1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和七年三月三十一日(月曜日)
午後一時一分開議
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○議事日程 第十号
令和七年三月三十一日
午後一時開議
第一 土地改良法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第二 棚田地域振興法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
第三 山村振興法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
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○本日の会議に付した案件
一、令和七年度一般会計予算
一、令和七年度特別会計予算
一、令和七年度政府関係機関予算
一、日程第一より第三まで
一、大学等における修学の支援に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
一、所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
一、関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
一、地方税法及び地方税法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
一、地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
一、地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
一、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
一、参議院事務局職員定員規程の一部改正に関する件
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/0
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001・関口昌一
○議長(関口昌一君) これより会議を開きます。
この際、日程に追加して、
令和七年度一般会計予算
令和七年度特別会計予算
令和七年度政府関係機関予算
以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/1
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002・関口昌一
○議長(関口昌一君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。予算委員長鶴保庸介君。
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〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
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〔鶴保庸介君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/2
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003・鶴保庸介
○鶴保庸介君 ただいま議題となりました令和七年度予算三案の審査の経過と結果を御報告申し上げます。
令和七年度予算三案は、去る一月二十四日に国会に提出され、衆議院において修正議決の上、三月四日、本院に送付された後、五日に財務大臣から趣旨説明を聴取するとともに、修正案提出者衆議院議員松本洋平君より衆議院における修正部分の説明を聴取し、同日より質疑に入りました。
以来、基本的質疑、一般質疑に加え、七回にわたる集中審議を行い、三月十三日に公聴会を開催し、三月二十四日及び二十五日には各委員会に審査を委嘱し、三月二十八日には自由民主党及び公明党から高額療養費制度の見直しについて実施を見合わせる旨の一般会計予算に対する修正案が提出されるとともに、古川委員より趣旨説明が行われ、以後、原案及び修正案について質疑を行いました。このほか、予備審査中の二月十七日及び十八日の二日間、熊本県及び福岡県に委員を派遣して現地調査を行うなど、本日まで熱心に審査を行ってまいりました。
質疑は、高額療養費制度見直しの撤回、経済財政に対する現状認識、所得税の基礎控除引上げの在り方、旧暫定税率廃止の必要性、租税特別措置の見直し、診療報酬・介護報酬改定の必要性、障害者政策の拡充、高校無償化の制度設計、地方創生の具体的取組、道路陥没事故を踏まえたインフラ老朽化対策、能登半島地震及び豪雪、山林火災などの災害への対応、備蓄米放出による米の需給の見通し、原発を含むエネルギー政策の在り方、米国の貿易政策の影響と対応策、核兵器禁止条約締約国会議への対応、就職氷河期世代対策、選択的夫婦別姓制度の導入、政治資金をめぐる諸問題など多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
本日をもって質疑を終局し、討論、採決の結果、一般会計予算は多数をもって修正議決すべきもの、特別会計予算及び政府関係機関予算は賛成多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/3
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004・関口昌一
○議長(関口昌一君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。勝部賢志君。
〔勝部賢志君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/4
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005・勝部賢志
○勝部賢志君 立憲民主・社民・無所属の勝部賢志です。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました令和七年度予算三案に反対の立場から討論いたします。
まずは、二十八日、ミャンマーで大地震が発生し、多くの方が被災されました。お亡くなりになられた方には心からお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
政府におかれましては、我が国関係者の被災状況の把握に努めていただくとともに、一刻も早い救出と、安全確保に万全を期していただきたいと思います。また、被災された国々に対しましても物心両面での支援が必要になってくると思いますので、その対応にも遺漏なきようお願いいたします。
初めに、現憲法下で初となる参議院での本予算の修正について述べます。
令和七年度予算三案は、衆議院での多数派形成のための自、公、維の三党合意と、高額療養費の自己負担額の引上げの一部修正のため、二十九年ぶりに衆議院での修正を経て、参議院に送られてきました。
しかし、高額療養費の自己負担額の引上げについては、参議院予算審議の初日から、我が党トップバッター田名部議員の質疑において、当事者である参考人からの直談判を受けたことが決定打となり、二日後に患者団体の方々との面会後、総理はその日のうちに凍結することを表明しました。
さらに、熟議の府、再考の府である参議院の本領発揮、その役割がしっかりと機能した一幕でありました。これは、衆議院から積み上げてきた厳しい追及の上に、更なる議論を重ねた野党はもちろんのこと、与党にも慎重論が出るなど、万機公論に決すべしをまさに参議院の場で実践をしたものです。決して諦めず、最後まで当事者の方々の思いに寄り添った参議院予算委員会の憲政史上に残る大きな成果です。このようにして、現法下で初となる予算の参議院修正がなされました。
しかし、それに比べ、なぜ生煮えの法案を小手先だけ修正して参議院に送ってきたのか、総理の判断が厳しく問われます。総理には、判断の甘さと決断の遅さが当事者や関係者の方々に無用な不安を抱かせたことについても猛省を促すとともに、今後の検討に当たっては、決して期限を切るようなことはせず、当事者や関係者の皆さんの納得が得られる形で進めるべきことを強く求めます。
さてしかし、そのような中、石破総理は一体何をしているのでしょうか。
三月十三日には石破総理が新人衆議員との懇親会で商品券を配付したことが露見しました。
私は、懇親会の日取りが三月三日だったということを聞いて、愕然としました。これじゃ、誰が見ても、少数与党の衆議院での出口も無事に決まったし、あとは与党が多数の参議院なので予算は成立したも同然だから、まずは皆さん御苦労さんと宴席を設けられたのだと思われても仕方のない日程設定です。
しかも、事もあろうに、そこで十万円の商品券配付のおまけ付きだったという、まさに官邸の緊張感のなさがいまだに信じられません。当然、この問題でも参議院は振り回され、多くの時間を費やし、商品券配付問題は、歴代総理にまで波及し、いまだに疑義が晴れません。
そして、一度ならず二度までも。三月二十五日、石破総理と公明党斉藤代表との会談の中で、総理が予算成立後に強力な物価高対策が必要との発言があったと報じられました。まさに参議院での真剣な予算審議のさなかに、この予算案はそもそも無力で不十分だと自ら認めたようなもので、その審議自体、意味を成すのかという疑念も生じてしまいます。国会軽視、参議院軽視も甚だしいと言わざるを得ません。このことで、高額療養費の自己負担額の引上げ、商品券配付問題に引き続き、三度目の予算委員会での異例の陳謝と相なりました。
そもそも年度内自然成立が不可能な状態で参議院に送付され、ただでさえ日程が厳しい中で、与野党が互いに知恵を出し尽くしながら、七回の集中審議、七十六時間の議論、熟議の府、再考の府としての中身の濃い議論を続けてきたのです。
しかしながら、参議院での充実審議に波を立て、妨げてきたのは、予算審議をお願いしている当の石破総理なのであります。総理のこのような国会運営の姿勢そのものに対して疑義を持たざるを得ないことが、何よりこの場で反対討論を申し上げなければならない、まずは一つの大きな理由です。
次に、令和七年度予算案に反対する具体的な理由を述べます。
本予算案に賛成できない第一の理由は、国民の命を軽視する予算案だからです。高額療養費問題を典型に、崩壊寸前の危機的状況にある介護、障害、福祉現場で働く方々の処遇改善や訪問介護事業者に対する緊急支援などに全く取り組もうとしていません。
第二の理由は、物価高に苦しむ国民生活を顧みない予算案だからです。値上げが予想される食料品は、年間で二万品目に達すると言われています。実質賃金が三年連続マイナス。地元北海道では春はまだ遠く、ガソリン、灯油価格の高騰に苦しむ声を聞かない日はありません。そのように国民生活に寄り添ったものとは全くなっていないのです。
第三の理由は、税金の無駄遣い予算だからです。立憲民主党は、基金全体について、政府自らが決めた三年ルールを逸脱し、八兆円規模の積み過ぎが放置されていることを明らかにしました。基金や予備費の無駄に十分に切り込めていないのです。
以上の反対理由に加えて強く糾弾せざるを得ないのが、この期に及んでも自ら引き起こした自民党裏金事件に端を発した政治と金の問題を反省していない自民党の姿と、この問題をめぐる石破総理・総裁のリーダーシップの欠如です。
旧安倍派元会計責任者の参考人招致で旧安倍派幹部の発言と大きな矛盾が明確になりましたが、石破総理・総裁はキックバックの再開の経緯などについて再調査すらしないと、問題究明に後ろ向きであります。
先週末、参議院予算審議の大詰めを迎え、審議時間は当初の目安である八十時間には届かないが、内外諸課題山積のこの状況で、更に国民生活や経済に影響を与えてはならないとの参議院与野党幹部の高い次元からの御判断により、年度をまたいでの追加審議と参考人招致という二点の合意をもって、本日、本会議での採決となりました。
政治と金の問題は、言うまでもなく、まさに積年にわたり持ち越されてきた課題であり、立法府にその自浄能力が問われている問題です。私たちは、引き続きこの問題に全力で取り組んでいく決意を表明するとともに、与党の皆様には、元参議院議員である世耕衆議院議員の参考人招致を予算委員会全会一致で議決したことの重みを改めて御確認いただき、更なる審議の充実に向けて一層真摯な御努力をいただくことを強く求めます。
そして、企業・団体献金の禁止、選択的夫婦別姓制度の実現、旧統一教会問題、就職氷河期対策、さらに森友文書の開示など、残された課題にしっかりとした答えを出していく国会にしていかなければなりません。
私たちは、引き続き、国民の皆様が願う、命と暮らしを守り、若者と子供たちの未来が明るいものになるように全力を尽くして頑張ることをここに誓います。
以上申し上げ、令和七年度予算三案に反対の討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/5
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006・関口昌一
○議長(関口昌一君) 中西祐介君。
〔中西祐介君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/6
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007・中西祐介
○中西祐介君 自由民主党の中西祐介です。
私は、自民、公明を代表し、ただいま議題となりました令和七年度予算三案に対し、賛成の立場から討論を行います。
まず、本年は戦後八十年。多くの先人の尊い犠牲と多大なる御努力の下に我が国の戦後の扉が開いたことを胸にいたしたいと存じます。翌々年、日本国憲法の施行を受け、一九四七年四月二十日に第一回参議院議員選挙、次いで四月二十五日に衆議院議員選挙が行われました。まさしく、我が国の戦後民主主義は我々参議院の歴史からスタートしたわけであります。
今回、七十六時間という近年にない審議時間を重ねるに当たり、野党筆頭理事徳永エリ先生とは常に丁寧な対話と信頼を構築させていただき、心より御礼申し上げます。予算委員会理事、オブザーバー、また委員の先生方にも、鶴保委員長の下、広範な質疑項目を一度も中断することなく、静ひつな環境で行わせていただきましたことは、新しい参議院らしさを示す姿であったと感謝いたします。
本予算案は、衆議院での修正案に対し、我々参議院で改めて再修正を挑むものでもあります。衆議院への回付、成立となれば、日本国憲政史上初となり、まさに与野党伯仲の枠組みを超えて、立法府、参議院の矜持、独自性を新たに示すことになります。
委員の皆様の御協力のおかげさまでこうした歴史に刻む審議過程を経たこと、お互い誇りを持ちながら、以下、賛成する主な理由を申し述べます。
第一に、経済の好循環の要となる、物価高に負けない持続的な賃上げの実現に向けた施策が盛り込まれている点です。
我が国経済は、昨年、名目GDPで初めて六百兆円を超え、本年の春闘でも第二回集計の賃上げ率が平均五・四〇%と、三十四年ぶりの高水準を維持しております。
賃上げと投資が牽引する成長型経済の実現に向けて、それらの原資となる我が国の稼ぐ力を引き出すべく、人工知能、半導体分野やグリーントランスフォーメーションに資する投資促進のための経費が計上されています。
また、中小企業等との取引適正化にも力を入れるなど、本予算案は、先端的な取組から個別の現場レベルに至るまで、様々な段階で経済の好循環の波を大きくし、それに伴い、力強い賃上げを促すものとなっております。
さらに、令和六年人事院勧告を反映した公務員、保育士、幼稚園教諭等の給与改善、さらに教職調整額の段階的な引上げを加えた教員の処遇改善も含まれております。
現在、物価上昇局面に接し、日常生活の負担感に実直に寄り添うべきであり、また、米国の関税引上げなど、今後の世界経済の動向を大局観を持って注視すべきでありますが、まずは、本予算案における各施策をちゅうちょなく実行し、我が国経済の好循環の動きを止めるべきではないと確信するものであります。
第二に、全国が渇望する新たな地方創生の取組を進めるための予算となっている点です。
地方こそ成長の主役との発想に基づき、地方創生二・〇として、各地がそれぞれの特性に応じた発展を遂げることができるように、地方公共団体による自由度の高い事業の実現を可能とする交付金を創設した上で、当初予算ベースで従来から倍増させています。
我が国の真の魅力を最大化させるため、地域の自然環境や文化資源を活用した観光コンテンツの充実などを図り、インバウンド消費十五兆円の目標達成を実現させるための施策も盛り込んでおります。
第三に、日本の安全、安心を必ず守り抜くとの決意を内外に示し、その実行を裏付ける予算となっている点であります。
既存の国際秩序への飽くなき挑戦が続き、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中において、防衛力整備計画に基づき、スタンドオフ防衛能力の強化など、喫緊の課題である防衛力の抜本強化を引き続き推進するほか、自衛隊の人的基盤の強化に向けた取組を進めるための予算も計上されています。
頻発化、激甚化する自然災害から国民の皆様の命と生活、財産を守るための防災・減災、国土強靱化対策、老朽化が懸念される社会インフラの点検と維持更新、さらには災害時に活用可能なキッチンカーやトイレカー、トレーラーハウス等の登録制度の創設など、災害対応力の強化、事前防災等の徹底に力を入れております。
食料安全保障の強化に向け、野菜や麦、大豆など畑地での本作化や、農林水産物・食品の輸出促進、畜産、酪農の生産基盤の維持強化を推進するほか、安定的な食料の供給に向けた合理的な価格形成、あるいは農業の持続的な発展に資する共同利用施設の再編、集約、合理化やスマート農業技術の導入などのための予算も計上しています。
第四として、子ども・子育て政策にも更に一層力を入れている点です。
こども未来戦略に基づく子ども・子育て支援を本格的に実施し、一歳児への保育の質の向上、育休給付の充実等に取り組むための予算を盛り込んでいます。あわせて、児童虐待防止施策等の更なる強化や、様々なニーズを抱える子供、若者に対する包括的な支援体制の構築のための予算も増額をしております。
また、令和七年度より、高校生の年代まで拡充される児童手当に加え、大学など高等教育の無償化、子供を三人以上扶養する多子世帯の学生等の授業料や所得制限のない入学金無償化、さらに、衆議院で加えられた自民、公明、日本維新の会の三党で協議した成果も踏まえ、令和七年度より、年収に関係なく公立高校授業料相当額の支給を実現するための予算も組み込まれております。
最後に、高額療養費制度の見直しについて、本院予算委員会にて石破総理が約束された、がんや難病患者団体の方との直接面談を受け、最終的に総理自ら判断された引上げ見送りのための予算案再修正を加えている点であります。
仮に衆議院で可決された本予算案が自然成立となれば、高額療養費制度の自己負担上限額引上げの見送りが反映されないこととなります。二院制の一翼を担う参議院として、再修正を含む本予算案を可決し、早急に衆議院に回付すべきであります。
日程が切迫する三月四日に衆議院から送付され、非常に厳しい審議過程を重ねてきた予算委員会でありましたが、各会派国対間での丁寧な御協議もいただき、また与野党理事、委員の皆様のお力で、良識の府、熟議の府として参議院らしい審議を進めることができたならば、ここに深く感謝の意を申し添えたいと存じます。
最後に、改めて令和七年度予算案への御賛同を心よりお願い申し上げ、私の賛成討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/7
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008・関口昌一
○議長(関口昌一君) 浜口誠君。
〔浜口誠君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/8
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009・浜口誠
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。
会派を代表して、令和七年度予算案に対して反対討論を行います。
まず、ミャンマー地震に対して申し上げます。
被災した皆様、亡くなられた皆様に心からお見舞いとお悔やみを申し上げます。
政府として、邦人の安否確認、救出に万全を期すとともに、被災した国々への支援に向け、国際社会と連携した対応を強く求めます。
さて、参議院において予算委員会での議論が行われているにもかかわらず、三月二十五日、石破総理は、米やガソリンの価格高騰などを念頭に、予算成立後に強力な物価高対策を打ち出す考えを表明しました。まだ予算が成立していない中で、石破総理自ら、今回の予算案が物価高対策が不十分であり、課題のある予算案だと言っているのと同じです。真摯な議論を行っている参議院に対して極めて失礼で、不適切な発言です。
予算案に課題があるなら、参議院で国民民主党が提案する基礎控除を更に引き上げて、国民の手取りを増やすための所得税減税や、ガソリンの暫定税率をすぐに廃止して、ガソリン高で苦しむ地方の暮らしや経済を支えるための予算の修正を行うべきではないですか。
石破総理のこうした発言を踏まえても、来年度予算は、物価高騰で苦しむ国民に寄り添い、国民生活を支える予算になっていないことは明らかです。
本予算に対する反対理由を四点申し上げます。
まず一点目は、昨年十二月十一日の国民民主党、自民党、公明党三党の幹事長合意が守られた予算になっていないという点です。
合意内容は、いわゆる百三万円の壁は国民民主党の主張する百七十八万円を目指して来年から引き上げる、いわゆるガソリンの暫定税率を廃止する。この公党の幹事長合意は極めて重いものです。
しかしながら、昨年から行ってきた三党協議の結果、年収の壁への対応は、政府案に与党修正が行われたものの、国民民主党が目指すものとは乖離が大きく、ガソリンの暫定税率の廃止も、いつから廃止するか与党から明確に示されず、幹事長合意を満たすものとはなりませんでした。
三党の幹事長合意が守られていない予算案には、国民民主党は断固反対です。幹事長合意の誠実な履行に向けて、与党の今後の対応を強く求めます。
二点目は、手取りを増やす政策が不十分であるという点です。
日本経済は、長く続いた賃金デフレから脱却できる兆しが見えてきた一方で、国民の皆さんからは、給料は上がってきたが、税金や社会保険料が高くなって手取りが増えないといった声も多く寄せられています。国の税収は過去最高なのに、国民の暮らしは豊かにならない。政治の役割は、国の懐を豊かにすることではなく、国民の懐を豊かにすることです。
こうした考えの下、国民民主党は、基礎控除の引上げによって、年収の壁百三万円を百七十八万円に引き上げ、所得税の減税によって手取りを増やす政策の実現を強く求めてきました。一九九五年から三十年間変わらなかった百三万円の壁の見直し、基礎控除の引上げは、物価上昇等を踏まえた憲法第二十五条の生存権に基づく最低生計費への対応、働き控えの対応、手取りを増やすことで消費や経済の活性化という三つを目的としており、国民の民意に基づく国民のための政策です。
しかしながら、衆議院での修正に反映された与党案は、低所得者対策が主目的となり、年収二百万円以下の基礎控除等は恒久措置として百六十万円に引き上げられたものの、新たに四つの年収要件が設けられました。年収の壁をなくそうとしていたにもかかわらず、新たな壁が四つもできるなど本末転倒です。
また、税は簡素でシンプルでないと国民の理解と納得が得られません。与党案の基礎控除の見直しは非常に複雑であり、税の原則からも大きな課題があります。
所得税の減税額も年収別に二万円から三万円程度であり、国民民主党の百七十八万円に引き上げた場合と比べると、中間層以上の減税額は十一万円から二十万円以上も大幅に少なくなっています。低所得者層への対策ももちろん重要ですが、物価高で生活が苦しい状況は中間層も同じです。所得税収の約八割は、年収五百万円以上の中間層が中心に負担しています。今の日本を支えている現役世代である中間層に政府はもっと寄り添って、手取りを増やす政策で応援していくべきです。
中間層以上への減税額が小さい与党案では、手取りを増やして消費を拡大し、更なる賃上げにつなげていく経済の好循環をつくり出すことはできません。国民が真面目に働けば、給料が上がり、手取りも増えていく、こうした社会の実現につながる予算を提案していくことが政府の役割です。
三点目は、地方の暮らしや経済を支える予算案になっていない点です。
一日も早くガソリンの暫定税率を廃止して、ガソリン代を一円でも安くしてほしい。車が生活必需品であり、一世帯当たり三台、四台の車を保有している地方の皆さんからは悲鳴、SOSが届いています。
昨年十二月以降、政府は、ガソリン等への補助金をリッター当たり十円程度減額し、現在ではレギュラーガソリン一リッター当たり百八十五円の、補助金を支給する基準額となっています。政府は四月以降もガソリン等への補助金を継続する方針ですが、補助金に対しては、会計検査院から、ガソリン価格の引下げにつながっていない懸念や、価格のモニタリング等に百三十億円を上限とする多額の予算が計上されているなど問題点が指摘されています。
ガソリンの暫定税率は、一九七四年以降五十年以上続いており、本来の税金に上乗せされている部分です。暫定税率によってガソリンの税金は二倍の負担になっています。ガソリンの暫定税率が廃止され、ガソリン価格が安くなれば、地方を中心とした家計を助けることができます。物流費も下がり、物価高騰対策にもなります。企業は経費削減により利益を確保し、持続的な賃上げにつなげていくこともできます。幅広い政策効果が期待できるガソリンの暫定税率はすぐにでも廃止すべきです。
四月以降、ガソリン等の補助金の予算残高は約一・二兆円、この予算を活用すれば、六月までに暫定税率を廃止できると考えます。今必要なのは、政治の本気と決断です。自民党幹部からも暫定税率廃止を早急に判断すべきとの意見もあり、正論です。地方の暮らしと経済を守るため、六月までにガソリンの暫定税率廃止することを強く求めます。
四点目は、予算の修正が、政府・与党のメンツを保つことが優先され、国民生活を第一に考えた予算案の大幅な修正を行わなかった点です。
今回の衆議院での予算案の修正は、当初予算として、一九九六年以降、二十九年ぶりの国会修正となりました。本来は、予算書を修正した上で改めて国会に予算案を出し直し、大幅な予算案の修正を行うべきでありましたが、今回の予算案の修正は、政府・与党が自らのメンツを守るため、小幅な修正にとどまりました。国民のための予算案とするには大幅な予算案の修正が必要だったにもかかわらず、それを政府・与党が行わなかったことは、国民に対して不誠実な対応ではありませんか。
物価高で苦しい状況が続く国民生活の支援、デフレからの完全な脱却、三年連続して実質賃金マイナス、トランプ政権による世界経済の不透明感の増大などに対応していくためには、野党からの幅広い提案や政策を受け入れていくことが極めて重要です。そのためには、大幅な予算修正を行うことが政府の責務であったと考えます。
以上、令和七年度の予算案に反対する理由です。
国民民主党は、今後も、諦めることなく、粘り強く、国民目線で、もっともっと手取りを増やすための政策を貫き、その実現に向けて全力で取り組んでいくことを宣言をいたしまして、反対討論を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/9
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010・関口昌一
○議長(関口昌一君) 金子道仁君。
〔金子道仁君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/10
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011・金子道仁
○金子道仁君 日本維新の会、金子道仁です。
会派を代表し、ただいま議題となっております令和七年度予算三案について、賛成の立場から討論を行います。
昨年十月の衆議院議員選挙の結果、衆議院は与党過半数割れとなり、三十年ぶりの少数与党の政権運営が始まって五か月が経過しました。与党のみでは予算案も法律案も成立できないという特殊な状況下で、我が党を含めた野党は、それぞれに掲げた政策実現のために与党・政府との間で協議を行い、互いに切磋琢磨してまいりました。
我が党も、結党以来の中心政策である教育無償化と現役世代の負担軽減を図るための社会保障改革の分野において改革実現に向けた真摯な協議を重ね、その結果として、与党との間で合意に至りました。今回の合意に関する所要の修正が予算案に加えられたことを理由として、令和七年度予算案に賛成の意を表明しました。
今回の合意に際して石破総理は、与野党の建設的な協議と合意は我が国の国会の在り方としても非常に意義深いと述べられました。今後も様々な枠組みで与野党協議が展開されると予想されますが、与野党を交えた政策決定プロセスに際しては、より透明性を向上して広く国民に周知を図り、できるだけ多くの会派の参画を得て広いコンセンサスを図る、充実した国会審議に引き継がれる形で進められていくことを希望いたします。
また、我が国の特殊な政治状況は、国際社会からも関心を持って見られています。今年二月に出されたIMFの対日四条協議の声明には、少数与党下での政治要求を踏まえると赤字が更に拡大するリスクがあるが、財政余地が依然限られているためこれは避けるべきであり、予算における他分野の歳出削減で相殺されなければならないとの言及がありました。国際社会の信頼を保ち続けるために、財政健全化の姿勢を堅持し、与野党共に責任ある政策提言を行い、現役世代の負担をこれ以上増やすことなく、また次世代に負担を先送りすることなく、行財政改革により必要な財源を捻出すべきことであることを繰り返し申し述べます。
合意分野の一つである教育無償化について、来年度予算に高校の授業料無償化のための費用が盛り込まれました。ただし、無償化はあくまで手段であり、ゴールではありません。生徒一人一人が自分の人生を考え、学びを選択し、問いを持ちつつ決めていく力を育てること、そして、全国どこに住む高校生でも質の高い教育を受けられる社会をつくることが真の目的です。
今回の合意文書では明確でなかった論点については、予算委員会等で様々な議論が行われました。我が党は、就学支援金の生徒本人への支給を徹底することで、支給対象を明確にしつつ、生徒が自ら責任を持って学びを選択、構築できる環境をつくるとともに、便乗値上げを防ぐ方策を提言しています。また、過疎地域でも多様で質の高い教育機会を確保するため、公立、私立を合わせた学校配置計画の策定、通信教育や遠隔授業を用いた連携推進、学校、課程、学科の垣根を越えた単位互換の推進を訴えました。これらの政策を総合して、全国どこに住む高校生でも多様で質の高い教育を受けられる環境づくりに努力してまいります。
もう一つの分野である社会保障、社会保険料を下げる改革については、年間四十七兆円に達し、毎年一兆円規模で増え続けている国民医療費により現役世代に課せられる社会保険料の負担が限界に達していることを深く憂慮し、現役世代の手取りを増やすと同時に医療制度の持続可能性を確保するため、国民医療費の総額を年間で四兆円削減することを目標に、令和七年末までの予算編成過程で論点の十分な検討を行い、早期に実現可能なものについては令和八年度から実行に移すことに合意しました。予算委員会等の場では、OTC類似薬の保険給付の在り方、高額療養費制度の外来特例の見直しなど、改革の具体策についても議論し、改革の実効性を示しました。これからも改革の具体策を政府・与党に提案し、実効ある社会保険料を下げる改革を実現してまいります。
高額療養費の制度の見直しの凍結についても一言申し上げます。
保険、健康保険の本来の意義とは、予測困難な健康上の問題を前にした国民が高額な医療費で治療を諦めることのないようにすることであり、高額療養費制度は、まさに保険、健康保険制度の中核です。政府が高額療養費制度の負担上限額引上げを見送る方針を固めることは当然の判断であると考えます。
本制度は、負担上限額の引上げの前に多くのやるべき改革があります。軽微な症状は自分で治す、薬剤師の役割を見直し強化する、処方箋なしで薬局で買える医薬品は保険を使わずに買っていただく、ジェネリック医薬品を選択してもらうなど、少しの不便を全世代の国民で分かち合っていただくとともに、医療提供者側にも、DXを通じた効率化や過剰な医療については是正を求めるような改革を提言してまいります。
予算の内容については、全てにおいて賛成ということではありません。高額療養費制度については予算の修正がなされたことは多としますが、地方創生交付金の執行状況、そして何より不十分な行財政改革については我が党は反対の立場であり、今後もその姿勢を示してまいります。
強く危惧することは、財政規模がコロナ前に戻っていないことです。
コロナ禍を越え、財政の平時への回帰が訴えられる中、令和六年度の予算の歳出規模は当初予算比で前年度から僅か一・八兆円程度、一・六%の減額にとどまり、令和七年度政府予算では前年度から三兆円、約二・六%の増額となっています。税収等が増加傾向にある今こそ、財政バッファーを再構築し、相次ぐ自然災害等の緊急的支出にも対応できる財政的余地を確保することが重要であると考えます。
そのためにも、政府に対しては、総理がよくおっしゃるように、検討で終わらせないために、例えばこども未来戦略で示された社会保障の歳出改革による公費削減など、既に策定済みの改革工程の徹底した実行と精緻な検証を強く求めていきます。
また、行政事業レビューの活用による歳出削減目標額の明示、休眠基金の解消と基金の原則十年解散ルールの設定、赤字が拡大する官民ファンドの整理、廃止と類似ファンドの整理統合、特別会計の見直しなど、政府全体で徹底した行財政改革を行うことを約束した三党合意の実現を目指して、政府・与党に行財政改革の提言を行い、その果実を得る努力を行います。
企業・団体献金を受け取らず、しがらみなく意見、提言できる日本維新の会だからこそできる様々な改革提案を批判を恐れずに行ってまいります。
政治と金の問題を端緒とした政治資金規正法の改正と企業・団体献金の廃止についても一言申し上げます。
参議院での予算審議途中に発覚した石破総理による商品券配付問題は、予算審議に水を差し、政策議論を妨げるゆゆしき事態でした。衆議院で政治資金規正法改正の議論をしている中で、歴代総理による慣習とも推察させる行為が露見したことは、政治と金の問題の根の深さを国民に印象付け、更なる政治不信、国会議員全体への不信を招いています。だからこそ、我々国会議員は、今こそ自ら襟を正し、自ら厳しく律する姿勢を示すため、考え得る最も厳しい条件で企業・団体献金を廃止し、国民の信頼回復を図るべきだと考えます。
当初申し合わせた本日までの合意形成は難しい状況ですが、国民の皆様に評価していただけるような、そして金の掛からない政治の実現の第一歩となるような企業・団体献金禁止法案の成立に向け、丁寧かつ早急な合意形成を強く求めます。
最後に、私は予算委員会で、我が国の平和教育の中心は何かと総理に質問いたしました。戦争資料館ではなく広島平和記念資料館という名前に衝撃を受けたパレスチナの青年の話から、私は、平和教育の中心は赦し、憎しみの連鎖を断ち切ることであると発言しました。総理はこれに対し、自分だけが正しいという自己義認の危険性を指摘され、平和教育の中心は寛容であると述べられました。
昨年、被団協がノーベル平和賞を受賞し、我が国の平和教育が脚光を集めている中、平和教育の中核である赦し、寛容という価値観が我が国の内外にしっかり発信されることを期待します。教育無償化という手段を通して全国どこでも多様で質の高い教育機会が確保されること、そして、平和教育やインクルーシブ教育等を通して他者への寛容と赦しの価値観が子供たちに浸透していくことは、国内の社会基盤を強化し、同時に積極的平和外交につながると確信します。
我々は、教育無償化の先にある理想の教育像を各会派と真摯に議論し、次の世代に希望を与える教育機会を提供する、国家百年の計である教育の転機に臨む国会の重い責務をしっかり果たしていく決意を最後に申し述べ、討論を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/11
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012・関口昌一
○議長(関口昌一君) 山下芳生君。
〔山下芳生君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/12
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013・山下芳生
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、二〇二五年度予算案に反対の討論を行います。
反対理由の第一は、裏金事件への無反省、石破総理の商品券配付などにより、予算の前提である国民の政治への信頼が大きく崩れているからであります。
昨年の総選挙では、自民党の裏金事件に対する国民の怒りが爆発し、自民、公明は衆議院で少数与党となりました。ところが、自民党は裏金事件について全く反省していません。
総選挙後、参議院政治倫理審査会に二十七人の裏金議員が我も我もと弁明を申し出てきました。これまで二十六人の議員が弁明し、質疑が行われましたが、個々の議員が知らぬ存ぜぬで済まそうとしているだけでなく、自民党全体が裏金事件の真相解明に背を向け、幕引きを図ろうとしていることが明らかとなりました。
さらに、政倫審で、還付金の収支報告書不記載について違法性を認識していた秘書に派閥事務局が違法行為を強要したという重大な証言がありながら、石破総理は党総裁として調査することを拒否しています。
このように、総理始め自民党全体が裏金事件に無反省であることが、収支報告書にも書かれない、新たな裏金配りともいうべき十万円の商品券配付の根っこにあることは明らかであります。
総理は、商品券配付について、私費で賄い、政治活動ではない、だから法違反ではないと繰り返しますが、政治資金規正法は、私費であろうがポケットマネーであろうが、政治活動に関わって政治家個人に寄附することを禁止しています。また、総理公邸で、総理、官房長官、副長官が国会議員と会食し、政策と選挙の話をすれば、誰が見ても政治活動です。総理の行為は完全にアウトです。
商品券配付が歴代自民党政権の慣行であり、原資として官房機密費が使われた疑惑も浮上しています。
総理は、商品券配付について自らの非を認め、裏金事件の真相を解明するとともに、裏金中の裏金である官房機密費の支出の実態を国民に公開すべきです。それができないのなら、民主政治を担う資格がないことは明らかであり、速やかに退陣すべきであります。
裏金事件を始め政治と金の問題の根本には企業・団体献金があります。日本共産党は、経団連による毎年の自民党の政策評価と企業献金のあっせんによって、消費税率が連続して引き上げられる一方、法人税率が四〇%から二〇%台に引き下げられるなど、企業献金が政治をゆがめている具体例の数々を明らかにしてきました。企業献金は公開してもその本質である賄賂性は変わりません。企業・団体献金の全面禁止こそ金権腐敗政治の根を絶つ決定打であり、党派を超えて進むべき道であります。
予算案に反対する第二の理由は、物価高騰対策の特効薬である消費税の減税、廃止に背を向けるなど、国民の暮らしに冷たい一方、大企業への大盤振る舞いが過ぎるからであります。
自民党政治の下で、失われた三十年と言われる日本経済の長期の停滞と衰退が続いている上に物価高騰が襲いかかり、国民生活は極めて困難になっています。
所得税の課税最低限である百三万円の壁を引き上げることは、生計費非課税の原則から当然です。しかし、日本共産党が独自に試算した勤労世帯の年収別税負担率によると、年収一千万円未満の世帯では所得税よりも消費税の負担の方が大きい、つまり、中間所得層も含めて消費税が最も重い税金になっていることが浮き彫りとなりました。さらに、年収に応じて税金の負担率が大きくなる税の累進性が、消費税の逆進性によって、年収八百万円以下の世帯ではなくなっていることも明らかとなりました。
消費税の減税は、物価高騰対策としても最も効果が大きい上に、税制のゆがみを正し、格差を是正する点でも急務であります。
消費税減税の財源はあります。
一つは、安倍政権以来の年間十一兆円に上る大企業向けの減税優遇にメスを入れることです。参議院での我が党の質問に、総理も、この間の法人税減税について、賃上げや下請の支払が増えることを期待したが意に反しそうならなかったと、効果がなかったことを認めました。実際、大企業向けの研究開発減税による二〇二三年度の減税額トップはトヨタ自動車の八百二十三億円で、全体の八・七%を占めています。トヨタは三十兆円を超える内部留保をため込んでおり、こんな減税は必要ありません。
いま一つは、超富裕層への応能負担の徹底です。金融所得に対する税率が低いために所得が一億円を超えると所得税の負担率が下がる一億円の壁を取り払うべきであります。
こうして大企業向けの減税優遇にメスを入れ、超富裕層への応能負担を徹底すれば、消費税五%への減税は可能です。
総理は、我が党の質問に、各国の消費税減税の効果について知識を持ちたいと述べました。しかし、食料品や水道光熱費、ガソリンなどあらゆる消費に課される消費税の減税こそ、今求められる強力な物価高騰対策であることは明らかであります。総理に求められているのは、知識を持つだけでなく、実行することであります。
消費税減税に背を向ける一方、ラピダスなど半導体企業に十兆円以上の公的支援を行おうとしていることは重大です。かつて、半導体メーカー、エルピーダメモリの破綻で公的資金二百八十億円が毀損した際、政府は誰も責任を取りませんでした。同じことを繰り返すことは許されません。
熊本県に進出した台湾の半導体企業TSMCの工場の処理水が放水されている河川で、海外で規制されている有機フッ素化合物PFASの濃度が上昇したことが確認されました。政府として、全国の半導体工場を調査し、住民の健康と環境を守るための対策を取ることを強く求めます。
反対理由の第三は、軍事費の異常な突出が暮らしも平和も壊す予算となっているからであります。
新年度予算案は、軍事費、防衛関係費だけが前年度比九・五%増と突出し、社会保障費、文教科学振興費、中小企業対策費は、物価上昇率以下で実質マイナスです。まさに大軍拡が暮らしを押し潰す予算となっています。
五年間で四十三兆円という安保三文書に基づく大軍拡計画によって、軍事費は二〇二二年度五・四兆円から二〇二五年度八・七兆円へと三・三兆円も急増しています。このまま進めば、二〇二七年度には十兆円に達することが確実です。その中身も、長射程ミサイルの配備など、敵基地攻撃態勢の構築であり、軍事対軍事の悪循環を招き、戦争の危険を増大させるものであります。
しかも、石破総理は日米首脳会談で、二〇二七年度より後も抜本的に防衛費を強化するとトランプ大統領に約束しました。その後、コルビー米国防次官候補は、日本の防衛費をGDP比三%以上に引き上げるべきだと公然と要求しています。三%といえば年十八兆円の軍事費となり、暮らしも財政も破綻します。
日本共産党は、平和も暮らしも壊す大軍拡の中止を求めます。外交の力によって東アジアに平和をつくる取組こそ政治の責任です。
最後に、高額療養費の上限額引上げを見送る予算修正は、がんや難病に苦しむ方々の声に応えるものであり、賛成です。凍結でなく撤回し、むしろ上限額を引き下げるべきであります。
声を上げれば政治は動く。日本共産党は、選択的夫婦別姓、学校給食無償化、学費値上げ中止と値下げなど、国民の切実な要求を実現するために奮闘するとともに、国民の要求を阻んでいる大企業、財界中心、日米同盟絶対という自民党政治のゆがみを正すために全力を尽くす決意を表明し、討論とします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/13
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014・関口昌一
○議長(関口昌一君) これにて討論は終局いたしました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/14
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015・関口昌一
○議長(関口昌一君) これより採決をいたします。
まず、令和七年度一般会計予算の採決をいたします。
本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
表決は記名投票をもって行います。本案を委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。
議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
〔議場閉鎖〕
〔参事氏名を点呼〕
〔投票執行〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/15
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016・関口昌一
○議長(関口昌一君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
〔投票箱閉鎖〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/16
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017・関口昌一
○議長(関口昌一君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
〔議場開鎖〕
〔参事投票を計算〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/17
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018・関口昌一
○議長(関口昌一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十七票
白色票 百六十二票
青色票 七十五票
よって、本案は委員長報告のとおり修正議決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/18
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019・関口昌一
○議長(関口昌一君) 次に、令和七年度特別会計予算及び令和七年度政府関係機関予算を一括して採決いたします。
表決は記名投票をもって行います。両案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。
議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
〔議場閉鎖〕
〔参事氏名を点呼〕
〔投票執行〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/19
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020・関口昌一
○議長(関口昌一君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
〔投票箱閉鎖〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/20
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021・関口昌一
○議長(関口昌一君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
〔議場開鎖〕
〔参事投票を計算〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/21
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022・関口昌一
○議長(関口昌一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十七票
白色票 百六十二票
青色票 七十五票
よって、両案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/22
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023・関口昌一
○議長(関口昌一君) 日程第一 土地改良法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
日程第二 棚田地域振興法の一部を改正する法律案
日程第三 山村振興法の一部を改正する法律案
(いずれも衆議院提出)
以上三案を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長舞立昇治君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔舞立昇治君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/23
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024・舞立昇治
○舞立昇治君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
まず、土地改良法等の一部を改正する法律案は、農業生産の基盤の保全及び担い手のニーズに対応した基盤整備に関する措置を講じようとするものです。
委員会におきましては、国等の発意による基幹的施設の更新事業の趣旨、連携管理保全事業創設の意義等について質疑が行われました。
質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、附帯決議が付されております。
次に、棚田地域振興法の一部を改正する法律案は、法律の有効期限を五年間延長するとともに、施策の充実を図ろうとするものです。
委員会におきましては、提出者の衆議院農林水産委員長御法川信英君より趣旨説明を聴取した後、棚田地域の課題解決に向けた国の支援方針等について質疑が行われました。
質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、附帯決議が付されております。
次に、山村振興法の一部を改正する法律案は、法律の有効期限を十年間延長するとともに、施策の充実を図ろうとするものです。
委員会におきましては、提出者の衆議院農林水産委員長御法川信英君より趣旨説明を聴取した後、山村振興に向けた国の支援の充実等について質疑が行われました。
質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/24
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025・関口昌一
○議長(関口昌一君) これより三案を一括して採決いたします。
三案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/25
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026・関口昌一
○議長(関口昌一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/26
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027・関口昌一
○議長(関口昌一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十七
賛成 二百三十五
反対 二
よって、三案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/27
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028・関口昌一
○議長(関口昌一君) この際、日程に追加して、
大学等における修学の支援に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/28
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029・関口昌一
○議長(関口昌一君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長堂故茂君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔堂故茂君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/29
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030・堂故茂
○堂故茂君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、多数の子等の教育費を負担している家庭における教育費の負担の軽減を図るため、当該家庭の学生等に係る大学等の授業料等の減免制度を創設する等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきまして、法律の目的を改正する理由、支援対象者の拡大の必要性、学業の成績要件の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の吉良委員、れいわ新選組の舩後委員より、それぞれ反対の意見が述べられました。
討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/30
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031・関口昌一
○議長(関口昌一君) これより採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/31
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032・関口昌一
○議長(関口昌一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/32
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033・関口昌一
○議長(関口昌一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十七
賛成 二百十八
反対 十九
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/33
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034・関口昌一
○議長(関口昌一君) この際、日程に追加して、
所得税法等の一部を改正する法律案
関税定率法等の一部を改正する法律案
(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/34
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035・関口昌一
○議長(関口昌一君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長三宅伸吾君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔三宅伸吾君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/35
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036・三宅伸吾
○三宅伸吾君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、財政金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
まず、所得税法等の一部を改正する法律案は、物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整対策、地域経済の好循環の実現、国際環境の変化への対応等の観点から、国税に関し、所要の改正を一体として行おうとするものであります。
なお、衆議院において、所得税の基礎控除等の特例を創設するほか、所得税の抜本的な改革に係る措置及び所得税の基礎控除の特例の実施に要する財源の確保に係る措置の規定を附則に設ける修正が行われております。
委員会におきましては、石破内閣総理大臣に対する質疑を行うとともに、所得税の基礎控除の意義及び引上げを行う理由、揮発油税等のいわゆる暫定税率廃止の財源確保に向けた検討、企業の内部留保の増加を踏まえた法人税の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、立憲民主・社民・無所属を代表して柴愼一理事、国民民主党・新緑風会を代表して上田清司委員、日本共産党を代表して小池晃委員よりそれぞれ反対、日本維新の会を代表して浅田均委員より賛成する旨の意見が述べられました。
討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
次に、関税定率法等の一部を改正する法律案は、最近における内外の経済情勢等に対応するため、関税率等について所要の改正を行おうとするものであります。
委員会におきましては、関税率の設定の在り方、米国の関税政策等への対応等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/36
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037・関口昌一
○議長(関口昌一君) ただいま委員長報告がありました議案のうち、所得税法等の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。柴愼一君。
〔柴愼一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/37
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038・柴愼一
○柴愼一君 立憲民主・社民・無所属の柴です、柴愼一です。
私は、会派を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論いたします。
反対する第一の理由は、所得税の年収の壁対策に関わる一連の改正内容です。
まず、政府原案で基礎控除と給与所得控除の最低保障額を十万円ずつ引き上げた点について、政府はその理由を、物価が上昇すると実質的な税負担が増えるという課題に対応するものとしています。これは、最低限度の生活費には課税しないとの基礎控除の趣旨に基づき、物価高による最低限度の生活費の上昇に対応したものと言及しない、論点をずらしていると言えるものです。実質的な税負担の増加を理由としているにもかかわらず、引上げ額の根拠を、実質的な税負担額の増加分ではなく、消費者物価指数などの動向としており、引上げ額設定の論理が破綻しています。
さらに、与党修正案は、昨年十二月の自民党、公明党、国民民主党の三党合意に基づく協議において、課税最低限を百七十八万円に近づけるために基礎控除に年収に応じた四区分を設け、かつ時限措置とするなど、複雑極まる制度となりました。
最低限度の生活費に対しては課税しないという基礎控除の趣旨からすれば、そこに年収に応じた細かい区分、しかも時限でそれを設けることは、基礎控除の趣旨をないがしろにするものであるとともに、各企業の給与会計実務に携わる方々の事務負担やシステム改修などのコストが増大する観点からも、大きな問題が生じる懸念があります。
加えて、与党修正案では、年収二百万円を超えるラインを境に新たな壁が生じます。高所得層の減税額が大きくならないよう、おおむね二万円の減税額とするために複雑な制度設計となり、これなら二万円の定額減税とすればよかったと言えます。
今般の百三万円の年収の壁議論の論点の一つであった大学生の働き控えの問題は、特定親族特別控除の創設により対応が図られたことから、基礎控除の見直しの議論は、基礎控除とはどうあるべきか、何を基準とすべきかなどの本質論であるべきでしたが、予算成立に向けた政党間協議をまとめるための妥協案、苦肉の策となりました。このことで、税制の基本原則、公平、中立、簡素が大きくゆがめられた結果である本改正案を容認することはできません。
与党の修正により追加された附則第八十一条では、所得税の抜本的な改革に係る措置、「我が国の経済社会の構造変化を踏まえ、各種所得の課税の在り方及び人的控除をはじめとする各種控除の在り方の見直しを含む所得税の抜本的な改革について検討を加え、その結果に基づき、必要な法制上の措置を講ずるもの」とされています。今後、このことに基づき抜本的な改革についての検討が行われることとなりますが、政府・与党内の議論にとどまらず、熟議と公開の下、国会での開かれた議論が行われることを強く求めます。
反対する第二の理由は、物価高に苦しむ国民生活に対して税制による支援が不十分な点です。
これまで政府は、ガソリンに対する補助金を段階的に縮小してきています。いまだに高値のまま推移するガソリン価格は生活を直撃し、国民は価格低減に直結する暫定税率廃止を強く求めています。
三党合意によっていわゆるガソリンの暫定税率を廃止することが確認されているにもかかわらず、今日まで衆参における委員会質疑でその具体策が示されることは一切ありませんでした。ガソリン高を事実上放置する政府・与党の姿勢は容認できるものではありません。
そんな委員会での議論を積み重ねてきたにもかかわらず、石破総理が予算成立後に燃料費高騰対策の検討について触れたとする報道は、委員会での真剣な審議をないがしろにするものであり、厳しく指摘したいと思います。
反対する第三の理由は、法人課税の見直しが不十分な点です。
巨額の租税特別措置が、明確な効果が見られないまま惰性で続けられています。我が党が衆議院で提出した修正案の内容に基づき、租特の適用企業名を公表して、その有効性を早急に確認すべきです。
また、今次春闘交渉における大手の満額回答が相次ぐ中で、大企業に恩恵が偏る賃上げ促進税制は廃止し、それにより生み出された財源で、価格転嫁が進まず経営に苦しむ中小企業の賃上げに今こそ実効ある支援策を講じるべきです。価格転嫁や適正取引を促す措置をより一層推進する施策や、赤字企業などへの補助金政策の導入に関する検討も含めて、政府の対応には中小企業を支援する観点が弱過ぎます。
反対する第四の理由は、規模ありき、四十三兆円の防衛費確保のための税制措置は到底認められないからです。取りやすいところから取るというたばこ増税も含め、防衛増税は撤回するべきです。
石破総理は、今国会冒頭の施政方針演説において、かつて国家が主導した強い日本、企業が主導した豊かな日本、加えてこれからは一人一人が主導する楽しい日本を目指していきたいと述べられました。楽しい日本という言葉の選択はどうかと思う面もありますが、国家や企業などの視点から、一人一人の存在、生活に着目して政策を講じていくことには強く共感するものです。
政府が掲げる賃上げと投資が牽引する成長型経済に向けた好循環を実現できるかの転換点である今年こそ、税制の抜本改革が必要であったはずです。
しかし、本税制改正案には、そんな楽しい日本を実現するための具体策が何ら示されていません。税制には社会構造を変える大きな力があります。失われた三十年に終止符を打ち、アベノミクスによって積み上がった巨額の内部留保や金融資産などの果実を働く者や中小企業に還元させる税制を創設することこそが、政治に求められています。
政治と金、自民党と金の問題、裏金問題で政治に対する信頼が大きく揺らぎ、信頼回復に向けた様々な取組が進められています。昨年に引き続き、今国会でも政治の信頼回復が大きなテーマであるはずです。
そのような中、石破総理による十万円の商品券配付問題が発覚しました。石破総理は、法的な問題はないと強弁しますが、石破総理の言い訳一つ一つが政治資金規正法の実効性を失わせるものであり、極めて重大な問題です。
鈴木法務大臣が法務省職員の労をねぎらうために月餅を配った問題で、石破総理は鈴木大臣を厳重注意しましたが、総理自身や国会議員は特別との意識があったのでしょうか。
派閥裏金問題では、裏金を受け取った議員に対し納税を求めない税務当局に対して厳しい批判が沸き起こりました。国民は一円たりとも徴税逃れ、申告漏れを許されません。加えて、多くの国民が食料品、ガソリン等の物価高に苦しみ、政府による支援も不十分であるさなかに、与党政治家の国民との金銭感覚の大きなギャップが明らかになりました。そうした政府・与党が税制を担い、国民に税の負担をお願いする資格はないと言わざるを得ません。
以上から、本改正案は、物価高に苦しむ国民生活を支援する措置が不十分であり、大きな時代の転換点に当たる税制改正の内容としても不十分であることをもって明確に反対することを表明し、私の討論とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/38
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039・関口昌一
○議長(関口昌一君) 高木かおり君。
〔高木かおり君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/39
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040・高木かおり
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
私は、会派を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案に賛成の立場から討論いたします。
初めに、今回我々は賛成の立場を取りますが、例えば、防衛増税の入口となるようなたばこ税の増税に関しては、日本維新の会としては従来から反対であり、改正案の全ての項目に賛成するものではないことを申し述べておきます。その上でなお、大きく三つの理由から賛成いたします。
まず第一に、三十年間動かなかった百三万円の壁を引き上げるべきという国民の声に応え、基礎控除と給与所得控除を見直し、総額一・三兆円の減税につなげた点であります。
長引くロシアのウクライナ侵略や、エネルギー価格の高騰、急激な円安などによって物価が高騰し、今や消費者物価指数の上昇率は、政府目標の二%を大きく上回る水準にあります。賃金と物価の好循環を目指す中、増えない手取りと高い物価のギャップに苦しむ方々が今まさに数多くいる現状において、手取りを増やすため、必要な減税と社会保険料の引下げは不可欠です。
一方で、これまで所得税は、勤労意欲や事業意欲を阻害しない配慮といった観点から、何度も税率の引下げや累進性の緩和が繰り返され、本来あるべき所得の再分配の機能が低くなってしまったのは事実です。
また、急速な少子高齢化によって我が国の人口ピラミッドの形が大きく変わったため、多くの現役世代においては所得税負担よりも社会保険料負担の割合の方が高くなるという事態が起きています。現に、多くのサラリーマンの給与明細を見れば、所得税や住民税よりもはるかに高額の社会保険料が差し引かれているのが現実です。
社会保険料は一定の金額でその負担上限が決まっており、逆進性があります。社会保険料負担が重い、考えようによっては、給与所得で暮らす現役世代にとって、この社会保険料が世代間格差の拡大を助長しているという側面も見逃せません。
今回、自民党、公明党と我々日本維新の会が、この格差拡大の原因となっている現役世代の社会保険料負担を引き下げる方向で協議を開始することに合意いたしました。そして、この協議に先立って、いわゆる百三万円の壁を引き上げる議論が始まったこと、すなわち野党が政策で切磋琢磨し合う形で国民負担を下げることに取り組み、持続可能な社会保障制度を構築しようとしている姿勢こそ、まさに民主主義の原点であると確信しています。
国民の負担を軽減し、更に持続的な制度を実現すべく、今後も粘り強く真摯に協議を重ね、政策実現に全力を尽くしてまいります。
第二に、大学生、特定親族特別控除の創設により、アルバイトをしなければ生活できない学生が働きたくても働くことのできない状況を改善する制度となった点です。
大学生の本分は、言うまでもなく学業です。アルバイトに追われて、本来取り組むべき大切な研究や、次世代の価値を創造すべき起業といった形のイノベーションを起こす機会が失われるようなことがあっては、日本の未来にとって大きな損失です。
高等教育の質を下げてはならないことは、現在審議されている大学修学支援法の改正案においても重要な論点であり、学生たちが学びにしっかり集中できる環境を整えることは国の責任であると考えます。
第三に、ガソリン税の暫定税率撤廃に向け、自民党、公明党、日本維新の会で協議の場が設けられた点です。
我々日本維新の会としては、暫定税率の廃止を継続してマニフェストに掲げ、何度も法案を提出してまいりました。今、物価高騰の中で、ガソリン価格の高止まりは家計や物流、地方の暮らしを直撃しています。
もちろん、廃止に向けては、地方自治体への影響を考慮して、関係者と丁寧に調整するとともに、安定財源の確保などの課題に対しては責任を持って対応していくことが求められています。私たちは、現実的で迅速な準備を進め、可能な限り早期の暫定税率の廃止を目指してまいります。
最後に、これらの減税施策の推進に当たり、インフレ率には注意を向け続ける旨を申し述べます。
今、我が国の財政は、税収で補えない部分を国債の発行によって賄っています。発行された巨額の国債が日本銀行に残存する場合、利上げをすることができず、インフレが加速する懸念も否定できません。財源を見出さず、行財政改革をせず、赤字国債の発行を財源とすることとなれば、物価上昇というしっぺ返しを被ると米国の経済学者や実業家が警告していることを無視してはなりません。だからこそ、日本維新の会が結党より主張してきました行財政改革は、今こそ徹底して進めていかなければなりません。
二月に交わされた自民、公明、維新の三党による合意文書には、「各施策の実現に当たっては、政府全体で徹底した行財政改革を行うことなどにより安定財源を確保する。」と記載されています。
財政の健全化に向けた行財政改革の実施と、そのために協議の場が開かれ、政策において切磋琢磨すること、そして政策が確実に実施されていくのを今後もしっかりと見定めていくことを前提に、賛成の討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/40
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041・関口昌一
○議長(関口昌一君) 上田清司君。
〔上田清司君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/41
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042・上田清司
○上田清司君 国民民主党・新緑風会の上田清司です。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論をいたします。
基礎控除は、憲法二十五条の生存権に基づき、最低限の生計費には税金を掛けないとすることから設けられた控除です。
衆議院において創設された基礎控除の特例措置は、給与収入二百万円相当以下の方に対して、政府案から、基礎控除額三十七万円の上乗せ、また、給与収入二百万円相当超、八百五十万円相当以下の方については、令和七年、八年限りの措置として、給与収入に応じて四段階で基礎控除額を上乗せをすることとされています。
段階的に上乗せ金額が変わることに加えて、恒久的な措置と時限的な措置が混在しており、見直し後の特例付きの基礎控除ということが大変分かりづらいといった仕組みになっております。税の三原則、公平、中立、簡素の点からは大きく逸脱しているものと言わざるを得ません。
一九七七年のOECDの報告書では、日本は世界一再分配が進んだ国との報告がありました。今でも比較的格差が少ない国と思われていますが、実際は違います。近年の格差を表す指標のジニ係数を見ると、アメリカに次いで高いとの報告もあります。
また、この三十年間の税収を見ると、消費税は低所得者ほど負担が重い逆進性の高いものであり、消費税増税のたびにその割合が増えております。
所得税収入は主に株式配当や売買などの金融所得が増えています。賃金が上がったことによる所得税収入増はごく最近のことであります。言わずもがな、金融所得は資産を持っている方だけが恩恵を受けていますので、格差が拡大するのは当然であります。
さらに、重い社会保険料負担により、国民負担も五〇%近い状況になりました。実質賃金は三年連続マイナスとなっています。多くの国民が貧困化しています。
この間の経済状況を見ますと、一九九一年から二〇二三年までのGDP伸び率は平均で〇・八%です。経済成長ができていないにもかかわらず、必死に働く中間層を増やすことをせず、格差が拡大してきた失われた三十年と言われております。この期間、主に政権を担ってきたのは自公政権です。この三十年間で就職氷河期世代を見捨て、非正規労働者を増やし、少子化が加速したのもこの期間であります。なぜ同じ過ちを繰り返すのでしょうか。今こそ中間層を増やして、国民負担を下げ、手取りを増やし、消費を活性化し、デフレを脱却するときであります。
二〇二五年春闘も明るい兆しはあるものの、中小企業の賃上げについては依然厳しいものがあります。米や野菜を始めとする食料品、電気、ガス、ガソリン代などの高騰により、国民の暮らしぶりは厳しさを増しています。このことは、エンゲル係数が四十三年ぶりに二八・三%と高水準になったことからも明らかであります。政府は、このことにしっかりと受け止めなければなりません。
また、当時にはなかった携帯電話、スマートフォン、インターネットなども生活必需品として家計の負担になっています。教育費も年々上がり、理想の子供の数を持てない夫婦が増えています。その結果、去年生まれた子供の数は七十二万九百八十八人で、九年連続で減り、過去最少となっております。
エネルギー価格高騰について、昨年末の自民党、公明党、国民民主党の三党の幹事長合意に基づき、ガソリンの暫定税率廃止を直ちに実施すべきところであります。
政府は、先週二十四日の経済財政諮問会議で、物価高対策としてガソリン補助金を四月以降も当面継続する方針を示しましたが、なぜ暫定税率を廃止しないのでしょうか。ガソリン補助金は、令和四年度に会計検査院が二百四億円もの税金が価格抑制に使われずに、いなかったと報告をしています。配る途中で中抜きされているのに、なぜこのような非効率なばらまきを続けるのか全く分かりません。
ガソリンの暫定税率廃止となれば、車が生活必需品である地方の方々が助かるだけでなく、食料などの輸送コストが低減され、都市に暮らす人にとっても大きな恩恵があります。石破総理は、初代地方創生担当大臣として、地方で暮らす人々からのSOSを真摯に受け止める責務があります。石破さんはいい人だと思ったのにそうでもないねという国民の声をはね返す意味で、今こそガソリンの暫定税率廃止を決断すべきであります。
再エネ賦課金についても申し上げます。
再エネ賦課金が導入された二〇一二年度は、標準家庭で月額八十八円、年額千五十六円の負担でした。当時、東日本大震災の直後でしたから、再生エネルギーを推進するための負担も少しぐらいならいいか、八十八円ならいいか、一年で千円ちょっとならいいかとみんな思って協力をしました。ところが、五月からの二〇二五年度は、標準家庭で月額千五百九十二円、年額一万九千百四円となり、導入当初と比べて何と十八倍、十八倍ものの負担を家庭に押し付けることになります。
電気も生きるための重要なインフラであるにもかかわらず、負担を増大させて国民を苦しめるのはもうやめなければなりません。ガソリンの暫定税率と併せて、再エネ賦課金についても一時停止若しくは廃止したらいかがですか。国民生活をしっかり守っていきましょう。
物価高による家計負担は、みずほリサーチ&テクノロジーズによると、物価高対策なしで一世帯当たり平均十万円の負担増と試算がされており、今回改正法案の減税額では全く足らないことが明らかです。
また、生きるコストは年収にかかわらず全ての人が同じであります。四つもの壁を新たに設け、税制を複雑化させ、年収による分断を起こすやり方は決して容認できません。繰り返し述べますが、税の三原則は、公平、中立、簡素です。これは国税庁のホームページにもしっかりとアピールされています。この新たな壁のどこが公平で中立で簡素なのでしょうか。
今こそ、前回の控除を見直した際の最低賃金から現在までの最低賃金の伸び率を基に、真面目に働く全ての方を対象にして、一律百七十八万円まで引き上げるべきです。そのことが手取りを増やし、消費を活性化し、将来に希望を持てる社会になること、そのことを強く申し上げ、反対討論といたします。
ありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/42
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043・関口昌一
○議長(関口昌一君) 大門実紀史君。
〔大門実紀史君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/43
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044・大門実紀史
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
所得税法等改正案に反対の討論を行います。
反対する最大の理由は、本改正案が日本経済のゆがみを是正するどころか、更に助長するものだからです。
日本経済のゆがみとは、経済全体が株主資本主義に支配されていることです。株主資本主義は、企業は株主のものという考え方に基づき、株主利益の最大化を企業経営の目的とします。株価を引き上げ、配当を増やすために目先の短期利益ばかり追求され、賃金の抑制と人員削減が日常化し、企業の中長期的な発展のために必要な設備投資などは後回しにされます。
しかし、企業は株主だけのものではありません。企業は、働く従業員や取引先、下請事業者、顧客、地域社会といったあらゆるステークホルダーの利益に貢献すべき社会的存在です。そのことを自覚した経営を行ってこそ、企業の持続的な発展もあります。
ところが、そんなことはお構いなしに、株主利益の最大化に狂奔するのが株主資本主義です。この三十年、いつまでたっても実質賃金が上がらず、格差が拡大し、日本企業が持っていた競争力が失われ、経済全体が停滞してきたのも、株主資本主義がはびこってきた結果です。このことを正さなければ、失われた三十年が四十年になってしまいます。
株主資本主義の貪欲さを象徴するのが、この間問題になっている大企業の自社株買いです。自社株買いとは、企業が自分の会社の株式を市場から買い戻すことです。自社株買いを行うと、市場に出回る株式の数が減少し、一株当たりの株価が上昇します。つまり、自社株買いは、株主をもうけさせるために自分の会社の株を買って株価をつり上げることです。
この間、自社株買いが急増しています。特に二〇二四年度は、千百五十二社、総額十五兆六百三十億円と、過去最高の自社株買いが行われました。買い付け額一位のトヨタ自動車は一兆一千四百十三億円、二位のリクルートホールディングスは七千五百十九億円、三位のホンダは六千二百五十九億円など、各社とも純利益の約四分の一を自社株買いにつぎ込んでいます。その結果、大企業が保有する自社株は、二〇一三年度以降の十年間で十一兆円から三十兆円へ二・七倍にも膨らみました。
企業の経営者、役員は取得した自社株を優先的に購入することができ、この間、経営陣による自社株保有も増加しています。しかし、経営陣が自社株を持つことになれば、自分たちはもうかるので、本業の努力で株価を上げるより、安易に自社株買いに走るようになります。
かつては株主が株価引上げを経営陣に要求し、物言う株主と呼ばれましたが、今や株主に言われなくとも経営陣が自ら進んで自社株買いを行っています。
既にアメリカでは、自社株買いが企業経営をゆがめているとし、それを抑制するため、二〇二二年から自社株買いへの課税に踏み出しています。日本でも、これ以上自社株買いを放置すると、企業も経済も更におかしくなってしまいます。株主、経営者に警鐘を鳴らすためにも、大企業の自社株買いに対する課税を検討すべきです。
私たちは決して大企業を敵視しているわけではありません。大企業にふさわしい社会的責任を果たすべきだと主張しているだけです。内部留保も本来、企業にとって大事な蓄えです。いざというときのために一定貯蓄しておくことは必要です。問題は、様々な税の優遇措置を受けておきながら、賃金を抑え込み、将来に向けた設備投資も増やさず、株主利益だけを優先し、異常なため込みを続けていることです。
アベノミクス以降、大企業の内部留保は約二百兆円増え、五百三十九兆円に膨らみました。これほど内部留保をため込んでいるのは世界でも日本の大企業だけです。余剰資金と言われる手持ちの現預金も四十兆から七十六・五兆円へ一・八倍にも増加しています。この余剰資金の僅か数%を賃金に回すだけでも大幅な賃上げが可能です。
今まで法人税の税率が引き下げられてきたにもかかわらず、賃金や国内の設備投資は増えず、内部留保や現預金に回ったことは政府税調、与党税調も認めています。
二十七日の財政金融委員会における我が党の小池晃議員の質問に対し、石破総理も、法人税を下げたことは思ったような効果を上げなかったという深い反省の下に法人税改革に取り組んでいきたいと答弁されました。深い反省と言うなら、単なる大企業への補助金と化した研究開発減税を始めとする大企業優遇税制はきっぱりやめるべきです。
巨額に膨らんだ大企業の内部留保については、安倍元総理や麻生元財務大臣、岸田前総理も石破総理も加藤財務大臣も、もっと賃金や設備投資に還元してほしいと述べてこられました。ならば、我が党が提案してきている内部留保課税案を真剣に検討すべきです。経団連などは、内部留保への課税が二重課税に当たると反対していますが、笑止千万です。大体、賃上げをする約束で減税してもらったのに、賃上げに回さなかったのだから、減税分を政府に返却してもらうのは当たり前です。
一つの原資に違う目的で二回課税することは既に財務省が行っています。同族会社の留保金課税だけでなく、消費税もそうです。所得に税金を掛け、その所得は、使うときに消費税を掛けています。
そもそも課税というのは政策手段です。一つの原資に同じ税を掛けることはできませんが、その原資が運用される別の段階で政策目的に応じて別の税が課せられることはあり得るのです。法人税と内部留保課税は別の税金です。何の問題もありません。
また、石破総理は、予算委員会での質問に対し、韓国の内部留保課税はうまくいっていないので慎重にすべきと話されました。確かに韓国は、毎年のフローに掛ける方式ですので、企業は課税を逃れるために利益を一層配当に回し、結局、賃金にも設備投資にも回りませんでした。
一方、私たちの提案は既にたまっているストックに期間を区切って課税する方式ですから、逃げることはできません。内部留保課税で得た財源を中小企業が最低賃金を引き上げる支援に回し、経済全体を活性化させようという提案です。
個々の企業に内部留保を還元せよと幾ら迫っても、株価引上げ競争に陥っている経営者には対応できないでしょう。我が党の提案のように、全体に網を掛け是正を促進する仕組みがどうしても必要です。本気で大企業の内部留保を問題だというのなら、我が党の提案を真剣に検討すべきです。
予算委員会の締めくくり総括において、我が党の山添拓議員が逆進性のある消費税を減税するよう求めたのに対し、石破総理や加藤大臣は、給付において所得再分配はなされていると答弁されました。
しかし、給付だけでなく、税の取り方においても、富裕層への課税強化など応能負担を強化すれば、所得再分配効果は更に高まるのではないでしょうか。本気で格差を是正し、景気を良くしようと思うなら、消費税の減税を直ちに決断すべきです。
以上申し上げて、反対討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/44
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045・関口昌一
○議長(関口昌一君) これにて討論は終局いたしました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/45
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046・関口昌一
○議長(関口昌一君) これより採決をいたします。
まず、所得税法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/46
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047・関口昌一
○議長(関口昌一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/47
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048・関口昌一
○議長(関口昌一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十五
賛成 百五十八
反対 七十七
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/48
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049・関口昌一
○議長(関口昌一君) 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/49
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050・関口昌一
○議長(関口昌一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/50
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051・関口昌一
○議長(関口昌一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十六
賛成 二百三十四
反対 二
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/51
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052・関口昌一
○議長(関口昌一君) この際、日程に追加して、
地方税法及び地方税法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案
地方交付税法等の一部を改正する法律案
(いずれも内閣提出、衆議院送付)
地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/52
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053・関口昌一
○議長(関口昌一君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。総務委員長宮崎勝君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔宮崎勝君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/53
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054・宮崎勝
○宮崎勝君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
まず、地方税法及び地方税法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案は、個人住民税の特定親族特別控除の創設、軽自動車税の種別割の標準税率に係る二輪車の車両区分の見直し、地方税関係通知により通知した事項について地方税関係手続用電子情報処理組織による地方税共同機構を経由した提供を可能とする制度の創設等を行うほか、税負担軽減措置等の整理合理化等を行おうとするものであります。
次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案は、令和七年度分の地方交付税の総額の特例措置を講ずるほか、各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費の財源を措置するための地方交付税の単位費用等の改正を行うとともに、公営競技納付金制度及び河川等におけるしゅんせつ等に要する経費に充てるための地方債の特例の期限を延長し、あわせて、情報システム又は情報通信機器の整備に要する経費に充てるための地方債を起こすことができることとする等の措置を講じようとするものであります。
なお、衆議院において、交付税及び譲与税配付金特別会計借入金について、令和七年度の償還額を二千五十六億円減額し、令和三十四年度までに償還することとする修正が行われております。
委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、百三万円の壁の引上げに向けた考え方と地方の減収への対応策、臨時財政対策債の取扱いを含む地方財政健全化に向けた取組、自然災害に対応した特別交付税の算定の在り方、インフラの老朽化対策の進め方等について質疑が行われました。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、立憲民主・社民・無所属を代表して岸真紀子委員より地方税法及び地方税法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に反対、地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成、日本維新の会を代表して石井苗子委員より両法律案に賛成、国民民主党・新緑風会を代表して芳賀道也委員より両法律案に反対、日本共産党を代表して伊藤岳委員より両法律案に反対、NHKから国民を守る党を代表して浜田聡委員より両法律案に反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。
討論を終局し、順次採決の結果、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律の一部を改正する法律案は、特定地域づくり事業協同組合の健全な発展を図り、地域社会の維持及び地域経済の活性化に資するため、関係市町村等に労働者派遣事業を利用させる場合における員外利用制限の緩和を行うとともに、内閣府の所掌事務の特例の期限を延長しようとするものであります。
委員会におきましては、衆議院総務委員長竹内譲君から趣旨説明を聴取した後、特定地域づくり事業協同組合制度の実施状況と雇用上の課題等について質疑が行われました。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して伊藤岳委員、NHKから国民を守る党を代表して浜田聡委員より、それぞれ反対する旨の意見が述べられました。
討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/54
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055・関口昌一
○議長(関口昌一君) これより採決をいたします。
まず、地方税法及び地方税法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/55
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056・関口昌一
○議長(関口昌一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/56
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057・関口昌一
○議長(関口昌一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十七
賛成 百六十一
反対 七十六
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/57
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058・関口昌一
○議長(関口昌一君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/58
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059・関口昌一
○議長(関口昌一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/59
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060・関口昌一
○議長(関口昌一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十七
賛成 二百六
反対 三十一
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/60
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061・関口昌一
○議長(関口昌一君) 次に、地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/61
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062・関口昌一
○議長(関口昌一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/62
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063・関口昌一
○議長(関口昌一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十七
賛成 二百十九
反対 十八
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/63
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064・関口昌一
○議長(関口昌一君) この際、日程に追加して、
戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/64
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065・関口昌一
○議長(関口昌一君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長柘植芳文君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔柘植芳文君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/65
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066・柘植芳文
○柘植芳文君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、戦後八十年に当たり、国として改めて弔慰の意を表するため、公務扶助料、遺族年金等の支給を受けている者がいない戦没者等の遺族に対し、特別弔慰金を支給しようとするものであります。
委員会におきましては、特別弔慰金制度の趣旨、特別弔慰金の支給の在り方、今後の援護施策の取組等について質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/66
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067・関口昌一
○議長(関口昌一君) これより採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/67
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068・関口昌一
○議長(関口昌一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/68
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069・関口昌一
○議長(関口昌一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十六
賛成 二百三十六
反対 〇
よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/69
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070・関口昌一
○議長(関口昌一君) この際、参議院事務局職員定員規程の一部改正に関する件についてお諮りいたします。
議長は、本件につきまして議院運営委員会に諮りましたところ、議席に配付いたしました参議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案のとおりとする旨の決定がございました。
─────────────
〔議案は本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/70
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071・関口昌一
○議長(関口昌一君) 本規程案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/71
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072・関口昌一
○議長(関口昌一君) 過半数と認めます。
よって、本規程案は可決されました。(拍手)
これにて休憩いたします。
午後三時三十一分休憩
〔休憩後開議に至らなかった〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X00920250331/72
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