1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和五年五月二十四日(水曜日)
午後一時三十八分開会
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委員の異動
四月十九日
辞任 補欠選任
舟山 康江君 榛葉賀津也君
四月二十日
辞任 補欠選任
石井 正弘君 江島 潔君
山本 啓介君 藤木 眞也君
窪田 哲也君 新妻 秀規君
五月二十二日
辞任 補欠選任
梅村みずほ君 石井 苗子君
五月二十四日
辞任 補欠選任
藤木 眞也君 吉井 章君
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出席者は左のとおり。
委員長 古賀 之士君
理 事
上月 良祐君
櫻井 充君
松村 祥史君
和田 政宗君
石垣のりこ君
若松 謙維君
石井 苗子君
委 員
石井 浩郎君
江島 潔君
梶原 大介君
進藤金日子君
滝沢 求君
豊田 俊郎君
羽生田 俊君
橋本 聖子君
広瀬めぐみ君
藤木 眞也君
星 北斗君
宮沢 洋一君
森 まさこ君
吉井 章君
若林 洋平君
鬼木 誠君
柴 愼一君
徳永 エリ君
横沢 高徳君
竹谷とし子君
新妻 秀規君
横山 信一君
松野 明美君
榛葉賀津也君
竹詰 仁君
岩渕 友君
紙 智子君
山本 太郎君
国務大臣
国務大臣
(復興大臣) 渡辺 博道君
副大臣
復興副大臣 竹谷とし子君
経済産業副大臣 太田 房江君
大臣政務官
環境大臣政務官 国定 勇人君
事務局側
常任委員会専門
員 清野 和彦君
政府参考人
復興庁統括官 角田 隆君
復興庁統括官 由良 英雄君
復興庁審議官 森田 稔君
復興庁審議官 岡本 裕豪君
外務省大臣官房
審議官 伊藤 茂樹君
外務省大臣官房
参事官 今福 孝男君
経済産業省大臣
官房福島復興推
進グループ長 片岡宏一郎君
中小企業庁事業
環境部長 小林 浩史君
環境省環境再生
・資源循環局長 土居健太郎君
原子力規制委員
会原子力規制庁
長官官房審議官 森下 泰君
参考人
東京電力ホール
ディングス株式
会社代表執行役
副社長 山口 裕之君
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本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○東日本大震災復興の総合的対策に関する調査
(東日本大震災復興の総合的対策に関する件)
○福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/0
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001・古賀之士
○委員長(古賀之士君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、舟山康江君、窪田哲也君、石井正弘君、山本啓介君及び梅村みずほ君が委員を辞任され、その補欠として榛葉賀津也君、新妻秀規君、江島潔君、藤木眞也君及び石井苗子君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/1
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002・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/2
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003・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に石井苗子君を指名いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/3
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004・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
東日本大震災復興の総合的対策に関する調査のため、本日の委員会に東京電力ホールディングス株式会社代表執行役副社長山口裕之君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/4
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005・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/5
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006・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 東日本大震災復興の総合的対策に関する調査を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/6
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007・江島潔
○江島潔君 自民党の江島潔でございます。
今日は、久しぶりに非常に密な形で東日本大震災の委員会ができますこと、何か元の暮らしが戻ってきたなと、ちょっとうれしくも思っております。
私は、二〇二〇年に菅内閣の下で経産の副大臣を務めさせていただきましたが、その中で最も重責を持ってその任に当たっておりましたのが、あの原子力災害の現地対策本部長の職でございました。当時は、復興庁あるいは経産省の皆さんとともに足しげく現地を訪れさせていただきまして、様々な課題解決に取り組んできたところでありましたが、ちょうどそのときは、これから震災十周年というか十年目を迎えようというところで、まだまだ当時は残された課題も多くあったなというふうに思っております。
今日は、その中から幾つか、その後の動向等について質問させていただこうというふうに思っております。
まず初めに、ALPS処理水関連について少し質問をしたいと思います。
先般、G7広島会合が無事に終わりまして、多くの成果を出したわけでありますけれども、私、大変うれしかったことの一つに、このG7の中で、まず、この福島第一原発の廃炉の進展と、そして、それに、その科学的根拠に基づく我が国の取組をまず歓迎をしてくれたということ、それからもう一つは、このALPS処理水の安全性を評価をするこのIAEA、国際原子力機関のレビューをしっかりとG7として支持をするという、そういう表明がなされたことでございます。
まずは、国内外にこのALPS処理水の安全性というものがしっかりと認知をされなければいけないというふうに考えておりますが、今後のこのALPS処理水の放出に向けた見通し等をまず聞かせていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/7
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008・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答え申し上げます。
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉を着実に進め、福島の復興を実現するためには、ALPS処理水の処分は決して先送りできない課題だと考えてございます。
政府としましては、本年一月の関係閣僚会議におきまして、海洋放出設備工事の完了、工事後の原子力規制委員会による使用前検査、IAEAの包括報告書の発出などを経て、本年春から夏頃に海洋放出を開始することを見込むとお示ししたところでございます。
このうち、海洋放出設備の工事につきましては、放水トンネルの掘削が完了し、着実に進展していると承知してございます。工事完了後、原子力規制委員会による使用前検査を受けることになります。
また、IAEAに関しましては、海洋放出前のレビューの結果を総括しました包括報告書を本年前半にも公表する予定でございます。
引き続き安全確保や風評対策にしっかりと取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/8
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009・江島潔
○江島潔君 この国内外の安全性に対する理解醸成、これには、私は、やはり国際原子力機関、IAEAの客観的な評価というものが非常に重要になってくるんではないかと思っております。
現在の、現時点におけるIAEAによるこのレビューの現状、それから今後の見通し等について説明をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/9
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010・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) 委員御指摘のとおり、ALPS処理水の海洋放出に際しましては、原子力に関する高い専門性を持つ独立した国際機関でございますIAEAによりまして客観的な視点で厳しく確認していただいていることは、安全性を説明していく上で大変重要だと考えてございます。
これまでIAEAの専門家は複数回来日してございまして、レビューを行っています。昨年五月にはグロッシー事務局長が、放出は環境にいかなる害も与えることはないと確信できるとコメントもされております。
また、今年四月二十日には西村大臣がグロッシー事務局長とオンラインで会談を行っておりまして、大臣からは、IAEAによる継続的な情報発信を改めて要請するとともに、科学的根拠に基づく透明性のある情報発信の重要性について確認してございます。
また、本年四月でございますけれども、昨年十一月に行われましたALPS処理水の安全性レビューに関する報告書が公表されております。ここにおきましては、第一回のレビューの指摘が適切に反映されている、IAEAの理解が深まった、追加ミッションは必要ないと明示されておりまして、これまでの日本の取組が適切に評価されているものと考えてございます。
こうしたALPS処理水に関しますIAEAの独立したレビューは、先日開催されましたG7広島サミットの首脳声明においても支持されてございます。
本年前半には、これまでのレビューの結果を取りまとめた包括報告書が公表される予定と承知してございまして、本報告書の内容について透明性高く発信をし、その内容を踏まえた形で、安全性を確保した上で情報発信を行ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/10
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011・江島潔
○江島潔君 昨年の十月に、このオンサイトのところで、日本原子力研究開発機構、JAEAの方の施設であります分析施設がいよいよ開始を、仕事を始めたということでございます。私も竣工式に参加させていただきましたんですけども、こういう東電ではないいわゆる第三者機関がこの処理水の分析を行うということは、私、客観性、あるいは国内外のやはりこの分析に対する信憑性を高めるためには大変重要だと思っておりますが、この第三者分析の取組あるいは結果の公表というものを今後どういうふうにしていくか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/11
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012・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答え申し上げます。
ALPS処理水の処分に当たりましては、規制基準を遵守し、十分に安全性を確保した上で実施することといたしております。
具体的には、トリチウム以外の放射性物質につきまして規制基準を満たすまで浄化した上で、トリチウムの濃度を、規制基準の四十分の一、WHOの飲料水基準の約七分の一であります一リットル当たり千五百ベクレル未満になるように希釈して海洋放出することとしております。
そして、実際の海洋放出前のALPS処理水に含まれる放射性物質の濃度につきましては、東京電力に加えまして、独立した第三者であります日本原子力研究開発機構、JAEAが測定、分析を行い、その結果をウェブページなどを通じて発信していくものと認識してございます。
さらに、IAEAにおきましては、韓国、フランス、アメリカ、スイスといった第三国の研究所の参加も得ながらモニタリングを行ってございまして、その結果につきましてもIAEAが発信を行うものと承知してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/12
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013・江島潔
○江島潔君 このALPS処理水を放出をする結果、やはり一番私たちが気を付けなきゃいけないのは風評対策になるかというふうに思っております。また、この風評対策、海に流しますので、最も影響を受け得る産業はやはり水産業になるんではないかと思います。ですから、これはもう本当にずっとこれからの課題になりますが、この水産業に対する対応、対策、これが最重要課題ではないかと思っています。
今後も引き続き、放出した後も水産物がしっかりと消費をされていって、福島県、この近辺、かいわいの水産業が継続するための政府の取組、支援というものはどういうものか、聞かせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/13
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014・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答えします。
ALPS処理水の海洋放出に当たりましては、風評影響の発生の防止や抑制の観点から、その安全性につきまして一千回以上にわたる説明や意見交換、テレビCM、ウェブ広告、新聞広告等を通じまして、科学的根拠に基づく分かりやすい情報発信を行ってございます。
また、昨年十二月に、三陸・常磐ものの消費拡大に向けた官民連携の枠組みでございます、魅力発見!三陸・常磐ものネットワークを立ち上げておりまして、現在、約一千者の企業などが参加していただいてございます。その取組の一環としまして本年二月から三月にかけて実施しました三陸・常磐ウィークスでは約十五万食を提供し、全国各地で食べていただきました。
その上で、風評影響が発生した可能性のある事案を確認した場合には、事業者へのヒアリングなどにより速やかに実態を把握するとともに、実態に応じた適切な対応を取ることとしてございます。
具体的には、水産物の需要減少などの風評影響が生じた場合、三百億円の基金を活用した水産物の販路拡大や一時的買取り、保管への支援などを実施するとともに、それでもなお風評による損害が発生した場合には、東京電力が適切に賠償を行うこととしております。さらに、昨年度の補正予算におきまして、漁業者の事業継続のために五百億円の基金を新たに措置してございまして、全漁連会長から、信頼関係構築に向けての姿勢と評価する声明も、談話も示されております。
引き続き、科学的な根拠に基づく情報発信や説明、風評対策について全力で取り組んでまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/14
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015・江島潔
○江島潔君 それでは、続きまして、帰還困難区域における取組関連について少し質問させていただきます。
この帰還困難区域における復興、特定復興再生拠点区域、この避難指示解除がおおむね完了したところでありますが、この帰還やあるいは移住も含めまして、更にこれをしっかり進めていきまして、各拠点計画に記載されています目標人口、これを達成をするためには、やはりしっかりと地元に農業やあるいは商工業等のなりわいが再生をされていかなければいけませんし、また買物環境を含む生活環境、これも整備しなければいけません。まだまだこの点に関しましては課題がたくさん残されているんではないかと思っております。
これらの課題に関しましては具体的にどのように対応するか、これは復興庁に質問させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/15
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016・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 御指摘いただきました特定復興再生拠点区域においては、各自治体が作成した拠点計画に基づきまして取組を進め、昨年から今年にかけて各拠点区域の避難指示解除が着実に行われてきたところでございます。
避難指示解除はゴールではなくスタートでございます。各自治体が計画において示している目標等の実現に向けて、今後とも、関係省庁と連携しながら、必要なインフラの整備や生活環境整備などに取り組んでいくことが重要でございます。
具体的には、福島再生加速化交付金等により、町の生活や経済を支える中心地となる市街地の開発や、商業機能、介護、福祉機能を含む生活インフラの確保、新たな住民の移住、定住の促進に向けた支援等を図る取組を進めてまいります。また、自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金によりまして、工場等の新増設を支援いたします。企業立地を促進することで雇用創出の機会を図る取組を進めてまいりたいと考えております。
これらにより、拠点区域の復興再生を加速してまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/16
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017・江島潔
○江島潔君 今答弁いただいた由良統括官とともに随分と当時は現地に足を運んで、この帰還困難区域等の現地視察もさせていただきましたが、ちょうど私がその対策本部長を務めたときに、原子力災害対策本部で特定復興再生拠点の区域外における政府方針が決定をされたと記憶しております。
このいわゆる拠点外の避難指示解除に向けた方針というものを、今後の考え方、聞かせていただければと思います。特に、帰還する住民が安心して戻れるような、生活環境に応じた除染はしっかりと行うべきと考えておりますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/17
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018・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 御指摘いただきましたように、一昨年の二〇二一年八月に、特定復興再生拠点区域外について、まずは二〇二〇年代をかけて、帰還意向のある住民の方々が全員帰還できるよう、帰還に必要な箇所を除染し、避難指示解除を行うという基本的方針を決定をしたところでございます。
江島先生には、当時、原子力災害現地対策本部長として多大な御尽力をいただき、御指導いただきました。本当にありがとうございました。
この基本方針を実現するために、帰還する住民の皆様の生活の再建を目指すための特定帰還居住区域を創設する福島復興再生特別措置法の改正案を今国会に提出させていただいており、この法案の成立により、帰還意向のある住民の方々の帰還を目指してまいりたいと考えております。
また、特定帰還居住区域、この区域の設定の範囲につきましては、帰還する住民が安全、安心に日常生活を営むために必要となる宅地、道路、集会所、墓地などを区域に含めた上で、除染を始めとする生活の再建に向けた環境整備に取り組んでいくことを想定をいたしております。
復興庁としては、御指摘いただいた点を踏まえつつ、帰還する住民が安心して帰還し、日常生活を営むことができるよう、十分に地元自治体と協議してまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/18
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019・江島潔
○江島潔君 それでは、続きまして、被災地における産業復興について幾つか質問させていただこうと思います。
まず、この特定復興再生拠点区域の避難指示が最近解除された地区においてこの復興というものがようやくスタートラインに立てたということではないかと思いますが、先日、双葉町の方で浅野撚糸の福島工場が開所をいたしました。私はこの浅野撚糸の岐阜にある本社の方に開場の前にお伺いをして、社長といろいろお話も聞かせていただいたんですけれども、大変に熱意を持って、この福島の復興のみならず、福島というこの地域を、拠点を、この利点を生かした、企業そのものを大きく伸ばしていこうという、本当に意欲ある経営者だなと感銘を受けたところでありますけれども、こういう企業というものをしっかりとこれから呼び込んでいくということは、やはりこの地域にとって重要ではないかというふうに思っております。この企業進出というものは、これから引き続き復興庁にとっての大きな仕事ではないかと思っています。
特に、この被災した地域の復興度合いというのがやはりまだまだばらつきがありますので、その各地域の状況に応じた企業誘致の支援継続、これが必要になってくるんではないかと思いますが、必要な当然これは財源が求められるわけでありますが、この継続的な財源確保も含めまして、この件に関しまして是非とも復興大臣の御決意を聞かせていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/19
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020・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 委員御指摘のとおり、私も浅野撚糸のオープニングに行ってまいりました。企業の社長が熱心に取り組まれていただいておりますけれども、こういった企業がやはりそこの地域に根付いていくことが大変重要だというふうに私も思っております。
これまで、政府としましては、原子力災害被災地域に対していわゆる自立・立地補助金などによる充実した企業誘致等の支援を行っているところでございます。引き続きまして、これからの復興が本格化する地域の実情に十分配慮をしながら、復興が先行している地域の企業立地の実態も踏まえ、財源確保についても全力で努めてまいりたい、そのように思っております。
原子力災害被災地域の本格的な復興再生に向けて、関係省庁と連携しながらしっかりと取り組んでまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/20
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021・江島潔
○江島潔君 予定の質問をちょっと一問飛ばさせていただきます。
続きまして、今年の四月の一日に、福島国際研究教育機構、いわゆるF―REIと言われる施設が浪江町に設立をされて、これはもう、もちろん福島県とか、福島というそういう範囲を超えて、日本そのものの産業競争力を牽引をする拠点というものをつくっていこうということが期待をされる施設でございます。
一方で、これは、立地は浪江町になりますんですが、浜通りの地域全体がこのF―REIに参画をしてそのメリットを享受できるものでなければならないと、いわゆる大きな範囲でのこの効果が求められるというふうに思っておりますが、この点に関しましてはどういうふうな形でこのF―REIを生かしていくか、復興庁の考えを聞かせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/21
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022・角田隆
○政府参考人(角田隆君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、F―REIの事業、その立地の効果というものは、単に立地の近接地域だけではなくて、復興に取り組む地域全体に広域的に波及するものでなければならないと考えてございます。
F―REIの司令塔機能を発揮するため、今月十日でございますけれども、法定協議会でございます新産業創出等研究開発協議会というものを開催いたしました。そこにおきましては、関係する大学等の研究機関のほか、浜通り地域等の十五市町村にも構成員として参画いただいたところでございます。今後、この協議会の下に広域連携ワーキンググループというものを設置する予定でございまして、研究開発、産業化、人材育成の取組におけますF―REIを核としたパートナーシップによります広域連携体制の構築に努めてまいります。
また、来月からは、順次でございますけれども、十五市町村ごとに、市町村、住民、企業、団体等とF―REIの幹部が直接対話する場といたしまして、F―REI市町村座談会というものを順次開催してまいる考えでございます。地域のシーズやニーズを把握してまいりたいと考えております。
こうした取組を通じまして、F―REIと地域の多様な主体との間で様々な形のパートナーシップによる連携を深めまして、世界でここにしかない多様な研究、実証、実装の場を実現することで、その効果を広く浜通り地域等全体に波及させてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/22
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023・江島潔
○江島潔君 様々なこうした前向きな動きというものも見ることができまして、一歩一歩、私は復興は進んでいるというふうに感じておりますが、この避難指示解除のタイミングがやはり地域によってまちまちでありますので、この地域ごとの復興の状況には大きな差が出てきているのではないかと思います。今後、長い時間を掛けてこの支援を行っていくことがやはり地域全体のために必要であると思っております。
いわゆる第二期復興・創生期間終了後の支援の仕方につきまして、復興大臣のお考えを聞かせていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/23
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024・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 第二期復興・創生期間以降における東日本大震災からの復興の基本方針においては、福島の復興再生には中長期的な対応が必要であり、第二期復興・創生期間以降も引き続き国が前面に立って取り組むこととしております。こうした状況に鑑み、令和三年度から当面十年間、復興のステージが進むにつれて生ずる新たな課題や多様なニーズにきめ細かく対応していくこととしております。
私自身、現場主義を徹底いたしまして、時間を見付けて福島を訪問しておりますが、特定復興再生拠点区域での避難指示が解除されたばかりの地域など、まさに復興のスタートラインに立ったところであり、福島の原子力災害被災地域における復興再生は中長期的な対応がとても必要であるというふうに感じているところであります。
引き続きまして、被災地の皆様方に寄り添いながら、復興に全力で取り組む所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/24
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025・江島潔
○江島潔君 今、大臣の心強い、これからのこの長期にわたる支援体制という御決意を聞かせていただきましたので、私も安心をしたところであります。
いずれにしても、決してこの福島の復興というものは風化させてはいけませんし、私たちも忘れてはいけないというふうに思っております。特に、今年はこのALPS処理水を放出するという、恐らくは、今でも既に幾つかの国は、これを騒ぎにしようと一生懸命火をたきつけてあちこち回っているというような国も散見されますし、私たちこそ本当に冷静にしっかりと受け止めていかなければいけないというふうに思います。
先日、戸田のボートレース場という、いわゆる競艇事業の、そこを使って大きなイベントが開催をされました。これは、私、前職は下関の市長をしておりましたんですが、下関にもボートレースがありまして、全国に二十四場あるその仲間でいろんな時々イベントをやるものです。で、ここの、戸田のこのイベントにお願いを申し上げまして、福島の物産品を販売をするブースを設けてもらいました。当日、ちょうど二十日、二十一の土日だったんですが、特に二十一日は天気も良かったこともありまして、物すごい大勢のお客様が来てくださいまして、福島物産品は本当にもう品物がみんななくなるぐらい、物すごい売行きが良かったわけであります。
これは、機会あるごとに、ですから、水産物でいえば常磐もの、あるいはいろいろ農産物も含めて販売をする、そういうチャンスを見付けていけば、必ずやこれは福島産品の安心性、それから、何といっても、おいしいものがあるということがしっかり皆さんに理解をいただけるのではないかと思います。
当日も、川俣のシャモ、それからなみえ焼きそば、それからメヒカリの空揚げなんかもよう売れていました。それから、一番人気だったのは常磐ヒラメバーガーという、ヒラメを丸ごとフライにしたものをハンバーガーにして、これはもう大行列ができて、移動販売車が来ていたんですけれども、売り切れるという、やはりおいしいものを提供すれば必ず理解していただけるなということも痛感をしたところであります。
是非、大臣におかれましても、様々な機会があると思いますので、そこでこの福島物産品展を取り組んでいただくということを、また是非復興庁全体のテーマとして取り組んでいただければと思います。
今後の復興に対する大変大臣の心強い、力強い御発言を聞いて、私も少し安心いたしました。ありがとうございました。
以上で終わります。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/25
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026・古賀之士
○委員長(古賀之士君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、藤木眞也君が委員を辞任され、その補欠として吉井章君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/26
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027・柴愼一
○柴愼一君 立憲民主・社民の柴です、柴愼一です。
質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。この委員会で初めての質問となります。どうぞよろしくお願いします。
渡辺復興大臣先頭に、復興庁を中心に、政府の各機関が被災地、被災者に寄り添う復興再生に取り組まれていること、敬意を表したいというふうに思います。
私自身は被災地の出身ではないんですが、妻が福島出身でして、今も実家には義理の母や弟夫婦がいて、福島、第二のふるさとだというふうに思っています。
私も発災当時は、郵政グループで働く組合員で構成するJP労組の本部の交渉担当の役員として会社との交渉に当たっていました。発災後のあの大混乱や徐々に復興が進んでいくあの目まぐるしい状況変化の中で、大変混乱する職場実態に、現地と連携しながら会社交渉に取り組んだということは、今も鮮明に覚えています。
現地の組合員は、自ら被災者であるにもかかわらず、避難所等に身を寄せる被災者のために、手紙や荷物を届けるべく懸命に業務に取り組んできました。そして、今も、被災地それぞれの復興状況にある中で、苦労しながら懸命に頑張っています。
もうちょっと紹介させていただくと、津波で全壊し、社員十三人が亡くなったあの陸前高田郵便局ですが、発災後、もう一週間後には市内の公民館を借りて郵便の業務を再開をしてきました。その後もプレハブの仮局舎で業務を続けてきましたが、やっと昨年の四月に、十一年一か月を経てやっと新しい局舎で業務をスタートすることができたと。組合員たちも本当に喜んでいたんですが、地元の皆さんにも喜んでいただいたというふうに報道も、私も聞いています。
郵政事業に携わった者として、政府が保有する日本郵政株の売却益が復興財源の一部になったということ、本当に郵政民営化で厳しい経営状況で、株価がなかなか上がらなくて、最初は良かったんですが、売れないんじゃないかということ含めて、何とか株価を維持して、当初予定された額を確保して被災地の復興再生に貢献できたということは、みんなの誇りになっています。
自然災害の多い我が国にあって、災害時の停電などで電気通信が途絶えたところの中で郵政グループが果たした役割は非常に大きいというふうに思っています。物流に携わる方、皆さんそうだと思います。当時はリアルのネットワークの重要性がクローズアップされましたが、それも忘れられつつあるんじゃないかと。その機能の維持を一民間企業の経営努力に任せている現状には強い問題意識を持っています。
そんな仲間の姿を胸に、そして、今も避難生活を送られている方を始め、困難な状況にある方々に思いをはせて、政府の認識、今後の対応について質問させていただきたいと思います。
ちょっと前置き長くなりました。済みません。
まず、私は財政金融委員会にも所属をしておりますということで、今般の抜本的に強化される防衛費の確保に向けて昨年末に閣議決定された税制措置で、所得税額に対して一%の新たな税額、付加税を課すと、そのために復興特別所得税の税率を一%引き下げると、で、課税期間は延長するということとされています。これ、私は復興特別所得税の流用だというふうに思っていまして、とんでもないことだというふうに申し上げたいと思います。
そこで、復興に取り組む復興庁としての受け止めをお聞かせいただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/27
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028・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 今回の防衛力強化に係る財源確保のための税制措置は、防衛力強化のための新たな付加税をお願いすることに伴いまして、現下の家計の負担増にならないよう、復興特別所得税の税率を引き下げるとともに、課税期間を延長するものであります。
復興庁といたしましては、復興事業に影響を及ぼさないことが最も重要であり、そのための復興財源の総額の確保が大前提であると考えております。この点、今回の措置における課税期間の延長幅は、復興財源の総額を確保するに、確実に確保するために必要な長さとされており、復興特別所得税を転用するものではなく、復興事業に影響を及ぼすこともないと考えているところでございます。
引き続きまして、被災地の声に耳を傾けて、寄り添いながら、丁寧な説明に万全を尽くしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/28
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029・柴愼一
○柴愼一君 政府の一員としての立場は十分理解するということですが、渡辺大臣は、この三月十日の委員会での所信表明で、福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なしと、強い決意を示していただいております。
今言っていただいたように、事業には影響がないんだということは十分、復興事業には影響ないということは理解をしていますが、被災地、被災者に寄り添い、復興再生に進める役割として、大臣としての率直な思いをお聞かせいただけないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/29
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030・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 繰り返しになりますけれども、復興大臣として、先般、私の思いを、福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし、こういった思いをずっと私自身は持っております。そうした状況の中を考え、私自身の思いを表現したのはその言葉でありますし、復興事業に今回のものは影響を及ぼさないことが最も大事だというふうに思っておりますし、そのため、復興財源の総額の確保というのは大前提だということは先ほども申し上げたとおりであります。
その観点から申し上げますれば、今回の税制措置については、復興財源の総額を確保することが大前提になっておりまして、復興事業を進めていく上で何ら支障が来すものではないと私自身は承知をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/30
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031・柴愼一
○柴愼一君 ありがとうございます。そのぐらいにしておこうと思います。
そうすると、今回のその税制措置については、被災地、被災者の皆さんの声は復興庁にはどのように寄せられているでしょうか。被災者の声を聞いていただいているというふうに思いますが、どのような声を、復興庁、受け止めていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/31
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032・森田稔
○政府参考人(森田稔君) お答えいたします。
復興庁といたしましては、大臣を筆頭に、政務二役、復興庁職員、現場主義で、被災地に直接赴くなどして地元からの御意見をお伺いするよう努めておるところでございます。
その中で、昨年十二月、復興特別所得税の転用といった形の報道が出た後には、復興に影響が出ないのか、復興のための財源が削られるのではないかといった懸念が上がっていたものと承知をしてございます。
そうした御懸念に対しまして、本措置が復興財源の総額確保が大前提であること、復興特別所得税を転用するものではないこと、復興事業に影響がないことなどについて繰り返し大臣の記者会見等の場で御説明をしてきたところ、復興特別所得税の取扱いそのものにつきましては誤解というものが解消されてきているのではないかと考えております。
一方で、引き続き、被災地の声に耳を傾けながら、寄り添いながら、丁寧な説明には万全を期してまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/32
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033・柴愼一
○柴愼一君 ありがとうございます。
今の説明でいうと、大分誤解は晴れてきたという認識なようですが、いや、まだまだ納得をされているという方は少ないんじゃないかというふうに思います。額の話じゃないんだというふうに思っていまして、そのことは丁寧にやっぱり説明をしていくことが必要だというふうに思います。
今後どのように説明をまたしていくのかということを、お考えあれば教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/33
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034・森田稔
○政府参考人(森田稔君) お答えいたします。
防衛力強化に係る財源確保のための復興特別所得税の措置に関しましては、大きく二つの御指摘あるいは御懸念をいただきます。そのことを申し上げさせていただきます。
一点目は、やはりこの復興特別所得税を防衛目的に転用するものであって、復興予算の確保に影響があるのではないかといった点、二点目が、単年度での税収が減少するという影響が出ますので、毎年の復興事業の執行に支障を来してしまうのではないかといった点でございます。
一点目の、復興特別所得税が転用され復興予算の確保に影響があるのではないかという点に対しましては、今回の措置が、防衛力強化のための新たな付加税をお願いすることに伴い、現下の家計の負担増にならないよう、復興特別所得税の税率を引き下げるとともに課税期間を延長するものであり、その課税期間の延長幅については復興財源の総額を確実に確保するために必要な長さとされていること、したがいまして、本措置は復興特別所得税を転用するものではなく、復興財源の総額を確保することを大前提としていることから復興予算の確保に支障を来すものではないということ、こういった御説明、それから二点目の、税率の引下げにより単年度での復興特別所得税の歳入が減少するために事業執行に支障を来すのではないかという点に対しましては、復興特別会計におきましては復興債の発行を通じた柔軟な資金調達が可能であるため、単年度での税収が減少したとしても毎年度の復興事業の円滑な執行には問題が生じるものではないこと、こういった説明に努めてきておりますが、今後とも、今回の措置によって復興事業に何ら支障を来すことがないことについては、被災地の皆様の誤解あるいは不安を払拭すべく、丁寧な説明に万全を期してまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/34
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035・柴愼一
○柴愼一君 理屈はそのとおりだというふうに思いますが、やっぱり津波エリアの復興再生に当たって、今は心のケアの段階だというようなことでいくと、やっぱり心に寄り添っていくという対応が本当に大事だというふうに思っています。
今後、参議院の財政金融委員会では、この防衛財源確保法の審議における被災地、被災者の皆さんの声を聞く公聴会の開催の必要性について議論がされる、理事会等で求められていくと、求めていくということになると思いますが、その公聴会の開催の必要性について、大臣もお考えあれば教えていただきたいと思います。お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/35
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036・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 公聴会の開催につきましては国会でお決めいただくことになっております。したがいまして、答弁は差し控えたいと思っております。
いずれにしましても、先ほど政府参考人が答弁したように、様々な機会を捉えて、私どもは丁寧に説明をしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/36
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037・柴愼一
○柴愼一君 権限外であること十分理解をしていますし、今、様々な機会で説明する場というふうにおっしゃったとおり、やっぱりそういう場ができる限り様々あった方がいいんですよねということを含めていけば、公聴会開かれた方がいいんじゃないかなというふうに思っていたりすることを含めて、ちょっともう一回本音をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/37
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038・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 公聴会につきましては、それぞれの委員会で、財金委員会でお決めいただく、国会でお決めいただくということでございますので、私は、それはコメントは差し控えますが、復興庁としましては、あらゆる機会を捉えて説明をしていきたいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/38
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039・柴愼一
○柴愼一君 また本音をちょっと聞かせていただけずに、残念でした。
じゃ、続いて、ALPS処理水についてお伺いいたします。
ALPS処理水については、今年の春から夏頃をめどに海洋放出するとの政府方針があります。そのことを踏まえると、今もうぎりぎりの判断の段階にあるんではないかというふうに認識していまして、しっかりと政府の見解をお示しいただきたいというふうに思います。
まずは、ALPS処理水の処分については、その処理方法が幾つかある中で、政府は海洋放出するとの決定を行いました。そして、そのことについての理解、納得がない中では、どのような説明を行っても理解が得られないんじゃないかと。今説明していても、モニタリングするとか安全性を確かめますとかということであっても、その方法自体に納得感がなければ御理解いただけないんじゃないかというふうに思っていまして、改めて、海洋放出とした理由とその選択方法の妥当性について、関係者に対してどのように理解を得るような説明をしているのか、お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/39
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040・太田房江
○副大臣(太田房江君) お答え申し上げます。
第二の故郷ということでいらっしゃいますけれども、福島の復興は、東電福島第一原発の廃炉が大前提であります。今後、より本格化する廃炉作業を安全かつ着実に進めるためには、新しい施設を建設しなくてはなりません。そして、そのために、ALPS処理水を処分してタンクを減らすことが必要であります。こうした点から、福島復興の実現のために、ALPS処理水の処分は決して先送りすることができない課題として私ども捉えております。
ALPS処理水の処分に当たっての、この決めた経緯ということでございますけれども、その点につきましては、二〇一三年十二月から六年にわたりまして、様々な分野の専門家が様々な選択肢を議論してまいりました。すなわち、土木や放射線、風評等の専門家が集まって、そして地層への注入や地下への埋没といった手法について議論を重ねてまいったわけです。その上で、国内で実績があってモニタリングを行いやすい海洋放出が現実的な対応であるということで報告書を取りまとめたものでございます。
この報告書が取りまとめられました二〇二〇年二月以降に、経産省等の関係省庁が出席をいたします御意見を伺う場を七回開催いたしまして、二十九団体、四十三名の方から意見を伺いながら、また書面による意見募集も行うなど、ALPS処理水の取扱いについては丁寧にかつ時間を掛けて検討を進めてきたところでございます。その上で、二〇二一年四月にALPS処理水を海洋放出するという基本方針を決定させていただきました。
このALPS処理水の海洋放出につきましては、IAEAも、技術的に実現可能であり、国際慣行にも沿っているという評価をいただいております。
これまでも、この処分方法を含めまして、経緯等説明、情報発信を丁寧に行ってきたつもりでございますけれども、引き続いて、このことを私どもも丁寧に、かつ皆さんに分かっていただくようにやってまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/40
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041・柴愼一
○柴愼一君 ありがとうございます。
関係者に理解を求めるその説明には、その部分を是非丁寧に御説明いただきたいというふうにお願いいたします。
続いて、現在の汚染水の発生状況についてお聞かせください。
現在、日々汚染水発生をしていて、一生懸命ALPSで処理しているということだと思いますが、その発生の状況と保管の現状についてお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/41
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042・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答え申し上げます。
汚染水の発生量、これを減少させることが大変重要だと考えてございまして、これまで、雨水の浸透防止のための敷地の舗装、地下水を汚染源に近づけないための凍土壁の設置、あるいはサブドレーン、井戸でございますけれども、による地下水のくみ上げなど、対策を着実に進めてきてございます。
昨年度でございますけれども、年間の降雨量が平年より少なかったこともありまして、敷地の舗装などの効果が、対策が効果を奏しまして、一日当たり汚染水の発生量は約九十立方メートルと、対策前の二〇一四年五月と比較しまして約六分の一まで低減してございます。
また、お尋ねの処理水の保管の量でございますけれども、タンクの容量が約百三十七万立方メートルございますけれども、四月二十日の時点で約三十三万立方メートルと承知してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/42
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043・柴愼一
○柴愼一君 ありがとうございます。
保管のタンクの状況について、今何%ぐらいになっているというようなことがあれば、その処理に、海洋処理に、放出に向けて時間的な判断の余裕があるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/43
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044・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) 今お答え申し上げましたとおり、タンクの容量は百三十七万立方メートルでございます。このうち、四月の二十日の時点で約百三十三万立方メートルとなってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/44
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045・柴愼一
○柴愼一君 ありがとうございます。
報道では、九七%ということ、そして、タンクのいっぱいになるのは、当初予定からはちょっとずれて、二〇二四年の二月から六月頃というふうに報道もされています。
ロードマップでは二〇二五年以内に汚染水の発生を一日百立方メートル以下に抑制との目標も、今お聞きすると大体九十立方メートルだということでいくと、その目標は何とか達成できるのかと、そんな見込みでいらっしゃるかどうか、お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/45
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046・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) 御指摘のとおりでございますけれども、昨年の降雨量が少なかったこともありまして、一日当たりの汚染水発生量は約九十立方メーターとなってございます。目標は百立方メートルでございますので達成しているわけでございますけれども、年間の降雨量、これ平年より少なかったものでございますので、引き続き対策を行っていく必要があると考えてございます。
また、今後につきましても、一号機から四号機の建屋の周辺の敷地の舗装の範囲、これを拡大するでありますとか、あるいは、建屋の止水を、局所的な止水を計画的に進めるということで引き続き減らしてまいりまして、二〇二八年度までに一日当たり約五十から七十立方メートルに減らしていきたいと、このように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/46
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047・柴愼一
○柴愼一君 ありがとうございます。
汚染水をできる限り発生させない対応がやっぱり重要になってくるというふうに思います。
凍土壁は長期運用を想定していないというようなことも聞いたことがあるんですが、今後の対応予定について考えがあれば教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/47
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048・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答え申し上げます。
凍土壁でございますけれども、二〇一八年九月に凍結が完了してございまして、現在、地中の温度、これを監視しながら維持管理運転を実施してございます。これにつきましては、長期間にわたって維持管理を続けられるように設計、建設されてございます。
例えば、凍土壁を構成します凍結管、これは三重構造になってございまして、たとえ破損しても、外側の管によって機能が維持されます。その間に破損箇所を交換するだけで修復が可能でありますとか、あるいは、万が一何らかの理由で冷却機能が一時的に止まったとしても、凍土が解けるまでには数か月掛かる見込みでございまして、その間に凍土壁の機能を維持したまま修復することは十分可能だと考えてございます。
凍土壁、先ほど申しました汚染水の発生量の低減に寄与している対策の一つでございますので、引き続き必要な管理をしながら運用を続けてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/48
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049・柴愼一
○柴愼一君 この処理も、非常に息の長いというか、期間が掛かる対応になるというふうに思います。今後も科学的知見に基づく実効ある対応を要請したいというふうに思います。
続いて、このALPS処理水処分のゴールというのはいつを予定をされているのか、どのぐらいの期間を予定しているのかということがあれば教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/49
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050・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答え申し上げます。
二〇二一年四月に決定しました政府の基本方針におきましては、ALPS処理水に含まれるトリチウムの年間の放出量、これを事故前の福島第一原発の放出管理値であります二十二兆ベクレル未満としてございます。
この方針に基づきまして東京電力がシミュレーションを行っておりますけれども、このシミュレーションにおきましては、一定量の汚染水、これは発生し続けるということを前提としましても、福島第一原発の廃止措置完了まで、終了までには海洋放出を完了できる見通しであるということを示してございます。
なお、国が定めました中長期ロードマップにおきましては、二〇四一年から二〇五一年までに廃止措置を完了することを目標としておりまして、東京電力のシミュレーションにおいては、この時期に海洋放出が完了できるという見通しとなってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/50
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051・柴愼一
○柴愼一君 ありがとうございます。
汚染水は、ですから、今言われたとおり、日々やっぱり発生してしまうということですし、これは廃炉が完了するまでは続くんだということだと思います。関係者の皆さん、本当に努力をいただいているというふうに思いますが、現状ではなかなか終わりの見通せない、極めて長期間にわたる取組であることを踏まえて、是非しっかりした対応をいただきたいというふうに思います。
続いて、先ほども質問ありましたが、準備作業の現状や海洋放出に向けたスケジュール感です。海洋放出に向けた準備作業、工事とか進捗の状況、設備工事の進捗の状況、また規制委員会の使用前検査、またIAEAのレビュー、報告書などについて、現在の状況についてお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/51
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052・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答え申し上げます。
ALPS処理水の海洋放出に当たりましては、海洋放出設備工事の完了、工事後の原子力規制委員会による使用前検査、それからIAEAの包括報告書の発出などを経て開始することとしてございます。
このうち、海洋放出設備の工事につきましては、放水トンネルの掘削、トンネルを掘ることですけれども、掘削が完了してございまして、今後、掘削機の撤去工事を行っていくことになります。本年度第一・四半期中の設備設置完了に向けまして着実に進展していると承知してございます。工事の完了後、原子力規制委員会による使用前検査を受けることとなります。
また、IAEAにつきましても、専門家が複数回来日してレビューを行っております。ALPS処理水の安全性や規制プロセスの妥当性につきましては、既にレビューに基づきました報告書も公表されてございます。今後、IAEAは、処理水の分析結果を示した報告書を公表した上で、海洋放出前のレビューの結果を総括いたしました包括報告書を本年前半にも公表する予定と承知してございます。
本年一月、ALPS処理水の処分に関する基本方針の着実な実行に向けた関係閣僚会議におきまして示したとおり、これらの対応を踏まえまして、本年春から夏頃に海洋放出を開始することを見込んでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/52
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053・柴愼一
○柴愼一君 今、早口でいろいろ言われたんですが、もろもろの準備が終わらないことには実際の海洋放出の判断ができないというふうに思うんですが、準備は大体終わっているという認識なんですか。工事は終わったけど、何か機械を取るとかって言われていた点、いつ終わるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/53
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054・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) 工事につきましては、放水トンネル、これの掘削、つまり放水トンネルが海洋の放出口まで到達する、これ到達してございます。ただ、シールドマシンがまだ海の方にありますので、それを引き揚げるといったような作業は残ってございます。
ただ、これら作業も含めまして、本年度第一・四半期中の設備工事の設置を完了させるということが東京電力において目標として公表されておりますので、それに向けて着実に進展しているというふうに承知してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/54
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055・柴愼一
○柴愼一君 じゃ、その工事が終わればいよいよ実施判断をどうしていくかということになっていくというふうに思います。
海洋放出の実施を何をもって判断するのかということについてお聞かせいただきたいと思います。
ちょっと、先ほどの新聞記事でちょっと引っかかったのですが、タンクの満杯になる時期が二〇二四年の二月から六月頃になるとの試算を発表しましたと、保管できる期間については余裕ができるけど、東電は今年春から夏頃とする放出開始目標は変更しないとしているという報道なんですと。別に東電が判断するわけではないですよねって、政治が、政府が責任を持って実施の判断をするんだというふうに認識していますが、その点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/55
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056・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) 御指摘のとおり、これまでやってございます様々な説明等々ございます。それから、安全の確認、これ規制委員会の確認もございます。その上で、ALPS処理水の具体的な放出の時期につきましては、安全性のこうした確保の状況でありますとか、あるいは風評対策の取組の状況、これを政府全体で判断しまして、確認しまして、判断していくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/56
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057・柴愼一
○柴愼一君 政府と東電は二〇一五年に福島県漁連に対して、関係者の理解なしにはいかなる処分、海洋放出も行わないということをお約束いただいているというふうに認識しています。
施設面などの準備が完了した後に実際に実施を判断するということとなりますが、関係者の理解なしに行わないとしている政府見解踏まえて、何をもって実施の可否を判断するのか、政府のお考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/57
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058・太田房江
○副大臣(太田房江君) 今御指摘のございました福島県漁連に対する関係者の理解なくしていかなる処分も行わないという回答につきましては、これは、人によって受ける影響の度合いや背景が異なっておりますから、関係者の範囲を明確に線引きすることは困難というふうに考えております。
いずれにせよ、漁業者や地元の皆様を含めた多くの方々の御懸念や御質問に耳を傾けて丁寧に説明を重ねることが重要で、その上で、今申し上げましたように、ALPS処理水の具体的な放出時期について、安全性の確保、風評対策の取組の状況、政府全体で判断をし、確認をし、最終的な判断を行ってまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/58
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059・柴愼一
○柴愼一君 ありがとうございます。
今言われたとおり、関係者って様々あるんだというふうに、様々な方々がいらっしゃるというふうに思います。漁業関係者の皆さんもそうですし、もう少し具体的に、どんなような方々をイメージしているのか、先ほどIAEAもありましたし、国連の機関もあるのかなというふうに思います。今は韓国からの視察団もいらっしゃっているということを含めていけば、どんな方々をイメージをされているのか、もう少しお聞かせいただけたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/59
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060・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) 関係者の理解なくしていかなる処分も行わない、これは福島県漁連に対しまして経済産業大臣として回答を申し上げておりまして、この約束、方針につきましては遵守してまいりたいと考えてございます。
他方で、関係者とはどの範囲かという御指摘かと思いますけれども、人によって受ける影響の度合いでございますとか、あるいは背景も異なりますので、関係者の範囲を明確に線引きするということは困難だというふうに考えてございます。
いずれにしましても、漁業者の皆様あるいは地元の皆様を始め、多くの方々の御懸念あるいは御質問に丁寧に答えて、説明を重ねてまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/60
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061・柴愼一
○柴愼一君 ありがとうございます。
ですから、関係者といえば、みんな、私も関係者だとか言えると思うんですが、様々な関係の度合いは違うということですが、懸念が寄せられているとすれば、政府としてそのことには丁寧に対応いただくということを是非お願いしたいというふうに思います。
福島県漁連の皆様はやっぱり極めて重要な関係者だと、理解いただくための努力を積み重ねていく必要があるものというふうに認識しています。一方で、福島県漁連の皆様に大きな責任を負わせることもあってはならないんじゃないかというふうに思っています。
立憲民主党の仲間で現地視察に行きました。その際に福島県漁連の皆様と意見交換をすることができましたが、本当に苦しんでいる様子に胸が痛みました。政府として、できる限り漁業関係者の皆様に寄り添った対応を求めたいというふうに思います。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/61
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062・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答え申し上げます。
御指摘のとおり、福島県漁連の皆様からは、反対の立場は変えられないと。そういう中でも繰り返し説明をさせていただく機会をいただいておりまして、丁寧に安全性、それから風評対策、これについて御説明をしているところでございます。
御指摘のとおり、この福島を含めて、漁業が継続していくということが非常に大事だというふうに思ってございます。被災地を含めました水産物が引き続き流通していく、あるいは食べられていくという環境の整備でございますとか、あるいは万が一風評が発生した場合に一時買取り、保管を行う基金の造成、あるいは漁業継続のための支援策、こうしたものを講じてございまして、引き続き安全性及び風評対策を丁寧に御説明してまいりたいと、このように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/62
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063・柴愼一
○柴愼一君 ありがとうございます。
日本政府に対して国際社会が様々な懸念を表明をされているというふうに思います。データ等の情報開示も含めて、理解を得るための対応をどのようにこれからも進めていくのか、お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/63
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064・太田房江
○副大臣(太田房江君) 国際社会に対する説明、丁寧にということでございます。
国際社会に対してもこれまで本当にあらゆる機会を使って丁寧な説明をしてきておりますし、また、今も、先ほど御指摘がございましたように、韓国からの視察団が来日しておられます。韓国から、今回、三日間ずっと、福島第一原発を含めまして丁寧な視察を行っていただいておりますが、こういう機会を捉えて、私ども、韓国国内はもとより、世界に向かってALPS処理水海洋放出の安全性について理解が深まるように努めていく考えであります。
また、さきに行われましたG7広島サミットの首脳声明においても、処理水の安全性を評価するIAEAのレビューを支持するという文言がはっきりと盛り込まれました。
こうしたことを重ねていくことによって、国際社会がこのALPS処理水の放流に対してしっかり理解が進むように、更に努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/64
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065・柴愼一
○柴愼一君 誤った理解に基づく発信にはしっかりと反論していくことが大切だというふうに思いますが、逆に、不安に対しては丁寧な対応を粘り強く行っていただくことが重要だというふうに思いますので、その辺りを是非お願いしたいと思います。
続いて、風評被害対策含めて、補償についてもちょっとお聞かせいただきたいと思います。
海洋放出が実施された場合、風評被害を防止する対策として様々なモニタリングを継続的に行って情報発信していくということが重要だということはもちろんですが、まず政府において万全を期していただきたいというふうに思いますが、そのことに加えて、住民の方々始め、利害関係者、利害関係団体の参加を含めた情報提供や意見交換の場の設置が必要だというふうに考えますが、御見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/65
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066・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答え申し上げます。
ALPS処理水の海洋放出後における環境中のモニタリング、御指摘ございましたけれども、これにつきましては、政府の総合モニタリング計画に基づきまして、関係省庁や東京電力におきまして海水あるいは水産物のトリチウムの濃度などを把握することとしています。また、こうした測定の結果につきまして、流通事業者、食品を流通させる流通の事業者でありますとか、あるいは地域の住民の皆様に分かりやすく伝えていくことが重要だと考えてございます。
環境省におかれましては関係機関によるモニタリングの結果をまとめましたポータルサイトを立ち上げておりますし、経済産業省におきましては、流通小売業者を対象にしたシンポジウム、これを何度も開催しておりまして、モニタリングの実施でありますとかその結果の見方につきまして説明を行う、こういった取組を行ってございます。
引き続き分かりやすい丁寧な情報発信に努めてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/66
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067・柴愼一
○柴愼一君 ありがとうございます。
風評被害が発生した場合の補償については先ほどお聞かせいただいたというふうに思いますが、風評被害が発生してしまった場合、日々の生活、経済的な補償を万全に行っていただくことはもとより、もう当然のことですが、漁師の誇り、働く者の尊厳を守ることについても是非踏まえた対応を要請したいというふうに思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/67
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068・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答え申し上げます。
御指摘の風評影響、この実態につきましては、漁業者団体でありますとか、県庁あるいは水産庁などからその可能性のある事案、連絡もし受けました場合には、その事業者にヒアリングをさせていただいて速やかに実態を把握すると、把握をし、実態に応じた適切な対応を取ることとしたいと考えてございます。
具体的に申し上げますと、取引先に事実関係を確認するでございますとか、水産物の需要の減少あるいは価格の低下等の風評影響が生じた場合に、三百億円の基金を活用しまして、水産物の販路拡大あるいは一時の買取り、保管への支援を実施したいと考えてございます。それでもなお風評による損害が発生した場合には、東京電力が適切に賠償することとしておりまして、経済産業省といたしましても適切に指導を行いたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/68
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069・柴愼一
○柴愼一君 ありがとうございます。
もうこれは質問ではなくて要望なんですが、風評被害対策、風評被害の防止対策として、政府、国会、議員ができることとして、各食堂での福島、常磐ものの魚のメニューを是非導入も検討いただきたいと、これは要請であります。
太田副大臣については、質問、ALPS処理水についてはこれで終わりですので、お取り計らいをお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/69
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070・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 太田経済産業副大臣におかれましては御退席いただいて結構でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/70
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071・柴愼一
○柴愼一君 続いて、大分頑張って、ちょっと時間使い過ぎましたが、第二期復興・創生期間の、今取り組んでいますが、その進捗状況、また今後の、次期の対応方針の在り方についてお伺いしたいと思います。
現在、令和三年から七年度にかけての第二期復興・創生期間の各施策を実施しているところです。今後は、この以降における各分野の取組、復興を支える仕組み、組織等の方針を規定との、そういう方針が示されていますが、現在の進捗状況、また評価についてお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/71
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072・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) お答えいたします。
被災地の復興については、現在、第二期復興・創生期間以降における東日本大震災からの復興の基本方針に基づきまして、政府一丸となって取り組んでいるところでございます。
被災者の皆様や関係者の方々が絶え間ない努力によって復興は着実に進んでおりますが、その状況は地域によって様々であります。
地震・津波被災地域では、住まいの再建やインフラ整備などおおむね完了している一方、心のケアなどの残された課題についてはきめ細かく取り組んでいるところであります。
また、原子力災害被災地域においては、いまだに多くの方々が避難生活を余儀なくされており、引き続き国が前面に立って中長期的に対応していくことが大変必要だ、そのように思っているところでございます。
そのため、復興の基本方針を踏まえまして、生活環境整備、長期避難者への支援に加えまして、特定復興再生拠点区域の整備などを着実に進めてまいります。
また、拠点区域外の避難指示解除に向けては、今国会で提出をしております福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案において御審議をしていただくことになります。
引き続きまして、現場主義に徹して、被災地の皆様方に寄り添いながら対応してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/72
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073・柴愼一
○柴愼一君 ありがとうございます。
今後も、この第二期以降の取組については、なかなか、第二期、今取り組んでいる途中だということなので、イメージ等があればお聞かせいただきたいのですが、そこまで行かないなというふうに思うと、今後も継続して、国会、本委員会での議論が大きな役割を果たすものと認識しています。早い段階で前広な議論となるように、是非お取り組みいただきたいというふうに思います。
最後、もうちょっと、もう一問だけお聞かせいただきたいと思います。F―REIについてです。
今も、山崎理事長の下で具体的な設立準備の作業が進められているというふうに思います。F―REIを、福島を始め東北の復興を実現するための夢や希望となるものにするということ、我が国の科学技術力、産業競争力の強化を牽引していく、そんな拠点にしていくということは関係者全員の思いだというふうに思います。
そのことを実現するためには裏付けとなることが必要で、それには国内外の優秀な研究者を確保していく、人材を確保していくということが大変もう重要だというふうに思いますが、一方で、我が国の研究環境や給与、処遇の低さから、研究者、高度人材の海外流出も問題になっているときに、どうやってF―REIで優秀な人材を確保していくことをしていくのか、考えがあればお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/73
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074・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) まさに、福島の様々な科学技術力や産業競争力を高めていく牽引となってもらうためには、F―REIが人材育成、そして教育の取組を強化すべきだというお話でございますが、まさにそのとおりだというふうに思っております。
イノベーションの創出や新たな産業基盤の構築を通じて福島を始めとします被災地の創造的復興を実現するためには、F―REIが関係します教育機関や研究機関と連携しながら様々な分野の研究者等を育成する体制を構築し、輩出された多くの人材が長期にわたり復興をリードすることが大変重要だというふうに思っております。
F―REIでは、先日、福島大学、第一回目を開催して、今後、県内各地の大学、高専や高校などで開催を予定しているF―REI役員陣によるトップセミナーを現在実施しているところでありまして、未来を担う若者世代を対象とした人材育成に加えて、今後は、連携大学院制度等を活用して学生がF―REIの最先端の研究開発に関わることができる取組など、大学院生等を対象にした人材育成並びに幅広い研究開発分野に対応した専門教育やリカレント教育など、企業の専門人材等を対象とした人材育成など、様々なレベルの人材育成をこれまでの復興施策による取組や地元の教育機関との連携をしながら展開していくことを今検討しているところでございます。
したがいまして、こういった人材育成の土壌を、今ようやく始まったというところでございまして、そのために、今後更に、研究者の待遇とか、そういった問題も今後検討していかなければならない、そのように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/74
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075・古賀之士
○委員長(古賀之士君) おまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/75
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076・柴愼一
○柴愼一君 ありがとうございます。
F―REIを世界に冠たる創造的復興の中核拠点とするためには、研究機関としての役割はもとより、教育機関としての機能を高めることが非常に大切だというふうに思っていまして、その視点での機能強化を強く求めて、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/76
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077・新妻秀規
○新妻秀規君 公明党の新妻秀規です。
先ほど江島委員、また柴委員からもございましたが、風評対策について、まず渡辺復興大臣に伺います。
〔委員長退席、理事石垣のりこ君着席〕
まず、規制継続諸国への働きかけです。
復興大臣は、四月七日にフランスの駐日大使、そして十一日にはドイツの駐日大使と、相次いで面会をされました。
EUは現在も我が国の農林水産品に対しまして規制措置を続けておりまして、アジアでも、中国始め、こうした措置を続けている国々があります。処理水の海洋放出を科学的な根拠もなく規制継続の理由にすることは避けるべきと考えます。そのためには、やはり海外の諸国への対話を通した働きかけ、これが極めて重要だというふうに思います。
復興大臣が面会されましたフランスとドイツの駐日大使、この懇談の中でどのような説明を具体的にされたんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/77
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078・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 今委員お話がございました、ドイツとフランスの在京大使をお呼びしまして、現在の日本の状況について、そしてまたALPS処理水の関係についてもお話をさせていただきました。
先ほどお話ありましたけれども、EUによる日本産の食品輸入措置が早期に撤廃されるよう、働きかけをまず行ってまいりました。それと同時に、ALPS処理水の海洋放出についての理解を深めるためのことをお話をさせていただいたところでございます。
特に、ALPS処理水に関して、私からは、透明性高く科学的根拠に基づいて対応していくことが重要であり、専門的かつ客観的な立場からIAEAがレビュー等の対応を行うことから、安全性の確保や透明性について全く心配がない旨説明をさせていただきました。
これらの取組を含め、政府一丸となって、国内外の方々に対して科学的根拠に基づいた発信を行い、決して風評影響を生じさせないという強い決意の下、風評対策に全力で取り組んでまいりたい、そのように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/78
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079・新妻秀規
○新妻秀規君 ドイツの環境大臣が、このG7の環境大臣会合に先立ちまして、これたしか四月の十三日ですね、この現地を視察をされました。規制継続国の閣僚始め要人がこうした被災地を訪問するというのは極めて重要な意義があるというふうに思っております。今回の大臣のドイツ大使への働きかけとは今回直接関係はないという、そういうふうには伺っておるんですけれども、こうしたあらゆる場を通しての働きかけ、これを是非とも継続していただきたいと思います。
次に、先ほどお話もございました韓国から訪日中の調査団への対応につきまして、これは外務省に伺います。
岸田首相の韓国訪問の際、韓国尹大統領が、専門家を日本へ派遣すると、こういう方針を示しまして、大きな前進と受け止めております。そして、まさに今、先ほどもありましたが、専門家の方が日本を訪問、訪日中であります。
これに先立って、五月十二日、日本政府が韓国政府向けに説明会を行ったところですが、この際、韓国からどのような意見や関心事項が示されたのでしょうか。
そして、その内容も踏まえた上で、今訪日中の専門家とコミュニケーションをしっかり深めていくことが極めて重要です。双方が互いに納得できるように、どのような体制でどのような意見交換を行っていくのでしょうか。
また、韓国の専門家の方が日本での調査を終わった後、両国の信頼を深めるために、そのときに交わされた意見とか、この今回の視察の結果について、我が国として具体的にどのように対応していくのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/79
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080・伊藤茂樹
○政府参考人(伊藤茂樹君) お答えいたします。
韓国につきましては、これまで、局長級の説明会等の機会を通じて、ALPS処理水の安全性について、科学的根拠に基づき丁寧に情報提供や説明を行ってきているところであります。
そのような状況におきまして、五月七日の日韓首脳会談では、岸田総理から、IAEAのレビューを受けつつ高い透明性を持って科学的根拠に基づく説明を誠実に行っていく旨述べた上で、両首脳は、韓国国内における理解を深める観点から、東電福島第一原発へ韓国専門家で構成される現地視察団を五月中に派遣することで一致し、現在、視察団がまさに訪日しているところでございます。
〔理事石垣のりこ君退席、委員長着席〕
視察団は、五月二十二日に日本側と会合を行い、昨日二十三日から本日二十四日まで東電福島第一原発を訪問し、ALPS処理水の海洋放出関連施設を視察しつつ、日本側関係者から丁寧な説明や情報提供を受けているところでございます。また、あした二十五日には総括的な会合を行い、韓国側からの質問等に対して日本側から科学的根拠に基づく丁寧な説明等を行う予定でございます。
政府といたしましては、今回の韓国専門家現地視察団の受入れや、これまでも行われてきている局長級の説明会などの機会を通じまして、引き続き高い透明性を持って科学的根拠に基づく誠実な説明を行うことによって、ALPS処理水の海洋放出の安全性について韓国国内の理解が深まるように努めていく考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/80
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081・新妻秀規
○新妻秀規君 本当に丁寧な対応は極めて重要だと思いますので、しっかりフォローアップをしていただきたいと思います。
次に、経済産業省が行いました風評対策のアンケート、そしてそのフォローアップの取組について伺いたいと思います。
経済産業省が実施したアンケートの調査によりますと、太平洋沿岸の東日本七道県の生産者の約四五%がALPS処理水の海洋放出に伴う将来的な風評の影響を懸念しているという結果となりました。また、食品関連業を含む他の事業者の約四〇%も販売量の減少を心配しております。
経産省と復興庁は、この調査結果を踏まえて、海洋放出前に食品の卸業者や小売業者向けに通知を出して、福島や近隣の産品を取り扱わないような行為を防ぐための協力を求める予定と伺っております。ただし、この通知が実際に効果を発揮するためにはどのような具体的な対策が必要なのでしょうか。また、消費者へのアプローチについても考慮をする必要があると思います。
令和三年度の補正予算によってALPS処理水の海洋放出に伴う需要対策として三百億円の基金が設けられまして、流通事業者等との意見交換会が既に実施されていると承知をしておりますが、このアンケート調査の結果も踏まえて、今後どのように取り組んでいくのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/81
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082・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答え申し上げます。
ALPS処理水の海洋放出を行うに当たりましては、風評対策といたしまして、福島県や近隣地域の産品、これが放出前と変わらず取引が継続されるようにしていくことが大変重要だと考えてございます。
委員御指摘の本年四月に公表いたしました事業者の調査の結果でございますけれども、取引の停止など具体的な影響が生じているという事例は確認がされませんでしたけれども、御指摘のとおり、将来的な影響を懸念する声があったと認識してございます。この結果を踏まえまして、影響の防止、抑制の観点から、食品関係の流通団体などに対しまして、福島県及び近隣県産品と他の地域の産品を公平に扱っていただくことなどの協力を依頼する周知をさせていただいてございます。
また、同時期に開催いたしましたスーパーマーケットなどの小売関係の業界団体、これと経済産業省との連絡会におきましては、小売業界から、三陸、常磐ものをこれまでどおり取り扱っていきたいとの考えを示していただいているところでございます。
こうした流通、小売関係の業界の方々の声も踏まえまして、安全性について消費者や取引先に御説明いただけるように、分かりやすいリーフレットあるいはQアンドAを配布させていただくとともに、ウェブ広告、新聞広告、SNSなどを通じまして情報発信を行ってまいります。
また、モニタリングの結果でありますとか、あるいは本年前半にも公表されます予定のIAEAの包括報告書の内容も分かりやすく発信してまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/82
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083・新妻秀規
○新妻秀規君 今おっしゃったこと本当重要で、分かりやすくて刺さる、こういう広報に是非とも取り組んでいただきたいと思います。
委員長、外務省また経産省の参考人の方につきましてはもう質疑ありませんので、御退席についてお取り計らいお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/83
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084・古賀之士
○委員長(古賀之士君) では、今、新妻君からありましたお二方は御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/84
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085・新妻秀規
○新妻秀規君 次に、これまた江島委員また柴委員からもございましたが、福島国際研究教育機構を支える生活環境整備について私は取り上げようというふうに思います。
これは竹谷復興副大臣に伺います。
F―REIが四月一日に開所をしまして、地元の期待が大変に大きいというふうに承知をしております。何としても成功させなければいけません。
初代理事長の山崎光悦理事長は、就任前のインタビューで住まいなどの環境の充実を求める発言をされております。もとより、F―REIの研究活動を支えるためには、生活環境の整備は欠かせないというふうに思います。例えば、クリーニング、お掃除、仕出しのお弁当、こういう様々なサービスが必要になってくるわけです。しかし、この地域、浪江町及びその近辺、人口が少なくて人材不足が慢性化しております。
人材確保のために政府はどのような支援策や措置を考えているのか、中長期的な視点も含めてお示しをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/85
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086・竹谷とし子
○副大臣(竹谷とし子君) お答え申し上げます。
F―REIの活動に参画する様々な研究人材等が立地地域や周辺地域に居住あるいは滞在の形で実りある研究活動を行っていただくために、新妻委員御指摘のとおり、生活環境の整備充実、これ大変重要なものであると考えております。
これまで、復興庁といたしましては、被災地域の課題や多様なニーズに対応して、医療、買物環境、教育、交通アクセスの整備等の必要な生活環境整備を支援してきたところでございます。
生活環境を支える事業所の人材確保につきましては、厚生労働省においてマッチングに向けたきめ細かな職業相談や職業訓練などが行われているものと承知をしておりますが、人口不足そのものを解決していくために外からの移住を促進していくことも重要であると考えております。復興庁といたしまして、令和三年度に移住・定住促進事業で起業支援金を創設し、原子力災害被災地域に新たな活力を呼び込むために起業を支援しているところでございます。
引き続き、関係省庁等とも連携しながら、浜通り地域における中長期的な人材確保、支援してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/86
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087・新妻秀規
○新妻秀規君 まさに新しい町をつくるというプロジェクトですので、是非とも丁寧な、着実な取組をお願いしたいと思います。
次に、決算の検査報告から二題取り上げたいと思います。
まず、放射性物質汚染対処特措法三事業の入札、落札、契約金額等の状況について、これ環境省にお伺いをします。
この報告での指摘事項四点のうち、二点のみ取り上げたいと思います。
まず一つ目に、環境省の福島地方環境事務所が締結した契約、九百八十四件あるんですけども、一般競争契約は全体の大体四分の三の七百三十五件、随意契約は大体四分の一の二百四十九件となっていた、これ自体は問題ありません。ここからです。そして、一者応札率、この一般競争契約の七百三十五件のうち大体半分の四九・三%。ここからが問題なんですよ。汚染廃棄物処理事業と中間貯蔵施設事業のこの総合評価落札方式による建設コンサルタント業務等の契約では、この一者応札率が九十約八%と六八%だったと、結構高いんですよね。そして平均落札率、これ、平均落札率というのは予定価格に対する落札金額の割合なんですけれども、複数応札の場合には八一・三%に対して、一者応札となった契約では九四・六%、ほぼ予定額に張り付いているという状況。ここが問題なんです。
所見として、会計検査院の所見としては、環境省は、一者応札率を低くするために有効と考えられる取組の状況を確認をして、契約ごとに一者応札などとなった要因を把握するなどして、競争性の確保について引き続き取り組むことと。まあ当たり前のことですよね。
二つ目。環境省の福島地方環境事務所が締結した九百八十四件、これ先ほどの数ですね、のうち、増額変更割合が三〇%を超える契約が百六十九件になっていると、一〇〇%を超えるものも五十九件あったと。契約した時点の見積りよりも倍以上になっちゃったものがもう六十件近くあるということなんですね。
所見として、変更契約について、請負工事などの発注に当たっては、これまで実施してきた工事などによって得られた知見やノウハウを生かして対象の数量を見込むなどして、大幅な増額変更とならないよう取組を行うこと。当たり前のことですよ、血税ですから、元々は。
この検査院の指摘をどのように捉えて、これから始まる、法案成立後に始まる特定帰還居住区域の事業にどう生かしていくのか、環境省の見解をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/87
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088・土居健太郎
○政府参考人(土居健太郎君) 契約手続に当たっては十分に競争性を確保されることが重要だというふうに認識しておりまして、これまでも、一者入札の件数を低減するために、一般競争入札におけます公告期間の延長や、競争資格、競争参加資格の緩和等を行ってきておりますが、会計検査院の指摘も踏まえまして、復興事業に関係する事業者を対象といたしまして、入札公告の閲覧はしたものの入札に参加しなかった理由であるとか、改善すべき入札参加資格の要件、こういったものをお聞きするアンケート調査を行っておりまして、要因をより詳細に分析した上で競争性を高める入札契約方式を検討いたしまして、実施可能なものから随時取り組んでまいりたいというふうに考えております。
また、変更契約につきましては、元々、この事業は、早期の避難指示解除の観点から迅速な対応が求められるという事業の特性を有しておりましたので、例えば、除染や家屋解体に必要となります地権者の同意が当初発注時点ではまだ確定していないというような事例、事案であるとか、特定の除染作業では空間線量が下がらずに除染作業を複数回実施した箇所があったというような要因が挙げられますけれども、これらのこれまでの経験を生かしまして、除染や解体家屋、家屋解体の作業量の見込みの精度を高めるなど、大幅な増額変更となる契約が極力生じないように努めてまいりたいと考えております。
被災地の復興は環境省にとっても最重要課題でございますので、これらの検討結果をこれからの特定帰還居住区域での事業に十分反映してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/88
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089・新妻秀規
○新妻秀規君 スピードも大事、ただやっぱり費用対効果も大事、この両方の観点から、これまでの経験をしっかり生かして、血税を大切に使っていただきたいというふうに思います。
委員長、環境省の参考人におかれましてもこれから質疑ありませんので、退席についてお取り計らいをお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/89
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090・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 土居局長におかれましても御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/90
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091・新妻秀規
○新妻秀規君 会計検査院の指摘からもう一題、これ復興庁にお伺いします。
東日本大震災からの復興に関する事業の実施状況等について検査院が検査したところ、被災者自身が申し出ない限り復興庁の避難者情報が変更されない仕組みとなっていたため、復興庁が公表している宮城県の県外避難者数は令和三年の三月十日現在で三千六百七十人、それに対して、宮城県で把握している数は、この三月の十一日現在、ほぼ同じ時点で八十七人。二桁違うんですね。この大きな乖離、この指摘をどのように受け止めて、どう対応するんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/91
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092・岡本裕豪
○政府参考人(岡本裕豪君) お答え申し上げます。
復興庁が行います避難者数調査におきましては、調査対象となります避難者を、東日本大震災をきっかけに住居の移転を行い、その後、前の住居に戻る意思を有する者といたしまして、避難先である全国の市区町村が把握した人数の報告に基づきまして復興庁が集計、公表しているものでございます。
一方で、宮城県におきましては、復興庁で調査している、復興庁で公表している県外避難者数を基にいたしまして、いわゆるふるさとに戻るという意味での帰郷に向けた支援の在り方の検討を行うために、独自に避難者の方へ個別に帰郷の意向調査を行って、毎年度、具体的な帰郷意向を持つ避難者数を公表しているものと承知してございます。
復興庁調査におきましては、避難者が避難元へ帰還した場合ですとか、あるいは避難先へ定住を決められた場合につきましては、これは適切な届出がなければ把握が困難であることから、昨年七月からでございますが、宮城県と連携をいたしまして、避難先の都道府県に対して、宮城県の調査の結果を踏まえ、復興庁調査へ随時反映させるよう依頼をし、現在、順次対応が進んでいるところでございます。
引き続き、この取組を促進するという観点から、昨日になりますが、宮城県と改めて連携をいたしまして、再度、避難先都道府県に対しまして同様の依頼を実施したところでございまして、復興庁としましても、引き続き適切な避難者数の把握に努めてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/92
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093・新妻秀規
○新妻秀規君 結構作業としては大変だと思うんですよね、名前の突き合わせとかありますし。ただ、やはりこの復興政策を進める上でこの避難者数のデータってもう極めて基礎的なデータですので、是非とも正確な把握をお願いをしたいと思います。
最後の質問になります。特定帰還居住区域、これからの法案にも関わるところですけれども、お伺いをしたいと思います。
帰還困難区域を抱える地方公共団体において住民への説明会を実施されてきましたが、その説明会では、住民から、除染範囲について、意向を示した方への相談だけでなくて行政区全体で内容を周知させる必要があるんだ、こんなお声もあったと伺っております。また、田畑などの農地の除染に関しても住民から意見が出されていると承知をしております。ただ一方で、復興庁は除染について面的なアプローチを取るというお考えを示していることも承知をしております。
ここで、具体的な範囲の考え方などについて伺いたいと思います。
まず、除染範囲について、行政区全体で内容を周知させる必要性について復興庁はどのような考えなのか。そして二つ目、田畑など農地の除染について、住民からの意見には具体的にどのようなものがあるのか。そして三点目、復興庁が示した面的な除染の考え方について、具体的な範囲設定のプロセスはどのように進めて、住民参加や、住民や専門家の意見をどのように反映させていくのか。答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/93
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094・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 御指摘をいただきました特定帰還居住区域、新しい法律の改正に基づいて整備をしていきたいと考えております区域でございますけれども、行政区あるいは被災自治体への御説明については、これまでから、法案の準備あるいは検討の段階におきまして、各行政区あるいは各町村の避難先での行政懇談会等で説明を繰り返して行わさせていただいてきているところでございます。
こういったプロセスを経て、個々の住民の方の帰還の御意向、これを丁寧に各町村ごとに確認をしてきたところでございます。そういった取組を踏まえて、今後、区域の設定に進んでいきたいというふうに考えてございます。
農地の除染についてお尋ねをいただきました。
農地については、地元から、営農は地域における生活と一体であるという御指摘を頂戴をしております。そういった考え方も御地元にはあるということを念頭に置いて検討しておるところでございまして、帰還意向調査において帰還の御意向を示していただいた場合に、営農の再開に関する御意向についてもお伺いをしております。
一方で、営農の再開に向けては水路等のインフラ整備やその維持管理が必要となりますために、インフラ等の維持管理主体となる帰還する住民や自治体とも十分に御相談をしながら検討を進めていきたいというふうに考えてございます。
全体として、区域設定のプロセスでございますけれども、行政区の住民への説明や専門家の意見の反映も含めて、今後、地元自治体と個別の課題や要望を丁寧にお伺いをしながら必要な取組を進めていくことが重要と考えておりまして、自治体の方々、住民の方々と膝詰めで、しっかり意思疎通をしながら検討を進めていきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/94
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095・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 間もなく時間です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/95
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096・新妻秀規
○新妻秀規君 様々な御意見出されると思います。しっかり、できないことはできないなりにちゃんと理由をしっかりお話をして、受け止めるものはしっかり受け止めて、丁寧な対応を引き続きお願いをしたいと思います。
以上で終わりといたします。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/96
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097・石井苗子
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
代打で今日は質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
私は、二〇一一年三・一一から今現在も福島県の医療支援活動「きぼうときずな」のプロジェクトを継続しておりまして、こちらの委員会でも何度も何度も質問をさせていただいております。今月も来月も行く予定なんですが、今日は、皆様にお配りした資料を見ていただきたいんですね。被災者支援総合交付金、令和五年度第一回配分額という資料を配らせていただいております。
これは億単位なんですが、全体が三十七・七億円というところで、ずらっと数字を並べておりまして、今日お伺いしたいのは三番、(3)の心の復興事業五・九億円、これ八・九億円から下がってまいっております。その下をずうっと見まして、被災者の心のケア支援事業、これ十三・四億円になっております。右側の数字だけ見ていますと、十七・〇、十七・四というこの大きい額の次に大きいのが被災者の心のケア支援事業十三・四億円となっているんですけれども。
私ども日本維新の会は、税金の使い方というのは納税者が納得する方法で使わなきゃいけないということを言って、徹底して主張しておりますけれども、私、現地に行っておりまして、心の復興と心のケアとどう違うのだという質問をよく受けております。心の復興というのは、皆さんにはお配りしていないんですが、令和五年度予算額百二億円の復興事業予算の中の事業イメージというところで、各地域の被災者支援の重要課題への対応の支援として心の復興となっておりますが、それとは別に被災者の心のケア事業支援というのがありまして、この区別なんですけれども、大臣に御質問させていただきたいんですが、心の復興というのは、被災者同士が人と人とのつながりをもっと緊密にできる体制、生きがいを持って暮らせる環境をつくっていくための支援を行うこととなっております。それでは、被災者の心のケアの支援事業というのはどのように区別していらっしゃいますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/97
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098・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 東日本大震災から十二年たちました。被災者が抱える課題が複雑化しております。また多様化しております。その中で、心のケア、心の復興は重要と考えているところでございます。
今委員御説明ありました、まず、心の復興事業においては、被災者が他者とのつながりや生きがいを持って前向きに生活するための取組を幅広く支援する事業です。そしてまた、被災者の心のケア支援事業については、被災三県が心のケアセンターを設置しております。保健師等の専門職がPTSD等を抱えた被災者への心のケアを実施する取組を支援しているところでありまして、基本的には、心のケアと心の復興事業というのは、違いがそういう形でございます。
さらに、心の復興事業については、民間団体から応募された事業の採択に当たりまして選定委員会等を開催するなどして、被災者自身が主体的、継続的に参画し、活動する機会の創出を図る取組であること、多くの被災者及び関係する地域住民等の参加が見込まれる取組であること、事業終了後も被災者による自主的な活動へつなげていくことを促す取組であること、このようなことを、観点から、適切に審査が行われて決定をさせていただいているところと承知をしております。
なお、この資料にございますとおり、被災自治体の事業計画を踏まえた令和五年度予算第一回配分額としては、心のケア支援事業に十三・四億円と心の復興事業に五・九億円であるということはこの資料のとおりでございます。
復興庁としましても、今後とも、被災地の状況を丁寧に把握しながら、被災者に寄り添ってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/98
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099・石井苗子
○石井苗子君 というように、余りよく分からなくなってきているわけでございまして、お金の額は決まっているけれども、何をやっているのかという。心の復興事業というのは、例えばお祭りだとか田植だとか物づくりだとかコミュニティーの人たちの寄り合いだとかと、こういうことでございまして、心のケアというのは、私、令和二年度に説明を求めたときに、心身のケア、心のケア、心の復興と、これは、言葉は同じように、同類語に聞こえるけれども、はっきりとした違いがあるのだから、税金を使うんだったら、きちんとそれに合ったやり方をしなければ無駄遣いでありますから、やめた方がいいですというふうに申し上げております。
それで、心のケア事業というのは、事業概要というのが、個別相談指導というのがございます。これは、被災者の方が自分から、具合が悪いから誰か訪問してきて私の悩みを聞いてくれということでございます。
次が、心の健康の向上に資する各種の事業というのがございまして、これは、私たちがやっていることは、その被災者の方々が、十二年過ぎて、自分の心身の中で、例えば自律神経とか骨粗鬆症だとか高血圧だとか目まいだとか睡眠不足、栄養不足というのが、一体生活のどこにあって、どこが悪くて起きているのかということをつまびらかにして、この施設の中でどこに行けばいいのかという指導をして、それも、わざわざやっているから来てくれではなくて、地域の連携というのがあります、地域で心のケアに関するニーズの把握のための情報収集をしろというのがありますので、スーパーマーケットの一部を借りさせていただいて、専門家をそろえて、機材をそろえて、どうぞ買物の帰りだか行きだかにここ寄っていってくださいということをやって、そのデータを集めて関係所に送るということの仕事をしております。
この実態といたしまして、心のケアというのは、ケアセンターが岩手県には五か所、これは岩手の医科大学がやっております。宮城県は、宮城県の精神保健福祉協会がやっております。福島県のケアセンターは六か所ございまして、今のような福島精神保健福祉協会ということで、私も保健師ですが、保健師が先導を取って企画をして、いろんなところからやっているということで、十三・七億円の配分がこれはできているんですが、余りにも被災者の方が何をやっているんだか御存じありません。ですから、やっているから来てくださいというのに大変な苦労をしております。
せっかく予算を切ってこんな十三・七億円も使っているんでしたら、もう少し、ハードではなく今ソフトの時代になっていて、予算が必要な分だけやって、どうかうまく使っていただきたいと思うんです。心の健康の向上に関する各種事業の事業概要というところに予算を割いているんですが、ほとんどが人材育成というふうに、これからこの地域でどうやって精神的なものの人材を育成していこうかという教育費に充てているという感じがするんですね。これはちょっと予算の使い方の目的が違うと思いますので。
皆さんの問題は、睡眠の問題の解消、そして、そういったものを解消するにはこの地域でこういう施設があったらもっといいのにというのが御希望であります、遊びに行くところはこんなところが欲しいとか。それが心のケアに関するニーズ把握のための情報収集ということでございますので、これをどこからやって、どう集めて、成果を置いて、これから、被災が多い、災害が多い国でございますから、避難したときから、例えば避難所で食べるものはフレッシュなフルーツがいいのだと、ビタミンはそこからやっといた方が十年後にはこういうビタミン不足ということが起きないんだというような、そういった前向きな心のケアの支援事業をして、成果を残していただきたいと思います。
そこで、大臣が、この心のケアについては課題をたくさん残しておりますと言っておりますけれど、その課題、残された課題というのはどのようなものが課題だというふうに御認識でございますでしょうか。引き続きの課題、心や生活のケアについて、現在の対応やそれを支える国の仕組みがどうあるべきかが引き続き課題との指摘があります、この引き続きの課題というのはどのように把握していらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/99
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100・岡本裕豪
○政府参考人(岡本裕豪君) お答え申し上げます。
心のケアについての課題のお尋ねでございます。
被災者の心のケアにつきましては、先ほど委員御指摘のとおり、被災三県に設置しております心のケアセンターにおきまして、保健師あるいは精神保健福祉士等の専門職による被災者への相談、訪問支援を行ってございます。発災から十二年経過した現在でも相談件数は依然として高い水準で推移してございまして、引き続き支援を継続していくことが重要であるというふうに認識しております。
現場におきましては、生活や経済面、あるいはアルコールの問題などを含めまして、被災者の抱える問題が複雑化、多様化していると聞いております。こうした課題に対しまして、心のケアセンターと市町村の関連部署、あるいは地域の医療機関などが連携したチームによる対応、あるいは心のケアセンターによる支援者への技術支援、人材育成などが行われていると承知してございます。
引き続き、これ厚労省に移し替えている事業でございますので、厚労省とも必要な連携を行いながら、しっかりと支援をしてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/100
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101・石井苗子
○石井苗子君 十二年たっていますのに、少し進歩が遅いと思います。ここに書いてありますように、本事業の各種活動により得られたデータの蓄積、分析、本事業の実施に必要な調査研究の結果と、もうそろそろそれが出てこなければいけないと思いますので、そういうところに予算を割いて、統計データ分析ということを大学と連携してやっていただきたいと思います。
続きまして、ALPS処理水について質問させていただきます。
皆様にお配りしました資料でございますけれども、トリチウムの年間処分量というように書いております。ALPS処理水というのは、トリチウム以外の放射線物質が安全に関する規制基準値を確実に下回るまで、多核種の除去設備というところなど、浄化処理を完璧に終わらせた水のことをALPS処理水といっております。
このように、見てみますと、韓国、それから中国、台湾、中国というところ見ていただきたいんですが、日本のALPS処理水の処分方針での年間放出予定量というののベクレルのところを見ますと二十二兆、ほとんどのところは七十一兆とか、百四十三兆なんていう中国の値もありまして、これが年間処分量、処分されているということです。海や河川など、あるいは換気に伴い大気中へ排出されているということなので、日本のALPS処理水は非常に優秀な処理がされているということをこれから海外に向けて発表して、トリーテッドウオーターバイALPSというのを公用語にしていただきたいんですけれども、この点につきましてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/101
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102・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答え申し上げます。
韓国を始めとしまして、汚染水という言葉遣いがされた場合には、懸念がありまして、懸念を持ってそういうことを言った国もありますけれども、こうした事実と異なる情報が発信された場合には、その都度、その場で、政府全体で連携しまして、迅速に訂正を求めるなどの対応を行ってございます。
現在、韓国から現地視察団、専門家の現地視察団の方々も来られております。一昨日は東京、それから昨日と今日は福島第一原発を訪問されていまして、明日には事後の総括的な会合を行う予定となってございます。
こうした視察も通じまして、今委員御指摘のトリチウムを含む液体廃棄物の海洋放出、これは国際慣行に沿うものでございまして、ALPS処理水の処分の際の年間二十二兆ベクレル未満、この量は、例えば韓国の月城原子力発電所から放出されているトリチウムの量、年間七十一兆ベクレルよりも小さいと、こうした事実についても韓国内に伝わることを期待してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/102
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103・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 間もなく時間でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/103
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104・石井苗子
○石井苗子君 是非、日本のALPS処理水、バイALPSというのを公用語にしていただきたいということを提案していて、今、その五月二十二日から二十五日の韓国視察団ですけれども、風評被害が起きないようにG7でも協議をしたようでしたけれども、現地ではどのようなインパクトがあるでしょうか。韓国の視察団が来ているというインパクトはどのように現地で受け止められているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/104
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105・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 簡潔にお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/105
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106・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) 現地というのは、韓国国内という……(発言する者あり)日本でございますか。(発言する者あり)あっ、福島。
これは、知事が、福島の知事なども会見で述べておられますけれども、理解を得ていく重要な機会ではないかというふうに取られているというふうに伺ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/106
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107・古賀之士
○委員長(古賀之士君) おまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/107
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108・石井苗子
○石井苗子君 是非、いい方向でインパクトがあるように、CM、マスコミにも報道していただきたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/108
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109・榛葉賀津也
○榛葉賀津也君 国民民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。
この復興特は参議院にある特別委員会で一番大きな委員会だそうでございまして、本当にたくさんの先生方や答弁者、事務方がいらっしゃいますが、ここにいる全ての方々に恐らくふるさとがあるんだろうと思います。北海道から九州、沖縄まで千七百余の基礎自治体があって、この委員会の中には首長出身の先生方もいらっしゃいますけれども、それぞれの全国の町が、夢や希望や目標や、その町の特色を生かそうと、町づくり、村づくりに一生懸命になっていると思うんです。他方、この福島を始めとする、特に浜通りの被災地の皆さんは、この十数年間、その町の柱が、町づくりの柱が復興と、この二文字であったわけでございまして、そのふるさとに思いをはせて質問したいと思います。
その中でも、明日が待ち遠しくなるようなわくわくする楽しいふるさとというスローガンで町づくりを頑張っている村があります。飯舘村なんですね。四十代の若い杉岡誠村長がIターンでこの町に、村にやってまいりまして、今頑張って村づくりやっているんですが、今日はその相馬郡飯舘村のことを少し質問したいと思います。
従来六千人の村だったんですけれども、現在千五百人が帰村をして村づくりに頑張っているということなんです。今日も浜通りの太平洋沿岸部の話がたくさん出ましたし、当然ここが一番御苦労が多いところですから、我々は与野党超えて、そして立法府、行政府共に全力にこの復興に汗をかかなければならないと思いますが、他方で、沿岸部のみならず、阿武隈山系にあるこの飯舘村、こういうところにも是非思いをはせていただきたいというふうに思います。
飯舘村の道路交通網について、道路交通網の整備についてお伺いするんですけれども、まず、高規格道路の利便性に関してでございます。
飯舘村の北部に東北中央自動車道が走っていまして、通称相馬福島線というんですけれども、ここに、飯舘村の復興拠点でもある村役場から車で二十分、距離にして十六キロの、正直余り利便性の良いとは言えないところに霊山飯舘インターチェンジというのがございまして、利用する被災者からは、大変実は入口が分かりづらいとか、逆走しやすいというお声が上がっています。
村役場からも政府の方に陳情されていると聞いていますけども、今、是非、トンネルを造るなり、沿線の整備をお願いしたいという陳情が上がっていると思うんですが、この現状についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/109
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110・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 委員、飯舘村のお話でございますが、ちょうど二〇一一年、私も飯舘村に最初にお邪魔をさせていただいて、そのときに線量計を、贈呈に立ち会わさせていただいたということが記憶にございます。そういった意味においては、飯舘村の課題についてはしっかりと取り組んでいく、そんな思いでございます。
霊山飯舘インターチェンジの利便性向上につながる当該道路の整備に関しては、国土交通省や霊山飯舘インターチェンジに接続する県道浪江国見線を管理する福島県へも要望されていると承知をしているところでございます。工業団地整備構想に合わせて、産業創出、企業誘致等を早期に進めるために整備が必要との認識で要望されているところであり、地元において整備の必要性の整理などが行われていると認識しているところであります。
復興庁といたしましては、このような被災地からの要望に真摯に耳を傾けて、関係機関とも連携しながら、被災地の復興に後押しをしてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/110
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111・榛葉賀津也
○榛葉賀津也君 大臣、ありがとうございます。
次に、同じ飯舘にある国道三百九十九号線の整備についてお伺いするんですが、飯舘村を横断する国道三百九十九号線、一部県道三十一号線となっているんですが、この整備が、飯舘村の南側にある葛尾村まで二車線整備ができているんですが、飯舘村の整備が進んでいません。三桁国道ですから所管は福島県ということに当然なるんですけども、これは政府とともに取り組んでいる長泥地区除染土壌再生資材化処理施設へつながっておりまして、相当のダンプが通過するということでございます。
この事業は、飯舘村内の五千ベクレル・パー・キロの除去土壌を用いまして農地を造成して安全性等の確認を行う実証実験を行って、地元の皆さんの御協力を得て栽培実験や水田試験をやっているということで、現在一工区から四工区まであるんですけども、是非この道路整備もお願いしたいという声が地元であります。
この道路整備と併せて、この再生利用実証事業の現状、そして今後の行方についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/111
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112・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 当該道路の整備に関しましては、先ほども、あっ、先ほどではなくて、国土交通省、そしてまた福島県へも要望されているというふうに承知をしているところでございます。
飯舘村長泥地区におきましては、飯舘村特定復興再生拠点区域において、環境省によります除去土壌の再生利用実証事業により、農地、農用地の造成等が進められていると承知をしております。
御指摘の施設については、除去土壌の再生資材化を行うために設けられましたが、再生資材化工事の完了に伴いまして現在は撤去されていると承知しております。
また、国道三百九十九号の二車線化の工事に関しましては、道路管理者であります福島県において課題の整理などが行われていると認識をしているところでございます。
引き続き、要望はしっかりと受け止めて、関係機関と連携して、復興に、被災地の復興に取り組んでまいりたいと、そのように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/112
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113・榛葉賀津也
○榛葉賀津也君 やはり、地域を再生して、地元の皆さんに村に帰ってきてもらう、若しくはお客様にもう一度飯舘村や福島に帰ってもらう道路整備、とても大事だと思いますので、是非御指導賜りたいと思います。
実は、国民民主党福島県連というのは本部が会津若松市にございまして、よく会津に行きます。会津の方々、我慢強いですので、ぐっとこらえていますが、無論、浜通りの復興、みんなして頑張ろうねということを言っているんですけども、他方で、放射能とか様々な震災の被害は浜通りほどなくとも、会津の皆さんも本当に御苦労されています。つまりは、先ほど来ある風評被害ですね、観光や農作物、何にも問題ないんだけども福島産ということだけでなかなか従来のように売れないと、消費されないと、大臣が一番よく分かっていらっしゃると思います。
最近、全国の消費者から、パックの御飯がすごくおいしくなったねという話を聞くんですね。サトウのごはんという商品名を言うと問題かもしれませんが、あの手のやつでございます。何でこんなおいしくなったのかなと思ったら、経産省にいる私の友人が、実は、榛葉さんね、福島のおいしいお米を今パック御飯に使って物すごい評判いいんだという話を聞いているんですね。覆面御飯ではないんですが、福島の皆さん、本当はおいしい福島の御飯で売りたいんだけども、なかなかそうならないので、商品名を違う名前にしてパック御飯で今消費拡大をしているということです。
是非、大臣、この福島の農産物、農水省と連携して、生産から販売まで、是非これを大臣としても後押しをしてほしいと思うんですけども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/113
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114・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 福島の皆さん方は本当に御苦労なさっているというふうに私自身も認識しております。
福島は、桃を始め果樹の生産が盛んであるほか、先ほど商品名を言いませんでしたが、実は米については、「天のつぶ」、「福、笑い」などのオリジナル商品、品種があります。また、キュウリやトマト、花などの園芸作物、また福島牛など畜産を含めた幅広い品目が、会津、中通り、浜通りの県全体でバランスよく生産をされている農業県であるというふうに認識をしております。
こうした中、原発事故で福島全体、福島県全体において風評の影響で御苦労なさっているということは私も先ほど申し上げたとおりでございまして、このため、県全体の農産物を対象として風評払拭の取組を支援しているところでございます。
具体的に申し上げるならば、生産面においては、ブランド確立や競争力強化のための産地供給体制の整備、流通、販売面においては、販路の回復、開拓に向けた販売フェアや商談会といったプロモーションや、GAPや有機JASの取得促進のほか、放射性物質の検査を推進するなど、生産から流通、販売に至るまでの取組を福島県農林水産業復興創生事業ということで総合的に支援しているところでございます。
引き続き、関係省庁と連携しながら、福島県全体の農業の復興を後押ししてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/114
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115・榛葉賀津也
○榛葉賀津也君 ありがとうございます。
先日、参議院議員会館の地下一階の食堂で福島の食材フェアをやらせていただいて、大臣もわざわざ来ていただいて、ありがとうございます。
ちなみに、飯舘村はお米もイチゴも黒毛和牛もおいしいところでございますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
最後に、大熊町と双葉町の間にある除染済みの除去土壌、この中間処理施設、今おおむね一千三百万立米あるんですけども、この処分方法、今後どうなるか、最後にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/115
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116・国定勇人
○大臣政務官(国定勇人君) お答え申し上げます。
御質問いただいておりますこの中間貯蔵施設に搬入をされました除去土壌等につきましては、中間貯蔵開始後三十年以内に県外で最終処分を行うことが国の責務として法律に規定されているのは御案内のとおりでございます。
そこで、県外最終処分の実現に向けましては、除去土壌の減容、再生利用により最終処分量をまずは低減することが重要であるというふうに認識をしているところでございまして、環境省といたしまして、二〇一六年に、この県外最終処分に向けまして、減容に関する技術開発、そして先ほど復興大臣より御案内いただきました再生利用の実証事業、それから全国での理解醸成、こうしたことを進めていくという方針を定めさせていただき、これに沿いまして各種取組を現在実施をしているところでございます。
今後、最終処分場の構造、必要面積などにつきましても、二〇二四年度までに実用、実現可能な幾つかの選択肢を提示してまいりたいというふうに考えております。
加えまして、これらの取組を踏まえた上で、二〇二五年度以降に最終処分場に係る調査検討、調整などを進めてまいりたい、このように考えているところでございますが、今ほど御答弁申し上げましたとおり、これまで工程表に示されましたスケジュールに従いまして各種取組を順調に進めてきたところでございますけれども、引き続き、この工程表に沿う形で取組が進められるよう、環境省といたしましてもしっかりと取り組んでいきたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/116
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117・榛葉賀津也
○榛葉賀津也君 丁寧な答弁ありがとうございました。
復興に関しては環境省が本当に頑張ってくださっているということ、地元の皆さんも大変感謝しています。また、復興大臣は本当に地元に思いをはせて頑張ってくださっているので、引き続き御指導賜りますようにお願い申し上げ、質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/117
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118・紙智子
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
今日、福島第一原発事故による農産物の損害賠償について質問いたします。
お配りした資料の一枚目、東京電力による営業損害賠償の取扱いについてというのがありますが、見ていただきたいと思います。
これは、二〇一六年までの賠償方法が二〇一七年の一月以降どう変わったのかを示しているものです。
福島であんぽ柿としみ餅を製造販売している方は、二〇一六年までは品目別に賠償金が支払われていたんですね。ところが、二〇一七年一月以降の損害について東電が示した方針というのは、三倍一括支払をやって、その後は損害と利益を相殺して、この黄色の部分と緑の部分の三年間分の賠償額の合計額でこの赤いラインを超えないと支払はしないということになったんです。
資料の二枚目をちょっと見ていただきたいと思います。
これは、原発事故前のあんぽ柿の写真です。
農家の方は、これ、大ぶりの柿を使って、大きな柿を使って食べ応えのあるあんぽ柿を自慢して製造販売していました。ところが、柿が大玉ということや、あんぽ柿が、干して連なっているものを箱に入れて販売していたんですけれども、これが放射性セシウムの検査機器が通らないということで、出荷できない状況が続いているんですね。
賠償方法が変わらなければ賠償金は支払われていたんですね。二〇二〇年以降も損害は続いているわけですけど、賠償方法の変更で賠償金が支払われていないと。これ、東京電力にお聞きしますけれども、おかしいんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/118
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119・山口裕之
○参考人(山口裕之君) 東京電力ホールディングスの山口でございます。
福島第一原子力発電所の事故から十二年が経過してございますけれども、今もなお広く社会の皆様に大変な御迷惑と御心配をお掛けしましたこと、この場をお借りしまして深くおわびを申し上げます。
お答えをいたします。
当社、事故直後は可能な限り早期に被害者様への賠償を進めることが急務というふうに考えまして、当社事故により事業者様に生じた損害のうち、二〇一六年までの出荷制限に関わる損害につきましては、品目ごとに事故前の収益と事故後の収益を比較して賠償させていただいておりました。
二〇一七年以降は、事故からの時間の経過に伴う農林業者様の取り巻く環境の変化などを考慮いたしまして、一般的な損害賠償の算定方法に即し、事業者様全体の事故前後の収益を比較しまして、事故と相当因果関係のある収益の減少分を事故による損害として賠償させていただいておりまして、事業者様における将来分の賠償として、年間の逸失利益の三倍相当額をお支払をさせていただいているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/119
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120・紙智子
○紙智子君 これ発表された当時、受け止めとして何て言っていたかといったら、これで手切れ金にするつもりじゃないのかと、三倍相当というんだけどという声もありました。生産者の皆さんは、すごく分かりづらくなって、今でも納得していないんですね。
それで、大臣にお聞きするんですけれども、これ、東電が賠償方法を変えたことで賠償金が支払われなくなっているわけです。生産者も、分かりづらいやり方じゃなくて、前のように分かりやすい品目ごとの賠償方法に戻してほしいというふうに言っているわけなんですけど、大臣、これ二〇一六年までの賠償方法に戻すべきじゃないかと私は思うんですけど、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/120
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121・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 今、東京電力の方からお話もございましたけれども、東京電力が賠償を実施するに当たっては、個別の事情をよく伺って丁寧に対応することが重要であるというふうに思っております。
復興庁といたしましては、必要に応じて東京電力に対し適切に指導を行うよう経済産業省に求めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/121
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122・紙智子
○紙智子君 今、ちゃんと寄り添ってという話があったと思うんですけど、本当にそうしてほしいんですよね。
ちょっと、次、資料の三を見ていただきたいんです。三枚目です。
これ、福島県の伝統食のしみ餅というものなんですね。しみ餅の原材料というのはヤマゴボウの葉で、地元ではごんぼっぱと言っているんですよ、ごんぼっぱですね、呼ばれているんですね。正式名称はオヤマボクチというんです。
お話を伺った農家の方は、飯舘村の長泥地区の、このオヤマボクチの品質や土もあるんですけど、土にもこだわっていて、しみ餅を製造販売してきました。しかしながら、この原発事故以降、オヤマボクチを仕入れていた直売所が、もう取れないものですから、取扱いがなくなったと。しみ餅が製造できなくなったわけです。しみ餅への賠償も、これ三倍一括賠償以降は支払われていません。
東京電力はほかの地域の原材料で代替できんじゃないのかというふうに言われたそうなんですけど、宮城県の、例えば七ケ宿町のオヤマボクチも使ってやってみたそうです。だけど、餅が割れてしまったと。微妙に違うわけなんですね、その土が違うというか。お客さんに原発事故前の味や品質を保証するためには、どこの材料でもいいということにはならないんだということなんですよ。
渡辺大臣、こういうふうにこだわりを持っている生産者ほどつらい目に遭っているという、この原発事故の被害を受け続けているこの農家の実情をどう思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/122
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123・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 農家の方々の今実情をお伺いしました。しみ餅というものがもう作れなくなっているということでございます。
原子力災害によって被災された方々におかれましては、本当に大変な御苦労をされているものというふうに思っております。
復興創生の基本方針においても、事業者、農林水産漁業者の再建をまずは掲げてまずおります。被災地の復興に向け、なりわいや農林水産業の再生を着実に進めることが重要であり、事業再開や事業内容の改善のための相談を現在も行っているところでございます。
引き続き、被災地に寄り添いながら、国が前面に立って福島の復興再生に取り組んでまいりたいというふうに思っております。この問題についても、復興の再生の中でどのように対応していくか、検討をしていきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/123
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124・紙智子
○紙智子君 是非、こういう実際の姿、実情をよくつかんでいただきたいと思うんです。
それで、東電が二〇一六年十二月に出した賠償方針には、農林業固有の特性によるやむを得ない特段の事情により損害の継続を余儀なくされている場合、損害を算定し支払うというふうに書かれているわけですよね。今お話ししたような農家の方のように、代替が利かない原材料にこだわりを持っている事業者はほかにもいるんじゃないかと思うんですよ。こういうケースの場合、賠償金の支払について東京電力はどのような対応を行っているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/124
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125・山口裕之
○参考人(山口裕之君) お答えいたします。
損害の発生状況は事業者様ごとに異なるということで、事業の特殊性、それから代替性、同業者様の事業再開状況など、個別の御事情を御確認させていただきまして、当社事故と相当因果関係のある損害につきましては適切に賠償させていただきたい、そのように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/125
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126・紙智子
○紙智子君 あのね、この材料でなかったら駄目なんだということがこれ確認できれば賠償金払うってことでいいんですよね。それ確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/126
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127・山口裕之
○参考人(山口裕之君) それぞれ個別の御事情をお伺いしまして、相当因果関係の関係を確認させていただいた上で賠償させていただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/127
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128・紙智子
○紙智子君 今聞いたのは、この材料でなかったら駄目なんだということが分かった場合は、それは賠償するってことでいいんですよね。そういうふうに文書上も書いてあるんじゃないですか、特殊の、格段の事情とかと書いてあるんですから。そこはちょっと確認していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/128
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129・山口裕之
○参考人(山口裕之君) 申し訳ありません、個別の御事情を、それぞれやっぱり被災者様ごとに違う点もございますので、その辺りを御確認をさせていただきながら、相当因果関係について御確認をさせていただいて、適切に賠償させていただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/129
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130・紙智子
○紙智子君 何度も話聞かれていると思うんですよ。それで、いろいろ試してみたけど、ほかじゃ駄目だったから作れない状況なわけですから、それはちゃんと確認をしていただきたいと思いますよ。もう一言言ってください、それ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/130
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131・山口裕之
○参考人(山口裕之君) しっかり確認をさせていただいた上で、その上で賠償すべきは賠償させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/131
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132・紙智子
○紙智子君 しっかりやっていただきたいと思います。もう十二年たっているわけですからね。
最後に、ALPS処理水、私から見ると汚染水なんですけど、海洋放出についてお聞きします。
渡辺大臣は、二〇二一年に自民党内の東京電力福島第一原発発電所処理水等政策勉強会の代表世話人を務めておられましたよね。それで、勉強会の案内文に、風評被害を拡大させない方法は、海洋放出せず貯留を継続する政治判断をすることだというふうに記載をされていたことが報道されているんです。渡辺大臣、私、これ本当に実は拍手も打ったし、被災地の皆さんも多分激励されたと思うんですけれども、この汚染水の貯留を継続する政治判断が必要だというふうにおっしゃっていたんですよね。確認します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/132
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133・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 福島の復興を実現するためには、東京電力第一原子力発電所の廃炉をまず着実に行うことが大前提だというふうに思っております。処理水のタンクで同発電所内の敷地が逼迫する中、ALPS処理水の処分は先送りできない課題だというふうに認識をしております。
ALPS処理水の処分方法の検討に当たっては、様々な検討がなされたものと承知をしております。私も当時、復興大臣経験者として、どのような方法が適切であるか、いろいろと勉強してきたところでございます。御指摘のように、与党の有志の勉強会において処理水を貯留すべきとの方針を打ち出したとは私自身は認識をしておりません。
そうした議論を経て、処理水の海洋放出について、二〇二一年四月に安全性の確保と風評対策の徹底を前提に海洋放出する方針を関係閣僚等会議において決定したものであります。
その後、現在まで、専門的かつ客観的な立場から、国際原子力機関、IAEAにもレビューや確認をしていただくことが明確になっており、これらによって徹底した安全性と透明性が確保されることが重要であるというふうに思っております。
本年四月に、IAEAから第二回安全性レビューミッションの報告書が公表されましたが、第一回レビューの指摘が適切に反映されていることが明記されているところであります。
政府一丸となって、決して風評影響を生じさせないという強い決意の下、科学的根拠に基づいた情報発信等の風評対策に引き続きしっかりと取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/133
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134・紙智子
○紙智子君 ちょっと外務省にお聞きします。
ALPS処理水の海洋放出をめぐっては、第四回国連人権理事会から勧告を受けていると思うんですね。この勧告の件数と海洋放出の停止を求めている国々の名前と勧告内容について、簡潔に説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/134
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135・今福孝男
○政府参考人(今福孝男君) お答え申し上げます。
ただいま委員御質問の本年一月に開催された国連人権理事会の普遍的・定期的レビューの我が国に対する第四回審査におきましては、我が国の人権状況について、百十五の国、地域からの指摘や質問に対し、我が国政府の立場や取組について説明を行ってまいりました。
その中で、福島第一原子力発電所のALPS処理水については、明示的には福島第一原子力発電所やALPS処理水と言及していませんが、文脈上判断し得るものも含め、六か国から十二の勧告を受けました。
勧告の概要につきましては、まず、マーシャル諸島から、処理水の放出は太平洋諸島フォーラムの独自評価の結果を待つこと、また太平洋の人々と生態系を守るよう代替案を策定すること、太平洋諸国の、あっ、済みません、サモアからは、太平洋諸国の懸念に対処するまで処理水の放出は行わないこと、また、バヌアツからは、安全性について満足がいく科学的根拠を更に示すことなく処理水の放出は行わないことといったことが勧告されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/135
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136・紙智子
○紙智子君 今紹介があったように、やっぱり太平洋の島嶼諸国から勧告が出されているわけですよ。流す方の話ばっかりされるんだけど、この流される方の、かつては大変な被害を受けた国々なんかは、非常に心配して勧告を出しているわけですよ。こういうことを政府として重く受け止めるべきだと思いますし、私は海洋放出はやめるべきだというように思うんです。
渡辺大臣、先ほどの返答ありましたけども、ALPS処理水、これ汚染水の海洋放出はすべきでないと最初言っていたのが、今もう大臣の立場になったら変わってしまうのかと。いや、これではやっぱり本当に期待をしていた人たちはがっかりしますし、私はやっぱり、今の国連人権理事会の審査で勧告も出ている処理水についてはこれ決して放出するべきでないということを強く求めまして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/136
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137・山本太郎
○山本太郎君 れいわ新選組、山本太郎です。
ALPS処理水をトリチウム水と呼ぶことがあります。資料の一。経産省の処理水に関する小委員会事務局の説明。ここにも、いわゆるトリチウム水と表記されています。
大臣、ALPS処理水をトリチウム水と呼ぶことに違和感はありますか、ありませんか。一言でお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/137
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138・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 違和感はありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/138
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139・山本太郎
○山本太郎君 違和感はないと。
これ、違和感持ってもらわなきゃ困るんです。入っているのはトリチウムだけ、問題なし、そう勘違いさせる非常に悪質なプロパガンダです。
処理水、トリチウム水、何と呼ぼうが汚染水であることを説明します。
福島第一原発では、処理水と一部処理した汚染水をタンクに保管。今年四月時点で十三億三千万リットルと言われています。これに加え、毎日十三万リットルもの汚染水が生まれる。汚染水には、理論上、二百十種類の放射性物質が含まれる可能性が想定される。可能性が想定されるって何ですか。実際には全てを測っていないので、理論上の想定となる。これまでの研究など、知見から考えると二百十種類の放射性物質が含まれる可能性があり、その中から目立ったものをALPSで処理、減らす。ALPS処理で減らせる核種は、セシウム、ストロンチウムを含む六十二種類。その濃度を減らし、基準値未満にするが、放射性物質そのものが消えてなくなる、浄化されるものではない。
全て処理水を海に流したとして、セシウムやストロンチウムは総量で、総量で幾らになるかと事前に聞いたら、計算してないといいます。一リットル当たりとごまかしながら、海に流す総量の想定もしていない。
これ、風評被害が問題なんじゃないんですよ。無責任な政府による実害の垂れ流しが問題なんです。
理論上、二百十種類の放射性物質が含まれている可能性が想定される。一方、海に放出する前に測定の対象となる放射性物質は約三十核種に限定される。なぜか。その手続を確認します。
資料の二。規制庁の説明をかみ砕き、まとめたものです。前提として、実測で汚染水中にある全ての放射性核種の数は数えていない。理論上、ALPSで処理する前の汚染水には、二百十種類の放射性物質が含まれている可能性がある。そこからいろいろ理由を付けて、この核種は少ししか入っていない、だから測定しなくてもいいと三十核種に絞り込んでしまっている。測定しなくてもいいほどの微量とは、告示濃度限度の百分の一未満。
まず、告示濃度とは、毎日その濃度の水を二リットル飲み続けた場合、一年間で一ミリシーベルトの被曝となる濃度として設定、その限度が告示濃度限度。一つの放射性物質に対して一リットル当たり何ベクレルまでの濃度だったらよいかの最大値。この核種だけなら最大ここまでなら許します、放出できますというのが告示濃度限度。その告示濃度限度の百分の一未満なら微量だから測定しなくてもいいと運用している。
資料の三。測定される三十核種の告示濃度限度は、例えば、ヨウ素129だと九ベクレル、セシウム137だと九十ベクレル、ストロンチウムだと厳しくなって三十ベクレル。ただし、これは水の中にたった一種類の放射性物質が入っているという前提での最大の数値。汚染水やALPS処理水のように複数の核種が混ざっているケースでは、合計でどのくらいになるかが問題となる。それが告示濃度比の総和。全て足し合わせた合計が一。一という枠に収まればよいという考え方。
例えば、一リットルの水にセシウム137が九十ベクレル、この場合、告示濃度は目いっぱい、セシウム137だけで一という枠が全て埋まる、ほかの核種が混ざっている場合は流せない。もしセシウム137が四十五ベクレルなら、告示濃度の半分だから告示濃度比は〇・五。一という枠の半分がセシウム137で、あと〇・五の枠が残っているから別の核種も流せますねといった感じ。
ALPS処理水にはトリチウム以外の核種もいろいろ混ざっているけど告示濃度比の総和が一以下で管理して海に捨てるから問題なしと説明するんですけど、問題があります。測定していない核種があるからです。存在しないことにされている百八十もの核種が、百分の一未満しかないだろうという想定で測定対象から除外されている。
当初、炭素14は百分の一未満と除外されていた。けれども、後になって最大で十分の一くらい混ざっていることが分かり、問題になりましたよね。仮に百分の一未満だったとしても、〇・〇〇五の核種が二百種類集まれば、それら核種の濃度だけで告示濃度比総和、一に達してしまう。
このように、恣意的に測定しない核種を決めてしまうのは非常に危ういことなんです。トリチウム以外はほとんど取り除いた水、だから安全なんですではないんですよ。測定していないだけの話なんです。
海外からも指摘されています。
資料の四。太平洋諸国の首脳会議、PIF、太平洋諸島フォーラムの専門家パネルは、放射線や海洋環境の専門家で構成され、東電、日本政府との会談内容、東電が提供した貯蔵タンク内の放射性核種データに基づき、測定法、評価法の根本的な問題点を指摘している。
昨年八月、同パネルが公表したペーパー、資料五及び六。主な指摘を要約すると、一、タンク内放射性核種の情報が不十分、九種類の核種データしか共有されなかった。二、測定方法が統計上不十分で偏りがあり、信頼できるものではない。八、海洋生態系でストロンチウムなどが桁違いに再濃縮されることを考慮していない。
一リットル当たりこれ飲料水の基準値でいきますとというのはごまかしなんですよ。その後、生態系でどのような動きになるか、再濃縮されるかということは一切考えていないんです。
これら科学者たちは、メディアにも寄稿している、問題点を指摘しています。
資料の七。サイエンスインサイダー。東電は、タンク全体の四分の一から微量の水をサンプル測定しているだけ、サンプルによってセシウムやストロンチウムの濃度が大きく異なる、これら放射性物質を均等に除去できていない疑いがある。
資料の八。ジャパン・タイムズ論考での指摘。どのくらいの放射性物質が含まれているか分からないので、薄めるための水の量、放出に必要な年数も分からない。
本年二月には、上記専門家メンバーなどが訪日しました。資料の九。二月六日にALPS処理水の問題点を指摘したファクトシートを公表。
これらの指摘に対して日本政府としてどう回答したんですかということを聞いてみたんですよ。政府の答えが資料の十。政府からの説明、ぺらっぺらなんです。中身ないんです。データの質と量の不十分さ、測定プロトコルの欠陥、測定核種を限定してしまうことの問題などにどう回答したのか、納得を得られたのかということさえも分からない。
委員長、本委員会として、PIFパネル側に、日本政府や東電からの説明に納得したのか、そこには何が足りなかったのか、現時点での懸念点についても、改めて本委員会としてPIFのパネルに意見を求めていただきたいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/139
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140・古賀之士
○委員長(古賀之士君) それにつきましては、後刻理事会で協議をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/140
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141・山本太郎
○山本太郎君 これ、是非全ての会派に賛成していただきたいんです。これ重要なことですよね。反対する理由、合理的な理由、全く見付からないと思います。どうかよろしくお願いいたします。
これね、私たちの科学を理解しないやつらが悪いんだというのは、これもう科学じゃないんですよ。宗教って呼ぶんです。これ、日本が更に孤立してしまいます。
まずは、これまで除外していた放射性物質も全部測定した上で、トリチウム及びそれ以外がどのくらい残っているのかをちゃんと再評価しなきゃいけない。その上で、もう一度ルールを決める必要があります。大臣、これ、総理大臣に対して求めていただきたいんですよ。やっていただけますか、やっていただけませんか。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/141
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142・古賀之士
○委員長(古賀之士君) では、まず先に、森下審議官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/142
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143・森下泰
○政府参考人(森下泰君) 御質問にお答えいたします。(発言する者あり)あっ、そうですね。済みません。
まず、九種類しか測定をしていないと、ALPSについてと申しておられましたけれども、汚染水をALPSで処理をして、タンク内で処理をしている水の分析につきましては、これは主要七核種、これは、セシウムの134、137、ストロンチウム90、ヨウ素129、コバルト60、アンチモン125、ルテニウム106というものでございますけれども、それに加えて、今御説明ありました炭素の14、テクネチウム99の分析をすることとしておりまして、それ以外のものがあるかどうかにつきましては、それら核種の分析値の和と、それから全ベータというものをまた測定しておりまして、それとの差によって他の核種を存在を疑わせるような乖離は認められていないということは原子力規制委員会として確認しております。
それから、この海洋放出に当たっての測定の目的でございますけれども……(発言する者あり)申し訳ありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/143
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144・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 静粛に。
審議官は簡潔にお答えをいただき、そしてその後、渡辺復興大臣より答弁をいただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/144
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145・森下泰
○政府参考人(森下泰君) 測定の目的でございますけれども、これは放出によって人と環境への影響があるかどうかを調べるためでございまして、微量で検出が困難なようなものについてまで、についてはそのような影響はないものと考えておりますので、測定をする必要はないものと考えております。
あわせて、東京電力は、放出に当たっては、先ほどありました告示濃度一未満であるという規制基準を守って放出をするということを原子力規制委員会として確認しております。
以上でございます。事実関係でございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/145
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146・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) お答えいたします。
今お話し、答弁したとおりの内容でございまして、原子力規制委員会で対応しているということでございますので、この問題についてあえて私の方から総理に申し上げることはありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/146
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147・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 時間が参っておりますので、おまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/147
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148・山本太郎
○山本太郎君 まとめさせてください。
百未満だと言っているものに対して、測定していないというのがベースにあるじゃないですか。だから、カーボン14というもので量が多かったということが分かったんでしょう、後々から。何言っているんですか、一体。全部測ってもないのに、それを切り捨てるってやり方がおかしいんじゃないかって話をしているんですよ。
何よりも、あなたが今言ったことで、PIFの専門家パネルは、これ納得いくっていう話になるんですか。ちゃんと情報公開をして、本当の意味で大丈夫だって世界中が納得するってことの段取りが必要なんじゃないですか。偏った科学の話だけしていちゃ駄目ですよ。
で、大臣、総理大臣に言っていただけないってどういうことですか。現場主義にのっとってやると言ったじゃないですか。あなたの現場どこなんですか。現場はどう言っているんですか。反対しているじゃないですか。中央から来た人間が政府の方針だけ押し付けるんだったら、現場主義にのっとっていると言わないんですよ。東京の人間が現場を乗っ取ったということになるんですよ、これは。
是非、総理に、もう一度世界が納得するような科学の粋、IAEAのレビューなんて、これ世界にとってみたら、これ水戸黄門の印籠にはなりませんよ。IAEAのレビューを、錦の旗か、何か、どうだこれはみたいな形で皆さんさらしていますけれども、そんなもの、申し訳ないけれども、原子力推進機関なんですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/148
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149・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 申合せの時間が過ぎておりますので、質疑をおまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/149
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150・山本太郎
○山本太郎君 そこから金をもらっているというところを外した上で、本当の意味での科学者を集めての話合いが必要。
そして、今御答弁なされた方、強く抗議いたしますよ。私が大臣に聞いたことと全く違うことを延々しゃべり続ける、これは少数会派の発言権を恣意的に潰すものだ。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/150
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151・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 今、質問を終わりますということでしたので、山本太郎君の質問はこれまでといたします。
委員長から一言。
質疑者の質疑の内容について、具体的な申合せといいますか、質疑が行われておりますので、それに対しては真摯な御答弁を期待をしております。引き続きよろしくお願いをいたします。
本日の調査はこの程度にとどめます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/151
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152・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
政府から趣旨説明を聴取いたします。渡辺復興大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/152
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153・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
この法律案は、令和五年度予算に盛り込まれた措置の実施に必要な法律上の手当てを含め、福島の復興及び再生を一層推進するため、提出するものであります。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、帰還困難区域をその区域に含む市町村長は、福島県知事と協議の上、特定帰還居住区域の復興及び再生を推進するための計画を作成し、内閣総理大臣の認定を受けることができることとしております。
第二に、その認定を受けたときは、国による公共事業の代行等を活用することができることとしております。
第三に、認定された計画に従って、環境大臣が、土壌の除染の措置や廃棄物の処理等を国の負担により行うことができることとしております。
その他所要の改正を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
福島の復興及び再生は喫緊の課題であり、何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/153
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154・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 本案に対する質疑は後日に譲ることとします。
以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
一言、委員長から申し上げます。
これからのこの質疑の時間は、やはり質問と、そしてその答弁で成り立っているものでございます。どうかそのバランスやその趣旨を改めてお酌み取りいただき、静粛に、かつ品位を持った委員会であり続けたいと考えております。
どうぞ委員各位の御協力も併せてよろしくお願いを申し上げます。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00520230524/154
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