1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和六年四月十九日(金曜日)
午前八時五十分開議
出席委員
委員長 新谷 正義君
理事 大岡 敏孝君 理事 大串 正樹君
理事 橋本 岳君 理事 三谷 英弘君
理事 井坂 信彦君 理事 中島 克仁君
理事 足立 康史君 理事 伊佐 進一君
秋葉 賢也君 畦元 将吾君
五十嵐 清君 上田 英俊君
英利アルフィヤ君 勝目 康君
金子 容三君 川崎ひでと君
塩崎 彰久君 鈴木 英敬君
田所 嘉徳君 田畑 裕明君
田村 憲久君 高階恵美子君
中谷 真一君 仁木 博文君
堀内 詔子君 本田 太郎君
三ッ林裕巳君 柳本 顕君
山口 晋君 山本 左近君
吉田 真次君 阿部 知子君
大西 健介君 堤 かなめ君
西村智奈美君 山井 和則君
柚木 道義君 吉田 統彦君
早稲田ゆき君 一谷勇一郎君
遠藤 良太君 岬 麻紀君
福重 隆浩君 吉田久美子君
宮本 徹君 田中 健君
福島 伸享君
…………………………………
議員 柚木 道義君
議員 山井 和則君
議員 井坂 信彦君
議員 早稲田ゆき君
厚生労働大臣 武見 敬三君
内閣府副大臣 工藤 彰三君
厚生労働副大臣 宮崎 政久君
厚生労働大臣政務官 塩崎 彰久君
厚生労働大臣政務官 三浦 靖君
政府参考人
(消費者庁政策立案総括審議官) 藤本 武士君
政府参考人
(消費者庁審議官) 依田 学君
政府参考人
(こども家庭庁長官官房審議官) 黒瀬 敏文君
政府参考人
(こども家庭庁長官官房審議官) 野村 知司君
政府参考人
(こども家庭庁長官官房審議官) 高橋 宏治君
政府参考人
(厚生労働省医政局長) 浅沼 一成君
政府参考人
(厚生労働省労働基準局長) 鈴木英二郎君
政府参考人
(厚生労働省労働基準局安全衛生部長) 小林 洋子君
政府参考人
(厚生労働省雇用環境・均等局長) 堀井奈津子君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局長) 朝川 知昭君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長) 辺見 聡君
政府参考人
(厚生労働省老健局長) 間 隆一郎君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 井上誠一郎君
厚生労働委員会専門員 森 恭子君
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委員の異動
四月十九日
辞任 補欠選任
上田 英俊君 山口 晋君
同日
辞任 補欠選任
山口 晋君 五十嵐 清君
同日
辞任 補欠選任
五十嵐 清君 英利アルフィヤ君
同日
辞任 補欠選任
英利アルフィヤ君 上田 英俊君
―――――――――――――
四月十八日
最低賃金全国一律制度への法改正を求めることに関する請願(菅直人君紹介)(第一〇一六号)
同(笠井亮君紹介)(第一一五八号)
同(松木けんこう君紹介)(第一一五九号)
安全・安心の医療・介護の実現のため人員増と処遇改善を求めることに関する請願(源馬謙太郎君紹介)(第一〇一七号)
同(和田義明君紹介)(第一〇六六号)
同(山岸一生君紹介)(第一〇九五号)
同(谷田川元君紹介)(第一一〇七号)
同(笠井亮君紹介)(第一一六〇号)
軍事費の拡大ではなく社会保障の拡充を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一〇一八号)
同(笠井亮君紹介)(第一〇一九号)
同(穀田恵二君紹介)(第一〇二〇号)
同(志位和夫君紹介)(第一〇二一号)
同(塩川鉄也君紹介)(第一〇二二号)
同(田村貴昭君紹介)(第一〇二三号)
同(高橋千鶴子君紹介)(第一〇二四号)
同(宮本岳志君紹介)(第一〇二五号)
同(宮本徹君紹介)(第一〇二六号)
同(本村伸子君紹介)(第一〇二七号)
同(米山隆一君紹介)(第一〇二八号)
同(白石洋一君紹介)(第一〇四七号)
同(笠井亮君紹介)(第一一六三号)
国民を腎疾患から守る総合対策の早期確立に関する請願(船田元君紹介)(第一〇二九号)
同(泉健太君紹介)(第一〇四八号)
同(白石洋一君紹介)(第一〇四九号)
同(福田達夫君紹介)(第一〇五〇号)
同(宮路拓馬君紹介)(第一〇五一号)
同(江藤拓君紹介)(第一〇五九号)
同(平井卓也君紹介)(第一〇六〇号)
同(小宮山泰子君紹介)(第一〇六七号)
同(中野洋昌君紹介)(第一〇六八号)
同(遠藤利明君紹介)(第一〇九六号)
同(上杉謙太郎君紹介)(第一一一八号)
同(稲田朋美君紹介)(第一一二九号)
同(宮路拓馬君紹介)(第一一三〇号)
同(今村雅弘君紹介)(第一一六四号)
同(上野賢一郎君紹介)(第一一六五号)
パーキンソン病治療研究支援及び医療制度等の改善に関する請願(土井亨君紹介)(第一一〇六号)
福祉職員の最低賃金を千五百円以上にして、職員配置基準を引き上げることに関する請願(谷田川元君紹介)(第一一〇八号)
同(笠井亮君紹介)(第一一六一号)
同(松木けんこう君紹介)(第一一六二号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案(内閣提出第五四号)
訪問介護事業者に対する緊急の支援に関する法律案(柚木道義君外八名提出、衆法第六号)
介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案(柚木道義君外八名提出、衆法第七号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/0
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001・新谷正義
○新谷委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案並びに柚木道義君外八名提出、訪問介護事業者に対する緊急の支援に関する法律案及び介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案の各案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
各案審査のため、本日、政府参考人として消費者庁政策立案総括審議官藤本武士君、審議官依田学君、こども家庭庁長官官房審議官黒瀬敏文君、長官官房審議官野村知司君、長官官房審議官高橋宏治君、厚生労働省医政局長浅沼一成君、労働基準局長鈴木英二郎君、労働基準局安全衛生部長小林洋子君、雇用環境・均等局長堀井奈津子君、社会・援護局長朝川知昭君、社会・援護局障害保健福祉部長辺見聡君、老健局長間隆一郎君、経済産業省大臣官房審議官井上誠一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/1
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002・新谷正義
○新谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/2
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003・新谷正義
○新谷委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。柚木道義君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/3
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004・柚木道義
○柚木委員 おはようございます。立憲民主党の柚木道義でございます。
質疑の機会をいただき、ありがとうございます。
育介法の通告もたくさんしておりますので、前半ちょっと、小林製薬のサプリの問題を始め、喫緊にお尋ねしたいことを前半半分でやりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
実は、私もこの委員会で何度か申し上げてまいりましたが、利害関係のある企業、団体からの政治献金が政策をゆがめる、この懸念というものがいろいろな分野で指摘をされてきて、そういった中で、政治改革特別委員会が設置が決まり、私もその一員として、まさに与野党を超えて、政治と金の問題の国民の不信感の払拭につなげていかなければならないと思っております。
そういった中で、私、ちょっと、資料の一枚目、こういうものも、本当はつけたくないんですけれども、やはりつけざるを得ないのが、自民党さんは、政治改革特別委員会の中で、まさに政治資金の透明化、企業・団体献金の禁止等、こういった案を各党が出し合って国民の不信払拭に努めていくというのが当然だと思うんですが、これを先送りすると、企業・団体献金も。おまけに、連座制、つまり、政治家が会計責任者のせいにして自らは責任を問われない、逃げ切る、こういうことについても森山総務会長は慎重姿勢だということで、今、補欠選挙も行われておりますけれども、政治不信を払拭をする、そういう本当に決意や覚悟が岸田政権与党の皆さんから全く見られない、こういうふうに国民の皆さんは思われるんじゃないですか。
武見大臣、まさに政権与党の一員として、そういうふうに国民に不誠実だと映っていると思われませんか。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/4
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005・武見敬三
○武見国務大臣 立法府の方で、政治改革に関する特別委員会の設置を、衆議院、参議院双方で設置をされて、今まさに、政治と金の議論をされておられると承知をしております。
自由民主党は、今回、実際に非常に厳しい御批判を、政治と金の問題で国民の多くの皆様から受けております。このことを重く受け止めて、これからの改革の中で、でき得る限り、透明性と、それから説明責任、これを果たす努力をしていくべきだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/5
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006・柚木道義
○柚木委員 説明責任を果たすのであれば、案がなくしてどうやって責任を果たすのかと国民は受け止めると思いますよ。
衆議院では、もう設置が決まって、来週にも政治改革特別委員会が開かれるやにお聞きをするわけですが、それまでに、当然、政権与党として、一番今まさに裏金問題の震源地でいらっしゃるんですから、どうやって国民の疑念を払拭するのか、その案は出されるべきだと思いませんか。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/6
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007・武見敬三
○武見国務大臣 今、政府の立場におりますので、立法府における事案についてはコメントは控えさせていただきたいと思います。
いずれにせよ、自由民主党として、国民の信頼を回復するために、説明責任、そして透明性確保に向けての努力を最大限すべきだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/7
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008・柚木道義
○柚木委員 まさにその裏金問題の舞台となった各派閥の中で、岸田総理が突然に自らの宏池会の解散も打ち出されて、ついに名門茂木派も解散へということで、今残るは麻生派だけだというようなことも、まあ、政策集団としては残るのかもしれませんが、派閥としては、お金、人事の機能はもうやめるという報道ですけれども、唯一存続を決めている麻生派の出身でもある武見大臣、しかし、国民目線から見たときに、本当にこの派閥、麻生派というのは今後存続していくべきだ、それとも、当然、派閥の中でもいろいろな考えがあって、やはり派閥というのは、お金、人事、ある意味国民からもそういう疑念で見られてしまう、そういう意味で解散すべきだ、そういうふうに考えるのか。存続すべきか、解散すべきか、御所見をお述べいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/8
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009・武見敬三
○武見国務大臣 実際、いわゆる派閥というものについては、既に党の改革の中で存在はしなくなっている、そして政策集団として今存在をしているんだろう、こう理解しております。
私は、政治の世界の中で、実際に信頼を持ち合う政治家がお互いにその意見を出し合い、そしてその政治活動を共にするということについては、これはあって当然の、しかるべきこととも考えます。
ただし、政治と金の問題あるいは人事等の問題において不当な行いがあるとすれば、それは慎まなければならない課題であって、今回は、そういう意味で、政治と金に関わる問題で多くの不信を招いたということを深く受け止めて、政策集団としてこうした役割を果たす、そうした必要性というものについてはあるんだろう、こう理解をしているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/9
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010・柚木道義
○柚木委員 不当な、国民から見たときにですね、人事とかお金の面とか、そういうふうに見られないようにそういうのは慎まなければならないと。政策集団としての必要性というのは私も否定はしません。しかし、その両立が本当に可能なのかどうかが図られるのが、私、今回まさに、政治資金規正法の改正を含めてどういう姿勢を示されるかにかかっていると思いますので、これは本当に委員会でも、もちろん特別委員会を設置してやりますが、やはり、あらゆる委員会で、政府・与党の中でもそういうことを発信をしていただくことをお願い申し上げて、基礎年金の納付期間五年の延長の問題についても、非常に、ちょっと昨日の岸田総理の本会議答弁も、私は違和感を感じております。
資料の二ページ目以降に、日経の記事が分かりやすかったので、それ以降は社保審の十六日のペーパーもつけておりますが、日経の記事にも出ているように、基礎年金の納付期間が四十年から四十五年に、六十歳から六十五歳まで延長された場合、低所得者の負担感が大きい。それはそうですね。そして、財源の確保をどうするんだという課題も出てくるわけです。
そもそも、私も、当委員会の中でも、例えば、安倍総理の時代に、まさに現役世代が年金を三割削減されるんじゃないかということで、年金カット法案、こういう大きなテーマで質疑をさせていただいたことも思い出しながら、しかし、当時の安倍総理も、年金カット法案のときも含めて、まさに百年安心の制度を、そういったことで、マクロ経済スライドによって百年安心という、そういう年金制度ができたということだというような見解を、この委員会だけじゃなくて、例えば参議院の決算委員会などでも述べられたり、そして、マクロ経済スライドも発動されましたからいわば百年安心ということが確保された、そういうような御答弁もされてきております。
大臣、百年安心だったんじゃないんですか。五年延長、これで負担も当然、納付期間が五年増えれば増えてくる。子育て増税で様々な負担増の議論もあって、今日、本会議でやるんですよね。百年安心だったはずの年金制度が僅か二十年で大きな見直しを行わざるを得ない、これをどういうふうに御説明されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/10
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011・武見敬三
○武見国務大臣 年金制度に関しましては、五年ごとに実際に検証を行うということになっていて、今回もその五年ごとの検証の一つとして議論が始まったものと理解をしております。
実際に、新聞等に出されている数字、これは、五年前の過去の数字で実際になされているということを承知をしているところであります。
次期年金制度改革については、これから財政検証を行うこととしておりまして、一定の前提を置いてオプション試算も行うこととしておりますが、昨日総理が答弁したとおり、基礎年金の拠出期間の延長を含めて、次期制度改正の内容については、現時点で何ら決まっていないんだということであります。
したがって、給付はもちろんのことでありますが、お尋ねの負担の問題についても、現在の段階ではまだお答えは控えさせていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/11
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012・柚木道義
○柚木委員 お答えをお控えになると言って、昨日も、私、ちょっと総理の答弁も、ある意味非常に無責任だと思いましたよ。
だって、これは、社会保障審議会での議論で、厚労省設置法、法律に基づいた審議会での議論で、そしてまさに、資料の五ページ目にもつけておりますけれども、法律で要請される現行制度に基づく財政の現況及び見通しに加えて、年金部会での議論等を踏まえた上で、一定の制度改定を仮定したオプション試算を実施したということで、まさに、社保審というのは、内閣総理大臣の所轄にあって、社会保障制度について調査、審議、勧告を行うと。こういう機関が出している提言、追加試算について、我が党の源馬議員が、総理の意向が反映されたものですかという問いに対して、私の意思が反映されているものではないというふうに全否定をされるわけですが、法律で位置づけられた審議会で出てきた、法律の要請に従ってですよ、そのことに対して、私の意思が反映されているものでも何でもありません、何も決まっていませんと。これは逆にひどく無責任な答弁ではないでしょうか。
是非、これ以降、社保審の中でも当然、財政検証は夏に向けて議論が進んでいくと思いますが、まさに子育て増税についても、子育て支援金というか、恩恵を受けない方からしてみれば負担金でしかないじゃないか、そういう議論もあるわけですよ、給料をもらっていない年金世代の方とか。しかし、これも令和八年度以降、八、九、十と支援金がどんどん拡大をしていく。
五年延長すれば、機械的に、当然、納付の月額掛ける十二掛ける五年で、大体百万円ぐらいになるんじゃないかと言われていますが、五年、納付期間が延長されれば、大体百万円ぐらい納付をこれまでよりも多く納めることになるという理解でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/12
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013・武見敬三
○武見国務大臣 委員御指摘の件でありますけれども、基礎年金拠出期間の延長については、前回の二〇一九年、令和元年の財政検証でも試算が行われております。具体的には、保険料負担が六十歳から六十五歳までの五年間で約百万円増加し、給付費も年間約十万円増加するという前提で試算が行われております。
こうした試算結果を踏まえつつ、関係者で議論した結果、五年前については制度改正には至らなかったものと承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/13
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014・柚木道義
○柚木委員 五年前はそうで、これから、納付期間が五年延長されれば百万円の負担増、これは様々、既に報道でも試算が出されておりますし、今日も資料の中で、賛否両方ついている方がいいのではないかと思いましたので、私の方でもその資料、お手元の資料の中で、フジテレビの方の報道をつけておりますけれども、九ページ目以降ですかね。
特に、その次のページなんかを見ていただくと、百万円多く払うことになって、五年も長く払えるだろうか、今もうだんだん仕事も年を取ってきて大変で、もうすぐ六十五歳どころか七十歳まで納付期間も延長されるんじゃないだろうか、結局、もらう頃には死んじゃっているかもね、これ以上働かなきゃいけないのか、年も取っていくし、体の自由が利かなくなるので大変だと。そして、次のページも、納めて、それで、もしかしたら将来三割減になって、しかも自分の人生のゴールポストがどんどんどんどん後ろへずらされていく、こういう不信感のようなものも今広がっているわけであります。
ちなみに、五年で百万円多く納めて、その分、給付も増えるんでしょうけれども、そのためには、まさに国庫負担、これが、この間の社保審や財政審の、私も議事録を拝見しましたけれども、例えば、このまま給付が、もちろん、納付期間が延長されて給付も増やすということになれば国庫負担の大幅な増加につながりますので、財源確保も併せて検討する必要があります、あるいは、基礎年金を増やすための財源確保として国民負担が増加する可能性があることをしっかり念頭に置かなければならない、こういう議論が出てきているわけでありまして、これは、財源確保のためには増税もあり得るということでよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/14
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015・武見敬三
○武見国務大臣 先日の四月十六日の厚生労働省の社会保障審議会年金部会での御議論をいただきましたのは、次期年金制度改正に関する検討の参考とするために、前回の二〇一九年の制度改正の際と同様に、これから財政検証を行うための一定の前提を置いたオプション試算を行うというものであり、基礎年金の拠出期間の延長を含めまして、次期年金制度改正の内容については現時点で何ら決まっているものではないということを改めて申し上げたいというふうに思います。
したがいまして、そうした仮定の御質問には今の時点でお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/15
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016・柚木道義
○柚木委員 なぜ、昨日の岸田総理、今日の武見大臣、こういう正式な法律に基づいた審議会で出てきている議論を、何かあたかもなかったことのように、何も決まっていないと否定されるんでしょうか。
今、まさに全国三か所で衆議院の補欠選挙が行われていて、しかも、まさに子育ての負担金のことも結局、増税隠しだという不信感を招いているじゃないですか、国民の。結局、これも年金の負担増隠しで、今行われている補欠選挙や、あるいは、岸田総理、六月にも解散するかもしれない、解散・総選挙で不利になる、そういう影響を恐れて、本当のことを国民に対して、子育て増税も年金の負担増も隠している、そういう姿勢なんじゃないんですか。大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/16
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017・武見敬三
○武見国務大臣 極めて、年金制度保障調査会の、年金部会の中で、五年ごとの財政検証というものに基づいて、そして、その年金部会の中での議論がちょうど始まった、その検証の議論が始まったというところでございます。これは極めて民主主義の中でのルールに従ったこうした意思決定のプロセスの一部であって、これについては、今現在の段階で、行政府で私の立場からコメントすることは差し控えるべきことと考えているというわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/17
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018・柚木道義
○柚木委員 是非、コメントを差し控えるということによる増税、負担増隠しはやめてください。国民にちゃんと、今の補欠選挙も含めて、判断、選択肢を与えてください。政治と金の問題も案を示して、判断材料、ちゃんと選択肢を与えてください。
その上で、小林製薬の問題も、昨日公表されましたが、資料にもおつけしておりますように、十二ページ、僅か一日で倍増しているわけですね。健康被害情報の報告、届出製品三十五件、延べ百四十七件。この中には小林製薬の紅麹コレステヘルプも含まれている、五件ですね。しかも、下痢の症状とか重篤な入院の例も含まれている。そういうものがありながら、この三十五件の内訳、例えば、一件で何十件も例が出ている可能性がある、そして、入院の事例、症状はどういうことなのか、しかも、残る一割は連絡も取れない、未回答の、こういうような状況。これは本当に私はゆゆしき事態だと思います。
是非、武見大臣、まず、この三十五件、延べ百四十七件については、個別の製品名でなくても結構ですので、製品ABCD、それについて、それぞれが、何件そういう健康被害が起こっていて、そしてどういう症状、症例で入院をしている、そういうことをちゃんと国民の皆さんに早急にお示しいただけませんか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/18
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019・武見敬三
○武見国務大臣 まずは、この発表された内容、これは消費者庁でございますので、お尋ねは是非、消費者庁の方にお願いをしたいというふうに思います。
厚生労働省におきましては、食の安全の確保を図る観点から、食品衛生法等に基づく対応が必要な場合には、これは当然のこととして、消費者庁とも連携をしながら適切に対応していくというのが私どもの基本的な立場であるということは、やはり改めて申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/19
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020・柚木道義
○柚木委員 まさに衛生法を所管する厚生労働省、商品の回収が必要になった場合には、回収命令は厚労省の所管ですから、まさに情報の公表、開示が遅れれば遅れるほど、今回の小林製薬のまさに失われた二か月、五人の方が亡くなった、こういう同じ轍を踏まないようにしていただかなければなりません。
今日、工藤副大臣にお越しいただいております。今申し上げたような、一体いつになったら、実際の製品の中の、ABCDでいいんですよ、内訳、一件で何十件も集中していたらまさにそれは、早く商品は回収しなきゃいけないかもしれない。厚生労働省は対応できないじゃないですか。いつになったら、そういう情報をしっかり公表していただけるのか。
そして、私は、本当に危機感を持っておりますのは、今回、要は、消費者庁への報告は必要ないという判断をしていた事業者が多いわけです。ちょっと二問まとめて聞きますけれども、私もいろいろ調べたりいろいろな関係者から情報をいただくと、何かこういう機能性食品のコンサルみたいな会社がいっぱいあって、そして、そのコンサルの会社の中には、こういうふうにうたっているんですよ。機能性表示食品検定協会さんというところがあって、今回の健康被害情報の調査報告書も請け負いますよと。そして、何と、消費者庁の審査担当者も卒業生ですので是非講座も受講してくださいと。そして、こういうようなコンサルを通さなかったら、結局、幾ら書類の形式が整っていても、届出が通るかどうかは消費者庁の胸三寸なので、裁量なので、はねられますみたいなことを堂々と書いてうたっているようなコンサルもあるんですよ。
こんな野放しで、本当にでっち上げで、論文も査読つきで採択されて、そういうことをまさにあっせんしているようなコンサルまであって、こんなことがあるからこういうような事態にもなっているんじゃないんでしょうか。そういうところへの改善策も含めて、いつ我々が求めている必要な情報を公表していただけるのか。五月末じゃ遅過ぎますよ。健康被害の商品の内訳、入院の症例。
そして、是非、何かコンサルで金もうけして、しかも場合によっては健康被害が拡大する、これは消費者庁とやり取りしているのではないんですか、こういうコンサルの方、卒業生がいるとうたって。ひょっとして、現役出向を含めて天下りみたいなことがあったりしないんですか。そういうもし不適切な関係とかがあるんだったら、それも改めることも含めて、答弁を一括してお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/20
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021・工藤彰三
○工藤副大臣 お答え申し上げます。
まず一点目でございますが、事業者ごとに報告内容にばらつき、重複報告の有無、情報の粒度等があり、精査が必要な状況であります。このため、追加的な聞き取り調査を行っているところであります。この追加的な調査も踏まえ、医師等の専門家により健康被害との因果関係も含めて分析の上、その結果を公表することとしたいと考えております。
なお、症例数が百件を超えているため、一定の時間を要することとなると考えており、五月下旬でなく、できるだけ早く、五月中旬をめどに、分析、取りまとめが済み次第、公にさせていただきたいと考えております。
機能性食品検定協会の件でございますが、機能性表示食品制度は、機能性の科学的根拠等の情報を、食品関連事業者の責任において、販売前に消費者庁に届出することによって機能性表示を可能とするものです。したがって、機能性表示の適正性についてはあくまで届出者である食品関連事業者の表示責任を求める制度であり、表示責任を負う食品関連事業者が届出前段階においてどのような主体に届出書類の作成支援を受けたかは、消費者庁としては関知しておりません。
消費者庁としては、法令に基づき、事業者から届出を受けた書類について、届出の記載事項に不備がないこと、所定の必要書類が添付されていること、その他届出の形式上の要件に適合していること等を確認した上で、届出番号の付与や届出情報の消費者庁ウェブサイトでの公表を行っております。
そして、天下りがあるんじゃないかというような話がありますけれども、そういう話は私の元には一切入ってきておりません。ただしでありますが、先生御承知のとおり、天下りというのは終わってすぐそのままですけれども、二回、三回、別で就職された場合、そのときに、消費者庁出身であった、その辺の情報等はつかめておりませんので、御理解賜りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/21
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022・柚木道義
○柚木委員 ちょっと、法案審議に行きたいので。是非、ちょっと、点検してください。何か、消費者庁の審査担当者も卒業生で、是非講座を受講してください、その上に、今回の緊急調査、相談に乗りますよとか書いてあったら、ここに相談して出せば、おとがめなしというか、問題なく、最後の駆け込みで倍ぐらいになっているのも、そういうのもあったのかなといぶかってしまいますので、是非、そういうことも含めて、まさに表示の適正化に努めてください。
ちょっと時間がありません。社会保険料の目的外使用については、昨日の子育て増税の議論でも大きな論点になっていましたが、今回、育介法についても、当然、雇用保険とか介護保険とか社会保険に関わってくる中で、今回の医療保険のように、私も、この間、大臣とも質疑させていただいてまいりましたが、一言で言えば、あらゆる保険というのは担い手がいなければ成り立たないわけで、担い手確保に資する場合は、今後も医療保険料や他の社会保険料の目的外使用というのはあり得る、そういう理解でよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/22
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023・武見敬三
○武見国務大臣 今回の支援金制度につきましては、これまで様々な、全ての世代で支え合う仕組みを構築してきた経緯であるとか、あるいは子供、子育て政策の拡充に要する費用を拠出することについて、次世代の育成によって国民皆保険が守られるという受益があることなどを踏まえまして、新たな、全世代での支え合いの仕組みとして構築するものでございます。
今回、子ども・子育て支援金を医療保険者が賦課徴収する保険料から拠出するということが保険料の目的外使用であるというふうには私ども考えておりません。
その上で、仮定の質問について一概にお答えすることは困難なんですけれども、年金保険料や雇用保険料を含めて、社会保険料は各制度の目的に沿った形でそれぞれの制度において徴収されるものであると認識をしております。こうした考え方に従って、特定の事業への充当を前提として保険料を賦課徴収することが各制度の目的の範囲内かどうか、これは丁寧に検討していく必要があると私どもは考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/23
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024・柚木道義
○柚木委員 ダブルスタンダードなんですよね、結局。目的外使用への門戸を開く答弁なんですよ、今。結局、社会保険料の目的外使用が増税隠しに使われているわけですよ。そういういびつな在り方ではなくて、ちゃんと国民の皆さんに、これはちょっとさっき時間がなかったから言いませんでしたけれども、年金が五年間で百万円負担増になるのであれば、子育て増税分の負担も含めて、ライフステージごとの負担増を、社保・税の一体改革のときは私もそういうことを、当時、与党側で答弁もさせていただいておりました。そういう姿勢を強く求めておきたいと思います。
今回、十五ページ目以降つけておりますけれども、育児の方もやりたいんですけれども、私は介護の法案提出者でもあるので介護の方にちょっと絞って申し上げますが、非常に、事業者への、様々な取組、努力義務である部分が多いんですね、いろいろな個別の制度の周知とか、テレワーク含めて介護期の働き方についてなど、情報提供などですね。これはどうやって実効性を高めていくのか。
あわせて、ちょっと時間がないので。我々は、当然、介護休業を利用しやすくすることは必要だと思っていますが、まさに訪問介護の基本報酬引下げによってどんどん事業者が潰れる、ヘルパーが離職する、そうすれば、介護休業どころか介護離職をせざるを得なくなる、九兆円の経済損失、そういう状況もある中で、育介法の中で、介護休業を利用するときの理由あるいは介護離職をせざるを得ないときの理由として、例えば、介護サービスが利用できない、ヘルパーが利用待ちとか、そういうことがどれくらいあるのか把握をされて、そして、それに対しての改善策も講じるべきだと思うんですね。
そのことも含めて、二点まとめて答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/24
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025・武見敬三
○武見国務大臣 仕事と介護の両立支援制度を必要とする労働者が適切に利用できるように、職場環境を整備することが極めて重要であります。
この法案におきましては、労働者が家族の介護に直面した旨を申し出たときに、企業の両立支援制度について個別の周知と制度利用の意向確認を行うことであるとか、両立支援に向けた雇用環境の整備を事業主に義務づけることとしております。また、措置の実施しやすさ、企業負担なども勘案をいたしまして、家族を介護する労働者がテレワークを選択できるよう、事業主に努力義務を課しております。
法案が成立した暁には、これらの措置が効果的に実施されるように、新たに設ける努力義務規定や企業が取り組むことが望ましい内容を定める指針も含めて、これをしっかり周知するとともに、都道府県労働局において事業主の相談に丁寧に対応しつつ、その対応状況を定期的な調査等により把握をして、企業における制度整備を着実に後押しすることで、仕事と介護の両立支援制度の活用促進に取り組んでまいりたいと思います。
これらの制度を通じて、いわゆるダブルケアを行う方々も含めて支援を必要とする労働者が仕事と育児、介護、両方きちんと両立できるように私どもは取り組んでいきたい、かように考えているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/25
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026・柚木道義
○柚木委員 終わります。今日できませんでしたが、次世代育成支援対策推進法の中で、例えば、育休の取得率など数値目標の設定を義務づける、私がお願いしたのは、当時、田村大臣が大変御尽力いただいて、男性の育休取得率は大変進んだんですが、まさに取得日数とか育児、家事の時間など、一日取れば率は上がりますので、そうじゃない、日数や時間、そして、男性がそこに当然女性の方とシェアすることで異次元の少子化対策も進んでいくと思いますので、そのこともお願いを申し上げまして、質疑を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/26
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027・新谷正義
○新谷委員長 次に、西村智奈美君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/27
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028・西村智奈美
○西村(智)委員 立憲民主党の西村智奈美です。
今回、育介休法と次世代法が改正になるということで、私はかねてから問題意識を持ってまいりましたのは、本当に取りたい方が例えば育児休業であったり介護休業であったりといったものを取れているのか、また、潜在的に、本来であれば取るべきというか取りたい方々も、いろいろ制度の壁があって、声を上げること、申し出ることをためらっているというような方もいらっしゃるのではないかということはずっと考えておりました。
そんな中で、やはり育介休を取るためにはというか進めていくためには、長時間労働の是正であったり、あるいは有期雇用の規制の見直しであったり、そういったものが必要だというふうに考えておりましたところ、今回改正案が出てきて、全般的に、評価できるところもあるんですけれども、考え方として、また、これまで指摘をされた点に対する対応として、やはりまだまだのところもあるというふうに思いますので、今日はそういったところを中心に質問したいと思います。
まず、育児休業の方について伺います。
正社員と正社員以外ではやはり育休の取得状況に差が生じているということは、これはもうデータの上でも明らかになっております。またあわせて、出産前後での雇用継続をしているという人の割合は、正規雇用者で約八割、ところが、非正規雇用者では約四割となっていて、いろいろな御事情はあるんだとは思うんですけれども、でも、これだけ出産前後での雇用継続に大きな差が出てしまっているということは、私は、労働者個々の問題というよりは、やはり制度上何か欠陥があるんじゃないかというふうに思っています。
やはり雇用の入口のところでそもそも差がついちゃっていますよね、正規雇用の人、それから非正規雇用の人。この入口で決められたコースがずっと続いていくと、せっかく育児休業制度が今回の改正も含めていろいろ改善をされていっても、何か、そのコースを越えられないというところでは間の差がずっと残っていってしまっているということは、やはりこれは私は問題じゃないかなというふうに思っています。
大臣自身の認識を伺いたいと思うんですけれども、取得したい、仕事をしながら育児もやりたいというふうに思っている人たちが育児休業などを取れるようにするという考え方を大臣も共有していただいているということでよろしいかどうか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/28
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029・武見敬三
○武見国務大臣 正規雇用であるとか非正規雇用であるとか、雇用形態というものにかかわらないで、男女が希望に応じて仕事と育児を両立しやすい職場環境を整備することは極めて重要だと考えております。
こうした課題に対応するために、令和三年の育児・介護休業法改正により、有期雇用労働者については、育児休業の取得要件のうち、事業主に引き続き雇用された期間が一年以上ある者という要件を撤廃をし、取得の要件を緩和することで、育児休業をより取得しやすいというふうにいたしました。
引き続き、育児休業の取得促進に向けた課題をしっかりと分析をしながら、正規、非正規、雇用形態にかかわらず、男女が希望に応じて仕事と育児の両立を図ることができるように取り組んでいきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/29
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030・西村智奈美
○西村(智)委員 令和三年の改正については私も評価しております。他方で、やはり、雇用継続の見込みがあるというところでは、一年六か月の雇用継続見込みという要件はまだ残っております。
今回の改正の前にも、昨年の六月にいわゆる研究会報告書が出されました。ここでも、有期雇用労働者に対する育休制度の周知、まあ周知なので、ちょっと私が考えていることとは違うんですけれども、周知が必要という文言は入っていたんですけれども、建議においては、有期雇用労働者についての言及は、プラチナくるみんの目標数値の引上げのみだということでした。
大臣は同じ考えだというふうに先ほども答弁くださったんですけれども、何か、本当にこれで非正規の人たちも休業を取れるというふうになっていくのか、今回の改正でやろうというつもりが本当にあったのかどうか、私はちょっと疑わしいと思っているんですけれども、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/30
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031・武見敬三
○武見国務大臣 令和四年度に厚生労働省が実施した調査によりますと、離職前に非正規雇用で働いていた女性について育児休業の取得状況を見てみますと、利用していた、及び、利用したことがなく利用希望もなかったの割合が四七%であるのに対して、利用したことがなかったが利用したかった、及び、制度がなかったという割合が四〇%となっております。
御指摘のような、いろいろな潜在的な育児休業取得希望者が存在するかについて把握するのは実は困難ではありますけれども、いずれにせよ、有期雇用労働者の方も希望に応じて育児休業の取得が可能とするように、厚生労働省としては当然に取り組んでいくべきことと考えます。現に、有期雇用労働者も要件を満たせば育児休業を取得できることを周知を徹底するということをこれからいたします。
そして、育児休業を取得した労働者の代替要員を新規に雇い入れた場合などに支給される両立支援等助成金において、有期雇用労働者が育児休業を取得した場合の加算措置を設けることなどの取組を通じて、引き続き、有期雇用労働者を含めて、雇用形態にはかかわらないで、育児休業を取得しやすい職場環境の整備に取り組んでいくという基本的な考え方に何の変わりもございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/31
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032・西村智奈美
○西村(智)委員 私は、周知だけでよいのか、あるいは職場の雰囲気づくりだけでよいのかというふうに疑問を呈しているわけなんです。
やはり、いつ何どき育児休業が必要になるか、あるいは、いつ何どき介護休業が必要になるかというのは誰にも分からないわけですから、本来であれば、どのような働き方をしていても、誰もが休業ですとか短時間勤務、こういったものを取得できる、そういう制度が必要なのではないかというふうに思うんですよね。同じやり方で少しずつ条件は、確かに条件は少しずつは緩和されてはいってはいるんだけれども、でも、やはり最初のコースが違うというところで、このまま同じやり方を続けていっても、非正規の人たちの、有期雇用の人たちの休業取得が増えるかどうかというのは、私はすごく疑問なんですよ。
さっき冒頭申し上げたとおり、鍵は二つだと思っていて、一つは長時間労働の是正、それから有期雇用の在り方を見直すことだと思っているんですけれども、長時間労働の是正の方から先に伺いたいと思います。
これも、昨年の研究会報告では、今後の基本的な考え方において、ライフステージにかかわらず、全ての労働者が残業のない働き方となっていることをあるべき方向性と示すということであったり、長時間労働が是正されることが不可欠だというふうに記載されています。
今回、法改正の中では、長時間労働の是正は次世代法でやりますと。企業規模による対象事業主の限定もある中の次世代法、しかも、内容は数値目標を事業主が設定するということにとどまっていて、これで長時間労働を、私は、大変申し訳ないけれども、根本的に是正できるとは思わないです、済みません。
本来は、もっとどっしりとした恒久法で、事業規模を問わず長時間労働を是正するような、そういった方策を取るべきだったのではないかと思いますけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/32
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033・武見敬三
○武見国務大臣 今回の法律の中でも、育児、介護などの事情のある労働者に限らず、職場全体として仕事と生活が両立しやすい職場環境を整備していくことが重要という認識がまずあって、今回の法案におきましては、次世代育成支援対策推進法の改正により、事業主が一般事業主行動計画を策定する際に、育児中の労働者以外も含めた労働時間の状況に関する数値目標の設定を義務づけることなどを盛り込んでおります。
それから、改正次世代法に基づく指針においては、行動計画に盛り込むことが望ましい事項として、育児等を行う労働者のみならず、業務を代替する周囲の労働者に対するマネジメントや心身の健康への配慮についても記載することとしております。
労務管理の専門家による中小企業への個別相談支援事業においては、育児休業等を取得する労働者のみならず、職場全体の業務の効率化にも資する相談対応も行っております。
こうした取組を総合的に推進をして、そして、引き続き、いかなるライフステージにもかかわらず、全ての労働者が仕事と生活を両立できる職場環境の整備を進めていきたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/33
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034・西村智奈美
○西村(智)委員 進めていくためにも、本当に次世代法でいいのですかと思うんですよ。やはり、十年たったら終わりになる考え方じゃないですからね。十年たって、本当に日本の社会の中から長時間労働が全くなくなっているのであれば、時限法でもそれはいいですけれども、そういう時限法じゃないでしょう、これは。
ちょっともう一回、長時間労働の是正については本当に、別のテーマにもなってきますけれども、考え直していただかないといけないと思います。
それから、有期契約労働者、有期雇用労働者の入口の問題なんですけれども、私、入口規制、これはどういう形でかはいろいろ議論があるとは思うんですけれども、やはりやっていくという姿勢を持ってほしいと思うんですよね。
育児休業からの切り口で入るんですけれども、有期雇用の労働者の育児休業は、やはり一年六か月という雇用継続見込みがないと取得できないわけなんです。だけれども、それで区別する理由も私は逆に言うとないというふうに思っていて、繰り返しになりますけれども、育児・介護休業制度の充実がこのままなされていったとしても、非正規や有期の育児休業の取得の例えば要件とかが今のままついているということであれば、やはり進んでいかないんじゃないかなというふうに危惧しております。
ここは、有期雇用の入口規制とともに、均等待遇の実現、これが必要ではないかと思いますけれども、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/34
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035・武見敬三
○武見国務大臣 有期雇用に関わることでありますけれども、合理的な理由がない有期雇用契約の締結を禁止することについては、公労使の三者でこれはもう既に丁寧に議論を行った結果、現行の無期転換ルールというのが定められて、そして、引き続きこうしたルールが適切に運用されるように厚生労働省として取り組んできているわけであります。
また、正社員への転換を希望する非正規雇用労働者については、正社員への転換に取り組む事業主への支援であるとか、あるいは在職中の非正規雇用労働者に対するリスキリングの支援であるとか、ハローワークにおける担当者制によるきめ細かな就職支援などによって、正社員への転換を促進していくということを着実に進めております。
さらに、同一労働同一賃金の遵守の徹底を図り、雇用形態にかかわらない公正な待遇を確保してまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/35
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036・西村智奈美
○西村(智)委員 教科書どおりの御答弁をいただきましたが、合理的でない差別というのは、これはそもそも文言が非常に難しいし、立証責任が労働者の方にやはりどうしても乗っかってくるんですよ。こういったところをやはり見直していかないといけないというふうに私は思っていますし、今のままですと本当に、出産前後で仕事を辞めている人はほとんど女性ですよ、男性は辞めていないでしょう。非正規の女性が特にやはり辞めているわけなんですよ。この大変理不尽な差というものがこれからも制度として残っていくということは、私は問題だということは申し上げたいと思います。
一つ具体的な、育児休業について、あるいは看護休暇について具体的なことを伺いたいと思います。
子の看護休暇については、取得可能日数が年間五日、子供が二人以上の場合は十日となっております。これは今回の法改正でも見直しがないんですけれども、私、小学生の息子がおるんですが、去年、風邪を二回引きまして、一回当たり三日ずつきれいに休みまして、六日になっちゃったんですね。今、インフルエンザに罹患すると五日休まないといけないですよね。やはり年間五日では足りないのではないかという声は多くの方から私たちも伺っておりますし、今回の改正で小学校三年まで延長するというのは当然のこととしても、もっと延長してほしい、こういう声もたくさんあります。
これらについて、二点について、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/36
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037・武見敬三
○武見国務大臣 今回の法案において、労働政策審議会での議論を踏まえまして、男女共に仕事と育児を両立できるようにするために、子の看護休暇の見直しを行うこととしております。
子の看護休暇の対象年齢、これは、十歳以降の子と九歳までの子が診療を受けた日数の状況であるとか、子育て中以外の他の労働者との公平感それから納得感が課題であることなどと勘案いたしまして、小学校三年生修了までとしております。
子の看護休暇の取得日数につきましては、子の病気のために一年で利用した各種休暇制度の取得日数等の状況であるとか、それから、子の看護休暇の平均利用日数が女性の方が多く、男女共に取得されるよう促進することが必要であるということ等に鑑みまして、現行の日数についてはこれを維持するということにさせていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/37
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038・西村智奈美
○西村(智)委員 子供の看護のために有休を使っている方、結構いらっしゃると思うんですよね。でも、本来の趣旨とはそれは違うと思うので、是非、今後の課題としてテイクノートしておいていただきたいと思います。
次に、介護休業の方について伺います。
介護離職者が十万人。かつて、介護離職ゼロというようなかけ声がありましたけれども、あのかけ声は一体どこに行ってしまったんでしょうか。介護休業そのものは、取得率が今一・六%ですね。この原因究明というのが私は今後の対策のためにも極めて重要だと思っております。
やはりここでも正規と非正規の差というものは歴然と出てきております。介護休業の取得率、それから介護休暇の取得率、フレックス、時差出勤の取得率、ここにおいて差が出てきているのとともに、勤続六か月未満の労働者に対する介護休暇の適用状況は約四割というふうに大変低くなっているわけなんですよね。
これでやはりいろいろ影響が出てくるんじゃないかなと思うんですけれども、介護離職している方が総務省の調査ですと大体十万六千人というふうに伺っていますが、正規雇用から介護離職した方、それから非正規から介護離職した方、それぞれどういった数字になっているか、答弁いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/38
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039・武見敬三
○武見国務大臣 済みません。今、現状では、その数字、把握をしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/39
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040・西村智奈美
○西村(智)委員 昨日通告はしておいたんですけれども、じゃ、ちょっと私の手元に数字が来ているんですけれども、介護離職の方が十万六千二百人、うち雇用者が十万五百人、うち正規の職員、従業員が三万二千人、そして非正規の職員、従業員の方が六万七千七百人。やはりここでも非正規から離職している人が圧倒的に多いんですよ。正規から離職している人がざっくり言って三万人、非正規から離職している人が七万人ですから、こういう差が出てきているわけなんです。
ここで、仕事を辞める理由となったことを厚労省もデータを取っておられるんですけれども、勤務先の問題ですというふうに答えられた方のうち、勤務先に両立支援制度が整備されていなかったという回答が六三・七%となっています。他方で、ほかのデータによると、介護休業制度の規定が七二・八%の事業所で整備されている、こういうデータもあるんですよね。
いろいろな事業所の規模などによって出てくるのかなと思うんですけれども、両立支援制度が整備されていないという数字が結構大きいのが気になりまして、それでちょっとお伺いしたいんですが、規定を設けている事業所で、そこで働く労働者は両立支援制度などをどの程度知っているのか。就業規則があるにもかかわらず、介護休業を取得できなかった人がどのくらいいらっしゃるのかということも知りたくての質問なんですけれども、これについてはどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/40
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041・武見敬三
○武見国務大臣 今、厚生労働省の中での、そうした状況の把握ができていないというのが現状のようであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/41
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042・西村智奈美
○西村(智)委員 つまり、この程度のデータもないんですね。それで介護休業を、今回法改正ということなんですけれども、私は、やはりまずデータをきちんとそろえてほしいなと思いますね。
今回の法改正では、研修や相談窓口の設置等による雇用環境の整備が、いずれか一つということで措置義務になっているんですけれども、データがない中で、こうやって幾つかの、三つですか四つですか、その例示の中でいずれか一つをやるということで、本当に十分周知ができるのか、規定を整備することができるのか、これは甚だ疑問なんですけれども、これについては、大臣、どうお答えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/42
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043・武見敬三
○武見国務大臣 介護のための両立支援制度の検討に当たりましては、令和三年の育児・介護休業法改正により設けられた育児休業制度における雇用環境整備の履行状況も踏まえながら検討を進めております。
令和三年の育児・介護休業法改正では、育児休業に関して個別の働きかけの取組がある場合は、そうでない場合に比べて育児休業取得率が高くなっていたことなどの調査結果を踏まえまして、育児休業の個別周知や、育児休業を取得しやすい雇用環境整備の措置が設けられたところでございます。
雇用環境の整備につきましては、いずれか一つの措置の実施が義務づけられておりますが、具体的な措置の履行状況を見ますと、育児休業に関する相談窓口の設置、それから労働者に対する育児休業に関する制度と育児休業の取得促進に関する方針の周知の実施率が高く、企業規模によって異なるのではありますけれども、おおむね五割程度というふうになっております。
このような履行状況を踏まえまして、今回の法案では、介護離職の防止のために、介護に直面した労働者への個別の周知などに上乗せする形で、雇用環境の整備のいずれかを事業主に義務づけるとしているわけでございます。
引き続き、仕事と介護を両立できる環境の整備を目指していきたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/43
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044・西村智奈美
○西村(智)委員 つまり、私、先ほども聞きましたけれども、規定を設けている事業所で、そこで働く労働者がどの程度両立支援制度を知っているのかというデータもない中で今のような御答弁をいただいても、何かふわっとしていて、本当にこれでどのくらい周知が徹底されるのかというのは極めて怪しいなと思っているんですよ。
今回の改正について、この点の改正については、育児休業についても、令和三年の改正によって同じようにいずれか一つを措置しなさいということで義務規定となったということなんですけれども、これもデータがないわけですよね、今まだ。令和四年四月からの施行で、令和四年十月のデータはあるんだけれども、十月のデータはあるんですよ、でも、四月の施行で十月ですから、やはり状況がよく分からないということなので、更にもっと必要だという判断もあり得るのではないかというふうに思うので、きちんと、今回の改正前とそれから改正後のデータを是非取っていただきたいということをお願いします。
ちょっと時間があれですので、先に進みます。
介護のために仕事を辞める理由の二番目に多いのが、アンケートによりますと、介護保険サービスや障害福祉サービス等が利用できなかった、利用方法が分からなかったなどのサービスの問題だと回答している方々が三〇・二%おられます。これは、利用者にとっても、介護や障害福祉などのサービスが安心して受けられる環境、それから、そういった事業者などからも広報される情報提供、こういったものは極めて重要だというふうに私は考えております。ですけれども、アンケートで三〇・二%というふうにお答えになられているとおり、現状はなかなか厳しいというところなんでしょう。
それで、今回、議法として二法案、緊急提出されておりますけれども、この二法案について伺いたいと思います。
まずは、訪問介護緊急支援法案についてですね。
訪問介護のみならず、介護、障害福祉分野は全体的に経営が厳しくて、人手不足も深刻であります。そのような中、今回、あえて訪問介護だけに向けた緊急支援法案を提出した理由を伺いたいと思います。
今回の訪問介護の基本報酬の引下げについては、この委員会でも多くの委員から懸念が示されたところでありますが、今の状況を放置すれば将来的にどのような影響が生じるとお考えか、提出者の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/44
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045・早稲田ゆき
○早稲田議員 西村智奈美議員にお答えいたします。
介護、障害福祉分野は全体的に経営が厳しく、人手不足も深刻であります。令和六年度介護報酬改定では、介護報酬全体としては一・五九%の引上げとなったにもかかわらず、訪問介護サービスの基本報酬は約二・四%引き下げられました。訪問介護事業者からは、新たな処遇改善加算を最大限取得しても収支がマイナスになるとの声が上がっています。
実際に、二〇二三年の訪問介護事業者の倒産件数は過去最多の六十七件であったことや、訪問介護事業の求人倍率は十五倍を超えていること、特に訪問介護事業においては現状でも全産業平均との給与格差が月収で約六万円もあることからも、訪問介護業界の事業経営が困難な状況であり、人手不足が深刻な状態であることは明白であります。
訪問介護の提供体制を確保し、ひいては利用者及びその御家族の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするため、今年度の介護報酬改定により基本報酬が引き下げられた訪問介護事業者に対して緊急的な支援を行うため、本法案を提出いたしました。
また、今般の基本報酬の引下げにより、訪問介護事業者の収益の見込みが低下し、事業の縮小、撤退、新規参入の見合せなどが既に発生しており、訪問介護事業の経営に影響が生じております。実際、知り合いのケアマネから、訪問介護事業所を閉鎖をすると多く聞いております。特に、地域を回っている小さな事業者のお話を聞きますと、そうしたところにはもうヘルパーさんが来ない、辞めてしまう、そういうことから閉鎖に追い込まれているということであります。
さらに今の状況を放置すれば、訪問介護事業者の倒産や介護事業者の離職、それに伴う介護離職や介護難民の増加が想定され、在宅介護の崩壊を招きかねません。また、二〇三〇年時点で約九兆円に迫ると推計されるビジネスケアラー発生による経済損失が更に拡大するなど、国民生活全般に甚大な影響を及ぼすことが予想されます。
こうしたことから、緊急的な対策が必要不可欠と考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/45
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046・西村智奈美
○西村(智)委員 やはり、訪問介護を始めとするいろいろな事業がきちんとサービスとして存在するということの維持のために、是非よろしくお願いしたいと思っております。
次に、介護・障害福祉従事者処遇改善法案についてです。
介護、障害福祉分野における担い手不足はかねてからの問題でありまして、私どもとしては、保育における処遇改善と併せて法案を提出してきたという経緯がございます。
今回、法案の再提出に当たって、政府は他業種の従事者の賃金と同等の水準を目指して賃金を改善するための措置について検討する旨の検討規定を新たに設けておりますが、この規定を新たに設けた理由について伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/46
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047・早稲田ゆき
○早稲田議員 お答えいたします。
令和六年度の報酬改定では、介護、障害福祉従事者の更なる処遇改善が図られていますが、いまだ十分とは言えない状況です。
介護、障害福祉サービス分野の人手不足は深刻であり、特に訪問介護事業においては、有効求人倍率は十五倍を超える高い水準となっています。介護、障害福祉職員の処遇改善が不十分な状況が続けば、賃金水準の高い他業種への更なる人手の流出を避けることはできません。その結果、人手不足による介護、障害福祉サービスの質の低下が発生し、サービスの利用者のみならず、その家族にも深刻な影響を及ぼすこととなります。
そこで、政府の処遇改善に加えて、全ての介護、障害福祉事業所で働く全ての職員に対して、一人当たり平均月額一万円賃金を引き上げるための措置を講ずることを内容とする法案を令和四年に提出をいたしました。しかし、近年の他業種における高い水準での賃上げの流れもあることから、月額一万円の賃金の引上げに加え、他業種の従事者と給与格差を少しでも縮めることが、埋めることが、対策が急務となっております。
こうした社会情勢を踏まえて、他業種の従事者との給与格差を埋める取組を政府に下すために、この法案に新たに検討規定を設けることとし、この度改めて法案を提出したことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/47
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048・西村智奈美
○西村(智)委員 是非、安心して育児や介護も、また仕事もできるという環境整備を私どもも一緒にしていきたいと改めて思っております。
ちょっと時間になってまいりましたので、機能性表示食品の問題について質問をさせていただきます。
お配りしている資料ですが、これは昨日の我々立憲民主党のPTに提出をされた紙なんですけれども、この紙一枚に大変大きな問題が凝縮されているなというふうに思うんですよ。
まず、この緊急の確認というのは四月の十二日が期限だったはずです。ですけれども、四月の十六日二十四時の時点であっても、回答を全ての事業者が行っていない、それからメールすらも届かない事業者がある、また、最後になって駆け込みで、健康被害情報がありましたということで報告数が増えているということで、私、すごい唖然としたんですよ。
こんないいかげんな状況で機能性表示の制度が運用されていたのかということですよね。しかも、メールが届かない事業所については、もしかしたらもう廃業しているかもしれないですよね。だけれども、今これはどういうふうになっているのか分からないということが今の消費者庁のお答えなんです。
消費者庁に伺います。
メールが届かなかった事業所、あるいは今現在でも回答していない事業所、あるわけですけれども、これはどう思いますか。どう思いますかというか、どう対応しているのかというのと、やはり、管理が余りにもずさんで、今なおこの事業所とそれから届出製品情報については、消費者庁のホームページにまだ掲載されているんですよね。販売されているんですよね。どうなんでしょうか。確認させてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/48
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049・工藤彰三
○工藤副大臣 お答え申し上げます。
メールが届かなかった事業者数は十七であります。現在、その事業者に対し、法務局に問い合わせている、調査を行っているところであり、届出をしたまま廃業した事業者がいると想定されていることや、販売状況についてのデータが未更新の製品が一定数あることは課題であると認識しております。
機能性表示食品の届出情報のデータベースについては令和七年度より新たなシステムに移行する予定であり、この時期に向け、改善すべき事項について検討してまいります。他方、早急に対応できるものについては、新システムへの移行を待たずに改善することも検討する必要があると考えております。
いずれにせよ、消費者庁といたしましては、今回の事案を受けた機能性表示食品制度の今後の在り方について、五月末までをめどに方向性を取りまとめていくべく、スピード感を持って検討を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/49
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050・西村智奈美
○西村(智)委員 余りにも無責任で、ちょっと本当に憤りを通り越しているんですけれども、少なくとも、今、消費者庁のホームページに載っている届出情報については、既に誤りがあるということですよね、実態と違うことがあるということですよね。
機能性表示の制度というのは、消費者庁がそうやって情報を公開して、それによって消費者に判断をしてください、そういう前提の、私はこれもどうかと思いますけれども、国民の口に入るもの、しかも濃縮されているものが多いという中で、本当にどうかと思いますけれども、でも、一応、消費者としては、ホームページに載っている情報を消費者から見ていただくということが前提だったわけなんだけれども、その中に、今、もう既に誤り情報があるじゃないですか。売っていないもの、あるでしょう。もう廃業している業者もあるでしょう。
既に情報が違う、届出情報の誤りがあるということ、情報提供に誤りがあるということを消費者庁としては反省して、まず、国民の、消費者の皆さんにおわびをすべきじゃないですか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/50
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051・工藤彰三
○工藤副大臣 お答え申し上げます。
届出をしたまま廃業した業者がいると想定されていることや、販売状況についてデータが未更新の製品が一定数あることは課題であると、当然ながら認識しております。
機能性表示食品の届出情報のデータベースについては、私、事細かに全てホームページを見ておりませんが、早急に改善すべきだ、当然、御指摘のとおりだと考えております。
そして、前も申し上げたとおり、食品であり、口から入れるものでありますから、絶対的な、信頼されるようにしっかりと是正する、そういうことを副大臣としては、消費者庁に戻り、指摘して、指導したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/51
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052・西村智奈美
○西村(智)委員 副大臣らしい、本当に責任感のある答弁をいただいて、ありがとうございました。
さっき自民党の議席の方から、もう売っていないじゃないかと。そんなの、分からないじゃないですか。売っているもの、あるかもしれないですよ。
だって、ごめんなさいね、健康被害情報の報告の届出製品三十五、延べ百四十七件、この中で、今売っているもの、あるんでしょう。どうですか。確認させてください。今売っているもの、販売しているもの、あるんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/52
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053・依田学
○依田政府参考人 今回の調査対象は、まさに届出食品ということで、まさに届出をされているということは、販売中の届出食品を対象としたものでございますので、事細かに、売上げとかそういうものは私どもは知る立場にはございませんけれども、流通が前提というものを調査対象とさせていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/53
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054・西村智奈美
○西村(智)委員 だから、いいかげんな不規則発言はやめてください。
それで、ガイドラインなんですけれども、おそれが考えられるという消費者庁の認識ですよね。私はやはり、ガイドラインにあるとおり、入手した情報が不十分であったとしても速やかに報告することが適当だと事業者に求めている文章ですから、消費者庁が、ガイドラインが破られて遺憾だぐらいは言うべきじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/54
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055・工藤彰三
○工藤副大臣 お答え申し上げます。
西村委員のおっしゃるとおりでございまして、今回の事件を受けまして、今までの消費者庁の在り方を、しっかりと早急に、検討するだけじゃなくて、スピード感を持って対応しなければ、また今後大変なことになるというふうに私は考えておりますので、責任を持ちまして対応させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/55
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056・西村智奈美
○西村(智)委員 ありがとうございます。
まだちょっと質問したかったこともありましたが、時間になりましたので、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/56
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057・新谷正義
○新谷委員長 次に、大西健介君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/57
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058・大西健介
○大西(健)委員 立憲民主党の大西健介です。
私も、ちょっと法案の質問に入る前に二問だけ別の質問をさせていただきたいんですが、一つは、先ほどの年金の話で、これは柚木さんがかなり詳細にやりましたので、それに更問いという形でちょっと一問聞きたいんですが。
先ほど、大臣の答弁でも、もし納付期間を延長すれば単純計算で百万円ぐらい負担になるけれども、給付も年間十万円ぐらい増えるんだという話がありました。確かに、納付期間が延びても給付が増えれば、それはある意味プラスの部分もあるかもしれないということで、特に基礎年金の部分については国庫負担が二分の一入っていますから、そこは必ずしも、もちろん分かりませんけれども、年金受給者が一方的に損する話じゃないのかもしれないんですが。
先ほど柚木さんが配られた資料、二〇一九年の財政検証のときの追加試算の中には、追加試算3として、例えば、延長期間六十歳から六十四歳に係る給付に国庫負担がなく、全て保険料財源で賄う場合というのも入っているんですね。
そうなると、これはやはり、単純に負担が重くなるんじゃないかと思うんですけれども、まさにこの六十歳から六十四歳については国庫負担なしみたいなことも選択肢としてあり得るんですか。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/58
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059・武見敬三
○武見国務大臣 先ほどから議論になっているのは、五年前の検証のときのオプション試算でございます。先日の社会保障審議会の年金部会での御議論ということについては、次期年金制度改正に関する検討の参考とするために、前回の二〇一九年の制度改正の際と同様に、これから財政検証を行うための一定の前提を置いたオプション試算を行うということになります。
したがって、次期年金制度改正の内容については、現時点では何も決まっていないものでありますから、現状ではコメントができないということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/59
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060・大西健介
○大西(健)委員 さすがに、国庫負担は六十歳から六十四歳はやりませんというのは、これは本当に、一方的に負担が増える話にもなりかねないという話なので、そもそも私はそのオプションにも加えるべきじゃないというふうに思います。
次に、紅こうじサプリの健康被害問題について一問お聞きをしたいんですが。
この紅こうじサプリの機能性関与成分というのは、届出上は、紅こうじポリケチドということになっているんですね。ただ、これは総称名であって、届出書類の中を見ると、米紅こうじのLDLコレステロール産生阻害作用はモナコリンKの作用によるものというふうに説明が書かれています。
このモナコリンKというのは、別名ロバスタチンといって、WHOが医薬品成分として位置づけているんです。アメリカ、カナダ、オーストリアなどでは医薬品として販売されています。藤田医科大学の長村名誉教授も、有効成分として入っている物質の本体は医薬品である、医薬品が医薬品名で届けたら駄目なのに、医薬品を含む総称名なら機能性表示食品の場合オーケーという事実に私は違和感がある、こういうふうに述べられています。
これはかなり、私は問題じゃないかと思います。つまり、医薬品成分が機能性表示食品として売られているということ、これは根本的な問題だと思うんですけれども、まさに医薬品と食品を所管している武見大臣、いかがお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/60
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061・武見敬三
○武見国務大臣 この事案に関わる製品、米紅こうじポリケチドが機能性関与成分として含まれており、モナコリンKは、そのうちの成分の一つであるということを承知しております。このモナコリンKは、別名ロバスタチンとも呼ばれており、ロバスタチンは米国などでは医薬品として承認されていると承知しておりますけれども、我が国では医薬品としては承認されておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/61
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062・大西健介
○大西(健)委員 まさに、さっきも言いましたけれども、紅こうじポリケチドというのは総称名で、言ったら、紅こうじがつくる化合物ぐらいの意味だそうなんですよ。実際にはロバスタチンなんですよ。ロバスタチンは、ほかの国では医薬品なんです。
医薬品がこうやって、医薬品としては我が国は未承認なのに、未承認の医薬品が機能性表示食品だったら売れちゃうというのは、これはおかしくないですか、大臣。もう一度答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/62
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063・武見敬三
○武見国務大臣 これは、医薬品として国内外で承認されている成分を含んでいるものであっても、食品としての食経験というのがそれぞれの国の食文化の中にあってそれで食品と認識されているものは、食品と医薬品との区分の基準に従って、医薬品として規制はしていない、こういうものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/63
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064・大西健介
○大西(健)委員 これはWHOも医薬品として位置づけているもので、先進国各国で医薬品になっているんですから、それが、医薬品では未承認なのに機能性表示食品ではオーケーになるというのは、本当にやはりおかしいと思いますよ。制度の根本的な欠陥というふうに思いますので、今後、制度の抜本的見直しを我々は求めていますけれども、しっかりそこは見直していただきたいと思います。
それでは、ちょっと法案の質疑に移りますけれども、まず、訪問介護緊急支援法案の提出者に伺いたいと思います。
訪問介護の基本報酬の減額で最も影響を受けるのは、小規模の事業者です。すぐにでも対応しないと、地方で訪問介護サービスを担う小規模事業者がばたばたと倒れてしまったら多くの人が介護サービスを受けられなくなってしまうのではないかという強い危機感があります。これは、我々の仲間の地方議員なんかからも多く寄せられています。
本法案では、訪問介護事業支援金の支給のための財政上の措置を政府に求めるほか、三年後の次期改定を待たずに、できる限り早い時期に、訪問介護に係る報酬改定等の措置を講ずるものとしています。そして、当該改定に当たっては、事業規模ごとの訪問介護事業者の収支の状況及び地域の実情について政府は配慮しなければならないと規定していますけれども、そのような規定を設けた理由について、提出者に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/64
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065・山井和則
○山井議員 御質問ありがとうございます。
訪問介護の基本報酬の引下げというものに関しては、与野党、本当に危機感は共通していると思いますので、是非超党派で取り組みたいというふうに思っております。
今回の御質問に当たりましては、これは、訪問介護事業の収益の見込みが低下し、訪問介護事業の将来性に期待できず、事業の縮小、撤退、新規参入の見合せなどが既に発生しており、訪問介護事業の経営に深刻な影響が及んでいることを踏まえ、早急な対策が必要であると考えております。
その上で、御指摘の訪問介護事業者の事業規模ごとの収支の状況について配慮規定を設けたことについてでありますけれども、事業規模によって介護事業者の収支差率に大きな差があるということから、事業規模に配慮して行うべきだと考えたためです。
また、もう一点、地域の実情についての配慮規定については、訪問介護の利用者の居宅が広範囲に点在し、移動に時間がかかる地域がある一方、居宅が近在して効率よく訪問できる地域もあり、このような地域差があることにより交通費などの経費や業務効率に差が生じることも考えられることから、地域ごとの特性に配慮すべきであると考えるためであります。
今回のホームヘルパーの基本報酬の引下げというのは、歴史的な大失策になりかねません。将来的に日本で訪問介護が受けられない、あるいは在宅介護が崩壊した、まさに今法案の介護休業が終わっても在宅介護ができないというふうなことになったときには、私たちは、与党も野党も責任を取らねばなりませんので、修正することも含めて、是非、与野党協力して成立させていただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/65
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066・大西健介
○大西(健)委員 私も、やはり三年後の次期改定は待っていられない、それまでに介護サービスができなくなっちゃったら、これは本当に、まさに歴史的な失策になってしまうというふうに思います。
次に、介護・障害福祉従業者処遇改善法案の提出者に伺いたいと思います。
私の地元愛知県の西三河地域、自動車産業が集積をしていて、非常に高い時給で期間従業員等を募集をします。今年もトヨタ自動車を始め自動車関連大手では春闘でも高い賃上げが実現しており、介護や障害福祉で働く方々と製造業で働く方の賃金格差が今までより以上に開いているような、そんな状況であります。そうした中で、介護、障害福祉の業界では、他業種との賃金格差により人材が流出するという問題に直面をしています。
今回、このタイミングで介護・障害福祉従事者処遇改善法案を提出することは、私は時宜にかなっていると思いますけれども、法案の再提出に至った理由、背景について、提出者に改めてお聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/66
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067・山井和則
○山井議員 介護、障害福祉従事者の賃金については、大西委員御指摘のように、他産業の賃金と比較してまだかなり低い水準にあり、統計によっては、月八万円低いとか、月六万円低いとか、非常に深刻な事態となっております。同時に、今回の春闘でも他業種の賃上げ率は高い水準となっており、格差は拡大しております。このような状況であればますます介護、障害福祉の現場から人が離職していくということで、人手不足が加速してしまうことになりかねます。
我が党としては、政府の処遇改善に加えて、全ての介護、障害福祉事業所の職員に一人当たり月額平均一万円の賃金を引き上げる措置を講ずる内容の法案を令和四年に提出しましたけれども、しかし、ますます深刻な事態になっていることから、今回、近年の他業種における高い水準での賃上げの流れもあることから、月額で一万円の賃上げに加えて、他業種の従事者との給与格差を少しでも埋める対策が急務となって、今回の法案提出になりました。
二〇〇八年にもこの法案を当時の民主党は提出をしたわけですけれども、その際には、ここにありますけれども、介護従事者処遇改善法案というのを与野党合意して、委員長提案で提出して、それが翌年の介護職員の処遇加算につながったという実績もありますので、与野党対決ではなく協力して、是非今回も前向きな結論が得られたらと願っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/67
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068・大西健介
○大西(健)委員 是非、与党の皆さんにも御協力をお願いしたいと思います。
議員立法提出者への質問は以上ですので、離席をしていただいても結構でございます。
続けて、政府案について質問しますけれども、配付資料の一ページ目を御覧をいただきたいと思うんですが、これは、くるみん認定を取っている企業が取得を継続したいかどうかということを聞かれたアンケートですけれども、今後も認定取得を継続したいかということについて、したいと思わないというのが一一・三%、一割以上いるということです。
次のページを見ていただくと、では、このくるみん認定の課題は何なんだということですけれども、認定の具体的なメリットを増やしてほしい五一・五%、くるみんの社会的認知度を高めてほしい五一・五%、認定手続の負担軽減を図ってほしい五四・四%、この三つが非常に多くなっているんです。
そこで、例えば学生のくるみんマークの認知度、これがどの程度あるのか、これについてお聞きをしたいと思います。また、認知度を高める努力として何をしているのかについても併せてお答えいただきたいと思います。参考人からで結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/68
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069・堀井奈津子
○堀井政府参考人 お答えいたします。
まず、くるみん認定制度につきましては、企業が次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の策定、届出を行い、その行動計画に定めた目的を達成するなどの一定の要件を満たした場合に、子育てサポート企業として認定をするものでございます。令和五年九月末時点でくるみん認定企業数は四千三百十三社で、着実に数を増やしてきております。
また、若い世代に関する御質問がありましたが、若い世代を中心として、男女共に、育児休業制度を始めとした仕事と育児の両立支援制度の関心が高い傾向にあります。
これは、私ども厚生労働省ということで具体的に調査をしたものではないんですが、例えば民間企業などで関連の調査をしたもので、企業選びの際に若い方がくるみんやプラチナくるみんを知っているかどうかという調査をしたものを見たことがございます。それでしたら多分、六割、七割ぐらいがその調査では、知っているというふうに答えたというふうな状況だったというふうに記憶しています。
いずれにしましても、こういった形で若い世代の方々は関心が高うございますので、くるみん認定企業は、企業の選択を学生がするときにも意識をされているものというふうに認識をしているところでございます。
そして、実際に企業にお伺いをしますと、学生や求職者に対するイメージアップ、時間外労働の削減が進んだ、年次有給休暇取得率が上昇した、出産、育児を理由とした退職者が減少した、こういったことをメリットとして挙げているところが多うございます。
厚生労働省といたしましては、くるみんを広めていくために、ホームページの両立支援のひろばでの好事例の展開や、各都道府県の次世代育成支援対策推進センターの推進員、こういった方々による周知啓発を行うことなどによりまして、引き続き事業主、求職者双方への周知に取り組んでまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/69
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070・大西健介
○大西(健)委員 私が言ったのは、取っている企業の一割が継続したくないと言っていて、その課題の中で認知度を高めてほしいと言っているんですから、だから、認知度がどれぐらいあるのかぐらいはちゃんと厚労省で調べて、そして認知度を高める方策ももっと具体的に考えた方がいいんじゃないですか。認知度が高まらないと、メリットも出ないわけですよ。ですから、そこは今の御答弁では全然不十分じゃないかなと思います。
次に、育児休業の取得状況の公表義務について、これは先ほど柚木委員が質問の最後で言われるだけ、要望として言われましたけれども、私も同じことを考えていて、取得率のみを公表しても、仮に数日でも取得すればこれは取得率に反映されてしまうので、企業が育休取得を促進することを示す指標としては不十分じゃないかと思いますけれども、この点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/70
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071・堀井奈津子
○堀井政府参考人 お尋ねの期間の設定に関してでございますが、育児休業は、男女問わず労働者が希望する期間で取得できる労働者の権利でございます。したがって、取得期間の公表を義務づけるということなどはしていないところでございます。
一方で、今回の改正でも、次世代育成支援対策推進法の枠組みの中で、男性の育児休業取得期間に関する適切な目標が設定されることが望ましい旨を示す、あるいは、くるみんの認定基準でそのような取得期間の延伸を促進をするということをしております。
引き続き、男女が希望する期間の育児休業を取得できるように進めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/71
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072・大西健介
○大西(健)委員 先ほど柚木さんもおっしゃっていましたけれども、私もやはり取得率だけでは不十分だと思います。
次に、三歳以上の就学前の子を養育する労働者に、二以上の措置を選択して講じて、一つを選択できるようにすることとしていますけれども、労働者が望む措置がその選択肢の中に含まれていない可能性もあるというふうに思います。
事業主が措置を選択する際には、労働者のニーズ把握として、過半数労働組合、その労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者からの意見聴取が義務づけられていますけれども、それで実効性あるニーズ把握が可能かどうか、このことについてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/72
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073・堀井奈津子
○堀井政府参考人 大西委員御指摘のように、今回の措置につきましては、子供を育てる労働者のニーズのみならず、制度利用者がいる職場の体制等にも関係をするものでございますので、労働者の代表者として過半数組合、事業所に過半数組合がないときは、その労働者の過半数を代表する者から意見を聞かなければならないということにしています。
これと併せまして、育児当事者等からの意見聴取や労働者のアンケート調査の活用も並行して行うことも、きめ細やかなニーズ把握に資するというふうに考えられることから、望ましい措置として指針で示すということを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/73
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074・大西健介
○大西(健)委員 そうですね。指針とかでそういうきめ細やかなことを示していただきたいと思います。
ちなみに、過半数代表、今も、過半数組合がない場合には過半数代表に意見聴取ということですけれども、この過半数代表というのは、労使協定の締結を通じた法定基準の解除など重要な役割が与えられていて、近年、過半数代表者が関与する制度というのが増加してきていますけれども、現在、労働関係法規の中で過半数代表者が関与する仕組みがどれぐらいの数あるのか、概数でいいので教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/74
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075・鈴木英二郎
○鈴木政府参考人 御質問の点につきましては、厚生労働省で今年の一月から開催しております労働基準関係法制研究会の資料として、事業場の労働者の過半数代表が関与する制度をお示ししておりまして、これによりますと、労働基準法等、関係法令も含めまして、その数は五十七件となってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/75
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076・大西健介
○大西(健)委員 今、五十七件という話がありましたけれども、労働組合の組織率がだんだん低下してきている中で、過半数労働組合が存在しない事業場というのが増えてきています。労働者代表は、特に中小企業等、規模の小さな会社においては、多くのケースで、使用者が指名をするとか、親睦会の代表者が自動的に過半数代表になるというような方法で選出されているという実態があって、これで従業員の意思が適正に反映されているかというと、疑問があります。
職場における労働者代表は第一義的には労働組合だと思いますけれども、ただ、それがない場合には、労働者代表制をちゃんと法整備できちんと位置づけていく必要が私はあるんじゃないかと。さっきも言ったようにもう五十七もこの仕組みが入っているわけですから、そのことについて、大臣、いかがお考えか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/76
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077・武見敬三
○武見国務大臣 御指摘のような労働者代表制を整備する場合、例えば、労働者代表に労働組合の持つ権限をどこまで担わせるかといった、既存の労働組合制度との関係などについては、これは相当慎重な検討が必要だと思います。
それから、厚生労働省としては、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の見直し規定を踏まえまして設置した労働基準関係法制研究会におきまして、過半数代表者による労使コミュニケーションの課題も含めて検討を行うこととともに、不適切な過半数代表者の選出が認められた場合にはこれを正しく指導してまいりたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/77
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078・大西健介
○大西(健)委員 今大臣の答弁にあったように、これは労働組合にとったら自分たちの権限を奪われる話なんですよ。ただ、連合さんは実は労働者代表制の法案をもう既に準備しておられるんですよ。ですから、連合が準備しているぐらいなんだから、政府も真剣に私は考えるときが来ているんじゃないのかなというふうに思います。
次に、仕事と育児の両立支援を推進する上での障壁、課題で最も多いのが、次のページですね、資料の三ページ目で、代替要員の確保が難しく、管理職や周囲の従業員の業務量が増えた、四六・七%、子育て中の従業員とそうでない従業員との間で不公平感がある、二六・九%というのが多くなっています。
つまり、日本の企業の和を重んじる文化の中では、職場の仲間に迷惑をかける、こういう意識がある限り、幾ら制度を入れても利用がなかなか進まないんじゃないかと思いますけれども、この点、大臣、どうしていったらいいとお思いになりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/78
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079・武見敬三
○武見国務大臣 例えば、男性育児休業を取得しない理由として、職場が育児休業を取りづらい雰囲気であることや、業務の都合により取れないことなどが挙げられておりまして、周囲に気兼ねなく制度利用の促進を図るためには、育児休業や短時間勤務中の業務を代替する体制整備への支援が非常に重要な課題であるというふうに認識をしております。
このため、令和六年一月から、両立支援等助成金に育休中等業務代替支援コースを新設をいたしまして、育児休業中の労働者の業務を代替する周囲の労働者に対して事業主が手当を支給する場合などの助成措置を大幅に強化をいたしました。また、労務管理の専門家から個別の相談支援などを無料で受けられる事業も実施しているところでございます。
労働者が希望どおりに制度を利用し、男女共に仕事と育児を両立しやすい職場づくりに向けて、企業や周囲の労働者の支援にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/79
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080・大西健介
○大西(健)委員 まさに、代替要員の確保、今いろいろな支援措置をやっておられるということでしたけれども、これは簡単に言いますけれども、大手のところなら人もたくさんいるのでできるでしょうけれども、本当に、小さいところになればなるほど、代替要員の確保といってもこれはなかなか難しい、そもそも、代替要員どころか、人手不足の中で人も採れないみたいな中で、代替要員の確保なんということは、口で言うのは簡単ですけれども、そんな簡単じゃない。あるいは、民間に言っているけれども、例えば公共の場で、小学校の先生が産休、育休を取ったら担任がいないみたいなのが今、全国で起こっているわけですよ。
ですから、言うはやすしですけれども、本当にそれは、やはり、現場の人たちは、そんな簡単じゃないよ、簡単に言わないでくれというのが私は現場の人たちの雰囲気じゃないかと思いますので、そこは、言う以上はしっかり支援をしていただきたい、こんなふうに思っています。
それから、残業免除の対象範囲を小学校就学前の子まで拡大しても、小一の壁と呼ばれる学童保育の待機児童問題が解決されないと、短時間勤務からフルタイムに戻ることはなかなかできないんじゃないか。政府は二三年度までに待機児童を解消する目標を立てていましたけれども、達成はできていません。
こども家庭庁は、学童保育の待機児童解消をいつまでに達成するつもりなのか、お聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/80
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081・黒瀬敏文
○黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。
放課後児童クラブについてでございますが、平成三十年の九月に策定をしました新・放課後子ども総合プランに基づきまして、昨年度末までに約百五十万人分の受皿整備の目標等を定めて取組を進めてきたところですが、令和五年五月一日現在で放課後児童クラブを利用している児童数は約百四十六万人、待機児童数は約一・六万人となっておりまして、放課後児童クラブの更なる受皿整備は喫緊の課題というふうに認識をしてございます。
こうした状況を踏まえまして、昨年十二月に閣議決定をいたしましたこども未来戦略において、約百五十万人分の受皿確保を加速化プランの期間中のできるだけ早期に達成できるように取り組むこととしておりまして、この目標達成に向けて、放課後児童対策の一層の強化を図るために、こども家庭庁と文科省と連携をしまして、予算、運用等の両面から集中的に取り組む対策として、昨年十二月に放課後児童対策パッケージを取りまとめておりまして、それにおいては、受皿確保のために、場の確保、人材の確保、適切な利用調整を推し進めることとしておりまして、引き続き、自治体とも連携をして、本パッケージの内容を着実に進めて、早期の待機児童解消を目指してまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/81
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082・大西健介
○大西(健)委員 ちなみに、じゃ、先ほど、二三年度までに本来は達成する予定だったんですけれども達成できなかった、一・六万人の待機児童がなお残っている、この達成できなかった理由は、こども家庭庁はどういうところに理由があると考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/82
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083・黒瀬敏文
○黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど少し申し上げましたけれども、文科省ともいろいろと議論をさせていただいて、連携をしてやっていくという、それがパッケージでございますけれども、先ほど申し上げたように、場の確保、これは例えば施設が確保できないといったこともございます。また、人材の確保については、人が足りないわけですが、処遇改善の問題ですとか様々な問題がございます。また、適切な利用調整といったこともやっていく必要があると考えておりまして、それがまだまだ改善の余地があるのではないかというふうに考えておりますので、こういった、場の確保、人材の確保、適切な利用調整といったところを柱に取り組んでいくこととしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/83
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084・大西健介
○大西(健)委員 今の答弁の中でも触れていただきましたけれども、学童保育の指導員の多くは、非正規で、一年契約などの非常に不安定な雇用で、低賃金になっています。先ほど我々は介護、障害福祉で働く人たちの給与を上げてくれという話をしましたけれども、学童保育の待機児童を解消するためには人材確保が不可欠であって、そのためには指導員の処遇改善、これが避けて通れないと思います。
この点について、こども家庭庁、指導員の処遇改善をどのように図るつもりか、お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/84
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085・黒瀬敏文
○黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。
放課後児童クラブ職員の処遇改善事業につきましては、三つの切り口で取り組んでおりますけれども、一つは、六時半、夕方の十八時半を超えて開所する事業所に対するもの、それから勤続年数や研修実績等に応じたもの、それから賃上げ効果が継続される取組を行うことを前提として、収入を三%程度引き上げるためのものといったようなことを継続して行っているところでございます。
また、加えて、人材確保や支援の質の向上を図る観点から、昨年十二月に閣議決定をしましたこども未来戦略を踏まえて、令和六年度予算においては、常勤職員を二名以上配置した場合には運営費の補助基準額の引上げを実施したところでございます。
こうした取組を通じまして、引き続き処遇改善を進めてまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/85
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086・大西健介
○大西(健)委員 是非、指導員の処遇改善、真剣に取り組んでいただきたいと思います。そうでないと、さっきも言いましたけれども、短時間勤務から今度フルタイムに戻りたいと思っても、待機児童になっていて学童保育に預けることができないということになってしまいますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
それから、看護休暇について、先ほど西村委員からは、対象年齢、小学校三年生までじゃなくてもっともっと引き上げるべきだとか、あるいは五日間では足りないんじゃないかという話がありました。
看護休暇の対象年齢は三年生まで引き上げますけれども、残業免除の対象は、今回、就学前の子にとどめています。これは私はそろえたらいいんじゃないのかなと思いますけれども、これはどうしてなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/86
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087・堀井奈津子
○堀井政府参考人 まず、子の看護等休暇の対象年齢につきましては、十歳以降の子と九歳までの子が診療を受けた日数の状況や、子育て中以外の労働者との公平感、納得感が課題であること等を勘案しまして、現行制度において小学校就学前までの子を対象としているところ、小学校三年生修了まで対象を拡大をするということを本法案の中でしております。
一方、所定外労働の制限、残業免除につきましては、育児・介護休業法が企業規模にかかわらず全ての事業主に適用される基準であることや、制度の利用状況が女性に偏っている現状に鑑みると、制度の利用期間を小学校就学以降にまで延長すると女性のみの利用が拡大をして、女性のキャリア形成に影響するおそれがあることなどを勘案しまして、現行の三歳未満の子を養育する労働者から、小学校就学前までの子としたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/87
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088・大西健介
○大西(健)委員 ここも全部関わっていると思うんですね。例えば学童も、六年生まで預かる地域も増えている中で、まだ三年生までというところもありますし、それから、学童の待機児童があると残業ができないみたいな、全部関わっている話ですから、だから、私はこれが食い違っているのはどうなのかなというふうに思います。そういういろいろなほかの制度との兼ね合いの中で考えていただきたいなというふうに思っています。
次に、NPO法人となりのかいごというのがあるんですけれども、そこの川内代表理事はこのように言っておられます。基本的に、家族を介護する方はテレワークをしないようにアドバイスしていると。今回、介護をしている人にテレワークという選択肢をつくっているわけですけれども、でも、専門家の人はテレワークはやめた方がいいですよと言っている。
なぜかというと、子供が丁寧なケアをするほど、親は介護の外部サービスを拒否するようになると。それは、自分の子供に見てもらった方が気が楽ですから。お母さん、外のサービスへ行ってよと言ったって、子供がテレワークで見てくれるんだったら嫌だと言う、こういうふうになっちゃう、そうなると今度、お互いにストレスがたまって、結局は家族関係が壊れてしまうんだと。
それからまた、子育ての場合は成長によって子供ができることがどんどん増えていく喜びというのがあるんだけれども、間近に自分の親ができないことが増えていくのを見るのは非常に心が痛むというか、メンタルがそがれる、ですから、これは余り、自分で親を見ようというんじゃなくて、外部サービスに頼った方がいいんだと。それを、テレワークをやっちゃうと、結局は自分で見るということになっちゃうわけですから。
そういうことで、現場を知っている人の声として、私は、基本的には家族を介護する人にはテレワークはしないようにアドバイスしているというのは、これは傾聴に値する御意見だと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/88
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089・武見敬三
○武見国務大臣 テレワークをしながら労働者が恒常的に自ら介護を行うということは、要介護者の方が家族である労働者本人に依存することを助長するおそれもあって、かえって仕事と介護の両立が困難となる場合もあるという指摘、委員からございました。
一方で、労働政策審議会において、介護期のテレワークの活用については、通勤時間の削減や遠隔地に住む家族の家などから業務を行うことが可能となることで、フルタイムで働く日を増やすことも可能となるという効果の方も期待されるという指摘もございます。
こうしたことを踏まえまして、今回の法案においては、介護期のテレワークについては、現行の選択的措置義務の選択肢に追加するのではなくて、事業主の努力義務というものにとどめる形を取っているということを御理解いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/89
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090・大西健介
○大西(健)委員 私は、本当にこれは、現場を知っている人の声として傾聴に値するというふうに思いますので、是非よく考えていただきたいなというふうに思います。
それから、選択肢としてテレワークというのを入れるというのは分かるんですけれども、テレワークを入れたら何とかなるみたいなのはちょっとどうなのかなと。
これは配付資料の最後につけましたけれども、テレワークの地域別の実施率を見ると、東京二十三区でいうと五一・六%、これは当然高いですよね。でも、地方圏だと二三・一%、半分以下ですよ。だから、地域によってかなり格差があるんじゃないかと。
そして、当然ですけれども、テレワークできる業種、業態、それから、同じ会社であってもテレワークできる部署とそうじゃない部署というのがあります。私の地元、さっきも言ったように製造業の地域ですから、自動車の部品のラインが動いているので、ラインはテレワークができませんから、実際そこで物を作らなきゃいけないわけですから。
ですから、まさに部署、業種、業態によっても開きがある、そうした中で、両立支援の施策としてテレワークが入れば何とかなるんだみたいな、テレワークに過度に期待するのは危険じゃないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/90
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091・武見敬三
○武見国務大臣 この委員の資料を見ましても、実際に、東京二十三区などでテレワークの実施率が高いのと比較して、他の地域においては低いという傾向が確かに明確にございます。育児期や介護期、テレワークを活用して通勤時間が削減されることなどによって、フルタイムで残業をしない働き方などへのニーズの対応が可能となるというベネフィットはあるだろうというふうには思います。一方で、御指摘のとおり、テレワークの実施が困難な業種、職種があるということも勘案して、改正法案の中では、一律の措置義務とはしないで、努力義務とするというふうにさせていただいております。
政府においては、都市部及び地方部のテレワークの導入率に関する目標設定を行い、その導入促進を図っているほか、厚生労働省においても、適正な労務管理の下でテレワークの導入、定着促進を図るために、まず、テレワーク相談センターにおける相談支援、それから、テレワーク総合ポータルサイトによる情報の提供、さらに、テレワークを導入する中小企業への助成などを実施しているところでございます。
引き続き、関係省庁とも連携をしながら、職場の状況に応じてテレワークの活用が促進されるよう、丁寧な周知や、それから支援に取り組んでいきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/91
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092・大西健介
○大西(健)委員 そうですよね。テレワークが何かすごい、テレワークがバラ色じゃないと私も思うんですよ。だから、テレワークになったことによって余計何か時間管理がいいかげんになってとか、不規則になって体調が悪くなったみたいな話もコロナのときは聞きましたので、そこは適正な管理をしていただきたいと思います。
少しだけ時間が余ったので、さっきのモナコリンKの話、これは医師である吉田委員もさっき言っておられまして、本当に私もおかしいと思うんですよね。
さっきのやつにもう一つ追加して言いますと、例えば医薬品のロバスタチンは、海外での処方量が一日十ミリグラムであるのに対して、小林製薬がほぼ同じ効果を自認する紅こうじポリケチドの摂取量を一日二ミリグラムとして販売していました。医薬品に近い効果を示す量を含むものを食品として売っていたところに悪質さを感じざるを得ない、根本的に安全性の概念が分かっていない、こういう御指摘があるんです。
これは二ミリグラムと言っているけれども、薬だったら、一日幾つ飲んでくださいとか適切に医師の指導が入りますけれども、これは食品であるから、消費者にそこも任されちゃうわけですよ。だから、二ミリでも、たくさん飲んだら十ミリになっちゃうかもしれない。
それから、もう一つ言うと、先ほども言いましたけれども、紅こうじ菌は一九七〇年代から医薬品としての研究背景がある、ロバスタチンの医薬品としての販売を認めている米国のFDAは、二〇二一年度に、ロバスタチンを含む紅こうじサプリメントについて、消費者に購入しないように注意喚起していましたと。ですから、もう既にほかの国ではこういう事例があるんですよね。だから、特に、ほかの薬や治療を受けている人たちには深刻な副作用をもたらすおそれがあると。医薬品であれば、まさにそういう、ほかの薬との飲み合わせとか飲む量とか、そういうものが指導されるわけですよ。
でも、まさに海外で医薬品として扱われているロバスタチンが、モナコリンKとして、まさにコレステロールを下げる機能性表示食品として、日本では全く企業に任せて、消費者に任せてこういうふうに飲めてしまうのはやはりすごく深刻な問題じゃないかと私は思うんですけれども、改めて、大臣、どう思われますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/92
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093・武見敬三
○武見国務大臣 委員御承知の食品衛生法第八条に基づいて、実際に、厚生労働省告示第百十九号で指定成分などに指定されているのは四成分あるということで、こうした対応は、厚生労働省として、一定の成分に関しては特定化して、その対応を整えているところであります。
また、これらの成分について、様々に、食料としてふだん使われているものもたくさんございます。例えばタコなんかに入っておりますタウリン、ああいうのは滋養強壮剤にも使われているんじゃないでしょうか。
実際に、そういう成分の設定の仕方について、改めて、今回の紅こうじの案件もありましたから、やはりきちんとこれを整理をして検討していくことは私は必要だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/93
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094・大西健介
○大西(健)委員 まさに、医薬品と食品の間に、我々は何度も申し上げていますけれども、有効成分を濃縮して、そして錠剤のような形で摂取するわけですよ、日々。これはやはり、食品と同じような規制でいいのか、そういうことも含めて、是非抜本的な検討をしていただきたいということをお願いして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/94
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095・新谷正義
○新谷委員長 次に、吉田真次君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/95
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096・吉田真次
○吉田(真)委員 自由民主党の吉田真次でございます。
本日は、質問の機会をいただきましたこと、委員長や理事の皆様を始め、感謝を申し上げたいというふうに思います。
まず、本法案、この改正の趣旨については先日、大臣の方から提案理由の御説明があったところでございますので、今日は、育児と介護と、それから事業主というような順番でお尋ねをしたいな、こういうふうに考えております。
まず、今までは女性がその多くを担ってきた育児というものについては、これから男性も積極的に関わっていく中で、出生時の育児休業、いわゆる産後パパ育休というものでありますけれども、産後の大切な時期をやはり男女が協力をする観点からもこれは大切な取組なんだろうというふうに思います。
私も、娘が生まれたときには、自分の日程をいろいろやりくりをしながら、恐らく十分ではなかったと思うんですが、その育児、出生後の育児というものにも関わってきた経験もございます。
本制度は、生後八週間以内に二十八日間、分割して二回まで取得が可能ということでありますけれども、最初にまとめてこれは申出をしなければならないということであります。
育児は、特に初めてだとどういうことが起こるか分からないということもあったりするわけでありますので、例えば、二十一日と七日で最初は申請したけれども、最初数日やってみて、やはりこれは後半に多く取った方がいいなというように思ったときとか、そういうときは二十一と七を逆にするとか、あるいは、やはり十四と十四の方がバランスがいいなと思ったときにはそうした変更ができるような、柔軟な対応というのは必要だというふうに思っております。
それから、子供の年齢に応じた働き方を実現をしていくという観点から、その措置の一つとして、子の看護休暇、これについてまずお尋ねをしたいというふうに思います。
まず、小学校三年生までの子を養育する労働者に拡大をされたということでございますけれども、この理由、それから背景、これについて御答弁をお願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/96
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097・堀井奈津子
○堀井政府参考人 お答えをいたします。
今回の法案におきまして、コロナ禍を機に明らかとなりました小学校就学以降の子の看護等のための休暇のニーズ、こういったものに対応し、男女共に仕事と育児を両立できるようにするために、労働政策審議会での御議論を踏まえまして、子の看護等休暇の対象となる子の範囲を見直すこととしております。
お尋ねのございました子の看護等休暇の対象年齢につきましては、十歳以降の子と九歳までの子が診療を受けた日数の状況でございますとか、子育て中以外の労働者との公平感、納得感が課題であること等を勘案をしまして、小学校三年生修了までとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/97
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098・吉田真次
○吉田(真)委員 今御説明がありました、先ほどもお話があったんですけれども、その対象はいいんですけれども、やはり、一人五日という要件、これは私も短いのではないかなというふうに思います。足立委員と同じく、私も立憲の方とはなかなか相入れないんですけれども、今のこの点については私もそういうふうに思っているところでもございます。
子供が、これもありましたが、インフルエンザとかあるいはノロウイルスとかそういうのにかかると、やはり看護をしなければならない日数というのは、当然のことながら、これは増えていくわけであります。その際に、子の看護休暇の上限が増えれば、自身の事業所には年次有給休暇とこれをどういうふうな割合で取得をするかというような選択肢も増えると思いますし、なおのこと、三年生ということになると、やはり行動も活発化をしてきて、かかる病気とか、あるいはけがをする可能性、こういったものも増えてくるのではないかなというふうに考えておりますけれども。
そうしたことからも、やはり、五日ではなくて、これはやはりもっと増やすべきではないかというふうに感じていますけれども、その点について改めてお考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/98
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099・堀井奈津子
○堀井政府参考人 吉田委員から御指摘ございましたように、現行制度におきます子の看護休暇は、子の負傷、疾病のための世話や予防接種等を受けさせるために、小学校就学前までの子一人について年五日、子が二人以上いる場合は年十日付与されるものでございます。
そして、子の看護休暇の取得日数につきましては、子が病気のために一年間で利用した各種休暇制度の取得日数等の状況でございますとか、子の看護休暇の平均利用日数が女性の方が多く、男女共に取得されるように促進することが必要であること、このようなことに鑑みまして、現行の日数を維持するということで提案させていただいております。
それで、今回の法案におきましては、対象となる子の範囲を小学校三年生まで拡大すると先ほど答弁をさせていただきましたが、このようなことも相まって、男女が共に希望に応じて仕事と育児が両立できるように、子の看護休暇の取得促進にも引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/99
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100・吉田真次
○吉田(真)委員 ありがとうございます。
今ほど申し上げたように、年齢を、対象を拡大すれば、やはりそれほど、状況も変わってくるわけですから、この五日というのは、現状のところは五日ということでありますけれども、その上限を増やすということについても、これは状況を見ながらしっかり検討していただきたい、そのように考えているところであります。
そして、仕事と家事、育児を男女がそれぞれ分担をして行うということ、これは非常に大切なことであります。そうしたときに、やはり所定外労働の制限とか、定められている短時間勤務制度、これというのも有効な取組なんだろうというふうに思うんですけれども、こういうものを導入することによって想定される働き方とかあるいは具体的なケース、これについて御答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/100
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101・堀井奈津子
○堀井政府参考人 まず、今回の制度改正をするに当たって参考とした育児期の働き方の希望についてでございますが、正社員の女性は、子が三歳以降は、短時間勤務を希望する方もいらっしゃる一方で、フルタイムで残業しない働き方や、出社や退社時間の調整、テレワークなどの柔軟な働き方を希望する割合が高くなっております。正社員の男性も、残業しない働き方や柔軟な働き方に対する希望が見られます。
このため、今回の法案の中では、育児期に出社や退社時間の調整をし、テレワーク、短時間勤務などの働き方を選べるようにする制度の創設を行うようにしておりますが、吉田委員お尋ねの、本制度により例えば出社や退社時間の調整や、テレワークを利用して通勤時間を削減する、このようなことによりまして、夫婦のいずれも、所定労働時間を短縮せずに、働きながら子の送り迎えや家事などを分担をして行う、こういった選択もできるようになるかというふうに考えております。
このような制度の利用を通じまして、男女共に、共働き、共育てということを進めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/101
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102・吉田真次
○吉田(真)委員 今お話がありました通勤時間の削減、これは非常に大きなことなんだろうというふうに思います。共育てをする中で大きな要素であると思います。
今お示しがありましたようなそうした具体的なケースがあろうと思うんですけれども、ただ、しかし、こういうふうな柔軟な働き方が、いろいろな環境が整った上でそれが実現をしたというふうになっても、やはり子供であったりあるいは家庭の状況というのはそれぞれであるというふうに思います。お子さんの障害の有無、あるいは医療的ケア児である場合とか、又は一人親家庭の場合とか、そうしたいろいろな状況があるわけですから、配慮が必要な方々というのは必ずいらっしゃるわけでありまして、そうした方々の特性をやはりしっかり勘案をして、そうした方々にも届くような制度設計をしていかなければならないというふうに思いますけれども、その点についてどのようにお考えになって、どういうふうに実行していかれるおつもりでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/102
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103・堀井奈津子
○堀井政府参考人 今回の法案の中では、共働き、共育てを推進をするという観点で、子に障害がある場合など、子や家庭の様々な事情がある場合にも仕事と育児を両立できるように、労働者からの仕事と育児の両立に関する個別の意向の確認と、その意向への配慮を事業主に義務づけるということにしております。
加えて、事業主が個別の意向を配慮するに当たりまして、更に望ましい対応として、子に障害がある場合や医療的ケアを必要とする場合であって希望するときには、短時間勤務制度や子の看護休暇制度等の利用可能期間を延長する、このようなことも指針で示すこととしております。
この具体的な内容につきましては、今後、審議会における公労使の御議論も踏まえて検討をしてまいるということで考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/103
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104・吉田真次
○吉田(真)委員 今、いろいろ配慮を、しっかり労働者から意向確認をしなければいけないという中で、更に望ましい対応として指針をある程度示されるということでありましたけれども、これは後ほど触れますけれども、そうなると、事業者にもやはり制度に対する理解というものが必要となってくるんだというふうに思います。
こうした様々な取組によって、育児休業とか看護休暇も含めてなんですが、そうした休みを取得をしやすい制度を創設するということと同時に、何よりもやはり、子供を預けやすい環境整備ということが一番大切なんだというふうに私は考えております。
共働きでなければ生活が厳しいという家庭も多くて、そうした方々は、仕事を休むということで御自身の家計に与える影響が、やはり収入が減ってしまうということも発生をしてくるんだろうというふうに思っております。
私の妻が勤めていた事業所、会社は、事業所内に託児所がありまして、朝一緒に連れていって託児所に預けて、それから妻は仕事をして、仕事が終わればその子供を連れて帰るというようなことができていました。こども園の空き状況とか、あるいは、未満児だったので、保育料とかも考えると、事業所にそうした施設があって、しっかり専門の保育士さんがサポートしてくれて、園の行事とかいろいろなものを通じて、子供の社会性を身につけさせていただいていたのは、大変ありがたい環境だったんだろうなというふうに今思っておりますが、何よりも、会社の中でもやはり、社員の子育てをみんなでサポートしていこうというふうな風土があったというところでありましたので、ですから、私の妻は出産を機に仕事を辞めるということが、それをせずに今済んでいるところでもあります。
そうした環境を整えるための事業所を支援をするということももちろんなんですけれども、特にゼロから二歳の小規模保育所であったり、あるいは病児保育を充実をさせる、そのためには、潜在保育士にどのように復帰をしてもらうかという支援、そして大切なのが、やはり保育に携わる方々の処遇の改善なんだろうというふうに思います。
こうした保育の環境を充実をさせるという観点についてのお考えをお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/104
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105・黒瀬敏文
○黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。
吉田委員御指摘のとおり、仕事と育児の両立のためには、子供を預けやすい環境の整備、こういったことも非常に重要であるというふうに考えてございます。
今御指摘の小規模保育事業所につきましては、新制度が開始をしました平成二十七年の千六百五十五か所から、令和五年四月一日現在で見ますと六千十三か所まで拡充はしてきているというところでございます。
また、ゼロ―二歳児の待機児童数につきましても、ピークであった平成二十九年の二万三千人余りから、令和五年四月一日現在で二千四百人余りというところで減少してきておりますが、まだ一部の自治体において解消には至っていないというところでもございますので、引き続き支援が必要というふうに考えてございます。
このため、新子育て安心プランに基づきまして、令和三年度から令和六年度末までの四年間に約十四万人分の保育の受皿整備を行うこととしておりまして、その際、各自治体に対しまして、保育提供区域ごとの保育ニーズをきめ細かに把握をして保育所等を整備するようにお願いをするとともに、保育ニーズが増加している地域もございますので、そういったところには整備費等の補助率のかさ上げなどを行いまして、整備が進むように支援を行っているところでございます。
また、御指摘のように、受皿の整備に加えて、保育人材の確保が非常に重要でございます。そのため、その中で現場経験や保育の専門性をお持ちである潜在保育士の復帰支援、これは非常に重要であるというふうに考えてございますので、保育士の処遇改善を含めて取り組んでいく必要があるということで、令和六年度、新たに取り組んでいることとしましては、潜在保育士が段階的に復帰することを支援するために、保育補助者の雇用のための経費の支援対象を保育士資格を持つ者まで拡充したりですとか、また、保育所と潜在保育士のマッチングを促進するための保育士・保育所支援センターに保育士キャリアアドバイザーといった者を配置をしまして、更なるサポートをしていくといったような経費も盛り込んでいるところでございます。
また、処遇改善につきましても累次の改善をしてきているところでございますけれども、こうしたことも引き続き努力をしていく必要があると考えてございます。
いずれにしましても、待機児童の解消ですとか保育人材の確保、処遇改善に向けて、大きな課題と認識をしておりますので、引き続き取組を進めてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/105
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106・吉田真次
○吉田(真)委員 ありがとうございました。
しっかりと、保育については、こども家庭庁を中心に頑張っていただきたいというふうに思っておるところでございます。
それから、次に、介護についてお尋ねをしたいというふうに思います。
仕事と介護の両立を行うための両立支援制度、これについてなんですけれども、制度の周知が行き届いていないというところがやはり大きな課題なんだろうというふうに考えているところでありますので、やはりそこには丁寧な説明が必要なんだろうというふうに思います。介護休業と介護休暇がどう違うのかということも含めてやはり周知はしていかなければいけないと思うんですけれども、ただ、そういう中で、家族がずっと介護を引き受けるということではなくて、やはり、早期に適切に専門職に任せられる、こちらについても体制の整備が必要なんだろうというふうに思います。
介護を必要としている人の家族が介護休業とかあるいは介護休暇を使ってそうしたことが実現できるようにするためには、どのような取組が必要だと考えておられるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/106
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107・間隆一郎
○間政府参考人 まず、介護保険の関係につきまして、私の方からお答えさせていただきます。
高齢者ができる限り住み慣れた地域で安心した暮らしを続けていくことができるようにするためには、介護保険制度におきまして、在宅サービス等の充実を図ることに加えまして、地域包括支援センターにおいて家族介護者の方に対する総合相談支援を行い、委員御指摘のような専門職による必要な支援につなげるなどの取組を行っております。これが大変重要だというふうに考えています。
家族介護者の方への支援としては、地域包括支援センターが中心となって、自治体や関係団体等と連携して、研修会でありますとか、あるいは介護者同士の交流会でありますとか、そういったものも実施しているところでございます。
加えて、介護保険サービスを必要とする方々に対し、保険者、関係者の意見も踏まえながら、より迅速に要介護認定が行われるように取り組むことなども大変重要であるというふうに考えておりまして、こういった形で、介護休業などを取られた方がそういう専門職のサービスにつながるようにしていく必要があると考えております。
今後とも、高齢者の方やその家族を支えていくために必要な取組を進めてまいりたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/107
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108・吉田真次
○吉田(真)委員 今御答弁にありました地域包括支援センターの活用、これは地方に、自治体にも複数箇所あったりするわけでございますから、まさにそうした一番の前線でそうした制度の周知、相談に乗るということの強化もしっかり進めていっていただきたいというふうに思います。
そして、最後に、事業主についてお伺いをしたいと思うんです。
この法案は、育児、介護の当事者とかあるいはその家族にとっては大変ありがたい制度であるんだろうというふうに思いますが、ただ一方で、労働者を雇用する事業主にとっては様々な負担も生じてくるということであります。
法で決まったからこれは義務がありますよと言うだけではなくて、どういった負担が生じるのか、それに対してはこういう支援がありますよということもしっかりと取り組んでいかなければいけないと思いますけれども、その点についての状況はどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/108
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109・堀井奈津子
○堀井政府参考人 今回の改正法案が成立した際には、事業主の方には、出社や退社時間の調整、テレワーク、短時間勤務などの柔軟な働き方のための措置や、介護に直面した労働者に対して両立支援制度に関する情報を個別に周知をし、その利用の意向を確認することなどの措置を講じていただくことになります。
具体的には、例えば、改正後の制度に対応した社内規定の整備や、制度対象者が制度を利用しやすい職場環境の整備、そして従業員に対する制度の周知、こういったことをしていただく必要がございます。
厚生労働省といたしましては、事業主の方に円滑に改正法に対応していただくために、分かりやすいリーフレットの作成や専用サイト、SNSの活用なども含めまして、様々な手段を通じて周知に努めるほか、両立支援等助成金による助成や労務管理の専門家による個別支援等の支援も行っております。こういったことを活用していただいて、しっかり周知を図っていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/109
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110・吉田真次
○吉田(真)委員 周知、大変大事だと思います。動画とかも今はあります。私もちょっと厚労省のを拝見をしたんですが、理解が悪いのか、ちょっと分かりにくいなというところもあったりしたわけでありますので、事業主それから労働者の方にもこれは知っていただかなければいけないものでありますので、確実な周知をお願いしたいと思います。
最後に、子育てとか介護をやはりみんなでサポートしていくという意識の醸成というのが何よりも大事なんだろうというふうに思います。ただ、そうした中にあっても、保育士とか介護士あるいは医療従事者など、人手不足が顕著だったり、仕事の性質上なかなか休むことが難しいという業種の方もおられます。ただ、そうした方々にも家族や子供がいるので、そうした方々が休暇を取得できるようにするための対応を最後にお聞きをします。(発言する者あり)はい。
では、そういう方々へ休暇を取得することができるようにしっかりと対応していただきたいということをお願いを申し上げて、終わらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/110
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111・新谷正義
○新谷委員長 次に、福重隆浩君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/111
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112・福重隆浩
○福重委員 公明党の福重隆浩です。
初めに、一昨日十七日深夜に発生をした豊後水道を震源とする地震において被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。
昨日から、朝からの報道等で被害が徐々に明らかになってきましたが、週末に向けての雨の予報が出ております。二次被害に厳重に警戒をしていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
それでは、質問に入らせていただきます。
厚労省は、今年二月、二〇二三年の人口動態統計の速報値を公表いたしました。年間出生数は、七十五万八千人と、八年連続で過去最少を更新いたしました。深刻化する少子化に歯止めをかけることが急務であることは、誰が見ても明らかであります。
そこで、政府は、こども未来戦略に基づき、今年度から三年間で集中的に取り組む施策を示した加速化プランをまとめました。これには、我が党の子育て応援トータルプランが随所に反映をされております。
年、三・六兆円の予算規模となる加速プランの実施により、予算はOECD加盟国の中でトップのスウェーデンをしのぐ水準となり、さらに、ユニセフが二〇二一年に公表した報告書によりますと、OECD及びEUのいずれかに加盟している四十一か国の育休や保育政策を比較すると、日本の育休制度の充実度は一位との結果でありました。この育休制度の仕組みが、充実度だけではなく、実際に働く方々が男女を問わず仕事と育児を両立できることが当然の環境にならねばならないと思っております。
また、介護をしながら働く方は、総務省の調査では、二〇二二年、約三百六十五万人に上り、年間十万人を超える方が介護を理由に離職をされております。
この状況を改善するため、今回、育児・介護休業法と次世代育成支援対策法の改正案が閣議決定をされました。今回の法改正の意義と大臣の御決意について、まずお伺いをいたします。
〔委員長退席、大串(正)委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/112
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113・武見敬三
○武見国務大臣 男女共に、育児、介護といった労働者の家庭や生活における希望に対応をして、そして、仕事やキャリア形成と両立できるようにしていくことは、極めて重要であります。
このため、今回の法案によりまして、男女とも希望に応じて仕事と育児の両立が可能となるよう、子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充、それから、育児休業の取得状況の公表義務の対象拡大や、次世代育成支援対策の推進、強化等の措置を講ずるとともに、両立支援制度を利用しないまま介護離職に至ることを防止するために、仕事と介護の両立支援制度に関する情報の個別周知とその利用の意向確認等の措置を講ずることとしております。
こうしたことによりまして、仕事と育児、介護を両立しやすい職場環境を整備して、共働き、共育ての実現等を目指してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/113
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114・福重隆浩
○福重委員 大臣の強いリーダーシップで是非推進をしていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
次の質問に入ります。
厚労省の令和四年度雇用均等基本調査では、女性の育児休業の取得率は八〇・二%でありますが、男性の育児休業の取得率は、上昇傾向ではあるものの、一七・一三%と低い水準であります。政府のこども未来戦略では、二〇二五年、育児休業取得率の目標を民間企業において五〇%としております。あらゆる政策を総動員して、目標達成に向かっていかなければなりません。
雇用均等基本調査では、五百人以上の事業所での女性の育休取得率は九六・一%、五人から二十九人の事業所においては六七%であります。一方、男性の取得率は、五百人以上の事業所で二五・三六%であるのに対し、五人から二十九人の事業所では一一・一五%と、小規模の事業所では明らかに育児休業の取得率が低い結果であります。
二〇二一年九月、日本商工会議所及び東京商工会議所が行った、多様な人材の活躍に関する調査で、中小企業における男性の育児休業取得促進に関する課題で最も多いのは、人員に余裕がなく既存社員による代替が困難が五六・七%、専門業務や属人的な業務が多く対応できる代替要員がいないが三八・二%と続きます。これらの理由から、小規模事業所ほど男性の育児休業の取りづらさが顕著になっていると思います。
この状況についての御見解をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/114
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115・堀井奈津子
○堀井政府参考人 お答えをいたします。
男性が育児休業を取得しない理由といたしましては、職場が育児休業を取りづらい雰囲気であることや、業務の都合により取れないこと等が挙げられております。
御指摘いただきましたように、男性の育児休業取得を促進していくためには、育児休業中の業務を代替する体制整備への支援が大変重要な課題であると認識をしております。
このため、令和六年一月から、両立支援等助成金に育休中等業務代替支援コースを新設いたしまして、育児休業中の労働者の業務を代替する周囲の労働者に対して中小企業事業主が手当を支給する場合、こういった場合の助成措置を大幅に強化をしたところでございます。また、中小企業におきまして育児休業中の労働者の代替要員を確保することが難しい場合には、労務管理の専門家から、周囲の労働者への業務の振り分けや外部化、こういったことに関する個別の相談支援などを無料で受けられる事業も実施をしているところでございます。
育児休業を取得しやすい職場づくりに向けまして、企業や周囲の労働者への支援に取り組んでまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/115
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116・福重隆浩
○福重委員 御答弁ありがとうございました。
支援策を取っていただいているということでございますけれども、ちょっと、この件について更にお聞きをしたいと思います。
ユニセフの二〇二一年の報告で日本の育休制度の充実度は一位の結果であったことは、冒頭の質問で述べました。父親が取得できる育休期間が長いことや、近年の男性の取得率アップが評価されており、同年に改正されました育児・介護休業法が段階的に施行され、子供の生後八週間以内に四週間まで男性が育休を取得できる産後パパ育休制度の導入は、特に注目に値すると思っております。
ただし、これらは育休制度の充実度であり、これまでの男性の育休取得率が余りにも低かったため、数字上、近年の取得率が向上したものと考えられ、令和四年度の男性育児休業取得率は一七・一%であり、制度と実態の乖離は明らかであります。
その育休取得を阻害する要因の一つに、パタニティーハラスメントの存在があります。
厚労省の資料によりますと、時間外労働の免除について上司に相談したところ、次の査定は低くすると言われたり、育児休業の取得について上司に相談したところ、男のくせに育児休業を取るなんてあり得ないと言われ、取得を諦めざるを得ない状況になったなどがパタニティーハラスメントの具体例として示されています。
育児・介護休業法では、育児休業や育児短時間勤務を理由に社員に不利益な取扱いをすることは原則として禁止されていると承知しています。柔軟な働き方を実現するためには、社会の協力が不可欠であり、特に重要なことは、会社の上層部からの意識改革が求められると思います。
会社上層部の意識改革について、政府の御見解をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/116
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117・堀井奈津子
○堀井政府参考人 福重委員御指摘のとおり、特に男性が仕事と育児の両立支援制度を利用する、こういったことを進めていくためには、経営層や管理職等も含めた意識改革が重要だというふうに認識をしております。
このため、厚生労働省では、イクメンプロジェクトにおきまして、経営層や管理職に向けたセミナーを行うことなどを通じまして、男性の仕事と育児の両立支援に向けた機運醸成を図っているところでございます。
今後とも、様々なことに取り組みまして、共働き、共育て、特に男性の育休の取得促進等を進めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/117
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118・福重隆浩
○福重委員 やはりそういった経営者の方が年代が高いところもございまして、なかなか理解が進んでいないというようなところもございますので、是非そういったところの周知徹底を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次の質問に入ります。
実は、私の地元群馬県では、二〇二四年度に行う職員採用案内に、先輩職員のキャリアパスと育児休業について紹介するページがあります。多くの都道府県でも同様の紹介をしていると思います。採用案内には職員の育児休業取得率を示しており、令和四年度、女性は一〇〇%、男性は五九・一%であり、ほかの都道府県のデータがないため比較することはできませんが、男性の約六割が取得していることは高い取得率だと思います。
ある女性職員は、三年間の育児休業を取得し、現在は係長として活躍する様子や、育児休業を取得した男性職員のリアルな声を紹介しており、それぞれ、仕事と家庭の両立をどのようにしてきたか、やりがい、感想を述べています。
このように、育児休業の具体例を示すことで、採用後に結婚や子育てなどで自分のライフステージが変化しても県職員として働き続けられることを知ってもらうことが狙いであります。結婚や出産、育児など人生のライフプランと仕事を両立する上で、先輩の実体験に基づくことを紹介することによって、女性、男性関係なく、応募する方の将来設計もしやすくなるのではないかと思っております。
自治体のみならず、広く民間企業においてもキャリアパスあるいはキャリアプランの形成において非常によい事例であると思いますが、政府としての御所見があればお伺いをいたします。
〔大串(正)委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/118
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119・堀井奈津子
○堀井政府参考人 福重議員より具体的な御紹介がございましたが、職場における実体験を紹介をするということは、仕事と育児の両立支援制度の利用促進に当たりまして効果的な取組であるというふうに考えております。
育児・介護休業法におきましては、育児休業の申出が円滑に行われるようにするために、育児休業に関して、自社の労働者に対する研修、相談体制の整備、自社の労働者の育児休業取得事例を収集し、社内の労働者に提供するなどの選択肢の中からいずれかを措置をするということの義務づけも規定をされているところでございます。
また、学生や求職者にとって、事前に企業の両立支援に関する状況を知るということができることは、職業選択に当たって有益であるというふうにも考えられます。事業主は、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定した場合には、厚生労働省の両立支援のひろばなどで公表するということが次世代法上義務づけられている。
さらには、今回の法案におきまして、先ほど大臣からもお答えございましたが、男性の育児休業の取得状況の公表義務が課せられている、この事業主の対象を拡大をする、このようなことも考えております。
引き続き、様々な形で利用促進を図っていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/119
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120・福重隆浩
○福重委員 ありがとうございました。
私も、いろいろな企業さんとおつき合いをしていく中で、企業ごとで新入社員に対してのパンフレットを作っているときに、うちは子育てに対してこれだけ積極的な施策を取っていますというようなところというのは、やはり応募が多いというような感覚がしております。是非そういったところの丁寧な支援、また、そういったところに対して、やはり、行政が、こういったことをもう少しアピールしたらもっと応募が増えるんじゃないですかとか、そういうような支援も、好事例として示していただけるようなシステムがあればいいかなというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。
次は、介護休業、休暇について質問いたします。
介護は、いつ始まり、いつ終わるのか分かりません。来年は人口の多い団塊世代の全員が七十五歳以上となり、全人口に対する割合は一八%を占め、介護を必要とする高齢者が更に増えることは明らかであり、二〇四〇年には約一千万人に達すると推計されております。これに伴い、その子供世代も親の介護に向き合うことになり、介護離職の増加が懸念されており、ある調査では、二〇三〇年には介護離職に伴う経済的損失は九兆円に上ると推計されております。
現在、介護休業は通算九十三日、時間単位で取れる介護休暇は年間五日まで取得可能でありますが、厚労省によると、実際に介護休業を取得したのは一・六%にとどまり、利用は低調であります。この状況を改善するために今回の法改正の議論に結びつけたわけでありますが、介護休業の利用一・六%という数字をどのように受け止められ、分析されているのですか。御所見をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/120
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121・堀井奈津子
○堀井政府参考人 介護休業の取得率が一・六%と、介護休業の利用が低水準にとどまっていることの要因といたしましては、介護休業などの両立支援制度が整備されていても十分に認知がされていない、このようなことが考えられると思います。
このようなことがございますので、仕事と介護の両立支援制度の趣旨、目的の周知、理解促進を通じまして、制度の認知とともに、効果的な利用を促すことが喫緊の課題であるというふうに考えています。
今回の法案におきましては、介護に直面した労働者に対して両立支援制度に関する情報を個別に周知をし、その利用の意向を確認することなどを事業主に義務づけること等を通じまして、介護で離職することなく、両立できる環境の整備を目指してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/121
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122・福重隆浩
○福重委員 ありがとうございます。
今お話のありました、本当に認知度が低いということがやはり大きな問題だというふうに思っております。制度は、幾らつくっても、知られなければ利用ができませんので、是非そういったところをお願いしたいと思います。
次の質問に入ります。
今回の育児・介護休業法の改正により、男女共に仕事と育児、介護を両立しやすい環境づくりを進めるため、政府は様々な施策を打ち出しました。子供の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するために、事業主は、三歳以上、小学校就学前の子供を養育する労働者に対し、始業時刻等の変更、テレワーク等のほか五つの制度から二つ以上の制度を選択して義務を果たすことにより、労働者は、その中から一つ選択することができるようになります。
また、介護離職の防止のための仕事と介護の両立支援制度強化のため、事業主に、介護に直面した労働者の両立支援制度等に関する情報の個別周知、意向確認などを措置義務とするとともに、努力義務として、介護期の働き方にテレワークの選択ができるようにしました。
労働者にとっては、育児、介護のフェーズごとに働き方を選べることは有益でありますが、事業主の措置義務が増えることにも、職場のニーズの把握や個別の周知、意向確認など、制度導入の手続が煩雑になるため、事業主が両立支援制度の全体像を理解できるよう、政府として十分な周知活動を行うことが求められると考えております。特に中小企業については、人手不足の状況の中で、十分な対応を取ることは非常に難しいのではないかと推察いたします。
今回の法改正を絵に描いた餅にしないためにも、十分な対応を取ることが難しい企業に対し、国のフォローや相談窓口などの支援が必要と思いますが、いかがでしょうか。また、厚労省として、企業の取組や実施状況など、どのように把握していくのか、御見解をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/122
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123・堀井奈津子
○堀井政府参考人 中小企業で働く労働者も含め、育児、介護の両立支援策を進めるということは大変重要でございますが、そのような取組は、中小企業における人材の確保や定着にも資するものであるというふうに考えております。
厚生労働省といたしましては、事業主の方に円滑に改正法に対応いただくために、リーフレットの作成や専用サイト、SNSの活用なども含めて、様々な手段を講じて周知を行う、さらには、両立支援等助成金による助成や労務管理の専門家による個別支援、こういったことの支援策も、中小企業事業主の方に、活用できるようにしっかりと周知をしてまいりたいと存じますし、委員から御指摘のございました法全体についての理解、こういったことが進むように効果的な周知を図ってまいりたいと考えております。
あわせて、都道府県労働局におきましても、事業主の相談に丁寧に対応しつつ、その対応状況を定期的な調査等により把握をして、企業における制度整備を着実に後押しをしてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/123
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124・福重隆浩
○福重委員 ありがとうございました。
もう時間がございませんので、ちょっとはしょって、ダブルケアについてお聞かせいただきたいと思います。
子育てに関わるケアについての分野と、高齢者に関わるケアに関する分野のそれぞれの組織が合同で会議を持って、それによって、より効果的な、複合的な支援体制を組むことが大事であるというふうに思っております。こういった会議体設置による支援体制の構築以外で、重層的、支援的整備体制の、ダブルケアに対する支援が可能となる内容についてお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/124
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125・新谷正義
○新谷委員長 朝川社会・援護局長、簡潔にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/125
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126・朝川知昭
○朝川政府参考人 はい。
ダブルケアラーのうち、複合的な課題を有することで単独の支援機関だけでは対応が難しい場合におきましては、重層的支援体制整備事業において、ワンストップあるいは関係部署が連携して総合的な相談支援の体制を構築することで、包括的な支援を可能としております。これにより、介護や育児等に関する必要な支援を迅速に受けることにもつながりますし、関係機関が連携して、分野の縦割りを超えた包括的な支援方針を検討して、連携した支援が可能となると考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/126
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127・福重隆浩
○福重委員 ありがとうございました。どうかよろしくお願い申し上げます。
これで質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/127
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128・新谷正義
○新谷委員長 次に、山井和則君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/128
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129・山井和則
○山井委員 三十分間、質問させていただきます。
前半は介護、障害者福祉、後半は年金を質問させていただきたいと思いますし、特に今回の介護休業、育児休業の法案でありますけれども、私も福祉をライフワークとしておりますが、介護職員の方々の処遇改善のみならず、障害福祉の職員の方々の処遇改善も非常に重要でありますので、私たち、議員立法も提出しておりますが、そのことも含めて質問をさせていただきたいと思います。
まず、今日の配付資料一面に書いてありますね、介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化。介護離職防止と書いてあるんですけれども、申し訳ないですけれども、今、厚労省がやろうとしていることは、介護離職促進策の部分が、全部とは言いませんよ、やはりあるんじゃないか。その最たるものが、今回、ホームヘルプの基本報酬が引き下げられた。これは何度言っても足りませんけれども、本当に大混乱を今引き起こしているわけであります。
今日の配付資料の中に、介護クラフトユニオンさんが緊急でアンケートされた結果が出ておりますけれども、例えば、四ページになりますけれども、お一人お一人のいろいろな怒りとか不安とかが書いてありますので、武見大臣にも是非お目通しをいただきたいと思いますが、訪問介護の基本報酬が下がったことをどう思いますかということで、八五%が反対、一四%がどちらかといえば反対で、もちろん全員反対であります。
それで、次に十一ページに、基本報酬が下げられるとどのようなことが起こると思いますかということに関して、こう出ていますね。事業所が廃止、休止になる、事業所が統合される、訪問介護等サービスの事業運営に不安を感じ退職する人が増える、訪問介護等の事業運営に不安を感じ新しい人材が入ってこない、賃金が下げられるということで、本当にこれは危機的な状況だと思います。
私も、議員になる前は高齢者福祉の研究者で、スウェーデンにも二年間留学して高齢者福祉の研究をしておりましたし、介護保険とか認知症のグループの本、十冊書きました。本当にそういう立場からすると、身を切られるようなショックと怒りを感じております。
ついては、具体的な提案を質問通告させていただいておりますが、武見大臣にお伺いをします。
九月から調査をするということなんですけれども、十二月に結果が分かっても、それに関して、事業所が減っている、ヘルパーさんが減っている、何とかせねばといっても、もう手遅れになりますから、具体的な提案として、要は、取り返しがつかない事態になりかねないので、特に不安が大きい訪問介護事業者についてだけは、ほかのサービスはおいておいて、特出しで訪問介護事業者についてだけは前倒しで特別に暫定調査をすべきではないでしょうか。
六月に最初の報酬改定の後の実態が分かるので、例えばホームヘルパーの協議会やクラフトユニオンさんなどを含めて訪問介護関係団体に調査依頼をして、やはり、繰り返し言いますよ、残念ながらこの四月からでも、事業所がもう閉鎖された、ヘルパーさんが辞めたとか、そういうことが既に現在進行形で起こっておりますので、トータルの九月からの調査ではなくて、前倒しで特出しで、訪問介護事業所についてだけは、六月に最初の実態が分かるので、先ほど言ったような訪問介護関係団体に調査依頼を厚労省としてしてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/129
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130・武見敬三
○武見国務大臣 今般の介護報酬改定の影響等については、介護事業経営実態調査を始め、各種調査等を通じて状況の把握を行うこととしております。
私も、四月から、こうした加算に関わる申請がどのように出てきているのか、そこはしっかりと賃上げに結びついているのか、こうした実態を把握するための調査というものを同時並行的に行って、対応がきちんとできるようにすべきだという指示は出しております。
まず四月分より処遇改善加算の取得状況を調査するとともに、九月実施予定の介護報酬改定検証・研究調査におきまして、地域の特性や事業所の規模等を踏まえ、社会資源が十分でない地域を中心にいたしまして、小規模な事業所を含め、介護現場の実態を総合的に調査してまいりたいと思います。この過程においては、委員御指摘の団体の御意見などもよく伺ってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/130
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131・山井和則
○山井委員 この調査というのは、もちろん簡単な話ではないと思うんですけれども、今の答弁では九月以降ということなんですけれども、緊急事態ですから、もう少し前倒しの暫定調査というものもやっていただけないか。その件については、改めていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/131
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132・武見敬三
○武見国務大臣 今申し上げたように、四月からもう既に取得状況についての調査は始めておりまして、その結果については随時対応策を考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/132
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133・山井和則
○山井委員 細かいんですけれども、もちろん加算は加算で重要なんですけれども、幾ら加算を取っていたとしても、事業所が統廃合あるいは廃業してしまうとこれは意味がないわけですから、四月以降、ホームヘルプの事業所が統廃合あるいは減っていないか、そういうことの暫定調査をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/133
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134・武見敬三
○武見国務大臣 今回の一つの制度設計の目的というのが、やはりこういった小規模事業所における賃上げをしっかりと確保するということで、他と比較してかなり高い、特別の加算を設定をしたわけであります。
したがって、その加算がどこまできちんと取得されているか、そして賃上げにつながっているかということをまずはきちんと把握をして調査をする、これを踏まえた上で、改めて全体に関わる状況の把握に努めていくというのが私どもの基本的な考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/134
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135・山井和則
○山井委員 ここは、武見大臣ともこの議論は数回やっているんですけれども、私たちは、そもそも事業所がなくなったりしたら加算以前の問題ですよねと言っているんだけれども、大臣からは、加算を頑張りますということで、加算は大事なんですよ、加算は大事なんですけれども、だから、そこは、これからも要望を続けますので、もちろん加算は頑張っていただきたいと思いますが、同時に、その前提で事業所が減っていたら大変なことでありますので、今後も、その状況とかを聞きながら、私が提案したような、前倒しで、事業所が減っていないか、統廃合になっていないか、そういうふうなことも厚労省としては是非調査をしていただきたいというふうに願っております。
それに関連して、今、加算という話がありましたが、今回、私たち、議員立法二つを提案しておりまして、今の訪問介護の緊急支援法案と、介護職員そして障害福祉職員さんの処遇改善法案と二つを出しているんですね。
それで、ちょっと自己宣伝にもなるかもしれないんですけれども、今大臣がおっしゃった処遇改善加算、これがいつスタートしたのかということを、ちょっとだけうんちくを申し上げたいと思いますが、二ページを見ていただけますか。
つまり、これは重要なんですけれども、この処遇改善加算というのは二〇〇九年秋から始まったんですけれども、そのきっかけは、厚労省ではなくて、この厚労委員会での議員立法の成立なんですよ。これは本当に重要なことで、つまり、もちろん厚労省も頑張っていただいているんだけれども、やはりその足らざるところはこの厚労委員会で、与党、野党、対立するだけじゃなくて、時には協力して議員立法を作った。
その結果、二〇〇九年の秋以降、処遇改善加算という制度が、繰り返し言いますよ、厚生労働委員長の、衆議院厚生労働委員長、当時、はっきり言いまして茂木さんでした、茂木さんの提案した、この二ページ、介護従事者処遇改善法、これが超党派、全会一致で成立しました。それによって、翌年、厚労省が動いて、処遇改善加算ができて、それが二〇〇九年ですから、今もう十五年間続いているわけですよね。
じゃ、なぜこの衆議院の厚労委員会で処遇改善法が全会一致で成立したのか、衆議院を通過したのかということを言いますと、手前みそになりますけれども、二〇〇八年の一月に、当時の民主党、私も一員でしたけれども、今回と同様に、処遇改善法を、賃金引上げ法を提出したわけですね。ちょっとこれも手前みそになりますけれども、私のコメントがこの記事に載っているんですよ、シルバー新報のところに。障害者自立支援法でも民主党が対案を出したことで与党が動いた、介護人材の問題の解決に向け、特別措置法を呼び水としたいと。
当時から、野党の議員立法を呼び水として超党派で合意して、いい意味で厚労省を応援して、後押ししましょうよというようなことを私たちは言い続けておりまして、その結果、当時、私が野党の理事で、与党の理事が田村さんでした、いろいろ協議をしまして、それで、自民党さんや公明党さんも含めて、まあ、趣旨は分かるよね、幾ら上げるかはおいておいて趣旨は分かるよねということで、最終的には超党派で、委員長提案で、ここに書いてありますように、読み上げますよ。
介護従事者等の人材確保のための介護従事者等の処遇改善に関する法律案。政府は、高齢者等が安心して暮らすことのできる社会を実現するために介護従事者等が重要な役割を担っていることに鑑み、介護を担う優れた人材の確保を図るため、平成二十一年四月一日までに、介護従事者の賃金水準その他の事情を勘案し、介護従事者等の賃金を始めとする処遇の改善に資するための施策の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすると。
これについて、当時、何か附帯決議みたいなものを法律にして効果があるのかという批判もありました。しかし、でもやはり、超党派で、委員長提案で法律が成立したら、厚労省が動いて、処遇改善加算までできたんですね。
ですから、新谷委員長、是非、あれから、二〇〇八年で、今、十六年たっていますけれども、今回も、与野党が対立する話じゃないと思うんですね、処遇改善に関して。武見大臣、そういう意味では、私たちは与野党協力し、また厚労省とも協力して、処遇改善、介護職員さん、障害福祉職員さん、やりたいんですけれども、十六年前、この厚生労働委員会で、まさにそういう前例があるんですよ。
今回も、こういうふうな、与野党協力して、厚労省さんともちろん対立するんじゃなくて、後押ししますから、こういうふうな議員立法を超党派で、この委員会の育介法の審議の中で、今私たちも、中島理事、井坂理事中心に修正案というのを、附則にこういう処遇改善のことを入れることができないかという交渉をしておりますが、こういうことを議員立法として、議員提案として処遇改善につなげていく。
このような経緯を踏まえて、こういう意見についていかが思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/135
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136・武見敬三
○武見国務大臣 議員立法につきましては、まさに立法府において、その取扱い、しっかりと議論をしていただきたいというふうに思います。
なお、政府としては、とにもかくにも、介護職員の確保というのが重要な課題であるという認識をしておりまして、介護職員の処遇改善、それから人材確保に向けて全力で取り組んでいく所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/136
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137・山井和則
○山井委員 これは本当に、ちょっと言いづらいけれども、私たちも今処遇改善の議員立法を出して、ないとは思いますけれども、万が一、自民党が反対するなんということになったら、これは大変なことに私はなると思いますので、そういうことはない、それはあり得ないと思いますので。
というのは、幾ら上げるかは抜きにして、さっきも言いましたように、この成立させた委員長提案の当時の茂木法案には、額は書いていないんですよ。趣旨ですよ、趣旨。こういうことぐらい与野党で合意できるんじゃないかと思いますので、是非よろしくお願いをいたしますし、やはり、閣法の審議をしながらも、こういう何かを一歩、与野党協力して前進させていく、そのことが、私は責任ある厚労委員会ではないかというふうに思っております。
それとセットで、特に、介護だけじゃなくて、障害福祉のサービスの職員の方々も賃金が低くて大変御苦労されておりますが、障害福祉のサービスの職員の方々の処遇改善、これについても、武見大臣、意欲をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/137
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138・武見敬三
○武見国務大臣 障害福祉の現場でも、必要な人材を確保できるようにしていくことは極めて重要でございます。
こうした中で、これまで累次の処遇改善を講じ、その成果により、二〇〇八年から二〇二三年までにおける平均給与の増加額が、全産業平均は約八千円の増加である一方、障害福祉関係分野の職員は約四・五万円の増加と、全産業平均との差は確実に縮小をしてきているところでございます。
今般の障害福祉サービス等報酬改定における対応を通じて、まずは、物価高に負けない賃上げとして、令和六年度、二・五%のベースアップを実現するため、処遇改善加算の取得促進に全力を尽くしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/138
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139・山井和則
○山井委員 とにかく、介護と障害福祉とセットで処遇改善、与野党協力して全力で力を入れて、厚労省とも一緒に取り組んでいきたいと思います。
それでは、少し年金の話になりますが、今回、国民年金納付期間延長、そういう試算を、これは四年前にもやっているんですけれども、今年八月にもされるということで、配付資料の十四ページです。
もちろん、八月に試算結果が出るのは分かっているんですけれども、非常に関心が高いんですよ。それによって、六十歳以降まで働こうかどうしようかとか、そういう人生設計にもつながりかねませんから。ついては、正確な額とか、正確なことは八月にならないと試算が出ないというのは分かっております。その前提の下で、必要最小限の考え方ぐらいを確認をさせていただきたいと思います。
例えば、ここにフリップがございます、十四ページ。今、国民年金保険料は、月額一万六千九百八十円、ほぼ一万七千円ですね。ということは、確認ですけれども、五年間延長すると、十二か月掛ける五、一・七万円掛ける六十で百二万円。決定というか、試算は夏には出るわけですけれども、イメージとしては、五年間延長すれば新たに百二万円程度の保険料を払うということになる、こういうイメージの理解でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/139
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140・武見敬三
○武見国務大臣 基礎年金拠出期間の延長について、前回の二〇一九年の財政検証でも試算を行っており、具体的には、保険料負担が六十歳から六十五歳までの五年間で約百万円増加をし、給付費も年間約十万円増加するという前提で、二〇一九年にその試算を行ったところでございます。
こうした試算結果を踏まえつつ、関係者で議論した結果、制度改正には至らなかったというのが当時の状況であった、こう理解をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/140
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141・山井和則
○山井委員 二〇〇九年ですかね、処遇改善加算のときの担当の政務官は私だったわけなんですけれども、当時、長妻厚労大臣とともに、消えた年金問題にも取り組みました。その立場からいうと、年金は、よくしたいと思ったら財源が必要ですから、これは兆単位の財源が必要なので、本当にこれは、ちょっとやそっとじゃ進まないんです。
そのことを思いながらも、国民からすると、負担がどうなるんだということとか、給付がどう増えるんだというのは関心があるので、あえてお聞きしますが、ということは、今、武見大臣がおっしゃったように、ここにありますように、仮に、五年間、納付期間が延長されて約百万円払ったら、約十万円、受給額が増えるということですけれども、ということは、単純に計算すると、五年延びたら百万円保険料負担が増える、でも、毎年十万円年金受給額が増えるということは、ちょっと下世話な話ですけれども、じゃ、七十五歳ぐらいまで生きたら、プラマイすると元が取れるというか、得をするというか。
もしこういうモデルになれば、そういう考え方、イメージでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/141
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142・武見敬三
○武見国務大臣 次期の年金制度改革については、これから財政検証を行います。昨日、総理も答弁されましたけれども、基礎年金の拠出期間の延長を含めて、次期制度改正の内容について、現時点では何もまだ決めているものではない。そして、次期制度改革における給付の内容が決まっていない中で、例えば保険料の負担や給付も算出できず、御指摘のような計算を、前回のケースを踏襲してそう簡単に行うことは困難だというふうに考えます。
なお、基礎年金拠出期間の延長については、前回の二〇一九年の財政検証でも試算を行っておりまして、具体的には、保険料負担が六十歳から六十五歳までの五年間で約百万円増加をし、その代わり、給付費も年間で約十万円増加するという前提で試算を行っている。これはあくまでも二〇一九年の試算であるということを申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/142
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143・山井和則
○山井委員 これはまさに先ほど柚木議員も質問されたんですが、ちょっと聞きづらい、お聞きしづらいんですけれども、ここに当時の、四年前の資料がありますけれども、つまり、今、武見大臣が答弁されたのは追加試算2というやつで、国庫負担も延長される場合は年に十万円増えるんですよ。ところが、追加試算3というのがあって、追加試算3の場合には、国庫負担は延長期間には入れないということなんですね。そういう追加試算3というものも四年前に、二〇一九年にされているんです。
ということは、今、国庫負担もセットで延長されたら、月、十万円の延長だけれども、もし今回、追加試算3を政府が採用されるということになったときには、毎年十万円の年金受給額が増えるということではなく、国庫負担がないんだったら、もっと額が、十万円より減る可能性がある、そういう理解でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/143
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144・武見敬三
○武見国務大臣 これはもう何度もお答えして大変恐縮なのでございますけれども、二〇一九年のオプション試算としてこの検証が行われているわけでございまして、今回、年金制度に関わるオプション試算というのを改めて行って、それを踏まえて議論をするということになっております。
したがって、現在の段階でそうした負担の在り方等についてここでコメントすることはまだできないということを申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/144
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145・山井和則
○山井委員 武見大臣のおっしゃることもよく分かるんです。ただ、国民からすると、五年間延長という試算をまたするというニュースを聞いたら、その場合、五年間、百万円払うのはほぼ確実だと思うんですけれども、それで幾ら年金が増えるのかというのは、さっきも言いましたように、これによって、じゃ、六十歳で辞めようと思っていたけれども、やはり六十二歳まで働こうか、六十五歳まで新しい第二の仕事を探そうかとかいう人生設計にも影響するんですよね。
ということは、今おっしゃったように、基礎年金の国庫負担が延長されなかった場合には、十万円増えない、年に十万円も増えない危険性もあるということです。そこはちょっと、これから大きな争点になると思います。
次に、じゃ、これは何万人ぐらいの方に影響するのかということですけれども、これは配付資料を見ていただきたいんです。
配付資料十六ページにありますように、武見大臣、大体何万人ぐらいの方に影響するのかということですけれども、これも四年前の資料ですけれども、六十歳から六十四歳が八百万人おられる。そのうち厚生年金の被保険者が三百万人だということは、この方々は除外されますから、この五年間なりの延長の納付の対象になる方は、八百万人引く三百万人の五百万人の中から、また例えば、厚生年金の配偶者である三号被保険者を引いた方、五百万人から厚生年金の配偶者の三号被保険者を引いた方ぐらいの人数が新たに保険料を払うことになる、大体そういうイメージ感でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/145
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146・武見敬三
○武見国務大臣 先ほど申し上げたとおり、基礎年金の拠出期間の延長を含めて、次期年度改正の内容については現時点で何ら決まっておらず、追加の保険料が発生する具体的な人数等についても今ここでお答えするのは困難であります。
その上で、あえて一般論で申し上げれば、厚生年金の加入者は国民年金保険料を負担する必要がないため、仮に基礎年金拠出期間を延長した場合でも、追加の保険料が発生する対象にはならないと考えております。また、仮に単純に第三号被保険者の加入期間を延長した場合も、追加の保険料が発生する対象にはならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/146
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147・山井和則
○山井委員 そういうことですね。ですから、一般論として考え方をおっしゃいましたけれども、その一般論をこの数字に当てはめると、八百万人の中から厚生年金の方三百万人を引いた五百万人ぐらいで、そこからまた厚生年金の配偶者を除いた方、それこそ、四百万人なのか、そういうふうな桁になるのではないかというイメージですから。ただ、年に四百万人ぐらいだとしても、結局、今後、みんな六十歳になっていくわけですから、要は、八百万人中四百万人ぐらいだとしたら、人口の半分ぐらいは、つまり、六十五歳まで完全に厚生年金である人以外は、みんなこの話に影響を受けるということです。
そこで、武見大臣にお伺いしたいんですけれども、町の声を聞いてみますと、賛否両論あるんです、別に大反対ばかりじゃないんですけれども、百万円の負担増、五年納付延長に関して、やはりか、六十五歳まで働く必要があるなと。ついては、今後、何年か先に、今回は六十四歳までだけれども、次は、六十九歳まで払え、七十まで働けということに将来なるんじゃないか、そういう声があるんですけれども、そういう可能性というのは、将来、十年後、二十年後、あるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/147
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148・武見敬三
○武見国務大臣 委員の御指摘という、趣旨は分かりますけれども、実際に、この具体的な課題については、まさにこれから社会保障制度調査会の年金部会の中で御議論をいただいて、そして、そこでの御議論というものを踏まえて、実際に私どもも対応を考えていくということになります。
したがって、それをやはり冷静に、私ども、まずはその議論をしっかりと聞き、どう受け止めるかを考えるというのが私どもにとっては一番大切な基本的な姿勢だろう、こう理解しています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/148
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149・山井和則
○山井委員 最後の質問になりますけれども、ちまたの意見を聞くと、年金は百年安心と言われていたのに安心じゃないんですかという声もあるんですけれども、そこは、こういう改革案の試算をそもそもするということは、やはり、年金は百年安心というのは、なかなかそうはいかないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/149
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150・新谷正義
○新谷委員長 武見厚生労働大臣、申合せの時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/150
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151・武見敬三
○武見国務大臣 はい。
常に私どもは、年金制度について、国民がしっかりとした安心感を持っていただけるように努力するというのが基本姿勢でなければいけないというふうに考えているところであります。
したがって、この基本的な考え方に基づいて、丁寧に、まずは社会保障制度調査会の年金部会での御議論というものをしっかりとしていただいて、それに対応するということをまず基本とさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/151
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152・山井和則
○山井委員 時間が来ましたので終わりますが、田村議員も戻ってこられましたけれども、田村議員、私たちで二〇〇八年には処遇改善法を成立させましたので、是非とも今回、与野党理事、力を合わせて、是非、新谷委員長の委員長提案で、近いうちに処遇改善の法案を、衆議院の厚生労働委員会の与野党の総意として提出できること、そして、それが成立して、本当に職員の方々が喜ばれるように心から願って、質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/152
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153・新谷正義
○新谷委員長 この際、暫時休憩いたします。
午前十一時五十三分休憩
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午後三時二分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/153
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154・新谷正義
○新谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。岬麻紀君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/154
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155・岬麻紀
○岬委員 皆様、お疲れさまでございます。午前から大変長丁場でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、先般、育児をしながらお仕事をしている、両立をして頑張っているお母さんとの子育てママミーティングというものをしてみました。そうしますと、お母さんたちの声は、実際は、本当は複数の子を産みたい、欲しいというふうに思っている方が結構いらっしゃるんだなということが分かりました。
そこで、なぜ一人っ子にしてしまったんですかというような問いをしましたところ、やはり一番大きな理由としては、経済的な負担、そして将来への不安が大きいということで、特に、頑張って働いている女性は、仕事を失う、又は、中断してキャリアが途絶えてしまうのがやはり不安である、そして、生活ができなくなってしまうのではないかといった不安が大きいようです。また、それ以上に、高齢出産の方が多くて、子供が成人するまでの長いスパンを考えると漠然とした不安がある、何よりも、自分自身の年齢を考えると、年齢には逆らえない、体力、身体負担が結構あるなということで、一人っ子で我慢をすることに決めたというような声が聞かれました。
では、どうしたら多子化が実現できるのかという話をしましたところ、私自身もここが衝撃的な回答が来ました。あるママの経験談なんですけれども、計画的な出産、そして無痛分娩、これを行ったところ、非常に精神的にも体的にも負担がなかったと。今まで、高齢出産になるまでに、無痛分娩というもの、また計画出産ということが合わせ技でできるとするならば、もっと何人でも産めるような気がするというような大変うれしい声もありました。
もっと若いうちにこのことを知っていたら何人か産めたのではないか、ここがポイントでございます。無痛分娩であること、そして計画出産ができるという部分です。
もちろん、出産ですから、計画をしたからといって、そのとおりになるとは、全てではありません。時として、突然陣痛が来ることもあるかもしれません。しかし、メリットとして考えられるのが、自分も周囲も仕事の関係者も準備や心構えができるということ、そして、スムーズに出産まで過ごせた、里帰りをしてもしなくても、実家の負担も減るのではないか。また一方で、課題としては、いまだに一般的な選択肢ではなく、大規模な、しっかりと設備が整った病院でしかこれが受け入れてもらえない、出産は大変であるからこそ価値がある。
私自身も、この話を聞くまでは、出産は、陣痛があって必死に産んで、通常分娩をするからこそ価値があるんだ、そのように私自身も勝手に思った固定観念があったわけですが、お話を聞くと、確かに、時代の流れ、また、女性の選択肢が増える、さらに、女性の出産をするという負担が軽減できる、漠然とした不安も減少できるのではないかなということで、女性同士でフランクな中でお話を聞けたのは大変価値があったと思いますが、ここで、ずばり、大臣、この無痛分娩、計画出産という選択肢、女性のこれからの生き方について、まずは、どのような見解をお持ちでいらっしゃいますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/155
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156・武見敬三
○武見国務大臣 日本における無痛分娩の実施率は一割程度ということでございます。この無痛分娩の実施率との関係性は定かではございませんが、専門家などから、陣痛を経験しないことに対する偏見があるという指摘がなされていることも承知しております。
厚生労働省としては、無痛分娩の選択を含め、個々の妊産婦の考え方や希望に基づいて出産できるよう、安心、安全な環境を整えることが重要であると考えております。このために、無痛分娩を希望する妊婦が不利益を被らないよう、関係学会などと連携しながら、無痛分娩に関する正しい知識の普及啓発に努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/156
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157・岬麻紀
○岬委員 ありがとうございます。
女性の私から見ても、私も男の子を二人産みましたけれども、やはり正常分娩が一番安心である、それは体にとってもいいはずなんだ、そういった固定観念があったんですけれども、よくよく聞いてみると、この無痛分娩、しっかりと感覚があるということで、自分の意識もしっかりとあるそうなんです。ですから、全身麻酔とは全く別のものである、さらに、出産された新生児もしっかりとおぎゃあと泣いて生まれてくるということを聞いて、非常に希望が持てる選択肢の一つなのではないかなと私自身が感じました。
今後は、是非、安全性という部分、また、広くこの選択肢、正しい情報又は知識がこれからお母さんになろうという方に提供されることを強く望みます。
そして次に、産んでから育てていく中でのお仕事、この両立が大変負担になっている、どうしても女性が負担が大きいのではないかという問題があるわけですが、アンケートによりますと、日本の社会では子供を産み育てやすいかという質問がありました。そこで、余り思わない、若しくは、全く思わないというお母さん、七六・八%という高い数字が出ました。そうなりますと、実際にお子さんを育ててお仕事を両立しているお母さん方が、社会でなかなかそれが、やりやすい、受け入れられていないな、そういった不自由さを感じているという結果なのではないでしょうか。
また、昔ながらの子育てを頑張ってきた私世代、またその上の世代からすると、大変って、何が大変なの、こんなに社会が受け入れてくれるようになっているじゃないか、お父さんも参画するようになったじゃないかというような、時代によっての大変さという概念もこれからは変わっていくのではないかというふうにも感じています。
そうなりますと、働き方という制度だけではなく、負担を軽減した出産方法や、また取り組み方、これも重要な部分ではないでしょうか。高齢出産を避けるために初産を早くする、若いうちに早く選択ができるというためには、出産とお仕事の両立が無理なく可能であることを本人や社会がしっかりと理解をしていくために、制度をきちんと確立していく必要があると考えます。
複数の子供を産み育てられやすい時間や体力、キャリア、収入の確保、可能性を考えて、これからの制度づくりをどのようにするといいと、今の、実際これから進めようということも含めまして、課題や対策をいま一度具体的に教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/157
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158・宮崎政久
○宮崎副大臣 御指摘のように、男女とも様々なライフイベントがある中で、職業人生における明確な展望を描き続けて、その能力を伸長、発揮できる環境を整備することは、この国の将来のためにも極めて重要だと思っております。
これまでも、制度面では、育児・介護休業法に基づく両立支援、男女雇用機会均等法の遵守の徹底、女性活躍推進法による取組などを推進してきております。また、今回御審議いただいている法案では、育児期の柔軟な働き方を実現するための措置の創設であったり、雇用環境の整備などに更に取り組むということにしているところでございます。
その上で、我が国において、依然としていろいろな、様々な意識の差があるというところでありますので、仕事と家庭の両立が難しい職場風土を克服していく、そういった取組が必要だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/158
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159・岬麻紀
○岬委員 宮崎副大臣、ありがとうございます。
制度もしっかりとこれから進めていかれるということなんですけれども、実際、働いているお母さん、そして、お子さんはいない、若しくは、お子さんは既に大きくなったというお母様方、社会の中ではかなり分断もあるようなんです。
例えば、お仕事をしている中で、小さなお子さんを育てている方は御経験があると思いますが、突然熱が出ました、これはすぐに保育園などから電話がかかってきます。若しくは、お友達同士、また外で遊んでいて、ささいなことでけがをしてしまう、こういったことも多々あります。そういったときにお母さん側は、それは行かなくてはいけないから、すぐにお迎えに行く。そうすると、仕事にはどうしてもしわ寄せ、またフォローをしなくてはいけない人たちが出てきます。ここの分断です。
フォローする側、若しくはしわ寄せがいつも来る側の人からすると、子供が理由ですぐに帰れるからいいわよねと。子持ち様という言葉もあるそうなんですね。これはすごく皮肉も入っています。さらに、子供を育てているから致し方なく仕事をお休みするなり早引きをするなりして帰る人は、大変な罪悪感、申し訳なさで仕事をしていらっしゃる。子育て罰という言葉もあります。
こういった中で、そうやって仕事に穴を空けてしまうお母さん方はだんだん、当てにならない人だと。あの人は子供が小さいから、子供を理由にすぐ休んでしまう、そういった偏見も含めました社会関係資本がどんどんこの方は低下していってしまうという問題がございます。
その辺りの風土改革も含めて必要だと思いますが、この問題意識に関してはどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/159
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160・宮崎政久
○宮崎副大臣 最近、今先生御指摘のような、子育て罰とか子持ち様みたいなことがよく言われて、非常に今本当にトピカルな、一番新しい話題を御質問いただいたのかなというふうに思っています。
実は、厚生労働省でもいろいろ研究会などもやっておりまして、その中でお聞きした、ある大きな会社の人事部の方から意見を聞いたときに、実はこんなことをおっしゃられていたんです。
子供を持ちたくても持てない方もいれば、独身でずっと働いている方もいらっしゃるので、両立支援制度を利用される方とそうでない方との壁は永遠の課題だと我が社では思っていると。制度設計をする際にも意識したいのは、何でもかんでも育児を拡充しますということではなくて、何かしらの制度をつくるときに、育児だけではなくて、従業員の皆さんの生活の充実のためにこういう制度もやるんだというようなことを入れていくことを昔からやっていて、先生今御指摘いただいたような不公平感というのを何とか克服したい、でも、これは永遠の課題なんだというふうなお話をお聞きしました。こういった意味で、仕事と生活が両立しやすい職場環境を整備していくことは非常に重要だと思っております。
今回の法案では、次世代育成支援対策推進法の改正によりまして、事業主が一般事業主行動計画を策定する際に、育児中の労働者以外も含めた労働時間の状況に関する数値目標の設定を義務づけることなどを盛り込んだり、また、一般事業主行動計画を策定するに当たって計画に盛り込むことが望ましい事項として、育児休業取得者等の周囲の労働者に対するマネジメントや評価に関すること、育児休業中の労働者の業務を代替する労働者の心身の健康への配慮などを指針としてお示しするということを予定しております。
こういった取組も含めて、働く職場にはいろいろな立場の方がおられるので、そういった方を含めて、職場全体での仕事と生活の両立に向けた環境整備を推進していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/160
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161・岬麻紀
○岬委員 副大臣、ありがとうございます。
まさにその不公平感があるわけですね。そして、ここはなかなか相入れない。同じ女性であっても、やはりキャリアを一生懸命、いろいろなものを犠牲にしてでも頑張ってきた方もいれば、そういった方からすると、女性の生き方、多様化し過ぎて、欲張りじゃないかという意見も出ています。例えば、私はいろいろなことを我慢をして、犠牲にして、結婚もせずキャリアを積んできた、なのに、あなたは結婚して、子供も産んで、子供を理由に仕事をないがしろにしている、そんなの欲張りじゃないか、そういった個人的ないさかいにもなりかねないという風土を感じます。
実際に、私も国会議員をさせていただく前にフリーアナウンサーとして活動しておりまして、その中で、いろいろな企業から、女性の生き方という研修を担当したことが何度もあります。そういった中で、女性は欲張りでいいんだ、たくさんの選択肢の中から自由に選択をしていいんだということを勧めてきました。結婚して、時には離婚を選択しなくてはいけないこともあるでしょう。子供、一人っ子から、三人、四人と産める方もいるでしょう。そういった方が、これをしたから何かを我慢しなくてはいけない、そういった女性の生き方というのは本当の意味での女性の活躍ではないのではないかという問題提起をしたいと思います。
そして、この不公平感を感じている側にしますと、幾らしわ寄せを解消したり、フォローしてあげたとしても、給料は上がらないし、その方と何の評価も変わらないじゃないかという意見もあります。であれば、何らかのインセンティブを与えるであるとか、頑張ってくれた、フォローしてくれた方への貢献度の見える化というものをするといいのではないかという提案ですけれども、その辺りはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/161
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162・堀井奈津子
○堀井政府参考人 お答えをいたします。
仕事と育児の両立支援制度の充実に当たりましては、岬委員御指摘のように、育児を行う労働者と周囲の労働者との公平感、納得感にも配慮しながら進めることは大変重要だというふうに考えております。
このため、厚生労働省におきましては、中小企業事業主に対しまして、育児休業中の労働者の代替要員を新規に雇用した場合や、育児休業等を取得している間の業務を代替する周囲の労働者に手当を支給した場合に支給される助成金を設けています。
引き続き、このような制度も利用しながら、企業、そして周囲の労働者の支援にもちゃんと取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/162
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163・岬麻紀
○岬委員 ありがとうございます。
では、幾つか質問を飛ばしまして、一の七に参りますけれども、今お話もありましたが、両立支援等助成金の制度が存在しますけれども、実際に中小規模、小さな規模の事業者さんには負担もかなり大きく、しんどいのではないかなと感じます。事業主さんが積極的に取り組むことを推進して、看護の休暇であるとか、効果的な利用が可能な環境整備というものが非常に重要だと思いますが、その辺りは併せてどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/163
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164・堀井奈津子
○堀井政府参考人 今、岬委員から御指摘がございましたように、両立支援等助成金によりまして、柔軟な働き方の導入、こういった支援を行っています。
具体的には、法律の基準を上回る子の看護休暇制度や、子の養育を容易にするための休暇制度などを含む、育児を行う労働者の柔軟な働き方を可能とする制度を二つ以上設けた上で、円滑に制度を利用できるように、社内の業務体制などを定めた育児に係る柔軟な働き方支援プラン、こういったものを個々の労働者ごとに作成をしている、こういった要件を満たした中小企業事業主に助成を行うということにしております。
こういったものも一層活用してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/164
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165・岬麻紀
○岬委員 次に、子供の看護休暇、毎年付与される権利ということで、午前中にも質問が出ておりましたけれども、両方、例えばお父さん、お母さん、勤務先それぞれ五日間あるとすると十日あるわけですが、これは一人親家庭を含めて、公平性という部分の観点で欠落しているのではないかと思いますが、今後はどのように、具体的な一人親の支援はどうしていかれますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/165
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166・堀井奈津子
○堀井政府参考人 子の看護休暇の日数につきましては委員からも御指摘がございましたので省略をさせていただきますが、今回の法案におきましては、一人親家庭など、子や家庭の様々な事情に対応できるように、労働者の個別の意向の確認と、その意向への配慮というものを事業主に義務づけをすることにしております。
これに加えまして、事業主の望ましい対応といたしまして、一人親家庭の場合であって希望するときには、子の看護休暇制度等の付与日数に配慮をすることなどを指針で示すということを考えております。
このような対応を促すことによって、様々な事情を抱えている労働者の両立を支援をしてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/166
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167・岬麻紀
○岬委員 ここまではお母さん側の視点で質問をさせていただきましたが、次はお父さん、パパの方にも目を向けたいと思います。
育休の取得率、女性はかなり多くの方が取得を、せざるを得ないということもあると思うんですね。やはり、自身の体、体力の低下、また回復ということで、非常に重要なこれは休業だと思います。しかし、男性側を見ますと、午前中にも数値が出ておりましたが、一七・一%にすぎません。この差というのは、男女の中で非常に大きな隔たりだなというふうに感じております。
男性が育児参加を、これからは重要だということですけれども、やはり、男性が仕事を、子育てだからといって、なかなかお休みを取るには、相当の覚悟がお父さん側にもあります。そして、企業側や社会風土が、お父さんなのに何でそんなことが必要なんだという風潮はまだまだあります。そして、尻に敷かれているんじゃないか、そんな偏見も生まれてきます。
つまり、取りづらい風土という、ここをまずは改革していく必要があります。この辺り、どのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/167
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168・宮崎政久
○宮崎副大臣 御指摘のとおり、女性に偏りがちな育児や家事の負担を軽減するということは、男性が主体的に育児、家事に関わって、男女とも希望に応じて仕事と育児の両立が図られるようにしていくことが非常に重要であります。
統計の数値でも、男性の側にも、実は育児に関わりたいという希望が多いということが出ておりますので、制度上も、こういったことをしっかり担保していかないといけないと考えております。
男性の育児休業の取得の促進と併せて、育児休業中にしっかりと育児、家事に向き合うことを後押しすることが必要であることから、企業版両親学級の推進などによって男性労働者の意識改革などに取り組んでいるほか、今後、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画において、労働者の取得実績や希望などを勘案して、男性の育児休業の取得期間に関する適切な目標が設定されることが望ましい旨を指針で示していくことなども取り組んでいくこととしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/168
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169・岬麻紀
○岬委員 育休を取っていただくことはまず大前提ですけれども、取ったからといって、結構、ごろごろして、自分の本当のお休みになってしまっているというお父さんも多く聞かれます。
是非、パパ主体という今言葉がありました。パパ主体とはどういうことかといいますと、お母さんたちは、出産をして、慣れない新生児を連れて家に帰って、そして、寝れば二時間置きに授乳の時間で寝不足であり、体力の回復もままならないという中で、お父さんは、では、主体的に何をするのかというところが、急に、お父さん頑張ってと言われても、頑張りようがないんですね。気持ちだけでは生活は回りません。
であれば、妊娠中からお父さんがしっかりと沐浴を、サポートではなく自分が主体としてやる、沐浴からおむつ替え、洗濯、買物、料理というように、何であれば、寝不足のお母さんをしっかり休ませる、母乳の授乳以外のときの、それ以外は全部自分が賄って、自分がサポートするんだ、それぐらいの主体性を持ってやるからこそ男女共同であり、パパとママが共同であるというふうになるのではないかと思いますが、その辺りの主体的なパパの育児、家事の参加という部分はどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/169
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170・堀井奈津子
○堀井政府参考人 お答えをいたします。
男性の育児休業の取得促進をずっと図っております。それで、様々な、実際取られた男性労働者の方ですとか企業の方にお話を伺っておりますと、本当にいろいろなケースがあるということに気づかされます。主体的に育児に参画をされて、岬委員御指摘のような形で育児休業に備えておられた方もいれば、育児休業に入ったときは全くどうしたらいいか分からなかったけれども、育児休業中にようやく家事、育児に参画をして、育児休業後の、男女共に働き、育てるということの助走期間にした、そういうお話もあります。
いろいろな形がある中で、少なくとも、厚生労働省といたしましては、いろいろなツールを使って、男性の育児参加、家事参加というのを進めていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/170
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171・岬麻紀
○岬委員 今、助走期間という時間が必要だったということだと思うんですけれども、女性は、妊娠をしてから大体十か月の期間をかけて、自分の体調の変化も踏まえて、母親になっていくんだという心構えをあらゆるところで感じると思います。男性はその傍観者であって、自分の体が何か変わるわけではありませんので、やはりその女性の変化とともに、男性側も、パパになる自覚、心構えを常に養いつつ、いざ出産したところからスムーズにパパとしての家事なり育児の参加ができるような、そんな体制を整えていくというのは非常にこれから重要であるし、少子化対策にもつながっていくのではないかと感じます。
では、次に、多様な人材の確保も今後必要となります。人材不足はどの業界でも共通しています。適材適所に配置をしていこうというダイバーシティーマネジメントの導入が言葉で出てきましたけれども、中小企業の更なる発展にも寄与するのではないでしょうか。多くの人材、様々な角度での人材確保をすると、その方々の目線や角度がありますと、新たな視点から新しい商品が生み出されたり、また、新しいサービスの提案ができたりということにもつながると思いますが、その辺り、いかがでしょうか。それと、一方で、ミスマッチという対策も必要だと思います。お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/171
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172・井上誠一郎
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
経済産業省といたしましては、女性を始めとした多様な人材が、中小企業を含めて職場でそれぞれの多様な能力を存分に発揮し、活躍いただくこと、それがイノベーションの創出ですとか生産性の向上にとっても重要であるというふうに認識しております。
こうした中、経産省といたしましては、中小企業も含めてダイバーシティー経営の推進に取り組んでいるところでございまして、例えば、企業がダイバーシティー経営を実践する上で必要と考えられる取組を整理いたしまして、ガイドラインといったような形で公表しまして、その周知に取り組んでいるところでございます。
さらに、中小企業政策として、中小企業の雇用のミスマッチの解消ですとか、転職してこられた方々の人材の定着を図るということが中小企業の人手不足の解消にも重要でございますので、昨年、中小企業庁の方で人材活用ガイドラインを作成したところでございます。中小企業が人材戦略を作成する際の支援や、多様な人材の確保、活用を図るためのセミナー、マッチング等の支援を実施しているところでございます。
今後とも、ダイバーシティー経営の推進に取り組み、中小企業の成長にもつなげていきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/172
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173・岬麻紀
○岬委員 経産省さん、ありがとうございました。
時間いっぱいとなりましたので、これから是非とも、お母さん、お父さん、多くの方がしっかりと活躍ができるという社会を築いていただきますようよろしくお願いいたします。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/173
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174・新谷正義
○新谷委員長 次に、遠藤良太君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/174
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175・遠藤良太
○遠藤(良)委員 日本維新の会の遠藤良太でございます。
私からは、午前中からこの議論がずっと続いているんですけれども、まず初めに、今、現状の認識としては、想定を上回るペースで少子化が進んでいるということでこういう法案に関しても出てきていると思うんですけれども、今の現状、この原因はどういうところにあるのかをお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/175
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176・高橋宏治
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
少子化の要因といたしましては、女性人口の減少、未婚化、晩婚化、夫婦の持つ子供の数の減少、この三つであるというふうに認識してございます。
その背景にあるものといたしまして、経済的な不安定さや出会いの機会の減少、仕事と子育ての両立の難しさ、家事、育児の負担が依然として女性に偏っている状況、子育ての孤立感や負担感、子育てや教育に係る費用負担などなど、様々な点が複雑に絡み合っておると認識しておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/176
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177・遠藤良太
○遠藤(良)委員 原因は三つであるというようなことがありましたけれども、晩婚化であったりとか晩産化があるということなんですけれども。
今回の法案で、子供の年齢に応じた柔軟な働き方を実現していこうということだと思うんですけれども、これで少子化に歯止めがかかるというふうに考えているのかどうか、お尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/177
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178・堀井奈津子
○堀井政府参考人 お答えをいたします。
少子化の背景には、今お話がございましたように様々な要因があるというふうに考えられておりますが、その中の一つとして、仕事と育児を両立しづらい職場環境がある、男女とも希望に応じて仕事と育児を両立できるようにしていくということは、少子化対策にも資するものであるというふうに考えております。
今回の法案の中では、御指摘ございましたように、両立支援を一層進めるために、子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充や、育児休業の取得状況の公表義務の対象拡大、そして次世代育成支援対策の推進、強化等の措置を講ずるということにしています。
そして、単に制度や施策を充実するだけではなくて、共働き、共育てに関する社会全体の意識改革を進めながら、制度の利用促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
ある一つの施策を取ったことで少子化に歯止めがかかるというふうには思っておりませんで、いろいろな対策をいろいろな形で関係者共に進めていくということが重要である、そのような観点から、両立支援という部分では、今回の法案を提出させていただいているという次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/178
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179・遠藤良太
○遠藤(良)委員 ありがとうございます。
恐らく、政府としても手探りな状態で、子育て支援であったりとか、出生率を上げていこうと、本当に手探りの状態があるんだというふうに感じるんですが。
日本商工会議所の調査の中で、育休を取る人の代わりがいないと回答した企業が五二・四%あったと、半数以上いて、採用難や資金難で育休時の代わりの要員を外部から確保できないというのが三五・七%いたということで、つまり、代替要員の確保が困難であるということが実態としてあるんだと思うんですが。
必要最小限の人数で業務を運営している会社にとっては、一方で、男性なり女性が長期で育休を取ることで代替要員の確保が困難であるということが実際こういうデータ上でも分かると思うんですが、こういう厳しい状況になっていることについてどういうふうな捉え方をされているのか、お尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/179
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180・堀井奈津子
○堀井政府参考人 やはり、労働者の方が気兼ねなく育児休業等を取得できるようにするためには、職場環境の整備、この支援というのが大変重要だというふうに考えております。
厚生労働省の支援策としましては、中小企業事業主の方に対する代替要員を新規に雇用した場合の助成金などがございますが、その中のメニューといたしまして、新規に雇用あるいは派遣労働者を受け入れただけではなくて、育児休業中あるいは短時間勤務中の労働者、その方の業務を代替する周囲の労働者に中小企業事業主が手当を支給した場合、こういった場合に支給をされる助成金というのも設けております。
また、労務管理の専門家から個別に相談支援等を無料で受けられる事業等も実施をしておりまして、結局、職場の体制、労務管理の在り方あるいは業務のやり方の見直しからして、それで休業を取りやすいような職場にしていく、そのような取組も支援をしているという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/180
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181・遠藤良太
○遠藤(良)委員 そういう取りやすい環境づくりであったりとか、企業として、代替だけではなくて、その周りの管理職であったりとか、そういった周りの方々に少しずつ、やればやるほどしわ寄せが行っているんだということが現状あると思います。要は、人がいないことによって周りにしわ寄せが行くということだと思うんですが。
その中で、代替要員の確保が困難な場合にそういう、周りにしわ寄せが行く、これは、働き方改革と言われますけれども、どのように実際進めていくというお考えなのか、お尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/181
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182・堀井奈津子
○堀井政府参考人 今まさに遠藤委員から御指摘がありました職場全体の働き方改革、その推進という観点が大変重要だというふうに考えております。
そして、その際、業種や職種ごとに労働者の勤務形態等の事情が様々でございますので、それぞれの状況に応じたきめ細やかな対応を行っていくということが必要だというふうに考えております。
例えば、医療ですとか介護等の分野、こういった方々に対して育児休業の取得しやすい環境整備を進めるための取組として、医師等の医療従事者について、各都道府県に設置をされた医療勤務環境改善支援センターによる助言等を実施をしたり、医療機関の管理者等への研修を通じた好事例の周知や、補助金等による支援等を行っているなど、このようなきめ細やかな対応が必要というふうに考えております。
また、今回の法案に関して申し上げますと、次世代育成支援対策推進法の改正で、事業主が一般事業主行動計画を策定する際に、時間外労働等の労働時間の状況に関する数値目標の設定を義務づけるということにしております。これによって、事業所全体、各職場での労働時間短縮に向けた取組を進めていくということになろうかと思います。
様々な形で取組を進めてまいるということだと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/182
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183・遠藤良太
○遠藤(良)委員 計画を作るということで、一方で、先ほども、医療であったりとか介護従事者であったりとかということに、特にエッセンシャルワーカーと言われるような、要は、国として人員配置基準を設けて、例えば必ずナースさんがいないといけないサービスは、これは、人員削減ということは代替要員を準備しないといけないという意味では、かなり事業者に対してもしわ寄せが行くんだということだと思います。要は、エッセンシャルワーカーに対して、削ることができない職種もあるわけなので、その辺りも実際議論していく必要があると思います。
次のテーマに移りたいんですけれども、そういう中で、テレワークも進展していると思いますけれども、今回の法案の中では、努力義務は、三歳になるまで子を養育する場合、テレワークによって子育てと仕事を両立できるんだということなんですけれども、実際、テレワークの生産性、どういうふうに捉えられているのか、お尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/183
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184・堀井奈津子
○堀井政府参考人 今、遠藤委員より、テレワークの生産性というふうな御指摘がございました。
そして、今回、法案、あるいは育児、介護と仕事の両立という観点でテレワークをどのように捉えているかということでお答え申し上げますと、例えば、育児期の働き方の希望を尋ねますと、男女共に、柔軟な働き方を利用しながら所定労働時間を短縮しない働き方、こういったことについての希望が見られています。テレワークを活用することによって育児期の労働者の通勤時間が削減されることで、所定労働時間を短縮せずに勤務を可能とするということが期待をされます。
家族の介護を行う労働者についても同様に、テレワークによって通勤時間の削減等が図られますので、遠隔地に住む家族の家からの業務実施が可能となる、このようなことも期待をされるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/184
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185・遠藤良太
○遠藤(良)委員 東京二十三区ではテレワーク率は五一・六%と、高いという数字なんですけれども、要は、どんどんテレワークが推奨されていって、先ほどおっしゃられたみたいに、通勤しなくても自宅で、子育てにより時間を取れるんだということなんだと思うんですが、最近は出社するケースも増えているんだということで、テレワークの実施率は全国では三〇%だということなんです。
今回、努力義務にすることによってテレワークをする企業が増えるのかどうか、この辺り、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/185
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186・堀井奈津子
○堀井政府参考人 今委員御指摘ございましたように、地域でもテレワークの実施状況、若干差があるということになっております。
テレワークに関して、令和七年度導入企業割合を見てみますと、南関東や近畿、東海を除く地域では、令和三年度の三五・四%から一〇ポイントの引上げとなる四五・四%を目指そうということで設定をしており、また、南関東、近畿、東海地域においては、令和三年度の六〇・二%を維持して、これらによって全国では五五・二%を目指す、こういう政府のKPIが設定をされているところでございます。
今、遠藤委員御指摘ございましたが、今回の法案が通った暁にテレワークの導入が増えるのかどうかというところについては、今にわかにちょっとお答えをすることは困難でございますが、育児、介護にひもづけたテレワーク以外にも、このような形でのテレワークの導入目標などを設定して進めておるところでございますので、その企業、職種、業種の状況に応じた形でテレワークが浸透していくということは考えられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/186
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187・遠藤良太
○遠藤(良)委員 全国、昨年六月、閣議決定されたということで、目標設定もしっかりKPIを設定しているんだということなんですが、テレワークについてどの程度この範囲を努力義務としているのか、その辺り、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/187
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188・堀井奈津子
○堀井政府参考人 今回の法案におきましては、三歳までの子を養育する労働者及び要介護状態にある対象家族を介護する労働者に関してテレワークを努力義務としております。
この考え方といたしましては、業務の性質、内容等からテレワークの実施が困難な場合もあることから、事業主に対して一律に義務を課するということはしない一方で、テレワークを促進していく観点から、対象となる業種や企業規模、労働者の職種等について限定をするということはしないという考え方に基づくものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/188
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189・遠藤良太
○遠藤(良)委員 事前のレクだと、テレワークできない企業があるんじゃないかと指摘したときに、機材がないであったりとかノウハウがないということで、一方で助成金もあるんだということで、こういったことも是非政府としても、テレワークを推奨する、目標設定も設定しているんだということであれば、そこも併せて企業向けにこういう助成金があるんだということを是非周知をして、テレワークを普及させていこうということを政府全体でやっていただきたいなというふうに思うんですけれども。
次に移りたいんですが、育児休業の取得の公表をしていくんだということですけれども、千人から三百人超えの企業に拡大していくと。公表することで企業側のメリットというのはどういうことがあるのか、お尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/189
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190・堀井奈津子
○堀井政府参考人 育児・介護休業法により育児休業の取得状況の公表、これを義務づけている趣旨でございますけれども、これは、企業自ら積極的な取組を進めていく、このような社会的機運の醸成をして男性の育児休業の取得を促進をするということにございます。
ただ、企業にとりましてもメリットがあると考えておりまして、例えば仕事と育児の両立支援に取り組む企業として求職者にアピールできるなど、従業員の確保や定着につながる、このようなことがあると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/190
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191・遠藤良太
○遠藤(良)委員 メリットがあって、採用するときに子育てであったりとかそういうことに向けてしっかりやっていますよということなんですけれども、これまで千人超えの事業主に公表義務ということをしてきたと思うんですけれども、過去、こういう公表をした企業の課題であったりとか効果検証というのは取り組んでいるのかどうか、お尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/191
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192・堀井奈津子
○堀井政府参考人 男性の育児休業の取得状況に関して、令和五年の四月から労働者数が千人を超える事業主に対して育児休業の取得状況の公表を義務づけをしているところでございまして、令和五年の六月になりますが、労働者数が千人を超える企業を対象に行った調査がございます。
男性の育児休業等取得率の公表状況調査でございますが、この中では、男性の育児休業等取得率を公表した企業からは、公表の効果ということで幾つか回答が見られました。具体的に御紹介をさせていただきますと、男性の育児休業等の取得率が増加をしたという直接的な御回答。そして、男性の育児休業取得に対する職場内の雰囲気のポジティブな変化があった、また、新卒、中途採用の応募が増えた、このような御回答があったところでございます。
したがいまして、引き続き現行制度に基づく公表制度の履行確保を図るとともに、今回の法案により新たに対象となる事業主の方が円滑に改正法に対応をしていただけるように、分かりやすい資料の作成など様々な手段を通じて周知に努めて、都道府県労働局におきましても事業主の方々の相談に丁寧に対応してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/192
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193・遠藤良太
○遠藤(良)委員 千人超えをした事業主の公表義務というのが令和五年四月から開始したと。アンケートを取ったのが令和五年なんですけれども、これは実際三百人にしたというその根拠というか、そういったものはあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/193
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194・堀井奈津子
○堀井政府参考人 今申し上げましたように、育児休業の取得状況の公表によりまして、一定のメリット、それから効果、そういったことが認められたというところが一つございます。
また、三百人を超える企業におきましてもこのようなメリットを波及させるというふうなことで、その公表義務の対象拡大について必要性などを御指摘をする意見等も踏まえまして、今回このような形で法案を提出をさせていただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/194
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195・遠藤良太
○遠藤(良)委員 これはあくまでも私見なんですけれども、千人から、一年余りでいきなり三百人にしていく、これは一方で、三百人にしたことで、むしろそういう企業にとってはデメリットもあったりするんじゃないかなというふうに思いますし、是非、これは明確に、三百人にしていく、今後どういうふうになっていくか分からないですけれども、あくまでも採用される側がオープンにされることでこの企業の方が子育てしやすいなとかとなってくるんですけれども、一方で、なかなかそこまでいけない企業にとっては、かなりデメリットにも近いなというふうにも思うんです。
今回、法改正の中で、百人超えの事業主に育児休業の取得状況について状況把握や数値目標を義務づけるということなんですけれども、育児休業取得状況の義務づけについて事業者の負担があると思うんですが、この辺りはどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/195
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196・堀井奈津子
○堀井政府参考人 今回の法案におきましては、次世代育成支援対策推進法に基づきまして、常時雇用する労働者数が百人を超える事業主に義務づけられている一般事業主行動計画を策定する際に、男性の育児休業取得率等に係る数値目標の設定等を義務づけをするということにしております。
それで、今、企業の負担、そういったことについての御指摘もございましたが、事業主の方が円滑に改正法に対応いただけるように、行動計画策定指針におきまして、行動計画に関する基本的な事項や事業主が取り組むことが望ましい事項を示す、また、事業主に取り組んでいただく内容をまとめた運用のマニュアルなどを策定、公表する、そして、厚生労働省が運営するサイト、両立支援のひろばというものがございますが、こういったところにおきまして好事例などを示す、こういった支援策を講じていきたいというふうに考えております。
また、確かに、中小企業にとっては非常にその負担が増えるんじゃないかというお声もある一方で、さきの議論にも出ておりましたが、このような対策を講じることは、中小企業における人材の確保、定着にも資するという、そのような側面もございます。
いろいろな形で支援をさせていただきながら、取組を進めてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/196
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197・遠藤良太
○遠藤(良)委員 先ほど岬議員もお話に出ていたと思います、男性の育児休業のところなんですけれども、男性の育児休業というのは、先ほども御紹介ありましたけれども低いんだということで、男性の育休取得が高いほど平均的な取得日数が短くなるという傾向があると思いますけれども、これはどういうふうに長くしていくのか、お尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/197
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198・堀井奈津子
○堀井政府参考人 令和三年度の調査によりますと、育児休業の取得期間は、女性は九割以上が六か月以上である一方で、男性は約五割が二週間未満であり、男性は依然として短期間の取得が中心となっているという状況でございます。
ただ一方で、法律上は、育児休業というのは男女を問わず労働者が希望する期間取得をできる労働者の権利である、そういう形にはなっております。しかしながら、育児休業を実際に取得をした男性社員の約二割が、当初の希望より期間が短かったという回答をした、このような調査もあります。
したがいまして、男性の育児休業の取得促進と併せて、希望する期間取得できるような環境整備に取り組んでいく、このようなことが大変重要であるというふうに考えております。
このため、今後、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画におきまして、労働者の取得の実績や希望等を勘案して、男性の育児休業取得期間に関する適切な目標が事業主によって設定されることが望ましい旨を指針で示していくとともに、くるみんの認定基準におきまして、男性の育児休業取得期間の延伸に関するものを創設をして、取得期間の延伸を促進をしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/198
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199・遠藤良太
○遠藤(良)委員 先ほど岬議員からもありましたけれども、やはり、男性が育児休業を取るというのは、企業にとっても、かなり、周りからのプレッシャーであったりとか、どこまで休んでんねんみたいなところがあったりとかすると思うんですけれども、我々議員も、一方で、育児休業を取っているのと言われると、実際どこまで皆さんが取られているか分からないんですが、そういう意味では、国民の皆さんに、我々も、しっかり取るんだということが非常に重要だと思いますし、企業側に対しても、これは働いている方の権利なんだということをしっかりと周知していく必要があると思います。
男性の育児休業取得を進めることで実際少子化の歯止めにつながるんだということを考えられているのかどうか、お尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/199
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200・堀井奈津子
○堀井政府参考人 男性の育児休業の取得が直接的に少子化に影響を及ぼすという調査結果については承知をしていないところですが、例えば、夫の家事、育児時間が長いほど妻の第二子以降の出生割合や就業の継続割合が高い傾向にある、このような調査結果については承知をしております。
そして、男性の育児休業の取得は、共働き、共育てを定着をさせていくための第一歩であるというふうに考えておりまして、男女共に希望に応じて仕事と育児を両立できるようにしていくことは、様々な対策が多分、少子化対策ということではあるんだろうと思いますが、このような対策も少子化対策として資するものであるのではというふうに考えております。
企業にとっても男性も育児休業を取得しやすい職場環境づくりを行うことは人材確保や定着に資するものであることから、引き続き、男女共に希望に応じて仕事と育児が両立できる職場環境の整備に取り組んでまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/200
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201・遠藤良太
○遠藤(良)委員 私の地元の兵庫県では、合計特殊出生率は一・三九と、全国でも高いんですけれども、他方で、東京都の合計特殊出生率というのが一・〇四と、低い。これは、東京はテレワークも全国的にも進んでいたりとかしていると思う中でこういう現象が起きているんだということなんですけれども、特に、東京で子育てしやすい環境づくりということを取り組んでいると思うんですけれども、どういうふうに進めておられるのか、お考えをお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/201
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202・工藤彰三
○工藤副大臣 お答えいたします。
合計特殊出生率が東京が全国平均を下回る、都道府県を見ると、東京都、今おっしゃられたとおり、都市部で特に有配偶率が低いことが、合計特殊出生率を下げている原因と承知いたしております。また、その有配偶率は、非正規雇用者の割合が高まるほど、教育費が高いほど、家賃が高いほど低くなるものと承知しております。
政府といたしましては、こども未来戦略において、若者、子育て世代の所得を伸ばさない限り少子化を反転させることができないことを明確に打ち出しており、最重要課題である賃上げや、同一労働同一賃金の徹底、希望する非正規雇用労働者の正社員化への支援などに取り組んでまいります。
あわせて、加速化プランにおいて、高等教育費の負担軽減や、子育て世帯に対する住宅支援の強化、共働き、共育ての推進など、取組をスピード感を持って進めてまいります。
こうした取組を通じて、都市部においても若い世代が希望どおり結婚し、子供を持ち、安心して子育てできる社会を目指してまいります。
ですが、私から見ておりまして、まだまだ、政府からして皆さん方に対する周知徹底が少ないと考えております。ああ、こういうものがあるんだということが意外とホームページ上では、いろいろ、役所では分からないところがありますので、そういうところをもっとPRをしっかりし、そして、いろいろなところで、役所の、役所に別にカウンターがあるわけじゃないですけれども、お尋ねに対して丁寧にお答えし、どの課に行けばどのようなサービスを受けられる、そういうことをしっかりすべきだと考えておりますので、これからもお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/202
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203・遠藤良太
○遠藤(良)委員 ありがとうございます。明確にお答えいただきました。
その中で、現金給付が効果が低いというふうにも言われているんですけれども、現金給付をした場合、どちらかというと質を高める方に使ってしまうんだということなんですが、例えば、今回の児童手当の拡充であったりとかそういうことではなくて、もうちょっと使途を限定して使うべきなんじゃないかなというふうに思うんですが。
様々な子育て支援サービスとかそういったことがある中で、子育てバウチャーを利用できるようにすべきだというふうに思うんですけれども、この辺り、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/203
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204・工藤彰三
○工藤副大臣 お答え申し上げます。
子供育て支援に関する給付の在り方として、委員御指摘の考え方も含め、様々な考え方があると認識しております。
こども家庭庁といたしましては、児童手当のような現金給付には子育てに伴う様々なニーズに柔軟に対応することができるといったメリットがあり、保育の提供といった使途限定の現物給付と併せて、様々な支援策を重層的に行うことによって、子供、子育て政策全体として必要な支援が届けられるようにしていくことが重要だと考えております。
我が国では、近年は現物給付を重点的に充実してきた結果、現物給付は諸外国並みに達している一方、現金給付が低くなっていることなども踏まえ、こども未来戦略の加速化プランでは、児童手当の抜本的拡充や出産育児一時金の大幅な引上げなど、経済的支援を強化することとしたものでございます。
その上で、議員御指摘のバウチャーも、一つの政策手法であると考えております。
令和四年度補正予算から、伴走型相談支援と、計十万円相当の経済的支援を一体に実施する出産・子育て応援交付金を継続して実施しているところ、各自治体、創意工夫に基づき、育児関連用品等のクーポンの支給などによって本事業による経済的支援を行っている自治体もあると承知しております。
まずは、加速化プランに基づき、子供、子育て政策全体として必要な支援を届けられるよう取り組んでまいります。
そして、もう一度、補足でありますけれども、時間がありませんので、子供は、三年たてば、三歳が六歳で、小学生になってしまいます。私たちは、時間との戦いですから迅速にする、それがこども家庭庁であるということをしっかりと踏まえて、これからも進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/204
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205・遠藤良太
○遠藤(良)委員 是非、今回テーマでお話しさせていただいた子育てのところなんですけれども、一方で、東京の出生率であったりとか、地方では上がっていったりするんですけれども、今政府の方がおっしゃられたみたいに、迅速にそういう対応をしていくんだということで明確におっしゃっていただいたんですが、一方で、財源の話も、今回もいろいろ議論がありましたけれども、是非その辺りも深く議論を引き続きやっていきたいと思うんですが。
ちょっと最後に、質問したかったんですけれども、介護離職のところでお話ししたいんですけれども、介護離職についてはいろいろ課題があると思うんですけれども、私自身は以前介護の仕事をしている中で、特に男性が、両親が介護になるようになって、そして認知症が進んでしまって、どこに窓口を、訴えていけばいいのかということが、本当に、男性は特に余り対外的に情報を取っていかないという傾向があって、さらにそこから、行き詰まってしまって自殺までする、こういうケースもあったと思います。そういう中で、是非、介護離職についてはまた次の機会に議論していきたいんですけれども、そういう課題認識を私自身は持っていまして、またここを深く議論していきたいと思います。
時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/205
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206・新谷正義
○新谷委員長 次に、一谷勇一郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/206
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207・一谷勇一郎
○一谷委員 日本維新の会・教育無償化を実現する会の一谷勇一郎です。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、立憲民主党さんも訪問介護の件で法案も出されておりますので、まず冒頭、介護報酬改定について議論させていただき、問題を明るみにしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今回、訪問介護の報酬が引き下げられたということで、大変大きな問題になっているということを認識をしております。そこで、私、引下げがされたときに、いろいろ政府の方にも問合せをしたんですね。どんな調査をしたんですかというふうに問合せをしました。そうしたら、意外としっかりと調査をされているんだなというのが私の実感でありました。まず、集合住宅について減算を受けている事業所がどれだけあるのかというところであったりとか、介護と医療の違いは、一点の価格が地域によって違う、地域区分がありまして、この地域区分の利益の割合もしっかり出されていたというところで、私が考えているよりはしっかり政府の方が考えられて、そして今回の点数をつけられたんだなというふうには認識をしております。
しかし、改めて、これだけ世論の声が上がって、やはり問題だ問題だということと、地方自治体からも、何とか撤回してくれというような言葉が上がっているということは、やはり実態と調査が即していないのではないかなというのが私の今の意見であります。
そこで、改めて政府参考人の方にお伺いをさせていただきたいんですが、介護報酬全体ではプラス一・五としながら介護、訪問の報酬を引き下げたということについて、御意見をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/207
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208・間隆一郎
○間政府参考人 お答えいたします。
今般の介護報酬改定では、サービスごとの経営状況の違いも踏まえためり張りのある対応を行いつつ、介護現場で働く方々の処遇改善を着実に行うために、まず、介護職員の処遇改善分としてプラス〇・九八、そして、介護職員以外の職員の方の処遇改善分としてプラス〇・六一、足して全体でプラス一・五九%の改定率を確保したということでございます。
その上で、訪問介護の基本報酬につきましては、介護保険制度は様々なサービスがございますけれども、その全体のバランスを取って財源の配分を行う必要がある中で、改定率のプラス〇・六一の方につきましては、介護職員以外の職員の賃上げが可能となるよう配分することとされている中で、訪問介護の現場はそのような職員の方の割合が低いというのが一点、そして、訪問介護の事業所におきましては、今回の介護事業経営実態調査において、平均収支差率は七・八%と、介護サービス全体の平均二・四%に比べて相対的に高いこと等を踏まえて見直しを行ったものであります。
ただ一方で、介護職員の処遇改善に充てる改定率〇・九八%分につきましては、他のサービスに比べて一番高い水準の加算率を設定しておるところでございまして、こういう処遇改善加算の新規取得や、より高い加算率の取得ができるようにしっかり支援したい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/208
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209・一谷勇一郎
○一谷委員 今御説明をいただいたんですけれども、訪問介護の中で、集合住宅地は一気に回数を多く行ける、だから、そこについては建物減算があって、減算がされているということです。そして、過疎地については、中山間の点数がついてプラスされている。ただ、プラスされている方が赤字になってしまって、減算されている方は黒字になっているということであれば、この加算のつけ方がちょっとよくないのではないかというところと、訪問に行く回数が二千回以上の事業所の収益率は一三%台なのに対して、二百回から四百回のところは一%台なんですね。やはり大きな差があります。
そしてもう一つ、訪問介護は、移動時間を給料に入れるかどうかという問題もあって、これについては、給料に入れないといけないということになっていますけれども、実態、それがなされていないところもあって。これは、令和三年一月十五日に、厚生労働省の労働監督から、訪問介護事業所には、移動時間の取扱いについてというところで通達も出ています。しかし、なかなかこれは事業所にとっては負担になりますので、給料に加算されていないところもありますし、もう一つ大きな問題は、キャンセルが出た場合に、待機しないといけないとなった場合はどう取り扱うかということで、事業所が多分持ち出して給料を払わないといけないと思うんですね。これは当然やと思います、雇用者側としたら。
そうすると、確かに今回、訪問介護については高い処遇改善加算がつくられました。これは、求人倍率が十五倍というところで、やはり給料を上げてたくさんの方を、求人をという思いはよく分かるんですが、やはり本体が余りにマイナスになってしまうと、こういった手当てができなくなってしまって、結局また働いている方の環境が悪くなるということも考えられるのではないかなというふうに思うんですね。
ですから、やはり調査の仕方、非常に細かくやっていただいていたんですけれども、もう一つ、都会で収益が上がる、市場に任せたらいいという訪問介護と、過疎地の、本当にインフラ事業として、社会の役割としてやらなければならない訪問介護というのは、分けて考えないといけないんじゃないかなというふうに思うんですね。
今回、私が一番気になったのは、調査票を出した件数が三千百五件なんですね、そして、有効回答があったのが千三百十一件なんですよ。訪問介護事業所は何件ありますかね、全国で。多分、三万件か四万件ぐらいあると思うんですね。政府の言うことも分かります。先ほどの質疑で倒産件数が過去最高の六十何件だと言われましたけれども、平たく見てみると、実は増えているんです、事業所の数は。でも、これは都心部に増えているだけであって、過疎地に増えているかというとそれは難しい問題でありますし、自治体の数は千七百十八あって、そして町が七百四十三、村は百八十三あるわけですね。こういった町とか村のところまで調査が行き渡っているのかというのは、私はすごく疑問に思います。
ですから、訪問介護の在り方、地域包括ケアシステムの理念の中で、人生最後、地域で、自分の住み慣れた町で最後まで生活ができるというのであれば、こういった細かな、ちょっと調査の方法も変えてやっていただくことが実態を把握できることになるのではないかなというふうに思いますので、ここは答弁は求めません、少し考えて……(発言する者あり)求めましょうか。じゃ、考え方、求めていいですか。済みません。通達していないんですけれども、皆さんの声で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/209
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210・間隆一郎
○間政府参考人 お答えいたします。
まず、現在の、今御指摘いただいた介護事業経営実態調査におきましては、今委員御指摘になられましたように、単価に地域差があるということもありまして、級地といいますけれども、一級地から七級地、そしてその他というところについて分けて調査をしております。
ちなみに、若干御紹介しますと、その級地区分でいくと、一級地でいくと、平均収支差、これは訪問介護でございますが、四・五%。一〇・八、一四%、一〇・六などで、その他という、いわば中山間地域なんかが対応することとなると思いますが、そこは六・四%というような状況になっている、そういうことも承知しております。
また、これも国会でも大変御指摘をいただいた、いわゆるサービスつき高齢者住宅の減算の対象になっているようなところとそうでないところでの収支差につきましても公表しておりまして、それぞれ九%台と六%台といったものもオープンにしてございます。
おっしゃるように、これについてはできるだけ実態を明らかにするということを考えておりまして、細かくやれば細かくやるほど実はサンプルが少なくなるという難しさもあって、また、今御指摘ありましたサンプル数に関していいますと、介護事業所は全部で、請求事業所は三万五千ほどございます、たくさん活動していただいていますが、そのうち二年ぐらい経営しているところを抜きますと、それの十分の一、一割を対象として調査を行っているということでございます。
この有効回答数につきましても、今後も、調査の仕方については、更に、より実態を反映するような調査というものについては考えていきたいと思いますし、また、昨年の法改正で介護事業所の経営状況の見える化、そういうような法改正もさせていただきましたので、こういったものも含めて、経営状況が明らかになるように取り組んでまいりたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/210
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211・一谷勇一郎
○一谷委員 そのデータもしっかりいただきまして、私も見させていただきました。ですが、ここはまた冒頭に戻りますけれども、やはり、介護保険ができた二〇〇〇年の前の措置時代のときに戻すという意味ではないですけれども、市場に任せていいところなのか、そうではないところなのかというところは、介護保険がこれだけ成熟していく中で少し考えないといけないんじゃないかなというふうに思いますので、是非ここを次の調査のときには考えていただきたいと思います。
今の政府とのやり取りを踏まえた上で、今出していただきました、訪問介護事業者に対する緊急の支援に関する法律案について質問をさせていただきたいと思います。
まず、支援金について、全ての事業所が赤字ではないという状況の中、全ての事業所に支給する意味、また、支援金の、まあこれはプログラム法ですから金額まで決めることはないと思うんですが、ある程度やはり見積りはしないといけないと思います。そういった中で、支援金をどのように割り出していくのか、どの事業所にどれだけ出したらいいのかというところを、お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/211
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212・柚木道義
○柚木議員 委員の質疑、大変共感しながら拝聴しておりました。
御指摘のとおり、令和五年度介護事業経営実態調査結果によれば、いわゆる大規模な事業者を中心に、収支がプラスになっている訪問介護事業者があります。もっとも、黒字の事業者でありましても、今回の訪問介護の基本報酬の引下げによって、その事業に影響を受ける点は同様であります。また、黒字か赤字かにかかわらず、人手不足等の影響から現状では十分な訪問介護のサービスを提供できないとの声が既に今年度に入っても上がっておりまして、サービスを受けられない方やその御家族からも切実な声をお聞きをしておるところでございます。
さらに、御案内のようにパブリックコメントでも、今年度からの報酬改定に向けて、通常百件ぐらいのところが十倍ぐらい来て、その多くがやはり訪問介護の基本報酬の削減への懸念であったというふうなことも承知をしております。
このような状況を踏まえまして、訪問介護のサービスを需要に応じて安定的に提供できる体制を確保するためには、黒字か赤字かにまずはかかわらず全ての訪問介護事業者を対象に、速やかに緊急の支援を行うことが適切だと考えたところであります。
なお、支援金はあくまでも緊急のものと位置づけておりまして、本来であれば、次の介護報酬改定を待たずに、この基本報酬の引下げが訪問介護事業者の事業に及ぼす影響について緊急の実態調査を行って、できる限り早い段階での期中改定によって訪問介護の基本報酬の引上げを行うべきものと考えておりまして、本法案では、その期中改定において訪問介護の基本報酬を定めるに当たりましては、介護の経営をされていらっしゃいますからもう釈迦に説法ではありますが、例えば通所の介護事業者などと同様に、事業者の事業規模ごとの収支の状況を踏まえることとしておりまして、事業規模によって収支状況が異なる現状に配慮した報酬基準とすることと、御指摘もいただきましたように、延べ訪問回数四百回以下、これが収支率一%台で全体の訪問介護事業者の約三分の一を占めるということなども踏まえまして、事業規模によっての報酬基準とすることとしております。
また、個々の事業者に支給される支援金の具体的な金額の算定につきましてでございますが、本法案では、政府において必要な措置を講ずることとしておりますが、提出者の考え方といたしましては、今回の、御指摘いただいたような訪問介護に関わる基本報酬の引下げ分であるマイナス約二・五%分に加えて、安定したサービスの提供体制を確保するために、今回の介護報酬改定全体の改定率、プラス一・五九%に相当する金額をこれに上乗せをして緊急的に支給するべきだ、そのような考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/212
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213・一谷勇一郎
○一谷委員 今、訪問回数によって分けるというのは非常にいいアイデアだなというふうに思いました。結局、訪問回数というのは、訪問介護というのは人が全てでありますので、どのようにして雇用を安定化させていくか、雇用を進めるかということなんですが、次の質問をさせていただきます。
訪問介護の報酬の引下げで、処遇を改善するということなんですけれども、処遇を改善しただけで訪問介護の問題というのはやはり解決しないと思うんですね。これはやはり人の問題があると思うんですが、この報酬改定、報酬を支援金で支払ったら解決するということではないと思うんですね。そこをもっと深く考えておられると思いますので、そのことをお聞きさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/213
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214・井坂信彦
○井坂議員 重要な御指摘だと思います。
訪問介護は、利用者の御自宅に伺ってサービスを提供するものですので、利用者による例えばハラスメントのようなこともありますし、また、施設介護と違って、現場で一人で判断をしなければいけないという難しさもございます。また、直行直帰の場合は本当に相談もできず孤独といった、非常にこれらの特徴に不安を感じる方もおられて、人手が集まらないという現状もあるんだと私も現場からかなり伺っております。
訪問介護事業の苦境には、おっしゃるように、介護報酬以外の要因もあるという御指摘は全くそのとおりで、私も委員と同じ認識を共有をしております。
ただ、そうはいっても、今回の訪問介護の基本報酬の引下げは訪問介護事業そのものに深刻な影響をやはり及ぼすものであり、事業が成り立たなくなれば、当然、介護サービスが十分提供されなくなって、今回の法改正、閣法の法改正が仮になされても介護離職は減らない、むしろ増えてしまう、そういうおそれがありますので、緊急の支援が必要として本法案を提出したものです。
また、今回、訪問介護の基本報酬が引き下げられたことについて、訪問介護で働く方々から、やはり、自分たちのやっている仕事の価値が低いとみなされたように感じる、大変悔しい、残念だという声を私は多数聞いております。このような声も真摯に受け止めて、訪問介護に従事している方々に報いるためにも、まずは緊急支援、そして、先ほどお話しした期中改定による介護報酬の見直しを行っていくべきと考えています。
なお、セクハラ、パワハラに対しては、もう一つ提出した法案、介護・障害福祉従事者処遇改善法案の方で、介護従事者へのセクハラ、パワハラ問題への対応として、事業者に、介護従事者の適切な就業環境を維持する努力義務、そして、国と地方公共団体には、この就業環境の維持に関する国民の理解を深める努力義務を定めたところであります。
この二つの法案を併せて介護業界全体を支えてまいりたい、そのように考えております。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/214
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215・一谷勇一郎
○一谷委員 この場で井坂さんと論戦ができるのは非常にありがたいというふうに思っております。
そしてまた、私が打ち返そうとしていた答えを言われたということに対して、さすがだなというふうに思うんですが。そうなんです。まさに、大手の人材派遣会社が調査を行ったら、給料がやはり一番ではありますが、二番目は移動がつらいというのがありまして、そして三番目は人間関係、これはよくあることだと思うんですが、四番目はパワハラやハラスメントですね。井坂さんがおっしゃったとおり、個別の自宅へ行きますので、そこでセクハラを受けることが非常に多いということで、これは私もそういった相談を受けますのでよく分かっていますし、やはり無理な要求を受けてしまうということで、一人で行きますから、どうやって対応したらええかということが分からないということなんですね。
もう一つは、これは意外と知られていないんですが、独居高齢者の方も多くなってきていまして、自治体によってはもう二倍近くになっている。そうすると、ごみ屋敷になっていることも多くて、訪問に行ったときに環境が物すごい悪い。私も一回相談を受けて行ったことがあって、もうすごい強烈な臭いで、もう目がくらくらして倒れるんじゃないかなという。やはり、そこに行って三十分仕事をするのは限界だなということもありました。
ですから、特に今、若い方々に仕事をしてもらおうと思えば、やはり給料だけではない、こういった環境の問題ということも考えて、調査をしてやらないと、処遇改善加算を幾ら上げても、支援金を幾ら支給しても、多分私は訪問介護の問題は解決しないと思いますし、今改めて、地域包括ケアシステムの中で訪問介護事業というのはどういう位置づけなのかということをちょっと議論して考え直さないと、継ぎはぎでは無理な状況ではないかなというふうに思います。
ちなみに、我々、医療維新を出しましたが、その前身である医療タスクフォースでは、介護の問題や障害の問題も、もうさんざん議論をやってきました。医療維新を出しましたが、次、介護維新、障害維新、これを出させていただきますので、是非、立憲民主党さんの案と我々の案、改革合戦をやらせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
この法案については質問を終わらせていただきますので、ありがとうございました。
今、井坂さんからの答弁で非常に興味深いところは、やはり、減算をされることによって、働いておられる方が、気持ちが、必要とされていないのかなというふうに思うというふうなことは実際あるのではないかなというふうに思うんですね。
私は、今回の訪問介護の減算を聞いたときに、もしかすると、二〇二五年に向けてある程度山が来て、二〇四〇年がピークが来ます。ですので、余りに働く方を増やし過ぎても、今度、高齢者の方のサービスを減らしていく段階に入ったときに需給調整が難しいということもあって、今回、減算ということに踏み切ったのかなというふうなことも少し考えたんですよ。これは質問を出しておりませんので、次の質問と一緒に、もし答えられたら答えていただきたいと思うんですが。
今の、先ほどの質問をしたということを踏まえて次の質問をさせていただくんですが、介護報酬改定は三年に一度の報酬改定しかできないのかということなんですね。令和四年の十一月には介護の職員等ベースアップ加算をされています、三年待たずに。ですから、私、三年待たずに改定ができるんじゃないかなというふうに思うんですが、制度的なこともお答えいただけたらと思いますので、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/215
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216・間隆一郎
○間政府参考人 お答えいたします。
まず、今委員の御質問の中で、どういう意図でというところの話が、これから増やし過ぎてはという話もございましたけれども、そういう意図ではないということでございます。
二〇四二年に高齢者の数はピークになるんだと思いますが、介護を必要とされる方は基本的に後期高齢者より更に年かさの方々が多うございますので、八十五歳以上が非常に、その主要な利用者の方々になってまいります。もちろん個人差はございます。そういうことを考えますと、当分の間は介護のニーズは拡大していく、人材も必要になる。そういったものを、人材を確保しつつ、できるだけ業務の効率化や職場環境の改善が必要だというふうに考えているところでございます。
その上で、今御質問の改定のタイミングでございます。御説明申し上げます。
介護報酬改定につきましては、改定による影響を十分調査、検証する必要性や、頻繁に介護報酬の内容が変わることによる現場の御負担等も考慮して、一定間隔を置いて実施する必要があるということで、三年を一期とする介護保険事業計画の期間、これは保険者が作成しているものでございますが、この期間も踏まえて、これまで、原則として三年に一度というふうにしてきたということでございます。
一方で、消費税率が変更になったとか、そういうような大きな社会経済環境の変化とか、あるいは政策的に処遇改善をする必要があるといった場合に臨時的な改定を行った例もございます。
いずれにしても、介護保険料は、三年間の給付を見通して、三年間、いわば固定で設定をいたしておりますので、介護報酬改定により給付額が変わる場合には保険料や利用者負担にも影響を与え得るものであるため、改定の時期については、そうした観点を含めて丁寧に検討する必要があるだろう、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/216
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217・一谷勇一郎
○一谷委員 需給調整するのではないという答弁をいただきましたので、非常に安心をしました。
また、今、三年を待たずにできるということですので、是非、今日のこの議論の内容も踏まえていただいて、これは市場が受け入れられるかどうかもありますけれども、思い切った、本当に訪問介護事業所が成り立たないのであれば改定ということも考えていただけたらというふうに思います。
ここで大臣に質問させていただきたいんですが、次、これは私が最もこれからの介護に必要ではないかというふうに思っていまして、前の加藤厚労大臣にも質問させていただきました、昨年の二月ですかね。やはり、これだけ介護人材が足らない、そして、ビジネスマンが介護離職をしていってしまうということも、九兆円の損失だということもありました。このことを考えて、もう二十年、二十数年たって介護保険もかなり成熟してきて、二〇〇〇年のできたときとは状況が変わってきています。そういったことも踏まえて、是非、家族介護の現金給付の考え方について大臣にお聞きしたいと思うんですね。
ケアプランというのが我々にはあります。ですから、過剰な給付は抑えられますし、これを、三週間、四週間でもいいと思うんですよ、サービスが見つかるまででもいいと思うんですね。ただ、現金給付を家族にするという考え方をある程度準備しておかないといけないのではないかなと私はずっと考えております。是非、武見大臣のお考えをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/217
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218・武見敬三
○武見国務大臣 介護保険を二〇〇〇年に導入する前の段階で、実際に欧州などで、たしかドイツなんかは現金給付なんかを介護でやっていたというようなことが随分議論の対象になりました。
ただ、そのときにも議論になっていたのは、介護というのを現金給付でやってしまった場合に、家族が担う介護というのが逆に今度は固定化していっちゃうんじゃないかなという懸念が出てきたのと、それから、現金給付というのをした場合に、果たしてその制度化によってサービスが十分にきちんと実際、提供されていることになるのかどうかという点についての懸念というのがあって、結局は導入は見送られました。
二〇一九年十二月にも、取りまとめられた介護保険部会の意見書でも、現金給付については、介護者の介護負担そのものが軽減されるわけではなくて、介護離職が増加する可能性もあるので、現時点では導入することは適当ではないという結論になりました。
こうした経緯を踏まえますと、介護保険制度の下で、現金給付ではなくて、介護サービスの基盤整備や介護人材の確保、それから家族介護者への相談支援等に引き続き取り組んでいくことの方が現状では妥当であるか、こう考えているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/218
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219・一谷勇一郎
○一谷委員 確かにそうだと思います。ただ、基盤整備ができない状況にもなってきているのではないかな、特に過疎地とか離島とかいうところはそうなってきているのではないかなと思いますので、これは引き続き、私もいい案を考えていきたいと思います。
残り二十秒ですので、言いっ放しで終わりたいと思うんですが、男性の育休を促進していく、これはすばらしいことだと思いますが、うつ病という問題がありまして、かなりエビデンスが出てきています。そのエビデンスの中で私が最も気をつけないといけないなと思うのは、パートナーがうつになった場合、三倍、本人もうつになるという数字がかなりの高いエビデンスで出てきていますので、やはり、うつ対策を一緒に企業に求めておくということは非常に重要じゃないかなというふうに思いますので、是非考えていただけたらと思います。
私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/219
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220・新谷正義
○新谷委員長 次に、宮本徹君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/220
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221・宮本徹
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。
今日は、こぼれ落ちてしまっております、障害のある子をケアする家族の両立支援について質問させていただきたいと思います。
まず、現状の把握、認識です。
障害のある子の母親の就業率、未就労の母親の就労希望率、障害のある子のいる世帯の平均年収、そして離職の要因や再就労を諦めた要因、さらには両立支援のためのニーズ、こうしたものについて調査、把握されているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/221
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222・武見敬三
○武見国務大臣 御指摘のような障害のある子供の母親に関するデータにつきましては、実は網羅的な把握は行ってはおりません。
例えば、厚生労働省で実施する全国在宅障害児・者等実態調査では、障害者手帳所持者などを含む家族の一月当たりの平均収入について把握をするほか、今度は、医療的ケア児を育てる家族の実態については委託調査を行うなど、実態の把握を行ってきているところでございます。
また、今回の改正法に関する検討を行う際にも、令和五年に実施した有識者研究会で、障害児や医療的ケア児を育てる親の方々や関係団体からのヒアリング、アンケート調査の結果なども参考にしつつ議論を進めてきております。
障害のある子供を育てる方々も含めて、男女が共に仕事と育児を両立できる環境を整備することが重要であると考えておりまして、今後とも、関係者、労使の御意見を踏まえつつ、実態把握を行い、検討を進めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/222
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223・宮本徹
○宮本(徹)委員 しっかり実態を把握するところから対策は出発しなければいけないと思うんですね。
今日は、昭和大学の美浦先生のアンケート調査というものをつけておきました。障害児の母親の就業率五五・三%、フルタイムは二四・七、パートタイムは三〇・二ということで、フルで働ける方というのは大変少ないわけですね。世帯収入も、児童のいる世帯平均に比べてかなり低い状況があります。そして、少ない収入というのは、当然、老後の低年金にもつながっていくわけですね。ここには、今日の資料には載せていませんけれども、未就労の方の七一・七%が就労希望が実際にはあるという数字でございます。そして、正規で働き続けたいのにパートにならざるを得なかった方々もたくさんいます。ですから、就労を妨げる様々な要因を一つ一つ解決していくというのが政治の仕事だと思います。
資料の二ページ目に、同じ美浦先生の調査で、離職の要因、再就労を諦めた要因ということで、放課後、学校休業日の見守り、介助の問題等々、書かれております。そして、就労のために福祉サービスに望むことということで、放デイの学校休業日の時間延長、高等部卒業後の夕方の居場所等々あるわけです。
さらに、母数の大きいアンケートとして、次の三ページ目に朝日新聞のアンケートでございます。育児、ケアと仕事を両立していくために必要な支援策について聞いております。これに沿って今日は質問をしていきたいというふうに思います。
一番たくさんの声があるのが、短時間勤務、フレックス勤務、在宅勤務などを取りやすくしてほしいという声です。福祉サービスは利用時間に制約があります。そして、スクールバスに乗るためにバス停に毎朝送っていくということもしなければなりません。ですから、こういう声がたくさん出てくるわけです。
まず、ちょっと今の政府がどこまでつかんでいるのかというのをお伺いしたいんですけれども、時短勤務に年齢制限を設けないなど、障害児の親への両立支援に取り組んでいる企業の比率や取組状況というのは把握されているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/223
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224・武見敬三
○武見国務大臣 企業において、労働者の子に障害がある場合などに特別な配慮をしているか、調査をした結果によりますと、両立支援制度における利用可能な子の対象年齢を延ばすと回答した企業は全体の約四%でございます。ほかに、休業の取得年数を延ばしたり、それから休暇の取得日数を増やす等の企業も、それぞれ三%程度あったと承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/224
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225・宮本徹
○宮本(徹)委員 大変少ないというのが政府の調査の結果なわけですよね。ですから、こういう声がたくさん出てくるということだと思うんですね。
私もいろいろなお話を聞きますけれども、やはり、子供が生まれて、障害があって、短時間勤務を取る、あるいはその先に介護の時短勤務を取る、その機が来た時点で仕事を辞めざるを得ない、正規からほかの仕事に替わらざるを得ない、こういう話も多く聞きます。
その一方で、この間、朝のNHKニュースでもやっていましたけれども、JR東が短時間勤務について年齢制限の上限を取っ払ったんですね。これによって、ずっと辞めなきゃいけないと思っていたのが働き続けられるようになったという話も、私の知り合いの知り合いの話でありました。
ですから、やはりそういう取組を本当に広げていかなきゃいけないと思います。ですから、障害のある子の保護者については、年齢に上限を設けずに、短時間勤務、フレックス勤務、在宅勤務など柔軟な働き方を実現するための措置を事業主の義務にしていくか、あるいは助成金の制度を設けるなどして広げていく必要があると思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/225
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226・武見敬三
○武見国務大臣 育児・介護休業法では、全ての事業主に適用される最低基準等について規定しているところでございまして、障害児等を育てる親などの場合、子や家庭の状況やニーズにより、働き方に関する意向は様々でございます。
このような事情も踏まえまして、今回の改正法におきましては、一律に両立支援制度を拡充するのではなくて、労働者の個別の意向の確認と、その意向へ配慮する仕組みを設けることといたしました。事業主が個別の意向に配慮するに当たり、更に望ましい対応として、子に障害がある場合や医療的ケアを必要とする場合であって希望するときには、短時間勤務制度や子の看護休暇制度などの利用可能期間を延長することなどの指針を示すこととしております。
具体的な内容については、今後、審議会における公労使の御議論も踏まえて検討を進めていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/226
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227・宮本徹
○宮本(徹)委員 指針で望ましい対応を示すだけで、四%とか三%しか取り組んでいない企業の状況が根本から変わるんでしょうかね。実際は、今、法的義務がかかっている、例えば介護の短時間勤務、これは三年以上の期間で二回以上取れるということが書かれているわけですけれども、この間聞いた話では、介護の時短勤務の延長を会社に打診したら、うちの会社は一年以上は認めていないんだということを言われて、その方は正規から収入の下がる契約社員にならざるを得なかった、こういう相談なんかもあるんですね。
法律であってもこうで、それが、指針で、望ましい、これだけでいいんだろうか。助成制度をつくるだとか、もっと何か踏み込んだことを私は是非考えていただきたいと思うんですけれども、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/227
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228・武見敬三
○武見国務大臣 現状においては、この育児・介護休業法の改正の中で、私ども取り上げております指針をまず徹底して周知をさせていただいて、それを見ながら次のステージとして考えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/228
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229・宮本徹
○宮本(徹)委員 次のステージ、どんどん進んでいっていただきたいと思います。
ちょっと問いをQの十一に飛んじゃいますね。先に労働法制関係のところ、この法案絡みのところからやりたいと思います。
看護休暇の問題です。これも、子供の年齢にかかわらず取りたい、そして、取れる理由も日数も増やしてほしいということが強い要望としてあるわけですね。
福祉サービスだとか特別支援学校の面談等で仕事を休まなければならないことが大変多いんですね。福祉サービスでいうと、相談支援員とのサービス利用計画の面談に始まって、利用するサービスの事業者が一堂に会するサービス担当者会議、そして個別支援計画のための事業者ごとの面談、これだけで有休が全部なくなっちゃう、こういう話も伺っております。そして、特別支援学校での面談等もあるわけですね。
そして、特に特別支援学校の場合、高等部に在学すると、就職活動というのは保護者と一体で準備をしていくことになります。そうすると、高等部の一年の終わりぐらいから実習期間が始まるわけですけれども、実習の送迎だとか初日の付添い、中日の面談、実習の様子の観察、最終日のまとめ、物すごい一緒にやらなきゃいけないわけですね。このタイミングで保護者が就労を諦めたり、あるいは仕事を替わらざるを得ない、こういうことも結構起きているわけですね。
まずお伺いしたいのは、特別支援学校や福祉サービスとの面談、さらには通院など、一体、障害があるお子さんを育てている親御さんはどれぐらい仕事を休まなければならない日数があるのか、実態は把握されているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/229
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230・武見敬三
○武見国務大臣 企業において、労働者の子に障害がある場合などに特別な配慮をしているか、調査をした結果によりますと、休暇の取得日数を増やすと回答した企業は全体の約三%でございました。
また、一方で、労働者の子に障害がある場合などでは、障害のある子の通院や面談等の対応を行うことがあると承知しておりますが、子の障害や家庭の状況等により、必要な対応や日数などは様々であるというふうに認識をしています。
そのため、今回の法案におきましては、子や家庭の様々な事情に対応できるよう、労働者からの仕事と育児の両立に関する個別の意向の確認と、その意向への配慮を事業主の方に義務づけることとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/230
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231・宮本徹
○宮本(徹)委員 様々な、個別によって当然日数は違うんですけれども、指針でこれぐらい対応してくださいというのを示す上でも、特別支援学校だとかあるいは福祉サービスでどれぐらいの面談日が求められるものなのかというのはやはり政府として把握して、指針にも、こういうことに対応が必要なんだよと書く必要があると思うんですけれども、その点、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/231
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232・堀井奈津子
○堀井政府参考人 お答えをいたします。
今大臣からお答えがございましたように、やはり、お子さんの障害、あとは通っておられる学校、そういった状況によって本当に様々な対応が必要になってくるんだというふうに考えられます。
そして、今、宮本委員から、例えば指針に具体的な日数を記載してはどうか、そのような御提案もありましたが……(宮本(徹)委員「いや、こういうことが必要だということですよね。中身ですよね」と呼ぶ)そういったことが必要であるという御提案がありましたが、指針に例えば日数を書くと、それがある意味、明記されるということが個々の状況に対応できることになっているかどうか、そのような検討も必要になるんだろうというふうには思います。
いずれにしましても、今回の法案の中で盛り込ませていただいた個別の意向の確認、そしてその意向への配慮、そういったことは、企業の状況、そして労働者の状況、そしてお子さんの状況なども踏まえて、その状況に応じた形での対応をされることが望ましいというふうには考えておりますので、今後、法案が成立した暁には、労働政策審議会におきまして、公労使の審議会で御議論いただきまして、その指針の内容について詰めていくということだというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/232
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233・宮本徹
○宮本(徹)委員 日数を書き込めという話を私はしたわけじゃなくて、こういうことで休まなきゃいけない事由というのはたくさんあるんだよというのを、だから配慮が必要なんだよというのを示す必要があるんじゃないかということなんですよ。一般的に聞いて答えてくださいというよりも、もっと具体的にやった方がいいんじゃないですかということなんですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/233
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234・堀井奈津子
○堀井政府参考人 失礼いたしました。
具体的に指針にこの項目に関してどのようなことを盛り込むかということにつきましては、法案が通った暁に労働政策審議会の方で御議論いただくことになろうかと思いますが、指針に盛り込まれた内容がどのような背景あるいはどのような趣旨かということについては、様々な手法を通じて、より分かりやすく説明をしていくということも考えていくことかなというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/234
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235・宮本徹
○宮本(徹)委員 取りあえず、今回の法改正は指針で対応するということですから、しっかりやはり企業が対応できるようなことを、理解が進むようなものにしていただきたいと思います。
その上で、やはり私は、多くの皆さんが要望している子の看護休暇については、障害のある子を持つ保護者については、本当に実態に合わせて取得の事由を拡大して、年齢に上限を設けずに、日数を大幅に増やしていく、これは本当にしっかり政府として取り組んでいくんだというのを示していただきたいというふうに思います。
次の問題に行きます。
障害のある子をケアする家族の両立支援は、労働法制だけでは対応し切れません。労働法制だけで対応すると、ずっと短時間勤務を続けるということになれば、労働者のキャリア形成にも影響を与えるということになってしまいます。ですから、両立支援は福祉サービスの抜本的拡充とセットで行わなければならないと思います。
そこで、朝日のアンケートにありますように、福祉サービスの拡充で多く出てくるのが、放課後や長期休暇の際の居場所を整備してほしいという声なんですね。夏休みなどの長期休みは、開所時間が六時間前後というところが多いんですよね。始まる時間は学校よりも遅くて、終わる時間は早いです。ですから、この対応で正職では働けないという方がたくさんいらっしゃいます。
そこで、数をお伺いしたいんですけれども、長期休みに八時間以上及び十時間以上開所している事業所はどれだけあるのか、長期休みに長時間開所している放課後等デイサービスが少ない原因はどこにあると考えているのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/235
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236・野村知司
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
障害のあるお子さんを養いながらというか育てながら働いておられる保護者の方々への就労支援という中で、放課後であるとか長期休暇の際の居場所が課題となっているというお声、先ほど先生がお示しになった資料などからもうかがえるところでございます。
こうした就労支援という側面での対応につきましては、まずは放課後児童クラブなどの施策の中でも、障害児を受け入れる際の体制整備の加算なども行っております。こういった取組を進めることであるとか、あるいは日中一時支援の活用なども含めて、こういった障害のあるお子さんの居場所であるとか、あるいは預かりニーズへの対応、こういった体制を面として整えていくということが必要だと考えております。
その中で、先生御指摘ございました、放課後等デイサービスでございますけれども、こちらの方は、支援を必要とする障害のあるお子さんに対しまして、放課後とか学校休業日に、生活能力の向上のための訓練でございますとか、社会との交流の促進など……(宮本(徹)委員「数だけでいいですから。時間がないですから」と呼ぶ)申し訳ございません。発達支援というものを提供するものでありますけれども、一方で、通所ということの一環で、預かりニーズにも対応しているものがあると承知をしております。
開所の時間でございますけれども、これを悉皆で把握をした統計というものはちょっと申し訳ございませんが存在をいたしませんが、八時間以上開所している事業所について、報酬請求の実績から、昨年の十二月でございますとか、あるいは八月の報酬請求の実績から推計をしたところでは、開所時間が八時間以上となっている事業所は約一四%という状況でございます。
そうした状況になっている背景は……(宮本(徹)委員「十時間以上は分かりますか」と呼ぶ)そこまでの区分はございません。八時間以上でございます。
次に、そういったものの背景でございますけれども、放課後等デイサービスは、先ほど申し上げましたように、預かりというよりは、どちらかというと発達支援ということを軸に組み立てられておる事業でございますので、その発達支援のために必要となる時間を軸に、事業所の職員体制の状況も踏まえながら、個々の事業所において、利用されるお子さんの像なども見ながら設定をされているかなというふうには考えておりますけれども、一律にこれが、こういう状態、一四%の背景であるというふうに断定するに足るだけの客観的なエビデンスというのは現状では持ち合わせておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/236
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237・宮本徹
○宮本(徹)委員 一四%しかないわけですね、八時間以上で。十時間以上だとどれぐらいあるかも把握していないということなんですけれども、事業者さんにお話を聞いたら、八時間以上開くというのも大変だという話なんですね。人の確保、今の配置基準、労働基準を守ろうと思ったら、今の報酬なんかじゃ簡単にできないですよというのが率直な意見です。
そういう中でも、頑張って就労支援を支えようとしている放課後等デイサービスも私の地元にもあります。そこにお話を聞くと、今の報酬、延長支援加算の問題というのを指摘されたんですね。この区分が、一時間未満、一時間以上、二時間以上の三つしかないわけですよね。保護者のニーズに対応して三時間、四時間延長して、そこの放課後等デイサービスはやっているわけですけれども、その部分に対応する加算というのはなく、長く開けば開くほど支出だけが増えて、人件費だけが増えていくという状況があります。
ですから、保護者の就労支援ということを考えた場合に、やはり、長時間開所する放課後等デイサービスに更に報酬で評価する、こういうことが必要になるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/237
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238・野村知司
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
今般の報酬改定の中では、放課後等デイサービスにつきましては、個別支援計画に基づいて発達支援を行った場合には三つの時間区分、御指摘の、預かり対応のための延長支援加算、この部分については時間区分としては二つの区分を基本として評価する体系としているところでございますけれども、こうした基本報酬の見直しや延長支援の加算の見直しだけではなくて、専門的な支援を提供するための体制や計画的な実施への評価、あるいは、家族支援の充実を図るため、家族への相談援助に対する個別の評価などの取組なども併せて組み込んだところでございます。
このように、放課後デイサービスの事業所への報酬につきましては、延長支援加算に加えて、いろいろな基本報酬や様々な加算を含めまして、全体を考慮しながら充実を図ったところでもございます。
今般の報酬改定で見直した加算の活用状況の実態も把握しながら、引き続き、家族のニーズに対応していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/238
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239・宮本徹
○宮本(徹)委員 別に、報酬改定の中身を説明してくれと言っているわけじゃないんですね。
就労支援をしようとしている、そうした放課後等デイサービスが増えるためには、やはり、ちゃんと長時間開所したところには、それにふさわしく、二時間以上というところで延長支援加算が止まるんじゃなくて、三時間、四時間という区分も設けていかないと、人件費だけは出ていくわけですから、長く開所しない方がもうかるわけですよ。もうかるって、余りもうからないんですけれども、放課後等デイサービスは。そういう仕組みになっちゃっているわけですよね。
そこは直さないと、就労支援の役割は果たせないんじゃないですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/239
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240・野村知司
○野村政府参考人 なかなか、サービスの評価をどのようにしていこうかというのは議論があるところだと思いますが、今回は、先ほど申し上げましたように、発達支援の部分は三区分、延長のところは二区分ということで改定の中身を定めさせていただいたところでございます。
ただ、こうした加算の結果、やってみてどうなるのかというところの御指摘かと思いますけれども、今回見直したこの延長支援加算だけではございませんで、もろもろの加算も入れておりますので、こういった加算の内容全般も踏まえて、様々な事業の運営の仕方でこれから動いていくと思いますので、こういった効果の検証を含めながら、報酬改定検証調査などの中で実態を把握して、必要な対応を考えてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/240
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241・宮本徹
○宮本(徹)委員 もちろん、放課後等デイサービスだけで就労支援をしなきゃいけないと私も思っていないですよ。日中一時支援だとか、移動支援だとか、そうした総合的なもので就労支援を支えていかなきゃいけないと思いますけれども、しかし、やはりこれだけ福祉サービスが足りなくて仕事を辞めざるを得ないという方が、あるいはパートに替わらざるを得ないという方々がいるわけですから、そこは本当に、両立支援ということをこれだけ強調されているわけですから、一番支えが必要な方々をしっかり支えるということを考えていただきたいと思うんです。
続きまして、次のテーマですけれども、大臣、障害のある子と家族にとって十八歳の壁という言葉は聞いたことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/241
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242・武見敬三
○武見国務大臣 十八歳の壁ということにつきましては、十八歳で特別支援学校を卒業した後の日常生活において、日々利用する生活介護や就労系福祉サービスが午後三時台などに終了する場合、余暇活動の機会や居場所が十分ではないために、夕方以降の時間を有意義に過ごすことが難しいといった意見があって、それが十八歳の壁というふうに表現されていると承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/242
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243・宮本徹
○宮本(徹)委員 そのとおりでございます。
この十八歳の壁も、当事者にとっては学びの場、交流の場がないという問題であり、親からするとこれまた就労保障がないという問題なんですね。ですから、今日は時間が来てしまいましたので続きは来週にさせていただきますけれども、本当にここもどう支えていくのかということも、私は、もう何回も何回もこの問題は、実は各大臣とかなり繰り返し、根本さんの頃からこの問題はやり続けているんですよね。本当だったら、全国的な給付サービスがあってしかるべきだと私は思うんですね。福祉的就労の後、生活介護の後の時間をどうするのか、どうやって過ごすのか。
今、日中一時支援を使っているところもありますけれども、それは自治体によってアンバラが物すごい大きくて、どこでもやっているわけではない。財政的には、日中一時支援はお金を少ししか出していないですから、事業者が持ち出しをして支えている面もある。事業者が持ち出しで支えていると、それは、事業、ニーズがあるから応えたくても、応え切れないわけですよね。
ですから、ここは本気で、両立支援ということをこの分野で考えた場合に、取り組まなければいけない課題があるんだということを申し上げまして、続きは次回とさせていただきます。
終わります。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/243
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244・新谷正義
○新谷委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
各案審査のため、来る二十三日火曜日午前九時三十分、参考人として一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部参事布山祐子君、UAゼンセン日本介護クラフトユニオン副会長村上久美子君、東京大学大学院経済学研究科教授山口慎太郎君、東京大学名誉教授佐藤博樹君、日本労働弁護団本部事務局次長小野山静君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/244
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245・新谷正義
○新谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
次回は、来る二十三日火曜日午前九時十五分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後四時五十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121304260X01420240419/245
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