1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和七年四月二十五日(金曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第十七号
令和七年四月二十五日
午前十時開議
第一 船員法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第二 漁業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第三 情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
一、災害対策基本法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
以下 議事日程のとおり
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/0
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001・関口昌一
○議長(関口昌一君) これより会議を開きます。
この際、日程に追加して、
災害対策基本法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/1
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002・関口昌一
○議長(関口昌一君) 御異議ないと認めます。坂井学国務大臣。
〔国務大臣坂井学君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/2
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003・坂井学
○国務大臣(坂井学君) 災害対策基本法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
本法律案は、令和六年能登半島地震から得られた教訓を今後に生かし、国による地方公共団体の応援体制の強化、被災者援護協力団体の登録制度の創設、広域一時滞在等における被災住民への情報提供の充実、地方公共団体における物資の備蓄状況の公表の義務化、救助の種類への福祉サービスの提供の追加、災害時における日本下水道事業団の業務の特例の創設、内閣府の防災監の新設等の措置を講ずることで、災害対策の強化を図ることを目的としております。
このような趣旨から、この度、本法律案を提案することとした次第であります。
次に、本法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、国による災害対応の強化についてであります。
国は、高度かつ専門的な技術、知識又は経験を有する人材の確保等を推進することにより、地方公共団体を迅速かつ的確に応援するよう努めなければならないこととするとともに、災害応急対策について、緊急の必要がある場合、都道府県知事からの要求を待たずに応援をすることができること等としております。このほか、内閣府設置法において、内閣府に防災監を設置することとしております。
第二に、被災者に対する福祉的支援等の充実についてであります。
災害救助法における救助の種類に福祉サービスの提供を追加し、福祉的支援を強化するとともに、災害応急対策を行う責任を有する者は、相互に連携しつつ、情報通信技術等も活用しながら、避難所の運営状況及び被災者の状況の把握等に努めなければならないこととしております。
第三に、民間等と連携した支援体制の構築についてであります。
国及び地方公共団体に協力して、避難所の運営、炊き出し等の業務を行う団体は、内閣総理大臣の登録を受けることができることとし、協力の要求及び被災者の個人情報の提供を可能とすることとしております。
第四に、広域的に避難する被災住民に対する支援の充実についてであります。
広域で一時的に避難する被災住民の受入れを円滑に行い、滞在先においても適切な支援が受けられるよう、広域一時滞在の協議を行う市町村長の間で被災住民の情報を共有するとともに、被災住民に対して援護に関する情報を提供することとしております。また、市町村長が被災者台帳を作成するに当たり、他の都道府県に滞在する被災者の情報を把握できるよう、都道府県知事による必要な協力ができることとしております。
第五に、防災に必要な物資の確保についてであります。
地方公共団体は、毎年一回、物資の備蓄の状況を公表しなければならないこととしております。
第六に、インフラの復旧及び復興の迅速化についてであります。
水道法において、日本下水道事業団が災害により損傷した水道施設の工事を行うことができることとするとともに、水道事業者は、配水管の復旧に必要な作業を行うため、水の供給を受ける者の土地に立ち入ることができることとしております。また、災害の定義の例示に、地盤の液状化を追加するとともに、宅地の耐震化に関する事項の実施に努めることとしております。加えて、復興まちづくりを推進するため、大規模災害からの復興に関する法律において、一団地の復興拠点市街地形成施設に関する都市計画を定めることができる災害の範囲を拡大することとしております。
その他、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、本法律案の趣旨及びその内容の概要であります。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/3
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004・関口昌一
○議長(関口昌一君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。鬼木誠君。
〔鬼木誠君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/4
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005・鬼木誠
○鬼木誠君 立憲民主党の鬼木誠です。
立憲民主・社民・無所属会派を代表し、ただいま議題となりました災害対策基本法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
今年は、阪神・淡路大震災から三十年の節目に当たります。阪神・淡路大震災以降も、東日本大震災を始め、多くの地震、豪雨、雪害など日本各地で経験し、そのたびに私たちは自然災害から多くのことを学んできました。
犠牲を伴い得た知見は次の災害に備える糧となり、被災経験は国や地方公共団体で共有をされ、共通知としての貴重な財産となっており、発災直後の初期対応や避難所運営の在り方など、様々な面でも改善が行われてきました。
しかし、これだけ多くの災害を経験をしながら、新たな災害に見舞われると、学べなかったこと、学びを生かし切れていないことがまだまだ多いことに気付かされます。
過去の災害から私たちは何を学び、何を学べなかったのかを真摯に問い直すとともに、現在進行形の災害と向き合い、次の災害に備える、そのことがこの法案を審議する基本的な姿勢でなければなりません。
その立場から質問をいたします。
初めに、災害避難所の環境について伺います。
これまでの災害を見ると、被災者は多くの場合、体育館などのスペースに雑魚寝で過ごし、段ボールベッドや簡易トイレ等が足りず、仮設トイレは不衛生であるなど、物資、設備の面で良好とは言い難い環境であったと思います。
この状況は能登半島地震においても大きく改善されてはおらず、地震の直接的な被害で亡くなった方の数よりも、その後、避難生活を送る中で亡くなられた方、災害関連死された方の方が数多いことがその証左であり、この事実を重く受け止めなければなりません。
現行の災害対策基本法では、国等は、被災者の心身の健康の確保、居住場所の確保など、被災者の保護等に関する事項を実施するとともに、安全性及び良好な居住性を確保した避難所を供与し、食糧、衣料、医薬品等の物資の配布や保健医療サービスの提供を行うなど、被災者の生活環境の整備に必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととされています。
石破総理は、災害の被災者が避難所等で尊厳ある生活を送るための国際的指標であるスフィア基準を踏まえた避難所運営を指示し、地方公共団体に対して通知をしている避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針、避難所運営等避難生活支援のためのガイドライン、避難所におけるトイレの確保・管理ガイドラインがそれぞれ改定をされました。
この取組指針やガイドラインは自治体がなすべきことが詳細に記載をされており、優れた文書だと思いますが、他方で、全ての自治体でこの指針に基づいた対応ができるかという点は大いに疑問です。自治体の人員不足、財政の厳しさは政府も十分御存じだと思います。
この間の災害においては、多くの場合、市町村や社会福祉協議会などの避難所の運営に携わる職員も自らが被災をされており、家を失い、自分自身も避難生活を続けるという環境にありながら、昼夜を分かたず、ほとんど不休で復旧に向け努力をされているという状況でした。他方で、市町村の人員や財政の状況によって避難所運営の在り方が異なるという課題も指摘をされています。このような状況は何としても改善しなくてはなりません。
これら居住空間の快適性の追求という点については、新しい地方経済・生活環境創生交付金において、快適なトイレや簡易ベッドなど避難所の生活改善等に対して交付金による支援がなされるなど、政府としても対応をいただいていることは承知していますが、全ての自治体で取組指針やガイドライン等にのっとった対応が行えるようにするためには継続的な人的、財政的支援が更に必要です。
取組指針等を実効性あるものとするための坂井大臣、村上総務大臣の見解をお伺いします。
具体的な課題として、避難所の状況の改善についてお尋ねします。
技術の進歩により、現在は空気で自立し、支柱が要らず、気密性、耐寒性が高いエアーテントや、迅速に運搬可能な住まいであるトレーラーハウスも開発をされています。トイレカー、キッチンカー、ランドリーカー等の災害対応車両も含め、避難所の環境改善に向けた新技術の導入は不可欠だと考えますが、これらが全国に行き渡るだけの供給量は確保できるのか、そのためにはどの程度の時間が掛かる見込みなのか、坂井大臣にお伺いをします。
地方公共団体における備蓄の充実に向けた国の対策について伺います。
災害対策基本法改正案では、地方公共団体の長に対し、毎年一回、物資の備蓄の状況を公表するよう義務付けることとしていますが、地方公共団体の財政状況により備蓄状況に差が出るようなことがあってはなりません。必要に応じた国からの支援が必要と考えますが、国において優先的に備えるべき物資の品目、量の目安を示すなど、備蓄の確保に向けた指針の作成等も課題です。国からの財政的支援や指針の作成等の取組を実施する計画があるのか、坂井大臣にお尋ねします。
我が国では、避難所の運営は基本的に地方公共団体等が行いますが、日本と同じく地震の多いイタリアでは、大規模災害が発生した場合、国が中心となって調整役を担い、NPO団体等と協力しながら、被災地に物資を送り込み、避難所を運営するシステムが取られています。
政府は、防災庁について、二〇二六年度中の設置に向けて現在調整、検討を進めているものと承知をしています。この防災庁は、様々な面で被災自治体を支援する、国としての関わり方を強くするために設置するものと理解をしていますが、防災庁が担う役割について赤澤防災庁設置準備担当大臣にお尋ねします。
災害時には、不安定な生活環境や避難生活の長期化等により、被災者が体調を崩されるケースが多く発生します。こうした状況を防ぎ、避難生活の環境改善に資するよう、これまでも、災害派遣福祉チーム、DWATを中心として、福祉関係者が被災地に赴き、避難所の内外で、被災された高齢者や障害者等の方々に相談支援や見守り、生活支援などの福祉的支援を行ってこられました。
しかし、これまでの災害救助法では、救助の定義に福祉的支援は含まれておらず、災害救助法に基づいて措置される救助活動に掛かった費用の支弁を受けられないケースがあるなど、以前から問題が指摘をされてきました。
今回の災害救助法改正案では救助の対象に福祉サービスの提供を加えることとされており、その点は評価するものですが、本改正案では、同時に、これまでの従事命令の対象に新たに福祉関係者を加えることを定めた上で、従事命令に従わない場合は六か月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処されることとされていることには全く納得ができません。
福祉的支援については、福祉の専門家が現場で得た情報等を基に自ら判断し、自発的に動くことでその特性と効果が発揮されるもので、罰則付きの従事命令で縛ろうとする発想は、福祉に携わる皆さんの心情や現場実態を全く理解していないと言わざるを得ません。福祉関係者については罰則の対象から除外すべきと考えますが、坂井大臣の見解を伺います。
また、能登半島地震においては、福祉避難所として指定又は協定を締結をしていた施設が被害に遭い、職員等も被災したこと等により、福祉避難所の開設が一部にとどまることになりました。そのため、福祉避難所としての指定を受けていない施設であっても、高齢者等の避難者受入れを行った施設については、一定の要件を満たすことで福祉避難所とみなし、設置、管理及び運営等に必要な経費を求償の対象とする対応が取られました。
しかし、本来の福祉避難所等のサービス機能が回復するまでには長期にわたり広域避難が余儀なくされることとなるため、避難者が福祉サービスの提供を希望する間は災害派遣福祉チームによる切れ目のない継続的な支援が必要です。災害救助法に基づく福祉サービスを提供する期間の考え方について、坂井大臣の見解をお尋ねします。
次に、NPO、ボランティア団体等の登録制度についてです。
今回の改正案では、地方公共団体等において、事前に災害支援を行うボランティア団体等の情報が把握できるよう、当該団体の登録制度を設けることとしています。この登録を受けるためには支援業務について相当の実績を有することが要件の一つとされていますが、相当という基準の内容は明らかにされていません。登録基準がはっきりしていなければ、登録を希望する側もちゅうちょをしてしまいます。何をもって相当の実績があると判断するのか明確に示すべきであり、今後詳細を定めるというのであれば、ボランティア団体等からも納得が得られる明確な基準を定めることが求められると考えますが、坂井大臣の見解を伺います。
あわせて、経験が少ない団体や個人のボランティアが登録を受けられないことにより、情報提供等の面で不利益を受けることがないよう配慮も必要だと考えます。坂井大臣の見解を伺います。
また、心身の障害により業務を適正に行うことができない者として内閣府令で定めるものが団体の役員である場合には、その団体は登録が受けられないとされています。これでは、心身の障害を持つ人が団体の中心となって援護活動を行う道が閉ざされることとなり、問題があると考えますが、坂井大臣の見解をお尋ねします。
さらに、登録を受けた団体は、被災者支援業務を行うに当たり、業務を適切に行うため、内閣府令で定める基準などに適合した活動をしなければならないこととし、これらに違反していると認められる場合は、内閣総理大臣から業務改善命令が発せられる可能性があります。
ボランティア活動は、自主性を持って機動的に活動できる点が強みです。登録を受け、国の監督下に置かれることによって、活動にマイナスの影響を及ぼす、自主性が制限され、活動の萎縮を招くのではないかと懸念を抱くものですが、坂井大臣の見解をお聞かせください。
最後に、地方公共団体による防災DXへの支援策について伺います。
能登半島地震の際には、石川県において、能登地域の全住民約十二万人の被災者データベースが構築されました。被災者が市町村を超えて避難する場合などにおいては市町村の行政サービスが行き届かなくなるおそれがあり、被災者の所在地や要介護など要配慮事項を記録したデータベースを活用することで、市町村をまたいだ被災者の見守りや支援につなげることができると考えます。
改正案においても、国の機関や地方公共団体の長などは、被災者に関する情報の把握や情報提供に当たり、情報通信技術等の活用に努めなければならないことにしていますが、DX人材の確保、費用の面で全ての地方公共団体がこうした対応を取ることはできません。防災DXを進めるため、国としての地方自治体支援が欠かせないと考えますが、どのような支援、対策をお考えか、坂井大臣、村上大臣に伺います。
今後、南海トラフ、首都直下型地震、これまで経験をしたことがない大災害に見舞われる可能性が極めて高いと言われています。防災・減災に向けた取組、被災時の対応改善に向けては、一刻の猶予もない現在を捉え、取組を進めなければなりません。
想定外だったという言葉を絶対に発さないために、あるべき防災対策、災害支援を実現するため、立憲民主党として力を尽くすことをお約束をし、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣坂井学君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/5
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006・坂井学
○国務大臣(坂井学君) 避難所における生活環境確保への支援についてお尋ねがありました。
避難生活における良好な生活環境を確保することは重要であり、昨年十二月に指針を改定するとともに、令和六年度補正予算におきまして、新地方創生交付金による避難所の生活環境の改善に向けた支援、避難生活支援リーダー/サポーター研修の拡充による避難所を運営するボランティア人材の育成支援などを行っております。
また、民間や自治体等が所有するトイレカー、キッチンカー等を災害時に円滑に活用するための登録制度を本年六月から開始できるよう準備を進めており、新技術も活用しながら、早期に良好な避難所環境の整備ができるよう取組を進めてまいります。
地方公共団体の備蓄についてお尋ねがありました。
災害に備えて、食料やパーティションなどの備蓄を自治体において進めることが必要です。このため、従来、これらの備蓄に要する経費につきましては地方財政措置が講じられてきたところですが、これに加えて、令和六年度補正予算において、避難所の生活環境の改善に資する資機材の備蓄などを新地方創生交付金により支援しております。
また、地方公共団体が防災に必要な物資を適切に備蓄いただけるよう、今後、備蓄すべき品目や数量の目安をより具体的にお示しするなど、必要な対応を講じてまいります。
福祉関係者に対する従事命令についてお尋ねがありました。
災害時における福祉サービスの提供を充実させ、災害関連死の防止を図るためには、福祉関係者の皆様の御協力は極めて重要です。現行の災害救助法においては、災害発生時に人命を守り被災者の保護を図るため、医療、土木建築工事又は輸送関係者に対して罰則を伴う従事命令について規定しているところです。
政府の改正案においては、災害関連死の防止を図る観点からも、被災者への福祉サービスの提供が確実に行われるよう、福祉関係者に対して、これら医療、土木建築工事又は輸送関係者と同様の措置を講じることとしています。
これらは、人命を守るに当たって、万が一の場合に備えた言わば最後の手段として規定されるものであり、これまで適用実績はありません。改正法の運用に当たっては、福祉関係者の皆様の御協力により被災者への支援が円滑に行われるよう取り組んでまいります。
福祉サービスの提供についてお尋ねがありました。
災害関連死を防止するためにも、災害時における福祉サービスの提供は重要であり、高齢者や障害者等の方々が災害時に滞在できる福祉避難所を設置するとともに、災害派遣福祉チームを派遣しています。
今回の法改正では、災害時における在宅や車中泊の方も対象として福祉サービスを充実させていくこととしており、災害派遣福祉チームの派遣終了後も、社会福祉協議会等の支援と相まって、継続的に被災者の方お一人お一人に寄り添った福祉的支援が着実に行われるよう取組を進めてまいります。
被災者援護協力団体制度の登録要件についてお尋ねがありました。
被災者援護協力団体の登録に際しては、専門的な知識と技能を有している者がいることなどを要件としており、例えば被災者援護協力業務に従事した経験を有することを書面により確認することとしています。また、団体の活動実績については、地方自治体や関係団体の意見も聞きながら、自治体と適切に連携した被災者支援活動の実績を確認できるよう検討するとともに、制度の運用に当たっては、登録のない団体も含め、官民の情報共有の場で連携がなされるよう配慮してまいります。
被災者援護協力団体の役員の欠格要件についてお尋ねがありました。
被災者援護協力団体は、国、地方公共団体、その他の協力団体等と協力して、被災現場において厳しい環境に置かれている被災者の支援に当たる必要があることから、一定の登録要件を設けることとしています。この役員についての要件は、被災者援護協力団体の活動方針を決める者であることから設けるものであり、障害者であっても、必要な認知、判断及び意思疎通が適切に行うことができない者に該当しなければ、この要件には当たらないものと考えています。
被災地の支援に当たる障害者の方々を排除することは全く考えていないことから、そのような団体が排除されることのないよう、内閣府令について必要な検討を行ってまいります。
登録制度により団体の業務の実施基準についてお尋ねがありました。
被災者援護協力団体の登録制度は、登録団体が自治体と協力、連携して、被災現場において厳しい環境に置かれている被災者の支援に当たる必要があることから、その活動は、業務上知り得た情報を正当な理由なく目的外に使用しないこと、国、地方公共団体等と必要な情報交換を行い、相互に連携を図りながら業務に従事することなどの基準を設けることとしています。
制度の運用に当たっては、NPO等の自主性を尊重しつつ、被災者援護協力団体と行政が適切な役割分担により被災者支援を実施してまいります。
防災DXに対する国の支援についてお尋ねがありました。
内閣府においては、小規模自治体においても安価に導入可能なクラウド型被災者支援システムを開発し、地方財政措置による支援のほか、自治体職員への研修、訓練など、操作習熟の支援も行っております。また、令和六年能登半島地震においては民間のデジタル人材による支援活動が大きな貢献を果たしたことから、デジタル庁において大規模災害時に民間人材を派遣する仕組みを創設予定であると承知しております。
関係省庁との連携、官民連携の強化により、自治体の被災者支援DXの取組を国としても支援してまいります。(拍手)
〔国務大臣村上誠一郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/6
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007・村上誠一郎
○国務大臣(村上誠一郎君) 鬼木議員からの御質問にお答えします。
まず、取組指針やガイドラインにのっとった対応を行うための人的、財政的支援についての御質問がありました。
大規模災害では、避難所運営などの災害対応業務が大量に発生いたします。被災自治体単独での対応は困難な場合が多く、応急対策職員派遣制度などにより、被災自治体に人的支援を行うこととしております。財政的支援につきましては、自治体が指定避難所におけるトイレや空調設備の設置などの整備を行う場合には、緊急防災・減災事業債の対象としております。また、暖房器具や非常用発電機などの資機材等の整備について特別交付税措置を講じております。
今後も、被災自治体のニーズを把握しながら必要な支援を行ってまいります。
次に、防災DXを進めるための人材の確保の御質問がありました。
DXを推進する人材の確保、育成のために、自治体における取組の中核を担う職員の育成などに要する経費について地方財政措置を講じております。
加えて、今年度中に全ての都道府県で市町村と連携したDX推進体制を構築し、市町村支援を行うための専門人材のプール機能を確保していただけるよう支援を強化しております。
以上であります。(拍手)
〔国務大臣赤澤亮正君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/7
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008・赤澤亮正
○国務大臣(赤澤亮正君) 鬼木誠議員からお尋ねをいただきました。
防災庁の役割についてでございます。
令和八年度中の設置に向けて準備を進めている防災庁は、平時、発災時の政府の災害対応の司令塔として専任の大臣を置き、十分な数の災害対応のエキスパートをそろえた組織とし、平時からの万全の備えを行う本気の事前防災に取り組むことを想定をしております。
委員御指摘のとおり、被災自治体を支援することは極めて重要であり、防災庁設置までの間も、令和七年度から、都道府県のカウンターパートである地域防災力強化担当が地域の自治体等との緊密な連携体制を構築する予定であり、防災庁もそうした体制を引き継いでいきたいと考えております。
また、新地方創生交付金により、自治体におけるトイレカー等の資機材の導入を支援するほか、国による迅速なプッシュ型支援を可能とするため、全国で分散備蓄を進めることとしております。専門家の御意見もいただきながら、被災自治体への支援の強化など、防災庁の設置に向けた検討を深めてまいります。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/8
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009・関口昌一
○議長(関口昌一君) 新妻秀規君。
〔新妻秀規君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/9
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010・新妻秀規
○新妻秀規君 公明党の新妻秀規です。
ただいま議題となりました法律案につきまして質問いたします。
まず初めに、昨年元旦に発災いたしました能登半島地震での犠牲者と被災者に心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
能登半島地震では、災害関連死を含め五百名以上が犠牲となり、住宅倒壊やライフライン寸断も相次ぎ、石川県を始め六県で断水するなど、生活への影響が長期化し、防災・減災対策に多くの教訓を突き付けました。私自身も現地に幾度となく足を運ぶ中、避難所で過ごした方より、避難所では床に布団をじかに敷いて雑魚寝、暖房もなく隙間風でとても寒く、食事は量も足りず栄養バランスもない、本当にひどかった、車中泊や在宅避難の方からは、支援物資が何ももらえなかったなどの声を何度もいただきました。また、ボランティアの方からは、現場に入ろうとしても受入れが円滑に行われず、作業の割り付けもうまくいっていなかったとの指摘もいただきました。
このように、私が現場で伺った課題も踏まえ、以下七点、質問をいたします。
第一に、液状化対策の強化についてです。
能登地震では、震源から離れた新潟市内などを含め、広範囲で地盤の液状化が発生しました。こうした事態を踏まえ、改正案では、災害対策基本法の災害の定義に新たに地盤の液状化が加えられました。自治体における液状化ハザードマップの作成や宅地の耐震化が一層促進されることが期待されます。
今後、自治体への技術、財政面の支援を含め、効果的な液状化対策をどのように進めるのでしょうか。中野国土交通大臣の見解を求めます。
第二に、避難所の生活環境の整備についてです。
改正案により、市町村には避難所における良好な生活環境を確保し、被災者の避難生活に対するきめ細かな支援を行う責務が課されます。最近の災害では、避難生活の中で体調を崩して命を落とす災害関連死が、災害そのもので亡くなる直接死を上回るのが常態化しています。避難所の生活環境を改善するために、政府は自治体にどのような支援策を講じていくのか、坂井防災担当大臣の所見を伺います。
第三に、車中泊、在宅避難者への支援について伺います。
能登地震では、指定避難所以外で避難生活を送った方も数多くいました。今回の改正案では、避難所以外にいる被災者の情報を把握をし、必要な物資や医療・福祉サービスを提供することが明記されました。どこに避難をしていても支援が行き渡るよう、地域の見守りネットワークやデジタル技術も活用して、在宅避難者等を把握し、迅速に支援すべきと考えます。坂井大臣の所見を伺います。
第四に、被災者援護協力団体、災害ボランティアとの連携強化についてです。
能登地震では、同規模の過去の地震と比べボランティアが少なく、被災地の受入れ態勢も整わず、支援のマッチングが課題となりました。こうした課題を踏まえ、改正案では、NPOやボランティア団体を事前登録する被災者援護協力団体制度が創設され、市町村は登録団体に被災者情報を提供でき、都道府県は救助活動への協力要請と実費補償が可能となります。ボランティア登録制度を実効性あるものとするため、政府としてどのように運用していくおつもりか、坂井大臣の所見を伺います。
第五に、災害時における福祉関係者の役割について伺います。
要配慮者支援には平時から福祉に携わる専門職の力が欠かせません。今回の改正では、災害救助法等に福祉サービスの提供が明記され、災害時に福祉関係者との連携が強化をされます。また、従来は避難所内に限られていた災害派遣福祉チーム、DWATの活動範囲も広がります。災害時に必要な福祉サービスを滞りなく提供するため、人材の確保、派遣をどのように調整していくのか、坂井大臣の所見を伺います。
第六に、広域避難の円滑化についてです。
能登地震では、金沢市や加賀地域はもとより、県外に避難した方も数多くいました。複数自治体にまたがる避難者を支援するには、避難元及び避難先の自治体の情報共有と、避難された方々へのきめ細かな情報提供が不可欠です。改正案では、広域避難における自治体間の情報連携や被災者台帳支援などが盛り込まれております。これらを実効性あるものとするため、情報共有の仕組み整備や受入れ自治体への支援をどのように進めるのか、坂井大臣に伺います。
第七に、水道などライフラインの早期復旧について伺います。
改正案には水道復旧の迅速化が盛り込まれ、日本下水道事業団など専門機関による早期復旧支援体制が整備されます。更なる広域応援体制の拡充や事業者間協力も含め、水道ライフライン早期復旧へどのように取り組むのか、中野大臣の見解を伺います。
災害列島日本。安全と言い切れる場所はどこにもありません。被害を最小限に抑え込むために、この法案を一日も早く成立させ、その上で、自治体の現場で改正法の理念に基づいた運用となるよう、地方議員と連携し、側面支援をしてまいります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣坂井学君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/10
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011・坂井学
○国務大臣(坂井学君) 避難所の環境整備についてお尋ねがありました。
被災者の方々が避難所において発災直後から尊厳ある生活を営めるよう、トイレ、パーティション、ベッド、温かい食事等を速やかに提供することが大切です。
昨年十二月に避難生活に関する自治体向けの指針等を改定するとともに、炊き出し用の資機材やパーティション、簡易ベッド等の整備を新地方創生交付金により支援するとともに、トイレカーやキッチンカーを登録するデータベースの整備に取り組んでいます。
加えて、避難所となる公立小中学校の体育館の空調設備については、文部科学省において、令和六年度補正予算において新たに臨時特例交付金を創設し、整備のペースを加速することとしております。あわせて、補助要件となる断熱性の確保について後年度に実施することも可能とするなど、地域の実情に応じた支援に取り組んでいるものと承知しております。
在宅避難者等への支援についてお尋ねがありました。
発災時には、在宅等で避難生活を送っている避難者に対しても必要な支援を行うことが重要であり、内閣府においては、手引きを作成し、自治体に周知しています。
今般の改正法案においても、福祉サービスの提供を新たに規定し、在宅や車中泊で避難生活を送られる方に対しても支援を充実させるほか、厚生労働省では、被災自治体や関係団体と連携し、被災高齢者等把握事業等により、高齢者や障害者の自宅を訪問し、被災者のニーズ把握や在宅避難者の見守り支援等につなげています。発災時には、防災アプリで支援情報を提供することも含め、在宅避難者等に必要な支援が確実に届くように努めてまいります。
被災者援護協力団体制度についてお尋ねがありました。
改正法案の被災者援護協力団体の登録制度は、単に団体を登録するのみならず、登録団体の活動内容や活動実績等の情報を全国の自治体に対し広く共有することで、連携体制づくりの後押しを図ることを目的としています。
また、能登半島地震においても、NPOとの連携の下、地元自治体から飲食店組合に業務委託して被災者への食事を提供した事例があり、こうした優良事例や、今後作成するマニュアルを活用し、自治体及び登録団体向けの研修を実施することとしています。
地元自治体と豊富な支援経験を有する団体とが平時から顔の見える関係を構築し、発災時に円滑な官民連携により適切な被災者支援が行われるよう取り組んでまいります。
災害時における福祉人材の確保、派遣についてお尋ねがありました。
災害時における福祉人材の確保は重要であり、都道府県における関係者のネットワークの構築による人材の確保、被災都道府県や災害福祉支援ネットワーク中央センターを通じたDWATの派遣調整、関係団体と連携して、被災により職員が不足する施設等への介護職員等の応援派遣等を支援しています。
内閣府としても、引き続き厚生労働省と連携し、福祉支援が円滑に行われるよう必要な取組を講じてまいります。
広域避難における情報連携と支援の必要性についてお尋ねがありました。
今回の改正法案においては、広域避難者への情報提供や市町村間の情報連携の推進、都道府県知事による被災者台帳の作成支援について規定しています。
また、能登半島地震の経験や教訓を踏まえ、今後の災害においてホテル、旅館等への避難を円滑に行うため、その確保方法や輸送方法等を内容としたガイドラインを作成することとしており、その中で自治体間の情報共有や二次避難者に関する支援の必要性についても盛り込んでいきたいと考えております。(拍手)
〔国務大臣中野洋昌君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/11
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012・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) 新妻秀規議員にお答えいたします。
まず、液状化対策についてお尋ねがありました。
全国の液状化被害が懸念される地域においては、住民、行政などの関係者でリスクを確認、共有し、事前の備えについて共に考えるリスクコミュニケーションを実施することにより、予防対策を促進することが重要であると認識をしております。
こうした考え方に基づき、全国で液状化リスクの把握、周知を図るため、令和三年二月に液状化ハザードマップ作成の手引きを公表したところであります。現在、地盤のボーリングデータを反映させたより実態に即した全国の液状化リスク情報を国として整備すべく手続を進めているところであり、こうした取組などにより、自治体における液状化ハザードマップ作成を一層促進してまいります。
さらに、自治体が公共施設と宅地の一体的な液状化対策を実施する際には、防災・安全交付金により重点的に支援をしてまいります。
国土交通省としては、これらの取組により、全国における液状化対策をしっかりと推進してまいります。
水道の早期復旧についてお尋ねがありました。
国土交通省においては、能登半島地震を受けて、日本水道協会とともに、震度六強以上の地震が発生した場合に応援自治体の技術者を被災地にプッシュ型で派遣をする広域支援体制の強化を図ったところです。また、議員御指摘の日本下水道事業団による支援のほか、被災市町村ごとに幹事自治体を定めて応急復旧の支援に当たるなど、事業者間の連携体制を充実したところです。
さらに、今年度より、大規模災害時において水道本管の復旧工事の効果をしっかり発揮するために、本管の復旧工事に併せて本管から水道メーターの手前の元栓までの給水管を修繕する費用について、国庫補助をルール化したところであります。
国土交通省としては、これらの取組を着実に進め、災害時の水道の早期復旧に全力で取り組んでまいります。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/12
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013・関口昌一
○議長(関口昌一君) 嘉田由紀子君。
〔嘉田由紀子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/13
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014・嘉田由紀子
○嘉田由紀子君 お願いします。
日本維新の会、嘉田由紀子でございます。
会派を代表しまして、災害対策基本法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
まず、坂井大臣にお伺いします。
今回の災害対策基本法を改正する社会的背景や全体の狙い、その意義について御説明いただけますか。
国際的に見ても災害が多い、まさに災害大国の日本にとって、政府が準備している防災庁は大事な組織と考えます。その実効性を高めるために、やや中長期的なマクロ政策の視野から、日本が直面している人口減少、高度経済成長期のインフラの老朽化、国家的な財政難という三つの悪条件を踏まえて、政府が進めている国土強靱化の具体的政策を含め、問題提起をしたいと思います。
この三月二十五日に参議院の災害対策特別委員会で既に議論いたしましたが、今計画している防災庁では、事前防災、発災時対応、復旧復興という一連の流れを系統的にたどれるよう、一気通貫の組織として、名称も防災復興庁にしたらと提案をいたしました。その中枢的役割を担うのが、今回法案で提案いただいている防災監と四十七都道府県の地域担当者です。
一気通貫の組織づくりについて、防災庁設置責任の赤澤大臣、どうお考えでしょうか。
これら三つの機能を具体的に担うシナリオを整理いたしますと、主体はどこが担うのか、行政は市区町村か都道府県か、個人なのか企業なのか事業主なのか、そして地域住民なのか。さらに、それぞれの主体はどのような役割を果たすのか。町の再生か、生業、経済の再生か、あるいはコミュニティーの再生。最後には、被災者の精神的な心のケアが必要と考えます。
その緻密なシナリオ作りが必要ですが、具体的な方向は地域によって異なります。阪神・淡路大震災ですと、周辺に仕事場があったので、雇用再生の優先度は低かったです。しかし、東日本大震災では、雇用、仕事自身が失われてしまったので、なりわいの再生が重要となりました。
地域条件の違いを反映して、事前に復興シナリオを埋め込んでおくことが重要と考えますが、赤澤大臣にお伺いします。
今回、能登半島地震での地震後の水道や下水道の復旧経過を見てみますと、例えば七尾市が特に遅れてしまいました。私も現場を見せていただきましたが、理由は、石川県営水道水源である手取川ダムがはるか八十キロも離れた遠い水、行政的、地理的、そして精神的に遠い水が広がっていました。もちろんこれは必要なんですけれども、一方で、また下水道を見ますと、し尿も下水道のシステムが破壊され、トイレも苦労いたしました。長い管渠に頼る上下水道は地震に本来的に弱いんです。
だからこそ、能登半島地震後の石川県からの要望、あるいは中央防災会議の報告書でも、上下水道の復旧、整備に当たっては、将来の人口動態、経済性、地域住民の意向など総合的に判断をして、浄化槽等の分散型システムの活用も含め、災害に強く持続可能な整備を行うべきと提言されています。小規模多機能化など、これまでの大規模広域上下水道システムに代わる対案、これを提示しております。昨年四月から上水道も厚労省から国土交通省に移管されました。上下水道を一体的に計画、整備できる素地がようやく整ってまいりました。
災害大国の日本としては、未然防災を埋め込むのが本来の国土強靱化です。五、六十年前の高度経済成長期に計画された遠い水に存在するダム、私はもったいないダムと言っておりますけれども、二つ具体的に紹介させてください。
一つは、長崎県石木ダムです。地元の治水効果がほとんどないだけでなく、四十キロ離れた佐世保市の水道水源として計画されております。水道の料金が上がるということも予想されます。
もう一つは、熊本県球磨川上流の川辺川ダムです。ここは、人の命を救う治水効果が少ないだけでなく、それこそアユの生態系を破壊するという問題もあります。
こういうところで、実は、国土交通大臣にお伺いしたいんですけれども、時代遅れの計画、全国に幾つあるでしょうか、具体的に計画名も含めて教えてください。それぞれの計画は、今後の人口減少、インフラの老朽化、財政難という三重苦の時代だからこそ、事業の必要性の再確認が今こそ必要だと思います。国土強靱化を担当する国土交通大臣に見解をお伺いします。
二〇二五年三月時点のデータでは、南海トラフの巨大地震では想定死者数最大二十九万人、被害額は二百七十兆円、首都直下地震では想定死者二・三万人、被害総額九十五兆円と試算されています。想像できない大変なことが起きるおそれがあります。
同時に、日本の財政の未来を考えますと、南海トラフ地震での二百七十兆円というのは日本の国家予算二年分にも相当します。私たちは今、一億円、二億円どう節約するかと議論しているときに二百七十兆円、気が遠くなる数字です。あわせて、国内総生産に対する政府総債務の比率は、国際的に見ても大変厳しい状態です、二五〇%です。こういう中で国債の格下げリスクも懸念されております。
南海トラフ地震、首都直下地震が起きたらいかに被害額を最小化するのか、国民一人一人に災害への備えを呼びかけていく必要があるのではないでしょうか。どのような手だてをしたら被害額はどれほど少なくできるのか。国民一人一人の呼びかけも含めて、具体的に坂井大臣のビジョンと覚悟をお願いいたします。
南海トラフ地震が起きますと、大阪湾岸にも津波が押し寄せてくることが想定されております。四月十三日に大阪・関西万博が開会しました。昨年十二月十六日の参議院予算委員会で、私自身、夢洲に防災対応の森林づくりを提案しました。そのとき赤澤大臣は、グリーンインフラを取り入れ、自然が有する機能を防災・減災に活用していく重要性とともに、防災庁の目指すべき方向性や必要な体制の在り方について、関西広域連合からの意見もいただき、令和八年度中の防災庁設置に向けて着実に準備を進めたいと答弁いただきました。
グリーンインフラの機能を盛り込んだ防災・減災は大変重要です。大阪・関西万博のベイエリアは、地理的に日本のど真ん中です。海上、陸上、そして航空基地の拠点でもあります。防災庁の片肺の役割を果たすことも十分可能です。夢洲を含むベイエリア全体の強靱化を図ることが、日本全体の広域的な災害対策の実効性を高め、未来志向の町づくりと両立する重要な方向と考えますが、赤澤大臣の御意見をお伺いいたします。
以下はコメントです。
一九七〇年の大阪万博では、跡地に多文化共生の拠点として民族学者の梅棹忠夫さんが中心となって国立民族学博物館が建設され、同時に、パビリオンの瓦れきを集めて土を入れ、水を流して、トンボやカエルが息づく緑の森づくりが構想され、五十五年後の今、皆さん、吹田の森を見てください。生物多様性を含めて見事な静けさの森が再現されております。
今、夢洲の今後のまちづくり構想では、世界最大の木造建築となった大屋根木造リングの一部を存置し、部材をリユースし、夢洲のアイコンとして静けさの森を夢洲の森づくりに進化をさせ、新しい魅力を付加する計画も提案されております。
大阪万博の人類の進歩と調和を経て、五十五年後の今、命輝く未来づくりのデザイン、大阪・関西万博の理念とレガシーを、私自身、琵琶湖辺に暮らしながら、環境文化、まさに仏教文化、草木国土悉皆成仏、草木も土も皆成仏できるという伝教大師最澄の教えが実現できるような環境共生の場をつくっていただけたらと思います。
地球環境問題への大変大事な一筋の道づくりを是非ここで実現していただけたらと、国土交通省さん、そして皆様にお願いしたいと思います。
ありがとうございました。以上です。失礼します。(拍手)
〔国務大臣坂井学君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/14
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015・坂井学
○国務大臣(坂井学君) 今般の改正法案の背景、狙い、意義についてのお尋ねがありました。
昨年一月に発生した能登半島地震は、高齢化の進んだ半島地域という地理的、社会的な制約の下で発生したものであり、これまでの災害対応と比較しても困難な状況が見られたところです。こうした災害対応から得られた教訓を今後に生かし、次なる災害に備えていくことが重要であり、政府として幅広く検討を行ってきた中、法制上の措置が必要なものについて改正を行うものです。
第一に、国による災害対応の強化について定めることにより、災害対応に当たる被災自治体を国がしっかりと支援していきます。
第二に、福祉サービスの提供を災害救助法に位置付けることにより、福祉的支援の充実を図るとともに、被災者援護協力団体の制度を創設することにより、被災者支援の実績や知見を有するNPO等と連携したきめ細やかな被災者支援を実現していきます。
第三に、インフラ復旧復興の迅速化について定めることにより、能登半島地震で課題となった水道復旧や液状化被害等に万全な対応を期していきます。
これらの改正により、我が国の災害対応力を更に向上させてまいります。
南海トラフ地震等の被害軽減についてお尋ねがありました。
大規模地震による甚大な被害を軽減していくためには、国民、事業者、地域、行政が共に災害に立ち向かい、自助、共助、公助による防災対策を進めていく必要があります。
南海トラフ地震の被害想定については、津波による死者数は、早期避難率が一〇〇%になれば二十一・五万人から七割減、住家被害は、耐震化率が一〇〇%になれば全壊棟数が約百二十七・九万棟から七割減と見込まれています。
また、首都直下地震対策においては、建物の耐震化、感震ブレーカー等の設置、企業のBCP策定、サプライチェーンの強化などを推進することで、約九十五・三兆円の経済被害額をおおむね半減させる効果が見込まれています。
国としては、社会全体の意識啓発や津波避難施設の整備、インフラ、ライフラインの耐震化などの国土強靱化などの取組を関係省庁と連携し、一層加速してまいります。
国民の皆様には、被害想定を正しく理解し、自らの命は自らが守るという意識を持ちながら、住宅の耐震化や家具の固定、避難訓練や避難場所の確認等の津波への備え、一週間分程度の家庭備蓄の確保などの防災対策を呼びかけていくことが重要と考えております。(拍手)
〔国務大臣赤澤亮正君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/15
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016・赤澤亮正
○国務大臣(赤澤亮正君) 嘉田由紀子議員から三問お尋ねをいただきました。
まず、防災庁における事前防災から復旧復興までの対応についてのお尋ねがありました。
委員御指摘のとおり、事前防災、発災時対処、復旧復興の一連の災害対応について、統一的な考え方の下で関係省庁が連携して対応をしていくことが重要と考えております。
このため、令和八年度中に設置する防災庁では、一連の災害対策の司令塔としての機能を担うため、専任の大臣を置き、十分な数のエキスパートをそろえる予定であり、現在開催している防災庁設置準備アドバイザー会議において、専門家の御意見をいただきながら、体制の在り方等について検討を深めてまいります。
また、防災庁設置までの間もできることから取り組む所存であり、今回の法案において防災監を設置するとともに、都道府県のカウンターパートである地域防災力強化担当が地域の自治体等との緊密な連携体制を構築することとしております。
地域条件に応じた復興シナリオの策定についてお尋ねがありました。
復旧復興に際しては、住宅やインフラの再建といったもののみならず、なりわいや地域コミュニティー、被災者の心のケアも含め、地域社会が再生するように取り組んでいく必要があると考えています。そのためには、議員御指摘のとおり、あらかじめ起こり得る被害を想定し、地域の特性を踏まえ、より良い復旧復興、ビルド・バック・ベターのための必要な対策を事前に講じておくことが重要と考えております。
防災庁では、平時、発災時の政府の災害対応の司令塔として、迅速な復旧復興に向けた事前復興計画の策定促進など、本気の事前防災に取り組むこととしており、現在開催している防災庁設置準備アドバイザー会議において、様々な御意見をいただきながら、必要な組織の在り方について検討をしてまいります。
グリーンインフラの機能を盛り込んだ防災・減災と、ベイエリアが防災に果たす役割についてのお尋ねがありました。
委員御指摘のとおり、森林の力を活用し、景観なども生かしたグリーンインフラという考え方を取り入れ、自然が有する機能を防災・減災等に活用していくことは重要であると考えております。
大阪・関西万博の跡地利用については、お答えする立場にはありませんが、大阪府及び大阪市において様々な検討がなされていると承知をしております。
防災庁の機能の一部について、その拠点をどこに置くべきか、また、防災庁本庁自体が被災した場合のバックアップや地域の防災力の強化をどのようにすべきか等については、各自治体から寄せられている様々な御要望をしっかりと受け止めつつ、様々な御意見、御提案を賜りながら、災害対策を最も効果的、効率的に実施できる体制はどのようなものかという観点から適切に検討を進めてまいります。(拍手)
〔国務大臣中野洋昌君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/16
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017・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) 嘉田由紀子議員から、長期化しているダム事業についてお尋ねがありました。
事業着手後五十年以上経過し、現在も事業中である国土交通省所管の直轄・補助ダムの計画は、川辺川ダムなど五つでございます。
ダム事業の実施に当たっては、あらかじめ環境へ与える影響を予測、評価し、環境保全措置などを適切に実施をするとともに、事業実施中においては、社会情勢の変化等も踏まえ、有識者等から御意見を伺う事業再評価等を通じて、事業の必要性や効果を定期的、客観的に確認しております。
今後とも、国民の命と暮らしを守るため、コスト縮減に努めつつ、既存インフラの計画的な維持管理、更新などを図りながら、ダムを始め必要なインフラを整備をしてまいります。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/17
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018・関口昌一
○議長(関口昌一君) 舟山康江君。
〔舟山康江君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/18
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019・舟山康江
○舟山康江君 国民民主党・新緑風会の舟山康江です。
会派を代表して、災害対策基本法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。
我が国は、その位置、地形や地質、気象などの自然的条件から、台風、豪雨や豪雪、土砂災害、地震、津波、火山噴火など、様々な災害に見舞われやすい国土となっています。とりわけ今世紀に入り、災害が巨大化、頻発化、多様化、そして複合化しており、対応は待ったなしです。
自然災害の発生自体を防ぐことは困難ですが、発生時の被害軽減は可能です。そのために、これまでも累次にわたり様々な対策を講じ、法制度の整備、見直し、体制強化を図ってきましたが、いまだに課題山積です。
昨年一月の能登半島地震の教訓等を踏まえて、災害対策基本法や災害救助法等の見直しが行われようとしていますが、今般の改正でどの程度課題解決に結び付くのか、他の課題提起も含めて質問します。
災害発生時には、避難の指示や誘導、避難所の開設、必要な物資の調達、運搬、住居の手当てや医療、保健、福祉の提供など、様々な対応が不可欠ですが、平時は民間が担う役割も含めてほぼ全ての業務が自治体に集中します。人員削減等で職員数の減少が進む中、僅かな自治体職員でこれらの対応に当たるのは困難を極めます。
今般の改正案では、国による地方公共団体に対する支援体制の強化が盛り込まれていますが、今指摘したような構造的問題の解決に必要な抜本的な改善策を教えてください。餅は餅屋、民間も含めた役割分担の仕組みや友好都市との連携の在り方について、平時からの準備が必要であり、その体制整備を後押しすべきではないでしょうか。坂井防災担当大臣にお伺いします。
先日、今から九十五年前、昭和五年の北伊豆地震時の避難所の写真を見ましたが、今も昔も全く変わらない避難所の有様に驚きました。
避難所の環境整備が指摘され続けている中で、災害対策基本法には自治体に被災者の生活環境の整備に必要な措置を講じる努力義務が規定されていますが、被災者の生活環境としてどのような水準を確保することを期待しているのでしょうか。石破総理は、就任直後の所信表明演説で、災害関連死ゼロを実現すべく、避難所の満たすべき基準を定めたスフィア基準も踏まえつつ、避難所の在り方を見直すと決意を述べていますが、劣悪な環境の改善が進まない理由と具体的な改善策について、坂井大臣、お答えください。
避難所においては、一人当たりの適切な居住面積の確保と併せ、プライベート空間の創出、温かい食事の提供等への配慮が欠かせません。これまでは、緊急時だから仕方がない、雨風がしのげるだけまし、温かい食事などわがまま、あるだけ有り難いと思えというような暗黙の空気感が漂っていたと感じます。
このような環境改善は、近年課題となっている災害関連死の防止にも直結すると考えますが、この災害関連死について、その要因分析と近年の特徴、予防策について、坂井大臣の認識を伺います。
また、災害関連死の認定基準が自治体によってばらばらであり、認定を行う審査会の設置根拠となる条例の規定がない自治体もあります。認定基準の統一等に向けた対策についても、坂井大臣に伺います。
大災害のたびごとに、避難所や仮設住宅で女性や子供がないがしろにされる対応が繰り返されてきています。災害対応全般に共通しますが、女性や子供など、弱者に配慮する視点がこれまで不十分だったことが避難所の環境整備が遅れてきた背景の一つにあると考えます。
内閣府男女共同参画局は、令和二年五月に「災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~」を発出しています。このガイドラインは、東日本大震災などの災害を踏まえ、人口の半分以上を占める女性の視点が生かされていないとの観点から、平時の段階から発災後の避難所や応急住宅での対応に始まり、復旧復興に至るまでの全ての過程での様々な留意点を指摘しています。こうした女性の人権につながる重要な指摘を含むガイドラインが、先般の能登半島地震では生かされなかったとの指摘がなされています。
災害対策基本法には、女性、子供の文言がありません。このことこそが、まさに本改正で欠けている部分です。この度の法改正において、内閣府策定のガイドラインや、能登半島地震の現場での教訓がどのように反映されたのでしょうか。改正案でこの文言がない理由と、ガイドラインを踏まえ、今後どのように具体的に女性や子供の被災地における人権、安全を守るよう取り組んでいくのか、坂井大臣の見解を伺います。
避難所の開設場所、仮設住宅の建設場所についても課題があると考えます。
発災直後の一時避難場所として、多くの場合、学校の体育館等が活用されています。初期の避難場所としてはいいのですが、本来、学校は教育の場であり、子供の健全な成長に必要な場所です。いつまでもそこにとどまり続けるのではなく、できるだけ早期に環境の整った別の場所に移動できる支援を行うべきです。また、仮設住宅も、場所の確保等の問題から学校の校庭、運動場に建設する例も見られますが、できるだけ避けるべきと考えます。
被災後の教育環境の早期回復と、避難所、仮設住宅の確保の両立をいかに図るか、坂井大臣に伺います。
災害時における被災者支援や復旧復興に当たり、ボランティアの存在は不可欠であり、災害対策基本法にもその役割や環境整備、連携推進努力が明記されています。であればこそ、ボランティアの方々の活動に対する実費弁償についても、その考え方や公費負担の範囲について法律等に明記すべきと考えますが、いかがでしょうか。
現状は、炊き出しの際の食材費等の実費弁償は行われるものの、交通費補助は今年一月の補正予算でようやく期間限定で措置されましたが、宿泊費等は対象外です。厳しい環境の中、被災者に寄り添い、懸命に活動するボランティアの皆様の活動に対しては、もう少し公的支援を厚くするべきと考えますが、坂井大臣の見解を伺います。
被災者の一日も早い生活再建を実現する上で、各種手当、給付金や、金融、税制面からの支援が欠かせませんが、その際、災害救助法の適用の有無が様々な公的支援制度が発動されるトリガーになっています。
災害救助法では、自治体ごとの住家等の被害数が主たる適用の判断基準になっていますが、住家被害が大きくなくても事業への影響が甚大だったり、全体の規模が決して大きくなくても被災者個人にとっては二重債務問題に直面するケースなど、規模の大小だけでは測れない事態も発生しています。
このような事態への対応として、もう一つ、生命、身体への危害又はそのおそれが生じた場合との基準も規定されていますが、適用を逡巡する傾向が指摘されています。法の目的である被災者の保護と社会の秩序の保全のためには、積極的な適用を促すべきではないでしょうか。
加えて、生活再建に向けた支援に当たっては、災害救助法の適用基準とは別の基準を設けるなど、被災者に寄り添ったきめの細かい対応が必要と考えますが、坂井大臣の見解をお伺いします。
災害時には、道路や河川、農地、公立学校など公共性が高いものについては極めて国庫補助率の高い災害復旧事業を活用することができますが、鉄道については、公共交通と言われ、極めて公共性が高いにもかかわらず、この適用を受けることができず、災害をきっかけに運休が長引き、廃線に追い込まれる事例も見受けられます。
鉄道が対象外であることについては、運賃収入を充てて事業の運営を行うべきものであるからとの答弁が返ってきますが、被災自体が不可抗力であり、公共交通としての位置付けであることから、とりわけ赤字路線について更なる配慮を行うべきではないか、改めて前向きな答弁を国土交通大臣に求め、質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣坂井学君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/19
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020・坂井学
○国務大臣(坂井学君) 自治体への役割集中の是正に関するお尋ねがありました。
災害対応においては、災害の現場に近く、また地域の実情を理解した地方公共団体に重要な役割を担っていただいております。一方で、被災した地方公共団体には多くの業務が集中し、単独で災害対応に当たることは困難な場合もあることから、今般の法案においては、国が地方公共団体を先手で支援する仕組みを構築することとしています。
また、被災者支援に専門的な知見を有するNPO等との連携を促すため、被災者援護協力団体の登録制度を創設することとしており、官民が連携した被災者支援ができるよう、平時からの取組を進めることとしております。
こうした改正法による取組に加え、災害に備えた企業との連携協定の締結促進、応急対策職員派遣制度の活用などを通じて、被災地、被災者を官民の総力を挙げて支えてまいります。
避難所における被災者の生活環境の確保についてお尋ねがありました。
避難所において発災直後から尊厳ある生活を営める環境を整備するため、災害用資機材の備蓄など、自治体においてしっかりと取り組んでいくことが必要です。
内閣府においては、昨年十二月、自治体向けの指針やガイドラインについて、発災直後における五十人に一基のトイレや、一人当たり三・五平米の居住スペースの確保など、スフィア基準に沿ってこのガイドラインは改定しています。
また、令和六年度補正予算においては、新地方創生交付金による避難所の生活環境の改善に資する自治体の先進的な取組の支援、全国のトイレカーやキッチンカーを登録するデータベースの整備などを行っております。
引き続き、良好な避難所環境の整備に向けた取組を進めてまいります。
災害関連死についてお尋ねがありました。
災害関連死については、高齢者が多いほか、呼吸器や循環器系の疾患で亡くなられた事例が多く、熊本地震や能登半島地震においては直接死を上回っています。
災害関連死の防止を図るため、医師や保健師等による避難者への支援や、ホテル、旅館等の安全で快適な場所への二次避難に取り組んでいるほか、今回の改正法案においても、福祉サービスの提供を位置付け、福祉的支援を充実させていきます。
災害関連死に該当するか否かは、医師や弁護士等から構成される審査会等において、死亡の原因が災害に関連するものであるかどうかを審査した上で認定されるものと承知しています。
災害関連死については、災害の種類や被災された方々の生活状況など、個々の事情を丁寧に勘案して認定する必要があると考えられることから、国として一律の認定基準は示しておりませんが、内閣府が策定をする災害関連死事例集において災害関連死の認定事例や自治体の認定基準例を整理して掲載し、自治体による認定事務の参考となるよう周知を図っているところでございます。
女性や子供の視点に立った対策に関するお尋ねがありました。
災害発生時には様々な方々が被災されることから、災害対応に当たっては、女性や子供の視点を生かした取組を進めていくことが重要と認識しております。
現行の災害対策基本法においては、基本理念として、「被災者の年齢、性別、障害の有無その他の被災者の事情を踏まえ、その時期に応じて適切に被災者を援護すること。」とされています。また、避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針や男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン等に基づき、今回の能登半島地震においても、男女別トイレや授乳室、キッズスペースの設置、子供たちの学びの継続のための支援等を実施してきたところです。
引き続き、関係省庁とも連携し、女性や子供の視点に立った対策の推進に着実に取り組んでいきます。
被災後の教育環境の早期回復と、避難所、仮設住宅の確保についてお尋ねがありました。
災害時には多くの学校が避難所となり、仮設住宅に利用される場合もありますが、施設本来の機能を早期に回復することが重要と考えています。そのため、発災後に、ライフラインの復旧や住宅の応急修理により早期に自宅に戻れるようにするほか、学校以外の避難所や仮設住宅の確保、ホテル、旅館等への二次避難などにより、避難所の早期の解消に努めているところです。
被災後の教育環境の早期回復と、避難所、仮設住宅の確保の両立を進めていきます。
ボランティア活動に対する実費の支援についてお尋ねがありました。
今回の改正案では、都道府県知事等からの協力命令により被災者援護協力団体が救助に関する業務に協力した場合に、都道府県知事等はその実費を弁償しなければならないとする規定を設けました。その実費弁償の範囲については、災害救助法に基づき、救助の種類ごとに費用を支弁することとしています。
また、被災地で支援に当たる団体の活動については、宿泊費含め、民間の支援金等による支援が行われているところですが、これを補完するものとして、本年一月より被災者支援団体への交通費補助事業を開始したところです。
被災地や被災者の支援活動が適切に行われるよう、官民が連携して支援してまいります。
災害救助法の適用と生活再建に向けた支援についてお尋ねがありました。
災害発生時において迅速に災害救助法が適用され、必要な支援が着実に実施されるよう、内閣府では、都道府県に対し、委員御指摘のいわゆる四号基準の適用を検討すべき場合を例示するなど、その積極的な活用を推奨しています。
また、被災者支援については、応急救助段階、生活再建段階など、各段階に応じた支援制度を設けており、例えば、被災者生活再建支援金やなりわい再建支援補助金などの適用に際しては、災害救助法の適用基準とは別の基準を設けています。
こうした支援制度が被災された方に十分に御活用いただけるよう、引き続き丁寧な周知徹底に努めてまいります。(拍手)
〔国務大臣中野洋昌君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/20
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021・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) 舟山康江議員から鉄道の災害復旧についてお尋ねがありました。
鉄道については、鉄道事業者が運賃収入を得て事業を行っているものであることから、運賃収入を基本として整備、運営をすることを原則としております。その上で、国土交通省では、鉄道事業者の資金のみで復旧困難な被害に対応するため、被災路線への災害復旧支援制度の拡充に努めてきたところであります。
具体的には、鉄道軌道整備法に基づく補助制度につきまして、平成三十年の法改正により、黒字の鉄道事業者の赤字路線についても補助対象とするとともに、上下分離方式を導入する場合の補助率をかさ上げしております。
加えて、特に大規模な災害については、赤字の鉄道事業者において上下分離方式を導入する場合に、国と自治体で全額補助することにより支援をしているところです。
いずれにせよ、鉄道での復旧を検討する際には、復旧費用の負担の在り方や、復旧後の利便性、持続可能性の確保のための方策などについて、鉄道事業者と地域の関係者でしっかり議論をすることが重要であると考えております。
国土交通省としましては、利便性や持続性の高い地域公共交通の実現に向けて、必要な支援や助言等を行ってまいります。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/21
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022・関口昌一
○議長(関口昌一君) 仁比聡平君。
〔仁比聡平君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/22
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023・仁比聡平
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平です。
会派を代表して、災害対策基本法等改正案について質問いたします。
本改正案が、避難所の生活環境の改善とともに、壊れた自宅や車中泊など避難所以外の支援を明確に位置付け、特に福祉サービスの提供を災害救助法に明記することはとても大切です。
衆議院で兵庫県立大学大学院教授の阪本真由美参考人は、高齢者、障害者が災害関連死に至るリスクは極めて高い、避難生活の環境を改善しない限り関連死を減らすことは困難、福祉支援が何より重要と指摘されましたが、そのとおりです。
防災担当大臣、災害によって高齢者、障害者を始め社会的に弱い立場に置かれている方々が直面する困難や要求をどのように捉え、福祉サービスの提供を明記する必要性、意義をどのように考えますか。
福祉的支援の重要性はかねて強く指摘されてきましたが、現実には極めて困難な状況が続いています。
能登半島地震から一年四か月。社会福祉士や介護福祉士など、DWAT、災害派遣福祉チームの活動の教訓や課題を、厚生労働大臣、どのように捉えていますか。
十三の障害者団体でつくる日本障害フォーラム、JDFは、昨年五月、七尾市和倉を拠点に能登半島地震支援センターの運営を開始され、奥能登六市町を中心に、被災した障害者のおうちの片付け支援、通院の送迎、買物などの移動支援、人手不足の福祉事業所へのスタッフ派遣、地域の自立支援協議会の運営支援まで、様々なニーズに対応してこられました。それらは全て無償というより手弁当、スタッフが所属する全国の福祉事業所に支えられたボランティアです。
私も二月に訪ね、お話を伺ってきましたが、本来、公的支援に移行していくべきなのに、支援の要請は減るどころか逆に増えている、終わりがないと感じると、被災地の現実がそれを許さない実情を教えてくださいました。
厚生労働大臣、こうした民間ボランティアの活動は、被災者の生活と権利を守るためになくてはならない役割を果たしています。どのようにニーズをつかみ、どのように支援することが必要かを学び、国こそが施策の充実で応える責任があるのではありませんか。
具体的に二点、伺います。
安心できる住まいの確保は切迫した課題です。
精神障害がある四十代の女性と七十代のお母さんの二人暮らしで、せっかく仮設住宅が当たったけれど、両隣が壁一枚。障害で大きな声がどうしても出てしまうのを気にされ、雨漏りする半壊のおうちでそのまま暮らしています。せめて仮設が二戸一で片方が外壁だったらよかったのにとおっしゃいますが、そのとおりです。仮設は車椅子では狭くて生活できないと、壊れた家に住み続けているケースもしばしばあると伺います。
他方で、都会に比べ、能登では地域の中に障害のある方々が一緒に暮らしている、支えられていると大変強く感じてこられたという言葉は印象的でした。視覚障害の方が隣のお店の方にいろんなことを手伝ってもらっている、避難もそうしたコミュニティーで支えられたというのです。障害者が住み慣れた地域、安心できる住まいで暮らす大切さを、厚労大臣、どう考えますか。
防災担当大臣、三月の災害対策特別委員会で、在宅被災者を含め住まいのニーズを丁寧に把握し、仮設や災害公営住宅で安心できる住まい確保を求めた私の質問に、できる限りいい方法を見付け、より良い生活の環境を提供したいと御答弁されましたが、どのように進めていかれますか。
自分らしく生きるために、移動保障は大切な人権です。
地震前、いつも乗っていたバスなら一人で福祉事務所や福祉事業所や病院、買物にも出かけ、地域で自立して生活できていた障害のある方が、一年四か月たっても公共交通機関が元に戻らず、困難に直面しています。地域包括支援センターからは施設入所もと勧められたけれど、一人で暮らせる間は頑張って地域で暮らしたいとおっしゃる思いが胸に迫りました。
被災前から脆弱だった地域交通が今なお再開できない。病院や事業所が行っていた巡回バスや個別送迎が復活できない。仮設住宅から最寄りのバス停まで三十分、歩くのは無理、せめて仮設に停留所をという方もいらっしゃいます。運転手不足が課題とも聞きます。
国交大臣、厚労大臣、こうした実情をどう把握し、奥能登の地域交通再建をどう支援するのですか。
移動支援にはガイドヘルパーの抜本的充実が不可欠です。ところが、市町村の事業とされているため、地域間格差が著しく、被災前から担い手不足が深刻でした。厚労大臣、どのように支援していきますか。
防災担当大臣、本法案は、こうした福祉サービスを災害対策に位置付けるのですね。その担い手として、登録被災者援護協力団体が創設されます。ところが、法案が、心身の障害により業務を適正に行うことができない者として内閣府令で定めるものを欠格条項としていることは大問題です。
防災担当大臣、これは削除すべきです。心身の障害のある人があたかも広く必要な認知、判断、意思疎通が適切にできないかのように法文で規定することは、いわれなき差別と排除につながってしまいます。いかがですか。
障害当事者への合理的配慮こそ大切です。和倉温泉でマッサージ業の視覚障害者の方々の仕事がなくなって集いが企画されたとき、御自身、視覚障害があるスタッフがリードしたことで、みんなが本音が話せ、心が和む、いい機会となったとのことでした。こうした当事者によるピア支援の成果はたくさんあります。
防災担当大臣、厚労大臣、こうした福祉支援の活動をどう受け止めますか。ボランティア任せではなく、せめて被災地までの交通費や掛かり増し経費の特別加算など、支援を検討すべきではありませんか。
阪神・淡路大震災から三十年。最大の教訓は、災害対策の要は全ての被災者が一日も早く元の生活を取り戻すことであり、住まいとなりわいの再建こそその基盤だということです。
七月で発災から五年になる二〇二〇年球磨川豪雨の被災地ではどうか。
八代市坂本地区では、宅地のかさ上げや輪中堤が行われていますが、その計画高は地点によっては災害時の水位より数メートルも低いままです。これでは、水害の恐怖で自宅の再建ができるはずもありません。国交大臣、ダムありきではなく、災害時水位までのかさ上げこそ行うべきではありませんか。
人吉市では、壊れた家や商店街が解体されたままの更地がなお広がっています。再建しても再び水害に遭うのではないかという住民の不安に対し、堤防強化の計画がないことが大きな要因です。京都嵐山の渡月橋左岸には可動式堤防が整備されました。熊本市白川では緑の堤防が進められています。温泉や球磨川下りの人吉でも、同様の可動式堤防を検討すべきではありませんか。
最後に、被災者生活再建支援金の抜本拡充について伺います。
支援金は、二〇〇四年以来、実に二十一年も据え置かれ、消費税の増税、資材、物価の高騰で目減りしています。二十六都道府県知事が最大三百万円では不十分、二十九人の知事が引上げを求める中、国の補助率を引き上げ、支給額を二倍にする抜本改正を行い、能登地震の被災者にも遡及支援しようではありませんか。
防災担当大臣の答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣坂井学君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/23
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024・坂井学
○国務大臣(坂井学君) 福祉サービスの提供の意義についてお尋ねがありました。
災害時において、福祉サービスの充実を図り、高齢者、障害者を始めとする要配慮者一人一人に寄り添った支援をすることは、災害関連死の防止のためにも重要です。
災害時には、避難所に限らず、在宅等で避難生活を送られる要配慮者の方々が多くいらっしゃいます。今般、災害救助法の救助の種類として福祉サービスの提供を追加するとともに、DWATのガイドラインを改正し、そうした方々に対しても福祉的支援を充実させていきます。
仮設住宅における良好な生活環境の確保についてお尋ねがありました。
能登半島地震の被災者に対する仮設住宅の提供に際しては、まず、市町において、被災された方々の今後の住まいに関するニーズを把握し、その結果も踏まえ、石川県において必要戸数やタイプ等を精査されたものと承知しています。
被災者への提供の際にも、世帯人数に応じた間取りとすることを基本に対応されたものと承知していますが、例えば、入居を急ぐなどの御事情により、世帯人数が多い場合であっても狭い間取りの仮設住宅に居住されているケースもあると承知しております。こうした場合、仮設住宅に空き室があれば、石川県、市町の判断により、広い間取りの部屋に入居いただくことが可能であり、石川県にはその旨を周知し、必要な調整を進めてきたところです。現在、石川県において、間取りを変更すべき世帯を抽出する作業を進め、空き住戸の解消に向けた取組を進めているものと承知しています。
引き続き、石川県と連携し、被災された方の良好な居住環境の確保に努めてまいります。
被災者援護協力団体の欠格要件や障害者が当事者として行う活動への支援についてお尋ねがありました。
被災者援護協力団体は、被災現場で厳しい環境に置かれている被災者の支援に当たる必要があることから、一定の登録要件を設けるものであって、障害者の当事者を排除する趣旨では全くなく、必要な認知、判断及び意思疎通が適切に行うことができない者に該当しなければ、この要件に当たらないものと考えています。
能登半島地震においても、障害者の当事者の方々が被災者支援に御活躍いただいたと承知しており、今後、こうした取組についても被災者援護協力団体に登録いただけるよう、適切な制度運用を行ってまいります。また、障害者が当事者として行う福祉支援の活動も含め、その具体的な活動内容に応じ、交通費補助事業や災害救助法による支援を適切に実施してまいります。
被災者生活再建支援金についてお尋ねがありました。
被災者生活再建支援金は、災害による財産の損失を補填するものとしてではなく、いわゆる見舞金的な性格のものとして、被災者を側面的に支援するものと位置付けられています。
都道府県の基金を活用しており、その財源の半分を全国の都道府県が負担していることから、その拡充等については、都道府県の負担も増えることに留意する必要があります。
加えて、東日本大震災等の過去の震災や、現在も支給が継続されている他の災害における被災者との公平の確保といった課題もあり、慎重に検討すべきものと考えております。(拍手)
〔国務大臣福岡資麿君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/24
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025・福岡資麿
○国務大臣(福岡資麿君) 仁比聡平議員の御質問にお答えします。
DWATの活動についてお尋ねがありました。
能登半島地震の対応では、全ての都道府県からDWATが延べ約千六百名派遣され、避難所での生活について福祉的な観点からの支援を行っていただきました。
DWATの活動につきましては、その活動範囲を避難所から在宅、車中泊避難者へ拡大することや、各都道府県等のコーディネート機能を強化することなどが課題として挙げられており、こうした点への対応も含め、関係省庁と緊密に連携し、DWATの活動による福祉的支援の充実を図ってまいります。
民間団体の活動支援についてお尋ねがありました。
災害時の福祉的なニーズに適切に対応するため、官民多様な主体と協力しながら、平時から円滑な連携体制の構築を進めることが重要です。
厚生労働省では、災害ボランティアセンターにおいて、社会福祉法人やNPO法人等の多様な民間団体と平時からの関係構築ができるよう支援を行っています。また、今般の改正法案では、被災者援護協力団体の登録制度を創設し、登録団体の活動内容、活動実績等を全国の自治体に広く共有することで、連携体制づくりの後押しを図ることとされています。
関係省庁、関係機関と連携しながら、災害時の福祉的支援の充実に向け、しっかり取り組んでまいります。
災害発生時の障害者の住まいについてお尋ねがありました。
災害が発生した際に、障害者におかれても住み慣れた住まいの復旧を進めることは重要であり、大規模災害の被災地域に対して、グループホーム等の復旧を支援する補助金のかさ上げを行ってきました。また、応急仮設住宅に入居した障害者や在宅に避難している障害者の方々に対しては、孤立防止のための見守り支援や日常生活上の相談を行った上で、必要に応じて専門の相談機関へつなぐ支援を行っており、引き続き、自治体と連携し、障害者の方々が安心して暮らせる環境の整備に努めてまいります。
奥能登の地域交通の再建についてお尋ねがありました。
被災地における地域交通について、障害福祉を所管する立場からは、障害者お一人お一人の状況に応じて、同行援護、行動援護などの障害福祉サービス、障害福祉サービス事業所による送迎、地域生活支援事業による移動支援等が適切に行われることが重要だと考えています。
引き続き、自治体や関係団体等から被災地の状況を伺いながら、関係省庁と連携して、障害者の移動支援に取り組んでまいります。
障害者の移動支援についてお尋ねがありました。
障害者に対する移動支援事業につきましては、地域の実情や利用者の状況に応じて、各自治体が柔軟な形態で支援を行う地域生活支援事業として実施されています。
その際、事業の担い手については、移動支援のみを提供する事業者だけでなく、居宅介護等のサービス提供を行う事業者を活用することも可能であり、引き続き、自治体と連携しつつ、障害者の方々が地域で安心して暮らせるよう取り組んでまいります。
被災地の福祉支援の活動についてお尋ねがありました。
御指摘のピアサポートの活動は、障害者と同じ目線に立って相談、助言等を行う取組であり、被災地においても障害者の方々の不安の解消に資するものと考えます。
これまでもピアサポーターの活動について地域生活支援事業による支援を行ってきたほか、令和六年度報酬改定では、サービス事業所におけるピアサポートの体制に対する評価を拡充したところです。引き続き、こうした取組を推進してまいります。(拍手)
〔国務大臣中野洋昌君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/25
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026・中野洋昌
○国務大臣(中野洋昌君) 仁比聡平議員にお答えいたします。
まず、奥能登地域の地域交通の再建についてお尋ねがありました。
能登地域における地域交通の復旧復興につきましては、震災前からの担い手不足や交通空白などの課題にも対応し、持続可能な地域交通へ再構築を図ることが重要と考えております。
国土交通省においては、昨年七月より、交通空白の解消を強力に進めてきたところであり、被災地においても、AIオンデマンド交通や乗り合いタクシーの導入などの取組に対して支援をしております。
並行して、石川県と地方運輸局が連携し、被災地における地域交通の現状を把握、分析した上で、新たに石川県能登地域公共交通計画が本年三月に定められたところであり、今後、この計画に基づいて再構築の取組が更に進められていくものと承知をしております。
引き続き、自治体、交通事業者に対する伴走支援や予算面での支援等、あらゆるツールを活用して、奥能登地域を含めた被災地における地域交通の再構築を進めてまいります。
球磨川豪雨の被災地における治水事業についてお尋ねがありました。
球磨川においては、令和二年七月豪雨を、七月洪水を踏まえ、学識者から構成される委員会において専門的観点から御意見をいただくとともに、計百九十七回の住民説明会やパブリックコメントなどにより関係住民や関係自治体からの意見をお聞きした上で、令和四年に河川整備計画を策定しております。
御指摘の八代市坂本地区においては、このようなプロセスを経た計画に基づき、川辺川ダムや遊水地の整備、河道掘削等により水位をできるだけ低下させた上で、令和二年七月と同様の豪雨が再び襲った場合でも洪水があふれない高さまで宅地かさ上げや輪中堤の整備を行うこととしております。
また、人吉地区については、県内有数の観光地でもあることから、川辺川ダム等の整備や河道掘削により洪水時の水位をできるだけ低下させることにより、これまでの堤防の高さを変えることなく、令和二年七月洪水と同様の流量をあふれることなく流下させる計画としたものです。
国土交通省としましては、今後とも熊本県や流域市町村等と連携し、被災地の一日も早い創造的復興に貢献できるよう、球磨川の治水安全度の向上に全力で取り組んでまいります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/26
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027・関口昌一
○議長(関口昌一君) これにて質疑は終了いたしました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/27
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028・関口昌一
○議長(関口昌一君) 日程第一 船員法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長小西洋之君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔小西洋之君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/28
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029・小西洋之
○小西洋之君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、最近における我が国の海上企業をめぐる状況に鑑み、船員の確保に資するため、海上労働の安全及び衛生を確保するための教育訓練の義務付け、地方公共団体による無料の船員職業紹介事業の創設等の措置を講ずるとともに、千九百九十五年の漁船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約の的確な実施を確保するため、特定漁船に乗り組む船員の要件等を定めるほか、船員手帳によらない履歴の証明に関する規定の整備などの措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、実技講習の義務付けに伴う負担の軽減に向けた取組、船員養成機関に対する支援強化の必要性、船内のインターネット環境整備に向けた国の支援の在り方などについて質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/29
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030・関口昌一
○議長(関口昌一君) これより採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/30
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031・関口昌一
○議長(関口昌一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/31
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032・関口昌一
○議長(関口昌一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十五
賛成 二百二十九
反対 六
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/32
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033・関口昌一
○議長(関口昌一君) 日程第二 漁業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長舞立昇治君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔舞立昇治君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/33
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034・舞立昇治
○舞立昇治君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、我が国の漁業をめぐる諸情勢の変化に対応して漁業災害補償制度の改善を図り、漁業経営の安定に資するための措置を講じようとするものです。
委員会におきましては、漁業に影響を及ぼす海洋環境の変化への対応、漁業共済、漁業収入安定対策が漁業経営の安定に果たす役割、漁業共済の加入率向上に向けた方策等について質疑が行われました。
質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/34
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035・関口昌一
○議長(関口昌一君) これより採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/35
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036・関口昌一
○議長(関口昌一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/36
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037・関口昌一
○議長(関口昌一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十五
賛成 二百三十三
反対 二
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/37
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038・関口昌一
○議長(関口昌一君) 日程第三 情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長牧山ひろえ君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔牧山ひろえ君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/38
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039・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 ただいま議題となりました情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、人工知能関連技術等による情報処理の高度化を推進するための環境の整備を図るため、指定高速情報処理用半導体の生産を安定的に行うために必要な取組及び高度な情報処理の性能を有する設備の導入に対する支援措置を講ずるとともに、これらの支援措置を含む先端的な半導体の安定的な生産の確保等の施策に係る措置に必要な財源を確保するための措置等を講じようとするものであります。
委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、次世代半導体を国内で製造することの意義、半導体産業への大規模な公的支援の在り方、米国の関税政策等の影響、デジタル人材育成の方策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して岩渕委員より反対する旨の意見が述べられました。
次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/39
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040・関口昌一
○議長(関口昌一君) これより採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/40
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041・関口昌一
○議長(関口昌一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/41
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042・関口昌一
○議長(関口昌一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十五
賛成 二百十七
反対 十八
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/42
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043・関口昌一
○議長(関口昌一君) 本日はこれにて散会いたします。
午前十一時五十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715254X01620250425/43
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