1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和六年六月十一日(火曜日)
午前十時開会
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出席者は左のとおり。
委員長 滝波 宏文君
理 事
佐藤 啓君
山下 雄平君
山本 啓介君
横沢 高徳君
舟山 康江君
委 員
清水 真人君
野村 哲郎君
藤木 眞也君
舞立 昇治君
宮崎 雅夫君
山田 俊男君
田名部匡代君
徳永 エリ君
羽田 次郎君
高橋 光男君
横山 信一君
松野 明美君
紙 智子君
寺田 静君
国務大臣
農林水産大臣 坂本 哲志君
副大臣
農林水産副大臣 鈴木 憲和君
大臣政務官
農林水産大臣政
務官 高橋 光男君
事務局側
常任委員会専門
員 笹口 裕二君
政府参考人
農林水産省大臣
官房総括審議官 杉中 淳君
農林水産省大臣
官房総括審議官 宮浦 浩司君
農林水産省大臣
官房技術総括審
議官 川合 豊彦君
農林水産省消費
・安全局長 安岡 澄人君
農林水産省輸出
・国際局長 水野 政義君
農林水産省農産
局長 平形 雄策君
農林水産省畜産
局長 渡邉 洋一君
農林水産省経営
局長 村井 正親君
農林水産省農村
振興局長 長井 俊彦君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○食料供給困難事態対策法案(内閣提出、衆議院
送付)
○食料の安定供給のための農地の確保及びその有
効な利用を図るための農業振興地域の整備に関
する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出
、衆議院送付)
○農業の生産性の向上のためのスマート農業技術
の活用の促進に関する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/0
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001・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
食料供給困難事態対策法案外二案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産省大臣官房総括審議官杉中淳君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/1
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002・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/2
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003・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) 食料供給困難事態対策法案、食料の安定供給のための農地の確保及びその有効な利用を図るための農業振興地域の整備に関する法律等の一部を改正する法律案及び農業の生産性の向上のためのスマート農業技術の活用の促進に関する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/3
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004・清水真人
○清水真人君 おはようございます。自由民主党の清水真人です。
質問の機会をいただきましたことに感謝を申し上げます。
先般の質問におきまして同僚の宮崎議員が、食料の安定供給のための農地の確保及びその有効な利用を図るための農業振興地域の整備に関する法律等の一部を改正する法律案、そして食料供給困難事態対策法案について、中心に質疑をしたところでありますので、私からは本日は、農業の生産性の向上のためのスマート農業の活用の促進に関する法律案、こちらを中心に質疑をしてまいりたいと思います。
スマート農業というものが進むこと、これは私も大変すばらしいことであるというふうに考えておりますけれども、しかし一方で、基幹的農業従事者のうち七十歳以上の方が六十八・三万人というのが現状であります。
そうした現状におきまして、そもそもスマート農業というものに興味を示さない方も出てくるというふうに考えております。実際、私も地元に戻ったときに、いろいろな農業の従事者、特に高齢の方に聞いてみますと、そうした農業者の中には、このスマート農業は自分とは縁遠い、また関係ないものと思っている方もたくさんいらっしゃいました。そして、そもそもスマート農業って何なんだろうというふうに言う方もいましたし、また分からないという反応も聞こえてきたところであります。
スマート農業の全国展開に向けては、国はまずこの農業の現場とのギャップを埋め、スマート農業に取り組む意義やメリット、これを粘り強く説明をしていく必要性もあると考えますが、政府の見解と今後の対策についてお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/4
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005・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。
今後の農業者の急速な減少等に対応して農業の生産性の向上を図っていくためには、平場、中山間地域を問わず、高齢者や中小・家族経営を含む幅広い農業者にスマート農業技術の活用の担い手になっていただくことが重要と考えております。
スマート農業技術につきましては、危険、重労働からの解放、現場の張り付きからの解放、技術やノウハウの継承などのメリットがあります。高齢者の方々には、まずはこうしたメリットを幅広い農業者にしっかりと御理解いただくことが重要と考えています。
このため、本法案では、国がスマート農業技術の活用も含めた生産方式革新事業活動の必要性や有効性に関する知識の普及啓発を図るほか、必要な情報の収集、整理及び提供を行うこととしておりまして、スマート農業技術のメリットを幅広い農業者にしっかりと理解いただけるよう、優良事例の横展開など必要な施策を講じてまいります。
あわせて、本法案による支援措置が農業者や事業者に広く行き渡るよう、本法案が成立した暁には、本省、地方農政局一丸となりまして本法案の周知に取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/5
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006・清水真人
○清水真人君 いろいろな周知の徹底をしていくというお話でありますけれども、しかしながら、いろいろ周知をしても、このスマート農業というものに取り組まないという方も出てくるんだろうというふうに思います。そうした方にはそうした方なりの理由があるんだろうというふうに思いますが、そうした方のしっかりとしたサポートというのもしっかりと行っていただければというふうに思います。
令和元年から全国二百十七の地区におきましてスマート農業の実証プロジェクトを実施しているということでありますけれども、その結果として、初期導入コストが高額なこと、また、スマート農業技術に精通している人材が少ない等の課題が出てきているというふうに認識をしているところであります。
このうち、スマート農業に取り組もうとする方が最も初めに直面をする、初期導入コストが高額である、こうしたことに対しましてどのように対応をしていくのか、お伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/6
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007・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、スマート農機につきましては、導入コストが高い、稼働率が低く、費用対効果が発揮されにくいといった課題がございます。その解決策としまして、機械の共同利用やサービス事業者の活用など、スマート農機などを所有することなく利用するニーズもあると認識しております。
このため、本法案では、国が認定する生産方式革新実施計画におきまして、農業者自らがスマート農機を導入する取組、複数の農業者がスマート農機を共同利用する取組、農業者がスマート農業技術活用サービス事業者を活用しましてスマート農機のレンタルや農作業の委託などを行う取組のいずれにおいても税制、金融等による支援措置を講ずることとしておりまして、導入費用の低減や導入に向けた多様な選択肢の提供に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/7
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008・清水真人
○清水真人君 今るる答弁があったとおり、特に中小・家族経営の農業者がスマート農業に取り組むに当たりましては、個人個人ではなく、一定の地域のまとまりで取り組むこと、これが鍵になっていくというふうに考えております。
その際、地域農業のインフラを担う農業者を組織する農協が果たす役割が極めて重要であるというふうに考えておりますけれども、本法案において農協はどのように関わるものなのか、政府としての期待も含めて教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/8
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009・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。
スマート農業技術の現場への導入を促進するためには、農協の役割が極めて重要であると認識しております。実際には、スマート農機について扱える人材が不足しているなどの課題がありまして、農協がスマート農機などを購入し、農業者にレンタルや農作業の受託などを行うなど、スマート農業技術の活用の促進に取り組んでいる事例もあります。
このため、本法案では、農協が生産部会などの農業者グループの取りまとめ役として農業者を代表して生産方式革新実施計画を作成、申請するなど、計画の申請主体としての役割や、農協自らがスマート農機などのレンタルや農作業の受託などのサービスを提供する場合には、生産方式革新実施計画や開発供給実施計画に農業者や開発メーカーと一体的に参画するなど、計画の実施主体としての役割を有するなど、農協には多様な役割を担っていただくことを期待しております。
なお、JA全中、全国農業協同組合中央会からは、本法案の創設や税制措置の要望もいただいておりまして、JAグループとも連携してスマート農業技術の活用の促進を図ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/9
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010・清水真人
○清水真人君 特に、中小・家族経営の部分においてはこの農協の役割というのも大変大きいと思いますので、今後もしっかりと連携を取っていっていただければというふうに思います。
続いて、法人経営について伺いたいと思いますが、法人経営につきましては、現在でも、農地の四分の一、販売金額の四割と、我が国の食料供給上重要な地位を占めているところであります。また、新規就農者の雇用の受皿としての機能、これは現在でも果たしているところでありますけれども、今後ますますこの受皿としての機能、この機能が重要になると考えております。特に、地域の中核を成すような農業法人に当たりましては、機械の稼働率も比較的高くなるという中で、自らスマート農機を購入し、フル活用したいという、こうしたニーズもあるんだろうというふうに思います。
こうしたニーズに応えていくためには、スマート農機の導入だけではなく、その利用に伴う手続面なども含め、スマート農業に取り組むこのインセンティブ、このインセンティブの強化をしていく必要性もあると考えますが、本法案ではどのように対応しているのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/10
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011・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。
スマート農機につきましては、個々の農業者がその経営の規模や地域における活用状況などに合った形でその所有、利用を選択できる環境を整備することが重要であると考えております。
農業法人におきましては、委員御指摘のとおり、スマート農機などを自ら購入したいとのニーズもあることから、本法案では、こうした取組に対しまして、税制、金融などによる支援措置を講ずるなど、導入に向けたインセンティブを強化しております。また、本法案では、農業用ドローンに関しまして航空法の特例を設け、生産や開発に関する計画の認定によって航空法の許可や承認があったとみなすことで、農業者や事業者の行政手続を簡素化し、利便性を高める措置を講じております。
こうした措置などを通じ、農業法人におけるスマート農業技術の活用を促進していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/11
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012・清水真人
○清水真人君 今、ドローンの話もありました。航空法の特例ということで、いわゆるワンストップでいろいろができるようになるということで、これも大変すばらしいことであるというふうに思いますが、私が思うに、いわゆるレベル三・五とかレベル四というのがドローンでもあるわけでありまして、これは有人地帯の目視外飛行ですね、こうしたものというのも実は非常に活用できるんではないのかなというふうにも考えております。
例えば、集積が進んでいないような地域では、一定の地域でやった後に、そこから住宅だとかいろんなものを飛び越えて、違うこの所有している地域の農地に行ってまた例えば農薬をまくとかといった場合には、やはり有人地帯を越えていかなければいけないわけですけれども、これが例えば三・五とか四というものをしっかりと活用できるようになってくれば、こうしたメリットも更に進んでくるのかなと思いますので、そうしたことも念頭に置いていただければ大変有り難いかなというふうに思います。
続いて、中山間地域についてお伺いをしたいと思います。
中山間地域などに多くあります果樹や、また地域の特色ある農産物などに関しましては、その特性や地理的状況、面積、生産量などからこのスマート農業技術の開発供給、開発供給が進みにくいということも考えられるわけでありますけれども、一方で、こうした地域での農業が果たす多面的な役割や機能といったものも無視はできないんだろうというふうに考えております。
特に、中山間地域などにも役立つスマート農業技術の開発も進めるべきと考えておりますけれども、見解をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/12
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013・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。
今後の農業者の急速な減少等に対応いたしまして、農業の生産性の向上を図っていくためには、委員御指摘のとおり、平場、中山間地域問わず幅広い農業者にスマート農業技術の活用を進めていきたいと考えております。
こうした考えの下、令和元年度から開始いたしましたスマート農業実証プロジェクトにおきましては、例えば傾斜地にも対応できるリモコン草刈り機や経営規模が小さい農業者でも比較的導入しやすいドローンによる農薬散布や経営管理ソフトの導入などの実証を行いまして、これらの中で作業時間の削減や単収の増加、農薬散布の負担の軽減などの成果も確認されております。
本法案では、技術開発の必要性が特に高いと認められますスマート農業技術などを基本方針で明示した上で、これらの実用化に資する技術の開発供給を行う取組を認定しまして、支援することとしております。
技術の内容につきましては、農業産出額の約四割を占める中山間地域などのニーズも踏まえて検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/13
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014・清水真人
○清水真人君 本当に中山間地域で農業をされている方というのは、大変な御苦労の中で農業をしている方々もたくさん、多いというふうに思いますし、そうした方々の負担というのを少しでも減らせるような、そうした技術の開発というのが進めばいいというふうに思っていますが、一方で、なかなか、先ほども話がありましたとおり、いろいろな措置を講じないと、高額、元々機械が高額ということもありまして、なかなか活用しづらいということもあろうかと思いますが、しっかりとそうした面をサポートしていっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、スマート農業を進めるための環境の整備につきましてお伺いをしていきたいと思います。
まず、人材の確保についてであります。我が国のこの人口減少というものにつきましては、現在、様々な対策を政府も打っているところでありますけれども、その政策というものが功を成し、効果的な少子化対策となったとしても、今後しばらくは人口減少が続いていくと、人口減少がなだらかになるというのが現実なんだろうというふうに考えております。
こうした中で、現在、農業以外の各業界におきましても人材の獲得競争というものが大変激しくなっているところであります。このような状況下で農業に従事する人を増やしていく、参入していく方を増やしていく努力をしていくことは、これはもちろんのこと、スマート農業技術の導入によりまして担い手の減少に対応していくことも大変重要であると考えているところであります。
このことは他産業においても同様でありまして、そして、スマート農業を浸透、維持、発展させていくためには、専門的知識や技術を持った方、こうした方々をしっかりと確保、育成をしていくことが重要であると考えておりますが、農業従事者への対応、さらには農林大学校や農業高校での取組も含めてどのように対応していくのか、お伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/14
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015・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。
スマート農業技術の活用を促進するためには、それを使いこなす人材の育成を図ることが重要であります。農業者、農業高校や農業大学校の学生、スマート農業技術活用サービス事業者など、幅広い方々がスマート農業技術を活用する担い手になっていただくことが重要と考えております。
このため、農林水産省では、農業者向けの研修や実証プロジェクトの実施者によるサポートチームなどによる優良事例の横展開、農業高校や農業大学校などでのスマート農機の導入や現地実習などの取組への支援を行っているほか、本法案ではサービス事業者への金融、税制等の支援措置を講ずるなど、ハード、ソフトの両面から人材育成の取組を進めてまいります。
あわせて、こうした取組を着実に進めるため、本法案の第二十条第三項では、スマート農業技術を使いこなす人材の育成、確保のために必要な措置を講ずるよう努める旨を規定しておりまして、この規定も踏まえまして、人材育成に更に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/15
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016・清水真人
○清水真人君 人材育成ということを、確保ということが本当に様々な業界で今非常に重要になっているということで、しっかりと取り組んでいっていただきたいと思いますし、私も前にこの農水委員会で養蚕の関係を質問で取り上げたことがありますが、例えばこの養蚕という業界におきましては、なかなかこの後継者がいないということと、それからやはりその技術、こうしたものを学ぶ場所がないということが非常に大きな課題になっておりまして、例えば群馬県では、養蚕学校みたいなものをつくりましてそこでいろいろな教育もしているんですが、やはりこうした人材育成のための教育というのをしていかないと、やはりせっかくいいものを始めたとしてもこれは長く続いていかないということになりかねないというふうに思いますので、この点についてはしっかり力を入れて行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
また、このスマート農業技術の効果というものを発揮していくためには、この通信環境というのも大変重要なんだろうというふうに思います。
基本法のときの公聴会で岩手に行きましたけれども、それで、その際に、視察ですかね、見たときにも、農村は意外と通信環境が悪いところもあるというような話も立ち話でお聞きしたところでありますけれども、こうしたことがあるとこの効果というものを最大限に発揮できなくなってしまうというわけでありますけれども、こうした地域の情報通信環境の改善や充実、これが大変重要であるというふうに考えておりますけれども、今後こうしたことに対してどういうふうに対応していくおつもりなのか、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/16
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017・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。
スマート農業技術の活用の促進のためには、農業現場における情報通信環境を整えることは非常に重要であります。
このため、農林水産省では、総務省と連携いたしまして、過疎地や中山間地域などにおきまして情報通信環境の整備を推進するほか、農業農村整備の中で自動走行農機に必要となる補正基地局の設置などの支援を行っております。スマート農業技術の活用に適した情報通信環境の整備を更に進めていきたいと考えております。
また、本法案の生産方式革新実施計画におきましても、農業者が導入するスマート農機と併せまして、その効果の発揮に必要不可欠な情報通信環境を改善するための簡易な機器、これの導入も支援することが可能であります。さらに、本法案第二十条第三項におきまして、国は、スマート農業技術を活用するための高度情報通信ネットワークの整備につきまして、必要な措置を講ずるよう努める旨規定しております。
この規定も踏まえまして、引き続き、総務省を始めといたします関係省庁と連携し、スマート農業技術を活用するための情報通信環境の整備に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/17
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018・清水真人
○清水真人君 しっかりとこの情報通信環境というものを整備していくこと、これが基本でありますけれども、恐らくそうしたものがしっかりと整備をされていく中でいろいろな情報というものが入ってくるんだろうというふうに思いますが、そうした情報をしっかりと蓄積していただいて、そうしたものを更に活用していく、そうしたことも進めていっていただきたいというふうに思います。
また、この情報通信技術環境の改善とともに、スマート農業技術の効果をこれ最大限に発揮するためには、この農業農村整備、例えばしっかりとした区画を広げていくだとか、そうしたことを行っていくことも大変重要であると考えておりますけれども、先般の視察でも、こうした土地改良を進めていくんだというような話をしているところもありました。
これはスマート農業に対応するかどうかというのは別にしまして、そういう話もありましたけれども、こうしたこともしっかりと取り組んでいかなければいけないと考えておりますが、御見解をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/18
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019・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。
スマート農業技術の活用に当たりましては、スマート農業に適した農業農村整備の推進が重要でございます。
このため、農林水産省では、土地改良法の規定に基づきまして、五年を一期として策定しております土地改良長期計画におきまして、スマート農業の実装加速化に係る目標を定めまして、計画的に事業を推進しております。
具体的には、農業農村整備事業によりまして、スマート農業技術等の活用に資する農地の大区画化などの基盤整備を支援するとともに、自動走行農機等に対応した農地整備の手引を策定するなど、技術的な支援にも取り組んでいるところでございます。
また、本法案の第二十条第三項におきまして、スマート農業技術を活用するための農業生産の基盤整備のために、国は必要な措置を講ずるよう努める旨を規定しております。この規定を踏まえまして、引き続き、スマート農業技術を活用するための農業生産の基盤整備の推進に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/19
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020・清水真人
○清水真人君 あらゆるこうした環境というものがそろってこそ、このスマート農業技術というのは最大限の効果を発揮するものだと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
こうした産業技術というのは不断に進歩をしていくものであります。実は、私もよく幕張メッセだとか、また東京ビッグサイトなどで開催をされる、例えばドローンだとか、測量の生産性の向上展だとか、いろんなそういうところで行われる企画を見に行くんですけれども、そのたびに、毎年毎年その進化や革新に本当に驚かされるところでありまして、このスマート農業技術というのも、こうした様々な技術革新を常に取り入れながらアップデートをしていくという、こうした視点というのが大変重要なんだろうと考えております。
加えて、実際に利用をしてみて、農業現場で得た気付きだとか、そうしたものを新たな開発や改良にしっかりと生かしていく、そして、開発、改良した機械を現場にまた速やかに普及をしてより実効性を高めていく、こうしたサイクルをしっかりと回していくということが大切なんだろうというふうに考えております。
そのためには、異分野や異業種といったものの知見も得ながら、農業の生産サイドと開発サイド、この両方が歩み寄りをしっかりと進めていかなければいけないんだろうというふうに考えますし、そして、その際には様々なプレーヤーが関わることが想定をされるわけでありますけれども、この様々なプレーヤーがしっかりと集まる仕組み、スマート農業の実現に向けて我が国のこうした力を結集するこうした仕組みづくりが大切であるというふうに考えておりますけれども、見解をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/20
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021・鈴木憲和
○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。
まさに今、清水委員がおっしゃったことは、本当に御指摘のとおりだというふうに認識をしております。
そこで、本法案の基本理念、第三条第三項に、生産方式革新事業活動の実施を通じて得られた知見が開発供給事業に、そして開発供給事業の実施を通じて得られた成果が生産方式革新事業活動に、ちょっとこれ難しい言葉で言っていますけれども、要は、生産者側で得られた、スマート農業を行うことによって得られた知見をしっかりと開発サイドに返して、また、開発サイドでの気付きをしっかりと生産サイドに有効に活用していくということを、それぞれの事業を行う者相互間の連携協力の促進を図るということを規定をしております。
その上で、本法案に基づいて定める基本方針では、この生産方式革新事業活動と開発供給事業との連携に関する基本的な事項を定めることとしておりまして、具体的な内容を今後検討することとなりますが、現場の生産者側の皆さんと開発サイドの皆さんを含めて、このスマート農業というのに関わる皆さんを、関係者が参画する協議会を立ち上げるということも含めまして、新たな連携方策や体制について検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/21
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022・清水真人
○清水真人君 この新たな枠組みを立ち上げることも含めて検討していただくということでありますが、やはり、本当にオールジャパンで取り組むような、そんな環境ができれば一番いいと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
この問題の最後に、スマート農業というのは、大変、きつい、しんどいといった従来の農業イメージを払拭し、農業のイメージアップにもつながる可能性のあるものであるというふうに考えております。
このスマート農業が広がることで、日本の若者がこの農業というものに少しでも魅力を感じていただいて、農業にチャレンジしてみたいと思えるようになるとこれは大変すばらしいことであるというふうに思いますが、このスマート農業の未来像について大臣の思いをお聞かせいただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/22
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023・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) スマート農業技術は、危険、そして重労働からの解放、さらには現場の張り付きからの解放、初めての方でも農作業がしやすくなる、そして収量や品質の均質化と向上等のメリットがあるというふうに思っております。委員御指摘のとおり、農業の魅力を高めるとともに、誰もが取り組みやすい農業を実現するために重要な施策だというふうに考えております。
とりわけ、若者に農業の担い手になっていただくことが極めて重要であります。そのためにはやはりこのスマート農業は欠かせないというふうに思います。今の若い人たち、ITをいかにして生活に取り込むか、産業に取り込むか、こういったことに対しては非常に熱意あふれるものがありますので、私は、スマート農業、ITをこの農業に取り入れることによって、新たな農業人材の発掘、そして参入、さらには農業のイメージアップと新たな農業の展開、そして女性の参入、こういったものも大いに考えられるというふうに思っております。
さらには、本法案の制定を契機といたしましてサービス事業体を育成いたします。このサービス事業体、例えば農協が別会社をつくる、あるいは民間会社との委託契約を結んで、播種は播種、それから消毒は消毒、あるいは刈り入れは刈り入れ、そういった様々な分業体制で労力を少しでも軽減する、こういった新たな農業の形態が出てくるであろうというふうにも期待しているところであります。
多くの若者が、全国各地で意欲を持って、そして希望を持って農業にチャレンジする、あるいは農業に参入してくる、そして多種多様な農業が生まれてくる、十分にやはり少なくなった農業人材というのをこういう若い人たちでやっぱりカバーすることができる、こういう未来像というものを期待しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/23
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024・清水真人
○清水真人君 大臣から思いを聞かせていただきましたが、例えば林業なんかですと、高齢化というのは非常に進んでおりますけれども、実は、若い人の入職者というのは実は増えている。それはやはり、その林業の魅力というものが非常に昔と比べて上がっている部分もあるからなんだろうというふうに思います。
様々なこうしたスマート農業技術を導入するような施策を打っていくことによって若者の農業に対する見方が変われば、またこの参入という部分も変わってくる可能性がありますし、例えば建設業なんかでいうと、元々建設業というのは手を使う仕事だからもう自動化なんか全然できないだろうと言われていたわけですが、実は日本全国を見渡せば、無人のトラックだとかいろんな重機が動いてダムを造っているようなところもあって、物すごい勢いで技術革新というのが進んでいく。それによって、例えば建設業であれば、きつい、汚い、それから危険というものから、給与が良くて希望が持てて休暇が取れるという新しい3Kになる中、イメージが少しずつ変わってきているということもあるんだろうというふうに思います。
やはり、この昔からの脱却をどういうふうにしていくのかという、こうしたことも大切だと思いますので、これからもしっかりと進めていっていただければというふうに思います。
続いて、農業振興地域の整備法の関係についてお伺いをしたいと思います。
この農用地につきましては、転用等によりピークから約三割これ減少してきているというふうに認識をしているところであります。こうした中で、食料安全保障の面からも、その根幹である担い手と食料生産の基盤である農地の適正利用と確保、農地の総量確保を行っていくことは大変重要であることは、これは言うまでもありません。
一方で、現在、全国の各地の自治体におきまして、それぞれの持続可能性を高めていくために様々な政策を打っているところであります。例えば高速道路におけるスマートインターチェンジ、こうしたものが整備され増えていく中で、働く場所を確保するために工業団地の造成を行うだとか、また交通分野における二〇二四年問題に関連したモーダルシフトのため等の交通網の変化、また配送の効率化の観点から、地域に巨大な配送拠点をつくる、また産業集積を行うというところも増えてきているところであります。
このような政策も地方にとっては欠かせないものであるわけでありますけれども、他方、農地の確保とのバランス、これも大変重要なわけでありますけれども、こうしたバランスにつきまして農水省としてどのように考えるのか、お伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/24
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025・長井俊彦
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。
農地は農業生産の基盤であり、食料安全保障の観点から適切に確保していくことが必要であるため、今般の農振法改正法案におきまして、農地の総量確保に向け、農振除外の厳格化を図ることとしております。
一方で、地域の持続性の観点から、農業上の土地利用の調整と地域の実情に応じた開発の両立に配慮していくことも必要であると考えております。
このため、地域未来投資促進法や農産法におきまして、優良農地の確保を前提としつつ、産業導入等に必要な農地の転用需要に適切に対応するための農振除外の特例の仕組みが措置されているところでありますが、この場合でも、地方公共団体が農業上の土地利用との調整を行った上で、計画的に進めることが重要であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/25
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026・清水真人
○清水真人君 本当に地方にとっては大切な政策であるわけでありますので、そうした点も御理解をいただければというふうに思います。
また、そういった事業を地域、地方の自治体が進めるに当たりまして、県としての農地の総量を確保するために、その市にはこの代替措置となる土地がない場合、こうしたケースが考えられるわけでありますけれども、こうした際に、例えば、隣の自治体、隣の自治体の農用地区域への編入を求めて、自治体にこの区域の編入を求めて、そうした話合いというか、そうしたものが認められるというか、そうしたことに自治体同士で話合いが付いた場合には代替措置としてみなすことができるのか、これについてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/26
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027・長井俊彦
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。
都道府県面積目標に影響を及ぼすおそれがあると認める場合における農用地区域への編入、遊休農地の解消等の代替措置につきましては、まずは除外、転用を行う町村内でなされることが基本と考えております。
しかしながら、市町村ごとに土地利用の状況は様々と承知しており、代替措置を講ずることが難しい場合において、都道府県内の他の取組等によりまして面積目標の達成に支障を及ぼすおそれがないと都道府県が認めるときは同意が可能であります。
したがいまして、例えば、委員御指摘のような、隣の自治体が農用地区域への新たな編入を行うなどの代替措置を講ずる場合には、都道府県において、当該都道府県の面積目標の達成に支障を及ぼすおそれがないと判断することが可能であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/27
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028・清水真人
○清水真人君 これは、あくまでもこの総量というのは、それぞれの県ということになりますと、例えばすぐ隣であっても県が違う場合というのは、やはりなかなかそういったことはできないという、そういうことなんだろうと思いますけど、そういうことでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/28
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029・長井俊彦
○政府参考人(長井俊彦君) 基本的には、それは各都道府県内でやっていただくということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/29
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030・清水真人
○清水真人君 私の地元の自治体も、非常に、例えば工業が非常に盛んなこうした地域というのもあるわけでありまして、そうした地域においては、例えば自動車産業でいうと、今までエンジンで走る車を造っていたわけでありますけれども、これがEV化をされてくる中で、どうしてもそうした工場を今度変えて造っていかないと地域の雇用というものが失われてしまう、だからそれを造らなければいけない。ただ、そのためには物すごく大きな工場の用地が必要になる。ただ、自らの土地の中で、市の中で編入する場所がない。こうした事例というのもたくさん出てくるんだろうなというふうに思いますし、そうした意味においては、県の中でこれをどういうふうにしっかりと対応していくのかというのは大変重要なことであろうかと思いますけれども、こうしたほかの市でもできるということは、一つの、何というんですかね、安心とは言いませんけれども、そうした措置があることは大変有り難いことであるというふうに思っております。
続いて、ちょっと時間がありますので、最後に少し聞きたいんですが、今回の改正で創設する農業経営発展計画制度によりまして、食品事業者から農業法人に対する出資を増加させることで、地域の農業の発展や農業法人の経営の発展にどのような効果が期待されるのか、お伺いをさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/30
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031・村井正親
○政府参考人(村井正親君) お答えいたします。
今回の農業経営発展計画制度につきましては、認定農業者として一定の実績があること、地域計画に位置付けられているなどの要件を満たす地域の中心的な担い手となっている農地所有適格法人を対象としております。当該法人が食品事業者による出資を通じて、その農業経営の更なる発展に加えて、地域農業の発展にもつながることを狙いとしております。
計画制度に基づく農地所有適格法人と食品事業者との取組につきましては、様々な取組が想定されますが、農地所有適格法人においては、食品事業者からの出資により自己資本の充実を図りつつ、農産物取引の拡大や経営ノウハウの提供を通じた売上高の増加、収益性の向上などにつなげていただくとともに、地域の視点から見れば、雇用の増大、農産物のブランド化、遊休農地の解消、新規就農者の受皿といった地域農業の発展につながることを期待しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/31
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032・清水真人
○清水真人君 時間ですので、終わりといたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/32
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033・羽田次郎
○羽田次郎君 立憲民主・社民の羽田次郎です。
今日は、私も、前回至らなかった、質問に至らなかったスマート農業について質問したいと思いますが、やはり今、清水真人先生質問されていましたが、お隣の群馬ということで、同じように、信州も同じような中山間地域の課題を抱えているということで、やっぱり問題意識が似ているなということで、ちょっと質問がかぶる部分もございますが、しっかりと中山間地域の中小規模農家の思いも乗せて質問させていただきたいと思います。
農業者の減少ですとか高齢化が進む中で、生産基盤の維持強化の観点から生産性向上に資するスマート農業技術への期待は大きいと考えます。ただし、本法案によってスマート農業技術について初めて法律の定義がなされるということもあり、まだまだその内容について理解するとは言い難い状況だと思います。
そうした定義も含めて、まず条文を確認したいと思います。条文第二条第一項の定義には、情報通信技術を用いた技術とされていますが、情報通信技術が用いられていなければスマート農業技術には含まれないという認識でよろしいのか。例えば、農業用アシストスーツなどは特に通信を行う機能が見受けられません。それから、第二条第五項の特に必要性が高いと認められるスマート農業技術等とはどのような技術で、特に必要性が高いという判断はどのように定められるのか、農林水産省にお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/33
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034・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。
本法案では、今後の農業者の急速な減少等に対応いたしまして、農業の生産性の向上を図っていくために不可欠な技術といたしまして情報通信技術を用いた技術をスマート農業技術と定義しております。情報通信技術を用いない技術は含まれないところでありますが、現在、農業現場において一般的にスマート農業技術として普及、定着しているもののほとんどが対象になると考えております。
また、特にスマート農業技術等の開発におきましては、果樹や野菜の収穫など人手に頼っている作物で開発が不十分な領域があるという課題があります。農業者のニーズが高い技術を国が明示いたしまして、開発リソースを重点的に投入することが必要と考えております。このため、本法案では、スマート農業技術のうち特に開発供給を促進する必要がある技術につきましては、今後策定する基本方針において定めることとしております。基本方針で定める具体的な技術につきましては、技術的、専門的な内容も含まれることから、食料・農業・農村政策審議会や幅広い関係者の意見も丁寧に伺いつつ、その内容の検討を深めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/34
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035・羽田次郎
○羽田次郎君 今の御説明ですと、なかなかその、例えば農業用アシストスーツというのがどうして情報通信技術が使われているのかというのがよく分からないんですが、どういう理由でそれが使われているということになるのか、もう少し御説明をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/35
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036・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) 農業用アシストスーツは大変現場で役立っております。重労働で、収穫した果実をよっこらしょと運ぶのはすごく大変なので、介護の現場などで使われているアシストスーツを率先して自主的に参入してやっているところがたくさんあります。ミカンの産地もそうですし、リンゴの産地もそうであります。スイカの産地もそうです。重たいところは皆さん使っております。
こういったものは基本的にスマート農業技術で皆さん認識しておりまして、我々が難しい定義をする以前からスマート農業技術ということでなっておりますが、やはり減少していく農家が多い中でこういった重労働を軽減するということは農作業の効率化に一定程度寄与すると、これは非常に大切なことでございますので、農作業の効率化等に一定程度寄与するものを対象とすることが効果的であるということでありまして、本法案では情報通信技術を用いた技術を対象としておりますが、こういった農作業の効率化等に一定程度寄与するということも十分対象に入るということで、我々としてはそういったアシストスーツも含めてスマート農業技術の対象だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/36
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037・羽田次郎
○羽田次郎君 ちょっと、そうすると、どこまで入るのかというのが定義からしてもちょっと分かりにくいんですが、実は昨日レクを受けた際は、そうしたアシストする、制御をする装置の中で情報伝達が行われているんで情報通信技術というような御説明があって、それでもちょっと分かりにくかったんですけど、まあそういうことなのかなというふうに理解はさせていただいたんですが、いずれにしても幅広い領域が含まれていくというふうな理解はさせていただきました。そうですね、こういう必要性の判断については協議会等の意見を聞いた上で国が方針を明示していくということも理解いたしました。
次に、第二条第三項の生産性の向上について、相当程度向上とありますけど、この相当程度というのはどの程度を意味するのか、教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/37
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038・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。
生産方式革新事業活動の定義で規定しております農業の生産性を相当程度向上させるとは、農業者等が行う自らの農作業におきまして、慣行的な作業に照らして労働生産性を引き上げることを指しております。
具体的な内容、基準につきましては、今後策定する基本方針で定めることとしておりますが、技術的、専門的な事項も含まれます。また、農業現場で、このぐらい労働時間が削減できた、あるいはこのぐらい収量の向上を図れた、このぐらい面積が拡大できた、様々でありますので、平場だけではなくて中山間もあります、人が少ないところもありますので、その基準につきましては十分に意見を賜ってしっかりと策定していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/38
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039・羽田次郎
○羽田次郎君 これもまたこれから詳しくその量等について明示していただくということですけど、やっぱり気候変動等でなかなか収量が増えないけど、でも実は効率化がされていて一定程度の効果があるということもあると思うんですが、そうした気候変動等も考慮をされているということでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/39
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040・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) 当然、農業現場では、毎年の気候とか、災害も起きます。我々としましては、相当程度の規模でありますとか、少し労働時間を削減してほしいという希望はあるんですけど、毎年毎年の災害で、当然その場で画一的な指針を示してこれ以上じゃないと駄目だということがないように、現場の意見を十分に聞いて柔軟に対応していきたいと。特に、農業現場でちゅうちょしたり大きな負担にならないように、しっかりと御意見を賜って策定していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/40
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041・羽田次郎
○羽田次郎君 しっかりと現場の声を聞きながらそうした計画を策定していただけたらと思います。
次の質問に移りますが、先ほど清水先生の質問の中にもありましたが、スマート農業を普及させていく上での課題の一つに、やっぱりデジタル人材の不足ということが挙げられていると承知しておりますが、農業者にとって、従前から使っている機械への不満がない中で新たな技術を導入することのメリットとか必要性が感じにくくて、むしろ新しい機械に慣れるまでの煩わしさというのがネックとなってスマート農業へのハードルが高くなっていると考えられます。これからスマート農業を取り入れていただくためには、導入メリットを十分理解していただき、農業者にも多少のデジタルリテラシーを持ち合わせていただくことが必要になると考えます。
そして、デジタル人材の育成には多くの指導者も必要になると思います。指導者の育成に関する取組例として、秋田県のスマート農業指導士というのを育成しているというふうに伺っておりますが、スマート農業指導士は令和四年度に始まった県立大学独自の資格で、文部科学省の職業実践力育成プログラムに認定されていると承知しております。
この本法案第二十条第三項に、国は、スマート農業技術の活用に係る人材の育成及び確保に必要な措置を講ずるよう努められるとされておりますが、スマート農業拠点校の設置とか社会人向け研修の実施以外に、本法案提出を踏まえて国として新しい施策を行うことを検討しているのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/41
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042・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。
本法案の第二十条第三項でありますが、スマート農業技術の活用の促進を図る上で必要となる環境を整備するため、関係府省等が連携協力しながら人材の育成、確保など関連施策を効果的に推進するよう努める旨を規定しております。
特に、人材の育成、確保につきましては、実証プロジェクトの実施者によるサポートなど、このサポートチームが優良事例の横展開をする、あるいは、農業高校や農業大学校などでのスマート農機の導入や現地の実習を支援します。さらに、委員御指摘のとおり、スマート農業拠点校による農業者、教員向け研修の実施や、農業教育機関で活用できるオンライン教材の作成などに取り組んできたところであります。
この規定も踏まえまして、本法案が成立した暁には、これまでの施策の着実な推進とともに、文部科学省を始め省庁間の関連施策の連携強化を図るための関係省庁連絡会議や、優良事例の横展開や現場課題などの共有を図るための様々な関係者が参画する協議会、これの立ち上げなどを現在検討しているところでございます。
本法案第四条には、国は、スマート農業技術の活用の促進に関する施策を総合的に立案、実施する責務を有する旨規定しております。今後とも、必要な施策の充実に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/42
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043・羽田次郎
○羽田次郎君 今あるその施策に加えてという部分については、省庁で連携して、また協議会でいろいろと議論を行う中で決めていくということで承りました。
私の事務所がある長野県上田市には、持続可能な地域の実現に向けて上田市スマートシティ化推進計画というのを策定しております。取組の一環として、農業の生産性向上と省力化を目指していて、自治体、JA、農業法人、NTT東日本などが中心になって農業デジタル人材育成プロジェクトに取り組んでいます。
このプロジェクトでは、地域おこし協力隊の新規就農希望者をスマート農業を実践し牽引するリーダーに育成する取組とか、習得に時間を要する経験や勘といった暗黙知の領域をスマート農業技術によって補完するために、新規就農者を農業デジタル人材に育成する取組を行っております。
第五条の地方公共団体の責務の中に地方自治体における人材育成も含まれますが、上田のような取組がまさにスマート農業技術活用促進のための取組と言えるのではないかと思います。
こうした自治体に対する具体的な支援策があれば、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/43
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044・鈴木憲和
○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。
まず、スマート農業技術の活用に当たっては、各現場の実情や特性を踏まえた農業政策を担う地方公共団体の役割が大変重要であるというふうに思います。特に、気候や地形とかがそれぞれ、日本は縦に長くて様々でありますから、同じ作物であってもなかなか技術が適用できないということもあろうかと思いますので、そういう意味で大変自治体は重要です。
地方自治体が主体となって行う各地域の実情に応じた取組については、国としてこれまで普及指導員の活動経費を交付金で支援するとともに、スマート農業教育の環境整備に向けた農業大学校等における研修用機械の導入や現場実習への支援等に取り組んできたところであります。
その上で、上田市のような事例もそうなんですけれども、やはり地方公共団体の本法案への関わり方については恐らく多様な形が想定されるというふうに考えております。委員から御指摘のような個別具体の予算面での支援については、本法案に基づく制度を運用していく中で、関係省庁との連携も含めて、どういう形が効果的で、それぞれ自治体からのニーズに沿ったものになるのかはしっかりと検討をして、そして活用がされるように取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/44
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045・羽田次郎
○羽田次郎君 地域のニーズに沿っていただけるという力強い御発言いただきました。特に、スマート農業人材育成に積極的な自治体に対しては、特にこうした若い人材の定着にもつながるような支援を財政面でも行っていただきたいと、このことを改めてお願いしたいと思います。
本法案では、開発供給事業計画の認定を受けた事業者に対して農研機構が持っている圃場などの設備を供給するとしておりますが、これまで農業分野に携わっていなくても技術は持っているという事業者にスマート農業技術の開発に参画してほしいという政府の考えがあるんではないかと推察しております。新規参入を含めて多くの事業者が技術開発に参加することで、実用化に至っていない分野、特に野菜とか果樹とか、そうした高い技術力を必要とし、多くの人手を費やしている分野の技術開発が進むことが期待されております。
ただし、これまで農業分野に接点を持たなかった事業者が生産現場で必要とされる技術を開発するには、生産現場のニーズを把握することが必要です。既存の農機メーカーと比べれば、明らかな情報格差があるのではないかという懸念があります。
こうした農業経験のないスタートアップ等が開発供給事業を行う際、農業関係者と新規参入者の橋渡しとなり、農業現場のニーズが伝わるようにする役割が農水省には求められていると考えますが、具体的にどのような方法が考えられるか、見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/45
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046・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。
スマート農業技術は、農業技術と情報通信技術の高度な融合により生まれます。スタートアップ、非常に大切でございまして、たくさんの関係者が農業現場に対して入っていきたいと、こういう機械があるんだということをたくさんいただいております。こういったプレーヤーの参入が、入ってくることで活性化もいたしますので、技術の実用化も大きく進むと考えています。
一方で、農業現場のニーズを十分把握しないで開発しますと、現場で使えない、あるいは非常に高価になる、あるいは地域で全く使えないといったこともありますので、国が基本方針を定めるんですけど、その際には、農業において特に必要性が高いと認められる、先ほど委員の御指摘のあったような、人手がたくさん掛かっているような果樹や野菜の収穫ロボットあるいは選果装置など、こういったものにつきまして、ここが大切なんだということを国がしっかり示しまして、その目標、そういったものを示します。この中で、しっかりそのスタートアップを見ていただいて、そこからしっかり吸い上げていってやりたいと。
それから、先ほど鈴木副大臣が答弁いたしましたが、生産現場と開発現場の相互の連携が大事だということでありますので、この条文にもそのようなものが規定されています。そういった関係者が一堂に会して意見交換をし、さらに目標に向かって一丸となっていけるように、幅広い関係者が参画する協議会の立ち上げも含めて、新たな連携方策をしっかり考えているところでございます。
今後も、基本方針の検討も含めまして、幅広い現場の意見をよく聞いて、開発しっ放しにならないようにしっかり前に進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/46
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047・羽田次郎
○羽田次郎君 新規参入の事業者も、規模もその形態も様々だと思いますので、是非柔軟な対応をお願いできればと思います。
高い技術を持つ新規参入事業者が積極的に新たな分野の技術開発を行ってくれるように、やっぱりインセンティブを与えるなどすれば、野菜や果樹用の高い技術開発がより一層進むと考えます。
きめ細やかな伴走支援や新たな技術情報の提供なども考えられると思いますが、野菜や果樹など高難度分野における技術開発や導入、普及に取り組む新規事業者への支援策について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/47
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048・鈴木憲和
○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。
スマート農業技術の開発には、スタートアップや異分野企業など多様なプレーヤーの参入、委員御指摘のとおり、参入を促すことが重要と考えております。
他方で、こうした企業においては、一年単位のサイクルを基本とする農業分野の技術開発には長期間を要するということ、そして特にスマート農機の量産化には大規模な設備投資を要し販路の確保にも長期間を要するということ、そしてまた開発に必要な圃場や高度な研究設備を有していないことなど、事業展開をする上での課題があるというふうに認識をしております。
このため、本法案では、国の認定を受けた者に対して、会社の設立等に係る登録免許税を軽減、そして日本政策金融公庫による大規模な設備投資や長期運転資金にも対応可能な長期低利の資金の貸付け、そして農研機構が保有する圃場や研究設備を利用できるなどの様々な支援措置を講じて、スマート農業技術の実用化を進めてまいりたいというふうに考えております。
また、ちょっと答弁書には書いてないんですけれども、これ、みどりプランなんかとも関連するわけですが、スマート農機、開発をされて、いいものだったとしても、多くのそれを買ってくださる方がいないとなかなかコストというのは下がらないですし、その事業体も商売として持続可能ではないというふうに思いますので、例えば、みどりプランで今、アジア・モンスーン地域に同じような取組を広めていこうというような取組をしておりますので、そうしたスマート農業についても、アジア・モンスーン地域の例えば役に立てるような、そういう概念を持ちながら、それを一緒に国も伴走支援していくということが不可欠かなというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/48
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049・羽田次郎
○羽田次郎君 本当にこれ、輸出にもつながっていけば事業者も参入もしやすくなると思いますので、是非そうした取組も進めていただきたいと思います。
スマート農業に関しては今日はここまでにしておきますが、次に食料供給困難事態対策法案について少し問いたいと思います。
令和三年七月に、大豆やトウモロコシ等の主要輸入農産物の国際価格や海上運賃が上昇したこと、そして世界的なコンテナ不足や偏在によって国際的な物流の遅れが発生いたしました。正常化に時間を要することが見込まれることを理由に農水省は現行の緊急事態食料安全保障指針を改定して、平素からの取組の中に早期注意段階を位置付けました。現行指針には、早期注意段階における対応として、情報の収集、分析を強化するとともに、その結果に基づき、消費者、生産者、関連事業者等への情報発信やその他必要な対策を講じるとあります。
早期注意段階は、指針に位置付けられた令和三年七月から適用されて、現在も適用状態にあるという認識ですが、早期注意段階の適用によってこれまで行われてきた具体的な措置の内容について農水省に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/49
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050・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。
早期注意段階につきましては、議員御指摘のように、コロナ禍において新型コロナによるサプライチェーンの混乱などの新しいリスクが発生したことを踏まえまして、平時における情報の収集、分析等を強化することを目的として設けたものでございます。
これに基づきまして、商社や業界団体との意見交換を定期的に行うと、また、在外公館や調査会社などと連携をして国際価格であるとか国際海運などロジスティックに関する情報の収集、分析を行う、また、そういった情報につきまして報道機関などに適切に情報提供を行うなどの取組を重点的に行ってきたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/50
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051・羽田次郎
○羽田次郎君 このコロナ禍の翌年の令和四年二月にロシアによるウクライナ侵攻が起きました。翌三月に、日本の農林水産業に及ぼす影響について問われた当時の金子農林水産大臣は、我が国はロシア、ウクライナからの小麦やトウモロコシの輸入をほとんどしておらず、現時点で食料供給への影響は確認されていないが、ウクライナ情勢が我が国の農林水産物の輸出入等に与える影響について、在外公館や調査会社、関係企業等と連携した情報収集、分析を強化し、引き続き注視すると答弁されました。また、先日、当委員会で行われた参考人質疑の際に丸紅の寺川参考人は、迅速に商品を確保することが大切で、待ったなしの対応が必要と発言されました。
ウクライナ侵攻の後、例えば小麦については輸入価格が高騰し、政府売渡価格の実質据置きや価格上昇幅の抑制といった措置が行われました。ある程度の国際的な価格高騰は免れないにしても、ウクライナ侵攻を受けた対応を振り返って、初動が適切だったかどうか、改めて農水省の認識を伺います。また、早期注意段階が適用されたことによってこれまでの食料調達にどのような効果があったのか、具体的にお示しください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/51
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052・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。
ロシア及びウクライナは穀物の主要な輸出国でございまして、ただ、我が国への輸入量というのはごく僅かでございますけれども、ロシア、ウクライナ両国から輸入をしていた国が調達先を振り替えた、また、その結果、小麦やトウモロコシなどの穀物の国際価格が急騰したなど、ロシアによるウクライナ侵略で我が国も間接的には影響を受けたところでございます。他方、侵略開始時の令和四年二月には、議員御指摘のように、早期注意段階を適用している状況でございました。
そこで、まず、プラスの側面でございますけれども、早期注意段階におきまして情報の収集、分析などを強化をしていたことから、小麦やトウモロコシ、また肥料原料などの需給に関する情報の収集、分析、これを関係者への情報に共有するということがスムーズに行えたというふうに認識をしております。
一方、限界でございますけれども、早期注意段階というのはあくまで情報収集でございますので、それ自体が具体的な供給確保等のための対策につながるものではなかったということで、そのときの肥料の輸入先の振替、又は肥料や濃厚飼料原料の価格高騰対策等をやったわけですけれども、そこに直接つながらずに、一呼吸置いてまたそういう対策を検討するという必要があったというところでの限界はあったというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/52
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053・羽田次郎
○羽田次郎君 法定化されていないということで、限界はあったけど初動には特に問題はなかったという御認識ということで承知いたしました。
本法案では、食料供給困難事態兆候が規定されていますが、早期注意段階との関係性ですとか相違点があれば教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/53
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054・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。
答弁いたしましたように、早期注意段階というのは、平時における情報の収集、分析等を強化するものでございます。また一方、本法案における食料供給困難兆候につきましては、平時からの特定食料等に関する国内外の需給や価格動向の予測、食料供給に影響を与える国際物流に関する情報の収集、これは早期注意段階を更に強化していきたいということでございます。さらに、こうした情報の収集の結果、食料供給確保のための措置を講じなければ国民生活や国民経済に大きな影響を与える可能性があると判断したときに食料供給困難兆候が発生をしたと認めるものでございます。
さらに、食料供給困難兆候であると判断をして対策が必要と判断したときには、食料供給困難事態対策本部を設置をして、供給が減少するおそれの段階から食料供給に関連する事業者と協力をして、早期に供給確保のための要請というのを講じていくこととなります。
このように、食料供給困難兆候につきましては、情報収集、これも重要でございますけれども、それにとどまらず、情報収集の結果を踏まえて政府全体で民間と協力して早期に供給確保対策を講じていくという、そこに主眼が置かれていることが早期注意段階とは異なるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/54
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055・羽田次郎
○羽田次郎君 この早期注意段階が強化されて食料供給困難事態兆候が規定されていて、まあ兆候というのは、ある時点で平時ではなくて不測の事態ということで、法定化によって必要な措置も講ずることができるというふうに理解いたしました。
最後に、農振法等改正案について伺います。
六月四日の委員会で、本法案が成立すると自治体や農業委員会の御負担と役割の重要性が増すので、体制拡充を御支援いただきたいというお話をさせていただきました。御答弁では、農業委員会の事務局体制は、令和四年度から、農地利用最適化交付金を臨時職員の雇用などの事務費にも活用できるよう運用改善を行ってきたとの御答弁でした。その他、推進委員等の活動量に重点を置いた交付金の配分方法への見直しも行われたと承知しております。
農地利用最適化交付金の執行率は、令和二年度で五二%、令和三年度五八%と低いものでした。令和四年度も、運用改善で若干伸びましたが、七七%にとどまりました。このような状況を受けて、農地利用最適化交付金の令和六年度予算額は四十五億六千万円と前年度から五億四千万円減額されており、これは前年度の八九%に相当します。本法案成立によって更に業務が増加することを考えれば、農業委員会の人員拡充や事務負担の軽減は急務であると改めて要望したいと思います。
農地利用最適化交付金は、報酬条例を制定していなくても、臨時職員の雇用や農地所有者への意向把握調査の費用、タブレット通信費などにも使えるようになったことなど、しっかり周知、告知していただくことで活用していただける、そうしたことによって業務に励んでいただくことが重要だと思います。また、活用してもらうには、交付金配分時期のより一層の早期化も検討していただきたいと思います。
農業委員会の業務が円滑に進むような環境を整備し、本法案の実効性を高めるために、農地利用最適化交付金の執行率向上に向けた政府の取組を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/55
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056・村井正親
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。
農地につきましては、確保をした上でその農地を適切に利用していただくということが非常に重要でございます。そのためには、農業委員会の農地利用の最適化活動が重要であると我々も認識をしておるところでございます。委員の皆様に活動を頑張っていただけるよう、その活動実績や活動成果に応じて支援を行う仕組みとして、農地利用最適化交付金を設けているところでございます。
今委員の方から御紹介いただきましたように、我々も様々見直しをしております。活動を支える事務局体制を強化するため、令和四年度から臨時職員の雇用など事務費にも活用できるように運用改善を行っておりますので、こういったところ、各農業委員会にしっかりと理解をしていただくよう、周知活動、引き続きしっかりと対応していきたいというふうに思っております。その上で、どんな事務にどのぐらい活用できるかをあらかじめ想定していただいて、より多くの農業委員会で活用いただけるよう努めてまいりたいと考えております。また、配分時期につきましても、事務の関係、様々改善を図りながら、できるだけ早期配分できるよう我々としても努力をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/56
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057・羽田次郎
○羽田次郎君 今ある制度と予算をしっかりと活用していただくことが重要ですので、自治体への周知も併せてしっかりとお願いしたいと思います。
令和元年の農地バンク法改正時と令和四年の基盤法改正時のいずれでも、附帯決議で、市町村、農業委員会等の活動や体制整備のために必要な支援措置を十分に講ずることと政府に要望しております。
当時から、農業委員会の四割で事務局に専任職員がいないことが問題視されていましたが、数年経過した現在も問題が解消されていない、成果主義ではなく、体制整備として、農業委員会及び推進委員の基本報酬や事務局職員の設置等に要する経費について交付される農業委員会交付金を底上げする必要があると考えます。
農業委員会交付金は、平成二十八年度の新制度になって以降、四十七億一千八百万円と一定に保たれております。地域計画の策定は一回限りではなくて、策定後も目標地図の達成や改良に向けての活動は続きますし、本法律案によって導入される農地転用対策の強化も担えます。このように、業務が増大する農業委員会の活動を支え、農地が荒廃化しないよう、また地域農業が発展するよう農業委員会交付金を増額すべきではないかと考えております。
六月六日に参考人としていらした阿賀野市農業委員の笠原会長代理も、最初から完成された目標地図を作成するのではなく、話合いを続けていくことが重要と御指摘されていて、それを推進する農業委員会を支える事務局体制の充実を強く訴えていらっしゃいました。
本法律案で、国と地方公共団体は適切な役割分担の下で農用地等の確保に努める責務があることを農振法に定めようとしております。食料安定供給の基盤である農地を守ろうと現場で努力されている農業委員会の財源を確保することは食料安全保障の確立が求められる現在において最も重要な国の責務の一つであるというのは、多分当委員会の一致した見解ではないかと思っておりますが、坂本大臣の御見解と令和七年度の交付金増額へ向けた大臣の御決意を伺えたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/57
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058・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 農業委員会には、農業者が高齢化、そして減少していきます中で、農地の集積、集約化、そして遊休農地の解消、さらには農地利用の最適化活動という重要な役割を担っていただいております。
特に、現在、農業委員会の皆さん方には、令和七年三月末までの地域計画の作成でもう大変御苦労をお掛けしているということ、強く認識しているところでございます。目標地図の素案を、作成に取り組んでおられるところでありますけども、こういった現場の活動こそが食料安定供給のもう基盤に最も重要であるというふうに思っております。
農林水産省といたしましても、農地利用最適化交付金も含めて、現在、農業委員会関連予算、百二十六億を確保しておりますけれども、今後、現場の声を聞きながら、更に活動に必要な支援に努めてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/58
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059・羽田次郎
○羽田次郎君 しっかりした支援をいただけるという御答弁をいただき、ありがとうございました。
以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/59
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060・田名部匡代
○田名部匡代君 おはようございます。立憲民主党の田名部匡代です。今日もよろしくお願いいたします。
今日は、食料供給困難事態法案について伺いたいというふうに思います。
なかなか法案、説明をいただいてもぴんとこないというか、どういうことを本当に想定されているのかなというのが伝わってこないんですよね。不測の事態というのは、当然、申し上げるまでもなく、平時から十分な量を安定的に持続的に供給できてこそ対応できるわけで、その安定供給の中にある一部というか、全く別物じゃないわけですよね。その安定供給の基盤がこの国内になければ不測の事態にも対応できないわけですから。
このいろいろ資料も、不測時に係る基本的な対応というのを見ても、追加的輸入だとか緊急増産だとかいろいろ横並びで書いてあるんだけど、土台はやっぱり、自給率だけではないけれども、国内での生産基盤をどうやって強化するか、そこが大本なわけで、それが基本中の基本。そこに対する政府の意思が、基本法の議論のときもそうだけど、余り伝わってこないんで、そこなくして安全保障の話なんかできないわけですよ。何をおいてもそこに集中的にお金を掛けて、そして生産力を高めていくということだというふうに思うんですよね。
あわせて、もちろん、私は、今の日本の状況からいったら、輸入だって安定的にできなきゃいけないし、当然、備蓄だってしっかりと確保していかなきゃいけない。それは、国だけじゃなくて、個人であるとか自治体であるとか民間企業であるとか、そういうところとどうやって連携して、いざというときへの備蓄をきちんと備えておくかというのは、それは大事だというふうに思うんです。ただ、その、何というかな、何があってもいいように、今すぐではないけれども、十年掛かるところを五年、三年で日本の生産力を本当に高めるぞと、結局、供給の保障の話ばかりしても、生産資材、農地だとか、どれだけ確保していくのか、どれだけあったらいいのか、それが何にも見えてこないから、何か机上の空論っぽい気がしちゃって、今日、三十分しかないので質問に入りたいというふうに思います。
先日の委員会で舟山さんが指摘されていたんですけど、あの検討会ですね、出席者の話されていましたが、そこにも本気度がないなという、感じないなというのはあるんですが、これ、防衛省はメンバーとして入っていないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/60
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061・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。
不測時における食料安全保障に関する検討会には、生産、流通、消費や、あと法律、リスク管理などの有識者に加えて、不測時に際して食料供給の確保のための対応が見込まれる主な関係省庁に構成員として参加をいただきました。
お尋ねの防衛省につきましては、地政学的リスクについて、食料供給のリスクになっているという想定はしているものの、食料確保について直接担当している省庁ではないということで検討会のメンバーにはなっていないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/61
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062・田名部匡代
○田名部匡代君 いやいやいやいやいや、えっ、大臣、防衛省入っている必要はなかったというふうに大臣も思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/62
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063・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 今、事務方から答弁したとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/63
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064・田名部匡代
○田名部匡代君 やっぱり国家安全保障の枠組みでの食料安全保障の議論をちゃんとしておく必要があると思っていて、どういう例えば不測の事態かというのは、もちろん気候の温暖化の影響で国内で物が取れませんとか、規模の大きな災害が国内でありました、こういうこともあると思うけど、いろいろ近隣諸国との関係を見ても、日本の置かれている現状というのは緊張感が高まっているなというふうに思うわけですよね、台湾有事のこともある。しかも、首都直下型を始め、本当に、東日本大震災も本当にひどい被害だったけれども、それを超える災害が考えられるわけですよ。そのときに、東日本大震災のときだって食料を供給するにも防衛省の皆さんからの大きな力をお借りしたわけですよね。いや、今、東日本大震災だけじゃないですよ。そういうこと考えても、もちろん原子力災害もありました、複合的な災害もあります。もし万が一、いや、こんなことは想像もしたくないけれども、紛争に巻き込まれないとは言い切れない状況の中で、そのときに防衛省と、どういうその役割、役割というか、今の情報共有も大事だし、どうするのかという議論は、これは絶対必要だというふうに思うんですよね。
そういう意味で、防衛省の入っていない食料安全保障の検討会というのは私は不十分なんじゃないかというふうに思いますけど、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/64
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065・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) 先ほどの検討会でございますけれども、議員御指摘のような事態ですね、国家安全保障に関する経済対策をどうするかということにつきましては、基本、国家安全保障局が関係省庁との調整を図っていくということになりますので、検討会には国家安全保障局には御参加をいただきました。また、そういうときの二国間協議重要ですので、外務省についても検討会のメンバーとさせていただいたところでございます。
なお、議員御指摘のように、現場においていろいろ、防衛省という、国内における輸送であるとかそういうものの役割が重要だと、これは認識をしております。食料供給困難事態の対策するときには、対策本部については全閣僚を構成員として全省庁に入っていただきますので、その中で防衛省を含む関係省庁との連携をした対策を講じていきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/65
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066・田名部匡代
○田名部匡代君 是非そこはしっかりやっていただきたいんです。
それで、東日本大震災の経験は農水省の中でもいろいろと検証されたり今後の対策に生かされているというふうに思うんだけれども、今後何が起こるか分からないような事態の中で、防衛省との、自衛隊との関係、食料を供給するということに関して、東日本大震災と同じような対応ができるとは限らないわけですよ。だから、あらゆることを想定しておくというのが本気のやっぱり食料安全保障だというふうに思うので、こんなやりましたみたいな、やりましたみたいな形ばかりの法律じゃ駄目なんですよ。本気でやってほしいなということをまず申し上げておきたいと思います。
法案の中では、特定食料の輸入を促進することが必要である場合は、大臣は輸入業者に対して輸入促進の要請することができ、要請でも事態が解決されない場合、大臣は輸入業者に輸入計画を届け出る旨を指示することができるというふうにされているんです。
ただ、これも考えていただきたいんですけど、現状でも日本の自給率は三八%ですよ。食料の六割を輸入に頼っている中で食料供給困難事態が生ずるというのは、まさに私は、輸入が途絶える、小麦や大豆、日本が輸入に依存しているものが入ってこない、しかも、それはある程度の期間入ってこないということなんじゃないかなと思うわけですよ。だから、到底、輸入の促進とか輸入お願いしますと言ったって輸入が増えるとは思えないんですよね。だから、これもどういうことが想定されているのか。
これは、一番ひどい状況じゃない場合にお願いするのかよく分からないんだけど、ここ、大臣、輸入業者に輸入の促進の要請をしてどうやったら不測の事態で輸入が増えるのか、ちょっと大臣の見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/66
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067・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 不測時におきましては、早期に代替先からの輸入を行うことによりまして食料の供給確保を図ることが重要です。しかしながら、今委員御指摘のように、そのような状況下では一般に需給が見通しがなかなか難しい、そして輸入業者のみの判断では適切な輸入量や時期の見極めが困難であるといった平時とは異なるリスクが生じていることが想定をされます。
そこで、食料供給困難事態法案におきまして、食料供給の減少の兆候がある段階から、その早めの段階から、国が実施方針に基づきまして供給を確保すべき総量等をまず示す、そして輸入を促進するよう要請等を行う、これは本部の方が行います。そのことで必要な輸入量を確保することというふうにしております。ですから、平時から兆候があって、その兆候がある場合においてもう既にいろいろな形で動き出すということであります。安定した輸入を確保するためにということであります。
また、その要請に当たりましては、輸入が円滑に行われるようにするために必要な財政上の措置などを講ずることとしておりまして、不測時に必要な輸入対策を実施してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/67
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068・田名部匡代
○田名部匡代君 ロシアがウクライナに攻撃する、どの段階で、大臣、これは、そういうことが起こるな、そして日本に輸入がされているようなものに影響が出るかもしれないなというふうにお感じになりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/68
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069・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) この場合の不測時というのは、紛争もしかりでありますけれども、気候変動によって異常気象で不作が生じる、あるいは病害虫、あるいは疫病、そういったものが蔓延する、様々なことを想定しながらこの不測の事態というのに備えるわけでございます。
そういった地域紛争というのは突然来ることもありますけれども、そこはしっかりと情報を把握をして、そして大臣の方から、対策本部を設ける、こういったことを要請した上で、それに備えていかなければいけないというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/69
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070・田名部匡代
○田名部匡代君 まあ予測できないことだって起こり得る、別にそれが悪いという話じゃないです。そこに備えなきゃいけないですよねということなんですね。
で、冒頭申し上げたように、輸入に頼らざるを得ないのが今の日本の現実だし、多角化をするというのは、私はこれ必要だと思うんです。安定的なその関係をきちんと続けていくということもすごく大事なんですね。
ただ、常に海外からものが安定的に入ってくることが前提では駄目だと思うんです。例えば、農水省にいろいろ説明を聞くと、備蓄の問題、備蓄量のことについては海上輸送中のものも国内の備蓄量というふうに説明をいただくんですけど、もちろん契約しているんだから、ものとしては日本のものですよ。でも、海上輸送中で、必ずそれが日本にたどり着くのかということは、それは分かんないわけですよね。
だから、せっかく食料安全保障、ちゃんと議論、考えていこうよというのであれば、本当にその考え方でいいのかなということも含めて、備蓄の在り方や備蓄量やということを改めて検討する必要があるのではないかというふうに思うんですけど、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/70
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071・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 今言われましたように、備蓄につきましては、国内生産や輸入と並びまして食料供給の重要な手段でございます。特に、輸入の途絶などの食料供給が大幅に不足する事態における初期の対応策として大変重要なものであるというふうに思っております。そのため、特定食料等の備蓄の在り方につきましては、食料供給困難事態対策法案における基本方針の中で定めることというふうにしております。
また、食料供給困難事態におきまして、食料を確保するためのシミュレーションは必要と考えておりまして、当該シミュレーションは、委員御指摘のように、サプライチェーンの途絶によって輸入が困難になる事態を含め、あらゆる事態を想定して行うべきであるというふうに思っております。
効果のあるシミュレーションを行えるよう、有効なシステムの在り方、そして演習の方法などを今後考え、検討してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/71
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072・田名部匡代
○田名部匡代君 ちょっと関連して、飛ばして聞きますけど、野菜の種も九割は輸入、これは、いつも農水省の皆さんが、日本向けに日本の種苗会社が海外で生産しているということなんですよ。で、種苗会社では、国内に約一年分の在庫を保有して、輸入国を分散する等の取組を実施している。まさに、なので、何というかな、ちゃんと在庫もあるし、日本向けのものを海外で作っているんだけど、日本向けなんだから大丈夫だよということだと思うんだけれど、やっぱりこれも、いろいろ最悪の事態ということを考えれば、種の生産というのも可能な限り国内生産を拡大をさせていくということも必要なのではないかなというふうに思うんですけど、その辺はどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/72
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073・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) まず、本法案については、特定食料のほかに、特定食料の生産に必要不可欠な資材である、これを特定資材と定義いたしまして、政令において指定をするということとしておりまして、この特定資材におきましては、種子、種苗を含めるということを想定をしております。
しかしながら、野菜につきましては、現在、我が国の供給熱量に占める割合が三%にすぎないこと、あと、種類間の代替性が高く、特定の野菜の供給減少に対してもほかの野菜により代替が可能であるということ、特徴がありますので、現状においては野菜を特定食料に含めることは想定をしておりません。したがって、特定資材については、野菜の種子、種苗を指定するということは現段階では想定をしていないところでございます。
ただ、本法案におきまして野菜を除外をするということではなくて、例えば国民が最低限度必要とする食料の供給が確保されないおそれがある段階、この段階において、生命維持に不可欠なビタミンをどう確保していくのかということも非常に重要な課題になるというふうに認識しておりまして、事態の状況に応じまして、必要に応じて野菜を特定食料として指定するということも可能性としてはありますので、そういう段階につきましては、その生産に不可欠な野菜の種子、種苗についても特定資材に位置付けられることになりまして、その供給の確保のための措置を講じていくと、そういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/73
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074・田名部匡代
○田名部匡代君 国内で種の生産も増やしていく方がいいと思いますか、どうですか。イエスかノーでお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/74
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075・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) 野菜の種子につきましては、現状については先ほど委員が、御説明があったとおりでございますけれども、できるだけ供給に対してのリスクを分散していくということの重要性というのは御指摘のとおりですので、国内生産についても、今、国内の採種農家というのは非常に高齢化をしていて、また基盤が弱体化しているというのも事実でございますので、国内の種苗生産を強化すべく、効率的な採種技術の開発、実証を含めて、その強化を図っていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/75
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076・田名部匡代
○田名部匡代君 大臣、私たち立憲民主党と国民民主党で種の法案を提出をさせていただいたんですね。私たちは、基本法の議論でも、多収品種のみならず、種全般の必要性を訴えてきました。今現在、種を守る法律がないことから、公的新品種及び在来種等を保全するための法案、これ二本出させていただいたんですね。
今の杉中さんの御答弁からも、何というかね、いや、すぐできないかもしれないし、別に海外で作っているのが悪いという話じゃないんですよ。でも、やっぱり独立国家として、日本として、国民の究極のその不測の事態のときでも絶対に国民の食料は確保するんだと、そしてしっかりと供給する、命守るんだという、そのためにはでき得る限り国内の農地を守って、国内で生産をして、これ、生産力を、供給力を、与党の皆さんは維持だけど、高めていくんだと、これぞ日本の安全保障だ、これからそれをつくっていくんだという気持ちが余り伝わってこないんですよね。杉中さん、何か気合が足りない。愛、熱さが、熱意が、もうちょっと、(発言する者あり)そう、愛も感じないんですよ。
ちょっと、大臣、今、種の法案出させていただいた話ししましたけど、やっぱり必要だと思いませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/76
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077・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) お尋ねの法案につきましては、国会でお決めいただくことというふうに認識をいたしております。
なお、ただ、食料、安定的な確保、それから地球温暖化等への対応をするためには優良な品種の開発が必要であるということは私たちも認識しております。そのためには、今後とも官民の総力を挙げた品種の開発を進めていくことが重要であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/77
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078・田名部匡代
○田名部匡代君 違う質問行きます。
衆議院の委員会で、衆議院、有志の会の北神さんが、輸入が途絶して戦争状態になったときなどを引き合いに、それでも良質な食料というものを確保しなきゃいけないのか、そうじゃなければ食料安全保障じゃないのかという質問をされたんですね。
大臣は、そういう場合は熱量の供給などを優先して食料の供給が必要とされることもあると、熱量さえしっかり取っていればいいんじゃないかと、しかし、この場合においても、やはり栄養価が高く安全な食料、すなわち良質な食料を供給するということが国の役割と答えているんです。
杉中さんもこの後、不測時においては国民が最低限度必要とする食料の供給を確保することも想定しなければならないとおっしゃりながら、国民が必要とするというものが状況によって変わってくると思うけれども、こういった事態におきましては、栄養価が高いとか、生存のために必要なビタミン等を確保するといったことが強く求められるというふうにおっしゃっているんです。
東日本大震災のときは、何かこう、栄養とかバランスというよりも、とにかく食料を確保して届ける、こういう感じだったと思うんですね。それはある意味、いろいろ検証して反省もあるのかもしれないんだけれども、不測時に必要とされるその栄養価が高いものやビタミンというのはどういうもので摂取することになるのか。その栄養バランスの確保というのは、厚労省じゃなくて、不測の事態も農水省がしっかりとそういったものを確保して供給する、栄養バランスに配慮した食料を供給するということになるのか、ちょっと分からないので教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/78
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079・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) まず、食料供給困難事態というものがその時々の食料供給の状況によって大きく異なりますので、まず、現在想定している特定食料、特定資材という観点から申しますと、まず、今後政令で指定する予定のものは、現在の食生活を基本に、カロリーや主たる栄養素のバランスを考えて指定するということを考えております。
特定食料につきましては、不測時の検討会においては、米、小麦、大豆、その他の油糧種子、畜産物、砂糖といった品目を対象とするということが妥当とされたところでございますけれども、これについては、これらの品目で摂取カロリー、大体四分の三程度が確保されるということと、栄養のバランスというのは、三大栄養素であるいわゆるPFC、炭水化物、たんぱく質、脂質というもののバランスが重要だということで、これらの品目において、こういったバランスを考慮した上で、供給全体の相当部分が確保されるということから、こういったものを想定をしているということでございます。
ビタミンにつきましては、野菜の供給については先ほど説明をしたとおり、ある程度国内で供給されるということと品目間の代替性があるということから現状においては特定食料に指定する必要はないというふうに今のところ判断をしておりますけれども、ただ、先ほど申し上げたとおり、国民が最低限度必要とする食料が確保されないおそれがあるときというところについては、生命の維持に必要なビタミンというものの重要性というのは非常に増すというふうに思っておりますので、そういった情勢に応じて特定食料というものの内容を変えていって必要な供給確保対策を行っていきたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/79
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080・田名部匡代
○田名部匡代君 まあ、ちょっと先進みますね。
今は魚が捕れないし、水産、漁業の現場でも人手不足ということもあります。ただ、それでも自給率は五〇%台でずっと大体推移をしてきているのかな、つまり、農業よりも、農作物よりも水産物の方が自給率は若干高いのかなと。
二〇一七年の水産基本法では、二七年度に食用魚介類の自給率七〇%を目標に掲げていたわけですけど、その見通しが立っていない中でも、二〇二二年三月閣議決定された水産基本計画では、食用魚介類の自給率を二〇三二年度に九四%と、目標を大幅に上げたんですね。
横沢さんも、松野さんもそうかもしれないけど、スポーツやっていて、目標は高く持った方がいいというので、じゃ、みどりの食料システムのあの有機農業はちょっとどうかなと思うけど、でも、目標を持って、でも、これだけの目標を持てるということはそれだけ可能性を農水省の中でも感じているということなのかなと思っているんですけど、自給率も、また栄養のバランスも高いツナ、サバ、イワシ、サンマなど、魚介の缶詰など備蓄にも大いに役立つということもあると思うんですが、この食料安全保障の中で、漁業、水産業、また水産加工品など、どういう位置付けなのか、食料安全保障に関して水産庁とはどういうような協議がされているのかということを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/80
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081・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。
国民への食料供給、安定供給におきまして、水産物は特に動物性たんぱく質の供給の面で大きな役割を有しておりまして、水産業の持続的発展というのが食料安全保障の観点からも極めて重要だというふうに考えております。
一方で、本法案の対象となるいわゆる特定食料につきまして、現段階での食生活をベースにこれを検討していくというふうにお答えいたしましたけれども、不測時における食料安全保障の検討会において、国民生活や国民経済への影響の観点から、人の生命維持、身体機能に重要なカロリーと主たる栄養素、また、原材料として多くの加工食品の製造に用いられ、関連事業者の裾野が広い農林水産物ということから、総合的に指定するという必要があるというふうに考えました。
水産物につきましては、これは検討会におきましても、また省内においても議論をしたところですけれども、今のところ、我が国の供給熱量に占める割合が三%程度であるということと、あと、天然の資源に多くを依存していて資源状態の変化により供給量が短期間で大きく変化しやすいということから、元々水産物の供給については、短期間で大きく減少してきたということもありますので、こういったことから、安定供給確保の観点から水産物を特定食料に現在の段階では含めるということは想定をしておりません。
ただ、議員御指摘のように、水産物というのは日本の近海で捕れるものでございますので、この食料供給困難事態の状況によってたんぱく質の供給源というのが非常に限定されるということもあり得ますので、そういう段階においては、水産物を特定食料に含めて必要な供給確保対策を行っていくという可能性については、これはあるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/81
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082・田名部匡代
○田名部匡代君 お願いします。
それで、ちょっと質問あちこちになっちゃったんですけど、先ほど輸入業者のこと、大臣も必要な財政措置を行うというような御答弁をいただきました。
輸入業者だけじゃなくて生産等を行う事業者にもこれ必要な財政措置を講じることとなっているわけですけど、例えば、国から、政府から要請があったときに、必要な生産資材の調達というのは誰がするのか、生産拡大で必要な資材等の費用、また作付け転換に掛かる費用などいろいろあると思うんだけれども、その減収分だけではなくて、どういったところまで国が補償、また支援というか、補填をしていくようなイメージなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/82
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083・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) 不測の事態における生産の促進に関しての御質問だったと認識しておりますけれども、こういった生産拡大する場合、例えば作付け転換を図る場合には、議員御指摘のように、追加の生産資材や収穫等に必要な機械を確保する必要があるとか、また、農地を増やすときには不作付け地等の除草、整地などが必要になるということが想定をされます。
財政上の支援につきましては、こういったことを考慮に入れまして、対象品目、需給の状況など、個々の事態に応じて具体的な支援内容を検討していくことになるというふうに思います。
その際、第十九条の規定に基づきまして、まず、要請の段階でございますけれども、これは事業者が円滑に生産の促進を行えるようにまず必要な環境を整備するための財政上の措置を行うと、また、計画の変更指示におきましては、事業者の当初の事業計画と異なる作付けを行うということも出てきますので、そのときは経営に関して悪影響が生じるということもあり得ますので、こういった悪影響を回避すると、こういった観点から必要な財政措置というのを決定していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/83
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084・田名部匡代
○田名部匡代君 経営リスクが伴うこともあって厳しいというか、私たちは、反対している罰則のこともあるので、きちんと措置するべき、支援すべきことは支援していただきたいというのと、今後、その増産要請の範囲というのは生産者だけじゃなくて措置対象特定食料の生産ができる見込みのある者も含まれているわけですけど、高齢のためにリタイアした方なのか、どういう方々が対象に含まれるのか、技術はあっても機械は保有していない、米の増産要請に応えることには非常に難しいんじゃないかなというふうに思うんですね。
それと、じゃ、その方々がどのぐらいいて、じゃ、復旧可能な耕作放棄地はどのぐらいあって、いざというときに、はい、増産と言ったらどのぐらいのものを確保できるという見通しはあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/84
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085・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) 時間が迫っておりますので、答弁簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/85
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086・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) まず、第十七条において、生産の促進が必要な場合には生産業者等に生産に協力するように要請をするというものを規定をしておりますけれども、この法案全体として現に食料の供給に携わっている事業者と協力をしながら供給を確保していくという考えでございますので、既に高齢のためにリタイアをして、現に業を行っていない方ということについては、要請の対象としては想定をしておりません。
そこで、御質問は、生産可能業者についての御質問だったと思いますけれども、その内容については省令で定めるということとしていますけれども、その範囲については、その者が現に有している土地、技術、機械、設備で生産可能であるということ、若しくは、生産に当たって、土地の形質の変更とか、あと果樹の抜根やハウスの撤去など、大幅な設備の変更を伴わないことなどの要件を満たす、現実的に生産が可能な農業者を対象とするということを考えておりますので、参考人質疑にあった果樹農家らに作物を作れというようなことは想定をしていないところでございます。
また、生産促進の要請を行う場合には、これは、やっぱり個々の状況に応じて、実施方針において、増産において確保すべき又は確保できる数量を示した上で要請を行うということとしておりますので、一般論としてどの程度増産できるのか、増産を行うのかということについて現段階でお示しするのは適切でないというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/86
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087・田名部匡代
○田名部匡代君 時間なので終わりますけれども、家畜の餌も含めてそうですが、やっぱり私は、その農地を守るということと、やっぱり米ですよ。いざ食料安全保障といったら米、この米を戦略的に安全保障にどう生かすのかということをもっと政府として方針を示していただきたいと思うんですね。
形ばかり整ったって、本当にいざというときに国民の命助けられますか、守ることができますか、ここが問われているわけですから、しっかりと今後詳細詰めていただいて対応をしていただきたい、そのことを申し上げて終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/87
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088・横山信一
○横山信一君 公明党の横山信一です。
まず、食料供給困難事態対策法案から伺ってまいりますが、経済安全保障では、他国へ過度に依存しないという自律性の向上を理念の一つに掲げていますが、日本では食料安全保障が諸外国とは違い、経済安全保障の一環として捉えられていないという指摘があります。
安定供給確保取組方針に基づく特定重要物資に食料を指定しない理由としては、外部から行われる行為による供給途絶の蓋然性や安定供給確保のための措置を講ずる必要性が経済安全保障推進法の要件に該当しないということを挙げています。
他方、特定重要物資の十一物資の中には肥料が指定をされているところです。食料供給困難事態対策法案では、米、麦、大豆などの特定食料に加えて、肥料などを特定資材として指定することとしています。
そこで、この安定供給確保取組方針の特定重要物資の肥料と本法案による特定資材の肥料と、これはどういう関係にあるのか伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/88
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089・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 経済安全保障推進法におきましては、サプライチェーン強靱化を図る観点から肥料が特定重要物資として指定をされておりまして、現在、同法に基づきまして、肥料原料、これはリン安と塩化カリでございますが、の備蓄を行っているところであります。
一方、食料供給困難事態対策法におきましても肥料を特定資材として指定することを想定しており、指定された場合には、特定食料と同様に、不測時に食料増産のための肥料の供給を確保する場合は第十五条の出荷、販売の調整に基づく肥料及び肥料原料の在庫を適切に市場に出荷する措置、あるいは第十六条の輸入の促進や第十八条の製造の促進に基づく肥料の供給増加のための措置を講じることとなります。
つまり、経済安全保障推進法におけるこの肥料の位置付けというのは、やはり経済のサプライチェーン、経済の視点の方からの考え方であり、そして食料供給困難事態対策法の場合は、食料増産のための肥料の供給というような位置付けでございますので、今後、経済安全保障推進法と、そして食料供給困難事態対策法を連携させながら、不測時における肥料の供給を確保してまいりたいと思っているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/89
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090・横山信一
○横山信一君 サプライチェーンと食料増産と、どちらも大事ということになります。しっかり連携してやっていくということが大事だというふうに思います。
この世界の穀物生産量は、消費量に合わせて増加をしています。自然条件に左右される農業の特性上、増産はしていますけれども、豊凶変動は付き物ということになります。これに加えて、近年では、需給ギャップのマイナス化の要因が増加をしているというふうに言われています。具体的には、地球温暖化による干ばつ、あるいは高温乾燥、あるいは主要産地での紛争、また生産抑制などの政策の影響といったものがあって、穀物生産の不安定化のリスクというのが増しているという状況にあります。
そのため、政府は最近輸入が増加している南米諸国を含め、輸入相手国の多様化を進めています。前回もこの辺はお聞きをしましたが、我が国の穀物輸入の現状は、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ブラジルと我が国を合わせて供給カロリーの九割を占めているという状況にあります。
五月二十三日のこのことに関する私の質問に対して、大臣は、政府間対話については、カナダや豪州に加えブラジル等との対話の強化を進めていきたいというふうに御答弁をいただきました。また、同じ輸入相手国であっても、リスク分散の観点から民間事業者による調達先の多様化を図ることが重要と、こうした御答弁もいただいたところであります。
先日、参考人質疑で、丸紅の寺川副社長が、この穀物調達先の多様化についてどう考えますかというふうに御意見を伺ったところ、穀物メジャーが港湾ターミナルを押さえているという現状では、自前のターミナルをどれくらい持てるかが大きなポイントだというふうにおっしゃっておりました。
また、具体的にブラジルのマットグロッソという具体的な地名を挙げられまして、この州政府との調達枠組みも必要ということをおっしゃっていたんですけれども、この穀物調達先の多様化に向けて、政府間対話を強化しているブラジルにおいては、このターミナル、あるいはマットグロッソなどの州政府との調達枠組み、こういったものはどうなっているのか、大臣に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/90
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091・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 海外からの主要穀物等の調達事業を担っています我が国の民間事業者は、多くの場合は輸入相手国に現地子会社を有しております。そして、それらの子会社を通じて、内陸の集荷施設、そして港湾の船積み施設等へ出資、さらには運営をしております。
例えば、ブラジルにおきまして、我が国の民間事業者が現地子会社を通じて、穀物の積出し港であるブラジルの北部のイタキ港、これは全農が出資をしております。そして南部はサンフランシスコドスル港という港でございます。ここは丸紅が出資をしております。こういったターミナル運営に資本参加をしているということであります。
このような現地の港湾ターミナル等に対します我が国の民間事業者による投資につきまして、ブラジルも含む調達先の多様化を図る観点からも、その案件形成を促進すべく、投資の可能性調査、それから可能性調査への費用の助成、これを実施しているところであります。さらに、こうした民間事業者が行います調達事業の環境整備に資するために、主要な輸入相手国との間で政府間対話を進めていかなければならない。実際やっております。
そして、今委員からも御指摘ありましたブラジルの農業・畜産省との間でも、先月、高級事務レベルで農業・食料対話を行ったところですが、ブラジルの地方政府に関係する課題、こういったものも含めて、この対話の中で引き続き協議をしていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/91
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092・横山信一
○横山信一君 是非、州政府との調達枠組みも是非進めていただきたいというふうに思います。
じゃ、次に、ちょっと田名部委員と若干かぶってしまうんですけれども、不測時における食料安全保障に関する検討会では、不測時における対策の主たる対象品目、これは米、小麦、大豆、その他の植物油脂原料、畜産物、砂糖とすることになっておりますが、これらの品目は本法案では特定食料に指定されていますが、水産物と野菜の位置付けは明らかでありませんでした。先ほど田名部委員からこの辺詳しく議論がされておりました。
厚生労働省が国民の健康増進を図るために提示している健康日本21というのがありまして、これによりますと、生活習慣病予防のため、野菜の摂取量は一日三百五十グラムという目標になっているんですね。
野菜には、これはよく知られていることですが、ナトリウムを排出して血圧を下げるカリウムが多く含まれるとか、あるいは体内の細胞組織の酸化を抑制するビタミンを多く含んでいるというものです。
現行の緊急事態食料安全保障指針では、穀物によって必要な熱量を供給できないときには芋類を増産するということになっていますが、不測事態における野菜の位置付け、これどうなっているのか伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/92
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093・高橋光男
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。
この度の法案におきましては、不測時におきまして有効な対策を実施する観点から、措置の対象となる品目を具体化し、特定食料として指定することとしております。そして、その対象につきましては、国民の食生活上重要又は食品製造などにおいて原材料として重要である農林水産物等を政令で定めることとしております。
委員御指摘の野菜につきましては、我が国の供給熱量に占める割合は三%にすぎないこと、また種類間の代替性が高く、特定の野菜の供給減少に対しても他の野菜により代替が可能であること、例えばレタスが食べられなかったらキャベツで代替するとか、そうした特徴がございます。したがいまして、現状におきましては、野菜を特定食料に含めることは想定しておりません。
一方で、今回の法案におきまして、野菜を一律に除外するということではなく、国民が最低限必要とする食料の供給が確保されず、又は確保されないおそれがある事態におきましては、生命維持に不可欠なビタミンをどう確保していくのかといったことも課題にあるというふうに認識しておりますので、発生した個々の事態につきまして、その段階に応じて国民生活、国民経済上の影響を考慮した上で、何を特定食料として指定していくかについても適切に判断していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/93
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094・横山信一
○横山信一君 ありがとうございます。
次に、虚偽情報対策について伺います。
新型コロナが流行したときには、報道やSNS等を通じて食料供給の不安をあおる情報が拡散されました。そのために買いだめや買い急ぎ等の混乱が具体的に生じました。こうしたことを踏まえて、不測時における食料安全保障に関する検討会の取りまとめでは、消費者への正確かつ分かりやすい情報提供の必要性が指摘をされているところであります。
令和六年能登半島地震のときにも、SNSにおいて、実在しない住所を挙げて架空の救助を要請する投稿であるとか、あるいは被災者を装ってQRコードで寄附を呼びかける投稿などが相次いで、こうした虚偽情報が拡散されるという状況が起きました。また、令和四年九月、静岡県の水害をめぐっては、AIを使って作成された画像がドローンで撮影された静岡県の水害として投稿されていました。こういったことというのは、技術が進歩すれば更により巧妙な虚偽情報が出回るおそれというのはますます深まっていくというふうに思います。
他方、総務省の方ですけれども、デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会というのが行われておりまして、災害発生時における対処の在り方も含めて、インターネットの情報流通についての議論が行われているところであります。夏頃には取りまとめになるというふうにも聞いておりますけれども、こういう点に関しては総務省との連携も必要だというふうに思っております。
不測時における食料安全保障に関する検討会では、消費者に対する正しい情報発信の練習、あるいは消費者にとって信頼できる情報源の整備を平時から行っていくことが重要という指摘がありました。国民の生命維持に直結する食料について、不測時の対策として消費者に情報提供や働きかけを行うことを想定し、政府はSNSの虚偽情報にどう対応していくのか伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/94
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095・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 情報通信技術やサービスが普及、発展する一方で、インターネット上の委員御指摘の偽情報あるいは誤情報、いわゆるフェイクニュースの流通、拡散といった問題が顕在化しておりまして、これは生成AI辺りの登場で更にそのリスクは大きくなっているというふうに思っております。
新型コロナウイルス感染症の流行時におきましても、SNS等を通じまして物資の供給不安をあおる情報が拡散をされまして、消費者による買いだめや買い急ぎが発生し、一時的な品薄状態というのが発生をいたしました。このため、本法案の在り方を検討いたしました検討会におきましては、消費者行動の専門家にも御参加いただきまして、消費者対策をテーマとした議論を行ったところであります。
これを踏まえまして、食料供給困難事態等におきましては、政府対策本部の下で、実施方針に基づいて、供給確保の対策と併せまして消費者への正確な情報提供や働きかけを繰り返し様々な媒体を通じて実施すると、そして、SNS等のプラットフォーム事業者に対しまして利用規約等を踏まえた適切な対応を要請するということなど、消費者が冷静に判断、行動できるよう取り組むことを想定をしております。
私自身といたしましては、やはり信頼性の高い、皆さんたちの信頼性の高い既存のメディアとの連携、こういったのが大事だというふうに思っております。また、平時におきましても、関係省庁と連携しつつ、消費者の食やICTに関するリテラシーの向上に取り組んでまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/95
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096・横山信一
○横山信一君 リテラシーの向上、最後におっしゃられましたが、とても大事だというふうに思います。食育も含めて取り組んでいただきたいところです。
じゃ、次に、農地の確保に関しての質問に移りますが、先ほど羽田委員も言っていたんですけれども、改めて伺いたいと思います。
改正案では、不適切な農地転用を防止するために、転用許可を受ける者が定期報告を行う仕組みを構築することとしております。条文上は、許可は、申請に係る農地を農地以外のものにする行為が完了するまでの間において当該行為の実施状況について農業委員会を経由して都道府県知事等に報告すること等の条件を付けてしなければならないというふうになっておりまして、農業委員会を必ず経由するということに、経由することが許可の条件になっているということになります。
この農業委員会を経由して定期報告を行う仕組みの構築については、先日の参考人質疑で笠原参考人から、法的な後ろ盾が得られると評価をしていたものの、農業委員会への新たな事務負担とも捉えられるというふうにおっしゃっておりました。で、笠原参考人、意見陳述の中で大変印象的だったのは、年間の農業委員会の活動のために費やした日数が二百九十七日もあるというふうにおっしゃっておられまして、これでは農業委員のなり手がいなくなるのではないかというふうに心配もしたところであります。
先日も、私の地元の農業委員会の皆さんと懇談したときに、農業委員といえば地域の名士というイメージを持っているんですけれども、なかなか最近は受け手がいなくて大変なんだと、特に女性の農業委員受けてもらうのは本当に大変だというふうにおっしゃっておられましたけれども、現在、目標地図を含めた地域計画の作成が進められていて、農業委員会の事務が複雑化、また事務量も増加をしています。
農地利用最適化交付金を農業委員会の事務費として活用できるようにもなっている、まあこれは人件費にも使えるということになりますが、この事務局体制の強化に特段の配慮を求めるということを笠原参考人からも意見として示されていました。
そういう意味では、まずは、まずはですね、この農業委員会の活動量に見合う交付金というのが大事だというふうに思いますけれども、高橋政務官に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/96
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097・高橋光男
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。
地域計画の策定に当たりましては、目標地図の素案について、農業委員会が作成することとしております。したがいまして、その事務負担をいかに軽減していくかということが大変重要な課題だというふうに考えております。
その中で、私自身も、先月の全国農業委員会会長大会の後に、その農業委員会の体制整備につきまして直接御要望もお受けしました。
具体的な取組として二つ御紹介をさせていただきますと、一つは、農業委員や推進委員の方が、配付されたタブレット端末を活用し、出し手と受け手から直接聞き取った意向をその場でタブレット端末に入力し、把握することでシステムへのデータ入力が不要になるなど、情報収集業務の迅速化、省力化を図っているところでございます。また、タブレット等で収集した意向を基に目標地図の素案作成をシミュレーションする機能をシステムに実装することで、地図作成に向けた分析作業の軽減も行っているところでございます。
次に、委員御指摘のとおりでございますけれども、最適化活動を行う委員の報酬等を支援する農地利用最適化交付金につきましては、委員の皆様に活動を頑張っていただけますように、その活動実績や活動結果に応じて支援を行う仕組みを設けているところでございます。
今後も、現場の声をお聞きしながら、農業委員会の活動に必要な支援を行ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/97
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098・横山信一
○横山信一君 非常に激しい活動をしていらっしゃるということですので、しっかりそれに見合うものをやっぱり提供していくということが大事だというふうに思いますので、是非よろしくお願いいたします。
食料安全保障の確保の重要性の高まりの下、農地法制の見直しに当たっては、食料安全保障の根幹は人と農地の確保であるとの認識が示されています。大臣も、人と農地は農業、食料というものを考える上で最も大切なものというふうに答弁をされておりました。
改正案において、農振法の目的に、農業生産に必要な農用地等の確保、それから国民に対する食料の安定供給の確保、これを明記しようとしています。また、目的規定の改正を踏まえ、国の基本方針においては、記載事項として食料の安定供給の確保のための農業生産に必要な農用地等の確保に関する基本的な事項と農用地区域内において確保すべき農用地の面積目標を併せて定めることで、国の目標面積が食料の安定供給の確保にあることを規定しています。
しかし、都道府県知事の定める基本方針及び市町村の定める整備計画に関する事務は自治事務であり、都道府県及び市町村が主体的にその策定、管理に取り組むものとされ、地域活性化の観点から、農地利用については地方の主体的判断の尊重を求める全国市長会からの声もあるところであります。(発言する者あり)ええ、そうなんです。
農振法の改正案では、国及び地方公共団体はそれぞれの立場から農用地等の確保に努めなければならない旨を果たすべき責務として規定しており、大臣は衆議院において、各地域の土地利用に関する実情を把握している地方公共団体が自ら農用地の確保に取り組んでもらい、国は国家的課題である食料の安定供給に責任を持つ立場から適時適切に関与を行えるようにし、国と地方がそれぞれの立場から農用地を確保していくと答弁されています。
食料の安定供給に必要な生産基盤を守るという観点から農用地を確保するということと、地域活性化の観点から農地を利用するということについて、国と都道府県とはどのように判断をしていくことになるのか、これは大臣に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/98
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099・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 今回の農振法改正法案におきまして、農地の総量確保に向けた措置で三点強化をいたしました。
一つは、農用地区域からの除外協議に当たりまして、都道府県の同意基準として、都道府県の面積目標の達成に支障を及ぼすおそれがある場合には同意をできない。二つ目といたしまして、除外協議のうち一定規模以上のものについて、国にその資料の写しを提出してくださいということ。そして、三番目に、必要に応じて国が都道府県に対しまして勧告を行うことなどの強化策といいますか、措置を講じたところでございます。
これらの措置は、農用地の確保が国、地方共通の課題であることを踏まえ、まずは各地域の土地利用に関する実情を把握している地方公共団体が自らの農用地の確保に取り組んでもらい、そして、国の方は国家的課題でございます食料の安定供給に責任を持つ立場から適時適切に関与を行えるようにしたところであります。国と地方がそれぞれの立場から農用地を確保していくことを目的に措置をしているものでございます。
農林水産省といたしましては、農業上の土地利用の調整と、そして地域の実情に応じた開発の両方に配慮をしながら、食料の安定供給に必要な農地の確保、これはしっかりと図ってまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/99
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100・横山信一
○横山信一君 まあ難しい課題なんですよ。なかなか現場にいると、我々も板挟みに遭うんですけれども、適切に判断をしていただきたいと思います。
次に、農用地区域内の土地を農業以外の目的で利用しようとするときは、農用地区域から除外する必要があります。農振除外です。この農振除外は、市町村の定める農業振興地域整備計画のうち、農用地利用計画について、都道府県知事に協議し、同意を得られたときに変更が認められるというものであります。
都道府県知事は、この協議において、都道府県面積目標に影響を及ぼすおそれがあると認めるときは、影響を緩和するために市町村が講じようとする措置等を記載した書面の提出を求めるということになっております。一定規模以上のものについては必要に応じて国が説明を求めることができるようにします。
国が協議資料の写しの提出を求めるこの農振除外について、政令で定める規模以上のものに限るとはどの程度の農地を想定しているのか伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/100
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101・長井俊彦
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。
今回の改正法案におきましては、新たに規定されることになります、都道府県が国に除外協議資料の写しを提出する場合の土地の規模等の具体的な内容につきましては、都道府県等の意見も踏まえた上で、国や各都道府県の面積目標の達成の観点から検討をしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/101
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102・横山信一
○横山信一君 もう一問、大臣に伺いますけれども、農振法の改正案において、農地の確保を図るため、市町村が行う農振除外が都道府県面積目標に影響を及ぼすおそれがあると認められた場合には、農用地区域への編入、荒廃農地の解消、あるいは面積目標への影響を緩和するための代替措置による農地面積の維持というのが図られることになっています。また、都道府県面積目標の対象となる農地は、農用地区域内の農地であることから、代替措置で確保される農地は一定程度生産性の高い優良農地になるという政府の認識が示されているところであります。
しかし、六日の参考人質疑で、笠原参考人から、A分類の農地を農用地区域内に編入したとしても、それは荒れないように管理されていた農地であり、耕作可能な状態にしなければ生産には適さない農地のため無意味な編入になってしまうという、こういう懸念が示されておりました。さらに、都道府県知事は、市町村との協議において、除外目的変更が地域計画の達成に支障を及ぼすおそれがないこと、都道府県面積目標の達成に支障を及ぼすおそれがない、ごめんなさい、ないこと等の要件を満たすと認めるときは、農用地利用計画について同意するものとしています。すなわち、農地確保の蓋然性を確認できても、代替措置による農地は結果的に確保できない可能性があり、優良農地としての活用も難しいという場合が考えられます。農振除外により、結果的に都道府県面積目標に影響が及んだとしても、農用地利用計画についての同意の有効性は失われないことになっています。
こうしたケースが重なることが考えられるんですが、こうしたことについてどう対応していくのか伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/102
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103・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 都道府県面積目標への影響緩和のため、代替措置につきましては、まず都道府県においてその実効性をよく吟味していただくことが何よりもまずは重要であるというふうに思っています。
それでもなお代替措置が実行されない場合、農林水産省といたしましては、都道府県に対しまして、面積目標の達成状況に関する資料の提出を求めますと同時に、今回の農振法の改正において措置をいたします説明の求めを行うことで代替措置が講じられない理由と今後の対応方針などを明らかにしていくということになります。なお、その結果が、必要であれば、今回の農振法の改正において措置をいたします技術的助言、そして勧告の措置、さらには是正の要求というのを行うことになります。
これらの措置を通じて、代替措置が講じられないまま農用地区域からの除外の同意が繰り返されないよう努めてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/103
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104・横山信一
○横山信一君 時間となりましたので、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/104
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105・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。
午後零時十一分休憩
─────・─────
午後一時十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/105
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106・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、食料供給困難事態対策法案外二案を一括して議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/106
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107・松野明美
○松野明美君 日本維新の会の松野明美です。よろしくお願いいたします。
先日の参考人質疑、五人の参考人の皆様方から御意見をいただきまして、非常に印象深い意見がありました。そのことでお尋ねをいたしますが、一問目と二問目、通告しております二問を一緒にまずは質問をさせていただきます。
食料供給困難対策には、やっぱり食料自給率と備蓄の議論なしでは語れないとおっしゃっておりました。特に、一時的ではなくて長期的な事態に備えなければならないという中で、特に食料自給率は、まずは五〇%に引き上げ、さらに六〇%を目指すべきだとか、特にまた貯蓄の重要性も感じました。私自身は余り貯蓄という……(発言する者あり)あっ、済みません、貯蓄、貯蓄も非常に大事ですが、貯蓄と同じようにですね、貯蓄と同じように備蓄も非常に大事だということを感じさせられました。
特に、安心できるレベル、これは大体、安心できるレベルといったら、国としてはどれくらいの程度を必要とされているのか。また、備蓄の管理の予算なども必要ということも聞きましたが、その予算を確保されているのか。この備蓄の政策における取組、そして食料自給率をいずれは六〇%を目指すということについての御見解をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/107
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108・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。
まず、備蓄の水準でございますけれども、今回の食料供給困難事態に対する基本方針の中で、まあ基本方針というのを定めるということにしておりますので、品目によっても状況が異なりますので一概にどのレベルというのをお答えするのはできないんですけれども、ただ、まず想定するのは、重要な食料が二割を減少するという、この不足をしっかりカバーしていくということですので、それを踏まえて、まず民間にどれぐらい在庫があるのかを把握をした上で適切な水準を決めていきたいと思っていますけれども、まず狙いとしては、国内に重大な影響が及ぼす二割程度の供給減というのを、備蓄とあと輸入による供給拡大と、そういうものでしっかりカバーできるということを念頭に置いて議論をしていきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/108
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109・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 自給の方ですね。(発言する者あり)はい。
国内で生産できるものはできる限り国内で生産することが必要でありまして、平時からの食料安全保障の確保のためには、輸入に過度に依存している品目の国内生産を一層増大することが重要だというふうに考えております。
そして、食料自給率は、国民の総食料消費を国産の食料供給がどの程度充足しているかを示す指標です。その目標設定に当たりましては、国産の増大についての政策的な実現可能性に加えて、将来の国民の食料消費についても適切な分析に基づくものとすることが必要でありまして、このような予測を無視して高い目標を掲げることは適当ではないというふうに考えております。
私もジョギングをしますけれども、私がどんなに努力しても二時間台で走るということはありませんので、こういうやはり実現不可能な目標を掲げることは自給率においても適当ではないというふうに思っております。
今後、基本計画におきまして自給率を含む食料安全保障の確保に関する目標を設定することになりますけれども、その設定に当たっても、国内生産増大のため今後取り組む施策などを評価をして適切な目標を設定していきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/109
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110・松野明美
○松野明美君 午前中も目標の大事さということ、質問がありましたけど、大臣、二時間台は無理かもしれませんが、五時間ぐらいはやっぱり走れると思うんですね。やっぱり、そうすると目標というのは少しでも、今三八%であれば、せめて五〇%ぐらいの目標はやっぱり設定した方が私はいいんじゃないかと思っております。
もう一つ、備蓄の管理の予算というのが必要だと思うんですが、その辺りの答弁がなかったので、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/110
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111・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。
備蓄については、現在特定食料として想定しているもののうちの米、あと小麦、あと特定資材として想定されるトウモロコシについては、政府として予算を支援しながら備蓄を行っているところでございます。
今後、特定食料と特定資材について、基本方針の中で備蓄の在り方についても検討してまいりますので、その中で政府が行うべき支援というものについても検討していきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/111
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112・松野明美
○松野明美君 予算の数字は多分ないのかなと思いましたけれども、やっぱりその備蓄というのは、安心できるレベルというのが大体どれくらいなのかと思ったときに、やっぱり長期的になっているらしいんですね、事態というのが。ですから、やっぱり半年から一年ぐらいはこの備蓄の、これが安心できるレベルなのかなとは私自身は感じています。個人的に考え方は違うと思うんですが、やっぱり一年ぐらいないといけないのかなと思ったので、よろしくお願いいたします。
また、引き続きまして、印象深い御意見で、やはり人であるという、最後の質問の答弁にありましたが、やっぱり人であるということで、特に谷口参考人からは、義務教育の間で、一、二年じゃなくて、せめて五年間程度、農作業の経験、農作業に関わることを義務付けするのも大事なんじゃないかということをおっしゃいました。テレビで見るだけではなくて、やはり義務教育での体験によって国土と農業と自分自身の存在感を感じてもらうのが大事なんじゃないかというふうに、非常に重い意見をお聞きしましたが、大臣は、この義務教育に農作業の体験、農作業に関わることを義務付けすることに対してどのように考えていらっしゃるのか、また教育分野との連携強化についてどのように感じていらっしゃるか、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/112
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113・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 委員御指摘のとおり、子供の頃から農業に親しむ農業体験などの取組は、農業に対する理解を深め、そして生産者の努力や食に対する感謝の念を育み、ひいては将来の農業を担う人材育成につながる貴重な取組だというふうに思っております。私も小学校の頃、秋口ぐらいに野菜の種をもらって、そして春過ぎに学校にそれを提出するという、野菜品評会というのをやっておりました。もう今は多分ないと思います。
そういうような教育を行っておりましたけれども、教育を受けてきましたけれども、義務教育につきましては、農業体験の位置付けについては文部科学省の所管でありますので私の立場でお答えすることはできませんけれども、先ほど言いましたように、実際に農作業を体験することが何よりも重要であることから、学校等の関係者と連携をいたしまして、体験の機会の拡大を今後とも進めてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/113
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114・松野明美
○松野明美君 大臣も子供の頃、その野菜品評会があったから多分今もずうっと農業に携わっていらっしゃるのかなと思います。
やはり、実際、土で触ることというのが非常に良くて、サツマイモとかを持って帰ってくるんですね、うちの息子たちも、小さい頃。そして、やっぱりうれしいんですね。写真も撮って、後でこれを見て、ああ、何か魅力を子供のときから感じるということがやはり農業に興味を持つ、農業に携わっていくきっかけになるのではないかと思っておりますので、是非ですね、まあ五年はどうなのか分かりませんが、せめてやっぱり子供の頃、そういう農作業に関わるような体験を是非していただきますとうれしいなと思います。
次、食料供給困難事態対策法案につきまして、特定食料の供給が大幅に不足した場合、生産を増やすためには、水田とか畑、人手については、事業者が確保できない場合は国としてどのような手段を取るのか、これは一問目です。
そして、二問目に、更に事態が深刻さを増した場合、一人当たりの一日の供給熱量が千九百キロカロリーを下回るおそれを生じた場合は、国が米等の熱量が高い品目への生産転換を要請、指示するとされていますが、一人当たり一日の供給熱量千九百キロカロリーとなっているんですけど、この千九百キロカロリーというのはどのような、分析か調査かされたのか、どうしてこのような数字になったのかをお尋ねいたします。また、この千九百キロカロリーを下回る状況というのはどのような、現在の食事にしますとどのような食事のイメージかをお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/114
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115・鈴木憲和
○副大臣(鈴木憲和君) いっぱい質問いただきまして、まとめてお答えさせていただきたいと思います。
まず、最初の点ですけれども、不測時において要請等に基づき農業者が生産を拡大する場合に、例えばですけれども、営農地を確保するための不作付け地の除草、整地、そして収穫等に必要な機械の確保や農作業委託などが必要になることが想定をされます。法律の十九条で、要請に応じて生産を行う農業者に対して、円滑に生産が行われるように、必要な財政上の措置その他の措置を講ずる旨を規定しているところであります。
松野委員から御指摘の農業者が確保できない場合の対応はどうするのかということでありますが、こうした規定に基づきまして、例えば、まあこれ様々な場面が想定をされるというふうに思いますが、対象品目や需給の状況など個々の事態に応じて、例えばですけど、農作業委託や、あとは農作業の手伝いが可能な方とのこのマッチングをしっかりと推進をするなど、生産の増大に向けて官民で協力した取組を行ってまいりたいというふうに考えております。
続いて、千九百キロカロリーの話なんですけれども、まず、現在ですね、これ千九百キロカロリーというのは、現在の食事の摂取カロリーが大体千九百キロカロリーということで、まずそういう設定をしています。で、供給カロリーがこれを下回るという事態というのは、要するに今の食生活はまず維持ができないということになります。実際には、どの品目がそれぞれどの程度不足するのか、どのような状況下において消費行動がどのように変化するのかなど、需給に影響を与える要素は複雑多岐にわたり、また、それらが刻々と変化することによって食生活の内容も大きく変わりますから、その際の食事の構成を一概にお答えすることは実は困難です。
しかしながら、これまで農林水産省がちょっと発表している資料に基づきますと、例えばということなんですけれども、今まさに輸入のものが全部止まってしまった場合で、今の農地と人を最大限フル活用して米や小麦中心の作付けをした場合どういう食生活になるかというのを、いいですか、申し上げても。(発言する者あり)はい。
申し上げますと、例えば、朝食、白米お茶わん一杯、浅漬け一皿、煮豆一鉢。そして昼食、うどん一杯、サラダ一皿、果物、リンゴ六分の一。そして夕食に、白米お茶わん一杯、野菜いため二皿、焼き魚一切れ。で、ここからがちょっと更に厳しくなるのは、畜産物について、牛乳は四日に一度コップに一杯、そして卵に至っては十四日に一個、そして、肉ですね、肉については十四日に一皿というような試算もされますが、ただ、この場合も実は全く輸入がないという前提で、ただ肥料なんかは十分に供給されているとこのぐらいはできますよということなので、全部が全部止まってしまうというわけではきっとないと思いますので、なかなかそれをどうするのかというのはその都度考えてシミュレーションしないといけないというふうに思っています。
そのような事態において、実際の国民の食生活への影響も想定をして必要な対策を検討するということが大変重要と考えております。例えば、スイスでは、不測の事態に備えて食料供給に関する政府の意思決定を支援するシステム、スイス・フードシステムというのがありまして、ここで輸入途絶時に国民に必要な食料を供給するシミュレーションを実施をしていますが、その中で食料供給の内訳がどういうことになるかも想定しているというふうに承知をしておりまして、我が国としても、こうしたことも参考にしながら在り方を検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/115
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116・松野明美
○松野明美君 実は、どうしてこれを聞いたかといいますと、参考資料なんですけど、これ間違っているのかもしれませんが、私の参考資料によりますと、カロリーだけの比較によりますと、昭和二十三年、一九四八年ですから、今から大体七十六年前の当時の一人当たりの一日の供給熱量が千八百五十二キロカロリーなんですね。だから、今のこの千九百キロカロリーと四十八キロカロリーしか、しかと言っていいのか分かりませんが、しか差がないんですね。となりますと、この四十八キロカロリーというと、大体食パン四分の一とちょっとなんですよ。卵だったら半分ちょっと。それぐらいの差しかないものですから、どのように分析されたのかなと思いまして、質問いたしました。
といいますと、今、体格は非常に変わっておりまして、七十六年前と言いましたが、私のこれ資料によりますと六十年前なんですけど、身長が、平均身長が、当時は、成年男性三十代ですけど、百六十・三センチが、今、今というか、二〇一〇年は百七十一・五センチで、平均身長が十センチ以上伸びています。そして、体重なんですけど、成人男性が、当時は五十五・三キロ、痩せていらっしゃいますけど、今は六十九・六キロで、平均体重になりますと十五キロ近く増加しているんですね。
これだけ体格が変わっているにもかかわらず、体型が変わっているにもかかわらず、当時と今とでは四十八キロカロリーぐらいしか差がないという、これが何でかなと思いまして、ちゃんと分析とかされているのかなと思いましてお尋ねをいたしました。何かもしここで私が間違っていたりしたら指摘していただけますと参考になりますけど、いかがでしょうか、ちょっと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/116
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117・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) 先ほど副大臣から答弁したとおり、原則として、国民が今一人当たり平均でどれぐらいのカロリー取っているのかという、ベースに必要なカロリーを試算しますので、恐らく御指摘のあった戦後というのは年齢層もかなり若い層が多かったので、あとデスクワークじゃなくて外で働く仕事が多かったということで、必要な本当はカロリーというのはもっと大きかったと。二千数百キロカロリーぐらいが必要なのに千八百五十ぐらいしか供給できなかったということですね。ある意味それは十分な食料供給できなかったと。
それに比べて、体格は確かに変わりましたけれども、人口構成が非常に高齢化してきておりますので、一人当たりの平均の食料摂取量というのはかなり減ってきています。実は、基本法作った二〇〇〇年代と比べても、その当時は一人当たり二千キロカロリーが、今千九百キロカロリーに減っているという状況でございますので、日本人の今の現在の食料摂取の状況に合わせて、その分をしっかり供給していくということを目標として、今千九百キロカロリーと設定をさせていただいたというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/117
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118・松野明美
○松野明美君 その七十六年前がデスクワークとか、何かそのようなのはあったのかどうか分かりませんけど、本当に、じゃ、この四十八キロカロリーの差で大丈夫ということですね。千九百キロカロリーで大丈夫ということなんですね、最低ラインが。分かりました。何かちょっと、体格はこんなに違うのにこれでいいのかなとちょっと思ったものですから。
副大臣、何かありましたらお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/118
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119・鈴木憲和
○副大臣(鈴木憲和君) 多分これ、先生のイメージと何が今かみ合わないかというと、これ、要するに、あくまでも平均でという、要するに日本全国民の平均で千九百キロカロリーということなので、例えば今成長期の若い子たちは実際やっぱりもっと必要ですし、御高齢の皆さんはそんなに要らないよという方もいらっしゃるので、なので、多分、年齢と体格と、そういうのによっても多分これ議論って変わってくるんだというふうに思うので、今後、こういうちゃんとカロリー供給できるのかという議論をするに当たっては、平均で議論するのも大事ですけれども、ちゃんと個々に、こういう場合はどうなのか、この年齢だったらどうなのかみたいなことも考えていかないといけないのかなと今気付かされました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/119
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120・松野明美
○松野明美君 ありがとうございます。
そうですね、平均ですから、小さい子からお年寄りまでということですね。ちょっと雑かなと思いますね。やっぱり少し、何でしょうか、この子供時代、働く時代とか、そういう高齢者とか、少し分けた方が分かりやすいかなと私自身も思いますので、その辺りの調査、分析もまたよろしくお願いいたします。
では、続きまして、スマート農業についてお尋ねをいたします。
これも、スマート農業につきましては、私も、やっぱり担い手不足の解消のためにもスマート農業は鍵であると、ポイントであると思っておりましたが、やはり、先日の参考人の皆様方からの御意見の中にも、本当にこれでいいのかと。農業にやっぱり人を残すことができる、やっぱりこれ大事だなと。人でなければ分からないところもたくさんあるなということとともに、これでは農家所得の減少にもなってしまうというようなお声もいただきました。この御意見に対してどのようなお考えがあるのかということと、もう一つ、受皿のこともおっしゃいまして、やはり農業者と開発事業者の間に立ってもらう、現場とこの技術をつなぐ役割、この受皿の問題もあると思うんですが、そのような受皿は整いつつあるのかどうかお尋ねをいたします。二問お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/120
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121・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) まず、我が国の農業におきましては、農業者の年齢構成、それから日本全体の人口減少を踏まえますと、将来的には現在より相当程度少ない人数で食料生産を担うことを想定しておかなければなりません。それを考えますと、スマート農業技術の活用というのは不可欠であるというふうに考えております。
よく、その農業に感動がなくなるというような御意見辺りもお伺いしたというふうに聞きますけれども、やはり農村という自然環境の中で、そして農業者が主体性を持って農産物を育てていくという行為自体は変わりませんので、これも、スマート農業になってもやはりそこには食物を、自分たちが食べるやつをしっかりと育てていくというやはり感動と使命感、こういったものはあるというふうに思います。
先日委員から御紹介をいただきました熊本県八代市の農業法人のトマトドリームカンパニー、宮崎章宏さん、早速職員を向こうの方に視察に行かせました。そして、そのトマトの栽培に当たって環境制御技術を活用し、熟練農業者の技術やノウハウのデータ化を図りながら一生懸命農業を、トマト作りをやっていらっしゃいました。
報告によりますと、収量の増加や作業の効率化等を通じた所得の増加にもつながって大変やはりやりがいがあると。それから、県内外から農業大学校、農業高校の研修生を積極的に受け入れて、若者が意欲的にこのスマート農業に取り組んでいるというようなお話を事務方の方から報告として受けております。
国といたしましては、幅広く農業現場や関係者の御意見をお伺いしながら、将来にわたって我が国農業が発展していけるようスマート農業をしっかりと前に進めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/121
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122・松野明美
○松野明美君 ありがとうございます。
恐らく農林水産委員会で私が質問したことがきっかけだということをお伝えいただいたんではないかと思っておりますが、でも本当に、すぐに行っていただけたということは本当に、委員としては何か本当にうれしく思います。ちょっとでもお役に立てたらいいなと思いながら質問させていただいているので、うれしいなと思いました。
でも、これだけ実行力があるにもかかわらず、何でこの基本法に関してはぐずぐずぐずぐず、何かこの辺が不安と心配でいっぱいなのかなと思いながら、思うんですが、何か少し変わってきたのかなと思いまして、本当に良かったなと思っております。
そして、大臣がおっしゃった感動といいますと、やはり心配なのが、スマート農業が余りにも進み過ぎて、いつか、かなりちょっと前の質問の中でも、ランニング中にキンカンを、車で、降りて、持っていってね、食べてねと言って二袋、重いキンカンをいただきながら、重いなと思いながらこうやって走って帰って、その後食べたら、やっぱりおいしいんですね。
そういうような、何というんでしょう、人と人とのつながりというか、このキンカンのおいしさ、そういうこのおいしさを育てるためにもいろんな御苦労もあったんだろうなというような、そういう感動というのもなくなっていくんじゃないかというような心配もやっぱりあります。ですから、やっぱりこれを、大切なところというのは残しつつスマート農業も進めていただければなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/122
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123・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) 委員から受皿が整っていないという御質問がありまして、それについての答弁がございませんでしたので、それについてお答えさせていただきます。
大臣が申し上げたとおり、農業者は急速に減少しますので、平場、中山間問わず、中小・家族経営を含む幅広い農業者にスマート農業技術を活用していただきたいと考えております。
受皿についてでございますけど、この法案でございますが、国が認定する生産方式革新実施計画におきまして、農業者が自らスマート農機を導入する取組、あるいは複数の農業者がスマート農機を共同利用する取組、あるいは農業者がスマート農業技術活用サービス事業者を活用してスマート農機のレンタルや農作業の受委託を行う取組、いずれも支援を行うことを考えております。
こうした取組によりまして、導入費用の低減でありますとか多様な選択肢の提供を進めるとともに、優良事例の横展開を図りながら、農業者のそれぞれの状況に合った形でスマート農業技術を活用できる受皿、環境の整備に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/123
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124・松野明美
○松野明美君 済みません、受皿の答弁を聞くのを全く忘れておりました、余りにもトマトドリームカンパニーに行かれたという感動が大きくて。ありがとうございます。
ただ、受皿というのはやっぱり一番大事なところですね。ですから、しっかりとよろしくお願いいたします。この受皿がないとやっぱりどんなに私たちが推進しても現場では進まないと思いますので、お願いいたします。
最後の質問になるかと思いますが、ちょっと私、これ大事なちょっと質問なので五分間精いっぱい語らせていただくんですが、スマート農業と農福連携についてお尋ねをいたします。
スマート農業は作業の分業化が不可欠なんですけど、農福連携もこの作業の分業化で、障害者の皆さん、障害がある方たちが的確に正確に作業ができているところで、この作業の分業化はスマート農業と農福連携の共通点です。
そういう中で、今月の五日、二〇二四年農福連携等ビジョンが決められました。これ、障害者が働きやすい環境整備、労働生産性の向上、そして作業をサポートする機械器具、省力化等を図るスマート農業技術の活用や農業生産工程管理の実施を促進するとされています。
二〇二二年、農福連携の実施主体は六千三百四十三件、その中で七七%の農業者が、障害者を受け入れて良かったと、本当に雰囲気が良くなったということで、収益性の向上に効果があったと回答されています。
農業には多くの仕事があります。障害者のスマート農業技術を活用した農業分野での活躍の場が増えているのではないかと期待しますが、こちらはいかがでしょうか。状況をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/124
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125・高橋光男
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、今後の農業者の急速な減少等に対応するため、農業に関わる幅広い方々にスマート農業技術の活用を進めていただきたいというふうに考えております。そのうちに障害者の方も含まれるというふうに考えております。
スマート農業技術は障害者の方が働きやすい環境の整備にも役立つものでございます。例えばですが、スマート農業実証プロジェクトというものをやってまいりましたが、私の地元の兵庫県南あわじ市においても、実はこれ、これもトマトなんですけれども、ミニトマトの葉かきですね、風通しを良くして病害虫の予防や当てるべきところに光を当てていく作業ですけれども、その中でスマートグラスというグラスですね、使って、摘み取るべき葉が簡単に分かるような技術など、障害者が行う農業のサポートにも資する技術の実証にも取り組んできたところでございます。
農水省としましては、こうした観点から、スマート農業技術の活用の促進が農福連携等の取組の後押しにもつながることについて基本方針に明記していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/125
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126・松野明美
○松野明美君 スマートグラスもいいなと思いました。
ただ、私、是非取り入れていただきたいのが遠隔操作。例えば、寝たきりの方とか重度の障害者の方々が是非農業に携わっていただきたいんですよ、関わっていただきたいということで、分身ロボット、これオリヒメという分身ロボットがあるんですが、これを遠隔操作で、この分身ロボットの中にカメラとかマイク、スピーカーが設置されております。そして、例えば秋田県、熊本県で、スマートフォン一つ、パソコン一つで、寝たきりの方がいらっしゃいませとおっしゃるんですね。喫茶店の受付とかなんですけど、いらっしゃいませと言ったらお客さんに聞こえるんですよ。御本人はちゃんとその方の顔が見えるんですね、姿が。お客さんは分身ロボットなんですけど。こういうふうに、是非、分身ロボットの活用で、例えば農業であれば農泊の受付とか農家レストランの接客、受付など、私、そういうようなことから徐々に始めていただければなと思います。
ただ、私、厚労委員会でお伝えしたんですけど、これにはレンタル料というのが要るんですよ。当事者の方から、レンタル料の方が収入よりもちょっと高くなってしまうということで、これレンタル料をもっと安くしていただきたいという要望はしたんですけど。
そういうことで、農業現場に分身ロボットを設置しなくちゃいけません。もう設置して、是非そういう遠隔操作でこの寝たきりの方たちにもそういうような農業への参加をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/126
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127・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) 時間が迫っておりますので、答弁簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/127
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128・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。
この遠隔操作、重要でございまして、オリヒメのような活用は十分想定されるところでございます。
例えば、自動水管理システムで水の開け閉めでありますとか、あるいは遠隔地から、その障害の度合いに応じますけど、視覚で入力して作業が可能ということもありますので、十分そういった遠隔操作もこの基本方針の中に研究開発の目標としても入っていくと思いますので、是非事例なんかも勉強しながらやっていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/128
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129・松野明美
○松野明美君 是非よろしくお願いいたします。
終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/129
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130・舟山康江
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。
私からは、今、松野議員からも問題提起がありましたけれども、食料自給率目標について改めてお聞きしたいと思います。
この重要性については、先週の参考人質疑でも何人かの方から言及がありました。
その中で、前回、六月四日の質疑におきまして、大臣からは、食料自給率目標に関し、設定の方法も含めて検討を進めてまいりたいと、このような御答弁がありました。今、松野さんの質問に対する答弁でも、増産に対する実現可能性とか消費の分析、これはこれとして、やはりその設定の方法も含めて検討という中で、これは、自給率を上げるべくしっかりと目標を高めに設定するということも排除しないという、こういった理解でよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/130
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131・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 私の六月四日の答弁におきまして、設定方法も含めて検討すると答弁をいたしました。その趣旨といたしましては、私は、食料安全保障の要は、国内で生産できるものは可能な限り国内で生産し、輸入リスクを低減することだと考えております。このような国内生産の拡大は、当然自給率の向上につながるものでありますけれども、その方策については、政策の効果を評価、分析する必要があることから、具体的な内容について、基本計画において設定の方法も含め検討するというふうにお答えをしたところでございます。
食料自給率は、その向上を図るため、今後の基本計画において適切な目標を設定することになります。一方で、国内生産拡大の取組が自給率の引上げにとってどれだけ効果があるかや、国民の食料消費の変化が自給率に与える影響については、将来予測についての正確な分析に基づく必要があり、このような分析を無視した目標値を掲げることは適当ではないというふうに考えております。
麦、大豆を拡大した結果、一・五ポイント上がりましたけれども、米の方で、消費でマイナス三ポイントでございました。そういうふうな消費とそして生産の様々な形態がございます。そういうことも考えまして、次期基本計画の策定に当たりましては、これらの要素も勘案しながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/131
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132・舟山康江
○舟山康江君 今回、人と農地、それから食料供給困難のときにどのように対応するのか、こういった議論をしております。
そういった意味では、消費者がどのような消費行動を取っていくのかというのがこれ大変大事だと思いますけれども、まさにこの今の食料をめぐる我が国の現状をしっかりとこれは消費者にもお伝えしながら、やはり自給率を上げていく、そういった方向の政策もしっかりアピールしながら、その上で、やはり、まさに自給率を上げるための政策とそして目標、高めにというか、そこを設定いただきたい、現実に即しながらもやはり大きな目標を掲げていただきたいなということを改めてお願いしたいと思います。
続きまして、配付資料一枚目、御覧いただきたいと思います。
これ、先週の参考人質疑におきまして、柴田明夫参考人からいただいた資料の写しでございます。
この黒く囲んでいるところ、「アベノミクス、攻めの農業、農業競争力強化プログラムは、日本農業弱体化を招いた根本原因」との指摘が書かれております。このような指摘に対してのまず大臣の見解についてお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/132
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133・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 御指摘の農業競争力強化プログラムに基づきます施策といたしまして、農地バンクによる農地の集積、集約化、これを進めるための所有者負担なしでの事業実施の土地改良制度の見直し、そして農林水産物・食品の輸出促進、さらには農業経営の発展を図るセーフティーネット対策としての収入保険制度の導入等をこれまで進めてきたところでございます。これらの施策の中には、成果がいまだ現れていないものもある一方で、順調に成果が現れているものもあります。
例えば、生産基盤が弱体化する中でも、法人等については農地面積の約四分の一、販売金額の四割を担うまで増加するとともに、担い手への集積率が六割となりました。販売額五千万円以上や経営耕地面積十ヘクタール以上の経営体が増加をいたしております。また、農林水産物・食品の輸出は、平成二十五年から令和五年にかけましておよそ六千億円から一兆五千億円と増加するなど、政策の成果も現れている面があります。
一方、これらの取組にもかかわりませず、現下の客観的な情勢として、やはり世界的な食料や生産資材の価格高騰、そして輸入の不安定化、環境問題、国内の急激な人口減少と担い手不足など、国内外の深刻な社会問題に直面していることを踏まえ、これらの社会課題に正面から取り組んでいかなければいけないというふうに思っています。そのために、今回、食料・農業・農村基本法の改正をするとともに、関連三法について今御審議をいただいているというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/133
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134・舟山康江
○舟山康江君 ありがとうございました。
確かに成果が出たところが私ゼロだとは思っていません。ただ、輸出に絡んで、A―FIVE、これどうなりましたか、破綻しました。畜安法、現場の混乱。農地に関しても、度重なる規制緩和でやっぱり総面積減少していると思うんですね。どんどんと優良農地が、一種農地、それから農振農用地、これも例外的に転用が認められる、そんな規制緩和を進められております。そういったことを考えたときに、やっぱりそこの検証、反省、この柴田参考人の資料にもありますけれども、そこの反省とか検証が必要ではないのかなと思います。
二枚目、御覧ください。これ本当に、参考人からのお話伺っていて改めてちょっと私も思い出しちゃったんですけれども、この農業競争力強化プログラムの背景にあったのが、規制改革会議、規制改革推進会議、産業競争力会議、未来投資会議、こういったところからの発案、提案で、とにかく緩和、緩和、自由化というところが進められてきました。まさに農地の規制緩和、これは、例えば農村産業法とか、あとは地域未来投資促進法、これなんかは、先ほどちょっと触れましたけれども、農用地区域や第一種農地に当たる場合であっても農地転用が可能になったということなんですね。
これは後でまた少し詳細に触れていきたいと思いますけれども、与党自民党の農林関係の最高顧問ですか、食料安全保障に関する検討委員会の委員長森山議員も、新自由主義からの転換が必要、と折に触れて主張しております。岸田総理も、ちょっと中身が定かじゃないんですけれども、それに代わる新しい資本主義。そういった意味では、この新自由主義からの転換、こういったまさに規制改革、規制緩和路線のこの競争力だけに頼ったこのプログラム自体を改めて見直す必要があると思いますけれども、その指摘に対する御見解と併せて、これ今でも生きているのかどうなのか、その点について教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/134
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135・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) まず、様々な検証もしていかなければなりません。その上で、今回の基本法改正の国会提出に至った経緯を申し上げますと、食料・農業・農村政策審議会基本法検証部会におきまして、一昨年十月からおよそ一年掛け、基本法制定以降二十五年間の情勢変化や現行政策の課題について、十七回にわたる集中的な議論や全国十一ブロックにおける地方意見交換会、そして農林水産省ホームページを通じた意見募集等を経て、昨年七月に答申をいただいたところでございます。基本法の検証、評価につきましては十分な御議論をいただいているというふうに思っております。
ここに書いてあります規制改革会議等によって進められたプログラムに対しましては、先ほどから言いましたように、実現できたものもある、しかしまだこれから課題として残っているものもある、そういったものを踏まえて、今、食料・農業・農村基本法の改正を基に、更にそれを後押しすべく、関連法の改正によりましてしっかりと日本の農業政策を前に進めてまいりたいというふうに思っているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/135
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136・舟山康江
○舟山康江君 そうですかね。農地の規制緩和で、今現場は、もうまさに食料安全保障の根幹である人と農地のその農地、農地がどんどん減って大変なことになっている。だからこそ、今回、国の関与を強めて、優良農地の確保に向けて少し見直すということだったんじゃないんでしょうか。
そういう意味では、この規制改革推進会議の方向についても、全て、まあそのまま行きましょうではなくて、やっぱり見直していく、変えていくというところの視点、だからこそ私は今回の法律に結び付いたと思いますので、何か今の大臣の答弁はちょっと納得いかないなって感じですね。やはりもう自由化路線、規制緩和路線をある程度見直していかないと、どんどん優良農地なくなっていきますよ。どんどん大きなところ、じゃ、また企業が参入すればいいのかという話になりますので、そこはやっぱり改めて立ち止まって検討した結果、今回のいわゆる農地三法につながっていると思いますので、何かちょっと、もう少し整理をいただきたいなと思っています。ちょっとまた一問、二問挟んで、またちょっとこの農地については触れたいと思いますけれども。
続きまして、この食料供給困難事態対策法の中で、いわゆる計画届出の義務を負う農林水産物生産者等の範囲についてお聞きしたいと思います。
これは今、基本法においても、また地域計画等におきましても、担い手とその他の農業者、それから農業を担う者、いろいろと定義がされておりますけれども、この農業者等の範囲について、これまでの答弁では、必要に応じて一定規模の事業者に限定するということが効率的だという御答弁ですとか、あとは、事態が比較的限定的なときは一定規模以上の農業者を対象とするということとかですね、ちょっと規模によって少し考えているのかなとか事態の深刻度によって考えているのかなとか、ちょっとよく分からないんですけれども、少なくとも担い手以外の方々は全ての経営所得安定対策の政策対象外になっている中で、こういったところだけその方々も含めてその義務を負わせるというのはいかがなものかなというふうに思います。
あわせて、現在特定食料等を生産している農業者と作れる見込みのある農業者と、これ両方、一応枠組みに入っているんですけれども、そこも、今作っている人とそうじゃない人というのもやっぱり扱いは違うような気がするんですね。そこは明確にしていただかないと、何か誰でも彼でも対象者になるということでは、本当、現場の混乱、不安は余りにも大きいと思いますので、その辺りの整理はできているのかどうなのか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/136
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137・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 農林水産物の生産計画の作成そして届出の指示は、食料供給困難事態におきまして、要請をしてもなお事態を解消することが困難であると認められるときに限り、要請を受けた生産業者等に対しまして行うことができるとしているところであります。
実際に要請等の対象とする生産業者等につきましては、実際に発生する個々の状況によって異なることから、具体的な範囲は政府本部の下で実際の状況に応じて策定いたします実施方針で定めることとしております。
なお、食料供給困難事態の発生の蓋然性が比較的高い不作による特定食料の二割程度の供給減少等の場合には、速やかな生産の開始が求められるため、要請等を効率的かつ効果的に行う観点から、要請の対象をまず一定規模以上の生産業者とすることなども必要だというふうに考えております。
そうした要請の対象の範囲も含め、関係事業者や団体とも調整をいたしまして、基本方針にその考え方を定めることを検討しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/137
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138・舟山康江
○舟山康江君 担い手とそれ以外の農業者との区別はするつもりなのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/138
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139・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) まず、先ほど大臣から答弁をしたとおり、まず、平時にできる備えとして、食料供給困難事態が起こる可能性が高い二割程度の食料供給の減少に備える形で、速やかに供給確保するということで、ある程度対象を限定するということを決めておく、これを基本方針において決めておくということを今検討しているところでございます。
その生産者の範囲につきましては、まずは、やっぱり生産者や農業者団体等、団体の方の意見を聞いて検討することが必要だと考えておりますので、その中では、先生御指摘のような形で、特に耕種農業のものについては認定農業者に限定するという考え方も一つのアイデアだと思いますので、そういったことも視野にして、いろいろ関係者の意見を聞いた上で決定していきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/139
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140・舟山康江
○舟山康江君 是非そこは、少し、できるだけ限定しつつ明確化する基準を作っていかないと、本当に現場は今、どうなるの、俺たちも命令されるのか、従わなきゃ罰金かとか、そういった声は多分皆さんのところにも届いていると思いますけれども、本当、明確化していただきたいと思いますし、あわせて、先ほどの冒頭の自給率の質問とも少しかぶりますけれども、やっぱり平時からいかにしっかりと作れる体制を取っていくのか。その際には、担い手、それ以外、本当に地域の中でいろんな皆さんが農業に関わる、農地を守る、そういった活動も平時から応援いただくということ。これが、これこそがまさに不測時に備えるべき一番大事なことじゃないのかなって気がするんですね。
いずれにしても、過度な負担が生じないような配慮をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
そして、この食料供給困難事態に関して、実はこれ、条文見ていても地方公共団体の役割ってほとんど規定されておりません。その理由と、国として地方公共団体にはどのような役割を期待しているのか、説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/140
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141・鈴木憲和
○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。
食料供給の確保のための施策については、まず、食糧法など過去の法令でも一義的には国が実施の主体となっていることから、本法案でも国が主体的な役割を果たすこととしております。
他方で、主要な食料に係る補助事業については、国が地方公共団体と協力をしながら実施しているのも事実でありまして、食料供給困難事態対策の適切な実施に当たっては、地域の実情に精通をしており、地域の事業者等と迅速な連絡調整を取ることができる地方公共団体の協力は不可欠であるというふうに考えております。
このため、第十一条第二項において、地方公共団体等に対し、情報の提供や意見の表明等の必要な協力を求めることができる旨規定をしているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/141
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142・舟山康江
○舟山康江君 確かに、十一条二項ではそういった意見の表明その他必要な協力と書いてあるんですけれども、本来やっぱり、例えば産地ごとの意向の集約とか調整とか、やはり、それこそ平時から必要な人と農地をどう確保していくのか。まさに農地に関しては地方にいわゆる最終的な決定権が今移っていますよね、自治事務化されているので。
そういうことを考えると、やっぱりこの食料の供給、いざというときの食料供給に関しても、やっぱりもう少し自治体の役割も明確化していくべきではないか。農地はどんどん転用します、でも食料作ってくれって、何かちょっとそういったところもやっぱり併せて、いろんな権限が自治体に下りているんであれば、やっぱりそういったその反面としての一定のこの不測の事態の責任というのも地方公共団体と分かち合うということも必要じゃないかと思いますので、その辺また御検討いただきたいと思います。
ということで、私は、やっぱり食料安全保障を見据えたときに、確保すべき農地面積というのはしっかりと目標を持って定める必要があると思っています。これも何か自給率と大変似ておりまして、趨勢によって、後はちょっと努力してこのぐらいの目標を立てますというのが、いわゆる農振法に基づく基本指針においても、基本法に基づく農地面積の見通しにおいても、同じような考え方ですよね。趨勢で減っていく、でも、頑張ってもうちょっと上げるということで。でも、だんだん減っていくわけですよ。
やっぱり、そうじゃなくて、まさに安全保障、不測のときに対応するため、そういう中でこれだけ面積必要なんだということを国が責任を持って設定すべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/142
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143・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 食料自給率目標四五%の前提となる令和二年に策定いたしました現行の基本計画における農地面積の見通し四百十四万ヘクタールは、社会経済情勢の推移による趨勢を踏まえると、令和十二年時点で三百九十二万ヘクタールまで減少すると見込まれるところを、荒廃農地の発生防止や解消などの施策効果を織り込んで、令和十二年には四百十四万ヘクタールと算定をしたものであります。
また、農振法に基づきます国の基本指針における農用地区域内農地面積の目標三百九十七万ヘクタールは、農業振興施策を集中的に行う農用地区域内の農地につきまして、可能な限り優良な農地面積を確保していくという考え方の下、これまでの趨勢を踏まえつつ、施策効果を織り込んで定めたものであります。
このように、両者は異なる目的の下で設定しているものですが、次期の農振法に基づきます国の農地面積の目標は、現行の基本指針における算定方法を踏まえながら、国民への食料の安定供給の確保のための農地確保を図ることを目的として設定することというふうにしておりまして、次期基本計画における農地面積の指標と関係の深い目標としてそれぞれ検討してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/143
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144・舟山康江
○舟山康江君 改めて確認ですけれども、今回、法律が改正されて、された後の基本指針というのは、今まで以上に、もうこの提示した目標、掲げたこの目標は守りますという、今まで以上に強い思いで取り組むということでよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/144
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145・長井俊彦
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。
先ほど大臣から御答弁いたしましたように、今回の法改正の目的であります国民への食料の安定供給の観点も考慮しながら、しっかりと検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/145
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146・舟山康江
○舟山康江君 何かちょっと全然よく分かんないんだけど。
いや、だから、農地大事なんですよね、今まで以上に。世界の情勢は不安定化しているわけじゃないですか。そういう意味では、その食料安全保障の基盤たる農地は絶対守り切るという強い意思を今まで以上に持っていかないと、どんどん趨勢で減っていく、また基盤が弱くなるということになってしまう。だから、今回、もう意を決して農地守るんだということに変わったんじゃないかと私は非常に前向きに理解していますけれども、そういう理解でよろしいのか、大臣の御決意をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/146
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147・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) その必要な食料、そして必要な農地を守るために、先ほど言いました国の関与、国のやはり様々な勧告、指導、こういったものを強めたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/147
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148・舟山康江
○舟山康江君 是非しっかりと、安易な転用とかを許さないような方針で頑張っていただきたいなと思っています。
そして、その際、私、これ昨年十一月の委員会でも指摘をいたしましたけれども、全体の農地面積のみならず、確保すべきやっぱりこの主食である、食料安保の基本である米、米を作る水田、水田面積も併せて設定すべきと考えます。これは水張り機能を有する水田ということですけれども、いざとなれば米が作れるこの農地をどう確保していくのか、これも安全保障上極めて大事だと思いますけれども、全体面積とその水田面積、併せて設定すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/148
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149・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 現在の食料・農業・農村基本計画におきましては、令和十二年の農地面積を、先ほど御答弁申し上げましたけれども、四百十四万ヘクタールと見通しております。また、農振法に基づきます国の基本指針におきましては、令和十二年の農用地区域内の農地面積を三百九十七万ヘクタールと見込んでいますが、これらは水田と畑など地目別に整理したものではありません。
主に水田で作付けされる米は我が国の気象条件に最も適した作物であり、また、連作が可能であり、収量の変動も比較的少ない優れた作物であるため、古くから国民の食を支えてきた中心的な作物、主食であるというふうに考えております。
しかしながら、主食用米の需要が減少する中で、例えば輸入依存度が高く、国産への転換を推進していくことが重要な麦、大豆等につきましても、畑地だけでなく、汎用化された水田でも生産が可能であり、水田で生産するか、畑で生産するかは各地域において農地利用を含めて産地形成について検討され決まっていくものであり、国が水田と畑に分けて設定することになじまないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/149
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150・舟山康江
○舟山康江君 食料安全保障に国が責任持つんですよね。先ほどの御答弁でも、地方じゃなくて国がやっぱり不測の事態の食料の確保は担っていくわけですよね。その際に、また今大臣御答弁いただきました、米が重要なわけじゃないですか。とすれば、やはりちゃんと米が作れる、今米を作っていなくても、水張り機能、汎用化というお話ありましたが、汎用化水田でもいいですよ、そういったところをどれだけきちっと確保するのか。それは明確に、私、一定の目標を持っていくべきだと思うんですね。それこそが食料安全保障だと思いますけれども、是非御検討いただけないでしょうか。
大臣、いかがでしょう。御検討ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/150
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151・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) その汎用化あるいは畑地、そして水田、それぞれの産地形成において、様々な地域の特性に応じて選択をしていただくということになっております。水田機能も、そして汎用化も、今の状況ではしっかりとやっぱり米を生産していける、それだけの農地面積があるというふうに思いますので、そういうものを確保しながら、さらにそれぞれの地域においてその選択を進めていただきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/151
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152・舟山康江
○舟山康江君 今回、基盤のその農地の確保に関しては国が更に責任の度合いを大きくするということ、不測の事態の食料供給も国の責任が大きいということ、そう考えたときに、やはり国が一定程度の目標を持つべきだということを改めて指摘をさせていただきたいと思います。
そういう中で、先ほどこの規制改革推進会議等によって進められた農地ですね、農地も随分規制緩和をされております。農村産業法、地域未来投資促進法、非常に転用がしやすくなったということで、かなり多くの面積が転用されてしまいました。こういった在り方について、改めて見直すべきじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/152
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153・鈴木憲和
○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。
委員御指摘の農村産業法や地域未来投資促進法による地域整備のための開発は、地域全体の経済等を牽引する開発計画となるので大規模になるケースというのも考えられます。
しかしながら、農村産業法等においては優良農地の確保を前提とする仕組みが設けられており、具体的には、計画を定める際に地方公共団体の農林水産部局があらかじめ当該施設整備計画の内容を確認し、農振除外等の可否を慎重に判断した上で、市町村は都道府県に協議をし、その同意を得ることになることから、目標面積の達成に支障が生じることは少ないものと考えております。
さらに、仮に公共転用や農村産業法等による転用の積み重ねで都道府県面積目標の達成に支障が生じるおそれがあることとなった場合には、その後の一般転用における都道府県知事の同意において面積確保のための措置を確認することとなります。
これらのことから、今回の農振法改正案と農村産業法等の土地利用調整の仕組みを適切に運用することにより優良農地を確保できるものと考えておりますが、先ほどからの議論にもありましたとおり、何というか、自治体の方にもやはり農地をしっかりと守っていくという意識が、もっと持っていただく必要があるというふうに私自身も思いますので、そうした意識はしっかりと伝わるように対応してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/153
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154・舟山康江
○舟山康江君 資料三枚目、御覧ください。これ、熊本県の資料なんですけれども、このTSMC進出に当たって、どのような背景で何をしたいのかということの説明の紙なんですけれども、見てください。農振除外がうまく進んでいない、時間短縮が必要、第一種農地が多く原則として転用不許可、だから効率的な土地利用調整が行われるよう県が積極的に関与していく。つまり、どうやったら農地転用ができるのかというふうにしか私ちょっと読めないんですよね。そういう中で、農産法を活用していきましょう、しっかりと転用を最大化していきましょうというような方向だと私は読めるんですね。
しかも、農地法制の在り方に関する研究会におきましても、有識者からは、現場に近いほど開発を望む圧力が強い、こんな懸念の声がありました。先日の笠原参考人からも、やっぱり農地を守る立場の者として、自治体は税収、就労などの関係でやっぱり転用期待が高いと。そういう中で、地域のその基本計画、さっき、これ横山さんの質問に対して私ももう少し突っ込みたかったんですけど、地域はもう積み上げで、すごい少ない面積だったりするわけですよ。国の大きな面積に満たない、そういう地域だって、抑制的に面積を設定すれば幾らでも転用できちゃうわけ。そういったところの調整どうするんですか。
熊本が御地元の大臣ですけれども、大臣、このTSMCに関して、こういった方針で地元が臨んでいることに対するちょっと御感想をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/154
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155・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) 時間が迫っておりますので、答弁簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/155
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156・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 現在、農地につきましては、県、それから各団体、そして市町村、さらには東海大学の農学部、こういったところで協議会をつくっております。そして、一方の方で、やはり企業用地、工業用地というのがやっぱり必要となってくる場合が多いものですから、やはりそこについての代替農地の、代替農地についてやはりそれぞれ情報交換をしっかりして、農地全体の面積は減らさないというふうなことで現在熊本では進めているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/156
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157・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) 時間ですので、おまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/157
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158・舟山康江
○舟山康江君 いや、どうなんですかね。いい農地にいろいろ投資をしてですよ、そこががっぽり転用されて、農村産業法なんかあれですよ、基盤整備して、今八年たたなくても事業が終わった翌年に八年経過すればオーケーなんだから、何でもありなんですよ。で、また新しい条件の悪いところを編入して、そこにまたあれですか、基盤整備とかするんですか。そんな無駄なことやるよりは、もう少し抑制的な運用になるように、まさに地方との議論をしっかり重ねていただかないと、簡単にこっち転用して、はい、新しく入れます、では駄目だと思いますので、そこをしっかりと御議論いただきたいと思いますので、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/158
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159・紙智子
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
食料供給困難事態法についてお聞きします。
前回の質問で、食料の供給が困難になる兆候や困難事態の判断は政府の裁量に委ねていることが分かりました。そこで、私、地政学的リスクという抽象的な言い方ではなくて判断基準が分かる資料を求めまして、提出をいただきました。兆候となるか否かは、個々の地政学リスクに伴ってサプライチェーンの混乱、物流の混乱によって国内に実体的な影響が出るケースという説明であります。そして、衆議院において、我が党の田村貴昭議員が、地政学的リスクというのは日本における戦争有事も含まれるのかというふうに聞きましたら、大臣、サプライチェーンに影響するあらゆる地政学的事情に対応し得るもの、あらゆる事態というふうに答弁をされていますから、これ限定はないということだと思うんですね。
この地政学競争という言葉がですね、二〇二二年の十二月の閣議決定をされた安保三文書の国家安全保障戦略に出てくるんですね。地政学的競争、地球規模課題への対応等、国家の対応を高次のレベルで統合させる戦略が必要で、我が国の安全保障に関する最上位の政策文書であるというふうに定義をしています。戦後の我が国の安全保障政策を実践面から大きく転換するというふうに書いております。あわせて、軍事と非軍事、有事と平時の境目が曖昧になっているので政府横断的な政策を進めるというふうに言って、シーレーンにおける脅威に対して、同盟国、同志国等と連携し、航行、飛行の自由や安全を確保する取組を進めるというふうに書いているわけです。
大臣、このサプライチェーンに影響するあらゆる地政学的事情に対応し得るものというふうに答弁をされていますけれども、国家安全保障戦略で言うシーレーンが脅かされる事態も想定しているということなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/159
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160・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 食料供給が大幅に減少するリスクの要因の一つといたしまして、地政学的リスクを想定をしております。一般に、地政学的リスクとは、政治や社会情勢等の要因により特定の地域における緊張が高まることで、その地域や世界全体の経済等の先行きが見通せなくなることを指しておりまして、本法案は、こうした地政学的要因によるシーレーンへの影響を含むあらゆる地政学的事象に対応し得るものというふうに考えております。
より現実的なリスクといたしましては、具体的には、気候変動に伴う干ばつの発生や災害の激甚化、頻発化による不作、それから家畜伝染病や植物病害虫の発生、蔓延、そして新型コロナウイルスのような感染症の蔓延によるサプライチェーンの混乱等のリスクを想定しているところです。
このように、食料の供給が減少する要因には様々なものが想定されますが、本法案においては供給減少の要因を問わずに各種の措置を講ずることとしているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/160
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161・紙智子
○紙智子君 いろいろな限定なしということだと思うんですけれども、国家安全保障戦略は食料についても記述しています。食料安全保障に関し、国際社会における食料の需給や貿易等を含む状況が不安定かつ不透明であり、輸入に依存する我が国の食料安全保障上のリスクは顕在化している中、我が国の食料供給の構造を転換していくこと等が重要である、国際的な食料安全保障の危機に対応するために、同盟国、同志国や国際機関等と連携しつつ、食料供給に関する国際環境の整備を実現していくというふうに書いております。
あらゆる地政学的リスクに対応するということですから、これ安保三文書に沿った対応が進んでいくんじゃないかと、軌を一にして食料事態法になっていくんじゃないかというふうに思います。
次に、内容についても聞きますけれども、第十七条は、米、麦、大豆などの特定食料などの生産を促進する必要があるときは、生産者に生産を行うよう要請することとなっていますけれども、この要請する生産者というのは担い手だけなのか、兼業農家とか半農半Xも含まれるのか、どういう方になるのかということをお答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/161
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162・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。
実際に要請の対象とする生産者ですけれども、これは実際に発生する食料供給困難事態の態様によって変わってきますので、それごとにどれぐらいの生産を確保する必要があるのかというところに基づきまして、具体的には政府本部の下で実際の状況に応じて策定する実施方針の中で定めていくということになります。
一方、先ほどから御答弁していますように、まずは、現在の食生活を守るという観点から、最も蓋然性が高い不作等によって特定食料が二割程度供給減少する場合というのに備えたいと考えておりまして、そういう場合には速やかに、生産だけじゃなくて、いろんな供給の確保というのが開始できるように、そのために要請を効率的かつ効果的に行う観点から、要請の対象は一定規模以上の事業者に限定をするということも必要であるというふうに考えております。
こうした要請の範囲をどうするかということについては、関係事業者やその団体とも調整をして決定をして、基本方針にその考え方を定めるということを検討しておりますけれども、いただいた意見なんかも参考にしながら今後議論を進めていきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/162
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163・紙智子
○紙智子君 今後検討していくということなんだろうと思います。
同じく十七条なんですけれども、こうあります。生産者以外でも、特定食料の生産をすることができると見込まれるものとして主務省令で定める要件に該当するものに対して要請するというふうにあるんですけれども、この生産をしていない者というのをどう把握するんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/163
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164・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。
まず、生産可能業者につきましては、今後、要件を省令で定めていくことになりますけれども、基本的には、その農業者が現在持っている土地であるとか、あと農業者が持っている技術、機械とか、それで対応できるということと、あと、土地の形質を変更しない、果樹から畑作とか施設園芸から畑作というようなことを行わないということを要件にしたいと考えておりますので、基本的には生産可能業者は限定的な範囲で定めていくということになるというふうに思います。
そういう人たちをどういうふうに把握していくかということにつきましては、生産については現在も交付金や補助事業等によって事業者というのは把握をしていますので、そういう中から、今は作っていないけれども過去にそういう品目を生産していたとか、あと、関係団体とかの情報提供を求めるなりして、平時からあらかじめ生産できる人というのの候補者の整理を行っていきたいと考えています。それを踏まえて、速やかに要請等を行えるような準備をしていきたいと考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/164
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165・紙智子
○紙智子君 そうすると、既に離農した人なんかも含めて個人情報を集めるということになったら、これは農家が監視されることにもなりかねないんじゃないのかなというふうにも疑問を持ちます。
それから、営業の自由についてなんですけれども、先週、参考人質疑で池上甲一参考人が、条文上は、出荷、販売の調整の要請、出荷販売計画の作成指示、出荷販売計画の変更指示という体裁を取っていると、その義務に従わないと氏名の公表と罰金刑がペナルティーとして科されてしまう、営業の自由を貫くも前科が付いてしまいかねないと、こうした一連の流れは、農民の営業の自由を著しく損なうおそれが高い、日本国憲法二十二条に規定されている職業選択の自由、その中に含まれる営業の自由を侵害するおそれが極めて高いというふうに言われたんですね。
営業の自由の侵害という指摘については、これ、大臣、どのような見解をお持ちでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/165
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166・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 本法案では、要請により事業者の自主的な取組を促すことを基本としています。その上で、国民生活、国民経済上の支障が実際に生じた場合にのみ計画作成、届出指示をすることができるというふうにしております。生産計画の作成、届出指示につきましては、あくまで指示を受けた生産業者等が実施可能な範囲で定めるものでありまして、増産を強制するものではありません。
また、生産可能業者の要件につきましては、今後省令で定めることとなりますが、生産に当たって土地の形質の変更を要しないこと等を要件とすることを想定しておりまして、参考人の発言にあったように、果樹農家に米や麦の生産を強制するものではありません。
なお、これらの措置は法目的を達成するための必要最小限の措置として類似の法制度を参考に規定したところであり、憲法上の問題があるとは考えていないところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/166
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167・紙智子
○紙智子君 違反はしないと、憲法上の問題はないというふうにおっしゃるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/167
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168・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 必要最小限度の措置としてこういうことを行っているわけでありまして、憲法上の問題があるとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/168
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169・紙智子
○紙智子君 私は、やっぱり可能でない場合はそれは課さないというんだけれども、それってどういう基準でやるのかというのもよく分からないわけですよ。
それで、何でこんな強権的な、言わば統制的なそういう制度をわざわざつくらなきゃいけないのかというふうに思います。営業の自由については幾つか本が出されていますけれども、岩波書店が出している「憲法」の最新版で芦部信喜さんという方が書いています。憲法二十二条の保障する職業選択の自由は、自己の従事する職業を決定する自由を意味し、自己の選択した職業を遂行する自由、すなわち営業の自由も含まれると言われていますから、憲法研究者の中でいえばこれは常識だというか、それを守られるのは常識だというふうになっていると思うんですよ。
どうしてこんな強権的な、統制的な法律になるのかということでいえば、先日、池上参考人は、本法案に決定的に欠けているのは、農民の立場と農家の視点が欠けていることだと言われたんですね。それから谷口参考人は、全部克明にして情報を出させて、監視もし、毎日文句を言うと、最大の問題は、農民が尊敬されていないことが問題だというふうに言われていました。
ですから、やっぱりどうしても食料が足りなくなってしまったときに、生産者の人たちに、もっと生産を増やしてほしいんだと、農業はやっぱり命の源なんだから増産してほしいんだと、政府ができることはその代わり何でもするよと、そういう生産者の気持ちに寄り添って励ますことが大事なんであって、それは指示に従わなければ罰則だということで脅すことではないと思うんですよ。事態法は、そういう意味では非常に強権的な法律案というふうに指摘をしておきたいというふうに思います。
そこで、困難事態に備えるためにどうするかということなんですけれども、備蓄制度についても議論したいんですけれども、ちょっと順番を少し変えまして、今起こっている米不足についても質問したいと思うんです。
改正食料・農業・農村基本法は、食料の安全保障を国民一人一人がこれを入手できる状態というふうに定義しました。しかし、今、米不足で食料が手に入らない状態が生まれているんですね。
これ、具体的には、都内のお米屋さんから訴えがありました。昨年十月の千葉のコシヒカリの仕入れ額、仕入れ値は一万四千五百円、これ六十キロですけれども、でしたけれども、最近二万五千円から二万六千円だと、約二倍になっている。それから、ふさこがねという種類ですけれども、これ一万七百円だったのが二万四千円だと、二・三倍だと。もう高くて手が出ない。
老人施設などに納品しているんですけれども、買わざるを得ないということで言われていて、こういう状況があるんだということを農水省は把握しているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/169
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170・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。
まず、お米の流通の過半を占めるのが、その集荷業者と卸売業者間の相対取引でありますけれども、相対取引価格を見ますと、今年の、六年四月までの五年産の平均で、前年比千四百四十九円高の一万五千二百九十三円、六十キロとなっております。これは、プラス一〇%ぐらい前年よりも上がっております。極端な上昇とはなっておりません。
また、小売の価格の動向なんですが、二つデータがありまして、一つはPOSデータというのがございます。これも、四月の平均価格が五キロ当たり二千八十三円、昨年よりも一〇・三%高くなっています。
もう一つ、総務省の小売物価統計というのがございます。これ、コシヒカリなんでちょっと高めなんですけれども、昨年の五月の平均と比べて九・六%高の五キロ当たり二千四百九十円というふうに、価格になっていて、約一〇%高というので、相対取引とおおむね同じ動きになっています。
一方で、紙先生御指摘のこの価格なんですが、多分これに近いのは、スポット取引というものがございまして、この結び付きで、集荷業者から卸売業者買って、小売さんが手に入れる、あるいは施設が手に入れるというんではなくて、その都度その都度いろんな品目を当用買いするようなときに利用されるものなんですが、これについてはおっしゃるとおりに非常に値段が上がっている品目がございます。
ただ、この当用買いの方になりますと、この相対取引というのは年産でほとんど、上がり下がりがほとんどないんですね、十月から五月ぐらいまで。スポット価格は、もう毎度毎度買うので、もう十月のときと四月、五月のときと値段がもうぐんぐんぐんぐん上がってきて、すごく変わってくると、そういうふうな状況になっております。全体として見ればそれほど大きな価格の変動になっていないんですが、当用買いで手にされる方に関しては、そういうルートによって非常に高いものを今手にしていらっしゃる方もいらっしゃるというふうに承知をしております。ふさこがね等についても同じでございました。
高齢者施設についてなんですが、この米穀店からそういったものを入手しなきゃいけないような施設について、個別の事案についてちょっと我々も承知を今しておらないところです。
ただ、米穀店のアンケート調査を見ますと、仕入れできる量が少なくなっているというのが六六%ぐらいあるんだと、仕入れることができないと言っている小売業者も一八・六%あるというふうに、調達に苦労されているというような、そういうような話も伺っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/170
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171・紙智子
○紙智子君 日本農業新聞の六月七日付けに、利ざやでもうけようとするブローカーがいるほか、相場上昇を見越して売り渋る動きが品薄に拍車を掛けているという報道がされています。
それで、卸間のスポット買いって今お話あったんですけれども、このスポット買いが相場をつり上げて、米屋さんの仕入れ値を高騰させているんじゃないかというふうに思うんですけど、そういうことなんですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/171
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172・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) おっしゃるとおり、スポット取引は民間の取引会社が公表しているものなんですけれども、主に中小規模の卸売業者間で転売される取引で、どうしても調達する必要のある銘柄を数トンから数十トン程度の小ロットで当用買いしていきますので、取引量が少なくて、全体の価格動向を評価できるものではないんですけれども、そういった今、スポットの価格が今高騰していると。これが米穀店のこの仕入価格に全く影響しないとまでは言えないんですが、取引の過半を占める相対取引価格や小売価格の上昇が、先ほど申しましたとおり一〇%ぐらいということで、それほど大きくなっていないことから、スポット価格の高騰が米穀店の仕入価格全体に大きく影響しているというところまではなっていないというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/172
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173・紙智子
○紙智子君 全体には影響していないという話なんだけど、現に困っているわけですよね。このお米屋さんは、一週間後に更に注文をしようと思って電話を掛けたら、今度は三千円値を上げるという話になっていて、六月に入ってから大手の卸から出荷制限のお知らせが届いたというんですね。その理由については、令和五年産の米の原料不足によって新米の発売まで継続して出荷できなくなる可能性があるためですということで、制限の文書が来ていると。こういう事態というのは把握していますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/173
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174・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) 多分、紙先生おっしゃられたのは、六月十一日に業界紙にあったんですけれども、全農パールライス株式会社の新潟支店というところなんですけれども、そこが、令和五年産米、昨年取れたお米の出荷について、この令和四年産、その前の年の精米、玄米の合計実績を超える発注は内容を確認の上制限させていただくことがありますという告知をされたというふうに承知をしております。
これにつきまして、新潟では、令和五年産米の作況が九五というふうになっておりまして、令和四年産に比べてみると生産量は約三万トンぐらい実は少なかったというのが背景にあるのじゃないかというふうに考えられるところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/174
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175・紙智子
○紙智子君 やっぱり実際に今現場で起こっていることをきちんと把握する必要あると思うんですよ。
それで、このお米屋さんは、社会的弱者の方々が入所しているところに届けているわけですよ。そういうことなのに、納品を止めることできないわけですから、だからこの方は保険を解約して仕入れに充てたという話なんですよ。そうやって何とか、やっぱり切らすわけにはいかないから、届けなきゃいけないということでやっているわけなんですね。自分の仲間の中でも既にやめるというお米屋さんも出ていると。民間在庫を含めて米は全体としては足りているという話なんだけども、何でこの大手卸が出荷制限掛けるのかということなんですよね。
お米屋さんの団体である日本米穀商連合会が、五月上旬のアンケート、先ほどアンケートの話されたんですけど、仕入れることができないという人が二割で、仕入れに苦労しているということを含めると八五%だと、価格が三千円以上上がっているという人たちが五割いると、三割の業者が在庫量も逼迫していると答えているわけですよ。現に困っている人たちがいるということですよ。
米価が高騰して米が手に入らない現実が二割以上もあって、備蓄米をやっぱり少しでも出してほしいだとか、米屋の経営や社会的弱者の方が入所しているところにお米が届くように、これもうすぐ解決しなきゃいけないという問題だと思うんですけど、この点は、大臣、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/175
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176・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 現時点におきましては、年間の需要量六百八十一万トンでございますけども、それに対します令和六年四月の民間在庫量の在庫率は二六・四%と、コロナ禍前の時期とほぼ同水準であります。相対取引価格や小売価格に上昇が見られますけども、前年よりプラス一〇%程度と、著しい上昇にはなっておりません。多くの販売店等で欠品が多くなっているなどの状況にはなっていないというふうに理解します。このため、主食用米の全体需給としては逼迫している状況にあるとは考えておらず、主食用向けに政府備蓄米を放出することは考えておりません。
一方、販売店や御指摘の施設を個別に見ていきますと、入手困難な状況にある方もおられるかもしれません。そのような方から相談があった場合には、業界団体等とも連携し、卸売業者等を紹介するなどの対応を考えたいと思います。
それから、米の入手が困難な米穀店や、そこから供給を受けている高齢者福祉施設の状況につきましては、厚生労働省の担当部局や老人福祉施設の全国団体とも連絡を取りながら把握に努めるなど、今後注視してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/176
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177・紙智子
○紙智子君 もうちょっと危機感を持って答えてほしいんですよ。そういう人もおられるかもしれないって、いるから今こうやって取り上げているんですよ。そういう訴えを聞いているから、すぐ解決しなきゃいけないからということでここで言っているわけですよ。
それで、やっぱり実際、すぐに解決するための対策取ってもらえますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/177
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178・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 今のところ逼迫しているという状況はないと思いますけども、私たちとしては、相談窓口等も含めてしっかり対応してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/178
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179・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) 紙先生がおっしゃられた状況ということでございます。
農林水産省では、集荷団体、卸売業者、今おっしゃられた日米連も含めて、いろんな方々との情報交換ふだんから行っております。それの中でいろいろお話を伺っておりますし、また、その上でなんですけれども、農林水産省に総合窓口というのがございまして、御意見、御質問等を随時受け付けているんですが、本年五月以降、全体、御意見が省全体で七百件ほどございました。そのうち、米価高騰ですとかあるいは米不足で入手できないというお問合せは二件ございました。
また、電話等で我々のところに直接掛かってくる案件もございますが、実は五月以降でいうと十件程度というふうになっておりまして、紙先生おっしゃる、すぐということなんですけれども、いろいろ、どういうところにそういうのがあってというのをよくお伺いしながら、我々も実際一個一個の対応についても考えていきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/179
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180・紙智子
○紙智子君 すぐ解決してあげてほしいんですよ。もう潰れてしまうところが出てきているって言っているし、潰れてしまうということは届かなくなってしまうわけですから、すぐに解決してほしいし、今、相談窓口はあるとおっしゃったんですけど、こういう米の相談で、これをやっぱりうんと強化していただいて、どこに連絡すれば答えてもらえるのかということ分かるようにして、徹底してそこを、対策を急いで取ってほしいということを申し上げておきたいと思います。
次に行きます。
備蓄制度についてなんですけれども、米、小麦、食用大豆、それから飼料穀物の備蓄制度について、ちょっと簡潔に説明お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/180
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181・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) 米については、まず政府備蓄でございますけれども、十年に一回の不作があっても一年間国産米を供給できる水準として百万トン程度の運用を行っております。このほか、必要に応じて民間在庫についての支援も行っています。
また、小麦の備蓄につきましては、国内需要の八割を占める外国産小麦を対象として、輸入の途絶、遅延等が発生したときの代替輸入先の確保に要する期間を勘案して九十万程度を備蓄しています。また、国産の小麦、大豆につきまして、民間事業者の調整保管について支援をしているところです。
さらに、飼料穀物の備蓄につきましては、主要輸出国の一時的の停滞に備え、一か月分の需要量に相当する約百万トンを備蓄しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/181
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182・紙智子
○紙智子君 つまり、米でいうと政府備蓄で百万トンですよね。十年に一度の不作に対処の水準だと。それから、民間在庫が二百万トンというふうに聞いています。
それから、小麦が九十万トン備蓄していると。それで、海上輸送中のものも二か月分ですよね。それから、食用のものは特になしと。
それから、飼料用の穀物が、今百万トンと言いましたけれども、大体一か月ぐらいということですよね。海上輸送中のものもということなんですよ。
それで、備蓄とそれから在庫というのは何が違うんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/182
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183・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) まず、在庫につきましては、一般的に、サプライチェーンの各段階において、民間企業が原料品、仕掛品、製品など様々な形態で通常の生産活動の一環として保有しているものとか、民間企業が自主的に供給不足に備えたリスクマネジメントの一環として、一定のバッファーとして保有しているものとされております。
それらの備蓄については、一般的に、民間や政府を問わずに、供給不足に備えて保有している在庫を示すものというふうに認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/183
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184・紙智子
○紙智子君 先日の参考人の質疑のときに谷口参考人が、在庫というのは流通の間で止まっているもので、備蓄とは違うという話されていたと思うんですよ。
それで、参考人質問のときに柴田明夫さんが意見陳述されていましたけれども、柴田さんは、世界の穀物市場のマーケットは薄いと、貿易に出されている穀物は生産量の六分の一程度だから、生産国の需給の増減次第で価格変動は大きいんだということを指摘されました。そして、日本の備蓄水準については低過ぎると、中国は戦略備蓄を行っているんだと、日本では、安心できる水準、せめて数か月ぐらいは持つべきなんじゃないかというふうに言われているわけですよ。
やっぱり、止まっているものというか、今動いている最中のものまで含めて、いや、これ備蓄だというのは、届かない可能性だってあるわけですから、どうなのかなと。そうではなくて、公的な備蓄制度を拡充すべきではないかと思うんですけれども、これ、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/184
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185・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 備蓄は国内生産や輸入と並びます食料供給の重要な手段でありまして、特に食料供給が大幅に不足する事態における初期の対応策として重要な役割を担っていると認識しております。
一方、過大な在庫や備蓄につきましては、当然コストが掛かることから、民間事業者の経営圧迫や膨大な財政支出につながることも認識しておく必要があります。現在、百万トンの備蓄に対しまして五百億円の事業費を必要としております。
このため、政府のこれまでの施策でも、米の政府備蓄を除きまして、米も含めて民間在庫を政府が支援する方法を取っています。これは、民間の在庫と一体的に管理できるので、在庫の管理や取崩しなどで効率的であるということからであります。
このため、今国会に提出をしております食料供給困難事態対策法案におきまして、基本的には民間備蓄の活用を念頭に、出荷、販売の調整の要請を行う等、不測時において食料を適切に市場に供給していくこととしております。
また、このような特定食料等の平時からの備蓄の在り方につきましては、改めて基本方針において定めることというふうにしているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/185
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186・紙智子
○紙智子君 時間になりましたけども、先日の参考人質疑のときにも意見言われていました。新しい備蓄制度はやっぱり驚くべき見直しだと言っていて、備蓄と在庫は違うと、困難事態になる要因にサプライチェーンの混乱等を挙げながら、流通段階のものを含めて備蓄制度に組み込むことはおかしいというお話もありました。
在庫だけでは不安だと、やっぱり国民が安心できる公的な備蓄制度を拡充するように求めて、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/186
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187・寺田静
○寺田静君 秋田県の寺田と申します。本日もよろしくお願いいたします。
冒頭、通告しておりませんけれども、関連で一問お伺いできればと思います。
先ほど、舟山先生の水田の面積を定めるべきではないかとの御指摘に対して、それはなじまないという大臣の御答弁があったと思います。ただ、過去には、この食料の安全保障を考えたとき、日本にとって最も大切なのは米だというふうにもお答えになっていたと思います。
最も大切なのが米ということであれば、最低限、この米を作れる農地の面積、水田のそれを定めておくというのは素直な考え方だと思いますけれども、私の考え方は間違っているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/187
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188・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) 舟山先生の議論のところのあれなんですけれども、今、水田面積、二百三十万ヘクタールございまして、その中で水張っているのは主食用米も含めて百五十万ヘクタールほどでございます。残りの八十万ヘクタールは、麦ですとか大豆ですとか野菜を作らせていただいております。また、その汎用化の水田がかなり多くなってきておりますので、いろんな作物を作れるようになってきておりまして、農地全体の確保する面積というのは必要なんですけれども、そのうち水田か畑かで線を引く意味は余り実は多くなくて、どちらかというと、水稲全体で水張りをどのぐらいするかというところが意味があるんだというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/188
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189・寺田静
○寺田静君 済みません、私の理解力がなくて、まだ分からないところがありますけれども、また引き続きお伺いをしていきたいと思います。
通告をしていた質問に入りたいと思いますけれども、先週六日に行われた参考人質疑では、それぞれの分野の有識者の方々から有意義な御意見を頂戴しました。本日は、参考人の皆様からいただいた御意見の事柄のうちに、主に食料の安全保障と国内の生産基盤の強化というところに焦点を絞って、それらに対する農水省の方の御見解などをお伺いをしていきたいと思っています。
どの方の御指摘も、本当に聞けば聞くほど背筋が凍る思いでした。
国内のこの生産基盤が弱体化している中で、輸入をするにも、異常気象、伝染病、感染症、農作物の食用以外への用途の拡大や地政学リスク、新興国による需要の拡大、また、様々な要因によってもうこの食料の価格の上昇というのは一過性のものではないんだということ、また、日本の消費者が求める質の担保にはよりコストが掛かる構造があるということ、日本の食料輸入国としての国際的な立場というのは相対的にかなり弱くなってきているということ、また、戦争やパンデミックによる供給の不安定さ、加えて、続く円安の状況もあるということで、本当に安定的な輸入の確保ということはかなっていくのかということに私自身も危機感を覚えました。
気候変動の影響も余りに大きくて、食料危機というものは世界同時多発的に起こるであろうということ、参考人の方から指摘のあった輸出国による国内のインフレ懸念などで自国優先の立場から輸出制限を課す可能性なども加味をすれば、考えたくないことですけれども、田名部先生の御指摘にもあったとおり、最悪の事態ということ、本当に起こりかねないんじゃないかなと、本当にそういうときはどうしたらいいのかなということを、私自身も非常に恐ろしいというふうに感じました。
立場の異なる参考人の方が、それぞれ平時からの備えの重要性や、また国内の食料生産の増大、そのための基盤の強化を訴えられていたということが私の印象には強く残っております。
まずは、丸紅株式会社代表取締役副社長の寺川氏の御指摘についてお伺いをしたいと思います。
寺川氏によれば、兆候を正確に確認をするには情報収集は重要と、ただ、各企業にとって顧客、契約、在庫などについては非常にセンシティブな情報で、開示のハードルは高いと、官民で平時の今から意見交換を行いながら可能な限り準備をしていくことが大切との御指摘がありましたけれども、具体的にどうやって準備を進めていくおつもりなのかも含めて、農水省の御見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/189
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190・杉中淳
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。
先生御指摘のように、参考人からも答弁があったとおり、民間事業者が有する在庫等の情報の中には、営業資産であるとか顧客情報などのセンシティブな情報を含むということは事実でございまして、民間企業が自主的に情報開示を行うというのはかなり困難が生じるというふうに考えております。
一方、不測時に備えて、平時から我が国にどれぐらいの食料が通常存在するのかというのを把握しておくというのは非常に重要だと考えております。このため、食料供給困難事態法に基づきまして報告徴収の規定を設けたところでございます。まず、本法施行後には、第四条に基づいて国内にある在庫等についての調査を行いたいというふうに考えているところです。
しかしながら、報告徴収を行うに当たっては、事業者の営業秘密、個人情報などに十分配慮する必要があるというふうに考えておりまして、国として、国家公務員法に基づく守秘義務等の関係法令の下に情報を適切に管理する体制を徹底するとともに、情報収集の必要性を事業者に丁寧に説明をして、御意見を伺いつつ、事業者の負担を最小限に抑えるような範囲、頻度に調査を限定するなどの検討を行うということで、事業者の理解と協力を求めながら必要な情報収集を行っていきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/190
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191・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
是非、民間の方々の食料の安全保障を担ってくださる方々が不安にならないような制度づくり、仕組みづくりをお願いをしたいというふうに思います。
また、同じく寺川氏からは、対策本部ができたときに国民がパニックに陥る可能性も十分に検討しておく必要があると、また、国民が食料構造の現状、国内農家の重要性、産業としての農業に関心を持ってもらう必要性があると、食品のコスト構造と価格の妥当性などについての教育、食品の価格についての情報なども周知の必要があるというような御指摘もありましたけれども、大臣の御見解をお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/191
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192・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 政府対策本部が設置されたときなど、不測時には消費者の不安によりまして国民生活や国民経済上の混乱を招くことも考えられます。その上で、消費者には、正確な情報を分かりやすく提供し、買いだめや買い急ぎ等を抑える働きかけを行うことが必要であるというふうに認識をいたしております。まず、物があるということを見せること、そして、一方の方で、同時に物流の関係者にもいろんな形で要請をすること、こういうことが大事だというふうに考えております。
このため、本法案に基づきまして策定いたします基本方針において、こうした消費者への情報提供や働きかけ等といった消費者対策についても位置付けました。その上で、政府対策本部の下、消費者庁など関係省庁とも連携をし、必要な消費者対策を講じていくことを検討しているところであります。
また、消費者を含め、国民の食や農業への関心を深めていただくべく、平時から国内農業の重要性を始めとして、我が国の食料をめぐる現状や課題など様々な情報発信や食育等の取組を行ってまいりましたし、これからもそれは必要であるというふうに思っております。
改正基本法も踏まえ、平時からの食料安全保障の重要性、そして、不測時において各消費者が取るべき行動など、国民理解の一層の醸成に取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/192
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193・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
参考人の方々からは、本当はこれ国民の一人一人が意識をしなければならないことなのに、食料供給困難事態みたいな、危機対応みたいなところに話がすり替えられてしまっているんではないかというような御指摘もあったと思います。
続いて、新潟県阿賀野市農業委員会会長職務代理の笠原氏の御指摘についてお伺いをしたいと思いますが、中山間地で耕作をし続けるために、基盤整備事業の要件緩和の必要性の御指摘があったと思いますけれども、要件もあれこれありますけれども、この笠原氏の要望はどの要件に関したものだったのか、把握はされたんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/193
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194・長井俊彦
○政府参考人(長井俊彦君) ちょっと直接の把握はしておりませんけれども、しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/194
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195・寺田静
○寺田静君 この方、農業委員として年間二百九十七日活動していらっしゃるというようなお話ありました。是非その場でこの要望を確認していただきたかったなというふうに思います。
その上でですけれども、この要件の緩和の必要性についての農水省の御見解をお伺いできればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/195
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196・長井俊彦
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。
中山間地域におきましては、農地の大区画化等を行います農業競争力強化農地整備事業の面積要件は、通常は二十ヘクタール以上となっておりますが、これを十ヘクタール以上に緩和をしておりまして、農地中間管理機構を活用して実施する農地中間管理機構関連農地整備事業におきましては、十ヘクタール以上から五ヘクタール以上としているところであります。
なお、この今申し上げた五ヘクタールにつきましては、五ヘクタール全てでまとまりを有する必要はなく、一つのまとまりが〇・五ヘクタール以上である農地の合計が五ヘクタール以上である場合において事業の実施が可能となっております。
さらに、きめ細かな整備を実施する農地耕作条件改善事業につきましては、面積要件がなく、農業者二者以上、事業費二百万円以上等で実施可能であります。
先ほどの笠原委員にもまたよくお話をお聞きしながら、引き続き中山間地域の実情を踏まえた基盤整備の推進に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/196
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197・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
是非聞き取っていただいて、この要件の緩和ということをかなえていただきたいなというふうに思います。農村の現状をよく知っていらっしゃる方だと思いますので、ここは、ここに来て御指摘をいただいたということもありますし、是非要望かなうことを私からもお願いをしたいと思います。
次に、少し横山先生も触れられていたかなと思いますけれども、同じく、この笠原氏の言葉、御指摘で、一旦荒廃をした農地は耕作できる状態に戻すには膨大な時間と費用が掛かると、刈り払いをしても作付けできるものではないと、耕作可能な状態にしてからでないと農地に参入をしても無意味なんだと、こうした必要性の理解と予算の確保をしてほしいと、また、こうした農地を引き受けた人に対して何らかのインセンティブが必要ではないかという指摘もありましたけれども、ここについて大臣の御見解をお伺いできればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/197
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198・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 荒廃農地につきましては、周辺の農地に悪影響を及ぼしまして、その解消には多額の費用を要することから、御指摘ありましたように、まずはその発生予防に努めることが重要であると考えております。
現在、各地では、農業経営基盤強化促進法に基づきまして地域計画の策定が進められています。荒廃農地の発生防止も含め、農地の適切な活用に向けた地域での話合いが行われているところでありまして、農林水産省といたしましては、これを踏まえ、農地バンクを通じた農地の集積、集約化を始めとした農地の効率的な利用や地域集落の共同活動の促進、そして粗放的利用による維持保全の支援等を総合的に今進めているところでございます。
一方で、委員御指摘のインセンティブにつきましては、再利用が可能な荒廃農地を受け手が借りやすい耕作可能な状態とすることが重要であることから、遊休農地解消緊急対策事業による草刈りや抜根のほか、農地耕作条件改善事業によるきめ細やかな基盤整備等を支援しているところであります。
引き続き、農林水産省といたしましては、荒廃農地の発生防止と解消に必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/198
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199・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
いろいろお話をいただきましたけれども、現状でも何かあるんだというようなお答えだったと思いますけれども、そうであるならば、現場の農業委員の方からこのような御指摘はないんじゃないかなというところを素直に疑問に思いますので、更にここも聞き取りをしていただいて、解決策を提示をいただければというふうに思っております。
次に、株式会社資源・食糧問題研究所の柴田氏、また、東京大学名誉教授の谷口氏からの御指摘についてお伺いをしたいと思います。
柴田氏、谷口氏のお二人から資料を基に語っていただきましたのは、食料を取り巻く現状についての危機感、特に、平時からの備えがなくてどうやって有事に対応できるのかということであったと思います。
柴田氏の御指摘に関してですけれども、経済合理的な考えの下、極限まで農業の外部化を進めてきた、食料の六割以上を外部に依存する構図は危うく、転換を図るべきだと、食料生産の増大、安心できるレベルの在庫の引上げに予算も技術も人も制度も集中をさせてほしいという御指摘がありました。
これに関する大臣の御見解をお伺いできればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/199
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200・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) この参考人が言われるところの農業外部化を進めた結果というのは、これは輸入に頼るというようなことだろうというふうに思います。私たちといたしましては、需要に応じた生産という考え方の下で、国内で生産できるものはできる限り国内で生産することが重要であるというふうに考えております。
このため、改正基本法第二条におきまして、安定的な輸入及び備蓄の確保を図りつつ、国内の農業生産の増大を基本とし、国民への食料の安定供給を図ると規定しているところでありまして、麦、大豆、飼料作物や加工原料用野菜等の輸入依存度の高い品目の国産転換の推進を図ってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/200
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201・寺田静
○寺田静君 今の御答弁のとおりだとすれば、この柴田氏の御指摘のとおり、安心できる在庫の引上げ、そしてこの食料、国内の生産の増大というところに、様々な予算、技術、人、制度などが集中されることがこの基本法の改正の後でかなう、基本計画の中でかなっていくと期待をしてよろしいということでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/201
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202・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) そのために、麦、大豆等の作付け、あるいはスマート農業等、そして農地・農振法によってしっかりと耕作地を守る、こういう基本法に加えた関連法案を提出させていただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/202
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203・寺田静
○寺田静君 そのためには裏付けとなる予算が必要だというふうに思いますけれども、この農業の予算、参考人の方も指摘をされていましたけれども、政府の予算全体に比べて非常に割合としても減ってきていると。この委員の総意だと思いますけれども、本当にどうやったらこの農業予算、農林水産省の予算を増やせるんでしょうか。大臣にお伺いをしていいのか分からないんですけど、一言御所感をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/203
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204・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 私もずうっと調べてみましたけれども、予算が徐々に減っているというのは、一つは、やっぱり農業の公共事業、農村、農業、いわゆるNN事業、土地改良も含めてですね、これがかなり減少している、それが全体の予算低下につながっていると思いますけれども、この食料・農業・農村基本法を機にこれから基本計画も策定をしていきますので、これを一つの区切りとして、これからしっかりと予算を確保して、そのことを私も含めて頑張ってまいりたいと思いますし、委員の皆様方にも御支援、御協力をお願いいたしたいというふうに思うところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/204
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205・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
世界の食料生産というのは過去最高だけれども、消費も増えて、不安定要素がたくさんあると、過去、年間消費に対して在庫が二か月分、一五%ぐらいになると世界的な食料危機が起こって、今は二七%あるから大丈夫じゃないかと思われるかもしれないが、この半分、この在庫の半分以上というのは中国での在庫であるというふうに柴田氏はお話をされていました。このことを考えても、私も不安だなということを改めて思っております。
また、谷口氏の方からは、先ほども少し御紹介しましたけれども、平時の食料安全保障という概念が事実上この基本法の中から抜け落ちてしまったのではないかと御指摘がありましたけれども、ここに関する大臣の御見解をお伺いできればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/205
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206・坂本哲志
○国務大臣(坂本哲志君) 改正食料・農業・農村基本法では、第二条第一項におきまして、基本理念の柱といたしまして、食料安全保障の確保を位置付けました。国民一人一人が良質な食料を確保できる状態を平時、不測時を問わず目指すことというふうにしております。また、平時からの食料安全保障に不可欠な食料の安定供給の在り方につきましては、第二条第二項において、国民に対する食料の安定的な供給については、国内の農業生産の増大を図ることを基本としつつ、これと併せて安定的な輸入及び備蓄の確保を図ると明確に規定しているところでございます。
しっかりと食料の安定した供給体制を取り、そしてそれを国民一人一人の元に届けていくといういわゆる食料アクセス、これをしっかりと今後進めていかなければいけないというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/206
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207・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
是非、引き続き御尽力をいただきたいと思いますけれども、松野先生の御質問に関してだったと思いますけれども、飢えた経験がない私たち、どうやったら、平時何を心掛けたらいいかと、食料困難に陥った経験がない者が大多数となった今、心構えなど何が必要なんだろうかという問いに対して、柴田参考人は、農家の方とお友達になっておいた方がいいんじゃないかというふうに一言目にお話しになられたのが私すごく強く印象に残っております。
ここの場にいらっしゃる方、生産者の方であったり、農家にお友達がある方たくさんいらっしゃると思いますけれども、それ以外の方々、本当に私不安なんじゃないかなと思うんです。なので、どうかこれからもこの平時の備えというところに力点を置いて御尽力をいただけたらということをお話し申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/207
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208・滝波宏文
○委員長(滝波宏文君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後三時一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315007X01620240611/208
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