1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
令和四年十二月八日(木曜日)
午前十時開会
─────────────
委員の異動
十二月七日
辞任 補欠選任
梶原 大介君 赤松 健君
古賀 千景君 石橋 通宏君
天畠 大輔君 木村 英子君
十二月八日
辞任 補欠選任
石田 昌宏君 大野 泰正君
石橋 通宏君 村田 享子君
木村 英子君 山本 太郎君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 山田 宏君
理 事
こやり隆史君
島村 大君
川田 龍平君
山本 香苗君
委 員
赤松 健君
生稲 晃子君
大野 泰正君
神谷 政幸君
友納 理緒君
羽生田 俊君
藤井 一博君
星 北斗君
本田 顕子君
打越さく良君
高木 真理君
村田 享子君
窪田 哲也君
若松 謙維君
東 徹君
松野 明美君
田村 まみ君
芳賀 道也君
倉林 明子君
木村 英子君
山本 太郎君
衆議院議員
厚生労働委員長 三ッ林裕巳君
国務大臣
厚生労働大臣 加藤 勝信君
大臣政務官
厚生労働大臣政
務官 畦元 将吾君
事務局側
常任委員会専門
員 佐伯 道子君
衆議院法制局側
第五部長 石原 隆史君
政府参考人
内閣府大臣官房
審議官 滝澤 幹滋君
法務省大臣官房
審議官 保坂 和人君
文部科学省大臣
官房審議官 安彦 広斉君
厚生労働省大臣
官房高齢・障害
者雇用開発審議
官 堀井奈津子君
厚生労働省医政
局長 榎本健太郎君
厚生労働省健康
局長 佐原 康之君
厚生労働省医薬
・生活衛生局長 八神 敦雄君
厚生労働省雇用
環境・均等局長 村山 誠君
厚生労働省子ど
も家庭局長 藤原 朋子君
厚生労働省社会
・援護局障害保
健福祉部長 辺見 聡君
厚生労働省保険
局長 伊原 和人君
経済産業省商務
情報政策局商務
・サービス政策
統括調整官 田中 一成君
国土交通省鉄道
局次長 平嶋 隆司君
─────────────
本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援
するための法律等の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
○特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ
因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済する
ための給付金の支給に関する特別措置法の一部
を改正する法律案(衆議院提出)
○社会保障及び労働問題等に関する調査
(C型肝炎感染被害者の救済に関する件)
(新型コロナウイルス感染症のワクチンに関す
る件)
(障害者雇用対策に関する件)
(障害者支援策に関する件)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/0
-
001・山田宏
○委員長(山田宏君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、古賀千景君、天畠大輔君及び梶原大介君が委員を辞任され、その補欠として石橋通宏君、木村英子君及び赤松健君が選任されました。
また、本日、石田昌宏君及び石橋通宏君が委員を辞任され、その補欠として大野泰正君及び村田享子君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/1
-
002・山田宏
○委員長(山田宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長辺見聡君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/2
-
003・山田宏
○委員長(山田宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/3
-
004・山田宏
○委員長(山田宏君) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/4
-
005・打越さく良
○打越さく良君 立憲民主・社民の打越さく良です。
精神保健福祉法について、五日の本会議において本法案の改廃を含む検討状況をお尋ねしたところ、大臣は、国連の障害者権利委員会の勧告も踏まえ、障害者の希望に応じた地域生活の実現、一層の権利擁護の確保に引き続き取り組むと答弁なさいました。
これまで、精神保健福祉法第五条において、精神障害者の定義は、統合失調症、精神作用物質における急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者をいうとされていましたが、今回の改正案ではその例示から精神病質を削ることとなっています。その理由は何でしょうか。何らかの概念整理が行われた上でのことなのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/5
-
006・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) お答え申し上げます。
御指摘の精神保健福祉法第五条におきましては統合失調症等を精神疾患の例示として規定しているところでございますが、現行法の精神病質につきましては、WHOが示しております現行の国際疾病分類におきまして人格障害という言葉が用いられており、法令上の用語としては検討が必要となること、また、その一方で、精神障害者に占める割合を考慮いたしますと必ずしも例示をすべき疾患とは言えないこと、こうしたことを考慮いたしまして、今回例示の中からは削除することといたしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/6
-
007・打越さく良
○打越さく良君 この第五条の定義から精神病質が削られた経緯からして、第一条の法律の目的についても検討の余地があったのではないでしょうか。本法案の第一条について、今回、障害者基本法の基本的な理念にのっとり、精神障害者の権利の擁護を図りつつという文言が法の目的に加えられたことは一定の前進という評価もあります。しかし、発生の予防という文言が削除されなかったことなど、いまだ問題が多いことはこれまでの審議や参考人質疑でも明らかになっています。
本法案には、これまでの差別的な法体系との関連や連続性が指摘されています。優生保護法には、その目的として、優生上の見地から不良な子孫の出生を防止すると書かれ、精神保健福祉法は、その目的に、精神障害者の医療及び保護を行い、かつ、その発生の予防に努めると書かれています。
本法案の第一条は優生思想がなお入り込んでいると言え、その目的自体が問題ではないでしょうか。改めて大臣の所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/7
-
008・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 前回も説明したかもしれませんが、精神保健福祉法の第一条には、法律の目的として、精神障害者の医療及び保護を行うこと、社会復帰の促進等のために必要な援助を行うことのほか、その発生の予防その他国民の精神的健康の保持及び増進に努めることによって、精神障害者の福祉の増進及び国民の精神保健の向上を図る旨が規定をしているところであります。
同法において、精神障害者とは精神疾患を有する者を意味するところから、発生の予防という文言については精神疾患の発生を予防することを規定しているものであります。
したがって、厚労省としては、目的規定を踏まえ、精神障害を有する方が地域で安心して暮らせるよう、引き続き支援体制の充実を図っていきたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/8
-
009・打越さく良
○打越さく良君 精神障害のある方を否定するような言葉だと思われるんですね。
この第一条は、続いて、その医療及び保護を行うと、ことという文言があるんですが、精神障害者が依然として保護の対象とされていると。精神保健福祉法はこれまで様々な改正が行われてきましたが、このパターナリスティックな側面がずっと続いているわけです。
この保護という文言の削除についても検討してはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。大臣にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/9
-
010・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 精神保健福祉法では、法律の目的として医療及び保護を行うことが第一条に規定され、第五章の医療及び保護の中で精神科病院の入院手続や地域生活への移行の促進をするための措置等が規定をされているところでございます。
現行の保護の文言については、適切な入院医療へのアクセスを確保しつつ、本人の意思を尊重して本人の生活の支援を行う意味を含むものであり、今般の改正法により、精神障害者の権利の擁護を図りつつ行うものであることを明確にさせていただいたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/10
-
011・打越さく良
○打越さく良君 やっぱり保護という文言は問題だと思いますので、是非削除について検討を進めていただきたいと要請いたします。
そして、平成二十九年改正案についてですが、当初の法案概要資料の記載は犯罪抑止を目的としているように読めると、精神障害者の監視強化につながるなどの批判を受けました。一方で、この本法案の検討過程では、六月の社会保障審議会障害者部会において、まず、退院後支援のガイドラインについて見直しを行い、退院後支援については、津久井やまゆり園事件の再発防止策を契機とした取組ではないことを明文で規定することが必要であるとされました。また、地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会報告書でも同様の記載があります。
これら報告書における明文で規定すべきであるとの記述は本法案においてどのように反映されているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/11
-
012・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 退院後の支援につきましては、廃案となりました平成二十九年の精神保健法案の改正案に盛り込まれていたところでございますが、国会での御審議を踏まえまして、現行法下で実施できる支援について、地方公共団体における精神障害者の退院後支援に関するガイドラインを平成三十年に部長通知としてお示しをしたところでございます。
御指摘ございました本年六月に取りまとめられました地域で安心して暮らす精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会の報告書におきましては、退院後支援のガイドラインについては見直しを行い、退院後支援は津久井やまゆり園事件の再発防止策を契機とした取組ではないことを明文化すべきであることとされているところでございます。
今般の改正案の内容につきましては、医療保護入院の入院手続の見直しなど、平成二十九年の改正案と同様の内容も盛り込まれているものでありますが、法案全体としては別のものという位置付けでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/12
-
013・打越さく良
○打越さく良君 退院後支援のガイドライン見直しを報告書求めているわけですよね。その今後のスケジュール、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/13
-
014・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 本年六月の検討会の報告書におきましては、個人情報の取扱い等について、地域でばらつきが生じないようガイドラインの運用面を含めた見直しを行うことなどが提言されるといった指摘を受けているところでございます。関係者との調整に速やかに着手をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/14
-
015・打越さく良
○打越さく良君 医療保護入院について伺います。
身体拘束、これまでも問題にされてきましたけれども、任意入院においても問題はございます。
現行制度では、任意入院をした方が退院の申出をしても病院の管理者は七十二時間以内、退院させないことができるということで、その間に医療保護入院に切り替えることもできるということになっています。結局、病院側から切替えを求められて、結果的に医療保護入院となるケースが存在している次第ですが、任意入院後、医療保護入院となった患者の方の数とその割合について経年的に御報告をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/15
-
016・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 任意入院の後に医療保護入院となった患者の数、また医療保護入院のうちどの程度の割合を占めるかということにつきましては、各種統計調査の対象となっておらず、把握はしていないところでございます。
一方で、医療保護入院の際に提出される入院届におきましては、医療保護入院となる前の入院形態について、任意入院であるか等も含めたものでございますが、これを記載することとなっておりますので、個々個別の医療保護入院につきましては、それも含めて精神医療審査会の審査の対象とされているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/16
-
017・打越さく良
○打越さく良君 把握もされていないわけですね。
これ、医師の判断によって家族が同意を求められたら断れない場合がほとんどではないでしょうか。結果として、家族に強制入院の責任が負わされることになるため、きめ細やかな対応が必要であると考えます。
家族等による同意を要件とする非自発的入院は日本にしかないのではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/17
-
018・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 精神科医療の提供体制につきましては国によって大きく異なるため、非自発的入院に関する制度を単純に比較することは困難であると考えております。
その上で、精神疾患患者について、家族等による同意といったようなことを要件とする入院制度はアジアの近隣諸国において設けられている例があると承知をしているところでございます。また、欧米諸国におきましても、家族等による同意を要件とするという形ではございませんけれども、家族からの申請を端緒とするなど、何らかの形で実質的に家族の関与を得て、本人の同意がない入院制度が運用されている例があると承知しているところでございます。
引き続き、国際的な動向も踏まえながら、我が国における精神科医療の在り方について検討をしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/18
-
019・打越さく良
○打越さく良君 いや、これは本当に特異な制度ではないかというふうにもう多くの方が指摘していらっしゃると思います。
そもそも、私、離婚事件など専門にしている弁護士だったんですけれども、やはり、家族がいつも本人のことを的確に思いやって、味方であるというふうに前提に立った制度というのはどうなのかと、家族だからこそ葛藤もあるという事実を直視して考えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。大臣に、大臣に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/19
-
020・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 医療保護入院制度は、患者の権利擁護に責任を有する精神保健指定医が入院治療の必要性を判定した上で、医師から十分な説明を受けた患者等の同意に基づき入院を行うことで、患者の医療へのアクセスを保障するとともに、患者の権利擁護を図る仕組みでございます。
医療保護入院に際しましては、入院治療が本人の利益に資するかを勘案して判断されるべきことであることから、一般的に患者本人について情報をより多く把握している家族等が入院治療の同意を行うこととしているところでございます。
しかしながら、精神障害者の家族団体からの要望等によりまして、入院同意の際に家族に葛藤が生じる場合があるということも承知をしております。このため、今回の改正案では、同意を伴う関係の悪化を懸念する家族が意思表示をちゅうちょする場合などの場合には市町村同意による入院を可能とすることとしたところでございます。
入院に当たっての同意を行う家族の御負担については、検討会の報告書にも記載されていると承知をし、あっ、記載されているところでございます。
引き続き、家族団体等の意見を伺いながら、制度の運用について検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/20
-
021・打越さく良
○打越さく良君 結局、そうやって検討を進めていただいたわけですけれども、家族等による同意を残してしまっているので、かえって医療保護入院を広げてしまったわけですね。本当にこの医療保護入院については、手続保障どうなのかという問題があります。入院の開始時には、少なくとも、遅滞なく精神医療審査会が入院者と面談を実施して要件の審査を行うなどして手続保障を少しでも高める必要があると思いますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/21
-
022・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 医療保護入院の制度は、入院医療への患者のアクセスを保障するための制度であることから、適切かつ迅速に入院医療につなげるためには、精神科病院における一定の機動的な対応が必要であり、都道府県に設置された精神、その上で、都道府県に設置された精神医療審査会で審査されるということであります。
この審査会においても、実効的な審査が行われるよう必要な対応が図られるべきものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/22
-
023・打越さく良
○打越さく良君 ですから、別に入院のときの審査などは書面審査にすぎないわけですね。だから、せめて入院のときなどは面談を、精神医療審査会が入院者と面談を実施するなど、少なくともそうしなければいけないのではないかと、そして手続保障を高めるべきではないかというのが質問です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/23
-
024・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 精神保健福祉法においては、「精神医療審査会は、前項の規定により審査を求められたときは、当該審査に係る入院中の者についてその入院の必要があるかどうかに関し審査を行い、」と書いてあるわけでありますから、具体的にどういうやり方かということはここには記載がないわけであります。
今お話があるように、全て、年間、例えば新規でいえば十万人近い方がこうした医療保護入院ということになっているというふうに承知をしておりますから、その全てのケースについて面談を行うというのは難しいとは思いますが、先ほど申し上げたように、ケース・バイ・ケースの中で実効的な審査、これが行われていくようにしていかなければならないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/24
-
025・打越さく良
○打越さく良君 実効的な審査が行われていないために人権が軽視された扱いが見られるわけですね。
この法案の説明資料の中では、DV加害者等を家族等から除外するという記載があるんですけれども、これDVの認定をそもそも医師ができるわけがないと思います。そして、DVはないが不仲であるという場合も幾らでもあるわけですね。これは、何ら司法チェックも入らない協議離婚制度、そしてこの制度、医療保護入院制度の下でですね、有利な条件で離婚をするために、まず保護者を、配偶者を医療保護入院させて、退院したかったら離婚届に署名押印しろとかいって、そういうことが実際にあるんですね。私の経験からしてもあるわけです。
そういうことに悪用されることは、この改正法案の下でも防げないのではないでしょうか。どのように手当てしていくのかについてお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/25
-
026・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 医療保護入院につきましては、任意入院につなげる最大限の努力を行っても本人同意が得られない場合に選択されるべき手段でございまして、その上で、精神保健指定医による審査の結果、入院が必要だと認められ、入院の必要性について家族等に対して丁寧に説明を行った上で入院について同意を得るということが、とされており、家族の意向のみでは入院できない仕組みとなっております。
この入院の必要性につきまして、精神保健指定医が公正な判断を行うということが前提となっております。その資質の向上の観点から、指定医資格の新規取得のための審査時にケースレポートの審査に加えて口頭試問を実施すること、また、資格更新時には人権擁護の、人権保護の趣旨の徹底ですとか最新の知識の普及等のための研修の受講を義務付ける、こういった対応を行っているところでございます。精神保健指定医が入院が必要と判断した理由につきましては、入院届に記載の上、精神医療審査会の審査を受けることともされております。
引き続き、医療保護入院について適切な運営が図られるよう努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/26
-
027・打越さく良
○打越さく良君 指定医であれば公正に判断ができるということは、申し訳ないですけれども、私の見聞きした事件からしてもフィクションではないかと。やはり公正さというものをどうやって担保するかということを、人身の自由に関わることですので、考えていただきたいと思います。
そして、非常に時間がタイトになってしまったので飛ばさせていただいて、やはり今までの質疑の中でも本当にこの身体的拘束というものが大変問題になってきたと思います。非常にこの要因が人員配置にあるのではないかということが指摘されています。
精神科特例は制度としてはなくなっていますが、これ実質的な運用では機能しているということが五日の藤井参考人の指摘でもあったと思います。藤井参考人は指摘されていたように、治療ではなく収容処遇になっているという、本当に誠に憂慮すべき現状ではないでしょうか。
他診療科と同様の配置基準を明確に打ち出すべきであると考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/27
-
028・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 精神病床の人員配置基準につきましては、平成十三年の医療法改正によりまして、精神医療に求められるニーズや整備し得る医療資源の量を踏まえて、療養病床と同等以上に設定しているところでございます。
医療法上の人員配置基準につきましてはあくまで最低基準を定めたものでございまして、診療報酬におきましては、医師や看護職員等について一般病床と同程度の配置を評価しているほか、精神科救急ですとか精神疾患患者の身体合併症医療を提供する精神病棟についてはより高い評価を行うなど、医療機関の特性や入院患者の状態に応じた人員の追加の配置を求めているところでございます。
いずれにいたしましても、引き続き、精神疾患の患者に適切な医療が提供されるよう、個々の病院の規模や機能に応じた体制の整備を推進してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/28
-
029・打越さく良
○打越さく良君 時間になりましたので要望させていただきますけれども、本会議で医療観察法の病床整備を凍結すべきという質問をさせていただきましたが、そもそも入院者数の維持によって病院経済を守る構造があるとしたら、本当に転換が必要であると考えます。病床数を削減して地域移行がより促進されるような診療報酬にしていただきたいと要望させていただいて、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/29
-
030・高木真理
○高木真理君 立憲・社民の高木真理です。
早速質問させていただきたいと思いますけれども、冒頭、私からも、当該法案が束ねられ、十分な審査時間が確保されなかったことにまず抗議しておきたいと思います。
さて、その上で、問題の指摘される障害、精神障害に関わるところを中心に伺ってまいりたいと思います。
この審査の過程が十分な時間がなかったということではありますが、最初に四人の参考人の方にお話を伺えたのは大変有意義だったというふうに思っています。
検討会のメンバーであった辻本先生からは、各立場の方々がこの検討会の中で前向きな意見が出て、みんな何とか少しでも前に進めたいというような議論をすることができたというようなお話も伺いました。
また、障害当事者の方々が、いかにこの国連の勧告に向けて障害種別を超えたパラレルレポートを力を合わせてまとめたり、そこに懸けたんだけれども、それが今回の法案には反映されていない、そんなお話もありました。
そして、今この日本の精神障害者の皆さんをめぐる、取り巻く状況というもの、あるいは精神医療の病院の現状というものがいかに世界標準から遅れてしまっているかということも明らかになったかと思います。
みんながいい法改正をしようと思って努力をしたんだけれども、現状があるから進める分しか進めない、それが今回のこの改正案なのかなというふうに読ませていただきますけれども、確かに良くなろうと頑張っているところはある、しかし、どうしても現実から前に進めない部分というのがあって、そこをどういうふうにこれから動かしていくかということが大事だし、そこに足を取られているがために、より制度がおかしくなってしまったというものが今回の改正案の中には含まれているのではないかというふうに思っています。
その前提に立って、まず、現行の医療保護入院において家族がいないなどの理由で市町村長に同意を求めた件数と、そのうち同意が得られなかった件数が何件か、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/30
-
031・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 市町村長同意による医療保護入院につきましては、病院が把握していない家族等の存在を把握し連絡が取れる場合にはその同意の意思の有無を確認するなど、事務処理要領によりまして市町村の手続を明らかにし、適正な実施に努めてきたところでございます。
お尋ねの件数につきましては、市町村長同意があり医療保護入院となった件数は全国で年間七千件程度となってございますが、病院が市町村長に同意を求めた総数、また市町村長が不同意とした件数については把握をしていないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/31
-
032・高木真理
○高木真理君 実態が、市町村長がはいと言わなかったものについては分からないということですよね。この強制的に入院、その人を入院させるということですから、重大な人権に関わる判断なので、実態をこういうことについてもつかんでいただいた方がいいと思います。
今回の改正案ではその市町村長の同意の範囲が広がっているわけで、そもそもこの改正案は、家族同意が患者と家族を引き裂く、まあいろんなコンフリクトがあることがありますから、その問題を改善しようとして、それなら代わりに市町村長にやってもらえばいいやということに、まあ前に進めようとしてやった側面はあると思うんですが、本来、自傷他害の危険がある緊急の措置入院以外は不同意入院は認められるべきではないと私は思います。
そうしたところを家族同意でよいというまず前提に無理があって、そこに市町村同意でよいという無理が重なって、今回、更に本末転倒な方に行ってしまっていると感じざるを得ません。
大事な人権侵害なんだけれども、それを市町村長、なかなかこれ、医師の判断を覆すようないろんな情報、家族が持っているような情報すら持っていない市町村長が同意をと言われても、そんな人権侵害を認めていいのかどうかという免罪符を市町村長にそもそも与えていいのかという問題があると思います。
次に、現行の精神医療審査会のことで伺います。
退院の申出というのはどのくらい認められていますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/32
-
033・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 患者から、患者等から退院請求が行われた場合、精神医療審査会は、精神保健福祉法第三十八条の五に基づきまして、入院の必要性があるかどうかだけではなくて、処遇が適当であるかどうかという観点から審査を行うこととされております。
退院請求の審査結果につきましては、自治体から報告されている統計におきましては、令和二年度中に審査結果が判明しているものは二千八百四十四件でございまして、このうち入院又は処遇が不適当とされた件数は百五十三件、五・四%でございまして、統計上は内訳については把握をしておりません。
一方で、調査研究で行っているいわゆる六三〇調査におきましては、平成元年度中に審査が完了した退院請求約二千七百件のうち、一・六%は入院継続が必要ではないとされたというふうに認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/33
-
034・高木真理
○高木真理君 これも実態を把握をするようにした方がいいと思いますけれども、研究で分かっているものは一・六%ということですが、これもかなり少ない数字だと思います。
私もこれ、県議時代にもこの問題関心があって取り組みましたけれども、やはりお医者さんが医療的に必要な入院だと判断しているものはなかなか周りから手出しができないものなんだなという印象があります。
この研究によっても一・六%しか不適当ではないということで、適切だという今入院者数がこの統計などには上がってきているんだと思いますが、その入院者数が世界的に見て異常なほど多いわけですよ。やはり、これは問題だと思います。
この委員会でも、大臣から、日本人だけに特に精神疾患が多くなるということでもないだろうというようなお話もありました。今回、医療保護入院に六か月ごとに入院要件のチェックを義務付けたといっても、これ更新できるので、チェックにならない。何度も更新可能なので、どれだけ歯止めになるか分からない。残念ながら、余り事態は変わらないのではないかと思わざるを得ません。
ただ、今回、改正案の検討を一生懸命されたその中でも、委員の皆さんにも目指す理想像というのはおぼろげながらも共有されているんだと思うんですね。精神障害を持っても、本人が必要とする場合に医療にアクセスし、入院が必要なら最低限の期間で退院して、ふだんは地域精神保健サービスや様々な地域資源の中でその人らしく暮らせるようにすること、脱施設化。今回、障害者等の地域生活の支援の体制の充実が改正案の一つの柱になっているかと思いますが、入院の有無にかかわらず、精神障害者も地域でありのままに暮らしていける、そんな地域をつくっていくことも重要です。
そこで伺います。
精神障害者のグループホームなど地域で暮らせるようにつくっていこうとすると、地域の理解を得るのが難しかったりする現状があります。大変残念なことです。精神障害者が当事者になる事件があると、殊更にニュースが騒然としたりもします。健常者が起こす事件の方が圧倒的に数が多いのにです。
まだまだ国民に精神障害者のありのままの姿の理解が広がっていないと感じますが、大臣、こうした偏見を取り除くためにどうしていかれるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/34
-
035・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 精神保健福祉法では、国民は、精神障害者に対する理解を深め、精神障害者の社会復帰、自立、社会経済活動への参加をしようとする努力に対し、協力するよう努めなければならないとされております。また、メンタルヘルスの不調や精神疾患は誰でもが経験し得る疾患であります。
身近な地域で切れ目のない支援が行われていくこと、また地域住民等への一層の普及啓発、こういったことが重要だと考えております。精神疾患やあるいは精神障害に関する差別、偏見を解消することはもとより、精神障害を有する方やメンタルヘルスの不調を抱える方が必要なサービスを受け、地域の一員として安心して生活できるよう、啓発活動、また様々な支援に取り組んでいきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/35
-
036・高木真理
○高木真理君 是非、ここ大事なところなのでしっかりやっていただきたいと思いますけれども、恐らく今までもそうした方向でやってきていただいていて今この現状ということなんだと思うんですよ。なので、是非これから工夫を凝らしてパワフルに進めていただきたいというふうに思います。
次に、政府参考人に伺いますけれども、障害者が地域でありのままに暮らすには様々なサポートが必要となってきます。地域包括ケアを行うに当たっても、今回、市町村という存在が身近な存在として大変重要になってきていますけれども、なかなかまだ精神障害者の皆さんへの理解が市町村などでも十分とは言えない状況かと思います。そのほかにも、福祉の関係者、医療関係者、地域の様々な資源たる人々の理解が必要になります。
このまだ理解が足りていないという中で、どのようなプログラムでスキルアップや認識の向上を図っていくのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/36
-
037・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 先ほど大臣からもお答え申し上げましたとおり、精神障害のある方やメンタルヘルスの不調を抱えている方が必要な保健医療、福祉サービスの提供を受け、地域の一員として安心して生活することができるよう、精神疾患や精神障害に関する普及啓発を推進するということは大変重要であると認識をしております。
このため、厚生労働省におきましては、十月十日ですね、国際記念日でございます世界メンタルヘルスデーに対して、シンポジウムや動画配信などの普及啓発に関するイベントを令和元年から継続して実施するとともに、身近な周囲の方々の態度や行動の変容までつながることを意識した普及啓発の設計までが必要であるという観点から、令和三年度より心のサポーターの養成に向けた事業に取り組んでいるところでございます。
このような取組を通じまして、精神障害のある方々が適切な支援を受けながら偏見なく地域の中で暮らし続けることができるよう、引き続き普及に、普及啓発の取組の充実に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/37
-
038・高木真理
○高木真理君 しっかり進めていただきたいと思います。
さて、日本の精神障害者をめぐる環境が世界から大きく遅れて、いわゆる理想の状況に一足飛びに行けないのはなぜか。私は、これ一番の原因、元凶は精神科病床が多過ぎることだと思います。やっぱり、地域で精神障害者の方が暮らして、もっと多く暮らしていけば、身近に触れることでそこから偏見がまた取り除かれていくということもあるでしょうし、その長期入院につながるような様々な問題、あるいは身体拘束の問題などもいろいろ出てきていますが、そういったものも、このまず精神科病床を少なくする、ここが重要だと思います。ここを抜きにしてはうまくいかないと思います。
資料が皆様のお手元にお配りされているかと思いますけれども、資料一の図一を御覧ください。倉林委員が前回出されたのと同じ資料になりますが、日本の精神病床が異常に多いままということが分かるグラフです。
資料二は、この二十年を抜き出して、データから作成をしておりますが、元々高度成長期に精神科病床つくり過ぎているんですよね、一般病床も多くなりましたけれども。そして、世界が脱施設化に向かう中、高止まりなんです。ちなみに、一番少ないイタリアでは急性期用に各総合病院に十五床の用意があるだけと聞きます。
資料の三も御覧をいただきたいと思いますけれども、精神科病床、三十二万床をずっと維持しているとのことですけれども、入院者数は減ってきていて、疾患の内訳は御覧のとおりです。石橋委員も指摘していた認知症患者さんですけれども、令和二年五・八万人。やはりここ、安易な受皿になっていないか考えなくてはいけないと思います。
本来、自傷他害の危険がある場合以外はしかるべき介護施設があるべきなんです。入院患者がベッド数に比べて減ってきているこの現状、稼働率が落ちてきているということを意味しますね。これは精神科病院の経営にとってはマイナスです。何とか病院を維持するために、入院してくれる人、入院したままでいてくれる人を確保したいと思うのは、経営上は残念ながら普通なことです。
まず、精神科病床の削減については、衆議院で問われた際に基準病床数の提示でやっていくという回答がありましたけれども、これで間違いないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/38
-
039・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 御指摘の精神病床数につきましては、医療計画の基準病床数につきまして、将来の入院需要等を踏まえた算定式を国において示した上で、各都道府県がこの算定式を踏まえて医療計画の中で必要となる病床数を設定する仕組みとしているところでございます。
国が作成する算定式は、患者の年齢構成の変化等に伴う将来の入院需要のほか、地域移行の推進などの政策効果についても勘案するものとしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/39
-
040・高木真理
○高木真理君 今説明ありましたけれども、要は基準病床数を提示するということでありますが、これ、基準病床数提示しても減りません。一般病床数、まあ同じようなことで、算定式は違うということですけれども、基準病床数はそれよりも多いベッドを持っていても何のペナルティーもありません。基準病床数よりもベッドが少なくなったら増やせるというだけの指標です。だから、自然減を待っているのと同じなんです。これによって、世界が脱施設化で精神科入院を考えていった中でも日本はグラフが横ばいのまま、そして入院者数が少しずつ減少しているぐらいにとどまっているという現状です。
まず、あるべき入院がどんなものかを考える、その必要な入院ならベッドがどのくらい必要かを計算する。そうすると、まあ残念ながら病院数としては余るかもしれません、統廃合が必要になるかもしれません。しかし、働く医師、看護師の方は、先ほど配置基準の質問もありましたけれども、より手厚い配置とすべく集約した病院に移ってもらうということになるかもしれませんが、そうして手厚い配置になれば拘束せずともやっていける環境に近づける、こういったことも出てくると思います。もちろん、入院していた人が地域に戻るための受皿の必要数もそろわなければなりませんが、こうした大きな計画こそ必要になります。基準病床数の提示だけでは絶対に減りません。
是非、大臣、精神科病床削減に向けて大きく、地域の受皿の整備と一体にしたあるべき入院数をより煮詰めて考えた上で大きな計画を考える、そうしたお考えはあるでしょうか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/40
-
041・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 今部長からお話しさせていただいたように、精神病床については、医療計画において都道府県ごとに必要となる病床数を基準病床数として設定すると。現在、令和六年度からの第八次医療計画の策定に向けた検討を行っているところであります。精神病床の数、またそこで長期入院を続けられる方がおられるということ、これは重要な課題と認識をしております。患者の地域移行を推進する観点からも、基準病床数を減らす方向で検討を進めていきたいと思っております。
なお、これまで精神病床数については、地域移行の推進等の政策効果について勘案した算定式により、精神病床の基準病床数を都道府県ごとに病床数が減少する方向で設定し、実際に病床数も年々減少していると認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/41
-
042・高木真理
○高木真理君 今、私は、いかに基準病床数を提示をしても削減には効果がないかということを説明をしました。論理的にも大臣お分かりをいただけたかと思います。それで、削減をするのにその数字を出しますというのは、大きく削減に向けて物事を進めるということにはつながらないのではないかと思いますが、もう一度御答弁お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/42
-
043・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) いや、そもそも地域の病床、精神病床だけではなくていろんな病床は、もうそれぞれ都道府県ごとに地域の皆さんが議論しながら進めていただいているということで、それに対してこの基準病床数を私たちは出させていただいている。したがって、そうした基準病床数をお示しをすることで、そうした方向に向けて各都道府県においても御議論いただけるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/43
-
044・高木真理
○高木真理君 これ、もっと大きな、都道府県だけに言っていては解決しない問題なので、是非お取組をいただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/44
-
045・東徹
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
早速質問に入らせていただきたいと思いますが、まず、法務省からも来ていただいておりますので、まず刑事等の改正についてお伺いをさせていただきたいと思います。
私は、これ、もう数年前に、知的障害者の方が施設におられて、その方がグループホームに入所されていたんですね。そのグループホームに入所されていたんですけれども、グループホームで事件があったということで、どういった事件だったかというと、その知的障害の方、まあ女性だったんですけれども、性的被害に遭ったというようなことで、そういった事件があって、やっぱりこれは問題だなというふうに思いまして、このことにも関心を持ってまいりました。
障害者から性犯罪を守っていくということが非常に大事だと思います。今、刑法等の改正が法制審議会でも、これ議論が進められているというふうに聞いております。強制わいせつ罪及び準強制わいせつ罪の要件の改正ということになるかと思いますが、現在の状況と改正案の意義についてお伺いをさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/45
-
046・保坂和人
○政府参考人(保坂和人君) 性犯罪に対処するための刑事法の整備につきましては、今御指摘がございましたように、現在、法制審議会の刑事法の部会で調査審議が進められておるところでございます。せんだって、十月二十四日の部会におきまして、それまでの御議論を踏まえた今後の検討のためのたたき台としまして試案が示されて、引き続き試案を基にして御議論が行われているという状況でございます。
御指摘の障害を有する被害者の方に対する性犯罪につきましては、暴行、脅迫要件、心神喪失、抗拒不能要件の改正という諮問事項に対応しまして、試案におきましては、心神喪失、抗拒不能に代わる被害者の状態を要件として規定し、その状態にさせたり、その状態に乗じたりして性交等をした者を処罰することとし、その原因となる行為や事由といたしまして、心身の障害ですとかあるいは社会関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益の憂慮などを例示列挙するという案が示されているところでございまして、今後この試案を基に更に御議論が行われる予定でございます。
当局といたしましては、充実した議論が行われるよう、引き続き適切に対処してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/46
-
047・東徹
○東徹君 この法制審議会の議論も非常にこれ長きにわたっていまして、私、これ聞いてからもう一年以上たつんじゃないのかなというふうに思っておるんですね。私、これ大事な法改正になっていくと思いますし、やっぱり知的障害者だけではなくて、障害者の方からですね、性犯罪をやっぱり守っていくということは非常に大事だと思っているんですね。
そういった犯罪をなくしていくためにも一日も早いこれ成立をしていかなきゃならないというふうに思っておるんですが、来年の通常国会にはこれ間に合うのかなと、間に合わせてほしいなというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/47
-
048・保坂和人
○政府参考人(保坂和人君) この法制審におきましては、合計十項目の諮問事項につきまして調査審議が行われているという状況でございまして、先ほど申し上げましたように、今後も引き続き試案を基にして御議論が行われる予定となっております。
したがいまして、このような議論の状況によるものですから、現時点で法案提出のスケジュールを申し上げる段階にはないわけでございますが、いずれにしても、審議会において充実した御議論が行われるように鋭意適切に対処するとともに、答申が得られた場合には、その内容を踏まえて適切な時期に法案を提出できるように、必要な準備、検討、これを速やかに行ってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/48
-
049・東徹
○東徹君 是非、審議早く進めていただいて、法案が提出できるように是非努力していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
このことについては以上ですので、委員長、御退席いただいて結構かと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/49
-
050・山田宏
○委員長(山田宏君) 保坂審議官には御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/50
-
051・東徹
○東徹君 それでは引き続きまして、今日もずっと質問がされておりますが、松野議員からも本会議で質問させていただきました精神障害者の入院のことについて、先ほどからも病床数の話がありました。そのことについて質問させていただきます。これ非常に重なってしまっておりますが、お許しいただきたいと思います。
今回、大体、本会議登壇質疑があった後、一般質疑があって、それから参考人質疑というのが大体のパターンだったんですけれども、今回、最初にこれ参考人質疑が行われました。私、これ、参考人質疑、すごく参考になったというか勉強になったなというふうな思いをいたしております。もう議事録にも出ておりますので、特定非営利活動法人日本障害者協議会の代表の藤井さんからるる御指摘がありました。この精神、精神医療というか、こういった状況がもう長年にわたって変わっていないというようなことで、この報告書、これについての報告書、一九一八年に、呉秀三さん、それから樫田五郎さんですかね、が公表されたその一節に、精神病を患った不幸とこの国に生まれてきた不幸と二重の不幸だというふうな指摘があって、百五年間たったが、一体日本社会は何をしてきたんだろうかと、真の意味で改革に踏み込んだ担当大臣は存在していたんだろうかと、政府全体の、また立法府の責任はこれはもう少なくないというような御指摘でありました。本当にそのとおりだと思いますし、これを本当に何とかしなければ日本は非常に恥ずかしいなというふうな思いをいたしております。これまでも議論がありましたが、国連の勧告もあって、そして、やはり抜本的に見直していかなければならないのではないのかなというふうに思います。
まず、入院のことについてお伺いをさせていただきますが、今回の法案では、医療保護入院について、医療機関、あっ、入院期間を定めたり、一定期間ごとに入院の要件を確認するなど、入院期間の必要以上に長くならないようにする規定がこれ含まれております。これ一歩前進なのかなというふうに私も評価をいたしておりますが、現状を見ると、精神病床に入院する人の六割以上が一年以上の入院であって、その半数以上は五年以上の入院となっておって、平均在院日数も令和元年で二百六十五・八日と、八か月を超える長さということは、これは非常に世界と比べても長いということでありました。これ、藤井参考人からもありましたが、アメリカでは十・二日、イタリアでは十二・四日、ドイツでは二十四・四日ということで、日本の平均在院日数は二百八十三・五日ですから圧倒的にこれは長いということになるわけですね。
令和五年度までの第六期障害者福祉計画では退院率についての目標値があって、入院後六か月で八六%以上、入院後十二か月で九二%以上の退院率がこれ目標とされておりますが、全国で一番低い山口県ですけども、入院後十二か月の退院率が七四・八%と目標値と大きな差があるわけですけども、なかなか達成がこれ難しい状況であります。
計画の進捗がどのようになっているか、精神病床の入院期間、これ短くしていくために厚労省としてどのような対策を講じていくのか、お伺いさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/51
-
052・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 御指摘のとおり、第六期障害福祉計画に係ります国の基本指針におきましては、精神障害者の入院後一年時点での退院率につきまして令和五年度末の目標値を九二%とする旨が盛り込まれているところでございます。この実績値につきまして現在お示しをできますのは令和三年のものでございますけれども、八八・三%となっているところでございます。
現在、第七期の障害福祉計画の策定に向けまして、これまでの実績も踏まえつつ、基本指針や今後の退院率の目標等につきまして関係審議会で議論を進めているところでございまして、精神障害を有する方が引き続き安心して地域で暮らせるよう検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/52
-
053・東徹
○東徹君 関係審議会から議論というんですけれども、その関係審議会の議論というのが本当に時間ばっかり掛かってなかなかこれ出てこないということですし、今の答えだと、もう議論している最中ですということで、結局どうやって短くしていくのかということは今のところ対策がないというようなことと同じだと思うんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/53
-
054・山田宏
○委員長(山田宏君) 答弁は。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/54
-
055・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 失礼申し上げました。
まず、前提としまして、先ほど私、令和三年度の数値と申し上げましたが、お示ししているデータ自体は平成三十年のNDBのデータを用いたもので、これが八八・三%ということでございます。
その上で、精神科の入院につきまして長期入院は重要な課題であると認識をしており、これまで入院患者の退院促進や地域移行の観点から、医療、障害福祉、介護のサービスをその病状等に合わせて切れ目なく受けられるようにするため、国として様々な取組を行ってきたところでございます。具体的には、外来や在宅において必要な医療サービスを受けられるよう、累次の診療報酬において対応をするほか、精神疾患の地域定着を推進する観点から、多職種による包括支援マネジメントに基づいた相談支援を実施した場合における診療報酬上の評価などを行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/55
-
056・東徹
○東徹君 これまでどおりのことだと思うんですけども、ですから余り変わらないなということになるわけですね。
この間、参考人からも意見がありましたが、入院期間が長いこともあって、我が国の精神病床数、OECD加盟国全体の四割弱を占めるほど多い、三十二万床ある。これ、OECDの四割が日本にあるというのは、加盟国の四割が日本に病床数があるというのは、これ、加藤大臣、これはちょっと何ぼ何でも異常なほど多過ぎるという認識に立っておられると思うんですけども、大臣、通告はしておりませんが、OECDの四割近くが、三十二万床日本にある、このことについて、もし御感想がありましたらお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/56
-
057・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 全体の何割というよりも、先ほどありましたように人数、その日本人が、前から申し上げたように、特別そういう疾患にかかるわけでもありませんので、それに対する治療法はそれはそれぞれ地域、他の疾患も治療の対応というのはそれぞれの文化等も踏まえながらばらばらではありますけれども、そうした数字を見ながら、やっぱりどの程度のものが必要なのか、これはしっかり議論していかなきゃいけない。
そういった意味で、先ほどの答弁、前の委員との答弁とも重なりますけれども、医療計画において都道府県ごとに必要となる病床数を基準病床数として設定をしておるわけでありますので、各、それをベースにしながら議論をしていただきたいというふうに思っておりますが、基準を設定するに当たっては基本的に基準病床数を減らす、こういう方向で我々としても検討しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/57
-
058・東徹
○東徹君 やっぱり、世界的に見て恥ずかしいことだと思いますよね。この間の藤井参考人も言っていましたが、日本は精神病大国だというようなことを言っておられました。これ、突出して日本に精神病の病床数が多いということになるんですね。
これ地域的な差もあるというふうなことがそのときも言われておりまして、お示しの資料のこの都道府県ごとに見た病院の精神病床数を御覧いただきたいと思いますが、東京都が二万一千二百九十三床に対して、人口でいうとそれよりもずっと少ないのに、北海道が一万九千五百九とか、福岡が二万八百七十七ということで、東京とほぼ変わらないというような状況になっています。
これ、なぜこういうことになっているのか、お伺いさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/58
-
059・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
御指摘のとおり、この医療施設調査を見ますと、福岡、北海道、多いという状況でありまして、また、人口十万人単位で見ましても、福岡は全国十一位、北海道十二位といったような状況で、御指摘のように比較的病床数が多いという状況でございます。
その理由につきましてでございますが、個別具体的にちょっと事情を把握しているわけではございませんけれども、我が国においては自由開業制度を導入しておりまして、計画的な病床確保の仕組みを導入した昭和六十年以前より、歴史的な経緯や地域の事情から、一般病床においても精神病床においてもこのような地域差が生じていたというふうに認識しているところでございます。
いずれにしましても、私どもとしては、地域において質の高い医療を効率的に提供することが重要というふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/59
-
060・東徹
○東徹君 どういった方が入院されているのかというところをやっぱりしっかりと把握していかないといけないと思いますよね。
先ほど高木委員の方からもありましたけども、例えば高齢者の認知症の方であれば、本来なら病院ではなくて生活施設ですよね。特別養護老人ホームであったり、そしてまた老人保健施設であったり、そういったところに本来入っていてもおかしくないというふうに思うわけですけども、病院の数がやっぱり多いからそういったところに入れている。また、社会的入院、こういったこともあるんではないのかというような指摘もあります。
入院期間を短くして地域で生活していく方向に進めていく中で、これ、病床数減らしていくということがやっぱり大事です。例えばですけども、五年間で二割削減するとか、これ、目標値を掲げた上で精神病床数の削減に取り組んでいくべきだというふうに考えます。
たしか私の記憶では、日本って昔、昔というか、老人病院が多かったじゃないですか、老人病院。これもすごく問題になって、今、老人病院とは言わなくなりましたけども、こういったものもやっぱり削減していくんだといったときに、たしか、これ、厚生労働省としてこれだけのやっぱり削減をしましょうとかあったというふうに私記憶しているんですけども、まあこれ大分前の話なのであれですが。
やっぱりそういったように、これは加藤大臣が、目標の、削減目標ですね、やっぱり決めて、やっぱり厚労省として、政府として、これはやっぱり減らしていかなきゃいけないんだと。ここのままではやっぱり世界的に見ても恥ずかしいことだし、まあ国連からの勧告も受けてるし、これはやっぱりやっていかなきゃいけないと。これ、是非、やっぱりこういったことを厚労省として国挙げてやっていくということが求められているというふうに思います。
是非、大臣、目標、数字を決めて削減していくべきと考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/60
-
061・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) それは、先ほど申し上げたように、医療計画、これは都道府県ごとに設定をしていただくわけでありますけれども、その際の基準病床数と、また私どもとして、まさにその地域におけるニーズ等を踏まえながら、そして、基本的には減らす方向で検討を進めているところでございますので、それを踏まえて、各都道府県において、地域における状況状況がありますから、それを、先ほど委員もお話がありました、それぞれかなり多い、少ないところもあるんだろうと思いますし、それぞれの状況を踏まえて御検討いただきたいというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/61
-
062・東徹
○東徹君 私、それ、都道府県任せではやっぱりなかなかこれ進まないと思うんですね。
で、やっぱり国として、国としてですね、この精神障害者の精神病の病床数をですね、やっぱりこれだけ目標として削減していきましょうという目標に向かって、で、都道府県もそれに向かって削減していってくれということをやらない限り、都道府県で任せていたんではやっぱりこれはなかなか進まないんじゃないかというふうに思いますが、やっぱりこれ国としてやらないといけないことだと思うんですね。
これ、世界的に見ても日本は突出して多いわけです。で、国連からも日本が勧告されてる。そういった中で、やっぱり国としてこれはやるべきだというふうに思いますが、是非、大臣、お考えをちょっと改めていただきたいなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/62
-
063・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) いや、本件だけではなくて、地域の医療はそれぞれの都道府県ごとで議論すべしということがこの委員会でも皆さんから言われているわけでありますから、基本は、各都道府県が一番やっぱりその地域の実情を知っているわけですから、それを踏まえて御議論いただく、これがベースだと思います。
ただ、その上において、今お話があった議論もあるので、我々として、そうした病床数を減らす方向で、そうしたことをお示しをさせていただいていますが、最終的にはそれぞれの地域地域で、その地域の実情を踏まえながら御議論いただく、これが我が国のこの医療行政のベースになっているというふうに認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/63
-
064・東徹
○東徹君 じゃ、先ほどもちょっと触れましたけども、厚生労働省として、これだけの数を減らしましょうと、病床数減らしましょうと言ったことないですか。僕さっき言いましたけども、老人病院、これは減らしましょうということを大号令掛けたと思いますけども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/64
-
065・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) その、この地域でこれだけ減らしましょうという数字はないと思います。
地域医療構想でお示しさせていただいたのは、それぞれの地域でおやりになるものを集約した形になるとこういうふうになりますよというのはお示しをさせていただいたことはあると思いますけれども、それぞれの地域でこうしましょうと、これだけ減らしなさい、こういう対応をしたことは多分私の知る限りはないと思いますけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/65
-
066・東徹
○東徹君 介護保険制度が入ってから直後だったような記憶があるんですけども、全体的にやっぱりこれぐらい減らしましょうというふうな話があったような、私はまあ記憶があるんですが。
それはまあ置いておいたとしても、やはり、国がやはりこれは問題だと、このままでは問題だと、これだけやっぱり世界的な、OECDの諸国の四割近くが日本にこれあるということだけでもやっぱり問題なわけでして、で、その入院日数も長い、病床数も多い、これを改善していくために、国としてやっぱりここは厚労省がしっかりと方針を、減らすという方針を掲げる、二割だったら二割、五年間で二割だったら二割、これを掲げる、これが絶対必要だというふうに思います。
もう大臣、是非、これ加藤大臣でしか僕はできないんじゃないかと思います。厚生労働大臣三回目ですし、そしてまた官房長官の経験もあるという、こういった厚労大臣というのはなかなか今までもいなかったと思いますので、是非、加藤大臣には、日本のこの恥だと思いますので、ここまでやっぱり国連からも勧告受けていて、で、世界的に見てもこれだけ病床数が多い、入院日数が長いというのは、やっぱりここはもう本当にこれは問題だという認識を是非持っていただきたいと思いますので、お願いします。
最後、農福連携のことについてお伺いさせていただきます。
あの三年前の委員会でも、当時根本大臣だったんですが、農福連携について質問したとき、農福連携は本当に大事で、官邸で農福連携の会議をやると、是非進めていかなくてはならないという御答弁でありました。先日、川田委員からも同じような質問がありましたが、加藤大臣、農福連携について、どのようなお考えで、今後どのように進めていこうとされているのか、お伺いをさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/66
-
067・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 農業と福祉連携したこの農福連携、障害者の皆さんが農業分野で活躍できる、こういう機会が提供され、まさに社会参画が実現する取組だというふうに思っております。また、そのことを通じて、障害のある皆さんが自信を持ち、また生きがいを創出していくということにつながっていく、また農業分野での就労の機会も拡大していく、こうした大変意義のある取組だと考えています。
厚労省では、障害者就労施設に対する農業等の専門家の派遣、農福連携マルシェの開催等に取り組む都道府県に対する予算事業による補助、さらには、人材を求める農業事業者等に対して障害者雇用に必要な知識、ノウハウの提供、職場見学、実習を活用した障害者とのマッチング、就職後の定着支援など取り組んでいるところでございます。
今後とも、各省庁と連携をして農福連携を推進することにより、障害者の就労機会を確保するとともに、先ほど申し上げたそれぞれの持っておられる能力を生かして生きがいや働きがいを感じながら活躍できるよう、支援をしていきたいと思っております。
私の地元でもこういう取組をさせていただいているところからもお話を聞かせていただいて、今申し上げたような働く方々の生きがいにつながっている、こうしたお話も聞かせていただいておりますので、しっかりと前に進めさせていただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/67
-
068・東徹
○東徹君 農福連携、是非進めていっていただきたいと思います。
もう時間がありませんので、くどいようですが、この精神病院の病床数が非常に多いということ、入院期間が突出して世界に比べても長い、この日本の恥だと私は思いますし、日本がこれ精神病大国であるわけはないというふうにも思いますので、是非、これは政府全体の、また立法府の責任だということを言われていました。是非、このことにやっぱりしっかりと皆で力を入れて実現をしていかなくてはならないと思いますので、そのことも、私自身もまた引き続きこのことについては取り組んでいきたいと思いますので、そのことを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/68
-
069・芳賀道也
○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。
質問に入る前に、障害者総合支援法改正案の審議の仕方について申し上げます。
本改正案は、多くの様々な法案を強引に一つにまとめた束ね法案であり、本来は個々の法案ごとに審議すべきものです。仮にまとめて審議する場合にも十分な審議時間を取って行うべきものですが、そうなってはいません。火曜日に質問された野党議員の皆さんも、今日もそうですが、口々に指摘されていましたが、様々な問題を抱えている障害者行政についての法案を短時間に拙速に審議することはおかしい、避けるべきものであることをまず指摘させていただきます。
それでは、参考人質疑で明らかになった問題などを中心に私の質問に入ります。
まず、先日、精神障害者の御家族の会、全国精神福祉保健会連合会の岡田久実子理事長にお話を伺いました。岡田理事長は、家族はどんなことがあっても最後まで精神障害のある本人の味方でなければ駄目なんだと、だけども強制入院の同意を家族が求められることでその後の関係が悪くなってしまうとおっしゃっていました。家族に重い負担がのしかかっています。
先日、十二月五日、月曜の参考人質疑でも、この問題、私の質問に対して、日本障害者協議会の藤井克徳代表から精神障害者の御家族の過重な負担について御意見をいただきました。
配付資料の一ページを御覧ください。要約しますと、藤井代表はこう発言されています。
一つはっきりと言えることは、今は余りにも家族の負担過重であると。結局、退院後に家族と御本人との関係が非常におかしくなってしまうというケースはたくさん見てきました。現在、家族負担の過重な状況は一刻も早く改善し、まあ言ってみれば、家族に負担を、家族に責任を押し付けている現状だと思うんですね。これについてはまずサポート、介助していくということを考えていただきたいなと思います。
また、この精神障害者の御家族の重い負担について、先ほど御紹介した家族会の岡田理事長も藤井代表と重なる問題意識を書かれております。資料二ページ、赤い枠で囲われた箇所を御覧ください。
家族会で相談を受ける中で、嫌がる本人の精神科病院の入院を承諾したが、その後、身体拘束され、おむつの着用、鍵のある保護室に入れられるという状況に、入院させてよかったのかと後悔ともざんげとも付かない家族の語りを幾度となく聞いている。家族等の同意は、同意した家族を深く傷つけ、家族関係に亀裂を生じさせることになることは、当事者団体のアンケート調査からも見て取れます。さらに、家族であれば意図的に本人を入院させることができるという側面があり、いろいろな意味で本人と家族に負担の大きい制度となっているんです。非自発的な入院治療を必要とする場合には、家族という個人の責任に委ねることなく、医療と行政や司法の責任において入院できる制度に変えてほしいと何度も訴えました。このように岡田理事長は書かれています。
難病を抱える方の御家族、そのほかの障害のある方の御家族も、それぞれ同じように今日本では家族が重い負担を抱えています。
そこで、加藤大臣にお尋ねしたいのですが、精神障害者の医療保護入院に当たり、またその後に御家族の方々に非常に重い精神的な負担が押し付けられている、このような重い負担はなくすべきだと考えますが、加藤大臣のお考えを伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/69
-
070・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 医療保護入院制度における家族の御負担について、これまでも見直しが行い、その軽減が図られてきたところでございます。
平成二十五年の精神保健福祉法改正では、保護者制度を廃止し、患者本人に治療を受けさせるなど、それまで保護者として主に家族が負担してきた法律上の義務を削除するとしたところでもあります。
さらに、今般の改正案では、家族が意思表示をちゅうちょする場合に市町村長が同意を行う仕組みを設けることで家族の御負担の軽減を図ることとしております。加えて、今般の改正案では、精神障害を有する方が地域で安心して生活できるよう、地域の支援体制の整備を進めることにもしております。こうした地域体制の整備も家族の御負担の軽減に資するものと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/70
-
071・芳賀道也
○芳賀道也君 実際に市町村の判断にも委ねるということですが、同じ参考人質疑でも、市町村にもその判断能力がないのだという指摘もありました。
先ほど同じ委員からも指摘もありましたけれども、自身をあるいは他人を傷つける場合以外、こうした強制入院というのはそもそも避けるべきだというふうに考えます。
それでは、実際に家族関係が悪くなってしまった、こういったケースを国はどのぐらい把握しているんでしょうか。本人と家族の関係が悪くなったケースは全国でどれぐらいあり、どんなケースだったのか、その内容、厚労省として調査されているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/71
-
072・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 家族同意に伴いまして家族関係が悪化した事例については、全国の総数というものは把握をしておりません。
一方で、地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会での議論におきましては、医療保護入院の同意に関しまして、当事者の家族から、家族等の同意は同意した家族を深く傷つけている、そのことが家族関係に亀裂を生じさせることになる、ことにもなるといった御意見もいただいたところでございます。
今般の改正案は、医療保護入院に際して、家族等が患者本人との関係が疎遠であることなどを理由に同意、不同意の意思表示を行わない場合について、同意を行う家族関係の悪化を懸念する精神障害者の家族の団体からの要望などを踏まえまして、市町村長の同意とする見直しを行うものでございます。
改正案の施行に当たりましては、市町村長同意による医療保護入院の実態についても把握しながら、適切な運用を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/72
-
073・芳賀道也
○芳賀道也君 これ、実際に調査も行われていない。おかしいんじゃないでしょうかね。
実際にですね、これアンケート結果があります。実際に、一般社団法人の精神障害当事者会ポルケが、今年四月から五月、精神科や心療内科に通院、入院されている当事者の方を対象にアンケートを実施し、二百二十人の方から回答がありました。その結果によれば、医療保護入院を経験したことで親子関係に悩むという考えに共感を示すという回答は八三%にも上っています。このアンケート結果からも、医療保護入院後の本人と家族の関係の悪化がうかがい知れるということです。
この家族同意っていうのは本当に問題だと思うんですが、厚労省としては、これを、その数も調べていない、内容も検討していない。そのことで、今回、今、市町村の同意を入れたからとはいうんですけれども、こうしたケース、調査研究すら行われていなくて、新しい政策に結び付かないと思うんですね。
大臣、こうしたより具体的なケースを調べる、あるいは総数、こうした調査をして、これを更に次の政策に生かしていく、こういったことが必要なんじゃないでしょうか。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/73
-
074・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 一般論として申し上げれば、政策判断において様々なデータをベースに判断していくということは当然求められていくことなんだろうと思います。ただ、そうした調査がどういう形でやるのが適するのか等々、その判断は一つ一つのケースでまちまちなんだと思います。
今回の議論において、それぞれの御家族、今おっしゃったのも同感するかどうかという今資料だったように聞こえたんです、ヒアリング調査はですね。個々の判断の、総数ということはあれですが、ただ、この議論の中で当事者の方々からもいろんなお話を聞く中で、今回はこうした同意を求めない、こうした市町村を、同意、求めない代わりに市町村長の同意を求めると、こういう見直しを行ったものでございますので、数はともかく、様々な御意見も聞きながら、今回こうした法案を提出させていただいているということではございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/74
-
075・芳賀道也
○芳賀道也君 いわゆる科学的な調査をきちんと行って政策に生かしていくためにも、この家族同意でどういった家族関係がこじれたケースがあるのか、その数はどうなのか、これ調べるべきだと思うんですが、大臣、改めていかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/75
-
076・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まさにその国として個々の方々に一つ一つ調べることが適切なのかどうか、また、それに伴う様々な御負担がどうなのか、本件だけではなくて、その様々な調査においていろんな視点で議論していく必要があると思っております。
今回の改正については、今申し上げたように、それぞれの団体の皆さんあるいは当事者の皆さんからお話を聞く中で、今回こういう改正を提出させていただいたところでございますが、今後とも、まあ今のケースということでは、についてというのはちょっと控えさせていただきますが、今回、いろんな議論の中で実態をしっかり把握しろという御指摘はいただいているところでございますので、必要な実態の把握、これは努めながら、今後とも、検討課題もございますから、そうした検討に当たっていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/76
-
077・芳賀道也
○芳賀道也君 是非、実態を調べるのは当たり前のことだと思うんですね。実態を調べて政策に生かす、その当たり前のことを国に、厚労省にも行っていただきたいと思います。
次に、資料三ページを御覧ください。
十二月五日、月曜の参考人質疑において、日本障害者協議会の藤井克徳代表は、手話など障害者の情報障害対策としてこうおっしゃいました。手話の場合には、日本の手話という一つの文法体系なんですねと。したがって、これを公認してほしい、すなわち手話言語法を作ってほしい。難聴者の場合は、字幕を付けるだけでなく、字幕ですと字数が多くなってしまいますのでなかなか見ることができないということで、要約筆記という道を考えていただきたいというのが当事者団体からの要望であります。知的障害者に関しては、分かりやすい版。私たちはかつて、内閣府の障がい者制度改革推進会議で実践してまいりました。そこでは、いろんな文書が出ると、基本的には分かりやすい版を作ろうと努力してきたんですね。
国会でも厚労省でも、障害者権利条約第二十一条、表現及び意見の自由並びに情報の利用を守れるよう、手話言語法の制定に向けて、政府の手話政策に関する取組について内閣府に伺います。また、手話だけでなく、あっ、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/77
-
078・滝澤幹滋
○政府参考人(滝澤幹滋君) お答え申し上げます。
共生社会の実現に向けまして、障害のある方が社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加するために、必要とする情報を取得、利用することや円滑に意思疎通を図ることができるよう、障害のある方による情報の取得、利用、意思疎通に係る施策を総合的に推進することは大変重要であると考えております。
平成三十年三月に策定した障害者基本計画においては、障害者が手話を含めまして様々な意思疎通手段を選択でき、情報へのアクセスやコミュニケーションを円滑に行えるよう、情報アクセシビリティー、意思疎通支援の充実を掲げ、意思疎通に関する様々な施策についても盛り込み、充実させていくこととしております。例えば、手話に関しましては、手話通訳を担う人材の育成、確保、派遣、電話リレーサービス、字幕放送、解説放送、手話放送等の一層の普及、政見放送への手話通訳の付与等の施策を実施しているところです。
今後とも、政府全体で障害者基本計画に基づく施策を着実に推進して、実施してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/78
-
079・芳賀道也
○芳賀道也君 内閣府としては、実際に市町村、都道府県など、どれだけの都道府県が条例でこうした手話言語法を策定しているのか、調査しているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/79
-
080・滝澤幹滋
○政府参考人(滝澤幹滋君) 調査は実施しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/80
-
081・芳賀道也
○芳賀道也君 これ、調査すらやはりここでも行っていない、これは問題だと思うんですね。どれだけ必要とされているかということがこの条例の制定数、これで分かってくると思うんですが、この点はいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/81
-
082・滝澤幹滋
○政府参考人(滝澤幹滋君) 現状につきまして、適切な方法で把握をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/82
-
083・芳賀道也
○芳賀道也君 適切な方法でということは把握するということで、調査するということでいいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/83
-
084・滝澤幹滋
○政府参考人(滝澤幹滋君) 適切な方法で把握する、把握するということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/84
-
085・芳賀道也
○芳賀道也君 どういうことでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/85
-
086・滝澤幹滋
○政府参考人(滝澤幹滋君) 把握させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/86
-
087・芳賀道也
○芳賀道也君 是非把握していただいて、政策に生かしてください。
また、この手話の問題ですけれども、手話だけでなく聴覚障害者のために要約筆記を推進しということも大事だとは思うんですが、この問題についてもお伺いをしたいと思います。
手話だけでなく、障害者のために要約筆記を推進し、さらに、あらゆる文書の分かりやすい版を製作して知的障害のある方にも分かるようにすべきだと考えますが、この点については畦元厚労大臣政務官に御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/87
-
088・畦元将吾
○大臣政務官(畦元将吾君) お答えいたします。
意思疎通支援者による支援は、聴覚障害のある方が日常生活や社会生活を送るために大変重要であると認識しており、厚生労働省としては、手話通訳者や要約筆記者などの養成、派遣に取り組んでおります。
また、活字情報を理解することが難しい知的障害者への情報提供においては、情報提供側の配慮が必要であることから、わかりやすい情報提供に関するガイドラインを策定し、厚生労働省のホームページを通じて周知しています。あわせて、障害者総合支援法、障害者虐待防止法等、障害者の生活に関わる法制度についても同ガイドラインを活用した分かりやすいパンフレットを作成し、厚生労働省のホームページに連載するとともに、全国の当事者、関係者に向けて周知をしております。
今後とも、障害のある方々が意思疎通や情報取得が円滑に行われるよう取り組んでまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/88
-
089・芳賀道也
○芳賀道也君 是非、手話言語法、多くの要望もありますし、既に多くの都道府県、市町村で制定されています。是非進めてください。調べてもいないというのは驚きです。
次の質問に参ります。障害者権利条約政府審査に関わる質問です。
本改正案の衆議院での審査では、三十項目にわたり附帯決議がされました。その第二項で、国連障害者権利条約委員会の対日審査の総括所見における指摘事項を踏まえて、検討や必要な措置などが行われるよう政府に求めています。十一月十八日の衆議院厚労委員会で加藤大臣は、三十項目にわたるこの衆議院の附帯決議について、趣旨を尊重し努力してまいりますと約束しています。
全国精神保健福祉会連合会からは、附則の実効性を監視するためのチェック体制を担保してくださいという要望があり、私も、当事者や家族も入ったチェック機関を設けて、厚労省始め政府による附帯の実現に向けた取組状況を監視することで附帯の実効性を高めるべきだと考えます。
この点について、附則の趣旨を尊重し努力するとお約束された加藤大臣のお考えをお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/89
-
090・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まず、附則に関しては、附則第三条で、本人の同意がない場合の入院制度の在り方について、精神障害者等の意見を聴きつつ検討する旨が明示されているわけでありますから、関係審議会等において、当事者やその家族を含む関係者に委員として参画をいただき、また当事者やその家族の参画を、あっ、いただいており、そして当事者やその家族の参画を得て丁寧な議論を進めていきたいというふうに考えております。
それから、今委員がおっしゃった決議の関係については、これはむしろ国会の方で決議されたわけでありますので、それをどう担保されていくかはまた国会の方で、まさにこういう審議を通じて確認していただくんではないのかなというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/90
-
091・芳賀道也
○芳賀道也君 是非、附帯でも問題点が共有されたわけですから、権利条約についての進み具合、チェックする機関を設けていただきたいと思います。
次に、全国脊髄損傷者連合会山形県支部の方から伺った課題なんですが、新型コロナで障害者が入院した際、ふだんから介助している人が病室に付添いで入ることが認められない医療機関がいまだにあり、多くの障害者が大変に困っているということです。
確かに厚労省からは、先月、十一月九日付けで事務連絡、特別なコミュニケーション支援が必要な障害児者の入院時における支援者の付添い受入れについてが出されていますが、更なる対応をお願いできませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/91
-
092・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) コロナ禍におきましても、特別なコミュニケーション支援が必要な障害児者の方々が入院中も支援者の付添いによるコミュニケーション支援を受けられるということは重要であると考えているところでございます。
このため、御指摘のとおり、本年十一月九日に、制度の内容や医療機関における対応例を示した事務連絡を発出させていただいたところでございますが、あわせて、より一層の周知を図るために、医療機関や医療従事者に向けてチラシを新たに作成をいたしまして、これを活用した周知を要請をしているところでございます。それとともに、厚生労働省の公式ツイッターを活用した周知も実施しているところでございます。
引き続き、関係者が連携して円滑に支援できるよう、医療機関や障害福祉サービス事業者に対して様々な機会を通じまして周知を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/92
-
093・芳賀道也
○芳賀道也君 やはりチラシやツイッターではなかなか末端の医療機関まで伝わっていないところもあります。本当に現場では困っていらっしゃる障害者の方がいますので、是非、この通知、新たに届くように、またしっかりと広報、通知等を行っていただきたいと思います。
次に、改正案では障害福祉サービスでの居住地特例の見直しが図られて、障害福祉サービスの扱いを介護保険の扱いと合わせることになります。
元々小さな市町村に住んでいた方がより大きめの市町にある施設に入居する例が私の地元山形県では多くあります。このため、障害福祉サービスの給付の義務がそれぞれ元々住んでいた小さな市町村に負担が掛かることになって、この元々住んでいた小さな市町村の財政負担や福祉部局の事務負担が重くなります。
このようなケース、小さな市町村への財政的な手当てなどは何かあるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/93
-
094・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 今般の居住地特例の見直しでございますが、令和二年の地方分権改革に関する地方からの提案や全国町村会を含む複数の地方団体からの要望を踏まえて検討し、改正法案に盛り込んだものでございます。
今回の法案により新たに障害者総合支援法の居住地特例の対象となりますのは、従来からの制度によりまして介護保険制度に、介護保険施設に入所していた障害者が当該施設で提供されるサービス以外に補装具等の障害福祉に関する給付も追加的に受ける場合もあることから、この部分に着目しているものでございます。
対象者が限定される、限られることですとか、こうした方々は介護保険施設に入所する以前から同様の補装具などの給付を受けていたことが多いと想定されるため、市町村の事務負担や財政負担に対する影響については限定的であると考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/94
-
095・芳賀道也
○芳賀道也君 この改正によって恩恵を被る市町村も確かにあるんですが、その逆もあるわけで、こうした面にも目を向けていただく、そのことをお願いしたいと思います。
さて、改正案では、精神障害者に、御本人や家族を支援する枠組みとして、市町村に基幹相談支援センターの設置、地域生活支援拠点等の整備を努力義務としています。しかし、より小さな市町村では、マンパワーも予算もスペースもなく、努力義務化は実際には絵に描いた餅になってしまうのではないかと心配する声があふれています。
恒久的に基幹相談センターや地域生活支援拠点等を支える財源、これはランニングコストも含めてですけれども、それから専門的な知識を持つ人の手当て、マンパワーについて、加藤大臣、どうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/95
-
096・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 障害を持つ方やその御家族が地域で安心して暮らしていけるよう、人口が少ない市町村も含め、基幹相談支援センター及び地域生活支援拠点等の整備を進めていくことが重要であります。
今般の改正案では、市町村に対する設置の努力義務と併せて、都道府県による広域的な支援の実施を盛り込んでおります。そして、複数市町村による共同整備も含め、ノウハウ面の支援も強化することとしております。
さらに、国において、自治体に対するセンターや拠点等の整備促進や機能充実に必要な予算の確保、また、都道府県によるセンターや拠点等を担う人材の計画的な養成を推進していきたいと、そのための財政面や人材面からの支援にも努め、センターや拠点等の整備がしっかりと促進されていく、また、その機能が充実されるよう努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/96
-
097・芳賀道也
○芳賀道也君 一言で言うと、実効性も担保していただけるということでよろしいんでしょうか。一言で結構ですので、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/97
-
098・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まさに、最初に申し上げたように、それぞれの市町村において基幹相談支援センター及び地域生活支援拠点等の整備が図られていくように支援をしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/98
-
099・芳賀道也
○芳賀道也君 ありがとうございます。時間ですので終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/99
-
100・倉林明子
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
まず冒頭、今日の委員会の質疑をもって終局にするということが理事会で提案ありまして、賛成多数で、あっ、賛成多数というか、それが確認されたと。私、オブザーバーですけれども、それは納得できないという意見表明をいたしました。
今日の質疑を終えたとしても、質疑時間は僅か十時間にすぎません。そして、今日も、発言の中から、審議時間不十分だという指摘もありました。権利条約の勧告を初めて受けての法改正なんですよ。十分な審議時間を確保するというのは立法府としての最低限の責務になるんだということを強く申し上げたい。
質問に入ります。
国連の障害者権利条約の初の審査における建設的対話の中で、障害女性の複合差別に対して政府はこんなふうに説明しているわけです。入浴介助について同性介助が限定されているとして、同性介助を希望すれば介助が受けられるとした施設は九四・三%に上り、同性介助は相当程度浸透していると、こういう説明です。
令和元年の調査は、これ障害者支援施設等に対しての調査でありまして、当事者への調査じゃないんですね。新たな調査の実施について、大臣から言及もありました。療養介護事業所及び筋ジスなどの入院患者も含めて、事業所にではなくて、当事者に対する調査というのをしっかりやらないと実態が見えてこないと思います。
調査すべきだと思います。大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/100
-
101・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 厚生労働省では、障害者支援施設等における同性介助の実態について令和元年度に実施をいたしました。
今年度、新たに療養介護事業所に対して調査の実施を予定をしており、この実態把握に取り組みたいと思っております。なお、この調査は、令和六年四月の報酬改定に向けた支援の状況を把握することを目的に事業所に対して行うという調査でありますので、この中で当事者に対する調査を行うのはなじまないものと考えております。
当事者については、民間団体のアンケート調査などから、意思に反した異性介助によりつらい思いをされた旨の障害女性当事者の声もあると承知をしているところでございますので、今後とも、そうした様々な声も聞きながら、あるいは民間団体の調査結果も活用しながら、現場実態の把握に努め、当事者に寄り添った取組を推進していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/101
-
102・倉林明子
○倉林明子君 いや、国連のその建設的対話の中で、障害女性の複合差別の実態として紹介しているんですよ。障害差別の実態を正しくつかもうと、それは報酬の改定の目的が違うわけですよ。この複合差別の実態を調べるということでは当事者への調査は欠かせないということですので、きっちり、別途ですね、国としても調査をしていただきたいということですから、受け止めていただきたいと思います。
さらに、雇用の分野でも複合差別というのがあります。二〇一二年のDPIの調査では、就労を希望する障害女性が多いけれども、有業率、仕事している人の比率は低いということや、就業できる仕事は低賃金で不安定な条件のものが多くて、年間収入は男性障害者よりも低いと、立場が弱いことによる深刻なハラスメントなどが起こっているということが指摘されております。
大臣は、障害のある女性が就労の場でも複合差別を受けていると、こういう認識あるかどうか確認したい。障害者雇用状況報告というのは、性別の調査すらないんですよ。障害者雇用統計全体で女性の実態を把握するための基礎データ、これ調査すべきだと思います。二点です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/102
-
103・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まず、障害のある女性の方において、障害特性、また状態が様々であるわけでありますけれども、そうしたことに加えて、女性であるということによって、就労の場において様々な困難な状況が生じているものと承知をして、まあ、それ今委員おっしゃった、複合的にも、幾つかの要素が絡めば複合的ということにもなるんだろうと思っております。ハローワークなどを通じて、そうした点も踏まえて、本人の支援又は事業主への指導等も行っていきたいと考えております。
また、障害のある女性の就労実態の把握について、障害者の就労に関する調査として障害者雇用実態調査がございます。また、就労の状況を含めた日常生活のしづらさが生じている方の生活実態と支援ニーズに関する調査として、生活のしづらさなどに関する調査もあります。これらの調査では、男女の別では把握はしておりますが、ただ、この十分なクロス分析とか、そういったものは必ずしも十分ではないと認識をしておりますので、こうした結果を分析をする、あるいは今後の質問においてどんな工夫ができるのか、関係府省とも連携して必要な対応を検討していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/103
-
104・倉林明子
○倉林明子君 そう検討してもらえるということなんですけれども、検討に当たっても、当事者、女性障害者当事者のどんな項目で、調査含めてですね、すれば実態が浮き上がってくるかということを是非聞いて調査に生かしていただきたい。これは要望します。
次、難病と小慢について伺います。
難病、小児慢性疾病対策について、医療費助成の対象疾患がこれまでの要件を満たす疾病にとどまりました。小児慢性疾病のトラジション問題、制度の谷間の改善、医療費助成の患者負担も、これ現行水準維持することになりました。
残っているんですね、課題が。なぜ残ったのか、その理由を御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/104
-
105・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
難病と小児慢性特定疾病の医療費助成につきましては、難病法に基づく医療費助成は、効果的な治療方法がなく、長期の療養による医療費の負担軽減の観点から行っており、対象疾病の要件に希少性等の要件を設定しております。一方で、小児慢性特定疾病の医療費助成は児童の健全育成と家庭の負担軽減という観点から行っており、対象疾病の要件に希少性等の要件を設定しておりませんなど、それぞれの根拠法である難病法、児童福祉法の趣旨、目的が異なることから、対象疾病は完全には一致しておりません。
そのような中、小児慢性特定疾病のうち、指定難病の要件を満たすことが明らかになった疾患については速やかに指定難病として追加しておりまして、引き続き適切に対応していくとともに、指定難病の要件を満たさない疾患に罹患している児童への支援として、移行期医療支援体制の整備等を引き続き行ってまいりたいと考えております。
また、難病患者の自己負担限度額につきましては、関係審議会で、医療費助成の持続可能性等の観点や他制度との均衡を図る観点から現行の水準を維持することが適当との御意見をいただいたことを踏まえて、今回の改正は予定をしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/105
-
106・倉林明子
○倉林明子君 最後の持続可能性のところの意見いただいたからしたんだという御説明なんだけども、これ、消費税の増税分を財源にしているんですよね、この難病、小慢対策。そういう消費税の増税分を財源としている限り、私は、増税なしには拡充ないよと、こういうことでいいのかというのが問われると思うわけです。
他制度との均衡ということであるならば、これ、自立支援医療における基本合意の約束、これは本当に果たしていくということに立ってこそ、低所得者の無償化、ここを目指していくべきものなんだということを強く申し上げたいと思います。
もう一点、難病についてですけれども、難病、小慢のデータベースについて、希少な疾患であればあるほど、病名だけでも個人が特定されるリスクが高いというのがこのデータベースになろうかと思います。
データを管理するのはどこで、監査を行うのはどこか。民間の情報提供が可能になるわけですけれども、提供先を決めるのは誰で、取扱いに不備があった場合罰則規定はどうなっているか。簡潔にお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/106
-
107・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) まず、難病データベースにつきましては国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所に、小慢のデータベースにつきましては国立成育医療研究センターに厚労省から管理運営を委託して行っております。今般の改正案でも、それぞれの専門性の観点から両法人に委託することを想定しております。また、これらの委託先の監督は厚生労働大臣が行うことを想定しております。
それから、難病等のデータベースの情報の第三者提供につきましては、今般の改正案では、厚生労働大臣が研究者等の第三者に提供できることとしております。また、第三者に提供する場合にはあらかじめ厚生労働省の審議会の意見を聴かなければならないことを規定をしております。
それから、取扱いに不備があった場合の罰則等でありますが、まず、第三者提供の提供元であるデータベースの管理運営を行う者につきましては、個人情報保護法に基づきまして、個人情報の取扱いに関する義務やそれに違反した場合の罰則が科せられることとなります。また、第三者提供先につきましては、今般の改正案において、情報漏えいや目的外の利用等が行われないよう、所要の規定に違反した場合の厚生労働大臣による是正命令や、この命令に違反した場合の罰則を規定しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/107
-
108・倉林明子
○倉林明子君 今年六月に、患者の氏名、生年月日、住所、五千六百四十人分の個人情報流出事件を起こしたのが、今紹介あった、今後もデータを管理することになる国立研究法人医薬基盤・健康・栄養研究所ということでほかならぬわけですね。提供先の指摘を受けてこの事件が二か月後に発覚しているんですよ。病院に対するサイバー攻撃も非常に増加していると。こういうことを本当に、安心した、一層のこのデータベース管理についてはしっかりやっていかないとこの不安拭えないということについては指摘をしたい。
さらに、登録者証のマイナンバー連携を原則としたことについて、これ関係審議会に諮ることもなく閣議決定を根拠に決めているわけですよね。これ、今後の具体的な運用については関係者の意見を聞くということなんだけれども、大臣、これ順番が逆じゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/108
-
109・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 難病患者の皆さん方の登録者証については、関係団体が委員として参加する関係審議会では、マイナンバーを利用とした情報連携を行うかどうかまで御議論はいただいていなかったところであります。登録者証の制度的枠組みを意見書として取りまとめていただいたわけであります。
その上で、本年六月に閣議決定されたデジタル社会の実現に向けた重点計画も踏まえ、患者の利便性向上、あるいは自治体の発行事務の負担の軽減、こうしたことを考慮してマイナンバー連携の対象としたわけであります。一方で、こうしたマイナンバー連携については、患者団体の皆さんから、詳細な内容が分からない等不安があるとの御意見があることは承知をしておるところでございます。
難病患者等の皆さんに御理解いただいた上で、登録者証を安心して利用いただけるよう、法案が成立した段階ではできる限り早期に患者団体に対する説明会を開催するとともに、具体的な運用については関係者の皆さんの意見も聞きながら検討を進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/109
-
110・倉林明子
○倉林明子君 患者にとっては寝耳に水だったわけですよ。
運用以前にやっぱり患者団体の声というの、今聞くということでしたけれども、丁寧に聞いていただきたいと思う。マイナンバーカードの場合でも、結局上から決めて義務付けだと、原則義務付けだということで非常に反発が広がっています。強権的なやり方で進めることについては厳しく指摘をしておきたいと思います。
大臣、国連障害者権利委員会の初の日本審査を傍聴された藤井参考人が、日本政府の対応について率直な感想を述べられております。かつて国際障害者年のときは官僚が物すごく頑張った、追い風にしよう、大蔵省を説得しようと。今の厚労省には障害者政策を変えていこうという気迫が建設的対話からは感じられなかったと。
大臣、委員会から、この権利委員会からの勧告というのは予算獲得の力となるはずなんですよ。社会保障削減圧力が強まっております。私は、軍事費増強圧力に対して屈するなと申し上げて、終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/110
-
111・木村英子
○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。
大臣にお尋ねいたします。
今回、障害者関連の複数の法案を束ねてしまっていますが、それぞれの障害者の苦しい現状が今以上に改善していただけるということをお約束できないでしょうか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/111
-
112・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) それぞれの審議会において関係者の皆さんの声を聞きながら中身をいろいろ議論していただき、また、その個々の審議会において他の法案との連携性の必要性も指摘をされ、そうしたことも踏まえて、今回、一体的な見直しを行わせていただいたわけでございますので、今回のこうした見直しも含めて、このそれぞれの施策、目的に立った、それぞれの法律の目的あるいは今回の改正案の趣旨に沿ってしっかりと対策を進めていきたい、そうした中で、障害のある方々が、医療面において、福祉面において、あるいはまた雇用面において、それぞれが必要なサービスが提供され、あるいはそうした機会が受けれるように努力をしていきたいというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/112
-
113・木村英子
○木村英子君 私たち障害者が健常者の人たちと同じように社会で生きたくても、障害者への理解が進まないことでの差別、そして法律や制度の不備によって生きにくい現状です。それぞれの障害者の制度がまだまだ整っていない中で、一方的に法案を束ね、審議を尽くさないまま進めてしまうことは、障害者の人権や命の保障を左右することであり、決して許されることではなく、私は障害当事者として憤りを感じています。
一つ一つの制度に多くの課題がありますが、特に今回の改正案で危機を感じたのは、資料一に示されているとおり、障害福祉データベースに関する規定の整備です。今回の改正によって、全国の障害者一人一人の区分認定や支給量などの個人情報をデータベース化し、国や自治体、民間の研究者等がその情報を利用できるようになり、障害者のプライバシーや人権が守られている、守られるのか懸念がされます。
障害福祉データベースをつくる際に利用される側のプライバシーの保護などについて厚労省のお考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/113
-
114・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 今回の法改正に基づきまして障害福祉データベースに収載されるデータにつきましては、障害者本人が特定できないように匿名化処理を行い、氏名、生年月日などの個人情報を識別できないように加工した上でデータベースに収載することとしております。
なお、今回の改正におきまして、情報流出や個人の特定の防止を図るために、データ提供を受けた者に対する個人の特定を目的とする照合の禁止ですとか、漏えい防止等の安全管理義務等に関する法の規定を整備することとしているものでございます。
個人情報の観点から、障害データベースの適切な運用に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/114
-
115・木村英子
○木村英子君 全国の障害者の個人情報が集まるわけですので、くれぐれも漏えいなどが起こらないように慎重に取り組んでいただきたいと思います。
次に、資料二を御覧ください。
今回の法改正に当たって参考とされた平成三十年度の障害福祉関係データベースの構築に向けた調査研究報告書には、障害福祉関係データベースと介護データベースを連結することで、高齢障害者が介護保険サービスに切り替わることによる提供量の変化、抑制度合いの分析が可能という記載があり、抑制度合いを示す図表があります。そのため、今回つくられるデータベースが障害福祉サービスの抑制に使われ、障害者の生活が脅かされるのではないかと危惧しています。
実際に、既にデータベース化されている介護保険においては、自立支援、重度化防止という目的で、国がデータに基づいた生活援助の時間数の基準を定めており、その基準を超える時間数を利用する場合はケアプランの届出が義務化されています。資料三を御覧のとおり、この義務化によって基準を超える生活援助の時間数が事実上抑制されている現状がうかがわれます。
障害福祉サービスにおいても、データベースの活用がサービス利用時間数の削減につながっているのではないかという懸念がありますので、今回つくられた障害福祉関係データベースを障害福祉サービスの抑制には使わないことを約束していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/115
-
116・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 個々の障害者の方の支給決定においては、障害支援区分や介護を行う者の状況などの個別の事情を勘案した上でこれ市町村が行うこととされております。こうした支給決定における勘案要素について、データ導入後、これ何ら変わるものではございません。
また、データベースを活用した地域分析によって、障害者の心身の状態と障害福祉サービス等の利用状況をひも付けて分析し、これを地域間で比較することができるようになります。こうしたことによって、例えば他の自治体の取組を参考にし障害福祉計画を作成するなど、それぞれの地域の課題を踏まえた地域づくりがより推進されるものと考えているところであります。
データベースは、まさにそうした地域に合った体制づくり等に活用いただくためのものであり、冒頭申し上げたように、個々の障害のある方の給付の抑制のために使うことを考えているものでは全くございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/116
-
117・木村英子
○木村英子君 制度をつくる側は、行政はいつも適切な支援のためだとか言われますが、自治体や事業所では誤った運用をされて、障害者の生活において実際にプライバシーの侵害やサービスの抑制を受けているケースがあります。私もその一人ですが、今度作られるデータベースの運用については、そうした誤った運用がされないようにしっかりと私どもは注視していきたいと思っています。
次に、平成三十年度と令和元年度の障害福祉関係データベースに関する調査研究は、厚生労働省の事業として国の予算が使われています。研究の実施に当たっては、障害福祉政策や障害福祉サービス等の状況、介護分野等の公的データベース事業に詳しい有識者等を集め、検討会を設置しただけで、障害当事者の参画ではなく、障害者団体からのヒアリングも行われていません。
障害者施策を推進していくためには関係する情報の収集は大変重要だと思いますが、障害者権利条約にもあるように、障害者施策に当事者が参画することは最も重要なことですので、全国の障害者一人一人の極めて個人的な情報を収集して利用するデータベースの構築や運用が、障害当事者の知らないところで進められ、障害当事者の意見が全く反映されていないというようなことはあってはならないと思います。
今からでも、このデータベースの構築や運用において障害当事者の意見がきちんと反映されるような仕組みを整えることが不可欠だと思います。また、その仕組みを検討する場に必ず障害当事者を参画させていただきたいと思いますが、大臣、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/117
-
118・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 御指摘の平成三十年度及び令和元年度に行われた調査研究では、データベースを活用することになる自治体の職員、また研究者の参画の下で検討が行われたところであります。その後、具体的な制度化に当たっては、令和三年より障害当事者も参加する社会保障審議会障害者部会において、当事者団体からのヒアリングも行いながら、データベースについても検討いただき、その報告書を踏まえ、今般改正案を提出させていただいたところであります。
今後、データベースの運用を検討していくに当たっては、今委員からもお話がありましたように、障害当事者の方にも参加する審議会において御議論をいただくことを考えておりますし、さらに、政省令の検討に当たってはパブリックコメントを実施するなど、障害当事者の皆さんの声が反映されるよう引き続き対応していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/118
-
119・木村英子
○木村英子君 私が言いたいのは、データベースの構築、運用について障害当事者の意見が反映される仕組みを整えること、その仕組みを検討するに当たって障害当事者が直接参画できるようにしていただきたいと思っていますので、引き続き御検討をお願いしたいと思います。
次に、厚労省は、今まで障害者団体に対して、現時点においては障害福祉を介護保険と統合しないと今まで言ってきました。これについては、資料四のとおり、国と当事者の間で合意がなされています。
今回の法改正で、障害者関係のデータベースをつくることについては、介護保険にあるデータベースを基にしているような内容となっています。また、高齢者と障害者の自立支援についての考え方が違うにもかかわらず、介護保険のデータベースと障害福祉のデータベースを連結することになっており、障害福祉の制度を介護保険に近づけていく意図も見え隠れしているように思われます。
現在の公費による障害福祉制度の枠組みは今後もきちんと維持していくということを改めて大臣からお答えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/119
-
120・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 障害福祉データベースと他のデータベースとの連結解析については、障害福祉サービスの質の向上に向けた取組の推進を図るために行われるものであります。介護保険などの他の制度との統合を行うことを意図しているものではありません。
また、障害福祉制度については、介護保険制度とは法の目的や趣旨が異なること、介護保険の被保険者、受給者の範囲の見直しについて国民的な合意形成が必要であることなどを踏まえると、現行の枠組みの中で対応していくべきものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/120
-
121・木村英子
○木村英子君 私たち障害者にとって介護の保障は、命に直結する、なくてはならない重要な制度ですので、現在の公費による障害福祉制度の枠組みは今後もきちんと維持していただきたいと再度申し上げ、質疑を終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/121
-
122・山田宏
○委員長(山田宏君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/122
-
123・倉林明子
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
私は、日本共産党を代表して、障害者総合支援法等一部改正案に反対の討論を行います。
初めに、八本もの法案をたった十時間で質疑を終局することに強く抗議するものです。束ね法案であること、提出当初から関係者の口を封じるものと怒りの声が上がりました。
それぞれの法案に、それぞれの障害、疾病を持つ方たちの生活、命、尊厳が懸かっております。私たちのことを私たち抜きに決めるな、の基本姿勢に立ち返るべきであり、審議打切りは断じて許せません。二〇一七年、廃案になった精神保健福祉法は、二十七時間の審議を本委員会で行いました。会期内に審議が尽くせないのであれば、一旦廃案にして出し直し、それぞれに十分な時間を掛けて審議すべきです。
法案は、強制入院である医療保護入院の拡大が否定できず、障害者権利委員会からの勧告にも逆行するものです。審議を通じ、厚生労働大臣は、市町村長同意の範囲を拡大する必要性も、それにより医療保護入院が増加しないという答弁も、明確な根拠を示すことはできませんでした。本人の意思に反した強制入院は尊厳を奪い、人権侵害につながるものです。
国連障害者権利委員会の総括所見は強制医療の廃止を日本政府に勧告しています。しかし、大臣からは将来的廃止を目指すという言葉すら聞かれませんでした。この国に生まれたる不幸を断ち切り、真の改革に踏み出すべきです。家族が第一義的に責任を負わされる仕組みを解消し、所得、住居の保障を含め、地域で自立し安心した生活を支援する体制をつくることこそ必要です。
障害者総合支援法の改定により通過型グループホームを創設すれば、福祉サービスからの卒業圧力が高まることを否定できません。障害福祉データベースは、個々の必要性を無視した利用制限に利用されかねません。障害者権利条約、総括所見、基本合意、骨格提言を無視した障害者福祉法制の見直しはあり得ません。
今求められるのは、従来からの障害者政策の枠組みからの脱却です。他の者との平等の観点から、障害者をめぐる法制度、社会の在り方全般に対し徹底した見直しが求められます。
先送りや言い訳は許されないことを指摘し、討論といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/123
-
124・木村英子
○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。
れいわ新選組を代表して、政府の法案に反対いたします。
この日本社会において障害のある女性の生きにくさを身をもって生きてきた私を始め、ALS患者の舩後議員、重度障害を持つ天畠議員、そして多くの当事者と本法案を熟考し、国会で議論してきましたが、賛成には至りませんでした。
本法案では、まず、精神障害者の強制入院がより拡大、強化されようとしています。
また、障害者の区分認定や支給量などの個人情報を蓄積する障害福祉データベースですが、データを集められる側の障害者自身が制度構築の議論からはじき出され、行く行くはサービス抑制につながる懸念も拭い去れません。
また、グループホームからの自立支援は必要でありますが、障害者が地域で暮らす基盤が圧倒的に弱い現状は解決されてはいません。短時間で働く障害者の雇用機会を広げようとする一方で、障害者が法定雇用率の表面的な達成のために利用されている問題を置き去りにしています。
さらに、制度の谷間にいる難病患者への救済を始め、根本的な問題解決がなされてない法案となっています。
最も容認できないのは、精神保健福祉法改正案第一条に発生の予防という文言が残っていることです。
障害者権利条約第十七条には、障害者は、その心身がそのままの状態で尊重される権利を有すると宣言されています。
先日の大臣答弁では、当事者を含めた関係審議会において要望がなかったとして、当事者に責任を押し付けました。
これまで障害者が、発生予防という優生思想の下で、身体の自由を奪われ、性ある存在であることを否定され、強制不妊手術等の被害にどれだけさらされてきたことか、政府は真摯に受け止めるべきです。
私は、国連障害者権利条約の批准に基づく障害者差別解消法を立法府こそ遵守するべきと申し上げ、反対討論を終わります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/124
-
125・山田宏
○委員長(山田宏君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/125
-
126・山田宏
○委員長(山田宏君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、川田君から発言を求められておりますので、これを許します。川田龍平君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/126
-
127・川田龍平
○川田龍平君 私は、ただいま可決されました障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一、グループホームにおける一人暮らし等に向けた支援の実施に当たっては、福祉からの卒業として一人暮らし等への過度な誘導につながらないよう、新たなグループホームの類型の創設については丁寧に検討し、本人の意思を尊重して個別に必要な支援が適切に提供されるようにすること。
二、国連障害者権利委員会の対日審査の総括所見における指摘事項を踏まえ、地域移行を着実に進めるため、多様な障害当事者の意見も踏まえ、障害福祉計画の地域移行者数の目標値を適切に設定し、具体的な地域移行の計画を立案すること。また、入所者の重度化や高齢化が進み、近年、施設入所者数の減少が緩やかになってきている現状を踏まえつつも、地域移行の推進の観点も考慮し、障害福祉計画の施設入所者数の削減目標について適切な目標値を設定すること。その際、施設入所に頼らず地域で安心して暮らせるための環境整備・資源の確保に努めること。さらに、地域生活支援拠点等の役割の明確化や機能強化、拠点コーディネーターの役割の整理や配置の促進など地域移行を効果的、計画的に推進するための方策について検討し、必要な措置を講ずること。
三、重度障害者の職場及び通勤中における介護について、現在実施している雇用と福祉の連携による取組の実施状況や、重度障害者の働き方や介助の実態を把握した上で、連携の取組の改善及び支援の在り方について検討すること。また、重度障害児の学校及び通学中における介護の在り方についても、教育と福祉の連携による取組の実施状況を踏まえて検討すること。さらに、地域生活支援事業により実施されている移動支援について、個別給付とすることも含め、その見直しを検討すること。
四、障害者に対する介護保険優先原則の運用に当たっては、一律に介護保険サービスを優先するのではなく、重度訪問介護も含め、個々の障害者が必要とする支援を受けられるよう、地方公共団体に周知すること。
五、障害福祉サービス等報酬改定に当たっては、加算を増やして報酬体系をいたずらに複雑化させないことに留意しつつ、必要な人員を確保し、適切なサービスが提供されるようにすること。また、コロナ禍において原油価格や物価の高騰に直面し、経営への影響が懸念されている全国の障害福祉サービス事業所を支援するため、必要な措置を講ずること。
六、多様なピアサポーターの活動の価値や専門性を分かりやすく伝える観点も踏まえつつ、障害者ピアサポート研修事業の研修カリキュラムの見直しを検討すること。
七、進行性の障害の状態を踏まえた必要な支援が受けられるよう、障害支援区分の認定や障害福祉サービスの支給決定に係る適切な運用を推進し、周知すること。
八、失語症に関し、身体障害者手帳の等級の認定基準等を見直すよう、検討するほか、失語症者向け意思疎通支援者等の派遣事業の全国的な実施等、失語症者が障害者総合支援法に基づく必要な支援を受けられるよう、検討するとともに、循環器病対策推進基本計画の記載事項も含めて、失語症者が社会生活を円滑に営むために必要な支援体制の整備等についてしっかりと検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずること。
九、放課後児童クラブのインクルーシブ化を推進するとともに、障害児の特性に応じた適切な支援に努めること。
十、就労選択支援におけるアセスメントを実施する際には、本人による選択と決定を重視するとともに、一般就労への過度な誘導等による福祉サービスの利用の抑制につながらないよう留意すること。
十一、重度障害者に対する職場における支援のための助成金の利用が低調な理由について分析するとともに、重度障害者の就労ニーズの掘り起こし等を検討すること。
十二、難病患者など障害者手帳は取得できないが障害によって働きづらさを抱える者への就労支援のために必要となる就労能力の判定の在り方について検討し、必要な施策を講ずること。
十三、障害者雇用率制度における除外率制度の早期廃止に向けた取組を行うほか、事業主が、単に雇用率の達成のみを目的として雇用主に代わって障害者に職場や業務を提供するいわゆる障害者雇用代行ビジネスを利用することがないよう、事業主への周知、指導等の措置を検討すること。
十四、医療保護入院の入院期間の上限については、厚生労働省令において六月を下回る可能な限り短い期間を設定するとともに、医療保護入院者退院支援委員会には、入院者本人及び本人の地域移行を支援する者を参加させることとし、入院期間の更新やみなし同意によって事実上の長期入院とならないよう、安易に更新が繰り返されないようにするための措置を講ずること。
十五、家族等が同意又は不同意の意思表示をしない場合において市町村長の同意が安易に行われ、医療保護入院が増加することがないよう、必要な措置を講ずること。また、医療保護入院には、家族等の負担過重や患者の権利擁護の観点から廃止されるべきとの指摘があることを踏まえ、その在り方について、精神疾患の特性も踏まえながら速やかに検討を行うこと。
十六、国連障害者権利委員会の対日審査の総括所見における、精神保健福祉法及び心神喪失者等医療観察法の規定に基づく精神障害者への非自発的入院及び強制的な治療等の廃止、精神医療を一般医療から分離する制度の解消等の勧告を踏まえ、精神科医療と他科の医療との政策体系の関係性を整理し、精神医療に関する法制度の見直しについて、精神疾患の特性も踏まえながら、精神障害者団体の参画による検討によって、必要な措置を講ずること。
十七、入院者訪問支援事業が、市町村長同意の医療保護入院者に限らず精神科病院に入院している全ての精神障害者の権利擁護のためのアドボケイトとして機能するよう、入院者訪問支援員の研修など事業の実施体制の整備に万全を期すこと。
十八、本法施行後の精神科病院の業務従事者による虐待についての通報の仕組みの実施状況を踏まえ、障害者虐待防止法における、病院での虐待の防止と報告を確保するための更なる取組について検討すること。
十九、隔離・身体的拘束に関する切迫性、非代替性、一時性の要件を明確にするため、厚生労働大臣告示の改正を進めるに当たっては、関係団体との意見交換の場を設け、患者に対する治療が困難という文言やそれに類似する文言の使用によらない方策を検討し、隔離・身体的拘束の対象が実質的にも限定されるよう必要な措置を講ずること。
二十、地方公共団体による精神障害者の退院後支援に関するガイドラインについては、原則として警察又は警察関係者を参加させるべきではないとの観点から必要な措置を講ずるとともに、措置入院の運用に関するガイドラインについては、自立支援協議会等が関係者による協議の場として活用されることのないよう、適切に運用されるために、必要な措置を講ずることについて検討すること。
二十一、精神科病院の入院患者のより一層の地域移行を促進し、精神病床数の削減を図っていく必要があることから、第八次医療計画の中間指標では、精神科病院の非自発的入院の縮減を把握する指標例とともに、精神病床の削減のための目標値の設定について検討すること。
二十二、障害福祉関係データベースの運用に当たっては、障害当事者の意見が反映される仕組みを作るとともに、本データベースに収集されたデータは、障害者権利条約第三十一条第二項の規定の趣旨を踏まえ、障害者がその権利を行使する際に直面する障壁を特定し、及び当該障壁に対処するなど、障害者の福祉を増進するために利用されるよう検討すること。
二十三、障害福祉サービスに係る適切な提供体制の確保等を図る観点から、地方公共団体における障害福祉計画及び障害児福祉計画の策定に当たっては、障害福祉等関連情報等の利用やロジックモデル等のツールの活用を促すことなどを検討し、PDCAサイクルに基づく計画の立案、評価及び見直しなど、実効的な計画の策定が行われるよう努めること。
二十四、指定難病及び重症度分類の基準の選定に当たっては、引き続き、医学的見地に基づく日常生活上の困難さも十分考慮すること。また、小児慢性特定疾病について、成人後も切れ目のない治療が可能となるよう指定難病に指定することを検討すること。
二十五、難病患者等に対する医療費助成の前倒しに当たっては、申請日から医療費助成の対象の病状であると診断された日まで十分に遡って助成の対象とすること。また、自己負担限度額の在り方について、引き続き、必要なデータ収集を行うこと。
二十六、就労支援、医療・福祉、ピアサポート等、多岐にわたる相談業務を担う難病相談支援センターについて、関係機関との連携を密にしつつ、それぞれの強みを活かした相談支援を充実させるとともに、地域間格差が生じないよう必要な人員の確保や研修等による職員の質の向上に努めること。また、難病対策地域協議会等が設置されていない都道府県等に対し、十分な協議が行われるよう、その設置を促すとともに、医療的ケア児等の他の協議会と共同で開催できる旨の周知に努めること。
二十七、難病患者等が地域において適切な医療を受けることができるよう、必要な予算や人員を確保しつつ、難病診療連携拠点病院を中心とした医療機関間の連携や移行期医療の体制整備などに取り組むこと。また、難病患者等の診療が制限を受けることは、命に直結することから、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中でも、診療に制限がかかることのないよう万全の対策を講ずること。
二十八、難病患者等が治療によって、就労・就学において不利益な扱いを受けることがないよう、また、オンライン等の手段を活用し学習を継続できるよう環境の整備に万全を期すこと。就労については、病気休暇等の普及促進、難病患者の障害者雇用率制度における取扱いの検討及び事業主への正しい理解の啓発に取り組むとともに、働きやすい環境整備に取り組むこと。
二十九、難病の根治に向けた研究、治療法の確立に資するデータベースの構築を図るため、データ登録の促進に努めるとともに、オンライン化を始めとした事務手続の簡略化を図ること。また、取り扱うデータは遺伝情報等が含まれることから、登録データのセキュリティ対策には万全を期すとともに、利活用の範囲については慎重に検討すること。さらに、登録者証のマイナンバーとの連携に当たっては、疾病情報を基にした偏見や差別につながらないよう十分に留意すること。
三十、長期療養を必要とする難病等に苦しむ者や子どもが地域において適切な福祉サービスを享受できるよう、地方自治体が作成する障害福祉計画・障害児福祉計画に係る基本指針にその趣旨を明記すること。
三十一、難病に苦しむ者の就労状況の実態把握に努め、治療を躊躇することなく、就労できる環境を創出するための、関係制度の検討及び他領域にまたがる政策の連携を通じた、支援策の充実に努めること。
三十二、包括的な難病等対策を実現するため、難病等に対する有効な新規治療薬・治療方法の開発を進めるとともに、新たに治療薬が実用化された場合などにおいて、早期診断及び早期治療が可能となるような医療提供体制を早急に整備すること。
三十三、新生児マススクリーニング事業について、全国の地方自治体において適切に検査が実施され、検査の結果治療が必要となる新生児に対し、最新の知見を基に最適な治療が受けられるよう国の責任において当該事業の推進を図ること。
三十四、指定難病患者等だけでなく、障害者総合支援法が指定難病以外に独自に対象としている疾病の患者についても、福祉サービスの円滑な利用の促進を図るため、必要な周知に努めること。
三十五、施行後五年の見直しを待たず、国連障害者権利委員会の対日審査の総括所見の内容を踏まえ、次回の定期報告が令和十年とされていることを見据え、当事者参画の下で速やかに見直しに向けた検討を開始すること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/127
-
128・山田宏
○委員長(山田宏君) ただいま川田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/128
-
129・山田宏
○委員長(山田宏君) 多数と認めます。よって、川田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、加藤厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。加藤厚生労働大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/129
-
130・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力をしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/130
-
131・山田宏
○委員長(山田宏君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/131
-
132・山田宏
○委員長(山田宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/132
-
133・山田宏
○委員長(山田宏君) 次に、特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
提出者衆議院厚生労働委員長三ッ林裕巳君から趣旨説明を聴取いたします。三ッ林裕巳君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/133
-
134・三ッ林裕巳
○衆議院議員(三ッ林裕巳君) ただいま議題となりました特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
本案は、特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法に基づく給付金の支給の請求の状況に鑑み、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
第一に、給付金の請求期限を五年延長することとしております。
第二に、特定C型肝炎ウイルス感染者のうち、劇症肝炎に罹患して死亡した者に対する給付金の額を千二百万円から慢性C型肝炎が進行して死亡した者等と同額の四千万円に引き上げるとともに、劇症肝炎に罹患して死亡した者について、この法律の施行前に千二百万円の給付金が支給された場合においても、その相続人に対し、引き上げられた給付金の額との差額に相当する額の給付金を支給することとしております。
なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。
以上が、本案の提案理由及びその内容であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/134
-
135・山田宏
○委員長(山田宏君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/135
-
136・山田宏
○委員長(山田宏君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、木村英子君が委員を辞任され、その補欠として山本太郎君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/136
-
137・山田宏
○委員長(山田宏君) これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
本案の修正について山本太郎君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山本太郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/137
-
138・山本太郎
○山本太郎君 ただいま議題となっております特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対し、れいわ新選組を代表いたしまして、修正の動議を提出いたします。
その内容は、お手元に配付されております案文のとおりです。
これより、その趣旨について御説明申し上げます。
本法律案では、C型肝炎救済特別措置法に基づく給付金の請求期限を延長するとともに、C型肝炎ウイルスにより劇症肝炎に罹患して死亡した者に係る給付金の額の引上げなどを行うこととしており、それ自体は必要な改正です。
同法の前文においては、人道的観点から、早急に感染被害者の方々を投与の時期を問わず一律に救済しなければならないとの理念が掲げられています。しかし、特定フィブリノゲン製剤等の投与が判明した約二万五千人のうち、和解などが成立したのは僅か二千五百人余りにとどまっています。
また、同法に基づく給付金の支給の請求に当たっては、特定C型肝炎ウイルス感染者自身が訴訟を提起し、同製剤等の投与によってC型肝炎に感染したことを立証する必要がありますが、投与から二十年以上経過した後に感染の事実が判明するケースが多く、被害に気付いたときにはカルテの保存期間が経過していたり、医療関係者の証言が得られなかったりすることなどにより、救済に至らない事例が山積しています。
カルテや医療関係者の証言の有無といった本人の責任ではない要素のために救済されないという非常に不合理な状態が続いていることから、同製剤等の投与の事実の推定に関する規定を設けることや、感染者の認定を簡易かつ迅速に行うことができるようにすることなど、感染者の負担の軽減や救済に資する施策に、方策について検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずる必要があります。
このような観点から、本修正案を提出いたしました。
修正の要旨は、第一に、国は、C型肝炎ウイルスに係る薬害事件の発生から長期間が経過し、給付金の支給を請求する者がその者又はその被相続人について特定C型肝炎ウイルス感染者であることを立証することが困難となっていることを踏まえ、この法律の施行後一年以内に、法第二条第三項に規定する投与の事実の推定に関する規定を設けることそのほかの特定C型肝炎ウイルス感染者であることの立証に係る負担の軽減に資する方策について検討を加え、その結果に基づいて法制上の措置そのほかの必要な措置を講ずるものとする規定を追加すること。
第二に、国は、第一のほか、この法律の施行後二年以内に、給付金の支給の請求に当たって訴訟手続を経ることを要しないものとするなど特定C型肝炎ウイルス感染者の認定を簡易かつ迅速に行うことができるようにすることそのほかの特定C型肝炎ウイルス感染者の救済に資する方策について検討を加え、その結果に基づいて法制上の措置そのほかの必要な措置を講ずるものとする規定を追加することであります。
カルテや医師の証言がないことで被害救済の道を絶たれてきた被害者の方々を次の法改正まで放置してよいのでしょうか。一年以内、二年以内と時期を示して早急に対策を取ることを立法府から約束する必要があります。
何とぞ委員各位の御賛同、お願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/138
-
139・山田宏
○委員長(山田宏君) これより原案及び修正案について討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/139
-
140・山本太郎
○山本太郎君 れいわ新選組、山本太郎です。
私は、会派を代表し、本改正案に反対の立場で討論いたします。
今回の法案は、薬害被害者に対する給付金の請求期限が来年一月十六日に迫る中、期限を五年間延長するとともに、劇症肝炎などの死亡者に対する給付金を慢性肝炎と同じ四千万円に引き上げるもので、それ自体は必要なことです。しかし、被害認定される患者数が増えることは期待できず、被害者認定を困難にしている根本的な問題をこの法案では解決できません。実際、これまで血液製剤の投与が判明した二万四千八百三十二人のうち、判決、和解などにより救済されたのは僅か二千五百八人であり、十人に一人しか救済されていません。
国は、カルテなどの医療書面又は医療関係者などの証言を要求しています。一方で、医師法で定められたカルテの保存期間は五年です。本特措法の制定は二〇〇八年、フィブリノゲンの製造販売期間は一九六四年から一九九四年であるため、既にその時点で医療記録が破棄されていた可能性が非常に高い。また、日々多数の患者を診療している医師に数十年前の患者のフィブリノゲン製剤の使用に関する具体的な記憶を期待するのは困難です。
国は、フィブリノゲン製剤を使われたことを患者である原告自身が証明することを要求し、それができなければ救済しないと言っています。これが特措法の仕組みであり、この仕組みを変える方向性を何ら示さないままの改正案に賛成することはできません。
れいわ新選組は、被害者の立証責任の緩和と裁判外救済の検討を加速させる必要があると考えています。そのために、本改正案に二つの規定を設ける修正動議を先ほど提案しました。一、この法律の施行後一年以内に立証に係る負担の軽減に資する方策を検討し、法制上そのほかの措置を講ずること。二、施行後二年以内に、訴訟手続によらない救済の方策を検討し、必要な措置を講ずるものとすること。私たちが求めている法案への修正はたったこれだけです。
被害者全員の救済に向けて第一歩を踏み出したと思われたC型肝炎被害救済法の成立から十五年がたちます。その間に行われた改正は二度。その間に被害者救済を広げるための法改正は実質行われていないことは、救済された者が被害者全体の一〇%程度であることを見れば明らか。私たちが求める修正の反映が本改正案に賛成する最低条件であり、私たちが求める修正内容は国会が果たすべき最低限の役割であることを訴え、本改正案への反対討論といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/140
-
141・山田宏
○委員長(山田宏君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
まず、山本太郎君提出の修正案の採決を行います。
本修正案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/141
-
142・山田宏
○委員長(山田宏君) 少数と認めます。よって、山本太郎君提出の修正案は否決されました。
それでは、次に原案全部の採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/142
-
143・山田宏
○委員長(山田宏君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/143
-
144・山田宏
○委員長(山田宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
三ッ林衆議院厚生労働委員長は御退席いただいて結構でございます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/144
-
145・山田宏
○委員長(山田宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康局長佐原康之君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/145
-
146・山田宏
○委員長(山田宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/146
-
147・山田宏
○委員長(山田宏君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/147
-
148・川田龍平
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。
ただいま御質疑、あっ、採決がありましたC型肝炎特措法について質問いたします。
C型肝炎特措法について、大臣、この同法では給付金の支給対象について、特定フィブリノゲン製剤又は特定血液凝固第Ⅸ因子製剤の投与を受けたことによってC型肝炎ウイルスに感染した者としていますが、その中でも、更に獲得性の傷病に係る投与に限ると対象者を限定しています。つまり、血友病のような先天性疾患によりフィブリノゲンを使用していた人については救済の対象から外れてしまったのです。
この点について、私は、平成二十年のこの法律の審査の際にも質疑をいたしました。その質疑に対して当時の厚労大臣、舛添大臣は、先天性疾患の方々の今のこの問題についても、私はしっかりと認識をしております、訴訟に対する解決という形でこういう形の法案になったということでありますけれども、しかし先天性の問題について無視していいとは思っていませんので、総合的な肝炎対策を含め、全力を挙げてこの問題にも今後取り組んでまいりたいと思いますと答弁しております。このやり取りから十四年がたちましたが、いまだに先天性疾患の方はこの救済法の対象とはなっておりません。
汚染された製剤によってC型肝炎ウイルスに感染したことに変わりはないにもかかわらず、先天性疾患の方々だけが取り残されている現状は許されないのではないでしょうか。十四年前にも申し上げましたが、法の下の平等という観点からも問題があると思います。
この問題について、加藤厚労大臣、どのようにお考えでしょうか。先天性疾患の方もこの法律の救済の対象とすべきではないかと考えますが、見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/148
-
149・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) C型肝炎特措法は、平成二十年当時、フィブリノゲン製剤等の投与により長期にわたり肉体的、精神的苦痛を負った被害者が多数存在していた一方で、各地で係争されていた訴訟では裁判所の判断が分かれ、司法、行政による迅速な救済は困難であったといった厳しい状況に鑑み、訴訟を解決するため議員立法により立案されたものであります。こうした経緯により先天性疾患の方はC型肝炎特措法の対象とされない、まあ条文上そうなっているわけであります。
厚労省としては、ウイルス性肝炎の治療に係る費用の助成を行うほか、法制定当時の国会での審議や決議を踏まえ、先天性疾患の治療のため長期にわたり血液凝固因子製剤の付与を受けてC型肝炎ウイルスに感染された方のQOLの向上策等を検討するための調査研究事業を実施しておりまして、引き続きこうした取組を進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/149
-
150・川田龍平
○川田龍平君 是非、この法律の改正についても是非考えていただきたいと思いますが、これ厚労省の方でいかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/150
-
151・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 基本的にこれ議員立法でお出しになっているという経緯の中で、またそれぞれのところで御議論いただく、今延長がお認めいただいたということでございますので、それを踏まえて、先ほど申し上げた今回の対象になっていない先天性疾患の方に対しても、先ほどのような取組を含めて対応していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/151
-
152・川田龍平
○川田龍平君 また、是非この法案の審査の際にはまた考えていきたいと思います。
そして、ワクチン接種に関連した死亡事例に関する国による全数調査についても大臣に伺いたいと思います。
この新型コロナワクチンの接種が始まって以来、千九百件を超える接種後の死亡事例が報告されています。しかし、このうち、ワクチン接種と死亡の因果関係が認められ、予防接種健康被害救済制度に基づいて死亡一時金の支給が認められたのは僅か十人にすぎません。なかなか認定されない状況が続いています。
また、予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会に報告された死亡例についても、その多くが情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないものとされています。
本来国が果たすべき責務は、評価不能を繰り返すのではなく、ワクチン接種との因果関係が評価できないのだから、その因果関係をしっかりと調査するということではないでしょうか。新型コロナワクチンはこれまでの技術とは異なるmRNAを利用したワクチンであり、通常の薬事承認ではなく特例承認されたものです。また、全国民を対象としたかつてない規模での接種が行われています。
コロナワクチン接種と死亡の因果関係について厚生労働大臣に伺います。ワクチン接種により死亡した人数は現時点で何人でしょうか。そしてまた、現在因果関係があると国が認めたものは何件ありますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/152
-
153・八神敦雄
○政府参考人(八神敦雄君) 新型コロナワクチンの副反応の関係で、死亡事例の件数ということでございました。
副反応疑い報告につきまして、直近の審議会の報告でございますが、令和四年十月九日までに新型コロナワクチン接種後の死亡事例として計千八百八十九件が報告をされてございます。
また、審議会におきましては、三つの評価記号、アルファ、ベータ、ガンマという三つの評価記号を用いまして、ワクチン接種と副反応疑い事象の因果関係の評価を行っております。このうちガンマといいますのが、情報不足でワクチンと症状名との因果関係が評価できないというものがございます。アルファ、ベータ、ガンマ、それぞれアルファゼロ件、ベータ十一件、ガンマ千八百七十八件となってございます。
因果関係評価ができないといったものにつきまして、ガンマにつきましては、追加の情報ございますれば、これも因果関係評価を行いまして、評価が例えばガンマからアルファ、あるいはガンマからベータに変わるというものもあるというふうに承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/153
-
154・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) 予防接種被害救済制度におきまして、新型コロナワクチン接種に係る進達があり、国の審査会において予防接種と死亡との因果関係が審査され認定された件数は、本年十一月二十四日時点で十件であります。
なお、この制度における因果関係の認定に当たっては、厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状等が予防接種により起こることを否定できない場合も対象とするという考え方の下、審査が行われております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/154
-
155・川田龍平
○川田龍平君 先ほど、アルファ、ベータ、ガンマのくくりでアルファがゼロ件でガンマが千八百七十八件であるということでしたけれども、これアルファとガンマが全く別なものではなくて、アルファの中にガンマが含まれていると考えるべきではないかと思います。
アルファがやっぱり全くゼロだというのは、このガンマでやっぱり評価不能としていること、評価委員会でやっていますけれども、これやっぱり調査をするということを是非お約束していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/155
-
156・八神敦雄
○政府参考人(八神敦雄君) 今、アルファ、ベータ、ガンマのお話、まず、アルファというのはワクチンと症状名との因果関係が否定できないというものでございます。
一方、ベータというのがワクチンと症状名との因果関係が認められないものということで、その間といいますか、情報が不足しているなどの理由で判定が難しいと、因果関係が評価できないというものでございますので、先ほどの繰り返しになりますが、ガンマのうちで追加の情報が得られれば、これがアルファに行ったり、あるいはガンマに、あっ、ベータに行くということもございます。ということがアルファ、ベータ、ガンマの問題でございます。
また、調査ということに関しましてですけれども、追加の情報が必要となった場合には、医療機関ですとか製造販売業者に対しまして追加情報報告をお願いするといったこと、それから、一定以上の頻度で同様の事例が生じているというような場合につきましては、集団として解析をして、安全対策、必要な注意喚起、添付文書の修正とか、こういったことにつなげていくということをやっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/156
-
157・川田龍平
○川田龍平君 今、自治体の方でもこれ調査するというところで調査委員会が設けられるということにもなってきています。
愛知県の愛西市で起きた女性が亡くなった事例については、愛西市の方でこれ調査委員会を設けるということになってきました。それについて、国としてこういった調査をやっぱりしっかりやると、国の方でもやるということを是非言っていただきたいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/157
-
158・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) これは、まず、愛西市の方で調査を行うということですので、その経緯をまずは見守りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/158
-
159・川田龍平
○川田龍平君 是非、国の方でも、これだけたくさんの人が亡くなっているわけですから、これの因果関係をいまだ情報不足のためその評価不能ということになっているのであれば、やっぱりその情報をしっかりと国から調査をして求めて、情報をやっぱり得るための努力をすべきだと思います。
大臣、これ調査をすると是非言っていただきたいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/159
-
160・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) その段階で必要な情報を入手した上で、今言ったアルファ、ベータ、ガンマという判断がなされているということでありますから、その後、先ほどから話がありますように、追加の情報が生じてきている、そうした場合においてはそれに基づいて改めて判断をしていくということになるというふうに思っております。
引き続き、副反応に関する十分な情報、また、国内外の副反応疑い事例の収集、これに努めていきたいと思っておりますし、今申し上げたように、ワクチン接種と副反応疑い事例に関する個別の因果関係の評価、あるいは集団としての傾向等の評価、こういったものもそうした情報入手をしつつ速やかに行うとともに、先ほど被害者救済制度の話もございましたけれども、かなり滞貨しているというか、申請を受けながら処理が進んでいないものがございますので、迅速な審査を行っていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/160
-
161・川田龍平
○川田龍平君 是非、調査をお願いします。これ本当に今の状況からすると、このワクチンの被害、やっぱり本当に広がってきています。これ本当に調査を一日も早くやっていただきたいと思います。
最後に、学校での子供のマスクの着脱の強制、これを是非見直していただきたいと思いますが、文科省、一言お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/161
-
162・安彦広斉
○政府参考人(安彦広斉君) お尋ねのありました学校におけるマスクの着用についてでございます。
こちら、社会全般におけるマスクの着用の考え方を踏まえた上で、文部科学省の学校衛生管理マニュアル等においてその考え方を示しておるものでございます。
こちらにつきましても、先日、十一月に岸田総理から答弁があったように、マスクの着用の効果的に関する研究成果や専門家の意見を踏まえ、政府として基本的な感染防止対策として、換気等に加えまして適切なマスクの着用をお願いしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/162
-
163・川田龍平
○川田龍平君 これ、学校でいじめが起きたり、学校の先生からマスクを着けるように言われて、もう学校に行きたくないとなってしまった子供がいるとも聞いております。本当にこのマスクの着脱については強制をしないよう、是非これしっかりと学校の方で指導していただきたいと思います。よろしくお願いします。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/163
-
164・松野明美
○松野明美君 お疲れさまです。日本維新の会の松野明美でございます。
通告をしました順番がちょっと変わっているかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
まずは、虐待防止につきましてお尋ねをいたします。
先ほども東議員の方から、知的障害者の女性が性犯罪を受けているというような御意見もありました。最近になりますと静岡県の保育園での虐待も非常に記憶の新しいところなんですが、この虐待がもうずっと続いているということで、本当にどうしたらいいのかと思っております。
やっぱり、虐待というのは内部ですから、ほとんど分からないと。で、起こった後、よく、まさかあの人がとか、もうそんな様子は全くなかったとか、そういうお声も聞きます。子供たちとか高齢者も含めまして、障害者も、言えないんですね、訴えにくい、被害を受けても訴えにくいというようなこともあって、虐待はゼロでなければならないと。よくお答えで、あのときよりも、五年前よりも減少しているとか、そういうのはもう通じないんですね。
やはりゼロでなければならないと思うんですが、やはり内部の方の告発しかないのかなと思っているので、その内部の告発の制度、そして内部を告発した方を守る、それも含めて是非制度をつくっていただきたいというふうに思っているんですが、その辺りのことをちょっとお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/164
-
165・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 保育所における園児虐待、あるいは先般、障害者施設における虐待もございました。それ以外にも、高齢者施設等、福祉施設における虐待、まさに安心、安全が最も配慮され、確保されるべき場所においてそうしたことが行われるということ、これは絶対あってはならないことであります。
裾野市の事案を受けて、昨日、自治体に対し事務連絡を発出をいたしました。虐待が疑われる事態が、事案が発生した場合の行政への速やかな情報提供、相談等の徹底の周知をする中で、研修等の機会を通じ、園長等に対し、隠さない、うそをつかないといった意識の醸成等を図ること、虐待が疑われる事案の発見者は一人で抱え込まず速やかに各自治体の相談窓口等へ相談をすること、また、公益通報したことを理由に降格、減給等の不利益な取扱いをすることは禁止をされていること、こうしたことの周知をしたところでもございます。
また、障害者支援施設等については、障害者虐待防止法において、施設従事者に対する障害者虐待の早期発見の努力や発見者の通報義務が設けられているところでございまして、そうした中で、通報しやすい環境づくりと虐待防止の取組も推進しているところでございます。
冒頭申し上げましたように、どのような施設においても虐待があってはならないということでありますし、そのためにも、委員御指摘のように、その何かがあれば、またそうした事実を目撃したら通報がしっかり行われていく、こういう環境づくり、こうしたこともしっかり進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/165
-
166・松野明美
○松野明美君 よろしくお願いいたします。
次に、分身ロボットを活用しました、寝たきりの方、また外出困難な方の就労支援の取組につきましてお尋ねをいたします。
分身ロボットといいますと、調べておりましたら、加藤大臣が二〇一九年十月に視察をされております、写真付きで。大臣、写真付きですね、写真付きです。大臣が秋田県の体の不自由な方にコーヒーを注文されて、愛知県の方からコーヒーを受け取っておられるんですけど、どんな味だったでしょうか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/166
-
167・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 今のお話、二〇一九年、実はその一年前にもそこ行かせていただいて、オリヒメという、そのロボットというんでしょうかね、を介して、実際サーブはそのロボットがしてくれるわけ、あるいはそのロボットのスピーカーとマイクを通じて会話をするわけですけれども、それを実際に操作されている方、それは今おっしゃったように、それぞれの地域における、たしか最初のときはドイツからだったかな、それから今のお話は秋田県と愛知県の方が、多分中には寝たきりというかそういった方もおられた。
そうした中で、ただ、会話を、非常に楽しい会話をさせていただきましたし、まさにこうした、そうした一つのロボットを介して、ある意味ではその雇用という部分もあるのかもしれませんが、まさに社会とつながっていっている。我々もそうした方々と会話も、こういう形で会話もできるし、つながることができたんだなという意味で大変感銘を受けたところでございますので、こうした取組含めて、まさにICTを活用することによって、これまでできない、例えば、その方が直接そこに来られるというのは移動の手段の問題とかいろんな問題ができないけれども、そうしたICTを使うことによって、あるいはロボットを使うことによってつながっていくし、実際いろんなことができる、その可能性、これを広めていきたいなというふうに思ったところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/167
-
168・松野明美
○松野明美君 答弁を聞いておりまして、やっぱり温かいというか、温かみがあるんですよね、そういうのって。今の社会の中でもいろんなことが起こっている中、やっぱり一番大切なことかなと思っております。
私の地元の方にはあそどっぐさんという寝たきりの方がいらっしゃるんですけど、分身ロボットを利用されて仕事をされているんですけど、非常に使いやすいそうです、操作が。ただ、レンタル料が高いと、一か月のレンタル料が大体三万円ぐらい掛かるので、やっぱり払ったらほぼなくなってしまうということと、仕事中は訪問介護は使えないんですよね、ヘルパーが。ですから、寝たきりの方なので、二時間仕事をされていますけど、水が飲めなくて、やっぱり我慢しながら仕事をしているということをお聞きしまして、そういうところの支援もやっぱり十分やっていただければなと思っております。
あと、次に行きます。障害者雇用の代行ビジネス、これは本会議でも質問させていただいたんですが、この実態調査なさっているとお聞きしました、今年の一月から。その調査の結果を御報告ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/168
-
169・堀井奈津子
○政府参考人(堀井奈津子君) お答えをいたします。
松野委員御指摘のように、障害者雇用ビジネスといいますか、代行ビジネスといいますか、いわゆるそういったビジネスに関して、障害者雇用促進法の趣旨を踏まえていないのではないかというお声もありましたので、御指摘のような形で、都道府県労働局等で実態把握を進めています。
現在、進めている途中というか状況というところで、その中で例えば見受けられた事案として、事例としてなんですが、業務に関する指示方法等が曖昧で、本来の雇用主である事業主が主体的に指示をしているかが不明確なケースがございましたり、あるいはその業務量が十分に確保されていない、そして能力の正当な評価がされているのだろうか、あるいは適切な雇用の場が提供されていると言えるかが疑問があるケース、こういったものが見られております。
こうしたケースにつきましては、その障害者雇用ビジネスの実施事業者や利用企業に対しまして、障害者雇用促進法の基本的な理念や事業主の責務を踏まえた雇用の実現に向けて、必要に応じて助言、指導を実施をしているところです。
引き続き、こうした実態把握を進めてまいるとともに、今般の、先ほど委員会で可決をしていただきました法律案におきまして、事業主の責務としてキャリア形成の支援を含め、適正な雇用管理をより一層積極的に行うということを盛り込んでおります。
したがいまして、事業主に対して雇用の質の向上に向けた助言、支援等を更に積極的に行うように、都道府県労働局に指示をすることといたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/169
-
170・松野明美
○松野明美君 違法とか違法ではないではなくて、やっぱり気持ちですよね。どうしても大企業が雇用率を達成するのが目的となってしまいまして、昨日か、先日の東議員の質問の答弁の中にも、大企業での中でも、中でもです、雇用率を達成しているところが半分と、大体五〇%ちょっとぐらいと言われまして、やはり大企業には特にやっぱり見本になっていただきたい、そして一緒に働いているところがやっぱり啓発につながっていくのかなと思っておりますので、これはやっぱりしっかりと改善していただければなと思っております。
最後になります。
その一般就労の現在の雇用率の制度上におきまして、A型事業所で利用されている方も雇用率にカウントされていますね。でも、これは福祉サービスなんですけど、これはどうしてカウントされているのか、そしてこのA型事業所の利用者は一般就労のこの法定雇用率の制度から除外すべきではないかと思うんですが、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/170
-
171・堀井奈津子
○政府参考人(堀井奈津子君) 就労継続支援のA型事業につきましては、障害福祉サービスに位置付けられている一方で、その労働者は雇用労働者であるために雇用率制度の対象になっております。
この取扱いにつきましては、労働政策審議会の障害者雇用分科会において議論を行った際に、障害福祉サービス等の報酬が支払われているA型事業について、雇用率制度上、一般企業と同列に扱うべきではなくて、雇用率制度等の対象から外すべきとの意見が多数あった一方で、こうした見直しは、A型事業の利用者に与える影響を考慮して慎重に議論すべきであるという御意見や、加齢により企業での就職は困難になった方の受皿として社会的貢献度が大きいということも考慮をすべきという御意見もございました。
また、A型事業については、雇用・福祉施策の連携強化を進めていく中におきまして、その在り方や役割について、利用者や支援内容の実態等を踏まえて整理を進めることとしており、現在、その実態把握を行っているところでございます。
こうしたことから、本年六月に取りまとめられた障害者雇用分科会の意見書では、今後、実態把握に基づきA型事業が障害者福祉制度においてどのように整理をされるかも踏まえた上で、雇用率制度からの除外の可能性も視野に入れ、一方で様々な影響も考慮しつつ引き続き検討していくことが適当とされたところでございます。
雇用率制度におけますA型事業の利用者の扱いについては、今後、実態把握に基づき、A型が障害者福祉制度においてどのように整理をされるかを踏まえて検討してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/171
-
172・松野明美
○松野明美君 五、六年前の調査で、A型事業所の利用者が六万八千七十人ぐらいいらっしゃるんですよ。でも、普通なら、これをカウントすると、この六万八千七十人分水増し、水増しと言うふうにしかないんですよね。
ですから、こういうA型事業所はやっぱり私は雇用率から除外すべきだと思っておりますので、今後ちょっと検討をしていただければと思っております。
以上になります。
あっ、もしよかったら、済みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/172
-
173・山田宏
○委員長(山田宏君) 時間が過ぎておりますので、簡潔にお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/173
-
174・堀井奈津子
○政府参考人(堀井奈津子君) 繰り返しになりますが、実態把握等を踏まえまして、障害者福祉制度における制度なども踏まえて検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/174
-
175・松野明美
○松野明美君 ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/175
-
176・芳賀道也
○芳賀道也君 まず、C型肝炎について伺います。
地元山形県の信頼できる消化器内科の医師に伺ったところ、C型肝炎抗ウイルス薬内服でウイルスに感染している人の治療はできるようになった、陽性と分かっている患者さんに対してはほぼそういったことができるようになっていいだろうと、ただ、陽性であることすら分かっていない方がまだまだ多数いて、肝硬変になって初めてウイルス性肝炎であることが分かる方もいる、そこがやはり問題点だということを伺いました。
そこでお聞きしますが、例えば、肺炎球菌ワクチンが六十五歳で無料で接種できるという、ある年齢を区切ってどこかの年齢で、まあB型も含めてでもいいでしょうけれども、C型肝炎ウイルスに感染しているかを調べる検査、スクリーニング採血を無料、あるいは安価、保険適用などで安価に受けられるようにして、早期発見、早期治療につながるようにしていただきたいと考えますが、加藤大臣の御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/176
-
177・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) C型肝炎については、抗ウイルス薬の内服により、ほぼ全ての患者におかれてウイルスの排除が行われていると承知をしております。
一方で、C型肝炎ウイルスに感染していても自覚症状がなく、また肝炎ウイルス検査の受検や受診に至っていない方も存在すると考えられております。
ウイルス性肝炎の早期発見、治療、これ大変大事なことであります。検査の受検、厚労省としては、地方自治体に対して、保健所において無料で検査を実施すること、また市町村において四十歳以上の一定の年齢の住民に対し低額、無料の検査を実施すること等の取組を行い、検査受検の機会の提供を図っているところでございます。
また、「知って、肝炎プロジェクト」を通じて、国民の皆さんに対し検査受検の必要性の啓発も行わせていただいております。
こうした取組を通じて、肝炎ウイルス検査の受検促進、これを今後とも図っていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/177
-
178・芳賀道也
○芳賀道也君 お話にありました保健所での無料検査、行われているということは知っております。ただ、合理化で、地元山形県の例を見ても、保健所の数が減っていて近くにない、また個人でいえば、まさか自分が感染していると思わない方が保健所の無料検査を受診しないということはあるわけです。
さらに、今、自治体での四十歳以上での検診も含まれているということでしたが、実際にはやっていない自治体が多いんですね。これ、全ての自治体が行えるように、全ての自治体でこれが行われるようにすべきではないかと思うんですが、この点いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/178
-
179・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) これは、今現状としては、全ての自治体で行われているものではないというふうに我々としても認識をしておりますが、厚労省としても、補助金等を通じまして、この自治体に、なるべく多くの自治体にやっていただけるように働きかけを引き続きしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/179
-
180・芳賀道也
○芳賀道也君 是非、命を守ることにつながりますので、大臣、これ全ての自治体で行われていない原因も調べていただいて、全ての自治体で行われるように前向きに努力していただけませんでしょうか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/180
-
181・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げたように、肝炎の、特にC型肝炎の検査をしっかりやることは大変大事なことだと考えております。
引き続き、各市町村等に対してこうした検査を幅広く実施していただけるよう、我々の方からも働きかけていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/181
-
182・芳賀道也
○芳賀道也君 是非、命を守るために全ての市町村で無料で受けられるようにしていただきたいと思います。
次に、障害者の割引の点で質問させていただきます。
全国脊損連合会山形県支部の方々から伺った問題点なんですが、障害者割引の航空券を購入するときは全て今もうネットでできるんでいいんだと、ただ、JRの障害者割引チケットを買うときはネットだけではできない、しかもJR各社の間で手続も異なる、JR各社もデジタルトランスフォーメーションを進めているんですから、JR各社共通の手続で障害者割引のチケットをネットのみで購入できるよう、国交省から是非働きかけていただけませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/182
-
183・平嶋隆司
○政府参考人(平嶋隆司君) 今先生御指摘のありましたウエブによる障害者用乗車券の予約、これ決済も伴ってということが大事かと思いますけれども、そちらにつきましては、令和三年六月に行われました、これ大臣からの、国土交通大臣からの指示でございますが、真の共生社会実現に向けた新たなバリアフリーの取組、この指示の一つとして実現に向け検討を開始するものということで位置付けられております。
この大臣指示を受けまして、現在、JR各社に対してマイナポータルを通じたオンラインによる障害者手帳の確認等によって障害者用乗車券の予約、決済の実現が図られるよう働きかけを行っているところでございます。
国土交通省といたしまして、ネット予約も含めて障害者の皆様方が鉄道を利用しやすい環境整備に取り組んでまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/183
-
184・芳賀道也
○芳賀道也君 マイナポータルに頼らなくても、観光支援などでは写真で陰性証明を送ってというようなこともできているわけですから、すぐにできるんじゃないかと思うんですね。これを是非検討していただきたいと思いますし、もう一つ、コロナ禍でJR各社も収益が下がって大変です。こういった、例えばシステム改修、あるいはホーム、その障害者のための安全性を高める、こういったこともなかなか支出が、支出できない状況にもなっていると思うので、こういったことに対する今システム上の改修や実際の障害者のための設備、この投資に対しての補助を積極的に行うべきではないかと思うんですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/184
-
185・平嶋隆司
○政府参考人(平嶋隆司君) まず、鉄道駅のバリアフリー化の関係でございますが、全ての方が安心、安全に鉄道を利用できるということで、非常に重要な政策と考えております。
バリアフリー化の推進のため、国土交通省では、ホームドアの整備など鉄道駅のバリアフリー施設の整備に対して事業費の最大三分の一、バリアフリー法に基づくバリアフリー基本構想を作成した市町村における鉄道駅に対しては最大二分の一まで拡充して補助を行っているところであります。
今後も、地方部のバリアフリー確保のための予算確保も含めて支援していくことによりまして、全国の鉄道駅のバリアフリー化を加速してまいりたいと考えております。
また、デジタル化の関連につきましては、中小事業者の方に対しまして、経営効率化のための情報提供システム、遠隔管理応答システム等、こうしたシステムの導入に対する支援を行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/185
-
186・芳賀道也
○芳賀道也君 一つの例を挙げると、例えば山形では、県立盲学校の近くの最寄り駅、これやっぱり、もうからない、乗降客も少ない、無人化の動きがあります。安全性のためには設備も増強しなきゃいけない。こうした中で、投資が大変なので、個々に、こういう特別な事情のあるところへの増額、そういったことも含めて検討していただけませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/186
-
187・平嶋隆司
○政府参考人(平嶋隆司君) 先ほど申し上げましたような形で、障害者の方が安全に鉄道を利用できるということは重要なことだと考えておりまして、それぞれのバリアフリー化等、鉄道駅の施設整備等、支援を行っていきたいと思っております。
先生の御指摘も踏まえて、今後取り組んでいきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/187
-
188・芳賀道也
○芳賀道也君 最後、大臣に一言お伺いしたいんですが、こうしたハンディのある人の特別な学校がある、それに近いところには、より安全性を高めるために、是非そういう国の支援も増強されるように、国交省へも働きかけていただけませんでしょうか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/188
-
189・山田宏
○委員長(山田宏君) 厚労大臣でいいの。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/189
-
190・芳賀道也
○芳賀道也君 厚労大臣にも。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/190
-
191・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 今、まさにバリアフリー化、これは政府挙げて取り組むべき課題だというふうに認識をしております。それぞれ予算は各省庁がそれに必要な予算を要求していくということだと思いますが、我々としても一緒になって取組をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/191
-
192・芳賀道也
○芳賀道也君 ありがとうございます。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/192
-
193・倉林明子
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
先ほど採決されましたC型肝炎特措法について質問をしたいと思います。
法制定から十五年ということで、カルテのないC型肝炎については、繰り返しこの委員会でも私質問をさせていただいてまいりました。
二〇一九年十一月の当委員会で、血液製剤フィブリノゲン投与の蓋然性が高い場合の救済の仕組み、検討を求めたところ、当時加藤大臣でしたけれども、運用上の工夫は引き続き検討したいという答弁いただいているんですが、その後の検討状況、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/193
-
194・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) C型肝炎特措法は、裁判手続によってフィブリノゲン製剤の投与があったことの認定を行うこととされ、実態としてカルテ等の医療記録が存在しない場合であっても、医療関係者の証言などを踏まえた裁判所における総合的な判断によって投与事実が認定をされているケースがございます。
今お話があった委員からの御指摘を踏まえて、こうしたカルテ等の医療記録が存在しない場合にあっても救済される事例があるんだということを令和二年に厚労省のウエブサイトに掲載をさせていただいているところでございます。
こうした実際の救済事例を周知をさせていただく、そのカルテがなくても救済されている事例を周知させていただくことによって、この救済の対象になる方に対する、が申請を、申請というんでしょうか、手続をしていただけることを促す、こういった取組はしっかり進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/194
-
195・倉林明子
○倉林明子君 ああ、それが運用の改善だったのかと今改めて聞いていて思ったんですけれど、全然現場では改善されていないんですよ。
大阪地裁で、一審で原告百五十七名中十二名の和解が成立したものの、残り百四十五名中四十三名は判決までに訴えを取り下げると。請求棄却となった残る百二名のうち十一名は司法救済に望みを懸けて控訴したと。しかし、大阪高裁では、十月十二日に十一名全員の控訴を棄却すると、こういう判決出てるんですね。救済率一〇%という話ありましたけれども、この大阪で見ますと七・六%にとどまっているんです。だんだん下がっているんですよ、救済率は。
で、カルテのないC型肝炎訴訟大阪原告・弁護団ですけれども、訴訟手続におけるフィブリノゲン製剤投与の事実の証明の困難さを示して、裁判所における訴訟手続においては、一律救済は行政手続より難しいと、あるいはほとんど不可能であったと言うほかないと言うてるわけです。
このままでは薬害被害者であるC型肝炎の救済につながっていかないと思っているんですけれども、大臣の認識を改めて確認しておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/195
-
196・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) C型肝炎特措法は、いわゆるC型肝炎訴訟の解決を目的として、訴訟原告団、弁護団の要請も踏まえて、いろいろ議論の中であった結果として今の形で議員立法で立案されたものであります。まさに裁判手続による認定をベースにしているわけであります。
これは、第三者である裁判所の判断を介在させ、公正性を担保するためのものであると承知をしているところでありますので、厚労省としては、議員立法で定められた枠組みを、これをベースにして、救済されるべき方々が救済されるよう、先ほど申し上げたような取組を含めてしっかりと対応していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/196
-
197・倉林明子
○倉林明子君 いや、このままでは薬害のC型肝炎の方々、救済につながっていかないんじゃないかと。今までやってきたことを聞いたんじゃないんですよ。
改めて、この枠組みだと、救済できるっていう人が年々もちろん減っているし、裁判にもたどり着けない人が、そういう人たちが増えているんですよ。このままで救済、一人残らず一律救済なんですよ、法作ったときの趣旨は。だから、救済できると思っているんですかということで、どうですか。もう一回。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/197
-
198・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) ちょっと、個々のケースについてはまさにいろいろと認定をされているということだと思います。
したがって、私どもとして、本来救済されるべき方々において申請に取り組んでいただく、そのために、先ほど申し上げたような、これまでのカルテがなくても認定された事例をお示しする等、あるいは、それに向けてそうした支援策、こういったことをいろいろとさせていただいているわけでありまして、そうしたことを通じて、より多くの方々がこのC型肝炎特措法の中で救済されるよう、厚労省としてもできる限りの努力を図っていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/198
-
199・倉林明子
○倉林明子君 結果をしっかり見るべきだと思うんですよね。
証拠となり得るカルテはとうの昔に破棄されているし、投与した主治医に証言求めても、もう高齢で記憶がはっきりしないと、こんなケースもあるし、他界されていると、こういう人たちも増えているんですね。立証は月日とともにどんどん困難になっているんですよ。
ところがね、国は訴訟においてどう言うてるかと。特定フィブリノゲン製剤の投与事実等については、民事訴訟法の証明責任の原則に従い、原告が高度の蓋然性を立証すべき責任を負うべしと、これ国のスタンスで言っているわけです。私は、余りにも理不尽やと思います。
これまでの和解患者のデータを持っているわけですよ、厚労省はね。で、薬剤使用の蓋然性が高いと、こういう場合の基準を作るということは可能だと。これ、以前にも指摘させていただきました。その上で、旧優生保護法の一時金支給法にあるような第三者委員会、第三者認定審査会、こういう枠組み、独立したやつをつくって参考にしたC型肝炎での救済、使用の蓋然性を評価すると、第三者の認定審査会等の設置、被害者の一律救済に本気でやっぱり進んでいくべきだと思うんです。
議員立法やから議員でどうぞというようなことでは一律救済の政府としての責任を果たせないと私は思うんだけれども、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/199
-
200・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げたように、この今の仕組み、裁判所に手続による認定という枠組みになる過程においては様々な議論があったと承知をしているわけでありまして、しかも、それも訴訟団あるいは弁護団あるいは原告団の方々のお話も聞きながら今の形になってきたと、こういう経緯があったということは承知をしております。
したがって、我々としては、その枠組みにのっとって解決、救済すべき方々に対して様々な支援を行って、できるだけ多くの方が救済できるよう、先ほどありましたように、前回も運用面において様々な努力をさせていただくということを申し上げてまいりましたが、そういった中で、引き続き、今回更に延長されたこともございますから、こうしたことを踏まえて、更に我々努力をしていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/200
-
201・倉林明子
○倉林明子君 問題は努力の中身なんですよ。具体的にどうやって一律救済につながるような救済手法を裁判に代わる道として示せるかどうかだということだと思っているんです。
蓋然性証明を原告にずっと負わせ続けているということが、自然にもう訴えることもできなくなるのを待っているのではないかとさえ、もうがっかりしているわけですよ、原告の人たちは。そういう思いにも正面から応えるような、早急な一律救済に向けた解決の方策ということを、法改正、法改正、先ほど修正も出ましたけれども、法改正も含めて本気で考えていただきたい。早急な解決を求めて、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/201
-
202・山本太郎
○山本太郎君 れいわ新選組代表の山本太郎です。
C型肝炎特措法の前文では、人道的観点から、早急に感染被害者の方々を投与の時期を問わず一律に救済しなければならないとの理念が掲げられています。一方で、国会は救済されるべき人々を見捨てていませんか。
本改正案を策定するに当たり、カルテのない被害者、原告の要望を取り入れるよう発議者から提案ありましたか。聞かせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/202
-
203・石原隆史
○衆議院法制局参事(石原隆史君) お答え申し上げます。
お尋ねいただきました点は、議員立法の立案作業の過程における、依頼者である議員とのやり取りの内容に関するものであり、依頼議員の御意向を踏まえて立案を補佐するという私どもの職責上、お答えすることは差し控えさせていただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/203
-
204・山本太郎
○山本太郎君 本件の成立は二〇〇八年、本案の成立は二〇〇八年、その後、二度改正が行われ、これまでに付された附帯決議は三つです。
過去三つの附帯決議のうち、これまで改正案の条文にその附帯決議の内容が反映されたものはありますか。それは何でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/204
-
205・石原隆史
○衆議院法制局参事(石原隆史君) お答え申し上げます。
私ども衆議院法制局は、その都度、依頼者である議員の御意向を踏まえて立案の補佐をすることを職責としております。したがって、過去の法案について付された附帯決議等の内容との関係をお答えすることは、私どもの職責上困難であると存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/205
-
206・山本太郎
○山本太郎君 これじゃ質疑になりませんよね。
なぜ法案に対してちゃんと答弁してもらえないのか、この委員会をネットで御覧になっている中学生でも理解できるように説明したいと思います。
国会に提出される法案は二種類、内閣提出の閣法と議員が作った議員立法。
大臣、C型肝炎特措法は閣法でしょうか、それとも議員立法でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/206
-
207・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 議員立法と承知しています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/207
-
208・山本太郎
○山本太郎君 議員が作った法律案に対して質問をする場合、その答弁に立つのは主にそれを作った国会議員です。
先ほどC型肝炎特措法改正の採決が行われ成立しましたが、その際、その法案に対する質疑、法案審議は行われませんでした。なぜ法案審議ができなかったのか。
今私が行っている質疑は一般質疑です。一般質疑は、質問に立つ議員の関心がある問題について質問ができる立て付けになっている。でも、私が質問したいのはC型肝炎特措法改正についてです。国の不作為により多くの被害を生み出した薬害、その被害者の大幅救済を行えるよう今回の改正でなぜ進めなかったのか、提案、発議をした議員に直接問いたかったんです。でも、法案審議はなし、一般質疑という形では質疑をさせるということになった。一般質疑では、私が答弁を求める相手は政府になってしまう。でも、本当に話を聞きたいのはC型肝炎特措法の改正に関わった議員たちなんです。
これまで二回も改正されているが、改正の中身はほぼ期間延長のみ。救えていない被害者を何とかする改正ではないからこそ、ややこしい答弁の場には立ちたくない、立たせたくない、全会一致で法案審議もせずに成立させてしまいたい、それが駄目なら法案審議はなしでという国会議員同士のそんたく以外に採決前に質疑を持たなかった理由あるんでしょうか。本会議、国会のスケジュール、そういう話にはなっているけれども、本質はそこではありません。
与野党を超えてテーブルの下でぬるっと手をつなぐこと、その最大の害悪を被害者が被るのはおかしくないですか。C型肝炎特措法で救済された被害者は一〇%程度。救済されない残りの九〇%の人々は、政治による怠慢と傲慢で切り捨てられるんでしょうか。一縷の望みを懸けて政治に期待を抱いて、今日という日を何とか生きる被害者が政治に裏切られる、私はそのような現場を今見ているような気がします。
まずは一歩踏み出さなきゃ、政治で賛同を求めるときによく使われる言葉。でも、法案が通った後は最初の一歩から歩みはほぼ止まったまま、これも政治ではよくあること。しかし、国の不作為によって被害をもたらされた人々は、永田町の非常識に納得しようがありません。附帯決議って何なんでしょうか。ただの飾りでしょうか。当初の理念、目的は忘れられ、達成されないのでしょうか。改正のたびに議論し、被害者全員を救済するという気概、国会は諦めたのでしょうか。
ただ一つだけ希望はあります。この場に立たせてくださった委員長、そして筆頭理事、そして理事、委員の皆さんの存在です。私がこのような発言をするだろうということが分かった上で、修正案の提出と質疑も認めてくださった。様々なしがらみがある中でも被害者救済はやるべきだという皆さんの強いお気持ちが根底にあるからこそだと私は信じたい。修正案も受け付けず、質疑もやらないよという判断もできましたよね。でも、それを行わなかったのは、良識の府、熟議の府の先輩方のお気持ちに違いありません。
法の施行から約十五年、救済率は約一〇%。そもそも被害者認定の在り方がおかしい。政府には被害者の救済を絞りたいという意思があるのではないかと疑いたくなる。この先、被害認定される患者数が大幅に増えることは期待できません。C型肝炎訴訟の提訴される数は、一番多い平成二十年度で千二百十件、直近の令和四年度は四十一件、その減少率は九六・六%。ハードル高過ぎて、カルテとかいろんな問題あり過ぎて、もう無理だと思っちゃうんですよね。
国は、カルテ等の医療書面又は医療関係者等の証人尋問による証明を要求している。医師法でカルテの保存期間は五年、フィブリノゲンの製剤多用期間は昭和四十年代から五十年代であるため、既に医療記録が破棄されている可能性が高い。また、医療関係者の証言にしても、二十年から四十年前の特定の患者について具体的な記憶を期待するのは困難ですよ。閣僚とか与党議員に至っては数年前の記憶ですら、官僚では数か月前という人もいましたよ、記憶にないと発言される方々も大勢いらっしゃるじゃないですか。数十年前の具体的な記憶を被害者に求める、立証させるのは合理的ではありません。実際、カルテがないC型肝炎訴訟の原告は七百六十六名に達しましたが、これまでC型肝炎特別措置法によって救済されたのは僅か八十人。
被害者の声です。公表されたフィブリノゲン製剤納入機関には私が出産した病院の名前がありましたが、カルテの保存期限五年をはるかに超えていました。公表時期は悪意としか捉えられませんでした。カルテがない、カルテがない、カルテがない、どこを問い合わせても私の過去は全て抹消されていました。
ほかにも、都合の悪いことを隠蔽し、もっともっと早い段階で全て公表すべき責任を怠り、その結果、私たちの過去は抹消されてしまいました。それでもなお証拠を出せというスタンスを崩さない被告、国と製薬会社には強く抗議したい。危険と知りながら売り続けた薬でたくさんの人間の命を奪っても患者の方で証拠を出せという対応は、決して許すことはできない。
米国FDAは、一九七七年、昭和五十二年十二月、フィブリノゲン製剤の承認を取り消し、その販売なども禁止。これを日本はいつまで使い続けましたか。血液製剤を安全にするためには、混入したC型肝炎ウイルスの感染力を奪わなければならないといいます。日本では、一九九四年まで、感染力を奪う処理がないままフィブリノゲン製剤を使用していたそうです。
C型肝炎特措法の条文中に、一定の要件があれば投与の事実について推定できる規定を設ける必要があります。カルテがなくても、治療を受けた病院にフィブリノゲン製剤が納入されていた実績がある以上、出産時、手術時に大量出血があったことを母子手帳などに記載してある、又は本人、家族などの証言により多量出血の事実があり、同製剤の使用が推認できる症状であった場合は投与の事実があったものと推定されるべきです。そして、訴訟によらず国との和解を成立させる法制度が必要です。
今回あっさりと否決された私たちの修正案、賛成してくださった方もいらっしゃいました。けれども、あっさりと否決された。今申し上げたようなことを検討に加えるという最低限の修正を、ここにいらっしゃる力のある先生方、この国に生きる人々を思う先生方に実現していただきたいんです。被害者を救えるのは、心あるここにいらっしゃる先輩方をおいてほかにありません。
質疑を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/208
-
209・山田宏
○委員長(山田宏君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後一時二十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X01120221208/209
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。