1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成二十四年四月十九日(木曜日)
午前十時二分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 前川 清成君
理 事
高橋 千秋君
轟木 利治君
姫井由美子君
委 員
直嶋 正行君
藤原 正司君
増子 輝彦君
安井美沙子君
柳澤 光美君
松 あきら君
松田 公太君
浜田 和幸君
国務大臣
経済産業大臣 枝野 幸男君
副大臣
経済産業副大臣 柳澤 光美君
大臣政務官
経済産業大臣政
務官 北神 圭朗君
事務局側
常任委員会専門
員 山田 宏君
政府参考人
金融庁総務企画
局参事官 三井 秀範君
経済産業省貿易
経済協力局長 厚木 進君
中小企業庁長官 鈴木 正徳君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○中小企業の海外における商品の需要の開拓の促
進等のための中小企業の新たな事業活動の促進
に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣
提出)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/0
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001・前川清成
○委員長(前川清成君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
この際、申し上げます。
自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会、新党改革所属委員に対し、出席を要請いたします。しばらくお待ちください。
速記を止めてください。
〔午前十時三分速記中止〕
〔午前十時二十三分速記開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/1
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002・前川清成
○委員長(前川清成君) 速記を起こしてください。
自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会、新党改革所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでした。やむを得ず議事を進めます。
政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
中小企業の海外における商品の需要の開拓の促進等のための中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁総務企画局参事官三井秀範君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/2
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003・前川清成
○委員長(前川清成君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/3
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004・前川清成
○委員長(前川清成君) 中小企業の海外における商品の需要の開拓の促進等のための中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/4
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005・安井美沙子
○安井美沙子君 民主党の安井美沙子でございます。
経産委員会で初めて質問する機会をいただきまして、ありがとうございます。元気出して頑張りたいと思います。
元々、経営コンサルタント出身でありまして、政府の中小企業対策には少なからず関心を持っておりました。より正確に申し上げるならば、ちょっと厳しい言い方ではございますけれども、中小企業対策に含まれる各種支援策や補助金等は、日本の中小企業の体力を実質的に強化し得るものなのか、それとも、ただ息絶え絶えの中小企業を生き長らえさせるだけのセーフティーネットなのかという問題意識を持っております。
スウェーデンは高福祉高負担で有名ですが、充実した社会福祉政策がめり張りの利いた産業政策、財政政策に裏打ちされていることは余り知られていません。その特徴は、一言で言えば、小さな政府を追求し、衰退産業、衰退企業は救済しないという哲学を貫いています。翻って、日本の政府は中小企業をどうしていきたいのか、中長期的展望がよく見えないというのが正直なところです。
そういった前提に立ちまして、今回提出された中小企業経営力強化支援法案について、これが真に中小企業の支援たり得るスキームとなっているかどうか確認をさせていただきたいと思っています。
まずは、支援事業の担い手の多様化、活性化について幾つか確認させていただきます。
まず、支援事業の担い手ですが、既に中小企業基盤整備機構、中小企業再生支援協議会等、多種多様な機関が設けられています。また、商工会、商工会議所も長きにわたって中小企業の経営相談、指導に当たってきています。こんな中、本法律案で新たに経営革新等支援機関を設ける理由は何でしょうか。地銀や信金等の金融機関も既に中小企業支援に携わっているはずですから目新しいとも思えないのですが、現状の支援体制、支援制度に不備があるという問題意識に基づく法改正なのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/5
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006・柳澤光美
○副大臣(柳澤光美君) お答えをさせていただきます。
今、安井議員が御指摘のとおり、中小企業をめぐる経済環境というのは大変大きく変化をいたしておりまして、直面する経営課題というのは一層多様化、複雑化をしているというのが現状だというふうにとらえております。
これらの経営課題に対して、中小企業の経営状況の分析や事業計画の策定や実行をするための支援体制を一度きちんと整備をする必要があると。そして、この本法律案においては、財務及び会計等の専門的な知識や実務経験が一定レベル以上の者を国が認定することで支援の担い手を多様化、活性化するとともに、独立行政法人中小企業基盤整備機構からの専門家を派遣し、中小企業に対しチームとして専門性の高い支援を行うための体制を整備するものであります。また、今回の認定制度により、既存の中小企業支援者に加えて、金融機関、税理士等を公的な支援機関として位置付け、中小企業が安心して経営相談等が受けられる環境を整備いたします。
このように、中小企業者にとっても、財務内容等の経営状況の分析や事業計画の策定支援、実行支援について認定支援機関から質の高い支援を受けることが可能になると、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/6
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007・安井美沙子
○安井美沙子君 ありがとうございます。
本支援機関に参画する支援者に財務及び会計等の専門的知識を有する者として金融機関や税理士法人等が法案に明示されている、これは今副大臣がおっしゃったとおりなんですけれども、地方の中小企業や零細企業にとっては金融機関というのは敷居が高くて、ざっくばらんに手のうちをさらけ出して支援を求められる相手ではないという印象があります。
例えば、中小企業金融円滑化法に基づき金融機関に借入条件の変更を依頼したくてもどうしたらいいか分からないという企業に対して、商工会では、お配りした資料があると思いますけれども、そのような相談依頼カードを用意して、これを提示するだけでいいように支援をしています。実物はこの小さなカードなんですけれども。これなどは、中小企業と金融機関の距離感を端的に示していると思います。
今回の認定対象として、金融機関や税理士法人のほかに既存の中小企業支援者というのがありますから、商工会や商工会議所も想定内に入っていることと思います。これらの多彩な支援機関が有機的に結び付いた上でどこかが音頭を取って支援プロジェクトを推進するような仕組みがないと、今回想定しているスキームは十分に機能しないのではないかという懸念があります。支援を実効性のあるものにするための具体的な指針が今後示されるのでしょうか。支援は無償なのか、それとも実費くらいは支援者に補填されるのかが気になります。本業を抱える中、ただ働きをどこまで本気でやってくれるのでしょう。認定を受ける関係者に対する何らかのインセンティブが必要なのではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/7
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008・柳澤光美
○副大臣(柳澤光美君) 実は、御指摘のとおり、今回の改正法の三条で基本方針というのを示しておりますけれども、支援体制の整備に関する事項を新設をする、そして国として望ましい支援体制の方向性を示すと。そして、基本方針の柱としては、支援業務の内容、そして実施体制、実施に当たって配慮すべきことの三点を規定をいたしております。
具体的には、財務及び会計等の専門的な知識等を活用した財務内容等の経営状況の分析や事業計画の策定支援、実行支援を規定するほか、長期かつ継続的に支援を実施するための組織体制等を規定する予定でございます。独立行政法人中小企業基盤整備機構から専門家を派遣し、中小企業に対してチームとして専門性の高い支援を行うための体制を整備することとしており、有機的な経営支援体制を構築する予定でございます。
認定支援機関に対する支援措置としては、前述の独立行政法人中小企業基盤整備機構法の特例に加え、特定非営利活動法人等の資金調達を支援する中小企業信用保険法の特例を講ずることとしております。これらに加えて、認定支援機関の業務を円滑化する論点から、金融機関の経営支援によるリスクの低減に応じて保証料が減額される仕組みや支援人材の育成等を平成二十四年度予算で手当てをいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/8
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009・安井美沙子
○安井美沙子君 ありがとうございます。
次に、海外展開に伴う資金調達支援についてお伺いします。
まず、対象事業を限定するのはなぜでしょうか。本法律案において、資金調達円滑化支援の対象は、経営革新事業、新連携事業、農商工等連携事業など四つに限定されています。これらに限定することによって、支援を受けたくても受けられない企業が出てきはしないのでしょうか。逆に、この四つの事業に限定するメリットが何かあるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/9
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010・柳澤光美
○副大臣(柳澤光美君) 中小企業の新規事業展開は、既に法律上措置されている四つの新事業展開に関する計画を採用するものでありまして、利用者を限定する趣旨ではございません。
四つの計画のうち経営革新計画は、年間四千から五千件の計画が全国で承認されるなど、他の三つの計画含め、中小企業の新規事業活動を幅広く支援するものであります。また、承認又は認定を受けた四つの新事業展開に関する計画を支援する対象として、あらかじめ事業計画を立案することにより、中小企業者の海外進出に係る事業リスクの低減が期待できるほか、国内の事業基盤の維持に配慮した中小企業者の海外での事業計画を実施することができる、また、新たに計画を新設することに代え、既存の四つの新事業展開に関する計画を活用することで行政手続簡素化にもつながるなど、メリットを有すると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/10
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011・安井美沙子
○安井美沙子君 ありがとうございます。
そもそも、本法律案で支援しようとしているのはどんな業種でどんな海外展開を想定しているのでしょうか。中小企業庁の皆さんは全国各地の現場を見られていると思いますので、本スキームで海外展開を支援したい、そのことによって日本経済にとってプラスの作用が働くと特にお考えの業種と、海外展開のイメージを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/11
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012・鈴木正徳
○政府参考人(鈴木正徳君) 今先生御指摘のとおり、中小企業の海外展開が我が国の成長に必ず結び付くということが極めて大事だと考えております。
具体的でございますけれども、例えば物づくり、製造業の海外展開では、国内に本社とか開発拠点とかマザー工場と言われます基幹部品の工場はしっかり維持をすると。それに加えて、海外の新しい需要を取り込むために海外に生産工場を立ち上げると。その際の生産工場の立ち上げ費用や運転資金がこの対象になろうかと思っています。
また、これは物づくりだけではございませんで、日本のサービス業、大変日本のきめ細かなサービスということで人気がございます。現地で積極的に店舗を展開されようという方がたくさんいらっしゃいます。そういうサービス業につきましては、例えば出店の資金、また運転資金が必要でございますので、そういう資金を対象にするということを考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/12
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013・安井美沙子
○安井美沙子君 ありがとうございました。
中小企業のみならず日本の企業は、韓国を筆頭とするアジア新興諸国と比べ、イコールフッティングとは程遠い厳しい競争条件を抱えて戦っています。空洞化による雇用喪失が懸念される中、あえて中小企業の海外展開を支援、促進するのはなぜでしょうか。これらは両立が可能とお考えの場合には、別途空洞化対策への取組状況と日本経済再生への決意をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/13
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014・枝野幸男
○国務大臣(枝野幸男君) 御承知のとおり、日本国内はもう人口減少が急激に始まっています。こうした構造の中で、マーケットとしての日本市場は、様々な努力もしてまいりますけれども、大きくなっていくという状況ではありません。
一方で、近隣のアジアの国々、アジア太平洋地域においては、まさに成長が著しくて、これから大変大きなマーケットがございます。ただ、そこで日本でつくった物づくりであれ、あるいはサービスや小売、流通であれ、やはり需要地に近いところで事業を行うことに圧倒的な有利さがある。もちろん、それに加えて人件費コスト等の違いもございます。そうした中で、そうした需要を積極的に取り込むことなしに日本の経済は中小企業を含めてなかなか成り立っていかないという現実があります。
一方で、こうした対応に遅れますと、実際に私自身、海外に出ましたときに現地に進出している中小企業の皆さんとできるだけお話ししようとしていますが、日本でどうしても苦しくなってもうやむにやまれず出ていくというような状況ですと、やはりなかなか現地でも対応ができない。結局、アブ蜂取らず、全部が駄目になると。
日本において、例えば物づくりであれば一定の技術力をしっかりと確保している状況、あるいは日本としてのブランドであったりとか、あるいはマネジメントの力もやはり日本は強いところがあります。そうした力を持っている状況の中で、伸び行くアジアの需要を積極的に取り込むということで海外展開をするということで、一方の国内にある、例えば物づくりならマザー工場であるとか研究開発拠点、あるいは日本の国内にある、三次産業であればその言わば統括拠点としての仕事の量も増えていくということになっていきますので、この二つは十分に両立し得ることであるし、むしろ両立させるためにも海外に出て取り込んでいける需要を取り込んでいきたいということがこの法律の趣旨であります。
一方で、なかなか出れない中小企業もありますし、出ることが困難な、何というんでしょう、業種などもありますので、そうしたことの中では国内の拠点を維持するための立地対策としての国内立地補助金や、三年後からになりますが、法人実効税率の引下げ等、できるだけ海外の企業と対等に競争できる環境整備も進めているところでございまして、両面が必要だというふうには思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/14
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015・安井美沙子
○安井美沙子君 ありがとうございました。大変よく分かりました。
地元愛知だけでなくて全国の中小企業経営者の皆さんと意見交換して感じることは、中小企業、特に小規模、個人経営の問題点の多くは、事業計画と資金計画の立案、そしてそれに連動した計画的な資金調達にあると思っています。その点から申し上げても、財務、会計について専門家から助言を受けることができる制度を創設することは大変意義深いと考えます。
これまで見てきた中小企業の成功例に共通するのは、関係者を束ねプロジェクトを強力に推進するキーパーソンの存在でした。キーパーソンは、企業の社長当人であることもあれば、商工会や商工会議所のスタッフ、自治体職員、外部コンサルタントなど様々なケースがありました。いずれにしろ、当該中小企業のみならず、支援側がいかに当事者意識を持ってその事業を成功させよう、ひいては地域経済を活性化させようと本気で取り組んでいるかに懸かっているのです。
中小企業を支援することは日本経済を支えることに直結します。支援の網を幾重にも重ね、潜在力の高い企業を見付け出し、その特性や優位性を発揮できるようにしていかなければなりません。そのためにも、本スキームが有効に機能することを願いつつ、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/15
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016・前川清成
○委員長(前川清成君) この際、申し上げます。
自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会所属委員の出席が得られておりません。出席を要請いたしますので、しばらくお待ちください。
〔委員長退席、理事高橋千秋君着席〕
〔理事高橋千秋君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/16
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017・前川清成
○委員長(前川清成君) 自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでした。やむを得ず質疑を続行いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/17
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018・松あきら
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。
二党が出席をされないということで大変残念でございますが、多少待ちくたびれた感もございますが、質問をさせていただきたいと思います。
かつては世界を席巻していた日本の家電メーカーが、ここへ来て軒並み業績が悪化をしましてリストラの嵐が吹いているという状況でございます。皆様御存じのように、新聞にも先週十日、ソニーは三月期連結決算の純損益の赤字、過去最大五千二百億となる見通しであるということで、約一万人という大規模の従業員削減を残念ながら表明をいたしました。既に、パナソニックも三万人を超す人員削減、NECも一万人規模の削減、シャープは賃金、報酬のカット、役員賞与など支給しないなど、業界各社がリストラや賃金カットに取り組んでいるところでございます。
日本の企業は今でも、もちろん現在でも高い技術力を持っていることは間違いありません。しかし、例えば時価総額世界一となったアップル社のiPadやiPod、東芝や日立の部品が多く使われております。ほかにもあります、日本の細かい、いっぱい使われているんですが、製品となった場合、これがもうほとんど日本にはその利益が来ないというような状況になっているという、技術力は高くても、世界市場での競争に勝てなくなってしまったという厳しい現実もあるというふうに思います。
それで、リストラで懸念されるのは、これは以前から、今ではないんですけれども、ここへ来てまたばあっとリストラの数が増えたということで、やはり人材の流出、これが一番懸念をされるところで、もうサムスンなどには日本の高い技術者がほとんど行っていて日本の首絞めているなんということもありまして、中国などは、これはもう以前からですけれども、大企業だけではなくて、中小企業の、もうナノの部分が手で分かるという、こういうちっちゃな会社でもいらっしゃるんですね。
私もそうですが、ここは書かなくて本当はいいんですけれども、団塊の世代でございまして、団塊の世代が定年退職等で、あるいは少し前からもう引き抜きですね。私の知り合いの人なんかも、お友達の御主人なんかも、これは大企業の方なんですけれども、とても技術持っていらっしゃる方、マンションと家政婦さん付きで、もうすごくいい賃金で、定年前ですけれども、呼ばれちゃったということで、ええっ、そういう現実がいろいろあるわけでございます。
中小企業もいろんな大変な状況で、今回のこの法案にもつながっているということでございますけれども、政府は、雇用ということに関しては、雇用悪化を食い止めるために雇用調整助成金による企業支援を打ち出してまいりましたけれども、これも、企業内失業者四百六十五万人ということであります。やはり、企業への助成金で雇用を維持する手法は限界に来ているのではないかなというふうに思うところでございます。企業を救うためには、経産省あるいは文科省等々、厚労省だけではなくて、民間、官民、要するに、垣根を越えて連携をして推し進めなければいけないという、本当にぎりぎりの最後のところにもう来てしまっているかなというふうに思います。
今回のこの法案も、大事な法案であるとは思いますけれども、午前中も安井委員からお話出ましたように、中小企業に対する対策いろいろ取ってまいりましたけれど、なかなか、倒産する、例えば先に延ばすということだけではもう駄目であって、本当にきちんと生き残れる、生き残ることでその企業も、あるいは日本のためにもなるということで、今回も、一定のレベル以上の専門家、そういう方を認定して助言をする、あるいはチームとして再生させる、活性化させるという法案であり、また海外にも出やすくするという、支援をするという大事な法案ではあるというふうには考えておりますが。
一つは、これは、主務大臣はもちろん経産大臣なんですが、何で内閣総理大臣なのかなと、もう一方では。金融担当大臣って最初から、でも、金融担当大臣を委任することができるとはなっているんですけど、何で内閣総理大臣がここに出てくるのかななんという、ちょっと最初から金融担当大臣というふうにしてもいいのではないのかななんというふうに思ったのが一つであります。
それから、金融庁と、つまり、特に中小企業は、大企業ももちろんそうなんですけれども、中小企業は資金あるいは資金調達ということは、もうこれは切っても切れないことでありますので、常に金融庁、あるいは経産省は金融庁と連携をして何事も進めていかないとこれは進んでいかないということなのであると思います。
先般、中小企業金融円滑化法、いわゆるモラトリアム法ですね、これは倒産の件数を減らすことに一定の効果があったと思いますし、もちろんそうだというふうに思います。そして、今回、もう一回ということで再延長ということなのだと思います。
しかし、二〇一一年度の円滑化法利用後の倒産件数は、民間調査機関、これは帝国データバンクですけれども、この調査によれば、前年度の四・七倍の二百四十七件が判明しているんですね。そして、累計では三百件に達するという急増ぶりが、この利用後の倒産だということであります。金融庁は、モラトリアム法の期限到来に伴う企業倒産の発生を最小限にとどめるソフトランディング、出口というものを目指していらっしゃいます。円高、原料高、震災の影響などで中小企業を取り巻く環境は依然として厳しくてなかなか好転をしていないので、金融円滑化法利用後倒産は今後も更なる増加が残念ながら見込まれると、この調査機関も見通しを立てているんですね。
政府として、これは金融庁に伺った方がいいと思うんですけれども、円滑化法のこれまでの取組の成果について、どのように検証して評価をしているのかということが一つ。
それから、今回、円滑化法、今回限りの最終延長とされておりますが、今日、実は新聞に、日経と朝日に出ておりました。今後の中小企業再生の受皿として、企業再生支援機構を改組して二、三兆円規模の投資基金設立を検討するという記事が掲載されました。これは民間ファンドの投資も促すとかいろいろ出ておりますけれども、正直、民主党さんは基金がお嫌いだったんじゃないかななんて、嫌みではございませんが、思ったりもいたします。やはり与党になると、この基金というのも大事だなと、今はお分かりになってくださっているんだと思います。
このことを含めて、今後、どのような戦略と連携で取り組まれる方針なのか、これは大臣にお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/18
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019・三井秀範
○政府参考人(三井秀範君) お答えいたします。
再延長されました金融円滑化法のこれまでの成果に対する検証なり評価についての御質問でございます。
中小企業金融円滑化法の法施行後、金融機関は中小企業に対してこれまで累計で約二百二十九万件の条件変更等を行ってございまして、申込みに占める実行の割合は九割を超える水準となっているということもございまして、こういった面から、基本的には金融円滑化への取組は定着してきているのではないかと考えておる次第でございます。
一方で、貸出条件の変更の内容を拝見いたしますと、再変更が増えているといったこと、あるいは、条件変更等を受けながら経営改善計画は策定されていない中小企業も存在するといった問題を指摘する声もあるところでございます。
また、先生御指摘のとおり、昨今の急激な円高の持続、あるいは東日本大震災の影響等によりまして、我が国の経済は依然として大変厳しい状況にあると認識してございます。このため、この今般の金融円滑化法の延長に当たりましては、出口戦略といたしまして、金融機関によるコンサルティング機能の一層の発揮を促すということ、それから、外部機関などとの関係者の協力も得ながら、中小企業の事業再生等に向けた支援に軸足を移しまして、中小企業の真の意味での経営改善につながる支援を強力に推し進めていくということが重要であるというふうに課題として認識してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/19
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020・枝野幸男
○国務大臣(枝野幸男君) まず、主務大臣が内閣総理大臣というのは、これは法制上の仕組みで内閣府特命担当大臣はこの手の主務大臣になれないということで、全て内閣総理大臣が主務大臣で、実態として特命担当大臣が仕事をするという、こういう扱いでございます。
それから、今朝報道されました企業再生支援機構の改組についてでございますが、民主党内で検討中であるということは承知をいたしております。そして、今金融庁からも御答弁ございましたとおり、この円滑化法で条件変更が行われた中小企業が相当数に上っておりますので、出口戦略等を見据えますと、何というんでしょう、今回の法律でも強化をしようとしております経営支援を更にしっかりと強化をしていって経営力を強めていかなければならないという立場に立っております。
その上で、民主党内での御検討というのは、ひとつそうしたことも踏まえた検討だろうというふうに思っておりますが、まだ党から正式に内閣の方にもまだ提言されている段階でもございません。今後、そうした提言、あるいは野党の皆さんからも様々な御意見あろうかというふうに思いますが、そうしたことを踏まえて、中小企業再生支援協議会の機能を強化をし、中小企業の再生支援を充実させる体制整備に努力してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/20
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021・松あきら
○松あきら君 ほかのこともそうなんですけれど、私どもは新聞で見て、ああ、こういうふうになったんだなと、こう思うんですけれど、意外とそれがまだ決まっていないことが先に出るということがよくあるということで、今回も、今の大臣の御答弁で、まだこれからきちんと決めていくと、私ども野党のちょっと意見も聞いていただいた上でいろいろ検討していくということだというふうに理解をいたしました。
しかし、私は、新聞によりますと、なかなかこういう方向はいいかなというふうに思っておりまして、日本の金融資産千四百兆、これやっぱりなかなか、たんすだったり、銀行、金融機関などだけでは困るという、こういうことも動かしながら、そして高い技術力を持った中小企業、特にこういうところをしっかりと支えていくためのことであるということで、個人的にはいいのではないかなというふうに思っておりますので、しっかりと皆様方が、単に延命ではなくて、今おっしゃったように、本当にきちんといいものをつくっていただけるための再生あるいは支援ということでやっていただきたいというふうに思います。
それでは、次に行かせていただきます。
十三日、政府が行ったデフレ脱却等経済状況検討会議の初会合で、関係閣僚はデフレ脱却のための経済構造改革が欠かせないという見方で一致をしたとお伺いをいたしました。その中で、枝野大臣は、製品価格を引き上げても売れるような付加価値の高い、高付加価値の輸出産業を生み出すべきだと指摘をされたそうです。それはそうだとは思いますが、私は、ちょっといささか、大臣の御発言が日本の製造業ということであれば、いささか従来型の考えを抜け出ていないなというような印象を実は持ちました。
今まで、日本は高い技術力で高付加価値のものをどんどん売っていかなきゃいけない、それはそうなんです。そうなんだけれど、今、じゃ台湾や韓国や中国は技術力はどうなんだというと、これ、かなりもう追い付け追い越せでキャッチアップされているんですね。しかも、前は安かろう悪かろうだったんですけど、今は日本よりも価格が安くてそこそこいいんですよ。だから、ここがもう、それで、これからそういう日本のリストラがあって、例えばもっともっと技術者なんかがそういう他国に、東南アジア等に行ってしまっているなんということになると、本当にこれは大変な状況であるというふうに思うんですね。
やはり、私は、今後の国際戦略は購買力を付けたBRICS等の新興国の中間層市場の開拓にあると思うんですよ。
これは、以前私はちょっとテレビで見たんですけれど、例えばこれはインドをやっておりました。ほかの国もあったと思いますけど。粉石けんを、日本では液体だったり粉だったり固形だったりするんですけれども、こんなちっちゃな袋に、ほかのものもそうなんですけれども、小分けして、一回分なんですね。例えば、インドではその一回分の粉石けんの一袋を買うんですね、うちは二袋買います、こういう、すごく安いんです。もう箱で買うとかそうじゃなくて。ヤクルトおばさんもインドとかあちらにも行っていらっしゃるそうで、これももちろん一個ずつなんですね。ヤクルトを買えるところはかなり中間層以上のところなんですけれども、これはおいておいて。もう全部ばら売りでちょっとずつなんです。チョコレートなんかも一かけなんですね。
ところが、これが、これまで手を付けていない低所得の市場、つまりBOPという、ベース・オブ・ピラミッド市場が有力だからなんです。この所得構成のピラミッドの基盤層にも当たる層は約四十億人にも上るわけで、この層に安くて良い製品を提供する商品づくり、私はここがこれからの日本も、もう考え方を変えて、高付加価値、それはもうやるんですけど、ここにしっかりと入っていかなきゃいけないと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/21
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022・前川清成
○委員長(前川清成君) 時間が過ぎておりますので、簡潔に御答弁ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/22
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023・枝野幸男
○国務大臣(枝野幸男君) 実は、私の発想も今委員御指摘いただいた発想と基本的に一緒でございまして、科学技術の最先端で、じゃ高く売れるのかという時代に入っていますから、いろんな工夫で、実際に例えば、私もパリに行きましたときに、パリ拠点にアフリカの貧困地域で味の素の小袋がべらぼうに売れると。これ、やっぱりいいものをつくっていて、しかもそれを小袋にすることで、買える値段だけど、まさに一種高付加価値だと思うんですね。
そういったところをうまく生かして、貧しい皆さんでも手が出せる、でもいいものだと、やっぱり日本だなと、こういうことをやっていかなきゃいけないと思っております。御指摘ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/23
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024・松あきら
○松あきら君 ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/24
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025・松田公太
○松田公太君 みんなの党、松田公太です。
冒頭に、東電の値上げに同意しない利用者への電気供給を止めるといった発言について、三月二十八日、この委員会で私、質問させていただきましたけれども、それに関しまして、三月三十日、枝野大臣が早速行政指導を行っていただいたというふうにお聞きしました。ありがとうございます。多くの国民が感謝したと思いますし、私も有り難いなと思った次第でございますが、ただ、これから値上げの問題というのは実際出てくると思いますので、是非、引き続き厳しいウオッチとまた監視、そして行政指導を行っていただければというふうに思っております。
経営革新等支援機関の役割についてお聞きしたいと思いますが、既にもう安井委員の方からもお話が出ておりますが、私は、こんなあやふやな制度が増えると、むしろ民業圧迫にすらなってしまうんじゃないかなというふうに感じております。
これ、極端な話かもしれませんけれども、例えばコンサルティングのマッキンゼーは認定するがボストンコンサルティングは認定しないというようなことが起これば、これは大問題になってしまうわけですね。訴訟にすらなりかねないような話じゃないかなというふうに私は思っております。また、認定されなかった支援者がそれによって仕事を逆に失ってしまうきっかけにもなってしまうんじゃないかなと思いますし、逆に、認定された支援者が実際は能力が至らなかった、それによって問題が発生してしまったということになったら、果たして、じゃ国はそれを責任取れるんですかというようなことにもなってしまいかねないなというふうに思っております。
やはり、このような認定制度、これはもう極力つくらない、市場に任せるという方向で是非考えていただければなというふうに思っております。
あと、私が心配なのは、このような支援機関と名の付くものが出てきたら、結局は新たな利権の温床になってしまうんじゃないかなというふうに思うんですね。現段階では予算措置がないというふうにお聞きしておりますが、本日お聞きしたいのは、今後ともこれからこれに関して予算が発生しないということを御明言いただけますでしょうかということですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/25
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026・枝野幸男
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のように、これが何か民業圧迫みたいな形になってはいけないと思いますし、率直に申し上げて、この手の種類のもの、いろんなたくさんの種類があってなかなか整理が付いていないということ、これは別途きちっとこれから見直しをして分かりやすく整理をしていく努力というのは必要だろうなと、そこは問題意識共有をいたしております。
ただ、例えば今回のことの一つのポイントは、私も例えば地場の中小零細企業の皆さんといろいろお話をさせていただいたり、あるいは税理士さんとお話なんかをさせていただくと、それから、私も実家が零細企業だったものですからその乏しい経験からも、実は中小零細企業の経営のことを一番よく分かっていただいていて、この人が例えば中小企業支援策の様々なメニューを十分知っていていただければ、それぞれの実態に合わせて、こういうメニューありますよ、こういうやり方ありますよということの情報提供をできる、例えば一番ノウハウを持っていらっしゃる方、実は税理士さんが中小零細企業の、特に零細企業においては実態としては非常に多いと思うんですね。
ところが、主務官庁が財務省ということもありますが、なかなか中小企業施策について、そうだ、俺たちがちゃんと伝えなきゃとかということ、一般的には思っていただいている税理士さんたくさんいるんですが、なかなかそこに我々の方からも情報が十分伝わっていなかったりとか、ああ、税理士さんに税のことだけじゃなくて経営、中小企業支援策のこととかも相談できるんだという、こういう何か認識も十分でなかったりすると。そうすると、こういう方もいろいろと相談乗ってもらえるんだと思っていただいたり、あるいは相談をしていただく上での様々な情報提供をお互いに積極的に求めていただいたら我々も提供できるというようなことで、現場の末端の中小企業、零細企業の皆さんに様々な支援のツールとかノウハウとかをお伝えする、何というんでしょう、そういう場としては、こうした皆さんなど広く巻き込んで中小企業の支援ということにかかわっていただきたいというのが大きな問題意識でございます。
そうした観点でやっておりますので、補助金等でお金を何とかするということを基本的に考えていません。あるとすれば、その中小企業向け支援の新しい施策のパンフレットをそうした皆さんのところを通じて現場の皆さんに届けていただくということを、その部分に限ってはボランタリーにむしろやっていただくと、こういうことを想定している制度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/26
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027・松田公太
○松田公太君 枝野大臣がおっしゃっていることも分かるんですけれども、例えば私、シンガポールに何年かおりましたけれども、当時、例えばシンガポールのことをよく知っているミドルマンみたいな人がいて、そういう方が例えば日本の企業に口利きをしてあげたり、シンガポールの企業とのマッチングをしたりとか、そういうことを実際やっている姿を私も拝見してきているんですね。ですから、それが必要だというのは分かるんですが、そういう仕事をする人がですね。でも、わざわざこのような認定制度をもってその人を認定するということは私はやっぱり必要ないんじゃないかなと。それはもう市場が決めること、マーケットで例えば口コミとか、若しくは人の紹介、そういった形で広がっていくものなんじゃないかなというふうに思うんですね。
ですから、今、予算措置は基本的に考えていないというふうにお答えいただきましたので、是非私はそれを信用して、今後も無駄な、例えば外郭団体がこれにくっついて出てくるというようなことがないようにしていただければなというふうに思います。
次の質問ですが、海外展開に伴う資金調達支援。時間が余りないので、これ、質問というかお話だけをさせていただければと思いますが、これは海外進出する中小企業等にとっては有り難い話でもあるのかなというふうには感じております。しかし、最終的には、場合によってはこれは国民の負担が発生してしまうかもしれないものでもあるのかなと思うんですね。
矛盾だなと感じるのは、例えばこのような支援でこれから中小企業、中堅企業がどんどん海外に進出すればするほど国内ではむしろ空洞化が発生してしまう、そして国民の雇用は失われてしまうと。なのに、何かがあった場合はその進出した企業のフォロー、保証のために最終的には国民が税金という形で負担しなくてはいけないと。ちょっとこれおかしいなというふうに感じてしまうんですけれども。いずれにせよ、このようなリスクが付いて回るものなので、今後はしっかり仮説と検証を立てて行っていただきたいなと思うんです。これは、以前もほかの法案の際にも何回もお話ししていることなんですけれども、PDCA、御存じだと思いますが、是非PDCAを回して、しっかり仮説立てて、検証して、ドゥーをチェックしてということを繰り返していただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。
それでは、大飯原発についてお聞きしたいと思います。
現在、枝野大臣も大変御苦労なさっていると思いますが、これだけ原発の再稼働が問題になってしまったのは、私はやはり国民が政府を全く信用していないということに尽きると思うんですね。原発事故当初から、例えばベント、SPEEDIの問題、メルトダウン隠しとか、本当に原発事故発生時に遡れば、もう幾ら数えても数え切れないぐらいいろんな問題点が出てくるわけです。
今日は時間がないので一点に絞ってお話をお聞きしたいと思うんですが、津波の基準についてなんですね。大飯原発の三、四号機、これは四大臣会合で判断基準を満たしたというふうにされていまして、地震、津波が来襲しても燃料損傷には至らないというふうに発表されておりますが、その津波の高さは十一・四メートルにされているというふうに聞いております。なぜ十一・四メートルに設定されたのか教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/27
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028・枝野幸男
○国務大臣(枝野幸男君) まず、それぞれの原発ごとに想定される最大の津波高さというものが、これは専門家の皆さんによって分析をされております。しかし、今回の福島の事故はそれを大きく超える津波が襲ったということでございます。
昨年三月十一日以降、それぞれ想定地震、想定津波についての見直し進めておりますし、大飯についても三つの断層が連動する可能性も含めて検討をしてきていますが、基本的にその想定津波高さは変更の必要がないというのが専門家の皆さんのこれまでの分析ですが、その想定津波高さを超えることがあり得るということの中で、では、どこまで想定されているものを超えることが、合理的に検討しなきゃいけないだろうかということを考えると、福島の津波が十五メートルの高さ、あるいは元々の福島の想定津波高さより九・五メートル高い高さであったということですので、そのどちらもクリアするということが求められるのではないだろうかということで、九・五メートルを合わせた、想定高さより九・五メートルを足した十一・幾つだったですかね、という数字をクリアすることが必要だろうと、こういう考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/28
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029・松田公太
○松田公太君 福島第一原発からすぐ近くの富岡町なんですが、こちらには何メートルの津波が押し寄せたか御存じでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/29
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030・枝野幸男
○国務大臣(枝野幸男君) これは福島原発よりも高かったのは承知をしています。数字までは覚えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/30
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031・松田公太
○松田公太君 二十一メートルなんですね。なぜ二十一メーター引く当初の福島原発で想定されていた五・七メーター、つまり十五・三メーターですね、十五・三メーターを、元々の大飯原発の想定していた津波の高さ一・九メーターに足して十七・二メーターというふうには考えられないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/31
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032・枝野幸男
○国務大臣(枝野幸男君) まず、一般論として申し上げますと、津波の高さは、すぐ隣だから同じぐらいであるということにはならない。これはもう地形、地形というのは陸の地形もありますし湾になっているかどうかもありますし、それから、近いところの海底の地形にも大きく影響されますので、基本的には、隣が何メートルだったからということが一般的には余り通用しない世界だというふうに思っています。
そうしたことの中で、福島なら福島、大飯なら大飯のそれぞれの地形を考慮して想定された高さに比べて、福島はやっぱり九・五メートル超えているんだから、そこはしっかりと見ようということが今回の判断をしたベースでございます。
この判断自体は、かなり丁寧に確認をして、それで福井を始めとして御説明をしている話でありますが、今のような御指摘について、今私がお答えをしたことで間違いないかどうかということは改めて確認をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/32
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033・松田公太
○松田公太君 おっしゃるとおり、津波の高さというのは、隣町だからという、例えば地形であったり湾であったり、そういった部分に影響されることがありますので一概には言えないと思うんですけれども、やっぱり一言で言えるのは、甘いということじゃないかなというふうに思うんですよね。実際、隣で二十一メーターの津波が来たということであれば、九・五メーター足すというその算定基準がやっぱりおかしいものじゃないかなということをお分かりいただけるんじゃないかなというふうに思います。
お手元にお配りした資料なんですけれども、これ是非御覧いただければと思いますが、これはアメリカのパシフィック・ガス・アンド・エレクトリック社が想定した、これカリフォルニアにある原発の会社なんですけれども、津波の高さのグラフなんですね。アメリカでもヨーロッパでも各国の規制委員会、アメリカでいえば例えばNRCが設定しました確率論的地震ハザードの解析というものを、科学的根拠に基づいて津波の高さを何万年、何十万年、何百万年というところまで想定して計算しているんですね。
日本では、あれだけの事故が起こった直後にもかかわらず、単純に、津波に襲われた福島第一原発の高さがこれだけだったから、元々の津波の想定の高さにその九・五メーター分を足して基準を作ろうというのは、私はやっぱりおかしいんじゃないかなというふうに思うんです。本当にこの一点だけを取ってみても、現政府はやっぱり原発を何とか再稼働させたいという思いの下に、非常に甘い、根拠のない、子供だましのような基準をベースに安全基準を作ってしまったのではないかなというふうに私は感じています。
これではやはり到底国民の理解は私得られないというふうに思いますので、もう一度お願いなんですが、この安全基準、作り直していただけませんでしょうか。見直していただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/33
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034・枝野幸男
○国務大臣(枝野幸男君) こういうところをしっかりとこれから説明していかなきゃいけないと思うんですが、福島のことを受けて九・五メートルの上乗せをしただけではないんです。まさに今回の地震や津波の教訓を踏まえて、そこで得た知見も踏まえて、改めて個々の原子力発電所について、今回、大飯について、一番最大の津波で考えられるのは何なのかということをきちっと検証した上で、その想定津波高さに、これで本来であれば十分かもしれないけれども、万が一のことを考えると、さらに福島が想定を超えていたという九・五メートルを乗っけたということでございますので、そもそも何十万年に一遍かもしれない大きな津波というものを、考えられる想定津波というものを最大限しっかりと検証した上で更に九・五メートル乗っけているという位置付けであるということは是非御理解をいただきたいと思いますが、先ほどおっしゃった、本当に九・五でいいのかと、隣町のことを考えなくていいのかということを含めて、ここは十分に説明申し上げませんとなかなか安心していただけないと思いますので、更に今のようなことを含めて丁寧に御説明をしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/34
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035・松田公太
○松田公太君 御説明も大切だと思いますが、やはり私、見直しをされた方がいいんじゃないかなと。何かしら科学的根拠に基づいてこの数字が出てきたということを発表すれば、国民はやはり安心できるのじゃないかなと思うんですね。
最後に、質問まだ一分残っていますのでさせていただければと思いますが、その九・五メーター足したらいいんじゃないかという判断はどこかの学会から出てきたものなんですか。誰が決めたことなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/35
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036・枝野幸男
○国務大臣(枝野幸男君) 繰り返しになりますが、科学的には、その九・五を足してない数字を超える津波は考えられないということを、福島の事故の後、例えば大飯なら大飯について専門家の皆さんで検証いただいて、それで出てきている数字があって、それゆえに、でも、それであえて安全なのかもしれません、でも、今回の福島の事故が、事故以前の知見から出てきた想定津波高さより大きな津波来ているということで、それだけでは国民の皆さんに御安心いただけないだろうし判断する我々も安心できないということで九・五メートルを乗っけました。
したがって、これは科学的というよりも、まさに今回の経験、教訓を踏まえて判断をしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/36
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037・松田公太
○松田公太君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/37
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038・前川清成
○委員長(前川清成君) この際、申し上げます。
新党改革所属委員の出席が得られておりません。出席を要請いたしますので、しばらくお待ちください。
〔委員長退席、理事高橋千秋君着席〕
〔理事高橋千秋君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/38
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039・前川清成
○委員長(前川清成君) 新党改革所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでした。やむを得ず質疑を続行いたします。
他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
中小企業の海外における商品の需要の開拓の促進等のための中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/39
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040・前川清成
○委員長(前川清成君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/40
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041・前川清成
○委員長(前川清成君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118014080X00720120419/41
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