1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年三月十七日(木曜日)
午後一時開会
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委員の異動
三月十七日
辞任 補欠選任
北村 経夫君 中西 哲君
竹内 功君 進藤金日子君
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出席者は左のとおり。
委員長 豊田 俊郎君
理 事
西田 昌司君
藤末 健三君
森屋 宏君
牧山ひろえ君
山本 博司君
委 員
大家 敏志君
櫻井 充君
自見はなこ君
進藤金日子君
中西 哲君
宮沢 洋一君
宮島 喜文君
勝部 賢志君
熊谷 裕人君
古賀 之士君
難波 奨二君
杉 久武君
大塚 耕平君
浅田 均君
小池 晃君
大門実紀史君
浜田 聡君
渡辺 喜美君
国務大臣
財務大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(金融)
) 鈴木 俊一君
副大臣
内閣府副大臣 黄川田仁志君
財務副大臣 大家 敏志君
事務局側
常任委員会専門
員 小松 康志君
政府参考人
金融庁総合政策
局長 松尾 元信君
金融庁監督局長 栗田 照久君
総務省大臣官房
審議官 藤野 克君
財務省主税局長 住澤 整君
国税庁次長 重藤 哲郎君
説明員
会計検査院事務
総局第五局長 宮川 尚博君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/0
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001・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、北村経夫君及び竹内功君が委員を辞任され、その補欠として中西哲君及び進藤金日子君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/1
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002・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省主税局長住澤整君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/2
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003・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/3
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004・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 所得税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/4
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005・古賀之士
○古賀之士君 立憲民主・社民の古賀之士でございます。
鈴木大臣始め、関係各位の皆様方、昨日に続いての質疑ということになります。どうぞよろしくお願いをいたします。
まず、今日は納税額の開示に関してお尋ねをいたします。お配りをしております資料の一、御覧ください。
これは、今年の一月二十一日の日経新聞の朝刊でございます。見出しには、「納税額 二十社超が国別開示」、書かれております。法人税をどの国で幾ら納めているかなどを公表する企業が相次いでいると。ヨーロッパ、欧州企業が先行し、花王やセブン&アイ・ホールディングスなど、二十社以上の日本企業にも広がっているということです。
傍線のところで、この報道の後半部分でございますが、日本では現在、企業が法人税の法人額などを公表する義務はない。かつては国税当局が企業の申告所得額を公示する、いわゆる企業版長者番付の制度がありましたが、二〇〇六年に廃止されたと。海外では法制化の動きが出ている。欧州連合、EUは二一年、つまり去年、大企業などにEU各国などで納税額といったデータの公表を義務付けるルール導入を決めました。多くの日本企業も対象となる見込みだと書かれております。
実際に小見出しでも、オーストラリアやヨーロッパでは法制化と書いておりますし、開示済みという中で、見出しの花王の場合が四百十六億円、鹿島が三百六十四億円、住友金属鉱山二百三十五億円、セブン&アイ・ホールディングス七百九十五億円など、こういった企業は既に開示済みでございます。
そこで質問です。こうした世界的な流れ、自主的な開示を行っている企業は日本でもございますけれども、財務大臣に伺います。こうした納税額の開示の動きについて、どのような御所見をお持ちでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/5
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006・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 納税額開示の動きについての見解ということでございますが、EUにおいて、古賀先生御指摘のように、EU域内で活動する多国籍企業に対して、EU加盟国別の売上高、納税額等の企業情報の公表の義務付けに関するEU指令が採択されたこと、また、一部の日本企業におきまして自主的に法人税額を開示する動きがあること、このことについては承知をいたしているところでございます。
このEU指令につきましては、多国籍企業の納税情報を市民の目に触れさせることにより、企業活動の透明性と社会的責任の更なる向上や、実践を通じて企業による社会貢献を促すなどの観点から導入されたものと理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/6
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007・古賀之士
○古賀之士君 この件に関しまして、次の資料の二を御覧ください。
実は、平成の二十九年三月二十三日のこの参議院の財政金融委員会において、この点について既に質問をしております。傍線のところの手前側に、政府答弁の中で、どの国に幾ら納税したということについては我が国においても公表財務諸表だけでは把握ができないところがございますという、こういう事実をしっかりと受け止めていらっしゃるわけですね。そして、傍線をこちらで引かせていただいた部分ですが、BEPSプロジェクトで合意された取組を各国が足並みをそろえて進めていくと、その上で必要に応じて税の透明性を高める方策を各国協調して議論していくべきと、このような答弁をいただいております。
先ほどの日経新聞の今年の一月のこういった報道、状況も踏まえて、この法令での義務付け、これまで含めてどのように現状は財務大臣は認識していらっしゃいまして、財務省の今の状況をお示しいただければと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/7
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008・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) EUや国内の一部の企業の動きにつきましては、多国籍企業の活動実態の透明性の確保や社会的責任の向上等の観点から取組がなされていると考えております。
政府といたしましては、OECDのベッププロジェクトの国別報告書制度は課税当局が守秘義務を守るという前提で実施されていること、個別企業の納税情報を公表することは企業イメージへの影響など競争上の不利益を生じさせるおそれがあることなどを踏まえる必要があることから、まずはBEPSプロジェクトに基づく企業情報の収集を引き続き進めつつ、国際的な動向や国内企業の取組状況を注視してまいりたいと思っております。また、必要に応じて税の透明性を高める方策を各国が協調して議論をしていくべきだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/8
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009・古賀之士
○古賀之士君 今の御答弁を繰り返しで更問いとさせていただきますけれども、つまり、なかなか足並みがそろわないと進めにくいということにもなるかと思います。
実際に、かつて私どもは、その資本金百億円以上の企業に対してはそういった法人税の公表を義務付けるべきとの法案を提出させていただいた経緯もございます。これが、答弁によりますと、それは国と国とがそろわないと、日本の企業だけがそういった開示をしても、大臣が答弁されたとおり、なかなかアンバランスになりやすいという御指摘でございました。
だからこそ、そういったそのかつての私どもの法案も参考に是非していただいて、各国が協調してその納税額の透明性を高めていく、これはもう世界中で、これは今一体どれぐらいのワールド企業がどれぐらいの税をどこの国に納めているんだというのは大変注目をされている事態でございますので、是非、鈴木財務大臣、ここは強力なリーダーシップを発揮していただきたいと存じますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/9
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010・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) EUの取組、これは開示をするということになっておりますし、BEPSプロジェクトにおきましては、これは守秘義務を掛けて、情報は集めるけれども公開をしないと、こういうことであると、こう思っております。
企業にとっても、恐らくいろいろな立場、考え方があるんだと思いますけれども、やはり、この個別の納税情報を公表すること、これが企業イメージへの影響など、例えばあの会社は思ったより余り納税していないとかですね、そういうような競争上の不利益を生じさせるおそれがあるという、そういう意見もあるんだと思います。
したがいまして、そういう意見も踏まえながら、また各国の動向を見ながら考えていくということなんだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/10
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011・古賀之士
○古賀之士君 ありがとうございました。
私も決してその企業の健全な成長を阻む目的での意見ではないということは十分御理解いただいていると思いますし、そういったその企業の社会的な活動を広く知らしめていくことで積極的に開示をしていく日本の企業もあるわけでございますから、そういった模範的な企業に対してのメリットを何か設けるとか、あるいは、これから先、開示を進めていく上での協調姿勢をもう一度改めて皆さんたちと協議をしていくと、世界も含めて。そういった部分で、是非検討課題の中に占めていただければ大変有り難いと思っております。引き続き、また大臣とは良い意見交換をさせていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
では、続きましては、退職所得税制及び企業年金積立金への特別法人税についてお尋ねをいたします。
これは、いわゆる給与所得者で長年働いている皆さん方にとっては、いわゆるサラリーマンの皆様方、その御家庭、関係者にとっては大変興味深い貴重な情報だと思いますが、資料の三を御覧ください。
二年前のこの参議院の財政金融委員会で、退職所得税制についてこういう質問をしました。勤続二十年を境目として四十万円から七十万円と控除額が大きく変わるのは現在の雇用形態に合っていない、一律六十万円にすべきではないかというお尋ねでした。すると、このときのお答えが、働き方やライフワークの多様化に対応した制度となるように丁寧な検討をしていく必要があるとの答弁をいただきました。その後、どのような検討を行ったのかというのがお尋ねの一つ。
そして、資料の四のように、勤続年数がどんどんどんどんこれ増えていくということになりますと、それによってやはり皆さんたちの当然ながら年齢も高くなっていく。大変その退職所得というものは皆さんたちにとって大きな比重を占める方も中にはいらっしゃるわけです。その重要性が高まっているという認識をお持ちなのかどうか。この辺を財務省の参考人にお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/11
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012・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
御指摘のとおり、退職金課税につきましては、勤続期間が二十年を超えますと一年当たりの控除額が四十万円から七十万円に増加する仕組みとなっておりまして、これに対して、転職などの増加という経済社会の変化に対応していないといった課題があるとの指摘もなされております。
御指摘のその質疑の後の状況でございますが、令和二年十月に政府税制調査会におきましても老後に係る税制の在り方について議論を行っておりますが、そうした中で、この勤続二十年を超えると控除が増加する仕組みは多様な働き方に対して中立的ではないといった御意見のほかに、この退職金課税の見直しについては老後の生活設計にも関わるので、実態を丁寧に把握しながら、一定の経過期間を置きながら見直しを行っていくのが基本になるのではないかといった御意見があったところでございます。
さらに、与党の令和三年度税制改正大綱におきましても、雇用の流動性や経済成長との整合性なども踏まえ、税制が老後の生活や資産形成を左右しない仕組みとするべく、諸外国の例も参考に給与、退職一時金、年金給付の間の税負担のバランスを踏まえた姿とする必要がある等の指摘がなされております。御指摘のありましたこの退職金の生涯設計における重要性ということも、こういった中で指摘を受けているところでございます。
退職金課税の在り方につきましては、これらの指摘も踏まえながら、働き方によって有利不利が生じない公平な税制を構築する観点から、今後も引き続き丁寧に議論していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/12
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013・古賀之士
○古賀之士君 前回そのお尋ねをしたときに、このような私も意見を述べさせていただきました。二十年というそもそもこの節目というのは、厚生年金がかつては働き始めて二十年になって受給資格を得られると、この辺と連動しているのではないかと推測されると。そういうところからすると、年金の受給資格も、今は二十年という節目にかかわらず得られるようにはなっております。いわゆる、それだけ、おっしゃるように多様化が進んでいるわけでございます。したがって、こういった非常に転職をされる方が多い時代でもございますし、そもそもシステムが遅れているということにもつながると思います。是非、ここはスピード感を持っていただいて、しっかりとその控除額の検討をやっていただきたいということを再度強く要望をしておきます。
さて、いみじくも先ほど税金のお話が、課税の話が出ておりましたけれども、いわゆる企業の年金積立金、これの中で、特別法人税というのが、これは停止が、課税の停止が続いておりますが、これはなぜ廃止をしたのか、失礼、停止をしているのか、改めて伺います。そして、なぜ廃止をしないのか。もし課税された場合ですね、復活してもし課税された場合どの程度の額が見込めるのか、そういった金額等も併せてお知らせください、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/13
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014・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
この特別法人税でございますが、事業主が従業員の企業年金のこの掛金を負担いたします際には、本来は、その従業員に対して経済的利益を供与するということになりますので、何らかの所得税の負担を求めるべきところではございますが、この従業員に課されるべき所得税が年金受給時まで繰り延べられるということに伴いまして、その遅延利息相当分の負担を求めるという趣旨で課税するということになっているものでございます。
ただ、この制度につきましては、現在までのこの低金利の状況、あるいは企業年金の財政状況等を踏まえて、臨時的な措置として平成十一年から令和五年三月三十一日まで課税を停止しているところでございます。
なぜ廃止でないのかということでございますが、先ほど申し上げたような課税の趣旨でございますので、遅延利息相当分の負担を求めるということは本来制度としてはあるべき姿だということで、直ちに廃止するということにはなっていないということでございます。
それから、お尋ねの金額でございますが、本税制の対象となる主な企業年金制度の積立金額は、平成三十一年の三月末時点で合計約九十二兆円というふうに承知しております。このうち、課税対象となる積立金額に国税分の税率一・〇四四%を機械的に乗じますと、約八千億円というふうになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/14
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015・古賀之士
○古賀之士君 非常に高額になるわけでございますが、一方で、誰しもがやはり今のような低金利の時代にまさかなろうとはという思いもあったかと思うんですね。ですから、国税の今おっしゃった一・〇四%という数字を徴収をしていく以上にかつては利子の補給もあったというような、年金の積立てによって、どこかに金融機関に預けていれば増えていた。ところが、今はもう、逆ざやと言っていいのかどうか分かりませんが、その預けていたお金をどこかの金融機関に仮に定期で預けていたとしても、残念ながら税金の方が上回ってしまって取り崩していくような格好になってしまうと、だから止めざるを得ないんじゃないかというような御趣旨も含まれているかと思うわけですね。
ですけれども、逆に言うと、これまたこう金利が、それこそアメリカのFRBじゃないですけれども、また小刻みに上がっていく、日本もまたそれに対してどうするかとなると、この話は必ずまた議論の対象になってくると思うんですね。それを、先ほどのいわゆるお話も織り交ぜながら、ミックスして、しっかりと次の将来に向けた、時代遅れにならないような、あるいはどんな金利になっても適応できるようなシステムを是非宿題として考えていきたいなと私も思っておりますし、是非もう、財務省さんも是非その辺を引き続き御検討、前向きに考えていただきたいというふうに思っておりますので、お願いとして申し上げておきます。
さて、続いては、ロシア関連に関して時間いっぱい質問させていただきます。
まず、金融庁の参考人に伺います。
日本の金融機関のロシア向け与信はどの程度あるんでしょうか。ロシア向け与信の状況の開示義務はあるんでしょうか。今回の制裁で健全性にどのような影響が出ると見込んでいらっしゃるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/15
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016・松尾元信
○政府参考人(松尾元信君) お答えいたします。
国際決済銀行の統計によりますと、日本の金融機関によるロシア向け与信残高は、二〇二一年九月末時点で約一兆円、約九十二億ドルということでございますが、海外向け与信全体で見れば〇・二%程度でございまして、また、個別の金融機関を見てもその与信割合は僅少にとどまっております。
開示義務についてでございますが、日本の銀行において、このロシアを含む国別の債権残高について一律の開示義務というのはございません。ただし、各行がこの一定のカントリーリスクを有する先であるというふうに判断して引き当ての対象とした債権につきましては、この一定の残高割合を有する国についてその債権の残高の開示が求められることになります。
このため、今後のロシア情勢次第では、ロシア向けの債権についても、この各行のカントリーリスクの判断によっては、その事業年度の説明資料として開示がなされる場合がございます。
その上で、日本の金融機関は充実した資本基盤を備えており、現時点でロシア向けの与信が金融機関の健全性に与える影響は限定的と考えております。
いずれにいたしましても、今後のロシア、ウクライナ情勢がどのように推移していくのか、確定的に申し上げることは困難でございますが、金融庁としては、現下の情勢が内外の経済状況や商品市場、金融市場等に及ぼす様々な影響を注視し、予断を持つことなく、日本の金融システムに与える影響をしっかりとモニタリングしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/16
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017・古賀之士
○古賀之士君 開示義務は原則ないということですが、ただ、一般のいわゆる投資している方、あるいは投資をしているという意識のない方も含めてですけれども、投資信託の中には、あれ、これロシア入っていないよねというような中の商品名の中にも、ロシアの債券やロシアのルーブル建てのものが、紛れ込んでいるというとちょっと言葉は悪いですが、そういう商品も数多くあります。
資料の五を御覧ください。
これは、投資信託の中にロシア・ルーブル、株式、債券が含まれているというものを、実際にこれはある民間の証券会社からのもう発表されている公的な資料でございます。例えば、新興国債券インデックスという商品名や、インカム戦略ファンドなどのように、名前からロシア関連が含まれているということには気付きにくいものがあります。
それから、一枚おめくりいただいて、資料六の一。野村インデックスファンド・新興国株式のように、つみたてNISAの対象のもの。それから、六の二の資料を御覧いただければ、野村新興国債券インデックスファンドのように、こちらは確定拠出年金対象のものまでございます。
日本の金融機関が発行する投資信託、ETF、そしてこのロシアの株式ですね、こういったものも債券の中に含まれているものはこれ何種類かありまして、総額で、もし金融庁の方で幾らくらいあるのか、それから、つみたてNISA届出商品にはどの程度含まれているのか、把握されていらっしゃれば教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/17
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018・栗田照久
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
投資信託でロシア関連の株式や債券等を投資対象としている商品は、これは大手資産運用会社等四十社からの報告ベースでございますけれども、公募、私募合わせて、ファンド数で千本、その全体の運用資産残高が十四・六兆円でございまして、そのうちロシア関連資産の残高が、三月十日の時価で見ますと四百四十億円ということになってございます。
それから、このうち、つみたてNISAの対象となっている商品について申し上げますと、これファンド数で七十七本ございまして、その全体の運用資産残高が二兆円で、そのうちロシア関連資産の残高は十五億円ということになってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/18
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019・古賀之士
○古賀之士君 この金額が少なくとも、多いか少ないかはまあ御判断それぞれあるかと思いますが、少なくとも一千本の投資信託、金融商品の中にロシア関連含まれているということが四十社の主要の証券会社の中でも分かったということです。
それと、資料七のように、これは楽天証券さんが出している資料ですが、投資信託、ETFがこれもう解約受付停止された場合においてと、もう解約が停止になっているファンドがあるんですね、このロシア情勢によって。既にもう持っていらっしゃる方の中には、あっ、解約がしようにももう解約ができないというファンドもこのように公表されております。これはもう逆に親切な行為だと思っております。
こういったことも含めて、投資家保護を金融庁はどのように考えていらっしゃるのか、その辺をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/19
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020・栗田照久
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
ロシア関連の株式や債券等を投資対象とする投資信託で募集、解約の受付を停止しております商品は、各社からの報告ベースでございますが、三月十五日時点において二十三本ございます。
この投資信託やロシア株式等への投資につきましては、あくまで自己責任が原則となるというふうに考えておりまして、投資家の方々は価格が下落する等のリスクを理解して投資をしていただく必要があるということだと思っております。
その一方で、証券会社等におきましても、こうした金融商品の販売に当たっては、法令上、お客様へのリスクの説明義務が求められているということだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/20
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021・古賀之士
○古賀之士君 よく聞く自己責任ということですね。それから、リスクをきちんと理解をするということです。まあそうはいえども、実は、資料の八を御覧いただきましょう。
これは、実は昨日、ルーブルの債券債の募集チラシで、昨日満期を迎えました。これ四年債です。これは、政府系のいわゆる世界銀行グループの国際金融公社が出した、当時のロシア・ルーブル債の債券です。リスク等も書いてあります。
ただ、これが本当に十分なのか。外貨発行国の経営、国情、財務諸表の変化ってもう小さい文字で書いてあるわけですね。しかも、いっぱい文字がある中でこれをしっかり理解をしていくのかという部分。それからあと、逆に言うと、これ本当に昨日適切な処理がなされたかどうかという問題も、実は大きなやっぱり買っている方にとっては問題があると思います。
それも含めた上で、リスク管理のやはりこの公示の徹底と、それから、これが果たしてきちんと満期を迎えて償還されているのかどうか確認をされていらっしゃるのか。あるいは、今後こういったことが事例として更に出てくる可能性がありますので、まとめて時間がないので質問しますが、こういったことも含めて、どのような金融庁は対策を取っておかれるつもりなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/21
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022・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 時間が参っておりますので、答弁は簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/22
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023・栗田照久
○政府参考人(栗田照久君) はい。
証券会社が金融商品取引契約を締結するときには、あらかじめお客様に対してリスク等を記載した書面を交付してその内容を説明することが義務付けられているということでございますので、金融庁といたしましては、このロシア株式、債券などが組み込まれている投資信託の販売などにおいて、お客様に対してリスク等の説明が十分に本当になされていたのかどうかということについてはモニタリングをしてまいりたいというふうに考えております。
それから、償還につきましては、これは一般論として申し上げますと、この償還あるいは利払いにつきましては、契約に従いまして発行体において検討するということになっておりますので、個別の商品について我々がそれぞれについて今どういう償還になるのか、あるいはされないのかということまで必ずしも正確には把握していないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/23
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024・古賀之士
○古賀之士君 時間がないので終わりますが、済みません、一つ訂正がございます。
最後にお目通しいただいた資料八、これは、満期は、済みません、昨年の三月十六日ですので、間違いなく満期は迎えて償還されていると思います。大変失礼いたしました。
終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/24
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025・大塚耕平
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。
昨日深夜、地震がありまして、被害が出ていると聞いております。被災地の皆さんにお見舞いを申し上げたいと思います。
この地震対策も必要になってくるでしょうし、それから、ウクライナ情勢に伴う物価高等々、もろもろ予算編成時には想定しなかった事態が起きておりますので、早晩経済対策が必要になると思いますので、そういう観点で是非御検討をいただきたいというふうに思います。
昨日は、景気対策を行うにしてもこれは財源が必要ですから、税収、合理的に課税できるところには課税した方がいいという意味で、電子商取引、これには課税するのも一案ではないかと申し上げました。私どもも税制改革法案、既に出しておりまして、新たに課税すべきものもあれば、やっぱり税制を見直していくべきものもあるということで、私たちの法案は印紙税廃止を打ち出しております。
そこで、まず参考人にお伺いしますが、印紙税収の実額とその傾向を教えていただきたいのと、あわせて、その印紙税収の得られる手続とか取引とか、大体類型化するとどんなものがあるのか、併せて御答弁ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/25
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026・住澤整
○政府参考人(住澤整君) まず、私の方から印紙税収の現在の実績と傾向についてお答え申し上げます。
令和四年度予算におきまして、印紙税収については約二千八百億円と見込んでおりまして、長期的に見ますと緩やかな減少傾向にございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/26
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027・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) 続きまして、印紙税が課される文書等についてお答えいたします。
まず、印紙税は取引等において作成される一定の文書を課税対象としております。具体的にはどういった文書がその印紙税の対象になるかということですが、例えば、不動産の譲渡に関する契約書、あるいは消費貸借に関する契約書、請負に関する契約書、あるいは約束手形、あるいは会社の設立の際に作ります定款、あるいは売上代金に係ります金銭又は有価証券の受取書、いわゆるこれは領収書ですが、こういった文書が課税対象となるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/27
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028・大塚耕平
○大塚耕平君 今お伺いしていてふと疑問に思ったんですが、もし御存じであれば教えてほしいんですが、印紙税に類する同じようなものは海外でもあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/28
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029・住澤整
○政府参考人(住澤整君) 全てを網羅的に承知しているわけではございませんが、かつ課税物件も国によってまちまちではございますが、イギリスですとか、かつてのオランダですとか、こういったところに印紙税というもの、印紙税に類した税金はあるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/29
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030・大塚耕平
○大塚耕平君 ありがとうございます。
先ほど主税局長から税収二千八百億円というお答えがあったんですが、ピーク時には一兆円弱ぐらいあったんですけれども、だんだんだんだん減ってきていると。一兆円弱ですと、いきなりこれ廃止しても、その税収欠陥どうするんだという問題もありますが、まあ二千八百億が小さいとは言いませんけれども、工夫すればいろいろ対応できる水準まで来ていると私は思います。
仮にこれ印紙税を廃止して印紙貼らなくていいということになると、今お答えいただいた例えば不動産譲渡に関する契約書とか消費貸借に関する契約書とか、もろもろそれどういうふうに今後やっていくんだという新たな工夫が生まれてくると思います。もちろんデジタル化の対象になるかもしれないし、そうすると、その過程で、そういう新たな手続をする工夫の過程で新たなビジネスが生まれてくるんですね。
大臣、もし御存じであればお伺いしたいんですけど、御存じでなければ結構なんですけれども、QRコードってありますよね。あれ、QRコードというのは元々どこが開発したものかというのは、もし御存じであれば。御存じないですか、はい。
御存じの方も多いと思うんですが、これはトヨタのティア1であるデンソーが開発したんです。デンソーは、私の知る限りでは、このQRコードを最初、在庫管理、生産管理の過程で、QRコードを読めばどこに何があるか分かるし、非常に使いやすいということで、ところが、これを世界のデファクトスタンダードにしたいということで特許を取らなかったんですよ、どうぞ自由に使ってくださいということで。
しかし、このQRコードに、あっ、これは便利だといって目を付けて決済ビジネスに利用するようになったのが、中国のアリペイとか決済ビジネス業者なんですよ。だから、もう数年前から中国に行くと、QRコードで様々なものを決済して、キャッシュレスが日本よりはるかに、特に北京では進んでいたんですけれども、中国の人に、いや、このQRコードは日本の企業が開発したんだぞということを言うと、それはうそだと、これは中国のものだって、こういうことになっちゃうんですね。
なぜQRコードの話をしたかというと、新しいビジネスを生み出さなきゃいけないというときに、制度や政策を何にも変えなければ新しいものが生まれてくるきっかけとかチャンスというのはやっぱり相対的に減るんです。この印紙税という我が国独特のこの税制と仕組みは、もうそろそろ私はやめてもいいし、そのことによっていろんな工夫がなされるんじゃないかと思うんです。
冒頭、景気対策、経済対策のことを申し上げましたけど、これから、コロナでいろいろ大変だった皆さんのことを考えると、交際費の損金算入額の引上げとか、こういうことはおのずと話題になってくると思います、まあ財務省的には反対でしょうけれども。しかし、これ非常にシンプルで分かりやすい景気対策になりますが、そのタイミングに合わせて印紙税廃止するなんてこともやっていただくと、まあ一件一件は小さな金額ですけれども、しかし、飲食店や様々な皆さんもそうかと、領収書出すのに一々印紙貼らなくていいんだとか、小さなことですけれども、こういうことをきっかけにいろんなことが変わっていきますので。
コロナがあっていろんな常識が変わっちゃった、ウクライナ危機が起きていろんなことを今皆さんお考えですけれども、そのときに、経済対策だといって、旧態依然たる流れの中で税制も今までと大して変わりがないということでは、何かやっぱり新しいモメンタムというのは僕は生まれてこないと思うんですね。
ということで、るる申し上げましたが、財務大臣として、印紙税を廃止するという考えについてどうかということをお伺いしたいのと、もし廃止できないという、そういうお考えであれば、税収が減る、二千八百億円がなくなるということ以外に印紙税を廃止できない理由について、どのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/30
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031・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 大塚先生のお話をずっと伺っておりまして感じましたことは、やはり時代がどんどん変わっているわけですが、やはり以前の商慣行といいますか商取引といいますか、そういうときに根差した、そのときにできた、税制にしても、ほかにも制度がいろいろあると思うんですが、それが今日まで続いていると、こういうことなんだなということを感じたところです。
先ほど政府参考人からお話ございましたとおり、印紙税は何に課税するかといえば、不動産譲渡に関する契約書でありますとか、様々な契約書、紙でありますけれども、それがだんだんデジタル化をされていって電子決済をされていくということになると、そもそも課税対象がどんどん少なくなってきていると、こういうことなんだと、そういうふうに思いまして、やはり税体系も含めて時代の変化に即して考えている、考えていくということは大切だと、こういうふうに思ったところであります。
その上でございますけれども、やはり租税というのは公共サービスを提供するための資金を調達をするという基本的な考えがあるわけでございまして、その上で、印紙税は、各種の経済取引に伴い作成される広範な文書に対して、その背後にある経済的利益に負担能力、すなわち担税力を見出し軽度の負担を求めるものであって、日本の税体系において、所得税、法人税、消費税といった基幹税目を補完する重要な役割も担っているんだと、こういうふうに思います。
これを廃止できない理由はどこにあるのかということを言えば、やはり二千八百億円といえども、冒頭申し述べましたこうしたこの公共サービスを提供するための資金を調達するという租税の観点からいいますと、まだその役割は果たしているのではないかと、こういうふうに思っているところでございます。
ただ、やはり今時代が大きく変わろうとする状況の中にありますので、時代のこの進み具合、変化に応じて、こうした税体系も含め、常に先を見ながら考えていく必要があるのではないかと、そんな思いもしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/31
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032・大塚耕平
○大塚耕平君 昨日も申し上げましたが、税制はもう国の骨格だというふうに私も思っておりますので、産業や技術や社会が日本はガラパゴス化していると言われて久しいですけれども、体がガラパゴス化しているということは、恐らく骨格がガラパゴス化のままであればそうならざるを得ませんので、是非税制の時代に合った見直しをお願いして、質問を終わります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/32
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033・浅田均
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。
今また大塚委員の、印紙税を例に取って、古い制度では新しいビジネスは生まれてこないよというお話がありまして、まるで私が質問することの前段を言っていただいていたような気がいたしまして、ありがとうございます。
僕はトークンエコノミーというところにかなり期待しておりまして、そこに新しいビジネスがいろいろ生まれてくるんではないかと思っておりますところ、トークンエコノミーに関していろいろこれまで質問をさせていただきました。
質問に先立って、実は、当委員会で私が発言したことに関しまして、某会社から苦情というかメールが来ました。別に僕はアマゾンという会社だけを攻撃しているわけではないんですが、法人税を、あれだけ稼いでいるのにアマゾンという会社は日本で法人税をほとんど払っていないという指摘があって、今副大臣が答弁いただいたような御努力があって法人税を支払い始めたと聞いておりますけれどもという発言に対してです。だから、どこからメールが来たかというと、もうアマゾンというところ、アマゾンジャパン合同会社というところから、苦情といいますか、ありていに言うと文句ですね、が来ました。
もし私がこの当委員会の中で誤った発言をしているならば、訂正する必要もありますし、この当事者の方におわびする必要もありますので、これは調べる必要があるなと思っておりましたところ、先ほど古賀委員と鈴木大臣の間で、グローバル企業がそれぞれの国でどれだけ納税しているかということに関して、EUのダイレクティブでEUではそういうのを求めているけれども、我が国においては、競争上の不利益を生じさせるおそれがある等、大臣の御発言ですけれども、そういう理由によって開示はしていないというやり取りがありましたので、仮に、この特定の会社が我が国においてどれだけ納税しているかということに関してお尋ねしたら答えていただけるんですか。あるいは、もうそれはもう全く駄目なんでしょうか。全然通告しておりませんので、どなたでも結構なんですが、お答えいただければ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/33
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034・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
昨日も、この関連の御質問をいただきました際に申し上げたと思いますけれども、個別の企業の納税額など課税関係に関しますことに関しては国税庁の所管でございますが、国税庁においては守秘義務が課せられておりますのでお答えすることは差し控えさせていただいているというふうに承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/34
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035・浅田均
○浅田均君 私も守秘義務は守りますから、ちょっと教えてくださいと言ったときは教えていただけるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/35
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036・住澤整
○政府参考人(住澤整君) ただいまお答え申し上げたとおりでございまして、国税庁の所管でございますけれども、国税庁においては国税庁の外の方々に対しましてその秘密を漏らすということは法律上禁止されておりますのでお答えは差し控えさせていただいているというふうに承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/36
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037・浅田均
○浅田均君 ということであるならば、こちらの御主張が全く正しいかというのは私は確認のしようがないわけでありまして、向こうの主張を受け入れざるを得ないということになってしまうんですけれども、こういう場合は、私を救済していただくためには、皆さん方、何か方法はないもんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/37
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038・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
私の所管を超えておりますけれども、浅田委員と特定の企業の間での、何と申しますか、意見の食い違い等々につきまして、政府として何かできるということはなかなかないのではないかなというふうに推察いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/38
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039・浅田均
○浅田均君 何か見捨てられたと、全くもう救われないという気がしているんですが。
もうあえて申し上げるならば、確認が、確認のしようがないということは、私が間違っているということも証明できないわけであって、向こうが一方的に正しいということも、これもまた、向こうは正しいとおっしゃっているし、こっちは正しいと。
これ、僕、BEPS条約のときも外防委員会で確かに質問はさせていただいている、同様の趣旨の発言したと思うんですけれども、そのときはこの会社から全然何にも文句も苦情もなくて、今回何でこういうのが来たのかなというのはむしろ不思議に思っているんですけれども。前何も言わへんかったから認めてんねやんかと言おうかなと思っているんですけど、今回はこういうのが来ていますんで、ちょっと対応に苦慮しているというか、皆さん方のお立場を非常によく今理解できているなというような状況なんですけれども、どうしたらいいんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/39
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040・住澤整
○政府参考人(住澤整君) 大変申し訳ございませんけれども、先ほど申し上げたとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/40
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041・浅田均
○浅田均君 二回答えていただいているんで、私はそこまでばかではないんで、おっしゃっていることは重々よく分かるんですけれども、何かこれ救済機関というか、ないもんでしょうかね。(発言する者あり)
済みません。御答弁ないんですけれども、櫻井先生の方から何か場外発言があって、助けていただけるような御発言と聞き受けましたので、後ほど櫻井先生に御相談させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、まあアマゾンに関してはそういう苦情があって、もし私の発言が不適切あるいは間違っているものであるならば、皆さん方にそういう誤った情報を伝えたということになりますんで、そのときはまた改めて謝罪、訂正等をさせていただきますし、もし私の主張がそのとおりであるならば、またそれはそれで私の主張をまた皆様方に聞いていただきたいと思います。
それでは、本題に入る前にもう時間がほとんどないんですが、このトークンエコノミーですね。この間からいろいろと説明させていただいているんですけれども、ビットコインという暗号資産、仮想通貨は皆さん御存じだと思います。イーサリアムというのは、同じようなのがあって、イーサリアムというのは暗号資産、仮想通貨という役割を持っている一方、自分のトークンをコンピューター上で発行することができる、そういう仕組みを提供しているプラットフォーマーと言っていいと思います。
だから、こういうところで、例えば今某社が何かやっている、SNSでいいねというのを押すとかいう方法ありますけれども、それに代えて、一トークン、トークンを一つ発行するとか、そういう新たなサービスが可能になるわけです。しかも、例えば、ここにいらっしゃる皆様方とコンピューターをつないで私がそういうサービスを提供すると。だから、何か質問のネタありませんかいうところで、こんなんどういうて、ああ、じゃ、それ一トークンで買いますとかですね、そういう、まあ冗談ですよ、冗談ですよ。そういうことも可能になるわけであって、普通に家事労働とかスキルの交換、私は英語ができるから英語を教えるから、中国語教えてねと、今まで物々交換、サービスサービス交換に、やっていたところに、その真ん中にトークンという仮想通貨を挟む、挟めるということなんですね。
だから、こういうようなやり取りが普通に行われるようになったときに、これ課税対象になるのか否かというのはどういうところで判断されるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/41
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042・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) ネット上で得た利益が課税対象となるか否かは、その利益が暗号資産やトークンの形であれ、現実世界で流通する資産と交換できる場合には、経済的利益を得たと認められて所得税の課税対象になります。例えば、個人が所有している物やスキルをインターネット上のプラットフォームを介して取引を行い、その取引によって利益を得た場合には、その取引の対価として得た資産が暗号資産やトークンであったとしても所得税の課税対象となります。
なお、御指摘のトークンエコノミーについて適切な課税を行うためには、トークンエコノミーに関する課税関係について丁寧に周知、広報を行うことや、納税者の方が適正に申告できる環境整備を図ること、このことが重要であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/42
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043・浅田均
○浅田均君 もう時間になってしまいましたので、この次からの通告しております質問は次回に回させていただきます。
皆様方、本当に御協力いただきまして、ありがとうございました。御礼申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/43
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044・大門実紀史
○大門実紀史君 大門です。
今回の改正案に含まれております証拠書類のない簿外経費への対応策について、重要な問題ですので、短い時間ですが質問をしていきたいというふうに思います。
資料をお配りしていただいておりますけれど、まず、この趣旨と、法改正の趣旨と内容について簡潔に分かりやすく説明をしてほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/44
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045・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
今回のこの簿外経費、いわゆる簿外経費に関します否認規定についてのお尋ねでございますが、納税者、この措置は、納税者が仮装隠蔽行為を行いまして、それに基づきました確定申告書を提出している場合又はそもそも無申告である場合につきまして、その所得金額の計算の基礎に算入をされていなかった経費、これがいわゆる簿外経費でございますが、これについて、税務調査等の際に、後出しといいますか、事後的に御主張されたようなときについて、その取引が実際に行われたと認められるような一定の場合を除きまして、こうした簿外経費を必要経費や損金に算入することを認めないという措置を講ずるものでございます。
今申し上げましたその取引が実際に行われたと認められるような場合というものでございますが、二つございまして、一つは、納税者において当該取引が行われたこと及びその費用の額を明らかにする帳簿書類の保存がある場合が一つでございます。もう一つは、当該取引の相手方等が明らかであって、税務当局による反面調査等によってその取引が実際に行われたこと及びその費用の額が確認できる場合、この二つのいずれかに該当する場合には認められるということでございます。
なお、この措置の対象でございますけれども、この必要経費、損金不算入の対象となり得る簿外経費の範囲については、仮装隠蔽行為又は無申告に係る一定の売上原価及び販売費、一般管理費等としておりまして、逆に言いますと、売上げに係る仕入れや原材料費など、売上げが存在するのであれば当然に生ずるであろうと認められるような経費についてはこの措置の対象外というふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/45
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046・大門実紀史
○大門実紀史君 ちょっと分かりにくいかも分からぬですが、これは要するに悪質な納税者対策ということで一応出されてきておりまして、申告のときに意図的に売上げや経費を仮装するとか隠蔽した者、もう一つは申告しなかった者ですね、無申告。この二つが悪質ということになって、税務調査が入りますと、税務署が売上げが漏れていますよと、架空の経費じゃありませんかということを指摘すると。そうすると、一応想定しているのは、悪質な納税者が後から簿外経費、帳簿に載っていない経費が実はあるんですと後出しで出してくると、そういうケースがあるということですね。で、争いになっていくわけですけど、現在、基本的には税務調査においてはその所得が幾らあるという立証は課税庁、国税庁にあるということがあるんで、税務署がその悪質な納税者が言ってきた経費とか何かが架空だとか虚偽であるというのは立証しなきゃいけないと。
それが、こういう悪質納税者相手に膨大な時間と人手が掛かるというようなことで、財務省の資料には事例集もあるんですけれど、例えば、翻訳業務の事業者が、税務調査が入って指摘されると、架空の経費じゃないかと指摘されると、後から実は外注費があったんだと。膨大な領収書を出してきて、しかもそれがほとんど海外の外注先で、それを税務署は膨大な時間と人手を掛けて虚偽だと立証して更正処分を掛けたと、膨大な時間が掛かったという例とか、不動産投資の仲介業で二十億の売上げがあるのに法人税が無申告だったと。これも犯則事例として着手したんだけれど、原価、経費に対応するもの十五億は確認したが、あと五億は証拠がないと。その当該不動産の法人はほかに業務手数料があるんだということを主張し始めたと。税務署は、これはなかなか反証難しいんで、諦めて消費税法違反だけで告発したという事例ですね。
こんなの暴力団のダミー企業じゃないかと思うぐらいのひどい事例なんですけど、そういうことがあるんでこういう改正をしたというふうなことが趣旨になっているんですけれども、私たちも、誰だってこんな挙げられている悪質な連中の後出しでいろいろ主張することに対して、それに対して税務署が膨大な時間と人手掛けて証明しなきゃいけないと、理不尽じゃないかと言われたらそれはそうだと思いますよね。誰だってこの悪質業者に厳しく対処するということは誰も否定しないというふうに思うんですよね。
ただ、二枚目に資料を付けておりますけれど、それだけなのかということなんですね。租税訴訟学会から意見書が出ております。時間の関係で、私の今まで取り上げてきたこの経験といいますか、いうことも含めて三つの点で懸念があると思いますので、簡潔に聞いていきたいと思いますが、そもそもこの悪質納税者対策にとどまるのかどうかということですね、恣意的な運用をされるおそれはないのかと。仮装、隠蔽と判断するのは税務署ですよね。
例えば、今給付金なんかでもなかなか給付されないとかいろいろあってチェックが難しい事例が出ているんですけれども、現金でまとめて仕入れるというのは結構あるんですね、現金だと安いからと、キャッシュでね。その場合、相手先が、領収書もらうんですけど、よく確認していない相手と一回きりの取引とか、そうすると後からその領収証の名前とか会社名が追えない、けどそういうところから実際に現金で仕入れると。こんな場合あるわけですが、その相手先が確認できない領収書をもってこれは仮装だというふうに認定されてしまうケースも起こりかねないというわけですね。
無申告についても、これ無申告全部だと言いますけれど、いろんな方がいて、例えば、秋頃に素人の人が、何も商売ずっとやってきてない人が、脱サラとかですね、初めて商売やるような人がお店を、商売始めたと。年内はそんな売上げなかったし、経費が多かったから赤字だと、だから申告しなくてもいいんだと思っていたと。後から税務署が来ると、これはこうですよ、これはこうですよということで、結局所得が生じたので申告してもらうというケースだってあるわけですね。税務知識がなかったり、記帳能力なかったりする場合があるわけですよね。
そういうことがあるのが実態なのに、何か税務署は、仮装とか隠蔽とか無申告とかいうのを恣意的に運用する可能性、危険性はないのかというのは、実はいろんな相談受けて、国税庁にも税務署のやり過ぎただしてきてもらったことがあるんで、心配されるわけであります。
そういう点では、仮装、隠蔽の定義を厳格にすべきだし、無申告も何もかも対象にするというような、悪質なものは仕方ありませんけど、何もかも対象にするというようなことは違うんじゃないかと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/46
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047・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) お答え申し上げます。
まず、委員から御指摘がありました仮装隠蔽行為の認定というところにつきましては、従来から税務調査で収集しました証拠や、あるいは納税者の申述に基づいて的確な事実確認を行うよう努めており、またそのように職員にも指示をしているところでございます。
また、無申告の者につきましては、今回のこの例に基づく場合もそうですが、帳簿書類等を確認する、あるいはその調査において判明した取引の相手先に対して必要な調査を尽くす、そういったことを通じて、その取引が行われたと認められない場合に限り、今回の措置も適用されるものでございますので、単に無申告であることをもって形式的に今回の措置を適用するといったことは全く考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/47
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048・大門実紀史
○大門実紀史君 国税庁がそう言っていても、現場は、現場での、今までもそうですけど、現場でいろんなことが起きますので、そこは厳格にしておいていただきたいというふうに思うのと、やっぱり懸念は消えないですよね。
二つ目の懸念、三つあるんですけど、二つ目の懸念なんですけれども、これ、今まで税務調査における所得の立証責任は課税庁にあると、国税庁にあるというのが戦後税制の大原則であります。昭和三十三年三月三日の最高裁の判例でも、立証責任は課税庁にあるというふうにされてまいりました。
これ、言うまでもなく、昭和二十五年のシャウプ勧告によって申告納税制度が導入されて、納税者が自ら所得を計算して申告納税してもらうという、納税者の申告を尊重するというところが基本にあって、間違い、間違いとか故意に申告しないこともあるかもしれないということで税務署が調査をすると。その場合、間違いや虚偽というならば、立証は国税庁ですね、税務署の方で立証する責任があるというのが基本原則として定められてきたわけですけれども。
今回の改定は、悪質じゃないですよ、私言ったのは、一般の人にも適用される懸念があるという上で聞いているわけですけどね。その場合、今回の改定案は、書類がないと駄目、反面調査で確認できないと駄目ということでもうシャットアウトして、従来、課税庁に課せられてきた立証責任をこの時点、このカテゴリーでは免じてしまって、納税者側の、実際にある人ですね、実際にそういう経費があるんだと、事実があるんだという人の反証の余地を封じ込めてしまうという可能性が、危険性があるんではないかと。
つまり、従来の原則から逸脱した世界に踏み込む危険性があるんじゃないかと思いますが、いかがですか、この点は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/48
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049・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) まず、今委員からも御指摘ございましたが、昭和三十八年の最高裁の判決におきましては、所得の存在及びその金額について決定庁が立証責任を負うことは言うまでもないという判示が示されておるところでございますが、その理由、背景まで私どもその判決文に触れられているわけではございませんが、一般に、税務訴訟におきます立証責任に関する議論につきましては、これは学説やあるいは裁判例でもいろいろな考え方があるというふうに承知しておりますが、所得金額や必要経費の存否及び額については原則として課税当局の側に立証責任があるとするものが多いというふうに承知していますが、一方で、例えば過大経費につきましては納税者の側に立証責任があると解するような学説も多いと承知しておりますし、また、過去の裁判例においてもそういった見方が示されているものもあるというふうに承知しております。
いずれにしましても、私ども国税当局としましては、この法令に従って必要な調査をしっかりとした上で、的確な課税処分に努めてこれまでもきておりますし、今回の措置の適用に当たっても、納税者が主張する簿外経費について帳簿書類等を確認する、あるいは税務調査において判明した取引の相手先に対して必要な調査を尽くすといった必要な調査をしっかりと行った上で的確な課税処分に努めてまいるという点においては全く変わりはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/49
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050・大門実紀史
○大門実紀史君 まず、三つ目の懸念を先に申し上げますね。
推計課税というのがございます。この場合でも、納税者に今までよりも不利に働かないかという懸念があります。今もちょっと触れられましたけれど、立証責任は決定庁、課税庁にあるといっても、そうはいっても推計課税ということが認められておりまして、判例でも、合理的な方法で所得を推計するよりほかない場合は推計課税を認めるというふうになっております。
今までは、私も現場のことをよく知っておりますけれども、できるだけ合理的にということなので、本人が書類がないとか、ない場合とか提示しなかった場合なんですけれども、反面調査などで売上げを推計すると、それに見合う売上原価、あるいは経費も業種ごとの経費率などを参考に大体推計して決めていくというのがありました。一定合理性を担保にして行われていましたけど。
先ほどちょっと答弁あったんですが、今回の改正で、推計課税において、売上原価の方は売上げに見合う分というのがありますから、それほど減額されるということはないのかもしれませんけれど、ほかの経費についてはですね、ほかの経費については明確な証拠書類がない場合はもう認めないというふうにこれが使われて不利になるんではないかという懸念があるんですが、これは絶対そういうことはないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/50
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051・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) 今、推計課税についてお尋ねございましたが、推計課税を行う場合におきましても、きちんとその合理的な方法で計算をすることといたしております。
また、今回の税法におきましても、その実際に我々が帳簿書類を調査する、あるいはその相手方に調査をする、そういったことを通じて、それが実際にそうした金額が生じたと認められる場合には、その分は今回の措置の適用外というふうになっておりますので、そこはきちんと調査において実態を確認するという努力をしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/51
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052・大門実紀史
○大門実紀史君 実際にこれが、改正が通って、現場の税務署員はノルマに追われて、ちょっといろいろ、いろいろ反論したりいろいろ言う納税者はもう面倒くさいからということで、こういうのを適用して仮装だ隠蔽だというようなことがないようにまず考えてもらわなきゃいけませんが、いずれにせよ、そういうおそれのある改正だというのは専門家からもこうやって声が上がっているわけでありますので、最後に大臣にお聞きしたいんですけれど、ちょっと拙速じゃないかと思うんですね。いろいろ心配がある、現場の運用でいけばですね。
そういう点では、今急がなきゃいけないんでしょうかね。それと、悪質業者に厳しく対処をすべきというのはみんな、それは誰も反対するわけがありませんので、ほかにやり方もあると思うんですね。こういう何か租税の原則にも触れていくような形ではなくて、悪質業者を特に厳しく対処するというようなことも別に考えればいいと思うんですけれども、大臣、こう拙速に進めないで、これ一遍白紙に戻して、専門家の意見を聞く場を設けて出し直すべきじゃないかと私は思うんですが、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/52
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053・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 今回の税制改正法案の中に組み込まれている一つの規定であるわけでございまして、私どもとしては、是非今回のこの改正の中で成立をさせていただきたいと、そういうふうに思っております。
先生は、悪質性の低い納税者に対しても、悪質な者のみならず適用が広がっていくんじゃないかという、そういう御懸念をずっと示されたわけでございますが、もとより税務当局が税務調査をするに当たりましては納税者の理解と協力を得た上で実施しなければならない、そうでなければ実施できないと、そういうふうに私は思っております。
そして、今回の経費の認否等が行われ得る対象につきましては、法令において、所得金額の計算において事実の仮装、隠秘を行った者や、あるいは、保存義務が課せられている証拠書類を適正に保存していない無申告の者といった悪質な納税者に限定されており、これがむやみに拡大されるようなことはないと考えておりますし、あってはならないと、そう思っております。
国税当局においては、引き続き適正な税務調査の実施に努めるとともに、本制度の施行後におきましても、その趣旨を踏まえた執行が行われるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/53
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054・大門実紀史
○大門実紀史君 終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/54
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055・浜田聡
○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。一昨日、昨日に引き続き、よろしくお願いいたします。
私は、連日、この委員会において、税制は簡素であるべきと何度も訴えさせていただきました。税制が複雑であると、それに対応する企業の納税事務負担が重くなりますが、その事務負担自体が何かを生み出すわけではありません。複雑な税制は日本企業の生産性の低さの原因となります。
さて、複雑な税制の一つの例として、二〇一九年十月に消費税が八%から一〇%に引き上げられたのに伴い導入された消費税の軽減税率が挙げられると思います。
軽減税率の対象として、大きく分けて飲食料品と新聞の二つが挙げられます。飲食料品といっても一筋縄ではいかず、例えば、オロナミンCは飲食料品として軽減税率が適用となり八%ですが、それと似たような茶褐色の飲物であるリポビタンDは医薬部外品ということで軽減税率が適用とならず一〇%となります。
このように、消費者にとって軽減税率は分かりにくい制度でありますが、もちろん、その影響は消費者だけではなく、事業者にとっても余計な納税事務負担が掛かることに改めて御留意いただきたいと思います。
さて、もう一つの軽減税率の対象である新聞に目を向けたいと思います。
なぜ新聞が軽減税率の対象なのかについては個人的に大いに疑問があるところなのですが、ひとまずいろいろな政治的な駆け引きによってそういう状況なのでしょう。
ここで、新聞が軽減税率の対象であるのであれば、当然軽減税率の対象であってもおかしくないものを挙げさせてもらいます。それは、NHKの受信料です。新聞もNHKも同じ報道媒体として共通していると思われ、新聞が軽減税率対象であれば、NHK受信料もその対象であってもおかしくないという考えは出てきて当然だと思うのですが、現状そうはなっておりません。
そこで、財務省にお聞きします。新聞とNHKで軽減税率の適用が違うことについて御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/55
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056・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
新聞につきましては、日常生活における情報の媒体として全国あまねく均質に情報を提供し、幅広い層に日々読まれていること、この結果、新聞の購読料に係る消費税負担についてはいわゆる逆進性があるということなどの事情を総合的に勘案して軽減税率の適用対象とされたものでございます。
他方、NHKの受信料を軽減税率の対象とすることにつきましては、例えばケーブルテレビの接続料といった代替品、類似品との競合関係をどう整理するかなどの課題がございまして、こうした代替品との関係のゆがみを回避しようとすれば、際限なく軽減税率の対象が広がって、社会保障財源の減少につながるおそれがある等の問題があるので、慎重に検討されるべきものと整理されているものと考えております。
なお、NHK受信料につきましては、低所得者向けの料金の減免制度がございますので、消費税のこの低所得者に対する対策として講じられたこの軽減税率との関係では、そういった料金減免制度があるということもしんしゃくする必要があると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/56
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057・浜田聡
○浜田聡君 この軽減税率という制度自体、複雑なので導入すべきでなかったと考えますが、既に存在しているものは仕方がありません。ただ、この軽減税率でも簡素にすることは可能です。先ほど御答弁の内容にありましたように、際限なく軽減税率の対象にすればいいわけでございます。つまり、全品目軽減税率の対象とすることです。
現在、多くの野党が消費税減税を政策に掲げていると承知しておりますが、政府が仮にその声に応えて消費税減税を行う方法を検討する際には、全品目軽減税率という、軽減税率適用という方法もあります。NHK党としては、全品目軽減税率適用とするにせよ、消費税率そのものを下げるにせよ、いずれの方法でもいいので消費税減税に、減税を政府に求めることをここでお伝えさせていただきます。
次に、NHKに対する税制措置について話を移します。
NHKに対しては、その公共性に鑑み、各種の税制上の特例措置が講じられております。インターネット上でもその一覧を確認できるものとして総務省情報通信ビジネスハンドブックがあり、多くの皆様に一度御覧いただきたいと思っております。
そこから一部を取り上げますと、NHKの優遇措置として、国税としては、所得税、法人税、地価税などが非課税となっており、地方税としては、道府県民税、事業税、市町村民税、事業所税などが非課税、固定資産税や都市計画税は課税標準の二分の一となっております。ほかにも幾つか税制措置はありまして、かなり優遇されていることが分かります。公共性に鑑みてこういった税制上の特例措置とのことですが、その中で法人税が非課税であることについては問題があるのではないかということを問題提起させていただきます。
NHKの法人税非課税のどこが問題なのかと端的に申し上げますと、NHKは、法人税が免除されているがゆえに、一般企業であれば当然やっているであろう法人税額の算出をするための会計作業をしていないのではないかということです。上場企業であれ非上場企業であれ、恐らくほぼ全ての企業が財務諸表を作っていると承知しております。当然、上場企業であれば、株主や借入先に企業の現状の経営状態や今後の展望などをしっかりと説明するために、財務諸表作成や公開は義務付けられております。先ほど、NHKはその公共性に鑑み税制の優遇がされていると申しましたが、公共性をうたうのであれば、ある意味上場企業以上に厳格な財務諸表が作成されるべきと考えます。
我々NHK党が事あるごとに訴えてきていることですが、NHKの受信料制度は極めて不公平な制度です。本来であれば受信料を払うべきなのに、払わないでいることが可能な状態です。この不公平な状態など各種NHKに関する諸問題は、受信料を払っている世帯のみにNHKの電波を届けるスクランブル放送を導入すれば一発で解決です。二〇一九年の参議院選挙では、我々NHK党は、スクランブル放送の導入に向けて尽力していることを公約に掲げて、参議院選、参議院での議席のみならず、国政政党の要件も満たしました。関係者の皆様にはこの民意を重く受け止めていただきたいと思います。
スクランブル放送が導入されていない現状においては、受信料を払うべきなのに払わないことが可能であります。真面目に受信料を払っている人には、払わない人がいるせいでその分の負担がのしかかっていることが想像できます。払うべき人が払えば、真面目に受信料を払っている人の不満も解消できるはずです。
NHK法人税非課税に関する話に戻しますと、法人税を算出するための会計作業では、本来NHKに払われるべき受信料の総額は財務諸表などにしっかりと記載されるべきですが、法人税が非課税のためにそれがなされているか甚だ疑問であります。公共性を鑑みたNHKの税制優遇と言いながら、真面目に受信料を払っている人にとって損をするような優遇、税制優遇であれば大きな問題であると考えます。
そこで、まず会計検査院にお聞きします。
これまで話してきたように、NHKはいわゆる取りっぱぐれの受信料に関する意識が低いように思うのですが、NHKの毎年提出している財務諸表は適切であると考えておられますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/57
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058・宮川尚博
○説明員(宮川尚博君) お答えいたします。
会計検査院は、会計検査院法及び放送法の規定によりましてNHKの会計について検査を行っており、不適切な事態等があった場合には検査報告に掲記するなどして御報告しているところでございます。
お尋ねのありましたNHKの財務諸表につきまして、不適切であるなどとして、これまでに不当事項等として検査報告に掲記した事項はございません。
なお、会計検査院は、NHKの会計について検査を行った結果、昨年十一月に内閣から国会に提出されました令和二年度決算検査報告に、不当事項として、職員の不正行為による損害が生じたもの、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項として、複写機の調達に当たり、複写機本体等の台数及び使用枚数の調達予定数量を算出した上で、これらの必要事項を記載した適切な仕様書等を提示して、一般競争入札を実施することにより、透明性及び競争性を確保し、経済的な価格により契約を締結するよう改善させたものを掲記しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/58
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059・浜田聡
○浜田聡君 先般、我々の党の幹部がNHKの経営企画局の方々からNHK予算案について話を伺ってきました。このやり取りは、インターネット上のユーチューブでアップして公開しております。その際に、我々とNHKの経営企画局の方で話がところどころかみ合わないのを感じたわけですが、その根本の原因はやはり法人税の非課税措置にあるのではないかということを改めてお伝えするとともに、会計検査院、先ほど御答弁ありましたが、是非真面目に受信料を払っている人が損をしないようなことを目指して各種チェックしていただきたいということを改めてお伝えさせていただきます。
あと、しつこいようですが、スクランブル放送を導入すれば、こういったある意味無駄なチェック作業、かなり削減されることは言うまでもありません。
次に、政府、総務省にお聞きしたいと思います。
先ほどまで申し上げてきたように、NHKは法人税免除があるがゆえにNHKは会計などに関する意識がやはり低いのではないかという指摘に関して、御意見をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/59
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060・藤野克
○政府参考人(藤野克君) お答えいたします。
法人税の納税義務、このいかんにかかわらず、放送法第七十四条第一項の規定によりまして、NHKは、毎事業年度の財務諸表を適正に作成し、総務大臣に提出しなければならないものと承知してございます。また、同じこの放送法の第七十五条の規定でございます。こちらにおいては、NHKは、財務諸表について、監査委員会の監査のほか、会計監査人の監査を受けなければならないとされてございます。また、ただいま会計検査院の方からも御答弁ございましたけれども、同じ放送法の第七十九条の規定におきまして、協会の会計については会計検査院が検査するものとされているところでございます。
これらの規定によりまして、NHKには厳格な会計処理が求められると、そういうふうに理解してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/60
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061・浜田聡
○浜田聡君 ちょっとかみ合わないようですが、しつこく続けさせていただきます。
このNHKの法人税免除に関して、各種問題を挙げさせていただきました。これら問題については、しつこいようですが、NHKスクランブル放送を導入すればほぼ全て解決しますし、問題解決のみならず、生産性の大きな向上が期待できることでもございますので、是非踏み込むべきだと思います。
ただ、現状そうではないということを受け入れた上で、最後、大臣に提案をさせていただきます。
このNHKの法人税免除の優遇措置は、結局回り回って真面目に受信料を払っている人が損をするという観点から、この優遇措置を改めてほしいのですが、大臣の御意見教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/61
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062・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) NHKにつきましては、放送法において、配当による利益処分が予定されていないこと、解散時の残余財産が国に帰属するとされていることが担保された組織形態であることなどから、法人税法上、公共法人に区分され、法人税を課税しないこととなっております。
そのため、NHKのこれからの在り方に変更がない中で、先生御指摘のような観点から課税上の取扱いを改めることは適当でないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/62
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063・浜田聡
○浜田聡君 まあNHKの各種税制の優遇というのは長年継続してきたものでございますので、突然それを見直すことについては戸惑いがあるのは当然だと思います。しかし、先ほどから申し上げてきたように、公共性を鑑みての優遇措置によって、真面目に受信料を払っている者が割を食らう、正直者がばかを見る現状について、多くの皆様に御理解いただきたいと思います。
また、昨今、テレビ離れがどんどん進んでいることは皆様御周知のことと思います。テレビを離れた方々のそれなりの割合がインターネットに移っていると言えます。この流れは今後ますます進んでいくのではないかと思われます。そういったところに目を付けて、現在テレビ設置世帯のみに義務付けられているNHKの受信契約ですが、インターネット利用者にNHKの受信契約を義務付けるような方向に進まないよう、改めて確認させていただきます。
地上波や衛星放送のインフラ整備はNHKがそれなりに貢献してきたのに対し、インターネットのインフラ整備にNHKがどれだけ貢献してきたのかということについては、改めて考えていただきたいと思います。貢献していないのであれば、NHKがインターネットで受信契約を義務付けることは納得しない方が多いと思われることを申し添えておきます。
次に移ります。
これまで、日本の税制について私なりに様々問題提起をさせていただきました。税制は国の在り方、方向性を決める非常に重要なものですので、それに関する議論についてはでき得る限り公にされるべきと考えます。
各団体、政党、政府、数多くの税制調査会があると思いますが、その中でも国の税制の決定において最も影響があるものとして、やはり自民党の税制調査会が挙げられると思います。国の税制が実質この場で決定付け、決定されているように思われ、そうであれば、ここでの議論内容は広く公開されるべきと思います。
その点を踏まえて、大臣に提案です。昨年に引き続いての同じ提案となり恐縮ですが、自民党税制調査会の議事録を公開してもらえないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/63
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064・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 自民党税制調査会の運営につきましては、お尋ねの議論内容の公開も含めまして、党として、党において決定をされたものであると理解をしております。
したがいまして、政府という私の立場からお答えする立場にはないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/64
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065・浜田聡
○浜田聡君 まあ自民党独自の政調なので、その扱いは自民党で決めるべきという主張はもっともだと思います。
一方で、もしその税調に財務省の方々が関わっておられるのであれば、ある程度は税金が投入されているということもありますので、公開されるべきであることをお伝えさせていただきます。
最後の質問に移ります。
次に、政府や各省庁が掲げる数値目標について、質問、提案させていただきます。前々回の委員会でも似たようなお話をさせていただいており、重なる部分があれば恐縮です。ここでは財務省が掲げる数値目標、特に経済指標に関する数値目標について、御意見伺いたいと思います。
その是非はさておき、財務省の実施する政策が日本経済に与える影響が大きいことは疑いようのない事実でございます。であれば、財務省は日本の経済成長率について数値目標を掲げるべきと考えます。
そこで、財務省の事務方、そして大臣にまとめてお尋ねします。
財務省が日本の経済成長率に関する数値目標を掲げることに関して、御意見いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/65
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066・大家敏志
○副大臣(大家敏志君) お答えします。
政府として、骨太の方針二〇二一において、デフレ脱却、経済再生に取り組み、実質二%程度、名目三%程度を上回る成長、名目GDP六百兆円経済の早期実現を目指すことを掲げているところであり、総理の御発言どおり、まずは、我が国経済をコロナ前の水準に戻るよう立て直していくことに専念しなければならないと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/66
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067・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 時間が参りました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/67
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068・浜田聡
○浜田聡君 はい。
是非、財務省の方でも数値目標、掲げていただきたいということを申し添えて、私の質問を終わります。
御清聴、ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/68
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069・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後二時三十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00520220317/69
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