1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年三月十六日(水曜日)
午前十時開会
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委員の異動
三月十五日
辞任 補欠選任
高野光二郎君 岡田 直樹君
中西 哲君 藤川 政人君
三月十六日
辞任 補欠選任
岡田 直樹君 北村 経夫君
藤川 政人君 竹内 功君
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出席者は左のとおり。
委員長 豊田 俊郎君
理 事
西田 昌司君
藤末 健三君
森屋 宏君
牧山ひろえ君
山本 博司君
委 員
大家 敏志君
岡田 直樹君
北村 経夫君
櫻井 充君
自見はなこ君
竹内 功君
藤川 政人君
宮沢 洋一君
宮島 喜文君
勝部 賢志君
熊谷 裕人君
古賀 之士君
難波 奨二君
杉 久武君
大塚 耕平君
浅田 均君
小池 晃君
大門実紀史君
浜田 聡君
渡辺 喜美君
国務大臣
財務大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(金融)
) 鈴木 俊一君
副大臣
内閣府副大臣 黄川田仁志君
財務副大臣 大家 敏志君
事務局側
常任委員会専門
員 小松 康志君
政府参考人
内閣官房内閣審
議官 菊池 善信君
金融庁総合政策
局長 松尾 元信君
金融庁監督局長 栗田 照久君
出入国在留管理
庁在留管理支援
部長 君塚 宏君
外務省大臣官房
審議官 安東 義雄君
財務省大臣官房
長 新川 浩嗣君
財務省大臣官房
総括審議官 小野平八郎君
財務省主計局次
長 奥 達雄君
財務省主計局次
長 坂本 基君
財務省主税局長 住澤 整君
財務省関税局長 阪田 渉君
財務省国際局長 三村 淳君
国税庁次長 重藤 哲郎君
文化庁審議官 中原 裕彦君
厚生労働省大臣
官房審議官 屋敷 次郎君
厚生労働省労働
基準局安全衛生
部長 武田 康久君
農林水産省大臣
官房審議官 安楽岡 武君
経済産業省大臣
官房審議官 龍崎 孝嗣君
経済産業省大臣
官房審議官 藤田清太郎君
資源エネルギー
庁資源・燃料部
長 定光 裕樹君
中小企業庁経営
支援部長 佐々木啓介君
参考人
株式会社日本政
策金融公庫代表
取締役総裁 田中 一穂君
株式会社国際協
力銀行代表取締
役総裁 前田 匡史君
日本銀行理事 清水 季子君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○令和四年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
付)、令和四年度特別会計予算(内閣提出、衆
議院送付)、令和四年度政府関係機関予算(内
閣提出、衆議院送付)について
(内閣府所管(金融庁)、財務省所管、株式会
社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行
)
○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/0
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001・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、高野光二郎君及び中西哲君が委員を辞任され、その補欠として藤川政人君及び岡田直樹君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/1
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002・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官菊池善信君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/2
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003・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/3
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004・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
委嘱審査のため、本日の委員会に株式会社日本政策金融公庫代表取締役総裁田中一穂君及び株式会社国際協力銀行代表取締役総裁前田匡史君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/4
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005・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/5
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006・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 去る十日、予算委員会から、本日一日間、令和四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁、財務省所管、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行について審査の委嘱がありました。
この際、本件を議題といたします。
審査を委嘱されました予算について政府から説明を聴取いたします。鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/6
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007・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) おはようございます。
令和四年度一般会計歳入予算並びに財務省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。
まず、一般会計歳入予算額は百七兆五千九百六十四億円余となっております。
この内訳について申し上げますと、租税及び印紙収入は六十五兆二千三百五十億円、その他収入は五兆四千三百五十四億円余、公債金は三十六兆九千二百六十億円となっております。
次に、当省所管一般会計歳出予算額は三十一兆一千六百八十八億円余となっております。
このうち主な事項について申し上げますと、国債費は二十四兆三千三百九十二億円余、新型コロナウイルス感染症対策予備費は五兆円、予備費は五千億円となっております。
次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。
国債整理基金特別会計におきましては、歳入歳出いずれも二百四十五兆七千九百十四億円余となっております。
このほか、地震再保険等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等を御覧いただきたいと存じます。
最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。
株式会社日本政策金融公庫国民一般向け業務におきましては、収入二千九百五十五億円余、支出一千五百四億円余となっております。
このほか、同公庫の農林水産業者向け業務等の各業務及び株式会社国際協力銀行の収入支出予算につきましては、予算書等を御覧いただきたいと存じます。
以上、財務省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。
なお、時間の関係もございまして、既に配付しております印刷物をもちまして詳しい説明に代えさせていただきますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。
よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
引き続きまして、令和四年度における内閣府所管金融庁の歳出予算について御説明申し上げます。
金融庁の令和四年度における歳出予算額は二百二十六億円余となっております。
このうち主な事項について申し上げますと、金融庁の一般行政に必要な経費として二百七億円余、金融政策の推進に必要な経費として四億円余、国際会議等に必要な経費として四億円余となっております。
以上、内閣府所管金融庁の歳出予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。
よろしく御審議のほどお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/7
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008・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 以上で予算の説明の聴取は終わりました。
なお、財務省関係の予算の説明については、お手元に配付しております詳細な説明書を本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/8
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009・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 御異議がないと認め、さよう取り計らいます。
これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/9
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010・藤末健三
○藤末健三君 自民党・国民の声の藤末健三でございます。
本日は、政府全体の予算を所管する財務大臣を中心に、大きな枠組みから御質問させていただきたいと思います。
まず、イノベーション、知財、特許政策の予算について御質問させていただきます。
我が国のイノベーション戦略に応じまして、海外におけるイノベーションの知財保護、支援の予算措置も視野に入れ、是非とも我が国の企業における競争力を格段に強化していくことが喫緊の課題ではないかと考えております。イノベーション政策と知財、特許政策の推進によって日本の競争力向上を実現することが日本の将来にとって不可欠と考えます。
現在、高齢化、人口減少社会、エネルギー問題など、社会問題に効果的に臨むイノベーションの研究開発投資、そして実証実験投資に関する予算措置が必要だと考えます。このような社会実装進展を促進するには、当該イノベーションに係る知財、知的財産権の状況によりライセンススキームなどの知財スキームの整理、調整が必要な場合が考えられます。特に、新しいテーマであります経済安全保障政策に関するイノベーションの研究開発投資及び実証実験投資に関する減税や補助金及び社会実装支援事業に関する予算などについては手当てが必要だと考えます。
そして、最後でございますが、特許特別会計の収支が今悪化しております。現在、特許特会会計予算で行っています中小企業支援事業の一部を一般会計予算で行うなどのことも検討いただければと思いますが、財務大臣、いかがでしょうか。お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/10
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011・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 科学技術立国の実現によりまして、イノベーション力を抜本的に強化をし、コロナ後の成長につなげていくこと、これは岸田内閣の重要な柱の一つであると、そのように思っております。令和四年度予算におきまして、過去最高の科学技術振興費一兆三千七百八十八億円を計上したところでございます。
そして、御指摘の知的財産政策につきましても、日本のイノベーションを活性化し国際競争力を強化する上で重要であり、政府としては、知的財産推進計画に基づき、企業における知財、無形資産戦略の開示、ガバナンスの強化等を進めるとともに、令和四年度予算においても、中小企業等の知財活用強化等のため、中小企業等海外出願、侵害対策支援事業の予算額を増額するなど、必要な取組を推進をしているところでございます。
引き続き、日本の競争力の強化のため、官民が連携協力をいたしまして取組を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/11
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012・藤末健三
○藤末健三君 鈴木大臣、前向きなお答えありがとうございます。
もう我が国がこれから発展するためにはイノベーション、そしてイノベーションから生み出される知財、特許、これをどう活用するかしかないと私は考えていますので、引き続き御指導いただきたいと思います。
続きまして、コロナ関係の予算についてお話をさせていただきたいと思います。
私、今、このコロナの期間中、外食のお店百軒以上実際に伺い、話を聞いてきました。本当にもう悲鳴が上がっているという、まん防、今回延期されるかどうかまだ見えませんけれど、悲鳴が上がっている状況でございます。このような中で、今、外食産業は、コロナに対応するためにいろんなやり方、イートインのみならず、持ち帰りのテークアウト、あとデリバリーなどの取組を広げております。
私が思いますのは、今後、三年程度など一定期間において、今すごく煩雑な手続になっておりますので、外食産業におきまして、全ての消費税を一律八%などにしていくことがいいんではないかと、必要ではないかと考えますが、財務大臣のお考えをお教えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/12
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013・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) コロナ感染症が拡大をいたしましてなかなか収束が見えないという中で人流抑制をお願いをしているわけでありまして、外食産業の方々も大変厳しい状況にあるんだと、そういうふうに理解をしているところでございます。その上で、消費税の軽減税率制度、これは、消費税率の引上げに伴う低所得者への配慮として、いわゆる逆進性を緩和しつつ、買物の都度、痛税感の緩和を実感できるとの利点があることを踏まえまして、酒類、外食を除く飲食料品等を対象に実施されたものでございます。
そもそも消費税は、外食に掛かるものも含めまして、社会保障の充実、安定のための財源とされておりまして、全ての世代が安心できる社会保障を構築していくためにどうしても必要なものであると、そのように思っております。その上で、酒類、外食を除く飲食料品と比べて、外食の消費税負担はいわゆる逆進性が必ずしも高いとは言えないこと等の問題もあるために、需要喚起の観点のみから軽減税率の対象とすることは適当ではないのではないかと考えております。
外食産業の方も含めまして厳しい状況に直面している中小企業者等の方に対しましては、事業復活支援金や資金繰り支援等によりまして事業継続支援に万全を期していきたいと、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/13
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014・藤末健三
○藤末健三君 御答弁ありがとうございました。
ただ、外食産業の方々は、今非常にいろんな取組をする中で、やっぱりこの消費税の取扱い煩雑になっていますので、負担になっているということは是非御理解いただきたいと思います。
また、先ほど、予算的な手当てでございますが、時短営業要請に応じた事業者に対する協力金の増額について、政府は令和三年四月に、時短営業に応じた飲食店に対する協力金の見直しを行っております。しかしながら、大きな、小さな店舗はいいんですけれど、大きな店舗、家賃の高い店舗については、一律の支援になっていますのでなかなか十分ではないと。これまでの協力金ではやっぱり経営維持が困難であるという声が届いております。
そのため、再度感染が拡大し、緊急事態宣言が発令され、政府、各自治体の要請により時短営業に応じた事業者に対しては、コロナの影響が出る前の二〇一九年度の売上げ、この八割補償として、事業者が安心して時短休業できるように講ずるべきだと考えますが、特に自治体によって基準年度が統一されていないことが不公平感があります。ですから、今、事業者に対して店舗ごとに定額的な補助をしているものを、やはり東京都内とか、あと多数店舗、広い店舗を展開している店もございますので、そういうところへの配慮、そして、自治体によって基準が違ったりしますので、そういうものを統一していくこと、是非、政府の参考人、お答えいただきたいと思います。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/14
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015・菊池善信
○政府参考人(菊池善信君) お答えします。
飲食店の時短協力金でございますけれども、時短要請により生じました損失への補償ではありませんが、法に基づく時短要請等に応じた飲食店に対してしっかりとした支援を行うことが必要との考えの下、実施しております。
協力金の金額でございますけれども、全国の飲食店の売上金額に占める平均的な固定費負担が約三割となっていることを踏まえまして、これらをカバーできる水準としまして、二十時までの厳しい時短要請等に応じた場合に、中小企業に対して売上高の四割の支援を行うなど、事業規模に応じて月額換算最大六百万円を支給することとしております。
それ以外にも、売上げが減少した事業者に対して、地域、業種を問わず最大二百五十万円を一括支給する事業復活支援金を措置するとともに、人件費の観点では、今般のオミクロン株の感染拡大を受けまして、雇用調整助成金の特例を更に三か月延長するなど、業種横断的な様々な支援策を設けております。必要な支援を迅速にお届けできるよう、全力で取り組んでいるところでございます。
また、協力金算定時に参照できる売上高の基準年度につきましては、従来、三年前の売上高を参照できるかは都道府県の判断としておりました。二〇二〇年三月からは全国的にコロナによる飲食店の影響が出始めましたので、令和四年二月二十一日以降新規に実施する支援につきましては、三年前の売上高を参照できる仕組みを国の制度として設けまして、現在全都道府県で導入されております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/15
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016・藤末健三
○藤末健三君 全て知っていることを答えないでください、本当に。簡潔にお答えください。
皆様がいろいろ情報を集めているのは存じ上げていますけど、本当に大きな店を一生懸命営業しているところ、あと都内で高価な、やっと家を、家賃を払っているところは維持できないんですよ。それだけは分かってくださいよ。やっていること説明していただいても無理なんです。
次の質問の回答も、事実関係よりも考え方を教えてください。お願いします。
今、外食産業の話をお聞きしていますと、特定技能二号の移行対象とすることが大事だと思っております。現在、その外食産業は特定技能一号ということで、外国の方々が働くとき、上限五年の在留期間しかございません。やはり外国の方々が来られて、日本のこのサービスのスキルとか技術とか技能を磨き、それをまた日本で長期的に働き、外国に帰ってまたこの日本の外食産業などで働きたいという願望がありますけれど、五年という期間では、その店舗のオペレーション、運営などが、就職できても、やはりこの店舗全体をマネジメントすることは難しいというふうに聞いております。また、調理分野においても、様々なこの日本料理のいろんな調理の技術を習得するのにはやはり五年では難しいと。
で、このように人口減少のする我が国においては、将来の人材確保については、グローバルな観点から、また日本の料理、クールジャパンではございませんが、どんどん海外に展開している中で、優秀な外国人に対して、この日本の熟練した技能を習得していただき、長期にわたり就労していただくために、速やかにこの外食分野の特定技能二号への対象変換をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/16
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017・君塚宏
○政府参考人(君塚宏君) お答え申し上げます。
特定二号の対象分野の追加につきましては、入管法及び政府基本方針に基づき、法務省が分野所管省庁及び厚生労働省等の制度所管省庁とともに、当該分野の運用方針を変更することとなります。
外食業につきましては、現在、この分野を所管する農水省において、現場の意向や業界団体等の御意見を踏まえつつ検討を行っているものと承知しておりまして、今の先生の御指摘についても把握するところとしております。
これを受けまして、法務省といたしましては、特定技能二号につきまして、我が国の産業、雇用及び国民生活に与える影響に十分配慮し、厳格に運用することを求めた平成三十年改正入管法の附帯決議を踏まえながら、今後、関係省庁とともに慎重に検討を行っていくこととなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/17
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018・藤末健三
○藤末健三君 前向きな回答ありがとうございます。是非御検討をいただきたいと思います。
これから、今どんどんどんどん、今は外食産業、海外に進出していますので、日本できちんと研修していただき、そして日本の食文化を海外に伝えること、これ基盤だと思いますので、是非お願いいたします。
最後でございますが、建設現場の安全と生産性向上についての予算措置についてお話しさせていただきたいと思います。
皆さんのお手元に資料を配らさせていただいています。これは、建設現場において墜落、転落して亡くなる方々の数。これは、超党派の、全会派が一致して建設職人基本法という法律を作り、そしてこの建設現場で亡くなる方々の数をゼロにしようということで活動しています。しかしながら、この二〇二一年の死者数を見ていただきますと、二百七十九人と増えている状況にあります。
こういう中で、厚生労働省にお聞きしますが、昨年、令和四年は現在実施中の第三次労働災害防止計画の最終年度に当たります。しかしながら、目標に掲げている労災、死亡災害を二〇一七年から一五%削減するという目標は難しいのではないかと思います。特に、この十三次の目標で重点分野として建設業における墜落、転落による死亡事故は増加しているというこのデータがございます。
また、厚生労働省は、今年度におきましても、新型墜落制止用器具としてフルハーネス、体に着けて落下を防ぐ器具の購入補助金制度を設け、その普及に努めていますが、その趣旨と実績はどうか教えてください。
また、建設業における墜転落災害事故、とりわけ足場からの墜転落事故を減少させるためにも、さきの予算委員会でも質問しましたけれど、足場の安全確保と生産性向上に取り組むべく、助成措置を創設する必要があると思います。足場からの墜転落防止の決め手はやはり手すりを先行して設置していく手すり先行足場の普及にあることは元請も下請も認めるところでありまして、この足場安全器材の購入についての補助について考え方をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/18
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019・武田康久
○政府参考人(武田康久君) お答え申し上げます。
委員御指摘の平成三十年度から令和四年度までを計画期間とする第十三次労働災害防止計画では、建設業における墜落・転落災害等の防止を重点事項として定めておりますが、令和三年における建設業の労働災害による死亡者数は、令和四年二月速報値で二百七十九人、うち墜落・転落災害によるものは百六人となっております。これは、平成二十九年と比較して、二月速報値ベースで一九・七%減少となっており、厚生労働省といたしましては、引き続き、足場や屋根、屋上等の端、開口部からの墜落・転落災害等の防止対策など、建設業における労働災害の防止に向けて必要な対策を行ってまいります。
また、御指摘の墜落制止用器具に対する補助金は、平成三十一年に改正した新たな墜落制止用器具の規格に適合する製品への更新を促進するためのものでございまして、令和元年度から更新のための経過措置が終了する令和三年度までの間、中小事業者等を対象としまして、製品の購入に係る費用を一部補助しているものでございます。
なお、お尋ねの同補助金の令和三年度の実績でございますが、三千五百五十二件の申請に対しまして合計三万二千七百九十六本、額にして三億一千四百十三万三千八百六十七円を交付しているところでございます。
もう一つお尋ねがございました、建設現場における墜落・転落災害の防止のためには、今申し上げましたとおり、足場や屋根、屋上等の端、開口部からの墜落・転落災害防止対策の充実強化が重要でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/19
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020・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 時間ですので、お答えは簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/20
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021・武田康久
○政府参考人(武田康久君) 厚生労働省といたしましても、平成二十七年に改正いたしました足場からの墜落・転落災害防止総合対策推進要綱においてより安全な墜落防止措置の一つと位置付けておりまして、この手すり先行工法につきましても普及を促進しているところでございます。実際に建設現場においても年々普及していると承知してございます。
厚生労働省といたしましては、引き続き、この総合対策推進要綱の周知による手すり先行工法の更なる普及を始めとしまして、建設現場における墜落・転落災害防止措置の充実に努めてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/21
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022・藤末健三
○藤末健三君 どうもありがとうございました。終わらさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/22
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023・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 立憲民主・社民の牧山ひろえです。
本日の予算委員会からの委嘱審査に関わる質疑を担当させていただきます。よろしくお願いいたします。
先日の大臣所信質疑では、麻生前大臣の財政運営についての鈴木大臣の御評価をお伺いいたしました。本日は、まずは金融行政に関する総論的な御質問をさせていただきたいと思います。
現下の新型コロナウイルス感染症等やウクライナ情勢など先行きに不透明さが見られる中で、金融行政の動きも変化しつつあると思います。これまでの経緯ですとか麻生前大臣の取組をどのように評価し、そして今後の金融行政の方向をどのようにかじ取りをしていくのか、鈴木大臣の基本的な認識を是非伺いたいと思います。
それともう一つ、麻生前大臣は、八年九か月間の任期中、財務大臣との兼務でしたが、旧大蔵省から金融行政を分離した経緯もありまして、以前の大臣は兼務ではなかったことの方が多かったと思われるんですね。鈴木大臣も財務大臣兼務ですが、両大臣を兼務することについてどのような見解をお持ちか、併せて御質問したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/23
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024・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 麻生前金融担当大臣の在任中の取組の評価ということでございますが、麻生前大臣は、金融面につきまして在任期間中一貫して主張されておられましたのは、金融処分庁の印象から金融育成庁への転換を目指して、企業、経済の持続的な成長と安定的な資産形成等に資する金融行政の推進、これを主張され、また指揮をされてこられたと思っております。
具体的には、例えば企業、経済の持続的な成長を促す観点から、日本の強みである安定した政治や良好な治安、そして約二千兆円の家計金融資産を生かした国際金融センターの地位確立に向けて関係省庁と連携した取組を着実に実施をしてきたこと、また、家計の安定的な資産形成の促進の観点から、NISA制度について導入や拡充を行い、口座数が順調に伸びるなど、様々な施策を進めてこられたと思っております。また、新型コロナの感染拡大後におきましては、その影響を受けた事業者への支援を最優先事項と位置付けまして、金融機関による資金繰り支援の徹底に全力を挙げられたところでございます。
これらの取組の基本的理念や方向性、これは金融行政を進めていく上で適切であったと考えておりまして、私としてもしっかりと引き継ぎ、金融仲介機能の発揮を通じて力強く経済を支えていくとともに、国内外の資金の好循環の実現や多様な金融サービスの創出に向けて必要な施策を着実に進めてまいりたいと、そのように思ってございます。
それと、財務大臣と金融担当大臣の兼務についてのお話がございました。
一般論として申し上げますと、財務大臣と金融担当大臣を兼務することにつきましては、新型コロナや地政学リスク等により内外経済や金融市場の変動が激しい状況にあることや、G7等の国際的な対応においては財政、金融の両面からのアプローチが重要であること、こうした現状を踏まえますと、金融庁と財務省が密接に連携する必要があるため合理的なものであると、そのように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/24
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025・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 二〇一〇年十二月に菅直人政権下で金融庁が取りまとめました金融資本市場及び金融産業の活性化等のためのアクションプランでは、金融の役割として、実体経済を支えることと金融自身が成長産業として経済をリードすること、この二つを掲げました。また、第二次安倍内閣が設置した有識者会合による二〇一三年十二月の金融・資本市場活性化に向けての提言におきましては、金融機関等と実体経済が共に成長していく、言わば車の両輪の関係を実現するとされています。
いずれにしましても、金融には実体経済を支える役割が強く期待されています。金融庁には、その役割を果たす組織と行政力が求められるかと思います。
さて、社員食堂の運営や食事券の提供等から成ります食事手当、食事補助につきまして申し述べさせていただきたいと思います。
非課税枠の拡大による食事補助の積極的な活用につきましては、一年前、令和三年三月二十五日に行われました当委員会におきましても、またそれに先立つ質問主意書におきましても質問と提案をさせていただきました。
海外の例で申しますと、例えばフランスでは、一定規模以上の企業に対し従業員に就業時の食事の提供が義務付けられているんですね。フランスだけではなく、ベルギー、イタリアなど主なヨーロッパ諸国において食事補助は法定福利厚生が基本なんです。ヨーロッパ諸国において食事補助は、福利、あっ、済みません、従業員の健康維持は企業の成長に関わる先行投資とみなされ、業界や企業の規模の違いに関係なく食事補助はあって当たり前の福利厚生という共通認識を持っています。民間の調査ではありますけれども、フランスの食事補助の非課税限度枠は、限度額は月約一万三千四百円、ベルギーは約一万七千三百円という手厚さとなっています。
一方で、日本はどうかといいますと、食事補助は従業員向けに企業が提供する福利厚生の中で法定外福利厚生費に分類されているんですね。法定外福利厚生は企業が独自に導入の是非を判断するもので、企業によって違いが出てくる、そういった部分なんです。
食事補助は、法定外とはいえ、一定の要件を満たすと、フランスと同じく従業員が企業から受け取る食事補助額が非課税扱いになるというメリットがあります。ですが、日本の場合、非課税限度額は三千五百円と非常に低い額に据え置かれているんですね。なぜこれほど欧米諸国と我が国の間に食事手当についての取扱いがこんなにも違いがあるんでしょうか。何もかも海外がいいとは思っていませんけれども、社員に対する福利厚生の手厚さという点はやはり私は見習うべきではないかなと思うんですね。こういった好事例がありますので、是非検討に値する価値があるんではないかなと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/25
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026・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) お答えいたします。
今委員御指摘のとおり、我が国では企業が従業員に対して行います食事の支給につきましては、従業員が食事の価格の半額以上を負担し、かつ企業の負担額が月額三千五百円以下の場合には非課税とされているところでございます。
この非課税の取扱いは、本来、企業が従業員に対して行う食事の支給は、本来は給与所得として課税対象となるところ、その福利厚生的な性格や少額、少ない額という意味、少額なものについては強いて課税しないという少額不追求という観点から、企業の負担額が月額三千五百円以下の場合に限り、一定の要件を満たす場合に非課税としているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/26
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027・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 国税庁がおっしゃるのは、これ何十年も前の線引きなんですね。その後の社会の動きというのは全く反映されていないというふうに思います。今後はますます国境を越えた優秀な人材の獲得競争が激化することが想定されていますので、そのとき、やはり選ばれやすいのは社員を大事にする、そういった福利厚生が充実した国の企業ということに当然なるのではないかなと思います。
健康経営というのは、従業員等の健康管理を経営的な観点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づいて従業員等への健康投資を行うということは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待され、経済産業省もこの理念を推奨しております。
現在、原材料や人件費の上昇によります外食産業の値上げが断続的に続いております。この傾向を放置しますと、就業者が昼食に費やす実質的な費用が減少し、就業者の、ひいては健康経営に負の影響を与えます。食事手当の拡充はそれを抑止する効果が期待できるのではないかなと思うんですね。特に、最近では朝食を抜いたりあるいは昼食を抜いたりする方は増えていますし、また手軽に済ませたりする方も多いので、是非国民の健康面というのは本当に第一に考えていただきたいなと思います。
また、とりわけ食事券による食事手当の拡充は、長引くコロナ禍で不況にあえぐ外食産業の振興にも確実につながると私は考えております。この食事手当の拡充がもたらすと思われるこの効果に対する当局の認識をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/27
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028・安楽岡武
○政府参考人(安楽岡武君) お答えします。
二年余りの新型コロナウイルス感染症の影響により外出自粛やテレワーク等が広がったこともあり、外食産業は時短などの営業制限が課されている地域に限らず売上げが減少し、全国的に厳しい状況にございます。
こうした中で、社員の飲食に対して企業から支給される食事手当などについては、疲弊する外食産業の需要を喚起する上で一定の効果はあるものと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/28
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029・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。ならば、是非お願いしたいと思います。
外食産業は、二〇二一年度の売上げで、コロナ前、二〇一九年度の八三・二%と市場規模は縮小し、非常に厳しい状況にあります。GoToイートなどは確かに短期的な起爆剤にはなるかと思いますけれども、コロナ感染状況によって右往左往するので、継続的な支援にはなりにくい面があると思うんですね。
その一方で、私が言う食事手当の非課税限度額の拡充は、一見地味に思われるかもしれませんけれども、じわじわと人々の食事を充実させる感覚に影響を与え、食事消費の拡大を定着できるものと私は信じております。それが中長期的に日本経済にいい影響を与えるのは間違いないと思うんですね。
岸田総理は、新しい資本主義を掲げ、所得の再分配、そして賃上げの実現を標榜されております。岸田総理は、現内閣の目玉政策である賃上げ税制について、立憲民主党泉代表の代表質問を受けて、賃上げ税制については、各企業の給与体系が多様になっており、様々な支給方法に対応する必要があること、また、企業の実務面を踏まえて煩雑でない制度設計をする必要があることと、基本給や賞与を含めた給与総額を対象とすることで、より多くの企業に賃上げを行っていただける制度設計とする必要があること、こうしたことから賞与を含めた給与総額を対象としておりますというふうに答弁されているんですね。
岸田内閣が言明される新しい資本主義、そして賃上げ実現への決意が本物ならば、給与総額の底上げの一つの具体策として食事手当の非課税枠の上限引上げを御検討いただけないでしょうか。
賃金本体の値上げだけではなくて、食事手当の所得非課税枠の上限の大幅なアップを組み合わせることで、賃上げ効果を就業者が実感できるとともに、外食や中食市場の需要喚起の効果も期待できるんではないかなと思いますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/29
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030・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) まず、後段に言及なされましたことでございますが、賃上げ税制の対象となる給与につきましては、食事手当などの各種手当も含まれるということでございます。
そして、先ほど先生から、現在の食事の非課税限度額月額三千五百円、これを引き上げるべきであるという、こういうお話でございましたが、先ほど先生から、フランスなどにおいては従業員に食事を出しているのが義務化されているというお話がございましたが、やはり、根っこの部分が違うということもやはりあるんだと思います、日本とフランスとですね。
そういうことをこの前提といたします中で、この企業の食事の支給の非課税限度額を引き上げるかどうかということにつきましては、消費者物価指数の動向でありますとか、給与の支給実態を考慮しながら判断することが適当であると考えております。
このほかにも、企業から食事の支給を受けていない方もおられるわけでありまして、そういう方にとっての不公平感はどう考えるのか、また、従業員が食事の半額以上を負担することというのが非課税の要件となっているため、企業の食事補助の非課税限度額の引上げによって従業員の負担額が増える場合もあること、こういうことをどう考えるのか、そういうことにも配慮しながら総合的に判断することが必要であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/30
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031・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 総合的にお考えになっていただけるんだったら、国民の健康を第一に考えて、いい方向に考えていただければと思います。
自社の従業員が少しでも健康的な食事を取れるように企業側も考慮すべき時期に来ていると思うんですね。実際に、社員間のコミュニケーション活性化や健康管理のために食事補助を検討する企業が今どんどん増えてきているんですね。政府もこの一般的な動きも後押しするべきだと私は考えます。
さて、レギュラーガソリン一リットル当たりの全国平均価格は、直近の今年二月二十八日時点では百七十二・八円となりました。電気・ガス料金を含めた家計のエネルギー関連負担額が上昇して、所得の低い方々ほど厳しい影響を受けていると言えます。
政府は、一リットル当たり百七十円を超えた段階で、石油元売各社に対し、一リットル当たり五円を上限として補助金を支給する激変緩和事業を発動しました。その後、上限額の引上げも行われています。
しかし、価格上昇は止まっておらず、ウクライナ情勢の緊迫により更に価格が高騰することも懸念されています。原油先物の価格は、ロシアによるウクライナ侵攻後、約二〇%も上昇しており、仮に原油価格がそのままガソリン小売に転嫁されるとすると、計算上、一リットル当たり二百円を超えることになるんですね。
政府が講じている燃料価格激変緩和対策補助金、この枠組みでは、早い段階で価格高騰を抑え切れなくなることは明らかなんです。補助金にも一定程度の効果はあるでしょうが、二つの問題点があります。
まず一つは、期間も三月末までというふうに短いということですね。それから二つ目は、石油元売に関しての支給となっているので、末端の価格への価格下落が担保されていないという、この二つの問題があります。
これらの問題点を抱える以上、仮に二百円を超える水準になった場合にも、補助金のみで対処するのは極めて難しいと思います。
揮発油税等の税率については、民主党政権下の平成二十二年税制改正で、ガソリン価格の全国平均が連続三か月にわたり一リットル当たり百六十円を超えることとなった場合に税率水準を本則税率まで引下げを行うトリガー条約、あっ、条項を設けました。立憲民主党を始め野党からは、東日本大震災の後に凍結されているトリガー条項について、凍結を解除し、税率を一時的に引き下げることを可能とすべく、国会に法案を提出しております。
岸田内閣総理大臣は、衆議院予算委員会で、トリガー条項も含めてあらゆる選択肢を排除しないというふうに繰り返し答弁されています。ですが、トリガー条項の凍結解除に向けた具体的な動きが政府には見えません。
コロナ禍での国民負担軽減の観点からも、また更なる価格の高騰に対応するためにも、現行の補助金に加えてトリガー条項が適用できるように、早期に制度整備を図るべきと考えております。トリガー条項適用による価格引下げを土台に補助金で折々の価格変化に対応する、これがあらゆる選択肢のベストウエーなのではないかなと思うんですね。これについての鈴木大臣の認識を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/31
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032・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 燃油価格の高騰が今足下で起こっているわけでありますけれども、このことについて、三月四日に原油価格高騰に対する緊急対策、これを取りまとめたところでございます。国民生活等への不測の影響を緩和するため、激変緩和措置の大幅な拡充強化などを行っております。また、この対策におきましては、漁業や運送業等の業種別対策や、地方自治体が実施する対策への支援、中小企業の資金繰り支援なども併せて講ずることとしております。まずはこれらの支援措置をしっかりと実施をいたしまして、国民生活や事業者への悪影響を最小限に抑えてまいります。
その上で、四月以降、今後更に原油価格が上昇し続けた場合の対応でございますが、今般の対策の執行状況、国際情勢、経済状況、原油価格の動向等を見極めながら、政府全体として関係大臣と連携をしながら引き続きしっかりと検討をし、対応をしてまいりたいと思います。その際は、あらゆる選択肢を排除しないということで、総合的に対応を考えていくことになるんだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/32
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033・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 トリガー条項は、凍結を解除してから実際に税率が引き下げられるまで、解釈によっては最低三か月掛かる可能性があるとの説明を当局から受けました。私たちがトリガー条項発動法案を提出したのは十二月七日ですので、そのタイミングでこの議員立法を成立させていれば、即刻燃料価格の引下げが実現できたわけです。あらゆる政策手段をといいながら、後手に回っているとしか言いようがないと思うんですね。
政府が進める燃料価格高騰対策の財源についてもそうです。対策への財源について、政府は一般予備費五千億円の範囲で対応する方針を譲りません。衆院での審議では我が党の後藤祐一議員、また田名部匡代議員が不測の懸念を指摘した上で、コロナ対策予備費五兆円の充当を考えておくべきだと提案しても、受け入れてくれないんですね。
ウクライナの情勢がここまで悪化している以上、価格の高騰が続いて更に悪化するのは容易に想像できます。それに事前に対応の準備を整えるのが、求められる危機管理ではないかなと思うんです。政府もこの状況に対応し、三月四日、石油元売会社に支給する補助の上限を一リットル当たり五円から二十五円に増額することに決定しました。三千五百億円を超える予備費使用ということになります。
これら、その後の状況も考え合わせて補助金の財源にコロナ予備費を充当するという私たちの提案について、改めて大臣の御見解をお伺いしたいのと、また、仮に一般予備費が使い尽くしちゃって、例えばウクライナの難民受入れのような予算案起案時に想定され得ない支出が必要となった場合、どのような対処になるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/33
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034・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) まず、予備費でございますが、予備費は、当初予期し得なかった事態の発生や事情の変更等により予見し難い経費の不足や新たな経費が必要となった場合のために計上するものでありまして、現下の、今般のこの三月四日に決めた原油高騰対策でありますが、現下の国際経済情勢や施策の内容を踏まえて、この原油高騰対策に必要な経費を措置するために使用決定をしたところでございます。
他方、コロナ予備費は、新型コロナに係る感染拡大防止策に要する経費、その他の同感染症に係る緊急を要する経費の不足について、臨機応変に、かつ時機を逸することなく対応するために講じた、するために計上されているものでございます。衆議院の予算、あっ、参議院のですね、予算委員会におきまして田名部匡代先生から質問いたしましたときに私がお答えしたのは、このコロナ予備費はあくまでコロナ対応に対応するための予備費であるというところをお答えをしたところでございまして、先ほど申し上げたような考え方の下、各省庁から、今申し上げた趣旨に該当してコロナ予備費を使用したいという要求があれば、その要求の個別具体の内容に基づいて使用の可否を判断をすると、そういうことになると考えてございます。
そして、一般予備費が少なく枯渇をしてしまった場合はどうするのかというお話がございましたが、一般論として申し上げれば、予備費については、それまでの予備費使用の実績や使用残額等を勘案をして、必要に応じて追加的、追加等の措置を行っておりまして、適切に管理を行っているところでございます。
先般もウクライナへの支援を行うこととなりましたが、現時点で必要な措置を行う際に財源の手当てができないといった事態は想定をしておりません。引き続き、ウクライナに対する支援については、ウクライナ情勢と国際的な動向を緊張感を持って見極めながら、必要に応じ、適切に対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/34
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035・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 質疑終了時間が参りましたので、質疑をおまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/35
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036・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 政府は、問題の深刻さを軽視しているとしか思えません。非常時の即応の遅れは更なる大きな損害を生み出すと思うんですね。また、一般予備費はいざというときの備えであり、その枯渇は行政遂行上のリスクになりかねないと思うんです。それを見据えた先手先手の措置をとるべきだと思います。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/36
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037・山本博司
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
本日は委嘱審査ということでございますので、コロナ禍における中小企業の支援策に関しまして質問をいたしたいと思います。
我が国で最初に感染が確認されましたのが令和二年一月でございましたので、既に二年が経過している状況でございます。コロナ禍におきまして、公庫や民間における無利子無担保の融資によりまして、我が国を挙げて様々な資金繰り対策行ってきているところでございます。これまで何とか事業を継続をしてまいりましたけれども、新型コロナの流行が長期化するとともに、今、年明け以降では、変異株、オミクロン株の感染が急拡大をしておりまして、飲食・宿泊業を中心に地域経済は大変苦境に立たされております。そうした中、地域の実情に応じたきめ細やかな融資の実行、これが求められている次第でございます。また、足下では、原油価格の高騰の影響を受けまして、経済環境、更に厳しさを増しております。
そこで、まず、この二年に及ぶ間の公庫等の政府系金融機関の資金繰りの対応状況、確認をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/37
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038・小野平八郎
○政府参考人(小野平八郎君) お答えいたします。
新型コロナの影響を受けました中小・小規模事業者の事業継続のため、資金繰り支援、これをしっかりやっていくということは極めて重要であると考えております。
今委員お尋ねの実質無利子無担保融資等でございますけれども、日本政策金融公庫等の政府系金融機関が行っております数字で申し上げますと、本年二月末時点で、累計で約九十九万件、金額にして約十八兆円の融資を決定いたしているというところでございます。
さらに、この三月四日には、経済産業省、金融庁、財務省の連名で中小企業活性化パッケージというものを公表いたしまして、その中で、日本公庫等による実質無利子無担保融資等を融資期間の延長した上で本年六月まで継続するということといたしております。
こうした取組を通じまして、引き続き、事業者の資金繰り支援に万全を期してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/38
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039・山本博司
○山本博司君 ありがとうございます。是非とも支援の継続をお願いをしたいと思います。
その上で、この融資の返済につきまして、先日も、四国の愛媛県や香川県などの旅館業の団体の皆様からの御要望を伺ってまいりました。
今、日本政策金融公庫、また商工中金の融資によりまして、経営が落ち着く事業者がいる一方で、融資が膨らんで返済が経営を圧迫している事業者もいるということでございまして、このコロナの借入れにつきましては、返済期が到来して困っているケース、これも多くなってきております。据置期間につきましては一年以内の方が五割以上ということで、既に返済が始まっている方も大勢おられるわけでございます。しかしながら、今コロナ禍が大変長く、長引いておりますから、経済情勢が改善せず返済できないんだという、そういう声も聞いております。
中小企業者に対する返済条件の変更を含む資金繰り支援等につきましては、個々の実情に応じて柔軟な対応、これが必要であるかと思います。一年程度の短期間を前提としている特定リスケにつきましても、中長期をにらんだ制度に組み替えるなど、返済猶予に対しまして柔軟な対応、これが必要でないかと思いますけれども、副大臣の認識をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/39
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040・大家敏志
○副大臣(大家敏志君) これまで政府系金融機関に対しては、既存融資の返済猶予などに柔軟に対応するよう財務省として累次にわたって要請しており、その結果、政府系金融機関の条件変更の応諾率は約九九・七%と、多くの事業者の返済負担軽減につながっております。また、年度末に向けて資金需要が高まることなどを踏まえ、三月七日に鈴木大臣から直接、政府系金融機関を含む金融機関に対し、返済期間等の長期の延長等を積極的に提案するなど、引き続き柔軟な対応に努めていただくようお願いをさせていただき、続いて、三月八日には同様の趣旨を盛り込んだ要請を政府系金融機関等に対して発出をしております。
財務省としては、引き続き、コロナ禍において厳しい状況に置かれている事業者の皆様の実情に応じ、しっかりと資金繰り支援に取り組んでまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/40
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041・山本博司
○山本博司君 ありがとうございます。
こうした中で、コロナ禍で財務状況が悪化した中小企業などを支援するために、政府系金融機関が設けました資本性劣後ローン、こういう融資制度を利用する動き、これも広がっております。政府系の金融機関が資金繰りを助けることで民間金融機関が中小企業への融資をしやすくなる呼び水効果を狙っておりまして、打撃を受けた中小企業の命綱となっている次第でございます。
この資本性劣後ローンに関しましては、企業が倒産した場合に返済する順位が低い借入れでございまして、借入金は株式発行で調達した自己資本と同等とみなすことが可能でございます。これから経済活動の正常化が進むとしても、これまでに蓄積された過剰債務、これが原因で資金調達ができなければ、こうした中小企業の経営再建、これはおぼつかなくなってしまう次第でございます。
こうした企業の財務改善につながるためにも、今後も利用が進むと考えられますけれども、この資本性劣後ローン、対応状況、報告をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/41
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042・小野平八郎
○政府参考人(小野平八郎君) お答えいたします。
資本性劣後ローンにつきましては、委員御指摘のとおり、事業再構築等を志向する事業者の財務基盤を強化し、民間金融機関の融資を呼び込むといった効果が期待されると考えております。
政府系金融機関による資本性劣後ローンにつきましては、新型コロナの発生以来、中小企業向けの実績といたしまして、今年二月末時点で約六千百件、金額にいたしまして約八千八百億円の融資を決定いたしているところでございます。
また、先ほども申し上げました中小企業活性化パッケージの中で、日本公庫等による資本性劣後ローン、これを来年度末まで継続するということにいたしております。その上で、政府といたしまして、三月八日に政府系金融機関に対しましてこの資本性劣後ローンの更なる活用等につきまして要請も行っているということでございます。
引き続き、資本性劣後ローンの活用を含め、支援に万全を期してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/42
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043・山本博司
○山本博司君 ありがとうございます。
次に、地域の民間金融機関への支援に関して伺いたいと思います。
地方銀行、また信用金庫などは、新型コロナウイルス感染拡大によりまして、取引先の業績悪化、さらには国内外の金利上昇による収益悪化などで先行きへの警戒感、これが強まっている次第でございます。コロナ禍で融資や手数料収入、これが伸びているのも事実でございますけれども、収益を大きく改善させるものとはまだなっておりません。
地域金融機関は地域経済の発展の下支えをしておりまして、地域のことを一番よく知っている存在でございます。地方創生、地方活性化においても欠かせない存在がこの地域金融機関でございます。一昨年十一月に施行されました独占禁止法特例法によりまして、合併によって経営基盤を強化する事例も増えてきてはおります。
地域のこうした民間金融機関の連携支援が重要であると思いますけれども、金融庁、副大臣におかれまして、この地域金融機関の置かれている状況、どのように認識されているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/43
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044・黄川田仁志
○副大臣(黄川田仁志君) 御質問ありがとうございます。
令和三年九月期決算や自己資本比率等を見ても、地域銀行については総じて充実した財務基盤を有しておりまして、金融システムは総体として安定していると考えております。
しかしながら、地銀、地域銀行は人口減少など構造的な厳しい経営環境が続いておりますので、将来にわたっては事業者支援や地域経済に貢献できるよう、またコロナ禍においても経営改革の手綱を緩めることなく、経営基盤の強化に取り組んでいく必要があると考えております。
金融庁といたしましては、新型コロナの長期化による影響や足下のグローバルな金融資本市場の動向を注視しつつ、引き続き、地銀、地域銀行が将来を見据えた経営改革に取り組むよう対話を重ねるなど、その健全性を維持し、金融システムの安定を確保することに万全を期してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/44
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045・山本博司
○山本博司君 是非とも支援をよろしくお願いを申し上げます。
次に、国税納付の猶予制度について伺います。
本来ならば、国税をその納期限までに納付していない場合は遅滞税が掛かったり、財産の差押えなどの滞納処分を受けることがございます。ただし、国税を一度に納付することによりまして事業の継続や生活が困難となるとき、また災害時などは、税務署に申請することによりまして、最大一年間、財産の換価、売却や差押えなどの猶予が認められるものでございます。
コロナ禍におきましては大変有効な制度でございますけれども、この二年間を通じて、これまでの猶予制度の活用状況、報告いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/45
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046・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) お答えいたします。
国税庁におきましては、令和三年二月一日までに納期限が到来した国税につきまして、新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な納税者からの申請に基づき、特例猶予、納税の猶予の制度の特例を適用してまいりました。この特例猶予の適用状況は、令和二年四月から令和三年二月までの間で三十二万件、一兆五千百七十六億円でございます。納税が困難な方に幅広く利用していただいたものと認識をしております。
この特例猶予を受けられました方のうち、令和三年十一月末までに猶予期限を迎えたものが三十一万件、一兆四千七百七十七億円ございます。これらにつきましては、一月時点で集計した数字ですが、そのうちの二十三万件、七五%、金額でいいますと一兆三千三百六十九億円、これは九〇・五%に相当しますが、は既に完結をしております。また、既存の猶予制度の適用を受けたものが五万件、八百八十三億円ございます。今申し上げました完結したものと既存の猶予制度を適用したもので合わせまして件数、税額共に期限が到来したものの約九割を占めております。残りの三万件、五百二十六億円につきましては、その時点で引き続き猶予の審査や納付の相談などを行っている状況ということでございます。
国税庁としましては、新型コロナの影響を受けた納付が困難な方に対しては、個々の実情を十分に伺いながら、適切かつ丁寧に対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/46
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047・山本博司
○山本博司君 ありがとうございます。
この納付の猶予につきましても、一年間の猶予だけではなくて、再延長、これを求める声もあるわけでございまして、この事業継続には猶予が必要だということをそれぞれの事案ごとに精査をしていただき、是非とも検討いただきたいと思いますけれども、見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/47
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048・大家敏志
○副大臣(大家敏志君) 山本先生から、コロナの影響から回復できていない事業者の皆さんの国税の猶予についての御質問をいただきました。
特例猶予の猶予期間は一年以内とされていますが、その適用終了後も納付が難しい場合には、納税者の状況に応じ、既存の猶予制度に基づき、原則担保不要で更なる猶予や分割納付も可能であります。また、既存の制度に基づく猶予についても、猶予期間内に納付することが困難な場合には更に猶予期間を延長することも可能となっております。
新型コロナの影響により納税が困難な納税者につきましては、国税当局において、個々の実情に十分お伺いをしながら、適切かつ丁寧に対応していくことが本当に重要であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/48
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049・山本博司
○山本博司君 ありがとうございます。
やはり、丁寧な形での事案ごとの対応をお願いしたいと思います。
次に、酒類の業界への支援策について伺います。
第六波の影響など、まん延防止等重点措置の適用で飲食店に時短要請を求める地域もある中で、飲食店などと取引がある酒の販売店、酒造などの売上げが落ち込んでおります。私も、高松や岡山の酒屋さんなど、大変厳しい声を聞いている次第でございます。政府としては、事業復活支援金や雇用調整助成金の特例などによって支援を行っておりますけれども、このウイズコロナ時代を見据えれば、外食や旅行の消費に加えまして、家庭内需要、いわゆる家飲みの拡大を図る必要があるほか、こうした需要の使途を踏まえた酒類業界全体の創意工夫を促すことも重要であると思う次第でございます。
財務省、国税庁は、酒類業を所管する立場から、経産省と連携しながら、こうした家庭内需要を含めた国内消費の喚起やウイズコロナ時代も見据えた事業者の前向きな取組を積極的に支援をお願いをしたいと思いますけれども、この点、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/49
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050・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) お答えいたします。
新型コロナウイルス感染症の影響による外食産業の落ち込みに伴い、酒類の需要が減退し、酒類業界が厳しい状況にあるということは我々も認識をしております。
こうした状況に対応するため、国税庁におきましては、令和三年度補正予算において、新市場開拓支援事業費補助金、我々、フロンティア補助金と言っておりますが、これを八億円計上し、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によって顕在化した課題への対応を含め、事業者の意欲的な取組を支援しているほか、酒類の消費が減少していることを踏まえ、日本産酒類の販路拡大や消費喚起に向けた各種イベントや情報発信を支援するための費用として五・五億円を計上しておりまして、現在、その参加事業者を募集しているところでございます。
こうした支援によりまして、国税庁としても、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて厳しい状況にある酒類業界の前向きな取組を後押ししてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/50
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051・山本博司
○山本博司君 ありがとうございます。
そうした支援も含めまして、国産酒類の輸出促進ということも大変大事だと思う次第でございます。
今、政府は、農林水産物・食品の輸出につきまして、二〇三〇年に五兆円という目標を掲げておりまして、昨年、二〇二一年には一兆円の達成をしたということを承知しております。このうち酒類は約一割の千百四十七億円を占めておりまして、二〇二〇年に比べまして日本酒はプラス六六%、ウイスキーはプラス七〇%増加するなど、非常に伸びている次第でございます。
こうした輸出促進、クールジャパンの戦略の一環としても重要でございます。この点、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/51
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052・大家敏志
○副大臣(大家敏志君) これもまた山本先生の酒類業界を応援する立場からの御質問であると認識をしております。
農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略では、農林水産物・食品の輸出額を、先生も今申されましたけれども、二〇二五年度までに二兆円、三〇年度までに五兆円とする目標に加えて、酒類、酒類については、清酒、ウイスキー、本格焼酎・泡盛の三品目を輸出重点品目とし、品目ごとのターゲット国、輸出目標等を定めております。
国税庁としては、この戦略を踏まえ、重点三品目を中心として日本産酒類の一層の輸出拡大を図るため、販売拡大や認知度向上等に積極的に取り組んでおります。具体的には、海外販路拡大に向けた取組として、オンラインを含む商談会、日本酒類の促進コンソーシアム、コーディネーター、この三事業を一体として実施する等々、努力を続けているところであります。
引き続き、関係省庁とも連携をして、一層の輸出拡大に取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/52
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053・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 時間が参りましたので、質問をおまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/53
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054・山本博司
○山本博司君 はい。
最後に鈴木大臣に、この中小企業に対する支援、まとめて簡潔に、よろしくお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/54
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055・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 新型コロナウイルスが拡大する中で、中小企業を中心に大変に困難に陥っている事業者の方がたくさんおられると思います。そういう中で、今般公表しました中小企業活性化パッケージ等を通じまして、各省庁とも連携をしながら、全力を挙げてこうした中小企業活性、この中小企業、困っている事業者に対する手当てをしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/55
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056・山本博司
○山本博司君 以上で終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/56
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057・大塚耕平
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。
今日は委嘱審査ですが、財務省の予算については特にお伺いすることはございません。大臣には、国税と税関職員の人員強化について引き続き御尽力をいただきたいということをお願いをしておきます。
今日は財務省の代わりに外務省にちょっと来ていただいたんですが、我々も各省の予算やこの国会に出てくる法案に絡む予算についていろいろヒアリングをさせていただいているんですが、外務省の予算の中で、あるいは法案としても出てくるんですが、旅券のオンライン化という話がありましたので、今日は限られた時間ですが、その話だけお伺いをさせていただきます。なぜお伺いするかというと、私が国会に来させていただいて間もない頃に、やはり旅券のオンライン化がされて、システム化がされて、その審議もここでやった記憶があったものですから、ちょっとお伺いをするんですけれども。
外務省にお伺いしますが、そもそも、たしか二〇〇二年とか三年頃だったと思いますが、そのときにビザをシステム化するのに掛かった予算、そしてそれが結果どうなったのかということと、それから、この度、法律改正もしてオンライン化をするということで今回予算化されているんですが、この度の予算は幾らぐらいか、ファクトだけで結構ですので、御答弁ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/57
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058・安東義雄
○政府参考人(安東義雄君) お答え申し上げます。
まず、平成十五年に導入した旅券の発給の電子申請に関する予算の額でございます。平成十三年度から平成十八年度までの合計でございますが、約四十一億円となっております。
また、廃止に至った経緯でございます。平成十五年に旅券の発給電子申請を導入した際は、まず、住民基本台帳カード、これは平成十八年当時で普及率が一%未満でございましたけれども、これを使用して申請する必要があったこと、二つ目に、写真や申請者の署名、自署でございますが、こういうものを別途郵送する必要があったということから利用が伸び悩んだ結果、平成十八年に運用を停止したという経緯がございます。
次いで、現在国会で御審議いただいている令和四年度の政府予算案における、この旅券の、新しい形でございますけれども、旅券の発給申請手続等の電子化に係るシステムの整備のための必要な研究開発の予算として、約十五億円計上させていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/58
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059・大塚耕平
○大塚耕平君 大臣にも聞いていただければ有り難いんですが、今答弁があったとおり、四十一億円掛けてシステムつくったけど三年間で廃止になったと。その理由は、住基ネットを使うことを想定していたけれども住基ネットが余り普及しなかったからと、こういうことなんですね。それと、今年度の予算は、まず研究開発に十五億円といっているわけです。
外務省の審議官に、安東さんにお伺いしますが、今回法案で出ている旅券法改正は、これがなくても、もう予算には研究開発で十五億円付いているわけですから、これは切り離されているというふうに考えていいですね。つまり、法改正と予算は切り離されていると。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/59
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060・安東義雄
○政府参考人(安東義雄君) お答え申し上げます。
今回予算案に計上させていただいている経費については、システム整備等のために必要となる経費、研究、済みません、必要となる研究開発などのためのものであり、旅券法改正法案が施行されなければこの経費に係る予算を執行できないということではないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/60
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061・大塚耕平
○大塚耕平君 霞が関文学なので、結論だけ言うと、切り離されているので、まあ予算は予算でやればいいと。研究開発だとおっしゃるんで、それで僕もいいと思うんですけれども。
何を申し上げたいかというと、もう一つだけ、じゃ確認させてくださいね。今回は法改正でオンライン化するんですけれども、そうすると、平成十五年のときは法改正なくてもシステム化したわけですよね。そういう理解でいいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/61
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062・安東義雄
○政府参考人(安東義雄君) お答え申し上げます。
前回については、法改正を行ってはございません。今回法改正を行うのは、そのオンライン申請に当たって、今まで旅券法というのは出頭を必要とする形で条文が構成されておりました。この出頭を必ずしもしなくても構わないという形で改正を行うと、こういうこととしております。
あと、これに伴って政府全体として、デジタル庁の方でやっておられるその法律が改正されますけれども、その一般法にのっとって我々はオンライン、今回オンラインにするんですけれども、既存のその出頭によるものも併存されることになってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/62
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063・大塚耕平
○大塚耕平君 時間も限られていますので、ちょっと私なりの解説をさせていただくとですね、法案の説明の資料には、オンライン化する、原則として切替え申請時の出頭を不要とすると、今審議官がおっしゃったとおりで、それはそれで分かるんです。そうすると、オンライン化することに伴って切替え申請時の出頭を不要とすると、法案はそういうことです。
問題はオンライン化の方でありまして、さっき廊下でお伺いしたら、今回も今度はマイナンバーシステムと連動させるということで、これせっかく研究開発やるんですから、その研究開発をして、この度は、業務要件も固まって、システム的にも大体こういう方向でいけるなということが分かってから法改正してもおかしくないんですよ。
つまり、大臣御就任されてお気付きになっていると思いますが、デジタル庁ができて、今回デジタル関係の予算は全部デジタル庁に集約されて国会にも報告されていますけれども、そうすると、まず各省の対応がこの時点でばらばらになっています。役所の説明を聞くと、システムはもう全部デジタル庁に聞いてくださいという役所と、別途説明してくる役所と、まずここで対応が分かれています。それから、結局、小泉政権の初期の頃のIT化、森さんのときから始まりましたけれども、結果的には、総じて言うと、まあ一〇〇を目標にしてたら三〇か四〇ぐらいしかできなかった、まあ失敗と言ってもいいものもいっぱいあったんですが。
先ほどの査証システムは一つの例として今日ここで持ち出しているんですが、業務要件が決まらないうちに、業務要件というのはどういうふうにその業務をやって、システム化できる部分とできない部分と、システム化するために業務そのものを変えなきゃいけない、これを先に決めてから、しからばそれに見合って法改正をして本格的な予算を付けるというステップを踏まないと、結局二〇〇〇年代前半のときのITと名が付けば何でも予算が通るということをもう一回やることになるんですよ。
だから、それと同時に、研究開発でもう十五億今付いているわけですね、今年度予算で。そうすると、ありがちな話が、研究開発の段階と並行して、もうその後すぐオンライン化するというこの道筋を引いちゃうと、研究開発のときに関わったベンダーがもうそのまま、正規の契約のところも、これはもうこういうことでレールを引いたのでうちを採用してもらわないとできませんといって、もうほぼそこでレールが決まっちゃうんですね。
だから、デジタル庁ができたのはいいことなんですけれども、たまたま今回、この十数年前にいろんな事情があって失敗したこの査証システムの話がまた上がってきているんで、これはちょっと一言大臣のお耳にも入れておきたいなということでここで今日持ち出させていただきました。
業務要件を先に決めないから失敗するというのが我が国のIT化、デジタル化の失敗の原因の一つであり、あともう一個は、これは電子化を推進するための推進機構という一般社団法人があるんですけれども、そこの二〇一九年の調査で、アメリカやヨーロッパは、いわゆるそのデジタル化、IT化の人材の七割がそのユーザー側にいるんです。つまり、今回のケースでいうと、外務省や霞が関の中にSEが、七割がユーザー側にいるんです。ところが、日本の場合は八割がベンダー側にいるんですね。つまり、ユーザーは何も分かっていないんです。これシステム化できるって聞くと、はい分かりましたといってベンダーさんが入ってきて、もうそこで、ベンダーさんも別に悪意はないと思いますけれども、大体流れは決まっちゃうと。
ということでありますので、ここまで聞いて、システム関係の予算も総括をする大臣として、感想だけお伺いして、終わりにさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/63
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064・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 今デジタル化に向けて政府を挙げて取り組んでいるところでありますが、やはり先生御指摘のありました過去のいろいろな例、どこにうまくいかなかったものがあるのか、そういうこともしっかりと見極めて各省で連携してやらなくてはいけないと思いますが、財務省としても、過去のそうした例もしっかり頭に入れて今後対応していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/64
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065・大塚耕平
○大塚耕平君 よろしくお願いします。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/65
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066・浅田均
○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。
私は、今、大塚委員の方からデジタル課税というところでテーマにされておりましたけれども、デジタル経済に対してどう課税していくかという問題意識で二点取り上げさせていただいて、質問をさせていただきたいと思っております。
まず一点目が、いわゆるシェアリングエコノミーというものに対してです。
皆さん御高承のことと思いますけれども、シェアリングエコノミーというのは、自分が持っているその物とか場所とかあるいはスキルをインターネットのプラットフォームを通じて提供すると。個人間でシェアしていくという。だから、簡単に言うと、日本におられる外国人の方に、日本語教えてあげるから英語教えてねとか、そういうスキルの交換とか、有名なやつでは、部屋が空いているんで使いませんかということで外国人の方に部屋を提供する。そういうところで、新たな価値の創造とかお金の移動が伴いますので、まあ経済と呼ばせていただいているということでございますが、こういう経済を可能にしたのがいわゆるオンラインプラットフォームというやつでございます。
ここで、課税当局にお尋ねしたいんですけれども、誰がいつどこで取引を行ったのかという、いわゆる、後で申し上げますが、ギグエコノミーというのとも関連するんですけれども、課税当局はどういうふうにこういうやり取りに関して把握されるのか。予算書を見る限り、必要と思われるような予算措置もないように見受けられるんですけれども、課税当局はどういうふうに把握されているのか、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/66
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067・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) お答えいたします。
まず、一般論として、国税当局では、日頃から各種法定調書でありますとか、あるいは公開情報など、様々な機会を捉えて課税上有効な資料情報の収集に努めているところでございます。
オンラインプラットフォームにおける取引状況につきましても、例えば、インターネットなどを通じた公開情報から有効と思われる資料を収集するでありますとか、あるいは、令和二年一月から法令上明確にされました、事業者等への協力要請の規定がございます。こういった規定も活用して、プラットフォームの運営事業者から任意の情報提供を受けるなど、様々な形で資料情報を収集しているところでございます。
その上で、収集した情報を分析して、課税上問題があると見込まれる納税者に対しては、行政指導あるいは税務調査を実施するなどして、適正課税の確保に努めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/67
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068・浅田均
○浅田均君 今、情報を収集されているというお話がありましたけれども、サービスの提供者とそれから受ける者の結節点に当たるのがプラットフォーマーというやつですので、このプラットフォーマーに何らかの強制的な役割を課す、例えば、いつどこで誰がどういうサービスを提供した、いつどこで誰がそのサービスを、受益した、利用した、そういうそのトレーサビリティーというか、そういうものに対して提出を義務付けるとか、そういうことはお考えにならないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/68
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069・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) 国税当局といたしましては、先ほど申し上げましたように、プラットフォーム運営事業者、プラットフォーマーですか、そういった事業者に対しても、任意の協力要請を求めるなどして、取引の実態に関する資料情報を収集するという規定、できるという規定がございますので、そうした規定を使って情報収集に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/69
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070・浅田均
○浅田均君 いや、その任意の情報提供だけでその商行為というか、経済的な活動を把握全部できるのかというと、決してそうではないと思うんですよね。だから、私はこういうことを申し上げております。
それと関係して、ギグエコノミーという言葉も使われております。これ、欧米では、インターネットを通じて一度限り、単発、不定期の仕事を受ける非正規労働者により成り立つ経済をギグエコノミーと呼んでいるようです。イベントをやるから、来て何か仕事をやってねと。で、一回限りで終わってしまう。
そういうところで働いている方、それをなりわいとして生活している方々がおられるということでありますけれども、そういう方が増えてきますと、無申告というのと、それから過少申告の人が当然出てくると思うんですけれども、こういう方々に対してはどういうふうな対応をされるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/70
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071・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) お答えいたします。
シェアリングエコノミーなどといった新しい分野の経済活動、これは年々市場規模も増加しており、今後もそうした動きは続くものと思っております。また、そうした中で、それらの経済活動を通じて所得を稼得した方に自発的かつ適正に申告していただくことが重要であるというのは言うまでもないところだと思っております。そのためにも、まず申告の必要性や申告の方法などについて幅広く周知、広報に努めるとともに、利便性の高い申告納税手段を提供していくこと、これがまず必要だと考えております。
また、先ほど申し上げましたとおり、情報提供の、情報照会手続がございますので、こういった規定も使って事業者から有効な資料情報を収集するなど、様々な形で資料情報の収集に努めていきたいと思っております。
その上で、収集した情報を分析して、課税上問題があると見込まれる納税者に対しては行政指導や税務調査を実施するとともに、税務調査の状況も対外的に公表するなどして牽制効果も働かせながら、適正課税に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/71
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072・浅田均
○浅田均君 そういうお考えですと、今、シェアリングエコノミーって割と大きな話をしたんですけれども、この後テーマにさせていただきますトークンエコノミーというのがあるんですね。これは、イーサリアムって仮想通貨、暗号資産があって、ビットコインと並ぶ暗号資産、仮想通貨ですけれども、ビットコインと一番大きな違いというのは、そのカスタムトークンというのを発行できる仕組みなんですね。だから、私が、そのメタマスクという、これイーサリアム系のトークンを発行できる場所です、だから、そこにアクセスして、私が事業者というか運営者になって、自分のカスタムトークンというのを発行できることができる。だから、そこに集まっていただく方は、自分のスキルを提供して、英語を教えるからフランス語を教えてねとか、そういう普通の語学学校のようなことをやろうと思えばできるわけです。
だから、カスタムトークンというのを発行することによって、今申し上げましたようなシェアリングエコノミーというのはもっと広がる、大きくなる。だから、そういう方々を対象にどう課税するんですかということを問題にしているんですね。
今の御答弁ですと、ただ申告してもらって課税するというだけですからね、何か強制力が働かないんですよね。だから、これからそのシェアリングエコノミーというのはもっと大きくなっていく、トークンエコノミーというのもますます発展していくものと私は思っているから、何か強制力を持たせる必要はないんですかというお尋ねをしているんですけれども、お考えは変わらないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/72
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073・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) 繰り返しになりますが、我々、国税の執行当局といたしましては、先ほど申し上げましたような形での情報収集を行い、また、情報を分析するための専門、そういった、シェアリングエコノミー、そういったもの、あるいは電子商取引、そういったものに専門的にその情報を分析するような部署を、機能を充実する、そういったことを通じて適正な課税に努めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/73
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074・浅田均
○浅田均君 何か絶望的に遅れているという感じですね。
今、大塚委員の方から外務省に対して、そういうシステムとその現実の乖離についてのお話がありましたけれども、私も同じような思いを持っております。デジタル庁というのができたので、すごいものができるんやろうなと思っていたら、要するに役所ができた話で、これアナログの話なんですよね。アナログ的なものでデジタルを理解しているというのが現状であって、もうデジタル庁というからには、何か三次元空間の向こうにメタバースがあって、これがデジタル庁ですみたいなアピールされるのかなと思ったら、全くアナログ的な世界でデジタルを扱うという、アナクロニズムといいますか、もう時代に付いていけない、役所自体が時代に付いていけないということを白状したようなもので、何でそんなところに金使うんやという憤りすら覚えざるを得ないような状況です。
トークンエコノミーについても、もう時間ですか、時間。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/74
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075・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/75
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076・浅田均
○浅田均君 まだウオーニングはないんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/76
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077・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) あと五十秒ですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/77
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078・浅田均
○浅田均君 これ、こういうトークンエコノミー始めようという人は資金決済法、資金決済法による登録が必要ということなんですが、これはイーサリアムという仮想通貨、暗号資産をベースにした事業であるから登録が必要という理解でいいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/78
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079・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 時間が参っておりますので、答えは簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/79
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080・松尾元信
○政府参考人(松尾元信君) はい。
お答え申し上げます。
ブロックチェーンを用いて発行されるトークンには様々なものがございまして、暗号資産交換業としての登録が必要なトークンは、不特定の者に対して支払に使用でき、かつ購入、売却できる、電子的移転できる、法定通貨又は法定通貨建ての資産でないという性質を全て有するものということでございます。
これについて、資金決済法の改正により、二〇一七年四月から暗号資産交換業に登録制を導入している理由でございますが、これはマネーロンダリング等に利用されるリスクということで、国際ルールであるFATFの基準によって、各国は暗号資産交換業者に対し登録制を導入し、利用者の本人確認義務などを課すことが求められているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/80
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081・浅田均
○浅田均君 大臣、申し訳ございません。通告しておきながら、まだ質問しておりません。午後に間違いなくさせていただきますので、楽しみにしていただきたいと思います。
終わらせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/81
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082・大門実紀史
○大門実紀史君 大門です。
損害保険、損保代理店の問題を取り上げます。金融担当大臣としての鈴木大臣に、初めて金融担当大臣としてはお聞きしたいと思います。
大手損保会社が地域で頑張っている中小の代理店に対して、本当に優越的地位の濫用の疑い、あるいは濫用に当たるような事例がたくさん多発をしてきておりまして、私は、二〇一七年の三月からこの問題、五年間、もう十回質問しております。今日で十一回目になりますが、これだけ一つのテーマをずっと質問続けるというのはほかに私はありません。それぐらい根が深い問題だというふうに思っております。
言ってみれば、大手損保会社というのは、ちょっと本当にどうなっているのかというぐらい体質が非常に非近代的なものをまだ抱えておりまして、いろんなことを、保険金不払もそうでしたけれども、こういう代理店の問題でも、そういう非近代的な体質がいろんなことをまだ繰り返しているということで、率直に言って、いろんな業界の問題取り上げてまいりましたけど、こんな業界がまだ日本にあるのかと、しかも、名立たる、テレビでコマーシャルやっているような大手損保が現場でこんなことをやっているのかということがありまして、ずっと取り上げてきております。
この問題は麻生大臣あるいは金融庁が大変関心を持っていただいて、いろいろ力を出してもらって、いろいろありますけれど、随分改善もしてきたんではないかと思っております。これは党派を超えて、ここでしたら西田先生とか大塚先生がそういう集まりにも顔を出して激励していただくというふうな、もう何党関係のない問題でございます。
今日は、麻生さんから鈴木金融担当大臣に替わられましたので、時間は短いんですけど、まあ引継ぎといったら何ですけど、この問題の全体をまず鈴木大臣に知っていただくということを主目的に質問したいというふうに思っております。
麻生大臣と、最初は遠藤監督局長、後に長官になられまして、そして今日来てもらっている栗田監督局長が大変御尽力いただいたわけですね。何で麻生さんも遠藤元長官も栗田局長もこうやって頑張ってもらっているかというと、顧客本位の業務運営ということが、金融庁の中で言われてまいりましたフィデューシャリーデューティーといって、森長官のときに非常に強調されたわけであります。要するに、もうけばっかり追求しているのは駄目よと、お客さんを第一に考えてやることが企業の発展にもつながりますよという、本当にそのとおりだなと思うような方針であります。
そういう考え方に照らして、地域で頑張っている中小の代理店というのは、災害になれば、いざというときにはセーフティーネットの役割も果たすと。非常に地域で重要な役割を果たすということを麻生さんとか金融庁が理解をしていただいて、応援をしてきてもらったと。実際には、そういう大手損保がそういう代理店に対して、規模が大きいかどうか、売上げを伸ばしているかどうかというようなことで勝手に評価して、手数料を下げたり上げたりするとか、あるいはもう切り捨てていくというようなことをやられてきたわけでありますけれども。金融庁というのは別に大手損保の味方でもなければ代理店の味方でもないと思いますけれど、余りにもちょっとひどいので、顧客本位の立場から考えてそれでいいのかということでいろいろ応援してきてもらったんだというふうに思います。
栗田さん、そういうことで今まで頑張ってくれたと思うんですけど、一言あればどうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/82
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083・栗田照久
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
損保代理店は、今お話ありましたように、地域のお客様に直接接しておられるということで、特に災害発生時などで迅速な保険金支払などが必要になった場合に極めて重要な役割を果たしていただいているということで、そういう代理店は規模が小さいところが多いので、相対的に規模の大きい損害保険会社に対してそういう規模の小さいところの立場が弱くなるということが起こる可能性があるということを踏まえまして、我々としては、これは元々民民の契約ではありますけれども、損害保険会社に対してはきちんと代理店の声を聞いてやっていくようにということでお願いしていますし、我々も直接そういう代理店の声を聞いて対応してきたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/83
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084・大門実紀史
○大門実紀史君 ありがとうございます。
振り返ってみますと、いろんなことを金融庁が頑張ってやっていただきました。まず、手数料の問題、勝手に大手の方でですね、ポイント制で、ポイント制というの、ちょっとややこしいんですがあるんですけど、とにかく大手の方でポイント制というのを使って手数料を、代理店に対する手数料を下げたり評価していくというのがあるんですが、これがちょっと一方的でおかしいということを取り上げてきたときに、金融庁は、損保会社六社と全国の代理店から、これ二〇一七年ですけど、ヒアリングをやっていただきまして、その結果、やっぱりおかしいということがあったので、日本損害保険協会に見解という形で、なかなか、おっしゃったように、民民の世界もあるからぎりぎりのところで、見解という形で、通達とか何かはなかなか難しいですから見解ということを示していただいて、要するに、規模とか増収だけじゃなくて、ちゃんと役割を評価しなさいということも指摘してもらいました。
いろんな保険会社同士の乗り合いというんですけれども、それを拒否しようということも横行していたんですけれども、私も取り上げましたが、金融庁が指導を行ってもらって、一方的な乗り合い拒否はするなというようなことも通達で現場に出していただきました。
その根拠となる委託契約書の問題も一方的な文言になっていたとかあるんですけれど、それも国会でも指摘いたしましたけれど、特に、一方的に信頼関係が損なわれたら解除しますみたいな、もうどうでも使えるような契約書があったんですが、これはもう全損保が契約書、これは二〇二〇年ですけど、改定してこの文言を削除すると。また、あるいは、個々の問題でも、金融庁が指導してもらって改めさせてきていただいたということで、本当にこの五年間を振り返ると大変感謝をしているところでございます。そういう流れでございます、鈴木大臣。
是非とも、今後とも顧客本位という立場で、こういう地域で頑張る中小代理店をしっかり支援していってほしいと思いますが、大臣のお考えを聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/84
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085・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 損保代理店とこの損害保険会社との関係につきまして、大門先生がこれまでも手数料ポイント制度の問題、あるいは乗り合い承認拒否事案、また、その優越的地位の濫用等、具体的な問題点、課題を取り上げてこられてきたということは、私も事務方から聞き、承知をしているところでございます。
損害保険代理店は、損害保険会社と地域の顧客をつなぐ役割を担っておりまして、地域に密着し、顧客が持つニーズを酌み取ってニーズに沿った保険商品を販売する重要な担い手であると認識いたします。こうした代理店の役割、重要性を踏まえ、保険会社には代理店の意見にしっかり耳を傾け、自らの業務運営に反映をしていくなど、丁寧な対応に努めていただきたいと思います。
要は、先生御指摘のとおり、顧客本位でなければならないんだと思います。金融庁としては、そういう点にも配慮しながら、引き続き保険会社による代理店管理運営の実態を注視し、必要に応じてしっかりと対応してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/85
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086・大門実紀史
○大門実紀史君 ありがとうございます。
私は、なべて大手損保を追及しようとか、そういうことじゃなくて、やっぱり共存共栄といいますか、一緒に発展していってもらいたいと、顧客本位で。その点、ちょっと目先の利益ばっかりを追いかけて、顧客も代理店も、何て言うんですかね、もう後の話になっているという点がありますので、それを是正してほしいという意味で取り上げてきているわけです。
この間の問題、少し指摘させてもらいたいと思いますけど、もう幾つもまた相談が寄せられております。ちょっと時間の関係で全部紹介ができませんが、要するに、何が起きているかまとめて言いますと、先ほど言いました大手が手数料をポイント制を通じて一方的に決めるというようなことなんですけど、これ代理店にとっては、その決められ方によっては、一遍に二百万、三百万収入が減るというふうな打撃を受けるような規模の話なので、何か小さな、ちょっと減ったとか、そういう話ではないんです。
このポイント制を通じて代理店に対していろんなことを大手がまだやっていると、やっているんですね。一つは、この大手にとって、あるいは生保との関係とかですね、こういう商品を売ればポイントあげますよと、これはお客さんのニーズとは全く関係ないんですね。その会社の戦略で売りたいものを売れということ、売ればポイントあげますよと、これ顧客本位とは全く関係ありません。
あるいは、その後、独立独歩のはずなのにその代理店の経営に口を出すと。こういう体制を取りなさいと、もう社長さんに対して、あなたもう高齢だから次の息子さんに替わりなさいと、こんなこと言われる筋合いないんですよね、それぞれ独立していますからね。そういう体制をどう取ったかということとか、後継者の問題とか、それもまたポイントにすると、評価するというようなことですね。
これも全くおかしい話でございまして、そんなことを平気でやられておりますし、福岡で二〇二〇年にありましたけれど、代理店を、もう名前は当時も出ましたから言いますが、東京海上日動ですけれども、福岡の代理店を一方的に統廃合しようというのが起きまして、これは金融庁もさすがにとんでもないということで動いていただいて、これは週刊ダイヤモンド、ダイヤモンドホットライン、あれですかね、ネットの方ですかね、にも大きく取り上げられまして、社長が、東京海上日動の社長が、やり過ぎたということでおわびを誌面でやるということもあったぐらいの大きな問題ですけれども、こういう代理店の統廃合に関してもポイント制度を使ってやるというようなことが行われておりまして、これらはもう、一個一個、公取に訴えるような優越的地位濫用に当たるというのはもう間違いないというふうに思うんですけれども、これ、公取に対して訴えも準備をされているところなんですけど。
金融庁、行政としてちょっとお願いしたいのは、五年前に、先ほど言いました、この問題最初に取り上げたときに麻生大臣と当時の遠藤監督局長が非常に重く受け止めていただいて、さっき言ったように、大手損保のヒアリングと代理店のヒアリングと両方やっていただいて、指導文書というのはなかなか難しい関係にありますので、見解という形で、まずいんじゃないでしょうかということを損保の協会に言っていただいて、それがそのときは非常に効果を得て、大変みんな紳士的にちょっとなったんですけど、もう五年たってまたこういうことが繰り返されております。
やはり、改めて金融庁として、現場で優越的地位濫用の事例がたくさん起きているということを踏まえていただいて、顧客本位という点でどうなのかという点で結構ですので、ヒアリングなど改めてやっていただきたいし、現時点での対応を考えていただけないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/86
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087・栗田照久
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
この手数料ポイント制度につきましては、これまで各損害保険会社において、例えば業務品質に係る評価割合を高めるといった改善がなされてきたと、またあるいは、制度を改正するときには事前に代理店から意見をしっかり聞くというような取組もなされてきたというふうに承知しております。
他方で、今お話がありましたように、代理店の方々は、例えば代理店統廃合の戦略としてこのポイント制度が使われているのではないかといった懸念の声を出されているということも承知をしております。
先ほど申しましたけれども、この手数料ポイント制度というのは民民間の契約に基づくことでありますので、本来的には当事者間でよく話し合って解決をしていただくべき事項であると考えておりますけれども、当然、なかなか立場の違いもあるということもありますので、我々といたしましては、この損害保険会社、代理店、双方からよくお話をお伺いして、あるべき姿を目指していきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/87
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088・大門実紀史
○大門実紀史君 もう具体的な、どういうふうに対応されるかは、信頼していますのでお任せいたします。
最後に、もう一言お願いできればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/88
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089・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 今まで五年間の積み上げというものがございます。まだ残っている課題もあるとするならば、それの解決に向けて今後ともしっかりと対応してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/89
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090・大門実紀史
○大門実紀史君 ありがとうございました。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/90
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091・渡辺喜美
○渡辺喜美君 みんなの党、渡辺喜美でございます。
大臣におかれましては、一日掛かりでお疲れさまでございます。
ちょっと古い話になりますが、第二次オイルショックの頃ですね、オイルショックって二回あったんですね、日本の景気、相当悪くなりまして、鈴木善幸内閣の頃ですよ、で、歳入欠陥というのができちゃった。私の記憶が正しければ、二兆円以上あったんじゃないですかね。ところが、それを伏せて、国会、予算通しちゃったんですね。そのときの大蔵大臣はうちのおやじだったんですけどね。当然のことながら、総理官邸行って、進退伺というのを出したんですよ。鈴木総理は、その何か月か後に、財政非常事態宣言だったかな、残念ながらその直後に退陣をされると。まあこの不景気で税収が入ってこなくて、財政非常事態になると。まあうちのおやじがよく言ったのは、大蔵省というのは秘密主義だよなと、という感想をよく漏らしていましたね。
大臣なられてどうですか。役所の体質、特徴的なこと、何かお感じになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/91
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092・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 大蔵省の時代から、省庁の中の省庁といいますか、そういうような評価もあって、職員の皆さんは大変大きなプライドを持ちながらしっかりと仕事をしていただいていると思いますが、やはりそういう歴史ある役所なるゆえに、何か昔からのやり方というのが続いていてはいけない、特にもう、つい最近、ああした決裁文書の書換えというあってはならないようなこともあったわけでありますので、これを機会に、省内のこのいろいろな風土といいますか、気風といいますか、そういうのを見直すように、しっかりやっていかなければならないと、そういうふうに感じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/92
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093・渡辺喜美
○渡辺喜美君 私が思うに、非常に結束が固いといいますかね、良く言えばね。しかし、頭も固い。ちょっと常識外れのパラダイムに固執したりするんですね。
私が公務員制度改革担当大臣やっていたときなんですが、その頃は財務省になっていましたが、大体、公務員制度のインフラってほとんど財務省の、握っているんですね、財務省がね。例えば、人事院の給与二課長とか、総務省の定数管理参事官とか、それから主計局給与共済課長とか、ほぼ同年次の課長で握っている。だから強かったですね。もうまさにあの頃は官庁の中の官庁だったんですね。ところが、今大臣も御指摘になられた文書改ざん事件というのが起きた。
最近この事件がまた脚光を浴びた。ネットフリックスですよ、一月十三日、米倉涼子主演ですからね。いや、私も見ました、これは。とにかく、全世界で二億人いるわけですね、日本だけでも有料会員が五百人いるらしい。まあ、ネトフリのドラマに出るといったらもう俳優さんたちは大喜びですよね。ところが、ちょっと私、違和感持ちました。米倉涼子のドラマほとんど私見ていますけどね、松本清張シリーズも中園ミホシリーズも、それぞれ面白い。どういう違和感かというと、何かモンタージュ写真みたいな事実っぽいのが至る所に出てくるんだけれども、それをつなぎ合わせてはいるんだが、フィクションの部分も相当あるという話なんですね。だから、ドラマとしては、そういう政治プロパガンダなくしちゃえばドラマとしては最高に面白いんですが、事件の本質は何かというと、私はやっぱり身分制だと思うんですね。もう財務省の中でとにかく強い身分制。身分によって人事をやる、そういうことはやっちゃいけませんよという国家公務員法改正は、第一次安倍内閣のときにやっているんですよね。
ところが、今でもそういう文化が残っちゃっているんですね。例えば、国税専門官で国税長官になった人なんか誰一人いないですよ。ノンキャリで本省局長になった人、何人います。私の知っている限り、たった一人ですよ。石井直一さんという、鈴木内閣のときですよ、印刷局長、この人だけ。
そういう身分制が徹底していて、結局現場の職員が死に追い込まれていった。この背景にあった問題点は何なんでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/93
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094・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 森友学園の案件で決裁文書のこの改ざんがあったという大変ゆゆしいことで、本当に遺憾なことであると思っております。こうしたことの背景には、問題行為の発生を許した財務省の組織風土が渡辺先生御指摘のとおりあったことは確かであると、そういうふうに思います。
財務省再生プロジェクトというのを今推進しているわけでありますが、その中の指摘でも、モチベーションは高いが内部統制の機能が不十分であるとか、あるいは、プランニングは得意だが実行力、継続力に欠けるとか、財務省の組織理念の確認、共有はなされていない、コンプライアンスを確保するための取組が余り行われていないとか、様々御指摘を受けたところでございます。
そうした組織の現状を把握したところでございますが、その上で、これらを真摯に反省して、二度とこうしたことが起こらないように文書管理の徹底など必要な取組を進めるとともに、秋池さん、秋池参与の主導の下、組織風土の改革を進めているところでございます。
一度失われた信用を取り戻すということ、これはなかなか手間も掛かり大変だと思いますが、こういうことを一つ一つ積み上げながら、国民に信頼される組織になるように、しっかりとした仕事ができるように、使命が果たせるように頑張っていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/94
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095・渡辺喜美
○渡辺喜美君 先ほどもちょっと申し上げた、財務省のパラダイム、考え方の癖ですね。これにも相当大きな問題がありますよ。
うちのおやじが大蔵大臣やっていたときに、国の会計というのは大福帳会計なんだよとよく言っていました。まあ単式簿記ですね。複式簿記の分かる人だったら、単式簿記といかに違うかと、よく分かるはずなんですね。で、国家予算というのは単式簿記で作られて、一方、借金の残高というのは、これストックの話なんですね。バランスシートがないと正確な評価付けというのはできないんですよ。
鈴木内閣の頃は、残念ながらバランスシートってありませんでした。最近は作っているんですよ、財務省もね。それがお手元にお配りしてある紙であります。これ、作って発表しているんだけど、全然話題にならないよねという話なんですよ。えっ、GDPの二〇〇%あるんじゃないんですか、資産、負債、赤字というのは、という理解なんだが、二〇〇%もないですよね、これ見るとね。そもそも、あっ、ゆうちょってまだ国営だったんだ、連結対象だったんだというのもちょっと驚きですけれども、資産の方に一千兆円以上資産があるというわけですよ。それも、これ、よくよく調べてみると分かりますけど、有形固定資産、国営林だ、道路だというのは二百兆円もないですよ。あとは何だといったら、金融資産ですよ。八百兆以上あるんじゃないですかね。日本の国債が金利が高くならない理由がよく分かりますね、このバランスシート見ているだけでね。
一方、次のページ御覧いただきますと、これは日本銀行のバランスシート。
日本銀行って政府の子会社ですからね。だって、そうじゃないですか。日本銀行は、国立印刷局から二十円で一万円札を仕入れて、一万円で発行するわけですよ。九千九百八十円もうかっちゃうわけですね。それ最終的にどこ行くかって、国庫に入るわけですから、子会社なんですよ。
日本銀行のバランスシート、昨日、西田さんが随分おやりになったけど、この当座預金と銀行券、銀行券というのは紙のお金ですね。当座預金というのは帳簿のお金ですよ。まあ西田さん風に言えば、無から有をつくれるという種類のものであります。国債は、この当時は四百八十六兆円ぐらいですが、今現在は五百三十兆円ぐらい持っていますかね、直近でいうと。
じゃ、この子会社を連結してやってみると、三ページ、統合政府バランスシートというのがございます。
これ見ると、資産・負債差額は相変わらずなんだが、反対側の借方ですね、負債サイドに当座預金と銀行券はちゃんと入っていると。これは無から有をつくるもの。一方、国家には徴税権というのがあって、まあ大体八年から十年分ぐらいですよ、この資産・負債差額というのもね。
こういうのを見たら、どこが危機なんですかと、一体。もう、ちょっとばかも休み休み言ってくれよと。そういうことで国民を惑わせる、それ非常におかしなパラダイムじゃないんですかと私は思うんですが、大臣はどうお考えになるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/95
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096・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 我が国の財政の現状について、国の保有する資産を差し引いた純債務残高で考慮すべきであるとの御指摘であったと思います。
国の保有する資産は、道路やダムなどの非金融資産は、流動性や市場性に乏しく、売却が困難であります。また、金融資産につきましても、年金積立金や為替相場の安定のために保有する外貨準備などは見合いの負債が存在しており、換金して他の財源に活用することが不可能であります。こうしたことから、単純に負債と相殺することは適切でないと思います。
また、政府と日本銀行のバランスシートを連結した、いわゆる統合政府で考えるべきであるとの御指摘がございましたが、日銀は政府から独立して金融政策を決めているにもかかわらず、政府は日銀が永久に国債を購入、保有し続けることを念頭に置いているのではないか、したがって結果的に財政ファイナンスを狙っているのではないかといった誤解を生じさせるおそれがあり、財政の現状を統合政府で考えることはそもそも適切であるとは考えていないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/96
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097・渡辺喜美
○渡辺喜美君 それは伝統的役人答弁ってやつなんですけどね。是非、在任中に鈴木大臣御自身のお言葉でこの問題をもう一度聞いてみたいと思います。
日銀が連結対象でないってですね、実際はIMFも世銀も中央銀行を連結したバランスシートで各国比較というのを出しているんですね。ですから、これはある意味グローバルスタンダードで、まあ日本の財務省はとにかく自分の都合のいいところしか切って持ってこないと、まあこういう話なので、GDPの二〇〇%超えていますという、とんでもない宣伝になっていくわけであります。
ついでに言うと、こんなどでかい資産を持っている国というのは日本だけですからね。アメリカ合衆国連邦政府の三倍以上持っていますから。それは覚えておかれたらよろしいかと思います。
ちょっと時間が来ちゃったんで、ちょっと会計基準って、例えば金融庁だったら企業会計、財務省だったら税務会計、文科省だったら学校法人会計、農水省だったら土地改良会計とかね、役所ごとにばらばら分かれているのが日本なんですが、こんな国ってほかにあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/97
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098・奥達雄
○政府参考人(奥達雄君) お答え申し上げます。
御指摘の各種法人に係る会計基準の諸外国における設定主体につきましては、諸外国に必ずしも我が国と類似の制度や法人がない場合もあると考えられまして、お尋ねの法人全てについてお答えすることはできませんが、このうち中央政府と地方自治体の会計基準について申し上げますと、例えば米国や英国におきましてはそれぞれ異なる組織、団体が設定主体となってございます。例えば、米国では、連邦政府の会計基準は政府機関である連邦会計基準諮問審議会が設定しているのに対し、州や地方政府に係る会計基準は民間非営利法人であります財務会計財団の下部組織が設定しているものと承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/98
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099・渡辺喜美
○渡辺喜美君 この問題は、時間が来ましたので、後日またやらさせていただきます。
質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/99
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100・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 以上をもちまして、令和四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁、財務省所管、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行についての委嘱審査は終了いたしました。
なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/100
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101・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
午後一時に再開することとし、休憩いたします。
午後零時十三分休憩
─────・─────
午後一時開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/101
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102・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省主税局長住澤整君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/102
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103・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 異議がないと認め、さよう決定をいたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/103
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104・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、株式会社国際協力銀行代表取締役総裁前田匡史君及び日本銀行理事清水季子君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/104
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105・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/105
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106・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 所得税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/106
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107・藤末健三
○藤末健三君 自民党・国民の声の藤末健三です。
税法につきまして御質問させていただきます。
まず、一つ目にございますのが、インボイス制度の導入でございます。
二〇二三年十月一日からこのインボイス制度の導入が始まりますが、非常に大きな影響をフリーランス、特に、様々なクリエーションを行いますクリエーターの方々、個人事業主の方々に大きな影響が及ぶと思います。
実際に、いろんな方々とお話をさせていただく中で感じますのは、制度自体が十分に理解されていないと。
例えば、簡易課税制度とか経過措置があるということさえも知らずに、恐らく、例えばインボイスということをネットで引きますと何が出てくるかというと、インボイス制度の概要と問題点という資料が大体一番目に出てきます。
そこに何が書いてあるかと申しますと、インボイス制度の問題点ということでございまして、例えば、この資料で後で御説明しますけれど、課税売上高が一千万以下の免税事業者、このインボイスを実際に使わない事業者についてはインボイスが発行できないと。したがって、何が起きるかというと、契約対象から外れ、取引が外されるんではないかと。ですから、これによって経営悪化や廃業に追い込まれる可能性がありますということが書いてございまして、また、実際にその売上高が一千万以下の事業者であって、免税事業、あっ、課税事業者とし登録した場合については、税の負担が増えてしまう、非常に経営が圧迫されると。また、このインボイスを導入することによって様々な負担、事務負担が掛かるし、また、システム変更などのコストや負担が掛かりますと。と同時に何があるかと申しますと、簡易課税制度というのがございますけれども、この簡易課税制度も将来的には縮小されるんではないかと。実際に、フランスではなくなり、ドイツでも縮小されているということで、簡易課税制度も縮小されていくんではないかと。したがって、インボイス制度はやめなければ、止めなければいけないというようなことが一番目に出てくるような状況でございます。
実際に私自身がそのフリーランスの方々、特にクリエーターの方々や建設現場で働いている一人親方、個人事業主として建設現場で会社と契約して働いている方々、話をさせていただきますと、プログラマーとかそういうIT系の方々は御存じです、中身を。かつ、話をしていると、そういう方々は自分たちで新しいそのクラウドシステムと契約するから対応できるだろうとおっしゃるんですが、例えばそのクリエーターの方々についてはもう大きな不安をお持ち、かつ、一人親方の方々とお話ししても全く理解していただけません。
という状況の中で、是非、このインボイスの問題、恐らく経済産業省や国土交通省、厚労省といった業を所管する省庁と連携して政府全体でこのインボイス制度を理解していただく。例えば今のIT補助金とか持続化給付金とか、いろんな応援メニューがありますけれど、例えばそのインボイスを支援するというのが何かというと、IT補助金の中にインボイス支援となっているんですよね。じゃなくて、始めからインボイス対策補助金みたいな看板をどおんと立てるとか、また分散したいろんな補助金も一括して見れるようにするとか、そういうワンストップサービス、ここに聞けば必ずそのインボイス対策も分かるし、いろんな補助金や支援が受けれる、そういうところを是非つくっていただきたいと思うんですが、財務大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/107
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108・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) インボイス制度でありますが、複数税率の下、適正な課税を行うために必要なものでありまして、来年の十月から始まりますが、例えば、BツーC取引の場合や取引先が簡易課税制度を利用する場合は取引相手からインボイスの交付を求められることはないため、全ての免税事業者について影響があるわけではございません。
また、事業者の準備や取引に与える影響を緩和するため、十分な経過措置を設けるとともに、IT導入補助金によりインボイス制度も見据えた中小・小規模事業者のデジタル化による事務負担の軽減や、持続化補助金によりインボイス発行事業者となる小規模事業者の販路開拓などの支援をすることといたしております。
藤末先生から御指摘のございましたワンストップでとの御指摘は大変重要なポイントであると、そのように理解をしております。政府といたしましても、中小企業団体によるインボイス制度に関する周知、広報や経営相談の体制強化のための支援を講じておりまして、事業者の方々がこれらの様々な支援策をしっかりと利用できるよう、関係省庁とも調整をしつつ、できる限り分かりやすく、事業者目線での周知、広報を丁寧に進めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/108
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109・藤末健三
○藤末健三君 是非、財務省が中心となっていろんな役所との関係を築いていただき、かつ、ワンストップサービスというのは重要だと思いますので、是非、大臣、進めていただきたいと思います。
皆さんのお手元に資料を配らさせていただきました。これはうちの事務所で作ったものでございますけれど、今その免税事業者ってどうなっているかと申しますと、全事業者の六二%がこのインボイスと申しますか、消費税の免税事業者となっています。中身を見ますと、フリーランス、スモールスタート、零細事業者、社会的弱者と書いていますが、先ほど申し上げた日雇の一人親方とかそういう方々になりまして、労働人口を見ますと、大体、これ推定値しかないんですけれど、四百万人近くの方々がこのインボイス制度で新しく影響を受ける方々になると。世代を見ますとこうなっておりまして、二十代から五十代の方々が大体七割。六十代以上の方々も三割近くおられます。
そういう方々が、簡単に言うと四百万人から五百万人の方々が影響を受ける中で、今ほとんどこのインボイスの導入ということは議論になっていませんけれど、私はやはり、もうきちんとここで政府が対応していただき、徹底的な理解をいただく。ですから、例えば簡易課税制度についても理解いただいている方、余りいないと思います。あと、経過措置があることも理解していただいていない。また、様々な、先ほど申し上げましたように、ネットにはもうすごい、どれだけのコストが、負荷が掛かるかとか、いろんなことが書かれている。ですから、是非ともネット上でもきちんとした対応を取っていただきたいなと思います。
今、このインボイスの問題はネット上で非常に議論がされている状況で、恐らく役所の方余り理解されていないんではないかと思っていまして、是非とも、ネット上でもいろんな議論がある中で一つ一つ丁寧に答えていかなければ、恐らく、いや、ちゃんとビラ配っています、ちゃんと税務署では説明しています、ちゃんと商工会議所で説明していますということをお答えいただくんですけど、この方々は多分行きません、そこには、結論からいうと。
是非、ネットも含めた宣伝と理解、御理解をいただくことと、もう一つは、やはり一番重要なことはワンストップサービスで様々な疑問にきちんと答えていただくことを実現していただきたいと思います。
次にございますのは、様々なところから、このインボイス制度の導入に当たりましてフリーランスの方々に対する影響や不利益を最小にしてくれという要望が出ていると思います。
こちらにございますように、登録事業者になるかということで、登録事業者になったときに、その税務能力が必要であるとか、あと会計ソフトの導入ができないとか、そういう負担があるんではないかということと、あと、免税事業者のままでいるときにどれだけその取引先から、まあ簡単に言うと登録事業者じゃなければ取引先の事務負担が増えますので、いろんな、税金処理の、あと、実際にこの取引先が税負担が大きくなるんではないか。
また同時に、免税事業者にならなければ、その税金を事業者の方が、このフリーランスの方々が負担するのではないかという心配が様々あるわけでございますが、そのようなものに対してどのような対応を講じるのかを是非教えていただきたいと思います。お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/109
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110・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
フリーランス協会の皆様からは、政府に対しまして、インボイス制度への移行に当たって、このフリーランスと取引のある事業者に対して独占禁止法や下請法などの法令遵守要請を行ってほしい等々の御要請をいただいているということでございます。こういった御要請も踏まえまして、政府としては、独占禁止法、下請法等のこのQアンドAを本年の一月に公表いたしますとともに、各事業者団体に法令遵守要請を行っております。
今後のこの免税事業者を始めとした事業者の皆様の取引環境の整備については、このQアンドAの公表だけではなくて、下請かけこみ寺ですとか駆け込みホットラインで相談対応を行うでありますとか、下請Gメンやこの書面調査による状況把握や発注者側への牽制を行うといった各種の取組を関係省庁で連携して行っていくということにいたしております。
また、この公表されておりますQアンドAについても、こうした書面調査や相談対応等を通じていろんな事例が把握されてくると思いますので、随時アップデートを行って、この環境整備を行っていきたいと思います。
先ほど来御指摘をいただいておりますこの制度についての周知でありますとかネット上も含めたきめ細かな対応についても、関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/110
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111・藤末健三
○藤末健三君 是非、財務省を中心に取り組んでいただきたいと思います。
やっぱり、何を申し上げたいかというと、例えば、私、建設現場の安全、建設現場も一日一人まだ事故で命を失っている状況の中でそれをゼロにしようという運動を超党派でずっと進めているんですけど、やっぱり建設現場に行ってそういう被害に遭われる方々にお会いすると、一人親方、個人契約の方が多いんですよ。その方たちと一度、昨年ぐらいですか、インボイスの話をさせていただいたんですけれど、全く、私の能力の問題かもしれませんけれども、御理解いただけないんですよ。皆さんにすごく影響あるんですよという話をさせていただいても、いや、そんなの俺分かんねえよという感じだったんですよね、正直申し上げて。
ですから、そういう方々にも、恐らく数十万人おられますから、一人親方というのは、そういう方々にどうやってアプローチするかをちょっと考えていただきたいと思いますし、また同時に、先ほどおっしゃったように、フリーランス協会の方々も、お話お聞きして、すごく整理されている御要望をされています。
ただやっぱり、全てを網羅されていないと思うんですよね。ネット上でいろんなことを書いている方々というのは、恐らくネットだけの情報で、フェイク、もしフェイクであったとしても、それを見て、ああ、これ、インボイス、とんでもないことになるなというふうに多分思われていると思うんですよ。検索結果を見るとそうなるんですよ、正直申し上げて。そういう対策も是非取っていただきたいと思います。
是非、財務省におかれましては、今、昨年、国会の皆様、仲間からも提案させていただき、三月にフリーランスの方々の保護ガイドラインというのができております。また、恐らく今年の臨時国会に出るんではないかというふうに話は聞いておりますけれど、フリーランス保護の法制、新しい法制もできる状況になっておりますので、そういう方々と是非ちょっと連携させて、していただきたいと思います。
また、下請Gメンの話も出ましたけれど、恐らく下請Gメンの方々ってたしか数百人しかおられなかったと思うんですよ。それで、どこまでこの人数、四百万人とか五百万人がコンサルというか、お話、たしか二百五十ぐらいだったと思います、下請Gメンは。だから、どうやって対応するんですかという話を是非真剣に考えていただけませんでしょうか。恐らく、いろんなメニューをおっしゃるんですよ、皆さん、やっています、やっていますって。ただ、届いてないですよ、正直言って、これ。
是非、このインボイスの問題、大きな問題でございますので、財務省の方々も今までにないようなきちんとした対応を取っていただくことを是非お願いしたいと思いますし、是非、鈴木大臣、これ、私は大きな問題になると思います、必ず。突然気付いて、みんなでわあっと騒ぎ出すと思うんですよ。ではなく、初めからもうきちんときちんと、ここにあります四百万人から五百万人の方々にメッセージを届いて理解をきちっとしていただくことを至急やらなきゃいけないと思いますので、是非御検討いただきたいと思います。
また、このインボイスの導入において、私が話をさせていただきますと、こういう問題点の指摘がございまして、インボイスの仕組みは分かりましたと、何とか対応できるでしょうと。
ただ、私がお話しさせていただいたのは、絵とかを描いたり、いろんなクリエーションをやっているクリエーターの方で、ペンネームで活動されている方なんですよね。私がペンネームで活動する中で、このインボイスを使うことによって自分の個人の名前が表に出てしまうんじゃないか、取引相手との間に伝わるんじゃないかと。そうすると、御自分でこのいろんな活動をされる中で、自分の個人名が流出して、そして非常にストーカー的な被害に遭ったという話を聞いておりまして、そういう方々が、実名の公開、公開と申しますか、相手側に実名が伝わるんじゃないかということを懸念されているんですけど、そういうプライバシーの保護の対応はどうなっているかをちょっと教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/111
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112・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) お答えいたします。
インボイス発行事業者の登録情報につきましては、国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトにおいて公表するということになっております。
この個人事業者の公表事項につきましては、原則として、氏名、登録番号、登録年月日という法令において定められた必要最低限の事項とすることとしておりまして、そのような形でプライバシーにも配慮しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/112
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113・藤末健三
○藤末健三君 是非、ペンネームや匿名で活動しているフリーランスの方々は多分多いと思います、データはないですけれど。そういう方々がプライバシーをもう既に気にされているということでありますので、是非何らかの対策を検討いただきたいと思います。
こういうことでございまして、インボイス制度につきましては、是非、財務省を中心に関係省庁力を合わせていただき、かつ、もうくどいですけれど、今まで皆様が、役所の皆様が付き合ってきたことがない方だと思うんですよ、正直申し上げて。ですから、何とか協会には所属していない方が多いと思います。そういう方々にどうやってメッセージを届けるかということは、大きな工夫をしてやっていただきたいことをお願いしまして、このインボイスの問題を終わらさせていただきたいと思いますが、是非対応をお願いいたします。
続きまして、フリーランスの確定申告についてお話をさせていただきます。
今、確定申告についてオンラインで完結できるようになるなど、利便性は向上し、かつ、e―Taxの利用者の方々が増えているというお話を聞かせていただいています。
一般的な給与所得者や事業所得者については、税務署でも参考となる開設ページや動画とかありますけれど、先ほど申しましたように、フリーランスの方々にとってはなかなか敷居が高いという話がございました。
商工会議所や青色申告会で開催されます相談会などでは、相談を受ける税理士が現在のフリーランスの状況を理解していないケースもあったり、また、税理士の方々が、今、どんどんスマホでも何かe―Tax使えるようにしていただいていますけれど、そういう新しいシステムの導入についても余り御理解いただけなかったりしているわけでございますけれど、是非とも、このフリーランスの方々の税務処理を助ける意味でも、そういう業種ごとのフリーランス用にマニュアルを作っていただいたり、あと、個別ケースについて、今のAIチャット、AIが答えるようなアドバイスのチャットシステムありますけれど、個別のケースを人間がきちんと細かいところまで教えて、オンラインで教えてあげるような税務サービスをしていただくと非常に有り難いんではないかと思うんですが、その点についてお答えいただきたいと思います。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/113
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114・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) お答えいたします。
フリーランスの方は、企業などに属さずに御自身の技術や技能などを活用して収入を得る方とか、あるいは、企業等に属して給与を受け取りながら副業として収入を得る方など様々だろうというふうに承知しております。そのような方の中には、確定申告の手続に不慣れな方もいるのではないかと考えております。
国税庁としましては、フリーランスの方も含め、より多くの方にe―Taxを利用していただけるような環境整備に努めておりまして、個人事業主も含めて全ての所得者向けの申告書作成システムの入力マニュアルや、給与所得者で副業による雑所得がある方向けの入力マニュアルなどもホームページに掲載するなどの対応を行っております。また、フリーランス協会では今年二月に会員向けに申告の要否ですとか会計ソフトにおける決算書への入力方法等を説明したオンラインセミナーを開催していただいているところでございます。
いずれにしましても、委員御指摘のとおり、フリーランスの方も含め、申告が必要な納税者の方に必要な情報が届き、必要な相談ができるということは非常に重要なことだと考えており、フリーランス協会を始め各民間団体とも幅広く連携しながら、御指摘の内容の検討も含め適切に対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/114
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115・藤末健三
○藤末健三君 先ほどの続きとなりますけれど、是非この四百万人、五百万人おられるというようなフリーランスの方々、恐らくこのインボイス制度の導入におきまして税金に対する意識はすごく上がってこられると思うんですよ。ですから、早めに早めにそういうフリーランスの方々には対応を進めていただき、やはり税務署等の方々とのコミュニケーションをしていただき、やっぱりインボイス制度は何ぞやとか、あとは税金をどうやって納めるのかということもスムーズにやっていただけるような体制を早めにつくっていただきたいと思います。
恐らくこれからどんどんどんどん働き方は変わっていきますので、既存の今のコミュニケーションというか、いろんな納税者の方々との会話するようなチャネルが変わってくると思いますので、ネットへの対応とか、あとはもう、また違うきちんとしたその出前での対応もあると思うんですが、新しいやり方で納税者の方々とコミュニケーションをしていただきたいことをお願いいたします。
続きまして、NFT、ノンファンジブルトークンについて御質問したいと思います。
これは、先ほど、フリーランスという新しい働き方が普及する中で、その税務のいろんなコミュニケーション、納税者とのコミュニケーションを変えてほしいというお願いでございますが、もう一つございますのが、このノンファンジブルトークンという、NFTというものでございます。
お手元に資料をお配りさせていただいていますけれど、今、ウエブ三・〇ということでございまして、新しいその技術の、ブロックチェーンという技術の普及により、今までは、ウエブ二・〇では、どこかに大きなデータセンターがあってそこにみんながアクセスすることによっていろんなウエブ、ネットワークのサービスを受けれるような仕組みになっていたものが、ここにありますようにGAFAなどの独占の問題があると。一つの大きなサーバーを持った企業が様々なデータを集中管理して扱うというところから、ウエブ三・〇におきましては、ブロックチェーン技術、分散して情報を管理する技術に移ってくると。そうしますと、集中型ではなく分散してデータを持つことによって、このデータの保管の安全性が増しますし、あとは透明性が大きく増すということで、大きくこの社会構造が変わるという状況でございます。
しかしながら、新しいこのウエブ三・〇に対してまだ税制が追い付いていないんではないかという疑問がございまして、それを質問させていただきたいと思います。
このノンファンジブルトークンは何かと申しますと、四と書いた資料がございますが、特にアートにおける世界において使われつつあるということであります。例えば漫画の絵とかアニメの絵とかをデジタル化すると、そして、そのデジタル化されたそのアートをこのブロックチェーン技術を用い、価値を付け、そして販売をすると、そして、仮想通貨と言われています例えばイーサリアムというものなどで決済を行い、これは何かと申しますと、世界中に販売できるというのがございます。
今までこのクールジャパンという議論があって、例えば日本のコミックの売上げは海外で五千億円を超えていると言われていますし、また、日本のアニメーションの海外での売上げは一兆円を超えている。当然、ゲームはもう数兆円です、規模が。そういう漫画やアニメ、そしてゲームのキャラクターといったものをデジタル化した価値としてブロックチェーンで管理をして世界中に流通させることができるようになっているという状況が生まれていると。
私自身が、私は今クリエーター大国というのを掲げているんですが、やはり日本には様々な絵を描く能力が高い方が圧倒的に多いです、はっきり言って。そういう方々が、今まではある事業者を通してつくられたその価値を販売、出しているわけですけれど、やはり直接そのクリエーターの方々が、このウエブ三・〇、特にNFTを使うことによって、国際市場において自分の作った創作物を価値に変えることができるわけでございますけれど、そこにつきまして、例えば何が問題かと申しますと、その納税計算のハードルというのがございます。このNFTで、例えば自分で絵を描いて海外で売ったり国内で売ったりする、そうすると、その利益はどういうふうに計算されるかというと、イーサリアムや暗号資産でやり取りをしますのでなかなか計算が難しいと。実際に、税務署と相談してもなかなか、その税務署の方もなかなか理解されていなくて、非常に煩雑になっていて、逆にもう諦めちゃう事例もあると聞いております。
このNFTがより健全に機能するためにもこの税制の整備が必要だと思うんですが、その点、どのようにお考えでしょうか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/115
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116・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
委員御指摘のこのNFTにつきましては、従来からあります暗号資産の場合のように、この取引業者が年間における取引報告書というのをこの納税者に提供をして、それに基づいてその納税者が申告をするという仕組みが整備されていないというのが現状でございます。そのために、このNFTを使っていらっしゃる納税者の方が御自身で所得金額を計算して納税するということで、その辺のこの対応が難しいという御指摘かと思います。
こういった点については、その暗号資産の例なども参考に、この関係省庁におかれて、例えばその申告に関する情報の広報、周知を行っていただき、納税者の方が適正に申告できる環境整備というのが検討されるということがまず必要ではないかなというふうに考えております。
さらに、この国税庁の方におきましては、このNFTの取引に係る課税関係についてきちんと分かりやすく示そうということで、丁寧にこの周知、広報を行っていく方向で検討しているものと承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/116
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117・藤末健三
○藤末健三君 恐らく、周知、広報をしてもなかなか分かりにくいと思います、私自身も思いますが。やっぱり制度を変えなきゃいけないと思っておりまして、二つ提案をさせていただきたいと思います。
一つは、その暗号資産、そのNFTを含む暗号資産の税制について分離課税にできないかということで、これよく言われる話でございますけれど、今は所得税に、あっ、所得に総合課税されると、で、最大税率は五五%となってしまいますんで、多くの暗号資産関係のビジネスを行う方々がシンガポールなどに行っているという状況。是非、株式投資やFX投資と同じ分離課税方式、最大二〇%としてはどうかということ。
そしてもう一つは、このNFT、仮想通貨で決済されるパターンがあるんですけれど、アメリカでは今年の二月に、少額の暗号資産決済は免税するという法案が提出されております。二百ドルですから、二万円以下の決済については非課税にすると。是非、少額の決済については非課税化ということを考えるべきだと思いますが、その点、いかがでしょうか、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/117
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118・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
まず、ファンジブルトークンのこの一種であります暗号資産の取引に係る所得につきましては、外国通貨の為替差益と同様に、原則として雑所得に区分されて総合課税の対象となるというのが現在の扱いでございます。
上場株式等の譲渡益等につきましては、税制の中立性ですとか簡素性、それから執行の適正な確保といった観点から、あるいはその貯蓄から投資への政策的要請でありますとか一般投資家が投資しやすい税制を構築するといった観点から二〇%の分離課税が採用されているわけでございます。
一方、この暗号資産の取引による所得に二〇%の分離課税を採用することにつきましては、給与所得や事業所得などのほかの所得とのバランスについて御理解が得られるかといったようなことですとか、株式のようにこの家計が暗号資産を購入することについて国として政策的にどういうふうに考えていくのかといった辺りについて、所管省庁等において考えていただいた上での検討が必要であるというふうに考えております。
また、米国で暗号資産の少額な決済を免税とする法案が提出されているということでございますが、これについても、そういった非課税措置を講じる必要性について関係省庁においてまず御検討いただいた上で、暗号資産から生じた他の所得とのバランスなど、課税の公平性との観点も踏まえた検討が必要であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/118
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119・藤末健三
○藤末健三君 今ちょうど局長から他省庁で検討しろという話だったんで、経済産業省にお聞きしたいんですけれど、まさしくこのウエブ三・〇の中で、特に今日はトークンエコノミー、NFTの話を申し上げましたけど、是非経済産業省で議論していただけませんでしょうか。恐らく、規制官庁である財務省、税の規制官庁である財務省、また金融などを規制する金融庁では恐らく前向きな議論はできないと思うんですよね。是非、産業を振興するという観点から、経済産業省で、コンテンツ課やファッション室、情報経済課とか、情報産業課とか、まあ特許庁も含めてだと思うんです、知財室も、そういうところを統合して議論を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/119
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120・龍崎孝嗣
○政府参考人(龍崎孝嗣君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、ブロックチェーン技術の進展によりまして、暗号資産やNFTなどを活用したトークンエコノミーと称される新たな経済活動が生まれてきておりまして、その結果、商取引や資金調達の在り方、それから企業組織、ひいては産業構造自体が大きく変わり得るという見方もございます。
実際に、インターネット上で提供されるサービス分野では、分散型金融サービスを提供する韓国のスタートアップなど、GAFAMなどの既存のプラットフォーマーを介さずに付加価値を生み出す様々な事業、スタートアップが生まれつつございます。
また、トークンの一部であるNFTは、委員御指摘のアートなどデジタルコンテンツの市場創造だけではなくて、ファッションやスポーツ、地域の観光資源などのリアル資産の価値の顕在化、それから、新たな収益分配実現の観点から活用が期待されております。
それから、代替性のあるトークンにつきましても、決済手段としてだけではなくて、海外のスタートアップなどでは株式に代わる新たな資金調達手段としても利用され始めております。
一方で、これらの領域は世界的にも非常に新しいものでございまして、その発展に向けて障害となり得る課題が様々あれば、経済産業省としてもしっかりと対応する必要があると思ってございます。例えば、ファッションとかスポーツの分野におきましては現在実証事業等を行っておりまして、制度的な課題を含め整理をしているところでございます。
今後とも、こうした新しい動きを経済成長のチャンスと捉えまして、民間による様々な創意工夫を促進していけますように、関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと思ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/120
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121・藤末健三
○藤末健三君 是非、経済産業省を中心に、産業としての、産業の育成として、振興として議論を進めていただきたいと思います。
現在、今年の一月に自民党内につくりましたNFT政策検討プロジェクトチーム、これ座長は平さん、衆議院議員がしていただいているんですけれど、もうすぐレポート、提言書を出すという方向で動いているので、それを是非経済産業省、受けていただきたいと思います。
もう一つございますのは、文化庁にお聞きしたいんですけれど、このウエブ三・〇、ここで御説明しましたように、GAFAのくさびから、独占から個人を解放していく。特に、先ほど申し上げましたように、絵などを描いておられますクリエーターの方々がこのNFTを通じて自分たちの作った創造物を海外に展開でき、きちんとした価値をもらうと。実際に、先ほど申し上げましたように、クールジャパンで漫画、アニメ、ゲーム業界は大きく売上げを伸ばしていますけれど、それを担う若手のクリエーターの方々は、何か搾取されているようなイメージになっています。
是非とも、クリエーター育成や企業に予算を付けている他国はそうしていますので、日本は大きく差を付けられていると思います。実際に人材の流出を招くおそれもあるんではないかというふうに言われておりますので、その特定の企業へ支出するんではなく、実際に価値を創造するクリエーター個人への支援を行うべきと考えますが、その対策をどうするか、これ文化庁、あと経済産業省、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/121
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122・中原裕彦
○政府参考人(中原裕彦君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、近年、我が国のコンテンツ分野におきまして、いわゆるNFTを活用した取組が増えており、例えば、デジタルアートに証明書を付して流通させ、デジタルコンテンツを高付加価値化するといった取組が展開されているものというふうに承知をしております。
こうした取組について、ブロックチェーンを活用することによりまして、デジタルコンテンツの公表や取引機会の拡大などの観点から意義があるというふうに考えられるものの、一方で、権利関係が明らかではないコンテンツに関するNFTが流通している等、信頼性における課題も指摘されているというふうに認識しております。
文化庁としましては、こうした課題なども踏まえつつ、NFTを活用したクリエーターへの収益還元や文化財を活用した地域活性化に関する取組など、文化芸術の振興の観点から有効な活用策の促進について前向きに検討してまいりたいというふうに存じてございます。
そして、漫画やアニメ、ゲームは、世界に誇る日本文化であるとともに、我が国のコンテンツ産業においても重要な位置を占めておりまして、これを支えるクリエーターへの支援というのは、御指摘のとおり、重要な課題というふうに認識してございます。
このため、文化庁におきましては、文化の質の向上と発展に資することを目的に、コロナ禍からの文化芸術活動の再興支援によりまして、これまで延べ四十八万人の関係者の皆様にその支援をお届けするとともに、若手のアニメーターのための実践的な人材育成プログラムの実施を通じたスキルアップの支援、創作機会の提供を通じた我が国のメディア芸術の将来を担うクリエーターの育成、水準向上などの事業に取り組んでいるところでございます。
引き続きこうした取組を進めることによりまして、我が国のソフトパワーとしての漫画やアニメ、ゲームの更なる発展に向けまして、メディア芸術分野の振興を図ってまいりたいというふうに存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/122
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123・藤末健三
○藤末健三君 中原審議官、力強いお言葉ありがとうございます。びっくりしたのは、龍崎審議官も中原審議官も一緒に昔働いていたお二人なので、是非ともNFTやこのクリエートの振興をやっていただきたいと思います。
最後に、私、DXの税制、DX推進税制のお話をさせていただこうと思ったんですが、時間がないので、一つだけ申し上げて終わらさせていただきます。
是非とも、今DXということで進めておりますけれど、是非とも国産のソフト、アプリケーションの技術を入れてほしいというお願いです。今、DXが進む中で、海外のどんどん技術が入ってきていると。果たしてそれで本当にDXが進むかというと、恐らく、外国のシステムが入り、外国と同じようなワークスタイルが入ってくる。それをすごく懸念していますし、実際にそういうことを言う方がおられます。
是非とも、財務大臣におかれましても、大家副大臣におかれましても、国産のシステムをやっぱり技術開発を進め、そして導入を進め、我が国のきちんとしたDXを進めなければ、恐らく外国のワーク、働き方が日本に入ってきて終わるということになりかねませんので、そのことを申し上げまして、私の質問を終わらさせていただきます。
本当に、機会をいただき、ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/123
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124・古賀之士
○古賀之士君 立憲民主・社民の古賀之士でございます。
鈴木大臣におかれましては、ようやくこの財政金融委員会が開かれまして、初めて質問をさせていただく機会を頂戴いたしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
まず、鈴木大臣、随分昔のことになりますけれども、一九七七年の二月、時はちょうど旧ソビエトが、まさに突如、自国の領土から二百海里までは自分たちの漁業水域であるということで、他国の漁船の進入を一週間もたたないうちに断るという宣言を突然行ったということで、当時ばたばたと、モスクワで、日本とそして旧ソビエトが日ロ、日ソ漁業協定を新たに結ぶために交渉が行われたということを思い起こします。
時の農水大臣は、お父様の、後の総理大臣、鈴木善幸さんでございました。そして相手は、漁業の担当大臣、漁業相という担当大臣があるんだなというのを、逆にやはり高校生の自分としては大変思い出深く残っているわけですが、イシコフさんという、お名前からするとかなりタフなネゴシエーションをされるような、そんなお名前の方とお父様が三か月ぐらいにわたって漁業交渉をされて、ようやく道筋が見えました。ただ、それから二百海里というのが私たち日本国民にはしっかりと脳裏に焼き付いて、当時は三海里というような説もあり、あるいは、いや、二百海里まではこれは自国の領土だというような発言もありで、相当日本国中が大変な騒ぎになり、そしてまた魚価も高騰し、そして、私たちが口にする北の海のカニやスケトウダラ、こういった漁産類は一体どうなるんだろうかという思いをしたことを、もう本当にこうやって今、鈴木善幸さんの御子息であります鈴木大臣に向かってお話をしていることを、何か浅からぬ因縁として思っているわけでございますが。
まず、鈴木大臣、今まさにロシアがウクライナに侵略をしている真っただ中でございます。そういったことからいって、今御自身の中で、現状、大臣の立場ではありますけれども、お父様からのお聞き及んだ思い出も含めて、今どういうことをロシアに対して、あるいはまた今後の外交交渉について、まあ若干担当は外れるかもしれませんし、質問事項には事前に通告はしておりませんでしたけれども、思い出でも結構です。何か印象等ありましたら、お答え願えないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/124
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125・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 外交、所掌外でございますので、私から財務大臣としてお答えすることは控えたいと思いますけれども、しかし、今回のロシアのウクライナ侵略、これはもう主権とこの領土の一体性を壊すという国際秩序の根幹に関わる極めて重大なことが今起こりつつあるということだと思っておりまして、これに対しましては、我が国といたしましては、もうG7を始めとする諸外国としっかりと連携をしながら、国際秩序の根幹を守るために、それぞれの国ありますが、連携をしながら日本としてもでき得る限りの対応をしっかりやっていかなければいけないんだと、そういうふうに思っております。
そういう中で、例えば、今日も夜九時過ぎからでありますけれども、G7の会合もウエブでやることになっておりますので、そういうところも通じまして、各国と連携をしながら、こうしたロシアの行動には高い代価が付くんだと、そういうことを相手側にしっかり感じさせる、そういう取組をやってまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/125
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126・古賀之士
○古賀之士君 突然の質問で恐縮でございました。
先ほどの、お話をさせていただいたその日ロの、当時の日ソの漁業協定によって漁獲高がしっかり決められ、そしてそれに対する代価を日本側が支払い、さらに漁法まで細かく指定をされているという、これが今、毎年行われているという現状でもございます。
そういったことも含めて一つ一つの経済活動に対しても大きな影響を与えていくということを私自身も肝に銘じながら、また御指導いただきながら進めさせていただきますので、どうぞこれからの質問もよろしくお願いをいたします。
それでは、まず、ロシアに関連しての質問から財務省の参考人に伺います。
済みません、今日は国際協力銀行の総裁がお見えでございますので、先にこちらのお話をさせていただきます。恐縮でございます。
まず、ロシア関連について、日本とロシアの貿易のうち、決済通貨における円の割合というのはどの程度あるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/126
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127・阪田渉
○政府参考人(阪田渉君) お答え申し上げます。
ロシア、日本の間の貿易取引について、決済時における円の割合というのは残念ながら承知しておりませんが、他方、貿易統計データに基づく建値通貨ということであれば税関において把握しておりますため、こちらで御回答させていただければと思います。
税関での輸出入申告時における円建ての割合は、二〇二一年、令和三年でございますが、その下半期の数字でございますが、金額ベースで、日本からの輸出では四五・五%、日本への輸入では五・七%となっております。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/127
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128・古賀之士
○古賀之士君 いわゆる円の割合も、今伺っているとまだ半分行っていないと、日本からの場合は。そして、逆の場合は五%余りだということです。非常に、為替の動向についても非常に今ナーバスな状態が続いていると思いますので、お示しをいただきました。
続きましては、本日、総裁がお見えと伺っておりますが、国際協力銀行、こちらに伺います。
ロシア向けの債権、これはどの程度あるんでしょうか。で、今回の制裁でどのような影響が出ると見込んでいらっしゃるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/128
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129・前田匡史
○参考人(前田匡史君) お答え申し上げます。
二〇二一年の三月末の時点、年度末時点でございますけれども、当行のロシア向けの出融資残高は一千三百四十五億円ということでございます。
これに加えまして、ロシアの国外に設立された特別目的会社を通じまして発行された、国営ガス会社のガスプロム、こちらの円建ての債券、サムライ債、これ総額六百五十億円でございますけれども、これに対して私どもが保証請負しているという事実がございます。
委員御指摘の制裁の影響でございますけれども、G7やその他の国々による対ロ制裁、それから、これに対抗する意味でロシアが対抗措置をとっておりますので、これは日々強化されているような状況でございますので、そういう動向を注視しながら制裁内容を今後とも精査していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/129
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130・古賀之士
○古賀之士君 更に伺います。
資料の三、御覧ください。これは、インターネットで御覧になっている方もいらっしゃると思いますので言っておきますが、国際協力銀行のホームページでの二〇一八年度のプレスリリースから出ております、国際協力銀行が設定したズベルバンク向けクレジットラインというものです。
これは現在どうなっているのでしょうか。今後の見通しもお示しください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/130
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131・前田匡史
○参考人(前田匡史君) お答え申し上げます。
今委員御指摘の二〇一六年の融資契約に基づいたものでございますが、現在は融資はもう既に完済されておりまして、これを含めましてズベルバンク向けの残高は一切現在ございません。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/131
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132・古賀之士
○古賀之士君 済みません、融資額は三百億円という枠は設定されてあるというのはそのプレスリリースに書いてあるんですが、返済を終えたというのは、これは一回も実績がないということでしょうか、それとも実績があったのでしょうか、その辺をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/132
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133・前田匡史
○参考人(前田匡史君) お答え申し上げます。
ズベルバンク向けの、これはいわゆるツーステップローンということのクレジットラインでございますけれども、二〇一六年のものにつきましてはこれ融資契約はございましたけれども、こちらの方は既に完済をしているということでございます。その後、もう一度ズベルバンク向けのクレジットラインを設定しておりますけれども、こちらの方は使用実績はございませんので、今のところ残高はいずれにしてもないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/133
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134・古賀之士
○古賀之士君 済みません、後段の部分の一件もないというのはこれはどういうことだったんでしょうか。事情を説明していただけないでしょうか。これ、見せ金という理解でよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/134
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135・前田匡史
○参考人(前田匡史君) こちらの方は、個別の輸出入契約がなされますと、それに基づきましてこの融資の申請をするという仕組みになっておるわけでございますけれども、この二〇一八年の段階以降は具体的な輸出入契約が一件もなかったということで使用されていないと。こういうことで、見せ金というわけじゃありませんけど、実際の融資の要請がなかったということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/135
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136・古賀之士
○古賀之士君 つまり、融資額三百億円を設定をして満を持していらっしゃったそうですが、現実的には一件もお問合せがなく、融資の設定する実績ができなかったということですね。そういう事案もあるということです。
したがって、政府系の国際協力銀行さんにとっても、やっぱりきちっとこれから先、見通しをどういうふうにしていくのかと、融資額をしっかり設定することが大事ですし、また多国間での様々な友好や経済協力というのは大切なんでしょうけれども、融資額設定したのに一件もなかったというのは残念な結果ではないかとは思っております。
資料の四、資料の五通じて御覧いただきたいのは、同じように、ロシアの開発対外経済向けのクレジットライン、それから資料の五はアークティックLNG2プロジェクトに対するプロジェクトファイナンス、こういったプレスリリースがあるわけでございますが、これ、現在はどうなっているんでしょうか。それから、今後の見通しというのはこれからどうなっていくんでしょうか。ロシアに関してはかなり動向が不透明な部分もあるので、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/136
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137・前田匡史
○参考人(前田匡史君) お答え申し上げます。
まず、その委員御指摘のVEB、これは国営の銀行でございますけれども、こちら向けの同じようにクレジットラインございます。こちらの方は実際融資の実績ございますのですが、このVEBは、先ほどのズベルバンクと違いましていわゆるSWIFTからの除外の対象になっておりますので、こちらの場合は、今現在、これ契約上のイベント・オブ・デフォルトに相当しますので、こちらの方はVEBに対しまして期限前弁済というものを求めるということの手続を今しておるところでございます。
それから、アークティックLNG2でございますけれども、こちらは制裁対象になっていない民間の企業ノバテックというのがスポンサーで、これにフランスのいわゆるオイルメジャー、トタールというところと日本の二社が関与しておりますけど、こちらはまだ建設途上ということでございます。こちらはディスバースメントのオーダー、いわゆるその送金の、私どもの方に貸付けの要請がこれは来ておりますけれども、一方で、先ほど私がお答えしたように、ロシア側の大統領令に基づく様々な対抗措置が出ておりますので、こちらの関係で本当にこの融資した資金が返ってくるのか返ってこないのかということを今現在精査しておりまして、そのために一時この貸付けの手続を止めていると、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/137
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138・古賀之士
○古賀之士君 今総裁がおっしゃった、先ほどおっしゃったそのガスフロムのサムライ債の件についても同様に、現在どうなっているのか、今後の見通し、どのようにお考えなのかを教えていただけないでしょうか。六百五十億円を保証して発行されたと伺っておりますけれども、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/138
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139・前田匡史
○参考人(前田匡史君) お答え申し上げます。
ガスプロムのサムライ債につきましては、元本の償還期限が到来するのは二〇二八年というかなり先のことでございます。利息の分につきましても、私どもの保証対象となっておりますのは二〇二四年の六月以降ということになっておりますので、現在のところ、私どもに保証履行の債務が発生している状況にはございません。
ちなみに、ガスプロムは円建ての債券ってこれだけでありまして、ほかに米ドルとか、あるいはユーロであるとか、スイス・フランであるとか、そういった債券を国際資本市場でこれまで発行してきているようでございますけれども、こちらについては、これは確かめたわけではございませんけれども、今の段階でデフォルトになったという事実はないということで、弁済されているというふうに承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/139
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140・古賀之士
○古賀之士君 資料の、そのガスフロムのサムライ債については資料の六、それから資料の七の議事録をちょっと御覧いただければと思うんですが、もう総裁の方からも少しお話がありましたけれども、これ、平成三十一年の三月二十二日の予算委員会において、当時の白眞勲委員の質問で、これ焦げ付いたら国民の負担になるんじゃないですかという質問に対しまして、当時の前田総裁は、欧米の制裁に今後抵触する可能性がある、そういった事業になった場合は、これはまた更に一段の精査をしなければならないと答弁していらっしゃいます。
今回は、今おっしゃった段階ではまだ未確定な要素もあって、デフォルトにはなっていないというようなことでしたけれども、既に何か、何らかの精査を現時点で行っていらっしゃるか、あるいはそのほかの情報ありましたら教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/140
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141・前田匡史
○参考人(前田匡史君) お答え申し上げます。
先ほど申しましたように、欧米等の制裁と、それに基づく、対抗する意味でのロシア側の様々な対抗措置、これが今、日々出てきております。このノルドストリーム2については、これは制裁対象になっているというふうに理解をしております、ノルドストリーム2はですね、おりますけれども、ガスプロム本体については制裁対象にはなっていないという理解でございまして、もちろんその関連する情報については日々入手するようにしておりますけれども、特段、このノルドストリーム2の関連での融資はございませんので、その点については特に今のところ何らかの措置をとっているという状況ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/141
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142・古賀之士
○古賀之士君 先に答えを言っていただいて、ありがとうございます。
今から、済みません、ノルドストリーム2についてのお話をしようと思っていたんですけれども、今の状況では、破産の報道、破産準備中という報道もあるけれども、現状ではそれは分からないということでございますよね。分かりました。
では、資料の八になるんですけれども、クレジットラインの設定やサムライ債の発行について、これは平成二十八年十月二十二日の国際協力銀行に係るプレスリリースなんですが、クレジットラインの設定やサムライ債の発行は、二〇一八年から昨年にかけて契約がされております。ところが、それ以前、二〇一六年にズベルバンクに四十億円の融資を行った際に、制裁対象への融資は緊迫を強める国際社会に波紋を呼びそうだと既に批判がされております。
これ、なぜここまで頑張ってロシアのためにこういう融資を行ってきたのか、国際協力銀行として何か見解があればお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/142
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143・前田匡史
○参考人(前田匡史君) お答え申し上げます。
こちらの融資に、これ輸出入契約に対するサポートということでございますけれども、こちらは当時の安倍内閣における八項目の協力プランというものに基づいて私どもが融資をしたものでございます。当時からもう既に、今ほどではございませんけれども、制裁というのは常に念頭に置いておりましたので、制裁に抵触しない形での融資をするということで、日々情報収集した上で現状をアップデートするということ、作業を続けた上で融資をしたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/143
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144・古賀之士
○古賀之士君 つまり、その当時の安倍内閣とロシアで締結をした八項目のそういう経済協力に基づいて、こういったロシアに対して比較的手厚い状況が行われてきたという御答弁ですね。ありがとうございます。
であれば、とするならば、当時ですね、当時のJBICの総裁は記者会見で、通常モードを超えたと、それから、これまでと同様にロシア向けの経済協力を進めていくことは難しいということを最近おっしゃっているんですが、これ元に戻る見込みというのは、これ一応保証をされていますし、六百五十億円って、もう言わずもがな、これ血税でございますので、これについては今どのような見解をお持ちでしょうか。
それから、まとめて伺いますが、ガスプロム、サムライ債は、これ、サムライ債ですけれども、円建てですけれども、ルーブルで償還することは可能なんでしょうか。ルーブルで償還がなされた場合、保証にどのような影響がある、あるいは減額して戻ってこなきゃいけないとか、そういうようなリスクがあったり、協定があったりするのかどうか。済みません、併せてまとめてお答えいただけないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/144
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145・前田匡史
○参考人(前田匡史君) お答えを申し上げます。
まず前段でございますけれども、現在まだウクライナをめぐる情勢は極めて流動的でございまして、今後どのようになっていくのかはちょっと現段階では予想が付きかねる状況でございます。もちろん、私どもも債権持っているものについては不断の努力をして債権の回収に図るということでございますし、ある程度もうこの制裁というのはクリミアの併合以降ずっと続いてきたものでございますので、例えば送金ルートからロシアの銀行をあらかじめ外しておくとか、そういうことはこのウクライナへの侵攻の前からやっておりましたので、そういう意味においては、具体的にプロジェクトそのものやあるいは借入人が制裁対象になってしまったものは、これはもうどうしようもないわけでございますけれども、それ以外のものについてはできるだけ、例えばエネルギーの関係であるとかについては債権をきちっと回収できるような努力を続けていくということでございます。
それから、後段の御質問でございますけれども、これまだそういう状況になっていないので、これは仮定のお話でございますけれども、これ円建て、あくまでも円建てでございますので、ルーブルは今の状況で制裁を受けて日々減価している状況でございますので、これに対してロシア側は、ルーブルで弁済すればこれはもう弁済したものとみなすという内容の大統領令にこれプーチン大統領が署名されておるようでございますので、これは当初の契約にそんな内容があるはずもなく、そういうことが起こった場合はもちろん適切に対処したいと思いますけれども、今の段階で私の個人的な見解を申し上げれば、それはデフォルトになるんじゃないかなと、こんなように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/145
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146・古賀之士
○古賀之士君 国際協力銀行総裁に対しての質問は、私からは以上でございます。
委員長のお取り計らいで御退席いただいても結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/146
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147・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) ということでございますので、どうぞ御判断願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/147
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148・古賀之士
○古賀之士君 ありがとうございました。
さらに、ロシア関連のプロジェクトを時間のある範囲でお尋ねをします。
今度は、経産省の参考人に伺いますが、JOGMEC、いわゆる石油天然ガス・金属鉱物資源機構、独立行政法人ですが、JOGMECのロシア関連プロジェクトというのは具体的に何件あるのか、それから今後の見通し、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/148
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149・定光裕樹
○政府参考人(定光裕樹君) お答え申し上げます。
JOGMECとしてこれまで出資ないし債務保証を実行したロシアの資源開発プロジェクトの件数は、サハリン1プロジェクト、北極LNGプロジェクト、アイエヌケー・ザパッド、これ東シベリアの南サハでの油田開発ですが、の三件でございます。
今後の見通しにつきましては、現時点で何か具体的な新規の案件があるというふうには承知してございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/149
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150・古賀之士
○古賀之士君 さらに、経産省の参考人に伺います。
そのJOGMECが今回のロシア情勢をどう分析していたのか、ちょっと資料が今添付しておりませんので、読み上げます。
二月十八日付けのJOGMECのホームページに掲載されている石油・天然ガス資源情報では、こう書いてあります。
侵攻の一週間もう切っている段階で、そもそもロシアが今ウクライナ侵攻をすることにメリットは見出せない。二〇一四年のクリミア併合という前科があるといっても、中略、戦略的に全く位置付けが異なると。
これ、今年のですよ。二月の十八日ですよ。正直言ってこれ、確かに免責事項として、機構は本資料に含まれるデータ及び情報の正確性又は完全性を保証するものではありませんとあるんですが、この侵攻の一週間前に、確かにいろいろ分からぬじゃないんですけれども、堂々とこれ載せていらっしゃって、なおかつ、今、私ここの質問に入る前、直前に見たんですけど、今も掲載も堂々とされていらっしゃいます。
これどんなふうに考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/150
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151・定光裕樹
○政府参考人(定光裕樹君) お答え申し上げます。
委員御指摘のレポートが掲載されていること、それから、同じように免責事項という条件の下で掲載されていることということは私ども承知してございます。
このレポートに関しましては、JOGMECの内部でのチェックのプロセスを適切に経た上で行われておりまして、公表当時はこのレポートと同様の見解を示した専門家もまだ複数存在したというふうに理解してございます。
その後の展開がまさに想定をはるかに上回る事態になったということだと認識してございます。
なお、JOGMECにおきましては、事態が日々動いておりますので、また最新の状況を踏まえた改訂版のレポートを近日中に公表する予定だというふうに聞いてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/151
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152・古賀之士
○古賀之士君 今、最新のリポートを見ましたけれども、プーチン大統領は鋭意交渉中というリポートの事実関係のみでございました。
もう時間がありませんので大臣に伺いますが、まとめて、冒頭でいわゆるその厳しい日ロの漁業交渉のあれが突然にその二百海里の問題をかざしてやってきた、こういう国に対して、今、日本もさらに新たな状況を迎えております。
そういったことも含めて、やはりこれからの情報収集能力、そしてその情報の開示の仕方、透明性も含めて、それからあと、もしその情報に対してほごがあったりした場合は、何らかの対応を速やかにスピーディーに取っていくということは大変必要じゃないかと思いますし、先ほどまでお話をいただいた国際協力銀行の中身のお金も当然血税でございますので、その辺に対しての御所見を結びに伺って、質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/152
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153・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 今回、私ももう本当に、政治家になりましてから初めて経験するような状況、国際状況にあるわけでありますが、展開が、情報としてはあったけれども展開がかなり早かったんだと思います。そういう中で、今となってみれば少しおかしなような状況が発生してしまったと、こういうことだと思います。
そういう意味において、先生が今御指摘になられたように、情報に対してはもうアンテナを高くして、そして、いろいろなことを考えながら前広に対応できるように政府として対応していくということが大切なんではないかと思いました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/153
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154・古賀之士
○古賀之士君 終わります。ありがとうございました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/154
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155・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、岡田直樹君が委員を辞任され、その補欠として北村経夫君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/155
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156・勝部賢志
○勝部賢志君 立憲民主・社民の勝部賢志でございます。
本日は所得税法の審議ということでありますけれども、その中身に入る前に、先日の所信質疑で積み残していた課題について質問させていただきます。
今、岸田内閣が進めようとしている子供真ん中、子供ど真ん中の政策についてですけれども、私も、我が国の最大の課題は間違いなく少子化であり、教育だと思っています。この大きな課題に財務大臣としてどのように対応しようと考えているのかを伺っておきたいと思っています。
子供を取り巻く環境は極めて厳しい状況にあります。子供の貧困、子供の自殺、ヤングケアラー、少子化、待機児童など、子供を取り巻く課題はまさに山積をいたしております。岸田内閣は、子供を取り巻く課題の解決に向けて来年度からこども家庭庁を設け、一元的に取り組んでいくこととしておりますけれども、これらの課題はまさに待ったなしの課題です。今すぐに取り組まなければならないことばかりであります。
子供の生活環境、子育て環境の改善に向けて、財源確保も含めどのように取り組んでいくおつもりか、大臣の見解をお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/156
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157・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 子供政策につきましては、これまでも、安定財源を確保しつつ、保育の受皿整備、幼児教育、保育の無償化など、各種の支援を充実させてきたところでございます。
令和四年度予算におきましても、令和三年度補正予算により前倒し実施しております保育士、幼稚園教諭等の処遇改善の継続、ヤングケアラー支援や支援対象児童等見守り事業の創設、子供の意見、意向表明のモデル事業や、予防のための子供の死亡検証の体制整備の拡充などを実施していくことといたしております。
子供政策につきましては、これまで政府を挙げて着実に前に進めてまいりましたが、少子化が進行し、人口減少に歯止めが掛からない一方で、児童生徒の自殺者数が増加し、児童虐待や重大ないじめの問題などが深刻化しており、様々な課題に対し切れ目なく総合的に取り組んでいく必要があるんだと思っております。
今後、こども家庭庁の下、子供政策を我が国社会のど真ん中に据えて進めていく中で必要となる政策について、関係省庁とともに検討を進めていきたいと思っております。
そして、先生から御指摘がございました必要となる安定財源の確保、これはとても大切なことだと思いますので、国民各層の理解を得ながら、社会全体での負担の在り方を含め、幅広く検討を進めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/157
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158・勝部賢志
○勝部賢志君 後段お話のあった安定的な財源確保ということでありますけれども、国民的な理解を私は得られると思います。子供や子育てで困っている人がたくさんいるというのはこれは現実ですので、そういう意味では、これまで取り組んできたけれども成果が上がっていないというのも現状でありますので、思い切った予算の確保ということに踏み出していただきたいというふうに思います。
学校教育の課題も山積をいたしております。昨年から三十五人学級が導入されましたが、教職員の働き方改革は一向に進んでおりません。教師不足も深刻であります。子供は宝とよく言います。未来を担う子供たちの教育環境の充実、改善に向け、今申し上げましたように、政府は本腰を入れて取り組むべきだと思いますが、教育予算の確保を含めて、鈴木大臣の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/158
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159・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 勝部先生御指摘のとおり、教職員の働き方改革、教育環境の充実、これは重要な課題であると、そのように私も認識をいたしております。
令和四年度予算におきましては、小学校三十五人学級の計画的な推進に加えまして、小学校高学年における教科担任制等の推進を計上したほか、学校の働き方改革の観点から、教員の事務負担軽減のための教員業務支援員や、いじめや不登校対策のためのスクールカウンセラーなど、外部人材の活用を進めることによりまして、教員の皆様が授業等に注力できる環境を整備することといたしております。
引き続き、文部科学省においてこうした予算も適切に活用して、教員の働き方改革と教育環境の充実が推進されること、そのことを私としても期待をしているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/159
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160・勝部賢志
○勝部賢志君 今の子供たちを取り巻く環境整備のうち、特に学校教育の課題は、何といってもその担い手である教職員の働き方の問題と教職員の数をしっかり確保することであります。結局お金が掛かります。しかし、そのお金をけちっては、後に大きな禍根を残すことになりかねません。子供たちは、その一瞬一瞬を生きているのです。
かつて、長岡藩の小林虎三郎は、藩の窮状を見かねて寄附された米百俵を藩士には分けず、売却して学校を建てました。抗議をする者たちに対して、百俵の米も食えばたちまちなくなるが、教育に充てれば、明日の一万、百万俵になると言ってみんなを説得したといいます。この米百俵の逸話は、今の辛抱が後の利益になることを象徴する物語として引用されていますけれども、私は、その意味合いよりも、子供たちのために学校を建てたということが目の付けどころとして大事にすべき点だと考えています。今まさに我が国の政治もそうあるべきだと思います。
大臣におかれましては、是非、教育予算、子ども・子育て予算の充実に向けて、これからも私も議論をさせていただきたいと思いますが、最大限の御努力をいただくように申し上げておきたいというふうに思います。
次に、もう一点、一昨日の予算委員会で福山哲郎議員が質問に取り上げた、当面は執行が困難というか、むしろこの状況では執行することがあってはならないような対ロシア経済協力等予算についてお伺いをしたいと思います。
今ほど古賀委員からも指摘がありました。それにも関連をするんですが、令和四年度予算の八項目の経済協力予算は、関係する全省庁分を合わせて二十一億円と鈴木大臣から御答弁がありました。そのほかにも、この八項目の経済協力予算以外でも、ロシアとの関係の中で執行が見込めない予算もあるのではないかと思いますが、どのくらいあるのか、財務省にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/160
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161・坂本基
○政府参考人(坂本基君) お答え申し上げます。
ロシアとの経済協力を主目的といたしました予算につきましては、御指摘の八項目の経済プラン関連予算として整理されているものが全てであるというふうに承知してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/161
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162・勝部賢志
○勝部賢志君 そのほかにはないということかというふうに思いますが、昨日、ODA・沖縄北方問題特別委員会で質問に立たせていただきました。
私たち、まあ私は北海道出身でありますが、これは全国民の願いだと思いますけれども、元島民の皆さん方も高齢化をしています。一日も早い解決を目指すのが当然のことであります。
しかし、国際正義、平和や諸国民の平和的生存権という憲法価値を国是とする我が国としては、極めて重大な人権侵害を続けている今のプーチン政権を交渉相手とする領土交渉はもはや成り立たない、あり得ないと言わざるを得ないと思っています。このことを政府に対しても苦渋の思いで昨日確認をさせていただきました。
地元では、これまで長きにわたってロシアとの文化的交流や元島民の墓参、ビザなし渡航などを行ってきました。これは少しでも領土交渉の後押しになればという思いと、元島民の祖国を思う思いに応えるために行われてきたものであります。
また、民間レベルでは、文化的、教育的交流も続けられてきましたが、このようなときだからこそ、人道的にもその交流で積み上げた成果が大きな役割を果たすのではないかとも考えます。しかし、これらの事業も当面はめどが立たない状況だと思います。
今、G7を始めとした世界各国が、一刻も早く戦争を止めようと、協調して経済制裁に取り組んでいます。そのときに、ロシアの経済を支援するような八項目の経済協力等予算を、もはや、あっ、よもや使うようなことがあってはならないと思います。事実上使ってはならない予算なのではないでしょうか。
先日の予算委員会で経産大臣は、二十一億円は既に進出した企業の撤退費用に用いるかのような答弁をされました。質問に立っていた福山議員もその場でコメントされましたが、これは予算の流用ではないでしょうか。今般の大規模な経済制裁とロシアの対抗措置で大きな経済的混乱や損失も考えられるところであり、全く別の話として対策や救済措置を考える必要はあると思いますけれども、この八項目の経済協力等予算をそれに充てることはできないと思います。対策救済予算は別建てて予算化すべきだと考えます。
そこで、基本的なことをお伺いをいたしますが、経産大臣が答弁されたように、二十一億円を既に進出した企業の撤退費用に用いることは予算の目的外使用に当たるのではないでしょうか。また、この予算を組替え等もせずに、何事もなかったかのように淡々と成立させる積極的な理由があるのなら教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/162
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163・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) ただいま御指摘がございました十四日の予算委員会におけます経済産業大臣の発言についての質問と思いますが、その発言の趣旨は、私の理解するところ、今回の事態によって、撤退も含めた厳しい対応を迫られている企業にしっかりと寄り添い、その影響を最小限にするため、必要な情報提供などに活用可能な予算は最大限活用したいという趣旨であったと承知をいたしております。
この点、ロシア等への貿易投資の促進に係る経費、これは二十一億円の中に含まれているわけでございますけれども、日本企業に対するロシア情勢に関する情報提供などと併せて、目としての中小企業海外市場調査等事業費補助金の一部として計上されております。
先ほど申し上げましたとおり、これは二十億円の中に含まれているわけでありまして、この予算科目の目的に合致する範囲でロシア進出企業の撤退に対する情報提供に活用したとしても直ちに目的外使用になるものではないと、そのように承知をいたしているところでございます。
また、関連予算については、今後のウクライナ情勢や国際的な議論の動向を現段階で見通すことは難しく、事業をどう取り扱うべきかということは、今後の状況を踏まえて検討していく旨を事業所管庁から聞いており、財務省としても、今、予算の修正が必要であるとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/163
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164・勝部賢志
○勝部賢志君 今言った関連する予算に一部含まれているというお話でございますけれど、私は、それは予算の中身として更に精査をする必要があると思います。先ほど古賀委員が指摘をされた点もその内容含まれているというふうに思いますし、私、申し上げたいのは、もちろん手続的なことや財政法にもしっかりのっとっていなければいけないと思いますけれども、それに加えて、手続やあるいは額の問題ではなくて、やはり今一番日本の国に求められているのは毅然とした姿勢なのではないでしょうか。北方領土の問題があるがゆえに日本の国がロシアにどちらかというと遠慮をしているのではないかと、あるいは、世界各国が今経済制裁をしている中で、日本の国が及び腰なのではないかと見られることは、我が国にとって極めて重大な禍根を残すと思います。そんな意味でも、しかるべき措置をしっかりとっていただきたいということを申し上げておきます。
次に、新しい資本主義の下でのグローバルミニマム課税について伺いたいと思います。
新しい資本主義は岸田政権の看板政策です。しかし、よく分からないというのが現状で、そういう声を多く聞きます。
鈴木大臣のホームページを拝見しましたところ、大臣が岸田総裁候補の推薦人となられた際に、記事、そのときの記事が出ておりました。
私が、これは鈴木大臣の言ったことでありますけれど、私が岸田候補を推薦する理由は、地方にとっては急進的ではなく地に足の付いた漸進的な改革が必要であると考えるからです。特に新自由主義がもたらす市場原理に基づく優勝劣敗の考え方は、体力の少ない地方にとって厳しい状況を生んでいます。岸田候補はこの新自由主義的な政策の転換も公約に挙げておりますし、実現可能な改革を進めていける候補だと思いますと、このように評されています。
新しい資本主義という言葉自体は、私の拙い記憶の中では、二〇〇八年のリーマン・ショック後の混乱時期から各方面で様々取り上げられてきたと承知をしております。世界の保守政治家からローマ法王まで、行き過ぎた新自由主義、あるいはグローバリズム、金融化、投機化を批判をしてきたというのも歴史的な事実であります。
そして、フランスの経済学者でありますトマ・ピケティの経済格差を探求した大著、「二十一世紀の資本」という本が世界でベストセラーになり、ウイ・アー・ザ・九九%、ナインティーナインと言うんでしょうか、をスローガンに掲げたアメリカのウォール街を占拠せよという運動を筆頭に、欧米各国で若い世代の反格差の抗議運動も盛んとなりました。その後、当面の金融危機は過ぎ去り、抗議行動は鎮静化し、金融業界は何事もなかったかのように盛況を取り戻してきたわけであります。
しかしながら、そもそも資本主義の基盤であるはずの自由あるいは民主主義、そういったことが存在しないような国々が世界経済を牽引しているという現状、そしてゼロ金利の常態化などがあって資本主義の機能不全や行き詰まり感が今も全く払拭されていないという状況、このような状況の中にあって、法人税率一五%のグローバルミニマムの合意やデジタル課税協調の合意等が昨年の秋に最終合意に至りました。前大臣であります麻生大臣ともこの件については何度か議論をさせていただきました。相当御努力をされて最終合意に至ったんだというふうに思います。
そしてまた、今一番最近大きく取り上げられる課題として、グローバル企業や富裕層によるタックスヘイブンを利用した租税回避、これに対抗することも各国によっては新しい資本主義に対抗する、模索する一つの表れではなかったかというふうに考えています。
そこで、グローバルミニマム課税についてお伺いをしたいと思いますけれども、二〇二二年に多国間による条約締結やあるいは各国国内法が整備をされ、そして一部を除いて二〇二三年度からは合意内容を実施するというスケジュールが了解されています。与党の税制改正大綱でも国際合意にのっとった法制度整備を進めるということが確認をされていると承知をいたしておりますけれども、政府の取組、そして国際的な進捗状況がどのようになっているのか、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/164
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165・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、この国際化あるいはデジタル化に伴う国際課税の在り方の問題につきましては、OECD、G20の場におきまして、BEPS包摂的枠組みという非常に多くの国々を巻き込んだ枠組みの中におきまして数年来検討が続けられてまいりまして、昨年十月に二つの柱について合意がなされております。
第一の柱は、物理的な拠点を置かずにビジネスを行う多国籍企業に対してもその市場国で課税を行えるようにするための国際課税原則の見直し、そして二つ目が、法人税の引下げ競争に歯止めを掛ける観点からのグローバルミニマム課税の導入でございます。
これらの合意についてのタイムスケジュールは先ほど御指摘いただいたとおりでございます。現在、詳細なルールや第一の柱のための多国間条約の策定に向けた国際的な議論が着々と進められておりまして、例えば、昨年の十二月にはグローバルミニマム課税に関して各国が具体的に法制化する場合のひな形となるモデル法制が合意され、公表されたところでございます。
我が国政府といたしましても、引き続き国際的な議論に積極的に貢献するとともに、今後の議論の進展を踏まえ、令和五年度以降のこの税制改正における国内法の整備に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/165
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166・勝部賢志
○勝部賢志君 バイデン政権が影響力が低下して国際情勢などで失速しているという報道もありました。合意のとおりの実施に向けて、是非これからも、大変だと思いますけれども、政府の御努力をお願いしたいというふうに思います。
次に、令和版所得倍増計画と賃上げ税制について伺いたいと思います。
岸田総理は令和版所得倍増計画を打ち上げられましたが、御存じのとおり、この本家本元は池田内閣の所得倍増計画であります。思い返すと、今からまあ相当前になりますけれども、とにかくこのときに関わった、池田総理の下で所得倍増政策を支えていたのは宮沢喜一さんであります。その方が、後にある経済誌でそのことを回顧されている、そういう文書が載っているんですけれど、こういうふうに言われています。
相当優秀な労働力が遊んでいましたし、インフラストラクチャーは幾らでもやることがあったし、その乗数効果で所得が倍になるのは当たり前のことなんですね。それを月給二倍とか言って政治の課題に取り上げたのが池田さんの偉さということになるんですね。これだけの大きな所得倍増という動きは、計画でもありましたけれども、一種のムーブメントですね。これだけのムーブメントが動き出すと、誰が運転席に座っていようが行くところまでは行くと、こういう表現があるんですね。それぐらい、高度経済成長、右上がりの時代だったので、所得倍増ということも目標にもなったし、結果としてそれが実現できたということだと思うんですが。
一方、この現下の情勢の中で、本当にその所得倍増計画を、まあ打ち上げられること自体否定をいたしませんけれども、どうやって実現されるのかということは非常に心もとない感じがしてしようがありません。その中で、賃上げ税制というふうに取り上げられておりますのと、介護職員の賃金アップということぐらいしか具体には見えてこないわけですね。
このことについて、本当に覚悟を持って取り組んでいただきたいという思いと、これまで安倍総理も十年ぐらい同じような取組を実はしてきているわけですね。この辺の賃上げ効果というのがどの程度あったのか、そして、この今出されている税制で本当に賃上げの効果が劇的に上がるのか、このことを併せてお答えをいただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/166
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167・住澤整
○政府参考人(住澤整君) 賃上げ税制につきましては、平成二十五年度から令和二年度までの八年間で延べ約七十六万件の企業がこの適用を受けておりまして、減税規模の累計が約二兆円ということになっております。
賃上げは、税制のみならず、企業収益や雇用情勢など様々な要因によって影響を受けるものですので、税制の効果だけを取り出してその効果を測定することは難しいと考えておりますが、企業に対する調査などによりますと、この所得拡大促進税制が賃金の引上げを後押ししたと回答した企業が極めて多くあったということなどを踏まえますと、企業の賃上げに対して一定の効果があったものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/167
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168・勝部賢志
○勝部賢志君 まあ一定の効果というふうに言われましたけれども、私は非常に心もとないと思いますね。
法人、日本の中の法人二百七十万社と言われていて、そのうちの大半である百七十万社は欠損法人であります。今三十六万件というお話がありまして、三十六万件というふうに言われたと思いますけれども、この数も今の二百七十万社から比べると相当少ない、一割強ぐらいかというふうに思います。
利益を計上している法人も欠損法人も、同様に支払う社会保険料の事業主負担が、負担が重く、それを軽減する方が効果があるのではないかと、そういう主張もありますけれども、このことについてはいかがお考えか。まだほかに聞きたいこともありましたが、時間が参りましたので、最後、大臣にこのお答えをいただきながら、いわゆる所得倍増計画について大臣としての決意も併せてお伺いをしたいと、それで質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/168
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169・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 社会保険料のことでございますが、若者、子育て世帯を中心に、社会保険料、保険料負担の増加を抑制し、可処分所得の増加につなげていくこと、これは分配政策を、分配戦略を進めていく上で重要であると考えます。
他方、被用者保険の社会保険料の事業主負担につきましては、働く人が安心して就労できる基盤を整備することが事業主の責任であるとともに、働く人の健康の保持及び労働生産性の増進を通じて事業主の利益にも資するという観点から事業主に求められているものと承知をいたしております。
また、社会保障の給付の見直しを行わないまま、単に社会保険料の事業主負担のみを引き下げるということになりますと、持続的な社会保障にはつながらないものと、こういうふうに思ってございます。事業主の負担を少なくして、それを賃上げのこの資源に、財源にしてもらうということは重要でありますが、そこのみを切り出してやることには少し問題点が多いのではないかと、そういうふうに思っております。
また、令和版の所得倍増でございますが、日本の国は、一九八〇年代以降、長引くデフレの中で、企業にも人に対する投資、賃金を上げていこうという気持ちが盛り上がらない、そういうことがずっと続いてきたわけで、池田総理のときと、先ほど先生が御紹介がありましたときと経済を取り巻く環境というのは大きく違うわけでありまして、厳しいわけでありますけれども、しかし、この成長と分配の好循環をしなければならない、その一番の基本が賃上げであると、こういうふうに思っておりますので、今回お願いをしております賃上げ税制を始め様々な、あるいは補助制度も使いまして、何とかそうした流れを好循環に結び付けていく、それをしっかりと前に進めたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/169
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170・勝部賢志
○勝部賢志君 終わります。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/170
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171・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、藤川政人君が委員を辞任され、その補欠として竹内功君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/171
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172・山本博司
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
本日は、議題となっております所得税法等の一部を改正する法律案に関しまして、納税環境の整備という観点から、大臣始め関係の方々に質問をいたしたいと思います。
まず初めに、確定申告に関して伺います。
新型コロナウイルス、オミクロン株の感染力の猛威、国民には不安が広がっている次第でございます。そうした中、確定申告が進められてまいりましたけれども、この三月十五日で申告期限を迎えているわけでございます。我が党も毎年強く要望してまいりましたけれども、昨年、一昨年と期限の延長をしていただきました。今年は、コロナ感染者や濃厚接触者のほか、通常の業務体制が維持できないなど、新型コロナウイルス感染症の影響により期限内の申告が困難な納税者につきましては簡単な手続で四月十五日までの申請を認めることとなっている次第でございます。
いよいよその期限を迎えて、この後の申告に関しまして、コロナの影響を受けたということを十分に踏まえまして丁寧な対応をしていただきたいと思いますけれども、見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/172
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173・大家敏志
○副大臣(大家敏志君) 山本先生の質問にお答えいたします。
令和三年分の確定申告期間は、申告所得税であれば、もう先生今お話ありましたけれども、二月十六日から三月十五日までの間でありますが、新型コロナウイルス感染症の影響により申告等が困難な方は、令和四年四月十五日までの間、簡易な方法により申告納付期限の延長ができることとし、その旨を二月三日、令和四年二月三日に公表いたしました。簡易な方法というのは、期限後に申告ができる、可能になった時点で、申請書の余白等に、詳細なことは書かずに、新型コロナによる延長申請と記載するだけでいいという方法であります。この方針について、報道発表や国税庁ホームページに情報を掲載し、納税者や税理士へお知らせするとともに、関係民間団体を通じて全国へ幅広く周知したところであります。
本日三月十六日以降は新型コロナウイルスの影響により期限までに申告が困難であった方が相談会場へ訪れることになることから、その場合に、納税者の事情に即し丁寧に対応してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/173
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174・山本博司
○山本博司君 ありがとうございます。
この期限延長もそうでございますけれども、コロナ禍におきましては、確定申告会場、混雑を回避することが大変重要であるわけでございます。所得税の申告者の半数以上は還付申告ということでございますので、直接申告会場に行くことなくスムーズに申告できるサービスの提供、これが重要になると思う次第でございます。
令和元年、二年分の確定申告を踏まえまして、今回の令和三年分の確定申告ではどのような感染症対策を取っているのか、御紹介をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/174
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175・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) お答えいたします。
新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえ、令和三年分確定申告につきましては、納税者の方が安心して申告相談できるよう感染症対策を徹底したところでございます。
まず、具体的には、申告相談会場に来られることなく御自宅等からe―Taxで申告を行っていただくことが最大の感染症対策でありますので、数多くの従業員を抱える大企業や業界団体などを通じて、あるいはLINEなどを通じて例年以上に自宅からのe―Taxの利用を強く呼びかけたところでございます。
また、申告相談会場におきましては、社会的な距離を確実に確保した会場のレイアウト、職員のマスクとフェースシールドの着用、パソコンなどの備品の消毒、入場整理券による入場者数のコントロールなどを行い、またCO2センサーを配置して換気の徹底にも努めているところでございます。
こうした対策を確実に実施することで、納税者の方が不安に思うことなく申告等を行っていただく、そういう環境をつくり出そうとしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/175
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176・山本博司
○山本博司君 ありがとうございます。
こうした感染対策やりながら進んでいるわけでございますけれども、従来の確定申告におきまして、これ税理士の皆様にも大変御尽力をいただいておりまして、無料のこの申告相談センター、これを開始を、開設をしていただいております。
これ、三密を避けるということで大変御苦労を掛けながら進められていると思いますけれども、今回の無料申告相談センターの対応状況、どのようになっているのか、また相対の相談はどのようになっているのか、御報告をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/176
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177・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) お答えいたします。
国税当局では、小規模事業者等の申告ニーズに応えるため、各税理士会に対して無料相談を実施して申告書等の作成指導を行っていただくことを委託をしております。
令和三年分確定申告におきます無料相談の実施に当たりましては、署の確定申告相談会場と同様に感染対策を十分に講じた上で実施していただくこととしており、具体的には、マスクの着用や消毒の徹底、社会的距離を確保した会場レイアウトの構築、CO2センサーの配置による換気の徹底などを行うことにしております。さらに、一部の税理士会においては事前予約制を導入するほか、入場整理券により入場者数をコントロールするなど、それぞれ工夫をしながら従事していただいております。
その上で、新型コロナウイルス感染症の影響によって無料相談に従事する税理士の確保が難しい場合など、計画どおり無料相談を実施することが困難な場合には、税理士会側の事情を丁寧に聴取し、規模の縮小や日程の変更など柔軟に対応することとしているところでございます。
このような措置によりまして適切に無料相談が実施されているものと考えており、各税理士の従事に対して私どもとしても感謝を申し上げるとともに、また、引き続き税理士会とも協力しながら対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/177
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178・山本博司
○山本博司君 是非とも税理士会の皆様と連携しながら進めていただきたいと思います。
次に、e―Taxに関して伺います。
e―Taxは、オンラインで申告、納税ができるシステムということで、二〇〇四年度より運用が開始をされております。私は、二〇一三年に財務大臣政務官に就任をしまして、この地元松山の税務署に模擬体験に伺ったことがございました。その当時は、まだe―Taxそれほど普及しておらず、目新しい仕組みだったという記憶があるわけでございますけれども、昨今の電子化、DX化の大きな流れとともに、コロナ禍の接触を避けるという観点からも更なる活用が求められていると思います。
そこで、このe―Taxの進捗状況とともに、令和三年分の確定申告から改善をされました利便性向上策について御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/178
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179・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) お答えいたします。
まずその前に、今回e―Taxに関しまして、おととい三月十四日にe―Taxの接続が、障害が発生いたしましてe―Taxにアクセス、場合によってはできない、あるいはアクセスするのに時間が掛かる等々の不都合が生じました。確定申告期限の間際にこのようなことが起きまして、非常に私どもとしても申し訳なく思っております。今後しっかりと原因を究明して、同じようなことが起きないようにしっかりと努めてまいりたいと思っております。
その上で、今の委員の御質問に対する御回答でございますが、国税庁におきましては、電子申告、いわゆるe―Taxにつきまして、税務行政の効率化、あるいは新型コロナウイルス感染症対策の観点から、従来以上に利用の促進に取り組んでいるところでございます。
その利用状況につきまして、御自宅等から国税庁ホームページで提供しております作成申告書、あっ、申告書作成システムを使い、さらにe―Taxで所得税の確定申告をされた方の数字を見てみますと、委員が大臣政務官でおられました平成二十五年当時は約六十万人でございました。これが、その後、スマートフォンでの操作しやすい画面を提供するなどの利便性の向上に努めました結果、平成二年分では、それの、その約五倍に当たります三百十万人というふうに大幅に増加をしております。
また、税理士による代理送信や申告相談会場におけるe―Taxの申告なども含めました全体のe―Taxの利用割合は、確定申告書を提出した方全体の約五五%となっているところでございます。
令和三年分の確定申告におきましては、e―Taxの利用を更に促進させるため、マイナポータル連携で取得可能な情報を拡大するほか、スマートフォンのカメラ機能を利用して給与の源泉徴収票を読み取り、その内容を申告書に自動入力する機能を追加いたしました。また、パソコンとスマートフォンを連動させることで、ICカードリーダーライターを利用しなくてもパソコンからマイナンバーカードを利用したe―Taxの申告を可能とするなどの対応も行ったところでございます。
今後とも、引き続き、申告の利便性向上に努め、e―Taxの一層の利用拡大に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/179
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180・山本博司
○山本博司君 ありがとうございます。
私の知人も今回初めてe―Taxで操作をしたということを話がありましたけれども、この電子化、DX化につきましては着実な流れをつくる必要があると思います。資本金一億円以上の比較的規模の大きな法人に対しましては既にe―Taxによる申告が義務化されておりますけれども、順次規模の小さな法人や個人まで普及する流れを是非とも進めていただきたいと思います。
その際に大事なのは、マイナンバーの活用でございます。現在、政府を挙げてこのマイナンバーカードの活用、普及を進めているところでございまして、二〇二二年度末までにほぼ全国民に行き渡らせると、こういう目標に対しまして現在の普及率は四割程度でございまして、こうしたマイナンバーカードの利便性向上、これは重要なポイントであると思います。
私も、印鑑証明、通常であれば、高松に住民票ございますから、印鑑証明を従来では取っていたわけでございますけれども、このマイナンバーカード、これを活用することによりまして、この国会の議員会館の中のコンビニ端末でも利用することができると、大変便利だというふうに感じた次第でございます。
この国税の分野においても、利便性の向上ということで活用すれば様々なメリットがあるということを是非とも周知をしていただいて、取得促進に向ける取組進めるべきだと思いますけれども、副大臣の見解を伺いたいと思います。
〔委員長退席、理事森屋宏君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/180
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181・大家敏志
○副大臣(大家敏志君) 山本先生御指摘のとおり、e―Taxによる確定申告を普及させるためには、マイナンバーカードによる利便性の向上に取り組むとともに、その周知に取り組んでいくことが重要であると考えております。
こうした観点から、国税庁では、マイナンバーカードをスマートフォン等で読み込めばe―Taxに簡単にログインをできる仕組み、確定申告に必要となるデータをマイナポータル経由で入手した上で申告データに自動入力できる仕組みを導入するなど、利便性の向上に取り組んでいます。
また、このようなマイナンバーカードの利便性について、税理士会や青色申告会などの民間団体を通じて周知を行うほか、市町村と協力をして税務署の確定申告会場にマイナンバーカード申請コーナーを設置するなど、マイナンバーカードの取得促進にも積極的に取り組んでおります。
マイナンバーカードは様々な行政手続やサービスを利用するための共通基盤であります。引き続き、利便性の向上や取得促進に向けた取組を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/181
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182・山本博司
○山本博司君 是非とも、このマイナンバーカードの活用を更に推進ができるようにお願いをしたいと思います。
次に、バリアフリーに関して伺いたいと思います。
特に、税務署のバリアフリーということで、私も政務官時代に、地元のふるさとである八幡浜の税務署とかですね、栃木県の足利税務署や、そういった税務署等にも行かせていただきました。今この確定申告、納税ということで、高齢者の方々や障害者の方々も多数こうした税務署に行く場合も多くなっております。こうした行政機関の省庁などの整備におきまして、バリアフリー法に基づいた整備基準というのがございます。
そこで、この税務署のバリアフリー化の進捗状況、御報告をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/182
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183・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) お答えいたします。
税務署等の庁舎におきましては、高齢者や障害のある方の利用を考慮して、従来から、スロープや車椅子対応トイレの設置など、バリアフリー施設の整備を進めてきたところでございます。
具体的な進捗状況といたしましては、誘導ブロックやスロープなどは全ての税務署庁舎に整備をしております。また、車椅子対応トイレや車椅子使用者用駐車施設などにつきましても、九割以上の税務署庁舎において整備をしております。なお、エレベーターにつきましては、約七割の庁舎に設置しておりますが、エレベーターが設置されていない税務署につきましては、一階に職員呼出し用の電話を置いて御案内するなど個別に対応をしております。
国税庁としては、引き続き、高齢者や障害のある方の利用に配意し、税務署等庁舎のバリアフリー化の維持、推進に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/183
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184・山本博司
○山本博司君 ありがとうございます。
今の施設の整備、これは進んでいるということの御報告でございましたけれども、このバリアフリー化の推進のためには、そうしたハード面の施設等の整備だけでは十分ではなくて、心のバリアフリーを進めること、これも重要でございます。施設の利用者、またその関係する周りの方々の相互理解、サポートも求められる次第でございます。
昨日も障害者団体の方々との懇談の機会がございました。東京オリンピック・パラリンピックによってこのバリアフリーの整備というのは大きく進展をしてきたわけでございますけれども、そうしたものを一過性に終わらせるのではなくて、やはりそうした共生社会の実現のために更に拡充してほしい、こういう要望等があったわけでございます。
政府が二〇一七年に策定しましたユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画におきましては、企業、行政に対しまして、社員、職員向けの研修の実施、また心のバリアフリーの周知啓発、これを求めている次第でございます。
これは、あらゆる場面でも求められることでございますけれども、財務省、そして税務行政の場でも是非とも進めていただきたいと思いますけれども、この研修の取組に関して確認をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/184
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185・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) お答えいたします。
バリアフリー化の推進のためには、バリアフリー施設の拡充のみならず、周囲の職員のサポートを充実させる観点から、心のバリアフリーを進めることが重要であると考えております。
国税庁におきましては、従来から職員に対して、障害のある方等への接し方について正しい理解と認識を深めるため、心のバリアフリー研修を実施しております。また、障害のある方と相互理解を深めるため、全ての職員に対し、障害者差別解消法に関する研修を実施するとともに、各税務署の総務課長を障害者雇用促進法に基づく障害者職業生活相談員とし、そのために厚生労働大臣が実施する資格認定講習の受講を指示するなど、研修の充実にも努めております。
国税庁としては、引き続き、心のバリアフリーの推進のため、職員に対し、必要な研修、啓発に取り組んでまいりたいと考えております。
それから、済みません、先ほど御答弁申し上げた中で一個、令和二年、e―Taxに関して、令和二年分と言うべきところをちょっと間違えて平成と申し上げました。訂正いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/185
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186・山本博司
○山本博司君 ありがとうございます。この心のバリアフリーの研修を含めて、よろしくお願いしたいと思います。
今、私は現在、全ての障害のある方々があらゆる分野、社会参画も含めて活動に参加できるように、必要な情報の取得や利用、また他者との意思疎通がしやすい環境を整備して共生社会の実現につなげるための障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法案というこの法律を議員立法で推進をさせていただいている次第でございます。超党派の議連の今幹事長といたしまして、今国会での成立を目指しまして取り組んでいる次第でございまして、財政金融委員会の皆様におかれましては、御理解、御協力をお願いしたいところでございます。
そうした中でも、このウエブアクセシビリティーの向上ということを求めているわけでございます。これは、誰でも障害のある方であれば必要な情報を容易にアクセスできるように、例えばホームページのレイアウトを工夫したり、文字を拡大したり、視覚障害の方々は音声の読み上げも含めて、こうした様々な配慮、これが大事になるわけでございます。
これまで国や自治体のみが義務化されておりましたこのウエブサイト等のアクセシビリティーへの対応が、二〇二一年六月に、障害者差別解消法の改正によりまして民間事業者でも義務化をされました。公布から三年以内に対応が求められるということでございます。
〔理事森屋宏君退席、委員長着席〕
こうしたウエブアクセシビリティーの改善というのは大変重要でございまして、国税庁の取組状況、これを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/186
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187・大家敏志
○副大臣(大家敏志君) 貴重な機会をいただきましたので、取組についてお話をいたします。
高齢者や障害者を含めて、誰もがホームページ等で提供される情報や機能を支障なく利用できるよう、日本産業規格及び総務省のガイドラインに基づき、ウエブアクセシビリティーの確保に取り組んでいます。具体的には、ウエブアクセシビリティー対応を行うべき対象のホームページや目標などについて国税庁ウェブアクセシビリティ方針として定め、国税庁ホームページ等で公表するとともに、ウエブアクセシビリティーに配慮したホームページ作成のルールである国税ウェブサイトガイドラインを作成し、これらに基づきホームページを運用しております。
また、定期的にウエブアクセシビリティーについての試験を実施し、その取組の対応状況を確認するとともに、その結果を国税庁ホームページ等で公表をしております。
引き続き、提供するホームページ等が誰もが支障なく利用できるものとなるよう、ウエブアクセシビリティーの向上に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/187
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188・山本博司
○山本博司君 是非とも推進をお願いをしたいと思います。
これは、今の各省庁、こうしたウエブアクセシビリティーの向上のためのを施行されていらっしゃいますけれども、実際それを具体的に委託をされてチェックをしている、そういう会社もたくさんございまして、実は四国にもそうした企業がありまして、実際、各省庁からのウエブアクセシビリティーのチェックを、障害者の方たちが実際診断ツールを全部流したりとかですね、あと、目視で視覚障害の方々も実際そういう各省のホームページを見て、本当に大丈夫かどうかということをしているということもございます。
その意味では、こうしたことがやはり進むことが大事でございますし、これはいよいよこれから民間、特に金融庁では銀行等が義務化があとされるわけでございますので、さらにそうしたことも含めて進めていただきたいということで、ちょっとこれは取り上げさせていただきました。
次に、確定申告に関連しまして、副業、兼業の在り方について伺いたいと思います。
近年、インターネットを介しまして、個人が単発で仕事を引き受けるギグワークと呼ばれる働き方が広まっております。飲食店から食事を宅配するウーバーイーツ等の配達員は代表例でございますけれども、そのほかにも様々な作業の委託などの受発注に利用されているようでございます。こうした新しい働き方につきましては、複数の仕事を副業、兼業として行う人も多いようでございます。
他方、働き方の多様化に伴いまして、税務上の課題も生じております。ギグワーカー等は原則として会社員のように源泉徴収されませんので、税務署から申告漏れの指摘を受けるケースも目立っております。その際、当然、悪質な方々には厳正に処分する必要がございますけれども、申告義務をあることすら意識されていない場合も少なくありません。
昨今のコロナ禍の中では、こうした副業、兼業を認める企業も増えております。副業で収入を得た方には、確定申告に関する適切な情報提供や相談の場が欠かせません。ギグワーカー等の適正な納税のためには、急がば回れ、この精神で、学校段階における地道な税務教育、さらには分かりやすい参考資料を作成するなど、こうした納税意識の向上に向けた施策が必要と考えますけれども、国税庁の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/188
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189・大家敏志
○副大臣(大家敏志君) 山本先生御指摘のとおり、納税意識を向上していくためには、学校教育から段階的に、租税の役割、納税者の権利義務等を正しく理解していただくことが重要であると考えております。
そのため、国税庁では、関係機関とも連携をし、次代を担う児童生徒を対象とした租税教室への講師の派遣や租税教育用副教材を作成するなど、学校教育における租税教育の充実のため、環境整備や支援に努めております。
租税教育の内容につきましては、学習指導要領の内容を踏まえ、納税義務についても取り上げているところですが、議員御指摘のギグワーカーなど社会環境の変化に伴う新たな課題も踏まえながら、教育関係機関とも連携をし、継続的に工夫を重ねてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/189
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190・山本博司
○山本博司君 是非よろしくお願いいたします。
次に、税務の電子化、デジタル化の課題に関して伺いたいと思います。
電子帳簿保存制度は、税法で保存が義務付けられている売上げ、仕入れ等を記した帳簿や契約書、領収書等の書類を、書面ではなく電子データの形で保存することができる仕組みでございます。多くの企業が経理事務のデジタル化を進めておりますが、一年前の二〇二一年度税制改正で要件の緩和が行われ、本年一月に施行されたところでございまして、更に関心が高まっております。電帳法対応をうたいましたこの情報システムのコマーシャルも盛んに行われております。
この電子帳簿保存制度は、日本企業の生産性向上に資するものでございますので、政府として更に普及に取り組んでいただきたいと思いますけれども、取組状況を伺います。国税庁の取組状況を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/190
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191・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) お答えいたします。
令和三年度税制改正におきましては、経理のデジタル化による生産性の向上、テレワークの推進、クラウド会計ソフトなどの活用による記帳水準の向上などにつなげるべく、電子帳簿保存法について事前承認制を廃止するなど、各種手続を抜本的に簡素化する見直しが行われたところでございます。
国税庁におきましても、電子帳簿等保存制度の利用促進を通じて経済社会のデジタル化を着実に推進するべく、国税庁ホームページに各種パンフレットやQアンドAを掲載するとともに、制度の概要や改正内容に関する説明会を、各種団体の要望にもきめ細かくお応えする形で随時開催しているほか、ユーチューブの国税庁動画チャンネルに、電子帳簿等保存制度の利用が企業の生産性向上につながることを説明した動画や改正内容をまとめた動画を掲載するなど、積極的に周知、広報を行っているところでございます。
委員御指摘のとおり、令和三年度税制改正における電帳法の改正は、経理のデジタル化による日本企業の生産性向上に資するものであると考えており、電子帳簿等保存制度の利用拡大に向けて引き続き周知、広報に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/191
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192・山本博司
○山本博司君 この措置につきましては、令和三年度税制改正で方向性を決め、一年後の本年一月から施行しようとしたところ、事業者の理解、対応が進まなかったことから、今回の二〇二〇年度税制改正におきましては、二〇二三年十二月まで義務付けを事実上延期することとされたと承知をしております。
宥恕という意味は、寛大な心で罪を許す、こう辞書には書いてございますけれども、猶予措置ではなく宥恕措置としたことは一体なぜなのか、改めて、こうした義務付けの延期を行った理由について確認をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/192
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193・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
三年度改正におきましては、それまで電子取引について認められておりました、電子データによる保存に代えて出力した書面のみを保存するという方式について、これを廃止いたしまして、電子データそのものの保存を求めるという改正を行ったところでございます。その趣旨は、電子データを改ざんした後に紙で打ち出しましてそれを保存するといったことになりますと、その真正性を十分に担保できないということで措置をしたものでございます。
これについては、施行までの間に対応が間に合わないといったようなお声が非常に多かったということを踏まえまして、今回の令和四年度改正におきまして、令和五年末までの期間について、やむを得ない事情がある場合には、引き続き電子データから出力した書面による保存を可能とするという措置を講じたわけでございます。これは、こういった電子データでの保存を行っていくという必要性は変わらないものの、先ほど申し上げたような準備が間に合わないといった事情に応じた措置ということでございます。
それで、このやむを得ない事情につきましては、税務調査等の際に口頭で説明してくれればよいという取扱いにしておりまして、これをホームページ等におきましても周知徹底しているところでございます。
宥恕規定という名前がやや問題があるのではないかという御意見もあるやに聞いておりますが、法令上、こういったやむを得ない事情があった場合の措置については通常、宥恕規定と呼んでおりますので、それを通称として呼んでいるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/193
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194・山本博司
○山本博司君 二〇二三年十月からは、事業所が品目ごとに消費税率を記載をするインボイス制度が正式に導入をされるわけでございます。インボイスを見れば、売上げと品目ごとの消費税が一目瞭然となり、国に納める消費税がはっきり分かり、事業者間の税負担の公平になるわけでございます。また、我が国の中小企業の経理事務は手作業で行われることが多いので、インボイス導入と同時に受発注業務の電子化が進む見込みとなり、この準備が進むことが求められると思います。しかしながら、電子帳簿制度の進捗を見れば、まだまだ理解が進んでいるとは言えません。
こうした状況の中で、予定どおりに来年十月からこのインボイス制度を実施することでよいのか、インボイス制度を予定どおり実施するのであれば、どのような支援措置を検討しているのか、確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/194
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195・大家敏志
○副大臣(大家敏志君) インボイス制度は、複数税率の下で適正な課税を行うために必要なものとして、令和五年、二〇二三年十月から始まることとなっています。円滑な移行を図る観点から、軽減税率制度の実施から四年間の準備期間を設けるとともに、移行後も六年間、免税事業者からの仕入れであっても一定の仕入れ税額控除を認めるなど、事業者の準備や取引に与える影響を緩和するための十分な経過措置を設けております。また、令和三年度補正予算においては、IT導入補助金により、インボイス制度も見据えた中小・小規模事業者のデジタル化による事務負担の軽減や、持続化補助金により、インボイス発行事業者となる小規模事業者の販路開拓なども支援をすることといたしております。
今後とも、制度の円滑な移行に向け、関係省庁と連携しながら、これらの支援策や制度の周知、広報を始めとした取組を丁寧に進めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/195
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196・山本博司
○山本博司君 是非ともよろしくお願いしたいと思います。
事業者の事情を勘案して義務付けを二年延長していただいたことは大事なことでございますけれども、これからのスケジュールを考えて、予定どおりに来年十月からインボイス制度をスタートさせ、その先に電子帳簿、DX化ということを目指すのであれば、こうした中小企業にIT導入の支援を更に推進する必要があると思っている次第でございます。
一方、日本商工会議所の昨年十一月のアンケートでは、売上高一千万以下の企業の約七割超がインボイス制度の準備をしていないとか、約六割がまだ手書きで売上げ、仕入れの集計業務を行っているという状況等もございまして、様々な厳しい声があるわけでございます。こうしたインボイス制度の対応を見据えまして、中小企業庁を中心に、会計ソフトなどITツールだけでなく、パソコンやタブレットなどのハードも補助の対象にしたIT導入補助金というのが用意されておりますけれども、この補助金の活用を速やかに行う必要があると思います。
そこで、経産省にお聞きをしますけれども、この中小企業が先手を打てるように、このIT補助金を活用していただくために、更に、更なる周知、これをお願いしたいと思いますけれども、御答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/196
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197・佐々木啓介
○政府参考人(佐々木啓介君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、このインボイス制度の導入に当たりましては、IT補助金等を最大限活用しながら、インボイスにも対応できるように会計ソフトやパソコン等の導入を支援するとともに、小規模事業者持続化補助金により、インボイス発行事業者に転換する免税事業者の販路開拓等の支援を行うこととしているところでございます。こうした支援策の更なる周知や相談体制の構築も非常に重要であると認識をしているところでございます。
令和三年度補正予算におきまして、商工会、商工会議所等の支援体制を強化いたしまして、制度の更なる周知、広報を実施することに加えまして、インボイス導入の影響を受ける事業者からの相談も受け付けているところでございます。
さらに、インボイス制度への移行に伴いまして、免税事業者の方々が取引上で不当に取り扱われないよう、独占禁止法や下請法等のQアンドAを本年一月に公表するとともに、各事業者団体に法令遵守を要請するなどの対応も行っているところでございます。
今後とも関係省庁で連携しながら、制度の周知、広報や、これらの支援策についてきめ細かく丁寧に進めてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/197
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198・山本博司
○山本博司君 これ是非、先ほどの藤末先生からのお話もございましたとおり、やはり様々な支援策が大事でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
このデジタル化に関連しまして、近年、税務行政を取り巻く環境、これは、新たな経済活動の拡大や経済取引の国際化、またICTを利用した取引の市場化が拡大しておりまして、非常に複雑化しております。その意味では、国税職員の定員の確保と機構の充実に積極的に取り組む必要があると思います。私自身も、政務官時代に、先ほどありましたように、各地の税務署を訪問し、本当に皆様が一生懸命職務に当たっている様子を拝見した次第でございます。
今回のデジタル化の流れを考えますと、こうした分野に詳しい知識を持った職員の育成も含めて、例えば特別国税調査官とか徴収官といった名称の職員を配置することもその一案かも分かりませんけれども、この行政の効率化にも資するデジタル化によりまして、職員一人一人が働きやすい環境ということも併せて処遇改善を取り組んでいただきたいと思いますけれども、見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/198
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199・大家敏志
○副大臣(大家敏志君) 経済活動の国際化、デジタル化に伴い調査、徴収事務が複雑化している中で、適正、公平な課税徴収を引き続き実現していくためには、先生御指摘のように、税務執行体制の強化を図っていくことが重要であると考えております。
こうした中、令和四年度予算案において所要の体制整備を盛り込み、国税庁の定員について三十五名の純増となっておるほか、機構面において複雑な事案を担当する特別国税調査官、電子商取引に係る調査等を専門的に担当する情報技術専門官の設置などを積極的に進めています。
また、デジタルの活用により職員が働きやすい環境を整備していくことも重要であると考えており、金融機関への照会業務を書面からオンラインにすること、税務調査や滞納整理に活用するためのデータ分析ツールの導入などに取り組んでいます。
国税庁において、引き続き、必要な機構、定員の確保や、先生御指摘のように、職場環境の整備に努め、国税庁職員の処遇改善を図ってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/199
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200・山本博司
○山本博司君 最後に大臣に、このデジタル化の推進ということを含めて、最後に見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/200
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201・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 先生から多岐にわたりまして御質問をいただいたところでございますが、国民がデジタルを活用したより良いサービスを享受し、成長を実感できる社会を実現するために、経済社会の仕組みをデジタル時代に合ったものにつくり直していく必要があると思います。
こうした方針の下、財務省、国税庁では、e―Taxの利用促進やマイナンバーカードの普及、利用の推進など、行政サービスのデジタル化に取り組んでまいります。
また、デジタルの活用により職員が働きやすい環境を整備していくことも重要であると考えておりまして、テレワークの促進などにもしっかりと取り組んでまいります。
デジタル化なくして我が国の成長なしとの考え方の下、官民でデジタルやデータを徹底して活用し、効率性や創造性を高め、力強く成長する社会を実現するため、関係省庁とも緊密に連携をしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/201
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202・山本博司
○山本博司君 以上で終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/202
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203・大塚耕平
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。午前中に続いてよろしくお願いします。
午前中、外務省の予算の話だけで終わってしまいましたので、大臣には午前中にお願いをしている質問もさせていただくかもしれませんので、よろしくお願い申し上げます。
まず、ロシアのウクライナ侵攻をめぐって、私もこの法案の本会議質問のときに、SWIFT排除だけではなくて、ほかの決済インフラの利用について及び仮想通貨による決済などについても質問させていただいて、注意喚起をさせていただいたつもりでございます。早速、仮想通貨業者に政府から要請として、ロシアとの取引停止ということをしていただいたようであります。そのことは一歩前進だと思います。
その結果、もし政府の要請に応じずに取引を実行した場合に、その事業者に対してどういう科罰が行われるのか、御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/203
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204・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 先般、三月十四日でありますが、暗号資産を用いた不正な資金移転への対策を強化する観点から、暗号資産交換業者に対しまして、金融庁と財務省の連名で、暗号資産の受取人が制裁対象者である又はその疑いがあると判断した場合、暗号資産の転用は行わないこと、暗号資産の転用先が制裁対象者であると判明した場合、当局に報告すること、暗号資産取引についてモニタリングを強化すること等を要請をいたしました。
外為法上、制裁対象者に暗号資産の移転に係る支払を行った者は懲役又は罰金の対象となりますが、顧客の暗号資産の移転を取り扱った暗号資産交換業者に対する罰則は、処罰はありません。ただし、暗号資産交換業者には、資産決済法上、適正な業務遂行に必要な体制を整備する義務が課せられておりまして、その一環として制裁に係る規制の遵守等を求められているところであります。
仮に、暗号資産交換業者においてこうした体制整備が不十分である場合には、必要に応じて報告徴求や業務改善命令等の監督上の措置を検討することとなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/204
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205・大塚耕平
○大塚耕平君 状況はよく理解できました。
今の枠組みではそういうことになるんだと思うんですが、さりながら、そもそもこの仮想通貨の取引は、相手方が偽名を使っていた場合にそれが分かるのか分からないのかとか、なかなか今大臣がおっしゃった枠組みで本当に対処できるのかというところは、それは定かではないと思います。
おまけに、この仮想通貨の世界はロシアが一番進んでいるとも言われていますので、そうすると、今お話を伺った限り、その取扱業者、その資金決済をし合う相手同士ではなくて取扱業者にも罰則が掛かるようなことを検討するというふうに表明されることが、アナウンス効果としては物すごく大きいと思います。結局、ロシア及びロシアとの間接的な取引をこの仮想通貨で分かっていた上で担った取引者がいたとして、それを取り扱う仲介業者がいて、今のところはその人たちには科罰されないわけですよ。で、いや、自分たちは偽名を使っていたので分からなかったと、本当は分かっていてもですね、そう言い張れば、それを立証する手段はなかなか今の財務省にもないと思いますので、私は、現状の枠組みでは科罰の仕組みはないけれども、事の重大さと今起きている状況を考えると、外為法及び資金決済法を早期に改正してでもその業者に対しても科罰ができることを検討するというふうにおっしゃるかおっしゃらないかというのは、この局面では非常に大きな政治的メッセージだと思いますので、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/205
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206・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 先生おっしゃるとおりに、今の外為法上におきましては、懲役又は罰金の対象になりますのはこの移転に係る支払を行った者でありまして、例えば私がプーチンにこの資産を動かすと私は懲役又は罰金の対象となりますが、この暗号資産交換業者に対する罰則は今ないという状況でございます。ただ、業務停止命令等を発出するということもあり得るということでございまして、新たな法整備をするかどうかということはよく考える必要があると思いますが、そういう必要性というのはあるのかなと思いながらお話を伺った次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/206
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207・大塚耕平
○大塚耕平君 現時点においてはそういう御答弁もあろうかと思いますが、恐らく業者を複数持ってやっている主体がいると思いますので、一個その業務停止とか免許取消しといっても、ああ、こっちを使えばいいやという、そういう体制を整えている人たちですから。
是非、一回、事務方とよく御調整いただいて、私はこの取引業者の皆さんに対して、まあそういう取引をやらないという人たちは善良な業者ですから何の心配もないわけですから、ただ、そういう人たちがいるかもしれないということに関して、この局面でどういうメッセージを出すのか。今大臣はそういうことも必要なのかもしれないなと思いながら聞いていたという趣旨のことをおっしゃってくださいましたので、それはそれで一歩前進だと思いますが、より明確に検討するとおっしゃっていただいた方がいいような気がしますが、もう一回だけ御答弁いただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/207
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208・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) やはり総合的に考えなければいけないと思います。
私も今お聞きしたところでありますが、例えばそれがこの取引業者に対して何か過重なものになるのか、いろいろな面での評価が必要だと思いますので、総合的な観点から検討をする必要があるんだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/208
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209・大塚耕平
○大塚耕平君 ありがとうございます。
あと、もちろん私もそんなに詳細に、実際にディールをやっている人たちのように知っているわけではありませんけれども、例えば電子財布、ウオレットと関係者はみんな呼んでいる、その個人が持っている電子財布同士で取引をすると、これはもう業者も捕捉できないんですよ。業者も捕捉できない。だから、この電子決済のこの仮想通貨の話は本当に難しいと思うんですが、今回こういう事態になったので、今まで以上にこの分野にはしっかり、いい意味で網を掛けていただくということをやらないといけないということを意見として申し上げたいと思います。
その上で、ちょっと午前中に積み残した話に移らせていただくんですが、ロシアに関しては間もなく対外債務の決済が難しくなるという状況で、午前中もそれに類した質問があったと思いますけれども。先ほどもたしか財務省の方から答弁があったような気もしますけれども、プーチン大統領はルーブルでの支払をもって対外債務の決済をしたと国内的には認めるという大統領令にサインしたと、あっ、これはJBICの前田さんがお答えになったんですね。で、しかし、前田さんのお話だと、それは契約上そういうことにはなっていないので、そのときにはデフォルト扱いだと思いますと、前田さんそうおっしゃったんですけれども。
大臣にお伺いしますが、そういう認識であったとしても、相手方がもうルーブルしか払わないよといって一方的にそういうことをやってきたときに日本及び世界にどのような影響が出ると想定しておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/209
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210・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) ロシアが対外債務決済においてルーブルで支払を行うことが日本や世界に与える影響について、これは現時点では正直よく分からないというのが正直なところだと思います。
その上で申し上げれば、日本からのロシア向け債券投資が対外債券投資全体に占める割合というのは、これは限定的でありまして、ロシア債券の動向が金融機関を含め日本の投資家に及ぼす直接的な損失は限定的であると考えております。
いずれにいたしましても、引き続き市場の動向や経済状況を注意深く見ていかなければならないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/210
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211・大塚耕平
○大塚耕平君 現時点ではなかなか想定し難いと思いますが、私なりに想像してみますと、例えば、ルーブル建ての資産を持っている、例えば個別の金融機関、投資家というのはかなり少ないと思いますが、投信とか組み込まれているものは結構あるような気がしますし、それから地域金融機関については外債投資相当していますけれども、つぶさにその銘柄を全部調べているわけではありませんが、ひょっとしたらあるかもしれないなと。
だからつまり、ルーブルの占める決済の割合が少ないので世界的にそう大きな影響は出ないだろうというふうに願いますけれども、しかし、個別の金融機関や投資家、特に日本の場合、地域金融機関が心配だと思いますけれども、ひょっとしたら持っている投信とか持っている外債の中に十分にリスクマネジメントができないまま持っていて、どこかがそれに引っかかったときに、結局その地域金融機関に影響が及び、それが吸収できる範囲の影響ならいいんですけれども、場合によっては地域金融機関の経営にも影響が出るような状況になるとそこから傷口がいろいろ広がっていくという、こういう展開は想定しておいた方がいいと思うんですけれども。
大体こういう文脈に関連して、財務大臣と同時に金融担当大臣でもあられますので、もし現時点で何か御所見があればお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/211
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212・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 事実関係から申しますと、日本の金融機関によるロシア向け与信は海外向け与信全体の〇・二%程度でありまして、個別の金融機関を見ましてもその与信割合は僅少にとどまっております。また、地域銀行を含む日本の各金融機関は充実した資本基盤を備えておりますので、現時点でロシア向けの与信が日本の金融機関の健全性に与える影響は限定的であると、そのように考えております。
今般のウクライナ情勢が今、刻一刻と状況が変わっておりまして、現時点におきましてはなかなかはっきりしたことは分からないわけでございますが、金融庁として国内外の経済や金融市場の動向をしっかりと把握、分析して金融機関に与える影響についてモニタリングをしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/212
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213・大塚耕平
○大塚耕平君 是非よろしくお願いします。
よく分からないからこそ今為替にじわっと影響が出てきていまして、今日はマーケット百十八円台半ばまで来ていますけれども、もうここまで来るとディーラーやトレーダーの心理としては百二十円を見てみたいと、こうなってくるんですが、ここ数年というか十数年はどちらかというと円高ばかりを気にして、さすがに百円割ったところでは介入のうわさとか、現に介入したこともあったと記憶していますが、こういうことになってくるんですが、今度この円安が極端に進む、さっき申し上げたように、よく分からないけれど、どうも日本の円を持っているよりドルのがいいんじゃないかとか金のがいいんじゃないかという、こういうマーケットのざわざわとした今ムードがあるんですが、円安方向に関して、その水準やその急激な円安に関して、財務大臣、金融担当大臣として何かお考えがあれば聞かせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/213
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214・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 為替の動向というのは様々な要因で動くんだと思いますが、私の行き届かない発言が為替に影響を与えてもいけませんので、私からはコメントは控えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/214
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215・大塚耕平
○大塚耕平君 麻生前大臣より随分安心できる御答弁だったような気がいたしますが。
最後に、今日、主税局長にもおいでいただいていますが、午前中に浅田委員からもトークンエコノミーの話がありましたが、今電子商取引で物を買う人がいっぱいいて、一体日本で電子商取引が年間何件ぐらい行われているか、それは日本の国内の事業者と消費者の場合もあるし、海外の事業者とオンラインで物を買う場合もあると思うんですが、電子商取引が一体何件あるかというのは、推定でも結構ですが、お分かりになりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/215
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216・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
私ども、その電子商取引そのものを所管してございませんので、情報通信業等を所管しております経済産業省、総務省にも確認をいたしましたが、御指摘のこの電子商取引の件数の推定件数については把握をしていないということでございました。
他方で、経済産業省のこの調査によりますと、市場規模という点で申し上げますと、国内におけるこのBツーC、消費者向けの電子商取引の市場規模は、令和二年におきまして約十九・三兆円、それからBツーBの電子商取引の規模、これも国内でございますが、三百三十四・九兆円ということで、この電子商取引化率、EC化率については、BツーCについては八・〇八%、BツーBにつきましては三三・五%というふうに承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/216
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217・大塚耕平
○大塚耕平君 今数字をお伺いしただけでも、国内でもBツーB、BツーC合わせて三百五十兆円を超える。これが、海外との取引入れるともっと巨額な規模、恐らく、五百兆円、GDP並みを超えると思うんですけれども。
つまり、税収の確保ということを考えると、この電子商取引に対してどういう課税をするか。一回の取引に一円課税しただけでも大変な税収になりますので、この電子商取引についての今後の課税の在り方について大臣のお考えをお伺いして、終わりにしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/217
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218・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 時間が参っておりますので、答弁は簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/218
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219・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) この税制の問題でございますが、やはり時代の流れというものをしっかり見極めながら、不断の見直しを、不断の見直ししていく必要があると思います。
昨日もお答えしましたが、今の税制改正の決定プロセス、これは、実態の話といたしまして、政府の税調におきまして議論をし、それに取りまとめた税制大綱に基づいて進めるということでございますので、政府といたしましても、与党の税調としっかり連携しながら、必要なものの見直し等をしっかり進めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/219
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220・大塚耕平
○大塚耕平君 ありがとうございました。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/220
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221・浅田均
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。
今、大塚委員の方からトークンエコノミーについてのお話がありまして、午前中私も取り上げさせていただきましたけれども、この新しいトークンエコノミー、この重要さというのは、今、大塚さんのお話の中にもありましたけれども、送金料の安さなんですね、送金料の。例えば、幾らか送金すると。で、その送料が例えば百円だったら、百円以下の、例えば五十円送るために百円の送料が掛かるとしたら、それはまあ送らないですよね。これが一円とか五十銭でできると、それがトークンエコノミーというか、送金システムで新しいところなんですね。
だから、そういうところをしっかり把握、捕捉していただいて、それも課税の対象にできるようなところもあるわけですから、財務大臣におかれましては、そういうところ、質問には入っていませんけれども、そういうところ、今のそのトークンエコノミーというか、新しいそのデジタル経済というところをはっきり、しっかり押さえて取り組んでいただきたいと思います。
それでは、質問の方に入らせていただきます。
これ、僕、昨日から統合政府論という質問しようと思っていたんですけど、昨日は自民党の、私、京都で勉強しましたので、京都学派というと、京都学派の西田というと哲学を意味したんですけれども、最近の京都学派、西田というと、何か経済学に変わりつつあるんではないかなというふうな思いを昨日したんですけれども、昨日は、信用創造ということで銀行のお話、その後に、国債発行するというのもこれも信用創造だというふうなお話がありました。納得しているわけではありません。
それで、今日は、それにまた、日銀以外に政府の資産があるんではないかというところで、統合政府というのを考えると余り債務を気にする必要はないというような御意見も出まして、これ、朝、渡辺委員のお話と同様のことをサマーズさんという元アメリカの財務長官がおっしゃっているわけですね。年金の積立金を差し引いた純債務残高や大量の国債を保有する日本銀行も含めた統合政府の考え方から見れば、日本の債務は言われているような水準に比べるとずっと小さいと。
これに対してどうお考えですかという質問がありまして、鈴木大臣、たしか、資産と負債との相殺というのはこれは駄目ですよというのが理由の一つですね。それから、財政ファイナンスをやっているという指摘は受けたくないと。財政ファイナンスをやっているのではないということを明確にするために統合政府論というのを否定されたように私には聞き取れたんですけれども、改めて、統合政府論というものに関して、考え方に関する財務省あるいは財務大臣の御見解を改めてお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/221
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222・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 我が国の財政の現状を判断しようという場合におきまして、国のバランスシートを用いる際に、年金積立金を差し引いた純債務残高で考慮すべきであるとの点につきましては、確かに、国の資産に年金積立金として運用寄託金が計上されておりまして、その見合いの負債として公的年金預り金が計上されております。しかし、公的年金預り金は、将来の年金給付の財源に充てるために保有しているという性格上、直ちに精算することは難しいという意味で、単純に負債と相殺することは適切でないと言えると思います。
また、政府と日本銀行のバランスシートを連結したいわゆる統合政府で考えるべきであるという点につきましては、日銀は政府から独立して金融政策を決めているにもかかわらず、政府は日銀が永久に国債を購入、保有し続けることを念頭に置いているのではないか、したがって結果的に財政ファイナンスを狙っているのではないかといった誤解を生じさせるおそれがあり、財政の現状を統合政府で考えることはそもそも適切であるとは考えておりません。
その上で、仮に政府と日銀のバランスシートを統合して考えた場合、確かに日本銀行が保有する国債の分だけ政府の債務が相殺されますが、日本銀行の債務である銀行券発行残高や当座預金等が統合政府の債務に加わることになるため、負債超過の状況が大きく変化するものでもないと思いますというのが財務省の考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/222
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223・浅田均
○浅田均君 財務省の考え方というのは財務大臣のお考えということでよろしいですよね。
それで、今のお答えの中にも次の質問の答えが入っていると思うんですけれども、改めまして、確認の意味でお答えいただきたいんですけれども、プライマリーバランス、PBの黒字化が必要であると考えられる理由は何でしょうか、明確にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/223
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224・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 我が国では、バブル崩壊以降三十年間低成長が続く中で、少子高齢化が進み、歳出の規模と税収の乖離が大きくなってきております。これがすなわち財政収支の赤字であり、この積み重ねが多額の債務残額であります。このまま債務残高対GDP比が一方的に増えた場合、財政の持続可能性や財政運営に対する信認が失われ、金利の急上昇や過度なインフレが生じるおそれがあります。
そこで、債務残高対GDP比をコントロールするための重要な指標として、政策的経費は税収で賄うというプライマリーバランスがあり、まずはその黒字化の達成が必要であると、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/224
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225・浅田均
○浅田均君 基本的な考え方を明確にしていただきまして、ありがとうございます。
それで、私は内閣府が作った中長期の経済財政に関する試算、これを見てこういう質問をさせていただいているわけでありますが、これ二〇二五年にプライマリーバランス黒字化を達成すると。たしか、岸田総理も答弁でそういうふうなことをおっしゃったと思うんですけれども、二〇二五年、プライマリーバランス黒字化が達成できるとする根拠を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/225
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226・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) プライマリーバランスの黒字化目標については、今年一月の経済財政諮問会議におきまして、現時点で財政健全化の目標年度、二〇二五年度でありますが、これの変更が求められる状況にはないということが確認をされたところでございます。
ただし、二〇二五年度のプライマリーバランス黒字化目標等の達成に向けましては、前提といたしまして、成長と分配の好循環の実現等に向けた取組を強化をして力強い成長を実現すること、それに加えて、歳出歳入両面の改革を継続していくことが必要でありまして、こうした取組を前提とした上で初めて、お尋ねのように二〇二五年度にプライマリーバランス黒字化が達成できると考えております。
財務省としても、経済を再生し成長させる、そして歳出においてもしっかりとした改革に取り組む、こうした歳入歳出両面の取組をしっかり進めていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/226
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227・浅田均
○浅田均君 ありがとうございます。
このケースを変更する状況にはないという御答弁でございました。
ところで、いつも気になりますのは、プライマリーバランスの黒字化とか計算される際に、当初予算だけをカウントして、補正予算はそこに入っていないと。だから、去年、おととしのように、もう巨大な補正予算を組む、そのために補正予算に分けているんやないかと勘ぐりたくなるんですけれども、ああいう大きな補正を組まざるを得なくなるというようなことは全然想定されていないということなんですけれども。
私どもから考えると、やっぱりプライマリーバランスの黒字化というか、ある程度の財政規律、プライマリーバランス対象経費をどこまで広げるかという問題はあると思いますけれども、まあ、どこまで広げるか、大体八十兆円弱ですよね、今のプライマリー対象、プライマリーバランス対象経費というのは。それをどこまで広げるかというのは税収見合いで考えられたらいいと思うんですけれども、その補正予算ということの問題についてはどういうふうに考えておられるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/227
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228・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 補正予算でありますが、これはもう釈迦に説法で先生御存じのとおりだと思いますが、財政法によりまして、当初の予算編成後に生じた事由に基づき緊要性の高い経費の支出を行う場合や義務的な経費の不足を補う場合に編成できるものとされているところでございます。
二〇二五年度どういう状況にあるかというのはなかなか今予断できませんけれども、場合によってはこういったような緊要性の高い経費の必要性というものは出てくる可能性は否定はできないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/228
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229・浅田均
○浅田均君 私たち日本維新の会は、できるだけ当初予算でやるべきであって、何か本来その当初予算に入れるべきものを十五か月予算とか言って補正で上げて、まあ僕らに言わせると筋が悪いと思うんですけれども、大臣もそういうふうに感じておられるような印象を受けるんですけどね。だから、十六か月予算とか十五か月予算とか、税は十二か月なんですから、それに合わせて、補正はできるだけもう今大臣がおっしゃったような条件の下でしか組まないと、できるだけ見通しを立てて当初予算の中に必要な予算は放り込むというふうな方針で大臣におかれましてはこれからも臨んでいただきたいと思います。
それでは次の質問でありますが、関連しての質問になりますが、先ほどもプライマリーバランスの黒字化のところで、大臣御答弁の中で発言された部分もあるんですけれども、財務省としてこのドーマー条件、ドーマーの定理とかドーマー条件、いわゆる名目長期金利、利子率の方が経済成長率よりも大きい場合は財政は不安定化すると、逆の場合、利子率、名目長期金利が経済成長率よりも小さくなると財政は不安定化しない、安定化するというそのドーマー条件というのがあるんですけれども、これ財務大臣あるいは財務省としてこういう言説というか定理というか条件をどのように評価されているんでしょうか。先ほどの答弁で、御答弁の中から判断するとかなり評価されているというふうに受け止めたんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/229
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230・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 先生からお話ございましたドーマー条件とは、プライマリーバランスが赤字である中で債務残高対GDP比が安定するには成長率が金利よりも高くなければならないという学説であると、そういうふうに理解をいたしております。
しかし、これまでの約四十年間データを見てみますと、名目金利が名目成長率を上回っている年の方が多いところでもありまして、また将来についても名目成長率が名目金利よりも高くなるかについて確たることを申し上げることは困難であると、こういうふうに思ってございます。
そこで、財務残高対GDP比をコントロールするための重要な指標として政策的経費は税収で賄うというプライマリーバランスがあり、まずはその黒字化の達成が必要であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/230
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231・浅田均
○浅田均君 プライマリーバランスが一番重要であって、それで、私が今申し上げましたそのドーマー条件、ドーマー定理というのは必要条件とは思わないというふうな御答弁であったように理解いたしました。
それで、関連、今の御答弁に関連してなんですけれども、名目成長率というのは二〇二八年までずっとこれ名目長期金利を上回っているという、この中長期の試算によりますとなっております。この間、財政は不安定化しないという判断をされているという理解でよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/231
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232・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 浅田先生の今の御指摘は、内閣府の中長期試算を念頭に置かれたものであると、そういうふうに理解をいたしますが、まず中長期試算は、将来の経済動向について、過去の実績や足下の経済トレンドを基に内閣府の計量モデルを基礎とした試算であります。その試算結果においては、二〇二八年までは名目成長率が名目長期金利を上回り、この間は債務残高対GDP比が低下している姿が示されておりますが、これはあくまで、今後、骨太方針二〇二一において目指すこととされている成長が実現をするということが前提とされております。
したがって、これらの前提が崩れますと当然状況は変化すると考えられるほか、今後プライマリーバランス赤字が縮小していったといたしましても、諸外国の足下で発生しているように、様々な要因でインフレや金利上昇が急速に進む、あるいは自然災害や新たな感染症といったリスクが顕在化するといった、計量モデルでは想定していない事態が生じた場合にも状況は変化すると考えられます。
こうした不測の事態に備えて、財政上の余力を高めるとともに、中長期的な財政の持続可能性への信認が失われないように、経済再生と財政健全化の取組を進めていかなければならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/232
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233・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 質疑終了時刻が参りましたので、質疑をおまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/233
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234・浅田均
○浅田均君 これで質問を終わらせていただきますけれども、答弁の内容もさることながら、鈴木大臣の誠実さというか、も伝わってきまして、もう心、感銘しております。どうぞ御健闘いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/234
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235・大門実紀史
○大門実紀史君 大門です。
予算委員会で岸田総理と議論いたしましたが、格差是正ということを岸田内閣言われているわけですけれども、本気で格差の是正やるとすれば、やっぱり富裕層への課税というのは避けて通れないんじゃないかと。また、今や世界の流れにそれがなってきておりますので、その点を鈴木財務大臣に聞いていきたいというふうに思います。
格差拡大の、つまり富裕層が拡大しているという方ですけれども、その背景の一つに、世界の中央銀行が進めてまいりました金融緩和があるというふうに思います。資料も今お配りしていってもらっていますが、特に二〇〇八年の金融危機、リーマン・ショック以降、緩和基調になりまして、低金利、巨額の資金が金融機関通じて金融市場に流れ込むと、それが資産価格を押し上げてきたという、そういうことがずっと基本的に続いております。
この間、世界的なインフレーションの中で多くの中央銀行が一旦引締めの方向にかじを切り始めたんですけれども、ロシアのウクライナ侵略等々、世界情勢変わってきていますので、どうなるか分かりませんが、今のところFRBもECBも引締めを継続、やめるとは言っていないというような状況でございますが、いずれにせよ、巨額のマネーがいまだ市場にあふれている状況というのは変わっておりませんし、当面続くんじゃないかと思います。
資料の一枚目に三井住友のDSアセットマネジメントの資料をお配りいたしましたけれども、中央銀行の資金供給、緩和による資金供給と株価の関係を大変分かりやすくまとめてくれている資料でございます。小さいですけど、下のグラフがそれを表しておりまして、アメリカのFRB、ECB、日銀など世界の五大銀行のバランスシートの合計と世界株式という世界全体の株価を反映した指数との関係です。要するに、中央銀行のバランスシートの拡大、つまり金融緩和が株価を強力にサポートしてきたと。更に言いますと、経済の実態以上に、この間言われていますけれど、金融マネーが膨らんで、株価は本来、実体経済の反映でなきゃいけないんですけれども、こういう金融の緩和マネーで引き上げられてきたというふうに、そういうことが示されているわけですけど。
まず、鈴木大臣の御認識、こういう今の株価のこの間の上昇とかですね、は緩和マネーがかなり大きな役割を果たしているという御認識はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/235
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236・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 足下、アメリカなどにおきまして物価が上がっているということで金融緩和の見直しに向けた動きがあるわけでございますが、少し過去を振り返ってみますと、新型コロナ拡大が進んだ間においては日本を含め各国で金融緩和が行われたと、このように承知をいたしております。
金融緩和が株価に与えた影響について具体的な評価は控えたいと考えておりますが、株価の動向につきましては、こうした金融政策以外にも、経済状況や企業の活動など様々な要因により市場において決まるものであると認識をいたしております。
引き続き、市場動向を注目、注視していくとともに、経済財政運営をしっかりと進めていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/236
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237・大門実紀史
○大門実紀史君 もちろん株価はいろんな要因でというのはそのとおりでありますが、これが示しているのは、リーマン・ショック以降はこの緩和マネーが大変大きなウエートを占めていますよということを客観的に示している資料でございますので、こういうことを含めて、このマネーが何なのかということですね。これをどうするのかということも含めて税の問題も考えていく必要があるというふうに思います。先ほど国際課税の問題がありましたけれど、世界的にこういう動きがですね、動いているところで各国の課税当局がどう考えるかということにも全部つながる話でございます。
富裕層の話に戻りますけれども、先進国では一様にこういうふうに金融緩和がもう長期化しておりまして、株価はもう緩和政策で下支えされていると。いわゆる金融相場というふうになっているわけですね。つまり、今やもう株価というのは企業業績じゃなくて金融政策に反応すると、反応してトレンドが決まると、あるいは上がったり下がったりするということが続いている、いわゆる金融相場になっていると言われております。
二枚目の資料が、そういうふうな株高の中で富裕層が資産を増やしてきていると。当然、株が上がりましたら富裕層の資産膨らむのは、みんな大株主でありますから、当然のことであります。
この資料は、世界四大会計事務所の一つでありますプライスウォーターハウスクーパースが一昨年ですね、一昨年の二月に公表したものでありまして、その会計事務所のお客さん、顧客のデータということであります。投資家の資産総額の推移を推計したものということですね。あっ、その事務所だけのお客さんじゃないですよ。こういう人たちの、顧客になる人たちの資産総額の推計を試算したものですね。富裕層、準富裕層・中間層、あと年金基金、保険会社等々となっております。
いわゆる富裕層ですね、これ百万ドル以上の資産を持っているという方々でありますが、二〇一九年に八十四・四兆ドル、約九千六百兆円というもう膨大な、巨額の、超巨額の資産を持っておりまして、これは二〇〇四年から比べると二倍に膨れ上がっているということでございます。金融の緩和があって、株価が上がって、ほかの金融商品の価格も上がって、それを持っている富裕層の資産が十四年間で倍以上に増えたというグラフでございます。
こういう、ここまでの話は私も何度か委員会でさせてもらっていましたが、三枚目の資料が少し新しい話でございまして、富裕層というのは株高だけでもうけさせてもらってきたわけではないという資料でございます。これは世界の富裕層の資産の内訳、ポートフォリオの推移を示したものでございます。先ほどと同じく、資産百万ドル以上の富裕層の投資の中身が分かる資料であります。
上のグラフでいきますと、現預金、下からいくと、現預金、債券、不動産、株式、オルタナティブ。このオルタナティブというのは何かというと、コモディティーが入っております。つまり、オルタナティブの中にはヘッジファンドも未公開株もあるんですが、コモディティーが入っております。コモディティーというのは、御存じのとおり、原油とか金属とか資源とか穀物とか大豆とか、そういうものですね。まあ食料、原油、食料、そういうものですね。
右下が、日本の富裕層がどういう資産構成を呈しているかというと、現預金、債券、不動産、株式ありますが、このオルタナティブ、コモディティーを含むオルタナティブをこれだけ保有しているということでございます。
何が言いたいかと申し上げますと、今世界は、いろんな経済情勢の結果、急速なインフレを拡大しておりますけれど、この富裕層の方々は、そこにも入り込んでコモディティー投資を拡大して、この物価が急騰する、原油価格や穀物急騰する、特に先物市場も含めてですね、そういう中で、またまた株高だけでなくて資産を増やしている、資産を増やそうとしていると。あるいは、逆に言えば、原油高、食料、物価高に拍車を掛けているというようなことがこの図から分かるわけであります。
もちろん、全体の物価高は、コロナによる物流コストの上昇とか干ばつとか、加えてロシア情勢とか、いろいろあるんですが、そこに富裕層マネーが流れ込んで上昇幅を上げている、あるいはそこで更にもうけようとしてお金をつぎ込んでいるという構図が分かるわけでありまして、今、コロナに加えて、原油、ガソリン高、物価高、食料品高でみんなが困っているときに、更に富裕層はあり余ったお金を、このマネーをですね、コモディティーに投入してもうけようという、この貪欲さといいますか、ちょっと醜悪な気もするんですけれども、大臣、この構成を見ていかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/237
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238・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 先生からお話がございましたオルタナティブに含まれる原油あるいは小麦等の穀物価格につきましては、原油価格はウクライナ情勢や需要回復などを受けて高水準にあるほか、小麦なども国際価格も上昇傾向にあると、そのように理解をしております。こうしたことを背景に、富裕層が利益を得ていると言えるかどうかについて断定的に申し上げることは困難でありますが、製品価格の上昇等も背景に、一部企業では高水準の利益を確保しているということ、これはまあ事実であると思います。
一方で、原油等の原材料価格の高騰は国民生活や企業活動等に様々な影響を及ぼすものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/238
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239・大門実紀史
○大門実紀史君 この富裕層の方々というのは特別な情報を持って、どこに投資すればもうかるかというふうな、ヘッジファンドを含めてですね、いろんな情報を持ってやっておりますので、もうからないところにお金を動かすわけがないんですね。ですから、もうけるためにここにお金を動かしていると、当然リターンがあるからやっているということになりますので、もう少し、別にカバー、そんなカバーする必要ないですよ。ありのまま、ありのままやっぱり捉えるべきだと、この実態をですね、というふうに思います。
ですから、もうここまで、ここまでそんなにお金が余って、みんなが困るような物価高にまで拍車が掛かるようなことまでやっているんですから、やっぱりちゃんと税金ぐらい払ってもらいましょうよという話でございまして。
次のグラフですね、一億円の壁であります。これ、岸田総理が一億円の壁という名前を付けましたけど、鈴木大臣、このグラフ最初に作ったのは誰か御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/239
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240・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) これは大門先生に版権があるということは承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/240
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241・大門実紀史
○大門実紀史君 もうそう言ってくれたのは鈴木大臣だけでございまして、岸田さんは私の断りなしに使っておられましたけれども、まあいいんですけれども。
これは、実は二〇〇七年の三月十四日、この参議院予算委員会で、当時、尾身大臣がおられまして、そのときはこんな精度のいいグラフじゃなかったんですね、途中から点々々みたいな、推測図みたいなものであったんですが。いずれにせよ、一億を超えると負担率が下がるということを不思議だなと思って作って、尾身大臣になぜか分かりますかとお聞きしたら、分からないとおっしゃるので、まあそのときは推測もありましたけど、やっぱり一億超えるところが、方々は、給料、給与じゃなくって株の取引で、それが分離課税になって、当時一〇%でしたからね、税率が、だから下がっているんじゃないでしょうかというようなことを問題提起させてもらったのがもう十五年前でございます。
その後いろんな議論がありまして、繰り返し、一〇%というのは余りにも低過ぎるというので、本則の二〇%に最低戻すべきじゃないかというのをさんざん議論があって、私も何度も質問させていただいて、で、二〇%にまで戻ったんですよね。ただ、海外は三〇%水準ぐらいですので、まだまだ負担が低いということでこういうグラフがまだ続いているということでございます。
もう長いこと、二〇%した、なった後も、長いこと長いことこの議論があって、与党税調、自民党の中でもやっぱり不公正じゃないかという提案が何度も何度もあったんですけれども、何度も議論されたと思うんですけれども、結局いまだ引上げが行われていないと。
漏れ聞くところによると、これはもう自民党の皆さんというよりも官邸が、上げると株価が下がって政権にダメージがあるということを恐れているんではないかというようなことは何回も聞くわけですけれど、あれですかね、財務大臣のお部屋に株価の電光掲示板ありますよね。総理の部屋にもあるんですよね、あれは、たしかね。あれ、やっぱりよくないですよね。毎日あんなの見ていると、もう株価資本主義に毒されて、思い切った政策が打てなくなるんじゃないかと、びくびくしてですね。あれはもう取っ払った方がいいんじゃないかと思いますけれど。
やっぱり政治家は一々その株価の動きなんか見ないで、やるべきときはやるということが大事だと思うんですよね。しかも、今株価はどんな材料でも上がったり下がったりしますから、何でもいいんですよね。下がったってもうける人いるんですよね、下げてもうける人もいるんですよね。そんなの気にしていたら、政策なんかね、改革なんか実行できないと思いますので、ちょっとそういう考え方じゃなくて、本来やるべき仕事として、この一億円の壁といいますかね、金融所得税の引上げ。
総理は、来年度のとか言われましたけど、あれ、私は知っている、経過知っている私にとっては、来年検討することにしましたというよりも、先送りしたという印象なんですよね。わざわざ先送りされたという印象が強いんですね。もうやってもよかったんですね。やってもよかったんですね。
そういう点でいきますと、もう次の税制改正には必ず金融所得税の引上げは入れるべきだと思いますけれど、鈴木財務大臣のお考えを聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/241
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242・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 金融所得課税の在り方についてでありますが、令和四年度の与党税制改正大綱におきまして、高所得者層において所得税負担率が低下する状況を是正し、税負担の公平性を確保する観点から検討する必要がある、そして、一般投資家が投資しやすい環境を損なわないよう十分に配慮しつつ、諸外国の制度や市場への影響も踏まえ、総合的な検討を行うとされているところであります。
今後、与党の税制調査会の場で議論が行われていくと考えておりまして、財務省としてもその議論に基づき対応をしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/242
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243・大門実紀史
○大門実紀史君 それで、このグラフ、最新のグラフを作ったらちょっと面白い現象が、今までにない現象が分かったんですね。一番最後の百億超えるところでぴょんと負担率上がっているんですよ。これちょっと初めてなんですね。百億超える人というのはそんな人数いませんから、何かがあったと思うんですけれども、財務省の参考人で結構ですけれど、何があって最後のところでぴょんと負担率上がったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/243
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244・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
この申告所得税標本調査でございますが、この百億超のところになりますと非常にサンプル数も少なくなるということでございますので、やはりちょっと、何らか、異常値と言うとちょっと誤解を招くかもしれませんけれども、個別の要素によって変動する可能性もある数字ではなかろうかというふうには考えておりますが、具体的に何が要因なのかということについて現時点ではちょっと把握しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/244
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245・大門実紀史
○大門実紀史君 考えられるのはもう一つしかないんじゃないかと思うんですけれども。その百を超える人というのはそう何百人、何千人いるわけではないですよね。その方々の中で、配当の中で総合課税になる部分が、所得があったんではないかと、何らかの形でですね。だから、総合課税だと最高税率が掛かりますので、ぴょんと上がったんではないかと。ほかにちょっと考えられないなと思うわけですね。
そういう点でいきますと、我が党が、一億円の壁といいますか、この金融所得税を見直すべきだということで何度も申し上げてきたのは、あくまでこの富裕層に対する税制優遇でありまして、その高額所得者の、特にこの一億超える、この下がるのはおかしいということなんで、この部分を欧米並みの税率を適用する制度設計にしたらいかがでしょうと、幾らでもやり方あると思うんですけどね。例えば、株の配当が、譲渡益、分離課税とされております、住民税含めて二〇%ですよね。これは国際的にも低い。これは改めると。そのため、そして譲渡所得には高額部分に欧米並みの三〇%の税率を適用すると。そして、今回にも関わるか分かりませんが、このぴょんと上がったのに。株式の配当には少額の方もいますから、そういう方除いて、こういう高額所得者の場合は分離課税を認めないで総合累進課税を義務付けると。このことによって今回ぴょんと上がった部分が、このぴょんじゃなくて、ここがですね、ざあっと上がっていくというふうなことになるんではないかと思いますので、総合課税のところに、一定以上は総合課税にするということですね。
先ほど一般の投資家の話が若干ありましたが、私たちはその一般の投資家の方々に課税強化すべきなどということは更々考えておりません。去年の総選挙のときに、橋下徹さんですかね、さんざん、これ見直すと一般の投資家が困るみたいなキャンペーン張られましたが、誰もそんなことは言っていないですよね。高額の部分だけと言っているわけでございまして、今、将来不安と、銀行に預金しても金利付かないから、若いサラリーマンの方も、ちょっとでもためたいと思って投資にお金を少しでも回す方はいらっしゃるわけですね。そんな方まで何か一律に税率上げて、分離課税で上げてなんということはもうやるべきじゃないというふうに思っておりまして、その高額の部分についてということでありますし、当然、NISAだ、NISAなんかの適用を受ける方々はもう除外して、こういう一億、もうこのラインを、ラインを上げていくと。アメリカよりもひどいですね。アメリカもちょっと下降ぎみですけど、日本はこんな下がるというのは、ちょっと先進国の中でも極端に下がっておりますので、是正すべきだというふうに思うところでございます。
もう一つは、これは所得への課税の問題でございますが、資産への課税、いわゆる富裕税、富裕税というのは、主に資産に掛けようという話でございますが、これも実はアメリカ含めて、ヨーロッパ含めて今テーマになってきていますね。
なぜかといいますと、前は資産に掛けるという考え方、掛けようとすると、富裕層は資産を海外に移しちゃうんじゃないかと。で、実際移すわけですね。それがあるので余り効果がないのではないかという話がありましたが、この間、国際課税、私も何回もこの委員会で取り上げてまいりましたが、BEPSの話もありましたけれど、国際的にもうその課税逃れを許さないという枠組みがだんだんできていますよね。
だから、各国が資産に、富裕層の資産に税を掛けてもそう簡単に逃げられないという仕組みがだんだんでき上がってきているという環境変化もあって、また格差が余りにも拡大していると、両面があって、いろんな国で富裕税、資産に掛ける税というのがいろいろ今テーマになってきております。
資料の五に、日本の富裕層の資産が今どうなっているかということで、データを、これは野村総研のデータですが、示してございます。
日本の超富裕層の資産総額ですけれども、あと、一人当たり平均資産額、二〇〇五年から示させていただいております。この場合の超富裕層というのは、金融資産が五億円、五億円以上持っている方々のことであります。
超富裕層の資産総額は、二〇〇五年の四十六兆から二〇一九年で九十七兆と拡大しております。世界の富裕層と同様に、大体十五年程度で二倍ぐらいに膨らんだ計算になります。
世帯数も増えているので、一世帯当たりに直すとどうなるかというと、二〇一九年は十一・一億円。あのアベノミクスのときにわっと上がったんですけど、株価がまたちょっと落ち着いてきたので、下がって十一・一億円ですね、一人当たりですね。これも二〇〇五年から比べると増えていると、こういう状況になっております。
こういう資産の方に課税しようという動きは、先ほど申し上げたとおり、アメリカでもヨーロッパでも今出ておりますが、我が党も既に、資産五億円以上の富裕層に対して、その五億を超える部分、五億に掛けないで、五億を超える部分にのみ課税するというふうな資産課税案をもう選挙のときも何回も提案しております、この野村総研の五億円以上と重なるわけですけれども。その税率も、一%から三%、資産に応じて引き上げる、累進税にすると、超富裕層と区別ができるということです。
この富裕層への資産課税、今ちょうどさっき言いましたアメリカで民主党の議員の方が提案をして非常に注目を集めておりますけれど、実は共和党の中でもその資産に対する課税を支持するという動きが広がっております、世論調査ではですね。
日本でも、経済、租税の専門家から導入を求める声がこの間上がってきております。政府税調の委員をされました佐藤主光さんと、有名なあの小林慶一郎慶應教授が資産税を提案する共同論文を出されて、一昨年ですかね、発表されておりますし、この前、予算委員会の公聴会で来ていただいた森信茂樹さん、大蔵省出身で政府税調も務められた方ですが、私の質問に対して、先ほど言いました国際環境も変わってきたから資産税も検討する、中長期的には検討する段階に入ったんではないかということを公述されておりました。
日本でも、少なくとも研究、検討はもう入るべき段階に来ていると思いますけれど、財務省のお考えはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/245
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246・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 富裕層の資産に対する課税でございますが、いわゆる富裕税につきましては、資産の把握の問題に加えまして、資産の評価の問題など、富裕税を導入した諸外国でも多くの問題点が指摘をされております。また、日本でも、昭和二十五年に導入したものの三年で廃止されたと承知をいたしております。
その上で、富裕層への課税を強化すべきというのは一つの考え方であると思いますが、富裕層への課税としては所得税や資産税について近年累次の税制改正を行ってきております。今後の税制の在り方については、これまでの税制改正や経済社会の情勢変化等を踏まえつつ、再分配機能などの程度を、再分配機能をどの程度発揮させるべきかという観点も含めまして検討をする必要があると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/246
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247・大門実紀史
○大門実紀史君 この問題は、やっぱり国際課税、国際連帯して課税していくという考え方は非常に大事でございますので、資産を海外に逃がさない、タックスヘイブンに逃がさないということの国際環境も必要でありますので、逆に言うと、ほかの国がやろうというときに日本も構えていくということもまた求められる状況になってくるかと思いますので、是非、もう昔とは違いますので、検討をしていただきたいと思います。
実は、次に、外国投信の問題、投資信託の問題、取り上げようと思いましたけど、時間がもうないので全部やれませんので、金融庁に、次回この問題やらせてもらいたいと思いますので、金融庁に一つだけお願いをしておきたいなと思うんです。何をやりたいかといいますと、公募の外国投信の、これをどうするかと、これに対する課税の問題等々を考えていく必要があるかなと思っております。
中身は、もう時間ない、次回やりますが、一番最後の資料九というのがございます。いろいろ、この外国投資信託も、やっぱり富裕、ごめんなさい、金融、投機マネーがいろいろ入ってくるので問題になっているわけなんですけれども、その中身はもう次回やるとして、この九ですね。
これは、実は五年前の、私、この問題質問したときに、金融庁が外国投信について、公募の外国投信ですけれども、それについてわざわざ調査をしてくれたんですね。こういう基礎資料がないと、どう課税していくかとか、実態が分かりません。
この、お配りしたのは、五年前、二〇一六年に金融庁が作って、わざわざ作っていただいた資料なんですね。これで見ても、この時点でももう公募投信だけで、もうファンドが、契約型投信で二百四十一本とか、公募、金額にして五千三百五十八億とかですね、ようになっております。
これは、金融庁の作業になるかと思うんですけれど、この議論をする上で、今どういう状況になったのか、ファンドの数とか総資産総額とかですね。公募の部分だけでも結構なんですけれど、すぐにとか今度の質問までにというんじゃないんですが、是非、基礎的な資料として調べてもらえないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/247
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248・栗田照久
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
今御指摘のこの資料は、日本証券業協会が投資者保護の観点から定めた規則に基づきまして、各証券会社からの定期的な報告を受けておりまして、そのときに出てきた公募外国投資信託の純資産総額などを基に我々の方でその数字を適宜集計して作らせていただいた資料でございますので、この日本証券業協会自体の調査は続いておりますので、必要があればまた数字を作るということはできると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/248
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249・大門実紀史
○大門実紀史君 もし可能ならば、あっ、でも大変ですよね、次の質問だとね。いいです。どこかの財政金融委員会でやりますので、是非資料をお願いしたいというふうに思います。この外国投信の問題も大きな問題を抱えておりますので、次回、詳しくやりたいと思います。
今日はこれで終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/249
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250・浜田聡
○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。昨日に引き続き、質問の方をよろしくお願いいたします。
質問に先立ちまして、昨日、私、委員会で、税制は簡素にすべしと申し上げました。この点に関して主税局の方から、税制の簡素さの重要性、御理解いただく御答弁いただき、感謝申し上げます。
複雑な税制というのは、各事業者が対応を迫られること自体ですね、それ自体、何か生産するものではありません。それに対応が必要ということで、生産性を低下させる要因になっております。また、複雑な税制というのは腐敗の温床にもなり得ると思いますので、本日の委員会でも、そして、それ以降でも、私、繰り返し、税制を簡素にすべしということをしつこく訴えていくかと思いますが、御容赦いただきたいと思います。
では、質問の方、入っていこうと思います。
まず、今回の改正案の中の住宅ローン減税の控除率引下げについてお聞きしたいと思います。
今回の税制改正においては、住宅ローン減税控除率を、いわゆる逆ざや対策として、一%から〇・七%に引き下げられることになっていると承知しております。この控除率引下げは、実質増税に該当するかと思います。一方で、この控除の期間については延長がなされるとのことで、こちらは減税に該当すると言えるんじゃないかと思います。
このように、増税と減税を組み合わせる形でバランスを取られているようには思うんですが、私としては、どうしても控除率引下げに目を奪われて、住宅販売など影響が懸念されるんではないかと感じるところでございます。
そこで、財務省にお聞きします。
この控除率引下げについて、住宅販売業界などからは御意見伺っているのかどうか、伺っている場合、どういう意見があったのかについて教えていただきたく思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/250
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251・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
この住宅ローン控除の見直しに当たりましては、国土交通省におきまして、業界等からの声について丁寧にお聞き取りいただいた上で、私どもも国土交通省と相談をさせていただいたところでございます。
今般の改正に当たりまして、昨年の令和三年度与党税制改正大綱におきまして、いわゆるその逆ざや問題に対する会計検査院の指摘を踏まえて、控除額や控除率の在り方を見直すという方針が示されていたわけでございますが、夏の段階で、昨年夏の段階で、例えば住宅生産団体連合会においては、幅広い所得層が公平に税制措置を享受できるよう控除期間に重点を置いた制度とするといったことを御要望されており、また、省エネ性能の高い住宅へのインセンティブを強化すること、こういった要望もされていたというふうにお聞きしております。
今回の見直しにおきましては、こういった御要望も踏まえて、控除率を引き下げる一方で控除期間を延長することなどを措置しておりまして、従来の制度では満額控除できていなかった中所得者層以下の納税者の方々にとって、結果として総控除額が増えるといったような見直しにもなっておりますので、買い控えが生じないような配慮もなされているということで、業界からも一定の御理解をいただいているものと聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/251
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252・浜田聡
○浜田聡君 ありがとうございます。
次に、この住宅ローン減税に関する今回の政策について、政策評価についてお聞きしたいと思います。
この住宅ローン減税に関する政策評価、例えば行政事業レビューなどの形で今後なされる予定というのはありますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/252
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253・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
この租税特別措置に関する政策評価に関しましては、法人税に関する租特につきましてはこれ制度上義務化をされておりますけれども、この住宅ローン減税のように法人税関係以外の租税特別措置については制度上の義務とはなっておりません。要望官庁において義務的に政策評価を行うのは法人税に関するものということでございます。
他方、この住宅ローン控除制度につきましては、衆議院の御審議においても様々な御指摘ございましたけれども、効果検証を行っていくということは非常に重要であるというふうに考えておりますので、今後、国交省あるいは政策評価を所掌する総務省ともよく相談して対応については考えていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/253
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254・浜田聡
○浜田聡君 ありがとうございます。法人税の方は義務化されているという御答弁ありましたので、後に回しております質問の方を一つ飛ばさせていただこうと思います。
行政評価についてこだわる理由としては、やはりこのように控除率引下げという、増税と控除期間延長という減税組み合わせることについて、わざわざそれをする意味があるのかにこだわっているということでございます。このように制度を変えると各方面で対応が迫られる必要があって、それだけで生じるコストというのがあると思います。そのコストというのは小さくないと考えます。
コストを費やして変化して、そのコストを上回るだけの見返りがあるのかどうかという評価はしっかりすべきだと考えて、政策評価に関する質問させていただきました。今後も政策評価に関しては事あるごとにこだわっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、今回の改正案の中で、法人税に関するいわゆる賃上げ促進税制、所得拡大促進税制についてお聞きしたいと思います。
今回の案の内容の中で最もマスコミ報道がなされていた印象のある部分だと思います。企業の人件費の増加額に応じた税額控除が、大企業だと最大三〇%、中小企業で四〇%へ引き上げるとされています。減税を推進してほしい私の立場としては、控除率の拡大、大いに歓迎したいと思います。ただ、これには様々な制約があることで幾つか気になっておりますので、質問させていただきます。
財務省にお聞きします。
中小企業の人件費の増加額に応じた税額控除が最大四〇%とされているんですが、その上限として法人税額の二〇%としているために、税額控除が四〇%に上げられても恩恵受けるケースというのがまれなんじゃないかと思うんですけど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/254
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255・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
今般の税制改正におきましては、成長と分配の好循環の実現に向けまして税額控除率を大幅に引き上げることといたしておりますが、この引き上げた税額控除率の適用を受けることができる企業については相当の賃金の引上げを行うという状況でございますので、一定の所得を上げているというふうに考えられますので、控除される法人税額が増加することにより、三〇%、四〇%といったこの税額控除率で本税制の適用を受けられるケースというのは一定程度あるものと考えております。
また、法人税を納めていない赤字企業でありますとかあるいは法人税の少ない企業につきましても、公的価格の引上げでありますとか補助金による中小企業の生産性向上のための支援について、賃上げを行う企業に対して一定の配慮を行うでありますとか、下請対策の強化、最低賃金の見直しなど、様々な施策を講ずることとしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/255
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256・浜田聡
○浜田聡君 次に、昨日ほかの委員からも御指摘があったと思うんですけれど、社会保険料負担との兼ね合いについてお聞きします。
人件費を企業増加させると企業の負担する社会保険料も増加するんですが、今回の控除率引上げは社会保険料負担増額も考慮されて設定しているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/256
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257・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
今般の改正における賃上げ税制の税額控除率については、社会保険料の負担が増えるという点を直接勘案して設定したものではございませんが、元々企業が従業員に支払う賃金については損金算入が行われる上に、賃金の引上げに伴うこの社会保険料の増加分というのが、今般のこの税制措置の適用によるメリットを上回るようなものにはならないと、そういった水準になっていると理解しておりますので、今般の税額控除率の引上げは賃上げ判断を後押しするものとして機能するのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/257
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258・浜田聡
○浜田聡君 引き続きお聞きしていきたいんですけれど、今回の控除率引上げについては、繰り返しになるんですけど、恩恵受ける企業が少ないように思えるんですね。したがって、控除率をもっと思い切って引き上げるべきではないかと思ったんですけど、今回の控除率に、引上げとどめたといいますか、制限付けたことについて、理由を教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/258
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259・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
先ほども若干申し上げましたとおり、企業が従業員に支払います賃金については元々損金算入ができることになっておりますので、支払った賃金の額の、国、地方含めますと約三割はその負担が、税金が減る格好で戻ってくるということになるわけでございます。それに加えまして、この賃上げ税制による法人税の優遇措置として、この更なる税額控除が受けられるという仕組みでございます。
こういった全体を見ますと、今般の税制改正で、大企業については最大三〇%、中小企業については最大四〇%まで税額控除率を大幅に引き上げたことによりまして、先ほどの損金算入の効果を含めて考えますと、賃上げに係る追加費用の最大で六割から七割を税金の形で優遇するという結果になりますので、かなりの措置が講じられているものと認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/259
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260・浜田聡
○浜田聡君 分かりました。ちょっとあとの質問については多分似たような答弁が返ってくると思いましたので、省略の方をさせていただきます。
繰り返しになるんですけれど、今回の改正で税額控除四〇%に引き上げられても、恩恵を被れるコースがやっぱりまれなんじゃないかと思っております。控除率引上げをうたいながらも、各種制限、特に法人税率の二〇%上限のために恩恵受けられないようにするといった、まあちょっと言葉悪いですけど、からくりが仕込んでいるような気がします。財務省の巧妙でこそくなところだと感じてしまうわけなんですね。
まあちょっと厳しいことを申し上げましたけれど、実際にやってみて効果があるならばそれはすばらしいことだと思いますので、先ほども申しましたが、政策評価、こだわっていきたいと思います。今後、この政策の効果、注目していきたいと思います。
次に、高騰する原油価格の価格対策の必要が迫っている中で、先般、ついに動き出しそうなトリガー条項凍結解除について、財務大臣にお聞きしたいと思います。
レギュラーガソリンの店頭価格が百七十円突破し、また、ウクライナ情勢の動向によって更なる価格高騰も考えられます。岸田首相はあらゆる選択肢を排除しないという方針とのことで、政府は、石油元売会社に支給する補助金の上限額引き上げました。
先日、公明党の山口代表が、補助金に加え、ガソリン税などを一時的に引き下げるトリガー条項凍結解除を検討する発言されました。減税を推進する立場から大いに歓迎するところなのですが、私が問題としたいのは、当初の対策が補助金であったということでございます。最初からトリガー条項凍結解除などの減税策であれば、補助金のような配る手間が掛からない分、そちらの方が政策的に優れているのではないかと考えるわけですが、あえて手間の掛かる補助金を政策として選択する理由を教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/260
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261・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 浜田先生御指摘の燃油、燃料油価格の激変緩和事業についてでありますが、これは重油や灯油についても対象となっておりまして、トリガー条項より広範囲に影響を緩和できる、そして原油価格の高騰が現に生じている中で、ガソリン価格などの急激な上昇の抑制のために機動的な対応が可能であるといった、トリガー条項の凍結解除にはないメリットがあると考えております。
また、トリガー条項の凍結解除を行った場合、本来納税義務者ではない個々のガソリンスタンドが発動時は還付事務を、解除時には納税義務を新たに負うことになり、多大な事務負担が発生をいたしまして、トリガー条項が手間の掛からないものではないということも申し上げたいと思います。
こうしたことも踏まえまして、三月四日の関係閣僚会議において、ウクライナ情勢を踏まえた燃油価格高騰対策の一つとして、激変緩和事業を拡充し、元売事業者に対する支給の上限を一リットル当たり二十五円に大幅に引き上げることを決定したものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/261
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262・浜田聡
○浜田聡君 補助金も政策として必要であるとは思いますので、選択肢としてはありだと思います。ただ、配るための手間が掛かるというデメリットについては繰り返し申し上げておきたいと思います。
次に、ガソリン価格高騰に対応するため幾つかの選択肢が存在する中、このトリガー条項凍結解除という選択肢に対して、政府・与党、先ほども御答弁ありましたが、いろいろな理由によって及び腰のような感じがしております。選択肢としてトリガー条項凍結解除を取りたくないということ自体は様々な考えがあるから仕方ないとは思います。ただ、名指しをするのはちょっと避けますが、一部与党の議員からSNS上などで、やらない言い訳として、トリガー条項凍結解除には法改正が必要で時間が掛かるという理由でガソリン減税行わないという旨の表明については、ちょっと気になりました。
そこで、大臣にお聞きします。
法改正が必要だからという理由でガソリン減税行わないというのは、ちょっと立法府の議員として、しかも法改正が可能な与党の議員としては少しふさわしくないんじゃないかと思うんですが、大臣の意見教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/262
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263・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 手続の面から申し上げますと、トリガー条項の凍結解除については法改正が必要であるということは、これは事実であります。そして、こういう発言をされた方の個々の議員の言動については、私からコメントするのはふさわしくないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/263
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264・浜田聡
○浜田聡君 分かりました。
次に、今回話題になっているトリガー条項というものがそもそも存在する原因になっている当分の間税率、いわゆる暫定税率について質問、提案をしていきたいと思います。
トリガー条項は、ガソリン価格がある一定の値段を超えるくらい値上がりした場合、ガソリン税の半分ほどをストップさせる決まりのことを指していると思います。現在、ガソリン税、一リットル当たり約五十円となっているんですが、本来約二十五円で、残りの約二十五円は特別上乗せ分とされております。トリガー条項が出ると、この特別上乗せ分がストップされるということでございます。ただ、現在トリガー条項は御存じのとおり凍結されており、現在その解除に向けてけんけんがくがくやっているところでございます。
この特別上乗せ分ですが、一九七〇年代に道路を造るための財源として設定されて、期間限定ということで当分の間税率と名付けられていると承知しております。期間限定ながらも、長年、現在に至るまで更新が繰り返されております。トリガー条項凍結解除はこの際必ず進めていただきたいとは思いますが、このトリガー条項がそもそも存在する原因となっている当分の間税率、これを廃止するという選択肢、重要ではないかと思います。
そこで、大臣にお聞きします。
ウクライナ情勢などで、今後のガソリン価格高騰について多くの国民の不安を払拭するため、この当分の間税率廃止することについて、御意見いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/264
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265・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 揮発油税等の燃料課税につきましては、先生御指摘のように、昭和四十九年度以来、暫定措置として本則よりも高い税率が設定されてきたところでありますが、平成二十一年の道路特定財源の廃止を踏まえ、民主党政権下において検討が行われた結果、地球温暖化対策の観点や厳しい財政事情を踏まえて、それまでの税率が維持され、当分の間税率とされたと承知をいたしております。
地球温暖化対策の必要性や厳しい財政事情といった状況は、現在、より深刻となっていることに加えまして、仮に燃料課税の当分の間税率を廃止した場合、国、地方で年間約一・六兆円の大幅な減収となることも踏まえますと、廃止することについては慎重であるべきであると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/265
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266・浜田聡
○浜田聡君 分かりました。
そもそもこのトリガー条項というのが何なのかということについて、国民の皆様、知らない方が多いのではないかと思うんですね。この国民の理解が進めば、当分の間税率廃止を求める声が多く出てくるのではないかと思います。政府におかれましては、そういった声に耳を傾けていただきたいと思っております。
次に、日本自動車会議所やJAFによる税制改正要望について大臣にお聞きしたいと思います。
先ほどまで何度も口にしてきた当分の間税率は、ガソリン税への上乗せだけではありません。自動車重量税にも同じように当分の間税率の上乗せがあります。現在、この税率の意義について、私は、いろんな意見ある中、疑問を持っております。また、昨年の委員会で私が取り上げたことですが、ガソリンに掛かっている税金では、ガソリン税のみならず消費税も掛かっており、二重課税となっている不可解な状況です。そのほかにも、自動車の利用者には様々な税負担がのしかかっております。このような負担を解決すべく、日本自動車会議所やJAFによる税制改正要望は毎年出されていると承知をしております。
そこで、大臣にお聞きします。これらの要望に対して、財務大臣から今後の方針を教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/266
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267・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 自動車に関する税制については、当分の間税率の廃止を含め、様々な税制改正要望をいただいているところでございます。
当分の間税率については先ほど申し上げたとおりでございますが、今後の車体課税の在り方については、与党税制改正大綱におきまして、カーボンニュートラル目標の実現への貢献、自動車を取り巻く環境変化の動向、インフラの維持管理の必要性、国、地方を通じた財源の安定的な確保、受益と負担の関係等を踏まえつつ、中長期的な視点に立って検討を行うこととされておりまして、政府といたしましても、これを踏まえて検討を行う必要があると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/267
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268・浜田聡
○浜田聡君 これまで何度も粘り強い要望がされてきた中、なかなか前進しない状況、もどかしく思いますが、私自身、今後も自動車ユーザーの皆様の声を国会で伝えていきたいと思います。
次に、昨日予告しましたように、二〇二一年秋に文芸春秋に論文を掲載した矢野康治財務事務次官について、向けてですね、幾つか質問をしたいと思います。
残念ながら、昨日、本人不在であることが決まりましたが、できれば、本人の意思を可能な範囲で反映した上で、財務省の事務方の考えをお聞きできればと思います。本人不在の中で次官の御意思を伺うわけですので、当然かみ合わない、あと、ぎくしゃくすることもあるかと思いますが、ある程度は致し方なしとして進めていきたいと思います。
まず、文芸春秋への論文掲載というのが、これ時期が問題だと思うんです。衆議院選挙前という形であったと思います。現職の財務事務次官が選挙前に国の予算について意見を述べた論文を発表するというのは選挙に影響を及ぼすこと、容易に想像できると思うんですね。
そこで、お聞きしたいんですけれど、選挙に影響を及ぼす意図があったか否かというのを教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/268
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269・新川浩嗣
○政府参考人(新川浩嗣君) お答えいたします。
御指摘の寄稿につきましては、財政健全化に向けた一般的な政策論として矢野財務事務次官個人の意見を述べたものであると考えております。
その上で、私ども事務方でございますので、国会において自らの個人的な内心の意図を申し上げる立場にはございませんので、この場でのお答えをすることは差し控えさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/269
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270・浜田聡
○浜田聡君 今回、まあ当然ですね、今回の質問について、はい、そうですとお答えすることはないのは百も承知なんですけれど、やはり私としては大きく問題視しておりますし、他の方々も問題視していると思います。この場で再度強調しておきたいと思います。
次に、文芸春秋の論文の内容に少し触れていきたいと思います。
論文内では、ばらまき政策を批判している内容が掲載されております。私自身、補助金や給付金全てを否定するわけではありません。ただ、過度のばらまきには多くの弊害があると思われ、矢野次官のばらまき批判については私も同意するところがございます。
ばらまきの弊害の一つとして、その財源を確保するという理由で増税がなされることにつながり得ることが考えられます。ばらまきが増税の原因になるのか、増税するからばらまきするのか、まあ鶏か卵かという問題に似て、原因はっきり分からないものの、私としては、ばらまきと増税、強く関係があると思われます。私は余計なばらまきを抑えるために増税をやめて、むしろ減税すべきだと考えます。
そこで、お聞きします。ばらまきを抑えるために減税するという考え方について、御意見を教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/270
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271・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
まず、歳出につきましては、この予算編成過程におきまして、その必要性などを十分に精査した上で真に必要な予算を措置していくということが重要と考えております。
他方、少子高齢化等を背景に社会保障関係費が増大するなど、厳しい財政状況の中で減税を行うことについては慎重な検討が必要と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/271
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272・浜田聡
○浜田聡君 分かりました。
次に、以前、矢野次官は主税局長であったときに国会の答弁で、税金の在り方は国民の代表である国会で議論すべきと考えると言われていたように思うんですが、その考えは今も変わらないでしょうか。税金の在り方について考えることがあれば伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/272
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273・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
税制は国民に広く御負担をお願いするものであり、最終的に国民の代表である国会において御審議いただき、法律として決定していただくことが必要であると認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/273
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274・浜田聡
○浜田聡君 では、税に引き続いて予算について考え方をお聞きしたいと思います。
国家予算の在り方は、国民の代表である国会で議論すべきというのが一般的な考えだと思われます。官僚が予算について影響力を及ぼすべきか否かについて考えをお伺いしたいと思います。また、予算の決定方法に関して考えることがあれば伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/274
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275・奥達雄
○政府参考人(奥達雄君) お答え申し上げます。
国の予算は、法令にのっとり毎会計年度内閣が作成をいたしまして国会に提出することとなっておりますが、その過程におきましては、予算編成に携わる各省各庁の職員がその職責の中で予算の要求やその調整などの業務を執り行っているところでございます。
この内閣が作成をし、国会に提出をいたしました予算につきましては、憲法第八十六条の規定に基づき、国会における御審議を受け議決をいただくものでありまして、最終的には国会において御判断されるものと承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/275
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276・浜田聡
○浜田聡君 分かりました。
次に、昨日の繰り返しになって恐縮なのですが、租税の原則、簡素、公平、中立について伺いたいと思います。
租税の原則、簡素、公平、中立、財務省、次官としては、いずれを重視すべきと考えますでしょうか。教えていただきたく思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/276
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277・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
昨日の繰り返しになって恐縮でございますが、公平、中立、簡素といった税制の基本原則の中での重点の置き方につきましては、様々な状況にある人々がそれぞれの負担能力に応じて分かち合うという意味で、公平性の原則が税制の基本原則の中でも最も大切なものと認識しておりますが、中立性や、委員御指摘の簡素性といった視点も欠かすことのできない重要な原則であると認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/277
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278・浜田聡
○浜田聡君 税制の簡素性の重要性、再び触れていただいて、どうもありがとうございます。
次ですね、税制が複雑であることについて伺いたいと思います。
過去の国会でも、税制が複雑であってその弊害について取り上げられることがあったと思います。例えば、立憲民主党の落合衆議院議員は、固定資産税について国会で次のように指摘をしております。固定資産税の課税ミスというのが発覚しただけで三十九万件あると、また、複雑な計算方法にそれは問題があるんではないか、さらに、税を簡潔にするということは、行政改革、税制改革の点で非常に大事であるということで、私も賛同するところでございます。
そこでお聞きします。このように、税制を簡潔にすべきという考え方について、繰り返しになるかもしれませんが、御意見いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/278
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279・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
固定資産税について述べられました点につきましては、所管外の事項でございますのでお答えは差し控えさせていただきます。
一般論として申し上げますと、委員御指摘のとおり、税制を簡素にすべきとの考え方については税制の在り方を考える上で重要な原則の一つであるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/279
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280・浜田聡
○浜田聡君 分かりました。
私は、この国会の場で取り上げる話題については様々なところから情報収集をしておりますが、その中でも重要なものとして民間シンクタンクの意見があります。ここで、その事例を一つ取り上げさせていただきます。
今回取り上げたいのは、日本の防衛産業からの要望でございます。防衛産業によって構成された一般社団法人日本防衛装備工業会が与党・自民党への税制改正要望を提出、毎年しております。詳細はここでは省きますが、話をまとめますと、税制を簡素にしてほしいということでございます。
日本企業の生産性の低さの要因の一つが、複雑な税制と、それに伴う企業の納税事務負担であると言えます。よって、生産性向上を進めるためには、複雑な税制とそれに伴う、それに対応する納税事務の負担を減らすべく簡素な税制にしていくべきだと考えます。
今回紹介した防衛産業は、納税事務に伴う規制緩和、つまり簡素な税制にしてほしいと毎年与党に懇願しているとのことですが、なかなか実現しないために、防衛産業、やる気を失って防衛装備品の造りをやめつつあるという報告があります。複雑な税制が日本の防衛産業を衰退させ、結果として中国などを利することになっていることについては、ここで指摘をさせていただきたいと思います。
次に、先般、国民負担率が四八%という報道があったように、現状の日本の国民負担率は深刻であると私考えます。これまで日本政府により様々な税率が次第に引き上げられ、基本的には増税傾向が続いていたのではないかと言えると思います。行政府としては、当然、税率が高ければ、それだけお金もたくさんあって、仕事がしやすいということは想像され、基本的には増税を希望する傾向があると考えられると思います。
ここで、政府として税率を引き上げる秘訣として私の仮説があり、提示させていただきます。それは、野党が選挙公約で掲げたり国会で取り上げている増税案については政府・与党として積極的に取り上げる方針になっているんではないかということでございます。
例えば、現在、ほぼ全ての野党が消費税減税要望しておりますが、逆に、消費税増税を要望している野党というのはありません。全ての野党が反対している増税案というのは、政府・与党としては、たとえ希望しても実現難しくて、すぐには取りかからないと想像しております。
一方、各野党においては、様々な増税案提案されております。ここに関して、批判をする意図ではありませんが、例えば最近ですと、金融資産の所得や、金融所得であったり資産の課税、増税、あるいはコロナ復興増税、あとは内部留保税など掲げている政党があります。
政府・与党は、この中から実現できそうな増税案のみ採用して、増税案を提示している野党が同時に提案している減税案は採用せず、結局、増税案のみつまみ食いして、結局トータルで増税となる結果に至っているのではないかと思います。
そこで、お答えづらいことを承知で伺います。政府・与党にとって、増税を繰り返し国民負担率を上げ続ける方法として、野党が掲げている増税案を前向きに取り入れようと考えているのか否か、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/280
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281・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
税制は、公共サービスの資金を調達する財源調達機能といった基本的な役割を担っておりますので、経済社会の構造変化を踏まえながら、負担の在り方を広く御議論いただくことは重要と考えております。
他方、この今後の税制の在り方につきましては、この財源調達機能の点のみならず、人口減少、少子高齢化、働き方の多様化など様々な社会の構造変化を踏まえて、広く国民的に御議論をいただくことが重要と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/281
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282・浜田聡
○浜田聡君 分かりました。
大変恐縮ながら、各野党におかれましては、現実的に国民負担率が上がり続けていることを御留意いただきたいと思います。
次に、矢野次官の論文で批判されている、いわゆるばらまき政策の話に移ります。
矢野次官は、あっ、矢野次官がお持ちの、ばらまき政策、ばらまきに批判的であることについては私も同意するところでございます。ここで、ばらまきの何が悪いのかについて、矢野次官の考えをお伺いしたいと思います。御答弁お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/282
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283・奥達雄
○政府参考人(奥達雄君) お答え申し上げます。
何をもってばらまきと考えるかという点につきましては、立場や状況によりまして見解が異なると考えられますので、一概に申し上げることは難しいと考えますけれども、一般論として申し上げますと、例えば予算編成に当たりましては、経済財政状況などを踏まえつつ、一つ一つの政策について、行政として実施する必要性があるのか、費用に対して最大の効果を発揮できるのか、受益と負担の在り方が公平かなどの観点から十分に精査をし、真に必要な措置とすることが重要であると考えております。
仮にこういった点を十分に満たさない予算措置を行った場合には、納税者である国民からの予算に対する幅広い理解や支持を得ることが非常に難しくなるといったことが考えられます。そうした事態は厳に避けなければならず、政府としては、予算編成に当たりまして、財政支出の内容を十分に精査しなくてはならないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/283
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284・浜田聡
○浜田聡君 時間が来ましたのでまとめていきたいと思いますけれど、私としては、繰り返しになりますけど、補助金配るというのは一つの政策だと思いますが、やっぱり、取って配ることが非効率。最初から取ることやめて減税した方が効率的だと考えております。
昨日、与党幹部の方が岸田首相に、年金受給者へ五千円給付を要望した旨の報道がありました。この給付政策の是非はさておき、これについて矢野次官がどう考えられるのかというのは少し気になるところでございます。
ところで、私は、国会に来させていただいて二年以上が経過しました。最近、補助金、給付金、そして減税、それのための財源について気付いたことがあります。それは、補助金や給付金をばらまく際には財源がなぜか存在して、減税を議論するときには財源がなぜかなくなるということでございます。
まだまだ分からないことはありますが、私は私として地道に、減税を求める方々の意見をこの国会で伝えていこうと思います。
私の質問終わります。御清聴ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/284
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285・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後五時五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00420220316/285
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