1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
令和七年五月二十二日(木曜日)
午前十時開会
─────────────
委員の異動
五月二十日
辞任 補欠選任
臼井 正一君 宮崎 雅夫君
五月二十二日
辞任 補欠選任
佐々木さやか君 高橋 次郎君
青島 健太君 嘉田由紀子君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 小西 洋之君
理 事
朝日健太郎君
佐藤 信秋君
森屋 隆君
安江 伸夫君
青島 健太君
委 員
江島 潔君
高橋 克法君
高橋はるみ君
豊田 俊郎君
永井 学君
長谷川 岳君
宮崎 雅夫君
吉井 章君
吉川ゆうみ君
小沼 巧君
杉尾 秀哉君
佐々木さやか君
里見 隆治君
高橋 次郎君
石井 章君
嘉田由紀子君
浜口 誠君
大門実紀史君
木村 英子君
衆議院議員
修正案提出者 城井 崇君
修正案提出者 森山 浩行君
国務大臣
国土交通大臣 中野 洋昌君
副大臣
法務副大臣 高村 正大君
国土交通副大臣 高橋 克法君
大臣政務官
国土交通大臣政
務官 吉井 章君
国土交通大臣政
務官 国定 勇人君
事務局側
常任委員会専門
員 清野 和彦君
政府参考人
法務省大臣官房
審議官 内野 宗揮君
国土交通省不動
産・建設経済局
長 平田 研君
国土交通省都市
局長 内田 欽也君
国土交通省住宅
局長 楠田 幹人君
─────────────
本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律案(閣法第三四号)(衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/0
-
001・小西洋之
○委員長(小西洋之君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、臼井正一君が委員を辞任され、その補欠として宮崎雅夫君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/1
-
002・小西洋之
○委員長(小西洋之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省住宅局長楠田幹人君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/2
-
003・小西洋之
○委員長(小西洋之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/3
-
004・小西洋之
○委員長(小西洋之君) 老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/4
-
005・豊田俊郎
○豊田俊郎君 おはようございます。久々に国交委員会での質問でございます。
都市部においてはマンションは国民の主要な居住形態として定着し、生活の基本的基盤となっています。我が国の人口が一億二千六百万人のうち、約一千万人を超える人がこのマンションにお住まいということでございます。しかし、建物と所有者のこれ二つの老いということが叫ばれているわけでございますけれども、その対策は喫緊の課題であると考えています。
実は私、政治家になる前は土地家屋調査士として様々な不動産に関わりがございまして、その経験の中で所有者不明土地問題の解決の重要性を痛感してきたところでございます。
国会議員になってからはこのことをライフワークとして取り組み、令和三年には、土地基本法の大改正、あわせて、民法、不動産登記法の大改正などを実現してきたところであります。その中でも、マンションの区分所有者が不明となり管理や再生を阻害する事態は、都会の所有者不明土地問題としていずれ必ず大きな問題になると考えていました。国会議員になった当初から一貫して政府には迅速な検討を強く後押しをしてきたところでございます。
今回の法案は、マンションの管理の円滑化と再生の円滑化の両面から、民民の法律関係とマンション行政の法律関係のいずれについても様々な新制度を創設するものであり、まさに総合的、抜本的な対策を講じるものであると認識をしております。土地基本法の改正により土地の所有者の管理の責務を定めた上で、民法改正により物権関係の抜本的な見直しを行ったことが、応用的法律関係を定める区分所有法やマンション法に新たな視点を持ち込み、今回の法案の結実をしたものでございます。画期的な内容となっていると思います。
今回の改正法案は、一つの重要な改正が、建て替えを始めとする区分所有建物の再生の円滑化であります。老朽化したマンションは居住者や近隣所有者にとって危険極まりない問題であり、また町づくりの観点からも問題になるため、建て替えをまず円滑にすることは非常に重要であると考えております。
しかし、現行の区分所有法では、建て替えを決議することには五分の四の、以上のですね、五分の四以上の賛成多数が必要であり、非常にハードルが高い状況でございます。また、所在が不明な区分所有者がいるとその人は反対者と同じ扱いになるため、そういった人がいるだけで決議は成立しにくくなる状況になっています。大変本当に私のところにもいろんな方々から御相談をいただいているところでございます。
そこで、改正法案では建て替えを円滑化するためにどのような措置を講じているのか、法務省にお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/5
-
006・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
本改正法案におきましては、まず、建て替え決議を含みます全ての決議におきまして、所在等が不明であります区分所有者の扱いについて措置を講じてございます。すなわち、現行の区分所有法の下では、所在等が不明である区分所有者は多数決の母数に算入され、実質的には反対者と同様に扱われるということから、円滑な決議に支障が生ずるおそれがあると指摘されているところでございます。
そこで、本改正法案におきましては、裁判所の関与の下、所在等が不明な区分所有者及びその議決権を集会の決議から除外するということができることといたしまして、決議の円滑化を図っておるところでございます。
また、建て替え決議の多数決割合についても措置を講じてございます。これは、まさに委員から御指摘をいただきましたところでありますが、現行の区分所有法におきましては、建て替え決議をするには区分所有者及び議決権の各五分の四以上の賛成が必要とされているということでございまして、この多数決割合を満たすために必要な賛成を得ること、これなかなか容易ではないと。老朽化した区分所有建物の円滑な再生に支障が生ずるおそれがあると指摘をされているところでございます。
そこで、本改正法案におきましては、建て替えの必要性が高く、反対者の権利の制約を強めることが許容されると考えられる事由がある場合、例えば耐震性が不足しているといったような場合、こういった事由がある場合には建て替え決議の多数決割合を四分の三に引き下げるということとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/6
-
007・豊田俊郎
○豊田俊郎君 まさに命に関わる問題でございますので、四分の三と言わず、更に私は推し進める必要があるというふうに思いますけれども、一つの改正が行われたことは大変評価をしたいというふうに思います。
建て替えなどの再生を円滑にしていくことが非常に重要であることは今の答弁でもお分かりいただいたというふうに思います。マンションの区分所有者は経済力や年齢、生活事情なども様々であり、合意形成の円滑化の取組だけで再生を進めることは大変難しいものと思っております。老朽化マンションの再生を円滑に進めるには、区分所有者の負担軽減を図ることも極めて重要でございます。予算や金融面などでの支援を積極的に行っていくことが必要であると思います。
そこで、マンションの再生等を円滑に進めるため、予算や金融面などを含めてどのような支援を行っていくのか、これは国交省の御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/7
-
008・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えをいたします。
委員御指摘のとおり、マンションの区分所有者はその経済力や年齢、生活状況など様々であり、老朽化マンションの再生を円滑に進めるためには、区分所有者の負担を軽減し、合意形成をしやすい環境を整えることが重要でございます。
このため、令和七年度予算で創設をいたしましたマンション総合対策モデル事業を活用し、マンション再生の計画や実施などの取組を予算面から支援をしてまいります。また、住宅金融支援機構による融資を御活用いただくことも可能であり、特に高齢者の方々に対しては、毎月の返済額を金利負担のみとするリバースモーゲージ型の融資を行うことにより負担の軽減を図ってまいります。
加えて、本改正法案では、十分な保留床を確保し、事業採算性を高めるため、隣接地の権利を再生後のマンションの区分所有権に変換することや、特定行政庁の判断で建築基準法で定める高さ制限を緩和することを可能とする措置を講じることとしております。
区分所有法の改正による合意形成の円滑化と併せて、こうした負担軽減措置の活用を促すことにより、マンションの再生等が円滑に進むよう、しっかり取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/8
-
009・豊田俊郎
○豊田俊郎君 とはいえ、このマンションは大変規模が大きいこともございますし、それももちろんそうなんですけれども、大事なことは、日頃からしっかりと管理していくことが重要だというふうに思っております。しかし、多くの人が住むだけに、中には、管理を人任せにしたり、管理組合における意思決定に無関心で、集会に参加しないとか、代理人等によって議決権行使をしないとかといった区分所有者も大変多い、少なくはないというふうに思っております。
こういった関心なく集会に出席しないような区分所有者は現行法では反対扱いになってしまうが、これに対して今回の法改正ではどのような措置を設けているのか、この辺は法務省に伺いたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/9
-
010・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
今委員から御指摘いただきましたように、現行の区分所有法におきましては、集会の決議をするために必要な多数決割合は区分所有者全員の頭数と議決権を母数として定められております。そのため、集会に出席をせず、議決権も行使しない区分所有者や、先ほど申し上げましたが、所在等が不明である区分所有者、これ実質的には反対者と同様に扱われることになってしまいまして、必要な決議を行うための支障になっているという指摘がございます。
そこで、本改正法案におきましては、先ほど申し上げました所在等が不明な区分所有者に対する対応のほか、区分所有権の処分を伴う決議以外の決議、例えば共用部分の管理に関する決議、こういったようなものでありますけれども、これにつきまして、出席者を母数とする多数決によることといたしまして、決議の円滑化を図っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/10
-
011・豊田俊郎
○豊田俊郎君 共用部分に対しての管理の決議を出席者の二分の一ということにするということでございますので、このことにおいては一歩前進したというふうに思います。区分所有建物としての意思決定を円滑にすることができるようになるわけで、これは大変意義というか、いい認識、いい改正であるというふうに思っております。
とはいえですよ、大事なことは、集会に出席しない区分所有者は決議の母数から除外されることになり、今度は決議が成立すればその決議に拘束されることになります。規約の変更なども出席者の多数によりすることができると聞いていますが、区分所有者の権利や義務に大きな影響を与える可能性がありますし、共用部分に大きな変更を加える場合には相当額の費用負担が必要となるわけでございます。そこで、そういった点を踏まえると、やはり区分所有者がしっかりと集会に参加し議論をすることや、参加できないとしてもあらかじめ書面や代理人によって議決権を行使することなど、建物の管理に主体的に取り組んでもらう認識、意識を持ってもらうことが重要であると考えています。
そういった観点から、今回の改正では何か手当てをして、そのことに対してですね、この改正では何らかの手当てをしているのか、法務省に伺いたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/11
-
012・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、区分所有建物を適正かつ円滑に管理をするということをしていくためには、区分所有者に建物の管理に主体的に取り組んでいただく意識を持っていただくということが重要であると考えております。
そこで、本改正法案では、区分所有者の責務規定といたしまして、区分所有者は区分所有者の団体の構成員として建物並びにその敷地及び附属施設の管理が適正かつ円滑に行われるよう相互に協力しなければならない旨の規定を新設することとしております。
この規定は訓示的な規定ではありますけれども、法務省といたしましては、区分所有者に建物の管理に主体的に取り組む意識を持っていただけるよう、本改正法案の周知、広報に当たりまして、先ほど委員御指摘の中にもありましたように、書面や代理人による議決権の行使といった仕組みのほかにも、こういった責務規定の趣旨といったことについても説明にしっかりと努めてまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/12
-
013・豊田俊郎
○豊田俊郎君 当時、マンションが盛んに建てられていたときには、四十、五十戸ぐらいのマンションが多かったんですけれども、最近は、まさに高層マンションも含めて、一棟で百世帯、二百世帯という、本当に今まででは想定されていない。で、法律は三十戸、四十戸、五十戸のマンションに対応するような法の立て付けでございましたので、これの、今もう新しい、もうそういう建物は新しいわけですから、その改修とか建て替えというのはよほど先の事情だというふうに思いますけれども、しかし、この問題は必ずやってくる。将来にやっぱり禍根を残さない意味でも、法律の整備というのは私は大変重要だと思っておるところでございます。
高齢化、高経年のマンションにおいては建て替えが必要なケースも多いため、建て替えを円滑化にすることは大変重要であるわけですが、各区分所有者において管理に対する意識をしっかり持ってもらった上で、日常的な管理をしっかり行ってもらうことも重要で、先ほど申し上げましたとおり重要ですが、この管理と再生の円滑化は両輪でこそその効果を最大限に発揮するものと考えています。
他方で、昨年の元旦には能登半島地震が発生しました。そのほかにも、南海トラフ地震での大規模地震へのこれ注意の呼びかけがございました。臨時情報が発令されたところでございます。加えて、首都直下型地震の発生の可能性が高まっていることも指摘をされております。このことは、先ほど申し上げました劣化とは別の問題であるというふうに思います。
我が国は地震大国であると言われてきましたが、これまで大規模な地震の発生可能性が高まっている情勢というのはこれまでにない状況ではないかなと思います。地震が発生すれば、建物は大きな被害を受けることになります。居住者のほか、近隣住民にも被害を生じさせかねない、そういった意味で、日常的な管理や大規模修繕などをしっかりやっていくことが日々行う防災としての重要な点であると思います。
万一、建物が被害を受けてしまった場合には、平時よりももっと円滑に建物を再生することができるようにしていくこと、ですから、老いで、またその建物が老朽化によって建て替えを迫られる場合と、今回は地震や他の災害によってその建て替えや改修が迫られる、この二つのケースがあるわけでございますけれども、そのような観点から、今回のこの改正案では、大規模な災害が発生した場合に特化して再生の円滑化を図るような措置がこれ講じられているのか、その辺を確認したいというふうに思います。法務省から答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/13
-
014・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
現行の被災区分所有法におきましては、政令で指定された災害により区分所有建物が大きな被害を受けた場合に、建て替え決議を始めといたします現行の区分所有法の各種決議につきまして、多数決割合を引き下げると、こういうことがされておりません。
しかし、大規模な災害が発生をし、区分所有建物が大きな被害を受けたという場合には、区分所有建物の内外の住民等に危険を及ぼすおそれがございます。その復旧復興を迅速に図る必要性が高いにもかかわらず、被災した区分所有者がその区分所有建物を離れて生活するようになるなどいたしまして、迅速な合意形成が難しくなるということが想定されるところでございます。
そこで、本改正法案におきましては、政令で定める災害により被災した区分所有建物に関する建て替え決議などの各種決議につきまして、政令の施行の日から起算して六年を超えない範囲内で政令で定める期間を経過する日までの間にされるものに限りましてその多数決割合を三分の二に引き下げるということとして、円滑な復興を促すこととしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/14
-
015・豊田俊郎
○豊田俊郎君 分かりました。
被災区分所有法において、建て替えなど再生に関する議決の多数決割合が大きく引き下げられるということでございます。かつ、議決可能期間もしっかりとこれは確保されているということであるというふうに思います。
しかし、しかしなんですけれども、被災区分所有法が適用されるためには、発生した被害が政令で指定される必要がございます。この政令の指定に当たっては建物の被害状況などを考慮するのではないかとも思いますが、実際に被災地の復旧や復興において重要な役割を果たしているのは、これは現地の自治体なんですね。法律じゃないです、現地の自治体なんです。現地の自治体から被災区分所有法の政令の指定の要望があった場合にはこれをしっかりと重んじる必要があると思いますが、ここも法務省の考え方をお聞きしたいというふうに思います。副大臣の答弁を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/15
-
016・高村正大
○副大臣(高村正大君) お答え申し上げます。
御指摘のとおり、被災区分所有法の規定が適用されるためには、区分所有建物等が政令で指定された災害により滅失等したことが必要とされております。
政令による災害の指定がされるかどうかは、被災地の区分所有建物の被害状況や自治体からの要望等を踏まえながら、被災区分所有法に定める特別の措置の適用が被災地の健全な復興に資するかどうかという観点から判断されるものと考えております。
法務省といたしましては、本改正法案の施行後、運用状況等を注視するとともに、被災地に寄り添う観点から被災地の区分所有建物の被害状況や自治体からの要望といった現場の声をしっかりと把握するよう努め、被災地の健全な復興を促す観点も踏まえ、適時適切に対応していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/16
-
017・豊田俊郎
○豊田俊郎君 まさしくそうだというふうに思います。これからいつ起こるであろう地震に、やっぱり自治体とのその連携というものが大変重要になってくるというふうに思います。
最後にします。マンションの政策に携わる地方公共団体の取組について伺います。
マンションは、その規模などを踏まえて、外壁の剥離等が生じた場合には周辺地域の住民へ与える影響が大変多いわけです。マンションが空き家化し、除却等の行政代執行が必要な状態になると、財政面を含め地方公共団体の負担は計り知れないことから、こうした状態になる前に早めに能動的な働きかけを行うことが重要と、あると考えますけれども、国交省に伺いたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/17
-
018・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えをいたします。
マンションは私有財産でございますので、区分所有者の責任で適切に管理をしていただくということが基本となるわけでございますが、御指摘のとおり、区分所有形態という特殊性や管理不全となった場合の周辺への影響の大きさ、さらには行政代執行が必要となった場合の地方公共団体の負担の大きさなどを踏まえますと、地方公共団体がマンションの管理や再生に積極的に関与し、管理組合の取組をしっかり支援していくことが重要であると考えております。
このため、本改正法案におきましては、地方公共団体からの要望も踏まえまして、地方公共団体が所在不明の空き室の状況なども含めましてマンションの管理状況などを適切に把握できるよう、報告徴収等を行える措置を講じますとともに、危険なマンションに対する指導、勧告や、地方公共団体等が裁判所に申し立て、その選任する管理人に管理不全の居室などを管理させる制度を創設するなど、地方公共団体がマンションの管理や再生に積極的に関与するために必要な措置を講ずることとしております。
これらの措置の活用により、マンションの適正な管理や円滑な再生に向けた取組がより一層進むよう、地方公共団体の御意見も引き続き丁寧にお伺いをしながら、しっかり取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/18
-
019・豊田俊郎
○豊田俊郎君 今回の能登半島地震でも大きな家屋の崩壊があったわけでございますけれども、幸いにして、今回は能登半島には区分建物がなかったと伺っております。これが都市部であったとするならば大きな被害、また、今回の法整備が私は大きなその建て替えなり改修に役割を果たすというふうに思っております。
ここは、最後の最後なんですけれども、地方公共団体が報告徴収や勧告、財産管理制度の申立てなどを適切に講じるためには、地方公共団体に対する私は丁寧な支援が必要だと考えております。予算面も含めて、こうした積極的な対応を行う地方公共団体に対してどのような支援を行おうとしているのか、ここは、国交省副大臣の答弁ですかね、是非いい答弁をよろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/19
-
020・高橋克法
○副大臣(高橋克法君) お答え申し上げます。
地域のマンション政策を担う地方公共団体の取組が実効性のあるものとなるように、地方公共団体に対して様々な面で支援を行うことは大変重要なことだと認識しています。
このため、地方公共団体において、新たな業務の的確かつ効率的な実施や、それを担う人材の育成が可能となりますように、危険なマンションに対する報告徴収や指導、勧告を行うに当たっての判断要素などをまとめたガイドラインの作成でありますとか、地方公共団体の職員向けの研修、説明会の開催などにまずは取り組んでまいります。
また、本改正法案では、区分所有者の意向把握や合意形成の支援等を行う民間団体をマンション管理適正化支援法人として登録できる制度を創設することとしており、地方公共団体がこうした法人の協力も得ながら地域全体で管理組合の活動を支援できる体制の構築を進めてまいります。
さらに、令和七年度予算において創設をいたしましたマンション総合対策モデル事業を活用しまして、マンションの管理状況等の把握や管理組合の合意形成のための専門家の派遣などに取り組む地方公共団体を予算の面からも支援してまいります。
今後も、この新たな制度の実施状況等を丁寧に把握をしながら、地方公共団体の取組を積極的に支援してまいりたいと思いますので、現場に最も精通した豊田委員におかれましては、これからも御指導、御指摘のほどよろしくお願い申し上げます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/20
-
021・豊田俊郎
○豊田俊郎君 いや、本当に、栃木県でも、高根沢にはマンションあるかどうか分かりませんけれども、多分、宇都宮には相当な数があるというふうに思います。また、私の地域もそうなんですけれども、一気にベッドタウン化したときに、住宅公団が建てた住宅も、賃貸の部分と分譲をしたマンション、これ二通りございますけれども、本当にこの分譲したマンションについては建て替えが難しい、また大規模改修が難しいと言われているわけでございますけれども、私としては、引き続き関係者間で連携して、マンションの適正管理や円滑な再生に向けた取組、そして、予算化をして支援をするということでございますけれども、その金額に対しても、十分とは言わないまでも、やっぱり衣食住の住ですから、ここはしっかりした国の関与が今後とも必要になってくるというふうに思います。そのことを期待して、私の質問を終わります。
以上です。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/21
-
022・森屋隆
○森屋隆君 立憲民主・社民・無所属会派の森屋隆でございます。
約二十年ぶりとなる区分所有法の改正も含まれる本法律案は、今後、老朽化したマンション等の増加が見込まれる中で、これらの適切な維持管理、そして建て替え等、今ありましたけれども、この建て替え等の促進を図るものと承知をしています。
何点か質問をさせていただきます。
まず、この老朽化マンションは増加している一方で、マンションの建て替え等の実績は令和六年四月一日までの累計で二百九十七件、約二万四千戸であり、また、マンションの敷地売却の実績は累計で十一件、七百戸にとどまっています。
まず初めに国土交通大臣に伺いますが、このような状況において、本法律案で措置されるこの施策により、マンションの再生等がどの程度進むのか、想定しているのか、このことについて伺いたいと思いますし、また、建て替え等の実績が少ない要因として、今も豊田先生の方からありましたけれども、合意形成の難しさが挙げられています。
本法律案では、一定の条件に該当する場合には建て替え決議等の多数決割合の緩和をする措置のほか、裁判所により所在不明とされた区分所有者を決議の分母から除外できるといった措置を講じることとしています。しかし、この合意形成をしやすくするだけでは、私は、マンションの再生は十分に促進されるものではないんだろうと、こんなふうに思っています。
マンションの建て替え等が進まない最大の要因は、区分所有者の費用負担に問題があると、こういうふうに考えています。マンション建て替え事業の実施に当たって必要となる区分所有者の負担額は、近年増加傾向にあります。平成二十九年から令和三年までのこの事業における平均負担額は二千万円近くと、高騰、高額になっています。一方で、築年数が古いマンションほど高齢世帯主の住戸の割合が増えている傾向にあります。高齢者の中には、高額な費用の捻出ができない方も多くおられます。このような方は、建て替えにどうしても反対せざるを得ない、こういった状況があるんだろうと思います。
建て替え費用等の負担が難しい居住者であっても安心してマンションに居住できるための財政的支援を講じる必要があるのではないかと、こういうふうに考えております。併せてこれについても国土交通大臣のお考えを伺いたいと思います。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/22
-
023・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) 森屋委員にお答え申し上げます。
質問二点あったかと思いますので、二つお答えをさせていただきます。
委員御指摘のとおり、まさにマンションの再生等を進めるためには、一つは合意形成の促進ということであるんですが、もう一つはやはり負担軽減、保留床の確保等による負担軽減に取り組むことが重要であるというふうに考えております。
どのくらい進むのかというところでございますが、本改正案におきまして、建物、敷地の一括売却等を多数決議で行うことや、耐震性が不十分等の場合に多数決要件を更に緩和をすること、あるいは隣接地の権利を再生後マンションの区分所有権に変換をすること、こうしたことを可能とすることによりまして、施行後五年間でマンションの再生等の件数を累計一千件まで増加をさせるということをKPIとして設定をさせていただきました。
このペースでマンションの再生等が進めば、十年後には外壁剥落等の危険があるマンションをおおむね解消できる状態になるというふうに考えておりますので、この目標の達成に向けまして、関係者と緊密に連携をして取組を進めてまいりたいというふうに思います。
もう一つの御質問の、マンションの再生等に際しまして、費用負担が難しい区分所有者等であっても安心して再生等の取組に御協力をいただけるように、本改正法案による制度的な措置もあるんですけれども、あわせて、委員御指摘のとおりの、予算や金融の面からも支援をしてまいりたいと考えております。
令和七年度予算におきまして創設をしましたマンション総合対策モデル事業を活用しまして、マンションの建て替えや一棟リノベーションなどの計画あるいは実施などの取組を、これは予算面から支援してまいりたいと思います。さらに、住宅金融支援機構による金融面の融資を御活用いただくというところと、特に御指摘の収入面で不安を抱える高齢者の方々に対しましては、毎月の返済額を金利負担のみとする、今リバースモーゲージ型の融資も行っております。こうした取組で費用負担の軽減も図ってまいりたいと思います。
引き続き、関係団体、現場の方々のお話を丁寧に伺いまして、制度、そして予算や金融、税制などあらゆる政策ツールを総動員して、マンションの円滑な再生等に向けた取組をしっかりと進めたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/23
-
024・森屋隆
○森屋隆君 千件のKPIということで目標値があるということでございますから、関係するところと連携をしていただいて、是非この目標値に達成していただいて、建て替え等々を含めて行ってもらいたいと思っていますし、また、少し安心しましたけれども、その予算面だとか融資、あるいは高齢者ですよね、やはり高齢者の方が、言葉が適切かどうか分かりませんけれども、あと何年住むのか生きるのか分からない中で、やっぱり高額の負担というのは難しい状況があるかと思いますので、そういったところの御配慮もいただければと、こういうふうに思っています。
次に、マンションの、本法案のある意味肝でもありますけれども、この共用部分に関わる損害賠償請求権等の行使の円滑化について伺いたいと思います。
分譲マンションでは、この共用部分について瑕疵があり、各区分所有者がその損害賠償請求を別々に行ったとしても、この賠償金はそれぞれの当然持分割合になるため少額にとどまると思っています。そうしたことによって、この瑕疵の十分な補修ができない場合があります。このため、現行の区分所有法では、管理者は共用部分について生じた損害賠償金等の請求及び受領について各区分所有者を代理し、各区分所有者のために訴訟追行することができるとされています。
他方で、裁判例には、この共用部分等に関わる請求権に生じた後にこの区分所有権が譲渡された場合には、旧区分所有者との関係だけでなくて、現に区分所有者である者との関係においても管理者による訴えが不適法となるとのこの取扱いをしたものがあるというふうに聞いています。これにより、管理者が共用部分の瑕疵を補修するための費用を得られず、対策を講じるのが難しい状態になっています。
そこで、本法律案では、区分所有法を改正し、管理者は、共用部分等に関わる請求権を有する者が区分所有権の譲渡により区分所有者でなくなった場合であっても、その旧区分所有者を含めてこの共用部分等に関わる請求権を有する者全体を代理することができることとしています。しかし、本法律案では、これに加えて、別段の意思表示をした旧区分所有者については、管理者はこの者の代理はできないこととしています。これでは、この旧区分所有者が代理を拒んだ場合には瑕疵の補修に必要な損害賠償金の請求を十分に行えないような状況が発生するんだと、こういうようなおそれがあると思います。
この別段の意思表示をした旧区分所有者をこの代理対象から除外した理由、これは何なのかということで、これは高村副大臣の御答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/24
-
025・高村正大
○副大臣(高村正大君) お答え申し上げます。
本改正法案では、管理者は、共有部分等について生じた損害賠償金の請求権を有する旧区分所有者を代理等することができるとしつつ、旧区分所有者が別段の意思表示をした場合には当該旧区分所有者を代理等することができないとしております。
旧区分所有者は、現区分所有者と異なり、規約の変更や集会の決議に参加する立場にないため、管理者の代理権の制限を提案することができず、また、集会の決議による管理者の解任や裁判所への解任請求をすることもできません。
このように、旧区分所有者には管理者の監督方法がないため、法律で一律に管理者による代理等を強制することが適当でないと考えられました。そこで、旧区分所有者は別段の意思表示をすることができることとしたことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/25
-
026・森屋隆
○森屋隆君 やはり問題は残るのかなと、こういうふうに思っているんですけれども、そういった観点でもう一つお聞きをしますけれども、一部の団体においては、この旧区分所有者から新区分所有者へ所有権が移転する際に、損害賠償請求権も新区分所有者に当然移転されるべきと、こう主張がされております。
本法律案が提出されるこの過程において、区分所有法制のこの見直しを要する要件というんですかね、要綱の答申した法制審議会の部会においても、この当然承継について議論があったものと承知はしているんですけれども、具体的にどのような議論があって当該規定を改定案に設けないこととなったのか、これについてもお聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/26
-
027・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
法制審議会区分所有法制部会におきましては、共用部分等について生じた損害賠償金に関する請求権の行使の円滑化について調査審議が重ねられております。
同部会におきます議論を踏まえまして、事務局案といたしまして、当該請求権につきまして、管理者は区分所有者及び旧区分所有者を代理等することができることとしつつ、今、副大臣からも申し上げましたとおり、別段の意思表示をした旧区分所有者は代理等の対象外とする案が提案されたところでございました。
この事務局案に対しましては、御指摘のような当然承継の立場から、当該請求権の発生後に区分所有権が譲渡された場合には当該請求権は新区分所有者に当然に移転するものとする規律を設けるべきであるとする意見がありました。しかし、この意見につきましては、分譲契約の契約不適合責任に基づく損害賠償請求権が、その性質上、各区分所有者に帰属する権利であるということからしますと、当該損害賠償請求権が区分所有権の譲渡に伴って当然に譲受人に移転することを整合的に説明することは困難であると考えられたところであります。
その後も同部会におきまして調査審議が重ねられたものの、事務局案に対する新たな視点からの指摘や反応はなく、当然承継の規律を設けるべきと御提案をいただいたその委員や幹事以外からは特段当然承継の考え方に積極的に賛成する意見はなかったところであります。そして、同部会は、本改正法案と同様の内容で要綱案を全会一致で取りまとめた次第であります。
このような同部会におきます調査審議の結果等を踏まえますと、マンションの分譲契約の契約不適合責任に基づく損害賠償請求権は区分所有権とは別の債権でありまして、区分所有権の譲渡に伴い、区分所有権の意思にかかわらずに、法律上、その処分や移転を一律に強制する特別な規律を設けることは財産権の保障等の観点から特に慎重な検討が必要であると考えられたため、本改正法案におきましては当然承継の考え方に基づく規定は設けられていないというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/27
-
028・森屋隆
○森屋隆君 非常に難しい問題ではあるんだと承知はしているんですけど、何かこの取りこぼしがあるようなことも感じていますし、今のやり取りの中でこうだということがなかなか言い切れていないんだろうと思うんですけれども。
この今のやり取りの中も含めてですけれども、この共用部分のこの補修に対する要は懸念があるわけでありますから、衆議院において、この本法律案の附則に、この賠償金等の請求状況等を勘案した法案について検討を行うこととする修正案が提出をされ、我が党会派が修正案を出しましたけれども、そして可決がされました。
政府においては、この修正案を踏まえて、マンションの適切な維持に支障を来す、又は不利益を被る住民が生じるような事態、これを把握した場合には更なるこの制度の見直しをちゅうちょなく実施すべきだと、そういったことがやっぱり考えなきゃいけないと、こういうふうに思っているんですけれども、このことについてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/28
-
029・高村正大
○副大臣(高村正大君) お答え申し上げます。
衆議院で修正された本改正法案では、附則第八条第一項として、改正後の区分所有法第二十六条第二項の別段の意思表示等に係る規約の設定等の状況及び同項に規定する保険金等の請求等の状況等を勘案し、管理者又は区分所有者若しくは区分所有者であった者からの相談に的確に応じることができる体制の整備その他分譲マンション等の共有部分の補修等に係る紛争の予防及び解決のための方策について検討を加え、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとされております。
この規定等を踏まえ、法務省としては、国土交通省とも連携の上、まずはしっかりと別段の意思表示等に係る規約の設定等の状況及び同項に規定する保険金等の請求等の状況等の把握に務め、その結果も踏まえ、適切に対応していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/29
-
030・森屋隆
○森屋隆君 副大臣、ありがとうございます。
被害被る方がないように、本当に積極的に取組をしていただきたいと、これは思っています。
次に、建て替え決議等の多数決割合の緩和等に伺いたいと思います。
本法律案では、区分所有法を改正し、先ほどもありましたけれども、多数決割合を五分の四以上から四分の三以上に緩和することとしています。そのため、多数決割合の引下げをするための客観的な事由に該当するか否かについては明確に判断することが必要だと思っています。この明確に判断することがなければ、ちょっとここは何か曖昧になってしまうと、こういうふうに思っています。
こういったこの判断すること、これはどの時点で誰が判断することになるのか。公的機関がその判断に関与せず、専門的知識がない区分所有者が判断するのは大変難しいと、こんなふうに考えています。適切な判断ができるような支援、そして明確なこの判断基準の策定が必要だと考えますけれども、これも法務省の方にお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/30
-
031・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
実際の建て替え決議がされるまでの過程を考えてみますと、管理者等が建物を日々管理する中で、耐震診断の結果や専門家からの指摘を受けて、建て替えの必要性、これが自覚、認識をされて、建て替えに向けた検討が進められていくということになると考えられるところでありますが、この検討の中で委員御指摘の客観的事由に該当するかについての検討も同時にされるということになるのではないかと考えております。
そして、管理者等がこの建て替え決議をしようとする際には、集会の招集決議におきまして、建て替えを必要とする理由、こういったことが記載されるところになるわけでございますが、この客観的事由に該当する事情がある場合には、その具体的内容としてこの招集通知に記載される必要があると考えております。
そのため、この一定の客観的事由の存否、これは、第一義的には、集会の招集段階におきまして集会の招集者が判断することになると考えております。もっとも、仮にこの客観的事由の存否が争われたという場合には、個別具体的な事案の下で裁判所がその存否を最終的には判断するということになるわけであるということだと思います。
また、本改正法案におきます客観的事由、これは、現行のマンション建替え円滑化法と同様の内容で省令及び告示において具体的な基準を示すことを予定しております。現行のマンション建替え円滑化法に定める事由と同様に、建築士等の意見書を取得することで事由の有無を最終的には判断していくことが可能になるのではないかと考えているところではおります。
なお、マンションにつきましては、本改正法案による改正後のマンション再生法に基づきまして、この客観的事由に相当する事由の存在に関する特定行政庁による要除却等認定、これを受けることで、客観的事由の存在を基礎付ける証拠、これを得ることが可能であると承知しているところでございます。
法務省といたしましては、このような基準等につきましても、マンション再生法を所管する国土交通省や関係団体とも連携の上、周知、広報ということをしてまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/31
-
032・森屋隆
○森屋隆君 ありがとうございます。
こういった問題というのは難しいですけど、知らなかった、聞いていなかったということがないように是非お願いをしたいと思います。
耐震化についても伺いたいと思います。
この多数決割合の緩和の要件の一つとして耐震性の不足を規定していますが、これは、今自然災害多いですから、避難路側道建設物、避難道路の側面にある建物ですよね、この耐震化にどの程度寄与するものと考えているのか。また、南海トラフ地震、首都直下型地震など大規模地震発生が切迫性が指摘されている中で、耐震化目標を後退せざるを得ない状況となっていることについても懸念をしています。耐震化が進まない要件をどのように考え、今後どのように取り組んでいくのか、これについてお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/32
-
033・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えを申し上げます。
マンションは、区分所有形態という性格上、耐震改修、建て替えの実施に当たりましては組合の合意が不可欠でございます。合意形成の円滑化、それから負担の軽減、両面から支援していく必要がございますけれども、合意形成という観点では、今回の区分所有法の改正によりまして、耐震改修、建て替えについて一定程度円滑に行えることになるというふうに思っております。これに予算、融資の制度ということで更に後押しをしてまいりたいと思っております。
それから、先生の方から首都直下地震、南海トラフの関係等御指摘ございました。地震の発生の際の避難路等の通行を確保するために、倒壊等によって避難路等を閉塞するおそれのある建築物の耐震化を進めることは大変重要な課題であるというふうに考えております。
これまで、耐震改修促進法に基づきまして、沿道建築物の耐震診断の義務付けや、地方公共団体による耐震診断の結果の公表、所有者への指導等の取組を行ってまいったところでございます。これらの取組によりまして、沿道建築物の耐震化は一定程度進んできているというふうに考えておりますが、耐震改修等に係る費用の負担、それから関係者の合意形成などが支障になって進まないケースも数多く見られるというふうに認識をしております。
このため、耐震改修等に対する支援として、通常よりも高い補助率での支援や税制優遇等を引き続き実施をいたしますとともに、平成七年度予算におきまして耐震化のために必要な合意形成に関する費用を補助対象に追加することによりまして、合意形成が円滑に進むということを更に後押しをしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
今後も、現場で取り組んでおられる地方公共団体としっかり連携をいたしまして、これらの支援措置等の活用を促し、沿道建築物の耐震化、加速を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/33
-
034・森屋隆
○森屋隆君 ありがとうございます。
これについても非常に大事かと思いますので、取組を進めていただきたいと思います。
マンションの管理業者管理方式について一点伺います。
これは、報道によれば、マンションの大規模修繕工事をめぐって談合があったんではないかと、こういうような報道がありました。公正取引委員会が複数の企業に立入検査を実施したとのことです。
こういった事態を踏まえまして、今回、区分所有者に不利益を与えないための手法として事前説明を義務化したと聞いています。しかし、この事前説明をしたことだけでよしとするのではなくて、複数社による見積りやこの積算の根拠ですよね、こういったものを示すべきではないかと、こういったものも併せて義務付けるべきではないかと考えていますけれども、この更なる透明化を図る措置、どういうふうに考えているんでしょうか、お答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/34
-
035・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) ちょっと一点訂正をさせていただきたいと思います。
先ほどの合意形成のための予算の措置の関係、平成七年度予算と申し上げました。正しくは令和七年でございました。失礼いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/35
-
036・平田研
○政府参考人(平田研君) お答え申し上げます。
管理業者管理者方式は、専門的知見を有する管理業者による機動的なマンション管理を実現し、区分所有者の負担軽減につながることが期待されます。一方で、管理業者が工事等の発注者として自社や関連会社と直接取引を行うことが可能となり、区分所有者の利益に反する事態が生じるのではないかとの懸念が指摘されているところであります。
このため、本改正法案におきましては、管理業者が自社又は関連会社との取引を行う場合には、総会決議に先立ちまして区分所有者に対して当該取引に関する重要な事実を事前説明することを義務付け、管理業者がこうした義務を適切に履行しない場合には、マンション管理法に基づき、管理業者に対して業務停止命令等の措置を講じることとしております。具体的な説明事項としては、取引相手や取引内容、取引金額やその積算根拠、相見積りの内容や、相見積りを取らなかった場合はその理由等を省令で規定する予定であります。
こうしたことによりまして、区分所有者が取引の可否を判断するための十分な情報を得ることができ、区分所有者の利益に反する不当に高い金額での取引等を防ぐ機会が確保され、取引に係る透明化が図られるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/36
-
037・森屋隆
○森屋隆君 ありがとうございます。
時間がもう少しですから、これ、最後、大臣にお伺いしたいと思います。短く聞きます。
マンションにしろ一戸建てにしろ、もう本当にこの東京を中心とする都心部で価格が高騰しておりまして、なかなか買えないような状況にあると思います。そんな状況の中で、住宅というのはやっぱり生活の基盤ですから、やはりマンションであれ一戸建てであれ、誰もが安心して暮らせる、そして、やっぱり、真面目に働いていれば手が届くような状況にしていくのがやっぱり政治かと思っています。
そういった部分で考えれば、やはり新たなこの家賃補助的なものを考える必要性もあるんではないかと、こんなふうに思っていますけれども、最後、大臣のお考えを聞いて、質問を終わりたいと思います。大臣、御答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/37
-
038・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) お答え申し上げます。
家賃補助制度の創設を含めた対策ということで御質問いただきました。
住まいは生活の基盤であります。今、確かに住宅価格かなり上昇しているというふうな御指摘もよくいただくわけでありますが、誰もが、持家かあるいは賃貸住宅かを問わず、安心して暮らせる住まいを確保するということは大変重要な課題であるというふうに認識をしております。
もちろん、住宅取得という意味では、住宅ローン控除を始め様々な支援も講じさせていただいているわけでございますが、賃貸住宅につきましては、例えば家賃の消費税が非課税とされているほか、低所得者を対象とした公営住宅の供給や、あるいは住宅確保要配慮者への入居を拒まないセーフティーネット住宅の確保、加えてこの家賃低廉化等への支援、こうしたことに取り組んでいるところでございます。そして、子育て等に対応したリフォームや省エネ性能の高い住宅に対する補助も今行っておりますが、これも賃貸住宅も対象に含めて実施をさせていただいているという状況でございます。
今後とも、これは厚生労働省などの関係省庁あるいは地方自治体ともしっかり連携をさせていただきまして、国民一人一人がそれぞれのニーズに応じた住まいを柔軟に選択できる環境の整備にしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/38
-
039・森屋隆
○森屋隆君 時間が来ましたので、質問終わりたいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/39
-
040・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 立憲民主・社民・無所属の杉尾秀哉です。
私は、マンションの耐震問題から伺います。
私事ではありますけれども、大学を卒業して社会人になったのが一九八一年でありまして、新しい耐震基準が施行されたのも一九八一年ということですね。あれからもう四十四年、半世紀近くたつわけです。
ちなみに、マンションなどの建築物は、新耐震基準のものなら耐震診断等の必要はありませんけれども、一九八一年以前、いわゆる旧耐震基準で着工されたものなら原則として耐震診断が義務付けられていると、こういうふうに理解しております。
そこで伺いますが、この一九八一年以前の旧耐震基準で建てられたマンションについて、耐震診断の実施率とその結果並びに耐震性なしと診断されたマンションの改修実施状況、これお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/40
-
041・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えいたします。
令和五年度マンション総合調査によりますと、旧耐震基準のマンションにおいて耐震診断を行ったマンションは三割程度と推計をしております。その結果、耐震性がないと判断されたものは三割程度と推計をいたしております。また、耐震性がないと判断されたマンションのうち、耐震改修を実施したマンションは五割程度と推計をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/41
-
042・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 資料をお配りしました。
この資料一の右側の二つの円グラフは、これ今説明していただいた国交省の調査結果でありますけれども、この同じ資料の左側、これ民間の機関の調査なんですけれども、耐震性がないと判断された物件が七一%、四分の三近くあって、補強工事の実施率、今五割近いという説明でしたけれども、三割弱しか実はないんですね。私、関係者の話聞いたんですけれども、国交省の調査ほど、半分近くも耐震改修が進んでいる、そんな実感はないと、こういうふうに断言しておられました。
それからもう一つ、次、資料二を御覧ください。
二〇一六年熊本地震、二〇一一年東日本大震災、一九九五年阪神・淡路大震災、年代を経るごとに、新しくなるごとに無害化率が低くなる。当然、新耐震基準のものが多くなると思われますから、無害化率が低くなるというふうに思われますけれども、逆に高くなっているんですね。ごめんなさい、無害化率、害がないマンションが少なくなっているんですね、逆ですね。
最近の地震ほど被害率が高くなっている、これはどういうことなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/42
-
043・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) 今お配りをいただいた資料にありますとおり、こちら東京カンテイさんの調べた調査だというふうに思いますけれども、御指摘のとおり、損傷なしの割合は、阪神大震災のときは五一・九%、東日本は五〇・五%、平成二十八年の熊本地震の場合は二四・一%というふうになっております。
この数字、調査の数字だけを見ればまさに御指摘のとおりでございますけれども、それぞれの調査対象の区域の取り方でありますとか地震動の大きさ、あるいは建物の共振のしやすさなどの特徴ございます。同じ建築物であっても被害状況が異なることがありますので、この数字の比較だけで無被害率が低下しているかどうかというのを判断するのはなかなか難しいかなと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/43
-
044・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 今説明があったように、これは調査の仕方によっても全然違うと思いますし、地盤等々の問題もあるとはいうふうに思いますけれども、ただ、やっぱり新耐震基準のものでもかなり壊れているというのは、これは事実なんですね。
そこで、資料三なんですが、これ熊本地震で被災したあるマンションなんですけれども、これ新耐震基準で建てられました。一九八九年の施工ということなんですが、やっぱり御覧のように被害状況ひどいんですね。こうした新耐震基準の物件や耐震改修済みの物件でも大規模改修を、こういうふうに被害に遭って大規模改修を余儀なくされるマンションというのは実際にいっぱいあるわけですね。
それから、先ほどの資料二にもありましたけれども、中規模破壊とか小規模破壊ですね、中破、小破と書いてありますけれども、これ見比べてみても、新旧基準でそんなに多く変わりないんですね。これはなぜでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/44
-
045・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えを申し上げます。
建築基準法では、国民の生命、財産を守る観点から、最低の基準ということで定めてございます。このうち、耐震基準につきましては、震度五強程度の中地震までの地震時には損傷をせず、震度六強から七に至るまでの大地震のときには損傷しても倒壊しない、そういう性能を求めているところでございます。
このため、新耐震基準導入後に造られた建築物や耐震補強済みの建築物であっても、大地震が起きた場合には中破、小破などの被害が御指摘のとおり生じるということで、生じ得るということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/45
-
046・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 今説明していただいたとおりです。
これは国交省のホームページにも書いてありますが、新耐震基準というのはあくまで倒壊防止が目的ということで、コンクリートにひびが入る、この物件みたいにですね、コンクリートにひびが入るとか、それから鉄筋が変形する、これはやむを得ないと。ただ、生命に危害が及ぶほどの、要するにそういう被害にならない、そういう程度であるということなんですね。だから、結局は、やっぱり新耐震基準のものでも財産上大きな被害が生じるというのは、これはやむを得ないということなんですね。そこまでは新耐震基準もいっていないということですね。
冒頭の話に戻りますけれども、旧耐震基準のマンションの耐震対策がまず思うように進んでいないんですね。一方、今説明しましたように、新基準のマンションでも多くの物件が被災をしていて、単純に、旧基準のマンションは危ない、新基準なら大丈夫、こういうふうに一般的に思いがちですけれども、そういう簡単なものではない、単純な物差しでは測れないということがこれで分かると思います。
そこで、一つの提案なんですけれども、例えば、新耐震基準の物件、旧耐震基準の物件、それから耐震工事実施済み、こうした状況にかかわらず一律に微動診断のようなものを実施する、それから、しなやかで強いポリエステル繊維を使った高弾性材料補強、SRF工法というんですけれども、これ実は大学の私の先輩が編み出した工法なんですけれども、こうした新しい対策が提案されております。こうしたマンションの新しい地震対策について、国交省の見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/46
-
047・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) お答え申し上げます。
委員が御指摘いただきました、これは建築基準法の耐震基準を上回るような高い耐震性能を有するマンションの工法はどうかということかと思いますが、大地震後も継続して居住できるような、そういったいわゆる耐震基準を上回るような高い耐震性能を有するマンション、こういうマンションの普及を図るということはどうかという御指摘でありますが、私もそうしたことは重要であるというふうには考えております。
現在、民間事業者におきまして、既存の建築物の耐震性能を更に向上させるような、様々な改修工法も含めて開発が進められているというふうに承知をしております。
国土交通省としましても、そうした委員御指摘のようないろんな取組についてはしっかり事例も収集をさせていただきたいというふうに思いますし、今後、マンションの耐震改修に関するマニュアルの見直しを予定しております。こうした中でもそういったことを紹介をしていくなどを通じまして、マンションの更なる耐震性能向上ということはしっかり図ってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/47
-
048・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 もう一問、耐震問題で伺いますけれども、先ほど森屋委員からも質問ありました、マンションの耐震工事実施についても決議要件が少し緩和されるということで、これで懸案の旧耐震基準のマンションについて、耐震改修、これ本当に進むでしょうか。短く答えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/48
-
049・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) マンションの耐震改修、しっかり進めていくということは重要であると認識をしております。
ちょっと、では手短に答弁させていただきますと、今回、合意形成の円滑化というのがやはり大事かと思っております。耐震改修促進法におきまして、既に地方公共団体が耐震性不足であることを認定したマンションを対象に管理組合での決議要件を緩和する措置というのは講じられているところでございますが、さらに、本改正法案によりまして、全区分所有者の多数決ではなく、集会の出席者による多数決の実施を可能とするということで、この合意形成の円滑化を図る。そして、あわせて、合意形成にこうした労力を有するというマンションの特性を考慮して、耐震改修についても通常よりも高い補助率での支援を行っております。
こうした措置を併せて、しっかりと耐震化促進をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/49
-
050・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 まず、旧耐震基準での物件についての耐震改修の進捗、今回の法改正で進むということを期待します。
それでは、先ほど、これも森屋委員聞かれた損害賠償請求権の行使の件ですけれども、いわゆる区分所有法の二十六条の関連ですが、これも紹介がありました、衆議院段階で修正決議が行われております。
そこで、修正案の提案者に伺います。この修正案の趣旨と目的について、簡潔に御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/50
-
051・城井崇
○衆議院議員(城井崇君) お答え申し上げます。
まず、今回の政府案におきましては、現在、実際にマンションに居住している区分所有者による管理を容易にする内容が含まれており、その前提となる問題意識や改正の方向性についてはおおむね同感であります。
しかし、法案の新区分所有法二十六条二項には、共用部分の不具合に関する損害賠償請求について、旧区分所有者に独自の権利行使に関する意思表示を認める規定が含まれており、これにより、かえってマンション管理上のトラブルが増えるのではないかとの懸念があります。他方、こうしたトラブルを未然に防止するため、共用部分の不具合に関する損害賠償請求は、当然に現在の区分所有者に承継されるようにすべきであるとの提案もあります。しかし、この案についても、新旧の区分所有者の間の不公平、また財産権の制約などの懸念が指摘されているところであります。
そこで、本修正案においては、新区分所有法二十六条二項に基づく旧区分所有者による独自の権利行使に対処するための規約の設定状況や、マンションの管理者による損害賠償請求の状況、賠償金の受領の状況などをしっかり見て、この問題について困る方が一人でも少なくなるように、こぼれる方がないようにするために検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を講ずるよう、法律をもって政府に義務付けようとするものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/51
-
052・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 先ほどから何度か出ております当然承継という考え方が取れるかどうかという、これは確かに難しい問題なんですが、ただ、衆議院での質疑におきましても、この条文と修正案について、まあ平たい言い方になりますが、区分所有者の財産権に配慮し過ぎではないかと、こういう趣旨の質疑がありました。かなり批判的な質疑でございました。これについてはどういうふうに考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/52
-
053・城井崇
○衆議院議員(城井崇君) だからこその今回の修正案の提起だということであります。
政府案の新区分所有法二十六条二項には、共用部分の不具合に関する損害賠償請求の場面で、旧区分所有者に独自の権利行使に関する意思表示を認める内容が含まれているため、これにより、マンションの管理者による損害賠償請求が難しくなったり、賠償金の受領が十分にできなくなったりするのではないかという懸念が実際にございます。その一方で、旧区分所有者の財産権の制約も、またないがしろにしてよい問題ではないという状況でもございます。
こうした問題を解決するためには、本修正案で定めたように、政府に対し、旧区分所有者による独自の権利行使や、これに対処するための規約の設定の状況、マンションの管理者による損害賠償請求や賠償金の受領の状況などをしっかり見定めた上で、この問題について困る方がなくなるように検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を講ずることを義務付ける必要があるというふうに考えています。
なお、この附則の修正部分について、この検討義務を実質化するための政府による具体的な取組が重要であるというふうにも考えています。すなわち、標準管理規約改定の進捗評価、規約改定が困難な管理組合への技術、財政支援などの政府の不断の取組のほか、検討の結果を踏まえた問題予防や解決の方策の一つとして、法改正が必要になった場合の迅速な改正案の立案と国会への提出などの政府による具体的な取組が重要であり、これらを促すのが、修正部分を作成した提出者としても、この修正に込めた意図であることも強調しておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/53
-
054・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 現実的な財産権と、それから現実の問題という中で、そのバランスを取りながらこういう修正をさせていただいたということなんですが、この問題をめぐりまして、衆議院での質疑において、旧区分所有者による賠償の個別請求は管理規約で禁じればいいんだと、こういうふうな説明がありました。しかし、それだけで法が担保をする個人の財産権を奪うことが果たして可能なのか。また、その標準管理規約で問題が解決するというのならば、この標準管理規約の具体的な改正案ですね、これ、具体的な改正案がありましたら示してもらえないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/54
-
055・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
区分所有法におきましては、共用部分の管理に関する事項は規約で定め、また集会の決議で決することができることとされており、区分所有者はそのような規約の定めや集会の決議に拘束をされます。共用部分について生じた損害賠償金について、個別的受領を制限し、共用部分の修繕に用いるとしてその使途を定める、又は議論に出ておりますその別段の意思表示を制約する、こういったようなことは、共用部分の管理に関する事項に当たると考えられるため、規約で定めることができる事項であると考えております。
これは、法律が私的自治に委ねている事柄につきまして、区分所有者の団体的意思決定という手続を経た上での私的自治、この局面では団体自治と表現する方が適切かもしれませんが、これに基づく制約をするものでありまして、許されるものと考えております。したがいまして、このような規約を定めることが個人の財産権を不当に奪うものであるということは考えておりません。
法務省といたしましては、国土交通省との緊密な連携を図りながら、標準管理規約につきまして、このような損害賠償金の使途の制限等の定めを含むものに速やかに改定をいたしまして、その周知徹底を図るなどしてまいりたいと考えているところでありますが、この標準管理規約の具体的な案文につきましては、今後、国土交通省の検討会において検討されていくものと承知しておりまして、法務省としてはその検討にしっかりと協力してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/55
-
056・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 法務省と国交省がしっかりと協議をして、早くこの案文を示していただきたい、これは管理組合の方でも強く求めていることであります。
今説明がありましたが、政府は標準管理規約を改正して周知徹底を図るということなんですが、実際にこの標準管理規約には強制力がなくて、準拠率もそう高くはないと、こういうふうに言われております。とりわけ新築のマンションでは、管理組合が理事会を置かず、管理会社が管理を担う、いわゆる第三者管理が増えているということでもあります。
しかし、瑕疵を生み出す可能性のある側が最初に原始規約を制定する際に標準管理規約に準拠させることが、まず一番最初に作るその規約自体が、これが重要なんだと管理組合の方も主張されています。これについて政府はどういうふうに推進していくつもりでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/56
-
057・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えいたします。
マンションの分譲時には、分譲事業者がマンション管理業者の協力も得ながら管理規約の案でありますいわゆる原始規約を作成し、管理組合への引継ぎを行っているものというふうに承知をいたしております。
委員御指摘のとおり、既存マンションの管理組合に対して管理規約への反映を働きかけるだけではなく、新築マンションにおいて管理規約案を作成する分譲事業者などに対しましても、御指摘の共用部分の損害賠償請求権の行使に係る内容が盛り込まれた管理規約案の作成が行われますように働きかけを行うことが重要であるというふうに認識をいたしております。
様々な媒体、リーフレットの作成などで丁寧な周知を図ることと併せまして、分譲事業者やマンション管理事業者などの関係団体と連携をし、その協力を得て、新築のマンションにつきましても管理規約への反映をしっかり徹底をしてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/57
-
058・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 徹底の方をお願いいたします。
それからもう一つ、二十六条の通知義務なんですけれども、管理者が原告あるいは被告となった場合に損害賠償請求権を持つ旧区分所有者に対して遅滞なく通知する義務というのが、これが書かれております。
ところが、転売が重ねられていて、旧区分所有者がいっぱいいて、その人が今どこにいるか分からない、それから外国人だったり、それから、その旧区分所有者の方が亡くなって、いわゆる相続をする人が何人も出て、その相続人が分からない、いろんなケースが考えられると思うんですね。その代替策として公示送達というのがあるというふうに言われておりますが、これも弁護士を雇ったり、簡単じゃないというふうに管理組合の連合会の方でも言っております。
こうした管理組合の金銭的、精神的な負担をどういうふうに考えるのか、具体的な負担軽減策と併せてお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/58
-
059・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
まさに委員御指摘のとおり、本改正法案におきましては、管理者が規約又は集会の決議により共用部分に生じた損害賠償請求権につき旧区分所有者のために原告等となった場合、いわゆる訴訟追行する場合、こういう場合には通知をするということになっております。これは、一言で申し上げれば、旧区分所有者の手続保障の観点から規定されたものであるというわけであります。
旧区分所有者と連絡が取れない、また、その所在が不明である、また、その方がどなたか分からないといったような場面では、民法第九十八条によります公示の方法によって通知をすることが可能であります。
法務省といたしましては、この御指摘のような御懸念にお応えするという観点からも、この通知がどういった意義を有しているのか、また、どういった場合にこの公示の方法による意思表示が可能と考えられるのか、こういった、管理組合が実際に感じておられる負担軽減ですね、こういったものに資するような情報も含めて、この制度の周知と併せて、適切かつ十分な周知、これをやっていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/59
-
060・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 これ、組合側の意見もよく聞いていただいて、その負担がなるべく少ないように、なくなるように、これも最大限の配慮をいただきたい。
この項はもう一問だけ伺いたいんですが、先ほど紹介しました、その附則に盛り込まれた、改正案のですね、五年後見直し案なんですけれども、この五年の間に、紛争処理とか相談に係る体制とかいろいろな、先ほど城井さんの方から説明がありました、こうしたことを行った上で、必要がある場合は所要の措置を講じる、こういうふうにされています。
まあ言ってはなんですけれども、これまではグレーだったと思うんですね、旧区分所有者の損害賠償請求権というのは。ところが、今回の法改正で、別段の意思表示という表現で、私も、私も、私も権利ありますよね、そういうふうなことを、言葉は悪いですけれども、寝た子を起こすようなことにならないかという、そういう心配もあります。
そうした場合は、混乱が生じた、実際に、そういう場合は、今後の見直しにおいて、先ほど御紹介しました当然承継説に基づいた再改正の検討、これも可能性としてあり得るという、そういうニュアンスでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/60
-
061・城井崇
○衆議院議員(城井崇君) お答え申し上げます。
御指摘の当然承継説は、紛争の予防のためのより根本的な方策の一つとして提案されているものと承知をいたしております。したがって、本修正による検討の内容の一つとして、区分所有法に当然承継説の考え方を取り入れることが適切かどうかについて、その遡及適用の是非も含めて、政府において緻密な検討がなされることも想定をしています。
したがって、この検討の結果、区分所有法の再改正が必要ということになれば、当然そのための措置が講じられることとなると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/61
-
062・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 じゃ、国交大臣、それを受けて、検討する可能性があるかどうか、それだけちゃんと答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/62
-
063・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) お答え申し上げます。
改正法の施行後、各管理組合における管理規約への反映状況などを把握をさせていただくということが重要であると考えております。マンション総合調査などを活用して実態把握に取り組むとともに、取り残されるマンションがないよう、法務省との緊密な連携の下、関係者による支援体制も構築しながら、まずはしっかりと施行に取り組んでまいりたいということ、その上で、管理規約への反映の状況や損害賠償請求の状況等を勘案をいたしまして、制度の見直しの必要があると認められる場合には、政府として適切に対応をしていくべきものというふうに認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/63
-
064・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 ありがとうございます。よろしくお願いします。
じゃ、城井さんは退席していただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/64
-
065・小西洋之
○委員長(小西洋之君) 城井議員は御退席いただいて結構でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/65
-
066・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 残りの時間は、ちょっとそもそも話をしたいんですけれども、先ほど豊田委員の質問にもありましたけれども、今回の法改正というのは、マンションという建物と、それからそこに住む住人という、この二つの老いに対応するということですね、これが目的なんですが、ところが、これまで何もしなかったかというと、例えば空き家、不明都市、それから、あっ、土地ですね、それからマンションなど、いろんな法改正が行われてきたと思うんですが、余り実効性が上がっているとは言い難い状況だというふうに思います。
そこで今回の法改正になったんですが、ところが、ここに来て、人口の減り方がかなり急激になっている。今世紀末には、今の日本の人口、一億二千万人強でございますけれども、半分以下の五千万人を切ると、こういう推計もあります。今世紀末というと、もう七十五年ぐらいしかないんですよね。今生まれてきた赤ちゃんが老人になる、そんな感じです。そうした一方で、これだけ人口減少、急減時代でありながら、まだいっぱいマンション建っていますよ。タワマン、もう湾岸だけじゃなくて、例えば武蔵小杉もそうですし、この間、首都高の五号線走っていたら、池袋の辺りも何かタワマン銀座になっているし、物すごいじゃないですか。これが本当に、人口が半分以下に減ったときにこのマンションがどうなるのかという、そういう長期的なスパンの見方というのはやっぱり必要だと思うんですよね。
そこで、まず伺いますけれども、まず、現状において管理や再生に支障があると想定されるマンションはどれぐらいあると推計されているのか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/66
-
067・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えいたします。
令和五年度に実施をしたマンション総合調査によれば、築四十年以上のマンション約百三十七万戸のうち、外壁の剥落や鉄筋の露出、腐食といった劣化の進行が複合的に生じているなどマンションの管理に支障があり再生等が急がれる危険なマンションは、現時点で約三・八万戸、率にいたしますと三%弱存在していると推計をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/67
-
068・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 率にして三%、再生を要するのが、緊急にですね、三・八万戸。
そこで、先ほどこれも出ておりましたKPIで、マンション再生などの件数、法施行後五年間で累計千件という数字出しているんですけど、この根拠はどうなっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/68
-
069・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答え申し上げます。
今申し上げたように、危険なマンション、現時点で約三・八万戸存在しているというふうに考えております。
施行後五年間で累計千件というペースでマンションの再生等が進みますと、十年後には危険なマンションをおおむね解消できるというふうに試算をいたしておりまして、こうした考え方に基づきまして百件という目標を設定したところで、あっ、千件という目標を設定したところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/69
-
070・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 五年間で累計千件、十年間で二千件というのは、先ほど紹介がありました、緊急的に管理、再生に支障があるので再生させなければいけない、その三・八万戸から逆算したということなんですよね。
ところが、さっきもこれも紹介ありましたけど、マンション再生の件数というのは、令和五年までですよ、ずっとマンションの長い歴史で見ても、令和五年までで僅か四百七十二件ということで、それを倍上回るペースを、五年間でその倍、十年間でその四倍にしなきゃいけないということで、本当に、じゃ、そこで本改正がどこまで実効性があるのかということなんですね。やっぱり、専門家の間では、この数字が急激に増えるとはやっぱり思えないと、今回の法改正でも、こういう見方があります。
実効性がどこまであるのかということなんですが、そこで、繰り返しになるかもしれません、実際にどういうふうにして目標を達成するのか、国交大臣の考えを聞かせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/70
-
071・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) お答え申し上げます。
この千件という目標の達成に向けての取組ということでございます。
マンションの再生ということで申し上げますと、やはり合意形成の促進と保留床の確保による負担軽減という、この二つが大事であると思っております。
本改正法案におきましては、建て替えに加えまして、建物、敷地の一括売却等についても多数決決議で行うということでありますとか、建て替えに対して隣接地の権利を再生後マンションの区分所有権に変換をすること、容積率に加え高さ制限を緩和をすることなどを可能とする措置を講じることとしておりますし、また、これらに加えまして、一棟リノベーション等の計画や実施に対する予算の支援、そして、住宅金融支援機構による融資などの支援を総合的に実施をするということにより、この千件という目標が達成されるようにマンションの再生等をより一層促進をしてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/71
-
072・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 財政的支援も含めたあらゆる手だてを使って、この千件というのは最低限これは本当に目標として達成させなければいけない、実現させなければいけないというふうに私も思います。
それともう一つは、これも森屋委員が取り上げられた修繕積立金なんですけれども、現実問題として、この積立金が不足しているというマンション、これどれぐらいあるというふうに見ていますか、答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/72
-
073・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えを申し上げます。
令和五年度に実施をいたしましたマンション総合調査によりますと、三割を超える管理組合において、作成した長期修繕計画に対して修繕積立金の残高が不足している状況ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/73
-
074・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 積立金が足りていると答えたのは三一%しかなくて、今不足しているというのが三四%で、分からないというのも三五%あるんですよね。ということは、その分からないというものを含めると、足りていますというその三割、ちょうど三割ぐらいなんですが、それ以外の七割がもう現時点で足りていないわけですよ。ちょっと不明というのもこれ入れちゃいましたけれども。
とすると、これから建築費が更に高騰してくる。例えば、もう有名になっちゃいましたけど、中野サンプラザのこの建て替えが迷走していますよね、デベロッパー決めたらそれがまたキャンセルになったとかですね。この近くのあの国立劇場、あれ、あのちっちゃい建物ですけど、ちっちゃいと言ったらなんですけど、低層の、あれだって改築まだ全然できていなくて、ずっと閉鎖されたままなんですよ。これ、どこの自治体もそうですけれども、庁舎の建て替えをしたり、公民館だとかそういう公共の建築物、どれも最初の見積りに比べて物すごい膨らんでいるというケースがほとんどですよね。
とすると、現在でもそれだけ多くの積立不足があって、それに加えてこの費用の高騰があって、更に年代がたってくると空き室が増えたり、空き部屋が増えたり、入居者が高齢化していったりして、やっぱり積立ての阻害要因がますます増える一方で、本当にこうしたことを総合的に勘案すると、今後ますます大規模改修とか建て替えが困難になるんじゃないか。その辺については、国交省ってどれだけのその危機意識持っていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/74
-
075・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えを申し上げます。
先生御指摘のとおり、近年の工事費の上昇によりまして、現在の積立金の水準では当初の長期修繕計画で想定していた修繕工事が実施できないケースも出てきているというふうに承知をしておりますし、今後それが増加する可能性もあるというふうに考えております。このような場合について、まずはやはり管理組合において長期修繕計画を適切に見直して、修繕積立金の引上げなどの検討を行っていただくということが大事だというふうに思っております。
この法案におきましても、こうした修繕積立金の見直しについての決議が円滑に行われるように、当該決議を全区分所有者の多数決ではなく、集会出席者の多数決で行われるようにするといったようなことで後押しをしていきたいというふうなことでございます。
また、長期修繕計画の見直しに当たりまして、マンション管理士など外部の専門家の協力も得て、建物の劣化状況等を踏まえた工事項目の精査や修繕周期の延伸などを行って修繕費用を抑制するということも有効であるというふうに思っております。
この法案におきましては、民間団体の登録制度を創設することといたしておりまして、今後はこの管理組合がこうした法人の支援も受けながら長期修繕計画の見直し等に安心して取り組める環境の整備も進めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/75
-
076・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 これは本当に危機意識を持って政策を、この法改正も契機にして進めていただきたい、これは要望ということでございます。
こうしたそのマンションの区分所有以外の持続的運営が可能な枠組み、例えば組合自体を法人化するとか、組合所有にしちゃうとか、それから積立方式の見直し、先ほども説明がありましたけれども、それからさらに、修繕積立金とは別に取壊し積立金制度の創設、こうした様々な試みを、提案が専門家の間でされているというふうに聞いております。
こうした持続可能なマンション、区分所有集合住宅の在り方への条件整備を求める声が国交省にもありますけれども、国交省としてはどういうふうにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/76
-
077・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) お答えを申し上げます。
委員が今様々、こういう御意見があるということで御指摘もいただきました。
マンション政策につきましては、やはり様々な御意見や御提案を伺いまして、そして本改正案が成立させていただければ、その施行状況や今後の情勢の変化なども踏まえながら、法務省とも連携をいたしまして、やはり様々なマンション政策の在り方、これは絶えず検討してまいりたいというふうに当然考えている次第でございます。
その上で、やはり、持続可能という観点からは、やはりこれは、いかなる管理形態、所有形態になったとしても、マンションはやはり所有者の私有財産ということにはなろうかと思います。まずは管理の責務があるということを認識していただく、適切な維持管理に努めていただくということはいずれにしても大事だと思っておりますので、地方公共団体と今回の法律の改正も併せてしっかり連携をさせていただきまして、マンションストックの長寿命化、そして良好な居住環境の維持に関する取組というのをしっかり支援をしてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/77
-
078・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 それから、そのもう一つの老い、住人ですね、住んでいる人の老い、これに対応するためには、例えば孤独死というふうな問題も起きたりしますし、やっぱり個々が高齢になってどんどんばらばらになっていくという、こういうマンションの現実もあるわけですね。今回の法改正とは少し離れるかもしれませんけれども、集合住宅のコミュニティー再生というのも、これも重要なテーマだと思うんですが、住民のつながりの重要性、こうしたマンションにおける、それをサポートする施策について、国交省としてどういう取組を行い、どういう取組を今後検討されているのか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/78
-
079・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) お答え申し上げます。
マンションの適正な管理あるいは良好な居住環境の維持というためには、区分所有者間の交流を通じた協力体制というのも非常に大事であります。
マンション政策、管理不全となった場合、周辺の影響も大きいですので、地方公共団体等と連携をして支援を行うことが必要と考えておりまして、これまでもこうしたパンフレットの作成ですとかシンポジウムの開催等の普及啓発などを行っております。
本改正案では、区分所有者の責務規定も新設をいたしておりますので、まずこうした管理意識というのの醸成というものを図ってまいりたいと思いますし、例えば管理組合では、地域に開かれたイベントの開催などで交流を促進をしたり、あるいはキッズルームを整備して子育て世帯を交流をしたり、あるいは防災訓練、こういう取組、こうしたものが今行われているというふうに承知をしておりますので、こうした取組をしっかり横展開をしていくということで支援をしていきたいと思います。
本改正法案では、民間団体をマンション管理適正化支援法人として登録できる制度も創設をいたしましたので、こうした団体、管理組合の活動、こうした活動をしっかり支援をし、あるいは啓発などを行うということも制度改正させていただきました。
地方公共団体やこうしたマンション管理適正化支援法人等とも連携をして、管理組合をしっかりと支援をして、丁寧にしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/79
-
080・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 ありがとうございます。
ここではその地方公共団体が担う役割というのも大きいと思います。これ時間があったら聞きますけれども、ちょっと一個飛ばして、どうしても聞いておきたいことがありまして、先ほど紹介しましたけれども、やっぱりタワマンというのはすごいんですよね、やっぱりね。
それで、これ神戸市なんですけれども、二〇二〇年に条例でタワマンの建設を規制する、こういう自治体も出始めました。このタワマンが老朽化した際の建て替え、それから大規模修繕など費用面で、やっぱり戸数も多いし、合意形成が難しいし、これ神戸市の市長さんもおっしゃっていますけれども、このまま行ったら本当に廃墟化するおそれもあるんじゃないかと、こういうことを指摘する専門家もたくさんいらっしゃいます。
こうしたタワマン規制の必要性について国交省としてどういうふうに考えているのか、答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/80
-
081・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) 大規模マンションにつきましては、都市計画制度を活用して規制をしている自治体もあるというふうに認識をしております。
委員御指摘の神戸市では、こうした課題、懸念をされている点としては、例えば商業、業務などの都市機能の立地の阻害や、小学校など子育て関連施設の不足、災害時の避難場所、備蓄の確保などの課題が懸念をされたことから、適度な居住機能を、済みません、過度な居住機能を抑制をし、商業・業務機能の集積とバランスの取れた都心居住を誘導するため、マンションを含めた住宅の建築等が神戸市においては制限をされているというところでございます。
また、松本市では、景観等を守る観点から松本城周辺において高度地区が指定をされまして、マンション等の高さの最高限度が二十メートルまでに制限をされております。
都市計画において、地方公共団体が地域の実情を踏まえた町づくりの基本方針を定めた上で、当該方針に即して地域に合った用途や容積率等に定め、それらによってマンションを含めた建築物の立地を調整をすることは可能であります。
こうした都市計画に関する事務は、自治事務として現場に最も近い地方公共団体が中心となって行っているところでありまして、国土交通省としては、地方公共団体の様々な取組事例を横展開をすることなどにより、地域の実情に応じた都市計画制度の適正な運用を促してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/81
-
082・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 時間が参りましたので、最後の質問にさせていただきます。
その、今、都市計画という話で、例えば東京都では、敷地条件それから建築規制等により建て替え困難なマンションについて、周辺との共同化など町づくりと連携して老朽化マンションを建て替えて再生する東京都マンション再生まちづくり制度というのがあります。こうした制度の推進を国交省としてサポートする考えはありますか。ちょっと、時間なんで、端的に答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/82
-
083・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) マンションの建て替えなどについて、住宅政策としてだけではなく、都市政策とも整合性を保ちながら取組を進めるということは重要だと思っております。
東京都のような取組もありますし、例えば堺市などでもそうした都市計画を変更、決定し、中高層住宅の容積率を緩和をすると、あるエリアでですね、という取組もされております。
地方公共団体の様々なこうした取組事例はしっかり横展開をさせていただきたいと思いますし、都市政策とマンション政策の連携を促し、そして、マンションの再生事業などが地域の町づくりの取組と調和して進められるように、適切な技術的助言に努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/83
-
084・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 ありがとうございます。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/84
-
085・安江伸夫
○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。
先ほど来出ておりますけれども、マンションは国民の一割以上が居住をする重要な居住形態でもあり、また他方で、高齢化また老朽化という二つの老いに直面をしているという深刻な課題がございます。今回の法改正によりまして、マンションの新築からまた更新、また最終的には除却まで、ライフサイクル全体を見通してしっかりとした対応がされる、そのように認識をしております。そのことを申し上げた上で、順次通告に従って御質問させていただきたいと思います。
まず初めに、今も申し上げましたけれども、マンション管理を適正化をしていくためには、新築から再生までのライフサイクルを見通すことが不可欠であるというふうに考えております。とりわけ、大規模改修工事に当たりましては、十分な額の修繕積立金が必要であります。もっとも、工事の実施に向けましては、管理組合においてこの修繕積立金の額の引上げを目指すも、なかなかこれ合意形成に至らないケースも少なくないと認識をしております。
私自身も、マンション管理を行う事業者の方々などからもこうしたお話を直接お伺いをし、新築時から適切な修繕積立金を積み立てて、必要な大規模修繕工事を行うことができるような制度が必要ではないかという御意見をこれまでも伺ってまいりました。こうした取組を後押しする制度を用意することで、マンションの購入者が将来への懸念を抱くことなく安心して居住できる環境を整備していくべきと考えております。
改めて、本改正法でどのように手当てをされているか、確認をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/85
-
086・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えいたします。
マンションにおいては、新築時から適切な修繕積立金や修繕計画などを設定し、将来にわたって適正に管理を行いながら安心して居住できる環境を整備していくことが重要と考えております。
適切な修繕積立金の積立てなど、管理組合による自主的かつ継続的な取組を推進するため、令和四年に管理計画認定制度を開始をいたしましたが、本制度は既存マンションのみを対象とするものとなっております。
一方で、委員が御指摘されましたとおり、大規模修繕工事を適切に実施するために修繕積立金を引き上げようとしても、区分所有者間で合意が得られず、決議に至らないケースも見られるところでございます。新築時から適切な修繕積立金などを設定し、適正な管理や修繕につなげていくことがますます重要になってきているというふうに考えております。
このため、本改正法案では、分譲事業者が新築時に管理計画を作成し、分譲後、管理組合の管理者が選任をされた段階で管理組合に引き継ぐ仕組みを創設することとしたところでございます。
本制度の活用を通じましてマンションの適正な管理が促進されるよう、関係団体と連携し、しっかり取り組んでまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/86
-
087・安江伸夫
○安江伸夫君 続きまして、マンション管理適正評価制度についてもお伺いをいたします。
マンション管理業業界では、管理組合における管理状況の見える化を図るため、マンション管理適正評価制度というものを運用をしています。これは、マンションの管理状態や管理組合運営の状態を六段階で評価をし、インターネットを通じて情報を公開する仕組みです。これにより、マンション管理の適正化が一層促されていくことが期待をされております。そして、この評価制度の活用を促進させることが管理組合における適正な管理や管理計画認定の取得促進にもつながるものと考えています。
そこで、評価制度の一層の活用促進を図るべく、管理組合もこれのメリットを実感できるよう、評価を受けたマンションについては、例えば、管理組合における適切な修繕積立金の積立てを促すため、住宅金融支援機構が提供しているマンションすまい・る債、この利率上乗せなどの措置を講じるなど、メリットを強化してみてはいかがでございましょうか。国交省のお考えをお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/87
-
088・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えいたします。
委員御指摘の一般社団法人マンション管理業協会のマンション管理適正評価制度につきましては、マンションの管理状況等を複数段階で評価し見える化することによって適正な管理につなげていく取組であるというふうに承知をいたしております。
このような民間団体の取組は、各管理組合が現在の管理水準や不足している事項等を客観的に把握し、管理水準の更なる向上に取り組みやすくなるとともに、最終的にはマンション管理法に基づく管理計画認定の取得につなげていくという効果も期待されるところでございます。
このため、民間団体の評価制度により一定の管理水準に達していることが確認されたマンションを対象に、住宅金融支援機構のマンションすまい・る債の利率を上乗せする方向で検討してまいりたいというふうに考えております。
民間団体の取組との連携を強化し、管理計画認定の取得の促進にもつなげていくことによりまして、マンション管理の適正化をより一層進めてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/88
-
089・安江伸夫
○安江伸夫君 前向きな御答弁をいただきました。ありがとうございます。しっかりと検討をしていただければというふうに思います。
続きまして、管理業者が管理者を兼ねる場合の事前説明の義務化に関連しても確認をさせていただきます。
居住者の高齢化、共働き家庭の増加などにより、管理組合役員の担い手不足が深刻化しております。こうした中で、マンション管理業者による管理業者管理者方式が行われるケースが増加していると承知をしております。
そこで、国交省として、管理業者管理者方式の意義についてはどのように考えておられるのかを確認をするとともに、やはり利益相反の懸念も指摘されております。
今回の改正によって、管理業者が管理者を兼ねる場合の事前説明が義務化されることになります。住人の皆様が不測の不利益を被ることがないように大切な手当てであると認識をしております。その趣旨は、どこまでも、区分所有者の方々への丁寧な説明の機会を設けて、結果としてしっかり利益を守るということでございますから、この説明義務につきましては、形式的なものに陥るのではなく、実のある合目的的な説明の機会としていただきたいと思っております。
施行に当たっては、関係当事者の御意見を丁寧に伺い、法施行の準備に当たっていただきたいと存じますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/89
-
090・平田研
○政府参考人(平田研君) お答え申し上げます。
管理業者管理者方式は、専門的知見を有する管理業者による機動的なマンション管理を実現し、区分所有者の負担軽減につながることが期待されます。今後とも高齢化等による管理組合役員の担い手不足の情勢は続くものと想定されておりまして、この方式はマンション管理方式の選択肢の一つとして活用を図っていくことが必要であると考えております。
一方で、この方式は、管理業者が工事等の発注者として自社や関連会社と直接取引を行うことが可能となるため、区分所有者の利益に反する事態が生じるのではないかとの懸念が指摘されております。
このため、本改正法案におきましては、管理業者が自社又は関連会社との取引を行う場合には、総会決議に先立ち、区分所有者に対して取引相手や取引内容等を事前説明することを義務付けることにより取引の透明化を図るとともに、区分所有者の利益に反する不当に高い金額等での取引を防ぐ機会を確保することとしております。
新制度の施行に向けましては、業界団体とも連携をしまして、現場の負担も含めた実態を十分に把握をしまして、丁寧な周知を行いながら、管理業者管理者方式が適正に運用されるよう取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/90
-
091・安江伸夫
○安江伸夫君 法の趣旨がしっかり貫徹されるように、しっかりとした丁寧な対応をお願いしたいというふうに思います。
財産管理制度について伺います。
区分所有法の改正によりまして、マンションに特化をした財産管理制度が新たに創設をされることとなります。この制度によって、マンションの共用部分については、例えば、外壁の剥落などにより周辺地域の住民に危害が及ばないよう、裁判所の関与の下、財産管理人を選任することができるようになりますが、共用部分の管理についてはやはり専門的な知見が必要であるというふうに考えております。
こうした場合につきましては、マンション管理についての専門家であるマンション管理士の資格を持った方が裁判所から選任されることが大変有用であるというふうに考えておりますが、ここは法務省の御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/91
-
092・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
一般論といたしまして、管理不全共用部分管理人は管理不全共用部分管理命令の対象とされました共用部分等を適切に管理することを職務とするものでありまして、その職務内容に照らしてふさわしい者を選任することになると考えております。
個別の事案におきましてどのような者をその管理人として選任するかは、裁判所が管理人の行う具体的な職務内容を勘案して判断するということになりますため、一概にお答えするというのは困難でございますけれども、管理組合の運営に関わる問題や建物構造上の技術的問題等に対応することが必要となると、こういったような事案におきましては、その職務内容やマンション管理士の業務内容に照らしまして、委員御指摘のようなそういった点に知見を有しておられるマンション管理士である方々、これを選任することもこれはあり得るものと考えるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/92
-
093・安江伸夫
○安江伸夫君 ありがとうございます。
やはりマンションについて特化した専門知識を有しておられるマンション管理士の先生方の利活用というところについても、是非目くばせをいただきたいというふうに思っております。
続きまして、マンション管理適正化支援法人に関連して伺います。
マンション政策を担う地方公共団体のマンパワーも限られる中、私の地元でも、マンション管理士の団体であるマンション管理士会が、地方公共団体とも連携をし、管理組合に対する説明会や相談会などを積極的に開催をしていただきまして、管理組合へのサポートを丁寧に行っていただいております。より良いマンション管理を実現するべく、こうした団体がこれまで以上に活動をしやすくなるような環境整備、これを行うことが重要と考えます。
本改正案では、新たにマンション管理適正化支援法人制度を創設をすることとなっておりますが、その意義と、マンション管理に取り組む団体が主体的、自律的に活動できる環境整備に向けた御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/93
-
094・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えいたします。
マンションの適正な管理を実現するためには、地方公共団体だけではなく、マンション管理に取り組む民間団体と連携し、その協力も得て地域全体で管理組合の活動をきめ細かく支援をする体制を構築することが重要と考えております。
このため、本改正法案では、地方公共団体がマンション管理に取り組む民間団体をマンション管理適正化支援法人として登録できる制度を創設することといたしております。各地域で活動しているマンション管理士や管理組合の団体などにとっても、本法人に登録されることにより認知度や信頼感が高まり、活動の充実や地方公共団体と連携した取組の強化などにもつながるものと考えております。
また、本団体の活動資金については、支援法人は民間法人、民間団体であるため、自律的に活動することが基本であり、地方公共団体から区分所有者向けのセミナーの開催や相談対応、管理組合の活動支援等の業務を委託することなどによりまして一定の収入を上げると、収益を上げるということを想定しているところでございます。例えば、令和七年度予算でマンション総合対策モデル事業というものを創設いたしております。地方公共団体がこうした事業を活用して管理組合への専門家派遣などの業務を支援法人に委託することなども考えられるところでございます。
これらの取組に加えまして、マンションの適正な管理への社会的な関心の向上などにも積極的に取り組み、支援法人の活動の機会を増やすことなどを通じまして、登録の促進と支援法人が主体的に活躍できる環境の整備に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/94
-
095・安江伸夫
○安江伸夫君 やはり地方公共団体だけで取り組むことには限界があるというところも踏まえて、こうした支援法人の積極的な活用ということを重ねてお願いをさせていただきます。
続きまして、先ほども他の先生からもありましたが、建て替え決議等の決議要件の緩和、引下げについても確認をさせていただきたいと思います。
現行の区分所有法におきまして、建て替え決議は区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数により決することとされておりますが、本改正案では、基本的な多数決割合については現行法の規律を維持しながら、耐震性の不足などの一定の客観的事由がある場合には多数決割合を四分の三に引き下げることとしております。
一般論としましては、いわゆる多数決原理で個人の財産権を制限するということについては相応の合理的な理由が必要であるというふうに考えますけれども、このような一定の客観的事由がある場合に建て替えの決議の多数決割合を引き下げることとなった理由について、改めてになりますが、確認しておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/95
-
096・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
現行法の規律につきましては、委員が御紹介いただきましたとおりでございます。しかしながら、高経年のマンションの増加に伴いまして建物の再生を図るニーズが高まると考えられる一方で、この多数決割合を満たすことは容易ではなく、老朽化しました区分所有建物の円滑な再生に支障が生じるおそれがあるということが指摘されているところでございます。
そこで、本改正法案におきましては、建て替え決議に必要な多数決割合につきまして、現行法の五分の四以上との原則を維持しつつ、一定の客観的事由がある場合にはこれを四分の三に引き上げることとしております。
この客観的事由がどういうものかと申し上げれば、ここはやはり建て替えの必要性が高い、そしてこういった事由があれば反対者への権利の制約を強めることが許容される、このように考えられることから、この一定の客観事由がある場合につきましてその要件を引き下げると、こうなったところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/96
-
097・安江伸夫
○安江伸夫君 ありがとうございました。
ただ、いずれにいたしましても、財産権の強い制約があるということなんだろうなというふうに理解をしております。そういう意味では、やはり手続保障という観点からも十分な手当てがなされるべきであるというふうに考えております。
先ほども森屋委員の方からも招集通知の関連についても御指摘がありましたが、私からも確認をさせていただきます。
手続保障の観点から、やはり決議に参加をする区分所有者において建物がどの事由に該当をしているのかが明示されなければならないというふうに考えております。そして、建て替え決議を目的とする集会の招集通知におきましては、どの客観的事由が該当するのか、これが通知にそもそも明示をされるべきというふうに考えておりますが、その点と併せて、万が一にこの事由が記載されていなかった、不十分であったというような場合におきましては、その建て替え決議の効力、これはどうなるのか、無効事由に該当するのか、確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/97
-
098・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) まず、恐縮でございますが、先ほど発言の中で、客観的事由がある場合には要件を引き上げるとどうやら申し上げたようでございまして、引き下げるの言い間違いでございます。大変失礼いたしました。訂正させていただきます。
今の御質問に関してでございます。
まず、現行の区分所有法におきましては、建て替え決議を会議の目的とする集会の招集通知には、議案の要領のほか、建て替えを必要とする理由、こういったことをも通知しなければならないとされておりまして、本改正法案におきましても基本的にこの規律は維持されております。
一般論といたしましては、建て替えを必要とする理由については抽象的な記載では足りず、できる限り具体的な事実に基づいて建て替えを必要とする理由を示す必要があると考えております。そして、客観的事由に該当する事由がある場合には、通常はこれが建て替えを必要とする具体的事実であると考えられる上、客観的事由があることにより多数決割合が引き下げられ、区分所有者への影響も大きいことからすれば、招集通知に記載されるべきであると考えております。
その上で、招集通知の記載の不備が決議の無効事由に該当するかは、やはり個別具体的な事案の下で最終的には裁判所が判断する事柄でございますため、一概にお答えすることは困難であるものの、委員御指摘のとおり、その状況によりますれば決議の瑕疵となりまして、無効事由となることは、これはあり得るものと考えております。
法務省といたしましては、この招集通知の記載が不十分となる事態が生ずることがないように、招集通知において客観的事由を示すべきであること、客観的事由を示すべきであること等についてもしっかりと周知に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/98
-
099・安江伸夫
○安江伸夫君 大切な答弁であったかというふうに思います。
いわゆる会社法の株主総会の招集通知の規定などにも同じような論点があるというふうに認識をしておりますけれども、やはりしっかりそことパラレルといいましょうか、やはり手続保障ということが極めて重要であるというふうに思っておりますので、財産権の重要な制約ということに鑑みて、こうした手続保障の観点からも現場で運用していただく方々にしっかりと周知をして、御説明をしていただきたいということもお願いをさせていただきます。
続きまして、賃貸借終了請求に当たっての賃借人の方の保護に関連をして確認をさせていただきます。
今回の法改正によりまして、老朽化マンションについて、区分所有者間の合意形成を促進し、その負担軽減を図るといった観点から、建物、敷地の一括売却や一棟リノベーションなどが多数決で可能となります。さらには、建て替え決議のときと同様に、耐震性不足やバリアフリーの観点などから多数決要件を更に緩和をし再生を進めること、これも今確認をさせていただいたところでもありますが、大変重要な意義を有するものと認識しております。
ところで、本改正案では、建て替え決議等がされた場合における賃借人の、賃貸借の、失礼しました、建て替え決議等がされた場合における賃貸借の終了請求の制度が設けられておりますけれども、住居は生活の基盤でございますから、実際に居住している賃借人の利益に配慮すること、これは極めて重要であると考えます。
本改正案では、賃貸借の終了請求に当たって、賃借人の保護としてどのような制度が設けられているか、確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/99
-
100・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、法務省といたしましても、建て替え決議等によりまして退去せざるを得ない賃借人への配慮、これも重要であると認識をしております。本改正法案でも、そのような方への配慮に関する規定を設けることとしております。
まず、賃貸借の終了請求がされた場合でありましても、請求から六か月を経過しなければ終了しないことといたしまして、代替住居等を探索するための時間的猶予を設けております。また、賃貸借契約が終了することによる賃借人の損失を補償するために、賃貸されている専有部分の区分所有者は、専有部分の賃借人に対しまして、賃貸借の終了により通常生ずる損失の補償金、これを支払わなければならないこととしております。さらに、この補償金の受領を確保するため、補償金の支払と専有部分の明渡しは同時履行といたしまして、補償金の支払を受けるまでは専有部分の明渡しを拒むことができることとしております。
このような賃貸借終了請求制度における賃借人の保護の措置に加えまして、本改正法案による改正後のマンション再生法では、マンションの再生事業の施行者や国及び地方公共団体におきまして居住の安定確保にもしっかりと取り組むこととしているところであり、再生前のマンションに居住していた借家権者及び転出する区分所有者の代替住居の手配についても配慮がされているところと承知しております。
このように、本改正法案では、相応の期間の専有部分の利用を保障した上で、適切な補償額による金銭的補償を確保するなどしておりまして、賃借人の利益保護に適切に配慮していると考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/100
-
101・安江伸夫
○安江伸夫君 ありがとうございました。
今の中で、特にやはり重要だと思うのは、賃貸借の終了による通常生ずる損失の補償金、これがしっかりと支払われることであるというふうに考えます。その金額が仮に低廉なものになってしまっては、賃借人が適切に保護されるとは言い難いというふうに考えます。
そこで、確認いたしますけれども、この賃貸借の終了により生ずる、通常生ずる損失の補償金、その額はどのように算定をされるのか、そして、その妥当性が担保されるためにも、法務省はその算定基準などをしっかりと公表していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/101
-
102・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
賃借人に通常生ずる損失の内容につきましては、法制審議会区分所有法制部会におきまして、公共用地の取得に伴う損失補償基準における借家人等が受ける補償、いわゆる通損補償と同水準としつつ、公共用地の取得の場合との異同を踏まえた上で適切な額が算定されるべきであると指摘されたところであります。
一般論といたしましては、法務省としてもそのように定められるべきものと考えているところでございます。その上で、個別具体的な事案に応じ、公共用地の取得の場合との異同を踏まえた上で適切な額が算定されることになると考えております。
法務省といたしましては、実務の運用に支障が生じないように、このような基準による、算定されることも含めて、新制度についての周知、広報にしっかりと努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/102
-
103・安江伸夫
○安江伸夫君 賃借人への配慮ということも重要でございますけれども、やはり決議には反対したけれども結果的に退出せざるを得なくなる区分所有者の方も制度上出てくるということになります。そうした方々への適正な補償がなされると同時に、丁寧な対応を行うということが極めて重要であるというふうに考えます。
政府におきましては、新たな住まいの確保に関する支援も含めて、こうした反対者や賃借人に対するきめ細やかな対応、これを徹底をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/103
-
104・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えいたします。
マンションの再生等の事業を進めるに当たりましては、委員御指摘のとおり、様々な事情で事業に反対し転出される区分所有者や賃借人の方々に対しましても丁寧な対応を行うことが極めて重要であるというふうに認識をいたしております。
このような観点から、本改正法案では、区分所有法において適切な補償額による金銭的補償を行うことを規定をいたしますとともに、それに加えて、転出される方々が住まいの確保に困ることのないよう、丁寧に事業を進めていくことを求める規定として、マンション再生法において、国土交通大臣が作成する基本方針に定めなければならない事項として、居住していた区分所有者や賃借人の居住の安定確保に関する取組を位置付けますとともに、これらの取組について、地方公共団体や事業の施行者などが努力義務を負うことを明記することといたしております。
今後は、これらの規定の趣旨を踏まえ、高齢者や障害者の方々など特に配慮が必要な方々の居住の安定が確保されますよう、地方公共団体や関係団体等と連携をして、公営住宅等の公的賃貸住宅やセーフティーネット住宅等の供給促進、家賃等の債務保証制度や居住支援法人による相談対応等の利用促進、さらには住宅金融支援機構によるいわゆるリバースモーゲージ型の住宅ローンの提供などの取組を実施してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/104
-
105・安江伸夫
○安江伸夫君 お願いいたします。
私からも損害賠償請求権の行使の円滑化についてお伺いをさせていただきます。
この点につきましては、衆議院でも相当に議論がなされ、今し方も他の先生からもありました。その中で、いわゆる当然承継説につきましては、先ほども議論がありましたとおり、財産権の保障の観点からなど様々な問題から、結果的に今回は採用されていないというふうに承知をしております。
その前提の確認になりますが、現行法におきましても、管理者は区分所有者の損害賠償請求権等を代理をするだけであって、それに基づく損害賠償金が当然に管理者又は管理組合のものになるわけではないという、このように理解をしておりますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/105
-
106・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
現行の区分所有法におきまして、管理者は共用部分等について生じた損害賠償金等の請求及び受領について各区分所有者を代理し、規約又は集会の決議により各区分所有者のために原告又は被告として訴訟追行することができるとされております。
このような規律は、損害賠償金の請求権等の権利自体は各区分所有者に帰属していることを前提といたしまして、管理者にその権利についての代理行使、訴訟追行の権限を付与するものでありまして、管理者が受領した損害賠償金等については、あくまで各区分所有者に帰属をし、まさに御指摘のとおり、管理者又は管理組合に帰属することとなるものではございません。
そのため、現行の区分所有法の下でも、例えば管理者が現区分所有者を代理して、現区分所有者が分譲事業者に対して有する損害賠償請求権を代理行使し賠償金を受領した場合には、原則としてその賠償金を現区分所有者に引き渡さなければならないということになります。このことは、本改正法案の規律の下で、管理者が旧区分所有者が有する損害賠償請求権を代理行使し賠償金を受領した場合にも同様でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/106
-
107・安江伸夫
○安江伸夫君 ということが前提にありながら、やはり使途についても管理規約で定めていくのか、あるいは、そもそもこの五年の検討規定ということでありますけれども、今後の法の在り方どうしていくかということを議論されなければいけないということで、あえて確認をさせていただきました。
続きまして、高村副大臣に、済みません、お伺いさせていただきたいと思います。
先ほど来出ている損害賠償請求権の行使の円滑化でございますが、言うまでもなく、やはりマンションの管理規約の、標準管理規約を改定をしていくということも議論されておりますけれども、やはり周知、広報、これにしっかりと力を入れていくことが極めて重要であるというふうに思っております。いま一度、周知、広報を徹底して行っていただきたいと思いますが、御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/107
-
108・高村正大
○副大臣(高村正大君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、本改正法案の規律の下においても、建物の修繕に支障が生じることがないようにすることは重要でございます。
本改正法案の規律の下において、管理者が分譲業者から受領した損害賠償金の一部について修繕費用に充てることができない事案もあり得るとの御懸念があることは承知をしております。そのような事案については、損害賠償金の使途を制限することなどを内容とする集会の決議又は規約の定めとしておくことにより、実務上対応することができると考えております。
そして、損害賠償金を修繕費用に充当するなどの管理規約の定めについては、各マンションの実態に応じて設けていただけるように、このような定めを含む標準管理規約の周知徹底に取り組む必要があると考えております。
法務省といたしましては、マンション法を所管する国土交通省との緊密な連携の下、関係団体の協力も得ながら、全国各地で説明会を開催するなどして、法改正の施行までの間、その周知、内容が正しく理解されるよう、適切かつ十分な周知、広報にしっかりと努めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/108
-
109・安江伸夫
○安江伸夫君 ありがとうございました。よろしくお願い申し上げます。
最後に、KPIの達成に向けても質問させていただきたいと思っておりましたけれども、ちょっともう時間が参りますので、確認で終わりたいというふうに思います。
本改正法案の施行後五年間で管理計画認定の取得割合を約三%から二〇%に、そしてマンションの再生等の件数を累積で四百七十二件から千件とすることを掲げておりますので、これは絶対にしっかりと達成をしていただきたい、このことを申し上げて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/109
-
110・小西洋之
○委員長(小西洋之君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
午後零時十分休憩
─────・─────
午後一時三十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/110
-
111・小西洋之
○委員長(小西洋之君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、佐々木さやか君及び青島健太君が委員を辞任され、その補欠として高橋次郎君及び嘉田由紀子君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/111
-
112・小西洋之
○委員長(小西洋之君) 休憩前に引き続き、老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/112
-
113・石井章
○石井章君 日本維新の会、石井章でございます。
マンション関連法案について質問いたします。
今日、豊田先生からずっと質問が、それぞれの立場で、見識ある質問の中で、大変勉強になっております。
今回は、法務省とそれから国交省の二つの省庁にまたがって、二つの省庁の案がまとめて法案として丸められてきておるわけでありますけれども、中身はもう言うまでもなく、建物とそれからその中に住まれる方、両方とも高齢化という問題が大変な問題となっておりまして、特に、戦後、マンションが、東京はもう焼け野原になって建ったのは早かったんですけれども、私は地元が日本橋から四十四キロのところに住まいがありました。今は取手市というところに合併されていますけれども、当時、昭和四十四年に初めてマンションが建ちまして、そのとき、そのマンションを建てるときに、私がちょうど中学卒業して高校入るときに、土建屋のおじさんの親方からちょっとアルバイトやってくれないかというような話があって、そのとき初めてマンションが地元で建ったんですね。利根川の橋を越えて取手側に建ったのはそれが初めてです。
ですから、固定資産税もどのように設定したらいいかも分からないような状況だったらしくて、東京の方の固定資産税の税率をレートを引用しながらやったんですが、非常に高いレートで設定したという記憶があります。私も町会議員も三十歳からやっているものですから、そのときそういう問題も持ち上がってきたんですけれども。
そういうことで、私はそのときにやったアルバイトというのは、今のマンションは、先ほど立憲民主党の議員さんからも説明ありましたけど、タワーマンションとかも造り方が全然昔と今は違いまして、昔は、五十杯ぐらいのくいを、どんどんどんどんくいを打って、周りの民家に迷惑掛かったような感じがありました。で、その周りを、コンクリートのミキサーに私どもが一輪車で取りに行って、それを中に入れたと。そういう時代のマンションがもう五十年以上たって、今どうするかということの中で今回こういった法案が出てきたわけでありますけれども、法務省所管の区分所有法、そして被災区分所有法、あるいは国交省所管のマンション管理適正化法及びマンション建替え円滑化法、これが今回一つになって出てきたわけであります。
そして、法務省の法制審議会では、区分所有法制の見直しを行うために区分所有法制部会を設置しまして、令和六年一月には区分所有法制の見直しに関する要綱案が取りまとめられております。
区分所有法及び被災区分所有法について、昨年提出されなかった理由、本来であれば昨年提出されるということであったわけでありますけれども、されなかった理由はどういう理由なのか、例えば共用部分に係る損害賠償請求などについて調整がなされていないことがその要因なのかどうかを、まず一点目、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/113
-
114・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、本改正法案のうち区分所有法及び被災区分所有法の改正部分は、令和六年二月に法制審議会から法務大臣に答申されました区分所有法制の見直しに関する要綱を踏まえたものでございます。
法務省といたしましては、この要綱が答申されて以降、速やかな国会への提出を目指して法律案の立案作業を進めてきたところでございましたが、その進捗の状況、また国会の状況等を総合的に考慮いたしまして、昨年中の国会への法律案の提出は見送らざるを得なかったということでございます。
委員御指摘のような、法律案の何らかの懸念につき調整が要因であったというわけではないというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/114
-
115・石井章
○石井章君 区分所有法を含め、本法律案の施行は、一部の規定を除き令和八年四月一日となっております。区分所有法の改正としては、マンション再生等に活用できる新たな決議が創設されるほか、区分所有権の処分を伴わない決議が集会出席者による多数で可能になることや、裁判所が認定した所在等が不明な区分所有者には集会における議決権を有しないこととなるなど、区分所有者にとって影響の大きな内容を含むものとなっております。区分所有者への周知や関係者機関への準備も考慮すると、施行までの期間が一年未満となっておりますが、ちょっと短過ぎるんではないかという声も出ておりますが、施行期日の設定のこの理由について、まずお伺いします。
また、区分所有者の権利保護の観点からも、本法律案の施行に当たっては十分な周知が必要だと思いますが、どのような方法で周知徹底を行うのか。管理組合が機能していないマンションなど、先ほど来いろんな話が出ていますが、そういったところが多いと。しっかりお金を徴収している、積立金を徴収しているのは三割前後だということでありますが、それ以外は結局は体を成していないわけですね、組合としての。個々の区分所有者に直接改正内容を知らせる必要が生じると思いますけれども、どのような手法で周知を図っていくのか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/115
-
116・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
区分所有法を含みますマンション関係法の本改正法案は、建物と区分所有者の二つの老い、これが進行し、外壁の剥落などの危険や集会決議の困難化などの課題が顕在化している状況を踏まえまして、マンションの新築から再生までのライフサイクル全体を見通してその管理や再生の円滑化等を図る必要があることから提出に至ったものでございます。
そして、法務省が所管をする区分所有法制を含め、本改正法案の見直しは、区分所有建物の管理及び再生の円滑化を図るという観点から、重要かつ喫緊の課題ということがございますことを踏まえまして、施行期日を原則的に令和八年四月一日としたものでございます。
また、委員御指摘のような、管理組合が機能していないマンションなどの区分所有者に対しても、本改正法案の趣旨、内容につきましてしっかり周知していくことが必要であると法務省としても考えております。
御指摘のとおり、期間が短いのではないかという御指摘も今いただいたところでございます。マンション法を所管する国土交通省とも連携をしまして、関係団体の協力も得ながら、全国各地で説明会を開催するなどのほか、現場で実際に管理不全状態に陥ってしまったようなマンションに対応しております自治体の方々、こういった方々の協力も得ながら、十分な周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/116
-
117・石井章
○石井章君 大変気合は入っているようですけれども、空回りしないように頑張ってもらいたいと思うんですが、区分所有者のまず責任、責務についてお伺いいたします。
現行の区分所有法第三条では、区分所有者は建物並びにその敷地及び附属設備の管理を行うための団体を構成するとなっています。法律上、当然にその団体の構成員となるためには、いわゆる管理組合のことをいうわけでありますが、本法律案では、区分所有法に新たに区分所有者の責務として、第三条に規定する団体の構成員として、建物等の管理が適正かつ円滑に行われるよう相互に協力しなければならない規定を追加することとなっております。
区分所有法には区分所有者の責務を規定することとした理由について、まず一点お伺いします。また、本規定を設けることにより、区分所有者には具体的にどのような責務が新たに生じるのかをお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/117
-
118・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、本改正法案におきましては、区分所有者の責務に関して、訓示的な規定といたしまして、区分所有者は区分所有者の団体の構成員として建物並びにその敷地及び附属施設の管理が適正かつ円滑に行われるよう相互に協力しなければならない旨の規定を新設してございます。
もっとも、ただいま申し上げましたとおり、この規定は訓示的な規定でございます。したがいまして、この規定により区分所有者に何らかの具体的な義務、これが生ずるものではないというところでございます。
もっとも、このような規定を設けることといたしましたのは、近年、区分所有建物の老朽化によりまして管理、再生の重要性が高まる一方で、管理に非協力的な区分所有者の増加が問題視されつつあることを踏まえたものでございます。
今回のこの規定を設けることによりまして、これまでよりもより多くの区分所有者が集会に参加し、区分所有建物等の管理が円滑化される、こういったことの効果が生ずることを期待しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/118
-
119・石井章
○石井章君 現行のマンションの管理適正化法では、第五条第二項において、「マンションの区分所有者等は、マンションの管理に関し、管理組合の一員としての役割を適切に果たすよう努めなければならない。」、まあ努力義務であります、とされておりますが、それに対して、区分所有法に新たに規定される区分所有者の責務に具体的などういう違いがあるのか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/119
-
120・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、現行のマンション管理適正化法第五条第二項におきましては、「マンションの区分所有者等は、マンションの管理に関し、管理組合の一員としての役割を適切に果たすよう努めなければならない。」こととされております。
先ほど申しました今回の本改正法案の区分所有法の規定の新設も含めまして、これらの規定は、区分所有法の規律を主に前提としつつ区分所有者の団体の構成員としての立場に着目するものなのか、マンション管理適正化法の規律を主に前提としつつ管理組合の一員としての立場に着目するものなのかという違いはありますけれども、いずれも区分所有者や管理組合の一員としての努力義務でありましたり責務を定めるものでありまして、その効果に具体的な違いがあるものではないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/120
-
121・石井章
○石井章君 マンションは私有財産でありますから、周辺の居住環境等に与える影響が大きい社会的なインフラという側面も持っております。その中で、マンションの管理業務を業者に委託する管理組合が増える中、区分所有者それぞれの管理への関心が希薄になっているというのが実際のところだと思います。
そこで、マンションの管理の主体は区分所有者で構成される管理組合であり、その最終的な責任は個々の区分所有者にあることということは政府においても改めて広く国民へ周知していく必要があろうかと思いますがいかがか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/121
-
122・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、区分所有者に対する管理意識の醸成はマンション管理の基本でございます。適正な管理を実現する上で必要不可欠な重要な取組であると考えてございます。このため、地方公共団体や関係団体等と連携して、区分所有者向けのパンフレットの作成、周知や、シンポジウムの開催等に取り組み、管理意識の醸成に努めてまいります。
また、本改正法案では、区分所有法においてマンション管理に関する区分所有者の責務を新たに規定をいたしますとともに、マンションの管理の適正化の推進に取り組む民間団体の登録制度を創設し、こうした団体がマンションの適正な管理を促す普及活動等を行うことといたしております。
今後は、新設するマンション管理適正化支援法人等の協力も得ながら、管理意識の醸成に向けた普及活動等を更に強化し、マンションの管理の適正化を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/122
-
123・石井章
○石井章君 何か新たに組織をつくって、そこで啓蒙するというような、まあ天下り先がどんどんできるんで、あなた方喜ぶと思うんですけれども、それは今日は質問の趣旨から外れるんで、また別の機会にします。
次に、国外に在住区分所有者、いわゆる海外に住んでいる方の管理人の選任についてお伺いいたします。
本法律案では、区分所有者が国内に居住等を有しない場合に、専有部分の共用部分、専有部分のいわゆる共有部分の管理に関する事務を行わせるため、区分所有者が国内に住所又は居住を有する者のうちから国内管理人を選任することができる仕組みを設けるとしています、今回ですね。この国内管理人は、専有部分の改良行為のほか、集会通知の受領や集会における議決権の行使、管理費の支払も可能とされております。
昨今、海外在留邦人の増加、あるいは海外投資家による国内不動産の投資の増加によりまして、区分所有者が国内に住所を有しないケースが大変増えているということでありますが、そのような中でどのような措置が考えられるかお伺いしますが、そして、その中で、国内管理人が選任された場合、その管理人により専有部分等の管理が適切に行われることが肝要であると思いますが、どのような者が管理人として選任されるのか、何らかの資格あるいは条件を設けることを想定しているのか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/123
-
124・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、本改正法案では、国内管理人の制度、これをつくっております。
この国内管理人として選任されるべき者につきまして、国内に住所等を有する者であること以外には、資格や条件、これは設けることとはしてございません。したがいまして、国内管理人といたしましては、例えば信頼できる親族や知人といったような者のほか、不動産管理を業とする方、こういった方などを選任することが実際上は考えられるところと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/124
-
125・石井章
○石井章君 余り具体性のない内容の答弁だと思うんですけれども、先ほど申し上げましたが、近年、海外投資家が国内の不動産を買う、投資をしている人が多いということ、どこの国の方がどうとは言いませんが、そのような海外の区分所有者においては、管理組合の総会に出席しなかったり、議決権も行使せずに、重要な意思決定が先送りにされてしまったという指摘もあります、これまではですよ。
マンションの管理適正化のためには、国外にいる区分所有者には国内管理人の選任をこれは義務付けるべきだったのではないか、これまでもですね、そういうふうに考えますけれども、いかがでしょうか、御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/125
-
126・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) 御答弁申し上げます。
国内に住所を有しない区分所有者の方々がすべからく一律に連絡が取りにくい状況になるともなかなか言い難いところがあるのではないかというところから、本改正法案の規律でありますけれども、一律に国内管理人の選任を義務付けてはおりません。やはり、そういった事情に鑑みますと、国内管理人による管理を強制することは過剰な制約であると考えられたところでございます。
もっとも、この本改正法案では、区分所有権の処分を伴わない決議について出席者の多数決により決することとしているため、海外に居住する区分所有者も、議決権を行使しなければ自らに不利な決議がされ、これに拘束されるおそれがあるということになります。こういった不都合を避ける観点からも国内管理人の制度が活用されることが期待されると考えておりまして、こういった今回の本改正法案での仕組みと併せて、この国内管理人の制度、これも適切に周知、広報を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/126
-
127・石井章
○石井章君 次に、地方公共団体によるその関与についてお伺いいたします。
本法律案では、マンションの建替え円滑化法を改正し、都道府県等はマンションの建て替え等の実施の円滑化を図るために必要な助言及び指導をすることができることとし、また、都道府県知事等は、マンションが著しく保安上危険なこととなる、そういうおそれがある場合には認めるべきだと、当該マンションの区分所有者に対しマンションの建て替え等を実施すべきことを勧告することができることとなっております。これまではできていなかったわけでありますけれども。
そこで、このような助言、指導、勧告の制度を設けることとした理由についてお伺いします。また、助言、指導、勧告が行われるのはマンションがどのような状況になった場合なのかをお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/127
-
128・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えいたします。
マンションは私有財産であり、区分所有者の責任で適切に管理や再生を行うのが基本でございますけれども、区分所有形態という特殊性や管理不全となった場合の周辺への影響の大きさなどを踏まえると、地方公共団体がマンションの管理や再生に積極的に関与し、管理組合の取組をしっかり支援していくことが重要でございます。
このような理由から、また地方公共団体から要望があったことも踏まえまして、本改正法案では、地方公共団体が危険なマンションに対する報告徴収や指導、助言、勧告などを行うことを可能とする措置を講じることとしたところでございます。
これら勧告等の活用につきましては、例えば、マンションの外壁の複数面に剥落等が生じ、その落下等によって周辺住民に危害を与える蓋然性が高い場合や、躯体内部の給排水管等が腐朽し、ガス漏れや漏水など衛生上有害な事態が発生する蓋然性が高い場合などを想定しているところでございます。
今後は、これらの措置が実効性のあるものとなりますよう、地方公共団体が報告徴収や指導、勧告を行うに当たっての判断基準などをまとめたガイドラインを作成をいたしますとともに、地方公共団体の職員向けの研修、説明会を開催するなどにより、地方公共団体の取組を支援をしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/128
-
129・石井章
○石井章君 都道府県知事等は、勧告を受けたマンションの区分所有者が、正当な理由がなくその勧告に従わなかったとき、その旨を公表することができるとされておりますけれども、公表することによってどのような効果が期待できると考えているのか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/129
-
130・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えいたします。
危険なマンションに対する建て替え等の勧告制度は、地方公共団体という公的な立場から指摘を行い、それを契機として区分所有者がマンションの再生に向けた取組を進めることを促すために設けることとしたものでございます。
また、マンションが危険な状態となった場合には、当該マンションの住民だけでなく、その周辺の住民等への影響も大きいことから、区分所有者が勧告に従わず危険なマンションがそのままの状態で放置されることを抑止するため、正当な理由がなく勧告に従わなかった場合には、地方公共団体がその旨を公表することができることといたしております。
公表自体は強制力のある措置ではありませんけれども、公表されることにより不動産価格が下落する可能性があるということも含めまして、勧告に従わないことに対する一定の抑止になり得るものというふうに考えております。また、周辺住民等に危険マンションの存在を知らせ、事故等を防止する効果もあるものと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/130
-
131・石井章
○石井章君 分かりました。
地方公共団体による助言、指導、これもう多分従わない人も多いと思うんですよ、もう恐らく。で、勧告にも従わないようなマンションの区分所有者は、たとえ自分たちのマンションが管理不全で危険であるということを公表されたとしても、適正管理や再生等に向けたインセンティブが働くとは到底思えないわけですね。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/131
-
132・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) 石井委員にお答えを申し上げます。
先ほど局長からも答弁させていただきましたけれども、本法案で新設をする勧告あるいは公表、確かに強制力があるという措置ではないというのは御指摘のとおりかと思います。
他方で、地方公共団体という公的な立場からの指摘というのは、個々の区分所有者にとって建て替え等の再生を促す一定の効果はあるのではないかと考えております。例えば、事例でいいますと、京都市では、おせっかい型支援と称しまして、これ、危険なマンションの区分所有者等に対しまして積極的な働きかけやプッシュ型の専門家の派遣を行っております。これも強制力のある措置ではないものの、市からの働きかけということで各区分所有者も重く受け止めて、マンションの再生等に向けた合意形成につながるなど、こうした着実な成果も上げているというふうな話も伺っております。
本改正法案では、このほかに、勧告を行った場合の地方公共団体による専門家の派遣についても規定をし、またマンション管理に取り組む民間団体をマンション管理適正化支援法人として登録できる制度も創設することとしておりますので、地方公共団体がこれらの仕組みを有効に活用し、また支援法人の協力も得ながら、管理組合の活動をきめ細かく支援をし、取組をするということを促してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/132
-
133・石井章
○石井章君 京都などは景観条例等で非常に厳しく規制されていますので、やりやすいと思います。
また、その近県の、嘉田さんが知事されておったところなどは、強制執行してまでやったという、その取壊しですね、そういう事例もあったということでありますが、本法律案では、この助言や指導、勧告など、マンションの管理適正化あるいは再生円滑化を図るための、地方公共団体が積極的に関与するための改正も行われております。今大臣が言ったとおりでありますけれども、これらの措置により地方公共団体の業務は増加することとなりますけれども、その負担を軽減するための対策の一つとして、政府は本法律案では創設されるマンション管理適正化支援法人による協力を挙げております。
このマンション管理適正化支援法人は一般社団法人等であって、基準に適合すると認められたものを、その申請により都道府県知事等が登録することができるものでありますけれども、具体的にどのような業務を行うのか、またどのような団体を想定しているのか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/133
-
134・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) マンション管理適正化支援法人の、本改正法案におきまして登録制度を創設することとしたところでございます。
具体的な業務であるとか、どのような団体かというふうな御指摘でございました。
本法人の業務につきましては、地方公共団体などから業務の委託も受けながら、例えば区分所有者向けのセミナーの開催ですとか相談活動、あるいは区分所有者の管理意識の醸成に向けた普及活動、こういうことを行っていただくことを想定をしております。
本法人の登録につきましては、今既に各地域で活動をしていただいておりますマンション管理士や管理組合の団体などが申請をし登録を受けることを想定をしております。これらの団体などにとっても、登録を受けることによって認知度や信頼感が高まりまして、活動の充実、あるいは地方公共団体と連携した取組の強化などにもつながるのではないかというふうに考えております。
本法人は民間団体でございますので自律的に活動をすることが基本でございますが、例えば、地方公共団体が令和七年度の予算で創設をしましたマンション総合対策モデル事業を活用し、管理組合への専門家派遣などの業務をこの支援法人に委託をするということも考えられるところでございます。
今後、マンションの適正な管理への社会的な関心の向上等にも積極的に取り組み、支援法人の活動の機会を増やすことなどを通じて、この支援法人が自律的かつ主体的に活躍できる環境の整備にも努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/134
-
135・石井章
○石井章君 どの業界でも人手不足が叫ばれておりますけれども、地方公共団体でもこれは例外ではありません。本法律案で講じられる措置が地方公共団体の大きな負担とならないよう、政府においても適切な支援を行うことを求めます。
まだ質問幾つかあるんですが、これ、立憲民主党の森山先生が早く質問しろとこっちばっかり見ているので、そろそろ森山さんに質問をしたいと思います。
よろしいですね、質問して、このまま。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/135
-
136・小西洋之
○委員長(小西洋之君) もちろんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/136
-
137・石井章
○石井章君 はい。
この問題については、衆議院で修正案が提出されております。
まず、修正案提出者に確認させていただきます。
修正案の提出の趣旨については、共用部分について生じた損害賠償請求に係る様々な懸念への対応だと承知しておりますけれども、修正案により講じられることになる措置により、これまで指摘されているような様々な懸念を完全に払拭できるかどうか、どのようにお考えかを御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/137
-
138・森山浩行
○衆議院議員(森山浩行君) 御質問ありがとうございます。
御指摘のとおり、政府案の新区分所有法二十六条二項には、共用部分の不具合による損害賠償請求について旧区分所有者に独自の権利行使に関する意思表示を認めるという規定が含まれており、これにより、かえってマンション管理上のトラブルが増えるのではないかとの懸念があることは事実です。
本修正案は、まさにそのような懸念を払拭すべく、新区分所有法二十六条二項に基づく旧区分所有者による独自の権利行使に対処するための規約の設定状況や、マンションの管理者による損害賠償請求の状況、そして賠償金の受領の状況などをしっかり見て検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を講ずるよう、法律をもって政府に義務付けようとするものであります。
なお、この附則の修正部分については、この検討義務を実質化するための政府による具体的な取組が重要であると考えております。すなわち、標準管理規約改定の進捗評価、規約改定が困難な管理組合への技術、財政支援などの政府の不断の取組のほか、検討の結果を踏まえた問題予防や解決の方策の一つとして、法改正が必要になった場合の迅速な改正案の立案と国会への提出などの政府による具体的な取組が重要であり、これらを促すのが修正部分を作成した提出者としてこの修正に込めた意味であることを強調しておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/138
-
139・石井章
○石井章君 元気もりもり出てきたような気がします。
修正案にある措置を実施するためには、別段の意思表示等に係る規約の設定又は変更の状況及び同項に規定する保険金等の請求及び受領の状況等の実態を適切に把握することが重要であると考えます。
そこで、今回は政府側にお伺いしますけれども、マンションについてはマンション総合調査など様々な調査が存在しますが、修正案に規定されているような規約設定、変更や保険金等の請求の状況等を把握するためにはどのような調査を実施することが想定されているのか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/139
-
140・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えいたします。
共用部分の損害賠償請求権の行使の円滑化が図られ、修繕費用を回収しやすくなるよう、法務省等と連携をし、本改正法案による区分所有法の改正と併せて、管理規約の改正による実務的な対応を行うことにより、滞りなくマンションの修繕が進むよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。
その意味でも、改正法の施行後、管理規約への反映状況などを把握していくことは重要であるというふうに考えておりまして、今後、国交省で五年に一度実施をしておりますマンション総合調査において、本件についても調査項目に追加し、状況を適切に把握してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/140
-
141・石井章
○石井章君 それでは、修正案提出者森山さんにお伺いします。
修正案には、管理者又は区分所有者等からの相談の対応に係る体制の整備その他マンションの共用部分の補修等に係る紛争の予防及び解決のための方策について検討を加え、所要の措置を講ずるとされております。ここで規定されている方策や所要の措置について、どのようなことを想定していらっしゃるのか、お伺いします。これまで議論がなされてきた当然承継の規定を設けることも想定されているのか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/141
-
142・森山浩行
○衆議院議員(森山浩行君) お答えします。
紛争の予防のための方策としては、先ほどの標準管理規約の改定とその普及、広報、個別のマンションの管理規約改正の支援などが、また、紛争の解決のための方策としては、裁判外紛争解決手続の導入や弁護士会等による相談支援体制の整備などが挙げられますけれども、提案者としては、これらを含め幅広く様々な検討をなされることを想定しています。
また、御指摘の当然承継説は、紛争の予防のためのより根本的な方策として提案されているものと承知しており、区分所有法に当然承継説の考え方を取り入れることについては、その遡及適用の是非を含めて緻密な検討がなされることを想定をしています。また、この検討の結果、区分所有法の再改正が必要ということになれば、当然そのための措置が講じられることとなると考えております。
いずれにせよ、本件は人の住まいに関わる問題であることから、マンションの規模や管理の態様に関わりなく、この問題でお困りの方が一人でも取りこぼすことがないよう、適切な方策を検討していただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/142
-
143・石井章
○石井章君 本法律案では、改正されることとなる区分所有法については、実に二十年以上ぶりの改正となります。
政府原案の附則にある検討条項では、五年後に検討する法律として、マンション建替え円滑化法、マンション管理適正化法及び独立行政法人住宅金融支援機構法が挙げられておりますけれども、区分所有法はありません。
今回の修正案の趣旨として当然承継も含めた措置も排除されないとすれば、政府における検討等の対象として区分所有法も含まれるということでよろしいのかどうか、政府にお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/143
-
144・高村正大
○副大臣(高村正大君) お答えいたします。
衆議院で修正された本改正法案では、附則第八条第一項として、改正後の区分所有法第二十六条第二項の別段の意思表示等に係る規約の設定等の状況及び同項に規定する保険金等の請求等の状況等を勘案し、管理者又は区分所有者若しくは区分所有者であった者からの相談に的確に応じることができる体制の整備その他分譲マンション等の共有部分の補修等に係る紛争の予防及び解決のための方策について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとされているところであります。
この規定を踏まえ、法務省としては、国土交通省とも連携の上、まずはしっかりと別段の意思表示等に係る規約の設定等の状況及び同項に規定する保険金等の請求等の状況等の把握に努める必要があると考えておりますが、検討の対象としては区分所有法も含まれていると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/144
-
145・石井章
○石井章君 ありがとうございます。丁寧な御答弁ありがとうございました。
本法律案の目的は、マンション等の管理、再生、円滑化等を図ることとされております。国民の一割以上の方が居住する重要な居住形態であるマンションが適切に管理され、高経年マンションが次世代の負担とならないよう、政府においては修正案の内容や国会での議論を踏まえた適切な対応が取られることを期待して、私の質問を終わりにします。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/145
-
146・浜口誠
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。
今日は、区分所有法を始めマンション関連法案について、私も賛成の立場からいろいろ御質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
まず冒頭、中野大臣に基本的な認識をお伺いしたいと思います。
先ほど石井委員の方から、マンションを、昭和四十四年に、アルバイトで、近くでマンションが初めて建ったというお話ありましたが、日本全体で見ると、昭和三十一年、一九五六年に初めて民間のマンションが分譲されたと。そこからもう七十年近くなりますが、全国には七百万戸のマンションが今あって、なおかつ国民の皆さんの一割以上がマンションでお住まいになっているという状況です。
そうした中で、築四十年を超えるマンションについては、二〇二三年時点では約百三十七万戸もあるということです。十年前と比べると三倍ぐらいにこの築四十年以上のマンションが増えてきていると。さらに、二〇四三年まで予測をすると、約四百六十四万戸まで一気に増えていくと、こういう状況です。
じゃ、一方で、再生はどこまでできているのかと、建て替えはどこまでできているのかというと、直近では二百九十七件の二万四千戸しかできていないと。こういう実態で今回の法改正につながっているということだと思いますが、この今回の法改正の目的、そして将来に向けての危機感、こういったところを、まずは大臣としてどのような御所見があるのかという点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/146
-
147・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) 浜口委員にお答え申し上げます。
まさに、様々な数字、データとしては、委員の御指摘いただいたとおりでございます。
マンションは国民の一割以上が居住をする大変重要な居住形態でありますので、これはやはり適切に管理をして良好な居住環境を確保するということ、そして、将来をやはり見据えて、このストックの長寿命化、そして円滑な再生を図るというのが極めて重要な課題だという、大変に強い問題意識、危機感、そういうものも持って認識をしております。
築四十年以上のマンションは大変増加しておりますし、建物も区分所有者も、二つの老いが進行しているという状況の中では、やはり政策の効果を検証をし、そしてそれを踏まえて政策、対策をしっかり強化をしていくということを絶えず検討していかないといけない、こういう思いでございます。
そういう認識の中で、マンションをめぐる情勢の変化などを踏まえまして、今回、法務省とも連携をさせていただき、約二十年ぶりの区分所有法の改正も含めまして、どういう制度改正が必要か、有識者、あるいは様々現場の活動していただいている皆様からも御意見を伺いながら検討を積み重ね、法案を取りまとめをさせていただきました。マンションの新築から再生まで、ライフサイクル全体を見通して管理や再生を円滑に進めるものでございます。
私も現場のいろんな意見もお伺いしましたけれども、やはり大変、皆様、マンションの再生、大変御苦労をされているということで、そうした方々にとっても大きな励みあるいは支えになるような改正法案であるということは改めて確認、実感はしております。
マンションの管理や再生に関する新たな仕組みを今の段階からしっかりと準備をし、将来にわたって良好な居住環境の確保を図る、老朽化マンションの損壊などから国民の生命、財産をしっかりと守っていくという決意で今取組進めさせていただいているということを答弁させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/147
-
148・浜口誠
○浜口誠君 大臣、ありがとうございます。
そうした中で、今回の法改正は、管理の円滑化と再生の円滑化、大きな二本柱があるというふうに思っております。
一本目の柱は、管理の円滑化ということです。
そこで、マンションの管理組合が今どんな状況なのかということですけれども、築四十年を超えるマンションの世帯主の方で七十歳を超えている方はもう半分以上というのが今の実態だというふうに承知をしております。
今、資料をお手元に、先生方のところにもお配りをしましたが、要は、こうした中で、管理組合の理事等の役員のなり手がやっぱりいないということで、なかなかこの管理組合が本来の機能を果たせることができないと。その理由は、年齢のため、高齢のためというのが三六%、一番多いという結果になっていますし、また、面倒くさいと、要はもう自分の住んでいるマンションの管理組合に対しても関心がないといったような方も増えてきているというのが実態だと思います。
こうした中で、いかにこの管理組合の本来の業務や機能が発揮できるように国としてもサポートしていくことが極めて重要だというふうに思っております。今後、今のこういった実態、区分所有者、住んでいる方の意識の変化、あるいは年齢とかのこういった状況も踏まえて、管理組合を国としてどのような形でサポートしていくのか、そこについて大臣の御所見をお伺いできればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/148
-
149・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) 委員御指摘のとおり、管理組合の役員の担い手の適切な確保、非常に重要でございます。そのためには、やはり区分所有者一人一人の管理意識を醸成をするとともに、管理組合が行うべき業務内容を分かりやすく提示をしていく、そして外部の専門家によるサポートなどの活動の支援ということも重要かと思います。
これまでも、こうした区分所有者の責務や管理組合の業務等を内容とするパンフレットですとかあるいはシンポジウムなどの意識啓発、あるいは管理組合として行うべき修繕計画の策定などを具体的に示したガイドラインの作成、こういう取組は今までも進めてきたところであります。
本改正法案では、区分所有法において、マンション管理に関する区分所有者の責務を新たに規定をするとともに、マンション管理の適正化の推進に取り組む民間団体の登録制度を創設しまして、こうした団体が管理組合の活動の支援や管理に関する啓発活動を行うということとしております。
今後は、地方公共団体だけではなくて、この新しい、新設のマンション管理適正化支援法人等とも連携をしまして、管理組合に対する支援を丁寧に行い、区分所有者の方々が安心して管理組合の役員に就任をできるという、こういう環境づくりにしっかり努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/149
-
150・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。いろんな取組もやっていただいているということだと思います。
そうした中で、最近増えているのは、管理組合の業務を外部の専門家に委託をするという、いわゆる第三者管理方式と言われるようなマンション管理組合の在り方というのが増えてきていると。お手元の資料でも、管理業者による外部管理者の受託状況ということで、年々増えてきているという実態がこういったグラフからも明らかになっていますが、この第三者管理方式のメリット、そして一方で課題もあるんではないかというふうに思っておりますが、その辺りどのような整理をされているのかという点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/150
-
151・平田研
○政府参考人(平田研君) お答え申し上げます。
管理業者管理者方式は、専門的知見を有する管理業者による機動的なマンション管理を実現し、区分所有者の負担軽減につながることが期待されます。
先ほど委員からも御指摘ございましたけれども、高齢化等による管理組合役員の担い手不足の情勢、これは今後とも続くものと想定されておりまして、この方式はマンション管理方式の選択肢の一つとして活用を図っていくことが必要であると考えております。一方で、この方式は、管理業者が工事等の発注者として自社や関連会社との直接取引を行うことが可能となるため、区分所有者の利益に反する事態が生じるのではないかとの懸念が指摘されているところであります。
このため、本改正法案におきましては、管理業者が自社又は関連会社との取引を行う場合には、総会決議に先立ち、区分所有者に対して取引相手や取引内容等を事前説明することを義務付け、管理業者がこうした義務を適切に履行しない場合には、マンション管理法に基づき、管理業者に対して業務停止命令等の措置を講じることとしております。これにより、区分所有者が取引の可否を判断するための十分な情報を得ることができ、区分所有者の利益に反する不当に高い金額等での取引を防ぐ機会が確保されると考えております。
管理業者管理者方式が適正に運営され、区分所有者が安心して同方式を活用できるよう、丁寧な周知などにもしっかり取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/151
-
152・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。
しっかり、こういう第三者の管理方式も増えてきているということですから、今御指摘あったような課題面も含めて周知もしていただきたいと思いますし、丁寧な対応をお願いを申し上げたいというふうに思います。
次に、法務省さんにお伺いしますが、この集会等における、管理組合の集会等における決議の円滑化という観点からいろんな見直しも今回行われるというふうに聞いております。
まずは、この区分所有権の処分を伴わないような事項については、今までは全区分所有者の多数決だったものを新たに集会の出席者の多数決に変えていくですとか、さらには、裁判所が認める所在の不明者については全ての決議の母数から除外していく、こういった制度も導入されるということになります。このような制度の見直しの必要性、そしてどのようなメリットが区分所有者の方にあるのか、その点についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/152
-
153・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
まず、端的に問題意識を申し上げたいと思います。
現行の区分所有法におきましては、集会の決議をするために必要な多数決割合、これは区分所有者全員の頭数と議決権数、これを母数として定められております。そのため、集会に出席せず議決権も行使しない区分所有者や所在等が不明である区分所有者は反対者と同様に扱われてしまうと、したがって必要な決議を行うための支障になっていると、こういう指摘がされております。
委員が御紹介いただきました本改正法案の仕組み、これはまさにこういった支障、こういったものを乗り越えるための仕組み、こういうことと御理解賜れればと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/153
-
154・浜口誠
○浜口誠君 そんな中で、区分所有権の処分を伴わない事項ということが書かれていますけども、具体的にその区分所有権の処分を伴わない事項というのはどういったものなのかというところを確認したいと思いますし、こういった変更をしっかり区分所有者の方にも周知していく、徹底していく、このことも大変重要だというふうに思っておりますので、どのような形でこのような制度変更を区分所有者の方に徹底していくのか、その進め方についても確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/154
-
155・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
具体的には、例えば修繕工事をすることについての普通決議、また、階段をエレベーターにするなど共用部分の形状等の著しい変更を伴うような共用部分の変更の決議、また、規約の設定、変更、廃止の決議、こういったものが区分所有権の処分を伴わない決議の典型的な具体例と、こういうことになります。
そして、このような規律を設けることで集会に出席しないことが決議の成否に与える影響の程度が変わることとなるため、やはり、委員御指摘のとおり、その趣旨、内容を区分所有者に丁寧に周知すること、これは重要であると考えております。
法務省といたしましては、国土交通省との緊密な連携の下、関係団体の協力も得ながら、全国各地で説明会を開催するなどいたしまして、改正法の施行までの間にその趣旨、内容が正しく理解されるよう、適切かつ十分な周知、広報、これにしっかりと努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/155
-
156・浜口誠
○浜口誠君 周知のところはしっかりと国としても対応していただきたいというふうに思っております。
あわせて、今回、マンション等に特化した財産管理制度が創設されるというふうに承知をしております。
管理不全の専有部分とか共用部分に対して裁判所が選任した管理者に管理を任せるという制度だというふうに承知をしておりますが、なぜこういうような財産の管理制度の導入が必要だったのか、実際に区分所有者の方にどのようなこの制度を入れることによってメリットがあるのか、その点について確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/156
-
157・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
まず、区分所有建物の専有部分の管理処分権は、区分所有権を有する区分所有者にこれ専属をするということでありますので、専有部分の区分所有者の所在等が不明になりますと、この専有部分については管理することができる者がいなくなるということになります。その結果、当該専有部分が管理されないまま放置をされますと、漏水が発生するなど、他の区分所有者の権利利益が侵害されるおそれが生じます。
また、区分所有者の所在等が判明している場合であっても、その専有部分においてごみが処分されずに集積されているといったようなとき、共用部分であります外壁が剥落するおそれがあるときなど、専有部分や共用部分の管理が不適当であるというときは、他の区分所有者や、場合によりますと近隣住民の権利利益が侵害されるおそれが生じるということになります。
このような事態に対応するために、本改正法案では、新たな財産管理制度といたしまして、所有者不明専有部分管理制度、管理不全専有部分管理制度及び管理不全共用部分管理制度、これを創設いたしまして、区分所有建物の専有部分や共用部分について裁判所が利害関係人の請求により管理人を選任して管理させることができる、このような制度を設けようと、こういうことを可能にしようとしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/157
-
158・浜口誠
○浜口誠君 この制度の実効性を高めるためには、どういう形を取ればいいんですかね。もうこれは、実際にそういう管理不全の部分があったときには、管理者の方が裁判所に申し出ればそういう形の対応ができるのかどうか。実効性の観点でどのような対応があるのか、ちょっとこれ事前通告していませんけれども、法務省の認識をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/158
-
159・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) これらの管理制度が施行されまして管理人が選任されますと、やはりその区分所有建物それぞれの実情に応じまして、管理者は、例えば所在が不明になりました区分所有者に代わりまして、その管理に関しての権限を行使することができることになります。
したがいまして、場合によりますれば他の区分所有者とともに、場合によりますれば自らの権限として、必要に応じて専門家の助力を得てその不全な部分を除去していく。場合によるとその訴訟といったような法的な手段、こういうことも取り得るようになるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/159
-
160・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。
続きまして、午前中からも、先ほどもお話ありましたが、共用部分の損害賠償請求権についても確認をさせていただきたいと思います。
共用部分に瑕疵があったときに、損害賠償、区分所有者の方が損害賠償を請求すると、で、それが転売されていたときに、旧の区分所有者の方が持分を主張したときに、本来その瑕疵部分の共用部分のいわゆる修繕費が十分に確保できなくなってしまうと、こういった指摘があって、衆議院の方でもこれ修正が行われたということだと思いますが、実際に、今回の修正も含めて、懸念されている損害賠償請求権の、実際に修繕に、共用部分の修繕にしっかりとした金額が確保できるのかどうか、その点について、現時点の修正点も含めた状況について説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/160
-
161・高村正大
○副大臣(高村正大君) お答えいたします。
本改正法案においては、区分所有権の譲渡がされた場合でも管理者は当該請求権を有する現区分所有者を代理等することができ、また、別段の意思表示がされない限り、当該請求権を有する旧区分所有者も代理等することができるとしているものでございます。
その上で、各区分所有建物における規約又は集会の決議により、旧区分所有者は共用部分について生じた損害賠償請求権の管理者による代理行使につき別段の意思表示などをすることができないものとすること、旧区分所有者は共有部分について生じた損害賠償金につき個別に受領することはできず、管理者が代理受領した損害賠償金は建物の瑕疵の修補のため用いられるものとすることを定めることが可能であると考えております。
あらかじめこのような規定を定めておくこと等によって、旧区分所有者による別段の意思表示を制限し、損害賠償金の使途を制限することは可能であり、管理者が一括して損害賠償請求をした上で受領した損害賠償金を修繕費に用いることが可能になり、修繕費確保につながると考えております。
法務省としては、国土交通省との緊密な連携を図りながら、管理規約のひな形として実務上広く普及している標準管理規約を速やかに改定して、その周知徹底にしっかりと努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/161
-
162・浜口誠
○浜口誠君 是非、今日も各先生方から、この点については懸念点であるとか今後の対応についての御意見がありましたので、しっかり両省受け止めていただいて、今後の対応はしっかりとした進め方をしていただきたいというふうに思っております。
では、続きまして、再生の円滑化についてお伺いしたいと思います。
まさにマンションの敷地の売却ですとか一棟リノベーションを始め、建て替えと同様に五分の四の多数決で対応していくということになっております。この考え方は七つの再生の手法にも展開していくというふうに承知をしておりますが、この七つの手法というのはどういった内容なのかというところをまずは確認させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/162
-
163・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答えを申し上げます。
まず、お尋ねの手法、それぞれについてでございます。
まず、区分所有建物の建て替え、これは、建物を取り壊し、当該建物の敷地に新たに建物を建築することをいうというものであります。次に、建物敷地売却とは、区分所有建物及びその敷地を売却すること。建物取壊し敷地売却とは、区分所有建物を取り壊し、かつ、これに係る建物の敷地を売却すること。取壊しとは、区分所有建物を取り壊すことをいいます。さらに、建物の更新、いわゆる一棟リノベーションというものは、建物の構造上主要な部分の効用の維持又は回復のために共用部分の形状の変更をし、かつ、これに伴い全ての専有部分の形状、面積又は位置関係の変更をするということをいいまして、建物全体をいわゆる一旦スケルトン状態といたしまして、建物の躯体を維持したまま共用部分と専有部分の全てを更新するという方法を想定しております。また、再建とは、区分所有建物が全部滅失した場合において、滅失した区分所有建物に係る建物の敷地に建物を建築をすること。そして、敷地売却とは、区分所有建物が全部滅失した場合において、敷地であった土地を売却することをいうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/163
-
164・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。
そうした中で、さらに、耐震性が不足しているようなケースについては四分の三の多数決、さらには、政令指定災害で被災したような場合には三分の二ということで要件の緩和がされるということになっていますが、この四分の三とか三分の二というのはどういった根拠で要件の緩和を図るということを判断されたのかということを、そこを確認したいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/164
-
165・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
現行の区分所有法におきましては、例えば共用部分の変更決議等の多数決割合はこれ四分の三とされているところでございます。で、建て替え決議等の区分所有権の処分を伴う決議の多数決割合を、今申し上げたような区分所有権の処分を伴わない決議、これよりも引き下げるということは、やはりこれは適切ではないというふうに考えられることから、建て替え決議等につきまして、一定の客観的事由がある場合に、その多数決割合を四分の三としたところでございます。
また、本改正法案におきまして、政令で指定された災害により被害を受けた場合の建て替え決議等につきまして、一定の期間に限り多数決割合を三分の二に引き下げているというところは、大規模な災害が発生し区分所有建物が大きな被害を受けた場合に円滑な復興を促すために、先ほど申し上げたような一定の客観的事由がある場合よりも更に多数決割合を引き下げる必要があると考えられたためでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/165
-
166・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。
そうした中で、賛成しなかった方がいらっしゃると思いますが、そうした方に対しても丁寧な対応がこれ必要ではないかなというふうに思いますが、賛成しなかった方に対しての対応という面で、国として、政府としてどのように考えておられるのか、確認をさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/166
-
167・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
まさに、この建て替え決議等に賛成しなかった区分所有者への配慮、これは重要なことであるというふうにまずは認識しております。
その上で、区分所有法におきましては、建て替え決議等が成立した場合には、建て替え等に参加する区分所有者等は、建て替えに参加しない区分所有者に対しまして、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができるとされ、まず財産的観点からの配慮がされております。また、反対者は、この時価相当額の支払を受けるまでは専有部分を明け渡す必要がないというふうにされているほか、一定の場合には、裁判所が一年を超えない範囲内でその明渡しを猶予するということも可能とされております。
さらに、本改正法案による改正後のマンション再生法では、マンション再生事業の施行者や国及び地方公共団体におきまして居住の安定確保にもしっかりと取り組むということとしているところでありまして、再生前のマンションに居住していた方、この方の代替住居の手配についても配慮がされていると認識しております。
法務省といたしましては、ただいま申し上げたような建て替え決議等に賛成しなかった区分所有者への配慮に関する規定も含めて、今般の改正の趣旨、内容の周知、広報にしっかり努めてまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/167
-
168・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。
では、続きまして、ちょっと一問飛ばさせていただいて、マンションの修繕積立てについて中野大臣にお伺いしたいと思います。
長期的にマンションを安全に使っていくためには、定期的なメンテナンス、大規模修繕等をやっていくというのが極めて重要だというふうに思っております。今日の午前中の杉尾委員の質問の中でも、そのマンションの修繕積立て、もう既に不足しているといったところが三割を超えているという御指摘もありました。
まさに、こういった計画的に修繕の積立てをやっていくことが極めて重要だというふうに思っておりますが、今はできていないというこの現状を踏まえて、大臣としての危機感ですとか、これから国としてどういった支援をしていくのか、その点についての御所見をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/168
-
169・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) お答え申し上げます。
マンションの長寿命化を図り、良好な居住環境を確保するために、修繕積立金の適切な積立て、そして修繕工事の計画的な実施、これは非常に重要であります。
委員も御指摘のとおり、令和五年度のマンション総合調査の結果によりますと、三割を超える管理組合において、作成した長期修繕計画に対しまして修繕積立金の残高が不足しているということが明らかとなったところでございます。
適切かつ、修繕積立金の確保については、管理組合による自主的かつ継続的な取組を促していくということが必要であるというふうに考えております。このため、例えば令和四年の四月から、修繕積立金の確保など適正な管理がなされているマンションの管理計画を認定をするという管理計画認定制度、これを開始をさせていただきました。また、マンションの修繕積立金に関するガイドライン、あるいは長期修繕計画作成ガイドライン、これを作成をいたしました。
この周知等に取り組むことにより、管理組合による適正管理への自主的な取組をしっかり促してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/169
-
170・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。
その一方で、この修繕の積立金のやり方、方式が、いわゆる均等式と段階式というのがあって、お手元に、先生方の資料、②のところに、お配りしましたけれども、以前、一九八四年以前は、いわゆる均等式、ずうっと積立額が変わらない、こういう積立方式が六割ぐらいで一番多かったんですけれども、直近は、いわゆる階段式ですね、最初は積立額が少ないんですが、だんだん積立額を上げていくという、こういった方式が増えてきていると。もう八割ぐらいその方式になってきていると。
この階段式だと、最初は安いんですけれども、金額低いんですけれども、だんだん古くなってくると積立額も高くなって、積立額変えるときにはその都度管理組合の決議が必要だということで、非常にこの段階式の修繕積立てというのは課題が大きいんじゃないかということを言われております。
こうした実態を踏まえて、いかに円滑に計画的にマンションの修繕費の積立てを図っていくのか、国としてどのようなサポートをしていくのか、確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/170
-
171・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えいたします。
段階増額積立方式を採用しているマンションの中には、当初と比較して最終的には数倍程度に修繕積立金を引き上げることを計画している事例もあるというふうに承知をいたしております。このようなケースでは、区分所有者間で合意が形成されず、将来にわたって修繕積立金の計画的な引上げが困難となり、適切な修繕工事等が実施できない事態が懸念されることから、適切かつ現実的な引上げ幅等を設定することが重要であるというふうに考えております。
このため、令和五年十月に有識者検討会を設置し、昨年六月に段階増額積立方式における適切な引上げの考え方を公表したところであり、関係団体とも連携し、あらゆる機会を捉えてその周知、浸透に取り組んでいるところでございます。
また、本改正法案におきましては、既存マンションにおいて適切な修繕積立金の確保に向けた取組が円滑に進むよう、修繕積立金の引上げを含みます管理に係る決議を集会出席者による多数決決議で可能とすること、また、地方公共団体の権限の強化と併せて民間団体の登録制度を創設し、修繕を含めた管理組合の様々な活動を地域全体で支援する体制を構築することなどの措置を講じることといたしております。さらに、本法案では、新築時から適切な修繕積立金の額等を設定し、適切な管理や修繕につなげていくため、管理計画の認定対象に新築マンションを追加することといたしております。
委員御指摘の段階増額積立方式を採用しているマンションも含めまして、管理組合が将来にわたって適切な修繕積立金を確保できるよう、地方公共団体や関係団体と連携し、引き続き丁寧な支援に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/171
-
172・浜口誠
○浜口誠君 是非、段階式の積立てが広がっていますので、しっかりとしたサポートをお願いしたいと思います。
あわせて、マンションの場合は、築年数が上がってくると、もうメンテナンスがされずにいわゆる放置されてしまうと、マンション自体が廃墟になってしまって、その地域の治安や安全面でも大変大きな課題になってくると。したがって、このマンションの終活、終わり方ですね、最後をどうやってサポートしていくのかというのも非常に重要な視点だというふうに思っております。
また、マンションは一戸建てと違って解体費も非常に高額になるということにもなるし、まさに共同所有ですから、自分はやらなくても誰かがやってくれるだろうみたいな、もう責任感というか主体性もなくなってしまうというような課題も指摘されています。ある自治体においては、マンションを、行政代執行で一・二億円掛けてマンションの取壊しをやったといったケースもあるというふうに聞いております。
したがって、このマンションの解体に対して国としてもどのようなサポートをしていくのか、この点について今後どのように考えておられるのか、この点を確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/172
-
173・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えいたします。
今後、高経年マンションの更なる増加が見込まれる中で、御指摘のとおり、マンションの終活、大変重要な課題であると考えております。
マンションは私有財産でありますので、区分所有者の責任で適切に管理していただくことが基本であり、将来的に必要となる解体費につきましても、管理組合において計画的な積立てを行うなどの取組を行っていただくことが重要でございます。例えば、東京都板橋区の高島平ハイツ、築約五十年でございますが、そちらでは、修繕積立金の一部を災害時復旧積立金として積み立てた上で、災害が発生しなかった場合にはこれを解体費に充当するなど、計画的な積立てに努められているものというふうに承知をいたしております。
国土交通省では、こうした解体費の積立てに関わる事例の収集を進めているところでございまして、令和七年度に、有識者の意見も聞きながら、マンションの規模等に応じた解体費の相場等を作成をいたしました上で、令和八年度を目途に長期修繕計画作成ガイドラインの改定を行うことを目指して検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
引き続き、解体費の積立て等に関する実態の把握、分析を進めますとともに、現行の長期修繕計画より更に長い計画の作成の必要性も含めまして、マンションの終活を支援する方策についてしっかり検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/173
-
174・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。しっかり取り組んでいただきたいと思います。
最後になりますが、マンションの大規模改修工事において、公取が談合があったということで約二十社に立入りをしたということがニュースにもなっております。
これだけ修繕費に対して課題がある中で談合とかが行われると、やはり修繕費の高止まりといったこともありますので、しっかりとした再発防止、原因も含めてやっていただく必要があるというふうに思っておりますので、この点、最後に確認させていただいて、質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/174
-
175・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) 発注者の信頼を裏切り、利益を損なう談合というのはあってはならないということでありまして、国土交通省ではこれまでも談合事案については厳正に対処をしてまいりました。
御指摘の事案につきましては、現在、独禁法を所管する公正取引委員会におきまして、その背景、手法等を含めて調査を進めているところでございます。独占禁止法違反が確定したものではありませんが、国土交通省としては、調査の進展、実態の解明を見守りつつ、その結果を踏まえ厳正に対処をするとともに、コンプライアンスの更なる徹底を図ってまいりたいと思います。
他方で、この案件は既に報道もされまして、管理組合や区分所有者の間に不安が広がるということも懸念されます。三月に関係団体に通知を発出をして、大規模修繕工事の発注等に関する相談窓口や見積りチェックサービスの活用などについて管理組合に改めて周知するよう依頼をするなど、丁寧な情報提供、支援に取り組んでいるところでございます。
今後とも、適正な大規模修繕工事が実施をされるように、談合の再発防止にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/175
-
176・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございました。
以上で質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/176
-
177・大門実紀史
○大門実紀史君 大門です。
今回の法案は、全体として建て替えや補修を進めやすくするための改定だというふうに理解しておりますが、今日もありましたし、衆議院では大議論になりましたけれども、共有部分の損害賠償請求権については、これはちょっとかなり大変な項目だなと思っておりますので、その点について絞って質問をさせていただきます。
改正案は、欠陥マンションなどの補修、修繕、これ分譲事業者に旧区分所有者も含めて管理者が一括して損害賠償請求することが可能になるということですよね。これは前進だと思うんですが、ただ、旧区分所有者が別段の意思表示をすると、それぞれ、お金自分に欲しいとかいろんなことが起きて、一括請求ができなくなって、結果的に修繕ができない事態が想定されるということで、この点について、現場で長い間欠陥マンション問題に取り組んでこられた全国のたくさんの弁護士さん、あと弁護士会、日弁連、また管理組合の皆さんからも、この部分をもう削除してほしいというような修正を求める強い声が寄せられております。このままでは、かえってマンションの修繕が進まなくなるのではないかということですね。
これは決して一部の方々の声ではないということをちゃんと私たちは知っておく必要があると思います。残念ながら、参議院では参考人質疑がありませんが、参考人質疑やれば分かったと思うんですけれど、これ相当の方々の、現場のマンション問題に直面している大多数の方々の要望だったと、であるということですね。その代わり、後で質問しますが、当然承継を法案に明記してほしいということがあったわけでございます。
この区分所有法というのは、法務省マターなんですかね、言葉が非常に難しいんですけれども、例えば当然承継というのは何かというと、分譲業者と旧区分所有者の間で契約不適合ですかね、契約と違う工事が行われていたということで、損害賠償権が、旧区分所有者が区分所有権を新しい人、つまり新しい人にマンションを売ったときに区分所有権は移るわけですが、そのときに当然のこととしてその損害賠償権も移転するというのが当然承継という、まあ常識的に言うとみんなそうだろうなと思うのが当然承継の考え方でございます。
ところが、この現場の声を法務省、国交省は拒否をして、特に法務省が、これまた難しい言葉で、分属説というんですか、これはちょっとよく分からないんですけど、要するに、共有物に関する損害賠償権は金銭債権だから、共有者に分割して帰属すると。転売しても旧区分所有者から新、新しい区分所有者に当然に移転しないと、移転はしないんだということですね。
そんなこと言っても、マンションの共有部分というのは、いわゆる民法の二百五十六条ですか、共有の概念とありますよね。これは分割できない、あっ、分割できるものというのが民法二百五十六条の共有の概念だと思うんですけれど、実際問題、マンションの共有部分というのは分割できないですよね、できないですよね。にもかかわらず、その考え方に固執して、法務省が現実世界にそういう、何といいますか、民法上の論を押し付けて、先ほど言った現場の方々を困らせているというのが今現在だと思うんですよね。
まず、今、現場が、現状がどうなっているかということでございますが、衆議院で竹内民事局長がこう答えておられます。現行法では、今現在ですね、この法改正の前の、現行法では、分譲業者と旧区分所有者の間の賠償請求権は、売主であるマンションを売った方の分譲業者と買った区分所有者の間の契約関係に基づき、買った方の区分所有者が取得する債権であり、物権である区分所有権は全く別個の金銭債権であると。何言っているか分からないような答弁をされているわけで、要するに、区分所有権は移るけど賠償請求権は当然に移るものではないというのが現行法の解釈だとおっしゃっているんですね。
そうでしょうかということなんですけど、それはどこかに明文化されているんですか。どこかに書いてあるんですか。ちょっと教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/177
-
178・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、当然承継に関する規律を設けるべきであるという立場からは、現行法の下におきましても、その区分所有権の譲渡に伴いまして、その共用部分等について生じました損害賠償請求権が当然に移転するという現行法の解釈を取るべきであるというふうな指摘があること、これは承知をしております。
ただ、裁判例には、共用部分等について生じた損害賠償請求権につきましては、区分所有権が譲渡されたとしても、これに伴い当然に移転するものではないという理解を前提としたものがあるというふうに承知もしておりますし、もう既に委員の方から御紹介がございましたとおり、ここで問題になっております共用部分の瑕疵についての損害賠償請求権、これは、分譲業者から売買契約に基づきまして当初その区分所有権を、区分所有建物を購入したその当初の区分所有者ですね、これがそれぞれ締結しました売買契約によってそれぞれ取得するものでございますので、やはりこれは区分所有権とは別の財産権と、このように観念せざるを得ないというふうに制度上も考えております。
したがいまして、既に委員の方から御紹介ございましたとおり、一般的には、その区分所有権が譲渡をされたとしても、これに伴い当然に移転するものではないというふうに理解されているというふうに承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/178
-
179・大門実紀史
○大門実紀史君 いや、だから、それどこかに書いてあるんですか。今しゃべっているだけじゃないんですか。
お聞きになっている先生方は何言っているか分からないと思うんですけど、このちょっと配った資料で見てもらいながらだと少しは分かる話かなと思いますけど、現行の区分所有法は、転売時に、転売したときに共有部分の損害賠償権が誰に帰属するのかは明確に定めてないんですよ。つまり、現場の解釈にずっと委ねられてきたわけですね。今おっしゃった旧区分所有者に帰属するというのは、先ほど言いました、ちょっと難しい、私たちには慣れない言い方ですが、分属帰属説というんですかね、で、新区分所有者に移るんだと。これは当然承継説というんですけれども、いずれにせよ、そんな明確にどこかに解釈が書かれていたわけでなくて、しかも、実務上、現場では当然承継説で運用されてきたわけですよね。
マンション売って、買った人が、マンションに瑕疵があると、欠陥あると、賠償請求したり直してもらうと、当たり前ですよね。その権利が、もう売った、売ってどこかにいる人にも権利があるなんて、普通誰も想像しないですよね。今回、みんな、そんなことかと思っているんですけど、そんなことは想像しないわけですよね、かったわけですよね。ですから、現実的にデベロッパーから欠陥マンションの損害賠償金とかが現区分所有者に支払われたり、あるいは直されていたわけですね、修繕してきたわけですよね。それが実態だと思うんですよ。今までの現実だと思うんですけど、違うんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/179
-
180・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) 個別の事案をここで御紹介することは困難なわけでありますけれども、今、私が先ほど少し申し上げましたところにございますとおり、この主語、この瑕疵に伴います損害賠償請求権、これはやはり、それぞれの分譲業者、このお示しいただきました資料でまいりますと、分譲業者と最初のAさんとの間のこの売買契約に基づいてそれぞれ取得する権利であります。したがいまして、これがいわゆる区分所有権という物権の譲渡と同様、それに移転して動いていくというのは、これは特段のやはり明文の規定というのは現行法上存在していないというふうに法務省としては認識をしておるところであります。
やはり、ということは、逆に言えば、別の権利でありますので、例えばこの図でいきますと、AさんからBさんに、Aさんが分譲事業者に対する損害賠償請求権を移転するというのであれば、これはやはり別途債権譲渡の合意、こういったことがされる必要があるというふうに考えております。
現実に起きている事象がどのようなことになっているのかというのは、まさにこういった当事者間の契約関係にもよるところがあるかなと思っておりますが、法律の規律といたしましては、別の財産権である以上は、そこに譲渡の原因となる法律行為がなければ、それは元々の債権、財産を取得したその方が保持し続けるというのが現行法の仕組みであるというふうに理解をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/180
-
181・大門実紀史
○大門実紀史君 あなた、本当に法務省の人ですか。契約関係で、それは契約によっていろいろやることはあるかも分からないけど、裁判になって、裁判になって、事実上、当然承継の考え方で現区分所有者に損害賠償されているんですよ。裁判を通じて、法の判断でされていることを言っているんですよね、言っているんですね。何かちょっと、もうちょっとちゃんとして答えてくれますか、こっちの方は素人なんだから。
ですから、当然承継の考え方は、もう既に行われている現行区分所有法の現場での解釈、確かにグレーゾーンあったと思うんですけどね、既に行われている実態から導き出されて、現場でこの問題ずっと取り組んできた弁護士さんや管理組合の人たちは、それをきちっと位置付けてほしいと。何か新たに立法して決めるんではなくて、ずっと長い間行われてきたことを、当然承継を、何といいますか、確認規定として入れてほしいということなんですよね。
裁判とかいろいろあるんですが、要するにそういうことを、東京地裁の判決も見ましたけれど、そういう、今までマンションの、欠陥マンションの裁判で何が行われてきたとか、そういうこととか全く考えようとしないで、法の理論だけでああいう、私はあの判決は間違っていると思いますし、また違う裁判があるかも分かりませんよね、あれに慌てちゃって、現場のことを知らない判決に慌てちゃってこういうことをやるから、何か取り繕うようなことをやるから、現場から違うよという声が大きく上がっているんだというふうに思います。
それで、さらに、法務省ちょっとどうしちゃったのかと思うんだけど、衆議院の連合審査で竹内民事局長は、もういかにもこの当然承継を否定するために、まあここまで言うかというようなことをおっしゃったんですよね。当然承継を遡及適用というか、現実今あることを認めることなんですけど、一応遡及適用とおっしゃっていますけれども、国民の権利義務に影響を及ぼすことに加え、社会経済に著しい混乱をもたらすと、だから認められないと。ここまで言うかと。
さっき言ったように、当然承継って今までやられてきたんです、現実的には。やられてきたことなんですね。何か新しく遡って遡及するということはないんですよね。だから、実態の把握がまず違うんですけれども、しかも、それにもかかわらず社会経済に著しい混乱をもたらすと強い断定的な口調でおっしゃっているんですけど、本当にそこまで言うかという感じなんですが、じゃ、何が起きるんですか。社会経済に著しい混乱、具体的にはどういうことをおっしゃっているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/181
-
182・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
具体的に申し上げれば、例えば、今はこれ遡及適用といった部分についての御指摘だというふうに、当然承継を遡及的に適用したらどのようにものが起こり得るかということの御指摘だというふうに理解をした上で申し上げます。
例えば、既に分譲業者から損害賠償金の支払を受けていた区分所有者がいたといたします。この区分所有者が、旧区分所有者が、現区分所有者、いわゆる、お示しいただきました資料では新区分所有者というふうに表記されておりますが、から損害賠償金の引渡しを求められる事態が生じる可能性があるというふうにまず言えるかと思います。さらに、既に分譲業者から損害賠償金の支払を受けていたという旧区分所有者がいたとしますと、この旧区分所有者が請求できる権利がもうなくなると、なかったことになるというわけでありますから、分譲業者からその支払った損害賠償金の返還を求められるという事態も生じる可能性があると言えるわけであります。
さらに、既にその損害賠償金を多数の区分所有者らに、支払済みであった区分所有者というのも想定されるわけでありますけれども、この区分所有者、ごめんなさい、分譲業者、失礼しました、分譲業者ですね、支払済みであった分譲業者というのも想定されるわけでありますけれども、この分譲業者におきましても、元々請求できる権利が遡及的になかったということになるわけでありますから、当該支払は無効であるということで、現区分所有者、いわゆる新区分所有者から改めて損害賠償金の支払を求められる、こういう可能性というのも指摘できるわけであります。
こういったことが経済社会に影響を与えるという、こういうことになろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/182
-
183・大門実紀史
○大門実紀史君 現実には起こり得ません。
なぜならば、例えばこの図で、ちょうど衆議院でもっと具体的な話を米山委員とやられていますよね。例えばこの図でいきますと、区分所有者AさんがBさんにマンションを譲渡したと。Aさんが住んでいるときに共有部分に雨漏りがしたと。で、Aさん含めてマンションの住人が、もう取りあえず急いで自分たちで費用を出し合って雨漏りを修理したと。その後、分譲業者に修理代を請求しようとなったけど、なかなか折り合い付かないまま推移したと。このAさんは事情があって転居しなきゃいけないんで、このマンションをBさんに売ったと。で、Bさんがマンションを買って、Bさんが住んでいるわけですね。で、Bさんが現在の新区分所有者なんですけれども、結局、訴訟が提起されて、裁判になって、勝って修理費用を得たと。そうすると、Bさんにマンションを売ったAさんは既に自分で修理費用を負担していますよねという話ですよね。これを管理人からもらうことができるのかというと、これは、当然承継だと損害賠償権がBさんに移転しているから、Aさんは、払ったんだけども、それを取り戻す、回収することはできないというようなこと、今言ったことを具体的に言うとそういう例でおっしゃっていたんですけど。
これ、普通そうならないですよ。普通、修繕するときは、具体的に、みんなほとんど、どこだってそうなんですけど、共有部分の欠陥について区分所有者が費用を出し合って修理するというのはどんなケースがあるんですか。通常は、共有部分の工事は管理組合が決定して実施している修繕積立金から出されるものです、修繕積立金。これは持っていくことできません。そこから出されたものでありますので、Aさんが後から返してくれというような、そういうことは起こり得ないんですよね、起こり得ないんですね。
仮に考えると、もう管理組合がなくて、何というんですかね、もう自分たちで自費で、修繕積立金をやっていないと、自費で出し合って修繕するというケースがまれにあるかも分かりませんよね。その場合は、次の転売のときにその分、直した分価値が上がるわけだから、転売価格に乗せればいいわけでありまして、そういうレアケースでさえそういうことができるんで、こんな払ったのが返ってこないみたいな例を、あり得ない例を挙げるのはちょっと違うんじゃないかと思うんですよね。
何かいろいろ言われますけど、全部、基本的に欠陥の補修工事の場合は、まず明白な瑕疵や軽微な瑕疵であればもう損害賠償請求する前に業者が直すんですよ、普通は、普通は、明白な瑕疵とか軽微な。なぜなら、そうしないとその業者の信頼が落ちるわけですね。評判が悪くなるんですね。次の仕事来なくなりますので、そういうのは大体普通は応じるんですよね。もし応じないと、争いがある場合、和解交渉になりますよね。で、訴訟になりますよね。訴訟では、かえって訴訟に出た場合は、その訴訟が終わる前に補修を行っちゃうと瑕疵の立証が困難になるため、普通、訴訟になりますと、先に補修を自分たちでやることはあり得ないんですよ。だから、これも実例ないんです、そんなものは。さらに、重大な、新聞にも出るような重大な欠陥の場合は、まさに補修の費用が多額になりますので、こんなの自分たちで負担するなんてことはまたあり得ないわけですよね。
それが現実の世界なんで、そういうあり得ない例を国会で堂々と挙げて、何かもう当然承継やると大変な被害が旧区分者にあるようなことを並べ立てて、むしろ、今の現区分所有者が修繕できなくなるということの方が多大な被害だというふうに思うわけですね。
何でこんな無理な議論しているのかなと思うんですけれど、さっき申し上げましたけど、あり得ない話ばっかり挙げて、当然承継駄目だ、大変だ大変だとおっしゃるんですけれども、これ、やっぱり法務省の頭の中が、現場の実態から出発するんじゃなくて、さきに申し上げましたけど、自分たちの民法解釈を何が何でも堅持したいと。先にその法理論といいますか、皆さんの解釈ありきで、それを正当化するために、今申し上げたようなあり得ない事例あるいはレアケースばっかり並べて、これはできないんだと答弁しているだけじゃないんですか。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/183
-
184・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) あり得ない事案というところまでの認識、法制審議会で実務家の方々、学者も参画しておりますけれども、その議論を経た上での本法案の提出、ここに至るまでのこの我々の認識といたしましては、今法務省から説明をさせていただいている事例、これは社会的事実としてはあり得ないというところまでの事実認識には立っておらないというところであります。
若干付言をいたしますれば、マンション等の区分所有建物に不具合があったという場合には、先に区分所有者が費用を負担して修繕をした上で分譲事業者に対して損害賠償請求をするということも、これはあり得ると認識しております。これは、前提といたしました法律の説明は先ほど申し上げたとおりであります。そのような事例において、例えば、修繕費用を負担した区分所有者が実際のその損害賠償請求をする前に一応様々な事情で区分所有権を譲渡しなければならなくなったような場合、こういう場合には、やはり旧区分所有者が分譲事業者に対して損害賠償請求権を行使して、負担した費用相当額の損害賠償金の支払を受ける、こういうことは仕組み上考えられるわけでございます。
こういった事例があり得ることを度外視をしてしまいますと、やはりこの点については問題があるんではないか、課題があるんではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/184
-
185・大門実紀史
○大門実紀史君 延々やりますか。レアケースばっかり挙げて、あり得ないことはないということばっかり言っていますけど、ほとんどあり得ないんですよ。あり得る話をしましょうと言っているわけですよ、大多数の方がですね。
逆に、今回の改正のように、元、旧区分所有者が別段の意思を、意思表示をすることを認めたら、かえって民事局長おっしゃるように社会経済に混乱招くんではないかと、マンションの補修にブレーキを掛けるんではないかと。逆だと思うんですよね。この改正がそういうことを招くんではないかというふうに思うんですよね。
この改正やりますと、分属帰属説ですね、つまり、区分所有権は移転しても損害賠償権は移転しないよと、そのままだよということを、もう法務省というか、立法府というか、宣言したことになるわけですね、宣言したことになるわけですね。損害賠償権は共有者に分割して帰属すると、新区分所有者には移らないということを、改正前も含めて、前も含めて、分属帰属説の解釈が正しかったということを、法務省といいますか、国として、政府として認めることになるわけですね。
そうすると、逆に言いますとどうなるかというと、これまで請求権など持っていないと考えた人たちは、請求権あると知らなかったと、今回のこの法改正通じて自分にも権利があると知ったと、じゃ、払ってくれということを過去のもう解決した裁判の事例とか等々で言い始めるということは十分あるわけですね。何年も前に解決したものについても、ああ、そうだったのかと、私はそのときの元区分所有者だと、旧だとですね。
そうしたら、賠償金は既に補修にも当てられているわけですよね、当てられているわけですね。じゃ、誰にそれ請求するのというと、旧区分所有者は現区分所有者に補修費用の一部の返還を求めることになるんじゃないですか。だから、逆にこういうことが、そういうことが起きるんじゃないですか。そんなこと考えていますか。この方が、この方が大混乱を招くんではないですか。これから先も招きますけど、どうするんですか、今まで決着付いたものについて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/185
-
186・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) まず、共用部分に係ります損害賠償請求権、これは、本日も申し上げておりますけれども、それぞれの、例えばこのお示しいただきました資料に基づけば、分譲事業者とAさんとの間の個別の売買契約、これに基づいて発生するものであります。すなわち、これはあくまで債権という、区分所有権とは別個の財産権でありまして、区分所有権の譲渡に伴い当然に移転するものではないと考えております。そのため、旧区分所有者から現区分所有者に区分所有権が譲渡された場合でも、今申し上げました損害賠償請求権も譲渡されない限り、旧区分所有者に損害賠償請求権が帰属したままであるというふうに考えられるところであります。
その上で、お尋ねは、現行法の下でも区分所有権の譲渡に伴って共用部分等に生じた損害賠償請求権は当然移転することを前提に、当然承継を前提としない本改正案が施行された後に再度当然承継を認める法改正をすると実務上混乱が生ずるのではないかというもの、御指摘だというふうに理解をいたしました。
しかし、まず前提といたしまして、現行法の規律は、今申し上げたように、当然に区分所有権の譲渡とともに損害請求権も当然に移転するというものではないと考えておるところからいたしますと、むしろその五年後に当然承継を、今の何も手だてを考えないまま、例えばいろんな要件とか必要性でありましたり様々な工夫をしないまま、単に一律に権利を移転するということが起きますれば、本日の幾つか、混乱が発生する、社会的な問題、経済上の問題が発生するということが申し上げておりますけれども、これがまさにその五年後の当然承継を認める改正をしたときに発生し得るというような評価になるのかなというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/186
-
187・大門実紀史
○大門実紀史君 何をぐるぐるぐるぐる同じことを言っているんですか。五年後のことなんか聞いていないですよ。今までのことはどうするんですかと言っているんですよ、今までのことは。
例えば、衆議院の参考人で来られた神崎哲弁護士さんは、自分で、自分が担当した事件についておっしゃっていましたね。二十九棟、合計六百五十四住戸のマンションの共用部分の欠陥について、補修費用が約四億円の損害賠償を請求した事件があったと。その事件では、訴え提起まで七年間掛かって、その間に所有権が移転した区画が百五十住戸あったということですね。この事件は、被告会社、分譲事業者からの申出によって補修による和解で解決したわけですよね。こういう事例がいっぱいあるわけですよ、今。
ところが、今回、この改正案が通して、別段の意思表示がある場合と、つまり旧区分所有者に請求権ありますよということをやっていたとしたらですね、そのときですね、これから起こるわけですけど、そういうことが起きる可能性があるわけですけれど、この訴えられた会社はどう考えると思いますか。はい、分かりましたということで、補修に乗らないですよ、和解に乗りませんよ。だって、別段の意思表示をして請求される可能性が残っていますから、残っていますから。それを全部はっきりさせてもらわないと、和解といえど補修には応じられませんということになるわけですよね。これ現実的に起こる話ですよね、これからも。しかも、この神崎弁護士さんの場合だったら、過去に今の、今回の改正が通ったら、そうやられて恐らく和解に行かなかっただろうと。こういう事例がこれから起きるわけですね。
そういうことをちゃんと考えた上で、法務省は今回の法改正考えたんですか。こういうことが起こる可能性というのは、何も考えていないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/187
-
188・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) 現行法の理解につきましては、既に申し上げたとおりでございます。やはり別の、区分所有権と別の債権、別の財産権である以上、これが区分所有権の譲渡に伴って、区分所有者の意思にかかわらず、これが移転をしてしまうと。これはやはり財産権の保障の観点からも特に慎重な検討が必要であろうというふうに考えるところでございます。
ただ、事情によりますれば、瑕疵の修補のための損害賠償請求権、これを修補の、何というんですか、引き当てといいますか、これを原資として修補をやろうというふうに考えているこの区分所有建物、これも存在し得ることは、それは、その点は御指摘のとおりかと思います。
こういった場面がもしその区分所有の建物の実情に応じまして存在しているとすれば、これはやはり今日の審議の中でも出てきております規約による対応ですね、こういう形で、損害賠償請求権の使途、こういったものを適正に定めていただくと、こういうことであれば、これは、冒頭申し上げました財産権の保障といったような点をクリアした上で、その損害賠償請求権に対応して支払われました損害金、これをそのまま修補に充てることが可能であるということであろうと考えております。この辺りは、本日の審議でも幾つか、何回か御説明申し上げたとおりだというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/188
-
189・大門実紀史
○大門実紀史君 これだけの法務省は力入れた提案しているんだから、もう少しまともに答えられませんか。堂々と、もっときちっとした法的な答弁できないんですか。その程度でこれだけ現場の人たち困らせるんですか、法務省は。
管理規約の話も出ましたけれど、これはっきり言って遡及効果ありませんよね。実際の拘束力にもちょっとおぼつかないですよね。だって、あれですか、マンション管理標準規約の調査によると、標準管理規約におおむね準拠しているのは三五%ぐらいの、つまり約三分の二程度の管理組合では標準管理規約に即応していないということですよね。しかも、今回、やってくれと言ったって、管理規約の改善には区分所有者の四分の三の賛成で、これなかなかハードル高いですよね。
また、外国人、これは衆議院で議論ありました外国人の取得割合も増えているというふうなことで、努力しますというのは答弁で何回も繰り返されているんですけど、そんなもの、これ努力で、努力してできなかったという問題じゃ済まないんですよね、この管理規約で。ちゃんと一〇〇%きちっとやらないと、今言った問題が起きるということなんですね。これはもう答弁求めません、繰り返しありましたので。
この五年後の見直しについても、私、衆議院で野党の皆さん努力されたんだと思いますけれども、今申し上げたように、今回、これ認めちゃうわけですね。法に明らかに、分属帰属説をもう明らかにしちゃうわけで、書き込んじゃうわけですね、初めて。これは取り返しの付かない、今言った事態とかですね。で、仮に五年後、一旦認めておいて、この考え方を、どう変えるんですかということがあるわけで、この五年後の見直しは野党の皆さんの善意のあれだと思うんですけれど、これではかえって改悪になると、この法案はですね。それが現場から声が出ているということを指摘して、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/189
-
190・木村英子
○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。
本日は、マンション関連法改正案について質問いたします。
今回の法改正は、マンションが老朽化し、外壁が剥がれるなどの欠損などがあった場合に建て替えを進めるための法案となっています。
しかし、現在、マンションを所有している人が、マンションの欠陥を見付け、修繕するために施工業者に損害賠償請求をしようとした場合、マンションの区分所有者で構成されている管理組合が元の所有者に通知しなければいけない制度となっています。しかし、元の所有者が損害賠償請求を拒否した場合、マンションに住んでいる人やその周辺の方々の安全が守られない危険性があるため、今のマンション所有者が自己負担での修繕を強いられる可能性があります。
資料一を御覧ください。
今の所有者が自己負担しなければならない状況では、欠陥住宅被害全国連絡協議会や全国マンション管理組合連合会は、今の内容では一〇〇%の補修ができなかったり、大きな混乱を招いたりするおそれがあると懸念を示しています。
マンションの欠損箇所によっては早急に修繕しなければならない場合もある中で、元の所有者に通知しないと修繕できない状況は、住んでいる人にとってとても不安であり、不合理だと考えます。
現在住んでいる所有者が安心して生活ができるように、元の所有者から現在の所有者に損害賠償請求権を移すことができるように法改正を修正すべきだと思いますけれども、お考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/190
-
191・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。
お尋ねは、分譲事業者と買主であります区分所有者との間の売買契約の契約不適合責任に基づく損害賠償請求権を念頭に置かれているものと理解しております。
この損害賠償請求権は、売主である分譲事業者と買主である区分所有者との間の契約関係により、買主が取得する損害賠償請求権でありまして、区分所有権や共有部分に係る持分権とは別個の債権であります。
このような区分所有権等とは別個の財産権である損害賠償請求権について、区分所有権等の譲渡に伴い、区分所有者の意思にかかわらずに、その処分や移転を一律に強制する特別な規律を設けることは、財産権の保障等との観点から、その必要性、合理性について特に慎重な検討が必要であると考えております。
また、仮にそのような規律を設けるといたしますと、例えば、共用部分に瑕疵があった場合、ひとまず管理組合において修繕を行うこともあると考えられますところ、修繕費用を負担した旧区分所有者から現区分所有者に当該損害賠償請求権が移転をしてしまい、修繕費用を負担した旧区分所有者が損害賠償金からの回収ができないという不合理な事態が生じかねないと考えられるところであります。
そのため、本改正法案では、区分所有権の譲渡がされた場合に、その譲渡人が有していた共用部分に係る損害賠償請求権を譲受人に当然に移転させる規律を設けることとはしておりません。
他方で、委員の御指摘は、現区分所有者におきまして建物の修繕費用をしっかりと確保しようと、こういう趣旨であるというふうに理解しております。
そのような観点からは、あらかじめ規約や集会の決議において、共用部分について生じた損害賠償金について、個別的受領を制限し、共用部分の修繕に用いるとしてその使途を定めておくことで、旧区分所有者の損害賠償金を建物の修繕に充てることも可能であると考えております。
法務省としては、各マンションの実情に応じて対応していただけるよう、国土交通省との緊密な連携を図りながら、標準管理規約について損害賠償金の使途の制限等の定めを含むものに速やかに改定をし、その周知徹底を図るなどしてまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/191
-
192・木村英子
○木村英子君 もうちょっと法律用語を分かりやすく言ってほしいなと思いましたけれども。
しかし、今のマンションの持ち主が損害賠償請求を旧区分所有者であった売主に求めたくても、住民票などをたどらないと探すことができなかったり、あるいは見付からなかったりという場合もあります。
また、修繕が必要なマンションに車椅子の居住者の方がいる場合、共用部分のエレベーターや廊下、エントランス、あとスロープなど、早急に修繕しなければ生活に支障を来してしまう場合があります。そのような不合理な状況では安心して住み続けるということはできませんので、再検討する必要があると考えます。
次に、マンションの建て替えに反対している人たちの住まいの権利についてお聞きします。
現在、マンションの建て替えには住民の八〇%の賛成が必要ですけれども、今回の改正では、耐震基準を満たしていないなどの場合には七五%に引き下げられています。さらに、建て替え決議に必要な総数から、所在の不明な人がいる場合には、裁判所から認定されれば総数から除くことができ、今より賛成の人が少なくても建て替えができるようになります。
しかし、要件を緩和すれば、反対をしている人たちは建て替えに必要な追加費用の支払を求められ、それが払えない場合には事実上出ていかなければならないということになってしまいます。
例えば、資料二の記事によると、国立市の富士見台団地では、二〇一七年に建て替えの決議がされ、そこに住んでいた高齢の姉妹に建て替えの追加費用が一千万円近く掛かり、その上、マンションの建て替えまでの仮住まいの費用も約三百四十万円掛かるため建て替えの決議に反対していましたが、結果として賛成多数で可決されてしまいました。しかし、このような高齢者の方々は、長年住んでいたマンションを追い出された場合、年金暮らしの人が多いため新たな物件の購入も困難であり、賃貸物件に移り住もうとしても、孤独死などの懸念から家を貸してくれる大家さんが見付からなかったりと、住まいの権利が保障されていない状況です。
今回の改正案の検討会である法制審議会の部会においても、身寄りのない高齢者や障害者などの住宅弱者への配慮を求める意見が出されていましたが、このマンションの建て替えが進めば住宅の確保ができない人が増えてしまうおそれがあります。様々な事情を抱えた人がいますので、建て替えに反対した人が、住まいの権利を保障するためにも、建て替えによって出ていかざるを得ない人たちが安心して住める公営住宅を増やしたり家賃補助を出すなど、国からの個別支援を考えるべきだと思いますが、国交省のお考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/192
-
193・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えいたします。
マンションの建て替えを進めるに当たりましては、様々な事情で事業に反対し、転出をされる区分所有者などの方々に対しても丁寧な対応を行うことが極めて重要であるというふうに認識をいたしております。
マンションは、区分所有形態という性格上、建て替えを円滑に進めるためには管理組合内の合意形成が不可欠であります。仮に反対者等がいる場合にも、住民の安全や良好な居住環境を守るという公益性の観点から、区分所有法では、適切な補償額による金銭的補償を行うなどの財産権への必要な配慮を厳格な手続の下で規定をした上で、多数決で意思決定を行うことができるということといたしております。
また、これに加えまして、転出される方々が住まいの確保に困ることのないよう丁寧に事業を進めていくことを求める規定として、マンション再生法におきまして、国土交通大臣が作成する基本方針に定めなければならない事項として、再生前マンションに居住していた区分所有者等の居住の安定確保に関する取組を位置付けますとともに、これらの取組について地方公共団体や事業の施行者などが努力義務を負うことを明記をすることといたしております。
今後は、これらの規定の趣旨を踏まえまして、高齢者や障害者の方々など特に配慮が必要な方々の居住の安定が確保されますよう、地方公共団体や関係団体と連携をして、公営住宅等の公的賃貸住宅や家賃低廉化の支援を行うセーフティーネット住宅等の活用の促進、家賃等の債務保証制度や居住支援法人による相談対応等の利用の促進、そして住宅金融支援機構によるいわゆるリバースモーゲージ型の住宅ローンの提供などの取組をしっかり進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/193
-
194・木村英子
○木村英子君 問題なのは、そのマンションを出ていかなければいけない人のその後の住まいというものをどう確保していくかということだと思います。
次に、マンションを借りている方の住まいの権利の保障についてお聞きします。
今回の改正案には、建て替えの場合の賃貸借終了請求制度が盛り込まれています。この制度は、マンションの建て替えが決まった場合に、区分所有者からマンションを借りて住んでいる人に対しマンションの返却を求めることができる制度となっています。そして、区分所有者が補償金さえ払えば、借主は六か月以内にマンションから出ていかなければなりません。たとえ本人が出ていくことを拒否して補償金を受け取ることを拒んだとしても、区分所有者が供託金を支払っていれば強制的に退去させることができる制度となっています。
また、日本には、建物を借りている人の住まいの権利を守るために、借地借家法という法律があります。しかし、今回の改正で賃貸借終了請求制度が創設されると、建て替えの場合に正当な事由なくても契約を一方的に終了させることができるようになり、建物を借りている人の住まいの権利が守られなくなるおそれがあります。
例えば、資料三では、この制度について、住まいの権利の保護に取り組んできた弁護士団体である自由法曹団は、建て替え決議の名の下に、現にマンション等に居住する者の不安をいたずらにあおり、人間の生活の基礎を構成する住まいの権利や住まいの確保に関する安心感を大きく損なう危険のある制度であると指摘しています。
この賃貸借終了請求制度によって、障害者や高齢者などが長年住んできた住まいから追い出され、次の住まいを見付けることが困難な場合には、その方々の住まいを確保する制度は考えられているのでしょうか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/194
-
195・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し……(発言する者あり)あっ、失礼しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/195
-
196・小西洋之
○委員長(小西洋之君) じゃ、答弁簡潔に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/196
-
197・内野宗揮
○政府参考人(内野宗揮君) 承知しました。
法務省としても、この建て替え決議に伴って退去せざるを得なくなるその賃借人への配慮も重要であると、まず認識しております。
今、改めて委員から触れていただきましたように、本改正法案では、賃貸借終了請求がされた場合であっても六か月間の期間の経過を要求していること、また、その賃借人に対しては賃貸借の終了により通常生ずる損失の補償金が支払われることになること、そして、この受領を確保するために、この補償金の支払と専有部分の明渡しは同時履行として、補償金の支払を受けるまでは専有部分の明渡しを拒むことができるものとしております。
このような賃借人の保護の措置に加えまして、本改正法案による改正後のマンション再生法では、基本方針において、賃借人等の居住の安定確保に関する取組を位置付けるとともに、当該取組について地方公共団体や事業の施行者などが努力義務を負うことを明記することとしております。
その上で、高齢者や障害者の方など特に配慮が必要な方々に対しては、国土交通省におかれまして、地方公共団体や関係団体と連携して、公共住宅等の公的賃貸住宅やセーフティーネット住宅等の活用促進などに取り組むものと承知しております。
法務省といたしましては、今回の法制度の中身とこういった取組、併せて適切に周知、広報して、御理解を広めていこうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/197
-
198・木村英子
○木村英子君 補償金については支払われたとしても、障害者の方や高齢者の方は次の住まいを探すことは困難ですから、その後の生活の保障がないと立ち退きはできませんよね。そういう法律は不条理だと思います。
セーフティーネット住宅は数がとても少なくて、しかも家賃は高くて、実際には住宅確保に困難を抱える人が家を借りることがとても難しい状況にあります。年金暮らしの人や生活保護受給者は家賃が高いと住めませんから、幾らセーフティーネット住宅といっても入居できない人が多くいます。
昨年の四月一日から障害者差別解消法が改正され、民間事業者が合理的配慮をすることが義務になりましたが、不動産会社についても、理由なく配慮を拒否されるなど差別的な取扱いが行われるケースが後を絶ちません。
私は長年、施設や親元から地域で自立したいという障害者の方の自立支援を行ってきましたが、重度障害者が家を借りる場合、不動産屋に行っても、大型車椅子は家を傷つけるとか、また、一人でガスが使えないので火事を起こすのではないかなどといった理由で貸してくれるところがなかなか見付かりませんでした。障害があることや収入のこと、車椅子に乗っていること、しゃべれないこと、歩けないことなどを伝えると全て断られ、内見すらさせてもらえないところがほとんどです。たとえ借りる場所が見付かったとしても、家を傷つけるという理由もあってマンションが多くて、家賃が高く、年金や生活保護を受けている人は借りることは到底できません。現在も地域で自立生活を目指している方はいますけれども、重度障害者は介護者を必要としていますから、複数の介護者の出入りがある場合、防犯上の理由で入居を拒む不動産屋や家主が多くて借りることができない状況にあります。
また、知的障害者の場合、家探しをしても半年も掛かってしまったり、また、家を壊してしまうのではないか、奇声を上げて周りに迷惑を掛けるのではないかというような差別的なことを言われて貸してくれない現状があります。
また、独り暮らしの高齢者の方の場合も賃貸住宅への入居も困難が多くて、資料四のとおり、東京都内の分譲マンションに賃貸で住んでいた自営業の七十四歳の男性は、部屋の所有者から売却すると立ち退きを求められ、男性は不動産会社で部屋を探しましたけれども、希望した三つの物件はいずれも断られ、この方は都営住宅も検討しましたが、条件に合う物件は空き家がなく、諦めてしまったそうです。このように、障害者や高齢者など住宅確保要配慮者は、生活するために重要な家の確保が難しいという状況です。
先ほどの答弁では、住宅確保が困難な方には、セーフティーネット住宅を活用した居住の確保について話されていました。
資料五によると、五月二十一日時点で、東京都のセーフティーネット住宅の空き家は三百二十七棟千五百九十八戸の登録がありますけれども、五万円以下の物件は五十九棟二百十五戸しかなく、精神障害者を拒否しないと言っているのは二十三棟五十六戸しかありません。
また、セーフティーネット住宅は、住宅の確保に困難を抱える人を拒否しないために創設された制度のはずですが、実際には、住宅確保要配慮者の中で、高齢者は拒否しないけれども障害者は拒否する、また障害者の中でも知的障害者は拒否するなど、セーフティーネット住宅に登録している家主が居住者を選ぶ選択権があり、結果的に差別化してしまい、住宅確保が困難な障害者や高齢者が住まいの権利から排除されています。
ですから、賃貸借終了請求制度では、そういった人たちを強制的に立ち退かせるだけで、セーフティーネット住宅は救済にはなり得ませんし、そもそも受皿としてのセーフティーネットにはなっていないと思います。また、公営住宅にしても、数が少なく、その上、障害者や高齢者が住むには一階の部屋が必要であったりバリアフリー化の設備も必要なことから、なかなか見付かりません。
ですから、セーフティーネット住宅というのであれば、入居者を選別するような規定を変えるように検討していただきたい。また、公営住宅のあっせんなどを自治体が支援するなど、マンションを追い出された人たちの住まいの権利を保障する具体的な施策を考えてください。
お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/198
-
199・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えいたします。
セーフティーネット住宅は、様々な事情を持つ住宅確保要配慮者の幅広い受皿として一定の役割を果たしておりますけれども、住戸の条件などから、あらゆる住宅確保要配慮者の方に適した住まいを確保することは難しい場合があるというふうに考えております。特に、障害を持つ方々などに対しましては、住戸そのものを用意すれば足りるというだけではなくて、福祉サービスや居住支援のためのサポートを行うということも大変重要な場合があると思います。
このようなハード、ソフト両面からの支援体制を整え、家主の受入れの幅を広げて、住まいのセーフティーネットの裾野の拡大につなげていくということが大変重要であるというふうに考えております。
昨年の通常国会では住宅セーフティーネット法を改正をし、居住支援法人等と連携して入居者の見守りや福祉サービスへのつなぎなどを行う居住サポート住宅の制度を創設したところであります。本年十月に施行を予定をいたしております。今後は、障害を持つ方々も含めまして誰もが安心して暮らせる住環境、整備されますように、この居住サポート住宅も含めまして、民間賃貸住宅を活用した住まいのセーフティーネットの充実に力を入れてまいりたいというふうに思います。
また、建て替えの関係で様々な事情があって転出される方々につきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。本改正法案で改正をいたしますマンション再生法の規定の趣旨を踏まえまして、地方公共団体、関係団体と連携をし、公営住宅等の公的賃貸住宅や、今申し上げたセーフティーネット住宅の活用を促進するなどによりまして、高齢者や障害者など特に配慮が必要な方々の居住の安定確保に引き続き努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/199
-
200・木村英子
○木村英子君 居住サポート住宅については、昨年質疑で取り上げさせていただきましたけれども、居住者の方のプライバシーの侵害する、そういった懸念もあることから、住宅確保については今後抜本的な見直しが必要ではないかというふうに考えます。
例えば、家を借りる場合に、地方自治体では独自の取組として、マンションの建て替えなどによって退去を余儀なくされた人に対する家賃補助などをつくっているところもあります。
資料六を御覧ください。東京都千代田区では、千代田区内に二年以上居住している高齢者や障害者の方が住んでいる賃貸住宅が取壊しなどで退去しなければならない場合に、月額五万円まで、最長五年間の家賃助成や、礼金などを支払うための転居一時金の助成をする居住安定支援家賃助成という補助事業をつくっています。また、資料七のとおり、東京都江戸川区でも障害者や七十五歳以上の高齢者の方に対する家賃補助の制度があります。そのほかにも、立ち退きを余儀なくされた障害者や高齢者、子育て世帯などを対象にした家賃補助をつくっている自治体は幾つかありますが、ほとんどの自治体ではこのような補助はなく、地域格差が生まれている状況です。
マンションの建て替えを進めるのであれば、建て替えに伴って退去を余儀なくされる人たちの住まいの権利を保障するために国として家賃補助を考えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/200
-
201・楠田幹人
○政府参考人(楠田幹人君) お答えいたします。
マンションの建て替えを進めるに当たりましては、様々な事情で事業に反対し転出される方々に対しましても丁寧な対応を行うということが大変重要であるというふうに認識をいたしております。特に高齢者など住宅確保への配慮が必要な方々に対して、それぞれの住まいのニーズに応じた対応、大変重要だという、必要であるというふうに考えているところでございます。
民間賃貸住宅の空き室も増加をしている中、まずは転出する区分所有者や借家人の方々に対し、組合が金銭面で適切な補償を実施をしつつ、それぞれのニーズに応じた住まいを適切に確保できるよう、デベロッパー等と連携をして対応することが必要であるというふうに考えております。
さらに、転出者が住宅を確保しづらい個別の事情がある場合に備え、ニーズに適応する公的賃貸住宅や民間賃貸住宅の空き家、空き室に適切にアクセスできることも重要でございます。このため、地方公共団体や地域の居住支援法人等と連携し、組合等の施行者が住まいの確保に向けたきめ細やかな相談に対応できるよう、国としても体制強化に向けた助言等に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/201
-
202・木村英子
○木村英子君 国としてできることが地方公共団体や居住支援法人と連携して組合などに助言をすることというだけでは不十分であると思います。より具体的な施策がないと住宅確保が困難な人の居住の権利というのは守られないんではないかというふうに思います。
このように住宅確保についても困難な状況ですが、本来、住宅だけではなく、配慮の必要な人たちにとっては、交通や建物など、障害があることであらゆる場面において取り残されている状況は一向に改善されていません。障害者があらゆる事柄から排除されてきた経過においては、社会参加の機会を失い、障害者への偏見や差別が助長されてきた現状の中で、私たちのことを私たち抜きに決めないでというスローガンが生まれてきたんです。
障害者や高齢者など住宅確保が困難な方々が差別されず安心して家を借りることができる仕組みが早急に必要だと考えます。ですから、障害者の置かれている現状や障害者に必要な合理的配慮を理解してもらわなければ住宅確保の困難の解消はされないというふうに思います。
そういった状況を改善するために、住宅に関する話合いにおいて当事者参画というものがもう絶対に必要だと考えます。しかし、令和五年に開かれた住宅確保要配慮者に対する居住支援機能等のあり方に関する検討会などにおいては、障害当事者は委員として参加していませんから、障害者に対する差別解消を図るには住宅確保に関する検討会に当事者委員を参画できるようにするべきだと考えます。
国交省として、障害者や高齢者など配慮の必要な方の住まいの権利を保障するためにも、当事者を交えた検討会か意見交換会などを早急に開催していただきたいというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/202
-
203・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) 木村委員にお答えを申し上げます。
障害者や高齢者などの住宅確保要配慮者が安心して住まいを確保できる賃貸住宅市場の環境整備は重要でありまして、昨年、住宅セーフティーネット法を改正をしたところであります。
この法改正に関しては、御指摘の令和五年七月に国土交通省、厚生労働省及び法務省の三省合同で設置をした住宅確保要配慮者に対する居住支援機能等のあり方に関する検討会におきましては、委員として、障害者の居住支援にも関わる福祉関係団体や障害当事者から相談を受ける消費者団体の方も構成員として参画いただくとともに、令和五年十月と十二月の二回にわたり関係当事者を含め広く意見を募集する機会を設けるなど、当事者や現場の御意見を踏まえた検討を実施をしております。
さらに、今年十月の本改正法の施行に向けまして、省令や基本方針等の案に関するパブリックコメント等を通じ、障害当事者も含め、広く意見を募集する機会を設けながら準備を進めているところでございます。
今後とも、低額所得者や高齢者、子育て世帯、障害者など様々な要配慮者の住まいに関するニーズにしっかりと対応できるように、当事者の御意見も丁寧に伺いながら、関係省庁と連携して住まいの確保の推進に取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/203
-
204・木村英子
○木村英子君 障害者は、常に支援をする側と受ける側で対等ではない関係が当たり前になっている現状ですから、国連からも当事者参画を進めるように提言されています。国交省として、住宅確保についても、障害当事者の委員としての参画による会議体をまず早急に検討していただきたいというふうに思います。
また、当事者の参画が進んでいない中で、障害者を排除する欠格条項が多くの法律や制度に入ってきています。それが差別を助長する原因ではないかというふうに私は思っています。
例えば、資料八のとおり、国交省が出しているマンションの標準管理規約においても、精神の機能の障害により役員の職務を適正に執行するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者は役員になれないという欠格条項が規定されています。
このような欠格条項の内容については、成年後見人制度が改正された際にその代わりに設定された規定ですけれども、心身の障害、心身の故障という言葉や、標準管理規約においては精神の機能の障害というのが書かれています。精神の障害を理由として欠格条項を作るのは明らかな差別であると思います。
障害者差別解消法では行政や民間事業者の差別の禁止が規定されている中で、国土交通省からマンション標準管理規約にこのような差別的な欠格条項を示すことは民間に対して差別を助長する行為に当たると思いますので、この規定を早急に削除していただきたいと思いますが、大臣のお答えをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/204
-
205・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) お答えを申し上げます。
成年被後見人等であることを理由に不当に差別されないよう、令和元年に成年被後見人等に係る欠格条項などの見直しが政府全体で行われまして、その一環としてマンション標準管理規約においても委員御指摘のような内容への見直しを行ったところであります。
この規定については、管理組合の役員は、区分所有者から徴収する修繕積立金や管理費、共用部分などの個人の財産を適正に管理監督する責務を有することとなることを踏まえたものであると認識をしております。
他方で、管理組合の役員については、組合員の判断により総会で選出をされているという側面もあることから、今後、標準管理規約の見直しを行う際には、こうした点にも留意しつつ、この規定の運用実態でありますとか関係者の御意見も踏まえながら、必要な対応について検討してまいりたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/205
-
206・木村英子
○木村英子君 様々な法律にこの欠格条項というのが入っておりますので、その差別的な条項が今後なくなるように当事者参画も進めていただきたいというふうに思いますが、今の、今までの答弁の中で、やっぱり住宅確保が難しい現状にありますので、障害者などの確保の困難も改善がこれから見込まれてほしいと思います。
障害者や高齢者の住宅確保が難しい現状は改善されていない中で、マンションから追い出されてしまった方のその後の住まいの手当てが不十分な本法案には反対するしかないと思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/206
-
207・小西洋之
○委員長(小西洋之君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/207
-
208・大門実紀史
○大門実紀史君 日本共産党を代表して、本改正案に反対の討論を行います。
本改正案は、マンションの建て替え、補修が進まない深刻な状況を改善しようとするもののはずです。ところが、先ほどの質疑で申し上げたように、本改正によって、かえって補修が進まない重大な懸念があります。共有部分の損害賠償権において、旧区分所有者の別段の意思表示を入れるのではなく、これまでの現場の実情に合わせ、当然承継を法案に明記すべきでした。現場で欠陥マンション問題に取り組んできた全国の弁護士さん、管理組合の皆さんもそれを求めてきました。
現場の声を無視し、かえって問題を広げるなど、何のための法改正か。政府、立法府がやるべきことは、机上の法律論争ではなく、現場の問題を具体的に解決するための法改正ではないでしょうか。
五年後の見直しでは、一旦、分属帰属説を認めてしまい、禍根を残すことになります。したがって、修正含め、本法案そのものに反対せざるを得ません。
住まいは人権であります。建て替えを合意形成を図りながら円滑に進めるためにも、経済的理由などで建て替えに賛同できない少数の方々への支援がもっと充実させるべきです。
賃借権消滅請求権の創設も、借地借家法における賃借人の保護の形骸化につながる懸念があります。
以上申し上げて、討論といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/208
-
209・小西洋之
○委員長(小西洋之君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/209
-
210・小西洋之
○委員長(小西洋之君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、森屋君から発言を求められておりますので、これを許します。森屋隆君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/210
-
211・森屋隆
○森屋隆君 私は、ただいま可決されました老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
一 管理者による共用部分に関する損害賠償請求権の代理行使に当たり、旧区分所有者の取り分も含む損害賠償金を確実に修繕費用に充当することができるよう、損害賠償金の使途を定めることを内容とするマンション標準管理規約の改正を早期に行い、各管理組合においてこれを踏まえた管理規約の変更が速やかに行われるよう関連団体等を通じて働きかけや支援を行うこと。また、管理組合自体がないような管理不全マンションの区分所有者に対しても必要な措置を講ずること。
二 標準管理規約の改正を踏まえ、各管理組合の管理規約における共用部分について生じた損害賠償金の使途に係る規定の制定状況の把握に努めること。また、管理規約に同規定が置かれていないこと等により、旧区分所有者による別段の意思表示が行われた結果、損害賠償金の一部が修繕費用に充当できなかった事例などの継続的な実態把握に努め、必要に応じ、制度の見直しも含めた所要の措置を講ずること。
三 マンションの管理及び再生が円滑に行われるよう、区分所有権の処分を伴わない決議が集会への出席者による多数決で可能となることやマンション再生等に活用可能な事業手法の拡充といった本法による措置について、地方公共団体、管理組合、区分所有者等に対し周知徹底を図ること。
四 管理不全マンションの増加を防ぐため、マンションの管理水準向上に資する管理計画認定制度が新築時から積極的に活用されるよう、分譲事業者に対し、管理計画の作成を積極的に促すこと。また、管理水準の高いマンションの資産価値が適正に評価されるよう、市場環境の整備に努めること。
五 管理組合自体がないような既存の管理不全マンションについては、管理組合の設立から、管理計画の作成及び実施に至るまで、地方公共団体が伴走支援を行うよう働きかけを行うこと。
六 マンション管理業者が管理事務及び管理者事務の双方の委託を受けている場合、管理業者による利益相反行為により区分所有者が不利益を被ることのないよう、本法に規定された事前説明の確実な実施に加え、マンションにおける外部管理者方式等に関するガイドラインを踏まえた対応を行うことについて、関連団体等を通じて周知徹底を図ること。
七 マンション再生事業等により、借家権者や、高齢の区分所有者など住宅の確保に特に配慮を要する者が新たに住まいを確保する必要がある場合には、それらの者の居住の安定の確保を十分に図ること。また、公営住宅等の公的賃貸住宅の活用が図られるよう、地方公共団体への的確な支援に努めること。
八 マンションの管理及び再生に当たっての助言指導や勧告、再生事業等の認可等、地方公共団体が担うマンション関連事務の増加に鑑み、マニュアルの整備やマンション政策の担当者の育成支援など、その負担軽減のために必要な措置を講ずること。
九 マンションの管理及び再生に当たっては、知識や経験を有する民間団体を積極的に活用するため、十分な数のマンション管理適正化支援法人が確保されるよう、関連団体に対し、登録の働きかけを行うこと。また、管理組合等に対し、マンション管理適正化支援法人の活用方法等について分かりやすい情報発信を行うこと。
十 長期修繕計画に対し修繕積立金が不足しているマンションの管理組合等に対して、将来の修繕費用を確保できるよう支援を行うこと。また、修繕積立金の積立方式として段階増額積立方式が増えている実態を踏まえ、着実な修繕費用の確保に向けて対策を講ずること。
十一 寿命を迎えたマンションのいわゆる「終活」に対応するため、地方公共団体が解体費用を安易に負担することなく計画的な解体が進むよう、解体費用の確保に係る対策を講ずること。
十二 マンションの大規模修繕工事をめぐり談合が疑われる事案が発生したことを踏まえ、関係機関が連携し、同様の事案の再発防止に徹底して取り組むこと。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/211
-
212・小西洋之
○委員長(小西洋之君) ただいま森屋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/212
-
213・小西洋之
○委員長(小西洋之君) 多数と認めます。よって、森屋君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、中野国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中野国土交通大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/213
-
214・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) 老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝申し上げます。
今後、本法の施行に当たりましては、審議における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
ここに、委員長を始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。
誠にありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/214
-
215・小西洋之
○委員長(小西洋之君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/215
-
216・小西洋之
○委員長(小西洋之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121714319X01520250522/216
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。