1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和六年六月七日(金曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第二十五号
令和六年六月七日
午前十時開議
第一 学校教育法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
第二 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
第三 建設業法及び公共工事の入札及び契約の
適正化の促進に関する法律の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
第四 事業性融資の推進等に関する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
第五 再生医療等の安全性の確保等に関する法
律及び臨床研究法の一部を改正する法律案(
内閣提出、衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
一、学校設置者等及び民間教育保育等事業者に
よる児童対象性暴力等の防止等のための措置
に関する法律案(趣旨説明)
一、日程第一より第五まで
一、外交・安全保障に関する調査の中間報告
一、国民生活・経済及び地方に関する調査の中
間報告
一、原子力等エネルギー・資源、持続可能社会
に関する調査の中間報告
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/0
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001・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより会議を開きます。
この際、日程に追加して、
学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/1
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002・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 御異議ないと認めます。加藤鮎子君。加藤鮎子国務大臣。失礼しました、国務大臣でありました。
〔国務大臣加藤鮎子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/2
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003・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) ただいま議題となりました学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
児童や生徒に対する性暴力等の被害は、被害児童等の権利を著しく侵害し、被害児童等に対し生涯にわたって回復し難い心理的外傷その他の心身に対する重大な影響を与えるものです。
児童等に対して教育、保育等の役務を提供する事業は、児童等の心身の健やかな育成に資することを目的としており、これらを提供する場において児童等の心身に重大な影響を与える性暴力等の被害を生じさせることは、その目的に反するものです。また、これらの事業は、被用者が児童等を指導するなどして支配的、優越的立場に立ち、継続的に密接な人間関係を持ち、親などの監視が届かない状況の下で児童等を預かり教育、保育等をするなど、特別な社会的接触の関係があるといった性質を有することから、児童等に対する性暴力等の発生に特別の注意を払うことが求められます。
そこで、児童等に対して教育、保育等の役務を提供する一定の対象事業者が児童等に対する性暴力等の防止等をする責務を有することを明らかにするとともに、そのために講ずべき措置等について定めることとし、もって児童等の心身の健全な発達に寄与するものとして、この法律案を提出いたしました。
以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
第一に、児童等に対して教育、保育等の役務を提供する対象事業者について、児童等に対する性暴力等の防止に努めるとともに、性暴力等の被害が生じた場合には、その被害児童等を適切に保護する責務を有することを明確にします。
第二に、本法律案の対象事業者のうち、特に児童等に対する性暴力等の防止に関して高い社会的責任を有する学校設置者等に対し、児童等の安全を確保するための措置として、対象従事者への研修、児童等に対する性暴力等のおそれを早期に把握するための措置、性暴力等に関する児童等の相談を容易にするための措置の実施を求めるとともに、対象従事者による児童等に対する性暴力等が行われるおそれがある場合には、その者を対象業務に従事させないなどの防止措置を講じることを求めることとします。その際、対象従事者についての性犯罪前科の有無を把握することは、児童等に対する性暴力等の防止措置を講ずる上で重要な手だてであるところ、学校設置者等に対し、対象従事者についての一定の性犯罪前科の有無の確認を求めることとします。また、児童等に対する性暴力等の発生が疑われる場合の事実の調査、被害児童等の保護及び支援のための措置を講じることを求めることとします。
第三に、本法律案の対象事業者のうち、学校設置者等以外の者については、学校設置者等と同等の措置を実施する体制が確保されている旨の内閣総理大臣による認定を受けることを可能とし、当該認定を受けた事業者に対しては、学校設置者等と同等の措置の実施を求めることとします。また、認定事業者については国が公表するとともに、認定事業者は認定を受けた旨を広告等に表示することができることとします。
第四に、本法律案により児童等に対する性暴力等の防止等のための措置の実施が求められることとなる学校設置者等及び認定事業者に対し、申請に基づき、対象従事者についての一定の性犯罪前科の有無に係る情報を国が提供する仕組みを創設することとします。
このほか、施行期日及びこの法律の施行に関し必要な経過措置等について規定するとともに、関係法律について必要な規定の整備を行います。
以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/3
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004・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。塩村あやか君。
〔塩村あやか君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/4
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005・塩村あやか
○塩村あやか君 立憲民主・社民の塩村あやかです。
会派を代表し、ただいま議題となりました法律案について質問をいたします。
性犯罪は魂の殺人と言われます。それは、性暴力が、被害者の権利を著しく侵害し、被害者の心身に生涯にわたって回復し難い重大な影響を与えるものであるからです。特にそれが子供に向けたものであるならば、その影響は計り知れず、断じて許されるものではありません。我が国を含め、世界で約二百の国と地域が締約国となっている児童の権利に関する条約にも、「あらゆる形態の性的搾取及び性的虐待から児童を保護することを約束する。」と明記をされています。
このような中、昨年の三月、旧ジャニーズ事務所の元社長による所属タレントへの性加害の報道は世界を震撼させました。昨年の夏には国連ビジネスと人権の作業部会による訪日調査が行われ、先日、報告書が公表されました。同報告書では、我が国における様々な人権問題を指摘した上で、政府から独立をした国内人権機関の設立が勧告されています。重大な性加害事案に国としてどのように対応するのか、被害者の方が、そして世界が注目をしています。
旧ジャニーズ事務所の元社長による性加害問題を含め、我が国の人権問題について国連機関から勧告を受けている状況を政府としてどのように受け止めているのか、官房長官にお伺いいたします。
我が国の人権問題の取組について海外から不信感を持たれていることと、総理肝煎りとされた国際人権担当の、国際人権問題担当の首相補佐官ポストが二年足らずで消滅したことは無関係ではないはずです。我が国が人権先進国であるために、国連機関が勧告をする独立をした国内人権機関を設立すべきと考えますが、官房長官の見解をお伺いいたします。
立憲民主党は、令和三年四月、子どもたちを性犯罪被害から守るための基本的考え方を取りまとめました。第一に、子供に関わる全ての職種を対象として対策を行うこと、第二に、再犯防止の観点から過去に子供に対するわいせつ行為をした者を原則として二度と子供に関わる職に就かせないようにすること、これが我々の基本的な考え方です。
本法律案は、我々が求めてきた日本版DBS制度を創設するものですが、この基本的な考え方に照らせば、子供たちを本当に性被害から守ることができるのか、懸念が拭えません。政府においては、そうした懸念を払拭し、国民の皆様が安心できるよう分かりやすい答弁をお願いし、以下質問をいたします。
まず、本法律案の大きな問題点は、あらゆる事項が内閣府令やガイドラインで定めるとされ、事実上の白紙委任となっている点です。対象事業や従事者の範囲、児童対象性暴力等が行われるおそれがあると認めるときの判断基準など、例を挙げれば切りがありません。衆議院の審議で政府はガイドラインで示すとの答弁を繰り返しましたが、そのように言う以上、本法律案の実効性を確実に担保できる内容とすることを求めます。
その上で、このガイドラインの策定までのスケジュールと策定協議に参加をするメンバーの人選について加藤大臣にお伺いをいたします。
また、策定に当たっては性被害当事者や子供の意見も取り入れるべきと考えますが、この点について加藤大臣に見解をお伺いいたします。
次に、対象事業の範囲について伺います。
本法律案では、学校設置者等は義務化の対象となる一方、学習塾、スポーツクラブ等は認定制度の対象となります。このため、児童生徒等へのわいせつ行為により職を追われた教師等が認定外の学習塾で働いたり、個人塾を経営したりする、言わば抜け穴が残された制度となっています。このような制度とした理由について、政府は事業者の対象範囲が不明確で監督や制裁の仕組みが必ずしも整っていない場合があるとしていますが、それは行政側の理屈であり、本法律案の実効性は確保できないのではないでしょうか。
事実、大手学習塾の運営会社五十社に行ったアンケートでは、学習塾が任意の認定制度の対象となることに反対をした企業が十五社もあり、その理由として、学校と学習塾を区別する必要はないということが挙げられるなど、義務化を求める声が目立ったとの報道があります。現場の声を聞かず、行政側の理屈で制度設計をしたがゆえに、このようなアンケート結果となったのではないですか。学習塾から義務化の要望がある点について政府はどのように捉えているのか、加藤大臣に伺います。
また、学習塾を含め義務化のニーズがある事業分野については、事業者からの意見を踏まえた上で認定制度から義務化の対象に切り替えることも検討すべきと考えますが、加藤大臣に政府の見解をお伺いいたします。
本法律案の対象外となる個人塾や個人音楽教室からは、認定制度の対象にしてほしいとの声も聞きます。実際は認定制度の対象外であるにもかかわらず、性犯罪歴のない、ひたむきに個人事業を営む方々が性犯罪者なのではないかというあらぬ誤解を受け、静かに顧客が離れ、事業の継続が困難になる可能性があるからということです。このような懸念について政府においてどのような議論が行われたのでしょうか。加藤大臣、お答えください。
また、こうした個人事業には、希望する正規の職に就けず、結果としてフリーランスや個人事業主といった就業形態を選ばざるを得なかった就職氷河期世代の方々も多く含まれます。岸田総理は、就職氷河期世代の経済的不安定さは少子化の要因の一つであるとして両課題の関連性を初めて認め、重く受け止めなければならないと答弁をされたばかりですが、そうであるならば、真面目に事業を営む個人事業主の方々が不当に淘汰をされるリスクがあることも重く受け止める必要があるのではないでしょうか。
本法律案には施行後三年後の見直しが規定されていますが、それを待たず、必要に応じて実効性のある対策を打つことが重要と考えます。政府の見解と取り得る施策について加藤大臣にお伺いをいたします。
次に、確認対象とする性犯罪歴の範囲について伺います。
本法律案の確認対象となる特定性犯罪には、不同意わいせつ等の刑法犯のほか、痴漢や盗撮等の条例違反が含まれる一方、下着泥棒やストーカー規制法違反は含まれていません。この点、下着泥棒やストーカー規制法違反を確認対象に含めることを求めるネット署名が約三万二千筆も集まり、こども家庭庁に提出されています。これが性被害当事者の、そして国民の声ではないでしょうか。
三万筆を超えるネット署名について、加藤大臣はどのように受け止め、また今後どのように対応すべきと考えているのか、お答えください。
同様の事例として、衣服や所有物に体液を掛けた疑いで逮捕される事案は器物損壊罪等として処理されるケースがあると承知をしていますが、こうした事例も性犯罪歴の確認対象に含まれていません。その理由について、政府は、特定の犯罪の一部だけを抜き出して対象とすることは難しいと述べています。そうであるならば、刑法を改正するなど、体液を掛けたという行為を性犯罪として捉えられるようにし、かかる行為を特定性犯罪に含めるとの対応を取るべきではないでしょうか。
体液を掛けるという行為を刑法上に位置付けた上で、それを特定性犯罪に含める必要性について、加藤大臣の見解をお伺いいたします。
次に、犯罪事実確認書の交付についてお伺いいたします。
犯罪事実確認の結果、犯歴ありとされた場合、その回答内容はまず対象業務従事予定者本人に通知がされます。他方、個人の犯歴は、個人情報保護法上、たとえ本人でも開示請求ができない個人情報とされています。媒体が何であれ、犯罪事実確認書が本人の手元に残るとすれば、個人情報保護法との関係で疑義が生じるのではないかと考えますが、この点について加藤大臣の見解を伺います。
また、これを踏まえ、犯罪事実確認書の交付は実際にどのような形で行うことを想定しているのか、加藤大臣の答弁を求めます。
こうした疑義が生じるのは、そもそも犯罪事実確認書が政府の外部に出る制度設計になっているからにほかなりません。この点、イギリスでは、ベビーシッターやチャイルドマインダーがOfstedと呼ばれる第三者機関への登録が義務付けられ、その際、英国DBSによる犯罪歴チェックを受ける仕組みがあると聞きます。事業者が登録されたベビーシッター等を採用するようにすれば、犯罪歴が外部に出ることもなくなり、個人事業主への適用も可能になると考えます。
こうした仕組みの導入について、加藤大臣は、個人からの登録申請の一つ一つについて、その申請の当否を確認しなければならないこととなり、膨大な人手や手間を要すると答弁されていますが、政府を挙げてDXやAIを活用した省力化、省人化を進める今日、作業が大変だからという理由で手を着けないのが納得はいきません。子供を守る覚悟が足りないのではないでしょうか。
改めて、こうした仕組みを我が国へ導入することについて、加藤大臣の見解をお伺いいたします。
本法案により、ようやく十八歳未満の子供たちを性犯罪から守る対策が一歩前進するとの期待を持つことができます。他方、我が国では、十八歳になると、まるで子羊がオオカミのおりの中に入れられるような社会に突如放り出される実態があることも忘れてはいけません。実際、性的グルーミングなどで手懐けられて被害に遭うケース、パパ活売春、児童ポルノ、アダルトビデオ出演被害など、事例も後を絶ちません。この背景の一つに、学校現場における性に関する包括的な知識を得る機会の不足があると言われています。
この点、我が国の小中学校の学習指導要領では、全ての生徒に共通して指導する内容として妊娠の経過は取り扱わないとする、いわゆる歯止め規定があるために、子供たちが性被害を認識することができないなどの深刻な影響を受けていることが指摘をされています。
性教育により寝た子を起こすとやゆすることがありますが、適切な性教育を行うことで早熟な性体験を遅らせる結果になったことが多くの研究により証明されているほか、ユネスコなどが二〇〇九年に策定した国際セクシュアリティ教育ガイダンスでは包括的性教育という用語が使われ、ジェンダー、暴力と安全確保など、八つのコンセプトに基づく性教育が提唱をされています。
我が国が歯止め規定を設ける理由について、政府は、児童生徒、保護者、教職員が持つ性に対する考え方が多様であることなどを挙げていますが、だからといって、国際機関が十五年も前に策定をした国際的な基準を下回る性教育を実施してよいということにはなりません。むしろ、教育現場において包括的性教育がなされていない中で、子供たちはネット情報やアダルトコンテンツから誤った知識を得てしまい、十八歳になると同時に、まるで性被害は自己責任としてしまうような仕組みになっていることこそ問題があるのではないでしょうか。
子供、若者、性被害を防止するため、子供、若者の性被害を防止するため、教育現場において男女が共に包括的性教育を学ぶことが重要と考えます。盛山文部科学大臣の見解をお伺いいたします。
最後に、悪質ホスト問題で顕著であるマインドコントロールによる若年女性の性被害についてお伺いをいたします。
大学生のみならず中高生にまで被害が出ている悪質ホストなどによる性搾取は悪質化の一途をたどっており、支援団体によると、大学生の娘の行方が分からないなどとの相談が相次ぎ、少なくとも、その支援団体だけでも今現在五十人が行方不明、全体では数百人に上っているのではないかと、そういうことです。少なくない女性が海外売春に駆り出され、アメリカや韓国などで日本人女性が売春で検挙をされる事例も相次ぎ、人身売買議定書にも抵触。こうした問題、実態を政府としてどのように受け止めているのか、林官房長官にお伺いをいたします。
また、国会質疑で私がこの問題をしてからはや七か月が経過をしますが、被害は深刻度を増し、地方に、そして海外にまで拡大をしていっています。本問題に対する責任をどのように感じているのか、松村国家公安委員長にお伺いをいたします。
悪質ホスト問題の根本的解決には、被害者のマインドコントロールからの解放が重要です。マインドコントロールされている状態では自分自身で適切な判断を下すことが困難であるため、医療の介入も必要と考えますが、メンタルヘルス対策の観点から厚生労働省において取り得る施策はあるのでしょうか。先般、被害者の方々と面会をされた武見厚労大臣に、面会時に感じた思いと併せてお伺いをいたします。
さきの内閣委員会で松村国家公安委員長は、被害者やその家族との面会について、予定を調整する旨答弁されました。被害者や家族の方々は心待ちにされています。本日も傍聴にいらっしゃっています。その調整状況を松村国家公安委員長にお伺いいたします。
先ほど、私たち立憲民主党は、悪質ホスト被害防止法案を衆議院に提出をいたしました。皆様に応援をいただけましたら、本当にうれしく思います。
日本の子供、若者が性搾取や性暴力によりその未来を奪われることがないよう尽くしていく責務はこの議場にいる全員にあると申し上げまして、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣加藤鮎子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/5
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006・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) 塩村あやか議員の御質問にお答えいたします。
ガイドラインの策定についてお尋ねがありました。
具体的なスケジュールや策定方法については現時点で決まっているものではありませんが、策定時期については、対象事業者の準備期間にも十分配慮した上で、施行期日前になるべく早く整備し、周知を徹底してまいります。
その策定に当たっては、関係団体や現場の声も踏まえた実効的なものとなるよう、対象事業の所管省庁等の御協力も得て検討するとともに、当事者である子供たちの意見も聞いた上で進めてまいりたいと考えております。
民間教育事業者の認定についてお尋ねがありました。
本法案の取りまとめに当たっては、学習塾の関係団体からもヒアリングを実施するなど、現場の意見をお伺いしつつ制度設計の検討を進めてまいりました。
その上で、学校や認可保育施設など、特に公的関与の度合いが高い認可等を受けた事業者は、その認可等を受けるに当たり、個別法において定められた運営、体制等の基準を満たしていることから、この法律案に基づく措置を直接義務化しても対応できるものと考えたところです。
他方、学習塾等などの民間事業者は、法令上、運営、体制等の基準がないため、この法律に基づき学校等が講じる措置と同等のものを実施する体制が確保されていることなどを個別に認定する仕組みを設けることで、できるだけ広く対象に含まれるようにしました、含められるようにしました。
民間教育業界から制度への参加を強く希望する声が既に表明されていることも承知をしております。こうした関係業界団体とも連携しながら、多くの対象事業者に認定制度に参画をいただけるよう強く働きかけてまいります。
個人事業を営む者が認定されないことにより誤解が生じる懸念についてお尋ねがありました。
純粋に個人が一人だけで業務を行っている形態の事業については、従業員の研修や相談窓口の設置といった措置を事業者が講じることが通常困難であることや、事業者がその犯罪歴を取得することができてしまうと、対象事業とは無関係の第三者から犯罪歴の提出を求められるなどの対象事業以外のところでその犯罪歴を悪用されるおそれがあることから、本法律案の認定対象とすることは困難であると考えています。
その上で、御指摘のように、認定対象外の事業者が誤解されないように工夫することは重要であり、認定を取得していないからといって誤解を生じさせることがないように、本認定制度の趣旨や範囲等についてしっかりと周知を行ってまいります。
個人事業を営む方々に対する対応策についてお尋ねがありました。
今年度新たに取りまとめた総合的対策において、教育、保育業界における児童への性暴力防止の取組を横断的に促進するための指針のひな形や事例集について令和六年度中に作成することを盛り込んでおります。
法案の対象とならない個人が一人で行っている事業者においても、こうしたものを活用いただくことで児童への性暴力防止に寄与することが可能になるとともに、それを対外的に説明することにより保護者等の理解を得ていくことも可能になると考えております。
確認対象犯罪に関するネット署名についてお尋ねがありました。
御指摘のネット署名については、受け取らせていただき、その重みを実感いたしました。
本法律案の確認対象犯罪に下着窃盗やストーカー規制法違反の罪を含めるべきという御意見について、性的動機を持って人の尊厳を傷つけるような行為を可能な限り広く対象としたいという思いは私も共有いたします。
一方、下着窃盗やストーカー規制法違反の行為を対象確認とすることについては、性的な動機を裁判所が一般的に認定するわけではないことや、特定の犯罪の一部の行為だけを抜き出して対象にすることは、対象の行為であることを誰が判断し、その判断の正しさをどのように担保するかといった様々な検討すべき課題があります。
いずれにしましても、確認対象犯罪の拡大については、この法律の施行の状況等を勘案しつつ、これらの課題を踏まえ検討する必要があると認識をしております。
犯歴確認の対象となる性犯罪についてお尋ねがありました。
確認対象となる性犯罪歴を有するということは、その者が対象業務に従事することを事実上制限することになるため、その根拠は正確な事実でなければならず、本法案では、厳格な手続に基づき裁判所が事実認定をした前科を確認の対象としています。特定の犯罪の一部の行為だけを抜き出して対象にすることは、対象の行為であることを誰が判断するのか等の課題があります。
一方、法務省の所管ではありますが、御指摘のような行為を刑法上の性犯罪として位置付けるかどうかについては、具体的な状況、態様等を問わず一律に性犯罪とすることが適当か、性犯罪とすべき行為を明確に過不足なく規定することができるのか等について慎重な検討を要するものと承知をしています。
まずは、本制度の円滑な実施に万全を尽くしてまいります。その上で、確認対象犯罪の拡大については、今後の施行状況を勘案しつつ、これらの課題を踏まえ検討する必要があると認識しています。
犯罪事実確認書の事前通知と個人情報保護との、個人情報保護法との関係、その交付方法についてお尋ねがありました。
犯罪事実確認書の内容の本人への事前通知は犯歴がある場合のみ行われるもので、犯歴がない旨の書面等があるわけではありません。そのため、第三者が本人に犯歴がない旨の書面等の提出を求め、犯歴の有無を把握することはできないことから、個人情報保護法第百二十四条との関係でも疑義は生じないものと考えています。
また、本人への事前通知方法や事業者への交付方法については、今後、情報セキュリティーの専門家や関係機関の意見もお聞きしながら検討してまいりますが、例えば、本人の氏名等の情報を本人や事業者しか知り得ない申請番号等をもって記載することで、万が一漏えいした場合でも容易に本人と結び付けられないようにするなど、個人情報保護を徹底する工夫を行ってまいります。
Ofstedへの登録の仕組みの導入についてお尋ねがありました。
個人が登録できる仕組みとして、仮に犯罪歴がなければ登録されるというものだとすれば、それは前科の有無を公にするに等しいことになります。また、仮に、その職にふさわしいことを表す要件の一つとして、犯罪歴がないことを求め、審査を経た上で登録するという仕組みを指しているとすれば、現在、資格制度がない業種も含め、どのような要件がその職にふさわしいものとして必要と考えられるのかなどの課題があります。
イギリスのOfstedは、教育、保育等の事業者の総合的な質を担保するための仕組みで、職員体制は数千人規模であり、こうした質の監査という新たな役割を有する組織を我が国において直ちに構築することには様々な課題があります。
まずは、本制度の確実な実施に万全を尽くしてまいります。その上で、制度の在り方については、今後の施行状況を踏まえ、引き続き検討をしてまいります。(拍手)
〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/6
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007・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 塩村あやか議員の御質問にお答えいたします。
人権問題についての勧告への受け止めについてお尋ねがありました。
国連人権理事会の特別手続の一つであるビジネスと人権作業部会を含む専門家は、個人の資格においてその任務を果たすものとされており、作業部会等による勧告は法的拘束力を有するものではありませんが、我が国としては、関係省庁において勧告の内容を十分に検討し、必要に応じ適切に対応してまいりたいと考えております。
いずれにせよ、人権擁護は全ての国の基本的な責務であり、我が国としては、ビジネスと人権の分野も含め、今後とも人権尊重の取組を重視して進めてまいります。
政府から独立した国内人権機関の設置についてお尋ねがありました。
人権救済制度の在り方については、これまでなされてきた議論の状況も踏まえ、法務省において不断に検討していると承知をしております。
近年、いわゆる障害者差別解消法、ヘイトスピーチ解消法、部落差別解消推進法などの個別法が制定されているところであり、差別のない社会の実現のため、まずはこれらの法律に基づき、きめ細かな人権救済を推進してまいりたいと考えております。
日本人女性の海外売春の問題に関する認識についてお尋ねがありました。
いわゆるホストクラブの利用客の高額料金によるものを始め、借金返済のために売春させられるといった事例については、人身取引議定書に定める人身取引に該当し得る深刻な犯罪であると認識しております。
こうした認識の下、海外での売春をあっせんする行為も含め、捜査機関による違法行為の取締りを強化しているほか、関係機関が連携して相談への対応を強化するなどの取組も進めているものと承知をしております。(拍手)
〔国務大臣盛山正仁君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/7
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008・盛山正仁
○国務大臣(盛山正仁君) 塩村議員にお答えいたします。
教育現場において、男女が共に包括的性教育を学ぶことについてお尋ねがありました。
学校における性に関する指導に当たっては、児童生徒間で発達の段階の差異が大きいことなどから、全ての児童生徒に共通に指導する内容と個別に指導する内容とを区別して指導することとしています。
こうした中、全ての児童生徒に共通に指導する内容としては妊娠の経過は取り扱わないこととしており、各学校においては、学習指導要領に基づいて、発達段階に応じ、受精、妊娠、性感染症の予防などの身体的側面のみならず、異性の尊重、性情報への適切な対処など、様々な観点から指導を行うこととしております。
また、これに加えて、個々の児童生徒の状況等に応じ必要な個別指導が行われることが重要と考えており、文部科学省においては、各学校における指導、相談体制の充実を図っているところです。
引き続き、児童生徒が性に関して正しく理解し、適切な行動が取れるよう、着実な指導に努めてまいります。(拍手)
〔国務大臣松村祥史君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/8
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009・松村祥史
○国務大臣(松村祥史君) 塩村あやか議員の御質問にお答えをいたします。
悪質なホストクラブに関してお尋ねがありました。
警察では、これまでも多くの都道府県警察において様々な法令を駆使してホストクラブやその従業員の違法行為を取り締まっており、また違法行為がホストクラブの営業に関して行われている場合は、風営適正化法に基づく営業の取消しや停止といった厳正な行政処分を行っているところであります。
また、海外への売春をあっせんしていたグループを検挙し、こうした問題について社会に広く警鐘を鳴らしたところです。
一方、女性が売春に至る背景には様々なことが考えられるため、警察による違法行為の取締りに加え、関係機関が連携して女性の支援のための取組を行っていくことが重要と考えています。
面会について御質問がありました。
被害を受けられた女性御本人、御家族からは警察庁の担当者がこれまでも貴重なお話を伺っており、このことはしっかりと報告を受けております。
現時点では調整に至っておりませんが、私としては、こうした報告を受ける中で悪質なホストクラブについて強い問題意識を持っており、まずは厳正な取締りを引き続き行うよう警察を指導しているところであります。(拍手)
〔国務大臣武見敬三君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/9
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010・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 塩村あやか議員の御質問にお答えいたします。
悪質ホストクラブの被害者に対するメンタルヘルス対策などについてお尋ねがありました。
悪質ホストクラブの被害者の方々とは、御家族を含め先月面会をし、その中で、女性が多額の借金を負わされ、売春を強要されていることなどの実態をお伺いし、事態の深刻さを改めて痛感をいたしました。
面会を通じて、こうした被害の遭われた方々の支援のために心のケアの専門機関と連携することの重要性を改めて認識をし、相談窓口である女性相談支援センターと精神保健福祉センターの連携を推進するなど、相談体制の強化等を図ることとしております。
厚生労働省としては、引き続き、この民間団体、関係機関、関係省庁と連携しながら、悪質ホストクラブ対策にしっかりと徹底的に取り組みます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/10
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011・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 金子道仁君。
〔金子道仁君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/11
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012・金子道仁
○金子道仁君 日本維新の会、金子道仁です。
教育無償化を実現する会との統一会派を代表して、学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案について質問いたします。
昨年生まれた子供の数は七十二万七千人、過去最低を更新しました。子供の数が減っているにもかかわらず、児童生徒が被害となった性犯罪の数は十年前とほとんど変わっておらず、痛ましいニュースが報じられています。こうした中で、長く待ち望まれていた本法案が審議されることは非常に意義のあることです。本法案を通して、子供たちを性暴力から守るという社会的意識が一層高まることを期待します。
イギリスでは、一九八六年から犯罪歴照会制度、いわゆるDBS制度が導入され、以降、様々な制度改正の結果、現在では用途に応じて四種類の証明書が発行され、子供に関わる幅広い職種での制度利用が定着し、子供を性暴力から守るということが当たり前という社会意識が広がっています。
日本では初めての導入ですが、先行する諸外国で積み重ねられた知見も参考にしながら、子供の安全確保を最優先にして制度構築を目指すべきだと考えます。こうした視点から、以下の質問をいたします。
最初に、犯罪事実確認の実施主体について加藤大臣にお伺いします。
犯罪事実確認の実施主体については、本法律案では学校設置者にのみ義務を課し、民間教育保育等の事業者については手挙げ式の認定方式を採用しています。義務である場所と任意である場所の相違は社会の都合であり、子供にとってはどちらも自分たちの活動場所です。民間教育保育事業者等、民間教育保育等事業者の中で速やかに実施主体の拡大を図るべきだと考えますが、民間の認定事業者の促進に向けた施策をお聞かせください。
次に、犯罪歴確認の対象期間の合理性について質問します。
犯罪歴の掲載期間について、イギリスでは児童対象の性犯罪全般、ドイツでは児童対象の性的虐待致死等の重大犯罪については、無期限に記載される運用となっています。これに対して我が国では、最も重い性犯罪でも刑の執行終了から二十年が経過すると記載されない運用となります。子供の安全を守る観点からは、重篤な性犯罪についてはこうした確認期間に制限を設けない方が適切ではありませんか。
教職員等性暴力防止法では、その基本指針において、特定免許状失効者等データベースの情報は少なくとも四十年間分は蓄積されるとの方針を示しています。本法案では、この方針と矛盾していませんか。二十年より四十年間データが蓄積され照会される方がより子供の安全に資するものと思われますが、本法律案では子供の安全を守る姿勢が後退しているのではありませんでしょうか。
犯罪歴確認の対象期間に制限を設けるのであれば、性犯罪加害者の再犯予防アプローチ、更生プログラムの充実は不可欠であり、子供を対象とする再犯防止を確実なものとすべきだと考えます。性犯罪者の更生プログラムの現状と課題をお聞かせください。
以上三点、加藤大臣に回答を求めます。
また、既存のデータベースの確認プロセスとの関係について質問します。
本法律案に類似する過去の行為の確認手続としては、令和三年に成立した教員等性暴力防止法における特定免許状失効者等データベースと、児童福祉法改正により今春運用開始となった保育士特定登録者、ごめんなさい、保育士特定登録取消者データベースがあります。現場の負担を考えれば、同様の照会プロセスは可能な限り早急に一元化すべきだと考えますが、衆議院で我が党浦野議員の本会議質疑において大臣より、現場の意見を聞いて検討する旨の答弁がありました。現場の負担軽減は制度運用の鍵であり、早急な対応をお願いしたく、加藤大臣の答弁をお願いいたします。
続いて、通報義務について加藤大臣に伺います。
本法案では、確認対象となる性犯罪歴については、裁判所が事実認定した前科のみを対象としていますが、その土台となるのは、学校現場等での通報義務の徹底です。本法律案では通報義務の規定はありませんが、運用上問題ありませんか。
教員等性暴力防止法の通報義務による運用が想定されていると理解されますが、同法の基本指針では、依願退職等により水面下で穏便に済ませるようなことは決してあってはならないと明記されています。
しかし、今年五月、教員による性犯罪事件の公判をめぐり、横浜市教育委員会が職員を大量動員し、一般市民を傍聴席から締め出すという事件が発覚しました。この事例は学校現場における隠蔽体質をうかがわせ、大変憂慮すべきものです。学校現場にこうした体質が広がっていないことを願うばかりです。
こうした懸念を払拭するためにも類似案件をしっかりと全国規模で調査すべきだと考えますが、こちらは盛山文科科学大臣に御所見を伺います。
そして、子供の受皿となる制度の簡素化について質問いたします。
本法律案の特徴の一つは、定義規定が非常に長いということです。こども家庭庁の皆さんが対象事業者等を網羅するために大変な努力をされたことを評価します。しかし、裏返して言えば、これは子供の受皿となっている施設、制度が複雑化している現状を反映しています。
今後、子供の利益を図る様々な施策を行う際に、こうした制度の複雑さは制度設計上も運用上も支障となりかねません。教育の理念の多様性は重要だからこそ、制度はシンプルに一元化する方向が望ましいと考えます。制度の簡素化、例えば認可外保育施設の認可施設への移行促進、幼保一元化等、重要だと考えますが、加藤大臣の見解を伺います。
また、無犯罪証明書、いわゆるホワイトペーパーについて伺います。
無犯罪証明書を本法律案で導入しなかった理由としては、従業者本人が自ら無犯罪証明書の交付申請ができることとすると、対象事業とは無関係の業種への就職時にも無犯罪証明書の提出が求められる危険性、例えば結婚相手の親から無犯罪証明書の提出を求められるなどのおそれがあるとして、事業者を申請主体とした犯罪事実確認書の交付という立て付けにしたと承知しています。
しかし、こうした課題は今後の制度手続の改善により解決できるものではありませんか。また、今後は対象事業者の拡大に比例して情報管理の困難さが増大します。万一の情報漏えいに際しても、犯罪事実確認書、いわゆるブラックペーパーより、無犯罪証明書、ホワイトペーパーの方が就職希望者本人に与える影響は小さいのではないでしょうか。
制度の運用拡大に伴い、イギリスやドイツのように、ホワイトペーパーも含めた多種類の犯罪証明書を業種に応じて使用する制度に改変していくべきだと考えますが、加藤大臣の見解を伺います。
最後に、今後の検証スケジュールと改正についてお伺いします。
重篤な再犯が起こってから制度を改正することは絶対に避けるべきです。子供の安全を最優先に考えて、可能な限り事前にリスクを回避すべきです。事業対象者の拡大、ホワイトペーパーの導入、通報制度の徹底等、制度の改善を積極的に行うべきだと考えます。今後の検証スケジュールと制度改正の見通しについて加藤大臣に伺います。
私たちは、足りない親であっても自分の子供には最善のものを提供したいと願います。こうした親の思いを共有して社会全体で子供を我が子のようにして守る、そのような社会意識が広がるよう、本院でも建設的な議論が重ねられていきますことを願っております。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣加藤鮎子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/12
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013・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) 金子道仁議員の御質問にお答えいたします。
民間教育保育等事業者による認定取得の促進についてお尋ねがありました。
子供への性暴力を防止していくためには、少しでも多くの民間教育保育等事業者に本制度の認定を取得いただくことが重要と考えています。児童福祉業界及び民間教育業界からは制度への参加を強く希望する声が既に表明されておりまして、こうした関係業界団体とも連携しながら、多くの対象事業者に認定制度に参画いただけるよう強く働きかけてまいります。
また、本認定制度は、認定事業者が広告等で表示できるようにすることにより、保護者の選択に資する仕組みとしています。このため、事業者のみならず保護者の方にもその意義を御理解いただけるよう、施行までに分かりやすい広報素材を作成すること等を通じてしっかり情報発信していきたいと考えています。
犯歴確認の対象期間と性犯罪者の更生プログラムについてお尋ねがありました。
犯歴確認の対象期間は、子供安全確保を第一としつつ、この仕組みが事実上の就業制限であることから、憲法上の職業選択の自由を制約することとの整理や、前科を有する者の更生を促す刑法の規定の趣旨等を踏まえつつ、子供への性暴力防止の目的に照らして許容される範囲とすべきと考えています。このため、犯歴確認の対象期間としては、再犯に至った者の実証データに照らし、再犯の蓋然性が高い期間を設定することとしています。
また、いわゆる教員性暴力等防止法では対象職種が教員、職員のみに限られ、年限も指針に記載されている一方、本法案に基づく性犯罪歴の確認対象は学習塾講師など幅広い業務を対象とし、年限も法律に規定するなどの点において顕著な違いがあると考えています。
加害者更生の取組については、法務省において、性犯罪の再犯防止に関する指導や性犯罪に係る再犯防止プログラムの充実などを実施していると承知をしています。本年四月に取りまとめた子供の性被害対策の総合的な取組においては、こうした加害者更生に関する取組も新たに盛り込んでおります。
なお、刑事司法手続を離れた者に対しても、地域社会において継続的に支援を行っていくことなども重要であると認識しており、引き続き、関係省庁と連携し、加害者更生の取組をしっかりと進めてまいります。
データベースとの照会プロセスの一元化についてお尋ねがありました。
本法案による犯歴照会の確認対象と両データベースの確認対象は異なるほか、確認の手続やその結果の取扱方法も異なるため、本法律案による照会と両データベースの確認を直ちに一体として行うことは難しいと考えています。
他方、本法案の成立後においては、事業者によっては、本法案による犯歴照会に併せて、教員免許失効データベース又は保育士資格登録取消者データベースに基づく確認等を行う場合もあると考えられ、そうした際の事業者の事務負担等に留意することは重要な観点であると認識しています。
このため、本法案による犯歴照会と両データベースを活用する際の利便性等について、今後よく現場の話を聞きながら、運用上の工夫としてどのようなことができるか、関係省庁とも連携し、よく検討してまいります。
通報義務についてお尋ねがありました。
本法律案では、学校のみならず、民間事業者や小規模の事業者まで幅広い事業者を対象としており、対象事業者の業態や規模、関係する子供の状況、事案の態様も様々であり、学校と同列に考えることはできないことなどから、子供や保護者の意向にかかわらず一律に警察への通報を行うことを法律上義務付けることまではしていないところです。
まずは、ガイドライン等において、犯歴があると認める場合の所轄警察署への通報は被害児童等の保護及び支援のためにも有効な手だてになり得ること、学校については教員性暴力等防止法に基づく通報義務があること等について、しっかりと周知をしていきたいと考えております。
子供の受皿となる施設、制度の簡素化についてお尋ねがありました。
施設類型にかかわらず、全ての子供の良質な成育環境を整備することは重要です。こうした観点から、御指摘の認可外保育施設については、認可施設への移行を促進するため、認可基準を満たすための必要な改修費や、認可施設への移行を希望する認可外保育施設に対する運営費への補助など、移行に向けた支援を行っております。
また、幼保一元化については、学校教育法及び児童福祉法等において、文部科学省とこども家庭庁が相互に協議を行い、幼稚園、認定こども園、保育所の教育、保育内容の整合性を確保することとしています。これにより、施設類型を問わず教育、保育の質の確保が図られることとなっております。
無犯罪証明書についてお尋ねがありました。
イギリスやドイツでは、業種等に応じて複数の犯歴確認の仕組みがあるものと承知をしています。
我が国の最高裁判例においては、前科等のある者もこれをみだりに公開されないという法律上の保護に値する利益を有するとされており、本法案では、犯罪事実確認書は対象事業者が児童対象性暴力等防止措置を実施するために必要な限度で交付する仕組みとしています。このような仕組みとすることにより、事業者がより主体的に子供の安全確保に取り組むことになると考え、無犯罪証明ではなく、このような仕組みとしたものです。
仮に従事者本人が自らの犯罪事実確認書の交付を申請できることとすると、対象事業とは無関係の業種への就職時に犯罪事実確認書の提出を求められ、前科の有無が明らかになるおそれ等があるため、事業者を申請主体とすることが適切と考えております。
まずは本制度の円滑な実施に万全を尽くしてまいりますが、御指摘のような犯歴確認の在り方についても、今後の施行状況を踏まえ、必要な対応を検討してまいります。
今後の検討、失礼しました、今後の検証スケジュールと制度改正の見通しについてお尋ねがありました。
本法律案の附則においては、施行後三年を目途として、この法律の施行の状況等を勘案しつつ、制度の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするとの検討規定を設けているところです。
まずは本制度の円滑な実施に万全を尽くしてまいりたいと考えておりますが、子供の安全の観点から、制度をより良いものにしていくために、施行の状況を踏まえつつ検討をしてまいります。(拍手)
〔国務大臣盛山正仁君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/13
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014・盛山正仁
○国務大臣(盛山正仁君) 金子議員にお答えいたします。
横浜市教育委員会による公判傍聴の呼びかけについてお尋ねがありました。
横浜市教育委員会において、同市教員による児童生徒へのわいせつ事案の公判について、事務局職員に対して傍聴するよう呼びかけを行っていたことは承知しております。
横浜市教育委員会は、今般の事案に対して、一般の方の傍聴する機会を損なう行為であり、今後このようなことが起こらないよう教育委員会として徹底するとしており、文部科学省としても、横浜市教育委員会が事務局職員に対して公判の傍聴を呼びかけた今回の対応は適切ではなかったと考えております。
本件については、現在、横浜市教育委員会において検証が行われているものと承知しており、文部科学省としても対応状況を注視してまいります。
また、本件に関し、他の自治体における同様の事案の有無を調査する予定はありませんが、各教育委員会に対しては、住民からの信頼を損ねることなく教育行政が適切に実施されるよう、引き続き促してまいります。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/14
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015・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 伊藤孝恵君。
〔伊藤孝恵君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/15
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016・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵です。
私は、会派を代表し、ただいま議題となりました法律案について質問いたします。
性暴力の被害者には一片の落ち度もありません。ただの一片もありません。まだ恋も知らない子供たちが性被害者になっている現実を私たちは決して許さず、行動に移さなければなりません。
国民民主党は、二〇二一年五月、子どもの性被害防止法を議員立法いたしました。性犯罪の前科を有する者は子供に日常的に接する職業には就けないようにするため、保育士や教職員等の国家資格における欠格事由を厳格化するとともに、資格で分類できない塾講師やベビーシッター等については無犯罪証明書を厳格に運用する旨を提案いたしました。資格者は現行法でも網を掛けることができます。しかし、資格で分類できない者はそれができないからこそ、DBSが必要だったのです。
加藤大臣に伺います。
本案において、学習塾など民間教育保育等事業者を義務でなく認定制とした理由について、政府は、事業者の対象範囲が不明確で監督や制裁の仕組みが必ずしも整っていないためと御説明されましたが、それは単に行政側の都合の解説であって、子供たちのいる場所を押しなべて安全にする有意味性とは比ぶべくもありません。
昨年成立したフリーランス・事業者間取引適正化等法においては、それまで対象範囲が不明確で、行政の監督等の仕組みが整っていなかったフリーランスを法律の中で定義し、取引適正化のための規制を新設しました。
本案においても、網掛けすべき事業者を定義し、新たに監督や制裁の仕組みを構築すれば、義務化も可能だったはずです。立法の意味はまさにそこにあります。フリーランス法ではできて、DBS法案ではできなかった理由を教えてください。
実際に盗撮や性暴力の事案が表出した学習塾や大規模な性加害事案が発生した芸能事務所ですら義務化の対象でないのなら、本案には重大なブラックホールがあると言わざるを得ません。この黒い穴から意図を持って子供たちににじり寄る者は必ず現れます。
加藤大臣は、衆議院での審議の中で、犯罪事実の確認義務を負う要件を、継続性、閉鎖性、支配性とし、学校のクラブや部活動におけるボランティアのコーチ等についても対象となる旨、明言されました。では、学童や塾の送り迎えをする子育てタクシーのドライバーはいかがでしょうか。スクールバスや日本版ライドシェアのドライバーは対象になるのでしょうか。車内は閉鎖性、ハンドルは支配性そのままです。
今後、マッチングプラットフォームの責任はどのように問い、雇用と請負の労働者性をいかに整理し、どこに網を掛けていくのか。犯罪事実の確認義務を負う職種の拡大については、誰がどのように判断していくのか。加藤大臣、お答えください。
特定性犯罪に公然わいせつ罪やわいせつ目的略取及び誘拐罪、下着などの性的欲求を満たすための窃盗罪等の犯罪類型が含まれなかったことに加え、特定性犯罪に該当する犯罪であっても、逮捕後に示談をして不起訴となった事例や、行政による懲戒処分、民事訴訟で性加害が認定された者については、本案では調査対象に含まれていないことも大きな穴です。
犯罪事実の確認結果は事実上の就業制限の根拠となるとされていますが、あくまで事業者側が安全確保措置を講じるかどうかの判断材料であって、欠格事由ではありません。加害者の職業選択の自由を尊重しつつ、子供たちを性暴力から守ることの比較考量を最優先に考えるならば、おそれがあるかどうかを判断するに足る材料を最大限、抜け漏れなく事業者側に提供する必要があります。加藤大臣のお考えをお聞かせください。
画像生成AIによるCSAM、性的児童虐待コンテンツの問題が世界的に広がっています。ダークウェブのCSAMフォーラムでは一か月で二万件以上の画像が検出され、日本ではガバナンスが未整備のため、ダークウェブに潜らずとも容易にコンテンツにアクセスできます。
実在児童が特定不可能な生成AIによるCSAMは、児童買春、児童ポルノ禁止法での立件が困難です。また、AIには制作者がいないので、著作権法でも逮捕できません。恐ろしいことに、実在の児童に酷似したCSAMを生成できる追加学習用データが当たり前のようにネット上で販売されていますが、こういったファインチューニングと呼ばれる手法は、我が国の法律のいずれもが想定していないため、太刀打ちできない状態です。
子供たちの権利侵害、特にオンライン上の保護を目的とした新たな法整備の必要について、加藤大臣の見解を伺います。
同時に、法整備前であっても、こういった行為を業として行った者については、司法手続に準じた適正な方法で子供に関わる仕事には就けないようにする必要があると思いますが、加藤大臣の認識を伺います。
声を上げられないのは子供たちだけではありません。障害者施設職員による性暴力や、高齢者施設職員や介護訪問スタッフによる性虐待も深刻化しています。今後、対象を子供に限らない犯罪事実確認のニーズが生まれることが考えられますが、武見厚労大臣の見解を伺います。
英国DBSに倣ったバリュー・フォー・マネー、価格に見合った価値について伺います。
英国DBSは、内務省に後援され、議会に対して直接説明責任は負うものの、省には属さない公的機関として、手数料を収入源に独立採算制で運営されています。戦略計画、年次報告書等の内容も、少ない経費で効率的に運営し、迅速な対応によって顧客満足度を上げるバリュー・フォー・マネーに重点が置かれています。
ただ、最初からそうだったわけではなく、二〇一八年に会計検査院の調査が入った際、年間二百八十万人の利用を見込んでいたにもかかわらず、実際は九十万人だったことや、デジタル化が計画より四十六か月遅れていたこと、当初見込み予算額に対し三五%も超過していたこと、何よりそれらの原因分析や対策が全く講じられていなかったことなどが判明し、議会から指摘を受け、改善を余儀なくされました。我が国のDBSは同じ轍を踏むわけにはまいりません。
加藤大臣に伺います。
DBSの当初予算、利用見込み者数、デジタル化のスケジュールや外部委託する際の責任、監視の在り方など、現在のプロジェクト概要及び監査の時期や内容について教えてください。
また、将来的に受益者に応分負担を求めることについての加藤大臣の見解を伺います。
この問いの趣旨は、今後、子供から大人に対象を拡大したり、開示される情報源を司法判断等から起訴猶予による不起訴処分や行政処分、通報情報へと拡大した場合、既存組織では到底賄い切れず、実行組織の拡大が不可避となります。その際、財源を国庫に求め続けるのは現実性に乏しいのではないかという問題意識です。先を行く英国DBSに経営視点、バリュー・フォー・マネー視点でも学ぶべきと考えますが、加藤大臣の見解を伺います。
自己情報コントロール権とプライバシー権についても伺います。
前科等は極めて高度のプライバシー情報であることから、その適正な開示に重大な利害を有する本人が確認申請の主体であるべきと考えます。しかし、個人情報保護法第百二十四条第一項では、個人の犯罪歴等については開示請求等の規定の適用除外とされており、その理由として、拡散、転々流通の弊害が挙げられています。これこそが日本のパターナリズムの典型、国民は正しい判断を下すことができないので国が介入してあげる、あなたのためにねという立て付けです。
加藤大臣に伺います。
昨年八月の有識者会議では、イギリスやドイツ、韓国など、十か国の犯罪歴照会制度について比較検討されたと承知しています。諸外国では、プライバシー情報に係る自己情報コントロール権の帰属はどうなっていますか。教えてください。
最後に、性暴力被害者の半数は心的外傷後ストレス障害、PTSDを発症すると報告されています。PTSDへの介入なしに子供たちを守る仕組みはできません。専門医療がどうしても必要ですが、現在の精神科医療ではPTSDに対する治療を行うと赤字になるため、導入が進んでおりません。加藤大臣に検証と取組を求めます。
被害者の小さな心に埋め込まれた地雷は何がきっかけで爆発するのか分かりません。進学、就職、恋愛、不安の中を私ははうように生きてきた、そんな胸のうちを教えてくれたのは、今もPTSDに苦しむ被害者の方です。諸外国に倣い、性犯罪者、特に小児性犯罪者に対する化学的去勢やGPS装着等の厳罰化の必要性を口にする私に、その方は、包括的性教育や加害者に対する再犯防止プログラム、保護観察終了後の孤立対策を求められました。社会にとってそれが一番安全への近道です、柔らかに諭す言葉はまるで道しるべのようでした。
ようやく生まれるDBSが我が国で生きる全ての子供たちの豊かな学びや育ちを支えるものとなるように、これからも果断に行動していくことを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣加藤鮎子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/16
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017・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) 伊藤孝恵議員の御質問にお答えいたします。
本法案で民間教育保育等事業者を直接義務化することの可否についてお尋ねがありました。
本法案において、現状、業法のない事業については、学校設置者等と同等の措置を実施する体制が確保されている旨を個別に認定する制度としています。これは、何ら業法のない事業の場合、国が対象事業者を捕捉できず、かつ、義務違反があるか否かは保護者や児童等には必ずしも分からないものの、認定により対象事業者を特定するとともに、認定事業者に対する監督の仕組みにより実効的に義務履行を担保することが可能であると考えたためです。
その上で、認定を付与した事業者については、国が公表するとともに、認定事業者も広告等でその旨を表示することができるようにすることにより、保護者の選択に資するような仕組みにしています。
関係業界団体とも連携しながら、多くの対象事業者に認定制度に参画いただけるよう強く働きかけてまいります。
犯歴確認の対象業務についてお尋ねがありました。
本法律案の対象業務については、雇用形態にかかわらず、子供に対して支配的、優越的関係に立ち、子供と継続的に直接密接な人間関係を持つ者や、親等の監視が届かない状況の下で預かり、養護等をする者を対象とし、その判断に当たっては、子供から見て当該業務が支配的、優越的であるかという観点から実態に即して検討することとしています。
その検討に当たっては、教育、保育業務の実務の実態を踏まえつつ、支配性、継続性、閉鎖性を満たす業務について下位法令等を適切に整備し、できるだけ広く対象とできるよう、関係省庁と協議しつつ検討してまいります。
本法案の確認対象についてお尋ねがありました。
確認対象となる性犯罪歴を有するということは、その者が対象業務に従事することを事実上制限することになるため、その根拠は正確な事実でなければならず、本法案では、厳格な手続に基づき裁判所が事実認定をした前科を確認の対象としています。このため、検察官による不起訴処分や懲戒処分は確認の対象に含めていません。
また、民事裁判においては、他人の権利又は法律上保護される利益を侵害したかどうかが認定されるにとどまり、そのような侵害行為が本法律案の対象にすべき性加害行為であるかについて認定がなされていないことから、民事訴訟の結果についても本法律案の対象には含めていません。
さらに、御指摘のような犯罪を特定性犯罪に含めるべきという御意見については、性的動機を持って人の尊厳を傷つけるような行為を可能な限り広く対象としたいという思いは私も共有いたしますが、一方、確認の対象に含めることについては、性的な動機を裁判所が一般的に認定するわけではないことや、特定の犯罪の一部の行為だけを抜き出して対象とすることは、対象の行為であることを誰が判断し、その判断の正しさをどのように担保するかといった様々な検討すべき課題があります。
まずは、本制度の円滑な実施に万全を尽くしてまいります。その上で、確認対象の範囲の検討を含め、性暴力等の端緒を的確に把握することができるための方策について検討を重ねてまいります。
オンライン上の子供の権利の保護についてお尋ねがありました。
政府としては、これまでも、子供の性被害防止プラン二〇二二に基づき、関係省庁と民間団体が一体となって、児童ポルノの製造の防止を始め、子供の性被害の撲滅に向けた取組を推進してきたところです。
御指摘のようなAIを用いた子供の権利侵害については、関係省庁と幅広く協力して検討すべき課題であると認識しています。
なお、本法案で犯歴の対象確認としている犯罪は、その前科が事実上の就業制限の根拠となることから、厳格な手続に基づき裁判所が事実認定をした前科を確認の対象としていますが、性犯罪歴前科の有無を確認する仕組み以外にも、初犯対策として、安全を確保するための措置を事業者に直接義務付けることも盛り込んでいます。
施行に向けた制度の運営の計画と見直し、将来的な受益者の負担についてお尋ねがありました。
犯罪事実確認の対象となる従事者については、例えば、学校設置者等については少なくとも二百三十万人、民間教育保育等事業者については、学習塾は対象業務に従事する者に必ずしも限定されませんが約四十万人、放課後児童クラブは約二十万人、認可外保育施設は約十万人に上り、認定対象となり得る事業者の数は数万社に上ると考えられます。
今後、こうした見込みを更に精査するとともに、事業者において一定の準備期間を確保できる適切な時期までに必要な業務を的確かつ効率的に処理できるよう、システム構築や業務委託の範囲、監督の在り方等について検討してまいります。これらに必要な予算は、各年度の予算編成過程においてしっかりと検討し、適切な見直しを図ってまいります。
また、子供に対する性暴力の防止は、何よりも子供の利益のために実現すべきものと考えていますが、認定事業者においては認定による経済的な利益があり得ることも踏まえ、実費を勘案した手数料を納付することとしております。将来的な負担の在り方についても、このような観点を踏まえつつ検討してまいります。
諸外国におけるプライバシー情報の扱いについてお尋ねがありました。
諸外国の制度について網羅的に把握してはいませんが、例えば英国、フランス、ドイツでは、あらゆる業種で利用できるものとして、個人が申請し個人へ回答する犯歴確認の仕組みがあるものと承知をしています。
子供等の心的外傷後ストレス障害に対する専門治療についてお尋ねがありました。
性暴力は子供等の心身に重大な影響を与えることから、専門家による適切な支援は重要であると考えています。
厚生労働省の所管にはなりますが、都道府県等に設置されている精神保健福祉センター等において保健師や精神保健福祉士などによる相談を行っているほか、必要な場合には地域の適切な医療機関につなぐなどの対応を行っているものと承知をしています。
また、こうした支援が適切に行われるよう、本年四月に関係省庁で取りまとめた総合的対策では、性犯罪被害者に対し適切な治療、ケアのできる人材を養成するPTSD対策専門研修を厚生労働省において実施することとしており、引き続き厚生労働省と連携して取組を進めてまいります。(拍手)
〔国務大臣武見敬三君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/17
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018・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 伊藤孝恵議員の御質問にお答えいたします。
障害者施設等における性犯罪の事実確認についてお尋ねがありました。
こども性暴力防止法案は、子供に対する性暴力の被害が子供の権利を著しく侵害し、心身に対する重大な影響を与えるため、子供に対して教育、保育等を提供する事業者を対象としていると承知をしております。障害者や高齢者を対象とした施設等においても同様の犯罪事実確認をするかについては、慎重に検討することが必要と考えております。
一方で、障害者や高齢者に対する性暴力の防止は重要であり、障害者虐待防止法等において、性的虐待を虐待の定義に位置付け、通報義務等を定めております。
また、令和六年度障害福祉サービス等報酬改定などにおいて、虐待防止措置を実施していない事業所など、基本報酬を減算することとしており、引き続き、障害者や高齢者への性虐待を含む虐待防止にしっかりと取り組んでまいります。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/18
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019・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 井上哲士君。
〔井上哲士君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/19
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020・井上哲士
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
私は、会派を代表し、学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案、日本版DBS法案について関係大臣に質問します。
子どもに対する性暴力は、子どもの人権を深く傷つけ、その傷痕は子どもの心身に生涯にわたって回復することのない重大な影響を与えるものであり、絶対に許されるものではありません。
二〇二二年三月の内閣府の調査によれば、身体接触を伴う性暴力被害に最初に遭った年齢は、高校生が三五・九%、小中学生で三四・〇%、性交を伴う性暴力被害に最初に遭った年齢では、高校生三八・九%、小中学生が二一・〇%にも上ります。
更に衝撃的なことは、性交を伴う性暴力被害の加害者で最も多いのが教職員、クラブ活動の指導者、先輩や同級生など、通っている又は通っていた学校や大学の関係者という現実です。こうした現状は一刻も早く改善しなければなりません。
まず、こども政策担当大臣に質問します。
政府は、二〇二〇年に性犯罪・性暴力対策の強化の方針を取りまとめて以降、累次対策を強化してきました。加えて、二〇二一年、二〇二二年には教員性暴力等防止法、児童福祉法の改正が行われてきました。これら対策の効果についてどのように認識をしていますか。
極めて遺憾ながら、こうした努力にもかかわらず、弱い立場に置かれた子ども、若者が性被害に遭う事案は後を絶ちません。本法案は、これまでの政府の取組との関係でどのような意義を持つものだと考えているのですか。
法案について具体的に伺います。
本法案によって、事業者は性犯罪事実の確認や児童対象性暴力防止措置をとることが義務化されますが、その義務を負う事業者、それと同等の措置を実施する体制が確保されていると認定を受けた民間教育保育事業者、未認定の事業者の三つの層が生まれることになります。未認定の事業者が生まれることによって、子どもに性的な欲望を抱く者が認定制度を受けない、受けてない事業者に集中する可能性があります。
子どもの性的人権保障という観点からこうした格差はあってはならないと考えますが、どのように認識をしていますか。また、格差の解消に向けてどのように対応していくつもりですか。お答えください。
法案は、犯罪事実確認の対象となる犯罪を特定性犯罪と規定し、児童対象性暴力等に限定しています。一方、刑法の公然わいせつ罪やわいせつ目的略取及び誘拐罪、窃盗罪で下着が盗まれる事例等、性的な犯罪であっても含まれないものがあります。どのような理由で対象犯罪を限定したのですか。
民間団体の調査では、学校において教員による性加害が行われた状況で一番多いのが授業中であり、性的な言葉を書いたり書かされたり、体に軽く触れるなどの行為とのことです。内閣府の調査でも、被害に遭った若者や子どもたちの半数以上は誰にも相談できずにいます。法案第五条の児童との面談や児童等が容易に相談を行うことができるようにするための措置は極めて重要ですが、どのように具体化していくつもりですか。
以上、こども担当大臣、お答えください。
少数ながら子どもたちが相談したケースでも、当該教員や学校、教育委員会などが取り合わずに問題とならなかったなど、現場でのもみ消しや隠蔽は少なくないとの指摘があります。このような現状をどう改善していくのか、文部科学大臣、お答えください。
法案は第五条で、児童対象性暴力等が行われるおそれがないかどうかを早期に把握するための措置の実施を定めています。おそれの判断に、主観や先入観に左右される思い込みや誤解が介在してはなりません。学校現場で、誰が、どのような検討を踏まえて、おそれのあるなしを判断するのですか。おそれの判断が恣意的に運用されないための担保をどのように考えているのですか。
本法案は、子どもと日常的に接する職業に就く人に性犯罪歴がないかを確認し、性犯罪歴がある場合に、再犯を未然に防止するための措置を事業者に求めるものです。しかし、特定の職業からの排除や制限だけで性加害者の行動を抑制するには、おのずと限界があることを認識しなければなりません。
性犯罪の再犯は一割であり、残りの九割は初犯とも言われています。一方、性加害者臨床に関わる専門家からは、性嗜好障害を有する者の場合、初犯でもその加害が表面化する以前の段階で何十、何百という加害行為を繰り返しているとの指摘もあります。そのため、性犯罪前科の有無を確認する本法案の仕組みでは実効性に疑問があるとの指摘がなされています。本法案は、初犯対策としてどのような対応を盛り込んでいるのですか。
以上、こども担当大臣の答弁を求めます。
同時に、加害者の再犯をいかに防ぐのかも重要です。性犯罪防止プログラムなどの加害者更生の取組が重要だと考えますが、取組の現状、今後の強化方向について法務大臣に伺います。
性加害者をつくらないためにも、また性被害を受けたときの対応方法を学ぶためにも、包括的性教育が不可欠です。本法案が参考にしたとされるイギリスでは、DBSと同時に包括的性教育が公教育で必修となっているとされています。
人権尊重を基盤とした包括的性教育の具体的内容を示したユネスコの国際セクシュアリティ教育ガイダンスでは、一、人間関係、二、価値観、人権、文化、セクシュアリティー、三、ジェンダーの理解、四、暴力と安全確保、五、健康と幸福のためのスキル、六、人間の体と発達、七、セクシュアリティーと性行動、八、性と生殖に関する健康などの八つの柱があります。年齢層に区分して学習内容が掲げられ、学び手の成長や発達に沿って創意工夫しながら取り組み、子どもの自己肯定感や探求心を育むことを目指すものとなっています。
国際セクシュアリティ教育ガイダンスに基づく包括的性教育の重要性について、どのように考えますか。こども政策担当大臣に伺います。
二〇二三年に策定されたこども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージには、生命の安全教育の全国展開が盛り込まれています。これは、子どもたちを性犯罪、性暴力の加害者、被害者、傍観者としないことを目的とするとされています。これ自身を否定はしませんが、生命の安全教育には、包括的性教育という言葉はおろか、性教育という文言さえ見当たりません。生命の安全教育は性教育とは無関係なのですか。
国際的な到達点から見れば、我が国の立ち遅れは明らかです。現在でも、小学校五年生の理科では人の受精に至る過程は取り扱わない、中学一年の保健体育では妊娠の経過は取り扱わないなど、学習指導要領に性教育をさせないための歯止め規定が残されたままです。自らの人権と健康を守る上で体と性を学ぶ性教育の推進は人権的課題であり、子どもの権利を保障するための土台です。学習指導要領の歯止め規定は見直すべきではありませんか。
以上、文部科学大臣、お答えください。
本法案に基づく制度を十全に発揮させる上で、国際セクシュアリティ教育ガイダンスに基づく包括的性教育を位置付けることが不可欠です。そのことを重ねて指摘し、質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣加藤鮎子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/20
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021・加藤鮎子
○国務大臣(加藤鮎子君) 井上哲士議員の御質問にお答えいたします。
これまでの子供に対する性暴力対策の効果と本法案との関係についてお尋ねがありました。
子供に対する性暴力防止対策については、性犯罪・性暴力対策の更なる強化の方針や子供の性被害防止プラン二〇二二等に基づき、被害申告や相談しやすい環境の整備、命の安全対策の推進等の各種の対策を進めてまいりました。また、議員立法による教育性暴力等防止法の制定や性犯罪の成立要件をより明確化するなどの刑法改正等、累次の法改正が行われてきたところです。さらに、政府としては、本年四月、関係省庁で連携して取り組むべき総合的な対策を新たに取りまとめています。
他方で、議員の御指摘のとおり、弱い立場に置かれた子供が性被害に遭う事案は後を絶たず、子供に対する性暴力防止に向けた取組は待ったなしであり、この法案を起点とし、社会全体として子供たちを性暴力から守る社会的意識を高め、政府一丸となって子供に対する性暴力防止対策を進めてまいります。
認定の有無により事業者間で格差が生じ得ることについてお尋ねがありました。
認定の有無によって特定の事業者において子供が性被害に遭いやすくなるようなことはあってはならないことだと認識しています。子供への性暴力を防止していくため、少しでも多くの民間教育保育等事業者に本制度の認定を取得いただくよう促すとともに、広告等の表示を通じて保護者の選択に資する仕組みとしてまいります。
また、認定を受けない事業者においても、認定を取らずともできる対策を実施していただくことが重要と考えており、子供性被害防止のための総合的対策を併せて推進すること等により、あらゆる子供への性暴力の防止が図られるよう最大限努力をしてまいります。
犯歴確認の対象となる性犯罪についてお尋ねがありました。
本法律案の下では、基本的に、犯歴確認の対象となる特定性犯罪の犯罪歴があるということ自体をもって性暴力等のおそれありとして、事実上就業制限の根拠となります。このため、その特定性犯罪の範囲については、児童等の権利を著しく侵害し、その心身に重大な影響を与える性犯罪として、人の性的自由を侵害する性犯罪や性暴力の罪等を確認対象としています。
一方、御指摘のような犯罪を確認対象にすることについては、性的な動機を裁判所が一般的に認定するわけではないことや、特定の犯罪の一部の行為だけを抜き出して対象にすることは、対象の行為であることを誰が判断し、その判断の正しさをどのように担保するかといった課題があり、本法律案において、これらの犯罪については犯歴確認の対象性犯罪に含めないこととしています。
児童との面談や相談に係る措置についてお尋ねがありました。
本法律案では、児童対象性暴力等が行われる端緒を早期に把握するため、事業者に対し、児童等との面談、児童等が容易に相談を行うことができるようにするために必要な措置を求めています。
具体的な措置は内閣府令で定めることとしていますが、例えば、定期的な面談やアンケート調査、相談窓口等の相談体制の整備等が想定されるところ、関係省庁、業界団体等と相談し、他分野も含めた先行的な取組も把握しながら、より良い方法を検討してまいります。
学校現場におけるおそれの判断等についてお尋ねがありました。
本法律案第五条第一項では、児童対象性暴力等が行われるおそれがないかどうかを早期に把握するための措置の実施を学校設置者等に求めるとともに、同法第六条において、学校設置者等は、児童対象性暴力等が行われるおそれがあると認めるときは、児童対象性暴力等を防止するために必要な措置を講じなければならないとしております。
その判断は学校設置者等が行うものですが、おそれの具体的な内容や判断プロセス等などについて、恣意的、濫用的な運用がなされないよう、施行までに関係省庁、関係団体と協議しつつ、事業者向けのガイドライン等を作成し、しっかりと周知してまいります。
初犯対策についてお尋ねがありました。
議員御指摘のとおり、性犯罪で検挙される者のうち約九割は初犯であると承知をしており、初犯対策は大変重要だと考えています。
このため、本法案においては、子供と接する職員等に対する研修を義務付けるほか、性暴力等が行われる端緒を早期に把握するための措置として、児童等への面談等、学校設置者等の方から能動的に端緒を把握しにいくための措置や、児童等が容易に相談を行うことができるようにするための措置を講じるよう義務付けることとしています。
さらに、子供への性被害防止に向けては、本法案による対応に加え、総合的な対策が重要であると認識をしております。このため、本年四月に関係省庁で取り組むべき総合的な対策を新たに取りまとめており、これらにより子供たちを性被害から守ってまいります。
包括的性教育の重要性についてお尋ねがありました。
学校における教育は文部科学省の所管であり、私の立場からお答えすることは差し控えますが、学校における性に関する指導は、児童生徒が性に関して正しく理解し、適切に行動を取れるようにすることを目的に実施されていると承知をしており、その目的に照らして必要な教育が行われることが重要だと考えます。
また、こども家庭庁としましても、子供や保護者に対し、生命の安全教育の教材の活用等により、プライベートゾーン等について分かりやすく親しみやすい形での啓発を推進しています。
子供や保護者が性暴力の防止等について理解を深めることは性暴力の被害防止のために重要であると考えており、引き続きこうした取組を推進してまいります。(拍手)
〔国務大臣盛山正仁君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/21
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022・盛山正仁
○国務大臣(盛山正仁君) 井上議員にお答えいたします。
子供たちが相談した場合のもみ消し等の防止についてお尋ねがありました。
子供たちから相談があった場合に学校等がもみ消しなどを行うことがないよう、令和三年に成立したいわゆる教員性暴力等防止法においては、教師や保護者等が子供たちから相談等を受けた場合において事実があると思われる場合には、学校等に通報等の措置をとるものとするとされるとともに、こうした通報を受けた学校は学校設置者に通報するものとされました。
また、同法に基づく基本的な指針においては、あしき仲間意識や組織防衛心理から事なかれ主義に陥り、必要な対策を行わなかったりすることがあってはならないことなどを示しているところです。
文部科学省としては、同法や指針を踏まえた取組について、これまでも様々な機会を捉えて各教育委員会等に対して徹底を求めるとともに、事案発生時の迅速な対応など具体的な事例を盛り込んだ実践事例集や、教職員向けの研修用動画を作成、公表し、周知を行っています。
今般のこども性暴力防止法案が成立した場合においても、引き続き適切な対応がなされるよう一層の取組の徹底を図ってまいります。
次に、生命の安全教育についてお尋ねがありました。
生命の安全教育は、命の尊さを学び、自分や相手、一人一人を尊重する態度等を身に付けることにより、性犯罪、性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないことを目的とする安全教育であり、性に関して正しく理解し、適切な行動が取れるようにすることを目的とした性に関する指導とは目的を異にしておりますが、性犯罪、性暴力の事例等について扱っております。
次に、学習指導要領におけるいわゆる歯止め規定についてお尋ねがありました。
学校における性に関する指導に当たっては、児童生徒間で発達の段階の差異が大きいことなどから、全ての児童生徒に共通に指導する内容と個別に指導する内容とを区別して指導することとしています。
こうした中、学習指導要領に基づいて全ての児童生徒に共通に指導する内容としては、妊娠の経過や人の受精に至る過程は取り扱わないこととしていますが、個々の児童生徒の状況等に応じ必要な個別指導が行われることが重要と考えており、文部科学省においては、各学校における指導、相談体制の充実を図っているところです。
引き続き、児童生徒が性に関して正しく理解し、適切な行動が取れるよう、着実な指導に努めてまいります。(拍手)
〔国務大臣小泉龍司君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/22
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023・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 井上哲士議員にお答えを申し上げます。
加害者更生の取組についてお尋ねがありました。
刑事施設や保護観察所においては、性犯罪者に対し、認知行動療法の手法を取り入れた処遇プログラムの実施を行っております。同プログラムについては、不断の見直しを図ってきており、また必要に応じて関係機関とも連携するなどして、その実効性がより高まるよう取り組んでおります。
刑事施設や保護観察所における性犯罪者の再犯防止対策は一定の成果を上げているものと考えておりますが、プログラムの更なる充実に取り組むことなどを通じて、引き続き性犯罪者に対する再犯防止対策を進めてまいりたいと考えます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/23
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024・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これにて質疑は終了いたしました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/24
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025・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 日程第一 学校教育法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長高橋克法君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔高橋克法君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/25
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026・高橋克法
○高橋克法君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、専修学校における教育の充実を図るため、専修学校に専攻科を置くことができることとするとともに、専門課程の入学資格の厳格化、専門課程を置く専修学校への自己点検評価の義務付け等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、職業教育の重要性、専攻科の具体的制度設計、専修学校在籍者に対する経済的支援の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/26
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027・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/27
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028・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 総員起立と認めます。
よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/28
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029・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 日程第二 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長阿達雅志君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔阿達雅志君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/29
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030・阿達雅志
○阿達雅志君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、最近における銃砲をめぐる情勢に鑑み、電磁石銃を銃砲に追加するほか、ライフル銃の範囲を拡大するとともに、銃砲等の発射及び所持に関する罰則を強化する等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、本法律案の背景及び検討過程、ハーフライフル銃の規制強化の趣旨及び鳥獣被害対策への影響、眠り銃の取消し要件の厳格化により期待される効果と警察の対応、あおり・唆し罪の適用範囲等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/30
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031・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/31
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032・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 総員起立と認めます。
よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/32
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033・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 日程第三 建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長青木愛君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔青木愛君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/33
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034・青木愛
○青木愛君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、建設工事の適正な施工の確保を図るため、建設業者による通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金とする請負契約又は著しく短い期間を工期とする請負契約の締結の禁止、監理技術者等の専任に関する規制の合理化、建設工事の適正な施工を確保するために必要な情報通信技術の活用に関する国土交通大臣による指針の策定、公共工事における施工体制台帳の提出に関する規制の合理化等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、建設工事の労務費に関する基準の作成及び運用方法、法改正により講じられる措置の周知方法及び実効性を担保するための方策、生産性向上等に資する建設業におけるICT活用の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/34
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035・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/35
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036・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/36
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037・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 日程第四 事業性融資の推進等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長足立敏之君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔足立敏之君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/37
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038・足立敏之
○足立敏之君 ただいま議題となりました法律案につきまして、財政金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本法律案は、不動産を目的とする担保権又は個人を保証人とする保証契約等に依存した融資慣行の是正及び会社の事業に必要な資金の調達等の円滑化を図るため、事業性融資の推進等に関し、その基本理念、国の責務、基本方針の策定、企業価値担保権の設定、事業性融資推進支援業務を行う者の認定、事業性融資推進本部の設置等について定めようとするものであります。
委員会におきましては、参考人を招致してその意見を聴取するとともに、企業価値担保権を創設する意義、企業価値担保権の設定前に労働組合等へ通知する必要性、金融機関の目利き力向上に向けた取組等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、立憲民主・社民を代表して柴愼一委員、日本共産党を代表して小池晃委員より、それぞれ反対する旨の意見が述べられました。
討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/38
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039・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/39
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040・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/40
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041・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 日程第五 再生医療等の安全性の確保等に関する法律及び臨床研究法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長比嘉奈津美君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔比嘉奈津美君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/41
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042・比嘉奈津美
○比嘉奈津美君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、先端的な医療技術の研究及び安全な提供の基盤を整備し、その更なる推進を図るために、再生医療等の安全性の確保等に関する法律の適用対象への細胞加工物を用いない遺伝子治療等の追加、認定再生医療等委員会に対する立入検査等の規定の整備、臨床研究法における特定臨床研究の範囲の見直し等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、細胞加工物を用いない遺伝子治療等を法の適用対象とする理由、認定再生医療等委員会における審査の質の確保策、臨床研究法の適用対象の範囲等について質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、れいわ新選組を代表して天畠大輔委員より反対の旨の意見が述べられました。
討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/42
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043・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/43
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044・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/44
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045・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) この際、外交・安全保障に関する調査会長から、外交・安全保障に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/45
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046・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 御異議ないと認めます。外交・安全保障に関する調査会長猪口邦子君。
─────────────
〔調査報告書は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔猪口邦子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/46
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047・猪口邦子
○猪口邦子君 外交・安全保障に関する調査会における中間報告について、御報告申し上げます。
本調査会は、三年間の調査テーマを「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序構築~」とし、二年目の調査では、「LAWS(自律型致死兵器システム)に関する国際的なルール作り及び対人地雷禁止条約の履行確保に係る取組と課題」、「武力紛争等と人道主義の実践・再構築に向けた取組と課題」、「FMCT(核兵器用核分裂性物質生産禁止条約)の交渉開始への取組と課題」、「気候変動や武力紛争等の影響を踏まえた国際的な食料・エネルギー安全保障及び人間の安全保障の確保等に向けた取組と課題」及び「気候変動が海洋法秩序に及ぼす影響への対策と取組の在り方」について、計十五名の参考人から意見を聴取し、質疑を行ったほか、委員間の意見交換を行い、主要論点の整理を含む中間報告書を取りまとめ、去る五日、議長に提出したところであります。
以下、主要論点の主な内容を御報告いたします。
まず、LAWS及び対人地雷禁止条約等の軍縮・不拡散に関し、ソフトローなどLAWS規制の在り方、対人地雷禁止条約及びクラスター弾に関する条約の履行確保などの課題、市民社会の役割などの論点について意見がありました。
次に、FMCT等の核軍縮・不拡散に関し、核兵器なき世界を目指す中でのFMCTの意義、FMCTの交渉開始が困難な中での暫定的代替アプローチの在り方、FMCTと核兵器禁止条約との関係性や非軍事用核分裂性物質への対応の在り方などの論点について意見がありました。
さらに、人道主義に関し、医療活動の保護や開発機関との連携など人道支援活動が直面する課題や取組、国際人道法の遵守や人道主義の実践に向けて日本が果たすべき役割、ガザ情勢をめぐる評価と求められる支援などの論点について意見がありました。
続いて、食料・エネルギー安全保障と人間の安全保障に関し、気候変動や紛争が食料・エネルギー安全保障に及ぼす影響、気候変動をめぐる日本の課題と取組、日本と国連開発計画の連携の重要性などの論点について意見がありました。
最後に、海面上昇と海洋法秩序に関し、気候変動が海洋に及ぼす影響、海面上昇に対して領海基線を固定する場合の対応策と課題、太平洋島嶼国との連携強化に向けた取組の在り方などの論点について意見がありました。
本調査会の三年目の活動におきましては、中間報告の論点整理も踏まえつつ、最終報告の取りまとめに向けて、更に調査を進めてまいる所存であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/47
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048・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) この際、国民生活・経済及び地方に関する調査会長から、国民生活・経済及び地方に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/48
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049・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 御異議ないと認めます。国民生活・経済及び地方に関する調査会長福山哲郎君。
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〔調査報告書は本号末尾に掲載〕
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〔福山哲郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/49
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050・福山哲郎
○福山哲郎君 国民生活・経済及び地方に関する調査会における中間報告について御報告申し上げます。
本調査会は、第二百十回国会の令和四年十月三日に設置され、三年間の調査テーマを「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」と決定し、鋭意調査を進めております。
二年目は、調査テーマのうち、「社会経済、地方及び国民生活に必要な施策」について調査を行うこととし、「地域経済とコミュニティの活性化」、「若者への教育支援」、「ジェンダー平等と働き方」及び「障がい者・ユニバーサルデザイン・地域交通への対応」について、計十二名の参考人から意見を聴取し、質疑を行ったほか、海外派遣議員からの報告聴取、委員間の意見交換を行いました。
今般、主要論点の整理を含む報告書を取りまとめ、去る六月五日、これを議長に提出いたしました。
以下、調査会において整理した主要論点について御報告申し上げます。
一点目の「地域経済とコミュニティの活性化」については、担い手の確保、地域コミュニティにおける対応、空き家対策の推進を取り上げています。
二点目の「若者への教育支援」については、障がいのある子どもへの対応、子どもや若者への支援の在り方、ヤングケアラーへの支援、支援者への制度対応を取り上げています。
三点目の「ジェンダー平等と働き方」については、男女間の賃金格差の是正、男性の育児休業、働きやすい環境の整備を取り上げています。
四点目の「障がい者・ユニバーサルデザイン・地域交通への対応」については、聴覚障がい者の情報保障、建物・交通のバリアフリー化の推進、地域公共交通の維持を取り上げています。
調査会におきましては、国民生活・経済及び地方をめぐる諸課題について、リアリティーのある議論を通じ、党派を超えて認識を深めることができました。「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」に向けて貢献できるよう、引き続き調査を進めてまいります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/50
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051・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) この際、資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会長から、原子力等エネルギー・資源、持続可能社会に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/51
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052・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 御異議ないと認めます。資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会長宮沢洋一君。
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〔調査報告書は本号末尾に掲載〕
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〔宮沢洋一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/52
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053・宮沢洋一
○宮沢洋一君 資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会の中間報告につきまして、その概要を御報告申し上げます。
本調査会は、三年間の調査テーマである「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能社会の調和」のうち、二年目は「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能社会の調和に向けた論点整理」について調査を行い、中間報告書として取りまとめ、去る五日、議長に提出いたしました。
その内容は、「エネルギー安全保障の確立に向けた論点」、「脱炭素社会の実現に向けた論点」及び「資源エネルギー分野のイノベーション」についての参考人からの意見聴取と質疑、政府からの説明聴取と質疑、委員間の意見交換、そしてこれらの議論の主要論点別の整理でございます。
主要論点の主な内容は、次のとおりです。
第一は「エネルギー安全保障」で、エネルギー自給率等を取り上げております。
第二は「エネルギー政策」で、エネルギー基本計画等を取り上げております。
第三は「再生可能エネルギー」で、主力電源化等を取り上げております。
第四は「イノベーション」で、水素・アンモニア等を取り上げております。
第五は「原子力政策」で、原子力をめぐる情勢等を取り上げております。
第六は「脱炭素社会」で、脱炭素化とエネルギー等を取り上げております。
そして第七は「人材育成」でございます。
本調査会といたしましては、以上を踏まえ、更に調査を進めてまいりたいと考えております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/53
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054・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 本日はこれにて散会いたします。
午後零時八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121315254X02520240607/54
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