1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和六年四月二十三日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
四月十九日
辞任 補欠選任
山本 太郎君 大島九州男君
四月二十二日
辞任 補欠選任
衛藤 晟一君 越智 俊之君
杉尾 秀哉君 福島みずほ君
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出席者は左のとおり。
委員長 阿達 雅志君
理 事
磯崎 仁彦君
酒井 庸行君
広瀬めぐみ君
石垣のりこ君
宮崎 勝君
委 員
越智 俊之君
太田 房江君
加藤 明良君
古賀友一郎君
高橋はるみ君
森屋 宏君
山谷えり子君
鬼木 誠君
塩村あやか君
福島みずほ君
窪田 哲也君
片山 大介君
柴田 巧君
竹詰 仁君
井上 哲士君
大島九州男君
国務大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(経済安
全保障)) 高市 早苗君
副大臣
経済産業副大臣 岩田 和親君
事務局側
常任委員会専門
員 岩波 祐子君
政府参考人
内閣官房経済安
全保障法制準備
室長兼内閣府政
策統括官 飯田 陽一君
内閣官房経済安
全保障法制準備
室次長兼内閣府
大臣官房審議官 彦谷 直克君
内閣官房経済安
全保障法制準備
室次長兼内閣府
大臣官房審議官 品川 高浩君
内閣官房内閣審
議官 山田 好孝君
内閣官房内閣審
議官 岡 素彦君
内閣府大臣官房
総合政策推進室
室長 笹川 武君
法務省大臣官房
審議官 吉田 雅之君
公安調査庁調査
第二部長 平石 積明君
外務省大臣官房
参事官 山田 欣幸君
経済産業省大臣
官房審議官 田中 一成君
経済産業省大臣
官房審議官 西村 秀隆君
経済産業省貿易
経済協力局貿易
管理部長 猪狩 克朗君
資源エネルギー
庁資源・燃料部
長 定光 裕樹君
防衛省大臣官房
審議官 今給黎 学君
防衛装備庁技術
戦略部長 松本 恭典君
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本日の会議に付した案件
○連合審査会に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
○経済施策を一体的に講ずることによる安全保障
の確保の推進に関する法律の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/0
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001・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、山本太郎君、衛藤晟一君及び杉尾秀哉君が委員を辞任され、その補欠として大島九州男君、越智俊之君及び福島みずほ君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/1
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002・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案及び経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律の一部を改正する法律案について、経済産業委員会からの連合審査会開会の申入れを受諾することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/2
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003・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/3
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004・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/4
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005・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) 次に、連合審査会における政府参考人の出席要求に関する件及び参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
両案審査のための連合審査会に政府参考人及び参考人の出席要求があった場合には、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/5
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006・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/6
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007・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案外一案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房経済安全保障法制準備室長兼内閣府政策統括官飯田陽一君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/7
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008・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/8
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009・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) 重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案及び経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/9
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010・福島みずほ
○福島みずほ君 立憲・社民共同会派の福島みずほです。
まず、適性評価についてお聞きをいたします。
衆議院の内閣委員会、そして参議院の本会議でも、性的動向について、これは調査の対象となり得るというふうに答弁がされています。十二条二項一号の重要経済基盤毀損活動との関係に関する事項ということだと思うんですが、関係に関する事項というので性的動向まで調査できるというのは、非常に、物すごくプライバシーに踏み込む、プライバシーを侵害すると思います。この秘密保護法の適性評価と経済秘密保護法案の適性評価は非常に共通しております。
防衛省にお聞きをいたします。
現在、秘密保護法がありますが、特定有害活動及びテロリズムとの関係に関する事項というのが適性評価の対象ですが、防衛省は、現在において、防衛省の職員に対する適性評価で性的動向について調査をされていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/10
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011・今給黎学
○政府参考人(今給黎学君) お答え申し上げます。
防衛省におきましては、法律に定められた調査項目につきまして適性評価の調査を実施することといたしておりまして、議員御指摘の性的動向につきましては、特定秘密保護法第十二条第二項に掲げる調査事項とはなっておりません。
一方、特定有害活動との関係に関する事項の調査に当たりまして、外国の情報機関等から漏えいの働きかけを受ける際に性的な交友関係が利用される疑いが認められた場合には、適性評価において考慮される事実関係であると理解をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/11
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012・福島みずほ
○福島みずほ君 個別に挙げている二号から七号には当てはまらないが、一号の関係に関する事項だったら当たり得るということですね。
今、防衛省は性的動向についても調査をしているということですが、性的動向の調査ってすごいと思うんですね。誰と性交渉を持っているかということの調査ですから、よっぽど踏み込まない限りはそれは分からない。どういう調査されているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/12
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013・今給黎学
○政府参考人(今給黎学君) 今議員御指摘の性的動向については、調査事項とはなっておりません。
他方で、特定有害活動との関係に関する事項の調査に当たりまして、外国の情報機関等から漏えいの働きかけを受ける際に性的な交友関係が利用される疑いが認められた場合には、適性評価において考慮される事実関係であると理解をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/13
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014・福島みずほ
○福島みずほ君 つまり、一定の場合には調査をするということですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/14
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015・今給黎学
○政府参考人(今給黎学君) 一定の場合と今先生の方からお話がありましたけれども、繰り返しになりますけれども、特定有害活動との関係に関する事項の調査に当たって、適性評価において考慮される事実になる場合があるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/15
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016・福島みずほ
○福島みずほ君 適性評価は、その秘密を与えるかどうかというときにおける調査じゃないですか。しかし、特定活動にそれ当てはまるかどうかで適性評価として考慮するというのは順番が逆にも思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/16
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017・今給黎学
○政府参考人(今給黎学君) 繰り返しになりますけれども、防衛省として、その性的動向については調査事項ではないということでございます。その上で、特定有害活動との関係に関する事項の調査に当たって、適性評価において考慮される事実になる場合があるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/17
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018・福島みずほ
○福島みずほ君 ただ、この適性評価の条文は、まさに一号、二号から、あっ、一号から七号までなっていて、その適性評価の対象となるというのに、特定有害活動及びテロリズムとの関係に関する事項となっていますから、これで性的動向もこれの関係に関する事項だということであれば、適性評価の対象、一号でなり得るということじゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/18
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019・今給黎学
○政府参考人(今給黎学君) 先生今話がありましたその一号ということでございますけれども、我々、第十二条のその二項の第一号で、繰り返しにはなりますけれども、性的な交友関係が外国の情報機関からの漏えいの働きかけを受ける際に利用される疑いが認められた場合には、適性評価において考慮され得る事実関係であるという理解でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/19
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020・福島みずほ
○福島みずほ君 考慮されるべきといっても、適性評価の対象となり得るというふうに答弁が、調査の対象であると考えますというふうに大臣も本会議で答弁されています。私はやっぱり、性的動向まで調査をするというのは物すごくやっぱり踏み込んでいると思うんですね。
現在も、だから、防衛省はこれに当てはまるとして調査をしているんですか。もう一回お聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/20
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021・今給黎学
○政府参考人(今給黎学君) 繰り返しになりますけれども、性的動向につきましては調査事項とはなっておりませんということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/21
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022・福島みずほ
○福島みずほ君 でも、調査の対象にはなり得るんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/22
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023・今給黎学
○政府参考人(今給黎学君) これも繰り返しになりますけれども、性的動向については、この法律上、調査事項とはなっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/23
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024・福島みずほ
○福島みずほ君 質問に答えてください。
調査の対象であると考えます。ですから、条件はありますが、大臣も本会議で、重要経済基盤毀損活動との関係に関する事項に該当し得るため、調査の対象であると考えますと答弁されています。つまり、調査事項ではないが、これに該当すれば調査の対象になるということでよろしいですね。それは秘密保護法と経済秘密保護法案と一緒だと思いますので、調査の対象となり得るということでよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/24
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025・今給黎学
○政府参考人(今給黎学君) また繰り返しになりますけれども、その特定有害活動との関係に関する事項の調査に当たりまして、外国の情報機関等から漏えいの働きかける、を受ける際に性的な交友関係が利用される疑いが認められた場合には、適性評価において考慮され得る事実関係であると理解をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/25
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026・福島みずほ
○福島みずほ君 つまり、大臣も答弁しているとおり、対象になり得るんですよ。
お聞きします。性的動向ということであれば、これどうか。ハニートラップか、いや、何かあるかもしれない。LGBTQについて、性的指向についても対象となり得るということでよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/26
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027・今給黎学
○政府参考人(今給黎学君) お答え申し上げます。
先生、今、性的動向ということでLGBTQということに言及をされましたけれども、そういったものは法律上その調査事項とはなっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/27
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028・福島みずほ
○福島みずほ君 いや、違うんですよ。ハニートラップの関係があるから、性的動向についても調査の対象となり得る。秘密保護法においても、そして経済秘密保護法案においても性的動向まで調べるんですよ。だとすれば、性的動向を調べるに当たっては、例えば、ハニートラップに引っかからない例えば同性愛かどうかとかいうこともあるじゃないですか。性的な動向ってやっぱりすごいことだと思うので、お聞きをしているんです。
LGBTQかどうかという性的指向も、当然、調べる過程では調査の対象となり得る、調べ得るということでよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/28
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029・今給黎学
○政府参考人(今給黎学君) お答え申し上げます。
性的動向については、法律上、その調査事項とはなっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/29
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030・福島みずほ
○福島みずほ君 条文上、二号から七号にはありません。でも、この間の衆議院そして本会議での答弁で、この関連する事項、一号で関係に関する事項という中に入るという答弁だから、この関係する、関係に関する事項というのは幾らでも拡大するじゃないですか。性的動向が関係に関する事項というふうに聞いて、私はやっぱり本当にショックを受けました。じゃ、性的動向だったら、その人がどういう性的指向を持っているかは関係するじゃないですか。
では、お聞きします。この関係に関する事項、調査事項でないとおっしゃいますが、関係に関する事項、この例えば秘密保護法下において、思想、信条、思想や、労働組合活動歴があるかどうか、渡航歴、こういうのも調査し得るということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/30
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031・今給黎学
○政府参考人(今給黎学君) 今具体的な内容について先生の方から御言及がありましたけれども、その調査内容の詳細につきましては、これは情報保全体制に関わることでありまして、これを明らかにすることで対抗策を講じられるおそれがあるため、お答えは困難であることを御理解いただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/31
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032・福島みずほ
○福島みずほ君 どんな適性評価をしているか、それは秘密ですということで、不当にこの情報を扱わないとなっていますが、目的外使用は禁止するとなっていますが、誰も何もチェックができないんですよ。何をやっているか分からないんですよ。場合によって必要があれば性的動向も調査をするというのであれば、LGBTQであるか、あるいはもしかして何か思想、あるいは愛国心、渡航歴、その人の考え、活動歴、対象になり得るじゃないですか。幾らでもこの関係する事項で対象になり得る、それがこの適性評価の問題点です。
私は、精神疾患でも、カウンセリングで例えば産業医に行っても、これ質問票の項目に書かなくちゃいけないから大変なことだと思いますよ。でも、この間の答弁で、適性評価の対象は無限大に広がるんですよ。性的動向まで調べることができるんだったら、何だって調べることができるじゃないですか。よっぽど調べない限り、誰と性交渉しているかなんて出てこないですよ。そこまで適性評価でやる。しかも、今まで十三万人やっているんですよ。今後、経済秘密保護法案が仮に成立をしたら、そこでどれだけの民間人が対象になるのか。その情報は物すごい情報ですよ。
この秘密、その適性評価の情報は何年たったら消去されるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/32
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033・今給黎学
○政府参考人(今給黎学君) 五年でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/33
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034・福島みずほ
○福島みずほ君 でも、この情報が本当に消去されたかどうかというのは分からないんですよ。
経済秘密保護法は何年ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/34
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035・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 少なくとも、有効期限が十年でございますので、十年と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/35
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036・福島みずほ
○福島みずほ君 条文には有効期限って書いてあるんですよ。でも、有効期限とは書いてあるけれども、消去するとは書いていないんですよね。本当に、そして秘密保護法の方が五年、そして経済秘密保護法案が十年で、有効期限は十年ですが、消去するかどうかというのは書いてありません。
次に、研究についてお聞きをいたします。
経済秘密保護法案の秘密の範囲、保護情報とされる、外部から行われる行為から重要経済基盤を保護するための措置又はこれに関する計画又は研究と条文にあります。
研究とは何か。防衛省は、防衛イノベーション技術研究所を始めるということで募集もされています。この研究は当たりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/36
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037・松本恭典
○政府参考人(松本恭典君) お答え申し上げます。
先生御指摘の防衛イノベーション技術研究所、これまだ設置しておりませんので仮称でございますけれども、この研究所で実施する研究については、現時点でまだ具体的な内容が確定しているものはなく、そのため、同研究所での研究が外部から行われる行為から重要経済基盤を保護するための措置又はこれに関する計画若しくは研究に該当し得るか否かについて判断できる段階にないことを御理解いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/37
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038・福島みずほ
○福島みずほ君 これ、官民連携でやるんだ、新しい仕組みをつくるんだ、税金掛けてやるんだ、募集するんだ、副業も可能だ、で、募集されているじゃないですか。素粒子をやる、AIをやるかもしれない、ITをやるかもしれない、先端技術もやるんだと言っている。これが当てはまるかどうか分からない。何の研究するか分からない。
私は、いずれ、何を秘密指定しているか、それは秘密ですですから、何の研究を税金掛けてやっているかすら、それが別に軍事とかじゃなくても素粒子でも何でも、発表されなくなるんじゃないかと思います。
このイノベーション研究所って何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/38
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039・松本恭典
○政府参考人(松本恭典君) 防衛イノベーション技術研究所、これ、仮称、につきましては、これまでの防衛省における研究開発の中から防衛の装備に関するイノベーションを生み出すような研究を実施していくというための研究機関を設置する方向で現在準備しておるところでございまして、現時点において、まだ設置されていない段階ですので、具体的にどういう技術のどういう研究をするかということについて確たることを申し上げる段階にないということを御理解いただければ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/39
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040・福島みずほ
○福島みずほ君 結局、何も明らかにされないんですよ。将来も明らかにされないかもしれない。
官民連携で大学ともやりますよね。大学の研究がこれに当てはまるか。確かに、大学が持っているものをそのまま、秘密じゃない、でも、大学の研究を政府に報告をしたり提出をした、そしてそれを政府が少し変えるとか、それを利用して何かを使うという場合、それは秘密指定となり得ますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/40
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041・松本恭典
○政府参考人(松本恭典君) 大学との関係につきましては、現時点においても、我々、安全保障技術研究推進制度というプログラムを持っておりまして、それにおきましては大学に対して研究の委託をやっておるものもございます。
ただ、その同制度につきましてはバイ・ドール法を適用いたしまして、全件、大学に対しても公開可能な成果の活用も自由にしていただくという制度にしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/41
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042・福島みずほ
○福島みずほ君 それでは、これ、民間人の、この経済秘密保護法案は主に民間人だって言われますが、条文に書いてある研究とは何を、どこのを指すんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/42
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043・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 二条四項一号のことを指しておられると思いますが、第一号は、外部から行われる行為から重要インフラや重要物資のサプライチェーンを保護するための政府が講じる措置に関する情報、言わば政府として外部行為に対抗するために用意している手のうちに属する情報を想定しております。その中で、ここに言うこれに関する計画又は研究というのは、そのような措置の手順等をまとめた政府としての計画や、そのような措置の策定又は準備に関わる政府としての研究を指します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/43
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044・福島みずほ
○福島みずほ君 民間人が関わる研究にはどのようなものがあると考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/44
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045・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 本法案で指定の対象となる重要経済安保情報でございますが、重要経済基盤保護情報に該当すること、公になっていないこと、漏えいした場合には安全保障に支障を与えるおそれがあるもの、三要件に該当したものでございます。
民間において適性評価の対象となる者は、この重要経済安保情報の提供を受けて、従業者にその取扱いの業務を行わせることについて自ら意思を示し、政府と合意して契約に至った事業者においてその情報を取り扱うことが必要となる従業者に限定されます。民間事業者の従業者であっても、その政府が保有する情報を取り扱うことのない方は対象となりません。
ですから、今申し上げた範囲を超えて、この研究開発に携わっている方も含めて調査対象になるということではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/45
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046・福島みずほ
○福島みずほ君 要件を満たせば、大学の研究者やシンクタンクやそういう人たちもなるわけじゃないですか。このイノベーションの研究所に関しても何かというのを答えないけれども、官民連携でやるとしたら、そこも、それも秘密指定するし、適性評価もするということだと思います。今の漠然とした定義に、でも、それでも当てはまれば、それになるということだと思います。
秘密保護法と経済秘密保護法案の関係についてお聞きをします。
経済秘密保護法案、秘密保護法拡大法案、身辺調査法案と、秘密保護法改悪法案とか呼んでおりますが、これってやはり、これ立て付けがというか、違う。つまり、安全保障の概念が違うわけですね。秘密保護法は防衛、外交、そして今回の経済秘密保護法案は経済安保です。
経済安保の経済秘密保護法案の中でコンフィデンシャル、トップシークレット、シークレット。コンフィデンシャル、取扱注意のこのレベルのところだけこの経済秘密保護法案の対象にする。じゃ、そのトップシークレットとシークレットはどうなるかといったら、秘密保護法の中の四要件の中に入れ込むか、当てはまれば該当するというふうに答弁をされています。当てはまれば該当するというのはトートロジーで何の説明にもなっていませんが、トップシークレットとシークレットは秘密保護法でやるというのは、これはおかしいんですよ。
十年前の議論をよく覚えていますが、経済安保のことは一切議論になっていません。タイムトンネルに乗って、十年前に経済安保のことを議論したなんということはないんですよ。ここでは四要件、外交、防衛、有害行為、テロ活動、四つの中です。こっちは経済安保ですから、扱っているところが全く違うんですよ。安全保障の概念が違います。
だとしたら、コンフィデンシャル、取扱注意の三番目しかこの法律でやらないとしたら、トップシークレット、シークレット、これはどれぐらい秘密保護法の射程距離になるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/46
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047・岡素彦
○政府参考人(岡素彦君) まず初めに申し上げますと、特定秘密保護法の制定の審議の際には、経済安全保障という表現を用いた答弁は政府は行っておりません。ただ、その一方で、当時の法案審議におきまして、防衛装備品の開発における民生技術の活用、エネルギー、食料に係る安全保障などにつきまして様々な議論がなされていたものというふうに承知をしております。
その上で申し上げますと、重要経済基盤保護情報、新法のですね、の具体例として掲げられておりますインフラ等へのサイバー攻撃への対応案、あるいはサプライチェーンの脆弱性情報、安全保障の共同開発などにつきましては、それぞれ、まずインフラ等へのサイバー攻撃への対応案につきましては、テロリズムの防止に関する事項として現行の細目に該当する可能性があるというふうに認識をしております。
また、サプライチェーンの脆弱性情報につきましては、こちらにつきましては、安全保障に関し収集した国民の生命及び身体の保護に関する重要な情報に関連する細目に該当する可能性があるというふうに認識しております。
さらに、安全保障の共同開発につきましては、安全保障に関し収集した条約その他の国際約束に基づき保護することが必要な情報に関連する細目に該当する可能性があるというふうに認識しています。
いずれにしましても、経済安全保障に関する重要な情報がございますれば、要件に該当すれば特定秘密保護法で保護すべきものというふうに認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/47
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048・福島みずほ
○福島みずほ君 今の説明で駄目ですよ。つまり、四つの要件しかなくて、冒頭おっしゃったように、経済安保の議論、当時していないんですよ。サプライチェーンやAIやそれからITの技術やいろんなことについて、議論していないですよ、全く議論していないですよ。四つの要件、外交、防衛、テロ活動、有害行為の中に入らないですよ、経済安保は。入らないのに、じゃ、何でこの経済秘密保護法案でトップシークレット、シークレットは問題にせず、コンフィデンシャル、取扱注意だけやるのか。全く公平を欠くというか、おかしいですよ。
本来は、秘密保護法の改正で、私は秘密保護法に当時も反対しましたが、そこで改正をして、経済安保をどう取り組むかなら分かりますよ。でも、秘密保護法案は、コンフィデンシャル、経済安保のコンフィデンシャルしかやらないんですよ。これはおかしいと思います。
では、秘密保護法において、今度は、四要件のトップシークレット、シークレット、コンフィデンシャル、取扱注意はこれ処罰しないんですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/48
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049・岡素彦
○政府参考人(岡素彦君) 特定秘密保護法の罰則規定は特定秘密保護法の特定秘密の漏えいなどに関する罰則でございまして、一般的に、特定秘密というのはトップシークレット、それからシークレットの二つのクラスを指すものと理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/49
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050・福島みずほ
○福島みずほ君 そうです。十年、拘禁十年ですが、今、国家公務員法の秘密漏えいは一年以下ですが、ばんって上がっているわけですよね。でも、今おっしゃったように、秘密保護法はこの四つの要件のトップシークレットとシークレットを、もし秘密と指定されたのを漏えいすれば処罰される。でも、コンフィデンシャルについて、取扱注意については処罰しないんですよ。
ところが、こっちの経済秘密保護法は、なぜかトップシークレットとシークレットは、全く議論していない、全く議論していないが、なぜか十年前に遡って、タイムトンネルに乗って、経済安保だけれどもこちらは処罰され得るということで、でも全部はこの四要件の中に入らないですよね、経済安保ですから。
だから、こっちはコンフィデンシャル、取扱注意レベルで処罰をすると。でも、秘密保護法の方は、十年前に作ったのは、今答弁されたとおり、トップシークレット、シークレットを処罰し、コンフィデンシャルは不問に付すんですよ。おかしいですよ。ずっとシームレス、シームレスと言うけど、冗談じゃないですよ、安全保障の概念が違うわけですから。こっちは経済安保です。そして、こちら側は違う四要件、外交、防衛、テロ活動、そして有害行為ですよ。だから、違うんですよ。違うものをシームレスと言って、しかも不均衡じゃないですか。
コンフィデンシャル、取扱注意のレベルのものに関しては、イギリスやフランスなどはもうコンフィデンシャルは秘密指定しないということを、参考人、齋藤裕参考人が衆議院で言っています。アメリカでも、コンフィデンシャルはもう取扱い、これから入れなくていいんじゃないかという勧告があるという説明もありました。なぜコンフィデンシャルだけ経済秘密保護法で問題にし、やるのか、全く理解ができません。
秘密保護法の成立のときに、ツワネ原則がない、アメリカですら第三者のチェックで秘密をやっているのに日本はない、いろんなことがないということがさんざん言われたのに、制度に関する有識者会議ではそのようなプライバシーやそれから人権に関する議論が一切行われていません。極めて問題であるということを申し上げ、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/50
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051・石垣のりこ
○石垣のりこ君 立憲民主・社民の石垣のりこです。
本日も、今回のセキュリティークリアランス制度における適性評価について質問します。
先ほど、福島委員が適性評価対象者本人の性的動向の調査に関する質疑がございましたけれども、私は、主にその評価対象者の家族及び同居人等の影響について伺っていきたいと思います。まずは、適性評価を受ける対象者に父母、子及び兄弟姉妹等、同居人も含みますが、氏名、生年月日、国籍、住所を届けさせる理由は何でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/51
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052・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 評価対象者御本人に重要経済基盤毀損活動との関係がないかを知る手掛かりとして、外国の情報機関等による評価対象者への働きかけがないかなどを調査する参考とするためでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/52
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053・石垣のりこ
○石垣のりこ君 調査する参考ということですが、四項目以上のことも調査されるということでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/53
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054・飯田陽一
○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。
家族に関するこうした四項目を知ることで、対象者本人について重要経済基盤毀損活動との関係がないかを調査するための参考というのが今大臣から御説明したとおりでございます。
これは、家族の中に外国籍の方や外国からの帰化歴がある方がいる場合には、その家族関係を利用してその国の情報機関等が評価対象者に重要経済基盤毀損活動への関与を働きかける可能性が否定できないためということでございまして、具体的なその確認の手法につきましては、調査に支障を及ぼすおそれがあるためにお答えを控えたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/54
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055・石垣のりこ
○石垣のりこ君 今、外国籍の話がありましたけれども、外国籍の家族、同居人等がいたときにはこの重要経済基盤毀損活動に関わる可能性があるという判断がなされる可能性が高いということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/55
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056・飯田陽一
○政府参考人(飯田陽一君) お答えをいたします。
国籍だけで重要経済基盤毀損活動に関わりがあるという判断をするというわけではございません。七項目の調査項目がございますし、あるいは、その中で重要毀損活動に関しましても、具体的な事実に基づいて一つの考慮をさせていただいた上で、最終的には七つの項目の調査項目に関する調査結果を踏まえて、重要経済安保情報を漏らすおそれがないと認められるか、あるいはないと認められないかについて判断をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/56
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057・石垣のりこ
○石垣のりこ君 調査対象者本人の話ではなく、それに付随して調べられる家族のことを中心に伺っております。
家族に関してはこの四項目以外には調査しないんですかという質問に対して、今お話があった、お答えがあったと思いますけれども、それ以上の調査はなさらないということでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/57
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058・飯田陽一
○政府参考人(飯田陽一君) この適性評価調査はあくまでも評価対象者本人の方に関する調査でございますので、その御本人の重要経済基盤毀損活動との関係以上において家族の方についてお調べするということはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/58
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059・石垣のりこ
○石垣のりこ君 今、条件が付きました。重要経済基盤毀損活動との関係に関する事項以外においてということで調べる必要はない。
ということは、先ほど福島委員の質問にもありましたけれども、重要経済基盤毀損活動との関係が疑われる事項に関しては、家族に関してもこの四項目以上の調査がなされる可能性があるということでいいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/59
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060・飯田陽一
○政府参考人(飯田陽一君) お答えをいたします。
今の御質問に関しましては、先行する制度でございます特定秘密保護法制度、特定秘密保護制度においてもそうであるというふうに承知をしておりますが、御指摘のございました家族に係る氏名、生年月日、国籍、住所の四項目以外のことについて調査する予定はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/60
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061・石垣のりこ
○石垣のりこ君 それは、特定秘密保護法においてはこの四項目以上には調査していらっしゃらないということで、その運用基準が今回のセキュリティークリアランス法案に関しても適用されるという御説明でよかったですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/61
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062・飯田陽一
○政府参考人(飯田陽一君) 今回、この法律案に基づきます適性評価は、重要経済安保情報を漏らすおそれがないと認められるかどうか、そのための調査でございます。一方、特定秘密保護法は、特定秘密、漏らした場合に著しい支障が与えるおそれがあるか、ある情報について、これも漏らすおそれがないかということを確認をする、調査をするということについて共通でございますので、特定秘密保護法も参照しながら、今後調査の運用について検討してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/62
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063・石垣のりこ
○石垣のりこ君 先ほどからも、この十二条二項一号における重要経済基盤毀損活動との関係に関する事項外であればもちろん、に関係していないということであればこの四項目のみ。でも、この住所と氏名と生年月日と国籍のみから一体どこまで分かるのかというのが非常に疑問なんですけれども、これ以上のことを調べない限りは評価対象者がそうした重要経済基盤毀損活動に関わる可能性があるかどうかということの具体的なことが分からないというふうに思うんですが、その点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/63
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064・飯田陽一
○政府参考人(飯田陽一君) お答えをいたします。
家族に関するこうした四項目を知るということは、まさに家族の方のある種、人定情報ということでございますけれども、これはあくまでも評価対象者本人についての、重要経済基盤毀損活動との関係がないか調査する上でのある種の、一つの端緒あるいは参考とするということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/64
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065・石垣のりこ
○石垣のりこ君 確認なんですが、評価対象者の重要経済基盤毀損活動との関係を調査する過程の中で、これは対象者本人です、公務所から聴取することがあるということなんですが、公安調査庁また警察などからも聴取を行うことがあるということで間違いありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/65
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066・飯田陽一
○政府参考人(飯田陽一君) お答えをいたします。
ただいま委員がおっしゃった聴取というのは、恐らく公務所からの照会ということを指しているのではないかというふうに思っております。
その上で、お尋ねの公安調査庁や警察に対する照会があるかどうかということでございますけれども、その照会は実施されることはあり得るというふうに考えておりますが、実際に、個別の案件に応じて実際に照会するかどうか、何を照会するかは、調査に支障を及ぼすおそれがあるためにお答えを差し控えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/66
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067・石垣のりこ
○石垣のりこ君 可能性はあるということで、否定はされませんでした。
そこで、公安調査庁の話をちょっと伺いたいんですけれども、既に経済安全保障に関する調査というのを行っています。資料の一、二を御覧いただきたいと思いますが、公安調査庁は、破壊活動防止法、破防法の制定に合わせて設置された機関でございますが、破防法で調査監視団体と指定された団体に対する調査と、オウム真理教事件後に成立した団体規制法の対象団体の調査が業務でございます。
経済安全保障に関する調査というのはどのような法的根拠に基づいて行われるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/67
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068・平石積明
○政府参考人(平石積明君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、公安調査庁は破壊活動防止法及び団体規制法に基づきまして必要な調査を行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/68
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069・石垣のりこ
○石垣のりこ君 この経済安全保障に関する調査ということで、これまでの調査の範囲などが広がったということはあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/69
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070・平石積明
○政府参考人(平石積明君) お答え申し上げます。
個別の調査対象や調査の具体的な内容に関する事項につきましては、今後の業務遂行に支障を来すおそれがありますことから、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/70
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071・石垣のりこ
○石垣のりこ君 個別の案件は一切聞いていません。調査の対象が広がったかどうかという全体の話を聞いているんです。もう一度お答えをお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/71
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072・平石積明
○政府参考人(平石積明君) お答え申し上げます。
繰り返しになりますが、個別の調査対象や調査の具体的内容に関する事項につきましては、今後の業務遂行に支障を来すおそれがありますことから、答弁は差し控えさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/72
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073・石垣のりこ
○石垣のりこ君 いや、こういうことすら答えられない。個別の案件では一切ないのに、今回の経済安全保障という。これ、二〇二一年の新聞の記事でありますし、公安調査庁が出している資料に関しても、こういうことをやっていますと。
これ、当時だとは思いますが、和田公安調査長官がお話しされていますよね。産業スパイによる技術流出や大量破壊兵器の拡散防止のほか、重要施設周辺の不動産取得の問題について調査をこれまでもずっとやってきた、こうして蓄積したノウハウを生かして経済安保の分野でも取り組んでいきたいということでお話をされていらっしゃいますけれども、その範囲というのは広がったんですかどうなんですかという質問にどうしてお答えできないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/73
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074・平石積明
○政府参考人(平石積明君) お答え申し上げます。
繰り返しになりますが、公安調査庁は破壊活動防止法及び団体規制法に基づきまして必要な調査を行っているところでございます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/74
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075・石垣のりこ
○石垣のりこ君 広がっていることを否定はされていないという御答弁だったと思います。
この調査では、経済安全保障上問題があるとされた人物の行動を監視するということもあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/75
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076・平石積明
○政府参考人(平石積明君) 個別の調査対象や調査の具体的内容に関する事項につきましては、今後の業務遂行に支障を来すおそれがありますことから、答弁は差し控えさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/76
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077・石垣のりこ
○石垣のりこ君 いや、別に個別の案件までは行かない。経済安全保障上問題があるとされた人物の行動を監視することもあるのかというのは個別の案件なんですか。実際、経済安全保障上の問題ある調査をしているとおっしゃっているんですから、あるんじゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/77
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078・平石積明
○政府参考人(平石積明君) 繰り返しになりますが、個別の調査対象や調査の具体的内容に関する事項につきましては、今後の業務遂行に支障を来すおそれがありますことから、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/78
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079・石垣のりこ
○石垣のりこ君 時間がないので先進みますけれども、公安調査庁における経済安全保障に関する調査と今回のセキュリティークリアランス制度、この今回の法案ですね、の関係を伺います。
公安調査庁が評価対象に対する調査を行うことがあるのか。また、ある場合には、その調査は破壊活動防止法に基づいて行われるのか、それともセキュリティークリアランス制度の枠内で行われるのか、どちらでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/79
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080・飯田陽一
○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。
まず、私の方から、この今回の重要経済安保保護活用法案に基づいて、公安調査庁を含めました行政機関、どのような対応をするのかということでお答えをさせていただきたいと思います。
この法案に規定いたしております適性評価調査は、原則として、適性評価を実施する行政機関から内閣総理大臣に調査を求めまして、内閣総理大臣が一元的に行うこととしております。
ただ、法案の十二条の四項ただし書というのがございまして、例外として、内閣総理大臣、つまり内閣府に調査を行わせることで当該行政機関の業務の遂行に支障を及ぼすおそれがある場合には、当該行政機関自らが調査を行うこととしております。
したがって、一般論として申し上げますと、公安調査庁を含めた行政機関が実施するその職員や適合事業者の適性評価がそうした例外的なケースに該当する場合、こうした場合は、公安調査庁を含めたその行政機関が自ら調査を行うこともあるというふうに考えております。
なお、内容を含めた、あっ、内閣府を含めた他の行政機関が公安調査庁に対してこの法律に基づいて適性評価調査を求めることはございませんので、先ほど申し上げましたとおり、本法案に基づいて自ら調査を行う場合を除いて、本法案に基づきまして公安調査庁あるいは他の行政機関が適性評価調査を実施するということはないというふうに認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/80
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081・石垣のりこ
○石垣のりこ君 対象者、評価対象者の家族等の交友関係が重要経済基盤毀損活動に関係する可能性があるということを公安調査庁が知った場合には、この家族の調査というのは行わないんでしょうか。行うことになるんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/81
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082・平石積明
○政府参考人(平石積明君) お答え申し上げます。
仮定の御質問を含めまして、個別の調査対象や調査の具体的内容に関する事項につきましては、今後の業務遂行に支障を来すおそれがありますことから、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/82
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083・石垣のりこ
○石垣のりこ君 もう、だからこそ関係性もちょっと分かりづらいんですよね。
適性評価の過程で知り得た情報を目的外使用するということは禁止されてはいるんですけれども、重要経済基盤毀損活動との関係に関するということで評価対象者の家族の情報も含めて適性評価で入手した事項、公安調査庁や警察などに提供することもこれできるのではないかと思いますけれども、御答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/83
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084・飯田陽一
○政府参考人(飯田陽一君) お答えをいたします。
適性評価や適性評価調査の実施に当たって取得した個人情報につきましては、この法案の十六条一項に定めるとおり、国家公務員法上の欠格条項等に該当する場合や特定秘密保護法に基づく照会があった場合を除いては、重要経済安保情報の保護以外の目的のために行政機関に対して、他の行政機関に対して利用、提供することを禁止しております。
したがいまして、適性評価の過程で知り得た情報が、単に御指摘のような重要経済基盤毀損活動との関係に関するものであるという理由のみをもって、今御指摘のあった公安調査庁を含めた他の行政機関に提供することはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/84
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085・石垣のりこ
○石垣のりこ君 先ほど、資料の新聞の記事の二枚目なんですけれども、公安調査庁、当時の長官だと思いますが、当時、調査で判明した経済安保に関する個別の問題を関係省庁に情報提供することで政策決定に貢献していくというふうまでおっしゃっているわけです。
いずれにしても、家族の氏名、生年月日、国籍、住所を知っただけでこの重要経済基盤毀損活動との関係というのは具体的には分からないわけですよね。なので、それ以上のことを家族についても調べることにしないと、逆に言うと、これ、いいかどうかの話じゃなくて、この制度、意味を成さないんじゃないんでしょうかね。そういう意味では、プライバシー保護の観点からも評価対象者に、やはりそれ以上の情報を収集するのであれば、評価対象者の本人のみならず、やっぱりその家族に関してもその家族本人の同意を取る必要というのは出てくるんじゃないでしょうか、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/85
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086・飯田陽一
○政府参考人(飯田陽一君) お答えをいたします。
従来からお答えしているとおりでございますけれども、適性評価の開始時において、評価対象者に対して、家族及び同居人について先ほど御指摘のあった調査項目について調査することも含めてあらかじめ告知することとしております。その上で評価対象者本人の同意を得るということにしておりますので、家族のプライバシーにも配慮したものとなっており、問題ないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/86
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087・石垣のりこ
○石垣のりこ君 いや、その本人が書いた住所、氏名、国籍、生年月日、これだったらまだ、御本人が書いて、その同意を取ったというのはあるかもしれません。でも、その先の調査に進むことがある場合、そのサインをした評価対象者本人すら知り得ない家族の情報というのが調べられる可能性があるわけですよ。それに関して調査対象者が、本人がオーケーと言ったからって、その家族のプライバシーって守られないですよね。そういうことも調べられる可能性というのは今日否定はされませんでした。個別の案件なのでお答えできないということでお答えになれませんでした。
いわゆる今回のセキュリティークリアランス法案というのは、家族の同意なく家族の個人的なことも調べることが可能な法律である、必ずしもやるとは言っていません、可能な法律であるということが言えるんじゃないかと思いますが、最後、御答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/87
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088・飯田陽一
○政府参考人(飯田陽一君) お答えをいたします。
この適性評価調査は、あくまでも評価対象者本人の方の重要経済基盤毀損活動に関する調査でございます。御家族の方に関しては、人定情報として先ほどの四項目について確認をさせていただくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/88
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089・石垣のりこ
○石垣のりこ君 何か今までの議論を全て否定されたような気がしますけれども、重要経済基盤毀損活動との関係に関する事項に当てはめてしまえさえすればそういうことも可能になってしまうという、そういう危険性をはらんだ法律であるということ、そして、そのことに関して一切、今日これだけの時間掛けても明確にならなかったということに問題を呈して、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/89
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090・柴田巧
○柴田巧君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の柴田巧です。よろしくお願いします。
本会議質疑でも申し上げましたが、私どもは、近年のこの国際情勢が複雑化してきている、また社会経済構造の変化等によって、この安全保障の裾野が経済分野に急速に拡大をする中において、この国家国民の安全を経済面から確保するための取組を強化、推進することが極めて重要だという認識に立ちます。したがって、二年前になりますが、この経済安全保障推進法の審議の際からも、このセキュリティークリアランスの導入についてその必要性を主張してきたところでございます。
G7では唯一これが未整備であったということを鑑みても大変遅きに失した感はあるんですが、こういう制度が導入されることは情報保全の面で一歩前進だということは間違いないと思っております。これによって、この情報管理体制において同盟国や同志国と同レベルの制度を整備をすることで、同じスタートラインに立って日本企業がビジネスを展開したり、政府間で経済や科学技術に関する貴重情報を交換できたりする環境をやっぱり一刻も早くつくっていく必要があると思います。
そのためには、この法案成立した後にちゃんと機能するものになるのか、また、残された課題とはどういうことがあり得るのかといったことなどなど、また、これは民間の皆さんの理解と協力というのも不可欠なものになりますので、こういったものをどうしっかり得ているかということが重要だと思っていますが、まだまだこれまでの審議の中では不明確なところが多いかなと思っていますので、そんな観点から以下質問してまいりたいと思います。
最初は、一番目はこのインテリジェンスについてでありますが、私どもは、この国のインテリジェンス、なかんずくこの経済インテリジェンスが極めて脆弱ではないかという問題意識を持ってきました。経済安全保障を実効性あるものにしていくためには、この対象となる原料、物資、技術及び産業を見分ける組織的な情報収集や分析及び管理をする、それらを可能にする十分な体制を政府内に構築することが不可欠だと考えています。
一昨年のこの経済安保推進法の際にもこの附帯決議が付けられていますが、この経済インテリジェンスを強化するためのですね、また、いわゆる骨太の方針でも、この経済安全保障に資するインテリジェンス能力を強化するため、情報の収集、分析等に必要な体制を整備すると記されてはいるのですが、外から見ていると、じゃ、具体的にどういう強化がなされてきたのか、また、目立った成果というのは本当に上がっているのかと感じざるを得ないんですが、この経済安全保障推進法の成立後、どのような取組をしてどのような成果を上げてきたのか、まず大臣にお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/90
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091・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 経済安全保障を推進するに当たって何が必要かということは、今、柴田委員がおっしゃっていただきましたので割愛をいたしますが、同じ認識の下で、政府としては、これまでも経済インテリジェンスに係る定員を増加させるということとともに、情報分析や情報保全に関する各種研修ですとか、また人事交流なども通じて高い専門性を有する人材の確保、育成に努めるなど、体制の強化に取り組んでまいりました。
このような体制の下で、経済安全保障に関する幅広い関連情報とその分析などが情報コミュニティーから日々国家安全保障局に提供されております。それらは、経済安全保障推進法成立後も多岐にわたる政策課題の取組において効果的に活用されております。経済インテリジェンスがまさにこの経済安全保障の推進を下支えしてきていると考えております。
これからも経済インテリジェンスを含む経済安全保障の推進体制の強化はしっかりと行ってまいりますし、せっかく収集された、分析された、また共有された情報というものを有効に活用して、経済安全保障の推進に取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/91
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092・柴田巧
○柴田巧君 ありがとうございます。
次の質問の答えも一部何か言っていただいた感がありますが、まだまだの感もあるかなとは思いますけれども、二年前のこの経済安全保障推進法の成立後、今おっしゃったような取組がなされてきたのも事実だろうと思いますが、この法案が成立をすることによって更に経済安全保障に資するインテリジェンスの機能を強化するために、やっぱり政府全体における情報の収集、分析等に必要な体制を整備をしていくということ、そしてまた関係省庁間における情報共有についても強化を図るべきだと思いますが、ちょっと一部答えられたところもなきにしもあらずですが、どのような取組が必要だというふうに考えていらっしゃるか、お聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/92
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093・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) やはり、この経済インテリジェンスに関する、関連する分野に所要の人員をしっかりと配置するということ、これまでも徐々に増やしてはいただいていますけれども、これは引き続き重要だと思っております。それから、関係省庁間における情報共有に関しても必要な取組の充実強化に努めていかなければならないと思います。
とにかく、多岐にわたって、かつ変化の速いこの経済安全保障でございますので、それらの課題に適切に、迅速に対応できる形をつくってまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/93
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094・柴田巧
○柴田巧君 まだまだ、何というか、共有体制が充実していないというか、どうしても縦割りのところがまだ残っているような感がして、これは大臣の所管外になってしまうかもしれませんが、この国家安全保障局を中心とした体制強化というのはやっぱり必要なものだと思いますが、とにかく、我が国はスパイ天国とやゆされたりをするわけで、総理もこれまでの国会のこの答弁においても、我が国において外国情報機関による情報収集活動が行われているとの認識に立って、カウンターインテリジェンスなど情報保全のための対策を講じていると、こう明確に述べていらっしゃるわけであります。
したがって、この重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案でもこの重要経済安保情報の漏えいを教唆した者に対する罰則なども設けられているわけでありますが、そこでお尋ねをしますけれども、今のこの法案とそしてこの特定秘密保護法によって、いわゆるスパイ活動のうちどのような行為に対応できるようになるということになるか、また逆に言えば、この法案が、今申し上げた法案が成立したとしても対応できないものはどういうことがあり得るか、大臣にお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/94
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095・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 本法案の修正後の二十四条に当たりますけれども、重要経済安保情報を不正に取得する行為に対する罪を定めております。すなわち、外国の利益や自己の不正の利益を図る目的、又は我が国の安全や国民の生命や身体を害すべき用途に供する目的で、欺きや暴行、脅迫、あるいは財物窃取や損壊、施設侵入、通信の傍受、不正アクセスなど管理侵害行為によって重要経済安保情報を取得したときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科することとしております。これ、先ほど教唆とおっしゃいましたが、教唆につきましても三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処することとしております。
特定秘密保護法でございますが、これも特定秘密の不正取得行為や漏えいの教唆を行った者に対する罰則が定められております。それぞれについて重い法定刑が定められています。
他方で、例えば重要経済安保情報や特定秘密に関係しない情報収集行為など、これらの構成要件に該当しない行為は、刑法など他の刑罰法令に該当するかは別として、当然ながら、本法案及び特定秘密保護法による処罰の対象外になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/95
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096・柴田巧
○柴田巧君 まだこの法案が成立してもいろいろ塞がなきゃならない穴があるということだと、このように認識をしますが、高市大臣は、これ、大臣になられる前、政調会長をされていたときのこれ民放での発言でございますけれども、このセキュリティークリアランスとスパイ防止法の創設の必要性に触れる中で、現行の情報保全に係る制度の問題点として、特に学術機関で行われている研究に関しては対応できないのだと、まだ商品化が決まっていないから営業秘密にはならない、また、国家に忠誠を誓って日本の技術を持ち出すこともいわゆる図利加害目的、不正の目的を得る目的又はその保有者に損害を与える目的とは言い切れないと、そういう意味ではもう情報はだだ漏れだということをおっしゃっているわけでありますが。
今回の法案が成立したとして、法案は、政府保有の情報について、事業者に秘密保護措置を講じてもらった上で提供していくこととされていますが、大臣がかつて発言されたような学術機関の機微技術は、これは守られるということになりますでしょうかどうか、お聞きをしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/96
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097・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 本法案は、政府が保有する経済安保、経済安保上の重要な情報を保護、活用することを目的としておりますので、学術機関を含めた民間が保有する情報を対象とはしておりません。
ただし、本法案の十条二項では、学術機関を含む適合事業者について、その同意を得て国が行わせた調査研究などによって生成される技術などの情報をあらかじめ重要経済安保情報として指定して、これを通知して、実際にその調査研究などによって指定の対象となる情報が生成された時点で、契約に基づいてこれを重要経済安保情報として当該適合事業者に保有させることができるとしております。
御心配の学術機関なんですが、これは私も強い問題意識を持っております。技術流出の防止対策につきましては、やはり不正競争防止法が全く使えないというわけではないです。その重要性、会社だったら営業秘密なんかも入りますけれども、営業の情報であったり技術の情報の重要性がしっかりと認められ、そしてまた非公知性ですね、一般に知られていないこと、そしてまたそれをちゃんと秘密として管理されていると、こういう要件をきちっと満たしているものについては、ちゃんとこれは営業秘密ですよということで不正競争防止法を御活用いただくべきだと思っております。
また、別途、私の所管ですと、この研究インテグリティー及びセキュリティーについて、かなり、お示しをしているこの注意事項のひな形も厳しいものにして、定期的にフォローアップを行っております。特に、国立研究開発法人については相当改善をされました。大学も国立大学については随分改善をされましたので、この取組を文部科学省とも連携しながら続けてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/97
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098・柴田巧
○柴田巧君 今大臣もおっしゃったように、他の省庁とも連携をして、そういう機微情報、技術等々がしっかり守られるように、またいろんな手だてを努力をしていただきたいと思いますし、また我々もいろいろ申し上げていきたいと思います。
とにかく、まだまだこの日本の情報管理体制というのは脆弱で、同盟国、同志国からの情報共有がされにくい今まで現状があったわけですが、一歩前進していくとはいえ、課題も残っている、残るということになると思いますので、引き続きしっかり大臣には対応していただきたいと思います。私どももまたいろんなことを提言、提案をしてまいりたいと思います。
次に、民間事業者との関係のところに移っていきたいと思いますが、改めて言うまでもありませんが、民間企業にとって経営が自由であることは尊重されなければなりません。したがって、国が一方的に規制を課すことは民間活力を阻害する懸念もあることになりますから、ありますから、留意が必要ということになりますが、他方において、この民間事業者等が自らのために営業秘密をしっかり管理していくことは、我が国の経済安保にも資する面があるということになります。ですから、急速に社会が変わっていく中で、経済安保が重要視される中で、国と産業界、企業、民間事業者が連携を深めてどうやっていくか、ディフェンス力をどう高めていくかと、非常に重要だと思います。
ただ、民間事業者がこの機密情報の生成、受信、保存等を行う場合に、例えばこの機密情報を扱う区画の設置であったり、入退室管理のシステムを導入するといったことなどなどが必要になってくるわけですね。これ、やっぱり民間事業者にとっては少なからぬ負担になってしまうのではないかと予想されるわけでありますが、そこで、この民間事業者が保有している情報であって国として経済安全保障の観点から保護が必要と考えられるこの最先端の技術情報等について、民間事業者が必要な対応が取れるような環境整備あるいは支援が求められると思いますが、どのように考えていらっしゃるか、お尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/98
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099・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 今御審議いただいている法案は、あくまでも政府が保有する情報に対する保全制度でございますので、民間事業者が仮に機微技術を保有しておられたとしても、それを対象とするものではございませんけれども、経済安全保障の観点から技術的な優位性を確保していくということ、そしてそのための政策面での対応というのは極めて重要だと思っております。
今おっしゃっていただいたような点については様々な御意見をいただきました。有識者会議でも、最終とりまとめでは、国が一方的に規制を課すことへの懸念もあることに留意しながら、政府として、民間事業者等が真に必要な情報保全措置を講じられる環境を整えていけるよう、明確な指針を示していくことの妥当性も含めて検討を進める必要があるという御指摘をいただきました。
様々なこの施設整備を新たにしなきゃいけない、そこに経済的な負担が掛かるというようなケースもあろうかと思います。どのように情報をきちっと保全していただくかということについては、この法案をお認めいただきました後に、政令も定め、その後、政府統一の運用基準も定めてまいりますので、そこでしっかりと分かりやすく、特に民間の方が見られるものでございますので、分かりやすく説明ができるように整えてまいりたいと思っております。
また、経済的な支援の在り方についても様々な御指摘がありました、余り不公平にならないようにと。元々大手の企業で、例えば特定秘密保護法に係る業務を請け負っておられるようなところで既に保全設備が整っているようなところ、又はスタートアップでこれからこの重要経済安保情報を扱いたいということで手を挙げてこられるところ、これはちょっと差が出てしまいますよね。まだそういう設備が整っていないということであるというようなこともございますので、その辺りも納得感のある形で支援策を考えてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/99
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100・柴田巧
○柴田巧君 それで、ちょっと確認ですけど、これは運用基準を作っていくということでありますが、これはおおよそ大体どれぐらい作るまでに、時間的に日数が掛かるというふうに今のところ考えていらっしゃるのか、そしてやっぱり民間の皆さんが対象になるわけですから、例えばできた後、説明会をするなりして、より丁寧な説明とかということなども考えていらっしゃるのか、ちょっと併せて教えていただければ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/100
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101・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 本法案をお認めいただきましたら、できる限り早く、これは政令、政令の案もですし、運用基準の案もですし、これの策定をしてまいりたいと思っております。有識者の方々の御意見も伺いながら案を作り、また先般も答弁をさせていただきましたが、お求めをいただきましたら、国会でも御質問いただきましたら、説明をさせていただきます。
そして、委員がおっしゃっていただいたとおり、民間の事業者の方も御覧になるものでございますので、できるだけ分かりやすい書きぶりになるように、しっかりとここは気を張って目配りをしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/101
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102・柴田巧
○柴田巧君 よろしくお願いをしたいと思いますが、やっぱり民間事業者からすれば、予測可能性というのは非常に、これ、いろんな事業をこれからやっていく上で、あるいは準備をしていく上で非常に大事なことになると思いますので、できるだけ早く、そしていつ頃からどうなる、どういうふうに説明とか行われるとか、こういうのはもっと丁寧にやっていただくと有り難いかなと思いますので、求めておきたいと思います。
ちょっと今の質問と重なることになってしまうかもしれませんが、この重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案が成立後、今お話があった運用基準の策定に当たっては有識者の意見を聴くこととされていますが、これ民間事業者等の従業者が多く関わる制度となることから、特定秘密保護法も別表及びこの運用基準というのがあって示されていますが、それよりももっとやはり分かりやすいものにしていく必要があると思いますが、さっきちょっと答弁も大臣若干されましたが、そういう考えでよろしいか、改めてお尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/102
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103・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) これ、有識者の御意見も伺った上でということを申し上げました。その検討するに当たりましては、今後、分かりませんけれども、手を挙げられるかどうか分かりませんけれども、適合事業者となることが想定される民間事業者や、あとは労働者の方々を代表する立場の方々からも御意見を伺った上で検討していく必要があると思っております。
できるだけ早い段階から、有識者の方々、また事業者の方々に対してこの政令案や運用基準案に盛り込むべき事項をお示しして、御意見も伺いながら、政府としての方針を固めて、これに基づいて政令や運用基準などの案を作成して、これ、パブリックコメントにつきましても必要でございますので、可能な限り早いタイミングで公表してパブリックコメントも求めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/103
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104・柴田巧
○柴田巧君 じゃ、次の質問に移りたいと思いますが、この関連をする質問になりますが、この特定秘密保護法よりも民間の対象者が増えるということが予想されるわけで、そうなると、民間事業者の個人情報が長期にわたって保管され続けるのではないかという疑念を生じさせないような、そんなやっぱり分かりやすい基準が必要になってくるんではないかと思いますが、ここら辺の御認識はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/104
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105・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) これ、政府として収集した機微な個人情報を、制度の趣旨から見て不必要に長い期間保有するということは考えておりません。
ただ、適性評価のために収集した個人情報につきましては、後に事情変更がありましたという自己申告があった際に再評価を実施すべきなのかどうかということを判断する際に用いたり、それから、調査は内閣府で一元化してやりますが、適性評価は各行政機関が行うということですので、他の行政機関の適性評価のときにこの内閣府で一元的に調査した結果は使われなきゃいけません。でないと、その方が二度も三度も調査を受けることになりますので、やはりその適性評価の実施後、有効期間である十年間というものは保存しておくことが必要だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/105
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106・柴田巧
○柴田巧君 じゃ、次の質問に移りますが、この民間事業者等にとっては、この従業者がセキュリティークリアランスを取得することで国際共同研究などに参加しやすくなると、できるようになるというメリットがあるわけですが、この従業者にとって、先ほどからもいろいろ、今日もお話出ていました、いろいろな調査を受ける負担が大きくてクリアランスを取得するインセンティブが弱くなってしまうのではないかというような懸念をするところであります。
こうした点を解消するために、政府としては何らかのやっぱり支援策を考えているのか。やっぱり非常に、クリアランス、セキュリティークリアランスの保有者はこの専門性が極めて高くて、それがやっぱり生かされるように、それに反映したやっぱり所得が与えられてしかるべきだと思いますが、職責に見合う所得がですね。そういう意味でも何らかの支援策が必要ではないかと考えますが、この最終とりまとめにおいても、諸外国ではこのような信頼性の確認を受けることで処遇面も含めて社会での活躍の幅が広がるものと認識をされていると指摘をされていますが、この適性評価の資格がマイナスではなくてプラスに評価されるように運用されることは非常に重要だと思います。
そこで、こうした認識を社会で醸成していくためにどのように取り組んでいくおつもりか、お尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/106
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107・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 今、有識者会議での御指摘については柴田委員の方から御紹介をいただきました。
諸外国におけるこのような認識の広がりというのは、クリアランス保有の事実のみを理由とした優遇というわけではなくて、クリアランスを求められるような業務もこなせることを含めて業務上の能力を全体として評価して適切な処遇がされている結果ではないかと受け止めております。
他方で、この適性評価で漏らすおそれがないと認められたことのみを理由に優遇措置を講ずるということは、適性評価で漏らすおそれがないと認められなかった方や、また、適性評価を受けることに同意しなかった方への反射的な不利益にもなりますので、本法案十六条では、本人に利益か不利益かを問わず適性評価の結果等の目的外利用を禁止しておりますので、この点の留意は必要だと思っております。
でも、この法案と直接の関係はないのですけれども、本法案をお認めいただきましたら、政府としてこの制度を普及させていかなければなりません。ですから、諸外国における、先ほど委員がおっしゃっていただいたような認識も踏まえながら、情報保全の重要性、その価値ですね、こういったことに関する理解が広く醸成されるように説明を尽くしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/107
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108・柴田巧
○柴田巧君 その情報保全をすることの大切さ、重要性、この意義についてもしっかり普及をしていただきたいと思いますし、そのクリアランス保有者の、それも併せてということになると思いますが、この価値の向上にもつながるようにまた努力をしていただきたいと思います。
次に、この同盟国、同志国との間で重要経済安保情報を含むこの機微情報の共有が進むように、必要となる国際的な枠組みの構築がこの法案の成立後求められると思いますが、併せて、次の質問と併せて、じゃ、お尋ねをしますけれども、これは構築にどのように取り組んでいくのか、また、その国際的な枠組みの中において、外国政府等に本法案に基づくこのクリアランス保有者であることを確認する仕組みの在り方をどのように考えているのか、併せて、じゃ、お尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/108
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109・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) まず、同盟国、同志国との関係におきましては、有識者会議の最終とりまとめで、同盟国、同志国との間で新たに必要となる国際的な枠組みについても取組を進めていくべきとされております。
我が国は、例えば、相手国・機関との間で相互に提供される秘密情報をそれぞれの国内法等に従って保護することなどを定める情報保護協定を九か国・機関との間で締結しております。さらに、現在、カナダ、ニュージーランドと交渉中でありますほか、ウクライナとの交渉開始を発表しております。
この情報保護協定の締結というのは、我が国政府と相手国政府の間の情報協力を向上させる基盤となるものでございます。そうした基盤整備の必要性、重要性、相手国からの要望などを総合的に勘案して、新たな協定締結の要否についても不断に検討をしていくことになります。
本法案をお認めいただきました暁には、運用も含めて、相手国から自国が提供する秘密情報について日本でも実質的に同等の保護が与えられていると認められるように、この制度の運用を軌道に乗せるということに加えまして、諸外国に対しても必要な説明を尽くしてまいりたいと思っております。
それから、そのクリアランスの保有者であること、これをどう示すかということなんですが、むやみに自分はクリアランスホルダーだということを対外的にオープンにしますと、これは諜報活動の対象、例えば外国の情報機関などから情報を取られる、狙われる対象にもなりますので、そこは慎重であるべきだと思います。
ただ、国際的な協力枠組みの中で必要な場面というものが出てきます。評価対象者がクリアランスを保有しているということを我が国政府から外国政府に示せるその仕組みの在り方もしっかりと考えていく必要があると思います。今後の検討でございますが、この検討も速やかに進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/109
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110・柴田巧
○柴田巧君 時間が迫ってきたのでこれが最後の質問になると思いますが、これまでもこの政務三役が適性評価の例外となっていることに大変疑問が呈されているところです。詳しくここで述べる必要もないんですが、大臣、副大臣、政務三役、この岸田内閣になって立て続けに不祥事でお辞めになっていると。最近のテレビドラマじゃありませんが、不適切にも程がある人が三役になっていると言っても過言ではないわけですが、その大臣も、総理が決めているから大丈夫だというか、その内閣の一員として任命される段階で必要な考慮をされていると、問題なしという見方のようですけど、やはりこれだけ政務三役が不祥事を起こしている中で、この人たちがセキュリティークリアランスのこの適性評価の例外であり続けることが本当に国民の理解を得られるかと、本当に疑問だと思います。
運用状況を見極めながら、今後しっかりした対応がやっぱり必要になってくるんじゃないかと思いますが、大臣にこれをお聞きをして、最後にしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/110
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111・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) お答えは同じになるんですが、総理が任命するときに必要な考慮を行っていることから適性評価の対象外とされております。この点は、本法案より機微度が高い情報を扱う特定秘密保護法でも同様であるということを踏まえたものでございます。
諸外国の例も調べましたが、閣僚などの扱いは国によって様々で、G7の中でも、今把握している限りでは、イギリス、フランス、ドイツ、これは閣僚若しくは政務次官というのもありましたが、適性評価に類する制度の対象外でございます。また、政務三役であっても、これ秘密を漏えいした場合には最大五年の拘禁刑という罰則を受けることになります。
これ以上は総理の任命権に関わることですので、御容赦くださいませ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/111
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112・柴田巧
○柴田巧君 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/112
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113・竹詰仁
○竹詰仁君 国民民主党・新緑風会の竹詰仁です。
前回の内閣委員会で大臣に特定秘密保護法と新法との違いを含めて解説をお願いしますと言いまして、私が切り抜き動画を作る前にこの中継を見た人がもうとっくに作っていましたので、たくさん見られているということだけ報告させていただきます。
今日は最初に、経済安全保障推進法の改正について一問だけ先に質問させていただきたいと思います。
今日も私は民間事業者あるいは民間人の視線で質問させてもらいたいと思うんですが、この法律で基幹インフラ制度というのがございまして、法律で電気だとかガスなど重要な十四の分野が定められていて、今回はそれに港湾運送を追加するという、そういった改正なんですけれども、この政令によって規制対象事業者を絞り込んで、特に重要な、事業者が重要な設備の導入等をしようとした際に事前に審査する制度というふうに私、認識しています。
この特定重要設備が特定妨害行為の手段として使用されるおそれが大きいかどうかを審査するに当たって、考慮する要素がありますというその要素が定められているんですけれども、その要素の一つ目に、特定社会基盤事業者、この事業者が導入等を行おうとする特定重要設備の供給者等が、我が国の外部における、我が国の外部にある主体から強い影響を受けているかどうかを考慮しますというふうにあるんですが、職場からちょっと聞かれていますのは、ちょっと抽象的で分かりにくいですと。この特定重要設備の供給者が我が国の外部にある主体から強い影響を受けているというのはどういうことなんでしょうか。
これは、民間事業者にとっては、例えばもう物を調達してからそれは駄目ですと言われちゃうともう莫大な損失になってしまいますので、ここで定めているその外部にある主体からということとこの強い影響、この二つについてその解説をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/113
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114・飯田陽一
○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。
この経済安保推進法の基幹インフラ制度におきまして、我が国の外部にある主体とございますのは、既に閣議決定をしております基本指針、それから事業者の方々に向けた基幹インフラ制度に関する技術的な解説において説明をしているところでございまして、例えば外国政府やテロリストなどの非国家主体、あるいはこれらの主体の影響下にある我が国の国内にある供給者などが想定されるとしているところでございます。
その上で、御指摘の強い影響につきましては、この判断につきましては、例えば、設備の供給者等の設立国がどこであるか、あるいは議決権の保有者や役員の構成、その中に先ほど申し上げた外部からの、外部の主体があるのかどうか、そして外国政府等との取引高などの届出事項を踏まえつつ判断することとしております。
ただし、その具体的な基準につきましては、その基準を公表いたしますと、これを悪用した届出を容易にするおそれもございますし、特定妨害行為を行おうとする主体を利することにもなりかねませんので、これは詳細について御説明することは控えたいというふうに考えております。
ただし、今御質問ございましたように、様々疑問を持たれる方もいらっしゃるということでございますので、政府としては、事業者の予見性を高める観点から、内閣府、それから各事業、十四分野の事業を所管している省庁に相談窓口を設けまして事業者からの個別の相談を既に受付を開始しているところでございまして、こうした事業者の方々とのコミュニケーションとともに、先ほど申し上げました技術解説を公表し、また、基幹インフラ制度につきまして全国で説明会を開催して事業者への説明に努めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/114
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115・竹詰仁
○竹詰仁君 分かりました。
繰り返しですけど、この指定されるインフラ事業者、インフラですので一つの設備だとかがやっぱり巨大で巨額なんですよね。それが、その調達した後にこれは駄目だと言われてしまうとなかなかそれを挽回するのは難しいので、今、余りそれを言ってしまうとそれをカバーされてしまうおそれがあるというので余り言えないんですということと、あとは相談窓口を既に設置しているので、あとは説明会をやっているのでフォローしていますというふうに聞いて教えてもらいましたので、是非、私もそういうふうに伝えますけど、後でそうなったというふうにならないように、事前にそれが分かるようにできるだけの努力をしていただきたいと思います。
続いて、この新法の重要経済安全保障の方について、前回の続きをさせてもらいたいと思うんですが、今、柴田委員からも御質問があったんですけど、仮にこの法案が成立されたとすると、具体的な運用基準を作っていくということで、その運用基準自体も有識者会議等で検討されるということなんですけれども、これまでの有識者会議と、今これで、もう様々な衆参で議論されていて、民間事業者あるいは民間人が多く関わるということがよく分かってきましたので、またその新たな視点での検討も必要なんじゃないかと思うんですが、この有識者会議、これから運用基準を決めていくであろう有識者会議のメンバーはこれまでと同じメンバーなのか、あるいはまたメンバーの選定をし直すのか、大臣の考えを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/115
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116・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 本法律案の第十八条に記しておりますが、運用基準の作成などに当たっては、我が国の安全保障に関する情報の保護、行政機関等の保有する情報の公開、公文書等の管理等に関し優れた識見を有する者の意見を聴かなければならないとしております。先般答弁させていただきましたとおり、働く方々、要は就労者の代表となる方からも御意見を伺いたいと思っております。
どのような形で意見をお聴きするかとか、具体的にどなたとどなたに御就任いただくか、その人選については、この国会での御指摘も踏まえながら、法案をお認めいただいた後、速やかに具体化できるように検討させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/116
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117・竹詰仁
○竹詰仁君 今、これからということだったんですけれども、是非、この重要経済安保情報を扱う有識者会議のメンバーですので、その選定に当たってしっかりとそのバックグラウンド等も調査した上で選定していただきたいというお願いなんですが、この点について、大臣のお考え、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/117
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118・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) バックグラウンドということでございますけれども、例えばこの有識者の方が重要経済安保情報そのものの提供を受けるということは現時点で想定しておりませんので、本法案の適性評価のようなものを受けていただくということは考えておりません。
そういうことで、適切にしっかりと、その方のこれまでの御実績、そしてまた知見などを見ながら判断をしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/118
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119・竹詰仁
○竹詰仁君 それでは、適性評価のちょっと中身についてお尋ねいたします。
この適性評価の中で、税金の滞納歴を調べるというふうに私、仄聞しておるんですが、雇用労働者の場合は、いわゆるその給与あるいは賞与から天引きされますので所得税や住民税などの滞納は起きにくいと思うんですけれども、一方で、税にはいろいろ当然ございまして、例えば固定資産税とか贈与税とかいろいろな個人に関わる税もあるんですけれども、この適性評価で調査する納税の実績というのはどのような税を調査するのか、あるいはどういった、税の調査権限と言ったらいいんでしょうか、誰がその税のことを調べるのか、それを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/119
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120・飯田陽一
○政府参考人(飯田陽一君) お答えをいたします。
ただいま御質問のございました納税の実績でございますけれども、これは、重要経済安保情報の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないかどうかということを調査するための項目として、信用状態その他の経済的な状況に関わる事情として考慮要素の一つになるというふうに考えております。
ただ、どの税がという御指摘でございましたけれども、対象者の事情はその方によってそれぞれ事情が異なりますので、どの税に、あるいは特定の税に着目してそうした調査を行うというものではございません。その人の事情に応じてということだというふうに考えております。
また、納税が遅れるというようなお話がありましたけれども、その納税の遅延といった事実にだけ着目をするのではなくて、その程度でございますとか、その遅延に至った背景、理由でありますとか、あるいは頻度などを考慮することになろうかというふうに思っております。
こうした事項につきましては、基本的には一元的な調査を行う内閣府が適性評価調査の中で実施をし、必要があれば照会も掛けていくということだろうというふうに思いますが、いずれにしろ、この納税の遅延というのは調査項目の中の一つの項目の考慮の要素でございまして、最終的には調査項目全体にわたる総合評価によって判断することになるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/120
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121・竹詰仁
○竹詰仁君 ちょっと、内閣府の皆さんが税を調査するというのがちょっと具体的に分からなかった。また何かのときに教えてもらいたいと思います。
では、ちょっと追加で、この税のことは今教えてもらったんですけれども、この社会保険料の支払状況も、これも調査対象になるのか教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/121
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122・飯田陽一
○政府参考人(飯田陽一君) お答えをいたします。
今御指摘のございました社会保険料の支払の状況というのも、その方の信用状態その他の経済的な状況について考慮するための要素の一つであろうかというふうに考えております。社会保険料を払っているか払っていないかということではなくて、その支払に支障が生じているかどうか、これは先ほどの納税と同様でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/122
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123・竹詰仁
○竹詰仁君 今のは分かりました。
続いて、第十三条の適性評価の結果の通知というのに、お尋ねいたします。
行政機関の長は、適性評価を実施したときは、結果を評価対象者、実際に調べた人及び内閣総理大臣に通知されるとされています。この適合事業者の従業者の場合には、適合事業者に対しても通知するというふうにあります。一方で、調査した結果認められなかった場合というのは、その評価対象者に理由を併せて通知するというふうにされているんですけれども、この認められなかった対象者が出た場合に、では、その適合事業者にはその結果が通知されるということかどうかがちょっと私、不明確なんですね。
この認められなかった評価者が出たとき、その事業者、適合事業者は従業者のこの状況を知ることができるのか、それを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/123
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124・飯田陽一
○政府参考人(飯田陽一君) お答えをいたします。
この法案の十三条二項に基づきまして適性評価を実施したときは、その結果が事業者に通知されることになっておりますが、適性評価が認められなかったこともこの適性評価の結果として事業者に通知されることとなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/124
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125・竹詰仁
○竹詰仁君 そうですね。適合事業者が、認められなかったことを通知しない限り、その方を外すとか、そういうことできないわけですから、そのように理解をいたしました。
それで、十六条について伺います。
適性評価に関する個人情報の利用及び提供の制限が示されていて、いわゆるプライバシーの保護のことが規定されていると思っております。この適性評価に対象者が同意しなかったことを本人以外に誰が知り得るのかということをちょっとお尋ねしていきたいと思うんですけれども、まず、その評価対象者が適合事業者の従業者だった場合は、まず事業者が、あなた、これ受けますかというのを聞きますので、その時点で受けるか受けないかというのを知る由があるんですけれども、その適合事業者がまずリストを出しますと、リストを出した後にやっぱりやめますといった場合は、その場合は、事業者というのはどのタイミングでその受けなかったということを知ることになるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/125
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126・飯田陽一
○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。
今御指摘ございましたとおり、まずは適合事業者内での確認があるわけですが、その後、実際に名簿が出された後、各行政機関あるいは内閣府において評価について告知をして同意を取ります。その際に、評価対象者の方が同意をしなかった場合には、これは行政機関から事業者に同意しなかった旨を通知することに、同意しなかったことによって適性評価を実施しなかったことを通知することになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/126
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127・竹詰仁
○竹詰仁君 同じ十六条に、この適性評価の結果及び調査で取得する個人情報は、重要経済安保情報の保護以外の目的、以外の目的のために利用し、又は提供してはならないと定められています。
この衆議院の議論を通じて、個人情報の利用及び提供の制限については、具体的な運用基準については法案成立後に先ほど出た有識者会議等で検討するという方針が示されたと私は理解しているんですが、この法案を懸念する声の中ではやはりプライバシー保護が守られますかということがやっぱり最も大きな声の一つだと思うんですが、この法案成立後に具体的なことを検討するというふうに言われてしまうと、この段階でプライバシー保護がちゃんとできるのかということがちょっと判断できないんじゃないかと思うんですが、この適性評価の結果及び調査で取得するこの個人情報の保護について大臣の見解を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/127
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128・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 本法案の制度におきましては、適合事業者は適性評価で漏らすおそれがないと認められた従業者以外の従業者に重要経済安保情報を取り扱わせてはならないため、適性評価の結果や従業員の方の不同意により評価を実施しなかったということについては、法案上、適合事業者に通知することとしております。
一方で、プライバシー保護の観点から、適性評価で国が収集した個人情報の内容までは事業者には伝えません。それは適当ではございませんので。適合事業者に通知する事項は、適性評価の結果や従業員の方の不同意により調査を実施しなかったということのみでございます。
それから、運用面からこれを担保しなければなりませんので、調査に当たって適性評価の対象者本人に記入をしていただくことになる質問票を含む全ての文書は、所属している適合事業者を経由せずに、対象者から直接、適性評価のための調査を行う行政機関に提出していただくことになります。ですから、事業者を通さずに提出していただくということになります。
また、収集された個人情報、調査のための情報ですが、これはもう厳格に管理をする体制を構築いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/128
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129・竹詰仁
○竹詰仁君 ちょっと私の理解が足りなければ政府参考人にフォローしてもらいたいんですが、要は、結果は適合事業者は知ることになるけれども、その中身は知らない、知ることはないんですよという今大臣のお答えだったんですが、そのためには、何でしょう、封書で通知をするのかとか、その仕組みはどういうふうに、どういった形で通知する、あるいはプライバシーの保護を守るというその仕組みはどういうふうにイメージすればよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/129
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130・飯田陽一
○政府参考人(飯田陽一君) お答えをいたします。
今御指摘ございましたとおり、今後の運用に当たっては、適合事業者の方が本来知ってはならない個人情報をこの手続の中で知ることがないように徹底をしたいというふうに考えておりまして、その今の質問票ですと、例えば封をして直接御本人から内閣府、行政機関の方に届けていただくというやり方が基本だろうというふうには思っております。
なお、御紹介でございますけれども、有識者会議では、それを電子的な手段によってよりセキュアに対応できるのではないかというような御指摘もあったことを御紹介させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/130
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131・竹詰仁
○竹詰仁君 衆議院の議論を通じて、特定秘密保護法、今あるこの特定秘密保護法による適性評価について、適性評価の実施に同意しなかった公務員が六十七人いたというふうに、そういった御答弁も判明がいたしました。あわせて、その方たちが不利益な取扱いを受けていないかどうかという質問があったところ、内閣官房から、追跡できた四十四人が処分を受けた例はありません、約半数が通常の人事により翌年度末までに異動し、そして五人は退職したというふうな旨の答弁がありました。
この質疑そして答弁のように、適性評価の同意をしなかった公務員の人数が分かってしまうと、そしてその人たちのその後のことまで追跡できてしまうということは、じゃ、民間人もフォロー、ずっとこれが追跡されるのかどうかというその観点なんですけれども、今回はこの民間人が適性評価をさらに受けることになりますけれども、その民間人を追跡することができるのか。できたとしても、実際に追跡するのかという疑問があるんですが、これをどのように民間人の人を、先ほど不利益なことを受けていないというのが公務員の場合は分かったということだったんですけど、それ、追跡しないとそのこと分からないと思うんですけれども、この適性評価に同意しなかった民間人とか、あるいはその結果認められなかった民間人にどのようにフォローしていくのか、その考えをお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/131
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132・飯田陽一
○政府参考人(飯田陽一君) お答えをいたします。
適性評価に同意しなかった従業員の方や、適性評価の結果、漏らすおそれがないと認められなかった従業員の方について、政府が一方的にこれを追跡するということは私ども想定をしておりません。
他方、そのような方について、今申し上げたような結果や事実が重要経済安保情報の保護の目的以外に利用又は提供されることがないように徹底しなければいけない。これは適合事業者においてそのようなことがないように徹底しなければならないということでございますし、これが万が一禁止に抵触するような行為があった場合には、これを行政機関側としてもしっかりと把握できるようなことは重要であるというふうに思っています。
そういう観点から、まず従業員の方との関係においては、このような不利益取扱いを受けたと考えた時点でその事実を相談できるような窓口を行政機関に設けること、あるいは、直接の契約先、適合事業者の契約先である行政機関に相談することには抵抗がある場合も想定いたしまして、制度所管である内閣府に相談窓口を設けることを検討していきたいというふうに考えておりまして、政府として一方的に追跡することとはいたしませんけれども、従業員の方の御相談を受けられるような体制は整備してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/132
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133・竹詰仁
○竹詰仁君 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/133
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134・井上哲士
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
前回、十八日の質疑の際に、この経済秘密保護法案の第二条第四項第二号の重要経済基盤に関する革新的な技術であって安全保障に関するものについて、AIや量子技術等の先端技術も該当する可能性があるとの答弁がありました。また、民生用の技術と安全保障用の技術の区別は極めて難しくなっており、デュアルユースの技術も該当する可能性があるという答弁もありました。
そこで、大臣、お聞きしますけれども、つまり、この量子技術やAIを始めとする先端技術の研究は、たとえ民生利用のための研究であっても、同時に軍事利用への応用可能性を有していると、こういう認識でよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/134
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135・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 量子やAI等の先進的な技術につきましては、それを利用しようとする者の目的に応じて、民生分野や又は軍事を含む安全保障分野で利用される可能性を有していると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/135
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136・井上哲士
○井上哲士君 そこで、十八日の質疑の際に、重要経済安保情報として指定された情報で、情報の機微度が上がって特定秘密保護法の指定に移行していくような情報とは何なのかということを質問をいたしました。大臣の答弁は、基幹インフラへのサイバー攻撃の脅威情報や、サイバー攻撃の防止に関する情報が漏えいをした場合に、我が国の安全保障に支障を与えるおそれがある場合は重要経済安保情報として指定し、著しい支障を与えるおそれのある情報となった場合は特定秘密に指定されると、こういう答弁でありました。これは、第二条第四項第一号の重要基盤保護情報の内容について述べた答弁だと思うんですね。私がお聞きしたのはこの重要経済安保情報の方と、でありまして、同条の第四項第二号の問題です。
改めてお聞きしますけれども、これに該当する重要経済基盤に関する革新的な技術であって安全保障に関するもので、指定後に機微度が上がるという情報とは具体的にどのようなものを想定をされているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/136
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137・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 十八日の私の答弁につきましては、今、井上委員から御紹介をいただきましたけれども、具体的には、基幹インフラへのサイバー攻撃の脅威情報や、それに対する政府の対応策を例示させていただきました。これは、第二条四項一号の外部から行われる行為から重要経済基盤を保護するための措置又はこれに関する計画若しくは研究に関するものに該当し得るということでの答弁でございました。
他方、この基幹インフラへのサイバー攻撃の脅威情報や、それに対する政府の対応策というものには、攻撃の対象となる基幹インフラの脆弱性に関する情報が含まれる場合もございます。その場合は、二条四項二号の重要経済基盤の脆弱性、重要経済基盤に関する革新的な技術その他の重要経済基盤に関する重要な情報であって安全保障に関するものにも該当し得ると考えます。
現在の特定秘密保護法の運用基準には、経済安全保障分野の情報でもありますサイバー攻撃の防止を、別表四分野のうちの特定有害活動の防止に関する事項ないしテロリズムの防止に関する事項の細目として掲げています。
こうした脆弱性に関する情報も含む形での基幹インフラへのサイバー攻撃の脅威情報や、それに対する政府の対応策などは、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがある情報と判断するに至った際には、それが公になっていないのであれば特定秘密として指定することとなると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/137
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138・井上哲士
○井上哲士君 最初の質問でお聞きしました、例えばAIであるとか量子技術に関することで、それが、初めは民生利用だけれども、いろんな軍事の問題なんかでのこの応用の可能性が出てきたという場合もこういうことに当たるということではないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/138
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139・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 民間が保有する情報を対象した法律案ではございません。国が保有する重要経済安保情報を対象とした法律案でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/139
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140・井上哲士
○井上哲士君 しかし、そのやり取りはいろいろあると思うんですね。
この基幹インフラやサプライチェーンの保護に関する革新的な技術といいますと、一見、民生用の先端技術のように感じますけれども、この先端用の技術であっても応用研究で軍事転用可能がなるという可能性があるというのが、先ほどありましたようなAIや量子技術等のデュアルユースの技術なわけですよね。ですから、革新的な技術の機微度が上がるというのは、民生用の技術だったものが、そういうことに関する情報がこれ政府から行ったとしても、軍事転用可能な技術になると、そういう場合は排除されていないんじゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/140
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141・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 基幹インフラへのサイバー攻撃に対する政府の対応策の中に、非公知かつ政府保有の革新的技術を利用した対策が含まれるということは想定されます。こうしたサイバー攻撃の防止に係る革新的技術に関する情報は重要経済基盤保護情報に該当する一方で、特定秘密の別表にも該当する場合には、それを取り巻く状況いかんでは、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあると判断されて、特定秘密として指定されることもあり得るのではないかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/141
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142・井上哲士
○井上哲士君 特定秘密に指定される場合もあるのではないかという最後お話がありましたけど、例えば今回のAUKUSの第二の柱として掲げられている量子技術は、民生利用としては高精度の天気予報とか、広告戦略、創薬や製薬など、広範な分野への応用が期待をされております。一方、防衛省は、この量子技術を安全保障において将来の戦い方を大きく変える可能性を秘めている重要な技術と位置付けて研究を進めているわけですね。それから、AIについても、これ民生利用とともに軍事面での活用が国際的にも進められております。
今、イスラエルは、ガザへの空爆に際して攻撃目標を自動的に生成、設定するAIプログラム、ラベンダーを使用していたと報じられております。これ、イスラエル軍がハマスのメンバーの電話、住所、通信、行動パターンなどの情報をAIに学習をさせるとともに、このガザ住民二百三十万人に対する大量監視を通じて得たデータを入力をして、ハマスメンバーとの類似の程度に応じて一から百の段階に分類をし、数値の高い人物が自動的に標的に設定されると、こういうことが行われたわけで、これがデュアルユース技術の軍事転用の現実として既に進行しているわけですよね。
ですから、これ繰り返しになりますが、この法案でそれに転用できるような技術を幅広く指定をして、それが、機微度が高まったらまさに特定秘密に移行していく、そういうことができるようになっているというのがこの法案なんではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/142
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143・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 本法案が対象とするのは、我が国の国民生活や経済活動にとって重要なインフラや重要物資のサプライチェーンの保護に関する情報でございます。いわゆるデュアルユースの技術は本法案による保護の対象となる可能性はありますけれども、本法案は防衛装備に係る例えば諸外国との技術協力などの対応を想定したものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/143
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144・井上哲士
○井上哲士君 入口として幅広く指定をして、そういうものに使われるものを特定秘密に言わば機微度が上がったといって指定をできていくと、そういう役割を果たす法案なんではないか。まさにそれが、この間、私議論してきました特定秘密保護法とのシームレスな運用の中でそういうことになるんではないかということを改めて指摘をしていきたいと思います。
有識者会議の議論では、セキュリティークリアランスの制度はアメリカの制度を参考に検討すべきと、米国との実質同等性をどう確保するかというのが最大のポイントというふうに強調されておりますが、なぜこのアメリカの制度との同等性ということが必要とされるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/144
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145・品川高浩
○政府参考人(品川高浩君) お答えいたします。
我が国の経済安全保障の確保は我が国単独で実現できるものではございません。同盟国である米国、同志国との連携協力が不可欠でございまして、これらの国と経済安全保障分野の協力を進めていく上で、これらの国に通用する制度であることは極めて重要でございます。有識者会議でこの点を重視する御意見をいただいたのは当然のことと考えております。
なお、この議論につきましては、米国のみを念頭に置いたものではなく、同志国との関係も含めての御議論であったと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/145
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146・井上哲士
○井上哲士君 当然のことだと、こういう御答弁でありましたが、今お手元に配付している資料は第三回の有識者会議に提出をされた諸外国における情報保全制度の比較の表であります。各国のクリアランス対象情報の範囲や分野が示されております。アメリカの制度を見ていただきますと、クリアランス対象情報の範囲、分野の⑤、国家安全保障に関連する科学的、技術的、経済的事項ということが含まれているわけですね。
第二回の有識者会議では、企業の側から、特定秘密保護法では安全保障に関する科学技術情報がカバーされていない、それから、先端技術開発の初期段階では防衛技術と非防衛技術に区別するのは議論の性質上なじまないと、防衛も非防衛も、両者を包含する制度にしてほしいと、こういう発言が企業側から出されております。
まさに、軍事転用の可能性を持った科学技術の情報に秘密指定を拡大をして、セキュリティークリアランス制度を導入することでこういうアメリカの制度との同等性を確保するというのがこの法案の理由ということではないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/146
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147・品川高浩
○政府参考人(品川高浩君) お答えいたします。
繰り返しになって恐縮でございますけれども、デュアルユースの技術は本法案の対象となる可能性はございます。ですが、本法案が防衛装備に係る諸外国との技術協力への対応を主眼としてこの提案をさせていただいているものではないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/147
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148・井上哲士
○井上哲士君 この間、主眼としていないとか想定をしないと、こういう答弁がずっと行われるわけですけど、私が申し上げているのは、直接そういうふうに法には書いていなくても、結局、結果として、こうやって秘密保護、この法案で幅広く認定をし、指定をし、それが機微度が上がった場合にこういう形で特定秘密保護法の対象にしていくと、それによってこういうアメリカなどの制度と同一性を確保するんじゃないかということを申し上げました。
本会議でも申し上げましたけれども、先日の日米共同声明で、DICASを開催をしてミサイルの共同開発や生産なども決めたわけでありますけれども、こういう幅広い今後の日米間の、そしてこれからも、これまでも行われてきたこういう共同開発のために必要だということが今度の法案の一番の背景ではないかということを改めて指摘をしておきたいと思います。
その上で、この学術研究の政府からの独立性に関わって、日本学術会議の問題についてお聞きをいたします。
特にデュアルユースの問題、この間、学術会議は科学者がこの科学技術のデュアルユース問題にどう向き合うかということをずっと議論をしてまいりました。一方、政府は、二〇年の十月に六人の学術会議の会員任命を拒否をして、その解決のないままに会員候補の選考過程に介入する日本学術会議法改正を一方的に発表をいたしました。
昨年の衆議院の予算委員会で、我が党の宮本徹議員がこのことに関して、学術会議の合意なしに法案を提出するべきではないとただしました。これに対して岸田総理は、期限ありきではなく、学術会議と意思疎通を図りながら検討を進めるという答弁をされました。そして、その後、通常国会にこの法案は提出をされなかったわけであります。
一方、昨年、政府は学術会議を法人化する方針を打ち出して、現在、学術会議の在り方の検討が有識者懇談会で議論をされております。四月十五日には、具体的な検討を深めるためとして、有識者懇談会の下に組織、制度と会員選考に関する二つのワーキンググループが設置をされました。
こうして現在進められている検討に当たっても、昨年の総理答弁どおり、期限ありきではなく、学術会議との意思疎通を図りながら検討を進めると、こういうことが当然踏まえられるべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/148
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149・笹川武
○政府参考人(笹川武君) お答え申し上げます。
御指摘の答弁は、おっしゃるとおり、政府が昨年の通常国会への提出を検討していた学術会議を国の機関のまま存置した上で透明性の向上などの改革を進めていくという案についての質疑の中での御質問でございました。岸田総理からは、そもそも、今回の法改正案については、今国会、これはしたがって去年の通常国会ですが、今国会への提出を目指しているところではありますが、先ほど申し上げたように、期限ありきということではなく、学術会議と意思疎通を図りながら検討を進めていきたいと思っていますというふうに御答弁差し上げたというふうに承知しております。
その法案は、今先生御指摘のとおり、政府としてアカデミアとの関係に配慮して国会提出を見送ったわけですけれども、政府におきましては、昨年六月の経済財政運営と改革の基本方針二〇二三において、これまでの経緯を踏まえ、国から独立した法人とする案等を俎上にのせて議論し、早期に結論を得るということを閣議決定したところでございます。
これに基づいて、今先生御紹介いただきましたが、まず日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会を開催し、そこでは、学術会議が求められる機能を十分に発揮するためには、国とは別の法人格を有する組織になることが望ましいという中間報告をいただきました。政府としても、十二月に、日本学術会議を国から独立した法人格を有する組織とするということを決定したところでございます。
現在、先生から最後御指摘ありましたワーキンググループなど立ち上げているわけですけれども、この方針に基づいて法制化に向けた具体的な検討を進めているところでございまして、検討に当たっては学術会議の意見も十分に聞きながら丁寧に進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/149
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150・井上哲士
○井上哲士君 去年の総理答弁どおり、期限ありきでなく、学術会議と意思疎通を図りながら検討を進めると、こういうことでよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/150
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151・笹川武
○政府参考人(笹川武君) 繰り返しになりますけれども、政府といたしましては、丁寧に議論して早期に結論を得る、学術会議の意見も十分に聞きながら検討を進めていくという方針でございます。そういう方針ではありますけれども、期限ありきではなく、学術会議と意思疎通を図りながら検討を進めていく、そういう気持ちも持ってしっかりやっていきたいというふうに思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/151
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152・井上哲士
○井上哲士君 総理答弁でありますから、気持ちの問題じゃなくて、ちゃんとそのとおりやっていただきたいんですが、この見直し議論について学術会議は昨年十二月九日に声明を発表して、政府案のこの法人化案に懸念を示した上で、活動面での政府からの独立性の確保や会員及び会長選考の自律性、独立性の確保などの五点が満たされる必要があるとして、関係者の継続的な協議を望むということを表明しておりますけれども、こうした学術会議の声明で示された方向も当然尊重されるべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/152
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153・笹川武
○政府参考人(笹川武君) 有識者懇談会においても、この説明はたしか御説明いただいていたかというふうに存じます。したがいまして、今後の検討について、有識者懇談会においては、独立性、自律性が現在以上に確保され、国民から求められる機能が十分に発揮されるような制度設計が行われるべきであり、これは法人化に向けてということですけれども、行われるべきであり、学術会議が心配しなくてもよいように、学術会議の意見を十分に聞きながら今後進めていくというふうに懇談会おっしゃっておりますし、政府としても同様のスタンスで丁寧に進めていきたいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/153
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154・井上哲士
○井上哲士君 学術会議は昨日から都内で総会を行っておりますけれども、内閣府のワーキンググループへの参画に当たって改めて、この五つの点を基本的な考えとして四月十五日に会長声明も発表をしております。そして、自由な発想を生かした関係者の継続的な協議を望むということを表明をしております。
学術会議は、一九四九年に、戦前の日本で学問の自由が保障されなかった、学術が軍国主義に奉仕されたと、そういう反省の下につくられました。日本の科学者の代表機関だと、科学が文化国家、平和国家の基礎だとの信念に基づいて、国の機関であると同時に、時の政権から独立した立場で行政や産業、国民生活に関する科学的な提言を行ってきたと。
私は、このアカデミアとして非常にこれは大事な立場でありますし、こういう機能をしっかり高めるためにも、期限ありきではなくて、学術会議の意思疎通をしっかり図りながらの検討、国民に開かれた検討が必要だということを再度改めて求めまして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/154
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155・大島九州男
○大島九州男君 れいわ新選組、大島九州男でございます。
ずっと質疑を聞かせていただいておりますけれども、なかなか、この法律ができてからそれから政令でとかいうふうな話で、分かりやすい、なるほどなというふうに腹に落ちる答弁をなかなかいただいていないんですけど、いろんな視点があるのでちょっと視点を変えて違う角度から聞いてみたいなというふうなことがあるんですけれど、ちょっと改めて、このセキュリティークリアランス制度と、いわゆる、この制度と秘密保護法の違い、これを簡単に教えていただけると。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/155
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156・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 特定秘密保護法、もう施行されて十年になりますけれども、それ以来、我が国の情報保全制度の信頼性が高まって、同盟国、同志国との情報共有が円滑になりました。しかし、いわゆる諸外国でいうトップシークレットやシークレットに次ぐコンフィデンシャル相当の情報類型がカバーされていないといった課題は指摘されております。
また、経済活動に関して行われる国家及び国民の安全を害する行為を未然に防止する重要性が増大しておりますけれども、重要な物資に関するサプライチェーン上の脆弱性の解消に関する情報ですとか重要なインフラのサイバー脅威への対処に関する情報などは、政府内でとどめるのではなくて、事業者へも共有した上で共に対策を進めていくということも必要です。
さらに、経済安全保障分野における政府による国際的な共同開発などが増えつつある中で、それらに参加したいと考えている事業者から制度を求める声も聞かれておりました。そのため、昨年二月以降、有識者会議を開催して、産業界へのニーズの聴取とともに、外国の制度分析も行ってまいりました。
このような経緯で、合計十回会議を重ねて検討も進め、そして一月に、今年一月に最終とりまとめも公表して、ちゃんと順を踏んで、十分に精査した上で本法案を提出いたしました。経済安全保障上の重要な情報を管理して活用するためのルールを定めるということとともに、我が国の情報保全の強化にしっかりと結び付けていく、そしてまた事業者の国際ビジネスの機会の確保、拡充にもきちっと資するように対応してまいりたいと思います。
特定秘密保護法との違いという視点でございますけれども、まず、特定秘密保護法では対象とされていない機微度の情報を保護することとしている点、それから、官民での協働、連携が重要となる経済安全保障という分野の特色を踏まえて、特定秘密保護法では、特定秘密保護法の方では、この行政機関の業務の遂行が立ち行かなくなるようないわゆる非代替性が認められるときに民間事業者に情報提供が可能としていますけれども、本法案では、重要な情報を保全しながらも、各行政機関の長が安全保障の確保に資する活動の促進を図るために必要があると認めたときに民間事業者に情報が提供できるということとしていること、それから、本法案では、特定秘密保護法と違って、この適性評価のための調査の一元化機能を設けることにしたということ、さらに、情報漏えい時にその支障に応じた異なる水準の罰則を設けたということ、これらが違いでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/156
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157・大島九州男
○大島九州男君 るる御説明をいただきましたけれども、簡単に考えますと、政府が持っている機微な情報で諸外国との関係でというと、どうしても僕らの頭の中には外交、防衛という部分が多くて、特定秘密法案でそこが担保されているという、そういう認識なんですよね。
企業側が何が必要かというような観点でいくと、例えばその外国のインフラを整備する、それとか、諸外国のいろんな重要な施設を例えばゼネコンが建築したいとか、そこにシステムに入りたいとかいうふうに言ったときに、あなたのところの会社はちゃんとそういう情報が守れるのと、じゃ、うちは宮内庁御用達ですからと、ああ、そうですかと、じゃ、大丈夫ですねというので、一つ言うなれば、この印籠が目に入らぬかみたいな形で、持っているから海外のいろんな入札に入れますとか、そういった部分のことが何か前面に出てくると、なるほど、ああ、そういうので経済的に発展していく礎になるパスポートみたいなものだなとかね。じゃ、それが本当に国の情報を、機微な情報を持っていくのかといったら、そこは余り関係ないんじゃないかと。
だから、企業側が欲しがっているのはそういうパスポートみたいなもので、あえて何か国のその特定秘密に関わるような、そういった機微な情報を持っていくというよりは、そういうパスポートが欲しいのでこういうのをつくってくださいよと言われてつくっているのかなというふうに見ると、何かすごく腹に落ちるんです。そこら辺はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/157
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158・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 諸外国のセキュリティークリアランスの制度も十分に精査をしてまいりましたけれども、他国におきましても、セキュリティークリアランス制度は、第一義的には政府が保有する安全保障上の重要な情報の保全制度の一環として存在しております。適性評価を行うのは、それを取り扱う方が自国政府の秘密情報を漏らすおそれがないかどうかを確認するためでございます。
しかしながら、結局、お互いに国内でそのような制度を持っているかどうかというところが肝腎なところでございまして、大体、日本もうちの国と同じぐらいの情報保全制度を持っているよねということがこれまた信頼のあかしになっていくと。当然、政府間で国際共同研究をするような場合にもこれは大いに役に立ちますし、日本国政府を通じて諸外国から提供された情報を基に、政府調達の中で信頼性の確認ができた方にその仕事をしていただくということもできます。
ただ、民間企業同士のお取引であっても、もう何かG7の中ですとかオーストラリアなどと一緒になったビジネスマンたちの話によると、何々クラスのクリアランス持っているのみたいなことが共通言語となっていて、最初から同じ土俵に入っていけないということなんですね。
ですから、やはり、それぞれの国の情報をきちっと守れる人だということは、お互いビジネスの世界でもその情報保全ができる、信頼のあかしとして認められる、こういった効果があると、これは確信をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/158
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159・大島九州男
○大島九州男君 だから、そういう部分が一番大きいのかなという個人的な考え方なんですよ。
ちょっとまた違う視点でいうと、個人情報保護法ができたときにプライバシーマークというのを、JIPDECというところがその業務を行っているんですね。要は、その個人情報を取り扱うためのその資格があるかどうかというのを企業とか団体とかが審査していただくと。今回も企業の適合性とか個人の適性評価を審査してもらうわけですよね。話によると、その企業の適合性というのは内閣府が見て、そして適性評価は各省庁がやりますよと言っていますが、そういうことが本当にできるのかと、いろんな。
そうすると、このプライバシーマークのように、JIPDECがやっているように、そういう、これは財団、一般社団、一般財団か、がやるようになっているわけですよね。この団体の中には元次官とかの人材がいるというふうに認識しているんですけど、ここ、省庁から退官後、所属している人員がどれぐらいいるか分かりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/159
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160・西村秀隆
○政府参考人(西村秀隆君) お答え申し上げます。
JIPDECにおいては、四名が経済産業省の出身者として理事に就任しているものと認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/160
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161・大島九州男
○大島九州男君 会長とか専務理事ですよね、それから常務理事、理事と。それで、あと評議員に一人ぐらいいるので、じゃ、それは厚労省かどこかということだったんですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/161
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162・西村秀隆
○政府参考人(西村秀隆君) 他省庁の出身者については、理事には就任していないものと認識をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/162
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163・大島九州男
○大島九州男君 じゃ、評議員でしょうね。
要は、何が言いたいかというと、結局こういうような形態で、そのうち、今は想定していないけれど、適合性とか適性評価をそういう外注するようなことになるんじゃないかなと思うんです。そこら辺はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/163
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164・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 事業者の適合性の認定、これは各行政機関でやっていただきます。内閣府としては、個人のこの適性評価のための調査を一元的に行うのですが、いずれも外部機関に委託するということは考えておりません。必要な定数の要求をしっかりと行ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/164
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165・大島九州男
○大島九州男君 それは五年、十年たつと、時代が変われば分からないんじゃないかと。
さっきも言いましたけど、今回のこの制度は、国の機微な情報を提供して、いただいた企業がそれを活用するというのもあるかもしれないけど、多くは、さっき大臣がおっしゃった、それぞれの外国との企業とのやり取りや外国との政府のやり取りのときに、あなたの企業はそれぐらいのガバナンスができる、クリアランス制度の中でのこのレベルねと。分かりやすく言うと、宮内庁御用達の印籠を持っているねと。それを与えるのがもう最大の目的だというと、ああ、経済を発展するためにそういう制度をつくって、グローバルな社会に企業を送り出すための通行手形を出しているのかなというと、さっきも言うようにすごく腹に落ちるんですよ。だって、特定秘密保護法あるんですから、そういうやつはそこでやればいいわけです。あえてそういうふうに分けるということは、どこかに何かそういう目的があるんだろうなと。だから、これは特に大企業とかそういうところじゃないとなかなか活用できないと思うんですよね。
何でそういうことを言うかというと、さっき言ったプライバシーマークの更新料が二年で百万とか、規模によって違うんですけど、小さいところでも三十万掛かるので、小さい事業者はもうこのプライバシーマーク使えないと言っているんですね。それで、特に我々、学習塾に縁が深いので、日本版DBSなんかも、じゃ、このプライバシーマークを持っているような塾じゃないと情報は出してもらえないんじゃないかという、そういうふうになる。
だから結局、今おっしゃったように、こういう制度があって、そういう資格を持っている企業でないといろんなところに参画ができていかないと。そうすると、じゃ、それをもらうために、企業は多大な経費とお金を払ってもそこを取得しながら経済活動ができるけれど、そうじゃない中小企業、特に鉄鋼の旋盤とか何かそういう大きな事業を持っていない中小零細企業というのはそこから外されてしまうというようなことになりかねないんじゃないかというようなことを懸念するわけですよね。
だから、そこには費用は発生しないんですよと、適合性とかそういう話をするのは関係ないんですよと言うけれども、当然それを審査したりやるところ、これは外部委託はやらないけれどと言っているけれども、内部にそういった部分をつくってやっぱり情報管理していかなくちゃいけないという状況になれば、当然そこには多大な税金を掛けてやっていくというようなことになっていくわけですよね。
そこには、またいろんな人材が必要になってくると。そういう人材と、またいろんなノウハウを持った民間の団体とか、そういうような人たちを合わせてやっていくということで広がっていくんだろうなと。最終的には、まあ今どき天下りという言葉はもう死語でしょうから、そういう人材が回り回ってそこに集って、そういう制度で生きていくというような流れになっていくのかなとかいうふうに思うわけですが。
質問としては、細かいことを聞いてもなかなか御答弁はいただけないので私の思いを述べましたが、一点、今度、特定秘密保護法の審議の際にも指定される秘密が明らかにならなかったけれど、本法案においても、法定の三要件以上のことは成立後に策定する運用基準で明らかにすると答弁を繰り返されていらっしゃいます。どのような情報が指定されるのか国会審議で明らかにすべきと考えるところは、もうみんなそうなんですね。日弁連も、一月十八日に公表した意見書に、政府の違法な行為を秘密指定してはならないことを法定すべきというふうに指摘してありますが、これはどのような見解でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/165
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166・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 情報の具体例ということでございますけれども、まず、重要経済安保情報の定義として三要件をお示ししております。そしてあわせて、その重要経済基盤保護情報についても二つの定義を示させていただいて、重要経済基盤をこの重要な物資のサプライチェーン、重要なインフラと定義した上で、その保護に関わる四つの情報類型を明示して対象を絞り込んでおります。これは二条の四項一号、二号と、こうずっと見ていただくと対象は絞り込まれております。これ、閣議決定する運用基準において、各役所ごとに間違ってもばらばらな指定にならないようにということで、しっかり対象情報の一層の明確化に努めてまいります。
それから、罪刑法定主義ということも御意識の中にあるのかもしれませんけれども、この重要経済安保情報については、ちゃんと手を挙げられた事業者の方に、これが、これが重要経済安保情報ですよと、漏らしてはいけない情報ですよということを表示してお伝えをいたしますので、それに限定して漏えいをしないように守っていただくということでございます。明確になっていると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/166
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167・大島九州男
○大島九州男君 最後に、これはもう何度も言いますけど、国内企業が外国企業と共同開発や共同研究を行う場合に、この信用の担保としてこの制度は必要になるということはあるんだろうなというふうに思うわけでありますが、政府の持つ特定秘密は秘密保護法で担保され、防衛、外交の部分で、経済も含めて十分だと。その視点で見ると、企業が自らの企業の信頼性を高めるために、その役割のための制度として国からの情報が欲しいというのは若干あるかもしれないけれども、企業の信頼性を高めて、そして国際社会の競争に打ち勝っていこうとするのが第一の目的だというふうに私自身は受け取るんですけど、最後に大臣、見解をどうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/167
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168・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 一義的には、国の情報保全の強化、これが目的でございます。副次的な効果としまして、日本にも我が国と同じようなレベルの情報保全制度があるんだと、あの企業は、あの日本企業は日本政府から提供された情報を漏えいせずにしっかり守れると、こう判断された企業だということで企業の信頼性が上がったり、クリアランスホルダーとなったその情報を取り扱う方に対する信頼性が民間の間でも、BトゥーBでも上がっていくという効果は大いにあると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/168
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169・大島九州男
○大島九州男君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/169
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170・阿達雅志
○委員長(阿達雅志君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後零時二十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121314889X00920240423/170
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