1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和七年四月二十二日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
四月二十一日
辞任 補欠選任
梅村みずほ君 片山 大介君
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出席者は左のとおり。
委員長 牧山ひろえ君
理 事
田中 昌史君
長峯 誠君
森屋 宏君
古賀 之士君
片山 大介君
委 員
越智 俊之君
加藤 明良君
北村 経夫君
古賀友一郎君
松村 祥史君
宮本 周司君
辻元 清美君
村田 享子君
石川 博崇君
竹内 真二君
礒崎 哲史君
岩渕 友君
平山佐知子君
国務大臣
経済産業大臣 武藤 容治君
事務局側
常任委員会専門
員 山田 千秀君
政府参考人
文部科学省大臣
官房審議官 福井 俊英君
経済産業省大臣
官房審議官 田中 一成君
経済産業省大臣
官房審議官 奥家 敏和君
経済産業省商務
情報政策局長 野原 諭君
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本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第一一号)(衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/0
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001・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、梅村みずほ君が委員を辞任され、その補欠として片山大介君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/1
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002・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/2
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003・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に片山大介君を指名いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/3
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004・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省大臣官房審議官福井俊英君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/4
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005・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/5
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006・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) 情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/6
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007・片山大介
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。どうぞよろしくお願いします。
私、至急で、ちょっといろいろありましてあれなんですけど、私、国会議員になって九年なんですけど、実は経済産業委員会で質問するの初めてなんです、今日が。ですから、もう大変今日は光栄な気持ちで、しかも大切なテーマの法案審議ですから、しっかりやらせていただきたいと思います。
今回の法案は、最先端の半導体の安定的な生産と、そしてAI向けのデータセンターの整備促進、そしてデジタル人材の育成を推進しようというもので、また、その財源確保のために、去年十二月に閣議決定されたAI・半導体産業基盤強化フレームとしてエネルギー特会に新たな勘定を設けようというものですね。
いろいろな論点はあると思いますが、ちょっと時間も私そんな長くないので、やっぱり、この中でも一番注目されているやっぱりラピダスへの支援について話を聞いていきたいと思います。
ラピダスが二〇二七年度からの量産を開始をしていこうということで今進めていますが、今月一日に試作ラインが稼働し始めたということなんですが、その二〇二七年度の二ナノの次世代半導体、次世代最先端の半導体の量産に向けて現在その試作ラインが稼働した、この進捗状況、これ教えてまずいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/7
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008・野原諭
○政府参考人(野原諭君) お答え申し上げます。
ラピダスプロジェクトでは、アメリカのIBMのアルバニーのサイトに最大約百五十名のエンジニアを派遣をいたしまして、imecなどの海外トップの研究機関、それから半導体装置メーカーを始めとするパートナーとも連携をいたしまして研究開発を進めてきているところでございます。
こうした技術開発の進捗につきましては、先月、外部有識者による審査を実施した結果、技術開発進捗が順調であると評価されたため、追加の支援を決定し、今月より千歳のパイロットラインの立ち上げが開始されております。今後、量産に向けまして、歩留り改善が重要となりますが、独自の、ラピダス独自のですね、枚葉式を活用した短納期製造による迅速な歩留り改善も期待されているところでございます。
引き続き、経済産業省といたしましては、外部専門家の意見も踏まえつつ、適切なマイルストーンを設定し、その達成状況等を確認しながら、プロジェクトの成功に向けて全力で取り組んでまいりたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/8
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009・片山大介
○片山大介君 その次世代の半導体というのは、膨大な計算を瞬時にかつ省エネで実現していこうというので、これからの生成AI、それから自動運転技術など、そういった最先端の技術に必要不可欠で、欠かせないものだというふうによく言われて、まあそのとおりなんだろうというふうに思います。
ただ、この二ナノの次世代半導体、御存じのように、世界の企業ではまだ量産化したことがなくて、TSMCがようやく今年から量産を始める体制整えようかというような話ぐらいなんだと思いますけど。あと、日本の場合は、これまでなかなかそうしたものにたどり着けなくて、たしか四十ナノの世代の半導体で止まっていると言われている。
そうした中で、今回この二ナノ世代のものをやる、目指していくというのは若干、かなり頑張るところなんだろうなというふうには思いますけれども、じゃ、この二ナノ世代でないと、今、今回そこを目指すという理由、改めてこれも教えていただきたいんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/9
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010・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 最先端半導体は、DX、GXなど産業構造が大きくパラダイムシフトを迎える中、生成AI、自動運転等に不可欠なものでございます。経済安全保障上も重要であり、グローバル需要も特に増大するというふうに見込まれております。
現時点で三ナノまでの実用化は進んでおりますけれども、半導体の微細化は計算の性能の向上と消費電力の削減を同時に実現するものでございまして、AIの需要に伴って増加する情報処理の消費電力を抑制するためには二ナノ世代の半導体の量産、実装が必要になってまいります。加えて、今後市場が拡大すると見られている自動運転、AIロボティクスなどエッジ向けの用途ではデータセンターよりもより省エネ性能が優れた半導体が必要となることから、二ナノ世代の半導体が必要だという面もございます。
二ナノ世代で用いられる技術は、三ナノよりも古い世代の技術とは半導体の基本的な構造に大きな違いが存在しております。製造技術も大きく変わるため、競合他社の先行優位が小さく、新規参入者にとってみると大きなチャンスがあると、そのように考えております。こうした観点から、経済産業省では、二ナノ世代の次世代半導体の製造基盤構築に向けてラピダスプロジェクトを支援しているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/10
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011・片山大介
○片山大介君 その四十ナノ、日本の場合は、四十ナノで止まっていて、今回二ナノを目指すというけど、これ技術的に聞くと、何か十数年以上の開きがあるというんですよね。それで、TSMCでまだこの量産ができていない二ナノ世代にいきなりやるというのは若干無謀だという指摘も確かにある。そこを目指すというのも確かにいいのかもしれないんですけど、ただ、これ素人的に考えると、じゃ、これステップ・バイ・ステップ的なことはできなかったのかというのは若干思うんです。
やはりこの次世代半導体の開発、最先端の半導体の開発にはやっぱり兆単位のお金も掛かるから、そこはある程度リスクヘッジというんでしょうか、リスクを減らしながらやっていくというのは必要な感じもしていて、例えば今言われたような、その一つ前、二つ前、例えば五ナノだとか三ナノだとか、そうした半導体の量産をまず実現して、まずそこに着手して、成功して、その上で二ナノの半導体を目指していくというか、その頃にはもう一ナノということも何か目指すような企業も出てくるかもしれないんですけれども、そうした形で着実にやっていくという方が計画性もあっていいんじゃないかというふうに思うんですが、ここら辺はどういうような考え方なんでしょうか。教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/11
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012・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 委員御指摘のような考え方もあるかもしれません。例えば、TSMCの歴史でいきますと、古いノードで市場参入してから十年掛けてインテルと競争するようになったわけでございまして、そういうアプローチというのも考え方としてはあるかもしれません。
ただ、先ほども申し上げましたように、三ナノから二ナノのところで技術上のジャンプがあるということで、先行している事業者も新しい作り方をやはり習得しなきゃいけないということで、ここは新規参入者が参入しやすいという面もありますし、三ナノ、五ナノについてはこのTSMCやサムソンが既に量産化しているわけでございまして、そこへ後から入っていくというのは、既にもう量産技術を確立してビジネスをやっている方のところに後発で入っていくのは非常に不利でありますので、そういうことも考える必要があるかと思います、そういうこと。
それから、これ熊本県の木村知事が熊本のTSMCの三号棟の誘致を表明されていますが、二号棟が今六ナノまでカバーしていますので、次、三号棟の議論をするといったときには、この委員御指摘の三、四、五ナノのところをどうするかというのが一つ大きな論点になるわけでございまして、そういったことを総合的に考えまして、これは二ナノについて、これはTSMCの世界戦略としても最先端のところは台湾島で、その時点では台湾島でしか作らないという方針を安保上取っているわけでございまして、世界最先端のところにチャレンジしようとすれば自力で頑張って、ある程度自分たちで頑張らないと参入できない、そういう構造になっていますので、世界最先端のところへ挑戦して成長する半導体産業、世界市場の中で、日本は、半導体産業を日本の基幹産業にしようとすれば最先端のところへチャレンジする必要があると、そのように考えまして、このような政策を取っているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/12
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013・片山大介
○片山大介君 そうすると、そこをもうちょっと聞いていきたいんですけど、だから今、千歳の工場では既に今月から試作ラインが始まったというふうに言っているわけですよね。じゃ、この試作段階で、これやっぱり二ナノって、いきなり二ナノに日本は飛ぼうとしているわけですから、二ナノのこの半導体の製造がうまくいかなかった場合、ということはそれはどういうふうに考えていけばいいのか。今のように三とか五とかではなくて二なんだと、ここを目指すことはいいと思うんですが、ただ、実際にそれができなかった場合はどのような、もう少し、そうした場合は多角的な検討に変わっていくのかどうか。
それで、あとは、二ナノ目指すための、じゃ、一番のネックというのはやっぱり何なのか。それは技術でもそうですけど、やっぱり投資の面なのか、お金の面なのか、それも含めて併せて教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/13
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014・野原諭
○政府参考人(野原諭君) ラピダスプロジェクトの進捗は、これまでも、研究開発プロジェクト、毎年、外部の有識者の方々にマイルストーン、進捗状況を点検いただいて、順調に進んでいるということで次のステップについての予算を追加してきているわけでございますが、今回の法律で手当てをしようとしている量産投資についての金融支援についても、産業構造審議会に次世代半導体小委員会つくりまして、そこで、半導体の経営技術、それから株式市場、資金調達の専門家の方々に入っていただいていまして、彼らに、実際のラピダスの、ラピダスというか、この申請が出てくる事業者の計画を審査いただき、その進捗点検についてマイルストーンを設定して、その進捗がちゃんと進んでいるかということを点検いただきながら、その後の支援について必要な、見直し等が必要かどうかということも御審査いただくことになるわけでございまして、こういう進捗点検の仕組みによって、必要な対応が逐次きちっと取られていくように確保していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/14
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015・片山大介
○片山大介君 私が聞いたのは、だから、もしうまくいかなかったときというのはどうなるのかという、そこら辺はどんなふうに考えているんですか。それはあり得ないということなのか、教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/15
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016・野原諭
○政府参考人(野原諭君) それは、進捗を点検しながら、必要な、見直しが必要なところ、てこ入れが必要なところは逐次、外部有識者の方々に点検いただきながら、指示をして、検討いただいて、取組を進めていくと、そういうことになろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/16
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017・片山大介
○片山大介君 だから、そういう意味では、なかなか、ほかの選択肢はなく進めていかなきゃいけないということなんだと思います。
だから、研究開発で二兆円、あと量産体制で三兆円ぐらいなのかな、だから、合わせると五兆円ぐらい掛かるという感じなんだというふうに思いますけど、この額の規模の大きさ、これはかなり、これ国が出す金としては大きいんですけど、これに対する責任等も発生してくるんだと思いますけど、そこら辺はどのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/17
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018・野原諭
○政府参考人(野原諭君) しっかり進捗点検をしながら成功するように導いていくということが、そういうことによって責任を果たしていくというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/18
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019・片山大介
○片山大介君 あと、この法案が、やっぱりそれ、国会の審議で通って法案可決されたら、更に今後その一千億の投資が可能になるだとか、あと政府の債務保証だとかというのが付いてくる。そういう意味では、我々、もしこの法案が通ったとすれば、これやっぱり、国会に対する報告義務というか、国会の監督というのもすごく大変な、大切な要素になってくるんですが、そこはどのように考えているのか、それをきちんと教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/19
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020・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) 片山委員、よろしくお願いいたします。初めての、今日答弁させていただきます。
委員おっしゃるのももっともな話だと思います。私どもも、この大臣職になる前は半導体議連も入っていましたし、世の中の趨勢として、これはラピダスというか、要するに、次世代半導体の開発に向けてやはりこれは政治が動くというときなんだろうということは勉強してきましたけれども、おっしゃられるとおり、まず四月から、今回やっとパイロットラインが始まるということで、これを見ながらしっかりと、税金をつぎ込むわけですから、それも破格の数字を言っているわけですから、これはしっかり国民に説明責任を果たすということが当然大事だというふうに思っています。ですから、これは衆議院の方でもいろいろと皆様から御意見もいただいて、そういうことも踏まえてこれ進めていかなきゃいけない話が一つ。
そして、実を言うと、この次世代半導体って、今の三ナノと二ナノどう違うのという、この単純なところであると思います。ただ、今局長からもお話ありましたように、野原さんから話があったように、非常に技術そのものが大分ステップアップして全く変わってきている。それを、これまでの我々日本のいわゆる半導体メーカーの凋落も含めて、そういう反省の中で新しい技術をどう物にしていくのかというところをずっと丁寧に、慎重にこれもいろいろ議論をしてきているところです。その中で今回この法案を出させていただいて、一千億の融資というものもありますし、政府として、一歩前へ出すというか、二歩も三歩も前に出ながら、とにかく民間と一緒になって頑張って、日本の強いところを残さなきゃいけないということだろうと思います。
半導体そのものは、やはり、TSMCも台湾のメーカーであり、そしてサムスンは韓国であり、日本がないんですね、今正直申し上げて。ないと言っちゃ語弊がありますけれども、普通のメモリーだったり、そういうところの半導体の強さはありますけれども、まあ残念ですけど、このいわゆるロジック半導体というところが極めて我々からすると薄い存在になるわけです。
これを今、これから次世代の自動車ですとか、いわゆる自動走行ですね、それとか、例えばロボット、そしてドローンとか、様々なところでまさに次世代の半導体が強力にこれが必要になっていく世の中、急激にこれから増えてくるということです。特に、委員おっしゃられたように、この生成AIと、この進歩が目覚ましく速いんですね。そうなりますと、データセンターの活用とかなると、これはもう半導体のこれから命運を懸ける、要するに、世界から日本はこれからも買っていくのか、あるいは日本でちゃんと作れるようにそれはなるのかという、まさに時代のちょうど今はざまに入ってきているというところだと思います。
今回、衆議院の方でも大変皆様から御議論いただいて、参議院でもまた熟議の国会として御議論いただきたいと思います。しっかりとした法案にして、いずれにしても、国民に御理解を得ながら、そして国会も、それは当然ですけど、そういう意味の中で御理解を得た上でこれを進めていかなきゃいけないんだろうと思います。
そういう形の中で、今の御質問、定期的に国会に報告をすべきではないか、これはもう当然のことでありまして、多額の公金、これは答弁ありますけれども、事業の進捗状況、これは適時適切に公表することが重要だというふうに考えているところです。
また、衆議院の附帯決議の趣旨も踏まえて、本法案に基づく選定事業者については、例えば量産開始までの間、三月に一回ですね、これをめどに国会に進捗を御報告をし、公表していくことを想定しているところでもあります。報告、公表する内容につきましては、透明性を確保する観点、そして個社の競争上の優位性を阻害することがないよう事業者のビジネス上の機密事項等に配慮する観点とのバランスをよく取りながら、どのような内容が適切か、検討してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/20
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021・片山大介
○片山大介君 大臣、丁寧な答弁ありがとうございました。
それで、これ、その二ナノの半導体が量産ができた、まあ成功したとして、じゃ、そうすると、その先の需要がどうなのかというのが私はやっぱり知りたくて、その中でも特に国内の需要はどうなのだろうかと。
実は、私は今、内閣委員会の方に所属していて、本来は、そっちの方ではこれからAI法というのがあるんですけれども、実は日本はAI先進国じゃないんですよ。だから、生成AIをもっともっと呼び込まなきゃいけない、海外からも含めてね。だから、どんどんとそのイノベーションを起こしていかなきゃいけないというんだけど、なかなか今、日本は、とてもじゃないが、そういう状況じゃないわけですね、海外に遅れている。
そうすると、この二ナノの半導体、生成AI向けというのが一つの大きな柱になっているんだけれども、じゃ、できた後は、これ海外への輸出が主になってしまうのか。いや、だけど、せっかくこれ、国内でこれ作るんだったら、国内でやっぱりどんどん使ってもらわなきゃいけないし、そして生成AIだとか自動運転だとか、これ日本の国内の産業活性化にもっともっと寄与しなきゃいけない。そこの計画はどう立てているのか。
それで、今回ここで質問することになって、情促法を見たら、第一条の目的規定には、国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に資すると、こう書かれているんです。まさにこれは国内できちんと地産地消をやっていくということが必要なわけで、そこまできちんと計画に入れて考えていらっしゃるのか、そこはどのようにお感じなのか、教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/21
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022・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 七ナノ以下の最先端領域の需要は、グローバルで見ると、二〇二二年七兆円から二〇三〇年五十三兆円まで伸びる見込みとなっておりまして、特に二ナノ以下の半導体、生成AI、委員から御指摘があったように、生成AIの普及、その利活用の拡大に伴って国内外の市場規模は急速に拡大していく見通しでございます。
そういうのをしっかり踏まえまして、国内でもラピダスとプリファードネットワークス、さくらインターネット、さくらインターネット、データセンターの会社でございますが、の間でグリーンな国産AI計算基盤の構築に向けた提携が発表されるなど、国内の顧客開拓についても着実な進展が見られております。まだ発表になっていませんけれども、複数の国内の企業との間でラピダスのチップの利用について具体的な議論が進んでいるということも承知しております。
経済産業省といたしましては、自動車、通信等の先端半導体の設計開発支援も行っておりまして、こういった取組を通じて、国内のユーザーサイドの需要の創出についてもつなげていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/22
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023・片山大介
○片山大介君 もう時間なくなってきたのであれですけど、例えば、TSMCはエヌビディアと組んでいるというか、あれなんですよね。だから、そうしたその顧客が、有力な顧客を持って、その顧客がそれをいろいろ使っていってくれるということが大切なんですけど、今、じゃ、聞くと、まあ言えないけれども、幾つかそういったものも日本、ラピダスとしては今進んでいるということでよろしいですね。
これはすごく大切な、顧客をどう獲得するかというのがこのロジック半導体は特に大切なんですけど、そこはどんな感じか、最後、言えるところまで言っていただいて、今日は終わりたいと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/23
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024・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 参考人でラピダスの小池社長が、三十社、四十社との商談をしているというような説明がここでありましたけれども、発表になっているものは、先ほど申し上げたプリファード、それからさくらインターネット、海外の企業でいきますとIBMとか、あるいはテンストレントというアメリカの新興半導体設計会社とかになりますが、まだ発表前で、具体的な議論をして商談が進んでいる会社も複数ございます。それもまとまってくればいずれ発表になると思いますけれども、具体的な商談が進んでいますので、今年のテストラインでテストチップを作りますので、そのデータをもってして、具体的な商談をもっと前へ進めて、お客さんの獲得、発表につなげていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/24
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025・片山大介
○片山大介君 TSMCやサムソンなんかに比べて、やはりまだラピダスは本当に新興企業という形ですから、是非その顧客をつかむのを含めてしっかりやっていただきたいと思います。
残りは、あさってまたやりたいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/25
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026・礒崎哲史
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。どうぞよろしくお願いをいたします。
まず、今回のこの法案、メインは最先端のロジック半導体、二ナノレベルのですね、最先端のものを国内で作れるその生産基盤をつくり上げていくということで、昔、非常に世界シェアも高かった日本の半導体の強さ、それをいま一度取り戻していくという、そういった思いの下にこうした施策が進められていると、そのようにまずは承知をしています。
そういう中で、これ、本会議の代表質問の中でも大臣にお伺いしました。産業構造、今後のあるべき産業構造はどう考えているかということで大臣にもお伺いしたところ、やはり過去の失敗の要因ですね、自前主義の垂直統合型、これが世界的な潮流の水平分業型、こうしたものに対応し切れていなかったという、こうしたことも踏まえて、今後の産業構造、あるべきものというものも御説明をいただいたという次第であります。
その意味で、この最先端のロジック半導体、今、片山委員とのやり取りの中で今後の市場拡大のお話もありました。もう絶対外せないものであり、やはりこれをしっかり押さえていくということ、これが重要だということで、そこはもう認識としては共有です。
ただ、半導体産業というもの全体で見たときには、別にこの最先端ロジック半導体だけではなくて、それ以外にも様々な分野があるということも一つ改めて押さえておくべきだというふうに思っています。それこそ、日本がこれまで強いというふうに言われていました素材の分野ですとか、まあ前工程の部分ですね、あるいは装置の分野というものもあります。さらには、半導体の中にも、ロジックだけではなくて、メモリーもあれば、マイコンもあれば、パワー半導体もあればということで、幾つかの種類がある。その中でも日本の強みをいまだにある程度維持できている半導体もあるというふうに認識をしています。
その意味では、じゃ、半導体産業という大きなくくりで見たときに、この半導体産業そのものを日本としてどのように、その強みを生かしていくために、そして最先端も含めて伸ばしていくように、半導体産業全体としてはどのような全体像、方向性を持ってこの後進めていくというふうに政府としてお考えなのか。それこそ、今産業の米と言われて、経済安全保障すら関わるんだというふうに言っているということとすれば、半導体産業そのものがしっかりと太く、どんと成長していくという絵姿を描かないと、結果として一部分だけ頑張っても駄目になるんではないかというちょっと危機感を持ちながら、全体像、方向性として今どんなことをお考えなのか、その点をまず確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/26
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027・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。まさに半導体産業の方向性、全体像についての御質問だというふうに思います。
経済産業省では、一昨年の六月に改定をしました半導体・デジタル産業戦略というものがありますけれども、我が国半導体産業の復活に向けて、製造装置や部素材を含めて、三つのステップアップというものを掲げて政策を展開する戦略をしておるところであります。
まず、ステップワンとしては、国内の半導体の生産基盤を確保し、サプライチェーンの強靱化を図るべく、TSMCのような半導体や装置、素材に関する投資を支援するというものがあります。そして、ステップツーでありますけれども、次世代技術の確立に向けて、いわゆるラピダスプロジェクトを始めとして、米国等の有志国とも協力をしながら研究開発及び量産体制構築を確実に進めるというものです。最後に、ステップスリー、これが、二ナノ以降の世代や、また将来のゲームチェンジャーであります光電融合等、更なる将来技術の研究開発を支援していかなきゃいけないということだろうと思っています。
これらに加え、各ステップの基盤として、自動車分野等における先端半導体の利活用の促進に向けた設計の支援とか、あるいは半導体人材の育成、また周辺インフラの整備等にも引き続き取り組んでまいるところであります。
この戦略実現に向けて、複数年度にわたり大規模かつ計画的に重点的投資を支援する、いわゆるAI・半導体産業基盤強化フレームを策定したところであります。これによりまして、民間の予見可能性を高め、今後十年間で五十兆円を超える官民投資を誘発しつつ、十五兆円の国内企業による売上高目標を達成してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/27
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028・礒崎哲史
○礒崎哲史君 今大臣からスリーステップあるということで御説明いただきました。
海外でいけば、全てを、今大臣からお話を伺ったところでいくと、やはり、この生産基盤ですね、これを基軸にして成長させていくというふうに今受け止めた次第です。
そんな中で、例えば、アメリカなんかでいけば、製造の部分は、もちろんIBM、強いところもあるんですけれども、その一方で、エヌビディア含めたやはりこの設計、ファブレスの部分に非常に強いという特徴があろうかというふうに思います。
これも大臣の本会議の答弁でありましたけれども、今、海外のトレンドですね、そういうのでいくと、自社製品に最適化された専用半導体を自ら設計するという、こういう流れもあるということからすると、こういった設計分野というところ、こうした部分を伸ばしていくという観点でいくと、今御説明いただいたステップでいくと、三つ目のステップに入っているのかなというふうにも思ったんですけれども、そういう部分も含めて進めていくのかどうか、いま一度確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/28
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029・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
まさに、先ほどラピダスの関係で需要の御議論いただきましたけれども、まさにステップツーのところでも、先端半導体、ここの需要を開拓していく、需要を開拓するということは使い手を育てていくということですね。例えば自動車でありますとか、そういったエリアの設計能力を強化するための支援というものを行っています。
さらに、御指摘いただきましたステップスリー、こちらに向けては、LSTCというような技術組合で更にその先の先端半導体の設計を行う人材を育てていこうということで、ステップツー、ステップスリー、視野に入れた形で設計のところについての支援も行っていくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/29
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030・礒崎哲史
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
もう皆さん御案内のとおり、この製造の部分に関して、ファウンドリーに関してはTSMCが世界でももうトップを今走っているということ。ただ、それに対して、ファブレス、この設計の分野においてエヌビディアが非常に力を更に強めていて、エヌビディアの設計でTSMCが製造するというのがもう今ほぼ機軸になってきていると思うんですね。そうすると、それに対抗できる設計あるいは製造というものを本当につくれるのかどうかというのは、世界がきっとこれ、チャレンジしていくということになるんだというふうに思います。間違いなく、この二社が今機軸として業界動いていると思いますので、ここに向けてチャレンジしていくという今意思をすごく感じた答弁だというふうには思いました。
ただ、非常にそういう意味ではハードルが高いところではありますけれども、是非頑張っていただきたいというふうにも思いますし、何よりも、そういう意味では、しっかりと人材育成していくということ、これも大変重要だと思いますし、また、過去失敗した、それが自前主義にまた入り込んでしまいますと、自分たちの中でということになってしまいますので、そこのところは過去の失敗を生かしながらしっかりと進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。ちょっとまずその点、一点確認をさせていただきました。
それと、あともう一つ、これ産業の持続的発展についてという観点での質問になるんですが、先日の参考人質疑において、ラピダスの小池社長、参考人で来られていましたので、小池社長ともやり取りをさせていただきました。これはもう衆参で小池参考人出席されましたので、衆参でも同じような話が出ていたんですけれども、やはりこの半導体製造していく上では初期投資が本当に多額に掛かるというお話でした。改めて確認しましたけれども、露光装置ですね、これEUVの機械が大体三百億から五百億、一台当たり三百億から五百億で、これを何台も一つの工場で入れないといけないというお話でしたし、それ以外の装置においても、昔数億円だったものが大体今、一台当たり五十億とか、場合によっては百億ぐらい、で、それをまた何台も入れていかなきゃいけないということで、一つの工場、まず半導体を作る工場を造るのにとてつもない金額が掛かるというお話でした。
そこで、私、思ったのは、じゃ、それだけの多額の資金をそもそも、一企業あるいは民間だけでそもそも準備できる産業なのかどうかというのがちょっと頭に疑問として浮かびました。ましてや、今の二ナノの段階でそれだとすると、今後、一・四ナノとか一・二ナノですとか更に微細化していく、多重高層化していくなんという話になってくると、これ装置だけで一体、装置だけで一台当たりもう八百億とか、場合によっては一千億なんて話が将来的に出てくるんじゃないかと。そうすると、これ産業としてそのお金を自分たちで準備するということが果たして可能なのかどうかというのが頭に浮かびました。
そうすると、この産業は、新たな設備投資をする、企業として成長していく、その都度政府からお金をやはり借りる、あるいは融資を受けるということをしないと、この産業そのものというのは前進していかないのではないかなというふうにも感じました、考えました。
そこで、改めてちょっと政府にその点についてお考えいただきたいんです、お伺いしたいんですけれども、今後のこの半導体産業の持続的発展を考えたときに、政府から何らかの支援が欠かせない構造になるのではないかという点に関して、政府の現時点での認識をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/30
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031・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答えを申し上げます。
委員から御指摘ございましたとおり、先端半導体の製造能力の確保には初期投資、巨額な初期投資が必要ということでございます。
主要各国におきましても、その製造能力を自国に持ってもらおうということで、アメリカでは十四兆円ぐらい、中国では十七兆円ぐらい、こういった形の大胆な支援策を講じていると、こういう状況にございます。
〔委員長退席、理事古賀之士君着席〕
我が国におきましても、まさに本法案で現在御議論いただいております十兆円以上の公的支援を行うフレーム、これを構築して、適切に対象とフェーズに合った形で、補助金でいくのか、出資でいくのか、債務保証を打つのか、適切な支援策を組み合わせて支援していこうということで考えているということです。
例えばラピダスにつきましては、これは御指摘いただきました次世代半導体ということでございますので、国が一歩前に出る形で研究開発支援をしてきております。ただ、量産事業や二ナノ以降の一・四ナノとか一ナノの半導体に関する研究開発は、基本的には民間主体で実施すべきものであるというふうに考えています。今回の法案に基づく金融支援も、こうした考え方の下で、民間からの資金調達の拡大のために措置されています。
実際、TSMCは利益率が非常に高いということで、まさに先端分野について先行して、まさに必要なものを提供することによって利益幅が非常に厚い、それが次世代半導体の領域でもあります。ここを適切に回していくことができれば、しっかりとしたまた収益も確保して、次の投資に回していくというようなサイクルがしっかりとつくっていくことができれば、次の投資もまたしっかりと続いていくと。
いずれにしましても、半導体の関係は、次世代半導体以外でも、御指摘いただいている製造装置であるとか材料とか、幅広く産業の基盤を整えていくということをしていかないといけないということで、公的支援がなければ投資が行えないんじゃないかなどの、そういったものをしっかり精査して、優先順位を付けながら支援をしていきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/31
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032・礒崎哲史
○礒崎哲史君 今御答弁いただきました。
お隣の韓国では、サムスンが本当に強い企業ではありましたけれども、でも、その韓国も、サムスン強いんだけれども、そこに対して政府からの支援が今入ったりしているとすると、強い企業であってもやはり政府支援というのは欠かせないのかな、それが今韓国で起きているのかななんというふうにも思います。
今、TSMCのお話があって、自己資金でというお話はありましたけれども、なかなか、世界でいくと、そこまでうまく回っている企業というのはそう、特に最先端という観点でいくと、余り多くはないのではないかなというふうにも思いますし、今それ以外の分野でもというお話がありました。
恐らく、それ以外の分野、それこそパワー半導体ですとかメモリーですとか、仮にそういうところも、より高度な、より微細なものを求めていこうとすると、これもまたそういった製造装置を購入するのに、これまではやはり数億円だったものが数十億、場合によっては数百億となると、そっちの方もやはり今度は政府支援が欠かせなくなってくるのではないかということで、ネガティブに考えると、いろいろネガティブな要素が出てくるものですから、その点、今、ただ、政府からの支援の仕方にも幾つかのやはり種類があると。その都度その都度、やり方は状況に合わせてというような御答弁もありましたので、やはり産業の持続的な成長というものを考えたときに、政府支援として何があるのか。今もうまさに御答弁であったとおり、まずは民間の投資ですね、こうしたものをしっかりと促すことでということが基軸、基本だというふうには思いますので、そうしたことも是非意識しながら、今後の全体の持続的な成長に向けた経産省のお考えもまたまとめていただければと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
その意味で、次の質問は、まさに今回、この基盤強化フレームの中で二〇三〇年までに十兆円という、こういう政府支援をしていくわけなんですけれども、じゃ、今申し上げました持続的な成長に向けてということでいけば、政府が今回出資をする十兆円という規模のこうした資金に関しては、政府としては後でしっかりと回収できるという見込みを持って進めておられるのかどうか、その点のお考えについてお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/32
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033・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
まず、AI・半導体産業基盤強化フレーム、こちらにおける十兆円以上の公的支援につきまして、研究開発や設備投資に対する補助、あと委託、研究委託のようなものが含まれているわけでございますが、こういった支援につきましては、直接的な回収を想定しているわけではございません。ただ、AI・半導体分野の官民投資はやはり波及効果が非常に大きくて、地方経済の活性化などを通じて賃上げや雇用創出といった形で大きく貢献している、社会に大きく役に立っている、波及効果の観点でも期待がされるものだというふうに認識しています。
また、本法案に基づいて選定された事業者に対する金融支援のうち、例えば出資を行う場合には、対価として取得した株式を適切なタイミングで売却することで公的資金の回収もまた期待できるということで、そこは最大限頑張ってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/33
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034・礒崎哲史
○礒崎哲史君 最大限ということでお話ありました。
これも、参考人質疑で小池参考人とやり取りをした中で、小池社長からは、やはり国の支援は大切でということもおっしゃりながら、ただ一方で、できれば、我々としても将来においていろいろと考えることはあるけれども、できるだけ各世代ごとにという言い方をされていたんですけれども、だから、今回でいけば、二ナノの設備を整えていく上で政府からいただいている御支援、これについては回収していくという意思ですね、そういうお話は小池参考人からもありました。
ですので、出資してもらった方としては返していきますという意思表示はされておりますので、是非これについては、ただ単に回収するという意味よりも、じゃ、今回準備した十兆円というこのフレームでは、この資金を、また次にもし必要になるのであれば、またそういうところにも、転用という意味ではなくて、そういうところにまたしっかりと出していく。つまり、このお金はちゃんと生きたお金としてまた戻ってくるし、次につながっていくんだという、こういう考え方を持って進めていくのも一つの考え方かなというふうにも思いましたし、今言ったその波及効果の部分は、これはプラスアルファだと思いますので、プラスアルファ、十兆円の外枠だと私は思いますので、是非そうした形で波及効果もしっかり生まれるように進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
ちょっと時間なくなってきましたので、多分これ最後の質問になると思いますが、今の全体枠の話等も確認をさせていただいたんですけれども、そこで、今言った全体像を描きながら、では、今回、二ナノの最先端のこの半導体に向けた様々な施策進めていただいておりますけれども、今後更に政府としてこういう分野に対してしっかりと優先度を上げて取り組んでいくという、そのお考えについて確認をさせていただきたいと思います。あわせて、理由ですね、なぜそこなのか、その理由についても御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/34
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035・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。
今、先ほど来のお話で、TSMCが頑張っていると。我々は、今度、ラピダスというのが今頑張ろうとしています。今の回収の話もありますが、実を言うと、この前、エヌビディアの社長、CEOとも会ったんですね。やっぱり、これからの世界というものが、ますますこの半導体の需要が伸びる、これはまさに生成AIとか、ここがまさにすごい大きな変化のパラダイムがあるわけで、そういう意味でいうと、TSMC、もう利益率が高くて、今頑張っていますけど、そういう意味でいうと、エヌビディアも当然そういう意味で非常に高い利益率の中で、世界のナンバーワン、ナンバーツーぐらいになっているわけですね。ですから、そういう意味でいうと、やっぱり我々もこれからの先、じゃ、共存をできないのかというところを実はエヌビディアの方にも聞いたんですけど、もうとてもじゃない、一社では対応できないと。もうそのぐらいの大きなこれから時代の変化が起きるし、そういう意味では、日本も頑張ってくださいといって激励を受けたんですけれども。
そういう意味でいうと、今先生がおっしゃられるようなこの我々のこれから先というところの考え方というものは、まさに生成AI向けのロジック半導体や、電気の自動車、電気だけじゃなくて自動走行という形で様々にまたこれ変わりますので、そういう意味のところでいうと、先ほど先生からおっしゃられた、我が国は技術的強みを持っている、そういう製造装置や部素材も含めて、ここは設備投資の支援や研究開発支援等に取り組んできておりますし、これからもある意味ではやっぱり支援という形は必要になってくるんだと思います。これは特に差を付けるとかそういう話じゃなくて、産業を育てるという意味で経済産業省ではやっていかなきゃいけない話だと思っています。
今後は、国内製造基盤の強化というものを、まさに国内における事業創出、これが両輪として、やはり半導体の設計、最も我々が不足している設計、そして製造のエコシステムというものを国内に構築することが重要であるというふうに承知しているところです。
具体的には、半導体産業とユーザー産業を結ぶ設計能力の強化に向けた設計プロジェクトや、こうした取組を支える、これ最も大事なことかもしれません、先端の設計人材の育成、ここがまさに必要になってくるんだろうと思っています。
こういう形で、また、委員、先生方からも御意見いただきながら前に進めていく、何よりもやはり、国民の理解を得ながらやっぱり進めていくということが大事だというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/35
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036・礒崎哲史
○礒崎哲史君 終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/36
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037・岩渕友
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
今日は、ラピダスの設立の経過について確認をしていきたいと思います。
初めに、大臣に確認をしたいんですけれども、法案の第六十三条第二項第七号にある選定事業者、この選定事業者というのはラピダス一社を想定しているということでいいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/37
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038・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) 今回の法案に基づく金融支援の対象事業者の候補につきましては、これまでラピダスに対して一・七兆円超えの研究開発支援を決定してきております。同社による研究開発が順調に進捗していることも踏まえながら、ラピダスを念頭に置いていることは事実であります。
一方で、法案成立後に支援対象の事業者を実際に決定する際には、法令にのっとって公募を実施し、事業者から提出をされた事業計画等を精査をしつつ、外部有識者の意見を踏まえた上で選定することになります。こうした公募選定プロセスを経て公平、透明に事業者を選定することになるため、現状ではラピダスが支援対象に、事業者になると決定したわけではございません。
ちょっと質問が違いますね、失礼しました。そういうプロセスです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/38
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039・岩渕友
○岩渕友君 決定してはいないけれども、念頭に置いていると。まあそうじゃないと困るというか、それを前提に議論を進めてきているのでね。結局は否定はされていないと。だから、選定事業者はラピダス一社を想定しているということになるわけですよね。
それで、このラピダスの設立の経過について、四月四日に行われた衆議院の質疑で、我が党の辰巳議員が、NHKのエグゼクティブディレクターである片岡利文さんという方の、ラピダス、日本の製造業復活へ最後の勝負というルポについて紹介をいたしました。きっと大臣も覚えていらっしゃると思うんですけれども、このルポは二〇二三年一月に発行をされたもので、片岡さんという方は、先日参考人として来ていただきました小池社長とも二十年来の付き合いだということなんですね。
辰巳議員は、このルポの中からラピダスの設立に関わるところを時系列で紹介をしているんです。ところが、その紹介をしたときに、答弁に立った野原局長が、今御紹介あったスケジュールというかクロノロジー、少し間違っている、事実関係は間違っているんじゃないかと思いますがというふうに答弁をされたんです。
それで、野原局長に伺いたいんですけれども、どこが間違っているのかと、間違っているということであれば、事実関係がどうなっているかということについて教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/39
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040・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 四月四日の辰巳議員との質疑におきまして、二〇二一年五月頃の半導体戦略推進議員連盟、これ自民党の議連ですけれども、で、小池氏からラピダスのファウンドリー構想について七兆円が必要であるという説明があったこと、二〇二一年五月当時の商務情報政策局長、私の二代前の局長になりますけれども、からやりましょうと答えたというふうな記事の御紹介がありまして、二〇二一年五月にこういうことがありましたねと辰巳議員からお尋ねがありましたので、この点については時期も内容も事実でないというふうに考えておりますので、そのように御答弁を申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/40
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041・岩渕友
○岩渕友君 時期も内容も違うということなんですけれども、だったら時期はいつなのか、内容はどういうことなのか、その事実関係はどうなっているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/41
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042・野原諭
○政府参考人(野原諭君) そのときも辰巳議員に御答弁申し上げたように思いますが、私がこの商務情報政策局長に着任したのが二〇二一年十月でございまして、私の記憶によりますと、前任者からの引継ぎで、このプロジェクト、ラピダスプロジェクトやることになっているからという引継ぎを受けた記憶がございません。その後、その担当、当時の担当課長から検討状況の説明を受けたと思いますが、マウントフジチームで研究しているという話で、その後どうするかということについては決まっていなかったというふうに私は記憶しております。
そういう意味で、この二〇二一年五月の、お尋ねの時点においてそのようなやり取りはなかったというふうに認識をしております。
私が局長になった以降、このラピダスプロジェクトの具体化については議論が進んでいったというふうに記憶しておりますので、そういう意味で、二〇二一年ではなくて二〇二二年のどこか、一月からラピダスが発表される十一月までの間に議論が、具体的な議論がなされていっただろうというふうに記憶をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/42
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043・岩渕友
○岩渕友君 局長としては、二〇二二年の一月から十一月までの間でそういう話があったということなんじゃないかということだったんですけれども、確かに今御紹介いただいたように、局長はそのときの答弁で、私がこのポストに来たのが二〇二一年の十月ですので、その時点で経済産業省としてこのプロジェクトをやると決まっていたという認識はありませんというふうに答弁をされているんです。だから、ルポの事実関係って非常に重要だというふうに思うんですね。
なので、この衆議院で紹介された部分を含めて、このルポの内容を今日は確認をしていきたいなというふうに思うんです。
〔理事古賀之士君退席、委員長着席〕
ラピダスの法人としての設立は二〇二二年の八月十日です。その二年ほど前の二〇二〇年に、アメリカのIBMの最高技術責任者のジョン・ケリー氏という方が、東会長とこれは長年の友人だということですけれども、このジョン・ケリー氏から東会長の方に話があったと。
その話の内容は何かというと、二ナノ世代の微細化加工技術による、まあGAAというんですかね、という集積回路を是非実用化したいのでパートナーになってくれる半導体メーカーを日本で探してほしいと、こうした御依頼だったそうです。
東氏は、かなり大きな話だし、日本の半導体産業にとってもチャンスなので、経産省にも協力を仰いでメーカーに当たってきたのだが、色よい返事をくれるところは一社もなく、断られてしまった、頑張ったけど駄目でしたでは余りにも情けないし、ほとほと困っていたときに、小池さんに相談してみようという話になったというんですね。
ということで、二〇二〇年の十一月に東会長から小池社長に声が掛かって、十一月二十五日に小池氏が赤坂の東京エレクトロンの本社に東氏を訪ねたと、呼ばれて訪ねたと。そうすると、そこに経産省の審議官がいたというふうにあるんですね。
この場に経産省の審議官が同席をしていたというのは事実でしょうか。確認をします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/43
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044・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 委員御指摘の件は、保存期間が過ぎているため記録は残っておりません。
それで、二〇二〇年十一月二十五日の時点での商務情報政策局の担当審議官、恐らく三浦章豪だろうと思いますので、本人に確認をいたしました。そうしたら、日付、具体的な日付と、四年半前の会議だったものですから、会議の内容については記憶がないと。ただ、そのルポにあるように、東京エレクトロンの本社で東さんと小池さんにお会いしたことはあったと思うと、こういうふうに言っております。確認できたのはここまでです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/44
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045・岩渕友
○岩渕友君 ということは、同席はされていたと。ただ、どういう趣旨で何のために同席をしていたのかということは確認できなかったということになるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/45
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046・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 顔ぶれからすると、東さんと小池さんと経産省の担当審議官が会っていたということなので、半導体に関するやり取りだったんだろうというのは推察はできますが、四年半前の会議なので、本人がその四年半前の会議の中身で何を議論したかは覚えていないというふうに言っていますので、まあ自分のことを振り返っても、四年半前の会議に何がそのとき議論されたかって思い出せと言われても思い出せないこともありますので、それはしようがないかなというふうに認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/46
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047・岩渕友
○岩渕友君 中身は確認できないと、だけど、同席していたということは事実なのかなということだということですね。
それで、さらに二〇二一年の三月九日、小池氏と東氏が経産省の商務情報政策局情報産業課の課長を訪ねて、この新ファウンドリー構想を話したというふうにあるんです。まあラピダスプロジェクトのことですよね。当時、経産省はTSMCの誘致に動いていた時期だったとあるんです。TSMCの誘致はそれとして、より最先端の技術を持つファウンドリーをアメリカとの連携の象徴として国内に実現する意義は大きいのではないか、経産省にとってもTSMCの誘致に続く二の矢のシナリオはいずれ必要になる、こうした話をされたようなんですね。
そこに同席をしていた課長、同席というか訪ねていった課長ですよね、課長は、いいんじゃないでしょうかと、プランを前向きに検討すると約束をしたことを受けて、その日の小池氏のメモには、経産省アグリーメントというふうに書かれていたということなんです。つまり、同意を取り付けたというふうに思ったということなんですよね。
この東氏と小池氏から説明を受けた商務情報政策局情報産業課の課長が、このいわゆるラピダスプロジェクトについて前向きに検討をするんだと、こういう約束をしたのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/47
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048・野原諭
○政府参考人(野原諭君) これも、今委員御指摘の件について、保存期間過ぎているんで記録が残っていないんですけれども、当時の情報産業課長、二〇二一年三月九日時点の情報産業課長に直接確認をしてみました。そうしたら、政策の検討のため、日頃より半導体の有識者の方々と意見交換する一環で、東哲郎さんとか小池淳義さんとも意見交換をしたことは事実だと思いますと。ある程度の頻度で意見交換はなされていたようであります。
四年以上前のことで、具体的な日付と具体的なやり取りは覚えていないということなんですが、ただ、このタイミングが二〇二一年三月という話なので、その時点でラピダスを事業体として立ち上げる構想が具体的に議論されていた時期ではないわけでございまして、この二〇二一年三月という時点から考えますと、当時、産総研に、先端半導体の前工程とかTSMCの先端後工程の研究センター、つくばにも誘致していますけれども、この辺の議論をしていた時期、研究開発プロジェクトについて議論していた時期なので、そういうその半導体に関する実態、技術開発について幅広く意見交換をしていたんではないだろうかと。ただ、時点からすると、その時点でラピダスというその事業体を立ち上げるという話は具体的に議論になっていなかったわけでありますから、その議論を具体的に深く議論したとは考えられないというような、そういうような返答でございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/48
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049・岩渕友
○岩渕友君 そうすると、ラピダスプロジェクトについて経産省の課長が同意したと、小池さんが言うように同意したと、アグリーメントだと、いいんじゃないでしょうかと言うことはなかったということだということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/49
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050・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 片岡さんの本、私も拝見をいたしましたけれども、片岡さん、元々プロデューサーで、番組を作るのが専門の方でございまして、ラピダスプロジェクトを応援したいという趣旨で本を書かれているんだと思うんですけれども、その一つ一つの詳細な事実認定のところは、記者出身ではないこともありまして、少し事実関係としてはちょっと、あれっ、これおかしいんじゃないのというところはところどころ事実認定としてありまして、そういったところはあるなというふうに思っていますので、そういう意味では、そういうその事実、詳細な事実関係のところが少し間違った記述をされているくだりなんではないだろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/50
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051・岩渕友
○岩渕友君 ただ、ここの部分については、いわゆる小池氏のメモで、経産省アグリーメントというふうに書いていたと。多分、その小池さんの話を基にして書いているんだと思うんですね。なので、少なくても小池氏は同意を得たというふうに認識をして、そこに記録として残していたということだと思うんですよね。だから、やっぱりそれには根拠があるということだと思うんですよ。そういうやり取りあったということなんじゃないのかということだと思うんですよね。
さらに、二〇二一年五月二十一日に自民党の半導体戦略推進議員連盟が設立をされましたと。この会長に就任をしたのが甘利議員で、五月二十八日に東氏と小池氏が甘利氏を訪問をすると。後日、議連に東氏と小池氏が呼ばれて、ラピダスのファウンドリー構想を説明をします。
そこの中で、新ファウンドリーが本格的にビジネスを始める二〇二七年までに資金は幾ら必要なのかというふうに聞かれて、小池氏が七兆円という試算だというふうにその試算を発表すると、会場がどよめいたというんですよね。甘利氏がやるしかないということなんだなと言うと、議員たちは力強くうなずいて、経産省はどうかと甘利氏が促すと、参加していた商務情報政策局長からやりましょうという答えが返ってきたというふうにあるんですね。
議連の中でこうしたやり取りがあって、そこに局長も参加をしていて、このラピダスプロジェクトに同意をしたということなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/51
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052・野原諭
○政府参考人(野原諭君) まず、先ほども御答弁申し上げましたが、二〇二一年五月二十八日の時点でそういうやり取りをする段階になっておりません。そういう意味では時点がまず間違っていますね。そういう意味で、二〇二二年の一月から十一月、まあラピダスを発表するまでの間に半導体議連でも議論はされたと思います。そういう意味では、そういうオケージョンはあったのかもしれません。
ただ、七兆円は、これはラピダスが二〇二二年の十一月に発表されたときに、小池さん、東さんが、研究開発で二兆円、量産化投資で三兆円、官民合わせて五兆円の資金が必要ですという説明をプレスの前で説明されていて、数字がずれているわけですね、七兆円と五兆円で。そういう意味では、数字の整合性がないので、この七兆円、私も七兆円という数字を説明を受けた記憶がないので、そういう意味で、この数字はどこからきたのかなとは思っています、正直。
それから、この多分、商務情報政策局長というのは、私の二代前の、この二〇二一年五月の時点の私の二代前の局長ではなくて、多分その二〇二二年の一月から十一月の間の私のことだと思うんですが、その場合に、はい、やりましょうと私が言ったらその予算がもっと出てくるというものではありませんので、そういう意味では、私はそんなに何でも自分で決められるとか、一人で決められる話ではないわけでありまして、大臣の御了解も要りますし、財政当局との調整も要りますし、政府・与党で御議論をいただいて、国会にも予算を提出して、国会で議決いただけないと予算は計上できないわけでございまして、その場のやり取りで、前向きに検討しましょう、あるいは可能性を追求しましょうという趣旨で何か発言をしたかもしれません。それは、元々検討できませんというふうに言っていればここまで来ていたのかなというふうに思いますので、そういう意味で前向きな検討をしましょうということを私は申し上げたのが自然だと思いますが、いずれにせよ、三年、どちらにしても、二年、三年前の話でございますので、そういう意味では正確なやり取りを記憶しているわけではありませんが、趣旨としてはそういうことなのではないかというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/52
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053・岩渕友
○岩渕友君 ここまで紹介してきた中身をちょっとやり取りしましたけれども、このルポの中には、一つ一つの出来事、結構詳細に書いてあるんですよね。それはやっぱり、先ほども言いましたけど、小池氏の証言だったりメモだったり、あとインタビューも付いていますけれども、そういったものを基に書いているので、これが違うということになると、小池氏が言っていることが間違っているということになってしまうのかなというふうにも考えてしまうわけなんですよね。
それで、ちょっとここまでやり取りしてみて、改めて局長に伺うんですけれども、ここまで確認してきて、いろいろ確認できないところはあるかもしれませんけど、事実関係、間違っているということなんでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/53
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054・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 詳細なところが、この本の書き方にもよるのかもしれませんけど、時点の整理とかそういうところが不正確な部分が多々あると思いますけれども、ただ、片岡さん、私はお会いしたことはないんですけど、小池さんの長年の友人で、ラピダスプロジェクトを応援したいと思ってこの本は多分企画されているんでしょうから、そういうふうな設定で書かれている本だとは思うんですけれども、その詳細な、ディテールのところについては不正確な部分が多々あるんじゃないかというふうに私は考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/54
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055・岩渕友
○岩渕友君 それで、大臣に伺うんですけれども、私が何でこういうことを確認してきているかというと、確認してきたことは二〇二〇年末から二一年の五月頃の話なわけですよね。つまり、ラピダス設立のもう一年以上前の話なんですよ。で、ラピダスが国策として動き出すということを、少なくても経産省、その場に行った経産省の関係者は知っていたんじゃないかと。というか、それよりも、東氏がもうIBMから話を持ちかけられた最初のときから経産省が一緒になって、一体になって進めてきたということなんじゃないんですかということなんですよ。大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/55
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056・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) ちょっと時系列的なところも、今委員の御質問の中で伺っておりました。
経産省が最初からかんでいたんじゃないのかと、簡単に言うとそういうことかなというふうに思いますけれども、いわゆる半導体に対してのいわゆる思いというもの、やらなきゃいけないというのは、今日も委員会でずっと私も申し上げてきましたけれども、そういう背景の中で検討してきているということは、これは多分事実なんだと思います。
ただ、今の経産省のアグリーメントとか、甘利、今から言うと、もう辞められましたけど、先生のお話とか、私も半導体議連入っていましたけど、その場にはちょっといた記憶はありません、私自身も。ただ、甘利先生も、私もよく知っているものですから、大変そういう意味では重みのある御発言をされる方でございますので、そういう意味の中で、皆さんがやろうというときの感じは、雰囲気は分かります。ただ、だからといって、その内容が、その今の話のラピダスの計画と、まさに七兆円幾らとか、そういう話でかんでいたとはちょっと思えない。
いわゆるアグリーメントという意味がちょっとよく分からないんですけれども、正直申し上げて、方向性、とにかくこれはやらなきゃ駄目だよねと、今の日本の置かれている状況を考えたらやらなきゃ駄目だよねというところは、多分そういうところの、経産省と同じ思いができたのかなというぐらいのレベルなのかなという思いがあります。
なかなか、その何年も前の話なので、その方々の本当の発言というのは分かりませんけれども、いずれにしても、皆さんに余り、何といいますか、不信感を抱いちゃいけないのが当然ですので、そういう意味の中では、私どもとしても責任を持ってしっかりとこれはもうやっていかなきゃいけない話でしょうから、これで御質問に答えているかどうか分かりませんけれども、そういうような雰囲気の感じはいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/56
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057・岩渕友
○岩渕友君 ラピダス一社に対して兆円規模の公的資金が投入されるわけですよね。で、それが恒常的な仕組みになっていくということなんですよ。それがもう最初から経産省と一緒に進められたのかということになったら、それはやっぱり問題だと思うんですよ。それは許されないということを述べて、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/57
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058・平山佐知子
○平山佐知子君 平山佐知子です。よろしくお願いいたします。
昨日も、予算委員会の様々な場面でトランプ大統領の関税問題など様々議論をされていますけれども、このように世界が劇的に変わる中で大変難しい状況が続いているわけですが、その中で、やはり日本として、国内しっかり結束をして、経済安全保障といった観点に立った政策ですね、サプライチェーンの強靱化であったり、技術的な自立を固めていくこと、これを改めてしっかりやっていかなくてはいけないなと私も感じているところでございます。
そんな中で、アメリカを中心に外国製品を締め出す保護貿易への移行ですね、例えば外国製半導体、これに対しても関税を発動する可能性もあるということで、改めて、そうした全体の対応策、日本の取るべき姿勢とか、この日本の経済産業政策全般を担う経産大臣の考えをまずは伺わせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/58
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059・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) 今回の関税の問題で半導体について、これの御質問だと思います。
現状では、今、相互関税の対象外とされておりますけれども、一方で、その輸入が国家安全保障に及ぼす影響を判断するために米国政府による調査が今行われているものと承知をしているところです。
その上で、半導体のサプライチェーンは、これも一国、一地域のみで完結しないというものでありまして、同志国連携の重要性に変わりはないものと考えているところであります。二月の日米首脳会談でも先端半導体等の重要技術の開発で協力することで一致をしているところでもあり、あらゆるレベルで日米連携を深めていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/59
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060・平山佐知子
○平山佐知子君 ありがとうございます。
二〇二一年には、アメリカで半導体消費企業のCEOなどが集まって半導体CEOサミットが開かれました。それに先立ってバイデン元大統領は、国家安全保障、それから同盟国とのサプライチェーンの協力を育むといった発言をそのときされましたけれども、トランプ大統領はといいますと、先月四日の施政方針演説でCHIPS法を批判をされて、半導体製造に対して連邦政府からの資金援助を認めるCHIPS法に対して、補助金を供与するのみで意味がないなどと否定的な認識を示されています。
この今のトランプ政権ではバイデン政権時のような経済安保といった理論は通用しないということもやっぱり考えに入れておかなくてはいけないというふうに思っているんですけれども、そうなりますと、米国以外で最先端の半導体工場を保有すること、要はラピダスのような企業ですね、こうした企業は今後、米国半導体戦略において競合企業というふうにみなされて、関税だけではなくて、よりもっと深刻な経済攻撃を受けてしまうのではないかという懸念もあるんですが、こういった状況についてはどういう考えをお持ちでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/60
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061・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) 御懸念のリスクには、やっぱり我々としての備えは必要になってくると思っています。
米国との関係、今、先ほど来申し上げましたとおり、半導体のサプライチェーンというのはもう一国でできなくなってきている。そういうような中で、トランプ大統領は、半導体というよりは自動車も含めて、とにかく俺のところへ来いと、米国内で作れという思いで製造業復活を目指して言っておられることはよく分かります。
ただ、そういう意味では、サプライチェーンの性格上、やっぱり同盟国、同志国も連携しながら、まさに経済安全保障というところの概念の中で確保することの重要性、これは様々に機会を捉えて、やはり確認をしながら協力関係を進めていかなくてはいけないと思います。
TSMCというのは台湾のメーカーであります。これを今、アリゾナへ造っていこうということで今計画をしていますけど、四、五年掛かるだろうとまだ言われていますが、こういう中で、米国企業との協調関係をどう深めていくのかというのが必要だというふうに思っています。
ラピダスというのは、IBMとの連携をしてきておりますけれども、もちろん、御承知のとおり、米国企業の顧客も今集めているところでありますし、同時に、EU、英国、オランダ、インドなどの国々と半導体協力に関するパートナーシップも我々は締結しているところであります。ラピダスというのは、シンガポールを拠点とする世界的な半導体設計の支援会社、この前クエスト・グローバル社との提携を発表したところでありますけれども、今日も先生方の御質問にありましたけど、国内でも、プリファードネットワークスだったり、さくらインターネットとの間の連携も進めてきているところであります。
いずれにしましても、アメリカのこういう競合会社排除という意味のところの懸念は、そういう意味の中で、日本の中でも進めつつ、各国とも連携をしながら、そしてアメリカとも粘り強くやはり交渉を進めていくということが大事だというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/61
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062・平山佐知子
○平山佐知子君 大臣おっしゃってくださったように、恐らく、様々な大小含めてリスクを考えながらもう一生懸命今検討して、想定をして、上で検討されていることだと思います。本当に政府としても厳しい交渉が続くと思いますけれども、こういうまさに歴史の転換点ということで、今おっしゃってくださった各国との連携含めて、日本が少しでも利するような形で、それを目的にまた進めていただきたいとお願いも申し上げます。
このAI・半導体産業基盤強化フレームとして、二〇三〇年度までに合計十兆円以上の公的支援を行うということで、ここまで巨額の官製主導のプロジェクト、これはどうなのかという疑問の声もやはり聞こえてきます。先ほど来からもありました。
世界の半導体競合企業では、韓国のサムスンは一ナノ世代のゲートオールアラウンド技術への移行を打ち出して、アメリカのインテルは一・四ナノ、台湾のTSMC、これは一・六ナノ、これを視野に入れるなど、確実にこの次世代プロセス競争の主導権を握りつつある状況だと思います。一方で、ラピダスは、二ナノのロジック半導体の開発段階ということですから、この最先端の開発競争から数字だけ見ますとちょっと遅れてしまっているのかなという印象もあります。
これに対して、先日、参考人のラピダス社長の小池さんに伺ったところ、二ナノといってもいろんな種類があるんだということで、ラピダスが量産をしていく二ナノは、同じ二ナノでも本当にサイズの小さい、かなり小さいもので、さらに、ラピダスは製造のスピードが圧倒的に速いので、今、ほかと差があったとしても十分に追い付いて、更に先になれば大きな世界になっていけるということをおっしゃってくださいました。
もちろんそうなることを私も期待をしているんですが、現実、今やはり開発競争から遅れているということを不安視する声もあるわけで、その中で政府が巨額な投資をしていくと。世界の流れを見て、今後もっと微細化が進めば更に更に巨額の投資が必要になってくるということが考えられるわけです。
こうした状況の中で、このビジョンの現実性、これと資金調達の正当性、こういった業界内外から厳しい批判の、疑問の声あるということ、これに対してどういうふうに考えていらっしゃるか、聞かせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/62
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063・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
まず、先端半導体の開発状況につきまして言えば、二ナノの半導体、これは開発して量産に入っている先行事業者がまだいないというところです。ただ、TSMCは量産化もう入る準備ということでございます。TSMC、サムスン、こういった海外企業、開発をしておりまして、ラピダスが量産開始を目指している二〇二七年よりも前に他社が市場投入する可能性があると、これは事実です。
他方、先ほど委員からもお話しいただきましたけれども、二ナノの半導体であっても、顧客によってその使う条件、そういったものを見ながら、性能や用途、求めるものが異なってくるということになってきます。したがいまして、ラピダスと競合他社との競合関係はどうなっているのか、適切に分析、評価することは重要だろうと考えています。
顧客、ユーザー側ですけれども、半導体の高性能化などに伴いまして、半導体チップの製造期間はどんどん長期化していると、こういう実態があります。ラピダスは、その中で、受注から納入までを短納期化する独自モデルを採用します。他社とは異なる競争軸で対応していくということを考えていまして、顧客価値を提供していくことができるというふうに考えています。また、短納期化を通じまして、迅速にデータを収集して改善のサイクルを高速化させることができるだろうと、そうすると歩留りの改善を迅速に進められるんじゃないかということで、技術開発から量産に至る期間は早いことが期待できるのではないかとも考えています。
こうした独自の強みを生かしながら、ラピダスとしては、まずは二ナノの半導体の量産を実現して事業を立ち上げると。先ほども資金のお話がございましたけれども、今先行しているTSMC、利益率非常に高い、こういう市場でもございます。事業活動から得られるキャッシュフローなどを通じまして、二ナノ以降の研究開発を継続実施する方針であるというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/63
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064・平山佐知子
○平山佐知子君 ありがとうございます。
適切に分析をして評価が必要ということもおっしゃっていただきました。やはりチャレンジしていくのは私も必要だと思っていますし、やっていかなくてはいけないと思っているんですが、公的資金をこうして入れていく以上は、しっかりと国民に現実を示した上で納得をしていただく説明責任ということもあると思いますので、その点もまたお願いをしておきます。
半導体製造に欠かせない材料についてですけれども、日本が世界の中で高いシェアを占めているものがある一方、半導体の土台となるシリコンウエハーの原材料となる金属ケイ素などは、この金属ケイ素は一九八二年に国内での生産を終了してから輸入に依存している現状だと伺っています。
こうした半導体製造などに必要な原材料をいかに安定して手に入れていくかどうかというのも大変重要だと思っているんですが、各国が保護政策に移行する中、日本としてこの原材料確保の道筋できているのかどうか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/64
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065・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、経済安全保障の観点から、原材料を含めたサプライチェーン全体の強靱化を図っていくと、これは極めて重要な課題です。したがいまして、原材料の確保につきましては、経済安全保障推進法などに基づきまして、原料の備蓄とかリサイクル、重要鉱物の供給源の多角化などを進めるとともに、材料の利用効率を改善する、使う量が少なければそれだけリスクも下がるわけでございます。製造装置の高度化を支援する、こういった取組を進めています。
他方、まさに半導体のサプライチェーン、これは一か国で全て賄うことができないぐらい幅広い物資、技術領域で構成されていますので、したがいまして、自国でしっかり取り組むとともに、幅広い国、地域とパートナーシップを結んでいく、例えばインドと半導体のパートナーシップ結んだりしておりますけれども、こういった取組を通じて、総合的な形で半導体のサプライチェーンの強靱化を努めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/65
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066・平山佐知子
○平山佐知子君 日本だけでは完結しないというお話もありましたけれども、例えば供給体制についてですが、半導体製造の前工程では日本企業が高いシェアを占めるなど強みを持っていると。一方で、半導体の回路設計に関する知財を始めとする設計分野ですとか半導体の後工程と言われるところ、我が国では弱い分野とされています。
先ほどから議論になっていますけれども、先日の質疑の中でもありました、得意分野も弱いと言われている分野も両方やっていくんだという話がありましたけれども、その点について、現状、注力して強化に取り組んでいるというような動きがあれば教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/66
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067・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
まず、日本の強い分野、委員御指摘いただきました、例えば半導体製造装置、部素材、こちらは、先ほどもお答えしましたとおり、サプライチェーン、どう強靱化させていくのかという取組、あと、産業競争力を今後も維持していくという観点から、足下の設備投資はもとより、次世代技術、こういったものに対する研究開発の支援を行っています。
一方、御懸念をいただきました弱い分野ということでございまして、例えば国内に製造拠点がない先端後工程、これ、ラピダスは先端前工程だけではなくて実は後工程も一体で取り組むという取組でありますけれども、そのほかに、まさに海外とのパートナーシップということをこれまでもお答えをさせていただいておりますけれども、TSMC、サムソン、さらにインテル、こういった企業と日本の製造装置、部素材メーカーが連携して後工程の技術開発に取り組んでいまして、これに対する支援も行っています。
半導体設計につきましては、これも先ほど御質問いただきました、自動車などの先端半導体を使っていくであろう、そういったエリアの複数の設計、開発に対する支援、更にその先も見据えて、先端半導体のいわゆる設計、そういったものを担っていけるような人材を育成するための取組を技術研究組合のLSTC取り組んでいます。こういったものに対する支援も行っています。
引き続き、こちら、十兆円の公的フレームであるAI・半導体産業基盤強化フレーム、こちらも活用しながら、産業競争力の強化とサプライチェーンの強靱化、これを実現するために戦略的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/67
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068・平山佐知子
○平山佐知子君 ありがとうございます。
ちょっと時間の関係で一つ飛ばして、文科省さんにお越しいただいていますので、伺わせてもらいたいと思います。情報流出対策についてでございます。大学内で行われているこの研究からの情報流出ということで伺わせてもらいたいと思います。
半導体を始め、特定重要物資の研究に関して、大学内での研究に携わる教授とか学生に対しても、例えば研究室へのアクセス制限であったり、情報管理体制であったり、これ、何らかの流出対策取るべきだというふうに思っています。
現状、大学内で行われている半導体、特定重要物資に関する研究などの流出対策について教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/68
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069・福井俊英
○政府参考人(福井俊英君) お答え申し上げます。
大学等におきましては、従来、外為法に基づく安全保障貿易管理の体制整備、徹底等の技術流出防止に係る取組を行っているところであります。また、近年、研究活動の国際化等に伴う新たなリスクへの対応として、研究者による情報開示と、それに基づく大学等におけるリスクマネジメント等、研究インテグリティー確保の取組も定着してきておるところであります。
これに加えまして、現在、国内外における研究セキュリティー確保の重要性の高まりを踏まえまして、経済安全保障上の重要技術につきましては、内閣府を中心として、技術流出防止等の取組に関する手順書の策定に向けて政府全体での検討がなされております。
文部科学省としましては、こうした政府全体の議論に参画するとともに、それに先んじて、大学等の研究セキュリティー確保に向けた基本的考え方を昨年十二月に公表いたしまして、今年度から、大学等に研究資金を提供する一部の研究開発プログラム、分野における研究セキュリティー確保の取組の試行的、段階的な実施等を進めております。
引き続き、関係府省とも連携いたしまして、大学における研究セキュリティーの確保の取組を推進してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/69
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070・平山佐知子
○平山佐知子君 ありがとうございます。まさに今もまだ検討して、これからしっかりしていくというお話をいただきました。
学業を通じての、やっぱり諸外国、世界とつながっていくという大切さを私も感じているところです。また、先日のこの委員会の参考人でお越しいただいた黒田さんも、過去のインタビューの中でお話しなさっていましたけれども、日本人だけが内輪でつるんでいるだけでは、将来、半導体ビジネスのグローバルネットワークで強みを発揮できる人材は育ちにくいんだということもおっしゃっています。そのとおりだと私も思います。
国としてやっぱり機微な情報の流出対策しっかりと取りながら、一方で、大いに学生たちには学んでもらって、研究に没頭してもらえる、そういう環境を整えることこそ政治の役割だと思いますので、その辺りしっかりお願いをして、またその中で活躍する人材が育つことを期待をして、今日は質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/70
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071・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午前十一時二十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00520250422/71
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