1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和六年四月四日(木曜日)
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議事日程 第十一号
令和六年四月四日
午後一時開議
第一 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
日程第一 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
防衛省設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
午後一時二分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305254X01720240404/0
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001・額賀福志郎
○議長(額賀福志郎君) これより会議を開きます。
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日程第一 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305254X01720240404/1
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002・額賀福志郎
○議長(額賀福志郎君) 日程第一、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
委員長の報告を求めます。財務金融委員長津島淳君。
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国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
〔本号末尾に掲載〕
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〔津島淳君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305254X01720240404/2
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003・津島淳
○津島淳君 ただいま議題となりました法律案につきまして、財務金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本案は、国際通貨基金に対する加盟国の出資総額が増額されることとなったこと等に伴い、我が国の同基金に対する出資額の上限を四百六十二億三千八十万特別引き出し権に相当する金額に増額するための措置等を講じようとするものであります。
本案は、去る三月二十六日当委員会に付託され、翌二十七日鈴木財務大臣から趣旨の説明を聴取し、四月三日、質疑を行い、質疑を終局いたしました。次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305254X01720240404/3
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004・額賀福志郎
○議長(額賀福志郎君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305254X01720240404/4
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005・額賀福志郎
○議長(額賀福志郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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防衛省設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305254X01720240404/5
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006・額賀福志郎
○議長(額賀福志郎君) この際、内閣提出、防衛省設置法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。防衛大臣木原稔君。
〔国務大臣木原稔君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305254X01720240404/6
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007・木原稔
○国務大臣(木原稔君) 防衛省設置法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
この法律案は、自衛隊の任務の円滑な遂行を図るため、自衛官定数の変更、統合作戦司令部の新設を含む自衛隊の組織の改編、任期を定めた自衛官の採用を含む自衛官等の人材確保のための制度の導入及び拡大、日本国の自衛隊とドイツ連邦共和国の軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とドイツ連邦共和国政府との間の協定に係る物品又は役務の提供に関する規定の整備、国際機関等に派遣される防衛省の職員の業務の追加等の措置を講ずるものであります。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
第一に、防衛省設置法、自衛隊法等の一部を改正して、自衛官の定数の変更を行うことや、統合作戦司令部を新設すること、海上自衛隊大湊地方隊を横須賀地方隊に統合すること等、自衛隊の体制を強化するための規定の整備を行うこととしております。
第二に、自衛隊法及び防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正して、公務に有用な専門的な知識経験又は優れた識見を有する者を任期を定めて自衛官として採用する任期付自衛官制度の導入等、自衛隊員の人材確保のための各種制度の見直しのための規定の準備を行うこととしています。
最後に、自衛隊法及び国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部を改正して、ドイツとの物品役務相互提供協定に係る物品又は役務の提供に関する規定等を整備し、また、国際機関等に派遣される防衛省の職員の処遇等に関する法律の一部を改正して、国際機関等に派遣される防衛省の職員が従事することができる業務に、装備品等の共同開発事業等の管理、調整及び実施に関する業務を追加し、同志国等との連携を強化するための規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
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防衛省設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305254X01720240404/7
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008・額賀福志郎
○議長(額賀福志郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。新垣邦男君。
〔新垣邦男君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305254X01720240404/8
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009・新垣邦男
○新垣邦男君 立憲民主党・無所属会派、社民党の新垣邦男です。
会派を代表して、防衛省設置法等の一部を改正する法律案について質問をします。(拍手)
まずは、昨日、台湾沖で発生した大規模な地震で被害に遭われた方々に、心からお見舞いを申し上げます。詳細な被害状況などはまだ把握されておりませんが、日本政府としても、最大限の支援を行う必要があると考えます。
また、能登地震によって亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げるとともに、被災され、厳しい暮らしを続けておられる方々にお見舞い申し上げます。
能登の被災地の復興は進まず、三か月を経てなお、七千戸以上で水道が復旧しておりません。一方、一部の自民党議員は、パーティー券収入をキックバックして、裏金をため込んだ挙げ句、政倫審でも真実の説明ができていません。
民間企業では、不正経理が発覚した場合、責任を取るのは経理部長だけではありません。社長自らが事実を明らかにし、責任を取ります。岸田総理と二階元幹事長は処分の対象外との報道もありますが、岸田総理は、自民党総裁として、事実を国民に説明し、自らも含め、適正な処分を行って責任を取り、襟を正すことがまず必要であるということを強く申し上げておきます。国民は怒りを持って見ています。
さて、世界では、ロシアのウクライナ侵攻、ハマスとイスラエルの紛争などが起こっており、我が国周辺においては、軍事力増強、繰り返されるミサイル発射などが見られ、厳しい安全保障環境にあります。そのような状況下で、いかにすれば我が国を守ることになるのか、十分な審議時間が必要だと思います。
本法案は、本来別々の法案を過剰に束ね過ぎです。統合作戦司令部、次期戦闘機開発に関する組織、日独ACSAは別々の課題であり、別法案とすべきではないでしょうか。直接の関連性は何か、御説明願います。
防衛省設置法等の改正によって自衛隊の体制を整えようと、GDP二%の予算でスタンドオフミサイルなどを開発、装備し、基地を整備拡大しようとしています。しかし、それを担う自衛官がいなければ、この国を守ることができません。現実には、自衛隊では慢性的な定員割れが続いています。なぜ定員割れが続いているのか。新しい施策で定員割れが解消するのでしょうか。しない場合はどうされるのですか。防衛大臣に、自衛官の確保に関する施策について伺います。
陸海空だけではなく、サイバー空間等の新領域での防衛が安全保障上重要となり、AIを用いた装備の開発は各国で研究されています。防衛のために、AIやサイバー技術等、高度な人材の育成、確保が求められますが、これらの人材は民間でも必要であり、人材確保は民間との競争でもあります。サイバー専門部隊の人員を、今の二千二百人から、三年後には倍の四千人規模に増やすことになっていますが、現在の状況はいかがでしょうか、お答えください。
自衛官の確保は国を守るために必要ですが、他方、民間の人手不足も深刻であります。そこで、政府としては、陸上自衛官の減員によって必要な体制を整備しようとしています。陸上自衛官は減らしてもよいという判断でしょうか。防衛大臣に、自衛官の定員、その内訳に係る考え方を伺います。
自衛隊内での様々なハラスメント問題が頻発しています。自衛隊内での自浄作用も十分ではありません。この国を守る務めに加わろうとして自衛官になったものの、セクシュアルハラスメントに遭い、訴えても改善されず、辞職し実名で抗議をした一人の勇気ある女性によって、問題が鮮明になっています。防衛省・自衛隊は、ハラスメントを改めるために、彼女の勇気に学ぶべきではありませんか。防衛大臣に、いかに自衛隊の様々なハラスメントを改めるのか、具体的な施策について伺います。
統合作戦司令部の新設についてお伺いします。
日本の自衛隊の組織を改編して統合作戦の強化が進められていますが、これまでの体制は実戦的ではなかったということでしょうか。統合作戦司令部が設けられ、統合作戦司令官が任命されることでどのように変わるのですか。統合作戦司令官の任命に当たっては、何を考慮し、どのような人物を任命するのですか。防衛大臣に伺います。
陸海空でバランスよく回すポストにするのではなく、任務を適切に実施できる人物の任命をしなければ、新設の意味がありません。
本法案改正により、統合作戦司令部の人員が約二百四十人体制となりますが、陸海空各部隊にも作戦司令部は残存します。作戦を指揮するのは常に統合作戦司令部で、陸海空の司令部に下令する形になるのか、答弁を願います。
米韓同盟では、戦時下には韓国軍は米韓連合軍司令官の指揮下に置かれますが、日本は、統合作戦司令部新設後も、自衛隊の指揮に当たっては、米国とは有事でも独立した指揮系統を持つということでよいのですか。共同対処の場面で、自衛隊が米軍の情報提供等に依存せざるを得ない場面が出てくるのではないのですか。その場合でも、独立した指揮系統と言えるのか、防衛大臣に伺います。
人員、車両の輸送を専門に担うため、陸上自衛官が船舶の操船や運用を行う自衛隊海上輸送群が共同の部隊として設けられます。陸上自衛官が、海上自衛隊で育成されています。米国の海兵隊のようになることはないのか、陸上自衛官の定員を海上自衛隊に回して海上自衛隊の輸送能力を拡充するのではなく、なぜ自衛隊海上輸送群を共同の部隊として設けるのか、防衛大臣に伺います。
日本は、第二次世界大戦前、ゼロ戦を始め優れた航空機を開発、生産する力を有していましたが、戦後は、米国の開発した戦闘機の輸入、ライセンス国産が主体、自主的に開発したのはF1のみ、米国との共同開発も、いわゆるFSX、F2のみです。日本が米国以外との戦闘機の共同開発をするのは初めてです。しかも、戦闘機生産を担ってきた航空機会社のMRJは、型式証明が取れず、生産を断念しています。第六世代という極めて挑戦的な航空機を本当に開発できるのでしょうか。
日本、イギリス、イタリアが次期戦闘機共同開発のために設立する国際機関、いわゆるGIGOは、各国政府からの派遣の職員で開発管理や契約などを管理するとのことですが、改めて、GIGOの役割や組織の規模、日本からの派遣職員は何人の規模になり、派遣職員の選定の基準は何でしょうか。民間からも募集することも検討しているのでしょうか。防衛大臣に伺います。
GIGOへの派遣経験者は貴重な人材となるので、戦略的な育成計画が必要です。また、GIGO派遣職員も含め、防衛省職員が長期的に定着するような処遇にすることが、防衛省の防衛調達能力、機密の保持においても不可欠です。GIGO派遣職員の給与や待遇はいかなる観点から定めたのか、防衛大臣に伺います。
次期戦闘機については、政府は、先月末、その完成品の第三国移転ができなければ対等に共同開発のパートナーになれないことを理由に、三原則を変更しました。これに対し、各社の世論調査でも次期戦闘機の輸出にネガティブな意見が五割程度あり、殺傷能力の高い武器の移転に関して懸念を持つ国民は多くいます。
防衛装備移転三原則の運用指針においては、移転ができない場合の規定は非常に限定的です。運用指針で用いられている、武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国の定義とは何でしょうか。例えば、現在のガザ及びイスラエルの情勢は、運用指針上の武力紛争の一環として現に戦闘が行われているに該当するのでしょうか。該当しないのであれば、現在、ガザ地区で病院までターゲットに空爆するイスラエルに防衛装備移転することは除外されません。
物品役務相互提供協定は、日米に始まり、豪州など六か国との間で締結していますが、本法案に日独物品役務相互提供協定締結に伴う国内法整備が含まれています。ドイツのような欧州の民主主義国家等との連携は重要でありますが、NATO加盟国たるドイツは、現在、ロシアによるウクライナへの侵攻に対し、中心的な役割を果たしてウクライナを支援しています。
ドイツとの間で、具体的にはどのような防衛協力をし、物品、役務の提供を考えているのでしょうか、防衛大臣に伺います。イギリス、フランスも、ドイツと同様、NATO加盟国ですが、日英、日仏ACSAの実績について、併せてお答えください。
最後に、辺野古新基地建設に関して、工事の進行優先で、国と県の対話よりも、裁判による解決が優先されたことは遺憾であります。現実には、軟弱地盤の問題等、多くの問題が見つかっていることから、工事を中止し、県と協議、対話をして、沖縄における基地の在り方を見直すべきです。
辺野古新基地建設費に関しても、現在、辺野古新基地建設費の総見積りは九千三百億円とされています。しかし、既に総工費の半分近くに当たる四千三百十二億円を令和四年度末までに支出しているにもかかわらず、現時点で埋立工事の必要な土砂のうち一六%しか投入されていません。沖縄駐留米軍トップも、工事には明らかに課題があるとの認識を示しています。
防衛大臣は、工事について、経費抑制に努め、着実に進めていかなければならないと述べていますが、計画どおり進まない現実や沖縄の住民の声に耳を傾け、立ち止まるべきときに来ています。普天間の危険除去も、このままでは最低でも九年は実現しません。負担軽減と言いながら、辺野古移設が普天間返還につながらないかもしれません。現時点で、再度米国と協議すべきと私は考えます。
先月、政府は、有事に備え、住民を守るシェルターの整備方針を決定しました。ここでは、安全保障環境は厳しさを増しているが、国を守る基地によって周辺地域の住民にとって危機が高まるのではないか、自衛隊基地の整備が進む一方、地域住民を守る整備が遅れるのではないか、様々な議論があることを改めて申し上げたいと思います。
我が国を守るとは何なのか、この国を、自衛隊員や地域住民を含めこの国に住んでいる人をいかに守るか、幅広く深い十分な議論が必要なことを申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣木原稔君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305254X01720240404/9
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010・木原稔
○国務大臣(木原稔君) まず、先ほどの趣旨説明に関する発言につきまして、一点訂正をさせていただきます。
自衛隊員の人材確保のための各種制度の見直しのための規定の準備と発言をしましたが、正しくは、自衛隊員の人材確保のための各種制度の見直しのための規定の整備と訂正をさせていただきます。
新垣邦男議員にお答えいたします。
本法案に盛り込んだ改正事項の関連性などについてお尋ねがございました。
御指摘の課題を含め、本法律案に含まれる改正事項については、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境を踏まえ、防衛省・自衛隊の任務の円滑な遂行を図るための防衛省・自衛隊の組織、活動内容に関する法整備であるとの政策が統一的なものであり、その結果として、法案の趣旨、目的が一つであると認められること、また、内容的に、法案の条項が相互に関連して一つの体系を形作っていると認められることから、一つの法律案で一覧的にお示しし、一体として御審議をお願いするものでございます。
次に、自衛隊員の確保に関する施策についてお尋ねがございました。
少子化や労働人口の減少による深刻な人手不足社会という厳しい募集環境の中でも、必要な人材をしっかりと確保していくため、転職市場を活用した募集の強化、給与面の処遇の向上など、あらゆる選択肢を排除せず、人的基盤の強化に取り組んでまいります。
本法案には、サイバー等の分野における高度人材を民間から柔軟に確保するため、最大五年の任期で採用する新たな自衛官制度の導入や、貸費学生制度の拡充を盛り込んでいるところであり、優秀な人材をしっかりと確保していく考えでございます。
次に、サイバー専門部隊の拡充についてお尋ねがありました。
サイバー専門部隊約四千人体制の実現に向け、昨年度末までに、サイバー専門部隊を、四千人の半数以上に当たる約二千二百三十人まで増員しました。
さらに、今年度末までには、当該部隊を二千四百十人まで増員することとしています。その後も段階的に増員を行い、令和九年度をめどに約四千人体制を実現する予定です。
次に、自衛官の定数の考え方についてお尋ねがありました。
人口減少と少子高齢化が急速に進展し、募集対象者の増加が見込めない中、防衛力整備計画では、自衛官定数の総計を維持することとしています。こうした考えの下、陸上自衛隊の定数の変更については、その規模も考慮しつつ、自衛隊全体の中で、所要を踏まえ、定数を再配分した結果であります。
次に、自衛隊のハラスメント防止の具体的な施策についてお尋ねがありました。
防衛省・自衛隊のハラスメント防止対策については、私が陣頭に立って、あらゆる機会を通じて各種施策を進めているところです。
具体的には、本年一月をハラスメント防止月間とし、隊員に対する教育や相談窓口の周知等を集中的に実施し、ハラスメントの根絶に向け、取り組んでいるところです。
引き続き、隊員の意識改革や事案の迅速な解決体制の構築等の実効性のあるハラスメント防止対策を通じて、ハラスメントを一切許容しない環境を構築してまいります。
次に、統合作戦司令部の意義等についてお尋ねがありました。
我が国を取り巻く安全保障環境が急速に厳しさを増している中、平時から有事までのあらゆる段階における活動をシームレスに実施できるよう、統合運用により、機動的、持続的な活動を行うことが不可欠です。
統合作戦司令部の新設により、自衛隊の運用に関し、平素から部隊を一元的に指揮できるようになり、統合運用の実効性が向上すると考えています。
統合作戦司令官の任命に当たっては、強いリーダーシップや統合運用の経験を有するなど、能力や適性等を総合的に考慮して、最適任の人物となるよう検討いたします。
次に、統合作戦司令部の指揮についてお尋ねがありました。
防衛大臣は、防衛出動等の自衛隊の運用に関し、統合作戦司令官に各自衛隊の部隊を一部指揮するよう命じ、統合作戦司令官が、その命令の範囲内で、陸上総隊司令官といった陸海空の司令官などに命じていくことになります。
また、自衛隊による全ての活動は、我が国の主体的な判断の下、日本国憲法、国内法令等に従って行われるものであり、自衛隊及び米軍は各々独立した指揮系統に従って行動します。
次に、自衛隊海上輸送群(仮称)についてお尋ねがありました。
自衛隊海上輸送群は、陸上自衛隊のみならず、海上、航空自衛隊が必要とする所要の輸送も行い、三自衛隊を支える機能を有する部隊です。このため、統合運用による一体的運営を図る必要があることから、共同の部隊として新編するものです。
次に、GIGOの役割や組織の規模、派遣職員についてお尋ねがありました。
GIGOは、日英伊三か国の下で、次期戦闘機の共同事業であるGCAPの管理を実施します。各国から派遣する具体的な人数は現在三か国で調整中ですが、GIGOは、各国の政府から合わせて数百人規模の組織となることが想定されます。
その上で、組織の検討と併せ、我が国からどのようなポストにどのような職員を選定して派遣するかについて、民間から採用した職員の派遣も含め、検討を進めています。
GIGOに派遣される職員の給与や待遇についても三か国で調整中ですが、防衛省職員派遣処遇法の改正により処遇を確保することも含め、派遣される職員が安んじて派遣先機関の業務に従事できるよう努めてまいります。
次に、防衛装備移転三原則の運用指針の文言についてお尋ねがありました。
まず、運用指針における武力紛争とは、武力を用いた争いをいい、また、戦闘とは、武力紛争の一環として行われる、人を殺傷し又は物を破壊する行動をいうものです。
その上で、どのような状況が武力紛争の一環としての戦闘に該当するかについては、個別具体的に判断されることになるため、一概にお答えすることは困難ですが、その上で申し上げれば、現在のイスラエル、パレスチナの情勢に鑑みれば、現在のイスラエルは、運用指針上の武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国に基本的に該当すると考えています。
次に、ドイツとの防衛協力と物品、役務提供の見通し及び日英、日仏ACSAの実績についてお尋ねがありました。
自衛隊とドイツ軍との間では、相互訪問や共同訓練を始めとする防衛協力、交流が進展しており、例えば、補給、施設の利用、修理、整備等の必要性が高まっていることから、これらの際の物品、役務の提供においてACSAが適用されることが考えられます。
なお、日英ACSAの下では二〇二二年末までの間に十八件、日仏ACSAの下では二〇二二年末までの間に十三件の相互提供実績があり、燃料や食料等の相互提供を行いました。
以上です。(拍手)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305254X01720240404/10
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011・額賀福志郎
○議長(額賀福志郎君) 岩谷良平君。
〔岩谷良平君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305254X01720240404/11
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012・岩谷良平
○岩谷良平君 日本維新の会の岩谷良平です。
教育無償化を実現する会との会派を代表し、議題になりました防衛省設置法等の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
我が国を取り巻く安全保障環境は戦後最も厳しいとされる中、政府は、おととし末に、新たないわゆる安保三文書を作成し、防衛力の抜本的強化に着手しました。我が国の安全保障上、問題とされながら放置されてきた多くの課題を幅広く解決していくための内容が盛り込まれており、遅きに失した点は指摘せざるを得ませんが、私たちは高く評価しています。
しかし、作成して終わりではなく、言うまでもなく、着実かつ迅速に実行に移していくことが何よりも重要であると考えます。
ところが、今回、防衛装備移転に関連して、連立政権内の政治事情で、国家として当然なすべき防衛政策に、何ら説得力のあるロジックではなく、平和というイメージを維持するための党利党略で無為にブレーキがかけられ、そして、それが、国民の生命、身体、財産を守るという最も基本的な国益に反することを理解しながら、選挙対策の票欲しさからか、盲従するだけの与党の政策決定の有様を見せつけられ、私は、我が国の安全保障に強烈な危機感を抱いています。
また、我が国の防衛予算は、令和五年度から九年度にかけて計四十三兆円となり、飛躍的に増大することになりました。防衛費の倍増方針自体は評価するものの、その財源として増税が予定されています。しかし、法を犯して裏金づくりを行ったにもかかわらず、秘書に責任を押しつけて、法で罰せられることも、政治責任を自ら取ることも、納税もしない八十名以上もの裏金議員を擁する自民党に、国民に増税を求める資格などないとはっきりと申し上げた上で、本題に入ります。
本法案は、自衛官の定数の変更が含まれています。自衛隊員はまさしく防衛力の中核であり、その人材確保は、装備品等の整備と並び、防衛力の抜本的強化を支える車の両輪です。ところが、令和三年度には約五千七百人、陸上自衛隊の一個師団に近い規模の自衛官が中途退職しました。政府は自衛官の確保に向けた具体策を漸次打ち出していますが、つけ焼き刃の施策を羅列しても根本的な解決にはなりません。
日本維新の会は、自衛官の給与体系を自衛隊の任務、リスクを正しく評価したものにするなど、待遇を抜本的に改善するとともに、平成十五年に名目のみ導入された防衛出動手当の額を政令で直ちに定めるための法案を衆議院に提出しています。
有事における自衛官の待遇が決まっていないことは重大な瑕疵であり、無論、自衛官の皆さんは、手当がどうであろうと、いざとなれば危険を顧みず身をもって責務を果たさんとされるでしょうが、それを逆手に取るかのような覚悟のただ乗りが許されるはずもありません。
政府は、一体、いつになったら防衛出動手当の額を決めるのでしょうか。なぜ決めないのでしょうか。政府は、早急に、防衛出動手当の内容を明確に定めるとともに、自衛官の処遇、給与体系をその厳しい職務に見合ったものに抜本的に見直すことが不可欠だと考えますが、防衛大臣の所見を伺います。
国家安全保障戦略で、政府は、重大なサイバー攻撃を未然に防ぐための能動的サイバー防御の導入により、サイバー防衛能力を欧米主要国と同等以上に向上させると宣言しました。ところが、今もって進捗が見えてきません。国内法に縛られた自衛隊のサイバー防衛隊は、竹光の部隊であるとか、日米同盟の最大の弱点であるなどと指摘されています。
河野国務大臣に伺います。
政府はなおも、能動的サイバー防御を具現化するための法案の今国会提出について、検討中としていますが、なぜ遅れているのですか。いつまでに提出すると、期限を明確に示していただけませんか。
圧倒的に不足しているサイバーに関するコア専門要員等を拡充するために、今回の法改正で、防衛省は、サイバーなどの分野で高度な専門知識や経験を持つ民間人材を好待遇で登用する、任期五年以内の任期付自衛官制度を新設するとされています。その方針には賛成しますが、問題は待遇です。特定任期付自衛官の給与の最高額は、一般職の特定任期付職員の扱いに準じて、事務次官クラスの約二千三百万円とされています。しかし、最近、ある防衛企業が初任給二千万円でサイバー人材を集めようとしたが、全く集まらなかったという現実があります。
防衛大臣に伺います。
国内外でホワイトハッカーなど高度な技術を持つ人材の争奪戦が激しく展開されている中で、民間よりはるかに見劣りする待遇で精鋭を相当数確保するには限界があると考えますが、どのように認識されていますか。この待遇で、来年度末までにどれだけの人数の特定任期付自衛官を採用する計画ですか。
防衛省内からは、「議員は、一般職の国家公務員の最高の給与額より少なくない歳費を受ける。」とした国会法三十五条の壁があるという声が聞こえてきます。すなわち、国会議員は、事務次官や引く手あまたの高度なサイバー人材より多くの給料を受けなければならないと法で縛られているのです。国会議員が官僚、自衛官の皆さんより給料が高くて当然というのは、率直に言って、時代遅れも甚だしい規定だと断じざるを得ません。官僚や自衛官の給与が国会議員の歳費を上回れないために、人材を確保できず、我が国に必要な政策実行が担保できないとしたら大きな問題です。
官房長官に伺います。
国会法三十五条による規制が、政府が行う高度人材の採用の自由度を制約しているのではありませんか。サイバーやAI、量子、宇宙などはこれからの国家安全保障の中枢分野であり、支払う給与に国会法三十五条の制約があるから人材が確保できないとすれば、不合理ではないでしょうか。今回の防衛省設置法等の一部改正案に併せ、政治主導で国会法及び一般職の任期付職員の採用給与特例法を改正し、サイバー防衛の精鋭を一人でも多く確保するための環境を整えるべきではないですか。政治家、国会議員の一員として、逃げずに真正面からお答えください。
国家防衛戦略で打ち出された方針に沿い、今回の法案では、今年度末に、陸海空の自衛隊を一元的に指揮する統合作戦司令部を創設するとしています。かねてから必要性が指摘されており、遅ればせながら常設の統合司令部が設置されることは評価します。
ただし、一人の司令官が全ての部隊、全ての戦闘空間を一括して指揮統制するには、それを可能にするシステムを構築しなければなりません。この点について、米国は、国防総省の主導下で、統合全領域指揮統制、JADC2という、全戦闘を一元的にカバーする情報基盤システムの導入を進めています。
統合作戦司令部を常設しても、陸海空各自衛隊のシステムを統合しない限り、機能を発揮する上で大きな課題が残るのではないでしょうか。米国に倣って、日本版JADC2の構築を急ぐべきではないでしょうか。それをいつまでにつくるという目標はあるのでしょうか。いずれも防衛大臣の所見を求めます。
自衛隊での統合作戦司令部の創設に合わせ、来る十日の日米首脳会談では、自衛隊と米軍による指揮統制を連携させる方針で合意し、米政府が在日米軍の司令部機能を強化する方向である旨、複数の日本メディアが報じています。当然の流れであると考えますが、これに関連して防衛大臣に伺います。
例えば、反撃能力の保有を決めた日本としては、敵のミサイル発射拠点などの目標特定には米軍の情報が欠かせず、自衛隊と米軍の相互運用性を高めることは喫緊の課題となっています。日米で共通認識を持ち、抑止力と実効性を担保するために、日米相互の役割、任務を定めた日米防衛協力指針、いわゆるガイドラインの改定が必要とも指摘されていますが、この点についてはどのようにお考えですか。
今回の法改正で常設の統合司令部が設けられることにより、米軍との関係でも統合作戦や情報共有などの面でより緊密な連携が図られることになり、評価します。ただし、有事の際、あくまでも米軍と自衛隊は別々の司令官の下で、別々の指揮系統の下で運用されることになります。この点、米韓同盟では、在韓米軍司令官が米韓連合軍司令官を務め、戦時の作戦統制権は米軍が握り、指揮系統が一元されることになっています。NATOにおいても同様の仕組みが取られています。
一般的には、単一の司令官の方が効率的で、自衛隊と在日米軍の関係のように指揮系統が二つに分かれる並列型は避けるべきとされているところ、米韓やNATOと同様、有事の際に自衛隊と在日米軍の指揮系統を一元化するために、いわゆる連合司令部を創設すべきとの意見がありますが、これについてはどのようにお考えでしょうか。また、仮に連合司令部を設置する場合、憲法九条との関係で課題となる点があるとお考えでしょうか。防衛大臣に伺います。
近年、中国やロシアの艦艇が太平洋側を含む我が国沿岸地域を航行する事案が常態化し、対応の必要性に迫られています。今回の法改正で、政府は、海上自衛隊、地方隊の改編等により警備体制を強化するとしていますが、無論、それで万全とは言えません。第一線で対峙する海上保安庁と後方で控える自衛隊が、切れ間なく、機動的に連携できる体制が不可欠です。
このため、我々が法案を提出したように、自衛隊法の改正により、自衛隊の情報収集や警戒監視活動を本来任務と位置づけた上で、限定的な武器使用を認めるとともに、海保法の改正で海保の任務に領海の警備を加えるべきだと考えますが、防衛大臣、国土交通大臣、それぞれに見解を求めます。
次に、防衛装備移転についてお伺いいたします。
本法改正には、イギリス、イタリアとの間で合意している次期戦闘機の共同開発、いわゆるGCAPを管理する国際機関、GIGOに派遣される防衛省職員の処遇に関する規定の整備が含まれています。
国家安全保障戦略で、防衛装備品の移転については、日本にとって望ましい安全保障環境の創出の重要な手段と意義づけており、評価しますが、今般、政府は、国際共同開発の防衛装備品の第三国輸出について、今回のGCAPに限って認めるという腰の引けた措置を決めました。なぜこのような結果になったのでしょうか。また、今回の決定は、防衛装備移転を積極的に進めることを打ち出した国家安全保障戦略との間でそごがあるのではないでしょうか。これで日本にとって望ましい安全保障環境が創出できるとお考えでしょうか。防衛大臣に答弁を求めます。
安保三文書では官民一体となって移転を進めるとされており、この問題に関する与党ワーキンググループの提言でも類型を撤廃すべきといった記載も見られたにもかかわらず、救難、輸送、掃海などの五類型に限る等の極めて制限的な指針はいまだ維持されています。
例えば、防衛装備移転を活用し、東南アジアの民主主義国家などを覇権主義的な国家に対抗する抑止力向上の輪に加えられれば、日本の安全保障環境の改善にも大きく寄与します。紛争を助長するおそれがあるから武器輸出を認めないというこれまでの思考停止した偏狭な発想ではなく、広い視野に立って、防衛装備品の輸出をオプションの一つとして持つことは、積極的平和主義、現実的平和主義に資すると考えるのが論理的、合理的な答えではないでしょうか。それゆえ、安保三文書でも防衛装備移転を進めると決めたのではないでしょうか。
五類型など、過度な規制となっている現状の防衛装備移転の指針は、類型を撤廃し、原則、移転を認めた上で、個別の厳格審査で判断するよう改定すべきではないですか。防衛大臣にお伺いします。
今般の防衛装備移転をめぐる事のてんまつを見るに、政府・与党は、あろうことか、国民の生命、身体、財産の安全をいかに守るかという論理的、合理的議論ではなく、連立与党双方の政治事情、党利党略によって結論を出したと断じざるを得ません。
国民の命に直結する安全保障問題が政局の具とされる現状を断固として改革すべく、我々日本維新の会は、先月、藤田幹事長を会長に、防衛部会長の私を事務局長とする日本維新の会安全保障改革調査会を立ち上げ、より現実に即し、国益にかなった安全保障政策を果敢に打ち出していくべく始動しました。統一会派を組む教育無償化を実現する会とともに、防衛力の抜本的強化と表裏一体の関係にある憲法改正と併せ、あるべき安全保障政策を強力に推し進めていくことをお誓い申し上げ、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣木原稔君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305254X01720240404/12
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013・木原稔
○国務大臣(木原稔君) まず、先ほどの新垣邦男議員の質問に対する答弁につきまして、一点訂正をさせていただきます。
サイバー専門部隊の拡充について、今年度末までに当該部隊を二千四百十人まで増員すると申し上げましたが、正しくは、約二千四百十人まで増員すると訂正させていただきます。
岩谷良平議員にお答えいたします。
防衛出動手当及び自衛隊員の処遇改善についてお尋ねがありました。
防衛出動手当は、防衛出動時の戦闘などの著しい危険性や困難性等を評価して支給する手当であり、実際に有事が生起した時点における諸事情を総合的に勘案し、適切な支給額を決定するものです。
防衛力の中核は自衛隊員であり、全ての隊員が高い士気と誇りを持ち、能力を発揮できる環境の整備が必要不可欠です。
こうした観点から、三文書にも給与を始めとする隊員の処遇の向上がうたわれており、人的基盤の強化を着実に実現してまいります。
次に、特定任期付自衛官制度についてお尋ねがありました。
防衛省としては、取り得る手段を全て取るとの考えの下、特定任期付自衛官制度を活用し、より多くの外部のサイバー人材に防衛省・自衛隊で勤務していただきたいと考えています。
その際、処遇面に限らず、他国軍のサイバー部隊との共同訓練の機会など、安全保障の最前線にいる自衛隊のサイバー専門部隊でしか得られない経験があることを説明するなどして、外部のサイバー人材にアプローチしてまいります。
次に、指揮統制システムの構築についてお尋ねがありました。
防衛省では、これまでも、オペレーション時の指揮命令の伝達や情報共有を円滑に行うためのシステムを整備してきました。
今後、より一層、戦闘様相が迅速化、複雑化していく状況においては、意思決定をこれまで以上に迅速かつ的確に行い、意思決定の優越を確保するための機能が必要と考えています。
そこで、防衛力整備計画に基づき、二〇二七年度までに、各自衛隊の一元的な指揮を可能とする指揮統制能力に関する検討を進め、必要な措置を講じてまいります。
次に、日米防衛協力のための指針についてお尋ねがありました。
日米防衛協力のための指針については、日米同盟に関する諸情勢に変化が生じて、必要と見られる場合に、日米両政府が適時適切な形で見直しを行うものとされています。
我が国として反撃能力を保有し、また、常設の統合司令部を創設するとした国家安全保障戦略等を踏まえ、現在、今後の防衛協力の内容や日米の役割、任務、能力等、日米の間で幅広く議論を行っています。
政府として、現時点で直ちに日米ガイドラインを見直すことを考えているわけではありませんが、今述べたような日米間の議論も踏まえながら、日米ガイドラインの見直しの必要性については不断に検討していく考えです。
次に、日米の連合司令部についてお尋ねがありました。
統合作戦司令部の下でも日米間の連携を一層強化させる必要がありますが、御指摘のような日米の連合司令部を創設することは考えていません。
その上で、自衛隊による全ての活動は、我が国の主体的な判断の下、日本国憲法、国内法令等に従って行われるものであり、自衛隊及び米軍は各々独立した指揮系統に従って行動します。この点は、統合作戦司令部の新設後も変わりはございません。
次に、自衛隊と海上保安庁との連携についてお尋ねがありました。
武力攻撃に至らない侵害に適切に対応するためには、警察機関と自衛隊との連携が極めて重要であり、現行の法制の下、海上警備行動等の発令手続の迅速化を図ったほか、関係機関との情報共有、連携の強化、各種訓練の充実など、必要な取組を推進しています。
今後の取組については、お尋ねの法案を含め、様々な御意見があります。その中で、関係機関との連携を充実させ、円滑にさせるために必要なものはないか、訓練等を通じて、なお一層の検討を進めてまいります。
次に、GCAPの第三国移転についてお尋ねがありました。
国家安全保障戦略や防衛装備移転三原則において、防衛装備移転は、我が国にとって望ましい安全保障環境の創出等のための重要な政策手段であり、同盟国、同志国等との安全保障、防衛分野による協力の強化、ひいては地域における抑止力向上に資するものとしつつ、官民一体となって進めることとしています。
その上で、今般、閣議決定及び運用指針の一部改正を行い、GCAPの完成品について、より厳格な要件と決定プロセスを設けつつ、我が国からパートナー国以外の国に直接移転を認め得ることとしましたが、これは、我が国防衛に必要な性能を有する戦闘機を実現するために必要との認識に基づくものです。
これにより、我が国が英国及びイタリアと同等に貢献し得る立場を確保し、我が国の安全保障環境にふさわしい戦闘機を実現することが可能になると考えているところ、先ほど申し上げた国家安全保障戦略等の記載との関係でそごがあるとは考えておりません。
次に、防衛装備移転三原則の運用指針についてお尋ねがありました。
繰り返しになりますが、国家安全保障戦略や防衛装備移転三原則に記載のとおり、防衛装備移転は、我が国にとって望ましい安全保障環境の創出等のための重要な政策的手段であり、同盟国、同志国等との安全保障、防衛分野による協力の強化、ひいては地域における抑止力向上に資するものです。
その上で、昨年十二月の与党ワーキングチームにおける提言において、いわゆる五類型の類型見直しの在り方については議論を継続するとされたところであり、今後、政府・与党で調整を行っていくことから、その内容等について現時点でお答えすることは困難であることを御理解いただきたいと存じます。
以上です。(拍手)
〔国務大臣河野太郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305254X01720240404/13
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014・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) サイバー安全保障についてお尋ねがありました。
能動的サイバー防御の実現に向けた法案については、現行法令との関係などを含め、様々な角度から検討を要する事項が多岐にわたっております。
我が国のサイバー対応能力を向上させることは、現在の安全保障環境に鑑みると、ますます急を要する課題であり、可能な限り早期に法案をお示しできるよう、検討を加速してまいります。(拍手)
〔国務大臣林芳正君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305254X01720240404/14
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015・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 岩谷良平議員にお答えいたします。
サイバー人材確保のための環境整備についてお尋ねがありました。
サイバー人材の確保は重要な課題と認識しており、政府内部での育成に加えまして、高度な専門的な知識経験を有する者の適切な処遇での任期付採用や、調査分析における民間企業への委託を通じた高度専門人材の活用などの外部人材の活用を通じ、取組を強化してまいります。
なお、御指摘のありました国会法第三十五条は、国会議員の歳費について規定するものであり、その在り方は国会において御議論いただくべきものと考えます。(拍手)
〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305254X01720240404/15
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016・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 岩谷良平議員から、海上保安庁法を改正し、海上保安庁の任務に領海警備を加えることについてお尋ねがありました。
海上保安庁では、海上保安庁法第二条において、任務として、海上における船舶の航行の秩序の維持を規定するとともに、第五条第十二号において、所掌事務として、海上における船舶の航行の秩序の維持に関することを規定しております。
海上保安庁では、我が国の領海において、無害通航に当たらない航行を行っている外国政府船舶に対する退去要求等、いわゆる領海警備業務を、こうした現行法の規定に基づき、的確に実施しております。
引き続き、海上保安庁におきましては、我が国の領土、領海を断固として守り抜くという方針の下、防衛省・自衛隊を始めとする関係機関等と緊密に連携し、冷静かつ毅然とした対応を続けてまいります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305254X01720240404/16
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017・額賀福志郎
○議長(額賀福志郎君) これにて質疑は終了いたしました。
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018・額賀福志郎
○議長(額賀福志郎君) 本日は、これにて散会いたします。
午後一時五十六分散会
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出席国務大臣
財務大臣 鈴木 俊一君
国土交通大臣 斉藤 鉄夫君
防衛大臣 木原 稔君
国務大臣 河野 太郎君
国務大臣 林 芳正君
出席副大臣
防衛副大臣 鬼木 誠君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121305254X01720240404/18
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