1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年四月二十六日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
四月二十五日
辞任 補欠選任
衛藤 晟一君 中川 雅治君
そのだ修光君 和田 政宗君
四月二十六日
辞任 補欠選任
和田 政宗君 柘植 芳文君
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出席者は左のとおり。
委員長 山田 宏君
理 事
石田 昌宏君
小川 克巳君
川田 龍平君
山本 香苗君
田村 まみ君
委 員
島村 大君
柘植 芳文君
中川 雅治君
羽生田 俊君
比嘉奈津美君
藤井 基之君
古川 俊治君
本田 顕子君
三原じゅん子君
和田 政宗君
石垣のりこ君
打越さく良君
福島みずほ君
森屋 隆君
秋野 公造君
竹谷とし子君
足立 信也君
石井 苗子君
梅村 聡君
倉林 明子君
国務大臣
厚生労働大臣 後藤 茂之君
副大臣
厚生労働副大臣 佐藤 英道君
事務局側
常任委員会専門
員 佐伯 道子君
政府参考人
内閣官房内閣審
議官 柳樂 晃洋君
内閣府健康・医
療戦略推進事務
局次長 長野 裕子君
法務省人権擁護
局長 松下 裕子君
厚生労働省医政
局長 伊原 和人君
厚生労働省健康
局長 佐原 康之君
厚生労働省医薬
・生活衛生局長 鎌田 光明君
厚生労働省保険
局長 浜谷 浩樹君
経済産業省大臣
官房審議官 澤井 俊君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性
の確保等に関する法律等の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/0
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001・山田宏
○委員長(山田宏君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、衛藤晟一君及びそのだ修光君が委員を辞任され、その補欠として中川雅治君及び和田政宗君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/1
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002・山田宏
○委員長(山田宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医薬・生活衛生局長鎌田光明君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/2
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003・山田宏
○委員長(山田宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/3
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004・山田宏
○委員長(山田宏君) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。後藤厚生労働大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/4
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005・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) ただいま議題となりました医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。
感染症に対する我が国の危機管理強化の観点から、緊急時において、治療薬やワクチンを始めとする医薬品等を速やかに国民に届けるとともに、非接触型の医療提供を行うに当たり必要となる処方箋の電子化を図ることにより、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病の蔓延等による健康被害の拡大を防止することが必要です。
こうした状況を踏まえ、緊急時に新たな医薬品等を速やかに薬事承認する仕組みを整備するとともに、処方情報及び調剤情報の即時的な一元管理を可能とする電子処方箋の仕組みを整備するため、この法律案を提出いたしました。
以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
第一に、緊急時において、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病の蔓延等による健康被害の拡大を防止するため、緊急に使用されることが必要な医薬品等について、当該医薬品等の使用以外に適当な方法がない場合に、安全性の確認を前提に、有効性が推定されたとき、その適正な使用の確保のために必要な条件や期限を付した上で迅速に薬事承認を与える仕組みを創設することとしています。
第二に、薬局に対して迅速に処方箋を伝達するとともに、重複投薬や併用禁忌の回避等による質の高い医療サービスの提供、医療機関や薬局、患者といった関係者間でのコミュニケーションの促進等を実現するため、医師等が電子処方箋を提供できる仕組みの創設及び社会保険診療報酬支払基金等が行う電子処方箋関連業務に関する業務規定の整備等を行うこととしています。
最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、公布の日としています。
以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要でございます。
御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/5
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006・山田宏
○委員長(山田宏君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/6
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007・石垣のりこ
○石垣のりこ君 立憲・社民の石垣のりこでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
今御説明いただきましたように、今回の改正案の目的、新型コロナウイルス感染症のようなパンデミックにおいて必要な医薬品を早期に使用可能とする制度を創設することで、人々の命を救い、健康被害の拡大を防止し、保健衛生の向上を図ることにあると認識しております。
しかし、承認プロセスの簡略化は、いや応なく薬機法が規定している有効性と安全性の確保に留保を与えるものと考えます。ゆえに、承認プロセスの簡略化による医薬品の有効性、安全性がどの程度まで、どのように確保され得るのか、その妥当性がこの度の改正のポイントであると考えております。
薬機法の第一条には、この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医薬機器、あっ、医療機器及び再生医療等製品の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、中略しますが、保健衛生上の向上を図ることを目的とするとございます。
今回の改正案における緊急承認は、安全性は確認、有効性は推定となっておりますが、まずは、この通常の承認とこの度新たに設けられる緊急承認の安全性に違いはあるのか、あるならばどのような点が違うのか、御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/7
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008・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 医薬品の承認審査において、その安全性については、非臨床試験や臨床試験を通じて確認された毒性や副作用等が効能、効果に比して著しく有害なものでないかどうかを評価し、確認しております。緊急承認制度においても、そのようなベネフィットとリスクのバランスを考慮しつつ、許容可能な安全性を担保するという意味で、安全性の確認を要件としております。
第三相試験が実施されない場合であっても、一定期間に高頻度で生じる副作用については確認しなければならないものであり、これらはプラセボ群との間で発生頻度に明確な差が生じることが多いことから、後期第二相試験など比較的少数の症例に基づく試験であっても、安全性を確認することは可能であると考えています。
他方、一定期間を超える長期的な副作用の発現状況や極めてまれに発生する副作用等については、通常の承認審査においても承認までの間に確認することは困難であり、承認後も情報を収集していくことにより安全対策を行っています。これについては緊急承認制度においても同様です。
このため、第三相試験を実施しないことによって情報量の違いはあるものの、一定期間内に生じる副作用の種類や頻度といった安全性に関して得られる情報に違いはないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/8
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009・石垣のりこ
○石垣のりこ君 四月十二日の衆議院厚労委員会の参考人質疑で、東京医科大学茨城医療センター病院長で京都大学名誉教授の福井参考人がこのようにおっしゃっています。治験の第三相レベルまではやらないレベルでの安全性の確保というのは、今通常にやられている、安全性については平時と同じレベルのものを、まあ緊急承認でもということだと思いますが、求めるということになっているというふうにお答えになっているんですね。
安全性の確保というのは通常承認においてもこの第二相までの判断で、有効性は第三相と分けて考えられるものなのか、厚労省のちょっと見解をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/9
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010・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) お答え申し上げます。
通常の承認審査におきましても、医薬品によっては一つの試験だけで実施される場合もございますし、複数の試験が実施される場合もございます。主として、第一相、第二相で大体のその、また、第一相、第二相で大体のその安全性が確認されているというふうに考えてございます。例えば、治療薬において、第二相試験の規模としては数百例程度の臨床試験が想定されますが、その場合であっても、大体安全性については確認できると考えます。
一方で、緊急承認の場合でございますけれども、ワクチンにつきましては、そのワクチンの特性から、健常時に多くの方に接種いただくというワクチンの特性から、第三相試験を基本的には実施していただくと、原則として実施いただくということを考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/10
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011・石垣のりこ
○石垣のりこ君 薬によって違うということはもちろん理解するんですが、とはいえ、やはりこの緊急承認制度でかけられる新しい薬、新しい効果が期待できる薬というものに関しては、やはりしっかりとした承認プロセスを経てというのが本来であろうと思います。その部分を、時間を短縮するがゆえに簡略化するというのが今回の緊急承認の基本的な構造といいますか、プロセスになっておりますので、やはり通常の承認というふうに一般の方が聞いて思い描くものと今回の緊急承認での安全性のこの確定と確認というものがイコールではないというふうに考えられるわけですよね。
お手元にお渡ししております資料の二枚目、医薬品の基礎研究から承認審査、市販後までの主なプロセスというのがございます。こういういろんな審査を、治験等を経て最終的に市販されると。市販された後も再審査、再評価等でその効果、安全性について検証されていくというのが一般的だと思うんですが、この治験における第三相、黄色で囲んでおりますけれども、総合的な有効性、安全性の検証というのがこの部分にも示されておりますし、次の三枚目ですね、三枚目の臨床試験、治験の基本的な流れというところで、第三相は検証的臨床試験という部分、有効性、安全性の検証というのは、やはりここでも示されております。
そういう点では、やはり今回、この緊急承認では、第三相の部分の、特にワクチン試験が一旦省かれると。後からまた追加承認という形ではなるんですけれども、追加申請という形にはなるんですけれども、やっぱりこの部分がないことによって、本来ここの部分で確認されるべき安全性というのがどうしても確認できない。先ほど大臣は、情報量の違いと、あとはまれな例としてそういう安全性が確保できないような事例というのはあるかもしれないがということで、あくまでもこの第三相で示される例というのがごく少数であるというお話はされていましたけれども、ごく少数であろうと、やはりより多くの方に治験が行われたときにこそ分かる安全性というのがあるわけです。
としますと、一枚目の部分でポンチ絵で示されるこの通常の承認と、あと今回創設される緊急承認の部分のこの安全性に関しては、確認、確認と同じ言葉で示されておりますが、通常の承認の安全性の確認と緊急承認の安全性の確認は違うものだと。ただし、緊急性に鑑みて最低限はもちろん安全性は確保されているということが基本的な認識であろうと思います。その点、私はそのように考えるんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/11
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012・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 繰り返しの趣旨になってしまうところは申し訳ございませんが、先生からお示しいただいた資料におきましても、第三相でも二百人以上という書き方なされております。もちろん先生が御紹介いただきましたように、こうした試験の規模ですとかは医薬品の特性あるいはその対象となる疾患によって異なるものでございますが、大体、我々想定しておりますその緊急承認における治療薬の第二相の試験というのも数百例程度の臨床試験が想定されるところでございまして、そうすれば、ここにございますような第三相の数百人程度と同等規模となります。したがって、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、その一定期間内に生じる副作用の種類や頻度というものは確認できるというふうに考えているところでございます。
また一方、これも大臣から御答弁申し上げ、先生からも御紹介いただきましたが、通常の承認であっても、一定期間を超える、その後、長期的な副作用の発現というものは、状況、あるいは極めてまれなものは通常の承認審査におきましても承認後に一定期間を掛けて集めるものでございまして、そうした安全対策というものは緊急承認も同じでございまして、繰り返しで恐縮ですが、我々としては、そうした承認前の臨床試験を通じまして、安全性を確認して緊急の承認を与えるということを考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/12
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013・石垣のりこ
○石垣のりこ君 緊急性に鑑みてこの安全性に関しても二相までで判断するということはもちろんあり得ると思うんですが、一般の方が説明を受ける際に、今回の緊急承認で承認された医薬品に関しては安全性に関しては緊急承認と同等であるというような言い方をされてしまうと、一般に私たちがふだん使っているところで、効くか効かないかはまだ分からない部分はあるかもしれないけれども、安全性に関しては通常私たちがふだんから使っているものと同じだけちゃんと検査がなされて、こうやって承認を国がしたんだというふうに受け取られると思うんです。こういう承認制度だって一般の方は分からないわけですから。
なので、通常と同等の水準とか、リスクとベネフィットに鑑みて通常と同じ基準で推定される安全性とかという言い方をされても、非常に分かりにくいというか認識の錯誤を招きかねないというふうに私は考えておりますので、後段でも申し上げたいと思いますけれども、この辺のことをちゃんと周知していただく段階においては、この安全性は基本的には、最低限はもちろん担保されているものではあるけれども、この緊急承認がなされた段階では通常承認とは別なものであるというところの認識はちゃんとお伝えいただくということが非常に肝要であるというふうに考えております。
その上で参りますが、じゃ、この部分に関してはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/13
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014・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) まず、安全性に関しては、私どもはきちんと確認した上で承認を与えるということでございますけれども、先生が御指摘の、そのいわゆる制度の違いですとか、どういった試験、検査など経たことについては、ほかの先生方からも、きちんと、そもそも国民の皆様に今回のその承認によって、承認をした医薬品について安心して使っていただく、あるいは医療現場の先生方からきちんとその趣旨や内容を含めて御説明いただくためには丁寧な周知ということを言われておりますので、また、この制度を議論した審議会におきましても、きちんと、いろんな制度があるわけですから、その制度の違いというものを分かりやすく説明が必要であるという御指摘を受けておりますので、この緊急承認制度がどういった趣旨で、またどういった内容かということについては丁寧に周知してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/14
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015・石垣のりこ
○石垣のりこ君 既にこのシステムというか、緊急承認についてどういうものかという説明を受けたときに、通常承認と安全性においては同じレベルですというふうに議員が説明を受けておりますので、そういうことが一般にもなされると、これは違うものだというふうに私としては言わざるを得ないので、その点を十二分に注意していただきたいというふうに改めて重ねて申し上げたいと思います。
その上で、ちょっと安全性の確保に関してなんですが、品質の管理の担保に関してなんですけれども、どんなに安全性が高く有効と見込まれる医薬品でも、品目の品質、並びに企業が品質を担保した製品を製造販売して供給することができなければ、やはり担保されなければ、正しく効能を発揮することができないと考えます。
ゆえに、医薬品の承認制度に関して、承認申請者は申請に際して、通常、審査当局、PMDAですね、医薬品の品質、有効性及び安全性を審査するために必要な資料を提出しなければならないというふうになっているんですが、この特例承認と同様、今回新設される緊急承認もこのGMP調査であるとか国家検定とか容器包装等が免除されるということで、これらが免除されることによってこの段階で欠けてしまう安全性というのはどういうものなんでしょうか。また、この調査、検定等は緊急承認後は無期限に免除されるのか、その点もお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/15
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016・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 緊急承認された医薬品につきましては、通常承認と同水準で安全性の確認を行うということとしておりまして、安全性の点で通常承認と比べて欠けるという指摘は当たらないというふうに思っております。
その上で、緊急承認制度においては、薬事承認の迅速化の観点から、GMP調査、国家検定、容器包装等を承認の要件とはしない特例を設けることとしているものの、これらの規定は品質の確認や適正使用を目的として行うものであり、安全性の確認が目的ではないということだと考えられます。
これらの特例につきましては、緊急承認後、期限が到来し改めて申請を行う際には適用されないため、その際、調査を受けるなど、各種規定の適合する必要がございます。
また、期限が到来する前であってもGMP調査を受けることができるよう、緊急承認の規定においても明示するなど、品質の確保に努めることといたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/16
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017・石垣のりこ
○石垣のりこ君 緊急承認で適用されるその各種特例措置のうちでも、やはり今幾つか挙げたうちのこのGMP調査、製造工程のこの安全性の確保だと思うんですが、この医薬品の質を担保する上で非常に重要な要素であると思うんですね。高く有効性の期待できる医薬品であっても、やはりこの製造工程で問題があれば安全性も有効性も損ないかねないと思います。実際、ワクチンでも、どういうこれは過程で異物が混入になったのか分かりませんけれども、モデルナに金属片が混入されていたというようなことが実際起きております。
ですので、二年後のその期限までに再度承認申請されたタイミングでは、改めてこのGMP調査等についても申請がなされるということだと思うんですけれども、やっぱりこの最低限のチェックというのか、これは承認段階でも一定なされるべきだと思うんですが、その辺いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/17
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018・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましても、その法律の規定上、GMP調査は免除というか、事後的でも構わないという猶予という考え方を取っておりますけれども、その際であっても、例えば、いずれにしても承認時には薬の承認とは別に製造所としての許可が必要でございますので、製造所としての製造業の許可があることが当然前提で、そうすれば大体、我々、別の薬でそういった製造所、工場に査察に行ったりとかしております。そうした情報も考えますし、また、当然、書類上、医薬品の製造方法や規格などについて申請資料を出していただきますので、そうした情報を併せて品質面では問題がないことを確認いたしています。
また、今回の新型コロナに関係する治療薬やワクチンにつきましても、海外の規制当局と連携して、海外規制当局で確認した内容をこちらでも確認するとか、可能な限りのことをしつつ、緊急性に対応するような形での品質確保ということをやっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/18
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019・石垣のりこ
○石垣のりこ君 是非とも、どんなにチェックを重ねてもミスというのは起き得るものではありますが、でも、やれるべき、やるべきことはしっかりとやっておくという点で、有効性の推定の段階で、あくまでも安全性を最低限保つ上でも、この点はしっかりとチェックをしていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
そして、通常、既製、既存の製品と異なる性質の医薬品というのは製造販売後の使用に関する調査というのが求められておりまして、有効性や安全性を審査当局が再確認する再審査制度が設けられていると承知しております。
この緊急承認においては、期限までの再度承認申請とこれ別に実施されるんでしょうか。既にこれ販売後ということになると思うんですけれども、どのタイミングから行うのか、教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/19
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020・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 整理してお答えいたしますが、先生おっしゃったように、緊急承認制度は有効性について推定の段階で承認を行うものですから、その後に、一定期限内に改めてデータを出していただく意味で、通常の承認を行いますのは有効性を確認するわけでございますが、この改めての承認申請におきまして有効性が確認されれば、その際、ほかの医薬品、通常の医薬品と同様に、再審査期間が付与されて再審査の対象となるという仕組みを取っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/20
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021・石垣のりこ
○石垣のりこ君 ということは、既に緊急承認で承認が得られたものに関しては、もう既に販売はスタートするけれども、その後の二年の期限をもって再度承認申請が行われた後に改めてこの再審査制度というのは適用になるということですよね。プラス二年、まあどのぐらいかはちょっと期間分かりませんけれども、そのぐらいからこの再審査制度が適用されるということで承知いたしました。
続いての質問ですが、大臣承認に係る医薬品のうち新医薬品については、承認に関してあらかじめ薬事、食品、食品審査会、薬食審ですね、の意見を聴くこととされておりますけれども、緊急承認においては事前の聴取というのは行われるんでしょうか。特例承認では緩和されているというふうな解説も見かけたものですから、確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/21
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022・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 緊急承認制度は、改正法案におきまして、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて承認を与えることができると規定されておりまして、緊急承認に当たっては、専門家により構成される薬事・食品衛生審議会への諮問を行うことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/22
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023・石垣のりこ
○石垣のりこ君 この部分は省かれずに諮問は行われるということで、分かりました。
続いて、緊急承認の要件に関して伺います。
緊急承認の要件として、ほかに代替手段が存在しないことというのが挙げられていると承知しております。この点について、三月三十一日の衆議院本会議で岸田総理が、代替の困難性については国民への供給の観点等も踏まえて判断することとしており、ほかの複数の医薬品が既に承認されている状況においても、治療の選択肢を拡大し、より安定的な供給に資するような場合は緊急承認制度の適用が認められますと答弁されています。
この答弁からしますと、ほかに代替手段が存在しないことという点は、ほかに類似の効果が得られると推定される医薬品が存在しないことという文字どおりの解釈よりも幅があって、言ってしまうと、類似の効果が得られる医薬品が存在しても供給量が十分に確保できなかったり、例えば、ほかの医薬品との組合せの問題とか、あるいは価格が廉価であったりする場合には承認され得るという拡大解釈が可能となるようにも読めます。
しかし、そのような運用が許されるならば、ほかに代わる手段がないという、その薬でなければ得られない有効性を期待するという必然性ゆえにその有効性を推定時点で許可するという、この緩和を行う理由が希薄になるのではないかと考えます。あるいは、恣意的承認を誘発することにもなり得るというふうに考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/23
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024・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 緊急承認制度の要件であります代替の困難性につきましては、国民への供給の観点も踏まえて判断することといたしておりまして、他の複数の医薬品が既に承認されている状況においても、治療の選択肢を拡大し、より安定的な供給に資するような場合等には緊急承認制度の適用が認められると考えております。具体的な適用対象の考え方につきましては、今後ガイドライン等でお示しをさせていただきまして、運用の適正化に努めていきたいと思います。
また、個別具体的な医薬品等の審査プロセスにおいて、審査報告書を当日ないし数日以内に公表いたしまして、新型コロナに関しては特設サイトで開発中の医薬品の情報を公開するなど、透明性、公平性の確保に努めることとしておりまして、議員御疑念のように、無限定に適用が広がることにはならないようにというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/24
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025・石垣のりこ
○石垣のりこ君 是非そのように運用していただきたいと思うんですけれども、四月十二日の衆議院の厚労部会における、あっ、厚労委員会における参考人質疑で、薬害オンブズマンパーソン会議事務局長、弁護士の水口参考人が、承認薬があっても、それは供給が全然追い付かないということがかなり明白に分かるとき、こういうときはあり得ると思いますと、明らかな供給量の不足については緊急承認制度の拡大承認があり得るというふうに言及されていらっしゃいます。
総理がおっしゃっていたように、治療の選択肢の拡大というのは、今回の改正の趣旨に照らすとあくまでも緊急時における承認という、この緊急性という点からするとやはりちょっと拡大解釈になり得るという懸念もございますので、今の大臣の御答弁のとおり、しっかりと運用の点で注意をいただければというふうに思います。
続いて、有効性の推定について伺いますが、緊急承認では第三相の治験が免除されるということで、有効性のところでは現行は確認だったものが推定に変わります。有効性の確認と推定、これどのように違いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/25
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026・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 緊急承認制度における有効性は、個々の医薬品等の性質に応じた判断が必要になりますが、その時点で入手可能なデータでは、有効性の証明の程度は通常承認に比べて相対的に低いものの、有効性があると合理的に考え得る場合を有効性の推定のケースとして想定しております。
例えば、治療薬について、いわゆる後期第二相試験程度の臨床試験において一定の有効性を示すデータが得られている場合には、他の関連する科学的知見も踏まえて有効性が推定できる場合があるものと考えております。有効性の推定が可能なケースとしては、治療薬については、いわゆる後期第二相試験程度の臨床試験等において一定の有効性が示されている場合が想定されますし、ワクチンについては、検証的臨床試験、第三相試験で発症予防効果を確認することが原則でありますけれども、第三相試験の中間解析等の段階で有効性を推定できる場合も想定されるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/26
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027・石垣のりこ
○石垣のりこ君 今いろいろな例示をいただいたんですが、詳しいお話をちょっと伺いたいと思いますが。
四月六日、衆議院の厚労委員会で、有効性の証明の程度が異なる、今の大臣の御発言ですと、相対的にと、あと個別のケースということも関係してくるんだと思いますけれども、有効性の証明の程度は確認に比べて相対的に低いものの、有効性があると合理的に考えられる場合に有効性が推定できるという場合があると考えているところと、これ医薬・生活衛生局長の御答弁でございますが、個々のケースという前置きはあるんですけれども、有効性があると合理的に考えられる場合の合理的判断の何らかの基準というものはあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/27
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028・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) お答え申し上げます。
先ほど大臣から申し上げたように、治療薬の場合には第二相でできる場合があるですとか、ワクチンの場合は基本第三相としての中間解析で示せる場合があるとか、そういうふうに今お答え申し上げたところですが、やはりその、何というか、個々の医薬品ですとか、その個々の疾病、対象疾患によって異なりますので、一律にということは正直難しいところでございますが、我々としては、その申請者から出された、提出に基づきまして、薬事・食品衛生審議会の専門家の意見を踏まえながら、今申し上げた医薬品の特性あるいは疾患の特性に鑑みて、入手可能なデータによって合理的だというふうに推定する場合を想定しております。
いずれにしても、具体的な適用対象の考え方につきましては、今後ガイドラインなどにおきまして示すことで、なるべく恣意的な運用ですとか幅が大きくならないような形で、医薬品の特性に応じたものだというふうに御理解いただけるようにしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/28
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029・石垣のりこ
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
では、緊急承認後の取消しについて伺います。
承認時に認められた有効性等が確認できない場合は速やかに承認を取り消すことができる仕組みがあるということなんですけれども、第三相における試験によって有効性についても推定から確定に変更されることが前提であるというふうに推定はしますけど、推測はしますけれども、速やかに承認を取り消すことができるというのは、有効性という観点から、第三相試験の結果を待たずに、その前にも行われる仕組みがあるということなんでしょうか。この第三相試験以外で速やかに取り消す手続というのがあれば、具体的にはどのような方法なのか、いつそういうことが行われるのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/29
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030・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 基本的には、先生から御紹介いただきましたように、この期限の間に第三相の試験を踏まえて判断するということとなりますが、あわせて、我々、第三相試験に併せてリアルワールドデータの提出も求めたりしますし、また、様々な形で市販後調査を行い、その結果というのも見ております。
多少、確かに一般的に、リアルワールドデータなど市販後に収集された情報から医薬品の有効性の評価というものは、どういったものを評価項目にするかというような課題はありますけれども、投薬による治療効果が明らかでない場合ですとか、アカデミアにおいて実施された臨床試験の結果から有効性が推定もされないということが明らかになれば、期限を待たずに、あるいは第三相試験の結果を待たずに取り消す可能性はあるというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/30
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031・石垣のりこ
○石垣のりこ君 結構まれな例、ケースかとは思いますけれども、リアルワールドデータ等を参考にしてそのようなことも可能であると。ただ、基本的には再度承認申請のタイミングまでであろうという御答弁だったというふうに認識いたします。
続いて、ファイザー社の新型コロナワクチンについてなんですけれども、これ、海外データのみで評価を行った場合、すなわち今回の緊急承認が制度としてもしあったならばという仮定の話だと思いますが、承認の時期は二か月程度早くなった可能性が資料等で指摘されております。
これ、モデルナ製ではどのぐらい早くなったというふうに推測されていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/31
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032・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 医薬品の承認に当たりましては、申請者から提出されたデータに基づきまして、専門家の意見も踏まえつつ総合的に審査することとしておりまして、緊急承認制度によってどの程度薬事承認が早期化されるかについては個々の医薬品の性質等に応じて異なるということでございます。
その上で、仮にモデルナ社の新型コロナワクチンに緊急承認制度を適用した場合、あくまで仮定の話ではあるものの、海外の第三相試験で顕著な有効性が得られているとの前提の下、海外データのみで評価を行った場合には最大で承認が五か月程度早くなった可能性があるというふうに考えられます。
なお、この期間については、日本の承認日と米国のEUAがなされた日の差を最大の期間として見積もったものでありますけれども、申請日や審査期間は事前の相談の有無や程度、申請データの整理状況、また追加試験の準備状況等により変わり得るために、必ずしもファイザー社のワクチンに比べてモデル社のワクチンの方が審査に長時間を要することを意味するわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/32
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033・石垣のりこ
○石垣のりこ君 また複雑な物言いで御説明くださったんですけれども、この二か月と五か月と差が出てくるわけですよね、お答えの中には。
審査そのものに大きな差があるわけではないということで、審査そのものだけを取り出すということになると、これは具体的にどのぐらい早くなったというふうに考えられるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/33
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034・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 審査そのものという場合でございますけれども、先ほど大臣から申し上げましたが、医薬品審査を行う際に、全くその白地でいきなり書類が来て始めるという場合はまれでございまして、むしろ事前に相談して、それこそ治験の段階から治験の開発、計画を相談し、どんなデータが出るのかとありますし、また、データが集まれば、通常はまとまってから出していただくことになりますが、今回のその特例承認の場合もそうでしたが、とにかく私どもとしても、早く承認したいと、した方が当然いいという考え方から、まとまった段階でデータを出していただくということによって審査をしていきますので、要は並行的なデータ、企業がデータを処理して申請する作業と我々の審査をする作業が並行すれば、当然、それを審査期間と言うかどうかということはありますけど、それは変わってきます。
また、データも、出されたものによりましては、分かりやすく言えば、明らかに、もう完全に効果が明らかであるとか、安全性が全くないという場合と、あっ、問題ないという場合と、多少そのデータについていろいろ様々な角度から検証をしたり他の論文を参照したりしなきゃいけないとか、そういった作業も発生します。それはデータによって異なります。
また、先ほど大臣の方から追加試験の状況を申し上げましたが、その審査の過程で、この承認する、あるいは今後承認した後に必要な試験はどうかといった検討も入りますので、一概に、単純にこの審査期間はどのくらい短くなるかということはお答えできないことについては御理解賜りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/34
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035・石垣のりこ
○石垣のりこ君 一概にではなくて、あくまでもファイザーとモデルナの話で今伺いましたので、具体的にファイザーのコロナワクチンに関しては、海外データのみで評価を行った場合、承認の時期は二か月程度早くなった可能性ということが示されていたので、ではモデルナの場合はどうだったんだろうかという、そういう疑問が湧き起こったということで、さらに、二か月と五か月ということで差があったものですから、具体的に今回の例えば緊急承認があった場合であれば審査そのものに掛かる期間はどのくらいであったのかという、そういう単純な質問でございます。
今のお話を総合すると、もちろんその今回の緊急承認を設けることによってそれなりに審査の期間というのは短くできるということはあると思うんですが、それと同時に、政府と製薬会社との交渉がやはり難航したりとかいろいろな課題が多かったりしたような場合にはそれだけの時間が掛かるわけですから、それも含めた承認までの期間というのを私たちというのは待っていなきゃいけない時間としてあるわけですよね。その中にこの五か月というのが含まれているのかどうなのかがちょっと今の一つの御発言の中でははっきりとはしなかったんですけれども、大体二か月ぐらいの早さで今回の審査が下りたであろうということを、今の私は御回答から推察をいたします。
その上で、緊急承認の医薬品を使用する際、先ほどの、今までのお話をまとめますと、患者さん、多く広く一般の方に対してもやはり丁寧な説明が必要だと思います。これまでの議論を踏まえまして、やはり緊急承認の医薬品であること、通常承認と大きな違いは有効性が推定であること、あと安全性に関しての記載も、同等の水準であるという説明ではなく、医療機関、患者の皆様への周知に対して、安全性に関してもより丁寧で正確な説明をしていただきたいということを改めてここでも申し上げます。
続いて、電子処方箋について伺います。
電子処方箋に関しては、個人的には、紙が少なくなることの煩雑性が減るというか、その利点を感じつつ、紙として物理的に手にできる形状でないとなかなか見ないという、そういう問題もあるかというふうに感じております。
これ、電子処方箋が導入されてもしばらくは紙での処方箋も継続するという御答弁がなされておりますけれども、紙の処方箋と電子処方箋と両方を同時に使うことというのは可能なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/35
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036・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) お答え申し上げます。
我々の御説明が不十分であったかと思うんですが、電子処方箋と紙の処方箋を同時に発行するということでございませんで、電子処方箋を発行する場合には、先生がおっしゃったように、紙で見た方が分かるですとか様々な御要望ございますので、当分の間、紙の控えを出すということでございますので、処方箋とは違うというものでございます。つまり、紙の処方箋か電子処方箋かのどちらか一方のみを発行できる仕組みというところになっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/36
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037・石垣のりこ
○石垣のりこ君 電子処方箋になった場合は、あくまでも紙は控えということなんですよね。ということで、そういう二重に治療薬を受け取るというようなことも基本的にはないというふうにお答えだったと思います。
電子処方箋が進んでいくと、私たちが使っているお薬手帳との関係も気になるんですが、お薬手帳に関しては、一般のもちろん紙のものもありますが、アプリなども今出回ってきております。今後、情報連携などもお考えになっているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/37
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038・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) お答え申し上げます。
電子処方箋、まずは運用開始を目指しているところでございますけれども、その特徴といたしまして、マイナポータルに患者さん御自身が、その御自身に処方された薬ですとか調剤の情報が閲覧できるというところはございます。一方、先生御紹介いただきましたように、電子版お薬手帳というものが広まっているわけでございますけれども、この両方をどう連携させるのか。電子処方箋の方は処方薬でございますけれども、お薬手帳の方は場合によってはOTCといった情報も入っております。
それが連携すればよかろうということで、我々としては、電子版お薬手帳を電子処方箋システムと連携して活用できるよう、具体的には、マイナポータルに載っている情報を患者さんお手持ちのお薬版電子手帳に情報を言わばダウンロードできるような形での連携を考えておりまして、そのためのガイドライン作りというものを今やっているところでございます。そうすれば、処方薬のみならず、一般用医薬品も含めた服薬情報の全体の把握、可能になりますので、患者さんの更なる健康増進、利便性向上に資するものというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/38
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039・石垣のりこ
○石垣のりこ君 患者さんの利便性が図られるのはいいんですが、やはり皆さんが懸念されているのは、このシステムの情報流出等の安全性だと思います。
今回の電子処方箋を推進するに当たりまして、厚生労働省は当初、今年の夏の運用開始を目指していて、この電子処方箋管理サービスを開発するための入札を始めたと。ところが、入札、昨年ですね、これ昨年七月の期日までに事業者からの入札はなかったという報道がなされておりましたが、これについて簡単に事実関係を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/39
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040・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) お答え申し上げます。
御指摘のとおり、昨年七月の支払基金における電子処方箋システムの開発に向けた調達におきましては、入札がございませんでした。その原因といたしましては、大手ベンダー各社が調達時期に別の大型案件に携わっておりまして、本件に人手が割けなかったというふうに伺っているところでございます。
その後、昨年十一月に改めて調達が行われまして、株式会社NTTデータが入札し、落札したというふうに承知しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/40
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041・石垣のりこ
○石垣のりこ君 この二回目の入札、一件しかなかったというのは本当ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/41
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042・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/42
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043・石垣のりこ
○石垣のりこ君 できるところがあったというのは良かったのかもしれませんけれども、結局入札が一件しかなかったということで、競合他社があって、それが競い合ってよりいいものを作っていくという競争原理の部分でも働かない可能性もありますし、入札は価格に関しては相応なものであったからこその落札だとは思うんですけれども、こういうシステム構築していかなきゃいけないという現状の中で選択肢がないというのは非常に今後懸念される事態だということは申し上げておきたいと思います。
以上、電子処方箋に関して、しっかりとやはりデータの安全な管理、これに関しては改めて申し上げます。
続いて、薬機法に関してからは少し外れますが、ワクチンに関連した質問をいたします。
現在、オミクロン株に対応したワクチンについて報道等で耳にすることはあるんですが、開発の状況はどうなっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/43
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044・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
オミクロン株に対応するワクチンの開発状況については、現在、ファイザー社やモデルナ社において人での臨床試験が行われているほか、ノババックス社においても開発に着手されているものと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/44
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045・石垣のりこ
○石垣のりこ君 これに関してなんですけれども、次々と出現するコロナの変異株に対しまして現在は初代の武漢型ワクチンを使用しているわけなんですが、様々な有効性もありつつ、やはり限界も指摘されております。
既に日本では四回目の追加ワクチンを購入したと、一億四千五百万回と報道で示されておりますけれども、今後の流行株に合わせてワクチンが開発された場合に、例えば今だったらオミクロン株対応ワクチン、開発の途中だということですが、この購入したものに関しての、有効性の面での交換というのは可能なんでしょうか。どのような契約になっているかということなんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/45
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046・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
ファイザー社やモデルナ社のワクチン、そして武田社のノババックスワクチンにつきましては、オミクロン株を始めとする変異株に対応するワクチンの開発に成功した場合には、既に契約締結済みの枠の中で供給を受けることも可能というふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/46
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047・石垣のりこ
○石垣のりこ君 供給の枠の中で変更も可能ということで、今後、より効能が期待されるものに可能だということで、という御回答だったということでございますが。
このワクチンに関してなんですけれども、もちろん、今四回目のワクチンの計画がなされているわけなんですが、資料の四枚目及び五枚目、御覧いただきたいと思います。
ワクチンの接種を進めていくということは大事な一方で、そのワクチンの効果というのが一体どういうものであるのかということに関しては、しっかりと皆さんに正しい認識を持っていただく、データに基づいた正しい認識を持っていただくということが非常に重要ですし、ワクチンの接種を推奨することにもつながっていくかとは思います。又は自己の判断の材料にもなると思います。
元ワクチン担当大臣の河野さんがこのようにお話しされています。三回目接種について、オミクロン株でも重症化する人がいる、軽症で済んでも後遺症で苦しんでいる人もいる、三回目までは若い人にも積極的に打ってもらった方がいい。これは全ての発言を書かれたものではなくて抜粋であるということも認識した上で申し上げますが、このように発言されていらっしゃる。
もう一つ、資料の五枚目になりますが、つい先日の日本呼吸器学会で行われました厚労省の後遺症に関する調査結果の発表でございます。新型コロナウイルス感染症で入院した人のうち、およそ一〇%は退院から一年たった時点でも後遺症を抱えている可能性があるというような調査結果が発表されました。これは中等症以上だったおよそ七百人を分析した結果ということで、最も多い症状は筋力の低下だと、分析対象者全体の七%ほどだったというような報道がなされております。
私も以前の厚労委員会の方で、是非、後遺症の件に関してしっかりと御調査いただきたいということで、第一弾といいますでしょうか、公に向けてのこのような発表がなされたということで、この知見も含めて、現場で後遺症を診ていらっしゃる先生方がたくさんいらっしゃいますので、その知見、リアルデータも含めて、後遺症で苦しんでいらっしゃる多くの方を一日も早くしっかりと医療に結び付けて、一日も早い回復が図られるように体制を構築していただきたいと改めて強く申し上げますが、その上で質問でございます。
この今二つの発言を見てみますと、このワクチンと感染ということに関して、及びワクチンと後遺症ということに関して、ワクチンを打つことによって感染しにくくなる、あるいはワクチンを打つことによって後遺症が軽減されるというような受け止めがなされかねないような報道がなされているんですけれども、この点に関して今厚労省が把握しているエビデンス、データがありましたらお示しいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/47
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048・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
まず、ワクチンの感染予防効果につきましてでありますけれども、これは、例えばオミクロン株に対します一、二回目接種による感染予防効果、これは経時的に低下することは知られておりますが、三回目接種により一時的に回復するということも、これはまた確認されているところでございます。
また、ワクチン接種した後にいわゆる感染、いわゆる後遺症といったものが発現しやすくなるのか、しにくくなるのかということでございますが、新型コロナワクチン罹患後の症状とワクチン接種との関係については、これはオミクロン株が出現する前のデータではありますけれども、ワクチン接種を二回受けてその後発症した方と、未接種でその後発症した方を、あっ、発症といいますか、感染した方を比較してみますと、二十八日以上発熱や倦怠感等の症状が続く頻度はワクチンを受けて発症した方の方が低いという報告も、これはランセットという雑誌でございますけれども、報告をされているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/48
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049・石垣のりこ
○石垣のりこ君 今の御回答に関して更に伺います。
予防効果は一時的に上がると言われました。その一時的というのはどのぐらいの期間であるのかということ、あと、今、後遺症に関しては、オミクロン株が流行する前ということで、オミクロン株が流行する前といいますと一月の前になりますから、ほとんどの方は三回目のワクチンを打っていらっしゃらないと思いますし、あと、その検査された、試験を受けられた方の数というか、対象になった方の数がどのくらいであるのか。
今もしお手元に資料がありましたらで結構ですが、それも含めて、今のお話というのは、これ重症化予防の話じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/49
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050・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) まず、最初の方に申し上げましたのは、いわゆる感染予防でございます。私の方で申し上げましたのは、ワクチン三回目接種後の感染予防効果、十四日から六十日までは七〇%まで回復するけれども、その後、六十日、六十一日以降四七%まで低下するというデータがございます。
また、もう一つの、そのいわゆる後遺症の方は、今我々の手元にありますのはオミクロン株が出現する前のデータでございまして、オミクロンが出てからのものというのは、やはり後遺症ですので一定の時間が掛かりますので、今のところ十分なデータ、今ないという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/50
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051・石垣のりこ
○石垣のりこ君 ということで、最初にお話しいただいたのは予防に関して御説明いただいたものと認識しております。
具体的な数字を示していただきました。十四日から、二か月後ですよね、およそ六十日で、の間では七割の感染予防効果がある。ただし、二か月を過ぎると半分ぐらいまで下がって、これも六十日以降という非常に、六十日以降は四か月後も五か月後も含めるのかというところはあると思いますので、これ正確な数字がどこまで出ているのかというのがあったら今教えていただきたいと思いますが、あくまでも半分ぐらいと。オミクロン株の前のお話で、あくまでもやっぱり重症化を防ぐ効果であって、後遺症に関してのデータはないという御回答をいただきました。
とすると、やはりここで後遺症の症状を出さない、若しくは後遺症を軽減させるためにワクチンの三回目の接種を推奨するというような御発言が散見されるのは、これは聞く側の事実誤認を招くということになりかねないと思いますので、この点、厚労省さんの方でしっかりとその辺の認識を持っていただいて情報発信をしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/51
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052・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 今、ワクチンの効果について、感染予防効果については三回目接種により一時的に回復することが確認されていると、そこは一致していると思います。
それから、オミクロン株が出現する前のものではあるものの、一応、新型コロナ罹患後の症状とワクチン接種との関係については、ワクチン接種を二回受けた方は未接種の方と比較して二十八日以上発熱や倦怠感等の症状が続く頻度は低下するという、これは査読済みの論文も出ていると。そういう形で今国際的には徐々に徐々にデータが積み上がってきている。
当初、分かりにくかったのは、ワクチンの効果、重症予防効果と発熱予防効果はあるけれど感染予防効果は余りないのではないかというのが当初の頃のワクチンの効果に対する認識でありましたけれども、徐々にいろいろなところでいろんなデータが出てくることによりまして、感染予防効果についても若干の効果が、重症予防効果に比べて低いということはあっても、そういう形で一時的に回復する。しかし、しばらくたってくると、八週間とかたってくると大分下がってくるというような客観的なデータが積み上がっております。
そういう意味では、国際的なデータも、そしてまた国内における専門家のデータも新しくなってきておりますので、我々としては、そうしたものを丁寧に分析して、そして専門家の皆さんの御意見もよく踏まえながら、最も的確な発信、最も的確な対応をしていく必要があるというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/52
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053・石垣のりこ
○石垣のりこ君 的確な発信、エビデンスに基づいた発信をしていただきたいと思います。
オミクロン株に関しては、やはり発症予防効果に関してはまだそんなにデータが集まっていないというか、逆に言うと、発症予防効果は、やはりオミクロンに関してはこれまでよりも更に低いのではないかというデータが出ているというふうに私自身も認識しておりますので、三回目打ったから安心だとか、かからないというような認識が広まらないように、厚生労働省としてはしっかりと発信をしていただきたいと思いますし、ちょっと時間がないので次回に譲りますけれども、改めて、何ゆえに四回目を若い方たちに勧めないのかということも、勧めないという事実だけが、発信だけが先に行っていて、それがどういう理由があるのか、三回目までは大丈夫だけど四回目が勧められないのはなぜなのかと、これは不安を抱く理由にもなると思うんですよね。その辺のちゃんとした御説明というのが非常に曖昧になっているなというふうに感じますので、この点しっかりとしていただきたいというふうに申し上げたいと思います。
最後に、ワクチンに関して。
ちょっと先ほど追加で質問すればよかったんですけれども、これまでのワクチン、もう使わなくなったものに関してキャンセルされたものもあるというふうに認識をしておりますが、このキャンセル料に関しては掛かっているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/53
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054・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) アストラゼネカ社のワクチンにつきましては、一億二千万回分を購入したものの、国としての供給を受ける必要がない分については供給を止めることが可能となっておりまして、同社と協議の上、既に約四千万回分はキャンセルをいたしました。
このキャンセルに伴いまして同社に対して日本政府から違約金を支払う必要はなく、既に支払済みの金額から四千万回分のために同社に生じた必要経費を除いた金額が日本政府に返還されるということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/54
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055・石垣のりこ
○石垣のりこ君 必要経費を除くということで、本当は金額も明らかにしていただきたいと思いますけれども、諸事情というか様々な点を考慮してということで、一切その点については公表されないということで残念ではありますが、キャンセル料はそのようなことであるというふうに承知いたしました。
この後もまた、薬機法に関しての審議、同僚の議員の川田議員の方から引き続き行いたいと思います。
私からの質問は以上です。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/55
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056・川田龍平
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。
まず初めに、通告していないんですけれども、大臣、マスク、これいつ外せるのかという、昨日新聞に載っておりましたけれども、このいつマスクを外せるかを個人で判断することは難しいという、マスク着用については、同調圧力というよりも、もはや社会規範として習慣化していると。専門家が緩和の提言をしないといつまでも続いてしまう、マスク着用により、子供が感情を読み取る能力の発達に影響する可能性、それから息苦しいので運動しなくなるなどの弊害もあると。
大竹文雄、コロナ対策分科会メンバーの方ですね、の方が言っているのは、同じ呼びかけを繰り返しても効果がないと、屋外ではマスクを外してもいいとメッセージを出してはどうかということも言われています。脇田国立感染症研究所長も、マスク着用によるコミュニケーション能力の低下や肌荒れ、熱中症などを踏まえ、感染予防効果はあるが副作用もある、屋外で人がいないところでマスクをする必要は当然ないと明言しております。
どういった場面でマスクをして、どういった場面でしなくてよいかということを、これ是非、大臣に明確に言っていただけないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/56
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057・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) マスクにつきましては、感染状況も踏まえながら、専門家の科学的な知見、御意見も伺いながら検討していく必要があるというふうに思っております。
新型コロナ感染症の感染経路というのは、飛沫、エアロゾル、そして接触感染ということでありますので、三密の回避、換気などと加えて、基本的な感染対策としてマスクの着用が極めて有用であるということは今の状況では言えると思います。ただ、その意味は、専門家からは、マスクを着けずに大声で長時間会話するような感染リスクの高い場面を避けることが重要であるという趣旨として言われているわけでございます。
例えば、屋外で非常に広いところでマスクを取っていいこととか、あるいは小さな子供が無理にマスクをする必要がないこと、そうしたことについてはこれまでも例えばアドバイザリーボードからも発信しておりますし、厚生労働省としてもそうしたことを発信しているつもりです。それから、例えば保育園等でマスクが必要かという議論を随分皆さんとさせていただいておりますけれども、そういうときにも、幼児がやっぱり表情を見ながらだんだんだんだんに人間として成長していく、そういうことの重要性だとか、あるいはマスクをしていること自身の危険性だとか、そういうことを考えなきゃいけないと、そのことは申し上げているということであると思います。
基本的に、マスクの着用を基本的な感染対策として、ゴールデンウイークにということでちょっとはしょってメッセージを出し過ぎている嫌いもあるのかもしれませんが、それは大人の皆さんが、例えばさっき言ったような、マスクを着けずに大声で長時間会話するような、そういう場面を避けていくことが有用であるという趣旨で、できる限り手を洗ったり換気をしたり三密の回避をしていただくことによって、今の感染を、それぞれの皆さんの注意によって感染が防げるということを申し上げているということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/57
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058・川田龍平
○川田龍平君 ありがとうございます。
是非、屋外でのマスク着用については、本当に広いところで、大人が広いところでマスクしなくても、自転車とか乗っている方なんかもいますけれども、それは排気ガスとか別の理由かもしれませんが、本当に必要のないマスク着用を必要ないところではしなくてもいいということのメッセージもやっぱり是非出していただければと思います。
前回、海外で臓器移植を受けた方の医師の応招義務について、大臣から、本件については医師の応招義務を一律に免除するものではないというすばらしい答弁をいただきました。この件、今日も聞きたかったんですが、ちょっとまだ答弁が、まだちょっと希望の答弁にはならないということですので、ちょっと今日はこの質問はしませんが、私、本当、今この海外で臓器移植を受けた方から個別にいろいろ相談を受けているんですが、やっぱりこれ、もう本当にどこかで、この倫理的な問題について、応招義務をやっぱりどこかでしっかりと守っていただかないと、本当に今、東大、あっ、言っちゃった、国立大学の中で、本当に、肝臓のお医者さんは診ているのに腎臓のお医者さんが拒否しているということで困っている方ですとか、市立大学とか公立大学、公立大学病院の方でもこれも今拒否されているとか、本当に個別のテーマでいっぱい来るんですが、ここ、どこかでやっぱり一律にやっぱりしっかりと、しっかり診るようにやっぱりしっかりしていただきたいというふうに思っておりますので、また次回以降、また質問させていただきます。
法案の審議に入りますが、この緊急事態制度、これを正当化するパンデミックの判断について先週の本会議におきまして代表質問でも質問いたしました。岸田総理からは、厚生労働大臣のみだけでなく、政府として総合的に判断していくことにしているとの答弁がありました。この点について、医薬品を緊急に承認していくという観点において、総理の答弁では手続が不明瞭であります。この適用判断手続についてはルール化することが重要であり、そのプロセスに沿って手続を進め、国民への分かりやすい情報提供が必要だと考えます。
適用対象となる医薬品についても政令で定めるということですが、適用となる医薬品とは具体的に、どの程度具体的に規定するのでしょうか。また、具体的にどのようなプロセスで適用対象となる医薬品を定めるのか。また、政令で定めた後、先ほども質疑で出ておりましたけれども、緊急事態が終了した場合にはその政令についてはどうされるんでしょうか。これについて大臣に改めてお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/58
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059・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 緊急承認制度は、緊急に使用する必要があって、他の医薬品での代替が困難な医薬品を制度の対象とすることといたしております。緊急に使用する必要性については、新型インフルエンザや新型コロナウイルス感染症と同等の疾病の蔓延状況及び感染者の急速な増加が確認された場合、医療提供体制が逼迫している場合等を想定いたしております。また、代替の困難性については、他に有効な医薬品が承認されていない場合に加えて、他の医薬品が既に承認されている場合でも、国民への供給の観点なども踏まえて判断することといたしております。
制度の対象となる医薬品につきましては、先般の本会議でも御答弁申し上げたとおりですが、政府全体として総合的に判断していくわけですが、具体的には、現行の特例承認制度と同様に、対象となる医薬品を政令で指定することとしております。その上で、個々の製品については、通常承認と同様に、PMDAによる審査や審議会での審議を経まして厚生労働大臣が承認の判断を行うことといたしております。
また、承認後の一定期間までに有効性の確認を求めることとしておりまして、当該期間内に有効性が確認できない場合など承認を維持することが適切でないことが判明した場合には、速やかに承認を取り消すことを想定いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/59
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060・川田龍平
○川田龍平君 ありがとうございます。
米国のEUAは、未承認の状況にある医薬品などについて、通常よりも有効性及び安全性についての裁量権を広げた運用により使用を許可する形となっています。日本においては、国民から信頼される形での承認ということで大臣は本会議で答弁されています。
少し言葉の意味を調べてみたのですが、承認とは、ある行為、事実に対して行政機関が肯定的意見を与えること、そして許可とは、法律、条例などで一般的に禁止されている行為を特定の場合、条件に限って解除することということで、まず、この緊急という条件で、すなわち一時的に使用を認めるということになれば、当然、今回この許可という言葉の方が適切ではないかと考えるんですが、さきの本会議において大臣も、本制度を国民に広く安心して、制度について分かりやすく情報提供、周知徹底して理解の醸成に取り組むということですが、そもそも論ですが、この許可と承認というこの言葉の意味が国民の皆さんに誤解を与えかねないのではないかと思います。
承認という言葉、これ、行政官庁のお墨付きをいただいたというふうに解釈する国民の方が多いのではないでしょうか。特に今回のような緊急時、有効性が推定される状況にあっては当然一時的に禁止を解除するので許可として、その後、期限内に改めて行う承認申請について検証的試験によって確認が取れて初めて承認とするのが本筋ではないでしょうか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/60
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061・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 米国のEUAは、薬事承認が未承認の状況にある医薬品等について、通常よりも有効性及び安全性について裁量の幅を広げた運用によりまして使用を許可する制度だと。一方で、我が国においては、安全な医薬品を市場に供給するように努めること、これはもう今先生から御指摘のあったとおりなんですけれど、行政や製薬企業を始めとする医薬品に関わる全ての者にとって基本的な責務であって、緊急時であっても国民から信頼される形での薬事承認が行われることが重要であるというふうに考えております。
そういう形で、安全性についての確認を前提としつつ、有効性について推定ができる場合に薬事承認を認めるという承認制度とすることといたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/61
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062・川田龍平
○川田龍平君 なかなかここの部分、改正することは難しいのかもしれませんが、やはり言葉の意味ではやっぱり許可の方がふさわしいのではないかと、こういうふうに思っております。
アビガンは新型インフルエンザ対策の備蓄用として承認された抗インフルエンザ薬ですが、催奇形性の危険性がある上に、新型コロナウイルス治療薬としての有効性が未確認であるにかかわらず、観察研究の仕組みの中で一万五千人以上の方に投与されました。新型インフルエンザ治療薬としても有効性が証明できず、流通に置かないことを条件に承認されたアビガンが、科学的な根拠も不明確なまま新型コロナ治療薬として使用されてしまいました。
アビガンを観察研究の枠組みで新型コロナウイルス感染症に広く使えるようにするということは、いつどこで決まったことなのでしょうか。アビガンのように安全性が担保されずに有効性も確認されていない中、実験的に使用されていくということはあってはならないことであると考えています。効果がない、副作用がないなど分かった場合、すぐ緊急承認を取り消すことが非常に重要になると思いますが、大臣の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/62
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063・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) まず、アビガンについてでございますけれども、アビガンについては、御指摘のとおり、新興インフルエンザですとか再興インフルエンザという既存の薬事承認された薬が効かない場合に備えてということで薬事承認を与えて、そして備蓄等もしたと。
それで、新型コロナが始まりまして、アビガンについては、観察研究ですとかあるいは特定臨床研究あるいは企業による治験という形での複数の研究に基づいて、それぞれ効能、効果あるいは安全性というものについて検証されたということで、それぞれその時々の国民の皆様の不安を解消できるように、国内外の企業、研究者の英知を集めて結集するという対応の中で決められたというふうに考えてございますが、御指摘のその緊急承認によって承認されたものについて、安全性に問題がある、あるいは有効性について問題があると、確認されないということになれば、それは先ほど御答弁申し上げましたように、速やかに承認を取り消すという仕組みになってございます。
具体的には、第三相試験というものを求めておりまして、加えて、リアルワールドデータなども活用しながら対応していくということを考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/63
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064・川田龍平
○川田龍平君 衆議院の厚生労働委員会でも議論になっておりましたが、平時における条件承認制度と緊急承認制度について改めて確認をさせてください。
条件付承認制度は、希少疾病用医薬品などで検証的な大規模試験の実施が困難な医薬品を早期に実用化するという観点から、安全性と有効性の観点を前提としつつ、大規模試験がなくても実用化できるというものであり、その有効性確認は基本は第三相試験であるが、ただし希少疾病では第二相で有効性が判断される場合があり、承認する制度と理解しています。
そして、この緊急承認制度は、緊急時の有効な医薬品を速やかに実用化するために、安全性の確保を前提に有効性は推定で承認するものと理解しています。条件付早期承認制度の適用を希望して申請をしたが、第三相臨床試験による有効性の証明ができない場合に、有効性の確認をスキップするために、有効性については推定でよい緊急承認制度が抜け道として利用されるといったことは制度の趣旨に反するものだと考えます。
今回の緊急承認制度では、パンデミックや原発事故、テロなど、大規模な事象のときであると認識していますので、緊急承認される医薬品は希少疾病用医薬品は対象外になると思いますが、厚生労働省の見解を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/64
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065・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 御指摘のとおり、希少疾患は対象の患者さんが少ないということが一つの要件でございます。
一方で、御紹介いただきましたように、緊急承認制度は、国民の生命及び健康に重大な影響のおそれのある疾病の蔓延等の防止ということが条件となっておりますので、通常考えれば多人数の方、大人数の方ということを対象としております。
したがって、希少疾病用医薬品がその定義に照らし合わせれば、対象患者は少人数であるので、基本的には緊急承認制度の対象としては想定しにくいというふうには考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/65
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066・川田龍平
○川田龍平君 今回、三年ぶりの薬機法の改正案ということで国会に提出をされました。
一点、前回改正に関係する質問をさせていただきます。
前回改正がなされたのは、令和元年の第二百回国会のときです。その際の改正事項の一つとして、新たに虚偽、誇大広告による医薬品等の販売に対する課徴金制度を設けました。これを踏まえて、参議院厚生労働委員会において付した附帯決議では、「新たな虚偽・誇大広告に対する課徴金制度についてその抑止効果の評価を行うこと。」という項目が含まれています。
この抑止効果の評価について、どのような形で行うのでしょうか。あわせて、いつまでに結論を出す見込みでしょうか。具体的な見通しについて御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/66
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067・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 委員御指摘の課徴金制度でございますが、令和三年八月から、虚偽、誇大広告の抑止を図るということで、実効性を確保するために措置として施行しているところでございます。
昨年の施行以降、この課徴金の納付命令を実施した事例はございませんが、御紹介いただきましたように、法改正時の附帯決議におきまして抑止効果の評価を行うということとされてございますので、本年度の厚生労働科学研究におきまして、製薬企業あるいは関係団体に対しまして課徴金制度の受け止めとか対応状況等の実態調査というものを行う予定でございますが、いつまでかということですが、ちょっとこれ、今研究始めて研究者の方々と調整しているところなので、現時点ではお答えできないということについては御了解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/67
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068・川田龍平
○川田龍平君 ありがとうございます。
このコロナ禍で注目された条件付承認の法制化も、そのときの改正によってなされました。当時、この厚生労働委員会で法案審査を行った際も、私も質疑に立ち、責任役員の変更命令の必要性や医薬品等行政評価・監視委員会の実効性担保策などについて追求をさせていただきました。
その際に、併せて再生医療等製品を対象とした条件及び期限付承認制度についても質疑をしております。再生医療製品の条件及び期限付承認においては、販売先を専門的な医師や設備を有する医療機関等に限定する条件や、原則として七年を超えない範囲内の期限を付すことが想定されており、承認を受けた者は、期限内に使用成績に関する資料等を添付して再度承認申請を行うことが必要となっています。
改めて、同承認制度にこのような条件及び七年を超えない範囲内という期限が設けられている理由を御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/68
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069・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 再生医療等製品については、御案内のとおり、生体の細胞を使うということで品質が不均質だということのために、通常の承認、医薬品で行っておりますような多数の症例を組み入れた臨床試験を実施し、その結果から統計学的手法により有効性を証明するということが難しいという本来的な性質を持つものでございます。このために、安全性を確保しつつも迅速な実用化を図るという観点から、やはり、有効性が推定された段階で承認するという仕組みを取っております。
そうしますと、有効性については推定でございますのでその確認が必要ということでございますので、先生から御指摘いただきましたように、その承認後に製造販売後の条件として使用症例全症例を対象とした使用成績調査を求めまして、そのほかの臨床試験成績と併せまして有効性を確認するという考え方に基づいておるものでございます。それで、仮に有効性が確認されなければ承認を取り消すということも考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/69
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070・川田龍平
○川田龍平君 この衆議院厚生労働委員会に参考人として出席された薬害オンブズパースン会議の事務局長、水口真寿美弁護士は、早期承認された問題の医薬品としてイレッサ、ゾフルーザ、ステミラック注、アビガンをめぐる問題があることについて言及されました。
このうちステミラック注は再生医療等製品として承認された製品のうちの一つであり、急性期の骨髄損傷に用いられます。これに対し、かつて科学総合誌ネイチャーから、二重盲検による比較臨床試験が実施されていないことから、有効性が十分に評価されていないにもかかわらず販売されているという批判がなされました。
この批判に対して厚生労働省は、ステミラック注は急性期の脊髄損傷の患者から骨髄を採取して幹細胞を培養して患者に戻すという製品であるので、二重盲検をやるということになると、被験対象者から骨髄を採取しなければ、プラセボ、つまり偽薬を投与するということをやって比較しなければならないことから倫理的に問題が生ずるというふうに考えており、二重盲検による比較試験ではないが、適切に設計された臨床試験の成績に基づいてPMDAにおいて審査をしているということについて反論を投稿し、掲載されたと委員会において答弁しています。そして、有効性については、上市後にデータをきっちり集める形で検証するとも答弁しているんです。しかし、本当にそのようなことが可能なのでしょうか。
当時の委員会でも指摘させていただきましたが、同様に条件及び期限付承認を受けた再生医療等製品であるハートシート、これは承認後五年以内に症例を集め有効性を調べる予定だったにもかかわらず、十数例しか集まらず比較試験ができないとして、承認期限が三年延長されることとなりました。
今回の改正により創設される緊急承認においても、承認時に付された期限内に改めて承認申請を行わなければならず、その際に医薬品の使用成績に関する資料を添付しなければならないこととされており、再生医療等製品の条件及び期限付承認と同様の仕組みとなっています。これでは、緊急承認においても必要な数の使用成績を収集できない事態になる可能性が考えられます。それで本当に有効性について判断することはできるのでしょうか。
今回の制度設計に当たり、従来の各種承認制度の安全性等に対する総括的な検証についてはどの程度なされたのでしょうか。緊急承認制度は条件付承認制度や特例承認制度より更に承認するためのハードルが低いのですから、当然、従前の各種承認制度による安全性の確認などについての課題の検証は必須と考えます。その検証について、創設に当たってどのように反映したのか、具体的に御教示ください。
また、ステミラック注について、その後、安全性、有効性についてどのような審査が行われているのか御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/70
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071・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) まず、御指摘の順番と逆でございますが、ステミラック注についての上市後のデータの収集状況についてお答え申し上げます。
まず、ステミラック注という商品でございますけれども、これは平成三十年十二月に承認されまして、御指摘いただきましたように、承認に当たりまして製造販売後の調査期間中の使用症例全症例を対象とした使用成績の実施を条件としております。その期限は七年でございます。現在、ステミラック注の使用成績や本品群の百九十八例、対照群四百十四例を目標症例として実施されているところでございまして、期限までには評価できるだろうというふうに考えているところでございます。
それから、この緊急承認制度の制度設計に当たって既存の承認制度の検証をどの程度行ったのかということでございますが、まず承認制度につきましては、今回の承認制度の設計に当たりましては、薬事食品、あっ、失礼、厚生科学審議会の下の制度部会というところにおきまして御議論いただいたわけでございます。
その際に、例えば御指摘の再生医療製品等の条件付・期限付承認については、今回設計した緊急承認制度と同じように推定であるんでございますけれども、有効性については推定ということにしたわけでございますが、その制度の目的は、品質が不均質であることに多数の症例を組み入れた臨床試験の結果から統計的手法により証明できないからだと。
しかし一方で、実用化を促進させなければならないといった制度設計の趣旨、目的、そして、そのような有効性の判断を取った理由などを考えましたし、また条件付承認制度におきましては、やはり研究開発の促進あるいは実用化促進の観点から、第二相の段階でも承認を可能とするんだけれども、やはりこれは製品の特性などを踏まえると有効性については確認だろうとかいうことを議論していただきまして、緊急承認制度につきましては緊急時に対応するということで、有効性は推定するものの、その後に期限内で有効性を確認する制度にするといった御議論をいただいて今般の提出に至ったところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/71
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072・川田龍平
○川田龍平君 これ前回の改正時の質疑でも御紹介しましたが、二〇一九年八月にはサイエンス誌が、各国で再生医療の製品化を争う中で、日本が経済的あるいは政治的理由で承認のハードルを下げてスピード承認した結果、それに追随する国が現れて全世界レベルで有害な結果をもたらしていると、日本の薬事行政を名指しで批判しています。
こういった批判に対する厚生労働省の受け止めについて、厚生労働大臣の御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/72
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073・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 御指摘の二〇一九年八月に掲載されたサイエンス誌の批判につきましては、今御紹介ありましたけれども、主に再生医療等製品の条件及び期限付承認制度について、厳密かつ大規模な臨床試験で有効性、安全性を評価すべきではないか、短期的な経済効果を期待して再生医療等製品の審査における有効性、安全性評価を犠牲にしているのではないかといった指摘等を受けたと承知しております。
これらの指摘に対しましては、再生医療等製品の治験実施に当たりまして、倫理的な問題等により厳密かつ大規模な臨床試験が実施できないものも存在している、再生医療等製品は不均質である等の特性によりまして、大規模な臨床試験の結果から統計的手法により有効性を証明することは困難ではあるものの、適切に設計された臨床試験の成績に基づき有効性、安全性の評価を行うことが可能と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/73
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074・川田龍平
○川田龍平君 また、緊急承認制度においても有効性が推定の段階で承認するということになりますが、そのような段階での承認について同じような批判を受けるようなことにならないか懸念いたしますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/74
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075・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 今般創設する緊急承認制度は、緊急時に迅速な承認を可能とする制度として、安全性は通常の薬事承認と同等の水準で確認することを前提に、その時点で入手可能なデータで有効性があると合理的に考え得る有効性が推定された段階で承認ができる制度です。
他方で、再生医療等製品の条件及び期限付承認制度における有効性の推定は、再生医療等製品の特性を踏まえた評価の困難性に基づくものであることから、緊急承認における有効性の推定の考え方とは異なっているというふうに思います。
そういう意味において、サイエンス誌の批判は緊急承認制度に対しては当てはまるものではないというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/75
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076・川田龍平
○川田龍平君 この緊急承認制度を適用する要件の一つに、ほかに代替手段が存在しない、代替の困難性があります。代替の困難性とは、ほかに有効な医薬品が承認されていない場合に加えて、対象となる感染症の治療に用いられる医薬品が既に承認されていても、承認されている医薬品のみでは治療法として十分ではなく、複数の治療選択肢が臨床的に必要とされている場合、国民への医薬品の安定的供給という観点から更なる医薬品が必要とされている場合、承認されている医薬品と比較して極めて高い安全性や有効性が見込める場合などの状況において承認が可能となるとされています。
しかし、示されたケースを見てみると、代替の困難性について相当に幅広く拡大解釈することができるのではないでしょうか。具体的な適用の手続はPMDAによる審査や審議会での審議を経て厚生労働大臣が承認の判断を行うとありますが、代替手段の有無を判断する基準はあらかじめ具体的に、かつ、どの程度まで示されるのでしょうか。
また、既に承認されている医薬品の供給量が少ない場合にほかの医薬品を緊急承認する場合、幾ら緊急時とはいえ、既に承認されている医薬品があるのですから、承認する条件、ハードルは上げるべきではないでしょうか。
さらに、初めからあった医薬品の供給量が十分に満たされた場合、後から緊急承認した医薬品の扱いはどうなるのでしょうか。
以上、厚生労働省にまとめてお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/76
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077・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 御指摘いただきました代替の困難性は、御紹介いただきましたように、今のところ事例としては三つほどございまして、まず安定供給ということで、既存の医薬品があったとしても十分に供給できない、あるいは安定的な供給が見込めないということも該当いたしますし、既に医薬品があったとしても、今度出てくる薬が極めて高い有効性があるというのであればそれは必要でございましょうし、あと、重症化とか適用が違えば、それはそれでまた新たな治療選択肢として必要になると、様々なことが考えられます。
そのことにつきましては、私どもといたしましても、今後ガイドラインなどで具体的にお示しして、さらに、個々の医薬品につきましては、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、審議会の審査報告書をすぐに公開する、あるいは議事録についても速やかに公開する形で、透明性の確保という形で運用の適正化というものを考えているところでございます。
また、具体的に御指摘のあった、既存薬の供給不足を理由に代替薬を緊急承認した場合、既存薬の供給が増加し、十分となった場合どうするのかという御指摘でございます。これにつきましては、供給というものは、そのとき十分であっても今後安定供給がどうなのか、その供給に不安を、不足をもたらした理由、供給に不安を、そのことがまた再現しないのかどうかも含めまして、感染の状況、あるいは既に後から供給したものが現場に広く使われているのかどうかとか、そういうことも含めて判断することになりますので、一概にこうだということは御説明できないことについては御理解賜りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/77
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078・川田龍平
○川田龍平君 二番目に今質問しました、条件についてハードルを上げるべきではないかということについてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/78
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079・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 失礼いたしました。
いずれにいたしましても、代替の、既存薬があった場合であっても、代替の困難性が該当すれば、もちろん緊急に使用するという意味ございますけれども、そうした場合には、緊急承認制度ということでございますので、ハードルといいますでしょうか、有効性、安全性が確認された段階で、有効性、あっ、安全性の確認を前提に有効性が推定された段階で承認するという考え方やプロセスについては同様にしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/79
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080・川田龍平
○川田龍平君 この緊急承認された医薬品等を使用される方のデータの収集の在り方について伺います。
衆議院の厚労委員会での参考人質疑において、東京医科大学の茨城医療センター病院長の福井次矢参考人が、緊急承認された薬を使う患者さんのデータは、悉皆性を持って全例について電子的にデータを蓄積する必要がある旨の御発言をされました。あわせて、非常に多くの患者さんに対して薬を使用すると、通常の方法で確認したときには見られなかったような副作用に相当するようなものが出てくるということは今までの歴史が幾つも証明していることだということもおっしゃっていました。
緊急承認された医薬品等を安心して使用するためには、実際に使用された際のデータを収集し分析する必要があり、なおかつ、より精度の高い分析のためには、緊急承認された医薬品等を使用した全ての患者のデータ収集をする必要があると考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/80
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081・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 新たに承認された医薬品は、緊急承認であっても通常の承認であっても市販後に広く使用されるわけですから、広く実臨床で使われることによりまして安全性に関する情報が、様々なことが明らかになることがございます。
したがいまして、今でも、通常承認におきましてもそうでございますが、メーカー、製造販売業者に対しまして医薬品安全性監視計画というものを出して、市販後のデータですとか、あるいは市販後の情報を集める体制、責任体制をつくるということを求めております。
それで、御指摘の悉皆性を持った市販後調査でございますけれども、やはりこれはその医薬品の特性や対象患者の数等を勘案する必要があるんだろうということでございまして、例えば希少な疾患や抗がん剤については全例調査を求めてございますが、そのときどの程度の市販後調査を求めるかというのは、医薬品の特性ですとかあるいは対象疾患、そして医療現場の使用状況というものを考えて判断してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/81
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082・川田龍平
○川田龍平君 それでは、新型コロナ感染症関連についてですが、四月二十一日のアゴラの記事で、名古屋大学の小島勢二名誉教授が、新型コロナ感染症の感染者の公表データについて論考されている記事が投稿されています。まず、厚生労働省の発表しているデータと国立感染症研究所が公表しているデータに違いがあると指摘をされています。
どちらも新型コロナウイルス感染症等情報把握・管理システムのデータに基づいているにもかかわらず、公表する感染者数に大きな違いがあることは、国民からの信頼を損なうことにもなりかねません。感染症研究所は国立であり、厚生労働省との連動は極めて重要であり、それぞれのデータを精査して見直し、整合性を取る必要があると考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/82
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083・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 御指摘のワクチン接種歴別の新規陽性者数について、厚生労働省と国立感染症研究所がそれぞれアドバイザリーボード資料として提出しているわけですが、集計した陽性者数が異なるということを承知しております。
HER―SYSデータは日々更新されておりまして、再現が困難であることから正確なことは不明でございますけれども、データの抽出時点が異なること、ゼロ歳から十一歳までの陽性者の集計方法が異なること、接種歴不明の陽性者の集計方法が異なっていることなどがこうした数字の違いの要因として考えられるということでございます。
今後、同様のデータを公表する場合は集計方法を統一するなど、可能な限り誤解のない情報を発信するように努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/83
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084・川田龍平
○川田龍平君 このワクチンの効果で重要なことは、その持続性の期間がどれくらいあるのかということだと認識しています。
しかし、先ほどの厚労省、感染研のデータを基に小島先生が論考した結果では、感染研のデータを解析したところ、六十五歳以上では二回目接種者は未接種者と比較してかえって高い感染率を示し、感染予防効果の逆転現象が見られたと分析されています。また、接種不明者の占める割合も高いことも、この正確な感染予防効果を算出することの妨げになっているのではないかと指摘されています。
今、この四回目のワクチン接種、追加接種を政府が準備している中、日本で正確に検証したワクチンの効果を国民に開示することが本当に急務であると考えますが、大臣の改めて見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/84
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085・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 先ほどのデータについては、それぞれ、先週と今週を比較するとか、遡って累積で計算するとか、あるいはエラーデータを抜いているかどうかとか様々、私もちょっと勉強をしましたら手法が違うということは分かりましたんで、そういう意味ではしっかりとそろえていくことにしたいというふうに思っております。
それから、HER―SYSのデータというのは、そういう意味でいえば、打ち込みを仕事、いわゆる仕事というと何かすごく冷たい言い方でいけないんで、診療の傍ら、本当に医療現場が厳しい中、あるいは関係者が本当に忙しい時間を縫って打ち込んでいただいている、そうした情報でもあります。
しかし、議論をして科学的に国民にも理解していただくためには、データがきちっと分かりやすく整理されているものであるということが必要であることは委員の御指摘のとおりだというふうに思っておりますので、そうしたことにしっかりと配慮しながら、今後できる限り進めていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/85
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086・川田龍平
○川田龍平君 米国で緊急使用許可が出されたファイザー社のワクチンに関してお伺いします。
今年になってから、この米国における裁判の結果、ファイザー社製ワクチンに関する四十五万ページとも言われるデータの開示が命ぜられました。このデータは市販後調査として集計された膨大な副反応や死亡例、後遺症などの報告であり、以前の私の質疑では、折しも日本でワクチン接種が開始された時期とも重なっていることの指摘をいたしました。しかし、厚生労働省からは、ファイザー社からの報告というものはなく、国内外の副反応の情報については報告することを求めるところであるとの受け身の答弁が返ってきました。
改めて確認ですが、これだけの接種後の症状に関するデータが存在したにもかかわらず、ファイザー社からの報告はなかったのでしょうか。いつ厚生労働省は、改めていつこのデータの存在を知ったのでしょうか。ファイザー社製ワクチンの接種が開始されてから既に一年以上の月日が経過しているところですが、これまでにファイザー社から報告はあったのでしょうか。確認させてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/86
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087・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) まず、御指摘のその米国におけるデータの、テキサス州の裁判でFDAが開示したデータというのは、先生御指摘と同じ頃に、我々もそのニュース等とか、あるいは先生の御指摘を踏まえ調べた結果でございますが、把握いたしました。それを踏まえまして、ファイザー社には確認いたしました。
それは、ファイザー社によりますと、まず、二〇二一年、昨年五月ですね、昨年の五月にFDAにファイザー社から提出された資料の一部ということでございます。また、その中に含まれている情報としては、二月、二〇二一年二月二十八日までの安全性に関する報告でございます。アメリカではファイザー社のワクチンは二〇二〇年十二月十一日に承認されましたので、二〇二〇年十二月十一日から二一年二月二十八日までの安全性に関する報告が載っていると、含まれているということでございます。
他方、日本におきましては、御案内のとおり、ファイザー社のワクチンは二〇二一年二月の十四日に承認いたしました。その二月の承認の際には、審査報告書を書いて、その中に当然、海外でのそれまでの市販後の安全性情報というものもメーカーから報告を受けて記載するわけでございますが、その中には、ファイザー社が月ごとにまとめている報告のうち、十二月一日から十二月三十一日、正確には十二月十一日から十二月三十一日までの報告、市販後の安全性の報告が含まれており、それを踏まえて我々の方では審査し、承認したところでございます。
その後、我々は、その市販後調査に併せまして海外のその副反応情報というものもメーカーに提出を求めておりまして、ファイザー社からは、二一年一月の市販後の情報、それから二一年二月の市販後の情報ということで、期間としてはその公開された資料の期間に重なるデータが出ておりますが、ファイザー社によれば、この公開されている資料と我々の方に報告した資料がどこまで重複しているかは不明というところでございました。
一方で、私どもは、繰り返し申しておりますが、副反応疑い報告は、日本だけでなく海外の情報も含めてメーカーから先ほど申し上げたような形で市販後情報を受けておりますので、それを踏まえて審議会においても評価いたしますし、また、その結果はホームページに公表しているというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/87
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088・川田龍平
○川田龍平君 このデータについて知ったのは私の質問で知ったということですが、その一部はしっかり受け取っていたということで、じゃ、よろしいということですね。それは公開はされたんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/88
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089・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 審査報告書、先ほど、日本では二月十四日に承認した際に審査報告書もまとめておりますが、その中には先ほど申し上げました十二月一日から十二月三十一日までのマンスリーレポートについて記載しておりますので、その情報については書いてございます。また、その後につきましても、必要な情報はホームページに公表しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/89
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090・川田龍平
○川田龍平君 その後の一月、二月のマンスリーレポートも全て公表しているということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/90
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091・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 済みません。一月、二月については全てではないと。これはやはり我々の方で、PMDAと我々の方で必要な情報という形でまとめたものだというふうに理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/91
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092・川田龍平
○川田龍平君 じゃ、その二月以降、三月以降のデータについてはいかがですか。それはデータをいただいているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/92
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093・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) ファイザー社からは、海外のその市販後情報について毎月提出を依頼して、提出をいただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/93
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094・川田龍平
○川田龍平君 それらの公表はしているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/94
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095・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) その都度、PMDAあるいは厚生労働省で、それを見た上で、先ほど申し上げましたように、定期的に開催する審議会に必要があれば適宜報告して、そしてホームページに公表しているというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/95
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096・川田龍平
○川田龍平君 ということは、報告していない場合もあるということですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/96
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097・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 報告していない場合というか、報告全て、得られた情報をそのまま出しているわけではないというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/97
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098・川田龍平
○川田龍平君 是非公開していただきたいと思うんですが、是非、そういった情報は国民にとって必要な情報なので、公開していただきたいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/98
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099・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 私どもといたしましては、資料を、基本的に膨大な資料を読み込んで、それをもって安全性に関するシグナルというものを導き出して、それで専門家に相談してその副反応等の状況を把握し、そしてそれで国民に発するということをしておりますので、今いただいた海外の情報につきましても、今後も同様にしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/99
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100・川田龍平
○川田龍平君 いや、この海外のデータすごい膨大なものだというのは分かりますけれども、やっぱりこうしたデータをしっかり国民に公開するべきだと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/100
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101・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 私どもの方では、繰り返しで恐縮でございますが、国内の副反応の状況、そして国外の安全性に関する情報も含めて評価して、専門家の会議に諮り、そしてその上で、その結果について国民の皆様に情報を発信したいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/101
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102・川田龍平
○川田龍平君 だから、そこでなぜ専門家を間にかませるんですかね。データをちゃんと出してくださいよ、公開して。データの公開をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/102
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103・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) この情報を踏まえまして、私では、先ほど申し上げましたように、副反応なり頻度、その状況を把握して一定の傾向があるかどうかということを見るわけでございます。そして、そのことを踏まえて、専門家の意見を踏まえた上で、例えば、必要があれば添付文書を改訂すると、そういった観点から収集しているものでございますので、今後もそういった形での利用を続けてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/103
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104・川田龍平
○川田龍平君 だから、大本営発表となってしまっているということで、ちゃんとしたデータの公表をした上で、そのデータの分析の結果、検証をしっかり行うことを更にするべきだと思うんですが、本当に、厚生労働省として、この今裁判の結果、データが公開されるということになって、今まで公開されていなかったものが改善されてきていると考えられますが、このデータの検証も含めて、やっぱり公開はしっかりしていただきたいと思います。
このワクチンの安全性については、人種の違いも無視できないことから、こうした海外のデータを分析することはもちろん、日本においても日本人の接種後のデータをきちんと検証すべきと考えますが、その取組状況、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/104
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105・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 国内外の市販後の副反応の情報でございますが、ちょっと繰り返しで恐縮でございますけれども、私どもは、製販、製造販売業者、企業に対して、PMDA、私どもの方に報告することを求めているところでございます。
そして、その副反応の疑い報告、副作用報告につきましては、定期的に開催する審議会において海外の情報も含めて評価した上で、そして、その都度ホームページに公表したり、場合によっては添付文書の改訂につなげるという作業をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/105
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106・川田龍平
○川田龍平君 是非このデータの公開をしっかりしていただくようにお願いしたいと思います。大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/106
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107・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 今局長から申し上げたとおりでありまして、我々、海外を含む副反応に関わる情報を収集してPMDAに報告することを求めているわけでありますし、それを定期的に、副反応疑い報告について定期的に開催している審議会においても海外の情報を含む必要な情報を提供した上で評価を行っていただいておりまして、その結果をその都度ホームページ等で公表をさせていただいております。
厚生労働省としては、引き続き、副反応に関わる十分な情報や国内外の副反応疑い事例の収集に努めるとともに、できる限り国民の皆さんに分かりやすく、そして透明な対応をしていきたいというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/107
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108・川田龍平
○川田龍平君 その厚生労働省が選んだ専門家だけのアドバイザリーボードの発表というのが大本営発表になっているということで、やっぱり市井のこの研究者の人たちにちゃんとデータを渡してほしいと思います。
それから、新型コロナワクチンの副反応については、四月四日の決算委員会の質疑において、ワクチン後遺症とも言えるような、コロナ後遺症に似た症状が出る副反応を取り上げました。その際、相談窓口の設置について求めたところ、厚生労働省からは、現在、各都道府県にその専門の相談窓口、それから、そういった方々がしっかりと医療につながるような医療の体制、これをお願いしているところである旨の答弁がありました。しかしながら、この相談窓口や医療機関について機能していない実態があるのではないでしょうか。
また、副反応に苦しむ方が、住んでいる地域によって大変な距離を移動してやっと相談できるという状態にあることは不適切であり、どの地域に住んでいてもすぐに窓口や医療機関にかかれるようにする必要があると考えますが、そうはなっておらず、偏在が見られるようです。
この相談窓口や医療機関について、各都道府県の中でも複数箇所に設置し、身近な地域で利用できるようにすることなどを厚生労働省も後押ししていく必要があるのではないかと考えます。そのためには具体的な支援が必要ではないでしょうか。大臣の考えを伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/108
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109・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 新型コロナワクチン接種後の副反応を疑う症状への対応については、昨年二月一日付けで通知を発出しまして、都道府県に対して医療体制の確保を求めているところでありまして、現在、全ての都道府県において専門的な医療機関を円滑に受診できる体制は確保されているものと承知しております。また、接種を受けた方が相談できる窓口についても、地域の実情に応じて設置されているものと承知しております。
それから、今先生から御指摘のありました相談窓口の設置に関する経費等についてでございますけれども、都道府県、市町村のいずれが設置する場合であっても、補助事業の対象として、原則として全額国が負担することによりまして支援を行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/109
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110・川田龍平
○川田龍平君 このワクチンに関して何らかの健康被害が生じた場合に備え、予防接種法に基づく健康救済制度が設けられています。これがあるから安心して接種を受けられるという国民もいらっしゃることでしょうが、しかし、先日の委員会でも述べたとおり、この健康被害救済制度は手続も複雑で患者の皆さんにもかなりの負担を掛けており、因果関係が分からないということで設定されないケースもあって、実際に救済を受けるのは非常にハードルが高い現実があります。
そもそも、幾ら副反応の相談窓口や医療機関を設置し、健康被害救済制度を設けたとしても、その段階の、その前段階の医療にかかる段階でワクチンによる副反応だと認めてもらわないことには被害救済にはつながりません。HPVワクチンにおいても、副反応被害者の中には医療機関において詐病扱いされるなどの経験を持つ方が少なくないのです。このような状況が新型コロナワクチンの副反応の被害者においても繰り返されるようであれば、幾ら制度を設けたところで無意味ではないでしょうか。
このように、新型コロナワクチンの副反応についても、HPVワクチンの副反応被害の対応における反省を踏まえて対応に当たるべきと考えますが、いかがでしょうか。大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/110
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111・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 先ほども申し上げたこととも少しダブりますが、新型コロナワクチン接種後の副反応を疑う症状への対応については、二月一日付けの通知で都道府県に対して相談窓口の整備や診療体制の確保を求めております。
また、ワクチン接種後に遷延する症状を訴える方や、そのような症状についての相談先や受診先について悩んでいる方が存在すること等の指摘を踏まえまして、本年三月二十四日付けで、希望される方が必要な医療機関を受診できるように、相談窓口の整備や療養体制の確保ができているかの確認と必要に応じた体制の見直しを都道府県に依頼しております。
また、本年四月四日付けで発出した通知においては、都道府県に、専門的な医療機関の名称等を公表することについて、各都道府県内の関係機関との調整を依頼もしているところであります。
このような取組によりまして、今後より一層整備した相談窓口や信頼体制、診療体制が機能すると考えておりまして、周知等にしっかり取り組んでいきたいと思います。
また、ワクチン接種後の健康被害の救済については、医療機関向けの手引きや厚生労働省のホームページ、接種の案内のリーフレット等によりまして、医療機関や接種を受けられる方に対する予防接種健康被害救済制度の周知を行っておりまして、引き続き市町村と連携しながら周知に努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/111
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112・川田龍平
○川田龍平君 このワクチンの副反応の報告について、以前は医療機関か企業からの報告に限られていました。しかし、現在は、患者やその家族からの医薬品等による副作用の報告をPMDAが受け付けて厚生労働省へ報告する制度があります。
PMDAのホームページに掲載されている患者副作用報告、試行のまとめ、今後についてという資料によると、この制度は、薬害肝炎検証検討委員会の提言で患者からの情報を安全対策に生かす仕組みの創設の必要性が述べられたことや、厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会の平成二十四年一月の報告書において、患者から得られた副作用情報を活用すべきとされたことを受け、平成二十四年に試行的に報告の受付を開始した後、平成三十一年三月二十六日から正式に実施されているとのことです。
患者からの副作用報告を医薬品等の安全対策に役立てることができるこの制度は大変重要な制度です。しかしながら、この制度について国民に広く知られているとは言い難いのではないかと感じます。安全対策において、患者の視点も取り入れることで、より正確なリスク評価につながります。このことからも、広く副作用に関する情報を収集する必要があり、そのためにはより一層この周知、広報を行う必要があると考えますが、いかがでしょうか。同制度の周知に関するこれまでの取組、同制度の活用状況、今後の課題などについても御説明お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/112
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113・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 御紹介いただき、ありがとうございます。今先生からお話しいただいたような経緯、そして目的を持ちまして、この患者からの副作用報告、患者自らが直接報告できる制度を、仕組みを構築したところでございます。
この報告制度は、PMDAのホームページのウエブ上、ホームページに、患者さん自らがアクセスして報告する仕組み、もちろん郵送も可能でございますけれども、そういう仕組みでございます。これまで、政府広報ですとかあるいはSNSを使った周知活動などで皆さんに知っていただくような努力をしているところでございます。
活用状況というところでございますけれども、二〇一九年は百四十八件、二〇二〇年度は百二十六件でしたが、恐らくそのワクチン、コロナのワクチンが増えたということもありまして、二〇二一年度は千四百九十一件の報告がございました。
我々としては、その結果につきまして、審議会に先ほど先生がおっしゃった医療機関からの報告あるいはメーカーからの報告に併せて報告いたしまして、必要があれば安全対策の情報として使っているというところでございます。
ただ、今後、やはり患者さんからの情報を踏まえて、どう副作用情報等安全情報を集めるかということが課題でございますので、患者様から、患者さんからアンケートを取って、もう少し使いやすくするにはどうしたらよいかなど、システムの使いやすさの改善ということを考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/113
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114・川田龍平
○川田龍平君 それでは、ちょっと質問飛ばして、今日、経産省さん来ていただいておりますので、最後に、現在政府が実施を検討しているイベントワクワク割について伺います。
経済産業省の運営するホームページによると、本事業は、昨年十一月に閣議決定された経済対策に基づき、ワクチン接種者又は検査陰性者を対象にイベントチケットの二割相当分の割引支援を行うこととしています。
私も、新型コロナウイルスの感染拡大により甚大な被害を受けている文化、芸術などのイベントを支援すること自体に異論はありません。しかし、その方法として、ワクチン接種の有無を用いることについては慎重な検討が必要ではないでしょうか。
ワクチン接種は、原則として努力義務が課されているものの、あくまで個人の主体的な判断に基づくものであり、接種をするしないについてその良しあしを言われるものではありません。しかし、国がワクチン接種者を優遇するような枠組みを用いることは、ワクチンを打たない、打てない人に対する差別を助長するおそれがあります。また、第六波の到来により、ワクチン・検査パッケージの活用が感染拡大防止にどれほど効果があったのか、いまだ実証できないままです。ワクチンのオミクロン株に対する感染防止効果も低下しています。こうした反省もなく、本事業においてワクチン接種の有無を用いることは、どれほどの正当性があるのでしょうか。
イベントワクワク割については、ワクチン接種の有無ではなく、専ら検査が陰性であるかどうかを用いるべきと考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/114
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115・山田宏
○委員長(山田宏君) 時間ですので、お答え簡潔に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/115
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116・澤井俊
○政府参考人(澤井俊君) お答えいたします。
新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針におきまして、政府は、イベント等の活動に際してワクチン接種歴や陰性の検査結果を確認する民間事業者の取組を推奨することとされてございます。これを受けまして、この事業におきましても、この基本的対処方針等を踏まえまして、ワクチン接種者だけでなく、接種しない方でも陰性の検査結果がございますれば、イベントチケットの、チケット価格の二割程度を、二割相当を割引支援することといたしております。
こうしたことにより、消費者の皆様が安心してイベントに参加できる、こうした環境をつくるということが本事業の目的でございますので、ワクチンの接種者と、それからその検査結果を持っている方、その両方を対象としているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/116
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117・川田龍平
○川田龍平君 時間ですので終わりますが、法務省、内閣官房の方、申し訳ありませんでした。今日、またあさって、また続きをさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/117
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118・山田宏
○委員長(山田宏君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
午後零時五分休憩
─────・─────
午後一時三十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/118
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119・山田宏
○委員長(山田宏君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、和田政宗君が委員を辞任され、その補欠として柘植芳文君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/119
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120・山田宏
○委員長(山田宏君) 休憩前に引き続き、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/120
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121・藤井基之
○藤井基之君 自由民主党の藤井基之でございます。議題となっております法律に関係して御質問させていただきたいと思います。
まず、新型コロナウイルス感染症の現状認識について確認をさせてください。
今回パンデミックの原因となっているウイルス、SARS―CoV―2ですが、SARS―CoV―2、これは感染の波が繰り返して訪れるのでその収束はいまだ見通せない、ある意味で厄介なウイルスだと言われております。
二〇一九年十二月、中国武漢でその感染症が発症報告が出て、もう既に二年以上の月日がたっております。感染症対策、切り札と言われているワクチンの接種が進んでいるにもかかわらずであります。
直近では、昨年末からオミクロン株による感染が拡大しまして、二月初めには一日の新規感染者数が十万人を超えるまでとなりました。その後、減少傾向となり、全国三十八都道府県まで拡大して適用されていたまん延防止等の重点措置、これは三月の二十一日をもって全て解除されました。
しかしながら、その減少のスピードは意外と緩やかなものでありまして、地域によっては再び拡大傾向を示すなど、一部に第七波の到来が懸念されるという状況にもあります。
他方で、昨年、東京オリンピック前にデルタ株による感染拡大した第五波は、秋になりまして急速に収れんして収束いたしました。このことに関しては、昨年の十二月十六日の参議院の予算委員会におきまして、ワクチン接種も進んだし、集団免疫を獲得できているのではないですかとの考え方に対する見解をお尋ねしましたところ、厚生労働大臣からは、国民の多くの御協力、そして複合的な要因であろうと思います、集団免疫を獲得できたかどうかの専門家の判断はいまだなされておりませんとのお答えでございました。
改めてお伺いしたいと思います。第五波が急速に収れんした理由というのはどのように政府はお考えなのでしょうか、それは集団免疫と関係するものなのでしょうか、どうでしょうか。お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/121
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122・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
昨年の夏の感染拡大の波の収束に至った要因につきましては、厚生労働省のアドバイザリーボードで去る四月六日、専門家から改めて評価をいただいております。この中では、挙げられていますのは、まず、ワクチン接種及び自然感染による免疫の獲得、それから感染拡大時の接触機会の減少などが挙げられているところでございます。
ただ、集団免疫獲得かどうかという御質問ございましたけれども、これADBからの御指摘では、免疫の獲得によって一時的に大規模なクラスターが起こりにくい状態が生まれた可能性が去年の秋あるけれども、こうした状況は人々の行動パターンの変化によって再流行が起こり得る、集団免疫というものではなくて、一過性の集団的な免疫という仮説があるそうでございまして、そういうものではないかというお答えもいただいております。人口の一定割合以上の方が免疫を持つと感染患者が出ても他の人に感染させにくくなるということで、感染症が流行しなくなるという集団免疫とは異なるものではないかという御指摘をいただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/122
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123・藤井基之
○藤井基之君 ありがとうございました。
専門的にはそういうふうな御判断なのかもしれませんが、一般的な見解としては、一過性でも集団で免疫ができれば集団免疫というのかなと私は個人的にそう思っていましたので、今の回答は了解をいたします。
続いて、この第六波のピークなんですが、もうピークは過ぎたと、こう言われているわけですね。そうすると、この第六波というのは、第五波のときとこの感染の拡大、また収束に対して何がどう異なったというふうに考えられているんでしょうか。例えば、この第六波がオミクロン株であるし、その変異亜種であるBA.1だとかBA.2とかあるいはXE系統とか、これらの出現があったための影響か、あるいはまた、もう一つ指摘されているのが、地域格差があるんじゃないかとも言われているんですね。
この地域格差というのはどういう原因で、我が国における、そんなに大きな国土とは思いませんけれど、県によってかなりの発生数、患者の発生が違うというふうになっている、その辺についても見解がありましたら教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/123
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124・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
先ほども申し上げましたとおり、昨年の夏の感染拡大は、多くの市民の方や事業者の感染対策への協力、あるいは、そしてワクチン接種率の向上により収束に至ったという御評価いただいているわけですが、現在は昨年夏のピークよりも高い感染状況が続いております。
同様に、厚生労働省のアドバイザリーボードでの分析では、この高い状況が続いている要因としましては、最近までの感染者、あっ、済みません、接触機会の、様々な接触機会の増加と、それからもう一つはBA.2系統への置き換わりということが強く影響していると考えられるというふうにされております。
また、地域格差について御質問ございましたけれども、これにつきましても、大都市圏を中心に感染の減少の動きが見られる一方、増加が続く地域もあり、地域により感染状況の差異、推移に差が生じているわけですけれども、これは、これまでの感染による免疫保持について地域の発生動向に影響する可能性があるのではないかという御指摘もいただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/124
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125・藤井基之
○藤井基之君 ありがとうございます。
政府は、第六波の速やかな収束に向けて特にワクチンの三回目の接種を迅速に実施していきたいということで、今精力的に活動されていると思っています。
次、これ昨日ですか、おとといぐらいの数字ですか、官邸が発表した数字によりますと、三回目の接種がようやく対象者の五〇%を超えたんだというふうなデータが出ておりまして、これまでの努力を多としたいと思いますが、依然としてまだ五〇%だといえば五〇%なんですね。特にこの三回目の接種には、どちらかというと若い方々の接種率が低いというふうに言われております。
そして、この三回目の接種がそのような状況の中でいろいろと指摘されているのが、四回目の接種の必要性があるのではないかという意見もございます。四回目の接種をやっている国としては、例えばイスラエルなんというのは四回目の接種をやっているわけですが、我が国においてこの四回目の接種の実施について政府としても検討されているということで、これも昨日ですか、ニュースで見たんですけど、高齢者の方とか基礎疾患を有する方については四回目の接種が好ましいというような判断をされているというやに聞きまして、四回目の接種に対する厚生労働省の見解を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/125
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126・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
新型コロナワクチンの四回目の接種につきましては、これは先月三月二十四日の厚生科学審議会において議論を開始していただいております。この際には、ワクチンの有効性、安全性、それから効果の持続期間等に関する最新の科学的知見を踏まえて引き続き検討することが適当とされたところでございます。
また、昨日、二十五日になりますけれども、に開催されました薬事・食品衛生審議会におきまして、現在用いられている、現在得られている有効性、安全性に係るデータ等を踏まえ、ファイザー社及びモデルナ社ワクチンの追加接種の用法、用量における添付文書の注意事項として、四回目接種についてはベネフィットとリスクを考慮した上で、高齢者等において、三回目の接種から少なくとも五か月経過した後に接種を判断することができることが確認をされております。昨日の結果を受けまして、本日、両ワクチンの添付文書が改訂されたところでございます。
次回の厚生科学審議会でございますけれども、こちらは明日、四月二十七日の開催を予定しております。引き続き、こうした添付文書の改訂も踏まえまして、四回目の接種の在り方について更に具体的に検討を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/126
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127・藤井基之
○藤井基之君 ありがとうございます。
今局長の御答弁なかったんですけど、今回この四回目の接種について、その間隔といいますか、それが今まで六か月間の間隔というふうに言われていたんですね。これ五か月間とかというふうに報道があったようなんですけど、今回、四回目の接種については間隔は五か月というのを原則にされるんですか。それはもう決まっている話でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/127
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128・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
予防接種法上の位置付けについては、明日、四月二十七日の厚生科学審議会での議論を踏まえてという形になると思います。
私が今申し上げましたのは、薬機法上の位置付けとしては、五か月経過した後に接種を判断することができるというふうに判断が示されたというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/128
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129・藤井基之
○藤井基之君 現在、国内では、承認されたワクチン、御存じのとおりですが、ファイザー社のもの、モデルナ社のもの、そしてアストラゼネカ社の、そしてつい先日、四月の十九日に承認されましたノババックス社の、これは武田薬品工業が国内で製造、供給するということで、我々としては非常にある意味での期待感が高いわけですが、そのほかにもワクチンについて言うと薬事申請がなされている製品もあると伺っています。
ただし、日本国内においても、例えばメッセンジャーRNAワクチンであるとか組換えたんぱくワクチンなど、海外で開発されたワクチンと同様の技術、これを目的とした、用いたワクチンの開発、これ進められているわけですね。ただし、残念だけど、実用化に至ったものが実は一つもないんですね。もっと言いますと、薬事申請に至ったものもない。
このような状況にあるわけですが、海外企業等々と同様の技術を有しながら、国内のワクチン開発がなぜ遅れているのか、その理由はどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/129
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130・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
新型コロナワクチンを国内で開発、生産できる体制確立しておくことは危機管理上も極めて重要であると考えております。
このワクチンの開発に関しまして、昨年六月には、ワクチンの研究開発や生産体制を大きく前進させるため、政府が一体となって長期継続的に取り組む国家戦略としてワクチン開発・生産体制強化戦略が閣議決定されたところでございます。その中では、ワクチンの開発が遅れることとなった一因としては、例えば、ワクチンの製造設備投資のリスクや、それから企業による研究開発投資の回収見通しの困難性が指摘されているところでございます。
このため、厚生労働省としては、ワクチンの開発、生産に取り組んでいる国内企業に対しまして、生産体制の整備への補助や、あるいは有効性を検証する臨床試験の実施費用に対する補助などの支援を行っているところでございます。
引き続き、ワクチンの迅速な開発、生産に必要な環境整備あるいは支援を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/130
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131・藤井基之
○藤井基之君 今理由の一つとして挙げられました、いわゆる設備投資等への投資に対する回収の困難性というお話がございました。
ただ、今回、今このコロナワクチンで世界をリードしていると言われる例えばファイザー社あるいはモデルナ社の、この二社の例えばワクチンの売上高というのはすごい額なんですね。例えば、会社の決算報告を見ますと、二〇二一年、ファイザー社は三百六十八億ドル、モデルナは百七十七億ドルというのが一年間の売上げだということ。そうすると、これだけの巨額の売上げをすれば、回収なんというのはもう本当に利益を乗っけて返ってくるぐらい大きい。
とすると、先ほどの局長の説明によると、日本の企業環境はそういう見通しが立たなかったと、そういうことを意味しているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/131
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132・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) 個々の会社の御判断はそれぞれあるかと思いますけれども、特に感染症の場合には、一般にいつ発生するか分からない、また、感染症が収束してしまえば医薬品のニーズがなくなってしまうというようなことがございますので、そういった将来見通し、営業についての見通しを立てるということがなかなか難しいということが、特に製薬企業にこの感染症の分野に入ってくることのちゅうちょさせている原因になっているということはあると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/132
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133・藤井基之
○藤井基之君 ありがとうございました。
今ワクチンの開発が遅れたというお話を伺ったわけでございますが、実はこのワクチン同様に、この治療薬の開発、これもかなり欧米に後れを取っていると言わざるを得ないんじゃないかと思います。
このコロナ感染症に対して、例えば新たに開発されて日本で特例承認等を受けた、例えて言うとエボラ出血熱に対する治療薬として開発されていたレムデシビルというお薬、これは日本においても最初に特例承認を受けたわけですね、令和二年だったと思います。その後、幾つかの例えば中和抗体薬と言われるお薬が認可を受けております。そして、それに加えて、いわゆる抗ウイルス薬というんでしょうか、RNAポリメラーゼ阻害薬であるとかプロテアーゼ阻害薬というようなお薬が出て、そしてこれらが国内でも開発された。
これについて言いますと、国内においては、この治療薬については塩野義製薬が本年二月に抗ウイルス薬の申請をしたというふうに報道されております。まだ審査の結果は出ておりません。これはどうなっていますかと聞いても多分お答えいただかない、多分もらえないと思いますので、今審査中だろうと思っておりますが。
国内における新型コロナウイルス感染症治療薬の開発が遅れた理由、これはどういうふうに考えられていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/133
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134・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
治療薬を、これも感染症につきましての治療薬を国内で開発、生産できる体制確立しておくことは安全保障上も極めて重要かと思います。
ただ、ワクチンと同様ですけれども、感染症につきましてはいつ需要が発生するかどうか分からないというようなことがございますので、治療薬におきましても、例えばがんや高血圧、そういったもの、永続的にニーズがあるものとは違う状況がありますので、こういったことが企業をちゅうちょさせている理由の一つにはなっていると思います。
厚生労働省では、新型コロナを含む新興・再興感染症の治療薬等の研究開発につきましては、まずAMEDを通じた事業で支援を行っております。こちらについては、基礎研究から臨床試験の早い段階の支援を行っております。令和三年度の補正予算では、新たな作用機序等による治療薬開発研究に五十億円措置したほか、新型コロナウイルス感染症に対する治療薬等の確保及び疫学調査の推進に関する研究開発に五十億円を措置しているところでございます。また、令和三年度の補正予算でも、新型コロナの治療薬等の研究開発の支援に七十億円、また、今後流行し得る既知の新興感染症や未知の感染症に対する治療薬の研究開発の支援に三十億円を措置しているところでございます。
また、これに加えまして、新型コロナの治療薬の実用化に当たって必要な治験等を進めていく上での課題に対応するために、治験参加医療機関の治験業務や、あるいはその製造販売業者の薬事承認までの業務に係る費用の補助をする仕組みをつくっておりまして、令和二年度補正予算で七十億円、令和三年度補正予算で五十六円を確保しているところでございます。
さらに、治験を加速するための緊急追加支援のため、令和三年度の予備費におきまして百五十億円を追加で措置したところでありまして、当該予算措置において、四月の二十二日になりますけれども、既に補助対象として採択されている二社について緊急追加支援を行うこととしたところであります。具体的には、塩野義製薬株式会社に最大で六十二億円、それから興和株式会社に最大で五十三億円の追加支援を行うこととしております。
引き続き、国内企業が開発する治療薬の研究開発などを積極的に支援するとともに、治療薬の確保に最大限取り組んでいきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/134
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135・藤井基之
○藤井基之君 かつて日本においては、今お話があったけど、その状況とは大分違った状況があったわけですね。感染症に対する薬で特に抗生物質等々というと、日本からかなりすばらしい優秀な抗生物質が世に出ている。そして、それだけの研究力もあったし、その製品によって治療界は非常に恩恵を受けたわけです。そういった流れが、もしも今のコロナ薬に対する開発が遅れている理由が、そこで途切れているとしたら非常に残念なことでなりません。
その継続的な研究を行われるような、今、研究費の助成等のお話もいただきましたけど、この種の助成というのは単年限りの助成では続かないですね。ですから、やはりある程度永続的な支援を持っていなければいけないし、そして、その永続的な支援というのは、緊急時といいましょうか、まさに有事のときだからこれは今すぐやらなきゃいけないというのもそうですけど、これ、平時のときにあってもそのような支援というのは続いていなければ、ある日、必要なときというときに役に立たない。この辺は皆さんの方がよく知っていると思いますが、そのような配慮をして支援を続けていただきたいと思っております。
先ほど、ワクチンについて、新しく四品目めとなるノババックス社製のワクチンが武田薬品で承認申請されましたというお話をいたしました。これまで使用している四つの製品、これ全て海外のEUA、あっ、済みません、三つですね、ファイザーとモデルナとアストラゼネカ、これ全て海外でのEUA等を基にして特例承認をされている。ところが、今回認可されたノババックス社のワクチン、これは通常承認が付されております。
これまでの三社のワクチンが全て制度的に言うと特例承認です。ところが一方、このノババックス社のワクチンは通常承認で承認を下ろしている。これはどういう理由でこの製品だけ通常承認になったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/135
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136・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) お答え申し上げます。
御案内のように、特例承認制度は、日本と同等の水準の薬事制度を有する外国で販売等されている医薬品に対して与えるものでございます。
まず、このノババックス社のワクチン、具体的に、日本では先生御紹介いただきましたように武田薬品工業が開発を行うわけでございますが、武田薬品が薬事申請したのは昨年十二月の十六日でございます。実はこの時点で、アメリカあるいはEUにおいてノババックス社のワクチンについては承認されていなかったということでございます。したがいまして、特例承認制度の適用の対象にまずならなかったということで、通常承認を前提として武田薬品工業は申請してきたと。
それからもう一点でございますが、特例承認のメリットというか、承認を迅速化するものとしてGMPの猶予ですとかがあるわけでございますが、実は、先ほど外国では承認まだだと申し上げましたが、EUにおきましては、十二月二十日、十六日の申請の後に十二月二十日にEUにおいて条件付承認されましたので、何というんでしょうか、資格を得たという感じになるわけでございますけれども、実はこのノババックス社のワクチン、武田薬品工業が国内工場で生産するということでございまして、武田薬品においては生産体制の整備が進められておりまして、それで、その工場における品質データも追って提出されるというものでございました。
したがいまして、必要な品質データがそのときになかったということがございますし、さらに、そうした形で国内工場での品質の確保のための整備が進んでいたものですから、GMP調査なども行う時間的余裕もございました。さらに、国内生産でございますので、容器包装の特例ということも不要でございました。
したがいまして、武田薬品工業の方から特例承認の適用に関する特段の希望もなかったということで、通常承認のプロセスの中での審査と。ただ、コロナの関連ということで迅速かつ優先に審査をしたと、そういうところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/136
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137・藤井基之
○藤井基之君 一応理由は分からないわけじゃないんですけれど、国内で作っているからそうならなかったと言うのならば、その前に認可を受けているアストラゼネカ社の製品だって国内で作っているわけですよ。ところが、これも特例承認でやったわけですよね。
ですから、それは確かに企業側の考え方があるのかもしれませんが、何か今回のだけが、別にそんな、どのような承認であろうと、患者さんにとってはいい製品が供給されて、それがワクチンとして使われればそれにこしたことはないわけです。ただ、このような研究開発をしたり申請などに関わっている人間にとっては、どういう手続でこれが認可されたという非常に関心が高いところなんです。ですから、今回、今、なぜノババックス社が通常承認になったかということをお尋ねさせていただきました。ありがとうございました。
今回、緊急承認制度が導入されようとしているわけでございますね。この意義についてはもう種々説明をいただいておりますし、私もこの席でそのような方向性をということでお願いもした。そうしたときに、今日の午前中の質疑でもお答えがありましたけれど、この緊急承認制度にすると実際に患者さんが使われるのが、つまり製品の開発に対してどのように作用して、そして実装化、社会実装は早くなっている。これ午前中の御答弁にもありましたけれど、やはりこの制度を導入しようとするのであれば、それによる特に患者さんに対するメリット、これが明らかになっていく必要があると思うんですね。この緊急承認制度によってどういうふうなメリットがあると考えるのか。
そして、もう一つお尋ねしたいのは、これも衆議院でも参議院でも出ておりますが、この制度においては、有効性は推定でいいけど、安全性はほかの製品と同じように確認されなきゃいけないとされているわけです。ところが、試験の区分の第三相試験を、例えば有効性はやらなくてもいいけど安全性はそれに類したものが要るんだということで、本当に試験として、有効性の判断はここまでで推計でいいんです、安全性はこっちまでですという、そういうふうな、治験というものが切り分けて評価できるものなのかどうかという、これについてはどう考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/137
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138・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) この緊急承認制度のメリットということで、実際の、実装化されたらどうなるかということでございますけれども、第一義的には、承認申請までに取りそろえるデータが従前とは異なりますので早く承認されるということでございますし、また併せて、先ほどちょっと言及いたしましたが、GMP等の調査も猶予されるということで、早く国民の皆さんのお手元に薬を届けることができるというのが第一のメリットでございますし、また、衆議院の参考人の質疑におきまして参考人の方から御発言あったわけでございますが、こうした制度があることによって企業としてもモチベーションが上がるという意味においてもメリットはあるのかなというふうに考えているわけでございます。
それから二点目の、この制度が安全性を前提としつつ有効性が確認された段階で承認するということで、治験というものをそういうふうに切り分けられるのかというものでございますが、先生お詳しいので、まさに釈迦に説法でございますが、治験のデータが出されれば、それに応じて、踏まえて、我々、その安全性はどうか、あるいは有効性はどうかというふうに、そのデータを踏まえて判断いたします。別にその安全性のデータを出してください、有効性のデータ、それぞれ同じ治験なんですけども、そのデータを踏まえて判断しますので、安全性が確認されて、もう段階で、前提に有効性は推定するということはできるというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/138
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139・藤井基之
○藤井基之君 ありがとうございます。
有効性と安全性というのが別な次元で評価されるように考えられる方も大勢いらっしゃるかもしれない。裏腹なものなんですよね、有効性と安全性というのは。ですから、それを殊更分けて考えなきゃいけないのかどうか、これはこの先、データを解析されて、その辺に対してより深い科学的な判断をしていただけたらと思っております。
御案内のとおり、今お話があったとおりです。薬機法、これで通常承認のほかにも条件付承認であるとか特例承認とか、そして、かてて加えて、今回には緊急承認制度まで加わる。そして、この承認制度についてどの制度を選択するかは、一義的には申請者側の選択だというふうに伺っているわけです。そうすると、申請者がこの緊急承認制度を利用しようと思った、じゃ、これを適切に活用するためには、その具体的な運用の基準というものが一日も早く明らかにされて、申請者側というのは、じゃ、これでいきましょうということになるんだと思うんですね。
この緊急承認の対象になるのかどうかというのは、あるいは添付すべき資料の適否等はどうなのか、これらについての基準というものがある程度、今言える範囲で結構なんですけど、基準をある程度お持ちでしたらお示しください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/139
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140・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) まず、今御指摘いただきましたように、今回の改正によりまして、薬機法において通常の承認のほか特例承認もございますし、条件付承認、それから再生医療に関する条件付早期承認、それに加えまして今回緊急承認できますので、その制度について、どのようなものか、趣旨、目的、そしてその手続がどうなのかということにつきましては当然ながら分かりやすく説明いたします。
それの上で、先生、どういったものが対象となり、またそのとき必要な書類等の基準でございますけれども、長々と答弁してもしようもございませんので、緊急性に必要となる場合、それから代替が困難な場合については何度か御答弁申し上げたことが考えられますが、それらにつきましてもガイドラインで明らかにしてまいりますし、必要な書類につきましても、申請に際して必要な書類はそれぞれ、例えば第二相の場合はこういうものだ、あるいはワクチンには第三相を原則とするのはこういう場合だということをお示しすることはできるので、それもガイドライン等で明らかにいたしますが、もう一つ、PMDAでこうした制度をどう、どの制度を使ったらよいかということについては企業とも相談して、事前に相談してガイダンスをするということを考えてございますので、その中でも丁寧に御説明してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/140
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141・藤井基之
○藤井基之君 どの制度を選択するかというのは申請者側の権利だということを私は申し上げました。
それに関係して一つだけ、これ仮定の場合のケースになるかもしれませんけど、現在薬事申請をしておる製品に塩野義製薬の治療薬あるという、先ほど私お話ししました。これは、伝えられるところによると、条件付承認を申請されているんだと言われている。もしもこの先、この法律が通って、これ公示日というのが即日施行になるはずですから、そうした場合に、いや、企業側は条件付承認で申請したけど、それは、そのときは特例承認がなかったから、あっ、緊急承認がなかったからこちらを、緊急承認ができたんだったら緊急承認やってくださいと、こういった場合、これは審査する側、国側は、条件付と言っていたけど、今度、じゃ、新しくもしも法律ができ上がったら緊急承認やりましょうと、そういう申請の区分というのを切り替えることって、そういうことというのは可能なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/141
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142・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) お答え申し上げます。
まず、先ほど先生から答弁の仕方を御指導いただきましたが、現在審査中のものにつきましては具体的なお答えは差し控えさせていただくといったことを申し上げた上で、一般的にその制度、幾つかありますけれども、それぞれ趣旨、目的、異なりますし、手続異なります。そして、必要となる書類も異なりますが、例えば先ほどノババックス社の例で申し上げましたが、ノババックス社、申請時には特例承認の対象にならなかったけれども、途中でヨーロッパにおいて承認されたわけですから、そのときにGMP等の免除を求めるという形での切替えはできるというふうに考えております。
同じように、御指摘のように、現在開発、あっ、申請されている薬について新しい制度ができた場合、切り替えられるかといえば、それは企業との御相談の上でございますし、制度の趣旨、目的に合致するかどうかという検討は必要でございますが、切り替えられるというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/142
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143・藤井基之
○藤井基之君 ありがとうございました。
ちょうど厚生労働省の方は、昨年の十二月の二十七日ですかね、もう大みそか近くなった頃、厚生科学審議会のとりまとめの報告書を発表されております。緊急時の薬事承認の在り方等に関するとりまとめでありまして、ここにも書かれているとおりなんですけど、感染症での、これは我が国のいわゆる危機管理強化の観点から非常に重要な考え方でして、速やかに国民に必要な医薬品とか医療機器を届けるのだと、これがなければいけない、そして、そのために政府は多くの施策を提供しているということ。
そして、これらは何かといったら、今回のCOVID―19もそうですけど、将来これから起こるであろう有事の際に即応するためにこの法律というのは必要なんです。だから、何もこれは今回のコロナのためだけに作られている法律ではないと私は思っております。これがかつてあったら今回の、こんなに苦労しなかったかもしれないんですね。ですから、そういった意味でいうと、この感染症等の問題に対処するにはまさに平時から常に対応してなきゃいけないんだということ、是非それを厚生労働省の先生方には御理解して、そういう対応をこれからもお願いをしたいと思っております。
最後、時間も限られておりますので、電子処方箋についても一つお尋ねをさせてください。
医療のデジタル化はこれは極めて重要な課題であると。それを否定するものでは全くありません。そして、その一翼を担うであろう電子処方箋というのは、これも重複投薬の防止等で期待が非常に大きいものであります。
ただ、この適正な運用、それを考えた場合、令和四年の十月から五年の十月頃まででしょうか、モデル実証、モデル事業を実施する予定だと伺っているんですが、本電子処方箋はこの法案が通れば五年の一月に開始されることになります。そうすると、まだモデル事業をやっている途中で本体事業動かなきゃいけなくなるんです。
これ、本事業をスムーズに普及、運用するために国はどのような対策を取ろうとしているのか、お尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/143
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144・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 御指摘いただきましたように、この電子処方箋のシステムでございますが、令和五年一月の稼働開始というものを目指しております。それに向かいまして、当然そのシステム開発をきちんと行う、そして開発するだけじゃなく、きちんとそれが円滑に動くということを確認するために検証事業というものをまず考えてございます。
それからもう一つ、電子処方箋システムを使うためには医療機関あるいは薬局におけるそのシステム等の改修が必要でございますので、その改修費用のために、ICT基金に三百八十三億円ほど積み増しをしまして、その一部を補助するということも考えてございます。
それからまた、そもそもこういったシステムがあるということを医療機関、薬局の方々のみならず国民の方々にも御理解していただくことが必要でございますので、啓発普及ということも考えているところでございます。
先ほどモデル事業という形での御紹介がございました。そのモデル事業において、システムが円滑に動くかどうかということも確認する一方で、さらに、それでシステム上の改修が見付かれば当然対応いたしますし、その中でどのようにそのメリットを医療機関の方あるいは国民の方に理解していただけるかということも併せて検討して、円滑に導入を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/144
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145・藤井基之
○藤井基之君 ありがとうございます。
これ、ちょうど約一年前ですかね、昨年の五月に決算委員会で御質問させていただいた件ですが、ちょうどコロナがはやって、どういうわけか若い人が薬物に走るんだという、そういう報道がございました。特に令和二年の数字見ると、かなり多くの方々が薬物、特に大麻等に走っている。
それで、その際、質問した際に、たしか局長からお答えいただいたと思うんですけど、今省内でも検討を進めておりまして、必要なら法改正も視野に入れてというような趣旨の御答弁があったと思うんですけど、これについて、その後どのような検討になったか、簡潔で結構でございますけれども、御回答いただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/145
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146・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 御指摘いただきましたときも、大麻に関して、若い方々の使用が増えていて、大麻事犯の検挙人員が過去最多を更新するというふうなことを御紹介させていただきました。現在でもそのとおりでございまして、三十歳未満の、特に三十歳未満の方の検挙人員が著しく増加しているということでございます。
一方で、薬物情勢もございますけれども、諸外国におきましては大麻から製造された医薬品の医療用途への活用なども考えられているようでございまして、厚生労働省におきましては、昨年の一月から六月にかけて大麻等の薬物対策のあり方検討会を開催いたしまして、大麻の使用罪を含めた大麻規制の在り方、大麻から製造された医薬品の使用、それから薬物の再乱用防止対策など、大麻等の薬物対策の在り方について基本的な方向性をおまとめいただきました。
今後、こうした検討会の整理、基本的な方向性を踏まえまして、関係審議会、制度部会、厚生科学審議会の制度部会の下に小委員会を設置しましたので、そこで具体的な制度の在り方について議論を進めておりまして、大麻取締法等の改正も視野に迅速に検討を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/146
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147・藤井基之
○藤井基之君 終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/147
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148・秋野公造
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てるように質疑をしたいと思います。
まず、大臣にお伺いをしたいと思います。
改めてでございますけれども、緊急承認制度創設の必要性についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/148
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149・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 今般の新型コロナ対策として、外国で使用が認められたワクチンや治療薬について、特例承認制度や優先的な審査等により、できる限り早期の薬事承認に取り組んでまいりました。
しかしながら、特例承認制度は、一定程度の薬事承認の早期化が可能である一方で、海外で販売等されている医薬品が対象であること、安全性について確認するとともに有効性についても確認することが承認の要件であることなどから、緊急時において迅速に薬事承認を与える仕組みの検討が求められてまいりました。
こうしたことから、国内外で開発された医薬品について、緊急時に迅速な承認を可能とする制度として、安全性は通常の薬事承認と同等の水準で確認することを前提に、有効性が推定された段階で承認ができる制度を創設することとしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/149
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150・秋野公造
○秋野公造君 ありがとうございます。
今大臣、緊急時に迅速な承認を可能とする制度という形で御答弁をされたんですが、直ちに必要な事柄があるのかということで、立法趣旨を少し確認したいと思います。
というのが、私、一昨年の三月九日の予算委員会にてレムデシビルの活用を御提案させていただきました。それは、今回の新型コロナウイルス感染症の特徴が高齢の方と基礎疾患がある方が重症化しやすくて、重症化したら死に及ぶということでありますので、一番最初に何より優先して取り組むべき課題、これが重症者に対する対応ということを考えたからであります。
私があの当時提案させていただいたときに、当時の稲津厚労副大臣が、レムデシビルの国際共同治験を行うと、さらに、しっかり行うと答弁をしていただいたことで治験が非常に行われやすい環境が整いまして、五月七日にレムデシビルは二か月たたずに特例承認に至ったということです。
強調したいのは、アメリカはEUAのままだったということでありまして、コロナの治療薬を世界で初めて本承認にて手に入れたのは、重症化したときの治療法を一番最初に手に入れたのは我が国だったということでありまして、医薬や、PMDAは必要な医薬品の審査を迅速に行ったということでありますから、特例承認という制度は大きく生きていたということが言えるんじゃないかと私は思います。
よって、特例承認というよりは、立法趣旨はむしろ国産の薬物の方にも重点は置かれているのかなと思いますが、ちょっとお伺いしたいと思いますが、厚労省が支援しているコロナ治療薬の中で緊急承認に直ちに至りそうなものがあるか、健康局長にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/150
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151・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
一般に、治療薬の有効性や安全性につきましては、治験の結果得られたデータに基づいて薬事承認審査において評価されるものであり、今後承認申請が見込まれるコロナ治療薬の候補について現時点でお答えすることは困難でございます。
厚生労働省としては、治験の最終段階にある塩野義製薬株式会社と興和株式会社の経口薬について、実用化を更に加速する観点から緊急追加支援を行うこととしておりまして、引き続き早期の実用化に向けてしっかりと後押しをしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/151
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152・秋野公造
○秋野公造君 興和の治療薬についてちょっとお伺いをしたいんですが、既に我が国の医薬品でありまして、手引きにも掲載をされておりますので、適応外使用が既に可能な状況になっておりまして、一方で、未承認薬・適応外薬検討会議などの仕組みでいわゆる公知申請を目指すような動きも特にあるわけでもなく、医学界等のいわゆる強い要請というものは余りないのかと思っておりますけれども、現状にて医師が適応外使用を行うことができる環境にあって積極的に申請をしてくるのかということを少し疑問に思っているわけでありますけれども、興和の治療薬、申請を見込んで支援をしているという理解でよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/152
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153・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
薬事承認の申請の見込みにつきましてお答えすることは困難でありますけれども、今回の追加、緊急追加支援は、既に治験費用の補助対象として採択されている二社、これは塩野義と興和でございますが、この二社から提出された事業計画に基づきまして、外部専門家により構成される評価委員会において、これまでの治験の結果、それから治験の組入れの進捗状況、そして今後の加速化に向けた取組などについての評価を踏まえ、実施することとしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/153
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154・秋野公造
○秋野公造君 ちょっとしつこいんですけれども、企業の意向というものがやっぱり前提の制度になっておりますので、企業が申請してくれないと国が承認しようもないというのがこの薬事の立て付けということでありますが、繰り返しですが、現状で適応外使用が保険の余り制約もなく可能になっているような状況で、申請してこないといったような選択肢もあり得るのではないか、済みません、あくまで可能性の話でありますが、あり得るのではないかというときに、これ無駄な投資にならないかということについての御見解、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/154
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155・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
治験の状況から将来の薬事承認の申請や承認の見込みを予測することはなかなか難しいものであります。本事業に、この支援事業におきましては、評価委員会における治験の組入れの進捗状況や、今後の加速化に向けた取組等の評価を踏まえた上で支援を決定しているところでございます。
なお、企業が目標とした薬事承認申請時期までに承認申請を行えなかった場合は、追加支援額の二五%の返還を求めることとしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/155
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156・秋野公造
○秋野公造君 ありがとうございます。
改めて、投与可能なものですから、申請してくるかどうか、ちょっと見届けていきたいと思います。
実際に塩野義製薬が今条件付早期承認制度ということを用いて申請をしておりますので、ここには立法趣旨が十分にあると考えるわけでありますが、先ほど切替えができるという御答弁もありましたけれども、少し私、手続について少し踏み込んでお伺いをしたいと思いますが、条件付早期承認制度を希望して承認申請された品目について、法案施行後、緊急承認制度の対象となるために改めて申請が必要となるのかということと、条件付早期承認制度では事前の相談が必要とされておりますけれども、この事前の相談が必要となるのかということについてお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/156
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157・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) お答え申し上げます。
本法案は公布日施行ということでお願いしているところでございます。したがいまして、その施行日以後に承認される医薬品であれば緊急承認制度は適用可能、切替え可能ということで先ほども答弁申し上げたところでございますが、御指摘のように、あるいはお尋ねのように切替えを希望した場合の手続等でございますけど、既に申請されている品目につきましては、申請者の希望を踏まえて切り替えることになると考えておりますが、改めて申請することまでは要しないというふうに考えているところでございます。
それから、御紹介いただきましたように、条件付承認制度についてはその該当性などにつきまして事前に相談をするということを考えてございますが、緊急承認制度におきましてはそうした相談を行うことは想定してございませんので、企業が希望すれば緊急時、制度の対象になるということも同様でございます。
いずれにいたしましても、新型コロナの治療薬を迅速に実用化するということは必要でございますし、そのための制度でございますから、企業とも相談しながら、手続の違いによって審査等に要する時間が長くなることのないように運用するということを考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/157
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158・秋野公造
○秋野公造君 ありがとうございます。
改めて申請する必要はないということと、相談を行うことも想定をしていないということを理解をしました。そして、急いで、審査を急ぐという観点は本当によく分かりました。
その上で、これはちょっと個別の事例になりますけど、塩野義の経口薬が条件付承認で今出しているんですけど、これが該当しない場合、塩野義製薬が緊急承認制度の適用を希望すれば緊急承認制度で、じゃ対応するということになるかだけ確認をしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/158
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159・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 申し訳ございませんが、塩野義製薬の薬につきましては、御案内のとおり承認申請されて審査中でございますので、具体的にその取扱いについてお答えすることは差し控えるということについて御理解賜りたいと存じますが、あくまで一般論でございますけれども、条件付承認制度が適用な品目であっても緊急承認制度の対象になるということは当然想定し得ることでございます。
具体的には、今回公布日施行ということでなりますので、法の施行後に緊急承認の対象になることを希望する品目があれば個別に企業と相談していくことになりますが、先ほど申し上げましたように、その手続の違いなど、制度の違いによって手続が新たに必要になるとか、そういうことで審査等に要する時間が長くなることがないように運用してまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/159
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160・秋野公造
○秋野公造君 よく分かりました。ありがとうございます。
特例承認制度についてちょっとお伺いしておきたいことは、緊急承認ができると特例承認を利用する場合が減るのかなという思いがちょっとありましたので、その上でお聞きをしたいんですけれども、第三相試験を実施して海外で承認を受けているような医薬品について、製薬企業が緊急承認の場合、再申請をすることになろうかと思いますので、その負担を勘案して緊急承認制度ではなく特例承認制度を希望して申請を行う場合、あくまで企業の意向でありますが、その場合は特例承認の道筋を取るということは可能なのか、確認をしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/160
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161・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 特例承認制度も、緊急時に、そして代替困難ということで、緊急承認制度の要件と同様のものでございまして、そうしますと、企業がどちらを選ぶかということになろうかと思います。それは制度の趣旨ですから、手続など、それは御自身というか企業は状況によると思うんですが、先生御指摘のように、第三相試験の実施をしていることなどによりまして有効性が確認できまして海外で承認を受けているような医薬品につきましては、御指摘のような再申請の負担も考慮することはあろうかと思いますので、緊急的に国内で使用する場合には特例承認制度を活用するということも想定されるところでございます。
いずれにいたしましても、冒頭申し上げましたように、いずれの制度を活用するかは、緊急時に迅速に医薬品の実用化を図るということを第一の目的といたしまして、企業とも相談して検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/161
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162・秋野公造
○秋野公造君 それでは、海外で開発中の薬物で、アメリカでEUAが認められる前に緊急承認の手続のプロセスに入ろうとする企業がある場合、我が国で緊急承認を受けることがあり得るか、これを確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/162
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163・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) お答えいたします。
緊急承認制度、特例承認制度と異なりまして、外国で販売されていることを前提としている制度ではございませんので、具体的なものは、その企業の申請のタイミングですとか、あるいはデータの内容によりますので一概に申し上げることはできませんが、他国に先んじて、海外で開発された医薬品についても、他国に先んじて日本において緊急承認を受けるということは可能でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/163
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164・秋野公造
○秋野公造君 可能ということですが、これ逆に翻って、アメリカのEUAを根拠として特例承認が行われている医薬品の、アメリカのEUAが取り消された場合、我が国の特例承認の扱いについてお伺いしたいと思います。取り消されるのかということでお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/164
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165・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) お答えいたします。
特例承認制度、繰り返しで申し上げておりますが、外国において販売等が認められている医薬品が対象でございます。
しかし、日本で特例承認の申請をしていただく際には、それこそ海外での治験のデータですとか、そういったものを出していただいて、そうしたデータに基づきましてPMDAで審査し、薬事・食品衛生審議会で協議して専門家の意見を伺って、有効性、安全性を確認して、我が国として承認するものでございます。
したがいまして、特例承認を受けた医薬品が外国において販売等が認められなくなった場合の扱いでございますが、その認められなくなった場合の理由ですとか状況、個々の事情によりますが、外国の販売等が認められなくなったとしても直ちに日本で承認が取り消されるものじゃなくて、改めてそういった要因を踏まえまして、有効性、安全性を評価して判断することとなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/165
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166・秋野公造
○秋野公造君 よく分かりました。我が国の承認は承認としてということだということで、よく理解しました。
では、ちょっと内閣府、お伺いしたいと思いますけど、緊急承認の制度をつくっても、候補薬あるいはワクチンを作り込む、そういった体制がないと、創薬の動きがないと、これ全く意味がないということでありまして、閣議決定されたワクチン戦略の中にもあるんですけれども、私は、三月十四日の予算委員会にて国産ワクチンの研究開発や生産体制強化の進捗状況についてお伺いをして、政府から、中長期的な取組について、我が党の提言なども反映していただきながら進めていくということを御答弁をいただきました。
その際に、目の前の、今日は目の前の話ばかりお聞きしているわけでありますけれども、世界のどこにもない、ゼロ歳から五歳のコロナのワクチンの開発について、国内企業の有する実績や経験を活用して進めるべきではないかと。それは、我が国の子供だけでなく、外国のお子さんにも貢献をするのではないかという観点で御質問をさせていただきまして、小林大臣からは、全く同様のワクチン開発を目指すということについて重要性をおっしゃっていただいた上で、厚労省と、関係省庁と連携をして対応していきたいと、そういう御答弁もいただいたところであります。
まずは、この進捗につきましてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/166
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167・長野裕子
○政府参考人(長野裕子君) お答えいたします。
今年三月二十二日には、ワクチン開発を戦略的に推進するための組織として、日本医療研究開発機構、AMEDに、先進的研究開発戦略センター、SCARDAを創設したところでございます。
このSCARDAが実施するワクチン・新規モダリティ研究開発事業は、同日より公募を開始しておりまして、現時点において優先度の高い感染症としてのコロナウイルス感染症を対象とするワクチン開発と、新規モダリティーを用いる感染症ワクチンの研究開発を対象としてございます。
また、関係府省連携しまして、ワクチン開発・生産体制強化戦略に基づく研究開発などについて当面の推進方針を取りまとめたところでございます。その方針におきまして、ワクチン・新規モダリティ研究開発事業は、平時から感染症有事にいち早く安全で有効な国際的に貢献できるワクチンを国内外に届けることを目指して、戦略的なファンディングを行うとしているところでございます。
委員御指摘のような小児にも有効で安心して使える副作用の少ないワクチン開発や、また、国際的に貢献できるワクチンの開発を目指すためにも、有効性、安全性や利便性などの観点から付加価値の高い技術を重視して支援することとしております。
現在行っている公募において、そのような優れた研究提案が出されることを期待しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/167
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168・秋野公造
○秋野公造君 ありがとうございます。
今の御答弁のように、三月十四日の質疑で小林大臣の御答弁から動きがあっておりまして、KMバイオロジクスのコロナワクチンですけど、四月二十日にゼロ歳から五歳を対象とする治験が発表されておりますけれども、これについて厚労省やPMDA、相談に乗って支えていただいたかということについてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/168
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169・佐藤英道
○副大臣(佐藤英道君) KMバイオロジクス社の新型コロナワクチンにつきましては、ゼロ歳から五歳を対象とした治験が四月二十日に開始したことは承知をしているところであります。
新型コロナワクチンの開発に当たりましては、厚生労働省において必要に応じ開発者の相談に応じるほか、PMDAにおいて無料の新型コロナウイルスワクチン戦略相談を実施をしておりまして、申請に必要となる試験の内容、治験計画や開発計画等に関する助言を行っております。
御指摘の治験につきましても、企業とPMDAの相談の中でゼロ歳から五歳を対象とした開発につきまして一定の助言がなされているものと承知しており、引き続き政府として開発、支援に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/169
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170・秋野公造
○秋野公造君 ありがとうございます。
母子手帳には子供向けのワクチンのリストがずっと並んでおりまして、我が国がたくさん貢献したことがよく分かるようになっています。今回助言を行っていただいて、御支援いただいたことも感謝申し上げたいと思います。
一点気になるのが、審査を急ぐということが大事なんですけど、ヤンセンファーマのコロナのワクチン、通常の審査、私一年ぐらいと思っておりますけれども、ちょっと遅れているような実感を持っておりまして、余りこれ時間が掛かりますと、例えばアビガンもそうですけど、三年ぐらい掛かったりしますと、ちょっと薬の信頼性に少し疑義を持ってしまったりする方も中にはいるのではないかといったような懸念も持つわけでありますけれども、もうすぐ申請から一年たとうとしておりますけれども、審査の状況についてお話しできる範囲でお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/170
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171・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 御指摘のヤンセンファーマ社の新型コロナワクチン、申請がございましたのが昨年の五月二十四日、通常承認を求めるものでございます。
これも繰り返しで恐縮ですが、審査中のものについては詳細のお答えは差し控えさせていただくということを御理解していただいた上で、まず、新型コロナワクチンということで、我々としても労力を投入して精力的に審査をしているところでございますし、また、御指摘のとおり、通常の、通常申請の審査期間というものは我々一年を目標としておるところでございますので、当然、最終的にはデータあるいは医薬品によって左右されますので、平均で一年程度ですから具体的には申し上げられませんけれども、私どもといたしましても、そうした通常審査の審査期間が一年であること等念頭に置きながら、また新型コロナ関係であるということを念頭に置きながら、可能な限り早期に結論を出すように引き続き取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/171
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172・秋野公造
○秋野公造君 ありがとうございます。よろしくお願いします。
最初、大臣から緊急時とおっしゃっていただいたわけでありますけれども、いろんな治療薬やワクチンの審査を行っていく中で、基本的には、例えば新感染症などの想定をしておかなくてはならず、その意味では、新感染症、病原体に対する対応だけでなく、感染をしている患者さんを受け入れることができる病床があるか、それも前提条件としてなってこようかと思います。今、新感染症が発生したときに対応することができる医療機関、僅か四機関でありまして、病床数も合計をしますと十床ということで、非常に少ない状況ではないかと思います。
あらゆる病原体を扱うことができるBSL4施設も、感染研だけでなく長崎大学においても設置をされたところでありますけど、病原体はあらゆる病原体を扱えるけれども、あらゆる病原体に感染した患者は扱えないという状態になっておりますので、こういったBSL4が設置された長崎大学にも特定感染症指定医療機関として整備していく必要があるのではないか。大学の方の意向は聞いておりますけれども、そのことについてお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/172
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173・佐藤英道
○副大臣(佐藤英道君) 特定感染症指定医療機関は、新感染症の所見がある方の入院等を担当する医療機関であり、厚生労働大臣が広域的見地から、現在、全国で四か所の指定を行っているところであります。
特定感染指定医療機関の指定につきましては、感染症法上、病院開設者の同意を得て、その病院の所在地を管轄する都道府県知事と協議をした上で厚生労働大臣が行うこととされており、その設置や運営に係る費用の一部について補助を行っております。
新感染症の所見がある方等に対する適切な医療提供体制については、委員、議員御指摘の長崎大学病院も含めた長崎県の関係者の御意見を伺ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/173
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174・秋野公造
○秋野公造君 国から聞いていただくということで、ありがとうございます。
次に、緊急承認を、例えば新感染症に対する緊急承認とかいったようなことについて、薬をどう確保するかということについて、購入していくのかとかあるいはプル型インセンティブで対応するのかとか、いろんな方法があるんだろうと思いますけれども、特に薬剤耐性の、これも緊急時を起こし得る可能性があると考えております。一方で、薬剤耐性に関わる薬は使われない方がいいに決まっておりますので、その意味では買上げの話あるいはプル型インセンティブを備えておくということは非常に重要だと思います。
イギリスがもうプル型インセンティブで感染症治療薬を確保するといったような方針を示していて、我が国が乗り遅れてしまうのではないかということに問題意識を持っておりまして、薬剤耐性や、薬剤耐性結核、こういった感染症の治療薬を買い上げたり、プル型インセンティブを実施するということで、感染症の危機に備えて治療薬を確保することの必要性について御見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/174
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175・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
感染症のパンデミック時に備えまして治療薬等について事前に利用を可能にしておくことは、現行危機管理能力の強化あるいは経済安全保障の観点から重要であると認識しております。
そのためには、治療薬の研究開発を推進するとともに、必要に応じて備蓄や買上げを行うことが重要であります。例えば、新型インフルエンザにつきましては抗ウイルス薬を備蓄しておりまして、新型コロナについては経口薬や中和抗体薬を買い上げ、必要量の確保を行っているところでございます。
厚生労働省では、本年一月から三月にかけて、感染症危機対応医薬品等の利用可能性確保に関する検討会を開催いたしまして、公衆衛生危機管理の観点から、医薬品の研究開発や備蓄の確保が必要と考えられる感染症について、その暫定リストを作成したところであります。
今後、この暫定リストに掲載された感染症を念頭に、諸外国での治療薬、失礼しました、諸外国での感染症治療薬の備蓄量等を調査する予定でありまして、必要な感染症治療薬の確保に向けて、引き続き様々な側面から検討をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/175
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176・秋野公造
○秋野公造君 ありがとうございます。
内閣官房にお伺いしたいと思いますけど、現行の薬剤耐性対策アクションプラン、ここで動向調査、監視、感染予防、管理、適正使用、こういったことがきちっと調べていただいておりますけれども、いずれも医薬品の確保が前提ではないかと思います。
改定に際しては、この医薬品の確保について詳細に記載すべきでないかと考えますが、見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/176
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177・柳樂晃洋
○政府参考人(柳樂晃洋君) お答えいたします。
今回のコロナ感染症の流行によりまして、治療薬、ワクチン、マスクの確保など、健康危機管理における物資の備えの重要性を改めて認識をしたところでございます。
薬剤耐性対策におきましても、コロナ前、二〇一九年でございますが、セファゾリンと呼ばれる抗菌薬の原薬、有効成分海外で作っておりまして、その海外の製造所のトラブルなどによって原薬の供給が滞って、その影響で国内での供給が停止されるというようなことがございました。
このように、薬剤耐性対策……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/177
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178・山田宏
○委員長(山田宏君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/178
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179・山田宏
○委員長(山田宏君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/179
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180・柳樂晃洋
○政府参考人(柳樂晃洋君) このように、薬剤耐性対策におきましても、抗菌薬の適正使用などの前提として、抗菌薬の安全供給確保が重要である点も御指摘のとおりであるというふうに認識をいたしております。
お尋ねの薬剤耐性対策アクションプランにつきましては、令和四年度末を目途に改定を行うということにしております。その改定に際しましては、これまでの取組や最近の課題等を踏まえた上で、また、秋野議員の今日の御意見を事業所管省庁と共有させていただいた上で、医薬品の確保に関する記載の内容を含め、関係省庁とよく連携、協議をして検討を行ってまいりたいと、このように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/180
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181・秋野公造
○秋野公造君 よろしくお願いいたします。
急ぐ観点から、二つの薬の進捗状況についてお伺いしたいと思います。
まず、BNCTでありますけど、令和二年六月に頭頸部がんについて適用をいただきました。脳腫瘍については現在審査中ということでありますけれども、これについての厚労省やPMDAにおける相談、これについて、状況についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/181
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182・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 御指摘のBNCT、ホウ素中性子捕捉療法でございます。これは、世界に先駆けて日本で承認申請ということで、平成二十九年四月に、悪性神経膠腫の効能、効果で先駆け審査指定品目に選定いたしました。
この品目につきましては、先駆けに指定したということでございまして、他の医薬品に優先してPMDAでの対面助言を行っておりますし、また、厚生労働省、それからPMDAの連絡調整を滞りなく適切に行うということで、いわゆるコンシェルジュを、という、コンシェルジュという役割を果たすものをPMDA内に指名して開発の進捗管理あるいは相談、承認、薬事承認に係る部署との連携調整ということを随時行っているところでございます。
具体的な相談事項といたしまして、現在開発に当たっておりますステラファーマ社からは、過去に遡って対象者の情報を収集するレトロスペクティブ調査というものにより追加データの提出というものをできないかということで、承認申請についてPMDAと相談を継続しているというふうに承知しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/182
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183・秋野公造
○秋野公造君 よろしくお願いします。
てんかん治療薬についてお伺いしたいと思いますけど、てんかん診療、非常に向上してきておりまして、今や外科的な手術においても大きな治療成績が上げられることができる時代になりました。それでも、外科的な手術でも対応することができない難治てんかんの患者さんにとって、FDAが大麻由来医薬品を承認をしたということを受けまして、平成三十一年にあの質疑をさせていただきまして、大麻由来医薬品について、大麻取締法においても治験は可能といったようなことで御答弁をいただき、企業においてもその準備を行ってきたところでありますけれども、まず、開発中の大麻由来医薬品エピディオレックスの現在の状況についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/183
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184・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 大麻由来の抗てんかん薬エピディオレックスにつきましては、先生からこの場でも何度か御質疑、御質問いただき、また、治験等は現行法制度の下でも治験できるじゃないかということで進めさせていただいておりまして、重度の、これは重度のてんかん症候群患者を対象といたしまして、御指摘のとおり欧米では既に承認されてございますが、日本においても開発が進められているところでございます。
具体的には、国内の治験届が既に提出されておりまして、その治験内容が、JRCTと申し上げまして、日本における臨床試験の情報を掲載しているサイトございますが、そこに掲載されてございます治験結果に基づきまして製薬企業から承認申請がなされた場合には、PMDAにおいて審査を行い、薬食審において審議をいたしまして、有効性、安全性が確認されれば速やかに薬事承認を行ってまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/184
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185・秋野公造
○秋野公造君 本日、JRCTにて公表されたということで、非常にタイミング良かったと思っているんですけれども、厚労省において治験は可能と、こういった御判断もいただいて、そして難治てんかんの患者さんにとってはもう待ち望む治験がいよいよ始まるということになりました。
アメリカにおいてはもう既に使われているお薬でありますけれども、いずれの承認プロセスを踏むかはちょっと分かりませんけれども、もはや治験もとうとう始まったということでありますから、有用な大麻由来医薬品承認の暁には使用できるようにする観点からは、この部分で大麻取締法の改正を行わざるを得ないのではないかと考えますが、御見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/185
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186・佐藤英道
○副大臣(佐藤英道君) 海外におきましては、一部の国におきまして、大麻から製造された医薬品がてんかんなどの治療薬として承認され、国連麻薬委員会におきましても大麻の医療用途への活用が認められました。
現在、我が国におきましては、委員御指摘のとおり、大麻から製造された医薬品を使用することは大麻取締法により禁止をされております。一方、平成三十一年三月十九日に行われた沖縄及び北方問題に関する特別委員会におきまして委員からの御質問にお答え申し上げたとおり、大麻研究者である医師の下、適切な計画に基づき治験を行うことは可能であり、これを踏まえ、御指摘のてんかん薬の開発が進められていると承知をしております。
こうした社会状況の変化や国際的な動向などを踏まえ、厚生労働省において、昨年一月から六月にかけて大麻等の薬物対策のあり方検討会を開催し、大麻から製造された医薬品の活用、大麻の使用罪を含めた大麻の規制の在り方、薬物の再乱用防止など大麻等の薬物対策の在り方に関し、基本的な方向性が示されたところであります。
今後、検討会の整理を踏まえ、関係審議会で具体的な議論を進めることとしており、大麻取締法等の改正も視野に入れて、迅速に検討を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/186
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187・秋野公造
○秋野公造君 副大臣、ありがとうございます。
難治てんかんの重度発作を繰り返して、元気だったお子さんが障害を負うに至る、こういったような状況が続いている中で、海外ではうまくいっている、医薬品として活用されている、こういった御本人や御家族にとっても一日も早く承認をすることができるプロセスは非常に待ち望むものだと思います。一日も早い承認へのプロセスをお願いをしたいと思います。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/187
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188・田村まみ
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。今日はよろしくお願いいたします。
私も改正法に係る質疑をするべく準備をしてまいりましたけれども、午前中からここまでの質疑で相当緊急承認の法案のことについては大分重なっている部分もありますので、大きく私、二つ目の方の電子処方箋の方の質疑を組立てとして立てておりますので、そちらの方から質問をしたいというふうに思います。
まず、オンライン資格確認システムの拡張による電子処方箋の導入として、今回、特に電子処方箋に係る法改正がこの審議にかかっております。国のデータヘルスの推進の施策の一つとして今回の電子処方箋は位置付けられており、既存のオンライン資格確認システムを活用して、処方箋のデジタル化のため薬機法の改正が必要ということで審議されておりますが、その前提となるオンライン資格確認システムのマイナンバーカードの保険証利用については、令和三年十月から本格運用が開始されましたけれども、現在実際に稼働しているところは二割に満たないままというふうになっております。
こうした低い普及率の状況で、国が目標としています令和五年三月末までにおおむね全ての医療機関に普及されているということが本当にできるのかという疑問、ここを解消しなければ、今回この電子処方箋のことについての改正をしたとて現実には運用が進まないということで質疑をさせていただきたいと思います。
まず一点、お手元に資料を配付させていただいております。この資料配付は、厚生労働省がオンラインシステム、オンライン資格確認の導入に関する調査ということで、導入状況に関する調査を実施して、結果を公表しております。
調査対象が、まず最初に聞きたいんですけど、調査対象、ここに医療機関向けのポータルサイト登録済み施設というふうになっていますが、そもそもサイトに未登録の機関へはどのようにアプローチをするつもりなんでしょうか。こうした医療機関への調査の方が私は重要だというふうに考えますが、説明を求めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/188
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189・浜谷浩樹
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
御指摘のここの調査ですけれども、オンライン資格確認の導入状況を把握するために、医療機関等向けポータルサイトにアカウント登録している約十三万施設に対しまして、昨年十二月から本年三月までの期間、調査を行ったものでございます。
御指摘のこうした医療機関等向けポータルサイトにそもそも未登録の医療機関等に対しましては、未登録医療機関等も含む顔認証付きカードリーダーを申し込んでいない全ての医療機関等に対しまして、その理由を調べるアンケート調査を昨年三月に実施したところでございます。また、現在の状況を調査するために、この四月二十二日に改めて導入意向調査の調査票をこうしたカードリーダー申込みを行っていない医療機関等に対して送付して把握をしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/189
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190・田村まみ
○田村まみ君 ポータルサイトに登録していないところもアンケート調査はしていただいたということで、少し安心しました。ただ、やっぱりこのポータルサイトに登録していないこと自体が、そもそも活用する、このデジタルヘルス、これを進めていく意思があるかどうかというところは相当疑問だというふうに私は考えていますので、ここへの登録も促すべきだということは主張しておきたいと思います。
そしてもう一つ、この調査の前提としてなんですけれども、本当に厚生労働省の方、毎月毎月、一か月ごとにこのオンライン資格確認の導入状況を病院、医科、歯科、薬局という順番で、毎回、どれだけカードリーダーの申込みをしたのかという申込施設数、そして準備完了施設数、そしてまた運用開始施設数というふうに、ここまで細かく分けて調査をしていただいておりますけれども、進んでいないとはいえ、ほぼ進んでいないというのが評価だというふうに私は考えております。
特に私は問題だというふうに思っているのが、この進捗の中で病院と薬局は、そうはいっても、その中でも顔認証付きのカードリーダーの申込施設数が七割を超えているとか、運用の開始施設も二割を超えていたり、二割近いものだというふうに思っていますが、見ていますが、医科、歯科はもうほとんど、何でしょうね、完了、準備完了の施設も増えないし、運用開始の施設も増えてこないというふうにこの数字の進捗で見ています。
ここの科別のこのばらつき、これについてはどのような評価をされているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/190
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191・浜谷浩樹
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
オンライン資格確認の導入状況に関する調査の結果によりますと、御指摘のとおり、病院、医科診療所、歯科診療所、薬局について、オンライン資格確認の導入に当たってのそれぞれの特性ごとの課題があることが分かりました。そういったことで、各々の課題に応じた対応を進めることといたしております。
具体的にでございますけれども、今御指摘がございましたけれども、病院、進んでいる方でございますけれども、病院につきましては、見積りの段階で導入に向けた動きが止まっている施設が一定数ありますことから、関係団体と協力しながら、見積りに関する相談を受け付けることを進めていくということを考えております。
それから、なかなか進んでいない医科診療所につきましては、他の施設の動向を見ているといった声もあります。こういったことから、現地のヒアリング等を通じまして、導入のメリットや留意点について施設の類型ごとの好事例を集めまして、ホームページやリーフレット等で紹介しております。例えば、マイナンバーカード利用を積極的に啓発し、多くのメリットを享受、マイナンバーカードを診察券として活用するなど事務作業の手間もコストも削減されたとか、健康保険証での資格確認を積極的に利用したことで受付事務の負荷を大幅に削減したとか、そういった事例がございます。こういったものを紹介していくといったことでございます。
また、歯科診療所につきましては、これ実は中小のシステム事業者が多いということで、なかなかそのシステム事業者が物理的に対応し難いということがございまして、こうしたシステムに対応できる体制があるネットワーク事業者等による改修請負を推進するといったことを考えております。
また、薬局については、これも比較的進んでいる方でございますけれども、薬局につきましては、電子処方箋の導入を見据えた、まさに今回の法案でございますけれども、対応を行っているところが多いことから、関連する施策の動向も含めた広報を行っていくといったことを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/191
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192・田村まみ
○田村まみ君 今、科別の課題が大分見えてきたということで詳細に御説明いただきましたけれども、正直、この年末、去年の年末まで詳細な調査がなかなかできなかったということ自体が私は課題だと思いますけれども、審議会等々でも、これがなされたことで少し進んでいくんじゃないかというふうな意見も出ておりました。
また、間で御紹介あったとおり、本当に面白いもので、医科と歯科は数字が全く同じような横並びで進んでいっているんですよね。もう本当に横並びで、あっちがやったらこっちがやろうみたいな感じで、何か業界団体がお互いを見合っているようにしか見えないというのが外から見ている正直、感想です。
是非ここは、私自身、特に顔認証のカードリーダーですね、これを入れるときに十分の十というあり得ない支援をしている中で、そもそもまだ申込みがされていないということは、もうやる気がないということじゃないかということを指摘させていただいております。やる気がないんですよ、そもそも。だから、私、正直、厚労省の皆さんがこの苦労をしていること自体が本当にもう申し訳ないというか、指摘するのも申し訳ないんですけど、ここ、やっぱり私は、もう少し義務的に進めるというようなことを対策しないと、幾らこのアンケート等をしてもなかなか進まないんじゃないかなというふうに思います。
それについてもう少しお話ししたいんですが、資料の二枚目ですね。これ、類型ごとに特徴応じた対応についてということで、このように詳細を皆さん調べていただいております。
本当に、この理由のそれぞれの回答の中で、特にカードリーダーそのものを未申請の医療機関や、導入作業まで完了しているにもかかわらず運用未着手の医療機関などは、要はまだ何もやっていない医療機関の上位回答では、利用患者の少なさやマイナンバーカードを持参する患者が少ないなど、要は、自分たちが導入していないからではなくて、そのマイナンバーカードの取得だったり保険証登録の取得、それが遅いから私たちは進めないんだといって、要は外部に責任転嫁をしているというような理由がもう上位に来ているということが私はその表れだというふうに思っております。
民間企業からしてみますと、この医療機関側、要は受ける側が、システム導入始め体制整えて、利用者の利便性が高まる環境をつくっていくというのが私は基本だというふうに考えます。
厚生労働省として、こうした意識の是正も含めて、医療機関側へのシステム導入喚起に努めるべきだというふうに考えますけれども、本当に、この発注のみで未導入にならないとかいうような、その対策、どのように講じようというふうにされているのか、見解を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/192
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193・浜谷浩樹
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
御指摘のとおり、医療機関や薬局の導入の段階に応じまして、導入完了までフォローアップをしっかりしていく必要があると考えております。具体的にでございますけれども、これは進捗状況に応じてのフォローアップを想定しております。
まず、顔認証付きカードリーダー未申込みの医療機関等につきましては、例えば、オンライン資格確認そのものの理解が不十分とか、今御指摘がありましたけれども、利用する患者が少ないと思われるため申込みを見合わせているといった意見が多いことから、仕組みや導入メリットの周知を行いますとともに、関係省庁と連携したマイナンバーカードの普及促進に向けた取組、あるいはマイナンバーカードの保険証利用の申込み促進に向けまして、マイナポイント第二弾などについて国民への周知、広報を行ってまいりたいと考えております。
また、カードリーダーを申し込んでいるけれどもシステム事業者に発注できていない医療機関等につきましては、これも、例えば、利用する患者が少ないと思われるため導入作業を見合わせている、あるいは通常業務が忙しくシステム事業者に相談できていないといった意見が多いことから、先ほど申し上げましたマイナンバーカードの普及促進に向けた取組などを行っていきますとともに、システム事業者を通じた働きかけも行ってまいりたいと考えております。
続きまして、そのシステム事業者に発注しているけれども改修が終了していない医療機関等につきましては、多くがシステム事業者による作業日程の調整中の状況にあることから、システム事業者の導入促進協議会というのを大手事業者を中心に立ち上げましたけれども、こういった協議会を通じた依頼など、システム事業者に対する働きかけを行ってまいりたいと考えております。
それから最後に、導入作業は終わっているけれども運用開始ができていない医療機関等については、これも繰り返しになりますが、例えば、マイナンバーカードを持参する患者が少ないため運用開始を見合わせている、あるいは職員への研修をもうしているといった意見が多いことから、医療機関等に研修のための運用マニュアル等の周知を行っていくといったことを考えております。
このように、それぞれ、医療機関等が行われている導入状況に応じた取組を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/193
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194・田村まみ
○田村まみ君 そこまでお世話をしなきゃ進まないこのシステムというのは、医療関係者、医療機関の皆様はこのシステムが必要じゃないと思っているんじゃないかというふうに感じざるを得ません。
やっぱり利用者からしてみればというか患者からしてみれば、使えないのであれば、健康保険証は使えるわけなので、そちらでいいわと。わざわざ、マイナポイントがもらえる、何千円ということで、その餌にぶら下がるようにマイナンバーカードを作りに行くというのはそもそもあり得ないことで、マイナポイントで喚起をして、マイナンバーカードの取得が増えるからこれをどうぞやってくださいじゃ理由になりません。やっぱりまだまだ医療の中でのデータ連携等々が必要だということが医療機関の皆様に目的として伝わっていないんじゃないかということを指摘したいと思います。
そのいい事例がというよりも、この二十三ページと書いてある、お配りした二枚目の資料のところの下の左側にちょうど電子カルテの普及率も書いてあるんですよね。この電子カルテ、一体何年前からやっていたんでしょうか。この電子カルテの普及率について、データが平成二十九年だから古いとかというふうに審議会で言い訳めいたことをおっしゃっていた方もいらっしゃいましたけれども、この何年前からやっていたんだというところが私は一番問題だというふうに思っています。いまだに五割、電子カルテすらこの程度の普及率の状況で、電子処方箋が着実に推進されると到底思えません。
まず、この電子カルテの導入状況についても厚生労働省はどのように評価しているのかということを伺いたいと思います。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/194
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195・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
質の高い医療の提供におきまして、医療機関における業務の効率化、さらには地域の医療機関の連携強化等の観点から、電子カルテの普及は重要な課題だと考えております。
しかしながら、電子カルテの導入に一定のコストを要すること、異なる電子カルテを使用する医療機関の間では患者の情報を円滑に共有できないなど、電子カルテ導入のメリットを感じにくいことといった理由もありまして、平成二十九年の段階、まず先生のこの実態調査でございますけれども、四百床以上の病院では八五・四%と普及しておりますが、二百床未満の病院では三七%というふうに電子カルテの導入率にばらつきがございまして、特に比較的小規模な医療機関において導入が進んでいない状況にあると認識しております。
こうした中で、厚生労働省といたしましては、異なる電子カルテを使用する医療機関の間でも診療情報を円滑に共有できるよう電子カルテ情報の標準化に順次取り組んでいるところでございまして、先月、診療情報提供書などについて医療機関の間で共通の標準規格を定めたところでございます。
今後、システム事業者により標準規格に準拠する電子カルテの開発が速やかになされる予定と承知しておりまして、厚生労働省といたしましては、こうした電子カルテを医療機関に普及させるべく、中小医療機関への後押しを含め、医療情報化支援基金を活用しつつ、導入の促進を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/195
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196・田村まみ
○田村まみ君 もう本当に何年続けるのかということです。
今回、その横のレセプトのオンライン請求の普及率もそうですが、顔認証のそのカードリーダー入れるときに、周りのそのデータのシステムだったりとか回線を引く費用まで範囲として、何でしょう、十分の十の支援の中で入れていくということとか様々やっているんですけれども、やっぱり進んでいないということで、私はやっぱり、何でしょうね、お金が掛かるから導入しないという言い訳は違うというふうに思っています。本当の意味で必要性がやっぱり認識されていないんじゃないかというふうに思います。
その上で、令和四年の診療報酬改定によって、オンライン資格確認システムを通じて患者の薬剤情報又は特定健診情報等を取得して、当該情報を活用して診療を実施することに係る評価が新設をされました。目的は、オンライン資格確認システムの普及推進のためのシステム導入に係る医療機関の負担などを念頭とした加算体制というふうに見えております。
なぜシステム導入支援を診療報酬としたのでしょうか。例えば、消費税の改定のときに、小売業等や飲食店などレジや券売機といった機器の入替えなどでは政府からの支援は一切補助金としてないわけです。あるとしても、中小への予算措置で支援をするというのがほとんどです。昨年末の中医協でも保険者側から同様の意見が出ていますけれども、仮に財政支援するにしても、少なくとも診療報酬改定ではなくて予算措置が適切ではなかったかというふうに考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/196
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197・浜谷浩樹
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
令和四年度診療報酬改定におきましては、マイナンバーカードを健康保険証として利用できるオンライン資格確認につきまして、外来で患者の同意の上、過去の薬剤情報や特定健診結果等の情報を活用して診療等が行われた場合に初診料等に新たな加算を設け、評価することといたしました。
この委員会でも何度か出ておりますけれども、これは従来の保険証にはない新しい機能でございまして、より良い医療が提供されるというメリットが評価されたものでございます。その対価といたしまして、通常の診療報酬改定と同様に窓口で一定の御負担をいただくことになりますけれども、メリットを丁寧に国民の皆様に周知、広報し、御理解をいただくよう努めてまいりたいと考えております。
また、委員御指摘のとおり、オンライン資格確認等システムの導入に当たりましては、医療機関や薬局に対しまして顔認証付きカードリーダーは無償提供、パソコン等の機器の導入やネットワーク環境の整備等に対する補助を別途行っております。
マイナンバーカードの保険証利用の促進に向けまして、国民への普及啓発と医療機関等への導入支援の双方を車の両輪として前に進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/197
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198・田村まみ
○田村まみ君 後藤大臣、お尋ねします。
今のやり取り聞いていただいて、より良い医療の提供がされるからという理由でということで導入されたというふうに御説明ありましたけれども、実際導入進んでいないんですよ。そういう中で、このマイナンバーカードを用いた保険証機能の推進に当たり、初診料や再診料という形で利用者の負担が今から増えるということは、利用者に幾ら説明しても私は逆効果になっていくというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/198
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199・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 令和四年度診療報酬改定では、今局長から説明いたしましたけれども、外来で、患者の同意の上、過去の薬剤情報や特定健診結果等の情報を活用して診療等が行われた場合に、初診料等に新たな加算を設け、評価することといたしております。
これは、患者の方々にとっては、自ら同意した上で過去の薬剤情報や特定健診結果を医療機関等に提供することにより、より良い医療が受けられるメリットがあることを評価したものでございます。具体的には、より多くの種類の正確な情報に基づいた総合的な診断や、重複する投薬を回避し適切な処方を受けられるというメリットがあるものであります。
我が国の医療保険制度の仕組み上、通常の診療報酬改定と同様に患者の方にも窓口で一定の御負担をいただくことになりますけれども、国民の皆様にはこうしたメリットがある点を丁寧に周知、広報して、保険制度自体を社会全体として進めて、日本の医療の質やまた効率的な医療制度、こうしたものをつくっていく御理解を得られるように努めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/199
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200・田村まみ
○田村まみ君 お考えは十分理解していますし、私もやるべきだと考えています。ただ、導入がほぼされていない状態でこの診療報酬改定ということは説明が付かないのではないかということを申し上げているわけです。
こういうことをやると、だったら、利用することでお金が増える、あっ、支払うお金が増えるんだったらやらなくていいんじゃないかというふうな国民の皆様への間違ったメッセージになりかねません。ただでさえマイナンバーカードの取得も進まない中では、私はやっぱり逆効果だというふうに言わざるを得ません。
ただ、駄目だ駄目だと言っても前に進まないわけですので、私はやっぱり医療機関のデジタル化の、そちら側に進めるという意思をもっとはっきり持っていただかなければいけないというふうに考えます。ですので、電子処方箋の推進をスピード感持って取り組むならば、何らかのやっぱり義務化、これを検討すべきというふうに申し上げたいと思います。
既に診療報酬での対応決まっていますけれども、なので、どう義務化をするかということなんですが、代替策も何らか検討していただきたいというふうに思います。どう考えても、今、普及を考えている、普及に向けての基盤整備の期間でしかないと指摘せざるを得ませんので、この電子処方箋の効果が十分に発揮されない現在は、運営費用について保険者に負担を求めるのではなくて、やはり国が財政支援をすべきだというふうに考えますけれども、もう一度答弁お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/200
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201・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 電子処方箋、令和五年一月までの、一月に導入、運用開始ということを考えてございますが、システム改修等必要でございますので、それまでに対応が難しい医療機関なども想定されますし、また、紙の処方箋を引き続き希望される患者もいらっしゃるということでございますので、先生のそのお話、御指摘にございました義務化ということでございますけれども、その点については、まだ電子処方箋を義務化することとはしていないということでございます。
その一方で、電子処方箋、事務の、医療機関あるいは特に薬局ですね、薬局におけるその事務の効率化というメリットもございますし、患者さんもその重複投薬などの回避によりまして効果的な薬物治療を受けられますし、いろいろアクセス、医療機関等、薬局へのアクセスも向上するというメリットもございます。したがって、そうしたメリットを幅広く医療機関あるいは患者さんに御理解いただくということが必要で、そのためにも多くの医療機関、薬局に導入していただくことをするということが、まず私は大切だと考えております。
このため、補正予算で、令和三年度補正予算で予算を獲得していただきましたので、周知、広報でそのメリットを広げたり、それからモデル事業をする形で実際にそのメリットを感じたり、あるいは何か運用上の問題があればすぐ改善するといった取組、そしてシステム改修などに関してはICT基金を使った支援ということを考えているところでございます。
また、その費用負担についてお話、御指摘ございましたが、やはりこれはこうした全体のシステムの費用負担については、それぞれ医療機関、薬局、そして患者さんも含めてメリットがあるわけでございますから、その主体が分担して費用負担するということは実は関係者間で合意が得られているところでございますので、こうした観点からは、具体的にやっぱり電子処方箋のインフラ整備を行い、そして運営費用を医療を受ける被保険者一人一人に広く負担していただき、医療機関や薬局のシステム改修費補助に支援するという形で導入を進めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/201
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202・田村まみ
○田村まみ君 最終的にそれぞれが負担するということは私も否定はしません。ただ、今の普及状況を考えたときに、これを患者負担というところで出すというのがどうかという問いをさせていただいておるわけです。
ここまで来たら、もうしつこいと言われるかもしれませんけれども、私論に、私の勝手な持論になります。ちょっと極論かもしれませんけれども、やっぱり後ろ向きな医療機関に対しては、診療報酬上での評価、何より加算というのが正直、患者側からすると納得がいかないわけなんです。もうこうした消極的な医療機関について、むしろ診療報酬上の減算というような措置、それもやることで両方の推進ということの理解が深まっていくんじゃないかということも、あくまで私の持論です、極論だとも分かっていますけれども、それぐらいやらなければ進まないんじゃないかという私の意見に対して、厚生労働大臣、この減算をどうするかというよりかは、そこまでのことしないともう進まないんじゃないんですかという私のこの疑問に関して、是非お答えいただきたいと思います。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/202
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203・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 減算についてはあえてもう答弁は要らないという、そういうお言葉だったように思います。
先ほどから私も聞いていて、確かに関係者、どういうふうにコンセンサスをつくっていくかということはこれからみんなで考えなければならない、そして社会の動きをもっともっと強めていかなければならないということでしょうけれども、やはり共通のそうした基盤の上に、今の、これからのDXの時代にどうしたシステム制度を構築していくのか、そのことは大きな図を描いて考えていかなければならない課題だというふうには思っております。
そのために、具体的にどういう手だて、どういうふうな形で進めていくのか、しっかり検討させていただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/203
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204・田村まみ
○田村まみ君 検討していただきたいんですけれども、先ほど来、局長の皆様からの答弁の中にメリットを説明していくというふうに必ず入っていました。
私は、このデータヘルス改革によって、患者の皆さんが受けられるメリットを誰が説明すれば一番皆さんが納得するかといえば、やっぱり目の前にいるお医者さんが説明してくれるのが一番納得できると思うんですよね。特にかかりつけ医の人が、こういうふうに登録してやっていくと負担も増えるけれども何かあったときにいろんな医療機関とも連携できるし薬局とも連携できる、若しくは先々は介護というところにまで行き着くんだということを、やっぱりお医者様が言ってくれるというのは、やっぱり医者の資格を持っていない私だったり多くの国民の皆様は、そのことに一番実は納得をするんですね、目の前のお医者様がそうやって説明をしてくれること。なので、やっぱり医療機関側がこのことを理解して進めないと、私は実際には進んでいかないというふうに改めて最後申し上げたいと思います。
もう一つ、この件について最後、資料三枚目に付けております医師の資格証ですね、いわゆるHPKIですね。これ、電子処方箋の導入に当たっては、HPKIが処方するこの医師、調剤する薬剤師側に必要となってきます。お手元の資料のとおり、日本の医師会の調べでは、現在、HPKIの医師での普及率は、医師会会員で一〇%程度、医師全体では六%程度しか浸透していませんので、現実的な導入にはやはり課題があるというふうにしか思えません。
また、制度議論の途中から、KP、あっ、済みません、HPKI等として、これ、HPKI以外の何かオンライン上での医師であることを証明する施策も含めて導入検討がされているやに見えておりますけれども、この等というところ、これはどのようなものを想定されているのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/204
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205・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 電子処方箋、やはりその改ざん等をなされてはいけませんので、やはり真正性を確保ということが必要でございますので、医師などの電子署名を付すということは資格確認を含めて不可欠であるというまず認識に立ってございます。
そうした観点から、まず、繰り返しで恐縮ですが、現時点で利用可能な電子署名の仕組みはHPKIカードのみでございます。したがいまして、来年一月の電子処方箋の円滑な導入のためには、まずはそのHPKIの普及促進が重要ということで、令和三年度補正予算におきまして、保健医療福祉分野の公開鍵基盤、HPKI普及啓発事業として二・一億が計上して、国としてもその普及促進を図るということがまず第一でございます。
それから一方で、医療現場のニーズを踏まえまして、HPKIに限定せず多様な方法による電子署名を利用することも重要でございます。例えば、マイナンバーカードによる電子処方箋の電子、失礼、マイナンバーカードによる電子処方箋の電子署名への対応などについて今現在検討を進めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/205
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206・田村まみ
○田村まみ君 マイナンバーカードも活用されるということで、少し私は前進するのかなというふうに思いたいんですけれども。
今日、すごい、ここの場で、名立たる先生方を前にこの質問をするのはすごい申し訳ないなと思いながらも、もう一つは、医師資格をお持ちの皆さんが本当にマイナンバーカードを持って保険証登録全員されているのかなという私は実は疑問を持っています。是非そこも調査していただきたいなというふうに思います。このHPKI、さっきの等というところをマイナンバーカードもというふうにおっしゃいましたけど、もしかしたらカード持っていないんじゃないかとか、保険証登録もしていないんじゃないかというようなことも少々思いますので、是非そこも併せて私は調査していただきたいと思います。
その上で、その電子署名、そのHPKI等というところにマイナンバーカードを含む含まないと言わないと、形式上は多様な手段が増えたように見えますが、結局は実現可能ではない、一〇%程度、六%程度のこの持っている証明書の数が増えていかないということになりますので、是非そこはチェックしていただきたいなというふうに思います。
その上で、この今の時点ではHPKIそのものは電子紹介状といった場面でしか活用の機会がないということで、医療機関として導入すべき理由が余りないというふうにも私は聞いております。なので、このHPKIの現行の普及率が低いというふうに先ほども指摘しました。
本当に、ここからもっとこの電子処方箋以外にも様々な活用がされていくのかどうなのか。私は、そうじゃなければ、本当にもうマイナンバーカードの方に切り替えていくべきだというふうに思いますけれども、その辺りと今後のHPKI、これはどのような活用をされていくのか、御答弁お願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/206
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207・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
先生から御指摘のございましたHPKIカードですけれども、これはマイナンバーカードとちょっと違うところがございます。
一つは、券面上で、その券の上でですね、お医者さんとか歯医者さんであるという、その資格保有者であることが確認できる仕組みになっております。これは、マイナンバーカードではその方、持っている方がお医者さんとか歯科医師であるということは分かりませんので、そこが違います。その結果、例えば、その保有者の方が往診したときとかあるいは緊急時とか災害時に、自分が医師であるとか歯科医師であるということを証明できるという点がマイナンバーカードと違います。
それから、もう一つが、このカードには中に情報が入っておりますので、その方が医師であるとか歯科医師であるということを電子的に確認できる、いわゆる電子署名ができるという点がございます。そうした意味で、成り済ましを防ぐとかという点で非常にメリットがございます。
今後、現在普及率が低いということでございますけれども、まさに来年に向けて電子処方箋への活用ということになります。そこが使われていくことになって、普及を進めていきたいと考えておりますし、それ以外におきましても、日常的に医療機関の現場で、今後はいろんな情報を御覧になったりするような場面で使われていくというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/207
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208・田村まみ
○田村まみ君 本当にですかというのが、この証明を保有する人が増えない理由なんだというふうに思います。
先ほど、マイナンバーカードと一番違うというのは、そのカードを見たところで、その医師資格あるかないかということを目で見て分かるか分からないか、これ、正直、紙でも何でもいいものだというふうに思います。それ以外の電子情報というのは、やっぱりそのマイナンバーカードにもそういう機能がありますので、本当に普及率を、保有者高めていくと思ったときには、何に今後使えるかということが分からないと増えないというふうに思いますし、やっぱり、そもそも電子処方箋を発行するという前提のこのオンラインのシステムが進んでいないということであれば、連動してこのHPKI、こちらを取得して電子処方箋の普及も進めようというふうにならないというふうに思いますので。
いま一度、今あるものを活用するというのも分かるんですけど、もうここは思い切ってマイナンバーカードでやっていくというようなことにしていった方が、私は、いろんなシステムを動かすよりかは、システムのそもそもの費用負担を考えたときに有効に活用できるというふうに思いますので、ここは是非検討するようにというふうに申し上げたいんですけれども、そこはもう、何ですかね、このHPKIにこだわり続けるということでしょうか。いかがでしょうか。もう一度、済みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/208
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209・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 電子処方箋のシステムにおけるその真正性の確保については、先ほどと同じ答弁になって恐縮でございますが、現在、マイナンバーに医師の資格確認というのも入れて、するということになっていますが、まだ現在使われておりませんので、実際使われているのはやっぱりHPKIカードだけということでございますので、また、それについて先ほど医政局長からもお話ございましたけど、それなりの、それとしてのメリットもございますから、やっぱりまずはHPKIカードというものを普及を目指すと。
一方で、繰り返しで恐縮ですけれども、マイナンバーの利用ということも検討しておりますので、今後、そうしたHPKIカードも普及しつつ、更にどのようなことが可能かということについて検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/209
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210・田村まみ
○田村まみ君 是非、いろんなシステムを稼働させることでの運用コストというものを考えていただいたときの適切な御判断をしていただきたいというふうに思います。
最後に、全体観として、データヘルス改革に関する工程表というのが厚生労働省から出されています。私が見付けられるものでいきますと令和三年の六月に出されたもので、これによって様々なその導入開始時期が決められていて、今言ったようなことが進んでいるというふうに認識していますけれども、本当に、最初に指摘した医療機関等での顔認証システム、カードリーダーの導入が芳しくない状況で、現実的なシステム運用が可能な状況でないと改めて主張したいと思います。
この今言ったデータヘルス改革に関する工程表の進捗に沿わなかった場合での政策影響、全体観に関して、何かそれ以外のものに大きく影響するんでしょうか。きちっと進めていこうと思ったときに、目標を見直して、ただただ開始させる時期を帳尻合わせするんではなくて、目標を見直して、ちゃんとこのデータヘルス改革進めていくというのも私は重要だと思いますけれども、これ、厚労省のみで検討できるのかどうかだけお尋ねしたいと思います。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/210
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211・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) この議論をするためには、元々、マイナンバーカード、これ総務省が所管しています。それから、デジタル基盤あるいはデジタルの機能みたいなものはデジタル庁がやっておりまして、今日御議論いただいているような健康保険証だとか電子処方箋だとか電子カルテだとか、結構国民生活に大きな影響の出るこの個別の仕組みということからいえば厚生労働省が所管しておりますし、こうした制度を使う各役所みんな関係することになります。そういう意味では政府を挙げて取り組むべき課題であるというふうには思っています。
いずれにしても、マイナンバーカードの、今日は保険証利用の話から入りましたけれども、国民の皆さんがマイナンバーカードを取得していただいていることが必要でありますから、双方一体としてやっていかなければなりませんし、マイナンバーカードの取得については、令和五年の三月末までにほとんどの住民がカードの保有を実現するべくというふうに目標設定されています。これに合わせて、マイナンバーカードの保険証利用についても令和五年三月末までにおおむね全ての医療機関でというふうに書かれているわけでありまして、それと一体で、例えば昨年六月に当省で決定したデータヘルス改革工程表では、電子処方箋が来年一月、この夏をめどに過去に受けた一定の診療情報も医療機関等に提供されることも目指しています。
こうした施策は、医療分野でいえば、オンライン資格確認システムの基盤を活用して構築、運用されていくということでありまして、より良い医療が全国であまねく受けられるように、こうした医療機関等で導入していくということが重要だと思います。そして、それをどうやって進めていくかということについては、従来から厚生労働省としては、本当に国民、医療関係者への普及啓発と医療機関等への導入支援の双方を車の両輪として進めてきているわけですけれども、どうやってこれをもう一歩、本当に全体として動かしていけるかということについてしっかりと取り組んでいきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/211
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212・田村まみ
○田村まみ君 是非、医療機関の皆様には、マイナンバーカードの普及率が低いから自分たちは導入しないんだというところのアンケート結果の回答だけは何とか避けていただいて、もっと自分たちで何が必要かというところ、そこに向けて議論を進めていただけるように厚生労働省からの御指導をよろしくお願いしておきたいというふうに思います。
ちょっと時間がなくなりましたので、三つ目の質問の方ですね。ドラッグストア等の従業員の名札の着用の義務について質問させていただきたいと思います。実際に、直接的な今回法改正の内容ではないんですが、薬機法を根拠とする事項ですので、今日お尋ねしようと思って質問に入れておりました。
議員の当選以来、ライフワークとして、私、カスタマーハラスメントの是正に向けて厚労委員会等様々な委員会で質問させていただいております。その中の個別の事例として、ドラッグストアの店員がフルネームの名札を着用しているということで、例えば最近のカスタマーハラスメントでは、売場で写真をちょうど携帯で撮って、それをSNS上にアップしたりインターネット上にアップをするということで、それで何々店でこんなことがあったという投稿をされるわけなので、どこに誰がいるかということが、そして顔も全て分かってしまうわけですね。最近は、店員の皆さんも怖いという思いで、撮られそうになったら顔は隠すんですけど、名札も同時に隠すなんということまでやっぱりいかないんですよね。
このフルネームの名札を着用というのが、実は根拠法が薬機法に基づく施行通知になっております。各保健所から各ドラッグストアや薬局に対して指導がなされているという内容です。
まず、お尋ねします。
薬局運営に関して詳細を定めている薬機法並びに同法の規則、施行通知において、フルネームでの名札の着用が求められている理由はなぜなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/212
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213・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 御指摘のとおり、薬機法におきましては、薬局開設者などに対しまして、従業員が薬剤師又は登録販売者であることが容易に判別できるよう名札を付ける、付けさせるということを求めております。
その名札の表記というんでしょうか、内容につきましては、その施行通知という、まあ技術的助言という形でございますけれども、当該名札につきましては氏名を記載するということをお願いしているところでございます。
これは、患者さんが医薬品について状況提供を求める際に、どの従業員が医薬品の専門家であるか、薬剤師又は登録販売者であるかを容易に判別できるようにするとともに、後日、医薬に問合せする際に、どうしたか、どのような方から購入したかなど、アクセスを容易かつ確実にするためのものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/213
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214・田村まみ
○田村まみ君 もちろん医療用医薬品もそうですし、OTC薬もそうですけれども、実際に買物をして何かあったときに問合せをするというときには氏名が分かった方がいいということは、薬事上の国民の利益の確保として重要だということは、それは私自身も、使用する側を守るという意味でも必要だと理解しています。
しかし、今言ったような、お客様からの、お客様だと思っていたんですけれども、いわゆるカスタマーハラスメントのような被害を受けるというようなことが起きていることも事実ですし、ドラッグストアでは、やはり、何というんですかね、制服を変えて明らかに分かるような状況にしていますし、もう患者様、そして消費者の方もそれで理解ができるような状況もつくられています。
まずは、薬剤師か登録販売者かということは名前がなくても判別ができる状況になっているわけです。そして、このような被害があるという中で、実は一部の自治体では名字だけの名札でもよいという指導をしているというふうなところも、保健所から発出されているというのも伺っています。
厚生労働省としては、国民の薬事上の利益とカスハラ被害の是正、この両立をさせるためにも、施行通知の運用に関して、フルネームでなくてもよいというような何らかの発出ができないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/214
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215・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 御指摘のとおり、名札の表記ですが、先ほど申し上げましたように、我々の方で、省令で名札等に名前を書いてくださいとかいって技術的助言で氏名ということにしているところでございますが、先生御指摘の個人情報の、カスタマーハラスメント、あるいは個人情報の保護の観点から、一部の自治体では弾力的な運用として、フルネームではなく、名字だけでの記載を認めている場合があると承知してございます。
我々としても、その御指摘のカスタマーハラスメントの防止という観点から、この運用につきまして全国的に周知していくべきか否かについて、これから各自治体を含め、関係者の意見を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/215
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216・田村まみ
○田村まみ君 今局長の方から検討していきたいといただいたんですけれども、後藤大臣、最後に、この検討だけでは、私はやっぱり今言ったような被害の方が大きくなっているというのが現状だというふうに、現場の声の数の多さから最近実感をしているところでございます。やっぱり地域の保健所に相談するというのがそれぞれのドラッグストアの言い分なんですよね。
なので、やはり厚労省からの、今言った技術的な助言がどうあるかということで相当左右されますので、検討はいいんですけど、早く検討して早く決めてほしいんですけれども、後藤大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/216
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217・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 今それぞれ制度の趣旨等については局長からも話ありましたし、委員からも詳しく御指摘があったので、繰り返しません。
昨今のカスタマーハラスメントの防止という観点を踏まえれば、薬剤師の氏名がいろいろな場面において全て必要であるのか、例えば薬局に問合せを行った場合の担当者へのアクセスの問題だとか、医薬品の調剤はどの薬剤師に行ったかを明確にすることとか、薬剤師資格を有しているか患者が確認できるかどうかだとか、それぞれの場面、目的があると思います。そうした全ての場面において薬剤師等の氏名が必要かどうかという検討の必要性はあるというふうに思っております。
薬局等の関係者の意見も踏まえつつ、対応を検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/217
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218・田村まみ
○田村まみ君 ありがとうございます。
素早いところだけ是非もう一回お願いしておきたいと思います。
ここまで言うのは、実は、いわゆる小売業のスーパーマーケットだったり衣料品を売っているようなところなんかに行きますと、今は名札は名字だけなんですけど、やっぱりそういう確認もしなきゃいけないといったときに、販売してそのレジ打ちをしたときに、レジにかつてはフルネームで名前が載っていたんですよね。ですが、そういうのも、やはり後々のストーカー被害等もありましたので番号で管理する。それが人として、人の個人としての人権の問題どうかということもありますけれども、さっき言ったミスや何かあったときにお申出のためのあくまで記号として、今もうフルネームとか名前はやめて、レジには番号で表示をするとかいうふうな工夫をもうされ始めているわけですね、現場では。
ただ、やっぱりこの医薬品を販売するというところに行きますと、技術的助言とはいえ厚生労働省からのその指導があるということで、なかなか現場では変えられないという問題がありますので、是非早い対応をお願いして、今日は質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/218
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219・梅村聡
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。
本会議で薬機法等の改正案、質問をさせていただきまして答弁もいただいたんですけれども、まず前段は、ちょっとその内容を深掘りさせていただこうと思っております。
私、本会議の中で申し上げた質問の一つは、この新型コロナ、濃厚接触者を追いかけて追跡をして、まあ一緒ですね、追いかけるのも追跡も一緒です。特定して追跡して、そして隔離をすると、これにどれだけの意味があるのかという質問をさせていただきました。いただいた御答弁は、そういう面ももちろんあるんだけれども、高齢者施設とかそういったところはしっかりやらなければいけないという答弁、そういうのが総理からもらったわけなんですけれども、そうすると、いわゆる若者ですね、あるいは働く現役世代の方まで自宅隔離を、日数を短くしたとしても一週間ですよ、これやり続けていることが正直どうなのかという、この問題点というのは私は残っていると思うんです。
先週も、私、衆議院議員の方からお電話をいただきまして、週末、国政報告会を予定していたと。ちょっと行けなくなったから、梅村さん、代わりに国政報告やってくれるかと言うから、いや、代わりにするのはいいですけど、どうしたんですかと聞いたら、いや、子供が感染者になったので濃厚接触者だと。大丈夫なんですかと聞いたら、いや、元気だし陽性じゃないし、でもルールだからねと。まあ、それはやりますけどねと。でも、そのときにその議員さん言うたんですね、梅村さん、ふだん言っていることが本当だとやっと分かりました。これがまあ普通の方の感覚だと思うんですね。
日曜日は、大阪府の吉村知事から電話掛かってきました。あしたまで家で隔離なんだけど、元気だし何回抗原検査やっても陰性だし、これどうなんですかねと。自分たち知事は給料が出ていますと、議員さんもみんな給料は保障されています。でも、自営業者の方はこれで全く収入がなくなったり、そういった人のことを考えたときに、バランスを考えたら、やらないよりはやった方がいいかもしれないけど、もうそろそろ見直さないと、社会に対する影響はこれもうデメリットばっかりになるんじゃないかと、そういう意図で質問を実はさせていただいたんですね。
ここに当てはめたら、私が今日ここで質問を二十五分しまして、宿舎に帰った後に熱が出ました、コロナでした、でも、ここにおられる皆さんは特に何も制限ないですね。何でかというと、私もマスクしているし、皆さんもマスクしているから大丈夫なわけです。
ところが、私がどこかで濃厚接触になったと。マスクしていますよと、皆さんもマスクしていますよねといっても、濃厚接触者はこの部屋に入ってきて質問もできなければ、隠れて質問をしたら、ひょっとしたら懲罰動議を受けるかもしれません。バランス悪過ぎませんかということが私の質問の意図なんですが、これどうなんですかね。
まだ続けますか、どうしますか。この答弁いただきたかったんですけど、厚労省としては今どう考えておられるのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/219
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220・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
まず、濃厚接触者に対する外出自粛要請につきましては、感染した可能性のある患者等を特定して感染拡大防止を図ることを目的として実施しているところでございます。オミクロン株が主流となった現状では、以下のような専門家からの御指摘、またエビデンスの確認がされているところでございます。
まず一点目は、オミクロン株は潜伏期間や世代期間が短くて、感染拡大の状況等、保健所による濃厚接触者の特定に一定の時間を要する場合には濃厚接触者の特定と行動制限による感染拡大防止効果が限定的であること。また、二点目ですが、一般的な職場等における濃厚接触者の陽性化リスクは同一世帯内の濃厚接触者の陽性化リスクに比べると低いこと。また一方で、三点目ですが、医療機関や高齢者施設等におきましては、感染が拡大した場合の重症化リスクが高く、また閉鎖された空間であり、濃厚接触者の特定と行動制限による感染拡大防止効果が期待されることといった専門家からの御指摘やエビデンスが確認されているところでございます。
このため、御指摘の濃厚接触者に対する外出自粛要請につきましては、まず陽性化リスクの高い同一世帯内、例えばお子様が感染したその場合に、同一世帯の御家族の場合は陽性化リスクが高いというふうにされていますので、こういった同一世帯内においては引き続き濃厚接触者として外出自粛要請をしていただくこと、また、重症化リスクの高い方が入院、入所している医療機関や高齢者施設等にこの外出自粛要請は重点化すること等が可能である旨を自治体に対してお示しをしているところでございます。
また、あわせて、一般的な事業所等で感染者が発生した場合には、保健所等による濃厚接触者の特定や行動制限を求めないことも可能としております。濃厚接触者への外出自粛要請は、引き続き必要、場合によって引き続き必要と考えておりますけれども、濃厚接触者の範囲の見直しについては随時行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/220
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221・梅村聡
○梅村聡君 今の三つのカテゴリーというのは、これまでも答弁されていたと思うんですね。専門家の方の御意見はそれで分かりましたと。問題は、さっきも言いましたけれども、社会との、社会とのバランスを考えたときに、じゃ、そのルールは具体的にどう当てはめていくのですかということを考えれば、陰性、抗原検査でも何でもいいんですけど、陰性で元気で発症もしていない方を家に留め置く、外出自粛をしているということのデメリットの広がりについてどう判断するかということ、ここが大事なところなんですね。
今の御答弁は、専門家の方がそうおっしゃっているというのは、それは僕らもよく理解していますけれども、そのバランスを考えていくというのが政治であり行政の役割ですから、私はもう今の濃厚接触者の方の外出自粛というのはもう明らかにやり過ぎだと思いますし、そういう方は感染をさせないようにきちっと感染防止策をやった上で社会活動してくださいと言えば、私はそれで終わる話なんじゃないかなと。つまり、その人の行動をちゃんと気を付けてくださいよということを条件にすれば、私は、いつまでも同じように続けることというのはもうデメリットが大き過ぎると、このことをあの本会議場での質問で言いたかったことですので、この点、是非御理解をいただきたいと思っております。また検討もしていただきたいと思っております。
それからもう一つは、実はあの質問の中で、もう一つ聞いていることがあります。これは何かというと、この今の新型インフルエンザ等感染症ですね、今の新型コロナが二類相当以上と申し上げます。今まで二類相当と言っていましたけど、でも、よく考えたら、患者さんの外出自粛とかいうのはこれもう一類でもないことですから、相当厳しい形で管理をしておりますけれども、これを五類感染症にしたときに、総理の答弁はこうなんですね。入院措置ができなくなるだけではなく、健康状態の報告と把握、自宅療養や外出自粛要請等ができなくなるから適切ではないという、こういう答弁だったんですけれども、私が聞きたかったのは、そのトータルの話も大事なんですけれども、そもそも入院措置ができなかったら何が困るのかということがあの質問で聞きたかったんですね。
簡単に言えば、入院措置というのは、患者さんが、人権侵害になりますから、おまえ必ず入院しろよと、入院せえへんかったら罰則を掛けるぞというのが、これが入院措置ですよね。それは、そういうものを法律で決めておかないと、おまえは新型コロナなんだから絶対に病院から出るなと、人権を侵害するよということは、これは許されないから法律で、感染症法で定めているのが入院措置なわけです。
そういう強制的なことができなくなることが困るからこの新型インフルエンザ等感染症から外せないというのは、そもそも何が困るんですかという質問だったんですけれども、これは具体的にどういうことが困ることになるのか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/221
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222・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
入院措置についての御質問と思います。
新型コロナウイルス感染症につきましては、オミクロン株であっても致死率や重症化率がインフルエンザよりも高く、更なる変異の可能性もございます。どのような方に入院していただくかは最終的には都道府県の判断となりますけれども、患者の症状等に応じた適切な医療を確保し、リスクの高い方を重点的に入院につなげる必要があると考えております。
新型コロナウイルス感染症を五類にした場合には、まず、現在のオミクロン株において、重症化リスクが高く都道府県が入院させる必要があると認める方に対して入院勧告、措置を行えない。また、更なる変異があった場合等において、都道府県が感染の蔓延防止のために入院させる必要があると認める方に対しても入院勧告、措置を行えない。その結果として入院費用に対する公費負担も行えなくなり、現時点では国民の命を守るという観点から現実的ではないと考えております。
引き続き、科学的な知見を収集し、今後の感染状況も踏まえながら、政府において専門家の御意見も聞きながら議論を続けていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/222
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223・梅村聡
○梅村聡君 その答弁も今まで聞かせていただいたことあるかと思うんですけど、問題は、あなた、じゃ、入院しなさいというのは、これ蔓延防止ですよね。蔓延防止のために言っているわけですよ。今現実に、いや、俺は嫌だと、入院しないよと言ったらこれどうなるかいうたら、じゃ、次の人ねとなるだけのことなんです。あんた、知事が言ったのに入院しなかったねと、もう悪かったら逮捕だみたいなことは、これは全く起こっていないわけですね。俺は入院しないよ、ホテル療養でいいよと言ったら、じゃ、次の方入院どうぞとなるだけのことなので、現実的には入院措置というものが発動されている場面ってないんです、と私は思います。
だから、公式答弁はそれでいいかと思いますが、運用上はやっぱりかなりいびつなことになっているということはちょっと考えていただきたいなと思います。
それから、よくお金が掛かるよという話もありますけれども、これはあれですよね、質問じゃないですけれども、一応私の認識は、感染症法に基づいて自己負担分を補填しますよというのは、それは新型インフル等感染症じゃないとできない話だと思います、一類もそうですけれども。だけど、政策判断として、別に五類にしても、いやいや、自己負担というものは、これはきちっと、いまだ出さなければ、国が出さなければいけないとすれば、今の緊急包括支援交付金と同じ形で予算組みをすれば、自己負担分を出すことを禁止されているわけじゃありませんから。だから、そのことを理由にいつまでも新型インフル等感染症にし続けているというのは、私は本末転倒じゃないですかということを申し上げたいと思います。これは僕の意見として聞いていただきたいと思います。
三点目です。岸田総理はこういうことも答えられております。この新型コロナを新型インフルエンザ等感染症二類相当以上から外せない理由として更なる変異というのを挙げられておられますが、これ、更なる変異の可能性がなくなったというのは、具体的に誰がどのようにそれ決めるんでしょうか。これ、お聞きしたいんですね。
要するに、海外はどんどん今行動制限の緩和が続いてきているわけですよね。この更なる変異の可能性がなくなったというのは、これ日本政府だけでは判断できないと思うんですよ。WHOも含めてですよ、制限緩和、行動制限の緩和の条件に更なる変異の可能性というものを入れることは、これは世界的にコンセンサスを得られていることなのかどうか。
二点、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/223
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224・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
五類感染症への変更には、感染力及び罹患した場合の重篤性に基づく総合的な観点から危険性が高くない等の要件に該当する必要があると考えております。
新型コロナウイルス感染症につきましては、オミクロン株であっても、致死率や重症化率が季節性インフルエンザよりも高く、更なる変異の可能性もあり、健康状態の報告、把握や外出自粛等の要請、入院措置が行える現行の新型インフルエンザ等感染症から五類への見直しには慎重な検討が必要であると考えております。
一方で、オミクロン株につきましては、その特徴等を踏まえ、科学的根拠に基づき、これまでも感染者の隔離期間の短縮や濃厚接触者の待機の在り方の見直し、積極的疫学調査の重点化を行ってきたところでございます。
今後の変異につきましては、現段階で見通すことは困難であり、引き続き、ゲノムサーベイランス等を通じまして変異の有無等を確認するとともに、その感染力及び罹患した場合の重篤性を専門家の意見も踏まえながら厚生労働省において確認をしていくことになると思います。
また、諸外国においては、マスクの着用の義務の緩和や外出制限の見直しが行われております。その際、変異の可能性がないことは制限緩和の要件とはされていないものと承知をしております。
引き続き、必要な科学的な知見を収集し、今後の感染状況を踏まえて、専門家等の御意見も伺いながら議論していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/224
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225・梅村聡
○梅村聡君 厚労省としては精いっぱいの御答弁だと思いますけれども、大臣、今の議論、分かられましたですかね、今の論点というものがですね。
結局、以前、予算委員会でも、ちょっと佐原さんには非常に申し訳ないことしましたけど、何回も答弁に立っていただいたことあったかと思うんですけど、実はこういう論点があるので、いつまでも新型インフル等感染症で置き続けていることのデメリットが今社会でどんどんどんどん大きくなってきています。
だから、この間も申し上げたことは、今の株ですよね、あるいは新型コロナですよね、これがある一定のリスク以下になったときには五類にすればいいし、そして新型コロナのこの箱は残っているわけですから、万が一変異があって危ないものになったときにはそこに指定し直すと、こういう機敏な対応をしないと、これを緩めました、あれをやりましたといっても、前提条件が変わらなければ社会はいつまでたっても動けないんですよね。
だから、よく言われるのは、もう二類だろうが五類だろうが関係ないという方おられると思いますけど、そんなことないんです。やっぱり社会の活動、人間の社会ですから、そことどうバランスを取って、そして感染症法というのは過去に悲しい経緯があったわけですね。人権を侵害、できるだけしない、必要かつ十分な感染防御によって人を感染症から守ろうというのが感染症法なわけですよ。昔の伝染病法というのは、やっぱり病気を防ぐためには人権はある程度侵害しても仕方ないんだという考え方があったから、その反省に立って必要かつ十分なものにしていこうというのが、これが今の感染症法の考え方なので。
ちょっとここ時間取りましたけど、非常に重要な論点だと思うので、もう一度大臣、ここで決めてくれとは言いません、でも、どういう論点でこの問題を考えないと社会が正常化しないかということ、このことは是非考えていただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは……(発言する者あり)あっ、ごめんなさい、ごめんなさい、もし感想がありましたらお願いいたします、何かあったら。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/225
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226・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 質問を受けたというふうに思って手を挙げてしまいました。
委員のおっしゃっていることの趣旨は、私は理解はしています。ですから、必ず答弁の末に、引き続き必要な科学的な知見を収集し、今後の感染状況等を踏まえ、専門家等の意見を聞きながら議論をしてまいりますというふうに申し上げておりまして、これは別に例文でも何でもなくて、本当にそういうふうに思っているわけであります。
ただ、五類感染症なのかそうでないのかとか、新型インフルエンザ感染症なのか、そういう、何というか、類別の問題とか個別具体的な社会的な対応措置の一つ一つを言うだけではなくて、やはり感染力及び罹患した場合の重篤性に基づく総合的な観点から、感染症であるかどうかということは、どういう感染症であるかということはやっぱり考えることは大事だというふうに思います。例えば、致死率はどうであるのかとか、それから、例えばさっきの変異の話も、BA.1、BA.2、そして今新しいBA.1とBA.2が影響し合ってできて、今、世界で感染を心配しているような、これは、一つ言えば、新型コロナの変異の連続であります。
ですから、そういう意味で、本当に今こうした状況で、まだまだ一方で、地域によっては大変に医療提供体制の逼迫の問題も含めてこの感染症が重要な病気であるという認識のある中で、本当に大丈夫なのかどうか。それを具体的に言えば、感染症法上のいわゆる財政措置があるかとか、例えばそれぞれの法律に基づく強制的な措置制度が適用になるのかとか、そういうことにつながっていくと思います。
議論からいえば、例えば財政措置にしても、なぜ財政措置をするのかといえば、それはやっぱり感染症のそういうその規制の下で行われるから財政措置なのであって、どこかから突然、政策的に財政措置、国が全部金見るという話になるわけではないので、そういうことも含めて全体としての制度問題というのを考えていく必要もあるのではないかというふうに思っています。
先ほどの答弁も若干分かりにくかったかもしれません。要は、濃厚接触者の問題も、分かりやすく言えば、一般の企業の場合はもう濃厚接触者の特定を行わず追っかけないということです。家族と、それから非常に閉じた組織である高齢者施設、こういうところについては非常に閉じた場所なので、これは濃厚接触者を追っかけようと。
それはどこから出てくるかというと、オミクロンが、あるいはその新しい変異種も含めて非常に接触が短い間に起きて、あっ、感染が、そして世代が短くなったことによって、今までと同じオペレーションで追っかけていくだけだったら、もうとっくにそれを見付けたときには三次感染、四次感染が起きるという状況の、そういう客観的エビデンスの中で濃厚接触者もどうしていくかということで考えていまして、全体としての制度をしっかりと、問題意識は共有しておりますから、制度としてどういうふうに考えていくことが必要なのかということも含めて、具体的な対応については、病気の病状あるいは症状だとかウイルスの性状とか、そういうことも含めて考えていきたいと思います。
指摘の御趣旨については十分に、私は本質は共有してお話をしているつもりであります。ちょっと長くなりまして、失礼しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/226
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227・梅村聡
○梅村聡君 僕も大臣の御趣旨は分かったんです。
問題は何かというと、これがなぜできないかという質問を今までしたら、あれができない、これができない、これができないという答弁が続いたわけですよ。だから、その答弁で判断されるというのはやっぱりちょっとおかしいんじゃないですかと。全体バランスというものがあって、社会をどこまで止めるかということは、これ感染症法の物すごく大きな部分なわけですよ。だから、措置って考え方があったり財政措置って考え方があるわけで、そことのバランスも考えたときに、あれができない、これができない、それも駄目だって言うから、できませんという御答弁は私はちょっとおかしいんじゃないかということで、バランスを考えてくださいと、そのことが余りにも観点として今まで弱かったんじゃないんですかということを言いたかったので。
時間が来てしまいましてね、次、いい質問がまた続くんですけれども、次回に回したいと思いますが、考え方ということを、やっぱりしっかり感染症法というのがどういう立て付けで、そして過去の反省があって、社会をどこまで止めることが許されるのかという、ここがもう明らかに今バランスが悪くなっているということを是非考えていただいて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/227
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228・石井苗子
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
皆様、お疲れさまでございます。
私の質問はもう午前中に皆さんがしてしまったんですけれども、改めまして、法律というのは、一般の私たちが読むときにすごく言葉に引っかかることがあるんです。適当とか適切とか緊急とか、一般的によく使われますが、これを読んでいるときには、どういう意味でそれが言われているんだろうかというのがすごく気に掛かるんですね。ということを中心にちょっと質問させていただきます。
緊急時についてという、この改正の趣旨の第二の緊急時についてというところなんですが、読みますと、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病の蔓延そのほかの健康被害の拡大を防止するため緊急に使用されることが必要な医薬品であり、かつ、当該医薬品の使用以外に適当な方法がないこと。何回か読むと分かるんですが、これが緊急承認の要因、要件となっております。ところが、これを、現行の薬機法十四条の三の特例承認というところを読むと全く同じ文言なんです。
これ、緊急に使用されることが必要になるのは、もう一回聞きます、具体的にはどんなことでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/228
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229・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 事例というか具体と申しますか、緊急に使用されることが必要な医薬品、必要な医薬品でございますけれども、新型インフルエンザですとか、今まさにあります新型コロナウイルス感染症と同等の疾病の蔓延が最も想定されるというところでございます。
また、同じように、健康被害の拡大を防止するために必要な医薬品ですけれども、そういった健康被害に相当するものといたしましては、原子力の事故ですとかバイオテロなどによる健康被害も考えられまして、そうした医薬品についても個別具体な状況を踏まえて該当し得るというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/229
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230・石井苗子
○石井苗子君 緊急に使用されることが必要になるのはどういう場合かという御質問させていただいたので、その答えとしては後の方の原発の事故とかバイオテロだとかということになり、感染症の蔓延以外に緊急時に当たる疾病は何ですかというふうにお伺いしたら、恐らく新型インフルエンザの答えなんじゃないかと思うんですが、よろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/230
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231・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/231
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232・石井苗子
○石井苗子君 整理して考えないと、文章を読んでいると分からなくなるんですね。
ということは、今度、適当な方法、この適当と適切の違いなんですけれども、適当というのがスロピーという英語のだらしがないという適当ではなく、適当というのはイコールということです、同じ。適切というのはフィットという英語ですので、当てはまると。だから、皆さんが着ていらっしゃるスーツ、スータブルというのは、きちっとそれにふさわしいという意味で、適切というふうに日本語で訳しますよね。なので、適当ということはイコールということなんです。
この文章を読んでいますと、当該医薬品の使用以外に適当な方法がないこと、先ほどから梅村ドクターが言っていますけど、こういうふうに厳密に読んでいくと、当該医薬品の使用以外に適当な方法がないこと、イコールな方法がないことという適当な方法というのは具体的にどのような方法のことなのか。
それから、承認済みの医薬品、医療機器等のみでは、緊急時の、さっき言った二つあった緊急時ですが、緊急時の医療上の必要性を満たせないとき、満たせないときのほかにどのような場合があるのか。ちょっとクイズ番組みたいですけれども。承認済みの医薬品、医療機器等のみでは緊急時の医療上の必要性を満たせないときのほかにどのような場合があるのかの二つを確認させてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/232
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233・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) まず、特例承認制度と同様に、緊急承認制度の非代替性については、対象となる感染症の治療等に用いる医薬品等が他に存在しない場合だけでなく、対象となる感染症の治療に用いられる医薬品が既に承認されている場合であっても、重症度が異なる患者には承認されている医薬品がない場合とか、承認されている医薬品の供給が十分ではない場合とか、それから、承認されている医薬品と比較して極めて高い有用性が見込まれる場合などを踏まえて個別に判断することを想定しているというふうに考えています。
ですから、そういう意味でいえば、今幾つか挙げた例の中に、今先生からお尋ねの二つ目の質問の答えも入っているというふうに思いますけれども、それぞれ作用機序、使用方法、対象者の違い、そうしたことを考えながら今のようなものがあるというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/233
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234・石井苗子
○石井苗子君 これ、改正の趣旨の第二について質問しているんですけど、現行の薬機法と同じということの理解でよろしいですか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/234
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235・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 緊急性の条文の文言については同じだということです。緊急性のところだけですよ。もちろん安全性だとか、まさにそういう、これからあるような話は別ですけれど、その緊急性の条文のところは同じだということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/235
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236・石井苗子
○石井苗子君 緊急性の条文のところが同じ。
さて、これから、先ほど御質問がありました安全性と有効性についてなんですが、有効性の推定と書いてあるんですね、推定。有効性の推定についての質問をします。
緊急承認の要件として、申請に係る効能又は効果を有すると推定されるものであることと。推定、どのような場合に有効性が推定されるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/236
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237・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 緊急承認制度における有効性は、個々の医薬品等の性質等に応じた判断が必要になります。その時点で入手可能なデータでは有効性の証明の程度は通常承認と比べて相対的に低いけれども、有効性があると合理的に考え得る場合を有効性の推定のケースとして想定をしています。
例えば、国内産の治療薬について、いわゆる後期第二相試験程度の臨床試験において一定の有効性を示すデータが得られている場合には、他の関連する科学的知見も踏まえて有効性が推定できる場合があるものと考えられます。ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/237
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238・石井苗子
○石井苗子君 分かりました。
推定、推定有効ということでいきますと、今度、新型コロナの治療薬について質問をしたいんですけど、これ保健衛生上の措置についてちょっと質問をしたいんですね。
保健師ですので、保健衛生上の措置というのがちょっと気になるところなんですけれども、緊急時、先ほどから言っております緊急時の薬事承認の在り方に関する、ここにとりまとめというのがございまして、そこに書いてあることが、安全性については確認しているものの、緊急時に使用されるものであることを踏まえて、医薬品、医薬機器等の使用によるものと疑われる疾病、障害又は死亡の発生を厚生労働大臣に報告することを求めるなどの保健衛生上の措置を徹底することを条件とするということが適当、イコールです。だから、しなきゃならないということに書いてあります、されております。
となると、現在、新型コロナの治療薬でこのような保健衛生上の措置とされるものが果たしてあるんでしょうか。ありますか。教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/238
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239・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) コロナに限りませんけれども、医薬品を使用して、場合に副作用あるいは副反応ということが起きた場合、それを我々の方に御報告していただくんですが、まず一つ、承認に際して薬にも条件という、付けまして、そのときに市販後安全対策というものをお願いしてございます。もちろん付いているものもあれば付いていないものもありますけれども、大概は、抗がん剤であれば全症例を調べてください、全症例使用症例を調査してその結果を報告してくださいというのもありますし、また新型コロナの場合も適宜御報告いただくということをお願いしています。そうした市販後安全対策がございます。
それから、ちょっと順番混乱して恐縮でございますが、副反応、副作用等があれば、医療機関、それから企業等から御報告いただくと、そういった措置でございまして、今回その制度設計に当たった審議会におきましても、今回緊急承認制度を創設するに際しては、そうした市販後安全対策等の措置を徹底せよという御提言をいただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/239
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240・石井苗子
○石井苗子君 そこなんです。そこ関連でなんですが、制度のことがちょっとはっきりしておかなきゃいけないんですね。これ、どこを通じて報告する制度があるんでしょうか。あと、緊急承認の制度を設ける場合ですよ、現行法のままでお行きになるのか、それとも、あるいは新しく保健衛生上の措置をとるというふうに考えていらっしゃるのか、どちらで。
まず、どこを通して制度を報告することになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/240
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241・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) お答えいたします。
ちょっとお尋ねに対して順番が逆で恐縮でございますけど、まず、現行制度の仕組みを使って対応するということを考えてございます。
そこで、先生お尋ねの現行制度の仕組みにおいてどこを通じて報告があるかということでございますけれども、先ほど申し上げた二つありまして、承認の際の条件に市販後安全対策をというのは、それは企業、メーカーですね、にお願いしておりますので、そこでの、調べて報告をいただくと。
それからもう一つ、副反応、副作用の報告というのもございます。これは、一つのルートが医療機関、医療機関からPMDA、いわゆる厚生労働省の方に御報告いただく。もう一つは、企業からPMDA、厚生労働省に御報告いただく、そうしたルートもございます。さらに、午前中御質問いただきましたが、患者さん自らがPMDAに御報告いただくという仕組みがございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/241
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242・石井苗子
○石井苗子君 今、整理すると三つあるということですね、三つ。副作用と副反応の報告の義務がある制度が三つあるということなんですが、これちょっとややこし過ぎるなと思うんですけれども、これもう少し簡素化はできないんでしょうか。無理ですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/242
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243・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 多少説明不十分で恐縮ですが、患者さんの場合には、義務というか、それは任意になってございますけれども、まず、簡素化ということでございますが、やはり、まず、薬機法は、医療機関が自分で試験をして、そのデータを踏まえて承認申請して、それを踏まえてその承認を得て、そのデータを使っていただく医療機関などに提供をして、その結果、その期待した薬理作用、効能、効果があるか、また、出る副反応が、副作用が予想の範囲内かどうか、それがないかどうかという意味においては、企業がまずそれはきちんと企業の責任として報告していただくということで、薬機法上も厚労大臣に報告しなければならないという義務規定がございます。
一方、それは企業の報告を待つのではなくて、実際に使っていただいている医療機関、医療機関も、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するために必要があると認めるときは、それは医療機関の義務として報告しなければならないとなってございまして、それを一本化するというよりは、やはりきちんと医療機関と企業とでそうした報告をしていただくということが大切ではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/243
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244・石井苗子
○石井苗子君 ありがとうございました。
ということは、とりまとめのところを読んでいますと、午前中も質問が出ていましたけれども、そこと関連して、流れてくると、承認に当たっての条件として何が書いてあるかというのをちょっと読まさせていただきます。検証的臨床試験、日本人試験、使用成績調査等を実施すると、緊急時における医療環境等に配慮したリアルワールドデータ、つまり、これ実質的に実務的に証拠に残る具体的なデータという意味だと思いますが、リアルワールドデータを含めた有効性を確認できるデータの収集を条件とすることが適当であるということは、イコールじゃなきゃいけないということですよね。これ、やらなきゃいけないということです。
そうすると、緊急承認で、第二章、あっ、ごめんなさい、第二相の臨床試験まで承認の判断が可能だということに順番とすればあるんだろうと思うんですが、よろしいですね。
ここから先なんですが、第三相の臨床試験の実施をその承認の条件とするのか、それとも、あるいはそれは必須でないのかという質問をさせていただきたいんですが、午前中に資料を、石垣さんの資料で、人様の資料で申し訳ないんですけれども、この第三相、第三相を見ますと、私、大学でこの臨床試験というのをやっていた人間なんですが、第三相のところ、患者、括弧、多数と書いてあって、約二百人以上と書いてあるんですが、多数でないですよね。コントロール群とノンコントロール群入れたら、大体、二千、二千で四千人ぐらいなきゃいけないんじゃないかなと思うんですが、それが一番人間でやることの、実際のペーシェント、ああ、ごめんなさい、実際の患者様を必要としますから一番大変で難しいところなんですけれども、ここのところ、第三相試験の実施を承認の条件とするのか、あるいはそれは必須でないのかという、ここをまずお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/244
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245・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) まず、緊急承認制度は、あっ、失礼しました。
まず、御指摘のとおり、医薬品は、第一相、第二相、第三相という試験を経て、第三相試験の結果を踏まえまして承認申請して、我々の方で承認するということになりますが、緊急承認制度におきましては、そうした時間、緊急時にどう対応するかということで、第二相の結果で一定程度の有効性が推定できる場合は、安全性が確認できれば承認しましょうという制度でございます。一方で、そうであれば、有効性、推定ですが、通常、確認でございますから、それはやはり予定というか、通常考えられる第三相試験ということを原則としてお願いするということでございます。
御指摘のあったリアルワールドデータは、第三相試験、感染状況によっては第三相試験が十分に行えない場合もございますし、また、その使用成績において何か有用なデータも考えられるということで、原則としては第三相試験を求めておりますが、併せてリアルワールド、実際の使用のデータも併せてそれを出していただいて、実際にその有効性を確認して承認ということにするということを考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/245
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246・石井苗子
○石井苗子君 リアルワールドデータというのは何試験ですか。観察ですか、臨床研究ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/246
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247・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) まず、一般のお医者さんに使っていただいた一般臨床データということが多うございます。実際にお医者さんが使って、その結果どういう効果があったか、副作用があったかというデータでございます。
あと、また、リアルワールドデータのときに、定義がいろいろあるんでございますけど、広く考えれば市販後のデータという意味でございまして、売った後のデータでございます。それには、仮にアカデミアの先生が御自身で研究された場合もございますけれども、基本的には実臨床のデータということが該当いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/247
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248・石井苗子
○石井苗子君 使った、効いた、やった、効果があったということですよね。それは確実な第三相ではないわけです。これは、緊急を要するからやむを得ずそういうことでやるという、適当ですからイコールなわけですよね。
となりますと、大体、アビガンなんというのは、緊急事態、緊急適用ということで承認されてしまって、その後、さてさて、その後で第三相の臨床試験が通常承認を取ってもらうので、その後やるということの理解でよろしいでしょうか。
つまり、後で通常承認を取ってもらうので、その時点で第三相試験をやるのであると、必要になるのであるという理解で正しいですか。とにかく承認してしまう。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/248
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249・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) まず、アビガンについては、まだ継続審査でございますし、治験のデータの整理も行われておりますので、個別具体のことは申し上げられませんが、まずその緊急承認制度、第二相試験の結果で承認申請していただいて、それで有効性が推定できれば承認して、そしてあわせて、その後に有効期限の二年以内に追加で原則として第三相試験の結果を踏まえて承認を更にするという制度でございます。そのときに、通常、特にこういった緊急時では、第二相試験が終わりましたら企業はすぐに第三相試験に取りかかっております。
したがいまして、第二相試験の結果を企業はまとめてPMDA、我々の方に承認申請して、我々が審査している間に並行して第三相試験というものが実施されているのが常で、高い確率で予想されます。
したがいまして、我々としては、まず原則として第三相試験の結果をいただくということは考えてございますが、場合によっては、仮に急速に感染者が減ったという状況で第三相試験が実施できないなどの状況があれば、その補う形において実際に使ったデータ、いわゆるリアルワールドデータ、市販後のデータというもの、様々の、それは、実臨床のデータまではお医者さんが、研究者がアカデミアとして何か、何がしかの研究したデータもいろいろあろうかと思います。そうしたデータを補完的にいただいて、その承認に使うということを考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/249
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250・石井苗子
○石井苗子君 私も、病院でドクターがイニシアティブを取るという、その医師指導型の臨床試験とかとか、いろいろやっていたんですけど、今緊急時でこういうことになると、そこでなんですよ、そこで電子データというのが、ここが生きてくるといいなと思って聞いているんです。よろしいですよね。自分が飲んだ、効いたか、どうなったのか、副作用がいつあったのか、これすごく大事になってくるんです。
でも、お金の問題、さっきずっと聞いていて、ああ、そうだろうなと思うんですけれども、やっぱり今私が感じていることは、通常の健康保険証だとそういう今言ったようなことは、あのとき何が起きて何を飲んでどうなったのかということが、データくださいよ、こんなに体悪いんだし、痛いんだしと言っても出てこないけど、マイナンバーカードですか、マイナンバーカードじゃない、マイナンバーを持っているとそのデータを追求することができるので、少々初診時や再診時の診療のときに値上げをしているのではないかなと思っているんですけれども。
まあその値上げのところはちょっと置いておいて、この電子処方箋、余り言葉にこだわって大変申し訳ないんです。電子処方箋とはというところを読んでいますと、オンライン資格確認等システムを拡張し、現在紙で行われている処方箋の運用を電子で運用する仕組み。大変簡潔に書いてありますけれども、オンライン資格確認等システム、先ほどから御質問がありましたが、閲覧できる情報を拡充して、患者さんが処方や調剤された内容、今、緊急時のときも含めまして、それを閲覧できて、自分で見ることができて、例えば重複して投与を、投薬されていたんじゃないかというようなことも自分でチェックできる、自分でチェックできるということですよね、の結果がどうであるかということも確認できる。よろしいですか。それができたら、大変私は患者中心の医療ができてくるんじゃないかと思っているんですが、これが令和五年一月から運用開始ということでございますね。
医師やデンティスト、歯科医師が電子処方箋を登録する場合、患者さんの側の承認が必要ですか。そこでまた自己負担が掛かるでしょうか。この二つ、お答えいただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/250
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251・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) まず、電子処方箋、先生御紹介いただきましたように、医師が通常紙で交付するものを医師が目の前のコンピューター、パソコンなどに入力して、それがそのまま情報がこの支払基金の方に行くというものを電子処方箋と言ってございますが、通常、そうしたそれは患者さんの個人データでございます。それを第三者である支払基金に提供するということは、個人情報保護法におきましては、事業者はあらかじめ本人の同意、今回では患者さんの同意が必要ということになりますが、実はその電子処方箋を支払基金に送ったり、あるいは支払基金を経由して薬局に送付する行為につきましては、この今回の法律によりまして、そうした電子処方箋の情報の流れを法律上明記いたしますので、個人情報保護法におきまして、法律に基づく場合には本人同意が不要となっておりますので、その法律上に基づく場合に該当しますので、御本人の同意なしにその電子処方箋の仕組みを通じ、システムを通じて処方箋情報が医療機関から薬局、あるいは逆に、薬局から調剤情報が医療機関に行くということが可能となります。
そのときの負担、患者の自己負担ということですが、患者の自己負担というのはどういう捉え方によるんですが、それによっては基本的に生じませんで、その費用、運営費につきましては、それぞれ、メリットを受ける医療機関、薬局、そして患者さんがそれぞれの立場で御負担していただくということを考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/251
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252・石井苗子
○石井苗子君 簡単に言うと、患者様の方の承認は要らないということですね。要らない。
ということは、私、次に、別な機会に質問させていただきますけれども、今問題になっているのが過剰投与と過少投与です。これをどう医療事故につなげていかないかということで、この電子処方箋というのが生きてこなければ意味がないと思っておりますので、順番に聞いてきましたので、次のときの質問はこの過剰投与、過少投与について質問させていただきます。
ありがとうございました。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/252
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253・倉林明子
○倉林明子君 日本共産党の倉林です。
本会議で、薬害に対する認識を総理に伺いました。答弁は、薬害の発生を防止することは政府の重要な任務の一つであり、命の尊さを心に刻み、高い倫理観を持って医薬品の品質、有効性及び安全性の確保に最大限の努力をしてまいりますというものでした。これは、ウイルスに汚染された血液製剤によって企業推計でも一万人という大規模な薬害を起こした教訓から導き出された医薬品行政に関わる者に求められる基本精神、この一部だという理解で聞きました。
今日、大臣に聞きたいのは、その基になった、この精神の基になった薬害である薬害C肝、C型肝炎なんですね。この薬害C肝の患者の救済が進んでいないという状況があると私は思っているんですけれども、大臣の認識をまず確認したい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/253
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254・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) いわゆる薬害肝炎の被害者救済は、C型肝炎救済特別措置法に基づきまして、裁判手続を通じて行われているところでありまして、令和三年度末時点で約二千五百人が和解に至っていると承知をいたしております。
厚労省としては、被害者の方々に速やかに提訴に踏み切っていただくために、政府広報や自治体のウエブサイトを通じた被害者への呼びかけ、被害者の、あっ、厚労省のウエブサイトにおいて過去にフィブリノーゲン製剤を投与された可能性のある対象者への呼びかけやQアンドAを公表などをして実施しております。
さらに、医療機関に対しては、カルテ等の記録の保存、カルテの記録の調査の実施、投与判明者への投与事実の告知等をお願いするとともに、令和三年度からは厚労省カルテ調査等を行う事業等を実施しています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/254
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255・倉林明子
○倉林明子君 取組は知っているんですけれども、その救済が進んでいるという認識を持っているのかどうかと、そこを聞きたかったんですよ。
進んでいないと思うんですよ。一万人推定される中で、大分たっていますよね、これ特措法作ってから。二千五百人という状況です、和解は。これ、もう裁判がとっても厳しいんですね。カルテ若しくは医師の証言がないと勝てないんですよ。訴えようとしてももはや弁護士が見付からないというような状況あって、時間の経過とともに、これ解決を、救済を非常に困難にしているという状況あるということを指摘したい。
改めてまた議論したいと思うんですけれども、今日は一点だけ。
やっぱり、こういう状況を打開していくという法改正、抜本、法改正必要だと思っているんですね。その際に、やっぱり第三者による認定審査会、優生保護法の給付金のときに置いたものですけれども、こういうものを設置して、フィブリノゲン製剤が使われていたという蓋然性を評価して救済する、こういう道を開かないと、救済されて、救済の道が広がっていかないと思っているんですけれども、大臣、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/255
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256・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) C型肝炎特措法は、私から申し上げるのも恐縮ですけれども、議員立法で立案された経緯等を踏まえてみますと、行政の立場の私の方から枠組みを新たに設けていくという議論もなかなか難しいという気持ちも正直持っております。
いずれにしても、フィブリノーゲン製剤の投与事実の有無を判断するに当たっては、特措法に定める裁判手続を通じた枠組みを持ってやっていくことが適当であると、そのことを各党皆様が御議論をされて議員立法を取りまとめられたのではないかというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/256
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257・倉林明子
○倉林明子君 いや、行政として一律救済、この法の執行で限界が来ているというところを私は見ないと救済できないという事実を申し上げているんですね。
薬害によって奪われた健康というのは取り戻せないと。だからこそ、与えた被害の救済は国にあるわけで、一律救済、これ実現していくということは、医薬品等、医薬品行政、これに対する国民の信頼を回復していくことにもつながるんだと反省の原点に立って、それは議員立法でやられたことだからということではない、政府としての姿勢も是非考え直すときだと重ねて申し上げたい。
それでは、法案で、緊急承認制度について様々御議論ありましたけれども、私の方からも質問させていただきます。
医薬品の品質、有効性及び安全性を確保する薬事承認の原則、これはあくまでも第三相試験までということです。この間導入されました原則の例外となる制度、これ一つが再生医療等製品条件・期限付承認というものがあります。
これ、二〇一五年、初の承認となりましたハートシート、これ七人の治療成績で承認されました。有効性と安全性の検証、これは今確認どうなっているのかということ。
もう一つ、二〇一八年に承認されたステミラック注、これは承認の際、承認は十三例やって承認ということになったわけですね。これ、安全性は確認と、そして有効性は推定という仕組みはよく似ているんですね、今回の緊急承認と。
聞きたいのは、承認した時点で有効性をこれどう評価したのかと。そして、承認を取り消す場合、これ要件は何と定めているか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/257
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258・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 三点御質問あったというふうに受け止めました。
まず、ハートシート、これは標準的な薬物治療や侵襲的治療の効果が不十分な虚血性心疾患による重症心不全の治療に用いるということで、御指摘のように承認いたしまして、その後、検証が行われたかということにつきましては、承認後の使用症例全例を対象とした使用成績調査で、令和四年度中、今年度中に必要症例数四十九例に達することが見込まれております。期限である令和五年九年までには使用成績調査がまとまり、安全性、有効性について適切に判断する予定でございます。
それから、ステミラック注、これ、どのように有効性を承認したかということですが、これは、対照群の設定は行わなかったわけでございますけれども、本剤投与後の前後の米国脊髄損傷学会機能障害尺度、AISの改善率などから一定の有効性が期待できると判断いたしました。これにつきましても、承認に当たりまして、販売後の調査期間中の使用症例全例を対象とした使用成績の実施を条件としています、それ七年でございます。現在、使用成績につきましては、本品群百九十八例、対照群四百十四例を目標としているところ、期限である令和七年までにはまとまって、その評価が適切にできるものというふうに考えております。
その両者につきましても、再生医療の取消し要件でございますけれども、使用成績調査で得られたデータを踏まえまして、有効性が確認されないと判断されれば、それは承認を取り消すということもあるというものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/258
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259・倉林明子
○倉林明子君 私、この再生医療品等という薬剤の特徴からしてやむを得ないというところあると思うんですね、件数がそうそうないと。そうかいなという部分もありますけれども、立て付けとしての考え方は理解できるんですよ。ただし、これは本当に特別な薬剤に限られているものだということです。
私、これ、ここで注意しなあかんのは何かといったら、有効性の立証に物すごい長期間要するということと、長期間の使用が可能になる立て付けなんですね。つまり、最後に有効性が承認されなかった場合、到達して、件数の、そこで初めて取消しなんですよ。つまり、長期間承認薬として有効性が確保されないまま使い続けられると、こういう立て付け、こういう仕組みになっているんだということを改めて確認しておきたい。
その上で、新型コロナウイルスの治療薬を緊急に求められるという中で、安倍元総理が、観察研究の仕組みで、希望する患者への使用をできる限り拡大するということで、未承認のまま、これ、コロナに対しては未承認のまま使われることになったわけで、医療現場でどういうことが起こったかというと、効くかもしれないということで患者さんから希望が医師にやっぱり突き付けられると。患者さんから言われれば、医師はなかなか現場で断れないと。使用が結構広がりました。ところが、観察研究の結果はどうだったかということで、データも出始めて、出ています。
そこでお聞きしたいんだけれども、このコロナの軽症者の致死率、六十歳未満の患者の死亡退院率、これ、それぞれどうだったのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/259
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260・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
新型コロナウイルス感染症に対するアビガンの観察研究につきましては、日本医療研究開発機構、AMEDの研究事業によりまして、令和二年度二月から三年度三月にかけて実施されてきました。
令和三年七月に発表されました本研究事業の中間報告第四報によりますと、御質問のアビガン投与者数のうち、入院時点で軽症であった患者の方の致死率は三・九%、それから、年齢群別の入院一か月後の時点での死亡退院率は、二十代未満は〇%、二十代は〇・二%、三十代は〇・四%、四十代は〇・五%、五十代は一・五%でありました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/260
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261・倉林明子
○倉林明子君 これ、国立国際医療研究センターのCOVID―19レジストリー研究結果と比較してみるとどうかというと、すごく差が出てきているんですね。致死率が十倍高い、あるいは死亡退院率は三倍以上だということになるわけですね。
つまり、この比較結果見ると、コロナに、新型インフルについての承認取っていたアビガンだけれども、コロナには有効どころか危険性の高さという結果に見れるわけですよ。私は明らかだと思うんですね。
また一つ、現在進行形のものとして動きがあるのが、塩野義製の新型コロナ飲み薬です。これ条件付早期承認制度の適用を求めて二月下旬に申請し、政府の買上げ前提に三月末までに百万人分を生産するとしていたわけです。ところが、承認の可否の見通しというのは現時点では明らかでないというところです。
ところが、先ほどもありましたけど、大臣は二十二日の記者会見で、塩野義に対する最大六十二億円の追加支援を行うんだと表明されました。これは塩野義からの要請なのか、また支援によるどんな効果を期待しているのか、これ具体的な説明を求めたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/261
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262・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 既に実用化支援を行っている企業から、日頃より治験の進捗や課題について意見交換を行ったり、様々な要望をいただいています。そういう中で、塩野義からも厚労省に対して、治験実施に対し更なる支援が必要である旨の要望は、これは要望書という形でいただいています。
国会等においても、国内企業が開発治療薬の支援の需要について御指摘をいただいておりますし、政府としても、やはり安全保障の観点から見ても、国内の企業の開発する治療薬、やっぱり持ちたいというふうに思っておりまして、治験実施に対して更なる支援は必要であるということで、こうした緊急追加支援の募集を行うということにいたしました。
それは、これまでも段階を応じて日本の国内企業を応援してきた、そういう応援してきた企業に声を掛けて、要件の合う企業、つまり、更なる追加、緊急追加支援を行う方々に声を掛ける中で、結果としては、第三者にしっかりと判定をしてもらって、塩野義と興和の二つが補助金に、募集の上で採択になったということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/262
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263・倉林明子
○倉林明子君 アビガンでも、やっぱり薬が欲しいという国民の声にやっぱり応えるということで、こういう観察研究ですか、ということで使用が先行したということありましたよね。これ、やっぱり科学的知見に基づいてきちんと裏付けしていくと、有効性、安全性を裏付けしていくと、こういうことが最優先でないとあかんと思うんですね。
国内産ありきということでやってないというお話だと受け止めますが、大事なのは、そういう医薬品、医薬品のやってきたこの承認の原則ということで、そこが大事だということを強調しておきたいと思います。
そこでさらに、これ、報道によれば、条件付承認制度の適用が難しい場合、本法案で可能となる緊急承認を活用する案もあるということがありました。
一般論としてお聞きしますけども、条件付承認制度では承認が困難な事案でも緊急承認なら可能となる場合があると、こういうことでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/263
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264・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 先生からは一般論としてというふうに御指定ございましたので、一般論として申し上げますと、まず、条件付承認制度と緊急承認制度は、対象となる製品の考え方ですとか、そもそも導入の目的が違うので、単純に比較が難しく、またその目的、趣旨に応じた適用というものを考えなきゃいけませんけれども、有効性ということの確認のレベルに関しましては、条件付承認の方は有効性が確認であるのに対して、緊急承認制度は推定ということでございますから、一般論として言えば、治療薬について、後期、いや失礼、第二相試験において有効性の確認までは至らないものが、については、あったとしても、有効性での推定が可能な場合があるというのは一般論としてはあるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/264
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265・倉林明子
○倉林明子君 あり得るということだと思うんです。
有効性のデータというのは承認時では不十分というデータの収集ですよね。その不十分ということで承認されると。これ、新たな緊急承認でもあると思うんですね。
これまでただしてきましたように、これまでの早期承認制度、その後の経過、長期的な使用による安全性の検証というのは、これ不十分にならざるを得ないんですよ。緊急承認における安全性は確認するというものの限界があると、そういう認識を私は持つべきだと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/265
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266・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 安全性については、これは……(発言する者あり)いえ、ですから、安全性について、第三相試験が実施されない場合であっても、一定期間に高頻度で生じる副作用について、プラセボ群との間で発生頻度に明確な差が生じることが多いというような場合の、場合に、あっ、場合には、後期第二相試験など比較的少数の症例に基づく試験であっても安全性を確認することは可能であるというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/266
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267・倉林明子
○倉林明子君 安全性の確認のありようを聞いているんじゃないんですよ。第二相の後半までということでいうと、どこかでも答弁されていると思うんですけれども、要は、長期間使用における副反応や副作用というのはここでは分からないんですね。まれに起こる重篤な副反応、副作用も、この時点では分からないんですよ。
こういう事実をもって見る場合、安全性については緊急承認はやっぱりその確認に限界があると、そういう認識で当たらないといかぬと思うているから聞いているんですけれど、どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/267
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268・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) 先生から、長期の副作用ですが、まれな副作用という御指摘ございました。
一般の承認、通常承認におきましても、一定期間を超える長期的な副作用ですとか、まれな副作用については市販後に情報を収集すると、なかなか治験段階で難しいということでございまして、承認後も情報を収集していくということが大事でございまして、緊急承認制度におきましては、一定期間に生じる確認しなければならない副作用は確認して、それを超えるものはやはり市販後では確認、きちんと確認を徹底すると、それは安全性をきちんと見るという姿勢においては変わらないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/268
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269・倉林明子
○倉林明子君 だから、承認時に担保される安全性の限界のことを言っているんですよ。もうおっしゃっていることはよく分かりますよ。だから、承認後の、承認後にもきちんと三相試験やって、その安全、有効性の、有効性を証明するというところにとどまらず、その後出てくる安全性についてもそこで分かってくるわけですよ。(発言する者あり)承認時の違いを言うているんです。そこを混同すると承認後の扱いが変わってくるんですよ。
大臣は、緊急時であっても国民から信頼される形での薬事承認が行われることが重要であることから、薬機法の承認制度の一類型として位置付けたと、こう御答弁されているんですね。私、承認薬を国民が信頼するのはなぜかと、これは安全性と有効性が確認されていることが前提になっているんですよ。承認薬なのに安全性には限界がある、効き目がなかったと結果として使った後になると、こういうことが起こったら、私は承認制度全体の信用に関わってくると思っているわけです。
大臣、よろしいか。質問します。
通常承認の三相試験は行っていない医薬品なんだということを正しく国民に理解してもらわないと、全体の医薬品行政の信用に懸かってくるというぐらい思っているわけですね。そういう理由から、そういう医薬品なんだということを理解してもらうためにも、私は使用許可という扱いにした方がいいんじゃないかと改めて言いたいと思うんですけど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/269
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270・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 米国のEUAは、例えば……(発言する者あり)そうなんですけれど、有効性と安全性については裁量の幅を広げています。
先生おっしゃるのは、もしかすると、裁量を広げておいても、これは承認じゃなくて緊急に使用を許可するだけだから国民は安心だとおっしゃるのかもしれませんが、私は、正直言って、緊急時であっても国民からやっぱり信頼される形での薬事承認が行われることがやはり薬に対する信用であるというふうに私は思っています。そういう意味で、今般の緊急承認の仕組みというのは、安全性について確認を前提としつつ、有効性について推定ということで考えています。
それで、先ほどから、安全性の検証が不十分になることが避けられない、安全性の確認に限界があるということで立論をされているようですけれど、安全性の確認ということについてはそこは確保するという形でやるということなんで、そこの前提からして少し議論がかみ合っていないのではないかなという気はいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/270
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271・倉林明子
○倉林明子君 議論の問題じゃなくて、事実の問題で言っているんですよ。
第二相後半の試験で、通常は原則第三相までやるんですよ。それを省略して、要は早うせんなんからですよ、早うせんなんから、そこまでの確認できた安全性でいくんですよ。大臣ね、そこは事実の問題として、第三相試験までやることとは違うんだということをきちんと認識していただきたいと思います。
パンデミックで、私、有効なワクチンとか有効な薬剤がない場合、緊急使用が可能となる制度、これ必要だと思いますよ。ただし、その場合のリスクについて正しく国民に理解してもらわないと、薬事行政に対する信用全体に関わってくるから聞いているんです。もう一回やってもいいんですけれども。
そこで、緊急承認の適用が可能となる緊急事態の発動要件について改めて確認したいと思います。
政府として総合的に判断すると答弁繰り返していますけれども、緊急事態をあらかじめ設定しておくのか、それとも、製薬企業などから緊急承認の申請が出された時点で緊急事態かどうかの判断をするのか、これどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/271
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272・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 緊急承認制度の適用の条件である緊急に使用する必要性については、製薬企業等から緊急承認の申請が行われる前提として、あらかじめ制度の運用対象となる医薬品を政令で定めることとしています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/272
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273・倉林明子
○倉林明子君 ちょっと今日は余り時間もなくなってきているんですけれども、私、これ政府による恣意的判断、これが作用するというようなことはできるだけ排除しなきゃならないと思うんですよ。もうそれはエビデンスに基づいた承認と、これが法的にもやっぱりきちっと担保される必要があるというふうに思うんですね。
そこで、原則、もう一問だけ。原則の例外を認める緊急承認、これ発動する要件となる緊急事態、これ自身も本当に限定的にどんな事態か政令で規定すべきだと、明文化すべきだと、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/273
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274・鎌田光明
○政府参考人(鎌田光明君) まず、大臣から申し上げましたが、緊急承認対象となる医薬品については、まず政令で、例えば新型コロナ感染症に係る医薬品と定めて、その政令ができた後にその企業が個別の製品を承認申請して、それを厚生労働大臣の方で承認すると。その政令の指定がどういう場合かというときに、まさに緊急のときということで政府全体で判断すると。それについて一つ一つ政令で定めるとなりますと、やはり緊急時の機動性ということも考えればなかなか難しいものと考えます。
むしろ、こうした議論を通じまして、どうした場合かということについて、先ほどから御議論ありますように、国民の生命、健康に被害を及ぼすおそれのある疾病ということで考えられるのは感染症、過去であれば新型インフルエンザ、そして今では新型コロナでございますし、あるいは原子力事故、あるいはバイオテロなどと、こうした形で御説明しますし、また、そうしたことを今後ガイドライン等で明らかにするということで透明性、公平性を確保してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/274
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275・倉林明子
○倉林明子君 要は、緊急事態のどういうときにこの発動要件が成立するのかということがそのときにならないと分からないというだけじゃなくて、政府が総合的に判断しますということになると、政府判断なんですよ。国民が納得する判断が必ずイコールになるかといったら、そうとは限らない場合も想定されます。それ、想定ですよ。だから、法定しておく必要があると。
柔軟に判断したいというその思いは分かりますよ。しかし、その思いを担保するには法定しておく必要があるということと、何でそれをする必要があるかというと、緊急承認というものの安全性、第二相までにしていくということと、使いながら有効性を検証するという、これは言わば国民にリスクを負わせることになるんですよ、リスクを。こういうことを踏まえたら法定が必要だと。
今日はここまでにして、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/275
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276・山田宏
○委員長(山田宏君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/276
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277・山田宏
○委員長(山田宏君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/277
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278・山田宏
○委員長(山田宏君) 御異議ないと認めます。
なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/278
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279・山田宏
○委員長(山田宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後五時三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814260X01020220426/279
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