1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和六年六月十三日(木曜日)
午前十時七分開会
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委員の異動
六月十二日
辞任 補欠選任
自見はなこ君 神谷 政幸君
芳賀 道也君 川合 孝典君
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出席者は左のとおり。
委員長 佐々木さやか君
理 事
古庄 玄知君
和田 政宗君
牧山ひろえ君
伊藤 孝江君
川合 孝典君
委 員
岡田 直樹君
神谷 政幸君
北村 経夫君
山東 昭子君
田中 昌史君
森 まさこ君
山崎 正昭君
石川 大我君
福島みずほ君
石川 博崇君
清水 貴之君
仁比 聡平君
鈴木 宗男君
国務大臣
法務大臣 小泉 龍司君
副大臣
法務副大臣 門山 宏哲君
厚生労働副大臣 宮崎 政久君
大臣政務官
法務大臣政務官 中野 英幸君
最高裁判所長官代理者
最高裁判所事務
総局刑事局長 吉崎 佳弥君
事務局側
常任委員会専門
員 久保田正志君
政府参考人
警察庁長官官房
審議官 和田 薫君
法務省刑事局長 松下 裕子君
出入国在留管理
庁次長 丸山 秀治君
厚生労働省大臣
官房審議官 原口 剛君
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本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
○出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実
習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する
法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/0
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001・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日、芳賀道也さん及び自見はなこさんが委員を辞任され、その補欠として川合孝典さん及び神谷政幸さんが選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/1
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002・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/2
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003・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に川合孝典さんを指名いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/3
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004・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案及び出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、出入国在留管理庁次長丸山秀治さん外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/4
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005・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/5
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006・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案及び出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/6
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007・福島みずほ
○福島みずほ君 立憲・社民共同会派の福島みずほです。
永住資格の取消し、永住資格の剥奪、この条文は、どんなことがあっても削除しなければならないというふうに思っています。立法事実、それから今までの経過、当事者のヒアリングなし、そのようなことについて質問をしてまいります。
第七次出入国管理政策懇談会の中で、この永住権の取消しについて、むしろ慎重意見が極めて強いということをまず冒頭申し上げます。
十二回、田中座長。ある種のエピソードとして、こんなひどいことがありましたよというだけのエビデンスで政策を判断するのは問題があるという。
それから、まさに、二十一回、岡部委員、第七次出入国管理政策懇談会。永住権を剥奪するということはむしろ逆効果ではないかと思います、永住権を取得した後に例えば経済的な困窮に至って要件が満たされないという人々についても、これは通常の日本人であっても、景気が悪化したときに失業の憂き目に遭う人は多い中で、これは各国のどの国のデータでも示していることですが、通常の国民に比べて外国人の失業率は常に高いわけです、そうすると彼らはより脆弱な環境に置かれるということを考えると、やはりそこで厳しい要件を課すというのはいかがなものかと思います。
そして、これも、十二回の市川委員の反対意見。仕事がうまくいかなかったり、一旦許可した後に、やはり人ですから、仕事がうまくいったりいかなかったりというような波はあるわけなので、うまくいかなくなってなかなか納税義務が瞬間的に果たせなかったらそこでアウトですよというような形になってしまうと、永住許可を取る方も逆にちゅうちょしてしまうよということになりかねないので、その辺りは、取った後の取消し事由というのはかなり慎重に考えた方がよいというふうに私は個人的に思っております。
こういう状況です。
そして、大臣、これ報告書が出ておるんですが、聞いてください。出入国在留管理庁が中心となり外国人の受入れ環境整備について各方面から意見を聞くとともに、多文化共生に取り組んでいる現場に赴き、直接に見聞きすることも重要であるというふうになっているんですね。
この懇談会、私は、有識者会議で一度もこの永住権の取消しが問題になっていない、報告書にも一遍も書いていない。懇談会というけれど、たかだか懇談会、有識者会議ではないです。しかし、ここにおいてもこれだけ慎重な意見が出ている、そして報告書もこうだ。これに反しているんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/7
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008・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) これ、まず第七次出入国管理政策懇談会、二〇二〇年の七月に開かれていますが、これが開かれる前提になっているのが、その前の年、二〇一九年の十一月に行われた内閣府の世論調査であります。
永住許可の要件満たさなくなった場合に永住許可取消しをする制度の賛否について伺って、七四・八%の国民がこれは賛成ですという答えをいただいたので、それでは更に掘り下げていろいろ識者の御意見も伺おう、バランスを取ろうということで、翌年の七月に、二〇一九年十一月、世論調査の後、翌年の七月に、八か月後にこの懇談会を開いて、そして、今御指摘もありました永住者の実態に精通された方々から永住者の立場も踏まえた様々な御意見をいただいて、しっかり国民の声と、またこの永住者の方々の考え方、そこに寄り添う識者の方々の考え方、思い、両方をしっかりと徴した上で検討を進めていこうというステップを踏んできたところでございます。そのように御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/8
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009・福島みずほ
○福島みずほ君 全く、有識者や様々な人たちからここまで慎重意見が出ていて、何で突然、突然、閣議決定の前にこれを入れるのか。この永住権の剥奪、根拠ないですよ。有識者呼んで、これはひどい話だと思います。
それで、法務省は、いや、七地方団体から聞き取り結果をしましたとして出しており、配付資料にしておりますが、これ見てください。
十一月一日、去年の十一月一日からやっている七自治体ですが、黒塗りです。そして、その先方の発言要旨というのがありますが、これ一般的に、外国人の人、普通の在留の延長や更新をする人、全部入っているじゃないですか。いずれ本国に帰るのだから、払わなくて済むなら払いたくないという考えの外国人もいる、住民税。これですよ、これどこが永住権の人なんですか。
このヒアリング、別に永住権の取消しのためだけにやったものではない、つまり混在していますから。このヒアリング、何なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/9
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010・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 永住者を含めた外国人の方々の納税状況等について、できるだけ詳しく情報を求めていこうということで行った自治体調査であります。
確かに永住者以外の方々の動向についても報告はされていますけれども、永住者についてもやはり非常に懸念するべき状況が幾つか指摘をされているわけでありまして、そういうものを踏まえて検討を進めてきたところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/10
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011・福島みずほ
○福島みずほ君 ずさんです。しかも、相手の自治体もないじゃないですか。これ、ざっくりと、いや、本国に帰るからとか、そういうのが混在しているんですよ。これで永住権の持っている人たちの資格の剥奪を、故意に公租公課がある場合とかやって、やる根拠にしちゃ駄目ですよ。
これは、まさに田中座長が第十二回第七次出入国管理政策懇談会で言っています。ある種のエピソードとして、こんなひどいことがありましたよというだけのエビデンスで政策を判断するというのにはやや問題が出てくるかもしれないので、とりわけ悪質なものというのがあるのだとしたら、それはどれぐらいあるのかということが、なかなか調べるのは難しいと思いますけれど、そういうこともやっていただく必要があろうかと思っておりますと言っているんですよ。
これ、ひどいことがあるかもしれないというこの中身、全ての外国人で、しかもこんな曖昧なことで、ちゃんとデータ取っておらず、これで、これで聞き取りやったというの、これがエビデンスとは私たち認めないですよ。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/11
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012・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) この問題は、そもそも二〇一九年の出入国在留管理基本計画の策定時に遡るわけであります。まず、その時点で永住者の在り方についてやはり検討する必要があるのではないかと、活動に制限がなく、在留期間にも制限がない在留資格、この見直しを、あるいは在り方の検討をするべきであるという計画が、法務大臣決定でありますけれども、なされています。
その背景にあるのは、永住者の様々な、の行動に対する様々な懸念があって、こういう計画ができ、また政策懇談会を開き、また、今申し上げた自治体ヒアリングの前の年にはですね、二〇二二年には、ヒアリングは二三年ですけど、二〇二二年には、永住許可後の状況調査ということで、我々の直接マネージし得るデータから、現実の滞納件数、滞納の比率、そういったものも把握しているわけであります。
いろいろなことを積み重ねてきて最終判断に至ったということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/12
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013・福島みずほ
○福島みずほ君 私たちに出されているのは、この七自治体のアバウトなものしかないんですよ。これエビデンスとは言わないですよ。立法事実のエビデンスとは言っていません。七地方自治体から示された永住者等による公租公課の支払状況、A自治体、B自治体、何かさっぱり分かりませんが、これでも永住者は外国人全体よりもちゃんと収納をしているし、これはエビデンスではないですよ。このような状況で剥奪をするのは問題です。
大臣、当事者のヒアリングやってないのも致命的な欠陥だと思います。参考人質疑で曽さんが来られていますけれども、これ読まれました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/13
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014・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 済みません、ちょっと通告いただいていなかったので、その部分についての今読んだ記憶、ちょっと定かに申し上げられないんですけど。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/14
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015・福島みずほ
○福島みずほ君 この参考人質疑、御覧になってないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/15
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016・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 報告は受けました。そして、要約はしっかりと読み込みました。
ただ、その中身について、この方のどういうもの、どういう陳述があったということまでは、ちょっと今定かに、正確には申し上げられない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/16
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017・福島みずほ
○福島みずほ君 何か印象に残っていることあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/17
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018・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 申し訳ありません、ちょっと事前の通告あればもう一度そこをしっかり読んだんですけれども、それがなかったものですから。
定かでない記憶に基づいて申し上げるのも、やはり適切ではないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/18
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019・福島みずほ
○福島みずほ君 読んでないんでしょう。この参考人質疑について、見てもなければ読んでもないんでしょう。要旨の説明は受けたかもしれないけど、それではこのヒアリングをやってないことを補うことにはならないですよ。
何が問題か。この懇談会の報告書で、ヒアリングとかちゃんとやれとか各関係者の意見聞けとなっているんですよ。なぜ、九十万人当事者の人たち、何十年と日本にいて永住権の資格を持っている人たちが一言も聞かれないんですか、一言も聞いてもらえないんですか。
大臣、お願いです。今からでも結構です、当事者の意見、当事者団体の意見、聞いてくれませんか。だって、参考人質疑、読んでないんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/19
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020・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) この大多数の永住者、しっかりと納税をしていただいたり、あるいは入管法上の義務を果たしていらっしゃる大多数と思われる永住者の方々にとってはこれは何の影響も及ばない、そういう措置であることは御理解をいただいていると思うんですね。そういう意味では、当事者、影響が及ぶ当事者というのは、そうではない今度は永住者の方々には現実に影響が及びます。
そういうその仕組みの中で、九十万人の永住者の方々について、どういう形で偏りなく、またしっかりとお話を聞けるのかどうか。それは、今後に向けて、ガイドラインの策定というようなステップもありますので、どういうことができるのか、どういう方法があり得るのか、しっかり検討してみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/20
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021・福島みずほ
○福島みずほ君 法務省は、当事者の切実な声、聞いていないですよ。大臣だって、見てもいないし、議事録読んでいないわけじゃないですか。
ほとんどの人は納税してちゃんとやっている、そのとおりですよ。だからこそ、そのちゃんとやっているというか、そんな人たちも含めて九十万人の人たち十把一からげで、法律はそういうものです。こういうこと、こういうこと、入管法違反や故意に公租公課を払わない場合や、軽微な刑事事件で執行猶予になっても剥奪できるぞという法律だから、みんなに及ぶんですよ。法律はそういうものです。
ところで、そのガイドラインを作る作るというふうにおっしゃっていますが、ガイドラインについてお聞きをします。
ガイドラインを策定すると言うが、そのガイドラインは、取消しの可否について訴訟になった場合の規範として、法的拘束力はありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/21
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022・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) これは、行政権の執行の、執行について、あらかじめ執行の内容についての予見可能性を高めるための情報を提供しようというあくまで行政権内部の営みの一つの取組でありますので、裁判所を拘束するものではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/22
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023・福島みずほ
○福島みずほ君 つまり、裁判所拘束しないんですよ、ガイドラインは。だから、大臣はずっと法律はこうだけどガイドラインがあるから救済されると言うけど、違うでしょう。今おっしゃったとおり、法務省は様々なガイドラインについて法的拘束力を認めていません。裁判規範にならないというふうに主張しています。
ですから、例えば、在留特別許可がされず退去強制令書が発付された後で外国人が在留特別許可をしない裁決を行政訴訟で争う場合に、入管庁は、在留特別許可に係るガイドラインの規範性を否定し、外国人側がガイドラインに示されている積極要素をしたら在留特別許可をすべきだったと主張すると、そもそもガイドラインは判断基準ではないから、ガイドライン違反だから取り消すべきという主張は失当であると反論していますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/23
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024・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) ガイドラインが施行され、それによって執行が行われている状況で特定の案件が訴訟の対象になった場合は、もちろん拘束はいたしませんけれども、一定のその行政権の執行の道筋としてガイドラインに沿った執行がこれまで行われてきているというその事実は、訴訟上、裁判官が一定のその要素として勘案する、そのことは妨げません。確実にそうなるとも言い切れないわけでありますけれども、そういう判断要素の一つになり得るということは申し上げられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/24
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025・福島みずほ
○福島みずほ君 私は、ガイドラインがきつく縛ってほしいと思いますが、今日の答弁ひどいですよ。つまり、法律があり、ガイドラインがあるから大丈夫だったけど、今日、大臣は答弁で、ガイドラインは法的拘束力がないと言っているじゃないですか。実際そうです。法務省は様々な裁判で、ガイドラインには、全く判断基準ではないから、ガイドライン違反だから取り消すべきという主張は失当であると裁判で反論しているじゃないですか。
どんなガイドライン作ろうと、それ救済されないんですよ。このガイドラインに基づいて私の取消しは問題だと主張しても、ガイドラインは法的拘束力がない。そして、このガイドラインは実際に何度も何度も変えたり、法務省の中で変えたりしているじゃないですか。だから駄目なんですよ、だから駄目なんですよ。この法律、駄目ですよ。ガイドラインが無力だということが分かったじゃないですか。裁判で法的拘束力がないんだから縛られないんですよ。だから、これは本当に駄目だということを申し上げます。
各団体等からたくさんの声明が出されています。これ、どう受け止めますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/25
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026・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) そういう様々な御懸念があるということをしっかり踏まえて、ガイドラインもしっかりしたものを作り、またそれに従ってしっかりと執行していきたいと思います。常にそういう御意見には耳を傾け、しっかりとそれをお聞きする姿勢を保ちながら、一つ一つ具体的な実行を、施策を積み上げていきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/26
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027・福島みずほ
○福島みずほ君 九十万人の永住者の人生と生活が懸かっているんです。この日本で住み続けられると思った人が、いや、あなたはいつでも追い出せる可能性があるという法律がどれだけ傷つけ、どれだけヘイトスピーチを生んでいるか。これだけ不安定にしているんですよ。
大臣、お願いです。この法律、まさに成立する前に、私たちは成立に反対ですし、それから永住権の取消しは削除すべきだと思っていますが、一回でもいいから、当事者の切実な声、聞いてくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/27
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028・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) これは、この法案が成立をさせていただいた暁にすぐ取りかかるべきは周知、広報であり、またその反応も踏まえたガイドラインの策定であります。そういうステップにおいて、直接永住者の方に意思疎通をできる方法、またそのタイミング、やり方、それは検討をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/28
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029・福島みずほ
○福島みずほ君 いや、法律が成立する前ですよ。大臣は、やっぱりその九十万人の人たちの、それから、これから永住権を取得する人たちの、本当に、こんなんで、こんなんで、在留カード不携帯でも取消しができるというここまでの扱いを自分たちがされてしまうのか、自分たちは二級市民なのかという声もたくさん出ていますよ。その声を聞かずしてこの法律成立させるわけにはいかないと思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/29
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030・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) これ、全く新しく、永住許可制度あるいは永住許可取消し制度は全く新しく入れるものではないわけですね。永住許可を受けた方が、そのとき備えていた様々なその状態、状況を、自らの意思においてそれから離脱するということに対する是正措置をとりましょうという例外的な改革なわけであります。
大本の、大本のこの永住許可制度を入れたときには、たしかヒアリングあるいはパブリックコメント、そういったもので意思疎通があったと思いますが、これは例外的な、そもそも今ある制度を補強するための政策でありますので、有識者の考え方も伺ってきました。また、ガイドラインというものが大きく影響するという御議論の中で、その策定に当たって直接永住者の方々の意見をどういう形でお伺いするのがいいのかは検討しますと申し上げているわけであります。是非そのことも御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/30
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031・福島みずほ
○福島みずほ君 違うと思いますが、新たに剥奪というすごく重いものを持っているんですが。
ガイドラインの策定に当たって、大臣、当事者の意見、必ず聞きますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/31
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032・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) どういう方法がいいのか、どういう形があまねく大勢の方の意見を聞けるのか、公平性があるのか、そういった点に十分留意しながら具体的な方法を検討していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/32
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033・福島みずほ
○福島みずほ君 共同親権の場合は、当事者のヒアリングを行うというふうに附帯決議でしています。これ聞いてください。どういう方法がいいのかですが、本当にこれやってください。
次に、育成就労の件なんですが、今回、外国人技能実習機構が新たに外国人育成就労機構に変わります。これ、場所、役員、従業員、変わるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/33
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034・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 今ある技能実習機構をベースにし必要な改定を行っていく、必要ならば増員も行っていく、ガバナンスの在り方、運営の在り方についても抜本的な検討と見直しを行っていく、そういう考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/34
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035・福島みずほ
○福島みずほ君 百人法務省から、百人厚生労働省から出向して、それから中の職員もいます。でも、今の答弁だと、結局、場所、役員、従業員、変わらないんですよ。看板をすげ替えるだけであって、変わらないんですよ。だとしたら、今までこれだけ失踪したり様々な問題があるのを、どこまで変えることができるのかと思います。
厚生労働省、今日副大臣に来ていただきまして、ありがとうございます。
転籍のときにおけるハローワークの役割というのは今回とても大きいわけですが、私は、厚生労働省やハローワークがもっともっとこの今回の育成就労に当たって役割を果たしてほしいというふうに思っております。
その点についての厚生労働省の考え、決意をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/35
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036・宮崎政久
○副大臣(宮崎政久君) 先生御指摘のとおり、厚生労働省の共管でありますので、しっかり取り組んでいかないといけないと思っております。また、今般、外国人労働者の方の一層の受入れの拡大が見込まれておりますので、そういった意味でも、労働者の保護という観点からは重要であると思っております。
ハローワーク、労働基準監督署も関与させながら、育成就労において受け入れられた外国人労働者の方が、労働者としての権利が保護されて、不当な待遇を強いられることがなく安心して就労してキャリアアップができるような取組を出入国在留管理庁と連携して取り組んでいく必要があると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/36
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037・福島みずほ
○福島みずほ君 厚生労働省のこれからの役割、人員増強、ハローワークの強化を含め、心からよろしくお願いいたします。
この永住資格の剥奪はとりわけこれは削除すべきだと、こんな法案絶対に成立させてはいけないと申し上げ、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/37
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038・石川大我
○石川大我君 立憲民主・社民の石川大我です。どうぞよろしくお願いいたします。
入管法です。永住権剥奪問題についてです。
福島委員からもありましたけれども、当事者の声、やはりしっかり聞いて審議をすべきだというふうに私からも重ねて申し上げたいというふうに思います。
六月六日の法務委員会で、伊藤孝江委員の発言です。これから様々なガイドラインを作るということが想定されている中で、当事者の方々と意見交換をするということも含めて、できる限りの尽力をしていただきたいという質問に対して、小泉大臣が、その検討の結果においては、例えば有識者等の御意見を伺うといったことを念頭に、視野に置いて取り組んでいきたいというふうに思っておりますというふうに答えています。
先ほども出ておりますけれども、直接、この等というところですね、まず等というところに当事者の皆さんが入っているのかということと、そして、直接生で会って話し合うということを是非約束いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/38
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039・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) その等の中には永住者の方が入っています。そういう方々と直接コンタクトを取る方法、ある程度継続的にしていく必要性もあるかもしれません。また、九十万人、様々なお立場の、状況の方がいらっしゃいますので、ごく一部というわけにもいかないかもしれない。代表する団体、そういうところを通じるのか、どういう形がいいのか。そういうことも含めて、意見を、意思疎通をすることの方向性を前提として検討をしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/39
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040・石川大我
○石川大我君 パブリックコメントのような形で広く皆さんから受け取るということもあると思いますけれども、当然、九十万人いるわけですから、これも当然全員と会うことができないということであるならば、それはやはり団体があるわけですから、その団体の代表の方たちとしっかりと生で直接会うと、そしてメディアの方も含めてオープンな場できちんと話を聞くということ、生で会うということをお約束いただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/40
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041・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 今回の措置の本来の狙い、考え方、趣旨、またその内容を理解していただくということも我々にとっても非常に重要なことでありますので、でき得る限り公平な形で、透明性のある形で直接コンタクトを、意思疎通をさせていただくということを考えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/41
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042・石川大我
○石川大我君 直接意思疎通をするというふうにおっしゃいましたので、これは生で会うということだというふうに理解をしたいというふうに思います。
そして、であるならば、であるならば、やはりここでしっかりと法案の審議の中で当事者の声を聞くべきだというふうに思います。永住権というのは、永住権をお持ちの方々の人生を大きく左右をするものであります。そういった意味では、先ほども出ましたけれども、第七次懇談会や会議体ということは当事者を代弁することにはなりませんので、ここはしっかりと当事者に会って、オープンな場でですね、大丈夫だとおっしゃるのであればしっかり会うべきだというふうに思いますけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/42
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043・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) これまで衆参の国会の審議を通じて様々なやり取りがあり、そういうやり取りを通じて法案の趣旨等については御説明をしてまいりました。その中で申し上げてきたのは、これは本当に悪質なそういうケースを前提にしていて、ほとんどの方は御心配は要らないんですということを申し上げてきました。
一から永住許可制度を根本からつくり直すというようなものではないし、新しく、永住許可制度を新しく入れるというものでもないし、取消し制度も既にあるものを一部拡充するということでありますので、国会の御審議あるいは様々な有識者の御意見、これまでの世論調査の結果、そういったものから我々は的確な原案を構成し得たというふうに思っております。
ただ、今後に向けて詳細なそのガイドラインのところまで入っていきますと、これは様々な御懸念も御疑問も御意見も改めて出てくるだろうというふうに思いますので、そちらに向けてしっかりとオープンな形を整えていくということをしっかりと取り組みたい、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/43
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044・石川大我
○石川大我君 自治体のヒアリングはしていると。一方のヒアリングはしていながら当事者の皆さんのヒアリングはしないということは、これは法律として成立したとしても、仮に成立したとしても正当性に欠けるというふうに言わざるを得ないというふうに思います。
そして、永住者の皆さんの声や不安をしっかり聞いて、大臣も大丈夫だとおっしゃるのであれば、なぜ会わないのか。会うことに何か不都合があると、後ろめたいことがあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/44
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045・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) まず、我々は、その永住者の方の声を聞くこともそれは非常に大事なんですが、もう一方で国民の声というものもしっかりと踏まえなければいけない。それが二〇一九年の世論調査であるわけでございます。
その国民の声、永住者の声を、まさに国会のこの場で委員の先生方が代表されて質疑をしてきているわけです。国民の代表であり、永住者の方々をまた代弁するお立場の衆参の委員の方々と緊密に意思疎通をさせていただいています。我々はそれを、そこで得たものを更に前へ進めるならば次に生かしていきたい、このように思っています。
国民の声というものも、もう一方で我々が重視すべき重要なポイントだということも御理解もいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/45
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046・石川大我
○石川大我君 非常に不誠実な対応だというふうに言わざるを得ないと思います。
もうずっとやっていられませんので、立法事実に行きたいと思います。
これ、立法事実、再三言われていますが、全く明らかになっていません。三月十五日に閣議決定して以来、これ再三この立法事実は何なのかというふうに私たち問うてまいりました。そして、最初に私たちが知ったのは、この立法事実に関して、私たち、難民問題に関する議員懇談会というところで、私、事務局長をしていますが、そこで問うたところ、幾つかの自治体から税金を払わない永住者の方たちがいるという声が上がっているんだということを口頭で説明を受けました。この口頭で説明を私たち最初に受けたんですけれども、これをもってして立法事実だというふうに大臣はお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/46
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047・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) まず、立法事実というその法理ですか、法理というのは、違憲訴訟において裁判所が立法の合憲性を審査するときに、文言だけではなくて、その裏側にある実態が本当に存在するのか、それを見極めようと。経済事案では薬事法の例があるわけですよね。薬事法の例でいえば、距離制限があるために過当競争になり経営が不安定化し、結果、提供される医薬品が劣化するということが述べられていましたが、その立法事実があるのかということが問われました。裁判所がそこへ入ったわけであります。
この社会的な規範を前提とする今回のこの永住権の問題、社会的な規範、規制、そういう案件における立法事実とは何なのかということをやはり我々も突き詰めてみたわけでありますが、やはり、まず国民の声、国民がそういう規制を必要としているかいないのか、またそれによって排除するべき実態があるのかないのか、この二つだと思うんですよね。
もし、そして国民の声は、例えば日本人と離婚を、離婚をした方……(発言する者あり)じゃ、一回ここで切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/47
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048・石川大我
○石川大我君 いや、的確に答えてください。
口頭で、最初ですよ、口頭で税金を払わない永住者がいるという声が地方自治体から上がっていると。それの、口頭での説明でこれが立法事実として成り立ちますかと、立法事実として、それはこれでいいんですかということを聞いているんです。いいのか悪いのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/48
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049・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) そういう事実が、自治体からそういう事実が報告されたということを報告させていただいたわけでありますから、それは立法事実の一部を構成すると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/49
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050・石川大我
○石川大我君 いや、一部であって、これは十分でないと思います。
そして、この次に、五月の二十八日にいただいた資料です。二十七日付けの資料ですけれども、七つの自治体からヒアリングをしたということが分かりました。その七つの自治体からヒアリングをしたにもかかわらず、我々に示されたその事例が、ポツが四つしかないわけですよ。七つの自治体からヒアリングしているのに、何でポツが四つなのか。せめて七つなければならないだろうということは我々の仲間の委員が指摘をしておりましたけれども、これ四つです。
そして、この四つの中も、入管の手続時に未納分を支払う者が多く、未納分を支払う際も、在留審査でチェックされている分だけを納付し、過年度分を、過年度分を払わないことが多いと。これ一番目、まず入管の手続時にということですから、これ永住者の方じゃないわけですよ。二つ目のポツ、永住許可の申請時に滞納分を支払い云々かんぬんと書いてある。これ永住許可の申請時にですから、永住許可を持った人じゃないんですよ、これも。で、三つ目、外国籍の方で病院に行かないので払わないという者が多いと。これ外国籍の方ですから、まあ確かに永住権を持っている方も一部含まれるでしょうけれども、これ外国籍一般だということを言っているから、必ずしも永住権の方たちじゃない。この四つのポツのうち三つに関しては永住権の方関係ないんですよ、大部分で。そして、最後のポツでやっと、永住者の住民税や国民健康保険料等の納付状況を定期的に確認し、滞納しているのであれば永住許可の取消しなどの対応が必要である。これ感想じゃないですか、要望じゃないですか。一つのこれ要望がここに書かれているにすぎない。
これで立法事実と言えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/50
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051・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) これまでの検討経過の中で、自治体からしばしばそういう声が寄せられてきていて、それに対して、確認の意味で七か所やってみて、数をもっと増やし得るということも検討はしたと思いますが、ほぼ同じような答えがそろって出てくる。その中には、永住者だけではない問題も確かに含まれていますが、永住者の問題も含まれているわけであります。七つやって同じような答えが積み重なってくるので、この先続けても同様の結果が出るだろうと、そういうふうに推測したわけです。
計数の……(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/51
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052・石川大我
○石川大我君 いや、ちょっと答弁がひど過ぎますよ、これ。
七つの自治体にヒアリングをして、この四つのポツしか出てこない、それもエビデンスたり得るものじゃないだろうと、数字やデータで証拠じゃないだろうということを我々言った。そうしたら、次に出てきたのが、この七自治体からの聞き取り結果ということで、これ福島委員がお配りになりましたけれども、これ七ページのものですよ。
自治体名も隠してある。そして、ここにも、外国籍の方でとか、永住権申請時にという先ほどのものがあったりとか、外国人もいるとかですね。これ全部読めませんけれども、一部の国籍の外国人に滞納が目立っている場合があるが、在留資格を個別に確認はしていないと書いてあるんですよ、ここには。在留資格を個別に確認はしていないと書いてあるということは、永住者のこと言っていないじゃないですか、これね。
外国人によるというところ、ほかの自治体でもありますよ。で、帰国前提の外国人の場合と書いてあるんですよ。帰国前提外国人じゃないじゃないですか、永住者の方たちというのは。ここで、日本が好きで、この日本に住んで骨をうずめたいと言っている人たちが永住権を取得しているわけでしょう。全くこれ違うんですよ。
これ、少なくとも、自治体の名前を明らかにして、そして、私たちがこれしっかりとその自治体に対して問合せをして、どういう調査をされたんですかと、で、どういうことを言ったんですかと、それに基づくエビデンスは何なんですかと、我々がしっかりその自治体に関して確認できるようにしていただかないと、これ採決なんかできないという声がもうちまたにはあふれています。
どのようにお答えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/52
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053・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 永住者に関しては、次のような事例があるという報告をいただいております。
永住申請のときに、許可を得るのに必要な期間分だけ税を納付し、それ以外の期間の税は納付しない、許可されると再び納付しなくなる、保険料を一切支払わない永住者がおり、当方から連絡しても無視をする、財産等の有無を調査しても情報がつかめない、国民皆保険制度がない国の外国人に保険料の滞納が多いが、永住者は日本の保険制度をよく知っているはずである、永住権を取得しているから税金は支払わなくても大丈夫なのを知っているといって納税をしない者がいる、こうした納税者に関わる懸念すべき事案がやはり重ねて報告されてきているわけであります。
このときの実態調査だけではなくて、そもそも、この二〇一九年に法務大臣決定をして、永住者の在り方について検討しましょうという決定に至った背景には、こういう事例の報告があるわけでございます。そういうものを踏まえて、我々は措置をとっているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/53
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054・石川大我
○石川大我君 自治体名、公表しませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/54
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055・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) これは、その調査に入るときにこの自治体名を公表しないということを前提に協力をお願いしたという経緯がありまして、申し訳ないんですけど、そういう約束の下での調査でありますので。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/55
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056・石川大我
○石川大我君 いや、これは再三部会でも言っていますけれども、その自治体にお願いをして、公表していいですかと聞けばいいだけの話じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/56
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057・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) ちょっとそれは事務的に検討します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/57
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058・石川大我
○石川大我君 しっかり検討していただいて、これ理事会に提出をしてください。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/58
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059・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/59
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060・石川大我
○石川大我君 これね、自治体名が出ていないわけですよ。しかも、聞き取りしたものをまとめたという七ページだけのものなんですよ。
これ、正直、私、申し訳ないけれども、これ怪文書ですよ。申し訳ないが、怪文書と言われても仕方ないと思います。自分の、誰かの頭の中で考えて書いたものだと言われても仕方ないと思います。
これ、大学生が論文書いて、その論文の中にこれ出したとしますね、資料として。これ、大学卒業できると思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/60
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061・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) それはちょっとお答えする立場にはありませんが、しっかりした裏付けを持ったものに、我々として、我々は認識をしておりますので、その自治体名の公表、それは事務的に検討したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/61
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062・石川大我
○石川大我君 いや、これは大学卒業できないですよ。論文というのはきちんと、そこに書かれているデータとか、誰が何を言ったというものが、きちんと第三者が客観的に確認ができる、それをしっかりと出さなければ、それは論文としては認められないですよ。
どこの誰が何を言ったか分からないんですから、これ。もしかしたら、これ、先ほど怪文書と言ったけれども、誰かが、創作物かもしれませんよ、これ。入管の職員が勝手に書いたのかもしれない。その疑念が払えないわけですよ。
ですから、これ、あともう一つ、ずっと言っていますけれども、これ、原本出してくださいよ。これ、原本、大臣見たんですか、これ。これ、まとめたものだというふうに言っているんですね。原本出したんですか。ごめんなさい、見たんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/62
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063・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 原本は見ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/63
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064・石川大我
○石川大我君 じゃ、大臣が見ている、私たちが見ているものと大臣が見ている立法事実というのは同じという理解ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/64
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065・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) まあそういうことになりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/65
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066・石川大我
○石川大我君 であるならば、これで立法してはいけないと思いますよ。ですから、いや、本当にこれはもう撤回をしていただきたい、まず。これまでの議論で、これは撤回をすべきだと思います。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/66
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067・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) この自治体調査だけが立法事実だと申し上げているのではありません。我々が調べた様々な千八百件のケースは申し上げたとおりでありますし、遡って、世論調査を行い、有識者会議で話も聞き、様々な検討もしてきた積み重ねの中で、最後に確認で七か所の自治体に調査を掛けたという一連の流れでございますので、ここに七か所しかない、この薄っぺらなものしかないと言われてみても、そのずっと遡った検討の集積があるわけです。
また、入管の職員がこれを捏造するという意図は全く、そんなもの持ち合わせません。それはちょっと我々にとって心外な、驚くべきお言葉なので、是非理解をしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/67
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068・石川大我
○石川大我君 いや、理解は全くできません。捏造でないというのであれば、きちんとそれが分かるように原本を示していただく。
そして、これ驚くべきことに、相手方の自治体とメールでのやり取りは一切していないというんですよ。全部電話でやったというんですよ。そんなことありますか。まあ、最初電話するのは分かりますよ。だけど、私たちとしてはこういうことを自治体に対して聞きたいです、日程としてはこの日程があります、そういったことを、普通に考えたら、一本電話を入れるのは分かるけれども、その後、じゃ、メールでやり取りしましょうというのが普通ですし、自治体に対して、こういった要請文、こういうヒアリングをしたいから時間を取ってくださいという要請文作りますよね。そういったものも何もないと言っている。
それ、にわかには信じ難いけれども、そういった資料を全部出していただきたいのと、これ、相手方行っていると言うんですね、お一人の方が七自治体に行ったと言っているんです。であるならば、このお一人の方の旅費が出ているはずですから、その旅費を示すその書類も出していただけますね、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/68
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069・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 事務的に検討いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/69
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070・石川大我
○石川大我君 これは理事会にしっかり出していただかないと私たちは議論が前に進まないと思いますので、理事会で協議をしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/70
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071・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/71
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072・石川大我
○石川大我君 時間がなくなってまいりましたが。
大臣、もう気になるのは、大臣はしきりに、普通に生活をしている、納税をしている永住者の方々は全く心配する必要がないんだと、一般の人たちは大丈夫だと、ごく一部の悪質の方、悪質の方が対象なんだというふうに言っていますけれども、一部の悪質な方々というのがいると言っているんですが、そのエビデンスが示せていないというのはそのとおりだというふうに私は指摘したいんですが。
その一握りの悪質な方々というのが、今までは一年以上の刑に処せられた人というのがいわゆる永住権がなくなって本国にお帰りいただくということで悪質な方だったわけですよね、一年以上の方たちが。だけれども、今回、一年未満の方たちに関しても、刑に処せられた方、あるいは、先ほどから在留カードの話もあります、そういったことが大臣いわく積み重なった方なんでしょうけれども、その悪質な方のレベルというのがこれ下がったということですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/72
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073・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 懲役、実刑一年以上、一年超の方々は即時退去強制になります。強制的に国外へ出てもらう。
今回は、取消しですけれども、条文にも出てまいりますけど、取消しプラス変更なんですよね、しかるべき在留資格変更、日本にいていい、いいですよと。ただ、期限は付きますけれども、特定活動であれば活動の制限もありません、ただ期限が付くだけで。しばらくして、それが続けば戻ることもできます、十年とは限らない期間で戻ることもできる。そういう、取消しとは言うものの日本にいることが大前提の措置になっていますので、新しく、何ですかね、その悪質なものが加わったということではありません。
ただ、善良にやっていらっしゃる方々と比べてみると、やはり、自分の意思で永住権を取ったときの資格、状況から自分の意思で離脱をするという、そういうことについて、あえて、あるいは故意にという形で是正を求めていこうということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/73
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074・石川大我
○石川大我君 時間が来ましたからまとめざるを得ませんけれども。
共生社会を目指しているんですよね。共に生きると書く。しかし、この法律ができることによって、共生社会はできないと思います。日本の永住権は死んだというふうにも言えるというふうに思います。これからは永住者の皆さんを、微罪でも永住権を剥奪するんだという、そういう可能性があるということで皆さん不安を感じているわけですから、永住者の方の首根っこをつかんで共生社会なんてことはもうちゃんちゃらおかしいということで、この永住権の剥奪は断固廃止をすべきだということを申し上げて、質疑を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/74
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075・清水貴之
○清水貴之君 日本維新の会の清水です。よろしくお願いをいたします。
この育成就労の法案、この参議院でも審議が進んできまして、我々日本維新の会の基本的なスタンスとしましては、これまでの技能実習制度で存在をしていた様々な問題点を改正するものだという意味では一歩前進だと思っております。ただ一方で、高度人材の方々にどんどん来ていただくのは、これは賛成ですけれども、じゃ、それ以外の外国人の方に多く入ってきていただくのは、これはいかがなものかなという、そういった観点でこれまでも質問を繰り返させていただきました。
今日は採決も予定されているということで、修正案の提出も準備をしているところではありますが、そういった意味で、今日は、繰り返しになる部分も、これまでの質疑と繰り返しになる部分もあるかもしれませんが、総括的な意味も含めまして、我々の考え、思いというのをお伝えしながら質問させていただけたらというふうに思っております。
まず初めに、高度人材の積極的な受入れについてなんですが、これを政府として積極的に進めていく、外国人の受入れを経済成長につなげるには、国や地域の経済成長に資する高い資格や技術を有する高度人材について積極的に受け入れるよう推進体制を整えるべきだと思う、というふうに思っております。これは政府も同じ考えだというふうに認識をしていますけれども。
では、大臣、じゃ、どうやってその高度人材の方に多く日本にやってきて活躍をしてもらって経済成長に貢献していただくかという部分です。この高度人材も、今、人材獲得競争、各国との競争も激しくなっておりますので、そういった中で、日本がどうやってそういった方々に選んでもらえるそういった国になるのか、これについて、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/75
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076・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 人材獲得競争が世界的に進行する中で、専門的、技術的分野の外国人、これは絶対的に日本においては不足をしています。ですから、外国人材が入ることによって日本の、日本人が職を奪われるということは起こらない、そういう分野でもあり、むしろ経済成長に大きく資する、そういう期待も持ち得る分野なので、積極的に取り入れようということで手を打ってきてはいます。令和五年の四月に、特別高度人材制度、これは一定の学歴、職歴と年収を有する者を優遇する特別高度人材制度と、海外の有名大学の卒業生を優遇する未来創造人材制度の創設を行いました。
〔委員長退席、理事伊藤孝江君着席〕
こういうものが効果を発揮することを非常に期待したいんですが、もうひとつやはり弾みが付かないのは、これは全く私の私見なので一般性はないかもしれませんけれども、日本語をしゃべる外国人というのの数が急速に減ってきているんですよね。裾野がないんですよね、日本語人口というのが、世界の中で。この間、インドの大使と話をしていてそういう話になりまして、インドから日本に送り込みたい人材は山ほどいると、工科大学が十三、四ありますからね、インドの工科大学。その一校分ぐらいは送り届けたいけど、高校生の第二外国語で日本語がないと、日本語をしゃべれない、みんな。日本に行くきっかけがつかめない、そういうことを言っていました。
ですから、法務省が担当するこういう水際の優遇措置に加えて、日本語教育、日本の教育がなし得る人を海外にどう派遣するか。彼は、五百人の日本語教師を送ってくれれば五年から十年で答えは出るよと言っていました。まあ所管外なのでこれ以上言えませんけれども、そういう奥行きのある取組を政府全体でしていくということが必要な時期に来ていると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/76
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077・清水貴之
○清水貴之君 確かに今大臣がおっしゃったとおり、日本語というのは、日本以外の国では使われていないわけですから、汎用性がなかなかないというのもありますし、言われたとおり、日本語が今外国の方の学ぶ言語としてなかなか選ばれなくなってきているという話も聞くかなというふうに思います。
そういった意味で、今大臣も政府を挙げてということがありましたけれども、今、例えばクールジャパンのような、アニメであったりとか日本が強い分野ということで外国の方に日本に関心をまず持ってもらうということもこれ大事かなと思います。これも法務省の話じゃないのかもしれませんけれども、もう本当に政府を挙げてこういったことを是非積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。
これ、今大臣から話がありました特別高度人材制度、これJ―Skipというんですかね、あと未来創造人材制度、J―Findというんですかね、この二つというのは令和五年からなんですが、もし分かればでいいんですが、今もうこれを利用している方がいらっしゃるんですか、それともこれからの制度ということなんでしょうか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/77
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078・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
まだちょっと正確な数字は持ち合わせておりませんが、いずれの、特別高度人材制度あるいは未来創造人材制度、今年五月、本年、昨年ですか、昨年四月以降始めてございます。いずれの制度も、今のところ数百人のレベルで滞在して、許可を出している状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/78
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079・清水貴之
○清水貴之君 そして、大臣、我々は高度人材以外のその他の就労目的の外国人の受入れには慎重であるべきではないかという考えで、これも質問を重ねさせていただきました。
人手不足の緩和のための安易な外国人材の受入れというのは通常の労働者の賃金水準の上昇を抑制するなど弊害を生じさせるため、賃金水準を維持、上昇させるためにも受入れには慎重ではないかというふうに感じているところなんですけれども、これは法務省、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/79
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080・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
外国人材の受入れに関して、政府におきましては、専門的、技術的分野の外国人については、経済活性化の観点から積極的に受け入れていく一方、それ以外の外国人については、社会的コストなどの幅広い観点から国民的コンセンサスを踏まえつつ検討するという方針としております。
この点、今般創設します育成就労制度は、未熟練の労働者を受け入れるものですが、特定技能一号の技能水準の人材に育成することを目的とし、生産性の向上や賃金上昇などを通じた国内人材確保の取組が行われることを前提とすることで、生産性や賃金上昇が阻害されないようにしております。
また、育成就労外国人の受入れに当たりましては、育成就労外国人に対する報酬の額が日本人が当該業務に従事する場合の報酬の額と同等以上であることその他育成就労外国人の待遇が主務省令で定める基準に適合していることという要件を設けており、これにより日本人の従業員の賃上げが阻害されないようにしているところでございます。
〔理事伊藤孝江君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/80
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081・清水貴之
○清水貴之君 今、外国人のその賃金の話もありました。就労目的の外国人の安易な受入れで賃金水準の向上が阻害されることを防ぐ観点から、安価な労働力を求める企業などによる制度の悪用を排除することが必要だというふうに感じています。やはり、安いからということで、どんどんどんどん外国人をという、そういったニーズが今まであったのはこれ事実でしょうし、これからも発生することもあるでしょう。
もし、受け入れるとするならば、育成就労外国人の報酬が適正な水準となるよう、ここは先ほどの御答弁と一緒なんですけれども、地域、業界の賃金水準よりも一定比率以上の高い賃金を払う企業等に利用を認めることにしたらだとか、もうちょっと厳しく要件を絞っていったらどうかなというふうにも思うんですけれども、これについてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/81
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082・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
外国人の賃金に関して、育成就労制度では、育成就労外国人に対する報酬の額が日本人が当該業務に従事する場合の報酬の額と同等以上であることという要件を設けており、これによって、同一労働同一賃金の原則にのっとり適切な報酬が支払われることが担保されることとなると考えております。これに加えまして、就労期間に応じた昇給その他の待遇の向上に取り組んでいることを優良な受入れ機関の要件とすることも検討しております。
また、育成就労制度は、三年間の就労を通じて特定技能一号水準の技能を有する人材を育成することも制度の目的としており、適切な人材育成がなされるよう、育成就労外国人に対して段階に応じて技能、日本語能力に係る要件を課した上で、受入れ機関に対して当該技能、日本語能力のレベルに到達できるように育成をするための要件を設けることとしております。
このように、適切な人材育成がなされるようにすることで、受入れ機関が外国人を安価な労働力として使い回す目的で制度を利用することは生じにくくなると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/82
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083・清水貴之
○清水貴之君 そういった意味では、一歩、今のお話ですと一歩前進だと思いますが、それを、じゃ、本当にそれを担保してしっかり実行していけるかということが大事だというふうにも感じます。
そして、大臣、これも何度か指摘をさせていただいたんですが、国としての基本戦略を策定すべきではないですかというところです。
今回の育成就労の受入れのその人数は、技能実習のその制度に合わせて、各産業界、いろんな業界団体にヒアリングをしながら、いろいろ把握をしながら必要人数をちゃんと出した上で入れていくというような、そういった制度だというふうに理解をしています。これだと、やはり、あくまで短期的な、今どれぐらい足りないかと、で、これから先、十年、二十年の話じゃないですよね、どれぐらい一年後、二年後、三年後足りなくなっていくかということで入れていくんだと思うんですけれども。
やはりそういった外国人の受入れが続けば、やはり、移民政策は取らないということなんですが、永住者というのはこれから増えていくことが見込まれるわけですから、非常にいろいろと問題がまた起きてくる可能性もあるのではないかというふうに思っていまして、そういう観点から、やはり国として、じゃ、どういった外国の方、どういった技能を持った方々にどれぐらい入ってもらって、どうやって働いてもらうかということを大きな大きな戦略としてやっぱり考えていくべきではないかなというふうにも思っているんですが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/83
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084・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 大変難しいことではあるんですが、確かにおっしゃるように、今の我々の対応は、大きく見れば積み上げ方式ですよね。各業界ごとに努力をしてもらって、どんだけ入れるか、必要か、それを集計してみると八十三万人になりますみたいな。だけど、施行までの二年ないし三年の間に円安がどうなるかによって、全く違った様相を呈してくる可能性もあるわけです。実際、制度を直したけど、実行する段階になってみると経済情勢が違ったということも当然起こります。アジアもだんだん老いていきます。日本だけではありません。老いるアジアという言葉がもうポピュラーになってきて、若い人が大勢いるアジアではもうないわけです。
世界的な中、でも、もう一つ、AIの実装が進みます。これはマンパワーが省かれていく。そういった大きな潮流をマクロの視点で、省庁横断で労働外国人人材の在り方みたいな形で議論をする、そういう必要性というものがやっぱり強く感じます。
我々も、水際だけで判断できることではなくなってきているという思いもありますので、具体的にどういう形がいいのか考えなければいけないと思いますが、御趣旨には賛同いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/84
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085・清水貴之
○清水貴之君 ありがとうございます。
これもう本当に、人口減少社会にどう向き合っていくかとか、もう本当に大きな話になってくるとは思うんですけれども、人口減少も、もう見ていたら、少子化の話も今一生懸命政府もやっていますけど、もう二十年、三十年前から分かっていた話でもあるわけですよね。子供が、その年に生まれた子が二十年後、どれぐらいの成人年齢の子たちが増えるかというのは分かっているわけですから、やっぱり今の現状に合わせた施策、これも必要だと思いますけれども、長い視点のスパンというのも、長いスパンでの視点というのも必要かなというふうに感じているところです。
続いて、転籍について伺いたいと思います。
無制限に転籍を認めるものではないという答弁がこれまで出てきていますが、転籍先の受入れ機関について、例えば、転籍先に在籍している育成就労外国人のうち、本人の意向により転籍してきた者の占める割合が一定以下であることという、こういった話も出てきました。
まずお聞きしたいのは、この一定以下というのは、どれぐらいの数字、どれぐらいの人数を想定しているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/85
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086・原口剛
○政府参考人(原口剛君) お答えいたします。
政府方針におきましては、議員御指摘のとおり、本人意向による転籍の要件の一つといたしまして、転籍先となる受入れ機関が転籍先として適切であると認められる一定の要件を満たすことということを設けることとしてございまして、この一定の要件につきまして有識者会議の最終報告書では、在籍している外国人のうち、転籍した、してきた者の占める割合が一定以下であることを要件とすることが望ましいという旨の御意見がございました。
この点、転籍した外国人ばかりを受け入れている受入れ機関は、送り出し国から最初に受け取る際の事務、まあ事務というか手間でもあるんですけれども、事務的コストを負担せずに労働力として用いるためだけに受入れを行っているとも考えられ、過度な引き抜きにもつながりかねないこと、三年間を通じまして一つの受入れ機関で就労を続けることが効果的で望ましいという観点からも、このような制度の利用のされ方は、適切な人材育成を行う資質を欠くものと考えてございます。
なお、先生、議員御指摘の一定以下であることの具体的な水準でございますけれども、今後ちょっと関係者の御意見を丁寧に伺いながら検討してまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/86
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087・清水貴之
○清水貴之君 それは、もうこの法の施行されるそのときまでには、その数字というのはもう出していくということでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/87
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088・原口剛
○政府参考人(原口剛君) 議員御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/88
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089・清水貴之
○清水貴之君 もう一点なんですが、民間の職業紹介事業者、ブローカーの関与は認めないといった措置もとられるということで、これも今御説明のあったとおり、過度な引き抜きとかそういったものを防止する観点からというふうに思うんですけれども、このそういったブローカーの関与などを認めないというのは当分の間ということなんですが、この当分の間というのはどう読み取ったらいいのかなと。
それこそ、本当に、もうちょっとしたら、しばらくして始まって、スタートしてしばらくたったら、もうそういったもの全て認めることになるのか。どういった考えでこの当分の間というのが入っているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/89
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090・原口剛
○政府参考人(原口剛君) お答えいたします。
今回の制度見直しにおきましては、本人意向による転籍の制限を緩和することにより、現行制度より転籍するケースが増えることが想定される中で、制度の施行と同時に民間職業紹介事業者の関与を認めれば、過度な引き抜きなどにより就労を通じた人材育成という制度目的が阻害されるような転籍が生じる可能性もあることから、当分の間、民間の職業紹介事業者の関与を認めないとしてございます。
今後、民間の職業紹介事業者の関与を認めるか否かについてでございますけれども、本人の意向による転籍の制限期間につきましては、当分の間、受入れ分野ごとに一年から二年までの範囲内での設定を認めることと片方でしておりますので、この経過措置の在り方と併せまして、施行後、その状況を踏まえまして検討してまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/90
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091・清水貴之
○清水貴之君 そして、地域協議会というのもこれまで質問に出たかと思います。これは法務省にお伺いをしたいと思いますけれども。
現在のイメージとしては、各地域の地方入管局、労働局、地方公共団体の機関、育成就労機構などの関係機関で構成するということなんですが、そのような組織をどのような地域の単位でつくっていくのかというのは、これは、非常に地域協議会というのが、これまでの議論を聞いていましたら、各地域で外国の方々が、働くのもそうだし生活になじんでもらうのもそうだし、非常に、例えば、さらに、技能実習のときにあったような逃亡とかそういったことを防ぐ上でも非常に重要な組織だというふうなお話だったというふうに思います。
じゃ、どういった単位でこれをつくっていくのか。各自治体ごとにつくっていくのはこれはなかなか大変な作業だと思いますし、今どこの辺まで想定されているものなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/91
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092・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
ただいま委員から御指摘ございました、全国八ブロックで行っているという現行の技能実習制度についての御紹介をいただきました。
育成就労制度についてどのようにするかということにつきましては、今後、厚生労働省あるいは関係自治体の御意見も聞きながら検討したいと思いますけれども、何回か御説明しましたとおり、これまで以上に地方公共団体も積極的に参画して地域産業政策として地域での受入れ環境整備等に取り組むなど、よりきめ細やかな積極的な取組を行う方針にしたいと思っていますので、そういったことも踏まえまして、また関係者間でよく御相談しながら、どういう単位で行っていくかと決めたいと思います。
今のところ予定としては、ちょっと八ブロックよりはもう少し細かくする方向で検討すべきかなとは思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/92
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093・清水貴之
○清水貴之君 かしこまりました。
最後、大臣、少し飛ばしまして、もう時間ですので、最後の質問です。人材獲得競争が起きるのではないかという視点の質問です。
先ほど厚労省からも説明いただいたとおり、引き抜き競争など、人材の引き抜き競争などが起きること、過度に起きることはふさわしくないということで、本人の意向により転籍した者の占める割合が一定以下であることですとか、当分の間のこのブローカーの、職業紹介事業者の関与を認めないと、こういったことを想定しているということなんですけれども、確かに、地方から都市部、給料が高いところにどんどんどんどん移っていったらこれは困るよねって話も静岡の地方公聴会でも出ましたし、そういった現実的な問題もあると思います。
ただ、その一方として、外国人労働者の方が最初入ってきたところで非常に頑張って、この人は優秀だよ、この人は本当に仕事できるよとなった場合に、もっといいお給料で新しいところからうちに来ないかといって引き抜かれるということは、ある意味名誉なことでもありますよね。本人にとってもモチベーションにもなる。プラス、お給料にもつながっていくということで、これは日本人の我々の社会でもそうだと思いますけれども、転職支援サイトというのは今物すごく活況を呈していますので、プラスの面もあるかなとも思うんですが、ただ、全体的な制度設計からすると負の側面もあるという、非常にバランスが難しいかなと思いますが、大臣としてのお考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/93
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094・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 難しいところではありますが、でも、まあ基本は、外国人材の労働者の方の側に選択肢ができる、選べるようになるということは、まず労働者としての権利の保障あるいは給与の引上げ、プラスの作用は出てきます。それがしかし、大きな流れになって、皆、地方から一極集中ということになれば是正の必要性ももちろん出てくると思いますが、ある程度の自由競争原理の中にこのシステムを置くというのが今回の転籍制限の緩和の趣旨でありますので、状況をしっかりウオッチしながら、そういう自由競争的な要素が入ってくることそのものを排除する必要性はないと思います。それによって日本という国の強みもそこからまた出てくるでありましょうし、そんなふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/94
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095・清水貴之
○清水貴之君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/95
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096・川合孝典
○川合孝典君 国民民主党の川合です。
積み残しの課題について、矢継ぎ早に今日は質問させていただきたいと思います。
まず、いわゆる育成就労の受入れ分野を議論する新たな会議体の在り方について、法務大臣にお伺いします。
育成就労産業分野の選定について、これ基本方針に、あらかじめ知見を有する者の意見を聞くと記載されておりますが、この意見を聞く場というのは、最終報告書で明記された労使を含めた関係者で構成する新たな会議体を設置し議論を行うという認識でよいかどうか、これをまず大臣にお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/96
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097・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 当該知見を有する者としては、本年二月に関係閣僚会議が決定しました政府方針、遡りますと最終報告書に記載されています有識者や労使団体等で構成する新たな会議体を想定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/97
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098・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。
次の質問に移ります。
現行の技能実習制度において、技能実習評価試験の具体的な内容や運用開始後の定期的な試験の実施状況等について、労使等が参画する専門家会議で議論を行っています。その一方、特定技能制度においては、特定技能評価試験の内容は公の場で議論されることがないという状況に現状あります。
この新たな会議体においては、特定技能評価試験と育成就労評価試験の具体的な試験内容や運用状況の定期的な確認等も行うべきではないのかと思いますが、この点についての、丸山次長、認識を確認させてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/98
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099・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
特定技能評価試験は、一定の専門性、技能を要する業務に即戦力として従事するために必要な知識又は経験を測るに足る水準である必要があります。現行制度では、その作成に当たりましては、分野を所管する省庁が、政府基本方針に基づき、法務省が定める分野横断的な試験方針に基づき有識者に相談するなどした上で法務省による確認等を受けることとするなど、試験水準の適正性を担保する仕組みを取っております。
その上で、法案の成立後におきましては、育成就労制度及び特定技能制度におきましては、受入れ見込み数や受入れ対象分野は適時適切に変更できるものとし、それらの設定や特定技能評価試験のレベルの評価等につきましても有識者等による新たな会議体の意見を踏まえて判断する方針としており、これによりまして、より一層の中立性や透明性が確保されることになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/99
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100・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。
大臣にも御認識をいただきたいんですけれど、技能実習制度についてはかなり手厚くいろいろな措置が講じられていますが、特定技能にはそういった措置が講じられていないものが非常に多いんです。ある意味、放置されてしまっているところがございます。よって、今回、育成就労制度に切り替わるというこのタイミングで、いわゆる特定技能の方々に対してのサポート、フォローということについても、より丁寧にお取組をいただくことを指摘させていただきたいと思います。
その上で、次の質問に移りたいと思います。
分野別協議会、地域協議会について確認をさせていただきます。
現行特定技能制度には分野別協議会がありますが、最終報告書では、法改正以降のこの分野別協議会に加えて、技能実習制度で設けられている、先ほど清水委員の質問にもありましたが、地域協議会の活用を推進すると記載されております。
産業や地域の課題を正確に把握して改善につなげていくということは非常に重要なことではありますが、ポイントは、こうした協議会が要は公開の場できちんと開催されるのかどうか、この点について確認をさせていただきたいと思います。大臣、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/100
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101・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) これらの協議会で共有されます情報は、個別の事案に関するものなど、必ずしも一般の公開になじまないものも含まれ得ますけれども、今御指摘のように、透明性を高める、そのために一定の公開を行う、非常に重要なポイントでありますので、現在は議事内容を各省庁のホームページ上で公開するなどしていると思いますが、こうした現行制度の取扱いを踏まえつつ、今後に向けて適切な情報公開の在り方、これを具体的に検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/101
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102・川合孝典
○川合孝典君 これまでよりも人数が大幅に増えていくことが見通されているということでありますから、そうした方向性の中で議論を行う上で、恣意的な判断というものを、誰がそれを決めたのかということについて、責任の所在が明確になっているということが制度運用の適正性につながると思っておりますので、是非、そうしたお取組、進めていただきたいと思います。
次の質問に移りたいと思いますが、関連して、これらの協議会の活用に当たって、制度の運用における重要事項を定める方針並びに分野別運用方針に産業や地域課題を反映させるということが極めて重要と考えております。そのために、分野別協議会や地域協議会で把握した課題を具体的に反映させるための仕組みというものが必要だと思います。
この点について、どういったお取組をなさるのかということについて大臣の御見解をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/102
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103・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 分野別協議会や地域協議会を設ける趣旨、目的に照らせば、協議会で共有された情報や議論された結果について制度の運用に適切に反映されることは極めて重要であると考えます。そのために必要となる情報のフィードバックの在り方等については、今後、育成就労制度を共管する厚生労働省や関係省庁等とも連携し、詳細を、その方向に向けて詳細を検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/103
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104・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。よろしくお願いします。
続きまして、送り出し機関の手数料の規制の在り方について、まず政府参考人にお伺いしたいと思いますが、政府方針には、外国人が送り出し機関に支払う手数料等が不当に高額にならないようにする、当該手数料等を受入れ機関と外国人が適切に分担するための仕組みを導入するというふうに方針には書かれておりますが、具体的なこの分担の割合というのはどのように定める見通しなのかということについて確認させてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/104
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105・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
育成就労制度では、外国人が送り出し機関に支払う手数料などについて、受入れ機関と外国人が適切に分担するための仕組みを導入することとしております。この点について、法案では、育成就労計画の認定要件として、送り出し機関に支払った費用の額が、育成就労外国人の保護の観点から適正なものとして主務省令で定める基準に適合していることという要件を設けております。
主務省令で設ける基準につきましては、手数料などは、送り出し機関が行う入国前の日本語講習などの送り出しに係る役務に対する対価という性質のものであることや、外国人にとっての基準の明確性という観点を踏まえ、例えば、来日後の給与額に基づいて上限額を算出する仕組みとすることが考えられます。この場合、当該上限を超える部分について受入れ機関に転嫁されることがあり得るという意味で受入れ機関と外国人が分担することになると考えております。
一方で、具体的な基準を定めるに当たりましては、送り出し国での実態を踏まえた丁寧な検討が必要であり、また送り出し国の法令との関係の整理など送り出し国側との調整も必要なことから、法案成立後、施行までの間に関係者や有識者の御意見などをお聞きしながら決定してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/105
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106・川合孝典
○川合孝典君 あわせて、大臣にお伺いしたいと思いますが、政府は相手国政府に対して、問題のある送り出し機関は事業ライセンスを更新しない、悪質なブローカーを労働市場から退出させる制度の設計、制度設計を相手国政府に対して日本国政府から働きかける必要があるのではないかと考えますが、この点についての大臣の御見解をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/106
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107・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 育成就労制度では、悪質な送り出し機関の排除の実効性を高めるために、新たに送り出し国政府との間で二国間取決め、MOCを作成し、原則としてMOCを作成した国の送り出し機関からのみの受入れを行う、あるいは送り出し機関の認定基準の強化、こういったことを図っておりますが、更にMOCの実効性を持たせるためには、MOCに規定する認定基準を満たさない送り出し機関からの一定期間の新規受入れの停止を行うとともに、日本側からの通報について誠実な対応が見られない状況が続くなど、MOCが遵守されずに育成就労制度の適正な運用が確保できないと判断される場合には、当該国からの育成就労外国人の受入れ自体を停止するということもあり得ると考えております。
これらの取組によって、送り出しの適正化を図ってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/107
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108・川合孝典
○川合孝典君 是非お願いしたいと思いますが、現状の状況は、MOC、二国間協定、私も取り寄せて目を通したんですけど、お互いのその良心、良識にのっとって誠実に対応するといったような趣旨の書きぶりということに当然なっておりますので、そこにその法的拘束力がどの程度あるのかということについては、正直文面からは読み取れない内容になっています。
大臣も既に御承知のとおり、これまでも相手国政府とは様々なやり取りをしてこられているのは分かっておりますし、もっと言ってしまえば、相手国にも、例えばベトナムならベトナムの場合の送り出し機関の手数料の上限規制というのはそもそもあるわけですよね、たしか三千六百ドル、USドルぐらいだったと思いますが。あるにもかかわらず、何だかんだ理由を付けてその技能実習対象者の若者からいろいろな名目で手数料を上乗せをしてしまっているという状況が止まっていないというか、そういったところが極めて多いというのが現状で、その結果として必要以上に巨額の借金を抱えて日本にお越しになる方がおられるということなわけでありますから、そういった実態を踏まえて、日本国政府として、MOCを締結するときにどういった協定を結ぶことが実効性が高いのかということを精査していただきたいと思います。
なお、この問題について法務省ともやり取りをさせていただく中で、日本において受け取れる報酬の二、三か月分といったようなところも含めてイメージしながらということで口頭での説明は受けましたが、当然、その二、三か月分というと、月収二十万円だとすれば四十万から六十万程度という金額が容易に計算できるわけですけど、相手国のいわゆる賃金、貨幣水準でいけば、日本人の感覚でいくと掛ける八から十ぐらいの金額になりますから、五十万と言われれば五百万円の借金抱えて来ているというに等しい金額であるということ、そのことにやっぱり思いを致して、どういった基準を設定するべきなのかということは慎重に御対応いただきたいと思います。
加えて、フィリピンのように、そもそも手数料というものについて厳しい規制を掛けて日本に技能実習生を送り込んでいらっしゃる国があるということを考えたときに、果たして手数料をたくさん取って送り出してきている国からわざわざ受け入れる必要があるのかということについても改めて考えるべき時期に来ているのじゃないかと、このように考えておりますので、その辺りについても法案成立後は是非丁寧に御検討をいただきたい、このことを申し添えておきたいと思います。
続きまして、特定技能制度の適正化について大臣に確認をさせていただきたいと思います。
法務省は、特定技能制度における特定技能所属機関及び登録支援機関に対して予告をしない実地検査を含めた検査を強化する予定があるのかどうか、又は具体的な検査方法や実施頻度についてどのように検討しておられるのかということについて、大臣の御見解をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/108
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109・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
特定技能制度における調査につきましては、定期的に行うものと、特定技能所属機関等からの届出や特定技能外国人からの相談等により適正な受入れや適正な支援について疑義が生じた場合に臨時的に行うものがありますが、いずれも実地調査を行う場合は原則として予告せずに実施することとしております。
その上で、定期的な調査の頻度及び方法などにつきましては、特定技能制度の運用状況や関係機関との連携を踏まえつつ、入管庁において特定技能調査、入管庁が特定技能調査方針において調査の方法や当該年度の調査対象等を定め、地方官署がこれに基づいて計画的に実施しているところでございます。
入管庁としましては、引き続き特定技能制度の適正化に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/109
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110・川合孝典
○川合孝典君 大臣にこの際、御説明申し上げておきたいと思います。
当然のことながら、実地検査だとかいろいろな検査をやっていることは知っているんですけれど、事前に何月何日に行きますよと言ったら体裁整えるに決まっているんですよ。要は、抜き打ちで検査をやるがゆえに実態が見えてくるということであり、そうでなくても法務省、敷居の高い役所なわけでありますので、法務省が何月何日に来るよと言えば、いろんなことを準備をして受入れを行うということになります。そのことが要は本当の意味での実態を見えなくしてしまう懸念があるという、等懸念しておりまして、あえてこの質問をさせていただいているということでありますので、いつ来るか分からないと、緊張感を持って常に取組を進めなければいけないということを関係者が認識していただくための取組として、この点についても是非御検討いただきたいと思います。
次の質問に移りたいと思いますが、特定技能所属機関及び登録支援機関に対して、割増し賃金を含めた報酬の支払実績や残業時間を含む総実労働時間の実情を、帳簿類の点検や特定技能外国人及び日本人従業員などからの意見聴取など、実態把握を的確に把握できる方法で確認しなければいけないと私は思っております。
様々、技能実習生に関わる問題というのは大体こういうところで生じておりますので、こうした実態を把握するための確認を行う予定はあるのかどうか、具体的な方法も含めて、これは政府参考人に確認をさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/110
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111・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
特定技能制度におきましては、特定技能外国人を雇用する企業等は定期的な届出をすることが義務付けられており、四半期に一度、特定技能外国人と比較対象となる日本人に係る賃金台帳を含む必要な資料とともに、入管庁に特定技能外国人の受入れ、活動状況を届け出なければならないこととなっており、これにより報酬や労働時間等の状況を把握しております。その上で、受入れ機関による適正な受入れの実施について疑義が生じた場合には、必要に応じて実地調査を実施し、帳簿等を直接確認しております。
加えまして、当該調査では、特定技能外国人に対して母国語で記載された書面により活動状況などを確認しているほか、必要に応じてそれ以外の従業員等からも就労する特定技能外国人の活動状況などを確認し、実態の把握に努めているところでございます。
入管庁としましては、引き続き特定技能制度の適正化に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/111
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112・川合孝典
○川合孝典君 今御説明の中で、疑義が生じた場合には直接聴取を行うということをおっしゃったわけでありますが、御承知のとおり、限られた人数で走り回っているということを考えたときに、情報収集も含めて、手薄になっている実態というのはやはり認めた上で、どう対応するのかということをこれから考えなければいけないと思います。
そういう意味では、会社側からの説明のみならず、本人からの事情、実態の聴取ということについても、それも定例的にというか、経常業務、日常業務の一環として組み込んでいただく方がいいんではないのかということ、このことを指摘させていただきたいと思います。
その上で、次の質問ですが、この実地検査の結果、特定技能外国人及び日本人従業員が証言をしたことによって不利益を被ることがないようにしなければいけない。後であんなこと言ったなみたいな話になると、当然御本人方も居心地が悪くなってしまうわけでありますので、この不利益を被ることがないよう万全の配慮を行うことが当然求められると思いますが、この点についてどういった対処をなさるのかということについて、大臣の見解をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/112
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113・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 委員御指摘のとおり、入手した情報について、情報源を明かすことにより情報提供者に不利益となる影響が生じないように配慮を行うことは重要であると考えております。そのため、特定技能制度における調査では、情報源を明かすことなく、同意が得られない場合には情報源を秘匿した上で必要な調査を行っております。
引き続き、特定技能外国人等が不利益を被ることがないよう、十分配慮した調査を行うことにより適正化に努めていきたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/113
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114・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。
最後の質問に入りたいと思いますが、外国人労働者の今後の受入れの在り方、大きなテーマについて大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
今後、今回育成就労制度が要は導入されることによって、外国人労働者の増加が見込まれるのはもう、見込まれるということであります。政府はいわゆる移民政策は取らないということをおっしゃっていますが、現実問題として、OECDが言うところの、これ明らかに労働移民です、労働移民なんです。
これが、今後こうした方々が増えるということを考えたときに、国全体で見て、外国人労働政策というものをどう捉えて今後対応していくのかということについて、より大きな視点から、労使を含めた有識者で構成される会議体等を設置して議論を行う、大きなグランドデザインについての議論を行うことが極めて重要になると考えておりますが、こうした会議体を速やかに設置することの必要性についての大臣の御見解をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/114
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115・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 先ほど清水委員からの御質問にもお答えしたこととダブりますが、これまでは積み上げ的な対応をしてきたと思います。しかし、それが今回の一つの形なんですが、この先は、このマクロのフレームワークをしっかり整えて、日本の経済社会がどういう形で外国人材をどれぐらい求めるのか、また求めることが可能かどうか、経済状況もあり、またデジタル化、AI化、そういったテクノロジーの変化の中で、中長期的に日本は外国人をどれぐらい求めるのか、求め得るのか、その両面から、マクロでやはり議論をしておく必要性は非常に高まっていると思います。
どういうやり方がいいのかは、ちょっとまだこの所管の問題もありますけれども、問題意識は共有させていただいていると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/115
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116・川合孝典
○川合孝典君 時間が来たのでこれで終わりにしたいと思います。原口審議官、申し訳ありませんでした。
終わりたいと思いますが、今回のこの法律改正、非常に大きな転換点になると思っておりますし、この今回の法改正が日本の将来にとってプラスになるかどうなのかという視点から考えると、詰めなければいけない課題がたくさんございます。
今後、我々も注視してまいりたいと思いますが、法案の審議の中で御答弁いただいた内容については速やかな対応をお願いしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/116
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117・仁比聡平
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
警察庁にまずお尋ねをいたします。
愛知県警、愛知県警察本部地域部地域総務課が出している若手警察官のための現場対応必携という執務資料、二〇〇九年四月付けの資料があります。
皆さんのお手元にその内容を記載した裁判の訴状の抜粋をお配りしていますけれども、そこにあるとおり、この執務資料には、十五、不良来日外国人の発見という、題する項があって、次のような記述があります。大きく三項目、私の方で紹介をします。
心構え、旅券を見せないだけで逮捕できる、エクスクラメーションマーク、外国人は入管法、薬物事犯、銃刀法等、何でもあり、エクスクラメーションマーク二つ、応援求め、追及、所持品検査を徹底しよう、エクスクラメーションマークを三つも付けています。
対応要領。一見して外国人と判明し、日本語を話さない者は、旅券不携帯、不法残留、ごめんなさい、不法在留、不法残留、薬物所持、使用、拳銃、刀剣、ナイフ携帯等、必ず何らかの不法行為があるとの固い信念を持ち、徹底した追及、所持品検査を行う。
もう一つ。旅券を提示しても必ず本署へ同行する、理由は偽造旅券の疑い、不法在留等の疑い、特に中近東系(イラン人等)は薬物密売、それに絡む抗争事件の関係者の疑いがあるので、刑事課に報告するとともに、入国管理局への照会を行い、以後所要の捜査を行うこととなる。
こうした記述は現にあるんですが、警察庁、事実ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/117
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118・和田薫
○政府参考人(和田薫君) 御提示の資料については確認することができない旨、愛知県警察から報告を受けております。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/118
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119・仁比聡平
○仁比聡平君 どよめきの声が議場から上がっていますが、二〇〇九年四月ですよ、二〇〇九年四月。ほんの十五年前でしょう。これも確認できないと。それで警察が成り立つんですか。捜査が成り立ちますか。警察行政が成り立ちますか。
執務資料、こういう若手警察官のための現場対応必携という執務資料が存在するというのは、これは愛知県警も認めているわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/119
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120・和田薫
○政府参考人(和田薫君) 繰り返しになりますが、御提示の資料については確認することができない旨、愛知県警察から報告を受けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/120
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121・仁比聡平
○仁比聡平君 愛知県警も愛知県警なら、警察庁も警察庁ですよね。
五月二十八日の当委員会の答弁、議論で福島みずほ議員が、在留カードの常時携帯義務違反の摘発例について、二〇二三年は六件にすぎないと、立法事実はないではないかと、その対比で二〇一四年は千五百九十四件もあったと、これ何でこんなに違うのかという質疑がありました。そのとき、警察庁はこう答弁をしたんですよ。昔のことでもあり、確たる理由については判然としないと。二〇一四年、十年前のことも昔のことですか。
これ、あるものはあるんですね。今更ごまかそうとしているのは、どこまでやましいことをしてきたか、そのことの自白にほかならないと私は思います。
警察庁に改めて、この資料の存在と記載の内容を調べて、この当委員会に報告してください。理事会で協議をいただきたいと思いますが、委員長、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/121
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122・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/122
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123・仁比聡平
○仁比聡平君 大臣、歴史から目を背けてはならないんですよ。どれだけ苛烈な差別や迫害が行われてきたのかというその歴史そのものを知り、だからこそ真の共生社会を求める強い要求がある、そのことを正面から受け止める責任が私たちにあるのではありませんか。
二枚目の資料、大臣、ちょっと見てください。
これは二〇二二年九月に東京弁護士会が調査結果を報告した資料ですが、レーシャルプロファイリングによって過去五年の間に職務質問の経験があるという方々が、二千九十四人の回答のうち六二・九%、六割を超える。かつ、質問を受けた回数は二回以上が七二・七%に上るんですね。中には、六回から九回も五年の間に次々職務質問を受けたという方が一〇・八%、十回以上という方も一一・五%いらっしゃるんですよ。
個別の、自由記載のところ、そのまま紹介します。
見た目だけで薬などを持っているのではと疑われた。終始乱暴で失礼な態度で、いきなりズボンを脱がされ、下のものを見られた。侮辱的だし差別的。とても心が傷ついた。何も持ってないのを確認したら、謝りもせず、脱がせたまま立ち去っていった。本当に失礼だし、警察官としてあり得ない。
警察庁、そのとおりでしょう。
もう一人の方はこうおっしゃっています。
敷地から十歩も離れていない自宅のごみ捨場で声を掛けられ、在留カードを所持していないことで交番まで連行された。学生証を見せて、在留カードは家にあるから家まで同行してもいいから見せますとお願いしたものの、扉出る瞬間から在留カード所持していないと犯罪と言われた。そのまま警察署まで連行され、三、四時間ほど、全身を触られ、指紋を取られ、経緯を質問された。その後、パスポートのコピーが必要とのことで警察車で家までまた行かれて、自宅やパスポート、自分の顔の写真を二十枚、三十枚撮影された。また、在留カードについてもコピー取りたいから一か月内に警察署まで来て提出しろと言われていたので提出はしたが、自宅から警察署がかなり遠くて大変だったと。
在留カードがあるんですよ。つまり在留資格があるんですよ。そうした外国籍住民の方々にこんな仕打ちをしている。このことについて、大臣、どんな御認識ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/123
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124・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 一般論として申し上げますが、外国人に対する不当な差別や偏見はあってはならないものだと認識をしております。
今回の、今御指摘がありましたこの資料に関しては、法務省の所管外、警察官の職務質問という法務省の所管外の事柄であり、法務大臣としてお答えすることは困難であることを御理解いただきたいと思いますが、我が入管庁に関して申し上げれば、入管庁においては、人権と尊厳を尊重し礼節を保って職務に従事することなどを内容とする出入国在留管理庁職員の使命と心得を策定しており、摘発の場面にかかわらず、全ての入管職員が意識を持って職務に従事しているものと認識しておりますが、なおしっかりと督励をしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/124
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125・仁比聡平
○仁比聡平君 大臣がおっしゃるようなことなら、仮放免者への人権侵害やウィシュマさんの事件なんて起こらないんですよ。何を言っているんですか。
第一、所管外と今おっしゃいましたけど、所管外じゃないでしょう。警察は、こうやって摘発をしたら入管に照会すると言っているじゃないですか。当たり前ですよね。戦後、入管と警察は、入管法違反の摘発において、警察による防犯、捜査活動と密接一体に連携してきた。これは当たり前でしょう。警察と入管が別々ですなんて成り立たないでしょう。逆に、どう連携してきたのか、どう密接にやってきたのか。密接にやらないと、この法案においての、この法律に規定する義務違反の端緒さえつかめないでしょう。
丸山次長、そうなんじゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/125
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126・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) この際、申し上げます。
傍聴の方は御静粛にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/126
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127・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
一般論として申し上げれば、入管法に規定する義務の違反を入管庁が認知する端緒としましては、入管庁の職員が業務を遂行する中で在留カード不携帯等の義務違反を把握する場合や、本法案で新設します第六十二条の二の規定に基づき国又は地方公共団体の職員からの通報により義務違反を把握する場合が想定されるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/127
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128・仁比聡平
○仁比聡平君 国又は地方の職員って、つまり警察官のことでしょう。警察署のことじゃないですか、捜査活動でも、あるいは行政警察活動でも。第一、二〇〇九年に特別永住者への外国人登録証、在留カードの常時携帯義務をなくしていくときに、永住者についてはこれは残したと。そのときに入管は、即時確認の必要があると述べました。その即時確認というのは、それは入管もやるかもしれないけど、圧倒的には警察官がやるわけですよ。
この東京弁護士会のアンケートに表れているように、自宅から十メートルのごみ捨場に行っているだけなのに、おい、こらと声を掛けて、在留カード見せろと言うわけですよ。そこで即時に出せなければ警察署まで連れていくわけですよ。その武器として常時携帯義務を永住者にも課してきたわけでしょう。
今回の法案で、この法律に規定する義務とは何かと以前の委員会で問いまして、理事会に入管庁がそれを、これで全部ですと、二十七項目に分けて、改正法案第二十二条の四第一項第八号のこの法律に規定する義務違反として取消し事由に該当し得る場合という表をお出しになりました。
これで全てだということなんですけれども、この中身、もう本当に広いですね。在留カードについて言うと、常時携帯義務だけじゃありませんよね。記載事項の変更届などが、例えば十四日という制限があって、これを超えたら罰則でこれを担保している。
代理届に関するものなどもありますが、日本籍住民とは違って外国籍住民にはこんな重い義務が刑罰をもって課されているのかと驚きますけれども、つまり、刑罰が科されている以上、これが全部警察活動の対象になりますよね。それが端緒だということですね、次長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/128
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129・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) 今般、入管法、いろいろ罰則がございますので、その罰則が関わる事務については、警察等の取締りの対象になるものも、一部、過ち料の部分はあろうかと思います、そこはちょっとならないのかと思いますけれども、罰金刑とはなろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/129
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130・仁比聡平
○仁比聡平君 資料にお配りしましたが、理事会にこう説明したじゃないですか。今申し上げているこの法律に規定する義務とは、出入国管理及び難民認定法が定める永住者が遵守すべき義務全般をいい、第九章(罰則)によって、入管法上その遵守が担保されているものをいう(退去強制事由に該当するものを除く)と。これでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/130
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131・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申します。
ただいま委員読み上げの部分については、理事会で御説明させていただいた資料でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/131
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132・仁比聡平
○仁比聡平君 そうなると、大臣、つまり、この様々な幅の広い義務が、入管はもちろんですが、警察によって、それから公租公課などに関しては国や自治体の職員からの通報によって、取消し事由の対象として入管のまないたの上にのってくるということになるわけですよ。それが何を意味するかと。
横浜華僑総会の顧問の曽参考人が、五月三十日の参考人質疑の中で次のように述べられました。
ちょっと政治的な対立が入ってきたときに、日本の警察が台湾側の肩を持つんですね。そうすると、いつも大陸側に対してマークをするみたいなことをやります。例えば、パスポートを欲しいんだったら大陸の学校をやめてこっちへ来なさいみたいな、そういうのが実は日本の官憲と一緒になってやっていたという。だから、個々人に対してはもうやっぱりマークするような立場で、結局は、在留カードじゃなくて登録票ですね、そういう例がたくさんありますと。
こういう苛烈な差別や迫害、その歴史をちゃんと我々が学んで、永住者の生活の基盤であるこの法的地位、在留資格をもっと安定的なものにする、それが私たちのやるべきことじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/132
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133・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 今回の措置は、幅が広い義務違反だという御指摘もありましたけれども、最終的に、当事者の話を聞いて、一方的、機械的に取消し事由に当たるという判断をするものではありません。また、取消し事由に当たったとしても、それが必ず取消しという形ではなくて、変更という措置に多くの場合はなっていくであろうと、そういう段階を踏んでいくわけであります。
そして、今委員がおっしゃった、歴史の中で様々な人権侵害が、差別が行われてきた、そういう事実については、もちろんそれをしっかりと踏まえてそういうものを乗り越えていく、そういうものを直していかなければならないと思います。共生社会をつくるというのは、もちろんそういう営みも重要な要素として入っていると思います。
ただ、一方で、在留されている方々、永住者の方々も含めて、日本のルールにも従ってもらわなければならない、こういうふうにお願いをしなければならない部分もあります。双方向の努力、双方向の信頼関係で共生社会というのは成り立っていくんだというふうに私は考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/133
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134・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) この際、申し上げます。
傍聴の方は御静粛にお願いいたします。
傍聴人は、傍聴規則により、議事に関する賛否の表明その他議事の妨害になるような行為は禁止されております。これに従わないときは退場を命ずることもありますので、念のため注意を申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/134
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135・仁比聡平
○仁比聡平君 思わず声を上げなければならないほど、ひどいことが目の前で強行されようとしているわけですよ。だから怒りがほとばしるんです。当然のことだと私は思います。
今、大臣、ルールとおっしゃいましたけど、話も聞かずに一方的に取り消したら駄目なのは当たり前ですよ。いきなり取消しじゃなくて変更すると言うけど、それは、取り消すぞという広範な行政裁量を振りかざして行われるわけでしょう。そこが、それ自体が永住者に対する深刻な差別にほかならないと広範な声が上がっているわけです。
大臣、せんだって、様々な悪質と考えられる事案というふうにしかおっしゃいませんでした。今日、少し詳しく幾つかほかの例も出されましたけど、一度永住者になってしまうと後は払わなくていいんだと明言している例、それを大臣は悪質だと判断されたんでしょう。そして、それがこれから悪質だと判断される典型例だとおっしゃるんでしょう。けれど、仮にも在留資格を取り消す理由にするんであれば、それを、悪質性というのを、大臣が悪質だと思ったということでそのままにしたら、基準として意味はないですよね。
悪質というその判断の基準は何なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/135
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136・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 突き詰めていけば、あえて支払をしない場合に、永住者という在留資格を認めた前提を、あえて公租公課についての支払をしない、あえて滞納でいくということを自らの意思で決めたということは、在留資格を認めた前提、永住者という在留資格を認めた前提を自らの意思で許可後に欠くに至る、放棄するという点において、永住者の在留資格を認め続けることは相当ではないと考えられます。これが、あえて、あるいは故意にというふうに申し上げていること、そしてそれを平たく言えば悪質だという要素、ここに、そういうふうに申し上げることができると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/136
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137・仁比聡平
○仁比聡平君 やっぱり分からない。この本当の最後になってきてもまだ分からない。
前回は自民党の質問に対して、本人に帰責性があるとは認め難く、やむを得ず支払えないような場合には必ずしも悪質とは言い難いというような旨の答弁もありましたけれども、結局それを判断するのは入管であり法務大臣ですよね。そうすると、取消し事由として具体的な不払の金額や回数も規定することは相当でないと入管庁言いますから、自治体や国税庁としては、結局、滞納全件を入管に通報することになるんじゃないのか。だって、判断は、悪質かどうかの判断は入管にしかできないって話になるわけでしょう。
横浜市の担当者の方が、華僑総会の曽さんの訪問を受けてこう述べられたという報道があります。
中華街や中華街に暮らす皆さんは横浜市にとって経済的、文化的に重要な財産です。一緒に町づくりをしてきた仲間であり、不安は理解できる。曽顧問が言うように立法事実を欠いたまま法案が出てきたのなら、同じ公務員として異例との感想を抱く。滞納の問題が起きたとしても、国籍にかかわらず粛々と徴税の手続を進めればいいはずだと。
これが当たり前の姿だと思いますよ。住民と自治体の協働にくさびを打ち込んで入管が我が手のひらに乗せるようなこと、それは共生への重大な逆流だということを厳しく指摘をして、時間がなくなりましたので、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/137
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138・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、この改正法について、今日もこの永住許可について心配、懸念が申されていました。
私は、今、仁比委員の話を聞きながらも、警察庁がその資料、克明な資料が出ても答えられないということ自体、これは私はとんでもない話だとは思いますよ。
同時に、大臣、大事なのはやっぱり周知徹底なんですよ。これ、大臣からも国家公安委員会の委員長に警察の対応を言ってください。例えば、在留許可証を見せてください、こう聞くのと、持っているかと、こう聞くのでは受け止め違ってきますね。これが大事だと思うんです。大臣だって、答弁うそつくなと、こう言われたら、何をと思うでしょう。大臣、お互い正直にやりましょうと、こう言われたら、大臣もすとんと落ちるものあるんじゃないんですか。
私は、様々な議論を聞いていて、この永住許可の件についても私は心配のし過ぎだと思っているんです。ちゃんとルールを守っていれば問題ないわけでありますから、それは日本人も外国人も一緒なんですから。ここは徹底すれば、私は、違ってくる、あと聞き方の態度によっても、私は、違ってくる。
国際化の時代です。日本の信用を得るためにも、外国人には親切にする、この気持ちを持ってまずは警察にも対応させる、同時に入管庁にも公正に審査をさせる、私はこれが一番だと、こう思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/138
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139・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 確かにおっしゃるとおりだと思います。
まず、我が入管庁が、そういう国を開くという心でもって、差別あるいは基本的人権の侵害、そういったものが決して起こらないように丁寧に心を通じ合わせながら対応していくということが必要でありましょうし、警察においてもその同じ趣旨を共有してもらいたいということは、国家公安委員長に、この法案が成立をさせていただいた暁には、この国会審議も内容も含めて、はっきりとしっかりとお伝えをして協力を要請したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/139
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140・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、そこは徹底してやってください。あと入管庁も、職員の皆さん方に、まずは親切に対応する、決め付けて掛からない、これが大事だと思うんです。ちょっとした言葉の使い方で受け止めが全く違ってきますから、この点、是非とも役所としても徹底をいただきたいなと、こう思います。
最高裁、来ていますね。
前回の委員会で、証人テストについては刑事訴訟規則に定められているからということのお話がありました。私も、尋問の打合せをするのは、これは必要だ、あるいは手続として問題ないと思います。
それで、最高裁に聞きますが、証人テストをする際、こう聞く、これは当然あると思います。検察側がこう聞くからこう答えろ、わざわざペーパーを作って、同時に、ここだけは絶対覚えておけと赤印付けたり印を付けて証人に尋ねるのは私は公正でないと思いますけれども、最高裁としてどう受け止めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/140
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141・吉崎佳弥
○最高裁判所長官代理者(吉崎佳弥君) お答え申し上げます。
その証人テストにおける問答等の在り方について、公判審理においてどのような扱いがされるかによって規律されるところだと思いますので、その点について最高裁の事務当局として、各裁判体の判断の在り方に触れることになりますので、お答えすることは困難でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/141
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142・鈴木宗男
○鈴木宗男君 刑事局長、あなたは、証人テストは認められているんだという答弁しているんですよ。私が聞いているのは、尋問の際こう聞くからこう答えろと、被疑者に不利な話を、こうやって紙を作ってまで。これ見てください、ちょっと、あります。これはいいことかと聞いているんですよ。
尋問、聞くのはいい。こう答えろと検事が言うのは、これ委員の皆さん方も公平だと思いますか。その答えは、被疑者に対して極めて不利な、有罪に持っていくための答え作っているんですから。だから、こういうやり方、尋問は私は認める、しかし、答えまで書くことについてどう認識しているかということを聞いているんです。何も裁判の動向なんて聞いているんじゃない。
最高裁として、尋問をする証人に、その際こう答えろと、しかも、これだけは絶対覚えておけというやり方は真っ当かどうかということ、あなたの認識を聞いているんですよ。それを答えてください、刑事局長として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/142
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143・吉崎佳弥
○最高裁判所長官代理者(吉崎佳弥君) お答え申し上げます。
検察官や弁護人の主張、立証を吟味して判断していくのが裁判所の仕事でございますが、具体的にその、どのような方法によりどのような判断をするかにつきましては個々の事件において各裁判体が判断すべき事項でございまして、事務当局からのお答えは差し控えさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/143
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144・鈴木宗男
○鈴木宗男君 私の質問に答えてください。裁判に影響するとかしないとかいう話じゃないんです。答えを書くのが真っ当かどうかということを聞いているんですよ。刑事局長としての認識を答えてくれればいいんですよ。あなた、私の質問ちゃんと頭に入れて答えなさいよ。そういうばかな答弁しないでください。
委員長、注意してください、ちゃんと。あと、今の時間の、これ無駄ですからね、この時間も外してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/144
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145・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 答弁は、質疑者の趣旨を体し、簡潔かつ明瞭に行うようにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/145
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146・吉崎佳弥
○最高裁判所長官代理者(吉崎佳弥君) 委員の御質問について正解せずに御答弁申し上げた点はおわび申し上げます。ただし、私は最高裁事務当局としてのお答えをするためにこちらに参っておりまして、その点は御理解願えればと思います。
その上で、一般論として申し上げますと、仮に、ある供述者の供述が虚偽であるということが公判審理において明らかになった場合には、当事者、例えば検察官がその当該供述者の供述によって立証しようとした事実は立証されるに至らないということがあるかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/146
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147・鈴木宗男
○鈴木宗男君 刑事局長、こう聞く、だからしっかり頭づくりしなさいという尋問はいいんですよ。こう聞くからこう答えろ、私はあってはならぬことだと思うんですよ。答えまで作る必要、何であるんです、尋問に。だから、こういうやり方はフェアじゃない、公正じゃないんじゃないかと聞いているんですよ。あなたはどう思うかということなんですよ。裁判の行方云々じゃない。
刑事局長、法務省の局長が余計な手を挙げるな、私はあなたに指名していないから。私に権限があるんですから。
ちゃんと答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/147
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148・吉崎佳弥
○最高裁判所長官代理者(吉崎佳弥君) 繰り返しになりますけれども、最高裁の事務当局としてのお答えとしては、先ほど来述べているとおりでございます。虚偽であることが公判廷で明らかになると……(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/148
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149・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 答弁は、質疑者の趣旨を体し、簡潔かつ明瞭にお願いいたします。(発言する者あり)
委員長の指名を受けてから御発言お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/149
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150・鈴木宗男
○鈴木宗男君 いやいや、委員長、時間の無駄ですから、きちんと言わせてくださいよ、私の質問にちゃんと答えるということを。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/150
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151・吉崎佳弥
○最高裁判所長官代理者(吉崎佳弥君) その証人テストにおけるやり取りの中身につきまして、そこに公正さがあるかどうかを含めまして、公判廷で明らかになると存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/151
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152・鈴木宗男
○鈴木宗男君 私は、違う、公正とかなんとかじゃないんですよ。こう聞くからこう答えろと検察官が答弁まで作るのが公正じゃないんじゃないかと言っているんですよ。それに答えてくださいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/152
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153・吉崎佳弥
○最高裁判所長官代理者(吉崎佳弥君) その作る行為が公正かどうかということについて、それは結果的に、私どもの立場としては、公判審理で明らかになった情報に基づく判断しかしようがないということを申し上げております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/153
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154・鈴木宗男
○鈴木宗男君 刑事局長、あなた、司法で、三権分立で裁く立場ですよ。裁く立場の者がこういう事実を知らないと困るんじゃないんですか。こういう話を、あなた、聞くの初めてでしょう、検察官が、尋問はするけれども、答えまで作っているということを。で、こう答えろと指示しているということを、あなた、今まで聞いたことありますか。それ答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/154
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155・吉崎佳弥
○最高裁判所長官代理者(吉崎佳弥君) 私個人のことを申し上げることは困難でございますけれども、そういった事情があるかどうかについて議論があることは承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/155
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156・鈴木宗男
○鈴木宗男君 法務大臣、法務大臣は、尋問して、検察官が、こう聞くからこう答えろという、こうやって答弁書まで作る、これはいいことだと思いますか、公正だと思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/156
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157・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 証人テストにおいて、検察官が証人に対して特定の事項を証言するよう誘導しているのではないかとの疑念を招きかねない行為、招きかねない行為は避けるべきであり、そもそも検察官は、証人テストの方法等について慎重な配慮を払い、公正な態度で証人テストを行わなければならないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/157
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158・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣のところにもこの資料行っていますね。
ちょっと大臣、目を通して、こう聞くからこう答えろと書いているんですよ。これは公正ですか。被疑者に対してマイナスの答えしか書いていないんですよ。本来、こう聞くのは、聞いていいですよ。こうやって御丁寧に答えまで書いていて、しかも、よくここの部分だけは覚えておけと言って、もう印まで付けているんですよ。
だから、大臣、中身じゃなくて、こういうやり方は私は公正でないと思うんです。こう聞く、だから勉強しておけというのはいいですよ。こう聞くからこう答えろ。今日ここにいる委員の先生方も初めて聞くと思いますよ。検察の取調べはこうやってやっていくんですよ。裁判官は調書主義ですから、その調書を基にまた罰を与えるわけですよ。私は、私の経験から、これは事実を言っているんですよ。
だから、大臣、こう聞くからこう答えろよとまで、答えまで、しかもこうやって印刷して渡すんですよ。私はこれは公正でないと思いますが、大臣、どう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/158
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159・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) こういうやり方が事実だとすれば、それは公正なことではないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/159
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160・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、これ事実なんですね、だから私、これ委員会に出しているんですから。私は、これ、うそ、でたらめであれば出しませんから。これは裁判所にも出していますから。
大臣、やっぱり大臣からとしてもこのやり方は正しくないですね。もう一度確認いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/160
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161・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 公正ではないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/161
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162・鈴木宗男
○鈴木宗男君 公正ではないという答弁いただきましたから、これは、大臣の私は答弁にしては、極めて正しいというか、まさに公平な答弁であると思います。
そこで、大臣、昨日、おとつい、例のプレサンス事件の裁判で、取調べの録音、録画の映像が流されました。これ、今はもう出回っていますから見ている人もいると思います。約五分ぐらいです。そこで検事は、担当検事は、検察をなめんなよ、テーブルを何回もたたいていますね。
そういう取調べは、大臣、正しいやり方でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/162
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163・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) ちょっと私、済みません、その画像をまだ拝見していないので、あくまで、あくまで一般論ですが、まあ机をたたいて威嚇をするというそういう状況ですね、それは好ましいことではないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/163
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164・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、映像を見なくても、例えば昨日の新聞、テレビでも全国放送でその場面は流れています。
本来、事務方、刑事局長を始め、こういう映像が流れていますということは大臣に上げてもいいと思いますけれども、刑事局長、さっき手を挙げたけれども、あなた方はそういう報告は大臣にしていないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/164
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165・松下裕子
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。
国家賠償請求訴訟におきまして、その公判において取調べの動画が再生されたということについては大臣に御報告をしております。ただ、その動画そのものを大臣にお見せするということはまだしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/165
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166・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、大臣が「検察の理念」を踏まえらせるべく徹底させると言いましたね。八高検も回りたいとも言っていますよ。現実に、私はこの委員会でも何回も指摘しているように、事実をしっかり受け止めてください。
大臣、私が見る限り、真面目で誠実に職務に当たっていると思います。ただ、大臣、大臣の答弁を聞いていると、検察になめられるだけです。あえて私の表現で言えば、大臣は言うとおりだ、扱いやすい、こう受け止めれます。私も長い様々な経験からいろんなネットワークを持っていますから、その中からも漏れ伝わってくる言葉あるんです、いい大臣だと。いい大臣だということは、軽く見られている部分もあるんです。同時に、人柄はいい人という意味も一割、二割あるかと思います。ただ、役人がえてして使う言葉で、この人はいい人だと言う場合は、大体軽く見ている証拠であります、私が昭和五十八年から初めて国会議員になってからの経験で。
是非とも大臣、職務に忠実であることも事実だけれども、検察権力が人を捕まえるんです。同時に、間違って捕まえられた場合、人生おかしくなるんです。袴田さんの事件、そのとおりであります。私の事件も国策捜査という言葉が言われました。それは、権力を背景にしてやったという、当時、よくマスコミは使ったからであります。同時に、知の巨人と言われている佐藤優さんがこの言葉をよく発信したからであります。
是非とも大臣、法務大臣です、検察を監督できる立場にあるんです。こういうあってはならない、なめんなよだとかテーブルをたたいて供述誘導する。しかも、結果として第一審で無罪ですよ。私は、しかるべき責任を取らせるべきだと思います、間違いを犯したんですから。
我々政治家は何か間違いを起こせば必ず落選させられます、政策判断間違っても。役人は政策判断間違ったとしても、検察官はこういった作り話、シナリオ、ストーリーを作っていっても処分されない。私はこれは、世の中から見て公平じゃないと思うんです。
大臣、検察改革しっかりやるのが今の大臣の使命だと、こう思いますけれども、これまでの何回かの私の検察に対する指摘を受けながらも、検察改革に対する大臣の決意を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/166
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167・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 検察は、公平な捜査あるいは起訴、こういったものを不当な圧力を受けることなく実行しなきゃいけないというそういう制度の仕組みになっている余り、結局、検察を抑制できる、そういう権力が非常に弱いんだと思います。個別指揮権に踏み込んではいけないという形で、政治と、法務大臣と検察の間に非常に溝、距離がある。
しかし、その中でなすべきことは、個別指揮権に踏み込まずに一般的な指揮権の中で、それは何も甘くするという意味ではありません、一般的な指揮権をしっかり敷衍して、そして、私は、まず高検の検事長に、八人にお会いして、検事総長にもお会いして、検察の改革、また実際にそういうことが起こっているという御指摘を多々いただいておりますから、そういうものをしっかりと伝え、反省を促し、また様々な考えを出してもらって、私も一緒に考えながら検察の改革をしっかりとこれから進めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/167
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168・鈴木宗男
○鈴木宗男君 小泉大臣、その検察への指揮権、よく言いますけれども、検察庁法第十四条にこだわりますけれども、組織の長として、公務員としてのあるべき姿と、指導する立場にもあるんです。間違いを犯したら注意をする、これも大臣の仕事の一つなんです。大臣は、検察庁法第十四条をもってして個別案件には触れられない、当たり前のことです。それは事件です。事件でなくても、結果が出ました。人としてどうであるか、どうであったか、そういうことを指導するのも私は大臣の立場だと思っているんです。
是非とも大臣、ここは、人間味のある小泉大臣でありますから、検察の名誉のためにも、適切な指導、注意、そして処分、こういったことは頭に入れて日々精励をいただきたいと、こう思います。
この話は、参議院の場合は解散がありませんから、次の国会もその次の国会も私はびしっとやっていきますから、大臣が留任してくれることをこいねがって、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/168
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169・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案の修正について清水さん及び仁比さんから発言を求められておりますので、この際、順次これを許します。清水貴之さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/169
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170・清水貴之
○清水貴之君 発言をお許しいただき、ありがとうございます。
私は、日本維新の会・教育無償化を実現する会を代表し、ただいま議題になりました出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案に対して、修正の動議を提出します。
その内容は、お手元に配付の案文のとおりですが、その趣旨について説明をします。
現行の技能実習制度は、国際貢献という表向きの建前とは逆に、外国人を安い労働力として扱い、低賃金、長時間の過酷な労働環境や劣悪な住環境の中に置き、我が国の国際的信用を毀損するものになっていました。
今般、政府から提出された本法律案には、こうした現状を改善することが期待されていますが、本質的な解決に至るとは思えません。
最大の問題は、これから我が国が、どのような技能を持った外国人を、どのくらい受け入れていくのか、その基本となる方針が示されていないことです。
経済成長につなげるため、我が国、そして各地域で経済成長に資する高い資格や技術を有する高度人材を積極的に受け入れるという観点からの基本戦略がなければ、今後も人手不足に対する安易な外国人の受入れが続くことは避けられず、また、それによって我が国における賃金水準の上昇や生産性の向上を抑制するなどの弊害も生じさせ、かえって日本の経済成長を阻害することになりかねません。
以上の考え方を踏まえ、本法律案の附則に三項目の規定を加えるべく、以下、その要旨を説明します。
一つ目の規定は、就労目的の外国人の受入れに係る基本法の制定についてです。
この規定では、基本法を制定する際の大きな考え方として、我が国での就労を目的とする外国人の受入れが、以下の二つの方針に基づいて行われるべきことを示しています。
第一に、我が国経済の成長に資する観点から、専門的、技術的な分野で、高度人材としての活動や熟練した技能を要する業務への従事等を行う外国人について、更に積極的な推進を図ること。
第二に、それ以外の就労目的の外国人については、安易な受入れにより賃金水準の向上を阻害するなどの弊害が生じることにならないよう、より限定して行うことです。
その上で、今後の就労目的の外国人の受入れがこの二つの方針に基づいて戦略的に行われることになるよう、本法の公布後、速やかに、基本理念、国の責務、政府による基本戦略の策定、その他の基本となる事項を定める新たな基本法の制定のための必要な措置が講ぜられるものとします。
二つ目の規定は、我が国以外では修得することが難しい技能について、その修得意欲を有する外国人の受入れに関する措置についてです。
今般の育成就労制度については、政府による基本戦略の策定後五年以内に、我が国以外では修得が難しい技能に対する意欲を有する外国人に限って受入れが行われることになるよう、必要な措置が講ぜられるものとします。
三つ目の規定は、育成就労外国人の報酬の適正化に関する措置です。
就労目的の外国人の安易な受入れで賃金水準の向上が阻害されることを防ぐ観点から、安価な労働力を求める企業等による制度の悪用を排除することが必要です。
このためにも、育成就労外国人の報酬が適正な水準となるよう、地域、業界の賃金水準よりも一定比率以上の高い賃金を払う企業等に利用を認めることを前提に、必要な措置が講ぜられるものといたします。
以上が修正案の趣旨です。
何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/170
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171・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 次に、仁比聡平さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/171
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172・仁比聡平
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平です。
我が党は、審議の終局に反対いたしました。それは、法案の意義そのものがいまだ定まっていないからです。とりわけ、永住者の資格取消しの要件、育成就労の重要事項の大方が委ねられる主務省令の在り方、そうした問題について、更に参考人質疑を含めた徹底した審議を尽くすことがこの参議院法務委員会の責務ではないかと強く申し上げましたが、委員長は、理事会派が……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/172
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173・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 傍聴人の方は御静粛にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/173
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174・仁比聡平
○仁比聡平君 了承したとして、この委員会に終局を諮ることもなく終局をされました。断固として抗議を申し上げます。
会派を代表して、議題となっております出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。
その内容はお手元に配付されております案文のとおりですが、概要を申し上げると、第一に、入管法第二十二条の四第一項に新たな第八号及び第九号を追加する改正規定、すなわち、永住者に対して、入管法に規定する義務を遵守せず、又は故意に公租公課の支払をしないことなどを在留資格取消し事由とする規定を削除して、行わないこととし、第二に、これに伴い、永住許可の要件明確化に関する同法第二十二条第二項の改正規定及び国又は地方公共団体の職員の通報を定める同法第六十二条の二を加える改正規定を削除して、行わないこととすること、その他所要の規定を整理することです。
その趣旨について御説明申し上げます。
永住者は、本来、在留期限や活動に制限がない最も安定した在留資格です。その法的地位は、その方々が日本社会で暮らしている歴史的背景や定着性に照らし、より安定したものとされなければなりません。
ところが、法案は、その在留資格を軽微な義務違反の摘発や通報を契機として取り消し得る不安定な地位へと百八十度変えようとするものです。安定した生活の根幹であり人格的生存の基盤である永住資格の取消し事由を拡大しようとする政府から、その必要性、すなわち立法事実は、最後まで具体的、明確に示されることはありませんでした。
結局、法案は、入管が、公的義務の不履行、すなわち国家にとって好ましい振る舞いをしないと見た永住者に対し、在留資格を根本から取り消し得る行政裁量をもって在留管理のまないたにのせ、生殺与奪の権を握ろうとするものであり、そうした立場に置くこと自体が深刻な外国人差別であり、抜き難い排外主義の現れです。永住者の重要な権利を制約しようとする目的自体、不当と言わなければなりません。
政府は悪質な義務違反への対応だと言いますが、仮にそうした目的のためだとしても、法案の規定は目的達成の手段として余りに過度で広範であり、権利制約規範として極めて不明確です。
審議最終盤になって入管庁は、本人に帰責性があるとは認め難く、やむを得ず支払えないような場合には必ずしも悪質とは言い難い、そのような場合は故意とは言えない旨の答弁をするに至りましたが、そもそも条文自体にはそのような限定は一切なく、そのような読み方は法令用語として不合理と言わざるを得ません。ガイドラインを作ると言いますが、それは行政裁量の運用方針でしかなく、権利制約を正当化する根拠にはなりません。
こうして法案は、入管庁の広範な行政裁量による恣意的な永住資格の取消しという大きな危険を新たに生み出すものであり、予見可能性なく永住者の生活を萎縮させ、ひいては外国籍住民全体の地位を不安定にしかねないものです。
戦後も、出入国管理行政に底深く、抜き難い外国人差別と排外主義から抜け出す一歩とするために、何とぞ委員各位の御賛同を呼びかけ、提案理由の説明といたします。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/174
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175・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 傍聴の方に申し上げます。
傍聴の方は御静粛にお願いいたします。
傍聴人は、傍聴規則により、議事に関する賛否の表明その他議事の妨害になるような行為は禁止されております。これに従わないときは退場を命ずることとなりますので、再度注意を申し上げます。
これより両案及び両修正案について討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/175
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176・福島みずほ
○福島みずほ君 立憲民主・社民の福島みずほです。
私は、会派を代表し、出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案、出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
まず第一に、最大の理由は、永住資格の取消しの制度が盛り込まれていることです。故意に公租公課を払わなかった場合や入管法違反の事実、軽微な一定の刑事事件に処せられた場合には、執行猶予であったとしても永住資格の取消しができるというものです。しかも、国や自治体の職員は、その事実を思料した場合には通報することができるとまでしています。
法務省は、故意に公租公課を払わない場合とは悪質な場合やあえて払わない場合のことであり、やむを得ない場合は除くということをガイドラインに明言するとしています。しかし、ガイドラインは国会を通す必要がなく、法務省の裁量で作成、変更ができます。そして、永住権のことで訴訟になったとしても、法的拘束力がないために、ガイドラインの内容は裁判では意味を成しません。在留カードの不携帯義務など極めて軽微なことで在留資格の取消しが問題になること自体が比例原則に反し、永住者の生活を不安定にし、かつ奪うものです。
神奈川弁護士会は、六月四日の会長談話で、人であることにより享有することのできる人権は外国人であっても当然に享有することができます、もし外国籍、無国籍市民に対してだけ従来のルールを超えて入管の広範な裁量で永住の資格を剥奪し、生活の基盤を軒並み奪ってしまうことができるような仕組みをつくるのであれば、外国人市民に対する苛烈な差別以外の何物でもありません、そして、近年、政府が進めてきた外国人労働者の受入れ政策及びこれに伴う共生社会の基盤整備施策にも完全に矛盾していますと述べています。そのとおりです。このような永住資格の剥奪を断じて認めるわけにはいきません。
しかも、この永住資格の取消しについては、有識者会議で全く議論されず、最終報告書にも一切書かれていません。ロードマップからしても遠い将来に結論を出すというもので、今回の唐突な改悪案は理解できません。また、第七次出入国管理政策懇談会の第十二回、第二十一回会合においても、否定的な議論、意見が出ているではありませんか。さらに、その懇談会で取りまとめた報告書には、当事者から意見聴取をし、丁寧な議論が必要だと書かれています。
また、この条文を入れる立法事実は一切明らかになっておりません。この立法事実を裏付ける事実も法務省から出ていません。
さらに、当事者や当事者団体に全くヒアリングを行わず提案していることも問題です。参議院の参考人として来られた横浜華僑総会顧問の曽徳深さんは、五月十二日に初めてこのような条文が提案されていることを知ったと述べました。法務省が生殺与奪権を持つと宣言するものであり、日本で今まで暮らしてきた九十万人の永住者の皆さんへの恫喝であり、全ての外国人に対する恫喝です。このような法律を断じて成立させてはなりません。
第二に、現行の技能実習制度は、外国人を非熟練、低賃金の労働者として使い、強制労働など、深刻な人権侵害を引き起こしてきました。労働基準法違反が横行するだけでなく、多くの失踪者を生み、現代の奴隷制と言われてきました。国連自由権規約委員会等からも人権侵害を指摘されています。しかし、法案は問題を根本的に改革するものになっていません。看板の付け替えだけに終わっています。
現在、技能実習生が送り出し国で支払っているのは平均して五十四万円となっています。それが本当に引き下げられるのでしょうか。また、現在、監理団体へ受入れ機関が払っているのは、三年間で修習生一人当たりの費用は百四十一万円、そのほかに入会金が七万円ほど、年会費が九万円ほどとなっています。
このように、多額のお金を払うために本人へ支払う金額が少なくなり、また本人が前借金で逃げられないという状況が発生しています。これらのことが本当に改善するのでしょうか。これらの制度を温存したまま育成就労といっても、問題点は変わりません。
第三に、農業と漁業など季節性のある分野に派遣労働の仕組みを導入することは、中間搾取で労働条件が悪くなり、また短い期間での雇用になるなど問題が生ずる懸念があります。派遣労働そのものの問題もある中で、この派遣が拡大することで更に労働条件が悪くなる危険性があり反対です。
結局、人手不足の中で安価な労働力を求めているだけであり、家族帯同を認めないことを始め、共に地域で生きる存在としては制度構築していないのではないでしょうか。永住資格の取消し制度の新設と相まって共生社会づくりに背を向けるものであり、反対討論といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/176
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177・清水貴之
○清水貴之君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の清水貴之です。
私は、会派を代表し、閣法二法案に対して賛成の立場から討論を行います。
まず初めに、この改正案に対して、先ほど、現行の技能実習制度が抱える課題の本質的な解決には不十分だと考え修正案を提出し、趣旨説明をさせていただきました。繰り返しになりますが、この改正案には、これから我が国がどのような技能を持った外国人をどのくらい受け入れていくのか、どう共生していくのか、その基本となる方針が示されていません。また、経済成長への貢献という観点が足りず、基本方針の作成を通して、外国人の受入れがどれほどの経済成長につながるのか戦略を立てる必要があります。
今回の改正案を更に良くしていくためにも、基本理念と国の責務、政府による基本戦略の策定、そしてその他の基本となる事項を定める新たな基本となる方針の制定のための措置が必要だということを重ねて述べさせていただき、しかし、今回の改正案が外国人の労働環境や人権上の問題が改善するために必要な改正であることには賛同し、一歩前へ進めるという意味で賛成いたします。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/177
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178・仁比聡平
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
自民党政治の外国人差別、排外主義はどこまで底深いのかと。昨年、難民申請者から送還停止効を奪う改悪入管法がこの委員会で強行されました。今度は、永住者の在留資格取消し拡大法案を突然持ち出して、こうして強行する。
反対理由繰り返しませんけれども、断固としてこの二法案には反対です。大臣はしきりにルールを守ってもらうと言いましたけれど、ルールと言うなら、国際人道法、難民条約など、国際人権水準に反しているのは、政府・与党、入管行政の方ではありませんか。
第二に、育成就労創設する法案について。技能実習制度の廃止こそ求められ、政府の検討においてもそれが出発点だったはずにもかかわらず、技能実習を育成就労と言い換えただけで、看板の掛け替えにもなっていないからです。人権侵害の防止、是正と言いながら、その担保はありません。増え続けている失踪者についても、その原因究明、再発防止はあやふやにされ、本法案でも温存されかねません。
転籍についてはどうか。やむを得ない場合に加え、本人の意思による就労実施者の変更を可能とすると言いながら、転籍の自由の保障とは言い難い内容です。労働者にとって転籍の自由は不当な搾取から自らを守る最も中核的な権利であり、だからこそ、その期間制限は有識者会議で一年が相当とされました。ところが、法案は最大で二年とし、これでは育成就労三年のうち二年間の間は転籍できず、結局実質的に転籍はできないことになりかねません。
また、法案は、研修生制度以来、外国人労働者を食い物にする悪質なブローカー、人材ビジネスの温床構造となってきた、その中心にある監理団体を監理支援機関と看板を掛け替え、そのままにしています。監理費は実費と言いながら、不当な監理費を理由として監理団体の許可が取り消されたこともありません。悪質な監理団体を排除するどころか野放しにし、もたれ合ってきたという批判を免れないではありませんか。
さらに、育成就労に派遣形態を解禁することは大問題です。派遣手数料の更なる負担は、育成就労労働者の待遇を悪化させることになります。新たな搾取の仕組みになりかねない派遣形態の育成就労はやめるべきです。
そして、法案は、基本方針や分野別運用方針はもちろんのこと、業務、技能、日本語能力などの目標や内容、外国人労働者が送り出し機関に支払う手数料の上限など、育成就労労働者を適正に受け入れる基準について、数々の問題を主務省令で定めるとしかしておらず、審議でその中身を聞いても明らかにできないままです。数々の人権侵害を生み出した構造に反省なく、人手不足対策にのみ前のめりの政府に白紙委任するなど、立法府として断じてやってはならないことです。
在留カードとマイナンバーカードの統合により、プライバシー侵害の危険も重大です。
人手不足社会を打開するには、そもそも日本経済の実体経済の抜本的改革、中でも抜本賃上げ、非正規の打開こそ必要なのではありませんか。外国人労働者を安価で都合の良い単純労働者となお考えるなら、経済の転換にも人手不足打開にも逆行をしていきます。
国境を越えた移住労働は当然であり、横浜華僑総会の曽参考人が述べられたとおり、人があってこそ材がある。永住者を始め、外国人労働者、外国籍住民の法的地位の安定と難民条約に基づく難民認定、入管収容、仮放免における苛烈な人権侵害の打破、こうした人権後進国を抜け出す我々の取組こそ本当に大切だということを改めて強調し、日本共産党はそのために全力を尽くす決意を申し上げて、反対討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/178
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179・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 傍聴人の方は御静粛にお願いいたします。
議事に関する賛否の表明その他議事の妨害になるような行為は禁止をされております。これに従わないときは退場を命ずることとなりますので、再度注意を申し上げます。
他に……(発言する者あり)
再度御注意を申し上げます。
従わない場合には退場を命ずることとなりますので、御注意をお願いいたします。
他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
まず、出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案について採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/179
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180・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、牧山さんから発言を求められておりますので、これを許します。牧山ひろえさん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/180
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181・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 私は、ただいま可決されました出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会・教育無償化を実現する会及び国民民主党・新緑風会の各派並びに各派に属しない議員鈴木宗男君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一 特定在留カード等について、取得を義務付けず、希望者が任意に取得できることとした趣旨を、法施行後も尊重すること。
二 在留カード等と個人番号カードの一体化のための準備を進めるとともに、特定在留カード等の更なる利便性向上のための措置について引き続き検討を行うこと。
三 年々巧妙化する偽造技術に対応し、これを防止するための取組を進めるとともに、プライバシー情報の保護のためのセキュリティ対策を着実に行うものとすること。
四 紛失、盗難、滅失その他の事由により特定在留カードの所持を失ったときは出入国在留管理庁において、在留カードが即時に交付されることについて必要な周知を行うこと。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/181
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182・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) ただいま牧山さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/182
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183・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 多数と認めます。よって、牧山さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、小泉法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小泉法務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/183
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184・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) ただいま可決されました出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/184
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185・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 次に、出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
まず、仁比さん提出の修正案の採決を行います。
本修正案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/185
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186・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 少数と認めます。よって、仁比さん提出の修正案は否決されました。
次に、清水さん提出の修正案の採決を行います。
本修正案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/186
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187・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 少数と認めます。よって、清水さん提出の修正案は否決されました。
それでは、次に原案全部の採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/187
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188・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、牧山さんから発言を求められておりますので、これを許します。牧山ひろえさん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/188
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189・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 私は、ただいま可決されました出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会・教育無償化を実現する会及び国民民主党・新緑風会の各派並びに各派に属しない議員鈴木宗男君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一 我が国が外国人労働者にとって魅力ある働き先となり、就労希望者がより長く我が国で就労することができるよう、また、安価な労働力の確保策として悪用されることのなきよう、外国人労働者の生活・就労環境等の整備と適切な法の運用に努めるものとし、段階的な技能向上が図られることの明確化、賃金をはじめとする待遇や職場環境の改善、国及び地方公共団体等における受入れ体制の整備、本人及び家族のための生活環境の整備、社会保障制度に関する周知徹底、我が国の文化や社会に対する理解の増進等の諸施策の総合的な取組に向けた検討を進めること。
二 外国人労働者の受入れ企業が労働関係法令を遵守し、適切に外国人労働者の雇用と支援を行うことができるよう、人権意識の醸成及び徹底に向けて、適切な情報発信及び取組支援の在り方等について検討を行うこと。また、外国人労働者に対する人権侵害の実態や外国人失踪者に関する状況の把握と業所管省庁間の共有に努め、必要な改善措置について検討を行うこと。
三 育成就労の関係者は、育成就労労働者等の外出、妊娠・出産及び育児その他の私生活の自由を不当に制限してはならないこと。政府は、その旨の周知徹底を関係者に向けて行うものとすること。
四 地域社会での生活や育成就労の適切な実施に資するとともに、改正後の制度の各段階において日本語能力がこれまで以上に求められることから、外国人労働者の日本語習得のために適切な支援がなされるよう、国及び地方公共団体における環境整備の在り方について検討を行うこと。特に、地方における日本語習得の機会の確保について、十分に配慮するものとすること。
五 我が国の産業分野における労働力不足への対応を目的とする本法の趣旨に照らし、特定技能及び育成就労に係る対象分野及び受入れ見込数の設定に関しては、外国人労働者の現状や我が国全体の雇用状況を適切に勘案して、透明性・予見可能性が確保されるよう努めるとともに、専門性のある有識者や労使団体等の知見が反映され、公平性・中立性が確保されるよう努めるものとすること。また、経済社会の牽引役となりうる高度外国人材に関し、これまで以上に更に積極的に招致を行う方策について検討を行うこと。
六 政府は、育成就労産業分野の設定に当たっては、生産性向上や国内人材の確保のための取組を十分に行ってもなお人手不足の状況にある分野であることが客観的データ等から明らかであること、従事する業務が単純作業でなく、一号特定技能外国人の技能水準までの人材育成と処遇向上が可能な体制を有する分野・業務であること等、制度趣旨を踏まえつつ、国内労働市場への影響や産業政策を総合的に検討した上で厳格に設定すること。
七 育成就労制度及び特定技能制度において、日本人との同等以上の処遇確保の実効性を高めるために必要な措置を検討すること。
八 育成就労制度及び特定技能制度の各種評価試験について、各制度趣旨に沿った適正レベル、内容となるよう有識者や労使団体等で構成される新たな会議体の意見を踏まえ、適正化を図ること。
九 我が国での就労経験を持つ外国人が、過去に習得した技術や日本語能力、日本社会及び日本文化等への理解や経験を生かして更に我が国で活躍してもらうための受入れ手段について検討を行うこと。
十 育成就労労働者の意向による転籍を認めるための要件に関する主務省令の策定に際しては、技能及び日本語能力の基準等について、適正かつ現実的に転籍が可能なものとなるよう、有識者や労使団体等で構成される新たな会議体の意見を反映すること。また、改正後の制度の運用状況を踏まえて必要に応じて見直しを検討するものとすること。
十一 育成就労労働者の転籍が迅速かつ円滑に進められるよう、転籍の申出の手続にかかる負担が極力少なくなるための措置を検討するとともに、転籍先が確保されるまでの期間が長期化した場合における生活支援等の在り方について検討を行うこと。
十二 本人の意向による転籍を制限する期間に関しては、「一年」という有識者会議の最終報告書及び関係閣僚会議の決定の趣旨を尊重した上で、必要な検討を行うものとすること。
十三 育成就労労働者が一年を超えて同一の実習先において就労を継続する場合には、二年目の就労を開始する際に、当該育成就労労働者の賃金等の雇用条件が一年目の雇用条件よりも向上することになるよう、雇用契約書のひな型を整備するなどし、雇用条件が向上していることを育成就労機構が客観的に確認することができるようにするなど、主務省令において適切な定めを設けること。
十四 本法による育成就労労働者の意思による転職は最大二年間制限することになるところ(法第九条の二第四号イ)、政府は育成就労労働者の転籍の状況を適切に把握し、本法施行後三年を経過した場合において、関係地方公共団体、労使団体その他の関係者の意見を踏まえて検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずること。
十五 育成就労制度における労働者派遣について、関連する省令の制定に当たっては、適正な人材育成及び賃金・処遇の向上、安全対策等が確保され、制度趣旨に沿った厳格な運用が行われるよう、有識者や労使団体等の関係者の意見を反映すること。
十六 季節性のある分野における派遣形態による育成就労計画の認定に当たっては、派遣元又は派遣先の事業者の事情により育成就労労働者の利益が不当に害されることのないよう、労働関係法令等に即した適切な処遇をすること。
十七 政府は、育成就労外国人及び特定技能外国人の労働災害発生率を低減させるため、受入れ機関における安全衛生管理体制の強化及び安全衛生教育・訓練の充実、外国人労働者に対する母国語による支援の実施、評価試験における労働安全衛生の観点を含めた技能の習熟度の確認等、実効性ある方策を検討し、実施すること。
十八 監理支援機関、登録支援機関及び育成就労実施者の要件について、本法の施行後に運用状況や法令違反を検証し、その結果を踏まえ、更なる要件の厳格化、必要な措置等を検討すること。特に登録支援機関については、登録制の是非を含めて検討すること。
十九 監理支援機関の独立性・中立性の確保のための役職員要件及び業務範囲に関する要件等に関する主務省令の策定に当たっては、本法の趣旨及び地方における監理支援機関の実情に照らして実効性が確保されるよう留意するとともに、当該要件の充足の状況及び外部監査人の選任の在り方を含む適切な業務実施体制の確保の状況等について、実地検査等を通じて継続的に把握するよう努めること。併せて、監理支援機関による育成就労実施者からの監理支援費の徴収に当たっては、当該費用が実費に限られることに留意し、監理支援費の設定及び預託金の精算等が適切になされるよう、必要な措置を検討すること。
二十 育成就労を希望する外国人が送出機関に不当に高額な手数料を支払うことのないよう、主務省令で定める手数料の金額の基準を育成就労労働者にとって合理的なものとするとともに、送出国との新たな二国間取決めの策定に際しては、悪質な送出機関が排除され、我が国への育成就労労働者の送出しが適切に実施されるものとなるよう、協議を進めるものとすること。
二十一 永住者に対する永住許可の取消及び職権による在留資格の変更を行おうとする場合には、既に我が国に定住している永住者の利益を不当に侵害することのないよう、定着性及び法令違反の悪質性等の個別事情を厳正に判断するとともに、具体的な事例についてのガイドラインを作成し周知するなど、特に慎重な運用に努めること。また、その場合における永住者の家族の在留資格の取扱いについて、十分な配慮を行うものとすること。
二十二 我が国が魅力ある働き先として選ばれるため、外国人労働者の家族帯同の在り方について引き続き検討すること。
二十三 今後、育成就労を経た特定技能外国人の増加が見込まれる中、これら外国人に対する人権侵害の有無を含め、育成就労及び特定技能の両制度が適正に運用されているかの調査を行うなど、実態の把握に努めること。
二十四 我が国の労働人口の減少に伴う外国人労働者の増加を踏まえ、外国人との共生及び戦略的な受入れ施策を含めた外国人受入れ政策全般について検討を開始し、その結果に基づいて制度又は運用の見直しその他の必要な措置を講ずるものとすること。この検討に当たっては、関係者を含めた有識者で構成される会議体を設置して、これを行うこと。
二十五 政府は、外国人労働者をめぐる労働・雇用管理に関する問題が発生している状況に鑑み、外国人雇用管理指針を含め、外国人労働者の雇用管理に関する法令の在り方についての検討を行うこと。その際、労働政策審議会等、労使が参画する会議体において必要な議論を行うものとすること。
二十六 本法の施行に伴う出入国在留管理庁及び厚生労働省における業務負担の増加に伴い、関連業務を迅速かつ適切に実施するために必要な人的・物的体制の整備に努めること。
二十七 外国人育成就労機構が支援・保護業務や相談援助業務を適切に行うため、予算の確保も含め、体制の整備に努めるとともに、育成就労労働者からより広く認知されるための取組を進めること。
二十八 育成就労労働者及び特定技能外国人からの各種相談案件について、法令に違反する事実又はそれが疑われる事案を把握したときには、外国人育成就労機構は、関係各省庁に対し、遅滞なく情報提供等を行うものとすること。また、情報提供を受けた関係各省庁は、連携の上、事実関係の調査を行い、適切な指導監督を行うものとすること。
二十九 外国人労働者が改正後の制度について正しく理解して安心して我が国で働くことを可能にするとともに、共生社会の実現に向けて国内外の理解が深まるよう、本法の趣旨及び内容について国際社会や国内の関係機関等に対する周知広報に努めること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/189
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190・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) ただいま牧山さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/190
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191・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 多数と認めます。よって、牧山さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、小泉法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小泉法務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/191
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192・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) ただいま可決されました出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/192
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193・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/193
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194・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315206X01820240613/194
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