1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和六年五月三十日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
五月二十九日
辞任 補欠選任
松野 明美君 串田 誠一君
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出席者は左のとおり。
委員長 滝波 宏文君
理 事
佐藤 啓君
山下 雄平君
山本 啓介君
横沢 高徳君
舟山 康江君
委 員
清水 真人君
野村 哲郎君
藤木 眞也君
舞立 昇治君
宮崎 雅夫君
山田 俊男君
田名部匡代君
徳永 エリ君
羽田 次郎君
高橋 光男君
横山 信一君
串田 誠一君
紙 智子君
寺田 静君
国務大臣
農林水産大臣 坂本 哲志君
副大臣
農林水産副大臣 鈴木 憲和君
大臣政務官
農林水産大臣政
務官 高橋 光男君
環境大臣政務官 朝日健太郎君
事務局側
常任委員会専門
員 笹口 裕二君
政府参考人
出入国在留管理
庁審議官 福原 道雄君
厚生労働省大臣
官房審議官 鳥井 陽一君
厚生労働省大臣
官房審議官 梶原 輝昭君
厚生労働省大臣
官房審議官 原口 剛君
農林水産省大臣
官房総括審議官 杉中 淳君
農林水産省大臣
官房総括審議官 宮浦 浩司君
農林水産省大臣
官房技術総括審
議官 川合 豊彦君
農林水産省消費
・安全局長 安岡 澄人君
農林水産省輸出
・国際局長 水野 政義君
農林水産省農産
局長 平形 雄策君
農林水産省畜産
局長 渡邉 洋一君
農林水産省経営
局長 村井 正親君
農林水産省農村
振興局長 長井 俊彦君
林野庁長官 青山 豊久君
水産庁長官 森 健君
経済産業省大臣
官房審議官 小林 出君
国土交通省大臣
官房技術参事官 西村 拓君
環境省大臣官房
審議官 奥山 祐矢君
環境省大臣官房
審議官 堀上 勝君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
(農業分野の気候変動への適応に関する件)
(漬物製造業の規制の在り方に関する件)
(家畜伝染病対策に関する件)
(アグロエコロジーの推進に関する件)
(アニマルウェルフェアに関する件)
(林業分野における外国人材の受入れに関する
件)
(水産業の振興施策に関する件)
(ブルーカーボンの利用拡大に関する件)
○食料供給困難事態対策法案(内閣提出、衆議院
送付)
○食料の安定供給のための農地の確保及びその有
効な利用を図るための農業振興地域の整備に関
する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出
、衆議院送付)
○農業の生産性の向上のためのスマート農業技術
の活用の促進に関する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/0
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001・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日、松野明美君が委員を辞任され、その補欠として串田誠一君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/1
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002・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、出入国在留管理庁審議官福原道雄君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/2
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003・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/3
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004・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/4
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005・山本啓介
○山本啓介君 おはようございます。質疑の機会をいただきましたことをまず皆様に御礼を申し上げたいと思います。
そして、本日は、坂本大臣、そして鈴木副大臣、高橋政務官、さらには参考人の皆様方には、答弁、是非ともよろしくお願いしたいと思います。
昨日、農業基本法の改正が成立して、新たなフェーズに入ったと、これからこの法律に基づいて農業政策しっかりと計画へと進められていくんだと、そのように感じています。
昨日、多くの地域の方からも、これからの流れや、今回のこの法律でどのように我が国の農業というものが変わっていくのか、どこに力が入るのか、そういうやり取りも既にやらせていただきました。
本日は、その初日の一発目の質問でございますので、大臣にこれからの流れについて少し詳しくお尋ねをしたいけれども、これまでの農業や農政の歴史について少し入口としてお尋ねしたいというふうに思います。
大臣は、非常にこの農業の歴史、我が国の農業の、農政の歴史について非常に詳しくて、以前、大臣の見識や考え方に触れることがありました。それは六四五年の大化の改新から始まって、脈々と続くこの我が国の国土、また地域コミュニティーを形成してきたこの農業、それに関わる政治、農政、この話を聞かせていただいた機会でありました。
まさしく我が国は、暦の上でもこの農業に関わる事柄が非常に中心にあって、皇室のお取組もまさにそれであります。この農業を欠かすことができない我が国において、まあ戦後から、時間がありませんので戦後から触れますけれども、戦後、我が国は食料難になって、この食料についてしっかりと増産をしていこうと、それが戦後の農政の始まりであります。その後、農村の貧困をなくしていこう、さらには自作農の創設特別措置法ができ、それぞれの地域がしっかり取り組んでいくと。
昭和三十六年以降、今回改正されました基本法の前身である農業基本法が制定され、生産性の向上、所得の農工間格差是正、ほかの産業との格差是正ですね。で、米麦中心から畜産、野菜などの選択的な拡大、そして高度成長期を迎えながら、昭和四十年、五十年、六十年として、平成につながるまで、もうこの頃から既に米の消費が減ってきていると。
さらには、米の生産調整を本格的に開始し、国際的な貿易の自由化の流れの中で、日米の牛肉・オレンジ自由化やガット・ウルグアイ・ラウンド、さらにはWTOの取組から食糧管理法の廃止をして、米がついに国の管理、役割を備蓄に限定をしたと。
そういう流れがあり、平成に入ってからは、昨日の改正案の基である食料・農業・農村基本法が制定され、食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮、農村の振興、食料自給率の導入というものがあって、さらにはTPP、そして昨日という歴史であります。
農水省は、長年にわたって、この我が国の食料の安全保障という言葉を最近になって言いましたけれども、長年にわたって、国民に安価な食料を安定的に供給すること、そのことに全力をし、そして生産側にしっかりとした支えをしながら維持してきました。
今日からそれがどのように変わっていき、そして新たな法律に基づいた計画がどのように進められていくのか、大臣の答弁を求めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/5
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006・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 委員、いろいろ戦後の歴史を語っていただきました。
確かに、食料難から始まりまして、食料をいかに国民の皆さん方に届けるか、そしてやはり消費の変化、さらには国際情勢の変化、そして、ここに来て、気候変動や国際紛争への地政学的リスク、さらには地球環境への調和、こういった様々な変化の中で法律が作られ、改正され、そして昨日の日を迎えたというふうに思っております。御賛同いただいた皆さん方に心から感謝を申し上げたいと思います。
現在の農政の基本理念や政策の方向性を示す食料・農業・農村基本法につきましては、一九九九年、平成十一年の同法制定以来初めての改正法案が成立いたしました。今般の法改正は、食料安全保障の確保、それから農業の持続的な発展のための生産性の向上、農村における地域社会の維持等を図るための基本的な理念等を定めたものであり、世界的な食料供給の不安定化や地球温暖化、人口減少問題など、食料をめぐる情勢が大きく変化する中、我が国の農政が直面する課題に正面から取り組む上で大きな意義があるものと認識をいたしております。
今後は、合理的な価格の形成に関する取組や、あるいは食品アクセスの確保など、基本法の理念の実現に必要な施策の具体化を進めてまいりたいと思っております。その具体化を進める中で、この立法府で出た様々な御意見をしっかりと受け止めながら、いい政策、基本計画にしてまいりたいというふうに思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/6
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007・山本啓介
○山本啓介君 ありがとうございました。歴史観、そして我が国のこれまでの取組を振り返りながら、新たな法改正の下、新たな法律の下で取り組まれる今後の計画についても、大臣、お触れいただきました。
昨日までの議論の中で、私も地方議会を十一年経験をしてまいりました。議員というのは、誰かの声、またどこかの地域、そういった自身が触れ合った方々の声を決定の場、政策をつくる場所、法律を作る場所で発言をしていく、それが必ずしも具体的に何かしらの条文や、県であれば条例に書き込まれるわけではないけれども、その趣旨や思いというものは共有しながら、施行していく、法律を施行していく所管の省庁にそれが委ねられていくと、そういった時間であったというふうに感じました。
この長い時間というのは、本当に私自身も、様々なことに、勉強する、突き当たる、そういう瞬間もたくさんありましたし、その間も、地域や地元の農業者の方々や農業に取り組む方々とのやり取りの中で新たな気付きというものもあったのも確かであります。
今後は、計画を進めていく中で、都道府県はもとより市町村、さらには農業団体の方々と綿密にやっていく、取組、協議をしていく、そして、具体化されるものは、まさしく今の課題をクリアしていくこと、さらには生産力の向上や、何よりも食料の安全保障、これが実現されていくことであろうかと思います。その具体的な取組、進め方について、より一層深い説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/7
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008・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 委員同様、私も地方議会十三年やってまいりました。都道府県、あるいは市町村、さらには各地域の団体、農業関連団体を含めとして、様々な団体の声を聞いて、そして積み上げて、積み上げ方式で様々な計画を作っていくこと、これは大変大事なことであるというふうに思っております。
改正基本法による新たな農政の実現に向けまして、施策を具体化するため、来年の春頃をめどに基本計画を策定することというふうにしております。これを実効性あるものとするためには、委員の御指摘のとおり、生産から流通、消費にわたる食料システムの関係者の意見をお伺いしながら検討を進めていくことが重要であるというふうに考えています。
合理的な価格形成につきましては、食料システムの関係者から成る協議会で議論を行っているところでありますけれども、これに加えて、基本計画の検討についても、食料・農業・農村政策審議会を始めとする場で食料システムに関わる方々の意見を幅広くお伺いしながら検討を深めていくということにしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/8
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009・山本啓介
○山本啓介君 ありがとうございます。
来年の春をめどにということであります。地域の声を、また農業に関わる方々のその取組や不安、課題を一つ一つこの計画を策定していく中で確実にクリアしていく。なかなか一朝一夕にはできない事柄ばかりでありますし、もとより、農業や畜産というものは、自然を、又は動物を、植物をというふうなものが相手でございます。うまくいかないことが多分にあろうかと思います。しかしながら、そういった事柄を、それぞれの地域やコミュニティー、産地、それぞれの事情や都合をしっかりと酌み取っていきながら、バランスよく進めていただきたいというふうに思います。
今回の議論の中でも出てきましたけれども、法律の中の第二十六条で位置付けられております、従来から規定されている、効率的かつ安定的な農業経営を営む者以外の多様な農業者を今回の二十六条で改正後位置付けられています。この意義について、少し副大臣とやり取りをさせていただきたいと思います。
農業の生産、まさしく我々は農家という位置付けをしますが、全国の様々な気候の変化又はそれぞれの地域の気候の違い、そしてそのコミュニティーの人の数や人材、能力、いろんなことがあって、しかしながら、それらを一くくりに農家として位置付けられている。けれども、その多寡や高低、いろんなものを、違いを見極めながら一つ一つしっかり当たっていくというのはまあ難しい話です。しかし、我が国の生産力を上げていくためには、そういった多様なプレーヤーの方々もしっかりと引き込みながらやっていく、全体を救うことできないけれども、農業に取り組む方々にしっかりと光を当てていく、そのことがここに定められていると私は理解をしました。
率直な御意見をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/9
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010・鈴木憲和
○副大臣(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。
率直な御意見ということでありますが、まず、ちょっと答弁を読み上げさせていただければというふうに思います。
我が国の農業、農村は、戦後直後の農地改革の結果、一ヘクタール未満の規模の自作農が大宗を占める構造が、まずそこがスタートラインというふうになったというふうに考えております。
ただ、その後、農業者の減少が少しずつ進む中で、例えば、平成四年のいわゆるこれ、新政策というんですけれども、認定農業者制度を創設をしたり、スーパーL資金を創設をしたりしました。その後、平成十一年に制定をされました食料・農業・農村基本法に基づいて、担い手である効率的かつ安定的な農業経営の育成、確保を図ってまいりました。
その結果、多くの品目で、中小・家族経営を含め担い手が農業生産の相当部分を担う構造となりましたが、今後も、特に高齢化が進む稲作関連を中心に農業者の減少が見込まれることから、引き続き担い手の育成、確保というのは重要だというふうに考えております。
しかしながら、やっぱり現状を見ますと、私自身も農村集落に暮らしているんですけれども、担い手だけで全部が何でもかんでもカバーできて農業が営まれて農村が維持できるかといえば、現実としてはそうではないということであります。特に、山本先生御地元の長崎県のような、何というか、山がちで結構人手が大切な場所というのは、なかなか大きい農機を、どおんと機械化しろと言われても難しい地形もたくさんあるというふうに思っておりまして、そういうところについては、特に担い手以外の多様な農業者が農地の保全管理や農村の集落機能の維持の面で果たす役割の重要性が恐らくこれまで以上に増しているというふうに考えております。
そうしたことから、今回のこの二十六条の二項というのを新たに位置付けたというところになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/10
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011・山本啓介
○山本啓介君 先ほどの冒頭話した歴史に触れながら、大変詳しく位置付けについての御説明をいただいたというふうに理解します。
この二十六条、まさしくこのタイトルは望ましい農業構造の確立ということで、一項で担い手の方々の取組、二項にその他多様な取組いただいている方々のしっかりと確保が図られるように配慮するというふうな文言が書かれています。
先ほど、冒頭、我が国の歴史の中に、農業は当然真ん中にあって、農業を営むことがひいては地域のコミュニティーを形成していった。時には争いのもととなったのも、当然その歴史の中ではあった場面でありますし、農地を奪い合う、それは優良な農地を、水田を始めた頃からそれを奪い合うようなことがあったんだと思います。それに政治がしっかりと入っていって、様々な制度を確立していきながら、うまくいかなければ変えていくと、うまくいかなければ変えていくと、そういうことをしながら国が安定的に発展していくことを昔から行ってきたと、そういう歴史であろうかと思います。
そのときに、今、地域の課題として、人口減少や、又は人材不足や、少子化、高齢化、そういった事柄も、この農家の方々に農業政策として、何となくタイトルとして担わせているような気がしてならないんですね。
私は、やはり、その地域で農業を営む方々が自然に自らの営みを人生の中の真ん中に置きながら、その自然な取組がひいては地域の人口減少を止めたり地域の振興につながったり、又は優秀な人材を育てたり、そういうふうなものに、暮らしに変化していく、そういったことが理想かなというのは常に感じています。それが我が国の、コミュニティーが集まったのが国家全体の歴史であるというふうに捉えています。
今後、計画を策定していく中で、そういった部分もしっかりと、国の歴史、国の成り立ち、根幹に置きながらやっていく、遠回りのようで私はぶれない日本の農業の基本だと、そういったところを打ち出すのが農水省の役割の一つであると思いますが、まず、ここまでのやり取り、副大臣、いかが思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/11
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012・鈴木憲和
○副大臣(鈴木憲和君) ありがとうございます。
山本先生おっしゃることはそのとおりだなというふうに私自身も全く共感をするところであります。
特に、私も農林水産省の職員七年間やらせていただきましたので、そのときと、今、衆議院議員やって、私の地元山形というところがあるわけですけど、今と昔を比べると、やはり自分自身も反省をしなければならないのは、霞が関に農水省ありますけれども、霞が関は食料生産の現場ではないわけですよね。そういうところで机上の空論のようにして例えば大きい目標とかを考えるわけですけれども、それが必ずしも、現場の皆さんから見ると、ちょっと現場の感覚とかなり違うよねというような意見がすごいあるというのもよく分かっております。
そうしたこともよく踏まえて、先ほど先生の方から都道府県や市町村の自治体の皆さんの意見もちゃんと聞いた方がいいのではないかという御指摘がありましたけれども、そうしたことも、この基本計画を作るに当たっては、いつもとはちょっと違ってもう少し地べたに寄ってきたものだよねというふうに言っていただけるように努力をするということが私は今回大切かなというふうに認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/12
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013・山本啓介
○山本啓介君 最後に、大臣に最後、取りまとめて改めてお尋ねするわけですけれども、今副大臣とやり取りをさせていただいた事柄、非常に抽象的な言い方ですけど、土の香りのするやり取りを今後もしていかなきゃいけない、地域の方々がどのように考えているかというのも見ていかなきゃいけない。
と同時に、我が国は農業というものを取り組んでいる。しかしながら、例えば日本が作っているお米も、世界中で食べられているわけではないし、広がりがあるわけではない。そして、いろんな仕組みも、国際社会のいろんなルールの中で、日本のルールが世界のルールという形になかなかなり得ていない、なり得ない。そういう状況下の中で、国際的な関係、国内外の関係と、先ほどから言う土の香りのする話と、両方バランスよく取り組んでいく。言わば、農業の、農政の憲法と言われている今回のこの法律、国はこのように農業政策をしていくんだというのを示したものであろうかと思います。
来年の春の計画に向けて、大臣の農業に関わる方々への言葉をいま一度お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/13
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014・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 昨日、全国の農業委員会の会長大会がありまして、夜は、それぞれ皆さん方同じだったと思いますけれども、各県の農業委員会の会長の皆さん方との意見交換会、これがあったというふうに思います。
私も藤木委員もその中に出席をさせていただいて、皆さん、やはり食料・農業・農村基本法の成立、その全国大会の中で今この基本法が成立しましたという報告があって、そのとき拍手が一斉に沸いたということであります。皆さんたちのやはり期待は、これからやはり何がしか変わっていく、そして農業の味方になってくれる、そういう思いがあったんだというふうに、全国大会のときはそういう思いがあったのだというふうに思います。
しかし、昨日、それぞれの県で会った、私たちが参加した農業委員会の会長さんの意見を聞きますと、それでもこれだけ厳しいんだと、こういう状況があるんだ、とりわけ価格あるいは若手後継者、こういったことに対しての様々な一つ一つの要望がありました。
先ほど言いましたように、こういった要望をしっかり受け止めて、そして積み上げをしながら、一方の方で、国際情勢あるいは気候変動、こういったものも考えて新たな形で基本計画を作り上げていく、このことが大切だということを改めて肝に銘じて、これからの活動をしてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/14
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015・山本啓介
○山本啓介君 ありがとうございます。
是非とも、最も長い歴史を持つ我が国の農業、世界にもしっかりと、堂々と太い計画を示していき、そして農業がもう一度、我が国が大国となるように、農林水産大臣のリーダーシップ、農林水産省の取組を期待したいと思います。
次に、残り十分ございます。この期間、ずっと口にしたくてたまらなかったんですが、そういう場面がなかったもので、ようやく今日、水産業についてお尋ねをしたいというふうに思います。
水産業、今、コロナ禍が明けて、消費者の行動も変わってきました。それは、家庭のこともそうですし、飲食店、流通業、そういったものにも変化が見られるのは確かであります。ただ、コロナ禍から反転攻勢で、何とかいま一度盛り上がろうと。インバウンドも増えてまいりました。そして人々も町に出てきました。しかし、なかなか長時間、飲食店で長い時間を過ごすということがないような、そんな変化も見られる地域もあります。
その中で、それぞれの流通業の中で、飲食店が、やっぱりうまく経営をしていこう、今をつないでいこう、そういう取組をしていくと、これまでが当たり前だったものを変えていかなきゃいけない、その変化によって持続性というものをつくっていかなきゃいけない。そういうときに、今もなおしっかりとした調理をし、いろんな仕事をして提供する、そんな料理、そういった飲食店はあります。それは大事であります。我が国の伝統でもあるし、和食というもの、文化もあるし、それぞれの地域のいいものをうまく使っていくというのは大事であります。
しかしながら、それ以外の多くは、消費者の方たちも同じように、安価でスピード感があって、居心地のいいもの、提供する側も、コストを抑えて、そしてしっかりとした価格で提供して短時間で終える、そういったものを志向したものが多くあります。
その中心にあるのが、例えば水産物においては加工されたもの。産地で生産され、しっかりと加工され、ある程度のところまで処理されたものが産地から届けられる。それは冷凍であったり、そして現場ではそれらを解凍し、簡単な調理で提供できる。要は、調理人をそこに置かずとも料理として成り立っている、そういう現場もよく見ます。産地はこれから、都市部へ持っていく、その流れの流通の手前の処理をもっともっとアイデアを講じていかなければならない。そういうときに来ているんだと思います。
この新しい変化、取組に対して水産庁は、既存の取組もあろうかと思いますが、今新たな動き出しを強力に背中を押すためのもの、そういったものについて説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/15
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016・森健
○政府参考人(森健君) お答え申し上げます。
食用魚介類の国内消費仕向け量の七割程度、実はこれは水産加工向けに利用されているという状況でございます。そういった面では、飲食店を含め、実需者のニーズに沿った水産物のその提供というものがますます重要になってくるというふうに考えております。
このことは、消費者自体も、少子高齢化、共働き世帯の増加等を背景の簡便化志向というのを強めている状況でございますので、こうした消費者ニーズの対応の面でも、加工向け、実需者向けにどう使いやすい水産物を提供していくかという点は非常に重要だと考えております。
農林水産省といたしましては、地域の水産物を活用して生産、加工、流通業者が連携して行う新商品の開発などの売れる物づくりに向けた取組を支援をしてきているところでございまして、例えば、スーパーとも連携しました商品開発ですとか、介護用食品事業者と連携した高齢者等向けの加工製品の開発などを支援、さらに、漁業者がその付加価値の向上ですとか安定供給の取組にできるよう、漁業者が一次加工品を開発する取組に必要な共同利用施設の整備などについても支援をしているというところでございます。
引き続き、消費者ニーズ、更にその変化を踏まえた水産加工品の開発、提供の方を推進していく必要があると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/16
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017・山本啓介
○山本啓介君 民間感覚というの、よく地方の自治体の議会とかでも出てくるんですけれども、都道府県庁や行政というのは民間感覚と言いながらも民間感覚になり得るわけないんですよ、民間じゃないんですから。ですから、やはり省庁においてもしっかりとそのスキームを、そのフィールドを用意してやると、その枠組みを用意して、そこをしっかり民間の方々が自由に経済活動をしていくと、そういう環境づくりすることが私は行政の役割だと思います。そのためには、しっかりとその地域のニーズやその業種のニーズを聞かなきゃいけない、分からなきゃいけない、分かって政策を打たなきゃいけない、そういうことであろうかと思いますので、まず聞くということを改めて行っていただきたいと。
もう少し都道府県と連携しながら、又は各団体と連携しながら、もう少しきめの細かい情報の集約が私は必要なのかなというふうに、もっと細かく集中して、打ち出す手当ては大きなもので、国が取り組んでいく必要があろうかと思います。そういう流通業とともに、水産物の需要減退を阻止するために、家庭と学校給食など、そういった取組も必要だと思います。
その認識を高める取組というのは、長年水産庁も大変な取組をしていただきながら、水産物の消費拡大策というのを取り組んでいただいていると理解します。学校給食では鯨や季節の魚とか、今、東北の震災や災害地においても重要になっているホタテや石川県の魚などの提供も行われています。こうした取組の状況も行われていますが、プラス家庭に対しても行っていく必要があると。
地方のコミュニティー、いろんな、平成の大合併とかでいろんなものが広がって、大きなまとまりになったように見えて、実は、私の地元でもそうなんですけど、広がったものが、今、地域コミュニティーは意外と小さくまた縮小していっています。小さいコミュニティーで人たちが祭りやイベントを行いながら、横のつながりで自分たちが楽しめる環境をつくる、そういう動きが各地域で見えています。特に離島においてはそういったコミュニティーが増えています。
そうすると、車を使わずとも、又は公共交通機関を使わずとも行ける範囲にパン屋さんが欲しいとかお医者さんが欲しいとか、そして魚屋さんが欲しいとか、そういうことを言う若い人たちが増えてきたんですね。僕ら、私も若いと思っていますけど、そういう人たちと会話していると、いや、昔はあったんですよ、魚屋がと。じゃ、何でなくなったんですか、何でそんな不便にするんですかと平気で言われるんですよね。これまでの歴史を知らないくせにと思うんですけど、それは聞きながら思う。そういうふうな感じで、地域に家庭が魚屋さんに通うという雰囲気もまた出てきているのも確かであります。
こうした消費者が求める変化、又は求め方が変化している中で、持続可能な水産物の消費拡大の取組、水産庁としての考えをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/17
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018・森健
○政府参考人(森健君) 御指摘のとおり、水産物の消費拡大に向けましては、様々な地域、家庭における魚食の普及ですとか、あるいは魚食に関する食育の機会といったものを広げていくということが重要だと考えております。
農林水産省といたしましても、先ほども御指摘いただきました給食での活用でございますとか、小中学校向けの出前・課外授業の実施、さらに消費者の健康志向にも対応できるような水産物の健康効果に関するPR、これは毎年、水産白書の方でも掲載をさせていただいております。さらに、大きな枠組みといたしましては、現在、毎月三日から七日をさかなの日ということで制定をいたしまして、現在、八百五十を超える企業や団体、魚屋さんなど様々な業態のメンバーとともにその消費拡大に向けた取組を官民共同で実施しているところでございます。
御指摘のようなこうした大きな枠組みに加えて、やはりその個々の地域における細かな取組、新しい取組といったもの、これを引き続きしっかり幅広く進められるようにしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/18
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019・山本啓介
○山本啓介君 済みません、時間ありませんが、最後に大臣にお願いしたいんですけれども、行政の取組、予算や事業というのは、まさしく国が、水産においては水産庁が、このように進めていくんだという方向性をガイドする役割があろうかと思います。新たな変化に応じる漁業者や生産地、加工、流通の流れ、そういったものの取組を支援するために、大臣に最後御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/19
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020・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) 答弁簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/20
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021・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) はい。
民間団体の調査では、魚が好きと答える子供たちが七割を超える。それで何で消費が減っているかというようなことがあります。それはやっぱり地域の実情、あるいはそれぞれの子供たちの嗜好、こういったもの、そして民間の皆さん方のやはりいろんな考え方、こういったものを取り入れながら新たに水産行政というのをつくっていくこと、これがこれからの日本の水産業の復活につながっていくというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/21
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022・山本啓介
○山本啓介君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/22
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023・徳永エリ
○徳永エリ君 おはようございます。立憲民主・社民の徳永エリでございます。
今日は、法務省、厚労省、そして環境省にも御出席いただきました。ありがとうございます。昨年の十一月にもこの委員会で質問させていただきましたけれども、林業分野における外国人材の受入れについて今日はお伺いしたいと思います。
これまで、技能実習一号、一年だけ林業分野は対象職種になっていましたけれども、これを、業界団体からの要望もあって、技能実習二号、三号に移行できるように、また、特定技能も対象の職種にする方向で厚労省の専門家会議で検討しておりました。また、技能実習制度から現在国会で審議されている育成就労制度に変わりますけれども、受入れ条件の整備の動向はどうなっているのか、御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/23
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024・原口剛
○政府参考人(原口剛君) お答えいたします。
技能実習における二号移行職種、二号移行対象職種への追加でございますけれども、まず、学識経験者や労使関係者で構成されます技能実習評価試験の整備等に関する専門家会議におきまして、職種追加に当たっての要件、様々ございますけど、要件を満たすことについて審議した後に、関係省令の改正を行う流れとなってございます。
お尋ねの林業職種についての検討状況でございますけれども、今申し上げました専門家会議におきまして、実習の成果が評価できる公的評価システムとして技能検定が設けられることを前提に、移行対象職種に追加することとして了承されているところでございます。現在、これを踏まえまして技能検定の対象職種に林業を追加する手続などを進めているところでございまして、引き続き必要な手続を速やかに行ってまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/24
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025・福原道雄
○政府参考人(福原道雄君) お答えいたします。
特定技能の受入れ対象分野の追加につきましては、本年三月二十九日に、新たに林業を含む四分野を対象分野とすることを閣議決定しております。現在国会で御審議中のところでありますけれども、育成就労制度は、人手不足分野における特定技能一号への移行に向けた人材育成を目指すものでありまして、その受入れ対象分野につきましては、特定技能の対象分野と原則として一致させることとしています。
また、育成就労制度の対象分野について申し上げますと、林業につきましては、先ほど厚労省から御説明がありましたとおり、技能実習二号移行対象職種に追加予定であることから、林業を含め、技能実習二号移行対象職種のうち対応する特定産業分野が設定されているものは原則として受入れ対象分野として認める方向で検討することを予定しています。当該分野設定につきましては、今後、速やかに有識者や労使団体等で構成する新たな会議体を立ち上げ、議論を行い、その意見を踏まえて判断することとしています。
出入国在留管理庁におきましては、厚生労働省のほか、林業分野を所管する農林水産省等の関係省庁とも連携して、適切に対応してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/25
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026・徳永エリ
○徳永エリ君 これからいろいろと環境整備していかなければいけないところはあると思うんですけれども、林業の分野に外国人材がたくさん入ってくるということになるわけでありますけれども、資料をお配りいたしましたが、以前もお話しいたしましたけれども、林業の分野は労働災害の発生率が国内の他産業と比べて約十倍です。最も死亡事故も多くなっていて、これ全然減らないんですよね。外国人労働者の労働安全確保に係る対策が万全に講じられるのかということを大変に心配をいたしております。
林業は、短期間で技能や技術の習得が難しい、また、労働災害発生リスクが非常に高いと言われております。零細な企業が多くて研修などもなかなかままならないと聞いておりますし、また、日本語でのコミュニケーションが不十分では安全という観点から大変に問題だというふうに思っております。零細企業が多数を占める我が国の林業の現場において、日本語教育や現場での研修などを通して十分な安全教育を行うことには限界があるのではないかというふうに思いますが、この点、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/26
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027・青山豊久
○政府参考人(青山豊久君) お答えいたします。
委員からも御指摘いただきましたけれども、林業は他産業に比べて労働災害発生率が高い状態にあることを踏まえまして、林野庁では、外国人材を含む林業従事者全体の労働安全衛生確保に向けまして、労働災害の多い伐倒作業を安全に行うための研修や、保護衣等の安全装備の導入などの支援に取り組むとともに、外国人向けに、令和五年度補正予算におきまして、ベトナム語、インドネシア語、ラオス語による外国人材向け安全テキストの作成を支援しているところでございます。
今後とも、外国人材の労働安全の確保に最大限努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/27
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028・徳永エリ
○徳永エリ君 外国人材に限らず、国内労働者、林業の現場で働く方々に関しても、やはり事故が多い、亡くなる方が多いということで、今御説明をいただいたような取組をしてまいりましたけれども、それでも一向に減らないという状況でございます。ここをしっかり受け止めて、外国人材が現場に多く入ってきたときにこの労働安全ということをしっかりと心掛けていただきたいということを重ねてお願い申し上げたいと思います。
そして、零細の企業が多いというお話をいたしましたけれども、民間の企業に任せるのだけではなくて、外国人材の労働安全の確保に向けて、やはり公的な支援、保護体制、これを整備する必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/28
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029・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 林業における労働安全の確保は、外国人材を含めて、林業就業者を確保、定着させる観点から極めて重要であるというふうに認識しております。
このため、全産業の十倍を超えると、委員御指摘のように十倍を超える労働災害発生率の半減に向けまして、労働災害の多くを占めます伐倒作業を安全に行うための研修、そしてチェーンソーの事故を防止するための保護衣等の安全装備の導入などを支援しているところでございます。
さらには、事業主によります現場への安全指導を徹底するため、先ほど長官からもお答えしたところでございますけれども、労働安全衛生コンサルタントによる安全診断、さらには作業安全運動の講習会の実施、そしてベトナム語、インドネシア語等に翻訳いたしました外国人向け安全テキストの作成等への支援をこれからも行ってまいります。
引き続き、これらの取組を進めますとともに、関係団体とも連携し、労働安全対策の強化に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/29
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030・徳永エリ
○徳永エリ君 やはり零細な企業は、例えば今おっしゃったようなことを実行していこうと思って研修などをやろうとしても、なかなか経費的に負担が厳しいとか、そういうこともあるんだと思うんですよね。予算的な部分でもしっかりお支えいただきたいというふうに思います。
それから、実際にけがをしたり亡くなったりということが現場で起きた場合に、ちゃんと労災に加入をしているのかとか、あるいはその補償をどうするのかとか、あるいは責任の所在はどこにあるのかとか、難しい問題がたくさんあると思います。
いろんなその言語別にテキストを作るというふうに言っておりますけれども、緊急の際に分かるように、ふだんの会話だったら丁寧に説明できますけれども、緊急時にちゃんとそのコミュニケーションを図るというのはすごく難しいんだと思います。ですから、いざその危険が現場で発生したときにどのようなコミュニケーションを取ってその危険を回避するかということをもっと丁寧に慎重に考えていただいて、そしてしっかりとそれが徹底できるようにしていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
それから、外国人技能実習制度については、これまで人権侵害、労働関係法令の違反などの実態が指摘されてまいりました。社会問題にもなっている中で、育成就労制度で検討されている監理支援機関など、指導監督の徹底が図られるかどうかということは国会での審議でも不明確であります。
同一労働同等報酬を必ず担保し、政府の育成就労制度の対案、立憲民主党では外国人労働者安心就労法案、これを提出させていただいておりましたけれども、その中の雇用手続の整備にあるように、雇用する機関については政府によってその適格性を認定された認定雇用機関のみとするなど、要件の厳格化、これに努める必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/30
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031・福原道雄
○政府参考人(福原道雄君) お答えいたします。
まず、現行の技能実習制度についてですけれども、人材育成を通じた国際貢献という制度の目的と実態の乖離、それから特定技能制度との分野の不一致といった課題に加えまして、原則として転籍ができないことや不適正な受入れ機関や監理団体の存在等、人権保護等の観点からの課題が指摘されているところでございました。
我が国が魅力ある働き先として選ばれる国になるために、人権侵害等の予防や是正を図ることは重要な課題と認識しております。
この点、育成就労制度におきましては、現行の技能実習制度と同様、育成就労計画の認定要件として、育成就労外国人に対する報酬の額が日本人が当該業務に従事する場合の報酬の額と同等以上であること、その他育成就労外国人の待遇が主務省令で定める基準に適合していることという要件を設けておりまして、外国人の適正な待遇を担保することとしています。
これに加えまして、監理支援機関の独立性、中立性を高め、適切な監理支援を行わせること、新たに設立する外国人育成就労機構の保護、支援機能を強化すること、やむを得ない事情がある場合の転籍が認められる範囲を拡大、明確化し、手続を柔軟化することなどによって外国人の権利が不当に害されることのないようにしてまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/31
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032・徳永エリ
○徳永エリ君 雇用機関、受入れ企業によってやっぱりすごく差があるんですよね。本当に外国人のその人材を大事にして日本人と同じように働かせてくれる、そういった企業もありますし、本当に不当な働き方を強要しているようなところもあって、やっぱりちゃんと政府がそこを精査して、しっかり認定して、ここだったら大丈夫というところで働いてもらう、こういう環境をつくっていくこと、大事だというふうに思います。
衆議院で立憲民主党の対案を提出して、まあ廃案になりましたけれども、否決されたという状況ですけれども、是非とも、私もPTのメンバーとして何年もこの法案の作成に関わってまいりましたので、本当に私は理想的な法案だと思っておりますので、一度機会がありましたらお目通しいただきたいというふうにお願い申し上げたいと思います。
それから、現在、林業の現場では、植付けや下刈り等の厳しい作業における労働力が不足しています。その作業を担う労働者をいかに確保するか、これが業界団体から国に要望されています。林業分野における外国人材の受入れは、厳しい作業である造林作業における労働力不足を補うための対応なのだということが透けて見えているのではないでしょうか。もしそうだとしたら、これは人権の尊重の観点から大変に問題だと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/32
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033・青山豊久
○政府参考人(青山豊久君) お答えいたします。
最近の為替の状況からも、外国人材に重労働のみの雇用条件が選択されるとは考えられず、現時点で、林業団体からも、外国人材に対して特定の作業のみに従事させたいというような具体的な要望は伺っていないところです。
また、この先も厳しい人材不足が予想される中で、受入れ企業の経営の継続性の観点からも、下刈りや植付けのみといった特定作業のみの雇用は合理的ではないと考えております。
いずれにいたしましても、林野庁においては、関係機関と連携して、外国人材への公正な処遇の確保に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/33
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034・徳永エリ
○徳永エリ君 最近は温暖化で大変に暑い夏です。もう日を遮るところもない中で、下草刈りとか植付けというのは本当に大変な作業で、まあなかなか、我が国、日本人の労働者はやりたがらないと。林業の現場でも、オペレーターはそれなりに確保できているわけですよね。高性能林業機械のオペレーションは若い人たちもやりたがると。でも、この植付け、下草刈りはやりたくないと。だから、そこに人材が必要だ。だからこそ、恐らく業界団体は、外国人材を林業の現場にもっと入ってきてもらって、そういった人を確保できないところをやってもらいたいと思っているというのは、これまでいろんなところの議論を見ていても、まあそういうことなんだろうというふうに思います。
だけど、さっきのその人権の問題もありますし、今本当になかなか外国人材を我が国確保しづらい環境になっているというのは皆さんもよく御案内だと思いますので、やっぱり世界的にも人権の問題というのは非常に大きな問題になっておりますので、やっぱり日本人が、選ばれる国になるためには、働く人たちが働きやすい環境をよりつくっていくということをしっかり意識していかなければならないと思いますし、せっかくの機会なので少し皆さんにお話しさせていただきたいと思いますけれども、例えば技能実習制度も、今まで中国とかあるいはタイとかそういうところから来ていただいておりますけれども、今ネパールから来ている方が結構多いんですね。
どうしてネパールから来ているかというと、ネパールって産業がないんですよ。だから、やっぱり出稼ぎをしなければならないということで、技能実習生、ネパールから来ている。ほかにも稼げるところがたくさんあるのにどうして日本に来るかというと、日本はやっぱり安全な国だからと、送り出す親御さんが日本だったら安心して送り出せるということで、ネパールの方々が今日本に来ているということなんですけれども、その子供を送り出すために、お父さんもお母さんもお兄さんもお姉さんもみんな出稼ぎしてお金をためて、送り出し機関にお金を払って、そして来ているんです。もうそれこそ貨幣価値十倍ぐらい違いますから、百五十万というお金が一千五百万ぐらいになるわけですよ。お父さんはカタールのサッカー場に行って工事に当たって事故に遭ってけがして帰ってきたり、時にはひつぎに入って帰ってくることもあるそうです。お母さんも海外に行って出稼ぎをする。そうやって家族みんなで稼いでつくったお金で、何か三男坊が多いという話ですけれども、日本に技能実習生として実習を受けに来て、まあ実際には出稼ぎに来ているという状況であります。
こういう苦労が背景にあるということですから、これから外国人材を受け入れるに当たっては、本当に日本人と同じような環境で、同じような条件、同じような処遇で働いてもらう、そして企業も、短い期間だけでいずれ国に帰ってしまうということではなくて、本当に技術を身に付けてもらってできるだけ長く働いてもらって、できれば家族を帯同して日本に移り住んでもらう、こんなことも考えながら、これまでとは違ったやっぱり対応で外国人材をしっかり受け入れて、様々な環境整備をしていただきたいということを重ねてお願いを申し上げたいというふうに思います。
特定技能、特定技能での外国人材の受入れの上限、これは何人になるのか教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/34
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035・青山豊久
○政府参考人(青山豊久君) お答えいたします。
林業の特定技能における令和六年度から令和十年度までの五年間の受入れ上限数は千人でございます。その算出根拠につきましては、林業分野の就業者数の減少が現状の傾向で推移すると仮定した場合、森林・林業基本計画で設定しています木材供給量の目標、四千二百万立米を確保していくためには、令和十年度時点で林業分野で二万人程度の人手が不足すると推計されます。これに対しまして、今後の生産性向上で一万五千人分、追加的な国内人材の確保の施策等で四千人分を手当てすることを見込んでおり、なお不足する人数として最大千人を上限として今回の特定技能の数として設定して運用することとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/35
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036・徳永エリ
○徳永エリ君 かなりの数の方々が必要だということで、特定技能だけではなくて、更に国内人材も確保していかなきゃいけないんだと思いますけれども、林業従事者の処遇改善がなかなか図られないというのは皆さんも御案内だと思います。
国内人材が不足しているところに特定技能千人を受け入れて、更なる労働条件の低下につながらないかという懸念の声が現場から上がっております。賃金など労働条件の改善に向けた対策を具体的に、一体的に示す必要があるのではないかと思いますが、この点に関してはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/36
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037・青山豊久
○政府参考人(青山豊久君) お答えいたします。
林業労働力の確保に向けましては、委員からも御指摘ございますように、まず国内人材の確保に向けた取組が基本でございまして、現在、林野庁としては、緑の雇用や緑の青年就業準備給付金事業等によりまして林業への就業に必要な知識や技術の習得に係る研修等を支援しているところです。また、高性能林業機械の導入等により、林業事業体の収益力を向上させ、従業者の所得向上を図るとともに、作業の安全性の向上、軽労化を通じた女性や若者の就業の促進を図っているところでございます。
こうしたこともございまして、新規就業者数は令和元年度の二千八百五十五人から令和四年度には三千百十九人へ増加しており、かつては女性にきついイメージがありました林業におきましても、緑の雇用等による研修ですとか高性能林業機械の導入によりまして、オペレーターとしての女性就業者、林業女子と言われておりますけれども、も現れてきており、直近の国勢調査によりますと、二千七百三十人となっております。
引き続き、これらの取組を進めまして、国内の人材確保を努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/37
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038・徳永エリ
○徳永エリ君 今の御説明は国内の人材確保、その担い手対策の強化だったと思うんですけれども、私が今お聞きしたのは、これから外国人材が林業従業者の今のこの処遇改善がなかなか図られないという中で現場に入ってくるという状況で、賃金など労働条件の改善、これはちゃんと図られるのかと、それを一体的に進めていく必要があるのではないかということであります。この点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/38
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039・青山豊久
○政府参考人(青山豊久君) 御指摘の点につきましては、まずはその賃金等の好待遇につながるように、新規就業者にもしっかりと技能を身に付けさせる体系的な研修に支援するとともに、高性能林業機械の導入を支援する際に月給制を導入している事業体を優先するなど、引き続き林業労働条件の改善に努めていきたいと考えております。
こうしたことを通じまして、林業労働全体における雇用条件を改善して、その上で特定技能等の受入れをして、進めていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/39
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040・徳永エリ
○徳永エリ君 その上で、処遇に関しては日本人とそして外国人材と同一労働、そして同等賃金、同等報酬、こういったことがしっかり担保されるようにお願いしたいというふうに思います。
それで、現場で働く皆さんからは、林業における外国人材の受入れは、安価な労働力確保の手段として活用されるばかりか、労働諸条件の低位平準化につながりかねず、結果として国内林業労働力の確保に支障を来すことが懸念されるとして、外国人材の安易な受入れはするべきではないと。外国人材は必要だけれども、この労働安全衛生とか、それから賃金の問題とか、しっかりこういった課題に向き合って、問題が起きないように具体策を示し、その上で受け入れる。安易な受入れはするべきではないという要望があります。
その懸念の声にしっかり耳を傾けていただきたいということを申し上げておきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/40
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041・青山豊久
○政府参考人(青山豊久君) しっかりと林業労働の雇用条件を確保しつつ、外国人材の受入れに努めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/41
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042・徳永エリ
○徳永エリ君 よろしくお願いします。
これからも、来年ぐらいからですかね、現場にこの外国人材がどんどん入ってくるのは、恐らく。現場の様子を見ながら、また現場の声を聞きながら、問題があればその都度指摘をしていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
それでは、外国人材に関してはここまででございますので、委員長、お計らいお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/42
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043・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) そうすると、厚労省と出入国管理庁はここで退席、結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/43
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044・徳永エリ
○徳永エリ君 ありがとうございました。
皆さん、熊が出ていますね、相変わらず。北海道で四頭の子牛が襲われて死んでしまいました。これまでも乳牛が、放牧されていた乳牛が熊に襲われるということがありましたけれども、四頭の子牛が死んでしまったということです。
それから、広島の市街地にも熊が出て、学校が休校になったりもいたしました。山菜取りに入った方が襲われたとか、連日、熊の出没が報道されておりますけれども、鳥獣管理保護法第三十八条で銃猟が禁止されているところがありますけれども、資料を御覧いただきたいと思いますけれども、三枚目の資料になります。日の出前、それから日没後、住居集合地域と人、建物に向かってということでありますけれども、この鳥獣保護管理法で禁止されているところを警察官の職務執行法、これでカバーしていると。警察官の命令があれば、市街地であってもこの禁止されている条件の中でもハンターが撃つことができるということで、しかも違法性は阻却されるということであります。
ところが、なかなかこれ警察官も、現場で撃ってくださいという命令ができないんですね。経験のない警察官は特に自分では判断ができないということで、去年の五月に、朱鞠内湖で釣り人が熊に襲われて食われてしまったということが起きましたけれども、そのときも、出動を要請されたハンターが集まって、警察官が一人いたと。目の前の熊を撃てる状況だったので撃たせてくださいと言ったら、ちょっと私は判断できないので待ってください。もう一人警察官が来た。もう撃っていいですか。いや、ちょっと待ってください、今ヘリコプターが来ますからと。ヘリコプターが来たら、その音で熊が茂みに入ってしまったと。じゃ、そばまで行って撃ちましょうと言ったら、いや、いつ出てくるか分からないので、危険で、やめてくださいと言って、その日は解除されちゃったんですよ。翌日駆除されたからよかったですけれども、第二、第三の事故が起きたら大変だったと思います。こんな状況ですから、いつまでも警察官の命令がないとハンターが撃てないという状況では、本当に危険なんですね。
そこで、環境省としては、この鳥獣保護管理法の見直しについて検討するということでありましたけれども、今の検討状況はどうなのか、御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/44
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045・堀上勝
○政府参考人(堀上勝君) お答えいたします。
環境省では、本年五月に鳥獣保護管理法第三十八条に関する検討会を設置いたしまして、熊類等が住居集合地域等に出没した際の銃猟に係る課題の整理や対応方針の検討を行っております。
先週になりますが、五月二十三日に第二回の検討会を行いまして、住居集合地域等における銃猟を特例的に実施可能にするための鳥獣保護管理法の改正を行うべきという対応方針の案がまとめられました。
この対応方針の案の中では、緊急時における住宅集合地域等での銃猟、それから建物内に熊類が入り込んだ場合に一定の条件を満たす形で行う銃猟、それから住居集合地域等における銃猟のうち、箱わなで捕獲した熊類の銃器による止め刺し、そういったところについて実施可能にするということが主な内容になってございます。
現在、この方針案についてパブリックコメントを行っておりまして、今年の夏までに取りまとめをすることを目指して検討会で議論していくこととしておりますけれども、パブリックコメントの結果を踏まえて検討会で取りまとめなされましたら、速やかに調整を進めてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/45
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046・徳永エリ
○徳永エリ君 長々と検討している余裕はないと思います。これだけ出て大変に危険な状況でありますので、早く検討を終わらせていただいて、改正につなげていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
北海道で、例えばJR、電車が熊にぶつかると。それがこの鳥獣管理保護法で禁止されている時間帯だった場合には、熊が列車に当たって、そして死んでいるのか生きているのか、その確認をすることも、熊、危険なんでできないんですよ。禁止されている時間帯じゃなければ、ハンターの出動要請をして、ハンターに止め刺しをしてもらえるんですけれども、禁止されている時間だったら、この時間じゃない時間になるまでそのまま待たなきゃいけないんですよね。
そんなことも起きているので、是非ともいろんな現場で起きている問題をしっかり受け止めていただいて、この警察官の職務執行法でいつまでも対応するんではなくて、鳥獣保護管理法でしっかり対応できるようによろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
それから、四月に指定管理鳥獣にヒグマやツキノワグマが追加されました。このことで何が変わるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/46
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047・堀上勝
○政府参考人(堀上勝君) 熊類につきましては、四国の個体群を除いて指定管理鳥獣に指定したところでございますけれども、これにより、熊類の個体数のモニタリング、あるいは人の生活圏への出没防止のための環境管理、それから必要な捕獲、人材育成、そういったところについて都道府県の状況に応じた効果的な対策を支援するということができるようになると考えております。
現在、熊類のその指定管理鳥獣への指定を踏まえて、指定管理鳥獣捕獲等事業交付金、これ、これまで鹿とかイノシシでありましたけれども、これの事業内容について検討を行っているところでありまして、都道府県それぞれいろいろ事情がありますので、そういったところも丁寧に聞きながら、どういうふうにこの交付金の事業内容を整理できるかという検討を今鋭意進めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/47
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048・徳永エリ
○徳永エリ君 ちょっと伺いたいことあるんですけど、時間がないので、次に行かせていただきたいと思います。
先日の委員会で、熊の捕獲の基本単価を引き上げた方がいいんじゃないかということと鹿の埋却の問題を指摘させていただきましたけれども、これ農林水産省で少しは御検討していただけるか、いただいているのかどうか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/48
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049・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 熊の捕獲に対しましては、鳥獣被害防止総合対策交付金におきまして、一頭八千円での頭数払いのほかに、捕獲成果にかかわらず、業務内容に応じました日当払いでの支援も可能としておりまして、各市町村においてこれらを選択して活用いただいております。
こうした中で、頭数払いや日当払いの単価が低いとの声があることも承知をしているところでございます。しかし、一部の市町村におきましては捕獲単価の上乗せを行っていると承知しておりまして、この場合、交付率八割で特別地方交付税の活用が可能でございます。
農林水産省といたしましては、こうした状況も踏まえながら、熊による被害防止に向けて今後どのような対応が必要か、更に検討してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/49
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050・徳永エリ
○徳永エリ君 四枚目の資料を見ていただきたいんですけど、熊、猿等、一頭八千円となっておりますけれども、熊と猿と鹿とでは全然違うと思うんですよね。本当にハンターの方々は危険な思いをしながら駆除をしているわけであります。反撃で大けがしたというハンターも、熊の場合にたくさんいるんですね。
皆さん、報道で御覧になったと思いますけれども、この報酬額というのも、出動の際の、自治体によって全く違うんですよ。八千五百円という自治体があれば、二万五千円という自治体もあれば、ばらばらで、北海道の奈井江町では、ハンターが、報酬額が余りにも低過ぎるということで、出動要請を拒否するという事態になっております。やっぱり国がしっかり基本単価を上げていただかないと、自治体が上乗せするといっても限界がありますから。これ本当に、熊の場合はもう差し迫った危機なので。
最近は肉食化が進んでいるそうです。山の中で豚熱で死んでいるイノシシを食べたり、それから駆除して埋却されている鹿を掘り起こして食べたり、これ、埋却も本当に考えてもらいたいと思いますけれども、こういった問題がありますので、是非ともスピード感を持って見直していただいて、ハンターの方々が安心し、出動し、そして駆除できる、そんな体制整備をしていただきたいと思いますが、大臣、もう一度お願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/50
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051・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) 申合せの時間が来ておりますので、答弁簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/51
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052・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 円滑に捕獲が行われますよう、御指摘の点も含めて検討したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/52
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053・徳永エリ
○徳永エリ君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/53
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054・横沢高徳
○横沢高徳君 立憲民主・社民の横沢高徳です。どうぞよろしくお願いいたします。
まずは、豚熱について伺います。
一昨日、二十八日、国内では九十二例目となる豚熱が岩手県で発生いたしました。県内初の豚熱の感染確認となり、日本で確認されている北限の宮城県での発生よりまた更に北上しております。これ全国的な課題であります。県は、埋却や作業人員の搬送など防疫措置に要する経費五億五千万円を専決決裁して今対応に当たっているとのことであります。
まずは、農水省に事実確認と対応状況についてお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/54
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055・安岡澄人
○政府参考人(安岡澄人君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、先日、洋野町の養豚場で、国内の九十二例目、岩手県としては初となる豚熱の発生が確認されております。これまでの発生に比べて北上しているということでございます。発生地域においては野生のイノシシでの豚熱の発生というものももう見られているところでございまして、そういう中での発生でございました。
委員お話もいただきましたけれども、本農場においては、蔓延防止のために、現在殺処分、埋却などの作業が行われております。我々としても、県と連携して、適切な防疫措置、蔓延防止のため、実施に努めてまいりたいと考えております。また、今回の発生に際して、昨日、疫学調査チームを現場に派遣をいたしまして、発生要因の究明をしているところでございます。
あわせて、ちょっと、今の農水省の対応でございますけれども、二十六日に栃木県で発生して、そしてさらには、発生したということで、短期間で連続して発生しておりますので、これ一つは、春になってイノシシの活動が活発になってきているということでございます。ワクチン接種していますので、どうしてもやっぱり現場はワクチンで大丈夫だと思いがちでもあるので、飼養衛生管理の徹底に万全を期すということとともに、発生のおそれがある場合に早期にやっぱり通報してもらうというのが大事でございますので、こういうことについて改めて通知をさせていただいたところでございます。
今後とも、しっかり豚熱の発生予防、蔓延防止に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/55
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056・横沢高徳
○横沢高徳君 宮城県までの発生だったのが岩手県に来て、どんどん北上している。いずれ田名部委員の青森にも行くような不安もあるかもしれない。これ、どんどん北上している原因はどのようなことが考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/56
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057・安岡澄人
○政府参考人(安岡澄人君) 先ほど答弁申し上げたとおりで、蔓延のその源となる感染源、野生イノシシでございます。野生イノシシに関して我々はモニタリングをしてございます。実際、今、岩手において野生イノシシで陽性事例が出てきております。今回の発生農場の近辺でもそういった例が出てきているということでございます。イノシシがどうしても北へ北へと広がっていく中で、同時に広がっていっているということでございます。
我々としては、野生イノシシにおける蔓延を防ぐというのも非常に大事でございますので、経口ワクチンを散布して野生イノシシの中での蔓延を防ぐという措置も行っているところでございます。発生状況なんかを見ながら適切にそういった措置がやれるようにして、またさらには、その発生状況をよく見ながら対処をしていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/57
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058・横沢高徳
○横沢高徳君 野生イノシシ、確かに昔は岩手にはイノシシ出なかったんですけど、もう出るようになってきています。経口ワクチンという話もありましたけど、イノシシそのものが増えているのかどうなのか、そこの対策を打っていかないと、これは根本的な解決になっていかないと思うんですが、この辺の対策はどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/58
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059・安岡澄人
○政府参考人(安岡澄人君) おっしゃるとおり、一つは野生イノシシがやっぱり蔓延源ということでございますので、各県において、それぞれ猟友会なんかの協力をいただきながら、やっぱり一つは野生イノシシをできるだけ減らしていくということであろうかというふうに思います。
あと、やっぱり、重ねてになりますけれども、その野生イノシシの中での蔓延をいかに防ぐかというのも非常に大事でございますので、そういう点では、経口ワクチンなんかを併せてやりながら、できるだけ蔓延を防ぐように取り組んでいきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/59
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060・横沢高徳
○横沢高徳君 農水省だけでは限界があると思うんですが、やはりこの野生の動物は政府一体となって環境省も一緒にやっていかないといけないと思うんですが、その辺の連携はどのようになっているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/60
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061・安岡澄人
○政府参考人(安岡澄人君) もちろん関係省庁ともよく連絡を取りながらやってきております。特に、イノシシの関係ということもございますので、環境省とも連絡を取りながらやっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/61
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062・横沢高徳
○横沢高徳君 ありがとうございます。
県内でもかなり大きな規模の農場でして、一万七千五百頭です。規模拡大していくことは生産性向上にもつながりますが、大規模化ゆえにこういう感染病のリスクも大きくなっていくという点も一方で考えていく必要があるのではないかと考えます。
これ大臣に伺いたいんですが、食料安全保障の点からも、大規模化、生産性向上の今回のような副作用やリスクを考えていく必要があると考えます。大臣、この点いかがお考えなのかと、あわせて、支援策も大規模化になってくればなってくるほど必要になってくるとは思うんですが、この点について大臣のお考えを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/62
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063・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 養豚の場合には、どうしてもやはりスケールメリット、こういったものが求められます。そういうことで、母豚も三千頭、四千頭あるいは一万頭、こういったところが増えているところでございます。
そういったことに対応いたしまして、仮に発生をした場合については、消毒などを適切に実施するとともに、再開に向けて手当金の交付等をするほか、適切な飼養管理衛生が行われるようにしっかりと指導してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/63
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064・横沢高徳
○横沢高徳君 やはり大規模化になると、まあメリットもあるとは思うんですが、やはりこういうリスク管理というのが非常に重要だと思うんですね、大臣。その辺のリスク管理も、やはりこの先、その食料安全保障の視点からリスク分散とかやはり考えていく必要があると思うんですが、大臣、この点いかがですか、リスクに対しては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/64
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065・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) リスク管理につきましては、これはその大規模、あるいは豚の生産地でございます鹿児島と宮崎等を中心に、業者の皆さんたち、生産者の皆さんたちの間でもかなりいろんな話合いが行われております。それにしっかりと対応して支援をしていく、そういったリスク管理をこれからも続けてまいりたい、そして更に充実させていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/65
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066・横沢高徳
○横沢高徳君 ありがとうございます。
是非、国のしっかりした取組を進めていただきたいと思います。
次に、今農繁期でもありますので、農作業事故についてお伺いをしたいと思います。
農作業中の事故のニュース、報道もやはり増えてきております。農作業中の事故の件数について、まず、農林水産省、どのように把握をしているのか、そして、ここ数年の推移、特筆すべき点があればお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/66
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067・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) まず推移でございますが、農作業事故による年間の死亡者数というのがございまして、近年実は減少傾向にあります。令和四年は二百三十八人ということです。ただ、就業者十万人当たりの死亡者数は逆に増加傾向にございまして、十万人当たり、令和四年では十一・一人というふうになっていまして、全産業平均よりも大幅に高い水準にあるというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/67
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068・横沢高徳
○横沢高徳君 数字にすると一見少ないように見えますが、やはり十万人当たりの死亡者数が今おっしゃったように建設業界に比べるとほぼ倍ということで、かなり危険な作業が伴うということなんです。
これ、ちょっと通告はしていないんですが、やっぱり農業機械、トラクターとかコンバインの転倒、下敷きになる例というのがかなり報道されていますが、これまでその農業機械の安全性、例えば車であれば衝突安全性だったり、乗っている方を守る基準というのはかなり今進んでいると思うんですが、農業分野のこの安全性の基準というものは現時点ではあるのかどうなのか、ちょっとお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/68
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069・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) 委員御指摘のように、実はこれ、二百三十八人の中で農業機械の作業に係る事故というのが百五十二人、六四%が実は農業機械の関係でございます。
そういった意味でいうと、今までも、例えばシートベルトを元々農業機械に付けてくださいと、ただ、それは新しく製造されるところで付けてくださいとか、そういう、昔のやつはないやつというのが何かあってあれなんですけれども、新しく造るやつはこういうものを付けていきましょうという、そういう実は安全基準というのは順次見直して追加をしてくるようにしていたんですが、ただ、実態上はこれだけ農業機械に伴う事故が多いということがございまして、この後もう少し詳しく申し上げますが、令和三年五月に有識者を集めて農作業安全対策の強化に向けてという中間取りまとめというのをやりまして、その中の二つ大きな課題があるんですが、その一つはやはり農作業の環境の安全対策、つまり機械だとかそこのところの安全性をどう、もう出荷時点で確保するのか、そこは大きなポイントになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/69
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070・横沢高徳
○横沢高徳君 今おっしゃったように、やはり車に比べると、どうしても体がむき出しになってあったり、古いトラクターをそのまま使っていたりということがあります。どうしても、田んぼに入るとき、急傾斜地を下ったときに横転するというようなリスクは伴う作業ですから、やはりその機械そのものの安全性を上げていくというのも当然必要な取組でありますし、ただ、安全性を追求するがゆえにコストがやはり上がり過ぎるというのもやはり購入側としては懸念するところでもありますが、やはりそこをバランスを取りながら是非進めていただきたいと思います。
そこで、ちょっと厚生労働省に伺いたいと思います。農業経営をしている事業主は、家族経営体の方などは労災保険に加入できるのかどうなのか、この点、お願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/70
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071・梶原輝昭
○政府参考人(梶原輝昭君) お答え申し上げます。
労災保険は、本来、労働基準法上の労働者の業務上のけがや病気に対して、使用者が保険料を負担しまして保険給付を行う制度であります。その上で、労災保険においては、労働者以外でも、その業務の実情、災害の発生状況等から見て特に労働者に準じて保護をすることが適当であると認められる一定の者については特別加入という形で加入者御自身が保険料を負担して加入をすることができる制度を設けておるところです。
お尋ねがありました農業経営者が利用をできます特別加入には、現在、中小事業主等の特別加入、特定農作業従事者の特別加入、指定農業機械作業従事者の特別加入、この三つのタイプを御用意しております。この三つの中からお選びをいただけるというのが現状でございます。
具体的に御説明を申し上げますと、中小事業主等の特別加入は、常時三百人以下の労働者を使用する中小事業主等であって、かつ使用をしております労働者に一般の労災保険の適用がある場合が対象となります。常時使用する労働者がいない農業経営者につきましては、特定農作業従事者か指定農業機械作業従事者の特別加入で加入をすることができます。特定農作業従事者の特別加入は、年間の農業生産物の総販売額が三百万円以上であるか又は経営耕地面積が二ヘクタール以上の規模を有する農業において危険な作業を行う者が対象となります。指定農業機械作業従事者の特別加入は、特定の農業機械を用いて農作業を行う者が対象となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/71
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072・横沢高徳
○横沢高徳君 ありがとうございます。
特別加入制度というものがあるということなんですが、これ、特別加入制度に入っている農業者の割合などはありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/72
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073・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) 令和四年の加入者数なんですが、この特定農作業従事者の区分につきましては、加入者六万二千六百七人であります。それから、二つ目のトラクターやコンバインなど指定農業機械の作業従事者の区分の加入者ですが、二万八千六百九十四人です。最後、中小事業主等の区分については三万三千八百五十九人というふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/73
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074・横沢高徳
○横沢高徳君 地元の農業経営者に聞いたのですが、農業者のこの特別加入制度を知らないで労災保険に入っていない方も結構いらっしゃるそうなんですよ。事故は起こさないのが第一ですが、万が一に備えて、やはり生活を守ることも大切です。
大臣にお聞きしたいんですけれども、農業はほかの産業と比べて労災の危険度も高い業界ですので、国としても特別加入制度を県や市町村、農協、農業改良普及センターなどを通じて再度周知徹底する必要があると考えますが、これ、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/74
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075・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 私の周囲でも、同級生だったりジョギング仲間だったり、あるいは後援会のメンバーだったり、三人がもう既に死亡いたしました。それ以外に、危機一髪で脱したという人もいました。
しっかりとそこは周知をするための対策をしてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/75
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076・横沢高徳
○横沢高徳君 ありがとうございます。周知徹底をよろしくお願いいたします。
それでは、次の質問伺います。ずっと農業の話でしたので、ちょっと水産の話に行きたいと思います。
中国の関税当局が日本国内にある水産輸出業者の加工や保管などの施設の登録を五月から全て無効にしたという報道があります。
水産施設の登録がないと輸出はできないということですが、この件について政府はどのように把握をしていますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/76
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077・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 水産加工施設等の登録情報の削除につきましては、五月の上旬に中国海関総署のウェブサイト上で見付けた後、その意図を確認するため、中国側に文書で質問を送ったところであります。それに対しまして五月の二十一日に中国側から回答がありまして、今回の措置は、昨年八月から食用水産物の輸入を停止している状態を反映させたものであり、登録そのものを取り消したものではない旨、説明がありました。
いずれにいたしましても、昨年八月以来の中国の日本産水産物の輸入停止は全く科学的根拠に基づかない措置でありまして、引き続き、政府一丸となりまして、日本産食品の輸入規制の即時撤廃を強く求めていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/77
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078・横沢高徳
○横沢高徳君 大臣、これやはり、完全にALPS処理水の海洋放出を政治利用されてしまっているという事例だと思います。ここは、大臣、やはり政治的解決が非常に重要な鍵となってくると思いますが、ここはまさに大臣としての出番ではないでしょうか。
最後にこの件についての大臣の御決意をいただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/78
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079・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 政府の方でも、この前、総理そして中国の首相、それぞれ会って、加速度的に事務レベルを進めていくというようなことでございました。
今後も、政府一丸となって、しっかりとこの日本産食品の輸入規制の即時撤廃、しっかりと求めてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/79
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080・横沢高徳
○横沢高徳君 是非、やはり地元の漁業者の皆様もこの解決を一日も早く望んでおります。是非、政治的な解決に向けて力を発揮していただきたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/80
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081・横山信一
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
昨日、基本法が成立をいたしまして、今後、関連法案の審議に入っていくわけでありますけれども、農業が続きますので、今日はその合間で、主に水産問題について質疑をさせていただきたいと思います。
本年四月の国連への温室効果ガス排出・吸収量の報告、GHGインベントリといいますけれども、ここでは、我が国がブルーカーボン生態系の一つであります海草藻場と海藻藻場、これによる吸収量を昨年のマングローブ林に引き続き計上いたしました。今回の海藻藻場は世界で初めてとなります。
水産庁は、これまで藻場造成やいそ焼け対策を水産業多面的機能発揮対策あるいはまた水産基盤整備事業などによって推進をしてきました。また、昨年十二月に改訂をしました藻場・干潟ビジョンでは、カーボンニュートラルへの貢献やカーボンクレジット制度を活用した民間企業との連携について言及をしています。三月には海業の推進に取り組む地区として五十四地区が発表になりましたけれども、その中にはブルーカーボンに取り組んでいる地区もあります。例えば北海道羅臼町では、藻場造成に取り組んで、そこでのブルーカーボンのクレジット化、あるいはダイビングやグラスボートでの体験型観光を検討しているということであります。
このGHGインベントリに藻場が加わり、カーボンニュートラルの貢献を推進するために、農林水産省は今後藻場の維持にどのように取り組んでいくのか、大臣に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/81
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082・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 委員御指摘のとおり、本年四月に国連に報告されました二〇二二年度の我が国の温室効果ガス排出・吸収量に世界で初めて藻場による吸収量が計上されたところであります。これに当たり、農林水産省では、藻場による吸収量の算定に用います評価手法を開発するなど、関係省庁と連携をいたしまして、国連への報告に向け取り組んでまいりました。
また、農林水産省といたしましては、藻場は、水産生物の産卵場さらには育成の場として水産業振興上も大変重要と認識をいたしております。昨年十二月に、今委員御指摘がありました藻場・干潟ビジョンを改訂をいたしまして、二酸化炭素の吸収源としての機能の重要性、そして持続可能な藻場、干潟の保全に向けた民間企業などの多様な主体による参画の必要性等を新たに盛り込んだところでございます。
藻場は、水産業振興上の重要性に加えまして、環境・生態系保全等の多面的機能も有しておりまして、海業の取組としても、漁業者と地元関係者が連携をした藻場再生体験の提供や藻場の保全のために駆逐した食害魚の販売等の事例も見られることから、今後、民間企業や市民など多彩な主体を巻き込んだ藻場の保全、創造の取組をより一層推進してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/82
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083・横山信一
○横山信一君 詳細にありがとうございます。
水産業にとって藻場の価値が非常に高まってきているという状況でありますが、ブルーカーボンのクレジット制度にはJブルークレジットというのがあります。このJブルークレジットというのは、いわゆる国が発行しているJ―クレジットとは異なりまして、クレジットを購入した企業が地球温暖化対策推進法に基づく報告に活用することはできません。
本年三月、本委員会において朝日政務官にこのことについてお伺いしたわけでありますけれども、この企業等が購入するクレジットも、ブルーカーボンのクレジットも活用できるようにしてはどうかというふうにお聞きをしたわけですが、そのとき政務官からは、国の制度に基づいて認証された場合には算定・報告・公表制度における報告への使用が認められる可能性があるというふうに御答弁をいただきました。また、国交省からも、クレジット購入企業へのアンケート結果では活用できるようにしてほしいとの意見が多く、こうした状況を踏まえて対応するという御答弁があったところであります。
そこで、地球温暖化対策計画に基づいて、このブルーカーボンを温室効果ガス吸収源として位置付けてはどうかというふうに思います。この地球温暖化対策計画、今の計画は今年度に改定するというふうに聞いておりますので、是非ともブルーカーボンをこの際吸収源として検討してはどうかと思いますけれども、政務官に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/83
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084・朝日健太郎
○大臣政務官(朝日健太郎君) お答え申し上げます。
また、先日はJブルークレジットへの御質問ありがとうございました。
まさに委員おっしゃるとおり、二〇二一年閣議決定をされました現行の地球温暖化対策計画において、このブルーカーボンに関する具体的な数値目標はまだ設定をされておりません。他方、先ほど大臣からもありましたとおり、我が国は国連に対しまして、温室効果ガスの吸収また排出の報告の中で海草、海藻を位置付けまして約三十五万トンの値を記載するなど、ブルーカーボンへの取組は一層進んでいるところでございます。
こうした動きも踏まえまして、今年度中をめどに実施をいたします地球温暖化対策計画の見直しの中でこのブルーカーボンに関する数値目標を設定できるように、各関係省庁と連携をしながらしっかりと進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/84
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085・横山信一
○横山信一君 ありがとうございます。是非ともそのようにしていただきたいというふうに思います。
今日は経産省にも来ていただいておりまして、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議では、いわゆるムーンショット型研究開発というのをやっております。その中に、機能改良による高速CO2固定大型藻類の創出とその利用技術の開発というプロジェクトがあるんですけれども、この大型藻類の二酸化炭素固定に関しての成果と今後の見通しをお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/85
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086・小林出
○政府参考人(小林出君) お答え申し上げます。
御指摘いただきました大型藻類のCO2固定につきましては、経産省では、ムーンショット型研究開発事業において、二〇二二年度より京都大学が中心となりまして研究開発を進めさせていただいているところでございます。大型藻類は、水や肥料を与える必要がなく、生育や手間が掛からない上、一般的な陸上植物と比べましてCO2吸収量も約十倍と、固定能が優れているという性質がございます。
本プロジェクトにおきましては、特にCO2固定能が高い大型天然藻類の選抜を進めておりまして、効率的な生産に向けた更なる研究開発を進めていくこととしてございます。並行いたしまして、CO2固定能の高い藻類をゲノム編集により創出する取組も進めているところでございます。さらに、将来的には、固定したCO2を化成品、エタノールあるいはSAFなどの製造に活用できるよう、商用化に向けた取組もしっかり行ってまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/86
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087・横山信一
○横山信一君 非常に楽しみな研究開発だと思いますが、この二〇二二年度のブルーカーボンによるCO2吸収量、先ほど朝日政務官からも話がありましたが、三十五万トンなんですね。実は、同じ年の森林からの吸収量というのは五千二十万トンですから、このブルーカーボンによる吸収量というのは森林の僅か、僅かというか一%未満しかないと。非常に少ないという状況にあります。
しかし、二〇一九年のIPCC、これ気候変動に関する政府間パネルですけれども、IPCCの気候変動の解決策としての海洋という報告書があるんですが、そこでは海藻藻場や海藻養殖のCO2吸収源としての有効性がその中に書かれていると、また、農林水産省においても、先ほど大臣から御答弁があったように、この海藻藻場、海藻養殖のCO2貯留量の算定手法が進められたと、その結果、今回のGHGインベントリになったわけでありますけれども、水産庁主導でこうした形で藻場が国際的に認められたわけですが、残念ながらその吸収量は極めて少ないという現状にあります。
このCO2排出量削減への我が国の貢献度を高めるには、やはりこの四面が海に囲まれている我が国だからこそできる、そういう取組として、先ほど経産省からも大規模海藻はCO2の吸収が非常に効率的だというお話がありましたけれども、こうした養殖によって、しかも大規模に海藻を養殖することによって地球温暖化に対して貢献できるようなことを考えていってはどうかということであります。
入口としてのGHGインベントリは到達したわけでありますし、また出口としての大規模海藻の利活用というのは今進んでいるという状況でありますから、入口、出口がそろっているということでありますので、是非御検討いただきたいと思いますが、ここは朝日政務官にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/87
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088・朝日健太郎
○大臣政務官(朝日健太郎君) 横山委員に応援をいただいておりますこのブルーカーボンですけれども、CO2の吸収を通じた気候変動対策の貢献ではなく、ブルーカーボンは水質浄化や生物多様性の保全、また漁場の環境の改善など多面的な価値を有しており、政府一丸となって今取組を進めているところであります。
ただ、先ほど御案内のとおり、まだまだ吸収量としては僅かということで、今回は大規模な海藻養殖はどうかというような御提案でありますけれども、御指摘のとおり、この大規模な海藻養殖につきましては、先ほども申し上げましたけれども、本年度をめどに改定を予定しております地球温暖化対策計画の見直しの中にこのブルーカーボンの吸収量の目標をしっかりと位置付けることで前に進むものと考えておりますので、各関係省庁とも連携をしながらしっかりと検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/88
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089・横山信一
○横山信一君 前向きだというふうに捉えさせていただきたいというふうに思います。
まずは地球温暖化計画の中でこのブルーカーボンの吸収量、目標値を設定していただいて、それに到達するには当然、日本沿岸の藻場だけでは足りないということになれば、こうした大規模海藻養殖にも是非踏み込んでいただきたいというふうに思います。
それでは、残りの時間で能登半島地震の漁港の復旧について伺ってまいりたいと思います。
公明党では、毎週オンラインで石川県の現地の議員の皆さん方と国会議員との会議を、対策会議をやっておりまして、常に情報交換をさせていただきながら復旧対策に取り組んでいるところであります。
被災した漁港のうち狼煙漁港と鵜飼漁港沿岸については、これ大規模災害復興法に基づいて直轄代行で災害復旧工事が実施をされるということになっています。既に動いているところもあります。この直轄代行制度というのは、これは東日本大震災のときに初めて行われたものであります。狼煙港は、この二つのうちの一つ、狼煙港は、荒天時の避難港にも位置付けられておりまして、操業再開のためには復旧は急務ということであります。
この狼煙漁港と鵜飼漁港海岸の災害復旧工事の現状と見通しを伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/89
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090・森健
○政府参考人(森健君) お答えいたします。
狼煙漁港におきましては、地盤隆起により浅くなった泊地、航路のしゅんせつ工事を開始したところでございまして、引き続き被災した漁港施設の復旧を進めてまいりたいと考えております。漁港全体の本格的な復旧につきましては三年程度で完了させるということを目指しておりますけれども、進捗に応じまして段階的に施設を使えるようにしていきたいというふうに考えております。
また、鵜飼漁港海岸におきましては、ドローン等を利用した調査を実施し、水中部を含めた被災状況を把握したところでございます。今後、珠洲市としての復興まちづくりなどと連携して、堤防等の本格的な復旧に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/90
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091・横山信一
○横山信一君 ちょっと時間が迫ってきたので、一つ飛ばしまして、この能登半島地震の漁港被害というのは、外浦という日本海側に面したところが大きな被害が出ているわけですが、そこはいわゆる地盤隆起の被害が大きいわけですけれども、こうした地盤の隆起って今までに経験がないことなので、早急な検討が課題になっているわけであります。
そこで、水産庁は、漁港の復旧復興の方針及び方法、手順等を検討するために、有識者で検討する検討会、令和六年能登半島地震漁業地域復旧・復興技術検討会というのを設置しまして、先日、初会合が開かれたということであります。会議自体は非公開なんですけれども、その取りまとめの内容は、県の能登地域の水産業に係る港の復旧に向けた協議会とその分科会に提供されるというふうに聞いております。
そこで、いつまでに検討を終えて、その結果をどうするのか、これ高橋政務官にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/91
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092・高橋光男
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。
農林水産省では、これまで復旧工事の経験がほとんどない地盤隆起等による被害を受けた漁港の復旧復興の技術的課題、方法、手順等について検討することを目的として、五月十六日に有識者で構成する技術検討会を設置し、今議論を進めているところでございます。今後、更に二回の技術検討会を開催し、検討結果を取りまとめた上で、七月中に、別途石川県が設置しました能登地域の水産業に係る港の復興に向けた協議会に提示し、その議論の参考として活用していただく予定でございます。
引き続き、被災地の一刻も早い復旧復興に資するよう、現場に寄り添いつつ、石川県や関係市町等と連携しながら、スピード感を持って取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/92
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093・横山信一
○横山信一君 ということで、先ほども申し上げましたけれども、今までに経験のない地盤隆起ということでありますので、県や自治体だけではなかなか難しい復旧作業になっていくと思いますので、是非ともよろしくお願いいたします。
ところで、今は漁港の話なんですが、もちろん港湾もあるわけでありまして、国交省では、港湾法に基づいて、輪島港前部のしゅんせつ作業を今進めているところであります。
この輪島港というのは、石川県の全ての漁港、港の中で一番漁船数が多いところであります。この輪島港も地盤が隆起しているという状況でありまして、多くの漁船が座礁したままの状態でいます。
今後の復旧作業の見通しについて、国交省にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/93
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094・西村拓
○政府参考人(西村拓君) お答え申し上げます。
国土交通省では、港湾法に基づき管理の一部を行っております輪島港におきまして、地盤の隆起の影響を受けて移動が困難となった漁船の移動を可能とするよう、現在しゅんせつ作業を進めているところでございます。
しゅんせつが必要な三地区のうち、これまでに二地区のしゅんせつ作業が完了してございまして、最後の一地区につきましても六月末にしゅんせつ作業が完了する見込みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/94
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095・横山信一
○横山信一君 六月末ということでありますけれども、最後に大臣にお聞きをいたしますが、輪島港を拠点とするこれからの漁業には、いわゆる海女漁、海女さんの海女ですね、海女漁とズワイガニ漁があります。石川県で水揚げされたズワイガニの雄は加能ガニというふうに呼ばれているそうでありまして、加賀と能登のそれぞれ一文字ずつ取ったということで、その中でも厳しい基準をクリアしたものを輝というふうに認定するそうでありますが、昨年の初競りでは三百万の値段が付いたということであります。
輪島では、この七月から始まる海女漁と十一月のズワイガニ漁の操業再開が望まれていますが、一日も早い操業再開に向けての大臣の決意をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/95
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096・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 今、国交省の港湾局の方から答弁ありましたように、しゅんせつが進んでおります。そして、漁業者間では、七月のアワビ、サザエ等の盛漁期に向けて機運が高まっているというふうに承知をいたしております。
さらには、幅広い漁業の操業の再開に向けましては、製氷施設や給油施設などの共同利用施設の復旧がやっぱり不可欠でありますので、本格復旧までに使用する仮施設の整備も含めて、農林水産省として支援を行っていくというふうにしております。
今朝も朝七時に馳知事と電話でいろいろ交換しましたけれども、地元の意向をよくお伺いし、そして石川県等と連携をしながら、農林水産省を挙げてスピード感を持って取り組んでまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/96
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097・横山信一
○横山信一君 今朝も情報交換をされているということで、大変頼もしいというふうに感じております。是非ともよろしくお願いいたします。
以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/97
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098・串田誠一
○串田誠一君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の串田誠一でございます。
昨日、農業基本法が成立をして、その討論の中では農水省の予算が少ないんじゃないかという意見も多かったと思うんですけれども、今週の月曜日に決算委員会で財務大臣に、農水省の予算、渋っているんじゃないかという質問をしたら、渋っていないということでございました。では、農水省が遠慮し過ぎているんではないかというふうに思っておりますので、是非思い切った予算要望していただいて、それで削られたんだったら私たちも責められるんですけれども、要望どおりというような雰囲気であればちょっと責められないので、次のときには是非とも思い切った予算要望、自給率も非常に低いですので、していただきたいというふうに思います。
質問は、まず引退馬についてお聞きをしたいと思うんですけれども、一般財団法人Thoroughbred Aftercare and Welfareという団体が設立をして、メディアでも非常に注目をしているんですけれども、これの目的とJRAとの関係について御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/98
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099・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 引退競走馬につきましては、JRAに競馬関係者から成る引退競走馬に関する検討委員会を設置をいたしまして、これまでも引退競走馬の利活用に対する施策の提案を行うとともに、JRAにおいて必要な支援を実施してきたところでございます。
今般、本委員会での検討結果を踏まえまして、引退競走馬に関する施策を効果的に着実に推し進めていくために、JRAが中心になりまして、委員が御指摘になりました一般財団法人Thoroughbred Aftercare and Welfare、TANというそうでありますが、新たに設立をされたというふうに承知しております。本法人は、引退競馬のセカンドキャリアの形成や馬の多様な利活用を推進することを目的として設置されたものというふうに承知をいたしております。TAWですね、済みません、TAW。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/99
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100・串田誠一
○串田誠一君 引退馬についての注目も非常に高まってきていると思うんですが、これは前回の競馬法の改正のときに、附帯決議に引退馬に関する項目が入ったということが影響していると思われるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/100
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101・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
令和四年の競馬法の一部を改正する法律案の審議の際のこれに対する附帯決議におきまして、引退競走馬に対する競馬関係者による支援の拡充を促すということと、取組内容の充実が図られるよう指導する旨が記載をされてございます。
日本中央競馬会などの競馬関係者は、これまでも引退競走馬に対して必要な支援を行ってきたところでございますけれども、その委員御指摘の附帯決議の趣旨も踏まえまして、令和六年度の引退競走馬に対する支援を昨年度から増額をいたしまして約十七億円を措置をしてございますし、また、今大臣から答弁ございましたとおり、競馬関係者が一丸となって支援の拡充が図られるように、今般、引退競走馬のセカンドキャリアの形成などに取り組む法人であるThoroughbred Aftercare and Welfareを設立したものというふうに承知をしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/101
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102・串田誠一
○串田誠一君 私にも附帯決議がこの設立にも後押しになったというような声を聞いておりまして、国民の直接の意思、声が反映している国会が付けた附帯決議が形になったということを大変私もうれしく思っております。
鹿児島のNPO法人ホース・トラストというところに視察に行きました。多くの引退馬が穏やかに暮らしている、日本でも一番多く引退馬がいるのかなと思ったんですけれども、こちらに対してのJRAとの支援の内容などをお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/102
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103・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
NPO法人でございますホース・トラストですけれども、国内で最大規模の引退競走馬の養老牧場でございまして、現在、約百三十頭の引退競走馬が飼養されているというふうに承知をしてございます。
そのNPO法人ホース・トラストに対しましては、日本中央競馬会から、引退競走馬の養老を支援する活動に対する奨励金の交付ですとか、引退競走馬の飼養あるいは研修などに必要な施設の補改修などの支援を実施しているというふうに承知をしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/103
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104・串田誠一
○串田誠一君 そこの施設で大学の教育も、まあこの一環として行われているということを聞いてまいりました。
そういうようなところの支援大変有り難いと思うんですが、セカンドキャリアとして、例えば乗馬だとかすぐ思い付くんですけれども、そうではなく、そういうもの以外にも、子供が引退馬を、触れ合うとか、あるいはその世話をしているのを見るとか、あるいは馬ふんを有機栽培に使っているような吉野牧場などにも視察に行かせていただきましたけれども、そういうようなところの活用、それが情操教育にも非常にいいのではないかなと思うんですが、そういう子供への教育関係に関する国やJRAの支援、是非していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/104
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105・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
引退競走馬につきましては、乗馬だけではなくて、委員御指摘のとおり、子供たちが馬と触れ合うということを通じて、馬を、引退競走馬のセカンドキャリアということで、乗馬だけではなくて、馬を教育現場で活用して、子供たちが馬と触れ合うという機会を提供するというような取組も重要であると考えてございます。
このため、日本中央競馬会では、これまでもクラブ活動あるいは課外活動の場における子供たちと馬との触れ合い活動への支援ですとか、あるいは子供たちが乗馬を体験するといった、そういった場である施設への支援を実施しているところでございまして、こうした支援を通じまして、子供たちと馬の触れ合う機会を拡大をしながら、引退競走馬の多様な利活用を図ることが重要だというふうに認識をしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/105
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106・串田誠一
○串田誠一君 今、引退馬という言い方をしたんですが、引退馬というものの中でも競馬の引退馬と馬術の引退馬というのはこれまたちょっと違うんですが、セカンドキャリアを考えるに当たってはどのような違い、適性、適所というのもあると思うんですけれども、その違い等を、また、どんなようなそのセカンドキャリアとして考えられるのかを御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/106
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107・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
馬の適性というお話でございますけれども、競馬におきましては、闘争心が強くて運動能力に優れているサラブレッドがやはり活躍をしてございます。その一方で、馬術におきましては、温厚で跳躍能力が高い、品種でいいますとセルフランセといったような乗用馬が活躍をしているということで、様々な馬がその特性に応じて活躍をしていると承知をしてございます。
ですから、その引退後に、競走馬が引退して乗馬に使われるということももちろんあるわけでございますけれども、それぞれ適性に応じたセカンドライフというものもあろうかと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/107
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108・串田誠一
○串田誠一君 競馬の引退というのは、比較的に長くても七歳とか八歳ぐらい、もっと若い引退ということもあります。馬術の場合には、むしろ逆に、八歳以下というのは馬術に適用できないというお話も聞きましたので、十八歳とかぐらいまでずっと馬術というのが行われているというのも聞きました。
そういう意味で、今、先ほどの答弁もありましたけれども、サラブレッドなどの場合には、初心者が観光目的の乗馬のときにそうやって乗ると、いきなりすごいスピードで走り出したりというようなこともあって、競馬における引退馬がそういったところには適用できないとか、いろんな意味で引退馬のセカンドキャリアというのも、適用するのは難しい部分もあると思うので、是非、そういったような引退馬の特性なども十分考慮しながら、セカンドキャリア、非常に広めていただきたいというふうに思っております。
次の質問は是非大臣にしっかりと答弁していただきたいところでございますが、競馬が引退すると突然農水省の所管ではなくなるんですよ。これおかしいんじゃないかってずっと質疑をさせていただいているんですが、実は馬術の場合にも、馬術の所管というのは文科省なんですね。だけど、馬術も引退すると文科省の所管を離れるというか、所管じゃなくなっちゃうんですね。そういう意味で、是非とも、競馬で、現役であった場合には農水省が所管しているけれども、引退するといきなり農水省関係ないですよというのはちょっと違うんじゃないかと思うので、是非、引退馬も農水省しっかり所管としてセカンドキャリア等も含めましていろいろな施策を考えていくというのを、大臣、答弁していただけないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/108
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109・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 引退競走馬につきまして、例えば、環境省が所管しております動物の愛護及び管理に関する法律が適用されるなど、農林水産省がその全てを所管しているものではありません。
農林水産省といたしましては、競馬の監督及び競馬や畜産に対する助成に関する事務を所掌しておりまして、その中で引退競走馬に関する事務を実施しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/109
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110・串田誠一
○串田誠一君 答弁はいつもそういう答弁にはなるんだと思うんですけれども、動物愛護管理法の中にも終生飼養というのがあって、競馬法の場合にも、競馬で活躍している馬たちというのは、本当に一生懸命もう小さい頃から訓練して、そしてレースに出て、そして大変な思いをして競走している。馬術の場合にも、やはりそういう意味で人馬一体となって、そういうスポーツとして行っているわけですから、引退したからといって、いきなり農水省関係ないよというのはどうなんだろうなというふうに思います。
是非、この件に関しては、附帯決議にも、競馬法の中に入れたというのが、国会のある意味では関係がないというわけではないんだということの意思の表れだと思いますので、是非、引退した後の農水省の関わり合いも検討していただきたいというふうに思います。
次に、とらばさみについての規制について、現在、日本の法律におけるとらばさみの規制について御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/110
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111・堀上勝
○政府参考人(堀上勝君) お答えいたします。
とらばさみにつきましては、平成十九年に、当時の鳥獣法施行規則の改正によりまして法定猟法から除外されておりまして、狩猟での使用は禁止されております。
一方で、現在の鳥獣保護管理法の第九条に基づく捕獲許可を受ければとらばさみの使用も可能となっておりますが、使用に関する許可基準がございまして、これにつきましては、いわゆる鋸歯、のこぎり状の歯ですけど、そういった歯がなくて、開いた状態における内径の最大長十二センチメートルを超えないものであること、それから衝撃緩衝器具を装着したものであること、安全の確保や鳥獣の保護の観点からほかの方法では目的が達成できない等やむを得ない事由が認められる場合であることに限定することとしておりまして、鳥獣の保護に重大な支障を及ぼすおそれがあるとき、あるいは住民の安全の確保に支障を及ぼすおそれのあるときなどにおいては許可しないということにしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/111
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112・串田誠一
○串田誠一君 このとらばさみに関する各国の規制の仕方等について、簡単に概略などを御説明いただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/112
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113・堀上勝
○政府参考人(堀上勝君) とらばさみを規制している国のちょっと正確な数までは把握していないんでありますけれども、例えばEU域内におきましては、一九九一年に採択されております欧州連合理事会の規制によりましてとらばさみの使用等が禁止をされていると、そういうふうに承知しています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/113
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114・串田誠一
○串田誠一君 国会図書館にも調べていただきましたところ、百八の国や地域においてとらばさみが規制されているというようなことでございました。日本でも、今言ったように狩猟目的ではできないということですし、農業等の対策ということで許可申請がなされても許可をしないという地方自治体もかなりある状況でございます。
ところが、そのとらばさみが市街地でいろいろと問題になっているというのが新聞記事にも多数上げられております。違法わなによって猫が死亡したという奈良新聞だとか、荒川の河川敷でとらばさみが、猫が掛かったという東京新聞、あるいは、住宅街においてわながあったということで、子供への被害憂慮というのが南日本新聞に上げられたり、あるいはとらばさみがコウノトリを負傷させているということでございます。
私もとらばさみを実験というかやったことがありますけど、本当に怖いものでございました。このような被害が起きているということは、大臣は御承知でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/114
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115・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 市街地におきまして、猫などとらばさみによって足の切断を余儀なくされたといった事例があることは、報道情報から確認をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/115
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116・串田誠一
○串田誠一君 ところが、そのとらばさみが、通信販売、有名なところの通信販売など検索すると、ずらっととらばさみが結構出てきて、それも二、三千円で購入ができる、そういったような形で購入ができるからこそ、河川敷だとか住宅街に置かれているということだと思うんです。
大きさは指定されたとしても、子供の場合、例えば野球だとか、ボールだとかが茂みに入っているところに手を突っ込めば、その手にがんとやって、まあ猫の足がもぎれるぐらいですから、子供の手とかも当然負傷していくわけでございます。
法律で規制され、地方自治体で許可申請があっても許可をしないという地方自治体も非常にある、各国でも規制がなされている、そういうとらばさみが容易に通信販売で購入できるというのは、やはりこれは何かあったときに規制を始めるというのではなくて、禁止されているものであるなら通信販売についても規制をしていくべきではないかと私思うんですけれども、大臣、この点についていかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/116
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117・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) インターネット上でとらばさみが販売されている事例は確認をいたしております。
とらばさみを含みます猟具につきましては、環境省が鳥獣保護管理法に基づきまして使用に関する規制を行っております。このような中で、捕獲にとらばさみの使用が必要な事情があり、許可を受けた場合には使用が可能なことから、販売に関する規制は行われないと承知をいたしております。
ただ一方で、販売等に関しましては、環境省におきまして関係団体に対し、使用に当たっては許可が必要など、購入者に対する注意喚起を行うよう要請しているというふうに承知をしております。
このため、鳥獣保護管理法の所管は環境省でありますので、その点は回答を差し控えさせていただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/117
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118・串田誠一
○串田誠一君 レクでも環境省が所管しているからということではございましたけれども、ただ、許可申請は農林業被害対策ということなんですね。ですから、農水省の方でも、このような形での被害対策というのは、人体にも影響がある、子供への影響もあるので、これについては、農水省としては、こういう使用に関しては求めていないということを環境省に言わないと、環境省は農林業被害があるから許可をするんだということでありますので、環境省がそれを無視して規制をしていくというのは、環境省に求めるのは大変難しいと思うんですよ。
そういう意味では、こういう農業被害とそういうほかの動物たちへの被害、あるいは人体への被害に関しては大臣自身が連携してやっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/118
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119・長井俊彦
○政府参考人(長井俊彦君) 先ほど御答弁したとおりでございます。
繰り返しになりますが、鳥獣保護管理法を所管する環境省において判断をしていただくのが適切と考えておりますが、農作物被害の防止のために行われる捕獲の状況など現場の実態については必要に応じ環境省にも情報提供をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/119
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120・串田誠一
○串田誠一君 是非とも連携してやっていただきたいと思います。
質問をちょっと少し残しましたが、また次回にしたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/120
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121・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
午前十一時五十八分休憩
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午後一時開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/121
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122・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/122
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123・舟山康江
○舟山康江君 国民民主党・新緑風会の舟山康江でございます。
ちょっと順番変えまして、漬物製造業を営業許可業種に追加した食品衛生法改正の影響についてお聞きしたいと思います。
二〇一八年、食品衛生法が改正されました。これによりまして漬物製造業に新たに営業許可が必要となり、加工場を造るなど衛生的な施設の整備が求められることになりました。経過措置が終わりまして、あさって六月一日からは完全施行、つまり許可なく営業ができなくなりました。
まず、この規制強化のきっかけは、平成二十四年の浅漬けによるO157による食中毒、これによるものと聞いておりますけれども、それ以降、この漬物ですね、漬物による食中毒が発生した件数がどのぐらいだったのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/123
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124・鳥井陽一
○政府参考人(鳥井陽一君) お答えいたします。
浅漬けを原因食品としたO157による集団食中毒が発生した平成二十四年から令和五年までの間に浅漬けではない可能性がある漬物が原因食品と断定又は疑われた食中毒事件でございますが、平成二十五年に札幌市でキムチを原因食品とした事例が一件、患者数は百十九人、平成三十年に大阪市でキムチを原因食品とした事例が一件、患者数は三十一人、令和二年に品川区でキムチを原因食品とした事例が一件あり、患者数は十人となってございます。
品目に関してはキムチということでございますが、地域的な偏りというものは見られない状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/124
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125・舟山康江
○舟山康江君 今お答えいただきましたけれども、浅漬け以外で三件ということですね。浅漬けを入れても全部で五件ぐらいですかね。そのうち、いわゆる製造施設、製造所というのは浅漬け以外で二件となっていて、これを多いと見るのか少ないと見るのか、ここは何とも言えないと思いますけれども、ただ一方で、この平成二十四年のO157事件の後、こういった規制強化によって多くの事業所、大小かかわらず、個人が直売所に出すとかこういったものについても相当大きな影響が出ております。
そういう中で、浅漬け、これは若干サラダに近いということも言われていますけれども、塩分濃度が低い、それからやっぱり塩分濃度が濃い、梅干しもそうですけれども、そういったものが果たして本当にそれほど食中毒のリスクがあるのか、そして、そのリスクと規制の強化とのやっぱりバランスの中で果たしてこれだけの、一斉に全て漬物製造業を許可制にしたことの私は妥当性、これはしっかり考えていかなきゃいけないんじゃないかと思うんです。
そういう中で、厚労省にもう一回お聞きしますけれども、漬物類を一律に許可制とする合理的な理由は何だったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/125
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126・鳥井陽一
○政府参考人(鳥井陽一君) お答えいたします。
平成三十年に成立いたしました改正食品衛生法の施行に合わせて、令和三年六月より漬物製造業を新たに営業許可業種といたしました。これは、平成二十四年八月に浅漬けによる大規模な食中毒事件が発生したことが契機として、漬物は野菜を調味液等に数日間漬けることが製造工程に含まれており、製造工程が長期間になるほど製造中の食品に含まれる細菌等が繁殖するおそれがあるため、浅漬けに限らず漬物製造は食中毒のリスクが高いと考えられることなどを踏まえ、営業規制に関する検討会で専門家による御審議をいただいた上で導入をしたものでございます。
なお、食品衛生法施行規則におきまして、各種漬物の製造に当たり共通して必要となる基準と浅漬けの製造に関して特に必要となる基準は分けております。具体的には、浅漬けの製造は製品が摂氏十度以下となるよう管理することができる機能を備える冷蔵設備が必要となりますが、それ以外の漬物を製造する場合は不要としております。
また、都道府県は、食品衛生法第五十四条の規定に基づきまして、条例で地域の実情に応じた公衆衛生の見地から必要な基準を定めることは可能としてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/126
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127・舟山康江
○舟山康江君 具体的な取扱いとかその辺は都道府県に委ねられていると言いますけれども、ただ、やっぱりこれは、法律で一律許可制に変えたということは、これ、国の責任は非常に大きいと思うんですね。
そういう中で、やはり、農家が収穫した野菜を使って作って、道の駅、直売所などで少量販売している、こういったケースもこの規制の対象ということで、非常に多くの農家のお母さん方の趣味の漬物作りも影響を受けているということなんですね。昨年四月には農林水産省も、漬物で野菜を食べようという、こういったキャンペーンを始めたというところですけれども、まさにこれによって、伝統的な漬物文化そのもの、野菜の消費にも影響があるんじゃないかと、そんな危惧をしております。
もう一度、厚労省にお聞きしますけれども、やはり多く、廃業ですね、漬物製造業の廃業、廃業予定の実態についてはどのように把握されているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/127
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128・鳥井陽一
○政府参考人(鳥井陽一君) 漬物製造業につきましては、令和三年六月一日から許可業種とされておりまして、御指摘のように、既存事業者につきましては、経過措置によりまして本年六月一日から営業許可の対象となります。したがいまして、現時点におきましては、廃業件数やその実態につきましては、厚生労働省として把握いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/128
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129・舟山康江
○舟山康江君 それ無責任じゃないでしょうか。制度の変更で相当大きな、多分、報道等でですね、把握されていないということはないと思うんです。
先ほど申しましたとおり、やはりこの制度の変更、基準の変更によって多くの事業者が影響を受けるとすれば、やはりそれを決めた責任者である厚生労働省が今の状況を把握する、そして、都道府県が基準を定めると言いますけれども、その基準を把握する。どんな影響があるのか、また規制の強化によってどういう効果があるのか、そこが把握できなければ、規制を強化したことの効果も全て分からないわけですよね。そこは把握するべきではないでしょうか。
昨年三月の質問主意書によって、既にこういった問題提起されているんですね。それから一年以上たった今、まだ把握していないというのは、余りにも影響を広げている割には無責任じゃないかと思いますけれども、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/129
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130・鳥井陽一
○政府参考人(鳥井陽一君) 営業許可業種とされておりません以上は、廃業届等の仕組みがございませんので、厚生労働省として把握しようがないということでございます。
ただ、都道府県で改正以前に、条例に基づき、漬物製造業を許可制度としておりましたところがございまして、ここでは廃業届出を設けている都道府県があることは承知をしております。ただ、これは自治事務ではございませんので、現時点で厚生労働省としては把握しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/130
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131・舟山康江
○舟山康江君 調べるべきじゃないでしょうか。廃業まで行っていなくても、この新たな規制によりまして、例えば、加工場を直す、新たな設備を入れる、設備投資をする、相当大きな負担を生産者に課しているんですね。そういった状況の中で、今の実態、どういう影響があったのか、それの実態を調べるのはまさに規制官庁である厚労省の責任かと思いますけれども、調べるおつもりはないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/131
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132・鳥井陽一
○政府参考人(鳥井陽一君) お答えいたしましたように、仕組みとしては調べる方法がございませんけれども、ちょっと何ができるかどうかは検討させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/132
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133・舟山康江
○舟山康江君 しっかり今の実態把握をしていただきたい。どういう影響があるのか、どれだけ追加の設備投資があったのか、現場の声含めて、是非把握いただきたいと思います。
農水省にお聞きします。現在の漬物生産量、生産者数への影響、それから漬物に仕向けられている野菜の消費量、これも多分、家庭で農家の方々が自分で作って直売所等に行くときには、やはりこれが禁止される。そうすると、漬物に仕向けられる野菜の量というのは少なからぬ影響を受けると思うんですね。その辺りは何か把握されているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/133
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134・宮浦浩司
○政府参考人(宮浦浩司君) お答え申し上げます。
今委員から御指摘のございました野菜あるいは梅などの果実を原料といたします漬物に関するデータでございますが、まず一つは、工業統計調査などを通じて把握されているところでありますけれども、産出する事業所数につきましては、この食品衛生法が改正されました平成三十年の段階で千二百八十三事業所、それから直近の令和四年では千百九十事業所となります。
また、出荷金額でありますが、平成三十年に三千三百九十六億円、令和四年が三千二百十五億円と、それぞれ微減となってございます。
また、こういった調査ではありませんが、業界団体を通じて把握されているところでありますが、生産量であります。平成三十年に七十一万トン、令和五年で八十万トンと、こちらは増加をしているというところでございます。
また、委員から御言及のございました国産を含めた漬物に仕向けられているような野菜の消費量ということでございますが、そういった内容を把握するための調査、統計というものは存在しませんで、把握されてございません。
それから、今御紹介を申し上げましたデータにつきましては、調査対象が法人企業であります。御指摘のありましたとおり、農業者が自家野菜などを活用して漬物生産などを行うような場合は含まれてございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/134
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135・舟山康江
○舟山康江君 恐らく、その農家が個人で野菜を購入し、若しくは自家野菜を使って漬物若しくは梅干し、梅干しも漬物に含まれるみたいですけれども、そういったものを作って、まあ農家のおばちゃんの味なんて言って、直売所、いろんなところに道の駅出していると思いますけれども、それに対しては、やはりこの規制の中で、基準を満たさない、影響を受けた、そういった声を私も聞いていますし、先日も、地元を歩いていても、いや、今まで出していたけれどもやめるんだ、そんな話もありました。
そう考えると、やはり影響はないと私言えないと思うんですけれども、その辺はどのように推察されるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/135
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136・宮浦浩司
○政府参考人(宮浦浩司君) お答え申し上げます。
個別の具体例としてそうした事例が出てきているということは承知をしてございますが、全体をまとめた整理ということに関しては、私どもも十分な把握ができているような状況ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/136
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137・舟山康江
○舟山康江君 農水省も、漬物の有用性、それこそ野菜消費に当たっても非常に重要だというキャンペーンも打っているわけですから、農水省としてもこの影響をしっかりと見ていく必要があるんじゃないかと思います。
そして、これ食品の営業規制に関する検討会、この検討会の中でこういった規制強化が決まったと聞いておりますけれども、この際に、いわゆる漬物の製造の現場というか、原料ですよね、野菜を管轄する農林水産省として何か意見は述べられたんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/137
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138・宮浦浩司
○政府参考人(宮浦浩司君) お答え申し上げます。
今御指摘のございました、厚生労働省で平成三十年八月から平成三十一年四月までの間に十六回にわたりこの検討会が開催されてございます。
開催要領におきましては、厚生労働省の方から構成員の参集を求めて開催するということとなってございまして、構成員は、学識経験者、地方行政担当者、業種横断的な食品事業者団体、食品営業施設設備に関する専門家などとなってございます。また、関係省庁の職員あるいは有識者の出席はその都度求めることができるとされてございましたが、私ども農林水産省の場合は、農業に関して衛生管理をどうするかということで、職員が出席を求められて意見を述べたということはございましたが、この漬物製造業を始めとする食品製造業に関して出席を求められて、意見を求めたということはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/138
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139・舟山康江
○舟山康江君 これ、影響は、農家、農業分野、影響が及ぶということを考えると、私は、出席するべきだったし、厚労省としてやはり農水省の出席も求めるべきだったんじゃないでしょうか。そこ、抜けていたんじゃないですか。厚労省、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/139
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140・鳥井陽一
○政府参考人(鳥井陽一君) ちょっと、通告をいただいておりませんので、当時のちょっといきさつについてはヒアリング等はできておりませんけれども、検討会は必要に応じて求めるということになっておりますので、そのときは求めないという判断になったものかと承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/140
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141・舟山康江
○舟山康江君 ちょっとしっかりとこの影響の度合い等も調査していただきたいですし、どうでしょう、皆さん、改めて、この十年間で、その北海道のO157の、きっかけとなったこのO157の問題というのは死者も出ておりますので、これは大変大きな問題だったと思います。しかし、それ以降の、これ浅漬けも含めて五件あるんですね。浅漬け以外で二件、三件。それが果たしてもう全体的に厳しい網を掛けるほどの大きな問題だったのか。今回、紅こうじの問題もありますけども、じゃ、これももう完全に全て許可制にして網を強化するんですか。やっぱりそこはバランスだと思うんですよね。
これだけ大きな影響を及ぼすに当たって、実態も分からない、廃業も分からない、都道府県によってはいろんな設備の新しい増強に対して補助金出しているところもありますけども、ここもわざわざ追加の投資が必要だということを考えたときに、まさに規制の必要性と、あとはこの事案とのバランスの中で果たして適正な規制だったのか。
ここは、農林水産業にも大きな影響を与えるということを考えたときに、農水省として、ある意味これ過剰規制じゃないかと、ああ、やっぱり必要なのか、その辺を検討して、やはり変更なり修正、見直しを求める、こういったことが必要ではないかと思いますけど、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/141
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142・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 平成三十年の食品衛生法改正に伴います政令改正におきまして、漬物製造業が新たに許可を得なければ営業できない業種とされたところですが、これは、消費者の安全、安心に応え、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止するための措置であると承知しています。
漬物製造業は、国産野菜の消費先であり、また農村においては、農家の収入確保だけではなく、地域の食品文化の伝承の観点からも極めて重要であると考えていますが、同時に、食品の安全は大前提でありますので、衛生当局が慎重に検討した上で必要と判断した規制については、産業振興の立場からもきちんと受け止めなければならないと考えています。
ただ、自民党の方では、漬物振興議員連盟というのが設立されておりまして、初代の会長は、もうお亡くなりになられましたけども、静岡選出の望月義夫先生、今は森山先生でございます。こういったそれぞれの様々な御意見を聞きながら、漬物の振興については全力を傾けてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/142
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143・舟山康江
○舟山康江君 誤解のないように申し上げますけれども、私、衛生基準をないがしろにしろとか、安全性なんかどうでもいいんだと言うつもりはありません。
ただ、それを担保するに当たっての基準が例えば過剰に重過ぎる。過剰な設備を要求するのであれば、そこは、そこまで必要なのかということを問うていかなきゃいけないと思いますし、少なくとも、この事例で見ても、梅干しとか一件もないんですよ。普通に考えて梅干しって食中毒起こしますかねって感じするんですね。
そういうことも含めて、私は、農水省から改めて、適正なこの規制の在り方、基準の置き方、そういうものについてやはり提案をし、必要あれば見直しを求める、こういった働きかけも必要じゃないかと思いますけども、大臣、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/143
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144・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 繰り返しになりますけども、衛生当局が慎重に検討した上で必要と判断した規制については、これからの産業振興の立場からも受け止めていかなければいけないというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/144
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145・舟山康江
○舟山康江君 産業振興の観点、それから適切な衛生管理、そこのてんびんを掛けつつ、これ厚労省にもお願いしたいですよ。
改めて、今回、一律に全て許可制にしたこと、これが適切だったのか。少なくとも、私、この十年でこの五件、被害の件数はありますけども、幸いにも死者が出ているわけではない、しかもかなり業種が偏っている、そういう中で一律でいいのか。そういったところは不断に見直す、そのことを是非お約束していただきたいと思いますけど、いかがでしょう、厚労省。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/145
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146・鳥井陽一
○政府参考人(鳥井陽一君) ちょっと繰り返しになりますけれども、先ほど申し上げましたように、必ずしもこの規制が一律の規制であるとは考えてございません。
今回の改正はそういう意味で公衆衛生の観点からは必要なものと考えておりますけれども、ただ、その以前から営業していた方々、特に家族経営等の小規模零細な営業者には、過度な負担が生じないように、事業継続に配慮してきめ細かい指導をするように都道府県に通知をしております。これは、今後とも状況をよく把握しつつ、そのような配慮がなされるように取り組んでまいりたいと考えております。また、規制の在り方を見直すこと自体は不断にやっていかなければならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/146
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147・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) 時間ですので、おまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/147
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148・舟山康江
○舟山康江君 是非、最後に、規制の見直し、不断にやっていかなきゃいけないということ、それから、やはり個々の家族経営等の小さいところにはきめ細かく指導していく、そういったことを改めて周知いただきたいと思います。
多くの皆さんは、今回によっても、うちもできない、いや、それだったらもうやめるという声が、本当にこれ、一つ二つじゃなくて数限りなくあるんですね。そういったところにやっぱり手当てをしていく、配慮をしていく、実態把握していく、それは規制当局として規制のやっぱり責任の一つとしてその実態把握も必要だと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/148
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149・紙智子
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
昨日、五月二十九日に食料・農業・農村基本法が成立をいたしました。その上に立ってなんですけれども、有機農業とアグロエコロジーについて今日お聞きします。
改正基本法の第三十二条は、環境への負荷の低減の促進ということを規定しました。国は、農業生産活動における環境への負荷の低減を図るために、農業の自然循環機能の維持増進に配慮しつつ、農薬及び肥料の適正な使用の確保、家畜排せつ物等の有効利用による地力の増進、環境負荷への低減に資する技術を活用した生産方式の導入の促進その他必要な施策を講ずるというふうに書いてあります。
この有機農業とアグロエコロジーを示す表現というのがどういうふうになっているのか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/149
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150・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) 改正基本法における有機農業とアグロエコロジーの位置付けという御質問だと理解しておりますけれども、改正基本法におきましては、御指摘のように、農業が環境に負荷を与える側面があることを正面から捉え、基本理念として第三条に新しく食料システムを環境と調和の取れたものにしていくということを位置付けております。また、基本施策としても、第三十二条におきまして農業生産活動における環境への負荷の低減の促進を図る旨を位置付けております。これらの規定に基づく取組には、有機農業や環境との調和を図る農業の研究に資する農業生態学、いわゆるアグロエコロジーの活動の推進が含まれているというふうに考えております。
引き続き、環境と調和の取れた持続的な食料システムの持続に向けて、関係者の理解を得ながら、様々な取組というのを進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/150
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151・紙智子
○紙智子君 含まれているという、この文言に含まれているという話なんですけれども。
それで、立憲民主党と国民民主党さんがその修正案を出して、その中で有機農業の促進を明記するように提案をしたと思うんですよね。私も実は同じ思いで聞いていたんですけれども、修正案に対する質疑では、政府提出法案の位置付けが弱いという認識なんですかというふうにお聞きをしたら、提案者の徳永エリ議員から、政府のみどりの食料システム戦略で二〇五〇年までに全農地の四分の一、百万ヘクタールを有機農業にするという目標を立てているにもかかわらず、改正案の条文には一切書かれず、含まれていると言われても説明がなければ全く分かりませんと。そこで、修正案で持続可能な農業の中核として強力に推進するべき有機農業を条文に明記することとしておりますということで、大変熱弁を言っておられたと思うんですよね、振るわれたと思うんですね。こういう議論そのものができたということ自体、大変良かったというふうに思っています。
その上でなんですけれども、政府提出の改正案は、まあ昨日成立したわけなんですけれども、この条文上、有機農業やアグロエコロジーが読み込めるというふうに言うんだけれども、やっぱり説明なければ分からないわけですよね。そうなんですよ。で、それだけでは理解が広がらないんじゃないかなと思うわけです。分かりやすい形で国民に知らせる手だてというのは必要ではないかと思うんですけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/151
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152・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。
有機農業、非常に大切だと感じております。それから、アグロエコロジーにつきましても、世界的に統一的な定義はないということでありますが、農林省では、気候変動に伴う農産物の品質低下、災害の激甚化、こういったもの様々起きております。こういった中で、環境への対応が非常に重要だということで、令和三年五月にみどりの食料システム戦略を策定し、現在それを一生懸命進めております。
全ての都道府県でこのみどりの食料システム法に基づく計画が立てられ、現在、農家の認定も進めているということでございますので、こういった中で、有機農業あるいはアグロエコロジーのような取組もどんどん進められていると感じておるんですけど、今回の改正法におきましても環境と調和の取れた食料システムの確立を柱として位置付けたということで、ここを大きくアピールしたいと考えています。
引き続き、化学肥料、化学農薬の低減、有機農業の取組面積の拡大、こういったものを一生懸命、省一丸となって、関係省庁とも連携しながら進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/152
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153・紙智子
○紙智子君 環境の関係ともやっぱり調和を図っていくということ、すごく大事だということを言われていたと思うんです。
それで、やっぱり改正基本法の具体化というのがすごく大事になってくると思うんですね。
アグロエコロジーですけれども、三月二十二日のときの農林水産、この委員会で質問したときに、平形農産局長が、フランスで進められていましたアグロエコロジープロジェクトというのがあると、これは経済性と環境性能を両立させる生産モデルというふうに言われていたんですけれども、この生産モデルというのはどういうものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/153
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154・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) フランスのアグロエコロジープロジェクトでございますが、二〇一二年に、当時のルフォル農業大臣、フランスのですね、が打ち出された政策というふうに承知しています。
文献等によりますと、フランスにおけるアグロエコロジープロジェクトは、五つ、いや、十の分野別の計画というのがありまして、例えば、農薬の削減ですとか有機農業、それから農業教育によるアグロエコロジーの定着など、そういった分野別の計画があり、これらを通じて、経済的かつ環境的な二重のパフォーマンスを革新的な農業のやり方の中心に据えることを目的としているということを踏まえて発言をさせていただきました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/154
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155・紙智子
○紙智子君 FAOにも定義はあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/155
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156・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) FAOが示すアグロエコロジーの定義でございますが、アグロエコロジーの十の要素につきましてであります。
多様性、知識と共創の共有、相乗効果、効率性、リサイクル、回復力、人間的、社会的価値、文化と食の伝統、責任あるガバナンス、循環及び連帯経済であると承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/156
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157・紙智子
○紙智子君 十項目っておっしゃいましたっけかね、今お話あったと思うんですが、日本でもやっぱりアグロエコロジーの定義付けも含めて議論を始めるべきではないのかなというふうに思うんですね。
農業基本法の改正案の参考人質疑で意見陳述をされた長谷川敏郎さんがパンフレットを皆さんにお配りをしました。それで、その中に世界の動きも紹介してあったんですけれども、紹介すると、イギリスにはアグロエコロジー議員連盟があると、ラテンアメリカではアグロエコロジーの学会があると、それから中南米の政府がアグロエコロジー政策を採用している、それからマリ共和国ですね、二〇一五年に宣言を出しているというようなことが書かれているわけなんですけれども、ですから、今まで、聞いても、なかなか定義がよくはっきりしないということを言われていたんだけれども、そういう定義も含めて、どうするのかということも含めて、やっぱり改正基本法を具体化するために、なぜこのアグロエコロジーが広がってきているのかということだとか、各国の取組も調べるというか調査をしていくということは必要じゃないかなというふうに思うんですけど、これ大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/157
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158・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) アグロエコロジーにつきましては、世界に統一的な定義はないと承知していますが、農林水産省では、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現させるための新たな政策方針といたしまして、みどりの食料システム戦略を策定し、持続可能な食料システムの構築に向けまして取組を進めているところです。
みどりの食料システム戦略の取組の推進に当たりましては、諸外国の様々な取組事例の収集、把握や意見交換を実施することが重要であるというふうに考えております。
農林水産省といたしましては、環境と調和の取れた食料システムの確立に向けまして、議員御指摘のとおり、海外の事例も参考にしながら、農林水産省一丸となって取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/158
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159・紙智子
○紙智子君 是非、ちょっとそういう意味では、環境との調和ということを言われている中で、みどりの、もちろん日本の中の政策もあるんですけれども、やっぱりよく取り入れながらやっていっていただきたいと思うんです。
長谷川会長は、アグロエコロジーは、自然の生態系を活用した農業を軸に、地域を豊かにし、環境も社会も持続可能にしていくと、循環型地域づくり、多様性ある公正な社会づくりを目指す運動として、FAOも推進をし、世界の大きな流れになっているということを言われていたと思うんです。
日本でも、日本流のアグロエコロジーの在り方を研究して、やっぱり実践している例というのはあると思うんですよ。そういうのもやっぱりよく聞くとか、自治体でも関心持って今やろうとしているところもあるわけですから、まずはその取組の事例も集めていくとか、関係者から聞き取りをするとか、そういうところから始めてはどうかと思うんですけど、大臣、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/159
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160・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) みどりの食料システム戦略の取組の推進に当たりましては、それぞれの地域で培われてきました技術や経験も含めた優良事例の横展開が重要であるというふうに考えております。
このため、国内各地の優良事例の収集、把握や、意見交換を実施し、これも委員御指摘のとおり、地域の事例も参考にしながら、環境と調和の取れた食料システムの確立に向け、農林省一丸となって取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/160
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161・紙智子
○紙智子君 アグロエコロジーというと、まだなかなか知られていないというふうに思うんです。改正基本法を受けて、日本でも具体化に取り組むように求めておきたいと思います。
それから、有機農業についてなんですけれども、みどり戦略における二〇三〇年の有機農業面積の目標というのは六・三万ヘクタールだということですよね。それで、改正基本法を受けて、この二〇三〇年目標をどう具体化するのかということもお聞きしたいんです。基本法との整合性ではどのようにそれを図っていくのかということについて、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/161
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162・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) 二〇三〇年の目標の前に、二〇五〇年に二五%ということ、紙先生、紹介していただきましたが、この目標の達成に向けて、まずは有機食品の理解の浸透ですとか、輸出促進に伴うマーケットの拡大など、先進的な有機農業者の栽培技術の横展開を進めて、二〇三〇年までに六・三万ヘクタールまで拡大をしていくというふうにしています。現在、市町村が中心となって、生産から消費まで一貫した取組を地域ぐるみで行うオーガニックビレッジの創出というものをやっておりまして、有機農業の取組面積の拡大に取り組んでいるところでございます。
基本法との関係なんですが、最初に杉中総審が言いましたとおり、環境と調和の取れた食料システムの確立ということが基本理念の中に入っております。また、環境への負荷の低減に資する技術を活用した生産方式の導入の促進ということが基本的施策として位置付けられております。
こういったことを踏まえまして、令和七年度より次期対策期間が始まります環境保全型農業の直接支払交付金について、有機農業の取組面積の拡大等の観点から見直しを検討することなど、有機農業の推進に更に積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/162
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163・紙智子
○紙智子君 みどりの戦略緊急対策交付金というのがありますよね、この交付金の趣旨を説明していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/163
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164・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) 御指摘のあったみどりの食料システム戦略緊急対策交付金なんですけれども、有機農業、特に産地づくり推進事業というのをその中でやっておりまして、地域ぐるみで有機農業の生産から消費まで一貫して取り組む先進的な産地、オーガニックビレッジの取組など、このみどりの食料システムの中でも目標として大きなものになっております有機農業の産地づくり等について、地域を挙げてというんでしょうか、それで、できるだけ早い時期にということで緊急というふうに名前付いています。そういったものが、取り組むという、そういう趣旨の補助金でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/164
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165・紙智子
○紙智子君 有機農業の産地づくりで、今お話あったオーガニックビレッジ、これを進めていくというふうにあるんですけれども、これは学校給食での活用を広げる取組なのかなというふうにも思うんですけれども、どんな取組なのか、予算も含めて、予算額も含めて説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/165
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166・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) オーガニックビレッジなんですけれども、学校給食だけではなくて、有機農業の推進に向けて地域一体となった取組ということで、一つは栽培技術の普及だとか実証によります有機栽培の拡大ということ、それから、おっしゃるとおり、学校給食での利用ですとか農業体験など地域の子供だとか住民が有機農業に触れる様々な機会の創出ということ、三つ目、学校給食だけではなくて、マルシェだとか道の駅等で販売を通じた販路拡大など地域ぐるみの取組を支援するということでございます。
これに関しましては、有機農業産地づくり推進事業というものがございまして、令和五年度の補正で二十七億、令和六年度の当初で六億五千万という、この事業の中でこのオーガニックビレッジは実施をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/166
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167・紙智子
○紙智子君 産地挙げて産地づくりということ言われるんだけれども、それにしては予算が少なくないかなというふうに思うんですよね。
そして、それと同時に予算の透明化ということもいろいろ議論にもなっていまして、話が出ていまして、予算の透明化ということをめぐっては、例えば水活から畑地化へというところでは、地域協議会にそれが任される形になっているじゃないですか。そうすると、地域協議会の中でいろいろいろいろ議論されるんだけれども、結論としてどういうふうになったのかとか、その中で、やっぱり自分はもうちょっとやっていけないという人も出たりとか、もういいわ、やらないわと、もうやめちゃうわというのも出てきたりとか、いろいろになるんだけれども、最終的には地域で、その協議会で決めていくというときに、どうなったのかということがよく見えないというのが出てきたりもするんですよ。
そういうことをやっぱり、どうなったか分からないんじゃなくて、よく見えるようにしていくということが大事ではないかなと思うんですけど、その点、どうですか。大臣、大臣かな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/167
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168・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) 済みません、ちょっとこれ技術的な話なので、ちょっといいですか。済みません。
まず、水田活用なんですけれども、これは国が直接交付金を支払うということなんですね。地域協議会というのがありますけれども、個々の生産者からの申請書を取りまとめて国に持ってきていただいて、国の方で交付決定するということなので、もし変なことがあれば、当省ホームページに通報サイトもありますし、我々も立入調査というのをやっていまして、この執行の適正についてしっかりやっているところでございます。
オーガニックビレッジにつきましては、個々への支払ではなくて、地域へのお支払になっていますが、要綱に基づいて市町村が取組内容をホームページで公表するというふうになっております。また、予算の使途についても都道府県において確認するというようなこともありますので、当省にも御報告をいただきながら、適正に執行されるように、これしっかりやっていきたいというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/168
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169・紙智子
○紙智子君 その辺の説明責任というのは誰が、どこが果たすんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/169
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170・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) もちろん、農林水産省もしっかりこれやっていますし、このオーガニックビレッジに手を挙げていただいた都道府県、それから市町村についてもしっかりやっていただきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/170
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171・紙智子
○紙智子君 オーガニックビレッジの目標が、二〇三〇年までに、今二四年ですからあと六年ということなんですけれども、までに二百市町村目指していると。それで、農地面積の目標が六・三万ヘクタールということで、現在が九十三市町村なんですよね。学校給食を始めとして、地産地消の取組を強化是非していくべきだと思うんですけど、大臣、これについてちょっと決意を語っていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/171
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172・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) オーガニックビレッジにつきましては、市町村長のリーダーシップがやっぱり重たいと思います。私のところも、山都町、南阿蘇村、それぞれ市町村、町村長のリーダーシップでございました。そして、その取組内容をホームページ等で公表しながら各地域の実情に応じた様々な取組が展開されておりまして、大きな成果をそれぞれに上げていただいているというふうに思っております。
農林水産省といたしましては、パンフレットやホームページに加えまして、本年一月にはオーガニックビレッジ全国集会を開催するなど、こうした先進的な取組の横展開を図っておりまして、他の市町村からの関心も高まっていると実感しておりまして、本年度も多くの市町村から要望をいただいているところでございます。二〇二五年までに百市町村、二〇三〇年までに二百市町村のオーガニックビレッジの創出を目標に、引き続き、予算の確保に努め、地域の取組を後押ししてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/172
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173・紙智子
○紙智子君 オーガニックでの給食をもっと普及しようということで議連もつくられた、超党派で議連もつくられていますから、是非やっぱり推進していかなきゃいけないと思います。
それと、あと一分ということなので、改めてちょっと、アグロエコロジーの問題というのは、余りみんなまだ認識が深くないということの中で、先日の参考人質疑のときに改めてこの認識を新しくしたというか、結局、生物が本当にお互いに仕事をしながら、自然の体系を守りながらやっぱり発展させていくという、実は効率上げよう上げようとなると、もう手っ取り早くやってしまおうとする傾向はあるんだけれども、長い目で見たら、このやり方というのは、実は本当は持続可能な、そういう生産活動なり含めてつながっていくんだなということを思いますので、やっぱり農業を駄目にさせないでというか、生かしていくということで、是非真剣に取り組んでいきたい、いただきたいということを最後に述べまして、終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/173
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174・寺田静
○寺田静君 本日もよろしくお願いいたします。
私は、今日は、基本法改正の理由の一つでもあった気候変動のところ、農業と温暖化について取り上げたいというふうに思います。
まず、この気候変動に関する農水省の認識を改めてお伺いしたいと思いますけれども、この気候変動、今、もし例えば十段階で十が最も危機的だと仮定をすると、今は何段階目という認識でいらっしゃるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/174
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175・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。
十段階というのが公式なものであるか定かでありませんけど、非常に、気候変動の問題は非常に重要な課題で、待ったなしの課題だというふうに認識しております。特に、二〇二三年は世界の平均気温が記録の残る一八五〇年以降で最も高い年となりまして、我が国でも年平均気温が観測史上最高の年となったということでございます。また、農林水産業は気候変動の影響を最も受けやすい産業でありまして、昨年の記録的高温の影響といたしまして、米で多くの県で白未熟粒の発生が広く見られ、一等米が非常に比率が低下する、あるいは果樹では、リンゴ、温州ミカン、梨で日焼け果が、ブドウで着色不良が発生するなど、広範囲で品質低下が起こりました。農業経営に大きな影響が発生しております。
議員からの、十段階のうちの何段階目ということは、なかなか回答することは困難でありますが、地球温暖化など、非常に、環境への負荷の低減が図ることは非常に待ったなしの課題だというふうに認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/175
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176・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
段階で答えるのは難しいということでしたけれども、認識として是非お伺いをしたいなと思ったものですから、お伺いをいたしました。
IPCC、気候変動に関する政府間パネルから二年前に出されている最新の報告書によれば、次の十年がやっぱり決定的に重要だと、パリ協定で定めた一・五度以内、様々なリスクを避けることができるとされている目安であるこの一・五度という数値を超えないようにするためにあらゆる努力をするということが求められております。
クライメートクロックというものを御存じでしょうか。気候時計と訳すのか、ちょっとあれですけれども、温暖化をこの一・五度以内に抑えるために残された時間というのはあとどれだけあるのかと、今の温室効果ガスの排出のペースでいけば、あとどのくらいで地球がもう後戻りができないということになってしまうのか、これ、国ごとにも出されています。
日本にあとどのぐらいの猶予があるというふうに、感覚で結構ですので、いかがでしょうか。どのぐらい猶予があるというふうに思われますか。大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/176
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177・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) 先ほど申し上げましたように、これまで品種改良も、低温の品種改良というのをずっとやってきたんですけど、昨今は高温耐性の品種を作ってくれというのが、西日本の方だけじゃなくて東北、北海道からも寄せられるほど非常に重要な課題となっていまして、まだまだ技術が追い付いていないということもあります。ただ、実態が非常に高温、沸騰になっておりますので、非常に重要だということであります。
時間があとどれだけかということでありますけど、我々、二〇五〇年に、みどりの戦略でも定めましたKPI、定めております。これに向けてしっかりやっていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/177
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178・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
クライメートクロック、今、対策、この高温、沸騰だという言葉もいただきましたけれども、クライメートクロックによれば、今日の時点で日本のそれは、猶予はあと五年と五十二日しか残されていないということでした。もちろん、これは対策を取らないで今のままの排出のペースでいけばということですので、実際には様々な対策が取られるだろうということを私も希望しておりますので、是非この猶予が延びるように努力を重ねていただきたいというふうに思っています。
今日、資料を二枚お配りをさせていただきました。
資料の一枚目を御覧いただきたいと思いますけれども、これ地元の秋田魁新報社の記事ですが、共同通信の配信であると思います。この記事によれば、今月六日、世界銀行は、気候変動対策として、この農産物の生産から消費まで一連の活動を対象とした初めての包括的な戦略というものを発表しています。農作物関連の温室効果ガス排出量を二〇三〇年までに半減をさせるには年間投資額を現在の十八倍、約四十兆円にする必要があるというふうに書かれております。もちろんこれは世界全体での額です。
日本政府も、二〇二〇年の十月、菅政権の下で、二〇五〇年までにカーボンニュートラル、温室効果ガスの排出ゼロを目指すというふうに宣言をしています。二〇三〇年までだと平成二十五年比で四六%という目標であったと思いますけれども、この目標と合致をさせるには、日本においては農作物関連でどのぐらいの投資が必要だというふうに考えられているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/178
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179・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。
世界銀行の報告書につきましては委員御指摘のとおりでありますが、我々も報告書については承知しております。
現在、日本の排出量は全国で十一・七億トン、うち農林水産分野が四千九百四十九万トンということで、全排出量の四・二%であります。
これに対しまして、みどりの食料システム戦略に基づきまして、二〇五〇年に目指す姿といたしまして、農林水産業のCO2ゼロエミッション化の実現など十四の意欲的な目標を掲げ、革新的な技術、生産体系の社会実装を図ることとしております。
これに対しまして、品種開発とか技術開発とか、あとトラクターの電動化とか、いろんなもの考えられるんですけれども、これの投資額が一体幾らなのかということはなかなか一概にはお示しすることができないんですが、このみどりの戦略に基づきまして、カーボンニュートラル等の環境負荷低減のイノベーションも含め、しっかり前に進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/179
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180・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
数字はまだないんだということでしたけれども、一応ロードマップのようなものはあると。
世銀のこの報告書によると、地球全体の排出量のうちの、世界規模では農作物関連は三割を占めるということで、この一・五度目標合わせるには、この分野の排出量を五〇年までに実質ゼロにしなければならないと。ただ、日本のそれは四%ということでした。
政府として、二〇五〇年までにゼロ、そして農水省もゼロを目指すということですけれども、この農作物関連の割合も既にやっぱり数字として出ているわけで、だとすれば、やっぱりそこの、ゼロにするためのロードマップを描いているとすれば、どのくらいの投資が要るのかということをそろそろ出してもいいんじゃないかなと、ゼロ宣言から三年半がたつわけですから、そこの数字はそろそろ出てもいいんじゃないかなというふうに思います。
さきに述べたIPCCの報告書でも、政府目標レベルでは、地球の二一〇〇年の温度、これ環境省も発表していますけれども、二一〇〇年の温度は三・二度世界で上昇するとの指摘があります。環境省、二〇一九年に発表した二一〇〇年の天気予報では、この一・五度以内が達成できなかったときの日本の夏はどのような姿になっているかというと、札幌で四十・五度、秋田で四十二・五度、東京は四十三・三度、名古屋四十四・一度、福岡四十一・九度ということでした。
海外では若者たちがすごく声を高く上げています。私たちの家が燃えているのに大人たちは何をしているのかという声も上がっています。また、以前この場でも御紹介をさせていただきましたけれども、うちの息子も、もっと昔に生まれたかった、地球はこれから大変なんだろうと、もっと昔に生まれたかったのにずるいというふうに言われました。子供たちは学校でこういうことを学んで、危機感を強く持っているんだろうなというふうに思います。
先日お邪魔をさせていただいた栃木の和泉牧場さん、飼料の自給を考えて、あくまで適正規模にこだわるというお話をお伺いをしました。
温暖化ということを考えると、この規模ありき、輸入飼料に頼った規模拡大よりは、こちらの方が環境と調和が取れた在り方ではないのかなというふうにも思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/180
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181・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
畜産業でございますけれども、輸入飼料に過度に依存することなく、家畜排せつ物から良質な堆肥を生産をして、飼料、家畜、堆肥という資源循環を形成することによりまして環境と調和の取れた産業となることが期待されております。
また、畜産経営の観点からは、一般的には、飼養規模が拡大すればスケールメリットによる効率化の効果が期待されますが、その一方で、輸入飼料に過度に依存することになれば、輸入飼料価格の影響を受けやすくなるというリスクが高まりますし、家畜排せつ物の処理も課題になってくると。
こういったことから、農林水産省といたしましては、国産飼料の生産、利用の拡大ですとか、家畜排せつ物由来堆肥の利用の拡大といったものを推進をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/181
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182・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
大規模化や合理化で取り残される人たちのことを主に取り上げてきましたけれども、そうしたものを否定しているわけでは決してなくて、ただ、環境配慮ということも考えたとき、どのような形が貢献度が高いかということはもっと考慮をされてもいいし、貢献度が認知をされてもいいのではないかなというふうに個人的には思っております。
次に、資料の二枚目を御覧いただきたいと思います。これは週刊ダイヤモンドの「儲かる農業」という特集号からの抜粋です。
この内容ですけれども、マイコスという資材をまぶした種もみは、田んぼに水を張らなくても雨水で育つということです。乾いた田んぼに直接種をまくという栽培方法なら、育苗、田植、水位の管理などが省けて、一人当たりの栽培面積も倍以上に増やせるというメリットがあるということですけれども、今日、私が特に取り上げたいのは、この栽培方法が温暖化対策としても有効であるとされている点です。
水を張った水田から発生するメタン、このメタンの温室効果はCO2の二十五倍ということですけれども、このメタンを出さないメリットがあるとされています。この記事の中では、企業に温室効果ガスの排出量の開示が義務付けられるようになれば、大手の小売や外食はメタンフリーのマイコス米を選ぶようになると見られるというふうにされています。
この記事に関して、この技術に関して、農水省の見解をお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/182
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183・水野政義
○政府参考人(水野政義君) お答えいたします。
米の輸出拡大に向けて生産コストの低減が課題となっており、多収品種を乾田直播で栽培することが一つの有効な方策となっております。
そのための手法として注目しているのが菌根菌資材の一種であるマイコスであり、これは、土壌中の水分、養分の吸収力の高さゆえに直播後の水張り、水管理が不要となり、大幅なコスト削減に資すると言われております。
また、水を張らないことから温室効果ガスであるメタンの発生を抑制する効果もあり、さらに、かんがい施設を有しない途上国での食料生産の増大に資するとの見方もあります。
他方で、この菌根菌資材マイコスの利用につきましては、雑草管理を含めてその栽培手法が確立しておらず、その実効性を見極めていく必要があると考えております。
このため、農林水産省としては、輸出拡大や環境負荷低減、途上国の食料生産力増大等の効果に着目して、本年四月より、農業法人、資材メーカー、研究機関の参画を得て実証事業を実施しているところでありまして、今後、栽培技術の確立、その技術の実用化につなげていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/183
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184・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
同じく記事の中では、将来は農家がカーボンクレジットを取得をして企業に販売することで新たな収益源にすることも可能になるだろうというふうにされています。ただ、この記事の中でですけれども、農水省は現時点で、クレジットを国が認証する制度において、このやり方によるクレジット申請を認めていないというふうに書かれております。稲作で認めているのは、メタンを約三割削減できるだけの水張りを前提にした手法だけなのだというふうに指摘をされています。
このクレジット申請、検討しないんでしょうか。今後もこの申請を認めない方針なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/184
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185・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。
J―クレジット制度につきましては、省エネ、再エネ設備の導入や森林管理などによる温室効果ガスの排出削減、吸収量をクレジットとして国が認証し、取引を可能とすることによりまして、経済と環境の好循環をもたらす仕組みでございます。
なので、この取組に対しましては、実証データとか技術があれば、認める、認めないではなくて、こういう手法があるということが、いろんなものがあれば、例えばバイオ炭とか、どんどん出てきているんですけど、こういったものが出てくれば、おのずと取り組まれてくるという話でございます。
J―クレジット制度の方法論の登録の仕方でございますけど、温室効果ガス排出削減効果が明確に確認できること、本制度がない場合に排出削減等が実施されないこと、要するに追加性ということでございます。幾つかの要件を満たす必要があります。この要件を満たせば当然皆さんが使いやすいということで、排出削減にもなるということであれば、非常にいい取組だと考えています。
また、この方法論の策定の手続といたしましては、J―クレジット制度の活用を希望する事業者などが制度管理者である国に申請書を提出いたしまして、制度管理者によるヒアリングやパブリックコメントを実施した上で、有識者で構成される運営委員会におきまして申請のあった方法論に関する審議を行うこととなっております。
このため、委員御指摘のマイコスを使った乾田直まき栽培技術について、申請がありまして、この手続にのっとって審査が行われると。もし申請があれば、きちんと手続にのっとって審査が行われるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/185
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186・寺田静
○寺田静君 まだ技術が確立をしていないので難しいというふうなお答えなんであろうというふうに思いますけれども。
このマイコス米ですけれども、ヒ素に関するデータはないんですけれども、米が土壌のヒ素を吸収しないようにするためには田んぼに水を入れない時期をつくるような水管理が必要とされていますけれども、このマイコスに関して、このヒ素との、ヒ素吸収との兼ね合いでどういうふうに評価をされているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/186
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187・安岡澄人
○政府参考人(安岡澄人君) お答えいたします。
ヒ素に関するお尋ねでございます。
我が国、火山国であるため、ヒ素は土壌中に広く存在しており、米を始めとした農作物は微量のヒ素を含んでいるところでございます。
今お尋ねのマイコスを使った乾田直播の栽培に関するデータ、我々残念ながら持ち合わせていませんけれども、委員御指摘のとおり、一般論で言えば、水稲は落水した状態で管理すればヒ素の吸収が減ることが知られておりますので、米中のヒ素濃度も相対的に低くなると想定されるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/187
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188・寺田静
○寺田静君 ヒ素について、日本は規制値が設けられていないんですけれども、米の輸出を促進をするのだという方針であるとすれば、海外の規制にも目を向ける必要があるというふうに思います。
例えば、香港やシンガポールなどは基準を設けておりますけれども、今後の輸出を促進をするときに支障になってくるおそれもあると思いますけれども、ヒ素の基準というのは今後も定める予定はないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/188
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189・安岡澄人
○政府参考人(安岡澄人君) お答えいたします。
米を含む食品中のヒ素については、内閣府の食品安全委員会により、日本において、食品を通じて摂取したヒ素による明らかな健康影響は認められておらず、ヒ素について食品からの摂取の現状に問題があるとは考えていないという見解が示されているところでございます。このことを踏まえて、我が国では米などの基準値は設定されていないものと承知をしております。
一方で、基準値の設定にかかわらず、リスクを管理するとともに輸出を進めるということから、ヒ素に関する科学的な知見を集積し、さらにはその低減ができるように技術の確立を進めることは重要だというふうに考えております。
このため、農水省としては、米中のヒ素に関する含有実態の把握を進めるとともに、出穂期の落水管理などの、今御指摘のような技術ですね、低減技術の開発、実証や、現場で取り組める技術の確立などを進めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/189
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190・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
是非、輸出拡大の観点からも進めていただきたいというふうに思っております。
最後に一点。この新しい技術、マイコス米ですけれども、水田活用の直接支払交付金における水張り要件との整合性はどのようになっているのかと。これ、水をためる必要はないということなんですね。ここ、水を、水張りを求めることの合理性というのは今後揺らがないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/190
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191・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) 水田活用直接支払交付金は、水田機能を有する農地において、ブロックローテーション等により麦や大豆等の作付けを進めるためのものであり、交付対象水田は水を張る機能を有している水田であることが前提となっています。
五年に一度の水張りの確認方法につきましては、水稲の作付けを基本としながら、湛水管理を一か月以上行って連作障害による収量低下が発生しないということであれば、水張りを行ったとみなすというふうにしております。
一方で、この水稲の品種であっても、湛水せずに陸稲のように栽培する場合は水張りを行ったとはならないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/191
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192・寺田静
○寺田静君 確かにQアンドAにもそのように書かれているんですけれども、今後、こういう栽培方法が出てきて、主流化してくるようなことになれば、この合理性というのは揺らぎませんかという質問です。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/192
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193・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) これ、水稲の直接支払交付金ではなくて、水田活用の直接支払交付金でございますので、水を張る機能を有している水田であることが前提になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/193
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194・寺田静
○寺田静君 何かうまくかみ合わない気がしますけれども、水を張ることが必要がなくても求めるということなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/194
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195・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) 水を張ることに対してこれは何か出しているものでございますので、水稲かどうかで、水を張らないでやるのであれば、それは普通の麦とか大豆とかオカボと同じことになりますので。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/195
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196・寺田静
○寺田静君 大臣、副大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/196
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197・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) 時間でございますので、質疑をおまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/197
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198・寺田静
○寺田静君 はい。
副大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/198
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199・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) 時間でございますので、簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/199
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200・鈴木憲和
○副大臣(鈴木憲和君) 多分、私もちょっとマイコスは詳しくないんですけれども、要するに水張らなくてもいい米ができるんじゃないかというものだというふうに思いますが、ただ、まだ、技術も含めてまだ入ってきたばかりで、今後どういう取扱いにするかというのは技術確立した後にまた考えるべきだと思いますし、転作じゃないんだと思います、主食用の米を作っていますから。そういうことは、現状としてそうだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/200
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201・寺田静
○寺田静君 終わります。ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/201
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202・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/202
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203・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) 次に、食料供給困難事態対策法案、食料の安定供給のための農地の確保及びその有効な利用を図るための農業振興地域の整備に関する法律等の一部を改正する法律案及び農業の生産性の向上のためのスマート農業技術の活用の促進に関する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
政府から順次趣旨説明を聴取いたします。坂本農林水産大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/203
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204・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 食料供給困難事態対策法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
現下の情勢として、世界人口の増加に伴い食料需要が増大する一方で、気候変動に伴う世界的な食料生産の不安定化、家畜の伝染性疾病又は植物病害虫の蔓延、国際的な物流の途絶等、世界の食料供給が不安定化することに伴い、我が国においても大幅な食料の供給不足が発生するリスクが増大しております。
このため、食料の供給不足の兆候の段階から政府が一体となり総合的に対策を実施することにより、国民生活の安定及び国民経済の円滑な運営に支障が生ずる事態の発生をできるだけ回避し、又はこれらの事態が国民生活及び国民経済に及ぼす支障が最小となるようにすることが重要です。
このため、平時から、食料供給困難事態が発生した際の対策について基本方針を作成するとともに、食料の供給不足の兆候の段階において食料供給困難事態対策本部を設置し、事態の進展に応じて、事業者に対する食料の供給確保のための取組の要請等の食料供給困難事態対策を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
第一に、報告徴収についてであります。主務大臣は、特定食料又は特定資材の国内の需給状況を把握するため、特定食料又は特定資材の出荷、販売、輸入、生産又は製造の事業を行う者、これらの者の組織する団体等に対し、報告を求めることができるものとしております。
第二に、基本方針についてであります。政府は、食料供給困難事態対策を総合的かつ一体的に実施するため、食料供給困難事態の対策の実施に関する基本的な方針を定めるものとしております。
第三に、食料供給困難事態対策本部であります。内閣総理大臣は、農林水産大臣からの食料供給困難兆候に関する報告があった場合において、食料供給困難事態の発生を未然に防止するため必要があると認めるときは、閣議において、臨時に内閣に食料供給困難事態対策本部を設置することを決定することとし、また、本部は食料供給困難事態対策の実施方針を定めるとともに、事態の進展に応じて、食料供給困難事態である旨等の公示を行うこととしております。
第四に、食料供給困難事態対策についてであります。主務大臣は、食料供給困難事態の発生を未然に防止し、又は食料供給困難事態を解消するため、事態の進展に応じて、措置対象の特定食料等の出荷若しくは販売の調整又は輸入、生産若しくは製造を促進するよう事業者に対する要請や計画作成の指示等を行うことができるとしております。
また、国は、要請に応じて食料の供給確保の取組を行う事業者に対して財政上の措置等を行うこととしております。
続きまして、食料の安定供給のための農地の確保及びその有効な利用を図るための農業振興地域の整備に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
近年、我が国の食料及び農業をめぐっては、国際情勢の変化等により世界の食料需給が変動する中で、国内の農地面積の減少、農業従事者の減少及び高齢化が進行していることなどから、将来にわたる国民への食料の安定供給の確保のための対策を講ずることが急務となっております。
このため、国内の農業生産の基盤である農地を確保し、その有効な利用を図る観点から、農地関連制度において、確保すべき農用地の面積目標の達成に向けた措置の強化、農地の不適切な転用の防止と適正かつ有効な利用の確保、地域において人と農地の受皿となる法人経営の経営基盤の強化による農地の有効利用の促進等の措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。
済みません、ちょっと読み間違えました。適正かつ効率的な利用の確保でございます。農地についてであります。
次に、法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、農業振興地域の整備に関する法律の一部改正であります。
まず、目的規定に、農業生産に必要な農用地等の確保及び食料の安定供給の確保を追加するとともに、国及び地方公共団体がそれぞれの立場から農用地等の確保に努めなければならない旨を規定することとしております。
次に、農用地区域に定めるべき農地として、地域計画の達成のために農業上の利用を確保することが必要であると認められる土地を追加するとともに、農用地区域からの除外に係る都道府県知事の同意の基準として、農用地の面積目標の達成に支障を及ぼすおそれがないと認められること等を追加し、その判断材料として、市町村に対し、面積目標への影響緩和措置等を記載した書面の提出を求めることとしております。
済みません、土地というところを農地と読んだようでございますので、土地と訂正をさせていただきます。
さらに、農林水産大臣は、必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、農用地等の確保のために必要な措置について勧告等を行うこととしております。
第二に、農地法の一部改正であります。
農地の権利取得の許可に当たって考慮すべき要素に、農作業の従事者の配置と農業関係の法令の遵守を追加するとともに、農地転用許可の際に定期的な報告等の必要な条件を付けることとし、また、違反転用により原状回復等の措置を命ぜられた者が期限までに命令に従わなかった場合に、都道府県知事がその旨及び土地の地番その他必要な事項を公表できることとしております。
第三に、農業経営基盤強化促進法の一部改正であります。
まず、農業経営発展計画制度の創設であります。農地所有適格法人であって、農業経営改善計画の認定を一定期間以上受けていること、地域計画に農業を担う者として記載されていること等の要件を満たす者が、物資又は役務の取引の相手方から出資を受け、その取引の推進等により農業経営の発展を図るための計画を作成し、農林水産大臣の認定を受けた場合には、農地法における農地所有適格法人の議決権要件を緩和する特例を講ずることとしております。
次に、地域計画内の遊休農地の解消を迅速に進めるため、農地中間管理機構が当該農地の権利設定に関し都道府県知事に裁定を申請する手続を迅速化及び義務化することとしております。
続きまして、農業の生産性の向上のためのスマート農業技術の活用の促進に関する法律につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
農業者が今後急速に減少することが見込まれる一方、近年では農業の分野における情報通信技術が進展するなど、我が国の農業を取り巻く環境は大きく変化しています。
こうした変化に対応し、農業の生産性の向上を図るためには、農作業の効率化等を通じて農業の生産性を向上させるスマート農業技術の活用を促進することが不可欠となっています。そのためには、令和元年度から全国二百十七地区で実施してきたスマート農業実証プロジェクトの結果等を踏まえ、スマート農業技術に適合した生産の方式の導入や、いまだ実用化に至っていない分野におけるスマート農業技術等の開発及びその成果の普及を促進することが重要となっています。
このような状況を踏まえ、農業の持続的な発展及び国民に対する食料の安定供給の確保に資するため、スマート農業技術の活用及びこれと併せて行う農産物の新たな生産の方式の導入に関する計画並びにスマート農業技術等の開発及びその成果の普及に関する計画の認定制度を受け、これらの認定を受けた者に対する特別の措置を講ずるため、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
第一に、基本理念及び国等の責務についてであります。基本理念として、国が生産方式革新事業活動の必要性及び有効性に関する知識の普及及び啓発を図るとともに、農業者等が自ら活用するスマート農業技術の性格、生産する農産物の特性等に応じて、生産方式革新事業活動に主体的かつ積極的に取り組むこと、開発供給事業について農業において特に必要性が高いと認められるスマート農業技術を重点的かつ迅速に開発及び供給することにより農業の生産性の向上を図ること等を定めた上で、国等の責務として、スマート農業技術の活用の促進に関する施策を総合的に策定し、及び実施すること等を定めることとしています。
第二に、基本方針の策定についてであります。
農林水産大臣は、生産方式革新事業活動及び開発供給事業の促進に関する基本的な方針を定めるものとしております。
第三に、生産方式革新事業活動及び開発供給事業の促進のための措置についてであります。
生産方式革新事業活動を行おうとする農業者等は、その実施に関する計画について農林水産大臣の認定を受けられるものとし、認定を受けた農業者等には、株式会社日本政策金融公庫による貸付けの特例等の措置が講じられることとしています。また、開発供給事業を行おうとする者は、その実施に関する計画について農林水産大臣の認定を受けられるものとし、認定を受けた者には、公庫による貸付けの特例、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構の研究開発設備等の供用等の措置が講じられることとしています。
以上が、これらの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/204
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205・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) 以上で三案の趣旨説明の聴取は終わりました。
三案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後二時十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01320240530/205
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