1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和六年四月二十三日(火曜日)
午前九時一分開議
出席委員
委員長 武部 新君
理事 熊田 裕通君 理事 笹川 博義君
理事 仁木 博文君 理事 牧原 秀樹君
理事 道下 大樹君 理事 米山 隆一君
理事 池下 卓君 理事 大口 善徳君
東 国幹君 五十嵐 清君
井出 庸生君 稲田 朋美君
英利アルフィヤ君 奥野 信亮君
岸 信千世君 島尻安伊子君
谷川 とむ君 中曽根康隆君
中野 英幸君 平口 洋君
藤原 崇君 三ッ林裕巳君
山田 美樹君 山本 左近君
おおつき紅葉君 鎌田さゆり君
鈴木 庸介君 寺田 学君
渡辺 創君 阿部 弘樹君
斎藤アレックス君 美延 映夫君
日下 正喜君 平林 晃君
本村 伸子君
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法務大臣 小泉 龍司君
内閣府副大臣 工藤 彰三君
法務大臣政務官 中野 英幸君
最高裁判所事務総局総務局長 小野寺真也君
最高裁判所事務総局家庭局長 馬渡 直史君
政府参考人
(内閣官房アイヌ総合政策室次長)
(国土交通省大臣官房審議官) 田村 公一君
政府参考人
(こども家庭庁長官官房審議官) 野村 知司君
政府参考人
(法務省民事局長) 竹内 努君
政府参考人
(法務省刑事局長) 松下 裕子君
政府参考人
(法務省矯正局長) 花村 博文君
政府参考人
(法務省保護局長) 押切 久遠君
政府参考人
(法務省人権擁護局長) 鎌田 隆志君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 松浦 重和君
政府参考人
(文部科学省大臣官房文部科学戦略官) 梶山 正司君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 斎須 朋之君
法務委員会専門員 三橋善一郎君
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委員の異動
四月二十三日
辞任 補欠選任
斎藤 洋明君 山本 左近君
高見 康裕君 岸 信千世君
平口 洋君 島尻安伊子君
同日
辞任 補欠選任
岸 信千世君 高見 康裕君
島尻安伊子君 平口 洋君
山本 左近君 斎藤 洋明君
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四月十八日
共謀罪法の廃止に関する請願(志位和夫君紹介)(第一一一四号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五八号)
出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五九号)
裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/0
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001・武部新
○武部委員長 これより会議を開きます。
裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房アイヌ総合政策室次長、国土交通省大臣官房審議官田村公一君、こども家庭庁長官官房審議官野村知司君、法務省民事局長竹内努君、法務省刑事局長松下裕子君、法務省矯正局長花村博文君、法務省保護局長押切久遠君、法務省人権擁護局長鎌田隆志君、文部科学省大臣官房審議官松浦重和君、文部科学省大臣官房文部科学戦略官梶山正司君及び厚生労働省大臣官房審議官斎須朋之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/1
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002・武部新
○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/2
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003・武部新
○武部委員長 次に、お諮りいたします。
本日、最高裁判所事務総局総務局長小野寺真也君及び家庭局長馬渡直史君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/3
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004・武部新
○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/4
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005・武部新
○武部委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。寺田学君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/5
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006・寺田学
○寺田(学)委員 立憲民主党会派の寺田です。おはようございます。
今日は、一般質疑ではありますが、先般衆議院を通過し、今参議院の質疑に入りました、いわゆる共同親権の創設を含む民法改正についての質疑をしたいというふうに思っています。
私自身も法案質疑の中で何度か質問に立たせていただいて、様々な議論をさせていただきましたけれども、その中で明らかになった様々な項目に関して、そういう解釈なのだということで安堵される方もいれば、新たにまた、その答弁を基に、細部について及び基本的な考え方について不安をお持ちになられる方もいらっしゃいます。そういうことに関して、私自身にもどうなっているのかということを投げかけられることが多々ありましたので、今日は三十分いただきましたので、この民法改正に関して質問をしていきたいというふうに思っています。
まず最初にですが、いわゆる父母の一方の、単独の親が決めることができる、単独行使ができる急迫の事情の内容についてです。
先日ですか、最後の質疑の中で本村先生が提出された一覧表がありまして、いわゆる日常行為として許されるものと急迫の事情として許されるものというものがありましたけれども、あのときは、日常として許されるものをマル・バツでやっていたと思いますが、その中で、人工妊娠中絶の手術の判断がバツになっていたことで、中絶手術も単独ではできないのかという声が寄せられました。
そのことに関しては、私自身もこの改正案の質疑の中で質疑を重ねて、日常行為ではないけれども急迫の事情と認め得るという局長の御答弁がありまして、基本的には認められるという方向性だということを、私自身としても、そういう疑念を持たれている方にお伝えはしているんですが、もちろん、中絶手術自体は、母体保護法ですか、その中で期間が決められているので、期間内に行うことが急迫の事情と認められて、単独で決めることができるものだということだったんですが。
妊娠に関して、私も妻から教えてもらいましたけれども、中絶に関しては、初期段階と中期段階というのは、言葉としては連続していますけれども、やはり中期段階はもう相当な負担がかかるものであって、初期の段階だからまだ急迫ではないのだというような言い方は、およそ男性には理解されないかもしれないけれども、大変なことなんだということを私も受けました。
ここで改めて局長に伺いますけれども、人工妊娠中絶における急迫性が認められる期間というものに何かしらの差異を設けているものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/6
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007・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
子の利益のため急迫の事情があるときとは、父母の協議や家庭裁判所の手続を経ていては適時に親権の行使をすることができず、その結果として子の利益を害するおそれがあるような場合をいいまして、緊急の医療行為を受けるため医療機関との間で診療契約を締結する必要がある場合はこれに該当すると考えております。
御指摘のような中絶手術でございますが、母体保護法によってこれが可能な期間が制限されていることに加えて、一般に時期が後になるにつれて母体への負担が大きくなることなどを踏まえれば、妊娠初期でありましても急迫の事情に該当し得ると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/7
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008・寺田学
○寺田(学)委員 なので、いわゆる中絶をすることが法的に可能な期間というものは、どの期間であっても、初期の段階であっても急迫性ということで単独で判断し得る。この、し得るというような言葉遣いに関しましても、もちろん、法律のたてつけ上、民事局長として答弁するということに対しては、そういう言葉があるかもしれませんが、じゃ、判断されない場合はあるのか、認められない場合があるのかという声も当然ながら一般の方々から寄せられるところでありますので、もう一点、人工妊娠中絶における急迫性が認められない例というものは想定されるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/8
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009・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
急迫の事情に該当し得ると申し上げましたのは、子の利益のため急迫の事情があるときに当たるかどうかは、適時に父母間で協議ができるかどうかも含めて、最終的には個別具体的な事情に応じて判断されるべきであるという趣旨でございまして、繰り返しになりますが、中絶手術につきましては、妊娠初期であっても急迫の事情に該当し得ると考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/9
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010・寺田学
○寺田(学)委員 もう一回ちょっと聞きますけれども、認められない場合というのはあるんでしょうか、急迫性として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/10
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011・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
急迫の事情という定義からいたしますと、例えば、父母間で協議ができてしまえば急迫の事情に当たらないわけでございますので、そういうような場合には当たらない場合もあるかと思いますが、先ほど申し上げましたように、中絶手術については、性質上、妊娠初期でありましても急迫の事情には該当し得ると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/11
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012・寺田学
○寺田(学)委員 そういう整理だとは思います。いずれ、単独で判断できる内容は何か、日常行為そしてまた急迫に何が該当するのかというのはまた本村先生もお話しされるかもしれませんので、一個一個、こういうことを丁寧に、立法者の意思というものを明らかにした上で、二年後の施行のときにはしっかりとそれが周知される形になるべきだとまずこの一つを取ってみても思います。
もう一点ですけれども、DVについてです。これも委員会質疑の中で、この共同親権を進めたいと積極的に考えられている方も、このことに対して慎重に考えられている方も、議論としては、DV自体は除くのだというような議論の整理の上で様々なその違うところを議論していたんですけれども、そもそも、DVをちゃんと除外する、DVがあった場合には共同親権が認められない形になるのだ、積極派の方々にしてみれば、DVはちゃんと取り除くんだから大丈夫だというような言い方もありました。
じゃ、本当に認められるのかどうかという認定のことに関しては、当然ながらそれはそれで問題点として残ると思うんですが、例えば、法文上、そのまま読むと、DVがあったことを含めて、今後もそういうことが起こるおそれがあるかどうかということを踏まえて、総合的に最終的に、共同して親権を行使することができるかどうかというたてつけになっているので、論理上は、DVをしている人であっても、おそれがないと判断すれば共同親権を判断し得るということは、法理上は、たてつけ上そうなっているので、そこに対する懸念の声を上げる方も結構いらっしゃいます。
まず、大臣にお伺いしますけれども、このDV、民法の離婚事由の中にもはっきり入っていない言葉ではありますが、今回のこの共同親権に関して言うと、DVという言葉を明示的に入れましたけれども、DVというものに対する大臣の認識をまずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/12
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013・小泉龍司
○小泉国務大臣 DVとは、一般には、配偶者など親密な間柄にある者からの暴力をいい、しばしば、身体的暴力のほか、精神的暴力、性的暴力等も含んだ意味で使われるものと承知しております。
DVは、被害者に深刻な精神的苦痛や肉体的苦痛をもたらすとともに、その尊厳を傷つけるものであり、決してあってはならないものであると認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/13
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014・寺田学
○寺田(学)委員 それほど、大臣が言うほど、DVということ、今回、法文の中に言葉として載せたわけですから、しっかりとそのことに対して、DVという言葉自体ではないですけれども概念自体をしっかりと載せたわけです。だからこそ、慎重派の方も推進派の方も、このことに対してはしっかりと、DVがある場合には共同親権じゃないんだよということにはなっておりますが、今回、DVがあったら単独の親権という明示的な形ではなくて、おそれというような言葉を法文の中に入れて法定化しています。
このおそれ、「父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれの有無」という形でやっていますけれども、おそれという言葉を入れた理由を局長から御答弁ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/14
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015・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
御指摘のように、DV等を受けるおそれの有無を考慮要素といたしましたのは、現にDV被害を受けている場合だけではなく、離婚後にDV被害を受けるおそれがある場合には、一般に、父母が共同して親権を行うことが困難であり、子の利益を害すると考えられることから、これを裁判所が必ず単独親権としなければならない場合の例示としたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/15
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016・寺田学
○寺田(学)委員 現に行われているだけではなくて、そういう可能性を含めて相当広く取るために載せた言葉だというような御答弁でした。
ここから、当たり前に聞こえることかもしれませんが、やはりそこには法文上の穴があってはならないと思いますので、一個一個詰めたいと思います。
DVが離婚原因となる場合においても、共同親権というものは認められる余地はあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/16
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017・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
DV等を受けるおそれにつきましては、裁判所において、個別の事案ごとに、それを基礎づける方向の事実とそれを否定する方向の事実とが総合的に考慮されて判断されることになると考えております。
その上で、一般論としてお答えをいたしますと、例えば、過去に離婚訴訟においてDVが認定され、それが離婚原因とされたという事実は、DV等のおそれを基礎づける方向の重要な事実と認められ、それを否定する方向の具体的な事情がない限りは、DV等のおそれがあると判断されて、父母の一方を親権者としなければならないことになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/17
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018・寺田学
○寺田(学)委員 今、まとめて、次の質問の、過去のDVがあった場合ということも含めてお話しいただきましたけれども。
離婚をしたいということで協議をして、じゃ、親権をどうするのかという議論をしている最中の中で、リアルタイムでという言い方はあれですけれども、DV行為を行っている人間も、法文上は、最終的には裁判所がおそれの有無、今やっているけれども、今DVをしているけれども、今後、共同親権と裁判所で判断すれば、その後はおそれはなくなるんじゃないかと考えてしまう可能性というのはあるのかなと。
私はないと思っていますよ。ただ、法文上はそういうことが可能ですから。おそれがないと裁判官が認めれば、DVをまさに行っている人であっても、その後、共同親権をやったらもしかしたらDVやめるかもしれないと。そんなのはあり得ないんですけれどもね。今、共同親権中にDVやっている人間が、離婚後に共同親権を認めたらDVがやむかもしれないなんて思う判断はないと思いますが、法文上はそういうことができるふうにも読めますし、それ自体を懸念する声もあるので。
まさしく今DVをしている人が、親権をどうするかという話の中で、共同親権という枠組みになることは、立法者の意思として想定はしていないですか、していないですよねという話です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/18
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019・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
本改正案は、父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれがある場合で、父母が共同して親権を行うことが困難なときは、単独親権としなければならないと定めております。
このおそれにつきましては、裁判所におきまして、個別の事案ごとに、基礎づける方向の事実と否定する方向の事実とが総合的に考慮されて判断されることになると考えております。
その上で、一般論としてお答えいたしますと、現にDVの被害を受けている事実が認定されたのであれば、当然にそのおそれがあると認定されることになり、父母の一方を親権者としなければならないことになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/19
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020・寺田学
○寺田(学)委員 まず、現在のことはそれで整理されて、過去に関しては、先ほど御答弁をいただきましたが、過去にDVを理由として離婚した場合でも、変更の申立て、単独親権、施行前ですから、今単独ですよね、例えば母親側が単独親権を持っている中において、共同親権のこの法案が通って施行された後に、過去DVが理由で離婚している及び保護命令が出る出ないも含めて何かしらDVがあったことを明らかにすることができるような状態があったケースに関しては、離婚後、この法案が通った後に、そのDVを過去にした人間が、共同親権として変更申立てをして、それが認められるケースというのは想定されるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/20
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021・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
過去に離婚訴訟においてDVが認定され、それが離婚原因とされたという事実につきましては、DV等のおそれを基礎づける方向の重要な事実と考えられますので、それを否定する方向の具体的な事情がない限り、DV等のおそれがあると判断され、父母の一方を親権者としなければならないことになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/21
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022・寺田学
○寺田(学)委員 今御答弁の中の、それを否定する十分な事実でしたか、それは具体的に、もう少しかみ砕いて言うとどういうことを指し示されているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/22
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023・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
一般論としてお答えをいたしますと、過去に受けたDVに関する具体的な事情やその後の父母間の関係性等を考慮して、DV等を受けるおそれがあるかを判断することになるのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/23
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024・寺田学
○寺田(学)委員 そこら辺にいろいろな余地が出てくるんでしょうけれども。
大臣に聞いてもいいですか。
共同親権のこの仕組みが、このまま参議院でもし可決をされて通るとすれば、本当にいろいろな方が不安に思われることだと思うんです。その中においても、過去DVを受けてようやく今平穏な形で過ごされている方、こういう方に対しては、恐らく推進派の方も含めて、しっかりと保護してあげなきゃいけないというふうに思われているとは思うんです。
そういうお立場の方が一番怖いのは、これで共同親権の仕組みになった瞬間に共同親権だと申立てをされるんじゃないか、その行為自体にも物すごいストレスを感じるということで、どうにか、およそそういう共同親権に認められないような方は、訴訟とか起こされないように、何とかしっかりと周知をしていかなきゃいけないと思うんです。
実際そういうような形で申し立てることが起きた場合に、私自身が考えるに、さっき局長が言いましたけれども、DVがあったとはいえ、その後に父母間の関係性とかも含めて様々具体的に考えることになるだろうということですが、DVを一度やった人間、いわゆる制圧、支配ですから、その人自身、過去DVに遭った被害者の一方の親が本当に同意できるかどうかということは甚だ怪しいことではあるんですが、百歩譲って、そういうことがあったけれどもお互いの関係性が改善、真摯の意味で改善するというのがどれぐらいあるのかというのは私は正直分かりませんけれども、お互いが合意をして、その上でこの制度を使って共同親権をするということは起こり得るのかなということは、可能性としては本当に少ないと思いますし、非常に慎重に考えないといけないと思うんです。
お互いが、過去DVがあった父母間のケースにおいて、父母間が合意していない場合においても親権変更で共同親権を裁判所が認め得るということを立法者として想定していますか。局長が先でもいいです、大臣が先でもいいです。父母間が合意していない、過去DVがあった事例で、その後、親権変更に関しても、共同親権に関して父母間で合意していない、そういうケースにおいても最終的に裁判所としてこれは共同親権だと、父母間が合意していないにもかかわらず言うことを立法者として想定し、望んでいますかというところを聞きたいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/24
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025・小泉龍司
○小泉国務大臣 共同親権でありながら単独親権にするというケースのその分かれ道は、両親が共同で親権を行使できるかどうかというところが分かれ道であります。それは、できるかどうかはかなり主観的な、心理的な要素というものは当然ですが入ってきます。
したがって、過去にDVがあったとか、現にDVがあるとか、将来DVのおそれがあるとか、こういったものが眼前に、面前にあれば、当然心理的には共同行使は難しくなるというのが普通の想定される姿だというふうに思っています。
今委員がおっしゃったことを明示的に排除はしていません、明示的には。ただ、そもそもこの法律の、この条文の趣旨は、子供の利益のために共同で行使できる、それが困難であるときは単独で、そういう分かれ道をそこでつくっていますので、そして、それは主観的なもの、心理的なものが大きく作用する場面だというふうに思いますので、そういうこととして御理解をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/25
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026・寺田学
○寺田(学)委員 父母間の合意が調わない場合でも裁判所が判断できるという今回のこの仕組みに対して大きな議論が沸いているんだと思います。
そこはさんざん改正案の議論の中でもしたところですが、事DV、過去あった、もちろん離婚原因に入っている、そしてまた保護命令を受けている、様々な客観的な見え方はあると思います。もちろん、ほとんどが協議離婚ですから、DVがあったこと自体が表に出ずにそういうことになっているケースもあると思うので、それはそれでしっかりと議論しなきゃいけないですが、少なくとも、離婚原因の中にDVが入っている、そしてまた保護命令が出ていた等を含めて、客観的にそのDVがあったことが明らかになっているのであれば、父母間の合意がない形での共同親権の認定というのは、立法者としてまずこの段階においてはできないということぐらい言わないと、DVに遭った方々が、もしかして自分がもう一回親権変更の申立てをされて、私が嫌だと、あの過去のことに対して絶対にそれは私自身として怖くて受け入れられないと言っている人も、裁判所において共同親権と審判され得ると考えたら怖いですよ。
これは、今回の議論の柱ですよ。父母双方が合意していなくても裁判所が総合的に判断して共同親権の認定ができるということは、議論を大きく呼んだ肝ではありますけれども、そこに対して意見はさんざん私は持っていますが、まず、今回のこのDVが過去あったということに関しては、父母の合意がない場合は親権変更で共同親権にするということは想定していないというのが、DVに遭われた方々に対する私はしっかりとしたメッセージだと思います。大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/26
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027・小泉龍司
○小泉国務大臣 多くの場合、そういう形に判断がなされるというふうには思いますが、片方が合意をしないこと、そのことのみをもって共同親権ということはないんですという判断ではなくて、それをのみ込んだ上で、実態を見て、また、片方の親がDVによって心理的に共同行使は困難だということがはっきり、そういう主張があり、またそういう事実が認定されれば、当然、単独親権になるわけであります。
ですから、当事者の駄目ですというその一言で全て決まってしまうという仕組みではないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/27
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028・寺田学
○寺田(学)委員 賛否はいろいろありますけれども、父母の合意だけで、父母の合意が調わないことをもって単独親権にするという制度ではないというのは十分分かっています。
その上で、過去DVがあった、それが認められる、そういう状況の父母に関しては、およそ、この法律が施行された後に、DVをした、過去加害者であった人から、いや、共同親権だと申立てをされたときに、それ自体は、父母間の合意が少なくともなければ、あったとしても私は慎重に判断するべきだと思います。本当にそれが真の同意なのかどうかということをしっかりと判断しなきゃいけないと思いますが、少なくとも、DVが過去あったことが分かっているケースにおいて、親権変更で共同親権だということに関しては、父母間の合意がなければ、私はなかなか、なかなかというか、認めることというのはしてはならないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/28
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029・小泉龍司
○小泉国務大臣 裁判所は、最終的に子供の最善の利益を考えるわけですよね。ですから、父母が共同行使が困難なのに、また、それを裏づける実態があるにもかかわらず、裁判所が共同親権に引っ張っていくということは、それはないと思います。なぜならば、それは子供の利益に合致しないからであります。
親は共同行使できない状態であるにもかかわらず、それが明らかであるにもかかわらず、共同親権に裁判所が先導していく、そういう姿は我々は想定していません。あくまで、父母が話し合う場をつくり、また、改める可能性があるならばそういった話合いも行う中で、それは裁判所がそういう枠をつくり、そこで両親の考えを整理をして、子供の幸せのためなら全て一からやり直すという決意が生まれてこないとは言えませんから、そういう場を経て、最終的な判断を裁判所が行うことになるということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/29
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030・寺田学
○寺田(学)委員 一般論としての仕組みを中心にお話をされているので、そこは十分理解して、賛否があるところですけれども議論をしているんですが、過去DVがあったことに関しては特別な考え方を、今回、八百十九条の中でもそれを明示しているわけですから、特別の考え方に立つべきだし、それがDVに遭われた方々に対する、この法律を通す上での当然の意思であり配慮だと私は思っています。
具体的なことを聞きますが、これは局長でもいいですけれども、一般的に、この法律が施行された後に、離婚している父母間において親権変更の申出がされることはケースとして想定されるわけですけれども、いや、共同親権に親権変更したいんだ、単独ではなくてという話をされたときに、DVが過去にあったケースに関しては、やはり双方の合意が調わないということ自体は、まさしく父母が共同して親権を行うことが困難であると認められる、一般的に、DVがない場合に比べて、よりこの部分は強く、過去あったDVに関しては当然ながら重要視される仕組み、立法者としてのそういう意思だということかどうかを確認したいんですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/30
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031・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
親権者変更の審判におきましては、その基準として、子の利益のため必要があるときというふうに定まっております。実際に、子の利益のために必要があるときという中身につきましては、改正法の八百十九条七項におきまして親権者の指定の基準が定まっておりますので、それが適用されます。
したがいまして、子の虐待ですとか、委員御指摘のようなDVあるいはそのおそれがあるような場合には、基本的には、子の利益のためにならないというような判断になるのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/31
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032・寺田学
○寺田(学)委員 さっき大臣が言っているのは、後で議事録をちゃんと整理したいんですけれども、DVに過去遭われた方、局長のさっきの答弁、その前の答弁ですけれども、も含めて、DVに遭われた方に関しては、しっかりと、そのあった事実を踏まえた上で判断されるということの御答弁はあったとは思いますが、これは参議院でも続きますけれども、ここはしっかりと歯止めをしないと。
私の周りでも、身体的及び精神的な、そして経済的なDVをしている男性を知っていますけれども、やはり認知がゆがんでいますよ。自分がやっていたことに対する真摯な反省をその後する人もいるとは思いますけれども、やはり私が知る限りにおいては相当程度認知がゆがんでいると思いますので、そのゆがんだまま、もう一回、この法律が施行した後に、DVの被害者であった一方の父母に対して共同親権でいこうということを思う人は私はいると思います。
そこに対して、それ自体も、被害に遭われた方にとっての相当な負担ですから、それを、この法律自体を議論する中においてはその負担を最小限にしていくこと、無にしていくことが一番大事だと思いますので、これは参議院の方でも議論してもらえると思いますし、しっかりと答弁をして、そういう趣旨をつくってほしいと思いますが、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/32
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033・小泉龍司
○小泉国務大臣 過去にDVがあったということは、それは親権者を決める過程において大変重たい事実だと思います。それは間違いないことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/33
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034・寺田学
○寺田(学)委員 最終的には裁判所が総合的に判断して決めるという仕組みである以上、大臣としても断定することはなかなか難しいのは十分分かっていますが。
本当に、そういう意味で、DV、現に遭っている人は当然取り除かれる答弁はありましたけれども、過去遭ったことに対しても相当程度慎重に考える仕組み、及びこの立法の意味というものをしっかりと、改めて、質疑の中で、参議院の中でも御答弁いただきたいと思います。
残りは一分ちょっとしかないので。
親が単独行使をしたことに対して、一方の親が、共同親権になった場合、離婚後の共同親権になった場合、現行でもそうですけれども、現行の場合は別居親みたいな話になりますが、一方の親が単独行使したことに対してもう一方の親が単独でそれを取り消せる、参議院では、いわゆるプールのやるやらない、休む休まないみたいなのが無限ループになるんじゃないかという話がありました。
これは十分議論したいんですが、時間がないのであれですが、一方の親が、同居親が決めたことに対して別居親の方がやみくもにそれを取り消すような行為をしてくることで、結局のところ、学校であったり病院であったり様々なところが、当然子供も含めてですけれども、右往左往することになります、決めたことを取り消される、決めたことを取り消される、決めたことを取り消されるということが続くと。これはおよそ健全な環境にはないと思いますが、こういうことに対してどのような対処を考えていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/34
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035・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
委員お尋ねのようなケースにつきましては、本改正案によりまして、父母の一方がある事項に関して単独で親権行使をした後に他の一方がこれと矛盾するような親権行使をすることになるかと思います。それにより子供が被る不利益の内容及び程度や、その矛盾するような親権行使の目的などの諸般の事情に照らして、他の一方による親権行使が権利の濫用として許されない場合があり得るものと考えておりますし、また、親権行使、親権者の指定あるいは変更の審判においてもそのことが一つの要素として考慮されるのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/35
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036・寺田学
○寺田(学)委員 今濫用と言われたこと自体ももっともっと具体的に掘って、不安を持たれている方を含めてしっかりと対処していければなというふうに思います。
時間になりましたので、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/36
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037・武部新
○武部委員長 次に、渡辺創君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/37
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038・渡辺創
○渡辺(創)委員 立憲民主党の渡辺創でございます。法務委員会、初めての質問の機会でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。
この法務委員会にいらっしゃる方々には説明不要だろうというふうに思いますが、令和四年六月に成立した刑法の改正で、懲役と禁錮を廃止して、新たな刑として拘禁刑を創設するということが決まっております。これによって受刑者の処遇が実態に即して充実することを期待したいというふうに思っております。
受刑者の方々も、それぞれ歩んできた環境であったりとか、元々持っていらっしゃる特性みたいなものを十分踏まえた社会生活が行われていれば犯罪につながらなかったというようなこともあったかもしれません。こういうことが結果として犯罪に結びついているケースというのも否定できないわけでありますから、今回の法改正によって、受刑者に必要な、必要性に応じた作業実施や指導を組み合わせた処遇が可能になることは望ましいというふうに思っておりますし、社会復帰に向けて有意義な方向に向かうことを期待したいというふうに思っています。
その立場に立って、まず前提を確認したいんですが、法務省矯正局の統計によると、刑事施設の既決者、つまり罪が確定している方の収容率というのは、平成五年頃に八〇%弱だったものが増加をしていって、平成十四年あたりから十八年ぐらいをピークに一〇〇%を超える状況になり、今度は一転、右肩下がりの低下傾向に入って、直近の令和四年では五三・一%まで下がっていると思います。
低位にあるということは望ましいことだというふうに思いますけれども、この現状について法務省はどのような認識をお持ちでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/38
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039・花村博文
○花村政府参考人 お答えいたします。
刑事施設における被収容者数は平成十八年頃をピークに減少傾向にあり、令和五年十二月末現在におきまして約四万人となっております。
収容率につきましては、刑事施設の収容定員と収容人員から算出されますところ、収容定員につきましては、ピーク時の過剰収容状況を解消するため、これまで、PFI手法を活用した施設の新設や収容棟の増改築工事などにより拡充してきたところ、被収容者の減少に伴い、収容率が減少傾向で推移していることにつきましては、様々な要因があり、少子高齢化のほか、その時々の経済状況や雇用情勢など、景気や社会情勢等にも左右される面があるものと認識しており、一概にお答えすることは困難でございます。
なお、新たに受刑者となった方の人数で見ますと、令和元年には約一万七千五百人であったものが、令和五年には約一万四千人となっておりまして、約三千五百人減少している状況が認められております。
もっとも、各刑事施設の収容率につきましては、当該施設の所在する地域や、収容する被収容者の性別、年齢、属性などにより収容する対象者が異なるため、各施設によって差異が生じることとなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/39
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040・渡辺創
○渡辺(創)委員 様々ありますのは当然だと思うんですが、ちょっと改めて確認したいんですが、この傾向はこれからしばらくの間続く状況だと思っているという認識でいいですか。ちょっとそこを確認したいんです、大事なことだと思うので。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/40
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041・花村博文
○花村政府参考人 なかなか一概に申し上げるというふうなところは難しいかもしれませんけれども、急激な変化があるというのはちょっと考えにくいのかなというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/41
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042・渡辺創
○渡辺(創)委員 ありがとうございます。
今、先ほどありましたように、令和四年度末だと、刑事施設の収容者という方々、全体で四万一千五百四十一人ぐらいで、そのうち、既決、罪が確定している方々というのは三万六千人強ということのようでありますが、今入っている方々というのは、もちろん既に刑を受けている方なので、拘禁刑の対象というわけではないというふうに思いますけれども、拘禁刑導入後のイメージを描きたいので、その数字をベースにちょっと考えていきたいと思うんです。
拘禁刑の創設後に、その導入によって従来と異なる対応が必要若しくは対応することが望ましいというような受刑者の方々というのは、大体、刑事施設というか矯正施設に収容されている方々のどのぐらいの割合に及ぶというふうに法務省では考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/42
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043・花村博文
○花村政府参考人 お答えします。
拘禁刑につきましては、令和七年六月一日に導入されることとなっております。これまでの懲役刑では作業の実施が前提とされておりましたが、拘禁刑の導入後はそうした前提がなくなり、個々の受刑者の特性に応じて作業と指導とを柔軟に組み合わせた処遇を実施することで、より効果的な改善更生を図ることが期待されております。
このような拘禁刑の趣旨を踏まえまして、全ての受刑者を対象とした処遇の充実について検討しているところでございます。
受刑者の特性に応じたきめ細やかな処遇を効果的かつ効率的に実現するためには、多職種による組織的かつ専門的な処遇調査を実施することが重要であると認識をしております。さらに、本人の希望、意欲等を丁寧に聴取し、改善指導への動機づけを高めるための働きかけも重要と考えておりまして、受刑者全般を対象に、個々の受刑者に対する働きかけの充実を図りたいと考えております。
その上で、特に法改正当初から手厚く対応する必要があると考えられる受刑者の一例としまして、高齢や障害を有するなど、福祉的支援の必要がある受刑者への対応が重要と考えております。現状では、令和四年の新受刑者一万四千四百六十人のうち、六十五歳以上の高齢者は二千二十五人、知的障害を含む精神障害を有すると診断された者は二千四百三十五人であり、少なくとも、それらの者のうち一部には対応が必要となるものというふうに推計しております。
いずれにいたしましても、犯罪の背景にある事情は様々でありますため、引き続き、受刑者の個々の特性に応じた改善更生に資する集団編成の在り方等について検討し、受刑者の改善更生や社会復帰に向けて、一層効果的な処遇を実現するための取組を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/43
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044・渡辺創
○渡辺(創)委員 今ありましたように、まあまあな割合になることは間違いがないというふうに思います。いよいよ令和七年の六月に導入が迫ってくるわけでありますので、今後は、その後に確定判決を受けた者に対して、新たな体制での対応を段階的にスタートさせていくということになると思います。
刑務官の方々も、もちろん様々な専門職種のサポートを受けながらということになると思いますが、業務の幅というか、今まで以上に取り組まなければならないことが増えるというのは間違いないというふうに思います。刑務官の研修であったり人材配置など、人的な側面での体制整備の進捗状況と課題をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/44
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045・花村博文
○花村政府参考人 お答えをいたします。
拘禁刑の導入によりまして、刑事施設におきましては、受刑者の特性を的確に把握し、処遇への動機づけを行うとともに、個々の受刑者の問題性に応じた処遇を進め、受刑早期から円滑な社会復帰を見据えた指導や支援についてこれまで以上にきめ細やかに対応していく必要がございます。
そのためには、刑務官の能力向上等が求められるものと考えており、拘禁刑の導入を見据え、受刑者の特性や問題性に応じた適切な処遇対応力を向上させるための更なる研修を実施するとともに、受刑者の改善更生の実現に向けて施設内処遇のために必要な人的体制の整備に引き続き努めてまいりたいというふうに考えております。
また、刑務官のほか、専門スタッフの確保も重要と認識しているところでございまして、順次、社会福祉士や精神保健福祉士、作業療法士や理学療法士などの配置を拡大してきたところでございまして、今後も必要な人材確保の取組を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/45
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046・渡辺創
○渡辺(創)委員 刑務官の方々の対応力の向上が多分相当求められるというふうに思いますので、是非、その点の充実を図っていただきたいと思います。
今、人的側面に着眼をして体制整備の状況を聞きましたが、今度は、同じ問題意識の中で、施設整備についてもかなりの対応が必要になると思います。チーム処遇を行ったりとか、複数の課程、グループを設けたり、個別指導を強化していくということになるわけですから設備が今以上に必要になるのは間違いがないと思いますし、ただ、ここは矯正施設ですので、その点を踏まえれば、何というか、学校でいえばプレハブの校舎を造るみたいなわけにはいかない、保安上の要素も必要になってくると思いますから、こういう施設整備面に関する取組状況と課題をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/46
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047・花村博文
○花村政府参考人 お答え申し上げます。
拘禁刑の導入後は、個々の受刑者の特性に応じて作業と指導とを柔軟に組み合わせた処遇を実施することで、より効果的な改善更生及び円滑な社会復帰を図ることが期待されているところでございます。
こうした拘禁刑の導入の趣旨を踏まえまして、受刑者の集団編成を見直し、特性に応じた新たな処遇類型を設けることを検討しておりまして、この類型ごとに矯正処遇の在り方や処遇上配慮すべき事項などを規定して処遇を行っていくことというふうにしております。既に各類型のモデル庁となる施設を指定して試行の取組を開始しておりまして、試行の状況を検証しつつ、本格的運用に向けた準備を行っていく予定としております。
拘禁刑導入に向けた準備は、先ほど申し上げたとおり、集団編成の見直しを踏まえまして、受刑者に対する各種指導などを行うための面接室でありますとか教室などの物的設備につきましても、その必要性を含めて引き続き検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/47
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048・渡辺創
○渡辺(創)委員 ここで大臣に一つお伺いをしたいというふうに思いますけれども、私の理解では、拘禁刑導入というのを契機の一つとして、法務省は刑事施設の再編整備を進めているというふうに認識をしています。
老朽化の問題もあると思いますし、実は、最新の耐震基準に合わせた対応というのはまだまだ十分に進んでいない面が刑事施設にあるというふうに思っておりますが、こういうポイントも同時に踏まえた上で、刑事施設の再編整備を今後どのように進めていくのか、基本的な考え方と進捗状況を大臣にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/48
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049・小泉龍司
○小泉国務大臣 御指摘いただいた刑事施設の統廃合でありますけれども、まず、収容率が長期的に減少傾向、局長も御説明しましたように、急にそれが変わるということでもなさそうだ、正確な見通しはなかなか難しいわけでございますけれども、一定の長期のトレンドで見ると横ばいから下がっていくだろうというのが一点。もう一点は、老朽化ですね、これも相当進んでいます。今度の能登半島地震を経験してみて思いましたけれども、刑務所施設が必ずしも安全にはできていないという部分がございます。これも何とかしたい。そして、拘禁刑が入ってくることへの新しい取組、これも物理的な施設面での手当てが必要であります。
この三つを三本の柱としまして、刑事施設を中長期的に統廃合していく。幾つかのシミュレーションを持ちながら、財政当局にもかけ合いながら、今その準備を始め、一部、統廃合も実施を始めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/49
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050・渡辺創
○渡辺(創)委員 ありがとうございました。
ちょっとここから、一般質疑ということで、私、地元は九州の宮崎でありますが、宮崎の話をしたいと思うんですけれども、宮崎県には、宮崎市の糸原というところに宮崎刑務所というのが設置をされています。元々は、明治七年に今あるところとは別の場所で宮崎懲治場という形で発足をして、一九二二年から宮崎刑務所に改称をされたものであります。刑務所自体は二度の移転を経ているんですけれども、今のところは、昭和五十一年に今のところに立地をしているという状況になっています。収容人員は四百九十五人ということで、収容率はやはり半分ぐらいだと聞いていますが、いわゆるB指標、B指定というんでしょうか、十年未満で複数回犯罪を繰り返している方々が収容されていて、職員の方々は百四十名ほどいるというふうに理解をしています。
この宮崎刑務所なんですけれども、運用開始からもう四十七年、八年となって、古い部類の刑務所になっているかと思いますが、先ほど伺っているように、刑事施設全体の再編整備が進む中で、宮崎刑務所についてはどのような検討が行われるのかということをお伺いしたいと思っておりましたら、今日の地元紙の一面頭に、「宮崎刑務所 廃止検討」という記事が四段見出しで出ておりますけれども、ということなのでしょうかということで、この方向性について現状をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/50
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051・花村博文
○花村政府参考人 お答え申し上げます。
宮崎刑務所は、現在地におきまして昭和五十一年に竣工した施設であり、老朽化が進んでいること、収容状況などを総合的に勘案いたしまして、拘禁刑導入を見据えて、矯正行政の更なる充実強化を図るため、同所につきまして、組織改編し、拘置支所を新設する方針につきまして、関係機関などに説明をしているところでございます。
宮崎刑務所の支所化に当たりましては、地元の御理解をいただきながら、丁寧に進めてまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/51
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052・渡辺創
○渡辺(創)委員 ありがとうございます。拘置支所化していくという方向だというお話でありました。
ちょっと細かいことを確認して恐縮なんですが、拘置支所化する場合、先に幾つか例があると思うんですけれども、手続的には、刑務所は廃止となって拘置支所を新設となるんでしょうか。そこをちょっと確認させてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/52
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053・花村博文
○花村政府参考人 お答え申し上げます。
手続的には、予算要求をいたしまして、刑務所を廃止いたしますとともに、例えば拘置支所を新設するというふうな要求をさせていただいて、認めていただきますとそういった手続に入るというふうな事情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/53
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054・渡辺創
○渡辺(創)委員 ありがとうございました。
基本的には、拘置所ですから、未決の方々が収容されるということになると思いますが、そういう拘置支所化していく方向で検討がなされているというふうに理解をしました。
その上で、お答えできれば確認をしたいんですけれども、宮崎県には、宮崎地裁であったり福岡高裁の宮崎支部がありますので、拘置所の機能が必要なのはよくよく理解ができるところであります。今回、拘置支所化するという言い方でありますので、支所ですからどこか本所があるんだというふうに思いますけれども、この場合、どこの支所となることが想定をされているのかということと、これも具体的なことは決まっていないから過去のケースで、一般論で結構ですけれども、いわゆる拘置支所になる場合、どのぐらいの規模になるという見通しになるのか、収容数であったりとか、また、今百四十名ぐらいいる刑務官の方々の数というのがどのぐらい変動すると思われるのか、ちょっとその辺り、お伺いできればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/54
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055・花村博文
○花村政府参考人 誠に申し訳ございません、現在、関係機関に説明を実施しているところでございまして、支所化後の規模でございますとか拘置支所化の時期、それから本所となる施設につきましては現在検討中でございます。申し訳ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/55
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056・渡辺創
○渡辺(創)委員 分かりました。刑務所を廃止して拘置支所化するという方向で検討が進んで、関係者の皆様に対してもそういう御説明が進んでいるというふうに理解をしましたので、その意味では、宮崎刑務所の今後の在り方について、今日、大きな確認ができたというふうに思っています。
続けてお伺いをしたいんですが、これも宮崎刑務所と実はちょっと関係する話なんですが、近年は、社会全般を見渡しても、多死社会であったり無縁社会というふうに言われるように、少子高齢化が進んで、様々な事情の中で人生の最期を迎えるときに当たって、身寄りがなくて一人で、例えば長期に発見されないとか、亡くなっていることが確認されても引き取られる方々がいらっしゃらないというようなことが社会問題化しているというふうに思います。
刑事施設や矯正施設に収容されている方々も同じ事情を抱えているようなケースは当然あるのではないかというふうに想像しますが、全国の刑事施設における収容者が死亡するケースというのがどのぐらいあるのかということをお伺いし、また、そのような場合に、身寄りのない方々にはどのような対応が行われているのか、近年のそのようなケースの数も含めてお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/56
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057・花村博文
○花村政府参考人 お答えいたします。
全国の刑事施設に収容されている被収容者のうち、令和五年中に死亡した者の数は、速報値となりますけれども、二百七十一名であったものというふうに承知をしております。
刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第百七十七条では、被収容者が死亡した場合におきまして、その死体の火葬を行う者がないときは、その火葬は刑事施設の長が行うものとされ、刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則第九十四条におきまして、刑事施設の長が管理する墓地に埋葬することとされております。
実情といたしましては、御遺族等が遺体又は遺骨の引取りを希望する場合には遺体又は遺骨を引き渡しておりますが、遺骨を引き取る方がいない場合も一定数ありますので、そのような場合には施設の墓地に遺骨を埋葬しております。
令和五年中に全国の刑事施設におきまして被収容者の遺骨を埋葬した総数は、百十三名であったものと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/57
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058・渡辺創
○渡辺(創)委員 今、最後のところ、ごめんなさい、ちょっと、一年間で百十三名ということで。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/58
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059・花村博文
○花村政府参考人 繰り返しになりまして申し訳ございません。令和五年中に全国の刑事施設におきまして被収容者の遺骨を埋葬した総数は、百十三名であったものというふうに承知してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/59
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060・渡辺創
○渡辺(創)委員 ありがとうございます。
百十三名という数字が多いのかどうかという判断はそれぞれ考え方があると思いますけれども、一年間でこの数ですから、それなりに、刑事施設の中で命を失われて、引取り手がないという方々が社会の中にはいらっしゃるということが理解をできました。
実は、このような、今、刑事施設の長が管理をするというお話がありましたけれども、いわゆる無縁者の受刑者の方々の墓地というのは、当然、宮崎刑務所にも附属する施設としてあるということで、そう理解というか、知っておるんですけれども、ただ、宮崎刑務所の場合、この無縁墓地がかなり特殊な事情の下にあるというのは法務省も長く御理解をいただいていることだというふうに思います。
先ほど宮崎刑務所の沿革をお話をしましたけれども、宮崎刑務所の無縁者墓地は、刑務所自体は二回移転をしているにもかかわらず、なぜか無縁者墓地だけが、明治期に、さっき言いました懲治場があった地域に無縁者墓地だけそのまま残っている、取り残されているという状態になっています。その地域も、今はかつての歴史を知る方々はほとんどいないという状況なので、明治期にここに懲治場があったというようなことはほとんど住民の方は知らないという状況の中で、なぜか無縁者墓地だけは明治期のその場所に残っているという状態でありまして、周りは今宅地に周辺開発されておりますので、名残がもう全くないような状況の場所に、千七百四十五平米と結構広いんですが、そこにぽつんと六基の石碑といいましょうか、墓石が存置されたままの状態というふうになっています。
しかも、これも経緯はよく分からないんですが、この区画は完全な囲繞地になっていまして、ここに入ろうとすると、個人のお宅とか会社が持っている作業場みたいなところを、済みませんと言って手続して通してもらわないとこの無縁者の墓地には入ることすらできないという環境になっておりますし、さっきお話しした、二度刑務所は移転していっておりますから、現在の刑務所、今度拘置支所化するところから十五キロも離れているんです。宮崎市の山の中の方に刑務所はあるんですが、海沿いに近い地域に無縁者の墓地だけが残っている。車で三十分以上かかるという距離になっています。
地元の自治会の皆さん等は、墓地の移転や用地の公園化を求めるような陳情や要望を、私が知っている限りというか、私が把握できている限りで、昭和六十一年から繰り返し法務省に求め続けてきていますが、解決策が見えないまま長い時間がたっているというのが現状です。もうこれ以上放置することは難しい問題だというふうに思っているんですけれども、しかも、今回、拘置支所化するということになってしまえば、近く、十五キロ離れていますが、まだ十五キロ近くにある刑務所すら別のところに行ってしまうと、管理についても、これからどうなるのかという大変大きな不安が出ておりますので、是非、この機会にしっかりと墓じまいなどをして、目的を変えて、墓地を移転させて、きちんと供養といいましょうかができるところに、今度の拘置支所化に合わせて持っていくべきだというふうに思っていますが、そこについて、必要な対応を法務省には是非取っていただきたいというふうに思っておりますが、考え方をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/60
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061・花村博文
○花村政府参考人 お答えします。
先ほども申し上げましたとおり、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第百七十七条に、被収容者が死亡した場合におきまして、その死体の埋葬又は火葬を行う者がないときは、その埋葬又は火葬は、刑事施設の長が行うものとされております。
お尋ねの宮崎刑務所につきましても、大島墓地と称する墓地を有しているところ、御指摘のように、本所敷地から約十五キロメートル離れた位置に所在してございます。
大島墓地につきましては、過去にも地域の皆様方から墓地の移設について御要望があったものというふうに承知しておりますところ、刑事施設の運営には、地域社会の皆様方の御理解、御協力が不可欠であるというふうに認識してございます。
現時点におきまして、墓地の移設について確定的なことを申し上げるのは困難でございますものの、宮崎刑務所は、先ほど申し上げましたとおり、支所への組織改編を行う方針でございますため、地域の皆様の御要望を踏まえて適切に対応してまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/61
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062・渡辺創
○渡辺(創)委員 もう一回確認したいと思います。
先ほど、この前のブロックの質問で、拘置支所化する、支所化するということは本所でなくなるということなので、言ってみると、刑事施設の長が、管理する方々が本所になるわけですよね。これを宮崎のこの地域にこのまま残していってしまったら、法務省、管理する姿勢としても極めていいかげんなものになりかねないというふうに思いますし、年間で百名を超える方々が全国でこういうところに埋葬されているわけですね。これは、今度は、宮崎が刑務所じゃなくなれば、拘置支所ですから、新たにそういうところに入る環境になる方々の割合は極めて低くなるというわけですので、これは、これだけ残していくというのはあり得ないと思います。
きちんと拘置支所化に合わせて対応するということを、今ここでもう一回答弁してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/62
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063・花村博文
○花村政府参考人 繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、現時点におきまして、墓地の移設について確定的に申し上げることは困難でございますけれども、地域の皆様方の御要望を踏まえて適切に対応してまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/63
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064・渡辺創
○渡辺(創)委員 時間が迫っておりますのでそろそろやめますが、地域の皆さんの要望を踏まえて適切に対応するというのは、昭和六十一年以降、無視し続けてきた、受け止め続けてこなかった地域の皆さんの声をしっかりと反映させた対応をするということだと思います。
跡地利用については、また関係する行政、自治体等々いろいろあると思いますので、まずは、ひとまず、きちんと墓地の問題を処理するということを法務省にはきちんと対応いただきたいということを申し述べまして、私の質問とします。
どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/64
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065・武部新
○武部委員長 次に、道下大樹君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/65
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066・道下大樹
○道下委員 立憲民主党・無所属の道下大樹です。
今日は、一般質疑の時間をいただきましてありがとうございます。
一般質疑ということで、議事案件が裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件ということでございまして、今日は、まず一問目は、一問目というかその後もそうですけれども、人権擁護に関する件について質問をさせていただきたいと思います。
人権擁護局さんで、私の手元には、「人権の擁護」というパンフレットや、また「法務局による相談・救済制度のご案内」という資料がございます。いろいろと御説明いただきました。こういう人権の擁護や相談、また対応、受付というものは大変重要であるというふうに私は認識をしております。
以前から様々な差別、そして今、SNSでの誹謗中傷というものが広がってしまっております。こうしたところに、最初から裁判で訴えるということもありますが、なかなかそういった点も難しいということもありますので、こういう法務省人権擁護局、法務局による人権に関する相談等を受け付けるのは大変意義のある制度、そして仕組み、取組だというふうに思います。
まず、政府参考人にお伺いしたいというふうに思いますが、法務局による人権に関する被害の申告から問題解決までの相談、救済制度について、概略を説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/66
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067・鎌田隆志
○鎌田政府参考人 法務省の人権擁護機関では、様々なお悩みについて人権相談に応じております。人権相談等を通じて、人権侵犯により被害を受け又は受けるおそれがある旨の申告があり、人権侵犯による被害の救済又は予防を図ることを求められるなどした人権侵害の疑いのある事案につきましては、人権侵犯事件として調査を開始しているところであります。そして、調査の結果、事案に応じて要請、説示、勧告などの適切な措置等を講じているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/67
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068・道下大樹
○道下委員 今のそのような流れで、申告を受けて、また、相談、救済措置を取っているということでございますけれども、ここでちょっと具体的に、過去一年間の人権相談件数と類型、申告を受け付けて調査処理した件数を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/68
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069・鎌田隆志
○鎌田政府参考人 令和五年において法務省の人権擁護機関に寄せられた人権相談の件数でございますが、十七万六千五十三件でございました。
類型ということですが、そのうち相談の件数が多かった類型といたしましては、住居、生活の安全関係が一万六千八百七十九件、プライバシー侵害が九千九百二十二件、労働権関係が九千八百五十五件となっております。
また、令和五年において、申告を端緒として新規に救済手続を開始した人権侵犯事件の件数は八千四百九十件でございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/69
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070・道下大樹
○道下委員 この点についてちょっと詳細に伺いたいと思うんですが、申告を受け付けて調査処理した件数が、今、八千四百九十件ということでありましたが、その中の類型については何かこれを把握されていますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/70
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071・鎌田隆志
○鎌田政府参考人 人権侵犯事件の処理の件数、類型別の内訳についても把握しておりますが、ちょっと通告がございませんでしたので、今手元にございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/71
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072・道下大樹
○道下委員 事前のレクでは、申告を受け付けた後の類型というものは取っていないというふうに伺っていたものですから、その確認だったんですけれども、もしそれらを類型ごとにちゃんとまとめているのであれば、後日御連絡をいただきたいというふうに思います。
次に、今回のこの人権相談に関して、昨年は十七万六千件から八千四百九十件申告を受け付けたということでありますが、その申告を受け付けて調査し、その結果、これは救済措置が必要だというふうに決められた、決定された中における啓発、それから説示、勧告、要請はどのように行うのか。詳細に、例えば口頭で行うとか文書を届けるだとか、いろいろとそういうやり方があると思いますが、その具体的な救済措置の方法について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/72
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073・鎌田隆志
○鎌田政府参考人 先ほどの答弁につきまして若干補足しますと、人権侵犯事件の被害の申告を受けて調査を開始しなかった件数というのは統計上把握しておりません。調査を開始して処理した件数、これは内訳ごとに把握しているということでございます。
そして、お尋ねの措置の方法につきましてでございますが、法務省の人権擁護機関が講ずる措置等のうち、勧告は、人権侵犯事件調査処理規程十四条一項三号により、文書により行うこととされており、文書により行っているところでございます。他方、説示及び要請の各措置については、同規程上、方法の定めはございません。事案に応じて、文書又は口頭の適切な方法により行っております。
お尋ねの啓発は、措置ではなく、事件の調査の過程でも行い得るものでありますが、規程上、方法の定めはありませんで、事案に応じて、啓発冊子などの資料をもって行うなど、適切な方法により行っているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/73
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074・道下大樹
○道下委員 啓発は文書、それ以外の説示、勧告、要請は口頭等いろいろ、決まっていないということでございますが、その中で、啓発、説示、勧告、要請の救済措置をしても改善等が見られなかった場合、法務省はどのように今まで対応されているのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/74
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075・鎌田隆志
○鎌田政府参考人 念のため確認でございますが、勧告は文書により行うこととされておりますが、説示、要請、啓発には方法の定めはございません。
そして、啓発、説示、勧告などの措置を実施しても改善等が見られなかった場合どうなのかというお尋ねでございますが、人権擁護機関の行う人権侵犯事件の調査処理は、司法機関や捜査機関のように、具体的権利の存否を確定し、強制力によって侵害の除去を図るものではございませんので、要請、説示、勧告等に相手方が従わなかったからといって、強制的にその内容を実現することはできません。
というのも、三権分立の下では、人権侵害を受けた者の被害の回復や侵害の除去は、裁判、すなわち司法権による救済によってこれを実現するという枠組みになっているところ、裁判手続には時間も費用もかかるため、全ての紛争を裁判手続に持ち込んで解決することは現実的ではございません。
そこで、裁判をするほどのものではない紛争については、行政が救済の手を差し伸べ、具体的な事件の調査処理を通じて、相手方を十分説得した上、現に侵害が継続しているときはこれを自主的に排除させ、現に侵害が終了しているときは将来の再発を防止させるなどの個別啓発を通じて、任意の手続の範囲内で迅速な解決を図る、これが人権侵犯事件の制度目的でございます。
したがいまして、人権侵犯事件の措置では被害者にとって納得のいく結果が得られず、具体的権利の存否を確定して、被害の回復や侵害の除去を相手方に強制したいということであれば、それは司法救済、裁判手続によっていただくということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/75
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076・道下大樹
○道下委員 法務省の人権相談における救済措置で改善が見られなかった場合は司法の場においてということでございますが、こういったところもなかなか、私は救済措置で何とか改善されればいいなと思うんですけれども、それが改善されないというものもあるというふうに、残念ながらあるのは事実として我々も認識をしているところでございますが、せっかく相談、救済制度を利用したにもかかわらず改善されない、それで、改善されないものを司法の場でというのは、ある意味、今の司法、裁判手続、また費用の問題も含めると、ちょっとハードルが高いかなというふうに思うところでございます。
私、ちょっと具体的に伺いたいと思います。
アイヌ民族の方々が差別的言動を受けているというふうに相談、救済制度を利用された件がございます。衆議院議員杉田水脈議員がアイヌ民族の方々に対して差別的言動を何度も繰り返されているということで、人権侵害を受けたというふうに法務省に人権相談の申立てをして、その結果、杉田議員は、札幌と大阪の法務局から人権侵犯の認定を受けたということでございます。ただ、その後も、SNSなどで自らを正当化する発信を繰り返されています。
これについて、法務省の受け止めを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/76
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077・鎌田隆志
○鎌田政府参考人 人権侵犯事件の事務を行う場合においては、関係者の秘密を守らなければならないとされております。
人権侵犯の申告を受けた方には、あなたの秘密は守りますので安心して相談してくださいというふうに申し上げていますし、他方、人権侵犯事件の調査の関係者の方々に対しても、任意の調査ですけれども、あなたの秘密は守りますから調査に応じてくださいという形で調査をしております。
したがいまして、その約束が守られないということになりますと、人権侵犯事件の調査に支障を来しますので、一般に、個別の人権侵犯事件については、その存否も含めてお答えは差し控えているところであるということを御理解願いたいと思います。
また、杉田水脈議員のSNSなどでの発信についてということでございますが、個々の国会議員の言動について行政当局としてコメントすることも差し控えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/77
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078・道下大樹
○道下委員 政府参考人としてはそういう答弁がぎりぎりなのかなというふうに思います。
ただ、これは、救済申立てをした被害者側も、このような申立てをして、相談をして、そして啓発という救済措置が出たということは公表されていますし、その調査対象である杉田水脈議員も、これについては啓発をもらったというふうに公表しているわけでございますので、これは双方が、個人情報の保護などではなくて、どちらも公表して認めているということだと思いますので、この点については、我々としてはこういった国会の場で議論しても差し支えないと私は思っております。
こうした中で、残念ながら、杉田水脈議員は、啓発を受けた段階においても、今年の一月の記者会見において、自分自身のSNS等で傷つかれた方がいらっしゃるのであればSNSは削除するということをおっしゃっているんですが、私は、もう傷ついているから、アイヌ民族の方が傷ついているから人権相談をしたのではないかというふうに思うんですが、この点について、参考人か大臣、どのように思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/78
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079・鎌田隆志
○鎌田政府参考人 一般論で申しますと、人権侵犯の被害を受けた方が、また別の事実で、既に行った被害に係る事実とはまた別の新たな事実で人権侵犯の被害を受けた、申告したいということであれば、また改めて申告を受けて調査、救済を行うということは可能でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/79
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080・道下大樹
○道下委員 傷ついたから人権相談をしたわけで、そして、それに対して、杉田水脈議員の受け止め方、ちょっと私は認識が違うのではないかと。やはり、傷ついたわけだから相談して、そして、様々なマスコミにも公表して、何とか改善を求めているわけでありますよね。そうしたことを考えると、即刻、私は、もちろん公人として、やはり衆議院議員である公人として、こうした差別的言動をSNSなどで発信することも含めて、これは厳に慎まなければならないと思いますし、そして、今まで載せたものは、もう傷ついているわけですから、即刻削除すべきだというふうに思いますが、法務大臣の見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/80
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081・小泉龍司
○小泉国務大臣 人権侵害の予防、そして救済、これは三つの段階があって総合的になされているものだと私は認識しております。
一つは、一番強いのは司法による救済ですよね、原状の回復、救済。そして二番目が、我々が担当しております行政による、もっと速やかに、任意なんですけれども、早く速やかに、経済的負担がかからずにすぐ手を打つという行政的な手を差し伸べる方法、これが我々の人権擁護局が行っている事務ですね、作業です。最後に、やはり社会全体、社会全体で人権というものに対する意識を高め、それが人権侵害への抑止になっていく、またそれが人権救済につながっていくという、社会全体の大きなムーブメント。そういうものが折り重なって前へ進んでいく、そういうふうに思っております。
我々が担当しているところ、まだまだ不十分かもしれませんけれども、その中で一定の役割は果たしていこうと思っておりますし、更に積極的に活用していただきたい、そんなふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/81
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082・道下大樹
○道下委員 ありがとうございます。
ただ、今大臣がおっしゃったように、司法の場と、法務省、人権擁護局で対応するところと、ちょっとまだその間が差があると思うんですよね。申し上げたいのは、こうした繰り返される人権侵害を許さない姿勢が、司法の場も重要ですが、法務省の場でも、その姿勢を明確にすべきではないかというふうに思われるんです。
人権相談や救済制度の拡大、先ほどちょっと申し上げましたけれども、新たな被害があればそれでまた相談をしてくださいということではなくて、法務省が、法務局が行った救済措置で改善が見られなかった場合は、しっかりとフォローをして、法務省がちゃんとフォローをした上で、法務省が行った救済措置、こういう今回の啓発だとか訓示、勧告というものが正しく相手側に理解されてちゃんと取り組まれていないという調査をした上で、また再度こうした救済措置を発出するとか、そういったことが私は重要だと思うんですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/82
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083・小泉龍司
○小泉国務大臣 法務省の人権擁護機関による人権救済の現場では、たゆまぬ努力が必要だと思います。委員がおっしゃられたような視点を持って、隙間が生まれないように、我々がもっと力を出せるように、これは絶えず研さんを積み、また試行を繰り返していくということは重要だと思います。
ただ、制度の仕組みとして、既に、強制力が働く司法という枠組みがございますので、我々の仕組みにも強制力をというもし御指摘であれば、それはちょっと制度論として整合しないということは御理解をいただきたいと思いますが、我々は、この三層構造の真ん中にいるわけですから、しっかりそれを自覚をして、なお一層取り組みたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/83
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084・道下大樹
○道下委員 その三層構造の中では、例えば、裁判で判決が出て、SNS削除の決定だとか出てくると思いますが、法務省の中でできるのは、本当に悪質であれば、法人名や個人名の公表など、そういったことができるのではないかというふうに思いますので、この点については、是非、私も引き続き取り組んでまいりますし、法務省も御検討いただきたいというふうに思います。
次に、アイヌ施策推進法について伺いたいと思います。
皆様も御存じのとおり、二〇一九年に成立、施行されたアイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律案、これはアイヌ施策推進法という略称でございますけれども、これに基づいたこれまでの取組について、今日、工藤内閣府副大臣にお越しいただいております。御説明をいただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/84
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085・工藤彰三
○工藤副大臣 お答え申し上げます。
令和元年五月施行のアイヌ施策推進法に基づき、政府としては、同法に基づく基本方針の策定、アイヌ政策推進交付金の交付によるアイヌ文化振興、地域振興、産業振興等の市町村事業の推進、アイヌ文化振興に配慮したサケの採捕などの特例措置の運用、アイヌ文化復興等の拠点である民族共生象徴空間、いわゆるウポポイの開業など各種施策を着実に推進したところでございます。
政府としては、引き続き、アイヌの方々が民族としての誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される社会の実現を図り、総合的なアイヌ施策の推進に取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/85
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086・道下大樹
○道下委員 ありがとうございます。
今御説明いただいたアイヌ施策推進法の取組の前からアイヌの方々への支援というものも行っていましたし、この施策推進法に基づいて行われている取組についてもいろいろとあります。
ちょっと具体的に伺いたいと思います。遺骨の返還、アイヌの子の教育支援、それから生活相談支援について、今日、国土交通省、文部科学省、それから厚生労働省、それぞれ政府参考人の方々に来ていただいています。ありがとうございます。それぞれ御答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/86
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087・田村公一
○田村政府参考人 お答えいたします。
まず、国土交通省の取組につきましてお答え申し上げます。
政府といたしまして、令和元年に閣議決定された基本方針に基づきまして、アイヌの方々の御遺骨等の返還を進めるとともに、直ちに返還できない御遺骨等につきましては、ウポポイの慰霊施設に集約し、アイヌの方々による尊厳ある慰霊の実現を図るとともに、アイヌの方々による受入れ体制が整うまでの間、国土交通省において適切に管理しているところでございます。ウポポイに集約された御遺骨等につきましては、関係省庁で定めたガイドラインを踏まえ、出土地域のアイヌの方々からの返還申請に基づいて返還手続を進めることとしております。
こうした中、昨年十月二日に、ウポポイで保管する御遺骨の初めての地域返還として恵庭アイヌ協会に九体の御遺骨の返還を行ったところでございまして、国土交通省といたしましては、今後とも、ウポポイにおいて御遺骨等を適切に管理するとともに、地域のアイヌ協会等から御遺骨の返還申請があった場合には適切に対応してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/87
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088・松浦重和
○松浦政府参考人 大学の研究等で利用されました遺骨の返還についてお答え申し上げます。
大学が保管していたアイヌの御遺骨につきましては、国が定めたガイドラインに基づきアイヌの方々への返還を進めています。これまで、返還申請があり、返還の相手方を確認できた御遺骨については返還を行い、申請のなかった御遺骨や出土地域が不明な御遺骨についてはウポポイの慰霊施設に集約し、適切に管理されています。
したがって、現在大学で保管している御遺骨は、返還の申請手続中のものや返還対象団体としての要件等を確認中のものとなります。
文部科学省といたしましては、引き続き、アイヌの方々による尊厳ある慰霊の実現のため、御遺骨の返還に真摯に取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/88
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089・梶山正司
○梶山政府参考人 教育支援についてお答え申し上げます。
北海道に居住するアイヌの子弟に対する修学のための経済的支援につきましては、高等学校や大学等に進学する能力を持ち、将来活躍することが期待されながら経済的な理由によって修学が困難な者に対して北海道が奨学金等の支給を行う場合、国庫補助を行っております。
具体的には、高等学校段階については給付型の奨学金等について、大学及び短大については無利子の貸与型の奨学金等についてアイヌの子弟の方々を対象として実施しています。
引き続き、北海道からの要望を踏まえながら、アイヌの子弟の修学の支援に取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/89
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090・斎須朋之
○斎須政府参考人 生活支援についてお答え申し上げます。
アイヌ民族の方々に対する生活支援といたしましては、生活上の各種相談ですとか、アイヌ文化の継承、周辺地域住民との交流の場の提供等の事業を実施する生活館の運営費に対する補助を行うとともに、北海道内の居住者に限らず、アイヌに関する知識を有する相談員が生活上の悩みについて電話で相談を受け、必要に応じ、地方公共団体、人権関係諸団体及びアイヌ関係団体等への紹介等を行う生活相談充実事業を実施しているところでございます。
厚生労働省といたしましては、内閣官房を始めとした関係省庁と連携しながら、アイヌ民族の方々の生活支援に取り組んでいるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/90
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091・道下大樹
○道下委員 ありがとうございます。
なぜ、このようなアイヌの方々に対する支援だとか遺骨の返還だとかいろいろとやるのかというのは、やはり、北海道を中心とした先住民族であるアイヌの方々に対して明治時代の日本政府が土地を略奪し、収奪し、そして様々な文化などを奪ってしまったということが要因でございます。それを我々は強く認識しなければなりません。
その中で、例えば川でのサケの漁ということも以前はやっていたんですけれども、その後、川でサケは捕ってはいけないという法律などができてしまいまして、今現在では特別に許可されたときしかサケの漁ができないということで、先日、北海道のアイヌ民族の団体が、地元の川でサケを捕るのは先住権の一部であるとして確認を求めた裁判、私は、正しい、先住民族としては必要な権利を回復するための裁判であったと思いますが、残念ながら、札幌地裁は四月十八日に原告の請求を棄却したということでございます。
これは、国と道が被告でございます。この判決について、政府の見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/91
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092・工藤彰三
○工藤副大臣 委員御指摘のとおり、原告の訴えを退ける判決があったことは承知いたしております。具体的なコメントは差し控えますが、国側の主張が受け入れられたものと理解しております。
これが答弁でございますが、まさに今やり取りを聞いておりまして、私もアイヌのことに関心を持ち、そして、ウポポイのこともありますし、当時の、明治政府から変わる、松前藩とかいろいろな歴史があります。そういう中において、やはりいろいろなものにきちっと、私も、担当しているこども家庭庁、いろいろ、内閣もありますけれども、歴史というものを正しく理解していただいて継承する中で、委員御指摘のとおりだなというふうに、個人的な感想としては発言させていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/92
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093・道下大樹
○道下委員 以前、工藤副大臣は国交大臣政務官もされていて、ウポポイもたしか関係されたかなというふうに思っていますので、その点は御答弁ありがとうございます。
今回の裁判では、憲法十三条から、アイヌ民族は固有の文化を有するという文化享有権を認定したことは一歩前進かと思いますが、もう一方で、判決によっては、原告が主張するサケ捕獲権は、生活や文化、伝統に関する精神的側面に比べて財産権としての側面が強いとして、権利を認めるかは立法政策に委ねざるを得ないと指摘した、また、生活のための経済活動としての権利を認めず、憲法や慣習法なども法的根拠にならないと判断されたということ。
最後の意見でございますけれども、ちょっと時間が来たので質問できませんが、アイヌ施策推進法が施行されてからこの五月で五年がたちます。先日も、自見はなこ大臣が、施行後五年の様々な検討や見直しは五月から始めるという答弁をされたんですけれども、私は、それでは遅いと。しっかりと、施行してから随時、これらの法律によってどのように社会が変わり、アイヌ民族の権利が回復されてきたとか、そういったものが重要であり、やはりこのアイヌ施策推進法に関してはまだまだ不十分であり、これは見直しが必要であるという意見を申し上げさせていただきまして、質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/93
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094・武部新
○武部委員長 次に、池下卓君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/94
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095・池下卓
○池下委員 日本維新の会・教育無償化を実現する会の池下卓でございます。
法務委員会の方で一般質疑は本当に久々になります。本当に、このような機会をいただきましてありがとうございます。
まず冒頭に、IT化、デジタル化についてお伺いをしていきたいなという形で思うわけなんですが、先日まで議論をさせていただきました家族法のときにも、裁判所が非常に忙しくなるのではないか、機能するのかというお話がありました。また、その前にも、裁判所の定員法、裁判官、職員の定員法、そのときにも同じような議論をさせていただきました。しっかりと裁判所の充実というものはしていただきたいなと思うんですけれども、やはり、一方、IT化、デジタル化ということで、効率化という側面からもしっかりとやっていただきたいなという形で思っております。
本年の三月から、民事裁判手続におけるウェブ会議等の活用というのが始まったと聞いております。これによりまして、民事訴訟における口頭弁論等に裁判所に来ずとも参加が可能になるということなんですけれども、しっかりと国民の皆様が民事訴訟を使いやすくするということで、総合的に見直していかなければならないという具合に考えております。昨年もいろいろ議論があったということは承知をしているわけなんですが。
一方、また、司法手続のIT化、デジタル化の急務と加えて、公正証書等につきましてもしっかりとデジタル化というものを推進していただきたいと思っております。
そこで、公正証書作成のデジタル化についての現状からまずお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/95
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096・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
公正証書作成手続のデジタル化につきましては、昨年六月に成立をいたしました民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律によりまして、公証役場への出頭や書面性を前提としていた公正証書に係る一連の手続につきまして、近年におけるデジタル技術の進展等に対応するべく、デジタル化を図るための措置を講じたところでございます。
具体的には、公正証書の作成の嘱託をインターネットを利用して行うことを可能にすることや、公正証書の内容に関する公証人に対する陳述など、これまで公証役場に出頭して公証人の面前で行うこととされていた手続につきまして、ウェブ会議を利用することを可能とすること等の措置を講じております。
この改正につきましては、令和四年六月七日に閣議決定をされました規制改革実施計画におきまして、令和七年度上期の施行を目指すとされていることを踏まえまして、日本公証人連合会等と連携の上で、必要なシステム整備を進めているところでございます。
今後も、改正法の円滑な施行に向けて、着実に準備を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/96
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097・池下卓
○池下委員 昨年法改正されたということですので、これからということは承知をしておるわけなんですが、後ほど遺言書の作成についてもお伺いをしていきたいと思いますので、そういう点も含めてしていただきたいなと思います。
次は、先日ちょっと報道であったんですけれども、偽造の婚姻届による被害があったという形で承知をしております。
こちら、四月十一日にテレビ朝日で、千葉県の富里市の方で発生いたしました偽造婚姻届問題について報道がありました。ここでは、デジタル化されていない、自署で提出するアナログ方式でやられている、現状そうなんですけれども、そういう部分をちょっと利用されたのではないかなという具合に感じております。
報道によりますと、偽造婚姻届を提出された男性は、以前より、偽造して提出した女性からストーカー行為を受けており、接近禁止命令が出ていたところ、命令が解除された段階で役所の方に婚姻届が提出されて、約半年間婚姻関係が続いていたということであります。
実は、これは私、報道を見たときに、三十年前、私の幼なじみが同じようなことをされたというのを思い出しました。その幼なじみの子は男性なんですけれども、当時、いろいろ関係があった女性の方から婚姻届を出された、自分に身に覚えがないということで、ちょっとついてきてくれということで、身に危険を感じるので、話をしに行くからちょっとそばまでついてきてくれということで、私、ついていきました。
私、車の中で待っていたんですけれども、後で聞くと、案の定、ちょっと暴力的な行為を受けて、本当に怖かったんだということと、そこから、一応婚姻届が出されているものですから、取消しというんですかね、元の状態に戻すというところに関しまして非常に時間がかかったということを、その当時、もう三十年前ですから私が大学生の頃ですけれども、そういうことを実際に、私ではないですけれども友人が体験していますので、やはりこういうことがあるんだなということを改めて感じました。
そういうことで、自分の意図のないところで知らぬ間に婚姻状態になっている、それもまたストーカーということであれば、男性、女性、関係はないわけなんですけれども、特に女性なんかといいますのは、本当に気持ちのいいものではないと思います。
今現在、自治体は、婚姻届の形式が整っていれば受理せざるを得ないという具合に聞いています。夫となる者、妻となる者の筆跡鑑定もできないという具合に聞いているわけなんですが、婚姻届に真正性があるということの本人確認を今現在どのように行っているのか、また、あわせて、千葉県富里市でどのような形で問題が発生したのか、聞き取り調査等を行われていると思うんですけれども、内容をお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/97
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098・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
まず、委員御指摘の富里市の件でございますが、戸籍事務は市区町村長が管掌をするものとされておりまして、法務省として個別の事案に直接関与する立場にはないものではございますが、御指摘の報道に係る婚姻の届出がありましたことにつきましては、管轄法務局から報告を受けて把握をしているところでございます。
一般的な本人確認の方法でございますが、戸籍法の定めによりまして、届出によって効力を生ずべき婚姻の届出が市役所又は町村役場に出頭した者によってされる場合には、当該出頭した者に対し、当該出頭した者が届出事件の本人であるかどうかの確認をするため、運転免許証その他の資料の提供又はこれらの事項についての説明を求めるものとされております。また、届出事件の本人のうちに、先ほど申し上げた措置によりましては確認することができない者があるときは、当該届出を受理した後遅滞なく、その者に対し、婚姻届の受理をしたことを通知することとされております。
これによりまして、通知を受けた者が当該届出をしていない場合には、この通知によって、虚偽の届出が受理されたことを把握することができ、戸籍訂正等の手続を行う端緒が得られることになるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/98
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099・池下卓
○池下委員 御答弁いただいたわけなんですけれども、お二人いらっしゃって、片一方の方が来られて提出しました、もう片一方の方は来られていないけれども、来られていない方に対しましては通知をするということなんですけれども、実際、今回のケースでもそうですし、私の友人の、これはかなり過去の話ですけれども、友人の場合、通知をしたとしても実際このような形になってしまっている、後で気づいたということは非常に問題があるかなと思っております。
今回の報道に関しましても、婚姻届に、一見して、これは父親の名前を書くらしいんですけれども、漢字でなく平仮名で書かれていたと聞いております。これは明らかにおかしいと思っていても防げないということも問題かと思っておりますけれども、こういう事例を吸い上げて全国の自治体に周知するのも国の役目かなと思っております。
報道によりますと、偽造の婚姻届を出した女性は有印私文書偽造の罪になるということであり、被害者は市役所ということでありました。ただ、一番迷惑を被っているのはその男性、片一方の相手かと思うんですけれども、一般的に、婚姻届を偽造して、当事者として無断に氏名を使用された者は被害者として訴えられるのかどうか、まず確認のためお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/99
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100・松下裕子
○松下政府参考人 お答えします。
一般論として申し上げまして、刑事訴訟法第二百三十条は、犯罪により害を被った者は告訴することができると規定し、同法第二百三十九条は、何人でも犯罪があると思料するときは告発をすることができると規定しております。
また、このような規定によらずとも、どのような事情によって捜査を開始するかは個々の事案に応じて捜査機関が判断する事柄ではございますけれども、捜査機関が犯罪の嫌疑を抱いて捜査を開始するに至る原因となる、これを捜査の端緒と呼んでおりますけれども、この捜査の端緒は、今申し上げた告訴や告発に限定されるわけではなく、捜査機関は被害申告や情報提供等を含め広く社会の諸事情からその端緒を得ることが許されているものと承知をしております。
捜査機関におきましては、そうした端緒を得た上で、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づいて適切に対処しているものと承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/100
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101・池下卓
○池下委員 刑事罰として、これは親告罪という形になるかと思うんですけれども、やはり、一定期間これが出されていて、自分が存じ上げないという形のこともあるかと思いますので、親告罪というのは意味が分かるわけなんですけれども、そこら辺も踏まえて対抗策というのを考えていかなきゃいけないかと思うんです。
それでは、偽造の届出を出されたとき、当事者の対抗策というのはどのようなものがあるのか、お伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/101
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102・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
虚偽の婚姻の届出が出されたことによって戸籍に婚姻事項が記載された場合、当該戸籍を訂正するためには、戸籍法の定めに従いまして、戸籍上夫婦となっている者の一方から相手方に対し婚姻無効の訴えを提起し、婚姻無効を確認する確定判決を得た上で、当該判決の謄本を添付して戸籍の訂正を申請するということになります。
加えまして、虚偽の届出によって記載がされ、かつ訂正がされた戸籍につきましては、戸籍法に基づいて、当該戸籍に記載されている者から再製の申出をすることができます。再製後の戸籍には、虚偽の届出によって戸籍に記載された内容等は記載されないことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/102
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103・池下卓
○池下委員 今御答弁いただきました、無効の手続ということと、あと、元の状態に戻していくに関しましては、再製、再び作るということなんですけれども、これは、聞くところによると大体半年から一年ということで、非常に長い時間がかかるということもありますし、当然費用も負担しなきゃいけないということなので、ちょっとやはり、半年から一年、仮に自分の意にそぐわない方と婚姻状態にあるというのは、書面上といえど、非常に問題があるのではないかなということで思います。
そこで、現状、婚姻届、先ほども答弁があったんですけれども、当事者二人でこれを提出しない、来ない場合には、相手方の本人証明は不要だ、後で通知するということで、それでもし事実と違った場合には、今御答弁がありましたように、戸籍を訂正して、再製手続ということになりますよね。
ただ、私が思うのは、お二人で来られる場合といいますのは、それはそれで、お二人が確認できるので結構かと思うんですけれども、一方がいない場合には、確認の手続にしても、もうちょっとしっかりとやり方を改善していかなければならないのかなと思っております。例えば、本人確認がしっかりできるまでちょっと留保しておくとか、あとは、この案件を踏まえた防止策をちょっとお伺いをしたいと思います。
加えて、将来的にこの分野についてもデジタル化を推進して、間違いのないような形でやっていただきたいと思うんですけれども、この点に関しましてお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/103
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104・小泉龍司
○小泉国務大臣 婚姻の届出につきましては、戸籍法の定めにより、不受理申出制度というのが定められております。すなわち、何人でも、その本籍地の市町村長に対して、あらかじめ、自らを届出書類の本人とする婚姻の届出がされた場合であっても、自らが出頭して届け出たことが確認できない限り、届出を受理しないように申し出ることができるとされております。
この申出がなされますと、申出人が自ら出頭して婚姻の届出をしたということを確認することができない場合には、当該届出を受理することができなくなり、本人の意思に基づかない届出がされることを防止することができます。こういう内容をしっかりリーフレットにして、必要な周知を図っていかなければならない、そのように考えております。
また、オンラインによる戸籍の届出については、法務省としては、実施に必要な法令の整備等を行って、平成十六年四月から制度上は実施することが可能となっております。もっとも、戸籍事務は市町村長が管掌することとされているので、その導入は市区町村長において判断される事項と承知しております。
法務省としては、市区町村からの問合せ等があれば、必要な対応を行ってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/104
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105・池下卓
○池下委員 今大臣がお答えいただいた不受理の届けですかね、届出があったとしても不受理にしてくださいよという届出書だと思うんですけれども、私、今回のことを調べさせていただいて初めて知りました。一般の方が知っているとは到底思えませんし、私の三十年前の友人、大学生でしたけれども、大学生の子がそういうことを知っているとは到底思えませんので。当然、ホームページとか、チラシが今お手元にあるんですかね、そういうものになるかと思うんですけれども、ただ、やはり負担が重たいと思うんですよね。
なぜかといいますと、勝手に偽造の婚姻届を出されると私が思っているか、まあ私は当然、結婚しておりますけれども、有名人だったらそういう危険があるのか。有名人でも、いや、私、そんなことは全く思っていないですよ、ファンの方が勝手に自分の婚姻届を出しますかというと、そんなことは普通思っていないわけですし、これがストーカーに遭った場合にはそうかもしれません。
ただ、一般人の方でも、別れたけれども、相手さんがそんな人かなと思っている場合は出せるかもしれませんけれども、普通にぱっと別れて、彼氏が、彼女がそんなことをするのかと普通思わないわけですよ。一般的に、気にしてもいないということになるのが普通かなと思いますので、いっぱいそういうチラシを本当に作ったとしても、本当に行き渡るのかどうかな、特定の人しか気にしていないんじゃないかな、気にされないんじゃないかなということで思いますので、その効果というものはどうなのかというのはちょっと疑問に思うわけです。
それでしたら、やはりデジタル化というものをしっかりと推進していただいて、さらに、真正なものが提出されるような形にしておく、若しくは、やはり、届出がありました、それで、受理するよりも前にちゃんと本人確認というのを徹底するということをやっていただきたいなということで思いますので、引き続きしていただきますようお願いいたします。
次に、同じくデジタル化についてなんですけれども、遺言書についてお伺いをしたいと思います。
私も以前税理士の仕事をさせていただいていたわけなんですけれども、自書でやったり、先ほど言った公証人役場に行ったりとかして作っていくわけなんですが、ただ、いろいろな形で、今高齢化社会になっている中で、自分で書けないという方もいらっしゃいますし、デジタル化して、デジタル署名であったりとかそういうものを活用するということもできます。
例えば、飛行機とかで事故に遭いそうだ、命の危険があるときに、スマートフォンがある中で、動画で自分の顔を撮ってやるとかということもできるかと思いますし、遭難したときにもできるかもしれないということで、AIとかデジタルというものを活用するということは非常に重要なのかなと思っております。
ただ、一方で、今、人工生成AIとかということで、遺言書を偽造するなんという技術もこれからどんどん出てくるかもしれませんけれども、これからの展望をしっかりとちょっと聞いていきたいかなと思います。
そこで、一つ御質問させていただきたいんですけれども、民間有識者団体商事法務研究会が先般取りまとめられたデジタル技術を活用した遺言制度の在り方に関する研究報告について、今後の検討方針をお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/105
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106・小泉龍司
○小泉国務大臣 一般社会においても、デジタル化が当然の生活のツールになってきております。したがって、法務分野、特にこの遺言という分野においてもデジタル技術を活用して国民にとってより利用しやすいものにする、そういう必要性があるだろうという観点に立って、今年の二月、法制審議会に対して遺言制度の見直しについての諮問を行いました。四月、今月十六日より、民法部会において調査審議が開始をされたところでございます。
できるだけスピード感を持って、また中身も充実させた議論をしていただいて、具体的な方策につなげていきたいと期待をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/106
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107・池下卓
○池下委員 まさにこれから議論が始まるというところですけれども、本当に、遺言書といいますのは、その方の、お亡くなりになる方の最後の意思表示というところでありますので、しっかりとこれは真正性が担保できるような形、また偽造ができないような形でやっていただきたいと思いますし、できるだけ、国民の高齢化、高齢化社会が進んでいくにつれて、やはりこの遺言というものが大事になってくるかと思います。是非推進をしていただきたいなと思います。
それでは、時間が来ましたので、これで質問の方を終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/107
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108・武部新
○武部委員長 次に、美延映夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/108
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109・美延映夫
○美延委員 日本維新の会・教育無償化を実現する会、美延映夫です。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、四月九日の、家族法の前回の質疑で積み残した部分がありましたので、それを質疑させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、改正案における監護の分掌と現行民法第七百六十六条に既に規定されている親子交流や養育費の取決めを組み合わせると、ほぼ共同養育計画に近いものが作成することができると理解してよいかという質問に対して、父母の離婚時に、個別具体的な事情に応じて、子の利益の観点から、監護の分掌のほか、養育費や親子交流も含めた子の養育に関する事項についての計画は可能であり、また重要であると認識しているという答弁をいただきました。
ここで言う父母の離婚時における個別具体的な事情について、もう少し詳しく御説明いただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/109
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110・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘の答弁でございますが、個別具体的な事情といたしましては、例えば、子の年齢や子の意向等の子の状況のほか、従前の父母と子との関係や父と母との関係といった様々な事情が考えられるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/110
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111・美延映夫
○美延委員 このような共同養育計画における監護の分掌というのは、週のうちに母親が監護する時間と父親が監護する時間を分けるといった形での分掌だけではなく、例えば、教育については母が行い、その他は父母が共同で決めるといったように、身上監護に属する権利義務のうちの一部分を切り取って母のみが行うといった形での分掌もあり得ると理解してよいでしょうか。こういったことが父母の協議や家庭裁判所の調停、審判によって定められることができるようになるのか、お答えいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/111
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112・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
監護の分掌とは、子の監護を父母が分担することでありまして、委員御指摘のように、例えば、子の監護を担当する期間を分担することや、監護に関する事項の一部、例えば教育に関する事項などを父母の一方に委ねることがこれに該当すると考えられます。
本改正案におきましても、子の監護の分掌を含めて、子の監護について必要な事項は、子の利益を最も優先して考慮し、父母の協議で定めることとされております。
また、家庭裁判所が、監護の分掌について定める必要があるか、どのような定めをするかは、個別具体的な事情に応じて判断されるところではございますが、一般論として申し上げますれば、家庭裁判所は、当事者が監護の分掌としてどのような内容の申立てをしたかを踏まえ、そのような定めをする具体的な必要性や相当性等について、子の利益を最も優先して考慮しつつ、そのような定めをするかどうかも含めて判断することになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/112
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113・美延映夫
○美延委員 今も局長さん、子の利益ということを二回おっしゃいましたけれども、もう、まさしくそれが一番だろうと思います。
それから、当事者が申立てをすれば、家庭裁判所の手続で、ほぼ養育計画に近い内容の取決めができること、これは今理解しましたけれども、ただ、現在の裁判所の調停では、養育費の調停と親子交流の調停は別々の申立てであると認識をしております。そして、養育費だけは先に決定し、親子交流だけは決まらずに不調になってしまう、いわばどっちつかずの状況になることも、現状、間々あると聞き及んでおります。
そこで、最高裁にお尋ねをさせていただきます。
改正後の新たな手続では、当事者の申立てにより養育計画に相当するものの取決めが求められた場合、養育費も親子交流も、また監護の分掌も、必要なものは一つのパッケージとして取り決めるようになるのかどうか、御確認させていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/113
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114・馬渡直史
○馬渡最高裁判所長官代理者 改正法成立後の運用につきまして私の方からお答えすることは差し控えさせていただきますが、まず現状の運用についてお答えいたしますと、養育費及び親子交流について取り決めないまま離婚した場合に、離婚後に養育費の調停事件と親子交流の調停事件とが申し立てられることがございます。
委員御指摘のとおり、養育費と親子交流の調停事件とはそれぞれ別の事件として扱われております。同一当事者間で両方の事件が係属している場合に、両方の事件について同時に調停が成立するということもございますが、その一方の事件について調停が成立したとしても、他方の事件については、その後も調停が続いたり、調停不成立となって審判手続に移行したりするということもございます。
なお、離婚前であれば、まずは離婚を求める夫婦関係調整調停事件、いわゆる離婚調停、これが申し立てられることとなり、この調停において、離婚するかどうかや親権者の定めに加えて、必要に応じて、養育費、親子交流などについても話合いがされ、養育費及び親子交流の点を含めて当事者間で合意がされ、調停が成立している事案も少なくないものと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/114
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115・美延映夫
○美延委員 でき得れば一つで全部していただきたい、そういうふうに、やはり、子供との交流だけが後回しにされるというのはいかがなものだと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、子供の転居、居所指定権について質問をさせていただきます。
今回の法改正では、子の監護をすべき者が指定された場合は、居所指定権は監護者に属することとされています。
他方、四月三日の参考人質疑において、山口参考人は、米国では、旅行や転居六十日前までには届け出、他方親の同意を得る必要があると御説明いただきました。つまり、米国では、監護者が指定されていても、子の居所指定は共同行使の対象となっているということが理解ができます。
なぜ、今回の改正では、子の居所指定権を、監護者を指定した場合に限るという条件付でありながら、監護者による単独行使を可能としたのか、教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/115
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116・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
現行法上、離婚後の父母の一方が子を監護すべき者と定められた場合における監護者及び親権者の権利義務の内容につきましては、その解釈が必ずしも明確ではないとの指摘がされております。
そこで、新民法第八百二十四条の三第一項は、現行法の解釈も踏まえつつ、民法の規定により定められた監護者が単独で子の居所等に関する事項の決定を含む子の監護及び教育をすることができることを明確化したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/116
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117・美延映夫
○美延委員 米国のように、転居理由の誠実さ、それから、山口参考人の説明にあった、別居親と子供の間を引き離す目的での転居ではないか、また、別居親が不合理な反対をしていないか、転居後もこれまで実施してきた親子交流が継続できるかなどの考慮要素を明確にすることが当事者にとっての納得感になるように思いますが、小泉大臣の御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/117
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118・小泉龍司
○小泉国務大臣 本改正案では、父母は親権を子の利益のために行使しなければならず、また、父母が互いに人格尊重義務や協力義務を負っていることを明確にいたしました。
そのため、親権者の一方が監護者と定められた場合において、監護者が居所指定権等を単独で行使することは可能でありますが、その権限の行使についても一定の制約が課されることになるものと考えられます。
これらを踏まえて、あくまで一般論としてお答えすると、監護者が子の居所指定権を行使した場合において、父母相互の人格尊重義務や協力義務を遵守してきたか否かも、御指摘のような親権者の指定、変更等の際の考慮要素になっていくものと考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/118
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119・美延映夫
○美延委員 それからまた、同じく四月三日の山口参考人の意見陳述の中では、米国ではほぼ全州で行われている親教育の重要性を強調されていました。内容としましては、各州によって多少内容の差はあるものの、心理的には別居や離婚が子供たちに与える影響などを学び、また、体験型の教室では、心理学や精神保健の専門家が指導し、子に対して忠誠心を試す行動や個人的な相談相手にするなど、親が間違った行動をまず行い、次に子に対する適切な行動をロールプレーイングすることを学ぶなど、非常に手の込んだプログラムが開発されているということでした。
また、プログラム自体は年々改良され、検証も行われている中で、ある論文では、受講前後の参加者の知識、態度、共同監護ができる可能性への変化について、いずれも有意な効果が示されたとのことで、親教育の重要さを改めて認識をいたしました。
法制審の部会では、離婚前の親向け講座、離婚前に養育費などを定める養育計画について有益であることに異論はなかったものの、離婚手続が重くなることから、離婚要件は見送られてきました。
しかしながら、双方の親が子供の気持ちに立ち返って、離婚後の子の教育に関して考え、養育費、親子交流を、取決めを促進していくことは、私はこれは極めて重要だと思います。離婚要件とはしなくても、法務省としてこれをどのように促進していくのか、御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/119
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120・小泉龍司
○小泉国務大臣 離婚をする父母が、子の養育に関する講座を受講することや、子の養育に関する事項を取り決めることなどを通じて子の利益を確保すること、これは非常に重要な課題であると思います。
法務省においても、諸外国における類似の制度や心理学分野の先行研究等を基に、法学者あるいは心理学者の協力を得て、離婚を考えている父母に知っていただきたい情報を解説した動画等のコンテンツを作成しております。
また、今年度から、養育費や親子交流を含めた子の養育について離婚時に決めておくべき事項を定めた養育計画の作成に関する調査研究を実施する予定でございます。法学者や心理学者等の協力を得て、我が国に最適な養育計画の在り方を検討し、自治体、民間団体等と連携して効果検証を行うことを想定しております。
引き続いて、関係省庁あるいは地方自治体等と連携して取り組むとともに、養育講座の受講や養育計画の作成を促進するための方策について検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/120
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121・美延映夫
○美延委員 大臣、是非それはよろしくお願いいたします。
次に、DVについて伺いたいんですけれども、現状において、父母双方の協議によって離婚した場合においても、力による支配が行われている場合が多いと聞いております。
合意型共同親権を選択した場合においても、DVや虐待が紛れ込む危険性があります。結局、重要事項を決定する際の話合いがつかず、裁判所での決定となれば時間がかかり過ぎて子供の不利益が生じますし、双方の話合いでは力を持つDV加害親の言いなりにならざるを得なくなり、子供にとって不利益が生ずることと考えますが、どうすれば力関係が生じている元夫婦が対等に話合いをすることができ、子供の利益にかなうようになるのか、お考えはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/121
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122・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のように、DV被害を受けている方が不適正な合意を強いられる場合や、DV被害を受けていたわけではないものの、父母の力関係により父母間で対等な話合いが難しい場合もあり得ると考えております。
そのような事案では、父母のみで協議をするのではなく、ADRを利用するなどして、中立的な第三者がその協議に関与したり、資力の乏しい方につきましては、法テラスの民事法律扶助を利用したりすることによりまして、父母が対等に協議することができる環境を整えることができる場合があると考えております。
その上で、父母の力関係を背景とする不適切な形での合意によって親権者の定めがされた場合には、それを是正する必要があることがあると考えられるため、本改正案におきましては、家庭裁判所の手続による親権者の変更を可能とし、その際には、家庭裁判所がADRの利用の有無などを含めた父母の協議の経過その他の事情を考慮すべきことを明確化することとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/122
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123・美延映夫
○美延委員 子にとっては、離婚後も定期的に父母双方との交流が確保されることが重要であると考えております。一人親世帯における面会交流の取決め率や履行率の現状についてどのように認識されているのでしょうか。そして、今回の改正によってこれらの取決め率や履行率は上昇するのか、お教えいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/123
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124・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
令和三年度全国ひとり親世帯等調査によりますれば、母子世帯における親子交流の取決め率は三〇・三%、履行率は三〇・二%であります。また、父子世帯における親子交流の取決め率は三一・四%、履行率は四八・〇%であります。父母の別居後や離婚後も適切な形で親子の交流の継続が図られることは子の利益の観点から重要と考えておりまして、現状の親子交流の履行率は決して高いものであるとは認識をしておりません。
本改正案では、こうした観点から、婚姻中の父母の別居時における親子交流に関する規定や家庭裁判所が当事者に対し親子交流の試行的実施を促すための規定、あるいは父母以外の親族と子との交流に関する規定を新設することとしておりまして、これらの改正は親子交流の履行率等の上昇に寄与するものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/124
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125・美延映夫
○美延委員 母子、父子とも三〇%ぐらいということですので、今局長が言われたように何とかこれを上げていくということを是非よろしくお願いします。
それから、一つ確認をさせていただきたいんですけれども、一人親家庭への支援として児童扶養手当というのがありますが、現在の単独親権制の下でも、同居親の家に別居親が入った場合、児童扶養手当支払い対象から除外されるケースがあると聞いております。今後、共同親権を持つことによって、日常監護をしない親との共同親権となった場合、児童扶養手当が削減又は除外されることはありませんか。ない場合は、その根拠を教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/125
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126・野村知司
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の児童扶養手当でございますけれども、こちらの方は児童扶養手当法第四条で、例えば、母親の場合でございますけれども、児童の母が当該児童を監護する場合というふうに規定をされておりまして、民法上の親権であるとかあるいは監護者の定めの有無と直接関係するものではございませんで、子供を監護している実態があるかどうかで支給の対象者を判断をしているということになります。さらに、児童扶養手当の支給の停止であるとかあるいは金額を決める際の所得との連動でございますけれども、こちらも同法九条で受給資格者の前年の所得というふうに規定をしておりますので、つまり、児童扶養手当の対象になるかどうかということ、さらに、その支給が止まるかどうかということ、そのいずれの面におきましても、共同親権となることについては特に影響を受けるものではなく、現に監護しているかどうかというところでございます。
なお、ただ、一つだけ念のため申し上げると、その後、何らかの事情があって同居するに至って事実婚状態になっちゃったという場合には、先生から先ほど御指摘があったように、一人親の状態という実態がなくなったものとして、支給が停止をされるというような運用になることがございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/126
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127・美延映夫
○美延委員 時間が参りましたので終わります。どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/127
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128・武部新
○武部委員長 次に、本村伸子君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/128
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129・本村伸子
○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
民法の改定案についてお伺いをしたいというふうに思います。
民法の改定案の中で、結婚をしているとき、そして離婚後、共同親権ということが、今回、離婚後共同親権が新設されるということですけれども、そういうときでも単独行使できることがある、急迫の事情があるときあるいは日常の行為に係る親権の行使をするときということになっております。
以前も申し上げましたけれども、福岡県の弁護士会の会長声明では、以下のような御指摘がございます。「どこまで単独で決定できるのかが明確でなければ、後に親権行使の適法性が争われる等の心配により適時適切な意思決定ができず、かえって子の利益を害するおそれがある。」というふうに指摘をされておりまして、私はこれは非常に重要な指摘だというふうに思います。
そこで、改めてお伺いをしたいと思います。
民法改定案では、わざわざ共同行使、単独行使の条文、八百二十四条の二で親権の行使の方法等ということで新設をされておりますけれども、なぜこの条文を入れたのか、大臣にお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/129
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130・小泉龍司
○小泉国務大臣 現行民法によれば、父母双方が親権者である場合は親権は父母が共同して行うこととされておりますが、親権の単独行使が認められる場合、その範囲については明文の規定がなく、解釈に委ねられております。
本改正案は、こうした現行民法の解釈も踏まえて、親権の単独行使が許容される場合を明確化するため、子の利益のため急迫の事情があるときや監護又は教育に関する日常の行為をするときは、親権の単独行使が可能であるということを定めたものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/130
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131・本村伸子
○本村委員 明確化するためということですけれども、なぜ明確にする必要があったのか、これは民事局長、お答えをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/131
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132・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
今大臣からも御答弁ございましたとおり、現行民法によりますれば、父母双方が親権者である場合は親権は父母が共同して行うこととされておりますが、親権の単独行使が認められる範囲については明文の規定がなく、解釈に委ねられていたところでございます。
そこで、改正民法では、これを明確化するための規定を設けたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/132
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133・本村伸子
○本村委員 同じ答弁なんですけれども、じゃ、聞き方を変えます。
共同行使、単独行使、判断を間違えたら損害賠償のリスクがあるということでしょうか。お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/133
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134・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
損害賠償の対象になるか否かにつきましては、民法上の不法行為の要件を満たすか否かということによります。すなわち、個別の事情によることになろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/134
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135・本村伸子
○本村委員 リスクがある、ないとは言わないわけでございます。
具体的にお伺いしたいというふうに思いますけれども、先ほども寺田議員から無限ループの問題、御指摘がございました。私もその問題について質問をさせていただきたいんですが、今日は資料の一、二で出させていただいております。
この資料一に関しましては、「「共同親権」時の単独行使について」ということで出させていただいておりますけれども、この場面というのは私が勝手に出しているものではなく、親権行使の具体的場面として、家族法の研究会の皆様が「親権概念の整理等」という文書を作って、複数回、法制審議会の家族法制部会に提出をされた資料に基づいて取った場面ですので、私が勝手につくった場面ではないということも是非御理解をいただきたいというふうに思います。
そこで、教育に関する場面の例で、先日御答弁いただきました、子にどのような習い事をさせるのかというのは、共同親権時でも単独行使ができる日常の行為であるという答弁でしたけれども、一方の親が習い事を契約して、一方の親がキャンセルなどをした場合は、どちらが有効かということを伺いたいと思います。芸能事務所の練習生などは子の名義になる可能性があるんですけれども、親名義の契約の場合あるいは子供名義の契約の場合、両方でお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/135
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136・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のようなお尋ねのケースにおきましては、婚姻中の父母について、現行法の下でも生じ得るところではございますが、各父母による親権行使の当否は個別の事案における具体的な事情に即して判断すべきものであるため、一概にお答えすることは困難ではございます。
その上で、一般論としてお答えをいたしますと、本改正案によれば、父母の一方が親権を単独で行うことができるものについて、父母の一方が単独で契約の締結をした場面を想定いたしますと、他の一方は自らの承諾がないことのみをもって当該契約の有効性を争うことができるわけではないと考えられます。
また、父母の一方が親権行使をした後に他の一方が事後的にこれと矛盾する行為をすることにつきましては、本改正案において新設しております父母の相互の協力義務の規定の趣旨や、親権は子の利益のために行使しなければならないこと、父母が子の人格を尊重しなければならないことなどを踏まえて判断されるべきであると考えております。
お尋ねのようなケースにつきましても、父母の一方が子の習い事に関する契約を締結した後に他の一方がこれと矛盾するような親権行使をすることの可否については、それによる子が被る不利益の内容及び程度や、その矛盾するような親権行使の目的などの諸般の事情に照らし、父母の他の一方による親権行使が権利の濫用として許されない場合があり得ると考えております。
また、子に関する契約につきましては、父母の一方が、子を当事者とする契約を、子の法定代理人として締結するのではなく、自らを当事者とする契約を締結することも考えられるところではございますが、そのような場合には、契約当事者でない他の父母は、その契約自体の有効性を争うことができる地位にはないと考えられるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/136
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137・本村伸子
○本村委員 もう少し分かりやすくお尋ねしたいんですけれども、親Aが親名義で契約した場合、親Bは取り消すことができないということでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/137
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138・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
今委員御指摘のようなケースでは、親Aの名義の契約になっておりますので、それを親Bの方が取り消すことはできないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/138
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139・本村伸子
○本村委員 子供名義の場合は、同意ですとか、支払う同意ですとか、そういうことで親が関わってくるのかなというふうに思うんですけれども、子供名義の場合は、親Aが同意した場合、親Bは取り消すことができないということでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/139
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140・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
今委員御指摘のケースは、親Aが子を代理して行為をしたということでよろしいでしょうか。それは、法定代理の話になってまいるかと思います。
法定代理権は、基本的には両親で共同して行使をしていただくということになりますので、親Bの方が、共同名義で行為をした場合については、民法八百二十五条で保護の規定がございますが、単独名義で行使をしてしまった場合には、現在の民法ですと百十条という表見代理の規定があるのと、あるいは、他方の親権者による取消権の濫用というような構成もできるところではあるかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/140
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141・本村伸子
○本村委員 今、習い事の話なんですけれども、子供名義で、例えば芸能事務所の練習生などで契約した場合、親が同意をして、支払う同意をしてという場合、親Aが同意をした場合、Bは取消しできるのか、もう一度明確にお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/141
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142・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
私の勘違いでなければ、親Aの名義で契約をしたという前提……(本村委員「子の名義で、親が支払いの同意とか」と呼ぶ)子の名義ですか。失礼いたしました。子の名義で、一方の親が契約をしたという前提でよろしいでしょうか。(本村委員「はい」と呼ぶ)
法定代理権の行使は、共同親権であれば、基本的には父母共同で行使をしていただく必要があります。
先ほども申し上げましたように、一方の親が双方の名義で契約をしたような場合については、民法上、相手方の保護の規定がございます。相手方が悪意でなければ、契約は有効というふうになっております。
他方で、単独の名義で一方の親が行為をしたという場合については、基本的には共同で代理をする必要がありますが、民法で百十条という表見代理と言われる規定がございますので、契約が有効になる場合があるほか、他方の親権者が取消権を行使したような場合でも、子の利益の観点から、その取消権の行使が権利の濫用であるというふうに考えられる場合もあるかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/142
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143・本村伸子
○本村委員 そうしますと、子にどのような習い事をさせるかは、日常行為で単独でできるんだという整理で、これは例外なしで、日常の行為だということでよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/143
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144・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
子に習い事をさせるという行為につきましては、日常の行為で間違いないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/144
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145・本村伸子
○本村委員 また、ちょっと後で整理をしてお伺いをしたいというふうに思うんですけれども、こういう、一方が契約をして、一方が別の、否定をする行為をしてということで、無限ループが続くという観点については、これは法制審の家族法制部会でよく議論されているんでしょうか、ここら辺は。そして、どのような整理をしたのか、もう一度お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/145
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146・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
今回の改正法で単独行為ができる場面を明確化するというところですので、家族法制部会におきましても議論したところでございます。
お尋ねのようなケースにつきましても、父母の一方が子の習い事に関する契約を締結した後に、他の一方がこれと矛盾するような親権行使をすることの可否について、それによる子が被る不利益の内容及び程度や、矛盾するような親権行使の目的などの諸般の事情に照らして、父母の他の一方による親権行使が権利の濫用として許されない場合もあり得るということで議論されたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/146
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147・本村伸子
○本村委員 子供が被る不利益で見るんだということがございましたけれども、リーガルハラスメントやリーガルアビューズに関しましては、親権の変更で、共同親権だったのを単独親権に判断するということで抑制をしていこうという理解でよろしいでしょうか。(発言する者あり)
止めてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/147
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148・武部新
○武部委員長 速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/148
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149・武部新
○武部委員長 速記を起こしてください。
竹内民事局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/149
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150・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。失礼いたしました。
委員御指摘のようなリーガルアビューズにつきまして、それが親権者変更の一つの考慮要素になるかどうかということにつきましては、委員御指摘のとおり、一つの考慮要素になるかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/150
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151・本村伸子
○本村委員 そしてもう一つの論点なんですけれども、契約した相手の事業者ですね、ここはどう判断したらいいのかということなんですけれども、一方が契約をして、一方がそれを否定する、キャンセルをするという、それぞれ単独行使をするということで、この事業者の判断で訴えられることはないですかという点も確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/151
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152・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
先ほども申し上げましたとおり、双方が親権を持たれている場合に、一方の親権者が行為をした場合という前提で申し上げますと、共同の名義で行為をした場合につきましては、民法の規定がございます、先ほど申し上げましたような八百二十五条という規定がございまして、相手方、委員御指摘のような事業者が悪意でない限りはその行為は有効ということになってまいります。
他方で、一方の親権者が単独の名義で行為をしたという場合でございますが、親権は共同で持たれていますので、共同で行使をしていただく必要があるものを一人の方が単独名義で行為をしたということになりますが、そのような場合につきましては、民法、やはり相手方の保護規定がございまして、相手方がその方に代理権があるというふうに信じる正当な事由がある場合には、その行為は有効となってくるというふうに考えます。
また、単独で行為をしてしまったことで、他方の親が取消権を行使するという場面もあり得るかというふうに思いますが、子の利益の観点から考えて、その取消権の行使が権利の濫用だということで、ですから実質上取り消せないというような結論になるという場合もあるかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/152
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153・本村伸子
○本村委員 大臣にお尋ねをしたいんですけれども、これまでは単独行使か共同行使かということを意識してこなかったというふうに思うわけですけれども、この法案は、それを意識させる内容になっておりますし、二人の親が折り合わなかったら裁判所で決めるんだということになっているわけです。
今のままでは、適時適切な意思決定ができず、かえって子の利益を害するおそれがあるのではないかというふうに考えますけれども、そのリスクについて、大臣はどうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/153
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154・小泉龍司
○小泉国務大臣 親の方針が合意できないという状況は、これまでの現民法下でも起こっている事態であるわけであります。
そして、新しい制度が入ったとすればということでありますけれども、やはり、そこは裁判所が間に入り、様々な知見を活用することによって、両親の考え方を、促し、子供の最善の利益ということを是非考えましょうという形で御両親に話をし、もう一回話し合っていただく、そういう段階を踏んでいくことになると思います。
したがって、新しい制度になれば、合意ができなくなって、合意が遠ざかって、結果、子供の利益を害するというようなことにはならないと我々は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/154
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155・本村伸子
○本村委員 そうしますと、適時適切な意思決定ができるという大臣のお話ですけれども、裁判所はどのくらいで判断がなされると、これは枝野議員もおっしゃっていたんですけれども、どのくらいで判断ができるというふうにお考えでしょうか、時間的な問題として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/155
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156・小泉龍司
○小泉国務大臣 それは裁判所がお答えするべきことでありますけれども、立法府の議論においてこういうやり取りがあるということは裁判所もしかと認識をしてくださるわけであります。したがって、いつまでも、長くかかることがいいことだというふうには判断されないだろうというふうに思います。しかし、即決というわけにもいかないかもしれません。ある程度の議論、それは必要でしょう。しかし、無制限に時間があるわけでもない。それはおのずと良識の範囲の中で裁判所が御判断されることと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/156
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157・本村伸子
○本村委員 本当に適時適切な意思決定ができるのかが大変不安で、やはり、子供の利益を害するのではないかというおそれがあるわけです。
そして、先に進みたいというふうに思いますけれども、この資料一に基づき質問させていただきたいと思います。
日常的生活の場面の例ですけれども、ある日に子にどのような服装をさせるかというのは日常の行為だということですけれども、以前、お答えをいただきました。子が髪を染めることを認めるということや、子にどのような食事をさせるか、ある日に子に何を食べさせるか、子にどのような人づき合いをさせるか、交友関係は、全て日常行為かどうかということを民事局長に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/157
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158・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
まず、委員御指摘の参考資料でございますが、法制審議会への諮問前に行われた研究会におきまして、議論のたたき台とする目的で作成されたものでありまして、本改正案における日常の行為に該当するかどうかを分類する趣旨のものではないことは御理解いただきたいと思います。
その上で、委員御指摘の参考資料に記載されたもののうち、日常の行為に該当するものの例として改めてお示しをいたしますと、例えば、子の髪の色、一般的に子にどのような食事をさせるか、ある日に子に何を食べさせるか、子にどのような人づき合いをさせるかなどのように、日常の生活の中で生ずる身上監護に関する行為で、一般的には子に対して重大な影響を与えないものは、通常は日常の行為に該当するものと考えられます。
他方で、こうした事項についても、子に対して重大な影響を与えるようなものであれば日常の行為には該当しないということで考えておりまして、本改正案が成立した際には、その趣旨、内容が正しく理解されるように、関係府省庁等とも連携して、適切かつ十分な周知、広報に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/158
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159・本村伸子
○本村委員 例えば、子が髪を染めることを認めるかに関しまして、子に重要な影響を与えるという場面はどういうことを想定しておられますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/159
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160・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
先ほど申し上げましたように、例えば、子の髪を染めるというようなことで申し上げますと、一般的には子に対して重大な影響は与えないものというふうには考えますが、例えば、それが校則違反になって退学の対象になってしまうというような、子の進路に影響する場合というのが考えられるかというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/160
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161・本村伸子
○本村委員 そうしますと、子が髪の毛を金髪にした場合、退学とか、進学が難しくなる場合は、共同行使するべきだというふうに考えているということでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/161
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162・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
個別具体的な事情にもよるところではございますが、委員御指摘のような先ほどの事情があるのであれば、共同行使の対象になってくるのかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/162
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163・本村伸子
○本村委員 そうしますと、例えば、パーマとかポニーテールとかツーブロックとか禁止している校則、学校もあるわけですけれども、それも、校則に反するということで共同行使しろということでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/163
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164・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
それは全く個別の事情によってくるところかとは思いますが、子に重大な影響を及ぼすかどうかということで判断されるのではないかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/164
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165・本村伸子
○本村委員 そうしますと、単独行使か共同行使かの基準は、髪を染める、髪型の問題でいいますと、この基準は、校則ですとか内申ですとか教師の評価とか、そういうことが基準になっていくということでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/165
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166・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
本改正案における監護及び教育に関する日常の行為とは、日々の生活の中で生ずる身上監護に関する行為で子に対して重大な影響を与えないものを指しております。
したがいまして、委員御指摘のような事例で子に対して重大な影響を与えるか与えないかというところが判断基準になってくるかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/166
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167・本村伸子
○本村委員 ですから、この民法改定案に関しまして、日常の行為というふうに考えられるだろうというふうに一般的に言われる行為の中でも例外があるということになってしまいます。それがどういうことなのかということが明確になっていないわけですね。そうすることは、結局、適時適切な意思決定が難しくなる、同居をしている親御さんの自由を縛ってしまう、そういうことにもつながって、子の利益を害することにつながっていくというふうに思います。
もう一つお伺いをしたいというふうに思います。
子にどのような宗教を教育するのか、これは日常の行為でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/167
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168・竹内努
○竹内政府参考人 お答えいたします。
宗教教育につきましては、例えば、日常的な礼儀作法に関するものから子の進路に影響するものまで様々なものがあると考えられますので、一概にお答えすることは困難ではございますが、それが日々の生活の中で生ずる身上監護に関する行為で子に対して重大な影響を与えないものであれば、日常の行為に該当し得ると考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/168
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169・本村伸子
○本村委員 そこで、確認をしたいんですけれども、宗教の信仰等に関する児童虐待等への対応に関しまして、通知等をこども家庭庁は出しているというふうに思います。
宗教の信仰に関して子に強制することはあってはならないというふうに考えますけれども、こども家庭庁、お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/169
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170・野村知司
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
保護者が子供に対して行います身体的虐待でございますとかあるいは心理的虐待、こうした児童虐待については、宗教を含め、その背景のいかんを問わず、その防止などを図っていくことが必要であると考えております。
そのため、令和四年十二月、これは当時はまだ厚生労働省でございましたけれども、厚生労働省において、宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&Aという通知を作成し、児童虐待に該当し得る状態、行為などについて、全国の児童相談所などに対しお示しをしたところでございます。
その中では、宗教活動などへの参加を強制することも含め、理由のいかんにかかわらず、子供の体に外傷が生ずる、あるいは生じるおそれのある体罰を行うことは身体的虐待に該当する旨でございますとか、あるいは、言葉や恐怖をあおる映像、資料などを用いて子供を脅すこと、恐怖の刷り込みを行うこと、子供を無視する、嫌がらせをするなど拒否的な態度を継続的に示すことで、宗教活動などへの参加を強制することや進路や就職先などに関する児童本人の自由な意思決定を阻害するようなことはいずれも心理的虐待又はネグレクトに該当し得る旨など、お示しをしているところでございます。
こうしたQアンドAの内容につきまして、児童相談所あるいは学校などの子供に関わる現場の方々に周知するための動画コンテンツの作成なども行っているところでございます。
引き続き、こういった児童虐待の防止という観点から、こういったものの周知などに取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/170
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171・本村伸子
○本村委員 子にどのような宗教を教育するかに関しましては、親がどう決めようと、子供の意思の尊重こそ必要だ、最重要だというふうに考えます。ほかのことに関しましても、共同親権、単独行使、先ほど髪を染めるという話もありましたけれども、子供の意思や心情の尊重こそ必要だというふうに思いますけれども、最後に、大臣、お答えをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/171
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172・武部新
○武部委員長 申合せの時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/172
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173・小泉龍司
○小泉国務大臣 本改正案では、父母の責務として、父母が子の人格を尊重すべきであるということを明確化しております。そして、その内容は、子の人格の尊重ということの内容は、子の意見、意向が適切な形で考慮され、尊重されるべきであるという趣旨を含むものであります。
こうしたことをより多くの方々に理解をしていただけるよう、周知をしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/173
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174・本村伸子
○本村委員 まだ表は完成しておりませんので、即時にこの表を完成させて出していただきたいということを強く求め、質問を終わらせていただきます。
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/174
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175・武部新
○武部委員長 次に、内閣提出、出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案及び出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
順次趣旨の説明を聴取いたします。小泉法務大臣。
―――――――――――――
出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案
出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/175
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176・小泉龍司
○小泉国務大臣 出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案及び出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
まず、出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
我が国に在留する外国人の数は、既に三百万人を超え、その多くが在留カード又は特別永住者証明書のほか、個人番号カードを所持している状況にあります。
しかし、現在、これら個人番号カードを所持する外国人は、在留カード等と個人番号カードに関する手続をそれぞれ別の行政機関において行う必要があり、煩雑な手続を余儀なくされています。
我が国に在留する外国人の数は今後も増加し、更に多くの外国人が個人番号カードを所持することが見込まれるところ、在留カード等と個人番号カードを一体化し、我が国に在留する外国人の利便性を向上させてその生活の質を高め、我が国を外国人に選ばれる国にするとともに、行政運営の効率化を図ることが求められています。
この法律案は、こうした状況に対応することを目的とし、所要の法整備を図るため、出入国管理及び難民認定法等の一部を改正するものであります。
この法律案の要点を申し上げます。
住民基本台帳に記載されている中長期在留者又は特別永住者が、個人番号カードとしての機能を付加するための措置が講じられた在留カード等である特定在留カード等の交付を求める申請を行うことができるようにし、在留カード等と個人番号カードに関する手続を、地方出入国在留管理局又は市町村において、一元的に処理することを可能とするとともに、在留カード等の記載事項及び有効期間を見直します。
このほか、出入国及び在留の公正な管理に係る電磁的記録の取扱いを明確化するなど、所要の規定の整備を行うこととしております。
続きまして、出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
近年の我が国の労働力不足は深刻であり、外国人材が経済社会の重要な担い手になっている一方で、国際的な人材獲得競争は一層激しさを増している状況にあります。
こうした状況や、これまでの技能実習制度及び特定技能制度をめぐる状況を踏まえ、我が国が魅力ある働き先として選ばれる国になるという観点から、外国人が我が国で就労しながらキャリアアップできる分かりやすい制度に改めるとともに、人権侵害等の防止、是正等を図り、我が国の人手不足分野で活躍できる外国人材を確実に育成、確保するための法整備を行うことが必要不可欠です。
この法律案は、以上に述べた状況に鑑み、所要の法整備を図るため、出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正するものであります。
この法律案の要点を申し上げます。
第一は、技能実習の在留資格に代わるものとして、育成就労産業分野において就労することを内容とする育成就労の在留資格を創設するものです。この育成就労産業分野とは、特定産業分野のうち、その分野に属する技能を我が国において就労を通じて修得させることが相当な分野をいうものであります。
第二は、いわゆる技能実習法の題名を外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律に改めるとともに、法律の目的として、育成就労産業分野において人材を育成し、確保することを明記するものであります。
第三は、政府は、育成就労産業分野の選定や、その分野において求められる人材に関する基本的な事項等を基本方針として定めることとするものです。この基本方針にのっとり、主務大臣及び育成就労産業分野を所管する関係行政機関の長等は、共同してこの分野において求められる人材の基準に関する事項を分野別運用方針として定めることとするものです。
第四は、外国人ごとに作成する育成就労計画の認定の仕組みを定めるものです。具体的には、業務、技能、日本語能力等の目標や内容、外国人が送り出し機関に支払った費用の額等に関する基準など、適正な受入れのための認定の基準等を定めるものです。
第五は、技能実習制度においては、やむを得ない事情がある場合に限って実習実施者の変更を認めていたところですが、一定の要件の下で、育成就労外国人の意思による育成就労実施者の変更を可能とするものです。
第六は、監理支援事業を行う監理支援機関を設けるとともに、育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護を図るため、機能を十分に果たしていない機関を適切に排除することができるよう、その許可の基準等を定めるものです。
第七は、育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護等を図るため、外国人育成就労機構を設けることとするものです。同機構においては、育成就労実施者の変更等を支援するための育成就労外国人と育成就労実施者との間の雇用関係の成立のあっせん等の業務や、一号特定技能外国人に対する相談対応等の業務を行わせることとするものです。
第八は、将来的に長期にわたり我が国に貢献する人材を確保する観点から、法務大臣が永住許可をする要件を一層明確化するとともに、要件を満たさなくなった場合に、他の在留資格へ変更する措置等を講ずるための規定を設けるものです。
このほか、一号特定技能外国人支援計画の委託先を登録支援機関に限ることとするなど、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案及び出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/176
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177・武部新
○武部委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/177
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178・武部新
○武部委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
両案審査のため、来る二十六日金曜日午前九時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/178
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179・武部新
○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
次回は、明二十四日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時四十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305206X01420240423/179
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