1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年三月二十九日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
三月二十五日
辞任 補欠選任
三浦 靖君 比嘉奈津美君
古賀 之士君 石垣のりこ君
下野 六太君 秋野 公造君
三月二十八日
辞任 補欠選任
こやり隆史君 羽生田 俊君
三原じゅん子君 北村 経夫君
岸 真紀子君 森屋 隆君
三月二十九日
辞任 補欠選任
北村 経夫君 三原じゅん子君
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出席者は左のとおり。
委員長 山田 宏君
理 事
石田 昌宏君
小川 克巳君
川田 龍平君
山本 香苗君
田村 まみ君
委 員
衛藤 晟一君
北村 経夫君
島村 大君
そのだ修光君
羽生田 俊君
比嘉奈津美君
藤井 基之君
古川 俊治君
本田 顕子君
三原じゅん子君
石垣のりこ君
打越さく良君
福島みずほ君
森屋 隆君
秋野 公造君
竹谷とし子君
足立 信也君
石井 苗子君
梅村 聡君
倉林 明子君
国務大臣
厚生労働大臣 後藤 茂之君
副大臣
内閣府副大臣 佐藤 英道君
事務局側
常任委員会専門
員 佐伯 道子君
政府参考人
内閣官房内閣審
議官 内山 博之君
総務省統計局統
計調査部長 岩佐 哲也君
厚生労働省大臣
官房生活衛生・
食品安全審議官 武井 貞治君
厚生労働省大臣
官房高齢・障害
者雇用開発審議
官 奈尾 基弘君
厚生労働省健康
局長 佐原 康之君
厚生労働省医薬
・生活衛生局長 鎌田 光明君
厚生労働省労働
基準局長 吉永 和生君
厚生労働省職業
安定局長 田中 誠二君
厚生労働省雇用
環境・均等局長 山田 雅彦君
厚生労働省人材
開発統括官 小林 洋司君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/0
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001・山田宏
○委員長(山田宏君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、下野六太君、三浦靖君、古賀之士君、岸真紀子君、三原じゅん子君及びこやり隆史君が委員を辞任され、その補欠として秋野公造君、比嘉奈津美君、石垣のりこ君、森屋隆君、北村経夫君及び羽生田俊君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/1
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002・山田宏
○委員長(山田宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
雇用保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局長田中誠二君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/2
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003・山田宏
○委員長(山田宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/3
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004・山田宏
○委員長(山田宏君) 雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/4
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005・川田龍平
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。
まず、三月十六日の夜に起きました、福島県沖を震源として宮城県と福島県を中心に最大震度六強を観測する強い地震が発生しました。お亡くなりになられた方に心よりお悔やみ申し上げるとともに、被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。
今回の地震では、この宮城県、福島両県で最大七万四千戸が断水したと報道されております。地震から十二日が経過しているにもかかわらず、いまだに仙台市青葉区新川の西仙台ハイランド団地の大半の五十二世帯で断水が続いております。この地域は民間の事業者が管理する専用水道になっており、復旧工事が進まなかったということです。昨日の報道では、何とか事業者と話が付き、工事が順調に進めば四月五日には復旧する見通しとのことですが、今回、当初自治会から管理会社に修繕を申し入れたが、会社側は、直したいがお金が掛かる工事はできないという回答で、自治会からは仙台市にも支援を求めましたが、水道管は市の施設ではないと、会社を差しおいて修繕することは難しい、会社の対応を待ちたいということで、ライフラインの復旧が停滞しました。
この水道事業、この重要性と民間管理の在り方については、四年前の水道民営化の話でこの国会でも議論させていただきましたが、このように、ライフラインの公共サービスの維持、これを民間管理になりますと、今回のようなケースが起こってしまいます。日本全国どこであっても国民に安全な水の供給を確保することは非常に重要なことですが、改めて、ライフラインの維持管理について、大臣、どのように考えますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/5
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006・武井貞治
○政府参考人(武井貞治君) お答え申し上げます。
水道は重要なライフラインの一つであり、災害等により被害が生じた際には速やかな復旧などの必要な措置がとられることが非常に重要と考えております。
御指摘の宮城県仙台市青葉区にある専用水道につきましては、現在、専用水道の設置者である民間事業者が復旧工事に着手する方針になっていると承知しております。
なお、民営の水道については、指導監督権限を有する都道府県や市等が適宜水道法に基づく勧告や指導等の行政指導を適切に行うことにより必要な措置がとられていくこととなります。このように、水道法に基づき、災害時にも必要な措置がとられるように対応してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/6
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007・川田龍平
○川田龍平君 是非しっかりと管理していただければと思います。
次に、雇用保険制度に関連して、今後の雇用対策についてお伺いします。
新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、新たにウクライナ情勢という問題が現れ、今後の雇用情勢への影響が懸念されます。
今後は、ロシアへの経済制裁などにより原材料の輸入が滞ることで事業が継続できない企業が出てくることも予想されます。先日も、ロシアのウクライナ侵攻の影響で原料調達の見通しが立たず、事業を停止する意向を固めたというある水産企業についての報道も目にしました。
雇用調整助成金の特例措置はあくまで新型コロナウイルスの影響を受けた私企業に対する特例だと理解していますが、ロシア制裁の影響を受けて休業する企業についてはどのような対応が可能なのでしょうか。雇用調整助成金については原則どおりの対応になると理解していいのでしょうか。厚生労働省の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/7
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008・奈尾基弘
○政府参考人(奈尾基弘君) お答え申し上げます。
雇用調整助成金のコロナ特例の適用でございますが、新型コロナウイルス感染症に伴う経済上の理由により急激に事業活動の縮小を余儀なくされた事業主であることを法令上の要件としてございます。
ロシアへの経済制裁の影響を受けて休業する場合であっても支給要件を満たせば雇用調整助成金の対象にはなりますが、新型コロナウイルス感染症を理由とする事業活動の縮小が認められない場合には、コロナ特例の対象にはならず、原則の助成内容となるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/8
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009・川田龍平
○川田龍平君 コロナ対応も重要ですが、ロシア制裁による副作用についても目を配る必要があるかと思います。この点についてもしっかりと対応を検討するようお願いしたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/9
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010・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 雇用調整助成金の適用対象については、法令上定まっているものもありますけれども、ロシアへの制裁の影響等については、またちょうど今日、どういうふうに経済対策だとかを進めていくかというようなこともあるので、幅広い観点からいろいろ検討させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/10
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011・川田龍平
○川田龍平君 是非、検討、総理に検討していただきたいと思います。
次に、雇用保険制度における有事への対応についてお伺いします。
法案要綱に対する労政審の答申では、今般のコロナ禍に対応するため、雇用保険制度において講じた様々な特例的な対応について、特に雇用調整助成金の長期にわたる前例のない特例措置が雇用保険財政に与えた影響を含め、公労使が参加する労働政策審議会において検証を進め、将来の有事における対応に資する必要があるとの意見が付されたと承知しています。
基本的には労政審でこれから議論するテーマだと思いますが、有事への対応という観点からは様々な対応が考えられると思います。もちろん、今回の改正による機動的な国庫繰入れもその手段の一つだとは思いますが、一方で、例えば、望ましい積立金の水準はどうあるべきかという点も一つの論点になるかと思います。現行の雇用保険制度では、弾力倍率が一を下回るか上回るか、又は二を下回るか上回るかという基準が一つの目安になっていると思いますが、これを見直すこともあり得る考え方だと思います。また、例えば、有事対応の保険料を別枠で少しずつ積み立てておくということもあり得る対応、考え方だと思います。
こうした見直しについては保険料負担の問題にもつながりますから、何が適切なのか、まさに今後の議論ということになると思いますが、例えば後藤大臣が考え得る有事の対応として今回の機動的な国庫繰入れ以外にどのようなものがあるのか、個人的な思いでも結構ですので、大臣自身のお考えを御披露いただければ、お披露目いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/11
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012・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 雇用保険制度における有事の際の対応として、例えば災害発生時には、一定の要件の下で、災害により離職した方に対する基本手当の給付日数の延長措置や、災害被害により事業所が休業した労働者を雇用保険法上の失業者とみなして基本手当を支給する措置、事業主等からの申請に基づく保険料の納付の猶予措置といった仕組みが設けられています。
その上で、新型コロナ禍における対応として、緊急事態宣言等により広く休業が行われるに至った状況等に対応するために、雇用保険臨時特例法等によりまして、給付日数の延長措置の新設、また、コロナの影響により休業させられた方が、休業手当の支払を受けることができなかった労働者に対する休業支援金・給付金の新設、財政上の特例措置を講じた上での雇用調整助成金の助成内容の拡充といったような対応を行ってきたところであります。
こうした対応について、今回の法案について労働政策審議会にその要綱を諮問した際に、公労使一致した意見として、今般のコロナ禍に対応するため、雇用保険制度において講じた様々な特例的な対応について、公労使が参加する労働政策審議会において検証を進め、将来の有事における対応に資する必要があるとの意見が付された上で、こうした意見を厚生労働省が最大限尊重することを前提に、法案要綱についておおむね妥当とされたところでございます。
厚生労働省としては、この趣旨をしっかりと受け止めまして、将来の危機における対応に資するべく、今後、今般のコロナ禍における対応の検証を進めてまいりたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/12
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013・川田龍平
○川田龍平君 今回のコロナ特例の対応として特徴的だったのは、雇用保険非加入者に対する特例措置を設けたことだったと思います。この点に関連して、前回の委員会では、雇用保険の適用拡大に関する質問が一部の委員からもありましたが、残念ながら、週二十時間労働などの基準を緩和するような適用拡大は難しいというのが大臣のお答えでした。
一方、雇用保険非加入者に対するセーフティーネットをどのように築いていくかという問題が喫緊の課題であることは、今回のコロナ禍で明らかになったと思います。雇用保険の適用拡大は今すぐには難しいかもしれません。であるならば、雇用保険非加入者に対する生活支援策については今以上に拡充を進める必要があると思います。
先週の参考人質疑でも指摘がありましたが、鍵になるのは求職者支援制度だと思います。今回、コロナ禍において様々な特例措置がとられていますが、この特例措置を恒久化することや更なる要件の緩和などについても今後検討を進める必要があるのではないでしょうか。この制度が今後どうあるべきか、大臣の思いをお聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/13
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014・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 求職者支援制度は、雇用保険が適用されていない方のうち、被保険者になろうとする者に対して、無料の職業訓練と生活保障のための給付金を支給する制度であります。コロナ禍においてより使いやすい制度とするため、収入要件や訓練対象者を緩和する特例措置を講じてきたところでありまして、令和四年度も継続する予定となっております。
こうした特例も活用して、できる限り広く必要な方が制度が利用されるよう取り組んでまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/14
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015・川田龍平
○川田龍平君 次に、地域における新たな協議会について質問いたします。
この地域の新たな協議会については、先日の参考人質疑でも日本総研の山田参考人から、職業訓練の実効性を高める上で有用なツールになり得るため、今後の活用を期待したいという内容の発言がありました。私もこの新たな協議会については期待をしていますが、しっかりと機能するように、細かい点も含めて幾つか確認させていただければと思います。
まず、職業訓練実施計画の策定プロセスについてお伺いします。
先日の参議院本会議では、大臣から、協議会を法定化した後の都道府県の職業訓練実施計画については、地域の今後の産業展開も踏まえた詳細な訓練ニーズをしっかりと反映したものとなるよう、改善を検討してまいりますとの答弁がありました。
そこでお願いなのですが、職業訓練の効果検証に当たっては、就職率などの成果主義的な一面的評価だけでなく、就労困難者や一人親であるかなど、訓練受講者の属性なども踏まえて行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/15
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016・小林洋司
○政府参考人(小林洋司君) お答えいたします。
協議会における訓練効果の把握、検証につきましては、御指摘のような定量的なデータなどに加えまして、訓練を修了された方ですとか採用企業などから個別にヒアリングを行うことを予定しております。
ヒアリングに当たりましては、御指摘のような就職困難者ですとか一人親の方なども含めまして、訓練受講者の属性を踏まえた上で当事者の御意見を積極的に伺っていきたいというふうに思います。そうした取組を通じまして、就労困難者や一人親などを含め、求職者のニーズに応じた効果的な職業訓練が実施されるように取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/16
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017・川田龍平
○川田龍平君 是非、障害者などもしっかり含めてやっていただければと思います。就職率などで訓練委託費にインセンティブを付けているとも聞いておりますが、こうした部分についても、就職率だけにこだわらず、多面的な評価をお願いできればと思います。
次に、この協議会の運営主体についてお伺いします。
現在、各都道府県に設置されている地域訓練協議会については、主に都道府県労働局が事務局を担っているものと承知しています。一方、今回法定化される協議会については、職業訓練に関する事務などを行っている国及び都道府県の機関が組織できるとの規定になっています。
都道府県の実態に合わせて、国、括弧労働局と都道府県が一緒になって運営をしていくという意味だと理解していますが、事務局など運営の主体になるのは基本的に労働局になると理解していいのでしょうか。それとも、都道府県にその役割を期待しているのでしょうか。厚生労働省の見解をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/17
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018・小林洋司
○政府参考人(小林洋司君) 御指摘のように、今般法定化する協議会につきましては、都道府県の区域において職業訓練に関する事務事業を行う国及び都道府県の機関、すなわち都道府県労働局や都道府県の訓練担当部局が運営主体となることができるという規定にしております。
現在の地域訓練協議会におきましては、御指摘のように、都道府県労働局が事務的機能を担ってきているところでございます。今般法定化する協議会におきましても、そのノウハウを生かしながら、都道府県と緊密に連携しつつ、引き続き都道府県労働局に中心的な役割を果たしてもらうことを想定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/18
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019・川田龍平
○川田龍平君 これ気になるのは、どちらがやるかはっきりしないことで主導権争いになったり、逆に押し付け合いになったりすることです。今回、協議会の構成員に対して守秘義務を課すことにより、個別事例の検証を行うなど、これまでになかった新しい役割を期待しているものと承知していますが、その一方で、例えばヒアリングなどを実施する際の費用分担などで国と都道府県でもめることが出てくるのではないかと心配しています。そうならないように、国がきちんと運営のリーダーシップを取っていく必要があると思います。
この新たな協議会の運営について、国がリーダーシップを取っていくという大臣からの御決意を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/19
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020・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 現行の地域訓練協議会については、都道府県労働局が財政面を含め事務的機能を担っており、また、地域における効果的な取組を全国に還元させるといった観点も踏まえまして、新たに法定化される協議会においても、国が協議会の運営について積極的な役割を果たしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/20
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021・川田龍平
○川田龍平君 続いて、新たな協議会の開催頻度についてお伺いします。
現在の地域訓練協議会は年一、二回の開催にとどまっていると思いますが、新たな協議会についてはどの程度の開催を想定されているのでしょうか。しっかりした目標がないと前例踏襲ということになりかねませんが、この点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/21
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022・小林洋司
○政府参考人(小林洋司君) 新たに法定化する協議会でございますけれども、少なくとも年二回の開催を予定しております。加えて、ワーキンググループを機動的に開催することとし、より具体の検討が進むようにしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/22
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023・川田龍平
○川田龍平君 この協議会については、開催頻度についても地域差が出ないように、開催に熱心でないところがあるようでしたら、国としてもきちんとモニタリングをして開催を促していただきたいと思います。
なお、念のため確認ですが、現行の地域訓練協議会はそのまま新たな協議会に移行すると理解していいのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/23
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024・小林洋司
○政府参考人(小林洋司君) 現行の地域訓練協議会でございますが、これは労働局、都道府県、労使団体、教育訓練実施機関等の関係者が参画をし、主に各地域における公的職業訓練の実施分野と規模についての協議を行っているところであります。
今般法定化される協議会におきましては、現行の関係者に加え、民間職業紹介事業者など幅広い関係者に参画をいただきまして、デジタル化など地域の訓練ニーズをしっかり把握し、適切な訓練コースの設定を促進するとともに、訓練を修了された方やその採用企業に対するヒアリング等を通じて訓練効果の把握、検証を行い、訓練内容の改善を図るなどの役割を果たしてもらうことを予定しております。
こうした取組をしっかりと行うことで、精度の高い教育訓練の設定を効果的、効率的に進められるような協議会にしてまいりたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/24
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025・川田龍平
○川田龍平君 この新たな協議会と中央訓練協議会の関係についてお伺いします。
これまで地域訓練協議会は設置要綱や開催要綱によって設置されてきたものと理解していますが、今回の法改正により設置根拠が法定化されることになります。一方、全国の職業訓練実施計画を定めている中央訓練協議会については、今回の法案で設置根拠が法定化されるわけではなく、引き続き開催要綱によって設置されると理解しています。
今後、新たな協議会と中央訓練協議会の関係はどのようなものになるのでしょうか。また、この関係性がどのようなものであろうとも、各都道府県の新たな協議会での意見についてはきちんと国で集約し、全国職業訓練実施計画の内容にも反映していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/25
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026・小林洋司
○政府参考人(小林洋司君) 御指摘いただきましたように、地域における新たな協議会での効果的な取組というのを国が集約をし、全国に還元させていく、これは非常に重要なことであるというふうに考えております。
現行の全国職業訓練実施計画でございますが、これは訓練の分野、規模などを示すものとして国が策定しておるものでございますが、今後は、お話のございましたような地域の協議会で把握したより詳細な訓練ニーズですとか、ヒアリング等を通じて各地域で把握した訓練効果など、そういったものを国が集約し、全国に普及させる観点も踏まえて計画の策定に取り組むこととしたいと思います。そのほか、求職者に対する適切な受講勧奨ですとか、就職支援に係る好事例も出てくると思います。こうしたものも国で集約し、全国に普及したいと考えております。
こうした取組によりまして、効果的な取組が全国で推進されるように努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/26
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027・川田龍平
○川田龍平君 ここで、国民の関心が極めて高い新型コロナワクチンの接種についてお伺いします。
先週三月二十四日に予防接種・ワクチン分科会が開催され、三回目接種を完了した方全員を対象として四回目接種の機会を提供する方針で準備を進めることになったと聞いています。この方針を固めるまでに分科会ではどのような議論が交わされたのでしょうか。分科会での委員の主な意見について御紹介願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/27
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028・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
先日、三月二十四日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会におきましては、新型コロナワクチンの四回目接種につきまして、現時点までに得られている四回目接種の有効性、安全性に関する科学的知見や諸外国の動向を踏まえまして御議論をいただいたところです。
委員からは、まず、自治体において三回目接種を完了した全ての方に四回目接種の機会を提供することを想定した準備を開始していただくことについて賛同を得たほか、安全性、有効性の議論も十分に行うべき、また、四回目はよりハイリスクの方あるいは医療・介護従事者などが対象になるのではないかといった御意見をいただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/28
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029・川田龍平
○川田龍平君 慎重な意見が多かったと聞いておりますが、三月十日の予算委員会では、名古屋大学の小島勢二名誉教授による、オミクロン株の感染率にワクチン接種の回数による有意差はほとんどないとする研究結果を紹介させていただきました。その際、後藤大臣からは、具体的な一つ一つの科学的研究によってもいろんな評価があるという中で、それらを丁寧に分析しながら、今、丁寧な説明とともに国民に対して接種をお願いしている状況だと答弁されました。
先週の予防接種・ワクチン分科会では、海外の四回目接種の状況やイスラエルでの四回目接種の研究報告が紹介されたと承知していますが、現在、厚生労働省は小島名誉教授の研究結果をどのように受け止めているでしょうか。改めて厚生労働大臣の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/29
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030・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 御指摘の研究につきましては、自治体の公開情報を基に、新型コロナワクチンの未接種者、一回目接種者、二回目接種者、三回目接種者ごとの感染率を算出したものと承知しているものの、インターネット上の記事でありまして、当然のことながら査読前論文でもあります。インターネット上の記事に掲載をされている以上の詳細なデータは不明でありまして、評価を行うことは困難であるというふうに考えています。
新型コロナワクチンの三回目接種につきましては発症予防や重症化予防を目的としておりますけれども、査読後の論文によりまして、オミクロン株に対する発症予防効果や重症化予防効果が回復するというふうに示唆されていると考えております。また、四回目接種につきましては、イスラエルにおける査読前の研究結果を含めまして、現時点で得られている科学的知見や諸外国の対応状況等を踏まえ、先日、三月二十四日、審議会で議論を行ったところであります。
引き続き、専門家の御意見も踏まえつつ、最近の科学的知見を注視しながら、四回目接種を行うか否かを含めて検討を進めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/30
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031・川田龍平
○川田龍平君 是非、小島先生の論文については、是非また引き続きしっかり検討していただければというふうに思います。
特にこの予防接種・ワクチン分科会では、国立感染症研究所の高橋参考人による資料が提出をされました。この資料には、四回目接種による中和抗体の増加傾向が三回目接種ほど顕著ではないことや、三回目接種のときと異なり、オミクロン中和抗体の選択的増加が認められなかったことが掲載されています。論文一報に基づく情報のために今後のデータを引き続き注視する必要があるとは記載されていますが、この資料を見る限りでは、急いで四回目接種の準備を進める必要があるとは必ずしも言えないように思います。
高橋参考人の提出資料について厚生労働省がどのように受け止めているのかを見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/31
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032・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
三月二十四日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会におきまして、高橋参考人から、まず、メッセンジャーRNAワクチンの三回目接種によりまして、ファイザー社のワクチン、モデルナ社のワクチン共に、従来株に対する中和抗体の増加の程度に比べてオミクロン株に対する中和抗体が顕著に増加する、ただし、その後、オミクロン株に対する中和抗体の減衰については十分な知見がなく、今後のデータを注視する必要があるとの見解が示されております。
また、高橋参考人からは、メッセンジャーRNAワクチンの四回目の接種に関しまして、査読された研究報告ではありませんが、ファイザー社のワクチン、モデルナ社のワクチン共に、三回目接種後に減衰した中和抗体を再び増加させる効果があるが、中和抗体の増加率は三回目接種のときほど顕著ではない、また、三回目接種の際に認められたようなオミクロン株に対して特に中和抗体が増加する現象は認められないとの報告があることを説明していただいたところであります。
しかしながら、四回目接種の免疫原性に関する報告に関しては、査読されたものがなく、報告数自体もいまだ限定的であるため、引き続き最新の知見を収集、注視してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/32
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033・川田龍平
○川田龍平君 この一方で、この予防接種・ワクチン分科会の資料では、四回目の接種の検討に当たって重要なデータも複数提示されました。例えば、三回目接種から四か月以上経過した六十歳以上の者において、オミクロン株流行下におけるファイザー社ワクチン四回目接種により、一・九倍の感染予防効果や四倍の重症化予防効果が得られたとの査読前の研究報告がされています。そのほか、感染予防効果、発症予防効果についても、査読前でありますが、研究報告がされています。ただし、この研究報告については、バイアスなどに留意が必要とされていると承知しています。
改めて、この調査報告について、調査研究の内容について御説明お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/33
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034・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) 今御指摘いただきましたのは、イスラエルにおける新型コロナワクチンの四回目接種のデータであると思います。こちらにつきましては、査読前の調査研究ではありますけれども、安全性や、感染予防効果あるいは重症化予防効果につきましては一定の成果が得られたと報告されていると承知をしております。
いずれにしろ、査読前の調査結果でもありますし、引き続き最新の科学的知見を収集、また注視、分析していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/34
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035・川田龍平
○川田龍平君 この予防接種・ワクチン分科会では、海外の四回目接種状況について説明、紹介していましたが、諸外国においても、現時点では四回目接種の対象者を高齢者や基礎疾患を持つ方などに限定しています。それにもかかわらず、四回目接種の準備を三回目接種を受けた者全員を対象として進めるのはなぜでしょうか。先ほどのイスラエルの調査研究は、対象者の数も限られており、データが不十分とお感じになった方もたくさんいると思います。
最終的な結論は分科会の判断もあるため厚生労働省として説明しづらいところもあると思いますが、それでは三回目接種を受けた方全員を四回目接種の対象として準備を進めることをなぜ分科会に提案したのか、厚生労働省の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/35
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036・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 審議会では、四回目接種の特例臨時接種としての実施に向けて、三回目接種を受けた全ての住民に接種機会を提供することを想定して自治体が準備を開始することについて適当とする御意見をいただきました。これはあくまで、四回目の接種を行うか否か、四回目接種を行う場合の対象者や三回目接種者からの適切な接種間隔だとか、そうしたことを今後検討する。で、検討した場合に、その接種をするということになった場合に、それから準備を始めるということになると、いつも準備が立ち遅れるという御批判をいただくことになりかねないので、そういう意味で、自治体においては、これ費用は全部国持ちでありますから、あらかじめ準備をしてもらいたいと。
準備には二か月程度が掛かるというのが通常の地方の仕事のタイムスケジュールですので、そういうことも踏まえまして、自治体が準備を開始することについてだけは御了解をいただき、今後、引き続き、ワクチンの有効性、安全性、効果の持続期間に関する最新の科学的知見を踏まえまして、四回目接種を行うか否かを含めてしっかりと検討を進めてまいりたいというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/36
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037・川田龍平
○川田龍平君 今大臣からお話ありましたけれども、四回目接種については特例臨時接種として準備を進めることとされています。しかし、特例臨時接種に位置付けられるか否かは、予防接種の実施主体である自治体にとっては全額国費負担になるかどうかに直結し、財政面に大きく影響してきます。
分科会では、準備をしつつ、やめるという選択肢を持った方がいいとの意見もあったと聞いていますが、四回目接種についてこのような意見もある中では、準備を進めて後からやっぱりやめたと言われたときに、費用を本当に補填してもらえるのかと準備をためらう自治体も出てくると思います。ただでさえコロナ対応や三回目接種で忙しい自治体に対して、余計な負担を掛けてまで四回目接種の準備を急ぐ必要がどこにあるのかと疑問を感じざるを得ません。
政府はこの四回目接種を特例の臨時接種として行うと理解していいのでしょうか。また、今後の更なるデータ分析結果によっては実施を見合わせることもあり得ると理解していいのでしょうか。厚生労働大臣の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/37
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038・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 先ほどちょっと私の言い方が誤解を招くような言い方であれば申し訳なかったと思うんですけれども、四回目接種が特例臨時接種としての実施の準備という意味でございますので、あくまで、四回目接種を行うか否か、四回目接種を行う場合の対象者、そうしたことを含めての検討でありますから、今の段階で特例臨時接種なのかどうかということは分かりません。
それから、地方への通達については、費用については国が持つということをはっきり明示しておりますので、その費用負担についての地方公共団体での疑念は生じないものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/38
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039・川田龍平
○川田龍平君 次に、この新型コロナワクチンの子供への接種についてお伺いします。
小児接種の対象である五歳から十一歳については、オミクロン株に対するワクチンの効果が特に低いのではないかとの調査結果が出ているものと承知しています。
例えば、アメリカのCDCのレポートによれば、二回目の接種後の十四日から八十二日のオミクロン株に対する感染予防効果は三一%であり、十二歳から十五歳の五九%より低いとされています。また、小児に対しては、感染予防効果、防止効果と入院防止効果が共に早く低下する傾向にあるというニューヨーク州の保健当局の研究者らによる発表もあると聞いています。
ワクチン接種の効果、ベネフィットが低いということは、相対的に副反応のリスクが高くなるということになります。厚生労働省は、こうした海外の調査結果をどのように分析した上でコロナワクチンの小児接種の勧奨をしているのでしょうか。アメリカの調査結果に対する厚生労働省の認識を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/39
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040・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 五歳から十一歳までの子供への新型コロナワクチン接種につきましては、厚生科学審議会において、緊急の蔓延予防のために実施する必要があり、今後流行する変異株の状況、ワクチンの有効性、安全性に関する一定程度の知見、諸外国における子供への接種の対応状況等も勘案して総合的に判断し、特例臨時接種として実施することが適当とされております。
厚生労働省としては、緊急の蔓延予防のために実施するという特例臨時接種の趣旨を踏まえて、希望する方にはできるだけ多く接種していただきたいと考えております。本人や保護者が接種の意義を踏まえた上で安心して接種を受けられるように、引き続き、様々な外国の情報も含めた必要な情報をしっかりと発信しながら、ワクチンの有効性、安全性を丁寧に分かりやすく説明してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/40
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041・川田龍平
○川田龍平君 厚生省も御承知のとおり、確かにオミクロン株の小児感染は増加傾向にあります。ワクチン接種によって小児の感染や重症化を防ごうとする政府の考えは理解できますが、それはオミクロン株の小児感染に対して既存のワクチンが十分に効果を発揮するという評価を前提としてあるべきです。
アメリカの調査結果からも分かるとおり、オミクロン株への小児ワクチンの有効性には懸念が生じています。小児接種の意義を主張し接種勧奨を行うのであれば、オミクロン株に対する有効性について早急に政府の見解を示すべきだと考えます。今の状況は、オミクロン株への有効性はよく分かっていないが、接種するかしないかは自分で考えてほしいというのと全く同じことだと思います。ただ単に国民に判断を丸投げしただけでは、これでは小さな子供を持つ親は困惑をしてしまいます。
小児への接種勧奨を行うのであれば、少なくとも小児接種を判断する各家庭に対して、オミクロン株に対するワクチン接種のリスクとベネフィットについて判断に足りるデータや政府の見解を示すべきだと考えますが、この点について厚生労働省の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/41
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042・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
小児へのワクチンの接種につきましては、これまでも厚生労働省においてリーフレットを作成するなどし、また、ワクチン分科会の審議等については公開の下で行う等十分な情報公開に努めているところでございますが、今後ともそういった努力を続けてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/42
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043・川田龍平
○川田龍平君 この接種を判断するためのデータを提示できないにもかかわらず接種勧奨を行うとしたこと、決定には納得のいかない部分が多々あります。しかも、今回は、接種勧奨を行うこととしながら、接種の努力義務は適用除外にするという決定をしています。そもそも、小児接種に対する政府の態度が曖昧過ぎるのではないでしょうか。国としては小児接種を進めてほしいが、慎重論も多い中、何かあった場合に責任を取りたくない、だから各家庭の責任で決めてほしい、そんな思いが透けて見えるようで、国民も不安に感じてしまうのです。
実際に、国民を小児接種へ誘導するかのような国の態度もかいま見えます。三月十一日の産経新聞において、堀内ワクチン担当大臣が小児接種の意義を語っていました。例えば、子供に重篤な副反応が出る確率は低いとする研究結果もあり、接種する意義はある、また、接種はそれぞれの判断とした上で、安心して生活するための一つのツールになると語ったとされています。
小児接種について国民の判断を尊重するポーズを取りながら国民を接種へと促そうとする政府の姿勢は矛盾をしています。政府としては、小児接種を推進したいのでしょうか、それとも接種の可能性を広げたいだけなのでしょうか。国民に戸惑いを抱かせないためにも明確な答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/43
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044・佐藤英道
○副大臣(佐藤英道君) 堀内大臣がインタビューで引用している副反応の研究結果は、米国の薬事規制当局に提出した資料であります。また、五歳から十一歳の肺炎の症例は、厚生労働省の審議会に提出された資料であります。
五歳から十一歳までの子供への新型コロナワクチン接種については、厚労省の審議会において、緊急の蔓延予防のための実施する必要があり、今後流行する変異株の状況や、ワクチンの有効性、安全性に関する一定程度の知見、諸外国における子供への接種の対応状況等も勘案して総合的に判断し、特例臨時接種として実施することが適当とされました。こうしたことを踏まえて堀内大臣は御発言したものと承知しております。
政府としては、本人や保護者が接種の意義を踏まえた上で安心して接種を受けられるよう、引き続きワクチンの有効性や安全性を丁寧に分かりやすく説明してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/44
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045・川田龍平
○川田龍平君 堀内大臣に是非この委員会で説明してほしかったんですが、今回ちょっと理事会の協議調わずで、今回は堀内大臣、最後に答弁になるかと思ってお呼びしたんですけれども、できませんでした。
堀内大臣、辞めるに当たってツイッターでも何か度々発言しているんですが、是非、これ本当に正確なデータ、それから明確な有効性など、安全性など、しっかり示した上でやっぱり接種を勧奨するというふうなことをしてほしいと思います。しかし、堀内大臣辞めることですので、本当にこれ、辞めて僕はよかったと本当に思っています。政府にとっても国民にとっても本当によかったなと実は思っておりますので、内心安心しております。接種を推進したいのであれば責任逃れをせずに正直にそう公表するべきですし、そうでないのであれば国民を接種へと誘導する言動は慎むべきだと考えます。
既に接種、小児接種に対する国民の戸惑いが読み取れるデータが公表されています。二月の末から既に三百万回分ほどの小児ワクチンが配送されていると思いますが、三月二十四日の公表時点で接種回数は約二十五万回にとどまっています。これから春休みに入るため今後は接種回数が増えることが想定されると、厚生労働省はこう説明するのかもしれませんが、明らかにワクチンの配送数に比較して接種が進んでいないように感じます。
小児接種に対する国民の不安がこうした結果につながっているのではないかと思いますが、厚生労働省の認識を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/45
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046・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) 繰り返しになりますが、五歳から十一歳までのお子様に対するワクチンの接種につきましては、今後、オミクロン株以外の重症化リスクの高い変異株の流行でありますとか、あるいはデルタといった可能性、また、ワクチンの有効性については、オミクロン株に対する大人の新型コロナワクチンの効果を踏まえると子供においても発症予防効果と重症予防効果が期待できること、また、ワクチンの安全性については薬事審査で確認されていること、さらに、米国、カナダ、フランス、イスラエル等において全ての五歳から十一歳までの子供を接種対象としているということもございまして、また、厚生労働省としては、緊急の蔓延予防のために実施するという特例臨時接種の趣旨を踏まえまして、希望する方にはできるだけ多く接種していただきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/46
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047・川田龍平
○川田龍平君 さて、新聞など、この感染者数の増加だけでなく、基礎疾患がなくても子供の重症化が増加しているのでワクチン接種が必要と論じています。
名古屋大学の小島名誉教授、先ほどの教授が、愛知県における子供における重症度の比較報告をしております。その中では、第四波では三千五百名、第五波では五千人がコロナ感染したということで、第四波、第五波で三十人、全体の一%が中等症を発症しましたが、重症、死亡例は第四波、第五波共に見られませんでした。オミクロン株の流行による第六波においても、中等症を発生したのは全体の〇・一%で、重症や死亡例は見られないという報告です。
一般的に、この日本の十歳未満の子供の重症ウイルス感染症の年間発症者数は、インフルエンザにおいては重症が百人から百五十件、死亡においては三十から五十件、RSウイルスで七千件から八千件、それで死亡が二十件から三十件と言われています。
この新型コロナウイルスの子供における重症と死亡例の年間発生者数とインフルエンザウイルスやRSウイルスと比較して、子供においては重症化リスクが極めて低いということではないでしょうか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/47
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048・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) まず、新型コロナウイルス感染症につきましては、御指摘のとおり、小児例においては無症状者、軽症者が多いことが特徴でありまして、自治体の公表資料の集計に基づきますと、新型コロナウイルス感染症に感染した十歳未満の方の重症者数及び死亡者数ですけれども、これは、三月二十二日時点で把握している限り、重症者は八名、三月二十二日までの累計の死亡者数は三名というふうになっております。また、自治体独自の分析でありますけれども、例えば広島県では、重症化率、死亡率は〇・〇五%以下にとどまるという評価、分析がなされているものと承知しております。
一方で、無症状者、軽症者が多いものの、子供の感染者数が著明に増加しますと肺炎等の重篤な症状を呈する症例も増加するといった専門家の御意見等もありまして、こういった点については注意が必要というふうに考えており、厚生労働省ホームページにおいてもお示しをしているところであります。
次に、御質問の季節性インフルエンザにつきましては、こちらについては、レセプト情報等を基に行った分析によりますと、十歳未満の子供の季節性インフルエンザによります重症化率は〇・〇三%、死亡率は〇・〇〇%となっておりまして、軽症者が多いわけですが、まれに急性脳症を発症し重症化すること等が特徴でございます。
最後に、RSウイルスの感染症についても御質問をいただきましたが、こちらについては、例年、秋から冬にかけて主に小さい子供で流行が見られ、重症化した場合には入院を要することもある疾患であります。症状としては軽い風邪様の症状から重い肺炎まで様々でありまして、重症化リスクの高い基礎疾患を有する小児や生後三か月以内の乳児への感染には特に注意が必要でございます。RSウイルスにつきましては、三歳までにほぼ一〇〇%の方が感染する感染症でありまして、感染症全体での重症化率や致死率については明確な数字はありませんけれども、人口動態統計に基づきますと、近年の全国の死亡者数については例年十人から二十人前後で推移をしております。
いずれにしましても、新型コロナウイルスの小児につきましても、引き続き注意深く状況を見ていく必要があるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/48
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049・川田龍平
○川田龍平君 このワクチン接種のリスクとベネフィットを比較するには、五歳から十一歳における副反応の種類や頻度を知っておく必要があります。日本ではまだこの年齢層における副反応報告がありませんので、米国における五歳から十一歳までの一か月ほど前のCDCのMMRの副反応報告では、八百七十万回の接種を対象にした副反応は、百件の重篤な副反応、さらに二名の死亡報告がありました。重篤例の一〇%は集中治療が必要だったとのことです。
特に、子供における副反応を考える場合に、注射部位の痛み、発熱などの接種直後の副反応よりも中長期的な副反応が危惧されます。中でも、新型コロナウイルスのスパイクたんぱくに対する抗体は、脳や甲状腺など多くのヒト抗原と交差反応をすることで自己免疫疾患を引き起こす可能性のリスクがあるとされています。
二週間ほど前、米国でファイザー社が裁判に負けて、コロナワクチンに関する四十五万ページに達する膨大なデータの開示が命ぜられました。この中には、承認後、市販後調査として集計された千二百九十一種類の副反応の分析結果が含まれています。二〇二〇年十二月から二月までの三か月間に、六十三か国から四万二千八十六件もの副反応が報告され、千二百二十三件の死亡例と、後遺症を残した五百二十例が報告されています。とりわけ、四十種類を超える自己抗体の出現と三十七種類の自己免疫疾患の発症が記載されています。折しも、日本でワクチン接種が開始された時期でもあります。
厚生労働省は、ファイザー社からこのような報告を受けていたのでしょうか。このような製造メーカーからの公表結果を踏まえ、副反応や後遺症について、そのリスクについて改めて国民へ周知していくことが必要ではないでしょうか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/49
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050・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 今先生から幾つか御質問いただきました。
まず、その五歳から十一歳のワクチンの接種の副反応でございます。
まず、日本におきましてですが、三月、接種開始から三月十一日までのデータがございまして、それでは接種回数が三万四千五百五十八回ということでございます。そのことにつきまして三月十八日に開催された審議会に報告いたしまして、それまで副反応については二件の報告ございまして、いずれも重くはなくて、また回復あるいは軽快しているというところでございました。
アメリカの状況でございます。先生が御紹介いただきましたように、一月の五日に開催されたACIP、予防接種の実施に関する諮問委員会では、お話しのように、昨年の十一月三日から十二月十九日までの間に、五歳から十一歳におきまして約八千七百万回の接種、それでトータル四千二百四十九件副反応があり、重篤が百件、うち死亡例三件というものでございました。
そうしたことは我々としても把握しておりまして、そうした接種後の副反応疑い症状につきましては、常に審議会に報告し、検証いただいているところでございます。
また、もう一つ、先生からアメリカにおけるファイルの公開についての御指摘がございました。
実は、この点につきまして、特段ファイザー社からの報告というものはございませんが、そのファイルについての御報告ございませんが、我々は、常に国内外の副反応の情報につきましては、製造販売業者、つまり今回につきましてはファイザー社から、薬機法、法律に基づきましてPMDAに報告することを求めるところでございます。
新型コロナの副反応疑いの報告につきましては、先ほど申し上げましたように、定期的に開催している審議会において検証し、またホームページ等で公表しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/50
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051・川田龍平
○川田龍平君 この米国ファイザー社の市販後調査については、これは裁判で公開されております。これ、七十五年掛けて出さなければいけないということで、七十五年間秘匿しようとしていたこのデータが裁判によって開示されたものですので、こうしたものをやっぱりしっかり、国としてやっぱりしっかり公開をするように是非国として働きかけていただきたいと思います。
これまで多くの専門家は、mRNAワクチン、このmRNAが細胞に入ったとしてもRNAとDNAには交換できないとし、人のDNAに組み込むことはできないのでmRNAワクチンは安全だと主張してきました。しかし、このヒト肝細胞株にファイザーmRNAワクチンを添加して培養すると、六時間後にはRNAがDNAに逆転送され、細胞株にファイザーワクチン遺伝子の発現が報告されています。
この研究結果は、ワクチン由来の遺伝情報がヒト遺伝子に組み込まれることを示しており、今後、網羅的遺伝子解析方法を用いて、ワクチン由来の遺伝情報が人の臓器に組み込まれるリスクがないかの検討が必要ではないかと考えますが、厚生労働省としての見解をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/51
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052・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) まず、先ほど答弁におきまして、ACIPの報告の接種回数について、八百七十万回のところ、八千七百万回と申し上げました。失礼しました。正確には八百七十万回でございます。おわびして訂正します。
御指摘のメッセンジャーRNAがDNAに変換される逆転写があるのではないかということについて、御指摘の論文、我々としても承知しております。
その論文でございますが、まず、ヒト肝がん細胞由来の培養細胞を使っているという点、そして、それは試験管内という環境で、人の体内環境と異なるということ、それゆえに暴露量についても高濃度になるんじゃないかと考えられるところでございまして、この論文の実験結果については、今申し上げたことから、当該事象が必ずしも人体で生じるわけではないという点は留意すべきじゃないかということを考えておりまして、当該論文のみをもちましてはワクチンの安全性を論ずることはできないものというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/52
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053・川田龍平
○川田龍平君 これ、前コロナワクチン担当大臣が、mRNAが細胞の核に入ったとしてもRNAはDNAに変換できませんし、それを人のDNAに組み込むこともできません、mRNAワクチンが遺伝子に組み込まれることはありませんということを言っていたんですが、それに違った研究結果が出てきていると。これは今、今のところは試験管ですけれども、そういった今の、今までの私たちの常識とされるDNAとRNAの関係について、また逆のやっぱりそういった結果が出てきているということも含めて、これはしっかりと検討していただき、しっかりと情報を集めていただきたいと思います。
これまでの様々な研究結果、知見からも、コロナワクチンを接種しても周囲に感染させないといった感染予防効果や集団免疫の獲得で社会を守る効果が期待できないではないかと思います。あくまでも、ワクチン接種の目的は重症化を予防して個人を守ることです。重症化が極めてまれな我が国の子供にあっては、ワクチン接種の必要性については海外や成人とは別の視点が必要と考えます。
自分の子供にワクチンを接種するかどうかを判断するに当たっての必要なワクチンの有効性や副反応、それから安全性についての研究結果が相次いで報告をされています。厚生労働省として、早急に情報を整理して、国民に情報を提示する必要があると考えます。特に五歳から十一歳までの子供への接種については、接種すべきかどうか本当に慎重に判断すべきと考えますが、大臣、いかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/53
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054・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 今委員からも、いろいろな新たな科学的知見の御指摘もいただきました。引き続き必要な情報をしっかりと発信する、そのためにはまずいろいろな科学的知見を十分に分析をさせていただき、そうしたことも踏まえてしっかりと発信しながら、今後、国民の皆さんにワクチンの有効性、安全性等について丁寧に分かりやすく説明していくことが前提であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/54
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055・川田龍平
○川田龍平君 そもそも、現在流通しているこのコロナワクチンに対する知見、これは、様々な変異株が出現する以前の従来株に対して行われたものだと理解しています。デルタ株のときもそうでしたが、オミクロン株のときもワクチンの有効性が議論になりました。変異株が出てくるたびに、少しばかりテストをしてみて、まあ大体効果があるという程度の認識で接種を進めてしまっているから、国民の疑問にきちんと答えられなくなっているのではないでしょうか。
先週の予防接種・ワクチン分科会では、今後のコロナ対策の中でワクチンをどう位置付けるか、接種目的は何か、大きな視点で考える必要があると脇田分科会長からも発言があったと聞いています。極めて重い発言だと思います。
そもそも、我が国では、ワクチン接種後の副反応等に関する全国的なデータベースが整備されておらず、安全性や有効性に関する接種後の分析を行うことが難しい状況にあります。その結果、分科会に提示される資料も海外の研究、分析を後追いして紹介するだけになっているように感じます。今回の四回目接種のように、とにかく接種さえすればよいんだという接種自体が目的化したかのような姿勢を見せられると、今まで政府を信頼していた国民の側も、やがて不安感や不信感を覚えるようになるのではないでしょうか。
こうした懸念に対して、厚生労働大臣はどのように説明されるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/55
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056・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) あくまで国民にしっかりと説明をするということが前提だというふうに思っておりますし、四回目接種につきましては、接種をするのかどうか、それからどういう対象者に接種をしていくのか、諸外国においても現状ではまだ接種対象は限られているわけであります。そうしたことも踏まえながら、今後、四回目接種の問題についてしっかりと専門家の意見を聞いて結論を出していきたい。
自治体において事前に二か月掛かる準備に国の費用で取りかかってもらいたいという、そういうその事務連絡自身については、あくまでそうしたことの前提として行われていることだということを国として明確にしていく必要もあると思いますが、ともかく、四回目接種については、科学的知見や諸外国の状況を踏まえて、しっかりと審議会でも御議論いただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/56
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057・川田龍平
○川田龍平君 この新型コロナウイルスについては、まだ最初の発見された段階では、まだ治療法も、そしてこの感染予防の方法もなかなか分からない中での取組だったと思います。しかしながら、今現時点でこのコロナワクチン、コロナウイルスについては、ワクチンの前のウイルスについてもある程度分かるようになってきている段階において、いまだにこのワクチンありきといったような政策そのものはやっぱり改めていただきたいというふうに思います。
海外の知見といったことで日本のこのこういう医療行政というのは成り立ってきていますけれども、やはり日本のやっぱりしっかりとしたデータをしっかり集めて、日本の接種状況に合わせてしっかり、このワクチン行政をしっかりやっていただきたいと思いますが、それについては担当官、いかがでしょうか。是非、日本のデータを集めてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/57
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058・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) まず、先生から御指摘ありました、例えばワクチン接種履歴とそれから臨床情報を結び付けるようなシステム、こういったものについては今まだ不十分なところがございますので、これは直ちにというよりはちょっと中長期的な課題かと思いますけれども、しっかり取り組んでいきたいと思っております。
また、日本国内におけますワクチンの効果に関する臨床研究といったようなもの、これは例えば長崎大学の方で最近報告がされておりますけれども、こういった研究の促進ということについても今後ともしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/58
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059・川田龍平
○川田龍平君 小島教授が言っていたんですけれども、アドバイザリーボードのこの検討というのが大本営発表になるんではないかと。ある意味、ほかの人たちがある意味ちゃんと自分で計算してちゃんと論文を書いていることについても、やっぱりしっかり、データをしっかり取っている人たちのことも、研究結果をやっぱり是非見ていただきたいというふうに言っていただいていました。
本当に、今本当に自分で研究をする人が減ってしまってきているということ、これは昨日の決算委員会でも田村議員が言っていましたけれども、やっぱり本当に今、日本の研究者が研究できる環境にないということが、日本のこの知見が本当に貧しくなってしまって、日本で研究のワクチンもまだ世界的に普及していないですし、そういった治療法もですね、治療薬も含めて、やっぱり日本の技術や研究といったものが本当にまだまだ世界で使えないということが本当に残念でなりません。
やはり是非、日本の研究結果をやっぱりもっとしっかりと、日本の政府もしっかりと取り入れて、やっぱり是非今後の行政に生かしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/59
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060・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) ADBの運用については、もちろん先生方に運用していただくわけでありますけれども、事務方を厚生労働省も務めておりまして、日本のそうした今御指摘のあったようなデータ等についても併せて検討をしていく、そういう姿勢で臨んでいきたいと、そのように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/60
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061・川田龍平
○川田龍平君 ありがとうございます。
本当に、この子供の命、子供の将来が懸かっている。昨日の決算委員会でもワクチン後遺症の話も出ておりました。本当に、このワクチンによるやっぱり副反応、そして副作用、さらには後遺症といったことが、今、名古屋市なども一生懸命取り組んで、今相談窓口など自治体によっては設けているところもあります。そういったところをやっぱりしっかりと国としてもサポートして、全国的にそういったコロナのワクチンによるこの被害、後遺症、そういったものもやっぱりしっかりとこれ取り上げてしっかり検証していただきたいと思いますし、そして補償、そしてしっかりとその人たちの健康を守る、健康にするための施策をやっぱり是非是非実行していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/61
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062・石垣のりこ
○石垣のりこ君 立憲民主党・社民会派の石垣のりこでございます。
本日は、雇用保険法等の一部を改正する法律案に関しまして、これまでの委員会での質疑や先週の参考人のお話も踏まえて、広く労働問題に関しての質問をいたします。
まず、先週二十四日の厚生労働委員会で川田委員から、先進諸国の中で唯一我が国だけが過去三十年間で賃金が上がっていないという問題について発言がありました。その理由の一つに、非正規労働者が増えている、非正規雇用が増えているということは、これまでも様々な場面で重ねて指摘がなされているところでございます。
具体的に伺います。平成元年とあえて比較しますけれども、一九八九年から直近まで、非正規労働者、非正規雇用労働者の数はどのくらい増えたんでしょうか。また、労働者全体に占める割合について教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/62
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063・岩佐哲也
○政府参考人(岩佐哲也君) お答えいたします。
労働力調査の結果によりますと、非正規の職員、従業員数は、二〇二一年平均で二千六十四万人となっております。平成元年、一九八九年に比べまして千二百四十七万人の増加となっております。また、その割合は二〇二一年平均で三六・七%となっておりまして、一九八九年に比べまして一七・六ポイントの上昇となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/63
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064・石垣のりこ
○石垣のりこ君 今、平成元年と、直近で二〇二一年ですね、比較の数字を教えていただきましたけれども、これ、二〇一九年には現在よりも非正規の占める割合が高くなっていて、いただいたデータでは三八・三%まで上がっていますので、およそ三十年間で二倍で、三人に一人が非正規雇用労働者になったということで、年々増加している、最近はちょっと微減がございますけれども、そういう状況にあるということです。
その上で伺います。大臣、この非正規労働者増えたということが日本の賃金が上がらない理由の一つであるとお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/64
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065・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 女性や高齢者の労働参加が進んだこと自体は大変に望ましいことではあるということではありますけれども、その結果として、現状の日本の労働市場のパートタイム労働者の取扱いを前提にして考えたときに、パートタイム労働者を中心に、相対的に賃金水準の低い非正規雇用労働者が増加したことが賃金の平均的な、平均値を押し下げた要因の一つだというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/65
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066・石垣のりこ
○石垣のりこ君 女性、高齢者というところで特出しをしていらっしゃいましたけれども、国税庁の二〇二〇年民間給与実態統計調査によりますと、正規、非正規の平均給与、これ別に女性、高齢者というふうに区切られてはいないんですが、正規雇用の場合が四百九十六万円、非正規が百七十六万円ということで、その差が何と三百二十万円もあると。ちなみに、男女別の平均給与は、男性が五百三十二万円、女性二百九十三万円で、二百三十九万円の差。この辺はニュースでも話題になっておりました。これやっぱり正規、非正規の賃金格差というのはこれだけあるんですよね。非常に、女性、高齢者というわけではなくて、今若い世代の非正規も非常に増えているということで、非常に大きいのではないかと思います。
そこで伺いたいんですけれども、これも三月二十四日の厚労委員会で後藤大臣が、日本の賃金が上がらない理由について、生産性、労働生産性を含めて、これが上がっていないということが大きな原因だというふうに答弁されていらっしゃるんですが、この非正規雇用の増大と生産性や労働生産性が上がらないことの関係についてどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/66
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067・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 突然のお尋ねだったので、丁寧に御説明をするというよりも、マクロ経済全体として言えば、労働生産性が全体として増えていないので、労働分配率ということも含めてマクロの問題として申し上げました。
丁寧に順番に申し上げていくとすれば、長引くデフレ等を背景に低い経済成長が続く、この間賃金を抑制し、そして消費が抑制された結果、需要が低迷してデフレが継続する、そういう悪循環の中で賃金が伸び悩み、他国よりも低い賃金水準となったというふうに、デフレ経済とともにもう少し丁寧にかみ砕いて説明をした方がよかったかもしれませんけれども、そうしたことをデフレ経済下において日本経済の労働生産性が上がっていないという言い方で申し上げたということになります。
そして、正規、非正規雇用比率と労働生産性の関係、そのこと自体については、正規と非正規の労働生産性というような具体的な議論になってくるとこれは一概にお答えすることは困難ではありますけれども、個々の労働者の能力など様々な要素が影響されるわけであります。
ただ、一般的に、非正規雇用は正規雇用と比べて能力開発機会が乏しいというような課題があります。そういう意味で、出口ということからいえば、先ほども御指摘があったように、賃金の格差等の御指摘もありましたけれども、教育訓練を含めた待遇の改善に向けて非正規雇用労働者に対して同一労働同一賃金の徹底を図って不合理な待遇差を禁止する、そうしたことを進めていき、また、しっかりと能力開発等についても現在進めているような対応を今後ますます進めていく必要があるだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/67
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068・石垣のりこ
○石垣のりこ君 規制緩和を行ってどんどん非正規を増やしてきたということ、その政策にまずは大きな問題があるんだと思いますけれども、もちろんどんなものにも一〇〇%駄目だということではないと思います。
非正規の場合は、労働者、働く側にも、正社員よりも柔軟で多様な働き方ができるという、人それぞれによってはメリットになることもあると、それはもちろん承知しておりますが、自ら望んで非正規になる場合を除いて、不本意ながら正社員になりたくてもなれない非正規の方が増え続けると、ますます社会的な格差が広がるという問題が出てまいります。非正規社員には、先ほどの賃金格差、具体的な数字としてお話ししましたが、低賃金、不安定な雇用のほか、大臣からもお話ありましたスキルアップの機会が少ないなどの問題も挙げられております。会社としては長期的な視点で人材の育成が難しいということも言われております。この格差というのは、結婚したくてもできないとか子供が欲しくても産めないとか、少子高齢化にも無関係でない、むしろ大きく影響しているということも改めていろんな方面から指摘されておりますので、その点非常に大きな問題であると認識しております。
この非正規がどんどん増加をしている現状なわけですけれども、雇用保険の対象外となる週二十時間未満の労働者の占める割合というのは現在どうなっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/68
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069・岩佐哲也
○政府参考人(岩佐哲也君) お答えいたします。
労働力調査の結果によりますと、非正規の職員、従業員のうち、月末一週間の就業時間が一時間以上十九時間以下の方の割合は、二〇二〇年平均で三二・六%となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/69
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070・石垣のりこ
○石垣のりこ君 まあ三割、三人に一人弱となりますけれども、結構いらっしゃるわけですよね。
雇用保険の加入条件というのは、週所定労働時間二十時間以上とあります。ほかにももちろん条件ございますが、この二十時間以上にしている理由について教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/70
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071・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 今委員御指摘のように、週所定労働時間二十時間以上かつ三十一日以上雇用見込みがある労働者を雇用保険制度は適用対象としているわけですが、週所定労働時間が二十時間に満たない方は、労働時間がフルタイム、四十時間の半分に満たない方であるため、雇用保険制度が自らの労働による賃金で生計を維持している方の失業を保険事故として備えるものであるという趣旨に照らして雇用保険適用の対象外としているというのが雇用保険の制度の考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/71
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072・石垣のりこ
○石垣のりこ君 賃金を得て生計を立てている労働者が失業した場合の生活の安定を図る制度として雇用保険制度があるわけですけれども、今のお話の前提ですと、自らの労働で生計を維持している人で、失業したときの再就職を図るために、四十時間、二十時間以上の働きがある人が主たる生計を担っていると、それ以外の二十時間未満だとそうではないという考え方が基本的にあると思うんですが、それって、例えば働いたお金を全て、二十時間未満で働いた方、娯楽費に使っているとか貯金に全部回せるというような余裕のある場合だったら別かもしれませんが、二十時間未満だから家計を維持しているとは言えない、生計を維持しているとは言えないとかそういうことも、今この時代の多様な働き方の中において、少しその現状というのがずれてきているのではないかと思います。
言ってみると、例えば旦那さんが非正規、いや、ではなくて、あくまで正規雇用がメーンで、奥様の方が、妻の方がパートで小遣い稼ぎをするとか、そういういわゆる一時期のザ昭和の風景とでも言ったらいいでしょうか、そういう想定が基本的な前提にあるのではなかろうかと。実際に、社会としてもう格差が広がる一方で全体として豊かになっていない現状があるわけですから、一人の稼ぎで生計を立てているわけではなく、複数の稼ぎの中で生計を立てている家計というのは結構あるわけですよね。
そうした実態はもっと丁寧に把握した上でだとは思うんですけれども、例えば掛け持ちでパート労働しているような複数事業所で働く労働者というのも、一つの勤務先で週二十時間以上勤務しないと現行は雇用保険の対象にはならないと思います。これ、複数事業所の勤務時間を通算して二十時間を超えた場合には雇用保険に加入できるように、例えばこういう検討をすべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/72
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073・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) 複数就業者に対する雇用保険の適用に当たりましては、令和二年の雇用保険法改正時の労働政策審議会等における議論におきまして逆選択やモラルハザードの懸念が指摘されていることも踏まえまして、六十五歳以上に限定して、二つの事業所の労働時間を合算して二十時間以上である場合に、御本人の申出により加入することができる仕組みを創設したところでありまして、本年、令和四年一月からこれを開始をしております。
この制度は、施行後五年を目途として検証を行うこととしております。御本人の申出を契機とする新たな方式で実際にどれだけの方が申出をされて被保険者となるのか、そうした方が失業給付をどれくらい受け取られているのかといった雇用保険の適用や給付の状況を中心に把握する予定であり、こうした検証を踏まえて、複数事業所に雇用される労働者の雇用保険の在り方について検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/73
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074・石垣のりこ
○石垣のりこ君 私がいないときの厚労委員会でも議論はされていると承知しておりますけれども、今年の一月からスタートしている雇用保険マルチジョブホルダー制度がそれに当たるのかなと思いますが、六十五歳以上が対象ということで、済みません、このモラルハザードと逆選択の可能性を含めて六十五歳以上に限定したというところについて、もう少し詳しくお話しいただいてもよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/74
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075・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) 先ほどお答えしたとおり、複数就業者に対する雇用保険の適用に当たっては、逆選択やモラルハザードの懸念が指摘されていることから、一定の層に限定して試行的に制度を適用することとしております。
その際、六十五歳以上に限定した理由は、定年や継続雇用制度の期間を過ぎて、これまでの職業人生で得られたスキルを生かして多様な就労を目指している年齢層と考えられることや、六十五歳以上の労働者は、離職した場合には一時金、高年齢求職者給付金と申しますけれども、こういう一時金が支給される制度になっていることを踏まえたものでございます。
一方、六十五歳未満でやむを得ず複数就業を行っている方については、まずは安定雇用に向けた支援を行うことも重要と考えておりまして、六十五歳未満の方の取扱い等を含め、今後の制度の在り方については、今般の六十五歳以上の方に対する適用の状況をしっかり検証した上で考えていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/75
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076・石垣のりこ
○石垣のりこ君 今、何ゆえに逆選択とかモラルハザードという面が起きるのかという、そこのその部分をちょっと詳しくお話しいただきたかったんですけれども、今のところで取りあえずは結構でございます。
この雇用保険マルチジョブホルダー制度、六十五歳以上ということで、複数の事業所にまたがるというところで、会社側がではなく、あくまでも利用者というか働く側、労働者側からの申請ということになっていると思うんですけれども、これ、やっぱり本人申請というところでの加入のハードルというのは高くならないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/76
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077・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) 通常の雇用保険ですと、その加入手続は事業主さんからの届出が義務となっておりますけれども、今般の新たな仕組みでは、二つの事業所における所定労働時間について一つの事業所で全てを把握して届出を行うことは困難であることから、労働者本人からハローワークに申し出ていただくこととしたものです。
一方、労働者の申出に当たっては、個々の事業主において労働者の所定労働時間をそれぞれ証明していただく必要があります。事業主の協力も不可欠であると考えております。このため、事業主向けリーフレット等において、事業主が労働者から手続に必要な証明を求められた場合には速やかに対応していただくことを求めているところであります。
このように、複数の適用については、事業主、労働者、それぞれ役割を果たしていただかないときちっとした適用ができませんので、こうした事務取扱にさせていただいているという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/77
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078・石垣のりこ
○石垣のりこ君 実際の利用状況を見ながら今後検討されて、五年を機に、目途に検討されていくということは承知しておりますけれども、六十五歳以上のやっぱり高齢者だけじゃなくて、今、生計を成り立たせるために、一か所で二十時間以上働けない、逆にセーブされてしまっている、それで掛け持ちをせざるを得ない若い世代も含めた方たちが一定数増えているということもやっぱり報じられているわけですよね。この辺のやっぱり実態しっかり把握していただいた上で、そういう方たちが職を失ったときにしっかりと雇用保険制度を、今、もし、これが新しい制度をということももしかしたらあり得るかもしれませんけれども、しっかりと生活を担保されるような制度をしっかりつくっていかないと、多様な働き方を進めていく上でも、本当に生活不安に陥る方がたくさん出てしまうのではないか、そして、実際そうなのではないかということをしっかり申し上げたいと思います。
続いて、ちょっと順番を変えさせていただきたいと思うんですけれども、このコロナ禍におけるちょっと労災申請のことを質問いたします。
コロナ、この二〇二〇年の一月から始まりまして、ここまでの間の労災の申請状況、認定の現状について、まずは教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/78
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079・吉永和生
○政府参考人(吉永和生君) お答え申し上げます。
新型コロナウイルス感染症に係ります令和四年二月末時点の労災の請求件数につきましては二万五千四百六十二件となってございまして、このうち支給、不支給の決定に至っておりますものが二万二千四百三十一件、支給決定をしているものがこのうちの二万二千八十八件となっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/79
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080・石垣のりこ
○石垣のりこ君 では、今総数をお話しいただきましたけれども、都道府県別の状況についてどうなっていますでしょうか。まあ全部お話しいただくわけにいかないでしょうから、申請件数及び認定の多い都道府県、上位三つ、三位まで、それぞれ御紹介いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/80
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081・吉永和生
○政府参考人(吉永和生君) 労災の請求件数、認定件数、いずれにつきましても上位三位を申し上げますと、一位が東京でございまして、次いで大阪、北海道という順番になってございます。
東京都におきます認定件数は三千九百五十八件、大阪府につきましては二千八百八十九件、北海道につきましては二千二十四件を認定しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/81
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082・石垣のりこ
○石垣のりこ君 都道府県別で、それぞれの申請の種別も含めて、全部把握していらっしゃるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/82
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083・吉永和生
○政府参考人(吉永和生君) 労災保険の統計につきましては、基本的には労災保険のシステムに入れている形で通常集計を行うわけですけれども、コロナにつきましては、システム対応ではなく、個別に各労働局から報告を求めるという形で対応しているところでございます。
そういう意味で、システム的なものでありますとかなり精度は高いわけですけれども、報告時点等々についてばらつきがございますが、全数としての数字につきましては本省で確認して施策に反映するということを取り組んでいるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/83
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084・石垣のりこ
○石垣のりこ君 済みません、今のよく分からなかったんですけど。
都道府県別で、いわゆる全国の集計で出てくる項目がございますよね、医療者、医療従事者、医療従事者以外で、それの細目がございます。それは都道府県別では把握していらっしゃるんですか。イエスかノーかでお答えいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/84
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085・吉永和生
○政府参考人(吉永和生君) 私どもとして、先ほど申しましたとおり、各労働局からの報告を求めておりますので、数字としては厚生労働省本省において持っておるわけでございますが、細かい集計までは行うということには、手集計でやってございますので、総体的な件数につきましては手元にございますけれども、それについて詳細に分析するというところまでの数字には至っていないというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/85
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086・石垣のりこ
○石垣のりこ君 持ってはいるけれども、手入力で状況が細かくは把握されていないということで、なぜこういうお話を聞いたかというと、これ民間の取りまとめた全国都道府県の労災申請の数字を見たことがあるんですけれども、これは民間だからこその限界もあったのかもしれませんが、各都道府県の申請状況、認定状況に結構ばらつきがあったんです。
それは、もちろん各都道府県、感染状況も違いますので、その感染状況とちゃんとそれなりの割合、この労災の申請がなされているかということの関連性もありますので、各都道府県の状況を把握して、実際にちゃんと労働者の皆さんにこのコロナにおいて労災が使えるんだということが浸透しているかどうかということの一つの目安にもなると思うんですね。ただ、今の御答弁ですと、残念ながら、一応その労働局からのデータは都道府県から来るけれども詳細については把握していないということで、そういう分析がなされていらっしゃらないんじゃないかなというふうに今の御答弁からは推察いたします。
そういう状況で、私の認識で間違いないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/86
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087・吉永和生
○政府参考人(吉永和生君) 総数として、例えば業種別のデータなどについては常時把握をしているということでございます。ただ、都道府県別の数字につきまして、リアルタイムで把握をするという状況には至っていないということで、先ほど申しましたとおり、詳細について細かく御報告できるような状況にはないという形で申し上げたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/87
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088・石垣のりこ
○石垣のりこ君 リアルタイムって、もちろん、その今大変な状況にある方がすぐ労災申請できるかというとそういうわけではないでしょうし、数字として反映してくるのにタイムラグが生じるのはそれは仕方がないと思いますので、最終的にちゃんと各都道府県でどういう申請がなされたのかということを統計として把握して、その上で、今後どういうふうに周知徹底をしていくかとか、今後の課題を洗い出していくということが本来は必要だと思いますので、これ是非やっていただきたいと思います。
その上で、実際その周知がなされていないんじゃないかというところなんですが、厚生労働省のホームページによりますと、直近の感染者数六百三十七万人、まあ余数、端数はあれですが、六百三十七万人と出ていまして、先ほど、労災の申請件数が二万五千ほどあって、二万二千ほど労災の認定がなされているということがありましたけれども、六百四十万人弱と考えて、三分の一が労働者だとしても、これおよそ二百万人のうち二万人ということで、一%ですよね。相当これ労災の申請件数としては少ないのではないかと思いますけど、この周知の部分に関してしっかりと、ちゃんと労災が使えるんだよ、申請できるんだよということ、この徹底に関しては、どのようにこの数からの比較として受け止められますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/88
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089・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 労災保険は働く方が安心して業務に従事していただくためのセーフティーネットの機能を果たしておりまして、適切に労災請求をいただくためにも、労働者、使用者等の関係者に対する制度の周知等は重要であるというふうに認識しています。
こうした中で、業務によるコロナへの感染が労災保険給付の対象となることなどについては、これまで、リーフレットを作成し配布したり、厚生労働省のホームページにおける労働者向けのQアンドAを掲載したり、職種別の労災認定事例の公表を行ったり、労使団体への労災請求の勧奨等の協力要請などにより周知を実施してきたところではありますけれども、引き続き、積極的に労災請求をしていただくことができるように、より国民の皆さんに周知していただくような労災制度の周知に努めていく必要があると認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/89
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090・石垣のりこ
○石垣のりこ君 実際、今、この全体の数のうち労働者が占める数が把握できかねますので、アバウトに二百万人、三分の一ぐらいで二百万人だろうという勝手な想定で言いましたけれども、かなり数としては少ないであろうと。かつ、分かりやすい、医療従事者の方とか、労災であることが分かりやすいパターンの方の方がやっぱり圧倒的に多くて、そのほかにも様々なケースで労災の申請ができるのだということが余りにも周知されていないというふうにこの実際の振り分けからも推察できます。
いろんなパターンがあるんですが、労災申請できる、こういう条件があるということがあるんですが、私、前回の三月十六日の厚労委員会でも質問いたしましたコロナ後遺症、これワクチンの後遺症の方ではなく、あえてコロナ後遺症の方でというふうに申し上げますが、コロナ後遺症での労災申請というのも可能でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/90
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091・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 業務により新型コロナウイルス感染症に罹患した場合には労災保険給付の対象となるわけですけれども、罹患後症状、いわゆる後遺症があり療養の必要が認められる場合、労災保険給付の対象となります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/91
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092・石垣のりこ
○石垣のりこ君 ということで、労災の対象になると。
これも医師の診断等も必要になってくるのかなと思うんですが、そういう意味でも、罹患後症状の手引きというのを作って、これを見てくださいと医療機関等に周知はされているということなんですが、やっぱりまだまだこの後遺症についての全体的な認識というのは深まっていないというふうに思っております。
実際、国際疾病分類の標準病名マスターの中にもコロナ後遺症というのが掲げられておりますので、これは前回も申し上げましたが、こういう、労災申請においてもちゃんとその後遺症というものがあって、こういう症状というのは後遺症として認められる、だからこそ労災申請ができるんだということが、体制として、流れとして申請までたどり着かないと、これ労災の申請することもままならないわけですから、是非ともその辺の、自治体との相談窓口、医療機関との連携、労基局との連携も含めて、この辺をしっかりと体制をつくっていただきたいと思うんですが、その辺についていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/92
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093・吉永和生
○政府参考人(吉永和生君) コロナウイルス感染症の後遺症につきましては、なかなか現時点でこれがここまでの範囲というような形が必ずしも明確になっているものではございませんけれども、先ほど先生からも御指摘ございましたとおり、医師の判断に基づきまして後遺症であるということであれば、申請に基づきましてそれを私どもの局医の方でも判定をし、労災保険の支給を行うという手続になっているところでございます。
こういった後遺障害、後遺症につきましても対象となるということはリーフレット等にも記載しているところでございまして、こういった内容につきまして周知が不十分ということであれば、改めて徹底をしていくということが必要だというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/93
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094・石垣のりこ
○石垣のりこ君 是非ともしっかりと、その後遺症も含めてこの労災の申請、ちゃんと使えるんだ、労働者の権利としてしっかりと申請できるんだと、分かりやすいケースだけじゃなくて、もっと細かいケースもございますので、ちゃんとした連携と、あとその相談体制と、申請がしっかりとなされるように御対応いただきたいと思います。
大臣からも一言お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/94
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095・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) しっかりと周知を図るとともに、医療関係者、また地方自治体等との連携も深めてやっていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/95
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096・石垣のりこ
○石垣のりこ君 結構、この労災申請に関しても何回か通知は出されているんですけれども、その通知だけで終わっている部分があり、自治体によってというか、その労基署によってかなり対応に差があるようですので、その辺をしっかりとやっていただきたいと思います。
続いての質問ですが、職業安定法における雇用仲介サービスに関して伺います。
三月二十五日の厚生労働委員会で大久保参考人から、雇用仲介サービスについては、法規制だけではなく、業界団体による自主規制も重要との指摘がありました。今回の法改正では、改正職業法第四十七条三にも盛り込まれておりますが、この団体による連携強化の規定、この規定により、厚生労働省は業界団体とどのような面で今後連携を取っていかれるのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/96
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097・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) 事業主団体は、事業者団体は、これまで、業界団体全体の法令遵守の推進とその啓発を行い、業界の自主的な規制など重要な役割を担ってきていただいていることを踏まえ、今回の改正案において、その役割と国との連携を法律上位置付けることとしたところでございます。
この規定に基づいて、まずは今回の法改正の内容の周知に御協力いただくことを予定しているところですけれども、さらに、今後、日々発展していく求人メディアの実態についての緊密な情報交換でありますとか、特にAI等を活用したサービスの実態把握や留意点に関する検討でありますとか、さらに、優良な募集情報等提供事業者を認定する仕組みの検討といった場面で、事業者団体としっかり協力しながら適正な事業運営の確保に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/97
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098・石垣のりこ
○石垣のりこ君 これから細かい検討をしていかれると思うんですけど、同じく大久保参考人から、インターネットを活用した新形態の雇用仲介サービスには業界団体に未加入の事業者も多いと、悪質な事業者の徹底的な排除が必要であるというふうに主張されていらっしゃいました。
今回の改正によって立入検査や改善命令など様々な措置をとることができるようになるわけなんですが、悪質事業者の取扱いについて、厚生労働省においては今後どのような取組を進められますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/98
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099・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 今委員御指摘いただいたように、今回の改正案においては、募集情報等提供の定義を拡大するとともに、募集情報等提供事業者に対する立入検査や法令に違反した場合の改善命令等を規定しております。これらの規定を活用いたしまして、新しい形態の募集情報等提供事業者も含めて、必要に応じ指導等を行ってまいります。
さらに、今回の法案の確実な履行確保に当たっては、従前の各労働局での対応に加えまして、厚生労働省本省に募集情報等提供事業の実態把握や指導監督を行う新たな組織、室を設置する等の体制強化を図る予定でございまして、指導監督などに適切に対応できるようにしっかりと制度的に準備してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/99
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100・石垣のりこ
○石垣のりこ君 室を設けてということで、前回の委員会の答弁ではまだ人員とか組織についてはこれからということで、この辺もしっかりと体制づくりをしていただきたいと思いますが、例えば、悪質なといいますか、ちょっと目的外の利用というような形で、求人の予定はないけれども、会社の宣伝あるいは商品の勧誘などの目的で求人広告を出している事例というのを厚生労働省では何か把握していますでしょうか。把握していらっしゃる場合、そのようなケースにはどのように対応するんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/100
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101・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) 求人募集に応募してきた者に対して有料の研修受講などを求める事例については、先日、参考人からも御指摘をいただいたところでございます。
個別事案のコメントは控えますけれども、一般論として、本来は求人の意思がないにもかかわらず商品の勧誘などを目的に求人募集を行った場合、本法案において禁止している虚偽の求人に該当しまして、指導監督の対象になり得ると考えております。
そのような違法事案に対しては、しっかりと対応していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/101
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102・石垣のりこ
○石垣のりこ君 これは本当に個別に聞いた事案として、実際に電話をしてみたら既にもう決まっているというような対応がなされて、ほかの職業を紹介をされたりとか、目的でないものを紹介されたりとか、逆にその社が扱っているものをどうかと勧められたりというような話を聞いたりしまして、この辺も結構前から言われていることではありますけれども、しっかりと求人者がより安心して雇用仲介サービスを利用していただけるように対策を進めていただきたいと思います。
まず、募集情報等提供事業者の実態把握、まずここのところを適切にやっていただくということが第一になってくるかと思いますが、法案成立後は速やかに、募集情報を正確かつ最新に保つ責任が一義的に求人事業者にあるということ、また、募集情報等提供事業者に対しては、募集情報に関して正確かつ最新に保つための措置を義務付けていること、これをしっかりと周知徹底していただきたいと思います。
では、ちょっとまた非正規雇用の問題に少し戻りますけれども、まん延防止等措置は全国で解除にはなったんですが、まだまだ予断を許さない状況です。コロナ禍における非正規労働者の抱える問題についてどのように認識されていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/102
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103・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) コロナ感染症が非正規雇用労働者等の雇用に与える影響が長期化している中で、厚生労働省では、雇用保険制度における失業した場合の基本手当や、職業訓練を受講する期間中の延長給付の支給、雇用保険の給付を受けられない方に無料の職業訓練と月十万円を支給する求職者支援制度のほか、ハローワークにおいて個々の求職者の状況に応じたきめ細かな就職支援の実施などに取り組んでおります。
引き続き、こうした取組を着実に実施して、非正規雇用の労働者等の就職の促進、雇用の安定の支援を図ってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/103
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104・石垣のりこ
○石垣のりこ君 職業訓練についてのお話がありました。
求職者支援制度なんですが、再就職、転職、スキルアップを目指す方が月十万円の生活支援の給付金を受給しながら無料の職業訓練を受講することができる制度ということなんですが、このコロナ禍における求職者支援制度の利用状況、コロナ禍前と比較して御紹介ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/104
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105・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) 求職者支援訓練の受講者数ですが、コロナ前の令和元年度の約二・一万人から令和二年度は約二・四万人と、約一・一倍へ増加しております。さらに、令和三年度は一月までで約二・二万人と、前年同期と比べて約一・二倍に増加しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/105
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106・石垣のりこ
○石垣のりこ君 これ、第二のセーフティーネットとしての求職者支援制度ということですけれども、これはまあ伸びてはいるということなんですが、これ、実際に有効活用されている、機能をしているというふうにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/106
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107・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 求職者支援訓練の受講者数、前年度同時期から約一・二倍に増加しているということから見ると一定の活用は進んでいるものというふうには考えておりますけれども、令和三年度の求職者支援訓練の受講者数について五万人に倍増させる目標を設定していることから考えると、それは目標の水準には達していないというふうには認識をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/107
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108・石垣のりこ
○石垣のりこ君 目標の水準に達成していないということなんですが、この原因及び今後更なる活用を促すための取組についてどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/108
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109・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) ただいまお答えさせていただきましたように、令和三年度の受講者数の目標五万人に対して二・二万人と、まだ半分に行っていない状況でございます。
原因としては、コロナ禍で求職者に感染リスクを回避する傾向があることや、社会活動が再開するまで求職活動を繰り越そうとしているなどの訓練受講控えの動きもありまして、コロナ感染症の拡大の影響が大きいのではないかというふうに思っておりますが、一方で、なかなか利用が進まないものですから、かなり広報の方に力を入れておりまして、SNSやユーチューブなどでも広報を強化しております。その結果、非常に感染症厳しい中でありますけれども、徐々に毎月の利用者数が増えてきているように思います。
引き続き、制度を分かりやすく周知するとともに、ハローワークなどでしっかりと利用を御案内していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/109
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110・石垣のりこ
○石垣のりこ君 求職者支援制度、今後の更なる活用のためにということで取組についてお話はいただきましたけど、この緩和措置が今コロナ禍で行われております。昨年十二月からスタートして、年度末ということで今月末、三月末で一応終了ということでは示されているんですが、今後これ、まだまだコロナの影響というのは続いていくということで、延長の方針などはございますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/110
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111・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) 求職者支援制度で、非常に感染症の下で就職が困難な方に対する支援、引き続き継続していく必要があると考えております。
法案の審議をいただいた雇用保険部会の報告でも、この現在の特例を一年延長すべきという報告をいただいておりまして、それに従ってこの現在の特例を来年度末まで延長する予定であります。近く省令を公布させていただきたいと思っております。
その上で、先ほど申し上げました特例措置の有効な活用をいただくための受講勧奨、それからハローワークでのお一人お一人の状況に応じた情報提供、それから、より幅広い形で、なかなかハローワークまで来られない方にも情報が行き届くような工夫ということでインターネット、SNS、様々活用しながら周知、広報に努めたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/111
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112・石垣のりこ
○石垣のりこ君 目標までやっぱり全然達していないということで広報に力を入れていらっしゃるということですが、利用される様々な方たち、そのそれぞれの個々の事情に応じてやっぱり使いやすいようにしていただくというのが一番だと思います。
令和四年度末まで延長に向けて検討されているということで、近々その方向性も発表されるという御回答がありましたけれども、是非利用者の目線でより使いやすい制度に整備をしていただきたいと思います。後藤大臣、いかがでしょうか。大臣にも一言お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/112
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113・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 今委員おっしゃったようなことも踏まえてしっかりやっていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/113
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114・石垣のりこ
○石垣のりこ君 では、間もなく時間ということで、ちょっと最後の質問になるか分かりませんが、そのコロナ禍に関連して、今コロナ禍で一気にテレワークが進んだということがありますが、このテレワークにおける労働環境の変化に関して、厚生労働省がどのような課題があると認識しているのか、まずはそちらから伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/114
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115・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) テレワークは、ウイズコロナ、ポストコロナの新しい生活様式に対応した働き方であると同時に、時間や場所を有効に活用できる働き方であり、適正な労務管理下における良質なテレワークの導入、定着を図ることが重要だというふうに考えております。
テレワークを行う上での課題としては、令和二年度に開催いたしました、これからのテレワークでの働き方に関する検討会において、労働時間の管理の仕方、作業環境や健康状況の管理、把握、人事評価や費用負担の取扱いなどの労務管理上の課題が挙げられたところでございます。
こうした課題について、テレワークの導入実施に当たり、あらかじめ労使で十分に話し合い、ルールを定めておくことが重要だというふうに考えておりまして、令和三年三月にテレワークガイドを改定いたしまして、労働時間管理の工夫なども含めて、労使双方にとって留意すべき点や望ましい取組等を明らかにしたところでございます。
厚生労働省としては、このガイドラインについて、分かりやすいパンフレットの作成や関係団体への周知、企業向けのセミナー等を開催してきたところでありますが、引き続き良質なテレワークの普及、定着に努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/115
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116・石垣のりこ
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
ちょっと、テレワークに関してはまだまだやっぱり現状どういうふうになっているかということを把握しなければならないと思いますし、先ほどから非正規雇用の問題という話をしておりますけれども、やっぱり、テレワークを推奨しても、実際に休めるのは正規雇用の方たちで、現場の方で働く非正規雇用の皆さんはなかなかテレワークに移行できないというような問題も指摘されております。
今後、このままコロナが収まってくればいいですけれども、新しい株でまた感染が広がってということになったときに、テレワークの在り方をどうしていくのか、より現状を把握した上での対応が必要になってくると思いますので、この点も、今後の働き方見直していく点でもしっかりと御対応いただきたいと思います。
済みません、じゃ、ちょっと中途半端になってしまうかもしれませんが、もう一点。
コロナ禍で休業せざるを得なくなった労働者を支える制度として、休業支援金、これは雇用保険加入者を対象とした本来は制度ですけれども、雇用保険非加入者を対象とする休業支援給付金制度も、これ一般会計で実施されております。それぞれの支給額を教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/116
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117・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) 休業支援金、休業給付金の累計支給額は、直近の三月十七日時点で約二千八百億円であります。このうち、雇用保険加入者を対象とする休業支援金は約九百億円、雇用保険の非加入者を対象とする休業給付金は約千九百億円となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/117
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118・石垣のりこ
○石垣のりこ君 この休業支援金より休業支援給付金、これは言葉がほぼ近いので区別するの分かりづらいんですけれども、累計支給額の方が多くなっている、休業支援金より休業支援給付金の累計支給額の方が多くなっている、その理由について厚生労働省の見解はどうなっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/118
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119・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) 被保険者でない方に対する休業給付金の方が多く活用されておりますけれども、これは、特に、雇用保険の対象ではない、適用除外とされている学生さんや、あるいは所定労働時間の短い非正規雇用労働者の方に多く活用され、その雇用維持等に効果を発揮しているのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/119
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120・石垣のりこ
○石垣のりこ君 休業支援給付金制度も令和四年度末から六月までは一応延長されているということなんですけれども、今この利用状況に鑑みまして、新型コロナウイルス感染症の流行がこの先も続けば、やはりこの制度が廃止されることによる非正規雇用者、フリーランス、個人事業主の方も含めてですけれども、影響が非常に大きいと考えるんですけど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/120
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121・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 休業支援金・給付金制度につきましては、コロナの影響により休業させられた労働者が休業手当の支払を受けられなかった場合に個人で申請できる制度として創設したものでございまして、現在、雇用調整助成金の特例措置とともに六月末までの延長を行っているわけでありますけれども、七月以降の取扱いについても、引き続き、感染が拡大している地域に配慮しつつ、雇用情勢を見極めながら検討をしていきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/121
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122・石垣のりこ
○石垣のりこ君 感染状況、本当先が見えないことがありますので、一応、そのまん延防止が解除されたからといってすぐに経済が回復していくわけでもなく、皆さん、やはり様子を見ながら、徐々にどうなっていくのかという、注視されているところもあると思います。実際、今日ずっと、非正規雇用の方の話を含めて、どうしても弱い立場に置かれる労働者のところにしわ寄せが行ってしまうということがあると思います。
是非、このコロナ禍も含めて、今後の経済状況、どういうふうに回復していくか、やっぱり一番現場で働いている、一番弱い立場も含めて、働いている皆さんが働きやすい環境をつくっていくためにどのような制度を整えたらいいのか。今回、主要な論点に関してはこれまでの話合いの中で様々出ておりますので、より細かい視点について私の方から質問させていただきましたが、労働者が本当に安心して働き、何かあったときにはセーフティーネットが働く、そういう制度にしていくために、今後も私自身もしっかり問いただしていきたいと思います。是非とも、政府の方としてはしっかり御対応いただければと思います。
私からは以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/122
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123・山田宏
○委員長(山田宏君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
午前十一時五十分休憩
─────・─────
午後一時三十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/123
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124・山田宏
○委員長(山田宏君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、北村経夫君が委員を辞任され、その補欠として三原じゅん子君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/124
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125・山田宏
○委員長(山田宏君) 休憩前に引き続き、雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/125
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126・田村まみ
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。今日はよろしくお願いいたします。
本会議でも質疑をさせていただきましたが、その本会議の質疑の中で、雇用保険法の今回の制度見直しのプロセスについて質問をさせていただきました。
雇用保険制度は、保険料の拠出者でもある労使の委員と公益委員の合議によって運営をされています。当然、その意見は政府においても最大限尊重されるべきであると考えております。今回の制度見直しでは、雇用保険部会の結論が出る前であったにもかかわらず、厚生労働大臣と財務大臣が、あえて言います、頭越しに新たな制度内容に合意をして提案があったというふうな意見が相当数出ておりました。十二月の二十日の労働政策委員会の職業安定部会、雇用保険部会での提案以降、公益代表、使用者代表、労働者代表の三者から、三者からです、度々議論の中身が踏まえられていない論点提起があり、附帯決議をも無視をしているという意見が議事録からも読み取れました。
また、今回の参考人質疑では、連合の村上陽子参考人から陳述がありました。雇用保険部会においても労使双方から原則への回帰を求める意見が相次ぎ、本年一月に取りまとめられた雇用保険部会の報告では、失業等給付に係る国庫負担については、本来、国の財政の状況に左右されることなく、現行制度の原則的な負担割合である四分の一に戻すべきであるとの意見が明記されましたと。
ただ、もう本当に、この制度見直しのプロセス自体もそうでしたが、今回の見直しは本来の公労使三者の合議で決定されるべき雇用保険制度の運営の在り方そのものが変質させられる可能性があるというふうに私自身強く危惧をしています。
こうした懸念に対する厚生労働大臣の見解を改めて伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/126
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127・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 今般の失業等給付に係る保険料率の労働政策審議会雇用保険部会における検討過程におきましては、大臣折衝の前にも、令和三年度補正予算の内容も前提とした上で、令和三年十一月二十九日の労働政策審議会雇用保険部会には令和四年度以降の保険料率の在り方について、また十二月二十日には激変緩和措置の在り方について、これはすなわち結果として〇・二、〇・六となった激変緩和措置のことでありますが、御議論いただくというプロセスを経ています。その上で、十二月二十二日には、同日の大臣折衝も経て、具体的な保険料率、具体的な数字の保険料率の案を提示するということになったものであります。
いずれにしても、本案について労働政策審議会にその要綱を諮問した際に、公労使一致した意見として、今委員からも強く御指摘があったように、雇用保険制度の当事者たる公労使が一致して納得のいく結論を出せるよう丁寧な会議運営を行うべき等の意見が付された上で、こうした意見を厚生労働省が最大限尊重することを前提に法案要綱についておおむね妥当とされたところでありまして、厚生労働省としては、この趣旨をしっかりと受け止めて適切な会議運営に努めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/127
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128・田村まみ
○田村まみ君 もう一点、国庫負担割合の見直しに関しては、財政状況が悪化した場合のみ四分の一とし、それ以外は四十分の一とするという案が厚生労働省より示された。
ただ、これは、早期に本則に戻すべきという先ほど来の部会の議論もそうなんですけれども、この間の国会のこの委員会での附帯決議、これも無視をされているというふうに私は感じています。国会をも軽視するような今回の、財政状況を鑑みたとはいえ、そのように私は見ているというふうに思います。
この意見に対して、大臣としての所感、御感想、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/128
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129・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 令和二年の雇用保険法改正の際の附帯決議は、コロナ前の雇用情勢等を踏まえて国庫負担の暫定措置の延長を行うことに関して決議いただいたものと受け止めておりますが、今般の法案においては、過去の附帯決議等の趣旨に加え、コロナ禍における財政運営面での対応の経緯を踏まえ、すなわち国庫繰入れ二・二兆円等も踏まえて今般の改正内容とすることとしたものであります。
こうした新たな国庫負担の仕組みを通じて、国の雇用政策に係る責任を果たし、雇用保険財政の安定を図ってまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/129
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130・田村まみ
○田村まみ君 実は、前回の大臣所信の質疑のときには、診療報酬の中での薬価改定の大臣合意の件についても触れました。もちろん国全体での財布は一つですし、財政の健全化というところでいけば、そして制度の継続的な維持というところでいけば、大臣のその中での御判断というのがあったとは思うんですけれども、ただ、やはりこれからのこの審議会等の議論について、今お述べいただいたところはしっかりと遵守していただきたいというふうに思っております。
参考人質疑の中では、村上参考人の方から、今回の改正、コロナ禍で急激に悪化した雇用保険財政が焦点でありまして、働く者のセーフティーネットを守る観点から、国庫負担の本則復帰を求めていたところです、こうした中で、本則そのものを引き下げるという提案が急遽なされたことについては、プロセスも含めて大変問題であると受け止めているというところでございますというふうに御発言ありました。
私自身も、この審議会の報告書で、特にこの雇用の関係の審議会、労働関係の審議会で、報告書の中で、労働者代表及び使用者代表からと両者が同意見を主張して報告書に明記されるというのは、そんなに多い箇所ってあり得ないんですよね。それが今回七か所もあるんです。それぐらいこの審議会の中でのそれぞれの代表からは、財政状況を鑑みながらもきちっと踏まえていただかなければいけない点があるというふうな報告書の内容だったというふうに思っております。
また、同参考人の山田久参考人からは、法案についての御所見はちょっと別としても、御発言の中に、やはり実効ある制度運営には、労使の納得感、これが非常に大事になってきますから、そういう意味では、丁寧な議論をしながら、できれば、やはり環境は大きく変わっておりますので、雇用のセーフティーネットの全体像のあるべき姿、これを改めてやはり公労使で議論し、共有認識を取って継続的に見直していただきたいと、こういう発言がございました。
これまでの質疑の中で、国庫負担を維持したまま保険料率を引き上げる結論が出ず、国庫からの任意繰入れ規定を恒久化されますけれども、実効性の確保が法文上担保されていないという意見が何度も出ました。実効性が確保されていないんじゃないかという懸念、これがこれまでのプロセスを経て出ている皆さんからの懸念なわけです。
本会議でも、趣旨を尊重し、適切な対応をするとともに、何らかの形でお示しできるか検討してまいりますと、私は何度か答弁いただきました。この何らかの形、前回の質疑の中で、川田委員の質疑の中で、文書にてとはおっしゃったんですけど、どこのどういう文書で表明されるというような議論されているんでしょうか。教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/130
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131・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) お答えいたします。
この御指摘の点については、政省令で決め打ちで書くということはなかなか難しい部分もありまして、それ以外の文書等で表明することを今検討しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/131
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132・田村まみ
○田村まみ君 その実効性はどうやって担保されるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/132
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133・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) 実効性の担保のために何らかの文書等できちっと明確にするという議論であったというふうに思います。
したがって、今後検討する文書等という形で実効性を確保していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/133
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134・田村まみ
○田村まみ君 それがどういうものかということをしっかりとこの審議会の決を採っていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。大臣、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/134
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135・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 今局長からも答弁させていただいたとおりでありまして、いずれにせよ、そういう形で文書にするという形になれば、これは関係の皆さんにもきちっとお示しをするということにはなると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/135
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136・田村まみ
○田村まみ君 示すだけじゃなくて、諮っていただきたいと思います。納得性がなければ、実効性がないものになります。本当の意味での雇用のセーフティーネット、そこをしっかりと守っていくのであれば、是非審議会にて、この文書で担保されたというところ、そこをしっかり諮っていただきたいと思います。
もう一度、お願いできませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/136
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137・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 諮ることも含めて検討させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/137
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138・田村まみ
○田村まみ君 今日はここまでにしたいと思います。あとは審議の場でもしっかりと審議委員の皆さんが発言していただくと思いますし、やはり労働者の皆様も、この法案が成立するところでまた広報されるということになりますので、いろいろ意見がここからも出てくるというふうに思いますので、その中での議論、しっかり進めていただきたいというふうに思います。
雇用保険法改正についてはこれまでも多く議論がありましたので、一点、中身というよりかは条文の解釈について事務的にお伺いをしたいと思います。
新型コロナウイルス感染症特例、改正法案の附則の中の十四条の四の二に定める助成事業の中小規模の事業者であるか否かの別を考慮してという内容が入っておりました。この中小規模の事業者とは、中小企業基本法の定義する中小企業・小規模事業者なのか、それとも厚労省ではよく中小企業基本法とはまた違う仕組みとして人数定義だとかいろんなものを入れていらっしゃるんですけど、ここの定義はどういう定義になっているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/138
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139・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) 雇用保険臨時特例法における雇用安定事業に対する国庫負担の特例について、事業主が中小企業の事業者であるか否かの別を考慮することとしておりますが、この中小規模の事業者については、中小企業基本法に定義する中小企業者と同一でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/139
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140・田村まみ
○田村まみ君 ありがとうございます。この感染症の特例の中での、苦しい事業者の中で、ここ、どう定義されているかというのは大変重要な問題になってきますので、今のが明らかになったので、承知いたしました。ありがとうございます。
それでは、職業安定法について質疑をしたいと思います。
この改正については、衆議院からの質疑の中で、現在実態として起きてしまっている事象に沿って対応できるのかというような視点で様々質疑がありました。本日、私はその条文の方でそれを確認させていただきたいと思います。
条文の中に、改正法の第四条ですね、正確かつ最新の内容に保たなければならないというところ、ここも度々質疑の論点になったというふうに思っております。改正法第四条の⑥に定める募集情報提供の情報の定義を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/140
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141・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 労働者の募集に関する情報には、労働者の募集に関わる情報であれば幅広くこれに含まれると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/141
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142・田村まみ
○田村まみ君 これが幅広くというふうになったときに、正確かつ最新に保たれるというところもどうやって、その正確にとか最新だとか言っているんですけれども、記載内容と実際の労働条件が相違ないように、情報そのものがある程度見える形になっていないと、どこまでの情報が正確なのかとか最新なのかというところのチェックのしようがないというふうに思うんですけれども、その幅広ということは何らかの形で表現されるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/142
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143・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) この労働者の募集に関する情報というものは、今大臣からお答えしたとおり、非常に多種多様なものがございますので、それをできるだけ幅広く捉えられる形で解釈をしたいと思います。募集の媒体も様々な形でありますので、そういった意味での一律にどういう内容かということを決めることは難しいと思います。
ただ、求人情報、募集情報については、やはり基本的な情報とそれ以外の情報、ウエートを付けて考えていく必要があると思いますし、その中で、やっぱりどこに重点を置いて指導するかということは、その時々、あるいは媒体媒体で判断をして対応していく必要があると。また、業界の方でもいろいろ工夫をしていただくということの中で、重要な情報について特に正確性を期するというようなことは今後あるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/143
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144・田村まみ
○田村まみ君 今、今後あるかと思いますというところをお伺いしたいんですよね。
やっぱり、苦情等を申し出るときにどこまでが、幅広というのは、労働者にとっても、こういうところも正確じゃなかった、最新じゃなかったという申出がしやすくなるという一面もありますけど、事業者としては、ここまでが、今表現されたのでいけば、基本的な情報ですからここは最新な情報になっていますからというふうに返されたら、やっぱり労働者としてはそれ以上なかなか申出がしづらくなると思うんですよね。なので、お示しするの難しいことも分かるんですけど、何らかの工夫が必要だと思うんですけど、その点、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/144
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145・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) まさに今後のその運用の中で、また、いろいろな方々からの苦情とか指摘ということが、これからこの新しいルールの下で労働局に届いていくと思います。それをしっかりと集約しつつ、重要なポイントについて、やはり行政としてしっかり見定めて、業界とも連携しながら対応していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/145
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146・田村まみ
○田村まみ君 そういう今後の対応ということなんですが、現状、残念ながら、全ての募集情報提供事業者、これが把握できていないということで、今回、申出させていただくというようなことで改正が行われます。事業登録を推進するために、業界団体との連携や、優良事業者認定制度をもう少し周知していく、広報していくなど、そういうような議論、指摘もありました。
しかし、今の時点で全体の事業者を把握できていない厚労省が、今後、労働者の募集を行う者及び募集受託者が提供する情報について、正確かつ最新の内容に保たなければならないという規定に関して、実効性を、それ最新になっているということのチェックですね、その実効性を担保する厚労省の体制としては、どの部局がどういう人員で当たっていくんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/146
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147・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) 労働者の募集を行う者や募集受託者に関する指導監督といったものについては、各都道府県労働局の需給調整事業を担当する部署がありまして、そこで様々な指導を行っておりますし、今後もそこでしっかりやってまいりますけれども、新たなルールをしっかり普及させて、また、事業者を把握していくという新しい業務を行っていくことから、本省の体制もしっかり整えたいと思っております。したがって、今回、厚生労働省本省にも募集情報等提供事業の実態把握や指導監督を行う新たな組織として室を設置するなどの体制強化を図る予定であります。
指導監督などに本省、それから都道府県労働局、しっかり連携しつつ、適切に対応できるよう準備していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/147
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148・田村まみ
○田村まみ君 いや、もうただでさえ業務が多くなっていると言われている厚生労働省なわけです。いきなり、採用した人たちがいきなりその業務の室に当たるというのも相当厳しい状況だというふうに思いますので、今、厚労大臣、通告していませんけど、室をつくって体制整えるというところなんですが、やっぱり、形はいいんですけど、質が大事だと思います。デジタル活用も含めてというようなこともあるんでしょうけれども、その体制を整えるというところについて、今の室をつくる、組織を変えるというところ以外にも何らか私は対応要ると思うんですけれども、厚労大臣としては、その組織を変えて対策室つくることで十分対応できると思われるでしょうか。それとも、今後の、何かもう少し不可視化していかなければいけない検討すべき内容とかあるとお考えでしょうか。どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/148
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149・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 私、指導監督を行っていくのは都道府県労働局の需給調整事業担当部署がそれぞれやるわけですけれども、しかし、新しい法制度を始めて、そして考え方を整理して具体的な行政のガイドラインをきちっと定めていくということは、初めて新しい制度をつくるときには非常に重要だというふうに思っていまして、そういう意味では、そのコントロールタワーとしての本省に室ができて、いわゆる室という一つの固まりの中でそれがワークするということには大変大きな意味もあるし、期待しています。
そういう中で、その執行の体制についても検討を進めていくということになっていくというふうには思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/149
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150・田村まみ
○田村まみ君 今回の法改正は、課題が出てきたところで、課題を認識して取り組むというスタートラインに立ったまでだというふうに私自身は思っています。
あくまで申出制ですし、本当に登録されていないところが業界団体だけでも把握できるか分かりませんし、インターネットを使った中で新たな募集の形態も出てくるというふうに考えられますので、是非、新しいそのコントロールタワーとしての組織変更の中でいろんな対応ができるようにまた御検討いただきたいというふうに考えます。
続きまして、在籍型出向について伺いたいと思います。
今回の雇用保険法の改正の中で、雇用調整助成金の財政についても様々議論がある中でということでした。その雇用調整助成金、今新型コロナウイルスの感染症の対策、雇用維持の政策としては大きく効果があるというふうに様々なところで議論をされていますけれども、私は、第一波の途中から、やはりその産業雇用、あっ、済みません、雇用調整助成金の休業による支援も大事なんですけれども、その雇用調整助成金の中に在籍出向で雇用を維持するという政策の仕組みもあるので、何とかそれを早く活用して、雇用維持、そして労働者の健全な生活を送るために労働するということ、動くというところも大事だというふうに思っていましたので、この活用について順に追ってこさせていただきました。
その中で、産業雇用安定助成金という新たな制度がつくられて、これを活用した在籍出向については、活用状況の報告について、二月の二十八日に、対象者が一万人を超えましたというプレスリリースが厚生労働省からされております。ただ、予算対比でお伺いすると二四%程度というふうに伺っております。
私は、利用が低調であったと指摘せざるを得ないというふうに考えます。担当者とは常にその制度設計時のときにいろんなやり取りをさせていただいておりましたけれども、その二四%という数字、このこと自体を厚労省としてはどのように評価されているか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/150
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151・奈尾基弘
○政府参考人(奈尾基弘君) お答え申し上げます。
在籍型出向は、労働者の雇用をしっかり支えつつ、人材の有効な活用を通じて生産性の維持向上に資するものでございまして、このコロナ禍において、その政策的重要性は極めて高いと考えてございます。
こうした在籍型出向の活用促進を図るために、令和二年度第三次補正予算におきまして産業雇用安定助成金を創設いたしまして、令和三年度予算と合わせて約四・四万人分の予算を確保しているところでございます。今年三月四日時点で、約一・一万人弱の労働者について在籍型出向を行う計画書を受理してございます。この助成金の予算につきましては、コロナの影響が予見できない中で十分な額を確保したというものでございます。
その活用の実態につきましては、近い将来、新型コロナウイルス感染症が収束して需要も戻るだろうという期待、予測の下で、在籍型出向を行わず、雇用も含めて事業の現状を維持しようとする経営者の方も多いということ、それから、休業と比較した場合でございますけれども、在籍型出向の実施に当たっては、事業主間のマッチングや出向契約の締結等、単に休業させるよりも負担が大きいということを踏まえますと、一定の活用が図られているものと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/151
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152・田村まみ
○田村まみ君 今、一定の負担が大きいというところの懸念について、使用しようと思っている事業者の懸念について御発言がありました。
これについても、私は本当に最初から、なかなか新しく出向させるというところは事業者として負担があるというふうに思っていた。また、労働者も、全く知らない企業、そして業種に出向して働くというのは大変不安があるという中で、一つ、もう実例として、第一波の後半ぐらいから出てきた、観光業の方々が、流通、スーパーマーケットの需要が多くなっている、おうち時間多くなっているところに雇用シェアという形で行っているとかいうような実例だったり、フィットネスのインストラクターの皆さんが製造の部門の方に入られてお仕事をされるという実例があった。ただ、それが最初に多く起き始めたのがいわゆる多角的な事業をされているグループの中での出向で、まずは雇用維持をされていたというようなことがありました。
今日の、今の質問の中の要旨にあえてグループ間出向について触れませんでしたけれども、私は、このグループ間出向、グループ企業内の出向というのも、業種が全く違うんであれば人事異動ではないということで、一定の要件を設けて実施するべきだというふうに常々主張させていただいて、この制度、産業雇用安定助成金が入った途中から入れていただきました。この効果についてはどのように評価されていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/152
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153・奈尾基弘
○政府参考人(奈尾基弘君) 委員御指摘のとおり、昨年中途から、いわゆるグループ間、企業グループ内出向ということで特例を設けさせたところでございます。
この趣旨でございますけれども、このコロナ禍前とざっくり比較いたしますと、コロナ禍前は親会社の社員から子会社に出向するというパターンが多かったわけでございますが、よく労使の方からお話を伺いますと、子会社間とかグループ間の企業間同士の出向が増えてきているというお話があったものからつくったものでございます。
現在の実績でございますが、独立性を認められない事業主間で行われる出向につきましては約千四百人弱ということで、これは三月四日時点までの計画書受理ベースの全対象労働者数の約一三%でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/153
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154・田村まみ
○田村まみ君 一三%が多いか少ないかという御判断、それぞれあると思うんですけど、途中からの執行の中で一三%まで活用があったというふうに見る部分もあるんですけれども、もう一方で、私は、その元々の雇用調整助成金の出向の中ではこのグループ間出向というのは禁止されています、なので、制度途中で発表はされたんですけれども、周知、広報がまだ足りないんじゃないかというふうに思っています。
先ほど言った、出向をさせる側、出向を受け入れる側の企業の負担の軽減の一つの策として、やっぱりこのグループ間出向というところも、今後コロナの収束がどういうふうになっていくか、また政府の対策として人流抑制策をどのように取っていくか等で変わってくるとは思うんですけれども、このグループ間出向について、このことについて強く広報すべきだというふうに考えますけれども、あわせて、この産業雇用調整、あっ、済みません、産業雇用安定助成金の在籍出向の活用、これをもっと広げていくというふうにもしお考えなんであれば広報の必要があるというふうに考えていますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/154
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155・奈尾基弘
○政府参考人(奈尾基弘君) 御指摘のとおり、在籍型出向の活用促進ということは重要な課題と思っています。
私どもといたしましては、都道府県ごとに労使団体とかあるいは自治体の関係者等、あるいは金融機関等で構成される協議会というものを設置、運営してございまして、そこで在籍型出向の情報であるとか好事例、ノウハウ等の共有等を推進してございます。
この協議会の運営を通じまして取組を行っていくほか、当然ながら、政府としても、SNS等のツールを活用した周知、広報でありますとか、あるいは雇調金の利用企業に的を絞って周知、広報するといった取組もしてございます。
例えば、雇調金の支給決定のときにこの産業雇用安定助成金の周知のリーフレットを同封するとか、そういった取組もしてございます。その中で、グループ間、いわゆる企業グループ間出向の特例についても周知させていただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/155
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156・田村まみ
○田村まみ君 ありがとうございます。様々な工夫はされているというふうに聞きました。
ただ、もう一点、今回発表されたときに、プレスリリースなんかで様々なメリットは発表されていたんですけれども、活用しづらかったというところは、まあプレスリリースなので出されないというのは分からないでもないです。
ただ、私が現場から声として聞いている、そしてまた前回の参考人質疑の中でありましたけれども、労働者本人の意思を前提として、在籍出向を活用した雇用維持も促されるよう、出向先企業の開拓や産業雇用安定助成金の制度周知の強化はもとより、産業雇用安定助成金を雇用調整助成金に劣後しない支給水準とすることも検討すべきですと連合の村上参考人から発言がございました。
今日お配りしている資料の一枚目を御覧いただきますと、上の段が雇用調整助成金の特例の金額の表になっております。この上限の方が令和四年度一万五千円となっておりますが、下を見ていただいて、産業雇用安定助成金の方が、日額の上限額が一万二千円というふうになっております。先ほどの参考人の例にもありましたけれども、この日額水準、これが劣後しない支給水準にすることも検討すべきだという発言につながった内容と承知しております。
コロナ禍の労働支援事業の給付水準、これで、例えば日額の最大一万五千円を、これ産業雇用安定助成金の下の助成額の出向初期経費、この十万円を足したとしても、いろんな実例出ているところで、短い期間で九十日出向されているんですね、在籍出向。で、一人当たりで計算しても、一日当たり千百円しかプラスにならないんですね、この十万円が。長くて一年出向されていて、三百六十五日で十万円だと二百七十円ぐらいということなので、やっぱりこの日額上限というところがハードルになって在籍型出向の方に制度誘導できないんじゃないかという懸念あります。
今後のもしかしてまだまだ長引くかもしれないコロナの中で、雇用調整助成金で休業だけに頼るというよりかは政策誘導強力に進めるべきだというふうに考えますが、この水準について、厚生労働大臣、本会議ではほぼ回答なかったというふうに思っているんですけれども、これ検討しないと政策誘導にならないと思うんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/156
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157・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 在籍型出向の活用に当たって、出向先とマッチング及び出向契約の締結、出向対象労働者の同意を得ること等、単に休業させるよりも事業主の負担が大きい実態があることも承知をいたしております。産業雇用安定助成金の助成水準は、労働者の出向期間中の賃金等に加えて、就業規則の整備等の出向開始前に要した費用も助成対象としておりまして、在籍型出向の準備から実施に係る一連の過程に対する支援を念頭にして決定をさせていただいていると承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/157
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158・田村まみ
○田村まみ君 本会議でその答弁いただいたんですね。で、今日あえて資料付けさせていただきました。
今言ったとおり、その出向期間が九十日であったとしても一年間であっても初期費用として払われるというところも含めてと言われると、やっぱり長期になっていくときには、一日の一人当たりの助成額を見れば、手間も掛けずに一万五千円支払われる雇用調整助成金を選ぶというふうに私は思います。今回の雇用保険法の改正の大きな一つの論点であったその財政の問題、今回のコロナ危機から雇用を守るという意味での雇調金の財政出動で本当に守られたと言いながら、制度を維持しようと思ったときに、今せっかく産業雇用安定助成金という新たな制度、雇用維持策つくったわけですから、こちらに制度誘導すべきじゃないでしょうか。もう一度お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/158
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159・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 今委員がおっしゃっているような在籍型出向の意義自身は私も非常に理解のできるところであります。しかし、在籍型出向の仕組みと雇用調整助成金の仕組み、これ、それぞれの制度の成り立ちの中でできているところもあるので、改めてそうした目からよく制度を見させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/159
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160・田村まみ
○田村まみ君 是非、雇用調整助成金の方の在籍出向を使わずにあえて別で制度をつくったというところでの御検討、もう一度お願いしたいと思います。
今、雇用調整助成金についての話題に触れました。この制度自体が製造産業の由来の制度だというふうに、歴史上、制度の成り立ちを見たらなっております。どうしてもコロナ禍の中での特例上限は金額の上限ばかりに議論が行きがちなんですけれども、この特例について、特に短時間の休業への活用、これは特例の制度延長による対応ではなくて、今後のコロナ後の働き方、また、そもそも制度がつくられたときの日本の産業構造、従業員の就業の形態、変わってきているということを思えば、これ特例じゃなくて、いろんなシフトで働くような人たちがいる業種を鑑みたら、本則として運用しなければ使えない雇用調整助成金制度だというふうに私は言われかねないと思います。これコロナ禍で分かった課題だというふうに思います。
以前の厚労大臣と議論したときには、まだ収束も何も分からないからということで、必要性はおっしゃいましたけれども、検討するというところは出ませんでした。ここは、雇用調整助成金の特例、金額が終わるだけじゃなくて、そのほかの特例終わったときに、途端にシフトで働くような業種の人たちがこれ利用できなくなると思いますので、本則の検討、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/160
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161・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 雇用調整助成金について、御指摘の短時間一斉休業の要件緩和を含めて手厚い特例措置を講じて、事業主の雇用の維持を強力に支援してきたところでございます。
雇用調整助成金本来の制度においては、事業所における対象労働者全員について、一時間以上、一斉に行われる休業のみを対象としておりました。しかしながら、観光、飲食など一斉休業が難しい場合もあるほか、時短や酒類提供自粛の取組により一部のサービスのみを取りやめるといった対応も広く行われたことから、短時間一斉休業要件の緩和によりまして、コロナ禍特有の事情に沿った特例的な対応を講じてきたわけであります。
コロナ禍における雇用調整助成金の特例措置については、今後しかるべき時期に検証を行いまして、緊急時における雇用維持支援の在り方の検討に生かしてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/161
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162・田村まみ
○田村まみ君 多くのものはクーリングオフ期間とかも含めてしっかりと静かな環境で議論されるというのはよく分かるんですけれども、今ほど触れていただいた、使われている実例も、大臣が今おっしゃっていただいたじゃないですか。コロナ特例じゃないんですよ。やっぱり飲食業で業況が厳しくなるというのは、別にコロナ以外でもありますよね。そのときに、時間短縮をして何とか全員の雇用は一旦守る、多少の、その賃金を一〇〇%払えなかったとしても全員の雇用を守ろうと思ったときに、営業時間を短くするとか、タクシー業界でいけば台数を減らしてみんなでシェアしながら全員の雇用を確保するというような形で要は雇用調整助成金の活用をしようと思ったときに、一斉じゃなきゃ出ない。これ、コロナ禍じゃなくても必要な制度だって今でも分かると思います。
大臣、これ、特例終わった瞬間にこれなしと言われると、いろんな状況で業況悪くなっている今言ったようなシフトで組んで働いているような業種、途端に困ると思います。ここだけは別で、一斉というところだけは検討いただけないでしょうか。コロナじゃないです、業種です、これは。お願いします。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/162
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163・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 先ほどしかるべき時期というふうに申し上げましたけれども、コロナが収まった段階で、特例の扱いをつくったことをも含めて、全体として制度がどうあるべきかということの中で検証するということで考えるということだというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/163
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164・田村まみ
○田村まみ君 私が先ほど来発言している、コロナの影響ではなくて、業種として、働き方として、一斉に工場で機械を動かして働く業種じゃないところには、これは特例じゃなくても必要だということ、その課題認識だけはしっかりと置いておいていただきたいと思いますので、これは特例が終わってその瞬間に切れるじゃ、そういう業種の人たちが本当に雇用を守れないというところ、そこだけは念頭に置いておいていただきたいと思います。
続きまして、残りの時間で職業訓練協議会について議論させていただきたいと思います。
職業訓練協議会の現状の課題に関して、都道府県の職業訓練実施計画について、地域の今後の産業展開も踏まえた詳細なニーズをしっかりと反映したものとなるようというふうに、これも本会議の方で大臣から答弁がありました。
現時点で求人情報のない将来的な産業展開並びにニーズ、これを厚労省としてはこの協議会の法改正によってどうやって把握されるというふうに考えているんでしょうか。具体的な対策、体制、それを教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/164
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165・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 今般法定化する協議会においては、産業界や都道府県のほか、必要と認める者の参画を求めたり、必要に応じ守秘義務を課した上で関係者からのヒアリングを行うことも予定しておりまして、こうした取組を通じて地域における今後の産業展開等を踏まえた職業訓練のニーズをしっかり把握し、適切な訓練コースの設定につなげていくこととしたいというふうに思います。
将来的な人材抑制のニーズとして想定されている例としては、例えば、地域の中小企業のデジタル化を進めるために必要となるスキルや、グリーン化を見据えて雇用の安定を図るために必要となるスキルを計画的に養成するニーズや、その地域に進出が予定されている企業等が将来求人を出すことが見込まれる場合にその求人に求められるスキルを有する人材を計画的に養成するニーズ、そんなことが考えられると思いますけれども、今委員が御指摘のあったような将来的な産業展開等、しっかりと把握していくということの努力も必要だというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/165
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166・田村まみ
○田村まみ君 今年の、あっ、今年じゃない、去年の三月の十六日にも、私、この協議会について、実は田中局長と議論させていただいております。
そのときにも例示として出させていただいたんですけれども、今日配付の資料の二枚目の方、まず上の方が、在籍型出向の活用のためにマッチングをするための協議会をつくって、先ほど来、ハードルとなるマッチングを進めていくということで赤丸で付けております。
下の段、その同じウィズ・ポストコロナ時代を見据えた雇用対策パッケージの中のもう一つの地域活性化雇用創造プロジェクト、このポンチ絵の一番左下、これも、地域の雇用を活性化させていくために新たな事業についての支援もしていくということで協議会を設けるということで、協議会が、同じ対策パッケージの中に別々の協議会が設置されるということで書いてあります。
三ページ目を見ていただきますと、上の段には中央訓練協議会、地域訓練協議会ということで今の構成員の部分が書かれておりまして、下の段に、先ほどの前ページの産業雇用安定助成金の協議会と、右側の方には地域活性化創造プロジェクトの協議会のメンバー、それを書かせていただいております。
これを見たときに、前回も申し上げましたけれども、ほとんどメンバー変わらないんですよね。目的も、やっぱり雇用維持をどうしていくかというところが最終的な私は目的だというふうに思います。一つ一つでいけば、それをマッチングさせ在籍出向させるとか、その新しい事業に雇用をきちっと促していくとか、その手前の段階は同じなんです、全て雇用維持の政策。しかも、地域のどのような仕事があるか、求人情報があるか、そしてこれからどんな事業が生まれていくか、そしてそこに必要な訓練が何か、これが別々の協議会で今後も運営されるというのは、私は、この今回の法改正で義務化をするよりももっと大きな問題だと思っています。
以前指摘したときには、田中局長は、これをどういうふうに横串で共有して、また対策の方向性を協議していくのか、そういったところも実質化するよういろいろ工夫して努力してまいりたいと思いますと答弁いただいております。
その努力の結果が、私、この協議会の法制化だけじゃとてもじゃないけど足りないと思いますけれども、この協議会がばらばらにあるということと今回の法制化、ここはどういうつながりを持てるか、その辺の見解、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/166
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167・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 今般法定化する協議会、労使団体、教育訓練実施機関、民間職業紹介事業者、労働局、都道府県などが参画いたしまして、デジタル化などの地域のニーズを反映した訓練コースの設定を促進するとともに、訓練効果の把握、検証を通じて訓練内容の改善を図るなどの役割を果たしてもらうことを考えております。
委員御指摘の協議会、地域在籍型出向等支援協議会のことだと理解しておりますけれども、教育訓練実施機関が含まれていないという点で違いがある一方で、人材ニーズという点では、おっしゃるように情報共有できる点が多々あるというふうに考えております。このために、法定化する協議会の実施に当たっては、こういった既存の協議会とも連携を図って、地域に求められる人材の効果的な訓練にしっかりと努めていくように運営をしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/167
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168・田村まみ
○田村まみ君 その中で私が一番危惧しているのが、もちろん今のニーズの把握はできるように多少なるんだと思います、だけれども、ハローワークの方で行うということでいけば、判断基準がやっぱり就職率ということで、今求人があるところへの訓練ニーズの把握にとどまるというふうな懸念はやっぱり拭えないんですよね。
なので、ここの、改正法の十五条の二の、あっ、ごめんなさい、の七に定めるその他の関係機関ですね、その他の関係機関が参加できるというふうに条文として書かれているんですけれども、ここは、その他というのはどういうところを、田中局長、想定、あっ、済みません、局長、小林さん、済みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/168
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169・小林洋司
○政府参考人(小林洋司君) 七号のその他の関係機関ということでございますが、この点につきましては、本委員会におきましても、今御指摘のございましたような地域の産業展開も見据えた訓練ニーズをしっかり把握する必要がある、またもう一方で、福祉部局など、就職困難者への目配りもきちんとすべきというお話もいただいてございまして、求人求職両面から関係者を集めて協議してもらうということが重要だと思います。
今のお話に関して申し上げれば、関係する業界団体ですとかそれから福祉担当部局などが考えられるところでございますが、いずれにいたしましても、地域の実情に応じて幅広い方の参集を求めて適切なコース設定がなされるようにしてまいりたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/169
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170・田村まみ
○田村まみ君 三月の十六日に議論させていただいたときにもう一点指摘したんですが、まだそのときは法定化もされていないので議事録の公開もされていない、今回も守秘義務が課されるということなんですけれども、やはりこれまで中央訓練協議会で、各県で行われたものが声として、議事録じゃないですけれども、マトリックスの形でこんなことありましたというふうに表現はされていましたけれども、表にこれ議事録として出すということ、これは御検討されているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/170
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171・小林洋司
○政府参考人(小林洋司君) 現在の協議会というのは設置要綱という形で運営しておりますが、今回の法律に明確に位置付けさせていただくことになります。これを機に、全国の状況というのをきちんと見える化をして、それを共有し、それぞれ切磋琢磨し合うような状況に持っていければというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/171
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172・田村まみ
○田村まみ君 それを聞いて一つ安心しました。そもそも実施されているかどうかも、正直、各都道府県のホームページ見ても分からない状況から、まずは開催されていることと議論されていることが見えるということが分かりました。
その上で、やっぱりもう一点の懸念は、やっぱり情報は共有するというふうに、それぞれの先ほど指摘した三つの協議会、共有はするという発言はありましたけれども、やっぱり訓練協議会の方に、経済団体ですよね、そこが入っていないというのが、私は、地域の新しいニーズというところですね、これから新しく生まれる事業に対してやっぱり訓練がなされて、その人材がいることでやはりその地域の雇用が守られていくというふうになっていくというふうに考えています。
もう一度、済みません、さっきの十五条の七、その他の関係機関というところ、イメージは話していただいたんですけれども、これ何らかの形で、例えばとか例示みたいなこととかは示される御予定あるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/172
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173・小林洋司
○政府参考人(小林洋司君) まず、十五条でございますけれども、四号で事業主団体というのを法文上明記をいたしております。事業主団体が書かれておりますので、先ほど申し上げたような業界団体みたいなものは七号で読めばいいという理解をしているところでございますが、この七号のその他必要な者については、業界団体ですとか福祉担当部局であるとかという幾つかの例示とともに、その趣旨というのをきちんと地方に対する通知等で明確にして、必要な方を参画できるようにしてまいりたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/173
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174・田村まみ
○田村まみ君 ありがとうございます。
その十五条の二の方には、やはり、職業訓練の需要とか実施の状況とか、そのときの状況しか書かれていないので、やっぱり未来に向けてというところがなかなかこの条文で読み取れないというところが最後のやっぱり懸念ですので、そこは今言ったようなところで、参加者を含めて表現できるようにしていただきたいと思います。それを申し上げまして、質疑終わらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/174
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175・梅村聡
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。
法案に先立つ前に、一点、新型コロナのワクチンについて質問させていただきたいと思います。
昨日も、名古屋市で、今回の新型コロナワクチンのいわゆる接種後の、少し時間を空いて、時間がある程度たった後も様々な副反応のような症状が続いている、そういう方に対する相談窓口を名古屋市さんも設けられたという報道がなされておりますし、それから、この一日、二日、SNSというところでワクチンの後遺症という言葉がちょっとトレンドに上がってきたりとか、いろんなことが今言われております。私たちも、有権者の方からいろいろ御相談を受ける中で、やっぱり、うちのお父ちゃんが打った後、こういう症状が出て救急車で運ばれたと、それも、アナフィラキシーという打った直後ではなくて、やっぱり一定期間過ぎた後に様々な症状が言われるということを聞いております。
必ずしもそういうものが一〇〇%ワクチンで起こったと断言するつもりは決してないんですけれども、やはりこれだけいろんな報告が出てくると、やっぱり国としてもしっかり、それがどういう病態で起こっているのか、それをしっかり調べていく責任があるんじゃないかなというふうに思っております。特に今回のワクチンはいわゆる特例承認ですから、やっぱりデータをきちっと国が責任を持って集めていく大事さというのは、これは引き続きあるんだと思いますので、今日は最初、そのことについて少しお伺いをしたいと思います。
まず、大臣にお伺いするんですが、三月二十四日、先週ですね、健康局健康課長名で、遷延する症状を訴える方に対応する診療体制の構築についてという、こういう事務連絡が実は各都道府県に出ております。
まず一つ、お聞きしたい一点目は、この遷延する症状というのは具体的にどれぐらいの期間のことを指しておられるのかということ、これが一点目です。もう一点は、いわゆる後遺症のような症状が実際にあるのかどうかという質問、これ、先月、二月十七日に我が党の議員からも予算委員会で後藤大臣に質問したと思いますが、そのときの答弁は、いわゆる後遺症のような症状についても報告は受けておりますけれども、今のところ、現状においてワクチン接種が原因と判断されたものはないというふうに聞いておりますと、こういう答弁をされているんですが、二点目は、この認識は今でも変わっていないのかどうか、この二点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/175
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176・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) まず最初に、遷延する症状の期間でございますけれども、新型コロナワクチン接種後の遷延する症状やその継続する期間については受け止め方が人それぞれであるために、現時点ではどの程度の期間続く症状を指すのかについて一律に定めることはしておりません。今後の科学的知見を踏まえながら幅広く検討すべきものと考えております。
遷延する症状の原因に関する認識でございますけれども、副反応疑い報告制度におきましては、新型コロナワクチン接種後の遷延する症状についても報告を受けております。受けておりますけれども、直近の審議会では、現状において、これまでワクチン接種が原因と判断されたものはないと評価をいただいているところであります。
しかしながら、現にこのような症状に悩まされて、悩まれている方に寄り添うことは非常に重要でありまして、ワクチンとの因果関係の有無にかかわらず、希望する方が必要な医療機関を受診できるように、都道府県と連携しながら、引き続き体制の確保や相談窓口の周知等にしっかり取り組んでいきたい、そういう趣旨であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/176
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177・梅村聡
○梅村聡君 そういう体制をつくっていただくということは、これは一歩前進だと思いますので、非常に大切なことだと思っております。
今、そういう症状を持っている方に寄り添うというお話がありましたけれども、遷延する症状を持っておられる方の希望は、今の御答弁ですね、ワクチン接種が原因と判断されたものはないということに加えて、それではなくて、自分の症状がワクチンによるものではないんだという証明があれば、彼ら、彼女らからすれば、そうなのかなと思うんですけれども、今は逆のことになるんですね。ワクチンが原因だと断定できないからないんだという話になると、じゃ、この症状は一体何なんだという話になると思いますので、やっぱり病因、病態の解明というのがやはり非常に大事なことになってくるんだと思います。
そうしますと、次、局長にお伺いしたいと思うんですが、実は、今回、遷延する症状に対して体制を取ってください、体制ができているかどうか確認してくださいと都道府県には言っているんですけれども、これ、実は令和三年二月一日にも同じような内容の通知というのは出ているんだと思うんですね、二月一日だと思いますが。そのときはいわゆる副反応だったんです。今回、一年たって、遷延する症状ということで改めて体制をつくり直せという、そういう通知だと思うんですが、これ、一年たって改めて通知を出した理由というのはどういうところにあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/177
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178・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
昨年、令和三年二月一日付けで発出しました通知におきましては、新型コロナワクチン接種後に、御指摘のように、副反応を疑う症状を認めた場合に対応する診療体制構築するよう都道府県に依頼をしているところでございます。
一方で、本年三月二十四日付けで発出した通知につきましては、副反応を疑う症状に含まれる遷延する症状を訴える方や、あるいはそのような症状についての相談先や受診先について悩んでいる方が存在するということ等の御指摘を踏まえたものでございます。
今回の通知は、副反応を疑う症状に対する診療体制の確保という観点では昨年の通知との違いはないと考えておりますが、遷延する症状にも適切に対応できるか確認するとともに、必要に応じて各都道府県での体制を見直していただくように依頼をしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/178
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179・梅村聡
○梅村聡君 見直しは是非早急に進めていただきたいと思うんですが、じゃ、なぜ改めてこの遷延する症状がここまで問題になってきているかというと、結局、その患者さんに寄り添うことも大事なんですけれども、現時点ではたらい回しにやっぱりされています。紹介は受けるんですね、専門的な医療機関に紹介はもちろん受けるんですけれども、結局、じゃ、そこで検査をするときに、じゃ、どういう検査するかというと、既存の分かっている病気の検査をするわけですね。血液検査であったりとか、CTであったりとか、神経の伝達速度であったりとか、いろいろ調べるんですけれども、多くの場合は異常ありませんという答えになってきます。既存の分かっている病気の検査をするわけですから、当然調べても何も出てこないわけですね。何も結果が出てこずに、異常ないから、例えばですよ、気のせいじゃないですかと言われたら、もうそこで行く場所がなくなってしまうわけなんですね。
ということは、大事なことは、医療体制をつくることも大事なことだと思いますけれども、この病態が一体どういうもので、治療をするにはどのようにしたらいいのか。例えば、こういうお薬を使ったらいいんじゃないですかとか、あるいは、これぐらいの期間、例えば良くなっていくことが多いですと、こういう説明ができればいいんですけれども、異常がないからひょっとしたら気のせいじゃないですかとなってしまうから、なかなか救われないんだと思うんですね。
ですから、そういった意味でいえば、この遷延する症状、後遺症のような症状と言ってもいいかもしれませんが、その病因、病態の研究、あるいは治療方針の確立、こういったものはどこか大学病院、あるいは医療機関で現在行われているのかと。
そしてもう一つは、コロナの後遺症の治療の手引きというのは今ありますけれども、ワクチンの遷延する副反応、副反応というか症状ですね、これに対する治療の手引き、こういったものを作るという計画、予定はないんでしょうか。お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/179
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180・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
御指摘の新型コロナワクチン接種後の遷延する症状の病因や病態、それから治療方法に関する検討に着手している大学や研究機関については、現時点において把握しておりません。
ただし、新型コロナワクチン接種後の遷延する症状についても、ワクチンとの因果関係の有無にかかわらず、希望する方が必要な医療機関を受診できるような体制の確保等について都道府県に依頼したところでありまして、今後、専門的な医療機関における診療の蓄積により新たな知見が得られる可能性もあると考えております。
今後有用な知見が得られた場合には、専門家の意見を聞きながら、必要に応じて御指摘のような医療機関で活用できる診療の手引き等の作成を含めて対応を検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/180
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181・梅村聡
○梅村聡君 何か本来、薬機法の法案審議でこの話しないといけないんだと思うんですけれども、要するに、特例承認で日本の国に入ってきたと、これに対して今接種をしていて、いろんな症状が分かってきたということですから、やっぱりこれを、あるかないかという議論をするんじゃなくて、どうその症例を集めてくるかという、まずその体制づくりをしていくことが非常に大事だと思いますし、それから、大学や医療機関で今研究しているところは見当たらないということだったと思うんですけれども、是非、これだけの声がやっぱりありますのでね、国としてもその研究をどのようにして進めていくかということは、これ是非早急に検討していただきたいなというふうに思います。黙っていたら症例がたまってきますよではなくて、やっぱりそういう声をいち早く集めてくるということの必要性というか、急ぐんだということを、これを是非提案したい、お訴えしたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、法案の審議の方に入らせていただきますけれども、前回の審議で、最後ちょっと一問だけ残してしまった質問があるんですけれども、いわゆる職業紹介とか、それから募集情報の提供事業者の手数料の扱いの問題を質問したいと思っております。
前回、参考人質疑でも私、この質問をさせていただいたんですけれども、現時点では、例えば職業紹介ですね、職業紹介をするときの手数料は、これは職業安定法によって、募集企業側からは取っていいんだけれども、労働者側から取ってはいけないという、こういう法律になっていますし、今回の法律で新たに位置付けられる求人メディアですね、募集情報等提供事業者、これに関しても、今回新設の法律の中でやっぱり労働者側から手数料を取ってはいけないと、そういう法律の規定になっております。
それは、元々は、歴史的には、労働者を守るためにはそちら側から、労働者側から手数料を取ってはいけないというのは、それは確かに分かるんですけれども、令和三年一月六日の第一回労働市場における雇用仲介の在り方に関する研究会、この議事録を読みますと、やっぱり一部の委員から、元々の趣旨は分かるんだけれども、だけど、手数料を片方からしか取らなかったら、仲介事業者は結局お金をもらっている側ばっかりを見るんじゃないですかという、そういう疑義が出ているんですね。疑義というか、そういう問題提起があるわけですね。
確かに、最近は、AIとか使いましてね、メールとかSNSに転職しませんかという連絡がどんどん入ってきたりするわけなんですね。それは、仲介事業者からすれば転職を繰り返してもらった方が手数料たくさん入りますから。
ですから、どっち側からお金を取るかというのは、それは確かに労働者を守るという面もありますけれども、でも、片一方からしか取らなかったら、結局はそのお金をもらっている側に有利なことしかしないんじゃないかと、こういう論点もあるわけなんですね。
だから、この一月六日のこの議事録は、検討課題としては今後も考えていかないといけないと、これ、座長もそのように実はまとめておられるんですけれども、今回の労働者の募集に応じた労働者からの報酬受領の禁止規定、これの在り方について厚生労働省としては今どのように考えておられるのか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/181
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182・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 今委員から御指摘があったとおりで、現行、職業紹介事業者については、法律により、手数料の徴収が原則禁止されております。これも趣旨もそのとおりで、立場の弱い求職者からの過大な手数料の徴収などの弊害を踏まえて設けられたもので、一方で、この改正法案において、募集情報等提供事業者について、募集に応じた労働者からの報酬受領の禁止を定めております。この取扱いは、労働者の就職の機会を不当に狭めるおそれなどを踏まえて設けたものであるということで考えております。
ただ、労働市場における雇用仲介の在り方に関する研究会において、確かに御指摘があったように、雇用仲介事業者が手数料を支払う求人企業を優先してビジネスをする可能性について、その議論があったことはそのとおりでございます。そういう議論もなされましたけれども、最終的な報告書においては、原則として仕事を探す者から手数料を徴収できないという現行の規定や慣行は、現時点においては維持することが適当とされておりまして、こうした研究会の最終的な報告書に従って我々判断をしているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/182
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183・梅村聡
○梅村聡君 現時点では私もそれでいいと思うんですけれども、やっぱり将来的にわたって本当にこの制度そのものが労働者を守っているのかどうかということ、これを注意深く見ていかないといけないんじゃないかなというふうに思います。特に日本の問題というのは、転職してもなかなか給料が上がらないと。もちろん仲介ですから、何も代理交渉人ではないんですけれども、でも、どっちを優先するかというのを見たときに、お金もらう方の力がやっぱり強くなってしまうので、そういったことは今後の検討課題として是非考えていただきたいなというふうに思っております。
それでは次に、公共職業訓練と、それから求職者支援訓練、これの位置付けについてお伺いをしたいと思いますけれども。
原則はですね、原則は、雇用保険の基本手当を受給されている方は公共職業訓練ですね、そして、それ以外の方は求職者支援訓練と、こう分かれていたと思うんですけれども、今回の法改正では、基本手当の受給者も、ハローワークの所長さんの指示する訓練の中に求職者支援訓練を加えると。ですから、公共職業訓練だけじゃなくて、求職者支援訓練を受けても基本手当以外の手当は上乗せで受給ができると、そういう制度に改まったかと思うんですけれども、もうそうなってきたら、公共職業訓練とそれから求職者支援訓練の差というのはなくなってくると思うんですけれども、今回、まずこの見直しが行われた背景を教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/183
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184・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) 求職者支援制度は、非正規雇用を繰り返す方や長期失業者など雇用保険の対象とならない方、あるいは必要な技能、知識等を十分有していない方への、そうした方々の訓練ニーズに応えるために、公共職業訓練とは別の新たな制度として平成二十三年十月から開始されたものでございます。
一方、制度施行から一定期間が経過しまして、求職者支援訓練の中には公共職業訓練と同等の内容を学べるようなコース等も増加しておりまして、また、近年の受講者のニーズの多様化等により、失業手当の受給資格者が求職者支援訓練の受講を希望されるケースも見られるところでございます。
そうした状況を踏まえ、労働政策審議会において御議論いただいた結果、今回、求職者支援訓練を公共職業安定所長の受講指示の対象に追加しまして、求職者支援訓練を受ける場合でも、受給資格者が訓練延長給付等を受けられるようにすることとしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/184
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185・梅村聡
○梅村聡君 訓練の元々の趣旨が違うんだけども乗り入れを一部できるようにしていこうと、そういう判断だと思うんですけども。
そこまでやるんだったら、趣旨が違うといえども、基本手当の受給者は求職者支援訓練を受けれるわけですから、もう訓練そのものは一本化しまして、受給される、受給ができる手当の種類だけ変えていけば運用上はすごくスムーズになるんじゃないかなと、まあ私なんかはそう思うんですけども、そのいわゆる公共職業訓練と求職者支援訓練を一本化していくと、で、どっちでも相互に乗り入れできるようにしていくというやり方は検討されないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/185
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186・小林洋司
○政府参考人(小林洋司君) 求職者支援訓練につきましては、今申し上げましたように、これまで就業経験がない方ですとか離職から相当期間を経過した方を主な対象にするということで、大きく基礎コースと実践コースに分かれております。このうち、実践コースにつきましては、御指摘ございましたように、公共職業訓練と類似のコースが存在する。一方で、基礎コースの方におきましては、例えば就職に必要なコミュニケーション能力というような入門的、基礎的な能力を付与する内容となっておりまして、これは公共職業訓練にはない内容になります。
それから、求職者支援訓練におきましては、その対象層を考慮いたしまして、訓練実施機関の方に職場見学ですとか企業実習等を求める、あるいは訓練期間中に三回以上のキャリアコンサルティングの実施を必須とするなどのきめ細かな内容を求めておるところでございます。
このように、両制度には大きな違いというものもございまして、その一本化そのものについてはやはり慎重な検討が必要なんじゃないかというふうに思いますが、御指摘いただきましたように、訓練の受講を希望される方に分かりやすいものであるというのは非常に重要な視点でございますので、ハローワークにおいてその両者の特徴や違いなどの情報提供をきちんとするとか、制度を利用する方に分かりやすいものとなるように努力してまいりたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/186
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187・梅村聡
○梅村聡君 趣旨はよく分かるんですけども、この求職者支援訓練のパンフレット読みましたら、このパンフレットの中には、雇用保険の失業給付をもらっている方は公共職業訓練を御利用くださいと、こう書いてあるわけなんですよね。前提として、雇用保険をもらっている方でも基礎的なそのトレーニングが必要な方もおられると思いますし、雇用保険はもらってない方であっても実践的な訓練をしたいという方はやっぱりおられると思いますので、その辺のニーズをしっかり把握していただいて、またいい方策を考えていただきたいなというふうに思っております。
それでは、最後の質問になるかと思いますが、育児休業給付の財源について質問させていただきたいと思います。
今回、育児休業給付の国庫負担を本則の十分の一とすると、この時限措置が令和六年度末まで延長されるということになりましたけども、これの先々のシミュレーションを見てみますと、育児休業給付が伸びることはいいことだと思いますけども、平均で、過去三年の平均で八・三%の伸びが続くとなれば、これは令和六年度末で今回の育児休業給付の財源は尽きることになってきます。もっと高い伸び率になれば、令和六年度中に財源がしんどくなっていくということがありますので、今回の法改正は、この育児休業給付の積立金がなくなったとき、運営ができなくなったときは失業等給付の積立金から必要な経費を借り入れることができると、こういうふうに機動的な運用ができるようになりました。
ところが、この失業等給付の積立金というのも、これも令和四年度末、来年の三月ですけども、残り五百億円しかないというふうになってきています。そうすると、失業等給付の積立金は五百億しかないと。で、育児休業給付のお金はなくなってくると。そうすると、どこから借りるんだという問題があるわけなんですね。
今回、新たに求められる雇用保険法第六十七条の二を見ると、この失業等給付の積立金に国庫から繰り入れるための対象は失業等給付及び職業訓練受講給付金というふうに明確に法律には書かれています。つまり、育児休業給付のお金がなくなったからといって、国庫に、ちょっと失業等給付の財布の中に、国庫から繰入れやってくれませんかというのは、法律の条文を読めばできないと読むのが普通なんじゃないかなと思いますけれども、そうしますと、育児休業給付の積立金が枯渇したときに一体どこから借りてどのように運営していくのか、これを教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/187
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188・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) 育児休業給付につきましては、令和六年度までの財政運営試算を示しておりまして、給付の増加率が高い水準で推移した場合であっても、六年度の末の段階で赤字になるリスクは若干あるわけですけれども、四年度、五年度といったところで直ちに財源不足に陥るものではありません。
失業給付及び育児休業給付の支給に支障が生じないように、支給状況、財政状況を注視しつつ、適切に対応を検討していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/188
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189・梅村聡
○梅村聡君 今はそういう答弁しか難しいと思うんですけれども、要は、枯渇をしたときに、今の法律で、そしたらちょっと失業給付の国庫繰入れをちょっと多めに入れてこようといって借りるということは、それは今のこの段階では言えませんけれども、でも、やっぱり育児休業給付をせっかく区分経理にしたわけですから、どのように財源をしっかり確保していくのかと、これはもう考えていただいて、我々もそれをしっかり議論していきたいと思いますし、育児休業給付への国庫負担の繰入れですね、こういったものも併せて検討していく必要があるんじゃないかということを指摘申し上げまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/189
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190・石井苗子
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
時間も大分たっておりますので、私からは、今日、大臣に御質問したいんですけれども、質問というよりは、大臣がどうお考えかということを聞きたいと思うんです。約束するとか検討しますとかというお言葉じゃなくて、もっとリラックスした、どうお考えかと。というのは、これ大事なことだと思うんですよ。大臣がこう思っているということは次の改革につながると思うんですね、私は。だからこその大臣だと思うんですが。
まず、求人の年齢制限についてお伺いします。
私には求人の年齢制限に苦い思い出がございまして、四十過ぎてから激しいリカレント教育の洗礼を受けまして、職業学校に行った後、一気呵成に求人広告で試験を受けたんですが、最終の面接のところで、大きな声では言えませんけれどとすごい大きな声で、うちも若い人が欲しいですと言われました。これは看護師ですからしようがないなと思って、そうかと思ったんですけれども、またそこで玉砕されてしまったんですけれども。
これが、更にそこから年を取ってから働いてほしいという職種があったんですね。病院だったんですが、できるだけ年取った人が欲しいというところがあったんです。不思議なんですけれども、心療内科というところでカウンセリングをやるという仕事なんですけれども、余りショックを受けない人がいいというような仕事だった。私はやっぱり、このように世の中は年齢制限というのに関して考え方が変わってきているんではないかと思うんです。
で、二〇〇七年に法律が改正されていますね、雇用対策法。これは二〇〇七年、平成十九年十月からですけれども、事業主は、労働者の募集及び採用について、年齢に関わりなく均等な機会を与えなければならない。要するに、労働者の募集や採用の際に年齢で制限することは違法だということが二〇〇七年に決まりました。年齢制限の禁止が義務化されたのは、年齢に関わりなく、一人一人に均等に働く機会を与えるためだというただし書が付いております。
年齢に関係なくその人のキャリアを伸ばすというのは、やっぱり雇用する側の要求というのと雇用される側の要求というのがマッチして初めてそこに賃金が成立するわけですね、約束が。これが、年齢以外の適性をちゃんと評価して採用するか否かを決めるという重要なことが二〇〇七年に法律になって、雇用対策法改正となったわけです。
当然ながら、求人票は年齢不問としながら、年齢を聞いて、あっ、やっぱり応募をしないでくださいと応募を断ってみたり、書類選考や面接で年齢を採用しないという理由に決めたりという、これが違法だというふうには書かれてはおります。書かれているんですが、実際は、企業の社内の年齢構成などの理由で上限を決めるということですね。違法になるから募集で年齢制限をしないだけであってというケースも多くあるようです。
だとすると、中高年の求職者、職を求めている人というのは、企業の本音を知らないで無駄に求職活動をしているということにもなりかねません。応募しても面接にたどり着かないで心が折れてしまうという、こういう状況がコロナ禍では増えているというデータがあります。失業したからといっても、やっぱり年齢制限に引っかかったということですね。合法ではなくても、違法だと言われていても、そうなる。
こういうのを専門用語で情報の非対称性と言うらしいんですけれども、こういった問題にも、雇用対策法の改正からまた何年かたって、そろそろ新たに取り組んでいかなければならない、新法でも改正でもいいんですけれども、新たに取り組んでいかなければならないと思うんですね。社会の構造が変わってきている、経済の構造が変わってきている、失業者が増えてきているというところで。
で、大臣、お答えにくいでしょうけれども、冒頭私が申しましたように、厚労大臣としてどうお考えになるか、ここのところをちょっとお聞かせいただけないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/190
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191・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 労働者の募集及び採用に当たって原則として年齢制限を禁止しているのは、法律の規定であります。
そういう意味では、おっしゃっているようないろいろな社会的な問題等について、私自身もおっしゃっている意味を理解しないわけではないわけですけれども、ハローワーク等では、年齢制限を設けた求人を確認した場合には、年齢にとらわれない人物本位、能力本位の募集、採用を行う法の趣旨をきちんとお話をさせていただいた上で、年齢不問求人に是正するように指導をしておりますし、年齢制限を行っているという情報を入手した場合には、事実確認を行いまして、当該事業主に対して法の説明を、趣旨を説明するというような形の運用になっております。
これは、労働施策の総合的推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律において、年齢に関わりなく均等な機会を与えなければならないという、そういう法律の規定にも基づくものでありまして、引き続き、募集及び採用の年齢制限原則禁止が徹底されるように、法律に基づいて行政は執行していくということだと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/191
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192・石井苗子
○石井苗子君 大変優等生のお答えだと思うんですけれども、私は、これは今後大変重要な課題になってくると思うんですね、少子高齢化ということの社会が定着してくるわけですから。先を見たときに、やっぱり働きたい人が働けるようにすると、環境を整えるというのは、雇用側にも、求人をしている側にも責任を持ってもらいたいと思うんですね。
その二十時間問題というの先ほどからずっと出ておりますけれども、少なく、雇用保険も払わず、短くというような非正規採用ばかり増えていくというような形になっていくのが止まらないとしても、その人が働ける環境でお金がもうかることができるというような、そういう社会構造をつくっていくというのを模索していかなきゃならないと思っています。
一方で、解雇法制という法もありまして、この解雇法制についてお話をいただきたいと思うんですね。ここにもやっぱり問題意識がありまして、うちの党は、解雇という、解雇のルールというのを作って、それを明確化することによって、解雇紛争の金銭改革、金銭的な解決をもってこれを可能にすることで、労働契約の終了に関する規制改革を行って労働市場の流動化と活性化を促したいという、こういう主張をしているんです。これは、正社員の解雇が困難であるからという問題意識があって、正社員の解雇が困難だから成長産業への労働移動が停滞している現状があるんではないかという物の見方なんですね。そうなんですよ。
この問題意識がある一方で、もちろん私なんかは、労働者の雇用継続の期待というのがあるわけです。ここが厳しいか甘いかという問題がありますよね。でも、雇用を継続してもらいたい、保護されたいというのは労働者としては当たり前の心情だと思います。
この解雇ルールを明確化したら雇用が流動化して成長分野に人材が流入していくだろうという、こういう考え方を大臣は、大臣としてどのようにお考えになるかと、これも難しいと思いますが、お答えいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/192
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193・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 解雇ルールにつきましては、労働契約法十六条というのがありまして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には、権利を濫用したものとして無効となるという解雇権濫用法理がまさに規定されているわけであります。解雇の有効性自身は、最終的には司法において個別具体的に判断されることになるわけであります。この解雇法理というのは、やはり労働ということについて言えば、弱い立場にある働く人の立場を守るという意味では非常に根本的に重要なルールであるというふうに思っています。
厚生労働省としては、紛争を未然防止するために、これまでも関係法令や裁判例をまとめてできる限り紛争が起きないように周知を行ってきたところでありますし、これからも周知を行っていきたいというふうに思っています。
一方で、ポストコロナの時代に労働移動の円滑化が重要だという御指摘も、これも非常に重要な視点だと思います。そして、そういう労働移動の円滑化ということについて言えば、投資の、人への投資、今抜本強化に取り組むということで、例えば三年間で四千億円規模の施策パッケージで民間ニーズを反映しつつ労働移動の円滑化や人材育成を強力に進める政策も進めているので、そういう形で進めていくということだろうというふうに思っておりますが、いわゆる解雇権濫用法理については労働政策上のやっぱり根本的な考え方だというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/193
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194・石井苗子
○石井苗子君 そうなんですよね。私もあんまりドラスチックな、形あるものをいきなり壊していくというのは良くないと思います。
アメリカなんかを見ていますと、お金を積んで辞めてくださいと言われるわけですね。それを最初から計算していてキャリアアップを図っていくというような、そういう仕事の仕方をする。弁護士さんなんかすごくそういう方が多いんですね。はなからそういう資本主義の中で仕事のキャリアとして積んでいくという。で、一生それで働いていって、最後には自分のキャリアを積んだところで一つの起業をするというような、そういう人生においてのキャリアアップを考えていると。
はなから解雇を自分の人生の計算の中に入れているという生き方もあるんですが、日本はそこまで今行っていないと思います。それが、終身雇用制だったり年功序列だったり企業内組合だったりという長い歴史の中で、少子高齢化を迎えてどう変わっていくのかということなんですが、時のこの令和の時代の労働大臣、厚生労働大臣が今のような御発言をして議事録に残ったということは今後の発展につながると思っております。
そこで、キャリアということなんですが、キャリアコンサルタントというその言葉の活用について、これ言葉じゃなくて職業なんですけれども、キャリアコンサルタントということなんですけど、日本の転職というのは自分で自分のキャリアコンサルタントをしながら転職していくというような感じが多くて、そこへ職業能力開発促進法というまた法律を作って、キャリアコンサルティングの促進を図るための事業主などの責務規定が整備されたわけなんですね。
そのキャリアコンサルタントというのが国家資格なんですが、資格を持っていてもそれだけでは独立して到底食べていけないという資格が日本にはたくさんありまして、病院で働いていると、私も四つぐらいの資格を抱えて給料は同じと。で、働くことだけは大変になっていくというような状況もあります。
今回の改正の中で、キャリアコンサルタントの、つまり資格を持っている人、有識者、資格者、有資格者と呼ぶんですね、資格を持っている人の活用というのは非常に難しいと思うんですが、これもやっぱり大臣にお伺いしたいんですけれども、最近、公認心理師というのが国家資格になりました。公認心理師、国家資格になって三年だと思うんですが、これは、病院の中で看護師、保健師、医師、いろいろな方がチームを組んでいる中で、どうしてもこの心理士という職業が必要なんだけれどもチームの中になかなか入ってこれない、臨床心理士、医療心理師という人たちが入ってこれないというのがあって公認心理師という国家資格をつくったんですが、これが働く場所がない、なかなかないんですね。先ほどと同じように、国家資格をつくっても働く場所がない。
大臣、お伺いするんですけれども、法律の決まり事がその人の仕事を助けるということがたくさんあります。例えば、守秘義務というのはそうだと思うんですね。絶対にそのことに関しては私は話すわけにはいかないんですと言うことによって相手にそれ以上踏み込ませないというのが守秘義務だと思うんですけれども、キャリアコンサルタントに守秘義務というのがまずどのくらい活用されているのかと。守秘義務がある人というのは、当然、今後は給料もアップしていったらいいんじゃないかと私は思うんですが、それは言えないとか、それは私の仕事ではございませんということを言うことによってその人の仕事を守ることができると思うんですが。
ガイドラインの中でも、企業内でこのキャリアコンサルタントを活用していくと書いてありますが、どのようにガイドラインが書かれているのか、もう一回お答えいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/194
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195・小林洋司
○政府参考人(小林洋司君) 御指摘の学び、学び直しのガイドラインというのは今作成途上でございまして、まだ案の段階であります。そうした中でも、キャリアコンサルティングやキャリアコンサルタントの活用を促すという方向で今原案は作成途上でございます。
今、企業、労働者を取り巻く状況というのが非常に大きく変化している中にございますので、そういう中で、その企業と労働者それぞれ、それぞれというか、双方のその成長を図っていくという観点で学び、学び直しですとかキャリア形成を円滑に行っていく、そういうのを後押しする役割としてキャリアコンサルタントは非常に大きな役割を果たすと思っています。
そして、守秘義務を有しているからこそ企業と労働者双方に対して有用な役割を果たすことができるというふうに考えておりまして、今後、今回責務規定というのも盛り込ませていただいておりますが、企業におけるキャリアコンサルタントの活用がますます進むようにしてまいりたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/195
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196・石井苗子
○石井苗子君 具体的な案がないと、今ガイドライン作成中ですと言うんですけれども。
昔は、企業の中に教育部というのがありました。それから、人事部という中でも、私たちは産業医というところにカウンセラーを置くんですけれども、なかなか社内の人が話はしに来ません。やっぱり外部の人じゃないと安心できないんですね、内部にいてもね。だから、だったら教育部という部をつくっちゃって、それ専門に会社の中で働いている人がいればいいじゃないかと。私、そこまで大きな部を持つほど社内の人材育成というのがアバウトじゃなくなって、個別にすごく細かく人材育成をしていかなきゃならない時代になったんだと思うんですね。
なので、守秘義務のある人を置いて、しかも、外部から完全にそのキャリアコンサルタントというのを、時間を取って話ができるように、今ストレスマネジメントは時間を取ってちゃんと各従業員がテストを受けられるようにしなきゃいけないというルールまでできつつありますので、そのようにしていっていただきたいと、ここで申し上げておきます。
最後になります。細かい質問がたくさん今までも出てまいりました。雇用調整助成金の特例措置について一つ御質問させてください。
新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主に対する雇調金の特例措置ですが、これが四月から六月まで延期されました。当初五月末ということで、それを六月末まで延期するということになったのは、私は英断であったとすごく思っております。雇用を維持する上で、これでかなり助かる中小企業は多いと思うんですね。コロナの影響で企業の業績が低迷しております。その中で、雇調金のおかげで雇用を守ることができたという声も私のところには多く届いております。
大臣は、これはおっしゃったことです、命と暮らしを私はしっかり守ると議事録に書いてございます。七月以降にこの特例措置の延長については、緊急時とかいろいろ先ほどもお答えがあったんですけれども、緊急時というのをもう少し具体的に例を挙げて、延長することをお考えかどうか、お聞かせいただけませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/196
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197・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 雇用調整助成金については、これまでに例のない特例措置を講じまして、事業主の雇用の維持を強力に支援してきたところであります。直接働いておられる皆さんからの申請も受けられるような制度や、水準においても非常に例のない特例措置を講じて、命と暮らしを守るための大きな役割を雇調金は果たしてきたというふうには思っています。
今般、雇用調整助成金の特例措置等を六月まで延長したところでありますけれども、七月以降の取扱いには、政府の文書としては、経済財政運営と改革の基本方針二〇二一等にも書かれていますけれども、引き続き、感染が拡大している地域及び特に業況が厳しい企業に配慮しつつ、雇用情勢を見極めながら検討をしていくと、そういうことで、今後の状況を十分に鑑みて対応をしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/197
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198・石井苗子
○石井苗子君 いや、苦しい企業は多いんですよね、大臣。それで、いろいろな措置を、私どもが大臣に申し上げることではないかもしれません、国も結構大変な台所事情だとは思うんですが、これ、どこも今、ここだけは大丈夫だというのは、それは大変な富裕層にはそういうことはないでしょうけれども、我々としては、やっぱり働いているところ、雇用する側、雇用される側、両方とも今大変な時期にあると思います。
令和四年十月以降の雇用保険料率について、ちょっと最後一つ、もう一つ質問させてください、せっかくなので。
雇用保険料というのは、現在は労使合わせて賃金の〇・九%でございますよね、負担が。来年度十月以降は労使合わせて一三・五%の負担になります。コロナの影響を大きく受ける中小とか若しくは零細企業と言われているようなところで働く方々にとっては、賃金総額に対して〇・四五%も引き上げられるというのはこれかなり負担増になると思うんですけれども、年度の途中で保険料率を見直すとその事務的な負担が増大するということもよく分かっております。その懸念が大きいということも分かっておりますが、現在のような経済状態が続いた場合、先ほどからコロナはもう大丈夫だというような御意見もございますが、現在のような経済状態はそう簡単には立ち直るとは私は思っておりません。なので、十月以降も保険料率を据え置く、あるいは引上げ幅を小さくするということを考える余地はないでしょうか。どうでしょう。お答えいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/198
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199・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 雇用保険制度というのは、労使から広く御負担いただいた保険料を原資として、雇用を失った方への失業給付、また雇用調整助成金の支給といった再分配を行う機能を有しておりまして、単に負担増の観点からのみ議論するべきものではないというふうに考えてはおります。
ただ、今般の法律によりまして、令和四年度における激変緩和措置として、年度前半は千分の二、年度後半は千分の六となるが、こうした雇用保険制度の意義や変更内容について丁寧に周知、説明を行い、御理解をいただきたいというふうに考えております。
今般の法案においては、保険料率を法定した上で御審議をお願いしているものでありまして、現時点において見直すことは考えていないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/199
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200・石井苗子
○石井苗子君 現時点では見直さないと。分かりました。
質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/200
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201・倉林明子
○倉林明子君 日本共産党の倉林です。
前回の質疑で、コロナ禍を踏まえた雇用保険ですね、充実こそ必要だと求めたわけですけれども、残念ながら一歩も前に出ない答弁が多かったなと思っているわけです。
改めて、岸田総理が最初に行われた二百五回国会のときの所信表明、振り返りたいと思うんです。新しい資本主義を掲げた総理が、成長戦略の第四の柱として、人生百年時代の不安解消、掲げておられます。その部分について御紹介いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/201
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202・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 総理の所信表明演説において、成長戦略の第四の柱として、多様で柔軟な働き方を可能とするセーフティーネットの確保、また、人生百年時代を見据えて、全ての方が安心できる全世代型社会保障の構築、こうしたことを述べられたというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/202
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203・倉林明子
○倉林明子君 あのね、第四の柱の中で、そういう多様な働き方の後に、大切なのは、どんな働き方をしてもセーフティーネットが確保されることだと、こう明言されているんですね。私、考え方として大事だと思いました。
ところが、前回の議論で明らかなように、週二十時間未満の労働者は六百五十万人、フリーランスは四百六十万人、合わせると一千百万人。全ての就業者のうちで六人に一人が、これ雇用保険の対象外なんですよね。失業給付というセーフティーネットから多くの働く人がこぼれ落ちていると。ここを放置するということは、総理の目指す、勤労者皆保険という表現されているんですけれども、この勤労者皆保険と矛盾するんじゃないかと思うんですけど、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/203
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204・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 雇用保険制度は、自らの労働による賃金で生計を維持している方が失業した場合に、失業中の生活の安定と再就職の促進を図ることを目的としておりまして、所定労働時間が週二十時間以上であること等を要件としているところであります。
一方で、週二十時間未満の労働者など雇用保険の適用対象とならない方に対しましても、雇用保険事業として無料の職業訓練と月十万円を支給する求職者支援制度を実施するなど、安定した雇用を実現するための重層的なセーフティーネットを整備をしております。
また、フリーランスなど雇用によらない働きをする方に対する各種社会保険制度の適用については、給付の仕組みや水準、費用負担の在り方など多くの課題があると考えておりますけれども、今後、多様な働き方に対応したセーフティーネットが確保されるいわゆる勤労者皆保険の実現に向けた取組を進めていく中で課題を整理していくということで、特定の一つ一つの制度建ちばかりではなくて、制度制度のセーフティーネットをしっかりと張っていくということだろうというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/204
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205・倉林明子
○倉林明子君 多様な救い方があるとおっしゃるんだけれども、こぼれ落ちている人がいっぱいいると。それがコロナ禍でこれ顕在化したということだと思うんですね。
参考人質疑で原田参考人から、シフト制を理由にして休業手当が支払われない、使用者の意に沿わない労働者に対する制裁としてのシフトカット、シフト削減による社会保険からの脱退などが指摘されております。こうしたシフト制の弊害について厚労省としても実態調査、把握をまずするべきじゃないかと思いますけれども、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/205
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206・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) シフト制での働き方については、その時々の事情に応じて柔軟に労働日、労働時間を設定できるという点で契約当事者双方にメリットがある一方で、使用者の都合により、労働日がほとんど設定されなかったり、労働者の希望を超える労働日数が設定されたりすることにより紛争が生じることも考えられるわけであります。
このため、労働紛争を未然に防止し、シフト制を労使双方にとってメリットのあるものとすることを目的として、本年一月に、いわゆるシフト制により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項を策定したところでございます。まずはこの留意事項の周知啓発を徹底し、シフト制労働者に関する雇用管理の適正化に努めながら、シフト制労働者の実態の把握を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/206
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207・倉林明子
○倉林明子君 留意事項を作っていただいたということは、一歩前進だとは思うんです。ただし、大切なのは、どんな働き方をしてもセーフティーネットが確保されることだという総理の発言があるわけですよね、新しい資本主義で大事なところだと。だから、まずは、そういう意味で、どんな弊害が起こっているのか、そして具体的な労働組合の現場からの指摘ですから、しっかり受け止めて、穴を塞いでいくには実態をつかむ必要があるという観点から申し上げていますので、答弁、最後の方、ちょっと検討するような発言があったかと思いますけれども、踏み込んでいただきたいと、早急な調査を求めたいと思います。
雇用保険での改善策として原田参考人が提案もされています。一つは、対象となる労働時間ですね。これは週十時間以上ということで引き下げてはどうかと、対象を拡大するという方向です。二つ目は、二十時間の条件を満たしていれば雇用保険への加入を徹底させると。この検討が求められているというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/207
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208・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 週所定労働時間が二十時間に満たない方を雇用保険適用対象とすることについては、自らの労働による賃金で生計を維持している方の失業を保険事故として備えるという雇用保険制度の考え方とかなり異なる働き方をする者も含まれる可能性があり、こうした方に対して一律に強制適用を行うことの是非や、週二十時間未満という短時間労働者の把握に伴う事務的コストや実現可能性等、整理すべき課題もあると考えておりまして、慎重に検討していく必要があると考えております。
なお、雇用保険の対象とならない方についても、求職者支援制度など重層的なセーフティーネットは整備しているところであります。
それから、二番目の御指摘のあった雇用保険の未加入者への対応について、各都道府県労働局が行う事業者調査において加入要件を満たす未加入者が把握できた場合とか、本人から被保険者資格があることの確認を求める旨がハローワークにあった場合に、必要な確認を行った上で加入要件を満たす場合は事業主に指導を行うこと等を励行しております。加えて、いわゆるシフト制により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項において、週所定労働時間が二十時間以上等の要件を満たす場合には雇用保険の被保険者となる旨を周知をいたしております。
雇用保険の加入の徹底については、今委員が御指摘いただいたように徹底してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/208
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209・倉林明子
○倉林明子君 ところが、現場でどんなことになっているかっていうたら、実態は、フルタイムなのに雇用保険未加入者、未加入というのは少なくないんです。で、是正指導がされずに雇用保険の穴になっていると。シフト制ということを雇用の契約時に確認していたら、もうそれで雇用保険入らないという状況が実態としてもあるという指摘なんですね。
これ、シフト制であっても、私は、労働契約締結時点で週若しくは月当たり最低限の労働時間数あるいは労働日数の明示、こういうことを義務付けるということをしないと本当守れないと思うんですけれど、この点、検討を求めたい。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/209
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210・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) シフト制については先ほどもちょっと申し上げましたが、労働日、労働時間を柔軟に設定できるという契約当事者双方のメリットがある、あり得る一方で、使用者の都合によりまして、労働日がほとんど設定されなかったり、労働者の希望を超える労働日数が設定されたりするという、そういうことによる紛争が生じることも考えられます。
こうした紛争を未然に防止し、シフト制を労使双方にとってメリットのあるものとするために、厚生労働省においては、いわゆるシフト制により就業する労働者の適切な雇用管理を行う留意事項、これ、(発言する者あり)はい、使用者と労働者で話し合って定めておくことが考えられるルールとして、最低限の労働時間数、労働日数などを示しております。まずはこの留意事項の周知啓発を徹底することで雇用管理の適正化に努めてまいりたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/210
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211・倉林明子
○倉林明子君 いや、さっきも聞いた答弁を繰り返しありがとうございます。
あのね、そういう留意事項ということで義務付けないので、実際それ、メリットがある働き方って、双方にっておっしゃるけど、コロナではっきりしたのは労働者の側に非常なデメリットがあるということなんですよ。一方的にやっぱりシフトゼロとか週一時間とかされて、雇用が守られていないという実態あるんですよ。そこに対して、やっぱりどうやってセーフティーネット張っていくのかということが必要だと重ねて言っておきます。
これね、昨年十一月の緊急提言で「未来を切り拓く「新しい資本主義」とその起動に向けて」、これ出されました、閣議決定。ここではどんなことを言うているかというと、男女間の賃金格差の解消という項で、短時間正社員の導入を推奨することと併せて勤務時間の分割、シフト制の普及が盛り込まれているんですよ。規制もセーフティーネットもないままの普及じゃ労働者の生活守れないと、これがコロナ禍で見えたことなんですよ。これを教訓としてどう政策に生かしていくのかという課題があるんだということは強く指摘したいと思います。
次に、ハローワークの体制強化について質問したいと思います。
そもそもなんですけれども、そもそも、ハローワーク、公共職業安定所、この根拠法は何でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/211
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212・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) 公共職業安定所につきましては、厚生労働省設置法においてその設置根拠が規定されているほか、職業安定法第八条第一項におきまして、公共職業安定所は、職業紹介、職業指導、雇用保険その他この法律の目的を達成するために必要な業務を行い、無料で公共に奉仕する機関と規定されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/212
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213・倉林明子
○倉林明子君 その今紹介あった職業安定法等ですね、その法律ができている基となっているのは憲法があると、憲法で規定された、二十七条で規定された国民の勤労権を保障すると、そういう役割があるから、これ無償の原則ということがはっきり位置付けられているということだと思うんですね。求人事業者、対等でない求職者に対して、適格紹介の原則、こういう形の根っこになっているわけですよ。
ところが、ところがですね、この間のハローワークの体制はどうなってきているかと。これ資料でお付けしましたけれども、物すごい右肩下がりで職員が減っているというのがよく分かるかと思います。この二十年間で常勤職員はマイナス二千五百人余りということで、全体の二割が減少となっております。
そこで、確認したいと思いますけれども、非常勤職員の数というのは、ピーク時あるいは直近、どういう数になっているのか、御紹介ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/213
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214・田中誠二
○政府参考人(田中誠二君) ハローワークの非常勤職員数につきましては、直近十年間である平成二十五年度から令和四年度の推移を見ますと、平成二十五年度は約一万八千人でありまして、以降、雇用情勢の改善等を踏まえ、徐々に減少して一万五千人程度で推移しておりましたが、令和二年度には新型コロナウイルス感染症への対応に伴う増員により二万人を超え、令和四年度においては二万一千四百三十一人となっております。直近におけるピークは、令和二年度の二万八千三百三十三人でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/214
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215・倉林明子
○倉林明子君 令和三年度は、職員数が一万百四十八人に対し、非常勤職員数は二万二千四百三十九人かと思います。これ、ハローワークで働いている職員全体の三人に二人はこれ非常勤という形になっているんですね。
今紹介あったように、大体一万五千人ぐらいは通常ベースとして必要な体制、ずっと継続して必要な体制になっているかと思います。二万八千人を超えた非常勤職員、令和二年度に二万八千人になったんだけど、今御紹介あったとおりコロナの対応と、雇調金等の対応が急増しましたので、増やして対応したと。来年度どうなるかというと、七千人減、二万一千人ということになるんですね。
で、公共職業安定所なんですよ、この職場は。この公共職業安定所の現場で非常勤職員が雇用の調整弁に結局なっているんですね。私は、こういう使い方をするというのはもってのほかだと申し上げたい。
非常勤職員というのは、今、一年の期間任用で、延長は最大二回、更新は三回目には必ず公募ということは繰り返されてきております。公募の結果、キャリアや経験、意欲を持っていても雇い止めということになるわけですね。これ、職業安定所が失業者をつくるという現場になっているんですよ。私、こんな矛盾をいつまで続けるのかと思うんです。一万五千人というのはほぼほぼベースとして必要な人員になっているんですよね。
こういう状況も踏まえて、機械的に三年で公募を繰り返す、雇い止めするというような公募制度というのは廃止したらどうかと思います。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/215
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216・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) ハローワークの非常勤職員を含む国家公務員の非常勤職員の任命制度につきましては、人事院の所管でございます。
厚生労働省としては、人事院規則等に基づき採用等を実施しているわけでございます。先ほど御紹介いただいた一会計年度以内とか、採用は公募、二回を限度とかいうことは、人事院の規則でございます。
厚生労働省としては、今後とも、ハローワークが雇用のセーフティーネットとしての役割をしっかりと果たせるように非常勤職員を含めた必要な執行体制の確保に努めてまいりたいと思いますし、ハローワークの体制が弱くなっていくのではないかという御懸念等にもしっかりと対応できるようにハローワークの活動の質をしっかりと守っていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/216
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217・倉林明子
○倉林明子君 いや、ハローワークの質を守ろうと思ったら、経験、キャリアを積んだ非常勤職員を三年で切るというようなことは逆行になるんですよ。質を確保しようと思ったら、こういう公募制について、人事院のせいにせんと、大臣はやっぱりどう考えていくのかということですよね。職業安定所を質を担保しながら向上させていくと思ったら、もう一番力発揮しているのが今非常勤の人たちなんですよ、窓口で。そういう経験を自ら切っているんですよ。職業安定所の果たす役割から見ても、私、逆行になると言いたいと思うんですよ。
判こ押したような答弁続いていてつらいんですけどね。この部分というのは長年の課題だと私は思っているんですね。職業安定所で失業すると、失業者を生むと、こういうことを本当にいつまでも続けていいのかと思っているんですよ。大臣、もう一回どうですか、答弁。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/217
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218・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 公務員の働き方の問題として、政府全体で、公務員の在り方とか公務員の人数の問題だとか、行政サービスに適した人数が確保されているのかとか、そういうことについてはもっと国民的な議論をしっかりとしていくということの必要性もあるでしょう。
ですから、公務員の働き方の問題として捉えなければならないということについては、先生のおっしゃっていることについても意を同じにするところではあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/218
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219・倉林明子
○倉林明子君 意を同じくしていただいてありがとうございます。
その意を前に進めようと思ったら、やっぱり厚生労働大臣として、こういう働き方は改革していく必要があると、前に向けて取り組んでいただきたいと。働き方改革って幾ら叫んでも足下でこういう働き方をやらせているということについて、やっぱりしっかり考え直すときだと申し上げたい。
資料の二枚目に入れていますのは、これ主要国の職業紹介機関の体制というものです。これ、職員一人当たりの労働力人口及び失業者数を比較すると、日本は欧州主要国の三分の一から十分の一程度しかないと、こういう状況なんですね。
こういう状況も踏まえて、改めて求めたいと思うんですけれども、この重要な役割を果たしていただいている非常勤職員、まず無期雇用ということに転換することも考えるべきだと思います。どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/219
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220・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 無期転換という言葉の意味がいまいち定かでないところはありますが、もし狭い意味での労働契約法に基づく無期転換ルールということであるとすると、法制度上のことを申し上げておきますと、公務員には労働契約法の諸規定は適用除外となっているということでございます。
いずれにしても、そういう技術的なことを申し上げるよりも、公務員の働き方の問題として政府全体でどのように取り組むべきであるか、そういうふうに考えていく課題であると思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/220
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221・倉林明子
○倉林明子君 公務員として、全体としてということですけれども、こういう非常勤職員、国だけなんです、無期転換ルールが対象にならないと。そういうことが現場での矛盾、キャリアの蓄積にも邪魔しているんですよ。
私は、そういう、一般にはもっと厳しいルールを課しながら、足下では公務員対象外ということで三年で首切りということになっているわけですよ。ここが、それは民間企業かてやる気出ませんよ、五年で無期転換ということが進んでいかないということにも私は一方でつながっているということは申し上げたいと思うんですね。そういうその職業安定所における今の働かせ方、これ本当にいいのかということでの指摘ですので、しっかり受け止めていただきたいと思います。
労働契約の原則ということでいいますと、基本はやっぱり無期雇用、原則ですよね。ところが、これはハローワークにとどまった話じゃないんですね。多くの公務の職場で今有期契約が物すごく広がっているわけです。賃金、どうなっているかといいますと、大体最低賃金に張り付いています。で、契約更新がされるのか、これ不安抱えながら、相談業務等、一番最前線の、市民、住民と接して対応しているというところも多いんですよね。
恒常的な業務について、これね、無期契約を原則にすること、さらに、有期契約というのはもう原則一年として、一年超えたら無期転換をしたものと、こういうふうにしていく方向で私はやっぱり考えていくべきだと、公務の現場こそこういうことやるべきだと思いますけど、どうですか。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/221
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222・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) ええ、人事院は言いません。
公務員には無期転換ルールを始めとする労働契約法の諸規定は適用除外ではあるものの、雇用の安定は公務員の働き方の問題として政府全体で取り組むべき課題であると思っています。厚生労働省としては、公務員制度所管官庁に無期転換ルールの趣旨や内容等について情報提供等を行っておりまして、そうした考え方、公務員に適用にならなかったとしても、そういうことをきっちりと理解していただくようにということで考えてやってはおります。
ハローワークを始めとする厚生労働省を始めとした公務員がやりがいを持って働き、必要な方に必要な支援をきっちりと届けていけるように、今後も必要な執行の体制、公務員制度の体制を確保していくように努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/222
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223・倉林明子
○倉林明子君 いや、現場では、ハローワークもそうなんですけれども、相談業務というのはやっぱりその人の人生に関わって、やっぱり、ありがとうというような、就職できたよとか、つながって生活再建できたよとか、本当にやりがいを持って働いている非常勤の人ってすごく多いんですよ。だから、低賃金でも働き続けているんですよ。そういう人たちを首切っているんですよ。そういう現実をしっかり見るべきだと思う。
私、公務のこの有期契約で働いている、地方では会計年度任用職員というような形で雇用されているということが多いわけですけれども、極めて女性比率が高いんですね。先ほど紹介しましたように、緊急提言の中では、男女間の賃金格差の解消、これ掲げているんですね。これね、この部分、公務で働いている非正規の女性たちの賃金を引き上げるということは、雇用を安定させると同時に賃金を引き上げるということは、これ、男女の賃金格差の解消にもつながっていくことになると思うんですよ。
最後、大臣の前向きな答弁を求めておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/223
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224・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 男女の賃金格差の是正も非常に大切な課題だと思います。私は、女性の活躍できない社会はやはり力が発揮できない社会だと思いますし、今の時代は、女性の力を十分に生かしていない企業は企業としても成長ができない。だから、そういう意味で、非常に女性の就業は大切だというふうに考えております。
やりがいを持って全ての人たちが働いていけるような、そういう執行体制の確保、しっかりと整えて、公務員のやる気をしっかりと維持できるようにしていかなければならないと、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/224
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225・倉林明子
○倉林明子君 やる気はあっても首切られると、こういう現状があるんだと。女性が活躍できる職場ということで最賃に張り付くような仕事のさせ方していたら、男女の賃金格差は埋まりません。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/225
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226・山田宏
○委員長(山田宏君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/226
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227・倉林明子
○倉林明子君 日本共産党の倉林です。
私は、日本共産党を代表して、雇用保険法等の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。
反対の第一の理由は、求職者給付の国庫負担を実質的に四分の一から四十分の一に引き下げるものであるからです。
四分の一が適用されるのは、失業率が五%を超える状況です。さらに、機動的な国庫繰入れ制度の導入により、一般財源を用いて雇用維持対策を行うことが可能になります。これにより、受給者実人員七十万人以上かつ弾力倍率一未満という基準は、将来にわたって適用されることはなく、国庫負担率は実質的に四十分の一となります。現在の負担率を原則として認めるものであり、国の責任を後退させるものです。断じて認められません。
第二の理由は、国庫負担を実質的に引き下げる一方、労使の保険料を引き上げることです。長引くコロナ禍で何とか耐えてきた労働者や中小企業者に追い打ちを掛けるものにほかなりません。コロナ禍で経済が傷んでいる今、保険料を上げるべきではありません。労使の保険料を上げる前に、まず国庫負担を四分の一に戻すべきです。
コロナ禍で雇用保険がセーフティーネットとして十分機能していない実態が明らかになりました。週の労働時間が二十時間未満であることや、シフト制で働くことを理由に雇用保険に加入できない女性やシングルマザーが多くいます。労働時間が週二十時間未満であっても、家族総出で働かなければ家計を維持できない層が増加しています。週二十時間未満の労働は決して家計の補助ではありません。週二十時間未満も雇用保険の対象とすべきです。
さらに、失業給付の水準も低過ぎます。二〇〇三年の雇用保険法の改正で、失業給付が高いと再就職時期が遅れることを理由に給付率と日額上限額が引き下げられました。しかし、十年後に厚労省が行った検証では、給付水準の引下げ前後で再就職時期に大きな変化がないことが明らかになっています。失業者が生活の心配なく安心して次の職を探せる環境を整えるためにも、失業給付水準の引上げが急務です。
今求められているのは、雇用のセーフティーネットである雇用保険の拡充です。そのためにも、国庫負担の本則復帰が必要不可欠です。雇用に対する国の責任を果たすよう強く求めて、反対討論といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/227
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228・山田宏
○委員長(山田宏君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
雇用保険法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/228
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229・山田宏
○委員長(山田宏君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、川田君から発言を求められておりますので、これを許します。川田龍平君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/229
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230・川田龍平
○川田龍平君 私は、ただいま可決されました雇用保険法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、国民民主党・新緑風会及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一、国民の雇用の安定と安心を確保することは国の重大な責務であることを再確認し、その実現に万全を期すこと。特に、今般の新型コロナウイルス感染症が雇用に与えた影響や、これまで実施されてきた各種の雇用施策の効果等を十分に検証し、その教訓も踏まえ、今後の雇用安定化施策に活かすこと。
二、雇用保険の各種給付の水準をできる限り維持することを前提に、必要となる財源の確保に努めること。
三、労働政策審議会の委員に対し、雇用情勢及び雇用保険の財政状況の推移を逐次報告するとともに、委員から求めがあった際には審議会を開催し、安定的な労働保険特別会計雇用勘定の運営に向け、これまで以上に臨機応変な検討を行うこと。
四、労働保険特別会計雇用勘定については、必要な積立金の水準を達成するまでの間は、単年度においても黒字となる収支構造を目指し、一般会計からの繰入れ等により必要な積立金水準の確保を図るとともに、積立金が必要な水準に達した後もその水準の維持を図ることを中期的な雇用保険財政の運営方針とすること。
五、令和四年度の失業等給付においては、労働保険特別会計雇用勘定の安定の観点から、機動的に一般会計を雇用勘定に繰り入れられる仕組みの活用も含め、対応に万全を期すこと。
六、社会保障関係費に現在位置付けられている失業等給付の国庫負担について、従来の国庫負担の位置付けについての基本的な考えを堅持した上で、負担割合を将来的に従来の本則の水準(二十五パーセント)とする措置も含め、国の財政・財源の構造から検討すること。
七、失業等給付の国庫負担割合の判定基準とされる「基本手当受給者実人員七十万人以上」について、新型コロナウイルス感染拡大後の雇用構造も踏まえ、実態に応じて適宜見直しの検討をすること。
八、雇用保険部会報告に示された新たな国庫繰入制度の運用の考え方を尊重し、雇用保険法第七十二条における重要事項として労働政策審議会の意見を聴くとともに、省令等への規定について検討すること。
九、超高齢化と人口減少に直面する我が国において、失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大等の機能を担う雇用安定事業については、政府の雇用施策の中でもその位置付けや重要度がこれまで以上に高まっていることや、同事業が今般の新型コロナ禍で果たした役割等に鑑み、同事業について、国庫負担の在り方を含めた真摯な議論を早期に開始すること。
十、令和六年度までに、育児休業給付等の国庫負担割合の引下げの暫定措置の見直しだけでなく、育児休業給付の財源確保の在り方を含め、雇用労働者に限らず、フリーランスとして就業する者などを含む全ての働く者の育児・子育てを広く社会で支援する体制の構築を検討すること。あわせて、男性の出生時育児休業及び育児休業の取得促進に向けて、先般の改正法の施行状況を踏まえた上で、更なる施策の充実を検討すること。
十一、失業等給付の積立金からの借入額に係る雇用安定資金からの返済必要額については、労使が拠出した失業等給付に係る保険料を保全する観点から、返済の在り方について、一般会計からの繰入れとの関係も含めて検討すること。その際、雇用保険二事業の実施の状況、使用者側の負荷の状況等を勘案すること。加えて、育児休業給付資金についても、失業等給付の積立金から借入れを行った場合には、同様の検討を行うこと。
十二、失業者の再就職を促進するためには受け皿となる産業・企業、雇用機会の創出が不可欠であり、厚生労働省においても、雇用政策の一環として、必要な予算措置を行った上で、地域における雇用機会の創出にこれまで以上に取り組むこと。
十三、雇用調整助成金等については、特に業況が厳しい企業・地域において、今後も最大十分の十の特例措置を含め、あらゆる必要な制度設計や手続の検討を行うこと。特例として創設された休業支援金制度の効果、適用対象範囲の妥当性及び申請手続の在り方等について検証を行い、休業を余儀なくされた方の支援に関する実効性のある仕組みの検討を行うこと。
十四、改正後の職業安定法の規定により新たに対応が必要となる苦情処理体制の整備や募集情報の的確表示等の措置が全ての募集情報等提供事業者において確実に実施されるよう、従前の募集情報等提供事業者に加え、募集情報等提供事業の定義の拡大により新たに募集情報等提供事業者となる事業者に対しても、改正内容の周知を徹底すること。
十五、募集情報等提供事業者等が求人等に関する情報を正確かつ最新の内容に保つために講ずるべき措置等の内容については、事実と異なる募集情報を信じた結果、不利益を受ける者が生じることのないよう、求職者保護の観点を最大限重視した上で検討を進めること。
十六、虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示によって不利益を受けた求職者を適切に救済できるよう、労働局等における相談体制を強化・拡充すること。また、募集情報等の的確性を確保することは労働市場が的確かつ効率的に機能するために重要であることに鑑み、虚偽の表示等を繰り返すような悪質な事業者に対しては、立入検査や助言・指導、改善命令等の措置を躊躇なく実施すること。
十七、業務委託や請負など雇用形態以外の仕事を仲介するサービスを利用して仕事を探す者の適切な保護が図られるよう、改正後の職業安定法の運用によって得られた知見やフリーランス・トラブル一一〇番に寄せられた相談内容等を踏まえて、必要な対策を検討すること。
十八、雇用仲介サービスに係る人工知能の利用に関し、実態の把握及び調査研究を実施し、労働者保護の観点から、必要な対策を検討すること。
十九、職業能力開発施策に係る財源も含めた労働者の職業能力開発機能の在り方について、幅広く労働政策審議会で議論を行うとともに、雇用保険二事業の能力開発事業、すなわち雇用保険制度の枠内での対応には限界もあることから、一般会計等の活用の検討を含め、関係省庁の連携を強化して政府全体で推進していくこと。
二十、改正後の職業能力開発促進法第十五条により法定化される協議会の構成員の選定に当たっては、企業や地域の実情だけでなく、産業構造の変化とそれによる雇用の変化等に対応できるよう留意するとともに、多様な事情を持つ求職者や就労困難者の就職につながる訓練メニューの開発に資するよう、同条第一項第七号に規定する「その他関係機関が必要と認める者」を十分に活用するよう努めること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/230
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231・山田宏
○委員長(山田宏君) ただいま川田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/231
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232・山田宏
○委員長(山田宏君) 全会一致と認めます。よって、川田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、後藤厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。後藤厚生労働大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/232
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233・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/233
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234・山田宏
○委員長(山田宏君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/234
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235・山田宏
○委員長(山田宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時五十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X00620220329/235
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