1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和六年四月四日(木曜日)
午前十時開会
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出席者は左のとおり。
委員長 阿達 雅志君
理 事
磯崎 仁彦君
酒井 庸行君
広瀬めぐみ君
石垣のりこ君
宮崎 勝君
委 員
衛藤 晟一君
太田 房江君
加藤 明良君
古賀友一郎君
高橋はるみ君
森屋 宏君
山谷えり子君
鬼木 誠君
塩村あやか君
杉尾 秀哉君
窪田 哲也君
片山 大介君
柴田 巧君
竹詰 仁君
井上 哲士君
大島九州男君
国務大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(こども
政策 少子化対
策 若者活躍 男
女共同参画)) 加藤 鮎子君
大臣政務官
内閣府大臣政務
官 古賀友一郎君
事務局側
常任委員会専門
員 岩波 祐子君
政府参考人
内閣府大臣官房
公益法人行政担
当室長 北川 修君
内閣府規制改革
推進室次長 稲熊 克紀君
こども家庭庁長
官官房総務課支
援金制度等準備
室長 熊木 正人君
総務省大臣官房
審議官 河合 暁君
スポーツ庁審議
官 橋場 健君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関す
る法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○公益信託に関する法律案(内閣提出)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/0
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001・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の一部を改正する法律案外一案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房公益法人行政担当室長北川修君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/1
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002・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/2
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003・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の一部を改正する法律案及び公益信託に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/3
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004・広瀬めぐみ
○広瀬めぐみ君 自民党の広瀬めぐみでございます。
今回、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の一部を改正する法律案ということで質問をさせていただきます。
先生方の中にも会社組織を持っていらっしゃる方はたくさんいると思うのですが、社会の経済活動を活発化させる目的から、平成二十年十二月に現行の公益法人制度が施行され、それに伴い、一般の社団法人や財団法人も登記をすればほぼ無制限に様々な事業ができるようになりました。例えば、日本経済団体連合や銀行協会などの団体、医師会、介護福祉事業、芸術系の事業など、社団法人、財団法人が事業を担うものは実にたくさんあります。
しかし、このような法人の場合、公的利益を追求しても、公益性が認められなければ法人税が掛かります。公益法人となれば、社会の信頼も高く、税制優遇も受けることができ、大いなる優位性が認められるわけでございます。そして、公益活動が増えれば民間が享受する利益や福祉も増大し、公益法人の活動拡大は多くの国民にとって利益になる可能性が高いと言えます。
例えば、東日本大震災のときには、国の所管で二千に及ぶ新旧公益法人がNPOとも連携し、物資の提供や専門家の派遣などの活動を行い、寄附による支援活動なども従来の主務官庁を超えて拡大し、被災地にとって大きな助けとなったことはその一例でございます。
現在、公益法人数は九千七百、職員数約二十九万人、公益目的事業費年間五兆円、総資産三十一兆円と、民間公益を担う主体として非常に大きな潜在力を有しております。他方で、現行公益法人制度における厳しい財産規律や手続の下ではその潜在力を十分に発揮できないと言われております。そこで、法律を改正し、機動力を持って潜在力を十二分に発揮し、民間公益の活性化を図るのが今回の改正法案の趣旨と認識をしております。
そこで、今回の改正によって、この公益性の判断、そして財産規律をどのように変え、機動力を持たせるのかをお聞きしていきたいと思います。
まず、財産規律の点です。
現在、公益法人は、行政の監督下に置かれ、財産規律が厳しく行われています。大きく言うと、公益法人のお金のもうけ方とお金の保有の仕方を規律されています。前者については、費用を超える収入を得てはならないといういわゆる収支相償原則を厳しく行っております。具体的には、当該事業年度の収入と費用を均衡させ、過去の赤字は考慮せず、黒字が出た場合はこれを二年間で解消しなくてはならないという厳しいものでございます。この原則を守るために寄附を減らして収支をバランスする法人もあり、一種の活動自粛が行われ、公益法人の活動を阻害する要因の一つになっている懸念があります。
この収支相償原則を変え、もっと柔軟な収支を可能な制度にすべきと思いますが、どのような改正になるのか、政府参考人にお聞きいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/4
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005・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
御指摘の収支相償原則につきましては、今回、単年度で発生した黒字の解消を求めるのではなく、過去五年程度の間に発生した赤字も加味して収支状況を確認し、黒字があった場合には五年程度の期間で解消することにより、中期的に収支均衡を図る規律といたします。また、将来の公益目的事業を充実させるための資金の積立ても費用とみなすこととします。
これらによりまして、公益のための資金の有効活用や事業の発展、拡充をより柔軟に行うことのできる仕組みとしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/5
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006・広瀬めぐみ
○広瀬めぐみ君 今ちょっとお話の中に出ました中期的収支均衡、五年間継続してこの収支を均衡させるという制度だと思うんですけれども、幅を持って収支を均衡させることができる点で、長期的な視点で事業を展開しやすくなると思います。
また、少しお話が出た財産の保有の仕方についてお聞きをしたいと思います。
法人である以上、これまでも一定程度の財産保有は公益法人であっても認められていました。それが特定費用準備資金と資産取得資金でございます。特定費用準備資金は、各種事業別に管理されて、収支相償原則の中で費用とみなすことで保有が可能となっておりました。先ほどお話もございました。また、資産取得資金は、費用とはみなせませんが、例外的に認められてきたものと理解をしております。
しかし、どちらの制度も当初決められた事業にしか使うことができないという点で硬直的で使いにくいという批判を免れないと思いますが、今回の改正によってこの点をどのように変えていくのか、政府参考人にお聞きをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/6
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007・北川修
○政府参考人(北川修君) 御指摘の特定費用準備資金及び資産取得資金については、御指摘のような使い勝手の悪さがありまして、十分に活用はされてこなかった嫌いがございます。
今回、将来の公益目的事業の発展、拡充を積極的に肯定する観点から、両者を統合した公益充実資金を法律上明確に位置付けます。この公益充実資金については、細かい事業単位での使い道を拘束せず、使い勝手の良い制度にすることで、柔軟で効果的な資金活用を可能にしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/7
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008・広瀬めぐみ
○広瀬めぐみ君 ありがとうございました。
先ほどの資産の特定費用準備資金、それから、済みません、特定費用準備資金と資産取得資金を統合して公益充実資金ということで、その使い道を特定せずにこれを保有することができるということで、非常に柔軟な活用が見込まれるというふうに思います。
今回の改正で、公益法人がお金をもうけることもしやすくなり、会社としてモチベーションも上がると思いますし、生産性も上がると思います。また、財産保有も以前よりも幅広く認められるようになったことで、長期的な視点で活動がしやすく、社会への還元も増えるというふうに思いました。
それでは次に、公益法人の認定手続についてお聞きしたいと思います。
公益法人の認定手続は第三者機関からの答申によって行われますが、一つの公益法人が複数の公益目的の事業を行いたいと思うことはよくあることであり、事業の変更若しくは新たな事業の付加に時間が掛かり過ぎるという批判がございます。例えば、介護福祉事業を行う法人が芸術系の事業を行うために事業を付加する場合などでございます。
私の地元の岩手県では障害者の方々のアートが非常に盛んで、皆さんすばらしい絵を描いて、これを洋服やインテリアなどの商品に使うことで大きな収益を上げている法人もございます。介護福祉事業を行う公益法人が芸術系の事業を行っているわけでございますが、現行の公益法人法によれば、芸術目的について改めて公益性の認定を受けなくてはなりませんでした。
しかし、今回の改正では、公益性に大きな影響のない事業の変更は、届出をすることにより柔軟、迅速な事業や組織の再編を可能にすることができると聞いております。これに対する民間の要請と新たな制度について、政府参考人にお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/8
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009・北川修
○政府参考人(北川修君) まさに御指摘いただきましたとおり、事業内容、公益法人が事業内容の変更をする際には事前に変更認定を受けなければならないということで、迅速、柔軟な事業展開がしにくいなどといった声をお聞きしてきたところでございます。
このため、今回の改正では、収益事業等の変更については事後の届出でよいものといたします。また、その公益目的事業についても、内閣府令で定める軽微な変更の範囲を見直し、公益目的事業の廃止や再編などについても軽微な変更として届出で足りる事項を拡大してまいりたいと思います、考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/9
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010・広瀬めぐみ
○広瀬めぐみ君 どうもありがとうございました。
いろいろとお話を聞いて、財産規律そして公益性の判断がより寛容になることで、抑制的になりがちだった公益法人の活動が活発になって、民間が公的な役割を担いやすくなると思っております。
非常に大きな改革になると思いますが、この改革が現在政府が進めている新しい資本主義の実現にどのようにつながるのか、内閣府大臣政務官にお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/10
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011・古賀友一郎
○大臣政務官(古賀友一郎君) 我々が目指しておりますこの新しい資本主義でございますが、これにおきましては、この社会的課題の解決に向けた取組を新たな成長のエネルギーと捉えまして、行政や企業に加えて公益法人など民間非営利部門が連携をいたしまして、社会的課題の解決を通じて国民の持続的な幸福を実現することを目指している、そういうことでございますので、今回のその法改正を通じまして公益法人制度を使い勝手の良い制度にいたしまして、この社会的課題解決に向けた民間の力を一層引き出すことによりまして、新しい資本主義の目指す国民の持続的な幸福の実現につなげていきたいと、こういうふうな考えでございます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/11
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012・広瀬めぐみ
○広瀬めぐみ君 どうもありがとうございました。
社会的課題の解決に向けて民間の力をしっかりと公的な側面でも発揮をしていただく、そういう趣旨というふうに認識をいたしました。
次に、公益信託法についてお聞きしたいと思います。
まず、信託制度ですが、日本では余りなじみがないと思います。例えば幼い子供に確実に財産を残す方法として、海外では頻繁に信託制度などが利用されております。例えば、祖母が信託銀行などを代理人として委託契約をし、毎年定額を受益者の孫に支払ってもらうなどです。このような方法だと、お孫さんの財産がしっかり守られ、税務調査のリスクも軽減します。
公益信託も仕組みは同じで、委託者が公益目的のためにその財産を受託者に管理、処分させ、受託者の専門性を活用して公益目的の実現を図る制度でございます。
しかし、現状では、主務官庁による許可や税制優遇を得るための制約が多いということを背景に、公益法人と比較して利用数が非常に少なく、信託件数は僅か四百件、信託財産額は五百億円のみです。
今回、どのような改正をもって公益信託を使いやすくするのか、政府参考人にお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/12
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013・北川修
○政府参考人(北川修君) 御指摘のとおりでございまして、公益信託は受託件数や信託財産の残額、残高の減少傾向が続いておりまして、活用が広がっていない状況にございます。これは、現行の制度が各省大臣の裁量で公益信託を認可、あっ、許可、監督するという主務官庁制のままでありまして、利用者から見れば不透明で使いにくい仕組みになっておることに原因があると考えております。
このため、今回、この主務官庁制を廃止いたしまして、一元的な行政庁による認可、監督制度を創設するとともに、認可の基準やガバナンスの規律を明確に法律に定めるということで、公益信託制度を透明性が高く、より使いやすい制度に改めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/13
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014・広瀬めぐみ
○広瀬めぐみ君 どうもありがとうございました。
最後に、今回の法改正によってかなりの改革の成果が見込まれると思います。法律施行の段階でも広報活動をしっかりと行い、公益法人を更に増やして民間の公的役割を増大していただきたいと思っております。それには大臣の力強いリーダーシップが必要だと思いますが、加藤大臣に意気込みをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/14
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015・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。
委員に御理解をいただけておりますとおり、今回の法改正は公益法人をより使い勝手の良い制度とするものでございます。新たな公益法人制度について、法人や経済界等との対話の推進や、またフォーラムの開催、さらにSNSによる情報発信、こういったことによりしっかりと広報や普及啓発をしてまいり、民間公益の活性化に向けて、私自身、リーダーシップを発揮して取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/15
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016・広瀬めぐみ
○広瀬めぐみ君 加藤大臣、どうもありがとうございました。是非、広報、よろしくお願いいたします。
時間が来ましたので、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/16
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017・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 立憲民主・社民の杉尾秀哉でございます。
まず、私から、今回の法改正に当たり、経緯を伺いたいと思います。
御存じのように、二〇〇八年、平成二十年に施行されました公益法人制度改革関連三法により現行の公益法人制度がスタートいたしました。先ほども話がありましたけれども、一般法人が簡便な手続で設立できるのに対して、税制上の優遇措置を受けられる公益法人は審査が厳しく、また、認定基準を満たせなくなると認定を取り消されるリスクもあるということでございます。
そこで、まず基本的なことなんですけれども、公益法人の現状についてなんですが、二〇〇八年法改正から現在までの一般法人の数と公益法人の数の推移、これを端的に説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/17
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018・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
現在の公益法人制度が施行された二〇〇八年当時、全国で公益法人数は約九千でございました。これが現在、直近では、二〇二三年十二月時点では九千七百十九まで増えております。一方で、一般社団・財団法人は、二〇〇八年当時は約一万六千の法人数でございましたが、二〇二二年十二月時点では七万六千八百二十三となっておりまして、公益法人数の増加率の方は小さいものとなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/18
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019・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 今説明がありましたけれども、一般法人はこの間に三・七倍に増えているんですけれども、公益法人は僅か七%しか増えていないんですよね。
どうしてこんなに大きな違いが出たんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/19
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020・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
一般法人から公益法人になるものの割合が減少しているということに関しまして、民間団体の調査結果では、公益法人になって苦労している点というアンケートに対しまして、収支相償原則や行政による監督のために事業活動が制限される、また、定期的に行政に提出する書類の作成負担が大きいといったこと、声が上がっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/20
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021・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 今御説明いただいたようなことが今回の法改正の背景にあるバックグラウンドだという認識だと思うんですけれども、この間、二〇〇八年から二〇一八年、十年後なんですけれども、この間に実は公益法人で不祥事が相次いで、そこでもって、二〇一八年に公益法人のまずガバナンス強化に関する有識者会議というのができましたよね。
この会議、有識者会議でどういう方向性が示されたのか、説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/21
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022・北川修
○政府参考人(北川修君) 御指摘の令和二年の有識者会議でございますが、これは、御指摘のとおり、公益法人の不祥事が続いていた実態や他の法人類型におけるガバナンス強化の動向を踏まえまして、国民の公益法人への信頼をより一層高めるため、外部理事の設置等といった制度上の措置、また、法人の自主的、自律的な取組を一層促す運用上の工夫が必要であるとの方向性が示されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/22
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023・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 いろいろその公益法人の数が増えない理由の中に、一つは公益法人に対する国民の信頼性が高まっていない、だからガバナンスを強化しようという議論がまずあったわけですよね。
ところが、二〇二一年秋に岸田政権がスタートすると、今度は別の視点から会議体がスタートしたわけです。新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議、こういう名前に変わっているんですけど、全然別の会議体なんですけど、そこで行われた議論の要点、それから最終報告の中で示されたポイント、これを説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/23
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024・北川修
○政府参考人(北川修君) 御指摘の新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議が昨年六月に最終報告をまとめましたが、この中では、公益法人がより国民からの信頼を得ながら、自主的、自律的な経営判断で公益活動を迅速、柔軟に展開していくことができるよう、四点ほどありますが、財務規律の柔軟化、明確化、そして行政手続の簡素化、合理化、そして透明性の向上、また、外部理事などガバナンス充実のための仕組みの導入といった改革の方向性が示されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/24
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025・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 今四点の御説明ありましたけれども、今回の法改正はこの最終報告が柱になっているということなんですが、これ、今までの経過について少し説明してもらったんですけれども、最初はガバナンスの強化から始まった議論が、どちらかというと、ガバナンス強化は過度な事務負担や行政庁の関与を招いて民間の公益活動を阻害しかねないということで、こういうふうなことに議論が変わっていったんですよね。
幾つか疑問があるんですけれども、有識者会議の最終報告でも、岸田総理肝煎りの、先ほど広瀬委員触れられましたが、新しい資本主義の実現に資するという言葉が何度も出てくるんですよね。ところが、その肝腎要の新しい資本主義が何たるかということははっきり分からないまま、元々、だってこれ、新自由主義からの決別とか分配を強調していたはずなのに、いつの間にかそれが投資に変わったり、何が新しい資本主義だか分かんなくなってきていて、もう一回整理してほしいんですけれども、今回の法改正と新しい資本主義の関係って、これ一体全体どうなっているのかということを説明いただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/25
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026・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。
新しい資本主義と今回の制度改革の関係ということでありますが、今回の公益法人制度改革は、新しい資本主義が目指す、民間も公的役割を担う社会の実現に向け、公益法人の財務規律や行政手続を柔軟化、合理化し、より民間が使いやすいものとする、そうすることによって民間による公益活動の活性化を目的としております。
民間公益活動の活性化に当たりましては、公益法人への国民の信頼性、これも高めて、より一層寄附等を呼び込んでいくことが大変重要になってまいります。そのため、公益法人の透明性やガバナンスの向上、これもまた不可欠でありまして、今回、外部理事、監事の導入や法人情報の一元的公表等、法律上の措置も強化するものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/26
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027・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 民間による公益活動の活性化が目的だということなんですが、これだったら民主党政権のときの新しい公共と私は何も変わらないと思いますよ。何が新しい資本主義なのか。だって、そもそも岸田総理は新しい資本主義なんてもう一切言わなくなったじゃないですか。ちょっとここのところは私は一つ分からなかったのと、もう一つ、ガバナンス強化の視点がこれ弱くなっていないですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/27
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028・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) 重なるところもございますけれども、民間も公的役割を担う社会、これが今回、新しい資本主義が目指す社会と今回の制度改革の中での重なるところであると考えてございます。
そして、ガバナンスの強化が弱まっている、弱まっていないかという御心配、御懸念でございますが、そのようになってしまっては、先ほども申し上げましたけれども、国民の信頼を損ねてしまって、寄附等を呼び込んで更なる活性化ということはできなくなってしまいますので、しっかり民間の力も、しっかり社会課題の解決に一緒になって取り組んでいこうというこの今回の法改正でございますので、しっかりと信頼を高めていくための外部理事、監事の導入ですとか法人情報の一元的公表等、こういったガバナンスの強化に資する法律上の措置もしっかりと組み込んでいるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/28
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029・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 後でガバナンスの話をしますけれども、今、外部理事、監事の導入という話されましたけど、外部理事、監事の導入ではこれガバナンスの強化につながらないというのは後でちょっと相撲協会を例に取って質問したいと思います。
ちょっと法案の中身について聞きますけれども、まず、先ほど御紹介しました有識者会議の最終報告書、インパクト測定・マネジメントの普及啓発に向けて官民連携した取組を進めると、こういうくだりがございます。公益法人が社会にどういう貢献をしているか可視化すること、それから社会にそうしたことを発信するということはとても確かに重要だと思いますけれども、じゃ、政府として具体的にどういう取組を行っていくんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/29
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030・北川修
○政府参考人(北川修君) 公益活動が社会に及ぼしたインパクトを把握し、事業改善に生かすインパクト測定・マネジメントについては、国民から寄附等の支援を幅広く呼び込んでいくための情報開示としても重要なものであると考えております。
このため、インパクト測定・マネジメントが公益活動の現場に広く浸透し、定着していくことができるよう、公益法人行政におきましても、先進的な取組事例を収集、分析し、公表してまいるなど、法人への普及啓発を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/30
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031・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 先進的な取組事由をこれから公開していくということなんですけれども、それでちょっと法案の中身に入っていきますね。
先ほど話がありました収支相償原則なんですが、現行の規定では公益目的事業の実施に要する適正な費用を償う額を超える収入を得てはならないと、こういうふうにされていると。この収支相償原則、これまでのような単年度の収支差ではなく、中期的に均衡を図る趣旨を明確化すると、これが今回の改正のポイントの一つということで先ほど質疑がありました。
ここで言うその中期的というのは五年間と、こういう答弁でしたけれども、なぜ五年間なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/31
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032・北川修
○政府参考人(北川修君) 五年でございますが、一つには、コロナ禍の経験を踏まえまして、コロナ禍で生じたような損害、損失を平準化するのに必要な期間として五年程度は相当であろうということ、それから、企業の中期経営計画や独立行政法人の中期計画ございます、こういったものでも経営のスパンとして五年というのは割と広く見られるところでございますので、これらを併せて五年が相当ではないかと考えたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/32
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033・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 会社それから独法等が大体五年間をめどにしている、それに倣ったという理解でいいということですね。
そして、ただ、やはりその中期的、これを単年度ということではなくて、中期的なその均衡ということであっても、そもそも基本的に公益法人はもうけちゃいけないんだと、黒字はいけないんだと、こういうことがやっぱり一般認識としてあるわけなので、これ、中期的に変えてもやっぱり根本的な課題解決にはならないと思うんですけど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/33
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034・北川修
○政府参考人(北川修君) 今回の改革により、公益目的事業で黒字を出すこと自体が否定されるものではないということを明確化いたします。公益目的事業において黒字が出た場合は、その先の中期的な期間で費消したり、あるいは将来の事業拡大のための資金積立てに充てる、公益充実資金という制度でございますが、に充てるなど、公益目的事業のためにその黒字を活用していくことができるというふうにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/34
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035・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 じゃ、もうけちゃいけないんだ、黒字を出しちゃいけないんだという、こういう概念ではないという、そういう理解でよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/35
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036・北川修
○政府参考人(北川修君) もうけるという言葉の意味ですが、収支の余剰を生み出して、それを株主やらに分配するという意味でのもうけるということは、非営利公益法人でありますのでできませんですけれども、収支差、黒字を生み出して、それを将来の公益事業の拡充や不測の事態に備える予備の資金としてその収支差の黒字を留保しておくということは許容されるということを法律上明確にいたすものです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/36
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037・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 公益法人協会というのがありまして、去年の十二月二十六日、末ですね、大会を開いてそこで声明出しているんですけれども、こういうくだりがあります。基本的に今回の法改正の方向性には賛同するということなんですが、しかしながら、今般の改正は公益の増進及び活力ある社会の実現という目的には残念ながら十分ではないというふうに言っておりまして、この収支相償原則について最終的には撤廃に向けて活動すると、こういうくだりがございます。
これ、今回は単年度を中期的ということなんですけど、将来的にこの公益法人協会が言っているような中期的という枠を外していく、こういうこと、可能性あるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/37
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038・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
収支相償原則、これは中期的な収支均衡に改めますが、公益法人の公益性や信頼性、また公益法人に認められている税制優遇措置の前提ともなっておるものでございます。この前提となっておるものを完全撤廃すべきという御指摘あること、それは重々承知しておるところでございますが、こうした財務規律の趣旨や公益法人への信頼性に対する国民の声などを踏まえた慎重な検討が必要であると考えております。
まずは今回の財務規律の見直しを行った上で、その効果を分析し、必要に応じて関係者と協議するなど、引き続き丁寧に対応していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/38
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039・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 まずは今回五年間という、その中期的という、こういうめどを設けて、まずは動かしてみて、その効果を分析をして、将来的には撤廃という可能性も含めて検討していくと、こういうことでよろしいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/39
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040・北川修
○政府参考人(北川修君) 可能性はアプリオリに否定されるものではないとは思います、考えますが、税制優遇措置の前提となっておるという立て付けもございますので、そこは幅広く、関係者、公益法人の皆さんも、また公益法人以外の国民の皆様の声も聞きながら慎重に検討してまいりたいと思います、考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/40
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041・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 慎重に検討するということでした。
それからもう一つ、これも先ほど話していました遊休財産の保有制限についてなんですけれども、公益目的事業以外の具体的な使途が決まっていない、これまでは遊休財産というふうに言っておりましたけれども、今回は使途不特定財産というふうに名称を改めて、コロナの話もありましたけど、災害やコロナなど予見し難い場合に備えた公益目的事業継続予備財産、こういう概念をつくって算定対象から除外をすると、こういうことになりました、なります。
その上で、保有の上限について、有識者会議の議論の過程では、公益目的事業の三年分に見直すべき、これは議論の過程ですよ、という意見が何度かこの公益法人協会の代表からも出されているんですけれども、今回の法改正、それからその前段の最終報告でも、三年分じゃなくて一年相当分に上限を維持、現状の上限を維持するということになります。この理由、何でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/41
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042・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。
災害等の予見し難い事態において各法人が必要となる予備的な財産の額というものは一律ではなく、多種多様な事業実態に応じて異なってまいります。
このため、上限を単に事業費一年分から三年分へと引き上げるのではなく、法人が自らの事業内容などに照らし、必要な財産を一年分の上限を超えて確保ができるよう、合理的に説明し、公表した財産、これを予備財産として保有できると、そのようにしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/42
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043・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 この最終報告では、上限額を超過した場合、超過した場合の取扱いを見直す方針ということが書かれておりますけれども、これ、今後具体的にどういうふうに見直していくんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/43
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044・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) お答えを申し上げます。
今回の改正では、使途の定まっていない財産の保有上限につきまして、災害や感染症蔓延等の予見し難い事態において公益目的事業を継続するための予備財産をその対象から除外することとしております。
これにより、今後、法人の経営判断で予見し難い事態において必要となる財産を確保しやすくなり、より安定した法人運営を行うことができるようになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/44
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045・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 公益法人協会の、先ほどから何度も紹介しておりますけれども、今回の法改正、一定の評価をしつつも、より一層自由な資金確保と活用が可能な制度の実現を求めていくと、こういうことを法人協会では言っているわけですね。
こうした要望を踏まえて、政府として、公益法人の一層の経営安定化に向けてどのように具体的に、今回の法改正を含めてなんですけど、施策を進めていくおつもりなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/45
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046・北川修
○政府参考人(北川修君) 今回の改正では、公益法人協会様も含めまして、公益法人の方々の声を踏まえて、法人の経営安定化に資するよう、使途不特定財産の保有制限を大きく見直しているものでございます。
三倍という声もありますが、合理的な説明が付くものであれば四倍、五倍になることもあり得るわけでありまして、そこはガラス張りにして説明責任を果たしていくということでございます。
ですので、今回の見直しを行った上で、その効果や法人がどういう実態となるのかということを分析して、関係者と幅広く、関係者と協議もいたしまして、更なる見直しというものが必要であるかどうかということを慎重に検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/46
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047・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 有識者会議の最終報告に関する公益法人協会のアンケート調査を見ると、先ほどからずっと聞いておりますけれども、財務規律の柔軟化、明確化について、評価しないという意見それから評価が難しいという意見が合わせて四二・八%、半分近くもありまして四三%弱。
今回の法改正について、先ほど十分に聞くというふうにおっしゃいましたけれども、公益法人側の理解を十分得られている状況では私はないというふうに思うんですね。内閣府令などこれから下位法令を検討するに当たっては、こうした協会も含めた幅広い意見を慎重に聞いていただきたい。
それからもう一つ、これ、労働組合の側も意見を出しているんですけれども、財源の自由化が労働条件の向上につながるということで、基本的に労働組合側も方向性自体は反対はしていないわけですけれども、法人間の格差が、その大きな法人と小さい法人によってこれ格差がかなり広がっていくんじゃないか、こういう懸念の声もあります。
政府として、こうしたその働く人たちの立場、こういう法人でですね、これをどういうふうに考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/47
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048・北川修
○政府参考人(北川修君) ありがとうございます。
まず、公益法人協会さんのアンケートに関してちょっとコメントいたしますと、確かに、財務規律の内容がちょっと具体化してきたことでちょっと難しいと思われる向きが増えた可能性はございますが、改革全体の評価といたしましては、否定的評価一五・六%に対して肯定的評価六五・六%となっており、一定の御理解は得られているものと考えております。
次に、労働条件の話でございますが、公益法人といっても民間法人であります。民間法人でありますので、職員の労働条件ということは、労働法規を遵守しつつ、それぞれの法人において自律的に実情に応じてお決めになるものであると考えております。
今回の改正で、御指摘のとおり、法人の経営の自由度は拡大することになりますが、それぞれの法人の経営判断によって、その公益活動を担う人材を確保していくために一層魅力的な労働条件や勤務、職場環境の整備を図っていただくことを期待しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/48
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049・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 今回の法改正の中身についてはこれぐらいにします。公益法人の事務負担、先ほども少しありましたけれども、今回は三区分経理が原則義務化されるということで、この負担軽減策について、大きなところはいいんですけれども、小規模法人へのいわゆる負担軽減策ですね、これ検討する旨の、最終報告の中にも基準がありますので、これについては具体策を検討していただきたい、これは要望にとどめておきます。
そこで、公益法人のガバナンス改革ということについて聞きたいんですけれども、具体例を先ほど冒頭に触れましたけれども、相撲協会の不祥事をちょっと具体例に考えてみたいんですが、暴力事件が後を絶たないんですね。先月の二十八日、これつい先日のことですけれども、日本相撲協会が理事会を開いて、史上最多優勝の大記録を樹立した元横綱、皆さんもよく御存じの白鵬が率いる宮城野部屋の閉鎖を決めました。
なぜ相撲協会、公益法人です、暴力事件が後を絶たないのか、根本的な解決策が図られていないんじゃないか、こういう声がありますけれども、これ所管の官庁が文科省、スポーツ庁になると思いますが、答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/49
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050・橋場健
○政府参考人(橋場健君) お答えいたします。
スポーツ界におけるガバナンスの確保等については、これまでもスポーツ庁において、スポーツ団体ガバナンスコードを策定し、その遵守について周知徹底を図っています。
そうした中で、公益財団法人日本相撲協会において今回のような暴力事件が起こったことは非常に残念です。同協会に対してはスポーツ庁からもヒアリングを行い、同協会のコンプライアンス対策や再発防止策について報告を受けたところですが、相撲においては不祥事が続いていることから、暴力行為の禁止を含め、いま一度同協会におけるガバナンスの確保やコンプライアンス対策の徹底を求めているところです。
また、御指摘のございました宮城野部屋の個別具体の取扱いについては、同協会が自らの責任において適切に判断すべきものと考えておりますが、社会の関心も高く、その説明責任を果たすことが重要であると考えています。
本件については、同協会としても、報道各社に報道発表するとともに、取材にも対応していると報告を受けていますが、今後も丁寧な説明を行っていくよう引き続き適切な対応を求めてまいります。
今後とも、スポーツ庁としては、本事案も含め、スポーツ界全体のガバナンスの確保やコンプライアンス対策の徹底に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/50
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051・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 そういう指示をしていると言うんですけれども、これ今朝のニュースなんですが、もはや相撲協会による白鵬いじめだと、宮城野部屋に下った異様な閉鎖処分への強烈な違和感という、こういう見出しの今朝の記事なんですが、これ、暴力事件で部屋の閉鎖というのは初めてだと私は聞いております。処分の基準自体が極めて曖昧。そもそも、公益法人というのは自律的なガバナンスの充実を求められているわけですけれども、これができていないからこういうことになっているんじゃないですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/51
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052・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
御指摘のとおり、相撲協会、公益法人でございます。公益法人でございますので私どもも関心を持っておりまして、実は平成三十年に似たような暴力事件があったときに、我が公益法人行政におきましても報告要求を行いました。暴力事案がありましたので、公益法人認定法第二十七条に基づいて報告要求を行いましたところ、協会の方から、今後の再発防止策についてを講じるという報告を受けたところでございます。
現在報道されている暴力事件等については、平成三十年に報告された再発防止策、これが適切に実行されているか注視してまいりたいと思います。再発防止策がもし有効に機能していないような状況にあり、事業の公益性自体が疑われるようなことがあるのであれば、これはまた再度の報告要求を行い、監督措置を適切に講じてまいりたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/52
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053・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 公益法人法二十七条に書かれております報告要求、これを場合によってはまた求める可能性があると、こういう理解でよろしいですね、じゃ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/53
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054・北川修
○政府参考人(北川修君) まずは、前回も報告要求を行いましたので、そこで示された再発防止策というものが有効に機能しておるのかどうかということを注視した上で、もしそうでないよということであれば再度の報告要求も行うことも検討します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/54
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055・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 先ほどスポーツ庁は、説明責任を果たさせるよう促したと、こういうふうな答弁がありましたけれども、今回記者会見していないんですよ、全然、全く。必要な説明責任、果たしていないんじゃないですか。しかも、その取材に答えたみたいなことをおっしゃっていますけど、ちゃんとした記者会見じゃなかったら取材にならないですよ。
これ、スポーツ庁としてこういう在り方でいいんですか、本当に。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/55
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056・橋場健
○政府参考人(橋場健君) お答え申し上げます。
繰り返しになりますけれども、私どもが作っておりますガバナンスコードを踏まえまして、引き続き、そのコンプライアンスの徹底、ガバナンスの確保を求めるとともに、必要に応じた説明を求めるということで、私どもの方からも引き続き相撲協会の方にも対応していくということでございますので、御指摘の趣旨も踏まえて引き続き対応してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/56
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057・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 というふうにおっしゃるならば、これ、最低限、記者会見させてください。お願いします、監督官庁として。
これ、元々の今回の法改正につながる話なんですけれども、先ほど来出ております公益法人法の二十七条、立入検査というのがありますけれども、有識者会議の最終報告では、現行の定期的、網羅的な立入検査、この見直しというのが盛り込まれています。これ、アンケートを見ても、確かにこれが負担だと、こういう公益法人側の意見もあるようです。
ただ、この中で、着実、迅速な情報収集で機動的、集中的な立入検査を実施するというふうに言うんですけれども、今の相撲協会の例を見ても、着実、迅速な情報収集ができているとは思えないし、これ、立入検査、こんなことで本当にできるんですか、どうですか。今回のこの法改正とこれからの方針を含めて御説明ください、内閣府。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/57
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058・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。
今般の制度改革により、公益法人の透明性やガバナンスの向上を図り、社会的な監視機能や法人の自浄機能、これを高めることとしており、法人内外からの通報や情報提供が活発化することが期待されます。
もたらされた情報をしっかりと有効活用して、着実、迅速な事実把握を行い、不適正事案の端緒をつかんだ法人に対しましては機動的、集中的な立入検査、これを行ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/58
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059・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 内部通報という話がありましたけれども、これ、組合側もそういうことができるような組織であってほしいということを意見として述べておられます。
それから、冒頭に大臣も触れられました外部理事、外部監事の導入なんですけれども、私も相撲協会の組織図を見たんですが、外部理事もいますし、外部監事もいますし、評議員の半分はやっぱり外部の方なんですよ。こういう、これまで、これ公益認定に結構時間が掛かっているんで、一応こういう体制は整えているんですけど、体制整えてもこんな有様なんですよね。
本当にこれが有効に機能するかどうかということを含めて、私は、過度な行政庁による監督、その監視というのはこれは私はよくないと思うんですけれども、適切な監督権限の行使というのは当然あってしかるべきだと先ほどから何度も言っています。これについてどういう考え方でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/59
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060・北川修
○政府参考人(北川修君) ありがとうございます。
おっしゃるとおりでございまして、今回の制度改革によって、まず法人の透明性を向上し、いろんなところからウオッチされるようにする、法人のガバナンスも高めることを推進していくと、促進していくと。と並びまして、それでもやはり不祥事、不適正事案発生するわけでございますので、そこは、行政の事後チェックというのは今よりもより実効的な強化を図ってまいりたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/60
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061・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 実効的な事後チェックを図っていくと言うんですが、じゃ、もう一つ聞きますよ。
東京五輪の組織委員会なんですけれども、経費の膨張、汚職事件、談合事件、それから、とにかく数限りなく、まあ入場式もあったと思いますけれども、とにかく、あのスタジアムのことも含めて数限りなく不祥事が続いたわけですよ。しかも、汚職事件は今公判中ですけど、談合事件まであったわけですよ。これ前代未聞の事態、これも公益法人ですよ。
なぜこれほどの公益法人でありながらガバナンスの不全を招いたのか、政府としての検証、調査というのはできているんですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/61
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062・橋場健
○政府参考人(橋場健君) お答えいたします。
東京大会における一連の事案を受けまして、スポーツ庁を中心にプロジェクトチームを設置し、本プロジェクトチームの作業チームにおいて関係者へのヒアリング等を通じた調査分析を行い、昨年三月に利益相反の管理等に関する観点なども含めた今後の大規模大会の運営のための指針を策定したところです。
また、大会の開催都市としての責任を果たす立場にあった東京都においても調査チームを設けて、都から派遣された職員や組織委員会の元幹部などへの聞き取りも含めガバナンスやコンプライアンス等の状況を確認するとともに、有識者による課題分析や、課題整理や分析、今後に関する意見などを取りまとめ、昨年七月に談合に関する報告書を取りまとめております。
この報告書では、例えば、出向者、出向元との利益相反に関する規定、基準が定められていなかったなどの課題を挙げ、受託企業からの出向者が契約手続に関与しないようにする組織体制を構築し、出向者の権限の範囲を明確化する必要に関して言及されるなど、課題と今後の方策に関してまとめられているところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/62
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063・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 私は、この検証が十分ではないというふうに思います。再発防止策ということでこれからのことを言っていますけれども、なぜこういうことが起きたのかという分析が私は全く不十分だというふうに思っているんです。まともな調査ができていないと私は思うんですけれども。
そこで、今回の法改正に先立つ、先ほどから何度も紹介しております有識者会議の最終報告を見ると、透明性向上のため開示情報の充実を進めると、こういうくだりがございます。今回、内閣府令で手当てをされるとされる開示情報の充実の中に透明性の確保が必要な取引情報というのが書かれてありますけれども、これは具体的に何を指しているんでしょうか。そして、こうしたことで実効性というのは本当に保てるんでしょうか、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/63
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064・北川修
○政府参考人(北川修君) 御指摘いただきました有識者会議の最終報告では、新たに開示の拡充を検討する情報として挙がっていますのが、理事会での承認が必要な役員の利益相反取引、また、法人と密接な関係を有する特別の利益供与が禁じられている者との取引、また、役職ごとの役員報酬などがこの最終報告に示されておることを踏まえまして、国民からの信頼確保を一層図るべく、また個人情報の保護等にも配意し、配慮しつつ、開示情報の拡充を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/64
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065・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 利益相反、例えばですね、のケースの、例えば役員とかのこの情報の開示なんですけど、まさに東京オリンピックの、今公判中であります高橋被告がこれ利益相反だったわけですよね。こうした情報が本当に適切に開示されていかなければ、やはり同じ不祥事というのはまた起きるというふうに思います。
そもそも、この法人自体はもう解散されていますけれども、公益法人が情報公開制度の対象外で、今から、例えばどういう入札があって、内部的なこの経費の膨張がまさにそうなんですけど、検証しようと思っても、情報公開が制度のらち外にあるんで検証できないという根本的な問題があるんですけど、情報公開の対象に公益法人も入れるべきなんじゃないですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/65
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066・河合暁
○政府参考人(河合暁君) ただいま御指摘がございましたとおり、現行の情報公開制度による文書の開示請求手続でございますが、行政機関のほかに独立行政法人等が対象とされているわけでございます。これは、国民主権の理念にのっとり、一義的には、政府が国民に対しその諸活動を説明する責務が全うされるようにすること等に加え、行政機関と同様に扱うことができる法人についてもその諸活動について国民に対する説明責務を有すると考えられることから、同様の文書開示請求手続を整備しているものでございます。
一方で、公益法人につきましては、行政機関と同様の制度は設けられておりませんけれども、これはあくまで民間の法人でございますから、独立行政法人等とは同列に考えることはできないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/66
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067・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 確かに民間の法人ではあるんですけれども、これ、今回の法改正にも、先ほどから何度も答弁をされておられますように、内閣府として透明性の向上に取り組むというふうに言っているわけでしょう。だから、情報公開制度の対象外ではあるけれども、こうした透明性の向上のためには適切な情報公開ってすごく重要なんじゃないですか。しかも、後で検証できるように、何かあったときに、こういうふうにすべきなんじゃないですか。これ、内閣府に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/67
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068・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
御指摘のとおりでございまして、今回の制度改革では、公益法人行政の観点から公益法人の透明性の向上を図るべく、公益法人に透明性やガバナンスの向上を図る責務があるということを法律に新たに明記いたしました。また、この情報開示等の公益法人の取組を国も支援するというふうにも規定いたしました。こういったこと、こういった責務規定を実現していくために、公益法人の開示情報の更なる拡充を検討してまいります。
もう一点ありまして、行政庁が公益法人から提出を受けた情報というのは、行政庁において一元的にホームページで分かりやすく公表するということも今回の制度改革で進めてまいりたいと考えております。これらを併せまして、更なる透明性の向上を図っていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/68
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069・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 開示情報の拡大ということもありました。それから、そのホームページ上で一覧、一律に見られる、こういう取組は更に力を入れて進めていただきたいというふうに思います。
残りの時間は公益信託制度について伺います。
実は、一九二二年以来、ちょうど百年ぶり、百二年ぶりの改正ということなんですね。先ほど広瀬委員からの指摘もありましたけれども、三月末時点での公益信託の受託件数三百八十五件、財産総額が五百五十四億円、しかも三分の一の信託目的が奨学金なんですよね。件数も少ないし分野もまだまだ狭いということなんですけれども、これ、政府としてどういうふうに取り組んでいくつもりですか。件数を増やす、それからより多様な分野での活用、この二点について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/69
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070・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。
現行の公益信託におきましては、事実上、信託財産は金銭に、受託者は信託銀行に限定されていることから、委員御指摘のとおり奨学金助成が多いという状況にございます。
今般の制度の見直しで信託財産や受託者の範囲を拡大することで、公益法人やNPO法人が美術品や歴史的建造物の維持管理を行うなど、多様な公益信託が生まれることを想定しており、新たな民間公益のツールとして広く活用されるよう積極的に周知、広報を行ってまいりたいと、このように考えております。
また、数についてでございますが、信託の数、信託が減少傾向にある要因と……(発言する者あり)失礼しました。公益法人の数ということで……(発言する者あり)はい、分かりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/70
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071・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) 発言は委員長の指示でお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/71
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072・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) まず、現時点の答弁、ここまでとさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/72
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073・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 まだ減少のところまで話していないんですが、公益法人は、先ほども言いましたように七%なんで、やっぱり微増なんですよね。公益信託の受託件数に至っては、今ちょっと大臣が一部答弁されようとしましたけど、二〇〇二年、これ二十二年前ですけど、五百七十二件。これでピークなんですよ。そして、ずっと下がり続けて、去年は三百八十五件まで減っているんですけど、公益信託について伺いますけれども、なぜこんなに減っていっているのか、この理由を政府としてどういうふうに分析しているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/73
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074・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。
減少傾向の要因でございますが、公益信託の件数が減少しているのは、各省大臣の裁量で許可する主務官庁制の下、不透明で使いにくい仕組みとなっていること、また、バブル崩壊後の低金利により信託財産が取り崩される傾向が強くなり、信託の終了が増えていることといった要因があったものと考えております。まず、要因としてはそのように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/74
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075・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 今回、こうした要因を取り除くための法改正だというふうに認識しておりますが、公益法人もやっぱり思ったほど増えていない。今回の法改正で当然、政府としては法人数もやっぱり増えることを見込んでいると思うんですね。
まず、公益法人数、どれぐらいの増加を見込んでいるのか答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/75
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076・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) 今般の改革は民間公益の活性化を図るものでありまして、公益法人数を増やすことのみを目指すものではありませんが、財務規律の柔軟化や行政手続の簡素化、事務負担の軽減を図ることで、公益法人になって一層積極的に公益活動を展開したいと思っていただける方が増えることを期待しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/76
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077・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 それから、減り続けている公益信託、これ、どれぐらいまで伸ばしたいと考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/77
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078・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) こちらも、数のみということ以上に、今般の見直しによって、先ほど申し上げた課題、減少傾向にある課題、これをしっかりと取り除いていくことが重要だと考えておりまして、主務官庁制の廃止等、使い勝手の良い制度と改めることで、現在の減少傾向を反転して過去ピークを上回るよう精力的な普及や啓発、これにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/78
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079・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 具体的な数はおっしゃっていただけなかったんですが、まあ数が増えればいいというものじゃないと思うんですけれども、公益法人の、ごめんなさい、公益信託の減少について、これ、寄附金収入が一二%程度に今とどまっているということなので、やっぱり寄附金文化というのがまだまだやっぱり日本には根付いていないというのが大きな背景としてあるかなと。
やっぱりこの寄附金文化をどうやって醸成をしていくのかということと、それから制度の認知度を上げるということ、それから最後に、時間が来ましたので終わりにしますけれども、民間も公的役割を担う社会の実現というのは極めて重要ですが、じゃ、民に任せればいいのかということでは必ずしもないというふうに、これでもって、その公、公が縮小していくのではなくて、よりその公、公の充実につなげていく必要があるんだというふうに思います。そうした車の両輪があってこそ初めてこの制度が生きるんだということを申し上げまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/79
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080・宮崎勝
○宮崎勝君 公明党の宮崎勝です。よろしくお願いします。
まず、今回の法改正の意義についてお伺いをしたいと思います。
先ほど来出ておりますけれども、今回の法改正の経過で、令和五年六月に閣議決定をいたしました新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画二〇二三改訂版ですけれども、ここでは、公益法人また公益信託の改革によって社会的課題の解決が促進され、新しい資本主義が目指す民間も公益を担う社会の実現に貢献する効果が期待できるというふうにされているところでございます。
そこで、今回の公益法人、公益信託制度改革の意義と、またどのような社会的課題の解決につながると考えているのか、まず、加藤大臣の御認識をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/80
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081・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。
社会的課題の解決には、今、行政や営利企業のみでは限界があり、公益法人など民間の公益活動が重要となってございます。少子高齢化、地域社会の疲弊、環境問題など、対応すべき社会的課題は複雑化し、日々新たな課題が生まれております。公益法人制度及び公益信託制度をより使い勝手の良い制度に改めることで、民間公益の活性化を図ることを目指し、しっかりと改革を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/81
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082・宮崎勝
○宮崎勝君 その上で、先ほどの新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画では、富裕層からインパクトスタートアップへの寄附性の高い資金の流れを拡大するため、公益法人によるインパクトスタートアップへの出資や助成を促進すると、そのために公益法人や公益信託制度を改革するとしております。
今回の制度改革によって、このインパクトスタートアップ、社会的起業に対する出資や助成が促進されるという理由をまずお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/82
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083・北川修
○政府参考人(北川修君) 今回提出させていただいております公益二法案によりまして、公益法人や公益信託が共により柔軟、迅速に事業展開を行えるようになるということで、インパクトスタートアップへの新たな助成等の支援を促進される効果があるものと考えております。
また、インパクトスタートアップ自らが公益信託の受託者となって公益活動を行うという道も可能となってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/83
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084・宮崎勝
○宮崎勝君 そこで、まず、公益信託について何点か確認及び質問をさせてもらいたいと思います。
先ほど杉尾委員からもありましたけれども、公益信託については、受託件数が約四百、公益事業費が年間三十億円、あと信託財産が五百億円とされております。これまで活用が進まなかった理由として制度の使い勝手が、悪さということが指摘されておりますけれども、私はその背景としてやはり我が国の寄附文化が醸成されていないということもあるかと考えております。
この寄附文化の醸成に向けた取組ということについて、まずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/84
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085・北川修
○政府参考人(北川修君) 寄附文化の醸成のためには、まず一点目として、寄附をしたくなるような公益的な活動自体が増えること、そして次に、その活動の成果が広く国民に知れ渡ること、さらに、寄附の使い道や活動主体の信頼性というものについて情報開示が進むことといったことが重要になると考えております。
公益信託制度の改革や公益信託、新しい公益信託の積極的な広報活動によりまして、国民や企業からの寄附を一層幅広く呼び込み、寄附文化の醸成につなげてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/85
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086・宮崎勝
○宮崎勝君 寄附についてはまた後ほど触れたいと思います。
引き続き公益信託についてお伺いしますけれども、今回の法律によりまして、信託事務や信託財産の範囲については、公益信託の認可審査基準等によって事実上、これまでは助成など金銭の給付に限定をされてきたというふうに承知しております。これを不動産などにも拡大する理由と、不動産等に拡大した場合に想定される活用方法などについてはどうなるのか、御説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/86
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087・北川修
○政府参考人(北川修君) 御指摘のとおりでございまして、現行制度では、不動産は、現行制度では公益信託の信託財産としてはできません状況でございます。これを、不動産も活用して、不動産を拠出して公益、社会的課題の解決につなげるという、民間の力を一層引き出していくという観点から、不動産も信託可能としようとするものではございます。
具体的には、不動産を公益信託できるようにすることによって、例えば、高齢者が、相続人がいない家屋を信託財産として安価で住居を提供するですとか、歴史的な建造物などをも信託財産として拠出して保護をするといったことが想定されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/87
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088・宮崎勝
○宮崎勝君 次に、公益信託の受託者ですけれども、これまでは事実上信託銀行に限定をされてきたわけですけれども、今回の法律によりまして公益の増進のために活動する担い手にも拡大されることとなりました。その理由を御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/88
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089・北川修
○政府参考人(北川修君) 御指摘のとおりでございまして、現行の制度では受託者はほとんどが信託銀行となっておりますが、民間の力をより社会的課題解決に引き出していくという狙いから、社会的課題に取り組む公益法人やNPO法人など様々な民間主体がその持てるノウハウを生かして公益信託の受託者として担うということで、より多様なニーズに即した、金銭だけでなく、多様なニーズに即した公益活動を展開することができるようになり、民間公益の活性化に資するものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/89
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090・宮崎勝
○宮崎勝君 そういうことで拡大をされるわけですけれども、その上で、この受託者の条件ですけれども、法律では、公益信託事務を適正に処理するのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有する者とされております。詳細はこれ内閣府令で定めるということと承知しておりますけれども、この具体的な内容はどうなっているのか、また具体的にどのような人をこの受託者として想定をしているのか、ちょっとそれについても御説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/90
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091・北川修
○政府参考人(北川修君) 御指摘の経理的基礎及び技術的能力という要件につきましては、公益法人の方でも既に認定基準とされておりまして、運用の蓄積もございます。法人の方では、経理的基礎として、財政基盤の明確化、経理処理、財産管理の適正性、情報開示の適正性といった観点で見ております。
これから、公益信託の経理的基礎及び技術的能力の具体的基準でございますが、公益法人と整合的な形で具体的に類型に応じて整理し、内閣府令及びガイドラインで策定することを検討しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/91
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092・宮崎勝
○宮崎勝君 事前の御説明いただいたとき、基準を満たせば営利企業でも受託者になれるということでありますけれども、株式以外の、株式会社以外の持分会社であるとかあるいは特例有限会社については、決算公告の義務がなくて、財務書類に関する監査も受けていないものもあり、法人としてのガバナンスにも幅があるというふうに思います。
公益信託の受託者については、公益信託に限った財務書類の公表ではなくて、受託法人などの事業全体について財務書類等の一般への公表を条件とするなど、社会に対する透明性を高めてガバナンスが確保されるようにすべきではないかと考えますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/92
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093・北川修
○政府参考人(北川修君) 公益信託の認可に当たりましては、まず、受託者にその公益信託の事務を適正に処理できるだけのガバナンスや能力があるか、また二点目、信託管理人が独立した立場で適正に監督を行う能力を有しておるかなどを客観的な資料に基づいて審査していくものといたします。その際に、公益信託を担うに足る法人であるかについて、法人の事業、財務情報等が適切に公表されているかなどガバナンスの透明性が確保されていること、これが御指摘のとおり重要であるということを踏まえましてガイドライン等の検討を進めてまいります。
仮に認可後に認可基準に適合しない疑いがある場合には、認可取消しも含めて、監督措置を果断に講じてまいります。
〔委員長退席、理事磯崎仁彦君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/93
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094・宮崎勝
○宮崎勝君 ありがとうございます。
さらに、この信託管理人ということがこの受託者のチェック機能を果たすことになるということになるということでございますけれども、この信託管理人の役割、それから具体的にどのような者がこの信託管理人になるのか、またこの選任条件などについてちょっと御説明をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/94
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095・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
信託管理人は、受託者から事業報告書等の提出を受けるほか、必要があれば事務の処理状況等の報告を求めることができます。また、受託者の権限違反行為や利益相反行為に対する取消し権や受託者の選解任の権限などを有しております。
新しい公益信託においては、信託管理人が必置とされ、受託者と特別の関係を持たない者が選任されます。認可の際には、事務の内容、受託者の能力などに応じて監督に必要な能力を有していることが審査されることとなります。
信託管理人に就任する者としては、例えば弁護士、会計士、税理士等が務めるといったことが想定されます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/95
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096・宮崎勝
○宮崎勝君 ありがとうございます。
これまで信託財産については預金や国債などの安定資産に限って運用が認められていたものが、株式や公社債などのリスク資産による運用も一定の範囲で許容されるようになると伺っております。この点について、ハイリスクの金融資産への投資なども行われる可能性があるところでありまして、運用方法については何らかの制限を設ける必要があるのではないかと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
〔理事磯崎仁彦君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/96
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097・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
公益信託の受託者が行う信託財産の運用は、委託者との信託契約に従ったものである必要があります。公益信託の認可基準においては投機的な取引を行うことは認められておりませんので、信託財産の運用については投機的な取引に該当しない範囲内で行うこととなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/97
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098・宮崎勝
○宮崎勝君 続きまして、これまでも信託法人については不祥事等があったわけですけれども、今回の法改正によりましてそうした不祥事の再発防止につながっていくのかという観点から御質問をさせてもらいたいと思います。
まず、今回の法律案によって公益法人の自律的なガバナンスの充実などが図られることになりますけれども、そうした一方で、自由度が高まることによって不祥事が発生する可能性が高まる懸念はないかどうか、この不祥事の再発防止に向けての取組、見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/98
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099・北川修
○政府参考人(北川修君) お答えいたします。
今回の改革では、公益法人の経営の自由度を高める一方で、それに見合った透明性の向上やガバナンスの充実も併せて図ります。透明性の向上により社会的監視機能が高まり、不適正な行為を牽制するとともに、不祥事や問題の早期発見につながるものと考えます。
また、行政の監督におけるめり張り付けも強化いたしまして、不適切な事案の端緒をつかんだ法人に対しては勧告や命令、認定取消しなどの監督措置を果断に実施してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/99
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100・宮崎勝
○宮崎勝君 このガバナンスの問題ですけれども、公益法人側からは、報告書を提出しているのに立入調査があって、それが負担となっているという声もあると伺っておりますが、これ、今回の法律によりまして、法人による自律的なガバナンスを確保しつつ、立入調査についてもリスクアプローチも踏まえて機動的、重点的に行うべきではないかと考えますけれども、これについての御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/100
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101・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
これまでの立入検査は、公益法人全体のガバナンス向上を促す観点から、一律、定期的に行うものでございました。今般の制度改革により、公益法人の透明性や自律的なガバナンスの向上を図り、社会的な監視機能を高めるとともに、御指摘ありましたようなリスクアプローチの考え方も踏まえまして、不適切事案の端緒をつかんだ法人など、リスクの高い法人に対してはより機動的、集中的に立入検査等を行っていくなど、立入検査を重点化してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/101
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102・宮崎勝
○宮崎勝君 次に、これまでも、公益信託についても、過去、済みません、これは質問ですけれども、公益信託について、過去、信託財産が毀損されたり損失が出た事例はあるのかどうか、ちょっと確認をさせてもらいたいと思います。また、そのようなケースが発生した場合において法令上どのような責任関係になっているのか、それについての見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/102
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103・北川修
○政府参考人(北川修君) お答えいたします。
まず一点目、現状の公益信託は金銭給付を内容とする信託がほとんどでありまして、毀損された事例、損失された事例ということは承知しておりません。
公益信託の受託者は善良な管理者の注意義務が求められまして、その任務を怠ったことにより信託財産に損失が生じたときは、監督者である信託管理人が受託者に対し行為の差止めや損失を補填する請求をすることが可能でありまして、受託者を解任することも可能であります。
さらに、こういった受託者の行為により公益信託が認可基準に適合しないと判断される場合には、行政庁が報告徴収、立入検査等を行い、勧告、命令、認可取消し等の監督措置を果断に実施してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/103
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104・宮崎勝
○宮崎勝君 次に、寄附税制についてお伺いしたいと思います。
令和二年七月に公表されました公益法人の寄附金収入に関する実態調査の、ありますが、ここでは、公益法人における税額控除制度の利用状況や、平成二十八年度以降の税制改正、例えば税額控除、済みません、税額控除証明取得に関する要件の緩和とか公益法人等に財産を寄附した場合における譲渡所得等の非課税の特例、こうしたことに関する認識を把握する目的でこの調査が行われたということでございますが、まず、この実態調査の結果をどのように認識しているのか、お伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/104
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105・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
公益法人に対する寄附については様々な税制優遇措置が設けられておりますが、御指摘の調査では、税額控除制度に係るPST要件の緩和に関する認知度が二八・五%、また、みなし譲渡所得課税の非課税措置に係る税制改正に関する認知度、これが二八%と、こうした制度に関して十分に知られていない状態であると認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/105
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106・宮崎勝
○宮崎勝君 今御紹介がありましたとおり、それほど認知度が、税制に関する認知度が高くないということは明らかかと思います。
その上で、令和六年の税制改正では、公益法人制度改革が行われた後もこの公益社団法人及び公益財団法人に講じられている措置を引き続き認めると、また、公益信託法の改正を前提にして、新しい公益信託制度の下で認可された全ての公益信託が公益法人並びの税制優遇を受けるということでこれをされておりまして、この法律が成立をすればこうしたことが適用になるということでございます。
こうしたこの税制措置を更に周知、広報をしていくことが重要であるというふうに考えますけれども、この取組についてお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/106
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107・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
寄附を促進していくためには、御指摘のとおり、制度を準備するだけではなく、それが活用されるよう広く知っていただくこと、これが重要であると考えます。
新しい公益信託について、原則として公益法人並みの寄附に関する税制優遇を受けられるようになりますが、こうしたこと、こうした制度についても制度改革の内容と併せて分かりやすく情報発信してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/107
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108・宮崎勝
○宮崎勝君 まず、先ほども寄附文化の醸成ということで、まだまだこれが足りないのではないかということで質問をさせてもらいましたけれども、最後に、この寄附の醸成という観点から古賀大臣政務官にお伺いいたしたいと思いますけれども、今回の制度改革は、国民からの信頼を確保しつつ、使いやすい制度へと見直して民間公益の活性化を図ることが目的であり、その結果として、公益法人等に対する国民の寄附が増加することが期待されるところでございます。そのために、国民、寄附者等が自身の財産を公益目的に役立てたいと思ったときに、寄附先の情報であるとか、その相手先が信頼できるのかどうかであるとか、そうしたことの情報を入手しやすくすることが重要と考えております。
そのための具体的な取組などについて、御見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/108
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109・古賀友一郎
○大臣政務官(古賀友一郎君) 先ほど杉尾委員の質疑の中でも、これは別の観点からでしたけれども、この情報公開の重要性というテーマがございました。
今、宮崎委員が御指摘いただいたように、この寄附をいただこうとする場合、まさに寄附文化の醸成という観点からも、この公益法人や公益信託の活動状況であるとか、あるいはこの寄附の使い道であるとか、それから寄附先の財務状況やガバナンスなどを分かりやすく発信していくということは大変重要なテーマだと、こういうふうに認識をいたしております。
そして、今回の改革では、公益法人や公益信託の事業報告や財務情報などにつきまして、これは新たに行政庁が一元的な情報提供プラットフォームで公表していくということといたしておりまして、寄附のために重要な情報を国民の皆様が容易に把握をして活用できるように、そうした措置を講ずることによりまして更に幅広く国民の皆様から、企業の皆様からの御支援をいただけるようにしてまいりたいと、こういうふうに考えているところでございます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/109
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110・宮崎勝
○宮崎勝君 ありがとうございます。
私も、是非そのプラットフォームをしっかりと、まだホームページなどを、内閣府の、このニーズを、まだまだこの使い勝手がいいのかなというふうに思うところもございますので、そうしたプラットフォームをしっかりとつくっていただいて、本当に広く国民の皆様にそうした情報が伝わるようにしていただきたいと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
予定していた質問が終わりましたので、以上で終わらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/110
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111・片山大介
○片山大介君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の片山大介です。
法案審議というのはどうしても同じような質問が増えてくるので、そこは御容赦いただきたいんですが、私は、ちょっと法案審議の前に、衆議院でも昨日から審議が始まって、先週試算が発表された子ども・子育て支援金について少しちょっと聞かせていただきたいと思います。
この支援金制度というのは、少子化対策の加速化プランの三・六兆円の財源確保の一つで、公的医療保険を通じて一兆円を集めようと。先週の金曜日ですかね、この医療保険の種類ごとの試算の支援金の額が公表されたと。
一兆円が徴収されれば、二〇二八年度、だから四年後ですかね、四年後にその加入者一人当たりの平均月額が幾らになるかというと、まず大企業に勤める人が加入する健康保険組合の加入者は五百円、それから中小企業に勤める人が加入する協会けんぽは四百五十円、それから公務員が加入する共済組合では六百円になると。
ただ、その加入者のうち、子供などその扶養家族はこれ支援金を支払うことはないので、実際にこの保険料を支払う、被保険者といいますけど、被保険者一人当たりにこれ数字を見ていくと、この額じゃなくて、七百円から九百五十円ぐらいまで上がるというんですね。
これ、実際にこれ支払う側からすると、被保険者のこの数字で見ていった方がいいと思うんですけれども、どうもほかにもいただいた資料を見ると、労使折半になるのに、そのことはもう資料の本当に隅の方にちっちゃくもう米粒ぐらいで書いてあるし、どうも何か数字を小さく小さく見ようという気がしているのが、どうしてもそれ、気がするんですけど、そこら辺についてどうお考えなのか、教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/111
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112・熊木正人
○政府参考人(熊木正人君) お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、先週の金曜日に公表させていただきました支援金の額につきましては、加入者一人当たりでいうと全体で四百五十円でございます。
他方で、被保険者一人当たりの数字ですとか世帯当たりの数字というものもお示しをさせていただきました。これは、加入者一人当たりと被保険者一人当たりというのが二つあるということなんですが、制度全体をお示しする場合あるいは制度全体を比較する場合は加入者一人当たりで出すというのが基本的に医療保険制度における一般的な考え方であり、適切なものだと考えてございます。
というのは、健康保険のグループ、被用者保険では、被保険者と加入者というのは違いがございまして、被保険者プラス被扶養者が加入者となります。他方で、国民健康保険、後期高齢者医療制度では被保険者イコール加入者となりますので、全体で話をするときに仮に被保険者だけで語りますと、一部では一部の方だけのことをいい、一部では全体のことをいうということになりますので、全体として統一して申し上げるときは加入者一人当たりで申し上げるということでございます。
他方で、先生御指摘いただきましたように、今回は制度ごとに出しましたので、制度ごとには被保険者当たりも出すことができます。したがいまして、加入者一人当たりをメインとしつつ、被保険者一人当たりの額も同時にお示しをいたしました。
労使折半につきましては、先生もこれもう御存じのとおりですが、基本的には御本人の方が幾ら出すのかというのが重要だと考えておりますので、御本人の拠出額ということでお示し、金額をお示しし、ただ、注釈として、健康保険、被用者保険におきましては労使折半でありますので、別途、基本的に労使折半の考え方の下で事業主も負担をいたしますということを示させていただきました。金額を低く示すという意図ではございません。
今申し上げたような一般的かつ適切なやり方だと思っていますが、ポイントは両方ちゃんとお示しをしっかりするということかなというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/112
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113・片山大介
○片山大介君 若干答弁長いですね。
それで、一般的だともし言うんだったら、やっぱりこれ、これももう言われている話ですけど、所得別で、じゃ、幾らになるのかとか、じゃ、家族構成で単身世帯ならどうなるのか、子供が一人だったらどうなのかとか、夫婦だけだとどうなのかという、やっぱりモデルケース、これ類型、世帯の類型とかあるんですから、もしこれ一般的と言うんだったら、これは本当はそういうものをきちんと出さないと、その数字だけで出されて加入者、被保険者と言われても、分からない人だっている。だから、そこはもうちょっときちんと説明した方がいいと思いますけど、大臣、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/113
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114・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) 今回の、今回、試算表におきましては、一番右端の方にありますけれども、各保険制度ごとに医療保険料額に対して今回の拠出金が、拠出額がどの程度の割合になるかというものを示させていただいてございます。
これ、おおむね四から五%になっておりますけれども、このようにモデルケースで示す場合には、その世帯収入は例えば何百万とかと出しても、その何百万という数字そのものぴったりに当てはまる世帯あるいは方以外の方の方が圧倒的に多くなるわけですが、このように割合で示させていただきますと、加入されている医療保険の、そして御本人が支払っておられる医療保険のそれに対して何%という形でイメージを湧かせることができますので、個々人によって各イメージが湧きやすいという意味ではこの示し方で十分な情報提供ができているものと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/114
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115・片山大介
○片山大介君 ちょっと今回は、これ別の法案審議なんで余りこれ以上ここの点については言わないですけど、これは本来だったら、分かりやすくイメージで出してくれ、イラストで出す、ポンチ絵で出すというんでしょうか、何かそういうのやらないと、やっぱり数字だけ並べてもこれ分かんない、パーセンテージ言われて分かると言われても、まあ分からないというように思っていただければと思うのと、あと、すごく気になったのが、この資料を見たら、支援金制度って基本的に一兆円という我々はイメージだったんですよ。それを集めてそれを国に納付するときは支援納付金というんですけど、そのときには公費の〇・三兆円を足して一・三兆円になると書いてあるんですよ。これは何でこんなことをしているのかと聞くと、何だっけ、国民健康保険や後期医療制度の利用者の低所得者の負担軽減対策だからと言っていて、確かに去年十二月のこども未来戦略にもそれは若干、別途公費を出すべきだと書いてあったんだけど、〇・三兆円というのは今回初めて数字が出たんですよ。じゃ、その〇・三兆円どこから持ってくるかというと、その三・六兆円のうちの支援金が一兆円で、こっちの方が歳出改革とか既定予算の最大改革で、二・六兆円こっちでつくるんです。そっちの方から〇・三兆円持ってくるというんです。
いや、この立て付け、それで歳出改革って、御存じのように全然きちんとできていないというか、本当に我々に何をやってくれるのかもきちんと示されていただいていない中で、額がね、そんな中で打ち出の小づちのように〇・三兆円をこっちからこっちの方に足しますよと言われて、じゃ、こっちの二・六兆円でやろうとしていたこの加速化プランの事業の方の財源がこれ足りなくなっちゃうんじゃないかなというふうに思うんですけど、そこはどういうふうにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/115
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116・熊木正人
○政府参考人(熊木正人君) 結論から申し上げますと、足りなくなるということがございません。三・六兆円の加速化プランを、二・六兆円は歳出改革と既定予算の活用で、残りの一兆円は個人と事業主の皆さんからいただく支援金で賄うとしておりました。
先生がおっしゃったように、事業主と個人からいただくのは一兆円ですが、その際に、保険料、医療保険料と併せて支援金をいただきますので、医療保険料のルールに準じまして、低所得の方には公費を付けて公費によって軽減をして、それでいただくということにしています。その公費分が全部で〇・三兆円ございます。
ただ、この支援金というものはどこに行くかということが重要で、どこに行くかといいますと、児童手当ですとか誰でも通園ですとか、まさにその加速化プランの給付に当たります。加速化プランは、一兆円の支援金、皆さんからいただくもの以外は歳出改革と既定予算の活用でやると申し上げていますので、これは、この〇・三兆というのは、まさに歳出改革なり既定予算の中で生み出したものをこの児童手当ですとか誰でも通園ですとか、そういうものに充てるという枠組みでございますので、新たに何か別な御負担をいただくとか、そういうものではないということでございます。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/116
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117・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) 静粛にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/117
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118・片山大介
○片山大介君 もう一問だけこれやらせてもらうと、その支援金の方で充てる事業、それはそれでいいんです。それで、要は、僕が言っているのは、残りの二・六兆円、その歳出改革とか既定予算の最大活用で充てようとしている事業もあるわけですから、そっちの方の財源が足りなくなっちゃうんじゃないのかということを言いたいんですよ。
それで、しかも〇・三兆円って、これ結構ばかにならない大金ですよ。これを、衆議院のその審議が始まる先週の金曜日に初めてこの額って出すのがどうかと思っていて、もしこの〇・三兆円って額をそれ公費として支援金の方に充てるんであれば、これ、だったら閣議決定の二月の中旬とかに言わなきゃ駄目ですよ、そんなのは。
やっぱり、そういったところはこれ問題だと思うし、それから、何よりもこの支援金で一番みんなが気にしているのは、やっぱりこの実質的な負担は生じませんよということを言っているわけですね、支援金による実質負担はゼロだと。それが、このいただいた資料にはどこにもそのスキーム書いていないんです。だから、そこが本当に担保されるのかどうか、そこ気になっていますけど、そこ、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/118
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119・熊木正人
○政府参考人(熊木正人君) まず、繰り返しになりますが、ほかのものが削られるということは、三・六兆の、決めた給付改正において、ということはございません。
それから、担保ということです。実質的な負担が生じないということは閣議決定をまずさせていただいておりまして、三・六兆及び二・六兆なり一兆円の枠組みも金額として記載をさせていただいております。
その上で、今般、子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案を提出させていただきまして、その法案の中にも今申し上げましたいわゆる実質的な負担が生じない旨の規定を盛り込んでございます。具体的には、附則第四十七条というところに記載をさせていただいておりまして、支援金というものは、歳出改革と賃上げによるいわゆる社会保険料の負担の軽減、この効果の範囲内で支援金というものを導入するというものを条文上記載をさせていただいておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/119
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120・片山大介
○片山大介君 ここでもうちょっとやめておきますけど、だから、そこの部分も本当に大丈夫かどうかというのがちょっと気になるところで、今後、その法案が衆で可決をしたら参の方に回ってくると思いますけど、そのときにはしっかり議論をやらせていただきたいなというふうに思います。
それで、本来の、本題の公益法人法と公益信託法の改正案について話を聞いていきたいと思いますけど、公益の活動というのは学術、文化芸術、スポーツの振興など様々あって、この二つの改正案は、日本でももっと民間公益活動を活性化させよう、そういう狙いで今回改正になったというんですね。
今の日本は、政府が税金を集めて分配をする、それから、民間がその利益を出したらそれ納税するという、そういった形で所得の再分配がある程度固定化されちゃっている。それだと経済の成長にもなかなか限界があるだろう。だから、今回この二つの法案通して、もっと寄附文化を醸成、もう今日何度も出てきている寄附文化をもっと醸成していこうと、そしてその資金を活用してもっと民間公益活動、活性化目指そうと言っているんですが、じゃ、この法案、期待される効果、具体的にどこまで考えていらっしゃるのか、教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/120
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121・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。
今回改正する二つの法案のそれぞれの狙いとしまして、社会的課題の解決には行政や営利企業のみでは限界があり、公益法人など民間の公益活動が重要になってきてございます。少子高齢化、地域社会の疲弊、環境問題など、対応すべき社会的課題は複雑化し、日々新たな課題が生まれてございます。両法案により、公益法人及び公益信託制度をより使い勝手の良い制度に改めることで公益法人の潜在能力を引き出すとともに、公益信託を国民にとっての新たな公益活動の選択肢とすることで民間活動の活性化を図ることを目指してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/121
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122・片山大介
○片山大介君 私、具体的な効果みたいな形でちょっと言ったんです。今、どちらかというと、手段とか狙いとかになっていたんですけど、これ効果、少し、もうちょっと言った方がイメージしやすい、みんなも分かりやすいと思いますけど、そこら辺、何かお答えできますか。どちらでもいいですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/122
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123・北川修
○政府参考人(北川修君) この改革の効果、成果をいかにして測っていくかということでございますが、こうした効果については、公益活動を担う担い手の数や公益目的事業費の増大や、さらには公益活動が社会に与えるインパクトの量といった様々な指標を総合的に測っていくことでありまして、具体的な尺度については更に検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/123
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124・片山大介
○片山大介君 やっぱり公益法人、それから公益信託の方もやっぱりどうもイメージしづらい、一般の国民にはまだまだ浸透されては、これも何人も議員の方言われていたと思うんですけど、やっぱりそれをもっと分かりやすく、それからみんなに普及、周知していくというのは最大の課題なんだろうなと思います。
そのためには、やっぱり目標設定みたいな、それ具体的に、今のその例えば法人、公益法人数なんかだと九千七百、それから年間事業費五兆円、何かこれを倍増するとかなんとかというのは何か言えないとは思いますけれども、ただ、少しイメージを出すようなものにしないと、今これ国際的に見ても、日本の寄附文化、こうした公益活動、まだまだGDP比でも少ないですよね。だから、それをどういうふうにしていきたいのかというのをもっと言った方がみんなに伝わると思いますけど、そこ、どうでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/124
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125・北川修
○政府参考人(北川修君) 改革の成果ですが、公益事業費の膨らみや公益活動の担い手の数、寄附等の額、公益活動が社会に与えるインパクトといった指標で測っていくということが考えられますが、今後、内閣府として、関係者や有識者のお声もお聞きしつつ、総合的に勘案して具体的な目標を、御指摘の趣旨を踏まえて具体的な目標設定を検討してまいりたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/125
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126・片山大介
○片山大介君 あれですよ、みんなに知ってもらうには分かりやすいこと、もうこれ鉄則だと思いますよ。それをやることによって初めてそれが伝わっていくと思います。
それで、先ほどまでの質問でもあったんですけど、今回はこれ法改正に至るまでが結構長かったですよね。これ、まず公益法人法については、その有識者会議が二回立ち上がったんですよね。まず、四年前に有識者会議が立ち上がった。こっちは、どちらかというとガバナンス強化の方だった。それから、去年か、おととしか、おととしから去年にかけて立ち上がった有識者会議はまた別個の有識者会議で、こちらの方は新しい資本主義でまあちょっとやっていこうという話で、ちょっとベクトルの違う有識者会議がそれぞれこの五年の間に二つ立ち上がって、それぞれが報告まとめていて、だけどなかなか法案改正ができなくて、ようやく今回両方ともそれを取り入れた形でその法改正になったというんですけど、そうすると、これどっちを向いているのかなと思って。じゃ、どうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/126
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127・北川修
○政府参考人(北川修君) 御指摘のとおり、有識者会議二回ございました。
まず、一回目の令和二年の有識者会議では、公益法人における不祥事を受けてガバナンス強化に特化した検討を行っておりました。さきの有識者会議です。その後、新しい要素が加わりました。コロナの被害というものが、コロナでの経営悪化をした法人からの財務規律等の見直しを求める声が高まりました。また、社会的課題解決に向けた民間の公益活動の活性化を目指す新しい資本主義というのが内閣の重要政策として掲げられるという流れがございました。ですので、二回目の有識者会議の方では、ガバナンスの強化と、さらにコロナ禍への対応や民間公益を活性化する総合的な観点でもって検討したということで、ベクトル違うというよりは総合的に包み込んで検討したものでございます。
ガバナンスの充実ももちろん考えております、講じております。公益法人の信頼性を高めつつ、法人がより自由な経営判断で活動しやすくするということの検討がなされる、総合的な検討がなされまして今回の法案に至ったものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/127
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128・片山大介
○片山大介君 だけど、ちょっと遅かったですよね。皆さん早くやりたかったんだろうなと思いますけど、やっぱり政府の中で意思統一が取れていなかったのか、何かもし思うところあれば。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/128
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129・北川修
○政府参考人(北川修君) 意思統一が図られていなかったというふうには捉えておりません。新しいやっぱり検討する要素が出てまいりまして、ガバナンス強化に特化した観点からの改革では、新しい時代、新しい資本主義や民間活力を引き出した公益の活性化というところには少し観点が不足しているのではないかということで、ちょっと検討がより総合的に深まったものと理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/129
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130・片山大介
○片山大介君 だけど、あれでしたよね、やっぱりちょっと、ここら辺のスピード感もまだまだちょっとやっぱり遅かったというのも一つの課題だったのかなと思います。
それで、じゃ、公益法人法の方の中身を見ていくと、もうこれもさっき話が出たんですが、収支相償の原則を見直そうという。公益法人は公益を目的としている事業だから余り利益出しちゃいけないって、これはまあ確かにそうなんだろうなと思いつつも、だから結局公益法人にとっては使い勝手も悪くて、それで、単年度で黒字が出たらそれは二年以内で黒字を吐き出して収支均衡しなきゃいけないというんですね。それで、なおかつ、それがきちんとこれまでは法令上書かれていなかったから、単年度の黒字も駄目なんじゃないかという誤解もあったという。だから、それだったら単年度で黒字出さないように、何か公共工事の使い切りじゃないですけど、何か使い切っちゃおうみたいなそんなこともあって、まあ非生産的だった感じですよね。
だから、それを今回ちょっと見直して、中長期的には、五年という考えだというふうに聞きましたけど、その間の間に収支均衡すれば、公益法人であってもある程度収益出て、利益出ていいよという話なんですけど、これがどれほどの効果をもたらすのか。さすがにこれは少し何か、試算とまでは言えないけど、それは何となくイメージされていなきゃいけないと思いますけど、そこら辺どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/130
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131・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) まず、私の方から答弁申し上げます。
委員御指摘のとおりで、現行の収支相償原則につきましては、費用を超える収入を得てはならないという法律の規定から、毎年度の決算で黒字を出してはならないとの誤解を招き、また収支の判定に、失礼、招き、必ずしも有効でない資産活用につながっていたという、御指摘のとおりだったと思います。また、収支の判定において過去の赤字が考慮されないため、黒字が出た場合に過去の赤字を補填するために活用できず、安定した事業継続が難しい、こういった課題も生じてございました。
今回の改正によりまして、中期的な期間で収支の均衡を図ることを法律で定めることで、公益法人がより効果的に資金活用ができるようになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/131
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132・片山大介
○片山大介君 効果の方を、済みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/132
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133・北川修
○政府参考人(北川修君) ありがとうございます。
効果でございますが、繰り返しになりまして恐縮でございますが、効果については、公益活動の担い手の数や公益目的事業費、公益活動が社会に与えた影響といった指標で総合的に測っていくということで、具体的な数値等の設定については今後検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/133
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134・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) 済みません、補足いたしますが、収支相償の見直し等の財務規律、この柔軟化を図り、それによって公益法人の活動の自由度が高まります。そして、資金の有効活用や積極的な事業活動拡大、そして安定的な法人運営、これがしやすくなります。
このように、公益法人制度を使い勝手の良い制度にすることによって、社会的課題解決に向けた民間の力を一層引き出し、民間公益の活性化につなげてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/134
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135・片山大介
○片山大介君 だから、先ほどから言っていることと同じで、やっぱりそこをどのように見ているのかというか、やらないと、結局、使い勝手良くすることはそのとおりで、そこに別に反対することもないんですけど、じゃ、そうすると、今のまだ活用が低い公益法人、公益信託もそうですけど、それがどれぐらい増えていくのか、ある程度それはきちんと読んだ方がいいと思いますし、やっぱりそこからだと思いますけれどもね。
それで、あと、これもさっき質問であったんですが、使い道未定の保有財産、これも少し緩和して、少し保有財産の対象から外してあげようみたいなことをやっていて、それは、公益法人側の方からこれ例えば災害リスクの備えなどというものをきちんと示したら、それはある程度保有制限の対象から外してあげることになる。その妥当性というのは内閣府の方で判断をするというんですけど、これはどういう基準で何をもってきちんと判断していくのかという、そこの考え方、これどうする、どうやってそれをやっていくのか、教えてもらえますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/135
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136・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) 災害等の予見し難い事態において必要な財産額は、多種多様な各法人の事業実態に応じて異なるということを踏まえまして、各法人が事業の内容などに照らし、合理的に必要と説明し、公表したものを予備財産として保有できる制度としてございます。
予備財産の合理性についての判断基準や考え方、これにつきましては、今後、関係者の意見も聞きつつ検討を進め、行政庁の判断にも資するよう、内閣府令やガイドラインにおきましてできる限り分かりやすくお示しをしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/136
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137・片山大介
○片山大介君 ここは是非しっかりやってほしいところですよね。元々、今回、ガバナンスも過去には問題があったということになるので、ここの部分を、その妥当性の判断の基準がなければ、これ恣意的なのかそれとも過失なのか分からないですけれども、何かやっぱり問題が起きる可能性があるからここのガイドラインというのはきちんと作らなきゃいけないけど、じゃ、これいつまでに、施行までになるか、どんなようなイメージでしょうか、もし分かれば。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/137
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138・北川修
○政府参考人(北川修君) こうした判断基準ですとかを定める内閣府令やさらにその下のガイドラインというものは、来年度から法を施行する前提でスケジューリングしますと、今年の年内には、もうなるべく早く法人の皆様にお示しして周知していく必要がございますので、年内には姿を示せるよう鋭意検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/138
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139・片山大介
○片山大介君 そこは是非よろしくお願いいたします。
それで、あとちょっと公益信託の方を聞きたいんですけど、公益信託というのは、委託者が財産を受託者の方に預けて公益目的の事業に活用してもらうということで、公益法人よりは実は簡単に始められるというのはあるんですよね。だけど、ちょっとこれ数字を見て、さっきもあったですけど、公益信託の受託件数というのはピークが平成十五年だったと。そのときには五百七十二件あったのが、去年は三百九十一件まで減っているという。信託財産残高も結構減ってきているんですよね、今五百五十億ぐらいなのかな。この理由、改めて聞きたいと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/139
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140・北川修
○政府参考人(北川修君) お答えいたします。
御指摘のとおりでございまして、公益信託の受託件数は、五百七十二件をピークに、現在では三百八十五件と減少傾向にございます。
その原因につきましては、一つには、各省大臣の裁量で許可する主務官庁制のままであると。また、事実上、受託者が信託銀行に限られるということで、不透明かつ使いにくい仕組みとなっていること。また、経済情勢を見ましても、バブル崩壊後の低金利によりまして信託財産を取り崩される傾向が強くなりまして、信託が終了するということが増えていると。さらには、受託者が適正な報酬を事実上得られず、積極的に引き受けていこうというインセンティブが減じていたといった要因があったものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/140
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141・片山大介
○片山大介君 マイナス金利も解除になって、十七年ぶりに金利も上がるという。平成十五年がピークだから、今、今年、平成でいったら三十五、六年だから、まあまあやっぱりこの金利の影響もあったのかなというふうには思いますけど、そうすると、逆にこれから右肩上がりになっていくのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/141
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142・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
金利等の経済環境は大きく左右すると思いますが、制度のつくりにおいても、より透明で使い勝手の良い制度にしていって、それを分かりやすく周知していくということによって件数の増加、ピークを超えた増加というのを目指していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/142
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143・片山大介
○片山大介君 金利も、だから上がったことはプラスになるんでしょうから、そこは是非活用していってもらいたいなと思います。
あと、これも資料でいただいてみて、鍵を握るのが日本の家計金融資産の上位二〇%の世帯。これ大体九百万世帯ぐらいあって、この世帯の方たちの金融資産は四千六百五十万円、平均して。それで、平均年齢は六十五・二歳だと。この中には相続する方もいらっしゃらないような家庭もあるから、いわゆる遺贈というんでしょうか、遺言にのっとった形で財産を一部預けたり全部預けたりするような感じなんですけど、これの活用というのを期待しているというんですが、これはどのようにそういう今金融保有資産が四千万以上あるような方たちにもっとこれを活用してもらうように促していくのか、そこを教えてもらえますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/143
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144・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
おっしゃるとおり、家庭の金融資産、増加傾向にあるということも踏まえまして、さらに、公益信託という形でこういった個人の資産を公益に振り向けていくというところの潜在力は有しておるものと考えておりまして、公益信託制度を新しく使いやすいものにして、それをよりよく知ってもらう、遺贈の局面においても弁護士さんやらにより周知していく、こういう使い道もあるよということを普及啓発、精力的にやっていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/144
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145・片山大介
○片山大介君 最後に、あと、その保有している、年配の方もそうですけど、やっぱり若い人たちにどんどん訴えていく必要があると思うんですが、これ、コマーシャルを打つでもキャラクター作るでも何でもいいと思いますけど、そこ、大臣、何かお考えありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/145
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146・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) 時間ですので、答弁は簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/146
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147・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) はい。
今回の改革についてしっかりと普及啓発していくことが重要だと考えております。委員御指摘のとおり、積極的な周知、広報をしてまいりたいと考えており、公益法人やNPO法人の皆様、また金融機関、さらに遺贈、相続等の相談を受ける職業の方々、また利用者である国民の、若い方も含めた国民の皆様に対して積極的な広報、説明会などを通じて、より認知度を高めていくことを考えております。
また、今、現行の公益信託は奨学金助成が最も多く件数を占めてございます。今後は、若者が気軽に支援を受けて将来の可能性を広げ、後になって受けた支援を社会に還元していくと、そういったような寄附文化が社会に広がるよう、私自身もユーチューブやXといったSNS等も用いて周知啓発をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/147
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148・片山大介
○片山大介君 終わります。
是非頑張ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/148
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149・竹詰仁
○竹詰仁君 国民民主党・新緑風会の竹詰仁です。
内閣府に設置されています再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォースに関してお伺いいたします。
三月二十二日に開催されました第三十回再エネタスクフォースで、構成員の公益財団法人自然エネルギー財団の事業局長であります大林ミカ氏がタスクフォースに提出した資料に、中国国営の国家電網公司のロゴあるいは透かしが入っていることが判明し、問題になっております。
SNSなどでは、公益財団法人自然エネルギー財団や大林ミカ氏と中国の国営企業が密接な関係にあるのではないか、内閣府の会議で中国の国営企業の戦略を自然エネルギー財団が代弁しているのであれば、我が国の安全保障上の重大な問題があるのではないかと、そういった疑義が数多く飛び交っております。
この今問題視されております公益財団法人自然エネルギー財団はどのような公益性を有している法人なのか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/149
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150・北川修
○政府参考人(北川修君) 事実関係でございますので、お答え申し上げます。
この法人は、自然エネルギーを基盤とした社会の構築を推進することにより、自然との共生、生命が安全で安心できる生活環境と持続型、環境型社会の構築に寄与することを目的としまして、調査研究、政策提言、広報普及活動等の事業を行うものであります。
これらの事業内容が、公益認定法に掲げます公益目的事業でございますが、のうちの一つ、国民生活に不可欠な物資、エネルギー等の安全供給の確保を目的とする事業に該当します。また、かつ、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものであるということで公益認定等委員会で判断されましたことを受けまして公益法人となったものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/150
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151・竹詰仁
○竹詰仁君 内閣府の再エネタスクフォースで自然エネルギー財団の大林ミカ氏が提出した資料のロゴ等については、単なるミスではなく、これは中国国営企業の意図が大林氏の発言に関わっているのではないかと、そういった疑義なんですね。
内閣府において、この再エネタスクフォースの翌日の二十三日には、大林氏の資料を一旦削除しております。今、この大林氏が提出した資料についてどういった扱いになっているのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/151
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152・稲熊克紀
○政府参考人(稲熊克紀君) お答え申し上げます。
委員御指摘の資料につきましては、資料の提出者でございます再エネタスクフォースの大林元構成員から掲載資料を差し替えたいとの御要望があったため、一旦掲載を取りやめているところでございます。掲載資料差し替えにつきましては現在準備中でございますけれども、差し替えの経緯等の注記を付した上で差し替えることを考えております。
いずれにしましても、本件に関しましては、内閣府におきまして、大林元構成員及び同氏が所属する自然エネルギー財団等がその意思決定に当たりまして中国政府、企業から不当な影響力を行使され得る関係があったか否か等につきまして、速やかに詳細な事実関係の確認などの調査を行っていくこととしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/152
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153・竹詰仁
○竹詰仁君 調査を行っていくというお答えだったんですが、ちょっとまた後ほどお伺いします。
念のためにやはり確認しなければいけないのは、内閣府が大林氏からメールなどで国家電網公司のロゴが入っている資料をデータとして受け取っていたのであれば、ウイルスの感染あるいはサイバーセキュリティー上の問題が懸念されるところであります。
三月二十五日の参議院の予算委員会で河野大臣は、ウイルスや有害な要素があったりするということではないと答弁されておりますけれども、万が一内閣府のネットワークがウイルス感染したりサイバー攻撃を受けたりすれば、国家の安全保障上深刻な問題になると思っております。
改めてお聞きしますが、その後の調査も含めて、大林ミカ氏が提出した資料によってウイルス感染あるいはサイバーセキュリティー上の問題が発生していないのか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/153
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154・稲熊克紀
○政府参考人(稲熊克紀君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、三月二十五日の参議院予算委員会におきまして河野大臣が、特にウイルスであったり何か有害な要素があるということではないと答弁されましたとおり、今回のロゴにはウイルスのような有害な要素はないということが既に判明をしており、その後もそういった事実は確認されていないと認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/154
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155・竹詰仁
○竹詰仁君 この自然エネルギー財団は、二〇一一年の八月十二日に一般財団法人として設立され、翌二〇一二年二月十五日に公益財団法人となったと理解しております。東日本大震災、福島第一原子力発電所の事故を受けて、自然エネルギーの拡大の旗印で設立された財団で、孫正義氏が設立者であり、財団の会長となっているようであります。
この一般社団法人として発足してから公益財団法人、失礼、一般財団法人として発足してから公益財団法人に認定されるまで僅か半年なんですけれども、この僅か半年で活動の公益性が認められたということになるんではないかと思いますが、この自然エネルギー財団が一般財団法人から僅か半年で公益財団法人になったその経緯を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/155
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156・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
この法人は設立から約半年で公益認定されておりますが、公益認定を受けるためには一般法人としての活動実績というものが必須とされておりませんので、法人設立後すぐに申請することも可能であります。
また、申請から約三か月半で認定されていますが、公益認定の標準的な処理期間は約四か月でございまして、審査期間としてこれが三か月半の期間というのは一般的なものであると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/156
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157・竹詰仁
○竹詰仁君 資料をお配りしたんですけれども、これは内閣府が出した、公表している資料で、この公益法人制度の特徴というのが書かれていまして、この資料の右側を御覧いただくと、真ん中辺りの文章に、一般法人が公益法人になるには認定法に定められた基準を満たしていると行政庁の認定を受ける必要がありますというふうに書かれていますので、今の北川室長のお話ですと、必ずしも一般法人から始める必要はないというふうなお答えが今一部あったと思うんですけれども、これを見ると、最初から公益法人というのはちょっと私はこれ読み取れないんですね。
この右側の図を見ても、一般法人が土台にあって、その上に公益法人があるということなんですけれども、一般法人の活動が、公益性があるという活動が認められてから公益法人になるんではないかとこの資料からは私は読み取れるんです。
さらに、そのプロセス、フローチャートまで載っていまして、これが、先ほど三、四か月というのはそんなに短い期間じゃないということだったと思うんですけれども、私は、これからこの公益法人を増やそうという中で、最初から公益法人でもいいんですよということは、多分皆さんよく分かっていないというか、知られていないと思いますし、この資料からまず読み取れないと思いますので、そこは是非注意をしていただきたいと思っております。
それで、この公益法人は、我が国の社会公共において利益ないし不特定多数の利益を生み出すべく存在するものであるというふうに言われております。この公益法人法にも、公益目的事業を行うことを主たる目的とするものであると、これ法律に定めてあります。
今回、真実はまだ定かではありませんけれども、この疑念を持たれている公益財団法人自然エネルギー財団の例のように、特定者との特別な関係の下で活動を行う場合、ましてやそれが他国であった場合、我が国の社会公共において利益があると言えるのか、その法人の活動はもはや公益目的事業を行うことを主たる目的としていないのではないかと思っております。この公益法人を監督する行政庁として、公益目的事業を行うことを主たる目的とするものであると言えるかどうかを迅速に調査し、厳格な対応を行うべきではないかと考えております。
この国会でも取り上げられていますこの公益財団法人自然エネルギー財団に対する立入検査を行うべきではないかと思いますが、加藤大臣の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/157
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158・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。
御指摘の事案につきましては、公益法人の職員である事務局、失礼しました、事業局長が個人の立場で行ったことと承知をしてございます。自然エネルギー財団の事業運営につきましては、これまで公益法人認定法上の問題は確認をされておりません。
本事案に関する担当部局で調査が行われているものと認識をしており、公益法人担当としましては、その結果も踏まえ、立入検査を含む監督上の措置の必要性を判断することになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/158
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159・竹詰仁
○竹詰仁君 これから判断ということだったんですが、ちょっと私は、危機意識という認識ではちょっと違うと思っています。
この公益財団法人自然エネルギー財団の事業局長である大林ミカ氏、この今の問題なんですけれども、構成員を辞任されたということであります。ですので、先ほど元構成員というお話だったと思うんですが、河野大臣が辞任の申出を受理した理由というのは定かではありませんけれども、この自然エネルギー財団が、再エネタスクフォースの民間構成員の辞任のみならず、真に国益のための財団であるかどうかということなんです。我が国の不特定多数かつ多数の者の利益の増進に寄与する団体であることを内閣府としても確認する必要があるんではないかと思っております。
先ほどの委員の御質問の中に、北川室長が、このリスクアプローチの観点から厳しくという、審査そして立入検査もやるんですよというお話が先ほどの委員とのやり取りでもあったんですけれども、私は、このように疑義が生じているからこそむしろしっかり調べて、疑わしきことがないのであれば疑わしきことないということを公表してこの公益法人としての信頼を得る方が、今回の法改正の意図も含め、理解につながるのではないかと思うんですが、大臣、もう一度見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/159
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160・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。
本件についての自然エネルギー財団の見解は公表されているものと承知してございます。さらに、疑義を解明するため、本事案に関する担当部局で調査が行われているものと認識しており、公益法人担当としてはまずはその結果を注視しているところでございます。
当該法人に公益認定基準不適合等のおそれがある場合には、公益認定等委員会において、報告徴収、立入検査、勧告、命令等の監督上の措置の必要性をしっかりと判断してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/160
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161・竹詰仁
○竹詰仁君 是非危機意識を持っていただいて、ないのであればないというのをおっしゃっていただきたいと思うんですね。
私、この自然エネルギー財団の二〇二二年度の事業報告書を見ますと、寄附金が一億円ぴったしなんです。その前年は一億五千万円ぴったし。普通、個人の寄附であればなかなか端数がない寄附というのはちょっと考えにくいんですけれども、こういったことも私はしっかり調べていただきたいと思っております。我が国のこの公益法人は税制の優遇を受ける、だからこそしっかり調べて疑いを晴らすということが必要だと思っておりますので、是非監督官庁の皆さんの御努力をお願いしておきたいと思います。
今回の法改正なんですけれども、認定手続や変更手続の届出の柔軟化などがあります。公益法人の目的に沿った認可手続がしっかりと審査した上で認可がされなければならないと思っております。そして、公益法人の認可はやはり公平であるということが重要だと思っております。
この公益法人の認定は内閣総理大臣あるいは都道府県の知事が行うこととされていますが、これからこの公益法人を拡大するということが目的だと思うんですが、この公益法人の認定に際して公平性をどのように担保しようとしていくのか、加藤大臣に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/161
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162・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。
公益法人の認定は、民間有識者で構成される合議制機関が、法律の基準に照らし、公正に審議した結果を受けて行ってございます。
今般の制度改革を通じて、公益性の判断基準をガイドライン等でできる限り具体化、明確化し、公表するとともに、職員に対する研修を強化することで判断にばらつきが出ないように取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/162
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163・竹詰仁
○竹詰仁君 是非、公平性、担保していただきたいと思います。
この今回の改正によって、認定等の審査に当たり、申請者に対して求める書類を簡素化、合理化するということが示されております。この公益認定は税制優遇措置にも関わる重要な手続でありますので、簡素化、合理化の一方で慎重な審査というのも要求されると思うんですが、この書類を簡素化、合理化する中でどのようにこの審査の正確性、担保していくのか教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/163
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164・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
書類の簡素化、合理化は、申請者の予見可能性を高め、負担を最小限にするという観点から、公益認定基準への適合性を審査するに当たり、必要性が相対的に乏しい書類は合理化しつつ、必要な情報は五月雨式ではなくて標準化して確保していくというものでございまして、審査の正確性を損なうものではないと考えております、あります。
またあわせて、審査に当たってチェックする項目等をガイドラインでより明確化しますし、また、行政の職員にも研修を強化して、的確な審査が行われるように努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/164
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165・竹詰仁
○竹詰仁君 先ほどの議論の中でもガイドラインの話がございましたので、是非そのガイドラインの策定もお願いしておきたいと思います。
一般法人が公益法人になるには、認定法に定められた基準に満たしているという、そういった認定が必要なんですけども、行政庁が認定を行うに当たっては、民間有識者で構成される国の公益認定等委員会、又は都道府県の場合は合議制の機関の意見を聞くというふうにされております。
この国の公益認定等委員会の委員の選出、そして都道府県の場合は合議制の機関の構成員、これどのように選出されていくのか、あるいはいるのか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/165
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166・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
まず、公益認定等委員会の委員は要件がございまして、人格が高潔であること、委員会の権限に属する事項に関し公正な判断をすることができること、三点目、法律、会計又は公益法人に係る活動に関して優れた知見を有することという要件を満たす者から、両議院の同意を得て、国会同意人事でございます、を経て内閣総理大臣が任命しております。
また、都道府県の合議制の機関の委員の選出についても、国の公益認定等委員会の委員と同様の要件を満たす者から都道府県知事が任命しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/166
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167・竹詰仁
○竹詰仁君 最後の質問ですけれども、この公益法人を増やしていこうということなんですけれども、やはり、どういったところが増えていくかというと、恐らく大規模なところはもう既にいろんなノウハウがあるんですけれども、やはり小規模のこの法人をどうして、どうやって増やしていくかということが一つのポイントだと思っております。
この法改正の効果を発揮していくには公益法人を普及拡大していくことが重要でありまして、特に小規模な法人に対してこの支援、あるいはなってからの支援、あわせて、政府として検討していることがあれば教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/167
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168・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
今回の法改正では、小規模な法人については外部理事を導入するという規定や区分経理の実施に関する規定については適用除外と、小規模は適用除外とするといった負担軽減策を講じております。
また、法律の運用面におきましては、法人関係者等に対する会計やガバナンス等に関する研修、情報発信や、申請のために利用するこのシステムの利便性を一層向上させていくなどによりまして小規模法人への支援を充実してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/168
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169・竹詰仁
○竹詰仁君 御回答ありがとうございました。是非お願いしたいと思います。
ちょっと繰り返しですけど、この公益財団法人自然エネルギー財団の件は、私はこの公益法人に対するマイナスのイメージを与えてしまっているんではないかと思っていまして、これからこの拡大していこうという中で、公益法人の当事者の人も不安に思っていらっしゃるんじゃないかというふうに危惧しております。
是非、この公益の、今回のこの法改正を機に、いま一度国民あるいは公益法人の皆さん、公益信託の皆さんに周知、そして理解活動も改めてお願いして、質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/169
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170・井上哲士
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
今回の公益法人、公益信託制度の見直しは、新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画に基づいて行われました。この実行計画は、民間が公的役割を担える社会を実現していくとしております。
民間非営利法人が社会や地域の諸課題に取り組む上での法律、税制の整備は必要ですが、本来政府や地方公共団体が担うべき公的な役割を民間に担わせる、言わば肩代わりをさせるというようなことはあってはならないと思うんですね。大臣、この点での認識は共有されるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/170
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171・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。
少子高齢化や地域社会の疲弊、また環境問題など、今対応すべき社会的課題は複雑化をしており、日々新たな課題が生まれてきております。
そうした中で、今回の改革は、行政や営利企業のみでは担い切れない多様なニーズや、公益信託が取り組みやすく、失礼しました、多様なニーズに応えた社会的課題解決に公益法人や公益信託が取り組みやすくなるよう、両制度を使い勝手良く見直すものでございます。したがいまして、国や地方公共団体が担っている役割を縮小し、民間に委ねるものとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/171
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172・井上哲士
○井上哲士君 国や地方公共団体が役割をしっかり担いつつ、さらに、この民間の非営利法人の力も発揮をさせていくということだろうと思います。それにふさわしい運用がされることを強く求めたいと思います。
これ、二〇〇六年の公益法人法の審議の際に我が党は、施設の補修、それから事業の拡充、資産の取得、災害への備えの四つを挙げて、このために公益法人が資金を留保することも必要なので、こういう資金を吐き出させて公益事業に使わなければ公益法人として認定しないと、そういう基準であれば、真面目に活動する民間の非営利法人の活動実態に合わないということを当時指摘をいたしました。
その後、運用の中では様々あったわけでありますが、今回の見直しに向けて開かれた有識者会議で、日本芸能実演家団体協議会、芸団協の大和滋参与が発言をされております。この芸団協加盟のトレース可能な六十九団体のうち、旧公益法人制度で二十七団体だった公益法人が現行制度は十六団体に減っていて、このままでいいという組織もありましたが、やはりこの規制では公益法人に行きにくいという感覚がかなりあって行かなかったのが正直なところでありますというふうに述べられております。
前回改正後のやはりこの活動実態に合わない基準によって、公益法人を望みながらも認定申請をしなかった法人があって、結果として認定が限定をされたと、こういう実態があると思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/172
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173・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
公益法人にならず一般法人のままを選択している理由につきまして、民間団体の調査結果では、公益法人になったら収支相償原則や行政による監督のために事業活動が制限されるですとか、定期的に行政に提出する書類の作成負担が大きいなどといった声が上がっております。
今回の改革では、御指摘ありましたように、芸術団体さんからも十分ヒアリングして進めてまいりました。そうしまして、財務規律を柔軟化する、行政手続を簡素化するということによって法人の経営の自由度を高め、また行政に提出する書類の簡素化等、負担の軽減も図ってまいります。
こうした改革によりまして、公益法人となることをちゅうちょするという意識が軽減していくことを期待しておる改革でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/173
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174・井上哲士
○井上哲士君 そういうことを期待した改革、逆に言えば、現状は様々そういうこの足かせになっていたということだろうと思います。
先ほど挙げました前回改正時に指摘をした公益法人が留保を必要とする四つの資金のうち、施設の改修、事業の拡充、資産取得に充てるための資金については、これ運用上、特定費用準備資金や資産取得資金として扱って、収支相償上の費用とみなされてきました。さらに、一年分まで保有できる遊休財産とは別に、公益目的事業費として保有しておけるようにされました。
一方、これ、災害への備えはこの特定費用準備資金の対象にならずに、災害対応の予備資金を十分に持っておくことができなかったという実態があります。しかし、この間、特にコロナ禍での深刻な事態はこういう財政規律では対応できないということを示したと思うんですね。
今回の改正の一つには、こういうコロナ禍の実態というものを踏まえたということでよいのか、そして、その辺、法案ではどういうこの間の教訓が生かされているのか、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/174
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175・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。
使途の定まっていない財産の保有制限につきましては公益目的事業費一年分という規制がありますが、今回のコロナ禍で、法人の事業内容等によってはそれでは不足し、事業の継続に不安が大きいとの声がありました。委員御指摘のとおりでございます。
このような事態に備え、多種多様な法人が、自らが自らの事業内容などに照らし、必要な財産を確保ができるよう、合理的に説明し、公表した財産を予備財産として保有できるような制度にしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/175
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176・井上哲士
○井上哲士君 芸術団体などで聞きますと、例えばコロナ禍のときでは、公演収入が中心の法人は収入源は途絶えると。一方、団員給与なども必要でありまして、一年分の遊休財産では足りないということが、様々声が上がっております。
今、改善をするということでありますけれども、具体的にどこまでこれを保有、項目や中身でできるかということは、今後、先ほどありましたけれども、ガイドラインとかそういうことで示されていくということで、参考人、よろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/176
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177・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
先生御指摘のとおりでございます。一年分を超過して保有することが可能な予備的な財産のその保有の合理性に関する基準ということにつきましては、今後、内閣府令やガイドラインでより明確化すべく検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/177
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178・井上哲士
○井上哲士君 是非分かりやすい、使い勝手のいいガイドライン等を示していただきたいと思います。
それから、先ほど来議論になっております収支相償原則でありますが、現行法の十四条で、公益目的事業の実施に要する適切な費用を補う額、償う額を超える収入を得てはならないとだけ規定をされております。運用では、収支均衡の判定において過去の赤字が考慮されず、黒字も二年間で解消するということとされてきたわけですが、これも有識者会議で、先ほど来出していますこの芸団協の大和参与が発言をされていますが、コロナ禍での減収の際の借入金について、寄附金を集めてそれを原資にして返済しようとしても、寄附金は収入とみなされる一方で、返済は支出とみなされないということによって、収支相償上は返済した分だけ黒字になってしまうということで、理論上返せないということも指摘をされております。
今回の改正によってこの問題は解消されるんでしょうか。そして、されるのであれば、このコロナ禍のときの借金、借入金の分まで遡って対応することが必要だと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/178
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179・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
芸術団体からもそういった声はよく聞いてまいりました。今回の制度改革では、公益法人の収支について、過去の赤字も通算した五年間で均衡を図ると、赤、赤、黒、黒というのは通算してのみ込むと、赤字があった部分をですね。赤字発生時の損失をその後の収入の回復で補填するといった対応が新制度では可能となります。
では、遡って、過去のコロナによる運転、不足分について遡って適用できるかということにつきましては、収支均衡状況の判定をする上で過去の分も考慮できるように、することができるように検討しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/179
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180・井上哲士
○井上哲士君 できるように検討しているということでありますが、やはりここ数年で未曽有の事態が起きたわけでありまして、とりわけそういう芸術家団体などは大変御苦労をされました。そういう声にしっかり応えていただきたいと思うんですね。
以上幾つか述べましたけど、やはり現行の財政規律が公益的活動を行う民間非営利法人の活動実態に合っていなかった部分があるということだと思うんですね。先ほど来出ている収支相償についても、内閣府のまさに公益法人行政担当室が二二年八月に出した文書でも、翌年度までに無理に記帳しなければならないものではない旨を繰り返し説明したけれども、その考えは公益法人に浸透していないとか、特に都道府県の指導の現場においても誤った硬直的な指導が行われている可能性を否定できないと、こういうことも言われているわけですね。
今回、実態に合わせて改正をするわけでありますけれども、こういう、そういう硬直的指導が過去否定できないという実態を見れば、内容の正確な徹底とともに、非営利法人の実態、要望を常に把握をする努力が必要かと思いますけれども、これもちょっと追加して、参考人、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/180
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181・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
先生のおっしゃるとおり、現行では、やはり法律の規定から見ると、これを厳しく運用するか緩やかに運用するかちょっと幅があり得るところであり、国の方針と都道府県の一部ではちょっと対応に差があったところは否めないと思っております。
そこで、いろいろ相談の受付も拡充しまして、例えば、収支相償でしたら、収支相償一一〇番なんという相談窓口を現在は設けております。
制度改革によって、収支相償の一一〇番どころか中期収支均衡にもう塗り替えられるわけでございますが、法人からの生の声をより良く反映して、検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/181
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182・井上哲士
○井上哲士君 是非しっかり声を聞いていただきたいと思います。
公益信託の法案についてお聞きしますが、公益信託法案では、税法上の措置と相まって、受託者を拡大をいたします。公益信託では、自己信託はできないけれども、委託者の親族や関連企業が受託者となることは排除されておりません。課税逃れとか身内の利益の確保に制度が使われるんじゃないかという懸念の指摘もあるわけでありますが、そうしたことを防ぐために法案はどのような規制を掛けているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/182
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183・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
まず、公益信託の委託者には拠出した財産は戻ることはありません。また、受けた受託者が信託財産を私的に利用することもできません。委託者は公益信託の運営にも関与いたしません。また、受託者が委託者やその親族に対し利益供与しないことを認可の基準としておりまして、これは行政庁が厳格に審査いたします。また、委託者、受託者から独立した第三者たる信託管理人が必置となりまして、受託者の監督を行います。また、行政庁も監督を行います。これらの措置によりまして、公益信託の適正な運営を確保できるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/183
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184・井上哲士
○井上哲士君 認可において様々今のようなことがあるということでありますが、非営利性を担保するための規定で、特定の個人、企業への利益供与を禁じるという規定もあるわけでありますが、その中で、信託報酬について、当該公益信託の経理の状況その他の事情を考慮して、不当に高額なものとならないような支払基準であることを一つの要件とされておりますが、この不当に高額であるということは具体的にどういうふうに判断をするんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/184
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185・北川修
○政府参考人(北川修君) 御説明申し上げます。
公益信託に係る報酬が、公益信託の経理の状況その他の公益事務の内容等を考慮して、不当に高額なものとならないような支払基準を定めていること、これは行政庁においてしっかりチェックしてまいります。報酬の支払基準は、行政によりさらに一元的にウェブサイト等で公表することも予定しておりまして、国民の不断の監視の下に置かれることでも不当に高額な報酬が定められることの抑止効果はあると思います、考えます。
また、公益信託事務の費用に対する報酬等の管理費用の割合が過大になることを抑止するという規律も法律に設けておりまして、このような観点からも不当に高額とならないようにチェックしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/185
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186・井上哲士
○井上哲士君 法人側がそれちゃんと自分たちでできるように、先ほど来あるようなガイドラインとかそんなものでも示されるということでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/186
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187・北川修
○政府参考人(北川修君) 申し上げます。
報酬が不当に高額かどうかという判断に当たっては、公益法人の報酬規制も参考にしつつ、契約であるところの公益信託の特殊性を考慮して判断してまいります。
その判断に当たりましては、信託事務の種類や内容、受託者の職務の内容、当該信託の規模などの事情を考慮していく必要がございますが、その判断基準については、御指摘のとおり、ガイドラインなどでできる限り明確化して公表してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/187
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188・井上哲士
○井上哲士君 二〇二二年十月の信託フォーラムで三菱UFJ信託銀行の幹部の方が、現在は、出捐財産を金銭とし、その費用対象も預貯金、国債等の安全資産に限ることが税法上の要件になっているが、改正後は、当初、信託財産の範囲や信託期間中の運用財産の範囲に制限がないことが確認されたと、こういうふうに述べられております。
現行は所得税法施行令で公益信託の信託財産の運用について預貯金や国債、地方債などに限定されておりますが、今回この基準をなくすという方向だということでありますが、そうすると、この投機的取引であるとか公益信託にふさわしくないような事業が行われるのではないかと、こういう懸念も指摘されておりますが、これはどういうふうに対応されるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/188
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189・北川修
○政府参考人(北川修君) お答え申し上げます。
信託財産の運用につきましては、投機的な取引に該当しない範囲内で行うということが認可の基準として法律に定められております。そして、認可した後におきましても、受託者が投機的な取引を行った場合には、信託管理人が受託者に対し行為の差止めや損失を補填するよう請求することや、その受託者の解任をすることも可能であります。
また、行政庁といたしましても、投機的な取引の疑いがある場合には報告徴収、立入検査等を行いまして、勧告や命令、認可取消し等の監督措置を着実に実行してまいる考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/189
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190・井上哲士
○井上哲士君 公益法人法も公益信託法も公益活動を活性化させていこうという法案でありまして、公益信託の認可、監督も内閣府に一元化をされるということであります。
今、るる、従来のいろんな制限を緩和をして、様々な公益活動が広がるようにというお話がありましたが、一方で、様々な懸念の中での監督の必要性も答弁がありました。そういうことからいえば、今後、この一元化をされたからといって、監督体制を軽減をするんではなくて、必要な公益活動を活発化させる上でも体制をしっかり整える必要があると考えますけれども、この点、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/190
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191・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。
公益法人、公益信託の信頼性を確保する上で、行政庁による実効的な監督は不可欠であると考えております。監督におけるめり張り付けを強化し、不適切な端緒をつかんだ法人、受託者等に対しましては監督措置を果断に実施をしてまいります。
そのための事務局体制につきましては、公益法人と公益信託に係る業務が一元化されることに伴う合理化、そしてDXの推進等によります事務の効率化、こういったことを図りつつ、必要な体制整備にしっかりと取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/191
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192・井上哲士
○井上哲士君 認定基準などの公益性担保のための規定が適切に運用され、先ほどありましたように、公益法人のやっぱり信頼性が深く国民の中で確保されていくように適切な運用を強く求めまして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/192
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193・大島九州男
○大島九州男君 れいわ新選組、大島九州男でございます。
この公益法人制度改革、私も記憶に残っているのは、二〇〇六年に法改正されて、二〇〇八年、各団体が一般社団になるのかとか公益社団になるのかとか、どうしたらいいのか、どうなんだというのをすごくいろいろ問合せもありまして、その中でも、今日の質疑を聞いていても分かるように、この収支相償原則という部分がやっぱり一つ大きなとげだったという気がするんですよ。今回これを見直すと。約十八年、十八年ですよ。だから、一度決めると本当に運用が、本当に、これ合っていないよねというふうに思っても、十八年も掛かっているというのは本当大変なことだなと改めて思いましたけどね。
今回、中期的収支均衡を図るのに、利益が出たら、その利益を、五年間で解消されない場合は、その均衡を欠く状態が中期的期間解消されない、中期的収支均衡が図られないものと判定するという。これも何か、普通、企業をやっているじゃないですか、そうすると、一般の会社ですよ、ある程度利益が出たら、じゃ、その利益を違う事業に投資をして、そしてその新たな事業展開をしながら事業を発展させていくというのをみんなやっていると思うんですよ。お金借りて投資をする、そしてまたそこで利益が生まれたら、それをまた新たな事業に投資してといいながら、どんどんどんどん発展をさせていくということが要はできなかったと。
私の理解では、中小企業なんかは、五年間の赤字はその利益をそっちに回して相殺することができるという、そういう理解なんですよ。だから、今回そこに少し近づいていくんだなというのは分かるんだけれども、さっき言いましたように、中期的収支均衡が図られないから駄目だよみたいなことを言われると、何か違うよなと。だから、実際、一般的な企業と同じように、利益が出たら、その分新たな事業に投資をして、そしてその事業を展開させなさいという方が、新しい資本主義で民間が公益をどんどん担う事業がより加速すると思うんですよね。だけど、こういう何か縛りを掛けられたり何か言われると、何かちょっと違うよねと。
だから、これは、法律的にそういうような書き方をしなければいけないのか、今私が言いましたように、より一般の企業と同じような感覚で事業を、公益事業を発展させてくださいねという思いがあるのか、ちょっとそこら辺はどういう考え方なのか、基本的な考え方を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/193
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194・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) お答えを申し上げます。
委員の問題意識につきましては、公益法人が更に、公益的な事業活動を行って社会の課題を解決するに当たって、中長期で収支とんとんになれば、公益的に活動しているわけでありますから、しっかりとそういったことも認めていく方が更に活性化するのではないかということの御指摘であると受け止めました。
今回の改正以前に、黒字解消につきましては、公益充実資金への積立てという形で可能になっているという状況であることを御留意をいただければと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/194
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195・大島九州男
○大島九州男君 今大臣がおっしゃった公益充実資金の積立てというのは、企業でいうと内部留保みたいなものでしょう。いや、当然そういうものがあってしかるべきなんですよ。じゃないと、そのいい人材も集まりませんよ。
何か、もうけちゃいけないって、寄附をどこまでもらえるかって、それも安定しているわけでもない。ちゃんとした事業をやって、その事業の中である程度の収益があって、このコロナみたいな不測な事態があっても、ああ、ここは五年ぐらいは潰れないでちゃんと給料はもらえるねとかいう安定性がないとやっていけないというのは、これは当たり前の話なので、だから今回の改正に反対する思いはまるっきりないんですけどね。
だから、ここのところをもうちょっとしっかりしておきたいのは、さっきからの議論でもあるけど、県の担当者とかが、じゃ、相談を受けたときに、いやいや、これはもうこうですよというようなことをはっきり言えるのかと。これ、私が具体的に質問するなら、じゃ、例えば、過去の赤字の繰越しは何年間大丈夫なんですかと聞かれたら、何て答えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/195
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196・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) 今般の改正により、五年というふうに改正すると認識してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/196
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197・大島九州男
○大島九州男君 そういうふうに明快に答えられればいいんですよ。
じゃ、今回、予備財産、保有できる財産額についてはどれぐらいが可能なんですかというふうに答えてくださいって聞かれたら、どう答えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/197
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198・古賀友一郎
○大臣政務官(古賀友一郎君) じゃ、私からお答え申し上げます。
この予備財産についてどれだけ認めるべきかということは、確かに、この法人のその事業内容とか形態とか多種多様にわたりますので、一概にこれだけというのはなかなか言いづらい面はあると思うんです。ただ、そのばらつきというのも、確かにそういった論点はあろうかと認識をしております。
考え方としては、その法人が公表する保有額とか保有理由が事業内容に照らして合理的かどうかというものを判断基準として考えていきたいと思うんですけれども、じゃ、それを具体的にどう担保するかということについて、行政庁の間でありますとか、あるいはその担当者の間でばらつきがなるべく出ないように、内閣府として、できる限り分かりやすい判断基準、考え方、こういったことをお示ししていきたいと、こういうふうに考えておりまして、具体的にはそのガイドライン等で考えていくということになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/198
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199・大島九州男
○大島九州男君 そこが問題だと言っている。だから、ガイドラインで何を書くのか。
でも、これ、事業はいろいろ違いますよ、いろいろ違うけど、企業が生きていくとかその法人が生きていくためには当然基礎的な食事をしないと生きていけないわけです。それは何か家賃だったり人件費だったりね。だから、少なくとも、その家賃何年分、それから今、まあ経常経費ですよね、人件費何年分とか、そういった部分というのはもう一般的に決まっているわけですから、少なくともそういうものの五年間分は最低限保有できますよとかいうのははっきり言ってあげないと、県の担当者が今みたいな形の答弁を、担当者窓口で聞いても、ええ、何を言われているのか、いや、言っていることは分かりますけれども、じゃ、幾らなんですかと、何年分、幾らやったらいいんですかということのやり取りの中で、結局、さっき言った何とか一一〇番に言っても、担当者ころころころころ替わって、ガイドライン見てくださいなんていうようなことやっていたら意味がないと。
だから、少なくとも、そういう具体的に、経常経費何年分とか家賃何年分とか人件費何年分とかいうようなことを具体的に言えるんですかということ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/199
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200・古賀友一郎
○大臣政務官(古賀友一郎君) 御指摘の点、理解できます。
そういったことを含めて、じゃ、どういうその基準を設けていったらばらつきが出ずに皆が納得できる、そういった運用ができるかということをまさに考えていきたいと、こういうふうに思っているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/200
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201・大島九州男
○大島九州男君 是非、政務官とかは現場の声を聞かれて、そしてまた官僚と法案の整備するのに議論をずっとされてきたと思うんです。だから、先ほども参考人も団体の声をしっかり聞いているということを言っていましたが、またこれから二十年ぐらい掛かって改正したってしようがないので、これはもう運用とかそういう世界の中できっちり、公益法人がよりいろんな事業をやりやすく、そしてその形が、先ほどおっしゃった新しい資本主義で民間が公共にどんどんどんどん関わっていけるというような部分で貢献してもらえるようにうまく制度をつくって、ガイドラインをしっかりと広報してもらいたいというところをお願いをしておきます。
今度、この公益信託と一般法人と公益法人と、これうまく絡めたら良くなるんだなと一瞬思ったんですけど、何が言いたいかというと、一般法人でも認定されれば公益信託が受けられるということは、言うなれば寄附が受けられる、受けやすくなるということですよね。だから、今回のこの公益法人関係の改正とこの公益信託の関係がセットで出ているということは、一般法人もそういう公益信託使って公益法人たる活動がしやすくなるような、そういう意図もあるんですかという、ちょっと素朴な質問。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/201
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202・古賀友一郎
○大臣政務官(古賀友一郎君) 確かにそういう面もあろうかと思います。そもそも、この公益法人の制度と公益信託、共通する部分と違う部分というのがありますので、その特性を生かしながら使っていくということになろうかと思います。
一般論で申し上げれば、そのどちらとも公益活動に用いられるという点は共通しているわけですね。そういった意味で、寄附する方が受ける税制優遇は同じということになるわけであります。
ただ、差異といたしましては、公益信託の場合には、その受託者である公益法人が公益信託の目的以外にその信託財産を使うことができないといった制約が当然ありますし、また、仮にその法人が解散をしたとしても、その受託者を変更してこの公益信託を継続するということもできるというわけでありますので、そういった異動があるということを前提にこの制度を御利用いただければと、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/202
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203・大島九州男
○大島九州男君 この公益信託というのは、もう私も今回初めて勉強させていただいて、無知なものですから、これ、どういうふうにやったらよりいいのかなと思っていろいろ考えたんですけど、結局、さっきの答弁でもあるけれども、信託したやつがどんどんどんどんなくなっていって結局終わってしまっているという話でしょう。じゃ、これをどれだけ継続することができるかといったら、じゃ、その公益信託でやる事業の中である程度収益が上がって、それをずっとそれに使っていきながらやると、何か細く長く続いていくよねという気はするわけですよ。だから、それはその事業の中で利益を出していきながらそこに使っていくということができるのか。
それから、さっき投機的な取引はできませんよと言いましたよね。じゃ、その投機的というのの判断は、私もNISAとかでも投機的だと思うんですよ。だって、別に元本保証されているわけじゃないんだから。でも、政府は、国民のたんす預金を株にどんどんやりたいから、もう安心だと、何かいかにも、NISAをやっていりゃ十年たったら倍になるみたいな、昔の郵貯みたいな、定期預金みたいな、そういう錯覚を起こさせるようなことをやっているけど、これってだましだよねと、これも十分投機じゃないかと。
じゃ、そういった部分にそのお金を出すという判断とかここら辺は、じゃ、その県の窓口とかそういう人たちができるのかなという気もするんですけど、まず、さっき言いましたように、そこら辺の判断とか、それはどういうふうになっているのかというのをちょっと教えていただこうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/203
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204・古賀友一郎
○大臣政務官(古賀友一郎君) 委員御指摘のとおり、確かに一般的には、公益信託は財産がなくなればそこで終わるというのがこれは原則でありますけれども、そういった意味から考えれば、その財産を運用して長く使うということは確かにあり得る話であって、もちろん、仮にその運用利回りが良ければむしろそっちの方がいいぐらいであろうと、こういうふうに思うわけでありますが、投機的な、一方で投機的な運用はできないというわけであります。
ただ、その投機的な運用というのは一体どういうものなのかということの具体的な話になりますと、いろんなやっぱり判断が必要になってくるというわけでありまして、一般的に、一律に、いや、これで運用したら投機ですよと、これは大丈夫ですよという、そういう客観的なリスクというのもこれは見ていく必要があると思うんですけれども、それ以外にも信託行為の内容、これも契約で決めていきますけれども、その委託者がどういうふうに考えているかということもこれは重要なポイントでありましょうし、あるいはその受託する人の運用する能力というものもこれはやっぱり非常に重要なポイントになってこようかと思いますので、そういったことを加味して投機か否かということを判断していくことになろうと思います。
だから、そういう判断をできるだけばらつきがないようにできるように、またこれもガイドラインで考えていくような方向でおります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/204
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205・大島九州男
○大島九州男君 多分そういう御答弁しかならないというのは理解するんですよ。
しかし、その投機か否かというのを、今政務官おっしゃったように、契約ですよね。例えば、委託する人が受託者に、いや、このお金は、私は今まで競馬とかそういう馬とかああいうのが当たったから、競馬で運用してくださいという仮にそういう信託をされて、いや、もうそれはいいですよと言って合意したら当然そういうこともあるんだと思うんですよ、だって契約ですからね。
片やこっちの人は、いやいや、もうとにかく安全に安心で、もう自分は子供たちに御飯を食べさせてあげたいから子供食堂に全部使ってくださいと、運用はしないでくださいと言えばもう当然そういうふうになるし、だけど、今言うように契約ですから、野球賭博に賭けてくださいと言う人はいないにしても、じゃ、一般的にやっている、教育でいうとtotoだとか何かサッカーくじとか、国がやっているやつに対してそういったことでの、まあ投機とは言いませんが、運用はいいですよというような契約だったら、それはできるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/205
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206・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) 信託財産の運用につきましては、投機的な取引に該当しない範囲内で行うことが認可基準とされております。これに該当するかは、取引の規模、内容等、具体的事情を踏まえ行政庁が判断をしてまいります。受託者が使い込みのような法令違反であるとか不適切な高リスク運用による損失のような善管注意義務違反をした場合は、監督者である信託管理人が受託者に対し行為の差止めや損失を補填するよう請求することが可能であり、受託者を解任させることも可能となってございます。
こういった受託者の行為により公益信託が認可基準に適合しないと判断される場合には、行政庁が報告徴収、立入検査等を行い、勧告、命令、認可取消し等の監督措置を果断に実行をしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/206
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207・大島九州男
○大島九州男君 大臣、御答弁ありがとうございます。
ただ、そういう、それはもう十分聞いているんで理解していますから、ただ、私が素朴な疑問なのは、政務官、今言うように、政府が関与しているって言ったらおかしいですけど、言うなれば、監督している競馬だったり、totoだったり、スポーツくじとか、そういうのをその契約の中で運用してくださいということだったらできるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/207
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208・古賀友一郎
○大臣政務官(古賀友一郎君) やっぱりこれは、誰が見てもこれは投機だなと思えるものはやっぱり駄目だということなんですね、誰が見てもというのは。ただ、先ほど申し上げたとおり、委託者の意思であるとか、あるいは受託する人の能力であるとか、そういった個別の事情も勘案する余地はあると、こういうことだろうと思うんです。だから、そういったことを総合的に見ながら判断をしていくということであると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/208
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209・大島九州男
○大島九州男君 しつこいようですが、宝くじは、じゃ、どうなんだと。結局、契約ですから僕は成り立つと思うんですよ。だから、年間に例えば年末ジャンボを一千万ずつは買ってくださいという契約だったら、それは僕は成り立つと思うんですけど、それはどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/209
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210・古賀友一郎
○大臣政務官(古賀友一郎君) 一般的な受け止めとしては、余りにもリスクが高過ぎるというふうに、今の事例だってほとんどの国民はそう思うと思います。
だから、そういった素朴な国民感情みたいなものも重要なことだと思いますが、いずれにしても、誰が見てもというそういった客観的な基準と、それからそこに個別の要因を加味していくということではないのかなと、こういうふうには考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/210
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211・大島九州男
○大島九州男君 じゃ、最後に要望しておきますが、やっぱり窓口ではいろんなこういう質問、いろんな弾が飛んでくるわけですから、だから、それに対してどう答弁できるか、ガイドラインの作り方、そしてまたそういう具体的な事例の示し方、こういうことをしっかりやらないとすごく混乱しますから、是非そういうふうにならないように御努力いただくことを要望して、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/211
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212・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
これより両案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
まず、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/212
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213・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、公益信託に関する法律案について採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/213
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214・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、鬼木君から発言を求められておりますので、これを許します。鬼木誠君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/214
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215・鬼木誠
○鬼木誠君 立憲民主・社民の鬼木誠でございます。
私は、ただいま可決されました公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の一部を改正する法律案及び公益信託に関する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会・教育無償化を実現する会、国民民主党・新緑風会、日本共産党及びれいわ新選組の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の一部を改正する法律案及び公益信託に関する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、両法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
一 公益法人制度及び公益信託制度を中心とした民間による公益活動の一層の活性化のため、両法の趣旨、新たな税制措置の内容等について、関係者を始め広く国民に対し周知徹底を図るとともに、社会経済情勢の変化等を踏まえ、両法施行後五年を目途としてそれぞれ必要な見直しを行うこと。
二 過去に公益法人の不祥事が相次いだことに鑑み、不適切な事案に対する行政庁による監督等を厳格に行うとともに、公益信託に対する監督等についても公益法人と共通の行政庁が担う制度と改めることを踏まえ、両制度に係る監督等が透明性を確保しつつ迅速かつ的確に実施されるよう、体制の充実に努めること。
三 公益法人の財務規律に係る判定、公益信託の認可等について、全国を通じて統一的かつ透明性の高いものとするために、都道府県に対して情報提供等を行うなど必要な措置を講ずること。
四 公益法人における財務情報の開示、自律的なガバナンスの充実等に係る措置の実施に伴う事務手続や人材確保等について、小規模の公益法人等に対し必要な支援に努めること。
五 改正後の公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律に基づく内閣府令等の策定に当たっては、公益法人の関係者を含め広く国民から意見を聴取し、運営実態等を十分踏まえること。
六 既存の公益信託の新たな制度への円滑な移行が図られるよう、公益信託の関係者の意向や運営実態等を十分踏まえ、適切な措置を講ずること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/215
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216・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) ただいま鬼木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/216
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217・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) 全会一致と認めます。よって、鬼木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、加藤内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。加藤内閣府特命担当大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/217
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218・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/218
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219・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/219
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220・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00620240404/220
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