1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和七年五月十三日(火曜日)
午前十時開会
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出席者は左のとおり。
内閣委員会
委員長 和田 政宗君
理 事
磯崎 仁彦君
酒井 庸行君
山本 啓介君
木戸口英司君
竹谷とし子君
委 員
青木 一彦君
石井 浩郎君
今井絵理子君
太田 房江君
友納 理緒君
山谷えり子君
石垣のりこ君
石川 大我君
奥村 政佳君
鬼木 誠君
河野 義博君
片山 大介君
柴田 巧君
竹詰 仁君
井上 哲士君
大島九州男君
総務委員会
委員長 宮崎 勝君
理 事
井上 義行君
岩本 剛人君
藤井 一博君
野田 国義君
山本 博司君
委 員
阿達 雅志君
中西 祐介君
長谷川英晴君
馬場 成志君
藤川 政人君
松下 新平君
山田 太郎君
山本 順三君
小沢 雅仁君
岸 真紀子君
古賀 千景君
吉川 沙織君
高橋 次郎君
石井 苗子君
高木かおり君
芳賀 道也君
伊藤 岳君
齊藤健一郎君
浜田 聡君
外交防衛委員会
委員長 滝沢 求君
理 事
佐藤 正久君
若林 洋平君
塩村あやか君
三浦 信祐君
柳ヶ瀬裕文君
委 員
有村 治子君
生稲 晃子君
猪口 邦子君
小林 一大君
中曽根弘文君
堀井 巌君
松川 るい君
広田 一君
福山 哲郎君
伊藤 孝江君
山口那津男君
松沢 成文君
榛葉賀津也君
山添 拓君
伊波 洋一君
高良 鉄美君
国務大臣
総務大臣 村上誠一郎君
外務大臣 岩屋 毅君
防衛大臣 中谷 元君
国務大臣 平 将明君
副大臣
総務副大臣 阿達 雅志君
外務副大臣 宮路 拓馬君
政府特別補佐人
内閣法制局長官 岩尾 信行君
事務局側
常任委員会専門
員 岩波 祐子君
常任委員会専門
員 荒井 透雅君
常任委員会専門
員 中内 康夫君
政府参考人
内閣官房内閣審
議官 室田 幸靖君
内閣官房内閣審
議官 小柳 誠二君
内閣官房内閣審
議官 飯島 秀俊君
内閣官房内閣審
議官 木村 公彦君
内閣官房内閣審
議官 佐野 朋毅君
内閣官房内閣審
議官 門松 貴君
警察庁サイバー
警察局長 逢阪 貴士君
デジタル庁審議
官 三橋 一彦君
デジタル庁審議
官 井幡 晃三君
総務省自治行政
局長 阿部 知明君
総務省自治税務
局長 寺崎 秀俊君
総務省総合通信
基盤局長 湯本 博信君
総務省サイバー
セキュリティ統
括官 山内 智生君
外務省大臣官房
サイバーセキュ
リティ・情報化
参事官 斉田 幸雄君
外務省国際法局
長 中村 和彦君
経済産業省大臣
官房審議官 奥家 敏和君
防衛省大臣官房
サイバーセキュ
リティ・情報化
審議官 家護谷昌徳君
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本日の会議に付した案件
○重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律案(閣法第四号)(衆議院送付)
○重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(閣法第五号)(衆議院送付)
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〔内閣委員長和田政宗君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/0
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001・和田政宗
○委員長(和田政宗君) これより内閣委員会、総務委員会、外交防衛委員会連合審査会を開会いたします。
先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。
重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律案及び重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
両案の趣旨説明及び重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律案の衆議院における修正部分の説明につきましては、お手元に配付いたしました資料により御了承願い、その聴取は省略いたします。
これより質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/1
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002・福山哲郎
○福山哲郎君 おはようございます。立憲民主党の福山でございます。
まずは、今日の連合審査会を開催いただきましたそれぞれの委員会の委員長の皆さん、理事の皆さんに心から敬意と感謝を申し上げたいというふうに思います。私は外交防衛委員会でございますので、できればその線に沿って質問させていただきたいと思いますし、それぞれの大臣の皆様におかれましても御苦労さまでございます。
時間がないので、早速質疑に入りたいと思います。
例えば、ロシアはウクライナ侵略の際、侵略開始前から物理的にサイバー攻撃、物理的な攻撃とサイバー攻撃を組み合わせて行い、効果の最大化を狙っていたというふうに言われています。事前の段階から、長期間にわたり、侵略を念頭に重要インフラへの高度なサイバー攻撃を実施してきたというふうに言われています。また、中国も、私、具体的には申し上げませんが、あらゆる事態に備えて、重要インフラを標的としたサイバー攻撃の能力を今中国は非常に高めているというふうに聞いております。
我が党も、国会の関与について修正の申入れをして、それを与党に受け入れていただいて、賛成をこの法案させていただいておりますが、若干の問題意識をまずは申し上げたいと思います。
有事の際に、ミサイル等による物理的な攻撃を開始する前にサイバー攻撃によって重要インフラ等を混乱させる、そして次の段階に行くというのは、ある意味、現在の戦争においては所与のものとなっています。極めて外交安全保障に関わるところでございます。
特に今回、整備法の中に自衛隊法の改正も含まれています。自衛隊の行動類型、皆さん御案内だと思いますが、防衛出動とか治安出動等々の行動類型の中に、新たに通信防護措置が追加をされるという自衛隊法の改正です。
警察権との行使との関係、それからこの通信防護措置というのが一体どういう措置なのか、どういう要件なのか、そしてそこに対して閣議決定は要るのか、いろんなことが課題としてあるわけですけれども、今回束ね法案で出てきたので、自衛隊法の改正の審議はこの合同審査会のみになります。今日は防衛大臣来ていただいて、外務大臣も来ていただいておりますけれども、極めて私はこの束ね法案はまずいと思っておりまして、自衛隊法の改正はやはり外交防衛委員会で、今の安全保障環境も含めてもう少しじっくり議論する必要があるのではないかということを考えておりまして、これは政府に対して強く抗議するものであります。
今日は、総務委員会の我が党の委員と私とで四十分、つまり二十分しか実は外交安全保障に関する質疑ができません。これではやはり本当に国民の安全を守るための議論が十分にできるのかということです。私、今日午後から外交防衛委員会が開催されますので、一般質疑の中で、今日やれないことの、この場でやれないことの続きを質疑したいと思っておりますけれども、でも、平大臣には御出席いただけないんですね。これはやっぱり非常に大きな課題だというふうに思いまして、やっぱり政府が安易に束ね法案をこうやって審議に供されることの課題は非常に大きいと思っておりまして、まず平大臣、私のこの指摘についてどうお答えになるか。お答えいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/2
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003・平将明
○国務大臣(平将明君) 私はこの法案の担当大臣として皆さんの質問に丁寧にお答えをしてきたところであります。また、今御指摘ありましたが、今回こういった形で、連合審査会という形で開催をされておりますので、御疑問の点はこういった質問の際に政府にぶつけていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/3
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004・福山哲郎
○福山哲郎君 二十分で何が質問できるんですか。そういう何か訳の分からない、何かつまらない答弁しないでください。私は本質的な質疑をしている、質問しているつもりですので。
では、皆さん、お手元にお配りした一枚の資料、これはもう各省から、各役所から配られて、皆さんがもうさんざん御覧いただいているものだと思いますが、これ、今回のアクセス・無害化措置についての意思決定の流れが書いてあるんですけれども、ここに書いてあるように、NSC四大臣会合で決定し、その方針に沿ってサイバー安全保障担当大臣が内閣官房を指導し、措置の実施主体等を決定すると説明をしてきています。
しかし、今回の整備法案の中には、NSCの根拠法である国家安全保障会議設置法の改正は盛り込まれていないんですね。これ、自衛隊法は先ほど言ったように改正なんですが、これ外交防衛委員会に議論されないんです。このいつも政府が持ってくるポンチ絵の一番上にあって、一番対処方針を決める国家安全保障会議設置法には改正今回ないんですね。
四大臣会合のNSCの法律を見ても、国家安全保障に関する外交政策、防衛政策及び経済政策の基本方針並びにこれらの政策に関する重要事項としか記載、規定されていないですし、出席大臣も、常時出席は総理、官房長官、外務大臣、防衛大臣のみです。サイバー安全保障担当大臣や国家公安委員会の委員長が常時出席する会議とはNSCはなっていません。もちろんサイバー攻撃に対する対処だけではないので、NSCは、それは常時は必要ないと言われるかもしれませんが。
私は、先ほど申し上げたように、今有事の際にはまずはサイバー攻撃で重要インフラ等を攻撃をして国内を混乱させるということがある種所与なものとなっている中で、今回NSCの法案にこの流れを、この法案の流れを、改正入れなかったこと自身についてなぜなのかちょっと理解に苦しむんですが、なぜこれNSCの法案を改正されなかったのか。若しくは、政府が説明しているNSCがこれ一番上に書かれているわけです。一番上に書かれているんですが、NSCが関与することについて法文上どこで読むのか。明確に改正しなかった理由と、これ法文上このポンチ絵どうやって読むのか、そこについてお答えいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/4
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005・平将明
○国務大臣(平将明君) 国家安全保障会議、NSC四大臣会合の審議事項は、国家安全保障会議設置法第二条第一項第十一号に規定されており、国家安全保障に関する外交、防衛及び経済政策の基本方針並びにこれらの政策に関する重要事項とされています。御指摘のとおりであります。
この中には、国家安全保障に関するサイバー分野も当然含まれていると解されており、アクセス・無害化措置を含む能動的サイバー防御もその一部であることから、NSC四大臣会合においてこれらについて審議をすることは可能であります。
また、NSC四大臣会合の審議事項に関しては先ほど申し上げたとおりですが、これに基づいて、同会合では我が国の国家安全保障政策の司令塔としての機能を果たしております。このような役割に鑑み、同会合は審議事項を幅広く捉えるべきと考えており、条文上、審議事項を一つ一つ例示列挙する考えは取っていません。
サイバー安全保障について申し上げれば、NSC四大臣会合の審議事項には国家安全保障に関するサイバー分野も当然に含まれております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/5
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006・福山哲郎
○福山哲郎君 それは国家安全保障会議設置法のどこで読みますか、条文上。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/6
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007・平将明
○国務大臣(平将明君) 今申し上げたとおり、国家安全保障会議設置法の第二条、第二条の十一項、国家安全保障に関する外交政策、防衛政策及び経済政策の基本方針並びにこれらの政策に関する重要事項について審議をし、必要に応じて意見を述べるといった条文。さらには、第五条の二項の、第二条第一項第十一号に掲げる事項で外務大臣、防衛大臣及び内閣官房長官の四大臣会合においてこの議論の議員を充てると。さらには、必要な大臣を指名して審議に加えることができるとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/7
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008・福山哲郎
○福山哲郎君 恐らく、本格的な有事の武力攻撃事態等々よりも、多分、サイバー攻撃、サイバー安全保障の方が、小さいものも大きなものも含めて頻度ははるかに多いと私は思います。それなのに、このNSC法で法文上で今回改正がなかったことについては極めて遺憾に思う次第でございます。このポンチ絵で全てが国家安全保障会議に上がるかどうかについては何ら法文上担保されていないということは指摘をしておきたいと思います。
それでは、アクセス・無害化措置をとるのは警察官か自衛官かどちらかというのは一体どこでどのように判断されるのか、条文上どういうふうに読むのか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/8
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009・平将明
○国務大臣(平将明君) アクセス・無害化措置は、武力攻撃事態に至らない状況下における対処を念頭に公共の秩序の維持を目的として行うものであり、一義的には公共の安全と秩序の維持を責務とする警察が実施をすることになります。
その上で、国や基幹インフラ等の一定の重要な電子計算機に対する本邦外にある者による特に高度に組織的かつ計画的なサイバー攻撃に対し、自衛隊が対処を行う特別な必要がある場合には、内閣総理大臣が自衛隊に措置をとることを命ずることになります。
運用におきましては、警察及び自衛隊の役割分担について、内閣官房に置かれた新組織が、国家安全保障会議において定められた対処方針に基づき、サイバー安全保障担当大臣の指導の下で、国家安全保障局と緊密に連携をしてより具体的に検討し、速やかに決定することとしております。
こうしたNSC及び内閣官房による決定は、国家安全保障会議設置法の先ほど申し上げた第二条第一項第十一号及び内閣法第十二条第二項等に根拠を行うものであります。
その上で、内閣総理大臣が自衛隊に通信防護措置を命ずる場合においては、この決定を踏まえ、国家公安委員会と防衛大臣が協議を行った上で、警察と自衛隊が共同して措置を実施する要領その他の連携に関する事項等を内閣総理大臣が指定することとされており、両者の役割分担は指定された要領等に基づいて定まることになります。こうした内閣総理大臣による指令、指定等については、改正後の自衛隊法第八十一条の三に規定をされています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/9
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010・福山哲郎
○福山哲郎君 それは法文上の内容を今読み上げていただいただけで、内閣総理大臣が特別な措置をする場合に命令をする、まあこれは当たり前なんですね。そこまでどうやって上がるのかということを聞いているんです。どこで自衛隊か警察がやるのかを判断するのか、どのように条文上読むのかということを聞いています。判断する判断するというのは分かりますが、どういう形で判断するのかについては、今非常に抽象的だと思います。
私は、警察官職務執行法、今回の政府案の中身拝見しましたけど、警察が職務執行法上NSCに情報を上げる義務はありますか。法文上、そのことは規定されていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/10
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011・飯島秀俊
○政府参考人(飯島秀俊君) お答えを申し上げます。
ただいま大臣の方から答弁させていただいたとおり、警察及び自衛隊の役割分担につきましては、内閣官房に置かれる新組織が、国家安全保障会議において定められた対処方針に基づき、サイバー安全保障担当大臣の指導の下、国家安全保障局と緊密に連携してより具体的に検討し、速やかに決定するということとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/11
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012・福山哲郎
○福山哲郎君 全く答えていない。
いいですか、皆さん、このポンチ絵でいうと、恐らく日本の場合に一番サイバー攻撃の情報を持つのは警察庁なんですね。不審なアクセス件数だけで一日一万件弱。それで、人員も、各都道府県も含めて警察は一番持っている。このアクセス・無害化措置のポンチ絵を見ると、一番下に警察、自衛隊ってあるんですけど、ここで情報を持ったものを、さっき言ったようにNSCに上げる義務がないんですよ。警察官職務執行法、僕見ましたけど、何が書いてあるかというと、外務大臣との協議と、それをサイバー通信情報監理委員会に承認をもらうということだけ。
事務方、申し訳ありません、NSCに警察が上げる義務ないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/12
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013・室田幸靖
○政府参考人(室田幸靖君) お答え申し上げます。
国家安全保障会議設置法第六条第二項に、関係行政機関の長は、議長の求めに応じて、会議に対し、国家安全保障に関する資料又は情報の提供及び説明その他必要な協力を行わなければならないという規定がございます。これに基づきまして、国家安全保障会議の事務局たる国家安全保障局におきまして情報の整理を行うというような規定がございます。
こういったものに基づきまして、国家安全保障に関するサイバーに関する情報を国家安全保障会議、国家安全保障局が必要な場合にはもっとも協力を行わなければならないという条項を使いまして集めていくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/13
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014・福山哲郎
○福山哲郎君 そのとおりなんですよ。議長から求めに応じては出すんです、求めに応じては。全部これ、警察上げるんですか、じゃ、今来ている手元の情報を。上げないでしょう。
これ、じゃ、聞きます。警察は、捜査の中で得た、先ほどから申し上げている警察の膨大な中の怪しい情報は、どの時点でどういう状況ならば上げるんですか。NSCが開かれて、議長である総理が出せと言うのは当たり前の話ですよ。さっき言ったように、NSCは誰が、じゃ、トリガーを引いて開催するんですか。何にも分からない。
事務方、答えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/14
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015・室田幸靖
○政府参考人(室田幸靖君) お答え申し上げます。
国家安全保障局は、内閣法第十六条に基づきまして、国家安全保障会議の事務を常時つかさどることとなっております。そして、先ほどの国家安全保障会議の議長の求めに応じての情報の収集というものについて、国家安全保障会議が開かれていない間におきましても、常時情報の収集を行うこととなります。
また、内閣官房におけるサイバー新組織の次長は国家安全保障局次長を兼ねておりますので、国家安全保障局とサイバー新規組織は常に一体となって運営してまいります。国家安全保障局と新サイバー組織におきましては、常時、警察庁、防衛庁と、防衛省と随時情報の共有を行いながら、それぞれがどのようなことを考え、どのようなことをやろうとしているのかにつきましては、常時情報が入る体制を整えていくということで考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/15
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016・福山哲郎
○福山哲郎君 常時情報の入る体制を整えるというのはある意味当たり前なんです、NSCがある限りは。しかし、今回新しくサイバーについての情報を警察も含めてやって警察官職務執行法を改正したのに、そういったことに対する連携については職務執行法上何にもないんです。外務大臣と協議するだけ。
だからこれ、法案が通ったら、今整備法案と新法をまとめて審議されていますから一まとまりの法律だと見られがちですけど、成立してしまえば警察官職務執行法は警察庁の所管法律となります。新法、もちろん大事だと思いますけど、警察サイドの運用は、そこはある種の警察の判断でいろんなことができるようになります。このことに対してどうやって担保するのか。私は信頼していないと言っているのではないです。しかし、圧倒的に警察官の、警察の方が情報を持っている、それから圧倒的に対処の方法も手段も持っている。そのときに、どうこのポンチ絵のような情報の流れに来るのかについて、少し弱いと思うんですね。
残念ながらですけど、平大臣ですが、平大臣は指導するという機能なんですね。サイバー安全保障担当大臣は指導すると。何かすごい弱いんです。現実問題として、指導って何なんだと。更に言えば、内閣サイバー官や国家サイバー統括室はサイバー安全保障担当大臣の下に置かれるのか、官房長官の下に置かれるのか、どのような指揮命令となるのかについても実は曖昧なんです。内閣官房に対して誰がどのように権限を行使をするのかも曖昧なんです。
このことに対して、もし事務方が答えるんだったら、事務方、答えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/16
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017・飯島秀俊
○政府参考人(飯島秀俊君) お答えを申し上げます。
お尋ねの指導とは、内閣の重要政策について企画、総合調整等の内閣官房の事務を実施する内閣官房内部部局に対して、内閣総理大臣の命を受けて、業務の方向性等について教え導く業務でございます。
例えば、内閣サイバー官は、内閣官房の内部部局として、サイバーセキュリティー関係省庁等が行うアクセス・無害化措置等の各種政策についてその重要性に関する総合調整を担うこととなります。内閣の担当大臣たるサイバー安全保障担当大臣は、内閣サイバー官が行う行政事務について業務の方向性等を示すこととなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/17
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018・福山哲郎
○福山哲郎君 このことを言い出しても切りがないんですけど、これ、もう僕時間ないんですね。これだけで終わるんです。
一個だけどうしても聞いておきたいので、お伺いします。
先ほど申し上げた自衛隊法の改正によって、自衛隊の行動、新たな行動類型ができました。今回の無害化、アクセス・無害化措置をとることができるのは、通信防護措置命令発令時、治安出動時、防衛出動時の公共の秩序維持時、自衛隊法第九十五条の四に基づく職務上の警護、この四つの類型のときに自衛隊がアクセス・無害化措置がとれるようになったんですが、この四つの類型、特に今回の通信防護措置命令以外でアクセス・無害化措置ができるようにした趣旨は何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/18
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019・平将明
○国務大臣(平将明君) 自衛隊法第八十九条の治安出動時の権限及び第九十二条の防衛出動時の公共の秩序の維持のための権限は、それぞれ、治安出動を命ぜられた自衛官の職務の執行、防衛出動を命ぜられた自衛官が公共の秩序の維持のために行う職務の執行について、警察官職務執行法の規定を準用しています。
治安出動時や防衛出動時は、一般の警察力では治安を維持することができないような場合に自衛官が公共の秩序の維持を目的として活動するところ、こうした状況においては、物理的な空間のみならず、サイバー空間においても措置をとる必要がある場合が想定をされます。こうした状況でも適切に対応できるよう、今般、アクセス・無害化措置をとれるように所要の改正を行うこととしたものであります。
また、新設をする第九十五条の四は、昨今、我が国の防衛力を構成する自衛隊や我が国に所在する米軍が使用する特定電子計算機に対してサイバー攻撃が生じる可能性が高まっていることを踏まえ、現行の自衛隊法第九十五条の考え方を参考に、我が国の防衛力を構成する重要な物的手段である自衛隊が使用する特定電子計算機及びそのような物的手段に相当する我が国に所在する米軍が使用する特定電子計算機について、サイバー空間において武力攻撃に至らない侵害から保護するため、極めて受動的かつ限定的な必要最小限の措置を講ずる権限を平素から自衛官に付与するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/19
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020・福山哲郎
○福山哲郎君 これも条文読んでいただいているだけなので余り分からないんですけど、これ、大事なんです。例えば防衛出動時の公共の秩序維持というのは、防衛出動しているわけだから、これもう有事なんですよ。自衛権の発動しているんですよ。自衛権の発動しているときに、本当に通信防護措置をとるのか、通信防護措置以上のものができるのかについて、これ大事な論点なんです。
それから、治安出動時というのは完全にテロ対策です。このときの状況、どうするのかについては、午後の議論で外務大臣と防衛大臣とやりたいと思いますが、本当にこういった議論をしないままこの法律、まあ法律、我々賛成していますけれども、こういったことについては詳細詰めていただきたいということを強く申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/20
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021・野田国義
○野田国義君 どうも。立憲民主党の野田でございます。よろしくお願いいたします。
私は総務委員でございますので、情報通信、それから地方自治、地方行政について中心に質問をさせていただきたいと思います。
まず、能動的サイバー防御法案は、通信情報の利用、アクセス・無害化措置など、多くの分野にまたがる法案だと認識をいたしております。特に、通信情報の利用においては、総務省が所管する通信の秘密との関係について議論が行われているほか、電気通信事業者等に対して様々な負担を求める内容となっているところでございます。
そこで、本案は、通信情報を利用するため、憲法定める通信の秘密について、公共の福祉の観点から許容される範囲内で利用していくこととされております。
まず、そもそも憲法や電気通信事業法などにおいて通信の秘密を守ることが定められている意義を総務大臣の方にお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/21
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022・村上誠一郎
○国務大臣(村上誠一郎君) 野田委員の御質問にお答えします。
通信の秘密は人間社会に、生活にとって必要不可欠なコミュニケーションの手段でありまして、個人の私生活の自由やプライバシーを保護するために、憲法上の基本的条件の一つとしまして憲法第二十一条二項において保護されております。これを受けて、電気通信事業法第四条において電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密が保護と、対象となっております。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/22
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023・野田国義
○野田国義君 ありがとうございます。
それでは、引き続きまして、適切な情報開示の必要性について質問をさせていただきたいと思います。
通信の秘密を侵害することに対する懸念が指摘されている中でもあり、今回の措置内容、運用については、海外の事業者を含め、そうした懸念を払拭するような適切な情報開示が求められているのではないかと考えますが、政府の見解と対応について、平大臣の方にお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/23
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024・平将明
○国務大臣(平将明君) 野田委員にお答えをいたします。
本制度の運用の透明性を確保することは、国民の皆様や事業者の皆様からの本制度の信頼を得るために重要であると考えています。
昨年十一月にサイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議が取りまとめた提言の中でも、例えば定期的な報告書の公表などの方法で大枠の適切な情報公開は行われるべきである、その上で、情報の公開が難しい部分を独立機関の監督で補う必要があると指摘をされたところであります。
本提言の内容も踏まえて、本法律案では、サイバー通信情報監理委員会が毎年国会に対して所掌事務の処理状況を報告するとともに、その概要を公表しなければならないと規定をしております。
国会への報告や公表を通じて運用の透明性を高め、国民の皆様や事業者の皆様の信頼を得ていくことに努めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/24
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025・野田国義
○野田国義君 この情報開示は非常に重要なことだと思いますんで、しっかりやっていただきたいと思います。
それから、電気通信事業者の役割についてお伺いをしたいと思います。
サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議の提言では、通信情報の利用を実現するには電気通信事業者の協力は必須とされております。その上で、電気通信事業者が直面し得る訴訟等のリスクと通信ネットワーク運営に対する負担について回避策を十分に検討していくべきであると指摘をされているところであります。
本法案では、通信情報の取得について電気通信事業者に対してどのような役割を求めているのか確認するとともに、提言で検討を求められた点について立案に当たってのどのような対応がなされたのか、平大臣にお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/25
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026・平将明
○国務大臣(平将明君) 本法律案においては、電気通信事業者に対して、例えば外外通信目的送信措置等の実施について、第二十条、第三十二条、第三十三条により、機器の接続その他の必要な協力を求めることとしています。
政府では、委員御指摘の提言の内容も踏まえ本法律案の検討を行い、具体的には、電気通信事業者は通信の当事者との関係で通信の秘密を守る義務があることから、政府の責任において通信の秘密に制約を加えるものである外外通信目的送信措置等の実施に協力する法的根拠を明確にすること等により、電気通信事業者が法的責任を問われることがないように措置をすることといたしました。電気通信事業者が政府からのそうした協力の求めに対し、その保有する設備や技術では対応困難であるなどの正当な理由があれば拒むことができることとしております。電気通信事業者の負担についてもしっかり考慮をしてまいります。
本法律案が成立した場合には、御指摘の有識者会議の提言も踏まえつつ、こうした規定の運用の開始に向けて更なる必要な検討を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/26
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027・野田国義
○野田国義君 それでは、地方公共団体、ここも非常に重要でございますので、質問をさせていただきたいと思います。
サイバーセキュリティー対策への効果についてでございますけれども、地方公共団体は、住民票を始め、税や福祉に関する情報など、住民に関する様々な情報を保有しているほか、各種申請等の窓口業務やライフラインの維持管理など、日常生活に不可欠なサービスを提供しております。
例えば、水道分野でも、そもそも地方公共団体が基幹インフラ事業者となって、今回のインシデント報告の義務付けなどが行われますが、それ以外の業務についても、地方公共団体におけるサイバーセキュリティー対策が重要な課題となっているところであります。
そこで、本法案や関連する取組により地方公共団体のサイバーセキュリティー対策はどのように強化されることになるか、総務大臣にお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/27
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028・村上誠一郎
○国務大臣(村上誠一郎君) お答えします。
国、自治体等のネットワークを通じました相互接続や情報連携がますます進展する中で、自治体は大量の個人情報を保有しておりまして、その情報セキュリティーの確保は非常に重要な課題であるというふうに認識しております。
そのために、政府のサイバーセキュリティーに関する基準に準拠したガイドラインを自治体に示すなどして、各団体における取組を促進しております。
今回のサイバー対処能力の強化法案におきましては、一つ、自治体が通信情報を提供することで情報分析の支援を受けることができる。二つ目は、アクセス・無害化の措置としてサイバー攻撃からの自治体の情報システムの防護措置が可能となります。三番目は、さらに、自治体が情報共有・対策のための協議会に参加して脅威情報の提供を受けて対策を強化することができるというふうにしております。これらによりまして、自治体における情報セキュリティーの対策強化とともに資するものと考えております。
総務省としましては、今後とも、関係省庁と連携しながら、自治体の情報セキュリティー対策の向上に引き続き取り組んでまいりたいと、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/28
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029・野田国義
○野田国義君 これ、ライフライン等を地方自治持っているわけでございますので、非常に重要でございます。どうぞよろしくお願いをしたいと思っております。
それから、地方公共団体の重要電子計算機の範囲及び対応内容についてでございますけれども、本法案は重要電子計算機と地方公共団体の関係についてお伺いします。
本法案では被害を防止する情報システム等を重要電子計算機として定義していますが、衆議院の議論では、市町村を含む地方公共団体の情報システムの一部が重要電気計算機に含まれることが明らかにされたところでございます。しかし、地方公共団体の重要電子計算機の具体的な範囲について、政令で定めることとされており、その詳細は明らかになっておりません。
そこで、地方公共団体のシステム等について、重要電子計算機に指定されると具体的にはどのような効果、負担が生じるのか、またどのようなものを重要電子計算機とするか、平大臣の方に見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/29
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030・平将明
○国務大臣(平将明君) 今回の法整備は、そのサイバーセキュリティーが害された場合に国家及び国民の安全を害し、また国民生活若しくは経済活動に多大な影響を及ぼすおそれのある国等の重要な電子計算機のサイバーセキュリティーの確保を目的としております。
地方公共団体が運用する重要な情報システムに係る一定の電子計算機についても重要電子計算機とすることで、本法案に基づく情報収集、分析、注意喚起等の対象とすることとしております。
その上で、地方公共団体の使用する重要電子計算機については、第四条に基づく資産登録や第五条に基づくインシデント報告義務は課されていません。第四十五条の協議会については、重要電子計算機を使用する者等をその同意を得て構成員として加えることができると規定をしています。協議会では、秘密を含む情報を含め、サイバー攻撃による被害の防止に必要な情報を提供などを行うこととしております。
政府として、こうした取組によって地方公共団体が使用する重要電子計算機に対するサイバー攻撃による被害の防止に努めていく考えです。
なお、地方公共団体が使用する電子計算機のうち重要電子計算機に該当するものの範囲については、重要情報の管理又は重要な情報システムに関わる事務又は業務の類型を列挙をし、その類型で使用される電子計算機を規定することを想定をしておりますが、その詳細については、今後、専門家や関係者の意見を伺いながら検討をしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/30
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031・野田国義
○野田国義君 どうもありがとうございました。
引き続き、地方公共団体等の協議会への関与についてお伺いしたいと思います。
現在のサイバーセキュリティ協議会では、地方公共団体や地方公共団体情報システム機構などの地方公共団体等が組織する団体が構成員として加わることができるとされているところでございます。
そこで、本法案ではこの協議会を改組することとされておりますけれども、新たな協議会では地方公共団体の扱いについて変更はあるのでしょうか。その辺りのところをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/31
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032・平将明
○国務大臣(平将明君) 地方公共団体のサイバーセキュリティー確保は重要な課題であると認識をしております。サイバーセキュリティ基本法においては地方公共団体を重要社会基盤事業者等として位置付けており、これまでもNISC、内閣サイバーセキュリティセンターから必要な情報提供を行ってきたところであります。
その上で、国家を背景とした重要インフラに対する高度なサイバー攻撃への懸念の拡大等を踏まえ、官民連携の取組を更に強化する必要があるとの問題意識から、本法案においては、地方公共団体を含む重要電子計算機の使用者に対して、サイバー攻撃による被害の防止のための情報を政府が提供をすること、内閣総理大臣が必要と認める場合に協議会に構成員として参加をしていただくことなどを可能とする規定を設けております。これまで以上に地方公共団体の皆さんとは情報連携を図ることとしております。
本協議会における地方公共団体の扱いについては、この法案が成立した暁には、地方公共団体を含めた関係者の意見も丁寧に伺いつつ、施行に向けた具体化を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/32
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033・野田国義
○野田国義君 それでは、本法案と併せた総務省の全体の取組についてお伺いをしたいと思いますが、本法案により情報提供や協議会による情報共有の枠組みを設けたとしても、対策を担う各地方公共団体において十分な体制を構築できなければ効果は見込めないと思います。
総務省は、今年の三月に地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドラインの改定を行っていますが、その検討の際に行われた地方公共団体への意見照会では、運用面の課題として、コストや職員・人員体制、スキル不足が挙げられたということでございます。
これらの点を含め、政府は地方公共団体におけるサイバー対処能力の強化に向けた支援に取り組む必要があると考えるところでありますけれども、政府の認識と今後の取組についてお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/33
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034・村上誠一郎
○国務大臣(村上誠一郎君) 野田委員の御指摘とおり、自治体の情報セキュリティー対策につきましては、技術の高度化に伴いまして、特に小規模市町村を中心に、スキル不足や組織・人員体制の構築、コストなどが大きな課題となっていると感じております。
このために、まずはスキル不足につきましては、各自治体の情報セキュリティー対策のためのガイドラインを総務省で策定し、助言を行うなどの対応をしております。組織・人員体制につきましては、都道府県が市町村と連携して、情報セキュリティー対策を含め、DX推進体制を令和七年度中に構築しまして、デジタル人材を都道府県にプールすることで市町村を支援する取組を行っているところであります。
コストにつきましては、例えば、自治体情報セキュリティクラウドを都道府県ごとに構築することで、小規模市町村も含めた情報セキュリティー対策を実施する体制を整備し、コスト低減を図るなどの取組を行っているところであります。
今後とも、市町村を始めとした自治体への支援を行い、自治体の情報セキュリティー対策の更なる強化に取り組んでまいりたいと、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/34
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035・野田国義
○野田国義君 随分と急ぎまして、時間少し残っておりますけれども、これで終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/35
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036・石井苗子
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
車椅子の御配慮、本当にありがとうございます。ありがとうございます。いろんなことが勉強になります。ありがとうございます。
それでは、本法案により実現する日本のサイバーセキュリティーについて、サイバー安全保障担当大臣に伺います。
現状の日本サイバーセキュリティーに足りない部分はずばりどこでしょうか。今回の法案により政府が目指しているサイバーセキュリティーの目標はどこにありますか。目的ではなく目標を、この二つをお答えいただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/36
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037・平将明
○国務大臣(平将明君) ありがとうございます。
国家安全保障戦略では、サイバー安全保障分野での対応能力を欧米主要国と同等以上に向上させるという目標を掲げており、実際に取り組むべきことといたしましては、武力攻撃に至らないものの、国、重要インフラ等に対する安全保障上の懸念を生じさせる重大なサイバー攻撃のおそれがある場合、これを未然に排除をし、また、このようなサイバー攻撃が発生した場合の被害の拡大防止をするための能動的サイバー防御を導入する、これらの取組を実現、促進するために、サイバー安全保障分野での政策を一元的に総合調整する新たな組織を設置するなどの取組が掲げられております。
本法案に基づく制度整備により、既に欧米主要国で取組が進められている官民連携の強化や、通信情報の利用、アクセス・無害化のための権限を付与することを通じ、サイバー攻撃に関連する情報の収集・分析能力の強化やアクセス・無害化措置の実施が可能となり、重大なサイバー攻撃の未然防止等が適切に図られることになります。
これらの取組を有機的に連携をさせることにより、国家安全保障戦略に掲げた目標を実現できるよう努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/37
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038・石井苗子
○石井苗子君 大臣、足りないところはどこでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/38
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039・平将明
○国務大臣(平将明君) 今まで、攻撃をされても防御する一方でした。しかも、こういう攻撃があるという情報共有をして、基本的にはインフラ事業者が自ら守らなければいけないという、基本的にはそういう状況がありました。
今回法律を作ることによって、外外通信を中心に、いわゆる通信情報を利用、分析をすることが初めてできることになりました。結果として、悪さをするサーバーを特定する能力も身に付くことになります。そして、そのサーバーが外国にあったとしてもアクセス・無害化ができるようになります。これは今までできなかったことです。ですから、情報収集においても、また未然にそのサイバー防御をすることに関しても、圧倒的に能力向上になると。これが今までできなかったというところが足りなかった部分であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/39
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040・石井苗子
○石井苗子君 この法案に足りないものはどこでしょうかということをお聞きしたんですが。
本法案は、何らかの不具合事象へ対する対応の法案ではなく、サイバー攻撃を未然に防止するための能動的な新たな仕組みに主眼が置かれていると私は思っております。
実際に何らかの不具合、失礼しました、不具合事情、不具合が生じた際、それがサイバー攻撃に起因するものかどうかすぐには分からない。分からない場合でも、大臣、本法案は効力を発揮できますか。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/40
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041・平将明
○国務大臣(平将明君) そもそも、サイバー攻撃なのかどうか、若しくは純粋なシステムの不具合かどうかと見極めるのは極めて困難であります。現状もそうです。しかしながら、今回この法律が実現をすれば、様々な情報を利用、分析をすることによって、例えば怪しいIPアドレスとか、怪しいコマンドだとか、怪しいソフトウェアだとか、そういったものをいわゆるその重要インフラの重要なサーバーを守るために収集、分析をすることができますので、これがサイバー攻撃なのか、単なるシステムの不具合なのか、見極める能力は格段に高まると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/41
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042・石井苗子
○石井苗子君 ありがとうございます。
原因の特定というのがすごくサイバー攻撃のときには必要になってくると思います。インシデント報告を義務付けるというふうに書いておりますけれども、しかし、サイバー攻撃の検知を高めるための法案であって、何も効果がないわけではありませんけれど、不祥事が起きた場合での対処を書いてある法案ではないというふうに私は理解しました。
そこで、これからはインシデント報告とその分析をする、内閣総理大臣担当下でやるということでございますけれども、その分析をする人材の育成と確保、これが大事だと思うんですが、私もこの質疑のチャンスがなければ本当に勉強させてもらう機会もなかったと思うんです。極めて専門的な分野であると思うんですね。
今回の法案に絡めてサイバーセキュリティー人材の確保と育成にどのように取り組んでいくのか、内閣官房の参考人の方にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/42
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043・木村公彦
○政府参考人(木村公彦君) お答え申し上げます。
サイバー攻撃の脅威が深刻化する中、サイバーセキュリティー人材の確保、育成を進めることは重要な課題と認識しております。
このため、政府としては、サイバーセキュリティ戦略に基づきまして、経営層の理解と意識改革の推進、実務者、技術者の育成、そういったことに加えまして、自社のリスクを認識し、経営戦略を踏まえて対策を立案できる戦略マネジメント層の育成、こういったことに向けて、関係省庁が連携の下、各種施策に取り組んでいるところでございます。
また、本法案が成立した暁には、政府においてもサイバーセキュリティー対処能力の向上に資する人材の確保、育成の必要性が高まりますことから、分析能力の向上や官民連携の強化等を担う人材の育成などを一段と充実強化してまいりたいと考えているところでございます。
その上で、より効果的に人材を確保、育成するためには、サイバーセキュリティー人材が担う役割や職種ごとに必要となる知識やスキルを体系的に整理、明確化することが重要と考えておりまして、現在、内閣サイバーセキュリティセンターにおきましてサイバーセキュリティー人材の可視化に向けた検討を進めているところでございます。
以上のような取組を通じまして、より一層サイバーセキュリティー人材の確保、育成に取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/43
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044・石井苗子
○石井苗子君 ありがとうございます。
どのような人材を専門家として育てていく必要があるのかということの講座の受講や研修、資格の確保とかいうことをサイバーセキュリティセンターというところがやっているということで、各省庁横断的に関わっているという御説明だったと思うんですけれども。
ここで、人材の育成の確保というのはいろいろと、中途採用とかあると思うんですが、出向も考えていらっしゃる、民間からの、このような御説明も受けておりますけれども、果たしてそのサイバーセキュリティーについて民間人材の登用の取組が進められているのかどうか、それが一つと、もう一つ、給与水準というのが非常に低い、これ問題だと思います。給与水準についての見解を、警察庁と防衛省の参考人の方に御説明していただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/44
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045・逢阪貴士
○政府参考人(逢阪貴士君) まず、警察からお答えいたします。
サイバー空間の脅威に的確に対処するためには人的基盤の強化が重要と認識しており、警察庁では、全国の都道府県警察等に対してサイバー人材の確保、育成に関する方針を示し、組織を挙げて全警察職員の対処能力の向上を図っているところでございます。
民間人材の登用については、即戦力を確保する観点から、全国の都道府県警察において民間企業での経験等を有する外部人材の中途採用、特別採用を推進しており、現在全国で約四百六十人が在籍しているほか、警察庁においてもサイバーセキュリティー関連企業の社員を幹部警察官として採用するなど、民間企業社員を官民人事交流制度により採用しているところでございます。
引き続き、サイバー空間の脅威に的確に対処するため、御指摘の給与水準や待遇面も踏まえつつ、民間人材の積極的な登用を始め多様な人材の確保を推進するなど、人的基盤の強化に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/45
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046・家護谷昌徳
○政府参考人(家護谷昌徳君) 防衛省からお答えいたします。
防衛省といたしましても、優秀なサイバー人材の確保に当たっては、専門的知見を持つ部外人材の活用や処遇の向上が極めて重要だというふうに考えております。
こうした認識を持ちまして、防衛省・自衛隊としましては、サイバー分野における高度な知識を持つ人材を、民間の給与水準を参考にしつつ、高い給与水準の支給が可能な非常勤職員、こういった枠組みの中でサイバーセキュリティアドバイザーとして採用しておるところでございます。
また、サイバー分野における自衛官の採用につきましても、民間給与水準を参考にしつつ、高い給与水準を可能とする特定任期付自衛官、こういった枠組みを設けまして、これを令和七年度中に募集を開始すべく、現在調整を進めているところでございます。
さらに、自衛隊のサイバー専門部隊に勤務する場合におきましても、特殊作戦隊員手当、こういったものが支給されます。これにつきましては、月額給与の今二六%、こういったものが付くようになっておりまして、専門性や職務内容を踏まえた上で処遇の向上が図られているものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/46
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047・石井苗子
○石井苗子君 ありがとうございます。
幹部職員という意味では、サイバー、先ほども言いましたが、すごい専門家が多くて、民間から雇うといっても、二千万、年間二千万クラスではなかなかランクの高い人が来てくれないということで、今、サイバー部門というのは、二〇二五年現在、募集開始準備中ということなんですね。
今回の法案でその足りないところというのは、欧米の諸国に追い付く、レベルを追い付かせることが目標だと言っておりましたけれども、なかなか足りないところが多いと思っております。
人材確保のためにはサイバーセキュリティー分野も稼げるんだというアピールが必要かと私思うんですが、これまでどのようなアピールをやってきたのか、経済産業省の参考人の方、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/47
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048・奥家敏和
○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。
サイバーセキュリティー人材につきましては、非常に高度な攻撃が増える中で、我が国においても、相応に高度な技術を有する人材が実際にヘッドハントされ、高額な報酬を受け取っているという実態も見られるようになってきています。
一方で、委員御指摘のとおり、セキュリティー人材は依然としてやはり不足しているというふうに認識しています。高度な技術を有するセキュリティー人材が稼げることも含めまして広く活躍できるようにすることで、セキュリティーの専門家を目指す人材を増やすということが重要だというふうに認識しています。
そのためには、まず、こうしたセキュリティー専門人材の仕事、役割、これが明確になっている必要があるということで、経済産業省の方では、二〇一五年にサイバーセキュリティ経営ガイドライン、こちら策定しているんですけれども、ここで、企業に対して、セキュリティー人材をしっかり確保して適切な役割に配置して活用することの必要性ということを啓発して実際に示すということをやってきています。
また、サイバーセキュリティーに関する高度な知識とか技術、これを持っているということを可視化する、分かってもらえるようにするということも重要だというふうに考えています。民間の資格いろいろあるわけでございますけれども、国家資格として二〇一六年に情報処理安全確保支援士制度、こちらを創設しています。現時点で約二万四千人の方が支援士として登録をしています。その上で、こういった情報処理安全確保支援士の方々のインタビュー記事なんかを公開しながら、セキュリティー人材としての魅力の発信にも取り組んできているというところです。
ただ、こういった取組をしている中でも、将来のキャリアパスを見える化するとか、あと、企業内においてはやはり幹部に登用するというようなことも促していくことで活躍の場を広げていく、さらに、セキュリティー人材としてプロとしていろいろな場で活用できるようにしていくことが重要であろうと。
したがいまして、例えば中小企業、これ取組なかなか難しい中で、情報処理安全確保支援士の方のマッチングをするためのリストであるとか、あと、各種補助金の申請なんかの条件に情報処理安全確保支援士を位置付けるなどして活躍の場を広げる、これによってパイを広げていくというような取組をしているというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/48
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049・石井苗子
○石井苗子君 そうなんです。大企業向けにガイドラインというのを作って、令和六年にもやられたと思います、サイバー相談会という支援士の方を二百人ぐらい集めて相談を企画しているということも知っておりますけれども。
現実に、その余り認知度がない名前であります情報処理安全確保支援士、これは警視庁、防衛省で活躍するサイバーセキュリティー人材として何人在籍していらっしゃるかというのをお聞きします。具体的な人数が答えられませんという場合であっても、警視庁、防衛省で、可能であればいるかいないかぐらいの御答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/49
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050・逢阪貴士
○政府参考人(逢阪貴士君) お答えいたします。
御指摘の国家資格である情報処理安全確保支援士の登録資格を有する職員については、警視庁というお尋ねでしたけれども、警察庁及び都道府県警察において全国で約六百五十名、約六百五十名が在籍しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/50
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051・家護谷昌徳
○政府参考人(家護谷昌徳君) 防衛省につきましても一定数在籍をしております。
ちょっと補足させていただきますと、防衛省・自衛隊では、こういった資格があるから採用するというのではなくて、我々の中の学校等におきまして教育して、OJTを積みながら専門性を確保していくという形になっております。したがいまして、こういった資格が前提になるわけではございません。
他方で、こういった国内の資格というものは国内で広く知られておりますので、自衛官の再就職の役に立つということで、再就職支援の一環として受講を取り組ませているというようなこともやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/51
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052・石井苗子
○石井苗子君 そうなんですね。全然人数足りておりませんで、私、宇宙、防衛軍というのを防衛省の方に委員会で質問したことがあるんですけれども、まだこれから育てますという感じでした。
今法案が、本法案が欧米諸国のレベルに追い付くことを目標としているという大臣の御発言がございました。ということは、このよく分かっている人をどのくらい出してくることができるのかというのがポイントに、一つのポイントになっていると思います。
どのくらいできているのかという結果はまだ出ておりませんというお答えも以前いただいておりますので、大臣にお聞きいたしますが、今回の法案に関わる組織、体制整備に当たっては、情報処理安全確保支援士の活用を検討するべきではないかと思うんです。活躍できるポジションが確保されているかどうか、大臣にお考えをお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/52
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053・平将明
○国務大臣(平将明君) 本法案の施行に向けて内閣官房に設置される新組織を始めとする政府の体制整備に際して、サイバーセキュリティーに関する専門人材を確保していくことは重要な課題と認識をしています。
現在、内閣サイバーセキュリティセンター、NISCにおいても、職員向けに委員御指摘の情報処理安全確保支援士を含む各種試験、資格試験に対応した研修を実施をしているところであります。現に、情報処理安全確保支援士の資格を有する職員が活躍をしているところであります。
現下の厳しいサイバーセキュリティー環境を踏まえると、今後、情報処理安全確保支援士の活躍の場が一層増えていくと見込まれます。引き続き、政府としても、情報処理安全確保支援士等の有資格者を含め、サイバーセキュリティーに関する専門人材の確保をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/53
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054・石井苗子
○石井苗子君 ありがとうございます。
雇用は考えている、登用は考えている、活躍をしてほしい、しかし支援士の資格を持っているから幾らという給与は設定していないと、既存の枠組みの中で採用していくという御判断でございます。
これは、支援士の資格者として独自に開発をしていってくださいという立場であって、現状のところ、そのサイバー攻撃に対する企業向けのガイドラインに沿ってどういうことをインシデント報告としたらいいのか、どんなことはサイバーだと判断したらいいのかというような勉強会をこの支援士の人たちはやっている。これでは駄目なんでありまして、ヨーロッパの目標のレベルに追い付きません。もっと増やさなきゃならないと思います。
最後の質問になりますけれども、資格とかポジションはこれは安全保障にとって大変大切だ、重要だと思うんですね。どういう人に資格を与え、どういう人にポジションを持っていって、専門家として鋭い判断ができるように、分析ができるようにということです。
不正アクセス等の犯罪者が若年化していく傾向にある、日本がそういう傾向にあります。この間の楽天モバイルの事件といいますか事象がありましたけれども、あれは中学生でした。いわゆるハッカーのような犯罪を実際に中学生が犯してきたという事件があったということです。
そこで、今回、政府機関におけるサイバーセキュリティー人材として雇用する仕組みを、更生することも人材育成とか確保の手段の一つになり得ると考えるんです、私は。そこで、司法取引とまでは言いませんが、若年層が社会復帰していく更生の手段として、このサイバーセキュリティーの分野での更生、あるいは育成、教育、再教育、これをどのようにお考えですかということについて答えてくださる大臣というのがなかなか決まりませんで。そんなハッカーのその司法取引みたいなことをどうするかなんて考えるような、私はそんなことを言っているのではなくて、この社会の変化とサイバーのセキュリティーについては全く日本が追い付いていっていないというところに着目して、防衛大臣にお答えしていただきたいです。
これはもう本当に追い付いていかなきゃならない。このハッカーのような犯罪を実際に犯していた事件の若年化があるということであれば、更生の場として、防衛大臣、どのようにお考えかというのを最後にお述べいただきたい。よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/54
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055・中谷元
○国務大臣(中谷元君) 防衛省としましても、委員御指摘の専門的な知見を持つ外部人材の活用、これは重要と認識しておりますが、御指摘の不正アクセス等を行った犯罪者の雇用につきましては、自衛隊法第三十八条によりまして、禁錮以上の刑に処せられ、その執行期間又は執行猶予期間にある者は、欠格条項によりまして自衛隊員として採用することはできませんが、こうした期間を満了した後においては採用が可能となります。ただし、採用に当たりましては、個別的、具体的な状況を総合的に勘案しまして、慎重に検討する必要がございます。
現在、防衛省・自衛隊としましては、非常勤のサイバーセキュリティアドバイザーの採用、事務官等や自衛官への経験者の採用、サイバー予備自衛官の充実、そして官民人事交流制度の活用など、取組を通じてサイバーに関する高い能力を持つ外部人材の取り込みを進めているところでありまして、こうした取組を通じた人材確保に努めてまいります。
御指摘の不正アクセス等の犯罪者の雇用につきましては、先ほど説明したとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/55
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056・石井苗子
○石井苗子君 ありがとうございます。
政府機関に入ってもらって、その仕事に向いているか向いていないかということは、私もこの時点で向いていると言っているわけでは決してございません。
しかし、無害化措置というようなことに役立てることができるのではないかと。覚えも速いですし、更生にもなる。犯罪年齢も質も、最近のニュースをゴールデンタイムで見ておりますと、社会的に変化していると、これ否めないものがございまして、こうなりますと、更生した後に活用性があるなら政府機関にも働き口はあるというような形で、先ほどのPRも経産省の方いろいろおっしゃっていただきましたが、このようなふうにして、過去、過ちを犯してしまった未成年の更生にも役立つことができるということで、更生の場も広げていっていただきたいということを最後に、総合的に見てこの法案の活用の場があるのではないかと、不足しているところ、人材の確保というところにも役立つのではないかということを申し上げて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/56
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057・芳賀道也
○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。
総務委員会の委員として質問をさせていただきます。
四月二十四日の内閣委員会で同じ会派の竹詰議員も質問で触れておりましたが、ここ数年、自治体の運営する各種の施設がサイバー攻撃の被害に遭っています。二〇二一年十月には徳島県のつるぎ町立半田病院、二〇二二年十月には大阪市住吉区にある大阪急性期・総合医療センター、二〇二三年七月に名古屋港コンテナターミナル、二〇二四年十月には奈良県にある斑鳩町立図書館が、それぞれランサムウェアによるサイバー攻撃を受けました。
衆議院での法案審議を通じて、法案二条で規定する重要電子計算機以外についても、関連法案のアクセス・無害化措置の対象としてサイバー攻撃を受けた民間コンピューターも含まれるということが確認されました。
そこで、具体的な例を挙げて伺います。
大阪府の大阪急性期・総合医療センターへのランサムウェアによる攻撃では、病院そのものではなく、最初は病院に納入している給食業者のコンピューターシステムに侵入がありました。給食会社のシステムからこの病院の給食サーバーへと侵入があり、さらにそこから電子カルテシステムなど基幹システムが攻撃されたと報告されております。
大阪府の病院の給食システムにつながる給食業者へのサイバー攻撃が仮にその時点で判明していたとして、病院への攻撃が始まっていない段階で、つまり、給食会社のコンピューターシステムに対するサイバー攻撃が明らかになった段階で警察や自衛隊によるアクセス・無害化措置の発動は可能になるのでしょうか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/57
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058・平将明
○国務大臣(平将明君) アクセス・無害化措置を行うか否かについて、実際に発生したサイバー攻撃の個別具体的な状況に即して様々な情報を総合して要件該当性を含めた判断を行うべきものであることから、御指摘のような仮定に基づく質問にお答えすることは困難でありますが、その上で、あえて申し上げればでありますが、アクセス・無害化措置を実施する要件については、警職法の改正案の第六条の二第二項において、加害関係電気通信や加害関係電磁的記録を認めた場合であって、そのまま放置すれば人の生命、身体又は財産に対する重大な危害が発生するおそれがあるため緊急の必要があるときとされていることなどから、各種情報を総合考量しつつ、これらの要件を含む警職法改正案の規定を満たす場合には警察によるアクセス・無害化措置は可能です。
また、自衛隊法改正案第八十一条の三に基づく通信防護措置の実施については、警職法の要件に加えて、一定の重要電子計算機に対する特定不正行為が行われた場合等の要件を満たした場合に内閣総理大臣が自衛隊に命ずることができることとなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/58
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059・芳賀道也
○芳賀道也君 重大な影響が生じるおそれがあるときは可能だという答弁だと思いますが、では、それをどう判断するかというのが一つポイントになると思うんですが、例えば公立病院に接続している給食会社へのサイバー攻撃があった場合、その攻撃で単に給食会社で被害が終わるのか、それとも病院にまで被害が及んで重大な危害がもたらされる可能性があるのか、危険性があるのかについてはどのような基準で判断されるのでしょうか。例えば、給食会社へのランサムウェアの攻撃によって公立病院の給食システムのIPアドレスやID、パスワードが盗み取られたことが分かったら警察や自衛隊によるアクセス・無害化措置の発動が可能になると、こういう理解でよろしいんでしょうか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/59
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060・平将明
○国務大臣(平将明君) 繰り返しになるんですが、アクセス・無害化措置を行うか否かについては、実際に発生したサイバー攻撃の個別具体的な状況に即して様々な情報を総合して要件該当性を踏まえて判断を行うべきものであります。なので、なかなかお答えは困難であります。
その上で、これ用意された答弁がさっきと全く一緒なので読んでもしようがないと思いますので。これ、かなり難しい事案だと思います。その病院自体がいわゆる重要インフラだと、基幹インフラだと認定をされて、その根幹に関わる重要サーバーが攻撃をされていると、若しくは攻撃をされるリスクがあるといったときに、この法律は主にそういった重要インフラの基幹サーバー、いわゆる重要電子計算機を守ると。
ただ、その周辺からの攻撃もありますし、この場合は給食事業者が踏み台になっているということだと思いますので、そうした攻撃のボットネットワーク全体を分析をして、どうもこの給食会社のサーバーが踏み台になっているようだということになれば、先ほどの法律の要件を満たせば無害化をすることが、アクセス・無害化をすることも可能になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/60
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061・芳賀道也
○芳賀道也君 重大な被害が起こる前に防ぐというのは大事だと思いますので、こうしたこともしっかり検討、ルールを定めて防いでいただきたいと思います。
さらに、アクセス・無害化措置に関連して伺います。
徳島県のつるぎ町立半田病院がサイバー攻撃を受けた際の被害について、一部でこう報じられております。確かに、つるぎ町長の方針で、ランサムウェアで攻撃を仕掛けた犯罪集団に身の代金を払わず、新たなシステムを組み直すことで本格的な診療を再開しました。ただ、過去の電子カルテや検査結果のデータを復旧させるために、町立病院は修復する会社に七千万円を支払い、その中からサイバー攻撃を掛けた犯罪者集団に修復会社が三百万円の身の代金を払って秘密の鍵、秘密キーを受け取った可能性があると報じられております。この秘密キーを手に入れなければ、つるぎ町立半田病院の過去のカルテなどデータの修復は数学的に不可能だったと報じられています。
そこでお尋ねしますが、自治体関連施設のコンピューターシステムやその施設につながる民間のコンピューターシステムがサイバー攻撃を受けた場合、警察や自衛隊に対して、アクセス・無害化措置の一環として身の代金交渉を被害者に代わって行い、身の代金を払わずに秘密の鍵、秘密キーを入手することをお願いする、こうしたことは可能なのか、できるのでしょうか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/61
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062・飯島秀俊
○政府参考人(飯島秀俊君) お答えを申し上げます。
先ほど、まさにこのアクセス・無害化措置を実施する要件というのを大臣の方から御説明させていただきました。警職法六条の二第二項において、加害関係電気通信や加害関係電磁的記録を認めた場合であって、そのまま放置すれば人の生命、身体又は財産に対する重大な危害が発生するおそれがあるため緊急の必要があるときとされておりますという、こういう各種情報を総合考量しつつ、これら要件を含む警職法改正案の規定を満たす場合にはアクセス・無害化ができるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/62
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063・芳賀道也
○芳賀道也君 より無害化ですから、これデータが復元できないと著しい影響があるとか、生命、財産に危害加えると、加わるということがあるわけですから、これ、無害化措置の一環としてこうした秘密キーを、まあ身の代金を払うというのは問題でしょうから、身の代金を払わないで交渉することも無害化の一環として認められるのかどうか。これ改めてできるかできないか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/63
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064・平将明
○国務大臣(平将明君) 今回の法律は、そういった通信情報を利用、分析をして、悪さをするサーバーを特定をして、それがたとえ外国にあったとしても、いわゆるアクセスして無害化するという法律であって、今委員の御指摘は、もう侵入されて暗号化されてしまったと、データが、それは回復するのはやっぱり厳しいと思います。それを政府が代わって交渉することはできません。
専らその国家を背景とした今サイバー攻撃が増えていく中でこの法律の重要性が増しているわけでありますが、多分、ランサムウェアで暗号化して身の代金というのは、これもう犯罪の方になりますので、警察がしっかり捜査をして、そういう悪いやつを捕まえて、ちゃんと罪を償わせるということだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/64
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065・芳賀道也
○芳賀道也君 そうしたことも含めて具体的な対応が必要になるケースもあると思いますので、そうした検討もより深めていただきたいと思います。
次に、地方公共団体の情報システム標準化について質問をさせていただきます。
確かに、今年度末、つまり二〇二六年三月末までだった自治体の情報システム標準化の期限が、二〇三〇年度末、二〇三一年三月末までの延長が認められましたが、標準化の現場では幾つもの混乱が起きております。
その一つが、標準化システムにシステム外のデータを移す際の仕様です。固定資産税は標準化二十業務の一つとされていますが、土地、家屋の固定資産税の評価業務システムは総務省の政省令によって標準化の対象外となっています。このため、自治体独自の方法で土地、家屋の固定資産税評価したデータを標準化準拠システムに橋渡しする方法も各自治体それぞれが別になります。地方自治体情報システム標準化の標準仕様書の機能要件を見ても、土地、家屋のそれぞれの評価額を標準化準拠システムに取り込む方法が定義されていません。
まず、全国の自治体で土地、家屋の評価システムを全て調査、確認し、土地、家屋の評価額のデータをどんな方法で受渡しするかについての選択肢を一定の枠の中へと絞った上で仕様書にまとめていくべきではないでしょうか。総務省の御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/65
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066・寺崎秀俊
○政府参考人(寺崎秀俊君) お答え申し上げます。
固定資産税は、課税対象となります土地、家屋の評価、課税標準額の計算、税額の計算、さらには賦課処理という流れで課税事務が行われるものでございます。
このうち、委員御指摘の最初に行われる評価につきましては、市町村長が地域の実情に応じて様々な補正を設けて評価を行うことが認められております。このため、自治体間で事務処理の内容が共通しておらず、システム標準化の対象外となっているところでございます。
一方で、固定資産税の課税標準額の計算などの業務につきましてはシステム標準化の対象でございまして、市町村長が行った評価に基づく土地評価情報や家屋評価情報といった必要なデータをこれらのシステムに受渡しするよう、機能要件において明確にしておるところでございます。
委員御指摘の受渡しに関しましては、標準準拠システム以外のシステムと標準準拠システムとのデータ連携につきまして、デジタル庁が令和六年九月に公表しておられます地方公共団体情報システムデータ要件・連携要件標準仕様書第四・一版などにおきましてファイル連携の方法によるということとされておりまして、データの受渡し方法につきましては既に私どもとしてお示しできているものと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/66
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067・芳賀道也
○芳賀道也君 もう既に示しているので総務省としては問題がないという判断なのか、更に混乱を防ぐためにもう少しこうしたものを検討していく余地があると考えていらっしゃるのか、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/67
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068・寺崎秀俊
○政府参考人(寺崎秀俊君) お答え申し上げます。
重ねての答弁になりますが、既にファイル連携によることという形でデータの受渡し方法についてお示しできておりますので、現時点では、私ども、これによって混乱が生じているという認識ございませんので、このままで大丈夫であると考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/68
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069・芳賀道也
○芳賀道也君 これ、また混乱が生まれるのではないかとちょっと不安な部分もありますので、引き続き検討もお願いしたいと思います。
次に、二〇二五年度末までに一定数の自治体が標準準拠システムへの移行を行う見込みです。ここで、総務省関連の自治体の業務について、標準化移行後にホワイトリスト方式に当てはまらなかった処理が何だったのか、移行後の各自治体で独自対応している例についての調査を行って、この調査結果を受けて計画的に総務省関連の標準仕様書を改定することをお願いしたいと思いますが、総務省の御見解、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/69
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070・阿部知明
○政府参考人(阿部知明君) お答えいたします。
御指摘ございましたですけれども、標準仕様書でございますが、住民記録でありましたり、税、選挙など様々な業務ございます。実は、その業務ごとにそれぞれ検討会というものを設置してございます。この中には地方自治体の方々にも入っていただいたり、またベンダーの方々にも入っていただいております。その中で、何が本当に必要な機能なのかということについて、非常に細かいですけれども検討していただいておりますし、また、その後、全国意見照会という形で、本当にこれで大丈夫でしょうかということで自治体の御意見も伺っておりますので、このような形で引き続き進めさせていただきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/70
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071・芳賀道也
○芳賀道也君 これも混乱が心配される一つなんですが、是非、現場の声が一番なので、引き続き現場の声をよく聞いて、こうしたことも細やかに進めていただくということをお約束いただけますでしょうか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/71
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072・阿部知明
○政府参考人(阿部知明君) お答えいたします。
繰り返しになる部分もございますけれども、それぞれのシステムごとに細かく自治体の御意見を伺って対応してきておりますので、引き続きそのような形で進めさせていただきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/72
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073・芳賀道也
○芳賀道也君 よろしくお願いいたします。
次に、今年、二〇二五年一月二十四日の総務省自治財政局財政課の事務連絡によりますと、地方公共団体のガバメントクラウドの利用料については、令和六年度までは先行事業として全額国費で対応しているが、令和七年度からは地方公共団体が負担することになるということです。そして、標準準拠システムの利用に伴うガバメントクラウドの利用料及び関連する費用については、所要額を一般行政経費単独に計上し、普通交付税においてガバメントクラウドへの移行状況に応じた措置を講ずることとしていることとなっています。
ただ、ITベンダー各社の方から聞いたところ、移行前より自治体が負担するランニングコストが大幅に増加する例が多いということです。コスト増になる原因は、移行前より非機能要件が厳しい、クラウド利用料金が高いなどが挙げられています。
標準システム、標準化の実施後もガバメントクラウドのランニングコストを下げる努力を続けなければならないと考えますが、デジタル庁の御見解、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/73
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074・井幡晃三
○政府参考人(井幡晃三君) お答えいたします。
自治体システムの標準化とガバメントクラウド移行後に運用経費が増加するという問題につきましては、デジタル庁の方にも多くの自治体から懸念の声が届いておりまして、課題として重く受け止めているところでございます。
運用経費が増加する要因でございますけれども、これ、様々なものが考えられるところでございます。デジタル庁といたしましては、実態の把握と増加要因の個別分析に努めておりますけれども、まずは各自治体におかれまして事業者から出された見積りの内容、こちらを精査いただくことが必要かと考えております。
このため、デジタル庁といたしましても、事業者に対しまして見積内容をしっかりと自治体にまず説明すること、それに加えまして、先月十日には、見積書の内容を精査いただく際の観点、こちらを端的にまとめた資料ということで、見積チェックリストを各自治体に発出したところでございます。
また、各自治体におかれまして見積精査が難しい場合には、自治体からの御依頼に応じてデジタル庁におきまして見積精査の支援を実施しているところでございますので、こちらの積極活用をお願いしたいというふうに考えております。
さらに、これまではガバメントクラウド利用料の大口割引、こちらの適用などについて取り組んでまいりましたけれども、今後は、自治体の御意見も伺いながら、ガバメントクラウド利用料だけに限らず、システム運用経費全体の増加問題に対する対策を早急に取りまとめるということで、先月から、国・地方デジタル共通基盤推進連絡協議会のワーキングチーム、こちらの中で議論が開始されているところでございまして、関係省庁とも連携して対応してまいりたいというふうに考えております。
いずれにいたしましても、この標準化クラウド移行後の運用経費につきましては、低廉化に向けて不断の取組を継続していくことが必要というふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/74
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075・芳賀道也
○芳賀道也君 先行する自治体で、本来はコストが安くなるという触れ込みだったのが二倍、三倍で非常に、特に来年度以降更に不安が広がっているようです。
同じ質問になりますが、標準化によるランニングコスト増が今後各自治体の負担になってしまう。地方公共団体の標準化移行に関する経費について、デジタル基盤改革支援補助金を設けてもらっていますが、喫緊の課題となっている標準化後のランニングコストについて補助の対象を拡大していただきたいと考えますが、総務省、御見解いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/75
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076・阿部知明
○政府参考人(阿部知明君) お答えいたします。
デジタル基盤改革支援補助金でございますけれども、標準化法で義務付けられました標準準拠システムへの移行に要する一時経費を補助対象としてございます。このため、現行システムにおきましても利用料等の形で各自治体が負担しております運用経費につきましては補助対象外としているところでございます。
このため、運用経費を支援補助金の対象とすることは考えてございませんけれども、先ほどデジタル庁からお話ございましたように、標準化に伴うシステムの運用経費全般の削減につきまして検討していくということでございますので、総務省としましても、この問題、非常に大きな関心を持って認識してございますので、自治体を支援する立場から自治体の実態を適切に伝えるなどしてデジタル庁の取組に協力していきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/76
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077・芳賀道也
○芳賀道也君 自治体からはコスト増に対する不安の声が上がっています。是非取り組んでいただくことをお願いして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/77
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078・山添拓
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
サイバーセキュリティーをめぐっては、日米の首脳会談などでも協力、情報共有が確認されてきております。また、米国は、二〇二三年三月の国家サイバーセキュリティー戦略で同盟国との情報共有や運用上の協力関係を強調しています。
防衛省に伺います。サイバー分野における情報共有や相互運用性とはどういうことでしょうか。日米間では現在どのような協力、共有があり、今後どのような計画を持っているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/78
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079・家護谷昌徳
○政府参考人(家護谷昌徳君) お答えいたします。
日々高度化、巧妙化するサイバー領域における脅威に対処するため、防衛省としてサイバー分野の能力強化を進めており、その際、同盟国である米国との連携が重要です。このため、これまでも日米間でサイバーセキュリティーの重要性についての意見交換、サイバー分野における二国間、多国間の訓練等を行ってきたところです。
例えば、先行的にリスク管理枠組み等を実施する米国防省との取組の現状に関する情報共有、意見交換、人材育成やサイバーセキュリティー対策に係る専門家間の交流、サイバー専門部隊の能力向上のための二国間、多国間訓練などを行っており、今後も引き続き、米国の取組を参考にしながら、知見を得る機会を拡大したいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/79
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080・山添拓
○山添拓君 訓練も含めて相互運用性、共同の対処方針を持って進めていくということも含まれるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/80
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081・家護谷昌徳
○政府参考人(家護谷昌徳君) サイバー分野は日米間の協力の基盤というふうに考えておりますので、いろいろな方面で協力を拡大していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/81
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082・山添拓
○山添拓君 そこで、その米国が日本にサイバーセキュリティーの強化を求めている理由ですが、日本側のサイバー対処が脆弱なために米国が提供した機密情報が漏えいするのを危惧している、それが理由の一つだと指摘されます。
防衛大臣に伺います。日米が情報共有を強める下で日本のサイバー能力を強化することは、結果として米国のサイバー活動に資することにもなるということではないかと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/82
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083・中谷元
○国務大臣(中谷元君) サイバーセキュリティーは日米同盟の基盤の一つでありまして、継続的に日米間で協力の深化について確認をしているところでございます。
防衛省としましては、既に戦略三文書に基づきまして、例えばリスク管理枠組み等の新たな取組の実施、サイバー専門部隊の体制強化、充実、サイバー専門部隊の能力向上のための訓練、教育といった取組を実施しているところでありまして、このような強化の取組というのは、日米間のサイバーセキュリティーの向上、また緊密な連携にも寄与しているという考えで実施をしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/83
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084・山添拓
○山添拓君 米国の戦略を読みますと、国防省は同盟国、パートナー国のサイバー空間における有効性を高める努力を優先すると、そうすることによって米国の安全保障も強化されると、こう書いています。それはそういうことなんですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/84
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085・中谷元
○国務大臣(中谷元君) これは我が国自身の平和と安全のためにやっているものでございまして、主体的な判断によりまして行っていることでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/85
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086・山添拓
○山添拓君 そう言われるんですけど、米国の側は自分のところのためだと言っていますから、それは否定できないと思うんです。
国家安全保障戦略は、米国やカナダを例に、欧米主要国と同等以上にサイバー対処能力を高めると表明しています。ちょっと防衛大臣、伺いたいんですが、なぜ欧米主要国と同等以上が必要なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/86
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087・家護谷昌徳
○政府参考人(家護谷昌徳君) お答えいたします。
防衛省といたしましては、アメリカを含む欧米主要国といろいろと意見交換内容、やっているところでございますけれども、そういった中で、やっぱり我々の能力は、これから我が国を守るために必要な水準に上げるためにはこういった国々と同レベルというものが必要ではないかというふうに考えたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/87
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088・山添拓
○山添拓君 これは一層の情報共有を進めていくためと指摘せざるを得ないと思います。
総理を始め国会では我が国として主体的に判断したと繰り返されるわけですが、狙いも効果も結局は米国の世界戦略にとって有効かどうかと、日米同盟ゆえのサイバー脅威だと言っても過言ではないだろうと私は思います。
そもそも、能動的サイバー防御という言葉自体が二〇一〇年代に米国が採用した考え方です。ただし、当時の米国は、攻撃能力を持つことで相手にサイバー攻撃を思いとどまらせようとする、言わば抑止の考え方だったとされます。
ところが、国防総省の二〇一五年のサイバー戦略は、より積極的な対処を行う方針に転換し、防護する対象も国防総省だけでなく政府や民間部門に広げ、また敵対行為に対しては、敵の指揮統制ネットワークや軍関連の重要インフラ、武器能力を混乱させるためのサイバー作戦を行う可能性を示すに至りました。さらに、二〇一八年のサイバー戦略では、持続的関与、交戦、パーシステントエンゲージメント及び前方防衛、ディフェンドフォワードという概念を採用するに至っています。
防衛省に伺います。これはどのような概念、内容でしょうか。また、今度の法案とはどのような関係があるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/88
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089・家護谷昌徳
○政府参考人(家護谷昌徳君) 御指摘の持続的関与、パーシステントエンゲージメントと書かれておりますけれども、前方防衛、ディフェンドフォワード、これにつきましては、国防省サイバー戦略二〇一八や米サイバー軍の発表資料に記載があると承知しております。
持続的関与につきましては、その枠組みの下で、米サイバー軍は継続的にサイバー脅威を遮断又は阻止し、脅威の能力やネットワークを低下させると同時に、国防省のネットワークのサイバーセキュリティーを継続的に強化することとされています。
前方防衛につきましては、国防省サイバー戦略二〇一八において言及されたものでありまして、武力攻撃に至らない活動を含め、悪意あるサイバー活動をその根本から阻害するために行うものというふうにされております。(発言する者あり)
済みません。その上で、サイバーセキュリティーは日米同盟の基盤の一つでございますけれども、サイバー対処能力強化法案及び整備法案は、国家安全保障戦略を踏まえ、我が国全体のサイバー対処能力の強化を目的として我が国が主体的に判断して整備するものであり、御指摘の持続的関与や前方防衛を念頭に整備するものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/89
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090・山添拓
○山添拓君 いや、いろいろ連携が重要だとおっしゃったじゃないですか。ですから、米国がこうやろうとしていると、しかもこれは同盟国も含めた戦略ですから、これから日本もこの法案を機にして進めていこうという内容になるものではないかと思います。
今御説明があったように、前方防衛というのは、脅威が米国のシステムやネットワークに到達する前に敵対者の活動の発信源にできるだけ近いところで対処するというもので、サイバー分野における先制攻撃戦略への転換にほかなりません。
そして、そのために事前に敵対者のサイバー脅威を把握する必要があるとして生まれたのが持続的関与、交戦という活動方針です。これは、敵対者が攻撃してくるのを待つのではなく、サイバー空間で敵対者と常に迅速に対峙する方針だとされ、その実際の運用として二〇一八年から開始されたのが米国のサイバー軍によるハントフォワード作戦と呼ばれます。これは、サイバー軍のチームが他国に出かけていき、その国のネットワークの中でマルウェアなどの脅威を見付けてハントすると、狩ると、マルウェア狩りと呼ばれます。
防衛省に伺いますが、その活動内容と実績について紹介してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/90
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091・家護谷昌徳
○政府参考人(家護谷昌徳君) アメリカサイバー軍のウェブサイトに基づいて御説明いたします。
御指摘のハントフォワード作戦は、パートナー国の要請に応じて米サイバー軍によって実施される完全に防勢的な作戦であるというふうにされております。米サイバー軍のハントフォワードチームは、要請に基づき、パートナー国のネットワーク上で悪意のあるサイバー活動や脆弱性を調査するなどとされております。
また、同じホームページでは、米サイバー軍は、二〇一八年から二〇二五年四月の時点で、計三十か国以上のネットワークに対して同作戦を実施したというふうにされております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/91
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092・山添拓
○山添拓君 多くの国に派遣をして活動を行っているようです。そして、ウクライナでも作戦を展開し、直近では二〇二一年十二月から二〇二二年二月末、ロシアによる侵攻開始前後の時期にこの活動を行ったとされます。
三月五日の朝日新聞によりますと、かつてこのハントフォワード作戦に日本も派遣するように打診された、しかし、日本の国内法が未整備であることを理由に断ったことがあったと報じられております。これは事実でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/92
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093・家護谷昌徳
○政府参考人(家護谷昌徳君) 米国との間では平素からやり取りはございますけれども、逐一のやり取りについてはお答えを差し控えたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/93
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094・山添拓
○山添拓君 いや、そういうわけにはいかないと思うんですね。
では、今度の法案によって、こうした派遣を受け入れることができるようになるのでしょうか。法整備が、国内法の未整備が理由で断ったと報じられておりますから、今度のこういう法案を作ったら、これからはハントフォワード作戦、日本でも行いたいと言われたときに受け入れる余地があるということなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/94
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095・家護谷昌徳
○政府参考人(家護谷昌徳君) 今回の法案につきましては、民間企業との協力を強化したりだとか、サイバー対策に必要な情報を集めること、それから対応を行うことでございまして、海外に派遣して対応するということまでは含まれておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/95
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096・山添拓
○山添拓君 私が伺ったのは、今後、日本がハントフォワード作戦、派遣して、あっ、日本に派遣をするということを打診されたという話ですので、日本から派遣するのではなく、米軍が日本に派遣することを打診されたのではなかったかと。今後そういう計画はあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/96
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097・家護谷昌徳
○政府参考人(家護谷昌徳君) 様々な日米協力を進めておりますけれども、その詳細や前方防衛との関係については、事柄の性質上、お答えを差し控えさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/97
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098・山添拓
○山添拓君 いや、様々なでごまかされては困ると思うんですよ。これは国家主権に関わる問題です。
ですから、これまでにどのような対応があり、検討を行ったのか、国内法との関係でこうした派遣を受け入れることは許容されるものなのかどうか。
ちょっと重ねて伺いますが、そもそも国内法上こういった派遣を受け入れることはできるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/98
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099・家護谷昌徳
○政府参考人(家護谷昌徳君) 今回の法案におきまして、海外の要員を受け入れて何らかの活動をするというような根拠規定が置かれたものとは承知しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/99
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100・山添拓
○山添拓君 そして、様々な連携が必要だと言い、国会の場では答弁をなさいませんでしたので、しかしこの問題は国家主権に関わる問題ですから、当連合審査会に、法的な問題点も含めて整理した上で、報告を求めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/100
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101・和田政宗
○委員長(和田政宗君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/101
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102・山添拓
○山添拓君 米国の保守系のシンクタンク、民主主義防衛財団は、二〇二三年七月の研究報告で政府に提言し、同盟国やパートナー国の能力構築の次の段階、すなわち攻撃的サイバー能力についても取り組むべきであるなどと論じています。
防衛大臣に伺います。攻撃的サイバー能力とは何でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/102
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103・中谷元
○国務大臣(中谷元君) 御指摘の攻撃的サイバー能力というのは、米国防省がサイバー作戦に係る統合教範などにおいて示しています攻勢的サイバー作戦に係る能力と考えられますが、この文書において、攻勢的サイバー作戦というのは外部のサイバー領域において戦力を投射することを目的としたサイバー作戦任務でありまして、指揮官又は国家の目標が支援するために行われる攻勢的サイバー作戦は、敵のサイバー領域の機能のみを標的にするか、又はサイバー領域内で第一次の効果を生み出して、それによって物理的領域で慎重に統制された連鎖効果を引き出して、引き起こして兵器システムなどに影響を与える、そして攻勢的サイバー作戦というのは敵のシステムの物理的損傷や破壊を伴う武力の行使までに及ぶ行為を含むことがあるということなどとされているというふうに承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/103
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104・山添拓
○山添拓君 防衛大臣、そうした攻勢的サイバー作戦、日本の自衛隊もそうしたものに取り組んでいこうと考えているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/104
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105・中谷元
○国務大臣(中谷元君) いずれにしましても、我が国の対応等につきましては、日本の安全を守るために行っているために、主体的に判断しながら行っていくものでございますし、また、サイバーの技術というのは年々高度になってきております。このようなものに対応するために、我が国としましても、やはり抑止力、また対処力、こういうものを持ちまして日本の安全を守っていくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/105
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106・山添拓
○山添拓君 主体的にと言って、否定をされない。
先ほど紹介した提言は、攻撃的サイバー部隊の訓練として、主権に関わる問題や攻撃に伴う付随的損害の評価の指針を同盟国にも提供するよう求めています。これ、専守防衛とは相入れない、相手国に危害を加えるような対処を念頭にしたものであり、それを既に同盟国に求めるようあおられていると。これ看過できないと指摘せざるを、指摘しなければなりません。
本法案で可能にしようとしているアクセス・無害化措置は、事態認定にかかわらず、つまり有事に至らない平時から行うものとして想定され、かつ自衛権の行使としての武力行使ではないと説明されます。外務省が二〇二一年五月二十八日に発表したサイバー行動に適用される国際法に関する日本政府の基本的な立場と題する文書は、サイバー行動であっても、一定の場合には、国連憲章第二条四が禁ずる武力による威嚇又は武力の行使に当たり得るとしています。
外務大臣に伺います。サイバー行動が武力行使に当たる一定の場合とはどのような場合ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/106
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107・岩屋毅
○国務大臣(岩屋毅君) サイバー行動に関する国際法上の評価は個別具体的に判断されるものであって、また、いかなるサイバー攻撃が武力の行使に当たるかは国際法上必ずしも明確ではありませんが、例えば米国は、二〇一五年に発表したマニュアルにおいて、サイバー行動が仮に物理的手段により実行された場合に武力の行使とみなされるような効果をもたらすならば、そのようなサイバー作戦もまた武力の行使とみなされ得るとの見解を示しております。
また、サイバー行動に適用される国際法に関する研究の成果として、専門家によって作成されたいわゆるタリン・マニュアル、これはNATOの研究機関が発表したものですけれども、サイバー行動は、その規模及び効果が武力の行使の水準に至る非サイバー行動に比肩し得る場合は武力の行使に該当するとされているものと承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/107
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108・山添拓
○山添拓君 いろいろおっしゃっているんですけど、よく分からないですね。武力の行使に比肩するようなものは武力の行使に当たると。どこまでが防御でどこからが攻撃になるかという統一的な見解はないだろうと思います。したがって、日本が武力行使ではないと考えていても、それを判断するのは相手の国ということになるんじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/108
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109・岩屋毅
○国務大臣(岩屋毅君) 我が国によるそのアクセス・無害化措置は、国連憲章第二条の四が禁ずる武力の行使に当たることはないと考えておりますけれども、この点を含めて、国際法上違法であってその違法性を阻却できないと判断されるような措置に外務大臣として同意することはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/109
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110・山添拓
○山添拓君 いや、外務大臣が同意したとしてもですよ、それが相手の国にはどう判断されるかというのは予測できないと思うんですよ。
外務省の先ほどの基本的な立場では、サイバー行動が国連憲章五十一条にいう武力攻撃に当たる場合には、国家は自衛権を行使することができるとしています。日本へのサイバー行動が武力攻撃に当たり得るということであれば、日本が相手の国に行う措置も相手が武力攻撃に当たると、こう判断する可能性は否定できないと思います。
平大臣に伺いますが、そうなりますと、相手が自衛権の行使としてサイバーにとどまらず武力行使を行う、その口実を与えるという可能性は、これは否定できないんじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/110
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111・平将明
○国務大臣(平将明君) 今外務大臣からあったとおり、サイバー攻撃であっても一定の場合には国連憲章第二条四が禁ずる武力行使に当たり得ますということでありますが、サイバー行動と通信、アクセス・無害化を何か両並びに並べてお話しされていますけど、かなりこれ性格違うものであって、いわゆるサイバー行動でこれ武力行使だと言われるパターンは、米国の資料などによれば、乗っ取って原発メルトダウンさせるとか、いわゆるダムぶっ壊して決壊させるとか、そこまでやったらそれは武力行使ですよねということで、我々がやるアクセス・無害化は、悪いことをしているサーバーにアクセスをしてその設定を変えるとか、そういう話なので、本質的に強度が違う話だというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/111
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112・山添拓
○山添拓君 しかし、アクセス・無害化といっても、相手サーバーへの侵入、データ消去、こういう対応を取ることがあり得るわけです。それを武力攻撃だと相手が捉えるかどうかと。これは、こちらがどれだけそうではないんだと主張していても、今予測をすることはできないんではないかと伺っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/112
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113・平将明
○国務大臣(平将明君) あのですね、まず相手は、例えばある国が日本を攻撃するサーバーがこれうちのですってまず言わないです、サイバーセキュリティーの世界では。若しくは、その悪いサーバーは大体乗っ取られているサーバーが多いものですから、そこを無害化しても、感謝こそされ、それをもってけしからぬということにはならないだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/113
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114・山添拓
○山添拓君 相手の国が武力行使だと受け取って、報復やエスカレーションの理由となることは十分にあり得ます。そのことを今からないないと、これは独り善がりな否定だと思いますね。そうしてサイバー空間での戦争準備を合法化するなど許されないということを述べて、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/114
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115・大島九州男
○大島九州男君 れいわ新選組、大島九州男でございます。
れいわは内閣委員会の委員しかいないので、私が質問させていただくということでございます。今回、そういうことで、総務、外交の観点からちょっと御質問をさせていただきますが。
国立研究開発法人情報通信研究機構というのがあるというふうに聞かせていただいておりますが、ダークネットという、通常のサーフェスウェブとはちょっと異なって、特別なソフトウェアや設定、認証を必要とするインターネットの隠れた部分、こういった通信を、何か国内外で約三十万の未使用IPアドレスがこういうダークネットの中にあると。これをセンサーで観測するシステム、nicterと。何かといったら、無差別型サイバー攻撃の大局的な動向を把握することを目的としてサイバー攻撃を観測、分析する、そういうシステムを運用していろんなことを調べていると。こういう把握を行っているということをお聞きしているんですね。
このシステムの運用で、どのような国からそういうサイバー攻撃が来ているかとか、そういったことが分かっているとお聞きしておるんですが、これ、その結果、どのような国からサイバー攻撃が多く来ているかというのが分かれば教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/115
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116・山内智生
○政府参考人(山内智生君) お答え申し上げます。
今委員が言及をされました国立研究開発法人情報通信研究機構でございますけれども、ダークネットと言われる未使用のIPアドレスに届く通信を、これも言及をいただきました、三十万IPアドレスを持っております。大規模に観測をすることによって、サイバー攻撃の動向、それから手法の把握に努めております。
このような未使用のIPアドレスでございますので、通常ですと通信の相手方は本来いないはずでございます。このマルウェアに感染をした機器、それからサイバー攻撃者に乗っ取られて踏み台となったと思われる機器からのサイバー攻撃関連通信が日々大量に届いているということを観測をしております。
御質問でございますけれども、例えばこの観測によって、昨年、二〇二四年の第四・四半期におきましては、こうしたサイバー攻撃に関連をする通信の送信元の上位五か国、順に、アメリカ、アメリカ合衆国、ブルガリア、中国、中華人民共和国、イギリス、オランダとなっております。なお、この踏み台となった機器からの通信が多く含まれていると推測をされることから鑑みますと、こうした国から直接サイバー攻撃を受けているということを断定することはできないかと考えております。
情報通信研究機構では、引き続き、こうしたサイバー空間の観測を通じて、我が国におけるサイバー攻撃の動向の把握、サイバーセキュリティー対策の導出に貢献をしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/116
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117・大島九州男
○大島九州男君 ちょっと参考人に併せてお聞きすると、今、踏み台になっている感じだと。直接、上位、アメリカ、ブルガリア、そういったところから来ているけれども、それはその国ではないというような。では、そこから先、どこから来ているかとかいうのはこの研究機構では特定したりとかそういう、今回の法律で無害化するようなところの調査というか、ここが特定できましたみたいなことまでできるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/117
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118・山内智生
○政府参考人(山内智生君) お答え申し上げます。
まず、このnicterというシステムでは、直接的にどこから来たかということが分かるという仕組みでございますので、もし委員が御質問のような本当に誰が攻撃者であるかということを調べようと思いますと、その先を更に調べる必要がございます。これ、技術的にも、それから先ほど来の恐らく御議論の中にもございますが、その先、そのサーバーからどのような通信、そのサーバーに向けてでございますね、この踏み台となっているサーバーにどこから来ているかということを更に確かめる、技術的に、それから場合によっては法的な制約があるかと存じますが、そういうことをする必要がございます。
これ、私ども、それからこのNICTでは、そこまでのことは特にやってございません。必要に応じて、もし研究の一環の中で協力が得られた場合に行うことはあり得るかと思いますが、これが制度上許されているというものではございませんので、私どもの日常の研究の中でこの先をどうするかというところまで調べているものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/118
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119・大島九州男
○大島九州男君 では総務大臣、今の御答弁、ですから、当然、せっかくそういう研究開発機構というかそういうところでやっていて、その先調べようと思ったらできる、でも今の状況ではそこまではできないとおっしゃっていますが、今回、こういう法律ができたら、こういうその研究機構にそういったことをさせるという、今後そういったことも発展していくというふうに思うんですが、そこら辺、大臣、必要性はある、ないと、どういう御見解でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/119
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120・村上誠一郎
○国務大臣(村上誠一郎君) それは、やはりケース・バイ・ケースによると思うので、そこら辺の判断は今の段階ではこれからの研究対象になるんじゃないかなというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/120
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121・大島九州男
○大島九州男君 是非、今までずっと積み重ねた知見もあるでしょうから、十分活用されていかれたらいいんじゃないかなというふうに思いますので、そこは要望しておきます。
外務大臣、アクセス・無害化措置を行うに当たって、これもいろんなところで質問されていると思うんですけど、同盟国や同志国との外交ルートでどのような調整を行っていくのか。これからいろんな場面が出てくるんでしょうけれども、外務大臣が直接いろんな国との交渉をやっていくのか、もう事務方である程度整理されたやつを判断していくのかというようないろんなパターンがあると思うんですけれども、大臣の見解はどんな感じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/121
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122・岩屋毅
○国務大臣(岩屋毅君) アクセス・無害化措置について、同盟国、同志国とどういう連携をするかというお尋ねですが、これも事案に応じて個別具体的に判断していくことになりますけれども、近年、機微情報の窃取であるとか重要インフラの機能停止を目的とする高度なサイバー攻撃などに対する懸念が非常に高まっておりまして、また国家を背景とした形での重大サイバー攻撃も日常的に行われるなど、安全保障上の懸念が高まっております。
こういう状況を踏まえますと、やはりサイバー空間における脅威にはどの国も一国だけでは対応できませんので、自国の体制や能力を強化することは当然ですけれども、同盟国、同志国とは日頃から情報収集や分析など、常にしっかり連携していくことが必要だというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/122
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123・大島九州男
○大島九州男君 日々変化するこういった状況の中でいろんなことが想定されると思うんですけれども、当然、我が国の主権を守る、国を守っていくという部分で情報を取っていくということは当然必要なことではあるんですけれども、いろんな方が懸念をされている通信の秘密であったりとかプライバシーであったりとか、こういった部分、国民の皆さんが本当に安心して、そしてちゃんと我々の国が守られているんだというような法案にしていくということが必要であるというふうに認識をしているわけですが、最後、平大臣、また決意をお伺いをして終わりますので、よろしくどうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/123
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124・平将明
○国務大臣(平将明君) ありがとうございます。
やっぱり今までやられっ放しだったというところで、なかなか防御し切れない。その中で、先ほど御紹介もあったロシア・ウクライナ戦争においてはハイブリッド戦争ということで、まさにその主戦場になるということも起きました。
今までは、どちらかというと身の代金とか、そういう金銭目的の犯罪が多かったわけでありますが、どんどん組織化、高度化をしていく中で、今のままでは国民生活も日本経済も国家も守れないということでありますので、しっかりこの法律を通して、そしてその後にしっかり対応できる組織、またケーパビリティーをしっかり構築をしていきたいと思いますので、是非御協力をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/124
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125・大島九州男
○大島九州男君 国民の懸念、いろんな懸念を払拭できるような運用をしっかりしていただくことを要望して、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/125
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126・伊波洋一
○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。外防委です。
本法案は、岸田政権が二〇二二年十二月に閣議決定した安保三文書に基づくものでもあります。そう言われても、内閣委、総務委の委員の皆様には分かりにくいと思いますので、二二年十二月に閣議決定された安保三文書の防衛力整備計画が、二三年度から二七年度までの五年計画で今進行中です。その目的と日米戦略の変遷等を述べて、その後、質疑したいと思います。
安保三文書の目的は、米国の対中国戦略に沿った台湾防衛戦争、いわゆる台湾有事において、米軍の来援を待つ間、長期間、日本の自衛隊が独力で戦争を遂行できる体制を二七年度までにつくることです。そのために、二三年度から二七年度まで、増税も含めて五年間で四十三兆円の大軍拡を行い、全国三百か所の自衛隊施設でミサイル攻撃などCBRNE攻撃に耐え抜くことのできる施設の強靱化、又は継戦能力を高め、持久戦を行うための武器や弾薬の積み増し、敵基地攻撃が可能な長射程スタンドオフミサイルの開発、生産と、購入による配備などが進められています。
お手元には配付資料十枚を添付しました。六枚目から五枚目までは、米軍戦略に関連するURLなどの資料です。
それらと並行して、本法案のような通信の傍受を通じた国内世論操作や、あるいは治安維持の強化、あるいは経済安保の名の下に、社会全体の警察国家化、軍事国家化が進められています。
去る四月七日の産経新聞は、配付資料①のように、「空自機 中国艦を仮想攻撃 日米演習の概要判明」との記事で最新の台湾有事、台湾防衛戦争の計画を報道しました。安保三文書の行き着く先は、この記事にあるとおり、日本が国土を戦場にして、台湾防衛戦争という日中全面戦争を行う道です。今こそ安保三文書を問い直すべきです。
米軍は、ウクライナ戦争のように、自衛隊に対し兵器やインフラ、情報を支援しても、決して実際に戦闘を行う、戦うことはありません。このことは米軍の対中戦略からも明らかです。
二〇一〇年に、米国はエアシーバトル構想を正式な軍事戦略として採用しました。台湾防衛戦争において、中国本土に直接反撃を加えて抑え込むというものです。エアシーバトル構想では、紛争の第一段階で、中国のミサイル攻撃に対して、九州、沖縄、台湾、フィリピンを結ぶ第一列島線にある在日米軍基地など前方展開兵力は一時的にミサイルの射程圏外であるグアム、テニアン、パラオなどに退却します。第一列島線に残された自衛隊と地域住民は、ミサイル攻撃にひたすら耐えることが求められています、求められます。その後、第二段階で、来援した米軍本隊が中国本土に対し反撃をすることが計画されていました。この戦闘様相の第一段階、第二段階の想定は、以降の米軍戦略に共通するものです。
二〇一二年四月に、米海軍学校のトシ・ヨシハラ、ジェームズ・R・ホームズによる論文、「アメリカ流非対称戦争」が発表されました。台湾有事を通じた米国の覇権維持のために、日本に集団的自衛権の行使容認を求めたのです。中国海軍が第一列島線を通過して台湾東海岸に進出することを阻止するため、宮古島、石垣島、さらに奄美大島や沖縄本島に自衛隊の地対艦ミサイル部隊の配備を求めました。また、米軍の展開兵力の種別や量について核の閾値以下にとどめる、米軍は中国領土を攻撃しない、なぜなら、台湾有事を米中全面戦争や核戦争にエスカレートさせないように、南西諸島での制限戦争にすることが米国戦略の目標達成に有効だから、としています。
二〇一二年六月になると、エアシーバトル構想を批判し、中国との対決、直接対決を避け、周辺同盟国に対抗させるオフショアコントロール戦略が提起されました。オフショアコントロール戦略では、中国の領土や領海に攻撃しません。日本は台湾防衛で被害を受ける役割です。オフショアコントロールは、中国のインフラを破壊しないことにより、紛争後の世界貿易の回復は促進される、経済的な現実として、グローバルな繁栄は中国の繁栄に多く依存する、と論文で主張しました。
二〇一五年に、日米防衛協力のための指針、ガイドラインが改定されました。一九九七年の旧ガイドラインでは、日本に対する攻撃全てに米軍が打撃力を持って戦うことになっていました。ところが、二〇一五年の新ガイドラインでは、弾道ミサイル攻撃にも米軍は支援し補完する作戦しか実施しません。唯一、領域横断的な作戦、陸海空、宇宙、サイバーなどの全面戦争でしか米軍は打撃力を使用しません。
そこで、日本独力で戦争を遂行しなければという議論が出てきたわけです。安倍政権の一四年七月の閣議決定で集団的自衛権の行使が可能となり、一五年の安全保障法制の成立で法制化されました。こうした中、二〇二二年十二月、岸田内閣で安保三文書が閣議決定されました。その基になったと考えられるのが、防衛研究所令和三年度特別研究、将来の戦闘様相を踏まえた我が国の戦闘構想、防衛戦略に関する研究で打ち出された統合海洋縦深防衛戦略です。これは、中国からのミサイル攻撃を受けることを前提に、残存勢力で中国を海上で阻止し、半年から一年間の長期戦を戦うことを前提としています。
二〇二三年一月九日、米シンクタンク、CSIS、戦略国際問題研究所が、ザ・ファースト・バトル・オブ・ザ・ネクスト・ウォーを公表しました。二〇二六年に中国が台湾を侵攻するというウォーゲームを実施し、分析したレポートです。結果は、米国、台湾、日本連合軍によって、辛くも中国軍は撃退されます。しかし、台湾軍は壊滅、米軍は空母二隻を含む何十隻もの艦船、数百機の航空機を失い、日本の自衛隊も多くの艦船、航空機を失い、合計数万人の軍人を失います。日本も列島全体の飛行場が空襲されます。台湾は経済的にも大きな被害を受け、米国も長期にわたって世界的な地位を失い、米国の再建は中国より遅くなるとされています。日本、沖縄など、南西諸島や台湾など、住民の犠牲、死傷者については言及されていません。
レポートは、米軍は中国本土を攻撃する計画を立ててはならないと言っています。核戦争へのエスカレーションを避けるためです。これが今の米国のポリシーです。ウクライナと同様に、米国はもはや核保有国と直接戦争しません。このレポートは、今後、米国が台湾有事に直接軍事介入しない根拠になっていくと思います。
二〇二二年一月七日の日米2プラス2協議で合意されて以降、台湾有事における日米共同作戦計画は日米共同演習ごとに検証、更新されています。配付資料①の四月七日の産経新聞、「空自機 中国艦を仮想攻撃 日米演習の概要判明」との記事は最新の計画を明らかにしています。
二〇二四年二月の日米共同指揮所演習、キーンエッジのシナリオでは、中国軍が台湾を侵攻するとともに在日米軍の佐世保基地や岩国基地を攻撃します。これに対して日本政府は、個別自衛権を行使する条件となる武力攻撃事態の認定は見送ります。個別自衛権では台湾周辺への自衛隊の活動が制約されるからです。そこで、存立危機事態を認定し、集団的自衛権の行使として米側の要請を受け、航空自衛隊の戦闘機が空対艦ミサイルで台湾海峡西側の中国軍輸送艦を攻撃します。これを受けて中国軍が与那国島に上陸しますが、結果的に自衛隊が制圧したという経過でした。
記事の図が示しているのは、第一に自衛隊が中国軍を攻撃するということ、第二に日本方面で米軍の戦闘が行われないということ。この図から、米軍はもはや日本には残っておらず、フィリピン方面から台湾周辺に来ることが分かります。状況はここまで進んでいます。二〇二四年十月の日米共同演習、キーンソードでも米軍は武力攻撃を演習していません。アメリカが日本を守るための来援をするということはないと考えなければなりません。
先日来日した米ヘグセス国防長官は、西太平洋におけるあらゆる有事に直面した場合、日本が最前線に立つと発言しました。今米国が台湾有事において目指すのは、米軍の被害を抑えるため、米軍の表立った関与は極力行わず、日本が最前線に立つこと、日本による代理戦争によって台湾を防衛し、中国の国力、経済を損なわせることです。
自衛隊が台湾有事に軍事介入しても、沖縄や奄美など南西諸島の制限戦争に収まると見る向きもありますが、しかし実際は、全国で戦争準備が進められている以上、東京を始め日本全土を戦場にする、日本と中国との全面戦争にならざるを得ません。米国の戦略に沿って台湾を防衛するために、日本の国民の命と国家の存亡を懸ける日中全面戦争にすることが果たして日本の安全保障政策として妥当なのでしょうか。日本は、中国など緊張関係にある国々を始め、EUやASEANなどとともに、サイバーセキュリティーやAIなどをめぐる国際法、多国間のルールを作り、あくまでも平和的な外交を追求していくべきです。
以上、本案に対する基本認識を述べた上で質問に入ります。
国際法には例外的に、当該国の間で特定の協定や同意がなければ外国領域において捜査、警察権を行使できないとする領域主権不可侵の原則があります。
警察法は、二条で警察の義務、責務、犯罪の予防、鎮圧、捜査などを定め、三十六条二項で都道府県警察は都道府県の領域について二条の責務を任ずると規定してあります。警察権の及ぶ範囲、都道府県の、都道府県の区域と読めます。
一方、本法案は、警察は自衛隊と連携して、他国に存在するボットネットのテークダウンなど、国家への打撃関係サーバーへのアクセス・無害化措置を実施することになります。国外におけるアクセス・無害化措置は、警察権の及ぶ範囲は都道府県内、すなわち日本の主権の及ぶ範囲であるとする警察法に反するのではありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/126
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127・逢阪貴士
○政府参考人(逢阪貴士君) お答えいたします。
我が国に対するサイバー攻撃元となっている国外に所在するサーバー等に対して我が国が警察権の行使として必要な措置をとることは、国際法上も一定の状況において許容されているものと承知しております。
その上で、国内に設置されていると認める相当な理由のない加害関係電子計算機に対するアクセス・無害化措置については、その主体を警察庁のサイバー危害防止措置執行官に限定しておりますが、警察法第六十四条第一項は、重大サイバー事案に対処するための執行的な警察活動について、必要な職務を行う警察庁の警察官はその職務に必要な限度で職権を行う旨規定しておりますところ、その職権を行う地理的範囲に関して国内法上何らの制限もございません。
また、警察法第六十一条は、都道府県警察が管轄区域外にも権限を及ぼすことができる旨を規定しておりますが、この管轄区域外の範囲には、我が国の領域に限られず、外国の領域も含まれると解されており、いわゆる警察力の外国における行使は国内法上否定されているものではありません。
したがって、警察庁のサイバー危害防止措置執行官は、外国の領域においても、国際法上許容される限り、その職務に必要な限度で権限を行使することができることから、今般の警職法改正案において、国外に所在するサーバー等に対するアクセス・無害化措置を実施するのに必要な権限等を整備することとしても問題はないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/127
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128・伊波洋一
○伊波洋一君 法案において、能動的サイバー攻撃について、警察を前面に立てて自衛隊を後景化させることは、日本の軍事化、戦争国家から国民の意識をそらす悪質な印象操作ではないでしょうか。
サイバー空間の既存の国際法の適用について、国際的な共通認識が形成されていません。そのために、国外に対する措置は予期しない事態のエスカレーションをもたらすのではないかとの危惧が常に付きまとっています。
昨年四月二日、当時の木原防衛大臣は、サイバー攻撃のみであっても武力攻撃事態に当たり得る場合がある旨の答弁をしています。アクセス・無害化の措置の対象国が、実は単なる踏み台にすぎず、背後に別の組織や国家が存在することも十分あり得ます。対象国の立場で考えれば、日本の自衛隊や警察によるアクセス・無害化措置も武力攻撃とみなされることがあるわけです。
国外に対するアクセス・無害化措置は、日本が防衛政策の基本としてきた専守防衛を踏み越えて、憲法九条に反するものではありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/128
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129・平将明
○国務大臣(平将明君) 今回の制度整備では、我が国に対する重大なサイバー攻撃を認知し、一定の要件を満たす場合に、外国に所在する攻撃サーバー等に対するアクセス・無害化措置を可能とすることとしております。
このアクセス・無害化措置は、公共の秩序の維持の観点から、警察権の範囲内で、比例原則に基づき、危害の発生の防止という目的を達成するための必要最小限度の措置として行われるものであります。具体的には、攻撃サーバー等にアクセスして不正プログラムを無害化することなどを想定しており、対象となるサーバー等に物理的被害や機能喪失等、その本来の機能に大きな影響を生じさせることは想定をしておりません。
こうしたことから、我が国のアクセス・無害化措置は、日本国憲法第九条や国連憲章に規定する武力の行使と評価されるようなものではなく、その意味で、専守防衛を踏み越えるといった御指摘は当たりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/129
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130・伊波洋一
○伊波洋一君 防衛大臣、自衛隊の国外に対するアクセス・無害化措置を、対象国が国際法違反であると主張し、日本に対し非サイバー手段、つまり物理的攻撃を行う口実にする危険はないのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/130
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131・中谷元
○国務大臣(中谷元君) 先ほど平大臣がお話ししたように、このアクセス・無害化措置というのは、比例原則に基づいて、重大なサイバー攻撃に対する危害防止のための必要最小限度の措置として行うものでありまして、その措置の対象となるサーバー等に物理的被害や機能喪失など、その本来の機能に大きな影響を生じさせることは想定しておりません。そのため、御指摘のような状況にはならないものと考えております。
その上で、国外に所在するサイバー等にアクセス・無害化措置を行うに当たりましては、国際法上許容される範囲内で措置が行われることを確保する観点から、自衛隊は防衛大臣を通じてあらかじめ外務大臣と協議を行うということとされております。
この協議を通じて、自衛隊が実施するアクセス・無害化措置が国際法に合致した形となることが制度上担保されておりまして、このような関係におきまして、この対応につきまして、関係省庁とも連携をして、国際場裏において平素から積極的に発信をして、諸外国との信頼関係の醸成も図っていくように行ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/131
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132・伊波洋一
○伊波洋一君 武力攻撃事態、存立危機事態などの事態認定に当たっては、民主的統制の観点から、原則は事前に、緊急を要する場合の……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/132
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133・和田政宗
○委員長(和田政宗君) 伊波さん、おまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/133
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134・伊波洋一
○伊波洋一君 国会の承認が規定されています。しかし、今回の場合にはないんですね。
そのことを引き続きまたしっかり、外防委員会で指摘をしてまいりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/134
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135・齊藤健一郎
○齊藤健一郎君 NHKから国民を守る党、齊藤健一郎です。本日よろしくお願いいたします。
早速質疑の方ですけれども、まず、サイバーセキュリティー法案、関連法案ですけれども、これは私はもう明確に賛成の立場で、非常に重要な法案であると認識をしております。
その上で、やはり我々この立法府として、憲法というもののこの整合性についてはやはり問題視しておかなければならないのではないかなというふうに思っております。
特に、憲法二十一条の通信の秘密というところに関して、先ほどからの答弁の中でもそれに当たらないというようなこと、あとは、先ほど伊波委員の方からありましたが、憲法九条というところにも当たらないというふうなことをおっしゃられておりますが、やはりこれはどこまで行ってもちょっとこの憲法の解釈というところにすごく、やはり憲法解釈によって様々な、この自衛隊の存在であるとかというところ、そこの問題はやはりあるのではないかなというふうに認識しております。
その上で、質問の方していきます。
まず、憲法二十一条の第二項の通信の秘密というところ、これを侵してはならないとはっきりこう明記をされているんですけれども、これ東京地裁の平成十四年の四月三十日のこちらのときの判決、こちらの判決の中で、電気通信事業法に言う通信の秘密について、通信の内容だけではなく、通信当事者の住所、氏名、電話番号、そして通信の日時、時間、回数、さらにはそのIPアドレスなどの通信の構成要素、要するにいわゆるメタデータと言われるものなんですけれども、これが通信の秘密に該当すると明確に判示されております、こちらの方で。
そして、それに加えて、総務省及び個人情報保護委員会が令和四年に提示されております電気通信事業における個人情報等の保護に関するガイドラインにおいても、IPアドレスや接続認証、ログ等の通信履歴は通信の構成要素であり、通信の秘密として保護されるべき情報であると明記をされているんですけれども。
今回、この令和七年四月施行の情プラ法においても、発信者の情報にIPアドレス等が含まれており、その取扱いについてプライバシー及び表現の自由への配慮が求められており、場合によっては通信の秘密として保護されるとされておりますけれども、まず、平大臣にお伺いをしたいと思います。政府として、このIPアドレス等のメタデータ、通信の秘密に該当し得るのか、その立場をお伺いさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/135
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136・平将明
○国務大臣(平将明君) 一般の方が通信の秘密と聞くと、通話の内容だとかLINEのトークルームだとかメールの中身というふうに想像するんだというふうに思いますけれども、今委員御指摘のように、判例もあり、また様々な解釈もあり、政府としては、IPアドレスや送信日時等のメタデータも通信の秘密に該当し得るものであり、適切に保護をされなければならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/136
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137・齊藤健一郎
○齊藤健一郎君 内容についてはその通信の秘密というところについて該当し得るということなんですけれども。
やはり、今回、特に外外通信であるとか、海外のサーバーに対してアクティブサイバーディフェンスをするということなんですけれども、海外の攻撃はもうこれは必要性はすごく、戦争、今の戦争の中においても必要にあるとは思うんですけれども、やはりこのボット化している状態、要するに踏み台にされている状態の中で、やはり国民の個人のサーバーであったりとか企業間のサーバーを経由するような、その踏み台に使われるということは多分これからも日常的に考え得ることであります。
その中で、やはり政府がそのような情報を取得できる非常に大きな法案になってくるんですけれども、この法案について、憲法の秘密というところのその整合性というところについて、それがやはりどこまで取れているのか。しかも、その憲法というものに対して制度的に解釈するには対応し切れていないのではないかなというふうに感じているんですけれども、この辺り、平大臣はどうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/137
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138・平将明
○国務大臣(平将明君) 通信の秘密を守らなければいけないというのは憲法に書かれているとおりで、その中でも公共の福祉とのバランスにおいて一定の制約を受けるということも許容されているというふうに承知をしております。
また、委員御指摘のとおり、IPアドレスといっても、必ずしも個人と結び付いていない、若しくは企業と結び付いていない、野良IPアドレスみたいなものもたくさんあるわけで、直ちにその通信のIPアドレスそのものが通信の秘密に該当するとか、直ちに個人情報だということにはなりませんが結び付いているときもあるし、またそれに送信日時が重なるとある程度特定ができる可能性もあるので守らなければいけないと。
そういった中で、今回は、機械的情報を検索をすることによって情報を整理をし、サイバーセキュリティーの能力を上げていくという法の趣旨からいけば、十分今の枠組みの中で効果は上げられるものと、そのように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/138
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139・齊藤健一郎
○齊藤健一郎君 ありがとうございます。
その秘密に、通信の秘密というところ、かなり機微な個人の情報になってきますので、そこについてはかなり慎重になっていかなければならないという立場でございます。
続いての質問なんですけれども、その通信の秘密というところ、この警察機関、警察庁とそして防衛省というところが主にサイバーディフェンスというところに関しても、アクティブサイバーディフェンスというところに関しても中心になってくるんですけれども、一つちょっと懸念していることがあります。
これは警察庁にお伺いするんですけれども、警察がその通信情報の取得、分析を担う仕組みが整備されようとしております。この中で、現実的に、警察を含む公的機関から捜査情報というもの自体が記者会見の以外に特定の報道機関等意図的に漏えいされている実態があるということ、これはもう皆さん否定できないと思います。要するに、警察による報道へのリークです。本来、国家公務員法の百条及び地方公務員法三十四条において公務員は職務上知り得た秘密を漏らしてはならない、要するに守秘義務というところですね、こちらがあるにもかかわらず、やはり警察が報道に対してのリークをしているというところ、ここがかなり懸念されるところであります。
そうしたその守秘義務が実効的に機能しているとは言い難いこの状況において、通信情報というのは、極めて機微かつ個人の尊厳に深く関わる情報を警察がどう扱うことに対する国民の不安というもの、私自身、個人的にも警察にリークされたことがありますので、根に持っているわけではございませんが、やはりこれ警察としか話していない内容がなぜ週刊文春に載るんだということも、これはもう極めて私にとっても、もうなぜか、もう私にとってもやっぱりこのリークしていることがかなり心の中に残っているんですけれども。
そこで、そのサイバー通信情報監視委員会が設置されます、今回。その監視委員会がそのような監視も行うということなんですけれども、もちろん警察組織の中にも国家公安委員会というものが組織されております。ただ、それにもかかわらず、この守秘義務違反に対して国家公安委員会の方から警察組織に対してそのような警告がなされたような形跡が全く見られない。そういったところから、警察への信頼というものが揺らいでいる、国民の中で揺らいでいるんじゃないかなというふうに思うんですが、警察庁にお伺いします。
警察がその取得、分析する通信情報について、その守秘義務違反を厳格に罰する内部統制体制は現時点ではどのように整備されているのか、お伺いさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/139
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140・逢阪貴士
○政府参考人(逢阪貴士君) お答えいたします。
情報管理に万全を期していくことは当然のことであり、警察においても情報の適正な管理に努めてきたところでございます。
その上で、御指摘の選別後通信情報について、サイバー対処能力強化法案では、取扱いの業務を行わせる職員の範囲を定めることその他の安全管理措置を講じなければならない旨の規定が設けられており、同内容を内閣府令で制定するに当たっては、サイバー通信情報監理委員会の協議を要するものとされているほか、取得通信情報に関する秘密を漏らし、又は盗用した場合には、国家公務員法の守秘義務違反よりも重い罰則が設けられているところでございます。
サイバー対処能力強化法案が成立した場合には、安全管理措置を遵守し、厳格な情報管理を徹底してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/140
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141・齊藤健一郎
○齊藤健一郎君 ありきたりな政府答弁になるんですけれども、じゃ、もう一度お伺いさせてください。
警察として、そのメディアに対して守秘義務を犯しているというふうな認識はありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/141
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142・逢阪貴士
○政府参考人(逢阪貴士君) お答えいたします。
個々具体的な状況によると思いますので、ちょっと直ちに、一般的に漏らしているとかいうことは認識しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/142
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143・齊藤健一郎
○齊藤健一郎君 認識しているとはもちろん言えないとは思うんですけれども、でも、皆さんよく御存じのとおり、警察機関から、警察、検察機関からのリークというのも当たり前のように行われております。
ただ、これはあくまでもやはり違法行為でありますので、今回、この機微な情報を取り扱う、ましてやその憲法というところにも触れるような情報を扱うというところで、この情報監視、監理委員会ですね、情報、通信情報監理委員会のその機能というところについてちょっとお伺いさせていただきたいんですが、この法的地位と権限を持っているのかというところをちょっとお伺いさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/143
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144・小柳誠二
○政府参考人(小柳誠二君) お答えを申し上げます。
警察機関を含め、本法律案第二十七条第三項、第三十一条第一項又は第二項等の規定によりまして、通信情報の提供を受けた行政機関は通信情報保有機関に該当することとなりまして、その通信情報の取扱いに関する本法律案の規定が遵守されているかどうかについて、独立機関であるサイバー通信情報監理委員会の継続的な検査を受ける対象となるものでございます。
もし、その検査の結果によりまして、通信情報保有機関における通信情報の取扱いがこの法律の規定に違反していると認められた場合には、委員会は通信情報保有機関に対してその旨を通知し、通知を受けた通信情報保有機関は是正等の措置を講じなければならないことを法律上明確に規定をしているところでございます。
なお、このほか、本法律案では、委員会は検査のために通信情報保有機関に対し資料提出の要求、実地調査、必要な場合の情報システムの確認等を行うことができる権限や、勧告をする権限等を規定しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/144
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145・齊藤健一郎
○齊藤健一郎君 私はなかなかそのような答弁でなかなか頭で理解が追い付かないので、簡単に申し上げると、まず、内閣府の下に設置される体制であるということ、そして第二に、その違法な、不正な情報取得に対しての差止めをできるような強制力というのは委員会の方では持ち合わせていない、そして第三に、その構成のその選定の方法というのが結構不透明で、衆参から選ばれるということなんですけれども、先ほど国家公安委員会の話も出しましたけれども、実質形骸化しているような形にならないかというところを懸念しております。
この場で、やはりそのサイバー情報監視委員会としてのその機能というものを明確に位置付けることによって、やはり我々この立法府の立場から、その行政機関が強く権限を持つ必要性はこの法案においては非常にあるとは思いますが、やはり、その行政が行き過ぎた権限というものの行使にならないような監視的立場、そのために委員会が設置されておりますので、しっかり違法性をない状態の下でしっかり監視をしていく、その体制を整えていただきたいなというふうに思っております。
そして最後に、質問というか、申し上げておきたいことがあります。
先ほどから憲法のお話をさせていただいております。ここに政府にこの答弁を求めたところで、この憲法について申し上げる立場にないという答弁しか返ってこないとは思いますが、せっかくのこのような委員会を開いていただいて、私もなかなかそのほかで述べる機会がございませんので申し上げておきますと、やはり、ここは、この国というものは自民党さんが中心になってこの国を統治しております。その中で、この自民党の結党の精神というものがやはり憲法の自主改正というところ、そこがそもそもの結党の精神であったはずにもかかわらず、どのような状況にも憲法改正というようなゴール地点にたどり着くことがありません。
一方には、この憲法改正というところに関して、してしまうと自民党の結党意義がなくなり、支持がなくなるというような声も聞かれており、自民党のその存在意義自体が問われるのではないかなというような話もちらほら聞こえてまいります。
このような憲法とのその整合性が取れていないようなことというのは、これからの時代に様々なことが出てくると思いますので、いま一度、憲法を大事にするからこそ、憲法の改正というところをしっかり本気で捉えて、憲法に沿った法律をしっかり制定していけるような、その憲法を改正を皆さんでしっかり議論できることを心から願って、私の質問にしたいと思います。
以上です。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/145
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146・三浦信祐
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
本法案において、能動的サイバー防御を実現するために、官民連携、通信情報の利用、アクセス・無害化措置、組織、体制整備等を規定をしております。順に質問させていただきます。
新法九章において、情報共有、対策のために協議会を組織するとして第四十五条第一項に規定されております。被害情報を共有することを通して被害防止に資する対策を打つことが役割の一つであると理解しています。その際、セキュリティークリアランス制度を活用することがメンバーにとっても極めて重要であると考えております。
体制構築と能力構築、この両面で考慮すべきと考えます。是非取り組んでいただきたいと思いますが、平大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/146
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147・平将明
○国務大臣(平将明君) 御質問ありがとうございます。
昨今の国家をも背景とした高度なサイバー攻撃への懸念の拡大やデジタルトランスフォーメーションの進展を踏まえると、個別企業のみ、若しくは民間のみ、官のみでサイバーセキュリティーの確保は困難であります。
このため、本法案においては、情報共有及び対策に関する協議会を組織の上、サイバー攻撃による被害の防止に必要な情報を共有するとともに、被害の防止のための具体的な対策を官民で検討し対処していくことなどを通じて、官民双方のサイバーセキュリティーを強化をしていくこととしております。
その際に、攻撃者の詳細な活動状況といった一定の機微な情報についても、適切な情報管理の下で事業者の皆さんが取扱いができるようにすることが必要であると考えております。
このため、協議会においては、重要経済安全情報を含む情報を共有する者に対して、まさに委員御指摘のとおり、セキュリティークリアランス制度を活用して情報を提供することを含め、必要な検討を進めているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/147
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148・三浦信祐
○三浦信祐君 これまでの制度からアップデートするわけですから、そこに携わっていただける方の責任も極めて大きくなるという視点での質問でありますので、是非御対応いただきたいと思います。
本会議において、通信情報の機械的情報の抽出、その技術に国産化をと訴えさせていただきました。我が国の安全保障の観点、情報セキュリティーの観点から見れば、機械的情報の抽出について、日本国内、国産メーカーであることが重要であると考えるのは当然であります。クリアランス、秘密保持が確保されている状態でつくられる、ハード、ソフト両面を確保した上で運用されることが重要であると考えます。
平大臣、御答弁いただいたときには、重要だという理解の上で、国産の技術で利用可能なものについては積極的に取り入れてまいりたいと考えておると。積極的に取り組んで、取り込んでいくという、この点だけ見ればいいんですが、これ育てていかなきゃ駄目なんですね。この答弁だけでは、まだもう一手、二手踏み込まないと、育てていかなきゃいけないという視点であります。どうやって国内メーカーによる能力を獲得していくのか。
また、能動的サイバー防御に適したAIシステムの構築も今後のためには必要と考えます。今のAIシステムでは、言語をどれにのっとってつくっているかということもあります。これから、東南アジアLLM、日本語を多言語との対応できるような、その組み込みということも今先手を打っていかなければいけない状況であります。
そういう視点からこれまでの技術開発を強力に推進をしていただきたいと思います。平大臣、是非取り組んでいただけませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/148
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149・平将明
○国務大臣(平将明君) サイバー空間の脅威の情勢が深刻化する中で、通信情報の利用に当たっては、巧妙化、複雑化していく攻撃にも有効に対処していけるよう、AIの活用も含め、今後の技術動向に応じた高性能なシステムの導入を通じて分析能力の向上を図ってまいりたいと考えております。
その上で、自動選別による機械的情報の選別や機械的情報の分析に必要な通信情報の利用に係る技術については、利用可能な既存の国産の技術を積極的に取り入れることだけではなく、国内企業とも連携をして必要な技術開発をすることも含めた様々な可能性も検討してまいります。
AIについては、まさに法案が今審議をされていると思いますし、そうすると司令塔機能が強化をされますので、いろいろな形で手を打つことができると思いますし、また、経産省の方でもサイバーセキュリティーに係るソフトウェア事業者の育成などを今提案をされておりますので、政府総力を挙げて育てるというところにも注力をしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/149
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150・三浦信祐
○三浦信祐君 本会議から踏み込んでいただいて、ありがとうございます。
次に、通信情報の利用について質問いたします。
今回、通信情報として、外外、内外、外内通信について実施できるとしております。技術的なこととして、どの段階で通信の行き先を判定し、どの実施体が判断することとなるのでしょうか。北米、アジア、南太平洋等への通信は我が国を経由するケースが多いと承知をしております。大前提として、そのトランジットシステムは情報システム上で整理をされるという前提は明確なのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/150
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151・小柳誠二
○政府参考人(小柳誠二君) お答えをいたします。
本法案においては、取得した通信情報について、内閣府において、人による閲覧等の知得を伴わない自動的な方法により分析の対象となる通信情報を選別し、取り出すことといたしております。この自動選別では、通信情報を取得した内閣府において分析を始める前に、インターネット上の住所に当たるもので、通信のそれぞれのデータに付されておりますIPアドレスを参照して、送信元あるいは送信先が国外であるかどうかを判定し、対象となる通信データを選別することを想定をしてございます。すなわち、例えば外外通信の分析の場合であれば、IPアドレスにより送信元と送信先の両方が国外であると判定した通信データだけを自動的に選別することを想定しております。
また、本法案では、外外通信それから内外通信及び外内通信を通信に係るIPアドレス等から判断して、それらの類型の電気通信に該当すると認められる電気通信と定義をしておりますことから、IPアドレスで通信の判定を行う想定であることは条文上も明確になっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/151
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152・三浦信祐
○三浦信祐君 よく整理していただきました。
第二条第八項に機械的情報の定義と分析対象としての整理がなされております。通信の秘密を確保する観点から、コミュニケーション本体の本質的部分は分析対象外となっております。この本質を見ずしてどうやってサイバー攻撃のリスクの有無を判定するか、これは明確にしておかなければいけないと思います。
サイバー攻撃リスクがある発信元は、何度も踏み台を重ねていくことで逆の意味でのリスク回避をしております。特にC2サーバーというのはIPアドレス、これを頻繁に変更しています。順次、瞬時にリスクデータと突合するシステムが確立し、オペレーションできる状態なのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/152
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153・小柳誠二
○政府参考人(小柳誠二君) 重大サイバー攻撃の攻撃者は、攻撃元を隠蔽するため、一般利用者の通信機器をマルウェアに感染させるなどして乗っ取ったボットに対しC2サーバーから指令を送る手法を用いることが通例であり、これらボットやC2サーバーは、御指摘のとおり、多数、多段的に組み合わされて構成することもあるものでございます。これらの攻撃の中継は、通常、人の手を介さずに電子計算機同士の通信により機械的、自動的に行われることから、攻撃インフラの実態を把握するためには機械的情報を分析することが重要であり、本法案では分析の対象を機械的情報に限っているところでございます。
さらに、機械的情報に係る自動選別のプロセスにおきましては、不正な行為に関係があると認めるに足りる状況のある通信データを選別するため、IPアドレスに加え、コマンド又は接続要求や受諾を示す文字列など、その他関係があるデータ等の探査が容易になる情報、これら三種類のいずれかの情報であって二つ以上の条件を設定して選別を行うことといたしておりまして、こうした条件の設定を通じ、一定の精度を持って攻撃に関連する通信を選別することができるものと考えてございます。こうした分析によりまして、例えば国外のC2サーバーやボットなどの攻撃インフラの実態の把握、あるいは特定の国外の攻撃用インフラからの国内への攻撃の実態の把握等を行うということが可能になるというふうに考えてございます。
本法案が成立した後、通信情報の利用に当たりましては、巧妙化、複雑化していく攻撃にも有効に対処していけるよう、高性能なシステムや施設の整備を通じた分析能力の向上を図りつつ、通信情報以外の情報との突き合わせも行って、総合的な分析を行ってまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/153
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154・三浦信祐
○三浦信祐君 大臣の答弁と今の答弁を重ねると、いかにセキュリティークリアランスが重要で、そして国産メーカーと早い段階から構築をしていかなきゃいけないということが明らかになったと思います。是非ここは取り組んでいただきたいと、重ねてお願いしたいと思います。
サイバー攻撃リスク情報は我が国だけで判断することは極めて難しいのが現状であります。今後、多様な主体から生じるリスク回避に対策を取り続けていかなければいけないのがサイバー空間の厳しさであります。
安保三文書の議論を重ねて完成した後の取組として、経済安保の視点におけるセキュリティークリアランスを整備する、能動的サイバー防御能力を構築することを具体化するための取組としてこれが推進をされてきました。我が国として望ましい安全保障環境を構築する国内の体制の一環としての整備であります。それゆえ、これまでセキュリティークリアランスとの関係で、現状、状況掌握、共有できなかった問題等が解消できる段になると、この法案によって期待ができます。
問題と課題を一つ一つ解消するために、これから能力を構築しているんだという謙虚な視点から考えれば、諸外国との情報共有は必須であり、サイバー分野の視点から諸外国との関係構築を強力に推進していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/154
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155・佐野朋毅
○政府参考人(佐野朋毅君) お答え申し上げます。
サイバー攻撃が匿名性、非対称性、越境性という特性を有する中、国家の関与が疑われるものを始めとする組織化、洗練化されたサイバー攻撃の脅威は増大しておりまして、政府機関等への攻撃やランサムウェア等による被害は拡大傾向にあると認識しております。
かかる情勢を踏まえまして、政府全体の情報収集・分析能力の向上を図ることは不可欠でございますけれども、その際、我が国自身の能力向上はもとより、委員御指摘のとおり、関係国との連携を強化、深化していくことも極めて重要であるというふうに考えております。
我が国といたしましては、これまでもサイバー攻撃への対処の一環といたしまして、同盟国、同志国との間で共同捜査やパブリックアトリビューションを実施するなどして国際連携を図ってきたところでございますけれども、サイバー脅威情報につきましては、特定秘密保護法に定めるセキュリティークリアランス制度に加えまして、新たに重要経済安保情報保護活用法に定めるセキュリティークリアランス制度に基づき、適切な保全措置を講じた上での情報交換、情報共有が可能となることなどから、諸外国との間でもより一層の情報交換、情報共有が可能になるものと期待をしているところでございます。
今般の立法措置によりまして、我が国として、官民連携、通信情報の利用、アクセス・無害化措置の実施が可能となることと相まって、同盟国、同志国とは情報の収集、分析段階から更なる連携の強化を図りまして、諸外国との関係構築を強力に進めてまいりたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/155
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156・三浦信祐
○三浦信祐君 我が国は警察と自衛隊と二つの組織で構成をされていますので、どこでアクセスして、カウンターパートは誰なのかという整理は実は重要であります。ですので、内閣官房の役割、そして新しい組織のハンドリングというのは極めて重要ですので、よく整理をしていただきたいと思います。
一問飛ばさせていただきます。
我が国のサイバー人材確保に際しては、決定的に相当な対価が必要であります。能力を有するサイバー人材自体、世界では所得が高いというのが一般的であります。我が国は、公務員の範囲で対価を払おうとすると、おのずと限界があります。どうやって優秀な人材を確保されようとしているのでしょうか。
加えて、警察、自衛隊の担当される方々の能力構築、育成に当たっては、世界の中でもハイレベルな人材にまで昇華させることが必要であります。その際には、高い能力そして経験を有する方からのレクチャーを受ける機会等の創出は必須であります。
平大臣、是非、我が国にとって重要な取組となる中でどのように具体的に進めていくのか、明確にお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/156
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157・平将明
○国務大臣(平将明君) サイバー攻撃の脅威が深刻する中で、サイバーセキュリティー人材の確保や育成を進めることが重要な課題であることはよく認識をしております。
また、本法律案が成立した暁には、政府において、サイバーセキュリティー対処能力の向上に資する人材の確保、育成の必要性が高まることから、分析能力の向上や官民連携の強化等を担う人材の育成等を一段と充実強化をしてまいります。その際、様々な機会を捉えて、民間の高い能力や経験を有する方から知見を共有していただくことなどにより、高度な人材の育成につなげてまいります。
さらに、警察や防衛省においては、高度な専門性を有する人材の育成を進めるために、サイバー分野の専門的な教育の強化に努めるとともに、民間人材の登用や技術解析の委託等による民間知見の活用を通じて、職員のサイバー対処能力の向上もつなげていきたいと承知をしております。
先ほども何回か質問出ていましたけれども、サイバーセキュリティー人材、高いのでなかなか雇い切れないんじゃないかという話で、警察、防衛共に追加の手当のあるような話をしていましたが、多分それでも足りないんだろうと思います。最終的にはリボルビングドアみたいなものを使って、官にいるときは給料が抑えられているけど、その知見を生かして民間に行ったら給料が上がると、またしばらくしたらまた官に戻ってきてもらうというようなエコシステムを含めて、サイバーの世界でそういった循環ができるように努めていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/157
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158・三浦信祐
○三浦信祐君 今大臣おっしゃっていただいたように、官だけで何かしようというのは極めて難しい話だと思います。このエコシステムをつくるという部分では、民間企業の皆さんも、今回、官民連携ということで、単なる情報共有じゃありません。むしろ、技能、技術の経験値を上げていくということも重要であります。ですので、我が国のこのサイバーセキュリティー人材への投資というのは、実は抑止力の最大的な投資であるという整理をしっかりとメッセージとしてこれから発信していただきたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/158
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159・佐藤正久
○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。私、今、外交防衛委員会の与党筆頭理事を務めております。よろしくお願いします。
今日は、日本防衛の観点から、サイバー攻撃に対する警察権と自衛権について伺いたいと思います。
今審議している法案は、これまで繰り返し答弁があったように、警察権に基づくものでございます。一方、これまでの国会答弁や質疑でも、自衛権に基づくサイバー攻撃は自衛隊法で可能としています。すなわち、国民目線からすると、本法案による能動的サイバー防御と自衛隊法によるサイバー攻撃をシームレスに穴を空けることなく行ってもらうことが、国民からすると日本の治安や防衛の観点から重要と考えます。ここも本日の連合審査、つまり内閣委員会と外交防衛委員会の連合という部分では重要だと思います。
ただ一方、これまで防衛省あるいは警察庁においても、不正アクセス禁止法によって、自衛官も警察官もハッキングをして無害化する能力を確保することは困難でありましたが、この法律ができれば、指定されたサイバー警察官やサイバー自衛官は、外国のサイト等にアクセスをしてそれを無害化する能力を保持し、必要なときにはそれを使用し、日本を守る任務を有することになります。ただ、アクセスを無害化をする能力を持ったサイバー警察官は、能動的サイバー防御ができても、自衛権に基づくサイバー攻撃はできません。
繰り返します。このアクセス・無害化する能力を持ったサイバー警察官は、能動的サイバー防御はできても、自衛権に基づくサイバー攻撃はできません。一方、サイバー自衛官の方は、今回の法律ができれば両方、能動的サイバー防御も自衛権に基づくサイバー攻撃もできます。ただ、今まで議論があったように、それなりのスキルを持ったサイバー自衛官というのは数的に限界があるというのも事実です。
一方、ウクライナの、ロシア・ウクライナ侵略を見ても、日本有事に相手国が侵略にサイバー攻撃を絡めるのは今や常識です。
そこで、日本を守るために防衛出動が下令されたら、サイバー警察官を自衛官に任用して自衛権に基づくサイバー攻撃も可能なようにしておく視点も必要ではないかと思います。能力があっても法的制約があって日本や国民を守れないのは、立法府の不作為とも考えられます。
内閣法制局長官に伺います。現憲法において、自衛官も警察官も位置付けは行政官というふうに思いますけれども、警察官が自衛官に任用されることを禁止するような規定を決めているような条文というものはございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/159
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160・岩尾信行
○政府特別補佐人(岩尾信行君) お答えします。
現行法におきまして、元々自衛官でない公務員である者について自衛官の身分を兼務させる運用は行われていないと承知しております。また、関係省庁からそのような兼務についての御相談を受けたことはございません。そのことから、当局において、お尋ねのような業務と憲法との関係につき、兼務と憲法との関係につきまして具体的な検討を行ったことはございません。
その上で、一般論としてお答え申し上げると、自衛官の身分を持った場合には、自衛隊という実力組織におきまして自衛官として一定の役務を提供する義務を負うこととなる、そういうことを踏まえますれば、本人の意思に反して兼務させることは相当ではないと考えますが、憲法において兼務自体を直ちに禁止している規定はないものと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/160
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161・佐藤正久
○佐藤正久君 一般論としては兼務することを直ちに禁止している規定はないというふうに考えていると、一方で、今までこれをまともに検討したことがないという答弁がございました。
長官、それでは、これ非常に大事なポイントで、非常にサイバー警察官もサイバー自衛官も能力の数的に限定されていますので、今後、じゃ、警察官を自衛官に兼務させるということを検討して、内閣委員会なり外交防衛委員会の方に検討結果を出してもらうことは可能でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/161
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162・岩尾信行
○政府特別補佐人(岩尾信行君) 先ほどもお答えしましたんですが、当局として、関係省庁においてそもそも兼務自体をどのように考えるか、その場合の手続、要件等をどのようにするかという、そういった具体的な検討を踏まえて御相談がないと、当局の答弁としては先ほど申し上げたような一般論にとどまるということを御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/162
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163・佐藤正久
○佐藤正久君 これは今後やっぱり検討すべきだと私は思います。
ただ、外務省や防衛省によると、国際法上、ジュネーブ条約の観点から、自衛権に基づくサイバー攻撃を含む武力行使は自衛官ならできますけれども、防衛事務官や警察官などはできないと、国際法上の縛りがあるということで。
ただ、そもそも海外においては、イスラエルのように、自衛権に基づくサイバー攻撃もアクティブサイバーディフェンスも、警察、内務省ではなく国防省がリードしているところがほとんどです。先ほどの議論でも、米軍もそうだったというふうに思います。国の存立を脅かす有事を基本に置いてサイバー攻撃から国や重要インフラを守る観点から、一つの組織がシームレスにアクティブサイバーディフェンスも自衛権に基づくサイバー攻撃も行っていると。ほかの国は有事の方を基本に置いて、その組織が有事からアクティブサイバーディフェンスや通常の防御という形で有事を基本に置いて考える。一方、日本はそうではなくて、警察権の方から自衛権というふうになっていると、ここが違うと思います。
それでは、平大臣に伺います。日本の能動的サイバー防御、安保三文書ではアクティブサイバーディフェンス、まあかぎ括弧、アクティブサイバーディフェンスと称しておりますが、この安保三文書で言う、かぎ括弧、アクティブサイバーディフェンスと、海外の主要国で言うアクティブサイバーディフェンスは必ずしも同じではないと私は認識しておりますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/163
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164・平将明
○国務大臣(平将明君) 諸外国のアクセス・無害化措置は対外非公表の活動となっていることが多いものですから、その詳細は明らかになっていないものが多いというふうに承知をしております。
その上で、公開されている情報や報告書等に従って申し上げれば、米国では、ボルト・タイフーンの対応は法執行機関が行い、マルウェアを削除をしました。マルウェアを削除するコマンドを送信するなどの無害化措置を実施をしました。カナダでは、インテリジェンス機関が政府ネットワークから情報窃取防止目的で海外サーバーに対する無害化措置を実施することをいたしました。また、オーストラリアでは、インテリジェンス機関による国外からのサイバー犯罪の阻止をしています。英国では、国防省と情報機関の共同機関であるNCFの措置でそのような対応が行われていると承知をしております。そのほかも、国防省や軍が主体となった活動などが行われていると認識をしているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/164
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165・佐藤正久
○佐藤正久君 アクティブサイバーディフェンスというのは、アクセス・無害化措置だけではなくて、その前段階の前さばきの部分やその後始末の部分、そしてまたそのアクセス・無害化の烈度という部分でも、多分警察権を越える部分も相当やっているというのが実態だと思います。つまり、諸外国は自衛権に基づいて烈度が高いアクティブサイバーディフェンスも行っている場合もあるということです。
いずれにせよ、アクティブサイバーディフェンスができても自衛権に基づくサイバー攻撃ができないという組織を持つのはやっぱり非効率的で、国の存立を守る組織がサイバー攻撃もアクティブサイバーディフェンスも両方やるというのが海外の主流だと思います。
実際、これから立ち上がるアクセス・無害化という特殊で高度な技術を持つ組織は、日本有事では国の宝とも言えます。日頃同じ建物内で連携して能動的サイバー防御に当たるサイバー自衛官とサイバー警察官が、文民統制の下、シームレスに警察官と、警察権と自衛権を運用して日本を守ることが実際的で重要と考えます。つまり、警察権に基づいて同じ建物にいる警察官と自衛官が対応しているという、防衛出動が下令されたら自衛官はそのサイバー攻撃の方に移るというのでは、ちょっと何か非常に非効率的にも見えますし、かなり指揮系統複雑になります。
防衛大臣、法律がないから能力があっても国を守れないというのは本末転倒だと思います。私は、そうであれば法律も整備するということも大事だと思います。自衛隊法八十条では、日本有事に海上保安庁の一部を防衛大臣の統制下に置き、指揮させると規定されています。ただ、有事に警察官のまま防衛大臣の指揮統制下に置いても、国際法上、サイバー警察官は自衛官に任用されないと自衛権に基づくサイバー攻撃ができません。つまり、統制下に置いても自衛官でなければこれはサイバー攻撃ができない。
防衛大臣、特殊で高度な技術を持つサイバー警察官が自衛官に任用されてサイバー自衛官と連携して国を守る仕組みということは、日本の防衛上これは重要だと思われませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/165
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166・中谷元
○国務大臣(中谷元君) 先ほど法制局長官が答弁されたとおり、この兼務自体を直ちに禁止しているというのは憲法上の規定があるとは承知しておりません。ただ、現状におきましては、おっしゃるように、我が国は、平時の上で、能動的サイバーディフェンスにおきましては現状の法律で考えておりますが、その中でも、警察には警察の、そして自衛隊には自衛隊の果たすべき役割があるということから、いかなる体制を取るべきか、それが可能であるかなどについては、状況応じて適切に判断をしてまいりたいと思います。
いずれにしましても、自衛隊とこの警察の関係、サイバー防衛能力の向上のために優秀なサイバー人材の確保、これには努めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/166
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167・佐藤正久
○佐藤正久君 防衛大臣、必要性は分かっていても、法律がなければサイバー警察官は自衛権に基づくサイバー攻撃ができないんですよ。そのときに適切に判断したとしても、法律がなければこれは超法規になってしまいます。そういう部分は指摘しておきたいと思います。
次いで、能動的サイバー防御に任ずる自衛隊や警察の部隊の施設等について伺います。
日本有事の際でも、当該部隊は、自衛権に基づくサイバー攻撃や警察権に基づく能動的サイバー防御にも継続することが求められます。敵にとっては重要な攻撃目標、破壊目標になり得ますが、危機管理上、この施設等のバックアップ機能、これはいろんな機材を含めたバックアップ機能やBCPの立ち上げというのも同時に考えて予算要求しないといけないと思いますが、防衛大臣の認識を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/167
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168・中谷元
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊にとりましても、いかなる事態においても任務を達成できる体制を保持するということは極めて重要でございます。
このためには、委員御指摘の物理的な攻撃等に耐える機能、機能喪失時の代替案、施設などの確保につきましては、これまでも、司令部の地下化などの物理的な防護強化、そして、可搬型といいますが、このシステムの整備などのバックアップの手段の確保並びに機能喪失時にも任務を継続できるようにするための代替機能の特定などに含む業務継続計画の策定といった必要な取組を進めてまいりました。
引き続き、内閣官房とも連携しながら検討を進めまして、アクセス・無害化措置を含む自衛隊全体の業務の継続性、これを確保するための取組を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/168
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169・佐藤正久
○佐藤正久君 これは相当な施設整備が必要になります。とりあえずシールドを掛けないとできないでしょうし、地下といっても、政府の持っている建物、地下組織でこれを対応できる部分、まだないと思います。
また、このバックアップ含めてこれはしっかりと予算要求をしてやらないといけませんし、また、このサイバー防衛というものに任ずる部隊、この施設だけではなく、それを守るための組織、こういうものも必要だと思いますけれども、防衛大臣、どう思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/169
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170・中谷元
○国務大臣(中谷元君) 御指摘の点は、これは必要な内容だと思いますので、検討させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/170
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171・佐藤正久
○佐藤正久君 これ、実際法律ができたらもうすぐ部隊ができるというのと、施設整備はこれは後追いになるかもしれませんけれども、これは、平大臣、これはしっかり内閣官房中心に含めて予算を取って、対応をお願いしたいと思います。
以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/171
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172・和田政宗
○委員長(和田政宗君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/172
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173・和田政宗
○委員長(和田政宗君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。
これにて散会いたします。
午後一時散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121715381X00120250513/173
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