1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和六年六月四日(火曜日)
午前十時開会
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出席者は左のとおり。
法務委員会
委員長 佐々木さやか君
理 事
古庄 玄知君
和田 政宗君
牧山ひろえ君
伊藤 孝江君
川合 孝典君
委 員
岡田 直樹君
北村 経夫君
山東 昭子君
田中 昌史君
森 まさこ君
山崎 正昭君
石川 大我君
福島みずほ君
石川 博崇君
清水 貴之君
仁比 聡平君
鈴木 宗男君
厚生労働委員会
委員長 比嘉奈津美君
理 事
羽生田 俊君
福岡 資麿君
星 北斗君
打越さく良君
秋野 公造君
委 員
生稲 晃子君
石田 昌宏君
片山さつき君
神谷 政幸君
友納 理緒君
三浦 靖君
山田 宏君
石橋 通宏君
大椿ゆうこ君
奥村 政佳君
高木 真理君
杉 久武君
山本 香苗君
猪瀬 直樹君
梅村 聡君
田村 まみ君
倉林 明子君
天畠 大輔君
上田 清司君
国務大臣
法務大臣 小泉 龍司君
厚生労働大臣 武見 敬三君
副大臣
内閣府副大臣 工藤 彰三君
法務副大臣 門山 宏哲君
大臣政務官
法務大臣政務官 中野 英幸君
外務大臣政務官 穂坂 泰君
国土交通大臣政
務官 石橋林太郎君
国土交通大臣政
務官 こやり隆史君
事務局側
常任委員会専門
員 久保田正志君
常任委員会専門
員 佐伯 道子君
政府参考人
警察庁長官官房
審議官 小林 豊君
警察庁刑事局組
織犯罪対策部長 猪原 誠司君
こども家庭庁長
官官房審議官 野村 知司君
法務省刑事局長 松下 裕子君
出入国在留管理
庁次長 丸山 秀治君
外務省大臣官房
参事官 長徳 英晶君
厚生労働省健康
・生活衛生局感
染症対策部長 佐々木昌弘君
厚生労働省労働
基準局長 鈴木英二郎君
厚生労働省労働
基準局安全衛生
部長 小林 洋子君
厚生労働省社会
・援護局長 朝川 知昭君
厚生労働省年金
局長 橋本 泰宏君
厚生労働省人材
開発統括官 岸本 武史君
厚生労働省政策
統括官 鹿沼 均君
経済産業省大臣
官房審議官 浦田 秀行君
国土交通省大臣
官房審議官 舟本 浩君
国土交通省大臣
官房審議官 蒔苗 浩司君
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本日の会議に付した案件
○出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
○出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実
習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する
法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
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〔法務委員長佐々木さやか君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/0
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001・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) これより法務委員会、厚生労働委員会連合審査会を開会いたします。
先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。
出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案及び出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
両案の趣旨説明及び出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分の説明は、お手元に配付いたしました資料により御了承願い、その聴取は省略いたします。
これより質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/1
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002・片山さつき
○片山さつき君 自民党の片山さつきです。
私は、党の外国人労働特別委員長を二年務めさせていただいて、コロナ禍であの技能実習切りに遭った実習生への人道的な配慮ですとか帰還問題に対応をさせていただき、また、長年懸案だった、出国時にブローカー等に多額の借金を負い、それが失踪や不法滞在の要因になっている問題について、当時のベトナム第一副首相とも直接交渉した経験もございます。
今回の法案は、技能実習の問題点を改め、育成就労として三年間で人材育成とその確保を両立するもので、基本的によく練られたものと賛成しておりますが、外国人によるトラブルや犯罪について毅然として対応し、日本の治安を一ミリたりとも悪化させないことこそが新制度への国民の信頼を勝ち得る鍵ではないかとずっと力説してまいり、党内でもこういった意見を公式に何度も言わせていただいた上で賛成してまいりましたので、今日は質疑の場で、適切で秩序ある共生という前提を確認させていただきたいと思います。
また、今日すぐにお答えは無理かもしれませんが、靖国神社への放尿、落書き動画が出回り、多くの日本人の心を傷つけており、中国の方からも、これは幾ら何でもというコメントが出てきている状況で、直ちに司法警察が何らかの適切な対応を取る又は取れるんだという状況こそが信頼を勝ち得る一つの鍵ではないかと、ここのところも法務大臣にお願いしたいところです。
質問に入りますが、最近、私の出身のさいたま市のお隣で、同級生で議員をやっている方もいらっしゃるんですが、川口市でのクルド問題が深刻化しており、六月十日の改正入管法施行時に、難民申請を繰り返しているようなタイプの方についてどのように取り扱うのか、約二千人いらっしゃると言われている中で、七百人がいわゆる打切りで、千三百人が難民申請中と言われておりますが、標準処理期間半年というような議論も本委員会で出ていると思いますが、粛々と処理して退去をさせるということができるのか、法務大臣の御方針から伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/2
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003・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 昨年の通常国会で成立させていただきました改正入管法、これが六月十日に施行されます。施行後は、三回目以降の難民認定申請を行った者は、難民認定申請中であっても、一定の場合を除いて送還停止効の例外となり、当事者が日本での在留継続を希望したとしても、強制的な送還が可能になります。
また、既にこれまでも、難民等認定制度の運用の中で、濫用、誤用的な申請者への対策、これは行ってきております。一定の類型の申請者に対して就労制限や在留制限の措置をとっているところであり、また、更なる対策についても継続的に検討を行っております。
法務省としては、改正入管法施行後も引き続き、保護すべき者を迅速かつ確実に保護した上で、難民等認定申請における濫用、誤用対策を図りつつ、在留が認められない者については速やかに送還をし、制度全体としての運用を適切に行ってまいりたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/3
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004・片山さつき
○片山さつき君 法の下、粛々と適切にお願いをいたしたいと思います。
この問題も地元の議員さんたちからペーパー等でいただいているんですが、クルドの方はトルコ語を話されるわけで、特殊言語でございまして、昨日警察にお聞きしたら、埼玉県警で話せる方が三名という状況で、あとほかに民間の協力者も登録していただいているとおっしゃっていますが、仮に、つまり語学の壁で、調書を取るための十日から二十日間ぐらいの勾留期間がありますが、それが語学の壁が主な理由でできなくて、調書が完成せずに放免してしまうということがあるのではないか、というようなことが言われるほど、いろいろと問題が感じられているわけですね。
こういった場合に、そういう壁があるようなことはまさかないんでしょうね。そうでないと、やはり不公平が生じるということだと、信用が成り立たないので、まず、このことを警察にお聞きをしたいと思います。さらに、こういった問題について司法警察の方としてはどのように考えているのかを法務省にもお聞きしたいと思います。両省お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/4
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005・猪原誠司
○政府参考人(猪原誠司君) お答えいたします。
一般的に、警察におきましては、日本語が通じない外国人に対して取調べを行う場合、通訳人を介してこれを行うこととしております。御指摘の埼玉県警察におきましても同様に対応しており、トルコ国籍の被疑者の取調べにおいて通訳人が確保できずに取調べに支障を来した事実はないものと承知しております。
引き続き、通訳体制の整備に努めるとともに、違法行為に対しましては厳正に対処してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/5
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006・松下裕子
○政府参考人(松下裕子君) 法務省から検察庁の取組についてお答えいたしますけれども、適正な刑事手続の実現のためには有能な通訳人を付すことが不可欠でございます。
検察庁におきましても、平素から有能な通訳人の確保に努め、各地方検察庁が通常必要な言語及び人数を確保した上で外国人被疑者の取調べについて適切に行っているものと承知しておりまして、お尋ねのように、取調べで言葉が通じず、通訳人が確保できないといったようなうちに被疑者を釈放、不起訴にせざるを得なかったような事件があったとは承知しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/6
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007・片山さつき
○片山さつき君 この特殊語学の問題というのは非常にほかの分野でも深刻でありまして、外国人集住都市との会議というのも何回も自民党はやっていますが、一つの小学校に二十以上の言語が必要となるケースがあったというのを我々は見ております。現実でございます。ポケトークがあってもちょっと足りないという気がしますが。
私は政治に入ったときの出身が衆議院でございまして、二〇〇五年から二〇〇九年まで浜松市、湖西市を選挙区としておりました。そのときに日系ブラジル人が事実上五万人ぐらいいらっしゃったと言われておりまして、やはりちょっと事故が多いのかなという問題で、いわゆる外免切替えが実効性を持つのかというテーマを国会議員たちがみんなで各省に持ちかけていたこともございます。
ただ、現在でも大きく変わっていなくて、十問ぐらいの確認ですね、こういうちゃんとした標識等が分かるかという確認と実務ということで、埼玉だったら鴻巣の免許場で一日か半日で済むという形なんですけれども、やはりこれにつきましても、川口の自民党の議員さんたちから、事故が多めではないのかなと。
特に最近、令和三、四年ぐらいからクルド系の方の難民申請というのは急に急増しているんですが、令和四、五年の事故件数ってどうなったんだろう。昔はそれは当然いらっしゃらなかったからゼロだったわけですけれども、数件だったのが増えているんじゃないのかなというお話があったんで、そのことを警察庁にきちっとお聞きしたいんです。事故率というのはなかなか計れないでしょうから。
それから、今回育成就労ということになると、より労働者に近い形でいろんな形で生活的なケアをしないと、なかなか定着というか平和的な、うまく円滑な共生ってできないということで、いろんなものが法律にはビルトインされているんですが、これは入管のお話だと思うんですが、任意保険に入らないで、ほぼ職業的に運転される方が結構いるわけですよね。
日本人の場合は圧倒的多数が任意保険に入っているので、賠償ですとか物損ですとかはカバーされている可能性が九九%高いんですが、自賠責が車に付いているだけだとそれらはほとんどカバーされないということの中で、これからは雇用者がこの育成就労についても特定技能についてもびしっとしている制度でございますから、少なくとも雇用者の側から、あるいは支援機関がしっかりとこういう存在する制度を説明して、任意保険にも、通常、非常に多く車を使うんだったら入るのが日本人は普通だよ、ということを、教育というのかインストラクトしていかないと。何が起きるかというと、私ども当時、五十万件の静岡県民の悲痛な署名を持って、麻生外務大臣とかいろんなところへ行ったんですよ。つまり、ブラジルの方がひき逃げで帰国してしまって、二歳の女の子が亡くなったんですが、引渡条約がほとんどの国とないですから、代理処罰をしたら、非常に向こうでは業務上過失致死の罪状は軽くて、二年ぐらいで終わっちゃったと。もちろん民事賠償の請求もこういう場合はほとんどできないので泣き寝入り状態で、その湖西市の山岡さんという御家庭ですけれども、お線香を何回か上げに行ったことを覚えておりますが。
こういう状況を積み重ねないようにするためには、やはり、今私が申し上げたように、きちっと外免切替えが安全性が高いのかということを更に確認していただくことと、入管において生活指導の一環としてそういうことをやっていただくことが絶対に必要というか有用だと思いますので、これも両省からお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/7
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008・小林豊
○政府参考人(小林豊君) お答えいたします。
まず、委員御指摘の埼玉県内における日本の免許証を保有するトルコ国籍の者による交通事故の発生状況についてでありますけれども、平成二十六年から令和五年までの十年間で見ますと、年間五件前後で推移したところ、令和三年は十五件、令和四年は十二件、令和五年は二十七件と、近年増加傾向にあるところでございます。
外免切替えの話でございますが、外国の運転免許を保有する者は、外国において一定の運転技能等を有することを確認した上で免許を取得している事情を鑑み、運転に必要な知識や技能の確認を行うなどした上で日本の運転免許を取得することが可能であります。
こうしたいわゆる外免切替えの手続におきましては、具体的には、外国の運転免許は有効なものであるかや、外国における運転経歴の確認、自動車を運転するために必要な知識の確認、さらに、運転免許試験場において実際に車を運転して行う運転技能の確認を行っております。加えて、視力等の適性試験については、これに合格することが必要となります。
過去、偽造の外国運転免許証による運転免許の不正取得事件も検挙されているところでございまして、警察におきましては、外国免許に関する情報収集を強化するなど、いわゆる外免切替えの審査を厳格化しております。また、外免切替えの際の知識確認問題についても、複数のパターンを用意してランダムに出題するなどの対策を講じているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/8
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009・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
我が国に在留する外国人への生活支援の観点から、日本で自動車を運転する際の任意保険を含む自動車保険につきましては、在留外国人向けの生活・就労ガイドブックに記載し、入管庁のホームページに掲載するなど、周知に努めております。また、技能実習生に対しましては、自動車保険については特段の周知は行っていないものの、技能実習生の保護の観点から、日本で生活する際の交通ルールを技能実習手帳に記載し、周知に努めております。
委員御指摘の任意保険の加入に係る周知の在り方につきましては、育成就労制度も含め、関係機関とも連携しつつ、必要な検討を行ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/9
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010・片山さつき
○片山さつき君 この外免切替えの試験について、たしか昔は、やはり特殊語学だったポルトガル語がなくて、日系ブラジル人の方はポルトガル語のみができて日本語が全くできず英語も駄目という方がいたので、実際にはその記号認識のようなものを教え込んで、あるいはそういうパターンをあんちょこでもらってみたいな話も当時相当出ておりました。トルコ語もそれ以上に大変な特殊語学ですから今試験項目にはないわけで、共生というのは非常にコストも掛かり、その覚悟がないとできないということをありとあらゆる意味できちっと認識した上でやらないといけないと思います。
川口は私が生まれた町の隣町なんですけれども、むしろ外国人の方の受入れには慣れたというか、共生を積極的にしようとしている感じの町ですよ。キューポラの町で鋳物がございますから、私が高校か大学の頃ぐらいにはもう既にバングラとかイランの方が、どういうビザだったか分かりませんけど、相当いらっしゃるなという感じがあって、その後、中国のWTO加盟で工場自体ががんと減ったんですけど、そういう歴史を見ています。浜松の方も、ブラジルサンバフェアとかを積極的にやって、本当にウエルカムだったんですけれども、このひき逃げ殺傷事件が起きて、もう一つ、レストラン店主殺人事件が起きてから、がらっと変わりましたよ。その変わる期間は短いんですよ。
だから、今私が申し上げたようなことを口を酸っぱくして経験者が語っていかないと、幾らすばらしい制度をつくっても、やはりその地域で何らかのプレッシャーや負荷を感じるというところがあるわけですから、それはあらゆる全ての国でそうですから、ここを冷静に現実として一つ一つ自覚して、こういう制度を取るんだったら、地域社会に迷惑が掛からないようにするにはどうしたらいいかというのをやらなくてはいけないと思うんです。
今、この法律の中で一定の配慮はされているんですけれども、元々、永住者になっても一年超えの実刑を受けたら退去強制の対象になるんですよね。これは法令としてそうだというふうに伺っておりますが、今回の法改正で、入管法二十二条の四の第一項第七号の次に加えて、永住権の格下げになるような刑罰の列挙対象をだあっと並べているんですが、その犯罪の中に刑法二十二章、これはわいせつ、強制性交等ですが、を抜けているという御指摘がもう既に法務委員会の場では出ているというふうに聞いておりました。
今回、並びでそういうふうになっているんでしょうけれども、女性の側からしたら、やはりそういったことには非常に不安があるので、そういう批判やうわさも出ておりますから、まず、これらの犯罪というのはほとんど法定刑が非常に重くて、一つのものを除けば法定刑が全部懲役関係は五、六年以上ですから、どういう判断を裁判がするかは別として、一年超えに掛かる可能性というのももちろん考えながらも、これはそもそもどういう形でこの女性の不安を払拭し、法務体系としてはなっているのかと、そして法務大臣としてはどのように対処されるのかをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/10
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011・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
御指摘の性犯罪につきましても、無期又は一年を超える懲役若しくは禁錮の実刑に処せられた者については、入管法第二十四条第四号二の退去強制事由に該当いたします。また、一年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者は、入管法第五条第一項第四号の上陸拒否事由に該当するところでございます。なお、退去強制事由と異なりまして、当該上陸拒否事由には、刑の執行が猶予された場合や日本国以外の国の法令に違反したことによる場合も含むものでございます。
なお、御指摘のような性犯罪により懲役一年を超える実刑判決を受けた場合は、先ほども述べたとおり、永住者であっても退去強制事由に該当することとなり、これまでも退去強制手続を取り、送還された者もございます。
引き続き、法令に基づく手続の結果、退去強制が確定した者については、法令にのっとり速やかに送還を実施してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/11
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012・片山さつき
○片山さつき君 この部分、かなり誤解されちゃって広がっているところがあるので、この法律自体が非常に膨大なものですから、これを丁寧に正しく説明する努力は非常に大きく必要なんですが、この部分についてもしっかりと御説明を願いたいと、そういうことが制度への信頼の鍵になるんだというふうに考えております。
我が党から何回も質問をしておりますし、岸田総理も本会議で言明しておられますが、何度も、今回の制度改正は、入国の時点でいわゆる永住権を有することになる「移民の解禁」ではありません。三年の育成就労後、特定技能一号に移行して、仮に、従来は在留期間の更新回数の制度がなく永住許可申請も可能となる特定技能二号に移行するとしても、そのためには実務経験や高い技能を要求する試験をクリアするなど何回も条件設定がございますし、今申し上げたように、良からぬやからを排除する永住権問題等についてもございますので、そういう格下げルールができているわけでございますから、きちっとこれは移民の解禁ではないということを訴えていただきたいと思います。
心から、これから申し上げますが、新たな制度の下では、監理支援機関における外部監査人としてどのようなものを想定しているのか、最大規模を誇っている行政書士さんも含めて、各サムライ業が入るとした場合にどのようなスキルが期待されるのか、士業の中には在留ビジネスに関わるような方もおられるとの指摘もありますが、改正入管法施行は、身元保証人を引き受けたら、逃亡された場合、十万円の手数料が保証人、監理人に科されるようになるということでございますので、士業の側としてはむしろ公正な監理の側に力を入れていただければ大変有り難いと思うんですが、この監理支援機関における外部監査人についてお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/12
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013・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) この外部監査人につきましては、本法案では要件を幾つか定めております。一つ、育成就労実施者と主務省令で定める密接な関係を有しない者であって、二つ、職務の執行の監査を公正かつ適正に執行することができる知識等を有することその他主務省令で定める要件、こういったものを定めております。
今申し上げました監査を公正かつ適正に執行することができる知識等を有すること等のそのまた要件でありますけれども、行政書士、弁護士、社会保険労務士といった国家資格者であることを要件とした上で、現行制度と同様、所定の講習の受講を求めることを検討をしております。
このうち、今御指摘がありました行政書士の場合について申し上げれば、一般論として申し上げれば、入管関係法令や労働関係法令に一定の知見を有すると考えられ、そのような知見に基づく適切な監査を行い得ると期待をされるところであると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/13
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014・片山さつき
○片山さつき君 今回、新たな制度の下で、監理支援機関自体に係る責務も非常に重くなると思いますし、それを中立的に適正に行うことを担保するために外部監査人を置くというのは、大変、今回一つ盛り込まれた良いポイントではないかと考えておりますので、各々外部監査人として入られる士業において適正にきちっと御活躍いただけるようにまた御指導をお願いをいたしたいと、かように思います。
先ほど外国人労働特別委員長をしていたと申し上げましたが、この間に、群馬県ですとか、静岡県ですとか、愛知県ですとか、三重県ですとか、外国人集住都市を抱えておられる首長さん、まあ知事さんもおられますが、集住都市会議というのが一応組成されていて、その活動が非常に活発であってよく持ってこられるときとそうでもないときがあるんですが、コロナのときには、居住地がやはり知らされているはずの居住地とずれている例が大体半分ぐらいあるというので、ワクチンが打てない問題というのをかなり大きくいただきまして、それを政府といろいろ調整しながら、何とかきちっとワクチンを打っていただくようにしたと、そういうような記憶もございますが、共生を図っていく上で、もちろん自治体の負担は大変大きいんですが、こういうところで、あそこのところで宿舎に入っている方々、何か全然ワクチンの通知来てないみたいよと、何か最初に入った県が違うんじゃないのみたいなことを実は教えてくれるのは、自治会、町会、町内会の会長さんだったり、まあ民生委員とかの場合もありますが、そういう地域のお役の方から入ってくることって非常に多いんですよ。
今回、いわゆるゲートキーパー機能というのかお世話役というのか、あらゆる意味で、いろんなところでそうなんですが、それでやはり非常に負担は大変なということがありますが、情報ががっちりと入っているということは全ての方にとってとても重要なことだなと当時から感じておりました。
そこで、地域の協議会というのが今回位置付けられておりますが、地方自治体や警察なんかも当然入るんでしょうが、地方自治体や公的な立場だけではなくて、地元の自治会、町会、町内会、そういうコミュニティー維持の仕事をしていらっしゃる方もきちっと参加させる余地はないのか。地域社会の不安や不満の早期アラート、治安維持という意味からこれは非常に重要だと思いますので、是非前向きな御検討をお願いしたいのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/14
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015・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
今回提出しております育成就労法案におきまして、法令上は、国の出先機関でございますとか地方公共団体等に参加していただく地方協議会を設ける予定となっております。
ただいま委員御指摘がございました、それよりもっと身近な人たちとの交流といいましょうか、情報、意思疎通というところでございます。この地域協議会の仕組みなのか、あるいは、もっと、どのような形ができるかということは施行までしっかり検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/15
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016・片山さつき
○片山さつき君 いずれにしても、本当に秩序ある適正な共生ということが前提で制度への信頼が守られると思いますので、今日の指摘点についても、むしろ実務も含めてよろしくお願いいたします。
以上、一分ぐらい残っておりますが、ここで質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/16
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017・石橋通宏
○石橋通宏君 立憲民主・社民の石橋通宏です。
今日は連合審査会ということで、質問の機会をいただきました。
今日は、基本的に、先日の参議院本会議で代表質問させていただきましたが、残念ながら、そのときの政府答弁、甚だ不十分としか言いようがないと思っておりますので、今日、事前に丁寧に通告もさせていただいて、小泉大臣中心にしっかりとした中身のある答弁をいただきたいということでお願いをさせていただきましたので、基本は両大臣といろんな質疑、問題点についてやり取りをさせていただきたいと思います。
まず、大臣に確認なんです。
今回、育成就労制度を新たに提案されたと。この育成就労制度というのは、温存される特定技能等々とも含めて、中長期的に日本で働きたい、日本で頑張りたい、日本で活躍をしたいと思ってくれる外国の労働者の方々、求職者の方々が中長期に安心して日本で活躍ができる、そういう制度であるということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/17
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018・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 従来の技能実習制度と比べますと、端的に申し上げれば、日本の側からも、まず端的に申し上げれば、より多くの外国人材により長く日本に来ていただいて日本の経済社会を支えていただきたいというこの本音、この本音をストレートに制度化しようというところから議論が始まりました。
そして、そのためには外国人材に選ばれる国でなければならない。来てもらえない、長くいてもらえないわけですから、選ばれる国になる。その選ばれる国になる要件の一つとして、今委員がおっしゃったように、働きやすいこと、様々な権利が保障されること、様々な支援措置もあること、そして日本の国民が受け入れてくれること、様々な要件がありますけれども、そういったものを一つ一つこの法案でできる限り手当てをしていこう、そういう考え方に立っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/18
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019・石橋通宏
○石橋通宏君 今、より長くとおっしゃいました。より長く、つまり、十年、二十年、三十年、四十年、長く日本で頑張りたいと、日本が好きだ、日本で安心して暮らしたい、日本で家族を持ちたい、家族も日本で育ってほしい、そういった方々がより長く日本で安心して安定的に暮らしていける、そういう制度設計だということでよろしいんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/19
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020・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) まずそれが基本なんですが、しかし、一定期間働いて、一定期間働いてそれなりの資産を、貯金をためて、それを母国に持ち帰って家族を豊かにしたいと思われる方は、引き続きそういう行動を取られると思います。そういう方々にもやはり日本に来てよかったと思ってもらうことが必要でありますので、その全員が最後まで、永住者になって、そういうところまで含んでいるわけではない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/20
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021・石橋通宏
○石橋通宏君 質問に答えてください。それは選択ですから、外国の方々の、それは当然そうですよ。
私が聞いているのは、日本で頑張りたいと、日本が好きだと、日本でやりたいと思ってくださる方々が中長期的に安定して日本で頑張れる制度であるということで、自信を持って言えるということでいいんですねと聞いているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/21
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022・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) それを趣旨としてこの制度改革をお願いをしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/22
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023・石橋通宏
○石橋通宏君 そうすると、今回、育成就労は入口ですね。その上に特定技能という、政府の案でいけば特定技能がある。一号があって二号がある。さらには、いろんな専門職のビザもあります。ポイント制の高度人材という制度もあります。
とすると、日本で入口段階で育成就労で来ていただいた方々が希望すれば、特定技能一号、二号、そして様々な専門職ビザも含めて、中長期的に安定的な在留資格に行く、それができる。その予見性も、そして社会、制度的にもその支援もして、中長期的に日本にいていただける。それでよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/23
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024・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) まさに我々の制度改革はそれを趣旨としております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/24
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025・石橋通宏
○石橋通宏君 そうすると、与党の皆さんは、殊更に入口段階で云々かんぬん言われて、さも中長期的なものではないんだ、短期的に帰っていただくんだみたいなことを言われがちなんですけれども、今大臣、明確に、中長期により長く日本で安心して働いて、そして、当然だけれども、生活者として生活をしていただかなきゃいけないわけです。共生社会の担い手であり、支え手であるわけです。それをきちんと権利も含めて保護していくんだ、中長期的に活躍をいただける、そういう在留資格も確実に確保して支援していくんだ。
重ねてお聞きします。そういうことでよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/25
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026・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 我々も同じ考え方でこの法改正をお願いをしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/26
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027・石橋通宏
○石橋通宏君 ここのところは是非、極めて大事です。
政府・与党の中でも、そのところは、そういう制度として今回の制度改革の議論があるのだということ、そうしなかったら選ばれない国になってしまうということは我々ずっと申し上げてきました。ただ、残念ながら、今回政府が提案されているもの、永住権の剥奪問題も含めて、言っていることとやっておられることが違うのではないかということを我々は指摘をさせていただいているということをこの後の質疑でまたいろいろとさせていただきたいと思います。
今、その前提をおっしゃられましたけれども、残念ながら、本会議でも申し上げました、今日、資料でもお付けをしております。改めて、与党の皆さんにも資料の二、そして特に資料の三を御覧をいただきたいわけです。資料の三を見ていただければ極めて明快に分かりますが、今回政府はあたかも抜本改革のようにおっしゃっていますけれども、現行の技能実習制度と今回提案された育成就労制度、同じです、制度的には。同じなんです。
小泉大臣、変わらないじゃないですか。同じ制度ですよ、これ。同じ制度であって、現行の技能実習制度、現代の人身売買、奴隷制度、そういう批判まで受けてきた制度と根本変わらないじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/27
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028・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) その前に、ちょっと戻りますけれども、短くお話ししますが、国を開くということです。我々は国を開いて、より多くの外国人材に適切にスキルアップしていただきながら、より長くいていただくということを目的にしております。そのことを一点追加させていただきます。
そして、その方向に向かって制度改正をするわけでありますけれども、技能実習制度というのは、かなり細かく、できる作業分野が区切られておりますが、特定……(発言する者あり)いや、根本的なところだと思います。ただ、それを、特定技能制度はもっと大きな枠があります。特定技能制度の業務の枠とこの育成就労、技能実習の業務の枠を合致させます。より広いものに育成就労はなってまいります。携わることができる業務分野です。それは区分はあります。区分の、しかし枠が広がっていきます。
そして、その対象業務も整合性を持たせます。附属小学校を出たけど中学校がないというようなことにならないように、特定技能と育成就労の業務分野をおおむね合わせていこうということにして、接続性を高めています。いや、これがはっきりした答えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/28
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029・石橋通宏
○石橋通宏君 これ、資料の三、御覧いただいて、現行の技能実習制度と今回政府が提案された育成就労制度と、制度の流れ、日本に来て仕事したいと思っていただける外国の方から見たときに、これ、制度根幹同じなんですよ。現行の技能実習制度で根源的な問題とされていた民間団体、ブローカーの介在、借金、債務を抱える、その制度変わらないじゃないですかと言っているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/29
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030・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) その民間団体が、マッチング、その契約に関わるとか相談に関わるという点は、それは変わっていません。変わりません。しかし、適切に、より適切にそれが執行される担保を我々はつくっているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/30
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031・石橋通宏
○石橋通宏君 大臣、今までの技能実習制度だって、そうずっとおっしゃってきたんですよ、政府は。技能実習法の議論のときに、与党の皆さんもおられたと思うけど、政府は同じことをさんざん言われたんですよ。適正化をするから大丈夫なんだと。全然大丈夫じゃないじゃないですか。
この十年近く、技能実習制度に関わる問題はなくならないどころか、拡大して深刻化してきた。その責任をどう取られるんですか。それと変わらない制度を提案して、何が適正化ですか。できないことをできるとおっしゃらない方がいい。むしろ、同じ制度であれば同じ問題は残り続けます。その責任をどう取られるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/31
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032・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) いや、その民間が携わっていくことについて、国会の議論の中では、公的な主体がそれに代わるべきでないかと、そういう御議論もありましたが、それに対して我々もいろいろ御説明しましたけれども、この制度を成り立たせていくためには、もちろん不正があってはならないし、人権も守らなければいけません。
もうそれは大前提でありますけれども、この制度が機能的に動いていくためには、やっぱり民間のきめ細かいマッチングであり、相談であり、現場に行く、身近なきめの細かいそういうサービスがあって初めて成り立つ仕組みでありますので、それをやめなければ同じだと言われてしまうと、それは同じですよ、それをやめるわけにはいかない。それは民間の活力を使いながら適正にやる。これは、今度の機構、しっかりと個々の実施者を見ていく、監理団体も見ていく、諸外国との関係ももう一度新しくゼロから始める、様々なところ、試みをしようとしているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/32
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033・石橋通宏
○石橋通宏君 送り出し国側とのMOUだって同じなんですよ。今だってあるんですよ。今あるものをもう一回サインし直します、でも同じなんですよね、MOUだから。それを、これまでできなかったことをあたかも今回できるようにという、それは余りに無責任です。
韓国の制度を政府も勉強されたんですよね。韓国はもう二十年も前に、日本と同じ技能実習制度、人権侵害がなくならない、だから駄目だと、公的な制度に変えたじゃないですか。韓国がやったこと、日本はできないんですか。公の責任を民間に丸投げして、そしてこれだけの人権侵害をはびこらせた。でも、民間がいないとできませんと。これ、責任放棄でしょう、政府の。
これじゃなくならないですよ、小泉大臣。いや、首振っているけど。これまでなくせなかったものが、今回同じ制度を提案されて、同じスキームで、同じMOUで、変わらないですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/33
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034・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) まず、韓国は、実態、また事務局から必要に応じ御説明しますけれども、マッチングがなかなかうまくいきません、実際に稼働していません、そういう情報が入ってきています。実際動かないです。公的なものが入ると動かないです。
そして、MOUでありますけれども、その手数料の上限を定め、基準を定め、それを条件としてMOUを結んでいく、MOUを結ばないところの受入れはしない、そういう厳格な措置をとろうとしているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/34
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035・石橋通宏
○石橋通宏君 現行制度も同じですよ。それ、言い続けてきた、入管庁も政府も。でも、駄目なんじゃないですか。駄目だというものをまた今回提案されている。駄目だというものを、同じもの提案したって駄目なんです、残念ながら。大臣、それは責任持ってきちんと、現実見た方がいいですよ。どういう説明を現場から受けているか知りませんけど。
結局は、送り出し国側も日本側も、民間ブローカーの介在を制度として温存してしまうんです。手数料も合法的に取っていいということになっているんですよ、なっているでしょう。そうしたら、日本で働きたいと思う途上国の若者たちは借金抱えるんですよ。大臣、報告を受けていますよね、現行制度でどれだけの技能実習生が借金抱えて日本に来ているか。
資料の五。多くの国々で、来日するために借金しているわけです。カンボジア九割以上、ベトナム八割、借金抱えて来ているんですよ、大臣。その借金に縛られて債務労働ですよ。それが奴隷労働だと言われているわけです。その構造、なくならないです、大臣。
今後も、政府は育成就労と称して、債務労働、借金労働、この制度を温存する。それ、国際社会に恥ずかしくないですか、大臣。なぜそんな制度を温存するんですか。なくならないですよ。その責任を誰が取るんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/35
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036・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 手数料については、その上限を一定の考え方に基づいて決めます。その上限を守らない場合には認定をしない、こういう仕組みになっています。つまり、適正な手数料というものの徴収は認めますが、その上限をしっかりと画して、決めて、そしてそれを遵守をする、そういう仕組みを新たに入れるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/36
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037・石橋通宏
○石橋通宏君 新たじゃないでしょう、今もそうでしょう、技能実習制度の下だって。この問題はずっと技能実習法のときから、もうずっとこの問題はあるんですよ、大臣。
だから、技能実習法の審議のときにも、我々は駄目だと。政府、何と言いましたか。ちゃんとそういった手数料は厳しく取り締まるし、MOUでやるしと、同じこと言ったんですよ、大臣。当時の質疑、見たんですか。それでできなかったことを、何で今回はできるんですか。それ、全く分かりません。
大臣、衆議院の答弁で何かすごいことを言いましたね。これは、手数料を支払うのは先行投資だと。育成就労生の皆さん、労働者の皆さん、先行投資をさせるんですか、大臣。投資、投資ってある意味でギャンブルですね。投資失敗したらどうするんですか。投資回収できなくて、人権侵害の被害に遭う、でも逃げられない、そういう方々を、大臣、先行投資とおっしゃいましたね。
この育成就労は、日本に来る育成就労生たちに先行投資と称して借金をさせる制度だとお認めになったわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/37
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038・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 先行投資というのはちょっと適当ではないかもしれませんが、一定の対価、一定の対価、一定の対価を求められ、一定、それが合理的なものであれば、一定の対価を支払っていただくということは、そのサービスに対する対価でありますから、これは否定するべきではないと思います。それが過大なものであっては決してなりませんけれども、対価であれば、これはサービスに対する対価、マッチングをする、相談業務をする、それをやってもらうための民間に対する対価、これは必要、これは適切だと私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/38
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039・石橋通宏
○石橋通宏君 先行投資は撤回されるんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/39
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040・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) はい。これは、ちょっと趣旨と、誤解を招く可能性がありますので、撤回します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/40
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041・石橋通宏
○石橋通宏君 これ、ちゃんと整理してちゃんと言ってくださいよ。先行投資なんてひどい話ですよ、そんな。こんな表現を使うこと自体が、育成就労、結局はこれ、現行の技能実習制度と変わらない、まやかしだと言わざるを得ない政府の姿勢をあたかも示してしまったのではないかというふうに思わざるを得ないというふうに思います。
結局、政府はそうやって対価と言われる。何のための対価か全く分からない。結局、ブローカー、民間団体かませるから、民間団体は、当然だけれども、利益を出さなきゃいけないわけです。それはそうですよね。利益出すわけです。その利益を育成就労生に支払わせるわけですよ。それが対価ですか。
だから、我々は、衆議院で出した法案では、きちんとそれはもう公的な、公の制度にしなければいけない、育成就労生に借金を抱えさせるような制度は駄目だと、基本的に掛かる費用は日本側が負担をきちんとして育成就労生には借金をさせない、そういう制度を提案したんです。
できるんです、大臣。なぜやらないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/41
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042・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) そのきめ細かな、また身近でサービスできるマッチング、相談業務、そういったものを公的にやろうとしますと、多くの人員、多くの組織、多くの予算、負担が増えていきます。その選択の問題だと思います。それをスリムにできるか、本当に、じゃ、それができるのかと。我々は、それは難しいという判断をしているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/42
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043・石橋通宏
○石橋通宏君 難しいんじゃなくて、公の責任を放棄して、民間の、残念ながら、そうやって利益を得ようとされる民間団体、そういった方々の声ばっかり聞いているんじゃないでしょうね、政府は。それによって、また人権侵害がなくならない、借金、債務地獄がなくならない。これじゃ選ばれる国になんかなれないですよ。そのことを言っているんですよ。十年後、二十年後に、大臣、責任持てますか、政府・与党は。
監理費の問題も、結局、日本側も名前だけ変えて、監理団体、監理支援機関、残ります。これまた政府は監理費を取ってやるんだということを認めておられる。
監理費、相当な監理費徴収をされていること、これも政府の調査でも明らかになっていますよね。この監理費、つまりは育成就労生を受け入れられる雇用主の皆さんがずうっとこれ監理費を監理支援機関に払い続けるわけですよね。中には、四万―六万、六万―七万、八万円以上と、資料の十です、大臣見ておられると思うけれども、これ八万円以上なんていうのもあるわけですよ。毎月ですよ。一人当たりですよ。こんな監理費を合法化して払い続ける。
そうすると、大臣、この監理費、じゃ、受け入れていただいている中小零細の受入れ機関も含めて、どうやって工面するんですか。結局は、労働者の賃金から削る、労働者の福利厚生費を削る、被害を受けるのは労働者じゃないですか。何でこんなこと認めるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/43
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044・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) この月額の監理費の適正な水準というものについても、もう一度検討してみる必要は確かにあると思います。これが適正かどうか、どういう理由に基づくものなのか、合理性があるのか、これはこの法案を施行するに当たって検討するべき事項だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/44
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045・石橋通宏
○石橋通宏君 今提案しておいて、これから検討すべきだ、おかしいでしょう、それは。こういう構造的な制度を提案しているんじゃないですか。その責任があるでしょう。もしこれから検討するなら撤回してくださいよ、そんなの。法案審議なんかできないですよ。これ、極めて重要なところですよ。
しかも、政府は、いやいや、これから監理支援機関には監理人を義務付ける云々、監査人か。監査人義務付けたら、大臣、監査付けたら監査にお金が掛かりますよね。さっき士業云々の話ありましたけど、監査人付けたら監査費用払いますよね。監査費用、誰が払うんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/45
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046・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) それは、取引関係の中で相応にそれぞれが負担することになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/46
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047・石橋通宏
○石橋通宏君 相応にそれぞれが負担する。ここでまた新たに費用が発生するんですよ、大臣。わざわざ発生させて、結局それ誰かが負担する、当たり前ですね。じゃ、監理支援機関は、それ、監査人に結構な恐らく、ちゃんとしたところにお願いしようと思ったら監査費払うことになると思います。その監査費を回収することになるわけです。多分この監理費増えますよ。監査費増えてどうするんですか。
政府がそういう制度をつくっておいて、監査人付けなかったら駄目ですと義務付けるんでしょう。監査費用が発生するわけでしょう。そうしたら監査費用は増えますよね、当然だけれど。適正な対価の中に監査費用含まれるわけでしょう。その費用を更に負担させるわけですよ。そのしわ寄せが育成就労生に行ったらどうするんですか。そんな制度、よく提案されたなと思いますけど、誰が負担するんですか。結局は現場で負担するわけで、負担させるわけでしょう。育成就労生に負担行きますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/47
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048・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 育成就労生の待遇については、国内の日本人の労働者との均衡あるいはそれ以上の待遇をしなさいという基本方針が示されておりますので、監査料を上乗せすることによってそれが守れなくなるなどということであれば、それはなし得ないことだというふうに思います。
それから、監理団体は、現行制度において、職業紹介費や講習費、監査指導費など、監理事業に通常必要となる経費等について、実費に限り、あらかじめ用途及び金額を明示した上で監理費として実習実施者から徴収することができるというふうに定められております。これを実施していくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/48
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049・石橋通宏
○石橋通宏君 大臣、本気でそれおっしゃっているんですか。そうやって、外国から人材に来ていただきたい、人手不足だ、深刻だ、地方の皆さん、農林漁業の皆さんを含めて、中小零細の方々も極めて多数おられる、そういった方々が外国人労働者の皆さんに来ていただいて、中長期に安定的に活躍がいただきたい、そうやって受入れを切望されているわけでしょう。そのためにやられるわけでしょう。
でも、その人たちに、当然だけれども、労働者には適正な処遇、待遇、生活環境の改善、それを図る、そのためにきちんと手当てをしてくださいとお願いするわけですよね。その上で、監理支援機関には監理費を払わせます、監理費は監査人付けるから恐らく今よりも上がります、それだけの負担を強いる制度にしたんですよ。それで受入れがまともにできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/49
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050・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) その手数料、監理費ですね、監理費の金額あるいは監査料、こういったものは、支払える範囲の中で、それぞれの関係者が話し合って、適正に交渉し、調整し、決まっていくわけでありますので、それはもう、そういう調整の仕組み、経過を経て決めていくという形になると思うんですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/50
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051・石橋通宏
○石橋通宏君 論理破綻していますよ、大臣。
誰かが負担しなければいけない制度にしちゃっているんですよ、政府は。利益も含めてですよ。監査人も利益出しますからね、当然。監査費用もらいますよ、当然だけど。全部その負担が追加的に誰かにのしかかるわけですよ。
じゃ、育成就労生を受け入れていただく現場の農林漁業、中小零細の皆さんが、労働者の賃金も適正に払う、監理費用も払わなきゃいけない、監理費用はアップする、どうやって受け入れるんですか。制度破綻していますよ、これ。訳が分からない。こんな無責任な制度をよく制度設計、提案され、大臣首かしげておられるけど、そういう制度なんですよ、これ。完全に論理破綻していますよ。矛盾です。これで適正化を図ろうということ自体が間違っていると言わざるを得ないと思います。
大臣、受け入れていただく皆さんに、育成就労生の賃金、報酬、これきちんと日本人が当該業務に従事する場合の報酬の額と同等以上を保障するのだと、きちんと保障させるのだとおっしゃっていますね。これ、同等以上の比較対象は何でしょうね。これ、当然だけれども、時給賃金だけでは当然ない。諸手当、福利厚生、教育訓練、様々生活に掛かる経費、そういったことも含めて、正規職員、社員の皆さんと同等の比較して、それ以上の賃金、報酬を保障せよということだという理解でよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/51
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052・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申します。
本法案では、技能実習法と同様、育成就労外国人の報酬の額が日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であることその他育成就労外国人の待遇が主務省令で定める基準に適合していることを育成就労計画の認定要件と定めております。
当該主務省令で定める基準につきましては今後検討することになりますが、少なくとも、育成就労外国人は労働関係法令が適用される労働者であり、労働基準法上、労働者の国籍等を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について差別的取扱いをしてはならないこととされており、これについては、お尋ねの日本人労働者に支払われる諸手当や福利厚生費等の取扱いにおいても適用されることとなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/52
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053・石橋通宏
○石橋通宏君 これ、明確に基準を出していただけませんかね。この同等以上の報酬といったときに、今おっしゃられた比較対象となる日本人労働者、一体いかなる賃金構成要素、報酬構成要素、これが含まれるものなのか、これ明確にして委員会に提出いただきたいと思いますので、委員長、お取り計らいよろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/53
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054・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/54
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055・石橋通宏
○石橋通宏君 その妥当性、十分性を判断するのは、大臣、誰ですか。育成計画、これに全てを記載して、明確に、対象となる日本人と同等のということ、これ事細かに一人一人の育成就労生について全て計画に記載をさせる。これ、お一人お一人のその計画の妥当性、これ誰が判断するんですか。どういった基準で判断するんですか。比較対象が適切な日本人の同等の正規社員、正規職員であるということも含めて、誰が判断するんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/55
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056・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) まず、その育成計画を審理します監理団体、そしてその監理団体を、監理支援団体、これを、監理支援機関、これをまた監督する育成就労機構、そして法務省、こういう二重、三重にチェックが掛かってまいります。そこで公平性あるいは透明性、そういったものを確保していこうということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/56
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057・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) それでは、ちょっと大臣の御説明を補足させていただきますと、育成就労計画自体は育成就労機構で認定いたしまして、その際、同等報酬の要件が満たされているかどうかという資料の提出を求めて判断していくことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/57
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058・石橋通宏
○石橋通宏君 現行の技能実習機構でも全然できていないんですよ、残念ながら、大臣。聞いているでしょう。全然体制が伴っていない、専門性が伴っていない、現場が回っていません。だから、人権侵害対応も技能実習機構は十分にできていないわけです。それが何で新しい機構で看板替えたらできるようになるんですか。
しかも、これまで以上に、この同等性、本気でやられるのであれば、新しい機構に、それだけの労働基準、こういったことも含めた極めて高い専門性が求められるようになります。それを機構が持つんですか、体制五倍にするんですか、予算五倍にするんですか、専門性五倍にするんですか、大臣。それ、ここで約束してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/58
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059・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 確かに、育成就労機構、非常に重要な役割を負うことになります。
今、厚労省と法務省から出向者が出て、そして大体五百人ぐらいでしょうか、その業務を行っています。しかし、そこで一定の専門性が発揮されることが必要であり、もし人員が足りないということになるならば、これは増員をしてまいりたいと思いますが、まずは今の機構の中で、新しいこの法案に基づく業務について、機構のトップ以下、徹底的に我々も話をしますけれども、新しい業務に対する取組をしっかりとやってもらう、そういう努力をお願いをしたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/59
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060・石橋通宏
○石橋通宏君 大臣、だから言ったじゃないですか。全く同じことを技能実習法の審議のときに政府は答弁していますよ。我々は、技能実習機構の体制が不十分であれば機能しないと。残念ながら、ずうっと、いやいや、足りなかったら増員します増員しますって、微々たる増員しかしなくて、結局、今もなお十分な体制整備できてないじゃないですか。
だから言ったじゃないですか。もしこれで本当にやるなら、体制五倍にしてください、予算五倍にしてください、専門性も五倍にしてください。大臣、ここで約束してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/60
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061・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) いろいろ業務の執行のやり方については検討します。より少ない人員でより効果が上がる方法を検討します。ちょっと大きな予算というわけにもいきませんので、しっかりと検討したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/61
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062・石橋通宏
○石橋通宏君 結局、責任放棄されましたね、今。より少ない予算でどうやるかを工夫します、結局は体制取れない、だから今と同じような体制でしかできないので、それで頑張りますという頑張る宣言ですか、大臣。それじゃ絶対に機能しませんよ。だって、追加的にあれもやります、これもやりますと約束しているんでしょう。それを機構にさせるんでしょう。それで体制変わらなかったら絶対できませんよ、今できてないんだから。
ちょっと、大臣の今の答弁でいうと、恐らく全くこれ機能しないということ、その責任をもう今なおここで放棄をされてしまっているという答弁しか聞こえませんでしたので、これでは全く、恐らく政府が今言っておられるような適正化を図りますということは担保できないと思います、大臣。その責任を五年後に取っていただくわけですけれども、大臣、よろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/62
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063・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) しっかりと努力をします、実際に努力をしますので、いや、この法案、法律が変わることによって、新しくもう一度意識をしっかり持って、体制も考え、その機構を動かしていくべく、私が先頭に立ってその機構を動かしていきますから、是非そこは信頼をしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/63
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064・石橋通宏
○石橋通宏君 ごめんなさい、大臣のその頑張る宣言は誰も信頼できません。じゃ、今まで、何ですか、入管庁も法務省も技能実習機構も頑張ってなかったんですか、意識もなかったんですか、そのことを今大臣答弁されたわけ。そんなこんなでこれだけの人権侵害引き起こしてきた技能実習制度、先送りして温存してきたわけですか、大臣。
これ、今極めて重大発言ですよ。意識も体制もやる気もないままにやってきたということを法務大臣がこの場で答弁されてしまった。いや、これ極めて深刻な話で、しかも、それが、今後頑張りますだけれども、体制を拡充できるかどうかは分かりません、これから考えます、予算も分かりません、これから考えます、でもこんなにたくさん、適正化します、適正化します、適正化します。できっこないです。
これ、一旦取り下げて考え直した方がいいですよ。そうしないと、本当ますます選ばれない国になります。大臣、そのことは本当に真剣に今考えていただいた方がいいと思います。
大臣、現行の技能実習制度、これ特定技能もそうなんですが、人権侵害なくなっていないですよね、大臣。労働基準監督署の調査で、七割、八割で労働基準法、労働法令違反、大臣、出ているでしょう。何やっているんですか、大臣。全く対応できていないじゃないですか、大臣。それをこれからと言ったって、誰も信用しない。だから、今、体制のことも、専門性のことも、体制の拡充も聞いているんだけれども、これ、人権侵害なくならないですよ、大臣。どうしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/64
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065・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) この外国人に対する人権侵害等を行う受入れ機関に対しては、関係機関が連携し、育成就労計画の取消しや刑事手続上の措置を含む厳格な対応を行うこととし、新規受入れの停止などのペナルティーを与えることで人権侵害事案の予防につながり得ると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/65
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066・石橋通宏
○石橋通宏君 だって、それはこれまでもやってきたでしょう。やってきたのに、今これだけの人権侵害が、資料の六でもありますけど、七割を超える事業者が法令違反をしているという。特定技能のこと余り言われませんけど、特定技能でも労基法等違反が七割超え。大臣、特定技能は大丈夫だみたいな言説、全然違うじゃないですか。技能実習でも特定技能でも、残念ながら、これだけ労働基準法令等違反が完全にはびこっているじゃないですか、大臣。
この責任を、これ、厚労大臣、傍観者じゃないですよね。これ、どうやって、法務省と厚生労働省と共管で機構も運営していると。これ、厚労大臣も責任取らなきゃいけないわけですけれども、これだけの労働法令違反が今なお蔓延しているんですよ、大臣、特定技能も含めて。
にもかかわらず、今回、全く技能実習制度と変わらない制度を提案してきて、さらに、民間のブローカーの介在を許してしまう制度にしてしまって、法務大臣、今後も労働法令違反は野放しになりますと言っているようなものですよ、大臣。どう責任取るんですか、厚労大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/66
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067・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 今度、育成就労という形で、先ほどから答弁の中でも申し上げているようでありますけれども、この労働関係法上の労働者として受け入れられて労働関係法令が適用される、しかも、人手不足を補っていただくということのための制度として、その制度の根本が変わってまいります。
そして、その中で、実際に過去に技能実習制度のときに言われた人権といったような問題を解決するための一つの重要な仕組みとして、今まさに委員が御指摘になっているこの外国人育成就労機構というものの役割を、やはり我々も、労働基準局であるとかあるいは地方出入国在留管理局と相互の通報の仕組みなどをきちんと連携して、それでこれを強化をするんです。今までもやっているじゃないかとおっしゃるけれども、それをもっと機能強化させます。そして、そのことによって、実際にこうした人権問題が発生しないように徹底したやはり指導をしていかなければならない。
おっしゃるように、こうした外国人育成就労機構の役割、それから、それと連携する労働基準局の役割、こういったものを改めて私どもはきちんと調整させて、その役割を果たせるようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/67
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068・石橋通宏
○石橋通宏君 結局、大臣、頻繁に替わられるから、これまでの政府の答弁だとか政府の説明だとか、結局同じこと繰り返されただけですよ、大臣。厚生労働大臣、歴代の大臣、同じことを言っていますからね。で、結局できていないわけですよ。
だから、さっきから言っているじゃないですか。何でそれが突然できるようになるのか全く分からないと、全く。やるという決意は歴代の大臣も言って、できなかったんですよ、全然。だけど、体制も伴わない、予算も伴わない、これから検討します。それ、できるわけないじゃないですか。そのことを今回改めて指摘をさせていただいているわけです。
これ、本当にこのままでは、人権侵害がなくならないどころか、このまま数は拡大する。それでは、結局、人権侵害は更に拡大をされて、日本がますます選ばれない国になってしまう。そういう制度を、皆さん、今回提案されてしまうということ、その責任は極めて重いということは重ねて言わざるを得ないと思います。
その上で、本会議でも申し上げましたけれども、現行制度を更に悪くする改悪が二つも含まれていると。その一つが派遣労働を解禁する問題です。
これ、漁業、農業分野に限る。いや、これはでも省令でやられるので、今後、結局、国会審議もなしに増やされる可能性もあるので、当然それを狙っておられるんだというふうに思いますが、これ極めて深刻です、小泉大臣。
派遣を解禁すると、農業、漁業分野で。これ、中小零細の、漁業、農業分野ですから中小零細の雇用主の皆さんですよ、現場で本当に人手不足で悩んで頑張っておられる。そういう方々に、派遣法の下で派遣元事業主としての許可を取りなさいと、許可を受けて派遣事業を営みなさいと。
大臣、派遣事業ってどれだけ大変か分かりますよね。極めて財務的にも書類的にも様々な責任的にも重たい責任を、当然だけど、負うていただかなければならないわけです。真っ当な派遣事業、無理だと思います。それをやらせるその政策的妥当性はどこにあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/68
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069・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 農業分野あるいは漁業分野においても、実習生の活躍の場、就労の場、それを広げようということがまずベースにある大きな判断だと思います。そして、そこで生じ得る様々な不適切な事象についてはしっかりと手当てをしていくと、そういう考え方に基づいていると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/69
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070・石橋通宏
○石橋通宏君 全く答えていませんよ、大臣。法案提出責任大臣がその答弁でどうするんですか。どうやって責任取るんですか。
これ、法文上は極めて深刻なんですよ。結局、じゃ、季節労働者だから活躍をいただくなんて都合のいいことをおっしゃっていますけど、じゃ、この育成就労期間中に、どこに何か所派遣契約を結んで派遣してもこれ大丈夫な制度なんですね。二か月ごとに、北海道行ってください、沖縄行ってください、どこどこ行ってくださいという、それも可能な制度になっているんです。大臣、こんな無責任な制度ありますか。
しかも、その派遣期間中の賃金、報酬の支払も民民の派遣契約に委ねられているので、元々の育成就労生を受け入れていただいたその受入れ機関、そこがそもそも約束をした賃金が派遣先で保障されるかどうかは保証はありませんと、月給じゃなくてもいいですと、一週間の勤務であれば一週間の賃金支払でも構いませんと。とんでもない都合のいい使い捨て制度じゃないですか、これ。こんなので、育成就労生、希望を持って日本に来ていただいたら、一か月働くって派遣先行ったら、実は稼働一週間で賃金一週間分しかもらえない。こんな制度、よく提案しますね。
余りに人権侵害甚だしいんじゃないですか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/70
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071・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) これ、一般的な労働者派遣、一般的な労働者派遣とは異なり、業務の繁閑等も踏まえて派遣先をあらかじめ特定し、季節ごとの業務内容を含めた三年間の計画を派遣元と派遣先が共同して作成し、認定を受ける。認定を受けた上で計画に従って育成就労を行わなければならないこととし、計画に従って育成就労をやりなさい、無制限に就労先を変更することは認めない、こういった仕組みであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/71
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072・石橋通宏
○石橋通宏君 全然答えていないじゃないですか、質問に。
三か所、四か所、十か所、派遣先が可能ですと、その派遣先の期間中の賃金保障、これも分からない、どういったスキームにするかも分からない、これから考えます、一定の、それは野放しにするわけにはいかないのでこれから考えますなんて事前のレクでおっしゃっていましたけど、そんな無責任な制度を法案として国会審議お願いしているんですか、大臣。これ極めて深刻ですよ、本当に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/72
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073・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) まず第一に、その派遣であろうが、それからその他の方法であろうが、改めて、これからのこうした外国人労働者としての在り方というのは、同一賃金同一労働というこの基本原則の中で、実際にその賃金、そして職場環境というものが整備されていくわけであります。
それをいかにして、こうした派遣という形で季節労働的な労働をする場合においても、いかにこれを守るかという問題意識はきちんと私ども持っていて、その中で実際にそれらの当事者がこれをちゃんと守ってやるように私どもは行政で指導していくと、こういうルールになっていて、先ほど法務大臣からもそのためのルールは申し上げたとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/73
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074・石橋通宏
○石橋通宏君 結局、全然答えていないじゃないですか、大臣お二人とも。制度設計分かっておられないのではないですか。この問題の深刻、派遣労働そのものも分かっておられない答弁としか思えないけれども。
これ、派遣元事業主は当然マージン乗せますよね。マージン乗せるということは、そのマージンは、じゃ、どこから収益得るんですか。派遣先機関はそのマージン払って育成就労生を受け入れるんでしょう。じゃ、そのマージンというのはどうするんですか。大臣、これ、マージン、制限掛けるんですか。そんなことも全く制度設計ないけれども、結局そういう制度にしてしまったがために、さっきも申し上げましたね、結局は新たな費用、経費を発生させるわけです。そのしわ寄せが育成就労生に行ったら、ますます賃金、処遇、生活環境、全部に影響出ますよ。
結局、使い捨て制度ですか。そんなことするんですか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/74
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075・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) その委員のおっしゃるマージンという話ですけれども、この育成就労制度における労働者派遣というのは、一般の労働者派遣とは異なって、あくまでも派遣元と派遣先による共同での育成就労の実施を可能とするために認められているものでありまして、派遣先から派遣元に支払われるいわゆるマージンを含む派遣料金の額が過剰となることはこの趣旨に反します。
したがって、こうした観点からの指導は、私、行政の立場からもしっかりやっておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/75
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076・石橋通宏
○石橋通宏君 また過剰と言うけど、でも、過剰の水準も分からない。でも、それ、認められる水準までやっぱりマージン取っていいわけでしょう。費用が発生するじゃないですか、そこで、結局。
だって、派遣事業を営むんですよ、営ませるんですよ、派遣するためには。その派遣法に基づく様々な事務コストも含めて、派遣元事業主はそういったコストも費用も、当然だけれども、それ回収しなきゃいけない。さっきと同じ構図を育成就労生を受け入れるところに課すわけですよ、皆さん、制度として。
こんなこともちゃんと制度設計せずに都合よく使い捨てをするようなそんな提案、絶対に許してはいけないと。これ、やっぱり撤回すべきですよ、派遣の解禁は。絶対にこれ、育成就労生の人権侵害、労働法令違反、賃金、処遇の下落、そこにつながりますよ、小泉大臣、本当に。これ、もう一回やり直した方がいいよ、こんな不十分な、いいかげんな制度。
そして、もう一つが永住権の剥奪問題です。
既にこの委員会でも議論になっておりますけれども、地方にも視察、公聴会にも行かれて、いろんな現場の声、今日、資料の十一にも付けられておりますけど、現場の永住者の方々からは、小泉大臣、二重罰だと。小泉大臣、二重罰だと、永住者の方々が訴えておられる二重罰だ、その意味がお分かりになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/76
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077・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 外国人永住者の方には二つ法的ステータス、少なくとも二つ法的ステータスがあります。一つは納税者としてのステータス、それから、在留管理上の永住権保持者、許可を得た方としての在留管理上の法的ステータスがあります。それぞれにしっかりと是正策を取りたい、取るべきだという考え方で我々はいるわけであります。
恐らく、その二重という意味は、納税上の差押えがあるんだから在留管理上の処分は要らないのではないか、そこに在留管理上の処分が重なってくると納税の特例と二重になってしまう、そういう御指摘だと思いますが、元々、納税者としての法的ステータスと永住権を許可された方としてのステータスが二つあるわけです。それぞれに適切な措置をとるための今回は改正案をお願いしているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/77
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078・石橋通宏
○石橋通宏君 全く説明にならないし、妥当性、合理性が全くありません。法の下で同じように裁けばいいだけの話なんです。それを殊更に、外国人だけ永住権を剥奪するという更なるペナルティーを科す。そのことが、当事者の方々から、これは我々に対する差別主義だと、排外主義だと。こんなことで選ばれる国になるはずがない。これも撤回すべきだと強く申し上げて、今日のところは質問を終わりにさせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/78
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079・秋野公造
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てるように質疑をしたいと思います。
今回の法改正ですけれども、国籍にかかわらず共生はどう進めるかということだろうかと思います。ならば、各国ごとに行われている感染症対策も、より調和の取れたものにしていかなくてはならないということだろうと思います。武見大臣はストップ結核パートナーシップの議員連盟の会長であり、私、事務局長でお仕えをしております。結核対策で頑張ってきました、二人で。
その中で、結核は、とうとう我が国、低蔓延国入りをいたしましたけれども、世界においてはパンデミックの状況であるということが言えようかと思います。そして、困ったことに、世界で蔓延している結核は薬剤耐性結核ということでありまして、治療が簡単ではないということでありまして、そういった意味では、出入国、済みません、入国前のスクリーニングが重要であるという形で質疑を続けてきたところでもあります。
武見厚労大臣は、今年度中にやるということを御答弁くださいました。上川大臣も、上川外務大臣も、今年度中にやるということを御答弁をいただいたところであります。小泉法務大臣にも、これまでの取組と御決意について御答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/79
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080・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 委員におかれましては、以前から入国前の結核スクリーニングの重要性について御指摘をいただいており、感謝申し上げたいと思います。
入国前結核スクリーニングについては、厚生労働省及び外務省とともに円滑な実施に向けて調整を進めております。法務省としては、中長期滞在者として来日する方について、在留資格認定証明書交付申請の際に、日本国政府が指定する医療機関が発行する結核非発病証明書を提出していただいた上で、その許否判断を行うことを想定しております。
法務省としても、厚生労働大臣や外務大臣が国会において答弁されましたとおり、今年度中には実施できるよう、引き続き調整を進めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/80
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081・秋野公造
○秋野公造君 先ほど大臣が御答弁くださった結核非発病証明書など、こうやって法務省の皆様方が議論をリードしてくださったことには私は本当に心から感謝と敬意を申し上げたいと思います。どうぞ引き続きよろしくお願いをしたいと思います。
その上で、五月の三十日の厚労委におきましても、薬剤耐性に非常に効くプレトマニドというお薬が世界では五十か国で導入されているけれども日本にはないといったような議論も、厚労省佐々木部長ともさせていただいたところであります。
その上で、これ関係学会と協議を引き受けてくださいましたけれども、厚労省のお立場から、入国前スクリーニングの調整状況について御答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/81
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082・佐々木昌弘
○政府参考人(佐々木昌弘君) 簡潔にお答えいたします。
現在、厚生労働省では、対象となる六か国を担当する在外大使館や相手国政府に対して、まずは制度の概要、さらには指定する医療機関、それの指定状況等について、事業の開始に必要な事項の説明を行うなど、今年度中に開始すべく順次調整を進めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/82
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083・秋野公造
○秋野公造君 外国に対しては新たな負荷を課すということにもなります。
外務省のお立場から、各国ごとの入国前スクリーニングの調整状況について御答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/83
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084・穂坂泰
○大臣政務官(穂坂泰君) お答えさせていただきます。
外務省の取組状況でありますが、入国前結核スクリーニングについては、外務省として、厚生労働省及び出入国在留管理庁とともにその円滑な実施に向けて調整を今進めております。
具体的には、在外公館を通じて、厚生労働省における対象国における指定健診医療機関候補の調査に協力をしているところであります。現在、厚生労働省において候補機関の審査や指定等を行っていると承知しています。
また、対象国の政府や関係者に対する説明に際しては、外務省としても、厚生労働省に対し適切に協力をしてきております。
外務省としても、今年度中には実施できるよう、引き続き努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/84
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085・秋野公造
○秋野公造君 私、先ほど思いが余ってしまいました。
しかしながら、各国ごとの御調整は十分と考えていいでしょうかと。今日は答弁求めませんけれども、感染症対策、新たな負荷を掛けるということで少し遠慮するような気持ちが起きるのかもしれないんですけれども、結核にかかったことを知らないまま入国をしてしまって国内で治療を受ける方々は大変気の毒でもあります。
また、その意味では、母国でしっかりと治してから来てもらう、それでも入ってきてしまった方に対しては一日も早く治療をする場所をつくってあげる。そうやってお互いの国が協力をし合って感染の蔓延を止めていくといったことが、世界的には大流行を起こしている結核に対する取組であろうかと思いますので、どうぞ、各国、両国における議論を高めていただきますように、何とぞよろしくお願いをいたしたいと思います。
答弁、ここまでですので、御退席のお取り計らいをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/85
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086・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 穂坂外務大臣政務官におかれましては、御退席されて結構でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/86
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087・秋野公造
○秋野公造君 私、四月四日の厚生労働委にて、これまで鉄構業、鉄、構え、鉄骨製造業の特定技能に位置付けられるように取り組んできたこと、質疑をいたしました。小泉大臣には、福岡県鉄構工業会の皆様方を要望に御案内をさせていただいて、そのときに大臣は、大変苦労されましたねと優しく抱きかかえるようにお声も掛けてくださりながら、業界の取組に対してねぎらいのお言葉を掛けていただいたことにも心から感謝を申し上げたいと思います。
私たちは、その鉄骨製造業を特定技能の中に加えるということを一生懸命取り組んできたわけでありますけれども、今回、育成就労分野ができるということであります。当たり前のことかもしれませんけど、この育成就労分野にも鉄骨製造業が追加されているという認識でよろしいか、入管庁の御見解、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/87
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088・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
鉄骨製造業は、本年三月二十九日の閣議により新たに特定技能一号の受入れ対象として追加されております。
育成就労制度の受入れ対象分野については、技能実習二号移行対象職種のうち対応する特定産業分野が設定されているものについては、育成就労制度においても原則として受入れ対象分野として認める方向で検討する方針でございます。
したがいまして、御指摘の鉄骨製造業につきましては、技能実習二号が行われており、対応する特定産業分野も設定されていることから、育成就労制度でも受入れ対象分野として認める方向で検討することとなると考えております。
なお、今後の育成就労制度及び特定技能制度においては、受入れ対象分野及びその受入れ見込み数などの設定につきましては、有識者、労使団体等で構成する新たな会議体で御議論いただき、その意見も踏まえて政府が判断することとしており、鉄骨製造業につきましても、新たな会議体で御議論いただいた上で、最終的には政府として判断することとなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/88
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089・秋野公造
○秋野公造君 是非議論を前に進めていただきたいと思います。
私も、鉄骨製造業は、国土交通省が所管をする建設現場で活躍をする経産省所管の製造業ということでありまして、例えば、国交省の皆さんが働いている中で活躍をしているんだけれども、所管が経産省だったりするものですから、通知が届かなかったりする。この特定技能の流れからもなぜか一歩も二歩も遅れてしまっている状況にあるというようなことから、斉藤国交大臣、当時の里見経産政務官、そして小泉法務大臣に御案内をさせていただいて、業界の状況などのお話も聞いていただいたわけでありますけれども。
経産省にお伺いをいたします。
特定産業分野に鉄骨製造業が追加されるまでの経緯に対する認識についてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/89
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090・浦田秀行
○政府参考人(浦田秀行君) お答えいたします。
特定技能制度の創設時におきましては、鉄骨製造業を特定技能制度の対象とすることにつきまして、業界団体などから具体的な要望をいただいてございませんでした。こうした中で、鉄骨製造業につきましては特定技能制度の対象とはならなかったというふうに承知をしてございます。
特定技能制度の分野追加に当たりましては、昨年五月の八日に、福岡県鉄構工業会から、生産性の向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお人材不足が深刻な状況であるとして、当時の里見政務官に、鉄骨製造業を特定技能制度に追加する、追加してほしいとの要望をいただき、政務官から業種追加に向けた検討を進めていく旨をお答えしたものでございます。
その後、経済産業省といたしましても、鉄骨製造業における人手不足の実態につきまして、現場視察を行うなど実態把握を進めてまいりました。
こうした結果なども踏まえながら、鉄骨製造業を含めた鉄鋼関連の事業所を特定技能制度における工業製品製造業分野に追加することにつきまして、入管庁を始めとする関係省庁などとの協議を行ってまいりました。
その結果、鉄骨製造業を含めた鉄鋼業につきましては、生産性の向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にあると認められたことから、先般、三月二十九日に閣議決定をされました特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針及び特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針の変更におきまして、工業製品製造業分野に鉄骨製造業を含めた鉄鋼関連の事業所を追加することとなった経緯でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/90
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091・秋野公造
○秋野公造君 ありがとうございました。
要望がなかったから追加しようがなかったというのは、そういうことなんだろうと思うんですけれども、要望したからには、外国人にとっても日本人にとっても働きやすい環境は重要ということでありまして、今回の、私一枚だけ資料を付けましたけれども、キャリアパスが不明瞭であったものを明確化するという今回の法案の改正の趣旨には大きく賛同をするところでありまして、そこが民間資格に委ねられるのか、それとも、本当に真に必要なものが整理をされた国家資格をきちんと目標に据えた上で、そのキャリアパスを構成をしていくのかということは非常に重要なんだろうと思います。
その意味では、こういった特定技能などに位置付けられる分野においては、私は、技能検定や国家資格などをきっちり整備を、まあできないものもありますけれども、できるものはきちんと整備をして、例えば試験ビジネスとか更新ビジネスとか、そういったことを言われないようにしていく、キャリアパスをきちっとつくっていくための努力をしていくということは重要であると思います。
改めてでありますけれども、こういった技能検定や国家資格を整備していくということは、外国人労働者の地位向上につながり、日本で長く働いてもらうことにつながると考えますけれども、御見解、お伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/91
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092・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
特定技能制度につきましては、人手不足分野において、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人を受け入れるという制度趣旨から、政府基本方針において、特定技能外国人の技能水準に係る要件として、各分野の分野別運用方針において定める試験への合格を求めております。
特定技能評価試験は、一定の専門性、技能を要する業務に即戦力として従事するために必要な知識又は経験を測るに足る水準である必要があり、その作成に当たっては、分野を所管する省庁が、政府基本方針に基づき法務省が定める分野横断的な試験方針に基づき、有識者に相談するなどした上で法務省による確認等を受けること、試験の水準を技能検定などの合格水準と同等とすることなど、試験水準の適正性を担保する仕組みとしております。
具体的には、受入れ分野を所管する省庁からの委託を受けた民間の試験実施機関が作成、運用する試験により技能水準の確認を行っている場合が多いものの、建設分野や造船・舶用工業分野などにおいては、厚生労働省が定める実施計画に基づき、中央職業能力開発協会や都道府県が実施する技能検定の合格でもよいこととしているところです。
法務省としましては、特定技能制度の技能水準を技能検定を用いるなどして適正に確認することの重要性は認識しており、本法案の成立後には、有識者等による新たな会議体を設けて意見を求めるなどし、委員御指摘の趣旨も踏まえながら、各分野を所管する関係省庁ともしっかりと検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/92
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093・秋野公造
○秋野公造君 その意味では、育成就労制度においてキャリアパスの目標、介護分野ですけれども、それは、介護福祉士国家資格の取得をキャリアパスの目標としていいかということをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/93
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094・朝川知昭
○政府参考人(朝川知昭君) お答えいたします。
外国人が日本で介護職として働く場合の在留資格としましては、特定技能や技能実習など主に四つの在留資格がございまして、個々の介護施設等のニーズに応じて適切な在留資格を有する人材に御活躍いただいていると承知しています。
今般の育成就労制度が創設された場合、介護分野においては、例えば就労育成制度から特定技能制度へとステップアップして、最終的には国家資格としての介護福祉士の資格を取得して在留資格「介護」での就労を目標とするといったキャリアアップの道筋がより明確になると考えています。
今後も、介護、外国人介護人材のキャリアアップの支援を計画的に行う事業所の好事例の周知などを通じて、外国人介護人材がキャリアアップしながら日本で長期間就労し、活躍できる環境の整備を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/94
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095・秋野公造
○秋野公造君 ありがとうございます。
その意味では、もう一回経産省にお伺いをしたいと思いますけれども、現状でも、鉄骨製造業でありますれば様々な技能検定を横軸で用いていたりするんですけれども、この中には、例えば普通旋盤とかフライス盤とか数値制御盤とかマシニングセンター、塗装といったような技能検定は実態としては余り業界の中では必要とされておらず、むしろ溶接とか構造物鉄工とか、こういった技能検定が必要というような状況であります。
その業界の中でいろいろ流動性を担保するということも重要なんだろうと思いますけど、一方で、やっぱり突き詰めていって長く勤めていただくということが今回の法改正の一つの主眼であるということを考えると、その中にはリーダーシップを取って会社の中を引っ張っていただくような方も出てくるということを考えますと、適切な、先ほど介護の御答弁もいただきましたけれども、キャリアパスをきっちりつくっていくということは重要なんだろうと思います。
その意味で、福岡県鉄構工業会なども、技能検定の職種の中に鉄骨製造などを加えるといったようなことを希望しておりますけれども、こういったことについて、改めてではありますけど、経産省としてどのように考えているか、その効果も含めて御答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/95
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096・浦田秀行
○政府参考人(浦田秀行君) お答えいたします。
鉄骨製造業界は建築物の安全性を左右する重要な役割を担っており、安定的な人材確保に向けて、当該職種を魅力のあるものとしていく取組は重要であるというふうに考えてございます。
その上で、技能検定制度の職種に鉄骨製造を加えるべきとの御指摘につきましては、今後関係する業界団体などから技能検定制度への職種追加に関する具体的な御要望がある場合には、当該制度を所管する厚生労働省において適切に対応されていくものというふうに認識をしてございます。
一般論で申し上げますと、技能検定制度につきましては、労働者の有する技能を検定し公証することにより、労働者の技能と地位の向上を図ることを目的としていると承知をしてございます。地位向上や人材育成に資するような効果が期待されるものというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/96
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097・秋野公造
○秋野公造君 是非後押しをお願いをしたいと思います。
ちょっと戻りまして、今、介護につきまして御答弁いただきましたけれども、今回の育成就労制度の創設に伴いまして技能実習制度は廃止されることになります。送り出し国に対して、この制度の在り方等について海外と何らかの協議が行われたのか、現状だけお知らせいただけたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/97
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098・岸本武史
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
介護分野に限らず制度全般に関する協議状況ということになりますが、これまでも、技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議における議論の状況につきまして、中間報告書案や最終報告書たたき台、最終報告書など、折々のタイミングで概要を送り出し国政府及び各国大使館に提供するなどして情報提供してきたところでございます。
また、技能実習制度におきましては、現在十五か国と二国間取決めを作成しておりまして、これらの国との間で定期協議を行っておりますが、技能実習制度の見直しに関する検討が始まって以来、この定期的な協議の場においても、今回の制度改正の内容等についても説明するとともに、意見交換を実施してきております。
本法案が成立いたしました暁には、送り出し国に対して育成就労制度の概要を含めた制度改正の内容について御説明するとともに、新たな二国間取決めの作成と適切な制度運用に向けて丁寧に協議を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/98
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099・秋野公造
○秋野公造君 ありがとうございます。
今後ですけど、技能実習と育成就労と、監理などで取り扱う外国人労働者が同じ事業所に併存する期間が一定程度生じるということになろうかと思います。小さな事業者においては、この監理の事務負担の増大などはちょっと心配なところでもありまして、その意味では、育成就労制度の周知や、特に小規模事業者に対しては併存期間中の監理事務のサポートなどが必要と考えますけれども、厚労省のお考え、お伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/99
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100・岸本武史
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
先生御指摘のとおり、育成就労制度への移行に当たりましては、改正後の法の施行後も一定の要件の下で技能実習の実施を認めることも踏まえ、制度関係者が過大な負担が生じることがないようにすることが重要と認識をしております。
このため、本法案におきましては、施行日を公布後三年以内とするなど十分な移行期間を確保をいたしますとともに、育成就労計画の認定の手続等を改正法の施行前から行えることといたしまして、一定の準備期間を確保するようにしているところでございます。
その上で、施行までの間に主務省令の制定や運用要領の作成を速やかに進めまして、必要となる事務などの詳細を分かりやすくお示しいたしますとともに、関係機関等とも連携しながら、小規模事業者を含めた制度関係者の皆様にこれを十分に周知することにより、制度に対する疑問点等の解消や事務負担の軽減に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/100
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101・秋野公造
○秋野公造君 どうしても、日本語でのコミュニケーション問題などがあったりして、労災なども心配をしていくわけであります。
技能実習の皆様に対して安全衛生対策マニュアルが整備をされておりますけれども、全ての分野について作成されているわけではありません。鉄骨製造業なども追加されたばかり、これから検討に入るということでありますから、その意味では、既存の安全衛生マニュアルだけではなく、全ての特定産業分野について安全衛生対策マニュアルを整備するとともに多言語化を進めるべきと考えますが、厚労省のお考え、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/101
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102・岸本武史
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
現行の技能実習制度におきまして、農業、建設、食品製造、機械・金属職種につきまして、実習実施者や監理団体が留意すべき事項や遵守すべき法令などをまとめた安全衛生対策マニュアルを作成しておりまして、建設及び食品製造職種につきましては、このうち、技能実習生に遵守いただきたい内容等について多言語化して周知を図っているところでございます。
育成就労制度におきましても、こうした既存の外国人向けの安全衛生教育教材について受入れ機関への利用勧奨を図りますとともに、安全衛生対策マニュアルの対象分野の拡充、多言語化についても検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/102
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103・秋野公造
○秋野公造君 最後の質問にしますけど、公的年金は十年を加入すれば受給資格が生じるということでありますけれども、育成就労制度の創設等で長期的に滞在する外国人が増加して、年金を受給できる外国人も増えるかと思います。
こういった方々、母国に帰国をして年金を受給すると海外に年金を支払うということになりますけれども、円が海外に流出をして帰国先で使われるといったことが日本経済にはどういう影響を与えるかといったようなこと、あるいは、こうやって、今回の育成就労制度の創設だけでなく、将来の更なる外国人の増加を見据えた社会保障制度全体への影響についてシミュレーション、分析を行う必要があるのではないかと私は考えますが、併せて御答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/103
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104・橋本泰宏
○政府参考人(橋本泰宏君) 年金についてお答えさせていただきたいと思います。
我が国に居住する外国人が日本の公的年金制度に加入し年金の受給資格期間を満たした場合は、日本の年金の受給権が発生いたしますので、仮に外国人が帰国した場合には日本の年金をお支払いするということになります。
将来、我が国で就労する外国人が増加した場合には、海外で日本の年金を受給する外国人の増加につながる可能性ございますけれども、どの程度の外国人が十年間の年金の受給資格期間を満たすのか、また、年金の受給資格期間を満たす外国人のうちどの程度の方が母国に帰国して日本の年金を母国で受給するのか、こういったことを見込むということは困難でございますので、どの程度の影響があるのかというところについてお答えすることは困難でございます。
なお、公的年金の受給者のうち海外で受給している方の年金額は、日本人と外国人を合計いたしましても足下で年間四百億円程度でありますけれども、令和五年度の日本の国際収支の経常黒字二十五・三兆円と比較して小さい規模となっております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/104
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105・鹿沼均
○政府参考人(鹿沼均君) 外国人の増加の関係のシミュレーション分析についてお答えいたします。
今回の育成就労の制度改正の影響も含め、今後、中長期的なトレンドでは、国内に居住する外国籍の方々が増加し、その方々が社会保障制度の適用対象になる、このように見込んでおります。
こうした中、我が国の将来の人口規模に関する将来推計人口では、直近の実績も踏まえ、外国人が一定数増加することは考慮しており、例えば、前回の平成二十九年推計では外国人の入国超過数が約七万人、年七万人としておりましたが、直近の令和五年推計では年十六万人程度と置いております。
また、この将来推計人口の結果については、社会保障の給付と負担の将来見通し、また年金の財政検証等にも活用されており、今後も引き続き、委員の方から御指摘いただきましたように、外国人の動向も踏まえながら適切に対応していきたいと、こんなように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/105
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106・秋野公造
○秋野公造君 終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/106
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107・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 日本維新の会、猪瀬直樹です。
今日は入管法と技能実習法の改正についてですが、従来の技能実習制度においては、これまで政府は、安価な労働力としての外国人の受入れという本音を国際貢献というきれい事の建前で覆い隠してきたと言えます。今回の育成就労制度において、人材確保を目的とする在留資格であると明記した、まあ人材とは何かという問題があるんですが、また特定技能へのキャリアパスを明確化することは、実態を踏まえた制度変更としては評価できる点があります。
しかし、最も重要なことは総合的な外国人政策の基本戦略を策定することであって、我が国の経済成長のためには、専門的、技術的な分野の高度な技能を持つ外国人人材の受入れこそが最も重要であるはずです。だから、人材とは何かという問題なんですが、しかし、これまでの実績を見れば、むしろ技能実習生や留学生のアルバイトなどの技能の低い労働者の増加ばかりが目立っていて、我が国の雇用者全体の賃金水準を下押しして実質賃金引上げの妨げとなり、さらに企業側の生産性向上への取組を阻害してきたんじゃないかと。まず、そこを武見厚労大臣にお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/107
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108・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) この技能実習制度については、技能実習計画の認定に当たりまして、技能実習生に対する報酬の額が日本人が当該業務に従事する場合の報酬の額と同等であることをこれ要件としております。
それから、今般創設する育成就労制度におきましても、この報酬についてはこれと同様の要件を設けるほか、育成就労制度は、生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な特定産業分野に限って受入れを行うものでありまして、人手不足の状況などを適切に把握した上で受入れ見込み数を設定をいたします。そして、必要に応じて臨機に受入れの停止措置をとることとしておりまして、この国内の雇用の安定に影響を与えないよう十分な配慮を行うこととしております。
こうした制度上の仕組みを併せつつ、厚生労働省としては、我が国における三位一体の労働市場改革などの構造的な改革を推進して、この生産性の向上であるとか賃金の上昇につなげていこうと、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/108
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109・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 資料一見ていただきますが、(資料提示)このイメージ図の右側にあるように、育成就労というものがあって、そこから特定技能一号、そして二号とキャリアアップの道筋が明確化されているんですが、まず、入口となるこの育成就労のところですけれども、ついでにもう一つ、資料二を見ていただきたいんですが、この資料二の一番端のところに書いてありますが、八十二万人の見込み数なんです、五年後に。これ一番、ここですね、八十二万人。
そこへのステップとして、現状でも七割が技能実習からですよね。今後、キャリアアップの道筋を明確化すれば、その七割がもっと増加することが予想されるのに、その供給源となるはずの育成就労の見込み数をお尋ねしたんですけど、お役所の方に、そんな数字は今ないんですと言うんですよ。
これ、明示しないの、何でなんですかね。法案が通ったらいずれ数字は出すんですか。これ、入管庁の方、御答弁お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/109
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110・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
育成就労制度は、就労を通じて特定技能一号の技能水準の人材の育成を図るものであり、特定技能制度と同様、日本人の雇用機会の喪失や処遇等の低下を防ぐなどの観点から分野ごとの受入れ見込み数を定め、これを受入れの上限として運用することを予定しております。
当該受入れ見込み数につきましては、分野ごとに定める分野別運用方針において各分野の受入れ見込み数を定めるものとし、同方針を作成するに際しては、育成就労や特定技能に関し知見を有する者の意見を聞かなければならないものとしており、有識者等から成る新たな会議体において議論を行い、その意見を踏まえて政府が判断する仕組みとする予定でございます。
そのため、現時点で育成就労外国人の受入れ見込み数をお示しすることは困難でございますが、技能実習制度がなくなることを踏まえた人材不足の状況、今後、育成就労制度から特定技能制度に移行すると見込まれる外国人の割合なども考慮しつつ受入れ見込み数を設定することになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/110
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111・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 ちょっと今ので、大体のつかみというのは普通あってやるでしょう。それをちょっと言っていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/111
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112・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
ちょっと申し訳ないんですが、大体のつかみという、育成就労の数で申し上げる数字はございません。
他方、技能実習制度、現在、技能実習制度、トータル五年間いらっしゃいますけれども、昨年末で約四十万人の方がいらっしゃるということは申し上げられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/112
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113・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 先ほどの資料一、ちょっと戻りますけれども、一号の次のキャリアパスとして特定技能二号というのが一番上に書いてあるんですね、これ、資料一ですけど。この特定技能二号というのはまだ日が浅いと言うんだけど、まだ四十八人しかいないのね、これ。
小泉法務大臣にお伺いしますけれども、法務省としては、この二号を一号との比較においてどのくらいの水準まで持っていくことを考えているんでしょうか。目標というのがないとおかしいと思うんだよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/113
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114・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) まだ現時点で目標というものを設定する考えはないのであります。したがって、おおよその見込みというものもお示ししにくいんですが、なぜこんなに少ないのかということについては若干御説明をさせていただきたいと思います。
まず、特定技能二号の受入れ対象である十一分野のうち九分野については、昨年の八月に初めて特定技能二号の受入れが可能になったところでありまして、今後、こうした分野についての特定技能二号評価試験が順次始まっておりますので、今後は、各分野の特定技能二号評価試験の実施回数が増え、結果、合格者も増え、二号に相当する方が増えていくであろうと思われます。また、今回の法案の中では、新たに一号特定技能外国人の支援として、受入れ機関に対して、特定技能二号に向けたキャリア形成を支援するように、これを求めていくという措置を織り込んでおります。
今申し上げたような点を考えますと、新制度において、特定技能二号へ移行する外国人数が増加し得るとは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/114
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115・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 次に、その二号から、さっきの資料一ですけど、更にこの上に進むと永住者へのステップというふうになるわけですよね。これ、促進したいのか、あるいは制限したいのかよく分かりません。
岸田総理は、今回の改正で移民受入れを決めたわけではないというふうに強弁するんですが、このままずっとこのステップを上がっていくと永住者はさすがに増えていくわけですから、それはカテゴリーとしては移民ということになりますよ。このゴールまできちんと決めた上でそれぞれのステップを明確にすべきだと思うんですよね。
つまり、その永住者を増やすのか増やさないのか、どういう基本方針なのか。これ、戦略というものがあると思うんで、そこの一番大事なところの、その一番中心になる思想がどうなのか全然見えてこないんだよね、小泉大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/115
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116・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) これまでは技能実習制度という形で、建前と本音の違いという御指摘もありましたけれども、短期に入っていただいて、技能を修得して、また帰国される、一時的に預かる、こういう考え方でありましたが、育成就労制度の下では、仕組みの根本は同じなんですけれども、できるだけ長くキャリアパスを積み上げていただく中で日本にいてもらいたい。
ですから、結果的にはその永住者の数が増える方向には作用していくというふうに思われますけど、永住者の数をこれだけにしたいということが政策目的ではありません。また、永住者の数を増やすということ自体も政策目的ではありません。外国人材に選んでもらえる、そういう状況をつくり、結果として永住者が増えていく、そういう形になることを想定はしておりますけれども、それが政策の目的ではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/116
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117・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 この永住者を増やすのか増やさないかということよりも、まず基本戦略がはっきりしていないといけないわけで、高度人材を受け入れると言うなら、それ以外はキャリアアップのステップをゴールまできちんと用意するのかしないのか、これやらないと、単に低賃金の労働者を増やすだけの場当たり的な政策が続いてしまって、国力のプラスにならないんだと思うんですよね。
だから、その今のお答えでもちょっと分かりにくいんだけれども、基本戦略があるのかないのかというのをもう一回ちょっと聞かせていただきたいんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/117
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118・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) これ、育成就労制度という形で今までよりは国を開いていく、その結果、どういうふうに各経済分野がそれによって支えられていくかどうか、また、国民が、働き手となった外国人材の生活者としての側面を国民がどう捉え、どういうふうにそれを受け入れようとするのか、そうした国民の反応、また実体経済上の効果、そういったものをやはり見極めながら漸進的に進んでいくという今段階だと思います。あらかじめ目標があり、それを逆算してこういう形で外国人材を受け入れるという、そういうやり方ではなくて、一つ一つ効果を見ながら、国民の反応も見ながら進めていこうと。
方向性は、国を開くという方向性であります。それは間違いないんですけど、そのスピード、範囲、それは一つ一つ見極めながらやっていく、そういう考え方に立っていると理解していただいて結構だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/118
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119・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 きちんとした方針が戦略的にはないということですよね。分かりました。
時間ないので次行きますけれども、全体構造を見ると様々な懸念あるけど、人手不足が死活の問題だという業界があって、それは特に労働集約型の介護分野なんですよね。これ、急速な高齢化で要介護者が増加する中で労働力不足が深刻化しているんですけれども、昨年の厚労委員会でも取り上げましたけれども、僕は。
二〇一九年度を基準とすると、来年度で三十二万人。ちょっと資料三を見ていただきたいんですけれども、資料三ですね、これ、一番端の、このグラフの一番右側のところは約六十九万人と、二〇四〇年には六十九万人もの増員が必要になると。これ、深刻な問題なんですよね。
これを最近の介護分野の在留者数の推移で見ると、資料の右上が介護の在留資格、これ、もう一個、資料四をちょっと付け加えたいんですけれども、これだけ一応増えてはいるという図ですけれども、これね。
これ、介護福祉士へのキャリアアップを可能な仕組みには今回なってきているけれども、これ、一万人ぐらいにこれなっている、あるいは三万人の数字も出ているんですけれども、更にどうやってこの制度で増やすことが可能なのかどうか、武見大臣に聞きたいんですけど。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/119
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120・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 外国人介護職として、介護職として働く外国人の在留者数、着実に増加しています。特に、特定技能外国人の在留者数は令和六年二月末時点において約三万一千人、それから、受入れを開始した平成三十一年以降継続して増加して、最近の伸びはまた著しく大きくなっています。
世界的な人材獲得競争の中で外国人の介護人材を確保していくことが必要です。特定技能試験の実施国や試験会場の拡充、それから各国在住の学生などをターゲットとしたオンラインセミナーの開催、それから海外への戦略的な働きかけや受入れ介護事業者に対して介護福祉士の資格取得のための学習支援、それから外国人職員の生活支援、それからメンタルヘルスケア等に関わる経費の助成、我が国で長く働いてもらうための取組など、様々これは実施をしております。これらの取組を進めてきたことが外国人介護人材の在留者数の増加に寄与していると思います。
今般の育成就労制度が創設された場合に、介護分野においても、同制度から特定技能制度へとステップアップし、最終的には介護福祉士の資格を取得をして在留資格「介護」での就労を目的とするといったキャリアアップの道筋を、これは分かりやすく極めて明確につくっております。
今後、新たに海外現地で日本の介護についての直接伝えるセミナーの実施を検討しているところでございまして、この中で育成就労制度の説明を丁寧にすることなど、外国人の方に我が国を選んでいただいて、こうしたキャリアアップをしながら日本で長期間就労していただけるよう引き続き取り組むことによって御指摘のようなグラフの数字になっていくんだろうと、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/120
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121・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 続いて、自動車輸送分野ですけれども、こちらも人手不足は深刻ですけれども、先ほどの介護とは違って、この分野は特に専門性を身に付けてキャリアアップを図っていくことが難しい業界ですね。人手不足を外国人材に頼る前に、まず生産性の向上や国内人材の確保についてやるべきことがたくさんあるんじゃないかというふうに考えます。
ちょっと時間がないので、トラックについての質問は省略します。
タクシーの方ですが、いずれにしろ、この資料五を見ていただくことになりますが、接客業でもあるために日本語能力が他の分野に比べて高く設定されており、入国から乗務開始まで最大で十二か月もの期間を想定しています。当然、二種免許の取得も必要になってきます。
これだけハードルが高くて時間も必要だと、なかなか外国人にとっては余り魅力的に見えなくて、結果的に人が集まらない可能性があると思いますが、ここら辺はどう考えるかということと、そもそもこんなハードルの高いことをやるくらいなら、さっさとライドシェアを、タクシー会社に独占させないで新規参入を認めればいいわけですね。
質問まとめて一つにしますから。
そこで、岸田総理はライドシェアの全面開放をまた先延ばしして、さっさとやればこのタクシーの分野の人手不足はすぐに解決しますけれども、つまり、日本中に運転免許持っている人が八千二百万人もいるんですよ。数万人ぐらいあっという間に集まりますよね。
ここで、国交省は、この人手不足解消の決定版であるライドシェア解禁についてちょっと遅らせちゃったんですよ、今回ね。
一方で、外国人が集まらない。この試験がずっと長いわけですから、二種免許取ったりする期間が、それ時間が掛かる。その間の対策というのはどうするのか。つまり、こういう今までの、この今回のやり方で、時間が掛かる、運転手育成するのに一年も掛かるとか、そういうことで、その間に例えばタクシーは確実に不足していくわけですよね。
それだけ時間掛かる間にどうやってこのライドシェア問題を解決するのか、あるいはその運転手問題をどうやって解決するのかと。これを、現在のやり方ではかなり厳しいですよということを指摘したいんですね。それをお答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/121
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122・こやり隆史
○大臣政務官(こやり隆史君) お答えいたします。
まず、結果的に人が集まらないんじゃないかという御指摘でございます。
委員御指摘のとおり、タクシードライバーにつきましては、旅客を安全に輸送するため、そうした観点から、二種免許の取得に加えまして、旅客に対する接遇あるいは事故時の対応等が必要になることから、議員も御指摘ございましたけれども、他分野よりも高い日本語能力を求めています。
こうした中で、外国人材の受入れを目指す事業者においては、まず、海外で積極的な広報、採用活動を展開、また、ドライバーの育成、教育において、現地で人材育成等を行っている機関、そうした機関の協力を得ていく等、様々対応を行っていく予定と聞いております。
国交省といたしましても、外国人ドライバーを受け入れる事業者あるいは関係行政機関の協議会を設置いたしまして、海外でのドライバー育成等に係る優良事例を様々横展開するなど、円滑な外国人材の受入れに取り組んでまいりたいというふうに考えております。
また、ライドシェアを全面解禁すべきではないかという御指摘でございます。
そもそも、原則として、有償で旅客を運送するサービスにつきましては、旅客を安全かつ確実に輸送する、これが原則でございます。そうした観点から、通常よりも高度な運転技能等を有すると認められる二種免許を取得したドライバーにより担われているというふうに理解をしております。
今般開始いたしました自家用活用事業は、地域交通における担い手、移動の足の不足解消という喫緊の課題に対応するためのものでありまして、当面、国交省といたしましても、運賃算定手法の見直しあるいは運賃改定の迅速化による早期の賃上げ等の促進、運転者確保に向けて採用活動あるいは二種免許取得に係る費用に対する支援、またキャッシュレスなどの業務効率化、省力化の取組支援等を通じて人材確保を進めているところでございます。
こうした生産性向上あるいは国内人材確保のための取組を行った上でなお人材確保が困難な人員不足分について外国人の受入れを行い、安定的、継続的な有償旅客運送を確保してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/122
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123・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 時間が来ましたので質問を終わりにしますが、一言。
間に合わないと言っているんですよ、今、僕は、これだとね。その間に合わないということについてのお答えはなかったと思います。
じゃ、これで終わりにします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/123
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124・田村まみ
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみと申します。今日は、十五分間、よろしくお願いいたします。
まず初めに申し上げますけれども、時間が十五分と限られているので、根本的なところをやるのか、今回の改正でも足りないというところの細かいところをやるのか迷ったんですけど、細かいところを今日やっていくというふうに決めて質問準備させていただきました。
まず、技能実習生と特定技能実習生の厚生年金制度に関わる問題認識について、法務大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
技能実習制度及び特定技能制度において、就労時に掛けていた厚生年金の退職後の申請手続について様々な相談事が、UAゼンセン、産業別労働組合のUAゼンセンの外国人労働相談窓口に届いています。
この申請手続について、相当制度が複雑というふうな認識の下、また自身での手続が困難という中で、手数料を支払って代行業者にこの手続を依頼しているというような場合があるというような相談があります。この費用負担であったり、手続が分からないというような相談が多数上っているというようなことが声として届いています。
改めて、法務大臣、こうした課題への認識ということ、また解決策に向けた取組というところは御認識されているんでしょうか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/124
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125・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 技能実習生が特定技能外国人を含む日本で就労する外国人、技能実習生や特定技能外国人を含む日本で就労する外国人が本邦での活動を終了し母国に帰国するに当たっては、支払っていた年金保険料の一部を脱退一時金として請求することが可能であると承知しております。ただし、この委員御指摘の脱退一時金の請求手続における手数料の問題、これは、法務省は年金制度を所管していないことから、所管外でありますので、お答えを差し控えたいと思います。
我々は、今取り組んでいるのは、日本に入国する際に全ての技能実習生に配付している技能実習生手帳、あるいは入管庁のホームページで公表している在留外国人向けの生活・就労ガイドブックにおいて、脱退一時金の支給要件、あるいは支給に当たっての注意点、請求手続などを記載して、外国人への周知には努めているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/125
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126・田村まみ
○田村まみ君 周知に努めている、ガイドラインに明記されている、そこは私も確認はさせていただいているんですけれども、この代行業者が入って、そこへの支払がかさんでいるというところについての課題認識ですよね。制度を今後どう解決していくかというところは厚労省所管だということでお話しいただきましたけど、そのこと自体の課題認識は、入管という部分での事前のガイダンス、お知らせをしているという立場で、そこへの解消に向けての前提のお知らせが本当にされていると、されているかどうかというところが私も疑問だったので、こういう代行業者の介入についての認識をお伺いしました。
是非、これ、入国時のいわゆる借金を抱えた状態でというようなところの一方で、出ていくときにも、納めていたその脱退一時金等を請求しようと思うときに費用が掛かっているというところについての解消というのは、私は必要だというふうに思っています。
今回、育成就労及び特定技能制度において、厚生年金制度の加入についてというところも前提としてありますけれども、この脱退等々の自身での手続が困難というところ、代行手数料を支払っているというような現状があるということを厚生労働大臣にも御認識をいただきたいというふうに思うんです。
そういう意味でいきますと、帰国するときにまた手元に残るお金が減っていくというようなことを考えたときに、手続の簡素化というところはもちろん進めていただきたいんですけれども、この代行業者の利用状況の把握等を是非やっていただきたいと思いますし、この状況が解消されるまでは、一番私はお願いしたいのは本人負担の減免なんですけれども、また本人の意思を踏まえた選択制など、この受取に係る費用が過大になっているということを解消するまでの何らかの対応を厚生労働省は講じるべきだと考えますが、大臣のお考えを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/126
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127・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 我が国の公的年金制度というものにおいて、国籍にかかわらず外国人も日本人と同様に適用を行っておりまして、この要件を満たした場合には厚生年金保険が強制適用されることになります。
このような取扱いとしておりますのは、社会連帯とそれから相互扶助の理念に基づいて、老齢、障害又は死亡という保険事故に対応して個人に対する所得保障を行うためでございます。例えば、制度に加入中に障害が起こった場合には、要件を満たせば障害年金が支給されるということになります。これはもう外国人も日本人も同じだということです。
こうした保障の必要性は、育成就労制度及び特定技能制度の下で働く外国人についても同様であります。選択制とした場合はこうした保障が受けられなくなってしまうものでありますから、それはやはり適当ではないというふうに考えるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/127
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128・田村まみ
○田村まみ君 もちろん、強制加入がされるということで、事業主が意図的に加入をさせないということを防ぐという意味でいけば、保障が確保されるという意味で私も重要な制度だというふうに思っています。
一方で、永住権の問題や、本当に長く就労しながら日本で住み続けるということの選択が今回これだけ疑義を呈されている中で、社会保障制度、年金制度のところだけは社会の連帯というようなことを冠に掲げて、実際には、帰国をしなければいけない状況のときの一時脱退や帰国したときの受取というところが困難だということに目をつぶって、その保険料の支払だけを課しているということに対して、私はやはり疑問を呈さざるを得ないということで今日この質問をさせていただきました。
先ほど、前段の質問の中では、外国にその年金の支給額が流れていって経済損失じゃないかみたいな指摘がありましたけれども、私は、むしろこの受け取れない部分での少なさというところがさっきの実績の数字になっているんじゃないかなというふうに、逆にさっきの数字の少なさを聞いて思いました。
是非、この受取の実態調査というところは、厚労省としてもやっていくというところは検討いただきたいということ、今日なかなかいただけないというふうに最初のレクで聞いていたのでもう答弁は求めませんが、今日、課題認識一緒にさせていただいて、是非加入後の受取実態のところはもう少し精査していただきたいということをお願いしたいと思います。
武見大臣、いつも優しいので、答弁必要ないですと言っても、分かったときには分かったと今言っていただきましたので、私しっかり見ましたので、よろしくお願いします。
議論の中で、済みません、関連する質問が前段にありましたので、三番目の労働安全衛生分野についての質問を先にさせていただきたいというふうに思います。
育成就労制度の受入れ対象分野についても、既にもう制度が変わる前提で準備が進められているようにも見えていますが、その一つに林業分野というものが挙がっております。
この林業分野なんですけれども、労働災害の発生率が、そもそも日本人だけが今働いているところの中でいっても全産業平均の約十倍、そして、死亡災害の約七割が伐木作業中に発生している状況、これが林業の労働災害の現状です。そんな中で、外国人労働者への日本語教育の不十分さも指摘される中、林業分野における外国人労働者の労働災害防止対策は、もしこれが適用されるというふうになれば、もう必要不可欠だというふうに考えます。
その上でなんですが、林業分野では零細企業が多数を占めていまして、従業員の九人以下の小規模林業経営体では特に労働災害の発生リスクが高いというのも今の現状で出ているわけですね。なので、厚生労働大臣にお尋ねしたいと思いますが、零細企業における十分な安全衛生教育には限界がある中、林業分野における外国人労働者を含めたこの労働災害防止対策についてどのように取り組むのか。二問まとめてお伺いしましたので、よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/128
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129・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) この林業分野における労働災害の発生率が高いというのは、やはりこれから外国人労働者を受け入れるということになれば、言語のコミュニケーションも難しくなるし、その発生状況の中で、例えば掛かり木対策といったように、倒れそうになった木を伐採して、それを整理するというようなときには特にこうした事故が発生をする、しかも、それが中小規模の場合には、実際にその事故をほかの人たちが見ていないところで発生してしまって、それがより深刻な事故につながるというケースが多いということも伺っております。
したがって、こうした状況の中で、やはり外国人労働者向けの安全衛生教育教材といったようなものもこの林業分野において特にきちんと作成をして、それから、危険を直感的に理解をさせ、安全でない行動の抑止図るためのイラストだとかピクトグラムの開発を進めます。
こうしたことをやり、かつまた、厚生労働省としては、労働安全衛生法や関係ガイドラインの徹底図りまして、この林業の労災防止対策を分かりやすく解説をした伐木等作業における安全作業マニュアルを作成をして、全国七ブロックにおいてマニュアルを活用した安全対策講習会を開催するなど、特に、先ほど御指摘の小規模事業場における安全衛生教育が的確に行われるように取り組んでいきます。
こうした中で、外国人労働者に対する事故防止策に関する周知徹底も行っていきたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/129
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130・田村まみ
○田村まみ君 ありがとうございます。前提となる今での労働災害の多さを是非認識しながら、引き続き対応を求めていきたいというふうに考えます。
そういう中で、今、林業を例に出させていただいたんですけれども、そもそも、この外国人を雇用する事業者数のところで、事業規模別でいくと、やっぱり三十人未満の事業場のところが六一・九%なわけなんですね。ですので、マニュアルをそろえるといっても、やはり対策が難しいというところが私は前提にあってくるというふうに思います。
その上で、従業員が十人以上五十人未満の事業場では、安全衛生推進者の選任が義務付けられています。しかしながら、選任が義務付けられていても、実際に安全衛生業務がしっかりと推進されていなければ職場の安全衛生の確保は実現しません。
したがって、安全衛生推進者による安全衛生業務の実施状況の確認、これも私は義務化していくべきだと考えますが、厚生労働大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/130
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131・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) この育成就労制度におきまして、御指摘の安全衛生推進者による安全衛生事業の実施を含めて、安全衛生法を始めとする労働関係法令が遵守されることが重要です。
監理支援機関につきましては、受入れ機関に対して、労働関係法令違反に対する必要な指導や是正のための指示、それから関係行政機関への通知を義務付けております。また、外国人育成就労機構においても、この労働関係法令違反が認められる場合には、その内容に応じて実地検査を行い、そして必要な指導等を行うとともに、主務省庁において改善命令、それから育成就労計画の認定取消しなどの行政処分などを行うこととして、育成就労外国人の職場における労働関係法令が適正に遵守されるよう、しっかりとこれ取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/131
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132・田村まみ
○田村まみ君 厚生労働分野の部分での遵守をしっかりさせていくという答弁ありました。でも、認められた場合なわけなんですよね、分かった、判明した場合。そういう意味でいきますと、やはり法務の方で、監理団体の機能が弱過ぎるという中で、そもそも判明がしない、認められる場合に上がっていかないようなこの労働災害の部分についてしっかりあぶり出さなければいけないという意味で、私は、今回のこの少ない事業場でも、育成就労関係なく、しっかりと実施状況の確認というところの体制整備を厚生労働省が進めていくことで私は対策は進むと思いまして、提案として挙げさせていただきました。
最後、ちょっと、二分なので一問だけ、二ポツの括弧一の方だけ質問させていただきます。
育成就労の産業分野及び受入れ見込み数についてが、基本方針や分野別の運用方針において、あらかじめ、育成就労に関し知見を有する者の意見を聞かなければならないとなっています。
有識者会議の最終報告書でも、受入れ見込み数や分野は適切に変更できるように、有識者、労使団体等で構成する新たな会議体の意見を踏まえるというふうに提言をされていますが、この新たな会議体というところはもちろん労働組合も含まれるというふうにレクで受けましたけれども、多くは連合を介してということなんですが、特に産業別の細かい対策が私は必要だというふうに思いますので、産業別労働組合ともっとしっかりと連携すべきと考えますが、法務大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/132
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133・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 新たな会議体のメンバーについては、有識者や労働団体等の様々な関係者等で構成することを想定しております。
具体的な構成については法案成立後に検討を行う予定としておりますが、今委員御指摘のように、各産業分野の実情等を踏まえる必要がある、適切に受入れ対象分野及び受入れ見込み数を設定することが、各分野の実情を踏まえて見込み数を設定することが重要であり、新たな会議体の構成員の選任に当たっては、御指摘のような観点も含めて検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/133
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134・田村まみ
○田村まみ君 最後に、会議体のメンバーではなくても、適宜その業種、業に関わっている労働者に聞くというところを最後お願いして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/134
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135・倉林明子
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
法案では、新たに、季節性のある農業、漁業分野において派遣形態による育成就労の実施を認めると、いわゆる解禁となるわけです。現行法では特定技能の在留資格を得た外国人のみが対象だったものを、これまでの技能実習生にも拡大するということになるわけです。
そもそも、技能実習生に対する派遣を認めてこなかったその理由は何でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/135
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136・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 現行の技能実習制度は、人材確保ではなくて、人材の育成を通じた国際技能移転を目的としておりました。同一の事業主の下で一貫した実習を行うという観点を徹底し、労働者派遣について、雇用主と異なる事業主の指揮命令の下で実習を行うということになりますから、これは認めてこなかったわけであります。
他方で、人材不足分野における人材確保を目的とする特定技能制度では、繁忙期の労働力の確保や複数産地間での労働力の融通といったニーズに対応するために、農業、漁業分野で労働者派遣を活用した外国人の受入れを認めてまいりました。
この点、育成就労制度は、人手不足分野における人材確保が制度目的に加わることに加えて、特定技能制度との接続性を高めることとしていることにも鑑みまして、自然的要因による業務の繁閑期がある分野におきましても受入れが可能となるよう、これらの分野に限り、一貫した人材育成を担保するための特別な枠組みを設けた上で労働者派遣の活用をした受入れを認めると、こういうこととしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/136
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137・倉林明子
○倉林明子君 今のは拡大する理由ですよね。何でしてこなかったのかということに対する説明にはなっていないかなと思います。
派遣手数料が、これ上乗せされるという先ほど指摘もありました。私、外国人労働者の賃金の低下に直結する、一層の就労環境の悪化を招きかねないという重大な問題だというふうに思います。
現在、派遣事業を行っている実態はどうか、確認させていただきたい。派遣元となっている事業者は何者あるか、そして実際に派遣されている特定技能資格者は何人か、就労外国人の平均的な収入はどれだけになっているか、御説明を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/137
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138・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
特定技能制度におきましては直接雇用を原則としており、派遣形態による受入れを認める特定産業分野は農業及び漁業の二分野に限定しているところです。令和五年十二月末時点における派遣形態での雇用が認められている特定技能所属機関数でございますが、暫定的な数値でございますが、農業分野で二十六機関、漁業分野で一機関でございます。
また、令和五年十二月末時点で派遣形態により受け入れられている特定技能の外国人の人数でございますが、暫定的な集計でございますが、農業分野が一千六百七十三人、漁業分野が六人の、合計一千六百七十九人となってございます。
なお、派遣形態により受け入れられている特定技能外国人の平均的な収入につきましては、統計を取っていないことからお答えすることが困難でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/138
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139・倉林明子
○倉林明子君 統計もないということで、重大な問題だと思っているのは、就労環境の悪化につながりかねないと、更に収入が減るんじゃないかという懸念が非常にあるんですね。そういう意味でいうと、これ、まともに実態つかんでの提案かと、立法事実どこにあるんだということじゃないかということを指摘したい。
そこで、一方で、外国人労働者の賃金が最も低いのが農業なんですね。特定技能の派遣事業では、既に県をまたいだ派遣が始まっております。六月からは長野でレタスの収穫、七月には北海道でバレイショなど、季節ごとに計画に基づいて派遣するというふうにされているわけです。これ、育成就労では、これまでの特定技能とは違って、育成就労ということから導入することになれば、来日したばかりの外国人が派遣されるという枠組みになるわけですね。
日本語能力が不十分な外国人、こういう方々を、方言も違う、地域も違う、こういうところを転々とさせるということは、失踪者、今大問題になっているこの失踪者を増やす要因になりかねないと思いますけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/139
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140・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) この育成就労においても、こうした外国人の労働者の方々にやはり日本語という言葉をきちんと理解していただくよう学習していただくことは極めて重要であります。
こうした育成就労制度の中で、就労開始前に一定の日本語能力の試験の合格であるとか、相当する講習の受講を義務付けるというふうにしておりますし、認定の日本語教育機関の活用した、この日本語教育機関を活用した日本語教育の質の向上、それから母国での日本語学習支援の取組などの方策を講じております。
加えて、派遣元や派遣先の職員などが就労や生活に必要な方言を教えるということ、それから地域の交流行事への案内なども含めた就労、生活面でのサポートを行うことや、各地域の地域協議会などにおいても、労働者派遣形態で育成就労を行う外国人を想定した育成就労の適正な実施や保護に資する取組について協議を行うことにしておりますので、御懸念のような課題についても、こうした枠組みを通じて解決するよう努力してみたいと思います。
そうしたことを推進して、労働者派遣形態で受け入れられた育成労働の外国人が安心して地域で就労できるようにしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/140
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141・倉林明子
○倉林明子君 二か月とかそこらで転々とさせて、方言までどうやって理解できます。コミュニケーション取れないというようなことがやっぱり失踪につながりかねないという指摘には、正面から答えていないですよ。今でも失踪者九千人と、農業分野一割占めております。
繁忙期を効率的に回すという働かせ方なんですけれども、これ育成就労と言えるのかと。農家は、農閑期があるから農繁期の無理も利くんですよ。農繁期を使い回すと、こういう働かせ方には、私は無理があると指摘したい。
その上で、自然相手の農業です。豊作もあれば不作もあります。まして、今、気候変動の影響でどんなことが起こっているかというと、収穫期がずれるんですよ。前倒しになったり、収穫量が偏る、いっときにたくさんできる、そういうこともあります。収益にも大きな影響が生じる状況がこれまで以上に拡大しているんですね。
計画立てるとおっしゃいます。しかし、計画どおりに働けない場合、賃金の不払、休業補償の放棄、こんなことも想定されるわけですね。実際に起こっていますから。そういう場合、こうしたリスク、起こり得るリスクについての検証、行ったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/141
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142・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 御指摘のようなことが起きてはなりません。
したがって、この賃金や休業手当の支払については、使用者である派遣元事業主が労働基準法に基づいて適切に行う義務がまずありますが、それに加えて、今回の育成就労制度においては、派遣元及び派遣先が共同の育成就労実施者となります。いずれも計画に沿った育成就労を行わせる義務があることに鑑みまして、賃金については就労先ごとの賃金を育成就労計画におきましてあらかじめ定めておくこと、それから休業手当については、派遣元、派遣先のいずれの責任に帰すべき事由による休業の場合にも、派遣元、派遣先が一体となって支払われるよう、育成就労計画の認定時にこれを確認することということになっております。こうしたことを通じて担保することによって、御指摘のような賃金不払や休業補償の放棄が起こるということがないように制度設計をしております。
こうした仕組みの履行確保のために、監理支援機関や外国人育成就労機構などが必要な指導等を行うこととしておりまして、労働者派遣を活用することによって育成就労外国人の保護に欠けることがないように適切に対応いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/142
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143・倉林明子
○倉林明子君 リスクあるんですよ。農業、自然相手で、大きな変化も起こっているからです。農業収益が上がらなかったら、その派遣元に支払うものがなくなるわけですよ。大きな影響が出るに決まっているじゃないですか。絵に描いたみたいなことを言ったってうまくいきません。厳しく指摘しておきたい。
そもそも、この計画に対しては、育成就労で働く外国人本人の希望が反映されるような仕組みはないですよ。法案では、現在の派遣会社もこれ参入可能になっていくわけです。派遣事業は、そもそも労働力の需給調整がこれ目的なんですよ。季節性の分野だとしても、派遣形態の就労など解禁すべきじゃない、認めるべきじゃないと申し上げたい。そして、今後、省令などによってなし崩し的に対象を拡大するなど、やってはならない、やるべきではないと思います。
対象拡大に対する法的な歯止め、ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/143
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144・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 本改正法におきましてこの労働者派遣を認める分野は、育成就労産業分野のうちで、この就労を通じて技能を修得させるに当たり季節的業務に従事させることを必要とする分野、そして、この当該技能を労働者派遣等による就労を通じて修得させることができると認められるものとして主務省令で定めた分野と規定しています。
ここで言う季節的業務に従事させることを要する分野とは、単に季節によって業務に繁閑が生じるというだけではございませんで、春夏秋冬などの自然的要因によって業務に繁閑が生じる分野に限られていると考えております。
また、育成就労制度における受入れ対象分野は特定技能制度における特定産業分野に限ることとしているところ、現行の特定産業分野のうち、特定技能制度における労働者派遣を認めているのは農業及び漁業分野のみであります。
このような要件などに該当をして、育成就労制度において労働者派遣形態での育成就労が認められる分野としては、現行の技能実習制度の移行対象職種に対応するものの中では農業及び漁業という分野のみが当てはまると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/144
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145・倉林明子
○倉林明子君 それは要件なんですよ。私、要件の説明を求めているんじゃなくて、これ対象拡大すべきじゃないということと、それを歯止め掛ける規定はあるんですかと、法的に。あるならある、ないならない、はっきり答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/145
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146・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) したがって、今申し上げたように、この要件に当てはまるか否かによって判断がされていて、現在においてはその要件を満たしているものは農業と漁業だと、こう言っているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/146
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147・倉林明子
○倉林明子君 省令で決められるような中身になっているので、これ突破口にしてはならないとくぎを刺しておきたいと思います。
現実には労働者以外の何物でもないこの外国人実習生を、労働搾取目的の人身売買と批判されるような実態を放置してきたのが政府ですよ。その責任が極めて厳しく問われているということです。
これ、育成就労、仕組みは同じだという指摘ありましたけれども、看板の掛け替えにとどまらず、さらに、こういう派遣形態を認めると、法的に認めると、こういう搾取強化するような仕組みを拡大するというようなことは認められない、許されないと思います。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/147
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148・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 本法案におきましては、労働者派遣形態で育成就労を行わせる者は、労働者派遣事業の許可を受けた派遣元事業主とその生産先に限定をしております。育成就労法の規制はもとより、労働者派遣法の各種規制に服することになります。
したがいまして、さらに、この労働者派遣形態での育成就労では、業務の繁閑なども踏まえた派遣先をあらかじめ特定をし、季節ごとの就労先や業務内容を含む三年間の計画を派遣元と派遣先が共同で作成し、認定を受けた上で当該計画に従って育成就労を行わなければならないこととしておりまして、無制限に就労先を変更するということは認めておりません。
加えて、計画の認定基準においても、育成就労外国人の報酬が日本人が従事する場合の額と同等以上であることを要件とするほか、派遣形態の場合は、通常の基準に加えて、派遣元と派遣先での適正な責任分担を担保するための上乗せ基準を課すこととしております。
こうした仕組みによりまして、労働者派遣形態による受入れにおいても、外国人の適正な受入れを担保することができると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/148
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149・倉林明子
○倉林明子君 いや、人身売買のようだと批判されてきたんですよ。本当に、これから働いてもらう人として受け入れていこうというのに、こういう搾取の新たな仕組みということ、拡大は本当に駄目だと。
日本で共に生き、共に働く人として尊厳が守られる制度、抜本的な転換が求められると指摘して、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/149
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150・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/150
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151・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/151
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152・天畠大輔
○天畠大輔君 代読します。
れいわ新選組の天畠大輔です。
制度のはざまに焦点を当てて質問します。
障害のある外国人が非正規滞在の場合、命や権利が守られないことがあります。まず、事例を二つ紹介します。
元々、就労を条件とする在留資格を持っていた方が体調を崩して働けなくなりました。その後、在留資格喪失とともに健康保険資格も失い、医療機関を受診できないうちに人工透析が必要な状態に陥りました。日本では、身体障害者手帳取得を要件とする更生医療によって人工透析などへの医療補助が受けられます。しかし、この方は非正規滞在のため身体障害者手帳が取れず、それも使えません。
もう一人の事例です。本国に帰ると命の危険にさらされるため、仮放免の状態で在留特別許可を求め、十年以上国内に居住していますが、いまだに在留資格は認められていません。その間にHIVが進行しましたが、健康保険も更生医療も使えません。
このお二人は、結果的に、無料低額診療事業を行う医療機関につながるなどして何とか命をつなぎました。しかし、無料低額診療を行っているのは、全国に十八万ある医療機関のうち七百程度にすぎません。無料低額診療にもつながらず、制度のはざまで命を落としている方がいると想像します。
厚労省はこれらの事例を把握していますか。把握の有無のみ、大臣からお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/152
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153・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 把握しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/153
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154・天畠大輔
○天畠大輔君 代読します。
在留資格がない方の更生医療利用については、国会でも二十五年ほど前から問題提起が続いています。それにもかかわらず、厚労省が把握をしていないのは残念です。
これらのケースは決して珍しいものではありません。例えば、就労に基づく在留資格の保持者が失業したり人権侵害で職場を離れた場合、必ずしもすぐに在留資格取消しとはならなくても、うまく次の在留資格につながらず、非正規滞在となることが多々あります。非正規滞在者は、国民国家において最も脆弱な人との指摘もあります。入管法上では退去強制の対象であっても、労働法制上では現実の労働に着目して保護の対象とし、非正規滞在者であっても労災が適用されるなどの政策変更はこれまでもありました。
人道的見地、また内外人平等の観点から、緊急性が高く、更生医療利用対象になるような医療を非正規滞在者が受けるに当たって何かしらの方策を取れるよう検討を始めるべきではないでしょうか。厚労大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/154
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155・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 在留資格がない外国人をテーマに御指摘を受けているわけでありますけれども、障害者総合支援法に基づく更生医療というのは、身体障害者手帳の交付を受けた身体障害者が自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な医療について、その所得に応じ医療費の自己負担の一部を補助する仕組みでございまして、同制度は、社会連帯と相互扶助の理念に基づくものでございますから、この在留資格がない外国人にはこれ適用ができません。
こうした障害者総合支援法に基づく更生医療というのは、身体障害者が自立した日常生活、社会生活を営むことができるようにするため、一定の場合に医療費の負担の軽減を図るために公的な助成も行います。この制度は、社会連帯と相互扶助の理念に基づいて、障害者、身体障害者手帳の交付を受けた身体障害者の社会経済活動への参加の促進を図るために講じている制度でございますから、不法滞在の外国人を対象とするというのは困難だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/155
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156・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 計測を止めてください。
天畠さんが発言の準備をしておりますので、お待ちください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/156
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157・天畠大輔
○天畠大輔君 残念です。見殺しにするのですね。
法務大臣、厚労省と連携して方策を考えませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/157
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158・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 大変申し訳ないことですが、更生医療は入管庁の所管外であり、その在り方についてお答えすることは困難であるということを是非御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/158
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159・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 計測を止めてください。
天畠さんが発言の準備をしておりますので、お待ちください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/159
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160・天畠大輔
○天畠大輔君 制度が改善しないと適切な対応はできません。厚労省と法務省、共に考えてください。代読お願いします。
次に、障害児の権利について伺います。
難民申請をしている仮放免中の方に知的障害の子がいます。この子は、親の在留資格が変わったために、元は使えていた放課後等デイサービスの利用を理不尽にも止められてしまいました。日本も批准している子どもの権利条約二十三条に照らせば、子供のための障害児支援について、親の在留資格の適法性を条件にするのは不適切ではないでしょうか。障害児支援を定める児童福祉法第一条にも、子どもの権利の、失礼しました、子どもの権利条約の理念にのっとりとあります。
工藤副大臣に伺います。改善の検討を始めるべきではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/160
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161・工藤彰三
○副大臣(工藤彰三君) お答え申し上げます。
放課後等デイサービスを始めとした障害児通所支援は、障害児に対して、日常生活における基本的な動作及び知識技能の習得のための支援、生活能力の向上のための必要な支援などのサービスを障害児の発達段階に沿って提供するものであり、基本的には地域に居住している障害児が継続的に支援を受けることを想定しております。
また、障害児通所支援も含めた各種の福祉サービスが、サービスを受給する者も含めた支え合いの中で成り立っていることも踏まえれば、国内に適法に居住していない外国人に対して障害児通所支援が提供されることは通常想定していないところでございます。
一方、適法に居住しているか否かにかかわらず、こども家庭庁では、外国人の障害児通所支援の利用実態について把握していないところであります。外国人の在留や出入国管理については、まずは制度を所管する法務省において適切に対応していただくことを前提とした上で、例えば、外国人が適法に国内に居住していない期間内に障害児通所支援がどうしても必要となる事例などがあれば、当事者の声や状況も含め、その事態を法務省から情報提供していただくなど、必要に応じて連携を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/161
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162・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 計測を止めてください。
天畠さんが発言の準備をしておりますので、お待ちください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/162
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163・天畠大輔
○天畠大輔君 是非当事者から話を聞いてください。代読お願いします。
次に、今回の改正案について伺います。
故意に公租公課の支払をしないことといった永住資格の取消し事由拡大に当たって、政府は、在住外国人当事者、また、そのうち複合的な課題を抱える女性や障害者に見解を聞いたり検討の議論に参画してもらいましたか。法務大臣、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/163
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164・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 永住許可制度の適正化の検討過程において当事者の方から直接見解を伺ったことはありませんが、例えば第七次出入国管理政策懇談会などの場においては、当事者の方々の意見を代弁する有識者の方々、例えば外国人の方あるいは弁護士の方、そういった方々から詳しく御意見を伺ってきたところであります。
そうした御意見をしっかり踏まえた上で法務省としては検討を行い、一部の悪質な場合についての公租公課の滞納ですね、取消しができるものとしますが、しかし、在留資格、これをあくまで変更するという形にしまして、定着性に十分配慮したところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/164
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165・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 計測を止めてください。
天畠さんが発言の準備をしておりますので、お待ちください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/165
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166・天畠大輔
○天畠大輔君 複合マイノリティーの方が抱える課題も把握すべきです。代読お願いします。
永住資格が取り消され、在留期限のある定住者になれば、例えば不動産の賃貸契約が結びにくくなるなど、社会経済生活上の不安定さは確実に増します。障害のある外国人だったらなおさらです。私もアパートを探すに当たり何度も差別を経験してきました。
また、障害福祉サービスを利用する外国人は、日本人と同様に、利用時間数の行政交渉、ヘルパーなどとの関係構築など、相当な調整が必要です。永住者だった障害者が期限のある在留資格へ変更になった場合、それまでと全く同じようには生活を組み立てられないでしょう。障害者の立場から強く懸念します。
そのような人たちの実情を聞かずして今回の法改正を決め、さらに定住性に配慮しているなどと強弁するのは、慎重とは程遠い姿勢です。まずは、定住資格取消し事由の拡大は取り下げるべきです。法務大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/166
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167・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 今申し上げた懇談会の場におきましては、外国人の方々あるいは弁護士の方々が様々なその当事者の方々の意見を踏まえて御意見を出していただきました。
そういった御意見を踏まえる中で、法務省としては、ごく一部の悪質な場合に限って、限定をしてそういう対処をしようということでございまして、多くの普通に納税をしていただいている方々には何の影響もこれは及びません。ごく一部の悪質な、悪質な納税滞納をしている方には是正を求めていきますけれども、そうでない方々には何の措置もとることはありませんので、その辺をよくしっかりと我々も広報していかなければならない、御理解を求めていかなければならないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/167
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168・天畠大輔
○天畠大輔君 代読します。
まとめます。それでは改正案には賛成できません。悪質性云々とおっしゃいますが、これまでの国会審議で指摘されたように、入管の裁量が大き過ぎます。真面目に暮らす永住者や日本国民の不公平感を助長するので共生社会のために必要な措置だなどと国会で説明し、分断を先導していることにも抗議します。この法案に賛成する国会議員もまた共犯者です。
永住資格取消し事由の拡大の取下げを重ねて求め、質疑を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/168
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169・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/169
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170・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/170
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171・上田清司
○上田清司君 無所属の上田清司です。
石橋議員が改正法についての問題点を包括的に指摘をされたところです。私は、法改正があろうがなかろうが、日本という国が、在留資格分野は異なっても簡素かつ適正な受入れと人権に配慮した優しい国柄でなければならない、こんなふうに思っているところであります。
まず、入管の手続状況についてお伺いをいたします。
関係者から私ヒアリングをして、とにかく混雑していて二時間も三時間も待つんだと。待った後に即判こを押してくれるわけじゃないんです。書類を受理しただけのことなんです。それに二時間も三時間も待つと。本当の話かということで、秘書を品川の入管局と埼玉の出張所に派遣をしまして、調査をし、そして並んでいる人たちにヒアリングをしました。やっぱり同じような話でありました。午前の最初にやっても午後に掛かってくるとか、こういう話を聞きました。
このような実態について大臣は御承知でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/171
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172・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) いや、私もその現場に行って並んでみたことがないので、そこまでの現実的な把握はできておりませんでした。ちょっとこの後、事務方から答弁させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/172
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173・上田清司
○上田清司君 基本的に数が多いこともそうだし、これまでは比較的安定的に年間百六十万件あったんですが、令和五年にこれが二百万件に増えて、二五%アップなんですね。多分、こういう事態は、人員を急に増やすとかそういう話はなかなかできないものだと思いますので、そこは例えば電子申請を強力にやっていくとか様々な工夫が私は必要だと思いますし、もう多分やっているのではないかと思いますが、このような実態について大臣が細かく知らないのは当たり前ですので、これを政府参考人に聞きたいと思います。実態だけ、短くお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/173
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174・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
ただいま委員から御指摘ございましたとおり、混雑を解消させる観点からオンライン申請の利用も推奨しているところでございます。一点、数字を御紹介しますと、令和六年四月の実績で申し上げますと、在留諸申請の主要な手続である在留期間更新許可申請、在留資格変更許可申請及び在留資格認定証明書交付申請の合計数に対し、オンライン申請数が占める割合は二一・七%となってございます。(発言する者あり)では、もう一度お答えします。令和六年四月の申請数に占めますオンライン申請の比率は二一・七%となってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/174
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175・上田清司
○上田清司君 大臣、お聞きのとおりです。オンライン申請も始めて、その割合も二〇%を少し超えたところだと。やはりこういうものをしっかりやっていかなければならないと思いますし、みどりの窓口で並んでも、ただ受理しただけだったらみんな怒りますよ。審査して印鑑押してくれるんだったら一日だって待ちますよ。あるいは、いろいろ問題点を御指摘していただくんだったら分かりますが、受理だけに半日仕事というのは、これは日本国の恥じゃないでしょうか。
こういうのを改める努力に関して、一言、しっかり決意を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/175
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176・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 是非、現場に行って、現場を把握して、早急に対応策を考えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/176
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177・上田清司
○上田清司君 埼玉の出張所などは中が狭いもので、外に並んでいますので梅雨どきは大変です、真冬も大変です、真夏も大変です。是非御理解をいただきたいと思います。
次に、JACの、これは一般社団法人建設技能人材機構という名前の一般社団法人ですが、特定技能外国人の受入れ事業の実施法人だと。仕事は、建設技能全体の処遇改善、低賃金、保険未加入、劣悪な労働環境等のルールを守らないブラック企業の排除、失踪、不法就労の防止と、これが設立されたときの趣旨です、平成二十七年。
問題は、正会員が年間三十六万円、賛助会員が約二千五百二十四社あって二十四万。ぼったくりじゃないですかと。目的果たしていないよと。なぜ果たしていないかというと、これがつくられてから技能実習生の失踪者の数が減ったのかと、増えているじゃないかと。あるいは、低賃金、保険未加入、劣悪な労働環境、ルールを守らないブラック企業が減ったのかと。建設技能全体の処遇改善が本当にできたのかと。できているんだったら、それは二十四万払ってもいいでしょうと、三十六万払ってもいいでしょうと。そういうの、できていないじゃないですかと。外郭団体をつくって、そして関係者を入会させて、そして理事長以下理事の皆さんたちの所属先を見ると、元々、経歴まで調べていませんが、各種団体の専務理事等が十三人中七人いますので、多分この専務理事は国交省のOB関係者が多いと思います。
いずれにしても、問題を解決するための仕組みが解決されていない。これはもう小泉大臣の所管ではありませんので、是非、国土交通省の政務二役の方に、こういうことが起こっているんだということを見てもらいたいんですね。一番お金の取りやすいところから取って、この人たちからお金を取るために、またこれに加盟している企業はやっぱりどちらかといえば技能研修生から収奪をすると。余り給料払いたくない、会費も払わなくちゃいけないからという悪循環に入っていくじゃないですか。誰が考えたってそうじゃないですか。
一体何を考えてこういうのを設立して、国交省はこれを認めていくのかと、これを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/177
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178・石橋林太郎
○大臣政務官(石橋林太郎君) 失礼いたします。
委員御指摘のJAC、一般社団法人建設技能人材機構でありますけれども、その設立は、今御説明いただきました、外国人材の受入れに関わる専門工事業団体等により設立されている団体でありまして、入管法の関係省令に基づく告示によって、加入した受入れ団体に所定の行動規範を遵守させることによって、入管法に基づく雇用契約の適正な履行の確保を受入れ企業に徹底させる機関として国土交通大臣の登録を受けているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/178
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179・上田清司
○上田清司君 二千四百社の加盟団体を追っかけていくような人たちがこの団体にあるんですか。この四つの目的、就労者、失礼しました、失踪者を減らすとか、変なブラック企業を見付けるとか、そういうことができるんですか、現実に。会費を取って終わりじゃないですか、目的は述べていますけど。その証拠に、技能実習生の失踪者の数は増えるばっかりじゃないですか。何の役にも立っていないじゃないですか。
こういう役に立ったという証拠があるんだったら、後で出していただきたいと思いますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/179
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180・石橋林太郎
○大臣政務官(石橋林太郎君) お答えを申し上げます。
JACでありますけれども、所属機関に対しまして、行動規範の遵守の徹底を図る等の目的をもって巡回訪問等を実施をしているところでございます。
先ほど委員御指摘がありましたその成果につきましては、また確認をしてお届けをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/180
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181・上田清司
○上田清司君 巡回で簡単に分かるようなことではないと思います。それぞれの日常の中で追っかけるのはなかなか大変だと思います。そのときだけ、巡回に来る日だけ教えてくれれば、そのときだけばしっとしているとか、そういうことが可能ですので、そのことも含めて注意を促したい、このように申し上げて、終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/181
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182・鈴木宗男
○鈴木宗男君 最初に、法務副大臣、法務副大臣に一つお願いしておきます。
先ほどの天畠さんの質問のとき、工藤副大臣の答弁は極めて、人情味というか人間味というか、木で鼻くくったような答弁ですから、私はいけないと思います。法務大臣でも厚労大臣でも、誠心誠意質問に答えていますよ。極めて私は聞いていて失礼だ。天畠さんがまさに血の叫びをしているんですから、何ができるか検討する、こういうような頭づくりがあってよかったと思いますよ。副大臣会議等で工藤さんに会うことあると思いますから、私は厳しく言いますけれども、しっかり、政務官か、来ているのは。じゃ、中野政務官からよく言っておいてくださいよ。しかるべきその返事を私にいただきたい、こう強くお願いしておきます。よろしいですか。
武見大臣、武見大臣の答弁聞いていて、誠実にしっかり頑張っているなという思いでありますが、三十年前、あなたが国会出てきた姿を思い出していました。同じ政策集団だったし、当時、私も国会議員になって十四年目でしたから、そういった意味で、いろいろ海外にも行ったし、外交、安全保障では一緒に行動していましたから、大変懐かしく三十年前を思い起こしながら、随分成長したなと、昔は指導したけど今は指導されているなと、こう思いながら。
そこで、大臣、この育成就労制度について、私は、一つ大事な視点があるのは、国際貢献だという私は見方しているんです。外国から人が来ます、働きます。少なくとも日本は応用技術は世界一ですよ。それをしっかり取得して、本国に帰ってそれぞれの立場で頑張ってくれれば、大変な私はこれ国際貢献になると思うんです。
そういった意味でも、外国人がやっぱり日本に来てよかったという印象を持って帰ってもらわぬと困るんですね。是非とも、これは、法務省の出先といえば入管局しかないものですから、なかなか行き届きませんから、ここはやっぱり旧労働省のネットワーク、厚労省の出先機関あるわけでありますから、そこら辺をしっかり生かして、やはり外国人に対してしっかりと、じゃ、約束は守っていく、優しく対応するということを徹底すべきだと私は考えるのですけれども、武見大臣の認識はいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/182
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183・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) まず、その技能実習制度というのをまず私どもは実行したところが、しかし、それがなかなか趣旨どおりには機能しないで、むしろ国際社会から様々な批判まで被るということになった。他方、国内では深刻な人手不足というのが各分野において明確になってきて、そこで、やはり外国人労働者の皆様方にも協力していただくことが必要という時代状況になった。そこで、改めて趣旨を変え、我が国の人手不足に対応するということを主たる目標としつつ、この新たな育成就労制度というのを設けたところであります。
しかし、この育成就労制度も、先生御指摘のとおり、我が国は様々な分野で、この労働者として来てくださるそれぞれの母国の状況と比べた場合に、経済、社会、あるいは医療や介護、こういった分野では比較優位性のある優れた社会を我が国は既に持っております。したがって、こういうところで育成就労という形で仕事をしていただくことによって、結果としてその技術を修得をされて、それがまたいずれ母国で活用されるということになれば、それは両国にとっても、あるいは本人の人生にとってもより有益なものになるだろうと、こう考えました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/183
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184・鈴木宗男
○鈴木宗男君 武見大臣、もうあなたは国際学者としてもこれは著名であったわけですから、外交にも大変精通されてきましたから、その点しっかり各関係機関ともネットワークを生かして、徹底して、やっぱり外国人、日本に来てよかったという思いを持ってもらうことが大事でありますから、この点くれぐれもよろしくお願いいたします。
法務大臣、先ほど来の質疑を聞いていると、人身売買なんという話もありました。私は気が弱くて、とてもそういう表現はできません。言える人は幸せな人だなと私は思っております。あるいは、この法案を……(発言する者あり)私が質問しているんだから、文句あるなら後から私に直接言ってください。大臣、取り下げるというような意見もありました。
これも、今日でこの委員会もう四回目ですよ。本会議入れれば五回目ですね。取り下げるなんという話されたら、何のためにこの委員会やってきたか分かりませんね。逆に私は無責任だと思いますよ。しかも……(発言する者あり)だから、言うのは勝手だけれども、私にも言う資格あるんだから、ごちゃごちゃ言わぬでください。
無責任な話は私はしないんです。議論にのった以上は、議論に議論を重ねてそこで結論を出す、これが民主主義の約束ですよ。その基本を忘れて無責任に出し直せなんて言ったら、何のためのこの委員会か。もっと私は与党の皆さん方がしっかり対応しなければいけないと思いますよ、言い過ぎでないかということを。ちょっとおとなし過ぎると思いますね。
私はちょっと声が小さいからこの程度ですけど、本来であれば、私が元気のいいときはもっと激しくやったものですけれども、さっき、大臣、取り下げろという声あったけれども、大臣は黙って聞いておりましたけれども、それでいいんですか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/184
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185・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 現実に今、四十万人ですか、技能実習生の方が来られていて、そして、私も限られた経験ですけれども、会ってみると、本当に若い方々、夢と希望を持って、そして頑張って働いている、そういう姿に接します。何が一番夢ですかと言うと、やっぱり日本で三年、五年頑張って、そこでお金をしっかりと得た後は、そのお金を持って本国に帰り大きな家を建てるんだと、家族のために、親のために。家建つんですかと。いや、建ちますよ、もうはっきり、若い女性ですけれども、言っておりました。
そういう彼女たちの夢が懸かったスキームでありますので、国会で様々な御指摘を厳しい御指摘も含めいただいておりますから、それはしっかりと身にしみて、身に刻んでそれは対応しなければいけないと思いますけれども、この制度そのものは、大きなまた夢を育んでいる様々な、そこに夢を育んでいる様々な実習生の方もおられますので、そういう方々を思い描きながらやはり改革を前に進めたいと、そういう思いでいるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/185
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186・鈴木宗男
○鈴木宗男君 小泉大臣、私は私なりに小泉大臣の人柄等をよく知っていますけど、委員会での質疑では、私に対しては厳しい答弁しかしていませんね。
今日の答弁なんか聞いていると、例えば先行投資という表現、大臣いとも簡単に引っ込めましたけど、私は、この先行投資というのは前向きで捉えていたんですよ。応用技術世界一の日本に来て、日本のその世界一の応用技術を取得して帰るんだという思いで来ている人もいるんです。同時に、今大臣言ったように、経済的に、頑張って働いて、そして国に帰って見返してやるんだ、まさに進取の気持ちを持って来ている人もいると思うんですよ。私は、そういった意味で大臣は先行投資という表現なされていると思っていたんですよ。
さっきいとも簡単に引っ込めたから、また大臣は私には厳しいけれども野党には優しいものだなと思って、ちょっとがくっときたところあるんですけれども、私の認識、間違いじゃないでしょうか。間違っていますか、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/186
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187・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) これも私の限られた経験ですけれども、技能実習として来られる方々の中には、そういう捉え方、そういう言葉でそれを表現される方もいることは事実です。五百万円ぐらいのお金を払い、最終的に二千万ぐらいの貯金を持って帰るというようなパターンを言っている人たちもいます。そういう方々は投資という言葉を使います。
ただ、行政の立場で、国会の場で、その民間人が使っている投資という言葉はやはり私は使わない方がいいというふうに判断したところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/187
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188・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣の判断ですから、それはそれで多としながらも、ここは、大臣、閣議決定して、しかも有識者懇は十六回も会議しました。それなりの人たちが議論をしてきて、法案にまた、国会へ出したわけでありますから、ここは自信を持って私は進めていただきたい。私は、もう一日も早くここは採決してもらってまとめてもらうのがまさにこの民主主義の道筋だと、こう思っておりますので、そのことをお願いして、質問を終えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/188
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189・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/189
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190・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。
これにて散会いたします。
午後一時十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315209X00120240604/190
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