1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和六年六月六日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
五月三十日
辞任 補欠選任
石川 大我君 吉川 沙織君
五月三十一日
辞任 補欠選任
吉川 沙織君 石川 大我君
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出席者は左のとおり。
委員長 佐々木さやか君
理 事
古庄 玄知君
和田 政宗君
牧山ひろえ君
伊藤 孝江君
川合 孝典君
委 員
岡田 直樹君
北村 経夫君
山東 昭子君
田中 昌史君
森 まさこ君
山崎 正昭君
石川 大我君
福島みずほ君
石川 博崇君
清水 貴之君
仁比 聡平君
鈴木 宗男君
衆議院議員
修正案提出者 池下 卓君
国務大臣
内閣総理大臣 岸田 文雄君
法務大臣 小泉 龍司君
副大臣
法務副大臣 門山 宏哲君
大臣政務官
法務大臣政務官 中野 英幸君
事務局側
常任委員会専門
員 久保田正志君
政府参考人
法務省刑事局長 松下 裕子君
出入国在留管理
庁次長 丸山 秀治君
外務省大臣官房
長 志水 史雄君
外務省中東アフ
リカ局長 安藤 俊英君
厚生労働省大臣
官房審議官 原口 剛君
厚生労働省労働
基準局安全衛生
部長 小林 洋子君
農林水産省大臣
官房審議官 勝野 美江君
国土交通省大臣
官房審議官 蒔苗 浩司君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
○出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実
習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する
法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
○派遣委員の報告
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/0
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001・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案及び出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、出入国在留管理庁次長丸山秀治さん外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/1
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002・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/2
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003・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案及び出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、内閣総理大臣に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/3
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004・古庄玄知
○古庄玄知君 自民党の古庄です。
総理、今日はよろしくお願いします。
まず、技能実習に関する点についてお伺いしたいんですけれども、今回、関係するいろんな方々に会ったり、あるいはこの前、現地でその実際に技能実習生を入れている方に会ったりして、それで確認もしてきたんですけれども、この問題は、関係当事者が私が認識する限り最低五人いると。まず技能実習生、それから現地で技能実習生を集めるいわゆる、まあ言葉は悪いですけど、ブローカーという方、それから送り出し機関、今度受け入れる監理支援機関ですかね、まあそういうところと、現地でその方々を雇用する企業とか個人経営の農業の方とかたくさんおるんですけれども、みんなやっぱり利害が対立して、なかなかまとめるのが難しいと。
例えば一つ言いますと、技能実習生を受け入れるところは、初期投資、お金が結構掛かるので、なるべく長いことうちで働いてもらいたい。それから、自分のところを、後継者がいないので、何とか技能実習生に後継者の代わりにやってもらいたい、そういうところがありますし、今度は技能実習生からしてみると、都会に行ってたくさんの賃金をもらいたい。そういうふうに、利害がかなりいろんなところで対立すると思うので、これを一つの法律の中でまとめ上げるというのは非常に難しかったんじゃないかと思いますけれども。
そういう中で、今回こういう法律をまとめ上げられたことに対してどのような苦心があったのか、総理からお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/4
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005・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 本法案、学識経験者ですとか、あるいは法曹、労使団体、地方公共団体、こうした関係者等から成る有識者会議において、多数回の議論、これを積み重ねました。そして、関係者のヒアリングも行い、その結果取りまとめた提言、こうしたものを踏まえて検討を加え、そして閣議決定に至った、こうした取組を進めてきました。
本法案においては、例えば、この労働者としての立場をより尊重し、外国人本人の意向による転籍を認めることですとか、外国人が従事できる業務の範囲を現行の技能実習制度よりも幅広くするですとか、こうした様々な関係者に配慮した利用しやすい制度となるための措置、これを講ずる、こういったことを心掛けて取組を進めてまいりました。
おっしゃるように、様々な関係者がいる中で、その御意見や現場の実態をしっかりと踏まえつつ実効ある制度をつくり上げることが重要であり、本法案の立案に当たって、法務省あるいは厚生労働省からも、このこうした多くの関係者の調整、苦心したということについては私も報告を受けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/5
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006・古庄玄知
○古庄玄知君 次に、憲法で国会は唯一の立法機関だというふうに規定されておりまして、法律を作るのがこの国会だと。で、法律は何のために作るかというふうに考えますと、実は私自身は、法律は、権力者から国民を守るために作るのが法律であろうというふうに考えております。
これを余り曖昧に法律を作ってしまうと、時の権力者の裁量によって法律が広がったり、あるいは右の方にぶれたり左の方にぶれたりするので、やっぱりきちんと、その作る法律は、誰が考えてもこういうふうにしか解釈できないという一義的な法律を作るのが、法律、我々、立法に携わる者の責務じゃないかと思うのですけれども、それについて総理の、何のために法律を作るのかと、で、法律作るに当たってはどういうふうに考えるべきかという点について、総理の御見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/6
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007・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 一般論として申し上げるのならば、法律のこの文言というもの、これ、規制すべき内容が、内容にかなった表現が選択され、そして立法の意図が正確に、かつ分かりやすく表現されたものになるよう、こういったことに留意しなければならないと承知しておりますが、他方で、この法律の文言、これ、その性質上ある程度一般的、そして抽象的にならざるを得ない、こういった側面もあるところ、このような場合であっても法の執行において混乱を生じさせることはあってはならないということで、この法解釈の指針を国会審議等を通じて可能な限り明確化していく、こうした考え方が重要であると認識をしております。
この本委員会におきましても、例えば、この在留資格取消し事由の故意に公租公課の支払をしないことの解釈について様々な御議論をいただいたと承知をしております。例えば、病気など本人に帰責性があるとは認め難く、やむを得ず公租公課の支払ができない場合について取消し事由に該当しないというような解釈の指針が明らかになってきた、こういった議論が行われたと承知しておりますが、本法案が成立した暁には、こうした国会審議の状況を踏まえつつ、本法の趣旨、解釈等の周知、これをしっかり行うとともに、適切に制度を運用していくこと、これが重要であると認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/7
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008・古庄玄知
○古庄玄知君 時間が参りましたので。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/8
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009・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 立憲民主・社民の牧山ひろえです。
当法務委員会の重要テーマである入管法及び技能実習法の改正の総理入り質疑を担当させていただきます。よろしくお願いいたします。
さて、今回の改正の最大の懸念事項であります永住権の取消し問題について確認します。
衆議院においてもさんざん立法事実についての確認がございましたけれども、残念ながら我々野党を納得させるだけの答弁は返ってきませんでした。参議院におきましても、この重大な人権侵害を内包する永住権の取消しについては、引き続き政府の撤回を求めて質疑してまいりたいと思います。
永住権の取消しは政府内での検討過程が不明確で、それを明らかにしない入管庁の態度は真摯なものとは言い難い、何か後ろめたさすら感じます。苦労して永住権を得て、そして日本に定着されている外国人に対して不要なプレッシャーを掛けるのはやめてください。これらの方々の日本での安定した暮らしを脅かし、外国人を差別的に排除するものです。
衆議院の質疑において、政府案に賛成の議員が、永住外国人の国民年金未納のサンプルが一割以上と指摘しました。次いで日本人の未納を聞くと、二割弱という答弁が返ってきました。外国人の未納者が日本人より多いと立証したかったんでしょうけれども、できなかったというわけです。
なぜ、このような事実を無視して、根拠がない調査報告を持ってきて、そして無理やり永住権の取消しを押し通そうとするんですか。この場で、端的に、納得のいく立法事実を御提示ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/9
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010・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 委員御指摘のように、この永住許可制度の適正化については衆議院、参議院それぞれの法務委員会においてこの議論が行われてきた、これは承知をしております。
そして、この永住者について、この永住許可後に在留期間の更新といった在留審査の手続がないため、一部において公的義務を履行しない場合があるといった指摘があり、このような状況を容認すれば、適正に公的義務の履行をする大多数の永住者や地域住民との間で不公平感を助長するなどのおそれがあるところであり、そこで、永住許可制度を適正化し、受け入れた外国人と日本人が互いを尊重して生活できる共生社会の実現を目指すための改正をすることとしたものであり、これらの一連の状況が立法事実であると御説明をさせていただいていると承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/10
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011・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 残念ながら、総理のおっしゃる立法事実というのは本当に根拠がないんですよ。本当にいいかげんなもので。
永住権の取消しについての立法事実に関しては、経緯も不透明だし、説明もそのたびに違う。当初求めても出てこなかった書面が後から急に出てきたりもしています。立法事実は立法の必要性を裏付ける最重要の事実関係で、これが崩れてしまったら法案は出し直さなきゃいけないぐらいの重いものなんですね。この重要な立法事実がこの有様で、もう本当に不信感しかないです。
さて、今回の永住資格の取消し制度については、立法事実が曖昧なことに加えて、顕著な特徴があります。永住取消しの三要件や永住資格取消し後の在留資格の変更など、制度の根幹である重要事項のほとんどが極めて幅広く解釈できる、言うならば曖昧な文言で規定されているということです。
このことに対する懸念を質問すると、法務省とか入管庁は、条文文言上、永住権の取消し事由に該当し得ることを否定しませんが、運用上そこまでやらないと言ってみたり、一般論として永住権の取消しを想定しないと言ったり、個別事案ごと丁寧に判断していくとして、永住権の取消し事由に該当する場合でも必ずしも全てのケースで永住権が取り消されるわけではないなどと答弁なさっているんですね。
現在、委員会そのほかで表明されている法務省ですとか入管庁のこれらの方針は、時代が変わったり担当者が替わっても、一次の担当者による口頭での説明が変わることがないと総理は断言できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/11
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012・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) この先ほども答弁の中で少し触れさせていただきましたが、この一般論として法律の文言は、立法意図を正確に、かつ分かりやすく表現したものとなるよう留意しなければならないと承知しておりますが、他方で法律の文言は、その性質上ある程度一般的、抽象的にならざるを得ない、こういった側面もあります。ただし、このような場合であっても法の執行において混乱を生じることがないよう法の解釈の指針を可能な限り明確化していくことが重要であり、だからこそ、法務省においては、今回の国会審議等を踏まえつつ、永住者の在留資格を取り消すことが想定される典型的な事例などについてガイドラインとして公表することを予定している、このように承知をしております。
このようなガイドラインの作成、公表により、手続の透明性、処分の公平性、これらが一層確保され、担当者が替わっても安定的な法の運用が担保されることになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/12
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013・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 法律が通った後じゃ、ガイドラインができるまで見届けられないんですよ、私たちは。ここで確認しなきゃいけないんです。ちゃんとしたものができないといけない。そのためには、やっぱり法文に書くしかないんです、重要なことを。重要なことです。
当局の言うように、広範囲に、かつ恣意的に解釈する気がないなら、そのように法律の文章を限定すればいいのに、そうしないのはなぜなんでしょうか。当局は、法案成立後ガイドラインを作ってそれに準拠する旨、総理もそうですけれども、答弁されていますけれども、解釈の余地を限定するように法文を作り込んでおけばガイドラインなど必要ないんじゃないですか。総理、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/13
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014・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) その点については、先ほどの答弁の前半部分で申し上げたように、この法律のこのありよう、一般論として、これは当然、法律の文言、正確に分かりやすく表現したものに留意しなければなりませんが、他方で法律の文言は、性質上ある程度一般的、抽象的にならざるを得ない、こういった側面がある。こういったことから、そのガイドライン等において可能な限り法解釈の指針、これを明確化する必要がある、このように申し上げているところであります。こうした法律のこの文言の実情、あるべき姿を念頭に置いて、具体的なこの法の適用において現実にしっかりと対応できる、こういった観点からこのガイドライン等々の工夫をしていくことが重要である。
そして、何よりもこうした委員会でのこの審議、これをしっかり反映させなければならないという点において、ガイドラインにおいて、こういった法案のこの審議のありようもしっかり踏まえた上で作成が行われる、こういった点が重要であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/14
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015・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 総理、言い訳しないでください。意図的に、あえて意味を限定しない文言を規定しているとしか思えません。法文を曖昧に作っておけば、入管が更に巨大なフリーハンドを得て、徹底的な支配管理体制を構築するためとしか思えません。
総理、通告をしていませんが、更問いですので、この懸念にお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/15
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016・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今申し上げたとおり、法律のこの文言のありようと現実の法律の適用との間のしっかりとしたこのバランスを取らなければいけない。何よりも、この法の安定性、あるいはこの関係者のこの予見性、こういったものにもしっかり配慮しなければならない。こういったことから、先ほど申し上げましたようなこのガイドライン等の工夫をしなければならない、このように申し上げております。
是非、そのためにも、こうした委員会での質疑が重要であると認識をしております。この質疑においてしっかりとこの懸念点についても確認をしていただき、こういったやり取りをしっかり反映したガイドライン等を作成することが重要であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/16
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017・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 その曖昧さがもうどれだけの人を不安にさせているか、本当に総理は分かっていないと思います。
入管庁が絡む案件における広範過ぎる裁量権の問題については、去年の入管難民法の審議においても私たちさんざん指摘しました。それが全く改善されていない。それどころか悪化しています。この外国人には文句を言わせない、口を挟ませないという強権的な管理体制が、よほど現在の政府・与党には都合がいいんだろうなと感じます。
日本に長く暮らしているフランス人のテレビプロデューサーはこう言ったそうです。外国人として永住権を獲得するというのは、日本社会と運命を共にする仲間として日本人に認められたという気持ちです、私は日本で死ぬ覚悟です、最後の最後までこの日本社会に役に立ちたい気持ちです。
このような人たちが数多く日本に暮らしています。このような気持ちを持ってくれる人を増やしていく、これこそ共生社会の実現ではないでしょうか。にもかかわらず、永住資格取消し事由を加えるに際して、法務省若しくは入管庁は、日本に暮らす外国籍、無国籍市民の団体やコミュニティーからヒアリングや意見交換を行っていないと大臣が明言されました。
総理、制度によって影響を受ける直接の当事者の意見を聞かないままで成立に突き進んでいいとお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/17
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018・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) おっしゃるように、共生社会実現するために多くのこの多様な立場の関係者の皆さんの意見を聞く、こういった姿勢は重要であると考えます。
永住許可制度の適正化の検討過程では、この法務大臣の私的懇談会である第七次出入国管理政策懇談会において、外国人や弁護士を含めた有識者から、永住者やその家族は長期にわたって日本に滞在し、帰国してももはや生活の基盤がない、子供たちに至っては言葉も分からないということもあり得る、深刻なダメージを受けることになるなど、永住者等の立場も踏まえた様々な御意見いただいたと承知をしています。
法務省としては、そのような有識者からの意見を当事者や関係者からの御意見に代わるものとして受け止め、永住者の在留資格につき、一部の悪質な場合に取り消すことができるものとしつつ、その場合は原則として他の在留資格に変更することとして、永住者の本邦への定住性に十分配慮して慎重に立案をしたものであり、当事者や関係者の意見について全く考慮せず立案した、こういったことはないと承知をしております。
したがって、当事者の関係者の御意見、これ既に適切に踏まえられていると考えているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/18
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019・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 結局、当事者の声には耳を塞いでいるじゃないですか、今認めたじゃないですか。そもそも直接影響を受ける当事者の声を何で聞かないのか。本当にこのことを残念ながら永住者のほとんどの人は知らないですよ、まだ。まだまだ全然知らない。何で永住者の意見を聞かないのか、不思議に思えてなりません。
さて、現行の技能実習制度は多くの人権侵害による悲惨を生んできました。長年にわたり問題は発生し続け、幾度となく数多くの自殺者、犯罪者、失踪者などが生じました。妊娠すると無理やり帰国させるという思いからおなかの子を死なせてしまった、そういった悲しい事案もありました。低賃金、劣悪な住環境、各種のハラスメント、日常茶飯事です。
自公政権の長年にわたる先送りのために、これら人権侵害に起因する多くの犠牲を生んできた認識と真摯な反省はございますでしょうか、総理。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/19
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020・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、現行の技能実習制度の下、制度趣旨を理解していない一部の受入れ機関において技能実習生に対する人権侵害行為が生じたこと、このことは政府として重く受け止めております。
そして、これまでも平成二十九年十一月に施行された技能実習法の下、外国人技能実習機構が厳格に検査等を実施すること等により技能実習制度の適正化に努めてきましたが、今回、より適正に外国人材の受入れを図るために技能実習制度に代わる制度として育成就労制度を創設することとしたものであり、こうした取組によって、労働者としての権利保護、より適切に図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/20
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021・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 全然反省していないですね。同じような法律また出してきて、本当にとんでもないです。
根本的な視点に戻ります。政府は、本法案の審議に当たって外国人就労者に選ばれる国となるようと盛んに述べていますが、円安だったり日本での就業に伴う技術的な付加価値が低下している中で、日本の何を売りとするのか、お考えをお示しいただきたいと思います。
通告していませんが、日本の進路に関する重要な認識ですので、是非、一国の宰相としては当然認識をお持ちですので、総理、お考えをお示しください。日本のストロングポイント、お示しください。日本の強み、魅力ですね。外国人の就労者に選ばれる国として、ストロングポイントを是非言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/21
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022・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 要は、選ばれる国であるために日本としてのセールスポイント、強み、これは何かという御質問かと思いますが、おっしゃるように、今国際社会の中でこの優秀な外国人人材の獲得競争激しくなっています。その中にあって、日本として優秀な人材を確保するための強み、まずは日本社会として安定、安全な社会であるということ、そして、それぞれの労働者の、外国人労働者の方々がその才能を生かして働くことができるような環境がしっかりと確保されているということ、そして、そのためにも、今回の制度改正等を通じてこの人権等が適切に守られているということ、そして何よりも、生活していくに当たって、この共生社会、この日本の、日本人と、そして外国からお越しいただく外国人の方が共生して未来を考えることができる、こういった社会が実現していくこと、これが何よりも重要であると思います。
こうした共生社会を実現することによって、先ほど申し上げたように、外国人労働者の方々が才能を生かして安心、安全に働くことができる、こういった社会をしっかり示していくこと、これが外国人材の方に日本に来ていただくための大変重要なポイントであると思います。今回の法改正も、そういった共生社会を目指すための法案であると認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/22
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023・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 総理の言う、法案の、安定した社会にならないので、この法案のままでは。是非、永住権取消し、やめてください。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/23
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024・石川博崇
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。
総理、今日はよろしくお願いいたします。
まず、外国人との共生社会の実現に向けたロードマップについて伺わせていただきます。
このロードマップは、外国人受入れ政策に関しまして、それまで各省庁が縦割りにばらばらにやっていた状況から脱して、政府全体で横串を刺して、共生社会の中長期的な将来ビジョンを共有すべきと公明党からも提案をさせていただいて、三年前から実施されてまいりました。安全、安心な社会、多様性に富んだ活力ある社会、個人の尊厳と人権を尊重した社会というビジョンの下で、五年間に取り組むべき様々な施策を工程表とともに盛り込まれているものでございます。
また、ホームページには、このロードマップの易しい日本語バージョン、あるいは英語、中国語、韓国語など十を超える言語にも翻訳されて、外国の方々に対しても我が国の施策として広く発信されているところでございます。
今年は、このロードマップ、スタートして三年目、五年間の対象期間のちょうど中間年に当たる年でございます。
そこで、総理に伺いますが、岸田内閣が目指す具体的な共生社会のビジョン、また在り方について、総理のお考えを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/24
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025・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 外国人との共生の在り方ですが、これ、世界各国でこれは様々な状況にあります。しかし、その中にあって、やはり日本は日本の現実に合った共生社会を考えていかなければならないわけであり、日本人と、そして外国人が互いに尊重し、安全、安心に暮らせる社会の実現を目指していく必要があると考えております。
こうした考え方に基づいて、政府としては、令和四年六月に決定した御指摘のロードマップにおいて、目指すべき外国人との共生社会のビジョンとして、安全、安心な社会、多様性に富んだ活力ある社会、個人の尊厳と人権を尊重した社会、この三つのビジョンを掲げております。そして、外国人の人権に配慮しながら、ルールにのっとって外国人を受け入れ、適切な支援を行いつつ、ルールに違反する者に対しては厳正に対応してきたところです。
そして、御指摘のとおり、本年ロードマップの中間年にあるところですが、このロードマップは、毎年これ見直しを行っております。この毎年行っている見直し、これ積み重ねることによって、必要に応じて外国人との共生社会の実現に向けた取組、政府一丸となって進めてきたところであり、これからも引き続き、このロードマップ等に基づいて、外国人との共生社会の実現に向けた取組、着実に進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/25
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026・石川博崇
○石川博崇君 ありがとうございます。
先月二十三日、総理は東京都内での講演で、ASEANと連携してAIや半導体に関する高度デジタル人材を今後五年間で十万人育成するということを表明されました。デジタルに限らず、多様な人材の獲得は、我が国の将来にとって極めて重要な戦略だというふうに思います。
外国人材の方々が、日本において技能を修得されて、日本語を上達され、また日本社会の中で活躍していただく。今回の法改正が、このような日本の将来の在り方にどのような具体的な役割を果たすことになるのか、総理の御認識を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/26
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027・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 外国人材の獲得に係る国際的な競争、これが激化している中にあって、この外国人から選ばれる国になるためには、我が国で働く外国人の人権を適切に保護すること、これはもちろんのこと、外国人が我が国で安全、安心に暮らし、将来を見据えて働くことができる環境を整備する、これが重要です。
今般のこの育成就労制度は、転籍制限の緩和や受入れ機関、送り出し機関の適正化など、制度全体を適正化するための方策、これをしっかりと講じているほか、この育成・キャリア形成プログラムの策定等によりキャリアアップの道筋をより明確化すること、これを予定しているところです。また、各自治体が地域協議体にも積極的に参加をして、地域産業政策の観点からの受入れ環境整備に取り組む、また段階的な日本語能力の向上方策を講ずる、こういった方針も掲げています。
日本人と外国人が互いに尊重し、安全、安心に暮らせる社会の実現を目指すものになっていると考えております。こういった取組によって、この育成就労制度は将来の活力ある日本社会の形成に重要な役割を果たすものであると認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/27
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028・石川博崇
○石川博崇君 時間がありませんので、最後に御質問させていただきたいと思います。
当委員会でも様々議論されております永住許可の適正化について、不安を感じておられる方が少なからずいらっしゃるのは事実だというふうに思います。この点、小泉法務大臣からは、この永住許可の適正化について、当委員会では、いきなり取消しということではなく、様々なやり取りをし、事実関係を確かめ、様々なステップを踏んで、丁寧にその手続を踏んでいく、そういう考え方ですという御答弁をされていますし、また公租公課の不払についても、条文上は故意となっているけれども、その故意の中で、悪質性があるもの、また本人に帰すべき事情、理由があるもの、こういったもので絞らなければならないと御答弁されております。
是非、総理からも、この永住許可の適正化について極めて慎重に運用していくということを確認をさせていただきたいと思いますし、通常の生活を送っていらっしゃる永住者の方々については心配無用であるということを確認させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/28
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029・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今般の永住許可制度の適正化は、この永住者について永住許可後に在留資格の手続がないことから生じている課題に対応するものです。すなわち、適正な在留管理の観点から、永住許可後に故意に公的義務を履行しないなど、永住許可の要件を満たさなくなった一部の悪質な場合についてその在留資格を取り消すことができるとするものであり、適切に公的義務を履行して日本で生活をしている大多数の永住者に影響を及ぼすものではないと説明をさせていただいております。
その上で、取消しの要否等については、個別の事案ごとに悪質性を判断し、仮に在留資格を取り消す場合であっても、委員がおっしゃっているように、原則としてこの定住者の在留資格への変更、これを行うこととしているところであります。
この永住者の我が国への定住性にも十分配慮して、この制度を運用してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/29
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030・石川博崇
○石川博崇君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/30
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031・清水貴之
○清水貴之君 日本維新の会の清水です。よろしくお願いをいたします。
今回の法改正ですけれども、育成就労と、技能実習から名前を変えるものの、基本的には、これまでどおり特に地方の産業界で人手が足りていない分野で外国の方に働いてもらおうと、これからは、技能実習のときは国際貢献という建前がありましたけれども、今後は労働力として迎え入れようという政策だというふうに理解をしております。
ただ、我々としては、果たしてそれが日本の経済発展、生産性向上、こういった観点から見てふさわしい政策なのかというところに疑問を持っているところがあります。
まず、総理にお伺いしたいのは、様々な技能のレベルがあります、高技能であったり、まあいろいろありますけれども、どのような外国人を、期間や場所など、どのように受け入れる見込みなのか。今、この分野、人手が足りていないから人手を入れなきゃというそういった短期的な視点ではなくて、これから将来的には永住者も増えていきます、社会への影響も非常に大きい、ですから、国として、そのような大きなビジョンといいますか、戦略といいますか、こういったものが必要ではないかというふうに思っているんですが、総理、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/31
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032・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 外国人材の受入れについては、政府としては、専門的、技術的分野の外国人については、経済活性化の観点から積極的に受け入れていく、一方で、それ以外の外国人については、社会的コスト等の幅広い観点から国民的コンセンサスを踏まえつつ検討する、こうした方針を示しております。
その上で、外国人材をどの程度受け入れていくかということについては、当該外国人材の性格にもよるため一概にお答えすることは困難ですが、例えば特定技能制度においては、特定技能一号として入国する外国人について、生産性の向上及び国内人材の確保の取組を行ってもなお不足する労働者数を特定産業分野ごとに受入れ見込み数として設定し、これを上限として受け入れているところです。
いずれにせよ、この外国人材の受入れについては、今後とも、多様な御意見、御指摘に耳を傾けて、政府全体で幅広い検討を行っていくことが重要であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/32
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033・清水貴之
○清水貴之君 今、総理、生産性の向上など図って頑張っても、それでもまだ人手が足りないところというお話がありましたけれども、逆もあると思っております。人手を入れてしまっているがために生産性の向上につながらないことがあるのではないかというふうにも考えます。例えば、かつて、外国人労働者の労働力に大きく自動車産業などは依存をしていました。でも、今や、自動化の進展で生産性を高めて、そういった労働者への依存を大きく下げてきているわけですね。
ですから、人手不足対策としての安価な外国人労働力の受入れは、そういった技術革新を阻害することにつながり、逆に生産性の向上も阻害してしまうのではないかと。結果として、生産性上がりませんから、これ賃金も上がっていかない、ある程度低いところの賃金で止まってしまうことになるんじゃないかと、そのようにも考えるんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/33
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034・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今般のこの育成就労制度ですが、国内労働市場への悪影響を生じさせないよう一定の条件の下で受け入れる、このようにしております。育成就労制度は、生産性向上及び国内人材の確保の取組を行ってもなお労働者が不足する分野の人材を確保、育成するための制度であります。この生産性の向上等の取組が行われることは当然の前提で、こうした制度が行われ、が用意されます。これ、生産性を低下させることにつながるものではないと考えております。
さらに、これ、育成就労外国人の受入れに当たっては、育成就労外国人に対する報酬の額が日本人が当該業務に従事する場合の報酬額と同等以上であること、あるいは育成就労外国人の待遇が主務省令で定める基準に適合しているという要件、これを設けることとしております。
このため、制度上も日本人の従業員の賃上げが阻害されるとは考えておりませんが、このような仕組みも合わせつつ、三位一体の労働市場改革などの構造的な改革を推進し、生産性の向上や賃上げの実現にも取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/34
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035・清水貴之
○清水貴之君 生産性の低下を招いてしまうとは思っていません。生産性の向上が進まないんじゃないかというふうに考えているところがあります。
総理、最後、もう時間がありませんので、移民政策についてお伺いします。
いわゆる移民政策を取る考えはないとこれまで答弁をされておりますが、今年の二月九日、関係閣僚会議において、「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議最終報告書を踏まえた政府の対応について」、いわゆる政府対応、この中には、育成就労制度を通じて、永住につながる特定技能制度による外国人の受入れ数が増加することが予想されることから、永住許可制度の適正化を行う、こういった話で永住権の取消しの話が入ってきたわけですけれども、外国人の受入れ数が増加することが予想されると、これはっきりこのように述べているわけですね。
これは移民政策ではないのですか。移民政策自体に、どちらか、賛成、反対、強い意思を持っているわけではないんですけれども、技能実習のときのように本音と建前にずれが生じてしまっている状況というのは良くないと思っておりまして、ちゃんと実態を踏まえたことを見据えて政策を立てていくべきだというふうに考えているのですが、これについてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/35
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036・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 政府としては、国民の人口に比して一定程度の規模の外国人及びその家族を期限を設けることなく受け入れることによって国家を維持していこうとするいわゆる移民政策、これを取る考えはないと説明をさせていただいております。
本法案において創設する育成就労制度は、三年間の就労を通じて特定技能一号の技能水準の人材を育成するためのものであり、特定技能制度と同様に、受入れ見込み数を上限、受入れ見込み数を上限に受入れを行うこととしておるほか、家族の帯同を認めないこととしています。
また、育成就労から特定技能一号を経て、在留期間を何度でも更新可能な特定技能二号に移行するためには、所要の技能試験及び日本語能力試験に都度合格することが求められます。その上で、特定技能二号に移行した後も在留期間の更新前には厳格な審査が行われるものであって、無期限の在留を当然に認めるものではないため、これらはいわゆる移民政策につながるものではないと認識をしているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/36
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037・清水貴之
○清水貴之君 時間ですので終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/37
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038・川合孝典
○川合孝典君 国民民主党の川合です。
総理、よろしくお願いします。
私も、永住資格の取消しに関して総理の御答弁を議事録に残したいので、そこを中心に質問させていただきたいと思います。
公租公課の支払を理由として永住権の取消しということが今回規定されるということなんですが、そもそも永住権を取得するためには、公租公課の遅滞のない支払も含めて十年間納めていただいていることを前提として永住資格が付与されているということを考えると、そのことを御存じの永住資格者が公租公課の支払を意図的に怠るということ自体が考えにくいと私は実は思っております。そのことが、恐らく有識者会議でもこの永住資格の取消しということについて一切議論されていなかった、議題にも上がっていなかったことのその理由だと私は捉えておりまして、このことは有識者会議の座長も全く議論されていないということを明確におっしゃっていまして、確認はさせていただきました。
にもかかわらず、改正法二十二条の四第一項八の規定を入れようと、規定しようとする理由というのがどうしても私には合理的に理解できないわけでありまして、そのことの理由を総理にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/38
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039・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今般の永住許可制度の適正化ですが、この永住者について永住許可後に在留期間の更新といった在留審査の手続がないため、一部において公的義務を履行しない場合があるという指摘に対応するものであります。
例えば、法務省においては、従前から永住者の一部について、永住許可の審査において必要とされる期間、税を納付し、そして許可の取得後に滞納するなどの事案がある、こういった指摘を受けており、実際に永住者に関連する審査の中でそのような事例を確認しているものと承知をしております。このような状況を容認すれば、適正に公的義務を履行する大多数の永住者や地域住民との間で不公平感を助長するなどのおそれがあります。また、このことがひいては、永住者全体に対する不当な偏見、これを招くおそれもあります。
そこで、永住許可制度を適正化し、受け入れた外国人と日本人が互いに尊重して生活できる共生社会の実現を目指すために今回の改正を行うこととしたものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/39
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040・川合孝典
○川合孝典君 いわゆる税を滞納している永住者の方がいらっしゃるということで、そこに対して具体的にどういう対応を地方自治体、自治体が対応を行っているのかということについて、具体的にどういった事例に対してどういう手続取っているのかということを、実は法務省も入管庁も具体的な手続内容については把握していません。自治体が対応して、その対応結果に基づいて結果の報告をしているということでありますので、そこに正確な対応がなされているのかということも含めてここは検証しないといけない実は内容で、ここに実は情報の分断が生じていると私は問題意識を持っております。そこは是非調べていただきたいと思います。
その上で、次の通告した質問でありますが、公租公課を支払わない場合、現行法でも差押えや刑罰等の制裁が既に可能なわけなんですね。その上で、厳しい永住許可の審査を得て永住許可証を受けた者に対して、本人や家族の安定した在留基盤を奪うほどの規定を課すことは相当性を欠くのではないのかというのが一般的な声として非常に強いわけであります。
永住権を取得する困難さを考えると、永住資格を剥奪しなければいけないほど悪質なその事例というのは、総理は具体的に何をもって悪質だと、事例と考えていらっしゃるのか、これを是非お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/40
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041・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 我が国に在留する外国人については、責任ある社会の構成員として、公的義務の履行など、我が国で生活する上で最低限必要なルールを守っていただく必要があります。その故意に公租公課の支払をしない永住者については、適切に公的義務の履行がされているとは言い難く、その在留状況が良好とは評価できないことから、永住者の在留資格を与え続けることは相当でないと考えます。
一般的に、公租公課の滞納等による差押え等は、公租公課の徴収を目的とするものであります。そして、永住者の在留資格の取消しは、在留状況が良好とは評価できない永住者に関し、法務大臣が適切な在留管理を行うこと、これを目的とするものであります。これらのこの二つの目的、これは両立することから、差押え等がなされるからといって、この永住者の在留資格を取り消すことができる制度を設ける必要がないとは考えておりません。
その上で、この永住者の在留資格の取消しの要否等については個別の事案ごとに悪質性を判断する旨申し上げてきたところですが、最終的に取り消すような場合としては、例えば、公租公課の支払義務があることを認識しているにもかかわらず、あえてその支払をせず、かつ今後も納税する意思がないことが明らかである場合、こういった場合などが考えられると認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/41
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042・川合孝典
○川合孝典君 今御答弁いただいたことで少しクリアになったところもありますけれども、この故意という言葉自体の解釈によっていかようにも恣意的に判断ができるということ、そのことを懸念しております。
したがって、もろもろこれから法務委員会の方でも確認をさせていただきたいと思いますが、改めて確認なんですけど、例えば破産や失業、他人の債務の連帯保証人ですとか、そういった事情によって公租公課の滞納が生じる可能性、これは当然日本人であっても否定はできないわけでありまして、こうした事例は永住資格の剥奪の対象とはならないと理解してよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/42
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043・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 永住者の在留資格を取り消すことができる場合として本法案で規定している故意に公租公課の支払をしない場合とは、公租公課の支払義務があることを認識しているにもかかわらず、あえてその支払をしない場合をいうとしております。
これに該当するか否かは個々の事案の具体的状況等を考慮して判断するものであるため一概にお答えすることは困難でありますが、一般論として申し上げると、破産や失業などの事情により公租公課に滞納を生じさせたことについて、本人に帰責性があるとは認め難く、やむを得ず支払えなかったと認められる場合にはこれに該当しないと、該当しないものと考えております。
なお、仮に在留資格を取り消すことができる場合であっても、原則として定住者の在留資格への変更を行うこととしているところであり、永住者の我が国への定住性にも十分配慮して適切に制度を運用してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/43
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044・川合孝典
○川合孝典君 大切な御答弁いただきました。ありがとうございました。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/44
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045・仁比聡平
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
先日、参考人においでいただいた横浜華僑総会の曽徳深参考人が、この法案についてこうお述べになりました。余りにも材の方に重点を置き過ぎて、人というものを見失っているのではないか、人があるから材があるのであって、もっと人として尊重できるような施策、例えば、家族帯同はいけないというが、家族がいることによって実はその人はもっと成長するし、もっと働きがいが出るんだろうと思う。
私はそのとおりだと思うんです。政府が、この法案でも受入れ拡大を目指す外国人をあくまで外国人材と呼び、正面から外国人労働者と呼ばないのは、総理、なぜですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/45
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046・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 政府としては、我が国で働くこの外国人の方々を指す用語として、外国人材という用語を用いることもあれば、外国人労働者という用語を用いることもあり、必ずしも両者を明確に区別して使い分けているものではないと認識をしております。
また、政府は、この専門的、技術的分野の外国人については、経済活性化の観点から積極的に受け入れ、それ以外の外国人については、社会的コスト等の幅広い観点から国民的コンセンサスを踏まえて検討しつつ、検討する、こうした方針を示しておりますが、いずれに該当する方であっても、我が国で働く方々を労働者として適切に権利保護することこそが、我が国が選ばれる国になるため当然の前提であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/46
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047・仁比聡平
○仁比聡平君 かつて研修生と呼ばれた今日の技能実習生は、労働者とは認められませんでした。その労働者性が認められてからも既に久しいです。数も多くなっています。とりわけ人手不足分野で、なくてはならないレギュラーメンバーになっている。ところが、総理は、この私の質問に対して、総理自身の認識を本会議場で答弁されませんでした。そこには、移民政策は取らないなどと繰り返して、現実に外国人労働者が果たしている役割に目を塞いでいくという、目を塞いでしまうと、そういう姿勢があるのではないか。そんなことで選ばれる国になどなれるはずがないと私は思うんですね。
特別永住者の外国人登録証の常時携帯義務を廃止した二〇〇九年の法改正のとき、永住者の法的地位について、その歴史的背景を踏まえつつ、生活の安定に資する検討を求める法文が置かれました。ところが、本法案の在留資格の取消し事由拡大というのはこれに逆行するものなんですね。だから、華僑社会や、あるいは在日韓国人・朝鮮人の社会、あるいは日系ブラジル人の交流協会、先日、地方公聴会でお会いしましたけれども、その当事者団体から厳しい抗議の声が出ている。
五月二十九日に横浜中華街で開かれた集会がありました。そこでの参加者は、私たちの話を聞かずに法律を変える、二級市民の扱いでおかしいと、話も聞かずに何でこんなことするのかと。この声に総理がどう応えるのかなんですよ。昨日は、神奈川県弁護士会の会長声明、外国人市民への苛烈な差別であり、撤回をというこの会見に、大陸系出身の曽参考人と、台湾籍の永住者であって、台湾出身の投資家や経営者と交流がある楊縵儀さんが同席をして記者会見されました。ここで楊さんは、永住権取消しの不安があるのは大きなストレスになる、日本で生活し、投資をしてくれる人はこれからも必要だと、挙げてこうした声が沸き起こっていると。今日午後は、在日本大韓民国民団の皆さんがこの国会前で集会をされると。
この抗議、撤回をという声に応えるべきではありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/47
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048・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、一点、私の参議院本会議場における答弁について御指摘がありました。五月二十八日の参議院本会議における私の答弁は、外国人を使い捨てにしてきた自民党政治を根本から改めるべきではないかといった委員からの御指摘に対して、外国人が使い捨てにされるといったことがないよう、受け入れた外国人材の育成や日本人と同等の待遇確保にしっかりと取り組んでまいると申し上げたものであり、委員の御指摘、なくてはならないレギュラーメンバーになっている、こういった実情があることは当然の前提に、前提としていると考えております。
その上で、後半の御質問ですが、この平成二十一年の入管法改正法の附則第六十条第三項は、衆議院による修正により追加されたものでありますが、その趣旨は、永住者の中でも我が国への定着性が特に高い方について、特別の歴史的背景を踏まえて、在留カードの常時携帯義務など在留管理の在り方について検討を進めていくべきというものであり、その対応については法務省において検討中であると承知をしております。
そして、今回のこの制度の適正化、これは共生社会の実現のために必要なものであると説明をさせていただいているわけですが、法務省においては、永住者の視点に立った有識者からの意見も踏まえ、永住者の我が国への定住性に十分配慮して制度を立案したものであると承知をしております。また、実際の制度の運用に当たっても、御指摘の華僑の方、在留韓国人の方、日系ブラジル人の方等を含め、永住者の定着性に十分配慮した慎重な運用が必要であり、そのことについては法務省も十分認識しているものと承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/48
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049・仁比聡平
○仁比聡平君 声も聞かずに生活の基盤を奪うのかという問題なんですよ。在留資格、在留カードの常時携帯義務を始めとしてというけれども、入管法上の義務違反を在留資格の取消し事由にするんだというわけでしょう。
こういう底深い外国人差別と排外主義を拭い去る徹底審議こそ、我々参議院法務委員会の重大な責任だということを強く申し上げて、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/49
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050・鈴木宗男
○鈴木宗男君 総理、連日御苦労さまです。
二法案、私は賛成ですから、細かい質問等は小泉大臣がしっかりやってくれますのでそこに譲るとして、せっかくの機会ですので総理にお尋ねいたします。
来週からイタリアでG7サミットが開かれます。総理、どうか総理がリーダーシップを取って、ウクライナ戦争停戦、和平に向けて大きな役割、発信をしてほしいと思いますが、総理の認識、決意のほどをお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/50
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051・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 現在、国際社会は、今なお続くロシアのウクライナ侵略や緊迫度が高まる中東情勢といった挑戦に直面していますが、そうした状況でこそ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持強化し、人間の尊厳が確保される社会を実現すること、極めて重要です。
来週、イタリアで開催されるG7プーリア・サミットですが、諸般の事情が許せば私自身出席をさせていただき、先ほど申し上げました観点からG7首脳との間で率直に議論を行い、G7が結束してこの社会、国際社会に直面する諸課題への対応、これを日本としても主導していく姿勢、これをしっかり示してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/51
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052・鈴木宗男
○鈴木宗男君 総理、私は、ウクライナのゼレンスキー大統領の、武器をくれ、お金も供与してくれという、これをやっていれば戦争が長引くだけなんです。七十九年前の、私は、日本と今のウクライナ、オーバーラップするんです。七十九年前も日本は、一部の跳ね上がった軍人が、一兵、一人になるまで戦う、女、子供に竹やりを持たせて米兵を討つといってあおってきました。結果、悲惨な出来事が起きました。半年早く日本が降伏していれば、東京大空襲も沖縄戦も、いわんや広島、長崎に核が落とされることはなかったんです。この日本の経験を踏まえて、私は、岸田総理が発言することは極めて重いと思うんです。
どうか総理、停戦に向けて、G7の中で唯一武器を送っていないのは日本だけなんです。ほかの六か国は仲介に入る資格ないんです。日本だけは武器を送っていないからものを言えるんですよ。インドやブラジルも武器を送っていません。ローマ教皇もウクライナに、降伏は恥ずかしいことじゃない、国民の命を守ることが大事だ、国を守ることが大事だと、こう訴えている。そのローマ教皇も呼ばれているんです。トルコも中に入っているんです。そして、トルコも呼ばれていますね。ブラジルももちろん呼ばれているんです。そういう国とも連携しながら、総理、せっかく、昨年、広島サミット、総理が見事に指導力を発揮して成功されたんです。その流れの中で世界の平和の重みについて是非とも発言していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/52
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053・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) このウクライナについてですが、これは、ロシアの侵略をやめさせ、一日も早く公正かつ永続的な平和をウクライナに実現することが重要であり、我が国としても、そのための取組、これを是非主導していきたいと考えております。この立場、考え方は、昨年二月、百四十一か国の圧倒的多数の賛成を得て採択された国連総会決議でも言及されている国際社会の共通の立場であると考えています。
引き続き、ウクライナに公正かつ永続的な平和を実現するべく、G7、もちろんでありますし、さらにはグローバルサウスと呼ばれるG7を超えた幅広い諸国を含む各国とも連携しつつ、こうした取組、リーダーシップを発揮していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/53
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054・鈴木宗男
○鈴木宗男君 総理、是非とも、被爆国日本、しかも被爆地広島から出た内閣総理大臣であります。平和の重みを訴えていただきたいんです。どうか総理、総理が、ここは銃を置け、平和の重みを訴えることによって、私は日本が国際社会から信頼を受けると、こう思うんです。どうか総理、停戦だ、和平に乗れ、この発言をしていただきたいと思いますが、いま一度総理のお考えをお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/54
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055・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 具体的なこの取組については議論が行われているところでありますが、ロシアの侵略をやめさせ、一日も早く公正かつ永続的な平和をウクライナに実現すること、これが重要である、先ほど申し上げたとおりでありますが、国連決議での考え方、こうした共通の立場、こういったものも踏まえながら、日本としてG7やグローバルサウスと連携をしていきたいと考えております。
是非、こういった考え方においてどのような取組を進めるべきなのか、国際社会とよく連携をしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/55
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056・鈴木宗男
○鈴木宗男君 総理、戦争には双方言い分があります。さきの大戦でも、日本には日本の言い分があったんではないでしょうか。やめらせることが一番なんです。
総理、やめらせるということについては私と考えは同じだと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/56
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057・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 一日も早く公正かつ永続的な平和をウクライナに実現するということ、これは重要であると思います。そのためにロシアの侵略をやめさせなければならない。
これは、委員の方から停戦ということを強調されるわけでありますが、具体的にどのようにこの平和を実現していくかということについては、侵略を受けて、国民の命を懸けて主権と領土の一体性を守るために戦っているこういったウクライナの国民の皆さんの立場、こういった意向を抜きに決められるものではないということは申し上げさせていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/57
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058・鈴木宗男
○鈴木宗男君 総理、是非とも平和に向けての総理の強いリーダーシップを期待して、質問を終えます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/58
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059・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。
内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/59
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060・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 次に、去る三日に本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。牧山ひろえさん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/60
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061・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 委員派遣報告。
委員派遣について御報告申し上げます。
去る三日、出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案及び出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案の審査に資するため、現地において意見聴取等を行うべく、静岡県を訪れました。派遣委員は、佐々木委員長、和田理事、古庄理事、伊藤理事、川合理事、田中委員、福島委員、石川大我委員、清水委員、仁比委員及び私、牧山の十一名でございます。
当日は、まず、社会福祉法人愛誠会望未園を視察しました。
望未園は、平成十七年に開所した障害者支援施設であり、原則十八歳以上六十五歳未満の知的障害のある方で、障害支援区分四ないし六の方を対象に、必要なサポートを提供しております。視察時は、五十八名が入所しておられました。
同園では、約五年前から外国人材を受け入れ、現在では、技能実習生九名が利用者の方々の食事、入浴等の日々の生活支援等を行っております。
現地では、愛誠会の岡村理事長及び大澤施設長から、外国人技能実習生を募集するに至った経緯、実習生の方々の働きぶりへの高い評価、今後の抱負等についての説明を受けた後、施設内を見学いたしました。その後、お二人に加え、二名の技能実習生及び技能実習指導員並びに生活指導員の方々と意見交換を行いました。
派遣委員からは、技能実習生が日本を選んだ理由、来日前に要した費用、母国での日本語学習の機会、介護福祉の職場を選んだ経緯、事前の説明と実際に働いた内容の差異、将来のキャリア設計、技能実習生への指導の在り方等について質問がなされました。
その後、静岡県静岡市において地方公聴会を開会し、四名の公述人から意見を聴取した後、委員から質疑が行われました。
まず、公述の要旨について御報告申し上げます。
最初に、一般社団法人静岡県建設産業専門団体連合会会長北川雅弘さんからは、将来の建設業を支える担い手を確保することが難しい状況であることを述べた上で、今回の技能実習制度の改正は、外国人労働者のキャリアパスが明確になるなど、魅力ある制度になることを評価する一方、転籍制限の緩和によって起き得る、最初の受入れ企業のみが受入れコストを負担することへの懸念があること、大都市と地方の賃金格差による人材流出の防止の必要性があること等の意見が述べられました。
次に、東海染工株式会社浜松事業所工場長田中志治さんからは、人材確保が難しく、同社では約十年前から技能実習制度を活用して外国人材を受け入れているところ、技能実習生との関係は良好であり、それは監理団体の適切な監理指導によること、同社はインドネシアに子会社があり、そこに技能実習生の六割ほどが再就職していること、技能実習は日本の企業が利益のために行うものであってはならず、技能実習生のための技能実習であるべきと考えること等の意見が述べられました。
次に、静岡県行政書士会会長平岡康弘さんからは、育成就労の対象外となる分野での人材不足の可能性に配慮した対象分野を設定すべきこと、実効性ある転籍時の初期費用補填制度を構築すべきこと、外部監査人の強化等により監理支援機関が十分に機能する体制を整備すべきこと、行政書士以外による特定技能の在留資格申請取次ぎは法令違反の可能性があること、永住者の在留資格の取消しに係る規定につき、制度趣旨の周知及び慎重な運用に努めるべきであること等の意見が述べられました。
最後に、日伯交流協会副会長児玉哲義さんからは、育成就労制度の導入は、外国人労働者の生活が良くなるなら賛成であること、在日ブラジル人コミュニティーはこの三十年で変容していること、日伯交流協会を立ち上げた理由は、ブラジル人が日本に暮らす以上、日本社会に溶け込む必要があると考えたからであること、若者が罪を犯した場合の永住者の在留資格の取消しは、重い罪の場合はやむを得ないが、そうでなければ若者の将来を考えて決めてほしいこと等の意見が述べられました。
公述人の意見に対し、委員から、育成就労制度に対する評価、監理支援機関がその役割を果たすことができるかどうかの見通し、転籍制度の問題点、職種を細分化しない育成就労制度の在り方、外国人労働者のキャリア形成の重要性、外国人特有の人材受入れコストの内容、労働者性を認めた育成就労への制度変更を踏まえた費用負担の在り方、外国人労働者の家族帯同の在り方、技能実習生が日本の生活になじむための取組、外国人受入れ制度に関して行政書士の活用を進めるに当たっての課題、永住者の在留資格の取消し制度の創設が永住者の言動に与える萎縮効果、日系四世の来日人数が少ない理由など、多岐にわたる質疑が行われました。
会議の内容は、速記により記録いたしましたので、詳細はこれにより御承知願いたいと存じます。
最後に、今回の委員派遣に当たり、御協力をいただきました関係各位に対し、この場をお借りして厚く御礼申し上げ、御報告を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/61
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062・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
なお、地方公聴会の速記録につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することといたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/62
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063・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 引き続き、両案について質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/63
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064・和田政宗
○和田政宗君 自民党の和田政宗です。
まず、法務大臣にお聞きをいたします。
六月十日施行の改正入管法によって、三回目以降の難民認定申請者など、送還停止効がなくなった外国人について送還が可能となりますが、実際にどのような運用がなされるのか、六月十日以降、順次送還の手続に入ることでよいか、お聞きをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/64
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065・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 委員御指摘のとおり、六月十日に施行されます改正入管法では、法施行後に三回目以降の難民認定申請を行った者は、難民認定申請中であっても、難民等として認定を行うべき相当の理由がある資料の提出があった場合を除いて、送還停止効の例外となります。したがって、当事者が日本での在留継続を希望したとしても強制的な送還が可能になります。
法務省としては、改正入管法施行後も引き続き保護すべき者を迅速かつ確実に保護した上で、申し上げたような在留が認められない者については、改正法の規定を適切に運用して迅速な送還を実施したいと考えております。
具体的な送還の実務運用について申し上げますと、被退去強制者ごとに退去のための計画を策定します。そして、送還することができない事情がある場合はその状況を把握するとともに、その事情が解消した後、あるいはそのような事情がない者については旅券の有無や健康状態の把握、送還便の確保や関係機関との調整など実務的な準備を行い、それを経て順次送還を実施してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/65
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066・和田政宗
○和田政宗君 法令に基づいてしっかりと運用していただきたいというふうに思います。
次に、正規在留外国人の退去強制事由について確認をいたします。
正規在留外国人がテロリストと判明した場合には退去強制事由に該当し、本当にテロリストであれば拘束して国外退去とするのは当然ですが、中国やミャンマーなど独裁政権や軍事政権においては、特定の民族や政権の政策に反対の声を上げた人物を恣意的にテロリストに指定をしています。軍事政権下のミャンマーからは現在多くの技能実習生が来日をしており、今回の法改正案が成立すれば、育成就労で多くのミャンマー人が来日することが想定されます。
そこで質問いたしますけれども、例えば、自らの国の軍事政権や独裁政権に反対の声を上げた正規在留外国人が、その国からテロリスト指定されたことのみをもって国外退去の対象にはならないという理解でよろしいかどうか、我が国は国連安保理決議や国内外の法令をもって判断するということでよいか、確認をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/66
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067・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) お尋ねの外国政府がテロリストと認定した者は、そのことのみをもっては我が国の入管法における退去強制事由に該当するものではなく、改正入管法の送還停止効の例外の対象であるテロリスト等にも該当しないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/67
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068・和田政宗
○和田政宗君 では、関連して、国際テロリズム要覧二〇二三のネット公開削除問題についてお聞きをいたします。
国際テロリズム要覧二〇二三は、公安調査庁が国連安保理決議や国内外の法令に基づき公式に発行したもので、記述に何ら問題のないことは法務大臣や公安調査庁の答弁からも明らかです。それなのにネット公開が削除をされたわけですけれども、その過程で、トルコが日本に抗議をした、日・トルコ首脳会談でトルコ側から提起されるといった説明が、私に対し政府内の部局からありました。
トルコは、テロ組織ハマスを全面支援し、政権へ異議を唱える人物を恣意的にテロリスト指定しています。そうした国の抗議によって、我が国が公式に発行した国際テロリズム要覧二〇二三のネット公開が削除に至ったのであれば、これは極めてゆゆしきことです。
外務省担当者は私に対し、国際テロリズム要覧二〇二三についてトルコから抗議があったと話しましたが、外務省から、これ聞いたところ、明確な答弁がありません。これは外務省の官房長に聞きますけれども、これ担当部局長ではなく、外務省職員を総合的に管轄するのは官房長でありますので、官房長の責任の下、はい、いいえで答弁してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/68
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069・志水史雄
○政府参考人(志水史雄君) お答え申し上げます。
御指摘の説明につきましては、外務省の担当者から、トルコ本国におきましては、本件のウェブサイト更新に関する多くの報道があり、照会等が寄せられている旨、また政府内では公安調査庁を中心に対応を検討中である旨、説明差し上げたものと認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/69
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070・和田政宗
○和田政宗君 ごめんなさい、トルコから抗議があったということ私聞いているんですが、これについて、はい、いいえでお答えいただきたいんですが、言ってないということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/70
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071・志水史雄
○政府参考人(志水史雄君) お答え申し上げます。
何をもって抗議というかは一概に定義付けることは難しいと存じますけれども、いずれにいたしましても、繰り返しで恐縮でございますが、外務省の担当者からは、トルコ本国では、本国のウェブ、本件のウェブサイト更新に関する多くの報道があり、照会などが寄せられているとの趣旨を説明差し上げたものと認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/71
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072・和田政宗
○和田政宗君 これ、外務省担当者と私のやり取りについて、外務省は録音を持っているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/72
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073・志水史雄
○政府参考人(志水史雄君) お答え申し上げます。
私の理解するところでは、担当者からの発言につきまして、担当者、説明したものでございますけれども、この説明したものについて、まず録音があるとは承知しておりませんし、また、本人に確認いたしましたけれども、一言一句正確に、どう話したということ、どう話したかについて記憶が正確、明確ではないですけれども、また詳細なメモがあるわけでもございませんけれども、先ほど申し上げた趣旨を御説明差し上げたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/73
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074・和田政宗
○和田政宗君 文言でトルコから抗議があったということを私は明確に証拠としても持っているんですけれども、これは、そこは曖昧だということなんですね。
言ったか言ってないかは分からないということなんですか。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/74
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075・志水史雄
○政府参考人(志水史雄君) お答え申し上げます。
繰り返しで誠に恐縮でございますけれども、何をもって抗議というかは一概に定義付けることは難しいということではございますけれども、いずれにいたしましても、外務省の担当者からは先ほど申し上げた趣旨を御説明差し上げたというふうに認識しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/75
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076・和田政宗
○和田政宗君 これ、言ってないというまでは外務省は言えないということでよろしいんですね。これ、外務省の答弁、これ私、国会議員の責任を持って証拠に基づいて言っているわけですから、これ本当に責任問題になりかねないですよ、官房長の答弁も。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/76
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077・志水史雄
○政府参考人(志水史雄君) 本当に誠に申し訳ございませんけれども、繰り返しでございますが、何をもって抗議というかは一概に定義付けることは難しいということではございますけれども、外務省の担当者からは先ほど申し上げた趣旨を御説明申し上げたというふうに認識しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/77
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078・和田政宗
○和田政宗君 このやり取り、官房長として責任を持って発言しているということでよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/78
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079・志水史雄
○政府参考人(志水史雄君) 官房長として責任を持って答弁しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/79
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080・和田政宗
○和田政宗君 これは改めて、日を改めて詰めていきたいというふうに思いますが、ここではこれ以上言及しません。これ、ただ、極めて重大なことになりますよ。
次に、五月二十三日の法務委員会での外務省答弁。なぜ外務省が公安調査庁にネット公開を削除させたのかということを私が質問したところ、それまではハマスやPKK等複数のテロ組織について言及をしていた答弁が、PKKのみへの言及となりました。これはなぜなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/80
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081・安藤俊英
○政府参考人(安藤俊英君) お答え申し上げます。
御指摘の説明につきましては、五月二十三日の法務委員会の冒頭からトルコについて御指摘がございましたので、トルコが、同国がテロ組織と認定するクルド労働者党、PKKについて言及したものでございます。
その上で申し上げますと、四月十八日の法務委員会にて答弁いたしましたように、我が国は、先般のハマスによるテロ攻撃や、これまでPKKが実施したとされるテロ攻撃について断固として非難してまいりました。
我が国にはテロ組織を法的に認定する法制度はございませんが、我が国は、平成十五年、二〇〇三年でございますけれども、九月三十日付けの閣議了解により、ハマスについてテロリスト等に対する資産凍結等の措置の対象とし、昨年十月のハマスによるテロ攻撃以降、閣議了解により、ハマス関連の計二十二個人及び五団体をテロリスト等に対する資産凍結等の措置の対象としてございます。また、PKKにつきましても、平成十四年、二〇〇二年七月五日付けの閣議了解により、クルド労働者党、PKKに対しテロリスト等に対する資産凍結等の対象としております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/81
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082・和田政宗
○和田政宗君 これ私、トルコについてこれずっと、その抗議があって結局外務省が公安調査庁に削除をさせたということの趣旨でずっとやっていますけれども、ずっとハマスとPKKということで答弁をしていたのに五月二十三日はPKKのみというようなことで、これもう、トルコから抗議があったということが念頭にあるということはこれはもう明らかだと思いますよ、これもう。私はしっかりとトルコから抗議があったということは聞いていますし証拠もありますから、これはもうお認めになった方がいいというふうに思います。
国際テロリズム要覧二〇二三のネット公開削除において、法務大臣は当時の外交的な状況等を踏まえてということで答弁をしております。上川外務大臣は外交的な状況を判断するのは専ら外務省だと答弁をしておりまして、外務省が公安調査庁に削除を求めたことは明らかでありますが、外務省はこれを認めるべきだと思いますが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/82
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083・安藤俊英
○政府参考人(安藤俊英君) お答え申し上げます。
御指摘のウェブページにおきましては、ハマスやクルド労働者党、PKKなどに対する日本政府の立場について一部誤解を招いたことから当該ページを削除し、主なテロ組織等については国際テロリズム要覧二〇二二の内容を参照いただきたい旨が公安調査庁のウェブサイトに記載されていると承知しております。
政府内部の検討プロセスについてつまびらかにすることは差し控えたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、国際テロリズム要覧二〇二三の関連ウェブページの削除につきましては、公安調査庁を含む政府全体で適切に検討、判断を行ったものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/83
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084・和田政宗
○和田政宗君 もうこれ、当時の外交的な状況というのは外務省でしか判断できないんですから、外務省が公安調査庁に削除要求をしたというのはこれ明らかなんですが。
繰り返し申し上げていますが、国際テロリズム要覧二〇二三というのは、公安調査庁が国連安保理決議や国内外の法令に基づき公式に発行したものでありまして、これは、外国から抗議が受けたとか外国の報道ぶりがどうだとかといってこれ削除するというのはおかしなことであり、外務省はもう、公安調査庁の現場からもいろいろ聞いていますけれども、もう外務省がこれ圧力を掛けて削除をさせたというのは、これ我が国の歴史上も極めてゆゆしきことであるというふうに思っています。
五月二十日の決算委員会で上川外務大臣は、トルコについて、ハマスと一定の関係を有し影響力を行使することができると述べていますが、一定の関係を有し影響力を行使できるとは、これ何なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/84
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085・安藤俊英
○政府参考人(安藤俊英君) お答え申し上げます。
五月二十日の決算委員会で上川大臣から答弁をしましたとおり、トルコは、四月にもハマスのハニーヤ政治局局長がトルコを訪問しエルドアン大統領を表敬するなどしており、こうした会談が行われていることからも、トルコはハマスとの間に一定の関係があり、また人道支援等を通じてハマスに一定の影響力を有しているというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/85
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086・和田政宗
○和田政宗君 これ、イスラエルとハマスの戦闘は、この中東情勢についてはいろいろな御意見が皆さんあると思いますが、ハマスが越境テロ攻撃をしてイスラエル人千二百人を殺さなければ、これは今の状況になっていないわけですよ。ハマスは我が国もテロ組織として認定していますよね。
これ、ハマスというテロ組織を支援しているトルコと外務大臣はテロ対策協議を行っていると答弁しています。これ、テロ組織の支援国とテロ対策協議を行う意味って何なんでしょうか、お聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/86
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087・安藤俊英
○政府参考人(安藤俊英君) お答え申し上げます。
トルコは、世界最大数のシリア人の難民を受け入れ、またISILなどテロとの戦いを推進するなど、地域の平和と安定に重要な役割を担っていると認識しております。
トルコとの間のテロ対策協議につきましては、二〇〇六年、平成十八年十二月に第一回協議を行った後、これまでに五度実施しております。国際テロ、治安情勢に関する認識の共有や両国のテロ防止に向けた取組等について意見交換する有意義な機会となっていると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/87
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088・和田政宗
○和田政宗君 まとめますが、ISILのことを言いましたけれども、米国政府の公式サイトは、懸賞金を懸けて、一千万ドルの懸賞金懸けて、トルコ国内からのISILへの資金提供について情報提供を呼びかけて、これ非難しているんですね。外務省の認識、極めてこれ甘いというふうに思います。
そして、冒頭、二問目に申し上げましたとおり、こういうことを許容して、恣意的にテロリストだとかテロ支援国、また強権政治の国が言ったことを我が国がそのまま受け入れるというようなことになると、これ例えば正規在留の外国人の方々が困難な状況に置かれたりですとかそういうような状況になりますので、我が国の今回法令に基づいて発行されたものが外務省によってゆがめられたというのは我々は厳しく認識しないといけないと思いますし、これ引き続き追及していきます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/88
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089・福島みずほ
○福島みずほ君 立憲・社民共同会派、社民党の福島みずほです。
十二月十四日、自民党の外国人労働者等特別委員会は、技能実習に代わる新制度の提言をまとめ、小泉法務大臣に提出をしております。提出しているのが報道されておりますが、この提言の中に、転籍は一年ではなく二年というものがあります。二年を超えるものにしてほしい。有識者会議は一年だった、一年以上だったわけですが、二年になります。
これは自民党の提言を受け入れたということでしょうか。大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/89
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090・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) まず事務局からお答え申し上げます。
確かに自民党の提言もございましたけれども、有識者会議の報告書に一年としつつも経過措置を設けるべきとかという御意見もございましたので、特段有識者会議の報告書と方向性が違うような政策決定、最終的な政府案になっているものとは認識しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/90
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091・福島みずほ
○福島みずほ君 ただ、有識者会議は一年以上で、そして、これ新聞報道やいろいろありますが、外国人の転職、最低二年は同一企業で就労、自民党提言とあり、これを聞いたんじゃないかというふうに思っています。有識者会議は一年だったわけですね、原則。ですから、これを変えたものだというふうに思います。
そして、もう一つ、この自民党の提言の中に、自民党の提言の中に文言があります。これは、永住権についての、永住許可について適正化を図るというものです。文言を読み上げます。新制度によって永住につながる就労者が大幅に増えることが予想されるため、永住許可の制度の適正化を検討することとあります。
これは、同じ文言をこのまま、二月二十日、このことについて聞かれた、永住権の許可の制度について検討中ですねという記者の質問に対して、同じ文言、自民党の、自民党からこういう提言を受けておりますというふうに大臣は答えています。
自民党のこの提言を受けて永住許可の適正化を図るということでよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/91
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092・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 御指摘の記者会見では自民党の提言について確かに言及はいたしましたが、同時に、外国人との共生社会の実現に向けたロードマップにおいて、許可後に公的義務を履行しなくなる等の要件を満たさなくなったと認められる事案について、取消しを含めて対処できる仕組みを構築することという点が中長期的な課題として掲示されております。これに対応する旨をお答えをしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/92
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093・福島みずほ
○福島みずほ君 この委員会でも質問しましたが、ロードマップは中長期なんですよ。すぐやれではなく、きちっとヒアリングをやってきちっと検討し、二〇二六年以降じゃないですか。
何で今回、どさくさに紛れてこの永住権の取消し、実際、自民党も永住権許可の適正化としか言っていないんですよ。それが何で在留許可カードの不携帯で取消しになるのか。何でということを思うんですよ。軽微なことで、重い、安定した永住資格の人間をもうとにかく取り消してやるというすさまじい制度を今回盛り込んでいるのは、余りに唐突、余りに変と思っています。でも、大臣の答弁でも、自民党の提言を受け入れた。だって、二つ、まず冒頭、自民党の提言でこう言っています、それからロードマップと二つ言っていますから、自民党の提言を受け入れて、永住権のまさに適正化。
これ、公租公課による取消し、それを判断したということでよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/93
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094・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 自民党の提言は確かにありましたけれども、我々は、ここるる御説明申し上げませんけれども、遡ること五年、六年前から様々な問題提起をいただいて様々な検討を行い、また様々な調査も行って、ずっとこの問題、把握をして検討してきているわけですよね。
直近では自民党の提言もありました。また、ロードマップも二〇二四年中に一定の結論を得ると、今年度中に、この年度中に結論を得るというステップになっておりますので、決して先の話ではありません。本年度結論を得て来年度試行的に、そんな書き方になっているわけでありまして、先のことを示しているわけでは必ずしもないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/94
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095・福島みずほ
○福島みずほ君 ロードマップは、ヒアリングをすることやその検討するとなっていますし、今大臣答弁したように、今年度中にじゃないですか。何で今国会でそのことが突然入るんですか。大臣は、だからロードマップは私はほとんど当たらないと思いますし、大臣は記者に聞かれて、自民党の提言においてということだけおっしゃっているんですよ、ことをおっしゃっているんですよ。だから、やっぱりそれで入ったんじゃないかと思いますし、このどさくさに紛れて私はこういうのが十分な検証もなく行われたことは極めて問題だと思います。
だって、ヒアリングやっていないじゃないですか、当事者の。懇談会やったっていうけど、それはたかだか懇談会で、有識者会議でも何でもないですよ。当事者のヒアリングやっていないんですよ。五月十二日に初めて知ったと、横浜中華街の曽さん、おっしゃっていますよ。まだ知らない人いるかもしれない。つまり、九十万人の永住権の資格を持っている人たちを在留カード不携帯だけで取消しができるということには大反対ですよ。
先ほど古庄委員もおっしゃいました。悪いようにはしないと運用面言ったって、法律がそうなっていたら、それはそうなんですよ。だから、こんな法律は認められないというふうに思います。
有識者会議の座長である田中氏に、永住権取消しのこれを、本法案出すぞということをおっしゃったのはいつですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/95
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096・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
本法案の内容につきましては、令和六年三月十五日に法案が閣議決定されたことを受け、田中座長に対し、速やかに法案に関する資料を送付しております。
なお、永住許可制度の適正化につきましては、令和六年二月九日に関係閣僚会議決定された「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議最終報告書を踏まえた政府の対応について」にも内容が盛り込まれているところ、その内容については、同日、田中座長に対し、有識者会議の事務局から説明を行ったところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/96
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097・福島みずほ
○福島みずほ君 三月に閣議決定して、出す直前に座長に言ったわけでしょう。それはひどいですし、今の説明は納得できません。直前に言うんですよ。
だって、この自民党が、自民党の外国人労働者等特別委員会が十二月十四日に出した技能実習制度・特定技能制度見直しに向けた提言の中には、新制度によって永住につながる就労者が大幅に増えることが予想されるため、永住許可の制度の適正化を検討することとあるんです。この同じ文言を、二月二十日、大臣は引用して、だから考える、やるんだと言っているんですよ。そして、三月に、今おっしゃった閣議決定する直前に言っているわけでしょう。
つまり、漠然と永住権の取消し、永住制度の適正化を議論しているんじゃないんですよ。まさに自民党がこの提言で言っているとおり、永住につながる就労者が大幅に増えることが予想されるから永住許可の制度の適正化を検討すること、つながっているというか、込み込みじゃないですか。自民党の提言に書いてあるんですよ。
だから、私が何が問題かというと、有識者会議で一切議論されていません、有識者会議の最終報告書にありません、そこで座長を頼んだ人に閣議決定を三月にやる直前に報告するとは何ですか。だって、法務省の頭の中でもう全部これ、つながっているんですよ。
実際、この今回の法律改正で永住者が本当に増えるのか。特定活動の二号だと今四十八人しかいない。十何年例えば働いていないと永住権の申請すらないんですよ、特定活動一号だとその就労に入らないから。
私が何を言いたいかというと、そもそも新制度によって永住につながる就労者が本当に大幅に増えるのか。それは違うと思います。しかし、法務省は、大幅に増えるから永住権の適正化を検討することという自民党の提言に乗っかって、有識者会議で全く議論がないことについて、報告書にもないことについて、当事者のヒアリングもやっていないことに関して今回突然入れたことは、乱暴でしょうと、暴走でしょうと。誰も聞いていないんですよ。何で、中華街の人たちだって、民団の人たちだって、五月になるまで知らないんですか。ヒアリング受けていないからでしょう。
つまり、今回、技能実習制度の改正に当たって、九十万人の、今、日本で何世代も暮らしている人もいる、そういう永住者の資格を在留カードの不携帯一個で取消しができるという法案出しているんですよ。それはひどいでしょうと、これはもう削除すべきだということを強く申し上げます。
これ、取消しをどのように法務省の中の議論でやったのか、メモや議事録、公文書について要求をしましたが、それは出てきておりません。どういう会議でこれを決めたのかということも全くありません。
十一月十一日以降、自治体にヒアリングをやったということですが、このヒアリング、私はでたらめだと思っています。なぜか。永住権の取消しについてだけやっていないですよ。一般的な外国人や在留資格の更新の際についてもやっているじゃないですか。
このヒアリング、一体何なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/97
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098・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
法務省におきましては、従前から、永住許可を受けた一部の者が永住許可後に公的義務を履行しない例があることを地方自治体の声などを通じて把握しており、問題意識を有していたところでございます。
そして、法務省としましては、国会における、平成三十年でございますが、附帯決議や、世論調査、政策懇談会における議論などを経て、永住許可制度の適正化について検討を進めたところでございますが、今般法案を提出するに当たり、永住許可後に公的義務を履行しない例があるという立法事実の一部につきまして、改めてその状況を把握することを目的としてヒアリングを、調査をしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/98
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099・福島みずほ
○福島みずほ君 この七つの自治体へのヒアリングの原本、この理事会に出してくれるよう要求をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/99
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100・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/100
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101・福島みずほ
○福島みずほ君 先ほどもありましたが、神奈川弁護士会が会長談話を発表しました。これは本当にそのとおりだと思います。
つまり、軽微なことで、軽微な入管法違反を永住資格取消し事由に含めることは、達成されるべき目的とそのための手段とが釣り合っておらず、比例原則に反する、軽微な違反をもっていたずらに永住者の日々の生活と人生設計から安定性を奪うことは許されないということなどなんですね。公租公課の未納が正されるべきものであることは、日本国籍の市民であっても、外国籍、無国籍市民であっても当然のことであり、日本人も含め、国籍を問わず、法律に従って督促や差押え、行政罰や刑罰といったペナルティーを科せば足りることですと。ですから、外国籍、無戸籍市民に対してだけ従来のルールを超えて入管の広範な裁量で永住資格を剥奪し、生活の基盤を軒並み奪ってしまうことができるような仕組みをつくるのであれば、外国人市民に対する苛烈な差別以外の何物でもありません。そして、近年、政府が進めてきた外国人労働者の受入れ施策及びこれに伴う共生社会の基盤整備施策にも完全に矛盾しています。
そのとおりだと思います。
大臣は、在留期間の更新がある人たちは更新のたびにチェックができるが、永住者はそれがないわけですよね、ですから、だからチェックをしなくちゃいけないということを答弁されていますが、普通の在留資格持っている人たちは一年以上の懲役又は禁錮で取消しができる。永住資格の人もそうです。去年、永住資格でそれはゼロです。
永住資格の人だけ、つまり、あなたはちゃんと公租公課も納め、この十年以上たち、そしてこうやっているから永住資格を与えますとやった人についてだけ、なぜ在留カードの不携帯で取消しになるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/101
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102・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) まず、在留カードの不携帯、そのことのみで取消し事由に該当するということにはならないと思います。その前後の事情、そういうことが起こってしまった理由、そういったものをちゃんと見極めて、正当性がなければその取消し事由に当たることもそれはもちろんありますが、取消し事由に当たっても、それは取消しではない、変更するだけです。日本にいることができます。そして、一定期間たてばまた永住権戻ることもできます。
非常に、小さなことで大きなペナルティーがある、相当性がない、そういう御議論は分かりますけれども、我々もそこは非常に気を付けなければいけない、慎重に考えなければいけない、そういう思いでおります。
それから、そもそも論なんですけれども、共生社会をつくるという一環で今回の本法案も出しているわけです。共生社会をつくるということでロードマップも作りました。そのロードマップに、やっぱり共生社会つくるには信頼関係だと、受け入れる国民と来てくれる外国人の間の信頼関係がやっぱりもう一番本質だという点があると思うんです。信頼関係を維持するためには永住者の方々にも今までよりは少しペナルティーを科して、そうじゃないと、そうでないと、ごく一部のその悪質な方々の動向を見て全体が誤解をされるわけですよね。そういった方々を徐々に排除することで永住者全体に対する国民の信頼が初めてそこで確立できるんだと思います。
大きく捉えていただければ、そこが共生社会の出発点じゃないですか。それを担保するための非常に慎重に考えていくべき措置だというふうに理解をしていただければと思うんですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/102
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103・福島みずほ
○福島みずほ君 今回のでインターネット上もヘイトがあふれていますよ、公租公課払わないなら帰れとかですね。
で、大臣、申し訳ないが間違っています。先ほど古庄議員も質問していますが、法律に在留資格カード不携帯で取消しできると書いてあればできるんですよ。幾ら、それから後は裁量で、悪質でなければいろんな事情を考慮するとなるけれども、法律にそう書いてあったらそう思いますよ。私が永住者だったら本当に不安ですよ。うっかりミスで全部失うかもしれない。
大臣は、その永住資格を例えば定住者に変えることができるとおっしゃっているのかもしれませんが、永住者としての信用でローン組んだり、この社会に生きているんですよ。それを定住者になったら、また更新もありますし、不安定なんですよ。つまり、ほんの軽微なことであんたの永住権を剥奪できるぞと政府が制限することは、恫喝であったり脅迫であったり、またそれは共生社会に反するんですよ。本当にこの社会で一緒に生きようと思っているのじゃないですよ。
一番安定している永住者に関して、軽微なことで剥奪できるとするこの法律、間違っていますよ、間違っていますよ。削除するべきだということを強く申し上げます。
育成就労についてお聞きをいたします。
今回は看板の書換えだというふうに思い、これが問題です。なぜか。技能実習制度がなぜ奴隷労働になるのか。就労に介在する事業者の多さ、現地の仲介業者、現地の送り出し業者、国内の監理団体、たくさんの人が関与する、ですから、その間にお金を払わなくちゃいけないので、その借金やいろんなことで奴隷労働になるわけです。政府の統計でも、技能実習生の支払費用は五十四万円というのがあります。これ多額ですよね。多額です。
で、もう一つ、一人当たり三年間で監理費をどれぐらい払うのか、また、受入れ機関が監理団体の会員になるための入会費、年会費は幾らでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/103
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104・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
現行の技能実習制度におきまして、監理団体は、職業紹介費、講習費、監査指導費など、監理事業に通常必要となる経費などについて、実費に限り、あらかじめ用途及び金額を明示した上で監理費として受入れ機関から徴収することができるものであり、その額は監理団体ごとに異なることから、委員お尋ねの三年間で要する監理費額をお答えすることは困難でございますが、その上で、令和三年に外国人技能実習機構が行いました監理費に関するアンケート調査の結果を見ますと、技能実習生一名当たりの監理費の平均は、初期費用が三十四万一千四百二円、一号技能実習生の定期費用、月額三万五百五十一円、二号技能実習生の定期費用、月額二万九千九十六円となっていることから、これらの集計結果を基に二号技能実習が修了するまでの三年間で要する技能実習生一名当たりの監理費を計算しますと、約百四十一万円となります。
なお、受入れ機関が監理団体の会員になるに際し要する入会費及び年会費につきましては、監理費とは別に発生する費用であると考えており、同アンケートにおいて把握した受入れ機関一機関当たりの費用として申し上げますと、それぞれ入会費が六万七千六百二十五円、年会費が九万三千二百十一円となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/104
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105・福島みずほ
○福島みずほ君 今の金額、年会費、入会費は別にして、一つは一人当たりじゃないですか。今聞いてもすごく莫大だと思います。
つまり、技能実習制度やそれから新制度でも、外国人労働者の報酬は日本人と同等以上とされています。しかし、そうなっていません。賞与を払っていないとこの間も聞きました。で、そうしたら、送り出し国に、本人は莫大に、そこのブローカーというか、その人に払う。そして、その雇っている人間は多額に、監理団体にそこまで払うんですよ。これから派遣までやるとしたら、その派遣のマージンだって払わなくちゃいけない。つまり、日本人と同等の給料以上を払おうと思っても、それだけ払っているわけだから、本人の給料が減るんですよ。だからこそ、ハローワークとか公的機関とかがやるべきだというふうに思います。
ILO九十六号条約は、労働者供給事業、職業紹介事業への厳格な規制をしています。ビジネスと人権や、いろんな人たちと会議を持ちました。今はやっぱり、外資系などは民間主導で手数料をゼロにする。つまり、そういうことでお金を本人が払っていたりいろいろすることは、ビジネスと人権に反するわけですよ。その理解が法務省にないと思います。
ベトナムもインドネシアも今頑張って、できるだけ送り出し国でお金を掛からないようにとか頑張っている。日本が相変わらず、それは少しは変わるかもしれないけれど、基本的に監理会社に莫大な金を払う。そして、送り出し国でその元々の仲介業者に五十四万払うという構図を変えない限り、奴隷労働は変わらないですよ、変わらないですよ。
そして、今回の有識者会議で、例えば強制帰国、低賃金、賃金不払、暴力、パワハラ、妊娠、出産への制約、家族の帯同不可などが本当に盛り込まれなかったということは本当に残念です。妊娠、出産のことですが、例えば、借金背負ってくるから、妊娠してもそのことを絶対に言えないし、妊娠したと言ったらやっぱり帰される可能性があるので言わない。ですから、子供を出産して残念ながら子供を殺害したケースがやはりあり、あるいは産んだら死産で、本当にこれは、死体遺棄罪で起訴され最高裁で無罪になるとか、そういう事件が本当にあります。これは何か。本人は帰国したくないんですよ、帰国できないんですよ、借金抱えているから。でも、若い人たちが来るわけだから、妊娠、出産とかもあるんですよ。恋愛するかもしれない、結婚するかもしれない。
ですから、この妊娠、出産など、これどうするんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/105
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106・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お尋ねのございました状況につきましてでございますけれども、育成就労外国人に対する妊娠、出産等による不当な取扱いは、男女雇用機会均等法で禁止されているところでございます。
そして、現実に、先ほど技能実習生について委員から御発言ございました。現在の技能実習生の取扱いとしましては、人道上配慮の観点から例外的に、特に日本で生まれた子供さんについては、特定活動という在留許可を出すような運用もございます。
ですので、育成就労活動において家族帯同は今回入れておりませんけれども、そこは個別、家族帯同につきましては原則として育成就労外国人は認めないこととしておりますが、人道上の観点からやむを得ない事情がある場合には、特定活動の在留資格を付与するなど、個々の事情に配慮した運用に努めたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/106
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107・福島みずほ
○福島みずほ君 今日は、厚労省、ハローワークに来ていただきました。私は、本当にこのILO九十六号条約で労働者供給事業、職業紹介事業の厳格な規制があることを考えれば、人を派遣したり人を送り出すことで金を取りというのをやめたらいいと思います。
それから、今までは技能実習という建前を取っていたので、いろんな計画を作らなくちゃいけない。それは、なかなか雇っている人間が書けないから監理団体に書いてくれということで、莫大な金払っているわけですよね。もうそんなのやめて、例えば立憲民主党が出した法案だと、ハローワークの役割があります。
私は、各大使館にハローワークが出向して、そこで相談やマッチングや、どこで働きたいですかとやったっていいと思いますよ、グローバルなんだから。ハローワーク、お金掛からないじゃないですか。この仲介業で金を取るという組織じゃないじゃないですか。私は、日本で労働力を受け入れるというんだったら、そこをやればいいと思いますよ。日本語をやっぱり教える、韓国のように日本語を学ぶために政府がもっと補助する、そんなことだってあったらいいと思います。
今回におけるハローワークの役割について教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/107
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108・原口剛
○政府参考人(原口剛君) お答えいたします。
育成就労制度におきましては、幅広い相談先を確保しまして、転籍支援の実効性を高めるために、監理支援機関や外国人育成就労機構などだけではなく、ハローワークにおきましても、機構と情報連携を図りつつ、職業相談、職業紹介を行うこととしています。
具体的なお話でございますけれども、ハローワークにおきましても外国人からの転籍の相談を受けるとともに、機構が外国人が育成就労を行う分野の受入れ企業の一覧などの情報をハローワークに提供いたしまして、そういった情報連携を行うことを検討してございます。
これにより、監理支援機関においてスムーズな転籍支援が行えない場合ですとか監理支援機関に相談しにくい場合などにおきましても、ハローワークも機構と連携しつつしっかり関与していくことで、円滑な、円滑かつ迅速な転籍を行うようにしてまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/108
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109・福島みずほ
○福島みずほ君 有識者会議の報告書でも、中間報告やいろんなところでハローワークの役割というのが非常に出ています。今回、ハローワークが一定程度役割を果たすわけですが、私は、もっともっともっとハローワークが転籍だけではなくいろんなところで、だって、ハローワークに行ったら仕事を紹介してくれるとかなれば、それ変わるじゃないですか。そのことが本当に行われるよう、ハローワークをしっかり応援していきたいというふうに思っています。
また、派遣を政省令で拡大することには断固反対です。それはマージンを払わなくちゃいけないし、なおさら本人の取り分減りますし、不安定雇用を増やすということになると思います。
まだまだ聞きたいことがありますが、以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/109
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110・伊藤孝江
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。今日はよろしくお願いいたします。
今日も、前回に引き続き、永住者の在留資格の取消しに関連をして質問をさせていただきます。
在留資格のこの取消しの件に関しては、本当に厳しい声や不安の声を多くいただきます。今日も様々な指摘もありましたけれども、例えば、少しでも公租公課を滞納すると、もうすぐ母国に帰されてしまうんだと、もう日本で生まれ育って言葉もできないのに追放されてしまうと、そんなことはやめてほしいというような声もいただく。
実際、そういう声をいただく中で、本当に誤解をされている部分もたくさんあるのかなというのも正直思うところでもあります。先ほども質問の中でも、うっかりミスで帰らされるんだということの指摘もあり、このような質問のところだけが切り取られてそういうふうになってしまうということを思われている方たちに対しても含めて、この法案の目的とするところであったり、また運用や正しい理解というものをしっかりと届けていくという努力をしていかなければならないということを私自身も強く感じているところでもあります。
まず、大臣に明確にお答えをいただければと思うんですけれども、例えば、よく、先ほど挙げさせていただいた、届く声です。少しでも税金を滞納すると、すぐ国外に追放されて帰らされてしまうとか、また、在留カードを忘れた、だったらすぐ国に帰されてしまうんだというのは誤解であるということをまず明確にお答えをください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/110
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111・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 端的に申し上げれば、それは誤解であります。悪質な場合、また本人の責に帰すべき場合、そういう場合に限って今回の措置をとるわけでございます。
そして、様々なケースがありますから、それを包含するためには、条文は一定の抽象性も必要でございます。様々なケースを包含する。そのために、条文は一つ一つを細かく書き切れませんので、条文は一定の抽象性というものは必要でありますけれども、それとセットで、それを細分化して、下へ下りていって、限定するためのガイドラインをしっかりと作ろうということでございます。
そもそも、永住許可に関するガイドラインというのがあるわけですね。入口もガイドラインでやっているわけです。今度は退出していただく、取消し、変更するときもガイドラインでやるというのは整合的だと私は思います。このガイドライン方式について、直接、何かまだ問題点があれば、もちろん併せてそれは検討しなければいけないと思いますけれども、入口についてはガイドラインでやっておりますので、条文の抽象性をこれでしっかり補填をして、そして担保しているわけであります。現実に日々これで動いているわけでありますから、これと同じものを今度は出口についても作るということを申し上げます。
その中で、軽微なもの、たまたま、たまたま忘れてしまったというもの、あるいは少ない金額の滞納、そういったものは悪質性があるというふうにおおよそ判断されることはないと私は思います。全体像を見て、本人の御意見も聞いて、そして証拠も必要なら出していただいて、公明正大に判断をしていくということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/111
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112・伊藤孝江
○伊藤孝江君 ガイドラインが、じゃ、どんなふうに規定をされるのかとか、例えばガイドラインにどういう意味があるのかということが大変大事になってくると思います。
先ほど総理の御答弁でも、この委員会での審議等での答弁も含めて、ガイドラインにしっかりと反映をさせていくということもありました。大変大事なことだと思っておりますし、私たちはそのために質疑をさせていただいておりますので、この質疑の内容、答弁の内容をしっかりとガイドラインに反映をさせていただきたいと思っています。
このガイドラインの説明を私もいろいろさせていただいたときに、そのガイドラインというのはどういう意味があるんですかと、一般の方にはなかなか分かりにくいんですよね。
まず、法律に書かれていないということに対する不安をすごく持っていらっしゃる方もありますので、改めて、この国会の審議で出てきた答弁であったり大事な内容というのはガイドラインにしっかり反映をさせるということと、このガイドラインというものが作られたときには、これは役所の皆さん始め、しっかりと守っていくべきものなんだということについて確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/112
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113・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) まず、国会での御審議、様々な御意見を反映させます。それは共同親権のときも同じような議論がありました。様々な確認があり、そういったものを全部ガイドラインにしっかりと明示をしますというふうにお答えをしております。そして、これは、法律と政省令と一体のものでありますから、単なるペーパーではありません。その法律を施行するための解釈を明示する、例示する、そういう文書であると我々は位置付けております。
一定の、その直接の拘束力ということについては更に詰めが必要でありますけれども、一定の効果をしっかりとそれによって果たしたい、行政の執行、それによってその公平性を維持したい、そういうものとして位置付けようということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/113
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114・伊藤孝江
○伊藤孝江君 このガイドラインの作成過程で、前回質問させていただいたときには答弁の中で、例えば有識者の声を聞くということであるとか、また議事を公開するということも含めて、作成についてもしっかりと進めていくというような御答弁もいただいております。その点もよろしくお願いいたします。
そして、このガイドライン、入管庁、法務省の方はもちろん自分たちが中心になって作ったことですのでしっかり守っていくというのは当然のことかと思いますけれども、今回、例えば公租公課の支払の関連でいえば、税務署だったり地方自治体が通報するかどうか、通報義務が課せられるのかどうかというところにも関連をしてきます。悪質性の判断であったり通報するかどうかというところについては、この法務省以外の関係機関であったり、税務署とか地方自治体とか、そういうところがしっかりとこのガイドラインに書かれたものを一緒に守ってくれるのかどうかと。
入管庁のガイドラインについて、入管庁があくまでも定めたもの、法務省が定めたものなので、自分たちのところとは関係がないよというふうにならないのかどうかというところについて、適切に対応していただけるのかどうかの確認を入管庁にしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/114
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115・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
本法案が成立すれば、入管庁では、入管庁は、第六十二条の二第一項の規定により、国又は地方公共団体の職員から在留資格の取消し事由に該当すると思料される永住者について通報を受けることになります。そこで、入管庁としましては、施行までに、国又は地方公共団体の職員が故意に公租公課の支払をしないことに該当するとして通報の要否を検討する際に参考としていただくため、在留資格を取り消すことが想定される事例について関係行政機関の意見を聞きながらガイドライン等として作成し、これを公表することを予定をしております。
また、そのガイドライン作成に際しましては、関係行政機関のみならず、先般御答弁したとおり、有識者の御意見も聞くなどしながら作成したいと思っております。入管庁としましては、今般の制度は、国会における議論や本法案附則第二十四条第四項が追加されたことなどからも慎重な運用が求められるものであることは十分認識しており、ガイドラインの内容についてもそのような運用が確保されるものとなるよう、関係行政機関とも協議を行ってまいります。
また、運用開始後におきましても、仮に特定の自治体の運用がガイドラインに沿っているかどうかちょっと疑問があるような場合には、当然その地方自治体にもお話をし、ガイドラインの趣旨をもう一度説明するとか、そういったことをして適切に運用してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/115
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116・伊藤孝江
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
どうしても通報する側は、念のために通報であったり、通報してないならないで、そっちで判断してもらったらいいやというような考えになりがちな部分も、一般論として可能性としてはあるかなと思いますので、そういうことがない形でしっかり運用していただくことができるように、入管庁としてリーダーシップを取って運用面の適正も図っていただきたいと思います。
このガイドライン、公表はされるものではありますので、適用をされる可能性がある永住者の方、外国籍の方にも当然見ていただくことは可能なものにはなりますけれども、ただ、なかなか一般の方がこのガイドラインを見て理解をするというのはやはり難しいものがあると思います。
この永住者の方々に改めて、公租公課にはどのようなものがあるのか、払えない場合や未払が既にある場合にどのような対応をするということが望ましいのか、また、仮にそれを放置しておくと在留資格にどのような影響があるのかということも含め、具体的な内容の周知徹底が必要ではないかというふうに考えます。
税や保険料を徴収する機関が実際に未払がたまってきてから話をするというのではやっぱり遅いと。既に永住権を取得をされている方々に対し、まずはどのように周知をしていくのかと。自治体の役所でも、租税を扱う部署というだけではなくて、例えば、多文化共生で、日頃外国籍の方に一番関わりの多い部署であったり、また外国人支援に取り組む団体や、また外国の国ごとのコミュニティーなど、いろんな方の力も借りながら正しい情報を周知をしていくことが必要であるというふうに考えますけれども、入管庁、いかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/116
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117・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、公租公課の支払や永住許可制度の適正化に関する規定の趣旨及び内容などについて、本邦に在留する外国人やその関係者に周知、広報し、不安を払拭することは重要であると認識しております。
この点、衆議院による修正後の附則第二十四条第四項において、政府は、本邦に在留する外国人に係る社会保障制度及び公租公課の支払に関する事項並びに新入管法第二十二条第二項及び第二十二条の四第一項の規定その他の新入管法及び育成就労法の規定の趣旨及び内容について、本邦に在留する外国人及び関係者に周知を図るものとするとされているところです。
入管庁といたしましても、御指摘のとおり、地方自治体等と連携しながら制度の周知を行っていく必要があると考えており、例えば、地方自治体に設置する相談窓口に入管庁から派遣している受入環境調整担当官を通じて相談対応や支援を行うなど、正しい情報の適切な周知に取り組んでまいります。
また、委員より御指摘ございました、国ごとのコミュニティーへの周知ということ、お話でございました。入管庁でも、最近の取組としましては支援団体の方との連携ということも現場の方でやっておりますので、そういったところを通じますとか、あとは、在日公館にお話をして、こちらの大使館等からもそれぞれの国のコミュニティーの方にお伝えいただくとか、いろいろ努力、周知に努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/117
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118・伊藤孝江
○伊藤孝江君 今回、七自治体からヒアリングをしたという話がこれまでにも出てきております。その内容面を確認をさせていただいたときに共通するところでは、母国で、その方の母国で税金や社会保険の制度がない方は、日本の仕組みを理解することが難しくて、公租公課が未払になってしまう。例えば、病院に行かなければ医療保険払わなくていいというような誤解であったり、また、在留資格の更新のときにまとめて支払うというようなものが共通してあるのかなということを思います。
これらのもう理由を述べられる方というのは永住者に限ったことではありませんでしょうし、公租公課の支払は、もちろん永住者だけに求められるものではありません。今も公租公課に対して、ついて外国籍の方に対しての説明をされているとは思いますけれども、仮にこのようなその母国の制度がないから分からないという説明が実際に多いということであれば、まだまだ現状の説明では理解を得られていないということにもつながるのではないかと考えます。
今回の改正法も永住者の方を減らすというのが目的ではないということは明確にしていただいているところの中で、適切に安心して住んでいただくためにも、日本の制度に関しても理解をいただき、税金等の徴収に関しても、その調整部署に任せるということだけではなく、入管庁としてもしっかりと知っていただくということについて積極的に早期から関わっていくべきではないかと考えますし、入管庁だけでできるところでもないと思いますから、地方自治体であったり、例えば日本年金機構とかいろんな関係機関とも連携をしながら任意の支払をしていただくための取組を進めていただきたいと考えますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/118
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119・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、外国人が我が国の税や社会保障などの社会制度を理解し支払の義務を履行するよう、政府が地方自治体などと連携して取り組むことが重要と認識しております。このため、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策などに基づいて、関係省庁が連携し、税や社会保障などを含む、在留外国人が我が国において安全、安心に生活、就労できるようにするために必要な基礎的情報をまとめた生活・就労ガイドブックというのを作成しております。
加えまして、昨年度末、今年の三月だったと思いますけれども、新しく生活オリエンテーション動画というのを多言語で作成して、周知を図っているところでございます。
また、地方公共団体等への周知、あるいは日本年金機構ホームページなどの外国人生活支援ポータルサイトに掲載、日本年金機構における年金制度の周知を図るための多言語によるパンフレットの配布などの様々な取組を行っているところでございます。
入管庁におきましては、引き続き、外国人の受入れ環境整備に関する総合調整機能を発揮しながら、関係省庁及び地方公共団体等との連携を一層強化し、総合的対応策に掲載された取組を着実に進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/119
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120・伊藤孝江
○伊藤孝江君 ありがとうございます。しっかりよろしくお願いいたします。
次に、ちょっと具体的な事例で御質問させていただきたいんですけれども、先ほどの質問、済みません、先ほど川合先生からの質問だったかと思うんですけれども、破産を仮にして公租公課が支払えなかった場合、やむを得ないということを判断されれば在留資格に影響がないという趣旨の答弁をされたと思います。
例えば、事業をされている方が破産をして、その際に公租公課の多額の未払があったと、そのような場合に、在留資格に変更はなしという判断を仮にされたとして、公租公課の未払というのは、破産の処理が終わっても理屈上終わらないんですね。いろんな未払というのは、免責という手続で決定が出ればもう払わなくていいと、法的には。払わなくていいというふうになるんですけれども、この払わなくていいという免責決定が出ても、公租公課に関しては残ります。要するに、払わなければならない義務自体は、破産の手続が全部終わって免責が終わっても残るんですね。
この支払義務が残ったままとなるというところの中で、この公租公課は破産の手続が終わってもずっと残るので、仮に一旦この在留資格変更ないよというような決定がなされたとしても、例えば一年後とか二年後とかずっと追いかけられて、改めて、いや、これ払っていないじゃないかということで同じ公租公課の未払を理由に改めて在留資格の変更について問われるような、そういう事態になるのかどうかということを一点確認をさせていただきたいと思います。
結構、事業をされている方の公租公課の未払というのは、金額としても、やはり何百万とか一千万を超えるような額の場合もかなりありますし、そのような同じ公租公課に対していつまで問われ続けるのかというところに関してという点と、あと、免責後も支払がされるまで入管庁が要は監視をし続けるというような仕組みを考えておられるのかどうかという点について、入管庁、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/120
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121・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
どのような場合が取消し事由に該当するのかは、個々の事案の個別具体的な状況等を考慮して悪質性を判断するものであるため一概に申し上げることは困難でございますが、その上で、一般論として申し上げますと、一度入管庁におきまして在留資格の取消しを行わないことを決定したのであれば、その後、基本的に、再度通報を受けない限り、当該公租公課の支払義務が残っているかなどを入管庁において把握することは想定しておりません。今般の取消し事由の追加は、あくまで在留管理の観点からの措置でございます。
入管庁としましては、公租公課の徴収を目的として、その支払がなされるまでの対象となった永住者の方を継続的に把握するといいましょうか、委員のお言葉借りますと監視といいましょうか、そういったことを行うことは想定しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/121
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122・伊藤孝江
○伊藤孝江君 この法案が成立をした場合、施行日までの公租公課の未払があるという場合についても、この在留資格の取消しを判断するための材料になるのかどうかと。施行日以降の未払が問題なのか、施行日前のものも全部考えますよということなのか。この点について、入管庁、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/122
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123・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
永住許可後に許可時の要件をあえて満たさなくなった者については、その在留状況が良好であるとは評価できず、この点は改正法案の施行前後において変わるものではございません。そのため、永住許可後から施行日以前に故意に公租公課の支払をしていないことが本法律案の施行後に判明し、改正法案第二十二条の四第一項第八号の在留資格の取消し事由に該当したと認められた場合は、在留資格の取消し等を判断するための事情となります。
もっとも、本法施行前の一時点における事情のみをもって直ちに永住者の在留資格を取り消すなどとするものではなく、その後の、公租の不払になった以後の公租公課の支払状況なども含めて慎重に判断してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/123
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124・伊藤孝江
○伊藤孝江君 今いただいた御答弁も含めると、やはりでき得る限り早く、法律が成立した場合には、ガイドラインも制定をいただいて、永住者の方にいろんな制度をしっかりと理解をしていただくということも大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、最後に大臣にお伺いをいたします。
これから様々なガイドラインを作られるというのが想定をされている中で、永住者の方々の不安をやっぱりなくしていくというのが一番ですし、それがあってこその共生だということも思います。この施行までの過程の中で準備のための様々な取組、これからなされるわけですけれども、その透明化や、あるいはまた当事者の方と意見交換をするということも含めて、でき得る限りの尽力をしていただきたいというふうに考えますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/124
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125・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) まず、ガイドライン作成に向けてのスタンスでありますけれども、法務省としては、永住許可制度の適正化については、国会における御議論や本法案附則第二十五条が追加されたことなどからも、慎重な運用が求められるものということは重々認識をしており、ガイドラインの内容についても、これらを踏まえた、永住者の我が国への定着性にも十分配慮したものとなるよう検討を行ってまいりたいと思います。
そして、その検討の過程においては、関係他省庁と十分協議することはもちろんでありますけれども、例えば有識者等の御意見を伺うといったことも念頭に、視野に置いて取り組んでいきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/125
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126・伊藤孝江
○伊藤孝江君 以上で終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/126
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127・清水貴之
○清水貴之君 日本維新の会の清水です。よろしくお願いをいたします。
先日の我々の静岡の地方公聴会、その際に、今回の法改正で転籍が、育成就労外国人の転籍が認められることになった点について、やはり、地方から都市部に人がどんどんどんどん出ていってしまうのではないかと、せっかく入ってきてもらって仕事を覚えてもらっても、そのような形で自分の地域から離れていってしまう、都市部に行ってしまう、そういった懸念があるのではないかと、こういった意見が出されました。
こういった懸念点を踏まえてだというふうに思うんですが、衆議院の修正案、これ、附則にこの点の記述が加えられたというふうに聞いております。
今日は、衆議院の方で、修正案提出者、池下さんに来ていただいておりますのでお聞きしたいと思いますが、この育成就労外国人の都市部への集中防止、これを加えた背景や懸念点についてお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/127
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128・池下卓
○衆議院議員(池下卓君) 御質問ありがとうございます。
清水委員の御質問にお答えをさせていただきたいと思います。
現行法の技能実習制度においては、やむを得ない事情がある場合を除き転籍が認められておりませんでしたけれども、本改正により導入される育成就労制度では、これを緩和し、一定の要件を満たす場合には本人の意向による転籍を認めることとしております。これにより、給与条件等の良い大都市圏に育成就労外国人が移ってしまうことで、地方における人材不足が解消されないままとなる懸念がございました。そこで、修正により、このような規定を付け加えることといたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/128
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129・清水貴之
○清水貴之君 おっしゃっている点はもうもっともだと思いますし、その地方公聴会の現場からも実際にそういった話が出てきた部分でもあります。
これが修正案加えられたということで、では、じゃ、どれだけ、まあ加えるだけでは意味がありませんので、じゃ、どれがその次の効果とか結果につながっていくのかという、こういったことが大事かと思うんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/129
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130・池下卓
○衆議院議員(池下卓君) 本修正で追加された附則新第二十四条第一項では、育成就労制度が、特に人材不足に苦しんでいる地方においても人材を確保し、経済の活性化にも資することとなるよう、政府は、育成就労外国人が地方から大都市圏に流出することにより大都市圏等に過度に集中して就労することがないようにするために必要な措置を講ずるべきといたしました。
修正案提出者としましては、本条項により政府に対して大都市圏への集中防止のための措置を義務付けたことの意義は大きいと考えておりまして、具体的にどのような措置が考えられるかにつきましては、政府において速やかに検討されることを期待しているところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/130
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131・清水貴之
○清水貴之君 ということで、大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、ボールが今度は政府の方に投げられました。非常に重要な問題かなと思いますが、ただ一方で、簡単ではないかなというふうにも思います。どのように政府として取り組んでいくんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/131
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132・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) まず、前提でございますけれども、本法案では、無制限に転籍を認めるものではありません。同一業務区分内の転籍に限定する、あるいは同一の受入れ機関において就労期間が一定の期間を超える、こういう要件が課されております。また、転籍先の受入れ機関について、例えば、転籍先に在籍している育成就労外国人のうち、本人の意向により転籍してきた者の占める割合が一定以下であることなどの要件も課されております。また、当分の間、民間の職業紹介事業者、ブローカーの関与を認めないといった措置もとられておりまして、過度な人材流出が起きないような仕組みとされております。
一方で、自治体側においてしっかりと外国人材の定着に向けた取組も行ってもらいたい、そういう趣旨から、地域協議会に自治体が直接参加する、あるいは外国人相談窓口の整備、生活環境を整備するための取組の推進など、自治体ベースできめ細やかな積極的な取組を行うことを支援していくと。
こういう全体像の中でバランスの取れた転籍というものが実現できればというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/132
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133・清水貴之
○清水貴之君 これ、大臣ではなくて関係者の方で結構なんですが、地域協議会という話がよくこれ出てくるんですけれども、ちょっとなかなかイメージが付きにくいなとずっとこれ思っていたところでもあるんですけれども、どういった狙いといいますか、誰が主導権を持って、どういった狙いで、どういったグループで、どういったことをやっていくのかと、もし今イメージしているものがあれば教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/133
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134・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
現在イメージしているものでございますが、更に今後詰めたいと思いますけれども、各地域の地方入管局、労働局、各省庁の地方支分部局、地方公共団体の機関あるいは育成就労機構などの関係機関で構成し、その構成員が相互の連絡を図ることにより育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に有用な情報を共有し、その構成員の連携の緊密化を図るとともに、その地域の実情を踏まえた育成就労の適正な実施、育成就労外国人の保護に資する取組について協議を行うようなイメージでおります。
その中で、やはり地方公共団体も積極的に御参加いただいて、地域としてどう受け入れていくかということも是非御協議できればと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/134
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135・清水貴之
○清水貴之君 あと、大臣、やはり、いろいろと取組をして、地域で根付いてもらうような取組をしていくんだというふうに思いますけれども、やはり大きな点は賃金のお話。先ほど大臣からもありましたが、やはり、日本に働きに来ている、日本で稼ぎたいという、技術を付けたいという方もいるでしょうけれども、やっぱり稼ぎたいという方も多いと思います。
そうなると、地方に比べて大都市の方が給料が高かったらそちらに行く、これは決して外国の方だけではなくて、日本人でもこれは起こっている現象ですよね。この日本の人口の移動を見ていても、今、人口流入がされているのはこの首都圏のみ、ほぼのみですよね。あとは、地域はどんどんどんどん人口が流出してしまっているという状況です。
入管庁によりますと、これ入管庁のデータですね、令和四年末時点で実習生から特定技能に移行した外国人約九万五千人のうち、移行に際して三九%が都道府県をまたぐ移住をしていたと。これ、理由は分かりませんよ、いろいろありますし、別にこれが地方から地方ということももちろんあるでしょうけれども、ただ、関東の一都六県を含む十五都県では転入が転出を上回ったが、北海道、広島など三十二道府県は転出の方が多かった。やっぱり都市部に移っているというのが、この傾向、数字から傾向としてつかめると思います。
そうしますと、やはり、地方と都市部の経済格差、賃金格差、こういったことを埋めていかないと、なかなかその転入転出、この人口移動、これを止めることが難しいんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/135
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136・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 経済原則から考えれば、そういう考え方になろうかと思います。
実態も多分そういう力がかなり働くわけですが、でも、希望があるとすれば、技能実習生の方々のいろんなアンケートを見ても、お会いしてみても、給料、給与水準とその技術スキルアップ、両方、二本柱ですが、もう一つ加えて、日本の社会の良さを学びたい、日本の文化を学びたい、日本という国にリスペクトを持っています。それになじみたい、そういう感覚の方は結構いらっしゃるんですよね。
彼らの、外国人材の方々の手取り収入から、母国での手取り収入から考えれば、東京と地方は差がありますけれども、しかし、そもそも母国の手取り収入と一桁違うわけですよね。大きな一桁上の給与をもらえるので、その先、更に上を望む人もいると思いますが、やはり、地方での生活の居心地の良さ、日本の文化を享受できること、親しい仲間と交流できること、人間的に生きられること、そういった、目に見えない、日本人が忘れてしまったものを彼らはまだしっかり求めていると、私はそういうものを感じますので、そういうものをしっかりと自治体が提供していく道、それによって地方に定着していただく方を増やすということは不可能ではない、そんなふうに感じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/136
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137・清水貴之
○清水貴之君 そして、今回の法改正では、転籍が発生した場合には、受入先がその費用の補償をする、補填をするという、そういった制度も組み込まれています。初期費用としては、転籍前の受入れ機関が監理支援機関に支払うなどした、負担した職業紹介費であるとか、送り出し機関への送り出し手数料、入国後講習費などの育成費用を想定しているということなんですが、これは、どうなんでしょう、制度として、こういった費用があるから、今度は受け入れる側からしたら結構な大きな費用になりますので、受入れちょっとやめておこうかなというような、そういった受入れを抑止する、若しくは転籍を抑止すると、そういったことも考えられての制度設計ということなんでしょうか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/137
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138・原口剛
○政府参考人(原口剛君) お答えいたします。
育成就労制度におきましては、議員御指摘のように、本人意向による転籍の際に、転籍後の受入れ機関が転籍前の受入れ機関が負担した初期費用等を補填する仕組みをつくることとしてございます。
この仕組みは、転籍前の受入れ機関が職業紹介費や育成費用などを負担していることに鑑みまして、その正当な補填を受けるための仕組みでございまして、転籍を抑制するための対策ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/138
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139・清水貴之
○清水貴之君 あともう一点気になるのが、この制度があることによって、人材獲得競争みたいなものにつながらないかということです。
最初に受け入れたところが一年ないしは二年間、一生懸命育てて、だんだん即戦力になってきてくれているところを、力になってきてくれているところを、これは費用を払えば転籍ができるということになったら、比較的金銭的に余裕のある企業などが、もう力の付いた人をどんどんどんどん受け入れて、自分たちはそういった制度で、ある程度費用を負担しても、ある程度成長した実力のある人たちをどんどん受け入れてということで、ある意味、人材獲得競争。今はそういった国内でも、もちろん転職というのは、非常にCMなども多くて、非常にブームというか、はやっている気がしますけれども、この外国人、この育成就労の人たちに対してもそういったことが起きてしまうのではないかと。
これは、先ほど大臣もおっしゃった経済原則からしたらあることなのかもしれませんが、これが果たして制度としていいのかどうかということはひとつ議論すべきところかなとも思うんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/139
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140・原口剛
○政府参考人(原口剛君) お答えいたします。
育成就労制度におきまして本人意向の転籍を認めることとした趣旨でございますけれども、労働者としての権利をより適切に図るためであり、これは重要なことと考えてございます。
一方、適切な人材育成の観点からしますと、同一業務区分内の転籍に限定するとともに、同一の受入れ機関において就労した期間が一定の期間を超えていることを要件としていることなどございまして、無制限に転籍を進めるものではございません、認めるものではございません。
また、人材獲得競争が起こることは望ましくないということから、転籍先の受入れ機関について、例えば、転籍先に在籍している育成就労外国人のうち、本人の意向により転籍した者の占める割合が一定以下であることなど一定の要件を設けることですとか、当分の間、民間の職業紹介事業所の関与を認めないことなどによりまして、引き抜き行為が行われないようにすることを考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/140
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141・清水貴之
○清水貴之君 人材獲得競争につながるのはよろしくないという、そういった答弁をいただいたということです。
最後に、大臣、日系四世の方の受入れについてお伺いして終わりたいと思いますけれども、先日の静岡での公聴会の際も日系二世の方がいらっしゃいました。ブラジル国籍の方で児玉さんという方です。
その際にも私質問をさせていただいたんですけれども、私、もうコロナ前の四、五年前だというふうに思いますけれども、日系の方、三世までは日本人と同じように日本国内に入ってきて生活するのが非常に容易だけれども、四世になると急にこのハードルが上がるというところで、これを何とかこの差を詰められない、埋められないかということで、ブラジルに行って、そしてペルーに行って、日系人社会の方々とお話をして、いろいろと意見交換をさせていただきました。衆議院にいらっしゃった下地幹郎さんと一緒に行ってきたんですけれども。
その狙いとしては、やはり、いろいろ外国の方、たくさん当時も技能実習とかで入ってこられている中で日系の方というのは、ルーツをたどっていきますと同じ日本人のルーツを持っていらっしゃるということで、来てもらうにも、その現地から来てもらうにも来てもらいやすいんじゃないかと、日本側としても受け入れやすいのではないかというような思いがありまして、そういった活動をしたんです。
その結果、日系四世の方に対して少し枠が広がったといいますか、入りやすさが進んだというふうには認識はしているんですが、ただ、大臣、これなかなか使われていませんで、この制度が。受入れの現状なんですが、枠は年間四千人取っているそうなんですが、これ令和二年の数字しかこの資料にちょっとなかったもので分からないんですが、令和二年で入国者数が八十六人ということですから、なかなかこれは使ってもらえていないんですね。
静岡の公聴会でもお聞きしたところ、やはり家族の帯同が不可であるとかこういったところ、まだまだやはり制度がよろしくなくて評判は決して良くないというような、こういった意見も出ておりました。
こういった点について、大臣、最後お答えいただいて、質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/141
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142・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 二〇一八年にできた制度であります日系四世受入れ制度、一生懸命制度改革をやってきていますが、残念ながら、令和五年末ですか、百六十七人、その後も増えていない。非常にまだまだその余地はあると思います。幾つか規制緩和、ルールの緩和をやってきていますけれども、ちょっとその緩和の仕方が細か過ぎるなと私自身も思っておりまして、もうちょっと大胆に、もうちょっと大きく枠を広げられるような、そういう見直しができないかどうか御指摘をいただきましたので、しっかりと具体的な検討をしていきたいと思います。
法務省としては、我が国と現地日系社会との結び付きを強めるために、より多くの日系四世の方が同制度を活用されることを期待しており、引き続き適正な運用に努めてまいりたい、これが公式スタンスでありますので、これに見合った努力をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/142
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143・清水貴之
○清水貴之君 以上です。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/143
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144・川合孝典
○川合孝典君 国民民主党の川合です。
本日は、前回の質疑の最後に、いわゆる改正法二十二条の故意による公租公課の未払の故意の解釈について丸山次長に御質問させていただいたところで終わりましたので、この点について改めて丁寧にちょっと質問をさせていただいて、議事録にその答弁内容を残したいと思います。
私が実はこれをこだわっております理由は、一般的に故意というと、わざとというのが一般的な受け止めになりますが、法律用語では故意という言葉の意味はわざとではないんですよね。民法の故意と刑法の故意というのがそれぞれ別にあります。
ちなみに、民法七百九条に規定する故意とは、自己の行為から一定の結果が生じることを知りながらあえてその行為をすることを意味しているということで、過失とともに不法行為を成立させる要件となります、これが。だから、故意、過失というものがそれぞれ構成要件になります。一方で、刑法第三十八条に規定する故意というのは、犯罪の基本的要件の一つとして罪を犯す意思のことで、罪となる事実を認識し、その事実を意図又は容認することをその内容としているということであって、民法上の故意と判断するか刑法上の故意と判断するかで、民法上の故意の方が相当に実は幅が広くなるということであります。つまり、皆さんが御懸念されているその故意にという説明、繰り返しこれまで大臣も政府としてもなさっているわけでありますが、この故意の受け取り方いかんで、いかようにも実は裁量できてしまうというところに危険性があるということです。
よって、私が今回確認させていただきたいのは、今回法改正によって永住資格の取消しの判断がなされるに当たって、この改正法第二十二条の四第一項の八の故意というのは、民法七百九条に規定するところの故意ではなく刑法三十八条に規定する故意が適用されるという、これが一般的に適用されるという解釈でいいのかどうか、これを大臣にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/144
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145・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
民法第七百九条では、故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負うと規定されております。また、刑法第三十八条第一項では、罪を犯す意思がない行為は罰しないと規定されており、この罪を犯す意思が刑法上故意とされております。
一般論として申し上げますと、法令の個別の文言につきましては、当該法令の目的のほか、具体的な条文の趣旨や内容等を踏まえて解釈されるものと承知しており、同じ文言が規定されていたとしても、それぞれの法令における文言について必ずしも同じ意味に解釈されるものではないと考えております。
そして、入管法は外国人の在留の公正な管理を図ることなどを目的とする法律であって、民法、刑法とは目的が異なる上、今般、故意という用語を使用した改正法案第二十二条の四第一項第八号の規定は、在留資格の取消し事由に関するものであって民事又は刑事上の責任に関するものではないことから、民法、刑法における文言とは必ずしも同じ意味に解釈されるものではないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/145
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146・川合孝典
○川合孝典君 ということは、これは一般論で結構ですけれども、次長に質問させていただきますが、一般論で結構なんですが、今回の改正法は、刑法でも民法でもなく、どういう解釈を一般的にするという理解でよろしいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/146
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147・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
改正法案第二十二条の四第一項第八号の故意にとは、公租公課の支払義務があることを認識しているにもかかわらず、あえてその支払をしない場合をいうこととしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/147
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148・川合孝典
○川合孝典君 認識しているということは、未払であるということを知らなかったということについては対象にはならないということで理解できるんですが、では言い方を変えましょう。過失による公租公課の未払については、この改正法における故意には一切該当しないという理解でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/148
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149・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
今般の永住許可制度の適正化は、適正な出入国在留管理の観点から、永住許可後にその要件を満たさなくなった一部の悪質な場合について、その在留資格を取り消すことができるとするものでございます。
御指摘のようなケースが、まさに故意ではなく過失により公租公課の支払を怠ったような場合を指すのであれば、故意に公租公課の支払をしないには該当しないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/149
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150・川合孝典
○川合孝典君 これも答弁で何度も一部の悪質なという表現はなさっていますけど、具体的に一部の悪質なというのがどういうものなのかというのがなかなか見えてこないんですけれども、そこをちょっと、丸山次長の知識の範囲内で結構です、通告していませんけど、一部の悪質な例ってどんなものなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/150
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151・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
その点につきましては、まだ、よくよく整理してガイドライン等でまた公式なものはお出しすることになろうかとございます。
現時点の私の認識を申し上げますと、例えば、例えば私がその債務者、払わなきゃ、税金を納めなきゃいけない人間だといたしまして、例えば、自治体等からも督促状が仮に来ていて、来ていることも認識していると、かつ自分の財政能力を見ると払える余力はあると、だけど私は払いたくないというようなものが悪質なものとしてちょっと現時点で認識しているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/151
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152・川合孝典
○川合孝典君 ちなみになんですけれども、その自治体から督促が来ているだとか警告が来ているだとかというそういう手続が、どの程度の形でそういう手続が取られているのかどうかということは入管庁としては把握していらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/152
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153・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
現時点ではそういう仕組みがございませんので何とも申し上げられないんですけれども、仮にこの法案を通していただいて、仮に自治体等から御通報いただいて取消し手続が開始したといたしますと、意見聴取の手続を開始いたしますので、その際に、本人がどういう認識をされていたのか、払わなきゃいけない自覚をお持ちだったのか、あるいは自治体等からどういう連絡が来ていたことを承知されているのかどうかとか、そのようなことも確認しながら個々に判断させていただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/153
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154・川合孝典
○川合孝典君 大臣、お聞きいただいたとおりで、実は把握していないんですよ、現場の手続がどうなっているのかということについては。ただ自治体から連絡があったということをもって今回こういった判断をしているということがこれで明らかになったということで。
ここからは大臣に是非お約束いただきたいんですけれども、この故意の解釈、今回のその改正入管法における故意の解釈並びに公租公課の支払も含めて、悪質な、一部の悪質なというものがどういうものなのかということについてきちんとガイドラインに書き込んでいただいて、その判断に揺らぎが生じないようにする手続を取っていただきたいんですけど、そのことをお約束いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/154
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155・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 非常に重要な点だと思います。
様々な御議論が既にあります。心配されている方も大勢いらっしゃるということでございますので、しっかりと詰めて、また多くの方々の御意見も聞いて、しっかりと示せる、ガイドラインに示せる、そういうものを作りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/155
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156・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。よろしくお願いします。
次の質問に移りたいと思いますが、たしか以前の質疑で石川委員が指摘されたかと思うんですが、その永住資格の取消しを恐れて免許証を取るのを要は諦める方がいらっしゃるといったような指摘がたしかありましたですよね。一年を超える実刑は退去強制事由にそもそも該当するということなわけでありますが、今回のこの法改正によって交通違反などを恐れて免許証の取得を諦める永住者が生じるといったような指摘だったんですが、過失による事故や道路交通法違反によって永住資格が取り消されるということはあるんでしょうか。ここを確認させてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/156
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157・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
改正法案の第二十二条の四第一項第九号で永住者の在留資格の取消し事由として規定された一定の刑罰法令違反とは、例えば刑法上の窃盗、強盗、傷害などの一定の罪で拘禁刑に処された場合をいいます。これらの刑罰法令には道路交通法は含まれておらず、また、その刑罰法令違反には過失による犯罪である過失運転致死傷罪等は含まれておりません。
もっとも、道路交通法違反等により一年を超える拘禁刑の実刑に処された者については、入管法第二十四条第四号二の退去強制事由に該当するところとなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/157
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158・川合孝典
○川合孝典君 つまり、過失運転致死傷罪自体は適用の対象ではないけれどもという、その後、むにゃむにゃとおっしゃったわけですが、つまりは、それは危険運転等を指しているという理解でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/158
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159・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) 最後申し上げましたのは、道路交通法違反などにより一年を超える拘禁刑の実刑に処された者については入管法第二十四条第四号二の退去処分に該当することとなると申し上げたものです。
また、今御指摘ございました危険運転致死傷罪につきましては、今回新設します一定の刑罰法令違反の中に一部含まれているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/159
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160・川合孝典
○川合孝典君 悪気なく過失致死傷というものが、交通事故によってそういったことの罪に問われるということについては、これは別にそれを望んでいるわけではないですけど、日本人でも外国人でも同じ条件ということになるわけで、永住者の方が国内で生活を送っていく上で車をお使いになるということを考えたときに、そのことの結果として、要は、不幸にして事故に遭遇してしまったことが永住許可の取消しにつながるということはこれは相当な実は問題なわけでありまして、したがって、今、丸山次長は、今の段階では答弁できることは、お立場としてそこまでしか答弁できないということは事情として分かるんですが、是非大臣、このいわゆる道路交通法という法律と今回の入管法の改正による永住許可の取消しの判断の基準というものがどういう関係値にあるのかということも含めて、これも是非ガイドライン等で明示的にお示しいただきたいんですけど、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/160
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161・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) その問題ももちろん含めて、しっかりと議論して詰めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/161
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162・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。
次の質問に移りたいと思いますが、今回の永住許可の取消しで、いわゆる中華街の方、参考人で呼んでお話伺ったのもありましたし、これまで様々な要請文書等を受け取る中で、在日のいわゆる韓国の方等が、いわゆる永住許可がこれから取り消される可能性があるということについて大変懸念の声を上げていらっしゃるということなんですが。
これ私の理解では、いわゆる永住資格者と特別永住者ですよね、いわゆる在日系の皆さんについては、この特別永住者については、そもそも根拠法が異なっておりますから今回の入管法の適用対象にそもそもならないんじゃないのかということなんですけど、この理解でよろしいかどうかということの確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/162
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163・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
現行の入管法第二十二条の四の規定においても、在留資格を取り消す対象は別表第一又は別表第二の上欄の在留資格をもって本邦に在留する外国人とされており、入管特例法に基づく特別永住者は含まれておりません。
このように、特別永住者はそもそも在留資格取消し制度の対象とはされておらず、今般の改正法においてもその点に変更はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/163
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164・川合孝典
○川合孝典君 つまり、法律の専門家の方々にとってはこれは当たり前のことなわけでありますけれども、この法律の改正法の条文読んだだけではそんなことは一切分からないということで、そのことの結果、無用の混乱や不安をあおり立てることにもなってしまっているということは重く受け止めていただきたいと思います。説明が正直言って全く足りていないということであります。
それともう一点、これ通告していないんですけれども、参考人の方からお話を伺っていて、例えば、横浜開港以来、百何十年間、日本にお住まいになり続けてきて、百何十年間ずっと要は日本で住まわれてきた方々と近年永住許可を取ってという方とで、やはり全くその置かれている状況が違うということでありまして、一人、一くくりに永住許可という、永住者というものをくくってしまって果たしていいのかどうかということも、これは議論の俎上に上げるべきなんではないのかと。
雑な言い方をしてしまいますと、三代住めば江戸っ子になるじゃないですけれども、やはり一定の期間、日本に要はお住まいになって、かつ要はルールを守って日本にお住まいになっている方々について、何らかの資格ですよね、十把一からげで全て永住資格という一個の枠組みの中で判断するがゆえにいろんな問題が生じるということなんだとすると、今後、外国人の方の入国者数がどんどん増えていくということまで考えたときに、どういう、その永住資格についても、どういうシチュエーションでその永住資格があるのかということについてはもう少し精査した上できちんと整理をした方がいいんじゃないのかなというのが私の感覚だったんですけど、これ通告していないから答えようがないと思いますけれども、大臣、今の私の発言についてどう思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/164
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165・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 申合せの時間を過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/165
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166・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) 申し訳ございません。ちょっと私、事務当局から御答弁させていただきます。
委員御指摘の点につきましては、先般、仁比議員からも御質問がありました、二十一年の法改正のときにも若干そういう、そういった検討条項ということをいただいております。定着性等に鑑みというように入れていただいておりまして、なかなか、どこでどういう線を引くかというのはなかなか難しゅうございまして、まだ結論が出ていないところでございます。
現時点におきましては、ちょっと区切る方、なかなか区分けできていないんですけれども、実際の運用等におきましてどう処置をするかということにつきましては、例えば退去強制事由の中でどう判断するかという場合については、その定着性、より定着していく方かどうかというのは個別に判断させていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/166
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167・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございました。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/167
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168・仁比聡平
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
まず、入管庁に確認をしたいと思うんですけれども、先ほど総理の質疑の中で、先ほど来議論になっている永住資格の取消し事由の拡大の問題について、まず、永住者の、あるいは当事者の団体とのヒアリングは、これはしていないんだと、法案提出に当たって。そのことは前提にした御答弁だったと思うんですけれども、何だかちょっとよく聞き取れなかったんだけれども、これまでの取組で、直接ヒアリングはしなくても当事者の意向は適切に踏まえられているといった趣旨の答弁を総理がしたと思うんですけど、それで理解はいいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/168
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169・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
総理の答弁の内容でございますが、直接ヒアリング等を関係者からしたことはございません、この関係。ただ、第七次出入国管理政策懇談会の中でこの永住者の問題について御議論いただいたときに、外国人の方、メンバーの外国人の方であるとか弁護士の方、有識者を含めいろいろ御意見をいただいたと。その中の御意見というのは、永住者等の立場も踏まえた様々な御意見が含まれていたというふうに認識しているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/169
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170・仁比聡平
○仁比聡平君 いや、それは驚くべき答弁を総理にさせたのだなと思います。
小泉大臣も五月二十八日の牧山理事の質問に対して、令和元年の十一月の世論調査と令和二年の第七次出入国管理政策懇談会などを挙げて、この一連の議論をちゃんとしてきたんだという趣旨の答弁をなされているんですけれども、その第七次出入国管理政策懇談会、この時点での議論がどんなものだったのかと。
まず、当時、次長、担当課長だったですよね。委員会にお名前、議事録が出ているかと思うんですけど、議事録にお名前が出ているように思うんですけれども、永住資格の取消しという今回の法案に制度化されようとしているそういう中身というのは、まるでありませんでした。確かに取消しってみたいな言葉は出ているけれども、取消し事由として今回の法案のような具体的な規定ぶりというのは、これ前提にはなっていない。自治体からこれこれというような声があるというようなお話が出ているわけですけれども、小泉大臣が五月二十八日にお述べになった令和二年七月の懇談会で、どんなこの懇談会の、何というんですか、有識者というんですか、委員ですね、委員の発言があっているか、大臣は御存じなのでしょうか。
グレンダ・ロバーツ早稲田大学大学院教授は、そういう厳しい政策を決定する前に、少なくとも根拠のデータを見せる必要があります、例えば割合、今の段階で永住者のうち何%が生活保護をもらっているのか、それから期間、どのぐらいの年月もらっているのかなど、つまり、国にとって経済的に大きな負担だということを示さない限り、こういう政策を設定するのはおかしいですとおっしゃっています。
上智大学の岡部みどり教授は、永住権を取得した後に、例えば経済的な困窮に至って要件が満たされないという人々についても、これは通常の日本人であっても、景気が悪化したときに失業の憂き目に遭う人が多い中で、これは各国のどの国のデータでも示していることですが、通常の国民に比べて外国人の失業率は常に高いわけです、そうすると、彼らはより脆弱な環境に置かれるということを考えると、やはりそこで厳しい要件を課すというのはいかがなものかと思います。
大臣が根拠のようにおっしゃった令和元年の十一月の世論調査については、筑波大学大学院の明石純一准教授始め数々の疑問が出されていますけれども、この明石さんは、調査自体の質問構成などを見ると一部誘導的な性質があるということが否めなくもないと。
まず、確認しますけど、次長、この第七次の懇談会のこの多くの委員の議論というのは、そういう議論だったんじゃないですか。つまり、永住者の資格の取消しなんというのはおかしいという話じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/170
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171・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
私の記憶等、まだ今回、確認した範囲内で申し上げますと、当時、永住者について政策懇談会で御議論をいただきました。それは、地方自治体の声もあり、あるいは世論調査を、結果も出ましたので、そういったところで一度有識者の御意見を聞こうということでセットされた、設定したような記憶がございます。
その中におきましては、合理的な、永住者を仮に取り消すという制度をつくるとすると合理的な理由があるのではないかという御意見もある一方で、やはり委員、慎重に対応すべきという意見も多々、御意見披露されたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/171
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172・仁比聡平
○仁比聡平君 慎重な御意見どころじゃないですよ。
最初にこの議論がこの第七次懇談会で出たのかなと思うんですけど、第十二回、平成三十年の九月二十五日の議事録もちょっと拝見をしました。ここでは、座長が法務省の説明に対してこう言っています。
地方自治体等からこのような御意見が出ているということは重要なことだと思うのですが、私として法務省に今後御努力をお願いしたいのは、こういう本当に具合の悪いことが起こっているというのは、本当にどのぐらい具合の悪いことがどのくらいの規模で起きているのかということを調査していただく必要があろうかと思います。ある種のエピソードとして、こんなひどいことがありましたよというだけのエビデンスで政策を判断するというのにはやや問題が出てくるかもしれないので、とりわけ悪質なものがあるのだとしたら、それはどのぐらいあるのかということが、なかなか調べるのは難しいと思いますけれども、そういうこともやっていただく必要があろうかなと思っております。
これが懇談会の座長の発言で、座長というのは、この間も参考人においでいただいた田中明彦参考人です。
こういう議論じゃないですか。根拠になるデータも示さずに大事な永住資格を剥奪してはなりませんというのが、むしろコンセンサスなんじゃないですか。そうした下で、大臣、今回、結局データは示せないでしょう。七つの自治体からヒアリングをしましたというけれども、今御紹介した田中座長がおっしゃっているとおり、それ、そんなことではエビデンスにはなりませんというのが、そんなことで政策決定はできませんというのが専門家も含めた意見でしょう。
にもかかわらず、入管庁がレクをしたのか法務省を挙げてやったのか、今日、総理は、その懇談会をもってして、今、撤回をと、差別だと声を上げている当事者たちの声を適切に踏まえたものだという答弁をさせたんでしょう。法務省がそうやって説明したから、総理、あんな答弁したんじゃないですか。
とんでもない話であって、よく事実関係調べて、総理のさっきの答弁、私は撤回すべきだと思いますが、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/172
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173・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) まず、その客観的なデータの問題でありますけれども、この七自治体のヒアリングとほぼ同じ時期になりますが、令和五年の一月から六月、お示ししているように、在留許可後の、永住許可後の子供の、そこで生まれてきた子供の永住許可に関する調査において納税証明というものを徴求できるので、そこで初めて客観的な我々が自前でできるデータの確保ができたわけでございます。千八百二十五件中の二百三十五件に未納があったということであります。そして、これを裏付けるために地方自治体へのヒアリングを併せて行いました。
その更に遡ること、第七次出入国管理政策懇談会、二〇二〇年の開催です、遡ること三年前、この時点で既に、その前の年、二〇一九年に基本的法制度に関する世論調査というものも行っていました。これも御説明を申し上げたとは思いますが、許可、永住許可を取り消す制度の賛否について国民に内閣府の調査として問うたものであります。これは様々な内容がありますけれども、一定の割合の方々が永住権取消しの必要性を、賛成だと答えておられる方、七五%ぐらいの数字が出ています。
ただ、これ数字だけでは判断できないので、その翌年、二〇二〇年に第七次出入国管理政策懇談会を開いて、外国人の方、ロバーツさん、大学の教授ですよね、また弁護士の方、幅広く、そして田中明彦先生も座長になっておられますが、この委員会で厳しい御意見もしっかりと聞かせていただいたわけです。厳しい御意見をしっかりと我々も聞かせていただいて、その後の検討にそれを生かしていった、これが実態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/173
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174・仁比聡平
○仁比聡平君 長々御答弁されたけど、厳しい意見ばかりだったけど、それを聞きおいて今回こういう法案の提出に進んできたということなんじゃないんですか。それ、本当にひどい話ですよ。
一点、ちょっと次長、先ほど、今大臣が紹介した、入管が調べたというその千八百幾つのというその話が一体何を示しているのかという評価はできないでしょう、母数にしたって、その中身にしたって。外国籍だから特に未納率が高いんだとか、あるいはそれは永住者だからそうなんだとか、そういう理由につながるようなことを分析はできないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/174
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175・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
私どもとしてこの数字をお示ししていますのは、これは永住者の子供さんが生まれたときの在留資格の永住の取得申請のときにいただいた書類でございます。ということは、当該永住者の方は、永住許可を取る時点では、そういった公租公課含め、公的義務を履行されていたから永住許可を取られた方でございます。その方たちが永住許可後にどうなった、どういう対応をされているかと知る場面が、この子供さんが生まれたときに書類をいただいている方について私どもの通常業務で把握できますことから今回集計をさせていただいて、その中に未納の方がいらっしゃるということで御説明をさせていただいております。
これは、意味するところは、地方自治体等で、地方自治体のヒアリングの中で、永住許可の申請の時点あるいは入管の申請の時点で滞納を払って、納めてくれるんだけれども、その後払わない方もいるんですよということに対して、現実的にその永住許可取得した後に一定の未納の方がいらっしゃるということは示していると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/175
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176・仁比聡平
○仁比聡平君 つまり、田中座長や、今日も含めて皆さん議論しておられるような、とりわけ悪質なものがどれだけあるというのかという調べではないわけですよ。その未納の方々にはいろんな事情があるでしょう。その事情は分からない話じゃないですか。それをもって今回の法案の立法事実であるというふうに言い張るような大臣の答弁は成り立たないと。引き続きこの点も議論したいと思いますが、もう一問、今日尋ねておきたいと思います。
先ほども議論ありました本人意向による転籍の制限期間についてですが、この五月二十八日の川合理事の質疑に対して、結局、制度所管省庁としての入管、厚労からは、規定の、期間の検討に当たって考慮すべき事情などを示すんだというふうに言うんだけれども、その事情というのがどういう中身のものなのかということは結局御答弁がなかったと思うんですよ。
そうすると、一体、この人手不足で本当に大変になっている農業あるいは建設、そうした業所管省庁が、その人手不足分野で外国人労働者に元気に働いてもらえるというような計画をどうやって立てるのかと。結局、法案は全部を白紙委任するというのかと私は思うんですけれども、時間がないので、農水、国交、それぞれ一体どうするつもりなんですかと、この転籍の期間制限について。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/176
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177・勝野美江
○政府参考人(勝野美江君) お答えいたします。
本人意向の転籍の要件である同一の受入れ機関における育成就労の期間につきましては、一年以上二年以下の範囲内で育成就労外国人に従事させる業務の内容等を勘案して主務省令で定めるということになっていると承知しております。
本人意向による転籍の要件である、要件の一つである同一受入れ機関における在籍期間につきまして、農林水産省としましては、計画的な人材育成の観点や地方などにおける人材確保に留意しつつ、外国人の人権保護、労働者としての権利性向上を通じて農業分野が外国人から選ばれる産業となることなどを念頭に検討していく必要があるというふうに考えております。
今後、政府内で具体的な制度設計を行っていく際には、農林水産省として、現場の声をよくお聞きしながら、法務省、厚生労働省などと連携して検討してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/177
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178・蒔苗浩司
○政府参考人(蒔苗浩司君) お答え申し上げます。
本人意向の転籍の要件である同一の受入れ機関における育成就労の期間につきましては、今後、制度所管官庁から検討に当たって考慮すべき事情等が示されると聞いておりますが、これまで建設業団体等と意見交換をしてきた中では、例えば、現場作業に必要な技能習熟には一定の期間を要するとの意見や、外国人材から選ばれやすい期間とする必要があるとの意見など、様々な御意見があったところでございます。
建設業を所管する国土交通省として、今後の検討に当たっては、現場の声を十分に聞きながら、制度所管官庁と連携し、対応してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/178
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179・仁比聡平
○仁比聡平君 結局、これから現場の意見をよく聞いていくというふうにしか答えられないということが極めて残念です。
今日は終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/179
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180・鈴木宗男
○鈴木宗男君 小泉大臣、御苦労さまです。
総理とのやり取り、あるいは今、その後の質疑等を聞いていて、これやっぱり、外国人のこの永住許可取消し制度について、皆さん懸念の声がありましたね。
私は、この前の参考人質疑でも、華僑協会の曽さんでしたか、あの方が、自分たちが知ったのは五月十二日だというようなお話でした。
なぜそこまで分からなかったのか、こっちは不思議でならないんですけど、何かしら、この周知徹底というか、組織の中でも、その外国人のですね、なかったのかなという感じもするんですね。もっともっとこれ法務省、入管庁としても、しっかり関係者に分かりやすく説明する、あるいは、ルールを守っていれば何も心配ないんだ、規則をきちっと遵守していれば何も問題ないんですねと、私はそういう解釈でいるんですけど、そこら辺をしっかりと説明した方がいいし、また、これまた懸念を払拭するためにも大事だと思うんです。
この点、大臣、しっかりとこの周知徹底するという決意を述べていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/180
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181・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) まあ確かにおっしゃるとおりの点もあろうかと思います。
法案作成の段階で、また様々な調整をする段階で、より広い方々、また当事者の方々にきちっと内容が伝わっていないことが大きな不安のもとになっていることもこの一面あると思いますので、そういう点をしっかりと、もう今からでもしっかり改めて、この国会での御議論も含めてきちっと整理をして、そしてそれをフィードバックしていくと、より多くの関係者に理解していただくと、周知をすると、徹底したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/181
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182・鈴木宗男
○鈴木宗男君 私は、逆に、これは永住者にやっぱりきちっとルールを守ってもらうための今回の処置であって、むしろ外国人と日本人の分断を招かないという大きな意味合いもあると、こう思うんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/182
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183・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 今回の法改正によって、やはり共生社会というのが現実味を帯びてくるわけです。そこでどうしても必要になるのは、外国から来られる方と日本人の間の深い信頼関係です。簡単にはいかないけれども、それが大本で、それがあればいろんなことがスムースにいく。
その信頼関係を一番裏切る可能性があるのが、やはり一部、本当にごく一部の、ごくごく一部の悪質な方々が納税義務、公的義務を果たさないという姿を国民が目に焼き付けてしまうとこれは大きな禍根を残すと、大きな不信につながりかねないということで、普通に生活していただいている、納税していただいている、公的義務を守っていただいている永住者の方々には全く心配をしていただく必要がないんですけれども、ごく一部の方にやっぱり是正措置を我々は講じておく必要がある。それは、長い目で見て分断をむしろ和らげ、長い目で見て本当の共生社会をつくる、その礎になるからだと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/183
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184・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、どこか一か所でも大臣がこの関係者のところに行って今みたくこのジェスチャーを入れてぴしっと説明すれば、より分かりやすいというか納得すると、こう思いますので、その点しっかりやっていただきたいと思います。
それで、大臣、私は委員会で言ってまいりましたけれども、確認の意味で、検察は本来、行政組織であるという認識でよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/184
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185・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) はい、行政組織でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/185
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186・鈴木宗男
○鈴木宗男君 検察を含むこの法務省という行政組織のトップは法務大臣ですね。法務大臣はまさに、検察に対しても、これ主権者たる国民に対しても、この組織の長として位置付けられているということでよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/186
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187・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 検察庁を含む法務省の行政万般にわたって、内閣においてその所掌を与えられ、また国会に対して説明責任を負っている、そういう立場だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/187
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188・鈴木宗男
○鈴木宗男君 これまでの委員会でも、大臣は検察に対して個別に指揮権は使えないという話をされました。
そこで、大臣、お尋ねしますけど、検察庁法第十四条で、法務大臣は、第四条及び第六条に規定する検察官の事務に関し、検察官を一般に指揮監督することができる、ただし、個々の事件の取調べ又は処分については、検事総長のみを指揮することができると記されています。ならば、大臣、今まで指揮できないといって答弁されてきました。このただし書を外しての答弁じゃないですか。個々の事案について法務大臣は検事総長を通して指揮できるわけですから。過去にも例はあるわけですから。
この点、大臣、今までの答弁、私は、ごまかしたり、あるいはすり替えの議論だと、こう思いますけれども、同時に、大臣も法律の専門家じゃないわけですよ。役人からのレクチャー受けてのここでの答弁ですよ。この点、私は非常に不愉快に思っているんです、正直でないということ。この点、大臣、どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/188
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189・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) これ、まず最初に申し上げたいのは、事務方からのレクチャーによって私が結論付けたもの、ことではありません。私自身が、この職に就いて、考え、考え、深く考え、いろいろ調べ、何が正しいかを考え抜いた結果、個別的指揮権と一般的指揮権の境目をしっかりはっきり持とうと。
そして、おっしゃるように、検事総長には個別指揮権が発動できます。それは、検事総長が大臣をなだめるということも含まれているようです。なだめるチャンスが生まれます、一対一ですから。大臣、そんな早まらないでくださいということも含めて想定されていますが、個別の検察官に対して個別の指揮権は発動はできません。
それは、ちょっと長くなりますけれども、その司法の一部を担っているわけでございます、検察というのは。つまり、起訴しないものは裁判できないし、起訴されたものは必ず裁判になりますので、裁判所は独自に動けませんから、勝手にその裁判始めるわけにいかないので、起訴から始まり、起訴されたものは全部やる。つまり、その司法機能の一部を担っているので、検察官の身分の独立性というのがまた規定されているわけであります。そこへ入れないというのが今の個別指揮権の制約であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/189
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190・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、私は、事件が係属中である、あるいはまさに今事件として扱われようとしている、そういったことについて一回も質問したことないんです。全部終わっている話です。一審で検察が、無罪に、負けて、無罪で裁判打ち切られた。
あるいは、村木事件で「検察の理念」ができましたね。その「検察の理念」ができたとき、当時の柳田法務大臣は、検事総長に厳正に対処をすると言っていますよ。大臣、その認識ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/190
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191・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 一般的指揮権に関わることであれば私が検事総長に話をすることはもちろんできるわけでありまして、その一般的なその指揮権を発動することによって検察の在り方を正していかねばならないというふうに私も認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/191
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192・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、ならば、プレサンス事件で二百四十八日も勾留しておいて、結果は無罪ですよ。間違った検察の捜査であったことが明らかになっていますよ。大臣、人間として、これはどうなっているんだと聞くのが当たり前じゃないですか。検事総長を通じて「検察の理念」を守らせると言って、守っていないじゃないですか、現実に。大臣、そういう人をばかにした話はいけないんですよ。私は、過去の事例だとか経験を踏まえて言っているんですよ。今ある事件でどうのこうの言えなんて言ったことは一回もない。
検察が間違った捜査をした、それが明らかになって、もうギブアップして一審で裁判が終わってしまった。あるいは、起訴の取下げは、こんな不祥事ってありませんよ、実態はどうなっているんだと聞くのが当たり前の話じゃないですか。ここにいる委員の皆さん方もそう思いませんか。私の言っていることがおかしいか、大臣が抗弁しているのがいいか。私は、ここは絶対、国民の声は私にあると思っているんですよ。過去の例もあるんですから。
じゃ、大臣、村木事件のとき、柳田法務大臣は何と言いました。そんなことも勉強しないで答弁するということ自体が私はふざけていると思いますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/192
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193・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 柳田大臣の発言については、申し訳ありません、ちょっと通告もいただいていなかったので、私は存じ上げません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/193
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194・鈴木宗男
○鈴木宗男君 私は、検察の取調べから、この事件の、村木事件の、「検察の理念」がなぜできたかでも聞いていますよ。村木事件のときに「検察の理念」ができたんですよ。それで、二月に長官会議で大臣もいて訓示したじゃないですか。村木事件というのは重い事件ですよ。それを知らない、時の法務大臣の判断を知らなかったということ自体、大臣、先ほど大臣は最初に、私なりにちゃんと勉強している、調べていると自信を持って言ったんじゃありませんか。柳田大臣の例しかないんですよ、検事総長に指示したのは、最近では。その一点を知らないで、大臣、開き直ったように、勉強しているだとか自分なりの見識で述べているということは失礼じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/194
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195・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) これ、お叱り受けるかもしれませんが……(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/195
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196・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 委員長の指名を受けてから御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/196
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197・鈴木宗男
○鈴木宗男君 注意しても、お叱りを受けたと。お叱りじゃない、こっちは指導しているんですから。それを、お叱りを受けたと一般の人が聞いたら印象悪いですよ。ここら辺は明確にしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/197
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198・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 柳田大臣の御発言については、申し訳ありません、認識しておりませんでしたので、しっかりとそれは、まず事実、事実を把握したいと思います。
それから、もう一つ、個別案件だと申し上げているのが、これ、御指摘の訴訟については一審で終わっていますが、それをめぐって国家賠償請求訴訟が提起されていまして、これ、今現実に我々が当事者になって、国が当事者になって裁判が進んでいますので、そういう点からも、この問題に私が直接関わるということはできないということも御理解もいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/198
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199・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、全くの勘違いですよ。国家賠償請求を受けること自体が間違いじゃないですか。大臣、国民の税金を使うんですよ。検察が間違った判断するから、今、国賠かかっているんですよ。反省がないんですか、大臣。どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/199
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200・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) これはまさに、裁判の結果がまだ出ておりませんので、それ係争中でありますから、どちらが正しいという判断は今できないんですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/200
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201・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、私は国賠のことを言っているんじゃないんですよ。国賠に至っただけで、検察が間違った判断したわけですよ、無罪になったわけですから。人を、人の人権を二百四十八日も抑え付けちゃって、結果として無罪なんですよ。起訴すべきでなかったということが明らかになって、今、国賠になっているんです。
私は国賠のことを言っているんじゃない。そこに至るまでのことで間違った判断と思い上がりだとかがあったんでないかということを言っている。それを指導するのが国民の代表たる法務大臣の責任でないかということを聞いているんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/201
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202・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) これ、前回かその前申し上げたと思いますが、個別的な指揮権に触れるわけにはいきませんので、一般的指揮権の発動という形で検察の在り方を正していくという私の考え方がございます。
そして、各高検にですね、八か所の高検に私が出向いて、現状を見、また訓示をし、意思疎通もしてこようと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/202
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203・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、時間がないんですよ。大臣、いつまで、私は小泉大臣は留任した方がいいと思いますよ。国会終わって、政治的スケジュール見たって、もう時間は決まっていますよ。ならば、大臣、こういう問題が起きたときにすぐ行動するのが大臣の務めなんですよ。それがまた政治家のセンスですよ。
だから、もう時間超えていますから、また次の機会、三十五分もらっているから、そこでがっちりやりますから今日はこれぐらいでやめておくけれども、大臣、あなたのために言っておきます。政治家である前に一人の人間であってください。法務大臣である前に一人の人間であってください。どんだけの困った人がいるかということを、間違った権力の作用によって。何でその気持ちを顧みないんですか。ここを大臣、しっかり踏まえてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/203
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204・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) お時間ですので。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/204
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205・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) じゃ、次回にします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/205
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206・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後一時二十三分散会
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〔参照〕
静岡地方公聴会速記録
期日 令和六年六月三日(月曜日)
場所 静岡市 ホテルアソシア静岡
派遣委員
団長 委員長 佐々木さやか君
理 事 古庄 玄知君
理 事 和田 政宗君
理 事 牧山ひろえ君
理 事 伊藤 孝江君
理 事 川合 孝典君
田中 昌史君
石川 大我君
福島みずほ君
清水 貴之君
仁比 聡平君
公述人
一般社団法人静
岡県建設産業専
門団体連合会会
長 北川 雅弘君
東海染工株式会
社浜松事業所工
場長 田中 志治君
静岡県行政書士
会会長 平岡 康弘君
日伯交流協会副
会長 児玉 哲義君
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〔午後一時十六分開会〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/206
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207・佐々木さやか
○団長(佐々木さやか君) ただいまから参議院法務委員会静岡地方公聴会を開会いたします。
私は、本日の会議を主宰いたします法務委員長の佐々木さやかでございます。よろしくお願いいたします。
まず、本日の地方公聴会に参加しております委員を御紹介いたします。
私の右隣から順に、自由民主党の和田政宗理事でございます。
同じく古庄玄知理事でございます。
同じく田中昌史委員でございます。
日本維新の会・教育無償化を実現する会の清水貴之委員でございます。
日本共産党の仁比聡平委員でございます。
次に、私の左隣から、立憲民主・社民の牧山ひろえ理事でございます。
公明党の伊藤孝江理事でございます。
国民民主党・新緑風会の川合孝典理事でございます。
立憲民主・社民の福島みずほ委員でございます。
同じく石川大我委員でございます。
以上の十一名でございます。
次に、公述人の皆様を御紹介申し上げます。
一般社団法人静岡県建設産業専門団体連合会会長北川雅弘公述人でございます。
東海染工株式会社浜松事業所工場長田中志治公述人でございます。
静岡県行政書士会会長平岡康弘公述人でございます。
日伯交流協会副会長児玉哲義公述人でございます。
以上の四名の皆様でございます。
この際、公述人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
当委員会におきましては、現在、出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案及び出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案の審査を行っておりますが、本日は、両案について皆様から貴重な御意見を賜るため、当地において地方公聴会を開会することとなった次第でございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、北川公述人、田中公述人、平岡公述人、児玉公述人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず北川公述人からお願いいたします。北川公述人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/207
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208・北川雅弘
○公述人(北川雅弘君) ただいま御紹介をいただきました一般社団法人静岡県建設産業専門団体連合会会長北川雅弘でございます。
まず初めに、このような公聴会での公述人としてお呼びいただき、これからの制令に対し意見を述べさせていただくこと、誠にありがとうございます。
近年の担い手の確保は非常に厳しい状況で、困惑している中、新たな制度として育成就労法を創設等を閣議決定していただき、誠にありがとうございます。
我々建設産業専門団体連合会は、平成十四年に設立され、三十四団体、約六万社が業種、業界の枠を超えて集った専門工事業の連合会で、将来を担う若者が希望を持って働けるよう、業種の枠を超えた連携の下、発注者様とともに働き方改革の推進をし、働く処遇改善に取り組み、技能労働者の地位の向上に努め、将来建設業を支えてくれる優秀な担い手を確保、育成できるよう活動している連合体でございます。職人たちの将来のため、各団体で技能者を育成し、登録基幹技能者制度等を設け、技能者の地位の向上に努めてまいりました。また、個々の技能者が有する技能や経験に応じた適正な価格を受けられる仕組みの建設キャリアアップシステムの推進や普及に努め、社会保険制度の加入、週休二日の導入へと、安心して働ける魅力のある建設業を目指しております。
このような活動を中央の組織だけではなく地方でも活動していかなければと、なり得ないことが多いということで、建設産業専門団体連合会岩田正吾会長の号令の下、昨年の八月に、十二団体が集まり、全国初の県単位の連合会、一般社団法人静岡県建設産業専門団体連合会が発足いたしました。
今年も三月に、国土交通省様と日本建設業連合会、全国建設業協会、全国中小建設業協会と我々の上位団体である建設産業専門団体連合会、四団体の意見交換会が開催され、未来を支える担い手の確保のため必要とされる技能や、厳しい労働環境にふさわしい賃上げに取り組む必要があると、全ての関係者がこの問題に取り組むこととして申し合わせていただき、少しずつ改善しております。
我々専門工事に従事する職人たちに成り代わり感謝を申し上げます。誠にありがとうございます。
しかしながら、他産業と比較すると、まだまだ多くの問題が、多くの入職者が、入職者が多くならないのが現状であります。社会から持たれている3K、いわゆるきつい、汚い、危険を払拭しようと様々な取組を試みておりますが、なかなか払拭することは難しく、また現状では、労働時間は長いが、一日の単価契約のため考慮されない日給制度が多いことや休みが少ないこと、猛暑や台風等天候に左右されることなどが若者から敬遠される一つの大きな理由となり、なかなか成果が出ていない現状があります。このままでは、将来の建設業を支えてくれる優秀な担い手を育成するどころか、確保することがなかなかままならない状況でございます。
若い人たちから見て魅力のある業界にしていくために、建設キャリアアップシステム等のレベルに応じた年収を各団体ごと公表しております。分かりやすい目標のキャリアパスを示すことが、若い人材たちに目標を与え魅力を感じてもらうことになり、入職につながっていくと考えております。
キャリアシステムも登録者数が百四十万人となり、年々増加してきております。本来の目的である適正な価格を受けるにはまだまだ至っておりませんが、かねてから危惧されている将来の担い手の確保においては一定の成果がこれから望めるのではないかと期待をしております。
建設業で働く就業者の約三六%が五十五歳以上になります。また、三十歳以下の就労者は一二%ほどしかおりません。近年、国を始めとする皆様の協力のおかげもあり、少しずつでありますが入職が増えてきております。しかし、十年後には三六%の技能者が引退していく事実があり、我々専門工事業のどの団体も、技能の継承のために若手の確保には大きな問題を抱えております。
このような厳しい環境の中、今回の入管法、技能実習制度の改正について令和六年三月十五日に閣議決定されたことは、人材不足が著しく人材の確保が厳しい、継続をも危ぶまれる専門工事業の我々にとって光を差す大変うれしいことであります。特に、今までの技能実習制度である日本の技術を帰国後該当国で生かす制度から、外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律へとの大転換は、人手不足を補うことになり得る制度であると考え、大きな期待を寄せているところであります。
現行制度である技能実習制度は、キャリアパスが不明確で労働者の権利も不十分であったために、技能実習生の失踪問題等も数多くあったと聞いております。今回の改正では、技能実習生の一号、二号が廃止され、育成就労制度に改正されると聞いております。
育成就労制度とは、特定技能一号程度の技能を有する人材を育成し教育していくことで外国人労働者に対してもキャリアパスの道筋が明確になり、また入管法でも新たな在留資格となる育成就労を創設していただき、労働者としての権利も適切に保護することができ、魅力のある制度となり、選ばれる国を目指すことにより失踪問題なども解消されていくと信じております。また、本人たちも仕事に対する意欲が増し、これが相乗効果となり得ると期待しております。その先に特定技能一号、二号の制度があることで、中長期的にも該当する産業を支えてくれる人材が確保していくことができるのではないでしょうか。
育成は当然、日本人社員にも当てはまることでありますし、外国人、日本人共に処遇を改善し、同等の評価をしていかなければならないと私は考えております。同等な評価あるいは同等な権利を受けるためには、日本人も外国人も円滑なコミュニケーションを取るためのアイテムが必要となります。これは当然、日本語能力も必要となることであり、真摯に技能に向き合ってコミュニケーションがしっかり取れれば、キャリアもアップしますし、賃金も上昇する。また、定着していって活躍もしていってくれるでしょう。
魅力のあることではなく、ここで何点かの心配事も提案させていただきます。
育成就労制度には、ある一定の条件を満たせば、転籍をする権利も本人へ与えられると聞いてはおります。このことの中で、最初に招聘した企業は、それなりの初期投資をして、ある程度の経費を掛けて雇用をするのが当然のことであります。この契約が半ばでも許される転籍というものは、受入れ企業にとって負担が残り、不安という一つのものになり得ると今我々の中では話題になっておりますところもありますので、この辺りのルール作りをお願いしたいところでございます。
もう一つ、特に外国人はSNS等の情報でのコミュニティーが多く、こういう中で、大都市と地方での賃金の格差が非常に大きいために、地方では平等ということで平均賃金を上回るような対策をしておるつもりではおりますが、まあ大都市のそのような賃金、平均賃金に、SNSの情報の中、引っ張られることも懸念材料の一つに、大きな懸念材料の一つにあるのが事実であり、これが人材の流出につながるのではないのかという意見も一方であるのが事実であります。
また、転籍をされた際には、多くが転籍された側の企業に責任を求められることが多いのですが、また、転籍していった側の、再度雇用する側の企業ですね、ここにも何らかの問題があるのやもしれないということも考えていただき、何らかの対処をしていっていただければという意見もあります。
我々も、皆様のこういった前向きな、我々に向けての制度づくりや御厚情や御指導の下、政策や方針をよく理解し、外国人も日本人も共に一緒に安心して働ける環境づくりに、参加団体とともにこれからもより一層精進し邁進してまいりますので、引き続き御指導、御鞭撻を賜りますようお願いさせていただいて、私の公述人としての意見とさせていただきます。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/208
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209・佐々木さやか
○団長(佐々木さやか君) ありがとうございました。
次に、田中公述人にお願いいたします。田中公述人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/209
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210・田中志治
○公述人(田中志治君) 東海染工株式会社浜松事業所の田中と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
今回、このような場に御出席させていただきまして、誠にありがとうございます。
最初、お話をいただいたときには、現場の技能実習生に関する生の声を聞かせていただきたいという話でお受けいたしました。ただ、正直、後からこのような会だったということを知って、非常に逃げ出したい気分になったのも正直な気持ちであります。
弊社は、現在、十二名の技能実習生、見えます。そして、子会社に全く同じ加工をしている工場がインドネシアにございます。そこから、今現在で四名、弊社に入社しております。合計で十六名。
約十年前、二〇一四年に、この制度を活用して人材確保といったことをしました。当時はやはり、非常に人材確保といったところがなかなかできなくて、今現在でもそうなんですけど、毎年四名から六名ほどの技能実習生を入れております。
弊社が技能実習生として入れております組織は、公益社団法人日本・インドネシア経済協力事業協会といった組織から受けております。非常に今回、この法案が改正されるといったことを聞きまして、僕らは正直なところ、改正が何で必要なのかなという気持ちも持ちました。なぜならば、弊社における技能実習生との関係って非常に友好なんです。とてもいい形ができております。それはやはり、この組織、送り出し監理をされている組織がしっかりと監理されていること、また我々に対してすごく指導、また技能実習生に対しても定期的に指導、監理されております。
そういった中で、正直笑われるかもしれませんが、我々、その入管法だったり、技能実習法ですか、正直、全く無知なところがあります。その中で、やはりこういった組織が非常に後押ししていただいて、我々、技能実習生との関係維持といったところをできております。
ただ、ちまたではやはり失踪だったりというところも聞くんですけど、やはりそれは、その監理されている組織だったり、その請け負っている企業の在り方の問題が非常に大きいかと思います。
技能実習生、一人も途中で脱落しておりません、弊社において。この事業協会、組織においても、一人もそういったことが起きていないと聞いております。ということは、やはりその監理される組織がしっかりしていることが一番重要かなと私は思うんですね。だから、そういった組織をしっかりと管理できる政府だったりというところが大事なのかなという思いが強いです。
やはり、我々は非常に、その技能実習生に対し非常にいい関係を保てているのは、一緒になって働いているし、同じ就業規則の下、同じ時間、同じ処遇で仕事をしています。また弊社には、先ほどもちょっと申しましたけど、インドネシアの方に子会社、全くの同業をされている子会社があります。その技能実習修了した後には、弊社の、その後、子会社の方に六割ぐらいの方が就職されております。これってすごく我々にとっては非常にうれしいことで、我々が教えたことがインドネシアに行って、その技術、知識がまたそこの国で役に立っていくというのは、やはり元々のこの技能実習生の趣旨、僕はそこだと思うんですよ。
ちょっと言い方悪いかもしれませんけど、安い労働賃金での人材確保といったところもあるかもしれませんけど、やはり我々にとって、その次につなげれるではないかな、そのインドネシアに帰った後ですね、といったところが一番やはりその子会社の方へ就職していただける、いただけたということが非常にうれしく思うし、我々が教えてきたことは非常に役に立っているなって。正直、皆様方のような難しいことは僕も正直分かりません。ただ、やはり彼らがどうしたら日本でもっと真剣に技能、知識を学べるか、やはりインドネシア、ごめんなさい、技能実習生ファーストという言い方が正しいのかは分からないですけど、やはりそこに重きを置かないと駄目だなと感じます。もちろん、我々企業にとってもそれはプラスになっていく。
また、今回この改正によって永住的に日本にいられるというところも非常に共感持てます。正直なところ、やはり一つは、三年で帰ってしまう、また毎年来て、また三年間教えて帰ってしまう、この繰り返しって非常に我々もしんどいところもあります。そういった中で、やはり残っていただけるなら残ってほしいというのは正直な思いです。
また、国に帰ったときに我々の子会社にマネジャーとして就職できたりといったところ、もう既に技能実習生を終えた時点で、子会社の方へ行きますとほぼリーダー的存在です。そのぐらいのやはりレベルになっております。ですから、僕は、ごめんなさい、自分の会社の話しかしていませんけど、やっぱりそういったことがしっかりとサイクルすれば必ずいい結果が出ると思っております。絶対に、私利私欲じゃないですけど、日本の企業が利益のために行う技能実習であってはならない、やはり彼らの技能実習であるべきだと考えております。
そういった面で皆様方にもよろしくお願いしたいなと思いますので、これをもって意見とさせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/210
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211・佐々木さやか
○団長(佐々木さやか君) ありがとうございました。
次に、平岡公述人にお願いいたします。平岡公述人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/211
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212・平岡康弘
○公述人(平岡康弘君) 静岡県行政書士会会長の平岡でございます。
最初に、このような機会を与えていただいたこと、有り難く思っております。
私たち行政書士は、御存じのように、官公署に提出する書類の作成、そしてまた権利義務、事実証明等の書類の作成ということを業務にしております。その範囲は非常に広範囲にわたっております。そのことから、静岡県行政書士会においても、業務における専門分野に分けてそれぞれ活動をしております。
今回、行政書士というのは、申請取次制度においても、在留許可等、そういった国際業務を専門としている委員会があるものですから、急遽その委員会に今回のことについて御相談させていただいた上で、その国際委員会の方で取りまとめていただいた意見を述べさせていただきたいと思います。
行政書士の中にも特定技能における登録支援機関等について登録されて活動している行政書士もいることから、この国際関係の業務、在留許可を通じて、申請等を通じてなじみの深い行政書士もたくさんいるということで、今回このようなお招きもあったことと承知しております。
最初に、育成就労法についてです。
技能実習制度において、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の第一条に、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図り、もって人材育成を通じた開発途上地域等への技能、技術又は知識の移転による国際協力を推進することを目的とするとありますが、実際には不足する労働力を補うための人材であったという声が多く上げられています。
そして、技能実習生の人権問題や劣悪な労働条件、悪用事例が報告されており、国内外からは多大な批判を受けております。過酷な労働環境、賃金の不払、人身取引に近いケースも見られ、国際社会からの信頼を失う事態に至っているとの指摘もございます。
一方、技能実習生を大切な従業員としてきちんと対応している企業もあり、行政書士が関わる企業には、むしろそのような企業が多いという実感を持っております。
育成就労制度では、法律修正案の第二十四条で、人材が不足している地域において必要とされる人材が確保され、もって地域経済の活性化に資するよう、育成就労外国人が地方から大都市圏に流出すること等により大都市圏その他の特定の地域に過度に集中して就労することとならないようにするために必要な措置を講ずるものとすると、労働力としての人材であると明記が予定されている点で、技能実習制度の目的と実態の乖離が育成就労へと変わることで発展的に解消されることはとても望ましいことと思料いたします。
外国人材の労働者としての人権が守られ、また特定技能一号と対象となる職種、分野が原則一致していることにより、キャリアアップの道筋が明確化されることを期待いたします。
問題点、疑問点等として、特定技能一号の産業分野と育成就労制度の対象分野が原則一致で国内での育成になじまない分野は育成就労の対象外とのことで、現在の技能実習制度の分野から削除される分野もあるのかと思料いたします。その場合、その分野での受入れが今後認められないこととなると、企業にとっても事実上の労働力であった人材を確保できなくなる等の問題があると思料いたします。また、特に自動車産業分野の下請となる中小企業の多い地域では問題になると想定され、政府においてはそういった実情にも配慮して対象分野を設定していただきたいと思います。
同一機関での就労を一年から二年の転籍制限では、結局、賃金の高い大都市圏へ転籍を希望する外国人材が多くなり、地方から大都市圏への流出が防げるか疑問です。外国人材の転籍を防ぐためには企業がより高い賃金で受け入れなければならず、日本人を雇用するのに比べてイニシャルコスト、ランニングコストともかなりの負担があるため、一概に企業にとってメリットがある制度とは言えないと思料いたします。転籍に関しては、転籍先の受入れ機関が元の受入れ機関に対して初期費用の補填を行うための制度を検討しているとのことですが、実効性のある仕組みを構築していただきたい。補償を行うなど、制度も必要ではないかと思料いたします。
附帯決議十に、「育成就労を希望する外国人が送出機関に不当に高額な手数料を支払うことのないよう、主務省令で定める手数料の金額の基準を育成就労外国人にとって合理的なものとするとともに、送出国との新たな二国間取決めの策定に際しては、悪質な送出機関が排除され、我が国への育成就労外国人の送出しが適切に実施されるものとなるよう、協議を進めるものとすること。」とあり、悪質な送り出し機関の関わりがなくなることを期待しております。
法修正案第二十四条の三項、政府は、監理支援機関、監理型育成就労実施者から独立した中立の立場で監理支援事業を行うことができる体制が十分に確保されていることを確認するために必要な措置を講ずるものとするとあることから、実際の監理団体は受入れ機関の言いなりである団体が選ばれているという実態があるため、外部監査人の強化を行い、支援機関が十分に機能すること、悪質な支援機関を取り締まる体制を整備していただきたいと思います。
そのほかとして、現在、技能実習生の在留資格申請取次ぎは監理団体も行っているので、育成就労の在留資格申請取次ぎも従来どおり監理支援機関が行えるようになると思料いたします。
しかし、育成就労から特定技能への在留資格変更許可申請取次ぎを監理支援機関が行うのは違反ではないかと思料いたします。実際に、特定技能の在留資格要件をよく理解していない者が申請取次ぎを行い、一度申請を取り下げて再度申請し直しになった事例もあると聞いております。特定技能に関する在留資格申請について、行政書士以外の者が関わることは外国人にとって不利益になることも考えられますので、制度の仕組み等に明記していただきたいと思います。
結びに当たりまして、今回の新制度によって、外国人労働者のスキルアップやキャリア形成、また人権の保護等、今まで問題になっていた部分が改善され、日本での長期的な就労が促進されるのではないかと期待しております。
受入れ機関においては、相変わらず多額の経費が掛かるといった問題もあると思われます。もちろん、育成就労外国人、特定技能外国人を雇用するのに掛かる経費の一部を賃金に上乗せして日本人労働者を雇用しようとしても応募がないなど、賃金だけの問題では解決が付きません、解決できません。企業にとって外国人労働者は人材不足の解消につながりますが、弱小企業にとって決して安くないランニングコストを支援機関に支払っても、名ばかりの支援機関というところも少なくないと聞いております。
在留資格の専門家である行政書士が外部監査人を担うなど、積極的に企業と外国人双方の利益のため、この制度に参加していかなければならないと感じているところでございます。
入管法改正についてです。
第二十五条、永住者の在留資格の取消しに係る規定の適用に当たっての配慮、新入管法第二十二条の四第一項の規定の適用に当たっては、新入管法別表第二の永住者の在留資格をもって在留する外国人の適正な在留を確保する観点から、同号に該当すると思料される外国人の従前の公租公課の支払状況及び現在の生活状況その他の当該外国人の置かれている状況に十分配慮するものとあります。
現在の社会は多文化共生へ向けて取り組んでおり、長く日本に在留し、母国に帰るところもなくなっている人も多くいると考えられます。
素行が善良であること、独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること、その者の永住が日本国の利益に合すると認められること、これらの厳しい審査で永住許可をされている方の多くは真面目に公的義務を果たしています。一部であっても公的義務を果たさない永住者が存在すれば、永住者全体への偏見につながるというのは理解できますが、永住者も日本人と同様に罰則を適用する、定住者へ変更されることで不安定になるなどといった声もあり、行政書士としても当事者から多くの質問を受けることになると思います。
そこで、入管庁には、法案が成立すれば、衆議院修正の附則や附帯決議にもあるように、制度趣旨の適切な周知を行うとともに、慎重な運用に努めてもらいたいと思います。
ここにはちょっと書き留めてはないのですけれど、私たち単位会ですので、日本行政書士連合会というところにも同じような組織があるものですから、そちらの方にちょっと問合せをしたところ、結構、脱退一時金ですね、国民年金と厚生年金の脱退一時金について外国人が適用されるということですけど、最初は三十六か月以上日本にいらっしゃってという方が、令和三年の四月に六十か月にそれが引き上げられて、今現在、単純出国というんですかね、永住者の在留資格を失うような場合でなくても脱退一時金の受給は可能であるというふうな、そんな制度になっているようです。
単純出国して脱退一時金もらってまた入国されてくるという外国人も中にはいらっしゃるというふうなこと聞いていますし、この脱退一時金が六十か月分、資金の一定、六十か月分支払われるとなると、五十万から七十万円の金額がその都度支払われているということで、これ、日本の財政にとってなかなか厳しくなっているんじゃないかというような、そういった意見を伺いました。
この資料によりますと、令和三年度だと約十万件、その脱退一時金の裁定件数というものがあるようですので、相当な金額にはなるんじゃないかということで、その点もちょっといろいろ考慮してこれから考えていただきたいというような御意見もいただいたものですから、それに付け加えさせていただきます。
以上でございます。どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/212
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213・佐々木さやか
○団長(佐々木さやか君) ありがとうございました。
次に、児玉公述人にお願いいたします。児玉公述人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/213
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214・児玉哲義
○公述人(児玉哲義君) 日伯交流協会副会長の児玉でございます。本日、公述人としてこの場に参加させていただいたことに感謝します。
私の国籍はブラジルで、日本から移民したお父さん、お母さんからブラジルで生まれた日系二世になります。国籍はブラジルです。
日系人の立場として、技能実習生の制度について、ほとんど関わりないお話ですので余り意見はできませんが、ただ、働く人たちの生活が良くなる制度でしたら賛成です。反対する要素も私自身は見えませんでした。
ただ、日系人の場合は、定住者、日本人の配偶者と、そして永住者、この三つのビザで日本に暮らしています。本日、私がここに来たのは、在日ブラジル人コミュニティーの現状について話するために来ました。ただ、在日ブラジル人コミュニティーの話するに当たり、ブラジル移民歴史に触れる必要があります。
一九〇八年に笠戸丸から七百八十一名が初めてブラジルに行ったことで移民の歴史が始まりました。苦労話は皆様御存じだと思いますけれども、細かく話しませんが、実は大変な、想像しないような大変な苦労をなさって、それでも諦めず、あのブラジルという地で、日本人の魂、誇りを持って誠実に努力、忍耐しながらブラジルの土地で一生懸命働きました。それで、その努力が今のブラジル社会に大きな貢献したことは、ブラジル国民たちも認めております。
私は二世の立場で、親ほど苦労はしていません。その理由は、親が、一世たちが苦労した同じ苦労を子供にさせたくないということで、子供は勉強する、勉強を優先させた。そのため、今、ブラジル社会では日系人が様々な地位に立って、リーダー的な存在の方もいっぱいおります。
八〇年代から日本の経済成長が目立つようになって、逆にブラジルの経済が落ち込んでおりました。そこで、日本で夢をかなうという気持ちで、一九九〇年、出入国の法律の改正によって、日系人たちが長期期間で、しかも自由な行動ができるビザを得ることができました。学ぶ場所を探すにしても、職種を選ぶにしても、自由なビザです。それは日系人として日本に感謝する点でございます。
三十三年前から始まった在日ブラジル人コミュニティーなんですけれども、三十年以上たった今、十年ごとで区切って説明しますと、最初の頃は、若い独身、独身、あるいは結婚していても単身で、働いて稼いだお金をほとんどブラジルに残っている家族に送る生活でした。とても悲壮な生活をしていました。
十年たつと、今度は少し余裕ができて家族呼ぶようになり、そこから、三世、最初は二世だけだったんですけど、その後三世も来るようになり、又は非日系人の配偶者も入るようになりました。
更に十年たつと、リーマン・ショックとか東日本の大震災を経験したりして、二〇〇六年辺りに、最も日本でブラジル人人口が多かった時期に犯罪問題も起こるようになりました。しかし、リーマン・ショックと大震災の後に急激にブラジル人人口が減り、その中で日本に残ると決意した家族は子供たちの教育を真剣に考えるようになりました。それで、子供たちの教育をサポートするためには親自身も日本語を学ぶ必要もあったので、そこで日本政府が主催した日本語教室に通うようになり、あのときに比べるとブラジル人たちの日本語能力はアップした気がします。
そして今は、三十年前の労働環境を見ると、ほとんど変わらない点もあります。いまだに正社員ではなく、派遣社員として工場で働いているため、完全、安定な制度で働いているわけではありませんけれども、それでも日本で頑張る決意したので、まず子供たちを高校、大学まで行かせたい、あと日本で家を買いたい、そういうふうに思うようになって、それが今は既に大学卒業した子がたくさんいます。その子たちは日本人と全く同じような活動をしていて、逆にブラジル・コミュニティーから少し離れているところもあります。
私自身は、子供のときから日本、親から日本の話を聞いていたため、いつか日本に来たい気持ちがすごく大きかった。しかし今、日本に、子供のときから日本語を勉強していたので、日本に来てそれほど苦労はしていませんが、それでも国籍の壁はありました。だけど、私自身は国籍はブラジルですけれども、私自身は日本人として親に育ててもらったので、ブラジルにいても日本にいても、自分は日本人という意識があります。
そこで、自分は日本語できてもほかのブラジル人たちが余り日本語できなかったため、学校の先生たちが私に通訳頼むようになって、それから、ブラジル人口が急に増えたため、学校が急にたくさんの日本語できない子供のサポートをできないので、私、ボランティアとしてそういった学校に顔出して子供たちのサポートする活動をしていました。
その後、どうしても付いていけない子もいて、特に中学生になると全く勉強に付いていけず孤立してしまうので、学校行くのをやめて、家にいても面白くないし、同じ状況にいる仲間と街に行って遊んだりするグループができました。そこで、少年犯罪が増えるようになったニュース見たり、あるいは警察から通訳を頼まれたりしてその子たちと触れるようになって、本人たちが完全に悪いのではなく、環境によってこういうふうになったので、この子たちが犯罪を起こす前に何とかしようと思って、私と大学の先生が、中学の先生数名と夜回りグループを立ち上げて、二〇〇六年に、最も人口が多かったときに少年犯罪も目立つようになっていたから、そこから毎週土曜日、夜の繁華街を回って、そういった子たちに指導していました。その活動が五年続きました。
しかし、リーマン・ショック後に人口が減った影響で、街に出る子もほとんどいなくなったのでそのグループ解散しましたけれども、あのとき本人たちの話聞いている中で、ほとんどが家庭に問題があったり、家庭と学校に問題がありました。親は働きづめで子供の面倒を見ない、千円札を毎日置いてそれで食事させる生活していた子たちですので、荒れるはもちろんありました。そういった子たちをずっとサポートしてきました。
今のブラジル人コミュニティーの問題というと、三十年たった今、若く来た人たちも高齢になって、高齢問題に取りかかっている年代に来ました。そこで、コミュニティー全体として今後の高齢ブラジル人をどうするかを真剣に考えていく必要ありますけれども、民間では難しい点もありますので、そこを政府からも目を付けてほしいと思います。
日伯交流協会を立ち上げた理由も、私がずっと活動した中で、日本に暮らす以上、日本社会に溶け込む必要がある、日本人と仲よくする必要があると思い、この団体を立ち上げ、少しずつでもブラジル人たちが日本人と仲よくし、日本社会で溶け込んで日本人と同じような活動できる未来を見ながら活動しています。
ブラジル・コミュニティーの場合は、ブラジルと日本は深い関係がありまして、それがはっきり分かるのは、日本、ブラジル大使館のほかに総領事館が三つあります。東京、名古屋と、私が所属している浜松、それぞれ総領事館に所属するブラジル人市民評議会がありまして、私もその一人の評議員です。コミュニティーと政府のつながる活動しております。総領事館ではなかなか見えない部分がありますので、そこ、私たちの出番ですね。
最近、日本社会になじんでいる家族多い一方、ブラジル人同士での家庭内暴力のケースも増えるようになりました。以前もあったと思いますけれども、しかし、言葉も十分にできない中、警察に相談行っても、警察は一応話聞くんですけれども、余り真剣に取り扱ってくれないため、諦めてそのままになってしまう。そこで、みんな、市民評議会の存在を知ってからうちに相談するようになりました。そこで、私たちが警察の間入ったり支援団体の間入ったり、サポートしています。
最近、多くの人たちがDVに、DVの被害をサポートする制度は日本にもありますので、それをみんなに分かるためにこのマニュアルを作りました。これをコミュニティーの中で配っています。以前は子供のいじめについてのマニュアルも作ったことがあります。
そういった中で、今回の出入国に関する法律改正では、反対するなら一点だけ、永住権を取り消す制度について。
その理由は、私自身が若者たちとずっと関わった中で、小さな犯罪を起こしてしまうのは普通です。どんな国、日本人の子供もそうです。そこで一発で永住権を取り消されたら、普通のビザ取るのも難しくなる可能性もあります。そうしたら、一人で、全く知らない、国籍ブラジルでも全く知らない国、一人帰ってしまって、その子の将来どうなるか心配で、完全に反対ではありません……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/214
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215・佐々木さやか
○団長(佐々木さやか君) 児玉公述人、恐縮ですが、お時間になりましたので、御意見をおまとめいただきますようにお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/215
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216・児玉哲義
○公述人(児玉哲義君) はい、分かりました。
じゃ、法律取り入れるなら、重い罪の場合は取り消してもいいんですけれども、そうじゃない場合はその子たちの将来を考えて決めてほしいと思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/216
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217・佐々木さやか
○団長(佐々木さやか君) ありがとうございました。
以上で公述人の御意見の陳述は終わりました。
これより公述人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/217
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218・古庄玄知
○古庄玄知君 公述人の四名の方々、本当に今日は御苦労さまでした。
自民党の古庄玄知です。
まず、先ほど三名の方々、今回の技能実習制度について詳しく公述していただきました。北川公述人は、本音の部分というか、その技能実習生が今の日本の労働力不足を補っていると、そういう本音の部分を詳しく述べていただきました。また、田中公述人は、御社で今、技能実習制度がまさに理想的に運営されていると、そういう御発言をしていただきました。また、平岡公述人につきましては、行政書士という立場で客観的、中立的な観点から意見を拝聴いたしました。
また、児玉公述人につきましては、今回の入管制度で、永住許可の取消しについて簡単な、簡単なというか、小さな犯罪でも取り消されるおそれがあるのはちょっと行き過ぎではないかなと、そういう観点からの御発言だっただろうというふうに思います。
〔団長退席、伊藤孝江君着席〕
そういう中で、まず技能実習制度、今の、今度は新しい育成就労制度なんですけど、これについて三名の方々にお伺いしたいと思います。
まず、先ほど北川公述人言われましたように、まさに現在の人口不足、労働力不足、これを補うために技能実習制度がその役割を果たしてきたということは否めないというふうに思いますが、ただ、もう一方において、転籍だとか失踪だとか、そういう雇用する側に問題があるんじゃないかということもいろいろ批判されておりますし、現在の奴隷制度じゃないかというふうなことも海外から言われたりしております。
そこの間をどういうふうに調整するかというのが今回の法改正で一番難しいところだったと思うんですけれども、建設業というお立場から、現在、今回の法改正についてはどのように評価されているのか、御意見をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/218
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219・北川雅弘
○公述人(北川雅弘君) 今、古庄先生からの問いに関してですが、建設業といたしましては、安い労働として過酷な環境で雇用しているというものは少し時代遅れなのかなと。特に我々専門工事業の場合は、いわゆる大手ゼネコンの指導の下、大型工事に従事している部分が多いものですから、より、そういう指導もありまして、今の時代で、どちらかというと日本人同等、若しくは、こういう言い方は語弊があるかもしれませんが、地域的な、何ですかね、一般的な目にさらされているといいますか、国土交通省様始めいろんなところの目から触れていますので、しっかりとした環境をつくってやっていると思います。
逆に、他業種のことははっきり分かりませんが、小ぢんまりと、いわゆる、しっかりとした目が行き届かないところは環境が厳しいとかというのがまだあるのかもしれませんが、建設業に関して言うと、大切な人材ということで必要以上にやっているというつもりでいます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/219
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220・古庄玄知
○古庄玄知君 では次に、田中公述人に同じ質問なんですけど、今回の法改正についてどのように評価されているかということをお伺いさせてください。
〔団長代理伊藤孝江君退席、団長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/220
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221・田中志治
○公述人(田中志治君) 正直、その法改正といったものの中身まで詳しく存じ上げておりませんが、我々繊維業界って特定技能の分野には入っておりませんでした。過去にも、三年たって三号になり、また二年弊社において就労されていた技能実習生いました。もっと日本にいたいのにというところで特定技能に移るときに全く違う分野に行かれたこと、それは、やはり同じ仕事がしたかったけど、そういった我々繊維業界はその特定技能分野には入っていなかったことがありまして、全く違う農業といったところにも行きましたので、今回その特定技能に繊維も入ることができると聞いておりますので、そういった面においては非常に有り難い。彼らにとっても、ずっと続けたい意思があるんならそういう方向でいけるという面では非常に有り難いことだなって思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/221
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222・古庄玄知
○古庄玄知君 済みません、同じ質問を平岡公述人、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/222
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223・平岡康弘
○公述人(平岡康弘君) 技能実習制度、今までのですね、については、やっぱりその制度の周知がどれだけされていたかということによって随分違ってくるんじゃないかと思うんです。
お隣にいらっしゃる田中さん、工場長で、実際外国人雇われている方で、辞められている外国人もいらっしゃらないということで、きちっと技能を修得させて、国に帰って国で働いてもらうという、まあ国際貢献的な制度であったということを十分周知しているからこそこれができたということであって、それが周知しない、されていないというか、中途半端にこの技能実習制度を理解しちゃって、安い賃金で外国人を使えるんだという、そんな制度として捉えられていた企業にとって、そこに働いている技能実習生でも全然違ってくるんじゃないかと思うんです。だから、今回も、次の制度においても、きちっとその制度の趣旨というものを、雇う側の会社ですね、企業がきちんと把握していないとまた同じようなものを生んでしまうんじゃないかというふうな、そんなふうには感じはしています。
今回については、監理団体の管理を厳しくとか、送り出し機関とかきちっと規制を掛けるとか、ブローカーを排除するような法案は盛り込まれているものですから、また今まで以上に外国人にとってはメリットのある制度じゃないかと思います。
ただ、先ほど児玉さんもおっしゃっていたように、永住権を失うというような問題については、その取扱いについてはきちっと議論していただいて、範囲ですね、どういうことをしたらそういうふうになってしまうんだということを決めていただきたいというふうには思うところです。
今までもやっぱり、永住権獲得した中でも租税公課をきちっと払っていらっしゃる外国人も多いはずなんです。中に、もう永住権得たからというふうな甘い気持ちになってしまってそういうことをしてしまうという外国人も中にはいるということをそれは聞き及んでいますので、その辺をちょっときちっとすみ分けた取扱いにしていただけるのが一番いいんじゃないかなというふうには思っているところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/223
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224・古庄玄知
○古庄玄知君 じゃ、児玉公述人にお伺いしたいと思います。
ちょっと視点が違って、入管法の関係で御発言されたんですけれども、まず聞きたい第一点目、児玉公述人は日系二世だということでありますけれども、御自分は日本人だという意識を持たれているのか、それともブラジル人だという意識を持たれているのか。ちょっと私、日系じゃない、二世じゃないのでよく分からないので、まずその点についてお伺いしたいということと、先ほど、児玉さん、子供たちのことを引き合いに出されて意見されていましたけれども、それは、日本に住んでいるブラジルの人たちが不当に軽い理由でも永住権を取られてしまうことが法の下の平等に反するんじゃないかと、そういうお考えの下に発言されたのかどうなのかということについて、今の二点についてお伺いさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/224
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225・児玉哲義
○公述人(児玉哲義君) 私の国籍はブラジル、法律上はブラジル、それは理解しています。ただ、お父さんもお母さんも家族全員日本からブラジルに行った人たちですので、私の血は一〇〇%日本人ですので、気持ち的には自分も日本人という意識があります。ただ、法律上の国籍はちゃんと理解しています。法律上は日本人ではないことも分かっています。気持ちの問題ですね。
あと、子供たち、先ほど、重い犯罪は取り消してもしようがない、しかし、少年が起こす小さな犯罪まで一つまとめて取消しするのは行き過ぎだと思いますね。特に、若い子たちは更生のチャンスがあります。犯罪を起こしたかもしれないけど、罪を償って、そこで反省し、更生して再び社会に戻って日本の社会に貢献するチャンスは十分にありますので、そこを国にちゃんと考えてほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/225
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226・古庄玄知
○古庄玄知君 そうすると、日本人と違ってブラジル人を厳しくするのはちょっと不公平じゃないかなという、そういうお考えということでよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/226
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227・児玉哲義
○公述人(児玉哲義君) それもありますね。
日本人が小さな犯罪を起こしたら、まあ元々日本人だから取り消すことも何もないんですけれども、ただ、ブラジル国籍を持っていることだけで日本人とは違った重いペナルティーを与えるのは不公平じゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/227
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228・古庄玄知
○古庄玄知君 済みません、また技能実習の話に戻らせていただきますけれども、監理支援機関、監理支援団体か、まあそういうのがありますけれども、今回そういう監理支援機関というものがきちんとできるということなんですが、ある意味これは、受入れ機関に対して技能実習生、あっ、育成就労生を紹介したり、あるいはその育成就労生のアドバイスしたり相談に乗ったりという、まあいろんな機能を兼ね備えているそういう団体だと思うんですけれども、これが本来の目的であるそういう機能を今回の法改正に基づいて十分に果たせるようになるかどうかについてはどのように御認識されていますでしょうか。
まず、済みません、北川公述人、田中公述人、平岡公述人、三人の方にお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/228
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229・佐々木さやか
○団長(佐々木さやか君) では、最初に北川公述人からお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/229
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230・北川雅弘
○公述人(北川雅弘君) 私は、監理団体のことに関して言うと、まだ深くは理解していませんので知識が少し浅いレベルなんですが、今ある監理団体が国若しくは公のものに近いような形のものも検討されているということは聞き及んでいるんです。そういう中で、それが悪い等ではなくて、先ほど田中公述人からお話ありましたように、質の問題だと思うんです。
私の、まあ個社でいうと、私のところも、約、中国人の実習生が二十年、モンゴル人の実習生が十年超ぐらいですかね、いる状況で、特定技能も社員もいるんです。私のところとしたら、監理側の該当国の社員を人文知識のビザの中で入れて、相互にコミュニケーションが取れるように、最初のうちは慣れない人間が来ますので、まあ言葉も含めてですね、そういうところのケアをしながら、会社の思いも伝えるし、彼らの思いも我々が聞くということを監理団体と一緒に、我々会社にもそういう人材を置いてやっておりますので、質の問題をしっかりしていけばクリアになるのかなと。
その質を担保するためには、いわゆる監理団体に対する監査とかそういうルールをしっかりと決めていただいて、確かに、まあ一概に言えませんが、余り安価な組合さんというのは、やるべき費用が足りないのは我々も分かりますから、安くて、ただ入れて何もしないというようなところがなくなっていけば、先ほど田中さんの方からもお話もあったように、しっかりと内容が深い、いい環境の制度になっていくのではないかなと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/230
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231・佐々木さやか
○団長(佐々木さやか君) 次に、田中公述人にお願いしたいと思いますが、古庄理事の持ち時間が参りましたので、できましたら簡潔に御答弁いただければ幸いでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/231
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232・田中志治
○公述人(田中志治君) はい。
監理団体、非常に重要かと思います。我々もこういった形でうまく関係保てれるのは、やはり送り出し、監理されているこの協会だったりするところはありますので、そこをしっかり監理できる組織、必要かと思います。
よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/232
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233・佐々木さやか
○団長(佐々木さやか君) では、最後に、平岡公述人、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/233
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234・平岡康弘
○公述人(平岡康弘君) 今、監理団体ってほとんど協同組合形式でなっていると思うんですけど、その組合というのは企業の組合ということになっているものですから、立場的に企業側に立っているんじゃないかなというふうな、ちょっと完全に把握しているわけじゃないんですけど。
ですから、今度、外国人の立場を配慮できるような、そんな監理支援の組織になっていく必要があるんじゃないかなというふうにちょっと、そこの辺はちょっと感じているところです。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/234
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235・古庄玄知
○古庄玄知君 公述人の方々、本当にありがとうございました。以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/235
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236・石川大我
○石川大我君 四名の公述人の皆さん、貴重なお話をいただきまして、本当にありがとうございます。
立憲民主党と社民党の会派、国会内のグループなんですけれども、そちらに所属をしております立憲民主党の石川大我と申します。十五分間どうぞよろしくお願いをいたします。
四名の皆さんにお伺いをしたいと思います。家族帯同についてお伺いをしたいです。
児玉さんはもしかしたら周りにそういった御存じの方がいらっしゃれば、そのお話でお聞かせいただければというふうに思うんですが、今回、技能実習が育成就労というふうになるわけですけれども、これ法律が変わりましても、三年間、家族帯同、家族を呼び寄せるということができないということです。そして、その後の五年ですね、特定技能の一号、ここも呼び寄せることが最長できないということで、最長八年間呼び寄せることが、家族を呼び寄せることができないということで、これちょっと長いんじゃないのかなというふうに思っています。
つまり、二十代で例えば来られた方でも、三十歳、三十一歳ぐらいまで家族を呼び寄せることができないと。二十四歳、五歳ぐらいで、もしかしたら御結婚を例えばされて、例えばお子さんがいらっしゃったというような状況でも、お子さんが一歳、二歳だったら十歳になるまで会えない。もちろん帰ることはできますけれども、一時的に帰ることはできますけれども、お金の関係で毎月帰るとか毎週帰るということはもちろんできないでしょうし、恐らく一年に一回帰れるか帰れないかといったような状況で、お子さんが、せっかく生まれたお子さんが、二歳のお子さんに十歳になるまで十回しか会えないというのは、ちょっとそれはかわいそうなんじゃないかなというふうに思うわけですけれども、この点についてお伺いをしたいんですが。
政府の答弁は、まず一つ目としては、お金の問題を挙げています。二つ目に関しては、国民の理解だというふうに答弁が今まで出ています。
つまり、一つ目のお金の部分に関しては、十分な家族扶養の能力、経済的能力が得られるかというと、多くの場合はなかなか難しいというふうに大臣が答弁をしていて、総理も、本人の扶養能力、こういった視点を踏まえる必要があるということをおっしゃっています。
そして、二つ目の国民の理解についてなんですが、法務大臣は、国民の中にはなかなかまだ拭えない不安感というものがありまして、家族帯同で来られた方々に対する社会的な費用、コスト、それを本当に日本の国民が、納税者が負担してくれるかどうか、そういった点についても行政サイドとしても不安がないわけではないということを言っていて、岸田総理も、この点、医療あるいは子女教育の受入れ環境、こういった視点を踏まえる必要があると考えているというふうにおっしゃっているんですけれども。つまり、二つ目というのは、家族帯同でパートナーやそのお子さんが来ると、小学校に入れば当然小学校で費用が発生すると、国民健康保険入れば当然その費用が、もちろん国民健康の保険はお支払いするわけですけれども、費用を負担するわけですけれども、そういった費用が掛かるんだと、それを納税者たる国民が理解をするのかということだと思うんですが。
まず、一つ目のお金の件に関しては、これはやっぱり、それは二十代後半から三十代の方々が働いて家族を養えるためだけの十分なそもそも賃金がないということがまずは問題なのかなとも思いますし、二つ目に関しては、やっぱりそのお子さんというものが教育を、公教育を受けるというのは、これはどこに行っても世界中でやっぱり保障しなきゃいけない問題だと思うんですね。
つまり、日本人の子供が、例えばイギリスに行く、アメリカに行く、フランスに行く、イタリアに行く、中国に行く、タイに行く、ベトナムに行く、いろんなところに行くわけですけれども、その中でやっぱり、そこにいる子供に対してしっかりその滞在する国の政府が公の、公教育を負担をするということは、これお互いさまであって、世界的なルールですし、子供の権利でもあるというふうに思っています。そう考えたときに、国民の皆さんの理解が得られないんだというふうに言って家族帯同を認めないというのは、ちょっと責任転嫁されちゃっているのかなというふうにも思っています。
この点、参考人の質疑が国会で実はありまして、その中で、家族帯同するともっと頑張るんだと、やっぱり仕事も頑張るし、あともっと言うと、お子さんが来れば、お子さんが小学校に入ると、中学校に入ると、どんどんそこで、子供の方が日本語の習得能力早いですから、その中で日本語を勉強してくれて、むしろ子供が親に日本語を教えてくれて、そしてスムーズになると。プリントなんかも来たら子供が読んでくれたりとかして、その中で親もどんどん勉強するんだというお話がありました。
午前中も、福祉施設、私たち視察に行ってまいりましたけれども、そこで技能実習生の方たちにお話を聞くと、やっぱり家族が来れば私もっと頑張るんだというようなお話がありました。
皆さんの感覚の中で、やっぱり家族帯同していく方が定着とか仕事に対する熱心さ、そういったものがやっぱり変わるんじゃないかなというふうにも思うんですが、その点、御意見、家族帯同に対しての御意見があれば、四名の皆さん、まず北川さんから順番にお聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/236
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237・北川雅弘
○公述人(北川雅弘君) 今の御質問に関してなんですが、確かに家族帯同に対して実習生や社員、同等に要望はあります。ただ、私のところ、先ほどお話ししたように、該当国の社員もいる関係上、小学校から、何も言葉がしゃべれないんだけれども何とか面倒見てくれないかとかという問合せが来ることが何度かあるんです。
これは、今回のこの実習生制度というか育成就労とかぶる話になるかもしれませんが、社員を外国から直接採った場合には家族帯同を認められるんですね、日本人と同等ということで。そうなんですけれども、実際には、それいろいろ調べていくと、社員で採った子のお子さんがそういう現状もあるという、これも事実あるんです。
ですから、私のところでは苦肉の策として、そういう要望はあるんだけれども、先ほども話しましたが、ある一定の基準を設けて、やはり、本人も含めた、奥さんが現地で日本語検定試験の例えば四級とかそういうものを最低取って、自分も努力して義務を考えてからそういう話にしようかというようなルールにはしておりますので、かわいそうかなとは思うんですが、そこを全て認めてしまうと、社員というのは、いわゆる大学、そのジャンルの大学を卒業してビザを受けるわけですよね。にもかかわらず、そういう問題も発生するわけですから、差別するわけではないんですが、特定技能、育成就労に関してはもう少し教育レベルが違うところから来ますので、やはり一定の本人の努力というかそういうことを、言葉の問題は少しクリアした方がコミュニケーションが良くなって、いわゆるそういうことがしっかりできると近隣のコミュニティーとしても安心を与えられるかなと。特に、個社個社ですと、自分たちのブランドもあって地域ではそれなりのお付き合いをしていると思いますから、必要なことなんじゃないのかなと私は考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/237
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238・田中志治
○公述人(田中志治君) 非常に僕の中で難しい質問だなと思ったんですけど、私自身も出向という形でアメリカ、インドネシア等に行っております。そのとき常に単身でした。その中で、やはり家族が一緒にいてくれたらという思いもあるんですけど、ごめんなさい、これ、僕自身の多分そういう気持ちなんでしょう。インドネシアに出向って、やはりインドネシアに仕事に行くんです。何て言いたいか、いなくてもというか、いない方が集中できるというところもあるんですよ、実は。別に家族をないがしろにするとかそういうことでもないですし、うち、家族は非常に皆さん仲いいのですけど。
ただ、一般的にどうなんですか。家族がいた方が頑張れるというふうに思う方が多いのか、又は家族がいることによって、今言われた、やはり言葉の分からないところに行ったときに皆さん対応できるのかなというのもありますし、非常に、僕らも外国へ行って、特に病院とか行ったときは非常に困ったこともあります。
ですので、どちらかというと、今、技能実習生だと基本的に三年間帰ることできないんですよ。定期的に一年とかいう単位で帰ることができたらなという思いもあります。
実は先日、ある技能実習生の妹さんが国で亡くなりました。そのときに駆け付けることもできなかったということも事実としてあります。その彼は、国へ帰る、イコール退職をするということになりました。それは、休職という形をまず持って、また入国できる計らいをしたんですけどね。そういったこともありますし、過去にも、お父さん亡くなった、でも、すごい我慢しているんですよね。
彼らのやっぱりその気持ちがどこにちょっとあるのかと考えると、非常に僕らも心痛いことは多々あるんですけど、そうやって家族への思い、非常に重要かと思います。ただ、非常に、今の御質問に対して答えになるかどうかは分からないですけど、僕の思いとしてはそういったところであります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/238
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239・平岡康弘
○公述人(平岡康弘君) 確かに致し方ないかなという気持ちはあります。
ただ、今、留学生なんかの資格外活動に与えられている、一定の就労時間、認められていますよね。例えば、配偶者なんかにそういった一定の資格外活動、就労時間等認められるというふうであれば、ある程度の生活費の補助というのはできるんであろうし、それでモチベーション、日本で働くモチベーションが高められるんだったら、そういう制度も取り入れてもいいんじゃないかなというふうな気はしています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/239
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240・児玉哲義
○公述人(児玉哲義君) ブラジル人の場合は、最初の頃の九〇年代は単身で来る人が多くて、とにかく稼ぎたい気持ちが強かったから給料が多いところを転々と移動していました。その地域に溶け込む気持ちは全くなくて、しかし、その後、家族が来るようになってから子供中心の生活になったため、会社替わっても住まいは残る、だから、決まったエリアで活動するから、その地域とも溶け込んだり、日本人たちとも仲よくなったりしました。
あと、家族呼んでも、子供は学校へ行って、夫婦で働くケースが多いですね。もちろん二人とも税金払っているので、外国人だから税金少なめに払ったり、外国人が家族が来たから日本人が多めに税金払うことはなく、外国人であろうが日本人であろうが同じ税金を払っていますから、権利は一緒じゃないかと思います。ですので、国民がその点に心配する必要はないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/240
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241・石川大我
○石川大我君 ありがとうございました。
家族の帯同の問題は、やっぱり家族帯同したいよという方がいるという現実の中で、やっぱり選択肢があるかないかということだというふうにも思いますし、子供の教育は、子供は国選べませんので、そういった中で、日本語の教育も含めてしっかり公が負担をすべきなんじゃないかなというふうには思っております。
それで、時間が大分なくなりまして、お一人お一人オリジナルの質問も考えておったのですが、大変申し訳ないんですが、児玉公述人に最後にお話をお伺いしたいというふうに思います。永住権の問題です。
永住権の問題、かなり白熱をして委員会でも議論をしているところなんですけれども、法務大臣や法務省、入管はしきりに、この法律ができたとしても、軽微な犯罪ではこれは実際に永住権の剥奪はしないんだと、永住権が仮に駄目だとしても定住の、まあ一年や三年、五年とありますから、いきなりそれ国外追放とか、いわゆる、ことにはならないんだから安心してください、大丈夫ですというようなお話の答弁が返ってくるんですね。
ただ、僕はそうじゃないなと思っていて、この永住権というものがあることによって、更新がないことによって、しっかりこの日本に根を生やして、ある意味、例えば住宅ローンを借りてしっかり家を建てるとか、お子さんもしっかりこの国で暮らしていこうとか、やっぱりこの日本の国の中で暮らしていこうというようなモチベーションが永住権があることによって続いていくというのはあると思うんですね。
しかし、それがこの今回の法改正によって、それ可能性はないよと、軽微な犯罪では大丈夫だよと言っているけれども、しかし、法文上はできるということになっていますから、そのできるよということに関して、永住権をお持ちの皆さんの心理的な負担というんですかね、もしかしたらあるかもしれない、今の政府はいいかもしれないけれども、将来それが濫用されたりすることによって自分が永住権剥奪されるかもしれない、あるいは政府に対して何かちょっと不満のようなことを言ったら狙い撃ち的にされるかもしれない、あるいはそれを気にして萎縮をしてしまう、自分の行動を制限してしまうといったこともあると思うんですが、そこ確かに政府は大丈夫だと言っているんだけれども、実際はやっぱり不安の部分ってあると思うんですが、その辺りのお気持ちをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/241
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242・児玉哲義
○公述人(児玉哲義君) 口で言っても信用できないので、ちゃんと文書に残してほしいですね。今は大丈夫と言っても、十年、二十年たったときに政権が替わって、ああ、できるんだと、取り消そうとなっちゃうじゃない。だから、もう最初からちゃんと文書に残すべきだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/242
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243・石川大我
○石川大我君 時間になりました。ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/243
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244・伊藤孝江
○伊藤孝江君 四人の公述人の皆様、今日は本当にありがとうございました。しっかりとこれからの法案の審議にも生かしてまいりたいと、改めて思わせていただくことができました。本当にありがとうございます。
まず、北川公述人にお伺いをいたします。
今日は、静岡県建設産業専門団体連合会の会長として御参加をいただきまして、先ほど団体としての考えというのか、そういう思いの中での御意見も様々伺わせていただきました。
今、建設の専門工事を行う皆様にとって処遇改善であるとか地位を向上していくという取組の中で、建設キャリアアップの取組であったり様々なこと、そもそもの日本人もなかなか人が来ないという中でされているというところで、今回、技能実習生に対してもやはりキャリアパスを明確にしていくことの大事さというのも先ほど言及いただいたかと思うんですけれども、日本でのキャリアをアップしていく、そういうシステムに乗せていくことであったり、また資格を取ってもらうことであったり、外国人にとってもそのようなキャリアの形成というのがやはり大事なことなんだということについて、改めて感じられることについてお話をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/244
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245・北川雅弘
○公述人(北川雅弘君) 前段として、失踪者とか、不安定な状況だったからこそ失踪したり転籍したり、いろんな問題があったと私は考えているんです。これだけ人材が少ないからというよりも、もう建設業としたら将来建設業が成り立つのか立たないのかというようなところまで来ていると私は感じて、人材不足という意味で感じているんです。
そういう中で、今回法改正して、法改正の中で、実際に田中さんのように戻った現地で活躍してくれることも、まあ私も考えてそういうことはしておりますが、現地で活躍することのためにも、今のこの日本がどうなっていくかということも同じように、若しくはそれ以上に大事なことであると思うんですよ。
そういう点でいうと、日本人であろうが外国人であろうが、しっかりとしたキャリアパスの道筋を立てて、そこにどういう努力をすればそこに乗っかっていくのか、それがどういう成果として自分に返ってくるのかということをはっきりしていくことが、特に今までのように、何ですか、我慢とか忍耐とか、そういう時代ではなく、今の時代に合ったやり方がしっかりとしたキャリアパスを明確にするということだと思いますから、それは何人ではなく、外国人の方がよりそういう部分に関して言うとシビアですから、しっかりとそこは明確にして、我々も選ばれる企業としてやっていくことに努めていかなければならないかなと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/245
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246・伊藤孝江
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
団体としてそのような取組をされている中で、建設業でも、恐らくその会員の企業の皆様でも外国人を受け入れているところたくさんあるかと思うんですが、やはり企業によって取組だったり思いの差というのはどうしても現実問題として出てくるところはあるかなと思っています。
そのような中で、特に良くない、余りきちんと取組ができていなかったりであるとか、そういうところの底上げをしていくというために、もし団体として取組をされていることがありましたら教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/246
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247・北川雅弘
○公述人(北川雅弘君) そういう点でいいますと、今の技能実習制度の実習生というのは全て月給制ですよね。中には、建設業の、先ほどもお話ししましたように、人材が雇用できない一つの大きな理由というのは、日給月給にあると私は考えているんです。おかしな話で、実習生は月給で払うのに自分のところの社員は日給と。こういうことはなくしていこうということで、我々団体は、個社としても協力会としても、同じルールの中にやっていくことが業界を魅力ある形にしてこれからも継続していくことにつながるんだというのは共通認識でやっていますが、いますが、なかなか規模感の問題もあってすぐにそこには移行できない企業もあるのは事実です。ただ、団体としたら、方向はそういう形で努力しておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/247
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248・伊藤孝江
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
次に、田中公述人にお伺いをいたします。
今、北川公述人からも、選ばれる企業というお話もありましたけれども、先ほど、田中公述人の会社の方では、これまで脱落者というのか、そういう形での実習生というのはいないということをお話をいただきまして、どのような取組が実際に功を奏している、あるいはこういうところに気を付けているというところの御社での取組がありましたら是非教えていただければと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/248
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249・田中志治
○公述人(田中志治君) 正直、特別なことはいたしません。他の従業員と全く同じ扱いです。それが一番じゃないかな。やはり、でも、技能実習生、いろんな法律のこともあります。常に監理団体に相談をします。こういった場合どうしたらいいかというのは、我々、正直、その詳しい知識持ち合わせていないところもありますので、すぐに相談します。こういう場合どうするかというのを常にやり取りしながら、またすぐに飛んできてくれます。そういったところがやはりいいのかなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/249
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250・伊藤孝江
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
平岡公述人にお伺いをいたします。
監理団体の重要性について田中公述人から言及いただいたかなと思います。先ほどの平岡公述人の話の中では、監理団体がなかなか、受入れ団体の、受入れ機関の言いなりになるであるとか、実際の監理が功を奏していないというところも見受けられるというのも、行政書士というお立場の中から、現実問題、指摘いただいたかと思っております。
この監理団体の在り方というのが、やはり技能実習生をしっかりと守っていくことができるかどうかというところでは大変大きな位置付けになるのではないかと私たちも考えているところではあるんですけれども、行政書士の先生方が数多くの監理団体であったり企業などを見られている中で、この監理団体が機能をしていないところでの例えばその共通点というのか、気付かれるところですね、もう費用の問題なのか、あるいはもう業界だよねということなのか、あるいはそもそもその監理団体の成り立ちがこういうので共通しているということであるとか、その辺りの課題について御指摘いただければと思うんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/250
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251・平岡康弘
○公述人(平岡康弘君) 私自身、その監理団体の情報というのは会員から聞き及んでいるだけであって、実際私が聞き及んでいるだけであって、実態は把握していないです。
ただ、私が最近お付き合いさせていただいたというか、それは友人なんで仕事上でお付き合いしているわけじゃないんですけれど、東京の新橋の方にある監理団体ですけど、彼の話を聞いている限りにおいては、やっぱり公益的な組織であるということから決して利益は求めてはいないと、それで、きちっと外国人のために、その企業にとっていいような方向できちっと指導しているということで、私が知っている監理団体は非常にすばらしい監理団体でありました。
ただ、ほかのそういった、ややもして、社会にとってそんな有益じゃないというふうに聞き及んでいる監理団体については、どこが報酬なのか、外国人の教育なのかというところはちょっとまだ実態として把握していないものですから、済みません、またちょっとそれは後ほど調べて、お分かりできることがあればまた御報告させていただきたいなというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/251
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252・伊藤孝江
○伊藤孝江君 申し訳ありません。ありがとうございます。
もう一点、平岡公述人にお伺いをいたします。
在留資格の例えば変更許可の申請取次ぎであったり、そのような形で行政書士の先生方の業務の範囲の中で監理支援機関が関わることについての課題というところも言及いただいたかと思うんですけれども、行政書士の先生をしっかりと活用をいただくということをもっと進めるに当たり、現状どういう点に課題があるのかというところについて認識されている点がありましたら、是非お教えいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/252
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253・平岡康弘
○公述人(平岡康弘君) 課題としては、やっぱり私たちがきちっと企業の中に入り込んでいって、その外国人を雇われている企業さんにとって、この国際的な法律、要するに入管法なんかの理解をきちっとしていただくことによって、外国人の雇用はこうあるべきだよと、社会保険の加入にしても何にしても、こうあるべきだよということをきちっと理解をもっともっとしていただかないと、外国人の雇用についていろいろ勘違いされている企業があったりということからいろんな誤解が生まれて、好ましくない雇用の仕方にというところに結び付いていくところがあるものですから、私たち行政書士としては、きちっと法を理解していただいて、この制度を理解していただいてきちっと外国人を雇用していただくと、そういうふうな制度をまず企業側に理解していただくということが最優先だなというふうには思っているところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/253
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254・伊藤孝江
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
平岡公述人の御経験上、こういう点に対する誤解が企業側だったり機関側に多いなというのを感じられている点ありましたら、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/254
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255・平岡康弘
○公述人(平岡康弘君) それは私の経験ではないんですけど、聞いたところによると、外国人を安く使えるんじゃないかとか、そういったところから、まず入管法を理解していないというところも、企業もありまして、そういったところ、ちょっといいかげんな企業ではあったりするんですけれど、やっぱりそういった企業が多々見受けられるというところが、まあそう聞き及んでいます。そういうことによって、やっぱり先ほども話に出ていたように、逃亡したりするような外国人もそういったところから生まれてくるんじゃないかなというのはあります。
ただ、私が見たり聞いたりしているところではきちっとされている企業の方が多いです。一部の企業がそうすることによってということになるとは思うんですけど、ただ、そういった一部のところまでもきちっと、私たち行政書士として入管法を理解する立場できちっとその企業さんに理解していただく、制度を理解してもらうと、法を理解してもらうということが最優先で進めたいと、そう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/255
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256・伊藤孝江
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
次に、児玉公述人にお伺いをいたします。
先ほど来、永住権の取消しの関連での御意見等お伺いをさせていただいていまして、私たちも今法案として審議をさせていただいているところでもあるんですけれども、例えばその審議の中で出てきている情報であったり、こういうふうなこと、ここはこんなふうに書いているけどこういうことだよということであるとか、様々な情報がきちんと伝わり切れていない部分、私たちが伝え切れていない部分もまだまだあるのかなというのも感じているところでもあります。
少しでも永住者の皆さんに御安心をしていただくという観点からも、正確な理解を日本にいらっしゃる皆さんにしていただくに当たり、どのような情報の提供の仕方というのか伝え方というのか、要は今足りないところですね、なかなか国会で審議していますといっても、それを全部見ますというのは現実的にはお一人お一人にそれを求めることはできない中で、どのような情報提供の仕方というのがあればもう少しきちんと伝わることができるのかというところについて御意見いただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/256
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257・児玉哲義
○公述人(児玉哲義君) この件について、永住権持っているブラジル人の方と何人かと話したんですけれども、完全に反対ではなく、やっぱり重い犯罪を起こした人は自分たちと同じに見てほしくない気持ちがあって、ちゃんと永住権を取り消して、あるいはまあ国から追い出しても文句言わないんですけれども、ただ、犯罪一つにしてまとめて考えることは危険ですので、あと、コミュニティーの中でもこの法律が導入されることについて知らなかったという人も結構いっぱいいまして、日本のマスコミにはちゃんと出ているんですけれども、ポルトガル語しか読めないメディアには余り、私も調べたんですけど余り出てなかったので、ブラジル人向けのメディアにも声掛けて情報を流した方がいいと思います。
みんなが納得する形で法律を作るべきだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/257
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258・伊藤孝江
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
残り時間が少なくなってきましたので、北川公述人にもう一問お伺いをさせていただきます。
今回の制度の変更によって、人手不足の対応という点も含めて、地方に人材を、外国人人材を来ていただく、また地方で居続けていただくという点もやはり大きな課題というか目的だと思っています。
地方にせっかく最初に入っていただいても、賃金の関係などで都市部に流出をしてしまうのではないかという点もかなり大きな懸念として言われるところではありますけれども、この対策として、もし静岡という地で考えられていることなどがありましたら是非教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/258
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259・北川雅弘
○公述人(北川雅弘君) 非常に難しい御質問だと思います。
全てとは言いませんが、基本的にはお金を稼ぎに外国からわざわざ来るということは否めない事実であって、先ほど田中公述人もおっしゃっていましたが、極力我が社としても環境を良くつくって人間関係を良くする。そのために、先ほど来お話ししていますが、モンゴルならモンゴル人の社員を入れて、よりどころをつくってやるということが大事になってきているんです。
少し重複するかもしれませんが、先ほど平岡公述人とお話ししていたと思いますけど、先ほど言っているような法律とか入管法とかそういう問題こそ送り出し機関のやるべき仕事であって、送り出し機関がそういうことをしっかりと指導してやることも一つ、安定して、地方に限らずですね、彼らが住んでいけるようにすることだと思うんです。
なかなか実習生、育成就労として受け入れた企業が全て人文知識の社員を雇ってケアするというのは難しいことだと思います。ですが、そういうこと一つ一つが選ばれる企業というか、例えば団体として、専門工事の団体としてそういうことをしながらケアをしていくとか、我々も努力しながらやっていく必要があるのかなと。それをどう模索していくのかということをこれからも勉強させていただきながら、答えになりませんけれども、チャレンジしていくとしか言いようがないですかね。
そういう中の一つに、本来は子供たち、家族の問題もあるとは思うんですよ。ですから、年数で縛るのではなく、やるべきことができたら、先ほどもお話がありましたけれども、自分の言葉がままならないのに家族が来ても自分のストレスになると思うんですね。ただし、それがしっかりできた者に関してはやっぱり家族がいるという安心感がありますから、その辺をどう両立させていくかということを、現実と照らし合わせながら御相談乗ってもらえればいいのかなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/259
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260・伊藤孝江
○伊藤孝江君 ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/260
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261・清水貴之
○清水貴之君 日本維新の会の清水と申します。
今日は、大変貴重なお話を聞かせていただきまして、ありがとうございます。
まず、児玉公述人、最初にお願いをいたします。
私、もうコロナの前ですから四、五年前になるんですが、日系のブラジル人若しくはペルーの方々にもっと日本に来ていただけないかということで、ブラジルとペルーに行ってまいりまして、向こうの日系人の団体、コミュニティーの方々といろいろ意見交換をさせていただきました。ちょうど技能実習の方々が、失踪の問題とか様々問題があっていたときでもあります。
そういった中で、やはり日系ということでルーツを同じくしているわけですね。そうすると、来ていただくブラジル若しくはペルーの方からしても来やすいんじゃないかと、日本側からしても受け入れやすいんじゃないかということを考えまして、そういった活動をいたしました。
当時、日系の三世まではもう日本人と同じということで、もうすぐに移住ができたんですけれども、四世になるとこれ急に外国人になってしまうということで、非常にハードルがかんと上がるということです。児玉公述人は二世ということで、もう今、恐らく三世、四世の、若しくは五世とかにどんどんどんどん代替わりをしていっていると思うんですが、ですから、四世以降の方にももっと日本に来ていただきやすい環境づくりができないかという思いでこれ行ってきたんですね。
その後、制度変わりまして、今、四世の方でも大分入りやすい制度になっていると思うんですが、ただ、これが残念ながら余り使われていなくて、データを見ると、もう本当に何十人単位というそのレベルでしかこの制度を使って日本には来られていないんですよね。
なので、ちょっとその辺りをお伺いしたいんですけれども、やっぱり日本に来るに当たってのハードルといいますか、なかなか簡単ではない、距離の問題なのか、今ブラジルも経済成長著しいですから賃金の問題なのか、いろんなところがあるとは思うんですけれども、その辺り、どのようにお考えになられるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/261
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262・児玉哲義
○公述人(児玉哲義君) 四世のビザについては、両国にとっては大きな問題で、日本政府としてはもう解決した意識だったんですけれども、でもブラジル側は納得していません。ブラジルにある日本人協会はすごく怒っています。
それは、四世のビザを取得するための条件が余りにも厳しく、二世、三世の条件に比べたらとんでもない厳しく、まず日本語がちゃんと話せて、あと年齢制限もありますし、あと家族は連れてこれない、そういった条件が余りにも厳しく、それでブラジルの日系人たちはちょっと納得していないところがあります。
私は二世ですから、親と直接日本語でしゃべっていたから日本語できるんですけど、でも、三世になると少し日本語から離れていきます。四世になるともっと、もう完全に離れちゃうんですね。
そこで、今日本にいる二世たちは、もう高齢化によって亡くなっている人もいっぱいいます。今は三世が一生懸命働いている感じですけれども、三世たちが高齢化して、その後の四世が日本に来れなかった場合、日本の日系人たちはどんどん減っていって、日本とブラジルのパイプも薄れていく可能性があります。そうすると、ブラジルにいる日本人たちが今まで日本文化を守ろうと頑張ってきた活動がもうなくなってしまうんですね。そういったおそれもあって、四世も普通に日本で働けるようにしてほしいという気持ちですね。ブラジルにいる日系人たちの気持ちですね、私もそういうふうに思いますね。同じ日系ですので、四世だからって急に厳しくするのは何でだろうなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/262
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263・清水貴之
○清水貴之君 ありがとうございます。
制度の問題だということで大変理解をしまして、またしっかりと取り組んでいきたいと思います。ありがとうございます。
続いて、平岡公述人、お願いをいたします。
先ほど公述いただきました内容の問題点の最初のところで、国内での育成になじまない分野は育成就労の対象外ということで削除される分野があるものというお話があって、自動車産業の下請となる中小企業の多い地域では問題になるというお話があったんですけど、具体的にこれ、業種といいますか、今どの辺りが、何ですか、問題点として挙がっている、気になられているという感じなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/263
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264・平岡康弘
○公述人(平岡康弘君) 委員会の方でちょっと調べて言ったものですから、その辺のところの意見をちょっと今聞いてみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/264
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265・清水貴之
○清水貴之君 分かりました。じゃ、また後で一回、時間があったらお願いいたします。
もう一点お伺いしたかったのが、脱退一時金のお話、最後にしていただきました。これは、あれですか、脱退一時金の制度そのものに何か問題があるというのか、若しくは一時帰国した場合も受け取れるというお話があったので、その辺りの問題点、その辺りをもっと教えてください。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/265
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266・佐々木さやか
○団長(佐々木さやか君) 平岡公述人、指名の上で御発言いただきますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/266
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267・平岡康弘
○公述人(平岡康弘君) 済みません。はい、分かりました。
外国人にとっては、厚生年金とか年金納めますよね。納めて、帰るときに、それは、将来的にはそれは当然年金としてもらえるわけじゃないものですから、一時金としていただくという分には十分外国人のために合った制度ではあると思うんですけど、その制度を利用して、一旦戻って、一時金を受給して、また戻って来られるというケースがあったりするということを聞いているものですから、それを繰り返していくと、やっぱり日本の原資たる財政的なものがどんどん流出していくものについてはどうかなという意見をちょっと連合会の方のこの国際担当している役員から聞いたものですから、ちょっとこういったところでその問題について今後検討してもらえたらどうかということで言っていただきたいということで、ちょっと今日お話しさせていただいたんですけれど。
ただ、脱退一時金の制度をちょっと調べますと、やっぱりこの入管法のところまできちっと今度制度が変わるというところの情報まで流れてきているものですから、やっぱりそういったところでも何か対策等いろいろ考えているのかなというふうな感じはしてはいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/267
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268・清水貴之
○清水貴之君 分かりました。ありがとうございます。
続いて、北川公述人、どうぞよろしくお願いをいたします。
お話の中で転籍のお話がありまして、転籍があると、やはり最初に受け入れた企業、初期投資をしているのにそれはちょっと負担が大きいぞと、大変だぞというお話がありました。
今回の法改正では、その辺り、これ平岡公述人から紹介があったんですけれども、受入れ機関が元の受入れ機関に対して初期費用の補填を行う制度、これを検討しているということです。この仕組みに対してはどのように考えられますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/268
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269・北川雅弘
○公述人(北川雅弘君) 負担軽減という意味ではいい制度なのかなと思います。ないよりはそういうものがあるといいと思いますが、同じ話になりますけど、出ていこうと思う理由もお金だけでもなくあるのかなとも思いますし、ただ、そうなったときには、一方的なことが抑制するためにはそういう制度があるといいのかなとは思いますけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/269
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270・清水貴之
○清水貴之君 その場合、じゃ、どこまでの負担を次に行った会社から元々いた会社にしてもらうのかというところ、この辺りがこれからの制度設計かなと思うんですけれども、最初に受け入れられた場合にどの辺まで、おっしゃるとおり、何ですかね、そういう転籍がなくなるための、ある程度そういうための抑止のための制度というところ、もちろんあるとは思うんですけれども、でも、実際に動きがあった場合に費用の移動というのも発生するわけですので、元々の受入れ機関、企業からしたら、どういった考え方をするのが一番合理的といいますか、理想的だというふうに思われますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/270
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271・北川雅弘
○公述人(北川雅弘君) 大きく意見が分かれるところではあるんですが、多くは、いわゆるその移籍に対する当初費用の負担を求めたいというような意見が多くありますが、一方では、平等性という意味とか競争の論理からいいますと、例えば日本人の派遣会社も最近は転籍をベースに人材派遣といいながら人材紹介みたいなことされています。そういうことで考えると、いわゆる外国人であっても、優秀な能力の高い人材というのはそういう土俵に行くことが今後あるやもしれないということを考えると、大都市と地方との賃金の問題も含めて、我々、一部の企業の中では、しっかりとそこがケアできれば逆にチャンスかもしれないというような、体力のある、規模感があるところはそんなことを考えている方もいるのも事実ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/271
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272・清水貴之
○清水貴之君 ありがとうございます。
田中公述人、よろしくお願いをいたします。
どのように実習生の方々とうまく一緒になって取り組んでいくかというと、本当に何も違うことをしないことだと、本当に日本人と同じように一緒に活動する、仕事するというお話があったんですけれども、仕事の面は非常によく分かるんです。何かもしあればなんですが、それ以外の部分で、例えば、何ですかね、外国から来ていて非常に、今家族帯同の話とかもありましたが、非常に孤独感があったりとか、何かなかなか日本文化になじむとかいろいろ大変な部分があると思うんです。何かそういった面で、一緒に休みの日に活動するでも何でもいいですけれども、何か気に掛けていらっしゃるとか、何かアドバイスといいますか、こうやったらうまくいくよみたいな御意見ありましたらお聞かせいただけたらと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/272
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273・田中志治
○公述人(田中志治君) 労働組合があります。定期的にではないです、コロナ禍にはなかなか活動できなかったんですけど、そういった年間で数回の行事、例えばボウリング大会であったりスキーツアーであったりと、そういったものにも技能実習生の方も積極的に参加してきます。積極的に参加できるって非常にいい関係が保てれるな、保てているなというところもありますし、当然それは休日に行いますので、そういったものも含めて、あとは、ふだん、休み、気の知れた仲間同士、日本人ですよ、と一緒に旅行に行ったりというのも多々聞きますので、そういったところが非常にいいかなと思っていますけど。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/273
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274・清水貴之
○清水貴之君 日本語に関してはどうですか。やっぱり失踪や何か問題が起きる、言葉がやっぱりうまく伝わらない、思いが伝わらないというところも大きな原因の一つかなと思うんですけれども。もちろん、インドネシアに関連会社があって事前にもう勉強されてくるんでしょうし、ただ、日本に来た後もブラッシュアップも必要でしょうし、この辺り、日本語能力ということに関してはどのように取り組んでいらっしゃるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/274
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275・田中志治
○公述人(田中志治君) 弊社、子会社がインドネシアにございます。それで、そこで来る前に一か月ないしOJTという形で実習をしたり、また、この監理団体が出国をする前に一か月間研修みたいな形で日本語教育をしたり、また、日本に着いてからまた一か月間置くんですよ、そういった日本語教育。また、我々の会社に入ってからも週に二時間、毎週といった形で、およそ十か月間ぐらいですか、日本語の教育もします。また、当然、子会社がインドネシアにありますので、多くの方が出向して帰国されています。ですから、インドネシア語は結構堪能な方が多々見えて、そういう方たちを通じてコミュニケーションがしっかり取れているところもありますし、もう来たときに結構しゃべれますね。やはりそういった、組織がしっかりしているかなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/275
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276・清水貴之
○清水貴之君 平岡公述人、先ほど、またあれですかね、調べていただいてという感じですか。また……(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/276
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277・佐々木さやか
○団長(佐々木さやか君) 平岡公述人、御発言を、じゃ、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/277
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278・平岡康弘
○公述人(平岡康弘君) いいですか、何回も済みません。
恐らく、特定技能の産業の分野というのが分かれているものですから、それと、就労、育成、育成就労法に規定する産業と一致させるということで、今の技能実習から外れる産業が多々出てくるということのさっきの話だったんですけど、ちょっとまだ具体的にどの分野かというのは、今、職種とか名称で多分統一されていくと思うんですけど、その職種の名称が統一されていないものだから、その名称がどう変わるかいかんによってはじかれる産業が出てくるんじゃないかということを懸念しているということのようだもんですから、また、もし間違っているようでしたらまた御連絡させていただくということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/278
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279・清水貴之
○清水貴之君 理解いたしました。ありがとうございます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/279
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280・川合孝典
○川合孝典君 国民民主党の川合と申します。
四人の公述人の皆様には、大変貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
技能実習制度、技能実習法に関しては、制度が導入された一九九三年以降、ずっと追いかけ続けてまいりましたので、そこにはらんでいる様々な諸課題がどういうものなのかということについても、この間検証してきております。
今回、育成就労制度が導入されるということで、労働者性、いわゆる外国人の労働者性を正面から認めるという方向にかじを切ったという意味では、遅まきながら大変前進したというふうに、前向きに私は実は受け止めをしているということであります。
さはさりながら、実際、制度の適正運用ということを考えたときに、これまでやってきた特定技能制度等も含めて、その制度をそのまま乗せ替えるような形での運用に恐らくなろうかと思いますので、やはりかなり問題が、見直さなければいけない点があるということも実は認識しているということでありますので、今後、育成就労制度をもって外国人労働者の労働者性も含めてきちっと守っていくためにどういうことをしなければいけないのかということについて、公述人の皆様から少し御意見を頂戴できればと思います。
質問の前に、平岡公述人に確認をさせていただきたいんですが、先ほど清水委員の方から、いわゆる脱退一時金のお話であって、要は、辞めて脱退一時金をもらって、もう一度入国してといった、繰り返し脱退一時金を受け取るということについての御指摘をされたんですけれども、私の記憶では、厚生年金等の脱退一時金というのは、その最後の保険料納付した月が属する年の保険料の金額の二分の一に要は納めた月数を掛けるということになっておりますので、多くても納めた保険料の半分以下ということに計算上なるはずなんです。したがって、途中脱退した上で再加入して、また脱退をして受け取るということをやっても、そのことの結果、納めた保険料が半分以上返ってくることは理論上あり得ない。
そもそも、外国人にも年金を納めさせるということの制度をつくった理由は、外国人の皆さんであっても、いわゆる選挙権等を除く、社会保険に関しては、日本人と同じように保険料納付していただくことで社会保険等のサービスが受けられる状態をつくるということと同時に、制度上のいわゆる負担にならないように、自分のことは自分で負担をするということを促すという意味からこういう制度になっているという意味ですので、だから、ちょっとそれ、私の理解を超えて何か問題が生じているのであればそこは教えていただきたいんですけど、平岡公述人の方で何か特殊な情報を握っていらっしゃるのかどうか、お教えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/280
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281・平岡康弘
○公述人(平岡康弘君) そこまではないです。
ただ、私が所属しているのは日本行政書士連合会で、国際部会というものがあるものですから、そこでそういう問題をちょっと認識しているということだったものですから、ちょっとその辺の事情も考慮していただきたいというようなことを申し上げたらどうかという御意見いただいたところでその話をしたものですから。
ただ、私もその脱退一時金についてはちょっと制度を調べてみましたら、今、川合理事、先生の方でおっしゃっているとおりのことですので、もし、この制度によって少し問題があるということをまた再度こちらの方でちょっと調べさせていただいて、御提供できるものがあればまたさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/281
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282・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。
そのごく短期間の保険料納付だけで年金を受け取るということがかつてモラルハザードを生じさせかねないということで、納付期間をどう設定するのかということは厚生労働委員会でもかなり議論になったことがありまして、日本人の場合には、保険、いわゆる厚生年金というか、年金から脱退することがそもそもできないということでありますので、そこが、やっぱり日本国籍を失うということで脱退の対象になるということが、日本人との取扱いが、そこに違いが生じているということで、早く年金保険料を一定金額受け取れてしまうということを指摘されているのかもしれないんですね。済みません、ちょっと新しい論点だったものですから、私ちょっと理解し切れなかったもので、あえて問題提起をさせていただきました。
では、本論の質問に入りたいと思いますけれども、公述人の方から、これまで北川公述人もそして平岡公述人もおっしゃいましたが、転籍制度の導入についての懸念ということですね、転籍制限ですね。
いわゆる外国人を受け入れるに当たって一定のイニシャルコストが掛かっているということを考えたときに、いわゆる転籍を短期間でされてしまうと、いわゆるイニシャルコスト、ランニングコストが高くなり過ぎると。で、採用することのメリットがということを御指摘をされました。
私自身の思いというのもあるんですけれども、実際に新入社員を雇うということになったときに、日本人であろうが外国人であろうが、イニシャルコストは一定金額掛かるわけでありまして、受入れコストが、外国人の場合、殊更上積みしなければいけない。その負担が発生する場所が一体どこなのかということを、北川公述人、田中公述人、平岡公述人に、もし御存じだったらお教えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/282
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283・北川雅弘
○公述人(北川雅弘君) 今の川合先生の問いに対してなんですが、日本人の新卒者と違う部分でいうと、まず部屋、住居ですね、住居の問題と渡航費と、先ほど田中さんもおっしゃっていましたけど、現地での教育費、あと監理団体への手数料と、あと国内に入国してからの一定のというか、一か月か一か月半ぐらいだったと思いますが、再教育をするんです。そういうその部分の費用は日本人の社員と違う分に掛かってきます。それぐらいだと私は認識しておりますけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/283
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284・田中志治
○公述人(田中志治君) 今、北川公述人が申し上げたとおりかと思います。
あと、我々、お付き合いさせていただいている監理団体との同意書によれば、あと渡航費用も弊社において受け持っております。それプラス、今、北川公述人が述べられた内容かと思いますが。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/284
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285・平岡康弘
○公述人(平岡康弘君) 今述べられたものと同じだと思います。
業ごとの教育に掛かる費用とか、そういったものを送り出し機関等に支払う、まあ借金をして日本に来るということらしいですので、そういったところでの費用が大分掛かっているんじゃないかなと。
それと、ややもすれば、そういった送り出し機関を紹介するようなブローカーがそこに存在していたりとか、そういったところに費用が掛かっているというふうな話も聞いたりもしますので、その辺はきちっとした情報ではなく、いろんなところから何か時折流れてくる情報ですので、そういった存在もあるのではないかなというふうには感じているところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/285
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286・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。
元々、技能実習制度が導入された当初は、優れた日本の技術、技能を修得をして、一定期間後帰国していただいて、国の発展に寄与していただくということが目的でしたから、今おっしゃったような、そういう制度の状況でも整合性が取れた制度として送り出し側と受入れ側とが機能したと思うんですけれど、労働者性を認めて育成就労という形で制度を見直して動かしていこうということを考えたときに、果たしてこの費用負担の在り方でいいのかどうか。労働者として受け入れるということなわけでありますので、そこのところについても根っこの部分からもう一度見直す必要があるのではないのかなというのが、私自身は、まあ立法論というか、制度運用上の問題として課題意識を持っているところなんですけど、この辺りについて、お三方、今の、北川公述人、田中公述人、平岡公述人はどうお考えになりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/286
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287・北川雅弘
○公述人(北川雅弘君) 今おっしゃられたように、元々、実習生制度というのは、日本の技術を該当国へ、まあ国際協力するというか、そういうところから始まってきているものだと私認識しておりまして、今回の育成就労に関しては、日本の人材不足にも寄与していただくと、まるで違う制度になるということだと理解はしておるんですけれども。
そういう観点でいうと、例えば、じゃ、社員と育成就労とをどう分けるのかというところにまた争点が行くと思うんですよ。社員の場合は、同じように自分で、渡航費も全ての教育も自分で負担して来ますよね。ただ、育成就労の場合は、ごくごくその辺は技能実習生に近い運用の中から企業が負担して来るわけです。これが一つ問題なのは、特定技能になったときは、今度、自分たちがやるようになるわけですよね。ですから、個人的な意見でいうと、そこはどちらかに統一していただいた方がやりやすいのかなと。
で、今回、この育成就労という、どちらかというと就職に近いような、やっていることは就職に近いというような方向ですよね。そうなった場合に、本人たちの権利にしても、今まで以上に自分たちの権利ができる、その一つの大きなものが転籍だと思うんですよ。イコール自分たちが決める意思が持てると。ですから、ここに関しては、まあ第一歩のステージとしたら今の状態なんでしょうけれども、当然問題って出てくると思いますので、そこに関してはもう少し考えていけるルール作りをしていく必要があるのかなとは思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/287
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288・田中志治
○公述人(田中志治君) 非常に悩ましい御質問かなと思います。
今、日本人でも、就職されて結構早い段階で退職されてしまうのも現実多々あります。そういった中で、また同じように技能実習生もとなると、またちょっと意味合いが違ってしまうんですけど、ただ、やはり、彼らが本当に望んでいるのか、ただ、今のその日本の環境の、何といいますか、同じような感覚で転職をしようとしてしまうのか、そこがすごく心配です。
結構早いですよね、決断が今。僕らもびっくりするぐらい早いんです。そういった状況になりかねないかなというのも非常に心配をしております、技能実習生に対してもですね。ですから、非常に僕の中では、とてもこの制度、迷いというか、本当にいいのかどうかというのは非常に迷っているところではあります。ごめんなさい。済みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/288
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289・平岡康弘
○公述人(平岡康弘君) 転籍の制度については僕はいい制度であるなというふうに、外国人の選択肢が増えるということについてはいいと思います。
ただ、そのイニシャルコスト、ランニングコスト、要するに受入れに掛かった費用どうするかという問題なんですけど、これが国策であるということであれば、今まで企業に対してでも、ものづくり補助金とか雇用に関するいろいろな助成金等、国がいろいろ補助してきた部分もあります。企業がそういった形で外国人を受け入れるに当たって、今度はこの外国人の雇用に関してもそういった補助金等の活用が使われるようになればもっと外国人の雇用というものは進んでいくんじゃないかなというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/289
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290・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。
転籍制限の問題は諸外国から大変批判をされた部分でもありましたので、やはり国際社会との関係の中でも見直さなければいけないということで今回見直しが入っているということだと思います。
その上で、外国人労働者の方のそのいわゆる転籍、やむを得ない事情で転籍制限外して認めるということについて、どういうことなのかというのを、ついこの間、法務大臣とやり取りしたところ、要は、雇用契約違反が認められたときには例外なくやむを得ない事情に該当するという理解ですと、そういう言い方をされましたので、つまり、約束、雇用契約を守って同一労働同一賃金を遵守している限りにおいてはいわゆる転籍の制限が掛かっている状態というものが一定期間維持されるという、こういうこととして現状私は今理解していると、こういうことであります。
聞きたいことは山のようにありますけど、時間が参りましたので、これで終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/290
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291・仁比聡平
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
公述人の皆さん、本当にありがとうございます。
まず、建設の分野について北川公述人にお尋ねしたいと思うんですけれども、冒頭のお話にあったとおり、担い手確保が非常に厳しいというこうした建設分野全体の状況の下で、私は、外国人労働者が既に現場において欠くことのできない存在になっているということを痛感しています。
実は、町場の現場などをよく通ったりとかしても、外国人の建設労働者が働いていない職場という、現場というのはおよそなくなってきているというふうに思うんですよね。だからこそ、連合会としてもどう受け入れていくのかという努力をされていると思うんですけど。
ちょっと生々しいお話なんですが、だからこそ、イニシャルコストとか初期投資と言われているお金、それから母国との関係でのいろんなやり取りってこれ大変だと思います、その面接とか手続とか。そういう御苦労を全体取ってやっぱりイニシャルコストとか初期投資とかと言うんだと思うんですけど、そこがどれだけのものがあるのか。
加えて、この人材獲得競争に劣後しつつあると財界団体が言うような状況の下で、今後、この育成就労になっていくという下で、このイニシャルコストがこれまでと変わらないと思われるか、それとも変化する、もっとコストが高くなるとかあるいは安くなるとか、何かそうした点についてのお考えがあればお聞かせいただきたいと思うんですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/291
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292・北川雅弘
○公述人(北川雅弘君) 今の先生の問いに対してなんですが、法制度としたら名前は変わり、変わって制度も変わりますが、仕組みとして、送り出し機関があって受け入れているとしたとするならば変わらないのだと、若しくは、この物価が上昇するにおいて送り出し機関の経費も上がっていけば、我々受入れに払う費用も上がっていくのかなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/292
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293・仁比聡平
○仁比聡平君 実際にどういう項目でどれぐらいの費用を負担しなきゃいけないかと、一人受け入れるのに。差し支えない範囲でちょっとお話しいただければと思うんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/293
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294・北川雅弘
○公述人(北川雅弘君) 私のところの組合ですと、毎月の監理費等、まだ実習生ですので、実習生に対するケア、監査するための必要経費ですね。金額に関しては各社いろいろと、一万円のところもあれば四万円ぐらいのところもあるというぐらいのお伝えに差し控えさせてもらいますが、それぐらいの経費で、例えば十人いれば、四万円なら四十万円、一万円なら十万円。で、一万円でどれだけの監理ができるのかというと、私は少し疑問かなというのを先ほどお伝えしただけで、適正な部分は掛かると。払わなければ、いい人材は確保できないし、いい人材を監理してもらえないのかなと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/294
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295・仁比聡平
○仁比聡平君 ありがとうございました。
先ほど来の質疑を伺っていて、そうしたお金以外の部分があると、転籍ということになったときにですね。
ちょっとぶっちゃけて言うと、引き抜きみたいなもの。そうして御苦労されて受け入れて、日本社会で働き始めて、育てていくというのは、これはとてもデリケートな話なわけですよね。その時間を最初受け入れた企業が担って、で、育ったと、こいつは使えるとなったら、どこかに引き抜いていくと。それは身勝手な話だろうというような問題が何か指摘されているように思ったんですが、そういう理解でいいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/295
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296・北川雅弘
○公述人(北川雅弘君) それに関しては、可能性があると。今現在、それは外国人に限らず、優秀な社員に関してはそういう引き抜きとか、そういう交渉があると私も認識していますし、CMでよくあるビズリーチさんですか、固有名詞あれですけど、まさしくそのとおりで、いい人材を集めて売ると、そういうようなものがありますので、もしかしたら外国人でもそのようなブローカー的な人が出てくるのかもしれないなということを先ほど危惧して話をしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/296
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297・仁比聡平
○仁比聡平君 先ほど、人材紹介業のようなことになってはいけないという御趣旨のお話だと思うんですね。
ありがとうございます。
田中公述人に、少し繊維の業界のことも含めてちょっとお尋ねしたいと思うんですけれども、御社に今現在で十二名の技能実習生がいらっしゃるというふうに伺いましたが、その皆さんの職種というのは、技能実習って職種がとても細かく定められていますが、繊維の関係の職種ってたくさんありまして、業態からすると染色という職種なのかなと思うんですが、どんな職種でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/297
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298・田中志治
○公述人(田中志治君) 弊社、名前のとおり、東海染工と言いますので、染色の委託業務をしております。その中でも、前工程、そのいわゆる染色前の生地の処理ですよね、そういった部署もあります。また、実際に染色をする部門あります。当然、染色するためには色を作る、調色をする仕事もあります。そういったところ、いろいろございますけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/298
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299・仁比聡平
○仁比聡平君 ありがとうございます。
私がざっとちょっと見てみただけで、繊維関係、縫製関係の職種と言われるものというのは、染色、ニット製品、たて編みニット、婦人子供服、紳士服、下着類、寝具、帆布、布帛、あるいは座席シートの縫製などなど、技能実習の職種と言われるものが十種類は少なくともあるんですね。
先ほど平岡公述人の冒頭のお話で、自動車産業の集積地でもあるので、たくさんの細分化されたその業界がお互い協力し合って製品を作っていくというようなところもあるんだろうと思うんですけれども、今染色のお話を伺っても、幾つかの工程で一つの業が成り立っていると。
今後、外国人労働者に本当の担い手になっていってもらうということを考えると、そうした職種とか作業を細かく分類して、その作業しかやっちゃ駄目だというような形の形態、働き方ではなくて、やっぱりその染色という業そのもの、工場の作業そのもの、全体をやっぱり担ってキャリアアップを図っていくことができるような、そんな制度じゃないと魅力がないんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/299
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300・田中志治
○公述人(田中志治君) おっしゃられるとおりで、先ほど言いました前工程、染色する前の生地の準備、準備というのはその加工なんですけど、それだけ技術を覚えてもやはり染色にはつながらない。だけど、染色だけ、じゃ、色を合わせる知識を覚えても、じゃ、何で染まるのか、その前工程の準備がどれだけ必要なのかといった知識までいかないといったことを考えたら、やはり我々の業界、その入口から出口までを一通り学ぶことによって非常にすごい知識になるかなと思います。
ですから、たくさんの業種が増えることは非常に有り難いですし、その三年間の間に確かにどれだけの知識を覚えられるかと言われると、本当に僕らからしたら一握りなんですよ。だから、もっともっといろんなことが学べたら、もっと国に帰ってから本当にリーダー、マネジャーという形で活躍できるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/300
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301・仁比聡平
○仁比聡平君 ありがとうございます。
建設もそうなんですが、その染色のお話伺っても、やっぱり技能というのは一朝一夕に身に付くものではないし、いろんな経験をしながら培っていくものなんだということをちょっと改めて思いますが。
ちょっと先に児玉公述人に伺った後に、平岡公述人にお尋ねしたいと思うんですけれども、永住者の取消し、資格取消し事由の拡大に関してなんですけれども、お話を伺っていて、この間の在日日系ブラジル人の皆さんの三十年という、この三十年が、いや、本当に大変な御苦労、もうちょっと率直に言うと、苦難の歴史だったかもしれないなとちょっと改めて思いました。
先ほどは言葉を軟らかくしておられましたけれども、リーマン・ショックのときには、ブラジル人定住者が職を次々失う派遣切りの真っ先の対象ということにもなりましたし、三・一一で製造業全体がダウンしていくというときには、真っ先に景気の調整弁のようにしてブラジルに帰国をせざるを得なくなるという方々も出たわけですね。
そうした歴史を振り返ったときに、今回の、例えば公租公課を納めないと、税金なりあるいは保険料なりが納められなくなるという瞬間というのはこれまでも何度も経験してこられたんじゃないのかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/301
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302・児玉哲義
○公述人(児玉哲義君) リーマン・ショックまではとにかく稼いでブラジルにお金を送る考えだったんですけど、できれば社会保険も入らず、その分お金としていただく、そういうふうな考え方でしたね。
しかし、リーマン・ショック後、会社自体の考えも変わりまして、政府も厳しくなったので、今はどのブラジル人もみんな社会保険に入っています。あとは、車買うんですけれども、保険料がもったいないから保険に入らずに運転したりして、後でひどい目に遭ったりしていました。今は、会社自体がもし通勤に車使うなら保険証券を見せろという制度になったので、今は普通にみんな保険に入っていますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/302
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303・仁比聡平
○仁比聡平君 経済危機で収入がなくなったり仕事を失ったりするというときに、お金がないから実際に今おっしゃっているような保険が払えないということが起こり得るんじゃないかと思うんですけど、そこはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/303
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304・児玉哲義
○公述人(児玉哲義君) そのとおりですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/304
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305・仁比聡平
○仁比聡平君 先ほどお話で中心に据えられていた子供たちのいろんな問題、夜回りが必要だったというようなことなんかも、そういう経済状況だったり格差だったり、あるいは差別だったりということを背景にしているということなのではないかなと思うんですね。
時間がないので一問だけ、あと一問だけ伺いたいと思うのは、という日伯交流協会の皆さんに、今回の法案について、永住者としての資格取消しの問題をヒアリングもせずに法案が提出されたんだと思います。協会に対しての意見聞き取りというのはされなかったんだと思います。それ自体私は不当だと思っているんですけれども、もしされていたらどんなふうに意見を述べておられたでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/305
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306・児玉哲義
○公述人(児玉哲義君) 私が意見を求めたのは、ブラジル国籍で永住権を持っている人たちの意見を聞きました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/306
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307・仁比聡平
○仁比聡平君 平岡公述人、冒頭の陳述で永住者も日本人と同様に罰則を適用すればよいではないかという御意見が示されたんですけれども、今の児玉さんの話も伺って、どうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/307
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308・佐々木さやか
○団長(佐々木さやか君) 仁比委員のお時間が参りましたので、平岡公述人におかれましては簡潔に御答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/308
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309・平岡康弘
○公述人(平岡康弘君) 今の問題でよろしい、そうですね、先ほど冒頭に述べさせていただいたように、うちの方の当委員会から意見はそのように出ました。
やはりもうちょっと柔軟に考えていただいた方が、これからは多分運用か何かでそういうものって決まっていくんですかね、もう法律が決まってしまえば。その運用の中で、きちっと皆さんが理解できるような中身にしていただきたいなというふうには思っております。かなりデリケートな問題になってくると思いますので、そうしていただきたいなというところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/309
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310・仁比聡平
○仁比聡平君 ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/310
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311・佐々木さやか
○団長(佐々木さやか君) 以上をもちまして公述人に対する質疑は終了いたしました。
公述人の皆様に一言お礼を申し上げます。
皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。
また、本地方公聴会のために種々御尽力を賜りました関係者の皆様に、この場をお借りいたしまして厚く感謝申し上げます。大変にありがとうございました。(拍手)
これにて参議院法務委員会静岡地方公聴会を閉会いたします。
〔午後三時五十四分閉会〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01620240606/311
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