1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和五年四月六日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
四月四日
辞任 補欠選任
小林 一大君 山崎 正昭君
四月五日
辞任 補欠選任
古庄 玄知君 生稲 晃子君
馬場 成志君 高野光二郎君
山崎 正昭君 友納 理緒君
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出席者は左のとおり。
委員長 杉 久武君
理 事
加田 裕之君
福岡 資麿君
牧山ひろえ君
谷合 正明君
川合 孝典君
委 員
生稲 晃子君
加藤 明良君
田中 昌史君
高野光二郎君
友納 理緒君
森 まさこ君
和田 政宗君
石川 大我君
福島みずほ君
佐々木さやか君
梅村みずほ君
鈴木 宗男君
仁比 聡平君
国務大臣
法務大臣 齋藤 健君
最高裁判所長官代理者
最高裁判所事務
総局総務局長 小野寺真也君
最高裁判所事務
総局人事局長 徳岡 治君
最高裁判所事務
総局経理局長 氏本 厚司君
事務局側
常任委員会専門
員 久保田正志君
政府参考人
法務省大臣官房
政策立案総括審
議官 上原 龍君
法務省大臣官房
審議官 柴田 紀子君
法務省大臣官房
司法法制部長 竹内 努君
法務省刑事局長 松下 裕子君
法務省矯正局長 花村 博文君
法務省訟務局長 春名 茂君
出入国在留管理
庁次長 西山 卓爾君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/0
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001・杉久武
○委員長(杉久武君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、小林一大君、馬場成志君及び古庄玄知君が委員を辞任され、その補欠として高野光二郎君、生稲晃子君及び友納理緒君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/1
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002・杉久武
○委員長(杉久武君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省大臣官房司法法制部長竹内努君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/2
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003・杉久武
○委員長(杉久武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/3
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004・杉久武
○委員長(杉久武君) 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/4
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005・加田裕之
○加田裕之君 おはようございます。自由民主党、加田裕之でございます。
裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について質疑をさせていただきたいんですが、まずですけれども、訟務部局におきまして訴訟追行に当たる職員の生産性を向上させまして働き方改革を推進していくためには、国の指定代理人に裁判官出身者を一定程度配置することに合理性があると私は考えておるんですが、まず齋藤法務大臣にその御見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/5
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006・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 職員がその能力を最大限に発揮して限られた時間で効率よく高い成果を上げるためには、職員の働き方改革を推進していかなくてはなりません。
また、国を当事者等とする訴訟は増加傾向にありまして、かつ、その内容も複雑困難化している中で、委員御指摘のとおり、これらの訴訟に迅速かつ適切に対応していく観点から、訟務部局に裁判官出身者をも人材として配置することも重要な意義を有するものと考えています。
したがいまして、国の指定代理人として活動する裁判官出身者につきましては、その数や割合を減らせば減らすほど良いとは考えておりません。様々な観点から見たバランスも重視して人材を配置していくことが相当であろうと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/6
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007・加田裕之
○加田裕之君 まさに大臣の答弁のとおり、減らせば減らすほどいいというものではなく、そしてまた生産性というものが大変大事であるということでございます。
今回の法案の中身についてお伺いしたいんですけれども、これまで裁判所の職員定員法の改正の経過を見ておりますと、令和二年までは判事を増員してきたと思うんですけれども、令和三年以降ですけれども、判事を増員しておらず、今回の法案においても判事の増員はしないというふうになっております。
裁判所には、民事、刑事、家事事件など様々な事件が持ち込まれております。裁判所においてこれらの事件を適切に処理していくために判事を増員していく必要があると思うんですが、その点についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/7
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008・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、裁判所はこれまでも事件動向等を踏まえまして着実に裁判官を増員してきており、司法制度改革以降の平成十四年から令和二年度まで、この間に合計で約八百三十人の増員をしてまいったところでございます。その結果、中長期的には専門訴訟の審理期間の短縮や成年後見関係事件における後見人による不正件数の減少といった効果が出てきているところでございます。
他方で、事件動向について見てみますと、成年後見事件などの一部の事件を除きまして増加に歯止めが掛かり、落ち着きが見られるようになっております。少し具体的に申し上げますと、民事訴訟事件及び刑事訴訟事件につきましてはいずれも減少傾向にあります。また、家事事件につきましては、全体としては増加傾向にあるというところでございますけれども、これは高齢者人口の増加に伴う成年後見関係事件が累積的に積み上がっていることによる増加というふうに考えられます。少年保護事件につきましては大幅な減少傾向が続いております。
このような事件動向を踏まえますと、令和五年度については、これまでの増員分も活用しつつ、審理運営の改善、工夫等を引き続き行うことにより、適正かつ迅速な事件処理を行うことができるものというふうに考えており、昨年度に引き続き判事の増員を求めないこととしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/8
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009・加田裕之
○加田裕之君 今御答弁ありましたように、事件動向というものは今落ち着いていると、増加に歯止めが掛かっていて、先ほどお話ありました部分について落ち着いているということがあったんですけれども、実際、各事件の質というものですね、質についてはどうなんでしょうか。民事訴訟事件については、近年、社会情勢の変化とか国民の権利の意識の高まり等を背景にしまして大変複雑化していますし、困難化していると聞いております。
このような事件の質の変化を踏まえても、判事を増員しないで裁判所の事件処理に本当に支障は生じないんでしょうか、現場感ということも、ついてなんですけれども、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/9
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010・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
近時、建築関係事件でありますとか、交通損害賠償事件、医事関係事件、労働関係事件、知的財産関係事件などの典型的な専門訴訟や、あるいは非典型的、非類型的な損害賠償請求事件が多く含まれるその他の損害賠償請求事件というものが増えておるところでございます。
これらの類型の事件では、専門的な知見を得るために専門委員の関与や鑑定の実施が必要になったり、あるいは紛争の複雑な背景事情や社会経済活動に与える影響を把握するために裁判所から必要な資料や知見を積極的に指摘をし、場合によっては調査嘱託等の方法を検討することが必要となったりすることも多くあるところでございます。
また、これらの類型の事件と申しますのは、平均審理期間や、あるいは双方の代理人の選任率、証拠調べの実施率等を見てみましても、他の類型の事件と比べて有意に高いということでございます。当事者の対立が先鋭化して争訟性も高いということが表れているところでございます。
こうした複雑困難類型の事件につきましては、適正かつ迅速な処理が課題となっているところでございますが、近年、事件数としては落ち着きが見られているというところでございまして、これまでの増員分を含む現有人員を有効活用しつつ、合議体で審理すべき事件を適切に合議に付し、訴訟関係人の理解と協力を得つつ、争点中心型の審理の実践に努めるなど、審理運営の改善、工夫等を引き続き行うことで適切に処理ができるというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/10
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011・加田裕之
○加田裕之君 それでは、他方で、今回、任官して十年未満の裁判官であります判事補については十五名の減員とするということです。これ、十五名の減員という理由について御説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/11
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012・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
判事補につきましては、平成二十九年から令和二年までの間、判事定員の振替をすることにより定員を減少させてきました。
先ほど申し上げましたような直近の事件動向、あるいは判事補の充員が困難な状況が続いているということ、あるいは令和三年四月六日の参議院法務委員会附帯決議等を踏まえまして、総合的に検討した結果、令和四年度に判事補の定員を四十人減員したところでございます。
令和五年度につきましても、直近の事件動向や判事補の欠員状況、令和四年三月九日の衆議院法務委員会附帯決議等を踏まえまして、判事補の定員を十五人減員することとしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/12
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013・加田裕之
○加田裕之君 ちょうど判事補の方というのは、年次的にも十年未満ですから、まだ年齢的にも若い方もいらっしゃいますし、そしてまだ、ちょうど結婚されて、子供、お子様もお生まれになった方も少なくないと思っております。
働き方改革の観点からでいいますと、女性のみならず、男性の育児休暇の取得についてもこれからますます進めていかなければいけないと思っております。
今回の判事補十五人の減員により、例えばですけれども、育児休暇を取得した場合に適切に対応することができなくなるということ、できなくなるようなおそれというものはないんでしょうか。そのことについてお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/13
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014・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
裁判官が育休を取得した場合でありましても、所属の裁判所内での配置換え、事件配填の変更、係属事件の配填替え、あるいは全国的規模の異動等の措置を講じますことで、裁判等の事務に支障が生じないように対応しているところでございます。また、各庁に裁判官を配置するに当たりましては、こういった事情も総合考慮しながら行っているというところでございます。
今回の判事補十五人の減員につきましては、充員の状況のほか、あるいは育休取得等の観点も考慮に入れた上で、減員しても将来の事件処理には支障が生じない範囲で検討したというものでございますが、いずれにいたしましても、今後も引き続き裁判官が適切に育休が取得できるような環境を整えてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/14
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015・加田裕之
○加田裕之君 まさに不断の見直しというものが私は必要だと思いますので、実際問題、裁判官が適切に育休が取得できるように取り組んでいただきたいと思っております。
次に、今回の法案によりますと、裁判官以外の裁判所の職員を三十一名減員するということですが、その内訳について御説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/15
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016・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
まず、裁判手続等のデジタル化の推進を含む事件処理の支援のための体制の強化、それから国家公務員のワーク・ライフ・バランス推進のために裁判所事務官を三十九人増員することとしているところでございます。
その一方で、政府の定員合理化に協力をいたしまして、政府、失礼しました、裁判所の事務を合理化、効率化することなどをいたしまして技能労務職員等を七十人減員するということとしておりますので、以上の増減を通じまして、裁判官以外の裁判所の職員の員数を三十一人減員するというものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/16
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017・加田裕之
○加田裕之君 ただいまの説明によりますと、裁判手続等のデジタル化の推進のためには、全体の方では定員を増やしているということであります。事件処理の支援のための体制強化のため裁判所事務官を増員するという内容も含んでいるということなんですけど、デジタル社会の実現に向けまして、司法分野におけるデジタル化の推進も大変重要な課題であると思います。
裁判所において裁判手続等のデジタル化の推進に向けて具体的にどのような取組をしているか、ちょっと例示も挙げましてお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/17
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018・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
裁判所における裁判手続等のデジタル化の取組状況についてのお尋ねでございます。
まず、民事訴訟手続のデジタル化の実現に向けた取組を更に進めていく必要がございます。具体的には、改正民事訴訟法のうち、早期の施行が予定されているウェブ会議を用いた口頭弁論の運用に向けた準備に取り組む必要があります。
また、デジタル化後の民事訴訟手続の本格的な運用開始、これ、オンライン申立てでありますとか訴訟記録の原則電子化等ということになりますけれども、これらに向けて、システム開発でありますとかあるいは規則の改正の検討といったものを着実に進めていくことになります。
また、これ以外の分野につきましても、民事非訟手続でありますとか家事事件手続及び刑事手続のデジタル化の実現に向けた取組につきましても更に進めていく必要があるというふうに考えているところでございます。
今後、このようなデジタル化の取組を通じまして、より一層、適正迅速な裁判の実現に向けた必要な検討を進めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/18
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019・加田裕之
○加田裕之君 裁判手続等のデジタル化の推進に向けた取組を答弁のとおり着実に進めていくに当たりまして、裁判所事務官を増員していくことは大変重要であると思うんですけれども、デジタルに関する専門的な知見というものを取り入れていく必要もあると私は思っております。
これは、先ほど答弁ありましたように、大変いろいろな分野、まあ一言で裁判手続のデジタル化と言いましても様々な分野にまたがってきますので、裁判所におきましてこういうデジタルに関する専門人材の活用をしているということなんでしょうか。その点についてちょっと御答弁いただけたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/19
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020・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) 裁判所といたしましても、デジタル化に関する専門的な知見あるいは経験を取り入れていくということは大変有用であるというふうに考えております。
令和三年度から採用募集を行っているところでございまして、令和三年度に合計三名、令和四年度にも合計三名のデジタルに関する専門的な知見を有する方を職員として採用することができました。現在も、裁判所のデジタル化に向けた検討においてその知見を大いに発揮していただいてもらっているところでございます。
裁判所といたしましては、デジタルに関する専門的な知見を有する方を採用するということはデジタル化の検討に向けて有意義であるというふうに考えており、令和五年度につきましても更なる人材確保に向けた準備を進めているところでございます。
今後も、デジタルに関する専門的な知見を有する方にその持てる知見を発揮していただき、裁判手続等のデジタル化に向けた取組を更に進めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/20
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021・加田裕之
○加田裕之君 まさに答弁のとおり、司法の分野の専門家ということとデジタルの専門家ということ、両方兼ね備えた上での司法デジタル人材のやはりこれから活用というもの、そして人員の確保というものが大切であると思っております。
デジタル社会の実現に向けて司法の分野でもしっかりと裁判手続等のデジタル化を進めてほしいとは思うんですけれども、次に、裁判所の事務官の増員について、裁判所職員のワーク・ライフ・バランスの推進を図るための目的もあるとのことでしたけれども、このようなワーク・ライフ・バランスの推進のために増員した人員については裁判所において具体的にどのように活用されているんでしょうか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/21
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022・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
仕事と育児の両立支援制度の利用促進や育児休業からの復帰後の支援等を行うことにより職員のワーク・ライフ・バランスの推進を図っていく必要があることから、平成二十七年度以降、国家公務員のワーク・ライフ・バランス推進のための増員を認めていただきまして、その取組を行っているところでございます。
具体的には、育児の事情を抱えた職員を支援する職員を配置するなどいたしまして、育児の、育児と仕事の両立が実現し、職場のワーク・ライフ・バランスを推進するような人的体制を確保するために活用することを予定しており、今回の増員分につきましても、その時々の勤務状況や職員の状況を見ながら、そのような取組を行うことが必要な部署に臨機応変に配置を行うことになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/22
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023・加田裕之
○加田裕之君 やはりこのワーク・ライフ・バランスの維持向上を図るということは大変重要であると思いますので、これは恐らく専門性も有しますし、また、いろいろな部分の、現場現場でのケース・バイ・ケースというものをしっかりと見て、その場その場で現場の声を吸い上げていただけたらと思っております。
ちょっと本当は技能労務職員のことについてもお伺いしたかったんですけれども、これ実際、また減員することによって業務の支障がないように体制整備というものも、この技能労務職員の部分の担っている職務というのも私は大切であると思いますので、そのこともしっかりとやっていただきたいということを要望申し上げまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/23
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024・福島みずほ
○福島みずほ君 立憲・社民の福島みずほです。
まず初めに、判事補の欠員が高水準となっている理由及び充員の取組についてお聞きをします。
二〇二二年十二月一日現在、判事補の欠員は百七十六名です。その理由と、充員のためにどのような取組を行うのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/24
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025・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
判事補の欠員の状況ということについてのまずお尋ねでございました。
委員から御指摘をいただきましたとおり、判事補の欠員数、これが高水準となっているところでございます。これは、判事補の給源となる司法修習終了者の人数が減少しているということに加え、大規模法律事務所等の法律事務所と採用が競合するといったような事情などが相まって、近年の採用数が伸び悩んでいることからこのような欠員が生じているというふうに考えております。
裁判所といたしましては、引き続き判事補の充員には努めているところでございまして、令和三年の任官者は六十六人ということだったんでございますが、令和四年は七十三人、令和五年は七十六人と、やや増加しているところでございます。
あわせて、判事補の充員に向けての取組についてのお尋ねもございましたので、お答えさせていただきます。
判事補の採用を増やすための方策といたしましては、これまで、実務修習での指導担当裁判官や司法研修所教官から司法修習生に対して、裁判官のやりがいでありますとか魅力を伝えるほか、異動の希望や負担にはできる限り配慮していることを伝えるなどしてきたほか、最高裁修習プログラムを新設したり、司法研修所教官がウェブ会議を活用して司法修習生からの進路相談に応じたりしているほか、若手裁判官にその仕事内容や司法修習生へのメッセージを話してもらう企画を実施するなど、裁判官の仕事の実情とその魅力が修習生に伝わるように努めているところでございます。
また、判事補の給源の一つであります弁護士任官の推進のために、選考要領の見直しを行い、当分の間、弁護士としての経験年数を引き下げたりするなど、任官をしやすくするための努力をしてきたところでございます。さらに、弁護士任官に関する研修や配置についても工夫をし、弁護士任官者が裁判官の仕事にスムーズに移行できるよう様々な配慮をしてきているところでございます。
裁判所といたしましては、これらの取組をより一層進めていくことにより裁判官にふさわしい資質、能力を備えている人を採用することができるよう、引き続き努力してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/25
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026・福島みずほ
○福島みずほ君 かつて司法試験の合格者五百名ぐらいのときがあり、今は若干減ってきたとはいえ千人を超し、多くの合格者がいます。その中で、裁判の果たす役割が極めて大きい中で判事補の欠員が高水準となっているということは、やっぱり、負担の問題も含め、また国民の皆さんに対する対応も含め、やはり不十分になると思います。この点についてはしっかり取り組んでいただきたいと思います。
また、二〇二二年十二月一日現在、裁判所書記官の欠員も百七名です。事件処理への影響などあるんじゃないかというふうにも思っております。家庭裁判所の人的体制の整備の必要性もあります。
ところで、法務省で働く人たちから声をいただきました。今回の立法の目的が、裁判所の事務を合理化し、及び効率化することに伴い、裁判官以外の裁判所の職員の員数を減少する必要があるとありますが、これは現場の実感とは懸け離れたものだという声をいただきました。
事務を合理化、効率化することが減員できる根拠にはならないと。実際、事務の合理化、効率化を進めているけれども、一方で、新たな制度が導入されたり事務処理方法が複雑になって事務量が増加しているものもあると。全国の職場から、増員、あるいは人員減反対の要求が出されていると。デジタル化やITシステムの導入によって新たな事務も発生しているという声もあります。
いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/26
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027・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
裁判所といたしましては、各地の事件動向や事務処理状況等を踏まえながら、全国的見地から負担の公平等も考慮した結果、減員という結論を出したものでございまして、今後も、各裁判所において適正な事件処理が図られるよう、引き続き必要な体制の整備に努めてまいる所存でございます。
また、今回の減員につきましては、政府の定員合理化に協力をし、裁判所の事務を合理化、効率化するなどして、技能労務職員等を対象として行うというものであります。
裁判手続等のデジタル化との関係では、その推進を図るために最高裁において必要な事務官を増員したものでございまして、各裁判所における適正迅速な事件処理を支援するための体制強化に努めているところでございます。
このように、様々な工夫をしながら、適正迅速な裁判が実現するよう必要な体制を確保していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/27
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028・福島みずほ
○福島みずほ君 この間の定員削減の下で、毎年のように地方から東京等の大都市に、とりわけ首都圏に人員がシフトされており、地方の職場では人員が減らされ続け、ぎりぎりの状態になっているという声も出されています。また、サービス残業が野放しで、人員配置を検討する根拠となる超過勤務の実態が把握されていないという声もあります。つまり、裁判所では、自己申告に基づく把握が中心になっており、客観的な記録が存在しないという声もあります。
このサービス残業について、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/28
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029・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
超過勤務の把握につきましては、各庁において、職員が事前に管理職員に申告をいたしまして、管理職員が超過勤務の必要性や緊急性を個別具体的に判断し、実際の超過勤務の状況につきましても管理職員が現認することを基本として、適切な把握に努めているところでございます。
今後も、超過勤務の適切な把握に努め、適切な労働環境を整えてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/29
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030・福島みずほ
○福島みずほ君 判検交流についてお聞きをいたします。
日本のように、裁判官が法務省のような立場に入り国の代理人となる例が世界にあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/30
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031・春名茂
○政府参考人(春名茂君) お答えいたします。
各国の司法制度や訟務制度は様々でございまして、それぞれの国の事情に応じてふさわしい訟務制度が採用されているものと考えられることから、単純な比較は困難でございます。
したがいまして、同列なものとしてそのシステムの有無を確認することも困難でございますが、例えばドイツ連邦共和国におきましては、裁判官が連邦司法省職員に出向して代理人となり、任期を終えた後、裁判所に戻る例もあるものと承知しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/31
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032・福島みずほ
○福島みずほ君 この二〇二二年三月、ごめんなさい、去年の三月九日の裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議、これ衆議院ですが、五、司法制度に対する信頼確保のため、訟務分野において国の指定代理人として活動する裁判官出身の検事の数の縮小を含む必要な取組を進めることという附帯決議があります。この附帯決議に対し必要な取組をすべきではないでしょうか。
お手元に配付資料をお配りしております。四十一名、ほとんど変わっていないんですよ。変わっていない、減少していない。
どんな取組をされているか、減少のための努力。なくすべきだと私は考えますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/32
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033・春名茂
○政府参考人(春名茂君) 前提といたしまして、法曹間の人材交流は、法務省の所掌事務の適正な処理や国民の期待と信頼に応える多様で豊かな知識、経験等を備えた法曹の育成、確保のために意義があるものと考えてございます。
したがいまして、訟務部局におきましては、これまでも、弁護士出身者を一定数採用しているほか、必要に応じて弁護士を訴訟代理人に選任して訴訟を行わせているところでございますけれども、国の代理人として活動する者については、裁判官出身者を配置する意義も踏まえつつ、様々な観点から見たバランスも重視して、適材適所の観点から人材を配置しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/33
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034・福島みずほ
○福島みずほ君 質問が違います。どういう努力を減少のためにしているかということを教えてください。もう弁護士を法務省に入れて、あるいは業務委託する、弁護士事務所に行う、あるいは法務省で独自で人材を育成すべきじゃないですか。
裁判所から優秀な裁判官連れてきて国の代理人やらせて、そしてその裁判官を裁判所に送り返すと。原告側から見れば、行政訴訟をやる際に公平性が保てないという、そういう問題があります。
関東弁護士会あるいは広島弁護士会などから、公正な裁判を受ける権利が保障されるためにこのような判検交流の廃止を求める会長声明が出ております。そのとおりだと思います。生活保護のまさに例えば裁判やっていた裁判官が、じゃ国の代理人になれば、そのことを熟知しているわけですよね。裁判官の合議におけることだって全部知っている。その人間が国の代理人になったら、試験の採点官がまさにライバルとして一緒に試験受けるようなもので、原告、たまったもんじゃないですよ。
これ、どういうふうに減らしていくのか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/34
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035・春名茂
○政府参考人(春名茂君) 直近では、委員御指摘の令和四年三月九日の衆議院法務委員会におきまして、国の指定代理人として活動する裁判官出身の検事の数の縮小を含む必要な取組を進めることの附帯決議があったものと承知しております。
そういった趣旨を踏まえまして、令和四年四月には国の指定代理人として活動する裁判官出身者の数を前年よりも一名減らして四十一名とするなど、附帯決議の御趣旨を踏まえて対応を行ってきたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/35
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036・福島みずほ
○福島みずほ君 一名しか減っていないんですよ。
何を問題にしているか。かつて裁判官と検察官は交流していましたが、公平性が保てないということでこれ廃止になりました。その裁判官が人格高潔で公平な人であるかどうかという問題ではないんです。システムとして公平ではないということなんです。
最近も、まさに忌避、あるいは忌避が起きる、起こす、あるいは転部になる、ほかのところで扱うとか、そういうことが起きています。私これ、裁判官のキャリアだって傷つけると思いますよ。訟務検事やって、裁判で戻る。行政部の、行政事件って担当することあるじゃないですか。その場合に疑義が起きてしまうんですよ、公平ですかという。
これ、もうやめるべきではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/36
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037・上原龍
○政府参考人(上原龍君) お答えいたします。
法曹間の人材交流は、それ自体が直ちに裁判の公平、中立性を害するものとは考えておらず、むしろ法務省の所掌事務の適正な処理のためや、国民の期待と信頼に応え得る多様で豊かな知識、経験等を備えた法曹の育成、確保のために意義のあるものと考えております。このような観点から、いわゆる訟務分野での法曹間の人材交流において、適材適所の配置として裁判官出身者をも訟務検事として配置しているものでございます。
訟務分野における法曹間の人事交流、人材交流につきまして様々な御意見があることは承知しております。ただ、人事は、法務省が抱えるその時々の政策課題、その優先順位、人材の状況等を総合的に勘案して、その都度適材適所の観点からベストの人事を組むものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/37
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038・福島みずほ
○福島みずほ君 いや、生活保護の国の代理人やってた人間が、裁判官でその生活保護の同じ、引下げの同じ論点の裁判を担当する、これ、調べなければ分からなかったんですよ。でも、これって公平ですか。ずうっと長いこと国の側の代理人でこれ違法性ないと争っていた人間が、裁判官になって公平な裁判をやるとみんな思えるでしょうか。
国の代理人やった人間が裁判官に戻ってやること、裁判官として担当して、国の代理人となって、いろんなことを最も熟知している裁判官が、合議の秘密も含めてですね、国の代理人となると。つまり、試験の採点者が今度は受験生となって一緒に争うんですよ。こんなのたまったもんじゃないですよ。公平性なんてないですよ。こんな制度、本当にやめるべきだということを強く申し上げます。
次に、再審制度についての証拠開示について申し上げます。
この再審制度については、済みません、順番を変えます。国の検討会などが二つありますが、この間、仁比委員の質問に対して説明があり、私も説明受けました。しかし、この検討状況、是非、再審についてきちっと証拠開示や検察官抗告禁止すべきじゃないか、あるいは国選弁護人付けるべきでは、様々な点でこれ議論をもっと集中してやるべきだと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/38
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039・松下裕子
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。
平成二十八年成立の刑事訴訟法等の一部を改正する法律附則第九条におきましては、第一項及び第二項におきまして、同法の施行後三年を経過した場合において、改正により導入された取調べの録音・録画制度などの施行の状況について検討を加えるものとされ、第三項において、同法の公布後、必要に応じ、速やかに、再審請求審における証拠の開示、起訴状等における被害者の氏名の秘匿に係る措置、証人等の刑事手続外における保護に係る措置等について検討を行うものとされております。
まず、刑事手続に関する協議会は、平成二十九年三月から附則第九条三項において求められている三つの事項の検討に資するため開催してきたものでございます。
そして、改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会は、附則第九条第一項から第三項までで求められている全ての事項の検討に資するため、同法による改正後の規定の施行状況を始めとする実務の運用状況を共有しながら意見交換を行い、制度運用における検討すべき課題を整理することを目的として、令和四年七月から開催しているものでございまして、同条第三項で検討が求められている再審請求審における証拠開示についても協議が行われる予定となっております。
改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会では、多くの項目を取り上げる予定となっておりまして、法務省といたしましては、附則の趣旨を踏まえ、この協議会の場で充実した協議が行われるように適切に対処してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/39
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040・福島みずほ
○福島みずほ君 刑事局長あるいは法務大臣、是非、再審、今、袴田事件始め非常に皆さんの関心も高くなっていますし、重要な制度です。大臣、再審制度について、もっと促進し、集中して議論が、まあその今行われているものなのか、別途設けるのかも含めて、しっかり取り組んでいただきたい。大臣、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/40
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041・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 今刑事局長からもお答え申し上げましたけど、現に、この改正訴訟法に関する刑事手続の在り方協議会では、この問題を取り上げるということで協議が行われるということになっておりますので、我々としては、この協議会の場でまずは充実した協議が行われるように努力をしていきたいということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/41
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042・福島みずほ
○福島みずほ君 是非、その協議会で再審における証拠開示の条文の規定と、それから検察官抗告の禁止を是非入れていただきたいというふうに思っております。
証拠開示については、通常審はありますが、再審ではありません。しかし、この間質問したときは、いや、確定判決、三審制ですという答えだったんですが、再審において無罪判決が確定した布川事件、東京電力女性社員殺人事件、東住吉事件及び松橋事件では、通常審段階から存在していた証拠が再審請求手続又はその準備段階において初めて開示され、それが確定判決の有罪認定を動揺させる大きな原動力となりました。また、係属中の事件ではありますが、袴田事件、大崎事件、日野町事件、福井女子中学生殺人事件でも、再審請求手続における証拠開示が、一部取り消されたものがあるとはいえ、再審開始決定に大きく寄与しています。
つまり、例えば証拠調べのときのテープやいろんなメモやいろんなもの、袴田事件における写真のネガもそうですが、初めて再審の中の証拠開示で出てきて、本人にとって有利なものが出てきてないんですよ、三審制の中で。ですから、証拠開示が必要だと思います。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/42
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043・松下裕子
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。
再審請求審において証拠開示制度を設けることにつきましては、かつて法制審議会の部会において議論がなされたことがございますが、その際、再審請求審における証拠開示について一般的なルールを設けること自体が困難である、また、再審請求審は通常審と手続構造が異なるので、通常審の証拠開示制度を転用するということも整合しないといった問題点が指摘されているところでございます。
再審請求審における証拠開示制度を設けることにつきましては、こうした指摘を踏まえまして慎重に検討する必要があると考えておりますけれども、この点につきましては、先ほど申し上げたとおり、平成二十八年に成立した刑事訴訟法等の一部を改正する法律附則第九条第三項において検討を行うことが求められておりまして、今後協議をすることが予定されておりますので、法務省としては、附則の趣旨を踏まえて、先ほど申し上げたとおり適切に対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/43
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044・福島みずほ
○福島みずほ君 三審制の中で証拠が出てきていたらいいですよ。でも、本人にとって有利な証拠が一切出てこなかった。だから、それが再審の中で出てきて無罪になるわけじゃないですか。ですから、是非これは、証拠開示、これ重要ですよ、持っている証拠出してくださいという話なわけですから、やっていただきたいと思います。
また、抗告についてですが、袴田事件は、即時抗告が静岡地裁に対してあったため、九年間、再審開始まで時間が掛かりました。また、大津事件に関しては、お手元に資料を配っておりますが、大津地裁の裁判官が即時抗告をした検察に対して厳しい批判をしています。
諸外国の制度についてなんですが、諸外国の制度では、まさにその検察官、証拠開示の規定はもちろんのこと、証拠開示のシステム、再審開始に対する検察官上訴、フランスできない、ドイツできない、そしてアメリカは原則できない、イギリスはできない、そして韓国はできるというふうになっておりますが、国際人権委員会が再審開始決定に対する検察官抗告への改善勧告と再審請求審の迅速な進行などについて提言をしております。
ある裁判所が合理的な疑いがあって無罪の可能性があるとやったものを、じゃ、それ、再審開始して議論すればいいじゃないですか。結局、免田事件も、再審開始があった後、抗告があり、物すごく何十年も掛かってしまう。これはやっぱり本人の無罪を勝ち取ることをとっても長引かせてしまう。
袴田事件の九年間どうなんですか。これ、抗告やめるべきだと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/44
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045・松下裕子
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。
個別の事件に関しては法務当局としてお答えすることは差し控えたいと存じますので、一般論として申し上げますけれども、検察官が再審開始決定に対して抗告し得るということは公益の代表者として当然のことでございまして、これによって、再審請求審における審理決定が適正かつ公正に行われることが担保されるものと考えております。
検察官の抗告権を排除するということにつきましては、違法、不当な再審開始決定があった場合にこれを是正する余地をなくしてしまうという問題点がございますし、また司法制度全体の在り方とも関係するものであって、慎重な検討を要するものであると考えております。
また、諸外国の制度についていろいろ御紹介をいただきましたけれども、それぞれの国の実情等に応じて、通常審の刑事訴訟についても、再審についても、それぞれ様々な制度が設けられているものと承知をしております。
我が国と諸外国とでは、確定判決に対する再審理の手続の在り方を含めまして刑事訴訟の構造が異なる場合もございますので、我が国の刑事手続の在り方を検討するに当たって諸外国の制度を参照するといたしましても、そうした刑事訴訟の全体構造を踏まえた検討が必要であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/45
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046・福島みずほ
○福島みずほ君 証拠開示、それから即時、あっ、抗告、検察官抗告の禁止、これは入れるべきです。
ところで、袴田事件、再審開始になり、どうなるか分かりませんが、無罪の可能性があることも本当に高くなりました。
で、菊池事件、これはハンセン病の診療所で、療養所での話ですが、特別法廷であっという間に死刑判決をやったということで、最高裁は調査し、この問題について謝罪をしました。これ再審請求していた事案なんですね。その再審請求が、一九六二年九月十三日に再審開始が最高裁で棄却され、次の日に処刑になります。死刑って手続に時間が掛かるので、次の日に処刑っていうのは一体何なのか。当時は再審請求中の死刑執行はされないということになっていました。ですから、弁護士がすぐ再審請求しようとしたら、もう処刑されていたんですね。あっという間に、次の日です。
これって法務省と最高裁がお互いに連絡取っていたという可能性もあると思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/46
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047・松下裕子
○政府参考人(松下裕子君) 個別の事案に関しまして、こちらで、ここで御答弁申し上げることは適当でないと考えますので、差し控えさせていただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/47
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048・福島みずほ
○福島みずほ君 あっという間の死刑判決、あっという間の死刑執行、しかも棄却の次の日に間髪入れずに死刑執行する。これ無罪だったんじゃないかということ、今も再審請求中です。
これ、是非、菊池事件について、ハンセン病の差別の中でも生まれた事件かもしれません、そのことについてしっかり調査をしていただきたいということを強く申し上げます。
袴田さん自身、拘禁症状というか、精神的に非常に問題が生じてしまった。二〇〇〇年代に、問題があるのでというので東京拘置所に行ったり私たちはしました。
この死刑確定囚の拘禁状態などについてどうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/48
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049・花村博文
○政府参考人(花村博文君) お答えします。
刑事施設におきましては、平素から、死刑確定者を含めた被収容者の状況に応じた適切な処遇を行うため、その心身の状況を把握することに努めており、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第六十一条及び第六十二条の規定に基づき、死刑確定者の心身の健康を保持するため、毎年一回以上定期的に健康診断を行い、また、死刑確定者が負傷し、若しくは疾病にかかっているとき、又はこれらの疑いがあるときは、医師等による診療を行い、その他必要な医療上の措置をとるものとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/49
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050・福島みずほ
○福島みずほ君 袴田さんの場合、明らかに拘禁状態で精神的にダメージを受けたんですよ。
法務大臣、もう時間なので私自身が一方的に言って済みませんが、死刑は処刑してしまえばもう取り返しが付きません。諸外国は、誤った処刑によって死刑廃止に向かいます。まさに菊池事件もそうだったかもしれない。袴田事件も、あれ処刑されて、万が一されていたら、本当に無実の人を処刑したかもしれないんですよ。死刑ってそういう問題もあるじゃないですか。
大臣、死刑廃止に向けて取り組んでいただきたい。一言ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/50
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051・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 私の立場としては、法務省、法務大臣として刑を、死刑に限らず、執行するという立場にあるわけであります。
ただ、死刑は人の生命を絶つ極めて重大な刑罰でありますから、その執行に際しては慎重な立場で臨む必要があると当然考えているわけでありますが、それと同時に、法治国家において確定した裁判の執行が厳正に行われなければならないということも言うまでもないところであります。
特に死刑の判決は、極めて凶悪かつ重大な罪を犯した者に対して裁判所が慎重な審理を尽くした上で言い渡すものであることでありますから、法務大臣としては、裁判所の判断を尊重しつつ、法の定めるところに従って慎重かつ厳正に対処すべきものと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/51
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052・福島みずほ
○福島みずほ君 時間ですので、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/52
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053・谷合正明
○谷合正明君 公明党の谷合です。
定員法の質疑の前に、三月二十一日に岸田総理がウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談したことからの質問に入らせていただきたいと思います。
岸田総理は大統領との間に、特別な、日本とウクライナとの間の特別なグローバル・パートナーシップに関する共同声明を発出をいたしました。その中で、日本のウクライナへの協力というカテゴリーの中で、日本はウクライナの戦後の復旧復興に向けたコミットメントを再確認したと、両首脳は、ウクライナにおける司法改革、法執行、汚職との闘いなど、ウクライナの強固で安定した戦後復興の基盤となるべき分野での連携を促進する上で、大使グループを含むG7が果たす役割を強調したとあります。
今回の首相のウクライナ訪問並びにこの共同声明の内容について、法務大臣としての受け止め、また、今後、法務省としての取組について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/53
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054・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 谷合委員御指摘のとおり、岸田総理は、三月二十一日、キーウでゼレンスキー大統領と首脳会談を行いまして、日本とウクライナとの間の特別なグローバル・パートナーシップに関する共同声明を発表いたしました。
本声明ではウクライナに対する幅広い支援を取り上げていますけれども、その項目の一つであります日本とウクライナの二国間協力の拡大、この項目では、我が国がウクライナの戦後の復旧復興に向けたコミットメントを再確認するとともに、ウクライナにおける司法改革、法執行、汚職との闘いなど、ウクライナの強固で安定した戦後復興の基盤となるべき分野での連携を促進する上で、G7が果たす役割というものが強調をされているところであります。
この点、法務省におきましては、司法外交の柱の一つとして、長年にわたり、法制度整備支援等を通じて、多くの国に対して、腐敗対策等を含む人材育成支援、基本法令の起草支援、司法関係機関の制度整備支援等を実施し、各国における法の支配の浸透、促進に貢献をしてまいりました。こうした知見や経験を生かしてウクライナの復興支援に取り組むことが法務省の責務であると考えています。
本年七月七日に開催しますG7司法大臣会合におきましては、司法インフラ整備を通じたウクライナ復興支援という議題を取り上げる予定であるところ、ウクライナの安定した戦後復興の基盤づくりに貢献できるよう、会合での議論やフォローアップについてリーダーシップを発揮してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/54
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055・谷合正明
○谷合正明君 今回のその共同声明の中には、大使グループを含むG7が果たす役割と書いてある。この大使グループというのは、ウクライナの中でのG7のその大使ですね、駐ウクライナの日本大使とか含め。で、今G7の議長国ですから、大使グループの中でも日本の松田大使がその中心的な役割を果たすということで、是非、キーウの大使館の方に、ちょっと私、詳細存じ上げておりませんけれども、法務省の職員を派遣するなど様々な体制を強化していただきたいというふうに思います。
今、大臣のお答えで、G7の司法大臣会合に触れられました。私も、昨年の臨時国会でこのG7の司法大臣会合を我が国として開催すべきだということで齋藤大臣にも申し上げてきたところでございまして、これが開催されましたこと、また同時に、今回は司法大臣、G7の司法大臣会合と同じタイミングに日本、ASEANの法務大臣会合も開催されるということで、これは大臣所信でも双方が意見交換する場をつくっていきたいという話がございました、この双方が意見交換するASEAN・G7法務大臣特別対話というものが、七月七日ですかね、これ設定されていると承知をしております。
ASEANにつきましては、対ロシアとの関係でいうと、G7とは違い、これは温度差がある。例えば、そのASEANの中でも、多様な価値観というんですか、多様な国々でございまして、国連総会での度々のこのロシアに対する非難決議でも態度がG7とも違いますし、ASEANの中でも異なっていたりします。また、対ロシア制裁のスタンスもそうですし、ロシアとASEANのその個別の国々の間での首脳レベルや外相レベルの相互訪問なんかも行われていたりもします。
そうした中、今回法務省は、日本、ASEAN特別法務大臣会合を初開催するということと、なおかつ、このG7とASEAN、これをくっつけるような形で会合を持つというのは、これはG7関係閣僚大臣会合の中では法務大臣会合、法務省だけが唯一だというふうに承知をしております。
そこで、唯一アジアに位置するG7の我が国として、法の支配の確立に向けてASEANとどういう関係を築いていくのか、ASEAN・G7法務大臣特別対話の意義、法務省が果たすべき役割は何か、またどういう成果を得たいのか、大臣の考えを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/55
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056・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 御指摘のように、本年七月六日、七日に東京で、司法外交閣僚フォーラムとして、日ASEAN特別法務大臣会合とG7司法大臣会合のほか、ASEAN・G7法務大臣特別対話、これを開催することといたしております。
今般のロシアによるウクライナ侵略によりまして国際秩序が大きく揺らいでおります。そういう中で、法の支配や基本的人権の尊重といった普遍的価値を多くの国で共有していく必要性というものはますます高まっているんだろうと思います。ASEANとG7双方の法務大臣等が一堂に会する史上初の会合であるASEAN・G7法務大臣特別対話は、双方が相互理解を促進し、普遍的価値の共通に向けて連携していくための極めて重要な会議になると、機会になると認識をしております。
もっとも、ASEANとG7には、御指摘のように、それぞれ、政治、経済、文化、社会といった各面におきましてこれまで築き上げてきた土台がございます。必ずしも一様でないことはあり得るんだろうと思っております。この点、長年にわたり、法制度整備支援等でASEAN各国と確固たる信頼関係を法務省は築いてきております。アジア唯一のG7メンバー国である我が国だからこそ、ASEANが内包する多様性を尊重しながら、対等なパートナーとして連携を強化し、G7との相互理解を促進していくものと、いけるものと認識をしております。
このような観点に基づきまして、ASEAN・G7法務大臣特別対話を開催し、双方の懸け橋となって、普遍的価値の共有に向けてリーダーシップを発揮していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/56
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057・谷合正明
○谷合正明君 大臣のリーダーシップを期待したいと思います。
続いて、国際刑事裁判所、ICCについて質問したいと思います。
ICCにつきましては、これ、国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪を犯した個人を国際法に基づいて訴追、処罰するための歴史上初の常設の国際刑事裁判機関でありまして、国際社会における法の支配の強化に向けた中心的な役割を果たす、で、日本は最大のその支援国の一つでございます。
今回、そのICCが、三月十七日、ロシアがウクライナで占領した地域から子供たちをロシア側に移送したことをめぐり、国際法上の戦争犯罪の疑いでプーチン大統領など二人に逮捕状を出しました。一方、これに対してロシアでは、重大事件を扱う連邦捜査委員会が、二十日、声明を発表いたしまして、違法な手続だとして、ICCのカーン主任検察官や我が国の赤根裁判官など合わせて四人に対して刑事手続を開始したことも明らかにいたしました。
そこで、今回のそのICCをめぐる一連のこの動きについて、法務大臣の受け止めを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/57
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058・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 三月十七日、ICCがウクライナの事態に関し、不法な子供の追放や移送といった戦争犯罪に責任を有すると考えられることを理由に、プーチン大統領及びマリヤ・リボワベロワ大統領全権代表に対する逮捕状を発付した旨発表したことは承知をいたしております。我が国といたしましては、ICCによる捜査の進展に重大な関心を持って、引き続き注視をしていくということであります。
また、三月二十日、ロシア連邦捜査委員会がカーンICC検察官及び赤根智子ICC裁判官等に対する刑事訴訟を提起した旨発表したことも承知をしているわけであります。我が国といたしましては、本件をめぐってICC関係者個人に対して措置をとることは不当であると考えておりまして、ICCとも連携をし、適切に対処していきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/58
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059・谷合正明
○谷合正明君 やはり、そのICCへの脅迫と、検察官や裁判官を、個人を標的とする措置でありまして、これ極めて遺憾なことでございますので、我が国としての適切な措置を求めてまいりたいというふうに思います。
それで、次は、ちょっと関連しますけれども、やはり司法外交について、我が国が例えばASEANだとか他国の司法人材を育成、養成するということも大事なのでありますけれども、我が国の中での国際法務人材の確保についても同様に重要なことだというふうに思っております。
二〇二一年三月の本委員会で、当時、上川法務大臣に法務省内の国際法務人材確保について質問し、特にASEANを念頭に答弁を得たところでございます。
今回、その後、国際情勢は御案内のとおり激変をしております。改めて、今回の日・ウクライナの共同声明にあるように司法外交の重要性というのも増していると思いますが、我が国のこの国際法務人材確保についての具体的な取組について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/59
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060・柴田紀子
○政府参考人(柴田紀子君) お答えいたします。
委員から御指摘いただいたとおり、国際的な諸課題に的確に対応するとともに、この司法外交をより戦略的に推進し、法の支配や基本的人権の尊重といった普遍的価値を国際的に浸透させるためには、国際情勢を踏まえたバランス感覚と法的思考能力を併せ持つ人材を広く育成する必要があると考えています。そして、こうした人材を海外に派遣することは、我が国の国際貢献や国際的な法的紛争への対応等の観点から非常に重要であると考えています。
現在ですが、在外公館や海外の国際機関等に勤務している法務省職員の数は、令和四年度において九十名程度であると承知しています。
法務省としては、国際法務人材の育成に向けて、語学研修のより一層の充実、多くの職員の幅広い国際関係業務への関与、国際機関等への派遣等により、国際社会で必要となる能力や知見を習得し、法務、司法分野で国際社会をリードできる人材を育成することが極めて重要であると考えています。
今後も、国際社会のニーズ、活動領域等を踏まえつつ、国際情勢を踏まえたバランス感覚と法的思考力を併せ持つ法務省職員を育成できるよう、関係省庁、国際機関と連携した上で、必要な取組を積極的かつ戦略的に進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/60
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061・谷合正明
○谷合正明君 このことは、法曹を志す者に対しまして大事な今後のメッセージになっていくというふうに思っておりますので、是非強化をお願いしたいと思います。
それでは、具体的に定員法について伺いますけれども、これまでのこの本法案の採決に当たっての附帯決議、参議院の法務委員会では、判事補の定員の充足に努めるとともに、判事補の定員の在り方について、現実的な定員の増減見通しも踏まえて更なる削減等も含めて検討していくことであるとか、判事補任官者数に及ぼす影響について必要な分析を行うこととしてきているわけであります。これ、衆議院の方でも附帯決議が付されているところであります。
改めて、この判事補の定員が満たされない原因とその課題についての取組について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/61
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062・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
裁判所といたしましては、裁判官にふさわしい資質、能力を備えている者には任官してほしいと考えているところではございますが、新任判事補の採用数が伸び悩んでいる原因、理由といたしましては、判事補の給源となる司法修習終了者の人数が減少していることに加えまして、弁護士として活躍する分野が広がっているだけでなく、大規模法律事務所等との競合が激化していること、大都市志向の強まりや配偶者が有職であることの一般化に伴いまして、異動、転勤でございますが、への不安を持つ司法修習生が増えていることなどが理由、原因となっていると考えているところでございます。
判事補の採用を増やすための取組でございますけれども、これまで、実務修習の指導担当裁判官あるいは司法研修所の教官から司法修習生に対し、裁判官のやりがいや魅力を伝えるほか、異動の希望や負担にはできる限り配慮していることを伝えるなどしてきたほか、最高裁での修習プログラムを新設をしたり、司法研修所教官がウェブ会議を活用して司法修習生からの進路相談に応じたりするほか、若手裁判官にその仕事内容や司法修習生へのメッセージを話してもらう企画を実施するなどして、裁判官の仕事の実情とその魅力が司法修習生に伝わるよう努めているところでございます。
今後とも、裁判官にふさわしい資質、能力を備えている者に任官してもらえるよう努力してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/62
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063・谷合正明
○谷合正明君 同様に、附帯決議には、法曹志望者の減少について顕著な改善傾向が見られないことを踏まえて、そのことが法曹の質に及ぼす影響につき必要な分析を行い、その結果を国会に示すと決議を付しているわけでありますが、その影響分析について報告をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/63
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064・竹内努
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
委員御指摘の附帯決議等を踏まえまして、法務省では、法曹の質に関する検証を行って、令和四年三月にその結果を公表したところでございます。
この検証は、法的支援等が必要とされている主要な分野における法曹、特に弁護士の活動内容に注目をいたしまして、それぞれの分野のニーズに対して法曹がどのような活動をし、その活動が利用者等からどのように評価されているかという観点から調査分析を行ったものでございます。その結果、いずれの分野におきましても、若手法曹一般とそれ以外の法曹との間で、法曹としての資質、能力や、その活動の内容に関する、内容に対する利用者等の評価に顕著な差は認められなかったものでございます。
その後、法務省では、その先般の検証に対する様々な御指摘や御意見等を踏まえながら、参考となる視点や調査の方法について更なる検討を進めているところでございます。
今後も必要なデータ集積、必要なデータの集積や検証を行うとともに、法曹の幅広い分野での活躍等を紹介する中高生向けのリーフレットを作成、配布するなど、法曹の魅力等の情報発信を積極的に行うなど、必要な取組を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/64
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065・谷合正明
○谷合正明君 同じ附帯決議には、更なる法曹養成機能の向上、法曹志望者の増加等に向けた取組をより一層進めるということも付しております。
やはり、判事補の源となりますこの司法修習終了者の人数が減少しているということから、裁判官としてふさわしい資質や能力を備えた上でこの裁判官への任命、また任官を希望する者の人数が伸び悩むという状況になっているという状況ですから、やはり多くの有為な人材を法曹に志望するような環境整備というのは極めて大事だというふうに思います。
改めて、この更なる法曹養成機能の向上、法曹志望者の増加に向けた取組について、法務省の取組を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/65
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066・竹内努
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
法曹養成機能の向上、法曹志望者の増加等に向けた取組に関しましては、いわゆる法曹養成制度改革法が令和四年十月に全面施行されたところでございます。この改正法に基づきまして、本年の令和五年の司法試験からは、新たに、法科大学院在学中の者にも一定の場合に司法試験の受験資格が付与され、また法学部三年と法科大学院二年のルート、いわゆる3プラス2の制度と呼んでおりますが、この制度で受験資格を得た者の受験も始まるところでございます。
法務省といたしましては、引き続き、関係機関等とも連携をしながら、法科大学院教育等を一層充実させるための支援や3プラス2の制度の更なる周知を行うとともに、法曹の魅力や幅広い分野での活躍についての積極的な情報発信など、より多くの有為な人材が法曹を志望する環境づくりに向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/66
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067・谷合正明
○谷合正明君 それで、裁判所職員全体のワークバランスの取組について伺いたいと思います。
先ほどの答弁の中にも、裁判官として異動が多いとかそういったことを気にする人が出てきているという話でありますけれども、やはりこのワーク・ライフ・バランスを進めていくということは大事だというふうに思っております。
今回、政府は、次元の異なる少子化対策ということで、こども・子育て政策の強化についての試案というものを取りまとめたところでございます。その中に、男性の育休取得率については、現行の政府目標、これは二〇二五年までに三〇%、これを大幅に引き上げて、公務員は一週間以上の取得率は八五%と掲げました。そして、私が手元に持っている資料では、男性の育児休業取得率、裁判所全体では、令和三年度実績が六八・七%と、まあ結構高い数字にはなっておりまして、これからの政府、新しい目標が確定するとなったときには、是非この裁判所全体で範を示してほしいなというふうに思っております。
改めて、裁判所職員全体のワークバランスの取組について、長時間労働是正や心の不調対策なども含めて、どのように取組を進めてきているのかについて伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/67
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068・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、長時間労働が生じないように努めてワーク・ライフ・バランスを確保することは重要な課題であると考えております。
これまでも、裁判所におきましては、合理的、効率的に業務を行うよう職場環境を見直していくという考え方の下に、仕事の仕方の見直し、計画的な休暇取得の促進、柔軟な働き方に向けた取組などを集中的に行う期間を設けましたり、あるいは職場ミーティングを通じて実情に応じた事務の見直しを行ったりするなどして、長時間労働が生じないよう努めてきたところでございます。
そのほか、子育てや介護を担う職員を含めて、組織全員の力を最大限発揮できるよう、職員のワーク・ライフ・バランスの推進に向けて特定事業主行動計画を策定するなどして、男性職員による育児休業取得の促進を始めとする仕事と生活の両立に向けた支援や環境整備等にも取り組んできたところでございます。
今後とも、このような取組を続けることによりまして、裁判所職員のワーク・ライフ・バランスの確保に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/68
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069・谷合正明
○谷合正明君 最後にですが、裁判所職員全体のハラスメント研修について伺いたいと思います。
セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、また妊娠や出産、育児、介護などについてのハラスメント、また性的指向、性自認に関してもあらゆるこのハラスメント、こうしたあらゆるハラスメントというのは許してはならない、今日的にはどの職種であったとしても非常に重要なテーマとなっております。
裁判所職員全体のこのハラスメント研修、また、これ研修するのみならず、相談体制も整えていく必要もあると思っておりますが、その対策について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/69
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070・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、ハラスメントの防止のためには、職員一人一人に対しハラスメントをしてはならないことの意識を啓発することが重要であると考えております。
このような観点から、裁判所におきましては、新たに職員となった者や昇任した職員に対して、役職段階ごとに求められる役割に応じたハラスメントに関する研修を実施してまいりました。また、毎年十二月にはハラスメント防止週間を設定し、ハラスメントに関する動画を視聴させたり、ハラスメントの理解度を確認するための設問に取り組ませるといった施策を継続的に行い、職員の意識啓発に努めてきたところでございます。
今後も、ハラスメントのない良好な職場環境を構築するため取組を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/70
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071・谷合正明
○谷合正明君 是非、相談体制の方についても強化をしていただきたいというふうに思っております。
以上で終わりたいと思います。ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/71
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072・鈴木宗男
○鈴木宗男君 裁判所職員定員法の一部改正案についてですけれども、私は、裁判所の職員、一定数削減するということは評価はするんですけれども、このことによって、また職員の皆さん方に新たな負担だとか、あるいは仕事に支障が出るんでないかというようなちょっと心配もするんですけれども、その点は問題ないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/72
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073・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
今回の職員の減員につきまして、まず判事補の減員でございますけれども、これは充員ができていない欠員部分について削減するというものでございまして、現場の裁判官の人数に影響を及ぼすものではございませんし、また、将来の事件処理につきましても、これまで判事を中心に増員を図ってきたこと、事件処理の状況等に照らせば、今回の十五人の減員によって裁判所の事件処理に支障は生じないものと考えております。
また、裁判官以外の裁判所職員につきましては、事件処理の支援のための体制強化及び国家公務員のワーク・ライフ・バランス推進のため裁判所事務官を三十九人増員するとともに、他方において、裁判所の事務を合理化、効率化することに伴い技能労務職員、裁判所事務官等を七十人減員し、以上の増減を通じて三十一人減員するというものでございます。
このうち、技能労務職員につきましては、定年退職等に際しまして、外注化などにより後任を不補充とすることによって生じた欠員について定員合理化をしているというものでございますし、裁判所事務官につきましても、既存業務を見直して合理化をすることにより減員を行うものでございます。いずれも裁判所の事件処理に支障は生じないものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/73
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074・鈴木宗男
○鈴木宗男君 合理化することで何も支障ないということですから、それはそれで私は了としますが、大臣、法務省関係では、裁判所も含めてですよ、あるいは公安調査庁だとか入管庁、あるいは矯正施設、この刑務官等、マンパワーが必要ですよね。一旦削減するとなかなかまた元へ戻すというのはこれは大変ですね。大臣も組織の中にいたから分かると思うんですけど、私はこのことを心配するんですね。
やっぱりある程度、この矯正施設でも入管庁の職員にしても、さらには公安調査庁でも、最低限のこのマンパワーというのは確保してあげた方がいいと思うんですね。そういった意味で、大臣の認識というか、お考えはいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/74
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075・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 鈴木委員御指摘のように、私も幾つかの省庁でこの人員の要求とかの経験をさせていただきまして、確かに削減というものは求められるわけでありますが、一方で業務も増えておりますので、そこをうまく当局と交渉をして、現場に支障が出ないように努力をこれまでもしてきているわけでありますし、これからもしていかなくちゃいけないということでありますので、そこの増えるところをうまく協調しながら、減るところをカバーするようにですね、そして全体として適切な体制が取れるようにということはしっかり努力をしていきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/75
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076・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、もう既に令和六年度の概算要求に入っておりますので、来年度予算に向けても、私は、しっかりした定員、定数といいますか、確保は必要だと思いますので、この点、今の大臣の答弁を聞いて安心はしていますけれども、きちんと対応していただきたいなと、こう思っております。
日本維新の会としてはこの法案賛成ですし、附帯決議も付されると、こう聞いておりますので、この法案については質問はこれで終わりにしたいと、こう思います。
そこで、大臣、袴田事件についてお伺いします。
三月の十六日の夜、報道機関は一斉に、検察は特別抗告する方向だと流れました。十七日の全国紙にも、そのことは各紙が報じておりますが、この報道を大臣は御存じだったでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/76
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077・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 報道については、もちろん記事、報道を見て私は承知をいたしているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/77
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078・鈴木宗男
○鈴木宗男君 これ、私の経験からですけれども、検察はやっぱり世論動向というのを気にしますね。だから、リークはしないといっても、あるんです。
調べている現場の検察官は上へ上げます。上に、更にまた上に上げていく。そして、最高検まで上げて、まあ大臣の方にも報告が行けば官邸の方にも随時連絡が行くというふうになっていますから、途中で、現場はリークしなくても途中の経緯で流れるということを私は実際知りました、私自身言っていないことが流れるわけですから。これは、やっぱりそれは情報誘導なんですよ、ある種の。世論動向を探るということは私は当然一つの手法としてあるのかなと、私はこう思っているんですね。
そこで、この、大臣は、検察のリークなり途中で情報が漏れる、そういうことは一切ないという認識ですか。情報としてはどこかでまた伝えるがゆえに抜けるものだという認識でいるのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/78
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079・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 今まで数か月の法務大臣としての経験で、もちろんいろんな御説明を受けるわけでありますが、私に対する説明はかなり慎重に行われております。したがって、検察当局というか、うちの事務方も、相当情報の取扱いには慎重の上にも慎重を期しているという印象を正直受けております。
その上で、今回のような報道があったことはもちろん承知しているわけですが、報道機関各社というのは、御案内のように、独自の徹底した取材活動に基づいて得た様々な情報を彼らの判断において記事にしているものと思われるわけでありまして、報道機関がいかなる取材、情報に基づいて当該報道を行っているかについては、恐らく彼らの推測も入っての判断を行われることも多々あろうかと思います。それについて、私は本件についてコメントするつもりはありませんが、ただ、検察当局におきましては、従来、捜査上、公判上の秘密の保持については格別の配慮を払ってきていると私は思っております。捜査情報等を外部に漏らすことは、私はあり得ないと信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/79
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080・鈴木宗男
○鈴木宗男君 まあ大臣の立場としては今の答弁しかないと思いますね。
そこで、大臣、三月二十日に検察は特別抗告を断念しましたね、袴田事件で。この特別抗告をしないという報告は、大臣はいつ受けられましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/80
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081・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 検察当局からは、法務当局、うちの事務方を通じて、適時適切に報告を本件につきましても受けております。
ただ、いつどのような報告を受けたかの詳細につきましては、個別の再審請求事件における検察当局の活動内容に関わる事柄にもなりますので、お答えは差し控えたいと思いますが、適時適切に報告を受けてきているということは申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/81
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082・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、特別抗告しなかったんですよ。何月何日事務方から報告を受けたというのは、公にして何か支障はありますか。
今の答弁、ちょっとそれ失礼じゃないでしょうか。隠す話じゃないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/82
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083・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) ちょっと、今、何月何日何時というのはちょっと今思い出せませんが、ちゃんと事前に報告はもちろん受けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/83
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084・鈴木宗男
○鈴木宗男君 刑事局長、刑事局長、当然この件に関わっていると思うけれども、大臣に報告したのはいつなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/84
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085・松下裕子
○政府参考人(松下裕子君) 今大臣からお答えしたとおりでございますけれども、個別の事案について、いつどのような内容の報告を大臣に上げたかということにつきましては、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/85
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086・鈴木宗男
○鈴木宗男君 委員長、特別抗告しなかったんですよ。それを何月何日に大臣に報告しなかったというのを何で言えないんです。いやいや、委員長、おかしいと思いませんか。何も隠す話じゃないでしょう、特別抗告しなかったんですから。これ、委員の先生方、どうです。何月何日に、そういうこと、記録に残っているはずですよ、法務省では。大臣に報告したというのは。
ちょっと委員会止めてくださいよ。止めて理事で協議してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/86
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087・杉久武
○委員長(杉久武君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議させていただき、はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/87
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088・鈴木宗男
○鈴木宗男君 ちょっと委員長、委員長ね、そういう事務的な話やめてくださいよ。私は今質問者で権利あるんですから。答えないというのはおかしいでしょう。
いや、委員の先生方、どうです。特別抗告しなかったんですから、何月何日、大臣に報告したの記録残っている、当たり前のことじゃないですか、それは。何でそれが言えないんです。
ちょっと協議してくださいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/88
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089・杉久武
○委員長(杉久武君) じゃ、速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/89
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090・杉久武
○委員長(杉久武君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/90
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091・鈴木宗男
○鈴木宗男君 理事協議では、これ当然答えるべきだということで各党一致しているといいますから、大臣、その認識の上で、二十日に、大臣、大臣の記憶として、二十日が期限でした。二十日に受けたのか、前の日に受けたのか、大臣の記憶としてどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/91
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092・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) これ、大事な話だからなんですけど、私、明確にちょっと時期思い出せないんで、少なくとも事前にきちんと受けていたのは申し上げられると思うんですが、ちょっとそれが何日で、それ何時だったかとか、ちょっとそれ調べないと今分からないので、そこは御容赦いただきたいなと思うんですけど。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/92
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093・鈴木宗男
○鈴木宗男君 委員長、私は、この袴田事件について今日質問するということは詳細に法務省側に言っております。なのに答えられないというのはどういうことでしょう。私は、事件の中身だとかを聞いているんじゃないんですから。事務的な話であるということは委員長も理解してくれますね、委員の先生方も。
事件に差し障りがあるとなれば問題ですけれども、私もそれは突っ込みませんけれども、事務的な、極めて当たり前の話なんですよ。それが何で、思い出せない。しかも、これ命に関わる話なんです。命をいかほど皆さん方が大事にしているかどうかがこれ問われる話ですよ。軽く扱う話じゃないんですよ。しかも、私は十分な質問通告している。
刑事局長のさっきの答弁だって、私が今日質問すると聞いているでしょう。だから、あなた方も出てきているんでしょう。ならば、特別抗告の説明、特別抗告をしない、その説明はいつしましたということは当たり前のことじゃないでしょうか。いやいや、大臣、どう思います。刑事局長の答弁は要らない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/93
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094・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) もちろん、命に関わる話であるからこそ、私は正確に答弁しなくちゃいけないと思っておりますので、ちょっと記憶にないものを、記憶で明確に特定できないものをちょっとここで答弁はちょっとできないなということを申し上げているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/94
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095・鈴木宗男
○鈴木宗男君 じゃ、大臣、事務方に、何も東京高検に聞けば分かる話だし、本来、刑事局長でも事務次官でも知っている話なんですから。
大臣、私は、昨日今日出てきた国会議員ならここまで言いませんよ。四十年前から私は政治家としての道を歩いているんですよ。それなりの経験を持って私は言っているんだ。そんなの、今ここで電話して聞いたって分かるじゃないですか。指示してください、今、すぐ出せと、いつの報告だったかというのを。それをやってください、大臣。何も今の質問、法務委員会の中で出る話ですから。いやいや、君な、私が質問者だから。
いいですか、委員長、今、大臣に、その指示、事務的にやってください。何も事務的な話ですから、いつの報告であったかというのを。すぐやってくださいよ。そうしたら何も、収まる話だ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/95
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096・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) ちょっとお時間をどうしてもいただかないと答えられないと思うんで、御容赦いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/96
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097・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、いつ報告があったかというだけの話ですから。中身がどうのこうの、私聞いているんでない。事務的に、何月何日に大臣に報告したという記録、あの総務省の文書を見ても分かるとおり、記録なんて残っているのが当たり前なんですから。それを、失礼な、この委員会の場で事務的なこういった質問通告している話について、けんもほろろの扱いなんて、私はこれ、政治家としては許されませんから。これ、大臣、まず指示してくださいよ、すぐ、いつだったかということを。いつ自分に報告したかということを。
いやいや、大臣に聞いているんだから、何も、刑事局長、議事整理権なんかは委員長にあるし、君が手を挙げる必要ない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/97
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098・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 事実関係は指示をします。
その上で、どのようにお答えしたらいいかも併せて検討させていただけたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/98
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099・鈴木宗男
○鈴木宗男君 委員の先生方もよく聞いてくださいよ。半世紀以上も人生拘束されて生きてきた人の気持ちになってみてくださいよ。今みたいに事務的な答弁で、皆さん方、もし皆さん自分の身において、五十年間、人生失った人いたらどうするんです。
もっと命の重み、齋藤大臣、私はあなたに期待もしていれば、あなたを昔から買っています。深谷大臣の秘書官のときからあなたは光っていた。あなたがその官僚の側に立っちゃいけないんですよ。あなたこそ人間性を持って、自然体で結構なんですよ。私は人間味を持って答弁してもらいたいと思うんですよ。
何も私は、こうしろああしろという話じゃなくて、事務的なことを聞いているんですから。もし、それが、齋藤大臣、頭づくりできないならば、逆に齋藤大臣を小さくするだけであります。
どうか、委員の皆さん、半世紀近くにわたって人生失われた、そして今、私は、検察も良心があったと思っているんです、特別抗告しなかったのは。三月十七日のこの委員会で、もし、私は、検察が特別抗告したならば、大臣、指揮権発動してくださいと言って私は質問終えたんです。そのぐらい私は強い思いで言ってきたんですよ。
事務的な特別抗告しないという報告を受けたか、それを、記憶が定かでないだとか、あるいは、刑事局長に至っては全く答えるべき話でないみたいな、木で鼻くくったような話は私はこれ絶対許されないと思うんですよ。
じゃ、大臣、これ、委員会はまだ十二時十分か十五分頃までこの間で延びていますから、この間に指示して、いつ報告あったかというのだけきちっと返事を下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/99
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100・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 今、尊敬する鈴木委員の今お話を伺って、私も率直にお話ししたいなと思うんですけれども、やはりこの話は、いつ私が受けたということをお話ししますと、この個別の事件におけるどういう展開でこういう判断になったかということを恐らく推測をされる可能性が出てくるという危険を私は恐れています。
これは鈴木委員に私の本心として申し上げたいと思うんで、これは受け止めていただきたいなと逆に思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/100
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101・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、大臣ね、当たり前と思って今言っているかもしれないけれども、大きな間違いですよ。大臣、二十日が期限なんですよ。期限前に報告は当然あってしかるべきなんですよ。それ、大臣ね、今あんた、さもさものように言っているけれども、大臣ね、国家公務員の上級職まで受かって、あなたがそういう今みたいな答弁することが、これ大臣、これ間違いなんですよ。
いいですか。二十日が期限なんですから、期限前に大臣には報告があるんですよ。じゃ、それがその日であったのか、前の日であったのか、極めて単純なことなんですよ。大臣、もっとこれ、政治家である前に、人としての正直さというか、人間味というのが今求められているんではないんでしょうか。どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/101
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102・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) もう本当に鈴木委員のおっしゃることは私も胸を打たれておりますし、この件について鈴木委員がどういう思いで取り組んでこられたかもよく承知をしておりますし、私にも、たしか議員会館のロビーでお目にかかったときに、指揮権を発動しろと、こうおっしゃられたのを今でも覚えておりますけれども。
ただ、やっぱりこの話は、私が指揮権を発動したのかしていないのかということを推測させる非常に重要な御指摘に実はなっちゃっているんですよ。したがいまして、お叱りを受けるとは思いますけれども、御勘弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/102
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103・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣ね、特別抗告するかしないかを聞いているんじゃないんですよ。検察の権限がある、その中で検察は判断した。私は、その良識があったと思って、多としているんですよ。
だから、その報告がいつあったかというのが、何かこれ皆さん方聞いていて不思議ですか。つまびらかにしても何ら問題ないでしょう。その話を何で隠すような、そして予断を与えるような、何も予断を与えないんですよ、もう結果出たんですから、流れは決まったんですから。私は逆に、袴田さんの、本人や秀子さんというお姉さんのことを考えたら、法務省としてはかくかくしかじかできちっとこういう経緯で対応しましたと。
私は、中身を聞いているんじゃなくて、二十日がタイムリミットだ、その報告はいつしたかということを聞いているだけなんですから、大臣、言葉の遊びはやめましょう。せっかく将来性ある大臣がもったいない、そういう役人の言いなりになっておったら。私はやっぱり、大臣、大臣である前に一人の人間であってほしい。あなたの将来のためにもそうでなければ駄目なんです。あんた、いつまでも法務大臣じゃないんですから。様々な、あんた、次の経験して、ステップ・バイ・ステップで上へ上がっていくんですから。
そういった意味でも、どうか大臣、何も私は難しい話しているんじゃなくて、当たり前のことを聞いているだけでありますから、いま一度大臣のそのお考えをお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/103
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104・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) もう鈴木委員のお気持ちはもう十分分かった上で、そしてお叱りを受けるのも分かった上で、やはりこの報告のタイミングにつきましてはいろんな臆測を惹起させる問題でもありますので、御容赦いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/104
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105・鈴木宗男
○鈴木宗男君 これ委員の先生方も、今大臣は事務方のメモなんかもらって慎重に答えていると思うけど、臆測を与えるということを、福島先生、あんた弁護士としても、臆測を与える話じゃないでしょう、これ聞いていても。当たり前のことなんですから。いつ報告を受けたかという話だけなんですから。
だから、理事の皆さん方がこれは答えて当たり前だという認識だったということを、これまた私自身理解しながら、きちっと何月何日に報告したかをしっかりこの委員会で報告をいただきたいと思いますので、委員長、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/105
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106・杉久武
○委員長(杉久武君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/106
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107・鈴木宗男
○鈴木宗男君 他に質問する予定でしたけれども、これだけで終わってしまいましたので、また次の機会にさせていただきますので、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/107
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108・川合孝典
○川合孝典君 国民民主党の川合です。
定員法についての質疑に入らせていただきたいと思いますが、私からも一言だけ大臣に御指摘をさせていただきたいと思います。
今の鈴木議員のやり取りを聞かせていただいておりまして、私もかねてから、法務省並びに司法の現場の皆さんがこの起こったことに対しての必要な説明をしっかりとし切れていないということについては、私自身も感じているところであります。したがって、当然、裁判に影響を及ぼすような情報を開示するということについては、それが無理なことはもう重々承知をしておりますが、事後で、起こったことについての報告をするということまでが、説明責任を果たさないというのは、これは正直、違和感を持っているということだけは冒頭指摘をさせていただきたいと思います。
その上で、通告した質問に入らせていただきます。
既に何人かの先生方が質問されましたが、私も、訟務分野における裁判官出身検事の国指定代理人への選任をめぐる課題について少し質問させていただきたいと思います。
対応状況についても質問しようと思っておりましたが、先ほどの質疑の中で既に御説明を受けましたので、二番目の問いの方からさせていただきたいと思います。
訟務分野における裁判官出身検事の国指定代理人への選任を行う上での運用基準というものが、送り出す側の裁判所、そして受け入れる側の法務省の方で、それぞれ何らか基準があるのかということについて確認をさせていただきたいと思います。法務省並びに最高裁判所の御意見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/108
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109・春名茂
○政府参考人(春名茂君) お答え申し上げます。
裁判官出身の検事を国指定代理人に選任する判断を行うについて明示的な運用基準はございません。
その上で、一般論として申し上げれば、法曹は法という客観的な規律に従って活動するものであり、裁判官、検察官、弁護士のいずれの立場においても、その立場に応じて職責を全うするものであります。したがいまして、裁判所において国を当事者等とする訴訟を担当していた裁判官が訟務局に異動し当該訴訟に関与することについて、直ちに職務上問題があるとは考えておりません。
ただし、国を当事者等とする訴訟の遂行に当たっては、裁判の公正性や職務の中立公正な遂行に疑念を抱かれることのないよう適切に対応していくこととしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/109
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110・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
裁判官から訟務検事に出向する場合の明確な基準、運用基準というものはあるのかという御質問だと理解いたしましたけれども、そのような明示的な運用基準というものは特にございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/110
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111・川合孝典
○川合孝典君 実は、私は判検交流を行うということ自体について否定するものではありません。当然、識者の方がそれぞれの立場で最大限その能力を発揮して正しい判断を下されるということについて、その必要性から判検交流が行われているということについては理解はしているんです。
が、しかしながら、実際に、社会通念上の問題、世間の常識として、例えば野球の試合を、失礼、何かの試合をやっていて、そのレフェリーとして判事さんがいらっしゃって、この判事さんがある日突然、一方の闘っている当事者側に付くという事象が生じているということ、このことに対して世間の理解が得られないということが問題だと思っております。
したがって、そういう意味では、司法行政のいわゆる中立性や公正性というものをいかに示していくのかということが問われている状況の中では、判検交流を行う上で一定の何らかの運用の基準というものを設けるべきだと私は考えております。
そして、今この時点では、この判検交流の問題について、まあ昨年の人事のことがありましたので、国民の皆さん、関係者の方々の意識も高まっております。そして、委員の皆さんや法務省、最高裁の皆さんも問題意識を今は持っていらっしゃいますから、直近で何か問題が起こるとは思っておりませんが、メンバーが替わればまた起こる可能性があるんです。
そうした状況を生じさせないようにするために、送り出し側の裁判所、そして受入れ側の法務省それぞれで、どういう基準でもって判検交流を行うのかということをルール化きちんとするべきなんじゃないのかということ、別に法律を定めるというところまでは申し上げませんけれども、少なくとも運用基準ぐらいは作っておいて、後に続く後輩の方々にそうした考え方を残すべきだと私は思うんですけれども、法務大臣、どう思われますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/111
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112・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) まず、前提として、国を当事者等とする訴訟が増加傾向にあって、これらの訴訟に迅速かつ適正に対応していくためには訟務の体制を充実強化をしていかなくてはならないと。
その上で、国を当事者とする訴訟において、法律による行政の原理を確保して適正な訴訟追行を行う観点から、訟務部局に裁判官出身者をも人材として配置することも重要な意義を有すると思っておりますので進めてきておりますが、確かに委員御指摘のように国民の疑惑を招いてはいけないということで、相当の運用上の注意も払っているところでありますけれども、私も人事を長いこと経験をしてきておりますけれども、なかなか、一律の基準で日々変わる行政ニーズに応えて人事を行うということは極めて難しいし、なかなかなじむものではないなというふうに正直思っているところであります。
やはり、訟務部門のような国を当事者等とする訴訟の遂行に当たりましては、裁判の公正性や職務の中立公正な遂行に疑念を抱かれることのないように適切な対処をしていくと、その都度その都度、それに尽きるのではないかなというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/112
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113・川合孝典
○川合孝典君 大臣が今御答弁されたこと、そのとおりだと思いますが、今おっしゃったことが文書化されている、いわゆる明示的に示されるだけでも全く違うと思うんですよ。つまり、それがないがゆえに、その時々の方々の判断で、場合によっては恣意的な判断が入ってしまう可能性、疑念を招く可能性があるということなわけでありますので、是非、今前向きな御答弁いただいたわけでありますので、再発をさせないという、こうした問題を再び起こさないということを前提としてどういうルールを作るのか、あくまでも運用ルールというところにとどまるのかもしれませんけど、是非御検討いただきたいと思います。
次の質問に移らせていただきたいと思います。
私も、先ほども質問出ておりましたが、これまでの定員法の附帯決議の中で幾つか示されている項目について確認をさせていただきたいと思います。
谷合委員が先ほど少し触れられましたが、法曹志望者数が改善しない理由について、状況についてのさっき御答弁ありましたが、なぜ法曹志望者が増えないのか、このことについてどう捉えていらっしゃるのか、法務省の御認識を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/113
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114・竹内努
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
法曹志望者数の減少の理由につきまして、政府の法曹養成制度改革推進会議決定におきましては、法科大学院全体としての司法試験合格率や法曹有資格者の活動の場の広がりなどが制度創設当初に期待されていた状況と異なるものとなっているといった要因なども指摘されていたところでございます。
また、平成二十八年に法務省が文部科学省と共同で実施をいたしました法学部に在籍する学生に対する法曹志望に関するアンケート調査結果におきましては、法曹を志望する上での不安として、適性や能力に自信がないといったことを挙げる者のほか、他の進路にも魅力を感じているとか、法曹になるまでの経済的な負担が大きいなど、様々な点が挙げられていたところでございます。
法務省といたしましては、これらの要因が複合的に影響して法曹志望者数の減少につながって、なお顕著な改善が見られないものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/114
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115・川合孝典
○川合孝典君 そうした問題認識に基づいていろいろ取組をしていらっしゃると思いますけれど、それでも現状、改善効果が表れていないということについてはどう捉えていらっしゃるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/115
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116・竹内努
○政府参考人(竹内努君) 先ほどのような点を考慮いたしまして、法務省といたしましては、いわゆる法曹養成制度の改革法を令和元年に改正したところでございまして、本年の司法試験からこの改正法に基づく新しい制度が始まります。いわゆる3プラス2の制度と言われるものでございます。本年以降、この3プラス2の制度で受験資格を得た者の司法試験合格率や法曹志望者数の推移等を始めとして、改革の成果を見定めていきます重要な時期に入るものと認識をしておるところでございます。
法務省といたしましては、これらの改革の成果を踏まえまして、引き続き、関係機関等とも連携をしながら、より多くの有為な人材が法曹を志望する環境づくりに向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/116
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117・川合孝典
○川合孝典君 ちなみに、この改善を、法律が完全施行されることによって今後改善が見通されるということですけど、具体的にどの程度の人数まで改善させる目標立てていらっしゃるのか、目標は設定されているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/117
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118・竹内努
○政府参考人(竹内努君) なかなか、司法試験受験者がどのぐらいの数になるかという具体的な目標までは立ててはおりませんが、新しい制度で法学部三年と法科大学院二年のルートになって、受験生の時間的あるいは経済的な負担をかなりの程度軽減する策を取っておりますので、受験者についてはこれから増えていくのではないかというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/118
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119・川合孝典
○川合孝典君 この点については継続的にウオッチをさせていただきたいと思います。
時間の関係がありますので最後の質問に入りたいと思いますが、司法、失礼、いわゆる法曹志望者が法曹を志望しなくなっている一つの理由として、先ほど御答弁ありましたが、経済的な理由ということについても挙がっているということでありますが、そこで、給費制が打ち切られて以降、現在の修習給付金に切り替わって給付をされておりますが、よくよく調べてみますと、給付制、失礼、給費制が打ち切られたところからいわゆる法曹志望者数の減少が始まっているように見受けられるわけですが、この給費制の打切りが法曹志望者数に及ぼした影響について何らか分析されているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/119
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120・竹内努
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
法曹を志望する上で様々な不安を抱えることが法曹志望者数の減少につながったものと考えられるところでございますが、この、先ほど委員も御指摘なさいました、修習給付金の制度が創設される前の平成二十八年に法務省が文部科学省と共同で実施いたしました先ほどのアンケート調査結果によりますと、適性や能力の不安を挙げる者のほか、司法修習の一年間、貸与制の下で給与の支給を受けられないという点も挙がっていたところではございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/120
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121・川合孝典
○川合孝典君 今触れられた貸与制の期間、いわゆる谷間の世代と指摘されているところの方々に関しては、大臣御存じだと思いますけど、給費制のときには、これは準公務員としての取扱いで給料が支給され、さらには公務員並みの家族手当やいわゆる勤務地手当等も出されていたということでありまして、これ、かなり恵まれた環境の中で司法修習をされていました。それが、給費が打切りになって、お金、貸与ということで借り入れるという形になった期間が五、六年たしかあったと思います。そのことを受けて、今御答弁あったように、平成二十八年に、もう一度、修習給付金という形で支給が再開をされたという経緯をたどっているということであります。
この谷間の世代の方々、本来受け取れたであろういわゆる給費を受け取れなかった方々に対してどう対応するのかということは、これはいわゆる政治としてどう判断していくのかということが問われておりますので、この点については是非議論をしていただきたいと思うんですけど、この問題について大臣の御認識いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/121
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122・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) これ、なかなか難しい問題でありまして、いわゆる谷間世代の司法修習生に対して御指摘の金銭給付などの事後的な救済措置、これを講じることにつきましては、既に法曹となっている方に対して国による相当の財政負担を伴う金銭的な給付ということを意味することになるわけでありますので、これは国民的な理解を得ていかなくちゃいけないわけですが、なかなか困難なのではないかなと思っております。
仮に、細かい話になりますけど、何らかの救済措置を講ずるにいたしましても、従前の貸与制下において貸与を受けていない方の取扱いをどうするかなんという問題も、制度設計上の困難な問題も出てくるということでありますし、また、経済的な事情によってどうしてもその貸与されたお金が返せないという方に対しましては、返済期限の猶予ということも制度上認めて運用しているところであります。
したがって、谷間世代の司法修習生に対して抜本的な救済策みたいなものを講じるということは、私は困難だなと思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/122
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123・川合孝典
○川合孝典君 すぐに解答、答えが出る問題ではないと思っておりますけれども、実際に著しい不公平が生じてしまったという事実は残っているわけでありますので、この問題とどう向き合うのかということについては今後も議論させていただきたいと思います。
時間の関係で、最後に一点だけ大臣の御認識伺いたいと思うんですが、現在、修習給付金として月額十三万五千円の定額が払われています。これは、公務員ではなく、給付金ということでありますので、定額ということで変わりません。これが公務員扱いであれば、当然のことながら、物価上昇に合わせて人勧に基づいて給付される水準も上がるわけでありますが、ここ、固定されてしまっている。そのことの結果として、これまでの給付金の金額が、いわゆる金額の価値が目減りしている状況が物価上昇の中で生じている。
この修習給付金に関しても、人勧に基づいて給付金自体の見直しを行う、相場に合わせて上げていくということについても検討すべきかと思いますが、この点についての認識を御確認させていただいて、私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/123
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124・竹内努
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
司法修習期間中の生計面の不安を解消するための経済的支援を現在よりも充実したものとすれば法曹志望者数の増加につながるという委員の御指摘かというふうに受け取りました。
法務省が、先ほど、先ほど御紹介しました法務省が文部科学省と共同で実施したアンケート調査結果、これ毎年やっておりますが、平成二十九年以降のもので見ますと、法曹志望者が抱えている不安の要因として掲げられたもので主なものなんですが、自信がない、あるいは他の進路にも魅力を感じているというほかに、大学卒業後法科大学院修了までの時間的あるいは経済的負担を挙げる者が多くなっておりまして、他方で、司法修習期間中の生計面に不安があるということを挙げる者の割合は、ほかの要因を挙げる者の割合と比較して著しく低い結果となっておるところでございます。
このようなアンケート結果に照らしますと、司法修習期間中の経済的支援を強化するということは、必ずしも法曹志望者の増加という意味では結び付くものではないというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/124
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125・川合孝典
○川合孝典君 今の法務省の御認識がそういうことだということは分かりましたが、国の仕事に就くために研修を行っていただいている方々に対してどう手配するのか、配慮をするのかということについては、これは検討するにこしたことはないと思っておりますので、そのことだけ御指摘させていただきまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/125
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126・仁比聡平
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
裁判所職員の定員についてお尋ねをいたします。
裁判手続のデジタル化について、システム構築だとかハードウエアの取得費用などの経費は、補正予算で前倒しされた分も含めて概算要求の六十七億円は確保されました。
ところが、資料一枚目を御覧いただきたいと思いますが、裁判所の定員等の推移について最高裁に作っていただいている資料です。御覧のとおり、裁判所職員については、この六年で百三十九名、令和三年度からの三年は、概算要求ではプラス・マイナス・ゼロのはずなのに、十七名、二十六名、三十一名と減員をされています。
そこでお尋ねをしますけれども、その下で今年度、下級裁の書記官、事務官は各高裁管内でそれぞれ何名ずつの増減になっていますか。最高裁はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/126
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127・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
順次数字を申し上げます。
東京高裁管内は、書記官六の減、事務官三十八の減、大阪高裁管内は、書記官二の減、事務官八の減、名古屋高裁管内は、書記官増減なし、事務官三の減、広島高裁管内は、書記官二の減、事務官五の減、福岡高裁管内は、書記官九の減、事務官八の減、仙台高裁管内は、書記官七の減、事務官四の減、札幌高裁管内は、書記官三の減、事務官五の減、高松高裁管内は、書記官二の減、事務官一の減となっております。
なお、最高裁につきましては、書記官増減なし、事務官は三十八人の増ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/127
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128・仁比聡平
○仁比聡平君 下級裁を取ると、今御紹介をいただいた数字は全部足すと百三になるんですよね。これ、ちょっとおかしな話じゃないですか。概算要求のときには、十一月十七日に総務局長と質疑をさせていただきましたけれども、五十人減と言っていましたよね。これが何で百三人も減るんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/128
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129・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
各庁の人員配置につきましては、事件動向や事務処理状況等の事務量に応じて適正な配置となるように常に見直されるべきでございまして、厳しい財政事情の下において国民の理解を得るためにも、こうした人員配置の見直し等の内部努力は必要不可欠な事柄であるというふうに考えております。
令和五年度におきましても、事件動向や事務処理状況等を踏まえて各庁において必要な人員配置の見直しが行われたものというふうに認識しており、その結果として先ほど述べたとおりの人員が減少したものでございます。
人員配置の見直しにおきましては、各庁各部署の事務処理状況等を踏まえた検討がされており、今回の減員により裁判所の事務に支障を来すことはないというふうに承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/129
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130・仁比聡平
○仁比聡平君 いや、支障は来すでしょう。
ちょっと先に確認しますけれども、これは実員でこれだけ減っているということですか。それとも、欠員も含めた定員の枠の数字ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/130
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131・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) 先ほど私の方から御説明をさせていただきました数字は、各庁、各高裁における配置定員の数ということになりますので、枠ということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/131
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132・仁比聡平
○仁比聡平君 ということは、その定員で下級裁の書記官、事務官が百三人も減らされると。
この中には、定員が充足できていないところがありますよね、休職されているとか、実際にはだから現場にはいないという。そうすると、もっと減るということですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/132
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133・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
各庁の実情を全て裁判所がリアルタイムで把握しているわけではございませんので、裁判所が、最高裁が把握していない欠員等が生じ得るということはあるかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/133
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134・仁比聡平
○仁比聡平君 いや、もう一回、皆さん、この資料の一枚目、御覧いただきたいと思いますけど、令和五年度で下級裁も含めた書記官はプラス・マイナス・ゼロじゃないですか。概算要求でプラス・マイナス・ゼロで要求をされて、決定もプラス・マイナス・ゼロになっている。だけど、現実には軒並み減るわけですよね。これ、裁判の実務そのものをやっている職員ですよ。その人たちがこんなに減るのかと。これ、深刻なことだと思いますよ。
これまでもぎりぎりを割っているというのが下級裁の書記官、事務官の現実だと思います。現場の皆さんに伺いますと、民事のデジタル化のために説明資料やマニュアルなど業務改革に頑張ってきたが、減員と、がっくりだとか、用度係として、十二月にデジタル化予算が付いてディスプレーの配置を三人掛かりでようやくやって、毎月三十時間近い残業なのに人は増えないと、この人員状況の下でいつまでもつか分からないと、毎日二時間残業している、夕方五時から調書を作っているような状況だ、あるいは毎朝一時間超勤している人がたくさんいると、そうしたお話がこれまでの人員配置であっていました。
そうした繁忙の中で主任クラスのメンタルも増えているとか、二十代の職員がパワハラで休職し、ようやく復職できたのに、周りの、あの人は仕事ができないという目にさらされて、その様子を見ているのももう本当につらいと声を詰まらせて話してくださった職員さんもいらっしゃいました。
昨年の十一月に、私、局長と議論する中で、デジタル化の定員というのは別枠で確保されるのはこれ当然だと、裁判の事務処理の経費、定員をこれ以上削るということはあり得ないと財務当局に対して強く言うべきだというふうに聞きましたけれども、結果が、その概算要求、皆さんが積み上げた概算要求よりも大きく減り、そして現実には、下級裁の書記官、事務官をこれだけ減らすということでしょう。これ、深刻なんじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/134
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135・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
裁判所といたしましては、各庁の事件動向や事務処理状況等を踏まえながら、全国的な見地から負担の公平性も考慮しながら人員配置を行っているところであり、今回の減員に当たりましても、各庁においてデジタル化に伴う検討が行われていることも含め、必要十分な人員を配置しているというふうに考えております。
また、今回の改正におきましては、民事訴訟手続のデジタル化の実現に向けた取組を更に進めていくなど、裁判手続等のデジタル化を確実に推進していくために、その検討の中心的役割を担っている最高裁事務総局に増員を行い、下級裁に適切な支援を行うことによって裁判所全体の体制を整えることとしております。このような体制の整備により、最高裁における各種の検討のみならず、各庁における検討も促進されていくものというふうに考えております。
したがいまして、今回の減員によりまして各庁の事件処理やデジタル化に伴う審理等の検討に支障が生じるものではないというふうに考えております。
いずれにいたしましても、最高裁としましては、今後も各庁において適正な事件処理等が図られていくよう、引き続き必要な体制の整備に努めてまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/135
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136・仁比聡平
○仁比聡平君 いや、現場の、下級裁のその裁判実務に重大な影響が及びますよ。だって、既にメンタルで休職をしておられる方なんかがたくさん増えているわけだから。そこに更に減員を、しかも概算要求のときにはそんなには減らさないと言っていたのをですよ、本予算になったらこれだけ減らすと。で、四月の人員配置になったら、びっくりするぐらいの数減らすと、百三人も。これ、とんでもないことだと思います。
最高裁にデジタル化のために増員が必要なのは分かりますよ。だけど、それは別枠として確保されるべきであって、下級裁の定員削って最高裁に吸い上げてどうするんですか。そこに何の反省もないのかということが厳しく問われていると思います。
裁判のIT化は、これ、令和八年五月までに民事訴訟に関するものが施行を迎えます。今国会提出の非訟手続、さらには刑事においても検討されているわけですよね。これ、現場の業務もストレスもどんどん増えていくばかりだと思うんですけれども、お尋ねしますが、デジタル化のシステム構築や備品取得などといったその担当部署、デジタル化の担当部署だけじゃなくて、デジタル化に伴う審理や事務処理方法の検討が、先ほども説明資料やマニュアルなどを現場で作っているというお話紹介しましたが、全庁で同時並行的にこれは行われているし、いくわけですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/136
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137・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
デジタル化のシステム構築等を進めていくに当たりましては、下級裁において当該分野の事務を担当している職員と意見交換をするなどしているところでございまして、御指摘のデジタル化に伴う審理、事務処理方法の検討につきましては、下級裁を含め全庁的に行われているものと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/137
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138・仁比聡平
○仁比聡平君 だから、これまでの裁判実務処理でもいっぱいいっぱいのところに、デジタル化に向けていろんな業務があるんですよ、増えるんですよ。しかもストレスも掛かると。だから、その中でこのメンタルケアをきちんと図る上でも、少なくとも、時間がありませんから一問だけ聞きますが、サービス残業はあってはならないでしょう。
このサービス残業はあってはならないということについて、早朝、昼休みあるいは土日などの超勤について最高裁の基本的な認識はどうなっているのか、その考えというのは下級裁に徹底されているんですか。実際には、例えば子育て世代が、夕方は保育所に迎えに行かなきゃいけないなどのことで定時に上がるんだけど、その分、朝出てきて調書を作っている、記録を作っている、そういう話がいっぱいあるじゃないですか。だけど、それがサービスになっているというのはおかしい話じゃないですか。
下級裁にそういうことがあってはならないと、ちゃんと払いましょうと、ちゃんと徹底すべきじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/138
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139・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
委員御指摘のように、サービス残業や持ち帰り仕事についてはあってはなりませんし、そのようなことがないよう、管理職員が勤務時間管理の重要性を認識した上で、超過勤務については的確かつ遅滞なく把握し、適切な超過勤務時間の管理を行うよう今後も指導を徹底していきたいと考えております。また、超過勤務の把握についての考え方は、早朝、昼休み、休日における勤務についても変わるものではないと考えております。いずれにしても、今後とも、職員の超過勤務の適切な把握に努めてまいりたいというふうに思っております。
また、今申し上げたような考え方につきましては、協議会や各種打合せの機会などを通じて下級裁に対して伝えてきているところでございますが、超過勤務については的確かつ遅滞なく把握し、適切な超過勤務時間の管理を行うよう、引き続き下級裁に対して指導してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/139
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140・仁比聡平
○仁比聡平君 私、こういう議論が国会であっていることも契機にして、文書で下級裁にちゃんと伝えるべきだと思いますよ。私、そういう紙を裁判所の書記官室にでも貼っておいたらいいと思うんですけどね。ちゃんとみんな、残業しようがない、やらざるを得ない、だったら、これちゃんと全部残業代で付けて払ってもらいましょうというのを最高裁の名前で出したらいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/140
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141・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
先ほど申し上げたとおり、超過勤務については的確かつ遅滞なく把握して、適切な超過勤務時間の管理を行うということは重要でありまして、下級裁判所に対しても指導してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/141
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142・仁比聡平
○仁比聡平君 是非徹底をしていただきたいと思うんですが、ちょっとそれに関わって一問だけ。
三月十日の衆議院の法務委員会で、裁判所職員の一人当たり一月の平均超過勤務時間が、下級裁全体で五時間程度だと、最高裁で十六時間程度だという答弁をなされました。これ、現場からあり得ないという声が口々に上がっています。
これ、一体、何を何で割って出した平均なんですかということなんですよ。まさか、毎日二時間残業していると、月三十時間は超えているという人たちの声を否定するんじゃないんでしょう。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/142
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143・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
今お話のありました、下級裁判所において五時間程度、最高裁判所で十六時間程度という数字でございますが、これは超過勤務時間の平均を示す数字でありまして、職員の個別の超過勤務時間を示すものではございません。
なお、正規の勤務時間、どういうふうにこの数字を出したかということでございますが、正規の勤務時間以外の時間に勤務した時間が超過勤務の時間数となるわけでございますけれども、委員御指摘の下級裁判所全体で五時間程度という数値につきましては、下級裁判所全体の行(一)六級以下の職員等の超過勤務の時間数を合計したもの、これを総超過勤務時間として、この数字を行(一)六級以下の職員等の現在員数で割ってその平均値を算出したものでございます。最高裁判所についても同様でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/143
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144・仁比聡平
○仁比聡平君 時間が参りましたから、ちょっと大臣にもうお尋ねする時間がなくなってしまったんですが、あれですよ、今の点について、衆議院での質問者自身が、裁判官は別としても職員の労働時間は通常の勤務の範囲内というふうに受けてしまっている、受け止めてしまっている。だから、そんな、月五時間みたいなそんな答弁をして、これが独り歩きしてサービス残業隠しのような圧力になっては絶対にならないんですよね。
二枚目にお配りした資料は、そうした中での超過勤務手当の予算の執行率を裁判所に作っていただいたものです。おおむね八五%前後で推移をしていたのが、どうやら人事院の超勤上限が定まったということを契機に大きく減ってきているというみたいなことがあって、私は、超勤上限が定められたのは、これはサービス残業というか、超過勤務そのものをなくすためなのであって、これが逆にサービス残業を増やすようなことになったら当然本末転倒だと、きちんと安心できるように働ける、そういう職場をつくってほしいということを強く訴えまして、今日は質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/144
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145・杉久武
○委員長(杉久武君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/145
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146・仁比聡平
○仁比聡平君 日本共産党を代表し、裁判所職員定員法の一部改正案に反対の討論を行います。
本法案は、判事補を十五人減員し、裁判官以外の職員についても三十一人減員するものです。事務官は、概算要求は二十三の増員要求だったものが八名の減員となっています。さらに、デジタル化推進のために下級裁から最高裁へ人員シフトが行われています。
質疑を通じ、各高裁管内での書記官、事務官の深刻な減員実態が明らかになりました。また、書記官は、定員上は増減なしのはずなのに、各高裁管内では軒並み減員となっています。この下で、現場の繁忙の実態は深刻です。サービス残業や持ち帰り仕事はあってはなりません。適切な超過勤務時間の把握が必要です。それは、早朝、昼休み、休日における勤務についても変わるものではありません。最高裁はこの趣旨を下級裁に徹底すべきです。
定員合理化計画への協力は、裁判所職員の現場の繁忙を深刻化、固定化し、司法サービスの後退を招きかねないものです。裁判所職員の定員削減でやりくりしようとするのではなく、国家予算の僅か〇・三%にとどまる司法予算の抜本的な拡充こそ必要です。
最高裁が憲法が保障する国民の権利を守るという本来の重要な役割を果たすために、裁判所職員の増員、裁判所予算の抜本増額を強く求め、討論といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/146
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147・杉久武
○委員長(杉久武君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/147
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148・杉久武
○委員長(杉久武君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、牧山君から発言を求められておりますので、これを許します。牧山ひろえ君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/148
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149・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 私は、ただいま可決されました裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一 民事訴訟手続の審理期間及び合議率の目標を達成するため、審理期間が長期化している近年の状況を検証し、審理の運用手法、制度の改善等に取り組むとともに、産業の高度化や国際化に対応できるよう裁判官の能力及び職責の重さの自覚の一層の向上に努めること。
二 裁判所職員定員法の改正を行う場合には、引き続き、判事補から判事に任命されることが見込まれる者の概数と判事の欠員見込みの概数を明らかにし、その定員が適正であることを明確にすること。
三 令和二年四月十六日及び令和三年四月六日の当委員会における各附帯決議等を踏まえ、最高裁判所において、引き続き、判事補の定員の充足に努めるとともに、判事補の定員の在り方について、現実的な実員の増減見通しも踏まえて更なる削減等も含め検討していくこと。
四 現在の法曹養成制度の下で法曹志望者の数について顕著な改善傾向が見られないことを踏まえ、そのことが法曹の質や判事補任官者数に及ぼす影響につき引き続き必要な分析を行い、その結果を国会に示すとともに、同制度や法改正の趣旨を踏まえた更なる法曹養成機能の向上、法曹志望者の増加等に向けた取組をより一層進めること。
五 裁判手続等のデジタル化の進捗状況を踏まえ、合理化・効率化が可能な事務と注力すべき事務をそれぞれ考慮した上で適切な人員配置を行うよう努めるとともに、裁判官以外の裁判所職員の労働時間を把握し、適切な労働環境を整えること。
六 社会の耳目を集めた事件の事件記録が特別保存に付されることなく廃棄されていたことを踏まえ、今後の事件記録の十分な管理体制の確立に努めること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/149
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150・杉久武
○委員長(杉久武君) ただいま牧山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/150
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151・杉久武
○委員長(杉久武君) 多数と認めます。よって、牧山君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、齋藤法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。齋藤法務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/151
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152・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) ただいま可決されました裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
また、最高裁判所に係る附帯決議につきましては、最高裁判所にその趣旨を伝えたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/152
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153・杉久武
○委員長(杉久武君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/153
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154・杉久武
○委員長(杉久武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X00520230406/154
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