というふうなものをお聞きしたいんですが、時間がどんどん進んでおりますので、ここは割愛をさせていただきます。
しかし、ここで、地方分権の総元締でもある大臣であります。経済対策で積み上がった借金について、地方にも応分の責任があると言われて、今日いろいろとまた新たな見解をいただきましたけれども、もっと大胆にその責任というものについてもう少し考え方を変えていくということが本当は今重要ではないかというふうに思うわけであります。
公共投資を実施するために発行した地方債は、当時は許可制でありました。国の許可に基づいて発行されていたことであります。この事実からして、地方が大きな投資的事業を行った原因が国と地方の双方にあるとする部分についてはやはりまだまだ私にとっては疑義が晴れないところであります。
いずれにしても、形式論の域にとどまっていてはやはりいけないわけで、今総務大臣に求められる職責とは、地方財政困窮の主因が国にあることを明確にして地方財政の再建に向け国としての責任を果たしていくことにあるんだというふうに思いますけれども、決意をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/11
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012・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) 地方財政が厳しい状況に置かれている、そしてそのことを一刻も早く改善をしていかなければならない、そしてそういった健全な地方財政に持っていくことは国の責任として、総務省が中心になって政府の中でも十分な役割を果たしていかなければならないと。私はその点は深く肝に銘じてやっていかなければならないというふうに思っております。
いろいろ御議論があると思いますが、今年度、一般財源総額、そして交付税総額も久方ぶりに増額をいたしました。増額の幅についていろいろ御議論あろうかと思いますが、やはりこれまでの地方財政の経過というものを踏まえてこういうふうにしていかなければならないと固く決意したものでございます。
今いろいろ先生の方から御指摘もいただいたわけでございますが、いずれにしても、やはり地方の住民の多くの思いにこたえていくというのが地方財政でありますし、それがきちんと健全化の方向になるようにしていくのが私の責務でございますので、今後も固い決意でそうした思いにこたえていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/12
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013・那谷屋正義
○那谷屋正義君 今、固い決意を聞かせていただきました。本当に大臣がその決意をしっかりと遂行されようということであるならば、恐らくここにいる委員全員が大臣の応援団になっていくというふうに思いますので、相手はもう分かっておりますけれども言いませんが、是非頑張っていただきたいというふうに思います。
それでは、地方法人特別税についてお尋ねいたします。
この部分については本会議の代表質問でも質問をさせていただいて、撤回を求めたわけでありますけれども、またおとといの委員会のときにも質問が出ましたけれども、そのときに大臣は、形式上は国税としておりますが、その税収の全額を地方に譲与するとともに、賦課徴収も都道府県が行うなど、実質的に地方の税源と考えられるもの、したがって、今回の措置は税源を地方から国へと逆に移譲するものではないし、地方分権に反するものではないと、こんなふうに言い切られたわけであります。大臣がおっしゃられたかったことは、地方法人特別税が徴収主体が地方にあること、その全額が地方に譲与されるという二点から、実質的に地方の税源であるというふうに言われているんだろうということだと思います。
しかし、一つ目の徴収主体の決定は実務的、便宜的な問題にすぎないわけでありまして、法人事業税がおよそ半減されたとはいえ存続していることから、納税企業の便宜を図るという観点から徴収は地方としたのではないかというふうにも見えるわけであります。徴収を地方が行うことは実務的、合理的な判断の結果ではないかと、このように思うところであります。
次に、全額地方に譲与されたとしても、その配分方法は国が決定しているわけであります。都道府県の税収が市町村に配分されていることからも、個々の地方自治体の権利を制限したものであることに変わらないではないかというふうに思います。
それから三番目に、現在実施されている超過課税の一部が実質的には取り消されることになり、地方のいわゆる自主財政権という権利があるというふうにすれば、自主財政権を制限、侵害するものになるのではないかという新たな疑問が出てくるところであります。
そうした中で、国の責任で行うべき財政調整を地方の課税権を制限した上で国が利用したというふうなことは、今回明らかになっているんではないかというふうに思います。自主財政権は地方分権の根幹となる点を踏まえれば、やはりこの地方法人特別税は地方分権に明確に反するという結論に達するのでありますけれども、見解をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/13
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014・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) まず、今回の地方法人特別税でありますが、議論の前提として、地方の税体系でありますけれども、それ自身は、安定性があってそして偏在性の小さい形で構成されなければいけないと、こういう思いがございます。それを大前提として今回の地方税改正に臨んだわけでありますが、そのためには、端的に言いますと、消費税を充実させることが一番いいなというふうに思っておりましたけれども、なかなか消費税に触れる議論が税制の抜本改革時でないと政府全体として難しいという判断があって、そして今回の地方法人特別税を暫定的に仕組むと、こういうことにいたしたわけであります。
確かに賦課徴収の方法について、今委員の方からお話がございましたとおり、これは便宜的に、法人事業税は残るから企業の便宜を考えてのことだろうというお話、そういうことではないのかというお話がございましたんですが、決してそういうことではなくて、総務省の設置法も改正して、この地方法人特別税の企画立案は全部総務省の所掌事務ということで、決して他省、財務省などの所掌事務でないように形でもしておりますし、それから、今回の税制改正の全体の中での位置付けというのは、やはり基本方向は、今後、地方税改革の方向として、閣議決定までして地方消費税を充実強化、そして安定性のありそして偏在性の少ない税体系を構築していくということを別途政府全体の意思決定としてしているわけでございますので、その方向はきちんと確認できているというふうに思っております。
したがいまして、もちろん、国税ではないかという反論は常に御指摘をいただいているわけですけれども、考え方全体を御判断いただければ、これは実質的にも地方の税源であって分権には反しないというふうに思っているわけでございますが、やはり私としては、税の抜本改革、その時期が来ましたときに、これも近々にと前回も申し上げましたんですけれども、そういう時期が来るんだろうというふうに思っておりますが、そのときにもう一度確認されている基本方向の実現を図るということでその御指摘におこたえをいたしたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/14
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015・那谷屋正義
○那谷屋正義君 そういうふうなお話なんですが、これもこの間からの議論にありますように、暫定的にということがいつまでをいうのかということで、まだここにいらっしゃる方が生まれる前から暫定的になっているものがいまだにまだ議論をされる状況になっているということもあります。
よく大臣も御存じのてんまつをたどることになるんですけれども、地方分権推進会議というのがあって、その水口試案というところで地方共同税というものが提案された、このことを決して忘れてはいけないんではないかというふうに思います。地方団体間の水平的財政調整制度を導入しようとするこの試案は、国の財政再建を優先しようとする多数派によって、三位一体の改革についての意見として強引に取りまとめられたわけであります。ただし、意見書に付された十一人の委員名簿には、本意見に反対したとの委員が四人いらっしゃって、一人が賛成を留保する形になったということで、この政府の審議会での意見書の取りまとめにこうした空中分解が生じるという前代未聞の事態を生むほどの、こうした根本的な理念、哲学の相克を先鋭化させる性格を帯びたものにならざるを得ないわけであります。
今回の地方特別法人税及び地方法人特別譲与税は、地方共同税と中身は異なるものであり、また総務省が力説するとおり財務省の関与は限定的なものにとどまるかもしれません。しかし、国の財政責任を不問に付すに等しい地方団体間での水平的財政調整が図られたために、これまでに取り組まれてきた分権改革の大義とは全く方向性を異にする決着が図られたということも事実ではないかというふうに思うわけであります。
地方税を国税化して再配分するような手法を安易に、今回が仮にうまくいったとしても、安易に容認していけば地方の自主財政権を切り崩す、そういう、何というかな、風穴というふうなものになってしまう。そういう意味で、将来に禍根を残すことになるんではないかというふうに思うわけであります。
何より総務省はこれまで交付税率の引上げを主張してきたわけであります。つまり、垂直的財政調整制度の強化拡充を主張してきたはずであります。水平的財政調整制度の導入が地方分権の推進に資すると本当に断言できるのか、答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/15
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016・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) 今の点については、実は今回の改正を実現していく途中経過の段階で地方六団体の方からも懸念として声が寄せられておりました。そこは丁寧に私どもの方も御説明をしたつもりでございますが、今交付税等の特に関係で申し上げますと、交付税が持っております財政調整機能というのは大変重要でございますし、そこをきちんと踏まえると。それから、あと、それにしても交付税の方は、当然、不交付団体には効果が及ばないわけでございますので、根本の税の方の偏在是正、それから安定性ということは税体系の中でやはり実現をしていかなければならないというふうに思っております。
したがって、税体系をできるだけそういう税体系、地方税体系に近づけていくと同時に、あわせて、それでも税の世界でございますので完全に、全く偏在性がないというわけにはいきませんので、その分は地方交付税できちんと財政調整をする、こういう仕組みが望ましい仕組みだというふうに思います。
したがって、税体系を安定性があり偏在性の少ないものにしていくということについて、今後の抜本的な改正時に更に名実共にしっかりとした形になるように努力していきたいと。暫定期間がずっと続くものが別途あるじゃないかという御指摘もございますけれども、しかし我々が目指しております地方消費税の議論というのはもうこれは本当に近々の待ったなしの議論でございますので、そのときにきちんと本来の地方の目指すべき方向ということが政府として決められているわけでありますので、その考え方というのをきちんと実現をしていきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/16
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017・那谷屋正義
○那谷屋正義君 時間が来てしまいましたので、ちょっとまとめたいと思いますが。
政府は水平的財政調整制度という言葉は使っていないということを事前にお伺いしたところでありますが、しかし、冒頭、少し時間をいただきながら、今回の地方財政が大変危機的状況になっていることの責任論、こういう意味ではやはり国の責任が非常に大きいんだということを言うのであれば、責任とともに伴うものは何なのかといったらば、それは今国にある収入、そういったものをやはりもう一回地方に何らかの形で戻していく方法を模索していくというのが本来あるべき姿だろうというふうに思うんですが、今回の法案に出てくる様々な税、特に今質問させていただいている地方法人特別税もそうですし、この後本当は質問しようと思ったふるさと納税もそうでありますけれども、要するに地方税の中のものを配置換えをするというかうまく組み替えてやろうという、それだけの話でありまして、これも本会議で言わせていただきましたが、他人の懐に手を突っ込んで、それをごちゃごちゃごちゃごちゃかき回して、何かうまくやろうねと、こういうふうな状況になっているんでは国の責任を果たすことにならないんじゃないかと。やはり地方がこうして困った原因が国にある、そして交付税がぐっと下がってしまった、そういうふうなことの中で、そういったものをやはり増額していく手だて、そのことが大事なんじゃないかと。
ふるさと納税も、考え方は私は非常に分かる部分がございます。このことについて悪口を言うと世耕委員から怒られますけれども、あっ、いらっしゃらない。しかし、気持ちは分かるんですが、しかし、これは住民税というところに目を向けているところに問題があって、やはり国の所得税の方でこれをどうにかしようとするものであるとするならば、これはまた違ったものになってきて、いいものになってくるんではないかなというふうに思うわけであります。
そういう意味では、もう少し国税に手を突っ込むぐらいの勢いを総務省に持っていただきたい、このことを私はお願いをしながら、最後に総務大臣の決意をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/17
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018・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) 冒頭、いろいろ委員から御指摘いただきました。やはり国の責任きちんと果たすことが必要でありますし、それは財政面のみならず税制面でも今後十分考えていかなければならないと。
ふるさと納税についても、研究会の中でもいろんな議論がありました。したがって、住民税の中で制度を構築するということではなくて、もちろん住民税の中ではありますが、寄附税制というその仕組みを拡充させる形で使うということと、それから、所得税と合わせて全額控除というような仕組みも入れて、それで寄附金税制の拡充と、こういう形にさせていただきました。
今日は余りそちらの方の御議論をする時間がございませんでしたけれども、その点についてはまた時間いただければいろいろ御説明申し上げたいと思っていますが、いずれにしても、委員のお話がございましたとおりの、国として今厳しい地方財政の状況の中で国の責任をきちんと果たさなければならない、このことはまさに御指摘のとおりだと思いますので、その御指摘を十分に踏まえて、受けて今後も対応していきたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/18
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019・岸信夫
○岸信夫君 自民党の岸信夫でございます。
地方財政大変厳しい状態にあるという認識については、今もう那谷屋議員と認識を一にするものでございます。これから地方分権を進めていく中で、地方財政の基盤の確立ということはもうこれ大変急がれる問題である、こういうふうに思うわけでございますけれども、ただ、今の現状を見てみますと、非常に、逆に言いますと不安定、地方の皆さんは大変不安な状況に置かれているように思うわけでございます。
一つ地方税法の総務委員会の審議をとってみても、非常に審議が遅れてしまったと。これはガソリン税の関係もあるわけですけれども、そうした中で年度をまたいでしまったということ、一つ大変重く受け止めなければいけないんだというふうに思っておるわけでございます。
道路特定財源については大変多くの時間が費やされて、まず国会の審議に入る前に相当の時間が浪費されてしまったわけでございますけれども、国会の中、外問わず、非常に幅広い議論が巻き起こっている。道路の中期計画を始めとして、一般財源化についての議論、また暫定税率を維持するかどうかの議論、いろいろ多岐にわたっているわけでございます。
地方財政への影響ということについても議論されているわけでございますけれども、与野党一致して言っていることについては、地方の財政運営に支障を来してはいけないんだというこの一点でありますけれども、ただ、現実にはどういうことが起こっているかといえば、地方に実際に支障が出ているんじゃないかと、こういうふうに思うわけでございます。地方自治体にとってもこの道路特定財源というのは大変重要な大きな財源であるわけでございますけれども、残念ながら新規の道路事業の執行の停止ということが実際に起こっていると、こういうふうに聞いています。
私は、地方に影響を出さないためには、あるいはもう出ている部分もあるんですけれども、これを、影響を最小限に抑えるためにはやはりこの暫定税率というのは復活をさせなければいけないんだろうと、これ以外に当面の手だてはないんだろうと、こういうふうに考えております。また、政府においても、ここについては強い意思を持って臨んでいただかなければいけないものというふうに了解をしておるわけでございます。
総務大臣にお伺いしたいんですけれども、実際に今この暫定税率が切れてしまっている。それで、もし万が一これがずっとこの状態が続くようであれば、これは大きな影響が出ると思うんですけれども、地方財政ということに対しての影響についてどのようにお考えであるか、御意見をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/19
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020・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) この暫定税率でございますが、その部分、年間でいいますと、地方税それから譲与税含めまして道路関係の税収というのは全体で二兆一千億あるわけですが、そのうちの九千億を占める大変大きな割合を占めております。地方財政に対してやはりこれだけ、九千億の減収となりますと、恐らく道路整備だけではなくてほかの行政分野にも幅広く影響が出てくるだろうと。
先日、四月一日でありますが、全国の都道府県に緊急の調査を行いましたけれども、そこで出てまいりました回答を見ておりますと、もう既に四十七都道府県の予算執行について、うち三十六団体、四分の三の団体が何らかの事業の執行を保留するということでございますし、その三十六団体のうち、道路関係事業以外の事業も執行を保留するというふうに答えたのが十一団体出てきております。ソフト事業であったり、あるいは地元紙の報道を見ますと、いろいろ県立高校の建設事業なども留保を検討中といったような報道もなされておりますし、幅広い分野で今慎重に行方を見ているんではないかというふうに思います。
ですから、そういうことで、もう予算は既に成立を各公共団体はしておりますので、そこで議会の御承認もいただいていろいろな予算を計上していると思いますけれども、場合によっては、今後大変大きな影響が出てくればどんどんどんどん他分野も含めて予算を組み替えていくというようなことで、地方の財政運営という観点からいえば、大変難しい、困難な状態が出てくるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/20
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021・岸信夫
○岸信夫君 今大臣からもお答えがあったとおり、道路財源と言いつつも、現実にはそこが失われることで全体に大きな影響が出つつあると、こういうことで、これはもう本当に憂慮すべき事態だというふうに思っております。
先日、三月の二十日でございましたけれども、知事さんが東京に集まって全国の知事会が開催されて、そこでこの暫定税率の問題が大変地方にとって大きな、また重要な問題を含んでいるということが言われたわけであります。地方の中には、今後も地方の、地域の活性化のために、てことして道路整備というものを進めたいと、こういう考えを持っておられる方は大変多いんだというふうに思っております。
道路整備といいますと、現実に道路が整備されていけばその効果というものが現れてくるのが目に見えるという部分もあるんだと思います。私の地元の岩国で先日、三月でございましたけれども、二十九日に国道のバイパスが開通いたしました。岩国というのは、国道百八十八号と二号線という二本の大動脈が走っているわけですけれども、これが特に毎日毎日大渋滞を起こしているところでありまして、今回通った部分というのは限られた地域です。岩国の市内から南の方に延びるところですけれども、結果的に非常にそのバイパスを通る車の量も増えてきまして、百八十八号の交通渋滞というのも随分緩和がなされているような状態であります。同時に、交通の安全というものも随分確保されてきたという状況であるわけで、地元の人たちも大変喜んでおられたわけです。私も開通の式典に出ておったのですけれども、民主党の衆議院の国会議員さんもその場におられて、開通したことを大変喜んでおられたわけですけれども。これは国の直轄事業でありましたけれども、財源があるうちにできてよかったなと、こういうことなのかなと。
ただ、これ、道路というのはつながらないと意味がないといいますか、その区間だけでは余り効果が十分発揮できない。さらに、その道路はこれから計画としてはずっと広島県の方に延びる予定にはなっているんですけれども、こっちがこれからどういうふうになっていくか、事業が本当に進んでいくかどうかということが今度はまた議論になってきてしまっている、こういうようなことであります。
今月の八日の読売新聞で、各都道府県知事に対するアンケート調査がございました。この暫定税率については四十二の知事さんが復活に賛成をされている、五人が明言をせずに、反対は一人もいなかったという結果が出ておりました。
増田大臣も、知事さんを務められておられたとき以来、今、大臣の職の間も大変全国各地に足を運ばれて現場を御覧になっているというふうに伺っておりますけれども、私も地方出身でございますので、見てまいります。そして、地方からの要望というのもいろいろ伺うのですけれども、これは結果的に非常に道路に対する要望というのはまだまだ非常に大きいわけですね。
引き続き、そういうことで、道路整備というものが地方の活性化の一つのてこになる。また、重要なインフラ整備で人が流れ物が流れ、そして情報がそこを伝ってくるという意味でも非常に大きな意味合いがあると思うんですけれども、道路整備の必要性ということについて、特に地方のと言った方がいいかもしれませんけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/21
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022・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) 私も、知事をしておりましたときに様々な要望をいただきましたけれども、まあ感覚的に言いますと七割、八割はやはり道路整備の要望が多かったと思っております。様々な地域の生活道路の要望であったり、あるいは例えば工業団地につながっていくような大変太い幹線の道路の要望、もう様々ございました。
今先生お話がございましたとおり、そういったもの、いずれも地域にとっては切実なものでありますと同時に、道路はネットワークとして全部がつながっていて初めて機能が果たされるというものでございまして、最後の本当にちょっとのところが残っているがゆえに機能が全く発揮されずに、来るべき誘致企業との交渉がうまくいかなかったという例も実際に私も経験がございました。したがいまして、特に今、経済基盤、産業の基盤が弱くなっている地方などにおいては、そういった面からも道路の必要性というのが大きいのではないかと、こんなふうにも思うところでございます。
血管と同じように大動脈から本当に毛細血管まで、全部がそれぞれの役割を果たしていると同時に、最後のところできちんとつながっていないと、その間に血液、すなわち物流が流れていかないということになりますので、こういったもの、私、本当に十数年ぶりに東京で今暮らしておりますけれども、東京も基本的には道路もまだまだ必要だろうと思いますが、それにしても岩手に比べれば随分道路整備されているなという思いも一方であるんですが、特に、今お話がございましたとおりに地方部ですね、地方部においてはこうした道路の整備の必要性、切実さというものについては本当に大なるものがあるんではないかと、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/22
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023・岸信夫
○岸信夫君 そういうことで、地方の知事さんあるいは首長さんからは、暫定税率の重要性、道路整備のみならずですけれども、これが大変訴えられているわけですけれども、一方で、一般の方々の意識というのがちょっと違っているのかなと。
同じ読売新聞のそれよりちょっと前の世論調査では、暫定税率の期限切れに伴ってガソリン価格が下がることを良かったと思う人という設問だったと思いますけど、これが過半数を超えて五六%、そう思わないという人が三一%という数字が出ています。確かにそれは、私も車を運転しますけど、ガソリンは安い方がうれしいんですけれども、そこで止まってしまっているわけですね。ですから、知事さん、首長さんと意識のずれというのがどうしても出てきちゃっているのが今の現状なのかなと。
目先でガソリンが下がる、ガソリンを満タンにして少し千円ぐらいポケットに残ると、こういうことになるんだと思うんですけれども、一方で、それが積もり積もると地方のインフラ整備ができなくなってしまうと、こういうような状態で、どっちを考えるかと、こういうことなのかもしれないんですけれども。ただ、結果的に、知事さんなんかが心配しているように、地方自治体の財政面で非常に支障が出てきてしまう、こういうことですね。この辺が余り理解されていないんだと思うんですけど、この辺のギャップということについてどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/23
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024・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) 確かに、国民の皆さん方の中に、今ガソリン価格も、最近ずっと高騰してきていましたから、今回のことによって二十数円今現実に平均的に引き下がっているということで、大変歓迎の声があるというのは私も承知しております。
ただ、自治体の財政、先ほど言いましたように、執行について大変首長さん方は皆さん慎重に今なっているわけですが、仮にこれがずっと続いて様々な事業がストップするということになりますと、その影響というのは後で現実に国民の生活の中にも出てくるわけです。道路ももちろんそうです。道路も、本当に困ってここは整備しなければいけないと考えたときから実際に事業を始めてまた開通にこぎ着けるには相当時間が掛かりますから、やはり計画的に進めていかなきゃならぬと思いますし、それ以外の事業についても、今はまだ各事業について、止まるかもしれないという危惧の念だけでありますが、実際に後になって、止まったらこれこそ大変な影響が出てくる。そしてそれが、やっぱり期間が長引けば長引くほどそういう危険性というか可能性が高まるということではないかというふうに思います。
ですから、やはりそういうことを、そういう心配というか、今後起こることの可能性を、国ももちろんそうでありますが、各自治体の首長さん方も積極的にしっかりとした情報を国民の皆さん方にお伝えをしていかなければならない、一方で説明をよく尽くさなければいけないと。まだそこの点については不十分な部分があるのではないか、今後もそのことはしっかりとやっていかなければいけないというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/24
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025・岸信夫
○岸信夫君 その辺、どうぞよろしくお願いします。
それで、現実問題としてこの暫定税率が失効した、切れたわけでありまして、既に歳入の方に穴が空きつつある、少なくとももう半月分ぐらいは空いている、空きつつあると、こういうことですね。今後どういう、国会での議論を経ていくわけでございますけれども、低い税率の期間中のものはそのまま残っていってしまうわけですけれども、そういったことに対して、そのことが地方財政に少なからず影響を及ぼしていく、一年間でなくても、一定期間であっても、これは確実に歳入が不足してしまう、トータルでいえば歳入が不足してしまう。
そのことに対して総務省としてどのような対策を講じていくおつもりか、もしお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/25
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026・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) 各団体も既に予算を組んでおりますので、少なくとも今年度について、国としても国の責任で適切な財源措置を講じなければいけないということで、そのことは各団体の方に申し上げております。ただ、具体的なやり方がどうかということになりますと、どれだけの影響額が今後出てくるのか、それから国の直轄あるいは補助事業の取扱いをどうされるのか、こういったことがまだはっきりとしておりません。したがいまして、そうしたことについて見極める必要があると思います。
今後、財務大臣ともよく相談をしたいというふうに思いますし、それから各地方の声というものも十分踏まえて考えていきたいというふうに思っておりますが、現時点ではそれ以上の具体的なことについて、何かこういうことをするということをお示しをできる状況になっていないということでございまして、是非その点は御理解を賜りたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/26
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027・岸信夫
○岸信夫君 次に、地方交付税についてお尋ねしたいというふうに思っております。
地方自治体にとってのもう一つの大変重要な歳入であるわけでございますけれども、特に地方分権改革をこれから進めていく上で地方税を中心とします歳入構造にするということは、これはこれで重要なわけでございますけれども、どうしてもそれだけでは税源の偏在というものが生じてしまう。こういう現実を考えますと、やはり地方交付税というものの機能を一方で強化していくということもこれは大変必要なんだろう、こういうふうに思っております。地方財政審議会、昨年の十二月に「平成二十年度の地方財政についての意見」というものが出されておりますけれども、ここにおきましても、地方交付税の果たすべき役割の重要性というものが指摘をされておるわけでございます。
そういうところで、平成二十年度においては久しぶりに前年度を上回るという交付税の額となったわけでございますけれども、ただ、残念ながらこれについてもまだ年度が始まったにもかかわらず成立していない、こういう状況になっているわけですね。この間、我々も一日でも早くこの審議をして結論を出さなければいけないというふうに訴えてきたわけですけれども、残念ながら民主党さんの協力を得ることができなかった。全く進められなかったわけであります。
地方交付税法案、改正法案が年度内に成立しなかったことによって、地方自治体にとって財源確保のめどが、見通しがないままこの年度を迎えたわけでございますけれども、国民生活にもいろいろ大きな影響が出るようなことでもございます。この遅れたことによる地方財政に対する影響についてお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/27
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028・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) 地方交付税、これにつきましては、いつも、毎年恒例でございますが、年度の当初の一番早い段階で概算交付、四月分の概算交付をしていますし、四、六、九、十一と年間交付するわけでございますが、今回は四月二日に地方交付税を交付をする、それから七日に、今週でございますが、七日に地方特例交付金の概算交付ということを行ったわけでございますが、もし仮に法案が年度内に成立させていただければ、お配りをした交付額から、今の地方交付税と地方特例交付金の概算交付額が合わせまして約三千百億円ほど減少をいたしております。本来であればあと三千百億円プラスをして交付をしたわけでございましたんですが、そうしたことでその分は少なくお配りをしてございますので、恐らく公共団体の方はいろいろな資金繰りをそのことについてお考えになっているんではないかと。通常、四月、五月が特に財政の資金が必要になってくる時期でございますんですが、ですからいろいろ各公共団体で資金繰りに影響が今後出てくるんではないかと、こんなことも懸念をしてございます。
今後どういうふうになるかということをいろいろ、これは立法府の御判断でございますが、是非、暫定税率だけでなくて、この交付税の関係についてもそういう状況になってございますので、是非法案の一日も早い成立の方をお願い申し上げたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/28
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029・岸信夫
○岸信夫君 地方の自治体にとっての資金繰りというのもこれは大変厳しいものがあると思います。是非我々も早急にこれを答えを出していかなければいけないんだというふうに思っております。
時間がそろそろ迫っております。ちょっと最後のところに行きたいと思うんですけれども、地方再生対策費の四千億円についてちょっとお伺いをします。
これは地方交付税として地方団体に配分をされると。都道府県分が千五百億で市町村分が二千五百億ということでございます。また、その配分について、一次産業の従事者、就業者の比率、あるいは高齢者の人口の比率というものをしようとして、厳しい地方に対して、また財政力が弱い地方団体に対して一定の配慮がなされているんだというふうに、工夫がされているというふうに考えております。しかし、これが十分なのかどうかということについてはまた意見が分かれるところじゃないかなというふうに思うわけでございます。現実にそれをメニュー化していく場合にどういう形でやっていかれるのか。まあこれからの話ということもあるんだと思うんですけれども、政府が進められるその地方再生戦略の中でのこの地方再生対策費がどういう位置付けになっておるのかということもお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/29
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030・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) 昨年の十一月に地方再生戦略というのを取りまとめました。そこの中では、地方都市、それから農山漁村、それからいわゆる限界集落的なところ、基礎的条件の厳しい集落と三タイプに分けまして今後の再生の方向性をお示しをしたんですが、それを実際に実現していく上で今回の地方再生対策費、今お話がございましたとおり、特に財政状況の厳しい市町村などにこの地方再生対策費が配分されるような工夫もさせていただきましたので、この地方再生対策費をお使いいただきまして地方再生戦略に掲げておりますような事業のお取り組みをしていただければと、こういうことを期待をしております。
もちろん、今委員お話がございましたとおり、この全体の規模についてはいろいろ御意見がある、御指摘もいただいているわけでございますが、いずれにしても、今回初めて創設をした地方再生対策費でございますので、その考え方と、それからその考え方を御理解いただいた上での、是非財源を活用していただいて、本当の意味での地方再生に是非結び付くような、そういう取組が行われることを期待をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/30
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031・岸信夫
○岸信夫君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/31
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032・弘友和夫
○弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございます。
先ほど来、地方再生、また地方財政の確立の論議をやっておりますけれども、大臣は十二年間、岩手県知事として実際に現場の実情というものを実体験として身近に感じてこられたと、実務にも携わってこられたわけでございます。そしてまた現在は総務大臣として既に半年間在任されているわけでございますけれども、車座対話ということで全国の地域を回られたとお聞きしております。
そういう中で、今地方で何が求められて、またそのためにどんな対策が必要なのか、改めてその御決意をお伺いしたいわけですけれども、知事時代と総務大臣になられて地方に対する見方が変わったのかどうか。先ほど大臣の考えが変わったんじゃないかというお話もありましたけれども、率直な御意見をお伺いしたい。
また、それと同時に、そうした地方の切実な叫びを全国で聞かれている中で、来年の地財計画等、具体的にどのような対策を講じられているのか、また、地方の再生や活性化にどう効果付けられているのか、その辺りの大臣の御見解を具体的にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/32
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033・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) 昨年、大臣に就任しましてから、やはり全国の現場を見なければいけないということで、今お話がございました車座対話ということで全国を歩きました。そこで寄せられた声、様々な意見がございましたけれども、例えば医師不足を何とかしてほしいといったような話ですとか、それから地域の活性化にやっぱり人づくりにもっと力を入れてほしいですとか、それから農業の問題も随分御意見をいただきました。それから、国がどうも省庁縦割りになって、いろんな地方対策やっているけれども政府としての一体性がないといったような御指摘や、それから今いろいろ議論になっています地方交付税をもっと増やすべきだといったような御意見もございました。知事時代も随分県内を歩きましたけれども、いろいろと意見を聞いておりまして、多くは岩手県内で地域からいただきました意見とやはり共通して、その意見がもう全国広くどこの地域でも同じような問題が広がっているなと、こういうふうに思ったところでございます。
それで、そうした意見もできるだけ政府の政策に対策を反映させる思いで、昨年の十一月に地方再生戦略を、非常に限られた時間でございますが、取りまとめましたし、それから暮れの対策の中では、地方再生対策費を地方交付税の中で別枠として、特別枠として確保いたしました。そういうことで、できるだけ地方の声にもおこたえをしたつもりでございます。もちろん限られた時間でございました。それから、現在、総務省の中で、やはり地方圏の人口流出を何とかその地方圏の大きな圏域の中で食い止めたいということで、定住自立圏構想の研究会も設けて今鋭意検討を進めているところでございます。
今先生の方から、総務大臣になっていろいろな考え方が変わったのかというお話がございました。全く考え方は同じでございまして、地方が本当に元気を出して、そしていろいろな創意工夫ができるということが国の元気につながる、そういう思いでこれまでもやってきたつもりでございます。まだまだ不十分なところは御指導いただきたいと思いますが、今後も地方をしっかりと元気にさせるという思いで取り組んでいきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/33
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034・弘友和夫
○弘友和夫君 私も、地方がやはり元気になってこそ国の元気が取り戻せるというふうに思いますので、是非頑張っていただきたいなというふうに思います。
そういう中で具体的に、この間の続きで、下水道と浄化槽とか、要するに生活排水の処理について、今地方の方の意見でも省庁の縦割り行政というのがお話がございました。この生活排水の処理は、御承知のように国交省の下水道事業、それから環境省の浄化槽、それから農水省の農村集落排水事業と、大きく言えば三つに分かれている。それぞれが別個にどんどんどんどんやってきたわけですね。先日来私お話ししているように、もう今や残り二千四百万人、八百四十万世帯を、どうこの生活排水を迅速に安く進められるのかというふうに考えたときに、今まで下水道が果たしてきた役割は当然大きな部分があるんですけれども、今から人口の少ないところに管をどんどん引いていってやるというのは、大変これは効率性、経済性考えても、もう地方はこれによって大変なことになるという認識の下にずっと質問をさせていただいているわけです。
その中で一つ、先ほど大臣は、いろいろな部分で地方に責任がないとは言えない部分というのは言われました。私は、地方分権になるということは、やはり地方がある意味では責任を持っていろいろと施策をやっていかないといけないという部分があると思うんです。ですけど、なぜかしらこの下水道事業が、本来だったら市町村長さんがきちっと計画を立ててゾーンを分けて、この部分は下水道でやります、この部分は浄化槽でやりますよという計画を立てれば済む、今の現状では。昔は役所のいろいろあったみたいですが、今はそういう部分は余りないわけですから、立てればできると。ですから、首長さんがしっかりその自分の地域の自治体の経営というのを考えれば当然行き着くんじゃないかと思うけれども、いまだにそういうことになっていないということがあるんです。
そうなれば、やはり反対に国の責任としては、きちっとそういう歯止めも掛ける、このまま行ったら危ないぞと言うことも必要じゃないかと、それがこの間の地方財政健全化法の趣旨でもあるというふうに思うんですけれども。
具体的に、下水道事業というのは地方公営企業法の適用というか、この間の質問、上水道は営業収益はっきりもう黒字になっているんですね。ですけれども、下水道事業というのはそうではないということで、この下水道事業、地方公営企業法の財務規定等の適用というのは任意とされていると。昭和四十一年の改正で、従来、下水道事業で職員が百人以上のものには財務規定等の一部が当然適用されていたと。このときの改正でその当然適用の制度を全廃して、法を適用するかどうかは地方団体の任意とされたというところです。地方団体の一般行政との関連が密接であり、経費の相当な部分を一般財源をもって賄われているのが実態であり、一律に法を適用させる実益が少ないと考えられると。地方団体に適用、非適用の判断をゆだねようとしたのがその理由であると。
平成十八年度現在で、下水道事業数三千七百九事業のうち地方公営企業法の財務規定等を適用しているものは二百三十二事業、六・三%にとどまっている状況であると。法の適用によって新たに生じる財務処理についての不安、事業規模が小さく経営が安定しないことなどが障害となっていると考えられているわけですけれども、下水道事業において、大臣も知事時代そうした御経験があるわけですけれども、この地方公営企業法の適用事業にする、しないというメリット、デメリットというのがあればお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/34
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035・久保信保
○政府参考人(久保信保君) 地方公営企業法を適用するメリットといたしましては、一つは、損益取引と資本取引との区分、発生主義の採用、複式簿記の採用などを通じまして経営状況の把握を容易にすることができるといった点があると思います。それから、そのことによりまして使用料改定などの際に住民に対して経営状況を分かりやすく説明ができると。そして、これはもう委員御案内のように、予算の超過支出というのが公営企業の場合認められております。弾力条項と、こう言っていますけれども、その弾力条項等を通じて企業経営の弾力化ができると。あるいは、職員の経営意識の向上を図るとともに、長期的視点に立った経営の計画、これがより適切に策定できるんじゃないかといったようなことが挙げられていると思います。
その一方で、地方公営企業法を適用する場合には、この企業会計特有の経理事務ということが必要になりますので、そのことができるという人員の確保、この必要性があるとか、出納整理期間がございませんので業務量がかなり一時期集中してくるとか、そういったことにどう対応するかといったこともございますし、小規模の事業体にとりましては、法適用に伴う、今申し上げましたような経費が負担となるとか、そういったデメリットといいますか、そういった点が指摘できると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/35
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036・弘友和夫
○弘友和夫君 時間が全然足りないんですけれども。
それで、今一般会計から補てんがほとんど、要するに全国的には八千三百億以上されていると。大臣の知事されていた岩手県、この間もほかの県を紹介しましたけれども、岩手県、例えば盛岡市は十億四千万この汚水処理経費が掛かっている、公共下水道ですよ。使用料としては四億四千七百万。五億九千五百万は一般会計。半分以上一般会計から補てんしている。それから、花巻は十二億のうち四億七千万が使用料、七億八千万が一般会計から。小さいところでいいますと、例えば奥州市、二十二億掛かっているところを使用料としては六億二千万、十六億二千七百万が一般会計から補てんしていると。もうほとんどそういう、要するに使用料として取れているところが少ない。なぜこういう事業が、法適用にならなければ明るみになかなか出ないわけですけれども、進められているのか。
そして、一般会計から補てんをするという一つの根拠は、地方財政法第六条ただし書、災害その他特別の事由がある場合と、こうされているわけですね。災害その他特別の事由があった場合に一般会計、補てんしてもいいですよというふうになっているんですけれども、この八千三百億、毎年やっているのは、ずっとそれが恒常的になっているわけですよ。それが果たして特別な事由に該当するのかどうかと、地方財政法の。それ根拠になり得るのかどうかということを大臣はどう御判断しているか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/36
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037・久保信保
○政府参考人(久保信保君) 法律の根拠に関係しますので、私の方から御答弁させていただきます。
下水道事業に関します一般会計からの繰入れでございますけれども、委員御指摘のように地方財政法六条のただし書、これが一つ根拠として挙げられると思います。それとまたさらに、地方財政法六条の本文自体に、その性質上当該公営企業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費や当該公営企業の性質上能率的な経営を行ってもなおその経営に伴う収入のみをもって充てることが客観的に困難であると認められる経費、これにつきましては一般会計からの負担ということができると、こうなっておりまして、こうした規定を踏まえて一般会計からの繰入れが行われていると考えております。
そして、私ども、本来こういったものに該当いたしますものとして典型的なものは雨水の処理でございます。雨水の処理でございますけれども、近年の下水道事業に関係いたします決算の実態を踏まえまして、平成十八年度には、従来使用料で賄うことを原則としておりました汚水の資本費の一部につきましても、これは環境対策にも資するといったような側面もございますので、一般会計から負担すべき経費と位置付けて適切な経費負担が行われるといったことを期待をしているということにいたしまして、一般会計繰り出しに係る地方財政措置も講じるということにいたしました。
ただ、もとよりといいますか、一般会計からの繰入れが地方公共団体の財政運営を過度に圧迫をするということもこれあってはならないことでございますから、下水道事業会計におきましても使用料の適正化、民間委託による経費の削減合理化等を推進して経営の健全化を図るといったことが是非とも必要であるというふうに考えておりまして、下水道事業経営の健全化について更に助言に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/37
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038・弘友和夫
○弘友和夫君 それは全然違うんですね。本来、今言われたように雨水だったのが、実態に合わないから決算の実態に合わせて一般会計から繰り入れられるように環境だとかなんとかを理屈として入れたわけですよ、理屈として。だから、環境を考えるんだったら私は浄化槽を早く、いまだにどんどん垂れ流ししているところを浄化槽でやった方がいいに決まっているんですから。それを一般会計から繰り入れられるような理屈を後で付けただけであって、そこはきちっと考えないといけないと思うんですよ、地方財政という考えで。
時間がなくなりましたので、またこれはずっと引き続きやっていきたいというふうに思います。
それから、最後に一つ、ふるさと納税でございますけれども、ちょっと自己PRをさせていただきますと、これは世耕先生も関係あるかもしれませんけれども、私も平成十七年の三月のこの当総務委員会で、これ当時麻生大臣だったんですけれども、ふるさと納税やるべきだと、導入すべきだということで質問をさせていただきました。これ証人がおりますけれども、「地方行政」というのに載っております。ふるさと納税が国会審議にということで、以前にも論議があったが国会審議で扱われるのは初めてだと、ということで同誌が云々と、こう書いてあるわけですね。
私の考えは、先ほどありましたけれども、地方と国の本質的な税財源の在り方、今やはりこれを変えていかないといけないと。六対四のところを少なくとも五対五を当面やるという、その本質論とまたこれは違う考え方をやはり、地方で育って義務教育もそこでいろいろ経費が掛かって、税金を払うようになったら都会に行って税金を払う、両親とかそういう家族はまた介護を地方で受けたりというそういうこと、何とか地方を思う気持ちをそういう形で実現したらどうかということで提案をさせていただいて、今回形になって出てこられたわけですけれども。
先日、魚住議員が寄附文化というふうに言われました。私は、これは大きくそういう寄附文化、今我々、NPO等にも、自分の指定しているところに寄附をして直接税金として納める、そういうところを支援するという考え方を取り入れようということでしているけど、なかなかこれも進まない。そうなると、地方公共団体が、これ地方税でありますけれども、うちはこういう、先日もちょっとお話があった交響楽団を育てるんですよとか、こういう環境のこういうものを、森林を守るんですよとか、そういうところにこれは使えますよということをPRしてもらって寄附をしていただくということは非常に大事じゃないかなと。それがやはり地方が施策をいろいろ、地方再生いろいろ考えるきっかけにもなるというふうに私は考えますが、最後に大臣にお伺いして、終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/38
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039・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) このふるさと納税、今お話がございましたとおり、ふるさとへの思いということと同時に、我が国ではまだ十分根付いてないというこの寄附文化ですね、これを更に更に醸成をさせるということにも大変つながってくる、そういうまさにこの税制が第一歩ではないかと。今まで、寄附税制はありましたけれども、やっぱり非常に使いづらかったわけでございますし、効果も十分でございませんでしたから、今回大幅にこれを拡充いたしましたので、寄附文化の醸成ということにつながる私は第一歩だというふうに思います。
まだ公共団体の方へのPRも不十分だと思いますし、まして国民の皆さん方に浸透させるには十分なPR、丁寧な御説明が必要でございますので、そこは私どもしっかりと行いますし、公共団体にもそのことを行っていただいて、多くの皆さん方がこうしたいい制度をお使いいただけるように努力していきたいと、このように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/39
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040・山下芳生
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
おとといの質疑で総務大臣は、道路特定財源と暫定税率の失効によるガソリン、軽油価格の値下がりについて国民は歓迎していること、元に戻せば国民の負担は増加することを認める一方で、地方が予算執行を留保しており、長引けば住民サービスの見直しをしなければならないこと、地方の道路整備はまだまだ不十分であることを挙げ、暫定税率の復活をお願いするのは大変心苦しいが、国民の理解をいただきたいと述べられました。
そこでまず、地方自治体が予算執行を留保している問題について議論したいと思います。
初めに、今回の道路特定財源と暫定税率の失効が地方の道路事業費の財源にどの程度影響を与えるのか。総務省、平成十七年度決算ベースで見ると、都道府県、市町村の道路事業費に占める地方道路特定財源の暫定税率分と地方道路整備臨時交付金の比重はどのようになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/40
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041・久保信保
○政府参考人(久保信保君) 平成十七年度決算統計などによりますと、都道府県の道路関係経費、これは六・二兆円ございますけれども、のうち、道路特定財源の暫定税率分は九%、〇・六兆円、地方道路整備臨時交付金は七%、〇・四兆円を占めております。
また、市町村の道路関係経費、これは四・七兆円ございますけれども、このうち、道路特定財源の暫定税率分は八%、〇・四兆円、地方道路整備臨時交付金は五%、〇・二兆円を占めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/41
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042・山下芳生
○山下芳生君 暫定税率分、臨時交付金合わせますと、都道府県で約一六%、市町村で一三%ということであります。おおむね一割五分ということなんですね。
国交省に伺いますが、四月一日に発表した「平成二十年度道路関係予算の当初配分について」、この趣旨を説明していただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/42
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043・菊川滋
○政府参考人(菊川滋君) お答えいたします。
租税特別措置法あるいは地方税法、平成十九年度内に成立いたしませんでしたものですから、歳入として揮発油税などの暫定税率分の税収が見込めないということ、さらに財源特例法も未成立でありますので、制度面では地方道路制度臨時交付金、臨交金などが執行できなくなりました。
このため、御指摘のありました記者発表資料でございますけれども、当初の配分額として、国民生活や地域経済に無用の混乱を生じさせることがないように、一つ、国民生活の安全、安心の確保について支障がないよう引き続き直轄国道を適切に維持管理する、二つ、これまで支払を約束している義務的経費への対応、三点目、緊急を要する事業への対応などを措置することとして、約五千億円の配分について発表したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/43
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044・山下芳生
○山下芳生君 要するに、道路の上に石が転がっているのはどけなあかん、あるいは用地を買収する、買いますという契約しているところはやっぱり執行しなければならない、そして梅雨前、出水期前に直すべきところは直さなければならない、そういう三つの項目で、いろいろまだ見通しは分からないですけれども、ここは予算執行しますよということだと思います。
そこで、総務省が道路特定財源の暫定税率失効に伴う四十七都道府県の対応を調査したところ、四月一日現在、三十六団体が事業予算の執行留保を決定したというふうになっております。うち二十五団体は道路関係予算を執行留保しているとのことですが、総務大臣、この二十五団体というのは、先ほど国交省が示された道路関係予算の当初配分についてという内容で最優先する事業を選択したと理解していいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/44
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045・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) 各都道府県の、道府県のそういう判断の詳細まで私どもの方で調査しているわけではないんですが、道路事業について調査の、向こうからの回答を見てみますと、新規事業を凍結すると言っているところがあります。それから、債務負担行為に基づく契約済みの事業や必要最低限の維持管理事業、それから災害復旧事業等の保留が困難な事業、これらに限定して執行と、こういうふうに回答してきているところがございます。
それぞれいろいろな御判断があると思いますけれども、今申し上げましたようなものについて優先的な判断をしておられるということだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/45
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046・山下芳生
○山下芳生君 事業予算の執行留保を決定した三十六団体のうち、四団体は道路関係事業を含む普通建設事業予算を執行留保する、それから七団体は普通建設事業予算以外の経常的経費を含め執行を留保する、これは福祉や教育も入るのかもしれません。ということでしたが、そもそも道路にしか使えない道路特定財源の暫定税率失効に伴う歳入欠陥がどうして道路以外の事業の執行留保になるのか、総務大臣、説明していただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/46
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047・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) 公共団体の判断というのは、予算全体を見ながら今後どういうふうに継続的に執行していけばいいということを判断されるんだと思います。
道路の場合には、特に地方の道路整備の場合には、道路特定財源を充てている部分と同時に、そのほかの一般財源、特に起債を財源とした借金で建設をしている。その起債の、借金の償還日というのは、毎年、決まった時期に決まった形できちんと返さなければいけないということでございますが、ここは団体間によっていろいろ状況は異なっていると思いますが、こういう道路特定財源での、特に暫定税率分を借金の返済などに充てているといったような団体は多いのではないかというふうに思います。
したがって、そうした借金の返済に充てる分を今度は他のところから回していかなければならないんではないか、こういうふうに判断をして、しかもそれがどの程度膨れ上がるかということはまだ今ははっきりしないんで、他の分野の執行も併せて止めて、非常に慎重な上にも慎重に今後を見通していこうと、こうしているんではないかというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/47
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048・山下芳生
○山下芳生君 道路建設に充てた借金の返済に回さねばならないことであろうということでしたが、宮城県も、発表文書を見ますと、道路建設に充てた地方債の償還費用を工面するためにほかの分野の執行を見合わせているという発表がございました。私はこの道路建設に充てた借金が非常に膨らんでいるということが大きな問題だと思うんです。
資料の一枚目を御覧ください。都道府県、市町村の道路関係経費における公債費の推移を示しました。一九九七年と二〇〇六年を比べますと、道路関係の公債費は都道府県で二・二二倍、市町村で一・三七倍に膨らんでおります。
総務大臣、どうしてこんなに地方の道路関係の公債費が膨らんだんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/48
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049・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) これは、地方の場合には、先ほど申し上げましたように、道路建設、道路財源、特定財源では足りないんで一般財源まで含めて充当しているわけですが、その際に、各公共団体の方で過去の累次の国の経済対策に各公共団体も付き合って、そして事業を実施してきた、国、地方一体となって事業を行うと、そういうことで景気対策を、経済対策を実施してまいりましたので、そういうことで多く事業を実施をした、その償還が今ちょうどその時期に当たっているんではないかと、こういうふうに考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/49
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050・山下芳生
○山下芳生君 国の景気対策に地方が付き合って、公債を増やして今償還の時期に当たっているということでしたが、おっしゃるとおり、景気対策として一九九一年からの十年間で総額四百三十兆円、その後、九五年にそれが十年間で六百三十兆円に膨れ上がりましたけれども、公共投資基本計画を政府が決定した、道路の五か年計画、これは国の計画ですけれども、十一次で七十六兆円、十二次が七十八兆円と莫大な額が決定された。その結果、地方でも行け行けどんどんで道路建設が行われて雪だるま式に借金が膨らんだ、それが今自治体の財政を苦しめているということだと思います。
ですから、道路事業費の一割五分程度の暫定税率失効による歳入欠陥が道路以外のサービスにまで影響してしまうほどの自治体財政になった背景には、こうした経過があると思うんですね。ならば、地方の予算執行が留保されているとか住民サービスに影響するからということで単純に道路特定財源の暫定税率を復活させることで果たしていいのか、ここは冷静に考えなければならないと私は思います。
二つ提案したいと思うんですが、一つは、やはり地方の道路事業にも不要不急の事業はないか徹底的に精査し見直しをすること。これは総務大臣もおととい、自治体の歳出構造の見直し、優先度を考えるきっかけに今回の事態がなっているとお認めになった。そして、地方でもその作業が先ほど言われたように始まっている、これが一つです。二つ目に、それでも必要な事業について、地方の財源が不足するんであれば、これは国が補う必要がある。公共事業を押し付けながら交付税を削減したのは、これは政府の責任ですから。地方の要求も一貫してトップは交付税総額の復元、これが六団体のトップですよ。
ですから、以上二点、地方の道路事業にも不要不急はないか徹底的に見直すこと、そしてそれでも必要であれば国が補うこと、これが大事だと思いますが、大臣の認識、見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/50
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051・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) 地方の道路整備の必要性は、これはほぼ多くの方がお認めいただいているものというふうに思います。
その中で、今こういうふうに現実に歳入欠陥が起こっている、あるいは起こる可能性がこれからずっと広がるということを危惧して、公共団体も必要最小限のものは何かということのいろいろな判断をしているわけですが、しかし、この道路整備、多くの団体もいずれは何らかの形で着手をしなければいけないということはきちんと思っているものというふうに思います。ただ、それが今後借金で、また更に借金を積み重ねてというわけにはいかないということで、今のお話がございました地方六団体のその声明の中でも早く暫定税率はきちんと戻せということを私ども言われているわけでございますし、今月に入りましてまたもう一度六団体の代表の方が参られましたけれども、そのときにもきつい御指摘をいただきました。したがって、そのことは政府としてもきちんとそういった公共団体のお考えにもこたえていかなければならないと思います。
交付税、確かに大変最近削減をされてきたというのも一方で事実でございますので、こうした交付税について、今回増額の措置をしてございますが、やはり地方団体の歳出の中でこうした一般歳出をきちんと措置をする、確保していくということは国としてもこれからも努力していきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/51
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052・山下芳生
○山下芳生君 私は、真剣な歳出構造の見直しをすることなしに、地方が大変だと、それは大変だと思いますよ、予算組んだけどこういう事態になったんですから。しかし、だからといって、道路特定財源の暫定税率をそのまま復活させるということになったらこれは何にも変わらない。そのことが地方の借金を増やしてきた原因にもなっているんですから。ですから、せっかく世論に押されて首相が道路特定財源の一般財源化ということを提案したんですから、その流れを後戻りさせてはならないと思います。
先ほど、国民は目先の利益、安さで今支持しているという御発言ありましたけれど、私はそうじゃないと思います。やっぱり、こういう道路だけを別枠扱いして、聖域扱いして、どんどんそこに特定財源で使うことがいいのかということも考えて、国民は後戻りするべきじゃないという判断をしていると思います。それを是非しっかりと踏まえる必要があると思います。
次に、地方の道路整備について議論したいと思います。
私は、長年の道路特定財源制度の下で、地方の道路整備の在り方がいびつになってきていると思います。資料の二枚目に、地方の道路事業のピークが一九九〇年代からどんどん減り続けて半分近くになったというグラフを示してあります。その一方で、国の直轄事業は減っておりません。ですから、地方の負担金も同額で維持されております。その結果、これは道路橋梁費ですけれども、そこに占める国直轄事業の負担金の比率が九〇年代の九%程度から一八%と倍増しております。結局、生活関連道路の整備予算が大きく圧迫され減少しているという事態が進んでいる。
総務大臣、こうした事態、どう思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/52
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053・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) 全体的な数字は今お話がございましたとおりでございますが、やはり地方の道路整備事情は地域によっていろいろございまして、地方で国の方にお願いをして整備をしていただかなければならない非常に幹線的な道路、それからあと一方で、地方の方で単独事業で実施できるような、言わばそういったものは身近な生活関連道路が多いと思いますけれども、そうしたもの、様々整備の進捗状況に合わせてあろうと思います。
ただ、いずれにしても、私が申し上げたいのは、それらが、生活道路でも最後にはいろいろ幹線道路といったところにつながって全体としてネットワークを構築していかないといけないということでございますので、いかにそういった全体のネットワークを効率的に構成するのかということで、各公共団体の方によくその点は御判断をいただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/53
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054・山下芳生
○山下芳生君 国直轄の比重が増えて生活関連道路などが減っているという事実、これはお認めになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/54
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055・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) それは、この数字を見ますとそういうことであろうというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/55
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056・山下芳生
○山下芳生君 その下で地方でどんな事態が生まれているか。私は先日、福島県のあぶくま高原道路を視察してまいりました。資料の三枚目に道路の地図を載せておりますけれども、東北自動車道の矢吹インター、左側から赤いラインで、福島空港を経て、磐越自動車道の小野インター、右側までをつなぐ三十六キロの自動車専用道路であります。まだ破線の部分は完成しておりません。
国交省、この道路の総事業費、現在までの事業費の内訳、国と地方の負担割合、幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/56
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057・菊川滋
○政府参考人(菊川滋君) この道路、現在、福島県とそれから福島県の道路公社で事業を実施いたしております。
本道路の総事業費でございますけれども、約一千三百億円でございまして、事業を平成六年度から着手しておりますが、十九年度までに投入した費用の合計額は約一千百六十億円でございます。内訳は、有料道路事業が約三十二億円、国の補助事業として八百八十三億円、県の単独事業として二百四十四億円でございます。
それぞれの国と県の負担割合は、有料道路事業が、国が無利子貸付けで四割、県の出資金が二・五割、それから公庫、民間の借入金が三・五割と。それから、国の補助事業につきましては、国が五・五割、県負担が四・五割ということでございます。また、福島県の単独事業は全額県の負担というふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/57
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058・山下芳生
○山下芳生君 総事業費千三百億余りで造られております。国、地方半分ぐらいずつでしょうか。
実際に走ってみて私びっくりしました。小野インターから平田間ですれ違った車は十四台、それから空港から矢吹間はすれ違った車は一台もありませんでした。ゼロであります。福島空港というのは、実は東京便がなくて、新幹線で一時間半ですから、元々乗降客が年間見込みの半分程度になっております。ですから、そこに結ぶ自動車道もなかなかやっぱり予定よりも相当少ないんだなと思いました。しかも、その同じところに既に県道があるわけですね。十分そこで行き来できるわけです。何でこういう道路が急がれるのかと率直に思いました。
一方、県民が切望する生活道路の整備は遅々として進んでおりません。その典型が国道百十四号です。
資料四枚目にちょっとポイントポイントの写真が載っておりますが、百十四号は福島市から阿武隈山地を越えて太平洋側に抜ける道路であります。大型車もたくさん通る。しかし、くねくねと曲がりくねった道路で、道幅も狭く大変危険です。トレーラーがもう曲がれるか曲がれないかと。もう既に十年以上前から地元の自治体が国や県に整備の要望をしておりまして、この四枚目の資料は、実際、百十四号の整備促進期成同盟会ということですけれども、会長は自民党の参議院議員の方がなっておられます。ところが、国も県も、予算がないからということでなかなか進まないということをおっしゃられました。この川俣町の町長さんからも是非よろしくと言われたんですが。
あぶくま自動車道に対して県の道路予算は毎年一〇%ぐらい注がなければならない。総額が減っていますからね。ところが、こういう本当に必要な道路がなかなか整備されずに残っている。何でこうなるのか。
私は、やっぱり国の道路特定財源、これは毎年固定されて三兆五千億円ぐらい入ってくるわけですね。それが入ってくるから道路中期計画で十年間で五十九兆円。その中には高速道路ネットワーク、その中には地域高規格道路。このあぶくま自動車道は地域高規格道路の中に規定されております。この仕組みが地方の道路事業の総額が減る中でなかなか自由度を低くしている、本当に必要な道路を後回しにしている、そういうことになっていると私はいたく思ったんですが、総務大臣、どういう認識でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/58
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059・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) 福島の個々の道路について私、熟知しているわけではありませんけれども、今の福島の佐藤知事さんも何回か私のところに、総務大臣室に来られまして、やはり道路の財源の話は大変心配はしておられました。
県の方でも優先度いろいろあるのかもしれませんし、また直轄の方といろいろと相談しながらやっておられるんだろうと思いますが、ただ、いずれにしても、財源が減ってしまっては今先生お話にございましたとおりのこの百十四号の方にもなかなか回っていかないということもあります。ですから、その点については是非御理解いただきまして、いろいろお話、御見解はあろうかと思いますけれども、やっぱり地方の、私は、道路の整備の必要性ということについては十分あるわけでございますので、その財源を確保するということについて是非御理解いただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/59
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060・山下芳生
○山下芳生君 実際に今の仕組みでもこれができてこなかったんですよ、道路特定財源があっても。結局は、道路特定財源があることによって不要不急の大型幹線道路が優先されて、必要なところに回っていないわけですから、額があればというんじゃないんですよね。あってもこの仕組みがある限りなかなか回ってないということが今問われているわけですから、心苦しく思うことはないと思いますよ。道路特定財源、暫定税率やめたら地方の財政も必要な道路も進むようになる。そのことを申し上げて、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/60
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061・又市征治
○又市征治君 今日は大臣に伺ってまいります。
福田総理が道路特定財源の来年度からの一般財源化をテレビで提案をされました。しかし、その実際の使途というのはどういう中身なのか全くはっきりしない、こういう状況です。なぜなら、今申し上げたように、総理はマスコミ発表だけされて野党に公式に提案をされていないわけで、他方では、自民党、公明党からは野党側に対しては中身の違ったものが提案をされておりますし、もう一つは、総理が暫定税率については廃止は非現実的だと何度も断言をされて、今月末にも衆議院の再議決で復活する構えにある、こういうことは明らかなわけですから、だから意味が分からないということです。暫定税率はいわゆる負担と受益の関係が明確で納税者の理解を得ていると、こうおっしゃるわけですが、その根拠というのは道路建設がまだ足りないという現状認識でしょうから、そうすると、総理が一方で暫定税率の維持を言いながら他方で一般財源化を言うことは、これはまさに政治的には大きな矛盾なんですね。
そこで、内閣の一員としての総務大臣に伺うんですが、総理のおっしゃる一般財源化の真の意味というのは、一つは現行の道路諸税の使い道を完全に一般化をするということなのか、それとも、一般財源化しても、国の道路計画など行政的なあれこれの手法で誘導して、実質的には道路に配分をするという、そういう考え方なのか、どういうふうに総務大臣としては御認識なさっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/61
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062・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) 一般財源化については、これは総理の真摯な御提案だと受け止めていますが、それは総理個人という意味ではなくて、この内閣の一致した見解でありますから、内閣として一般財源化を実現をしていくと、こういうことであります。
それで、その際に、使途についてのお尋ねでございますが、これは、先般の総理からの提案の際にも、今、与野党協議が進まなければこの問題が解決をしないという政治状況の中で、その与野党協議の中でこの一般財源化の使途は検討していきましょうということを、与野党協議の中の一番最後の項目だったと思いますが、七番のところで、与野党協議会を設置して一般財源としての使途の在り方などを協議、決定していくと、こういうことであります。
ですから、そこについてはどういうふうになるのかというのは、まさに検討にゆだねられているところでございまして、そこでの結果が出れば、政府としてそれを受けて、またそれに即した形で制度をつくり上げると、こういうことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/62
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063・又市征治
○又市征治君 いろんなことを書かれていますけれども、実際は、だけれども、何にもなしの一年先送りですよ、これ、実態としては。協議しましょうって、それだったら本当は三月いっぱいにやるべきだったんですよ。案、提示すべきだったんですよ。何にも出てこなかった。そういう……(発言する者あり)違うよ。提案されていないものをどうやって論議するの。だから、おとついの日も言ったんですよ、そのことは。やっぱりそういうことがなかったらいかぬ。ただ単に一般財源化というお題目だけ並べて、あとは協議しましょうと。じゃ、具体的な中身出してほしい、こう言っているわけで、具体論は出てこない。
だから、私はこんなことを、また単に、次に、五月の十二日になったら再議決やりました、さあ、向こう十年間五十九兆円です、そんなことでいいのか。自民党の皆さん方も含めて、五十九兆円十年というのはこれはどうかな、みんなそうおっしゃっている。ほとんどの人はそうおっしゃっている。だから、そこのところをやっぱりやるのが政治だと思うんですね。また横道それてしまって、これ駄目なんです。
そこで大臣、地方の立場からの問題意識をちょっと聞いていきたいと思う。
もちろん私は何が何でも地方の現在の道路財源を今後も道路に維持しろ、こういう立場じゃありません。しかし、この現下の暫定税率の廃止で失われる地方の財源、これは最大限で九千億円と、こう言われているわけですが、何らかの形で、例えば一兆円の繰越金が道路財源にあるわけですからそういうもので充てるとか、確保すべきだろうと、こう思うんですね。
先ほども出ましたけれども、これまで地方交付税が、それこそ今論議をしているこの地方交付税の問題を見ましても、平成十五年度と二十年度と比べたら、交付税だけで減った額は五兆七千億円も減っている。あるいは補助金も減っている。だから、地方財源は大幅に減らされて自治体はあっぷあっぷだ、こういうことになる。そして、そこへもってきて国の道路計画が示されて、それに基づいてみんな各自治体は予算を組まされているわけだから、地方はこぞって道路特定財源、いや、暫定税率を維持してください、何とかしてください、こうなるのは当たり前のことですね、これ。
そこで、現在、地方の道路関係歳出を賄っている道路特定財源は、都道府県においては、総務省から資料をいただきましたけれども、一兆二千億円で道路歳出の二一%だ、市町村においては一兆円で同じく二一%にすぎないと、こういうことになっていますね。また、これに国の補助金と、形式上は地方の一般財源になっておりますけれども、地方道路臨時交付金を加えても、都道府県では道路歳出の四〇%、そして市町村で同じく三四%を賄えるにすぎないわけです。つまり、残り六割から七割というのは自治体自身の一般財源や地方債を持ち出している。こういう実態でしょう。言わば道路特定財源に縛られて、自治体は自らの選択権なしで道路に支出させられているというのも、これは現実ですよ、この数字から。これは増田大臣一番よく御存じだ。岩手県一つで四国全部の面積と匹敵するぐらいのところは大変なことだ。
しかし、現実は、この時代状況を踏まえると、この道路特定財源の拡大維持ではなくて、総論として、道路建設から、そういう意味では広い意味の福祉や医療や教育へという、こういう地方財政の政策転換が必要な時期に来ている。これだけ少子高齢社会だ、こんな状況、財政が大変厳しい、こういうことを考えると、そういう状況になっているんだろうと思うんですね。
したがって、地方が本当に主張すべきは、私はいろんな地方議会の皆さんや首長さん方にも申し上げるんですが、道路へ充当するか否かも含めて自治体の判断でローカルに決定できて、自主財源や起債を食いつぶすことのない財源への転換だと、こう申し上げているんですが、この点について大臣の御見解はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/63
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064・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) 道路について、道路の財源でありますけれども、これはもう一般財源化をするという大きな方向性、指針を総理示されましたので、その下で自由にいろいろな使い道ができるような、そういう方策というのを考えていかなければならないと。そして、今後の分権化の方向からいえば、自治体が自主的に判断できるような財源を充実させるということは分権化の方向でもあるというふうに思っております。
したがって、今後、私どもは与野党協議でいろいろ真摯な議論がされるというふうに思いますけれども、そういった中でこの使途の問題についてもいろいろ御議論があると思いますけれども、大きな一般財源化ということを我々内閣として踏み切ったわけでありますので、その御議論も真摯に受け止めながらこの一般財源化ということを考えていきたいと。
そして一方で、今までは道路に充てますということで納税者の皆さん方から御理解をいただいていたわけでございますので、そうした納税者の皆さん方の十分な御理解をいただけるような努力ということをしていかなければならない、この点は重く受け止めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/64
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065・又市征治
○又市征治君 増田大臣のそういうお話を聞いているとそれなりの方法だなと思うんだが、ただ、いただけないのは、せっかく協議しましょうとおいでになって、自民党さん、公明党さんお見えになったけれども、いや、今年の秋の抜本的な税制改革のその中で消費税も含めてと。消費税代わりに上げますからという話じゃこれはいただけない。そういう話では、これは真摯に、増田大臣がおっしゃるような立場でのこれは論議になんかなかなかならない、こう言わなきゃならぬと思うんです。
そこで、今も大臣からも御答弁ございましたが、国による法的なとかあるいは行政的な縛りがなくなって、そして自治体の判断で他の事業との選択が可能になるとすれば財政自治権へ大きな前進だと思いますね。地方はそういう事態に備えて今道路事業の精査とかあるいは転換を準備すべきだろうし、また総務省はそれを支援すべきだろうと思うんです。
その際の一つの制度の問題ですが、私どもは、我が党としては以前から、現状の制度の下であっても、今はまるで道路を造る、それだけしか使わないみたいなことを言っているんだけれども、全然とんちんかんなところに、この間からはこれでもかこれでもかと無駄遣いが山ほど出てまいりましたが、現行の制度の下であっても、当面、過疎地等におけるハード、ソフト両面の交通弱者対策、言わば高齢社会における新たな人権の一部としての移動の自由であるとかあるいは交通権の保障、そのために、例えば地方の赤字ローカル線であるとかあるいは地方バス、航路の維持、活性化などにも財源の使途を広げるべきだ、過疎対策となるように総合交通会計制度の創設ということをずっと主張してまいりました。せんだって、元自民党の首相、森さんが、いや、大変いい発想だと、こう高く評価をいただいたようですけれども、評価されても余り実現していかないんじゃこれは困るんですが。加えて、もちろん交通事故防止や環境対策、将来的には一部を環境税転換にも振り向けるべきだろうということを提唱しているわけですが。
こうした施策の一部は、今国土交通省も一部細々と行っておられますけれども、本当の意味で地域社会の維持や再生という観点から、総務省としても国交省にやはり求めていく、そしてそういう支援策を行うべきではないかと思うんですが、この考え方について大臣のお考えをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/65
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066・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) 私も、今お話のございました離島ですとかそれから過疎地域のバス路線、離島航路ですとか過疎地域のバス路線、これは特に今後の人口減少時代を見据えますとなお一層やっぱり大事になってくると。こういう地域の足を確保しないと医療等にも影響が出てきますから、やはりそうしたものをきちんと確保するようなことが必要でありますし、総務省として、そういった地域の特別に必要な財政需要、自治体が多く補助している場合等もございますので、そうしたものをきちんと見なければいけないというふうに思っております。
特定財源の使途については、とにかく総理の方で勇断を持って真摯に一般財源化するという御提案があって、そういう下で内閣が今後考えていく話でありますが、与野党協議でいろいろ御議論あると思いますけれども、その中での道路財源の使途の問題としてもテーマに上がるんだろうと思いますけれども、そういった議論というのを今後真摯に受け止めたいと思いますし、いずれにしても、私もそういった地域の本当に細々と維持されているようなものについてはもっともっと政府全体として対策を講ずべきではないかという御指摘に対しては全く同感でございますし、そういうものを守る立場として今後も発言もしていきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/66
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067・又市征治
○又市征治君 国交省は財源を囲い込んで、かといってまちづくり交付金制度なんてつくって、何か裸婦像をどこかに飾っているとか、いや、裸婦像駄目だと言っているんじゃないですよ。
問題は、やはりもっと、そういう意味での財源が乏しくなっている中で、地域の活性化、あるいは本当に、それこそ、この間も申し上げましたが、限界集落というのがどんどん起こってきているというときに、本当にやっぱりそういうところの、お年寄りの皆さんが病院に通おうと思ったって一日にバス二本しかない、こういうところはもう二本ぐらい何とか走らせるためにそういう財源も交付していけるような、これは、やっぱり、総務省は国交省ともっと交渉すべきだと思うんですよ。是非そういう意味では頑張っていただきたい、このことを改めて求めておきたいと思うんです。
ところで、道路問題が大きく騒ぎになってまいりまして、この道路財源の配分、どんなふうになっているのかなとちょっと調べてみました。皆さんのお手元に資料をお配りさせていただきましたけれども、この道路財源の配分についても随分と地方間の偏在性が際立っている、こういう格好でして、決して道路財源は地方のためになっているとかあるいは公平だとか言い切れない、こういう実態があります。
上から見ていただくと、金額の多い順番に並べて、この五か年のところを、一番最後の、見ていただければお分かりのとおり、上位は東京、大阪、福岡、愛知、神奈川、こんな格好で来ているわけですよ。東京というのはこれだけの面積でこんなに必要なんだろうかと、そんなこと言うとまた石原さん怒るかもしれませんが。いずれにしても、こういう格好だ。
一方で、下位はどうかというと、香川、沖縄、長崎、福井、滋賀、佐賀、私の、河合さんも一緒ですが富山と、こんな順番に続いてきておる。私の富山県なんというのは大体一番この道路関係の税金を納めている県のようですね。非常にやっぱり不便ですから、公共交通が発達していませんから、一家に三台から四台車を持っている。随分と納められ、だけど配分はこうだと、こういう格好になるわけでありまして、だから持ってきてどんどん道路を造れと言っているんじゃありませんよ。そういうことではなくて、やはりこの点でも大都市偏重になっているのではないか。
総務省としては、やはりこれもそれこそ国土交通省に求めて、財政力の弱い自治体にもっと振り向けるようなそういう努力、あるいは、本当の意味で遅れている、道路建設などが遅れていると言われるところ、もっとそういうところに考えていかないと、これで見て本当の意味で公平にやられているということになるのかと、こういう疑念を持つわけですが、その点について総務省としてはどういう努力をなさっているのか、この点をお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/67
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068・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) 上位の方に東京都、大阪、福岡、愛知、さらに神奈川と、こういった団体が並んでおります。用地費の問題、それから道路の構造等の問題等もあるんだろうと思います、あの辺りはキロメーター単位の非常に額が大きくなりますので。
ただ、いずれにしても、この臨時交付金でありますが、地域地域の事情にきちんとこたえるような制度になっていなければいけませんので、私どももこのことについては国土交通省にもいろいろと相談をしてございますし、本年度、まだ制度を認めていただいておりませんけれども、内容としてはこの臨時交付金についても団体の財政状況に応じて国費割合を引き上げるように、財政力の弱いところは国費がより投じられるように制度改正も行ったところでございますので、お認めいただければ、より国費からの投入割合が高くなって、こういう財政力の弱い下位の方の県にも手厚くなるんだろうと思います。
今後も、この臨時交付金でございますが、地方の使い勝手がいいような仕組みになるように私どももきちんと国土交通省に考えを伝えて、よく内容の改善に相談をしていきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/68
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069・又市征治
○又市征治君 あと三問ほど持っておったんですが、一番最後に何となくいい返事聞きましたから、そこのところは是非努力をいただくことを重ねてお願いを申し上げて、ちょっと時間前ですが、終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/69
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070・高嶋良充
○委員長(高嶋良充君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後零時九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00920080410/70
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