1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年五月十三日(金曜日)
午後一時開会
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委員の異動
三月二十五日
辞任 補欠選任
宮崎 雅夫君 宮本 周司君
上田 清司君 矢田わか子君
三月二十八日
辞任 補欠選任
島村 大君 そのだ修光君
宮崎 勝君 若松 謙維君
四月六日
辞任 補欠選任
宮本 周司君 岩本 剛人君
四月八日
辞任 補欠選任
浜野 喜史君 田村 まみ君
清水 貴之君 音喜多 駿君
四月十五日
辞任 補欠選任
増子 輝彦君 元榮太一郎君
四月十九日
辞任 補欠選任
田村 まみ君 浜野 喜史君
音喜多 駿君 清水 貴之君
五月十二日
辞任 補欠選任
岩本 剛人君 三宅 伸吾君
片山さつき君 比嘉奈津美君
そのだ修光君 柘植 芳文君
木戸口英司君 森屋 隆君
田名部匡代君 羽田 次郎君
石川 博崇君 塩田 博昭君
五月十三日
辞任 補欠選任
比嘉奈津美君 徳茂 雅之君
福岡 資麿君 清水 真人君
三宅 伸吾君 有村 治子君
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出席者は左のとおり。
委員長 那谷屋正義君
理 事
小野田紀美君
進藤金日子君
羽生田 俊君
江崎 孝君
横山 信一君
芳賀 道也君
梅村みずほ君
委 員
朝日健太郎君
有村 治子君
石田 昌宏君
佐藤 啓君
酒井 庸行君
清水 真人君
滝波 宏文君
柘植 芳文君
堂故 茂君
徳茂 雅之君
比嘉奈津美君
福岡 資麿君
三宅 伸吾君
宮島 喜文君
元榮太一郎君
森 まさこ君
和田 政宗君
石垣のりこ君
小沢 雅仁君
羽田 次郎君
森屋 隆君
横沢 高徳君
塩田 博昭君
新妻 秀規君
若松 謙維君
浜野 喜史君
矢田わか子君
清水 貴之君
岩渕 友君
紙 智子君
国務大臣
財務大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(金融)
) 鈴木 俊一君
農林水産大臣 金子原二郎君
国務大臣
(復興大臣) 西銘恒三郎君
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(地方創
生)) 野田 聖子君
副大臣
復興副大臣 新妻 秀規君
内閣府副大臣 大野敬太郎君
経済産業副大臣 石井 正弘君
大臣政務官
外務大臣政務官 上杉謙太郎君
国土交通大臣政
務官 泉田 裕彦君
事務局側
常任委員会専門
員 宮崎 一徳君
常任委員会専門
員 清野 和彦君
政府参考人
内閣府大臣官房
審議官 五味 裕一君
内閣府大臣官房
審議官 内田 欽也君
内閣府地方創生
推進事務局審議
官 黒田 昌義君
復興庁統括官 林 俊行君
復興庁統括官 由良 英雄君
復興庁審議官 岡本 裕豪君
消防庁次長 小宮大一郎君
外務省大臣官房
審議官 池松 英浩君
外務省大臣官房
審議官 渡邊 健君
外務省大臣官房
参事官 實生 泰介君
文部科学省大臣
官房審議官 淵上 孝君
文部科学省大臣
官房審議官 原 克彦君
農林水産省大臣
官房危機管理・
政策立案総括審
議官 前島 明成君
農林水産省消費
・安全局長 小川 良介君
林野庁長官 天羽 隆君
林野庁森林整備
部長 小坂善太郎君
水産庁長官 神谷 崇君
経済産業省大臣
官房原子力事故
災害対処審議官 湯本 啓市君
国土交通省大臣
官房技術参事官 遠藤 仁彦君
国土交通省水管
理・国土保全局
次長 高橋 謙司君
気象庁地震火山
部長 野村 竜一君
環境省大臣官房
審議官 前佛 和秀君
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本日の会議に付した案件
○東日本大震災復興の総合的対策に関する調査
(福島イノベーション・コースト構想の取組等
に関する件)
(東日本大震災復興の総合的対策に関する件)
○福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/0
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001・那谷屋正義
○委員長(那谷屋正義君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、上田清司君、宮崎雅夫君、宮崎勝君、島村大君、増子輝彦君、石川博崇君、木戸口英司君、田名部匡代君及び片山さつき君が委員を辞任され、その補欠として矢田わか子君、若松謙維君、元榮太一郎君、塩田博昭君、森屋隆君、羽田次郎君、比嘉奈津美君、三宅伸吾君及び柘植芳文君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/1
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002・那谷屋正義
○委員長(那谷屋正義君) 東日本大震災復興の総合的対策に関する調査を議題といたします。
まず、先般本委員会が行いました視察につきまして、視察委員の報告を聴取いたします。横山信一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/2
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003・横山信一
○横山信一君 去る四月十八日、福島イノベーション・コースト構想の取組等の実情を調査し、もって本委員会に付託を予定される福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案の審査に資するため、福島県において視察を実施いたしました。
参加者は、那谷屋正義委員長、羽生田俊理事、進藤金日子理事、小野田紀美理事、江崎孝理事、森まさこ委員、若松謙維委員、田村まみ委員、音喜多駿委員、紙智子委員、岩渕友委員及び私、横山の十二名であります。
以下、調査の概要について御報告いたします。
現地におきましては、まず、バスの車中にて、復興庁から、復興の現状と今後の取組及び福島国際研究教育機構基本構想等について説明を聴取した後、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の研究拠点の一つである楢葉遠隔技術開発センターを視察しました。同センターは、楢葉町に所在し、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に不可欠なロボット等の遠隔操作機器の開発実証施設として整備され、平成二十八年四月から本格運用されております。同センターでは、概況説明を聴取するとともに、原子炉格納容器の実寸大模型による模擬試験場及び福島第一原子力発電所の燃料デブリ取り出しに用いるロボットアームを視察しました。新型コロナウイルス感染症の影響で予定より遅れましたが、本年二月からは実寸大模型を利用してロボットアームの試験が実施されており、年内には福島第一原子力発電所二号機において内部の詳細調査及び燃料デブリの試験的取り出しを実施したいとのことでありました。
視察委員との間では、ロボットアームの試験の実施状況、放射線に対するロボットアームの耐久性、取り出し後の燃料デブリの取扱い等について意見が交わされました。
次いで、浪江町に移動し、次の視察先である福島水素エネルギー研究フィールドで製造された水素を電力や給湯の燃料として使用するいこいの村なみえにおいて、吉田浪江町長に、三月十六日に発生した福島県沖を震源とする地震による被害に対し見舞金をお渡しした後、福島水素エネルギー研究フィールドに赴き、吉田町長とともに同施設を視察しました。同施設は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の技術開発事業の一環で整備された、再生可能エネルギーを活用して二酸化炭素を排出せずに水素を製造する世界有数の拠点であり、令和二年三月に開所し、商用化に向けた技術実証を行っております。同施設では、概況説明を聴取するとともに、水を電気分解して水素を製造している水電解装置、水素貯蔵供給設備等を視察しました。同施設で製造した水素は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会における聖火台や聖火リレートーチの燃料等に活用されたほか、いこいの村なみえ等に設置された燃料電池や福島県内の水素ステーションにも供給されており、県内の水素利活用の推進に貢献しています。
視察委員との間では、施設の安全対策、製造及び貯蔵可能な水素量、水素製造に係るコスト等について意見が交わされました。
次に、南相馬市に移動し、福島ロボットテストフィールドを視察しました。同施設は、福島イノベーション・コースト構想に基づき福島県により整備され、公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構により管理運営されており、陸海空のフィールドロボットの一大開発実証拠点として令和二年三月に全面開所しました。同施設は、インフラや災害現場など実際の使用環境を再現し、ロボットの性能評価や操縦訓練等に活用されています。同施設では、概況説明を聴取した後、視察委員との間で、施設の稼働状況、新たな設備等の整備予定等について意見が交わされました。
その後、研究棟からドローンの実証試験や操縦訓練などを行う無人航空機エリアを俯瞰するとともに、ロボットによるインフラ点検と災害対応の実証試験場である試験用プラント及び試験用トンネル、風速二十メートルまでの風を起こすことができる装置によりドローンの飛行性能等を試験できる風洞棟を視察しました。同施設としては、設立が予定されている福島国際研究教育機構とも連携し、今後も、ロボット技術のイノベーションを創出し、福島復興のエンジンとなるよう取組を進めるとのことでありました。なお、視察終了時に、同施設にお越しいただいた門馬南相馬市長に、福島県沖の地震被害に対し見舞金をお渡ししました。
次いで、福島市に移動し、福島県庁において内堀福島県知事等との意見交換を行いました。まず、内堀知事から、東日本大震災だけではなく、その後も度重なる災害に見舞われた福島県は七転び八起きでは済まない状況にあること、原子力災害により福島県の復興は困難で長い戦いになること、汚染土壌の最終処分やALPS処理水の海洋放出の問題は福島県だけでなく日本全体の問題であり、風化があってはならないことという三つの思いを伺いました。続いて、内堀知事に見舞金をお渡しした後、県の担当部局から、福島イノベーション・コースト構想及び福島国際研究教育機構の立地選定等について説明を聴取しました。福島国際研究教育機構の設立により、帰還者、移住者及び研究者が共存し、同機構による研究開発の成果や人材育成の仕組み等を地元に根付かせることを県としてもしっかりコミットし実現していかなければならないと考えている、また、同機構の候補地については、県としては、避難十二市町村への調査等を踏まえ、同構想の効果を最大化できる場所を選定したいとのことでありました。
その後、視察委員との間で、福島国際研究教育機構の設立に当たっての広域的なインフラ及び多言語対応等の社会環境の整備、最先端の技術を研究開発する上での経済安全保障に係る取組、地域企業の参画を含めた福島イノベーション・コースト構想の課題、海外の研究者を確保するに当たっての研究者の家族の教育及び雇用対策等について意見が交わされました。
以上が調査の概要であります。震災から十一年が経過しましたが、原子力災害に見舞われた福島県は、いまだ三万人を超える県民が避難生活を続けていることに加え、住民帰還、被災者の生活再建、風評と風化の問題、地域産業の再生、廃炉、処理水の対策など、解決まで時間を要する課題が山積しており、引き続き国が前面に立って福島の復興再生の加速化に向けて取り組む必要があると改めて強く認識した次第であります。
最後に、私どもの調査に御協力いただいた皆様に対し厚く御礼を申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興創生が果たされますようお祈り申し上げまして、報告を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/3
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004・那谷屋正義
○委員長(那谷屋正義君) 以上で視察委員の報告は終了いたしました。
これより質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/4
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005・石垣のりこ
○石垣のりこ君 立憲・社民の石垣のりこです。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今月の十一日、今週ですが、私の地元宮城の河北新報の一面に、「宮城 震災の一・二倍浸水」と白抜きの大きな文字がございました。お配りしている資料の一枚目でございます。
この想定の根拠となりましたのは、平成二十三年十二月に成立した津波防災地域づくりに関する法律です。十一年前に成立した法律の概要を見てみますと、あの大震災を経験したその年に、あのような未曽有の津波被害を少しでも減らしたい、想定外をできるだけなくして、備えることで助けられる命があるはずだという、生かされた者の使命感のような思いも感じます。
とはいえ、実際出されたこの数字を見てみますと、あのときの津波よりも大きな被害が想定され得るということで、正直、私自身は、ちょっと気が遠くなるようなというか、目まいがするような気持ちにもなりました。でも、東日本大震災を経験した私たちだからこそその教訓を後世に伝えていかなくてはならないと、そういう気持ちも新たにしております。
この想定なんですが、東京都がまだ出されていないんですけれども、それ以外の四十六道府県は既に提示されています。津波防災地域づくり法、この所管は国交省ということなんですが、四十六道府県から出された想定、まずどのように受け止めているか、御回答をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/5
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006・高橋謙司
○政府参考人(高橋謙司君) お答えいたします。
津波防災地域づくり法に基づき、都道府県知事は、最大クラスの津波を想定して、その津波があった場合に想定される浸水の区域及び水深を示す津波浸水想定を設定するものとされております。現在、委員御指摘のように、三十九の道府県において設定済みとなっているところでございます。
津波浸水想定は、何としても人命を守るという考え方の下、最大クラスの津波が悪条件下において発生し、浸水が生じることを前提に設定されているものでございます。具体的には、設定潮位を最高満潮位とすること、また、海岸堤防、河川堤防等は津波が越流した場合には破壊されることを前提にすることなどを基本としているところでございます。このため、東日本大震災の被害を上回る想定となっている地域もありますけれども、こうした最大クラスの津波に対しても避難体制を確保し、住民の生命を守る、真に津波災害に強い国土、地域づくりを進めることが重要と考えております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/6
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007・石垣のりこ
○石垣のりこ君 実際のところをちょっと聞いてみますと、宮城で、東日本大震災では浸水したんだけれども、今回のこの想定では、あれっ、想定範囲に入っていないなというようなところも実際はあるということは聞いたんですが、全体としては、宮城の場合は一・二倍になっているということでございました。
深刻な被害想定もさることながら、なぜ今このような想定が出てくるのかという疑問も浮かんだんですが、資料四御覧いただきますと、法律の施行翌年、二〇一二年の八月に茨城県が設定したのが最初になっていまして、その後、何と、まだ東京都は出ておりませんけれども、十年のうちに自治体が設定してきたということが分かります。議員各位の御地元どのくらいのタイミングで出されているか、御確認いただくと分かると思うんですが、この津波災害予想、東京都のみまだということで、その理由と今の進捗状況どうなっているか、御回答いただいていいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/7
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008・高橋謙司
○政府参考人(高橋謙司君) お答えいたします。
東京都におきましては、津波浸水想定を設定する際に用います最大クラスの津波を引き起こす地震の想定マグニチュードについて、現在最新の知見を踏まえ検討中でございます。ただ、本年夏頃の設定を目標に今作業を進めていると、そういうふうに聞いておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/8
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009・石垣のりこ
○石垣のりこ君 最新の知見を踏まえてということで、夏頃を想定しているという御回答をいただきました。
想定の中でも、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島、被災三県ですけれども、これどのような想定が出されているか、概要を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/9
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010・高橋謙司
○政府参考人(高橋謙司君) お答えいたします。
先ほどの津波浸水想定でございますけれども、宮城県の津波浸水想定は令和四年五月に設定されております。浸水想定区域の面積は約三百九十一平方キロメートルでございまして、東日本大震災の浸水面積の約一・二倍というものになっております。また、海岸部における想定最大津波高は、例えば気仙沼市で二十二メートルというふうなことになっております。
また、福島県の津波浸水想定でございますけれども、平成三十一年三月に設定されております。浸水想定区域の面積は約百四十三平方キロメートル、東日本大震災の浸水面積の約一・三倍となっており、最大津波高、海岸部でございますけれども、例えば相馬市で二十二・三メートルというふうになってございます。
また、岩手県でございますけれども、津波浸水想定、令和四年三月に設定されておりますが、浸水想定区域の合計面積というのは公表されておられませんが、海岸部における最大津波高は宮古市で二十九・五メートルというふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/10
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011・石垣のりこ
○石垣のりこ君 地域によってちょっと出し方が違うということで、今回の想定のポイントとしては、地域によって工夫みたいなものもあるんですけれども、基本的には、先ほど御回答いただいたように、悪条件を基に想定されていると。季節による悪条件も加味して発表しているところもあれば、防潮堤が全て壊れるという前提で発表してしまうと、これまでの震災後の町づくりをどのように皆さんが捉えたらいいか、あるいは更に不安をあおることになりかねないという配慮もあって、例えば岩手県などは防潮堤は壊れないという前提も参考資料として提示されているというようなことも伺っております。
この津波想定なんですけれども、東日本大震災を受けて作られた津波防災地域づくり法を基に作られていると、想定自体が、ということは先ほども申し上げたんですけれども、所管こそ国交省なんですが、この震災のときの復興構想七原則の中にも、災害に強い安全、安心の町づくりの原則が盛り込まれております。復興庁がこうした被害想定を、東日本大震災の教訓も踏まえて、復興まちづくりにこれからどう活用していくかという点は問われると思います。
そこで、復興大臣にも伺いたいんですが、今回のこの想定、どのように捉えて今後の復興に生かしていきたいとお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/11
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012・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 被災三県の津波浸水想定は、各県における県内最大クラスの津波、レベル2、これ東日本大震災並みの想定に対して、今後、ハード、ソフト併せた総合的な対策を講じるための基礎資料として公表されたものと承知をしております。
また、昨年十二月に内閣府が日本海溝地震と千島海溝地震についての被害想定を公表しております。最悪のケースで日本海溝地震による死者数が約十九万九千人に上るなど、甚大な被害が想定されておりますが、防災対策を徹底することにより人的被害を八割減らすことができるということも併せて示されたところであります。
このため、今年三月に公表された中央防災会議のワーキンググループの報告書では、一、人命を救う、二、被害を最小化する、三、回復をできるだけ早くすることを目標とし、防災対策を推進することとされております。
また、これも踏まえて、日本海溝・千島海溝特別措置法を改正する議員立法が本日成立したものと承知をしております。
復興庁におきましては、東日本大震災からの復興に当たって、比較的発生頻度の高い津波、レベル1が内陸に浸入しないよう、防潮堤等のハード整備を進めてきたところであります。あわせて、ハード対策だけでは防ぎ切れない最大クラスの津波、レベル2に対しては、防潮堤を壊れにくい構造とすることで避難のためのリードタイムを確保するとともに、防災教育、防災訓練等の充実などのソフト対策と一体となった、より安全、安心な地域づくりを推進してきたところであります。
引き続き、東日本大震災の教訓が生かされるよう、内閣府を始めとする関係省庁等の防災対策とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/12
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013・石垣のりこ
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
資料の三見ていただくと、我が国の地震防災に関する法律体系が図になっております。非常に、それぞれの想定される地震に応じて一応対策なり法律なりはなされているんですが、複雑でございます。まさに今日、今大臣からも御発言いただきました、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案、これ成立しましたけれども、こことの関わりで、今回の想定、多分重複しているところも結構あるし、違うところもあるんだと思うんですけれども。
最初、私も新聞の見出しを見たときに、これ何の根拠のあるところからの想定なんだろうというか、どういう要請から受けた想定なんだろうということを非常に疑問に思いまして、この法律体系を見て、複雑だなと、もっとこれから整理をして、しっかりと関係省庁が連携を取るべきところは取り、重複するところはしっかりとその部分は省き、こういう整備が必要になってくるのではないかというふうに思いました。これは今後の課題として、以降の質問に譲っていきたいと思います。
じゃ、その上で、今回この想定が出されたというところを主軸に伺ってまいりますが、今回の津波被害想定によっていろいろなものが見直しされていかなければならないというふうに思うんですが、地元の例ばかりで恐縮ですけれども、東日本大震災の一・二倍の浸水という想定が出た宮城、六市三町で庁舎が浸水域になっているということで、これ、浸水域になっているからといって現実的に移転がすぐ可能かというと、もちろんそんな簡単な話でないことは重々承知しておりますけれども、例えば今回の浸水被害の想定を受けて自治体が庁舎移転などを希望する場合に、使える国の補助制度などはあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/13
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014・小宮大一郎
○政府参考人(小宮大一郎君) お答えいたします。
総務省消防庁では、災害対応拠点となる自治体の庁舎を津波浸水想定区域内から区域外に移転する場合に、用地取得費や施設整備費について、充当率一〇〇%、交付税措置率七〇%の緊急防災・減災事業債の対象としております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/14
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015・石垣のりこ
○石垣のりこ君 ちなみに、これが使われたところがあるかも御回答いただいてよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/15
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016・小宮大一郎
○政府参考人(小宮大一郎君) お答えいたします。
宮崎県の門川町におきまして活用されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/16
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017・石垣のりこ
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
庁舎は災害対応の拠点となるところですから、絶対安全ということはないにせよ、どこに建てたとしてもしっかりと防災対策をしておかなければならない建物であると思いますので、今回の想定を受けて、それこそ中長期的な町づくりの計画の中で津波被害を想定した庁舎移転ということも検討され得るのだというふうに推測いたします。
今回の津波被害想定によりまして自治体のハザードマップの見直しなども迫られると思うんですが、その点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/17
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018・高橋謙司
○政府参考人(高橋謙司君) お答えいたします。
津波浸水想定区域の指定、見直しが都道府県によって行われた場合、市町村は、住民の避難体制を確保するため、津波ハザードマップを作成、改定することになります。
国土交通省では、市町村がハザードマップの整備を円滑に行えますよう、相談窓口の設置や、簡易に作成できるツールの提供といった技術面での支援を行うとともに、防災・安全交付金により財政面で支援をしております。また、災害に応じて避難先の選定が容易になるポータルサイトを開設するとともに、ホームページやメディアを通じた広報等によりハザードマップの周知に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/18
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019・石垣のりこ
○石垣のりこ君 ハザードマップの見直しとともに、新たな防災計画の策定ないしは見直しということもあると思いますが、その点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/19
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020・小宮大一郎
○政府参考人(小宮大一郎君) お答えいたします。
消防庁では、消防庁の防災業務計画におきまして市町村が地域防災計画の作成する際の基準を定めておりまして、その中では、津波浸水想定を踏まえ、津波災害警戒区域の指定のあった場合に市町村が地域防災計画に定めるべき事項を記載をしております。
今後、市町村が地域防災計画の見直しを行うに当たって、都道府県あるいは直接市町村から消防庁に助言が求められた場合には、こうした基準も参考にしながら適切に助言を行ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/20
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021・石垣のりこ
○石垣のりこ君 今回の想定によって、いろいろ変えなければならない、対応しなければならないところもあるということで、先ほど、ハザードマップに関しては、社会資本整備総合交付金、津波・高潮危機管理対策緊急事業ということで、今年度、令和四年度に改正されておりまして、ハザードマップの作成については総事業費のおおむね二割の上限というのが本来あったんですけれども、今回のこの法律に関わって想定が変わった場合、作り直しなどをしなければならない場合はその上限が撤廃されているということで、非常に使いやすくなっているというお声もいただいておりました、自治体の方からは。
そして、今回の津波被害想定の算出にも関わってくると思うんですけれども、東日本大震災後、地震観測に関してどのような整備が進められてきたか、お話しいただいていいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/21
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022・原克彦
○政府参考人(原克彦君) お答えいたします。
文部科学省におきましては、東日本大震災を踏まえまして、東北地方太平洋沖においては日本海溝海底地震津波観測網、S―netと呼んでおりますけれども、これを整備し、津波等の観測データを各大学等における津波研究、あるいは気象庁における津波警報等に活用してきたところでございます。
また、現在、南海トラフ地震の想定震源域である高知県沖から日向灘の海域には観測網の空白域があるということから、新たに南海トラフ海底地震津波観測網、こちらはN―netというふうに申しておりますけれども、それの整備を進めているところでございます。
文部科学省といたしましては、今後も地震、津波による被害の軽減に資するよう、海底地震津波観測網を適切に整備、運用してまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/22
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023・石垣のりこ
○石垣のりこ君 今日は資料で御用意しませんでしたけれども、大分その観測地点の整備は進められてきているということで、ただ、まだ空白地帯は、令和五年度をめどに整備が一応完了する予定だという話を聞いておりますけれども、空白地帯もあるということで、この辺の整備も今後更に進めていかなければならないと思います。
災害は忘れた頃にやってくるというような標語がございますけれども、忘れたどころか、近年は、地震、震度六クラスの地震、毎年のように起きていますし、地震だけではなくて、やっぱり台風とか豪雨災害も頻発しております。これまで想定されていなかった地域で、また、一時間当たりの雨量なども、これまでに経験したことのないというふうに警戒を促されるような、想定を超えたものが本当に多発しております。
先ほども申し上げましたが、特に津波対策に関してもあれだけの法律があって様々な想定があってということで、もちろん備えておくのは大事なんですけれども、ちょっとあそこまで複雑になってしまうとこれやっぱり縦割り行政の弊害みたいなところもあると思うんですが、この辺の整備、これは災害救助法に関する法律の整備も含めて、本当に今後大きな課題になっていくと思いますので、本当にそれは、さらに私自身も私自身の一つの課題として今後取り組んでいきたいと思います。
今回の想定に関わる質問は以上でございます。
続いては、ALPS処理水について伺います。
資料の五を御覧ください。
「ALPS処理水について知ってほしい3つのこと」ということで、これ全国、全国のでしたっけね、各学校に送られたということでいっとき問題にもなりましたが、これを御覧になりながらでもいいんですけれども、まずは福島原発の事故に関して、汚染水対策、今、海洋放出が前提にしたものが進められておりますが、大臣が所信で、決して風評被害を生じさせないというふうにおっしゃっておりました。ALPS処理水を海外放出することで生じる風評被害というのを、大臣、どのように考えていらっしゃるか、まずはそこについて伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/23
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024・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 東日本大震災に伴う原子力災害によって、放射線に関する誤った理解や安全性に対する不安などから、被災地の農林水産品に対する買い控え、被災地への観光客の減少といった風評被害が発生してきたものと認識をしております。
ALPS処理水の処分に当たっても、地元などからは同様の風評被害が新たに発生することを懸念する声が上がっております。こうした風評被害を生じさせないため、政府一丸となって科学的根拠に基づく正確な情報の発信などに全力で取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/24
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025・石垣のりこ
○石垣のりこ君 風評被害を生じさせないための対策、もうちょっとより詳しくお話をいただければなと思いますが、もう少し説明していただいてもよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/25
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026・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) ALPS処理水の取扱いは先送りできない重要な課題であります。全国の方々の理解と協力が極めて重要だと認識をしております。
復興庁としましても、関係省庁による風評対策タスクフォースにおきまして、ALPS処理水の処分に関する正確な情報の国内外への発信や、地域の方々と一体となった地域の魅力発信などを盛り込んだ情報発信等の施策パッケージを取りまとめたところであります。これらを踏まえまして、政府一丸となって情報の発信、決して風評影響を生じさせないという強い決意の下、徹底した情報発信などを風評対策で全力に取り組んでいるところであります。
例えばユーチューブなどを使って、影響力のある方々を使って発信をしてみたり、そういう発信は、おさかなクンであったりあるいはお笑いの方であったり、様々発信をしておりますが、報告を受けているところですと、七百三十万回ぐらいの何かヒットがあったということを報告を受けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/26
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027・石垣のりこ
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
福島原発事故に関することで、ちょっと風評被害という言葉が、本当にこれが適切であるかどうかと私はかなり割り切れない気持ちになるんですが、例えば大辞林によると、風評被害というのは、根拠のないうわさや臆測などで発生する経済的被害というふうに説明がなされております。果たして原発事故に関して根拠のないうわさですとか臆測と言い切れることがどれだけあるだろうかと、私自身も考えます。
日本司法支援センター、法テラスのウエブページには、中間指針では、いわゆる風評被害という表現は、放射性物質等による危険が全くないのに消費者や取引先が危険性を心配して商品やサービスの購入、取引を回避する不安心理に起因する損害という意味で使われることもあると。しかしながら、少なくとも本件事故のような原子力事故に関して言えば、むしろ必ずしも科学的に明確でない放射性物質による汚染の危険を回避するための市場の拒絶反応によるものと考えるべきであり、したがって、このような回避行動が合理的と言える場合には、原子力損害として賠償の対象になると。このような理解をするならば、そもそも風評被害という表現自体を避けることが本来望ましいが、現時点でこれに代わる適切な表現は裁判実務上もいまだ示されていないと、このような見解が示されております。
さらに、先ほど風評被害対策としてやっぱり安全性を理解していただくというような趣旨の御回答ございましたけども、復興庁のALPS処理水の安全性を理解してもらうために作ったチラシというのが冒頭で見てくださいと申し上げたものでございます。これ、全国の学校に送付して問題になった。このチラシを見て、私は、安全性を感じるよりも逆に不安を覚えました。
なぜかというと、これチラシのタイトル、「ALPS処理水について知ってほしい3つのこと」と書かれています。その下には、三つのポイントについて、イラストで見てぱっとイメージできるように作られていると思います。本来であれば、これALPS処理水について書かれているんですけども、一番、二番はトリチウムの説明ですよね。ALPS処理水とトリチウムとは何ぞやというその関係性が明らかになった上で説明がなされているのであればまだ分かるんですが、ALPS処理水とトリチウム、若しくはトリチウム水の関係性がどこに書かれているかというと、印刷が不鮮明で多分読めないと思います、皆さんの視力の問題ではなく、読めないと思いますので、次のページに大きく示しております。ALPS処理水とは、トリチウム以外の放射性物質が安全に関する規制基準値を確実に下回るまで多核種除去施設等で浄化処理された水のことですって、こんなところにちっちゃくALPS処理水とトリチウムの関係性が書かれているわけなんですよ。
ALPS処理水ってどういうものなのか。トリチウム、身の回りにたくさんありますって書かれています。トリチウムの健康への影響は心配ありませんと書かれております。で、飲んでいます、人が。イルカも口に入れて、循環をしているというふうに書かれていますけれども、ここに書かれているトリチウム及びトリチウム水は、ALPS処理水イコールではないですよね。これを見ると、もういかに飲んでも大丈夫なような印象を与えてしまうと。
これどうですか。ALPS処理水とトリチウム水、どう違うか、私も言いましたけれども、改めて御紹介というか、御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/27
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028・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) お答え申し上げます。
この御指摘をいただきましたチラシでは、水道水にも通常トリチウムが含まれており、そのトリチウムを含む水道水を飲んでも健康への影響が生じる心配がないことをイラストを用いて説明をいたしております。
水道水とALPS処理水の違いに関して申し上げますと、WHO、世界保健機関の飲料水基準は、一万ベクレル・パー・リットルとされているところ、ALPS処理水はその基準の七分の一程度にまで薄めて放出する予定としております。
また、トリチウム以外の放射性核種がALPS処理水の場合には含まれておりますけれども、これは、ALPS処理水は、基準を、規制基準を十分に満たすまで浄化処理が行われておりますので、放出によって環境や人体への影響は考えられないというふうに考えてございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/28
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029・石垣のりこ
○石垣のりこ君 そうやって仮に口頭で説明して、いや、違うんですって言わないと、この「ALPS処理水について知ってほしい3つのこと」で、一番と二番のトリチウムに関して書かれていることがイコール、ALPS処理水にもイコールなんだというふうな認識の錯誤を招くような表現をなされていると、私自身はこれ非常に思います。だって、ALPS処理水そのものは、こうやって子供が飲むようなものでもないですよね、基本的に。海に放出されればイルカは口にするかもしれませんけれども、これ、男の子が飲んで推奨されるものでは決してないと思います。
事故を起こして炉心溶融を起こした原発から排出される汚染水を専用の薬剤と装置でろ過して出てきたトリチウム水と、自然界に存在する、飲んでも問題のないようなトリチウム水、別物です。基準値以下の核種を度外視してトリチウムだけ見ても、濃度が全く違う、これも安全に、水道水以下になっているというふうに書いてありますけれども、でも、これ、ALPS処理水は水道水じゃなくて海水ですよね。ALPS処理水は、飲めるような、私たちの体にも存在するトリチウム水と同じであるという、これは非常に誤解を招くようなチラシなのではないでしょうか。学校に送る、安全、安心どころか、このような広報活動を展開する政府に対して不信、不安が生じてもこれ不思議ではないと、私自身は思います。
これ、トリチウムに対する不安以上に、やっぱり、残る多核種、これは不安がないとは言えません。これも本当に分からないところがたくさんありますので、幾ら基準値以下といっても本当に影響がないものなのかどうか、未知のところも多いと思います。
それ以上に一番不安になるのが、「ALPS処理水について知ってほしい3つのこと」で、学校にこういう資料を送ってしまう、間違った認識を誘導しかねないような資料を送ってしまう、私、政府の在り方、もうこれ復興庁の名前で出されていますから復興庁の責任大きいと思うんですけれども、復興庁の在り方にこそ、やっぱり風評被害というのであれば、それを誘導する、誘発する原因があるんじゃないんでしょうか。復興大臣、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/29
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030・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 風評被害を生じさせないためには、科学的根拠に基づく正確な情報を分かりやすく丁寧に届けることが重要だと考えております。このため、ALPS処理水という専門性が高いテーマについて、安全性等に関する正しい情報を分かりやすく、できるだけ多くの方々に伝えられるようにという思いでこのチラシを作成したところであります。
チラシには、ALPS処理水の安全性を正しく理解する上で必要な情報が盛り込まれているものと考えております。この二番目の図の子供が飲んでいるコップの水は飲料水の水ではあるんですけれども、ALPS処理水を飲んでいるというふうに誤解を与えないようにしないと、先生のお話を聞いていて、ここに、これは飲料水の水ですと書いた方がよかったなという思いは持ちました。
このチラシを読むことで、広く誤った理解が生じるというふうには考えておりません。また、チラシだけでは説明し切れない更なる疑問などについても、ウエブサイトあるいは動画の配信等を通じて情報を提供しております。
引き続き、理解の醸成に向けて丁寧な説明に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/30
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031・石垣のりこ
○石垣のりこ君 非常に残念なお答えですけれども、もちろん受け取り方によって違うといってそれぞれ個々の受け取り方に集約されてしまったらそんなお答えもあり得るかもしれませんけれども、やっぱりこれ、科学的根拠と実際どういうものであるかというのをイラストによって、私は、これ認識の誤りを導くものであるというふうに思います。
やっぱりALPS処理水に関する丁寧な偽りのない情報開示も含めて、一定のリスクを引き受けざるを得ない現実というのがもしあるのであれば、ちゃんとそれを示した上で福島原発の汚染水対策についてしっかり議論すべきであるということを申し上げて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/31
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032・横沢高徳
○横沢高徳君 立憲民主・社民の横沢高徳でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
私も先日、コロナ禍で延期となっていた福島第一原発に出向きまして視察をさせていただきました。非常に廃炉に向けた道のりは長期戦だなと思いましたし、乗り越えなければいけない課題もたくさんあると感じてまいりました。
先ほど石垣議員もALPS処理水について質問をされていましたが、私もまず冒頭にALPS処理水についてお伺いをしたいと思います。
まず、ALPS処理水の海洋放出について、政府は、地元自治体や関係団体、農業者、あっ、農業者じゃない、漁業者などに丁寧に説明を行っているとのことです。
沿岸地域を回って漁業者の方々と話をしますと、海洋放出ありきの国の説明を聞かされるだけではなくて、やはり私たちと協議、話合いをしてほしいのだという意見が多く寄せられております。
漁業者からは、震災以降、主要な魚種の不漁が続き、水産業が非常に厳しい状況にある中で、これでALPS処理水の海洋放出が行われると、少なからず風評被害はあるだろうと。まして、これ、ロシア、ウクライナの関係で燃料代も高騰し、地域のなりわいをどのように維持していくのか、非常に不安を口にしておられる方は少なくありません。
また、特に漁業者の方とこれから政府として協議、話合いを、あっ、これまで政府として協議や話合いをどのように取り組んでこられたのか、また、特に漁業者の方たちとの話合いをより進めていく必要があると考えますが、政府の御見解をまずお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/32
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033・湯本啓市
○政府参考人(湯本啓市君) お答えいたします。
ALPS処理水の処分につきましては、地元を始め、できる限り多くの方々に御理解いただくために、これまでも、政府の方針決定の背景ですとか議論の経緯、それからALPS処理水の安全性、風評対策の進捗などについて情報提供を行うとともに、皆様のお声を伺うための意見交換の機会を積極的に確保してきております。
例えばですけれども、先ほど言及がございました、自治体あるいは農林水産業者の皆様の団体、そういったところに対しまして説明、意見交換の機会をいただきますようにこちらからお願いする場合ですとか、それから先方様から求められる場合がございますけれども、いずれにつきましても丁寧に対応してきておるところでございます。
また、福島県内の住民の方々を対象にして、福島第一原発の視察をしていただくとともに車座で意見交換を行うような、視察・座談会と申しておりますが、こういった取組も行っております。
加えまして、ALPS処理水の放出に懸念を示される方々もございますが、こういった方々から意見交換あるいは勉強会といったようなことも御要請いただいておりまして、こういった場合にも最大限お応えをさせていただいております。
引き続き、様々な媒体、機会を活用しまして、国民の皆様に正確な情報を発信するだけでなく、意見交換等の中でいただきます疑問には丁寧にお答えするなど、あるいはニーズを酌み取るなどしまして、御理解を深めていただくように取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/33
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034・横沢高徳
○横沢高徳君 国の方、政府の方では最大限取り組んでいるということですが、やはり、特に漁業者の方からは、やはりまだまだその協議、話合い、決定のプロセスに納得がいかないという声が多いんです。
西銘大臣、今の、これまでの取組で十分だとお考えなのか、また、これからもっと進めなければいけないと感じているのか、どうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/34
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035・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) ALPS処理水の処分につきましては、全国の方々の理解と協力が極めて重要であると考えております。政府として、国民や関係者の方々を始めとして、継続的に丁寧に説明を尽くしていくことが必要と考えております。
私自身、現場主義を徹底しまして、頻繁に被災地に通っているところでありますが、引き続き、様々な機会を活用し、広く関係者との対話を重ねていきたいと考えております。
いずれにしましても、ALPS処理水に関する基本方針及び行動計画を踏まえまして、政府一丸となって、決して風評被害を生じさせないという強い決意の下、科学的な根拠に基づいた情報の発信と風評対策に引き続きしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
先般、魚市場を回ったときに対話の中で出てきたんですけれども、科学的な根拠に基づく正確性で安全は説明できても、実際消費者が物を買うときの安心という点の説明も必要だという指摘等も受けておりますので、その辺もしっかり踏まえて対応していきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/35
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036・横沢高徳
○横沢高徳君 そうなんですよね。なかなか、大臣も被災地に出向いてお話聞いているということですが、大臣一人のスケジュールでは対応し切れないぐらいの漁業者の方がいらっしゃると思いますので、これはもっと対話の機会を是非増やしていただいて、やはりもっと話合いの機会を、福島で車座でやっているという先ほど答弁もありましたが、宮城、福島にも広げていただいて、これはやっぱり、漁業者の皆様のやはり理解、納得をした上でどうするかというのをやはり決めていくようにしていただきたいと思います。やはり、被災地に寄り添うというのであれば、より丁寧な話し合うことが求められていると思いますので、御要望として申し上げたいと思います。
それでは次、復興と地方創生についてお伺いをしたいと思います。今日は野田大臣にお越しいただいております。
三月十一日の予算委員会でもお伺いしましたが、被災地における地方創生について、野田大臣とちょっと議論を深めてまいりたいというふうに思います。
国の第二期復興・創生期間では、地方創生のモデルになるような復興を実現していくとしています。野田地方創生担当大臣から見て、今の被災地の現状、これが地域創生のモデルになってきているのか、それとも、いや、まだまだ地方創生のモデルとしては課題が多いというふうに感じておられるのか、まず御所見をお伺いしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/36
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037・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 東日本大震災から十一年が経過いたしました。改めて、震災でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族の皆様方にも哀悼の意を表します。
御質問の被災地の現状への認識につきましては、震災から十一年を迎える中、多くの関係者の皆様方の御努力によって復興は着実に進展をしていると感じる一方で、心のケアを始めとする様々な課題も残されています。また、原子力災害からの復興再生については、中長期的な対応が今後とも求められていると認識しています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/37
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038・横沢高徳
○横沢高徳君 それで、ちょっとこれから議論を深めたいと思いますが、ちょうど震災から十一年たちまして、おかげさまで、防潮堤ができ、道路ができ、また漁港、学校、病院などのハード整備はほぼ完了しました。これまでの復興事業に対し、改めて感謝を申し上げます。
あれだけの未曽有の災害で、町の景観が変わるほど前例のない復興事業でありますので、暮らしの現場、そして生活者の視点から見ると、いろいろと改善点がやはり見えてくるものです。
例えば、子供や子育ての視点から見れば、自治体の中に新しい公園は造られました。しかし、子供たちが遊ぶ遊具が整備されていなかったり場所がなかったり、子供たちを遊ばせるには隣の町までお母さんたちが連れていかなきゃいけないような自治体もあります。
これは、これまでの行政の取組を別に批判するわけではなくて、言わばあのような未曽有の大災害の中での急ピッチの復興でありますから、気付きにくかった点はやはりこれから出てくると思います。だからこそ、暮らしの生活や、やはり現場から見えてくる改善点に対して国のやはり後押しですね、やはり支援も復興のあるべき姿、地方創生のあるべき姿ではないかと考えますが、野田大臣、この点についていかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/38
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039・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 私自身、昨年十一月に宮城県を訪問しました。被災地の皆様から直接お話をお聞きするとともに、それぞれの復興に向けた取組を視察させていただきました。
例えば、避難先や復興の拠点としての役割を果たした旅館業の取組、これはみやぎおかみ会の皆さんとの車座で教えていただきました。また、若い方々が生産拠点を移して、地元産のブドウを使用したワイン造り、南三陸ワイナリー、また、障害者雇用と農産物栽培、加工、販売を行う農福連携の実現、これは幸満つる郷KDDIエボルバ野蒜というところでありますが、など、被災地で取り組んでいることは地方創生の好事例だと感じました。
また、ちょっと遡るんですが、総務大臣時代に視察させていただきましたが、岩手県の大船渡市のキャッセン大船渡、ここでは、独自に立地企業から分担金を徴収して景観保全や地域活性化等の活動を行うなど、大変先進的な取組をされていると認識しています。
このような被災地の皆様の取組を地方創生のモデルになるような復興として実現していくために、引き続き地方創生施策による連携をしっかり図ってまいります。
差し当たってのインフラではなく、その上でなりわいなり暮らしが成り立つような、人のための復興の手当てをどんどん加速化させて、今もう既に加速化されているところもありますけれども、更に地方創生として取り組んでいかねばならないと思います。
具体的には、地方創生人材支援制度の活用、プロフェッショナル人材事業の沿岸部展開への支援、復旧復興事業と地方創生推進交付金事業との連携、復興庁職員の内閣府併任による地方創生施策の相談窓口の強化など、様々な取組を着実に進めてまいります。
今後とも、被災地の皆様方の声をしっかり受け止めて、東北の復興なくして日本の再生なしという思いをしっかり持ちながら、復興庁ともしっかり連携をし、強い決意で地方創生のモデルとなるような復興の実現を目指してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/39
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040・横沢高徳
○横沢高徳君 地方創生のモデルとなるような、確かにそれを目指していくのは非常に重要だと思いますが、なかなか、地方創生のモデルとなるような復興が進んでいるのかと言われると、まだまだ課題が多いなという点も多々あります。
先ほど申し上げた公園の件ですね、例えば、公園は整備されたけど遊具がないというような公園は、例えば、野田大臣、子供を担当されていますが、障害のある子供もない子供も一緒に楽しめるインクルーシブ公園だったりユニバーサル公園をやはり地方創生のモデルとして導入してみたり、そういう新しい取組を是非被災地でも進めていくことが大事だと考えますが、野田大臣、もし答弁ありましたらよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/40
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041・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) もう委員のおっしゃるとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/41
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042・横沢高徳
○横沢高徳君 ありがとうございます。是非進めていただきたいことを御要望を申し上げたいと思います。
じゃ、もう一点だけちょっとお伺いします。
先ほどの石垣議員からも話がありました日本海溝・千島海溝地震との関係です。これ、地方創生を考えると、被災地の住民の減少というのが今やはりなかなか課題となっております。
でも、地方創生としてやはり移住や定住を今やはり進めているのはそうなんですが、やはり、先日発表になった、気仙沼では二十二・二メートル、岩手県宮古市では二十九・五メートルの新たな津波が想定されるということで、やはり移住、定住を今考えて地方創生頑張ってやっているんだけど、片や、またあの防潮堤を乗り越えて大きな津波が来る、これは不安が相当あるわけですよ。地方創生を進める上でもかなりの課題だというふうに認識をしております。
なので、これは一見矛盾しているように見えますが、両立していかなければいけないこの復興の課題だと考えますが、やはり人の不安に寄り添う取組、そして不安に寄り添いながらどう地方創生を進めていくのかというのは非常に大事だと思いますが、もし、野田大臣、御答弁あればお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/42
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043・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) この質問についてはちょっと通告を受けておりませんので、正確に答弁することは差し控え、不可能でありますけれども、おっしゃっていることの意味は十分理解をした上で、移住については、必ずしも一つの理由だけではなく、様々な動機をつくらなければ、例えば御家族がいた場合、子供がいた場合、そこの教育は果たして子供にとって十分か、又は医療は十分子供たちを支えてくれるか、様々なその移るに当たっての理由が要りますし、また、必ずしもお仕事があるから移住とかいうことでなく、例えばそこの文化が好きとか、そういうことの移住も若い人の間では少なからず増加をしているという、まあ様々な要因があるので、今おっしゃったような不安を解消できるよう、様々なリスクコミュニケーションのようなこともしっかり捉まえていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/43
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044・横沢高徳
○横沢高徳君 ありがとうございます。
特に被災地では、今おっしゃられた医師不足とか深刻になっておりますので、やはり地方創生のモデルとなるような復興になるように是非御尽力いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、ちょっと次の質問になります。
時間も限られておりますので、ちょっと順番入れ替えまして、復興知見班についてお伺いをしたいと思います。
これまでの復興の取組を検証する復興知見班が昨年三月三十日に新たに設置されました。この活動内容はどのようなものか、お答えをいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/44
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045・岡本裕豪
○政府参考人(岡本裕豪君) お答え申し上げます。
復興知見班の活動内容でございますが、復興知見班は、これまで復興庁に蓄積されました教訓等を今後の東日本大震災からの復興や将来の大規模災害に対する防災あるいは減災に役立てていくため、令和三年四月に設立されたものでございます。
この間、復興知見班では、地方自治体ですとかNPO等の膨大な取組から課題、教訓を取りまとめたノウハウ集の関係省庁あるいは全国自治体への共有、それから、内閣防災と共同いたしまして、東日本大震災以降の災害対応を含む教訓等を関係省庁と共有するため、実務担当者による連絡会を開催しております。
また、これまで十年間に政府が講じました様々な復興政策、これを振り返るための関係省庁等からの資料収集を現在進めているところでございます。
また、復興庁における災害対応の窓口ということで、被災三県等で発生した地震あるいは台風等につきまして、復興庁災害対策本部の立ち上げですとか被害情報の収集等の初動対応などについても担当してきたところでございます。
これらの取組によりまして、東日本大震災の教訓等について関係行政機関等との共有が促進され、我が国の防災力の向上に寄与していけるものではないかというふうに考えているところでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/45
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046・横沢高徳
○横沢高徳君 時間ですので、次の国の防災対策に是非役立てていただきたいことを申し上げ、質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/46
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047・芳賀道也
○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。会派を代表して質問をさせていただきます。
初めに、木の灰、木灰は、そばのつなぎである、麺のつなぎであるとか様々な山菜のあく抜きにも使われますし、郷土料理の一部にはその灰を使うような食品もあります。二〇一二年には、東日本十七都県で取れた木灰の食品の使用について自粛するように、農林水産省から各都道府県や各食品団体に通知が出ています。
東日本十七都県で、まあ取れたといいますか、木材や炭、これから生じた木灰、木の灰については、食品の使用は十一年たった今でも自粛されているのか、変わっていないのか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/47
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048・天羽隆
○政府参考人(天羽隆君) お答え申し上げます。
平成二十四年のことでございますが、放射性物質を含みますまきを燃焼させた際に生じた灰を用いて食品の加工が行われ、当該食品から放射性セシウムが検出される事例が発生しております。
これを受けまして、議員御指摘のとおり、十七都県で採取された樹木等から生産されたまき、木炭などの燃焼によって生じた灰を食品の加工及び調理に用いることにつきましては、安全な食品の供給を確保するとの観点から、平成二十四年二月十日付けで、都道府県及び食品関係団体に対しまして農林水産省の関係六課長の連名で使用自粛の通知を発出しているところでありまして、現在も自粛要請を続けているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/48
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049・芳賀道也
○芳賀道也君 私も、何人かの東日本に住む方から、いや、もう今はいいんだよねという質問を受けたりする。二年目、三年目は、この通知など、例えば山菜のあく抜きには重曹又は西日本の木材から生じた灰を使うようにというような広報が行われていたんですが、今、余り広報も行われていないようで、これがもうちょっと忘れ去られているのではないかという危惧があります。
それでは、知らずに食品に使ってしまった場合、その食品は今でも回収等が必要なのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/49
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050・天羽隆
○政府参考人(天羽隆君) お答え申し上げます。
先ほどの通知でございます。あくまで木灰を使って加工や調理をされた食品が食品衛生法に基づきます一般食品の放射性物質の基準値である百ベクレル・パー・キログラムを超えることがないよう、自粛を呼びかけているものでございます。
十七都県で採取されたまきなどに由来すると知らずに木灰を使って加工や調理が行われた場合に、それによってできた食品を回収しなければならないかどうかにつきましては、その食品が食品衛生法に基づく基準値を超過しているかどうかによりまして回収などの必要な措置の判断がなされることになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/50
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051・芳賀道也
○芳賀道也君 回収までは求めていない、あるいは、追加で放射能検査をし、食品衛生法の許容範囲であればいいということでしょうか。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/51
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052・天羽隆
○政府参考人(天羽隆君) お答え申し上げます。
繰り返しになりますけれども、この食品を回収するべきかどうかということにつきましては、その食品に食品衛生法に基づく基準値を超過する放射性物質が含まれているかどうかによって判断をされるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/52
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053・芳賀道也
○芳賀道也君 実際にだと、調べて範囲内であれば、基準以内であればまあ食品として流通も認めるということなんでしょうけれども、少なくとも、十一年たって、やはり今でも自粛が要請されている、このことがちょっと風化しているということを感じております。このところPRも余り行われていないのではないでしょうか。
大臣に伺います。
あく抜きや麺類の製造、そんなものに使う、それから一部の食品に使うこの木灰、木の灰ですが、東日本十七都県の木灰の使用の自粛について、政府のPRが余りにも少ないのではないか。改めて注意喚起行うべきではないでしょうか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/53
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054・金子原二郎
○国務大臣(金子原二郎君) お答えいたします。
当該通知につきましては、引き続き林野庁ホームページに掲載をいたしておりまして周知しておりますが、議員御指摘のとおり、通知の発出から十年以上経過しておりますので、関係省庁や都道府県と連携を取りまして、安全な食品の供給を確保する観点から、改めて適切な周知を図ることといたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/54
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055・芳賀道也
○芳賀道也君 是非、こうしたことが何か忘れ去られてしまってまた危険な食品が出回っていたなんということのないように、しっかりと対応をお願いいたします。
次に、福島県などの復興を実現するには時間とお金が掛かります。廃炉などを考えても数十年では難しいのではないかということも見えてきた。放射性物質の半減期を考えても、例えばセシウム137で約三十年、プルトニウム239に至ってはまあ約二万四千年掛かる。途方もなく長い時間が掛かることを想定した際に、その復興のための原資となる資金をどうするかという課題が生じます。
配付資料を是非御覧いただきたいんです。
元外務省官僚の方の御提案なんですが、福島県にオフショア市場を開く特区を設けて、そこで企業活動、金融活動などから得られた税収入を復興に充ててはどうかという、具体的で興味深い提案があります。持続可能な復興のために、こうした案は検討に値する、一考に値すると考えますが、担当大臣の御見解いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/55
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056・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 私も岩手県の被災した沿岸部出身でございますので、芳賀先生御指摘のとおり、福島の復興に向けて引き続き政府一体となって取り組んでいく必要がある、そのことを常々認識しているところでございます。
その上で、先生の配付資料に記載のありますキャプティブ保険会社は、これは、特定の企業グループに属し、その企業のリスクのみを専門に引き受ける会社であり、日本におきましてはこれまで設立された実績がないものと、そのように承知をいたしております。
現状では、キャプティブ保険会社の設立地といたしましては、バミューダやケイマン諸島等のいわゆるタックスヘイブンの国、地域が選択されるケースが多いと承知をいたしております。これは、法人設立の手続や税制面が優遇されていることのみならず、これらの地域に既に保険会社や再保険会社が数多く集積していること、これが主要な要因であると認識をいたしております。
このような現状を踏まえますと、仮に特区として手続や税制面の優遇がなされたとしても、これらの地域と比較をして日本にキャプティブ保険会社を設立する優位性にこれは乏しくて、委員から御指摘の御提案につきましては、ニーズの有無も含めて慎重な検討が必要ではないかと、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/56
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057・芳賀道也
○芳賀道也君 大臣から、震災被災地域からの、出身の大臣として力強い発言もありましたが、是非このキャプティブ保険という、まあちょっと耳慣れない言葉ですけれども、被災地を金融というてこで輝かせる、もしこれ被災地が元気になるための方策としていいのであれば、あらゆることを検討していただくということも必要でしょうし、是非これも検討の一つに加えて、またその答えなどもお答えいただけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
次に、西銘復興大臣は沖縄県選出でいらっしゃいますが、かつて、本土と沖縄を結ぶ航空便に対する運賃の補助が沖縄振興策として実施されていた時期がありました。福島の復興なくして日本の再生なしと政府は言い続けてきましたが、そう考えるのであれば、これまでなされてきた沖縄の振興策と同じように、航空機燃料税の減免を通じて福島空港発着の航空券の割引を進めるなど、福島への観光支援を各種行うべきではないでしょうか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/57
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058・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 福島県における観光復興は、交流人口の拡大による経済活動や投資を喚起する効果だけでなく、原子力災害による風評払拭を図る観点からも重要であると認識をしております。
福島空港は、コロナウイルス感染症等によって利用が低迷しておりまして、国内便の回復や国際チャーター便の再開が課題と承知をしております。福島県は首都圏に近接しており、空港に加え、高速道路や新幹線等の広域交通ネットワークを最大限に活用して観光復興を図ることが効果的であると考えております。これらの交通ネットワークを活用して国内外から広く福島に来てもらうよう、政府として、福島の魅力発信や空港を活用した旅行商品の造成の支援などを行ってきたほか、令和四年度からは海の魅力を発信するブルーツーリズムの推進を支援することとしております。
復興庁としましては、福島県や関係省庁等と連携しつつ、引き続き福島の観光復興に取り組んでまいりたいと考えております。
私自身も、内堀知事さんから沖縄と福島の航空便を再開したいというお話は伺っております。その点につきましても努力はしていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/58
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059・芳賀道也
○芳賀道也君 是非、大臣のお話にもありましたけれども、福島は地理的に東京から近過ぎるということもありまして、新幹線が不通にでもならないとなかなか福島空港の利用が首都圏からはないというような側面もありますし、福島を元気にするためにも、是非、こうした形の支援というのも考え得るのではないか、御検討もお願いします。
そして、同じこのことに、鈴木財務大臣にもお伺いしたいと思うんですが、沖縄と本土を結ぶ航空便については、飛行機のジェット燃料に係る航空機燃料税の減免がほかの地域以上になされております。航空機燃料税の本則税率は一キロリットル当たり二万六千円ですが、今は租税特別措置により国内の離島路線を除く航空路線について税率が一万三千円になり、沖縄については更にその半分の六千五百円になっております。
福島空港発着の飛行機についても、この沖縄と同じように航空機燃料税をほかの地域の半分にすべきではないかと考えます。復興庁と連携しながら是非実施していただきたいと思うんですが、先ほどもありました、同じ東北人として、鈴木財務大臣、是非お考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/59
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060・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 芳賀先生御指摘のように、沖縄路線の航空機燃料税につきましては軽減措置がとられているところでございます。これは、沖縄が戦後四半世紀にわたりまして我が国の施政権の外にあったこと等の特殊な事情に鑑みまして、政府として沖縄振興特別措置法などによりまして各分野にわたる振興策を講じることとしていること等も踏まえて講じている措置でございます。したがいまして、こうした措置を沖縄以外の地域に適用することについては慎重な検討が必要と考えます。
その上で、財務省といたしましても、沖縄の観光振興の重要性、これは十分に認識をしているものでございまして、先ほど西銘復興大臣からも御紹介がございましたが、令和四年度予算においても福島県における観光関連復興支援事業として所要額を計上したところでありまして、今後とも、こうした観光面の振興支援、しっかりと対応してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/60
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061・芳賀道也
○芳賀道也君 西銘大臣からも福島―沖縄便という御発言がありましたけれども、是非、福島空港を元気にするためにも、是非、鈴木大臣、御協力をよろしくお願いします。(発言する者あり)いいですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/61
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062・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) もう大変申し訳ありません。先ほど、財務省として、福島の観光振興の重要性と言うべきところを沖縄のと言ってしまいました。大変失礼いたしました。訂正いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/62
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063・芳賀道也
○芳賀道也君 どちらも大事ですので、結構でございます。
次に、県外に避難している方が避難者としてカウントされていない問題なんですが、カウントされていないということは、政府から見捨てられ、必要な援助が受けられないということを意味しております。避難者のカウントされていないことで自分が否定されているのではないかと感じる避難者も多い。政府は復興が進んでいるとこれ見せかけるために避難者を少なくさせているのではないかとも思うぐらいなんですが、この辺はいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/63
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064・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 福島県からの避難者を含め、東日本大震災による避難者数につきましては、避難者から避難先市区町村への届出により、全国の市区町村が把握した人数の復興庁への報告に基づいて集計し、公表しているところであります。しかし、避難者が避難元へ帰還した場合や避難先への定住を決めた場合等に適切な届出がなければ把握が困難であるという課題があります。
こうした課題に対応するため、福島県からの県外避難者に対して適切な届出を呼びかける文書を送付し、呼びかけ文書が不達、届かなかった場合の所在確認を行い、この結果を避難者数の公表人数に反映してきたところであります。
引き続き、復興庁のホームページやツイッター等による適切な届出の呼びかけを行うなど、避難者数の適切な把握に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/64
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065・芳賀道也
○芳賀道也君 大臣のお答えですと、できる限り把握するためにしっかりやっているんだということでしたが、福島県庁が数える避難者数と福島県内市町村それぞれ報告している避難者数で実際に大きなずれがあるんですね。
例えば、二〇二〇年の六月から八月時点での避難者数は、福島県の報告では七千五百九十人ですが、その時点で市町村による避難者数を足すと約四万二千人となり、県の報告よりも三万五千人も多かった。このずれは一体どうなっているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/65
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066・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 全国の避難者数につきましては、令和四年四月二十八日に公表しておりますが、四月八日現在で四月二十八日公表でありますが、全国三万五千百十人。そのうち、福島県内の避難者、六千六百二十三人。これは福島県からの報告に基づき計上した数字であります。六千六百二十三人。うち、福島県からの県外避難者は二万三千六百六十七人となっております。県からの報告に基づいた数字であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/66
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067・芳賀道也
○芳賀道也君 どうもこの報告数字がずれがあるのが非常に気になるということなんですが。
復興庁の資料によると、復興の総仕上げと書かれていますが、本当にそうなのか。復興の総仕上げということで、復興事業を近々打切りにしようとしているということなのか。また、同じく復興庁の資料では、被災者の心のケアに取り組むことが必要といいますが、県外に避難されている方の住宅支援が打ち切られて、多くの避難者がメンタルに重荷を感じています。
二〇一六年の新潟県の調査によりますと、新潟県に避難している五百十二人のうち、二四・八%が重症精神障害相当という結果でした。この二四・八%という数字は、通常時の平均三%の八倍という非常に高い値です。新潟県による二〇一七年の調査では、せめて子供が成人するまで家賃補助が欲しい、親が生計を支えるためにまた引っ越すことで子供を不安にさせたくない、母子避難しています、職を探すのが大変です、もっと家賃補助を増やしてほしいなどの声が寄せられました。家賃補助が打ち切られたこともあり、家計のやりくりの大変さが伝わってきます。
被災者の心のケアを進めるには、経済的な不安を取り除くことが第一です。国連の国内避難に関する指導原則でも、全ての当局は避難者に対して人権に基づく保障をしなければならないと定めています。
心のケアを進める前提として、五年前、二〇一七年三月末に打ち切られてしまった県外に避難する人に対する福島県庁による住宅補助を復活させるための財政支援を国として進め、また、今年四月に発表された医療補助のストップも撤回すべきだと考えますが、見解はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/67
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068・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 二点御質問があったと受け止めました。
まず一点目でありますけれども、これまでの被災地の方々の絶え間ない努力によりまして復興は着実に進展する一方、地域によって状況は様々であります。
まず、地震・津波被災地域では住まいの再建やインフラ整備がおおむね完了する中で、第二期復興・創生期間において被災者支援などの残された課題に全力を尽くすこととしております。
一方で、原子力災害被災地域では今後も中長期的な対応が必要であり、避難指示解除に向けた取組、帰還環境の整備、原発事故による避難者への対応など、本格的な復興再生に向けて引き続き取り組んでまいる所存であります。
二点目の心のケアに関する点でありますが、発災から十一年以上が経過する中で、被災者お一人お一人が直面している課題は様々に異なっているものと認識をしております。
住宅につきましては、発災直後から避難者への応急仮設住宅の供与を行い、双葉町及び大熊町を除いて、指示避難者に対する供与も令和二年度までに終了したものと承知しております。また、自主避難者への供与は、平成二十八年度末の供与終了後二年間、福島県による経過措置がとられていたものと承知をしております。
なお、福島県と事実上利用者の間で係争中であることから、その点はコメントを差し控えさせていただきますが。
一方で、お話のありました医療・介護保険等の保険料窓口負担の減免措置につきましては、十分な経過措置をとるとともに、複数年掛けて段階的に見直すこととしており、措置が終了した後も、所得の低い方に対しては通常の保険料等の負担軽減措置が講じられるものと承知をしております。
全国に居住する避難者の方々に対しましては、現在、全国二十六か所に設置をされた生活再建支援拠点において、生活再建に必要な情報提供や、住宅や健康などに関する相談対応などを行っております。
私も、二十六か所、東ブロックと西ブロックに分けてオンライン等の会議で情報収集もしておりますが、引き続き、様々な課題を抱える避難者の方々に寄り添って、その状況を丁寧にお伺いしながら、関係省庁や自治体と連携してきめ細かい支援を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/68
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069・芳賀道也
○芳賀道也君 是非、復興に全力を尽くすという力強い言葉はありましたけれども、県外に避難されている方の住宅補助、そして今年四月に発表された医療補助のストップも撤回すべきだということをお願いいたします。
最後に、震災前から東京大学地震研究所が東北沖に水圧計を設置していた、この震災時、水圧計は物すごく高い津波が来るということをつかまえていたんだけれども、運用のマニュアルで、水圧計の信頼性が低いというマニュアルだったものですから、当初の津波の警報に生かされなかったと聞いております。その後、この改善等は進んだのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/69
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070・野村竜一
○政府参考人(野村竜一君) お答え申し上げます。
津波予測につきましては、地震の震源及び規模の推定に基づいて、まず警報を発表いたします。その後、沿岸及び沖合の津波観測データを用いて警報の更新を行うということでございます。
東北地方太平洋沖地震の際には、沖合に設置してあるGPS波浪計、これを用いまして警報の更新を行いました。しかしながら、委員御指摘の水圧計、これGPS波浪計よりも更に沖合にございますが、その水圧計のデータにつきましては、そのデータから沿岸に到達する津波の高さを量的に評価して警報に反映させるための手法が確立しておりませんでしたので、津波警報の更新に活用することができませんでした。まず、これが事実関係でございます。
この地震の後、気象庁で沖合の観測データの活用について改善を行いまして、平成二十四年三月、これは地震の翌年でございますけれども、自らが設置した水圧計、それから国立研究開発法人防災科学技術研究所、それから大学等が設置した水圧計のデータも量的に評価して津波警報に活用するようにいたしました。さらに、その後、整備が進んだ数多くの水圧計の観測データ利用を順次開始いたしまして、平成三十一年三月には沿岸へ到達する津波の高さを更に精度よく予測する新たな手法を導入するなど、津波警報の改善に努めてきたところでございます。
気象庁といたしましては、南海トラフ地震を始めとする巨大地震において巨大な津波の発生が想定されていることも踏まえまして、今後も津波予測の改善に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/70
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071・芳賀道也
○芳賀道也君 過去の反省から、是非これからの津波には即時に実際の津波に近い警報が出せるように、引き続きお願いをいたします。
時間ですので終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/71
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072・小野田紀美
○小野田紀美君 自民党の小野田紀美です。
済みません、質問に先立ちまして、ちょっと、いろいろな話を聞く中で、私自身が福島に視察に行ったときに飯舘村で聞いた、御紹介いただいたスピーチがすごく今言いたいなと思ったので、言わせていただきます。
第六十九回全日本中学校英語弁論大会、飯舘村の飯舘中学校の女子中学生の方のスピーチです。タイトルは、「被災者と呼ばないで」です。これ検索していただけたら全文出てくるので是非全文を読んでいただきたいと思うんですけれども、一部かいつまんでお話しさせていただくと、私には口にしたくない言葉があります。それは被災者という言葉だ。私はもう被災者ではありません。そう呼ばれることにうんざりしています。で、彼女自身がインタビューを受けたりテレビの報道にも接した上で、こう思うと。記事には偏見が入ってしまっていると私はいつも感じます。いつも記事の内容が大げさになってしまっているのです。メディアは私たちを被災者にしたがるのです。彼らの望むとおり、私たちは永遠に被災者であり続けなければいけないのでしょうかという女子中学生のスピーチの一文を御紹介させていただきました。
きちんと被災者に対する対応をしていくとともに、やはり未来を向いて歩いていく子たちに必要なのは、当たり前にしていくこと、普通の福島を取り戻していくこと、日常を取り戻していくことなんだと、過度に特別扱いをするということではないんだということを私はその場で御紹介いただいてはっとさせられたので、今日、ちょっとここでお話をさせていただきました。
その上で、やっぱり原発関連の正しい情報発信について、今日、お伺いしたいと思います。
まず、ALPS処理水の情報発信への対応について。
私自身は、このALPS処理水の海洋放出決断を大変評価しています。それは、ほかの国の原発が当たり前に行っていることを福島でも当たり前にやっていくこと、特別扱いしないことが重要だと思っているからです。
その上で、科学的データに基づかない不安をあおっていくこと、風評被害を招いてしまうようなネガティブキャンペーンがいまだに散見されます。風評被害を起こすのは、データを基にするんじゃなくて、不安なんだ、危ないんだというふうに、そういうふうにあおり立てる人たちだと私は思って、憤りを感じているんですね。
安心が必要なのは分かります。ただ、データを基に説明するんじゃなくて、そうじゃなくて、感情で不安なんだ不安なんだと言っていたら、どんなに説明しても、データを出しても、永遠に終わらないんですよ、風評被害が。なので、やっぱりちゃんとデータに基づいて議論をしていく、このことを全てにしていきたい。
その上で、経産省として正しい情報を周知するためにどのような取組をしているのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/72
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073・湯本啓市
○政府参考人(湯本啓市君) お答えいたします。
ALPS処理水の処分に当たりましては、国際基準に準拠しました規制基準、これを遵守することによりまして、安全性に万全を期した上で実施することとしております。
ただいま御指摘ございましたとおり、こうした事実につきまして、科学的根拠に基づき、客観的かつ正確な情報を国内外の皆様に知っていただくこと、これが風評を抑制する上で極めて重要だと考えております。
政府では、昨年末に取りまとめました行動計画に基づきまして、各省が連携をして情報発信に努めているところでございます。
具体的に申し上げますと、パンフレットや動画、QアンドAといった分かりやすいコンテンツの整備、これを広く配布、公開すること、SNSや動画投稿サイト、新聞等に広告を掲載するなど、地域、年代を問わず、幅広い方々に日常生活の中でなるべく多く関心を持っていただける環境を整えると、こういった取組を実施してきております。
国際社会に対しましても、海外のニュース番組への持込みですとか海外の新聞への広告記事の掲載、こういったことによりまして処分の安全性や必要性の説明を行うなど、現地マスメディアを活用した情報発信を行っております。
また、原子力の安全性につきましては、これに高い専門性を有します国際機関であるIAEAに、ALPS処理水の性質ですとか日本の対応につきまして客観的な立場からただいま厳しく確認をしていただいているところです。四月の末には、中国や韓国からの専門家を含みますこうしたIAEAの調査団によるレビューの報告書が公表されたところでございます。
この報告書の中では、安全性について、国際安全基準に照らして放出設備の設計において予防措置が的確に講じられていること、あるいは、人への放射線の影響は規制当局が定めます水準より大幅に小さいこと、こういった安全性に関する確認結果が示されているところです。
大変重要な報告書でございますので、こうした内容を幅広く発信することによりまして、政府の基本方針の妥当性を国内外にしっかりと周知してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/73
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074・小野田紀美
○小野田紀美君 ありがとうございました。
周知の内容について私は悪いと思っているわけではなくて、トリチウムに関する紹介の分かりやすいイラストの紙とかも、あれ、クレームがあっても撤回すべきじゃなかったと思いますよ。分かりやすく、いい発信しているんですよ。それを何か言われたらひよって戻しちゃったりとか、戦っていかない姿勢がちょっと問題だと思っているので、情報の内容について私は何も文句はないです。
ただ、このALPS処理水についてまとめたPDFとか、多言語化していろいろ、例えばトリチウムですね、世界の原発でトリチウムが年間どれぐらい出ていますよというもので、日本全然少ないですよ、福島の言われている量はというところに関した資料とか、多言語化したもののPDAのアクセス数どうなっているのか、どういったページや検索ワードからアクセスが多いか等の分析、どうなっていますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/74
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075・湯本啓市
○政府参考人(湯本啓市君) お答えいたします。
ALPS処理水につきまして分かりやすく解説する資料ですけれども、英語、中国語、ハングル語、フランス語など、七つの言語に対応させていただいております。
御指摘の言語別のアクセス数でございますが、現在手元に詳細な数字はちょっと持ち合わせておりませんけれども、総じて、アクセスの項目といたしましては、ALPS処理水の安全性の説明、あるいは国内外の他の原子力施設におけるトリチウム排出量との比較、こういったコンテンツへのアクセスが多くなっていると承知しております。
御指摘のとおり、今後、国内外の理解醸成を効果的に行うに当たりましては、皆様がどのような点に関心を持っているのかといったことを確認、分析しながら取り組むことが大切だと思っております。引き続き、専門家のアドバイスなどを受けながら、適切な情報発信の在り方について検討、改善を重ねていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/75
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076・小野田紀美
○小野田紀美君 ありがとうございます。
ここの、何というんでしょうね、分析というのが非常に重要で、検索ワードどういうので来たかというのが私がこだわっているのは、その資料を、例えば、外務省さんもそうなんですけど、何か海外に発信したい資料を上げるときに、ページのトップから飛んでいって、下がって下がって見付けて見付けてって行かないと飛ばないようなページに何をいい資料を用意していても、どんな情報を出していても、意味がないんですよね。そこにどうダイレクトに一番最初に検索結果から来てくれるかというのが重要なので。
メタタグ対応もしていなかったんですよ、最初、いろんな情報の。なので、メタタグちゃんとやってくださいと言ったんですが、そういうタグも含み、誤解をしている人が正しい情報にたどり着く仕組みをつくると。
それで、例えばそのALPS処理水ってググったときに一番上に出るだけじゃ駄目なんですよね。汚染水という意図的な悪い言葉を使って検索した人がその正しい情報にきちんとたどり着くようにメタタグやってほしいとかという、それはもうやっていただいたんです。ありがとうございます。
これを多言語化したときもやってほしくて、例えば、またNHKですよ、NHKが以前、この海洋放出される記事を汚染水という英語の記事にしたんですね、NHKワールドで。ちょっと済みません、英語が読めないんですよ、ラジオアクティブウオーターといったんです。本当は処理水はトリートウオーターというんですよね。こういうときに、そのトリートウオーターで検索しないとそういった資料が出てこないんじゃなくて、こういうラジオアクティブウオーターとか、そういう中国語、韓国語、英語、それぞれで悪い言葉で検索したときも、このいい、正しい資料が一番トップに出てくるような対策をしなくちゃいけない。今、もしタブレットとか持っている方いたらちょっと検索してほしいんですけど、ラジオアクティブウオーターでググったら出てこないんですよ、一番最初の方には、経産省のALPS処理水の情報が。これ、なので、それは下まで行けば出てくるんですけど、こういったときにちゃんと正しい情報に導けるような対策をしてほしい。そのためにも、どういう言葉で検索をされているのかというところの分析も是非やっていただきたいと思うんですね。
その上で、他国で使用されている言語、どういうふうに、ほかの原発から流れている水と、福島の水だけ何か特別扱いの言葉で語られていないかとか、そういう情報交換って、やっぱり外務省とかと連携もあると思うんですけど、そういう情報把握とか連携はできていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/76
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077・湯本啓市
○政府参考人(湯本啓市君) お答えいたします。
一点目の御指摘、メタタグ対策でございますが、御指摘をいただきまして、取組の方進めてきてございます。
例えばですけれども、汚染水、海洋放出と検索した場合には、これは日本語の場合ですが、検索結果の上部に日本政府の解説ウエブページが表示される、こういった工夫も行っております。
それから、英語も同じように対応してございますけれども、現在、コンタミネーテッドウオーターと言い方にしておりますので、御指摘のようなものも今後追加するなど、改善を図っていきたいというふうに思います。
それから、政府内の連携でございます。これまでも、復興大臣の下で、関係府省から成ります原子力災害における風評被害を含む影響への対策タスクフォースの下で、外務省を始めまして関係省庁で連携をしながら、国内外の情報の共有ですとか対応の調整を行ってきております。
具体的に、先ほど御指摘あった点につきましても、日々、外務省の在外公館を経由して、現地でどういったニュースがされているかと、どういった用語が使われているかといったことも関係省庁には共有をされてございますので、こういった知見も活用しながら、先ほど御指摘いただいたようなメタタグ対策の方に活用できればと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/77
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078・小野田紀美
○小野田紀美君 ありがとうございます。
この間違ったネガティブな情報を現地の在外公館でもいろいろ調べてもらっていると。それは有り難いなというふうに思ったところなんですが、この、後々出てくると思うんですけど、復興庁のタスクフォースの中で外務省の取組も出ていて、在外公館等による情報発信というのもあるんですけれども、今まで、そのタスクフォースが、外務省、農林水産省、復興庁とかの、そのこういうふうに発信をしていますよという中にあるのが、大体こちらからの提供なんですよ。もう、はい、こういうの取りそろえました、いい情報です、見てくださいと。確かに、プッシュ型で広告が出た、それ先ほど再生数が結構あるという話もされたんですけれども、これじゃない戦い方のところちょっと気になっていまして、ネガティブな情報を拡散されたときに、それの対応、打ち返しというのはどういうふうにしているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/78
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079・湯本啓市
○政府参考人(湯本啓市君) お答えいたします。
誤った情報が発信されたときの対応ということでございます。
まず、拡散される前にしっかり対応するということが大事だと思っておりまして、例えばですが、国際会議ですとか記者会見と、こういった場でそういった対応が必要な場合には正しい情報に直ちに修正をするといった取組をこれ徹底し、継続してきているところでございます。
また、外国の政府関係者あるいは報道機関による個別の発言等の、これ一つ一つに対して逐次反論をしているものではございませんけれども、例えば高濃度の放射性物質を含む汚染水がそのまま放出されるですとか、放出によって周辺地域の環境や人体に悪影響が生じるといったような典型的な誤った発信に対しましては、これらを念頭に置いて、先ほどプッシュ型と御指摘のございましたリーフレット類、QアンドA集、こういったところにこういったものを反映させながら、何度も何度も発信するといった対応を行ってきております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/79
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080・小野田紀美
○小野田紀美君 こういった情報を見付けてくるのは誰がやっていて、そういうときに、はい、じゃ、ちょっとこれに関しては農林水産省が資料を出して、これに対してはどうしてという指示を出している統括責任者はどこになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/80
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081・湯本啓市
○政府参考人(湯本啓市君) お答えいたします。
現場で日々そういった発生しておることにつきましては、それぞれの省庁で把握をした段階でそれぞれ、特に経済産業省のところにそういった情報はいただいているわけですけれども、外務省とも連携をしながら、それに対してどういうコンテンツで打ち返していくかといったことを取り組んできております。
統括責任者という意味におきましては、先ほど申し上げましたけれども、復興大臣の下で設置されておりますタスクフォース、こちらの方で必要な情報の共有、連携をするということになっておりますので、こういった枠組みを活用しながら、それぞれの省庁が主体性を持って機動的に取り組んでいきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/81
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082・小野田紀美
○小野田紀美君 そのタスクフォースの大臣からの指示事項も読んでいるんですけど、効果的なメディアを活用し重層的に発信することで広く国民に届け、ALPS処理水に対する理解を促進すること云々書いておるんですけど、具体的に、じゃ、こういうところでこういうことがつぶやかれていますよ、はい、こうしてくださいみたいなのって、結局各省庁がやっていて。
じゃ、例えば、ありましたね、東京オリンピックでも。うちのおいしい農林水産品に文句付けてきて、何かこれ放射能に汚染されているから、うちの国は自分のところで食事を用意しますとかというけしからぬことをやってきた国があったんですけれども、そういうときに対するその地上戦、空中戦での戦い方、どういう対応をされたのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/82
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083・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) お答え申し上げます。
東京オリンピックの際に、日本の食材についての情報発信いろいろとございました。復興五輪でございましたので、内閣官房及び官邸と調整しつつ、復興庁が中心となって各省共同で取組を実施し、農林水産省、外務省あるいはオリパラ室、こういったところと協力して取組を進めました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/83
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084・小野田紀美
○小野田紀美君 これが、取組を進めて、それぞれ、例えば農林水産省だったらちゃんと検査していますよといったデータ出していますとか、外務省だと外交ルートを通じて抗議しましたとか、経産省だったら正しい情報を出しましたとかって言うんですけれども、もうすごい地上戦なんですよね。メディアが報道するかといったら、しない人たちだっているので、正しく報道してくれるとも限らないので、やはり今自分たちで空中戦を戦っていく、打ち返していくという仕組みが必要だと思うんですよ。
例えば韓国だと、政府がVANKという反日キャンペーンとかよくやるところに資金を提供して、イメージ戦略とかをやらせている。それをしろとは言いませんよ、それは。でも、そういった、何かあったときに見付けてきて対応してということのリーダーシップを取って実際に動くのは結構ばらばらで、なかなかお互い、じゃ、農林水産省がどうやっていたのかという情報連携が、私、レク受けたときに、じゃ、そのとき農林水産省さん何やっていたんですかというのを経産省さんに聞いても、ええとという感じになったり、やっぱり情報連携できているのかなというのが非常に不安だったんです。
なので、これをやっぱり、タスクフォースでやっていますというんじゃなくて、誰がどうやって見付けてくるのか、内外共にそういうネガキャンしてくる人はいますから、それに対して誰がこの窓口になるのかというのをもう一回教えていただきたいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/84
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085・林俊行
○政府参考人(林俊行君) お答えをいたします。
先ほど委員が例示でお取り上げいただきましたオリパラ時の韓国の選手向けの食品をめぐる行動につきましては、当時、実は選手村のその食事を提供する場所というのが二種類ございまして、直接的に日本産食品、特に福島県産の食品を、安全性をアピールする、そういう掲示が認められていなかったので、オリパラ事務局を通じましてIOCにも働きかけをしていただいて、当時、臨時的に選手の方たち向けに、地元の高校生が主役になったポスターをちょっと作っていただいて、実は福島県では毎日、検査食品の安全性についてリアルタイムで情報提供していますので、そこのホームページとリンクを貼らせていただいて、そういうポスターの掲示をしていただきました。
また、農水省におきましては、当時、福島農協が非常に協力をいただいて、福島で行われたソフトボールのチームに県産の桃を実食をしていただきました。結果的にこれが非常に効果的でございまして、オーストラリアですとか、当時の監督の皆さんからデリシャスという発言をいただいて、結果的にこれが非常に県産品の安全性と魅力のアピールにつながったと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/85
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086・小野田紀美
○小野田紀美君 そのときはありがとうございましたなんですけど、これから何かあったときに打ち返す組織体制をちゃんとつくっておかないと即座に反応できないので、それをやっていただきたいということ。
外務省とかもいつも歴史戦で負けているのは、民間人が頑張っているんですよ。民間人が、こんなことやっているやつがいるというのを見付けてきて、何とかしてくださいと言うんですけど、それって本来、国が窓口、通報窓口みたいなのを用意して、情報を民間の方が下さったらしっかり国が対応するというような、そういうような状況をつくってもいいと思うんですけど、外務省さん、やれませんかね、通報窓口。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/86
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087・池松英浩
○政府参考人(池松英浩君) お答え申し上げます。
まず、ネガティブキャンペーンの把握についてですけれども、ALPS処理水の取扱いに関して言えば、海外の反応ぶりや関連動向、これに特に注意するように各在外公館に指示を出しております。また、日本産農林水産品に対する風評被害を助長するような現地報道についても注視し、情報を集約することにしております。
その上で、ネガティブキャンペーンへの対応についてですけれども、個別の案件の全てに逐一対応しているわけではありませんが、経産省、農水省等関係省庁とも連携しつつ、また、先ほど来話に出ているタスクフォース、風評対策のタスクフォース、そこでも連携をしつつ、対応すべき論調があれば反論投稿や申入れを実施するなど、必要な対応を行ってきているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/87
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088・小野田紀美
○小野田紀美君 やっぱりその空中戦の話がなかなか出てこないので、通報窓口をつくるつもりはないのかなと。答弁いただけなかった。
大臣に最後決意いただきたかったんですけど、時間なくなりましたので、また改めてこの問題聞きたいと思います。本当に申し訳ございません。
ありがとうございました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/88
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089・那谷屋正義
○委員長(那谷屋正義君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、比嘉奈津美君及び福岡資麿君が委員を辞任され、その補欠として徳茂雅之君及び清水真人君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/89
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090・横山信一
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
それでは最初に、連休中でありましたけれども、IAEAが二月に行ったALPS処理水の安全性に関するレビューの報告書を公表いたしました。このレビューに対する復興大臣の所感を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/90
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091・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 四月下旬に公表されたIAEAによるレビューの報告書において、処理水の安全性については、国際安全基準に照らして放出設備の設計において予防措置が的確に講じられていることや、人への放射線の影響が規制当局が定める水準より大幅に小さいことなどが確認されたと認識しております。
この処理水の処分につきましては、国内外の方々の理解と協力が極めて重要であります。国際機関であるIAEAが安全性の評価を行うことは大切であり、今後も継続してIAEAによるレビューを受けていくものと承知をしております。
いずれにしましても、ALPS処理水については、基本方針及び行動計画を踏まえ、政府一丸となって、決して風評被害を生じさせないという強い決意の下、科学的根拠に基づいた情報発信等の風評対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/91
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092・横山信一
○横山信一君 大変重大なレビューを公表していただきました。
このIAEAタスクフォースには、中国や韓国の専門家も含まれております。昨年四月には、韓国釜山市の環境団体が東京電力に対して海洋放出の差止め請求の訴訟を起こしています。また、昨年六月には、中国の王毅外相が日本の海洋放出に対して、利害関係と国際関係との協議をまとめる前に勝手に放出してはならないというような発言もされております。
こうしたこのALPS処理水の海洋放出に反対しているこの両国に対し今後どう対応していくのか、経産副大臣に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/92
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093・石井正弘
○副大臣(石井正弘君) ALPS処理水の取扱いの安全性につきましては、IAEAが専門的、客観的な立場から評価をし、その結果を透明性高く発信していただくことなどを通じまして、国内外の皆様方に我が国の対応について理解を深めていただくということが大切であると存じます。
御指摘のとおり、IAEAレビューを実施する主体でありますIAEAタスクフォースには中国や韓国の専門家も含まれておりまして、レビューの際には、その専門的な立場から技術的事項についての確認をいただいたところであります。
レビューの報告書におきましては、先ほど大臣からの御答弁にもありましたとおり、安全性については、国際安全基準に照らして放出設備の設計において予防措置が的確に講じられているということ、また、人への放射線の影響は規制当局が定める基準、水準より大幅に小さいこと等の安全性に関する確認結果が示されております。
こうした内容を中国、韓国にも力強く発信をすることによりまして、基本方針の妥当性をしっかりと周知をしてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/93
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094・横山信一
○横山信一君 この問題は、国際的に言えばほぼ東アジアに限定されてきていることでもありますので、こうした客観的な評価に基づいて、科学的にしっかりと説得といいますか、説明を続けていただきたいというふうに思います。
福島県では、本年一月に、各国からの支援に対する感謝の思いを伝え、また復興に向けて挑戦を続ける福島の今を実感してもらうと、こういう趣旨で駐日外交団の招待ツアーを実施をいたしました。これには上杉政務官も御同行されたというふうに伺っております。
東日本大震災から十年以上が経過した今も、海外においては福島への風評は根強く残っております。そういう意味では、こうした福島ツアーというのは非常に重要だというふうに考えます。
加えて、今、これから整備が始まってまいります福島国際研究教育機構、世界の英知を結集する、こうした機構でありますけれども、こうしたもののアピール、さらには、これから海外の観光客も入ってまいりますが、インバウンド誘客のためにも、国としての正確な情報発信というのは重要になってくるというふうに考えます。今後の外務省の対応を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/94
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095・上杉謙太郎
○大臣政務官(上杉謙太郎君) お答え申し上げます。
外務省に対しまして御質問いただいて、ありがとうございます。
御指摘の駐日外交団に関してでありますけれども、福島県の力強い復興の姿を感じていただくということは、御指摘のとおり、復興の加速化に向け極めて有意義な取組であります。
外務省は、東日本大震災以降、駐日外交団による福島県の視察ツアーをこれまでに計十回実施してきているところであります。先生先ほどお話ありました件も、これは福島県主催のもので、私も参加させていただいたものでございます。
特に、東日本大震災から十年の節目に当たる去年の十一月には、外務省と郡山市との共催でこおりやま広域圏の視察ツアーを実施させていただきました。この駐日外交団に対しまして、医療、エネルギー、農業、そして復興等に関連する施設を御訪問いただいたところであります。私自身も、その先生のお話のとはまた別で、現地でこの郡山のやつに関しまして外交団をお迎えをさせていただきました。震災後に各国から寄せられた支援また励ましに謝意をお示し、表するとともに、食品輸入規制の撤廃や風評被害の払拭に向けての理解と協力を、改めて私から直接、御参加の外交団の皆様お一人お一人に改めて強く申し上げたところでありました。
このほかにも、福島新エネ社会構想に基づく新エネルギー社会のモデルや先進的な取組等の世界への発信を目的とした視察ツアーも行ってきているところでありますが、引き続き、先生の御提案も含めまして、福島県の様々な魅力を感じてもらえる機会を今後も積極的に設けてまいりたいと考えている所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/95
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096・横山信一
○横山信一君 このコロナ禍の中でも、伝承館でありますとか、今、震災遺構も随分整備をされてきておりますので、そうしたところもしっかりと見ていただきたいというふうに思います。
風評払拭のための福島県の釣りイベントと料理講習というのを私が副大臣のときに開催をさせてもらったんですが、それまでのリスコミ戦略では触れることのできなかった人たちに安全な水産物という情報が伝えることができたというふうに考えておりまして、それ以降、多くの人たちが、なかなか通常のホームページからだけでは入ってこれない若い人たちが今盛んにアクセスするようになっているというふうにも思っております。
この釣りというのは老いも若きもできるし、また、最近はもう女性アングラーも多いということもあって、全世代に対するアピールになりますし、また、釣り人というのは、釣り人の多くは釣った魚を食べてくれるので、そういう意味では、福島で釣った魚をそのまま食べるという意味では、風評払拭には非常にいい題材だと私は思っております。
しかも、復興庁に協力してくれる事業者団体も今はそろっておりますし、新妻大臣は昨年この釣りイベントにも参加をされたというふうにも伺っております。行動制限がない今、今年度は釣り大会にして全国から集ってもらってはどうかというふうに考えますけれども、新妻副大臣にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/96
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097・新妻秀規
○副大臣(新妻秀規君) ALPS処理水の処分も念頭に、風評の影響を払拭するためには、福島県などの水産物の消費の拡大を図ることが重要であります。また、観光の振興の観点からも、釣り客の誘致は地元に与える経済効果も見込まれます。
このため、復興庁としても、常磐物の魅力を伝えることで、水産物の消費の拡大、また観光の拡大につなげるため、情報発信に取り組んでいるところであります。
御指摘の釣りに関しましては、今、横山前復興副大臣からございましたように、昨年十一月、テレビなどでなじみのあるタレントが実際に釣りを体験して魅力を発信するとともに、一般の参加者とオンラインを通じて一緒にリアルタイムで料理を楽しむオンラインツアーを実施したところであります。このオンラインツアーに私自身が、前任の横山復興副大臣から御指摘ありましたように、私自身が釣りに参加をいたしまして、常磐物の魅力と安全性を自らアピールをしたところであります、PRをしたところであります。
風評の影響の払拭に向けて、御指摘も踏まえて、釣りを通じた常磐物の魅力の発信に引き続き取り組んでいきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/97
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098・横山信一
○横山信一君 大会については言及がありませんでしたけれども、コロナの状況もあるとは思いますが、是非、釣りイベントというところに限定せずに、チャンスがあれば一気に多くの人たちに来てもらうということを是非考えていただきたいというふうに思います。私自身は釣りやらないんですけれども、非常にいいという題材だと思っております。
ちょっと順番を入れ替えまして、いわき市で若手の事業者の皆さん方と先日懇談する機会がありまして、HAMADOORI13というふうに呼ばれている人たちなんですけれども、この方たちと意見交換をする中で、若い人たちでその浜通りの復興を担っていこうという非常に強い思いが感じられて大変に良かったんですが、その中で、その意見交換の中で、福島県の十五市町村を対象とした事業復興型雇用確保事業というのがあるんですけれども、これは雇入れ費の助成をするものなんですが、その対象地域が福島県の十五市町村となっております。
大熊町や双葉町など、双葉郡地域で人手を確保するというのは非常に難しいという現状があります。双葉地域に事業所を立地しようという志を持っていても、雇用確保が足かせになっているという現状があります。地元雇用の受皿があって帰還を促進するというのは理解できるんですけれども、ここをもっと柔軟にすることはできないのか、西銘大臣にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/98
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099・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 横山委員お尋ねの事業復興型雇用確保事業は、東日本大震災によって職を失った被災者の生活を維持し、被災求職者を救済する趣旨であることから、厚生労働省において被災者に限定して手厚く実施しており、福島県ではこれまで約十四・七万人の雇用を創出しているところであります。
被災者以外の求職者に関しましては、ハローワーク等による就職支援や各種雇用関係助成金を活用していただくとともに、復興庁としましては、原子力災害被災地域への現役世代の移住の促進は重要な課題と認識しているところであります。
産業の育成や移住等の促進など、幅広い施策と相まって、関係省庁とも連携し、福島の復興再生に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/99
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100・横山信一
○横山信一君 是非、ここは是非検討を進めていただきたいというふうに思います。
次に、森林の話になりますが、里山再生モデル事業で森林・林業の再生に向けた取組を進めてきております。この中で、シイタケの原木生産、これは二十年、二十年から二十五年のサイクルというふうに聞いておりまして、福島県の森林再生事業を活用してこのシイタケ原木の伐採や植林を進めてきているんですが、現在のこの原木はまだ、使える見込みはまだ立っておりません。これらが使えないなら、来年からコナラを育てて二十年後の原木生産を目指さなければいけないわけですけれども、今後のこの二十年サイクルの原木生産の支援をどう考えているのか、林野庁に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/100
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101・小坂善太郎
○政府参考人(小坂善太郎君) お答えいたします。
シイタケの原木となるコナラ等の広葉樹は、先生御指摘のとおり、二十年程度の伐採と、伐採後その株から萌芽する、いわゆる萌芽更新を繰り返すことにより持続的に維持されます。しかしながら、シイタケ原木の一大生産地でありました福島県では、放射性物質の影響によりシイタケ原木としての利用ができず、このような広葉樹林の伐採が停滞しております。また、萌芽更新をする能力は高齢になるほど低下するということですので、原木の生産の再開をするためには広葉樹林の伐採と更新を計画的に進めていく必要があります。
こうした中、里山の再生事業に加えまして、令和三年度から、里山・広葉樹林再生プロジェクト、こういったものを立ち上げさせていただきました。市町村、森林組合等、地域の関係者が連携したシイタケの原木林再生プランの作成を支援するとともに、令和四年度からはこのプランに基づく伐採を開始することとしているところでございます。
また、萌芽した枝から作る新しい原木がシイタケのほだ木として使えるかどうか、そういう判断手法の検討のために萌芽した枝に含まれる放射性物質のモニタリングをする取組、また、シイタケ原木に向かない広葉樹林を内装材、例えばフローリングとか、そういうものに使えないかと、そういう有効利用の検討も併せて進めているところでございます。
引き続き、将来のシイタケ原木の生産再開に向けて、広葉樹林の計画的な再生に向けた取組を進めていきたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/101
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102・横山信一
○横山信一君 萌芽更新がちょうど今年度ぐらいからどんどん始まっていくということでありますので、是非御支援を手厚くお願いしたいと思います。
先日、松島の、宮城県松島のアマモ再生会議の取組を見てまいりました。これは、東北地方整備局、国交省のですね、のアドバイスから始まったというふうに聞いておりますが、震災によって松島湾のアマモがもう大分流失してしまったと、それを市民団体の手によって今再生を続けている、もう十年近くなるわけでありますが、自律的にやっているという、非常に優れた取組だというふうに思っております。
こうした取組はほかにもあって、震災とは関係なく、例えば関東整備局が取り組んでいる横浜港のブルーカーボン、あるいはまた、北海道開発局が釧路港で実際に藻場造成をしながらブルーカーボンとしての評価を今やっているところであります。こうした藻場造成というのは、今後の温暖化対策の有力な事業になるというふうに考えております。
また、釧路港などでは、行き場のないしゅんせつ土砂、これを使って藻場造成をするという幾重にも優れた画期的な取組になっているというふうに考えておりまして、なおかつ、我が国のブルーカーボンというのは今年度中にインベントリーが検討されているという状況にもありますから、今後はこうした地方整備局の取組ではなく、国交省として事業化をしてはどうかというふうに考えますけれども、泉田副大臣に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/102
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103・泉田裕彦
○大臣政務官(泉田裕彦君) お答えをいたします。
先生御指摘のとおり、我が国におけるカーボンニュートラル、これを実現するために、藻場、それから干潟、こういったところに生息します海藻などの海洋生物が取り込む炭素、いわゆるブルーカーボンなんですけれども、これを活用して二酸化炭素を削減していくということが極めて重要というふうに考えております。
国交省では、港湾工事の際、幾つか御指摘いただきましたけれども、発生するしゅんせつ土砂、これを活用した藻場や干潟の造成、再生の取組を進めているところでございます。また、これも御指摘いただいたとおりですけれども、宮城県松島湾、それから横浜港において地元の市民団体が取組を進められています。全国においても、NPO、市民団体が中心となった取組、これが進むよう国交省としても取組を進めてまいりたいと思います。
いずれにしても、これカーボンニュートラルを更に広げていくためには、カーボンクレジットと申しますか、どれだけ吸収するのかという数量が把握できるようになると、企業との間のやり取り、これも経済界を巻き込む大きな要素になると思いますので、こういったところも視野に入れながら、今後、再生保全の取組、進めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/103
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104・横山信一
○横山信一君 来年度に向けて是非議論を深めていただいて、積極的に事業化に取り組んでいただきたいというふうに思います。
じゃ、ちょっと順番戻しまして、宮城県漁協に行って、質問の五番目になりますけれども、宮城県漁協に行きましてお話を伺う機会がありました。
宮城県では、このALPS処理水の海洋放出に対するその捉え方という点では、宮城県と福島県ではかなり違いがあります。宮城県の方は養殖業が盛んですし、仮に風評が起きたとしても、漁船漁業と違って養殖業の場合は水揚げを止めることができないんですね。毎月毎月作業が決まっておりますので、その決まった作業どおりに進めていかなくてはいけませんから、そういう意味では、風評で売れなくなったからといって水揚げは止めるということができないというのが養殖業であります。
宮城県は、この養殖業が非常に盛んな地域であります。そういう意味では、県漁協もこうした風評に対しての非常に強い懸念を持っていらっしゃるということであります。こうした漁業者に安心してもらうためにどうするかということで、その対応を、これは石井副大臣ですね、にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/104
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105・石井正弘
○副大臣(石井正弘君) 宮城県の漁業者の皆様方からは、昨年四月の基本方針の決定以降、ALPS処理水の処分の必要性やその安全性、風評対策の内容などにつきまして、御説明あるいは意見交換の機会を度々いただいてきております。
直近の本年三月に開催された漁業関係者の方々との会議におきましても、今御質問にございました、宮城で盛んな養殖業に対する影響を懸念する声等々、様々な御意見も頂戴していると承知いたしております。
これまで様々な意見交換でいただいた御意見を踏まえまして、御案内のとおり、昨年十二月に行動計画を取りまとめておりまして、しっかりとこれに沿って対策を、取組を徹底してまいりたいと思います。
今後とも、政府一丸となって、様々な対策について、これらを着実に実行していくことを通じまして宮城県の漁業者の皆様の御懸念を払拭し、一人でも多くの方々に御理解をいただけるように努めていくことが重要だと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/105
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106・横山信一
○横山信一君 終わります。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/106
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107・那谷屋正義
○委員長(那谷屋正義君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、三宅伸吾君が委員を辞任され、その補欠として有村治子君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/107
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108・梅村みずほ
○梅村みずほ君 日本維新の会の梅村みずほでございます。本日もよろしくお願いいたします。
まずは、大臣、視察お疲れさまでございました。ゴールデンウイーク中、ドイツと、そしてフランスに行かれたということでお伺いをしております。
今回の視察の目的は、福島国際研究教育機構の設立の参考視察ということと、もう一点、原発事故に伴う被災地産品の輸入規制を解いていただくために行かれたというふうにお伺いをしております。
報道では、輸入規制撤廃を欧州連合欧州委員会委員の皆様に要請なさった際のことについて、大臣は、交渉の第一歩となったというふうに語られています。
ここでお伺いしたいんですけれども、各委員とのやり取りの内容は外交上のことですのでなかなかお伝えいただくこと難しいかと思うんですけれども、交渉、この次の第二歩、第三歩が大変重要だと思っております。日程や内容など、具体的なビジョンについて大臣にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/108
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109・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 今回、日本産食品に対する放射性物質の規制を担当するEUの大臣であるキリアキデス保健衛生・食品安全担当欧州委員、大臣という認識でいいと思います、や、ボイチェホフスキー農業・農村開発担当欧州委員と会談をいたしました。
規制の撤廃について直接お願いをすることができました。私からは、日本産食品は厳格な安全対策を講じており、管理体制は万全であることから、規制を撤廃するよう要請をしたところであります。あわせて、過去十一年間、基準を超えるものは全く輸出は、海外に出ていませんという説明もいたしました。
また、欧州議会の対日交流議員団の団長であるシャルデモーゼ議員とも会談をし、規制の撤廃への協力を依頼したところであります。
さらに、五月十二日、昨日開催された第二十八回日・EU定期首脳会議において、岸田総理大臣からミシェル欧州理事会議長及びフォン・デア・ライエン欧州委員会委員長に対し、EUによる日本産食品に対する輸入規制措置の早期撤廃を改めて総理からも要請されたと承知をしております。
EUを含めて、輸入規制の撤廃に対する規制国・地域への働きかけに当たっては、あと十四国・地域残っておりますけれども、総理を始めとして、外務大臣、農林水産大臣等関係大臣等が機会を捉えて申入れをしてきたところであります。
今後の取組につきましては、あらゆる機会を活用し、引き続き、政府一体となって、科学的知見に基づき、規制を早期に撤廃するよう、より一層働きかけをしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/109
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110・梅村みずほ
○梅村みずほ君 大臣、ありがとうございました。感触としては良かったのかなというふうにお察しをいたします。
また、時同じくして、岸田総理が、五月五日でしたでしょうか、ジョンソン首相と、議会の手続によるけれども六月末までにはこの規制が撤廃されるだろうというような発言をいただいたということで、まさに岸田内閣は全員復興大臣なんだということを実行されているのだと思っております。
残された十四の国と地域で解除していただけるように是非ともお願いしたいと思っておりますし、それがやはり、またかえって国内の、風評タスクフォースというお話、今日も委員会で幾つもありましたけれども、国内での風評というのも払拭していくことにつながろうかと思っております。
では次に、福島国際研究教育機構のことについてもお伺いしたいんですけれども、今回の視察の中でドイツのシュツットガルトのフラウンホーファー研究機構を視察されたということで、今回は覚書などはないけれども、今後、福島でのこの機構と連携の可能性を模索していかれるというふうに承知をしております。
今実際に福島国際研究教育機構のプランニングを進められていると思うんですけれども、実に五省庁の絡むプロジェクトだというふうにお伺いをしております。他省庁とのテーブルで膝詰めでの会議を積み重ねることがとても大事だと思っておりますし、逆に言えば、これが損なわれますと成果の乏しい箱物にもなりかねないという、両面あるかと思います。
省庁横断でのミーティング、プランニングをどのような頻度で行われるか、どのような内容で行っていかれるかということについて、そうですね、復興庁からお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/110
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111・林俊行
○政府参考人(林俊行君) お答えをいたします。
福島国際研究教育機構に関しましては、その主たる研究開発の内容、あるいはその成果を生かした産業化や人材育成、こういったその機構が担うべき業務、この内容ですとか、あるいは組織形態、さらには、今回この国会に提示、提出をさせていただいております法案の取りまとめ、こういった各局面に応じて日常的に実務担当者レベルでは各省庁間の打合せを行っております。
さらに、時宜に応じて、主要な局面局面で意思決定をするということも必要でございますので、昨年の二月から、復興庁の事務次官をヘッドといたしまして、関係省庁の局長級を構成員とする会議を随時開催をしてまいりました。おおむねこれまでに七回ほど開催をさせていただいております。
また、昨年十一月に法人形態を決定をさせていただきました以降につきましては、関係省庁のみならず、関係する国立研究開発法人の役員の方にもこの会議に参加をしていただいておりまして、そうした場で実質的な議論を進めさせていただいております。
この四月からは、更に中に入っていただいて議論をしていただく必要が更に高まりましたので、復興庁の中に機構準備室という組織を立ち上げまして、ここに、関係省庁、それから関係する国立研究開発法人からも職員を派遣していただいて、日常的に一体となって業務を進めさせていただいておりまして、法案をお認めいただきまして成立をさせていただきました後には、先ほど申し上げました局長クラスの会議を法人設立のための委員会に改組をさせていただいて、更に関係省庁と連携しながら、法人設立に向けて取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/111
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112・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
既に七回も局長級のミーティングが重ねられて、その機構の準備室も設けられてということで、今後ますます現場サイドの方々を中心にプランを進めていただきたいと思っているんですけれども、この福島の皆さんからも期待が大変高いというふうに聞いておりますし、私、教育というところが付いておりますので、是非ともここを知の拠点にしていただきたいなとも思っております。
特に、日本の教育のちょっと弱いところ、ギフテッド教育ですね、スペシャルな才能を持った子供たちというのは特に日本のこの横並び的な教育の中で伸びていかないという現状がありますので、是非ともこの福島を知の拠点にしていただいて、そういった教育も含めた拠点にしていただきたいと思うんですが、西銘大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/112
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113・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) これまでの福島イノベーション・コースト構想の取組により、産業化の動きに加えて、学校等と連携した人材育成や国内外の研究機関等との連携等も進んでおります。これを更に発展させ、司令塔となる中核的な拠点として今般の法案で提案している福島国際研究教育機構を設立することで、研究開発や産業化、人材育成の動きを加速させていくことを考えております。
新機構におきましては、初等教育、中等教育、そして高等教育につながる連続的な人材育成を行う観点から、機構の研究者による地元の小中学校や高校等への出前授業や体験学習会などを行うことで、小中高生等が先端的な研究、学術分野に触れる多様な機会を設けることとしております。
そうした研究教育体制や、これを具体的に担う研究者を充実していくことが重要と考えております。しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/113
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114・梅村みずほ
○梅村みずほ君 大臣、ありがとうございます。
是非ともここを知の拠点にしていただきたいと。そうすることで移住が加速するというふうに思っているんですね。
私は二人の子供を育てる母親でもあるわけなんですけれども、親というのは子供のためだったらお引っ越しもするんですね。逆に、転出もします。そういったときに、今、福島も思うように移住が進んでいない中で、たくさんの方に移住していただきたい、特に若い方々に来ていただきたいと思うと、私は、教育、環境、食、そして、お父さん、お母さんの職、職業ですね、お仕事、この四点、大変重要だと思っているんです。
その点、この福島を知の拠点にすることができれば、もちろん、日本の学術研究都市といったら筑波がぱっと思い浮かぶかもしれませんけど、そこもやはり教育意識の高い方々がほかからも移住していらっしゃったりとか、そして、やはり震災の苦しみから生まれる光があるとすれば、未来への可能性、子供が集まる福島にというふうに思い描いているわけであります。
強化選手、スポーツの業界では、特別な選手というのは強化合宿が行われて特別な育成プログラムがありますけれども、お勉強面であっても、あるいはそういった創造力の面であったり思考力の面であったり、生まれつき突出した才能を授かった方々というのはそれなりのこの育成プログラムというのが必要だと思いますので、福島はうってつけではないかなと思っておりますし、そのうち、世界中のギフテッドが集まるような国際交流プログラムというものが生まれると、また幼児教育や初等教育もいろんなメソッドのものが集まるというふうに、母親、父親にとって羨ましいと思われる福島が、継続的に福島に来て、定住していただけるというふうにつながってくるのではないかなと思っております。
その教育という点では、私ども日本維新の会は大阪生まれの政党でございますけれども、大阪市で行っておりまして大変好評いただいているのは、塾代助成事業というものがあるんですね。これ、塾だけじゃなくて習い事にも使えますよという上限月一万円のクーポンで、中学生で、所得制限はありますけれども、おおむね市内の半分ぐらいの中学生が、額はよりますけれども、対象になっているんですね。
そういったような、やはり習い事、所得、家庭の経済状況によらず才能を伸ばしてほしいということで実施している事業なんですけれども、そういった後押しもあっていいなと思っているんですが、その辺りは、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/114
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115・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 復興を進める上では、子育て世代を始めとする新たな住民の移住を促進していくことは重要であると考えております。
復興庁では、原子力災害被災地域における教育環境の確保のため、学校の施設整備や特別に措置される教員加配など、学校等の再開支援を行ってきております。学校や認定こども園における魅力ある教育環境づくりに取り組んでいるところであります。
また、令和三年度から、福島再生加速化交付金の新しいメニューとして移住、定住促進事業を創設し、住宅改修費の補助など、子育て世代の移住に資する取組をきめ細かく支援することとしております。
こうした施策の推進により、自治体の創意工夫を引き出し、子育て世代を始めとする新たな住民の移住、定住の促進にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/115
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116・梅村みずほ
○梅村みずほ君 大臣、ありがとうございます。
どうやったら羨ましいな、福島いいなって思ってもらえるかというのを、是非、父親、母親目線で検討していただきたい。
その点では、食も大事で、これはまた風評の払拭にもつながるんですが、有機を活用した給食というのも大変ママたちの間では人気がありまして、近かったらすぐに引っ越してしまうんですね、お母さんたちは。子供の健康と健やかな育ちというものにすごくプライオリティーを置いている方々というのはいらっしゃいます。
そこで、給食の推進、こちら重要になってくると思うんですけれども、これは所管が文科省になりますので、福島のみならず全国で進めてほしいんですけれども、特に福島は、もう福島県産のお野菜はおいしくて安全ですよと、セシウムが検出されることも今はほとんどないんだということを分かっていただいて、安心、安全な場所であって、しかも、それどころか有機で給食がこんなに普及しているんですよというのは、あっちの拠点でいいなと思っても、あっ、食がなあと引いてしまうお母さんたちの背中を押すことになるかと思います。
こういった有機を活用した給食の推進について文科省にお尋ねしたいんですが、福島で進めていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/116
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117・淵上孝
○政府参考人(淵上孝君) 有機農産物の給食活用のお尋ねについてお答え申し上げます。
有機農産物につきましては、一部の地域におきまして、学校給食で有機栽培米などの農産物を使用したり、有機農産物を活用した食育の取組が行われたりしているというふうに承知をしております。
その一方で、学校給食における有機農産物の使用に当たりましては、例えば、域内で必要な有機農産物の数量が確保できるかどうか、あるいは、給食の食材費は保護者の負担というのが一般的なわけでございますけれども、この保護者負担の給食費の範囲内で必要な食材が確保できるかどうか、あるいは、できない、その負担の範囲を超えるということになりました場合には、その給食費を上げるかどうかといった、いろんな課題もあるかというふうに承知をしております。
福島県内を含めまして、学校給食に用いる食品の選定につきましては、その有機農産物の生産状況ですとか、栄養教諭、保護者など関係者の意見、地域の実情などを踏まえまして、一義的には学校給食の実施者であります学校設置者において御判断いただくべきものと考えておりますけれども、私ども文部科学省としましても、有機農業の拡大を支援する農林水産省などとも連携しながら、有機農産物を活用した学校給食や食育の事例の発信、共有など、必要な取組を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/117
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118・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
今御答弁いただいたように、有機の給食、じゃ進めようといっても、簡単じゃないんですね。私も文教科学委員から今農水委員をさせていただいているんですけれども、なかなか、栄養教諭さんがキーパーソンになって、調理師さんとも連携を取って、地元の農家さんとも交渉して、土がいっぱい付いていますからね、それを落とすだけでも大変だったりと、給食の値段も上がったりと、大変なんですけれども、これを進めてほしいなと。これは、食料安全保障というのもありますけれども、有機のお野菜というのもこれから本当大事ですので、お米もそうですけれども、是非とも文科省さん、頑張っていただきたいと思っております。
西銘大臣に当たり前の質問をさせていただきたいんですけれども、風評対策、これできることだったら何でもやるという御覚悟はおありですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/118
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119・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 覚悟は十二分にあるつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/119
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120・梅村みずほ
○梅村みずほ君 大臣、ありがとうございます。今日一番のスマイルをいただいたと思っておりますけれども。
実は、三月のこの委員会で、私、大阪府知事と話してみませんかとか知事会で話してみませんかということを、処理水に関していつも御提言申し上げているんですけれども、処理水のことは、やはり海外からも反発がある中、国内で理解をしていただくには、先ほどさかなクンのSNSの話もありましたけれども、政治的インフルエンサー誰かといったら、私は首長だと思っています。全国知事会に、何とか御協力をお願いしますと、総理と大臣と、そして経産大臣、そして四五年にリミットを迎えます除去土壌ですね、こちらの所管は環境省さんなわけですけれども、大臣がそろってお願いに行かれるというのは、私は大事だと思っております。
丁寧な説明も必要なんです。何年もやってこられています。科学的にも裏付けされています。でも、伝わらない。だから、前回、三月のこの場で申し上げたのは、「論語と算盤」ですと。そろばんはもうはじいて、そのそろばんの結果を説明してこられた、あとは論語のところですと。
だから、もう一度同じ質問をさせていただきますね。知事会に諮ってみられませんか。あるいは、大阪府知事と話し合ってみられませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/120
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121・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 福島県内で発生した除去土壌等を二〇四五年までに県外最終処分するという方針は、法律にも規定された国の責務であります。
現在、平成二十八年、二〇一六年に策定した技術開発戦略及び工程表に基づき、環境省が中心となって、減容に関する技術開発、再生利用の実証事業、現場を私も見てまいりましたが、全国での理解醸成活動などに取り組んでいるところであります。まず、除去土壌や放射線に関する理解を広げていくことが重要と認識をしております。復興庁としましても、環境省と連携して対応してまいりたいと思います。
なお、残念ではありますが、現時点で私が知事会に出向くということは予定しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/121
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122・梅村みずほ
○梅村みずほ君 三月に爽やかに私を一蹴されたときと同じ言葉を再度聞くことになりましたけれども、ちょっとぎりぎりまで私も諦めずにまいりたいと思います。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/122
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123・紙智子
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
東日本大震災の被災地である岩手、宮城などで頻発している、今日は貝毒の問題についてお聞きします。
震災からの復興に向けて、漁業の再生というのは大きな課題なわけです。
震災以降、沿岸部では貝毒被害が広範囲に及んでいて、長期化しています。二〇一八年は、ホタテの生産が盛んな岩手県の釜石市から宮城県の石巻市の沿岸部約百二十キロと広い範囲で出荷停止になりました。岩手県では、三月から釜石湾で出荷規制が始まり、六月には十二海域のうち六海域で出荷規制が行われました。岩手県全域のホタテガイの出荷量で比較すると、二〇一七年四、五月期の約三百七十五トンから、一八年には約八十六トンまで落ち込みました。宮城県でも三月から出荷規制が行われて、ホタテを生産する七つの全海域で出荷ができない事態となりました。
初めに、これ貝毒というのが発生する仕組み、これどういうことなのかということを説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/123
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124・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
貝毒は、ホタテガイやアサリなどの貝類が体内に毒を蓄積する現象を申します。
このような現象は、例えば二枚貝ですと、毒素を持った渦鞭毛藻などの植物プランクトンを貝が餌として食べ、その結果、体内に毒が蓄積されることによって生じるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/124
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125・紙智子
○紙智子君 昨年の四月も、宮城県の唐桑半島の東部海域でホタテガイの出荷停止を皮切りにして、これ全海域で出荷停止が相次いでいるんですね。
震災以降、なぜこの貝毒の発生が増えているのかということについて、長官、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/125
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126・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答え申し上げます。
宮城県が公表しました宮城県の貝毒対策、これは令和四年度版でございますが、これによりますと、震災以降、貝毒発生が増加傾向にあるものの、湾ごとに発生状況が異なり、津波によるシストの巻き上げ、海洋環境などが要因で貝毒発生動向に変化が生じたものではないかと推測されるとしております。
農林水産省といたしましても、この報告については承知しており、貝毒の発生の広域化、頻発化はこのような様々な要因が関係しているものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/126
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127・紙智子
○紙智子君 様々というんですけど、シストという今お話あって、つまり、殻の中に入って底の方にあったのが津波でこう巻き上げられて、表面に出てきて、その殻を破って発生しているということなのかなというふうに思っているんですが。
それで、岩手県の陸前高田市議会は三月議会で、海洋環境の変化によるいそ焼けとか、それから貝毒の発生、主力魚種の不漁への原因究明と対策に係る意見書を提出しています。
貝毒について、陸前高田市のこの海域でホタテガイ、ホヤ等の水産物に貝毒が発生をして、この発生に伴う出荷の自主規制においては、出荷時期をずらすとかいろいろ調整をやっていると。生産者が自主的に対策を行っているんだけれども、漁業経営に大きな影響が出ているというふうになっているわけですね。
それで、漁業者へのこの経営支援というのはどうなっているんでしょうか。これ、農水大臣にお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/127
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128・金子原二郎
○国務大臣(金子原二郎君) お答えいたしますが、もう委員もよく御存じだと思いますが、貝毒により出荷停止となった漁業者に対する支援につきましては、一定の減収が生じた場合には、漁業共済及び漁業収入安定事業によりまして減収の補填を受けることができます。
また、漁業共済に加入していない漁業者に対しても、被害を受けた漁業者の当面のつなぎ資金といたしましては、低利の運転資金である農林漁業セーフティネット資金を設置して、資金繰り支援を行っているところでございます。
引き続き、貝類の安定生産に向けて漁業者の経営支援を行ってまいります。
参考までお答えしますが、岩手県で漁業共済に入っていますのが、特定養殖三百三十五件、積立ぷらす三百十四件、カキ二百六件、積立ぷらす百九十五件。宮城県で、ホタテガイ、エゾイシカゲカイ等の百七十六件、積立ぷらす百七十五件、カキ三百十九件、二百九十八件ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/128
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129・紙智子
○紙智子君 減収になっている部分を補填するという中身なんだと思うんですけれども、やっぱり融資という形が多いんだと思うんです。だけど、減収になっている人たちにすると、やっぱり本当に生活も含めて大変な状況にあるというふうに思うんです。
復興に向けて、漁業の再生というのは本当に、沿岸部は特に重要なわけです。そこで、復興庁としても、被災地の漁業者支援に対しては、是非水産庁と連携して応援していくべきではないかと思うんですけれども、復興大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/129
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130・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 東日本大震災の被災地においては、養殖業を含め、水産業は重要な産業であると認識をしております。特に、宮城県や岩手県では、ホタテやカキといった貝類の養殖業が盛んであると承知をしております。
東日本大震災からの復興に当たっては、農林水産省と連携して、がんばる漁業復興支援事業や水産業復興販売加速化支援事業といった水産業に関する各種施策を講じているところであります。
岩手県、宮城県、福島県の三県にはそれぞれ復興局があります。漁業者や漁協といった関係者からの声も拝聴しております。私自身、現場に赴いて、車座対話や魚市場において漁業関係者の声を伺っているところであります。
今後とも、農林水産省と連携しつつ、被災地の水産業の再生を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/130
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131・紙智子
○紙智子君 是非、この漁業の再生に向けて、連携して漁業者を応援してほしいと思います。
それで、意見書では、貝毒が発生する原因究明と抜本的な対策の実施を求めているんですね。
漁業者の方から、岩手県の広田湾ってありますけれども、そこの状況をお聞きしました。広田湾では、震災前は貝毒は湾内に発生することが多かったんだけれども、震災後は外洋、つまり外の海ですね、外洋での発生が出てきていると。東日本大震災の津波の関係で湾内の堆積物が外海に流れているからなんじゃないのかなということを言われています。
この貝毒被害の多発というのは東日本大震災の津波による影響と指摘もされているわけですけれども、海洋環境の変化を調査や分析というのは、これ、水産庁、されているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/131
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132・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
貝毒に関する海域の環境調査、分析はそれぞれ関係する各県が行っており、例えば、委員御指摘の宮城県及び岩手県におきましては、貝毒プランクトンの種ごとの分布密度を定期的に調査し、結果を県のホームページで公表しております。また、国立研究開発法人水産研究・教育機構がこれらのモニタリング情報を集約し、調査、分析などに関する助言を行っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/132
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133・紙智子
○紙智子君 頻発する貝毒の原因究明と対策ということでは、今各県がという話があったんですけど、国として是非全力を挙げて取り組んでいっていただきたいと求めたいと思います。
それから、東北大学大学院の研究グループが、この貝毒の発生に起因する有害プランクトンの、これアレキサンドリウムという名前なんですね、これに寄生をしてそれを死滅させるという新種の寄生生物アメーボフリアというのを発見したという報道がされています。
貝毒の被害に悩まされている漁業者にとってはこれ明るい兆しなんですけれども、研究を行っている西谷准教授はやっぱり現場での実用化に向けて今取り組んでいるんですけれども、そういう課題に、地元漁業者のやっぱり安全性の理解、それがほかにも悪さしていないかとかということも含めて、安全性を挙げています。
こういう課題も見据えながら、引き続いて研究に注目していくということが、国としても注目していくということ必要だと思うんですけれども、農水大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/133
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134・金子原二郎
○国務大臣(金子原二郎君) 今委員からもお話ありましたように、東北大学などの研究グループがホタテガイなどの二枚貝の貝毒の原因となる有毒プランクトンに寄生して死滅させる生物の発見に至った研究には、農林水産省も財政的支援をいたしております。有害プランクトンに寄生する生物に関する研究は従前から行われておりまして、農林水産省といたしましても、これに財政的支援をしてきているところであります。
当該生物が生態系へ与える影響にも留意すべきとの指摘もありますが、今後とも適切に支援をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/134
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135・紙智子
○紙智子君 やっぱり研究によって新たに発見される科学的知見も活用しながら対策に当たってほしいと思います。
ここで、金子大臣、それから水産庁長官は退席していただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/135
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136・那谷屋正義
○委員長(那谷屋正義君) じゃ、御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/136
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137・紙智子
○紙智子君 次に、災害援護資金についてお聞きします。
災害援護資金というのは、震災で負傷又は住居、それから家財、ここに被害を受けて、所得金額が一定以下の被災者が生活再建の資金として市町村から最大三百五十万円まで貸付けを受けることができる制度です。
私、三年前にこの本委員会で、被災者の実態を示しながら、自己破産した人とか、それから高齢者の人、病気の方はこれ返済を免除するべきではないかということを求めているんですけど、そのとき、当時の渡辺復興大臣は、検討するというふうに答弁をされていたわけです。
あれから三年経過したんですけれども、検討した結果、西銘大臣にお聞きしますけれども、この返済免除の要件というのは改善されているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/137
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138・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 紙議員からの御質問も踏まえ、災害援護資金に係る自治体からの御要望につきましては、これまで、その都度、制度を所管している内閣府に伝えております。内閣府におきましては、自治体の相談にしっかりと対応していただいているものと承知をしております。
当時の、三年前、当時の紙議員御指摘の点のうち、破産した方については、令和元年の議員立法で免除対象とする規定が置かれたと承知しております。また、高齢者、病気の方につきましては、重度障害の場合を除き、すぐに免除することとはなっておりませんが、支払猶予も可能となっているほか、内閣府においては、少額償還、月賦払といった被災者の生活実態に合った返済方法を認めているものと承知をしております。さらに、東日本大震災の特例としまして、最終的な支払期日から十年経過してもなお無資力、資力のない方である方につきましては免除可能となっております。
こうした一定の要件の下で自治体が猶予や免除を行った場合は国においても猶予や免除が可能になっているため、具体的な運用については内閣府において自治体の相談に丁寧に対応していただいているものと承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/138
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139・紙智子
○紙智子君 償還猶予、それから少額償還ですか、認めているということなんだけど、やっぱり引き続いて苦しいままの状態の被災者の状況があって、結局先送りという話なので、おもしなんですよね。
やっぱり全国市長会や弁護士会からは、運用改善や法改正を求める要望が繰り返し出されているんですよ、この間。全国市長会の東日本大震災からの復興に関する重点提言というのがありますけど、その中には、地方自治法による徴収停止や地方税法による滞納処分の執行停止に相当する場合についても自治体が償還免除とすることができるように免除要件を改めるように求めているんですね。自治体は明らかな支払能力がないというふうに判断をしているわけです。
宮城県のある自治体では、生活保護の受給者になっていても支払督促がずっと送り続けられ続けて、毎月ね、千円でもということで償還しているというんですけれども、やっぱり、生活保護を受給しなきゃならない人にまで返済を求めなきゃならないのかというふうに思うんですけれども、これ、どうでしょうか。これ内閣府副大臣ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/139
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140・大野敬太郎
○副大臣(大野敬太郎君) お答えを申し上げます。
先ほど西銘大臣から詳しくお答えがあったとおりでありますけれども、現在、災害援護資金の貸付けを受けた方で、災害あるいは盗難、疾病、負傷、あるいは経済的に困窮しているなどのやむを得ない事情により償還が著しく困難になった場合には支払の猶予が認められているということでございますが、その上で、猶予を認められた方につきましては、最終支払期日を迎えても、引き続き猶予の手続を取ることによって市町村の判断で猶予することが認められているということでございますので、必ずしもすぐに返せということを申し上げているところではございませんし、また、その上で、先ほど猶予の話もございましたけれども、猶予につきましては、これも先ほどお答えがあったとおりでありますけれども、経済的に困窮している場合というのは市町村の判断で猶予、支払を猶予することができるということにしておりまして、特に、その上で、東日本大震災につきましては特例法で、借受人が無資力又はこれに近い状態であるために支払の猶予を受け、かつ最終支払期日から十年を経過した後においてなお無資力の状態であって償還金を支払うことができる見込みがない者につきましては償還の免除というのが特例で認められているということでございますが、その上であえて申し上げれば、まあもちろんお困りである方でございますので、市町村と密接に連携しながら、相談しながら、寄り添う形でしっかりと対応してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/140
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141・紙智子
○紙智子君 やっぱり、もう十年先にね、ずっとなれば免除されるのでやっていけるかもしれないけど、精神的にはとてもつらいわけですよね。
三月十一日付けの朝日新聞で、災害援護資金、被災地に重荷と、返済苦しむ人、自治体も回収が負担と報道していて、記事では、神戸の長田区の八十五歳の女性が、自宅が全焼して三百五十万円借りたんだけど、夫を亡くした後、六十万円のこの貸付金ですね、この返済ということでは、結局、もう返せない状況の中で、経済的な理由でこれ免除されていると。その人は、死ぬまでに何とかせなあかんと思っていたんだけど、ほっとしたということを言っているらしいですけれどもね。この神戸の担当者は、自治体の労力やコストというのは膨大で、その探してずうっとやり続けるというのは、低所得者が対象のため、返せない人が一定数出てくるのは明らかなんだと述べているんです。
こういうふうに見ても、災害援護資金というのは返済に苦しむ人が少なくなく、被災自治体にも債権回収が負担になっているため、阪神・淡路大震災や東日本大震災の被災地である兵庫県弁護士会や仙台弁護士会から、返済見込みがない場合は早期の返済免除要件の見直しを行わないことによって自治体に過剰かつ無用な負担を強いてきた、改善を求めるべきだという声が上がっているわけなんです。
それで、大野内閣府副大臣、そして西銘大臣、この見解について一言ずつ求めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/141
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142・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 災害援護資金につきましては、現在、償還期限内であり、まずは自治体において可能な限り債権回収に努めていただく必要があると承知をしております。最も早く支払期日が到来するのが令和六年と承知しております。
他方、債権回収に当たられる自治体の皆様には様々な御苦労があると思いますので、御指摘の点も含め、制度を所管する内閣府において、引き続き自治体からの相談にしっかり対応されるものと承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/142
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143・大野敬太郎
○副大臣(大野敬太郎君) 先ほども申し上げましたように、本当にお困りの方にはしっかりと市町村とともに寄り添ってまいりたいと思いますし、また、自治体の返済という事務的な手続について御苦労があるということは理解をしておりまして、今後ともきめ細かく相談に乗ってまいりたいと思っておりますが、その上で、一方で、なおもその猶予の、免除の要件のその緩和についてあえてお尋ねをいただきましたけれども……(発言する者あり)よろしいですか、はい。それでは、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/143
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144・紙智子
○紙智子君 時間になりましたので、やっぱり、被災者に寄り添う、現場主義を徹底するというのであればやっぱりこの声に応えてほしいと思うし、災害援護資金というのはやっぱり問題点浮き彫りになっていて、生活再建に向けて支援するというのは、貸付制度じゃなくて、やっぱり給付型の制度をつくったらどうかということを最後に申し上げて、質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/144
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145・那谷屋正義
○委員長(那谷屋正義君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/145
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146・那谷屋正義
○委員長(那谷屋正義君) 福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
政府から趣旨説明を聴取いたします。西銘復興大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/146
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147・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
この法律案は、福島の復興及び再生を一層推進するとともに、我が国の科学技術力及び産業競争力の強化に貢献するため、福島において取り組むべき新たな産業の創出等に資する研究開発等に関する基本的な計画を内閣総理大臣が定めることとするとともに、福島の創造的復興の中核的な役割を担うものとして、研究開発、研究開発成果の産業化、これらを担う人材の育成等の業務を行う福島国際研究教育機構を新たに設立するものであります。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、内閣総理大臣は、福島において取り組むべき新たな産業の創出及び産業の国際競争力の強化に資する研究開発並びにその環境の整備及び成果の普及並びに当該研究開発に係る人材の育成及び確保に関する施策等の推進に関する新産業創出等研究開発基本計画を定めるものとし、同計画は、福島国際研究教育機構が中核的な役割を担うよう定めるものとしております。
第二に、福島国際研究教育機構の目的、業務の範囲等に関する事項を定めております。
第三に、福島国際研究教育機構の役員として、理事長、監事及び理事を置くこととしております。
第四に、福島国際研究教育機構の主務大臣等について定めるほか、中期目標の策定等に当たって、復興推進委員会、総合科学技術・イノベーション会議及び福島県知事の意見を聴くこととしております。
その他所要の改正を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
福島の復興及び再生は喫緊の課題であり、何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/147
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148・那谷屋正義
○委員長(那谷屋正義君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後三時五十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814858X00520220513/148
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