1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年十一月十二日(月曜日)
午前十一時十五分開議
出席委員
委員長 夏堀源三郎君
理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君
理事 西村 直己君 理事 内藤 友明君
淺香 忠雄君 大上 司君
川野 芳滿君 佐久間 徹君
島村 一郎君 清水 逸平君
苫米地英俊君 三宅 則義君
宮腰 喜助君 松尾トシ子君
高田 富之君 深澤 義守君
出席政府委員
外国為替管理委
員会委員 大久保保太郎君
大蔵政務次官 西川甚五郎君
大蔵事務官
(主計局法規課
長) 佐藤 一郎君
農林事務官
(農政局長) 東畑 四郎君
委員外の出席者
大蔵事務官 上東野正二君
農林事務官
(農政局農業保
険課長) 鵜川 益男君
通商産業事務官
(臨時通商業務
局経理第一課
長) 羽柴 忠雄君
専 門 員 椎木 文也君
専 門 員 黒田 久太君
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十一月十二日
会社利益配当等臨時措置法を廃止する法律案(
内閣提出第七号)(参議院送付)
食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするため
の一般会計からする繰入金に関する法律の一部
を改正する法律案(内閣提出第三〇号)
同月九日
在外公館等借入金返済実施に伴う現地通貨の換
算率に関する請願(菊池義郎君紹介)(第八三
一号)
水あめに対する物品税撤廃の請願寺島隆太郎君
紹介)(第八八一号)
未復員者給与法の一部改正に関する請願(苅田
アサノ君外一名紹介)(第八八二号)
公務員の新退職給与制度確立に関する請願(高
橋權六君紹介)(第八八三号)
同月十日
国税減免に関する請願(石原登君紹介)(第九
三七号)
公務員の新退職給与制度確立に関する請願(三
池信君外二名紹介)(第九九四号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
小委員及び小委員長選任に関する件
連合審査会開会要求に関する件
財産税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
一一号)
一般会計の歳出の財源に充てるための資金運用
部特別会計からする繰入金に関する法律案(内
閣提出第一三号)
外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律
案(内閣提出第一六号)
米国対日援助物資等処理特別会計法の一部を改
正する法律案(内閣提出第一七号)
農業共済再保険特別会計における家畜再保険金
の支払財源に充てるための一般会計からする繰
入金に関する法律案(内閣提出第二五号)
国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正
する法律案(内閣提出第二四号)(予)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/0
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001・夏堀源三郎
○夏堀委員長 これより会議を開きます。
議案の審査に入りまする前に、ちよつとお諮りいたします。本委員会におきましては、毎会期議案が輻輳して請願及び陳情書につきましては小委員会を設置して審査を進めて参りましたが、本会期も余すところ少くなりましたので、この際に請願及び陳情書審査小委員会を設置いたしたいと存じますが、この点御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/1
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002・夏堀源三郎
○夏堀委員長 御異議ないようでありますから、請願及び陳情書につきましては、小委員会を設置して審査を進めることにいたします。
なお小委員及び小委員長の選定につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じます。この点も御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/2
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003・夏堀源三郎
○夏堀委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/3
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004・夏堀源三郎
○夏堀委員長 次に、去る九日本委員会に付託されました農業共済再保険特別会計における家畜再保険金の支払財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案、及び同日予備審査のために付託されました国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括議題として、まず政府当局より提案趣旨の説明を聴取いたします。西川政府委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/4
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005・西川甚五郎
○西川政府委員 ただいま議題となりました農業共済再保険特別会計における家畜再保険金の支払財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案外一法律案につきまして、提出の理由を御説明申し上げます。
昭和二十五年度におきましては農業災害補償法に基く家畜共済の対象となつております牛及び馬につきまして、乳牛の結核病及び牛の流行性感冒並びに馬の伝染性貧血が異常に発生し、これが支払い財源といたしまして二億一千三百四十万二千九百円の不足が生じたのであります。
しかして、この支払い財源の不足は、通常予想することができない異常な事故により生じたもので、保険料率の改訂によつて収支の均衡をはかるべき性質のものではなく、また、農業災害補償制度の趣旨にかんがみましても、この支払い財源の不足を一般会計からの繰入金をもつて補填することが、適当と考えた次第であります。
次に国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
現行の国家公務員等の旅費に関する法律に定める外国旅行のための日当、宿泊料、食卓料及び支度料の定額は、全権委員等のように特殊な使命を帯びて旅行する者に対し支給する旅費といたしましては、妥当な額ではないと思われましたので、先般の平和条約締結のための会議に際しまして、同法の規定に基いて、臨時に、政令をもつて全権委員等に対する旅費の定額を一般の場合よりも増額いたしたのであります。
しかしながらかような措置は、最近の国会において法律が改正されるまでの暫定措置でありますので、今国会においてあらためて御審議を願うため、この法律案を提出いたした次第であります。
以上がこの二法律案の提案の理由であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/5
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006・夏堀源三郎
○夏堀委員長 次に一般会計の歳出の財源に充てるための資金運用部特別会計からする繰入金に関する法律案、外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案、及び米国対日援助物資等処理特別会計法の一部を改正する法律案、及び農業共済再保険特別会計における家畜再保険金の支払財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案を議題として質疑を行います。内藤君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/6
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007・内藤友明
○内藤(友)委員 農政局長がお見えでありますから、二、三共済保険の点につきましてお尋ねしたいと思うのであります。
これはこういうふうな法律が出て来るたびごとに、実はお尋ねいたしておるのでありまして、いまさら事新しいことではないのでありますが、とにかくこの農業共済保険は、非常な綿密な計算のもとに立案せられて、そして実施をされておるのでありますが、この施行後今日までのことを考えてみますると、なかなか農業共済というものは、国家財政から見ましても、また農民の負担から見ましても、非常にいろいろな重大な問題が実はあるのであります。もちろんこの問題の内容につきましては、掛金の率の問題もありましようし、また被害程度の査定の上の問題もあろうかと思うのでありますが、これはいつの国会でありましたか、前会やはりこの種の法律が出ましたときに、政府は何かこの制度に対する根本的な考えを、ひとつせなければならぬのではないかというお尋ねをしたときに、それは同感だ、農林省と協力して、何とかひとつ根本的なことを考えてみたいというふうなお答えが、しばしばあつたのであります。そこで今日この制度につきまして、政府はどういうふうにこれをなさるつもりか。いつもこういうふうな赤字が出ると、一般財政に依存して行くという御方針なのか、どういうことなのか。政府のこの制度に対する根本的なお考えを、この際農政局長からお聞きしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/7
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008・東畑四郎
○東畑政府委員 農業共済につきましても、家畜の共済につきましても、毎年非常な赤字が出まして、一般財政に負担をかけておりますことは、まことに申訳ないのでありますが、料率の問題は過去二十年の被害統計等によりまして、将来の予想をいたしておりますために、たまたまある年に異常な災害が起りますと、そこに一般会計の赤字補填を必要とする事態が起るのでありまして、料率そのものは一つの均衡の考えを持ちまして、それに従つた計算をいたしておるのであります。われわれといたしましては、来年初頭におきまして新しい料率改訂等に際しましては、相当過去の実績のほか将来の安全割増し等を考慮いたしまして、料率改訂が合理的に行くように今努力いたしておるのであります。根本的にどういう制度にかえて行くかというお話でありますが、料率改訂は過去の被害統計等をとりますために、ことに最近の被害が非常に多くなつて参りましたために、遺憾ながら料率そのものが非常に高くなつて参つております。料率が高くなりました場合に、国と農民がどういう形でこれを負担するか。農民の経済そのものもだんだん困難を増して参りましたために、そう多く負担をかけ得ないという一つの矛盾が生じで来ておるのでありますが、われわれといたしましては、今の制度を続けますと、なかなかこの矛盾の解決がむずかしいので、ひとつ一筆単位の、各品目別の保険制度を、何か個々の農家単位の保険制度に切りかえて行つてはどうか。農家自体がやはり自分のたんぼなり畑の災害を、ある程度は負担いたしまして、その上を国の保険に持つて行くという、一つの農家単位の保険に切りかえて行く。従いまして料率の改訂の問題、農家負担と国家負担の問題等についても、そこに一つの骨格を描いて行くというような意図を持つておるわけであります。遺憾ながらそういう一つのデータがございませんので、来年度等からはこれを実験的に実施して、その実施の結果が非常によければ、だんだんそれに移行して行くというような考えをもつて、今検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/8
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009・内藤友明
○内藤(友)委員 この制度の根本的な改革のことについてお尋ねしたのでありますけれども、料率の問題を考えておるというのであります。私は料率の問題も大事な問題でありますけれども、そういうことよりももつと根本的なことを、考えてみなければならぬのじやないかと思うのであります。と申しますのは、日本の土地柄でありますが、台湾とか樺太とかいうものはなくなりましたから、昔ほどではございませんけれども、とにかく日本の状態は長くなつておるのでありまして、非常に気象条件、災害条件も地形的な関係から違うのでありますが、じつと見ておりますと、災害の起きる所は大体今日きまつておるのであります。九州の鹿児島、宮崎、熊本あるいは四国の高知であるとか、それから東北、北陸、北海道のように、雪が積つて、非常に条件の悪いとかいう所が、実は非常に災害が多いのであります。従つて私は考え方としまして、そういう所としからざる所と地域的にわけてしまう。そして非常に災害の多い所は、国がそこに対して特別な考えを持つて行き、一般の所は今の制度でよろしい。何かそういうふうな、もつと農業共済事業全体についての日本の農業事情に合うような、何とかもう少し根本的なことを考えて行くべきじやないかと思うのであります。そうしませんと鹿児島、宮崎は非常に災害が多いのでありますが、そこの分も災害のあまりない地方の農家が、やはり引受けて行かなければならぬのでありますから、そうなりますると、やはり災害のあまりない所の者はこういう制度に入らない、こういうことになつて来て、全体として調子が合つて来ないような感じがいたすのであります。そこで政府は、料率の問題もありますけれども、災害の非常に多い所を特別な制度で考えて、そこに対しては国が非常に手厚い考えを持つて行く、こういうふうにならないものかと思うのでありますけれども、それは一つのことで考えてみるというお気持であるのかどうか。ひとつ農政局長の腹案などを、お尋ねしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/9
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010・東畑四郎
○東畑政府委員 ただいまの御質問は実は根本的な問題でございます。われわれ事務当局といたしましては、来年度の改訂等を控えまして、災害の非常に多い県と災害の少いような県とを、制度を別にするという考えはただいまのところ実は持つておりません。ただ過去の被害統計その他等を考えまして、災害の少い県、災害の多い県というものは、料率そのものの問題、運用によりまして合理化して行きたいという考え方を持つております。従来の料率によつてもそういう方面の考慮を加えますると、災害の非常に少い県のいわゆる掛金が高いじやないかという不平も、若干緩和されるのじやないかという範囲内で、実は考えておる次第であります。根本的な考え方は、ただいま申し上げましたような農家単位保険の方に切りかえて行つてはどうかという考え以外は、ただいまのところ持つておらない次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/10
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011・内藤友明
○内藤(友)委員 私のお尋ねしたことについて、今そういうことは考えておらぬというのでありますが、しかしこういうことをよく考えていただかないと、結局この制度は、今料率をかえられましても行き詰まつてしまうと思うのでありまして、ぜひ申し上げましたようなことをお考えいただきたいと思うのであります。そこでこれは大きな問題ではございませんけれども、今日の農業共済の末端の実際の状況を見ておりますると、なかなか法律通り行つておらぬのであります。正直に申しますと、私も少しばかりのたんぼをつくつておりますが、農業共済の金はもらうことになつておるそうでありますけれども、一度ももらつたことはありません。それが、何がしかはよそのところにも流れて行くようでありますが、こういうことはどういうふうに政府なり県が監督しておられますのか。それはあるいは農業協同組合の掛金の方へ流れて行つたり、あるいはそのほかの農事実行組合の費用になつたりするのかも存じませんけれども、各農家個人の負担のかわりでありますから、結局それは農家に入つたことになるのか存じませんが、一番末端がかなりルーズになつておるのではないかと思うのであります。正直に申しますと、これは私が体験しておりますから、よくわかるのであります。
もう一つは査定の問題であります。この査定は連合会の人たちがやつておられるのでありますが、それがなかなかいろいろと含みがあるのであります。連合会の人たちに適当に話をしないと、査定がなかなかうまく行かないというようなことがありまして、どちらかといいますとこの制度というものが、末端に行きますと非常にゆがめられておる形になつておるのでありますが、それについて政府は、現状でいいのか、そういうことにお気づきなのか、気づいておれば、どう改められるのか、そういうことをひとつ、これは実際問題として聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/11
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012・東畑四郎
○東畑政府委員 一番末端の市町村共済組合は、農業災害補償法ができましてまだ五年でありまして、歴史が実は新しい組合であります。従いまして書記その他につきまして、国から補助をいたして充実はしておるのでありますが、今おつしやいましたような事例も、私実は若干聞いております。全般がそういうふうであるとは考えておりませんが、聞いております。掛金そのものが非常に徴収が遅れましたり、事故が起りましても、事故の査定に長くかかつて、支払いが遅れるという事例も相当聞いております。根本は、農家の掛金を徴収いたしまして、災害の場合にこれを補填するという制度でございますので、これの運用その他の監督は、相当厳重にしなければならないということは、十分承知いたしております。損害評価の問題が共済組合の根本でございますのでわれわれといたしましては、まず損害の評価を厳正適正にするということに、来年は力点を置いて参りたい。これは連合会はもちろん、末端の市町村における損害評価の厳正化をはかるという考えをもつて、監督をして参りたいと思いますが、根本的に、組合そのものの経理その他の指導監督という面は、当然実施しなければならない。現在の人員等をやり繰りいたしまして、来年からは、農業協同組合でやつております検査とは実質は違いますけれども、そういう方面にならいまして、何か厳正な経理検査を実施して参りたいと、実は考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/12
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013・内藤友明
○内藤(友)委員 お尋ねしましたのは、町村の農業共済組合のやり方がどうの、こうのという意味じやないのであります。ただ農家へ保険金が渡らぬという事実がある。それはもらうはずになつておるのかもしれませんけれども、それが現実に渡らぬということがよくこの制度に実はありますので、そういうことをどうなさるのか。それはもちろん農業協同組合なり、実行組合の費用に振り向けているのでしよう。決して村の農業共済組合が私せられるのではないと思うのでありますが、そういうことになつて来ますと、この制度というものはうまく行かないのでないか。一ぺん渡すものを渡して、それから、こういうことなんだからといつて、もらうものはもらうということがよいと私は思うのでありますけれども、そこが非常にルーズになつているということが現実にあります。それらのことをひとつよく御監督いただきたいと思うのであります。
それからこの二億一千三百四十万という金は不足金でありますが、この数字の根本になる何か資料があるのですか。と申しますのは、二十五年度において乳牛の結核病にかかつたものは何頭、流行性感冒にかかつたものはどれだけという資料が出ているのですか、出ておらぬのですか。はつきりした数字が二億一千万と出ておりますから、その基礎をひとつお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/13
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014・鵜川益男
○鵜川説明員 実は昭和二十五年の今度お願いしております家畜共済の事故の発生歩合は異常でございますので、特に一般会計から補填方をお願いしておるのでございます。すなわちいろいろ病気がございますが、ここでお願いしておりますのは、乳牛の結核、それから牛の流行性感冒、それから馬の伝染性貧血症、この三つに限つております。当初二十五年度において予想されました事故頭数というものは、乳牛の結核につきまして十一頭、牛の流行性感冒について七十七頭、馬の伝染性貧血につきまして八百八十二頭、この程度に予想いたしておりました。それに対しまして実際の実績といたしましては、乳牛の結核につきまして三百五十九頭、すなわち三二・六倍、牛の流行性感冒、これは実績は七千百三十六頭、予想に対しまして九二・六倍、それから馬の伝染性貧血症、これは実績は七千四百三十八頭でありまして、予想頭数の八・四倍に上つております。家畜共済は、御承知の通りに歩合保険の形をとつて、政府特別会計が再保険の制度をしいておりますが、再保険の要支払額というものが、当初の予定よりも非常にふえたわけであります。要支払額といたしましては二億二千七百五十八万二千六百円、かようになりましたので、通常予想いたしておりました当初の再保険の要支払額千四百十七万九千七百円、これを超過いたしました金額二億一千三百四十万二千九百円、これだけの超過金額の相当分をば再補填をお願いいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/14
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015・内藤友明
○内藤(友)委員 もう一つ保険課長にお願いしたいのですが、この前私どもが国会で承認いたしました各県連合会の事業不足金十九億でありましたか、あのときに——あのあとであつたかと思いますが、何か政府でこの処置について、ことに将来の制度の改正について申合せのようなものをせられたと思うのであります。そういう資料がありましたら、あとでけつこうでありますから、いただきたいと思います発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/15
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016・鵜川益男
○鵜川説明員 簡単にお答え申し上げます。今年の三月二十三日に閣議決定をいたしておりますので、御要望によりまして提出いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/16
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017・奧村又十郎
○奧村委員 内藤委員の質問に関連してお尋ねいたしますが、この乳牛の結核、それから牛の流行性感冒、馬の伝染性貧血、これが異常な事故と言われる。そうすると異常でない事故、つまり要支払額で補填できる事故というのはどういうことなんですか。結核病だとか流行性感冒というのは、通常毎年起るはずです。これが異常であつて、異常でない普通の保険の病気というのはどういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/17
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018・東畑四郎
○東畑政府委員 馬の伝貧でありますとか、牛の流行性感冒等におきましても、過去において若干出ておりますけれども、それが二十五年度のように非常にたくさん出たことはまれなのであります。そういう場合におきましては、こういうものは通常の被害として法律の中に織り込んでおります。それが今鵜川保険課長の言われました要支払額であつたのであります。二十四年、二十五年はこの通常出るべき病気以上に非常に流行いたしました。このためにこれを異常といたしまして考えております。要するに被害率統計の問題だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/18
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019・奧村又十郎
○奧村委員 そうすると要するに病気の種類でなしに、被害がよけいに出過ぎた。これをもう一度言いかえるならば、被害の見積りが今年は特に過小であつた。ところがその御説明によりますと、最初の要支払額の見積りが千四百万円であつた。そうしてその異常の災害が二億何千万円、そうすると年々の見積りというものは、異常に過小に見ておつたということになるのですが、そこで異常の事故として補填するのは今年初めてであるか、今までもこういうことがあつたのか、その点をお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/19
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020・鵜川益男
○鵜川説明員 御説明申し上げます。家畜共済と申しますか、家畜保険は昭和四年度以来法律によつて施行しております。昭和五年以降の過去の危険率、これの年々の実績がちやんとございまして、従来は改訂の期間が四年ごとでございますが、赤字がありましても、農作と違いますので、この危険率でもつて事業としては大体順当に進めて参つたのであります。ところがそれでもつて現行の——今年の六月に改訂いたしましたが、ちようど二十五年度までの四箇年の料率をやつて参りましたところが、終戦後のああいつた家畜の衛生思想の貧困と申しますか、そのほかいろいろな事情が加重されまして、先ほど申しましたような非常な倍率の危険率が発生いたしました。そこでちようど改訂期間にも当つておりましたので、昭和二十六年度の六月一日から新しい料率を適用いたしております。
もう一つの御質問の、今までにかような措置をとつたか、異常な扱いをしたかという点は、今度が初めてでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/20
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021・奧村又十郎
○奧村委員 しかしこの提出理由の説明によりますと、かような「異常な事故により生じたもので、保険料率の改訂によつて収支の均衡をはかるべき性質のものではなく、」こうしてある。この点がどうもおかしいと思う。普通流行性感冒あるいは結核病という毎年起ると予想されるこういう災害は、当然保険料率の改訂によつて収支均衡をはかるべきである。また今の御説明によると、保険料率の改訂もなさつた、こういうようなことであるが、この説明を読むとどうもおかしく響くのでありますが、その点の御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/21
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022・東畑四郎
○東畑政府委員 保険料率はいつも過去の被害統計を基礎にして、料率改訂をいたすのであります。今までの被害統計から参りますと、こう多くの被害統計にならなかつたものでありまして、それで料率がふえて参りまして、その結果非常な事故が起りましたために赤字が出たのであります。料率改訂は今後将来にわたる問題であります。将来における事故等におきましては、過去の被害統計をしんしやくいたしまして、合理的な料率改訂をいたすのでありますが、これは二十四年、二十五年は過去の低い被害統計を基礎にした統計料率であつたために、そこでやむなく赤字が発生したのであります。それでそれを補填したというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/22
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023・奧村又十郎
○奧村委員 それなら「保険料率の改訂によつて収支の均衡をはかるべき性質のものではなく、」というこの説明は省いて、将来に向つては保険料率の改訂によつて収支の均衡をはかるのであるが、今回においては特にごの赤字は一般会計から繰入れる、こういうふうな説明になさるべきであると思うのですが、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/23
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024・東畑四郎
○東畑政府委員 若干説明が足りなかつたのでありますが、本年の六月にやりました改訂につきましては、二十三年、四年、五年の被害統計等が実ははつきりしなかつたのであります。二十六年の家畜の料率改訂につきまして、この異常分は料率改訂に織り込んでいないのでございます。従つてこの異常のものにつきましては、新しい改訂につきましても料率を上げる、なおかつ負担を多くするという改訂をいたしておらないのであります。従いまして提案理由の説明には織り込んでいないということになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/24
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025・奧村又十郎
○奧村委員 どうもそうなると保険料率のきめ方に問題があると思いますが、同僚委員からの質疑がありますので、私はこれで終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/25
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026・西村直己
○西村(直)委員 農政局長がおいでになつておりますので、あるいは家畜災害の問題より少しはずれるかもしれませんが、当面切実な問題でありますので、農業災害の問題について伺います。
私は静岡県の出身でございまして、今回のルース台風で西部で非常な被害が起つたと同時に、ルース台風の関係から全国的に気圧が変化したために、相当の県で例のうんかの大量発生による予想外の災害が事実上進行しておる。この現状に対しまして、農政局長としてどういうふうな対策をお考えになつておられるか。たとえば農業災害の共済の点とかあるいは農村金融の点とか、こういう点について一、二御意見を承つておきたいと思います。もちろんこれにつきましては、実情はお耳に達しておると思いますけれども、同時に私大蔵委員会の一員としまして、大蔵委員の各位のお耳にも入れたいのでありますが、私どもの県で申しますと、大体百三十万石の生産県でありますが、約三十九万石の減収状況になつておるのであります。それは急に秋うんかが大量的に発生して現在進行しております。実は私は寝食を忘れて、委員会の方をお手伝いしないで、飛んで歩いておる実情でありますが、昨日もある県の穀倉地帯で六千人の農民がむしろ旗を立てて、あるいは減税の要求あるいは共済組合の共済金の即時前渡しをしてくれ、あるいは保有米の確保の問題であるとか、あるいは現在の農家の状況から見た来年度における営農資金の問題、従つてこれに対する救済土木事業、こういうふうな各般の問題が起つて来るわけでありますが、実はもちろん国の財政から縛られておる限度がありまして、共済組合連合会全体としても金がない。そうなりますれば、もし農政局の方で御意見がありますれば、われわれ国会議員としても同時にルース台風の第二次補正の線と合せて、こういう災害を救つて行かなければ、現実の農村の災害は救われないではないかという状況に立つておりますから、これら全般に関しまして農政局長はどの程度に聞いておられるか。同時に特に農業共済保険金の問題がここに出ておりますから、それに対する金がない。しかしそれではどうやつて——共済制度を普通の予算によつて次年度でもつてゆつくり出して行くのか。それともあなた方の方のお立場とすればできるだけ二次補正でこういう問題を解決してもらつて、同時に先払いをして、一時その利子を国庫で補給して行くとか、こういうような方法をお考えになられるのか。それともあるいは、これはただ地方にまかしておけば何とか解決するだろうというようなお考えであるか。私の県のみならず、長崎、熊本、山口の一部も、虫害の予想外の被害が起きている。私どもの県だけで実は防除薬を三億くらい使つおります。これは何ら得にならない。損の出費でございます。しかも最近の傾向を見ますと、最初は有効な薬を売り込むようでありますが、被害が発生するに従いまして、中途からかなり悪質な薬を売り込んでいるのではないか。ちようどわれわれが料理屋で酒をいただくと、最初は清酒のいいのをいただけるのでありますが、酔つて来ると合成酒が入つて来る。それと同じように、やや農民がごまかされているのではないかという不安を持つたくらいでありますが、これら全般の問題につきまして農政局長の御意見を伺つて、あわせて、私は一国会議員でありますが、同僚諸君を説いて、全国的であり、また私どものひどい災害をぜひ救済していただきたいということで、ちよつとこの席を拝借しまして、当面切実な問題でありますので御意見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/26
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027・東畑四郎
○東畑政府委員 本年静岡のみならず、九州、中国、四国等におきまして、うんかが異常発生をいたしまして、非常な災害を起しておりますこと自体はよく承知いたしております。これに対しまして現在植物防疫法に基く制度があるのでありますが、遺憾ながらこの法律は本年通過いたしました法律でございますので、植物防疫法に基きますそういう異常事故に際しての農薬の備蓄等をやる制度は、来年から発動いたすはずであります。本年は政府といたしましてもそういう備蓄等で農家にすぐこれを交付するというような制度がありましても、実施できないのであります。まことに遺憾に考えておるのでありますが、来年からはそういう制度の運用で、こういう場合の応急の解決ができるのじやないか。本年度の問題につきましては、われわれといたしまして、うんか等の防除に関する農薬補助金というものを若干実は持つておつたのでありますが、こういうものはすでに使い切つておりますために、至急の場に間に合わないのであります。われわれといたしましては、各県等の被害その他を集計いたしまして、大蔵省と目下事務的に折衝いたしまして、実はある程度の目鼻がついておる次第であります。やがてこの問題は解決するだろうと思いますが、根本的に、災害が起りました場合に、全部これを国で負担するということは、実はなかなか困難な問題でありまして、農業災害補償法等におきましても、災害をある程度防除していただくことは農家自身の、善良な管理者の注意義務だというような意味もございまして、ある程度の負担はやむを得ないのじやないか。これ以上のことにつきましては、政府は財政の許す限りできるだけ努力をいたして参り、解決をはかりつつあります。また解決し得るものと確信をいたしておるのであります。ただ農協その他が薬等を買いまして、立てかえておるという例等も相当ある。こういう根本の災害にからみまして、いろいろな物を買つたりあるいは一時金を立てかえたりすること等につきましては、何か根本的な災害救済の制度を考えませんと解決いたさないのであります。これは目下農林省内部において成案を得るべく努力いたしておりますが、まだ大蔵省と交渉する段階までは、実は行つておりませんことを遺憾に存じます。そういう点、特に病虫害等の問題につきましては、至急解決をはかりたいと考えております。
共済問題につきましては、異常事故であります場合については、われわれといたしまして特別会計の責任になつております。責任の問題につきましては、ただいま二十五億円という基金制度が通りましたために、従来のように支払いが遅れるということはないのでございます。特別会計そのものが赤字が出ましても、二十五億円の基金を持つておりますから、その運用によりまして、連合会等からの要求がありました場合は、支払いはできるのでありますが、ただ連合会における集計その他1が遅れますと、事務的に若干遅れて来るという欠陷がございます。異常の事故でない場合におきましては連合会自体の負担になる。その場合におきまして、連合会等が共済掛金が入らない等の事情があつて、金の支払いがむずかしいというような場合におきましては、掛金徴収以外におきましても、中金その他から借入金をいたしましてやる以外に方法はない。静岡県そのものが異常事故等になりました場合においては、政府特別会計から責任をもつてこれを支払い得る財源はございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/27
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028・西村直己
○西村(直)委員 御認識をいただく意味でそれはありがたいのでありますが、問題は当面切実の問題なのです。そこで、御方針はよくわかるのですが、当面、税の問題もありましようし、その他金融の問題もありますが、農業共済保険金の即時支払いが実際できますか。二十五億円の基金を動かしてできますか。国会の答弁だけでなく、現にやつていただかぬと、百姓は一箇所だけで六千人も集まつて騒いでいるのです。要するにその二十五億円なら二十五億円から即時支払いができるかどうか。私のきようの御質問は国会の単なる受渡しではない。もしできないなら私は個人の政治力を出して予算をふやすのだから、そのつもりであなたも受渡しの答弁では困る。金がないならないでいのです。私が大蔵省へかけ合つてやります。そのくらいの気持でおります。とにかくいいかげんな返事をもらつて帰ると、うそをつくことになつて騒動を大きくしてしまいます。だから農政局長が、二十五億の基金があるから、即時支払いを共済連を通してやれるのだということになれば、それだけでも国庫の負担は軽くなるわけです。できないならば一時どこかで立てかえて、利子補給して行くというような方法を立てなければならぬ。だからあなたのあげ足をとるわけじやない。きようは平素と違いますからそのつもりで御答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/28
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029・東畑四郎
○東畑政府委員 即時金を払うという場合に、概算払いの制度と、事故がはつきりいたしましてから払う場合とあります。概算払いの制度となりますと、その県全体が異常事故であつて、しかも九割以上の災害があるたんぼということになりまして、それに的確にはまるかどうかということが問題になると思います。県全体が異常事故であつて、災害をはつきり確認いたした場合におきましては、われわれはただいまのところ二十五億円の基金があれば、これを払うことは可能であるというように本年度は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/29
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030・西村直己
○西村(直)委員 問題を限定して、共済金でも九割の災害の面もありましよう。五割も三割もいろいろありましよう。虫害のものは御存じの通り補償の範囲が小さいわけです。ですからこれだけでは救われない点がありますから、問題はここで論議しておつてもいけませんので、どうかこの点について、もしあなた方としてやれない点があれば、むしろ積極的に国会をお使いいただきたい。単に金がないから困るのだ、将来はこういう方針で進むのだと、東畑さんはりつぱな御説明をお持ちになつておられるのですが、現実の災害をどうするかという問題になると金の問題であり、現実に手をどう打つて行くかということで、時間的にも急ぐ問題であります。後の機会でけつこうでありますから、その点から問題をなるたけ農政局全般として——もちろん食糧管理庁の方との関連もありますが、お取上げ願いたいということでお願いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/30
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031・佐久間徹
○佐久間委員 この前質問を一つ落しましたが、米国対日援助物資の法案につきまして、一点だけ御質問いたしたいと思います。軍の払下げ物資を払い下げるときの方法といいますか、払下げの機構について概略の御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/31
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032・羽柴忠雄
○羽柴説明員 お答え申し上げます。この払下げ物資につきましては二つの方法がございます。一つは競争入札で一つは随意契約であります。いかなる場合に随意契約をやるか、それからまたいかなる場合に競争入札を行うかということは、会計法並びに予算決算及び会計例に詳しく説明がありますから、その説明は省略いたします。原則は一般競争入札ということになつております。それで具体的には、臨時通商業務局で公示をいたしまして、通産省広報にこれを載せます。そして必要によつては産業経済なり日本経済なりにこれを掲載いたしまして、そして一般競争を行う。これについては全然資格はいりません。ただその場合に保証金を必ず納めていただくということになつておるわけでございます。それで一般的に公開いたしまして、それが予定価格に達します場合にはお引取りを願うということになつております。それから次の方法は随意契約でありまするが、これはどうしても公告をするひまがないとか、あるいは一括してたくさんのものを払い下げるといつたような特殊の場合、これは全部法律に規定してございますが、そういつたような場合につきましては、これを特別な者に払い下げるわけでございます。それからまた特に総司令部あたりから割当の指示があるといつたような場合につきましても、やはりそういつたような払下げ方式をとつておるわけです。大体以上のように競争入札方式とそれから随意契約方式と、この二つを併用して行つておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/32
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033・高田富之
○高田(富)委員 従来通産省は円でもつて一手に引受けて払い下げておると聞いております。それが最近方法がかわりましてドルで支払う必要を生ずるようになつて、外貨の割当などの問題から、相当入札なんかの場合にしましても、外貨の方で不足を来すというような問題があつて、従つて価格の問題もそういう点から相当折衝して、安くしないことには払下げを受けることもできないというふうな、何か非常にむずかしい問題が生じておるようにも聞いておるのですが、そういうふうなことをどういうふうに考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/33
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034・羽柴忠雄
○羽柴説明員 従来の払下げ方式は、私が説明いたしましたように、円で全部払下げを行つておつたのでございます。ところが御承知の通りに、米国対日援助というものが一九五一年度をもつて打切られることに相なりまして、ことしの七月以後は米国の予算がないわけでございます。従つて今までは通産省が一手に引受けまして、払下げを行つておりました。その前は公団が行つておつたのでございますが、そういつたような払下げ方式は、一応若干の時期的なずれはございますけれども、今後は打切られるわけでございます。従つて援助のみならずその払下げ物資につきましても、従来のガリオア資金から出しますところの払下げ方式、これは一応私がさきに説明したような方式でございますが、これで終止符を打たれまして、今後新たに発生いたします問題は、たとえば車両払下げでございますが、新しく通商局でもつて外貨の割当を行いまして、それによつて直接司令部の方から通産省の業務局を通じまして、直接ドルで売却いたします。それを向うの方に払い込む、こういつたような形にかわつたわけでございます。従いましてこれは対日援助の打切りに伴いまして、そういうように変貌が行われたわけでございますが、今回の法律案につきましては、従来の払下げ物資について出しておるのでございまして、今後新たに行われますものは、これは含まれておりませんから、さよう御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/34
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035・高田富之
○高田(富)委員 もう一つお伺いしておきたいのですが、今までに警察予備隊の使つておるいろいろな装備その他の必要な物資を、進駐軍の払下げという形式で受けたものが相当あるんじやないかと思いますが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/35
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036・羽柴忠雄
○羽柴説明員 これは警察予備隊と限定いたしておりませんけれども、たとえば衣料にしましても、特別に衣類配給を行つたという場合はいろいろございます。しかしこれはできるだけ全般的に行きわたりますように配給をいたしたわけでございまして、特に警察予備隊以外にも、鉄道の従業員であるとか、そういつたところへも渡したわけでございます。従来は警察予備隊、鉄道あるいはそのほかのものにも全般的に私の方がやつておつたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/36
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037・高田富之
○高田(富)委員 いろいろな武器や何か貸してもらつておる。これは法務総裁の答弁だつたと思いますが、向うから借りておるのだということでありまして、何かちよつとあいまいな点もあります。今後そういう方面の援助もいろいろな形で相当多量のものがあるだろうと思うのですが、これはどういう方式で行われているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/37
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038・羽柴忠雄
○羽柴説明員 従来武器を借りておつたかどうかという問題につきましては、これは通産省としては全然タッチしておらなかつたのでありまして、従来の援助物資特別会計というものとは何らの関係はないわけでありまして、これはほかの方法であると思いますが、将来におきましても、通産省が援助物資特別会計を使いまして、武器の貸与を受けるあるいは払下げを受けるということはないものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/38
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039・大上司
○大上委員 農業共済再保険ですか、この提案せられたものについて二、三お尋ねいたしたいと思います。なるべくまとめて申します。
内藤並びに奥村両委員からお話が出ておりましたので、特に私もいわゆる災害の偶発性ということは大体予期できないということ、支払いの保険料は事情によつて一定しておらぬということも一応了解するのですけれども、この法案の提案理由にも出ておりますように、当初予算一千四百万円余にさらに二億一千万円余を予算に入れなければ、これの補填ができないということは、少し当局が予算を見積られる場合に粗雑であつたのではなかろうか、この点をお尋ねしたいと思います。保険料を補填する場合に、特に牛の場合馬の場合に、これを補填していただいて、牛馬の時価に合致したところの保険料で、農民がなけなしの金をさらにはたいて、新しく牛馬を求めるということについての差額、大体牛馬が今時価どのくらいしておつて保険料がどれだけいただけるのか。これをひとつお尋ねしたい。
その次にこれに関係あるところの獣医師の——これは畜産局長の所管で、農政局長は関係ないかとも思われるのですが、この獣医師の各村の配置をどうなさつておられるか。この提案理由にもあるように、異常な事故というものはどういうふうにおとりなさつておられるのか。そういうふうな計画があるのかないのか。または待遇をどうしておられるのか。これをお尋ねいたします。
最後に牛の流行性感冒について、私現地に実際行つて来たのですけれども、中産階級の相当の農村でありましたが、ちようど子牛が生れておつた。ところがほかにかくまつてやるお金もなければ場所もないというので、流感にかかつている親牛のところに生後十日ほどの牛を置いておる。ところがたまたま獣医さんが出て来て、のどが通らぬから横に穴をあけて、何か知らぬが栄養物を入れておりました。小牛はこれで助かるかと言うと、獣医さんも、さあわからぬ。ひよつとしたら伝染するかもしれない。そこで私は、たとえば、村なら村あるいは郡でもいい。小牛の場合はそういう例もないと思うけれども、どこか隔離するような制度があるのじやないかと言うと、そういう制度は現在はない。このように言つておられましたが、そこで農政方面についてこういうふうなささいな問題ではありますけれども、こういうふうな異常な事故についての将来何か特別な対策があるはずだから、その対策の一端を承りたい。この三点に要約したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/39
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040・東畑四郎
○東畑政府委員 異常事故の予算の見積りが、非常にずさんであつたのではないかという第一の御質問でございますが、先ほど保険課長が申し上げましたように、従来の被害率統計をとりますと、乳牛の結核とか流行性感冒等は一・二%程度、馬の伝貧が三・二%程度であるというのが、昭和五年から二十三年までの平均の率であります。そういうものを一応見積つておつたところが、二十三年、二十四年、二十五年、こういう激発的な結核、流感、伝貧等が発生したために、われわれの見積りの三十倍であるとかあるいは九十何倍であるというような被害を生じたのであります。過去の被害、終戦後のいろいろな異常事態というもの等が、あまりにもはなはだしかつたこと等につきましては、まことに申訳なく、こういう結果になりましたことを御了承願いたいと思うのであります。
それから第二の御質問でありました牛馬の保険金額、共済金額がどれくらいになつておるか、一応われわれとしましては、牛馬とも二万円程度に実は押えまして、考えておる次第でございます。
それから獣医師等の問題につきましては、実は私の所管でございませんので、答弁しにくいのでございますが、無獣医村等につきましては、約千五百箇所ばかりの共済組合等の診療所を設置いたしまして、無獣医村の場合における事故防止等に努力いたしておるのであります。これは一般の開業獣医師等との振合いがございまして、われわれといたしましても、これをだんだん拡充するつもりは実は現在のところございません。無獣医村等を主といたしまして、この診療所を整備して行くという方針で、畜産局とも了解をして充実いたしておるのでございます。千五百箇所の診療所等が活動をいたしまして、一般の開業獣医さんとここに総合的な活動をいたしますれば、こういう異常事故等につきましても、もつと敏活な活動ができるのではないかというふうに実は考えております。、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/40
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041・小山長規
○小山委員 農政局長にお伺いしますが、私先ほど内藤君の質問中に参りましたので、あるいはダブるのかもしれませんが、その点お含みおきを願いたい。途中で片耳にいたしましたので、あるいは私の質問は的をはずれておるのかもしれませんが、さつき内藤委員に対する答弁を片耳で聞きますと、今後の農業災害保険は、方針としては農家自体の保険ということで持つて行きたいというふうに、お答えになつたように記憶いたしておる。ということは、つまり災害を受けるところの農家は、自分たちの危険負担において、料率を適当に持つて行くべきであるというふうなお考えのようで、もしそうだとすると、私は宮崎県でありますが、宮崎県のように毎年々々災害がきまつて来る。そうして一年に五回も六回も台風の被害を受けるのであります。植付時に受けたかと思うと、今度は穗の出るときに受ける。あるいは今まさに実らんとするときに受ける。あるいは実つてからまた吹き倒される。こういうふうに再々受けるのでありますが、そういう農家は、危険度の高いところは高いところなりに、保険料率を負担しなければならぬということがあつたならば、宮崎県の農民はもう保険金だけで収入の大部分を食われてしまう、こういう形になりかねないのであります。そういうふうにお考えになつておつしやつたのか、まずその点から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/41
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042・東畑四郎
○東畑政府委員 被害が非常に多くなりますと結局料率が上り、料率が上りますと国庫負担もふえますが、農家負担もふえる。農家負担がふえますということ自体は、農家としても非常に困る点でありますが、災害は自然事故でありまして、これはやむを得ない。そこにどうしても保険災害制度の矛盾が出て来るのであります。そこでわれわれの方といたしましては、一筆単位保険というものが、米の供出その他等から、だんだんと農家が自分の一家でどのくらい米がとれるかというように、毎筆的な観念から、農家全体のその農家の基準収量という観念に、だんだんかわりつつあるのであります。そういうかわりつつある形をとらえまして、料率の問題その他を考えますと、料率そのものももう少し低くなるし、農家負担も低くなる。もちろんそれによつて災害が起つたときに、農家自体の完全な填補もできるのじやないか。現在は実は米価の半分より保険金をかけておらないので、そういう農家になるたけ完全に災害が起つたときに填補するというのが、保険の理想でありまして、これを料率を限つて、農家負担をそう多くふやさないで切りかえるというのは、やはり農家自体の保険にした方がより合理的ではないかと、これは計算の問題でありますが、そう考えまして準備をいたしておるのであります。保険でありますので、ある程度の実験統計というものが必要であります。来年度からは実験的に実施して行つてその方がより農民のためであるし、国庫財政の負担も少いということであれば、これに切りかえて行つたらどうかという考え方を申し述べたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/42
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043・小山長規
○小山委員 そういたしますとこういうことでありますか。つまり自分の田は大体過去における平均が二石なら二石とれる、あるいは二石五斗なら二石五斗とれるという前提のもとにおいて、めいめいが違つた単位でもつて保険を申し込むのである、そういうふうな形をとられるのであろうと思うのであります。ところが農家が普通の商売人のように相当収益率の高いものであるならば、その考え方はいいかもしれぬ。しかし農家の収入というものは非常に限られておる。また米はすべての生産の原動力でありますから、国家的な立場からいつてもそう高くするわけには行かない。そういうことを考えると、農家というものは国家的に考えて行く場合に、一つのこのような零細化された農家のことを考えてみますと、社会保障の対象になるというふうな農家じやないのかを、われわれは始終そう考えるのでありますが、そういう場合にはただ過去において痛めつけられて来たところの農家は、低い保険金を申し込み、何ら災害をこうむらぬような農家は高い保険金を申し込んで、たまたま災害を受けた場合には高い保険金が来る。始終災害を受けておるところは収入が少いのであるから、従つて保険もそれだけ少くなる。こういうふうな政策をとつて行くと、宮崎県のような毎年々々災害を受けておるような農家は、保険は高い保険をつけようとしても許さないというふうなことになつて来たならば、しまいには保険金額というものはなくなつてしまうのではないか。極端に言うとそういうことになると思うのでありますが、そういう考え方ははたしていいのでありますかどうか。確信のほどをお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/43
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044・東畑四郎
○東畑政府委員 それはその農家の基準収量をどう見るかというのが問題だと思いますが、基準収量のとり方等につきましては、従来の考え方をあまりかえたくない。やはり毎筆単位の上に重なつた農家別の基準収量として考えるということを考えております。災害で非常に収穫が少くなつたものなんかは、これは基準数量としてはあまり影響がないのじやないか。もちろんその土地そのものの生産力が非常に低い。しかしこれはやはり基準収量が低いために、保険金そのものが低くなるということはあり得ても、宮崎県のような場合も、その地帯によりましてかわつて来ると思う。宮崎県にたびたび災害があつたがゆえに、基準収量そのものが非常に低くなつて、保険金額の対象にならないようになるとは、実は考えておらないのではありまして、この間の調整をうまくやれば、今の制度よりはもつと農民のためになるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/44
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045・小山長規
○小山委員 専門家のおつしやることでありますから、農民のためになるというふうにお考えになつたのであろうと思いますので、その基準数量のとり方というようなところは、よほどお考え願いた。
それからもう一つは、さつき西村委員のお話にもあつたのでありますが、われわれの方にも非常にうんかが発生しておる。そのうんかを防止するのに十分な予防薬を入れたところは、幸いにして助かつた。予防薬を入れる力のなかつたところは、助からなかつたという事例もあるのでありますし、それからまた十分な対策を講ずれば、これほどのうんかの被害をこうむらないで済んだのではないかと思われる。ところがそれをやらなかつたために、それだけの被害をこうむつたいろいろな事例があるのでありますが、これに対してはどういうふうに今後の運営方針をお考えになつておるか。つまり予防を一生懸命やつたものに対しては、それだけの労力と申しますか、それだけの費用を見てやるという方針で臨まれるのか。予防するのには農民が自分たちでやることであつて、政府の見るべきことじやないというふうに考えられるのか。そこをひとつお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/45
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046・東畑四郎
○東畑政府委員 被害が起りましてからの結果につきまして、政府が何らかの補助をすると同時に、自己防止等につきましても、これはもちろん必要であります。その場合における農薬等の手当等につきまして、従来制度がなかつたのであります。来年度からは政府が補助をいたしまして、ある程度の備蓄をいたしまして、発生予察と申しますか、そういううんか等の発生が起るという危険信号が出た府県等につきましては、われわれの方からよく注意いたしまして、同時にこれの必要な農薬を国自身が府県に流して、それと同時に府県に二分の一の国庫補助を交付するというような制度にいたしたいというので、来年度予算等で、特別防疫法に基く請求をいたしておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/46
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047・小山長規
○小山委員 その場合に費された費用、危険信号が出た場合とおつしやいますが、うんかなどというものは、一番先にまず出て来なければ危険信号が出ないのでありますからして、その場合どの程度まで蔓延して行くかということは、時日がたつてみなければわからない。そこでいろいろ問題が起りましようが、そのうんかが発生した場合に、最初に撲滅して行けば、案外うんかの蔓延するのも防げる場合もありましようし、そういうことを考えますと、うんかの発生を押えるために使つた場合の農薬等の費用、そういうのは保険の対象か、あるいはその他の対象にならぬものでありますか、どうでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/47
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048・東畑四郎
○東畑政府委員 ただいまのところそういう薬代は、保険の対象にしていないのであります。そういうものにつきましては、実は一回分の手当等につきまして、国が補助をするということになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/48
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049・佐久間徹
○佐久間委員 今までいろいろ御質問を拝聴しておるのでございますが、どうも共済保険の根本がよくわれわれには理解できないでおりますので、出し抜けに二億一千万円何がしかの金を出せ、それは保険料でまかなう性質のものではないのだというようなわけでございますが、それについて何かやはりこうしなければならぬことになつた今までの経緯、あるいはまた資料等を出して説明していただけば、おそらく納得するのじやないか、こう思われるのであります。しかし何のよりどころもございませんので、質問のやりとりがいろいろ暗中模索をしておるというぐあいになつております。これははなはだどうも遺憾に思うのでありまして、多少根本にさかのぼりまして質問をしてみたい、こう私は思うのであります。年間の保険料は一体どのくらい上つておるのですか。それからそれに対して損害率をどのくらい見ておるのか。あるいはまた必要経費をどのくらい見ておるのか。これをひとつ知らしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/49
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050・鵜川益男
○鵜川説明員 二十四年度の家畜共済の実績の数字を、簡単に申し上げたいと思います。なお冒頭にお断りしておきたいと思いますが、先ほど御要望もございましたように、今度の三つの病気の過去の実績からして異常であつた数字の資料は、整えましてお出しいたしたいと思います。
二十四年度を申し上げますと、家畜共済は、大まかに申しまして三つの種類にわかれております。死んだり役に立たなくなつた死亡廃用共済と、それから病気なり、けがをしました疾病傷害共済、それから胎児を持ちました場合の生産共済、この三つにわかれておるわけでございます。それで共済掛金の総額をまず申し上げます。牛の死亡廃用の合計でございますが、二億一千九十七万一千二百四十二円六十一銭でございます。同じく死亡廃用のうちの馬の合計でございますが、一億五千六百九十六万九千百五十六円六十銭でございます。そのほかやぎ、めん羊、種豚等を入れまして、死亡廃用の全部の合計が三億八千七百七十万一千五百三十六円五十六銭になつております。それから疾病傷害共済の合計額を簡単に申し上げますと、五千七百十万二千八百八円十九銭になつております。それから生産共済の合計額も牛馬とございますが、合計額だけ申し上げますと七百三十九万二千六百五十六円九十五銭になつております。以上の総計を申し上げますと四億五千二百十九万七千一円七十銭、かような金額が共済掛金の総額になつております。その掛金からいたしまして、御承知の通り保険をかけ、国に再保険ということで保険料、再保険料、こう出て参りますので、総額で一応申し上げました次第であります。大体これは一年ごとに更改して参つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/50
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051・佐久間徹
○佐久間委員 一箇年の共済掛金が大体四億五千万と承知いたしましたが、それに対して政府の再保険料は幾らですか。合計でいいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/51
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052・鵜川益男
○鵜川説明員 お答え申し上げます。総額だけを申し上げますと、二億五千九百五十七万七千二百十五円四十五銭になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/52
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053・佐久間徹
○佐久間委員 そうすると約半分が政府再保険になるわけですね。それに対する損害率は、一体今まではどれくらいなパーセンテージを見ておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/53
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054・鵜川益男
○鵜川説明員 ちよつとこれは率がいろいろございますが、簡単に申し上げたいと思います。死亡廃用共済の掛金率の、つまり保険の料率に当るわけですが、平均金額を二十三、二十四年度の場合で申し上げますと、牛が一・一四六%、馬が一・八〇〇%、やぎが五・八〇〇%、めん羊が六・八〇〇%、種豚が六・三〇〇%、今のが死亡廃用共済の平均でございます。疾病障害共済の平均を申し上げますと、牛が一〇%、馬が二八%、やぎが二九%、めん羊が三四%、種豚が三一%、それから生産共済の平均を申し上げますと、牛が七・五%、馬が一二%、これは大まかな平均でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/54
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055・淺香忠雄
○淺香委員 議事進行について……。各委員からの質問に対して親切に答弁しておられますけれども、こういう提案の理由の裏には、もう少しあなた方の方で資料を最初にお配りになつて、そうしてそれに基いての質問応答でなくては非常に時間がかかつて、前質問者の言われるように非常に猜疑心を持ちますから、こういう点は今後注意をしていただきたいと思います。
それから議事進行に名をかたつて、質問してはなはだ恐縮ですが、ただ一点だけ伺います。最初に内藤委員から質問がありましたが、保険金が末端の農家の手に渡つていないような地区がある。途中組合などでそこがどうなつているのか、疑心を持たざるを得ないという場合が往々にしてある。ですから、みずから自分の体験をしているというその質問に対して、明確なお答えがなかつたように思われるのです。その辺をひとつ局長または鵜川さんからでも、いま少しく明確にお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/55
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056・東畑四郎
○東畑政府委員 事故が起りましたときに、保険金の支払いが農家の手に届かないという場合に、いろいろ原因はあると思います。一つは、従来政府特別会計が非常に赤字が出たために、事故が起つてその金額を払うのに非常に遅延をいたしました。ことに家畜等におきましては非常な赤字があつたために、支払いを遅延いたしました。水稻等におきましても、金銭がなかつたために、また赤字補填が遅れたために、農家に対して現実に金が来ないじやないかという場合があり得たかと思いますが、それは政府自身の会計がはなはだ不手ぎわであつたための原因であつたと思います。政府なり連合会が単位共済組合に金を支払つて、なおかつそれが農家の手に入らないという場合は、これはわれわれとしてははなはだ遺憾なことだ。その場合に、あるいは協同組合の出資金にこれが充てられたり、あるいは貯金に振りかえられたり、そういうことについては、私は実は個々の事例はよく存じませんが、連合会等から共済金が支払われたにかかわらず、農民の知らぬ間にこれがどつかに流用されたということは、これははなはだ遺憾な点でありまして、われわれとしてはそういう具体的な事例がございましたら、十分監督を加えて行かなければならぬというように実は考えております。ただ掛金等の支払いが遅れますためにあるいはこれを相殺してしまうというような事例を、若干私は聞いておるのであります。掛金と共済金と相殺して、実際は支払いがなかつたというような事例も聞いております。これらは今後の保険制度の根本の運営の問題でありまして、農林省といたしましても、十分これは経営面、技術面の監督指導を加えて行かなければならぬというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/56
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057・淺香忠雄
○淺香委員 伝貧の場合はよく今後注意をしていただくといたしまして、末端の農家の手に入らずに組合の経費にかわる、あるいは出資金などにかわることなどがありました場合に、非常にこれは遺憾でもありますし、問題は大きいと思うのです。そこであなた方の方でそういうことのないように、何らかの形においていま少し末端の農家の手に直接入るように、ひとつ何らかの方法でこれを運営していただきたいことを最後に要望いたしまして、私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/57
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058・佐久間徹
○佐久間委員 私の質問が非常にこまかくわたつて時間がかかるので、はなはだ恐縮でございますが、これはぜひ根本をきわめて行きたいとわれわれは考えておりますし、みながこの智識をある程度持つて行かないと、この金の支出も合理的に行かぬというようなことを憂うるものですから、特に質問申し上げたのでございますが、これは資料等によつて保険料を年間どのくらいやるとか、あるいはそれに対する損害率はどのくらい見ておるか、あるいは経費はどのくらい見ておるか、従つて政府再保険金はどのくらいになつておるのか、この一つの事業のバランスがどういうぐあいになつて年間出ておるのかということを、一覧表で拝見したいと思います。その上でいろいろまた質問をして行きたいと思う。それと同時に、先ほどの内藤君の質問にもありました通り、事故のないところ、あるいは年々歳々事故が繰返されておるところ、それらの保険料をどういうぐあいにあんばいして行くかということも、これは大きな問題であろうと思う。ところが保険の本質というものは、事故のないところの保険料をもつて、事故のあるところの災害を救済して行く、あるいは共済して行くというところにこの本質があるので、その本質を考え違いしてしまつてはとんでもないことになつてしまう。それで農業所得というものは、大体において、風がない、雨がない、そのために莫大な利益があるというのではないのでありまして、非常な豊年になつても、倍、三倍とれることはないので、年々大体の基準を守つて行きつつある。その上に災害を食つたときには非常な損害を受ける、こういうわけでございますから、負担力というものはそうあるべきはずはないのです。従つて災害の多いところからうんと保険料を徴収するなんという考えは、とんでもない間違いだ、そういう考えを持つておつたら、この問題は根本から共済保険なんという銘を打つて出べき問題ではないのであります。そういうところもよく考えて行かなければならぬ。私はここに大きな何か欠陷がありはしないかということを考えているわけです。従つてこういうようなものが将来も随時出て来るということになりますと、いたずらにこれは無計画な、無方針な、その場限りの仕事で、これは租税負担によつてまかなつて行くのであるから、迷惑を食うのは全国民である、こういうことになります。あらかじめ用意なくして随時徴収されるということは、国家の方針としておもしろくない、こういうぐあいに考えられるわけであります。従いまして、露呈されている問題は、単に二億何がしの問題でありますけれども、その内蔵するところは大きな問題である、かように私は考えますので、詳細にわたつて研究して参りたいと考えますから、どうかひとつ資料を十分に提出を願いたい。その上でわれわれは考えて行く、こう思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/58
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059・夏堀源三郎
○夏堀委員長 休憩いたします。午後は二時より会議を開きます。
午後零時四十三分休憩
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午後二時三十八分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/59
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060・夏堀源三郎
○夏堀委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
午前中に引き続き一般会計の歳出の財源に充てるための資金運用部特別会計からする繰入金に関する法律案、米国対日援助物資等処理特別会計法の一部を改正する法律案、及び農業共済再保険特別会計における家畜再保険金の支払財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案の三案を一括議題として、質疑を続行いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/60
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061・奧村又十郎
○奧村委員 議事進行について申し上げます。ただいま配付された農業共済保険に関連する資料は、単に掛金の率、危険率、そういう資料でありまして、われわれが午前中要求した資料とは、いささかかけ離れておると思います。われわれの要求しておるのは、実際に払い込まれた保険料金及び保険金などの数字を要求しておるので、これはなるべく至急にお出しを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/61
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062・鵜川益男
○鵜川説明員 けさがた伺いましたものですから、ただいま印刷させておりますので、届き次第配付いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/62
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063・奧村又十郎
○奧村委員 ただいま議題となつております三法案のうち、一般会計の歳出の財源に充てるための資金運用部特別会計からする繰入金に関する法律案、及び米国対日援助物資等処理特別会計法の一部を改正する法律案、この両案に対しましては、すでに十分質疑も尽されたこと思いますので、質疑を打切り、討論を省略して、ただちに採決に入られんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/63
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064・夏堀源三郎
○夏堀委員長 ただいまの奥村君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/64
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065・夏堀源三郎
○夏堀委員長 御異議ないようでありますからさようとりはからいます。
一般会計の歳出の財源に充てるため資金運用部特別会計からする繰入金に関するる法律案、及び米国対日援助物資等処理特別会計法の一部を改正する法律案の両案を一括議題として採決に入ります。
右両案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/65
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066・夏堀源三郎
○夏堀委員長 起立多数。よつて両案はいずれも原案の通り可決いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/66
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067・夏堀源三郎
○夏堀委員長 次に、すでに質疑を打切りました、財産税法の一部を改正する法律案を議題として討論に入ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/67
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068・奧村又十郎
○奧村委員 ただいま議題となりました、財産税法の一部を改正する法律案につきましては、討論を省略して、ただちに採決に入られんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/68
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069・夏堀源三郎
○夏堀委員長 ただいまの奥村君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/69
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070・夏堀源三郎
○夏堀委員長 御異議ないようでありますから、本案につきましては討論を省略して、これより採決に入ります。
本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/70
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071・夏堀源三郎
○夏堀委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
なお以上三案につきましての報告書の作成及び提出手続等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/71
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072・夏堀源三郎
○夏堀委員長 引続いて農業共済再保険特別会計における家畜再保険金の支払財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案を議題として質疑に入ります。佐久間君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/72
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073・佐久間徹
○佐久間委員 午前中資料をお願いしておきましたが、ここに配付されたものでは、われわれの要求した資料と多少違つておりますので、これではよくわかりません。といつて、この本質をいろいろ質問して参りますと、なかなか時間もかかりまするので、きわめて簡単に大体の計数を教えていただいて、それによつて質問したい、こう思つておりましたのですが、その計数が今のところ手元にございませんから、概念論でちよつと質疑をして参りたいと思うわけであります。与党の悲しさとでも申しますか、どうもあまり申し上げるということもちよつと困るのじやないかと思いますが、私は午前中の質問の中にも申し上げました通り、この料率の算定の基礎なんかも実は説明していただきたかつたのでありますが、これもやめにいたしまして、大体において、今までの収支バランスは黒字になつておるというのですが、その点はどうですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/73
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074・鵜川益男
○鵜川説明員 お言葉に甘えまして、昭和二十三年と二十四年度の家畜共済の収支、これをせつかく配付しておりますから、簡単に御説明いたしておきたいと思います。
第一ページが農業共済組合の収支でございますが、これは北海道の一部の町村だけが、ここにございますような組合での収支がはつきり出て参つておるのでございます。大勢には影響ございませんので、次のページをおめくりいただきまして、共済組合連合会の収支、これからがほんとうの保険責任としていろいろ赤、黒が出て来るわけでありますが、第一ページが二十三年度、先ほど御説明いたしましたように、死亡廃用、疾病傷害、生産共済をABCにわけて説明してございます。概略申しまして、支払割合が二・二八、次が〇・八六、これはいささかの赤字が出ておる。Cの生産共済が二・〇〇、これも赤字が出ておる。これが二十三年度の大まかなところでございます。
それから引続きまして二十四年度になつて参りますと、やはりABCに連合会の収支をわけておりまして、ここにございます通り、牛が二・二六、馬が三・二九、合計いたしまして二・七四というふうなことで、やはりこれは赤字が出て参つておる。疾病傷害が、大約しまして一・三〇、生産共済が〇・三九というふうに、これは黒になつて来ておる。これで二十三年、二十四年は概略出て参りました。それと歩調を合せまして、次が政府の再保険の特別会計の家畜勘定の分でございまして、ここにやはりABCとわけまして、先ほど申しましたようなことで出て来るわけであります。ここに差引としまして二十三年度、三角じるしがつきまして、やはり二・三〇という赤字になつております。疾病傷害の方は黒字でございまして、これは大したことはないのでありますが、六十九万一千七百八十一円、〇・八六という黒字の実績が出ておる。Cがやはり赤字でございまして、終末のところで二・〇
○、赤字が百万円ということになつて参つております。引続きまして、次のページで二十四年度の特別会計の収支を明らかにしておるわけでございます。二十五年のこういつたものは、実は末端からのものでございまして、全部のものはまだ締め切つておらないのであります。それで二十五年度の三つの病気だけが、実に異常にわれわれの方に資料が出て来ておりますので、カードごとに集積いたしまして、県別に実は資料を用意いたしております。それを今刷つておりますので、それとあわせまして御説明したら、さらにわかりよいかと思つているのでございますが、一応これによつて、組合及び特に連合会、特別会計の赤字を問題にしております。連合会段階の赤字につきましては、やはりこういう異常でございますので、それを入れますと約三億になりまして、当初実はその要求を大蔵省当局に交渉いたしたのでありますが、これは一般の連合会の約十九億に上る赤字との関連がございまして、今回の補正予算には入つておらないのでございます。今後の問題として残つております。特別会計の分だけを補正予算によつて認められておる、こういうことでございます。
それから料率の大体の考え方につきましては、ただいま大約の収支から申しましたが、実はこの二十三、二十四年度を基礎にして、今年の六月一日の改訂をいたしております。二十五年度は現在でもまだ全部の数字が集積できておりませんので、従いまして二十五年度の分は、今後の場合において異常の扱いにやつて行きたい。それは、けさほども御説明いたしましたように、あるいは九十倍、三十倍という非常な異常の危険率を示しておる。かつてそういう率はない。この点はずつと二十年からの資料がございますが、かような異常のことは出ておらないのでございます。農作の共済というものは、年によつて、災害の事情によつて非常に高低がございますが、家畜の被害率というものはそんなに高低が違うものじやないのでございます。二十三、二十四年度の危険率が異常であつたということが、別途資料として配付いたしました実績としての危険率の資料でございます。それを各組合、各連合会の別で詳細数字的にごらんいただきたいと思いまして、別途配付いたしました危険率の平均によつて二十三、二十四年度の実際の率はどうであつたかということを、説明いたした次第でございます。これは大体全国平均でどうなつておるか、府県別でどうであるかということを示しております。それから料率の算定上特に必要なものは、実は一般の牛馬等につきましては、郡ごとに過去の実績によつて料率をはじき出す。被害の率は、各部ごとに適正なものを見て、ほんとうに防疫を一生懸命やつて率が低いところは、やはり料率の面にはつきり表わして来る、事故防止に努力して率が減つておる分は安くいたす、かように先ほどお考えをお述べになりましたようなことで、今度はやつておるわけでございます。それからやはりこれを再保険そのほか全国的の危険分散という保険の一般部面にも適用して、二十三、二十四年度の実績を今度の改訂でも使つておるわけであります。従来の関係は、赤字ができましても、その後の改訂によつて、家畜については過去二十年大体穏当な改正措置をやつて来ておりますが、特に二十三、二十四のこの実績は実は異常の率でございまして、概略を申し上げますと、家畜の方は頭数危険率と金額危険率との二様の考え方でございますが、金額危険率で申し上げて行つた方がいい。つまり頭数で割ると一頭ごとの値段というものが表われておりませんので、その方がいいと思います。二十三、二十四の掛金率の概略はけさほど御説明いたしましたが、それに対比しつつ、金額危険率の平均はどう動いておるかということをざつと申し上げますと、牛の掛金率平均一・一四六に対して金額危険率の平均は三・二二一、馬が一・八に対して七・二五これが両年度の平均でございます。死亡廃用の牛馬の大きなものを申し上げたわけであります。こういう点過去の二十年からいたしまして異常のものであるということにおいて、どういうことになつておるかと申しますと、牛において約二倍、馬において約二・五倍、かような異常の率ができておることになつておりますので、それ等も十分考え合せして、農家の方にも相当負担の問題があると思いますが、今度の改訂にあたりましては、二十三、二十四の金額危険率をもとにいたしまして、先ほど申しました通り、牛馬の死亡廃用共済については可能な限り連合会別、また一般の牛馬等こまかい資料の出せるだけの頭数がありますものについては支部ごと、つまり郡ごとの収支が均衡するというような目標でもつてやつております。その他についても各畜種、各共済ごとに収支が合い、また全国的にも収支が合うような目標でもつてやつたわけであります。こういつた方向からいたしまして、一番問題になつておりますのは、一つは死亡廃用の廃用の面でございます。この点も昨年の九月から施行規則を改正いたしまとて、厳正な省令による改め方をいたしております。実績からいたしましても、数字的に弊害の点はほぼ改善されておるというふうな見通しをつかむ段階に、今立ち至つております。さような点を考え合せ、本年の六月前後二回にわたりまして、全国の関係官及び会長会議を開催いたしまして、農家の負担とつり合いのとれる限度において、思い切つた率の改正をいたしたわけでございまして、当初は一応牛全般の問題でございますが、二・二一%、改正前の二倍強、馬を四・五九三%、改正前の二・六倍といたしたのでありますが、会長会議等で非常に反対がございまして、衆議院の農林委員会からも強い御要望もございましたので、さらにいろいろと考えてみまして、ひとつ掛金の面で農家の負担を何とかいたさなければいかぬということで、けさほど局長からも御説明いたしました通り、最低掛金についてはその掛金の半額を国庫で負担するという法律になつております。この共済金額が従来一万円程度であつたものを、牛馬とも二万円に改め、この分の国庫負担増を予算で考えて参る。これは補正予算に今度出ております。それから料率が上つてもやはり全頭義務加入制を強調して参り、牛馬二百五十万頭を義務制にすることについて、その分の事務費の増額も考えよう、それから事故防止ということについても十分予算措置を講ずる、これは新年度予算でぜひお願いしたいと思つております。かような面とあわせまして、乳牛の結核とか馬の伝貧とか、こういつたものについてはやはりある程度法定伝染病としての追加の問題及び殺処分手当の増額の問題もございまして、あまり急激な増率は避けるというようなことを考えで、改訂の結果といたしまして、正式に決定いたしましたのは牛が二・〇三九%、改正前の一・八倍弱、馬については四・三九五%、改正前の二・四倍強というようなことで、異常に高い率の支部なり県なりにつきましては大体中数の線を置きまして、それの標準偏差の中へ納めるということで、異常に高いものをとにかく事故防止によつてまかなつて行く。基本の方針としてはあくまで収支のバランスということを考えております。その辺を十分関連的にかみ合せまして、そういう問題については暫定的な改正をいたし、二年半ばかりそれでやる。そうしてなお異常に高ければ自動的に元へもどる、かようなことで農家負担の軽減、事務費の増加というここと関連いたしまして、一応の改正措置をとつたのでございます。そういつた点が別途資料の掛金率の関係になつているのでございまして、詳細御説明すればよいのですが、概略御説明いたしますとそういう措置をとつております。以上の一環といたしまして補正予算でこの二億一千万円の赤字補填をやつた。これをやりませんと、現在非常に家畜の支払いが遅くなつております国といたしまして、せつかくの再保険金が出ないために末端の連合会が、先ほど来いろいろ出納の問題も出ておりましたが、家畜の重圧のためにどうしても保険金の支払いがうまく行かない。融資措置もやつておりますが、どうもやはり基本的にこの赤字を見ませんと、政府からの金が遅れているために農民に御迷惑をかけている、かような状況でございますが、計数的にははつきりしたデータによつてお願いいたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/74
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075・佐久間徹
○佐久間委員 詳細な御説明を承りまして、御苦心のほどはよくわかるわけであります。ただ二十三年度も二十四年度も赤字であるということは、この収支のバランスで拝見したわけでございますが、それは何が原因であるかと言いますれば、結局保険料が危険率に対比して安過ぎる。しかしながらこれを急激に改正することはできない。農家負担の非常な過重ということを考えればできないわけでありましよう。そこでこういつたものに対しては、政府が初めから補填する意思をもつて助長して行き、ある意味においては救済して行くというような気持でなければならぬということも、考えられるわけでありまして、われわれはこれで利益をあげてどうこうということは毛頭考えてはおりませんが、さりとて無制限に赤字が随時出て来るような状態に放置しておくということも、これを看過することはできないだろうと思うのです。そこが非常にむずかしいところでございまして、これを共済連合会の各府県にまかせてあり、これを大きく農林省が監督している、こういうような形態をとつているのだが、この連合会そのものがいろいろの赤字を背負つているようなわけであつて、それには相当考えなければならぬような事態が発生している。その中でこれもやつぱり巻添えを食つているのではないか。この経費が非常によけいかかつているというようなことも、われわれは耳にしているわけなんですが、一体こういう事業を推進して行く上において、収入保険料と支出の保険金と見合つて、さらにそれにどのくらいの経費をかけているのか。これが出ないと、ほんとうの赤字をわれわれは考えることができない。それで、その経費のパーセンテージはどの程度見ているのか、それを聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/75
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076・鵜川益男
○鵜川説明員 この共済団体の赤字という問題でございますが、国会の方でも、この委員会でもいろいろ問題になりました赤字と申しますのは、これは実は諸経費の関係を抜きにしての赤字が十九億二千万円、最近になりまして二十億円ある。いわば異常の災害が起つたために、水稻の農作の方でございますと、こういうふうに危険率が毎年出て来るわけであります。ところがここまでの標準被害率までは責任がある。掛金の方は通常標準掛金率でここまでの収入があるわけでございます。そこでここまでの収入でもつてここまでの責任がある。この幅がいわば連合会の責任になつている。そして農作の方はこういう年もあるわけです。こういう年はここからここまでの収入があつてここまでしか払わぬでもいい。従つてこれだけの黒字になるわけであります。従つてここから出ましてこの辺になれば赤字になる。そうして標準以上に高く出て参ります。最近の災害が多いということは、標準が非常に下にございまして、非常に高く出てしまう。これ以上の責任は全部政府の責任になつてしまう。概略図で申しますと、そういうような非常な赤字になつている。そこで黒字の年が非常に少くて、政府の責任にどんどん出て来ている。先ほども概算払いの話が出ましたが、ここの再保険の分を払うわけでありまして、ここからここまでは、やはり掛金徴収をしなければ仮払いもできない、かような状態でございます。さような仕組みになつておりますので、この幅の問題を集積しましたのが、農作蚕繭関係の赤字の内容でございます。
家畜につきましては、今申しましたような率が非常に実績的に高まつておりまするが、これは超過保険的の考えをとつておりません。これは割と率が平均しておりますので、家畜については歩合いによつて再保険をしております。七、三と申しますか、大きく申しまして連合会責任に三割残しておきまして、七割というものを割合によつて出している、こういうような取り方をしております。それが全体として払う関係がアンバランスになつて来ておりますから、今申し上げたように二倍というような支払率になつている。ということになりますと、三割の方の責任の連合会にも赤字ができ、政府にも赤字が出ている、こういうような事態になつております。従つて政府の方で二億一千万円の赤字が出ているということは、大体七、三の例で申しますと、数千円の赤字が連合会にも当然できている。かような問題になつている、それで十九億二千万円の内訳としては、そういつた関係を押えて問題にしているわけなんであります。そのほかに今御質問のような、いわゆる保険の観念な言葉で申しますと附加保険料と申しますが、いろいろな諸経費がかかつている。あるいはいろいろな防災関係等の費用も出て参つている。そういつたものにつきましてはこれは全国一率ではございませんで、附加保険料、附加金という形でとつております。これはあまり多額の金をとらないようにわれわれも指導しております。現に国会におきましても、御承知の通り、事務費の国庫負担という面で、法律にもはつきりお書きいただきまして、法律の改正によりまして、家畜の関係にいたしますと、ほぼ三分の一の附加金に該当するまでは見てやる。今度の料率改訂に伴いまして、現在補正予算にも載つております。やはり頭数表と合せまして、共済金額二万円というようなことで、国庫負担をやつていただきます。これに関連いたしまして、やはり事務費の増も出て来ております。また農作の方でも、やはり事務費の国庫負担ということを、特に職員の費用等についてお願いしているわけでございます。大きな金額を国が見ているというようなことでございますが二十六年度の予算の家畜の例で申しますと、事務費が大体三億六千三百三十万円になります。そのうち、国庫負担は約三分の一の一億二千百十万円、こういつた金額を国庫負担で持つて参る。しかしこれは赤字の場合においては、別の問題としてわれわれは考えているわけでございます。現在政府部内でもいろいろ財政当局と相談いたしております。赤字というものは、そういつた経費的の面の赤字というものを別の問題にしまして、いわば制度の仕組上出て来る。しかも実績的にいわば共済団体の責任でないような、異常な災害の累積によつて出て来た赤字を、何とかしなければならぬいうことで議論しているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/76
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077・佐久間徹
○佐久間委員 今のお話で、そういう組織の上に出て来た赤字を国庫負担する、その問題を取上げているので、経費の問題は別だというようなお考えでありますけれども、私たちとしてはやはりその赤字の出る原因は、経費というようなことも関連しているのじやないかとも考えられますから、将来のためにもこの点をはつきりしておきたいという考えで質問しているわけなんです。およそ、ものを完遂するたためには、そういつたようなことがなければ収支のバランスがうまく行くものではない、こういう観念を持つておりますから、あえてお尋ねするわけなんですが、要するにこういつたような国家の仕事というものは、えてして経費おかまいなしで、そうしてただ赤字が出れば国家が負担するんだからいいやというような観念で、今まで来ていると思うのです。そこでわが国におきましては国家がこういつたようなことをやつて、うまく行くというようなためしがおよそ今までないので、それではこの財政窮乏のうち、国民の負担力が非常に貧弱になつているこの際、こういうようなことをいつまでも繰返しているということは、考えなければならぬのじやないか、政治面で責任をとつて考えるべきじやないかということが、今非常に問題になつておる矢先でありますから、将来国家が救済するという建前はとつておるのですけれども、でき得るならばできるだけ支出を少くして行くというのが当然じやないか、こう考えるわけです。そこで将来のことをいろいろあれこれ考え合せまして、もう少しこういう問題を掘り下げて、国会は研究する必要が起きて来るのじやないか、こういうように思うわけでございます。一体この赤字が年年続くことが予想されて行く組織になつておるのを、そのまま放置しておいていいものかというようなことも言われるのでありまするが、諸外国でもこういうことをやつておるように聞いておるのですが、その例がございますかどうですか。一体このシステムはどこを標準にしてやつたものか、日本独自の建前でやつておるのかどうか、こういうような何かここに資料がございますか、ちよつとお尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/77
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078・鵜川益男
○鵜川説明員 ちよつと御質問に対しまして相済みませんが、ただいま配付しましたもののページをめくつていただきたいと思います。
第一ページがけさほど大体局長なり私が説明いたしました、このたびの二億一千三百四十万三千円の算出基礎でございます。従来の危険率であればこういうような点でございましたが、二十五年の実績はかようなことになりましたので、要支払額の差額として、ぜひこういつたものの補填をやつていただかなければならぬ。それから第二が被害率でございまして、乳牛の結核、牛の流感、馬の伝貧の過去の率、昭和五年以来の二十年の率に対しまして備考に出て参つておりまするが、この方がこの計数のように異常な上り方になつておるということを、表によつて過去の被害率が、現に家畜保険としてデータをとつておるものによつて、対比しておわかり願えるかと思うのでございます。それから三枚目が伝貧と申しますか、馬の伝染性貧血、牛の結核及び流感というものの事故総数に対する割合を出しております。それから次が「家畜勘定支払不足補てん金計算の基礎」といたしまして、各年度ごとに赤字が生じて参つておる状況を明らかにいたしたわけでございます。それから次のページが特別会計の収支からいたしまして、現在非常に再保険金の支払いも遅くなつて御迷惑をかけておりますが、ここにございます通りに、国庫の余裕金あるいは農業勘定で算定されました基金の繰りかえ使用、これも法律上お認めいただいておりますが、そういつたようないろいろな手を尽してやつておりますが、現在非常に苦しい支払いの状況になつておるということが、ここにも出て参つておるかと思います。現在相当に支払いの請求が来ておりまして、われわれ補正予算が組まれ次第至急に払うというようなことで、まず十月、十一月と東北等せりがございまして、代畜購入という面から非常に苦労しておるということが、ここにも出て参るのであります。
それから最後に料率につきまして先ほどから御説明いたしましたが、われわれとしては相当思い切つた倍率の引上げをやらざるを得なかつたということが、ここに出て参つておる次第であります。
それからただいまの御質問の外国の制度については、われわれといたしましては、昭和四年家畜保険法を立法いたします前に、大体これは欧州の方でございますが、ドイツ、フランス、スイス、イタリヤ、イギリス、こういつた例を参考といたしまして、特に家畜保険法といたしましては、ドイツのバイエルンの例がその基本になつたわけでございます。これは昭和四年でございますので、大分前の話でございますが、こういつたものを根幹といたしまして、この農業災害補償法に家畜共済という形で取入れて参つたわけでありますが、こういつた関係につきましては、第一次世界大戦の後にドイツ、イタリア、こういつたものは古い制度に改正を加えまして、組合組織の家畜保険を奨励いたしておりす。現在の欧州の事情がどうかという点は実はわからないのでございます。ただ農業関係一般を通じまして、今年の三月から六月、アメリカの農業保険と申しますか、フェデラル・クロツプ・インシュアランス・コーポレーシヨンと申しますか、FCICの事業の部長と申しますが、プログラム・デイヴエロツプメントと申しますか、そういうデパートメントの長が来まして、いろいろ日本の農業保険全部を見たわけでございます。主としてクロツプ・インシユアランスでございまして、農作物に非常に興味を持つておりましたが、日本の家畜の状況を詳しくお話しましたところが、今まで各国の制度も聞いたが、非常に完備しておるということについては、現在の世界中の制度からいつて非常に学ぶべき点をわれわれは発見した、日本の国情にも実によく合つておる、かような讃辞を呈して参りました。特に赤字の問題につきましては、向うではいろいろフアンドを持つて始めておるという関係等があり、あるいはリザーヴ——フアンドとリザーヴの使い方もわれわれもいろいろ翻訳上苦労いたしましたが、そういつたものを国なりあるいは団体が料率の上にむしろ織り込んで行く。かような長い均衡のその前に、安全な経営の方法というものが考えられてしかるべきだ、こんなようなことも言つておりました。われわれとしましては、現在の日本の災害の状況からいたしましても、決しておせじばかりじやなかつたのではないか。このロウさんのレポートは翻訳ができておりますので、実は農林委員会等の各関係の方にはお配りしたのでございます。御所望でございますれば、われわれの方は翻訳いたしておりますので差上げます。主として農作関係が中心でございます。それからきよう局長が御紹介しましたところの、農家単位の共済をとつてはどうかというような勧告は、非常に強くロウさんの報告に出て参つておりまして、それらも一つの動機になりまして、ただいま立案しておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/78
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079・佐久間徹
○佐久間委員 いろいろ御説明がありまして、大体の様子はわかるのでありますが、今もアメリカの話がありました通り、やはりこれは保険料にある程度入れて、できるだけその赤字を少くして行くというような組織をどこでもとつておる。これは私もよく承知しておるのです。そういうような赤字が出れば、政府に持つて行くというような考えでなしに、できるならば自主的にある程度はやつて行く。しかしあまり保険料が高くなるということは、これはどうも自己負担が過重になるので、この点はまた別途の方法で考えて行くというようなことも、研究して行かなければならない問題であろうと思うのであります。それから先ほどあなたがグラフの説明をなされまして、ある程度から上は政府の責任である。その下は共済組合ですかの責任になる。そうすると赤字が続いて来ると、組合に赤字が累積して、その赤字の補填はだれがするのか。組合の場合は政府が何か見てやるのですか。その点を一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/79
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080・鵜川益男
○鵜川説明員 実はきようの議案とはちよつと違いまして恐縮でございますが、家畜の方は歩合保険をとつております。それから先ほど高さで示しましたのは、水稻、麦、そういつた農作物、蚕繭の方は超過保険という形をとつております。先ほども申し上げました通り、十九億二千万円ということで、国会で、この農林委員会でもことしの二、三日ごろに非常に問題になりました。あの十九億二千万円というのは、実はこの幅のものがたまつて来まして、そうして出て来た問題であります。そうして赤字のもとといたしましては、先ほども申し上げました通り、一般の附加金でもつてまかなうような事務費的なものは一銭も入つていない。いわばこういうふうに累積したために出て来た。この幅が累積して来て、十九億二千万円になつている。これが共済団体として非常に今重圧を加えておるから、何とかこの不足金を国庫で負担してもらいたい、こういう要望が強く出て来ておるゆえんでございます。これは政府としてもいろいろ部内において研究をしておりまして、われわれは財政当局にもお願いをしておる次第なのでございますが、まだ決定はいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/80
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081・佐久間徹
○佐久間委員 いろいろ資料をここへ提出していただいているのですが、これはちよつと見たくらいでは、われわれ専門家でない者にはわかりませんので、今までの観念が違つておられたのじやないかと思うのです。それは大蔵委員だからこの金額だけを承認させればいいのだというようなう甘いお考えでおいでになつたのじやないかと思うので、要求するとこうしてどかどか出て来る。農林委員じやありませんから、あまり詳しく本質的な説明をする必要はない、こういうようなお考えでおいでになつたかもしれませんけれども、いやしくもこれだけの金額をのむためには、やはりこれは相当考えて、大蔵委員としての責任の問題でもありますし、国民の負託にこたえなければならないと思うので、十分な資料をまずもつて出して心ただいて、そして多少は勉強させる余地をつくつていただかなければ、なかなか議事の進行がうまく行かない。印象も非常に悪くて、農林省から来るやつには、これからどんどん文句をつけるというような考えが起らないとも限らない。そこへ行くと、大蔵省はやつぱり自分のひざ元ですから、前もつていろいろ了解を得ておやりになるから、スムースに行きますけれども、他省関係はどうもそういつたようなことがありがちでありますから、どうかひとつ今後十分そういつた点は御注意くださつて、如才なく前もつて資料を配付して説明してもらう。——と言つてはおかしいのですが、何か部会でも開いてもらつて、そこで御説明いただいておけば、うちへ帰つてみんなが読んで、なるほどと思えばそれでうまく行く。いやなことを言わないでも済むし、こちらも非常に忙しいからだを時間をつぶさないでも済む、こういうことに相なろうかと思うのであります。いろいろまだいただいた資料によりまして、お聞きしたいこともございますのですが、先ほども私が申しました通り、われわれといたしましては、この短かい期間にできるだけ多くの法案を通して行きたいという考えでございますので、概念だけを質問申し上げて打切りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/81
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082・清水逸平
○清水委員 私は根本対策についてお伺いしたかつたのでございますが、局長さんがお見えになりませんので……。金が共済組合に足らなくなつたから、国庫負担でこれを補つてくれということですが、異常な病災があつたことは、午前以来それぞれ尽されております。それに対して防疫対策などの点について十分であつたかどうか。それから今後のこういう流行性の病災についてどういう具体策をお持ちになるか。それからまた牧畜方面における金融難、なかなか銀行では貸さない、農林中金に行つても早急に金が出ないというような面が多々あるために、施設的に不備なものがたくさんあるのじやないか、こういうことを私は憂慮する。その根本対策をきわめてこそ、こうした災害が起らなくなるのじやないか。台風の通過とは違つて、病気に対する対策というものは、現在のような医術の進歩して参つておる場合においては、その予防対策さえ誤まらなかつたならば、十分防ぐことができるのじやないか。私はこういう考えを持つておつて、先ほど来異常な災害と言われるものに対して、当局のとつた処置等についてお伺いしたい。これが皆様方も十分であつたかどうか、そのお考えを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/82
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083・鵜川益男
○鵜川説明員 どうも答弁は、これは政府委員がやるような大きなことでございますが、私の所管の範囲内の分をお答えいたしたいと思います。牛の流感なり結核、これは最近実に予想もしませんような猖獗をきわめましたわけで、特にあとになりましてのどが麻痺する咽喉頭麻痺というようなことで死んでしまう。昨年は特に秋口から、われわれも実に関係者といたしまして、県庁なりまた共済団体なり、獣医師の皆様方の非常な御努力の跡を伺つておるわけでありまして、本年も猖獗をきわめましたが、非常な防疫対策をやられましたので、現在までは昨年とは違つて、やはり防疫の措置が手早く行つておる。昨年につきましては、特にああいう異常の状況でございましたので、これに対するワクチンが昨年度中にある程度目鼻がついて、ことしの夏ごろには大分使えるというところまで、はつきりして参りました。ことしの流行時期には、それが非常に的確に迅速に配布された。これについては畜産当局としても、非常な努力を払つております。これに対する経費の関係等も、畜産局で持つて参るように伺つております。県費の方も出しておるように伺つております。また牛の結核は二十二、三年ごろ、一つには牛乳というような関係から、関係方面からも非常な示唆もあり、法定伝染病にも追加され、また診断の方法もやかましくなる。こういうような事態もございまして、その結果によりまして早期発見、早期措置、こういつたものが促進されるような結果にもなつて参りました。だんだんにああいつた事態からおちついて参つておるということは言い得ると思います。伝貧につきましては、これはいまだに世界的にもどうすればいいかということがわからない。ただもつたいない話でありますが、殺処分するというようなことでございますが、相当大きな殺処分手当の引上げ、これも法律を改正いたしまして、この前の国会で通りました。従来三分の一の殺処分手当が五分の四に上つたように伺つております。この面等も共済の関係と相まちまして、国会においてお認めいただいたので、関係の有畜農家も安心して参つたのじやないか、かように考えております。逐次平常化に参つておるというような認識を持ちまして、この異常という考えも、二十五年度をやつていただければ大体いいのではないか。これは畜産当局、大蔵当局とも十分話し合いまして、今度の措置をお願いしておるわけなのであります。今後のこういう事故防止対策という点につきましては、実は料率の面から行きましてそれを織り込んで、ある程度の納得の行く料率に引上げるというところにもおちついておりますので、われわれといたしましては、実は保険につきましては、料率等の大きな問題は、保険の審査会というものを大臣の諮問機関として持つております。それへかけました際も、こういう料率の改正ということのやむを得ない点はわかるが、抜本的に保険の支払いを多くするということはもつたいない話で、防疫に十分の予算を計上しろということの強い要請がありまして、かたがた国会方面でも取上げていただいておりますが、現在七年度予算には、われわれといたしましては目下折衝いたしておる状態ででざいまして、相当多額ではございますが、これ等を活用して参りたい。かたがたもちまして、現在の畜産局の衛生課等が中心となりましての施策が効を奏して参りますれば、本筋の防疫——保険が対策ではないので、結果として農家の経営を安定させるというところに持つて行けるのではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/83
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084・清水逸平
○清水委員 先ほどの御答弁の中に、料率の引上げによつて今後のあれをまかなつて行かれるというお言葉がございましたが、現在の農業経済において、料率の引上げということはなかなか困難な問題なのでありますが、これにも問題があることございましようし、ある程度はやむを得ないといたしましても、今後のこの保険の運用上において、それでまかなつて行かれるお見込みでございますか。それとも来年度も再来年度もこうしたものが出て来はしないか、こういうことを私どもは憂えておるのですが、今御当局のお考えになつておる筋だけでもお伺いいたしたい。なお畜産方面における金融の問題についてもお伺いしたいのですが、これは他の機会に譲りまして、その点だけお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/84
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085・鵜川益男
○鵜川説明員 実は率直に申しますると、大体現在の農家の負担できる限度で収支の均衡を考えておりますので、これにつきましては先ほど申し上げました通り、かかる異常事故が今後も起らないだろうという予測、並びに事故防止施設等がある程度整備されて参る、かような考え方で、ぎりぎり結着のところをきめておるわけであります。特に非常に異常なものにつきましては、県によりまた郡支部によりましては、一般の標準偏差を設けまして、あまりにも高いやつはこの辺まで暫定的にやるという措置を講じたものもございます。こういつたものにつきましては、二年の後におきまして、依然として率がかわらないような場合には、やはり前の率が正しいということにもなりはせぬかと思いますので、前段申しました通り諸般の畜産政策の改良にもなりまするが、ぜひ十分な措置が講ぜられるようにわれわれも努力いたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/85
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086・三宅則義
○三宅(則)委員 私はただいま議題になつております農業共済再保険特別会計云々に関連いたしまして、質疑をいたしたいと思います。
農業共済ということにつきましては、もちろん全国的にこれは見ておることでありまするが、私の選挙区は愛知県で、どちらかというと非常に災害が少ないのであります。しかしこれは一般の農家全般に関しまする問題でありまするからして、九州に起りました災害でも、あるいは北海道なり東北地方に起りました災害でも同じことだと思いますが、この分布の状況について少し詳しく御説明いただきたいのです。私の選挙区でありまする愛知県のごときは非常に少い、こういうふうに私は感じておるのですが、どこが一番多いか、どこが一番少いか、あなたの御感想を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/86
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087・鵜川益男
○鵜川説明員 御要求によりましては、今はちよつと間に合いませんが、資料は昨年度の実績等をまとめた印刷物がございますから、明日でも……。大体農作等につきましての危険率は、私の記憶では、愛知はあまり例年は高くないように思つております。それから家畜の実績につきましては、危険率の二十三年、二十四年の実績はただいまお配りいたしましたから、御承知かと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/87
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088・三宅則義
○三宅(則)委員 私のお伺いします事柄は、一般問題から入つて恐縮でありますが、農家の経営につきましては、もちろん異常なる災害があつた場合には全国的な問題になるわけですが、私の聞くところによると、九州地方あるいは山口県、四国、土佐方面におきましては、いつも災害が多いというわけで、この災害に対しては、臨時国会等を開きまして補償する場合もありますが、例年におきましてどういう状態であるかということを一ぺんまとめておきたい、かように思います。
次にただいま申されました家畜につきましては、今後の米の対策あるいは麦の対策に関連いたしまして、奨励しなければならぬことは当然のことである。これにつきましてその山岳地帯あるいは平野地帯いろいろあるわけでありますが、大体東北地方とかあるいは関東地方が山岳地帯であると聞いておりますが、なお平坦部におきましても、ある程度までそれに対する対策が講ぜられておりますかどうか。きわめて平易な質問でありますが、御感想を承りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/88
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089・鵜川益男
○鵜川説明員 これは畜産当局におきまして、家畜の導入につきまして非常に力こぶを入れて、融資等についても考えておるように聞いておるのでございますが、あるいは私所管外でもございますので、責任者が参りまして答弁させるように連絡いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/89
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090・三宅則義
○三宅(則)委員 今問題になつておるのは牛と馬でありますが、牛と馬ばかりではないのでありまして、やぎもありますし鶏もあり豚もある。そういうふうな問題もこれに関係ないように考えられますか。それとも多少関係ありますか。その辺承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/90
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091・鵜川益男
○鵜川説明員 これは内訳にも出ておりますように、死亡廃用につきましては中家畜まで入つております。どれかの表を一つめくつていただきますと出ております通り、死んだり役に立たないもの、死亡廃用の欄をごらんいただきますと、牛、馬のほかにやぎとめん羊と種豚が入つております。疾病傷害も同じでございます。鶏とかそういうものは入つておりませんが、中家畜までを大体含めてやつております。ただ義務強制、義務加入の線は牛馬にとどめておる。組合が総会で決議いたしますと、全部ひとつ加入しようじやないか、かような義務加入ということで、いろいろ掛金の国庫負担等の恩典がついております。そういうことは牛馬に限つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/91
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092・三宅則義
○三宅(則)委員 私の言うのは全部の家畜にも関係があると私は思うのですが、牛馬のみを限定して、ほかの中家畜その他のものについてはあまり問題になつていないようでありますが、政府当局にはそういうふうなすべての家畜に考えを持つておられるかどうか。あなたとしてはどういうふうな考えを持つておるか、承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/92
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093・鵜川益男
○鵜川説明員 これは今後におきまして実は過去の危険率、被害率、こういつたものを数字的につかみましてやつて参らなければならぬ。そういつた点からいたしましてデータを整えまして逐次整備して参る、かようなことにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/93
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094・三宅則義
○三宅(則)委員 私どもは牛、馬はもちろん、牛馬というものは昔から中心になつておるわけでありますが、牛馬以外にも相当利用価値のある家畜もあるわけです。特に肉食をしなければならぬということは、カロリーの点につきましても、米麦に依存することなくして、ぜひ家畜を奨励したい、こい希望があるわけです。それにつきましては牛馬以外の家畜にも、大いにこれを浸透しなければならぬということは当然であると思う。農林委員ではありませんが、国全体から考えますならば、そういう方策に持つて行くことが今後の日本の国策の一つであると考える。そこで米麦を奨励することはもちろん農林当局として当然でありますが、そのほかに第二次的には、家畜に基準点を置かなければならぬと私は思うのであります。それにつきましては今お話になりました牛馬ももちろんでありまするが、その他のすべての家畜につきましても、相当めんどうを見てやる。奨励もし、また保健、衛生、防疫等々につきましても、十分なる監督、指導等をしなければならぬということを考えておりまするが、畜産局といたしましては、これらに対する対策を大要でけつこうですから、ごく簡略に御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/94
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095・夏堀源三郎
○夏堀委員長 三宅君に申し上げますが、畜産の問題にわたるようでございますから、明日畜産局長を呼んで御質問願つたらいかがでしよう。——ほかにありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/95
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096・宮腰喜助
○宮腰委員 私もそういたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/96
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097・夏堀源三郎
○夏堀委員長 次にお諮りいたします。ただいま通商産業委員会において審査中の商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案につきましては、連合審査会開会の申入れをいたしたいと存じますが、この点御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/97
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098・夏堀源三郎
○夏堀委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。
なお連合審査会開会の日時等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/98
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099・夏堀源三郎
○夏堀委員長 午前中委員長に御一任願いました請願及び陳情書審査小委員会の小委員長及び小委員の選任につきましては、次のように決定いたしましたので、この際これを御報告申し上げます。
請願及び陳情書審査小委員会小委員長 佐久間 徹君
小委員
淺香 忠雄君 清水 逸平君
高間 松吉君 三宅 則義君
内藤 友明君 宮腰 喜助君
松尾トシ子君 深澤 義守君
上林與市郎君
にお願いいたします。
本日はこれをもつて散会いたします。
午後三時四十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01419511112/99
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