1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
令和五年五月三十一日(水曜日)
午後一時開会
─────────────
委員の異動
五月二十五日
辞任 補欠選任
吉井 章君 藤木 眞也君
五月三十一日
辞任 補欠選任
羽生田 俊君 藤井 一博君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 古賀 之士君
理 事
上月 良祐君
櫻井 充君
松村 祥史君
和田 政宗君
石垣のりこ君
若松 謙維君
石井 苗子君
委 員
石井 浩郎君
江島 潔君
梶原 大介君
進藤金日子君
滝沢 求君
豊田 俊郎君
羽生田 俊君
橋本 聖子君
広瀬めぐみ君
藤井 一博君
藤木 眞也君
星 北斗君
宮沢 洋一君
森 まさこ君
若林 洋平君
鬼木 誠君
柴 愼一君
徳永 エリ君
横沢 高徳君
竹谷とし子君
新妻 秀規君
横山 信一君
松野 明美君
榛葉賀津也君
竹詰 仁君
岩渕 友君
紙 智子君
山本 太郎君
国務大臣
国務大臣
(復興大臣) 渡辺 博道君
副大臣
復興副大臣 竹谷とし子君
財務副大臣 秋野 公造君
厚生労働副大臣 羽生田 俊君
環境副大臣 小林 茂樹君
大臣政務官
文部科学大臣政
務官 伊藤 孝江君
経済産業大臣政
務官 里見 隆治君
事務局側
常任委員会専門
員 清野 和彦君
政府参考人
警察庁生活安全
局長 山本 仁君
復興庁統括官 角田 隆君
復興庁統括官 由良 英雄君
復興庁審議官 森田 稔君
復興庁審議官 岡本 裕豪君
消防庁次長 澤田 史朗君
外務省大臣官房
審議官 岩本 桂一君
外務省大臣官房
審議官 中村 和彦君
文部科学省総合
教育政策局社会
教育振興総括官 森友 浩史君
厚生労働省医政
局長 榎本健太郎君
農林水産省大臣
官房危機管理・
政策立案総括審
議官 前島 明成君
農林水産省大臣
官房審議官 岩間 浩君
農林水産省農産
局農産政策部長 松本 平君
経済産業省大臣
官房福島復興推
進グループ長 片岡宏一郎君
資源エネルギー
庁資源・燃料部
長 定光 裕樹君
環境省環境再生
・資源循環局長 土居健太郎君
参考人
東京電力ホール
ディングス株式
会社代表執行役
副社長 山口 裕之君
─────────────
本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/0
-
001・古賀之士
○委員長(古賀之士君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る二十五日、吉井章君が委員を辞任され、その補欠として藤木眞也君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/1
-
002・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/2
-
003・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/3
-
004・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に東京電力ホールディングス株式会社代表執行役副社長山口裕之君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/4
-
005・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/5
-
006・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/6
-
007・星北斗
○星北斗君 自由民主党の星北斗でございます。
本日、五月三十一日は世界禁煙デーでございます。質問の機会をいただき、感謝をいたします。
二〇一一年九月から十一月にかけて、福島県が復興の方針と事業の取りまとめをするために福島県復興計画検討委員会を三回開き、私は医療界の代表として出席をしました。
一回目の会議では、現場の声と具体的な提案を持って、希望を持って出席し、その後の分科会を経て、第二回の会議で第一回の発言が全く反映されない修正案に落胆をしました。そして、第三回の資料を見て、落胆は失望に変わりました。政府の既定路線で復興が進められていく計画の内容に反対であることだけ議事録に残してほしいと発言するのが精いっぱいでありました。
その後、復興への取組は大きく転換しました。復興庁が丁寧に被災者の声を聞き、施策に反映させる姿勢と実績に心から感謝を申し上げます。
まだまだ復興の途上にある福島県民の一人として本日は質問をさせていただきます。よろしくお願いします。
まず、復興に関連する予算、財源についてお尋ねします。
令和五年度税制改正大綱における防衛力強化に係る財源確保のための税制措置についてですが、前段の復興財源の課税期間の十分な延長による確実な確保に加えて、後段には、復興復旧に要する財源については、息の長い取組の支援のために必要な予算を別途確保するというふうに私は読んでおりますけれども、その認識でよいか、財務省の認識をお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/7
-
008・秋野公造
○副大臣(秋野公造君) 星先生御指摘のとおり、昨年末の税制改正大綱におきまして、復興特別所得税の税率を引き下げた上で、課税期間を延長し、復興財源の総額を確実に確保することとしておりまして、さらに、特定復興再生拠点の区域外への帰還、居住に向けた取組など、息の長い取組をしっかりと支援することができるよう、東日本大震災からの復旧復興に要する財源につきましては、引き続き責任を持って確実に確保するとしているところでございます。
これまでも、復興に向けて必要な財源はしっかり確保し、着実に復興事業を進めてきたところであり、今後も、復興のステージに応じた被災地のニーズにきめ細かく対応し、被災地の方々が一日も早く安心して生活ができる環境を取り戻せるよう、復興庁を始め関係省庁としっかり議論し、必要な予算、措置してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/8
-
009・星北斗
○星北斗君 ありがとうございます。
被災地である福島県においてもまだまだこの理解が進んでいません。防衛力強化への復興財源の流用と捉えている方もまだおります。繰り返し説明をしていく必要がありますので、そこはよろしくお願いしたいと思います。
次に、特定帰還居住区域復興再生計画に基づく措置について質問をいたします。
二月の委員派遣に現地出席をさせていただき、放置されている家屋や施設等の様子など、十二年を経た実情を見ました。帰還を希望する個々の住宅等の除染等では不十分であり、一定の範囲で一体的な解体、除染、周辺の環境整備が不可欠であると感じました。
帰還を望まず、解体も希望しないような方が所有される家屋について、除染等の実施、どのように具体的に進めていくのか、お知らせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/9
-
010・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 特定帰還居住区域の制度についてお尋ねをいただきました。
帰還する住民の方々が安全、安心に日常生活を営むために必要となる箇所をその区域に含めた上で、除染を始めとする生活の再建に向けた環境整備に取り組んでいくという制度としたいと考えております。
そのため、地元の各自治体において、帰還意向確認の結果を地図上に整理しながら、帰還意向のある住民の方々の住居の隣接状況、地形、放射線量の状況、日常生活を営む上で必要となる施設などを考慮した上で特定帰還居住区域となる場所が定められていくことになるという仕組みを考えてございます。
帰還する住民の皆様の安全、安心の観点から、特定帰還居住区域には、例えば近隣にある帰還意向のない方の家屋も含まれる場合もあると考えてございます。そういった場合も含めて、個別に地元とよく御相談をし、その上で区域設定をし、必要な解体、除染を進めてまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/10
-
011・星北斗
○星北斗君 ありがとうございます。是非とも積極的に進めていただきたいと思います。
私どもが視察した区域は住宅が集積する地域でありましたけれども、耕作地の近くに居住し耕作をしていた特定復興居住区域内での営農再開への期待が高まると思います。これらの帰還希望者に対して、宅地とともに農地の除染などの支援を想定しているのか、お示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/11
-
012・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 農地についてお尋ねいただきました。
地元からの声でございますけれども、営農は地域における生活と一体であるという御指摘もいただいております。帰還意向調査において帰還の御意向を示していただいた場合には、営農再開に関する御意向についてもお伺いをしているところでございます。
一方で、営農の再開に当たっては水路等のインフラ整備やその維持管理が必要となるため、インフラ等の維持管理主体となる帰還する住民や地元自治体の皆さんとも十分に御相談をしながら検討を進める必要があるというふうに考えております。
このため、特定帰還居住区域の設定に当たっては、一体的な日常生活圏を構成する区域を対象とするという考え方に基づいた上で、営農再開に向けた諸条件も踏まえて検討を進めてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/12
-
013・星北斗
○星北斗君 ありがとうございます。
今お話がありました道路や水路の整備については、隣接する市町村との共同、協調、これが必要になると思います。
また、この策定に当たっては、対象自治体の自由度、これも大事ですし、また技術的な支援、これも大切だと思っております。この点について復興庁の考え方をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/13
-
014・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 拠点区域外の取組を進めるに当たりましては、これまでから、例えば帰還意向調査を地元自治体と国が共同して実施するなど、地元自治体にとって過度な負担が生じることのないよう配慮しております。技術的な論点についても、国が取組の技術的な点について地元の皆さんにしっかり御説明をしながら取組を進めたいと考えてございます。地元自治体による特定帰還居住区域計画の作成などを進めるに当たっても、引き続き地元自治体の御負担状況を踏まえて取り組んでまいります。
また、例えば道路など、隣接する地元自治体を含めて一体的な整備を必要となることも想定されます。そういった場面につきましては、国や自治体が行うインフラの整備等に当たっても、隣接する自治体などにおけるものも含めて取組を進めていけるように、関係者との意思疎通を密にしていくことが大事だというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/14
-
015・星北斗
○星北斗君 ありがとうございます。
まさにそこが私は肝だと思っておりまして、個々の自治体の自由度、そして周辺地域との連携、これが着実に進むような計画の策定、そして実行を期待をしたいと思います。
農業の話にちょっと戻りますが、なりわいとしての営農再開、あるいは新規参入して営農したいという方についての質問をさせていただきます。
近年の農業環境を考えますと、農地の大規模化や新たな作物への転換、あるいはスマート農業の導入、六次化などによって、私はこの三つの要素だと思っていますが、もうかる、人手が少なくて済む、そして冬場にも仕事がある、そういう農業を目指すことが必須であると考えています。
原子力被災地域におけるこれらの取組は今後の県内外の農業振興のモデル的な役割を果たすことも期待されますけれども、具体的にどのような支援策の用意があるのか、お示しを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/15
-
016・前島明成
○政府参考人(前島明成君) お答えいたします。
農林水産省におきましては、帰還される方や新たに農業を始めようとする方が速やかに営農を開始できるよう、農業関連インフラの復旧、農地の利用集積、集約化、除染後農地の保全管理や作付け実証、農業用機械、施設の導入支援、さらには放射性物質検査、販売促進といった風評対策など、総合的な支援を実施しているところでございます。
また、これから農業に携わろうと考えている方々がより安心して取り組めるようにするためには、もうかる、人手が少なくて済む、冬場にも仕事があるという議員の御指摘を踏まえまして、含めまして、将来に向けて被災地域の農業が産業として発展する姿を提示していくことが重要と考えております。
このため、市町村を越えて加工・業務用施設を生産し、それを集荷し加工する施設を整備するなど、広域的に生産、加工等が一体となって付加価値を高めていく産地の創出を支援するとともに、福島国際研究教育機構におきましてスマート農業技術の実証研究を推進することなどによりまして、誰もが取り組める超省力、効率的な生産技術体系の確立などを目指してまいりたいと考えております。
農林水産省といたしましては、こうした取組を通じまして被災地での営農再開や新規参入を力強く後押ししてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/16
-
017・星北斗
○星北斗君 ありがとうございます。
これからの農業は、やはり今私が申し上げた、そして今御返答にありましたように、様々な支援を受けて、そして将来に向けて永続的に営農ができる、そういうことを目指していく必要があると思っております。
次に参ります。
福島県内では、各地で鉄道を活用したスポーツサイクル関連事業や、キャンプと食のコラボといった取組が現在進められております。また、清酒に続く福島県のブランド化の一環として、浜通りでの麦芽の栽培と阿武隈山系でのホップの生産を組み合わせた地ビールの生産、あるいは、県内各地で取組が始まっているブドウ栽培とワインの醸造などをツーリズムと組み合わせて交流人口を増やそうという、そういった取組も始まっております。
こういった取組が長く続いていくためには、国交省、観光庁、経産省など関係する各省庁の連携の強化と長期的な展望を持った支援策が必要だと思いますが、今後の支援方針についてお示しを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/17
-
018・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 被災地における交流人口の拡大に向けた取組でございますが、経済活動や投資を喚起するとともに、原子力災害による風評を払拭し、復興を更に進めていくために重要なものであるというふうに認識をしております。
交流人口の拡大に向けた取組を長期的に継続していくためには、一つ目に、それぞれの地域の魅力などのポテンシャルを掘り起こし、最大限に発揮できるようにすること、二つ目に、情報発信の担い手として、自治体、住民、民間企業、地域外からの復興に協力するためにお集まりいただいた方々など、様々な立場の方に参画を広げていくこと、三つ目に、一時的な来訪者から移住者に至るまで、多様な関わり方で交流を進めることができるようにすることなどを意識して取り組むことが重要というふうに考えてございます。
これまで、関係省庁においては、こうしたことも念頭に置きながら、被災地における交流人口拡大に向けた取組を支援してきたものと、支援を展開してきたものと承知をしております。
具体例を簡単に申し上げますと、交流人口拡大アクションプランに基づいて、この地域ならではのお酒とグルメ、あるいはスポーツサイクルといったテーマ、観光関連の復興支援事業による滞在コンテンツの充実強化、あるいは、復興庁でも、震災の記憶や教訓を伝える施設を重要な資源とした観光客の誘致や防災学習、こういったそれぞれの取組を進めてきております。
こうした取組を、今後とも、福島県や経済産業省、観光庁等々の関連機関としっかり連携して取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/18
-
019・星北斗
○星北斗君 ありがとうございます。
まだ始まったばかりの取組でもありますし、本当に、この力強い交流人口の増加、これがなくして福島県の再起、復興はあり得ないと思っておりますので、引き続き関係の皆様方の御協力をお願いをしたいと思います。
話題を変えます。
福島県においては、県民健康調査事業が実施されております。この調査の枠組みの設定や評価を行うために県民健康調査検討委員会が設置され、様々な議論が行われています。私も先日までここに所属し、座長を務めておりました。
その中で、放射線の直接の影響だけではなくて、外遊びのできない子供の肥満の問題など、間接的な影響にも目を向けてきておりまして、これを一歩進めて、県民の各種の健康指標の改善にも本格的に取り組むべきであるという意見が繰り返し出されております。そもそも健康指標の必ずしも良くない福島県でございますけれども、これを改善していこうというお話であります。
この調査の枠組みを拡大あるいは組替えすると同時に、県民健康調査に係る基金の活用方法を追加、変更して、放射線の直接的な影響の見守りというこれまでの目的に加えて、全県民の健康づくりという視点で保健事業等を追加することが必要ではないか、そのように考えております。
福島県のこれ独自の取組ということになると思いますけれども、この福島県の取組への支援策について、基金の積み増しなども含めて、政府としての考え方をお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/19
-
020・小林茂樹
○副大臣(小林茂樹君) 星委員が長年にわたって県民健康調査の検討委員会座長をお務めいただいたということに敬意を表したいと思います。
その上で、お答えをいたします。
福島県民健康管理基金については、一義的には福島県が管理、運用するものとなっております。新たな事業を立ち上げる際には、福島県が事業計画を変更し、原子力被災者健康確保・管理関連交付金交付要綱に基づいて環境省に対して事前審査を行っていただくこととなっております。
環境省としては、福島県から基金を用いた県民の健康づくりに資する取組についての相談があれば、技術的な助言や現在の基金の効率的な運用のための支援を積極的に行い、連携をしてまいりたいと考えております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/20
-
021・星北斗
○星北斗君 ありがとうございます。
相談があれば事前審査をすると、そして技術的な支援をしていただくということでお答えいただきましたが、まあ通告していないと言いませんが、やはり基金の積み増しというのが必要になればそれはしっかりと考えていただく必要があるんだろうと、このことは申し上げておきたいと思います。
次に参ります。
少子化による人口減少、これは全国的な課題であります。被災地、それも特に中山間地域では産科、小児科の医療体制が不十分であるということで、避難された方が福島県への帰還をちゅうちょする一つの要因になっていると考えています。
福島県において子を産み育てる環境をしっかりと確立するためには、広域での連携を前提とした施設整備と人材確保が必要であって、県や県立医科大学、周辺自治体に立地する医療機関などが一致協力するとともに、遠隔技術や最新のテクノロジーを取り入れることが必要だと思っています。
まずは、双葉郡を中心とした広域での支援によるモデル的な取組を国が支援して実現するなど、被災地での異次元の産科、小児科医療体制の構築を目指すべきだと私は考えています。その上で、このモデル的な取組を近隣市町村や全国へ展開していく、これを目指すことによって、医療提供体制の再構築、特に中山間地域における医療体制の再構築が期待できるのではないかと考えておりますが、政府の見解をお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/21
-
022・羽生田俊
○副大臣(羽生田俊君) 今御指摘の福島県双葉郡につきましては、東日本大震災に伴う原子力災害の影響によりまして現在も避難指示が解除されていない地域があるために分娩医療機関の運営が再開できないという地域もあって、安心して子を産み育てるための体制整備が課題となっているのも事実でございます。
地域で安心して子を育てていくためには、妊産婦健診を双葉郡の医療機関で実施し、分娩は南相馬市やいわき市といった周辺の自治体に立地する医療機関で行うなど、地域における医療機関の役割分担を推進し、地域で支える連携体制の構築、限られた医療資源を有効に活用する観点からオンライン診療の活用などが、取組が考えられておりますけれども、福島県でも検討されている状況であるということを承知しております。
特に、厚生労働省といたしましては、これまでも、福島県に対しまして、医療従事者の人材確保等のために地域医療介護総合確保基金による支援を行うとともに、特に福島県双葉郡等に関しましては、福島県が作成した避難地域等医療復興計画、これを踏まえまして、地域医療等の医療機関の新設、再開や運営への支援として、避難指示の解除の状況に応じて地域医療再生基金等で支援を行っているところでございます。
また、引き続きまして、福島県や復興庁とともに連携して必要な支援をしっかりと行うとともに、効果的な取組については福島県内のみならず全国に波及していくように、しっかりとした取組をして、好事例として紹介してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/22
-
023・星北斗
○星北斗君 ありがとうございます。ほぼ私が言ったとおりにお考えのようだというふうに思いました。
ただ、要は、住民が帰ってくるのが先か、あるいはそういう医療環境を整えるのが先かといったら、私は、医療環境を整えるのが先と考えていいのだろうと、そのように思っております。
続きまして、福島国際研究教育機構、F―REIに関連して御質問を申し上げます。
F―REIの理事長も再三発言されておりますけれども、この施設の整備と運用は、研究開発とその産業化だけではなくて、幼児教育から社会人教育までのあらゆる世代に対する教育の充実など、福島県全体の教育環境の向上が期待できると私も考えております。
そのための環境整備として、例えば身近な場所で日常の教育が行える施設、機能の整備と並行して、例えば市町村の枠組みを超えて広域で整備する高いレベルの教育施設や教育機能、例えば全天候型グラウンド、二十四時間使える温水プール、体育館などですが、これを地域の住民と共同で活用するなど、柔軟な施設整備の対応あるいはその活用ができるのではないかという考えを持っておりますが、この点について政府の見解をお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/23
-
024・伊藤孝江
○大臣政務官(伊藤孝江君) 委員御指摘のとおり、各自治体が地域の実態や強みを踏まえて特色ある教育を行うことは非常に重要であると考えております。
特に福島県におきましては、これまでも、避難地域十二市町村の小中学校等における地域を題材に探求活動に取り組むふるさと創造学等の優れたカリキュラムの編成、実施のために必要な予算等の措置、大学等と浜通り地域等の市町村が連携して行う福島イノベーション・コーストを担う高度な人材の育成などの教育環境の整備に関する支援を行ってきたところです。ふるさと創造学サミットにつきましては、私自身も昨年十二月に開催されましたときに視察に伺わせていただきました。
また、先般新たに設置をされました福島国際研究教育機構につきましては、その機能として人材育成も掲げられており、今後、福島県の教育における同機構との連携は更に重要となってくるものと考えております。
文部科学省としましては、福島県の思いも踏まえながら、特色ある教育の実現に向け、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/24
-
025・星北斗
○星北斗君 ありがとうございます。
これは浜通りに限ったことではありませんで、例えば小学校、人数が減ってくると一緒にしましょうという話がありますが、そうなると自宅から遠くなってしまう、で、バスを回す、そんなことが行われるわけですけれども、その際に、それぞれの学校を残しつつ、施設の整備を重点的にそれぞれの学校に割り振る、そういう活動がもしかしたらできるんではないか、そんなことも考えておりますので、是非とも今後協議をさせて、あるいは議論をさせていただきたいと思います。
最後になりますが、今後の復興財源の活用にあっては、より広く、被災県、福島県全体のあらゆる産業に波及効果をもたらし、真の福島の復興へつながる予算活用への期待が高まっています。原子力災害の直接の被害を受けている市町村だけではなく、福島県全域が極めて長い期間風評被害にさらされていまして、この支援にあっては、福島県がその裁量で使い方を決められる予算を十分に確保するなど、県全体の復旧復興が進められるように措置すべきであると考えます。復興大臣と財務省、それぞれの所感をお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/25
-
026・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 委員御指摘のことは本当に重要だと認識しております。
復興財源の確保につきましては、予算の執行状況や事業の進捗状況等を注視しながら検討していく必要があると思います。令和五年度税制改正大綱にも記載のあるとおり、必要な復興事業の実施に支障を来さぬよう、復興大臣であります私としても、財源の確保に万全を期してまいりたいと思っております。
また、これまでも、復興事業については、被災自治体の要望をしっかりと踏まえて、復興のステージが進むにつれて生ずる新たな課題や多様なニーズにきめ細かく対応できるよう、予算の確保に努めてきたところでございます。
例えば、風評の影響の払拭に向けては、福島県及び県内全ての市町村を対象として、交付金において、自ら創意工夫の企画、実施する地域の魅力の発信などの取組に対して支援を行ってきているところでございます。
さらに、創造的復興の中核拠点として先月設立されましたF―REIは、その事業の効果が広域的に波及するよう、地域の多様な主体との様々な形のパートナーシップによる連携の構築、発展に取り組んでいるところでございます。
引き続きまして、国が前面に立ちまして、福島の本格的な復興再生に全力で取り組んでまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/26
-
027・秋野公造
○副大臣(秋野公造君) 被災地の方々の絶え間ない御努力によりまして復興は着実に進んでいる一方で、いまだ避難生活を送られている方もいらっしゃるなど、地域によって状況は様々であると理解をしているところでございます。
復興事業については、復興庁において、現場主義を徹底し、被災者の方々に寄り添いながら、復興のステージに応じた被災地のニーズにきめ細かく対応しつつ、震災からの復興に全力で取り組むべく、事業の在り方を含めて様々な検討を行っているものと承知をしてございまして、ただいま渡辺復興大臣よりも御答弁ございましたけれども、委員の御提案につきましても、まずは復興庁を中心に、各事業を所管する省庁において検討がなされるものと承知をしてございます。
財務省としましても、被災地の方々が一日も早く安心して生活ができる環境を取り戻せるよう、復興庁など関係省庁としっかりと議論をして、必要な予算措置をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/27
-
028・星北斗
○星北斗君 ありがとうございます。
本当に、福島県民、我慢強い県民性であります。今、福島の農産物は安くてうまいと言われて、国産米という扱いで消費されています。やはり、プライドを持って福島県に住んで、福島県で子供を育てて、そしてなりわいを立てていく、そういう福島を取り戻さなければいけないと、そういう強い思いを新たにしています。
冒頭申し上げたとおり、震災直後はかなりの混乱がありました。しかし、それを乗り越えて現在に至っています。私も、県内、選挙もありましたからくまなく歩いて、多くの方から、全域から様々な御意見いただきました。そのときに感じたこと、そして期待をしていること、これを中心に本日の質問はさせていただきました。
福島県は、まさに国民の皆様、政府、自治体関係者、そして県民一人一人の努力によって一歩一歩復興に向けて前進しています。全閣僚が復興大臣であるという認識、これに基づきまして引き続き復興再生が進められていくことを強く希望して、質問を終えます。
本日はありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/28
-
029・鬼木誠
○鬼木誠君 立憲民主・社民の鬼木誠でございます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。
今国会、本会議、そして本委員会又は予算委員会、決算委員会、多くの委員会で東日本大震災からの復旧復興に関する質疑が行われたと。そして、その質問に対して、そのたびに、政府、それぞれの大臣の皆さんからは、被災者に寄り添う、あるいは、福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし、まさに復旧復興に向けた基本的な姿勢あるいは決意の答弁がなされたように感じます。
今国会でこの答弁を頻繁に耳にしたのは、今国会の中で、やっぱり東日本大震災からの復旧復興、とりわけ福島原発事故からの復旧復興に関連をする重要な法案が数多く提出をされていたから、加えて、それらの法案が福島の復旧復興にとって極めて大きな意味を持つものであったからではないかというふうに思っています。
そして、あえて付け加えれば、それらの法案が、十年以上復旧復興に向けたたゆまぬ努力を続けてこられた福島の皆さんにとって受け止め難い、あるいは許し難い、そのような内容を多く含むものであった、それがゆえに、政府の姿勢をもう一度聞きたい、質問の数が増えたんではないか、そして、私自身がそうであったように、そのような福島の皆さんの心情あるいは問題意識を共有させていただきながら質問をさせていただいたんではないかというふうにも思っています。
復旧復興がいまだ道半ばであることについては、ここにいらっしゃる委員の皆さんは全員、その思い、共有だというふうに思っています。その意味で、あの震災、そして原発事故は、過去の災害ではなくて現在進行形の災害である、このこともまた共有できるのではないかというふうに思いますし、私自身も現地に行くたびにその思いを強くいたします。
にもかかわらず、例えば、今日の午前中の本会議でも議論をされましたけれども、原子炉の使用年限を実質延長する、あるいは原発の新増設を推進をする、あるいは復興所得税に関する課題などなど、発災から十年を過ぎたことを契機とするように、一気に法律が変えられる、あるいは取り巻く環境や制度が変えられようとしている。そのことに対して、現地の皆さん、政府はあの震災や原発事故を現在進行形の災害として捉えてないんではないか、過去の出来事として一区切りを打とうとしているのではないか、そのような思いで今回の動きを捉えていらっしゃる方たくさんいらっしゃるんではないかというふうに思うんです。口では寄り添うと言いつつ、本当は、もう忘れていいんではないかと、そのように思ってはいないか、そんな不信や不安を感じていらっしゃる現地の皆さんがいらっしゃる、是非そのことは改めてお伝えをしておきたいというふうに思いますし、不安を払拭をするためには、真摯に今ある課題と向き合う必要がある、そして更なる努力を続けていく必要がある、その姿勢を現地の皆さんに見ていただく必要がある、そのことも付け加えておきたいというふうに思います。
福島の復旧復興に向けては、廃炉、そして除染が私は大きなポイントだと、極めて重要であるということを、この間、様々な場面で訴えさせていただきました。その廃炉について一点お尋ねをしたいというふうに思います。
先日、福島第一原発の一号機の内部の様子が水中ロボットのカメラ映像によって明らかになりました。想定でしかなかった内部の状況が鮮明に明らかになったことによって、廃炉作業、とりわけ燃料デブリの取り出しについて、これまで以上に、やっぱり難しいんじゃないか、困難じゃないかというような見方ということも意見として出されたところでございます。
加えて、この調査によって、原子炉を支えるコンクリート製の台座が著しく損傷している、そのような実態も明らかになりました。もし今のような状態の中で大きな地震が起こったら放射性物質が外部に流出する事態になりかねない、そのような指摘もなされていました。ただ、このような指摘に対し、東電からは、耐震性を含めて、原子炉格納容器が損傷するおそれは低いという見解が出され、恐らく決算委員会でも同様の趣旨の答弁がなされたんではないかというふうに記憶をしているところでございます。
しかし、この問題に対して、五月の二十四日、原子力規制委員会で議論がなされ、敷地外に放射性物質が飛散するケースも想定し対策を検討するように、そのような指示を東電に出すと方針が決められたということが報道をされています。二十五日の東京新聞の記事によれば、規制委員会の山中委員長は、周辺環境や住民に影響があるかもしれないことについては事故を起こした東電に素早くやってもらうことが責務だとおっしゃった。さらに、規制委員会の杉山委員からは、東電の見解は楽観的、それなら大丈夫とは考えられない、このようなコメントの紹介もなされているところでございます。
これ、僕、杉山委員のおっしゃるとおりだと思うんです。この問題に対して決して楽観的になってはならない。より厳しく言うと、原発事故に起因する課題について、そしてとりわけ廃炉に関する課題について、楽観的になれる気が知れないというふうに私は思っています。
この規制委員会からの指示というものを踏まえて、今後どのようなスケジュールで検討と対策がなされるのか、今段階でのお考えがあればお聞かせをいただきたいというふうに思います。とりわけ、昨今、大きな地震が日本中で続いています。対策や検討が遅れれば遅れるほど危機的な状況につながりかねない、そのような強い危機意識を持って素早い御対応をいただきたいというふうに思いますけれども、改めましてその日程感等についてお答えをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/29
-
030・山口裕之
○参考人(山口裕之君) 東京電力ホールディングスの山口でございます。
福島第一原子力発電所から十二年が経過してございますけれども、今もなお広く社会の皆様に大変な御心配、御迷惑をお掛けいたしましたこと、改めましておわびを申し上げます。
お答えを申し上げます。
五月二十四日の原子力規制委員会における御議論を踏まえ、原子炉格納容器に開口部が生じた場合の周囲への影響などについて評価するよう、原子力規制庁より御指示を受けてございます。現在、敷地境界におけるダスト飛散の影響の評価や対策について検討を進めておりますが、次回の技術会合等において速やかに原子力規制庁に御報告をしたいと考えてございます。
三つ御指示をいただいてございますけれども、もう一つ、ペデスタルの支持機能が喪失したとして、圧力容器、格納容器の構造上の影響がないか検討すること、こちらの指示につきましては、評価が完了次第報告することが求められてございますので、そのようにさせていただきたいと考えてございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/30
-
031・鬼木誠
○鬼木誠君 次回の委員会はちなみにいつ予定されているのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/31
-
032・山口裕之
○参考人(山口裕之君) 六月五日の予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/32
-
033・鬼木誠
○鬼木誠君 ありがとうございました。
日が余りない中での御苦労もあるかというふうに思いますけれども、先ほど申しましたように、やっぱりこれ急がにゃいかぬと思うんです。遅れれば遅れるほど危険が高まるというふうに不安を感じていらっしゃる、たくさんいらっしゃる。是非取り急ぎの検討、そして十分な対策打っていただくことを心よりお願いをしておきたいというふうに思います。
山口参考人にはこれ以降質問ございませんので、出席のお取り計らいについては、委員長、お願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/33
-
034・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 山口参考人におかれましては御退室いただいて結構でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/34
-
035・鬼木誠
○鬼木誠君 それでは、法案に関する質問、とりわけ移住期間に関する質問について移らさせていただきたいというふうに思います。
私たち立憲民主党の東日本大震災復興対策本部は、今年の三月に福島県の被災地視察を行いました。その際に、現地の首長の皆さんとも意見交換を行った、様々な御意見をお伺いしたところでございますけれども、その際、浪江町長からは、福島十二市町の将来像を踏まえた復興についての御要望というものをお受けをしました。その中に、交流人口を拡大する施策、交流人口から定住人口につなげる施策をソフト、ハード面で実施できるよう十分な予算の確保と柔軟な支援制度を構築をすること、このような内容がございました。
交流人口を拡大する施策とは、二地域居住あるいは交流居住などを指すものと捉えておるところでございますけれども、若い層の皆さんの中では二地域居住を検討する人が増えているというふうに聞いています。その際、考慮する条件としては、交通整備等のアクセス性の向上、医療、介護の充実、先ほど御意見ございました、そして仕事があることが挙げられており、生活環境の充実と仕事という条件がクリアをされなければ交流人口というのはなかなか増えないというふうに私自身は受け止めました。
また、大熊、双葉の皆さんからは、避難指示解除になっても、医療機関、商業施設を含む衣食住の環境や就労環境が整っていないために生活の再建には程遠いというような御意見、お声もお聞きをしました。復旧復興の途上にある被災地の皆さんはやっぱりほぼ同様のことを求めていらっしゃる、同じ苦労をなさっていらっしゃるということを改めて学ばさせていただきました。
そこで、まず福島再生加速化交付金についてお尋ねをしたいというふうに思います。
原発事故被災十二市町に移住をして五年以上居住をする、就業又は起業をする人を対象に、一世帯に対し最高二百万円の支援金を支給する制度など、福島県や市町村が行う取組にこの再生加速交付金を活用できる仕組みがつくられ、二一年度に、移住希望者への情報発信、あるいはコミュニティービジネスの起業支援などを対象として、五十億円の予算が計上をされている。
これを受けて、福島県は、移住支援金あるいは起業支援金というものを創設をしている。二一年度中には約三百人の移住を見込むということが言われておりましたが、この点、その後、実績はどのようになっているのか、お教えいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/35
-
036・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) お答えいたします。
原子力災害被災十二市町村の移住、定住の促進につきましては、令和三年度から福島再生加速化交付金に移住・定住促進事業を創設したところであり、移住支援金を始め、各自治体、移住、定住の促進に向けた取組を支援しているところでございます。
移住支援金は、令和三年度から福島県が実施しております世帯員を含めた交付対象者数については、令和三年度は九十九人、令和四年度は三百二十六人となっております。
復興庁としては、引き続き、被災十二市町村及び関係機関と連携しながら、移住、定住の促進にもしっかりと取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/36
-
037・鬼木誠
○鬼木誠君 ありがとうございます。是非継続した取組いただきたいというふうに思います。
次に、この加速化交付金を活用した地域情報発信交付金についてお伺いをしたいというふうに思います。
これは、福島定住等緊急支援の地域魅力向上・発信支援事業として、復興庁から福島県と各市町村へ交付をされて行われている。事業の内容としては、風評動向調査、体験等企画、情報発信のコンテンツ作成、ポータルサイトの構築などなど。外部人材の活用や地域の語り部の育成、人材活用事業もございます。さらに、これらを一体的に行うための関連施設の改修などとなっており、復興庁や福島県のホームページなどでこの交付金を活用した取組の事例を見ることができると。
福島県による行政事業レビューシートには、事業の一定の評価が記載をされているところです。一例を挙げれば、風評・風化対策に対する情報発信分析事業において、福島県のイメージ調査の結果として、震災発災以降、福島県のイメージは徐々に回復傾向にあったものの、ALPS処理水の処分方針決定後にイメージが低下したなどが記載をされている。しかし、これ、国としての行政事業レビューシートには詳細な記載がない。国としてこの事業をどのように評価をしているのかというのがいま一つ分からないんです。
そこで、これらの交付金を活用した事業の成果、そしてその評価についてお尋ねをしたいというふうに思っています。
特に、コロナ禍から抜け出しつつある中、インバウンドの皆さんが増えてきている。海外からお見えになる方に福島の復旧復興の現状を見ていただく、あの地震と原発事故から何を学ぶのか、教訓とするのか、そして、安全に安心して日常を送ることに必要なこととは何かと、それを学び合うというのは、とっても僕はいい機会だというふうに思うんです。そして、そのような積み重ねが帰還者や移住者の増加にもつながるというふうにも考えています。
改めまして、この交付金による事業がどのような状況なのか、そのように捉えていらっしゃるのか、是非お聞かせをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/37
-
038・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 原子力災害に伴う風評の払拭、影響を払拭して更に復興を進めていくためには、まずは、科学的根拠に基づく正しい情報を発信することだけではなく、地域の魅力を発信していくことが大変重要だというふうに思っております。
こうした地域の魅力発信につきましては、地元自治体を始めとする地域の方々にも担い手になっていただくことが効果的であることから、福島県内の自治体が創意工夫によって企画、実施する取組を支援するため、令和三年度に御指摘の地域情報発信交付金を創設したところでございます。
現在、各自治体では、この交付金を活用して、例えば、道の駅でのイベントを動画で全国に配信する取組や、首都圏、関西圏などでのイベントに複数の自治体が共同で参画する取組など、新しい特徴的な取組を進めていただいており、それぞれ成果を上げているものと認識をしています。また、その活用は、令和三年度、二十一自治体、三十九事業から、令和四年度、三十九自治体、八十三事業へ着実に広がっており、その必要性や有効性について各自治体からも広く評価されているものと認識をしているところでございます。
復興庁としましては、この交付金による支援が福島のイメージの向上や帰還、移住の促進に大きく寄与することを期待しており、更に有効に活用されるよう、地域のニーズにきめ細かく対応してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/38
-
039・鬼木誠
○鬼木誠君 ありがとうございます。
先ほどもお話をしましたし、御回答にもいただいたところでございますけれども、福島の今を知る、今、福島の現状を多くの皆さんに見ていただく、これ、移住をされる方だけではなくて、避難をされている方、もう全国にいらっしゃいますんで、全国に避難をされている皆さんに福島の現状を見ていただくということも帰還につながっていく、あるいは帰還を判断する上で非常に重要な材料になっていくんではないかというふうに思っています。そのことについてはまた後ほど少し触れさせていただきたいというふうに思います。
移住の方なんですけれども、衆議院の質疑でもこの新規移住者の目標についてのやり取りがなされている。双葉町の移住者目標については六百、大熊町は千百、浪江町二百、飯舘二人、五町村で約二千人の新規移住者という目標が立てられている。ただ、想定よりも帰還や移住はやっぱりまだまだ進んでいないというような現状、実態ではないかというふうに思います。これは、福島の今後がどうなっていくのかということについて、もちろん復旧復興は進んではいますけれども、やっぱり全体像がなかなか見えにくいということに一つの大きな原因があるんではないかというふうに思うんです。
福島の復興再生拠点区域を除いた帰還困難区域は全体の九二%、逆に言うと、帰還困難区域の全体の中で拠点区域が占める割合は八%でしかない。この拠点区域外の周辺部であるその九二%、今後、避難指示の解除に向けた工程がやっぱりまだまだ不明瞭、不明確。したがって、先ほど言ったように、帰還や移住の判断についてなかなか付きづらい、付けづらいというような実態があるのではないかというふうに思っています。
除染の問題も含めまして、決算委員会でも同様の質問をさせていただきました。渡辺大臣からは、将来的には帰還困難区域の全てを避難指示解除をする、そして復興再生に責任を持って取り組むという決意は揺るぎない、被災、あっ、ごめんなさい、避難指示解除に向けた取組を全力で取り組んでまいりたいという答弁をいただいた。非常に心強くお聞きをしたところでございますけれども、この帰還困難区域の全てを避難指示解除するための今後の工程について、現時点でどのようになるのか、改めてお聞かせをいただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/39
-
040・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 現時点といっても、先ほど、先般私が委員にお答えした内容と時間的に、そうありません。したがって、お答えする内容については前回同様のお答えになってしまうことをお許しをいただきたいというふうに思っております。
先ほど申し上げましたけれども、将来的に帰還困難区域の全ては避難指示を解除し、復興再生に責任を持って取り組む、この決意は揺らぎがありません。
その上で、特定復興再生拠点区域外については、地元住民の皆様方から、拠点区域外にある自宅に帰りたい、元いた場所で生活を再開したいとの切実なお声があり、受け止めております。まずは、二〇二〇年代をかけて、帰還意向のある住民の方々が全員帰還できるよう、まずはこの法律を提出したところでございます。
このため、まず本法案を成立させて、帰還意向のある住民の方々が一日でも早くお戻りいただけるよう、各地元自治体において設定される特定帰還居住区域について、除染を始めとする避難指示解除に向けた取組をしっかり進めてまいりたいと思います。
また、いわゆる残された土地、家屋等の取扱いについては引き続き重要な課題でありまして、地元自治体との協議を重ねながら、冒頭申し上げた決意の下、しっかり検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/40
-
041・鬼木誠
○鬼木誠君 おっしゃっていただいたように、決意は揺るぎないということについては改めてお答えをいただいたところでございます。
その上で、今回の法改正で触れられている特定帰還居住区域についての考え方についてもお答えを述べていただいたところでございますが、その点について改めてお聞かせをいただきたいというふうに思っています。
この帰還に応える、帰還したいという声に応えるために、今回このような法改正を行って、特定帰還居住区域として除染など必要な事業を行うこととなっている。そして、この居住区域の要件については、放射線量を一定基準以下に低減できる、一体的な日常生活を構成をしていた、かつ、事故前の住居で生活の再建を図ることができる、それから、計画的かつ効率的な公共施設等の整備ができる、拠点区域と一体的に復興再生できる、この四つが要件として挙げられている。日常生活に必要な範囲として、宅地、道路、集会所、墓地などを含む範囲で設定するというふうになっている。
そこで、この一体的な日常生活圏を構成をしていた、かつ、事故前の住居で生活の再建を図ることということについて確認をしたいと思います。
例えば、帰還を希望する人が一定の人数ある、複数人集まっていくということになると、これ、集落になり得るというんですかね、隣近所の方も含めて一定帰ってくるということになると生活圏が広がりますので、そういう集落としての整備というのがイメージできるんですけれども、例えば、ぽつんと一軒離れたところにある、そこの一軒離れたところにお住まいの方が帰還したいというような御意向をお持ちのときには、この区域の設定ということについてはどうなっていくのか。あるいは、対象となる、これもう当然対象にならにゃいかぬと思うんですけれども、そのことについて少し明快にお答えいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/41
-
042・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 特定帰還居住区域については、一体的な日常生活圏を構成していた、かつ、事故前の住居で生活の再建を図ることができることという要件に該当することが必要でありますが、委員御指摘の点については、住民の方々の帰還に関する御意向を個別に丁寧に把握した上で、拠点区域から地理的な距離にかかわらず、その帰還に必要な箇所を特定帰還居住区域に指定できることとしておりまして、ぽつんと一軒家だから対象にならないということはあり得ません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/42
-
043・鬼木誠
○鬼木誠君 よく分かりました。
次に、同じく要件の二、事故前の住居で生活の再建を図ることができるという点についてお尋ねをしたいと思います。
原発事故から十二年、避難した方々が元々住まわれていた住居というのは、放置をせざるを得ない状況だったと。先ほど、三月に視察を行ったということをお話をさせていただきましたけれども、実はその際に、町長の元の住居というのを見せていただいて、中に入らさせていただいたんです。野生動物がどんどん入ってくるそうですね。物すごい屋内の状況でございました。とてもこの家で、この場所でこのまんま生活をする、暮らすというのは想定できないというような状況だった。帰還の意向をお持ちの方についても、同様な状況の方いらっしゃると思うんです。その方々の住居の確保をどうするのかということについては、これ大きな課題だというふうに思っています。
個人資産である住居の取得に対して国費を投入をするということについては基本的には難しいとしながらも、政府としても、支援の必要性についてはお認めになっているというふうに思います。
一昨年八月に政府の復興推進会議がまとめた特定復興再生拠点区域外への帰還、住居に対する避難指示解除に関する考え方の中でも、拠点区域外への帰還実現、居住人口の回復を通じて自治体全体の復興を後押しする措置であることから、国の責任において行うと、残された土地、家屋等の取扱いについては、地元自治体との協議を重ねつつ検討を進める、先ほど御回答いただきましたけれども、とされています。ただ、これまで、支援を行うということであるとか、その方法をこれから検討しますということについて、なかなか明確に、あるいは明快にお答えいただけていないのかなというふうにも思うんです。
改めて、帰還を希望する避難住民の皆さんが、安心して帰還できる、そのように捉えるために、思えるように、是非前向きな、そして明快な御回答をいただきたいというふうに思いますが、是非よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/43
-
044・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 委員御指摘のように、住居については個人資産的な要素があるということを冒頭おっしゃっております。この点が大変私どもは一番課題となる部分だというふうにまず認識をしているところでございます。
御自宅の再建費用を国が公的に負担することには、そういった意味ではなかなか制約があるんではないかなと思います。拠点区域と同様、建て替える方が負担することを原則とした上で、様々な対応が考えられるんではないかな、そのように思っております。この点を今後検討してまいりたい、そのように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/44
-
045・鬼木誠
○鬼木誠君 いま一つ、まだ残念ながら明快ではないというふうに思いますけれども、何らかの検討を行っていただくというようなことで、本日段階、受け止めさせていただきたいというふうに思いますが、これ、やっぱり大きいと思うんです、帰還を判断する上で。住まいがないことには帰りたくても帰れないというのが本音といいますか、皆さんの気持ちだろうというふうに思いますので、是非前向きな御検討をいただきますことを重ねてお願いをしておきたいというふうに思います。
次に、先ほど離れた一軒家のお話をさせていただきましたけれども、拠点区域と一体的に復興再生できるという点での整合についてお尋ねをしたいというふうに思いますが、当然、離れた一軒家の場合であってもこれは該当するんだよというようなことでお答えをいただきました。
ただ、住居地域が拠点区域から離れていればいるほど、例えば買物に行くとか通勤するとか通学をするとか病院に行くとか、日常生活を営む上で、その区域と家とのアクセスをどうしていくのか、その間、この区間の除染も含めてですね、というものが課題になっていくだろうというふうに思います。ここがやっぱり判明しないと、帰れるのか帰れないのかということをお迷いになる住民の方もいらっしゃる。
是非、この日常生活を営むことができるような除染、整備というものについても、これは必ず行うんだというようなことについて、いま一度お答えをいただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/45
-
046・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 先ほど一軒家の話につながるわけでありますけれども、住民の方々の帰還に関する御意向を個別に丁寧に把握した上で、拠点区域からの地理的な距離にかかわらず、その帰還に必要な箇所を特定帰還居住区域に指定していただいた上で、除染等を含めた所要の避難指示解除に向けた取組を行うこととなります。
なお、御指摘の要件は、帰還する住民の方々が日常生活を営むことができるよう、特定帰還居住区域と特定復興再生拠点区域、両方ございますが、のアクセスを確保することにより、両区域における日常生活、事業活動のつながりが必要であることを求めたものであり、拠点区域から遠方にある区域を除外することをその趣旨とするものではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/46
-
047・鬼木誠
○鬼木誠君 ありがとうございました。よく分かりました。
今のような説明、丁寧な説明であるとか、あるいはこの法律が目指すもの、あるいは疑問や不審に思われていることについて、やっぱり、先ほど来個別に丁寧にというような発信、御回答あっていましたけれども、そういう説明を繰り返し繰り返し行うことで意向調査というものの精度が増していくんではないかというふうに私は思っています。
その意向確認、意向調査の在り方についてなんです。
この間、意向調査の在り方について、すぐに帰還について判断できない住民にも配慮をして、複数回実施をするというような考え方が示されている。二〇二一年八月の政府方針では、二〇二〇年代をかけて、帰還意向のある住民が帰還できるよう、帰還意向を個別に丁寧に把握をするということが盛り込まれています。
先ほども少しお話をしましたけれども、避難されている方というのは、県内、福島県内だけではなくて、全国、広範囲に避難をされていらっしゃる。そうすると、この個別に丁寧にというのは結構難しい、容易ではないなというふうに思っています。
この帰還意向の確認について、まずはどのような方法で行われるのかという点についてお聞かせをいただきたい、お教えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/47
-
048・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 帰還意向の確認につきましては、昨年夏以降、各地元自治体と共同で進めているところでございます。
具体的には、双葉町、大熊町、浪江町、富岡町において、対象となる世帯の世帯主の方等に帰還意向調査を個別に郵送し、返送していただく形で実施してきているところでございます。
これに加えて、帰還意向調査の実施に当たっては、各自治体と共同で、自治体の行政区ごとに住民同士の対話も含めた意見交換会や座談会などを開催するなどして、地域別に住民の御疑問、それから御懸念を丁寧にお伺いするような取組も実施しているところでございます。
こうした取組を含めて、引き続き、自治体と連携しながら、御帰還を希望する住民の方全員が安心して帰還できるように取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/48
-
049・鬼木誠
○鬼木誠君 意見交換会等も含めて丁寧な取組を行っていくということでございますけれども、先ほど言ったように、県外に避難をされている方等々についてどれだけやっぱり丁寧にそのことを行うことができるのかというのは重要な課題だというふうに思っています。それぞれの自治体でも苦労があるというふうに思いますし、工夫ある取組も行われるんではないかというふうに思いますけれども、是非、引き続きこの丁寧な意向確認ということについて追求をいただくことをお願いをしておきたいというふうに思っています。
僕が一番感じているのは、特にやっぱり、県内にいらっしゃる方もそうなんですけれども、先ほど来繰り返しておりますように、県外にいらっしゃる方が、復旧復興の状態を知る機会がそう多くない方もいらっしゃるんではないかと思うんですね。ニュース等でこんなことがあったよということを知る機会はあったとして、日々の復旧復興がどのように進んでいっているのか、そういう、出会う機会が少ない、最初の方で情報発信事業等についてのお話もさせていただきましたけれども、あらゆるツールやあらゆる施策を通じて、やっぱりしっかり情報を共有できるような工夫というのも要るんではないか。とりわけ、県外に避難をされている皆さんについて、そういう今言った帰還の希望の判断という観点からもしっかりフォローをしていただくということ、これも重ねてお願いをしておきたいというふうに思っています。
一番悩まれているのは、恐らく、もう避難から十二年たつと、避難先でもう新たな自分の生活拠点ができている方が多いと思うんです。その生活拠点を、元の家に戻るということはその生活拠点を廃棄をする、捨ててでも、あるいは二重拠点という方いらっしゃるかもしれませんけれども、とっても大きな判断をしなければならないということ、もう十分御承知おきだというふうに思いますけど、是非そういう点にも、その点も考慮をいただいた上で、この丁寧にというような部分をどれほど厚くできるのかということについて、是非、今まで以上の、今までの取組を踏まえて、そこから導き出された教訓や成果というものを踏まえて取組を進めていただきたいというふうに思っているところでございますけれども、いま一度、この丁寧な意向確認ということについて、御回答、お考えがあればお聞かせをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/49
-
050・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 大臣からも答弁させていただいておりますけれども、各自治体の行政の方と住民の方の間のつながり、大変濃うございます。私ども、お供する機会として、例えば東京での住民懇談会、仙台あるいは新潟、こういったところで住民懇談会をやっておられる自治体もございます。こういった機会にもできるだけ行政、国の側も参加できる機会をつくっていただいて、意見交換を重ねられればと思っております。
そういったことも含めて、帰還意向の確認については複数回行うということも考えてございますので、しっかりやっていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/50
-
051・鬼木誠
○鬼木誠君 ありがとうございました。
今最後にあった複数回ということについて今度はお聞きをしたいというふうに思います。
避難住民の皆さんから帰還意向確認を行った上で特定帰還居住区域の範囲を設定をする、公共施設の整備等の事項を含む特定帰還居住区域復興再生計画を策定をする、それを総理大臣が認定をする、国費負担によって除染等が実施をする、流れとしてはこういう流れだろうというふうに理解をしているんですけれども、この意向調査、意向確認については、御回答あったように、複数回行うということになっている。
この複数回の意向調査なんですけれども、例えば、答弁の中、御回答の中であったように、各町村で住民説明会などが行われている、このサイクルというか、意向確認、除染、避難指示解除のサイクルを二〇二〇年代をかけて複数回行うことを想定をしている、このような説明が説明会の中でなされているんではないかというふうに思っています。
住民の皆さんの中には、帰還する、帰るかどうか迷っている皆さんの中には、最初はちょっと不安だけれども、例えば、復旧復興がどんどんどんどん進捗をしている、あるいは、ほかの皆さん、近所の皆さんが帰る方が増えていく、そのような状況の変化、あるいは進行の変化の中で、ああ、やっぱり帰還してみよう、やっぱり元の家に住みたい、帰りたいというふうに心情の変化というのもあるんではないかというふうに思うんです。
そのような意向の変化、帰還意向の増加、それらを反映をして、特定帰還居住区域の設定範囲などを修正をする、あるいは復興再生計画を上書きをする、更新をする、そのような形で理解をしていいのか、それとも、一定回数意向確認をしたら、もうそこで、もう一旦終わりですと、もう再生計画については、これ以降の意向確認、帰りたいと言ってもなかなか難しいですというようなことで考えていらっしゃるのか、その点少しお聞かせをいただければと思うんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/51
-
052・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 帰還意向調査につきましては複数回実施をするということにいたしておりますが、その手続としては、仮に、計画策定後に帰還の御意向が新たに確認された場合において、こうした住民の方々の生活の再建が図られるよう、新たに特定帰還居住区域の設定を検討をし、計画の変更や新たな計画の追加ということを行っていただくことは可能であるというふうに制度上考えてございます。
また、御指摘いただきました、何回か行った後ということでございましたけれども、二〇二〇年代をかけて帰還をいただくという時間軸で考えてございますので、おおむねそういった時間軸の中で帰還希望のある方は皆さん戻っていただけるように具体化を図っていきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/52
-
053・鬼木誠
○鬼木誠君 ありがとうございました。
今の答弁、御回答で、やっぱり少し迷っていらっしゃる方、あっ、何回かチャンスがある、あるいは、帰還をしたいという意向について、もう少しじっくり考えていいんだ、いろんな情報や現状等を把握をした上でというふうに思われる方いらっしゃるというふうに思いますので、それらについてもやっぱり情報発信していただきたいなというふうに思っています。
総じて、今回変わる法律について、不明な点、あるいはよく分からない点、あるいはもう少し詳しい説明をした方が理解が進む点、結構多いと思うんですね。そこを、先ほど丁寧なというようなお話ししましたけれども、丁寧にどういうふうな形で説明をしていくのか、度重なる説明になって、自治体の皆さん、国の皆さん、もう大変だというふうに思いますけれども、ここはやっぱり手を抜くことはできないというふうに思いますので、しっかり行っていただければというふうに思っています。
それからもう一つ、この間の答弁の中で気になっているのは、地元自治体と今後協議しながら検討していくというのが多い。もちろん、地元自治体の方の意向というのは大変重要、大切でございますから、その協議をしっかり行っていただくことは必要だというふうに思うんですけれども、この法案が今まさに議論をされている段階で、まだ先のことよく分からない、これからの検討なんですというようなことについてもまだ残っているような気がするんですね。
ですから、ある意味、今の時点で不明瞭なところ、あるいはかちっと固まっていないところについても、しっかりした内容や方向性についてなるべく早期に固めて、意向調査、意向確認、複数回行われる意向確認の中で、そのことが正しい情報として的確に、できれば早く伝わるように、引き続きの努力というものもお願いをしたいというふうに思いますし、そのことが避難住民の皆さんに寄り添うということだろうというふうに思います。
最後の、時間的に最後の質問になります。
今回の改正案を閣議決定をした今年の二月七日の閣議決定後の記者会見において、今回の帰還スキームの位置付けに対する記者の問いかけございました。拠点外について今後どうするかということでこの法律を改正するわけである、これは、位置付けとしては最後の位置付けという形になる、このような答弁がなされたものというふうに理解をしています。帰還スキームとしての最後ということは、今回の改正案による除染、帰還の枠組みを繰り返し継続をすることで帰還希望者全員の帰還を行うというふうに理解ができるところなんです。
ただ、今回の改正案は、まさに帰還意向のある方の日常生活圏の範囲を除染ということになっているわけですから、あくまでも面の除染ではなくて点の除染だというふうに私は捉えています。帰還される方が増加をしていったとしても、場所によっては重ならない部分がある。つまり、表現は適切ではないかもしれませんけれども、帰還困難区域がこうぽつぽつと虫食いのように広がっていくことはあっても、全部が除染されること、このスキームではないというふうに理解をしている。ただ、そうなると、帰還困難区域の全てを避難指示解除をするという元々ある方針、揺るぎない方針と、全ての帰還希望者が帰還できるように行っていくためのスキームとして今回行う方針、あるいは除染のスキームといいますかね、がどうもうまくかみ合わないような気がするんですね。
この点について、是非、先ほど来お話をしているように、やっぱり帰還希望をされる、あるいは帰るか帰らないか迷っている方について、その不整合がすとんと落ちないと最終の判断に至らないんではないかということも思いますので、是非この点について、決意も含めてといいますか、お答えをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/53
-
054・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 私は、復興を成し遂げるという、先ほど自分の決意は申し上げたとおりでありまして、復興を成し遂げるためには、やはり全体の帰還困難区域を最終的に解除していく、これはもう我々の仕事だと、そういうふうに思っておりますが、まずは、帰還したい、でも帰れない、こういう人たちのまず意向にしっかりと沿うことが必要だということで拠点外の創設を今回の法律でしたわけであります。
したがって、先ほどの私の答弁の中で、前回の記者会見の中で、最後のスキームだというようなお話は出されました。この点については、二月七日の会見での、私の会見でのことを指しているというふうに思っておりますけれども、その会見の場では、記者の方から、最後の帰還スキームであるかとのお尋ねであったので、帰還を希望する住民の方々の全員の帰還を実現する、実現することを目指すんだという私の意気込みを込めて述べたつもりであります。
帰還意向については、すぐに帰還について判断できない住民、先ほども委員が申し上げたとおりでありますが、こういった住民にも配慮しまして、複数回にわたって帰還意向の調査をしていくということがまず第一点ございます。現時点で意向を示されない方も、二〇二〇年代をかけて、帰還意向のある住民の方々が全員が帰還できるように、避難指示の解除の取組を進めていく、そのようにしていきたいというふうに思っております。
また、こうした取組を進めていった中において、それでもなお残された土地や家屋、当然あります。こういった土地や建物の扱いについては引き続き重要な課題として取り組んでまいりたいというふうに思っておりますが、この際も、地元の自治体との関係、やはり協議を重ねてしていかなければならない点がございますので、引き続き丁寧に進めてまいりたい、そのように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/54
-
055・鬼木誠
○鬼木誠君 ありがとうございました。
今の答弁で少し分かって少し分かんなかったんですけれども、ただ、心配するのは、最後のスキームという言葉が独り歩きをして、もうこれ以外に帰還ということについてのすべがないんだというふうな受け止めに仮につながっているとしたら、少し判断する際のバイアスが掛かってしまうかなというような気持ちもございますので、今御答弁をいただいたことも含めまして、改めて、先ほども言いましたように、情報が正確に伝わるように、そしてしっかりした理解につながるように、引き続きの努力というものをお願い申し上げまして、私の質疑を終わらさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/55
-
056・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 委員長、ちょっと追加で、済みません、簡単に。分かりやすくしなけりゃいけないと思うんで。
最後の復興の施策、最後の復興の施策ではありませんよということを私は強調していきたいというふうに思っています。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/56
-
057・徳永エリ
○徳永エリ君 立憲民主・社民の徳永エリです。今日もどうぞよろしくお願い申し上げます。
改正案の質疑に入らせていただく前に、前回に続きまして、ALPS処理水の海洋放出、そのことに関して質問させていただきたいと思うんですけれども、ALPS処理水の海洋放出、その時期が迫ってまいりました。今年夏頃までということでありますけれども、そこで、改めてお伺いをしたいと思います。
政府が言うところの関係者の理解ということなんですが、この理解はこれまでに得られているというふうに受け止めておられるんでしょうか。お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/57
-
058・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答えいたします。
先般の質疑でも、理解につきまして御指摘をいただいたところでございます。特定の指標をもってお答えすることは困難だと申し上げたところでございます。
一言で理解と申し上げましても、それぞれの方々が様々な立場とか、あるいは観点、考え方を持っておられますので、求める情報でありますとか、その情報で得た解釈は異なってくるのではないかと思っております。
例えば、ALPS処理水の安全性は理解するけれども風評を懸念しているという方もいらっしゃいますし、あるいは、放出には反対ではあるけれども廃炉を進めることの必要性については理解しているという方もいらっしゃるかと思いまして、理解の在り方につきましては千差万別だというふうに考えてございます。
経済産業省といたしましても、引き続きこれらの方々により多く理解をいただくように取り組んでまいりたいと、このように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/58
-
059・徳永エリ
○徳永エリ君 理解の仕方に関しては千差万別とおっしゃいました。確かにそうだと思います。
でも、政府がALPS処理水の海洋放出を判断する、それは理解なわけですから、政府として、じゃ、理解を得たということはどういうことなのか、政府のお立場をきちんと説明をする必要があると思うんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/59
-
060・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答え申し上げます。
御指摘の理解でございますけれども、二〇一五年に経済産業大臣としまして、経済産業省としまして福島県漁連に対してお約束したものでございます。したがいまして、一義的には福島県漁連を対象に考えてございます。
県漁連の皆様、反対の立場は変えられないということもおっしゃっていますけれども、それでも、繰り返し様々な場面を通じまして説明の機会をいただいているところでございます。野崎会長自身、私たちが望んでいるのは漁業を継続していくというこの点に尽きるというコメントもされてございます。こうした思いも踏まえまして、事業者のなりわいが継続していくように取り組んでまいりますし、そのために対策に取り組み、かつ説明もしてまいりたいと考えてございます。
その上で、様々な状況も踏まえまして、先ほど申しましたとおり、約束につきましては経済産業省として約束してございますので、総合的に判断をしてまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/60
-
061・徳永エリ
○徳永エリ君 つまり、理解と言いながら理解が判断の基準にはなっていなくて、放出した後も引き続き理解の醸成に努めていきますと、こういうことしかおっしゃっていないわけですよね。
福島での意見交換、説明会の後に、漁業者の方から、まあ幾ら反対してもやるんだろうなと、政府は強行するんだろうなと、そういった落胆、諦めの声、聞こえてきているのは事実だというふうに思います。
政府は、全国規模の広報活動や、関係者や若い世代との意見交換など、ALPS処理水について認知してもらう、理解醸成に向けて様々な取組をしていますということをこれまでも御答弁されてまいりましたけれども、でも、何度やっても何年やっても、これ回数だけでは駄目なんだというふうに思うんですね。
私は、少なくとも、福島県において、漁業関係者だけではなくて、一般の方も含めて、その政府が取り組んできた理解醸成の様々な活動、じゃ、どのくらい理解が広がったのか、それをきちんと数字で示して、せめて、せめてそれを判断の一つの根拠ぐらいにはするべきではないかというふうに思います。
なかなかその特定の数字や指標をもって理解を得たと判断するのは難しいというふうにおっしゃっておられましたけれども、でもやはり、せめて、いろんな取組をしてきたんですから、その成果が出ているのかどうかぐらいの調査はするべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/61
-
062・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答え申し上げます。
御指摘の世論調査のようなもの、アンケートも含めて世論調査でございますけれども、調査の主体でありますとか対象、あるいは問い方、あるいはその問う主体でありますね、国なのかそうじゃないのか、いろんな主体によりまして、得られる結果でありますとか、あるいは解釈の仕方は異なってくる可能性があると考えてございます。
実際に、様々な調査あるいはアンケート、世論調査が行われていると承知してございまして、例えば、読売新聞、今年一月の世論調査では、賛成が四六%、反対が四三%、三月に朝日新聞が実施した世論調査では、賛成が五一%、反対が四一%というふうに承知をしてございます。このように、世論調査の結果につきましては様々な結果が出てくるものだと考えてございます。
理解醸成の状況、先ほど申し上げましたとおりでございまして、完全に理解する、あるいは完全に理解しない、一〇〇かゼロかというような割り切れるものではないと考えてございますし、人によって受ける影響の割合とか度合いは異なっているというふうに考えますので、世論調査の数字など、特定の指標や数値によって判断することは適切でないというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/62
-
063・徳永エリ
○徳永エリ君 様々なメディアが世論調査をしていると。それじゃ駄目ですよ。政府がきちんと調査をしてください。是非そのことをお願い申し上げたいと思います。
関係者からしてみれば、理解とはどういうことかというと、健康への影響はないだろうか、本当に安心、安全は担保できているのか、あるいは、漁業や水産加工業、このなりわいに影響が出ないのかどうか、万が一風評被害が起きて経営や生活に影響が出たら、十分な賠償、補償、これを本当に受けることができるんだろうかと、そういったことの確かなあかしが欲しいんだというふうに思います。
特に安全性については、国や東電ではなくて第三者による厳格な評価、これをしっかり仰いで、国民の納得が得られるような説明が必要だと思いますが、いかがでしょうか。大臣、これまでの御答弁も聞いていて、どう思われますか。お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/63
-
064・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) このALPS処理水については、いろんな立場の方もいらっしゃいますが、その中で大事なのは、多くの方に理解の醸成をしてもらうということであります。
その理解の醸成については、例えば、対外的、外国に対してどのようにしていくか、また、国内的に見たときに、漁業者のみならず、消費者の立場、いろんな立場で対応していかなければならないと。そのために、様々な視点で情報発信をしていくことが大事ですが、その情報の発信の仕方でありますけれども、やはり科学的根拠に基づいた正確な情報を発信することが私は一番大事だというふうに思っております。それを評価するのがいわゆる第三者機関であるIAEAであるというふうに私は認識をしておりますので、このIAEAの対応に基づいて、しっかりと今後更に理解醸成を深めていくように努力をしてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/64
-
065・徳永エリ
○徳永エリ君 私は何度聞いても理解ができません。
このALPS処理水を海洋放出したことによって、メディアがどのように反応するのか、国際社会がどう評価するのか、あるいは漁業に関しても何が起きるのかということが全く分からないんですね。分からないがゆえに不安で不安で仕方がないということだけはお伝えしておきたいというふうに思います。
二十二日から二十五日まで、今月、韓国の二十一名から成る視察団が来日、福島第一原発の視察などを行いました。五月七日、岸田総理が韓国を訪問された際に、尹錫悦大統領と会談をして、韓国が専門家による視察団を現地に派遣することで合意をしたということなんですけれども、なぜ日本政府が視察団を受け入れることに合意したのか、その経緯と理由についてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/65
-
066・岩本桂一
○政府参考人(岩本桂一君) 韓国につきましては、これまで、局長級の説明会等の機会を通じて、ALPS処理水の安全性について科学的根拠に基づいて丁寧に情報提供や説明を行ってきているところでございます。
このような状況において、先ほど御指摘のありましたとおり、五月七日の日韓首脳会談では、岸田総理から、IAEAのレビューを受けつつ高い透明性を持って科学的根拠に基づく説明を誠実に行っていく旨述べていただいたところでございます。これを受け、両首脳が、韓国国内における理解を深める観点から、この東電の福島第一原発へ韓国の専門家で構成される現地視察団を五月中に派遣することで一致をいたしました。そして、今月二十二日から二十五日まで視察が行われたところでございます。
政府としましては、今回の視察団の派遣、またこれまでの局長級の説明会等の機会を通じて、引き続き、高い透明性を持って科学的根拠に基づく誠実な説明を行い、この韓国国内における理解が深まるよう一層努めていく考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/66
-
067・徳永エリ
○徳永エリ君 視察団がどのような視察をされたのか具体的に伺いたいんですが、初日の視察は午前十時から午後七時までの九時間も続いたという報道がありました。視察団からは、特に、処理水を海洋放出する前に放射性物質を測定するK4タンクというんですか、このK4タンクや監視制御室などを確認し、質問や要請があったということが報道されていました。
視察団からどのような質問、あるいはどのような要請があったのか、その具体的な内容について教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/67
-
068・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答え申し上げます。
福島第一原発での現地の視察でありますけれども、御指摘どおり、様々な設備、施設を見ていただきました。具体的には、監視制御装置あるいは貯蔵タンク、それからALPSの設備そのもの、あるいは測定、確認用の設備、処理水の移送用のパイプラインといいますか施設、あるいはその処理水の分析の施設、さらには緊急遮断弁、何かあったときに止める緊急遮断弁を含む放出設備を視察いただいているところでございます。
視察団におきましては、技術的な観点から、特に設備での安全対策に高い関心がございまして、各設備の内容とかでありますとか、あるいは運用について質疑応答が行われました。また、視察でございますとか質疑応答のやり取りの中で、韓国側から、設備の保全方法など、技術的な面で追加的に資料が欲しいという依頼も受けてございまして、それらにつきましては補足情報といたしまして適宜提供することとしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/68
-
069・徳永エリ
○徳永エリ君 韓国では、いまだ、原発事故を受けて、福島など八県の全ての水産物と十五県の一部の農産物の輸入禁止措置を継続しています。韓国でも漁業関係者などが海洋放出に不安を抱いておりまして、海に捨てることは福島の人に対しての国家的暴力だという声も上がっていると聞いています。
今回の視察は韓国でも連日報道されていたようですけれども、我が国政府は、今回の韓国視察団の調査によって安全性を確認してもらい、韓国の輸入禁止措置の解除につなげたいと考えているようですけれども、むしろ、この報道されたことによって、処理水を海洋に放出することによって韓国の国民の世論の声が私たちが期待している方向と逆の方向に向かって、解除の時期が遠のくということもあり得るのではないかと思いますけれども、この点に関して政府としてはどのように受け止めておられるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/69
-
070・中村和彦
○政府参考人(中村和彦君) お答えいたします。
お尋ねのALPS処理水の取扱いの安全性に関しましては、IAEAのレビューを受けつつ、韓国を含む在京大使館向けに説明会などを行いまして、こうしたことを通じ、丁寧に説明してきているところでございます。
韓国との関係では、先ほど政府参考人から御答弁申し上げましたが、こうした大使館向けの説明に加えて、別途、韓国個別に説明する機会も累次にわたって設けてきておりまして、先週には韓国専門家で構成される現地視察団を受け入れたところでございます。引き続き高い透明性を持って科学的根拠に基づく誠実な説明を行っていきたいと考えております。
また、東日本大震災後の日本産食品等に対する輸入規制の撤廃、これは政府の重要課題でございまして、韓国に対しても様々な機会を捉えて働きかけてきているところでございます。風評被害対策、この観点では、引き続き、韓国を含む国内外各地におきまして、レセプションの開催、被災地の食品の安全、魅力を発信する番組、動画の制作、配信、こういった取組を通じまして被災地産品や日本酒などの魅力を発信する、こういった様々な取組を展開してきておるところでございます。
外務省といたしましては、今後もあらゆる外交機会を捉えまして、また、在外公館や海外で築いた人脈、こうした当省の持つリソースを最大限活用いたしまして、関係省庁と連携しながら全力で今申し上げた取組を進めてまいりたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/70
-
071・徳永エリ
○徳永エリ君 今回の韓国の視察団の視察、調査の結果については、可能な限り早く内容をまとめて結果を公表すると、韓国政府としての判断を下すということが報道されておりましたけれども、どのような判断になるのか、これからもしっかりと注目していかなければいけないというふうに思っております。
それでは、福島復興再生特別措置法の改正案について質問させていただきます。
今回の改正では、福島県の帰還困難区域のうち特定復興再生拠点区域外地域において帰還の意思がある住民の方々の帰還に対応するために特定帰還居住区域をつくるということですが、震災、原発事故から十二年がたっても、まだ放射能による健康被害への懸念があります。
安心、安全対策について政府の基本的な考え方、また帰還後の線量の管理について確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/71
-
072・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) まず、帰還居住区域でございますけれども、帰還する住民が安全、安心に日常生活を営むために必要となる宅地、道路、集会所、墓地などを区域に含めていくという方針でございます。こういった区域をしっかり設定をして、除染を始めとする生活の再建に向けた環境整備に取り組んでまいります。
また、政府としては、これまでも、避難指示解除後も、帰還する住民の方々の安全、安心を考慮し、必要に応じて個人線量計の測定をすること、放射線の相談体制を整備すること、食品の安全管理等への支援、フォローアップ除染などの措置を進めております。こういったことを続けて、被曝線量の低減についても取り組んでおります。帰還居住区域につきましても、今後帰還する住民の被曝線量を低減し、不安に一層きめ細かく応える対策を地元自治体等の意向を踏まえながら講じてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/72
-
073・徳永エリ
○徳永エリ君 具体的にはどういう対応をしていくのかというのは示されていないと、これからもしっかり取り組んでいくということですよね。
本当にこの健康被害が一番心配だと思いますし、特にお子さんのいる家庭なんかは、これが一番大きな問題だと思うんですね。一ミリシーベルトを目指すということでありますけれども、しっかりとこの線量の管理、取り組んでいただきたいというふうに思います。
復興庁では特定帰還居住区域の帰還意向調査を行いましたけれども、ちょっと時間がないので質問飛ばさせていただきますけれども、年齢構成とか、それから家族構成、こういったことはこの意向調査の中で具体的に分からないということなんですね。
私、恐らくやっぱり高齢者の方が多いんだというふうに思うんですよ。高齢者の方々は、もう人生の最後をふるさとで暮らしたい、家に戻りたい、恐らくそういう気持ちが強いんだというふうに思います。年金生活者の方が多いんだというふうに思いますけれども、それでも毎日毎日同じ繰り返しの生活をしているのではやっぱり生きがいがないということで、恐らく農業を営んでいた方々などは、その生きがいのための農業をやりたいと、こういう方がおられるんだというふうに思います。
そこで、お伺いしたいんですけれども、特定帰還居住区域の農地の除染の方針、線量をどこまで下げれば農地として使えるようになるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/73
-
074・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 農地の除染についてお尋ねをいただきました。
これまでの解除をしてきました区域、特定拠点区域を含みますこれまで解除してきた区域の農地につきましては、十分な除染措置を行って、営農再開に支障のない線量低減の措置を講じてまいりました。
そういう意味では、今般の特定帰還居住区域につきましても、営農の再開ということを考えた場合には、線量の低減については営農の再開に支障のない線量に低減をしていくことを検討することになろうかと思いますが、現時点、営農の再開につきましては、住民の方の御意向を確認をするとともに、その実施の体制等について地元自治体と検討をしながら具体化をしていくという方針で取り組んでいるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/74
-
075・徳永エリ
○徳永エリ君 これからということですよね、よく分からないんですけれども。
そこで、ちょっと唐突なんですけれども、大臣、今日は御提案をさせていただきたいと思っているんです。放射能の影響がまだ心配な地域での農地利用、農産物の生産に関してなんですけれども、福島で、植物由来のジェット燃料、SAF、この原料となる作物を生産したらどうでしょうか。
そこで、この航空燃料の脱炭素化の動きについて伺いたいと思います。また、具体的に我が国ではどのような取組をしているか、御説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/75
-
076・定光裕樹
○政府参考人(定光裕樹君) お答え申し上げます。
航空分野の脱炭素化に向けては、国際民間航空機関でありますICAOにおいて、今後のCO2の排出につきまして、二〇二四年以降は二〇一九年のCO2排出量の八五%未満に抑えるというかなり意欲的な削減目標が採択されておりまして、これによりまして、世界的にも今後更にSAFの需要が高まっていくということが想定されてございます。
我が国といたしましても、現在、複数の事業者がSAFの製造、供給に向けた取組を進めておりまして、経済産業省といたしましても、グリーンイノベーション基金などを活用し、SAFの製造技術開発、あるいはその実証に取り組む事業者を支援するなど、国際競争力のあるSAFの製造技術開発を進めているところでございます。
さらに、委員御指摘のとおり、SAFの製造のためには、この原料の確保というのが大きな課題でございまして、国土交通省と共同でSAF官民協議会を立ち上げておりますけれども、ここの場で、国内外からの原料の確保を含むサプライチェーン構築に向けた検討を行っているところでございます。
今後、農林省や環境省とも連携し、御指摘のような国内の農作物の活用も含めたSAF用原料の国内調達比率の向上に向けた各省の取組を、アクションプランとして年内を目途に取りまとめていきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/76
-
077・徳永エリ
○徳永エリ君 官民協議会の構成員に農林水産省も入っておりますけれども、農水省のこの考え方、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/77
-
078・岩間浩
○政府参考人(岩間浩君) お答え申し上げます。
今の官民協議会、農林水産省も参画して、導入促進に向けての官民での議論、進められているということでございます。
農林水産省としましては、そういう意味では、食料、飼料の多くを輸入に依存する我が国として、国産SAFの生産を行う、これが食料あるいは飼料の安定供給と両立するということ、それから地域の活性化に資するということが重要というふうに考えてございます。
このため、御指摘ありました、こういったエネルギー作物を国産バイオ燃料と、原料として活用するということでは、現場の再生産をどのように確保していくかというところは課題と。まずは、こういった原料向け作物を価格、量の両面からやはり安定的、長期的に引き取っていただけるか、この辺が論点になるというふうに考えてございます。
農林水産省としましては、そのような課題も踏まえまして、引き続き、国産バイオマスを活用したバイオ燃料の生産、製造の連携ですとか、それから原材料生産の研究開発に対して、農林漁業バイオ燃料法による税の減免ですとか、そういった支援を行うとともに、官民協議会の議論に積極的に参加してまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/78
-
079・徳永エリ
○徳永エリ君 エネルギー作物といえば、サトウキビ、デントコーン、ビート、カンショ、菜種。アルコールや油になる、これがエネルギー作物になるということですけれども、やはり、今の温暖化の状況とか考えて、どんな被害がどこで起きるか分かりませんから、国産、この増産をしていくということは非常に重要だというふうに思っております。
線量の高い地域ですから、口に入れる農作物を作ると、検査をして、線量が高ければ出荷停止ということにもなり得るわけですし、あと、高齢者の方々がなりわいとしてではなく生きがいとして農産物を作るということであれば、やっぱりこのコスト、製造コストが問題で、一リットル百円以内に抑えたいということなので、これまで農水省とこの議論をしてきたら、いやいや、もうそんなんじゃ全然作れませんよというふうにおっしゃってきたんですけれども、それは、なりわいとしている農業者だとやはりしっかり収入を得なければならないので難しいかもしれませんけれども、こういった生きがいとして農業をやる高齢者の方、労働負担も少ないということで、私は福島で菜の花を作ったらいいと思っているんですよ。
これまでも、南相馬で農地再生協議会が菜の花プロジェクトをやって、食用油、これを商品化してきました。菜の花は土から放射能を吸い上げるんですね。農地を浄化する働きがあります。そして、その吸い上げたものが油には絶対に移行しないということであります。ですから、労働力負担が小さくて、しかもなりわいとしてやっているわけではない高齢の方々に作ってもらう、そして、これがSAF、この原料になる。
私、これいいと思うんですよ。復興庁も国交省も経産省も農水省も、みんなの予算拠出すればできないことないと思います。これから、このSAFの将来性を考えたときに、省庁の枠組みを超えてしっかり取り組むべきだと思いますけれども、どなたに御答弁いただいたらいいでしょうか。じゃ、大臣、お願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/79
-
080・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 本当に各省にまたがる内容でございます。復興庁は、経産省、そしてまた農水省、さらには国交省、様々なところと連携しながら今後の復興をしっかりと対応していかなければならない、そのように思っております。
その上で、福島においては、新エネ社会構想においてもバイオマス等の地域資源を用いた事業可能性調査等の支援は行っております。こうした取組は、再生可能エネルギーの最大限導入の実現、ひいては福島の復興再生を推進する観点からも重要であると考えております。
特定帰還居住区域について言えば、今回の改正法案の成立した後、地元自治体において、地域の実情や住民の意向等を踏まえながら特定帰還居住区域復興再生計画が作成をされるところであります。その上で、御指摘の作物の種類に限らず、特定帰還居住区域での営農の再開については、必要な環境を整備、維持できるかといった諸条件を踏まえながら、帰還する住民や自治体とも十分に連携をしながら相談して検討を進めてまいりたい、そのように思っております。
また、特定帰還居住区域外の農地については、御指摘のような営農再開の点も含めて、引き続き重要な課題として、先ほど申しましたけれども、地元自治体と協議を重ねていって検討を進めてまいりたいと、そのように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/80
-
081・徳永エリ
○徳永エリ君 二〇三〇年の時点で本邦エアラインによる燃料使用量の一〇%をSAFに置き換えるということでありますから、余りもう時間がありません。もうどんどん取組進めた方がいいと思います。
菜種だけではなくて、先ほど申し上げましたほかのエネルギー作物も生産することによって、エネルギーに仕向けておいた作物を、いざ、それこそ食料安全保障上不測の事態が起きたときには、それを食料に仕向けるということもできますけれども、今、どんどん作付面積、いろんなものを減らしていっているんですよね。減らしてなくなったものをもう一回一から作ろうと思ってもなかなか難しい状況がありますから、そういった食料安全保障上の観点からも本当にこれはしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思いますし、本当に高齢者の方々の生きがいという観点でも私はすばらしい取組になるのではないかと思っておりますので、是非積極的なお取組をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/81
-
082・若松謙維
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
私も福島県民でありますので、今日、答弁側に、皆さん毎回毎回福島に入っていただいて、感謝申し上げます。
まず、この本法案の審議に入る前に二点確認させていただきたいんですが、まず一点は、福島国際研究教育機構の役員人事について、山崎理事長を始め、国内外の大変すばらしい、アドバイザーも含めて、方を結集されたと理解しております。そして、この方々が今後取り組む高度で数々の研究教育事業を適切に管理するためには、いわゆるRアンドDですね、のマネジメント又は組織のガバナンスに通じた公認会計士、弁護士、弁理士等の専門家が必須であると考えております。
そこで、質問ですけれども、今後、この機構がどのように経営の透明性、成果の評価、また全体のマネジメント等のガバナンスをしっかり確保していくのか、これは公認会計士の竹谷副大臣にお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/82
-
083・竹谷とし子
○副大臣(竹谷とし子君) 若松委員の御指摘のとおり、F―REIが法人としての適切なガバナンス体制の構築や先端技術の効果的な実用化、事業化を進めるためには、研究開発や産業化等に係る専門的な知見に加えて、法律や会計の知識を有する専門家の知見も活用することは不可欠であると思います。
現時点で決まっていることとして、F―REIは、法律に基づいて、各事業年度の財務諸表、事業報告書及び決算報告書につきましては主務大臣が選任する会計監査人の監査を受けることとなっており、会計監査人は会計の専門的知識を有する方から選任することとなっております。また、F―REIの各事業年度に係る研究開発等業務の実績について、主務大臣は、法律に基づき、復興推進委員会及び総合科学技術・イノベーション会議から意見を聴いた上で評価を行うことになっております。
その上で、若松委員御指摘のように、数々の高度な研究教育事業を適切に管理をしていくために、経営の透明性、成果の評価、全体のマネジメント等のガバナンスをよりしっかりと確保していくということは、F―REIの成果を高めていくために大変重要なことであるというふうに思っております。
復興推進委員会では、F―REIの業務特性に応じて実効性のある意見を出せるように、専門家を含めたワーキンググループの開催を予定しておりますので、適切な体制を今後検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/83
-
084・若松謙維
○若松謙維君 今、ワーキンググループで今後適切な対応ということであります。
是非指摘させていただきたいんですが、要は、世の中は形だけの監査というんですか、監事がたくさんあるわけです。そして、不祥事があると。一方、外部監査ですか、会計士に任せる、で、実際に不祥事が起きている。これがいわゆる、昭和のいわゆるガバナンス。
今、令和の時代でありますので、最低やらなくちゃいけないのは、まず経営者自らがしっかりとチェックをする内部監査人の指名、さらには法的な監査役また監事、そして外部の公認会計士と、これが三様監査と言われますけれども、これ最低ラインなんですね。それに、御存じのように、東証基準の外部取締役が三分の一以上と、こういった世の中流れでありますし、かつ、ややもすると、研究機関というのは、予算を確保して、研究者の方、真面目な方なんで、もうひたすら、世の中のこの変化をどっちかというと追い付かないで、一生懸命その中で頑張っていると。それで終わっちゃうんで、やはり外部の厳しい評価、チェックというのが大事でありますので、そういったところも含めたガバナンスの是非在り方というものを、是非、竹谷副大臣、いい形の姿を期待しておりますので、よろしくお願い申し上げまして、次の質問に移ります。
それでは、先ほどの韓国の現地視察の訪日の質問がございましたので、ちょっと私もダブらない意味で、やはり知りたいのは、テレビでも放映されていたんですけれども、いわゆる韓国側から、いわゆる追加資料ですね、が要請されたということでありまして、あくまでもその韓国の視察の目的は、いわゆる日本側からすれば理解醸成ということでありますが、今後のこの展開ってどんなふうになっていくのか、その日程感なり、この方向性なり、その内容なりをお伝えいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/84
-
085・里見隆治
○大臣政務官(里見隆治君) 御答弁申し上げます。
御指摘の、五月七日の日韓首脳会談が両首脳で一致した東電福島第一原発への韓国専門家現地視察団につきましては、日韓双方が原子力の国際機関であるIAEAの権威を共通の前提として、韓国国内の理解を深めていただくべく実施をしたものでございます。
現地視察団は、五月二十二日、東京で事前会合を行い、その後、二十三日、二十四日に東電福島第一原発を訪問、五月二十五日には事後の総括的な会合を行いました。
今回の視察団の訪日では、韓国側の希望に可能な限り沿う形で東電福島第一原発の視察箇所を設定するとともに、韓国側からの資料提供依頼に対応するなど、誠実に対応したところでございます。また、東京電力及び日本政府から、各種施設での内容や、ALPS処理水放出の際は規制基準以下まで浄化をし、更にそれを海水で希釈することなどをデータに基づき丁寧に現場で説明をしたところでございます。
今回の視察全体を通じて、視察団のALPS処理水の安全性に対する理解が深まり、韓国国内においても理解醸成が進むことを期待しております。
引き続き、こうした視察への対応などを通じ、科学的根拠に基づき、透明性高く情報発信を行っていく考えでございます。
私自身、今週月曜日に福島県いわき市で開催されましたALPS処理水モニタリングシンポジウムで御挨拶をさせていただきましたけれども、ここでも、政府、東電から多くの参加者の皆様に対し、安全、安心のためのモニタリング等について丁寧に御紹介をさせていただきました。
このように、まさにこうした取組を通じまして、国内外の理解醸成にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/85
-
086・若松謙維
○若松謙維君 どちらかというと私の関心は今後どうなっていくかということなんで、恐らく答えが難しいということだと思いますので、繰り返しても時間のロスになりますから、ちょっと次の質問に行きたいと思います。
次に、私自身、四月三十日と五月一日、特定帰還居住区域の対象となります浪江町、大熊町、双葉町の首長、住民から意見を直接聞きました。
特に浪江町の津島地区ですね、ここは、ちょうど、資料の一がございますけれども、浪江の上の方に、何かウサギのような形のシャドーの、何というか、黒いところがあります。ここがいわゆる特定復興再生拠点区域ということでありまして、ちょうど今年の三月三十一日に町営住宅として十戸いわゆる開放して、私がお邪魔した四月三十日は、二人の女性の方がそれぞれ家に住んでおりまして、夜は真っ暗です。現在は八人まで住まれているということでありますが、この方々は赤宇木という、特にこの縦線のいわゆる帰還困難区域にいらっしゃる方で、線量も高くて、それだけにこの望郷への思いが大変強い住民の方々であります。
そういった方々の思いは、当然、農業が主の産業でありますので、かつ、家は点在しております。ですから、今回の法律の、いわゆる住宅ですか、生活環境ということを取り組んでおりますが、道路をつないでのこの生活環境という考え方もありますので、そうすると、当然その方はやっぱり、林には入らないとかいう約束を守っていただいた上で道路をつないで、しっかりとそれぞれの散在した住宅をつないだやっぱり生活圏という観点で、是非、今後の、特定帰還居住区域ですね、その指定に取り組んでいただきたいと思うんですけど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/86
-
087・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 御質問をいただきました特定帰還居住区域と道路の関係でございます。
居住地をつなぐ道路という御質問をいただきましたけれども、まず、特定帰還居住区域の設定に当たっては、日常生活を営むために必要となる箇所を区域に含めるという考え方、まず持っておりますので、そういった意味で、一定の道路を含む区域が設定をされるということがまずあろうかと思います。
その上で、特定帰還居住区域と解除をされました拠点区域との関係では、一体的な生活圏を念頭に置いて計画を策定をしていくことになりますので、そういった意味で、その新しい区域と拠点区域の間の道路につきましても考慮して検討していくことになろうかと思います。そういった取組を丁寧に進めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/87
-
088・若松謙維
○若松謙維君 とにかく住民の、もう由良さんも大分現地入っていただいていますし、住民の方の思いというのは理解していると思うので、それで、恐らく問題は、住民の思いを伝える際に、こっちに、霞が関に帰って、それぞれの省庁の調整が恐らく苦労されているんじゃないかと。そこは、是非、皆さん、今日、委員は同じ思いでありますので、後押しをしていただいて、本当、一人でも帰還のしたい方はできる環境づくりに引き続き御尽力をお願い申し上げます。
同じく、先ほどの浪江町の津島地区でありますけど、先ほど言いましたように、こういった方々は、約、先ほどの赤宇木地区で九十世帯弱いらっしゃいます。当然、皆さん、やっぱり農業やっていますので、近隣に農地があると。そういうことで、この農地も日常生活に必要なものと。
よく東京の方がいわゆる双葉郡に行きますと、大体百五十坪、二百坪で当たり前なんですけど、何でそんな広いところにいるのと、草取りとか大変じゃないかと言うんですけど、そうじゃないんです。草取りが大事なんです。
その生活を取り戻したいというのが皆様の思いでありまして、そういう、だからこそ、日常生活には農地、まあ広ければちょっと限度もあるでしょうけど、そういう住民の意向をとにかく取り入れていただいた上での特定帰還居住区域に含めていただきたい、そう思うんですけど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/88
-
089・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 農地については何度かお尋ねもいただいておりますけれども、営農の再開について、地元から、営農は地域における生活と一体であるという御指摘を頂戴をしております。
この言葉に代表されますように、御地元の住民の方の御意向というのはしっかりお伺いをし、我々、理解をできるように、東京でもしっかり説明をしていくという、翻訳をしていくというような役割も含めて、しっかり果たしていければというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/89
-
090・若松謙維
○若松謙維君 頑張ってください。もうそれを期待するしかございません。是非、大臣も時々激励をしていただいて、現場のこの頑張っている職員の方を。よろしくお願い申し上げます。
次に、大熊町ですか、こちらもお邪魔をいたしました。ここは、昨年の六月に特定復興再生拠点区域の避難指示が解除されたばかりでございまして、それで、企業誘致、事業再開は始まったばかりということであります。
そのために、自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金、いわゆる雇用がなければ帰還する方が増えませんので、そういう意味で、この立地補助金の中長期的な支援、いわゆる第二期復興・創生期間の後の支援も引き続き必要と考えますが、これは経産省ですか、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/90
-
091・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答え申し上げます。
大熊町を始めとしまして、特定復興再生拠点区域の避難指示が解除された地域、これにつきましては、復興に向けた取組がまさに緒に就いたばかりだと考えてございます。これらの地域の復興を着実に進展させ、多くの住民の方々の帰還、移住を促すためには、やはり働く場の確保に向けた支援が重要であると考えてございまして、復興のステージに応じたきめ細かな対応を継続していくことが重要だと考えてございます。
そのために、経済産業省といたしましては、御指摘の自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金、これですけれども、令和五年度予算では前年度と同規模の約百四十一億円を措置してございまして、特定復興再生拠点区域などの企業立地については高い補助率で支援してございます。
本補助金につきましては、今後も、各地域の復興の実情を踏まえながら、復興庁とも連携し、必要な予算額を確保してまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/91
-
092・若松謙維
○若松謙維君 そこで、大熊町の吉田町長から強い要望があったのが、これ大熊町だけではなくて、浪江、さらには双葉もそうだと思うんですけれども、いわゆる第二期復興・創生期間以降の東日本大震災からの復興の基本方針、今、政府一丸で取り組んでいただいておりますけれども、やっぱり、恐らく、もう既に第二期復興・創生期間は三年を切っております。もうそういう意味で、間違いなくその先もありますので、その取組についてやっぱり知りたいというのが強い要望でありますので、その点についていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/92
-
093・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 現在、東日本大震災からの復興については、第二期復興・創生期間以降における東日本大震災からの復興の基本方針に基づきまして、政府一丸となって取り組んでいるところでございます。
発災から十二年が経過しました。被災地の皆様や関係者の絶え間ない御努力によりまして復興は着実に進んでおりますが、いまだ避難生活を送られている多くの方がいらっしゃいます。その状況は地域によって様々であります。
大きく分けまして、地震、津波地域におきましては、もう既にインフラ関係はおおむね完了している一方、心のケアやなりわいの再生などの残された課題があり、この問題についてはきめ細かに対応していかなければならないというふうに思っております。また、原子力災害被災地域においては、特定復興再生拠点区域においてようやく避難指示が解除されるなど、本格的な復興再生に向けた取組が始まったばかりであります。
先ほども申し上げましたけれども、現在の復興の基本方針においても、福島の復興再生には中長期的な対応が必要であり、第二期復興・創生期間以降も引き続き国が前面に立って取り組むこと、こうした状況に鑑み、令和三年度から当面十年間、復興のステージが進むにつれて生じます新たな課題や多様なニーズにきめ細かく対応していくこととしております。
引き続き、現場主義に徹して、被災地の皆様方に寄り添いながら、復興に全力で取り組んでまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/93
-
094・若松謙維
○若松謙維君 当面十年間ということでありますので、まあ令和十二年度ですか、ということが一つ見えているわけですけれども、先ほどの、あと、復興庁のやっぱりこの存続期間ですね、これも非常に大事になってきまして、復興庁なくなった後、誰が今後の福島復興、さらにF―REIの今後のこの発展等を見届けてくれるのかということもあります。その都度その都度、その点については何度も何度もその方向性というものを是非大臣を通じて発信していただきたいと思います。
次に、双葉町にお邪魔いたしました、双葉町ですね。ここは、双葉町ですけれども、特定復興再生拠点区域外に、いまだに除染、解体がされていない、だけれど朽ちた建物がいっぱいあります。地元から早急に除染、解体してほしいという要望がありました。特に町長から要望があったのが、いわゆる三字行政区、目迫地区、水沢地区、下長塚行政区、こういった数百メートルの道路なんですけど、やっぱりそこ、僅か、そこなんですけど、拠点外ということで、そのまま朽ちた建物が残っていると、何でやってくれないんだと、そういう思いなんですよ。是非、それに対してどのようにお考えでしょうか。これ、復興大臣ですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/94
-
095・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 特定復興再生拠点区域外については、地元の切実なお声をしっかりと受け止めて、二〇二〇年代をかけて、帰還意向のある住民の方々が全員帰還できるように、帰還に必要な箇所を除染し、避難指示解除を行うために、この法律案によって特定帰還居住区域を創設したところでございます。
このような考え方の下、御指摘の地区についても、帰還意向を踏まえて設定されます特定帰還居住区域内にある家屋については、帰還する住民の皆様方の安全、安心の観点から、必要な解体、除染を進めてまいりたいと考えているわけであります。
政府としては、まず帰還意向のある住民の方々全員の一日も早い帰還を目指してまいりたい、そのように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/95
-
096・若松謙維
○若松謙維君 大臣、そうすると、現在、先ほど町長から要望があった数百メートルの特定拠点外ですか、これを早く特定帰還区域居住ということで指定が受ければそこは迅速に行える、そういう理解でよろしいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/96
-
097・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) この法律がまず成立をいたします。そうしますと、特定復興の拠点外について計画を設定、自治体が計画を設定することになります。この計画に基づいて対応していくような形になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/97
-
098・若松謙維
○若松謙維君 そこで、計画の、ちょっと質問、もし答えられたらで結構なので、これは経産省なのかな、区域の指定は。ですよね。片岡さんですかね。
先ほどの特定復興再生拠点区域、これ実際に、この指定があって、今回のいわゆる解除ですか、避難指示解除までは大体五、六年掛かりました。だけれども、その五年前に遡ると、法律作成のためにいろいろと行政と、地元の行政とやり取りして、そこから大体半年か一年ぐらいでたしか区域決まったんですかね。
今回も、これから特定帰還居住区域、これの指定されるわけですけども、恐らく去年も、先ほど大熊とか双葉とか、各対象となるところから、いわゆるかなりの細かいデータというんですか、も集めていただいて、情報は地元の行政、さらにはこの霞が関も含めて情報共有していますので、恐らく、あとはいろんな調整をして、この特定帰還居住区域、この認定というんでしたっけ、指定でしたっけね、そうすると、そんな時間掛からないと思うんですけど、どのくらいの時間を考えていらっしゃるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/98
-
099・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 御質問いただきました区域の指定でございますけれども、まず、その前提として、帰還意向の調査、これ地元自治体と内閣府の方で主に進めていただいております。その上で、この制度を担当いたします復興庁の方で計画の認定をしていくという格好になってございます。
昨年調査を行いました双葉町、大熊町につきましては、この法律の成立を待って計画の認定を速やかに進めていきたいというふうに考えておりまして、今年度の予算措置として先行的な除染措置の予算も確保していただいておりますので、今年度中にはそういった除染措置が開始できるように取組を、計画の認定をして取組を進めていきたい。また、浪江町、富岡町につきましても、既に帰還意向の調査を行っていただきましたので、それを踏まえて速やかに取組を進めていく。
そういう意味では、令和六年度以降の速やかなタイミングで除染措置に進んでいけるように取組を進めていきたいというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/99
-
100・若松謙維
○若松謙維君 恐らくそういうお話、ニーズはもうしっかり体で受けていただいて、大変だと思うんですけれども、よろしくお願いいたします。
次に、三町共通課題についてちょっとお尋ねをいたしますけれども、その前に、やはり地元からの要望が強かったのが、五、六年前に、令和何年でしたかね、六年前ですか、特定復興再生拠点区域が、制度ができて、いよいよ今年、この特定帰還居住区域ができると。
そうすると、ちょうど資料二にもありますけれども、この資料二の左下に、特定復興再生拠点区域、これは大体合わせると二千五百ヘクタール、二十五平方キロメートルなんですね。やっと、十二年たってこの二十五平方キロメートルの解除が終わったと。実際に、この中のいわゆる復興はこれからであります。
さらに、ちょうどこの資料の真ん中、上の方に、令和四年八月三十日現在で帰還困難区域、約三百二十二平方キロメートル、まだ三百平方キロメートルの帰還困難区域があると。これをいよいよ始まるという段階なんですね。それで、帰還したい方は、二〇二〇年代までにしっかりと対応すると。
こういう流れの中でありまして、やはり地元のこの帰還困難区域ですか、まだ先が見えていない住民の方々は、いわゆる特定復興再生拠点区域でもない、特定帰還居住区域でもない、そういった方に対して、どうしてくれるんだというその思いに対して、大臣はどのように対応されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/100
-
101・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 資料によりますと三百二十二平方キロメートルが帰還困難区域ということでありまして、従前は、復興拠点をまず設定をしました。そして、避難指示解除がそれぞれの六町村においては進められた。それ以外の、復興拠点以外のものをどのように対応していくか。そこに住んで、かつて住んで、住まれた方をいかに早く戻していけるかということで、今回の法案の中で特定帰還居住区域というものを設定したところでございます。
この内容については、それぞれの自治体において帰還意向の調査をさせていただいて、そして、その中で初めてそれぞれの地域を地図上に落として対応していく、そういった状況を見ながら今後の対応を考えていかなければならない、そのように思っておりますので、まず第一歩、そのような形で、特定帰還居住区域の再生計画にしっかりと盛り込んでいただいて、それを認定するというような形で進めさせていただきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/101
-
102・若松謙維
○若松謙維君 それで、実は、今週の日曜日も先ほどの飯舘村の長泥へ行ってまいりました。前菅野村長と、また住民の方ともお会いしてきたんですけれども、先ほどのこの長泥、資料一を見ていただきますと、ちょうど、約六十世帯、二百人の方々が、復興特定拠点区域内ということで、今、A、B、C、Dという四区で農地の造成作業が行われております。さらに、それ以外の、これから特定帰還居住区域ですか、これが始まりますので、かなり役所の方々はもうそれは人手不足なんじゃないかと、そういうふうに危惧をするわけなんですけれども、その役場の負担軽減のために、やっぱりしっかりと政府は支援をしていただきたいと思っているんですけど。
ちょっと質問一緒にさせていただくんですけど、現在、それぞれのこの帰還困難区域又は特定拠点区域ですか、等を含む自治体に対して、現在、県なり他の自治体からの応援、国も含めてですね、応援ぐらいが何人であり、今後どのようにこの役場の負担軽減に皆様関与していただくか、その点についてお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/102
-
103・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) お答え申し上げます。
帰還困難区域を抱える自治体の復興再生、大変御苦労を御地元の自治体にしていただいております。拠点区域外の帰還居住区域の取組を進めるに当たりましても、例えば、帰還意向調査を地元自治体と国が共同して実施するなど、地元自治体にとって過度な負担が生じないような取組というのはまず行ってきております。
これに加えまして、被災自治体、被災市町村の職員確保については、政府として幾つかの取組をしております。全国の自治体からの派遣職員、あるいは被災市町村による任期付職員の採用、こういった人の確保について取組を進めるとともに、予算的にも総務省による震災復興特別交付税で措置をするという取組いたしております。また、復興庁において採用した任期付職員の自治体への常駐といった取組も行っております。こういった取組を通じまして、今年度、県内の市町村全体において三百人以上の応援職員が確保されているというところでございます。
こういった取組は更に続けてまいりまして、御尽力いただいております御地元の自治体の支援を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/103
-
104・若松謙維
○若松謙維君 引き続き、自治体からの要望、続くと思いますので、もう可能な限りの御支援をお願いをいたします。
それでは、この帰還困難区域ですか、今まで、先ほどの特定復興再生拠点区域とか、これからまさに居住区域ですか、の議論が始まるわけでありますが、こういった帰還困難区域を抱える、先ほどの大熊町、双葉町、浪江町、これ今までは自治体ごとにやっていたんですけれども、ある意味でこの三町というのは非常に課題が、非常に難しい課題が残ったと、そういうところでありまして、かつ、共通項目もありますので、これは、国も入りながら復興及び再生を話し合うための協議の場、いわゆるワンストップですね、そういった場が必要じゃないかと思いますけど、復興庁の見解はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/104
-
105・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) まず、特定拠点区域の取組を進めるに当たって、これまで、地元自治体ごとに国と県、自治体とが入った会議等を通じて、緊密に連携をしながら取組を進めてまいりました。引き続き、復興庁としては、こういった地元自治体と共同での取組ということは重要だというふうに考えてございます。
また、先生御指摘いただきましたように、更に幾つかの関係する自治体と共同で取組を検討する、こういった枠組み、これまでの拠点区域ということではございませんけれども、例えば、交流人口あるいは移住、こういった取組の中では関係の自治体とともに議論をする場も設定をしてきております。そういったことも念頭に置いて、県とも御相談をしながら、取組の進め方は充実をしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/105
-
106・若松謙維
○若松謙維君 そこで、私がお話ししたのは大熊町の方ですかね、やっぱり、今、会津にいるんですけど、事業は大熊町と。会津にいるんですけど、御主人は大熊で仕事を再開したい、しかし、家族の方は、病院がない、スーパーがないということで、家族が分断するんですね。
そこで、やっぱりこの帰還に消極的な住民のお声を考えますと、特に、今、大熊町の大野病院の早期再開、これいつ再開するんだっていろんな議論して、なかなか出口が見えないと、そういう状況なんですけど、是非、被災されている方々に対して、非常に期待が大きいので、今、復興庁としてどのように考えているのか、お尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/106
-
107・岡本裕豪
○政府参考人(岡本裕豪君) お答え申し上げます。
東日本大震災により避難を余儀なくされた住民の方々が安心して帰還し、生活できるためには、御指摘のとおり、医療提供体制の確保が大変重要だというふうに考えてございます。
御指摘のありました県立大野病院の後継病院としまして双葉地域において今後中核となる病院の在り方等につきましては、福島県が令和四年八月に双葉地域における中核的病院のあり方検討会議を設置してございまして、現在、新病院構想の策定に向けて精力的に検討を進めているものというふうに承知してございます。
現時点におきましては具体的な整備方針が明らかになっておりませんので、国としても、具体的な支援策についてはこうした方針を十分に踏まえて検討していく必要があると考えておりますが、今後とも、福島県あるいは厚労省とよく連携をしながら、双葉地域の医療提供体制の確保に着実に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/107
-
108・若松謙維
○若松謙維君 何で結論が出ないんですかね、これ、十二年間たって。あと、いつ頃出してくれるんですか。ちょっと、そこが一番肝腎なんで、ちょっと踏み込んでください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/108
-
109・岡本裕豪
○政府参考人(岡本裕豪君) 先ほど申し上げました検討会議につきましては、設置の期間としては令和六年三月三十一日までというふうにされていると承知してございます。
現在、県が中心になりまして、新病院のその具体的機能として、例えばどのような診療科が必要なのか、あるいは、新病院の整備につきまして、具体的な設置場所、整備手法、あるいは病院の開設の時期、御指摘ありましたようなことも含めまして、精力的に今検討を重ねているところというふうに承知しております。
復興庁としても、引き続き県あるいは厚労省と連携してしっかりとフォローしてまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/109
-
110・若松謙維
○若松謙維君 何か、お医者さんも一つの課題というのがありますので、今日、お医者さんもいらっしゃいますよ、この委員会に。恐らくどんどん応援していただけると思いますので、とにかくなるべく早く方針出してください。よろしくお願い申し上げます。
次に、今度、帰還する住民ですか、が当然なかなかいないので、少ないので、スーパーの経営ですか、これ富岡の、あそこの何といいましたかね、あのスーパーもありましたけど、これも大変だったんですね。例えばダイユーエイトみたいな生活関連は腐らないから大丈夫なんですけど、スーパーは生ものですから、その営業損失ですか、これ誰が補填してくれるかというと、なかなか進出してくれるスーパーが出ない、そこで住民もなかなか帰還できない、このイタチごっこというんですか、そういうことが今回もこの特定帰還居住区域に繰り返されるとやっぱり復興が遅れてしまうということなので、是非、この今回の特定帰還居住区域、従来の拠点区域ですか、よりも踏み込んだ是非支援策をというのが、私、住民の思いだと思うんですけど、是非、復興庁の見解をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/110
-
111・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 御指摘いただきましたように、買物環境の整備を含めた生活環境の整備、大変重要でございます。政府としては、自立補助金による自治体の商業施設整備や小売店舗の立地支援、輸送補助金による生鮮食品の移動販売支援、事業再開補助金や創業補助金によるレストランやカフェ等の設置支援といった支援メニューを準備をしているところでございます。
特定帰還居住区域の創設は、本区域創設は、帰還意向のある住民の方々が御帰還をされる、できるようにするためのものでありまして、これに伴って、住民の皆様の帰還による人口の回復も見込まれるというふうに考えてございます。
御指摘いただきました施策の充実ということについてもしっかり検討してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/111
-
112・若松謙維
○若松謙維君 今週の日曜日の、菅野前村長、本当に十年間、まあ十一年ですね、大変な苦労されて。当然、行政でできない課題は政治家が、自公の与党提言とかありました。また、行政の皆様も本当に知恵を出して、これが駄目ならこういうものがありますよということで、本当に、何というか、奇跡的な制度もいっぱいあったということでありますので、是非、渡辺復興大臣始め、政務の方又は職員の皆様、大変だと思うんですけど、もう是非知恵を出して、もう知恵しか恐らくこの復興を乗り越える方法はありませんので、最大限の知恵を出して御尽力いただくことをお願いを申し上げまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/112
-
113・古賀之士
○委員長(古賀之士君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、羽生田俊君が委員を辞任され、その補欠として藤井一博君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/113
-
114・松野明美
○松野明美君 日本維新の会の松野明美でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私は福島県ではございません、地元は熊本県です。この委員会にも、前回の質問でも、藤木先生と松村先生も、よろしくお願いいたします、いらっしゃいます。
そういう中で、熊本地震から七年がたちました。そして、熊本豪雨から三年がたちました。やはり、当時は県議会の方でも、やっぱり住まいの確保というのは本当に時間も掛かりまして、いろんな御意見をいただいて、いろんな様々な住民の皆様からの意見とか、本当に痛いような御意見もございました。
そういう中で、現在、熊本地震の方では、十名の方、五世帯が今でも仮住まいをされております。そして、三年たちました熊本豪雨では、今もなお千五百人の方が仮設住宅で住まわれております。地元の方でも、一人も取り残すことがないようにという思いで一歩一歩前進をしているところでございます。そういう中で、やはり感じたことが、やはり国の支援、そして周りの方たちの励ましあってこその復旧復興だと本当につくづくと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
そこで、今回の特定帰還居住区域では、拠点区域外の自宅へ戻りたいという方々のために御自宅の周りの必要なところを除染していくということですが、不安もたくさんあるかと思います。お隣が遠かったりとか、私のような者はランニングが果たしてできるんだろうかとか、子供たちは大丈夫だろうかとか、そういういろんな不安があると思いますが、このような不安の中で今回の除染方針に至った経緯、そして希望される方の御自宅の周りの大体どれくらいが除染されるものなんだろうかとか、そういう計画、また懸念される事項を教えていただければと思っております。よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/114
-
115・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 御指摘いただきました特定帰還居住区域の設定についてでございますけれども、大臣からも御答弁させていただきましたけれども、元いた場所で生活を再開したいといった地元の住民の皆様の帰還に向けた切実なお声をいただいておりました。特定、ごめんなさい、拠点区域外の方針が示せていない中でそういった御意見、御意向をいただいたものですから、それを踏まえて、二〇二〇年代をかけて、帰還意向のある住民の方々が全員御帰還いただけるような制度をまず創設をしたいということでこの方針を定め、制度を御提案をさせていただいたという経緯でございました。
御指摘いただきました、生活圏どういった範囲になるのかということについては、お示しし切れていない部分、確かにあろうかと思いますけれども、住民の方が安全、安心に日常生活を営んでいただくという視点を大事にしながら、地元と御協議をさせていただきたいということでございます。虫食いの状態になるのではないかという御懸念もいただいております。こういった懸念にも応えていけるように検討を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/115
-
116・松野明美
○松野明美君 多分、私であれば、その答弁をいただきまして、恐らく帰還はしないと思います。全く計画がないような、そしてやはり家族がいるということで、やはり危険があるところはやっぱり帰還はしません。でも、みんなふるさとに戻りたいと。もう熊本の方でもそうでした。やっぱり自分の自宅がいいとおっしゃるんですね。そういう中で、やはりどれだけやっぱりその期待に応えるかということは、そういうようなスピード感のない計画どおりであれば、私は、なかなか帰還したいと思っても帰還ができないと、やっぱり諦めるしかないという方が多いんじゃないかと思いましたので、是非その辺りは心に留めていただければと思っております。
次の質問です。
震災から十二年余りが経過いたしました。先ほども言ったように、やっぱりふるさとがいいと、やっぱり自宅がいいんだと、自宅が一番安心すると思っている方が実際に戻れるようになるには、これからまた長い年月が掛かるんでしょうか。特に、高齢化が進んでいる中で、一日も早くふるさとに戻りたい、自宅に戻りたいと思っていらっしゃる方も多いことと思います。
そこで、除染は一軒一軒手作業の作業ということ、私は全くその除染を知らないものですから、手作業で除染をされるとお聞きしておりますが、一世帯当たり、住めるようになるまで時間は大体どれくらい掛かるんでしょうか、めどは付いているのか。また、実際除染をするということは大変なことは重々分かっておりますが、御自宅に戻りたいと希望されている方々のために、やはり、さっきも言いました、スピード感のある対応が必要だと考えますが、どのようにお考えなのか、改めてお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/116
-
117・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 御指摘いただいておりますように、帰還意向のある住民の方々全員が一日も早く御帰還いただけるように進めていくということ、意識をしております。
先ほども少し御説明をさせていただきましたが、大熊町、双葉町の一部地域での除染につきましては、除染の予算を含めて今年度の予算で計上していただいております。この法律を通していただきましたら、今年度中に除染を開始をする、そこから先どのぐらい掛かるのかというところについて、まだ明記、明示的に御説明できませんけれども、一日も早くという御希望があるということは重々意識をして取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/117
-
118・松野明美
○松野明美君 多分、今は帰るかどうか分からないけど、ちょっとして、もしみんなが帰るようであれば自分も帰ろうという方も、しばらくしたら帰ってみようかという方も多分出てこられるんではないかなと思うんですね。
先ほどの答弁にもございました、将来的には全員帰還ができるように努めるとか、特定帰還居住区域を全て除染していくつもりだという意気込みをお聞きしましたが、恐らく何十年たっても終わらないんじゃないかなというふうな感じが、その自信のなさそうな答弁をお聞きしまして、そのように感じました。多分、皆様方、長い年月が掛かったとしても、いつか戻れるようにしたいなという思いでいらっしゃると思いますので、どうぞもう少し気合を入れていただきまして、準備の方、よろしくお願いいたします。
続きまして、障害者に関してでございます。私も障害がある息子がおりますので。事故によりまして避難を余儀なくされました障害がある方々についてでございます。
事故の後、災害とかで住み慣れた町を離れる中、かかりつけ医とのつながりが途切れ、症状が悪化された方もいらっしゃいます。長い避難所生活の中で、突然死や自死で亡くなった方もいらっしゃるということをお聞きしておりますし、非常に孤独だというお声も聞いております。
除染後、生まれ育ったふるさとに戻りたい、そんな障害がある方々に対しての医療・福祉サービスの不足の問題はあるのでしょうか。どのように認識しているのか、お尋ねをいたします。また、国として障害がある方々に対して取り組むべき課題とは何でしょうか。よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/118
-
119・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 少し気合を入れてしゃべらなくちゃいけないかなと思いますが。
この復興の、特に障害を抱える方に対してのサービスの担い手不足等の問題、大変これは深刻な問題だというふうに思っております。
避難指示解除がされた区域において障害のある方が安心して生活できるためには、障害福祉サービス等の環境整備を進めることが大変重要だというふうに思っております。
当該区域においても障害福祉サービスの再開が進んでいますけれども、着実な取組を進めていく必要があると認識をしているところでございます。例えば、発災前は事業所二十一、現在、二十、ああ、発災前は二十事業所ありまして、そして、現在、二十一の事業所がございます。
このため、厚生労働省において、医療・福祉人材確保のための支援、障害者就労支援事業所の活動支援などを行っているところでございます。
具体的に申し上げますと、例えば、福祉・介護人材確保のため、相双地域の介護施設等での就労を希望する方への返還免除条件付の研修受講費や就職準備金等の貸付けを実施しているところでございます。また、障害者就労支援事業所の活動支援として、従事する職員に対するスキルアップのための研修、事業所に対する経営相談等を実施しているところでございます。
復興庁といたしましても、今後も、厚生労働省や被災自治体と連携しながら、障害のある方に必要なサービスが提供されるよう取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/119
-
120・松野明美
○松野明美君 大臣からはかかりつけ医の答弁はなかったかと思いますが、先ほど星議員からもちょっと質問の中でございました、医療体制を先にするのか、それとも住民の生活の方を先にするのかということで、先生の方はやっぱり医療体制を先にするのが大事なんだということをお聞きいたしまして、私も本当にそのとおりだと思っております。体制が充実していなかったら、恐らく障害がある方たちとか高齢者、医療的ケアが必要な方というのはなかなか難しいんではないかなと思うんですね。ですから、是非その辺りもきめ細かくやっていただきたいなと思っております。
復興庁の住民投票では、五割近くの方が、帰還の判断の目安としまして、介護施設が充実しているかどうかということを判断の材料にするということをお聞きしていますが、多分整備は追い付いていないかと思っております。
浪江町の福祉協議会が、昨年ですが、開所したデイサービス、町の唯一の介護施設だと私自身は聞いておりますが、一日大体十人ぐらいが利用できるということで、日帰り、デイサービスで日帰りだそうです。あと従業員が三人増えたら宿泊サービスもできるのになということなので、是非、そういうようなサービスの、福祉サービスの担い手不足も課題として考えていただければと思っております。
突然死、そして自死は決してあってはなりません。そして、先ほど大臣もおっしゃったように、福祉サービス、医療体制の充実、ヘルパーさんの不足、そして医師不足も課題でありますので、引き続きしっかりとよろしくお願いを申し上げます。
次に行きます。
先日、双葉町で、帰還困難区域で火災がありました。けが人はありませんでした。火災にかかわらず、窃盗も大きな問題でございます。熊本地震でも、半壊住宅とか全壊の住宅に窃盗が、泥棒が入るんですね。でも、みんな近くに住んでいないものですから、目撃者がいないんですよ。そういうようなことで、非常に大きな問題にもなったことがございました。
また、全国的にも消防団員が減少している中での消防団員の確保、防犯指導、見守りパトロール等の防犯対策も非常に重要だと考えます。
そこで、今後の生活再建のために、防火、そして防犯対策はどのように進めていくおつもりなのでしょうか、お尋ねいたします。通告はしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/120
-
121・澤田史朗
○政府参考人(澤田史朗君) 消防庁といたしましては、帰還困難区域などが抱えます消防分野の課題の共有、そして必要な支援を行うことを目的としまして、平成二十五年の九月に双葉消防本部支援調整会議を設置しました。消防庁、福島県、全国消防長会、県内消防本部から成る組織でございますが、これまで住民帰還に向けました常備消防の復旧復興の支援に取り組んでまいりました。
議員御指摘の帰還困難区域におけます初動体制の確保、重要でございますが、これまで、区域内の火災予防などのため、常備消防と消防団がしっかりとタッグを組んで防火パトロールを行うなど、警戒活動を強化してまいりました。
また、区域内では水道が止まっているために水利の不足が見込まれるという状況ではございますが、そういう中でありましても消火活動をしっかりと強化できるように、仮設防火水槽を始め、遠くの河川から水を取ることができる遠距離大量送水システム車、それから車両が困難な林野火災に備えるために可搬式送水装置、また、被害状況の全体像を上空から速やかに把握できるように、災害対応のドローンなどを国費によりまして整備するなど、必要な車両、資機材の充実も図ってまいりました。
これらに加えまして、区域内において大規模災害が発生した場合に備えまして、福島県内の消防本部による広域的な応援体制の強化を図りますとともに、近隣の県からも応援体制を構築しまして、国費により県内外の関係機関との連携訓練を繰り返し実施してまいりました。
消防庁といたしましては、御指摘の特定帰還居住区域での生活が再開された場合でありましても、引き続き、きめ細やかに消防活動上の課題を把握するとともに、必要な支援を行うことで消防防災力をより一層強化し、住民の帰還が円滑に進むよう全力で取り組んでまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/121
-
122・山本仁
○政府参考人(山本仁君) 防犯対策についてお答えいたします。
今後帰還を希望される住民の方々が特定帰還居住区域において安全で安心した生活を再開するためには、防犯対策は重要であると考えております。
警察はこれまでも、避難指示が解除された地域において、警察による警戒活動に加え、避難などにより活動を停止していた防犯ボランティア団体の再構築を支援する取組などを推進いたしております。
特定帰還居住区域での生活の再開後は、警察による警戒活動を重点的に行うほか、地域のコミュニティーの状況に応じて、自治体等の関係機関、団体と連携しながら地域の防犯力の強化が図られるように各種支援を行うなど、帰還された住民の皆様の安全、安心を確保するための取組を的確に推進してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/122
-
123・松野明美
○松野明美君 恐らく、消防庁おっしゃいました地域の応援体制が消防団員の確保になるんでしょうかね、多分そうだと私は認識をいたしました。こういう乾燥した冬場は本当にちょっとしたたばこのポイ捨てが大きな火災につながっていくと思いますので、本当にこの応援体制の充実をよろしくお願いいたします。
また、警察庁、パトロール中の車を見ただけで住民ってほっとするんですね。子供たちもほっとします。ですから、そういうパトカーを見たらほっとするというか、そういうこともありますので、是非パトロールとかの充実とかもよろしくお願いを申し上げます。
続きまして、避難指示解除区域及び特定帰還居住区域におきます営農等の再開についてお尋ねをいたします。
生活のために、収入や地域の産業が成り立たなければ生活ができません。ただ、事故発生後、被災地の農作物への風当たりも強いとお聞きをしております。人間と一緒で、一回嫌いになったらなかなかその方を好きになれないと一緒で、やはり長い時間が掛かるのかなとも思っておりますが、就農者の高齢化が進んでいるともお聞きをしております。
これから、帰還されました住民の方々の安心できる営農等を含めました環境づくりのために、何か対策はありますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/123
-
124・森田稔
○政府参考人(森田稔君) お答え申し上げます。
帰還困難区域を含みます被災十二市町村の現状でございますが、営農再開割合は三年度末時点で四三%、約四割でございますが、避難指示解除の時期等によりまして各市町村の状況は異なります。営農再開をするに当たっても、それぞれの状況を踏まえた施策を講じていくことが重要と考えてございます。
このため、避難指示解除の区域におきましては、営農再開に向けた取組として、農地の保全管理や作付けの実証、営農再開に必要な農業用の機械、施設の導入支援、農地の大区画化等の農業インフラの整備などを各地域の実情に応じて切れ目なく支援をしているところでございます。
また、今回の法案に関係いたします特定帰還居住区域におきます営農再開につきましては、一体的な日常生活圏を構成する範囲を区域の対象とするという考え方を前提とした上で、営農に必要な環境を整備、維持できるのかどうかといった諸条件等も踏まえる必要がございます。復興庁といたしましては、これらの観点を基に、区域の設定も含めて、帰還する住民や地元自治体とも十分に御相談しながら検討を進めてまいりたいと考えてございます。
引き続き、現場主義を徹底し、地域ごとに異なる課題、ニーズを踏まえ、農林水産省、福島県、市町村等とも密接に連携をし、営農再開の加速化に向けて全力で取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/124
-
125・松野明美
○松野明美君 総合的な支援をされるということで、よろしくお願いいたします。
先ほど若松議員が、あっ、いらっしゃいませんけど、おっしゃいましたが、やっぱり畑というのは非常に落ち着くと皆さんおっしゃいますね。今言わない方がいいですかね、お庭も草取りが、広い庭が大事なんじゃなくて草取りが大事なんだというように、私もよく言われるんですね、ちょっとこれは例えにならないかと思いますが、何でそんなに暑いときに走るのと、もっと涼しくなって走ったらどうなのかと言われるんですけど、いや、この暑さがいいんですと言うんですよね。それぐらい、やっぱり走っていて安心をする、そして、多分、草取りをしながら畑にいることが多分落ち着くというふうな形だと思うんですね。
ですから、営農というのは本当に中心的になりますお仕事だと思っておりますので、しっかりと総合的な支援をしながら支えていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
最後の質問となります。鳥獣被害対策についてお尋ねをいたします。
被災されました町の発行された広報誌には、鳥獣被害対策についてのページがありました。特にイノシシとニホンザルの通報が多いようです。鳥獣対策には取り組まれていると思いますが、今後、より一層の被害対策が必要だと考えますが、何か取組はありますか。また、被害の特徴、住民生活に与える影響、またそして心理的影響はどのようなものがあるか、お尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/125
-
126・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 野生鳥獣についてでございます。
イノシシ、猿、この避難解除地域で増えてございます。家屋への侵入、道路の掘り起こし、農作物への被害などもございまして、住民の安心な生活や営農活動への影響が出ております。
野生鳥獣の市街地への出没が引き続き多く、被害防止体制の強化が必要となっております現状に鑑みまして、国、福島県、十二市町村等が参加する避難十二市町村鳥獣被害対策会議を設置をして共同で対策を進めております。第二期避難十二市町村におけるイノシシ対策のための広域戦略というものを策定をし、令和三年四月からこの戦略に基づく対策も講じております。福島生活環境整備・帰還再生加速事業を活用いたしまして、捕獲、イノシシの捕獲を実施するとともに、河川敷の草刈り、生息動向調査、十二市町村の担当職員に対する研修等の被害防除対策等の取組を支援しております。
また、ニホンザル、大変難しい課題でございます。近年、生息分野が広がっていることから、昨年度、自治体職員を対象としたニホンザル対策ハンドブックの作成等の支援を行ったところでございます。
さらに、関係省庁におきましても、農林水産省が、営農再開に向けて、農業被害を防止するための一斉捕獲活動、大規模な侵入防止柵の設置等を支援をしていただいております。また、環境省が、帰還困難区域等における鳥獣捕獲等緊急対策事業によりまして、捕獲や生息状況の調査等も行っております。
引き続き、現場の状況を把握をし、必要な措置を関係省庁、団体等、連携しながら取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/126
-
127・松野明美
○松野明美君 先ほどの質問にもありましたけど、ぽつんと一軒家のような離れた家に野生動物とかが入って争っているような形跡もあるということをお聞きしまして、やはりコロナと同じで、感染症がやっぱり危険なんですね。特に、この動物由来の感染症というのは非常に重い病原体を持っているということですので、その可能性もあるということですので、かなり注意が必要だと思っております。
特に、猿類、コウモリ類、これは輸入は禁止されておりますけど、最大限の注意が必要だと思いますし、この二十年間の間でもSARSとかMERSとか、そういうようなことも、感染症もございました。しっかりと、感染症とかいう視点からもしっかりとやっていただければと思っております。
以上になります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/127
-
128・竹詰仁
○竹詰仁君 国民民主党・新緑風会の竹詰仁です。よろしくお願いいたします。
資料の一と二を御参照いただきながら質問させていただきたいと思います。
東京電力福島第一原子力発電所の事故により放射性物質に汚染された土壌や焼却灰などを処理し、工事資材として再利用する事業についてお伺いいたします。
二〇一三年に環境省は、放射性物質の分離による焼却灰及び汚染土壌の資材化実証調査委託業務を公募いたしました。その公募された事業を太平洋セメントなど六社、団体の共同事業者が受託をいたしました。共同事業者が、太平洋セメントが開発した乾式セシウム除去技術を中心とする技術を用いて焼却灰や土壌、除却土壌から放射性セシウムを分離、除去して、工事資材として再生利用可能なレベルにまで放射能の濃度を低減させるとともに、分離した放射性セシウムを高濃度で回収することによりまして、管理が必要とされる放射性汚染物の量を大幅に減らすという実証事業でございます。この事業は、二〇一五年六月に開始されて二〇一八年三月三十一日に完了して、施設等は既に解体、撤去されていると承知しております。
この事業によりまして、除染した汚染土壌や焼却灰などのセシウム量を一キログラム当たり百ベクレル以下に削減できたほか、高濃度の副産物の量を当初よりも約十分の一に縮減できたとされております。
先日、私、直接太平洋セメントさんにお話を伺ってまいりました。この太平洋セメントさんによりますと、得られた生成物はインターロッキングブロックやU字溝などのコンクリート製品の骨材や盛土材、土壌pH調整剤などの農業用途など、各種資材として使えることを確認したとされております。
つまり、土壌及び焼却灰の放射性濃度も縮減できまして、低減できまして、放射性汚染物の量も減量できている、そして生成物も活用できると理解いたしました。これ、この取組を高く評価させていただきたいと思っております。
小林環境副大臣にお尋ねいたしますが、こうした実証事業及びこの成果について、政府としての評価を教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/128
-
129・小林茂樹
○副大臣(小林茂樹君) お答えいたします。
中間貯蔵施設に搬入をされた除去土壌等については、中間貯蔵の開始後三十年以内に県外最終処分を行うということが国の責務として法律に規定されております。
県外最終処分の実現に向けては、除去土壌の減容や再生利用により最終処分量を低減をすることが重要であるため、環境省では、二〇一六年に策定をした技術開発戦略及び工程表に基づいて、除去土壌等の減容に関する技術実証など取り組んでおります。
お尋ねの事業については、その一環として取り組んだものでございまして、高温で加熱することによって除去土壌等から放射性セシウムを気化させて分離をする技術の実証を行ったものであります。
本事業の成果については、利点として、最終処分量の減容化率が高いこと、そして生成物の放射能濃度が低いこと、この二点があります。一方で、課題としては、相当量の反応促進剤が必要なため、その結果、発生をする生成物もその分増加すること、これが一点目。そしてもう一点が、コストについての精査が更に必要であると、これが二点であります。このような内容を有識者から成る検討会に報告をいたしております。
今後、二〇二四年度を目途にこれまでの技術実証等の成果を取りまとめ、二〇二五年度以降の本格的な減容、再生利用の実施や最終処分の具体的な検討につなげてまいります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/129
-
130・竹詰仁
○竹詰仁君 御回答ありがとうございます。
先ほど紹介しました事業はもう既に二〇一八年三月で一旦終了しているんですけれども、この三年間、約三年間で得られたこの生成物というのもございましたけれども、この生成物は実際に有効活用できたのか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/130
-
131・土居健太郎
○政府参考人(土居健太郎君) お尋ねございました事業につきましては、新技術を用いて除去土壌、焼却灰を高温で加熱することによりまして放射性セシウムを分離させ、放射性濃度が低減した生成物をコンクリートブロック等として活用できることを実証しておりまして、この成果につきましては、有識者から成る検討会に報告して、審議をいただいたものでございます。
残る課題といたしましては、この検討会での御指摘でございます、相当量の反応促進剤が必要なため生成物が増加してしまうこと、また相当のコストが要するという課題もございますので、この課題について検討していく中で、生成物の本格的な活用につきましても十分検討を深めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/131
-
132・古賀之士
○委員長(古賀之士君) ハシヅメヒトシ君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/132
-
133・竹詰仁
○竹詰仁君 はい。あの、竹……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/133
-
134・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 竹詰仁君。失礼しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/134
-
135・竹詰仁
○竹詰仁君 ちょっと、一旦ちゅうちょ、一瞬ちゅうちょしましたけど。
この太平洋セメントさんには、これ本業務で確立した技術、知見等を生かして、中間貯蔵施設ほかでの実用化を目指して、福島の復興に貢献してまいりたいというふうにありました。私は、こういった太平洋セメントさんの姿勢、高く評価したいと思っています。
二〇一八年の三月末で事業を終了して五年たったところですけれども、もう既に今副大臣からも御答弁いただいたんですけど、改めてこの実証事業で得られた知見とかデータ、あるいはその手法などの実用化に向けたものが進められているのか、改めて教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/135
-
136・土居健太郎
○政府参考人(土居健太郎君) 環境省におきましては、二〇一六年に策定いたしました技術開発戦略、そして工程表に基づきまして、除去土壌等の減容化に関しまして、例えば分級であるとか洗浄、化学的処理、熱処理など、約三十の技術に関しまして技術開発や実証などを行っておりまして、お尋ねの技術はその一環として行ったものでございます。
今後、二〇二四年度を目途にこれらの成果を取りまとめまして、二〇二五年度以降、本格的な減容化、再生処理、再生利用の実施、これにつなげていきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/136
-
137・竹詰仁
○竹詰仁君 ありがとうございました。
少し関連するかもしれませんが、資料三に移っていただきまして、この資料三は、環境省さんが進めている福島県外における再生利用実証事業ということでございます。この環境省さんの資料によりますと、福島県内の除染で出た土の再生利用に向けた実証事業を環境省は県外で行う方針を示し、福島県外における再生利用実証事業として、埼玉県の所沢市の環境調査研究所、東京の新宿御苑での実施する、これを実施する計画を明らかにしている資料でございます。
この環境調査研究所あるいは新宿御苑で計画されている除去土壌の実証事業はどのようなものであるか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/137
-
138・土居健太郎
○政府参考人(土居健太郎君) 環境省ではこれまで、福島県の飯舘村長泥地区などで福島県内での実証事業を行ってきておりまして、再生利用の安全性につきましてデータを取って確認をしてきたところでございます。
県外最終処分、再生利用を進める一歩といたしまして、福島県外におきましても実証事業を行い、施工前後の空間線量率に変化がないことなどを確認するとともに、理解醸成の場としても活用していきたいというふうに考えております。
この実証事業の内容といたしましては、今御指摘いただきましたような環境調査研究所、新宿御苑におきまして、芝生公園や花壇等で除去土壌の再生利用を行うことを計画しているところでございます。
この計画をしている取組につきましては、これまで様々御質問、御意見をいただいておりますので、引き続き丁寧な説明に尽くしていきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/138
-
139・竹詰仁
○竹詰仁君 御回答ありがとうございます。
先ほどの太平洋セメントさん等の事業と、今、今回の新宿御苑での事業は違うということも今改めて理解いたしました。
先ほど小林副大臣からも御答弁いただいたんですけれども、一つのテーマに、コストが掛かるというお話、教えていただきました。私は、この民間事業者が事業を通じて社会へ貢献するというのは大変すばらしいことであると思うんですけど、一方で、その事業の持続可能性を高めるには、ずっとボランティアというわけにはいかなくて、やはりビジネスとして成り立つということも大変重要であると思っています。
そこで、もう一度副大臣にお尋ねいたしますが、政府として、実証事業で得られた焼成技術を生かして、民間事業者が、除染土、除染の土あるいは焼却灰の再利用をビジネスとして行うための施策や支援があるのであれば教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/139
-
140・小林茂樹
○副大臣(小林茂樹君) 現在、有識者から成る検討会において、焼成を含め、これまで実証を行った減容技術等の評価や実用可能な技術の抽出などを行っておりまして、今後、二〇二四年度を目途にこれらの成果を取りまとめることといたしております。
焼成技術については、先ほど申し上げたように、相当量の生成物が発生をするということや処理コストの面の課題があるわけでございますが、引き続き、こういった課題を解決をする民間企業のノウハウがあれば、こういったノウハウを生かしつつ、技術の活用について検討を行ってまいりたいと考えております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/140
-
141・竹詰仁
○竹詰仁君 ありがとうございます。
今後も、今のこの法律が可決されて進められていく中では、やはりこの除染によって出る土というのが多く出てきますし、これまで以上に回収をされるということが見込まれます。この土壌及び焼却灰の放射性濃度も低減ができて、放射性汚染物の量も減量できる、生成物も活用できるということであれば、民間事業者が事業としてそれを活用できる仕組みが必要だと思っておりますので、引き続きの御検討をお願いしたいと思います。
続いて、質問移りますが、資料の四に進んでいただきたいと思います。
この資料の四は、令和三年の八月末に出されました復興推進会議、原子力災害対策本部会議、この合同会議で示された資料の写しでございます。私、目立つようにマーカー引いたつもりがちょっと見えにくくなってしまって大変申し訳ないんですが、ちょっとここに書かれている内容を紹介いたしますと、拠点区域外への帰還、居住に向けた避難指示解除に関する基本的方針というのが書かれてありまして、ちょっと飛ばしますが、五に、国は、必要な制度及び予算を措置する、その際、この本方針は、将来にわたって居住を制限することを原則とした帰還困難区域への居住を可能にし、拠点区域外への帰還実現、居住人口の回復を通じて自治体の復興を後押しする措置であることから、東京電力に求償せずに国の負担において行うと、本方針の実施に係る予算については、一般会計の財政収支に影響を与えることなく、東日本大震災復興特別会計及びエネルギー対策特別会計の応分の負担により確保することとするというふうに書かれています。
私、ここで確認させてもらいたいのは、この一般会計の財政に影響することなくと書かれているんですけれども、私、これ読んだときに、この一般会計の財政に影響を与えることなくというのが書かれていなくても成り立つ文章なんですけれども、あえてこの一般会計の財政に影響を与えることなくと書いてあることがちょっと気になりまして、それが書いてある理由を教えていただきたいのと、この二つの特別会計の応分負担というのが書かれているんですが、具体的な応分負担というのがもう決まっているか、あるいは御検討されているのか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/141
-
142・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、特定復興再生拠点区域外の避難指示解除及び復興に向けた取組の実施に係る予算については、先ほどの御紹介ありました、令和三年八月三十一日の原子力災害対策本部及び復興推進会議において決定されました特定復興再生拠点区域外への帰還・居住に向けた避難指示解除に関する考え方に示されているとおりでございます。
その中で、東日本大震災復興特別会計及びエネルギー対策特別会計の応分の負担により確保するとされていることから、一般会計の負担ではなく、これらの特会の負担において事業を実施することは明らかにされているところであります。その上で、言わば確認的に一般会計の財政収支に影響を与えないと記載したものと考えているところでございます。
また、応分の負担の具体的な割合、対応につきましては、事業の進捗状況等を踏まえながら、引き続き検討してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/142
-
143・竹詰仁
○竹詰仁君 大臣、ありがとうございました。応分の負担はまだ、これから検討していただけるということで、承知いたしました。
この特措法の改正で審議するに当たりまして、私、大熊町、双葉町、富岡町に私の仲間がいますので、この町議会議員からそれぞれ直接状況を教えていただきました。この大熊町、双葉町、富岡町の要望を拝見しましたところ、全町除染が基本というふうに要望として私は理解しております。
そこで、確認させていただきたいんですが、この今申し上げた資料の四に、四の「おわりに」ですね、こういうふうにあります。将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組むとの決意に揺るぎないと。先ほどの委員との答弁の中にも、やり取りの中でもございましたが、この自治体、地元の自治体からは全町除染が基本という要望が出されていて、そして、国からは、全てを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組む決意に揺るぎないというふうに書かれているんですが、これが同じことを言っているのか、自治体と国は同じことを、同じ方向を向いているのかということで、この自治体の要望と政府の決意、これがイコールであるのか、それを大臣に教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/143
-
144・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 拠点区域外については、まず、二〇二〇年代をかけて、帰還意向のある住民の方々が全員帰還できるよう、帰還に必要な箇所を除染し、そして避難指示解除を行うというその基本的方針を、先ほど申し上げました二〇二一年の八月に決定をして、今回、本法案を提出させていただいたところでございます。
そのため、帰還意向のある住民の方々が一日でも早くお戻りいただけるように、本法案の成立後に各自治体において設定される特定帰還居住区域について、除染を始めとする避難指示解除に向けた取組をしっかりと進めていきたいというふうに思います。
政府としましては、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組むとの先ほどの決意でございますが、この決意は揺らぎはありません。
その上で、まずは特定帰還居住区域について避難指示解除に向けた取組を進めつつ、引き続き、地元自治体等も含めまして、関係者と協議を進めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/144
-
145・竹詰仁
○竹詰仁君 大臣、御答弁ありがとうございました。
続いての質問に移りますが、私、大熊町の住民説明会の資料を拝見させていただきました。その質疑応答というのがございまして、帰還の定義を教えてほしいという質問がありまして、その質問に対しまして、何日以上戻る場合を帰還と定義することは困難ですというふうに答えられています。この法律で示されて、入れたことをこれ進めるに当たって、恐らく住民の方から帰還の意向を確認するというのが前提になるんですけれども、その帰還とは一体どういうことかということを改めてより知りたいというふうには住民の方は思うんではないかと私思っていまして、改めて復興庁の皆さんにお伺いしたいのが、この法律を施行するに当たっての、帰還するというのはどういうことなのか。住民が知りたいと、あるいは知らなければ判断できないというふうに考えているんですけれども、現時点におけるこの帰還の政府の考えについて教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/145
-
146・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 法律上、帰還についての明確な定義は設けておりませんけれども、居住人口の回復を通じた自治体全体の復興を後押しするためにも、最終的には元いた住居にお戻りいただくということを想定をしております。
一方で、避難生活が十二年続いておりまして、帰還に際してふるさとでの生活を少しずつ確立される方も多いと想定されますので、一時的には二地域居住のような形になるケースも想定されるところ、復興庁としては、個々の御事情に寄り添いながら、避難指示解除に向けた取組を進めてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/146
-
147・竹詰仁
○竹詰仁君 ありがとうございました。
資料の五に移っていただいて、これは、令和四年度に、原子力被災自治体における住民意向調査の調査結果の一部抜粋でございます。
この富岡町、南相馬市、双葉町、浪江町の四市町の回答の中に、帰還しないと決めていると回答している理由に、既に生活基盤ができているから、既に自宅を解体してしまっているから、避難先の方が生活利便性が高いからが上位に挙げられております。そして、この住民意向調査の有効回答率が四〇から六〇%ということでありまして、回答されない方には、帰還しないと決めているということからこれ以上は回答しないという方もいらっしゃるんではないかと推察いたします。
ふるさととずっとつながっていることは大変重要であります。一方で、一度帰還しないと決めていると回答した人は、同じ質問を何度も繰り返しても、帰還しないと決めているんだからもう回答しないというふうに思っていらっしゃるんじゃないかと推察しています。
この法律を、今回の改正法案施行するに当たりまして、帰還の意向を示した方とは自治体はこれからずっとつながっていくわけですけれども、帰還しないと決めているという人とのつながりをどうしていくのかというのも私重要なテーマだと思っています。
この帰還しない人とのつながり方について、政府、そして自治体、これからどういうふうに考えていくのか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/147
-
148・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 住民の方と自治体との関係でございますけれども、復興庁としましては、帰還の意思にかかわらず、福島生活環境整備・帰還再生加速事業によりまして、被災自治体が実施しております避難元のコミュニティーを維持確保する契機となるイベントの開催や各種交流事業、あるいはICTを活用した避難元市町村の情報発信事業を支援をしているところでございます。
拠点区域外への帰還に向けた取組を着実に進めつつ、帰還意向調査を今後も複数回実施するなど、御指摘の皆様に対しても引き続き丁寧に対応してまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/148
-
149・竹詰仁
○竹詰仁君 済みません、ちょっと時間が押してきました。ちょっと一問飛ばさせていただき、最後に、資料の六に福島相双復興官民合同チームという資料を、これ復興庁さんの資料でございますが、私、この合同チームというのは、国の職員が四十六人いるというふうに書かれていて、総勢二百七十五人、じゃ、国の職員さん以外はどういった方がいるんですかというのを質問に入れていたんですけれども、それは、中身は存じていますのでちょっと質問飛ばさせていただいて、この福島の相双機構の官民合同チーム、これから福島の復興再生に向けてどういった活動を続けていくのか、最後にお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/149
-
150・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答えいたします。
官民合同チームですけれども、これまで約五千八百者の被災事業者を個別訪問してございまして、事業再開に向けたコンサルティング、設備投資、人材確保などの支援を実施してございます。また、二千六百の農業者を個別訪問しておりまして、営農再開に向けた支援も行ってございます。さらには、近年、被災地域における新たな事業の創出、消費拡大に向けまして、交流人口の拡大にも取り組んでございます。現在、約二千七百者の事業者が事業を再開してございますけれども、昨年から今年にかけまして避難指示が解除された地域もございまして、復興の状況は地域ごとに様々と考えてございます。引き続きまして官民合同チームによる継続的な支援が重要であると考えております。
今後とも、官民合同チームと連携しまして、事業、なりわいの再建に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/150
-
151・竹詰仁
○竹詰仁君 御回答ありがとうございました。
先ほどの合同チームの中には、直接雇用されているプロフェッショナルな方もいらっしゃれば、東京電力の社員が百二十名程度いるということも承知しています。
私、この東京電力、福島への責任は当然果たさなければならないんですけれども、このチームのミッションに、達成に必要な人物ということも大事だというふうに思っています。プロフェッショナルも雇用されているというふうに聞きましたので、是非その官と民が相乗効果を取っていただいて、それをしっかり成果を上げていただくということをお願い申し上げて、質問とさせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/151
-
152・岩渕友
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
東京電力福島第一原発事故を受けて、二〇一七年の福島特措法の改定によって、将来にわたって居住を制限するとされてきた帰還困難区域の中に、避難指示を解除して居住を可能とする特定復興再生拠点区域が定められました。五月一日に飯舘村の復興拠点が避難指示解除されて、六町村にある復興拠点全てが避難指示解除されるということになりました。
そこで、お伺いするんですが、帰還困難区域は七市町村にまたがっています。その総面積と、そのうち復興拠点の面積が幾らか、帰還困難区域全体に占める割合はどうなっているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/152
-
153・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 特定復興再生拠点区域の面積でございますけれども、二十七平方キロメートルでございます。帰還困難区域全体でございますけれども、特定復興再生拠点区域を含めて指定をされておりました帰還困難区域の面積が三百三十七平方キロメートルでございます。比率としては、拠点区域は八%に当たります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/153
-
154・岩渕友
○岩渕友君 答弁あったように、僅か八%にしかすぎないんですよね。
それで、この法案は、拠点区域外について、市町村長が避難指示解除による住民の帰還及び帰還後の生活再建を目指す特定帰還居住区域を設定できる制度を創設するというふうにしています。住民の皆さんが求めてきたその拠点区域外の除染に着手をするということは、そういう点では一歩前進だというふうに考えています。
この浪江町の津島地区の方から話を伺いました。この津島地区は、地区の全域が帰還困難区域で、そのうち拠点区域、復興拠点が一・六%しかないんですよね。その復興拠点に自宅を再建された方は、春夏秋冬の移り変わりを体全体で感じることのできる津島の豊かな自然、年中行事を通じた地域の住民との交流、先祖代々受け継がれる歴史と文化の重み、津島の生活は厳しい面もありましたが、私にとって生きているという実感を日々感じることのできる場所だというふうに話しています。これほどに大切な場所を奪ったのが原発事故だということです。ふるさとに戻りたい、事故前の暮らしを取り戻したいという思いは当然のものです。
政府は、二〇二〇年代をかけて、拠点区域外に帰還意向のある住民が帰還できるように、帰還に必要な箇所の除染を進めるという方針を決定しています。そして、この特定帰還居住区域のイメージということで、帰還住民の日常生活に必要な宅地、道路、集会所、墓地等を含む範囲で設定するというふうにしています。
この特定帰還居住区域について伺っていきたいんですけれども、まず最初に、なりわいの問題で、これなりわいを取り戻すということ、非常に重要なんですよね。
浪江町の吉田町長は、この復興について、大きな課題は農業だと、こういうふうに述べているんです。とりわけ山間部の津島地区では農業の再生が不可欠だということで、田畑を恒久的に維持できるのかということだろうと、一定程度は田畑でなくなるような状況も考えて新しい作物も研究する必要があるだろうと、でも地権者の考えが一〇〇%だ、こういうふうに述べているんですね。
帰還をして農業をやりたいという方、当然いらっしゃると思うんです。同時に、帰還はできないんだけれども、先祖代々守ってきた田畑を荒らしたままにできないと、耕したいという方もいらっしゃると思うんですね。
特定帰還居住区域には農地も含まれるということでいいか、確認をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/154
-
155・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 繰り返しの御説明になる部分ございますけれども、農地については、地元から、営農は地域における生活と一体であるという御指摘を頂戴をしているという考え方を踏まえて、帰還意向調査においても、帰還の御意向を示していただいた場合に、営農再開に関する御意向についてもお伺いをしているところでございます。
一方で、営農の再開については水路等のインフラ整備やその維持管理が必要となりますので、インフラ等の維持管理主体となります帰還する住民や自治体とも十分に御相談しながら検討を進めていくことが必要と考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/155
-
156・岩渕友
○岩渕友君 今、水路などのインフラの整備が必要だという御答弁だったんですけど、確かに、水路が使えるのかとか、あとは、ここ山間部なので、沢から水を引くためにホースがすごく長くなっていて、水引いているという方もいらっしゃるんですよね。だけど、もう事故から十二年以上たっているわけですし、じゃ、ホースちゃんと使えるのかとか、農業を再開するのに必要なことがどうなっているのかということがあるわけなんですよ。
そこで、この実態をちゃんと把握するべきだというふうに思うんですけど、大臣、この実態把握、これどうなっているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/156
-
157・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 震災前の営農に利用されていたインフラ等の基本的な情報については、自治体や関係者への確認等により把握することは可能と考えております。
一方で、新たに営農を再開するに当たっては、必要となる水路等のインフラ整備やその維持管理の在り方を含めて、インフラ等の維持管理主体となる帰還する住民の方々や自治体とも十分御相談をしながら検討を進めていく必要があると思います。
復興庁としましては、各地元自治体と御相談しながら、営農再開に関する検討を進めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/157
-
158・岩渕友
○岩渕友君 営農再開に向けて、この実態の調査を行うということでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/158
-
159・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 震災前に営農の状況としては、私ども役所側としてもいろんな現地の状況を把握をさせていただいております。
その上で、今回の計画を策定し、計画を進めていく中で、水路等のインフラ整備やその維持管理の在り方、こういう今後の進め方については御地元としっかり協議をしていく必要があるというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/159
-
160・岩渕友
○岩渕友君 実態は、これちゃんと調査する必要があるわけですよ。
それで、自治体との協議と言うんですけど、これ当然、国も責任持って取り組むべきだと思うんですね。そこはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/160
-
161・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 営農の再開、大変御地元でも大切にしておられる取組でございます。
御指摘のとおり、国が、御地元、それから自治体、それから住民の方ですね、一緒に議論をしっかり進めていくということは当然のことだろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/161
-
162・岩渕友
○岩渕友君 調査は、じゃ、やっていただけるということでよろしいですか。大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/162
-
163・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 具体的に、まず、この問題につきましては、まず自治体とのちょっと協議を進めさせていただきたいというふうに思います。少なくとも、今回の法案における帰還居住区域の指定に当たっては、復興再生計画というものを作っていただくことになります。したがって、その計画にしっかりと載せていかないとこの部分も対応できないというふうになりますので、まず計画を作る際にも自治体との協議が当然必要になってくるというふうに思いますので、まず自治体との協議を進めさせていただきたいと、そのように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/163
-
164・岩渕友
○岩渕友君 もう既に意向調査が始まっていて、農地についてもどうするかということで意向調査されているわけですよ。希望をされた方は、そうはいってももう十二年以上たっているし、本当に営農再開できるのかということで、そういう思いがあるから、やっぱり調査必要じゃないかというふうに言っているわけですよね。これは当然国が責任持って調査も取り組むということで、一緒にやってほしいということなんです。これ、要望しておきます。
それで、例えば、自宅は拠点区域にあるんだけど農地は拠点の区域外のところにあるという方もいらっしゃるわけで、これ、希望をすれば営農できるということでよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/164
-
165・由良英雄
○政府参考人(由良英雄君) 御質問いただきました特定帰還居住区域の範囲の設定につきましては、まず、これまでの拠点区域外に居住しておられた住民の方々の帰還に関する御意向を踏まえて、その帰還に必要な箇所を設定するということにいたしております。
特定拠点区域に居住しておられた住民の方々が所有する拠点区域外の農地の扱いについては引き続き課題と認識をしておりまして、現時点で方針はお示しできておりませんけれども、特定帰還居住区域の設定状況や営農再開に向けた諸条件も踏まえて検討を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/165
-
166・岩渕友
○岩渕友君 大臣、営農する、農業をやるということは、なりわいであるということと同時に生きがいだという方もいらっしゃるわけなんですよ。これ、農業を再開したい、やりたいという方の希望には全面的に応えるべきだと思うんですけど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/166
-
167・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 復興を着実に進めていく、これは我々の仕事であります。今回の法案に基づいて特定帰還居住区域というものを新たに設定するわけでありますけれども、その際に、先ほど何人かの先生方も御指摘ありました、農業はある面ではなりわいであるし、ある面では生きがいである、こういった視点もあります。この点も踏まえてしっかりと対応してまいりたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/167
-
168・岩渕友
○岩渕友君 希望にきちんと応えてもらうということで進めていただきたいと思います。
それで、この浪江の吉田町長は、さらに、津島地区というところは奥山で、自然としても大事なところだと、川も海も津島からの水のおかげだから、林業にも力を入れる必要があるというふうに言っているんです。
ふくしま森林再生事業という事業があるんですけれども、この事業を使って、飯舘村では七千ヘクタールの山林を申請して整備が進められているんですね。この事業期間は二〇二五年まで、第二期復興・創生期間中ということで、避難指示解除が後になった地域とかでは、これから事業計画を作りたいというところもあるんですよ。いまだ避難指示解除されていない地域もあるわけで、ここは申請すらできていないんですよね。自治体が希望をすればこの国の補助は継続するべきだと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/168
-
169・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) まず、ふくしま森林再生事業についてでございますけれども、森林・林業の再生というのは大変重要だというふうに認識をしております。このため、令和五年度ふくしま森林再生事業の実施に必要な所要額が予算措置されており、引き続き事業の推進に努めているところであります。
また、第二期復興・創生期間後の事業の在り方については、現時点では、具体的な方向性をお示しすることは今はできませんけれども、国としては、福島県の森林・林業の再生にしっかりと取り組んでいく、支援していく、このことが大事だという観点に立ちまして対応してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/169
-
170・岩渕友
○岩渕友君 継続するおつもりだということで答弁を聞きました。
それで、あわせてなんですが、やっぱり山の除染、やるべきだと思うんですよ。これ、非常に希望も多いし、日常生活の圏内なので、大臣、この山の除染、行うべきではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/170
-
171・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 特定帰還居住区域につきましては、一体的な日常生活圏を構成する区域を対象するという考え方に基づいて設定をすることになります。
その際、御指摘の山林の取扱いにつきましては、山林を広範囲で除染することは土壌の流出や森林機能の喪失を引き起こす懸念があることや、除染は生活環境の線量低減を目的としていることから、拠点区域では林縁部から必要な範囲で除染を実施してきたところであります。
こうした考え方を踏まえまして、地元自治体ともよく相談しながら区域設定の検討を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/171
-
172・岩渕友
○岩渕友君 日常の生活というのは、地域での付き合いとか、山に入って山菜やキノコを取ったり、そこを犬を散歩させたりすることだというお話も伺ったんですね。山林は日常生活の一部なので、これ山林の除染もしっかり行うべきだというふうに求めます。
自宅に戻るということだけではなくて、元の暮らしを取り戻すことがやっぱり重要なんですね。帰還を希望する方の家と敷地とか、家につながる道路だけが除染をされても、それだけでは日常生活成り立たないんですよね。そのことが帰還をためらわせるということにもなります。そして、コミュニティー全体の再建があるから帰還しようという思いになるんだと思うんですね。
意向調査の結果だと言えば聞こえはいいけれども、そもそも汚染の責任は東京電力と国にあると、帰還しないと言ったからあなたの責任だといって原発事故の責任を本人の責任にするのは違うんじゃないか、除染されないところはどうなるのかという声や、除染なくして復興なし、こういう訴えが寄せられているんですね。帰還をするかしないかで住民間に分断が生じるようなことがあってはならないんですよ。
政府は、最終的には全ての避難指示を解除すると言ってきました。その前提は除染です。一気にやれとは言わないんですけれども、少なくても全域除染の計画示してほしいという声があります。大臣、この声にすぐにでも応えるべきではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/172
-
173・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 原発の事故から十二年がたちました。特定復興再生拠点区域外については、一昨年の夏まで政府の方針をお示しするには至っていなかったところでありますけれども、拠点区域外の自宅に帰りたいという住民の皆様方の切なるお声、そしてまた、拠点区域外への帰還、居住に向けた方針を早急に示してほしいとの地元の強い要望等をいただいてきたところでございます。
こうした状況を重く受け止め、拠点区域外について、まず、二〇二〇年代をかけて、帰還意向のある住民の方々が全員帰還できるよう、帰還に必要な箇所を除染し、避難指示解除を行うという基本方針、二〇二一年八月に決定し、本法案を提出させていただいたところでございます。
政府としましては、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除をして、復興再生に責任を持って取り組むとのその決意は全く揺るぎがありません。
その上で、まずは特定帰還居住区域について避難指示解除に向けた取組を進めつつ、引き続き、残された土地や家屋等の取扱いについて、自治体等も、地元自治体等も含めて、関係者の皆様方と関係を、協議を重ねて検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/173
-
174・岩渕友
○岩渕友君 将来的にと言うんですけれども、この全域除染はいつかやれればいいというわけではないんですよね。本来であれば全てを除染するのが先じゃないかと、順番が逆だと、これじゃ帰還の判断できないという怒りの声も上がっています。帰還意向があるかないかということじゃなくて、いつでも戻ることができるようにする、そういう必要がやっぱりあるんですよね。そのためには全域除染必要だということで、これ強く要望しておきます。
住民の方々は、管理できないから草木に覆われて野生動物に荒らされるなど、家屋が傷んでいると、これが進んでいるということや、このままだったら地域がなくなってしまうんじゃないかと、地図から地域社会そのものが拭い去られかねないという危機意識があると、こういう不安を抱えていらっしゃいます。だからこそ、全域除染の声に応えるべきです。
この本法案は除染等の費用は国費としていますが、放射性物質汚染対処特措法では国が財政上の措置などを講じて関係原子力事業者に求償するというふうに規定をしていて、東京電力に負担をする義務があります。除染などの費用を東京電力に求償するべきだと思いますが、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/174
-
175・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 帰還困難区域は将来にわたって居住を制限することを原則とした区域として設定されたものでありますが、放射線量が低下していることや、地元からの要望等を踏まえて、二〇一六年に、従来の方針から前に踏み出し、住民の居住を目指す復興拠点を整備する方針が示されたところであります。この整備は復興のステージに応じた新たな町づくりとして実施するものであるため、特定復興再生拠点区域においては、国の負担による除染等の取組が行われてきたところであります。
今回の特定復興再生拠点区域等と一体的に復興及び再生を推進する特定帰還居住区域における整備については、人口回復などを通じて復興を後押しするために実施するものであり、特定復興再生拠点区域と同様に、国の負担で行うことが適切であると考えているところでございます。
復興はスタートラインに立ったばかりであります。引き続き国が前面に立って取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/175
-
176・岩渕友
○岩渕友君 何で復興を後押しするということが東京電力に求償しないということになるのかということだと思うんですよ。東京電力に求償しないということは、これ東京電力の責任を免責することになるんじゃないですか。大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/176
-
177・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) このことにつきましては、先ほども申し上げたとおり、帰還困難区域は、当初、将来にわたって居住を制限することを原則とした区域として設定されたものでありますが、平成二十九年、二〇一七年でありますけれども、福島特措法の改正により、特定復興再生拠点区域制度の創設時に、従来の方針から前に踏み出し、住民の居住を目指す復興拠点を整備することとしたところであります。
今回の特定帰還居住区域における整備は、人口回復などを通じて復興を後押しするために実施するものであり、特定復興再生拠点区域と同様に、国が国の負担で行うことが適切であると判断したものであります。したがって、御指摘のように東京電力の責任を免責することを目的としているものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/177
-
178・岩渕友
○岩渕友君 復興を後押しすることとやっぱり求償するということは別なことだと思うんですよね。結果的には東電の責任免責していることになるわけなんですよ。原発事故を起こした東京電力にちゃんと責任果たさせるべきですよ。東京電力に求償するようにこれ見直しするべきだと、検討するべきだということを求めます。
最後に、海洋放出をめぐる問題について質問をします。
今月の十八日に相馬双葉漁業協同組合で開かれた意見交換会でも、二十五日にいわき市漁協と小名浜底曳漁協の関係者が参加をした意見交換会でも、海洋放出には反対だとする厳しい意見が出されました。
五月二十七日付けの朝日新聞に、福島県漁連の野崎会長のインタビューが掲載をされていました。お読みになられたかもしれないんですけれども、このインタビューの中では、事故後の十年で流通システムが福島抜きで構築をされ、確立してしまった、私たちは新規参入と同じ状況で、販路を広げるべく今奮闘しているところだと、最近せっかく福島の魚への印象が良くなってきたところなのにとか、漁業は裾野が広い産業で、様々な関連業者がいないと成り立たない、けれども、原発事故後、約十年も本格的な出荷ができなかったので廃業してしまったところもある、少しずつ戻ってきてもらう努力をしているのに、処理水の放出は新たな不安を彼らに呼び起こして事業再開をためらわせるおそれもあると、福島の漁業の復興がなかなか進まない要因になりかねないと、こういうふうに述べていらっしゃるんですね。
漁業者が積み重ねてきた努力を踏みにじるのは海洋放出です。海洋放出は凍結をするべきだということを求めるとともに、これ一旦凍結させて、結論ありきということじゃなくて、復興とか廃炉の在り方について、漁業者だったり福島県民だったり、政府や東京電力だったり、関係者が同じ立場で話し合う場所、円卓会議のようなものを行ってはどうかという提案がされているんですね。こうした話合いの場が必要だと思うんです。
今、福島だけじゃなくて、幅広い方々が反対の声を上げていると。宮城や茨城、そして全国や世界からも反対の声が上がっているということもあるので、この問題についてみんなが同じ立場で話し合える場が必要だと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/178
-
179・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 時間ですので、お答えは簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/179
-
180・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) まず、廃炉は復興の大前提でございます。この問題につきましては、地元の方々と十分な意見交換を行いながら進めていく大変重要な課題であるというふうに思っております。ALPS処理水の処分に、その進め方については、今様々な御意見があるものと承知しておりますが、十分な意見交換が必要というのは御指摘のとおりでございます。
復興庁としましては、帰還困難区域の復興を進めるに当たって、自治体や地元住民の方々と膝詰めで議論するなど、意見交換の在り方についてできる限りの工夫をして取り組んでいるところでございます。廃炉に関しては、地元自治体の各種団体の代表者等が参加する廃炉・汚染水・処理水対策福島評議会等を始め、経済産業省を中心に意思疎通を行ってきたと承知をしているところでございます。
引き続き、様々な意見交換の場として、地元の高校の出前授業や、視察、座談会、地元イベントのブース出店等、双方向のコミュニケーションを重視していきたい、今後もしていきたいというふうに思っておりますし、引き続き、政府一丸となって、地元の方々と十分に意思疎通を図り、丁寧な説明と意見交換を重ねてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/180
-
181・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/181
-
182・岩渕友
○岩渕友君 海洋放出を強行することがあってはならないということを述べて、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/182
-
183・山本太郎
○山本太郎君 れいわ新選組、山本太郎です。
東電事故の前、現在の帰還困難区域にお住まいだった方々にふるさとに帰還していただく取組が本法案の趣旨の一つです。これについて、その感想を三十秒以内で、加害者である東電副社長にいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/183
-
184・山口裕之
○参考人(山口裕之君) 東京電力ホールディングスの山口でございます。
福島第一原子力発電所から十二年が経過いたしましたけれども、今もなお広く社会の皆様に多大なる御心配、御迷惑をお掛けしましたこと、本当に心よりおわびを申し上げます。
また、当社の事故によりましていまだ避難を余儀なくされている方々がいらっしゃるということにつきまして、本当に深くおわびを申し上げるとともに、引き続き、御帰還に向けた取組に対して、国の政策に基づいて御協力をさせていただきたい、そのように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/184
-
185・山本太郎
○山本太郎君 放射線量が高過ぎるために帰還困難区域を全域解除するというのは難しい。そこで、政府が考えたのが、二段階に分けて人を帰す政策。
まず、第一段階、特定復興再生拠点設置。駅周辺などに設置した拠点区域だけ除染、整備して、避難指示解除。そこに集中的な帰還、新規定住を促す。その拠点区域の面積は、大熊の場合、町の面積の約一一%、双葉の場合、町の面積の約一五%、浪江の場合、町の面積の約三%。
そして、第二段階、今回の法改正、特定帰還居住区域の設定。復興拠点の外に自宅がある人も、帰る希望があるなら、その部分だけ除染を追加して避難指示を解除すると。
そもそも、帰還困難区域とは何でしょうか。
資料の一。平成二十四年内閣府防災白書を見てみると、帰還困難区域とは、避難指示区域のうち、五年間を経過してもなお、年間積算線量が二十ミリシーベルトを下回らないおそれのある、現時点で年間積算線量が五十ミリシーベルト超の区域である、同区域は将来にわたって居住を制限することを原則とするとあります。
現在の帰還困難区域の定義も、年間積算線量が二十ミリシーベルトを下回らないおそれのある、年間積算線量が五十ミリシーベルト超の区域ということでよろしいでしょうか。定義が変わったなら変わったと言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/185
-
186・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答えいたします。
帰還困難区域につきましては、平成二十三年十二月の原子力災害本部決定におきまして、御指摘のとおり、長期間、具体的には五年間を経過してもなお、年間積算線量が二十ミリシーベルトを下回らないおそれのある、現時点で年間積算線量が五十ミリシーベルト超の地域として当時設定されたものでございまして、現在もその定義は変わってございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/186
-
187・山本太郎
○山本太郎君 帰還困難区域は、二〇一一年十二月時点では五十ミリシーベルトを超えた地域だと。あれから十二年経過して、現時点では、帰還困難区域はおおむね五十ミリよりかは下がってるんじゃないかなという多分感覚だと思うんですよね、政府的には。ただし、事故から五年間を経過してもなお、年間積算線量が二十ミリシーベルトを下回らないおそれのあるというこの評価に関しては、これ、元の定義のまま引き継いでいると考えていいと思うんです。
帰還困難区域の話をしている途中ではあるんですけれども、放射線管理区域というものについてお話をさせてください。
放射線業務従事者と言われるような放射線物質を扱うことが仕事の人々が働く現場、この中では飲み食いも禁止、寝泊まりも禁止です。
東電の副社長にお聞きします。柏崎刈羽原発では、放射線管理区域内での寝泊まり、これ許されてますか、飲み食い、許されてますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/187
-
188・山口裕之
○参考人(山口裕之君) お答えいたします。
放射線管理区域につきましては、持ち込むものについてこちらの方でしっかりと把握をさせていただいた上で入っていただいておりますけれども、飲み食い原則禁止だというふうに認識してございますが、場合によって、中で、放射線区域内であっても限られた範囲で飲食をすることは可能な場合もあるというふうに認識してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/188
-
189・山本太郎
○山本太郎君 ありがとうございます。
作業の内容によってはそういうこともあり得るかもしれないと。でも、それってポピュラーなことですか、よくあることなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/189
-
190・山口裕之
○参考人(山口裕之君) お答えいたします。
先ほども申し上げましたけれども、限られた範囲でちゃんと管理に基づいて実施をしてございますので、ポピュラーかどうかということはちょっとお答えづらいんですけれども、しっかり管理の下で行われているというふうに認識してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/190
-
191・山本太郎
○山本太郎君 限られた範囲においてしっかりと管理した上でそれをやっているんだということでした。
じゃ、逆に、放射線管理区域の中で二十四時間三百六十五日居続けるということは認めてますか、東電として。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/191
-
192・山口裕之
○参考人(山口裕之君) 申し訳ございません、今正確なお答えを持ち合わせておりませんけれども、労働条件等の関係も考えましても二十四時間ということはないというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/192
-
193・山本太郎
○山本太郎君 労働条件どころか、もうこれ電離則的に絶対にあり得ない話ですね。あり得ないと思いますよ。ないですが答えです。ありがとうございます。
これ、放射線管理区域は、毎時二・五マイクロシーベルト、三か月で一・三ミリシーベルト、年間では五・二ミリシーベルトになる。ただし、これは一日八時間、週五日間の勤務、滞在を前提として年間五・二ミリに達するという話。その約十倍を超える環境が事故直後にあったのが帰還困難区域です。そして、事故後五年以降も二十ミリシーベルトを下回らないおそれがある。つまりは、放射線管理区域の四倍以上の汚染を下回らないおそれがあるという定義は今も引き継がれています。その帰還困難区域に人を帰すというのが本法案の趣旨です。
資料の二。事故から五年後、平成二十八年度の復興庁の帰還困難区域の入域管理・被ばく管理等事業、補足資料。この入域管理、被曝管理を行う根拠として、帰還困難区域は、当該区域の汚染レベルが極めて高く、住民に避難の徹底を求める観点から、原子力災害対策本部決定に基づき、区域境にバリケードなど物理的な防護措置を実施とあります。
帰還困難区域では入域管理・被ばく管理事業が行われているというんですけれども、これ簡単で結構です、入域管理・被ばく管理事業、簡単に、簡単に説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/193
-
194・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答えいたします。
御指摘の帰還困難区域の入域管理・被ばく管理等事業につきましては、平成二十三年十二月二十六日の原子力災害対策本部における決定を踏まえまして、帰還困難区域の区域境界にバリケードといったような物理的な防護措置を実施をし、住民に対して避難の徹底を求めているものでございます。また、可能な限り住民の意向に配慮した形での一時立入りを実現するために、スクリーニングを確実に実施するとともに、個人線量管理や線量に応じた防護装備の着用など、安全性を確保した上で、現在でも事業を継続して実施してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/194
-
195・山本太郎
○山本太郎君 今お聞きいただいたように、今でもそれらは継続されていると。
これ、現在も入域管理、被曝管理を行っている、つまりは、帰還困難区域は当該区域の汚染レベルが極めて高いというこの状況評価、これ変わっていないということでいいですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/195
-
196・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) 帰還困難区域につきましては、平成二十三年当時に、被曝管理などの観点から区域境界にバリケードといった物理的な防護措置を実施をしておりまして、住民に対して避難徹底を求めた上で一時立入りの管理を行うものとして、これは現在も行ってございます。
なお、現在、帰還困難区域においては、年間積算線量が五十ミリシーベルトを超えている地域はほとんど存在してございませんで、二十ミリシーベルトを下回っている箇所も存在すると認識してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/196
-
197・山本太郎
○山本太郎君 でも、現在でも継続して実施しているわけでしょう、入域管理・被ばく管理事業。
五十ミリ超えているというところが下がってきたというのは実際に認めているけれども、二十ミリも下回っているところもありますって、でも、二十ミリとか五十ミリとか、感覚おかしくなっていません。麻痺しているんじゃないですか。事故前から考えてみて。で、普通に原子力の事業者の人たち、考えてみて。おかしいでしょう。そういったところで線量が下がったからって、生活戻れということ自体がおかしいんですよ。むちゃくちゃですよ。そんなこと許されていないでしょう。
仮に一部放射線量が低下しても、周辺には汚染レベルが極めて高いエリアが残っている。極めて高いとは言えないといいますが、放射線管理区域の基準、年間五・二ミリシーベルトを確実に下回る状態、これ最低限でも保証しなければ、これ帰還促進するのおかしいんですよ。だって、一般公衆ってどれぐらいでしたか。一ミリに抑えなきゃ駄目なんじゃないですか。確実におかしくなっていますよ、感覚が。
復興庁の法案概要資料によれば、市町村長の策定する計画に基づき、帰還住民の日常生活に必要な宅地、道路、集会所、墓地等を含む範囲で特定帰還特別区域を設定、放射線低減を行う。これ、農地とか住宅周辺の山林は含まれないと。帰還困難区域に帰るか帰らないか、判断迫って、帰りますと言った人だけ、家の周りちょこちょこっと除染してあげる、そんな法改正ですよ。
帰るかどうか迷っている人の地域の汚染はそのまま放置。政府自身も、この汚染引き起こした責任、問われているはずですよ。それにもかかわらず、今すぐ帰る意思示さないなら除染してやらないって、何様。加害者なんですよ。
資料の五。政府は、帰還困難区域が設定されている大熊、双葉の住民に帰る意思があるかを、あり、なし、保留の三択で調査。両町とも、回答世帯の半数以上が帰還意向なし、双葉四十四世帯、大熊百二十世帯。あるいは保留、双葉七十五世帯、大熊七十七世帯。これ、保留という回答の多さ、えらく目立ちません。そして、帰還希望を示す世帯は、大熊百四十三、双葉九十三。世帯中に一人でも帰還の意向があれば帰還の意向ありに換算する。これ、集計のやり方おかしくないですか。帰還の意向を示すことが除染の条件、そうされていることで回答が誘導された影響もあると思います。
資料の六。昨年九月の福島民報。大熊町の六十代男性は、三択で聞かれてもどうしたらいいか分からない。別の六十代男性は、帰還できるようにするための具体的な条件を複数提示してほしい。五十代男性は、どこまで除染するのか分からない状況の中では判断が付かず、答えられない。調査の在り方、批判されていますよ。
資料の七。同じく帰還困難区域が設定された浪江町津島区長会長を務める末永さんのお言葉。希望する人だけを除染したら地域がまだらにされる、自宅以外は高線量なのに誰が戻るのか、俺の自宅が除染されたら無料で貸すから子供を連れて暮らしてみろ、そう言ったら、職員は一言も返答できなかったという。これらの声、当然ですよ。
将来にわたり居住を制限する、政府が決めて避難させた、極めて汚染レベルが高いから被曝を管理する、そう言ってきた地域ですよ。今になって、帰る人だけ家の周りちょこちょこっと除染する、そう言われている。帰還するかどうか聞く前に、日本の法令しっかり守って、全域を最低限放射線管理区域未満の汚染レベルに下げなければならない、これ当然じゃないですか。帰還の意思を国が問うのはその後ですよ。ここまで下がった、事故前はこうでした、どうなさいますか、これがないじゃないですか。
資料の四。世界の核施設災害及び核実験被害地域で、一度住民避難を行った地域に再度住民を帰還させようという政策は失敗、あるいは、そもそも行われていません。
一九八六年、ウクライナ・チェルノブイリ原発事故。原発周辺三十キロから約十万人強制移住。村や町など、百八十八の居住区が廃止。汚染と事故原発での不測の事態を警戒し、三十五年以上経過してなお居住禁止。一九五〇年代、旧ソ連、ロシア・ウラル地方、マヤク生産合同事故。プルトニウムを扱う工事からの廃液放出と火災事故により一万人強制移住。二十三の村が閉鎖。五十年以上経過しても再定住は行わず。一九五〇年代、マーシャル諸島、核実験被害。ビキニ環礁住民百六十七人、エニウェトク環礁の住民百七十二人が強制移住。六〇年代末に再定住計画が策定されるが、汚染レベルが高く、七八年には再度強制移住命令。
政府は、事故は収束した、線量は下がったと言う。当然、事故直後より下がったんでしょう。都市部の平地では、一部集中的な除染の効果もあったんでしょう。でも、これってごく一部の環境改善にすぎませんよ。終わりの見えない生態系汚染の全体像に目向ける必要あるんじゃないですか。
生活圏の周りだけちょこちょこっと除染する。政府方針の批判には、山林と一体である地元の生活実態を訴える声が多い。岩渕委員からもありました。
資料の八。浪江町の林業従事者。俺たちは林業で生きてきた、山を除染しないと生きていけない。悲痛な声を上げている。
山林の汚染状況を調査する専門家たちは、事故から約十年経過した時点でも問題を指摘。除染されない山林に放射性物質が蓄積、残り続ける。山林の汚染が食物連鎖を通じて山菜や川魚などに濃縮され、汚染が高止まり。居住地を除染しても、山林から流れ出した放射性物質で再度汚染されてしまう。
政府は、福島県の七割を占める森林、山林の環境を汚染してしまったことの重大さ、全く認識していませんね。数世代にわたる環境回復の取組が必要なんですよ。避難指示解除後も警戒態勢の中で生活が続いているのが現実。
これ、先ほど農地の話出てきましたよ。これ、これまで解除されてきたところ、農業やるんだったら御勝手にという形で、ずっとこれ認めていますよね。個人の営農者が圧倒的に多いんですよ。これによってどんな被害を被るかといったら、これ、企業として、組織として、何かしら法人で農業に取り組んでいたら、これ電離則で守られるはずでしょう、ちゃんと管理されるんだから。個人の営農は自己責任になるんですよ。
で、農地のことを事前にまだ調査すらしていなくて、この後、地元と話し合いますって。この後も自己責任の農地で、砂煙が舞い上がったりとかしながら、呼吸でこれ放射性物質とか取り組んで、内部被曝につながる。そんなことも分かっていながら、そこに対して何も、何かフォローを入れようとするような気配もないじゃないですか。もう実際に解除されたところでそれが普通に行われていますよ。そして、これから行われることも、これまでやってきたことに準じるわけでしょう。むちゃくちゃじゃないですか。
避難指示解除は、支援、補償の打切りとセットで行われてきた。原発事故後、政府は、避難指示などが出た十三市町村の住民を対象に、医療費、保険料等の全額又は一部を免除してきた。一七年四月までに避難指示解除された十一市町村に関しては、解除後十年でこの減免措置を停止する方針が示された。ごめんなさいね。はっきり言ったら棄民政策なんですよ。ずっと続いているじゃないですか、二〇一一年の事故から。それを思うとちょっと感情が高ぶって、申し訳ない。
戻ります。資料の九。昨年、双葉郡の住民が方針撤回を求めて設立した福島原発事故被害から健康と暮しを守る会は、次のように訴えている。
原発事故で強いられた放射線被曝による健康へのリスクは生涯続く。また、いまだ生活再建途上にある被害者にとって、医療費等減免措置はまさに命綱。国策で進めた原発で重大事故を起こし、放射能汚染で故郷を奪い、なりわいを奪い、避難生活を強いたのです。そして、避難指示生活をはるかに超えた地域の多くの人々を被曝させた、その責任は国と東電にある。
その責任、感じていますか。言葉だけにしか思えない。どうしてこんな、当事者に、被害者に、声上げさせるんですか。
帰還困難区域からの避難者に対しては今のところ医療費等減免措置は続いているが、今後打ち切られることが懸念される。
資料の十。復興庁とやり取りしました。そのメールのやり取りです。これ、何かといったら、避難指示が解除された区域については、同様の考え方で、これまでと同様の考え方で医療費の減免の見直しを進める。医療費減免、支援を打ち切る気満々の内容になっているんですよ。
十年、二十年で終わりませんよ。どれだけのでかい事故、とんでもないことが起こっているかって、あなたたちが一番分かっていることじゃないですか。長期的に見てどうするべきかということをこの国会で決めてほしいなと。でも、その中身ないですよ、はっきり言っちゃえば。
医療費減免措置、当初の規模でのそれらの継続、更なる対象の拡大をしなきゃいけないんですよ。因果関係なしってなるから、お構いなしなんでしょう。やってくださいよ。
どこまでの範囲の対象に医療費の減免措置を広げるか、どれぐらいの期間続けるべきか、二つの制度に立脚すべきということを提案させていただきます。
資料の十一。一つ目は、東海村ジェー・シー・オー事故関連。周辺住民等の健康診断事業。この制度は、評価された被曝線量が一ミリシーベルトを超える者、健康診断を希望する者が対象となります。本人が望む限り事実上生涯にわたって受けられる健診。事故直後に基準を上回る被曝を余儀なくされたことを根拠に対象者を広く取るということがこれでできるじゃないですか。
そのためには、もう一つ、皆さんがつくったものですよ、資料の十二。原発事故子ども・被災者支援法、これに基づき設定された支援対象地域。避難指示区域外で、福島県の浜通り及び中通りがその対象地域とされた。それ以外に広げようと思ったら追加していけるという立て付けになっているはずですよ。この支援対象地域全体を医療費減免の対象としていないのは、立法趣旨を無視した不作為です。最低限、この支援対象地域に一度でも指定された地域の住民及び事故時点での居住者は全て対象にする必要があると思います。
大臣、最後に、医療費減免措置の継続期間、これ対象者の生涯続けるということ、理にかなっていると思います。被災者のことを思われているとふだんからおっしゃっている大臣、これについてはやると約束していただきたいんです。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/197
-
198・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめいただきたいと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/198
-
199・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) 医療費減免の見直しについて、継続すべきだという御意見でございます。
この問題につきましては、昨年の四月から本措置の見直しを決定したところでありまして、関係自治体の御意見を踏まえ、急激な負担増にならないように、避難指示解除から十年という十分な経過措置をとるとともに、複数年掛けて段階的に見直すこととしているところであります。
また、本特例措置が終了した後も、所得の低い方に対しては通常の保険料等の負担軽減措置が講じられることとなります。さらに、個々の事情に応じて、納付相談の実施やきめ細かな対応が行われるよう、厚生労働省と連携しながら周知に努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/199
-
200・古賀之士
○委員長(古賀之士君) おまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/200
-
201・山本太郎
○山本太郎君 ありがとうございます。
余りちゃんとお答えいただいていないんです。一度でも指定された地域の住民及び事故時点での居住者は全て対象にする必要がある。医療費の減免措置の継続期間、これは生涯続けるということが、とんでもない事故を起こしたその加害者側である国と東電の役割なんですよ。
大臣、被災者を思う、被災地を思う、常日頃から言われているんですから、これ前に進めてくださいよ。是非お願いします。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/201
-
202・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/202
-
203・岩渕友
○岩渕友君 私は、日本共産党を代表し、福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案について反対の討論を行います。
東日本大震災、東京電力福島第一原発事故から十二年余りがたち、今春をもって全ての特定復興再生拠点区域の避難指示が解除されました。本法案により住民が求めてきた拠点区域外の除染に着手することは一定の前進です。
その上で、反対する第一の理由は、本法案は生活のための環境整備としては極めて不十分であり、かつ、住民間に新たな分断が生じかねないからです。
本法案では、帰還の意向を示した住民の自宅周辺にある宅地、道路、集会所、墓地等を含む範囲に限り、除染等やインフラ整備等の環境整備を行うとしています。これまで政府が環境整備を進めてきた拠点区域は、帰還困難区域の僅か八%にすぎません。本法案により拠点区域外への帰還が可能となりますが、自宅に戻れればよいのではありません。限定的な範囲の除染では日常生活は成り立ちません。自治体が求めてきた面的除染が行われず、将来が見通せないまま住民に帰還の決断を迫ることになれば、住民間に新たな分断が生じかねません。国がやるべきことは、帰還希望の有無を問わず、避難地域全域の除染、環境整備を行い、いつでも安心して戻ることができるようにすることです。
第二の理由は、特定帰還居住区域の環境整備に係る費用を国が負担することで、原発事故の原因者である東京電力の責任を免じるものだからです。
放射性物質汚染対処特措法では、国が財政上の措置等を講じ、関係原子力事業者に求償すると規定しており、除染等の費用は東京電力に負担する義務があります。ところが、国は、拠点区域を定めた前回の法案改定時、新しい町づくりのため、国費で除染するとしました。本法案で新設する帰還居住区域でもその仕組みは変わっていません。本来、原発事故の原因者である東京電力が費用を負担すべきであり、国は東京電力に対して求償するべきです。求償しないことは、これまで以上に東京電力の責任を免罪することであり、断じて認められません。
原発事故による被害は今なお続いています。政府が掲げている原発事故の反省と教訓というのであれば、原発ゼロを決断するべきだと述べて、反対討論とします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/203
-
204・山本太郎
○山本太郎君 れいわ新選組、山本太郎です。
本法案に反対の立場で討論いたします。
帰還困難区域は、極めて汚染レベルが高いとして、強制的に住民を避難させた地域です。本法案は、この地域に十分な環境回復措置を行うことなく、小手先の環境整備だけで住民を戻してよいとするもの。被害を矮小化し、被害者が望んでもいない限られた選択肢を無理やり押し付け、後は自己責任とする、これまでの政府の原発事故被害対応の悪い部分を凝縮したような法案です。
人間の生活圏は、住居とその周辺の道路と集会所で完結するものではありません。福島第一原発事故により、最も直接かつ深刻な被害を受けた福島県。その面積の約七割は森林です。本来は、森林とつながった生活圏を一体として捉え、何世代にも及ぶような環境回復の取組が求められる事態です。
自宅以外高線量なのに誰が戻るのか、どこまで除染するのか分からない状況では判断が付かない、俺たちは林業で生きてきた、山を除染しないと生きていけない。傲慢な政府の姿勢に対する痛烈な怒りが、これら住民の声には込められています。本法案からにじみ出る、帰る気があるならごく一部のスポットを除染してあげる、政府の上から目線への怒りです。
これまで、避難指示区域の解除は、避難を余儀なくされてきた住民に対する支援や補償策の縮小、そして撤廃とセットで行われてきました。膨大な、終わりのない山林汚染を残したまま、住民の求めるレベルまでの環境回復は行わず、それでも政府が避難指示解除に突き進むのは、被災地と呼ばれる面積を減らし、そして被害者を放置する口実が欲しいからにほかなりません。
避難指示が解除された地域の住民に対しては、医療費等減免措置が段階的に廃止されています。帰還困難区域内でも避難指示が解除された復興拠点の住民に対しては、今後、同様に支援が縮小、撤廃される可能性が非常に高い。
原発事故で強いられた放射線被曝による健康へのリスクは生涯続きます。いまだ生活再建途上にある被害者にとって、医療費など減免措置はまさに命綱です。これは、医療費減免措置継続を求めて双葉郡の住民たちが立ち上げた市民団体の要望に記された言葉。政府は、この生涯続くリスクに目を向けず、住民の命綱を断ち切る政策を進めてきました。
被害を見えにくくし、被害者を放置する政策の総仕上げが帰還困難区域を消すこと。その一里塚となる本法案には、断固反対いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/204
-
205・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/205
-
206・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、石垣君から発言を求められておりますので、これを許します。石垣のりこ君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/206
-
207・石垣のりこ
○石垣のりこ君 私は、ただいま可決されました福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
一 特定帰還居住区域の避難指示解除に向け、住民が安心して帰還できるよう、各地域の現状や住民・地元自治体等の意向を十分に踏まえ、生活圏を幅広く捉えながら、除染の手法・範囲等を決定するとともに、住民間の分断や不公平が生じないよう十分に配慮し、早期に除染や環境整備等に取り組むこと。
二 住民の帰還意向の確認に当たっては、帰還について早期に判断できない住民に十分配慮し、確認の機会を複数回設けることに加え、近隣住民の動向を始めとする住民の判断に資する情報を適時適切に提供するなど、地元自治体と連携しつつ、住民の意向の丁寧な把握に努めること。
三 帰還意向のない住民の土地・家屋等の扱いについては、住民・地元自治体等と協議を重ね、その意向を十分に踏まえながら、可能な限り早急に方針を示すこと。
四 自主避難者、県外避難者を含めた避難者の人権を最大限尊重し、最後の一人に至るまで必要な支援を継続すること。また、特定帰還居住区域の設定に当たっては、長期にわたり避難生活を行ってきた避難者の事情を十分に踏まえ、住民の意向に柔軟に対応し、避難先と特定帰還居住区域での二地域での居住を当面の間認める等、多様な帰還の在り方を考慮すること。さらに、帰還者等の安全を確保し、安心して生活できるよう、国は生活環境整備を着実に実施した上で、将来的に帰還困難区域全ての避難指示解除を行うこと。加えて、福島の森林・林業の再生や帰還環境の整備に向けた必要な措置を講ずること。
五 避難指示解除区域等に帰還した住民が安心して生活できる環境を整えるため、引き続き、営農再開、事業・生業の再生、教育環境、医療、介護・福祉サービスの再構築を進めるための支援を継続すること。
六 避難指示解除区域等の帰還環境の整備に加え、福島国際研究教育機構の設立により、移住・定住や交流・関係人口の拡大が見込まれることから、帰還者と移住者が共生できるまちづくりを進めること。その際、地域の伝統や文化の再構築にも十分配慮すること。
七 福島浜通り地域等は、原子力災害の影響に伴う急激な人口減少等により、産業の担い手不足が続いており、将来にわたり活力ある地域としていく上では、働く場を十分に確保する必要があることから、福島国際研究教育機構の設立に伴う産業集積に資する必要な支援を継続すること。
八 福島浜通り地域等が持続的な発展を遂げるには、復興をリードする地域の人材育成が重要であることから、地域の教育機関等との連携の下、地域の高専生や高校生を始め、小中学生も含めたシームレスな形での福島国際研究教育機構による地域人材に対する育成の仕組みを構築するなど、機構の教育機能を充実させること。また、機構が世界に冠たる創造的復興の中核拠点となるよう世界最先端の研究を実施するのにふさわしい研究マネジメント体制を早急に構築すること。
九 重要な課題であるALPS処理水の処分については、これまで以上に積極的な情報公開や広報活動を行うことによって国民的議論を深め、関係者の声に真摯に耳を傾けつつ、誠意を持って丁寧かつ十分な説明を重ね、信頼関係を構築すること。ALPS処理水の処分により、新たな風評を発生させず、事業者が将来に向け安心して事業を継続していくことを可能とするとともに、諸外国への輸入規制撤廃に向けた更なる働きかけ、食の安全確保や放射線に関する理解の増進など、国を挙げて風評払拭に取り組むこと。
十 福島県内の除去土壌等の中間貯蔵開始後三十年以内の県外最終処分に向け、全国民的な理解醸成を確実に推進するとともに、県外最終処分に向けた具体的な方針・工程を早期に明示し、県民・国民の目に見える形で取組を加速させること。
十一 原子力災害における国の責務として、「第二期復興・創生期間」以降も必要な財源を確実に確保するとともに、福島の復興・再生の実現に向けた総合的な支援措置を継続すること。
十二 東日本大震災により被災した全ての自治体が、真の復興を成し遂げるためにも、政府は、引き続ききめ細やかに被災者の心のケアや孤独死防止対策等の課題に対応するとともに、活力あるまちづくりの実現に向けた移住施策や企業誘致の取組を着実に進めること。被災した全ての自治体が、残された課題の解決に向け、不安なく取組を進められるよう、今後も復興特別所得税等による必要な財源の確保に努めること。
十三 「第二期復興・創生期間」後の復興政策の在り方を視野に入れつつ、復興施策の進捗状況、原子力災害被災地域からの復興の状況を検証すること。その結果を踏まえ、「「第二期復興・創生期間」以降における東日本大震災からの復興の基本方針」に係る必要な見直しを進めること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/207
-
208・古賀之士
○委員長(古賀之士君) ただいま石垣君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/208
-
209・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 多数と認めます。よって、石垣君の提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、渡辺復興大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。渡辺復興大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/209
-
210・渡辺博道
○国務大臣(渡辺博道君) ただいまの決議につきまして、その趣旨を十分に尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/210
-
211・古賀之士
○委員長(古賀之士君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/211
-
212・古賀之士
○委員長(古賀之士君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後五時二十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114858X00620230531/212
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。