1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十三年四月七日(水曜日)
午後一時四十三分開會
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本日の會議に付した事件
○行政代執行法案(内閣送付)
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001・岡部常
○理事(岡部常君) 司法委員會をこれより開きます。行政代行法案の提案理由を御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214390X01519480407/1
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002・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 本案は行政執行法を廢止いたしまして、新たに行政上の代執行に關する法規を整備せんとするものでございます。
現行の行政執行法は、御承知の通りに古く明治三十三年の制定にかかるものでありまして、その内容において、例えば行政檢束の規定のごとく、過去の歴史において暗い陰影に滿ちておるものがありまするし、その他これを新憲法の光の下に照しまするならば、調整を要するところ少からざるものがあると思われるのであります。よつて政府といたしましては、これが調整について今日までいろいろと研究を進めて參つたのでありまするが、その結論といたしまして、この際行政執行法を全面的に廢止して、これに伴う暗い連想を拂拭いたしますと共に、將來における濫用の餘地を閉し、今日必要な限度において新らたなる制度の出發を企圓することといたしたのであります。
御承知の通り、從來の行政執行法には、先程述べました檢束、それから假領置等と言いますような警察的の處置の外に、行政上の義務の履行確保に必要な手段について、若干の條項を設けておるのでありますが、本案は、これに規定されておりました代執行に關する手續きを補足整備いたしまして、單獨の法案といたしたものであります。
本案の内容は、法令に基く行政上の義務を義務者が履行しない場合に、他の手續によつてその履行を確保することが困難でありまして、且つその不履行を放置することが著しく公益に反すると認められまするときは、當該行政廳はみずから義務者のなすべき行爲をなし、又は第三者をしてこれをなさしめ、その費用を義務者から徴收することができる旨を定めまして、これに必要な手續きを規定したものであります。
尚現行の行政執行法には、行政上の義務履行確保の手段といたしまして、右のいわゆる代執行の外に、執行罰及び直接強制の途をも存しておるのでありますが、執行罰につきましては、その效用も比較的に乏しく、罰則による間接の強制によつて、概ねその目的を達し得るものと考えられますし、又直接強制につきましては、人又は物に對して直接實力を加えるものでありまするが故に、すべての場合に通じて一般的にその途を設けるということは如何であろうか、行き過ぎではあるまいかというふうに考えるのであります。從いましてこれらの手段は、特に行政上の目的達成上必要な場合に限つて、それぞれの法律において、各別に適切なる規定を設けることといたしまして、本案におきましては、行政上の義務履行確保の手段として一般的に必要であり、且て適當と認められまするところの代執行に關して、その手續を定めることといたした次第であります。
以上を以ちまして本案の要點について御説明を申上げました。何卒よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214390X01519480407/2
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003・岡部常
○理事(岡部常君) 本日はこれを以て散會いたします。
午後一時四十七分散會
出席者は左の通り。
理事 岡部 常君
委員 中村 正雄君
大野木秀次郎君
奧 主一郎君
鬼丸 義齊君
宇都宮 登君
松井 道夫君
松村眞一郎君
宮城タマヨ君
星野 芳樹君
政府委員
法 制 長 官 佐藤 達夫君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214390X01519480407/3
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