1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和六年三月十三日(水曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第七号
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令和六年三月十三日
午前十時 本会議
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第一 国務大臣の報告に関する件(令和六年度
地方財政計画について)
第二 地方税法等の一部を改正する法律案及び
地方交付税法等の一部を改正する法律案(趣
旨説明)
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○本日の会議に付した案件
議事日程のとおり
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/0
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001・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより会議を開きます。
日程第一 国務大臣の報告に関する件(令和六年度地方財政計画について)
日程第二 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
以上両件を一括して議題といたします。
まず、総務大臣の報告及び趣旨説明を求めます。松本剛明総務大臣。
〔国務大臣松本剛明君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/1
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002・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) 令和六年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
まず、令和六年度地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
本計画の策定に際しては、通常収支分については、子ども・子育て政策の強化等に対応するために必要な経費を充実して計上するとともに、社会保障関係費や民間における賃上げ等を踏まえた人件費の増加を適切に反映した計上等を行うこととしております。
あわせて、引き続き生じる財源不足については、適切な補填措置を講じることとして、地方の一般財源総額について、交付団体ベースで令和五年度の地方財政計画を上回る額を確保するとともに、地方交付税総額を増額して確保しつつ、臨時財政対策債を抑制することとしております。
また、東日本大震災分については、復旧復興事業について、補助事業に係る地方負担分等を措置する震災復興特別交付税を確保することとしております。
次に、地方税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
現下の経済情勢等を踏まえ、個人住民税の定額減税を行うほか、法人事業税の外形標準課税について、減資による対象法人数の減少等の課題に対応するため、適用対象法人の見直しを行うこととしております。
また、令和六年度評価替えに伴う土地に係る固定資産税の負担調整措置等の延長、森林環境譲与税の譲与基準の見直し等を行うほか、税負担軽減措置の整理合理化等を行うこととしております。
次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
令和六年度分の通常収支に係る地方交付税の総額について、十八兆六千六百七十一億円を確保するとともに、子ども・子育て施策に要する経費の財源を充実することとし、新たにこども子育て費を設けるほか、普通交付税の算定に用いる単位費用の改正等を行うこととしております。
あわせて、令和六年度分の震災復興特別交付税について、新たに六百十一億円を確保することとし、総額九百四億円としております。また、個人住民税の定額減税による減収額を埋めるため、定額減税減収補填特例交付金を創設することとしております。
以上が、令和六年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/2
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003・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) ただいまの報告及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。岩本剛人君。
〔岩本剛人君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/3
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004・岩本剛人
○岩本剛人君 自由民主党の岩本剛人です。
自民、公明を代表し、ただいま議題となりました令和六年度地方財政計画、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
初めに、能登半島地震でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたします。また、被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
被災地での救助活動、復旧作業に従事されている全ての皆様方に深く敬意を表します。
被災された皆様が一日も早くいつもの生活に戻ることができるよう、政府・与党一体となって引き続き復旧復興に全力で当たってまいります。
そこで、地方税につきましても、能登半島地震による被災者の方々への納税面での配慮から既に減免等の措置を講じたところでありますが、被災者の方々がこのような措置を知らなかったということがないようにしなければなりません。具体的にどのように周知徹底が行われているのか、総務大臣にお伺いします。
次に、地方財政の健全化等により、二〇〇〇年代に住民にとって行政の最前線となる地方公務員の数は大きく削減されてきました。二〇一〇年代にはほぼ横ばい、足下では微増という状況となっておりますが、人口減少や少子高齢化に伴う社会保障関連経費の一層の増加、子ども・子育て政策の強化、頻発する大規模な自然災害への対応と強靱な国土づくりなど、地方自治体の行政ニーズはより大きく、かつ複雑化しています。このような多くの複雑化する課題に対応するために、地方財政の強化と健全化を図っていかなければなりません。
令和六年度の地方財政計画では、社会保障関係費や人件費の増額を見込んで一般財源の総額が六十二兆七千億円強、前年度比五千五百億円の〇・九%増となっている上に、臨時財政対策債の発行額を抑制し、残高も大きく縮減したため、地方財政の健全化も図られております。私も長く地方議会に携わってまいりましたが、地方自治関係者はこの流れが止まらないように強く要請したいと思います。
そこで、総務大臣に、今後も地方交付税総額の確保など、行政ニーズに応えていくための前向きな地方財政計画への決意を伺いたいと思います。
政府は、物価上昇を超える賃金上昇率の達成を至上命題に掲げて、次年度の税制改正では一人四万円の所得税、住民税減税を打ち出しました。物価高に負けない実質的な賃上げを軌道に乗せるためには極めて実効性のある施策と考えます。
一方、住民税の定額減税分による地方財政への影響が出ないようにする必要がありますが、この点について総務大臣にお伺いします。
北海道では働く人の八四%が中小企業であり、全国では七〇%となっております。そして、この中小企業が日本の産業と地域の経済を支えています。この方々の賃上げが進まなければ、経済の好循環も地方創生も実現することはできません。そして、地方で持続可能な経済の流れが強くならなければ、地方自治体の財政力も向上しません。さらには、地方と都市部の格差はますます広がっていくと思います。
そこで、今回盛り込まれた賃上げ税制を十分に活用し、中小企業において岸田内閣の最重要課題である物価高に負けない賃上げの実現、これを図っていかなければならないという強い決意を総務大臣に伺いたいと思います。
次に、地球温暖化を食い止めるべく、温室効果ガスの排出削減目標の達成のため、令和六年度から国税として住民税と併せて一人千円を徴収する形で森林環境税を納めていただき、その全額を森林環境譲与税として全国全ての都道府県や市区町村に配分、森林整備や木材利用、人材育成等に活用しておりますが、令和元年度からは地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金を活用して譲与税を配分してきました。
そして、これまでは、私有林の人工林面積を五〇%、人口を三〇%、林業就業者数を二〇%にして基準となる配分額を決めてまいりましたが、森林が少なく人口が格段に大きい大都市部を中心に使用が留保される例も目に付いております。
こうした状況を踏まえ、今回の税制改正で私有林の人工林面積の割合を五五%に増やし、人口の比率を二五%に下げますが、森林保全を効果的に実現しつつ、森林の価値を全ての国民が享受する必要があります。
そこで、地域の実情に応じたカーボンニュートラルの推進などのために、譲与税を有効に活用した取組がより一層進むよう、林野庁とも連携をし、先進事例、好事例を日本中に広げていくべきではないでしょうか。総務大臣のお考えをお伺いします。
最後に、偏在性の小さい地方税体系の構築に関連して伺います。
コロナ禍で見られた地方への人口移動の流れは、日々の生活が正常化するにつれて再び東京の一極集中傾向が見られるようになりました。現下では、全国四十七都道府県のうち、大半で人口減少に苦しむ自治体を抱えております。
私の地元北海道は、国土の二二%を占め、我が国の食料供給基地として重要な役割を担っておりますが、人口は四・一%にすぎません。ここ五年間は二%程度の人口減ですが、ついには札幌圏でも人口減少が始まりました。北海道を支える方々がどんどん減り続けております。全国においても、我が国を支えている地方が衰退すれば、国土の維持管理、食料供給等は更に厳しい状況となります。
一方、北海道でも半導体関連の投資の増大など明るい兆しが生まれつつありますが、私は、国土の維持管理や経済安全保障等の観点からは、地方の特性を生かしたビジネス環境の創出などを後押しし、人口減と首都圏への人口集中の流れを逆転させる大胆な税制や財政措置が必要だと考えます。そのためには、地方自治体が地方創生の取組や広域行政を積極的に進めることが重要であり、地方の財源、中でも地方税について充実確保を図るとともに、偏在性の小さい地方税の体系を構築することが必要だと考えますが、総務大臣としてどのようにお考えでしょうか。
このことを最後にお尋ねして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣松本剛明君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/4
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005・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) 岩本議員から六問御質問をいただきました。
まず、能登半島地震に係る地方税の減免措置等の周知について御答弁申し上げます。
今般設けました雑損控除の特例については、二月二日の閣議決定後、速やかに全地方団体に対してリーフレットを提供し、被災した納税者に対する減免措置等と併せて納税者の皆様に丁寧な周知広報を行うよう要請いたしております。被災者の皆様が地方税の特例措置等を円滑に活用できるよう、地方団体や国税庁と連携しながら周知を図ってまいります。
次に、地方財政計画への決意についてお答えいたします。
令和六年度の地方財政計画では、子ども・子育て政策の強化や人件費の増加などを踏まえ、一般財源総額と交付税総額について前年度を上回る額を確保することができました。その上で、臨時財政対策債の発行を抑制するなど、地方財政の健全化にも最大限取り組んだところです。
今後も、地方自治体が必要な行政サービスを提供しつつ安定的な財政運営を行っていけるよう必要な財源を確保するとともに、臨時財政対策債の発行抑制など、地方財政の健全化に努めてまいります。
次に、住民税の定額減税による地方財政への影響についてお答えいたします。
今回の住民税の定額減税については、地方財政に配慮する観点から、地方税の減収について地方特例交付金により全額国費で補填することといたしました。こうした取組により地方の財政運営に支障が生じることのないよう対応できたものと考えております。
次に、賃上げ促進税制についてお答えいたします。
今般の税制改正では、法人税の中小企業向けの措置において、赤字の中小企業にも賃上げのインセンティブとなるよう五年間の繰越控除制度を創設するなどの見直しを行うこととされていますが、地方税においても同様に税負担の軽減が得られるよう見直しを行うこととしています。
総務省としても、こうした税制上の措置を始め、中小企業の賃上げを後押ししてまいります。
次に、森林環境譲与税についてお答えいたします。
森林環境譲与税については、全国の地方団体において森林整備や木材利用等に、より有効に活用されるよう活用実績などを踏まえて今回の譲与基準の見直しを行うこととしています。また、林野庁と連携し、取組事例集を作成するなど、効果的な取組が広がるよう支援してきたところです。
引き続き、林野庁と連携し、先進的な取組事例の紹介などを通じて、譲与税が一層有効に活用されるよう促してまいります。
最後に、地方税の充実と偏在性の小さい地方税体系についてお答えいたします。
地方創生を推進するため、その基盤となる地方税の充実確保は不可欠です。他方、税源に偏在があれば、地方税を充実すると地域間の財政力格差が拡大するため、地方税の充実確保を図る前提として地方税源の偏在是正が必要であり、両者は車の両輪として常に考えていく必要があります。
社会経済情勢の変化などに的確に対応しつつ地方税の充実確保を図るとともに、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に向けて取り組んでまいります。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/5
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006・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 野田国義君。
〔野田国義君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/6
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007・野田国義
○野田国義君 立憲民主党の野田国義です。
立憲民主・社民会派を代表して、ただいま議題となりました令和六年度地方財政計画、地方税法等の一部を改正する法律案並びに地方交付税法等の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
この度の令和六年能登半島地震でお亡くなりになった方々、その御家族の皆様方に心からお見舞い申し上げます。
災害対策には与党も野党もありません。ここに集う多くの同志議員は、その意を同じくしていただいていることと思います。
しかしながら、物心両面にわたる支援を与野党共にと言いたいところでありますが、いまだ全容解明に至らない、長年にわたる自民党の裏金作りの問題はいただけません。被災地の方々にどうして顔向けできましょうか。
野党の力も借りて、被災地への支援、そして政治と金の問題、きれいにしていこう、解決していこう、そうお考えになりませんか。総理とはお互い素直に意見交換し合える仲と標榜する元岸田派の林官房長官にお伺いいたします。
さて、今年はインボイス制度が導入されて初めての確定申告です。
苦渋の決断です。なぜなら、免税事業者のままでは納品先が税額控除をできなくなり、自分との取引を止められてしまうのではないかと懸念したからです。ましてや、取引価格を上げなければ、大切な自分の手取りは消費税分だけで丸々消えてしまうのではないか、そうとも考えました。そうなのです、取引先を失うか、税負担を増やす課税事業者となるか、悩みに悩んだ末の覚悟で確定申告に臨んでいるのです。
しかし、どうでしょうか。派閥のパーティー、キックバック、中抜き、そして使途不明など、この裏金問題の解明は中途半端のままであります。到底、幕引きなどできるはずもありません。国民には納税、増税、自民は脱法、脱税なのですか。個人事業主に、国民に、どうして説明できましょうか。
政治と金について関連し、驚くべきことは、岸田総理御自身が令和四年だけで政治資金パーティーを七回、脱法パーティーまで入れますと八回という異常なペースで開催をしているではありませんか。ここまで開催する訳は、本当にパーティーがお好きで、自らが率先してお手本を示しているのだと受け止めざるを得ません。
先日の衆議院政治倫理審査会の場で、我が党の野田佳彦元総理の追及に対し岸田総理は、総理在任中は政治資金パーティーを行わないなどと明言をされました。
これは、法律ではなく大臣規範であって、罰則もないので守るに値せず、開催した者勝ちだとでもおっしゃるんでしょうか。周りから進言がないと止められないのでしょうか。
この点について、令和四年に御自身でも合計七回の政治資金パーティーを開催し、そのうち、最初の総務大臣に任命されたにもかかわらず、二度のパーティーをそのまま開催をされた松本総務大臣にお伺いいたします。
日本の失われた三十年とは、自民党の派閥力学による政治がばっこしていた中選挙区時代の、国民にとって大変不幸な負の遺産の時代であったと回顧せざるを得ません。そうです、今だけ、金だけ、自民だけの政治を今こそ変えようではありませんか。
私は、三十一年前、一九九三年、平成五年に福岡県の八女市長に当選をさせていただきました。その中で、当時、地方において地方自治のブラックボックスと呼ばれていたのが市長交際費です。これは、地方自治法に規定されているれっきとした歳出予算区分の一つではあるものの、不名誉なネーミングでやゆされておりました。これは、市長が市を代表し、外部の個人又は団体との交際のために支出する費用であり、地方自治体にとって円滑な行政運営を図ることを目的に対外的に要する経費との旨、説明を受けたところであります。
であればこそ、市民から選んでいただいた当時の私、市長が、自らの行動を公にさらすことこそが民主主義の原点、市民目線であると私は固く信じて、市長としていち早く堂々と公開するに至りました。オープンにすることで市民のチェックが入り、市長辞職のときには何とその額は五分の一になっていたのであります。オープンな政治姿勢こそが全国的なうねりとなり、その頃芽吹き始めたインターネットの普及の力も借りて功を奏し、瞬く間に全国的なスタンダードとなりました。今では当たり前になりました。そうなのです、やればできるのです。
政治家の倫理とは一体どうなっているのかという国民の怒りを真摯に受け止め、今回の自民党の異次元の裏金作り問題を始め、一連の政治と金の問題に真っ向取り組む絶好の改革のチャンスではないでしょうか。政治家の倫理とはいかがお考えでしょうか。林官房長官にお伺いいたします。
あなた方は、ここまでの事態にならないと国民心情、倫理に向き合えないのですか。その際、使い切りの既得権益とされている内閣官房機密費、政策推進費もオープンにされたらどうですか。総理を長年の同志と呼ぶ元岸田派の林官房長官にお伺いいたします。
それでは、地方税法等の一部を改正する法律案に対して質問いたします。
まず、総理肝煎りの定額減税の実施について、松本総務大臣にお伺いいたします。
過去も一九九八年の橋本政権の特別減税などが行われてきましたが、貯蓄志向が強い日本では効果が出にくいとの受け止めが強くありました。
今回の定額減税について、IMFは、債務状況を悪化させる一方で、成長への影響は限定的だと疑問視をしています。巨額の財源をつぎ込む割に減税の効果も乏しいと言わざるを得ませんが、いかがお考えですか。松本総務大臣にお伺いいたします。
住民税は自治体の基幹税です。住民税を利用した定額減税は歳入の自治に逆行するのではないですか。松本総務大臣の御所見をお伺いいたします。
賃金上昇が物価高に追い付いていない国民の負担を緩和するためというなら、即効性が最優先されるべきです。しかし、年金生活者は本年十月の減税、給与所得者の控除対象配偶者を省く同一生計配偶者の定額減税分は来年六月以降の実施であり、即効性は全くありません。この点はいかがですか。総務大臣にお伺いいたします。
自治体の現場では、住民税の定額減税や低所得者支援、定額減税を補足する給付の実施についてのみならず、所得税減税のそのものについての問合せも多く寄せられ、大きな負担となっていることについて、総務大臣の受け止めをお伺いいたします。
次に、賃金、賃上げ促進税制についてお伺いいたします。
二〇二三年の実質賃金は二・三%減となり、二年連続して減少し、一九九〇年以降で最低水準となったところであります。
賃上げで促進税制は、賃上げ促進税制は効果を上げているんですか。多くの企業は制度と関係なく賃上げをし、結果的に税制措置を受けていたのではないかとの疑問があります。
企業の七割近くが赤字法人で法人関係税を納めてない中、黒字企業である大企業だけが減税の恩恵を受けていることになり、中小企業の労働者との間の賃金格差を拡大させることになりかねません。賃上げ促進税制制度の効果、有効性について、松本総務大臣の所見をお伺いいたします。
続いて、地方交付税法の一部を改正する法律案についてお伺いいたします。
所得税の定額減税に伴う交付税の減収分七千六百二十億円については、国費の補填ではありません。
しかし、二〇〇五年二月十五日の衆議院本会議における小泉首相答弁等、政府の見解では、法定率分は地方固有の財源であり、国の減税政策により影響が生じることについて、たとえ総額が確保されたからといって許容すべきものではないと考えます。
そこで、国の政策による減収分は国費で補填すべきではないですか。交付税総額は確保されているといいますが、少なくとも本来の交付税額を圧縮してしまったのではないですか。松本総務大臣の御所見をお伺いいたします。
次に、一般財源総額実質同水準ルールについてお伺いいたします。
二〇二四年度までは、政府の経済財政運営と改革の基本方針二〇二一に基づいて、二〇二一年度の一般財源総額を実質的に下回らないようにする一般財源総額実質同水準ルールの下で運用されていました。このルールが地方財政運営に果たしてきた役割についてどのように評価されているのか、松本総務大臣の御認識をお伺いいたします。
人口減少社会を背景に、人への投資や子育て支援を始めとする新たな財政需要が見込まれ、これに加えて物価が高い水準で推移し、インフレ基調が続くことが予想されます。
一般財源総額実質同水準ルールは今回で終了いたしますが、今後どのように対応されるかについて、松本総務大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
最後に、能登半島地震の復興支援に地方財政の面でも万全を期していただくとともに、従来の中央集権的なシステムから脱却し、分権、自治の花開く社会を目指し、人口減少時代に持続可能な地方税財政制度のあるべき姿を描いていかなければならないことを申し上げ、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣松本剛明君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/7
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008・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) 野田議員から九問御質問をいただきました。
まず、大臣等規範に関するお尋ねについてお答えいたします。
大臣等規範においては、パーティーで国民の疑念を招きかねないような大規模なものの開催は自粛するとされております。政治資金規正法を遵守し、大臣等規範にのっとり、政治活動を進めてきております。
次に、定額減税の効果についてお答えいたします。
今般の定額減税は、物価高による国民の負担感を緩和するとともに、賃金上昇と相まって国民の所得の伸びが物価上昇を上回る状況をつくり、デフレマインドの払拭につなげることを目的としております。
定額減税だけを単発的に行うのではなく、賃上げ促進税制の強化など、政府全体として賃上げを後押しする施策を併せて実施することにより、所得を安心して消費に回していただく好循環につながるものと考えております。
次に、定額減税を住民税から行う理由についてお答えいたします。
定額減税の効果を広くお届けするため、個人住民税のみを負担されている方もおられることから、個人住民税においても減税を行うこととしたものでございます。
なお、定額減税による個人住民税の減収については、地方特例交付金により全額国費で補填することとしております。
次に、定額減税の時期と即効性についてお答えいたします。
今般の定額減税は、地方団体や特別徴収義務者の事務負担にも配慮した制度設計としております。年金所得に係る特別徴収の場合や控除対象配偶者を除く同一生計配偶者に係る分については、令和六年六月から個人住民税の減税を行うことが困難であり、例外的に実務上可能なタイミングで実施することとしておりますが、所得税も含めると、多くの方については令和六年六月に減税が行われるものと認識をいたしております。
次に、定額減税や給付に係る地方団体の負担についてお答えいたします。
今般の定額減税や給付金の支給については、地方団体の意見もお聞きしながら、課税実務やシステム対応等に配慮した制度設計や執行上の工夫を行っております。
その上で、地方団体が早期に準備に着手できることが重要と考え、昨年十二月の税制改正大綱の閣議決定後、速やかに全地方団体を対象とする説明会を開催し、一月にはQアンドAを策定して公表を行っております。
引き続き、地方団体が定額減税、給付の事務を円滑に行えるよう、関係府省庁と連携して丁寧な対応を行ってまいります。
次に、賃上げ促進税制についてお答えいたします。
税制の効果だけを取り出して定量的にお示しすることは難しいものの、国税における措置と併せてこれまで多くの企業の賃上げに活用されてきており、昨年の三十年ぶりとなる高い賃上げにも一定程度寄与しているものと考えております。
今般の税制改正では、法人税の中小企業向けの措置において五年間の繰越控除制度を創設するなどの見直しを行うこととされていますが、地方税においても同様に税負担の軽減が得られるよう見直しを行うこととしています。
総務省としても、こうした税制上の措置を始め、賃上げを後押ししてまいります。
次に、定額減税による地方交付税の減収についてお答えいたします。
これまでの例では、定額減税に伴う地方交付税の減収は地方の負担と整理されてきています。一方、今回の所得税の定額減税に伴う地方交付税の減収については、減税の影響を含めても地方交付税は〇・三兆円の増、一般財源総額は〇・六兆円の増など、地方財源をしっかりと確保できることなどを踏まえ、前年度からの繰越金等により対応することとしました。
また、後年度、国から〇・二兆円の加算も行うこととしており、過去の例と比べると、地方財政に相当程度の配慮をした措置を行うことができたものと考えております。
次に、一般財源総額実質同水準ルールの評価についてお答えいたします。
これまで、一般財源総額実質同水準ルールにより、地方自治体が予見可能性を持ちながら必要な行政サービスを提供しつつ安定的な財政運営を行っていけるよう、必要な一般財源総額を確保することができたものと考えております。令和六年度地方財政計画でも、このルールの下で財政当局ともしっかりと協議をし、子ども・子育て政策の強化や人件費の増加などを踏まえ、前年度を上回る一般財源総額を確保することとしたところです。
最後に、一般財源総額実質同水準ルール終了後の対応について御答弁申し上げます。
令和七年度以降の地方の一般財源総額の在り方についてこれから議論をしていくことになりますが、地方自治体が予見可能性を持ちながら必要な行政サービスを提供しつつ安定的な財政運営を行っていけるよう、必要な一般財源総額の確保に力を尽くしてまいります。(拍手)
〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/8
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009・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 野田国義議員にお答えいたします。
被災地支援と政治資金をめぐる問題についてお尋ねがありました。
令和六年能登半島地震につきましては、これまでも政府一丸となって被災地の復旧復興に向け対応してきたところであり、引き続き、国会における御議論も踏まえつつ、一層の支援に取り組んでまいります。
また、今般の政治資金をめぐる問題に関して国民の皆様から厳しい目が向けられていることについては真摯に受け止めなければならないものと考えております。
政治資金に関するルールにつきましては、各党各会派において御議論いただくべきものと認識をしており、岸田総理が自民党総裁として述べられているとおり、自民党においては、政治資金の透明性、向上性について、運用面から自民党単独でも対応可能なものについて速やかに実行に移すとともに、各党各会派での御議論が必要な制度的対応については、まず党としての考え方をまとめた上で真摯に協議に臨むこととしているものと承知をしております。
次に、政治家に求められる倫理と内閣官房報償費についてお尋ねがありました。
まず、政治家に求められる倫理について一概に申し上げることは困難でありますが、国民の負託を受け選ばれた政治家には、国民のためにその職責を果たしていくことが求められていると考えております。
また、内閣官房報償費のうち政策推進費は、施策の円滑かつ効果的な推進のため、内閣官房長官としての高度な政策的判断により機動的に使用することが必要な経費であり、その情報公開の取扱いは平成三十年の最高裁判決に沿って対応しているところでございます。
引き続き、国民の不信を招くことがないように適正な執行を徹底してまいります。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/9
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010・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 高木かおり君。
〔高木かおり君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/10
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011・高木かおり
○高木かおり君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の高木かおりです。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました令和六年度地方財政計画並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。
まず、本題に入る前に、政治資金について伺います。
政治資金は、本来、政党交付金制度ができたため、企業・団体献金は廃止の方向であったはずです。にもかかわらず、制度の抜け道ができ、それが放置されてきました。改めて法の目的、理念に立ち返るべきだと考えます。
長年、このように理念と懸け離れた形での運用がなされてきた点について、政治資金を所管する総務大臣としてどうお考えか、答弁を求めます。
さて、改めて、令和六年能登半島地震につきまして、お亡くなりになられました方々にお悔やみを申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。能登半島は、大部分が森林に覆われ、輪島塗の木目となるアテを択伐する特色ある林業が営まれています。林地の荒廃や林道の寸断等、林業への被害から目をそらすことはできません。
政府は、森林環境譲与税に係る譲与基準の見直しについて、使途ごとに活用額を調査した上で、人口の譲与割合を現行の三割から二・五割に減らす方針ですが、都市部の一部自治体では譲与額を基金に積み立てる等、十分に活用できていない事例があるとの報道もあります。政府は、使途の調査として、何をどの自治体に調査したのでしょうか。また、人口を二・五割とする譲与基準は適正とお考えですか。総務大臣の見解を伺います。
定額減税について伺います。
この政策は、増税を忌避する政権の都合で地方に莫大な事務負担を押し付けています。そもそも自治体の事務負担と減税の効果は見合うものなのでしょうか。事前に自治体と総務省で意見交換をしたと伺いましたが、実際にどの自治体とどのような意見交換をしたのでしょうか。総務大臣に具体的な答弁を求めます。
特別徴収の場合、個人住民税の減税後の合計税額を十一か月で割ることとしています。国民の消費マインドを刺激するためには、減税の効果を実感してもらう必要があります。しかし、この方法は事務負担が増加する一方で、減税の効果が実感しづらくなるのではないでしょうか。総務大臣の考えを伺います。
衆議院総務委員会の討論で申し上げたとおり、定額減税は総理が肝煎りで推進する一年限りの政策であり、その他の税制改正項目とは性質が異なると考えます。これらを一体で審議することは、前者のために後者を盾にすることにもつながり、不誠実ではないでしょうか。定額減税とその他の政策をまとめて提出されたのはなぜですか。総務大臣の見解を伺います。
次に、地方のデジタル化について伺います。
デジタル田園都市国家構想総合戦略では、マイナンバーカードの普及促進、利活用拡大を掲げ、申請環境や交付体制の整備を進めると承知をしています。
我々もマイナンバーカードのフル活用を推進する立場でありますが、国民からはカードを取得しても利用機会がほとんどないとの声も聞かれます。マイナンバーカードの活用状況を評価するに当たっては、申請受付数や交付枚数だけではなく、利用頻度やその内容等を勘案すべきと考えますが、デジタル大臣の見解を伺います。また、今後もカードを失効させず更新につなげるための魅力向上策が必要だと思案しますが、併せて考えを伺います。
日本維新の会は、昨年、立憲民主党とともに、インターネット投票の導入の推進に関する法律案を国会に提出いたしました。投票率の低下に歯止めが掛からない昨今、投票へのハードルを下げるために、マイナンバーカードの本人確認機能を利用したインターネット投票を速やかに導入すべきです。期限を設定して実現に向けた検討を始めるべきと思慮しますが、総務大臣の御認識を伺います。
我々は、自立する地域なくして日本の再興はないと考えます。その観点から、自治体の行財政改革について伺います。
令和六年度の臨時財政対策債発行額は前年度比でマイナス五千億円と抑制されているものの、そもそも本制度の趣旨は一時的な財源不足を埋めるものであります。平成十三年の制度開始以降、なし崩し的に発行が続き、残高が積み上がっている状況を総務大臣はどのようにお考えですか。
臨財債は、地方自治体が発行する地方債の一種です。償還費は地方交付税の基準財政需要額に算入されるとはいえ、言わば国の財源不足を地方債で肩代わりする制度です。そもそも、地方交付税の財源が不足するのであれば、法定率を引き上げるのが王道です。臨時財政対策債という名称ではありますが、一体いつまでが臨時なのでしょうか。できるだけ速やかに廃止し、国の責任で財源を保障すべきと考えますが、総務大臣の明確な答弁を求めます。
加えて、地方交付税の制度上、自治体が同交付金の不交付団体であれば、臨財債の償還費用を自弁する必要があります。事実上、国の財源不足を地方が補填することになり、余りにも不合理ではないでしょうか。発行済臨財債の元本の償還費用は、不交付団体であっても完済まで国が責任を持って補填すべきではないでしょうか。総務大臣の見解を伺います。
三位一体の改革以降、国から地方への税源移譲は一度も実現していません。特別法人事業譲与税等の偏在是正により、国が徴収した税を機械的に地方へ再分配するだけでは、地方の横並び意識は変わらず、個性ある地域は生まれません。自治体が地域の特色を生かして税収増を実現し、独自性の高い事業を行うことが特色のある町づくりにつながると考えます。例えば、輪島市では、ふるさと納税の使途として伝統工芸及び地域文化の保存及び継承を設け、一億円以上の寄附を集め、輪島塗の後継者育成などに活用しています。
地方の自主財源の充実強化が必要と考えますが、総務大臣の所見を伺います。また、国から地方への税源移譲を進めるべきと思案しますが、総務大臣の考えを伺います。
今年は増田寛也元総務大臣が「地方消滅」を出版し、日本を震撼させてから十年になります。この間に過疎問題は悪化の一途をたどり、人口減少時代に適応した市町村の行財政基盤の強化は今なお急務でありますが、有効な対応策の一つが市町村合併です。大阪府では、河南町、太子町、千早赤阪村が南河内地域二町一村未来協議会を立ち上げ、合併を視野に入れた議論を進めています。
市町村合併の推進に当たっては、住民参加の下で方針を議論する必要があります。自治体は、長期的な視点で変化や課題を予測し、将来像を住民と共有しなければなりません。基礎自治体への中長期的な財政シミュレーション支援など、国は市町村合併に向けた積極的な支援を行う必要があると考えますが、総務大臣の見解を伺います。
市町村合併に関する協議を基礎自治体のみで行うことは困難であると言わざるを得ません。さきに述べた協議会にも大阪府が参加しています。合併相手の選択や合併後の役場組織の在り方を含め、市町村合併の構想を策定するなど、国や広域自治体がリーダーシップを発揮して市町村合併に積極的に関与することが必要と考えますが、総務大臣の考えを伺います。
新しい資本主義が新しい社会主義に変質することがあってはなりません。日本維新の会は、それぞれの自助努力により希望をつかむことのできる日本へと改革するため、今後も正々堂々と政府に対し議論を挑んでまいります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣松本剛明君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/11
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012・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) 高木議員から十三問御質問をいただきました。
まず、企業・団体献金についてお答えいたします。
企業・団体献金については、企業は社会的実在であり、憲法上の政治活動の自由の一環として政治資金の寄附の自由を有するとの最高裁判決もある中、各党各会派による長年の議論を経て、現在は政党と政治資金団体に対するもののみ認められております。
企業・団体献金を含めた政治資金の在り方については、これまでも立法府において御議論いただいており、民主主義の費用をどのように社会全体で負担していくか、政治活動の自由に関わることから、立法府における御議論を注視してまいります。
次に、森林環境譲与税についてお答えいたします。
総務省では、林野庁とともに、全ての地方団体に対し、森林環境譲与税を活用した間伐などの森林整備、研修の実施などの人材育成、木材利用や普及啓発の取組実績などについて調査を行ってきました。今回の見直しは、これまでの活用実績などを踏まえ、譲与税のより有効な活用を図るものであり、森林整備の需要とともに、木材利用や普及啓発等の需要にも対応するものと考えております。
次に、個人住民税の定額減税に係る地方団体との意見交換についてお答えいたします。
定額減税の実施に当たっては、地方団体が事務を円滑に実施できるよう、政令指定都市、中核市、その他の市、町村、それぞれ複数団体から地方団体の実務やシステムに関する御意見を伺い、地方団体の事務負担に配慮した制度設計を行いました。
次に、個人住民税の定額減税に係る地方団体の事務負担と減税効果についてお答えいたします。
個人住民税の定額減税については、給与所得に係る特別徴収の場合、令和六年六月分は徴収せず、残りの税額を十一か月でならす方式としております。地方団体や特別徴収義務者の事務負担に配慮しつつ、賃上げが実現すると見込まれるタイミングに合わせて令和六年六月に減税を実施することで所得の上昇をより強く実感していただき、デフレマインドの払拭につなげていきたいと考えております。
次に、定額減税と他の改正項目との関係についてお答えいたします。
今回の法案には定額減税と他の改正項目を併せて盛り込んでおります。これは、定額減税は他の改正項目とともに昨年十二月に閣議決定した令和六年度税制改正の大綱に一体として盛り込まれたものであること、定額減税はデフレからの脱却に向けた措置として賃上げに係る対応など他の改正項目と併せて講じるものであることなどを踏まえ、一括して法案としているものでございます。
次に、インターネット投票についてお答えいたします。
インターネット投票については、選挙人の自由意思によって投票できる環境を確保するため、投票管理者や立会人の下で行うことが原則の投票を、特段の要件なく、これらの者が不在の中で認めることの是非などの課題があり、新たな投票方法を導入することは選挙制度の根幹に関わることから、政党間での御議論を注視していきたいと考えております。
次に、臨時財政対策債の残高についてお答えいたします。
臨時財政対策債の発行残高は、巨額の財源不足が継続して生じていることにより、発行を開始した平成十三年度以降増加を続けましたが、近年はその発行を抑制しており、令和六年度末の残高は前年度から三・二兆円縮減し、四十五・八兆円となる見込みです。地方財政は引き続き厳しい状況にありますが、今後も臨時財政対策債の残高縮減に努めてまいります。
次に、臨時財政対策債の廃止についてお答えいたします。
地方財政の健全化のためには、本来的に臨時財政対策債のような特例債に頼らない財務体質を確立することが重要だと考えております。令和六年度地方財政計画では、臨時財政対策債の発行額を制度創設以来の最低額となる〇・五兆円としております。
今後とも、経済を立て直し、地方税などの歳入の増加に努めるとともに、国の取組と基調を合わせた歳出改革を行うことにより財源不足を縮小し、臨時財政対策債の発行抑制と残高縮減に努めてまいります。
次に、臨時財政対策債の償還財源についてお答えいたします。
臨時財政対策債の償還については、元利償還金の全額を毎年度の地方財政計画に計上し、所要の財源を確保するとともに、不交付団体を含め個々の地方団体における元利償還金の全額を地方交付税の基準財政需要額に算入し、確実に償還できるよう財源保障しております。今後も、この財源保障については、地方団体の財政運営に支障が生じないよう、地方財政計画の策定や地方交付税の算定を通じ、確実に対応してまいります。
次に、地方の自主財源の充実強化についてお答えいたします。
地方団体が地域の実情に即した行政サービスを提供するためには、地方団体が自らの財源により財政運営を行うことが理想であります。
このため、地方税の充実確保に向けて個人住民税における三兆円の税源移譲や、消費税率引上げに際しての地方消費税の拡充などに取り組んできたほか、法定外目的税の導入など課税自主権の拡大にも努めてきたところであり、引き続き地方税の充実確保に努めてまいります。
次に、国から地方への税源移譲についてお答えいたします。
国から地方への更なる税源移譲については、地方団体間の財政力格差への配慮や、国、地方とも厳しい財政状況にあることなども踏まえて検討することが必要と考えております。
今後とも、地方税の充実確保と併せて、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に向けて取り組んでまいります。
次に、市町村合併に向けた支援についてお答えいたします。
令和二年に自主的な市町村合併の円滑化を図る合併特例法を十年間延長したところでございます。
持続可能な行政サービスの提供体制を構築していくため、各市町村が地域の実情に応じ、市町村間の広域連携、都道府県による補完、自主的な市町村合併などの多様な手法の中から最も適したものを自ら選択できる環境を整えていくことが重要であると考えております。
最後に、国や都道府県による市町村合併への関与についてお答えいたします。
第二十九次地方制度調査会の答申を踏まえ、現行の合併特例法では、国や都道府県の積極的な関与の規定は廃止され、国や都道府県は市町村の求めに応じた助言や情報提供等を行うとされているところでございます。
以上です。(拍手)
〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/12
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013・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) マイナンバーカードの活用状況の評価と魅力向上策についてお尋ねがありました。
マイナンバーカードは、普及だけでなく、利用することで安全、便利で効率的なデジタル社会を構築することが目的です。
このため、マイナポータルの利用件数、オンライン申請可能な自治体手続件数、本人確認機能を利用する民間事業者数などの利用に関する指標も把握し、利用を促進いたします。
また、カードを利用いただくためには利用シーンの拡大が重要であり、引き続き、行政手続の更なるオンライン化、図書館カードなど身近なサービスでの利用、診察券や医療費助成券との一体化、災害時の避難所運営の効率化など、更なる魅力向上を進めてまいります。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/13
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014・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 芳賀道也君。
〔芳賀道也君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/14
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015・芳賀道也
○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。
会派を代表して、地方税法、地方交付税法に関連して、総務大臣、財務大臣に質問をいたします。
今日は三月十三日。震災被害のあった石川県、富山県以外の地域の方は、あさって十五日金曜日が所得税の確定申告の締切りです。締切り直前で申告書の書き方などに悩んでいる方がこの議場にもいるのではないかと思いますが、自民党の政治家が派閥などから裏金、キックバックを受けた際に、どのようにして確定申告をしたらよいのか、必要経費として何が認められるのか、申告が遅れることでどのようなペナルティーがあるかなど、財務大臣に分かりやすい御説明をお願いいたします。
そして、財務大臣は、国民に納税の義務を果たすよう促す立場にあると考えています。もちろん国会議員も、国民の一員として納税の義務があります。財務大臣には、自民党の国会議員で裏金、キックバックを受けた方々を対象にして、自民党本部で雑所得など申告についての説明会を開くお考えはあるのでしょうか。あるいは、財務大臣自らユーチューブなど動画を通じて、全国の自民党系の自治体議員、首長に対して裏金、キックバック、申告を促すお考えはありますでしょうか。さらに、国会のこの場を使って裏金、キックバックを受けた自民党系の全ての政治家に雑所得の申告を促してはいかがでしょうか。財務大臣、いかがですか。お答えください。
レギュラー百八十二円、ハイオク百九十三円、軽油百六十五円、灯油十八リットルの価格二千三十九円、これは、三月六日現在、資源エネルギー庁の調査による山形県内の値段です。灯油を除いて、山形県は全国平均より高い値段となっています。補助金が入っているはずなのに非常に高い値段で、山形県が車社会、車が必需品ということもあって、多くの人が非常に困っています。
国民民主党は、他党に協力を呼びかけて共同して法案を提出すべく調整を進めているところで、トリガー条項の凍結解除、当分の間税率の廃止によってガソリン、軽油の価格を引き下げるべきだと考えていますが、財務大臣と総務大臣の御見解を伺います。
次に、財務大臣に伺います。
自動車と同様に乗り物に使う化石燃料に課税する税金として航空機燃料税があります。税率は状況に応じて変更されていて、平成二十二年度までは本則課税の一キロリットル当たり二万六千円でしたが、平成二十三年度から令和二年度までは一万八千円に引き下げられ、令和三年度には本則課税の三分の一、最安値の九千円になりました。令和四年度からは一万三千円になっています。
同じように、乗り物に使う燃料への課税である揮発油税ですが、航空機燃料税で税率を頻繁に変更しているのに、揮発油税では当分の間税率をかたくなに変更しない理由は、財務大臣、なぜでしょうか。お答えください。
引き続き、財務大臣に伺います。
航空機燃料税は、日本の民間空港を発着する国内線など、飛行機の燃料に課税しています。国や自治体の飛行機には航空機燃料税は掛からないと規定されていますが、航空機燃料税法には米軍機は非課税とは書かれていません。しかし、日米地位協定第十三条で定められているという理由で非課税になっていると国税庁の方からお聞きしました。けれども、皆さん御存じのように、憲法八十四条で租税法律主義が明確に書かれていますし、また、例えば最高裁判決、平成二十七年七月十七日でも、課税要件及び租税の賦課徴収の手続は法律で明確に定めることが必要であると述べられています。
誤解を招かないために言っておけば、私は米軍機に航空機燃料税を課税しないこと自体に反対しているわけではありません。租税法律主義が憲法に定められているのだから、米軍機は非課税と航空機燃料税法にも書けばいいはずですが、明記しないのはなぜなのでしょうか。財務大臣の御見解を伺います。
毎年三月下旬に特別交付税の三月交付分の金額が公表されます。特別交付税は地方交付税の総額の六%と地方交付税法で定められていて、毎年度約一兆円前後の金額が特別の財政需要や災害対応の費用などのため、全国の自治体に交付されます。
先日二月二十九日には衆議院の政治倫理審査会が開かれて武田良太元総務大臣が出席されましたが、武田良太議員が総務大臣だった令和三年三月二十三日の総務委員会で、武田大臣は特別交付税について算定方法の客観化、明確化の約束をされました。しかし、そのときから特別交付税の算定方法について透明化が進んだようには思えません。
総務大臣に伺います。
令和四年度以降、特別交付税の算定についてどのような客観化、明確化が図られたのでしょうか。例えば、令和四年度以降、特別交付税の個別需要対応分の内訳について、経費の種類や測定単位、補正の種類に関して地方税法や施行令などに明確化が図られたものはあるのでしょうか。
確定申告に関連して指摘します。
地方税の住民税と国税の所得税では仕組みに違いがあります。この違いを改めて、住民税の申告義務の対象を所得税と一致させれば申告漏れが防げてよいと考えますが、総務大臣の御見解を伺います。
具体例を挙げますと、非上場株式などの配当所得がある場合、配当期間一年間について、一銘柄につき一回支払を受けるべき金額が十万円以下の少額配当所得は、所得税では申告を必要としません。しかし、地方税の住民税では申告の必要があります。これら所得税と住民税の違いを改めて、住民税の申告義務の対象を所得税と一致させれば申告漏れが防げてよいと考えますが、総務大臣の御見解を伺います。
生命保険料、地震保険料、障害者、寡婦、扶養、基礎控除など、控除額で所得税と住民税で差があります。例えば、合計所得金額が二千四百万円以下の場合、所得税の基礎控除額は四十八万円ですが、住民税の基礎控除は四十三万円となっています。所得税申告の資料をそのまま住民税の計算にも適用することは市町村の人的コスト、計算ソフトなどのコスト削減につながるので、住民税の控除額を所得税の控除額と一致させたらよいと考えますが、総務大臣の御見解を伺います。
地方税としては、固定資産税のほかに償却資産税があります。機械等の設備について課税されますが、経営者は生産性向上や生産規模拡大のため設備投資をしています。その結果、利益が上がれば、法人税や事業税、法人住民税などを納付し、従業員の賃上げも可能になります。
償却資産の申告に随分と手間が掛かることもあり、また、デジタルトランスフォーメーションとして設備投資を促すためにも、償却資産という機械設備に課税することをやめて、事業税や法人住民税に比重を置いて企業の利益に着目して課税することこそ簡素な税制だと考えますが、総務大臣の御見解を伺います。
バブル経済の崩壊後、全国各地で不動産の値段が下がり、バブル時代の立派な建物も売買価格が大幅に下がりました。現在も、人口減少に伴って不動産価格が下がっている地域が全国各地にあります。
地価の値下がりにより土地の固定資産評価額が取引価格を大幅に上回った場合、最高裁平成十五年六月二十六日判決によれば、土地課税台帳等に記載された価格が賦課期日における当該土地の客観的な交換価値を上回れば、当該価格の決定は違法となるということです。建物の固定資産税評価額についても、静岡地裁平成十五年五月二十九日判決によれば、登録価格が賦課期日における対象不動産の客観的時価を上回る旨の反証がなされた場合は、その限度で登録価格の決定は違法になるというべきであるとされています。
この静岡地裁の判決のように、建物の固定資産税評価額については、賦課期日での客観的な価値や再建築価格を下回った場合には、再建築価格を機械的に当てはめるのではなく、取引価格や収益価格に基づいて減点補正する必要があると考えますが、総務大臣の御見解を伺います。
以上、質問をいたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣松本剛明君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/15
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016・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) 芳賀議員から六問御質問をいただきました。
まず、トリガー条項の凍結解除、当分の間税率の廃止についてお答え申し上げます。
トリガー条項凍結解除につきましては、ガソリン等の流通現場や国民生活に混乱を与えないようにするといった実務面の課題等を整理、整理する必要があると承知をいたしております。
また、当分の間税率の廃止につきましては、道路特定財源の廃止以降も、地球温暖化対策の観点や厳しい財政事情を踏まえ、当分の間税率が維持されてきたと承知しております。
気候変動が社会課題となるなど、状況がより深刻化する中、こうした税制上の扱いを変更することにつきましては慎重であるべきと考えております。
次に、特別交付税の算定方法の客観化、明確化についてお答えいたします。
算定方法の客観化、明確化を図るため、算定方法等についてできる限り省令に明記することに努めてきておるところでございます。令和四年度算定におきましては三十九項目を、令和五年度十二月算定においては五項目を新たに省令に規定したところです。
今後とも、地方自治体の普通交付税の算定では捕捉できない特別な財政需要に適切に対応することを基本としつつ、その中で算定方法の客観化、明確化を図ってまいります。
次に、住民税と所得税で申告義務の対象が異なることについてお答えいたします。
個人住民税の納税義務者は住所所在地の市町村に申告書を提出しなければならないとされていますが、所得税については確定申告書を提出した、所得税について確定申告書を提出した場合には、住民税の申告書を提出したものとみなすこととされております。一方で、個人住民税は、地域社会の会費的な性格などから、所得税よりも幅広い方が納税義務者となっていることや、源泉徴収制度の有無などにより住民税のみ申告が必要となる方がいらっしゃることから、所得税と申告義務の対象を一致させることは十分な検討が必要と考えております。
次に、住民税と所得税で控除額が異なることについてお答えいたします。
個人住民税は、地域社会の会費的な性格などから、控除額は所得税よりも低く設定されております。控除額は異なりますが、基礎控除、扶養控除などについて控除対象となる者の要件は所得税と一致させていることから、各市町村においては所得税で提出された申告資料等を基に円滑に課税事務が行われているものと考えております。
次に、償却資産課税の廃止についてお答えいたします。
固定資産税は、税源の偏在が小さく、税収が安定的であり、住民に身近な行政サービスを行う市町村の基幹税です。その税収は令和四年度決算で約九・六兆円と、市町村税収の四割超の税収規模であり、うち償却資産分は約一・九兆円と、市町村にとって非常に重要な財源となっております。
償却資産課税の廃止については、全国市長会、町村会を始め、多くの地方団体から現行制度堅持の意見が出されているところであり、見直しには慎重な議論が必要であると考えております。
最後に、家屋に係る固定資産税評価額についてお答えいたします。
固定資産税における家屋の評価は、固定資産評価基準に基づき、いわゆる再建築価格方式による中で、損耗の状況などに応じた補正を行うことも可能となっております。他方、取得価格や収益性などを基準とする評価方法は、取引の際の個別事情が反映されるなど、評価の公平性において課題があります。また、家屋の評価に関する最高裁判例では、固定資産評価基準に従って決定された価格が適正な時価と推認されることが原則とされております。
総務省としましては、現行の評価制度の下、今後も市町村が家屋の評価を適切に行えるよう取り組んでまいります。
以上です。(拍手)
〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/16
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017・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 芳賀道也議員の御質問にお答えいたします。
まず、政治資金と納税の関係についてお尋ねがありました。
政治資金は、政治家の関連政治団体又は政治家個人のいずれかに、いずれに帰属するかによって課税関係が異なりますが、仮に政治家個人に帰属する場合には雑所得の収入として取り扱われ、必要経費を控除した後、残額がない場合には課税関係は生じない一方で、残額がある場合には雑所得として申告していただく必要があると承知しております。
その際、必要経費として認められる経費は、政治活動のために支出した費用であるとされていると承知しております。また、一般論として、申告が期限を徒過した場合には、法令にのっとり延滞税等が課せられるものと承知しております。
次に、政治資金に係る税務申告を促すべきとのお尋ねがありました。
所得税は申告納税制度の上に成り立っており、国会議員であれ、一般の国民の方々であれ、まずは納税者において自身の収入や経費を計算し、所得が発生した場合には申告していただくことになります。
その上で、政治が国民の信頼の下で成り立っていることに鑑みれば、国会議員は一般国民よりもより高い説明責任を負っているのであり、関係する議員におかれては、説明責任を果たすという意味でも、自らの課税関係をしっかり確認し、法令にのっとった判断をすることで疑義を晴らしていただくことが重要であると考えております。
議員が例示したような対応は考えておりませんが、総理は今後とも国民の信頼回復に向けて関係者は説明責任を果たすべきと述べられており、私としてもそのような対応がなされるべきものと考えております。
次に、トリガー条項の凍結解除、揮発油税等の当分の間税率の廃止及び航空燃料税との取扱いの違いについてお尋ねがありました。
トリガー条項については、自由民主党、公明党、国民民主党による協議の取りまとめ文書において、ガソリンスタンドと元売の事務負担が大きい等の様々な課題が指摘されており、その解除に当たっては、まずはこれらの課題が解決される必要があると考えております。
また、揮発油税等については、道路特定財源の廃止を踏まえ、民主党政権下において検討が行われた結果、地球温暖化対策の観点や厳しい財政事情を踏まえて、それまでの税率が当分の間税率として維持され、現在に至っているものと承知しておりますが、今日、これらの状況がより深刻となっていることも踏まえれば、廃止には慎重であるべきと考えております。
航空機燃料税については、税率の変更が行われているのは事実ですが、揮発油税とは税率変更による流通、販売の現場に与える影響などが異なるため、同様に捉えるべきではないと考えております。
最後に、航空燃料税法に米軍機に対する航空燃料税の非課税規定を置かない理由についてお尋ねがありました。
国際約束である日米地位協定において、合衆国軍隊が日本国において使用する財産について租税を課さない旨が規定され、この規定が米軍機の航空燃料を非課税とする根拠となっていることから、航空燃料税法において改めてその旨の規定を設ける必要はないものと承知をしております。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/17
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018・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 伊藤岳君。
〔伊藤岳君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/18
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019・伊藤岳
○伊藤岳君 日本共産党の伊藤岳です。
会派を代表して、二〇二四年度地方財政計画外二法案について質問いたします。
東日本大震災と原発事故から十三年、能登半島地震から二か月以上がたちました。亡くなられた方々に心より哀悼の意を表し、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
能登に帰りたい、能登で暮らし続けたいという被災者の願いに寄り添った国の対応が求められています。生活再建に欠かせない罹災証明の発行が申請数に対して一万件以上も遅れており、住家の被害認定ができず、申請もできない被災者も多くいます。広い地域が面的に甚大な被害を受けたところもあります。調査項目の思い切った簡略化など、交付のスピードアップを図るべきです。
宿泊できる施設がないため応援職員が金沢市や富山県から通っているなどの困難を打開する必要があります。松本総務大臣、応援職員の増員をどのように進めますか。宿泊施設の確保について、どのような対策を取るのですか。
熊本地震では、被災自治体が地域の実情に応じて、住民生活の安定、住宅再建支援、産業や教育、文化の振興など様々な事業について、単年度の予算の枠に縛られずに弾力的に対処できる資金として復興基金を創設し、これを活用しました。その原資には地方交付税が追加されています。
松本総務大臣、能登半島地震においても、被災者支援の困難さや地域の実情に応じた細やかな対応をしていくために、復興基金を国の財政措置によって早急につくるべきではありませんか。答弁を求めます。
自民党政治の下、賃金は上がらず、生活が苦しくなっているところに、物価高騰が襲いかかっています。国民生活はまさに底が抜ける寸前です。行うべきは、一回限りの定額減税や大企業、富裕層への優遇税制の継続ではありません。消費税の五%への減税とインボイス制度の中止、そして最低賃金を直ちに全国一律千五百円に引き上げることです。
地方財政の在り方についても転換が求められます。
地方財政制度審議会は、これまで地方自治体は毎年度の社会保障関係費の増加分を給与関係経費や投資的経費の削減で吸収してきたと述べた上で、特に次のように強調しています。
しかしながら、投資的経費はピーク時から大幅に減少しているが、防災・減災、国土強靱化のための取組を推進する観点から、所要の財源の確保を求める地方からの要望がある。さらに、給与関係経費については、今後も民間給与の上昇等を踏まえた増加が見込まれる。これらに加えて、公債費についても、これまで減少傾向にあったものの、金利動向の不透明感が増している状況にある。こうしたことから、今後、喫緊の課題への取組も求められる中で、これまでと同様の対応を続けることは極めて困難な状況となってきている。
松本総務大臣、この指摘をどう受け止めますか。基本的認識を伺います。
社会保障関係費の増加分を給与関係経費で吸収してきた結果、地方公務員は増員されず、正規職員は非正規職員へと置き換えられてきたのです。頻発化、激甚化する災害から住民の命を守るためにも、住民福祉の向上を図るためにも、今必要なのは公務の力ではありませんか。地方の一般財源総額を前年度と実質同一の水準に抑制するという骨太方針のルールから脱却して、地方交付税の法定率を引き上げることを真剣に検討するべきではありませんか。答弁を求めます。
定額減税という国策による地方税減収分の補填は、全額国費で行うのが当然です。ところが、所得税の定額減税に伴う地方交付税の減収分は、前年度からの交付税の繰越金と所得税以外の法定率分の増額分で補填するとしています。
松本総務大臣にお聞きします。所得税減税に伴う減収分を、なぜ地方の固有財源である地方交付税で補填するのですか。お答えください。
会計年度任用職員の大量雇い止めが相次いでいます。東京都の会計年度任用職員として働くスクールカウンセラーでは、再任用の公募の試験を受けた一千九十六人中、何と二百五十人が一斉に不採用通知が出されました。
スクールカウンセラーは国家資格を有し、全国各地で児童生徒の相談はもとより教職員のメンタル対応を行っています。
盛山文部科学大臣、スクールカウンセラーの役割をどのように評価していますか。豊富な経験と高い専門性を持つスクールカウンセラーが瞬時に大量に現場から交代することは好ましいことですか。併せてお答えください。
今、地方自治体では、会計年度任用職員の正規化への後押しや現場に精通する非正規職員の継続雇用など、その任用と処遇についての検討が始まっています。
松本総務大臣、職員定数の在り方、会計年度任用職員の任用中の公募の在り方について国はどのような検討をしているのですか。答弁を求めます。
都市部を含めた地域公共交通の崩壊というべき事態が進行しています。乗り合いバス路線に対する国交省の補助事業では、補助対象経費に対して十分な執行がされていないことを斉藤国土交通大臣は予算委員会でお認めになりました。
斉藤大臣、そうであるならば、乗り合いバス路線の支援を含む地域公共交通確保維持改善事業の予算を大幅に増額すべきではないですか。はっきりとお答えください。
さらに、斉藤大臣は、アプリによる配車と運賃収受のライドシェアで、タクシー運転士の賃金、労働条件が絶対に下がることはないとは断言できませんでした。ならば、少なくとも大臣が責任を持って明言できるまでライドシェアの導入はやるべきではないのではありませんか。併せて答弁を求めます。
次に、マイナ保険証の問題です。
厚生労働省は、昨年度補正予算でマイナ保険証の利用率を上げた医療機関、薬局に対する支援金制度を新たにつくりました。今年十一月までを前期、後期の二期に分けて、二〇二三年十月に比べて平均利用率が上がった医療機関などには平均利用率に応じて支援金を支給するというものです。
マイナ保険証の利用が進まないのは、メリットの乏しさやマイナ保険証に対する不信があるからではありませんか。
武見厚生労働大臣、なぜ多忙な医療機関のスタッフにマイナ保険証をお持ちですかと患者に働きかけることを押し付けるのですか。そもそもマイナ保険証の取得は任意であります。それを支援金という金の力で医療機関などに取得を勧奨させるのは筋違いではありませんか。答弁を求めます。
最後に、自民党の裏金問題です。
参議院政治倫理審査会が審査を議決した三十二人のうち、昨日までに弁明のため政倫審に出席する意向を示した議員は僅か三人にとどまりました。審査議決は自民党も含む全会派一致のものであり、極めて遺憾と言わなければなりません。全員が政倫審に出席し、説明すべきであることを改めて強く求めるものです。
参議院の場合、安倍派議員の改選の年には全額キックバックされていたという問題も重大です。一体いつから誰の指示でこのシステムがつくられ、何のために使われたのか、選挙に使われたのではないのか、この国民の疑問に答えなければなりません。
本院が、政倫審にとどまらず、証人喚問含め、全容を明らかにする役割を果たすべきであることを強く申し上げて、質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣松本剛明君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/19
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020・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) 伊藤議員から六問御質問いただきました。
まず、応援職員の増員と宿泊場所の確保についてお答えいたします。
罹災証明書の交付に向けた住家被害認定業務や申請窓口の体制を支援するため、現在、多数の応援職員に活動いただいており、今後とも現地のニーズを把握し、必要な支援に取り組んでまいります。
円滑な支援には支援者への支援も重要であり、総務省としても、応援職員の宿泊場所の確保、調整を行うとともに、県が宿泊場所を一元的に確保した場合には、県が負担する経費の八割について特別交付税により措置するなど、活動環境の改善に取り組んでおります。
次に、復興基金についてお答えいたします。
復興基金に対する財政措置については、これまで、極めて大きな災害が発生し、復興に相当の期間を要すると見込まれ、毎年度の措置では対応が難しい場合の例外的な措置として実施していると承知しております。
復興基金は、個別の国庫補助を補い、国の制度の隙間の事業について対応するものであるため、まずは各省庁の支援策がスピード感を持って実施されることが重要であると認識しており、その実施状況や各県の被災状況等を踏まえ、復興基金の必要性について適切に判断してまいります。
次に、地方財政審議会からの意見の受け止めについてお答えいたします。
令和六年度の地方財政計画では、地方財政審議会からの意見も踏まえ、子ども・子育て政策の強化などに対応するために必要な経費を充実して計上するとともに、民間の賃上げ等を踏まえた人件費の増加などを適切に反映した上で、一般財源総額と交付税総額について前年度を上回る額を確保することができました。
今後も、地方自治体が必要な行政サービスを提供しつつ安定的な財政運営を行っていけるよう、必要な財源を確保してまいります。
次に、地方交付税の法定率の引上げについてお答えいたします。
地方財政は令和六年度も巨額の財源不足が生じており、本来的には交付税率の引上げなどによる地方交付税総額の安定的な確保が望ましいと考えております。交付税率の引上げは令和六年度予算においても主張いたしましたが、現在のところ、国、地方共に厳しい財政状況にあり、容易ではございません。
今後も、交付税率の見直し等により地方交付税総額を安定的に確保できるよう、政府部内で十分に議論してまいります。
次に、所得税減税に伴う減収分への対応についてお答えいたします。
これまでの例では、定額減税に伴う地方交付税の減収は地方の負担と整理されてきております。一方、今回の所得税の定額減税に伴う地方交付税の減収については、減税の影響を含めても、地方交付税は〇・三兆円の増、一般財源総額は〇・六兆円の増など、地方財源をしっかりと確保できることなどを踏まえ、前年度からの繰越金等により対応することといたしました。
また、後年度、国から〇・二兆円の加算も行うこととしており、過去の例と比べると、地方財政に相当程度の配慮をした措置を行うことができたものと考えております。
最後に、職員定数及び会計年度任用職員の任用中の公募の在り方について御答弁申し上げます。
各自治体におかれては、行政サービスを適切、十分に届けるために必要な定員を確保しなければいけない、必要な定員を確保しなければならない一方、公務員の人件費は住民の負担となるため、適切に定員管理を行うことが重要と考えております。
会計年度任用職員の任用については、地方公務員法に定める平等取扱いの原則や成績主義を踏まえ、できる限り広く募集を行うことが望ましいと考えております。
その上で、公募によらない再度の任用回数について、国で一律に制限を設けているものではなく、各自治体に対し、地域の実情などに応じ適切に判断すべき旨助言しております。(拍手)
〔国務大臣盛山正仁君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/20
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021・盛山正仁
○国務大臣(盛山正仁君) 伊藤議員にお答えをいたします。
スクールカウンセラーの役割についてお尋ねがありました。
不登校児童生徒が増加するなど、学校や教師が直面する課題が多様化、複雑化する中にあって、教師とは異なる専門性を有するスクールカウンセラーが果たす役割は非常に重要と考えております。
委員御指摘の東京都のスクールカウンセラーを含め、会計年度任用職員の採用等については、各自治体の権限と責任の下、適切に判断されるべきものであり、各学校現場において、様々な悩みを抱える児童生徒等に対して適切な対応が実施されるような体制を整備していただくことが望ましいと考えています。
文部科学省においても、スクールカウンセラーの配置充実に努めているところであり、学校における教育相談体制の構築のため、引き続き必要な支援に努めてまいります。(拍手)
〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/21
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022・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 伊藤岳議員にお答えいたします。
まず、地域公共交通確保維持改善事業の予算の増額についてお尋ねがありました。
乗り合いバスを始めとする地域公共交通は、人口減少による利用者の減少に加え、運転者の人手不足等により、多くの地域で深刻な状況にあると認識しております。
このため、国土交通省においては、昨年来、地域公共交通の確保、維持、さらにはリデザインの取組を推進しており、令和五年度補正予算及び令和六年度政府予算案において、地域公共交通確保維持改善事業を含む各種財政支援措置を計上しているところでございます。
地域公共交通は、地域公共交通を将来に向けて守るため、地域公共交通確保維持改善事業を始め、予算の、必要な予算の確保に最大限努めてまいりたいと決意しております。
次に、いわゆるライドシェアについてお尋ねがありました。
過去において、タクシーの供給過剰による収益基盤の悪化や運転者の労働条件の悪化等の問題が生じ、タクシーが地域公共交通としての機能を十分に発揮することが困難な状況となり、これを解消することを目的として平成二十一年にタクシー特措法が制定されたと、こういう経緯がございます。こうした経緯も踏まえ、タクシー運転者の労働条件や処遇は大変重要だと認識しております。
現在、地域交通の担い手や移動の足の不足といった喫緊の課題に対応するため、地域の自家用車や一般ドライバーを活用する新たな運送サービスを四月から開始すべく、準備を進めております。
この運送サービスはタクシーの不足を補完する範囲内で実施するものとしておりまして、タクシー運転者の労働条件や処遇などの点も十分に踏まえ、慎重に制度設計してまいりたいと思っております。(拍手)
〔国務大臣武見敬三君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/22
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023・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 伊藤岳議員の御質問にお答えいたします。
マイナ保険証の利用推進、促進についてお尋ねがありました。
マイナ保険証には、患者本人の健康医療情報に基づき、より良い医療を受けることができることなどのメリットがあり、また、我が国の医療DXを進める上で基盤となる仕組みであり、一人でも多くの皆様のマイナ保険証を御利用いただくことが重要です。
マイナ保険証の利用促進のためには患者と接する医療現場における利用勧奨が重要と考えており、令和五年度の補正予算で医療機関への支援金を設けたほか、令和六年度の診療報酬改定においても利用実績に応じた加算措置を導入することとしております。
医療機関や保険者の皆様の理解を得ながら、利用推進の取組を積極的に行ってまいります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/23
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024・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これにて質疑は終了いたしました。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時四十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X00720240313/24
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