1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和五年四月二十一日(金曜日)
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令和五年四月二十一日
午後一時 本会議
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○本日の会議に付した案件
日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
午後一時二分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121105254X02220230421/0
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001・細田博之
○議長(細田博之君) これより会議を開きます。
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日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121105254X02220230421/1
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002・細田博之
○議長(細田博之君) この際、内閣提出、日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。文部科学大臣永岡桂子君。
〔国務大臣永岡桂子君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121105254X02220230421/2
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003・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) このたび政府から提出いたしました日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
近年、我が国に居住する外国人は増加傾向にあり、日本語教育を受けることを希望する外国人に対し、その希望や能力等に応じた日本語教育を受ける機会が最大限に確保されるよう、関係省庁の関連施策との有機的な連携を図りつつ、日本語教育の水準の維持向上を図ることが重要です。一方、現在、日本語教育機関における日本語教育の質を示す共通の指標が存在せず、日本語教育を受けることを希望する外国人が必要かつ正確な情報を十分に得られていない状況にあります。また、我が国において日本語教育に関する専門的な知識及び技能を必要とする業務に従事する者の質的かつ量的確保が十分でない状況です。
この法律案は、このような観点から、日本語教育の適正かつ確実な実施を図り、我が国に居住する外国人が日常生活及び社会生活を国民と共に円滑に営むことができる環境の整備に寄与するため、日本語教育機関のうち一定の要件を満たすものを認定する制度を創設するとともに、認定日本語教育機関において日本語教育を行う者の資格について定めるものであります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
第一に、日本語教育機関の設置者は、日本語教育課程を適正かつ確実に実施することができる日本語教育機関である旨の文部科学大臣の認定を受けることができることとし、文部科学大臣が、認定を受けた日本語教育機関の情報を多言語で公表することとしております。また、認定日本語教育機関における教育の質を担保するため、文部科学大臣は、必要な場合に報告徴収、勧告等を行うことができることとしております。さらに、認定基準を定めるに当たり、文部科学大臣は、審議会等の意見を聴くとともに、法務大臣に協議することとしております。また、文部科学大臣及び法務大臣その他の関係行政機関の長による協力についても規定しております。
第二に、日本語教員試験に合格し、かつ、実践研修を修了した者は、文部科学大臣の登録を受けることができることとし、認定日本語教育機関において日本語教育課程を担当する者は、当該登録を受けた者でなければならないこととしております。
第三に、文部科学大臣は、日本語教員試験の実施に関する事務を指定試験機関に、実践研修の実施に関する事務を登録実践研修機関にそれぞれ行わせることができることとするとともに、登録日本語教員養成機関が行う養成課程を修了した者に対しては、日本語教員試験の一部を免除することとし、これらの機関の指定、登録、監督等について所要の規定の整備を行うこととしております。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の趣旨であります。(拍手)
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日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121105254X02220230421/3
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004・細田博之
○議長(細田博之君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。柚木道義君。
〔柚木道義君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121105254X02220230421/4
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005・柚木道義
○柚木道義君 立憲民主党の柚木道義でございます。
私は、会派を代表して、ただいま議題になりました内閣提出法案、日本語教育機関認定法案に対する趣旨説明質疑を行います。(拍手)
また、前段、喫緊の課題についても質問をさせていただきます。
天下り改革について、官房長官に伺います。
防衛費や異次元の少子化対策財源として国民負担増が検討されておりますが、コロナ禍や物価高で生活困窮している国民の皆様に負担を強いるより前に、自民党政権に戻って完全復活している天下りの改革などの歳出削減こそ、真っ先に断行すべきではないでしょうか。
国土交通省OBの天下り問題が発覚をし、現在、立憲民主党において天下り実態調査を行っています。平成十九年度には、天下り団体へ国から十二兆一千億円もの税金が使われたとの調査があります。まずは、天下り団体への支出を整理し、そこから防衛費や少子化財源を捻出すべきではないでしょうか。現在、国から天下り団体へ支出されている予算は一体幾らなのか、官房長官に伺います。
さらに、国土交通省OB天下りでも問題になっている省庁OBによる天下りあっせんは、天下り規制法の抜け穴とされており、法改正をし、禁止すべきではないですか。
異次元の少子化対策についても伺います。
岸田政権は、学校給食無償化といいながら、私や同僚議員が何度も永岡文科大臣に学校給食無償化の実施時期、対象、財源を質問しても、全く未定で、本当にやるのかどうか分かりません。
あさっては、衆参補欠選挙、統一地方選挙の投票日です。選挙向けのパフォーマンスに終わらせないためにも、我々立憲民主党と日本維新の会は、共同で給食費無償化法案を国会に出しています。与党の皆さんはこれを審議拒否せずに賛成いただくのか、又は、投票日までに政府が給食無償化の実施時期、対象、財源を国民の皆様にきちんとお示しされるべきじゃないですか。
また、発足したこども家庭庁の渡辺由美子長官は、就任会見で、財源について、社会保険料だけでなく税も選択肢と発言されています。
小倉少子化担当大臣、異次元の少子化対策の財源は、社会保険料だけで賄う場合は一人当たり年間約十万円の異次元の負担増となり得ますが、片や防衛増税の議論もある中で、今後、政府として、少子化対策増税も含めて財源の議論を行うのか、国民の皆様に明確にお答えください。
旧統一教会についても伺います。
山上容疑者、木村容疑者とも、いかなる理由であれ、暴力による選挙妨害、首相襲撃は決して許されません。
旧統一教会に関しての焦点は、史上初めての質問権行使を決断し、これまで五回に及び行使してきた永岡文科大臣が、来週二十五日の回答期限後に、今度こそ、旧統一教会への解散命令請求を行うかどうかです。もし解散命令請求を行わなかった場合、旧統一教会にお墨つきを与えたとの不満から、山上容疑者らの模倣犯が重ねて出てくる懸念があり、それは絶対に防ぐべきではないでしょうか。
最大の被害防止策が旧統一教会への解散命令であると、被害者や全国弁護団の皆様も言われています。来月七日には、旧統一教会の韓国での合同結婚式に数万人規模で巨額の献金が国内から持ち出され、被害救済の原資が枯渇する事態も懸念されています。旧統一教会への五回目の質問権行使への二十五日の回答期限以降、来月七日の合同結婚式より前に、我々立憲民主党や他の野党からも強く求めてきた解散命令請求を、永岡大臣、今度こそは御決断ください。
日本語教育機関認定法案を伺います。
現在、出入国管理法の改正案審議も衆議院において行われております。我が国に在留する外国人の数は急増しており、それに伴い、日本語学習者や日本語教育機関も増加し、日本語学習ニーズの多様化も進んでいます。
日本語教育の機会及び環境の質的、量的な充実が求められる中、本法律案によって創設される制度は、日本語教育の質的充実施策全体の中でどのように位置づけられるのか。また、日本語教育の機会及び環境の量的充実も必要でありますが、量的充実についてはどのように取り組んでいくのか。文科大臣に伺います。
本法案が提出される背景には、福岡市の日本語学校で留学生を鎖で拘束するなど、人権侵害としか言いようのない行為が行われた事案もありました。このような極端な例は僅かだとは思いますが、入管収容施設で亡くなられたウィシュマさんのような事案もあり、我が国に来られた外国の方々がこのような扱いを受けることは、今後、二度とあってはなりません。
これまで法務省は、一旦告示した日本語学校の状態をどのように把握してきたのか。なぜ告示を受けた日本語学校においてこのようなことが起きたのか。法務大臣に伺います。
あわせて、本法律案により、日本語学校が文科省所管となった後には、このような言語道断の事態は決して起こらないものと考えますが、文科大臣の認識と決意を伺います。
日本語教育推進法においては、日本語教育推進の基本理念として、日本語教育を受ける機会の最大限の確保、水準の維持向上等が掲げられた上で、基本理念にのっとった、国、地方公共団体及び事業主の責務が規定されています。
しかし、文化庁の調査によれば、地域における日本語教育が実施されていない日本語教室空白地域が、全国の市区町村のうち約四六%に当たる八百七十七市区町村あることが明らかとなっています。私の地元の岡山県倉敷市には五つの日本語教室がありますが、働いている方々が通いやすい夜に開催している日本語教室は一か所のみです。しかも、火曜日と水曜日の平日二日のみであります。
文化庁は空白地域を解消するための予算事業等も行っていますが、基本理念に日本語教育を受ける機会の最大限の確保等を掲げながら、依然として多くの空白地域が残る現状をいかに分析されていますか。今後、空白地域解消に向けて、国としていかに地方公共団体との連携協力等を図っていくのか、文科大臣に伺います。
国や地方公共団体による財政面を含めた十分な支援が行われない限り、日本語教育機関が認定を受けることや日本語教員が国家資格化されることは、現在の日本語教育機関や日本語教師にとってハードルが上がるだけになりかねません。
認定日本語教育機関や登録日本語教員による日本語教育が地方も含めて幅広く行われるよう、財政的な支援も含め、国や地方公共団体が積極的な支援を行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。また、国は、本法律案を契機として、地方公共団体への支援の更なる充実を図ることはお考えでしょうか。文科大臣に伺います。
留学生のみならず、就労者や生活者に対する日本語教育が課題となっています。商工会議所の調査によれば、外国人材を受け入れる際の課題として、日本語による円滑なコミュニケーションが困難であることを挙げる企業が約半数を占めたとのことですが、生活面でのサポートを挙げる企業も四割近くに上っています。
そもそも、人手不足を理由に外国人材を受け入れている事業主では、言葉の面倒まで見ることは困難であり、仕事の上で必要な日本語教育は事業主が行うとしても、生活の上で必要な日本語教育は国や地方公共団体が責任を持って行うべきだと考えますが、文科大臣の見解を伺います。
文化庁調査によれば、日本語教育に従事する者について、法務省告示機関、大学機関では、ほぼ一〇〇%が報酬を受ける常勤、非常勤の日本語教師である一方、地域における就労者や生活者の日本語教育を担っている国際交流協会等では、約九割がボランティアであることが分かっています。
このように、ボランティアに依存した現在の日本語教育の状況について、国はどのように分析をしていますか。
また、地域の日本語教育を担っている国際交流協会等が日本語教育機関の認定を受けた場合、登録日本語教員の資格を取得しないボランティアの活躍の場が狭まるおそれがあります。一方で、これらの機関が日本語教育機関の認定を受けない場合は、当該機関においては引き続きボランティアが日本語教育を主に担っていくことになります。
地域における日本語教育において、ボランティアの活躍による地域の多文化共生社会の実現と、登録日本語教員という国家資格化による質の向上とをどのように両立していくべきか、文科大臣の見解を伺います。
本法律案では、文部科学大臣に対して、認定基準を定めるときにあらかじめ法務大臣と協議することが義務づけられるとともに、関係行政機関の長に対して、認定日本語教育機関における日本語教育の適正かつ確実な実施のための連携協力が義務づけられていますが、具体的にどのような連携協力をお考えか、文科大臣に伺います。
また、仮に本法律案が成立した後には、これまでの出入国管理政策に変更が生ずるのか、法務大臣に伺います。
昨今、全国的に学校の教員不足が深刻化しています。教師不足の背景には、長時間労働にもかかわらず残業代が支払われない、定額働かせ放題のブラック職場とも言われる教員の過酷な勤務実態があります。このように、学校の教員すら不足する状況下にあって、優秀な日本語教師を確保するということは至難の業ではないでしょうか。
これまで、留学生を受け入れる機関からは、専門性を有する日本語教師の確保に苦慮しているとの指摘や、日本語教師の処遇について、年収や雇用単価等において専門性が評価されておらず厳しい状況にあるなどの指摘がされていますが、日本語教師の平均年収はどの程度なのか。また、本法律案により、日本語教師が登録日本語教員として国家資格化されることで、給与増などの待遇、処遇改善につながると考えていますか。
一方で、学校の教員採用試験の倍率が過去最低を記録する中、国家資格化されることにより日本語教師になるためのハードルが上がり、日本語教師の志望者が減少することも懸念されますが、文科大臣の見解を伺います。
本法律案では、登録日本語教師になるための日本語教員試験について、文科大臣が指定試験機関にその実施に関する事務を行わせることができるものとされています。一定の要件を満たす一般社団法人又は一般財団法人のうち一機関を指定するとされているのがこの指定試験機関の仕組みですが、この仕組みが悪用され、日本語教育に関連する省庁の新たな天下り先になるようなことがあってはなりません。
指定に当たっての要件、役員の選任と解任についてはどのような手続が取られるのか、文科大臣に伺います。
法務省告示校は、令和五年二月現在、八百三十三校あります。新型コロナウイルス感染症に関する水際対策が強化される前には、毎年約百校から新規に設置申請が行われてきました。また、文化庁調査によると、法務省告示校を含む日本語教育実施機関は、令和三年で二千五百以上となっています。
本法律案の附則による文科省設置法の改正により、現在、文化庁の所掌事務である外国人に対する日本語教育に関することが文部科学省本省の所掌へと移されることになりますが、二千五百校を超える日本語教育実施機関の一定数が認定日本語教育機関に移行していくに当たって、文部科学省本省ではどのような人員、体制で認定を行い、問題校を含めた指導監督に当たることを考えているのか、その人員、体制で本当に実効的な措置を行えるのか、文科大臣に伺います。
以上、委員会審議に先立ち、日本語教育機関認定に関わる論点並びに天下り改革、異次元の少子化対策、旧統一教会への解散命令請求などについては、検討、検討、検討ではなく、決断と実行を強く求めて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣永岡桂子君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121105254X02220230421/5
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006・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 柚木議員にお答えいたします。
まず、学校給食の無償化についてお尋ねがありました。
御指摘の法案につきましては、議員立法であることから、政府の立場からコメントすることは差し控えさせていただきます。
学校給食の無償化については、一部の自治体や学校で学校給食自体が実施されていない状況もあることから、今後、課題を整理する必要があると考えています。
小倉大臣が取りまとめた子ども・子育て政策のたたき台の中でも、「学校給食費の無償化に向けて、給食実施率や保護者負担軽減策等の実態を把握しつつ、課題の整理を行う。」とされております。
岸田総理の下に設置されたこども未来戦略会議において、子ども・子育て政策の強化に向けて更に議論を深めるとされていることから、文部科学省としても、こども家庭庁と連携しながら対応してまいります。
次に、旧統一教会への対応についてお尋ねがありました。
解散命令請求の判断について予断を持ってお答えすることは差し控えますが、解散命令の要件は宗教法人法で厳格に定められており、この要件に該当するかどうかの判断に当たっては、法人の活動に係る十分な実態把握と具体的な証拠の積み上げが不可欠と考えています。
そのため、旧統一教会については、これまで五回にわたって報告徴収、質問権を行使するとともに、全国弁連や被害者の方々からも資料や情報を収集し、分析を進めているところであり、これらを通じて、旧統一教会の業務等に関して、具体的な証拠や資料などを伴う客観的な事実を明らかにするための丁寧な対応を着実に進め、その上で、法律にのっとり、必要な措置を講じてまいります。
次に、日本語教育の質的、量的な充実についてお尋ねがありました。
近年、我が国の在留外国人数が増加傾向にある中で、留学、就労、生活など様々なニーズに応じて、政府として、日本語教育の施策の充実を図っています。
こうした中で、本法案により、質の担保された日本語教育機関を認定し、日本語教員の国家資格を創設することで、これら認定機関や登録教員を活用して、日本語教育施策全体の質の維持向上に努めてまいります。
また、本法案による認定機関を基にした、地域や企業との連携や登録日本語教員の活躍の場を広げることにより、多様なニーズに対応した日本語教育の量的充実も図られるものと考えています。
次に、問題のある日本語学校への対応についてお尋ねがありました。
本法案にかかわらず、日本語教育機関において、留学生に対する人権侵害行為は決してあってはなりません。問題のある日本語教育機関には、在留管理を所管する法務省とも緊密に連携して、厳正に対処してまいります。
本法案では、教育の質を確保するため、一定の要件を満たす日本語教育機関を文部科学大臣が認定するとともに、認定された機関で不適切な事案があった場合、事実関係を確認した上で、勧告、命令、最終的には認定取消しもできることとしています。
次に、日本語教室の空白地域についてお尋ねがありました。
我が国では、日本語教室が設置されていないいわゆる空白地域があり、地域における人材の不足や日本語教室運営のノウハウの不足等が課題と認識をしております。
このため、文部科学省では、地域日本語教育コーディネーターの配置、空白地域の市町村への日本語教室開設支援等を行う都道府県、指定都市への支援を通じて、空白地域の解消に向けて取り組んでまいります。
次に、日本語教育機関や地方公共団体への支援についてお尋ねがありました。
本法案により認定を受けた日本語教育機関に対しては、当該機関に関する情報の多言語での発信や登録日本語教員に対する研修機会の充実などを通じて、支援を行っていきます。
また、本法案を契機として、専門性の高い日本語教育機関と連携したプログラム提供や空白地域の市町村への日本語教室開設等の支援を行い、引き続き、地域における日本語教育環境の充実に向けて、地方公共団体への支援を行ってまいります。
次に、生活の上で必要な日本語教育についての国や地方公共団体の責任についてお尋ねがありました。
日本で生活される外国人の方が自立した言語使用者として生活できるよう、日本語教育の機会を提供することは重要です。
このため、国としては、どの地域でも希望者が日本語学習の機会を得られるよう、地域の日本語教育の体制づくりを支援するとともに、本法案に基づき、生活者向けの日本語教育機関についても、要件を満たせば、今回の新たな制度において認定の対象とすることとしております。
また、地方公共団体においても、日本語教育の推進に関する法律により、地域の状況に応じた必要な施策を行うこととされています。
次に、ボランティア教員と登録日本語教員との両立の在り方についてお尋ねがありました。
地域における日本語教育は、生活者などを対象として、多くのボランティアの方が担っており、今後もボランティアの方の果たす役割は大きいと考えています。
他方、主に留学生を対象とした日本語学校では、日本語教育に関する専門的な知識や技能を有する教員の確保という観点から、資格を有する日本語教員の指導が強く求められます。
こうしたことから、今後も引き続き、地域や留学など様々なニーズを踏まえながら、ボランティアの方と登録日本語教員の双方が活躍していただけるよう、研修の確保等の支援施策の充実に努めてまいります。
次に、関係行政機関の長との連携についてお尋ねがありました。
令和元年に日本語教育推進法の規定に基づき設置された日本語教育推進会議において、関係省庁間で連携方策が取りまとめられ、具体的には、認定日本語教育機関の認定を、在留資格、留学による留学生受入れの要件とすること、日本語教育機関の認定や指導監督を文部科学省と法務省が連携して行うこと、外務省と連携し、認定日本語教育機関の情報を在外公館等で発信することなどが挙げられています。
引き続き、関係省庁とともに、具体的かつ効果的な連携策について検討をしてまいります。
次に、日本語教師の処遇改善についてお尋ねがありました。
文化庁の調査によると、例えば、法務省告示校で働く常勤の日本語教師の場合、年収四百万円未満が約七割となっております。
このため、日本語教師の処遇改善のために、日本語教師の必要性や専門性の社会的認知が求められることから、本法案においては、登録日本語教員の新たな国家資格を設けることとしております。
このような制度化を通じて、登録日本語教員を魅力あるものとし、必要な人員の確保に努めてまいります。
次に、指定試験機関への監督についてお尋ねがありました。
日本語教員試験の実施に当たっては、指定試験機関を指定し、文部科学大臣に代わって試験事務を行わせることができることとしています。
指定試験機関の指定の要件としては、一般社団法人又は一般財団法人であること、経理的及び技術的な基礎を有することなどを設けています。
また、指定試験機関の役員の選任及び解任に当たっては、文部科学大臣の認可を受けなければならないこととしており、適切に対応してまいります。
次に、新たな認定制度の創設に当たっての文部科学省の体制についてお尋ねがありました。
本法律案では、教育機関の質の確保という観点から、文部科学省設置法を改正して、日本語教育に関する事務を文化庁から文部科学省本省に移管し、体制の強化を図ります。
また、日本語教育機関の認定の審査や認定後の監督等に当たり、法務省を始めとする関係省庁と連携し、適切な指導監督を行ってまいります。
こうした措置により、新たな認定制度の実効性の確保に努めてまいります。(拍手)
〔国務大臣松野博一君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121105254X02220230421/6
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007・松野博一
○国務大臣(松野博一君) 柚木道義議員にお答えいたします。
国家公務員の再就職等規制についてお尋ねがありました。
まず、再就職のルールについては、平成十九年に国家公務員法を改正し、再就職に関連して行われる、予算や権限を背景とした現役の職員による再就職のあっせんといった不適切な行為を直接禁止する手法に転換することで再就職の適正化を図り、また、再就職情報を届け出させ、これを公表することにより、再就職の透明性の確保を図りました。
議員御指摘の、国から天下り団体へ支出される予算については、天下り団体が何を意味しているかは不明であり、また、各府省の予算の支出先は公募等の結果により確定するものもあることから、お答えすることは困難ですが、いずれにせよ、各府省の予算は各府省において事業目的等に照らして適切に執行されているものと承知しており、今後とも、国からの支出については、真に必要な経費は適切に措置しつつ、徹底して無駄を排除してまいります。
また、国家公務員OBが現役職員の関与なく行う知人への仕事の紹介や採用活動などは、既に公務を離れた民間人としての活動であり、こうした民間人の活動に対する規制は極めて慎重であるべきと考えます。
いずれにせよ、公務の公正性やそれに対する国民の信頼を確保することは重要であり、第三者機関である再就職等監視委員会による厳格な監視の下、再就職等規制の遵守の徹底を図ってまいります。(拍手)
〔国務大臣小倉將信君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121105254X02220230421/7
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008・小倉將信
○国務大臣(小倉將信君) 少子化対策の財源についてお尋ねがございました。
先般お示しをした試案を実施するための財源については、その施策の内容に応じて、各種社会保険との関係、国と地方の役割、高等教育の支援の在り方など、様々な工夫をしながら、社会全体でどのように安定的に支えていくかを検討していく必要があると考えております。
現時点において、特定の財源を候補として想定しているものではありません。
今後、総理を議長としたこども未来戦略会議において、後藤大臣の会議運営の下、必要な政策強化の内容、予算、財源について、更に具体的な議論を進めてまいります。(拍手)
〔国務大臣齋藤健君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121105254X02220230421/8
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009・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 柚木道義議員にお答え申し上げます。
まず、日本語教育機関における人権侵害行為の把握等についてお尋ねがありました。
出入国在留管理庁では、日本語教育機関への実地調査などを通じ、日本語教育機関において適切な在籍管理が行われているか、人権侵害行為などの告示基準に違反する行為が行われていないかなどを随時確認するとともに、留学生からの協力を得て、留学生に対する違法、不当な行為が行われていないかどうか、実態の把握に努めています。
また、これらの調査により日本語教育機関として不適切な行為が確認された場合には、留学生の受入れを認めないなどの厳正な措置を取ることとしています。
御指摘の事案もこうした実態把握を通じて判明したものであり、その原因も生活指導の域を超えた不当な暴力によるものであったことから、適正な手続を経て厳正な措置を取ったものです。
引き続き、日本語教育機関での人権侵害行為の防止に向けて、関係機関とも連携しつつ、適切に対応してまいります。
最後に、法案成立後の出入国在留管理政策についてお尋ねがありました。
法務省は、現行制度において、留学の在留資格を有する外国人を受け入れる日本語教育機関の適正な運営を期するための指導監督を行っていますが、一方で、日本語教育の質の確保のための仕組みづくりが課題となっていました。
本法案では、教育の質の観点から、日本語教育の適正かつ確実な実施を図るものとされており、法案成立後は、関係省庁が連携しつつ、新たな制度の下でそれぞれの役割を果たす中で、出入国在留管理行政を所管する法務省としては、成立した法案に基づき、日本語教育機関で学ぶ留学生の在留管理、支援に適切に取り組んでまいります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121105254X02220230421/9
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010・細田博之
○議長(細田博之君) これにて質疑は終了いたしました。
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121105254X02220230421/10
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011・細田博之
○議長(細田博之君) 本日は、これにて散会いたします。
午後一時三十八分散会
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出席国務大臣
法務大臣 齋藤 健君
文部科学大臣 永岡 桂子君
国務大臣 小倉 將信君
国務大臣 松野 博一君
出席副大臣
文部科学副大臣 簗 和生君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121105254X02220230421/11
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