1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成三十年五月二十五日(金曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第二十二号
平成三十年五月二十五日
午前十時開議
第一 海外社会資本事業への我が国事業者の参
入の促進に関する法律案(内閣提出、衆議院
送付)
第二 地域における大学の振興及び若者の雇用
機会の創出による若者の修学及び就業の促進
に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第三 地域再生法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
第四 統計法及び独立行政法人統計センター法
の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
送付)
第五 学校教育法等の一部を改正する法律案(
内閣提出、衆議院送付)
第六 森林経営管理法案(内閣提出、衆議院送
付)
第七 独立行政法人農林漁業信用基金法の一部
を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
一、消費者契約法の一部を改正する法律案(趣
旨説明)
以下 議事日程のとおり
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/0
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001・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
この際、日程に追加して、
消費者契約法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/1
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002・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。国務大臣福井照君。
〔国務大臣福井照君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/2
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003・福井照
○国務大臣(福井照君) ただいま議題となりました消費者契約法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
消費者契約においては消費者と事業者との間に交渉力等の格差があることなどから、依然、若年者を含めた幅広い年代において消費者被害が生じております。また、平成十三年の施行以降、消費者契約についての裁判例や消費生活相談事例が蓄積しており、その傾向等も踏まえ、適切な措置を講ずる必要がございます。
こうした状況を踏まえ、消費者の利益の擁護を図るため、事業者の一定の行為により消費者が困惑した場合について契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができる類型を追加する等の措置を講ずることとするため、この法律案を提出した次第でございます。
次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一に、意思表示を取り消すことができる不当な勧誘行為の類型として、社会生活上の経験が乏しいことから、消費者が抱いている過大な不安をあおったり、消費者が勧誘を行う者に対して恋愛感情を抱いていることなどに乗じて、一定の内容を告げることを追加することといたしております。また、消費者が意思表示をする前に、契約を締結したならば負うこととなる義務の内容を実施すること等を追加することといたしております。加えて、不利益事実の不告知による取消しについても所要の改正を行います。
第二に、無効となる不当な契約条項の類型として、事業者に対し消費者が後見開始等の審判を受けたことのみを理由とする解除権を付与する条項、事業者にその損害賠償責任及び消費者の解除権の有無等を決定する権限を付与する条項を追加することといたしております。
第三に、事業者の努力義務についても、個々の消費者の知識及び経験を考慮した上で必要な情報を提供することを明示するなどの所要の改正を行います。
なお、一部の附則規定を除き、公布の日から起算して一年を経過した日から施行することといたしております。
政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出いたしましたが、衆議院におきまして、次の事項を内容とする修正が行われております。
事業者による消費者契約の勧誘に際し、消費者が困惑し、それによって意思表示をした場合には、その意思表示を取り消すことができる不当な勧誘行為の類型として、次に掲げる行為を追加するものとすること。
第一に、当該消費者が加齢又は心身の故障によりその判断力が著しく低下していることから、生計、健康その他の事項に関しその現在の生活の維持に過大な不安を抱いていることを知りながら、その不安をあおり、裏付けとなる合理的な根拠がある場合その他の正当な理由がある場合でないのに、当該消費者契約を締結しなければその現在の生活の維持が困難となる旨を告げること。
第二に、当該消費者に対し、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、そのままでは当該消費者に重大な不利益を与える事態が生ずる旨を示してその不安をあおり、当該消費者契約を締結することにより確実にその重大な不利益を回避することができる旨を告げること。
以上、消費者契約法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第でございます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/3
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004・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。太田房江君。
〔太田房江君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/4
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005・太田房江
○太田房江君 自由民主党の太田房江です。
私は、自民・公明を代表し、ただいま議題となりました消費者契約法の一部を改正する法律案について、福井消費者担当大臣に質問いたします。
平成十三年に消費者契約法が施行されてから十七年、その間も、政府においては、平成二十年に消費者行政担当大臣を設置、平成二十一年には消費者庁を発足させ、消費者行政の強化を図ってまいりました。
消費者行政が、製品や事業ごとに所管が多数の省庁にまたがる中、消費者事故などに素早く、かつ強力に対応するために、横串を刺した一元化が必要であったからです。
消費者庁の創設は、当時の福田康夫総理の強い思いが実を結んだものです。当時は、国民から熱気を持って迎えられたと記憶をしておりますし、私も旧通産省で消費者行政を担当していた経験もあり、消費者庁の発足に大いに期待をいたしたところであります。
そこで、消費者庁は、消費者を取り巻く環境が多様化、複雑化する中で、消費者行政全般の推進に向けて今後どのように取り組んでいかれるのか、まずはその姿勢についてお聞かせください。
近年、社会生活上の経験が乏しい消費者を狙って、過大な不安をあおったり、消費者が勧誘を行う者に対して恋愛感情を抱いていることなどに乗じたりする不当な勧誘行為が目に付きます。このような事情から、今回の法改正では、いわゆる困惑類型として、不安をあおる告知や恋愛感情等に乗じた人間関係を濫用して社会生活上の経験不足を不当に利用する行為を追加しております。
現在、成年年齢を十八歳に引き下げる民法改正案が国会において審議されています。十八歳から二十歳までの方々は、現行法では未成年を理由に契約を取り消すことができましたが、成年年齢引下げにより、この年齢層の方々は未成年を理由にした取消しができなくなります。このため、契約について経験が乏しい十八歳から二十歳までの方々が狙われ、消費者トラブルに巻き込まれるのではないかという懸念が指摘をされています。
この追加された困惑類型のターゲットは、若年層だけではありません。再雇用や健康などに不安を覚える方も不当な勧誘行為の対象になるおそれがあります。
今回の改正により追加される不当な勧誘行為は取消しの対象となりますが、あわせて、消費者側にもトラブルに巻き込まれないような教育等を徹底させることも必要だと考えます。
そこで、今回追加される困惑類型による消費者トラブルを効果的に防ぐためには、高齢者の方々はもちろんとして、成年年齢が引き下げられる年齢層の方々を含むあらゆる世代の方々にその危険性を理解してもらう必要があると考えます。この点についてどのようにお考えでしょうか。
次に、今回の改正案では、不利益事実の不告知について、現行では故意とされている要件を、故意又は重大な過失に改めます。
例えば、分譲マンションの販売時に、事業者が、日照、眺望の良さを説明しつつ、隣地に、その日照、眺望を妨げる建物が建つことを告げないで売ったことが不利益事実の不告知に該当する可能性があると、このような事例として理解されます。
しかし、故意はまだしも重過失については、どのような事例が当たるのかという限界事例については、消費者はもちろん、事業者もなかなか分からないと思います。
消費者庁においては、消費者側はもちろん、事業を所管する官庁や事業者と連携しながら、どのような事例が故意又は重過失に当たっているのかという判断が適切にできるよう周知を図ることが大切だと考えますが、どのように取り組んでいかれるおつもりでしょうか、お尋ねをいたします。
現行法においても、当社は一切の損害賠償責任を負いませんという事業者の損害賠償責任を免除する条項、いかなる場合にも契約は解除できませんという事業者の債務不履行により生じた消費者の解除権を放棄させる条項は無効です。
今回の改正案では、さらに、事業者が自らの責任の有無や消費者の解除権の有無を決定する権限を付与する条項、これも無効化されることになります。これにより、当社が過失のあることを認めた場合に限りと契約書に書いてある場合がありますが、これを消費者の泣き寝入りの原因にする、こういう事例、減っていくということを期待しております。
しかし、今回の法改正を知らない消費者に悪質な事業者が無理を迫るトラブルが続くことも懸念されています。損害賠償免責条項や解除権放棄条項について、どのような契約においてどのような条項が無効になるのか、消費者に分かりやすく例示すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
今回の改正案により、昨今問題となっております不当な勧誘行為を取り消したり、不当な契約条項を無効にしたりすることができるようになることは大きな前進です。同時に、消費者全般を同様の誘惑行為から守るためには、消費者庁と事業所管官庁とが連携をして適切な指導、監督、処分などを行うことも必要だと考えます。
その点から、消費者庁と事業所管官庁との情報共有や連携した調査などが求められていると思います。ネガティブ情報の公開などと同時に、事業者の前向きな改善姿勢、これらを公開することで、結果的に消費者側と業界側双方にプラスとなるのではないでしょうか。
そこで、不当な勧誘行為等があった事業者の情報共有のために、消費者庁と事業所管官庁が車の両輪となって一層の連携を進める中で消費者トラブルの回避や解決が進むことが望ましいと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
最後に、今回の改正法の施行期日について伺います。
消費者の保護という観点からは迅速な施行が求められていると思いますが、一方、事業者側から見ますと、体制の整備や従業員教育などに十分な準備期間が必要という声があります。特に今回は、消費者の後見等を理由とする契約解除を不当条項とするものも含まれており、現在、この条項を含めた契約書を使っている業界団体などへの周知徹底を図るためには、ある程度の期間は必要だと思います。
そこで、改めて、消費者保護の立場と事業者の側の準備期間の確保という双方のバランスから、今回の施行までの期間の考え方を分かりやすく御教示ください。
また、施行を待たずとも、不当な勧誘行為と思われる事案についてはどのように適切な対応をしていかれるつもりでしょうか。
消費者問題がその時代の状況を反映して変化することを踏まえ、是非、消費者担当大臣、消費者庁には、引き続いて、時代の流れを的確に把握し、しっかりと消費者行政に取り組んでいただきますようお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣福井照君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/5
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006・福井照
○国務大臣(福井照君) 太田議員にお答えをいたします。
消費者庁等の取組についてお尋ねがございました。
国民の命と平和な暮らしを守り抜くことは、現内閣の最も重要な方針の一つでございます。消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会を実現することは、そのために不可欠なものと考えております。このため、地方消費者行政の充実強化、制度の整備とその円滑な運用、所管法令の厳正な執行などにしっかりと取り組んでまいります。
これらの施策の実施に当たっては、消費者担当大臣である私の下、消費者庁、消費者委員会、国民生活センターの緊密な連携を図り、それぞれの役割を最大限発揮させながら、消費者の安全、安心の確保に全力を尽くしてまいる所存でございます。
困惑類型による消費者トラブルを効果的に防ぐことにつきましてお尋ねがございました。
高齢者の消費者被害につきましては、消費者ホットライン、一八八の周知や見守りネットワークの設置促進により、高齢者を消費生活センター等に円滑につなげるための環境整備が重要でございます。
また、本法案の衆議院における修正では、加齢等による判断力の低下に付け込む事業者の行為が取消し権の対象に追加をされました。
さらに、消費者庁及び国民生活センターは、引き続き適切なタイミングで様々なトピックを取り上げ、具体的な相談事例や消費者へのアドバイスなどを公表し、あらゆる世代の消費者が消費者トラブルに巻き込まれないよう注意喚起を行ってまいります。
不利益事実の不告知についてお尋ねがございました。
本法案の成立後、故意や重過失に当たる具体的な事例を始め、本法案の内容につきまして、事例を用いながら、逐条解説等で分かりやすい説明を徹底してまいります。
その際には、消費者、消費者団体のみならず、関係省庁とも連携し、事業者、事業者団体へも周知を徹底してまいります。
事業者が自分の責任を自ら決める条項についてお尋ねがございました。
本法案の成立後、どのような条項が無効になるかなど、本法案の内容につきまして積極的に周知徹底を図ります。
その際には、説明資料や事例集を作成して、その中で、例えば、当社が過失のあることを認めた場合に限り、当社は損害賠償責任を負うものとしますといった契約条項は無効となることを例示するなど、消費者に対して分かりやすい説明に努めてまいります。
消費者行政機関等や事業を所管する行政機関の一層の連携につきましてお尋ねがございました。
消費者庁は、所管法令に基づき、いわゆる不当な勧誘行為を行った事業者の情報も含め、消費者被害の情報に関し様々な行政機関等から随時情報提供を受けております。また、個別の事件調査において関係行政機関等と連携を取ったり、消費者被害の情報に関し意見交換等を行ったりしているところでございます。
今後とも、消費者被害の発生や拡大の防止のため、様々な事業を所管する行政機関等との一層の連携強化に努めてまいりたいと思っております。
施行までの期間の考え方等についてお尋ねがございました。
消費者保護の立場からは迅速な施行が求められます。他方、円滑な施行に向けては、本法案を十分に周知し、事業者の方々には不当な勧誘をしないようにしていただくことも必要なことから、本法案は、公布の日から起算して一年を経過した日から施行することといたしております。
また、施行期日前にありましても、法に定める不当な勧誘行為がなされませんよう、しっかりと周知徹底をしてまいる所存でございます。
以上でございます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/6
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007・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 森本真治君。
〔森本真治君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/7
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008・森本真治
○森本真治君 国民民主党・新緑風会の森本真治です。
ただいま議題となりました消費者契約法の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問します。
冒頭、安倍政権下での疑惑や不祥事について申し上げます。
一昨日、財務省から、森友学園に係る交渉記録と改ざん前の決裁文書が国会に提出されました。記録は廃棄したと繰り返し国会で答弁し、交渉記録の存在も認めてこなかったことが全て虚偽であったこと、さらに、答弁とつじつまを合わせるため、文書の改ざんだけでなく、理財局の指示で、保管していた記録を意図的に廃棄していたことも明らかになりました。なぜここまで国会と国民をだまし続けなければならないのか。
加計学園問題について。愛媛県が国会に提出した文書では、安倍総理は、獣医学部構想を知ったと明言してきたより二年も前に学園理事長から説明を受けたことになります。総理は改めて理事長から説明を受けていないと否定をされていますが、愛媛県知事も、文書を改ざんする必要がない、ありのままに報告書類として出されたものを国会に提出したと述べられ、総理と知事の主張は真っ向から対立しています。
どちらがうそをついているのでしょうか。それとも、加計学園がありもしない両者の会談を捏造して県に報告したのでしょうか。加計学園理事長や愛媛県知事にも国会で証言していただき、真実を明らかにしていく、安倍政権の疑惑を解明していくことが国会には求められます。
消費者庁は公益通報者保護制度を所管しています。公益を守るため、企業や国や自治体の法令違反行為に関する通報を受け付け、調査を行い、是正を図るとともに、通報者の保護を図っていく制度です。まさに、福井大臣には、安倍政権の数々の疑惑を解明し、真実を明らかにしていく責任があります。大臣の決意をお伺いします。
法案について質問します。
高齢化の進展や情報通信技術の発達、また、民法改正案では成人年齢引下げが提案されていますが、そうなれば、十八歳、十九歳の消費者被害の増加が懸念されていることを踏まえ、高齢者や若年成人等の消費者被害を防止、救済する上では、合理的な判断が働かない状態で締結された契約の取消し権を拡大する等の実効的な法制度の整備は急務です。
さらに、前回、平成二十八年改正時に、幾つかの論点が法改正に至らず、積み残しとなりました。当時の参議院地方・消費者問題に関する特別委員会において、残された課題について三年以内に必要な措置を講ずることを求めた附帯決議を行いました。本改正案は、それを踏まえ、この間、消費者委員会の消費者契約法専門調査会において内容を検討し、提出に至ったものと理解しています。
しかしながら、本改正案では、調査会における結論と比べ、内容が縮小されている点が見受けられますので、その点について質問します。
まずは、調査会で措置すべきとされながら法案に盛り込まれなかった、平均的な損害の額の立証責任についてお伺いします。
結婚式場などのキャンセル料をめぐるトラブルが多発する中、本法第九条第一号において、契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える損害賠償の額を予定し、違約金を求めることはできないことになっています。
しかし、キャンセル料が平均的な損害の額の範囲かどうかを消費者が立証することは、立証に必要な資料が事業者側にあることなどから、非常に困難です。本来、損害額を主張している事業者が立証すべきと考えますが、大臣の御所見をお伺いします。
前回の附帯決議で、この平均的な損害の額の立証に関する推定規定の措置を含め、残された課題について遅くとも三年以内に必要な措置を講ずべきといたしました。その期限となる今後一年以内に改正案提出を目指すのか、大臣にお伺いします。
あわせて、消費者委員会の答申で異例の付言が付され、喫緊の課題として言及されている事項や、専門調査会の二度の報告書で指摘された多くの積み残し課題について、今後どのようなスケジュールで対応するのか、大臣にお伺いします。
そもそも、何年も掛けて議論されてきた事項について、専門調査会の結論が得られたのに、立案作業が間に合わなかったとはどういうことでしょうか。
前回の附帯決議では、「消費者庁、消費者委員会及び国民生活センターの徳島県への移転については、本法等消費者庁所管の法令の運用に重大な影響を与えかねないため、慎重に検討すること。」としていました。平均的な損害の額の推定規定について改正案に盛り込む作業が間に合わなかった現状一つ取っても、法の所管官庁として重大な影響が生じています。昨年夏から暫定的に置かれた徳島オフィスでの追加的な業務に人手を割いている場合ではないのではないですか。
消費者庁の徳島移転について改めて慎重であるべきと考えますが、大臣のお考えをお伺いします。
次に、意思表示を取り消すことができる不当な勧誘行為の追加についてお伺いします。
本改正案では、就活中の学生の不安を知りつつ、このままでは一生成功しない、この就職セミナーが必要と告げ勧誘する不安をあおる告知や、消費者の恋愛感情を知りつつ、契約してくれないと関係を続けないと告げて勧誘する恋愛感情に乗じた人間関係の濫用について追加しています。この中で、本来事業者側の不当な勧誘行為によって消費者が困惑したことだけを示せば十分なのに、なぜか、専門調査会でも議論されていなかった、当該消費者が社会生活上の経験が乏しいことからという要件が追加されました。
本要件は、成年年齢引下げに対応した改正であることを示すため対象を絞ったものなのか、またそうであるならば、この要件に該当する若年者とはどれくらいの年齢までの消費者を想定したものですか。大臣の答弁を求めます。
社会生活上の経験が乏しいとは、具体的にどのような経験が乏しいというのか、また、対象とならないのはどのような事例なのか、一般消費者には判然としないところがあります。
衆議院での答弁では、霊感商法等の悪徳事業者による消費者被害については、勧誘の態様に特殊性があり、通常の社会生活上の経験を積んできた消費者であっても、一般的には本要件に該当するものと考えていると一例を説明されていますが、大臣の答弁を求めます。
衆議院においては、結果、法案が修正され、霊感商法等については社会生活上の経験の乏しさに関係なく救済されると新たな項目を追加し、明文化されましたが、不安をあおる告知や恋愛感情に乗じた人間関係の濫用については、救済の対象を狭めたままです。二つの整合性をどう取るのか、大臣の見解をお伺いします。
今回手当てされたのは、合理的な判断をすることができない事情を利用して契約を締結させる、いわゆる付け込み型勧誘の類型の一部にとどまっています。そもそも消費者契約法は、業種や業態を限定した個別法ではカバーできない消費者トラブルをカバーできるよう制定された包括的な民事ルールであり、悪質事業者の様々な手口をその都度イタチごっこで規定していくような性質のものではありません。
消費者の知識、経験、理解力、判断力等の不足を利用して過大な不利益をもたらす契約の勧誘が行われた場合には、若年者、高齢者問わず、消費者の取消し権を認める包括的な受皿となる規定を設ける必要があると考えますが、大臣の見解を伺います。
以上、質問してまいりましたけれども、大臣の明瞭な答弁を期待し、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣福井照君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/8
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009・福井照
○国務大臣(福井照君) 森本議員にお答えをいたします。
疑惑を解明し、真実を明らかにしていく決意についてお尋ねがございました。
消費者庁が所管する公益通報者保護制度は、公益のために通報を行った行政機関の職員も保護するものでございます。このため、同制度が実効的に機能いたしますよう、全ての省庁において、制度の内容や通報窓口についての周知強化や、通報に関する秘密保持、通報者保護の徹底などの取組を進めてまいります。
平均的な損害の額の立証責任の所在についてお尋ねがございました。
消費者契約法第九条第一号における当該事業者に生ずべき平均的な損害の額及びこれを超える部分については、基本的には消費者が立証責任を負うものとされております。この立証責任を転換することについては、消費者委員会の消費者契約法専門調査会における検討ではコンセンサスが得られず、改正事項として提案されなかったものでございます。
第九条第一号の見直し時期についてお尋ねがございました。
今後は、裁判例の更なる調査、標準約款における損害賠償の額を予定する条項の作成過程に関する業界ヒアリングなどに取り組むことを考えております。
現時点で改正案を提出する時期を明言することはできませんけれども、できる限り速やかに検討を進めてまいります。
積み残しの課題に対応するスケジュールについてお尋ねがございました。
消費者委員会答申の付言において早急に検討し明らかにすべき喫緊の課題とされた事項など積み残された課題につきましては、引き続き検討してまいります。こうした検討に際しては、被害事例や裁判例の分析などが必要と考えておりますけれども、できる限り速やかに取り組んでまいります。
消費者庁の徳島移転についてお尋ねがございました。
徳島における消費者行政新未来創造オフィスは、その取組により全国の消費者の利益に資する高い成果を創出し、消費者行政の発展、創造の拠点とするべく開設したものでございます。
消費者庁の徳島県への移転の在り方に関しては、平成三十一年度を目途に検証、見直しを行い、結論を得ることといたしておりますけれども、いかなる場合においても消費者庁の機能が低下することがあってはならないと考えております。
社会生活上の経験が乏しいことという要件と成年年齢引下げとの関係についてお尋ねがございました。
民法の成年年齢引下げの議論が進む中、若年者を中心に発生する消費者被害の救済策の充実が重要な課題となっており、消費者委員会では、若年者の消費者被害の救済を含めた、合理的な判断をすることができない事情を利用して契約を締結させる類型について検討がなされました。
本要件は、その検討等を踏まえ、こうした被害事例を適切に捉えるために法制化したものでございます。
社会生活上の経験が乏しい若年者の年齢についてお尋ねがございました。
本要件は、当該消費者における社会生活上の経験の積み重ねが、一般に、消費者契約を締結するか否かの判断を適切に行うために必要な程度に至っていないことを意味するものであり、年齢により定まるものではございません。
総じて社会生活上の経験の積み重ねが少ない若年者への適用には支障はありませんけれども、消費者が若年者でない場合にあっても、社会生活上の経験の積み重ねにおいてこれと同視するべき者は、年齢にかかわらず、本要件に該当し得るものでございます。
社会生活上の経験が乏しいの経験の意味、具体例についてお尋ねがございました。
社会生活上の経験とは、社会生活上の出来事を実際に見たり聞いたり行ったりすることで積み重ねられる経験全般をいいます。
総じて社会生活上の経験の積み重ねが少ない若年者への適用には支障はありませんが、消費者が若年者でない場合であっても、社会生活上の経験の積み重ねにおいてこれと同視すべき者は、年齢にかかわらず、本要件に該当し得るものでございます。
例えば、就職活動中の学生の不安を知りつつ、このままでは一生成功しない、この就職セミナーが必要と告げ勧誘したような事例が対象となり得ます。
衆議院で修正されました霊感商法等と不安をあおる告知等との整合性についてお尋ねがございました。
一般に、取消し権の適用される範囲については、既に規定されている不退去、監禁と同様に、消費者に類型的に困惑をもたらす不当性の高い事業者の行為であって、その内容に応じて必要な要件を過不足なく規定したものであれば、具体的な要件に差異があるとしても、整合性は問題とならないものと考えております。
消費者の取消し権に関する包括的な規定の必要性についてお尋ねがございました。
いわゆる付け込み型勧誘による被害につきましては、平成二十八年改正によりまして新設された過量契約の取消し権の規定や、本法律案により追加する不当な勧誘行為の規定等によって救済を図ることができる場合もございます。
もっとも、いわゆる付け込み型勧誘による被害の救済を広く図ることは重要な課題であり、被害事例や裁判例の分析等を進め、引き続き検討してまいりたいと考えている次第でございます。
以上でございます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/9
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010・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 杉尾秀哉君。
〔杉尾秀哉君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/10
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011・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 立憲民主党・民友会の杉尾秀哉です。
ただいま議題となりました消費者契約法改正案について質問する前に、まず目下の政治情勢について伺います。
私は、テレビ報道の世界で長年歴代政権を取材してまいりましたが、この政権ほどひどい政権を見たことはありません。
新たに国会に提出された森友、加計文書。あれだけ、ない、ないと言い続けた書類が、通常国会終盤になって次々と魔法のように現れ、それでも何事もなかったかのように重要法案が数の力によって相次いで成立させられようとしている現実。これはまさに議会への侮辱であり、議会制民主主義の否定そのものであります。
これらの文書さえあれば、とうの昔に真相究明がなされたはずが、何と一年以上も国会審議が浪費されました。この間、森友関連の質疑があった委員会、本会議は衆参合わせて四百五回、その全ての責任は政府・与党にあります。失われた時を返してください。
あからさまなうそをついてまで真実を隠し、国民が忘れるまで、なかったことにしよう、そんな意図が見え見えです。
最近、社会問題にもなっている日大アメフトの悪質タックル問題で、先日、渦中の日大選手が記者会見をしました。私も、大学時代、アメフト部に所属し、日大とも同じリーグで何度も戦いましたが、二十歳そこそこの学生が自らの責任を赤裸々に語る一方で、自己保身しているとしか見えない指導者の姿に、責任を官僚に押し付けて逃げまくる我が国のリーダーの姿をダブらせて見た国民も少なくなかったのではないでしょうか。
そこで、菅官房長官に伺います。
森友文書改ざんと廃棄に手を染めた財務省のトップである麻生大臣、そして安倍総理の責任は果てしなく重く、内閣総辞職以外に国民の行政への信頼回復の道はないと思いますが、いかがお考えでしょうか。
次に、福井大臣に伺います。
まず、冒頭申し上げますが、あなたは消費者担当大臣として不適格です。
就任以来、大臣は週刊誌のターゲットとなってきました。火のないところに煙は立たない。福井大臣をめぐる様々な報道。週刊誌に掲載された恥ずかしい写真や、異性関係のトラブルの数々。そして、関与が指摘された出資金詐欺では、裁判で大臣に対する賠償責任は否定されたものの、出資者に問題の事業への支援を呼びかけていたことが認められました。
この一事をもってしても、消費者問題の担当大臣としてお任せできないと思いますが、大臣自身のお考えはいかがでしょうか。
さらに、大臣は、二〇一四年の解散・総選挙で、自民党報道局長としてテレビ局に圧力を加える文書を出しました。憲法で保障された言論、表現の自由をどう考えているのでしょうか。
それでは、議題となっています消費者契約法について伺います。
本法案の衆議院の審議では、いわゆる困惑類型の追加に、それまで出てきていなかった、社会生活上の経験が乏しいという要件が唐突に書き加えられたことが最大の争点となりました。
そもそも、本法案は、前回の法改正では盛り込まれなかった、合理的な判断ができない事情を利用し、高齢者や若年成人などの知識、経験、判断力不足を不当に利用して、過大な不利益をもたらす契約をさせた場合の取消し権などが消費者委員会での検討課題でした。そこに、成人年齢の十八歳引下げに必要な対応が加わり、消費者契約法専門調査会で検討された事項を受けて法案が提出されました。
ところが、その専門調査会の議論では全く出てきていなかったこの要件が新たに付け加えられたことで、社会生活上の経験が乏しい若者の救済が中心となり、高齢者や障害者などが置き去りにされるのではないかという強い疑念が浮上。衆議院の審議では多くの委員や参考人からも削除を求める意見が相次ぎました。
しかし、修正協議を経ても、結局、この要件が削除されなかったのはいかなる理由があるのでしょうか。また、社会生活上の経験が乏しいとは、具体的にどのような事例について、どのような経験が乏しいことをいうのか、逆に、対象とならないのはどのような事例なのか、なるべく具体的にお答えください。
さらに、経験の有無という客観的要素はどう証明するのか。条文は余りに曖昧かつ抽象的で、限定的に解釈されかねません。
これらの指摘について、大臣は、衆議院本会議でもとむら議員の質問に対して、高齢者であっても契約の目的となるものや勧誘の態様との関係で本要件に該当する場合があると、このように答弁されましたが、なおこの答弁を維持されますでしょうか。
近年、結婚式場など、キャンセル料をめぐるトラブルが多発しています。これは、新郎新婦が慣れていない、契約期間が長い、そして見積りが不透明など、様々な理由があります。ところが、業界のガイドラインを見ますと、三か月前にキャンセルしても二〇%程度取られるのが普通のようです。結婚式は一生に一度か、あるいは数少ない晴れ舞台、キャンセル料もおのずと高額になります。
こうしたキャンセル料は、現行の法律では平均的な損害額の立証責任が消費者側に課されておりますが、本来は事業者側が立証すべきものです。このため、衆議院送付の附帯決議二では、消費者側の立証責任の負担軽減に向け早急に検討し、二年以内に必要な措置を講ずることを求めています。この附帯決議についての大臣自身の考えをお聞かせください。
先ほども述べましたように、本法案では、デート商法や霊感商法などの困惑類型が追加されましたが、それでも判断力不足などを不当に利用して相手の弱みに付け込み過大な不利益をもたらす契約について幅広く消費者の取消し権を認める、いわゆるバスケットクローズ型の規定を設けるべきとの意見が根強くあります。
衆議院送付の附帯決議三でもその点が言及され、これも二年以内に必要な措置を講ずることとされていますが、大臣自身は、二年という期限を切って包括的な受皿規定を設けることについてどのようにお考えでしょうか。
国民生活センターの統計を見てみますと、二十歳を境に消費者被害の相談件数が急増します。特に、ローン、サラ金やエステ契約など、民法が変われば十八歳、十九歳が新たなターゲットになるおそれがあります。そこで、こうした被害に対する十分な対策が講じられているのか。また、今回の法改正でもカバーできる範囲は限られ、キャッチセールスやマルチ商法の被害が救済されない可能性が指摘されていますが、いかがでしょうか。
私は、長年テレビ報道の場に身を置き、様々な悪徳商法や消費者被害の現場を取材し、放送してまいりました。悪いやつは眠らないという言葉がありますが、そうしたやからは次々に新手の手口を繰り出し、消費者被害はまさにイタチごっこの状態です。
また、高齢者被害が増加する背景に、被害に遭っても相談する人がいない孤独な高齢者の姿があり、消費者被害に対する啓蒙啓発やPR活動と併せて、高齢者を孤立させないための施策が求められていると思います。
こうした点について、政府はどのような対策を取っているのでしょうか。
最後に、衆議院消費者特の質疑を見ましても、政府側の答弁がぶれたり、極めて抽象的な内容に終始するなど、国民にとって極めて分かりにくい議論が続きました。また、消費者の救済範囲を狭めるような方向で答弁を修正しようとし、委員会が紛糾したこともありました。こうしたことを見ても、消費者庁が真に国民の方を向いているとは到底思えません。
事業者の側ではなく、あくまで弱い立場の消費者の側に立ち、そうした人たちを守るための充実した法案審議をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣福井照君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/11
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012・福井照
○国務大臣(福井照君) 杉尾議員にお答えをいたします。
担当大臣としての適格性についてお尋ねがございました。
お尋ねの裁判におきまして、控訴審である大阪高裁の判決では、私の発言が出資への誘因となったとはされておりません。問題の事業について、私自身が出資を募ったことはありません。
今後は、誤解を招かぬよう緊張感を持ちながら、消費者及び食品安全担当大臣としての職責を果たしてまいりたいと存じている次第でございます。
言論、表現の自由についてお尋ねがございました。
私自身の意見として、言論、表現の自由が尊重されなければならないことは当然のことと考えております。
なお、御指摘に係る文書が発出された後、党報道局から、我が党が報道の自由を尊重するという点は何ら変わりはありませんという文書が出されており、党としても報道の自由を尊重する趣旨が明確にされていることも申し添えさせていただきたいと存じます。
困惑類型への追加に関する社会生活上の経験が乏しいという要件についてお尋ねがございました。
社会生活上の経験が乏しいことからとの要件は、取消し権の適用される範囲につきまして、既に規定されている不退去、監禁と同様に、消費者に類型的に困惑をもたらす不当性の高い事業者の行為を特定し、明確化するためのものでございます。
仮に、本要件を置かなければ、本来、法が想定していない場合についてまで取消しが主張されてしまうおそれがございます。こうしたことから、社会生活上の経験が乏しいことからとの要件を設けているものでございます。
社会生活上の経験が乏しいの要件に関する事例についてお尋ねがございました。
例えば、就職活動中の学生の不安を知りつつ、このままでは一生成功しない、この就職セミナーが必要と告げ勧誘したような事例が対象となり得ます。
社会生活上の経験とは、社会生活上の出来事を実際に見たり聞いたり行ったりすることで積み重ねられる経験全般をいいます。
経験が乏しくならない場合といたしましては、個別具体的事情にもよりますけれども、例えば、就労経験等が豊富な社会生活上の経験を十分に積み重ねた消費者が考えられます。
経験の有無の証明についてお尋ねがございました。
社会生活上の経験とは、社会生活上の出来事を実際に見たり聞いたり行ったりすることで積み重ねられる経験全般をいいます。
社会生活上の経験が乏しいに該当する者は若年者層がその中心であり、社会生活上の経験の積み重ねにおいてこれと同視すべき者を含むとはいえ、その範囲は、例えば、就労経験や他者との交流の有無等の客観的な事実を証明することによって十分に判断が可能なものでございます。
社会生活上の経験が乏しいの要件に関する衆議院本会議での答弁を維持するかについてお尋ねがございました。
御指摘の答弁は、本要件は年齢によって定まるものではなく、消費者が若年者でない場合であっても、社会生活上の経験の積み重ねにおいてこれと同視すべき者は該当し得るという趣旨で述べたものでございます。
したがいまして、御指摘の答弁については、これを維持するものでございます。
平均的な損害額の立証責任に関する衆議院の附帯決議についてお尋ねがございました。
今後は、衆議院の附帯決議の趣旨を十分尊重して、裁判例の更なる調査、標準約款における損害賠償の額を予定する条項の作成過程に関する業界ヒアリング等に取り組み、平均的な損害の額を法律上推定する規定を設けることに関する検討をできる限り速やかに進めてまいります。
また、推定規定を設けることに限らず、立証負担の軽減について引き続き検討を進めてまいります。
バスケットクローズ型の受皿規定の検討についてお尋ねがございました。
消費者契約法の各要件についてはできる限り明確に定める必要があり、取消し権に関する包括的な規定を設けるに際しては適用範囲の明確化が課題となります。
もっとも、いわゆる付け込み型勧誘による被害の救済を図ることは重要な課題であると考えておりまして、衆議院の附帯決議の趣旨を十分尊重して、被害事例や裁判例の分析等を進め、できる限り速やかに検討をしてまいります。
成人年齢の引下げに伴うローン、サラ金被害等についてお尋ねがございました。
消費者庁は、本改正案による制度整備に加え、成年年齢の引下げを見据えた環境整備として、消費者教育の充実、消費生活相談窓口の充実、周知、さらには厳正な法執行などに全力で取り組んでまいります。これらの総合的な対応を講じることにより、消費者被害の拡大防止が図られるものと考えております。
また、先ほど趣旨を御説明させていただきました本改正案では、成年年齢引下げにも対応するものとして、不安をあおる告知や恋愛感情等に乗じた人間関係の濫用を取消しの対象となる不当な勧誘行為として追加しており、要件を満たす場合には、キャッチセールスやマルチ商法等の被害にも対応できるものと考えております。
高齢者被害の背景にある孤独な高齢者の問題についてお尋ねがございました。
高齢者の消費者被害の背景には、社会的孤立、認知力の低下などが潜んでいることも多く、対応が遅れることで被害が拡大している面があることから、地域社会で取り組む必要があります。
そのため、消費者庁では、消費者安全法に基づき、実際の見守り活動を行うために地方公共団体及び地域の関係者によって組織される消費者安全確保地域協議会の構築を支援してまいります。あわせて、国民生活センターによる見守り新鮮情報の提供など、見守りを行う方にも活用しやすい注意喚起を実施しております。
消費者の側に立ち、守るための充実した法案審議についてお尋ねがございました。
法案審議に臨むに当たっては、消費者庁に対し十分な準備を行わせつつ、私自身も答弁内容をしっかり確認して万全を期してまいりたいと存じております。
また、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現に向けて、諸課題にしっかりと取り組んでまいる所存でございます。
以上でございます。(拍手)
〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/12
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013・菅義偉
○国務大臣(菅義偉君) 国会に提出された文書と行政への信頼回復についてお尋ねがありました。
政府としては、行政をめぐる様々な問題が指摘され、国民から厳しい目が向けられていることを真摯に受け止め、必要な調査を徹底して行い、丁寧に説明を尽くしていくとともに、経済の再生や北朝鮮問題など、内外の諸課題への対応に全力で取り組み、信頼回復に努めていく所存であり、内閣総辞職は全く考えておりません。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/13
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014・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 山添拓君。
〔山添拓君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/14
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015・山添拓
○山添拓君 日本共産党を代表して、消費者契約法の一部を改正する法律案について質問します。
法案に先立ち、日を追うごとに明らかになる安倍政権のうそとごまかしの数々について、改めて指摘しなければなりません。
財務省は、おととい、森友学園との九百五十ページに上る交渉記録を公表しました。佐川前理財局長が国会で廃棄済みと答弁したのに合わせて、決裁文書の改ざんと並行して廃棄を進めたといいます。悪質極まりない隠蔽です。
麻生財務大臣、まず、国民と国会に対し謝罪すべきではありませんか。
交渉記録には、安倍昭恵氏付きの職員だった谷査恵子氏が財務省理財局に問い合わせた状況として、国有地の賃料減額で優遇を受けられないかと総理夫人に照会があり、当方からお問い合わせさせていただいたと記されています。昭恵氏の指示による問合せであることは疑いようがありません。これでも昭恵氏は関与していないと強弁するおつもりですか。
公文書改ざん、組織的隠蔽、虚偽答弁、事務次官のセクハラ、民主政治の根幹を揺るがし、個人の尊厳を否定する事態が次々明らかになっています。いずれも麻生大臣の下での疑惑と不祥事です。大臣は、それでも辞任する必要はないと開き直るつもりですか。
安倍政権で続発する重大疑惑の徹底究明こそ、国会に求められる最優先の課題です。働かせ方大改悪の一括法や、TPP、カジノ実施法など、悪法の強行に暴走するなど言語道断であることを指摘し、以下、法案について質問します。
悪質な勧誘や不当な契約から消費者を守るための包括的なルールとして制定されたのが、消費者契約法です。今度の法改正は、二〇一六年の改正で積み残しとなった検討課題について、必要な措置を講ずるとした衆参の附帯決議に基づくものであり、消費者団体や日弁連などが粘り強く求めてきました。
一方、安倍総理は今国会の施政方針演説において、成人年齢を十八歳に引き下げる中で、消費者契約法を改正し、若者などを狙った悪質商法の被害を防ぎますと述べました。民法改正で成人年齢が引き下げられれば、十八歳、十九歳の若者が親の同意なしに高額の買物や借金やクレジットカードの利用ができるようになる一方、未成年者であるというだけで取消しができる未成年者取消し権がなくなります。
ところが、本法案による新たな契約取消し権は、不当な勧誘行為による契約などに限られ、若年層の保護として全く不十分です。上川法務大臣は、本法案が、十八歳、十九歳から未成年者取消し権を奪う代償措置となるとでもお考えなのですか。
例えば、国民生活センターによれば、マルチ商法の相談件数は、二十歳から二十二歳が、十八歳、十九歳の十二・三倍、フリーローン、サラ金の相談件数は十一・三倍とされ、二十歳を境に明らかに増加しています。未成年者取消し権が、消費者被害から未成年者を保護する最大の防波堤となってきたことをどう認識していますか。法務大臣、お答えください。
十八歳、十九歳の未成年者取消し権が奪われれば、この世代の消費者被害が拡大することは目に見えており、防止のための施策が必要です。悪徳業者による悪質な勧誘や不当な契約は、手を替え品を替え行われます。被害が増加した一部の類型をその都度加えるのではなく、幅広い受皿となる取消し権が必要です。事業者が消費者の判断力、知識、経験等の不足に付け込んで締結させた契約について包括的な取消し権を設定する消費者契約法の改正が必要ではありませんか。
また、特定商取引法、割賦販売法、貸金業法を改正し、若年者を対象とする勧誘や資力要件とその確認方法の厳格化、キャッシングにおける総量規制などを設けるべきと考えます。
以上、消費者保護の観点から福井大臣の見解を求めます。
未成年者取消し権に代わる施策とは言い難い本法案には、更に重大な懸念があります。本法案には、新たに契約取消しができる場合として、過大な不安をあおった契約や恋愛感情等人間関係を濫用した契約を追加しました。その要件に社会生活上の経験が乏しいという文言を追加したことが、国会内外で厳しく批判されています。
福井大臣に伺います。
この要件は、主体を若年層に限定する趣旨ですか。こうした類型の被害は専ら若年層だけで問題になるとお考えですか。
社会生活上の経験が乏しいという文言では、通常は若年者しか含まれません。一方で、高齢者や中高年の勤労者で社会生活上の経験がある者でも、精神的こんぱいやうつ病などのために判断力を失い、いかがわしい精神セミナーや再就職セミナーに勧誘されるケースは十分にあり得ます。しかし、大臣が幾ら中高年も含まれると言い、解説や事例集で対応しようとしても、法律に社会生活上の経験が乏しいと書き込めば、裁判などの実務において消費者が保護される保障はありません。だからこそ、この文言自体の削除が求められ、また次善策として衆議院で修正提案がなされたのではありませんか。
衆議院における修正は、新たに加齢や心身の故障による判断力の低下を利用して不安をあおった契約や、いわゆる霊感商法について追加して定めました。この下でも、社会生活上の経験が乏しいという文言は若年層に限られないという衆議院での答弁に変わりはありませんか。お答えください。
そもそも、政府が社会生活上の経験が乏しいとの要件を追加したのは、いつ、誰の判断によるものですか。本年一月二十二日、安倍首相が施政方針演説で、成人年齢の引下げと消費者契約法改正とをリンクさせて述べたのを受け、首相発言に合わせるために追加したのではありませんか。
この点に関わる衆議院の審議で、大臣が自らの答弁の修正と撤回を繰り返すという混乱が生じました。社会生活上の経験が乏しいという要件にあくまで固執するために、この文言に高齢者も含まれるとしたり、含まれないとしたり、本会議答弁を委員会で修正しようとしたりするなど、まさに迷走です。余りにも場当たり的ではありませんか。消費者委員会での議論もなくこの文言を追加したことこそが大きな混乱を招いているという認識をお持ちですか。
以上、福井大臣の答弁を求めます。
内閣府の二〇一三年の調査によれば、十八歳、十九歳の若者が親の同意なく一人で高額な商品を購入するなどの契約をできるようにすることについて、反対、どちらかといえば反対の合計は七九・四%に上ります。
成人年齢の引下げを議論した二〇〇九年法制審議会の最終報告では、法整備に関して、若者の自立を促すような施策、消費者被害の拡大のおそれを解決する施策が実現されること、これらの施策の効果が十分に発揮されること、施策の効果が国民の意識として現れることという三つのハードルをクリアするよう求めています。上川大臣は、これらのハードルが既にクリアされたと認識しているのですか。
若者の自己決定権を尊重することは当然です。しかし、必要な保護まで奪うべきではありません。高校を卒業し、進学や就職によって初めて社会へと歩みを進める十八歳、十九歳の消費者被害を防止する、包括的で実効性のある施策が求められることを改めて指摘をして、質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣福井照君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/15
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016・福井照
○国務大臣(福井照君) 山添議員にお答えをいたします。
いわゆる付け込み型勧誘に対する取消し権の設定等の法整備の必要性についてお尋ねがございました。
消費者契約法については、付け込み型勧誘による被害の救済を広く図ることは重要な課題であり、被害事例や裁判例の分析等を進め、引き続き検討してまいりたいと考えております。
その他の法令につきましても、現行の制度における対応を着実に実施するとともに、必要に応じて更なる対応を検討してまいります。
社会生活上の経験が乏しいという要件の主体についてお尋ねがございました。
消費者が若年者でない場合であっても、社会生活上の経験の積み重ねにおいてこれと同視するべき者は、年齢にかかわらず、本要件に該当し得るものであり、取消し権を行使する主体を若者に限定する趣旨ではありません。
また、こうした類型の被害は、専ら若年層だけで問題になると考えているものでもありません。
社会生活上の経験が乏しいという文言についてお尋ねがございました。
この要件は年齢によって定まるものではなく、社会生活上の経験の積み重ねが契約を締結するか否かの判断を適切に行うために必要な程度に至っていないような消費者であれば、若年者であっても中高年者であっても救済され得るものでございます。
したがって、御指摘のような点は当たらないと考えてございます。
社会生活上の経験が乏しいという文言が若年者に限られないのかという点についてお尋ねがございました。
社会生活上の経験が乏しいことという要件は、年齢によって定まるものではありません。この説明は、衆議院での説明から変わるものではございません。
社会生活上の経験が乏しいを追加した経緯についてお尋ねがございました。
消費者契約法専門調査会では、知識、経験の不足など、合理的な判断をすることができないような事情に付け込む被害事例について検討が行われ、その上で、できる限り客観的な要件をもって明確に定める必要があるものとして、昨年八月に報告書が取りまとめられた次第でございます。
本要件は、この報告書が政府内における法制的な見地から更なる検討を行うものとされていたこと等を踏まえ、政府部内における原案作成過程で加えられたものでございます。
いずれにせよ、本要件は、総理の施政方針演説を受け追加したものではございません。
社会生活上の経験が乏しいことからとの要件と衆議院での答弁に関するお尋ねがございました。
社会生活上の経験が乏しいという要件は、当該消費者における社会生活上の経験の積み重ねが、一般に、消費者契約を締結するか否かの判断を適切に行うために必要な程度に至っていないことを意味するものでございます。
したがって、本要件は年齢を要件とするものではなく、総じて社会生活上の経験の積み重ねが少ない若年者への適用には支障はなく、また、消費者が若年者でない場合であっても、社会生活上の経験の積み重ねにおいてこれと同視すべき者は、本要件に該当し得るものでございます。
衆議院における答弁は、いずれもこのような趣旨で述べたものであり、矛盾するものではないと考えております。
社会生活上の経験が乏しいことからの文言を追加したことが混乱を招いているという認識を持っているかというお尋ねがございました。
社会生活上の経験が乏しいことからとの要件は、取消し権の適用される範囲について、既に規定されている不退去、監禁と同様に、消費者に類型的に困惑をもたらす不当性の高い事業者の行為を特定し、明確化するものでございます。
なお、衆議院での審議におきまして、私の誤った答弁及び消費者庁の不適切な対応によりまして審議の混乱をもたらせてしまったことにつきましては、真摯におわびを申し上げたいと存じております。
以上でございます。(拍手)
〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/16
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017・麻生太郎
○国務大臣(麻生太郎君) 山添議員から、森友学園への国有地貸付け、売却等について計三問お尋ねがあっております。
まず、森友学園との交渉記録の廃棄についてのお尋ねがありました。
職員の手控えなどとして残されておりました交渉記録につきましては、国会答弁との関係で、昨年二月以降、廃棄が進められていたという報告を受けております。
このような状況は適切なものではありません。私といたしましても、深くおわびを申し上げます。
次に、森友学園への国有地の貸付け、売却への総理夫人の関与についてのお尋ねがありました。
今般、国会に提出した交渉記録の中には、夫人付きが財務省職員への問い合わせた内容に関する記録や、森友学園側が夫人の名前を出していたことが記述されている記録がありますが、交渉記録全体を見れば、総理夫人との関係で不当に森友学園に譲歩した事実は見受けられないと考えております。
本件土地の処分につきましては、これまでも国会で説明をさせていただいておりますとおり、校舎の建設工事が進む中、新たな地下埋設物が発見されております。相手側から損害賠償請求のおそれがあるなど、切迫した状況の中で行われたものであり、ぎりぎりの対応であったと考えております。
最後に、森友問題やセクハラ問題に関する私の責任についてのお尋ねがありました。
文書の書換えなどの一連の問題行為は、これは極めてゆゆしきことなんであって、誠に遺憾であります。調査を尽くしました上で、関係者の処分を含め、必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
また、前事務次官のセクハラ問題についても、これは甚だ遺憾であり、今後、セクハラ、パワハラを許さない組織文化を徹底してまいりたいと考えております。
その上で、再発防止、信頼回復に向けて全力で取り組むことにより、大臣としての職責を果たしていきたいと考えております。(拍手)
〔国務大臣上川陽子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/17
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018・上川陽子
○国務大臣(上川陽子君) 山添拓議員にお答え申し上げます。
まず、本法律案が十八歳、十九歳の未成年者取消し権を奪う代償措置となるのかについてお尋ねがありました。
成年年齢を引き下げた場合には、十八歳、十九歳の者は未成年者取消し権による保護を受けることができなくなります。そのため、若年者の消費者被害への対策が必要となりますが、他方で、これらの者に対して一律に未成年者と同等の保護を与えた場合には、若年者の社会参加を促し、その自立を促すという成年年齢の引下げの意義を大きく減殺するものと考えられます。
そこで、若年者の消費者被害への対策としては、消費者教育により自立した判断力を育てることが重要であり、その上で、消費者に自己責任を求めることが適切でない悪質な勧誘行為が行われた場合等を対象として、取消し権等の制度的な保護を与えることが適切であると考えております。
今般の消費者契約法の改正によって追加される不安をあおる告知や人間関係の濫用によって締結された消費者契約に関する取消し権は、若年者を中心に発生している消費者被害事例を念頭に置いたものであり、消費者教育の充実等の他の施策と相まって、十分な消費者被害への対策となるものと考えております。
次に、未成年者取消し権が果たしてきた未成年者を保護する役割への認識についてお尋ねがありました。
未成年者取消し権は、未成年者の保護を図るためのものであり、御指摘のとおり、未成年者の消費者被害を防ぐ役割を果たしてきたものと考えております。
成年年齢を引き下げた場合には、十八歳、十九歳の者は、未成年であることを理由として契約を取り消すことができなくなります。このため、先ほど申し上げましたとおり、若年者の消費者被害への対策が必要となりますが、今般の消費者契約法の改正は、消費者教育等の他の施策と相まって、十分な消費者被害への対策となるものと考えております。
最後に、法制審議会の最終報告書での指摘がクリアされたと認識しているかとのお尋ねがありました。
これまで、政府としては、消費者被害の拡大を防止するために各種の施策に取り組んできました。
例えば、教育の面からは、平成二十年及び二十一年の学習指導要領の改訂により、消費者教育、法教育、金融経済教育等の充実が図られ、現在の高校生は既に改訂後の学習指導要領に基づく教育を受けています。
ただいま議題となっている消費者契約法の一部を改正する法律案も、消費者被害の拡大の防止に資するものです。
また、若年者の自立を促すような施策については、例えばキャリア教育などのキャリア形成に対する支援や、教育現場へのスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置の推進、相談窓口の充実といった施策に取り組んできました。
法務省としては、これらの施策が相応の効果を上げ、国民にも浸透していると考えており、法制審議会の最終報告書で掲げられた三つの条件をクリアしているものと考え、今般、国会の判断を仰ぐために民法の一部を改正する法律案を提出したものです。
環境整備のための施策については、今後も省庁横断的に更に充実強化を図る必要があると考えています。政府としては、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議を開催し、平成三十四年四月一日の施行日に向けて工程表を作成した上で全体的な進捗管理を行っていくこととしており、施行日までにこれらの施策が十分な効果を発揮し、国民の理解が得られるよう、引き続き努力してまいりたいと考えております。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/18
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019・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 片山大介君。
〔片山大介君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/19
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020・片山大介
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
消費者契約法の一部を改正する法律案について、我が党を代表して質問をいたします。
全国の消費生活センターなどに寄せられた、おととし、平成二十八年の消費生活相談件数は八十八・七万件と、依然として高い水準で推移し、年間の被害額は四・八兆円と推計されます。そのような状況に加え、成年年齢を十八歳に引き下げる民法改正案が成立した場合には、親の同意なく契約行為が可能となる十八、十九歳の消費者被害の増加が懸念されます。本改正案は、こうした消費者被害の防止に向け、規制の対象を広げるものと理解しています。しかしながら、内容については疑問も残ります。
去年、消費者委員会の消費者契約法専門調査会から提出された報告書を踏まえ、消費者委員会は、速やかに改正法案を策定し、国会に提出することが適当であるという旨の答申、いわゆる二次答申を行っています。しかし、本改正案は、報告書の趣旨を踏まえているとは言えないところがあります。報告書と異なる内容となった背景や理由について、まず消費者担当大臣、お答えください。
そして、ここからは具体的な点について伺います。
まず、不当勧誘に対する契約取消しについてです。
事業者の不当な勧誘行為によって消費者が困惑して締結した契約を取消しできるケースとして、消費者自身の社会生活上の経験が乏しいことを要件とし、その上で、不安をあおる告知、そして恋愛感情等に乗じた人間関係の濫用の二つの勧誘行為が追加されます。
この要件は、その言葉から、若年層の被害救済に重点が置かれたものと捉えることができますが、加齢などにより判断能力が低下した高齢者や障害者等の被害に対しても適用対象とされるのかが文言からは読み取りにくい内容となっています。消費者庁の統計でも、認知症などの高齢者に関する相談件数は、この十年の推移で見ると、依然として高水準にあると報告されています。障害者等についても同様の傾向が見られます。
平成二十六年八月に総理から消費者委員会への諮問の内容は、情報通信技術の発達や高齢化の進展を始めとした社会経済状況の変化への対応等の観点から、契約締結過程及び契約条項の内容に係る規律等の在り方を検討するよう求めたもので、若年層対策というよりは、むしろ高齢者の被害防止対策を中心に見直すものと読めます。
今回、衆議院での修正によって、加齢又は心身の故障によりその判断力が著しく低下していることから過大な不安を抱いている消費者の不安を事業者があおって、消費者が困惑して締結した契約を取り消し得る旨が追加されました。
この追加にはもちろん賛成ですが、著しい判断能力の低下に係る具体的な基準というのは今後どう考えていくのか、消費者担当大臣の見解をお答えください。
また、本改正案で追加される取消し権も含め、どのような広報を展開し、事業者そして消費者双方に周知を図っていくのか、その方針も併せてお答えください。
そして、不安をあおる告知について言えば、消費者が過大な不安を抱いていると事業者が知っていたことを消費者側で立証しなければならないとしています。でも、これを消費者が立証するのは困難なのではないでしょうか。
悪質な手口により契約を締結してしまい後悔や自責にさいなまれる消費者に対し、更に追い打ちを掛けるように立証責任を求めるということは、消費者保護の理念と逆行しているようにも考えられます。消費者担当大臣の御所見をお伺いいたします。
続いて、いわゆるキャンセル料について質問いたします。
現行の消費者契約法では、解約時に事業者の平均的損害額を超える請求をされた場合は無効とされていますが、平均的な損害額の立証は、こちらも事業者ではなく、消費者側に求められています。しかし、立証に必要となる資料は事業者側にあるものなので、立証が困難なのが実情です。
このため、専門調査会報告書では、事業の内容が似ている同種の事業者での平均的な損害額を消費者が立証すれば、当該事業者に生ずべき平均的な損害額と推定する規定を設けることが提案されましたが、本改正案にはこの内容は反映されていません。
それに、たとえこの推定規定が導入されたとしても、立証に当たっては、消費者は複数の事業者の損害の額について資料を収集しなければなりません。それでは、依然として立証の困難性は改善されないのではないでしょうか。
立証責任を消費者ではなく事業者に負わせることも検討の余地があると思いますが、消費者担当大臣の御所見をお伺いします。
次に、事業者に新たに課される努力義務について質問いたします。
消費者契約法では、消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的としていることからも、消費者保護と事業活動の円滑化が両立されることが必要です。
今回の改正案では、事業者の努力義務として、消費者契約の条項について、解釈に疑義が生じない明確で分かりやすいものにすることや、個々の消費者の知識及び経験を考慮した上で必要な情報を提供しなければならないとしています。
衆議院での附帯決議において、年齢、生活の状況及び財産の状況についても考慮する要素として検討を行うことを求めていますが、努力義務にとどめている以上、実効性は十分に担保されないのではないでしょうか。消費者担当大臣の見解についてお答えください。
次に、今回の改正に盛り込まれなかった、合理的な判断をすることができない事情を利用した、いわゆる付け込み型勧誘による契約の取消し権についてお伺いします。
高齢者、若年者、障害者などが、知識、経験、判断力の不足に付け込まれ、過大な不利益をもたらす契約を締結してしまう事例が後を絶ちません。このように合理的な判断をすることができない事情を利用した、いわゆる付け込み型勧誘による契約の取消し権を導入することは喫緊の課題と言えます。
専門調査会で合意が困難であった理由と、今後の速やかな検討の必要性について、大臣のお考えを伺いたいと思います。
現在、本改正案と並行して、民法改正による成年年齢に引下げの議論が行われています。消費者保護は、本人の意思で契約を結ぶことができる年齢を下げるに当たり重要なポイントとなっていることは言うまでもありません。しかし、本改正案においては、限られた要件を満たした場合の取消し権しか盛り込まれていません。
民法改正法案が可決されますと、成年年齢は四年後、平成三十四年には十八歳に引き下げられます。それまでの間に追加的な消費者保護施策を進めるべきではないでしょうか。
その他、消費者ニーズに応じた広報活動や消費者教育の充実など、成年年齢の引下げまでの対応方針について、消費者担当大臣、お答え願います。
日本維新の会は、消費者契約法を、若年層から高齢者まで広く消費者を守るものとするとともに、分かりやすいものとするためにも、今後とも努力することをお約束して、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣福井照君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/20
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021・福井照
○国務大臣(福井照君) 片山議員にお答えをいたします。
法案の内容と報告書の趣旨との関係に関するお尋ねがございました。
本法律案は、消費者委員会の答申で法改正を行うべきとされた事項について、その趣旨を尊重しつつ、法制的な見地から検討を行い、策定したものでございます。
また、答申書の付言等につきましては、重要な課題であると考えており、引き続き検討をしてまいる所存でございます。
衆議院での修正により追加された類型等に関するお尋ねがございました。
お尋ねの著しい判断力の低下等の要件は、衆議院での議員提案により追加されたものであるため、その判断基準等については、本法が成立した場合には、国会での議論により明らかになるものと考えております。
また、本法が成立した場合には、衆議院で追加された部分を含め、本改正案の内容を逐条解説で分かりやすく説明するとともに、説明会の開催等により、消費者、消費者団体、消費生活相談員、事業者団体を始め、周知を徹底してまいる所存でございます。
不安をあおる告知の消費者の立証責任についてお尋ねがございました。
事業者は、契約締結過程における当事者間のやり取りにより、消費者の不安を認識することができるものと考えられますので、消費者は、事業者が勧誘時に用いた資料や消費者が提出したアンケート用紙等により、事業者が消費者の過大な不安を知っていたことを主張、立証することが可能と考えております。
また、消費生活センターに同一事業者の相談が多数存在し、消費者の過大な不安に付け込むような手口が現れていることを、センターの相談記録により主張、立証することも考えられます。
したがいまして、御指摘の規定は、消費者保護の理念に反するとは言えないものと考えております。
キャンセル料に係る損害額の立証責任についてお尋ねがございました。
平均的な損害の額の立証責任を転換することについては、消費者委員会における検討ではコンセンサスが得られず、改正事項として提案されなかったものと承知をしております。
消費者による平均的な損害の額の立証が困難な場合もあると考えられますことから、立証に関する規律の在り方について引き続き検討を進めてまいりたいと思っております。
事業者の努力義務についてお尋ねがございました。
第三条第一項の規定は、事業者の努力義務であるものの、抽象的な義務ではなく、契約を締結する局面における具体的な義務を規定していることに意義がございます。
また、情報提供に関する努力義務の規定は、例えば、事業者が信義則上の情報提供義務違反を理由として損害賠償義務を負うか否かが争われるような事案において考慮され得るという意義を有しております。
付け込み型勧誘による契約の取消し権についてお尋ねがございました。
判断力の不足等に付け込む勧誘が行われた場合の消費者の取消し権については、消費者委員会の検討において、要件の明確化が課題として指摘される等の議論があり、法改正事項として提案されるには至りませんでした。
もっとも、いわゆる付け込み型勧誘による被害の救済を図ることは重要な課題であると考えており、消費者委員会答申も踏まえ、被害事例や裁判例の分析等を進め、引き続き検討をしてまいりたいと思っております。
民法改正に伴う消費者保護施策についてお尋ねがございました。
消費者庁は、本改正案による制度整備に加えまして、成年年齢の引下げを見据えた環境整備として、消費者教育の充実、消費生活相談窓口の充実、周知、さらには厳正な法執行など、総合的な対応に全力で取り組んでまいります。
特に、消費者教育の充実につきましては、文部科学省等の関係省庁と連携し、二〇一八年度から二〇二〇年度までの三年間を集中強化期間とするアクションプログラムを決定したところでございます。
また、成年年齢引下げの実施までの間にも、若年者の消費者被害の状況等の把握に努め、必要に応じ、社会経済情勢の変化等も踏まえつつ、追加的な消費者保護施策を講じてまいる所存でございます。
以上でございます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/21
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022・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) これにて質疑は終了いたしました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/22
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023・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 日程第一 海外社会資本事業への我が国事業者の参入の促進に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長長浜博行君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔長浜博行君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/23
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024・長浜博行
○長浜博行君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、海外社会資本事業への我が国事業者の参入の促進を図るため、国土交通大臣による基本方針の策定について定めるとともに、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構その他の法人に海外社会資本事業への我が国事業者の円滑な参入に資する調査その他の業務を行わせる等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、本法律案の意義及び効果、インフラシステムの海外展開の現状と今後の取組方針、相手国、競合国の動向に留意した対応の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して山添拓委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/24
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025・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/25
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026・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/26
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027・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百二十九
賛成 二百十五
反対 十四
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/27
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028・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 日程第二 地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による若者の修学及び就業の促進に関する法律案
日程第三 地域再生法の一部を改正する法律案
(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上両案を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長柘植芳文君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔柘植芳文君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/28
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029・柘植芳文
○柘植芳文君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
まず、地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による若者の修学及び就業の促進に関する法律案は、我が国における急速な少子化の進行及び地域の若者の著しい減少により地域の活力が低下している実情に鑑み、地域における若者の修学及び就業を促進し、地域の活力の向上及び持続的発展を図るため、内閣総理大臣による基本指針の策定及び地域における大学振興・若者雇用創出事業に関する計画の認定制度並びに当該事業に充てるための交付金制度の創設等の措置を講じようとするものであります。
次に、地域再生法の一部を改正する法律案は、地域の活力の再生を総合的かつ効果的に推進するため、認定地域再生計画に基づく事業に対する特別の措置として、地域来訪者等利便増進活動計画の作成及びこれに基づく地域来訪者等利便増進活動に関する交付金の交付等を追加するとともに、地方活力向上地域特定業務施設整備計画に基づく課税の特例の適用範囲の拡大等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、地域における大学振興・若者雇用創出のための交付金制度の在り方、東京二十三区内の大学の学部収容定員を抑制する必要性及び効果、地域における若者の雇用機会の創出に向けた具体的取組、企業の本社機能の地方移転が進まない理由、地域来訪者等利便増進活動の普及促進策、商店街活性化支援に係る政府の取組等について質疑が行われたほか、地域若者修学就業促進法案について、文教科学委員会との連合審査会を開会いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
両法律案について質疑を終局した後、希望の会(自由・社民)の山本委員より、地域若者修学就業促進法案に対し、地域における大学振興・若者雇用創出のための交付金制度等に関する規定を削除すること等を内容とする修正案が提出されました。
次いで、討論に入りましたところ、日本共産党の田村委員より、地域若者修学就業促進法案の原案に反対、修正案に賛成並びに地域再生法改正案に反対、希望の会(自由・社民)の山本委員より、地域若者修学就業促進法案に反対の旨の意見がそれぞれ述べられました。
次いで、順次採決の結果、山本委員提出の修正案は賛成少数をもって否決され、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、両法律案に対しそれぞれ附帯決議を行いました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/29
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030・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
まず、地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による若者の修学及び就業の促進に関する法律案の採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/30
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031・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/31
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032・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百二十九
賛成 百八十二
反対 四十七
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/32
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033・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 次に、地域再生法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/33
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034・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/34
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035・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百二十九
賛成 二百八
反対 二十一
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/35
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036・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 日程第四 統計法及び独立行政法人統計センター法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。総務委員長竹谷とし子君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔竹谷とし子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/36
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037・竹谷とし子
○竹谷とし子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、公的統計の効率的な作成及び調査票情報の活用を図るため、事業所母集団データベースに記録されている情報を利用できる調査の範囲等の拡大、調査票情報の提供対象の拡大、統計委員会の機能強化、独立行政法人統計センターの業務の追加等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、総務省統計局及び独立行政法人統計センター等に現地視察を行うとともに、統計改革の背景と意義、公的統計における正確性、信頼性確保の必要性、統計データの提供対象拡大と情報の適正管理、国、地方を通じた統計人材の育成確保策、経済社会情勢の変化に応じた統計整備の必要性等について質疑が行われました。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して山下芳生委員より反対する旨の意見が述べられました。
討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/37
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038・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/38
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039・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/39
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040・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百二十九
賛成 二百十五
反対 十四
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/40
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041・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 日程第五 学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長高階恵美子君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔高階恵美子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/41
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042・高階恵美子
○高階恵美子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、情報通信技術の進展等に鑑み、児童生徒の教育の充実を図るため必要があると認められる教育課程の一部において、教科用図書に代えて、その内容を記録した電磁的記録である教材、いわゆるデジタル教科書を使用することができることとする等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、デジタル教科書を導入する意義、学校においてICT環境を一層整備する必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/42
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043・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/43
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044・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/44
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045・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百二十九
賛成 二百二十九
反対 〇
よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/45
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046・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 日程第六 森林経営管理法案
日程第七 独立行政法人農林漁業信用基金法の一部を改正する法律案
(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上両案を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長岩井茂樹君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔岩井茂樹君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/46
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047・岩井茂樹
○岩井茂樹君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
まず、森林経営管理法案は、地域森林計画の対象とする森林について、市町村が経営管理権集積計画を定め、森林所有者から経営管理権を取得した上で、自ら経営管理を行い、又は経営管理実施権を民間事業者に設定する等の措置を講じようとするものであります。
次に、独立行政法人農林漁業信用基金法の一部を改正する法律案は、農林漁業信用基金の業務として森林経営管理法第四十六条の規定による支援業務を追加するとともに、同基金が行う債務の保証の対象者を拡大する等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、森林経営管理法案における市町村の役割と運用実務、農林漁業信用基金法改正の趣旨、森林環境譲与税の配分及び使途の在り方、国産材の需要拡大策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して紙理事より両法律案に反対、希望の会(自由・社民)を代表して森委員より森林経営管理法案に反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。
討論を終局し、順次採決の結果、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、森林経営管理法案に対して附帯決議を行いました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/47
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048・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
まず、森林経営管理法案の採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/48
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049・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/49
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050・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十
賛成 二百十二
反対 十八
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/50
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051・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 次に、独立行政法人農林漁業信用基金法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/51
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052・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/52
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053・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百二十九
賛成 二百十五
反対 十四
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/53
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054・伊達忠一
○議長(伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。
午前十一時五十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119615254X02220180525/54
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