1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
令和七年四月二十四日(木曜日)
午前十時開会
─────────────
委員の異動
四月二十三日
辞任 補欠選任
長峯 誠君 藤井 一博君
四月二十四日
辞任 補欠選任
浅尾慶一郎君 臼井 正一君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 牧山ひろえ君
理 事
田中 昌史君
森屋 宏君
古賀 之士君
片山 大介君
委 員
臼井 正一君
越智 俊之君
加藤 明良君
北村 経夫君
古賀友一郎君
藤井 一博君
松村 祥史君
宮本 周司君
辻元 清美君
村田 享子君
石川 博崇君
竹内 真二君
礒崎 哲史君
岩渕 友君
平山佐知子君
国務大臣
経済産業大臣 武藤 容治君
副大臣
経済産業副大臣 古賀友一郎君
大臣政務官
経済産業大臣政
務官 加藤 明良君
政府特別補佐人
公正取引委員会
委員長 古谷 一之君
事務局側
常任委員会専門
員 山田 千秀君
政府参考人
内閣官房新しい
地方経済・生活
環境創生本部事
務局審議官 大森 一顕君
内閣府大臣官房
審議官 小八木大成君
内閣府地方創生
推進室次長 松家 新治君
公正取引委員会
事務総局官房デ
ジタル・国際総
括審議官 佐久間正哉君
総務省総合通信
基盤局電気通信
事業部長 大村 真一君
財務省大臣官房
審議官 森田 稔君
財務省理財局次
長 辻 貴博君
財務省理財局次
長 石田 清君
文部科学省大臣
官房審議官 森友 浩史君
経済産業省大臣
官房長 片岡宏一郎君
経済産業省大臣
官房審議官 井上誠一郎君
経済産業省大臣
官房審議官 依田 学君
経済産業省大臣
官房審議官 田尻 貴裕君
経済産業省大臣
官房審議官 奥家 敏和君
経済産業省イノ
ベーション・環
境局長 菊川 人吾君
経済産業省製造
産業局長 伊吹 英明君
経済産業省商務
情報政策局長 野原 諭君
資源エネルギー
庁長官官房資源
エネルギー政策
統括調整官 山田 仁君
資源エネルギー
庁省エネルギー
・新エネルギー
部長 伊藤 禎則君
資源エネルギー
庁資源・燃料部
長 和久田 肇君
資源エネルギー
庁電力・ガス事
業部長 久米 孝君
国土交通省大臣
官房審議官 横山 征成君
─────────────
本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第一一号)(衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/0
-
001・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、長峯誠君が委員を辞任され、その補欠として藤井一博君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/1
-
002・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房新しい地方経済・生活環境創生本部事務局審議官大森一顕君外二十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/2
-
003・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/3
-
004・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) 情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案を議題として質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/4
-
005・田中昌史
○田中昌史君 おはようございます。自由民主党の田中昌史です。
今日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございました。また、武藤大臣、加藤政務官、どうぞよろしくお願いをいたします。
最初に、加藤政務官に伺いたいと思います。
先端技術への支援ということで、この情報処理促進法の選定事業者候補の一つでもありますラピダスが目指す先端半導体に限らず、例えば量子あるいは宇宙、次世代革新炉なども含めて、最先端分野の技術開発は、その海外依存度を減らすことも含めて、我が国の発展、そして国民生活の安定、利便性向上に極めて重要だというふうに認識をしているところであります。
これらの先端技術分野に対して、民間あるいはアカデミアのみならず、政府が投資支援していくことの意義を経済産業省ではどのように捉えて考えていらっしゃるのか、我が国の産業競争力の強化、経済安全保障などの観点も含めて、加藤明良政務官に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/5
-
006・加藤明良
○大臣政務官(加藤明良君) 田中昌史委員の御質問にお答えをさせていただきます。
成長と分配、賃上げと投資が牽引する成長型経済への転換を確実なものとするためには、将来の日本の稼ぐ力を生み出す産業の育成が必要不可欠でございます。そのためにも、次世代の産業をしっかりと生み出すことが期待される先端科学技術分野をしっかりと見極めること、産業界も含めて、しっかりと産業化を見据えた研究開発から拠点整備、人材育成、スタートアップ育成、ルールの形成など、一気通貫した取組が必要不可欠だと考えております。
委員の御指摘いただきました量子コンピューターの分野におきましては、次世代の計算基盤として期待され、我が国の産業競争力や経済安全保障上最も重要な科学技術の分野だと考えております。経済産業省としましても、関係各省と連携しながら、世界最高水準の研究開発拠点の整備、グローバル企業やスタートアップ企業との連携、さらには研究開発支援やサプライチェーンの強化、人材育成、国際標準化などを進めてまいる所存でございます。
また、宇宙開発も安全保障上大変重要な分野でございます。そのため、衛星コンステレーション構築の加速に向けた開発や実証などの支援を宇宙戦略基金等も活用しながら進めていく所存でございます。
また、次世代革新炉につきましても、二〇五〇年カーボンニュートラル時代を目指してしっかりと取り組まなければなりません。そのため、スピード感を持って技術開発を進めているところでございます。安全性の向上はもとより、脱炭素の電源供給にとどまらず、廃棄物の減容化、有害度低減、カーボンフリーな水素、また熱供給など、革新炉の特徴、強みを有している、様々なその革新炉の強みを生かして科学技術の実用化に挑戦をしてまいる所存でございます。
いずれにしましても、このような先端科学技術の育成につきましては、産業競争力の強化、さらには経済安全保障の観点を踏まえつつ、官民連携、アカデミアとしっかりと連携をしながら戦略的な取組を加速してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/6
-
007・田中昌史
○田中昌史君 加藤政務官、ありがとうございました。
一昨年でしょうか、茨城県の、先生の御地元の茨城の大洗町で「常陽」を、高速炉の「常陽」を拝見させていただいて、この核廃棄物の、原燃料にしながらこれを減らしていく、あるいは安全性を高めた形で水素もしっかり供給できるという非常に革新的な現場を拝見させていただきました。我が国の発展において非常に重要だというふうに思っておりますので、是非、御地元のプロジェクトを含めて、政務官の御活躍を期待したいというふうに思っております。ありがとうございました。
続きまして、経済安全保障上の観点から、先ほども海外依存度を減らすというお話をさせていただきました。これは言うまでもありませんが、二ナノ世代の先端、次世代の半導体を国内で生産しようとするラピダスプロジェクトの意義について、この経済安全保障上どのように経産省として位置付けておられるのか。あと、この競争力を強化していく上で国内における需要を創出していくことが極めて重要だというふうに考えておりますが、この取組について経済産業省に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/7
-
008・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
ラピダスが量産実現を目指しております二ナノの次世代半導体は、生成AIや自動運転などに不可欠なものということでございます。しかしながら、現在、最先端のロジック半導体は、そのほとんどが台湾で生産をされています。こうした非常に重要な半導体を他国に依存して購入しなければ生きていけない国になるのか、あるいは、日本の中でこれを生産することによって国内に富を生み、世界にも貢献できるようになるのか、まさに今その分岐点に立っていると認識しています。
二ナノ世代の次世代半導体の量産は、海外のトップ企業もまだ実現に至っていない野心的な取組です。ただ、これを諦めては我が国の国益を大きく損ねることになりかねないという、こういう強い問題認識の下で、国として一歩前に出る形で本プロジェクトを推進しています。
こうした国内製造基盤の強化に加えまして、委員御指摘のとおり、需要の創出、これ両輪で進めていって半導体の設計、製造のエコシステムを国内に構築すること、これは極めて重要でございます。
経済産業省の方では、ユーザー産業が先端半導体の活用をどんどん進めていく、こういった取組も支援していきたいということでございます。例えば、自動車業界と半導体業界が新たに立ち上げた技術研究組合で、自動車用の先端半導体の設計開発、こういった取組に対しての支援などを実施しています。このような活動を通じまして、各産業分野で次世代半導体の将来需要の創出につなげていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/8
-
009・田中昌史
○田中昌史君 ありがとうございました。是非積極的な支援をお願いをしたいなというふうに思っております。
ちょっと一問、三番目の質問は一番最後に回しまして、半導体事業者への支援について伺いたいと思います。
次世代半導体の国内基盤を確立するという重要な目的に照らしますと、必要な支援を私はちゅうちょせず実施すべきだというふうに考えております。事業者の財務基盤を強化して、民間出資を促していくために金融支援を実施するという本案の趣旨には賛成をさせていただきたいと思っております。
ただ、その規模についてどのように今後判断をしていくのか。また、金融支援として出資を行う場合、短期的なリターンのみを追求をするのではなくて、中長期目線で支援対象の事業者の財務基盤を支えていくことが、これは民間投資を呼び込むためにも非常に重要だというふうに考えておりますが、この辺りにつきましてどのようにお考えか、経済産業省に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/9
-
010・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
本法案に基づく金融支援につきましては、産業構造審議会の次世代半導体等小委員会における外部有識者の方々の意見も踏まえまして、事業計画や民間資金調達の状況等を精査した上で、支援の要否や手法、さらに支援規模などを決定していくということでございます。
また、御指摘をいただきました短期的なリターンということでございますけれども、本法案に基づく出資については、短期的なリターンを追求するという目的ではなく、次世代半導体の量産に向けて、事業者の財政、財務基盤を強化しつつ、民間からの資金調達を促進、補強することを目的とした措置です。
その上で、出資の対価として取得した株式につきましては、例えば、IPO直後に売却するのではなくて、公的資金回収の観点も踏まえまして、事業者の経営、財務状況や株式市場の動向なども勘案しながら適切なタイミングで売却していくことを想定しています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/10
-
011・田中昌史
○田中昌史君 ありがとうございました。
この半導体が使用される主にAIですね、人工知能の開発、非常に急ピッチで進んでおりますけれども、これも世界の競争が非常に激しい状況の中でしっかりと支援をしていくことを是非お願いをしたいというふうに考えているところであります。
続きまして、地域経済の波及効果についてお伺いしたいと思います。
本法律案の目的に、国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与すると、こうなっています。社会全体はもちろんのこと、選定事業者の所在する地域においても、住民生活の向上、地域経済の発展を進めていかなければなりません。
そこで、既に先行している熊本県の菊陽町でのロジック半導体の製造では既に経済効果が顕在化しているということでありますが、その経済効果はどのようなもので、その効果をどのように経済産業省として評価されているのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/11
-
012・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
半導体に係る大規模投資は、地方経済に広範な波及効果をもたらす起爆剤という役割を果たすことができると考えています。
御指摘をいただきましたTSMCの熊本県への進出を契機とした波及効果、影響ですけれども、例えば九州地域、九州地域において二〇二三年度の全産業の設備投資の伸びが過去最大の四六・二%を記録しています。また、TSMCの進出決定以降、公表されている情報だけでも、熊本県では八十六社の企業進出や設備拡張、この決定がなされています。さらに、熊本県では、賃金の観点で申し上げますと、一人当たり雇用者報酬が年三十八万円増加するとの試算もございます。投資と賃上げの好循環が半導体投資をきっかけとして生まれ始めているというふうに評価しています。
今後も半導体関連投資が地域経済の活性化につながるよう、引き続き関係自治体などと連携しながら取り組んでいきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/12
-
013・田中昌史
○田中昌史君 すばらしい経済効果が上がっているというふうに思います。
内閣府が昨年九月に公表しました半導体投資による地域経済への影響レポート、拝見させていただきました。これ、半導体関連産業の従事者が二〇一八年から二〇二三年にかけて二三%、全国的にも増えているということで、目覚ましい就労者の増加につながっているんだというふうに思っています。
このラピダスの立地による経済効果の調査では、これ第一、第二工場、これで生産が稼働しますと、GDPの影響額が約十一兆円ということで、極めて高い経済効果が発生するということです。これ、ラピダスが公表した後工程も含めた効果でいくと、約十八兆円のGDPの経済効果があるということで、非常に高い雇用、生産、消費、税収、これが今後見込まれていくというふうに考えています。
その際にやっぱり注意しなきゃいけないのは、先ほど年三十八万円の賃金の伸びと、これ地元の企業が雇用を奪われるというような御指摘も既にあったかと思いますし、さらには、できるだけ地元の企業を活用していって、地元の企業に従事する方々の賃金もしっかり引き上げていくということが重要だということでは、このラピダスと関連した企業と地元企業とのマッチング、これをしっかりと推進しながら、地元企業からの納入、納品、これをしっかりと推進していくということが大事だと思いますので、この辺りの支援も今後も是非よろしくお願いできればというふうに考えております。
また、あわせて、この北海道という土地柄にあるラピダスの支援を行うに当たりましては、このラピダスが所在する千歳市への経済効果は、短期的、長期的に、千歳市に限らず、恵庭、北広島、こういった地域にいろんな関連企業が集積していくということで効果があるというふうに思いますが、一方、私、北海道が地元なものですから、この地域以外の方から話を聞くと、人がどんどん抜かれていくという。やっぱり地元企業が、地元の経済が縮小していくということに対して非常に強い懸念を持たれている自治体の関係者の方々がいるということもこれまた一方事実でありまして、この北海道、このラピダスの立地が北海道の広域経済に対してどのように効果をもたらすというふうに見込んでいらっしゃるのか、また、それに対してどのような取組を考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/13
-
014・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
まず、ラピダスが立地する千歳市によりますと、半導体製造装置メーカーのラムリサーチを始めとしまして、昨年末時点で既に三十七社の半導体関連企業がオフィスなどの拠点設置を決定するなど、地元である千歳市においては産業集積が進みつつあります。御指摘いただいたとおりであります。また、周辺地域では、飲食店や商業施設の建て替え、道路のインフラの整備なども進んでいます。民間の試算によりますと、こうした効果は必ずしも千歳市に限るものではございませんで、北海道全域で今後十四年間で十九兆円程度の経済波及効果が期待されているというふうに示しています。
足下では、御指摘をいただきました地元企業との、ラピダスと道内企業とのマッチングも進んでおります。例えば、ラピダスのパイロットラインに関連するソフトウェア開発に関する業務を地元企業と結ぶ、従業員などの輸送に関する業務などの契約が既に成立していると認識しています。
一方で、御指摘をいただいています人材不足の懸念ということでございます。こちらにつきましては、北海道経済産業局を中心に産官学で構成された北海道半導体人材育成等推進協議会におきまして、半導体企業から道内教育機関への実務家教員の派遣や、学生、教員による半導体製造現場への訪問実習など、具体的な取組を既に行っています。こうした形でしっかりと人材を掘り起こすという形で、地域の人材のパイを増やしていくということで、半導体企業と地元企業の人材確保の両立を図っていきたいというふうに考えています。
経済産業省といたしましては、ラピダスを起点に地元の関係機関、自治体とも連携しながら、より広域的な経済、地域経済の活性化につなげていきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/14
-
015・田中昌史
○田中昌史君 ありがとうございました。是非積極的にお願いしたいと思います。
先日行ってきましたら、ラピダスの従業員の運行に使われているバスが乗務員募集中と書いていまして、ちょっと運転手がいないから、ラピダス、従業員が出勤できないということがあってはならないというふうに思っていますので、ここは千歳の市長にも頑張っていただきたいなというふうに思っておりますけれども、是非支援をよろしくお願いしたいと思っております。
続きまして、工業団地に関してですが、千歳市としましても、この国家プロジェクトに貢献すべく頑張っていらっしゃると思います。必要な上下水道の整備ですとか、地域産業構造転換インフラ整備推進交付金、これを活用した工場周辺の道路、下水終末処理場の拡張など、様々なインフラ整備を進めていらっしゃいます。この関連企業も含めて、産業経済波及効果を出していくこと、これを進めていくためにも、ラピダス一社だけではなくて、関連企業も含めて地域の産業を育てていく必要があると思います。
一方で、千歳市には十一の工業団地があります。既に二百八十社を超える企業が立地をしているということで、分譲率が九四%、残りの分譲地もほぼ商談中という現状で、余り空きがないという状況であります。
半導体関連企業の集積する新工業団地の確保及び整備が必要と考えますが、政府のお考えを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/15
-
016・井上誠一郎
○政府参考人(井上誠一郎君) お答え申し上げます。
委員御指摘のラピダス進出による周辺における産業立地ニーズの高まりを受けまして、千歳市では新たな産業用地の整備に向けた検討がなされていることは承知をしております。千歳市に限らず、地域における産業集積に向けて産業用地の確保は極めて重要となってございます。
経済産業省としては、産業用地の確保に向けた取組といたしまして、自治体に対し、産業用地造成の進め方や規制対応への助言等を行う伴走支援を行っているところでございます。
また、地域未来投資促進法におきまして、土地利用調整手続に係る配慮規定を設けてございまして、本年二月には、この規定に基づく土地利用調整の迅速化の事例も公表させていただいたところでございます。
今後とも、産業用地の造成が円滑に行われるよう、経済産業省としても支援をしてまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/16
-
017・田中昌史
○田中昌史君 ありがとうございました。
是非、地元自治体とよく情報交換をしていただきながら、国としての支援が有効に使われていかれるように支援をお願いしたいなというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
先ほど出てきましたこの地域産業構造転換インフラ整備推進交付金、これ、ラピダスに直接関係のあるもののみが対象になっていて、他企業や敷地外にわたる上下水道が対象になっていないというふうに私は認識しています。これらについて、市が整備した場合に、分譲に当たっての単価に跳ね返ってくるとか、分譲の競争力が発揮できないということも考えられるのではないかなと思っています。
この交付金について、その活用、交付の範囲の拡充について地元の自治体の協議や対応を行う必要があると考えますが、先ほどの質問の流れになりますが、政府としての取組を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/17
-
018・松家新治
○政府参考人(松家新治君) お答えいたします。
地域産業構造転換インフラ整備推進交付金につきましては、半導体等の戦略分野におけるリーディングプロジェクトとなる産業拠点の整備等に当たって、プロジェクトの安定的かつ円滑な操業に支障が生じないよう、委員からお話しいただいたとおり、道路や下水道、工業用水といった関連インフラの整備を支援するものでございます。
この支援の対象となるプロジェクトにつきましては、法令に基づく認定など、国の主体的な関与の下で推進されるものであることや、相当規模の立地や投資を伴うものであることなどを考慮して判断することとしてございまして、具体的には、ラピダスプロジェクトを含めまして四つのプロジェクトを選定しているところでございます。
お尋ねのラピダスプロジェクトが進む地元自治体における他の企業立地への活用の拡充ということにつきましては、こうした制度の趣旨に該当しない場合は対象とすることは難しいことは御理解をいただければと存じますけれども、本交付金の対象とならない企業立地に係る関連インフラの整備につきましては、当該インフラ事業を所管する省庁の支援制度であるとか、あるいは今般創設をさせていただきました新しい地方創生の交付金を御活用いただくなどによりまして、関係省庁と連携して取り組むこととしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/18
-
019・田中昌史
○田中昌史君 ありがとうございました。
是非、そういった情報も含めて、関連企業がしっかりと集積していくということが結果として大事だというふうに思いますので、実現可能な、あるいは利用可能なものについては、地元自治体との連携、協力、是非お願いをしたいなというふうに思ったところであります。ありがとうございました。
続きまして、電力について伺いたいと思います。
第七次エネルギー基本計画では、二〇四〇年度の日本の電力消費量は、二〇二三年度に比べまして二割以上増えるという見通しになっていると思います。主にAI需要の拡大ですとか、データセンター、半導体工場、こういったものが新増設されることに伴った大きな増加というふうに見込まれるものと思っております。競争力という点において、特に電力を大量に消費する半導体産業、電力の安定供給や電気代という要素が大きな影響を与えると認識をしています。
北海道には、電力供給体制に今現状課題があるんではないのかなと思っています。
先日伺ったところによると、大型データセンターの場合は一度温度を下げるために数千万掛かるという、これが半導体の価格に跳ね返っていって競争力が失うというのでは、これまた困るんじゃないかなというふうに思っているところであります。
特に、原子力発電所の再稼働が進まない中、この北海道ですが、電力需要の逼迫が懸念されているところでありまして、産業活動や地域経済の影響も懸念をしているところであります。関連企業、周辺企業も含めて、当該地域の今後の電力供給、需給見通しについて、政府としてどのように評価をされていらっしゃるのか。特に、原発の再稼働が進まない現状において、この電力供給の安定性をどのように確保されていく方針か。
あわせて、北海道が抱える電力供給の課題に対し、政府としてどのような支援策を講じるおつもりなのか。ほかの地域との連系線の増強あるいは電力広域的運営推進機関との連携強化について政府の方針を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/19
-
020・久米孝
○政府参考人(久米孝君) お答え申し上げます。
北海道エリアの電力需要の見通しは、電力広域的運営推進機関の想定によりますと、御指摘いただきましたように、主にデータセンターや半導体工場等の産業用の電力需要の増加によりまして、二〇三四年度の北海道エリア全体の電力需要は二〇二四年度と比較して約一三%増加する見通しでございます。これは全国平均の約六%よりも高い伸び率というふうになっております。こうした中で、足下の電力需要に対しまして、毎年度電気事業者が提出する供給計画を確認し、容量市場を通じて必要な供給力を確保していくこととしてございます。
また、今後は、安定供給と電源の脱炭素化の同時実現が重要だというふうに認識しております。このため、電源投資の投資回収の予見性を確保し、新規投資を促すための制度であります長期脱炭素オークションを着実に実施するとともに、更なる新規投資を促すための事業環境や資金調達環境の整備を検討していくこと、また、広域連系系統のマスタープランを踏まえた北海道―本州間の海底直流送電を始めとする全国大での地域間連系線の整備に向けた対応などに取り組んでまいります。
加えまして、電力広域的運営推進機関は、系統整備や需給運用等において重要な役割を担っております。今後とも、電力需給の状況を踏まえた対策や全国大での送配電網整備に向けた対応等を連携して進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/20
-
021・田中昌史
○田中昌史君 ありがとうございます。是非積極的にお願いしたいと。
苫小牧にソフトバンクのデータセンターもできていく状況の中で、爆発的に電力需要が増えていくという状況の中で、やっぱりぎりぎりではなくて、余力が必要だと。私も北海道出身ですからブラックアウトの記憶が思い出されるわけでありまして、そういうことがあってはならないわけでありますので、是非、この余力を持った電力供給、しっかりと進めていただきたいと思っております。
それから、家賃の高騰について伺いたいと思います。
これ、ラピダスの進出に伴いまして、これ熊本県の菊陽町でも同じでありましたけれども、地価が上昇しています。それに伴って家賃も非常に高騰しているという状況にあります。地元の大学の人から聞いたんですけれども、大学に入学してくる学生さんが、家賃が高くて入学をためらうと、受験をためらうと、やっぱりこういう事態ももう正直起こっていると。そこの大学は、九割が千歳市内に住むらしいんです。あるいはその周辺に住むらしいんですよね。本当に困っているという話であります。
経済成長に伴う一種の成長痛のようなものかもしれませんけれども、それによって、地元で人材育成に励んでいらっしゃるような企業や大学、こういったところが入学志願者の減少に困るんでは、ちょっとまたこれも困るという話であります。
短期的には国による支援も必要なんではないかというふうに思うところでありまして、自治体と連携しながら、国としてこの住宅提供体制の整備を進めていくべきではないかと考えますが、政府のお考えを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/21
-
022・横山征成
○政府参考人(横山征成君) お答えいたします。
御指摘のような大規模工場進出に伴って、当該工場の労働者等の流入による住宅需要の増加とか、地元の住民の方への影響などは、当該工場を運営する事業者と地方公共団体との間で具体的な対応を協議していただいた上で、そのほかの公共、民間、様々な施設の整備、誘致等も含めて、当該地方公共団体の町づくりの中で総合的に対応していただきながら、それを国がしっかり支援していくということが重要ではないかというふうに考えてございます。
委員御指摘のように、千歳市においても一部募集家賃の上昇が見られるということは我々も承知してございます。そのような観点からは、例えば賃貸住宅にお住まいの子育て世帯等に対して、既存の民間賃貸住宅のストックも活用した、住宅セーフティーネット法に基づく登録セーフティーネット住宅を活用することも考えられます。これらの住宅に対しては、家賃低廉化の仕組みがございまして、地方公共団体と国が連携して財政的な支援を行うことも可能でございます。隣接する恵庭市を始め、道内でも複数の自治体で家賃低廉化の制度を設けてございますので、千歳市に対しても必要な働きかけを行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
住まいの確保は、経済活動とか生活の大事な基盤でございます。誰もが安心して暮らせる住まいを確保することが重要でございますので、地方公共団体が行う取組に対しまして、国としても引き続きしっかり推進を、支援をしてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/22
-
023・田中昌史
○田中昌史君 ありがとうございました。
千歳は、二〇二〇年に比べると、もう商業地の土地代がちょうど倍になっている、二倍弱までもう来ています。菊陽町がたしか一六〇%、六〇%増ぐらいですよね。千歳はもう既に二倍になっているということで、非常に急速な土地の価格の上昇が発生しておりますので、是非そういった情報も踏まえて、しっかりと地元の人材の雇用、あるいは大学、企業等の安定した経営が図られていけるような支援を是非お願いをしたいなというふうに思っております。
ちょっと時間がないので、最後に、半導体の先にあるAIについて伺いたいと思います。
半導体はDXに対するキーテクノロジーであります。DXを推進していくために、この半導体、極めて重要になってまいりますが、もう一つ、生成AIを始めとするAIの開発が非常に重要になってくると思います。
AIモデルやあるいはそのデータセンターなど、重要な部分を我が国としてしっかりと掌握していくということについて、経済産業省のお考えを伺いたいなというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/23
-
024・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
生成AIがあらゆる分野に導入される中、委員御指摘のとおり、産業競争力の強化や経済安全保障の確保の観点から、日本国内の事業者が競争力あるAIモデルを開発することや、その開発、利活用に必要なデータセンター、これを整備するということは極めて重要であります。
まず、日本国内でAIモデル、データセンターを必要とする環境、これを速やかに立ち上げていく、ユーザー、ニーズをしっかりと生んでいくということは重要でございます。すなわち、ユーザー側でAIを使いこなせるようにしないといけないということで、一つ鍵になるのはデジタル人材の育成。
今般、今回の法改正でも、IPA自らがコンテンツの作成などを取り組んでいけるようにしていますけれども、まさにデータをマネジメントする人材とか、そういった人を育てていくためのいわゆるモデルカリキュラムのようなものがないというようなことなどに対応していくようなことも今回の法改正で対応しています。
その上で、GENIACというイニシアティブを開始して、スタートアップなどのAI開発の支援でありますとか、AI開発、利活用に必要となる計算資源の整備支援、これを進めています。さらに、加えまして、地方におけるデータセンターの整備への支援、そういったことも行って、総合的な取組を進めています。
さらに、今後を視野に入れまして、将来を見据え、日本が強みを持つロボティクスとAIの融合、こういったプロジェクトにも取りかかるとともに、電力と通信の効果的な連携、すなわちワット・ビット連携、これを通じた効率的なデータセンターを効果的に日本に整備していくということも進めていきたいと考えています。
引き続き、関係省庁とも連携しながら、国内のAI開発力強化やデータセンターの整備に向けてスピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/24
-
025・田中昌史
○田中昌史君 ありがとうございました。
これからどんどん特化型AIから汎用AI、更に進んでいくというふうに思います。その上で、国際競争力をしっかり維持していく、我が国の安全、それから利益を守っていく上でも非常に重要な要素だというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/25
-
026・宮本周司
○宮本周司君 おはようございます。宮本でございます。
十二年前に初当選してから九年ほどはずっとこの委員会だったんですが、その後二年ほど財務金融畑を放浪しまして、ようやくまた戻ってきて、多分三年ぶりか四年ぶりにこの経産委員会で質問させていただきます。よろしくお願いします。
半導体、特に次世代先端半導体、この重要性に関しては言及する必要はもうないと思っております。
ただ一方で、今回のこのAI、半導体の産業基盤強化フレーム、これを軸としたこの取組全体を考えると、例えばコロナ禍のとき、ちょうど私、政務官で、サプライチェーン補助金をやるとか、生産拠点をちゃんと国内に打ち込む、若しくは供給体制を強化する、そういったことで当然多額の投資をやったんですが、今回ほど継続的に巨額の支援をするというスキームは、やっぱり前例がほとんどなかったんだと思うんですね。
今回、国策としてこの半導体に対する巨額支援を続けていくスキームをなぜ構築したのか、また、この大規模な投資、また支援によって、結果としてどういう成果を目指すのか、そして、それがこの日本の経済社会にどういうリターンをもたらしてくれることを期待するのか、これをまずお聞きしたいと思いますが、同期でもあります古賀副大臣、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/26
-
027・古賀友一郎
○副大臣(古賀友一郎君) 同期の宮本先生から御指名いただき、大変ありがとうございます。
この半導体は、スマートフォンや自動車、ドローン、航空機、宇宙関連など、本当に幅広い製品を動かすために使われているということでございまして、仮にこの半導体の供給が途絶をしてしまうと、国民生活や経済活動に本当に大きな影響が生じるということで、まさにこの半導体は産業の米と言われるゆえんだと、こういうふうに思います。
また、今後もこの生成AIの技術が急速に発展いたしまして、広範な分野に浸透していく中にありまして、その技術を支えるこの半導体は、それこそ一国の発展を左右する、こういった鍵を握るものでございまして、それゆえ、この半導体製造能力の確保に向けて主要各国における熾烈な政策競争が起きておりまして、例えば米国では約十四兆円、中国では約十七兆円の大胆な支援策を講じているところでございまして、我が国もこの政策競争で後れを取らないように、七年間で十兆円以上の公的支援を行うAI・半導体産業基盤強化フレームを策定したわけでございます。
また、これは先ほど田中委員での御質疑でもございましたけれども、半導体での大規模投資は地方経済にも広範な波及効果をもたらすと考えておりまして、例えばTSMCが立地をいたしました熊本県におきましては、一人当たり雇用者報酬が年三十八万円増加するとの試算がありまして、また、九州における一昨年度の設備投資の伸びが過去最高を記録していると、こんな状況であります。
こうしたことも踏まえまして、今回のフレームを通じて、民間企業の予見可能性を高め、今後十年間で五十兆円を超える官民投資を誘発するとともに、我が国の産業競争力の強化を実現していきたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/27
-
028・宮本周司
○宮本周司君 続けてもう一問聞きます。
それだけの巨額の支援をしていくということにおいては、やっぱりしっかりとした規律を持って運営をしていく必要があると思っています。
今回も第三者の視点もちゃんと入れていくということは確認をしておりますけれども、その支援の先を決定するだけじゃなくて、そのいわゆる運営上の執行管理、これもしっかりやらなければいけない。恐らくマイルストーンの設定等もあると思うんですけれども、その達成の結果をどう検証するのか、またどう判断をするのか、その内容を例えば透明性を持って公表するのか、こういったことも必要だと思っていますし、場合によっては、じゃ、達成できなかったときにどう措置するのか、こういうふうに、この巨額支援に見合うだけの評価と管理が必要だと思います。
経済産業省としてこれはどうやって取り組んでいくのか、お聞かせをください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/28
-
029・古賀友一郎
○副大臣(古賀友一郎君) まさに大変重要な御指摘だと、こういうふうに思っております。
この半導体・AI分野の支援につきましては、これまでも、当然のことではありますけれども、予算編成過程での議論であったり、あるいは国会の審議を経て必要な予算措置を講じてきたわけでありますし、これは今後とも変わらないわけでありますが、個別案件の支援決定に当たりましても、あらかじめ外部有識者に支援の必要性、妥当性を審査していただくと、こういうことをやっていきますし、さらに、御指摘のこの執行管理、それから事後の検証、これにつきましても、これまで同様、行政事業レビューなどを実施することは当然として、大規模な支援事業につきましては、第三者の評価の下で、事業計画の策定と併せて、御指摘のこのマイルストーンですね、これを設定いたしまして、その達成状況をしっかり確認しながら事業計画見直しなどを判断する枠組みを構築して支援を行っていくと、こういうことであります。
具体的には、産業構造審議会におきまして次世代半導体等小委員会を設置しておりまして、例えば次世代半導体の量産等といった、こういったもう重要な点についてはこうした枠組みを活用して執行管理や検証を進めていきたいと、このように考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/29
-
030・宮本周司
○宮本周司君 国内からも当然国策として注目が集まる政策でもございますので、規律あるしっかりとした運用をお願いしたいと思います。
それで、今回の場合、その支援対象先としてラピダスがもう選ばれております。ラピダスがどうこうということじゃなくて、そもそも今回のこの支援スキームで何で一者なのかと、一者選定ですね。これまで、先ほど御紹介したような補助金では、要件を満たせば複数の会社を支援するということをこれまでやってきたと思いますが、今回この一者に絞り込んだスキームにしたここの狙い、これを教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/30
-
031・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 委員から御指摘のとおり、これまでの半導体支援、5G促進法による設備投資の補助金による支援でございますが、計画認定スキームになっておりました。一般的に、計画認定スキームは、一定の要件を満たすものであれば複数の計画を認定し支援すると、そういう性格な制度でございます。
次世代半導体事業者に対する金融支援でございますけれども、複数年度にわたり相当の額の、相当な規模が想定されるため、支援対象事業者を厳に限り、政策資源を集中的に投下し、次世代半導体の量産を迅速かつ確実に実現させる必要がございます。そのため、指定した半導体について最も適切な事業者を公募により一者のみ選定し、支援を講ずることとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/31
-
032・宮本周司
○宮本周司君 では、その上で、今回の支援対象となったラピダス社に関してお聞きをします。
ちょっとこれは、素人なのでこの指摘が合っているのか間違っているのか分かりませんが、やはり疑問に思うところがありますので質問しますが、今回の二ナノの次世代半導体は、ラピダスだけじゃなくて、TSMCであったりとかサムスンであったりとか、この世界をこれまで牽引してきたところも当然その開発に向けて努力をしていると。ただ、ラピダス社が打ち出しているのが、この設計から前工程、後工程、これを一貫してやるというそのビジネスモデルが我々の強みなんだと、このRUMSというシステムが、我々が実践し、これで世界の先頭を取るんだということで今この努力が重ねられていると思います。
ただ、その背景にあるのが、水平分業の場合には、企業間で互いにまだ壁があったりとか、そこでスピードが遅くなってコストも高くなりがちという、こういうマイナス要素がこのRUMSにつながる背景にあったということは社長のコメント等でも確認はしているんですが、でも、過去の半導体戦略でいくと、全てではないですけど、元々日本の日の丸連合が、日本の企業が垂直統合でやってきたところに水平分業の機動力に少し負けたという、その実施体制による違いもあると思います。当然、メリット、デメリットはあります。今、現時点では全ての企業が二ナノの次世代半導体を目指していて、これがまだ実現する途上なので、例えばラピダス社が言う、そのユーザーの求めに合った、カスタマイズしますよ、そして設計から前、後まで全部一貫してやりますよというところが競争の優位性になっているんだと思いますが、例えば、世界の最大手がこの二ナノの次世代半導体をちゃんと開発してこれが標準化された場合には、逆にユーザー側がそれをどう使ってどうそのパフォーマンスを引き出すのかという、ユーザー側がそれを選ぶという経営判断というのも想像できるのかなと。
だから、そういった観点において、今回のこのラピダス社のこの差別化の戦略、これがしっかりと有効に作用するのか、若しくは顧客をどう獲得してこの量産事業を成功させていくのか、ここに関してちょっとお答えをいただけたらなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/32
-
033・野原諭
○政府参考人(野原諭君) ラピダスは、そういう意味では後発で参入を図っていくわけでございますので、そういう意味で、先発、先行されている既存の事業者の方々の提供されているビジネスモデルによる顧客価値とは違った顧客価値をやはりアピールして、ラピダスでないと顧客の方は活用できない何か新しい価値があるということで、ラピダスを試してみようというふうに考えていただく必要がございます。
そういった観点で、最先端の半導体になればなるほど、お客さんの方で、設計、それを開発して実装するまでにすごく時間が掛かる、長期化しているというのが現在の問題でございまして、もっと短期間で、自分のビジネスを展開したいので、早く発注したら早く作ってほしいというのが顧客のニーズとしてあります。
そこに応えるために、既存の先行している三社のビジネスモデルとは全く違う生産ラインを構えて、一枚作りの製造ラインを構えて、発注から納品までの間を、期間を非常に大胆に短縮するというビジネスモデルを訴えているわけでございます。顧客候補の会社の方々とお話をされていると、非常に魅力があるビジネスモデルであると、それが実行できるのであれば非常に価値があるというふうな反応をいただいています。
そういう意味で、今ラピダスが目指しているビジネスモデルをしっかり、今年、今立ち上げているテストラインで、そういう言っているようなビジネスモデルがちゃんと実行できるんだよというのを示すことで、具体的な商談をまとめていく必要がございます。
これまでも、IBMがAI半導体の製造委託先にラピダスを活用すると公表したり、北米の新興企業テンストレントさんとの連携が進んでいたり、国内でも、ラピダス、プリファードネットワークスとかさくらインターネットがデータセンターでやっておられますけれども、提携を発表されたりしております。昨日も、AWS、世界一のクラウド事業者であるアマゾンウェブサービスのCEOのマット・ガーマンさんが石破総理に面会されたときに、ラピダスとの連携についても協議しているというふうなことをプレスの前でお話をされていました。
そういう意味で、いろいろなラピダスの顧客獲得に向けた動きがそれぞれ進展が見られるところでございます。今月からの千歳パイロットライン立ち上げに基づいて、今後の試作結果を踏まえて顧客獲得の動きというのがより本格化していくというふうに期待しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/33
-
034・宮本周司
○宮本周司君 当然、ラピダス社の成功を願う国民の一人でありますので、また、ただ、今御説明いただいたように、やはりビジネスの源泉となるこの差異性であったりとか独自性であったり、当然、この競争優位性、これが要でありますので、それがしっかりと実践、実現されるように、いろいろな支援を着実に実践をしていただきたいなと思います。
続いて、大臣に質問をさせていただきます。
月曜日も予算委員会、ありがとうございました。今回、このラピダス社が保有をいたします次世代半導体を実現するためのこの技術、これは先ほどの質問の中にも出てきたと思いますが、経済安全保障の観点からも、やはりこれは極めて重要だと思っています。ラピダス社が、経営判断のいわゆるスピード、迅速性を優先するとか、そういったものはやはり配慮していかなければいけませんが、先ほどからの質問につながるように、国としてのガバナンスをしっかり発揮する、これも重要だと思っています。
先般、参考人でお越しをいただきました小池社長を中心にしっかりとした経営が実現されるとは思っておりますが、ただ、何が起こるかが分からない。不測の事態が発生する可能性は否定できません。経営判断を誤る場面もあるかもしれません。そういったときに、例えばこの政府の保有株式の詳細の設定を行う上においても、やはりそういったリスクに対することは十分に考慮すべきではないかなと思っています。
例えば、大臣、こういった重要な経営事項に対して拒否権を有する、いわゆる黄金株を保有する、こういったことも考えるべきじゃないかなと思っております。また、経営に不測の事態が発生する場合等に備えて、国として機動的な対応を行うべく、能動的なガバナンスが発揮できるよう検討していく、これも必要だと思います。そして、これだけ巨額な公的資金を支援するわけですから、やはりその回収の観点から、事業が軌道に乗った、若しくは事業が成功した場合に、最大限の資金回収、適正なリターンを得られるようにどういうふうに枠組みをつくっておくのか。この点、大臣、どのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/34
-
035・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) 御質問いただきまして、ありがとうございます。
委員がおっしゃられるように、巨額な、一社に対する、まあこれはまだ決定していませんけど、公募に掛けた一社に対して投資をすると。非常に、今までの日本の政策体系からすると極めてまれだというふうに思いますし、経産省の方も、こういう今までの日本の半導体の凋落から始まって、この世界の流れを受けて、これは何とかしなきゃいけないという思いの中でここまで進んでこれたと思いますし、もっとも宮本委員が財務省におられたので、その中でいろいろバックアップもしてくれたんじゃないかなという気もいたしますけれども、いずれにしても、今こういう形で巨額な投資をしてガバナンスをどう発揮するのか、今の株主の在り方等々、これは今も、衆議院の方でもいろいろと皆さんからも、委員の先生からも御指摘いただきました。
そういう中で、この出資の対価として取得する株式の設計というものについては、選定をされた事業者の事業計画の内容ですとか、産業構造審議会の次世代半導体小委員会というものをつくりますけれども、ありますけれども、この意見等を踏まえて検討するため、現時点では具体的内容はまだ決まっていないところであります。
その中で、同小委員会で、株式設計に当たっては、経営判断の迅速性等の観点から、政府による過度な経営への介入を避けるべきだという御指摘もある中で、経営に不測の事態が発生した場合、困難に備えて適切なガバナンスを確保し、また、例えば重要な経営事項に拒否権を有する、いわゆる先生おっしゃられるような黄金株といったものも参考にする必要があるという旨の方向性も示されているところでもあります。また、事業が成功した場合のリターンについてですけれども、民間出資を可能な限り促進をする観点と政府出資の回収を図る観点、その双方の観点から適切な設計とする必要があるという御指摘をいただいているところです。
今後、こうした観点を考慮しながら、同小委員会の意見等を踏まえて、具体的な株式設計を検討してまいりたいというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/35
-
036・宮本周司
○宮本周司君 承知しました。是非よろしくお願いいたします。
ここからの質問はちょっとまた観点を変えていきたいんですが、こういったAI、半導体が、今後我が国、いろいろな経済活動であったり、社会生活に果たす役割というのは更に大きくなってくると思います。現時点でも、クラウドを始めとしたデジタルサービスというのは、この社会、経済に浸透してきていますし、チャットGPT始めとした生成AIがまた更に急加速度的に成長もして貢献もしていくと思います。
こうした中、GAFA等々の海外のビッグテックがこのシェアを占めている、その存在が大きいことなどから、デジタル赤字というものが年々拡大してきているというのもまた一つ足下で起こっている深刻な課題だと思うんですね。二〇二四年には、もう約六・七兆円程度までこれが積み上がっていると聞いております。
今後、このデジタル赤字が更に拡大することの試算もある中、いかにこのデジタル赤字を縮小していくのか、経産省としてどのように戦略を持ち、取り組んでいくのか、加藤政務官、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/36
-
037・加藤明良
○大臣政務官(加藤明良君) 宮本委員の質問にお答えをさせていただきます。
御質問いただきましたクラウドやAIなどのデジタルサービスがより一層浸透していく中で、経済活動での生産性や国民生活の利便性が向上していく一方、それを享受し、利用すればするほど国富が海外に流出をしていく、いわゆるデジタル赤字の拡大につきましては、政府としても大きな危機感を持って対処する必要があると考えております。
こうした課題に対しまして、現在は、一つには、国内の事業者が競争力あるクラウドサービスを提供できるように、経済安全保障推進法に基づく技術開発支援におきまして、また日本発の生成AIの開発、普及に向けた、AI向けの高度なコンピューターの整備の支援、さらにはスタートアップによるAI開発の支援、そして三つには人材の育成などに政策を重視をし、取り組んでいるところでございます。
デジタル収支の改善に向けまして、今後、政府全体で施策を強化していく必要があると考えており、AI・半導体産業基盤強化フレームも活用し、関係省庁とも連携しながら、デジタル収支の改善に資する取組を拡充をさせてまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/37
-
038・宮本周司
○宮本周司君 では、それはよろしくお願いしたいと思います。
次に、ちょっと人材育成に関してお聞きをしたいと思います。
個人的に私にそういったスキルが乏しいので逆に興味を持っているんですが、私が生まれ育った地元、実家なり、私が携わっていた酒造業の会社がある裏山に北陸先端科学技術大学院大学という長い名前の、通称JAISTと呼んでおりますが、この大学院大学があります。ここで実はこういった情報等々の部分を専門的にされている、今副学長の丹先生という方がいらっしゃいまして、今回のこの法案に関して丹先生と少しやり取りをさせていただきました。丹先生は、今そういった情報化の統括責任者もやっていますし、IPAも絡んだサプライチェーン・サイバーセキュリティ・コンソーシアムの人材教育とか育成ワーキングの座長も務めていただいております。
例えば、このJAISTでは、今年の十月に高度情報専門人材育成コースというものを創設する予定で、AI、インタラクション、サイバーセキュリティー、ヒューマン、この四分野を複合的にカバーしたカリキュラムを用意して、いわゆる次世代AIの研究開発課題に取り組む人材を育成していく、こういった予定もありますし、既に丹先生がセンター長を務めているデジタル化支援センターというのがございまして、ここは、例えば企業であったり行政であったり、実際にその現場で問題とか課題を抱える方々がこのセンターで研究開発に取り組んでいく、実際に現場で起こっている問題、課題に対してデジタル技術を適用して解決をする、そしてその成功体験を持ってまた実践的なデジタル人材として活躍をしていただく、実はこういったスキームのことも既に取り組んでいただいております。
デジタル化によるこの変革を迎えた現代でありますので、今後、海外とのデジタル人材に関する連携を図っていく、こういったことも想定をすれば、例えば、まだ先の話になるかもしれませんが、こういったデジタル人材であったりデジタルスキルに関して、国際的な共通の定義であったりプラットフォームというものもいずれ必要になってくるんじゃないかなと思っています。
その前段として、まずこの国内で、じゃ、デジタル人材とは、デジタルスキルとは何ぞやと、何を身に付けるべきなのか、若しくは必要とするデジタルスキルをどう習得するべきなのか、例えばこういった定義とかをしっかりと明確にする、またどういうふうに措置をしていくのか、こういったことは極めて重要なんだと思います。
そして、その習得や習熟の機会をつくっていく、これは当然育成というところで、それはもちろんなんですけども、個人が有しているそのデジタルスキルを可視化する、例えば個人がこれまで学習してきたデジタル分野の学習履歴を管理する、こういった仕組みも今後構築することの必要性があるんじゃないかなと思いますが、経産省はどうお考えでしょうか。
〔委員長退席、理事古賀之士君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/38
-
039・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
まず、デジタルスキルの関係ですけれども、開発側につきましては、従来より、ITSS、これソフトウェアのエンジニアの能力、例えばアーキテクト、アーキテクチャーをつくる人はどういうスキルが、能力が必要なのかとか、データベースの人はどういう能力が必要なのかというのをスキル標準としてまとめていたり、組み込みというエリアではETSSというような形でスキル標準というのをつくってきていました。
ただ、今AIをどう使っていくのかと、そういうようなこととかを考えていくと、ユーザー側も含めてデジタル人材、つくる側だけじゃなくて使う側の中で、どういう人ならこれを使えるのか、実装できるのか、その役割に応じてどのスキルが必要なのかということを明確にする必要があるだろうということで、まさにデジタル人材に求められるスキルの定義、これを明確化するということを取り組んできています。
経済産業省では、IPAと連携しまして、デジタル人材育成に関する指針という形ですけれども、これ二〇二二年にデジタルスキル標準を策定しまして、デジタル人材の役割ごとに必要なスキル、これを明確化しています。
また、これをベースにしっかり学べる環境をつくらないといけないということでございまして、このデジタルスキル標準に準拠する形で、民間企業などが教育コンテンツを提供する、これを一元的に集約して提示できるようにするためのポータルサイトのマナビDXというものも運営しておりまして、既に約七百六十講座をこれ掲載しています。こういうような形で、自らが目指す姿に応じた形で学習して、これを選択してきちっと学んで身に付けていくという環境を整備しているところでございます。
さらに、その先に、委員御指摘のとおり、自分が何を身に付けているのか可視化して、それをお示しできるような仕組み、これ、シンガポールなんかではスキルズフューチャーとかですね、幾つかの国、こういった取組始めています。
〔理事古賀之士君退席、委員長着席〕
経済産業省、IPAの方でも、個人の資格、試験とか、試験の結果や資格、あと、どういう講座を受けたのか、こういう受講履歴、こういったいわゆるスキル情報を可視化するためのプラットフォーム、こちらの整備に取りかかっています。こういった形で自らの能力を開発して、これを可視化して、次のキャリアアップにつなげていく、こういうようなことができるような環境を実現していきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/39
-
040・宮本周司
○宮本周司君 関連して、これも丹先生とのやり取りで出てきた話なんですが、例えばアメリカからある受注をして、ある部品を受注している国内の企業があります。今の段階では特に契約上求められていませんが、例えば武器、装備品であったりとか、様々な今後高度な展開の中で、このデジタルスキルに関するところで、それを満たしていないと契約にたどり着けない、こういった状況というのはどんどんどんどんこれから多くなっていくんだと思っています。サプライチェーンそのものであったり、そこに関連する業種からいろいろなそのデジタルスキルを、若しくは技術を求められてくる、これが契約にも直結する可能性というか、環境が今後どんどん広がってくるんだと思います。
その意味においては、リスキリングも含めてですけれども、中小企業の現場においてもこれからかなりその高度なものを求められていく、でも、それは決して総合点で全て高い技術を持っている必要はなくて、個別の専門的な分野だけしっかりと深掘りして習熟すれば契約の要件は満たせるかもしれない。その意味において、先ほどの個人のデジタルスキルであったり、その履歴ですよね、学習履歴、こういったことが可視化されることによって、短期的に、簡単に、契約にも必要とされるそういったデジタルスキル、技術を身に付ける、その学びの機会もつくる、こういったことも可能になってくるんだと思っております。
なので、これからのそういった日本の様々な産業界におけるビジネスチャンスを捉えていくためには、こういった必要とされる個別のスキルを容易に取得をする、容易に習熟、習得する、こういった仕組みもちゃんとつくっていかなければいけないと思っておりますし、その先には当然最適化とかマッチングとかリスキリングというのも、そのツール、環境として存在してくるんだと思います。
これに対しては、経済産業省として何か考えがあるのか、また既に取り組んでいることがあれば御紹介をいただけたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/40
-
041・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
まさにデジタルスキル、一般的なものから特定のもの、さらに特定分野におけるデータをどう使うのかとか、データサイエンス的なものについては、あるドメインごとの特徴はやっぱりございます。
そういった意味で、先ほど御紹介をさせていただきました教育ポータルサイト、マナビDX、こちらの方で、民間企業がいわゆるスキル標準に応じた、対応した形で教育ができる、学ぶことができるコンテンツ、先ほど約七百六十講座というふうに御紹介しましたが、この中で実は、委員御指摘のような形で、例えば製造業に特化したデータサイエンス講座とか、医療領域でのAIを実装するためのどうするのか、卸、小売などの流通業においてAIをどう活用するのかといったいわゆる個別の産業を意識した講座というのも実際提供されております。
こうした業種特化型の講座の拡大も含めまして、マナビDX、順調に利用も広がってきています。こういった取組、しっかり進めていきたいというふうに思います。
また、こういった形で学んだものにつきましては、先ほど御紹介しました個人の能力をいわゆる可視化するためのプラットフォーム、今整備に入っていますけれども、こういったものを通じてちゃんとお示しもできるような形にしていくことができないだろうかということで取り組んでいきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/41
-
042・宮本周司
○宮本周司君 ありがとうございます。
JICE等始め、いろいろな高等教育機関においても、この日本全体のデジタル人材の育成に関してはそれぞれが協力同心して取り組んでいるということもあると思いますので、また是非政府の方でもしっかりと誘導して、有機的に化学反応も引き出せるように取り組んでいただけたらなと思います。
大臣、もう一問御質問をさせていただければと思います。今回のこの日本のAI、半導体を世界に伍して競争できる産業にしていく、この部分について改めてお聞きをしたいと思います。
やはり、この巨額支援を通じてしっかりと支援をしていく、そして、このAI・半導体産業基盤強化フレームを通して産業競争力の強化、経済安全保障、そして、エネルギー政策、この観点から日本のAI・半導体産業を育成していく、そして、世界に負けない産業にしていきつつ、当然この日本の経済社会を豊かにしていく、こういった思いがあると思いますが、これに対する大臣の覚悟と思い、これをお聞かせをいただけたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/42
-
043・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) チャットGPTが二〇二二年リリースして、ユーザー数が僅か五日で百万人という驚異の世の中の変化のある中で、これが二か月後には一億人を突破するなど、生成AIって驚異的な本当に速度で今世の中の変化を生み出しているんだと思いますし、我々の生活に浸透してきている。今後、生成AIが更に進化すれば、高度な自動運転、またAIのロボット、ロボティクスというのが今いろいろ出てきていますけれども、こういうものが当たり前になってあらゆる産業に波及をしていくんだと思います。
今、日本が抱えている人口減少とか、委員のところもそうですけど、これから蔵元をどう維持していこうかとか様々な、それぞれいろんなところの課題というものが、まさに人口減少があると思いますが、その中で、私としては、この生成AIを使ったロボットを中心とした、まさに映画でSFを見ていたものが超現実に、リアルになりつつあるというのがこの頃の、昨今の状況だと思います。
いかにこの発展、そして生かした産業の競争力強化にとって、基となるのがこの半導体、しかもこの次世代半導体という世界に入っていきます。
この半導体製造能力に世界が巨額の投資をしながらしのぎを削っている状況の中で、そしてまた、ある意味で、保護主義的な各国の今の状況を踏まえると経済安全保障も、考えれば当然ですけど、日本はこれを世界から今後も買っていくのかと。何かあったら世界に頼らざるを得ない世界をつくっていくのか、それとも日本がやはりこれを供給できる体制をつくっていくと。冒頭の方にもありましたけど、世界がこうやってサプライチェーンを構築していますので、少なくとも日本はその中のチョークポイントの幾つかはやっぱりしっかり握りながら、世界と連携をしながら新しい世界へ我々が引っ張っていかなきゃいけないんだと。
そんな思いで、この実はAI・半導体フレーム始めとした次世代半導体のこのラピダスの案件というものは、私もいろいろ勉強させていただきましたけれども、まだまだ正直言って不十分です。これが現実になるまでも、しっかりこれからも皆さんの御指導、御協力をいただきながらこれ進めていかなきゃいけませんので、そんな思いで委員の御質問にお答えさせていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/43
-
044・宮本周司
○宮本周司君 もう時間が僅かとなりましたので質問は以上にしたいと思いますが、データセンターに関しても、実は東京、大阪にほとんどが集中しているので、今後の災害対応、レジリエンス強化という観点で、日本海側にもしっかりと分散配置をしていく必要があるんじゃないか。ここに関しては経産省としても戦略を練っていただいていると思っております。
また、そこに関連して、実は日本海側、秋田県から福岡県の間は海底ケーブルがないんですね。今後、やはりこの地方データセンターを含めて海底ケーブルの設置も必要だと思っています。今日は答弁をちょっと求める時間ありませんが、総務省の方にはこのことも意識をしていただいていると思っています。これまでの数年間で幾つかの事業構想は聞いてはいるんですが、一社体制ではなかなか難しいのでコンソーシアムを組む、そういったことも誘導する必要があると思いますので、今回の法改正も含めて、また、経産省、総務省も含めて連携して、この我が国の経済社会に大きな富を生み出すことにつながることを期待し、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/44
-
045・古賀之士
○古賀之士君 先ほどまで政府側に座っていらっしゃいました友一郎さんではなく、古賀之士の方でございます。どうぞよろしくお願いいたします。参議院だけでも古賀姓が三人今いるわけでございます。よろしくお願いいたします。
まず、法案審議に入る前に二つ、大臣、そして公正取引委員長にお尋ねをいたします。
まず、いわゆる米国政府によりますトランプ関税でございます。最新の状況、交渉状況をまず大臣に伺います。よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/45
-
046・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。
最新の情報ということでございますが、テレビの報道やらいろいろ、もうどんどん次から次へいろいろ出てくるから、我々もちょっとある意味でえっというところもあるんですけれども、今、私どもが現実、先般、赤澤大臣が渡米をしまして、あれが日本時間で十七日でしたので、今日、ここの委員会では初答弁になると思いますので、そういう意味の中でちょっと答弁をさせていただければと思います。
赤澤大臣が渡米をしまして、トランプ大統領を表敬することができました。続けて、ベッセント財務長官、ラトニック商務長官、グリア通商代表との間で米国の関税措置に関する日米協議を実施したところです。
赤澤大臣からは、米国の関税措置が極めて遺憾であることを述べ、我が国の産業や日米両国における投資、雇用の拡大に与える影響等について我が国の考えを説明した上で、米国による一連の関連措置の見直しを強く申し入れたと承知をしております。
また、協議の結果、双方が率直かつ建設的な姿勢で協議に臨み、可能な限り早期に合意し、首脳間で発表できるよう目指すこと、次回の協議を今月中に実施すべく日程調整をすること、また、閣僚レベルに加え、事務レベルでの協議も継続することについて一致をしたところであります。
協議結果を踏まえ、まずは次回の閣僚協議を今月中にも実施すべく日程調整を進めていくものと承知をしております。引き続き、政府一丸となって全力で取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/46
-
047・古賀之士
○古賀之士君 そこで、今、報道によりますと、ベッセント財務長官が、日米において通貨の目標設定は定めないという報道がなされております。これは、大臣は、実際に、その辺の報道も含めて、認識をされ、御確認をされて、どのような御所見を今お持ちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/47
-
048・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) 昨日G20がありまして、今日会談をされるというふうに、ベッセントと加藤財務大臣がやるという話を聞いています。為替についての話が、冒頭というか、数日前からトランプ大統領の発言等についても何かそういうらしきものが流れていましたけれども、現実、今日、じゃ、その関税問題について話されるのかどうか。この前の赤澤さんの訪米のときには、たしか報道ベースではその話は出なかったというふうに聞いておりますけれども、今回、そういう意味でベッセントと話をするわけですから、そこで出るか出ないか、ちょっと私どもも承知をしていません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/48
-
049・古賀之士
○古賀之士君 承知をしていらっしゃらないということで確認をさせていただきました。
一方、この先行き不透明な中、IMFの予測も、世界成長は大幅減速、楽観予想は全面書換えなどという文字が出てまいりました。我が国経済は、どのセクターのどういったエリアに、どういった産業に影響が出てくるというふうに今現時点でお考えなのか、またどのような対策を今考えていらっしゃるのか、御所見をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/49
-
050・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) 私自身は、この関税発動を受けて、三月たしか十二日に鉄、アルミが発動された、そして、四月の三日でしたかね、自動車が発動され、相互関税が出るという話の中で、業界からは、それぞれ自動車、それから自動車部品業界、また鉄、アルミ業界、それぞれ伺ったところでもあります。
また、総理から御指示を受けて、全国一千か所、この相談窓口をとにかく早くつくれという御指示もありまして、また、今日も、副大臣、政務官にもそれぞれプッシュ型で出ていただきながら、我々、局、各局もそれぞれプッシュ型で情報をとにかく集めてこいということで指示をさせていただいておるところです。
また、その中で、今の国内の産業への影響というものをこれ精査していますけれども、現時点でございますが、現時点では直接的な影響を訴える事業者、そう多くは正直言ってございません。ただ、将来に対する不安というものが非常に大きいというのが、これが今のデータであります。多くの企業は、今後の先行き次第では、米国向け販売減ですとか、値下げ圧力ですとか、受注減、資金繰り悪化、雇用の影響を懸念をしながら動向を注意されているというのが今の現実だと思います。
また、先行き不透明感から、投資の計画ですとか、また事業ポートフォリオの見直しですとか、新たな販路の開拓を検討する必要もあり、こういう政府への要望としては、正確で迅速な情報提供というものが多く寄せられたところでもあります。それは、いろんな報道が流れていますので、とにかく正確な、的確な情報源欲しいということの意味として、私どもとしては、ワンストップで情報確認できるポータルサイトを立ち上げ、すぐもう立ち上げさせていただきました。私も見ましたけど、若干ちょっと役所っぽいところがあるので、ここは随時情報を更新させていただければというふうに思っています。
資金繰りや資金投資に関する要望に対しても既に支援策を講じておりますけれども、引き続き、現場の声を踏まえながら、実態に即した形で追加の対応を講じていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/50
-
051・古賀之士
○古賀之士君 次は、公正取引委員会について伺います。
先週だけでも二回、朝日新聞の一面を公正取引委員会の内容でお話が出ていました。四月の十六日水曜日の一面によりますと、「グーグルに排除命令 検索アプリ独占、第三者が五年監視へ」ということと、それから翌四月の十七日木曜日、「ホテル十五社、カルテルの疑い 客室単価など共有」ということでした。この内容をまず簡単に伺いたいんです。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/51
-
052・古谷一之
○政府特別補佐人(古谷一之君) 今委員がお尋ねになりました、まずグーグル社に対する件につきましては、グーグル社がアンドロイド端末メーカーとの間で、端末メーカーが製造する端末へのグーグルプレイというアプリストアを搭載することについての許諾に併せまして、グーグルサーチという検索アプリなど自社のアプリをその端末に初期搭載をさせて、これらの自社のアプリの端末画面上の配置場所を指定するといったような契約を締結しているという点と、もう一つは、またこのアンドロイド端末メーカーとの間で、競争関係にある事業者の検索アプリを搭載しないこと、こういったことを条件に金銭を支払う、言わば検索に連動する広告で得た収益をそういう条件を付けて支払っている、そういった契約を締結しているということによりまして競争事業者の検索機能を端末に実装させないようにしていることが拘束条件付取引に該当し、独占禁止法に違反するということで、四月十五日にグーグル社に対しまして違反行為の排除あるいは再発防止等を命じる排除措置命令を行わせていただきました。
それから、二つ目の東京都内のシティーホテルの件でございますが、こちらは現在審査中の案件でもありますので詳細は差し控えさせていただきますが、東京都内のシティーホテルを運営する十五社が、毎月の客室の稼働率、客室の平均単価や将来の予約状況、あるいは客室単価の設定方法等の情報を交換していたということにつきまして、価格カルテルにつながりかねず、独占禁止法の不当な取引制限の禁止に違反するおそれがあるということで、先般、これら十五社に対しまして再発防止を求める警告書案の事前通知を行っている段階でございます。
本件については、今後、警告書案に対する各社からの意見等を踏まえまして、最終的な結論を出したいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/52
-
053・古賀之士
○古賀之士君 ありがとうございます。
今、ホテル十五社のお話に関しては今係属中ということでございますので、またそれは日を改めてか、また後ほどということにさせてください。
グーグルに排除命令についての記事からですが、そこで、この委員会でも審議をされました、昨年成立しましたスマホソフト競争促進法の指針、ガイドラインが今策定をされている最中だと存じます。
そこで、今いかなる議論を経ましてどのような段階にこのガイドラインは来ているのか、現状、それから概要をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/53
-
054・佐久間正哉
○政府参考人(佐久間正哉君) お答えいたします。
公正取引委員会では、本年十二月までに予定されております同法の全面的な施行に向けまして、昨年、国会審議の際にもいただきました附帯決議なども踏まえまして、独禁法、経済学の専門家のほか、プライバシーやセキュリティーの専門家等から成る有識者検討会を開催するとともに、規制対象となる指定事業者、これは先日、三月にアップルとグーグル、両者を指定いたしましたけれども、も含めた関係事業者や関係省庁、海外当局とも緊密にコミュニケーションを取りながら、下位法令、指針の整備を進めているところでございます。
この指針においては、指定事業者が新法の規制を遵守するために適切に対処できるように、禁止行為あるいは講ずべき措置の想定例を具体的に記載するなどして、公正取引委員会の運用方針の明確化を図りたいと考えております。
引き続き、関係事業者とも緊密にコミュニケーションを取りながら、指針の原案の取りまとめを含め、実効的な法執行に向けた準備を着実に進めてまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/54
-
055・古賀之士
○古賀之士君 今回は、日本の場合、グーグルで、それからEUでは、先般、アップル社がかなり高額な罰金を請求されているというニュースも入ってきております。
例えば、こういったガイドラインを作っていく上で大事なのは、やはりきちっと実効性のあるものにしていくということでございますので、是非その辺をお願いをしておきたいと思っております。
それともう一点。例えば、自社のアプリストアは一回の操作でダウンロードできるんですけれども、他社の場合は十回とかそれ以上のステップを踏まないとダウンロードできないケース、こういったものは違法になるんでしょうか、現時点で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/55
-
056・佐久間正哉
○政府参考人(佐久間正哉君) お答えいたします。
仮想の事例でございますので今の段階で確定的なことは申し上げられませんが、一般論でお答えさせてください。
スマホソフトウェア競争促進法では、指定事業者が他の事業者のアプリストアの提供を妨げる行為を禁止しております。同法は、インストールを行うためのプロセスを不必要に複雑なものとすることなどにより他の事業者のアプリストアの利用を実質的に困難にさせる蓋然性の高い行為を含めて、幅広く問題行為を捉えることが可能な規定となっております。
現在検討中の指針におきましても、委員御指摘のような行為に対する考え方も含めまして、指定事業者が禁止行為を迂回することがないように、禁止行為などに関する具体的な考え方を明らかにしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/56
-
057・古賀之士
○古賀之士君 そういう意味でも、今検討中のガイドラインというものに関してはしっかりとしたものを構築していただきたいと、そういう要望をしておきます。
では、本日の議題、情報促進法の改正案の質問に移らせていただきます。
まず、大臣、株式会社ラピダスで、二〇二七年から量産用設定のいわゆる次世代型の二ナノ世代という、国内で量産はまだされていないという新しいチャレンジになります。これを使った生成AIなど、本会議でもお尋ねをしたかと思いますが、大臣は一体どんな夢や未来を、そして今ちょっと日本や世界、閉塞感が漂っています、そういった方々に対してやっぱりきちっとこういう未来を提示できれば大変有り難いと思っております。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/57
-
058・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) 宮本委員にも先ほどちょっとお答えをしたところですけれども、我々、古賀委員と私は大体同年代だと思っておりますけれども、昔のSFが、超現実的なものがもうそこまで迫ってきたのかなという気がしております。
今委員がおっしゃられるように、生成AIもこういう形の中で急激進歩する中で、私どもが感じたインターネットの発明よりも大きな革命が起きてくるんだろうと思っております。想像しなかった未来がいよいよ実現できるのかなと思っていますが、現実、生成AIが言語から画像を生成をしたり、創薬のためのたんぱく質を生成したり等すること、また認知機能を持って段階的に推論しながら問題を解決すること、こうしたことは今やもう日常のこととなっているところであります。
そして、遠くないうちに、今、我々も実装を今始めていますけど、自動運転、ここの世界だったり、また、ロボティクスを使ったAIロボット等の高度な技術が社会実装され、そうした動きが加速化をしながら広がっていくことで、様々な先ほど来申し上げました社会課題も解決してくるんだろうと、そんな夢が現実に近づいているということで、劇的に異なる未来が来るんだろうという思いをしております。
こうした未来の中で、AIの機能というものは画一的ではなく、ここも多様的なものであるということですので、製品ごとに最適設計されたカスタム半導体の需要が世界的に拡大していくものと考えて、見込んでいるところであります。
ラピダスは、カスタム半導体の需要に応えるビジネスモデルの新しい確立を目指しておりまして、量産する次世代半導体は、こうした未来社会を他国に依存しない形で実現できる、そのための最重要技術だと考えているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/58
-
059・古賀之士
○古賀之士君 大臣と私、同世代というお話をいただきましたけれども、確かに二十世紀、様々な我が国の技術、創意工夫によって、いろいろなものが世界に広く行き渡ってまいりました。
例えば、もう皆様御存じのように、織り機から自動車、あるいは自転車からも世界に冠たる自動車メーカーが生まれております。私の地元、ふるさとでは、地下足袋からタイヤ、ブリヂストンが生まれておりますし、それから、今話題になっております任天堂のSWITCH2、これはもう、私たちが少年の頃はトランプや花札の世界でございました。それが今やもう、報道によると、予約して、その抽せん一回目だけでもう二百二十万人の方が応募をされて、とてもじゃないけど全員には行き渡らないと言われているところまで来ていますし、このニンテンドーSWITCH2が値上げをしないというだけで、アメリカの皆さんたちが、多くの皆さんたちが安堵したというニュースまで入ってきているわけですね。それぐらいやはりわくわくさせている商品が今も日本にはちゃんとあるわけです。ただ一方で、そのニンテンドーSWITCH2にはエヌビディアの半導体が使われております。SWITCH1もそうでした、報道ベースですけれども。
つまり、そういったことで、私たちが更に国民の皆様や世界の皆様たちに提供できるのは一体何だろうかということで提案させていただいたのが、人間のように、人の代わりやお手伝いができるヒューマノイドロボットだと。今、関西万博も始まりましたけれども、今から半世紀以上前、覚えていらっしゃいますか、大阪で、一九七〇年万博、そのときに、私は伺ってませんけれども、映像ではヒューマノイドロボットが数多く展示されています。それが、残念ながら今、日本には、もう盛り上がりを欠けている分野でもあると思います。
一方で、毎年、ラスベガス、一月で行われているCESというデジタル産業見本市、ここ、四千五百社もの世界中の企業が参加している見本市で、御存じの方も多いと思いますが、このCESで中心的な存在になりつつあるのがやはりヒューマノイドロボットなんです。アメリカや中国ではもう多数出展されています。日本では寂しい限りです、そういう意味では。だからこそ、ここでやっぱり二ナノの半導体使って何するんだということを日本が考えていかなきゃいけない。
一九八〇年代、ジャーナリストの柳田邦男さんという方が日本が逆転した日という本を書かれました、今も単行本で出ているかもしれませんが。そこには、例えば、ビデオはビクターと言われるぐらいまでなるようなもの、あるいはウォークマン、ソニーさんが作ったウォークマン、それからロータリーエンジンを開発したマツダさん、こういった日本に冠たる技術者の皆さんたちが一生懸命世界に向けて提案し、作り上げてきたという物づくりのですね、まさに製品を出していったわけです。
今、不思議でしようがないのは、二ナノの半導体は作りましょうはいいんです。でも、それ使って一体日本は何を作って、どんなことで貢献できるんだというところが残念ながらまだ足りていないんじゃないかというのが私の率直な認識なんです。
例えば、国がてこ入れしてでも、例えば生成AIも、ロボットだけではなくて、日本版の例えばチャットGPTをもう国主導で開発していく。それが間接的にも、これ日本のいい意味でのアピールにもなっていく。つまり、答えが出てくるものに対して、日本にやはり好意的な内容になってきたり、あるいはより日本の重視する客観性や公正性を担保にしていくというようなものを作り上げていくということも大事だと思います。
つまり、後ほど申し上げようと思いましたけれども、もうここまで来たので、二ナノの半導体を使ってという、これもう実質的な国家プロジェクトですよね。七年で七兆円、それからもう更に金額が膨れ上がるんじゃないかとも言われています。つまり、これ、日本だけではなくて、世界各国が国を挙げて国家プロジェクト並みに、ステージが変わってきているという証左でもあるような気がするんですね。
だからこそ、日本がこれから先、そういう国家プロジェクトをきちっと法整備をして、そして、皆さんの、国民の皆さんたちの、主権者の皆さんたちの理解を得た上で、前に堂々と推し進めていくという施策やプロセスや過程をこの国会の場でつくっていかないといけないんではないかと考えている一人でございます。
そういう意味では、伺います。まず、その二ナノ同様、国主導で何か開発すべきだというのは伝わってくるんですが、じゃ、具体的に何をという部分で何か御提案やアイデアがあったら教えていただきたいんですが、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/59
-
060・野原諭
○政府参考人(野原諭君) AIの、我が国のポテンシャルということからしますと、やはり製造業が我が国は強かったわけでございまして、例えば先行的な成功の事例としては、プリファードネットワークスとENEOSさんと、あと海外展開とか、三菱商事さんが三社で組まれまして、マトランティスという材料の探索型のAIを開発し、これをグローバルに今展開されているわけですね。
これは一つの成功例で、こういうもの、製造業の強みを生かして、あるいは日本の各製造業、サービス業の個別の企業が持っているユニークなデータを活用してそれをどうAIに展開するかと、この領域特化型のAIをどう開発し、これをグローバルに売っていくかということが日本の今後の将来性がある分野でございます。
特に、今週月曜日に、エヌビディアのジェンスン・ファン来日されて、総理にもお会いになりましたけれども、ジェンスンがすごく主張されていたのは、日本の強い自動車産業あるいは産業機械、ロボット産業、ここがAIを搭載して、いかに新しい産業に生まれ変わっていくかと、ここが非常に鍵になるし、日本にもチャンスがあるということだと思います。
そういう意味で、自動車あるいは製造業の領域特化型のAIを開発するプロジェクトというのを、やはり、今回のこの手当てをするAI・半導体産業基盤強化フレームを活用して、やはり次々にプロジェクトを組成して、日本の産業自体がAIでトランスフォームして競争力を持つと、グローバルに勝てるようになっていくということをやはり取り組んでいかなければいけないと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/60
-
061・古賀之士
○古賀之士君 では伺います。
基本的に応援したいという気持ちがあるからこそのお尋ねなんです。そして、先日も村田委員からも、いや、もう国民皆さんに株主になったらどうだという、もう斬新なアイデアも出てきました。そういう意味で、皆さんたちに理解を深めていただくための質問だと御理解ください。
このラピダスプロジェクトの総額、幾らの見通しになるんでしょうか。国の支援はそのうち総額幾らになるんでしょうか。それから、これまでの支援、それから今後の支援に分けての金額もそれぞれお示しいただけると有り難いんですが、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/61
-
062・野原諭
○政府参考人(野原諭君) ラピダスプロジェクトにつきましては、同社による今後の開発見通し、それから同業他社の投資動向等を踏まえまして、これまでの支援決定額を含めまして、研究開発に総額二兆円程度、それから、量産工場一棟のフル稼働に向けて一・五兆円から二兆円程度が必要になるというふうに現時点では見込んでおります。
経済産業省からは、既に研究開発に対しまして最大合計一・七兆円を支援決定しておりますけれども、本法案に基づく次世代半導体製造事業者に対する出資の原資として令和七年度当初予算に一千億円を計上しているところでございます。
その上で、本法案に基づいて選定される次世代半導体製造事業者に対してどのような支援を行っていくかということについては、今後、民間投資家、金融機関とも連携しつつ、外部有識者も交えて事業計画等を精査する中で具体化させていくということになりますし、支援に必要となる今後の予算については、毎年度国会に予算を提出し、御審議いただくことになるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/62
-
063・古賀之士
○古賀之士君 となるぐらいの巨額な金額だというのは理解をできました。
例えば、ラピダスさんのところでいくと、IIM―1と言われる一棟目、二ナノ世代の量産で、これ、小池社長のお話によりますと、第二棟、IIM―2は更に次世代、一ナノ台の量産というようなことも考えていらっしゃると、将来的には第三、第四棟程度の拡張も構想されていると伺っておりますけれども、これ、国はどこまで支援をされる御予定なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/63
-
064・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 一号棟のところまでのお話を先ほど申し上げました。二号棟以降については、やはり、その二号棟の生産能力を持つだけのお客さんを獲得して、見通しがあるところで二号棟、三号棟、四号棟というふうに順調にいけば建てていくということになると思いますけれども、それはラピダス自身のキャッシュフロー、それだけビジネスをやってキャッシュフローが生まれてくるところを活用しながら、それから二〇三〇年頃のIPOを目指していますので、資本市場で投資家の方々、内外の投資家の方々から資金を調達して、それを次の投資へ充てていくということで、投資をして拡張していくと、そういうふうに考えております。
将来の支援につきましては、そういう意味で、今回のこの法律に基づいて、想定されている事業者としてラピダスを、この量産化支援、金融支援のところは措置しているわけですけれども、産構審の次世代小委員会の方で、この事業計画等、御審査を、提出があれば御審査をいただいて、支援について議論していくことになると思いますけれども、その中で事業計画が、概要が固まっていく中でどれぐらいの展望になるかということで明らかになってくるだろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/64
-
065・古賀之士
○古賀之士君 具体的にちょっと細かくなってきますけれども、国の支援はどのように行われているかということを更に深掘りすると、昨年度までに九千二百億円の上限が支援として決定されています。これは何年度の予算で、つまり、当初予算そして補正予算、どちらなのか、それぞれ幾らなのか、どのような道筋でその支援に投じられているのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/65
-
066・野原諭
○政府参考人(野原諭君) お尋ねの昨年度までの九千二百億円を上限とした支援についてでございますが、令和三年度補正予算で七百億円、令和四年度補正予算で二千六百億円、令和五年度補正予算で五千九百億円、いずれの年度もポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業において措置をしてきたものでございます。
その上で、毎年度、ステージゲート審査として外部有識者が研究開発の進捗状況等を確認し、今後の研究開発計画や関係経費の妥当性を確認した上で追加支援が判断されてきたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/66
-
067・古賀之士
○古賀之士君 では、四か月前の二〇二四年、令和六年の十二月十七日成立の令和六年度補正予算のAI・半導体関連の金額を含む内容についてですが、今月成立した令和七年度の当初予算でのAI・半導体関連の内容、これ、いわゆるラピダス支援額は幾らに増えたのでしょうか。そして、ラピダス支援の予算は補正と当初はどのような割合なんでしょうか。先ほど伺っていた昨年度までの部分に関しては、全て補正、補正、補正というようなことをおっしゃられていましたけれども、今の一番新しいこの予算に関しての、去年と今年の補正と当初、どのような割合になっているか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/67
-
068・野原諭
○政府参考人(野原諭君) ラピダスの研究開発に対する支援につきましては、令和六年度補正予算に基づきまして、先月、約八千億円を上限とした追加支援を決定しております。これによりまして、これまでの累計支援額九千二百と約八千足しまして最大約一・七兆円というふうになっておりますが、これ、令和三、四、五、六の補正予算四回分で足した分の額になっております。
令和七年度当初予算におきまして、次世代半導体事業者に出資支援を講ずるための予算として一千億円計上しておりますけれども、これ、支援対象事業者は、本法案が成立した後、この法律に基づきまして公募プロセスを経た上で選定をいたしまして、具体的な出資額は、産業構造審議会に設置した次世代半導体等小委員会の意見を踏まえまして、事業計画等を精査した上で決定されると。
その意味で、この一千億円については、現時点でラピダスに対して支援決定されたものではございません。まあ念頭にはありますけれども、そういう手だてでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/68
-
069・古賀之士
○古賀之士君 武藤大臣に伺いますが、株式会社ラピダスのこの公的支援というのは、なぜ圧倒的に補正予算によって行われてきたんでしょうか。補正予算の原則というのは、御存じのように、緊要性というのがよく使われる言葉でございますが、もし補正が組まれなかったらどうされるおつもりだったのかということも含めて、武藤大臣にお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/69
-
070・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) 半導体政策を推進するに当たりましては、業界における技術、ビジネス動向ですとか、欧米の政府等の政策に関する分析を通じながら、その時々に必要な予算をスピード感を持って計上させていただいたと解説してきたところであります。まさに対応を迫られた状況の中でここまで来たのかなという気がしていますが。
具体的には、令和三年度は、夏頃策定をしました半導体戦略に基づいて、次世代半導体をめぐる国際動向を考慮し、このときも早期着手が必要でありました。
令和四年度と五年度、これは、日米首脳合意に基づき設立をされました次世代の半導体開発の共同タスクフォースが両年の秋口に開催をされ、必要な取組と事業費が定まったということであります。
令和六年度は、十月に実施した外部有識者による進捗確認において次の段階の研究開発計画が具体化したことなどを踏まえて措置をさせていただいた、補正予算を計上したということであります。
毎年度それぞれ緊要性があると判断をさせていただいたところでありますけれども、委員おっしゃられるように、私も、補正予算、当初予算のバランスというのはそれはそれなりに、今回こういう形で来ておりますけれども、本来は、やはりそういう問題意識は私も共有しているところであります。ただ、今回、これがないとここまで来れなかったというのも、これも現実だというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/70
-
071・古賀之士
○古賀之士君 そこまで言っていただけるのであれば大変有り難いんですが、一方で、そこをやっていくのはやはり国会であり、そこ政治判断だと思うんですね。つまり、国家的なプロジェクトをこれだけ多額の予算を使って、しかも緊要性だという理由で補正で処理をしてしまう、対応してしまうということは、恐らく多くの委員の方々や国民の皆様方もやっぱり疑問符が付いているんじゃないかと思います。
例えば、ラピダスの社長さんいわく、ようやくこれで一合目という節目になりました、オランダASML社のEUV露光装置、これは波長が十三・五ナノなど、EUVというのはエクストリームウルトラバイオレットの略なんですが、この露光装置を用いて、基板表面に精密なパターンを転写する装置というのは、これはもう世界にまだまだ数が少なくて、一台五百億円もするなんという話も聞いております。我が国は一体幾らで実際購入したんでしょうか。支払は分割、一括、そして、その支払はまだ続いているんでしょうか、もう完了したんでしょうか。
というのは、EUV露光装置というのは、半導体の後工程にはもう必要欠くべからざるものでございまして、当時、世界に僅か百台しかなかったと、しかも、我が国、日本には一台もなかったということです。
野原局長が、ラピダス設立前の二〇二二年五月にヨーロッパに渡られて、そのASMLを訪問されて、二〇二四年末のまた搬入までを見通せたのではないでしょうか。そして、ラピダス設立、これが二〇二二年の八月の十日です。今年四月、令和七年、二〇二五年の試作ラインの完成の日程もある程度見通せたのかもしれません。その意味では、計画は詳細かつ綿密に組み立てられているようにも見えるんです。
なぜ当初予算でそれが対応できないのか、それを是非理解させていただきたいと思って今質問させていただいております。お答えいただければ幸甚です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/71
-
072・野原諭
○政府参考人(野原諭君) お答え申し上げます。
まず、露光装置は幾らかという話でございますが、四月十七日の参考人質疑におきまして、小池社長からASML社のEUV露光装置は一台三百億円から五百億円程度ですという発言があったというふうに承知をしております。
その具体的な支払方法につきましては、両社の契約内容に関わりまして、競争上の地位や営業上の秘密を阻害するおそれがありまして、各社明かしておりませんので、お答えは差し控えさせていただきたいと考えております。
それから、なぜ補正かというお話は、先ほど大臣が、武藤大臣から御答弁申し上げましたので、補正予算で措置をしておりますので、それぞれ緊要性を説明して補正予算に計上し、国会で議決いただいて予算を計上しているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/72
-
073・古賀之士
○古賀之士君 俗に言う補正回しという言葉がありますけれども、そうではなくて、当初予算での対応で現実的に難しい実態があるというのも理解はできております。そうなってくると、これ、どのような、今後、こういう国家的なプロジェクト、的は要らないかもしれないですね、もう国家プロジェクトと言ってもいいと思いますが、こういった大規模プロジェクトに関して、やはりこれ審議する期間やそれから時間、そういったものをやはりもう少し改めていく必要がこの国会の場であるんじゃないだろうかという問題提起をさせていただきます。
逆に言うと、これから先の予算の編成や審議というのは、多くの先人の皆さんたちの知恵やそれから工夫によってなされてきたものですが、一方で、もうステージが変わってきている気がいたします。もう多額の、それこそ民間ではとても賄い切れないようなお金を、公金を投入してやっていく。しかも、二兆円、三兆円、今、七年間で七兆円、その先十兆円とも言われているこの巨額なプロジェクトで、一方で民間は今、七十数億円のレベルで今民間の皆さんたちの投資はとどまっているということを踏まえると、これは呼び水という言い方ではなくて、もはやもうステージが変わって、国が主導でこれ何かをやっていくんだということをもう堂々と言っていくぐらいの大事な時期に来ているんじゃないかと思っています。
半導体だけではなくて、そのほかの半導体に、作っていくその製品や分野においても、今後、人材育成を含めて多額のお金が掛かってくるときに、やはり国が主導していくということはとても大事なことだと思いますが、その主導していく際に、今のように補正の積み重ねによって、毎回補正でやっていくということが果たしていいんだろうかということをもう一度私たちは考えていく時期に来ているんじゃないかと申しております。
実際、令和六年十二月十二日の衆議院の予算委員会で、自民党の小林鷹之議員はこう発言しています。半導体の技術開発というのは日進月歩なんですよ、マーケットの変化も非常に流動的、各国の輸出管理政策も突如として変わるんですよ、そういう諸情勢というのは、我が国の予算サイクル、周期というものを待ってくれるわけではないんですということなんですよね。つまり、やっぱりこれ、重要な示唆をやっぱり与えていただいていると私は思いました。
この辺を、半導体のサイクルというのは、本会議でも申し上げましたけれども、四年だと言われています。だから、この一月から三月期の三か月間で三兆八千億円もの速報値でTSMCは売上げを記録しましたけれども、じゃ、二年後、表と裏考えていくと、じゃ、それが同じように売上げが伸びているとも限らないし、エヌビディアが今は絶頂期ですけれども、そのエヌビディアもどうか分からないというようなぐらいサイクルの短いこの半導体のサイクルの中で、緊要性を重視していくことは理解はできますが、ただ、そのプロセスに関してはやはりもっと大事に、大切に扱っていくべき問題だと申し上げておきます。
それと、多額のこの予算の計上を補正予算の中で行うということは、今後も、出資も更に補正で行っていく可能性はあるのかというのだけ確認をさせてください。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/73
-
074・野原諭
○政府参考人(野原諭君) AI・半導体産業基盤強化フレームができたことで、政府としては、複数年度にわたり大規模かつ計画的に重点支援を行うことはコミットすることができるようになりますので、民間部門の予見可能性を高めて投資を促進する意義はございますが、一方で、その予算編成の方法に関しましては、財源フレームの有無にかかわらず、当初予算で必要な経費を要求するというのが原則でございます。
一方、委員が御指摘のように、非常に半導体の分野、スピードが、AIの分野もそうですけど、スピードが速いところがありますので、当初予算の編成のサイクルと、進んでいっているうちにいろいろ新しい状況というのはございますので、緊要性を持って補正予算に、予算を計上しなきゃいけないことというのが生じることもございます。そういう意味で、当初予算と補正予算の双方、適切に、スピード感を持って政策を展開するために、適切なタイミングで必要な予算を計上し国会にお諮りすると、そういうことではないかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/74
-
075・古賀之士
○古賀之士君 法案に対する、では素朴な疑問をお尋ねします。
私、本会議でも登壇させていただく機会をいただきましたが、そのときに、北海道の有力な企業という言い方をして、固有の企業の名はあえて言いませんでしたが、これちょっと、今から訳をちょっとだけ御説明をします。
この情報処理促進法の改正案には三本の柱があると理解しております。一つは、指定高速情報処理用の半導体に関する支援。それから、高度な情報処理の性能を有する設備に関する支援。これ、設備はもちろんですが、もしかするとデータセンターなんかも付随するかもしれません。それから、デジタル人材の育成です。
イメージですけれども、この支援対象は、経済産業大臣が指定した指定高速情報処理用の半導体の生産を安定的に行うために必要な取組を最も適切に実施することができる者を公募により選定すると。すなわち、今回の法案による次世代半導体に関する制度設計のイメージとしては、まず対象となる次世代半導体の指定を行って、次に事業者の公募、選定を実施して、その後金融支援を実施していくとのことでございます。
ところが、現実は、既に支援は始まっておりますし、事業者は株式会社ラピダス以外にあり得ないという状況。そして、対象とする半導体は至る所で耳にする二ナノ世代であるということだそうでございます。でも、法案ではまだそれも決まっておりません。まるで現実を後からなぞっていくような後出しの内容になっていると。これは本当になぜなんだろうかという思いなんですね。
ですので、その理由を、そして法案提出が必要とするこの判断に至った経緯なども、ここは一つ大きな、いわゆる若者言葉で言うと肝になるところだと思いますので、お答えいただければ幸いです。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/75
-
076・野原諭
○政府参考人(野原諭君) ラピダスの研究開発プロジェクトは、ポスト5G研究開発事業ということで公募をしまして、外部有識者の方々が、この次世代半導体の研究開発プロジェクトの受託、国のプロジェクトの受託者としてラピダスから申請がありラピダスを採択したと、そういうふうなプロセスで研究開発プロジェクトについては支援が決定されているということなんですけれども、今回、この法案でお願いを、御提案申し上げておりますのは、次世代半導体事業者の量産化についての金融支援、これは新しい、それまでは政策のメニューとしてはなかった政策について支援をするということを法的に手当てをしないとできないのでお願いをしているということなんですけれども。
この量産化投資の金融支援というのをどの事業者が支援を受けられるかということは、やはり公平性と透明性を持って決定をしなければいけないわけでございまして、研究開発プロジェクトを、これ研究開発委託のところは研究開発プロジェクトができますかということで選定をしているわけでございますから、これは量産化投資をするのでそれに対して金融支援をしますということは、これは新しい状況なわけですから、ここについてやはり支援をする対象というのをきちっと公平性、透明性を持って法律に基づいて選定していく必要があるということで、このプロセス、今後のプロセス、それを選定をすると、一者に、一者選定するというふうなプロセスを設定しているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/76
-
077・古賀之士
○古賀之士君 ありがとうございました。
なかなか、現実を後追いしていくこの法案というのは、やっぱり皆さんたちも対応に相当苦慮されている部分も本音ではあるんじゃないかというように思ったりもしました。ちょっと苦笑いされている方もいらっしゃいますけれども。
それぐらいやっぱり今回のことについては、成功してもらいたいのは私もやまやまなんです、前進してもらいたいのはやまやまなんです。ただ一方で、こういう政策プロセスを、二度目、三度目があったときに、もしかして悪用する人が出てくるんじゃないだろうか。あるいは、これ一回やったからいいでしょうみたいな前例になったら、あしき前例になってほしくないんです、よき前例になってもらいたいんです。よき前例とするならば、なおさらのこと、予算のこの配分ですとか、当初なのか補正なのか、こういったものも含めて、やっぱりこのルールを改めて考えていかないと、透明性を確保します、公平性を担保しますというのもやっぱり相当苦しくなるんじゃないかというふうに思ったりもします。
もう御存じのように、何度も言います、私自身も言いました、四年でサイクルが変わる、厳しいこの半導体の目まぐるしい状況の中で、なかなか法律が追い付いていかない現実も理解はしています。一方で、じゃ、現実に法律が置いていかれないための工夫やことを、こういう経済産業委員会などでしっかりと質疑をして、そして御提言申し上げて、そして政府レベルでまた考えていただきたいと思っております。
ですから、当初と補正のこの在り方、問題、それから、国家的プロジェクトを行っていく今後の上でのやはり課題として、このやり方が本当に正しいのかどうか、間違っていないだろうかと、いま一度検証する必要があるかと思いますが、その辺についてどのような認識をお持ちでしょうか。よろしければ、武藤大臣、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/77
-
078・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) 委員おっしゃられるとおりで、私もずっとこれ衆議院の方でも話をしてきましたけれども、不断の要するにチェックをしていかなきゃいけないということがまず一つです。
そして、報告の方も、衆議院の方でも附帯事項に入って御提案いただきましたけれども、三か月に一度報告をすべきじゃないかとか、様々なこういうチェック機能も持たせた上で、やはり古賀委員おっしゃられるように、この事業というものを皆国会の同意の下でこれ進めていかなきゃいけない話だろうと思っています。
また、いずれにしましても、また悪いことが出るというふうには私は思いたくはありませんし、これだけ巨額のプロジェクトがそうしょっちゅう出るわけでもないというのも、これも現実だと思います。
ただ、世界ではある意味でどんどんこういうのが進むという、こういう中で、先ほど来申したとおり、私どもとしてこれを、世界にまたこれを委ねるのかというのは、できるだけ経済安全保障やこれからの日本のことを考えればこれを防いでいかなきゃいけないという思いの中で、いろいろ苦労も、経産省の中でもこれまでの大臣でもいろいろ御苦労されたと思いますけれども、やっとここまで来ているのかなという気がしていますので、最後の出口になりますので、是非、委員のまた御指摘も踏まえて、これからも御指導いただければというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/78
-
079・古賀之士
○古賀之士君 ありがとうございます。
結びの質問になりますが、必要な財源の確保についてお尋ねをいたします。
まず、この必要な財源を確保するに当たって、法案の第六十九条では、二〇二五年度から二〇三〇年度の間、先端半導体・人工知能関連技術債を発行すると、その財源はエネルギー対策特別会計の負担、つまりエネルギー特会で負担するということになっております。そして、このエネルギー特会に二兆二千億円に達するまでの金額を繰り入れることができるとされております。
こういったことを踏まえてなんですが、財務省のホームページによりますと、財政投融資の特別会計の投資勘定では、投資先からのリターンを再投資に回す仕組みの下、いわゆるNTT株やJT株などの配当金を主な歳入としているということなんですね。
情報促進法の改正作業を担う経済産業省と、元々所管する財務省との両方から実際にこの特別会計法を分けて提出しているんですけれども、その理由が知りたいのが一点と、それと、このリターンをいわゆる期待できる、あるいはリターンがもう確保できるという前提の下に行われている投資と、今回はどうなるかがまだ不確定だと、未確定だというところで衆議院でも恐らく議論になったかと思います。その辺をもう一度しっかりと確認をさせていただきたいと思っています。
最先端半導体という前例のないプロジェクトに、一〇〇%成功してほしいんですけれども、その保証というのは一〇〇%では残念ながらない現実もございます。損失、そしてそれを回避するため、あるいはまた、リターンを大きくとすべきやはり原則というものが必要になってくるんじゃないかと思いますが、その点がこのスキームだと一部欠落しているところ、一部というか、金額的には大きいんですが、内容的には一部欠落しているところがあるので、質問とさせていただきました。御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/79
-
080・野原諭
○政府参考人(野原諭君) まず、特会法、経産省提出法案と財務省提出法案、それぞれ今国会に出ているということの理由でございますが、経済産業省提出の法案では、AI・半導体産業基盤強化フレームに基づく支援を行うための改正でございます。具体的には、半導体・AI支援の財源を確保するために財投特会投資勘定からエネルギー対策特別会計への繰入れ等を規定するとともに、経理を明確化するためのものでございます。
一方、財務省提出の特会法の改正法案は、昨今の経済社会情勢の変化や財政制度等審議会の指摘等を踏まえまして、投資勘定の資金繰りの柔軟性を確保し、安定的、機動的にリスクマネーを供給することを目的に、財源留保や借入れを可能とするなどの規定の整備を行うためのものというふうに承知をしております。
こうした改正趣旨の違いを踏まえまして、それぞれの省庁から特会法に関する改正案を提出しているという次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/80
-
081・森田稔
○政府参考人(森田稔君) お答えいたします。
後半の産業投資、収益性を前提としていることとの整合性についてでございます。
今回のフレームにおける財政投融資特別会計投資勘定からのエネルギー特会への繰入れ二・二兆円につきましては、投資勘定を行っている産業投資ではございませんで、直接的に回収が観念されるものではございません。ですが、次世代半導体等の産業育成を支援することで、将来の投資勘定からの出資、収益の確保にもつながるものと考えてございます。
その上で、今回の支援につきましては、外部有識者による評価等の下で適切なマイルストーンを設定し、その達成状況等を確認しながら、事業計画の認定、見直し、支援継続の要否等を議論する枠組みが設けられていると承知しておりまして、財務省としてもこうした枠組みにも関与してまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/81
-
082・古賀之士
○古賀之士君 時間になりましたが、結びます。
船で例えれば、もう出航しているというのが現実だと思います。その出航した船をどのようにその目的地にたどり着けるかというのが私たちのまた重要な使命だとも思っております。
質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/82
-
083・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
午後零時四分休憩
─────・─────
午後一時開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/83
-
084・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/84
-
085・村田享子
○村田享子君 それでは、皆さん、午後も元気よく、御安全に。ありがとうございます。立憲民主・社民・無所属の村田享子です。
今日は、まず、四月の二十二日、総理の会見でのガソリン価格の引下げと電気・ガス代への補助、これについてお聞きをしたいと思います。
まずは、ガソリン価格の引下げについて、来月から始まるとされておりますが、ガソリン価格の引下げの具体的な内容についてお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/85
-
086・和久田肇
○政府参考人(和久田肇君) お答え申し上げます。
まず、いわゆる旧暫定税率の扱いでございますけれども、これについて結論を得て実施するまでの間、足下の物価高にも対応する観点から、現行の燃料油価格激変緩和事業、これを組み直しまして、定額の価格引下げ措置を実施をいたします。
まず、具体的には、旧暫定税率が課されているガソリン、軽油につきましてはリッター当たり十円引き下げる、また、旧暫定税率が課されていない重油、灯油についても、一定程度の支援を行うべく、最近の補助実績を超える五円引き下げるということでございます。さらに、航空機燃料につきましても、これ、これまでもガソリンの四割程度の補助を実施をしてきていることから、四円引き下げるということでございます。これらの引下げ措置は、一か月程度の周知期間を経た上で、五月二十二日から実施をいたします。
なお、以上のような新たな措置への移行時におきまして、補助時の価格変動が大きくなるおそれがある場合には、流通の混乱が生じないよう、補助額が定額に達するまでの間、段階的に補助額を増やしていくということとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/86
-
087・村田享子
○村田享子君 これまでの燃料油価格激変緩和補助金では、レギュラーガソリンの全国平均価格が一リットル当たり百八十五円程度になるように抑制をしてきたわけなんですが、今後は、今御説明ありましたように、価格の目安を設けず補助額を固定すると変更した理由はなぜなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/87
-
088・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) 今参考人の方からお答えをさせていただいた内容に、今の補助額を固定したというところはなぜという感じでお答えをさせていただきたいと思います。
暫定税率の廃止については、政党間で今真摯な議論をされておられますので、これ、法改正によって速やかに実施することはまず難しいということが一つあります。その一方で、足下物価高で苦しい生活を送っておられる国民の皆様の現状に一刻も早く対応する必要もあるということもあり、与党からいただいた御提言を踏まえて、すぐに使える今基金を利用しながら、活用しながら、現行の激変緩和事業を組み直して、暫定税率の扱いについて結論を得て実施するまでの間の措置として、減税ではなく補助によって定額の価格引下げを実施し、速やかに負担軽減を図ることとしたところであります。
今回の新たな措置は来月二十二日から実施をさせていただきますが、今のガソリン価格が現在のリッター当たり百八十五円の水準であれば、それが百七十五円程度の水準まで徐々に引き下げられることとなります。一遍に十円という話もあるんでしょうけれども、流通の混乱を招かないように、駆け込み需要とかそういういろんな混乱がありますので、徐々に徐々にという形で対応させていただければと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/88
-
089・村田享子
○村田享子君 補助額についてもお聞きをします。
一リットル当たりガソリン、軽油は十円、また、重油、灯油は五円、航空機燃料は四円とした根拠は何でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/89
-
090・和久田肇
○政府参考人(和久田肇君) お答え申し上げます。
まず、ガソリン、軽油の引下げ幅十円でございますけれども、これ、現在のガソリン価格はリッター当たり百八十五円程度でございます。これに十円補助した場合、百七十五円程度の小売価格となりますけれども、これはウクライナ侵略直後、ロシアのウクライナ侵略直後、二〇二二年の三月頃の水準まで引き下がることになります。それから、現行基金の残額の範囲内で速やかに実施をするという必要もございます。また、その国際的な脱炭素等の流れ等も踏まえる必要もございます。こういった観点を総合的に勘案しまして、十円の定額補助としたところでございます。
それから、暫定税率が課されていない灯油、重油でございますけれども、これについても一定の配慮が必要という観点から、最近の補助実績、これを超える五円程度と、五円としたところでございます。
航空機燃料につきましては、これまでもガソリンの四割程度の補助ということでございましたので四円と、定額補助といたしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/90
-
091・村田享子
○村田享子君 こちらのガソリンの補助については、今までの御答弁にもありましたように、燃料油価格激変緩和対策事業の基金の残高を使うということでございましたが、現在、こちらの事業の残高はどうなっているのかということを教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/91
-
092・和久田肇
○政府参考人(和久田肇君) お答え申し上げます。
まず、今般の措置につきましては、現行基金の残額の範囲で実施をするというものでございまして、まず、追加の予算措置は不要でございます。
基金残高でございますけれども、三月補助分支払後の残高、これ四月末時点でございますが、約一・一兆円と見込まれているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/92
-
093・村田享子
○村田享子君 じゃ、今のところは、実際にこのガソリン価格の引下げの事業を新たにこの新しい仕組みでやるとしても、今の残額の一・一兆円で足りるという見込みでよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/93
-
094・和久田肇
○政府参考人(和久田肇君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、現行の基金の残高の範囲内で実施をするということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/94
-
095・村田享子
○村田享子君 この燃料油価格激変緩和対策事業のこの基金についてちょっともう一問、更にお聞きしたいんですけれども、これまでこの事業については、会計検査院がいろいろ課題についても指摘をされています。本当にガソリン価格の引下げの効果があったのかとか、あとは中抜きがあったんじゃないかというような話もある中で、新たにこの燃料油価格激変緩和対策事業を変えて、枠組みを変えてやっていくというときに、これまでのそうした指摘に対する対策、そういうのもしっかり考えるべきだと思うんですが、その点、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/95
-
096・和久田肇
○政府参考人(和久田肇君) 御指摘の点でございますけれども、これまでもこの激変緩和事業におきましては、元売に補助をする形でございますけれども、事後精算の形を取ってございます。補助額が確定してからその金額を事後的にお支払いするということでございます。
それから、各SS、ガソリンスタンドの価格につきましても、電話、それから訪問等によりまして調査をして、しっかりと価格のモニタリングをしているということでございまして、これにつきましては引き続き実施をしてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/96
-
097・村田享子
○村田享子君 大臣の方からも、ガソリンの暫定税率の廃止ではなくて、今政党間で交渉していて、結論を得るまで、このガソリン価格の引下げ、補助としてやっていくというお話でございました。
立憲民主党は、家計への支援、物価高対策として、四月の十八日にガソリン税と軽油引取税の暫定税率を廃止する法案を衆議院に提出をしております。この法案によりまして、ガソリン価格二十五円、リッター当たり二十五円、軽油価格がリッター当たり十七円の引き下げになるということなんですが、政党間で結論を得る等じゃなくて、もう衆議院にこの法案出ているんですから、これを国会で審議するのが、これが筋ではないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/97
-
098・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) この前、総理のぶら下がりでもここについては御質問があって、お答えをさせていただきましたところです。いわゆる安定的な財源確保などの諸課題の解決策ですとか具体的な実施方法については、政党間で今真摯に議論を重ねていただいているところでもありますので、確たることは申し上げられないということで総理からは答弁させていただきました。
今の立憲さんの案については私も承知をしております。ただ、今の財源の問題ですとか、やはり慎重にこれ考えていかなきゃいけないところもあることですので、これ、引き続いて三党間の方の御協議に注視をしていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/98
-
099・村田享子
○村田享子君 立憲の法案についても知っていただいているということなんですが、立憲の法案の財源では、大臣御承知かもしれませんが、積み過ぎている基金、政府自身が決めたルールを超えて積んでいる基金、これを活用するというものを法案の中では財源にしております。
例えば、今回のラピダスの支援においても、基金の点検、見直しを行って、その国庫返納金を活用してラピダスの支援、AI、半導体の支援をしていくんだというフレームございますが、であれば、この立憲案の財源にしているこの積み過ぎている基金をまずは使って暫定税率引き下げしてほしい、これ多くの国民の皆さんが思っています。立憲はしっかりその財源も示していますので、この法案を国会で、公開の場で熟議していくのが大事だと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/99
-
100・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) 国会の場で御議論いただけるものと思っていますので、私どもとしては注視をしていきたいというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/100
-
101・村田享子
○村田享子君 この基金の話、ラピダスの支援にはこうした基金について国庫返納金を活用するけれども、暫定税率の廃止の財源としてはどうかなというような、そうした御意見をお持ちではないですよね。大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/101
-
102・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) これは、基金の取扱いについて、これは衆議院の方でもいろいろ御議論をいただきまして今日に至っているところであります。
現状の中で、今このラピダスの関係の基金からそちらへということは当方では考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/102
-
103・村田享子
○村田享子君 じゃ、続いて、電気・ガス代への補助についてお聞きをします。
こちらについては七月から始まるとされておりますが、電気・ガス料金への補助内容、どうなっているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/103
-
104・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) こちらの方は、与党から、酷暑期に向けて、今後の価格や需要動向を見極めた上でなんですが、国民生活の実情に寄り添って対応していくことという御提案をいただいたところであります。これを受けて、夏季においても最も電力使用量の多い七月から九月の間、負担軽減支援を行うこととさせていただいております。
また、支援の規模を含む電気・ガス料金支援の具体的な内容ですけれども、ここにつきましては、今後の燃料価格や電気・ガス料金の動向などを見極めた上で五月中に決定をすることとしているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/104
-
105・村田享子
○村田享子君 今大臣の方から、電気の使用量が多い七月から九月について電気・ガス料金に補助をするということでしたけれども、昨年も岸田総理が酷暑乗り切り緊急支援として、八月、九月、十月に電気・ガス料金に支援をするといったことをされました。今回は、八月、九月、十月ではなく、七月、八月、九月とした理由は何でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/105
-
106・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) 昨年の岸田総理のときに酷暑乗り切り緊急支援やりました。これは、物価高に直撃され苦しい状況にある国民を守り、酷暑の夏を乗り切るということで、六月下旬に決定をしたものであります。その後、できる限り速やかに手続を進めて、八月使用分から適用開始をしたものであります。
この夏につきましては、今先ほど申したとおり、与党から御提言もいただき、物価高に直撃され苦しい状況にある国民の皆さんがこの夏を乗り切れるように、先ほど申したとおり、電気使用量の多い七月から九月の間、負担軽減を行うこととしたところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/106
-
107・村田享子
○村田享子君 ちなみに、今年の夏の気候がどうなっていくのかということ、四月の二十二日に気象庁がこの先の予報を発表をしております。気象庁によると、この先の三か月予報、五月、六月、七月でいうと、平均気温は全国的に平年より高い見込みであると、五月から高温傾向で、六月、七月は早いうちから真夏の暑さになるというような予報が出ています。
この四月も結構夏日が多くて、まさに今日もこの委員会室、冷房効いていますけれども、私、もうちょっと早く支援始めてもいいんじゃないかなと。しかも、昨年一度この酷暑乗り切り緊急支援というのをやっていますので、ある程度そのスキーム、やり方というのは御経験があると思います。
例えば、六月、昨年でいうと六月に総理が発表されて八月からということでいうと、今、この四月時点で総理が発表されたんであれば、もうちょっと早く始めるということもできるんじゃないかなと。国民の皆さん、本当に今物価高に苦しんでいますし、今年の春闘も、労働組合の皆さん、本当に頑張っていただいて賃上げもされていますが、まだまだ実質賃金がマイナスというようなところ続いていますので、よろしいでしょうか、こうした酷暑への対策、電気、ガスへの補助をもうちょっと早く始めること、この点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/107
-
108・久米孝
○政府参考人(久米孝君) お答え申し上げます。
ただいま大臣からも御答弁申し上げましたけれども、家庭の電力使用量、これ季節により変動いたします。
これ、総務省の統計局の家計調査の数字でございますけれども、全国平均でならしますと、もちろん土地によって暑い寒いございますけれども、六月の平均使用量は三百キロワットアワーということで、年間を通じて一番少ない数字でございます。これに対しまして、七月は三百七十五キロワットアワー、八月は四百キロワットアワーということで、この間にかなり大きな差があるということも踏まえまして、七月から開始させていただくということになっておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/108
-
109・村田享子
○村田享子君 これまでの総務省の家計調査だとそういった御結果ということなんですが、せっかく気象庁の皆さんがこういう予報を立てていらっしゃるときに、ちなみに、こうした気象庁の夏の予報、そうしたものは今回の支援策考えていく上で参考には実際されたんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/109
-
110・久米孝
○政府参考人(久米孝君) もちろん、一般論として申し上げれば、今年の夏どのくらい暑くなりそうかということはいつも注視しながら政策判断をさせていただきますけれども、同時に、天気の見通しというのはタイミングによって変わってくるという面もございますので、いろんな要素を考慮しながら検討させていただいているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/110
-
111・村田享子
○村田享子君 具体的な電気・ガス料金への補助内容についてお聞きをしたいと思います。
昨年の酷暑乗り切り緊急支援でいいますと、八月、九月分、これ電気の低圧であれば四円、一単位当たり四円、十月が二・五円というような額でございました。今回の電気・ガス料金への補助事業に係る予算そして財源、どのように見込んでいらっしゃるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/111
-
112・久米孝
○政府参考人(久米孝君) お答え申し上げます。
先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおりでございまして、予算や財源含めまして、電力・ガス料金支援の具体的な内容につきましては、今後の燃料価格や電気料金の動向などを見極めた上で五月中に決定するということとしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/112
-
113・村田享子
○村田享子君 これからということなんですが、ちなみに、この電気、ガスにつきましても、先ほどのガソリンと同様に、電気・ガス価格激変緩和対策等事業というものがございましたが、この事業について利用することはないという理解でよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/113
-
114・久米孝
○政府参考人(久米孝君) お答え申し上げます。
これまで電気、ガスの料金支援のために措置されてきた予算につきましては、令和七年三月使用分の支援まででおおむね全額執行予定でございまして、予算は計上されていないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/114
-
115・村田享子
○村田享子君 今年の三月末で基金については使い終わっているということで、そうなると、この今年の七月からの補助、支援を行っていくということでいうと、例えば予備費とか、若しくは補正予算を組んでいくのかなというふうに思うんですが、その点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/115
-
116・久米孝
○政府参考人(久米孝君) お答え申し上げます。
予備費を使用するかどうかも含めまして、予算や財源等の電気・ガス料金支援の具体的な内容については五月中に決定するということにさせていただいてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/116
-
117・村田享子
○村田享子君 この電気・ガス価格激変緩和対策等事業につきましては、ちょうど先週の決算委員会の方でも私取り上げさせていただきました。このときの事業で、事務局への委託比率が七一・二%と、かなりの委託比率であった。しかも、委託理由書を、五〇%委託比率が超えると委託理由書を書くようになっているわけなんですが、その委託理由書、出してはいるんだけれども、じゃ、何でこの事務局に委託を要することになったのかという理由を記載してなかったということがございました。これは、そのときまさに御答弁をいただいて、これからはちゃんとしていくということだったんですが、先ほどのガソリンについても、電気、ガスについてもこうした基金でまたやっていくということになると、これまでいろんな課題ございます、今度また予備費を使って新たな基金をつくるということになれば、こうした課題についてもしっかりと改善をお願いをしていきたいと思います。
電気料金のこの補助、先ほど補助の価格を聞いたんですけど、補助の対象についても確認をさせてください。
昨年の支援では、電気の低圧と電気の高圧、そして都市ガスが補助の対象となりました。今年行われる電気・ガス料金の補助において、昨年でいうとやっぱり特別高圧が含まれていないということになっていますが、今年の補助対象に特別高圧は含まれるのか。もし含まれない場合はその理由を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/117
-
118・久米孝
○政府参考人(久米孝君) お答え申し上げます。
電気・ガス料金支援の具体的内容につきましては、繰り返しになりまして恐縮ですけれども、今後の燃料価格や電気料金の動向などを見極めた上で五月中に決定することといたしております。
これまでは、電気・ガス料金支援は価格転嫁をすることができない最終消費者である家計など低圧需要家を中心といたしまして、転嫁が困難な中小企業等が多く含まれます高圧需要家まで対象を広げてきてございます。また、限りある財源の有効利用という観点からは、大企業が多く含まれる特別高圧の需要家につきましては、一律に支援対象とするのではなく、地域の実情に応じた対応ができるように重点支援地方交付金を活用いただくということにしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/118
-
119・村田享子
○村田享子君 これまで特別高圧は、こうした電気・ガス料金への補助対象となっていなかったと。特別高圧ということでいうと、今回の法案の提案理由の中にも、生成AIの利活用について、「国内において、半導体・データセンター等のハードウェアと生成AI等のソフトウェアが相互に連携の上、高度化していくエコシステムを構築する」とあります。
このデータセンターですね、大規模なデータセンターは特別高圧を利用をしております。先日、委員の皆さんと一緒に視察をしました千葉県のデータセンターも特別高圧を利用をしておりました。このデータセンター、特別高圧、多くの電力を使用するものございます。このデータセンターの増設による電力需給の見込みについてどのように分析をされているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/119
-
120・久米孝
○政府参考人(久米孝君) 今委員から御指摘いただきましたとおり、今後はDXの進展等によりましてデータセンターの電力需要が増加するという見通しになってございます。
具体的には、電力広域的運営推進機関が本年一月に公表した需要想定によりますと、産業用等の電力需要は、二〇二四年度の約三千百八十九億キロワットアワーから二〇三四年度には約三千八百一億キロワットアワーと、約六百十二億キロワットアワー、一九%程度増加いたしまして、その増加分のうち、データセンターが四百四十億キロワットアワーと約七割を占めるという見通しになってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/120
-
121・村田享子
○村田享子君 これからデータセンターが増えることによって電力使用も増えていくと。今日午前中の質疑にもありましたけど、電気料金を抑えるということは、例えばデータセンターでいっても、結局そのサービスの値段にも関わってきますので、電気料金を抑えていくことがデータセンターの整備促進であったり、国内のAI・半導体産業の促進にも私はつながっていくと思っています。
この特別高圧、今言ったデータセンターという観点もございますし、先ほどから今年の夏は暑くなるという話がある中で、やっぱり職場の熱中症対策、特に物づくりは、なかなか、工場が大きいと、エアコン付けようかなと思ってもやっぱり電気代が高いということで、そうしたエアコンが付けられずに暑い中で皆さん頑張っていらっしゃいます。
そうした中で、やっぱり職場で熱中症対策、できるだけ快適な環境で働いていただくことによって、労働生産性が上がっていく、職場の皆さんが安全に働きやすい環境をつくっていく。そして、会社にとっては、特別高圧への支援が出ることで、少しでも電気代が安くなって、本当に来年の、トランプ関税によって、本当に春闘、昨年、今年といい結果が続いておりますが、来年どうなるのといった懸念もある中で、この特別高圧への支援というのもやっぱりいま一度考える必要があるのではないかと思います。
先ほど御答弁の中で、特別高圧においては地方交付金でやっていますと、地方の実情に応じて中小企業中心に支援をしていますよというお話あったんですけれども、各県で確かに中小企業中心にやってはおるんですが、なかなか、大企業であってもいいでしょうというわけでもあって、大企業で例えば電炉を持っているようなところだと、ほぼほぼやっぱり電気で会社の利益がなくなってしまうというところなので、大企業であってもやっぱり支援を必要としているということもあります。なので、こうしたところも含めて、特別高圧への支援、私は必要なんじゃないかなと思います。
あわせて、ちょっと次の問いにも重なるんですが、地方公共団体の交付金の中では、中小企業は確かに支援しますよと、だけど、みなし大企業は対象外になっているところが結構ありまして、みなし大企業、確かに名前はそうなんですけど、実情は中小企業で、何で自分たちはこの地方交付金の支援対象から外れるのというお声も多いんです。中小企業を本当の意味で支援をしていくということであれば、この地方交付金の特別高圧への支援の中にみなし大企業も是非入れてほしいというようなことも経済産業省として旗を振っていくことも私は大事だと思いますが、大臣、この特別高圧への支援、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/121
-
122・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) 先ほど事務方からもお答えさせていただいた特高の扱いなんですけれども、基本は、価格転嫁をすることのできない家計、いわゆる低圧需要家を中心にということであるというのが一つだと思います。また、中小企業が多く含まれる高圧需要家までを一応対象にする、その縛りというか考え方というのは、ある意味で私も理解をしております。
ただ、大企業、いわゆる多く含まれる、いわゆる特高の扱いどうするのというところについては、私のところも実を言うと、金属団地、分かりますかね、そういう工業、同じような形が集まって、資格を持った人を置いて、特高扱いをされているところもあるんです。ほとんどもう中小企業もいいところなんですけれども、これ、それぞれが、やっぱりその地域の実情というところがこれ一つのポイントになっているのかなという気がします。
今回、総理が重点地方支援交付金、倍増という形で相当多く付けていただきました。ただ、これをじゃどう使っていくのかという今の点、電炉の話もあるし、地域の実情をこれどういう判断をするのかといったら、やっぱり地方自治体、県であり、都道府県の中でもほとんどの県がこれ採用されているらしいですけれども、その中身のメニューの中でどう使っていくのか、やっぱりこれ地域の中の話であると思っています。
ですから、先生おっしゃられるように、これ、ちゃんとした、もう一律にしちゃったらという気持ちも分かりますけれども、やはり地域の実情、ここがやっぱり今の限られた財源の中でどう対応するかといったら、今のところはそういう形になるのかな。ですから、各自治体、それぞれ先生方、所管、持っていらっしゃる所管というか、出身を持っていらっしゃいますので、そういう中で、是非この辺の御配慮もいただきながら、予算を有効的に使って、大変厳しい業態になると思います。
一方で、やっぱり暑さ、これも気象庁発表されているのも承知をしていますけれども、この異常気象ですから、ここも経産省にも言っているんですけど、平均で取ればそうでしょうと、ただ、ここ数年ちょっと異常だよねと。
ですから、そういうところも加味して、やはり我々としては制度をつくっていかなきゃいけないと思いますので、またいろいろ御意見あれば教えていただきたいと思いますし、今はこの状態で取りあえずしっかり使っていただけるように、頑張っていただけるようにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/122
-
123・村田享子
○村田享子君 地方交付金という性格上、地方の実情に合わせて地方の皆さんが判断される、それもそうだと思っています。その上で、やっぱり今、みなし大企業がどうしても各地方交付金の支援の中で外れてしまうというところは、やっぱり一つ課題として、また要望が多い点として言っておきたいと思います。
この特別高圧を使われている皆さんの中には再生可能エネルギー賦課金の減免制度を利用されているところも多いかと思いますが、この再エネ賦課金の減免制度について教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/123
-
124・伊藤禎則
○政府参考人(伊藤禎則君) お答え申し上げます。
お尋ねの減免制度に関しまして、再エネ特別措置法に基づく電気の買取り等を通じまして、再生可能エネルギーの普及拡大を図ることとしております。そのために必要な費用は、同法に基づき、再エネ賦課金としてそのメリットを受ける電気の利用者の皆様に広く御負担いただいているところでございまして、その中で、お尋ねの再エネ賦課金の減免制度につきましては、国民負担の公平性と国際競争力の維持強化の双方のバランスを踏まえまして、FIT・FIP制度における例外として、国会での審議、御議論を経て措置されたものと承知してございます。
具体的には、国会での審議、議論を経て設定された売上高当たりの電気の使用量が製造業平均の八倍などの要件が設定されておりまして、この要件を満たす事業者につきましては、年度の開始前に認定を受けることで再エネ賦課金の一定割合を減免しているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/124
-
125・村田享子
○村田享子君 売上高当たりの電気使用量で見ていて、その平均の八倍ということで、この点の平均については礒崎委員もずっとこの委員会でも取り上げられて、私も昨年の委員会でも取り上げさせていただいて、これまで製造業の平均値が〇・七だったものをより精緻に見ていくということで、〇・六五ですね、今、昨年のデータも見ながら〇・六五というふうにしていただきました。
この点は、今、その売上高が、今の物価高とかによって、利益はそんなに増えないのに、売上高が上がっちゃうとこの減免制度から外れてしまうというお声が多かった中で、経済産業省の皆様に、〇・七から〇・六五とより精緻な値を使っていこうというふうにしていただいたんですけれども、今年も既に多くの事業者の皆様、また労働組合の皆様から、昨年基準値の見直しがあったけれども、やっぱりまだまだ物価高も続いているということで、〇・六五だと厳しいかもしれないという声をいただいているんですが、今年については最新のデータでまた再計算をされていくよというような理解でよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/125
-
126・伊藤禎則
○政府参考人(伊藤禎則君) お答え申し上げます。
今まさに委員御指摘いただきましたとおり、関係審議会で、昨年、議論を踏まえまして、事業者の省エネ努力、また物価変動等の実態を精緻に反映するための運用の精緻化を行ったところでございます。具体的には、減免制度の認定要件に関して参照する製造業平均の原単位につきまして、これまでの〇・一刻みから〇・〇一刻みとしたものでございます。
この運用の精緻化に基づいて、昨年度申請分の減免認定におきましては、その時点での最新の統計データに基づき、製造業の平均原単位を先ほどお話ありました〇・六五と計算をし、再エネ特別措置法の規定に基づき、八倍の五・二を製造業に係る減免の要件の原単位としたと承知しております。
最新の実態を運用に反映させることは大変重要と認識してございまして、今年度の申請分につきましても、得られる最新の統計データに基づき、要件となる原単位を設定した上で制度を適切に運用してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/126
-
127・村田享子
○村田享子君 こちらの企業の皆さんからは、特に中小企業にとっては、再エネ賦課金の負担は非常に大きいと、なのでこの減免措置を受けられるか受けられないかでやっぱり大きな影響がありますと、この減免制度の結果がどうなるかで春闘の労使交渉にも現実に影響を与えているといった話があります。
今、この売上高のところでいうと、物価高の影響もあるんですが、政府の皆さんも取り組んでいる、価格転嫁をやっていくことで中小企業ちゃんと利益を獲得して賃上げしていこうということありますが、価格転嫁に積極的に取り組んだ事業所にとっては、生産高が同じであっても、売上高が増加をしてしまい、原単位が減少するので、この賦課金の減免制度が受けられない、ある意味ちょっと、せっかく価格転嫁やっているのに賦課金の減免制度受けられないのという、ちょっと厳しい制度ではないかという指摘もいただいています。
この点、見解の方、大臣に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/127
-
128・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) この賦課金の減免制度でありますけれども、FIT・FIP制度における例外として措置をされたものとして承知しています。その対象事業者につきましても、これまでの国会での審議、議論を経て修正をされた規定であると承知していますし、売上高当たりの電気の使用量が製造業平均の八倍などの要件を法定化しているところであります。
委員御指摘の売上高を要件として決定している点につきましては、制度の公平性や透明性を確保する観点を踏まえながら、これ与野党三党、当時の民主党さんと自民党と公明党さんの合意に基づく国会での審議、議論を経ながら、国会での修正により導入をされた背景があるものと承知をしているところであります。
引き続き、再エネ特措法の規定にのっとり、国民負担の公平性、そして国際競争力の維持強化の双方のバランスを踏まえつつ、個別の経済活動の変化等を背景とする事業者からの相談もきめ細かくお聞きしながら、制度を適切に運用してまいりたいというふうに思っているところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/128
-
129・村田享子
○村田享子君 この制度が検討されたときとしますと、今、やはり物価高が続いている、インフレ傾向にあるという中で、やっぱり、売上高で本当にいいのかというのは引き続き私もしっかり考えていきたいと思います。
続いて、AI、半導体産業基盤強化支援フレームについてお聞きをします。
この支援フレームの財源についてお尋ねをしたいんですが、財源についてはGX経済移行債の活用とあります。このGX経済移行債のまず概要について教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/129
-
130・田尻貴裕
○政府参考人(田尻貴裕君) お答え申し上げます。
GX経済移行債は、十年間で百五十兆円超の官民GX投資を引き出すために、政府として二十兆円規模の先行投資支援を行うために発行している我が国GX政策の肝とも言えるものでございます。まだ新しいマーケットでございますトランジションファイナンスの世界的な市場拡大を牽引するために、世界初の国自らが発行するトランジションボンドとして令和五年度からこのGX経済移行債の発行を開始してございまして、現時点で合計約三兆円を発行済みという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/130
-
131・村田享子
○村田享子君 このAI、半導体産業基盤強化支援フレームには、補助、委託等、金融支援という二つの支援がございます。この補助及び委託等と金融支援の財源としてGX経済移行債を活用する根拠、何でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/131
-
132・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
GX経済移行債を活用した先行投資支援は、基本原則として、民間のみでは投資判断が真に困難で、産業競争力強化、経済成長及び排出削減のいずれの実現にも貢献する分野を対象としています。この考え方を踏まえまして、これまでもパワー半導体や関連部材の設備投資、AI、半導体の設計、そういったものへの支援予算として、こうした基本原則に合致するものと判断され、GX経済移行債を活用してきています。
今後、AI、半導体の活用を通じまして、DXの加速がGXの効果を最大限に引き出すということが想定されます。また、先ほど来御議論いただいていますけれども、今後増大するデータセンターの電力需要への対応に半導体の高度化は不可欠だというふうに考えています。これらが基本原則に合致すると考えられるため、AI・半導体産業基盤強化フレームでGX経済移行債を活用することとしたところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/132
-
133・村田享子
○村田享子君 このフレームの中の金額の方を見てみますと、補助及び委託等は二〇三〇年度までに六兆円程度、その財源として、GX経済移行債等の活用に加えて、基金の点検、見直しによる国庫返納金の活用により二・二兆円程度を確保すると。金融支援は二〇三〇年度までに四兆円以上、財源として、GX移行債の活用等により必要な財源を確保すると。
それぞれにこのGX経済移行債を活用するとあるんですけれども、この補助、委託、また金融支援、それぞれにおけるGX経済移行債、どれぐらい活用される御予定でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/133
-
134・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
AI・半導体産業基盤強化フレームにおきまして、補助などに使うもの、そういったものに、GX経済移行債等、基金の点検、見直しにより二・二兆円程度を確保するということ、そういったことを決めています。
そのうち、GX経済移行債の活用額につきましては、有識者の意見を聞きつつ、毎年度の予算編成において財政当局との調整を行い、国会での御審議を経て決定された上で個々の投資プロジェクトの支援額を判断していくということになります。現時点で具体的に申し上げることは難しいところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/134
-
135・村田享子
○村田享子君 今、基金とGX移行債で二・二兆円というお話ありました。
私、先週のここ、経産委員会の質疑で、この基金について、どう使っていくかという御質問をしたときに、現在ある基金に新たに積み増してそれを使っていくというようなことは念頭に置いてはございませんという答弁がございました。
であれば、今現在ある基金というのはもう分かっているわけなので、どの程度GX経済移行債で使うだろうというの見えてくると思うんですが、その点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/135
-
136・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
基金の点検、見直しにつきまして、毎年度、足下の執行状況を踏まえて、今後の使用見込額などを精査した上で国庫返納をしていくということになると考えています。
したがいまして、そういったものも見ながらGX移行債の方の活用ということを考えていくことになりますので、現時点で申し上げるのは非常に難しいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/136
-
137・村田享子
○村田享子君 あともう一つお聞きしたいんですが、補助などについてはそのフレームの中では二〇三〇年度までに六兆円程度、金融支援については二〇三〇年度までに四兆円以上とあるんですが、この程度と以上、ここが違うというのはなぜなんでしょうか。
〔委員長退席、理事古賀之士君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/137
-
138・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
特に金融支援の方になってまいりますと、出資のような決まった額だけではなくて、やや伸び縮みするようなところになってくる、債務保証とかは規模が変わってきますので、そういった意味で程度ということになってきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/138
-
139・村田享子
○村田享子君 金融支援の方は四兆円以上なんですが、この金融支援の方の財源はGX経済移行債の活用等によりということになっていまして、私が気になっているのは、GX移行債というのはもう二十兆円発行するということで枠が決まっている中で、もちろん、AI、半導体のこのフレームだけにこの移行債使うわけじゃないですよね。いろいろ戦略的分野のものとかにも使っていくという中で、AI、半導体のフレームでGXの移行債に幾ら使うのかというのが明確に見えていないというのは、そこはちょっと問題なのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/139
-
140・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
まず、先ほどの程度というのは以上で、済みません、訂正させていただきます。
その上で、GXの経済移行債の使い方については、GX経済移行債の方でもまたしっかりと見ていく形になります。両方の条件が見合って、GX移行債の方で見るのに適している形で、またこちら側も、こちらのAI・半導体産業基盤強化フレームの方に使っていくということになってまいります。
一応こういった、済みません、この予算につきましては、毎年予算で御審議をいただいて決まっていくことにもなります。一応御参考ということでありますけれども、今、これまでにGX経済移行債を活用して約三千四百億円程度の措置を講じてきておりますけれども、こういったものがしっかりプロセスにのっとった形で決めていくということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/140
-
141・村田享子
○村田享子君 もちろん、移行債を使って今年何に支援をしていくのかというのは毎年の国会で議論はします、本当に適切なのか。
でも、その経済移行債という枠が二十兆円と決まっているのに、その全体の中で、じゃ、何にどう使っていくのというのは毎年度の中ではなかなか見えづらいところでもありますし、いや、思いのほかAI、半導体にお金使っちゃって、経済移行債でかなりここの部分取られちゃったよねとなると、これ、GX推進法、二〇二三年の議論でも、何に使うかといった話、この委員会でもしましたけれども、そこの内訳というのも大体あのとき示されたと思うんですが、それが変わっていくのかなというような今のちょっと財源の御説明ではないかなと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/141
-
142・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
GX移行債の枠自体は、もうそれを今回のもので別に変更するというものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/142
-
143・村田享子
○村田享子君 今の御答弁は、トータル移行債二十兆円というのは変わらないということでよろしいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/143
-
144・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) それに加えまして、どのようにということも、これまで原則的に、御議論いただいているものが、今回法律が出ていくことで何か今まで御議論していただいているものの中が変わるということではないと認識しています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/144
-
145・村田享子
○村田享子君 これまでと変わらないということであれば、AI、半導体、この支援フレームで大体幾らぐらい経済移行債使う見込みですというのも私は見えてくるものだなと。やっぱり財源というのが、やっぱり今一番国民の皆様もどう使われているのか気になるところだと思うので、そこは示していただきたかったなと思います。
このGX経済移行債なんですが、報道によりますと、入札が低調であると。日経新聞によると、この入札が低調であることに加えて、日銀やGPIFが多額のGX移行債を保有をしていまして、投資家層の広がりが課題となっていると言われていますが、この点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/145
-
146・辻貴博
○政府参考人(辻貴博君) お答えいたします。
GX経済移行債の個別銘柄でございますクライメートトランジション国債の入札結果ですとか投資家層につきまして、御指摘のような報道があることは承知をしております。
このGX経済移行債に限らず、国債の入札結果につきましては、様々な要因を背景にマーケットで決まってくるものでございますので、従来から国債発行当局としてコメントすることは差し控えておりますので、御理解いただければと思います。
それから、投資家層でございますが、御指摘のありました日銀とかGPIFに加えまして、都銀、地銀、保険会社、投資運用会社など国内外の幅広い投資家に御購入をいただいておりまして、ただ、やはり、更なる投資家の裾野拡大ですとか需要開拓、これ重要な課題であると私どもも思っておりますので、内外の投資家に向けましたIR活動を積極的に実施するなど、引き続き幅広い投資家に受け入れられるように努力していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/146
-
147・村田享子
○村田享子君 今後のこのGX移行債の入札の話なんですが、日銀による国債買入れの減額であったり、更なる長期金利の上昇も想定をされる中、またトランプ大統領のパリ協定離脱など、世界的に脱炭素に逆行する動きが出ている中で、今後も入札が低調になるんじゃないかという可能性もあるのではないかと思います。
今年の一月に実施されたGX移行債の五年債の入札は、応札倍率が発行以来最も低かったとなっておりますが、この今後の入札どう考えていらっしゃるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/147
-
148・辻貴博
○政府参考人(辻貴博君) 先ほども申し上げましたが、入札の結果はこれマーケットで決まるものですので、今後の見通しにつきましても、発行当局としてはちょっとコメントを差し控えさせていただきますけれども、御指摘のような、私どもにとって厳しい動きが見られる一方で、トランジションファイナンスに対する市場関係者の理解広がっておりまして、そういう前向きな動きも確認をされているというところは付言させていただきたいと思います。
いずれにいたしましても、GX経済移行債、先ほど経産省さんの方からも御説明ありましたとおり、十年間で二十兆円規模の発行をこれからも予定されておりますので、発行当局といたしましても、引き続き、市場環境も注視しながら、内外の投資家向けのIRなど、中長期的に幅広い投資家に受け入れられるような取組、これを続けていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/148
-
149・村田享子
○村田享子君 このGX移行債、環境債ということで、利回りが普通の債券よりも低くなる、グリーニアムと呼ばれていますけれども、この環境に関するものだから利回りが低くても買手がいるよねといったもの、グリーニアム、あるんですけれども、このGX移行債についてはグリーニアムが確認できていないという指摘もあります。
利回りが高くなれば、利払い費が増えて、国民負担の増加につながっていくという可能性もあると思うんですが、この点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/149
-
150・辻貴博
○政府参考人(辻貴博君) 繰り返しになって恐縮なんでございますが、発行利回りにつきましても、これマーケットで決まってくるものでございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、おっしゃるとおり、今後の事業者さんの負担にもつながる話でございますので、我々といたしましても、投資家の裾野拡大ですとか需要拡大、こういうものに注力をいたしまして、できるだけいい条件でその調達をしていけるように工夫をしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/150
-
151・村田享子
○村田享子君 今、投資家の拡大といったことあったんですけれども、じゃ、発行額で見てみますと、発行額が少ないということが投資家の不安材料の一つとなっているといった指摘もございます。
今、投資家を拡大していきますというお話あったんですけれども、令和七年度のGX経済移行債の発行額については前年度から〇・二兆円減額するというふうになっているんですが、その投資家を拡大していくというのと発行額を減額する、この点ちょっと矛盾しているような気もするんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/151
-
152・辻貴博
○政府参考人(辻貴博君) 先ほど経産省さんの方からも御説明ございましたけれども、このトランジションボンドは発行開始からまだ日も浅く、新しいマーケットでございます。この新しいマーケットで十年間、官民合わせて百五十兆円のGX投資を実現していかないといけないということでございますので、マーケットの状況を勘案しながら、着実にその発行実績を重ねていってマーケットの育成を図っていくことが現段階では重要であるというふうに考えてございます。
それで、お尋ねのありました今年度のクライメートトランジション国債の発行額でございますが、これにつきましては、今申し上げたような状況も踏まえまして、令和六年度補正予算と七年度当初予算におけますGX関連予算額、こちらを前提といたしまして、国債市場特別参加者会合、私ども、マーケットとの対話で使っております枠組みでございますが、こちらで示されましたマーケットの状況ですとか投資家ニーズ、こちらに関しますその市場参加者の意見等に基づきまして決定したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/152
-
153・村田享子
○村田享子君 マーケットの状況であったり、投資家のニーズ、そしてGXの関連予算とリンクをしているのがGX経済移行債ということなんですが、十年間で二十兆円発行していく、このスケジュールというのは、今年、その前年度と比べて減額しているわけなんですが、このスケジュールというのはちゃんと守られるということでよろしいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/153
-
154・田尻貴裕
○政府参考人(田尻貴裕君) 現時点ではその予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/154
-
155・村田享子
○村田享子君 現時点ではそのようであるということなんですが、これまでのお話を聞くと、やはり予算と移行債の関連であったり、マーケットの事情であったり、そして今入札が不調であるということで、本当にこの経済移行債大丈夫なのかなというところもあります。
私としては、このGX経済移行債は、AI、半導体のほかにも、CO2の排出量の少ない水素、アンモニアの発電であったり、水素還元製鉄の技術開発など、本当に今カーボンニュートラルに向けて取り組んでいる皆さん、事業者への支援に使われていると。そこを、移行債、トランジションという形で、まさに世界初で国を挙げてということで、私はこのコンセプトは評価をしております。
その一方で、なかなか今、入札の状況であったり、利回りに課題があるといったところが本当にどうしていくのか。GX移行債の償還は、これから法案が審議されるであろうカーボンプライシングであったり、化石燃料賦課金によって行われるということなんですが、この償還の額が大きくなれば事業者の負担が増えて、また事業者がそれを製品価格に上乗せするとなると国民の負担も増えていくということなので、そうした意味でもこのGX経済移行債の現状と今後どうなるか、これしっかり分析が必要だと思いますが、この点ちょっと、大臣、最後、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/155
-
156・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) またこれ法案審議がいろいろ来ますので、またそのときにいろんな御提案もいただきたいと思いますし、我々もしっかりそういう形の中で、経済はよく回らなきゃいけないので、そこを前提に、そして国民の生活を守る、そして将来を考えるという形で検討していきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/156
-
157・村田享子
○村田享子君 AIも半導体もラピダスも、そしていろんなDX、GX、いろんな国内の事業者の皆さん頑張っている、そこは私も応援している立場なんですけれども、やっぱりその財源を国民の皆さんに負担していただくという意味では、その使い道、使い方、そういったところをしっかり示していかなければいけないということを申し上げて、質疑を終わります。
ありがとうございます。
〔理事古賀之士君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/157
-
158・石川博崇
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。
先週に続きまして質問の機会をいただいて、大変にありがとうございます。
まず冒頭、私から大臣に、半導体分野における日米韓の連携について御所見をお伺いをしたいというふうに思います。
日米韓、それぞれこの半導体分野で特徴がございます。アメリカは当然、GAFAMという強力な需要を持っているということに加えて、ファブレス、つまり半導体の設計に強い。また、韓国はサムソンなど半導体の製造に強みを有しております。さらに、我が国は、この法案、まさにラピダス等、製造にも力入れていこうということで、かつてのまさに半導体の製造に強かった時代を取り戻そうとしているわけですが、それ以外にも、製造装置あるいは部素材については日本には一定の強みがございます。
つまり、半導体のサプライチェーン全体を考えたときに、上流から下流まで、この日米韓である程度パーツがはまるというか、この三か国の連携というのは極めて重要なのではないかというふうに思っております。
ただ一方で、残念ながら、昨今の各国の情勢、目を向けますと、アメリカではトランプ大統領が就任して、今まさにトランプ関税、保護主義的な要素が強まっている、また、韓国では尹錫悦大統領が弾劾となり、大統領選挙が予定されるという政治的に不安定な状況になっております。
こういう状況になってはおりますが、しかし、先ほど申し上げたようなこの半導体分野での日米韓の連携、協力というのは今後も強力に強化をしていかなければならないというふうに考えております。
この点、昨年の六月に日米韓三か国による商務・産業大臣会合がアメリカで開かれて、このときに採択された共同声明において、半導体を含む重要物質について、強靱で信頼性のあるサプライチェーンに関する原則、これを推進するとされました。また、昨年の十一月にはペルーで日米韓の首脳会談が行われましたけれども、このときの共同声明には、AI半導体に関する商業的な連携を強化していくということもうたっていただいたところでございます。
是非、大臣から、この半導体分野における日米韓の連携についてどのように進めていくべきか、御所見をいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/158
-
159・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) 半導体のサプライチェーンは、半導体の製造、設計から製造装置や部素材、原料に至るまで、幅広い産業技術領域から構成されているところであります。これも今日もずっと申し上げていますけど、一国だけではサプライチェーンは全体を賄うことは困難であります。同志国等の連携が不可欠であります。こうした共通の問題意識から、昨年六月の日米韓の商務・産業大臣会合の共同声明においても、強靱な半導体サプライチェーンを構築するための協力を加速することと合意をしているところであります。
実際に、その後も、日米、日韓の双方向で、各国が互いの強みを生かした協力が着実に進んでいるところであります。例えば、韓国とはサムソンや、失礼しました、例えば、韓国のサムスンや米国のインテルが日本の製造装置・部素材メーカーと連携をしながら日本で半導体後工程に関する技術開発に取り組むプロジェクトが、日本政府の支援も受けながら進展をしているところであります。一方で、日本企業が強みを有する半導体製造装置、部素材の分野において、例えば東京応化が韓国、そして住友化学が米国に投資を発表しているところであります。
半導体のサプライチェーンの国際的な強靱化に向けて、政府としても、引き続き様々な機会を活用しながら各国と緊密に連携してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/159
-
160・石川博崇
○石川博崇君 御丁寧な答弁ありがとうございます。
先ほど私の方から、半導体のサプライチェーンの上流から下流までパーツがはまるという話をさせていただきました。経産省としては、この三か国の半導体産業あるいは半導体産業政策の優れている点、強み、それぞれどのような部分にあると分析しているのか、教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/160
-
161・野原諭
○政府参考人(野原諭君) まずアメリカでございますが、委員からも御指摘ありましたように、エヌビディア等の優れた半導体の設計会社がアメリカにはございます。それから、バイデン政権のときにCHIPS法ができまして、半導体の製造基盤の強化に向けて総額約十四兆円規模の支援が行われております。
韓国は、サムスンとSKハイニックスという、メモリー分野が非常に強い国でございます。政策の面では、政府側から工業団地の整備、税額控除、規制緩和などを中心に支援が行われております。
我が国は、半導体の製造装置と部素材に強みを持っております。今回、七年間で十兆円以上の公的支援を行うというAI・半導体産業基盤強化フレームを講じて、これからも投資強化を図っていくということでございますが、お互いに強みがありますし、少しずつ特徴が違いますので、お互い同志国で連携、補完し合って半導体サプライチェーン強靱化に取り組んでいくと、安定供給を図っていくということではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/161
-
162・石川博崇
○石川博崇君 先ほど申し上げましたが、昨年の六月には大臣級で三か国の共同声明、また十一月には首脳級での共同声明にそれぞれ盛り込んでいただいていたこと、こういうふうにアメリカや韓国の政情が大きく変わることは想定なかなかできなかったわけですけれども、そういうステップを築いていただいていたということは非常に意義があったというふうに思っております。
今、アメリカ、韓国とも情勢が先行きなかなか不透明な中にありますけれども、このステップを基にしっかりとした協力体制を構築していっていただきたいと思いますけれども、今後の見通しあるいは方針についてどのように考えているのか、経産省の御所見をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/162
-
163・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 政治状況はいろいろ各国あるとは思うんですが、それでも一か国だけで半導体のサプライチェーンを確保できないという意味ではそれは変わることはございませんので、お互い同志国がそれぞれの強みを持ち寄ってサプライチェーンを強靱化し、お互いに安定供給図っていくという方向感としてはそれは変わらないというふうに考えております。
アメリカ、韓国のみならず、EU、イギリス、オランダ、インドなど多様な国と半導体の協力に関するパートナーシップを政府間では結んでおります。我が国としては、このような複層的な国際協力の枠組みを構築、推進していくことで半導体のサプライチェーンの強化に向けて協力を進めていきたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/163
-
164・石川博崇
○石川博崇君 安全保障分野での日米韓の連携も極めて重要ですが、このような半導体分野での連携もしっかりと進めていっていただきたいというふうに思っております。
あわせて、AIの分野でも、昨年の大臣級の共同声明にはAIセーフティ・インスティテュートについて触れていただいております。当時、三か国の共同声明なんですが、日米のAIセーフティ・インスティテュートが取り組んでいる重要な取組を歓迎しという文言を入れていただきました。
AIセーフティ・インスティテュートというのは、AIの安全性に対する関心が国際社会全体で極めて高まっている中で、その安全性の評価手法をどうしていくのかということを各国検討するとともに、各国、国際間で連携をしていく、このことが極めて今重要になっております。我が国においては、昨年二月に情報処理推進機構にAIセーフティ・インスティテュートを設置していただき、国際連携も業務として進めていただいております。
これまで、共同声明にも入れていただきましたけれども、どのような連携を図ってきているのか、また日米韓の共同声明にこの件を盛り込んだ狙いとか、あるいはこの分野における日米韓の連携に期待することというのはどういったものがあるのか、御説明をお願いできますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/164
-
165・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 我が国のAIセーフティ・インスティテュート、AISIでございますが、アメリカ、イギリスのAISIなどパートナー国の関係機関との二国間連携を図ってまいりました。多国間では、昨年十一月にアメリカがホストしましてサンフランシスコで国際AISIネットワーク会合、それから、今年二月にフランスで主催されたAIアクションサミットを始め、AIの安全性をテーマに国際会合数々開かれておりますので、日本のAISIの所長に御就任いただいた村上明子さんがこれらの会合に参加をされまして、AIの安全性評価に関する技術的な議論に我が国としても積極的に貢献をしてきたところでございます。
先ほど委員から御紹介ありました日米韓の商務・産業大臣会合におきましても、AIでは安全性評価に関する協力について、日米のAISI、それから、当時はまだ立ち上げ予定であった韓国のAISI、これ去年の十一月に発足されていますけれども、この三者で協力していこうということも確認しているところでございます。これらの枠組みや協力を通じまして、AIの安全性評価手法の高度化、国際的な相互運用性の確立を目指して取組を続けていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/165
-
166・石川博崇
○石川博崇君 この分野でも三か国でしっかり連携を続けていただきたいと思っております。
少し話題を変えまして、先週も質問させていただきました前工程なのか後工程なのかという話、先週、両方大事だということで御答弁もいただいたところですけれども、特にこの後工程にどのように今後取り組んでいくのかということをお聞きをしたいと思います。
我が党の半導体PTが提出させていただいた提言にも、日本が強みを持つ半導体の製造装置や部素材に加えて、国内に拠点が少ない後工程の生産基盤を強化することということを要望させていただきました。
後工程というのは、言うまでもなく、シリコンウエハーからチップを切り分けて、そしてパッケージングをしていく、そういった工程でございます。前工程である回路の微細化、二ナノを目指しているわけですが、そのペースは今後将来的には鈍化するというふうにも言われている中で、このチップをいかに高密度に集積化していくかという点は、まさにこれからますます重要性を増していくのではないかというふうに考えております。
ポスト5G基金によるラピダスに対する研究委託で、昨年から後工程の研究委託事業が開始されております。また、先月もこの後工程について追加で採択をされたというふうにも伺っております。
その目標あるいは進捗状況、また、今後どの程度後工程への追加の研究委託の予定があるかを伺いたいと思いますし、また、ラピダス以外の支援の状況等もあれば、併せて御説明をお願いできればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/166
-
167・野原諭
○政府参考人(野原諭君) ありがとうございます。
半導体の高度化には前工程による微細化も重要ですけれども、複数の半導体を集積するチップレット技術などの後工程も大変重要でございます。
後工程における先端パッケージング技術の高度化に関する研究開発につきまして、昨年三月にラピダス社を採択いたしまして、後工程、ラピダスの後工程について最大五百三十五億円の支援を決定いたしました。
二ナノ世代半導体とメモリーなどの集積化の実現につきまして、アメリカのIBM、それから海外の研究機関とも連携しながら先端後工程の開発を進めておりまして、先月の外部有識者による審査では順調に進捗しているという評価を受けております。このため、追加で最大千二百七十億円の支援を決定したところでございます。今後についても、先端後工程につきましても、あらかじめ設定したマイルストーンの達成状況等を外部有識者に確認いただきながら支援の要否を判断してまいりたいと考えております。
それから、ラピダス以外の後工程に対する支援といたしましては、TSMC、これ、つくばの3DICセンター、それから、サムスン、これは横浜に今、研究室、後工程の研究センターを立ち上げようとして準備を、整備しています。それから、インテルが日本の製造装置メーカー、部素材メーカーと後工程の自動化のプロジェクトを立ち上げております。これらの取組、いずれも日本の製造装置メーカー、部素材メーカーが、TSMC、サムスン、インテルのパートナーとして取り組んでおりますが、これらの後工程の技術開発、研究開発プロジェクト、いずれも日本で行われております。
また、後工程で必要となるパッケージ基板などの部素材につきましては、足下で必要となる設備投資、これ、イビデンの岐阜のプロジェクト、それから新光電気の長野の投資といったものを支援をしておりますし、後工程の研究開発、これはレゾナックを中心としたJOINT2というのを新川崎でやっておりますが、こういったプロジェクトに対しても政策支援を行っているところでございます。
後工程の重要性はますます今後増大していくというふうに考えておりますので、これは日本の製造装置メーカーや材料メーカー、材料業界の非常に重要な競争力強化、ビジネスの機会にもなってまいりますので、非常に重要だというふうに考えておりまして、引き続き必要な政策を講じてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/167
-
168・石川博崇
○石川博崇君 引き続き是非よろしくお願いいたします。
日本の強みという点で、先ほど来出ております製造装置、部素材、これについてお伺いをしたいと思います。
残念ながら、半導体の生産シェアは、ピーク時、日本は五〇%近くあったわけですけれども、近年では一〇%を切る状況まで全体として縮小していると聞いておりますが、一方で、製造装置、また部素材については、引き続き日本が強みを有していると伺っております。
まずは、それぞれの世界シェアについて、製造装置はどうなのか、部素材はどうなのか、最新のデータを教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/168
-
169・野原諭
○政府参考人(野原諭君) まず、半導体の製造装置でございますが、世界の重立ったメーカーの売上高を合計した場合、世界シェア一位のアメリカに続きまして、三割程度は日本が占めている、二位という位置付けでございまして、日本の後にヨーロッパや中国が続くというふうな順位になっております。例えばウエハーから半導体チップを切り出すダイシング装置では、二〇二三年の日本企業の合計の世界シェアは約九五%ということで、製造装置の種類によっては日本がほぼほぼ独占に近いシェアを持っている分野もございます。
また、部素材につきましては、シリコンウエハーやフォトレジストなど、主要な品目に限って主要企業の売上高を合計した場合、日本企業の合計の世界シェアは五割程度ということで世界一位でございます。そういう意味では、部素材は日本が一番世界的には競争力があるという状況にございます。残りのシェアを台湾、韓国、欧州、米国などで分け合っているという構図になっております。例えばシリコンウエハーでは、二〇二三年の日本企業の合計での世界シェアは五一%ということで過半数を占めていると、そういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/169
-
170・石川博崇
○石川博崇君 ありがとうございます。
製造装置については、アメリカに次いで第二位、約三割、そして部素材については約五割のシェアを占めているという強みを改めて認識をさせていただきました。
この製造装置、部素材、大きな世界シェアを誇っている我が国でございまして、世界の半導体製造サプライチェーンにおいて不可欠な存在を担っているというふうに思います。
一方で、先般、先月ですけれども、公明党の半導体PTを開催して、半導体の素材メーカー大手の方に来ていただいて意見交換を行いました。この方いわくなんですけれども、この日本が優位性を持っている半導体の部素材の分野で中国メーカーが今台頭しているということを懸念されておられました。
現状、日本が強みを持っている製造装置、部素材ですけれども、こうした中国を始めとする各国の技術あるいは性能の進歩、こうした状況について情勢をどのように認識していらっしゃいますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/170
-
171・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 製造装置、部素材における中国メーカーの台頭ということでございますが、半導体は製造にとって、製造装置と部素材は不可欠でございまして、この半導体をめぐる熾烈な政策競争の中で、装置、部素材についても各国しのぎを削っておりまして、もう中国、大変力をこの分野入れております。
製造装置ですね、かつてはそんなに高いシェアを持っていなかったし、そこまで競争力はなかったんですが、非常にてこ入れをしているものですから、キャッチアップの勢いというのは非常に強いものがあるというふうに私も聞いております。
ただ、ハイエンドの製造装置、部素材については、日米を中心に輸入に頼っているところはあります。ただ、製造装置は、中国大変たくさん買うものですから、そういう意味では、製造装置を売ってしまうと、中を開けてリバースエンジニアリングしてどんな部品でできていますというのを調べて、それどうコピーするかという話になってきますので、キャッチアップしようとすると、多分、部素材の方がより難しいと思うんですけれども、製造装置の方が、リバースエンジニアリングしてキャッチアップすることが、より、比較の問題ですけれども、やや容易なところもありますので、製造装置についての中国メーカーのキャッチアップというのはやはり相当な勢いがあるというふうに我々も認識しておりますし、警戒は、競争力という意味で警戒をしているというか、やっぱり注意していかなきゃいけないなと。余り油断して、我々は三割、世界二位のシェアを持って、三割を持っているから安泰だというふうに安住してはいけないという意味で、気を引き締めて取り組まなきゃいけないというふうに考えております。
今回のフレームでも、そういう意味では、部素材、製造装置も支援対象にしておりますので、今回のフレームを活用しながらしっかり取り組んでいく、競争力を落とさないように取り組んでいく必要があるだろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/171
-
172・石川博崇
○石川博崇君 まさに今おっしゃっていただきましたけれども、かつては半導体も日本が圧倒的にシェアを占めていたわけですけれども、気が付けば各国に抜かれていたというようなことが生じました。
今、部素材、製造装置について優位に立っている状況、この状況を決して手放してはならないし、更なる高みへと挑戦を続けていかなければならないと思います。
具体的にどのように例えば目標設定とかあるいは戦略を持って進めていこうと考えているのか、もう少し具体的に御説明いただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/172
-
173・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 製造装置や部素材の競争力の強化についてでございますが、経済産業省では令和五年六月に半導体・デジタル産業戦略を改定いたしましたが、製造装置と部素材に関する戦略として次の三つのステップで整理をしております。
ステップ一としまして、足下の製造装置や部素材の安定供給体制の強化、サプライチェーンの強靱化ということで、全体に、世界市場が十年三倍増するということなので、供給能力を増やさないとどんどんシェアを落としていくことになりますので、やはり、その世界市場が成長するのに合わせてやっぱり投資を日本の製造装置メーカーあるいは素材メーカーしていただく必要がありますので、そこを支援をする必要がございます。それから、ステップ二として、ビヨンド二ナノ、二ナノの半導体など次世代の半導体の製造に必要な次世代の材料のやはり実用化に向けた技術開発を後押ししていく必要がございます。ステップ三として、次世代材料よりも更に将来の材料の実用化に向けた技術開発というのも推進していく必要があるだろうというふうに考えております。
このように整理をしておりまして、半導体の製造装置、それから部素材の競争力強化に向けてしっかり取り組んでまいりたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/173
-
174・石川博崇
○石川博崇君 是非油断なく進めていただきたいと思います。
続いて、半導体産業のサイバーセキュリティー対策についてお伺いをしたいと思います。
経済安全保障上の重要性が非常に高い半導体産業でございますので、サイバー攻撃の標的にされやすいというふうにも言われております。実際、台湾のTSMC、アメリカのエヌビディア、また韓国のサムソンもサイバー攻撃の被害に遭っていると報じられております。
経済産業省においては、昨年基盤強化フレームが閣議決定された際に、この強化フレームで支援をする補助金の支給の条件としてサイバー攻撃対策を要件としていくという方針が定められたと報道されております。
半導体のサプライチェーン、非常に複雑ですので、どのような対策を求めるのか、半導体メーカーそのものには当然求めるんでしょうけれども、そのサプライチェーンの事業者の中にも求めていくことになるのか。この点、これに関するガイドラインを本年の秋までに策定されるというふうにも伺っておりますけれども、その進捗状況、あるいはガイドラインの方向性についてもお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/174
-
175・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
サイバーセキュリティーの取組状況は、産業分野全般にわたって、まさに産業競争力に直接影響するぐらい重要な問題になってきているということで、二〇一九年にサイバー・フィジカル・セキュリティ対策フレームワークというものを作った上で、例えば自動車分野、あとオートメーション、工場のエリア、そういったところでセキュリティー対策を、ある意味サプライチェーンごととか関係企業間で取り組めるようにガイドラインなどを作ってきています。
御指摘いただいたとおり、半導体分野、当然サイバーセキュリティーの取組重要でございますけれども、半導体分野については、例えばラピダスのようなケースでいえば、自社の事業が止まらないようにする。例えば、TSMCは二〇一八年、攻撃を受けて、ちょっと活動をややですね、どうするかというようなことを、活動を一時停止しないといけないとか、そういったようなことがあり得るわけですけれども、自社の活動を止めないようにする、自社の持っている技術情報が漏れないようにする。さらに、ラピダスのようなケースは設計する事業者から重要な設計情報を預かりますので、そういった顧客から預かったデータが出ないようにする、こういうような取組をしていかないといけないと。逆に、こういった取組がしっかりとできるところは信頼をされて、ある意味マーケットからの信頼を受けて顧客が増えていくということになっていくというふうに認識しています。
こういった認識の下に、御指摘をいただきました、二〇二四年十一月に検討会を立ち上げまして、半導体関連産業で求められるセキュリティー対策を具体化するという検討を進めております。具体的な中身としましては、台湾などがいわゆる製造装置会社なんかに対応を求めているような規格、国際的な規格なんかもございます。こういった国際的な規格などとの整合を図りながら、国内のセキュリティー対策状況を踏まえ、今年の秋頃をめどに、目指し、それを示したいと。で、半導体工場、半導体製造工場向けのガイドライン、さらに半導体事業者全般に共通するITセキュリティー、どういう取組をするべきかの基準、こういったものを検討してまとめたいというふうに考えています。
先ほど、このセキュリティーの取組を、補助金のところ、ひも付けはどうなのかということでございます。今後、こうしたガイドラインなどを経済産業省の支援施策の要件にひも付けることなどで半導体分野におけるサイバーセキュリティー対策の強化を図って、信頼される産業にしていきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/175
-
176・石川博崇
○石川博崇君 今おっしゃっていただいたこの秋頃に策定するガイドライン、この策定に向けて半導体メーカーなどに聞き取りも行っていらっしゃると伺っております。
日々状況が変化するサイバーリスク、あるいはそれに対する対策、どのような各関連産業からお声や要望が上がっているのか、御紹介いただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/176
-
177・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
昨年の半導体の関連事業者の集まりの、いわゆる大きな展示会みたいなところでセキュリティーについての講演を行ったときも、かなり多くの方々が、思っていたよりも多くの事業者さん、関係者の人たちがばあっと集まって、熱心にいろいろ聞かれました。
そういった中で、検討会においても、当然のことながら、半導体メーカーの方々、さらに半導体製造装置メーカーの方々、こういった方々を代表する構成員から御意見をいただいている中で、やはり、業界が自ら積極的に取り組む必要があるなということを認識深めているという声、また、国際標準のような形になっているものとしっかりと連携した形、ひも付いた形を確保してほしいと、その上で国内事業者が使いやすいガイドライン、そういったものにしてほしいとか、あと、これは一般的に言えることなんですけれども、セキュリティー人材、専門のセキュリティー人材というのは、率直に言うと、サイバーセキュリティーのエリアは非常に人が欲しいということで、人不足の懸念というのがございまして、どうやって育成していくのかということも含めていろいろ検討してほしいというような御意見、御要望をいただいています。
こうした御意見を踏まえまして、ガイドラインにおいては、特に例えば現場で使いやすいようにするために具体的な事例の記載、こういう取組していますみたいな、こういった具体的にこうするといいですみたいなことも盛り込んでいったらいいんじゃないかとか、あと、人材育成プログラム、例えば半導体のエリアになってくると、使う機器がかなり特殊な機器になってきます。いわゆる制御系機器を使うような世界になってきますので、いわゆる情報系、IT系の人たちのセキュリティーとはまた違った専門能力が必要になる。これに対応するために、実は情報処理推進機構、IPAの方では、その制御系のセキュリティーの専門人材を育てられる産業サイバーセキュリティセンター、ICSCoEというのを立ち上げていまして、実はここでかなり高度な人材育成を行っています。こういったプログラムに人を派遣していただいて、プロフェッショナルな人材を社内でしっかり確保してもらうというようなことを進めていければというふうに思っています。
事業者の皆様の声を引き続きしっかりと拾い上げ、私たちもしっかり消化してセキュリティー対策に結び付けていきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/177
-
178・石川博崇
○石川博崇君 あわせて、やっぱり中小企業に対する支援もこのサイバーセキュリティー対策では非常に重要だと思っております。特に、今後策定されるガイドラインでサプライチェーン全体を、このセキュリティー対策のレベルを上げていくということを要件にするのであればなおさら、半導体産業の中小企業にも大きく関わってくる話だというふうに思っております。
今年二月に経産省が公表した中小企業等におけるサイバーセキュリティ対策に関する実態調査の結果を見させていただくと、約七割の中小企業において組織的なセキュリティー体制が整備されていないという実態が明らかになりました。
半導体産業がこのサイバー攻撃の標的になりやすいということに加えて、サプライチェーンが非常に複雑な業界でございますので、場合によっては、いわゆるサイバードミノ、中小企業が狙われて、更にその先が狙われてというサイバードミノのリスクも高いかと思っております。
そういう意味でも、対策を講じていくことは非常に必要なんですけれども、中小企業にとってはなかなか、先ほど人材の話もありました、負担もあるでしょう。今後、こうした半導体サプライチェーンに対する、サプライチェーンにいる中小企業に対してどのような多角的な支援を行っていくのか、経産省の所見をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/178
-
179・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
委員から御指摘をいただきましたとおり、中小企業も極めて重要なプレーヤーです。サプライチェーンを通じて、大企業が対策を取っていたとしても、様々な形で情報交換、データの交換をする中で、中小企業が実際に踏み台になって大企業のシステムの中に入り込む入口になってしまって被害が出る、若しくは、そういったサイバー的な連続的な関係じゃなくても、取引先の供給、中小企業の活動が止まってしまうことで、大企業自体も生産活動が一時ちょっと止まらないといけなくなるというようなことも現に起きています。そういった意味で、サイバーセキュリティーの取組というのは、企業規模に関係なく重要なものであるというふうに認識しています。
特に悩ましいのは、中小企業の方々、セキュリティーに取り組む人材というのはかなり高度な専門知識を持つ人たちになるわけですけれども、当然そういう人たちを十分に雇うことができるわけではない中で、きめ細やかに中小企業の方々に支援をしていかないといけないというふうに考えています。
このため、経済産業省の方では、まず最初にセキュリティーに取り組みましょうという旗を振って、セキュリティアクションということで、ガイドライン、中小企業向けのガイドラインを作った上で、私はこれをやっていますよということを自己宣言してもらって、星を付けてもらう。この取組をしたところは、例えばサイバー保険、保険会社さん付き合ってもらって、割引するような取組をやっていたわけですけれども、ただ、先ほども申し上げましたとおり、実際自分のところに専門人材とかなかなか雇えないというときに、きちっと誰かサポートしてほしいというのが実態としてある中で、二〇一九年度から二〇二〇年度の二年間にかけて、実際に中小企業の方に支援を行う、何かあったときには保険も出ていくというような、そういった事業形態が成り立ち得るかどうかというのを確認するプロジェクトを回しまして、今それが実際に事業化されて、二〇二一年からなんですけれども、いわゆる異常監視、監視をする、初動、何かあったときには初動対応、オンライン、更に言うと駆け付け、発生した問題に対して保険を適用すると、このサービスを一括してワンパッケージにまとめたサイバーセキュリティお助け隊サービスというのを開始しています。
初めは余り認知が進んでいなかったんですけれども、昨年の九月末の時点で七千ぐらい利用していただけるようになってきまして、実際に効果もあったというような声も上がってきていると。このような形で、中小企業の皆様の、ある意味寄り添い型で支援をできるような環境の整備なども進めてきています。
引き続き、更にこうした取組を強化していきたいということで、サプライチェーンによっては一定以上の取組をしていないと不安ですと、中小企業の皆さん、不安ですよというような声がある中で、どういう対策をやっていますと、私ここまでやっていますというのを、先ほどは自己適合でやっていたんですけど、さらにほかの人にも確認してもらって、ああ、ここはちゃんとやっているじゃないかということを客観的に認識してもらうような、可視化するような仕組みをつくれないかとか、あと、専門家を常時雇えなくても、例えば登録セキスペ、セキュリティースペシャリストという国家資格のようなものがあるわけですけれども、そういった人たちとマッチングしてサポートしてもらえるような機会がないかということで、マッチングさせる事業、こんなようなこともやっていけないだろうかというようなことでちょっと検討を進めています。
産業界と、そしてこれは非常に広い面的な取組が必要になりますので、関係省庁ともしっかり連携しながら、中小企業がセキュリティー対策を実際できる環境、実践できる環境というのを実現していきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/179
-
180・石川博崇
○石川博崇君 非常に複雑なサプライチェーンの業態であるこの半導体業界の中小企業のサイバーセキュリティー対策、非常に大事だというふうに思いますので、是非お力添え、また進めていただきたいと思います。
その上で、これは念のための質問なんですけれども、ラピダスのサイバーセキュリティー対策がどうなっているのか。当然、これから世界のどこも実現したことがない最先端半導体を作っていこうということですので、万全の対策を取っていなければならないというふうに思いますけれども、どのような体制で対策を進めているのか、可能な範囲で、手のうちをさらす必要はありませんけれども、教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/180
-
181・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
ラピダスですけれども、国内外のセキュリティー会社と連携しながら、国際基準に適合したセキュリティーシステムや、まさにシステムのセキュリティーをしっかりと守っていく体制、これを構築していると承知をしています。
また、データの管理につきましては、アクセス管理を実施するとともに、外部から隔離されたネットワーク内で機微情報を管理、利用する、すなわち、ネットワーク越しに侵入してそこのデータに、サーバー触られるということを避けるためにサーバーをオフラインにして機微情報を管理するような取組をしているということを聞いております。
ただ、サイバーセキュリティーの分野は、ある意味、実は攻撃者が最先端技術を最も使う領域ですので、これは非常にしっかりやっているつもりでも、なかなかそこを完璧に達成するということは容易なことではないであろうということで、引き続き、適切に対策を打つ、体制を強化していくということを経済産業省の方からも引き続きしっかり求めていきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/181
-
182・石川博崇
○石川博崇君 これだけ巨額の公的支援をやっているラピダスが、その機微情報がサイバー攻撃で盗まれたなんてことはもう話になりませんので、是非ともしっかりとした対策を組んでいただきますようお願い申し上げたいと思います。
ちょっと話は変わりまして、この法案では、半導体産業だけではなくて、大規模なサーバー等の導入についても支援が規定されております。具体的には、大量の情報につき高速度での処理を行うことができる性能を有する設備を経産省令で定めた上で、情報処理サービス業を営む会社がその導入を行うための債務保証などを行うという内容になっております。
支援の対象が、どういった設備が対象になるのか、なかなかイメージが付きにくい条文ですので、分かりやすい説明をお願いしたいというふうに思いますし、また、そのような設備、データセンターなどを意味するんだと思いますけれども、これを支援する意義についても併せてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/182
-
183・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
まず、端的に対象設備ということでございます。こちらは今後省令で定めることになりますけれども、データセンターのまさに基盤になります電子計算機、サーバーとかネットワーク機器などの附属設備、こういったものを想定しています。
こういった取組を行うことの意義ということでございますけれども、生成AIの登場などによりまして、AIの学習や推論に必要となる情報処理能力が加速度的に増加すると。これ、非常に高額化しているということでございます。それに対応した大規模な電子計算機の整備でありますとか、大量に熱が出るのに対応できるようにするとか、そういった対応をしていくには多額の投資を要するようになっています。
一昔前のデータセンターとはちょっと様相がやっぱり変わってきているということでございまして、それを大規模にデータセンターを展開するというアイデアもどんどん出てきている中、民間だけでは十分な資金調達が困難であると、簡単ではないということに対しまして、資金調達を円滑化するという意味で債務保証という手があるだろうということで、今回、資金調達の円滑化のための債務保証ということを行えるようにしたいというふうに考えているということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/183
-
184・石川博崇
○石川博崇君 今、対象設備について御説明をいただきましたけれども、今度はどういう会社が対象となるのかということ、また、支援先の選定基準、選定プロセス、まだこれからかもしれませんが、現段階で決まっていることがあれば教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/184
-
185・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
まさにデータセンターを行うような方々を想定しているわけですけれども、そういった場合にはかなり幅広い事業者の方がここの情報処理サービスを提供する会社に該当することになると考えています。したがいまして、対象企業はかなり幅広く見ていくということになります。
その上で、今後、IPAが定める業務基準、これ経産大臣が認可を行うことになるわけですけれども、こちらで要件などを、審査プロセス、要件、そういったものを明確にしていくことになります。これからということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/185
-
186・石川博崇
○石川博崇君 これからということですが、かなり幅広く対象にしていくという御答弁をいただきました。ありがとうございました。
その上で、今回、IPA、情報処理推進機構がこのような新たな業務、債務保証等を行っていくわけですけれども、この大規模な設備投資を行う会社の社債の引受けとか、あるいは多額の債務保証を行うには相当な専門的な深い知識が私は必要なのではないかというふうに思います。これまでIPA、機構は、この領域について余り事業経験がそれほどないのではないかというふうに思いますけれども、どのような体制強化を図っていくのか、これだけの業務、しっかりと推進していただく必要がありますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/186
-
187・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
まず、情報処理推進機構、IPA、過去にですね、過去に中小企業のソフトウェア開発に対する債務保証を行っていたことはありますけれども、それは新規引受けは十五年前に終了しておりますので、委員御指摘のとおり、この業務しっかりやっていくための体制整えていかないといけないというふうに認識しております。
本法案に基づく債務保証をしっかりと実施していくために、まず、元々IPAは、ソフトウェア領域、これは深い知見を有しているということで、事業計画をしっかりと精査する、こういったところはやっていく能力は、今でもしっかりとプロたちがそろっておるわけですけれども、それを金融機関、金融的な視点からしっかり見ていくと。これは、金融機関などから専門家を外部登用することなどを通じまして、IPA内に万全の体制を構築したいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/187
-
188・石川博崇
○石川博崇君 まさに、昔やっていたというのは中小企業に対して細々とやっていたという程度でしょうから、これだけの大規模な設備投資に対して金融的な視点というのは、専門家を新たに体制を整えていくなど、非常に必要だと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げたいと思います。
続いて、先週、少し先に回しました質問の方に移らせていただきたいと思います。
まずは、今回の改正案では、エネルギー特会に先端半導体・人工知能関連技術勘定という新しい勘定を設置することになりまして、一般会計とか特会のほかの勘定からの繰入れを規定をしているところでございます。
この特別会計というのは、事業の歳入歳出が明確になるという利点はある一方で、実態が見えないんじゃないかというような指摘もこれまでございました。そういったことを踏まえて、この特会の改革というのが長年にわたって行われてきたところでございます。
二〇〇六年には三十一あった特会の数を二〇一一年には十七まで減らしてきましたし、また歳出規模も、ピーク時、二〇〇五年には十七・二兆円ありましたけれども、これを八・二兆円、二〇一三年度で八・二兆円まで減らしてきた経緯もございます。二〇一三年にも、特別会計、特会の統廃合を行う法改正も行われたところでございます。
今回は既存の特会の中の勘定を新設するということになっておりますけれども、これまでのこうした特会改革の経緯も踏まえて、新たに勘定を設ける意義、必要性について改めて御説明をいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/188
-
189・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
AI・半導体産業基盤強化フレーム、こちらにおきましては、財投特会投資勘定からの繰入金、経済産業省所管の既存基金の返納金や株式売却収入、GX経済移行債の活用などの財源を確保しながら半導体・AI分野への支援を行っていくということになっています。このように複数の歳入を活用するということでございまして、特別会計でこれらの歳入と歳出を一元的に管理することで会計の明瞭さを高める必要があるというふうに判断したということでございます。
また、特別会計の数を不用意に増加させないというこれまでの特会改革の趣旨も踏まえまして、新たな特別会計を創設するのではなく、目的が近似するエネルギー対策特別会計に新たな勘定を設けることにしたところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/189
-
190・石川博崇
○石川博崇君 今のような必要性、あるいはこれまでの改革の経緯も踏まえて、特会を新たに作るんじゃなくて新たに勘定を設けることにしたということでございますが、今回の法律の附則第二条によれば、この新たに設ける勘定が令和十五年の三月三十一日までに廃止をするという規定まで設けて、新たな勘定を作るのに廃止をするということまで決めている法案になっております。また、その際、この勘定において発行された公債の償還を行うための勘定をまた新たに設置するということも盛り込まれていると承知しております。
今回新たに設置する勘定を令和十五年の三月末に廃止する理由について、まずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/190
-
191・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
今般のフレーム、こちら令和十二年度までの公的支援の枠組みとしているところでありますけれども、予算事業の明許繰越しなど、そういった可能性を踏まえまして、新たな勘定の期限は令和十五年三月末としたと。すなわち、二年間その繰越しとかの対応をできるようにしたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/191
-
192・石川博崇
○石川博崇君 今回のフレームの枠組みの範囲内で勘定を作ったということだと思います。いつまでもだらだらだらだらやらずに、ちゃんと結果を出すという決意の表れでもあろうかと思いますが、一方で、今後のAI・半導体産業の分野というのは、今後とも更に各国しのぎを削って研究開発を行っていくことが想定されますし、二ナノ世代ができたら、量産できたらそれで終わりという世界ではないと思います。ラピダスも、二ナノの後、一・四ナノとかですね、そういったことを言われているわけでございます。
今後も続いていくそういった世界最先端の研究開発、またそれに向けた財源の在り方について、現時点での考え方がありましたら教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/192
-
193・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
AI・半導体分野、委員御指摘のとおり、市場の変化が非常に速くて、かつ継続的な研究開発、これは極めて重要です。例えば、ラピダスにおきましては、二ナノ以降の一・四ナノ、一ナノの半導体については、民間資金を活用しながらしっかりと回収して、民間資金を活用しながら開発を続けていくということであると承知しています。
その上で、二〇三〇年度以降の半導体・AI関連支援につきましては、その財政、財源確保の方向性につきましては、将来のAI・半導体産業の状況でありますとか、あと各国どうしているか、各国の政策の動向、あと国内の財政状況、当然のことながら、こうしたことなどを踏まえて決定することになると思います。
いずれにしましても、現時点では、今般策定したAI・半導体産業基盤強化フレームのこの期間、支援期間を延長することは現時点では考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/193
-
194・石川博崇
○石川博崇君 現時点では考えておりませんということでしたけれども、おっしゃっていただいたとおり、今後の半導体産業の動向あるいは各国の支援動向等をよくよく注視しながら、おっしゃるとおり、ラピダスは民間資金を活用してやると言っておられるのかもしれませんが、それができないから今回こういう形でやっているわけですよね。是非、将来的には柔軟な対応も必要なんではないかというふうに私は思いますので、お願いしたいと思います。
続いて、試作拠点についてお伺いをしたいと思います。
経産省は、最新のソフトウェアとか製造装置を備えた最先端半導体の試作拠点の整備に向けて準備を進めていると伺っております。先般、参考人の方からも御説明ありましたけれども、高性能な半導体装置、半導体製造装置、極めて高額だというお話でございました。一社だけで導入が難しい企業さんもたくさんおられると思いますので、今経産省で進めているこうした製造装置を共同で利用できるような製作、試作拠点ですか、これを築いていくというのは極めて重要なんではないかというふうに思いますし、期待もされるんではないかと思います。
この試作拠点の概要と、経産省としてどのような成果を期待しているのか、拠点整備の狙いをお伺いをしたいと思いますし、またあわせて、今回のこの法案との関係で、この試作拠点の設置というものがどういう位置付けになっていくのかということもお伺いをしたいと思います。さらには、現在の準備の進捗状況も併せて御説明いただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/194
-
195・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
半導体分野のイノベーションを加速させる、それにつきましては、先ほども委員から御指摘をずっといただいております製造装置であるとか部素材、こういったところのいわゆる研究を強化していく、より先端的なものを開発していくというためには、やはりその開発を進められる環境、これは、最先端の装置に合わせた部素材は何なのかとか、そういったものがやれなければ実際には取組ができないということでございますので、そういったものを用意したいわけですけれども、一つ一つ非常に高価ということでございまして、単体、特にスタートアップなんか、そういった個社が購入することは困難ということでございます。
このため、令和七年度当初予算におきまして、産業技術総合研究所、産総研で半導体関係企業による共同利用を念頭に置いた研究開発環境を整備すると、そのための予算を計上しました。本予算を通じまして、先端半導体の試作製造、先端装置、材料の開発に必要となる装置などが整備され、そういった拠点を形成して、いわゆる開発活動とか、あと人材育成にもつなげていってほしいというふうに考えております。
本法案との関係でございますが、この拠点の整備につきましては、AI・半導体産業基盤強化フレーム、こちらに基づいて支援を講じていくということでございます。
現在の進捗ということでございますけれども、申し上げましたとおり、産業技術総合研究所にこれを整備していこうということで検討を開始しています。多くの部素材メーカーなどに関心を持ってもらっています。民間企業が連携しながら取り組んでいくことが非常に重要ということで、オープンな最先端の環境、これを実現していきたい、これによって、先端半導体のエコシステムの形成に貢献するというところにしていきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/195
-
196・石川博崇
○石川博崇君 産総研に設置をするというお話でしたけれども、いつぐらいの開設を想定しているのか、あと、報道では、国立研究所とか大学の中に拠点を構えるという案もあるというふうに報道されていましたけれども、地域振興という観点も非常に大事だというふうに思いますが、その点、どのように考えていらっしゃるのか、教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/196
-
197・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
まだ時期につきましては検討をしているということでございまして、かなりしっかりとプランニングをしないといけないものでございますので、今検討しているというところです。
どこかということにつきましては、産業技術総合研究所がそれを担うということで、それをまた産総研の中のどこかということも含めて検討しているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/197
-
198・石川博崇
○石川博崇君 まあ検討しているという答弁に尽きるみたいですけれども、スピード感大事だと思いますので、是非検討を進めていただきたいと思います。
今回、ラピダス始め、北海道千歳で半導体の製造拠点を整備していくに当たって懸念されることとして、やはり周辺のインフラ整備、ちゃんと行ってもらえるのかということが懸念の声としてございます。
公明党の半導体PTでは、内閣府の交付金を活用して、半導体製造に欠かせない水とか道路とか、あるいは生産拠点周辺のインフラ整備に是非支援をすべきだということを訴えてまいりました。
既に民間の四件のプロジェクトについて、内閣府のインフラ交付金、地域産業構造転換インフラ整備推進交付金という長い名前の交付金の対象として選定がされたと承知しておりますけれども、それぞれのこの四つのプロジェクト、どのような支援が行われているのか、その概要についてお伺いをしたいと思います。
特に、熊本なんかでも渋滞が非常に深刻だという声もありまして、円滑に工場を稼働させるためだけならず、地域住民の理解を得ながら整備していく上でもこの渋滞対策というのは非常に大事だと思っておりますが、この点についても併せて伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/198
-
199・松家新治
○政府参考人(松家新治君) 御指摘いただきました地域産業構造転換インフラ整備推進交付金でございますけれども、委員からもお話しいただいたとおり、半導体等の戦略分野におけるリーディングプロジェクトとなる産業拠点の整備に当たりまして、そのプロジェクトの安定的かつ円滑な操業に支障が生じないよう、関連インフラの整備を支援するものでございます。
具体的には、ラピダスプロジェクトのほか、岩手県のキオクシア、そして広島県のマイクロメモリジャパン、そして熊本県のJASM、この四つのプロジェクトにつきまして、関係省庁と連携をしながら、周辺の、工場周辺の道路であるとか、あるいは下水道、工業用水といった関連インフラの整備を推進をしているものでございます。
このうち、工場周辺の道路整備につきましては、委員からも御指摘いただきましたとおりでございますけれども、渋滞対策といった観点からも地域住民の御理解を得られるよう、地元自治体からの要望も踏まえまして支援を行っているところでございます。
今後とも、継続して必要な支援ができるよう、関係省庁とも連携して取り組んでまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/199
-
200・石川博崇
○石川博崇君 今後、量産体制に入っていくという中で更なる対策も必要だと思いますので、交付金の積み増し含めて是非御検討いただきたいと思っております。
最後のテーマになろうかと思いますが、今回、フレームの下で十兆円以上という大規模な支援が行われることになります。このような大きな支援を行う以上、可能な限りその進捗あるいは審査体制について透明性を高めて、また説明責任を果たしていくということは不可欠だというふうに思っております。
このフレームの下でのプロジェクトは、第三者外部有識者による評価等の下で適切なマイルストーンを設定して、その達成状況を確認しながら、事業計画の認定、見直し、あるいは支援継続の要否を議論するというふうにお聞きしていますけれども、具体的にどういうタイミングでどういう審査を行っていくのか、またその議論を行っていく枠組みというのはどういうものなのか、さらには審査をした後どのような事項について公表することを想定しているのか、お伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/200
-
201・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
まず、このフレームにおきましても、各年度の予算編成過程における議論を経て必要な予算措置を講じてきていますが、こういったプロセスは今後もまず変わらないということです。
個別案件の支援決定に際しましては、あらかじめ外部有識者に支援の必要性、妥当性を審査していただいていく、さらに、大規模な事業のモニタリングにつきましては、第三者の評価の下で、事業計画の策定と、あわせて、マイルストーンを設定する、その達成状況を確認する、事業計画の見直しなどを判断する、こういう枠組みを構築して支援を進めていくということでございます。
対象となる事業ごとに設定するマイルストーンの内容や時期などは異なってくるというふうには考えています。審査のタイミングや内容について現時点でお答えするのはしたがって難しいということでございます。
例えば、次世代半導体の量産などにつきましては、こちらは産業構造審議会に設置した次世代半導体等小委員会、御答弁させていただいております、こちらにおいて外部有識者を交えて執行管理や検証を進めていくと。モニタリングの結果につきましては、事業者の営業上の機密事項にも配慮しつつ、可能な限り公表することで透明性を確保していきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/201
-
202・石川博崇
○石川博崇君 今回の法案の中では、選定された事業者に対して、実施計画が選定に係る基準に適合しないといった場合には選定の取消しということも規定がなされております。そういう意味でも、しっかりとした、その事業者の事業計画を審査するとともに、その後の実施状況について適時適切に報告を求めていくということが極めて重要だというふうに思っております。
不断にその選定事業者から報告を求めるということになろうかと思いますが、どの程度の頻度で行っていくのか。これは衆議院の附帯決議で三月に一度ということが示されておりますけれども、この頻度についてどのように今考えているのか。
また、やはり報告を求めるにしても、事業者に対する事務負担とのバランスというのはやはり考えていかなければならないと思います。事業を推進していくことの足かせになってはいけないというふうに思いますので、その事務負担への配慮というものについてもどう考えていくのか、検討されていることがあればお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/202
-
203・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
御指摘をいただきましたとおり、選定事業者に対して金融支援を行うに当たっては、進捗状況をしっかり把握する、報告を求めて公表していくと、ただ、そこもバランスがある、まさに御指摘をいただいたとおりでございます。
報告、これに当たりましては、事業者やその取引先には一定の事務負担も発生するのも、これも事実です。過度に報告を求めることは控える必要はあるかなと思っておりますけれども、一方で、多額の公的支援が投入されている案件であります。厳格な進捗管理が必須であることは強く認識しています。
このため、例えば量産開始までの間は頻度高く状況を把握する観点で四半期に一度をめどに一定の事項について報告を求めるなど、適時適切に実施してまいりたいと。法令に基づく報告に限らず、事業者とは日頃からコミュニケーションを密に取っていくということで、状況の把握にはまた努めてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/203
-
204・石川博崇
○石川博崇君 時間ですので終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/204
-
205・片山大介
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
私、おとといの委員会で質疑では、ラピダスや半導体支援の質問を中心に聞いたんですけれども、今回の法案は、それ以外にも、デジタル人材の育成だとか、ああ、半導体人材の育成か、あとAIの推進だとかというのもあります。これもすごく重要なので、今日はできる限りそうした部分まで質問ができたらなというふうに思っています。
私がまず聞きたいと思っているのは、やっぱり半導体・AI支援のための財源確保のフレーム、枠組みについて、まずここから聞きたいと思います。
政府は、二〇三〇年までの七年間で、もう何度も今日質疑にも出ていますけど、十兆円以上の公的な支援を行うと。その公的な支援のための財源の枠組みというのが先ほどから出ているAI・半導体産業基盤強化フレームと。
じゃ、このフレームどういうものなのかというふうに見ていくと、これ、あれなんですよね、経産省所管の特別会計で、再エネだとか省エネだとかに充てるエネルギー対策特別会計、その中に新たな予算科目、これを作る、これを勘定といっていますよね、この勘定にその経産省所管の基金から国庫に戻す、国庫納付金といいますけど、国庫納付金や、あと財政投融資特別会計のお金を入れていこうと、入れ込んでいこうという感じなんですね。
〔委員長退席、理事古賀之士君着席〕
それで、このスキームをいろいろ説明しながら改めて見ると、やっぱりそれは、若干やっぱり、経産省所管の様々な会計から何かひねり出していっているという感じは、やっぱりみんなが言うとおりだなというふうに思いながら、私もそれは感じたんですけど、まず、これについてはどのようにお考えなのか、お答えいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/205
-
206・野原諭
○政府参考人(野原諭君) AI・半導体産業基盤強化フレームにつきまして、財投特会投資勘定からの繰入金、それから経済産業省所管の既存基金の返納金や株式の売却収入、それからGX経済移行債の活用などの財源を確保しながら、半導体・AI分野への投資支援を行っていくこととしております。半導体・AI分野への支援を通じて得られる効果が各財源の政策目的に整合するものというふうに考えておりまして、そういう意味で、関係のある財源を活用しているというわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/206
-
207・片山大介
○片山大介君 じゃ、これ一個一個見ていきますと、一番面白いのは、面白いのはという言い方変なんですけど、例えば、じゃ、基金からその国庫に戻す国庫納付金、これを財源に充てるというのはどうなんだろうかという話で、これは、だけど、これまでの審議でも、流用じゃないかということは言われている。これに対して経産省は何と答えているかというと、一度返した上で本当にそれが必要かどうか改めて議論をして計上するので流用ではないと。
だけど、本来であれば、この国庫納付金というのは、これ経済産業省の予算に限るものではなくて、様々な用途に使われるものであるべきなんです。だから、これ、今回の法案で、これ、その国庫納付金は半導体支援の予算に規定するとなっているんだけれども、そうすると、これは経済産業省専用の予算枠みたいになっちゃう。
それで、国会審議も経ないでこれができるようにしちゃって確保しようというんで、これはさすがに、私、本当にいいのかなというふうに思いますけれども、これについてはどのようなお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/207
-
208・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 半導体・AI分野への支援が、中小企業を含めて我が国全体の産業競争力の強化や、それに向けた経済基盤の維持につながるものであるということでございまして、そのため、これまで産業競争力の強化や経済基盤の維持等を目的として予算措置を行ってきた基金等の残余の国庫納付金についても、同じ目的につながる半導体・AI分野への資金に活用することが適当であるというふうに考えております。
その上で、基金等の国庫納付金を半導体・AI支援に活用する際には、予算事業の必要性や妥当性を精査し、予算編成過程における議論や国会の審議を経て手当てがなされる、措置がなされるわけでございますから、流用というのは、普通はもう、一回予算計上したら、それはもう国会の議決なくそのまま、ほかの流用できる範囲で流用してほかの支出に充てられるというのが流用でございますので、国会の議決を経て予算が計上されるという意味で流用とは異なりますし、経産省が自由に活用できる予算枠として、国会の審議なく自由に使っていいですよということではないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/208
-
209・片山大介
○片山大介君 いや、だけど、国庫納付金というのは、本来様々な用途に使われるべきものなはずなんですよ。それを、まあこれ、経産省所管の会計だからということでやっているんだと思います。経産省所管の基金でもあるからということなんだろうけれども、やっぱり何となく納得みんなしないというか、納得し難いところはあるんだと思いますけど、そこはどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/209
-
210・野原諭
○政府参考人(野原諭君) これは、国会の議決を経た上で、いわゆる半導体の予算に充てるために、このエネルギー特会の新勘定というその経理を、歳出歳入を区分経理して明確にする勘定に繰り入れてもいいですよということを、繰り入れることができるように法的手当てをするものでございまして、実際にお金が予算で動くときには、これは国会の議決を経た上で移動していくわけでございますから、それは流用とは異なっているというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/210
-
211・片山大介
○片山大介君 まあ流用とは言ってなくて、強引だと私は言っている。
それで、もう一つ聞くけれども、じゃ、今回のこのスキームというのは、基金でいえば、既にその基金として交付している補助金に対して使われるだけなのか、それとも、今後、基金として交付される補助金までそれは含められるのか。分かりますか、言っている意味が。
何でこれを聞きたいかというと、もし今後、その基金として交付される補助金まで対象になりますよとなると、その基金段階からその繰入れを見越して積み増しが行われたりだとか、それから、本来あるべき交付先に、その交付されるものへの影響が出たりするんじゃないかということもあるわけです。ここについてはどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/211
-
212・野原諭
○政府参考人(野原諭君) まず、二つあると思っていまして、一つは、そのフレームで二・二兆円というふうに書いてありますけれども、去年の十二月の補正予算で一・六、既に予算としては計上しているわけで、二・二のうちの相当額は、もう既に成立している補正予算で充てているわけですね、歳出としては。
それから、将来の基金の話は、これはそれぞれの基金についての歳出、これが必要ですという目的があって、それを国会、実際に予算を計上して、それを財政当局と調整した上で国会に提出して、国会で御審議いただいて、必要だと認められた額が計上されるわけでございまして、将来ほかのものに、余ったらほかのものに使えるからといって余計に積んで予算を要求するわけでもありませんし、それが認められるわけでもないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/212
-
213・片山大介
○片山大介君 だけど、そういう疑念を持たれていることはやっぱり注意していただきたい。
だから、基金もこれまで様々、基金一つ取っても、やっぱりこれまで無駄なんじゃないかということはいろんな国会審議でも言われてきたわけです。ですから、その基金で余った国庫納付金を回すということに対してはより丁寧に慎重に、そもそも基金への交付についてだって慎重に考えていただかねば困るというふうに言うのは分かっていただけますでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/213
-
214・野原諭
○政府参考人(野原諭君) それは、本当に必要な予算を要求し、本当に必要な額だけ予算を計上するというのは御指摘のとおりだと考えております。
先ほどの私の答弁でちょっと数字が間違っていましたので訂正させていただきますと、去年の補正予算で、元々のフレームの、AI、半導体産業強化基盤フレームで一・六兆円というふうに書いている部分の、一・三兆円を去年の補正予算、去年十二月の補正予算のところに計上したということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/214
-
215・片山大介
○片山大介君 そうです。二・二じゃないんですよね。一・六ですよね、一・六の一・三。
それで、じゃ、これだけの財源を捻出してやっぱりやっていこうというんだから、やっぱりそれは成功してもらわなきゃ困りますよ。それで、もしこれが、この経産省関係、所管のこれまでいろんな会計を集めて財源捻出しているんだから、これ失敗したら、これ経産省の責任というだけの問題じゃ終わらないぐらい大変な問題になると思いますよ。
じゃ、成功といったら何が成功なんだろうかというふうに思う。そうすると、それはまず、二〇二七年に二ナノの半導体の量産開始を始めるということなんだけれども、それで、おとといのその質疑の中では、そのための研究開発も順調だ、それから顧客の獲得も頑張っているみたいな話はされたけれども、ただ、そのラピダスを一つの企業として見たときに、成功は何かというと、やっぱり黒字化になることなんですよ。ですよね、やっぱりね。黒字化して、ああ、やっぱり、それは、持続力がある、企業としても持続力があるものだというふうにもなるし、逆にこれが製造に成功したとしても赤字になったらどうなるのかと、そしてまた、それを国が補填するのかという話になると、それは大騒ぎになっちゃうわけですよ。
だから、やっぱり、その成功という意味でやっぱり黒字化することが必要で、それは、二〇二七年に量産開始をするんだったら、すぐにというわけではないけど、二、三年後を目指してやっぱり黒字化するというような、そういうロードマップというんでしょうか、そうした長期的な計画というんでしょうか、そこまで見据えたものにしなきゃいけないと思うんですが、そこはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/215
-
216・野原諭
○政府参考人(野原諭君) まず、ラピダス、五年間の国の委託の研究開発プロジェクトとしては、これは次世代半導体の量産技術を確立するために今やっているわけでございますので、その研究開発ちゃんとできているかというのが研究開発プロジェクトとしてのゴールなんですけれども、今回のこの法律で御提案している量産化のための金融支援、これは結局、量産化して、実際にこの事業体が安定的に再投資をしながら事業として立ち上がって、安定供給拠点として運営していただかなければいけないわけですから、そういう意味で、この次世代半導体、産構審の次世代半導体小委員会でも、既に委員の先生方がそこで御議論されていて、最終的なこの今回の法律に基づく金融支援、量産化の金融支援措置の出口というか、卒業するときの基準というのは何ですかということを御議論いただいていて、それは安定、政府が支援を、何ですかね、手を離しても、もう自律的に事業体として再投資をしながら事業ができることだと、それがその卒業の目安じゃないですかというような委員の先生方から御意見をいただいていますけれども、そういうふうな考え方になるのかなというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/216
-
217・片山大介
○片山大介君 だから、それはやっぱり黒字化ということでいいんですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/217
-
218・野原諭
○政府参考人(野原諭君) そういう意味で、一定のキャッシュフローを生んで自律的に再投資するということからすると、黒字化していかないとそういうことになりませんので、それは当然ゴールに入るということだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/218
-
219・片山大介
○片山大介君 そうですね。将来ラピダスは株式上場しようというんですから、じゃ、それだったらやっぱり黒字化ということを明確に言わなきゃいけないと思いますし、黒字化して、それから税収を出して、それをしっかりと地元に還元していくというか、それをやって初めて成功なんだというふうに思います。
それで、この成功に向けて、じゃ、リスク要因って何があるだろうというのをちょっと幾つか挙げたいんですけど、最近の一番ホットな要因というと、やっぱりトランプ政権の関税政策ですよね、これね。ただ、日々状況が変わっていっているから、今後先どうなるかも分からない。だけれども、今、半導体にもこの関税を検討しているというような情報は出てきている。詳細はまだ分からないですけどね。
じゃ、そうした場合にどうなるのか、これもちょっと考えておかなきゃいけなくなるんじゃないかなと思う。だって、ラピダスはたしか北米を主要市場としているはずなんです。だとすると、やっぱりこれが受ける影響というのは、もし本当に課されたら影響は大きいんだと思いますけど、そこら辺はどのように見ているのか、教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/219
-
220・野原諭
○政府参考人(野原諭君) アメリカの関税の、半導体関税の話、関連の話になりますが、まず、四月二日にアメリカから、米国から発表された相互関税の対象、これ別表で半導体は除外するというふうに書かれていますね。相互関税の対象ではないということになっております。
トランプ大統領が半導体関税について繰り返し言及されていますけれども、まだ導入されて、発表になっていませんで、現時点でどういう仕組みなのかという詳細は明らかになっておりません。そういう意味ではなかなか評価は難しいところありますが、その上で、仮にその半導体に関税が賦課された場合なんですけれども、関税の具体的内容に加えまして、例えば二ナノ世代の半導体のアメリカ国内での需要と供給能力のバランスによっても影響は異なってまいります。
TSMCのアリゾナ工場、現状、今稼働している一号棟は四ナノでございますので、二ナノではございませんけれども、二号棟は、二〇二八年から稼働を目指している二号棟が三ナノと二ナノ、それから二〇三〇年の稼働を目指している三号棟が二ナノか、その更に二ナノより先ということが目標としては掲げられていますけれども、この量産の規模がどれぐらいのボリュームなのかというのは明らかになっておりません。この前発表があったのが四号棟、五号棟、六号棟なんですが、これはその三号棟より後ということになっていまして、これも詳細が余りはっきりしておりません。
〔理事古賀之士君退席、委員長着席〕
ラピダスは、TSMCとは少しビジネスモデルを、ここで何度も議論になっていますが、短納期で生産できるというので、TSMCとは少しビジネスモデルが異なりますので、単純に価格競争をTSMCとするわけではございません。
また、これ、大統領の上級顧問のナバロさんという関税を担当されている方がテレビに出演されてこの前説明されていましたけれども、実際、半導体、アメリカに入っているものも半導体の形態で入っているものは多くないということで、実際は半導体がいろんな電子製品に入っていますので、それはアジアの国々でアセンブルした、組み立てられているケースが多いわけですけれども、そういう国からアメリカに入る、返ってきていると。これは、でも半導体というカテゴリーでじゃない、違う税関のコードですね、分類で入ってきているということ、それが多いから今サプライチェーン調べなきゃいけないと、調査しているということだと思うんですけれども、そういった事情もあります。
そういう意味で、実際は半導体以外のコードで、第三国からアメリカに対しての部分の相互関税のバスケット、いろんな種類のバスケットに多分入っていると、そういう製品の中の部品として入っているという、そういう構造になっていまして、ここは一番大きなモーションに多分なると思いますけれども、そういった事情もありますので、実際の発表されたアメリカの半導体関税の中身を評価しながら、どういうふうな影響が出てくるかということになります。
TSMC、台湾に十棟以上建てていますので、それが全部アメリカ向きじゃない、アメリカ以外の地域向けの分もあると思いますが、アメリカ市場には全部出さないというわけでは必ずしもないでしょうから、そういう意味では、台湾のTSMCからアメリカ市場に最終的に行くものと、ラピダスが千歳で作って最終的にアメリカ市場に行くものは、基本的には台湾と日本の関係の関税がどうなるか。
これも、実際は第三国経由だと、この第三国の相互関税率が何ぼかということになっちゃうと思うんですが、そういった構図になっていますので、実際に発表されたその関税の仕組みを基に影響を評価しながら対応を検討していくというか、準備をしていくということだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/220
-
221・片山大介
○片山大介君 局長、ありがとうございました、いろいろと。
だから、今の段階で影響がどこまでというのは分からないから一応注視しなきゃいけないというのと、それから、もう先に今お話ししちゃったけど、やっぱりTSMCとの関係というか、その比較ですよね。
今言われたように、TSMCというのは、アメリカで半導体製造の拠点整備を今進めているというところがあって、それで、TSMCは、まずは二ナノの半導体というのは台湾から生産開始を始めると言っているけれども、今後アメリカでの生産も行われていくだろうと言われているから、そうなって、もしトランプ関税が課されたら、日本のラピダスと比べると、やっぱり国内、アメリカ国内で作る分だけ、やっぱりその競争力という意味では、コストがこちらの方に掛かってしまうとかしてなかなかやりづらくなっていくんだろうなというのは容易に想像が付くんですけれども、そこら辺をどのように考えていくか。
それで、必要に応じては、その市場開拓というんでしょうか、そういう戦略、今、北米を主要市場にしている部分についても検討することも必要になってくるんじゃないのかなと思いますけど、そんな形でよろしいでしょうかね。どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/221
-
222・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 最終的な製品の仕向地が米国市場じゃないものというのは、アメリカの関税を払わないために、基本的にはアメリカの国外でぐるぐるぐるっと回って第三国のマーケットに行くということに多分なると思いますので、これ外資系の半導体の会社の経営者が言っていたんですけれども、結局、アメリカの国内に立地すると、全てのサプライチェーン、川上から川下まで全部アメリカの国内にあればいいですけど、それなかなか難しいと。実際、千ぐらい工程があり、かつ上流のところはアメリカ国内ありませんので、そうすると、アメリカ国内に立地しているものは、何度も国境をまたいで、出たり入ったり、出たり入ったりすると何回も何回も関税が掛かるということになりますので、実際アメリカの国内に投資することが有利かどうか分からないというふうに結構言われていますので、そういう意味で、実際の関税の結果を見ながら、どういうふうに競争政策、競争的な戦略を立てるかというのはよく、じっくり練っていく必要があると思いますし、アメリカ市場の以外のところの仕向地の分というのは、これはアメリカの関税は関係ありませんので、その部分のマーケットをどう取るかというのも非常に重要な視点だというのは御指摘のとおりだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/222
-
223・片山大介
○片山大介君 ありがとうございます。
それで、続いて、もう一つ気になることっていうと、二〇二七年に量産を開始するというふうに言っていますけど、TSMCは一応今年中からその量産開始目指すといっていて、二ナノの半導体、では、そうすると、二〇二七年にラピダスが量産を開始したときに、世界はもう既にその二ナノの先を行っている可能性が出てくるんじゃないかと。
よく言われるのは、半導体の世界では一年半から二年でその集積度が二倍になる、これムーアの法則と言うんですね、これ。だから、それがあるわけで、そうなると、二〇二七年って今から、再来年ぐらい、二年先ぐらいの話になりますから、そうなったときには、世界が求めている技術開発、世界が今進行している技術開発というのがその先を行ってしまっていて、その市場が求めるものもその先になっている可能性があると、二ナノの先。
では、そうした場合はどうするのか。日本としては、今、これ二ナノ、これ簡単には変えれないという話もレクでいろいろ聞きましたけれども、そうすると、二ナノをやった上で、じゃ、さっきも何か出ていたけど、一・四だとか、一ナノだとかって、こういうようなところまで踏み込んでいかなきゃいけなくなるとすれば、そうすると、じゃ、そのためのお金というのはどうなっていくのか。それがまた追加投資に、国や民間などからの追加投資になっていくんじゃないか。そうなってくると、これどこで、何というか、さっき黒字化の話も言いましたけど、どこで黒字化すればいいのか。下手すると、そのお金をどんどんつぎ込んでしまうような泥沼式になってしまうような可能性だってないことはない。
ここら辺についてはどのように考えているのか、教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/223
-
224・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 二ナノの次、一・四とか一とか言われていますが、これ、半導体の構造としては、この二ナノになるときのGAAという構造が非常にジャンプがあって、それより前の作り方と違うものですから、そういうジャンプがあるんですが、この二から一・四、一・四から一って、この辺は、GAAの構造をどう縦積み、積層していくかというか、応用編のような話でございまして、このGAAが入る、二ナノになるところほどのジャンプではないと、技術的には、ジャンプではないというふうに言われてはおります。
ただ、その二ナノを量産化、めどを付けつつ、次のステージで一・四とか一へどんどん微細化が進んでいきますので、次の投資というのは、それぞれ各マーケットで競争しているプレーヤーは投資をしていくと思います。そういう意味では、ラピダスも二ナノの量産化、ビジネスを、めどを付けつつ、徐々に一・四とか一の研究開発というのも、民間企業として資金をマーケットから調達するのか、あるいは自らのビジネスから生まれてくるキャッシュフローを使っていくのかありますけれども、研究開発投資というのは続けていかなきゃいけない。
このセクター、とにかく次へ、最先端へ、どんどん小さくなって、性能も高くなるし、省エネになるというので、次へ次へとどんどん投資をしていきますので、投資をしないと、ある種競争条件としてはやや劣後して、この同じところへずっと止まっているみたいになってしまいますので、競争力を持とうとすればやっぱり次への投資をしていかなきゃいけないので、そういうセクターでございますので、それはやっていかなきゃいけないと思いますが、それは、このプロジェクトではまず研究開発、二ナノのところの研究開発、量産化技術を確立し、今度のこの法律に基づいて、量産化のための金融支援をすることで民間資金を投資してもらえる環境をつくって、民間資金を導入しながら二ナノの量産化、ビジネスとして自立できるようにするというところが政策的な目標でございまして、そこから先の一・四、一というのは、それはビジネスとしてきちっと立ち上げながら、民間資金を活用しながら投資をしていくというのが基本だというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/224
-
225・片山大介
○片山大介君 そこは私も全くそのとおりだと思います。
だから、その長期的な支援に立ったら、国の支援に依存する体制からやっぱり脱するのはもう当然なんですよね、これ。では、そうすると、やっぱり民間資金を中心に行われていくって、まさに今局長が言われたことをやっていかなきゃいけない、そういうレールに乗せていかなきゃいけないんだなというふうに思います。
それで、ちょっと今日のこれまでの議論にも出てきた水平分業についても私ちょっと聞きたいなというふうに思っています。
日本の半導体が、まあこれ言い方悪いが、凋落してしまったという、一つはやっぱりビジネスモデルが変わってきたというのがあるわけですよね。今では、その製造とか設計をそれぞれ別々の事業者が担うことでやっていくというようなやり方、このビジネスモデルに日本の半導体企業ってなかなか乗ることができなかったんで、その適応ができなかったことが凋落していったという話なんですけど、ここについては。
今回は、このラピダスは製造という意味ではきちんとやるんでしょうけど、これ本当に、日の丸半導体の復活とかということを本当に掲げて、それを真にやろうというんであれば、製造だけじゃないんですよね。設計だってある。最終製品だってそうです。それから、そのアプリケーションだってある。そうしたもの全体を俯瞰しながら普遍的にやっていくというか、普遍的に俯瞰したようなアプローチをしていくという意味、ことですけれども、そうしたことが大切だと思うんですが、ここについてはどのように考えているのか、教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/225
-
226・野原諭
○政府参考人(野原諭君) それは委員御指摘のとおりでございまして、ミッシングピースで、最先端の半導体を作る能力、これは台湾にほぼほぼ一〇〇%集中しているものですから、これはサプライチェーンの安定供給のリスクがあるのでここへ投資しているわけですけれども、ただ、この日本の半導体関連産業を日本の基幹産業にしようとして分厚くしていこうとすると、設計の機能は当然必要ですし、川下の方のユーザー産業のところの強化も必要です。
そういう意味で、製造装置や素材の強化も必要ですから、そういう意味で、全体に投資をしていかなきゃいけないし、次の手、次の手を打っていかないと、ここだけ、そのどこか一個だけピンポイントでやって、あとは全部何もやらないということで成功するというふうには考えておりません。
そういう意味では、今回のAI・半導体産業基盤強化フレームを活用して、この全体のエコシステム自体が競争力を持つように投資をしていかなければいけない。それは、ラピダスは重要な一つのプロジェクトですけれども、それで全てが解決するわけではありませんから、幾つかほかのことにもやらなきゃいけないことはたくさんありますので、それは次々に手を打っていかなきゃいけないと、そのように考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/226
-
227・片山大介
○片山大介君 是非それも考えて実行していっていただきたいなというふうに思います。
それで、ちょっと時間なくなったので、あと、デジタル人材も、やっぱりこれ大切だなというふうに改めて思ったので、ちょっと聞きたいと思います。
今回の法案では、IPAのこの業務として、情報処理に関する業務を行うために必要な専門の知識及び技能を有する者を養成し、その資質の向上を図ることを追加する改正が盛り込まれている。だけど、IPAはこれまでもこうした育成は、人材育成はやっているはずなんですけれども、じゃ、これまでの実績がどうだったのか。やっぱり何が足りなくて今回改正して、それはどういう効果を狙っているのか、改めて教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/227
-
228・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
まず、IPAですけれども、委員御指摘のとおり、現行法の規定の範囲内で、情報処理技術者試験、これを実施、運営、あとデジタル人材育成に関する指針の策定、午前中お話ありましたけれども、デジタルスキル標準のような話、あと様々な教育コンテンツを展開する教育ポータルサイトの立ち上げと、こういった取組を行ってきています。
具体的な成果ということでございますけれども、情報処理技術者試験、これ、ソフトウェア産業の黎明期にプログラミングできる人材をしっかり確保していかないといけないという、こういうようなニーズの中で、まさに、一九六九年から累計で約二千三百万人の方に応募をいただいて、合格者、これ最新の数字では三百八十万人ということで、IT産業の担い手になる方々を一定程度確保していくという役割は果たしてきているのかなと思います。
また、若手IT人材の育成、これ、いわゆる天才の発掘のような取組ということで、未踏事業と、これ、二〇〇〇年以降、二千三百人を発掘して、そのうちの四百五十人が起業するということで、スタートアップの苗床で、実は、半導体の設計能力、先ほど御指摘ありましたけれども、それをまさに担っていくことが非常に強く期待されているプリファードネットワークス、ここのいわゆる半導体を担っているトップの方はこの未踏事業の出身者ということで、IPAはそういったところで貢献してきているということでございます。
他方で、言わば、どちらかというと供給サイド中心でこれまで考えてきたわけですけれども、デジタル人材重要だ、AIだというときになってくると、実は、アプリケーション側がしっかり使ってくれないと、いいもの作っていても使える人がいなければこれマーケットにならないということで、デジタル人材というのは使う側の人たちでしっかり持てるのかという、こういうような問題意識の下に、政府全体で二百三十万人育てましょうとか、そういうような議論をしているというところでございます。
今般、法改正を行って業務追加をするということでございますけれども、これ正面から、今までは試験は試験として書いてあって、業務上ですね、あと附帯業務とかそういったところに寄せて書いていたわけですけど、寄せて事業にしていたわけですけれども、今回、人材育成事業を直接明確に業務だということを書くことで、今までやってきていないのは実際のコンテンツの作成のようなものとか、コンテンツ作成して提供すると、そういったところはやってきていないんですね。
今回取組をすることで、IPAが独自の人材育成コンテンツ、こういったものも作成して提供していこうと。これはまさにデジタル人材で使う側の方々を育成していくという観点のところが弱くて、例えばデータを使うというときに、すごく、すぐにイメージを持つのはデータサイエンティストとか、すごい能力の高い人のイメージがばっと思い浮かぶんですが、実態、現場ではデータをうまく使ってくれる、データマネジメントができる人とかがいてくれないと、これは動かない。こういった人たちを育てていくようなモデルカリキュラムとか、そういったものはもう、ちょっと急いで作って提供していくようなことをしていかないといけないよなという、こういうような問題意識の下に、まさにまだ取組が十分に行われていないところについて、急いでこうやって、自らちゃんとやって取り組んでいくということで、今回の規定の追加を行ったということで御理解をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/228
-
229・片山大介
○片山大介君 時間来たので、終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/229
-
230・礒崎哲史
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。今日はどうぞよろしくお願いをいたします。
前回の質疑では、もちろんラピダス、最先端のロジック半導体、この二ナノレベルの最先端のものの話が中心にはなりますけれども、どちらかというと、半導体産業全体をどうやって成長させていくのかという観点で質問をさせていただきました。今日もそういった観点で、これまでそれぞれの委員の皆さんも御質問されていた方もいらっしゃったかというふうに思います。
改めて、今、今後、それこそラピダスがやっている二ナノのレベル、ただ、それこそ二〇二〇年度中に一・四ナノ、一ナノ、で、これ二〇三〇年に入ると、まだこの細分化、細微化というのはもう止まらないで、〇・七ですとか、〇・五ですとか、もう十年後は実はもう〇・三ナノだと、オングストロームだという話ももう出ているわけですよね。
そうすると、この設備投資って、じゃ、これ二年置きにしなきゃいけなくなるんですよ、この一兆レベルの設備投資、二兆レベルの設備投資。それは本当に現実的なのかどうか。そうすると、次は一・四ナノじゃなくて、もしかするとラピダスがやるべきはもう一ナノかもしれないですよね。いや、もしかするともう〇・七にチャレンジなのかもしれない。そういう全体的な観点も持ちながら、やはり経営者の皆さんにもいろんなことを考えていかなきゃいけないですし、経産省の皆さんにもいろんなことをきっと考えていかなければいけない。この半導体産業というのは、それだけ変化が激しく、素早い、そういうところだというふうに思いますので、大変だと思います。
ただ、やはりその中で、前回もお話ししましたが、設備投資をしていく上で、やはり自分たちでしっかりと稼ぎをつくって次に投資していくという環境づくりも大変重要だと思いますので、今、片山委員おっしゃられましたけれども、しっかり黒字化目指していくということ、これも大変重要だというふうに思います。その意味では、どれぐらいの生産をするんだと、どれぐらいの時点でどれぐらいやっぱり売上げ出すんだというのは、今まだパイロットテストのような状況ではありますけれども、やはり具体的な数値目標というものをラピダスさんには作っていただいて、そこに向けて取り組んでいくということはやはり必要だというふうに思います。というか、普通の会社はそういうのを作りますので、そういうのがない会社というのは逆にないと思いますので、しっかりそういう目標値は作っていただきながら進めていただくことが何よりも重要だというふうに思います。
今日は、そういう観点でいけば、技術開発、生産、最終的にはそれを売るということになりますので、じゃ、その売り先、販路拡大という観点でどうなのかというのでちょっと質問を用意しましたので、幾つかお話をさせていただきたいと思います。
皆さんのお手元には資料をお配りしました。前回も配っていたんですが、済みません、使うところまで行きませんでしたので、今日はそれを使いたいと思います。
これは、グローバルで、二〇三〇年に向けて、どういう分野において半導体を作ることになるかということをお示ししたものになります。現状、足下では七十五兆円の規模のものが百兆円ということで大幅に増えていく、かつ、その中身がこういった中身になるということになります。
当然、TSMC含めて、こういったライバルとも戦っていくことになりますので、当然そこに向けての販路拡大はしていただきたいんですが、もう一点、やはり国内で半導体を作るという観点でいくと、国内でしっかりそのまた半導体を使っていく、地産地消ですね、こうした考え方も一つ必要かなというふうに思っています。
というのは、この日の丸半導体が凋落をした原因の一つに、バブル景気が、バブルがはじけた後にやはり国内の産業の空洞化が起きた。結果として、日本の中で半導体を使う工場、製品、こういったものがどんどんどんどん海外の方に出ていってしまっていて、だとすると、日本で高い半導体作ったやつ海外に持っていく必要性ないじゃないかと、海外で安い半導体使った方がいいじゃないかということで、ますますお客様がいなくなるということをやはり自ら生み出してしまったんだというふうに思います。こういったことも原因の一つにあったかというふうに思います。
だとすると、やはり今回、ラピダスさん、せっかく国内ですばらしいものを作っていただけるのであれば、国内でできるだけ消費していくということも大変重要だというふうに思いましたので、まず最初の質問は、今後の国内生産基盤強化にはやはり国内の販路拡大、これも大変重要だと思いますので、まずこの点についての政府のお考えを確認をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/230
-
231・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。
委員おっしゃるとおり、バブルの経済崩壊後、一九九〇年代なんですけれども、民間において将来に思い切った投資ができず、政府も適切な支援を機動的に講ずることができなかった点は、半導体産業の凋落の要因の一つであります。ちょうど私の父が、一九九〇年代、日米構造協議で半導体協定の見直しがあったわけですね。本人から私直接聞いていないですけど、後で出版物を見て読み返すと、やはりアメリカからいわゆる枠をはめられちゃった、で、需要が減っちゃったわけですね。
そういう中で、今、今日もいろいろ議論ありましたけれども、当時、家電中心でいろいろ、いろんな形で半導体使われていましたけど、みんな、A社さんはA社さんの一つの中で、B社さんはB社さんの中で、C社さんはC社さんの中で、いわゆる水平のやつが何もなかった。そういう意味の形もありまして、だんだん世界がどんどん伸びていった、中国や台湾だったり、アメリカだったり、いろんなところで産業、で、日本はどんどん凋落していったと。これが一つの原因であったというふうに認識をしているところであります。
この国内重視を、十分に育てようということで、今回、ラピダスみたいな次世代半導体という形になってきたわけですけれども、さっき野原さんからも話ありましたけど、私もエヌビディアのこの前CEOと会いました。非常に眼力の鋭い人なのでちょっとびっくりしたんですけれども、正直言って、市場はまだまだこれから増えるというわけですね。ですから、日本に対する期待感も聞きました。
そういう形の中では、戦争をしないように国内の市場でいわゆるユーザーさんとどう結び付けていくかという設計の分野、それから、アメリカもそうなんですけれども、もう一つは、台湾にやっぱり集中し過ぎているというところがあります。ですから、ここは世界的にやっぱり我々がどうこれ考えていくかだと思います。
アメリカのトランプの政策もありますから、そういう中で、我々としてはしっかり国益を確保する、そして共通する各国とやっぱりこれ連携をしなきゃいけないと思いますし、そういう中で、新しい自動車、今日も申し上げてきましたけど、次世代自動車、これはもう全く今までと違う形で次世代半導体が使われますし、私も期待しているのは、皆さんも人不足で大変困っていらっしゃると思います、いろんな、介護も福祉もそうだと思います。そういうところで、やはり生成AIと半導体が結び付くこのロボティクスの世界、ここもすごい勢いでこれから変わってくると思います。ですから、そういう産業のユーザーと一体となって、やはり国内産業はもちろんですけど、この次世代半導体をどう勝負していくかというところが、まさにこの法案を中心に今後どうするかという形になってくるんだと思います。
半導体の国内製造基盤の強化、そして需要創出、これを両輪として、しっかりこれを進めながら、半導体の設計、製造のエコシステム、国内に整備を構築してまいりたいというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/231
-
232・礒崎哲史
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
まさに大臣おっしゃるとおり、この地域的な偏りというのも、これグローバルで見たリスクにやはりなりかねませんので、そういう意味で、世界が今回のラピダスに期待してくれているのであれば、やはりそれを絶対に成功させないといけないということだと思います。
今大臣から、自動車産業、まさにそこも顧客の一つということでお話がありました。
もう一度先ほどの円グラフ見ていただきますと、まさに二〇三〇年、円が大きくなっていった、その円になるわけですけれども、二〇二五年から二〇三〇年にかけてやっぱり数が増えているのは、データセンター、あるいは自動車、そして産業機械、これが結構伸びているんですね。あとスマート家電、こういったものも伸びているというふうに思いますので、ここをまさに顧客として捉えていくというのは絶対的に必要だというふうに思います。
また、自動車産業においては、バブル景気以降、確かに国内の生産台数は落ちてはいたんですけれども、産業としては、日本国内生産一千万台ということを産業として意識して取り組んできました。とにかく生産のボリュームを確保するということが、それだけ生産技術含めた技術力を国内に維持できることであり、その技術力を持った人材を国内にしっかりととどめることになるということなので、実は苦しい時期であっても国内生産一千万台というのをキープしてきているんですね。まあ若干ちょっと落ちてはいるんですけれども、今。
ただ、そうすると、やはり国内にそれだけのボリュームの顧客がもう既にいるので、いるので、やはりこれはしっかりと対応として連携していっていただきたいというふうに思います。
その観点で質問なんですけれども、そうすると、今後ボリュームが増えていくことが非常に高い確率で予想される自動車産業、それから産業機械、こうした産業におけますこの半導体市場の今後の需要の見込み、これを今政府としてどのように考えているか、これ聞かせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/232
-
233・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 半導体のグローバル市場の中で七ナノ以下の最先端領域の需要は、二〇二二年七兆円から二〇三〇年五十三兆円と七倍増以上に増えるというふうに、最も伸びるのが一番最先端なところだというふうに分析がなされています。
マクロの経済状況としては、アメリカの関税措置によりまして今後の市況全体に不透明なところありますけれども、DX、GXの進展によりまして自動車、産業機械においても電動化、高度化が進んでまいります。
例えば、車一台に搭載される半導体の数というのも、今いろんな種類で千個とか千五百個、一台当たりということでございますが、EVになると三千個ぐらいになるんじゃないかというふうに一般的に言われておりまして、そういう意味では、一台当たりに搭載される半導体の数が増えていくということからしますと、半導体需要、中長期的に見ますと拡大していくと、AIの関係でもやっぱりすごく増えるというふうに考えられております。
そういうこともありますので、ラピダスの開発している二ナノ世代の半導体を含む最先端半導体の利活用の拡大に向けて、ユーザーサイドのニーズを踏まえて半導体の設計開発をユーザー側の産業にやってもらうことで最先端の半導体を、日本の産業がアップデートするためにその最先端の半導体を使うことで最先端のビジネスをやると、AIを使ってやるというふうに変わっていっていただく必要がありますので、そういうふうに促してまいりたいというふうに考えております。
具体的には、自動車業界と半導体業界で立ち上げた技術研究組合、ASRAというのがありますけれども、そこで最先端の半導体を使ったチップレット技術の開発をやっていますので、これを実際に開発いただいて、それを量産化していただくということで、先端半導体を使って自動車産業もそういうビジネスをやるというふうに徐々に変わっていっていただけるんじゃないかなというふうに期待しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/233
-
234・礒崎哲史
○礒崎哲史君 これからやはり電動化とあと自動化が進むと、更に微細な高性能な半導体を使用する数がどんどん自動車は増えますので、その意味では大きな顧客だと思いますし、今回、そもそもラピダスさんの方に一緒になってトヨタさんですとかデンソーさん動いていますので、その辺は十分認識されていると思いますし、意識されていると思いますけれども。
加えて、ですから今電動化だとか進めていくと、パワー半導体ですとかそういったものもしっかりとこれから使っていくようになります。そういう意味でいくと、半導体産業全体を産業として支えていくことにもつながります。これは自動車だけではなくて産業機械も同様だというふうに思いますし、ロボットなどでも、ロボットは当然モーターで動かすことになりますので、そうすると、こういうところでもパワー半導体含めたものを使うことになっていきます。ですから、やはりこういうものをしっかりと国内で育てていくということ、これがひいては半導体産業の成長にもつながるということですので、その辺もしっかりと進めていただきたいというふうに思います。
その中でちょっと気になっていることがありまして、何かというと、今このラピダスさんは二ナノの最先端のロジック半導体ということになりますが、じゃ、それ以外の、それこそ十台、二十台、三十台の二桁台のこのロジック半導体、これはといいますと、これまでは基本的にはもう輸入に頼っていると。三十二ナノ以下のロジック半導体に関しては基本的には国内で作れるメーカーはございませんので、基本的には輸入だった。
それが今、熊本の方にできましたTSMCあるいはJASM、こちらの方に国内生産がだんだんできてくるというふうに今シフトしてきているということになりますけれども、そうはいっても、外資系ということになりますので、引き続き、そうすると、まあある意味、ここボリュームゾーンにもなっていくと思うんですね、これぐらいのサイズの半導体が。
そうすると、ある程度ボリュームゾーンになっていくものに対して引き続きTSMCに委ねていくことになるのか、それとも、そこに対しても国内の産業、それこそ今もう既にある日本の半導体メーカーにこういったところにもチャレンジしていってもらうようなことになるのか、その辺の産業の育成についてはどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/234
-
235・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) 我が国はこれまで先端ロジック半導体の生産能力がなかったために、TSMC、JASMへの支援を通じて、今先生おっしゃられるような二十八から六ナノの生産能力を整備していくことです。
昨年末ですけれども、JASMの一号棟の生産が開始をいたしまして、これが二十八から十二ぐらいだと思いますけれども、二号棟についても、二〇二七年秋頃の生産開始を予定しているところです。ここから六ナノの世界になってきます。また、同じ頃にはラピダスが二ナノの量産を開始予定で、このように、今後増加が見込まれる先端ロジック半導体でありますけれども、我が国におけるいわゆるミッシングピースを埋めるという、こういうところの当初の目的の達成に向けて、まずはJASM及びラピダスの安定的生産に向けて引き続き着実に取組を進めてまいること、その上で、更なる供給力の増強について、市場や国際動向、事業者の意向などを踏まえながら引き続き検討していかなければならないというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/235
-
236・礒崎哲史
○礒崎哲史君 今大臣から御説明をいただきました。
今、その領域も国産化した方がいいんじゃないのというようなちょっと感じで私話しましたけれども、でも、その一方で、実は最先端は、さっき言ったとおり、この後どんどん進んでいきます。やはり、そこを求めていくのと併せて、実は四十ですとか五十ナノの絶対的に安定していて安く使える半導体の需要というのもこの後余りなくならないんですよね。というか、需要をしっかりとキープされるというような、そういう話もあります。であれば、中間のところはTSMCさんにある程度任せてしまって、日本は安定的なところと最先端のところに思いっ切り振っていくというのも戦術の一つかもしれません。そういうところも含めて取り組んで是非いただきたいというふうに思います。
今産業機械を含めた顧客のお話しましたが、もう一つ、やはりデータセンター、やはりこちらの方の半導体の需要、これもやはり大変重要なところだというふうに思います。
これ、本会議の代表質問において私質問したんですけれども、このときには、衆議院の参考人質疑で出席されたさくらインターネットの社長の方が、正直このデータセンターに投資する国内企業がないんだと、結果的にベンチャーだったさくらインターネットさんが今頑張っているということになるわけですけどね。そうすると、そうではなくて、国内企業がもっとここに投資してくれないと結果的にはデジタル赤字がもっとひどいことになるんだ、これ私は危機感持っていますと、これ、衆議院側の参考人質疑でお話をされたということになります。
それに対して政府のお考えはということでお話ししたところ、大臣からは、このベンダー企業、ユーザー企業共に人材育成を行ってこなかったという過去の構造的な課題があったということであったり、だからこそ今、経営者の意識改革やデジタル人材育成、先端的なAI等の研究開発を進めていくというお話、さらには、経済安保の観点あるいは産業競争力の観点からは国内事業者による投資を促すための施策を講じると、こういう答弁が大臣からはございました。
そこで、この答弁に関しての質問なんですけれども、経営者の意識改革、これ具体的にどういうことをやっていくのか、この点、まずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/236
-
237・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
まず、経営者の意識ということで、企業がどれぐらい取り組んでいるのか、DXに取り組んでいるのかということでございますけれども、IPA、情報処理推進機構、こちらが調査をしていまして、DX動向二〇二四、こちらを見ていると、約四分の三の企業がDXに取り組んでいるというふうには言っていて、足下のDXを推進しようという企業は着実に増えているかというふうに思います。ただ、その一方で、どれぐらい取り組めているのか、また中小企業を中心に取組ができているのか、やっぱり強化していかないといけないなという、こういうことだと思っています。
委員御指摘のとおり、DXに向けた投資を促進する、取組を促進するためには、やはり経営者の意識、これが鍵になるというふうに思っています。そのために、まず経済産業省の方では、経営者の方々に、これ読んでくださいということで、経営者の意識改革を促すということで、DXを推進するに当たっての要諦をまとめているデジタルガバナンスコードというのを作っているんですが、これ昨年九月に抜本的に見直しを行いまして、DXどう進めていくのか、これ非常に強く打ち出すのと、あわせて、人材の育成でありますとか、さらにサイバーセキュリティーの取組なんかもここのコードの中にしっかりと書き込んで、これやっていってほしいということで出しています。
さらに、優れたDXの取組を進めていこうと、普及しようということで、上場企業を対象にしましたDX銘柄という、こういったものを東証と一緒に組んでやっていて、延べ三百二十社を選定しています。DX選定、これ実は、各社さん、みんな結構取りたいと考えていると。また、中堅・中小企業の方々を対象にDXセレクションというものも始めまして、これまで延べ八十三社を選定しています。
こういった取組をやることで、やってみようということと、あと、事例をこういった取組をしている方々から発信をしてもらう、交流会を開催すると、こういうような形で経営者の意識改革に取り組んでいます。
今後、更に全国にこれ広めていきたいということで、地域にある経済産業局、こことも連携をしながら、各地の企業のDXの取組なんかも紹介していって、日本全体で取組が進んでいくような形にしていきたいと。引き続き、経営者の意識改革、これはしっかりと、経営もしていく、理解していただく、これしっかりと進めていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/237
-
238・礒崎哲史
○礒崎哲史君 取組しっかり行っていただきたいと思います。
今、私もあっちこっち行って、経営者の皆さんとか職場の皆さんとお話しする機会多いんですけれども、やはり皆さん、人手不足ということを皆さん言われていて、やっぱりデジタル使って、AI使ってちょっとでも生産性高めるとか、省人化という話はするんですけど、大体皆さん、いやいやいや、うちじゃ無理無理無理とか、いや、ちょっとハードル高いねと言う人が本当に多くて、やっていますと言う人ほとんど会わないんですよ。
去年の、去年のこの経済産業委員会の視察で愛知と大阪行って、そのときに、旭鉄工さんという、去年メンバーでいらっしゃった方の中で一緒に行った方いらっしゃると思いますけど、あそこは、旭鉄工さんというのがそのAI技術どんどん入れているんですね。
ここの社長さんがちょっと面白い方で、どんどん入れているんですけど、その社長さんが言った言葉がもういまだに印象的で、もうとにかくAIだとかこういうのを進めるためには社長がデジタル人材にならないと駄目だということをおっしゃっていました、社長がデジタル人材になるんだと。何か、俺分かんないからおまえやっておけと言っても、結局、社長がやる気が外に見えないから、やっぱり社長自身がデジタル人材にならないと駄目なんだと。本も書かれていたんですけれども、かなり面白い社長さんではありましたけれども、いや、でも、まさにそのとおりだなというふうには思いました。
社長がそうやってぐいぐい引っ張っていくというのが大変重要で、その社長さんは周りの中小の企業さんにも、俺でもこうやってやっているんだからおまえたちもやれということで、啓蒙活動も結構やっていただいている。
なかなかこういう、デジタルやってくださいね、あれしてくださいねというの、なかなか上から目線だと、やっぱり、いやいや、うちはということになると思うんですけれども、まさに横の中、つながりの中で、あそこもやっているから、じゃ、うちもやってみようという、こういう形で進めていけるのが非常にいいんだろうなというふうには思いますので、是非そうした横展開がしっかりと進めていけるような、できるだけハードル下げるような、そうした取組もお願いしたいというふうに思います。私も啓蒙活動一緒にやりますので、よろしくお願いいたします。
あと、もう一点、これも大臣の御答弁の中にありました、国内事業者による投資、これを促すための施策を講じるということがありましたので、この点、具体的にどうやって投資を促していくのか、具体的な施策についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/238
-
239・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) まさに国内事業者が計算資源を整備することが重要だという、こういった答弁についてということであるというふうに思います。
生成AIが重要であるということは、これはもう疑問の余地もないと。これは国内の事業者がしっかりと計算資源を整備してくれないと、これ使いこなす基盤が整っていかないということで、これは非常に重要なことでございます。
これまで、大規模な自然災害への備えの観点も踏まえまして、まさに計算資源、これデータセンターがこれを牽引するわけですけれども、地方へのデータセンターの整備、あと生成AIの開発、利活用に不可欠になる計算資源の整備に対する支援、例えばGPUでありますとか、そういったものの導入、こういったものを支援する取組をしてきています。これによりまして、事業者による投資を後押ししてきています。
今後、ただ、コンピューティングパワー、計算資源、これはもうもっともっと必要になってくるということでございます。大規模な計算資源の整備には多額の投資が当然のことながら必要です。先ほども、情報処理サービス事業者等への支援はというお話いただきましたけれども、AIに対応しているデータセンターのようなもの、投資規模がちょっと変わってきているということでございまして、民間だけでは十分な資金調達を行うのは簡単ではなくなっているということでございます。したがいまして、本法案に基づいて、私たちの取組としては、資金調達を円滑化しましょうと、したがって債務保証を活用しようということを考えて、債務保証をある意味行うことで投資を促していくということをやっていきたいというふうに思っています。
国内事業者による計算資源整備への投資、こういった債務保証でありますとか、GPUの使い方も、これからいろいろなタイプの半導体チップがAIに使われるときに、ある特定のチップにしか対応できない状況だと投資しにくい、動きが鈍くなるので、その半導体、いろいろな多様なチップが開発されて出てきたものにも対応できるような環境をつくれないかということで、テストベッドを構築していくような形で、そういったものが整っていくことで投資しやすくなっていくということもあると思っています。
こういうような取組をしっかり進めていきながら促していきたいなというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/239
-
240・礒崎哲史
○礒崎哲史君 まず、やはり大手の皆さんにしっかりと、大型のデータセンターであれば投資をしっかりしていただきたいと思いますし、また、小型のデータセンターといいますか、そういうものであれば、中小企業の皆さんがしっかりとまたAI技術使うようになるとそういうデータセンターが必要だということにもつながっていくので、またそれで広がりが出てくるんだというふうに思います。しっかり進めていただければというふうに思います。
残り時間ちょっと少なくなってきましたので、一問飛ばして、人材育成の方に行きたいと思います。
人材育成なんですが、まず、政府として目標値が掲げられていたことがあります。二〇二六年度末までにデジタル人材を二百三十万人育成するという、こうした政府目標が元々掲げられていたと承知をしてございます。現状での進捗と今後の取組内容についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/240
-
241・大森一顕
○政府参考人(大森一顕君) お答え申し上げます。
デジタル人材の育成につきましては、政府一丸となって取り組む必要があると認識しております。そのため、デジタル田園都市国家構想総合戦略におきまして、委員から御指摘ございましたが、二〇二六年度末までの五年間に合計二百三十万人のデジタル人材の育成を目指すという目標を設定し、取組を進めているところであります。具体的には、実践的スキルを習得する場の提供や職業訓練における重点化、あるいは高等教育機関における人材育成の強化などに積極的に取り組んでいるところであります。
五年間で二百三十万人育成という目標についての進捗でございますけれども、二〇二三年度までの二年間で計約八十四万人のデジタル人材の育成を行っており、これはそれぞれの年度目標の数値を上回って達成しております。また、二〇二四年度につきましても、年度目標約四十八万人に対し、上半期で既に約四十四万人を達成しており、政府の取組は着実に進んでいるものと認識しております。
今後につきましてですけれども、二〇二五年度は対前年比十四万人増の約六十二万人、二〇二六年度は対前年比六万人増の約六十八万人を各年度の目標として設定しておりまして、その目標達成に向けて、引き続き関係省庁と連携して、しっかりと取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/241
-
242・礒崎哲史
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
この数値、各関係省庁がまさに数字含めたものを管理しているというふうにもお伺いしています。積み上げの数字だというふうにも聞いています。
順調だということでありますけれども、何しろ、とにかく世の中ではデジタル人材足りないと、人が足りないということを言われ続けていますので、数値目標達したからいいんだということではやはりないというふうには、同じ考えだと思いますので、しっかりと、では現場は実際どうなっているのか、そこもしっかりと各省庁とのコミュニケーションを図っていただきたいと、そのように思います。
その上で、これも本会議でこれ文部科学大臣の方にお伺いをしたんですが、半導体人材の育成と今後の方針ということで、文科大臣の方からは、文理横断的なカリキュラムによって約四割の大学が現在取り組んでいますということであったり、DXハイスクール授業を始めとする初等中等教育段階での取組を進めていますという、こういう答弁がございました。
そこで、これも現時点におけます取組に対する評価であったり、あるいは取組の具体的な内容、あと、できれば今後のマイルストーン等あれば教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/242
-
243・森友浩史
○政府参考人(森友浩史君) お答え申し上げます。
文部科学省では、高等教育段階におきまして、文理横断的な教育プログラムの実施等に対する補助金を通じた優れた取組への支援、それから大学院段階における高度な文理横断的な学位プログラムを構築する取組への支援などを行っているところでございます。
文理横断・文理融合教育は、我が国においてデジタル人材が不足すると指摘されている中で、理工系分野に限らず、人文社会科学系分野等のあらゆる分野におきましても、数理、データサイエンス、AIの素養が必要とされるなど、その需要が増加をしております。文科省としても、引き続き一層の推進を図ってまいりたいと考えているところでございます。
また、大学におきまして、デジタル等の成長分野を担う理工系人材を育成することが重要であると認識をしております。意欲ある大学等による成長分野への学部転換の改革に対する支援も行っているところでございまして、文科省では、令和五年度に策定をしました教育振興基本計画にのっとりまして、今後五年から十年程度で理系分野の学問を専攻する学生割合を世界トップレベルの五割程度に引き上げるということを目標にしているところでございます。
さらに、初等中等教育段階におきましては、DXハイスクール事業といたしまして、ICTを活用した探求的、文理横断的、実践的な学びを強化する学校などに対しまして必要な環境整備等の経費を支援しております。採択校における大学理系学部進学率につきまして、取組開始時点の二〇・七%から、五年後の目標値が二六・二%となっているところでございます。
引き続き、デジタル人材不足の解消につながるよう、初等中等教育段階から高等教育段階まで切れ目のない取組を推進してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/243
-
244・礒崎哲史
○礒崎哲史君 御説明ありがとうございます。
問取りのときにも文科省さんとはいろいろとやり取りさせていただいて、ただ単に、じゃ、理系の人間が増えればいいかというと、やっぱりそういうわけではなくて、しっかりと、文理という文系、理系が分かれるのではなくて、そこに垣根をなくしていくということ、やはりこれが非常に大事だというふうに思っています。
その意味では、まだまだ多分高校段階で、特に進学校なんかになると、あなた、理系行きますか、文系行きますかって、はっきりばしっと分けられるようなところがまだあると思います。そうすると、文系行った人は、私は文系だからということでもう理系進まないですよね。これだと、やっぱり、もしかするとその人にはもっと違う可能性があるかもしれないのに、その可能性をなくしてしまうことにもなりかねない。だから、やっぱり文系、理系の垣根なくすというのが大事だということで、文科省さんも進めていただいていますので、是非これしっかりと進めていただきたいというふうに思います。
今回、参考人質疑でお呼びをしましたAI技術者の方、今井さん、おっしゃっていました、チャットGPTみたいなものは逆に専門家じゃつくれないと、ちょっとクレージーな人間じゃないとああいうのつくれないんだと。じゃ、クレージーな人間育てていくためにはというと、余り専門性をばしばしっと分けるよりも、あっちこっちのことを好き放題学んだ、自由に育つ人が実はそういうことを切り開くのかもしれませんので、文科省さん、期待していますので、よろしくお願いいたします。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/244
-
245・岩渕友
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
初めに、トランプ関税による中小企業への影響と対策に関して質問をします。
先日、群馬県桐生市で、スバル、そして山田製作所といった自動車部品の大手に関わる孫請、更にその先で関わる中小業者の方々からお話をお聞きしてきました。
トランプ関税でリーマン・ショックよりもひどくなるんじゃないか、そもそもトランプ関税の前からもう自分たち大変だったんだと、中堅どころが地域でもう何軒も廃業をしている、どうやって生きていけばいいのか教えてほしいくらいだ、こういうふうに話をされた方や、電気代、工具代など何でも値上がりをしているのに工賃は上がらない、機械の修理も何百万円も掛かると、だから廃業を決めたんだという、若手の方ですよ、この若手の方など、実態は本当に深刻だなというふうに思いました。こうした声を大臣にしっかり受け止めてほしいというふうに思うんですね。
〔委員長退席、理事古賀之士君着席〕
それで、経産省の相談窓口には約二千件の相談が寄せられているということですけれども、関税措置でどうなるのかという不安が広がっているということだと思うんです。
中小業者の経営、そして雇用、地域経済を守るために、直接支援を含めてより踏み込んだ対策に踏み出すべきではないでしょうか。大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/245
-
246・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。
群馬県のスバルの子会社、孫請、我が省でもこの前から、お話ししましたけど、相談窓口、全国一千か所つくったりという等々、プッシュ型で現状把握をしているのが今の状況で、国内産業の影響を精査しています。
スバルについては、たしかこの前は副大臣が行っていただいたと思います。車座もやってきているんですよね。その中にちょっと入れなかったので、多分、残念だと思いますけれども、一応情報収集はそのような形でやってきております。
直接的な影響、さっきもちょっと申し上げたと思いますけど、影響があるというものはそう多くないというのが今の実態で掌握しているところです。ただ、おっしゃられるとおり、将来に対する不安、一体どうなるんだというところのものは大変大きいものと正直感じているところであります。
短期の支援策としては、特別相談窓口の設置、あるいはセーフティーネット貸付けの利用要件の緩和を含む資金繰りや資金調達への支援ですとか、もの補助等への優先採択を含む中堅・中小企業の事業強化のための支援を既に講じてきているところでありますけれども、引き続き、現場の声を丁寧に、これ以上にまた実態に即した形で追加の対応を考えていかなきゃいけないと思っています。
先生がおっしゃられる直接支援というものが、それが本当にいいのかどうかというのは、これはいろんな形で、財源の問題もありますし、今後の対応として、先生の意見として受け止めさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/246
-
247・岩渕友
○岩渕友君 トランプ関税での不安広がっているというのはそうだと思うんですけど、もうその前からやっぱり大変だったんだというような声が本当に皆さんから出されて、それそのとおりだというふうに思うんですよ、コロナがあり、物価高がありということなので。それで、やっぱり踏み込んだ対策を行ってほしいということで強く求めて、法案の質疑に入っていきたいと思います。
本法案ですけれども、二〇二四年度補正予算を起点として、二〇三〇年度までに十兆円以上もの公的支援を行うとしているAI・半導体産業基盤強化フレームの財源確保を行うものです。補助や委託等に六兆円程度、金融支援に四兆円以上、合わせて十兆円以上の財源確保をするというふうにしています。
補助や委託等の財源として、財政投融資特別会計からエネルギー対策特別会計に複数年度にわたって繰り入れることで二・二兆円、基金等からの国庫返納金、基金の執行残額の活用、商工中金の株式売却収入により一・六兆円、GX経済移行債等の活用に加え、基金の点検、見直しによる国庫返納金の活用により二・二兆円程度を確保するというふうになっています。
まずは、商工中金の株式売却に関わって質問をしたいと思うんです。
法案では第七十二条で、半導体・AI措置に要する費用の財源のために、財投特会の投資勘定からエネ特会の半導体・AI勘定に二・二兆円を上限に繰り入れることができる、ただし商工中金の株式売却益がある場合は、その収入を加算した額を繰り入れるというふうにあるわけですね。
二年前の商工中金法の改定で、商工中金の政府保有株式の処分期限は公布から二年以内というふうに定められました。その二年の期限が今年の六月十五日というふうに迫っていて、現在三回目の入札受付期間が終わったところということです。
財務省に確認をするんですけれども、政府が保有をする商工中金の全株式の数、全株式数、現在売却されている株式数、残っている株式数、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/247
-
248・石田清
○政府参考人(石田清君) お答え申し上げます。
政府が保有する商工中金株式の売却状況につきまして、三点御質問いただきました。
一つ目の全売出し株式数につきましては、一回目の入札前に政府が保有していた全ての株式であります十億一千六百万株でございます。このうち、一回目と二回目の入札における売却株式数は合わせて一億一千五百五万株、現在の残余株式数は九億九十五万株となっているところで、この残余株式数については現在三回目の入札を行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/248
-
249・岩渕友
○岩渕友君 今答弁いただいたとおり、二回目の入札を終えても九割近くの株が売却されずに残っていたということなんですよね。
一回目の入札が不調だったということを受けて、商工中金は、自己株式を取得するということを決めて、最大で発行済株式の四六・六九%を取得して一千五百八十億円とする、こういう方針を示しました。この一千五百八十億円は、商工中金が蓄積をした利益剰余金、内部留保ですよね、これを活用するということになるんですよ。
それで、商工中金の関根社長は、これを全部使うというわけではないんだと、自己資本比率やほかの株主への影響なども踏まえながら入札価格を決定していくと、適正な株価で入札に参加するというふうに述べているんですけれども、先ほど答弁いただいたような現状ですから、これ千五百八十億円全部使う可能性というのもあるんだと思うんですよ。もうそれに近い額になる可能性あると思うんです。
それで、二〇二三年度の商工中金の有価証券報告書、これを見ると、利益剰余金は二千五百六十五億円で、千五百八十億円とこれ比較をしますと六割を超えるような状況なんですよね。この利益剰余金は、中小企業が努力して蓄積してきたものです。そもそも、商工中金そのものが中小企業のための金融機関ですよね。それで、この経過を、こうした実態をちょっと改めて見ていて、これでいいのかなというふうに思ったんですよ。
それで、大臣、通告していないんですけど、この千五百八十億円といいますと、これ中小企業対策費とほぼ同じぐらいの額になるんですよ。これだけの大きな金額が半導体、AIに使われると。これ、中小企業のためのお金ですよ。それがAIや半導体に使われる、こういうことでいいんでしょうか。大臣、どんなふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/249
-
250・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) 中小企業が生産性向上と成長を加速する上で、やっぱりDXの推進というものは、これは大変重要であると思います。その要がやっぱり半導体であって、また今日のお話のとおり、AIというものがまた新しく出てきていると。これらを支援することで中小企業にも裨益するということで、今回その商工中金のものを使うということで承知をしているところであります。
なかなか御納得いかないかもしれませんけれども、経済を回すという意味では、今回そういう財源の一つとして、何とかこれを成功させて、いわゆる中小、小規模の方々にも是非利益を裨益する形の中でこれからも元気を付けてもらわなきゃいけないという思いだというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/250
-
251・岩渕友
○岩渕友君 中小企業に裨益すると言うんですけど、じゃ、いつになったら届くんだという話だと思うんですよ、もう今本当に大変な実態の中で。
それで、商工中金法を改定したときの附帯決議をちょっと改めて見てみたら、商工中金の政府保有株式の全部処分に当たっては、公正な価格及び方法による売却が行われるよう、十分配慮することというのがあったんです。これ、利益剰余金を使って自己株式を購入するという方法が公正かというと、これ私、非常に疑問に思ったんですよね。
それで、ちょっと大臣にまたもう一問お聞きするんですけど、商工中金が利益剰余金、内部留保を吐き出してまで自己株式を購入をするというその一方で、その売却収入は中小企業向けの予算には使われないと。で、半導体に使われるわけですよね。この間ずっとやっているラピダスですけれども、内部留保が七十三兆円もある出資企業八社のラピダスなわけですよ。
これ、半導体産業にこの商工中金の利益剰余金、内部留保が振り替えられて投資補助されるというのはおかしいんじゃないかというふうに思うんですよ。大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/251
-
252・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) なかなか難しい御質問だというふうに思います。
繰り返しになると思いますけど、やはり今回の財源の一つとしてその商工中金のものを使うということは、やはり、この商工中金そのものがやっぱり中小企業を育成すると言った方がいいのかな、そういう意味で支援をする商工中金としてつくったわけですから、そういう形の中でやっぱり裨益をさせていくということの中でも合理性はあるのかなという気はしますけれども。
委員の御指摘もよく分かるところですけれども、大変疲弊をしているというのか、中小企業、小規模、様々な業界で今苦労しているのも、これもう正直我々も承知をしているところで、もの補助だったりIT補助だったり、様々な形でこれまでも支援を続けてきているところであります。今回、またそこに加えて、本来、価格転嫁をしてしっかり利益を上げていただいて、それを賃金に回してもらわなきゃいけないというこの時節柄の中に、また関税が出てきて将来不安を持ってきているという、そういう実態も踏まえながら、非常に厳しい中ではありますけれども、しっかりと中小企業も支援しながら、今回は商工中金の財源というものを考えさせていただければというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/252
-
253・岩渕友
○岩渕友君 今大臣が答弁いただいたような状況だからこそ、余計にいいのかというふうに思うわけなんですよね。
それで、基金についても同じような仕組みがあるわけなんですよ。特会法の第九十一条の二で、経産省に設置された基金について、国庫返納金がある場合、一般会計から半導体・AI勘定に繰り入れることができるというふうにあるわけですよね。
資料の一を見ていただきたいんですけれども、この資料の一の一番上の基金、これ経営安定関連保証等特別基金というものを例えばということでちょっと見てみるんですが、この基金の事業概要を見ると、民間ゼロゼロ融資からの借換えに加え、ほかの保証付融資からの借換えや、事業再構築等の前向き投資に必要な新たな資金需要にも対応するコロナ借換え保証等利用時の保証料補助を行うというふうにあるんですよ。
それで、物価高騰やトランプ関税の影響で、今、国会の中でもゼロゼロ融資を再開するべきじゃないか、復活するべきじゃないかという声が上がっているわけですよね。こういう声が上がる下で、このゼロゼロ融資に関わる基金をAI、半導体に充てる、これおかしいんじゃないかと思うんですよ。大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/253
-
254・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) このゼロゼロ融資といいますか、この半導体・AI分野への支援は、中小企業を含めたこの我が国全体の産業力、競争力強化、また経済基盤の強化につながる、維持につながるものであるということでありまして、今のゼロゼロ融資に活用されてきた基金を含めて、これまで経済基盤の維持等を目的として予算措置を行ってきた基金等の残余の国庫納付金についても、同じ目的につながる半導体・AI分野への支援に活用することが適当であると判断をしたところであります。
ゼロゼロ融資のお話が出ているのも承知しています。ただ、このゼロゼロ融資は、コロナのときもそうだったんですけれども、まさに、何といいますかね、この危機的な状況で資金繰りを支援するという役割を果たしてきた一方で、借入れが過大になったり、金融機関側からの経営支援に対する動機が弱くなるといった面もゼロゼロ融資の側面で持っているということは今までのコロナのときもそうだったわけで、現在、様々な現場を訪問しながら、プッシュ型でいろんな情報を収集しながら、このゼロゼロ融資というものも含めて、今後の関税措置の影響、どういう程度なのかも掌握しながらしっかりと対応して、これを冷静に見極めた上で対応していきたいというふうに今思っているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/254
-
255・岩渕友
○岩渕友君 ゼロゼロ融資の話は与党の議員の皆さんからも出ているわけですよね。それぐらい大変だという実態が目の前にあるということなんだと思うんですよ。
それで、今日、冒頭、中小企業の皆さんの経営本当に大変になっているというお話ししましたけれども、本来、中小企業のための基金は中小企業の経営を支えるためにこそ使うべきだと思うんですよね。大臣、そう思わないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/255
-
256・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) また先ほどの質問になってしまいますけど、やはりいろんな意味で中小企業関係の今までの基金関係、これはもう今度のラピダスも始め、ラピダスというのかな、を始めとしたいわゆるもの、そして半導体そのものに対する基金、それぞれがやはり中小企業にも裨益をさせてしっかり経済活動を日本に興していくということが大変貴重な、非常に大事なことだと思っていますから、そういう意味で今回のものを是非適用させていきたいというふうに思っていますので、御理解をいただきたいというふうに思っているところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/256
-
257・岩渕友
○岩渕友君 ラピダスなどに巨額の公的支援が入るわけですよ。その一方で、中小企業のためのお金がこういう半導体だったりAIに回っていくというのは、私もう納得いかないんですよね。
〔理事古賀之士君退席、委員長着席〕
それで、先ほどお話しした商工中金の株式売却益を半導体、AIのための財源に充てるために繰り入れるんだと、で、今お話をしてきた中小企業の経営を支えるための基金を半導体・AI勘定に繰り入れることができるようにするんだ、こういう仕組みですよね。こういう仕組みそのものがおかしいんじゃないかと思うんですけど、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/257
-
258・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 例えば、財源に活用している経営安定関連保証等特別基金でございますが、これは、返納で財源使われている部分というのは、コロナ支援を目的に措置をされ、コロナ関連の信用保証付融資が貸し倒れた場合に限定して支出する予算のうちの不用額を特定して、財源として活用させていただいております。そういう意味では、これは財務省あるいは会計検査院も、この部分に区分経理して使うというふうに充てて、予算として配分されてという認識をされているわけでありまして、不用だったら一般会計に返るだけでございまして、流用できるわけではないんです、先ほどの議論と一緒でございますが。
そういう意味で、必要な部分があれば必要なものをまた予算としてどういうふうに手当てするかというのは、それは別の議論としてあると思いますけれども、ここに、コロナで、この不用で返納された分が別にほかへ流用できるというものではないものですから、そういう意味で、不用の分は一般会計へ返ると、それを財源として同じく中小企業対策にも、中小企業にとっても裨益するAI、半導体の投資に財源として活用させていただいていると、そういう関係でございます。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/258
-
259・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) また繰り返しになっちゃいますけど、今局長からもお話があったように、そもそも論の中で、このラピダスといいますか、この情促の関係で議論してきたことというのは、やはりこの資金というものを、財源というものも相当、そういう意味ではこれだけの巨額なものを扱うわけですから、それなりにいろんなところで協議をしながら、我が党でもそうだったんですけど、いろんな形で協議を重ねてまいりました。
そういう中で、しっかりとにかく国民の皆さんに御理解をいただかなきゃいけない、そしていろんな意味で、衆議院の方でも御指示、御指摘いただきましたけれども、公開性と、しっかりした形で皆さんに御理解をいただきながら進めなきゃいけないですよねというところが一つの方向性として示されたわけで、先生おっしゃられるように、これ中小企業に使うべきじゃないのというところもそれは正直分かりますが、中小企業対策としては私どもまた別に、先ほど申したとおり、いろんな支援をまだ継続してやらせていただいておりますし、とにかく経済を回すということを考えると、こういう形で、いろんな、パラレルで、方向でとにかくこの解決をしていかなきゃいけないんだろうと。
半導体はやっぱり、先ほど来申し上げているとおり、次の世代、次の将来のまさに産業の本となる新しいものでありますので、そういう意味でも、ここもしっかりこれ対応していかなきゃいけないということで今回こういう法案を作らさせていただいていますので、御理解をいただけたらなと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/259
-
260・岩渕友
○岩渕友君 中小企業のための予算をやっぱり半導体、AIに回す仕組みというのはおかしいと思うんです。中小企業の予算はもう、そもそもすごくすごく少ないですから。そういう意味でも、こういう仕組みはおかしいということ、指摘しておきたいというふうに思います。
それで、ラピダス支援についても質問をしていきます。
資料の二を見ていただきたいんですけど、ポスト5G基金事業によるラピダスへの支援です。次世代半導体の研究開発プロジェクトに採択されて、二〇二二年度は七百億円の支援が行われました。採択に当たっては、ステージゲート審査が行われています。このステージゲート審査を行うのは外部有識者ということですが、外部有識者とは一体誰なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/260
-
261・野原諭
○政府参考人(野原諭君) これは、研究開発、半導体関連の研究開発プロジェクトについて審査をするための委員会でございますので、この分野の専門家の先生方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/261
-
262・岩渕友
○岩渕友君 具体的にどういう方がいらっしゃるのかとか、例えば学者の方がいらっしゃるのかとか、それはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/262
-
263・野原諭
○政府参考人(野原諭君) この分野の、大学の半導体分野の専門家の研究者の方々が中心でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/263
-
264・岩渕友
○岩渕友君 そういう大きな枠は分かるんだけれども、具体的にどういう人が入っているかというのは分かんないわけですよね。こういう状況の下で、本当に説明責任果たしているのかとか、透明性の確保と言えるのかということをやっぱり問われると思うんですよ。
それで、資料の三、見ていただきたいんですけれども、これはステージゲート審査の中身なんですが、経産省にステージゲート審査の資料出してくれというふうに求めたら、分厚い資料出てきたんですよ。だけど、ここの資料のように、ほとんど黒塗りで何も分かんなかったんですよね。この右側の方を見ていただくと、事前書面検査の結果、平均七十七・三点だったと書いてあるんですけど、そう言われても確認のしようがないわけですよね。何が評価されたのか、もうまるで分からないと。委員のコメントってあるんですけど、どんなことがコメントされたかも分からないわけですよね。外部有識者から研究開発は順調に進捗しているとの評価をいただいている、こういう答弁、国会でされているんですけれども、その確認できないわけなんですよ。
先日の参考人質疑で黒田参考人に、最先端の微細半導体を作るよりも、ICチップを高度化する集積化技術に重点を置くべきだという意見があるけど、どう考えるかというふうに聞いたんですよ。そうしたら、参考人が、微細化を進めることも、様々なチップを組み立てる、特に3Dに実装するという技術は日本に強みがあって、投資効果も高いので、今後はそこに投資することも同様に重要だというふうにお話があったんです。
ほかの参考人からも同じような意見があったと思うんですけど、つまり、専門家の中でもいろんな意見があるということなんですよ。だから、外部有識者の方々からもいろんなコメントあったはずなんですよ。だけど、真っ黒で何にも分かんないわけですよね。
大臣、これで透明性の確保と言えるのか。大臣、言えると思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/264
-
265・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) これは、委員の要求を受けて提出させていただいた資料、これステージゲート審査で使用された資料そのもので、黒塗りになっているということだろうというふうに思います。
これもなかなか難しいなと思いますけど、ラピダス社が取り組んでいる技術の詳細な内容など、事業上のやっぱり機密事項に該当する情報が多数含まれているので、こういう黒塗りになってしまっているということだろうと思います。
この前の参考人質疑でそういう御意見があったということも、私は出ていなかったんですけど、多分あったというふうに承知をしているところです。この辺は、役所としてというのかな、そういう、経産省として、やはりそういうものが、事業性の、事業計画ですとかその進捗情勢を、技術的なこと等云々かんぬん、やはり秘匿性が高いという判断を多分されているんだと思います。
透明性の確保、これがまさに個社の競争上の優位性に係る機微情報とのバランスになるんだと思いますが、できるだけそういう意味で適切な内容を公表してまいると、これが、先ほど来申しているとおり、国民のいわゆる御理解を得て進むという意味ではこれも必要なことかと思っていますので、今回はこういう形で資料をいただきまして、真っ黒になっていますけれども、今後もまた参考にさせていただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/265
-
266・岩渕友
○岩渕友君 適切に明らかにすると言うんですけど、もうほとんどこれですから、ほとんど真っ黒ですから。
それで、今答弁にあったように、企業秘密にせざるを得ないところはあると思うんですよ。だからといって、もうこのほぼ黒塗りというのはちょっと余りにもひどいと思うんです。
しかも、これ、提出されたステージゲート審査はこれ二〇二二年度のものだけで、二〇二三年度、二〇二四年度のステージゲート審査のこの資料も提出してほしいと言ったんですよ。そうしたら、数か月掛かると言われたんです。今法案の審議しているのに、出てくるの数か月後というの、これ余りにもおかしくないかということなんですよ。しかも、仮に出されてきたとしても、こんな真っ黒な状況なわけですよね。こんなひどい話ないじゃないかということなんですよ。
これ、国会や国民に中身を明らかにしようとか説明しようという気がないということを示しているんじゃないかと思うんですよ。大臣、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/266
-
267・野原諭
○政府参考人(野原諭君) 資料要求が、ステージゲート審査で使用した資料そのものを提出せよというリクエストだったものですから、そうすると、ステージゲート審査は技術についてどこまで来ているかを審査するわけなので、そういう意味では、実際、すごく、それぞれの、そのビジネス上の技術としても機微なところを、どこまで来ているかを議論しているわけですから、出せないという、そういう出せない、そのそれぞれ、その企業のその営業秘密あるいは競争上の地位に非常に影響があるところのものを、そのものを出せという要請だったので、それは出せないので、これ黒塗りになっているということだということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/267
-
268・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) 今事務方からお答えさせていただいたとおりです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/268
-
269・岩渕友
○岩渕友君 ラピダスには、何度も言いますけど、兆円規模の公的資金が投入されているのに、これもう説明責任果たしているとはとても言えないし、国会や国民に明らかにしようという気がないというふうにしか思えないんですよね。
同じように、実は軍事利用についても黒塗りなんですよ。二〇二二年十月十日から十六日の日程で経産省の幹部が訪米をし、IBM、米国防総省との懇談についても、この間の国会の質疑を通していろいろ聞いていますけど、全く明らかになっていないんですね。
参考人質疑で、ラピダスが作る半導体の軍事利用について小池社長に尋ねたところ、小池社長としては、永遠にノー、軍事利用はないと思っているという回答だったんです。ところが、東会長は、二〇二三年十月の講演の中で、重要な部分は国防の領域だと、そういう半導体を我々はまずアメリカのお客さんに届けることをやっていかなければならないと、小池社長とは真逆の発言をされているんですね。これに対して、この東会長の発言に対して、小池社長にどう理解していますかというふうに参考人のときに尋ねたら、その詳しいいきさつはよく分かりませんと言って、急に曖昧な答えというか、答えなかったんですよ。
一番懸念のある質問について答えなかったというのは私もどうなのかなというふうに思っているんです。ラピダスという会社として、軍事利用のための半導体の販売を現時点だけではなくて将来にわたってやらないと考えているのかということについて疑問が残りました。
この間、軍事利用はやるべきでないと、軍事利用だけじゃなくて、軍民両用技術、デュアルユースについてもやるべきじゃないというふうに質問をしてきました。軍事利用、デュアルユース利用の歯止めがないということは本当に大問題です。国際社会の平和及び安全の維持を期するというのであれば、ラピダスの半導体の軍事利用、デュアルユース利用はやめるようにということを求めて、質問を終わります。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/269
-
270・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、浅尾慶一郎君が委員を辞任され、その補欠として臼井正一君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/270
-
271・平山佐知子
○平山佐知子君 平山佐知子です。よろしくお願いいたします。
まずは、情報流出対策について伺おうと思っていたんですけれども、先ほど石川先生が詳しく質問なさって、ほぼ同じ問題意識でありまして、次に行きたいと思いますけれども、先ほど奥家審議官がしっかり答えてくださって、中小企業がやっぱりセキュリティー対策できる環境をしっかり整えていくということで、省庁横断でも検討しながらしっかり進めていくというお答えがありました。やっぱりサプライチェーン全体でしっかり対策取っていくということ、私も重要だと思っていますので、そのようにお願いをいたします。
次の本法案の制度設計について伺わせてもらいます。
ラピダスが二〇二七年に二ナノ世代の先端半導体をこれ量産化できたとしても、やはり一世代、およそ二年の遅れがあるのが現状というふうに言われています。半導体はもうこの変化のスピードが非常に速いわけで、それに業界に対して行われる支援もやっぱり同じスピード感を持って進めていく、迅速に行っていく、これが必要になってくると思います。
法案では今後政令にて定めるとありますけれども、この支援全体の日程感がなかなか見えてきません。支援事業者の選定基準の公表、支援事業者の選定、そしてその実際の支援といった一連のプロセス、いつ開始されるのか、説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/271
-
272・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
まず、委員御指摘のとおり、最先端半導体をめぐる世界の開発動向、これ日進月歩ということでございます。量産に向けて必要な金融支援、設備の発注から納入までに時間を要することも考慮すると速やかに進める必要があるというふうに認識しています。
施行日につきましては、技術的な話になりますけれども、法案の附則で、「公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日」としています。法施行に伴って必要な政令などについてもこのスケジュールに沿って速やかに準備を進めていく、また、選定の審査の基準などを定める指針の策定、事業者の選定についても法案の実施後速やかに実施していきたいというふうに考えております。
一応、スケジュール感ということでございますけれども、出資について、年度内の出資の実施のためには、今年度の夏以降秋頃にかけて公募を開始して、秋から冬にかけて審査、選定するようなスケジュールが想定し得る。具体的な日程については、今後、そういったことを想定しつつ、日程について精査してまいりたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/272
-
273・平山佐知子
○平山佐知子君 分かりました。
次に、本法案では、指定高速情報処理用半導体について書かれているところを見ますと、極めて大量の情報を極めて高速度で処理することを可能とする半導体であって、情報処理の高度化のために特に必要なもの、それから、我が国においてその半導体の生産及び供給が安定的に行われておらず、かつ、行われないおそれがある状況にあると、二つの条件が設けられています。
半導体は機能によって分類されていて、これまでもたくさんの議論が行われましたけれども、例えばパソコンとかスマートフォンの頭脳としての機能を持つロジック半導体、それから様々なデータを保存するメモリー半導体、大きな電流や電圧を取り扱うパワー半導体と、半導体に求められるその機能はもう多岐にわたるわけです。
この指定高速情報処理用半導体、これ午前中の議論でもありましたけれども、今申し上げたロジック、メモリー、パワーなどといった各機能の種類ごとにも、例えば事業者をこれそれぞれ選んでいくということを考えられるのかどうかとか、指定の対象となる半導体は、機能を問わず、例えば回路幅二ナノ以下のものに限定されるのか、それとも需要が多いと言われている回路幅六ナノから二十八ナノのこういった半導体も含まれるのかどうか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/273
-
274・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
本法案におきましては、構造としては、まず、ロジック半導体、メモリー半導体といった指定し得る半導体の種類を政令でまず定めます。そして、政令で定めた種類の半導体について、委員からお話しいただきました二つの要件、極めて大量の情報を極めて高速度で処理することを可能とする半導体であって、情報処理の高度化のために特に必要なもの、我が国においてその生産及び供給が安定的に行われておらず、かつ、行われないおそれがある状況にあると、この二つの要件に該当する半導体を経済産業大臣が公募の対象として指定するということでございます。現時点では、公募の対象となる指定する半導体としては、まず二ナノ世代以降のロジック半導体を指定することを想定しています。
なお、御指摘をいただきました六ナノから二十八ナノ世代の半導体につきましては、我が国においてJASMが量産に向けた投資を進めているところでありますので、生産及び供給が安定的に行われておらず、かつ、行われないおそれがある状況には該当しないため、指定対象にはならないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/274
-
275・平山佐知子
○平山佐知子君 その上で、選定事業者について伺っていきたいと思いますが、これも午前中、宮本先生のところでもありましたけれども、なぜ一者なのかというところなんですよね。半導体の安定供給というこの目標を達成するには、複数の企業を選定するということも考えるべきではないかということも思ったりしております。
その中で、この選定事業者を一者にする理由、それから、二〇三〇年までに、指定半導体ですとか、それを上回る先端半導体の製造に名のりを上げた企業がもし現れた場合、追加での公募を行う可能性はあるのかどうかということも確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/275
-
276・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
まず、次世代半導体、これをまさに量産する体制をということでございます。
次世代半導体の金融支援につきましては、複数年度にわたる相当な規模の支援が想定されるということでございますので、支援対象事業者を厳に限って、政策資源を集中的に投下して、次世代半導体の量産を迅速かつ確実に実現させる必要があるというふうに考えています。そのため、指定した半導体に対して最も適切な事業者を公募により一者のみ選定し、支援を講じることを合理的と考えております。追加公募は行うことは考えておりません。
なお、指定する半導体につきましては、先ほど申し上げましたとおり、まずは次世代のロジック半導体のみを指定することを想定していますが、それ以外の半導体の指定につきましては、技術開発の動向や市場の動向を見極めて判断していくということになると思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/276
-
277・平山佐知子
○平山佐知子君 投資してその効率を最大化するために一者に集中するというお話、それはもう非常に理解をするところでございます。
ただ一方で、例えば様々なやっぱりリスクも考えつつ、例えば災害がないとは誰も言い切れないわけですし、もうそういう様々リスクがある中で、柔軟な対応ということも含めて、想定しながら進めていただきたいなということも考えての質問をさせていただきました。
それでは、支援内容について伺います。
今回の改正案提出に先立って閣議決定されたこのAI・半導体産業基盤強化フレーム見ますと、先ほどからもありますけれども、総額十兆円の支援策のうち、六兆円は補助、委託による支援、そして残りの四兆円は出資を含む金融支援が行われるということです。
これまで半導体政策というのは、補助とか委託、これが主要な支援手段であったというふうに認識をしていますけれども、今回新たに導入されたこの出資ですよね、こういう支援枠組み、補助、委託による支援とどのような点で異なる効果を期待をしていらっしゃるのか、出資という手段のこの狙いについて説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/277
-
278・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
まず、補助金ということでございますが、補助金のうち例えば半導体の設備投資支援ということでございますが、この場合、事業コストの低減とか、各国で実際、誘致合戦が激化しております、我が国に大規模投資プロジェクトを誘致することなどを期待して補助金を活用しています。
次に、委託ということでございますが、委託は国が実施するべき事業ということで、例えば先端的な半導体の部素材の研究開発など、長期間の開発が必要かつ事業性の予測が難しい研究開発、こういったものを促進する観点から委託というものを活用しています。
そして、今回の法案で実際に業務追加されて可能になる出資、債務保証といった金融支援は、次世代半導体事業者の財務基盤を強化するという機能、これによって民間からの資金調達を促進、補強する効果が期待できるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/278
-
279・平山佐知子
○平山佐知子君 一般的に、企業への出資によって得られる利益としては、株式価値の上昇に伴う値上がり益ですとか、企業が利益を分配する際の配当金の受取であったり、そして、株主としての権利である議決権を通じて企業の経営活動や意思決定に影響を与えることなどが一般的に挙げられると思います。
政府は、今回の出資を通じて、例えば情報処理推進機構を通じた影響力を持ちたいと考えていらっしゃるのかどうか、それとも株式の値上がり益を持ちたいのか、その出口戦略ですね、その出口をどういうふうに考えていらっしゃるのか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/279
-
280・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
まさに、今回の法律で出資等の金融支援を可能としたいというふうに考えているところでございますけれども、出資の対価として取得する株式の設計につきましては、次世代半導体等小委員会において、政府による過度な経営への介入を避けるべきだとしつつも、経営に不測の事態が発生した場合などに備えて適切なガバナンスを確保する、また、重要な経営事項に拒否権を有するいわゆる黄金株も参考とする必要があるという、その旨が示されています。
こうした観点も踏まえまして、事業者に対しては、株式保有を通じて政府が一定のガバナンスを発揮していくということを検討しています。あわせて、取得した株式につきましては、事業者の経営、財務状況や株式市場の動向も勘案しながら適切なタイミングで売却していくことなどを通じて、公的資金の回収を最大限図っていくということを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/280
-
281・平山佐知子
○平山佐知子君 ありがとうございます。
二〇二一年六月に策定された半導体・デジタル産業戦略に基づいてこれまで行ってきた、開発する、作るということに特化した支援から、先ほどからずっと議論にあるように、これからはいかに売って稼いでいくかということを考えていかなくてはいけないということで、需要をしっかり確保していかなくてはいけないんだというお話、これまでもありました。午前中にもそういう話があったと思います。
その中で、顧客の獲得というのは、もちろんこれ、当然ながら、企業が努力によってなされるものだということは重々承知をしているんですけれども、これだけの巨額の国費投入しているわけですから、この一大プロジェクトに対して、国としても、例えば顧客獲得含めて積極的に進めていく、需要を増やすことに注力をしていくということも一つあるんじゃないかと思うので、その辺り、どういうふうにお考えになっているのか、聞かせてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/281
-
282・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
半導体の国内製造基盤の強化に加えまして、委員御指摘のとおり、国内における需要創出、需要を創出していく、これ両輪で進めていくことで、半導体の設計、製造のエコシステムを国内に構築していくことが重要であるというふうに考えております。
経済産業省では、そういった意味では、作ったいわゆる半導体、これを使いたいユーザー企業をきっちりと育てていかないといけないと。すなわち、設計ができる人たちというのはこれ重要になってくるということでございまして、先端半導体の設計開発を支援しています。
例えば、自動車業界と半導体業界が新たに立ち上げた技術研究組合、ASRAによる自動車用の先端半導体の設計開発への支援を通じまして、ラピダスが量産を目指す次世代半導体を含めて、各産業分野に需要創出をつなげていきたい、自動車でありますとか、あるいはそういった分野、それ以外のところをしっかりまた開拓していきたいと思っています。
また、ラピダス自身におきましても、昨年春にシリコンバレーにマーケティング拠点を設立しています。米国西海岸の半導体設計企業でマーケティング担当役員を務めていた人材をトップに登用するなどして、積極的なマーケティング活動を進めています。
こうした取組で、米国のIBMがAI半導体の製造委託先にラピダスを活用すると公表しておりますし、他の北米の新興企業との連携も進んでおります。
また、この前は、クエスト・グローバル、設計支援を行っている会社ですけれども、これは世界に顧客を持っているということで、ラピダスの先、クエスト・グローバルのその先に顧客がいるというような構造にもなってきている。国内でも、ラピダス、プリファードネットワークス、さくらインターネットとのAI計算基盤の構築に向けた提携も発表されています。こういったような形で着実に進展が見られているなと思っています。
今月からいよいよ千歳パイロットラインの立ち上げが開始される中で、今後、試作結果が出てくると、これを踏まえて顧客獲得が加速していくということを期待しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/282
-
283・平山佐知子
○平山佐知子君 需要開拓、しっかり進めていくという話がありました。
その需要喚起として、半導体の需要先の一つとしてデータセンターというのが挙げられると思います。ここ数年の国内データセンターの動向を見ますと、去年グーグルは延べ千五十億円の投資を行ってデータセンターを設立、アマゾンは二〇二七年までに二・三兆円、オラクルは二〇三四年までに一・二兆円の大規模な投資を発表するなど、外国企業による日本への、データセンターへの投資、これが顕著になっていると思います。
こうしたことの背景には、日本のデジタル市場の魅力など様々あると思いますけれども、この日本の優位性、これをどう見ていらっしゃるのか、また、それによる利点とか利益などはあるのかどうかという点、聞かせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/283
-
284・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
まず、データセンター投資に関する日本の優位性ですけれども、まず、AIを利活用する産業の大きさが日本にはあるということです。生成AIで日本の生産額が約百五十兆円引き出されるという試算もあるぐらい産業として魅力があると、AIサービスを支えるデータセンターを規模として必要とする、そういう日本の国内市場にまず魅力があるということが挙げられると思います。
また、AIに対しまして、イノベーションの促進とリスク対応を両立させるという考え方が日本では明確に示しています。そういった考え方に基づいて、AIを開発、利活用しやすい環境が整うという期待も高いこと、こういったことがデータセンター投資をある意味促している要因になっているのかなというふうに考えています。
外国企業によるデータセンター投資につきましてですけれども、まず、何よりAIを使っていくためには、コンピューティングパワーをいかにしっかり持てるのかと、国内のコンピューティングパワーがデータセンターの投資によって増大していくということでありますので、まずこれが重要であります。
マクロ経済の視点で見ると、対内直接投資がこれ拡大するということもございます。国内のデータを利活用する側の視点でいくと、国内のデータセンターを使いますので、国内でデータを管理したいという場合にはその企業ニーズには合致するということでございますので、日本にとってもメリットは大きいものだというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/284
-
285・平山佐知子
○平山佐知子君 様々メリットもあると。
日本に投資が集まること自体、やっぱりいいことだとは思います。ただ一方で、外国製の半導体が国内のデータセンターで使用されて、そのデータセンターを経由して外国製のデジタルサービスが提供されるというと、結果、デジタル赤字が六・六兆円まで膨らんでいるということ、これを考えますと、製造業の空洞化と同じような構造がこのデジタル分野でも起こってしまうのではないかという懸念が出てきます。
この先端半導体を含む国内製造の半導体が国内のデータセンターですとかデジタルサービス企業で積極的に利用されるような好循環を生み出すための政策、様々検討をされているのかどうか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/285
-
286・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
御指摘のとおり、半導体の設計、製造からデータセンター、AIの開発、利活用に至る、いわゆるエコシステム全体、国内のデジタル産業基盤を一体的に整備していくことは重要でございます。
経済産業省では、まず先端半導体のユーザーということでお話しいただいていますけれども、AIを開発、利活用する際に、先ほど御答弁させていただきましたけれども、多様な半導体を活用できるテストベッド環境を構築して、データセンター事業者が多様な半導体を利用できる環境の整備を進めること、また、先ほどもお話をさせていただきましたけれども、自動車や通信などの分野での先端半導体の設計開発支援などに取り組むことで、国内製造された半導体が国内で利用される環境の実現を進めています。
民間におきましても、ラピダス、プリファードネットワークス、さくらインターネットが提携をしましたが、このケースの場合は、プリファードネットワークス、これ先端半導体を使った半導体の設計能力がございます。日本で設計されたAIチップをラピダスが日本で製造して、その半導体をまさにさくらインターネット、これはクラウドシステムとかこういったものを構築している、日本の事業者が構築したクラウドシステムにこの半導体を導入して、日本の事業者が生成AI向けクラウドサービスを提供するということを目指しています。
今後とも、半導体の国内製造基盤の強化と国内における需要創出、利活用、こういったものを一体的に進めていくことで、半導体、デジタル産業による付加価値創出のエコシステムを国内にしっかり構築していきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/286
-
287・平山佐知子
○平山佐知子君 それでは、最後に大臣に伺わせてもらいたいと思います。
先日、参考人でもお越しくださいましたラピダスの小池社長、以前のインタビューの中でこういうふうにお話をされていました。
皆さんが電車に乗ったときに前に座っている人をよく見てくださいと、やることはみんな決まっていて、必ずスマートフォンを出して一生懸命見ている、半導体は確かに人々をとてつもなく便利にしました、皆さんもそうだと思いますけど、情報がもうがんがん入ってくると、あるいは会社のメールもすぐ見られますし、世界情勢も分かるでしょうと、これ小池さんがおっしゃっているんですけれども、だけれども、本当に人々を幸せにしたかというと大きな疑問です、我々が目指すような半導体を最終製品のユーザーと一緒になって作っていくということ、単に人々を便利にするということだけではなくて、もっと深いところまで考えて製品を生み出していきたいと考えていますというふうに以前、小池さんはインタビューの記事の中で答えられていて、なるほどと思いながら読ませてもらいました。
確かに、この半導体がもたらしたデジタル社会というのは、昭和世代の私たちから見ても信じられないぐらい便利になりましたけれども、じゃ、一方で、ディープフェイクなどの悪質な成り済まし、詐欺であったり、オンラインゲームを通じて犯罪に巻き込まれてしまうということもある、身近なIoTデバイスがサイバー攻撃の入口に、侵入口となってしまうという、こういう新たな犯罪も生んでしまっているという現実、この負の側面もあると思うんです。誰もがやはりこのデジタル社会の恩恵をしっかりと享受する世の中にしていくには、やはり倫理的な課題、それから潜在的なリスクといったことにもやっぱり真摯に向き合わなくてはならないと考えています。
日本のこの先端半導体政策がデジタル社会において本当の意味で人々の幸せにつながるのかどうか、そうなるために政治が果たす役割というのはすごく大きいと思うんですが、最後にその点について大臣に伺わせてもらいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/287
-
288・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。
まさにこの半導体、次世代に向けて今動き出す中で、特に今日もいろいろ御議論いただきましたけれども、生成AIの更なる進化、こういう形の中で、高度な、我々今実証していますけど、更に高度な自動運転ですとか、またAIロボット等が当たり前のものになってくれば、まさに人手不足や交通渋滞、様々な、また地域では空白があるわけで、こういう社会課題が解決される、まさに暮らしを豊かにするものだと、間違いなくそこは思うわけであります。豊かさを享受するために必要な技術の基盤がまさにこの半導体であり、自国で供給できる意義は大変大きいものであると思います。
一方で、今先生おっしゃられるような、新たな技術には適切なやはりルールがこれ必要になってまいります。技術の黎明期でも様々な問題がこれまでも生じてきたことも事実でありますので、今おっしゃっていただいたように、ディープフェイクですとかサイバー犯罪等のこの喫緊の課題も、これも我々としては対処していかなくてはいけないということだと思います。
AIについては、イノベーションの促進とリスクの対応、これを両立するためのAI法案を政府として今回提出させていただいているものと思います。引き続き、関係省庁と連携をしながら、新たな時代、技術に対応したルール形成を図っていきたいというふうに思います。
規制と推進のバランスをいかに図って、国民にとっての最適解を見出していくことが私どもの役割だというふうに思っていますので、また今後とも御指導のほどよろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/288
-
289・平山佐知子
○平山佐知子君 ありがとうございます。
本当にここまでデジタル社会が進んだ以上、後戻りはできないわけですし、やっぱりこの歴史を左右するような技術の基盤となる半導体ですから、日本がしっかりそこにチャレンジしていくということも必要だと思っています。一方で、やはりずっと議論になりましたけれども、透明性確保とか説明責任、国民の皆さんに納得してもらえるような形で是非前に進めていただきたいとお願いを申し上げまして、質問を終わります。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/289
-
290・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/290
-
291・岩渕友
○岩渕友君 私は、日本共産党を代表して、情促法及び特会法改正案に反対の討論を行います。
反対理由の第一は、本法案はいわゆるラピダス・半導体産業支援法案と呼ぶべきもので、ラピダス社など一握りの企業に十兆円以上もの公的支援を行うものだからです。
八六年の日米半導体協定の押し付けと九九年の産活法の大企業のリストラ、人減らし支援策を契機に、我が国半導体産業は衰退してきました。とりわけ、半導体メーカー、エルピーダメモリに対し緊急異例の措置として政府が出資しましたが、同社は破綻し、公的資金二百七十七億円が毀損しました。
ところが、政府、経産省の誰一人責任を取らず、真の総括がなされないまま、本法案は恒久的な仕組みとして青天井で税金を投入するものです。既に一兆七千億円にも及ぶ政府のラピダス支援の根拠となっている審査は、その外部有識者の名簿も審査内容も全くのブラックボックスであり、国民と国会が検証することすらできません。
ラピダスに出資するトヨタ自動車など大企業八社の内部留保は七十三兆円にも上りますが、同社への出資は僅か七十三億円、同社が量産開始までに必要とする五兆円の大半を国民負担に依存するなど、究極のモラルハザードです。
反対理由の第二は、本法案が中小企業向けの予算をラピダス、半導体事業向けの財源に振り向ける仕組みとなっているからです。
石破政権は、AI・半導体産業基盤強化フレームの財源確保のため、商工中金の政府保有株式の売却収入やゼロゼロ融資のための経営安定保証基金などをAI、半導体に活用しています。しかし、これらの予算は本来、トランプ関税や物価高騰で深刻な苦境にある中小企業業者のためにこそ活用すべきものであり、到底、中小業者の理解を得られるものではありません。
第三は、ラピダスの半導体が軍事利用される危険性を拭えないからです。
同社の小池社長は、軍事利用は将来もノーと言いますが、同社の東哲郎会長は、重要な部分は国防の領域、まずはアメリカに届けると真っ向から矛盾する発言をしています。同社の半導体が軍事利用される歯止めがなく、絶対に容認できません。
今必要なことは、経済安保の名の下に特定国を敵視する政策をやめ、憲法の非軍事の立場から、日本の強みである半導体装置、素材産業、それらを支える中小企業をきめ細やかに支援する政策に転換することです。
以上を申し述べ、反対討論とします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/291
-
292・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/292
-
293・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、古賀君から発言を求められておりますので、これを許します。古賀之士君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/293
-
294・古賀之士
○古賀之士君 私は、ただいま可決されました情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派並びに各派に属しない議員平山佐知子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一 指定高速情報処理用半導体に関する支援対象事業者の選定については、我が国が次世代半導体において競争力を有することができるよう、諸外国における次世代半導体の研究開発や量産に向けた取組等の動向を注視しつつ、関係者や有識者等の意見も踏まえ、適時適切に行うこと。
二 選定事業者への支援に当たっては、その効果が支援を受けた事業者及び関係者に留まらず、我が国の経済安全保障の観点からも重要となる半導体産業の発展及び半導体サプライチェーンの再構築並びに国民の生活の向上に資するものとなるよう留意すること。
三 選定事業者による資金確保や顧客開拓等に対し協力を行うなど、選定事業者と連携して実施計画の着実な実施に努めるとともに、指定高速情報処理用半導体の生産に必要不可欠な製造装置や部素材等の安定的な確保に万全を期すこと。
四 独立行政法人情報処理推進機構による選定事業者に対する出資に当たっては、民間との出資のバランスを考慮するなど、選定事業者の自立性確保に十分留意すること。
五 出資の対価として取得する株式については、経営判断の迅速性等にも配慮しつつ、適切なガバナンスが発揮されるような設計とし、重要な経営事項に対して拒否権を有するいわゆる黄金株を保有することも含めて、検討すること。また、経営に不測な事態が発生した場合等に備えて、政府として機動的な対応を行うべく、能動的にガバナンスを発揮できるよう検討を行うこと。加えて、民間からの資金調達を促進していきつつ、公的資金の回収を図る観点も踏まえ、適正なリターンが確保されるような設計とするように検討すること。
六 選定事業者に対する出資等の支援が多額の国費を用いるものであることに鑑み、選定事業者による実施計画の概要を公表すること。また、実施計画の実施状況、選定事業者による半導体の設計を行うために必要なデータセットの開発及び顧客への提供状況や選定事業者と半導体設計事業者等との提携状況など事業の進捗状況について、政府において責任を持って把握・検証を行い、入手する経営情報に関してはその機密の確保に万全を期し事業者の競争上の地位の毀損がないように配慮しつつ、上場までの間、選定事業者に対する追加支援に必要な予算案の審議に向けて、国会に報告するとともに、公表すること。特に、量産開始までの間は、三月に一回をめどに国会に報告すること。
七 選定事業者による指定高速情報処理用半導体の量産化に対する支援(以下「量産準備支援」という。)は、民間主体で行うことを旨とし、政府は今後の次世代半導体を取り巻く環境等の変化を十分踏まえ、必要に応じて選定事業者に対し実施計画の変更の指示など、同計画について不断の見直しを行うこと。
八 更なる量産準備支援の判断については、選定事業者の次世代半導体の試作や量産の状況、選定事業者の民間からの追加投資状況及び販路開拓状況を踏まえること。また、選定事業者による売上げ見込みと、生産・販売・管理コスト等の見積りから計算される利益によって、これまでと今後の投資、融資などが現実的な期間で回収できないなど事業性が見込めないと判断した場合においては、支援を見直すこと。なお、量産準備支援を行う場合には、選定事業者に対して、財務状況等の国民への情報開示を行うよう指導すること。
九 選定事業者に対する国からの支援が巨額に及ぶことを踏まえ、支援のプロセスや資金の流れ等について、高い透明性を確保するとともに、公平かつ公正な運用を徹底すること。また、選定事業者役員等の既存個人株主が将来株式を売却した際に生じる利益について、国費の投入が株式価値の上昇に寄与した点も念頭に、引き続き、国費の投入について国民の納得が得られるように努めること。
十 「AI・半導体産業基盤強化フレーム」に基づく歳出については、政策効果や必要性を十分見極めた上で、国会での審議や産業構造審議会等での議論を踏まえつつ必要に応じて見直しを行うとともに、毎年、「AI・半導体産業基盤強化フレーム」に係る予算の執行状況について情報を整理して公表すること。
十一 エネルギー対策特別会計に新設する先端半導体・人工知能関連技術勘定における公債である「先端半導体・人工知能関連技術債」の発行に当たっては、将来にわたって国民負担が伴わないよう厳重に対処すること。その償還においては、財政投融資特別会計の投資勘定が産業の開発及び貿易の振興のための資金を出資及び貸付けによって供給するために設けられていることを踏まえ、かかる趣旨に合致しない資金の供給を厳に慎むこと。
十二 我が国の半導体産業が長期にわたり低迷している現状及び政府におけるこれまでの半導体政策についての十分な検証・評価の結果を踏まえ、今後の中長期的な内外の情勢変化やAI・半導体に係る技術革新の進展等の動向に対応し、我が国半導体産業の復活に向けて、今後のAI・半導体政策の在り方について更なる検討を進めること。
十三 国内におけるデジタル需要の拡大に最大限努めるとともに、国内で製造される半導体の供給において、そのマッチングが図られるよう必要な施策を行うこと。
十四 デジタル人材及び特に不足が指摘されているAI・半導体人材の育成や確保については、関係省庁・関係機関、高等学校・高等専門学校・大学等が連携し、着実に取組を実施すること。また、人材や技術の海外流出防止及び高度人材の獲得について、実効性ある施策を講ずること。さらに、情報処理技術者試験については、CBT(コンピュータ・ベースド・テスティング)の拡充や実施回数の増加等について更なる検討を行い、デジタル人材の育成や確保に向けて、利便性向上に努めること。
十五 次世代半導体の量産化等の事業の推進及び関連産業の集積を進めるに当たり、円滑な事業経営環境を整え、内外より高度なIT人材を確保するための施策を行うことが必要であることに鑑み、関係省庁間の連携及び地方公共団体との連携の下、工業用水の確保、下水道及び道路等の必要なインフラの整備や、いわゆるインターナショナルスクール等の設置及び周辺の学校や医療機関等、居住環境や生活環境の整備等の取組が着実に進むよう必要な措置を講ずること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/294
-
295・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) ただいま古賀君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/295
-
296・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) 多数と認めます。よって、古賀君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、武藤経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。武藤経済産業大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/296
-
297・武藤容治
○国務大臣(武藤容治君) ただいま御決議のありました本法律案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/297
-
298・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/298
-
299・牧山ひろえ
○委員長(牧山ひろえ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後五時十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714080X00620250424/299
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。