1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年三月二日(月曜日)
午後二時三十五分開会
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出席者は左の通り。
委員長 中川 以良君
理事
大矢半次郎君
木内 四郎君
伊藤 保平君
菊川 孝夫君
委員
黒田 英雄君
西川甚五郎君
平沼彌太郎君
小林 政夫君
杉山 昌作君
野溝 勝君
松永 義雄君
堀木 鎌三君
稻垣平太郎君
政府委員
大蔵政務次官 愛知 揆一君
大蔵省理財局長 石田 正君
大蔵省管財局長 阪田 泰二君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
常任委員会専門
員 小田 正義君
説明員
大蔵省銀行局保
険課長 狩谷 亨一君
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本日の会議に付した事件
○地方公共団体の負担金の納付の特例
に関する法律案(内閣送付)
○昭和二十一年度における一般会計、
帝国鉄道会計及び通信事業特別会計
の借入金の償還期限の延期に関する
法律の一部を改正する法律案(内閣
送付)
○旧外貨債処理法による借換済外貨債
の証券の一部の有効化等に関する法
律の一部を改正する法律案(内閣提
出)
○保険業法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
○社寺等に無償で貸し付けてある国有
財産の処分に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出)
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001・中川以良
○委員長(中川以良君) 只今から委員会を開きます。
本日は、地方公共団体の負担金の納付の特例に関する法律案、昭和二十一年度における一般会計、帝国鉄道会計及び通信事業特別会計の借入金の償還期限の延期に関する法律の一部を改正する法律案、旧外貨債処理法による借換済外貨債の証券の一部の有効化等に関する法律の一部を改正する法律案、保険業法の一部を改正する法律案並びに社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律の一部を改正する法律案、以上五案を一括して議題といたします。先ず政府より提案の理由の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/1
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002・愛知揆一
○政府委員(愛知揆一君) 只今議題となりました地方公共団体の負担金の納付の特例に関する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。
最近の地方財政の状況に顧みまして、今回、政府は国の行う直轄事業について地方公共団体が法律に基いて負担する負担金については、これを地方債で納付する特例措置を設けることが適当と考えましてこの法律案を提出した次第であります。
即ち国の行う直轄事業について地方公共団体が道路法、河川法、土地改良法及び港湾法等の法律に基いて負担する負担金については、政府は当分の間、当該地方公共団体の発行する地方債の証券を以つて納付させることができることとし、利率、償還方法、収納価格等については政令で定めることとしようとするものであります。而して本措置は、昭和二十八年度以降の国の行う事業についての地方公共団体の負担金の納付から適用することとしております。
なお、昭和三十七年度以前の負担金でその納付期日までに納付されなかつた負担金については、その納付計画を立てさせまして、その納付の促進を図ることといたしますが、而もなお未納となるものにつきましては、延滞利子を附することができることとして、その滞納の防止を図ろうとした次第であります。
次に昭和二十一年度における一般会計、帝国鉄道会計及び通信事業特別会計の借入金の償還期限の延期に関する法律の一部を改正する法律案の提出の理由を御説明申上げます。
政府が昭和二十一年度において昭和二十一年法律第五十五号及び昭和二十二年法律第十号に基き借り入れました借入金の現在高は、一般会計において百五十一億七千八十六万円、郵政事業特別会計において五億六千三百七十四万円でありまして、その償還期限は昭和二十五年法律第六号により昭和二十七年度末まで延期せられておりますが、同期限までに償還いたしますことは困難でありますので、償還期限を更に三カ年延長することとし、その間において必要な場合には、公債に借り換えることができることとしようとするものであります。
第三に、旧外貨債処理法による借換済外貨債の証券の一部の有効化等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明いたします。
旧外貨債処理法により邦貨債に借り換えられ無効なものとされました我が国の外貨債の一部を有効化することにつきましては、一昨年末現行法の制定をみたところでありますが、現行法の下において未だ有効化されていない外貨債の証券又は証券から切り離された利札のなかには、海外の証券市場において取引され、現在においては借換当時の所有者以外の者によつて善意で所有されているものもある状況であります。これらの善意取得者に対しまして、このような証券又は利札が無効であると主張いたしますことは、一般の証券取引の慣習から考えまして極めて困難であり。又我が国の対外信用保持の見地からいたしましても好ましくないと考えられます。このような事情を考慮いたしまして、第一に、無効とされた外貨債で、現在善意の取得者によつて所有されているものを有効化し得る途を開き、第二に、利札だけが単独に取引されているときは、親証券の有効化を待たないでその利札だけを単独に有効化し得る途を開くこととした次第であります。
第四に保険業法の一部を改正する法律案につき、提案の理由を御説明申し上げます。
改正の第一点は、航空保険事業についても、海上保険事業と同じく、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律及び事業者団体法の適用を除外することとしたことであります。
航空保険事業は海上保険事業と同じく国際性が強く、且つ引受物件の価額が巨額に上ることが多いので、料率協定、再保険プール協定等の共同行為が必要とされるのであります。このような特殊性に鑑み、海上保険事業と同じく私的独占禁止法等の適用を除外することといたしたのであります。
次に、保険会社については、その決算の完了に特に日数を要する事情に鑑み、定時総会の場合に限り、その株主名簿を閉鎖することができる期間を、商法の規定にかかわらず九十日間といたしました。
その他、保険会社の責任準備金の計算に関し必要な事項を命令で定めることとするほか、若干の規定の整備をすることといたしました。
以上が、本法律案の提案の理由並びにその概要であります。
最後に、社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。
政府は、昭和二十二年以来、神社、寺院等に無償で貸し付けてあつた国有財産を当該神社、寺院等に対し、無償譲渡又は半額売払の処分を行なつて参りました。社寺境内地処分審査会はこの処分に当り、大蔵大臣の諮問機関として大きな役目を果して来たのでありますが、現在の段階におきましては、その設置の目的を達成したと認められたるに至りましたので、この際社寺境内地処分審査会等に関する規定を削除しようとするものであります。
以上が五つの法案の提案理由の説明でございまするが、何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/2
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003・中川以良
○委員長(中川以良君) それでは先ず旧外債処理法による借換済外貨債の証券の一部の有効化等に関する法律の一部を改正する法律案について内容の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/3
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004・石田正
○政府委員(石田正君) 只今提案理由の説明がございましたが、それに附帯しまして、補足的にこの法律案につきまして御説明を申上げます。
この元の法律ができました場合におきまして、有効化できますものといたしましては三種類を挙げたわけであります。第一は本人の承諾を得ないで借換が行われたもの、それから第二は質権者が持つているものを質権者の同意を得ないで措換えたもの、第三といたしまして、敵産管理当局によりまして差押えられていたもの、この三つの種類のものを活かすということにいたしたわけでございます。ところがその三者のいずれにも該当いたしませんで、而も善意の者が持つている証券があり得るわけでございます。この処理につきましては、将来様子を見ましてから改正の必要があればそのときに改正をいたしたいという気持で、この前の法律案のときにおきましてはその項を設けなかつたのでございます。この第四番目の種類に属すると申しますか、そういうものにつきましては、これらの証券はいずれも無記名証券なのでございます。従いまして転々売買されることは常態でございまするし、又善意の取得者がそれを取得いたしました場合に、これを無効であるということに取扱いますことは非常に無理があつたわけでございます。これを英米におきますところの実情から申しますと、アメリカにおきましては、戦争が開始されましてから日本の外貨債証券は取引が行われなかつたのでございます。併し一九五〇年になりましてから、それが取引所に上場されるということになりました。この場合日本政府といたしましては、そういう借換が行われまして、国内におきます邦貨債が出しているものについては一つその取引をとめて欲しいというので、そういう証券の番号を向うへ出しまして、そうしてそれが取引所で取引ができないようにということを依頼いたしました。これに対してアメリカ当局では日本政府の要求を入れましてそういうものの取引を取引所においてすることを差止めておつてくれたのであります。併しながらいろいろ事情がその後わかつたのでありますが、そういう段階に至ります前におきまして、取引所は通つておらないけれども、店頭において売買されるということもこれは行われ得たのでございまするし、又その他相対売買等におきまして、全く善意の取得者が取得しておるというものが起つて来たのでございます。これらのものにつきまして、去年外貨債の処理につきまして英米の代表者と話合いをいたしましたときにおきまして、こういうふうなものを無効化さしておくことは国際常識に反することでございまするので、是非有効化の措置を講じて欲しいという強行なる申出があつたのでございます。それに対しましてこれは国内法上そういうことができないことになつているので、今直ちにそういうふうな措置をとるわけには行かない。併しながらこの点については来るべき国会等におきましてそういう法案を提出して、そうして幸いに御承認が得られるならばそういう措置をとるということを考えようということで戻つて参つたというような次第でございます。そういうわけでございますので、今回の改正はこの第一ページにございますが、真中ごろに書いてございますが、その証券の所有者以外の者が所持しておつて、そうしてその所持者が善意で取得したというものについてはこれを有効化し得る途を開くというふうにいたしたいと思うのでございます。
それからあとのことは条文が少しややこしく書いてございますが、これからあとは主として利札の問題を取扱つているのでございます。外貨債につきましては、この親証券と離れまして利札だけが売買されるということがあるわけでございます。そういう場合におきまして、親証券のほうを持つて参りまして、親証券のほうを有効にしてくれと言いますれば、当然現行法におきまして利札のほうも有効となるのでございますが、併しこれは所有者が違うというような関係から、先ず利札のほうを持つて参りまして、その有効化を求めるということが起つて来たのでございます。そういう点におきましても、この利札の有効化の措置を併せ講ずることが妥当と認められますので、そういう利札だけを提示いたしました場合におきましても、この有効化するという途を講じたいというのが、それからあとの全体の規定に相成るわけでございます。なお利札だけを持つて参ります場合に、先ほど親証券の場合におきまして四つの種類を挙げたのでございますが、その四つの種類のうち二つの前のほうの場合、即ち本人の承諾を得なかつたもの及び質権者の対象となつておるというような場合におきましては、これは証券と利札が大体一つになつておりまして、特に今のところ問題になつておらないのでございますが、第三番目の敵産管理当局の場合におきましては、敵産管理当局がまあ向うの清算の都合もございますでしよう。親証券のほうの有効化をあと廻しにいたしまして、利札のほうをこれだけ有効化して欲しいというようなことを言つて参るのがございます。それから又第二の問題といたしまして、さつきの転々流通する関係上善意の取得者が利札だけを持つて参りまして、これを有効化して欲しいという、こういう申出がございまするので、それらにつきましても有効化し得る途を開きたい、こういうわけでございます。これが即ち二ページの真中までの問題でございます。
それからその次の5と書いてありまするところの分は、これは少し技術的になるのでございますが、外貨債処理法ができましたのが開戦と同時ではございませんで、昭和十八年になりまして外貨債処理法ができたのでございます。外貨債処理法のできます前におきましては、為替管理法によりまして債務者は特別の勘定にその利札相当分を払い込むことによりまして債務を免除しておりましたので、これらのものは国内法的には違つておりますが、対外的には一つになつておるわけでございまして、ここは対内的な法制との関連におきまして昭和十八年の八月以前のものにつきましても同様のことをするという意味のことがこの五項として出ておるわけでございます。
第六項は有効化いたしました場合に大蔵大臣としてとるべき措置を講じた次第でございます。
それから第五条は一項を加えまして、四項として新らしい規定が附加えられることになつておりますが、これは利札につきましても政府が債務を払いますところの義務を承継するという点でございまして、これは外貨債処理法のときに全部残つておるものは政府が債務を承継するという建前になつておりまするので、その点を技術上補足いたしました次第でございます。
なお、数字的な点につきましてはこの際併せて申上げたほうがよろしうございましようか。或いは御質問の際に譲りましたほうがよろしうございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/4
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005・中川以良
○委員長(中川以良君) 質問中に一つお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/5
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006・石田正
○政府委員(石田正君) それでは一応この程度で内容の説明は終らせて頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/6
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007・中川以良
○委員長(中川以良君) 次に保険業法の一部を改正する法律案について内容の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/7
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008・狩谷亨一
○説明員(狩谷亨一君) 只今御説明申上げました保険業法の一部を改正する法律案に関します提案説明に補足いたしまして、内容の説明を申上げます。
今回の保険業法の一部の改正の要点は三点あります。第一点は、航空保険事業につきまして海上保険事業と同様に独占禁止法の適用を除外いたすという点であります。第二点は、商法の保険会社につきまして商法の株主名簿閉鎖期間に関しまする特例を布くという点でございます。第三点は、責任準備金に関する規定を法律にはつきり根拠を置くということにいたしましたこと、及びその他若干の規定の整備を図つた点であります。
以下三点につきまして概要を御説明申上げたいと思います。第一に、航空保険事業を独占禁止法の適用除外にいたしました点は、これは我が国の航空機の所有、製造が終戦以来禁止されておりました関係で、従つて保険事業自体としても航空保険ということは成立し得なかつたわけでございますが、昭和二十六年十月に民間航空が再開され、更に昨年四月の講和条約の発効と共に航空機の所有及び運行が全般的に許されるに至つたわけでございます。それに伴いまして定期航空のほか通信とか或いは新聞、宣伝、広告、遊覧等の事業におきまして航空機の利用が急速に増大するに至つたわけでございます。従いまして、それに伴いまして航空保険事業が再開せられることになりました。戦前におきましては、我が国では航空保険事業を富んでおりました会社が五社ございましたが、現在では十三社が航空保険事業の免許を受けておるような状況でございます。かような航空保険事業につきましては、その性質から申しますと、海上保険事業と同様に国際性の非常に強い事業でございます。又一件の引受金額が非常に多額に上つておりますので、保険の危険分散の趣旨から申しますと、どうしても共同引受を要する。更に我が国として保有できない限度につきましては海外に再保に出すというような必要も生じて来る。又料率におきましても、我が国の保険会社としての保有限度におのずから限度がございますので、海外に再保に出す関係上、海外のレートと同一のレートで行くということが実務上の建前になつております。さような点を考慮いたします場合には、海上保険と全く同様な性質を有するものとして、共同行為に関します独占禁止法の適用を排除することが必要となつて参るわけでございます。従いまして、今回の改正案におきまして海上保険事業と同様に航空保険事業も独占禁止法の適用を除外するような措置を講じようといたしておるわけでございます。
なお、この航空保険事業の内容といたしましては、現在は保険業法上認められておりますものは、航空機械に関します保険と、航空運送即ち航空機によつて運ばれる貨物に関しまする保険、それから第三に航空機によりまして第三者の、他人の生命、身体その他財産に損害を与えた場合におきます損害賠償義務に保険をかける場合、以上三種を含んでおりますが、今回の改正におきましては、特にそのほかに航空傷害保険につきまして併せて航空保険事業の中に入れまして独占禁止法の適用を排除しようといたしておるわけでございます。かようにいたしておりますのは、外国、アメリカその他の国の約款におきましては、我が国の約款と異りまして、航空保険事業の中に航空傷害保険を含んでおります。これに対しまして我が国の場合は傷害保険の中に航空傷害保険が特約として付いております。併し諸外国との関係も考慮いたしますと、航空傷害保険事業につきましても一般の航空保険事業と同様に扱うことが適当と認められたからでございます。
次に、第二の商法二百二十四条の二の特例を御説明申上げたいと存じます。商法二百二十四条の二の規定は株主名簿閉鎖期間に関する規定でございます。この株主名簿閉鎖期間は決算日の翌日から六十日以内の範囲で以て定める、かようなことになつております。併しながら保険会社の実務といたしましては、責任準備金の計算等に相当の日数を要することでもございますし、又その前提となります損害の発生の有無等についても世界各国からの情報を取りまとめて責任の有無を確定しなければならないというような手続上の問題から相当日数を要するわけで、ございまして、どうしてもこれを三月間の余裕を見なければならないというのが実情でございます。ただかように商法の特例を開きます場合に、多少株式の流通という点から問題が予想されるのでございます。その点につきましては、保険会社につきましては計算が年一事業年度になつておるのでございます。これは保険業法の八十二条にその規定がございます。その関係から申しますれば、通常の会社が年二回の計算であるということとの権衡等を考えますれば、九十日ということも止むを得ないことかと存じておりまして、かような改正を提案した次第でございます。
第三点は、責任準備金の計算に関しまして、必要な事項は命令で定めるという規定でございます。現在の保険業法におきましては、責任準備金施行規則におきまして責任準備金の計算に関する規定若干を盛込んでおります。併しながらこれにつきましては、保険業法は昭和十四年にできました法律でございますので、当時の情勢といたしまして必ずしも法律に根拠を置かない命令もいろいろ出ておりましたであろうかと思われるのでございますが、法律にはつきりした根拠規定がございませんので、今回の改正でその根拠規定をはつきり与えたいというのが目的でございます。その他それに伴いまして若干の規定の不備を是正いたしたわけでございますが、第一点は、第二条のうちに「前条」とありますのを「第一条」と改めたこと。第二点は、第十四条におきまして「前条」を「第十三条」と改めたこと、この二つはいずれも第二条の前に第一条の二という規定をその後に挿入いたしました、それから第十四条につきましては第十三条の二という規定を挿入しましたときに、当然かように修正すべきものであつたかと考えますが、その点が落ちておりましたので、今回この規定に誤りがありますのを訂正するだけの趣旨でございます。又更に第十九条の二項の中の「十万円」を「二千万円」に改めましたことも、これは実質的には何ら変更はございませんのでございますが、やはり前回の法律の一部改正に際しての手落ちではないかと思われますので、この際修正するわけでございます。以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/8
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009・中川以良
○委員長(中川以良君) それでは次に、社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律の一部を改正する法律案について内容の御説明を聴取いたします。阪田管財局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/9
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010・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) 社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律の一部を改正する法律案につきましてその内容を御説明申上げます。
この法律の一部改正案の内容は極めて簡単でありまして、この法律の中の社寺境内地処分審査会等に関する規定をこの際削除しようとするものであります。この法律の内容につきまして一応御説明申上げますと、これは大体昔からありました法律でありますが、昭和二十二年に全文改正になりました。その全文改正になりました内容の概要でありますが、これは大体昔社寺の上地或いは地租の改正、或いは寄附等によつて国有になりました国有財産で、そのまま社寺等に対しまして社寺の境内地として無償で貸付けてあつた国有財産につきまして、これがまあ宗教活動を行うために必要だと認められる場合には、社寺等から申請がありますれば、これを社寺に無償で譲与できる、こういう点、それから本来上地、寄附、地租改正等によつて国有になつたものでなくても、現に国有財産法によつて社寺等に無償で貸付けてあるもので、宗教活動に必要なものは、これを時価の半額の値段で売払うことができる、こういう規定がこの法律改正の主な内容であつたわけであります。この規定に基きましてそれぞれ社寺等から売払いの申請が出まして、これに対する処分をして参りましたわけでありますが、その売払、或いは譲与等の処分に当りましてはこの社寺境内地処分審査会に諮問した上でこれを行う、こういう規定になつておりましたわけであります。処分の実績といたしましては、今日までに提出されました譲与の申請が八万二千七百五十四件、売払の申請が五百五十四件、合せて八万三千三百八件というものが処理済になつておりまして、大体この法律に基く処分が殆んど完了したと言つてもいい状態になつております。ただ訴願の関係が三件余り、大きな問題ではありませんが三件残つておりまして、これだけがまだこの審査会にかけないで、これはまあ本年になりましてから提出されたものがあるわけでありますが、この三件だけ残つていると、こういうような関係になつております。それでこの際一応この社寺境内地処分審査会の使命も終了したものと考えられますので、この際この法律中の社寺境内地処分審査会等に関する規定を削除しようというのが今回の改正の趣旨でございます。
なおこの社寺境内地処分審査会につきましては、大蔵省の設置法規定並びに政令の規定があるわけでありますが、設置法のほうにおきましては、これは中央と地方各財務局所在地にそれぞれ中央と地方の審査会があつたわけでありますが、地方の審査会は昨年の三月限り廃止になつております。それから同じく設置法によりまして、中央の審査会は昨年の十二月限り消滅する、こういうことになつておりまして、設置法のほうにおきましては審査会は現状では存在しない、こういうことになつておりますので、かたがたまあそれに併せまして、この法律の規定も審査会に諮問しないで残りました僅かな処分ができるように改正いたす、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/10
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011・中川以良
○委員長(中川以良君) ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/11
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012・中川以良
○委員長(中川以良君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/12
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013・松永義雄
○松永義雄君 地方公共団体の負担金の納付の特例に関する法律案の提案の理由の説明のうち三段目の、二十七年度以前の負担金で納付期日までに納付になつておらない負担金がまだあると、こういうのですが、その負担金の一つ各府県別ですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/13
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014・中川以良
○委員長(中川以良君) 関係政府委員、いないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/14
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015・松永義雄
○松永義雄君 これは議員提出だそうですけれども、そうですか。いずれにしても資料は出して頂きたいと思います発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/15
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016・中川以良
○委員長(中川以良君) それでは委員長から一つ関係当事者に連絡をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/16
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017・松永義雄
○松永義雄君 これは御承知の通り交付金の関係もあるし、それから出し遅れの関係から納付が遅れるとかといつて、各府県知事が相当こぼしておる問題ですから、計数を一つ各府県別及び内容を一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/17
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018・中川以良
○委員長(中川以良君) 至急に資料を出させますように取計います。
それでは先ず社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律の一部を改正する法律案について御質疑をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/18
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019・野溝勝
○野溝勝君 これと直接関係があるかどうか知りませんが、たまたま関係法案が出ましたので、この際お聞きしておくのでございますが、問題になつておりまする富士山の八合目の払下に関する問題でございますが、これは静岡県、山梨県とがちやんちやんばらばらを演じておるのでございますが、一体あの経過をみますると、大体静岡側の払下要求を承認したかのごとき大蔵当局は見解を発表されておるのでございますが、これに対しましてその経緯を一つこの際お伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/19
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020・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) この富士山の八合目以上の国有境内地の処分の問題につきましては、富士宮市にあります富士山本営浅間神社、ここから只今議題になつております法律に基いて譲与の申請が出ておりまして、その譲与に対しまして、大体八合目以上の地域には百二十二万坪ばかりあるわけでありますが、そのうち一部の宗教上必要と認められる土地につきましては、約五万坪の譲与の決定をいたしたわけであります。それに対しまして神社側から不足だということで訴願の提起がございました。その訴願に対しまして、更に訴願につきましてもいろいろ社寺境内地処分審査会に諮問する仕組になつております。訴願につきまして諮問いたしたわけであります。それで審査会のほうの諮問に対する答申といたしましては、公益上必要な部分を除いて八合目以上の地域は宗教上必要なものとして浅間神社に譲与すべきである、こういう決定になつたわけであります。その諮問の答申を受けまして、大蔵大臣といたしましてはこれに対する採決をいたす、こういう段階に現在なつておるわけでございます。只今お尋ねがございましたように、いろいろと法律的並びに一般の感情といいますか、問題がございますので、政府といたしましても十分慎重にその辺のところを検討いたしまして、この処分によりまして不都合なことのないように適切の措置をいたしたいということで、只今慎重に検討しておる、こういう段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/20
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021・野溝勝
○野溝勝君 失礼でございますが、委員長にお伺いいたしますが、政府委員、説明員として御列席になつておる氏名を一つお知らせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/21
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022・中川以良
○委員長(中川以良君) 大蔵省管財局長の阪田君であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/22
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023・野溝勝
○野溝勝君 それから今一人は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/23
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024・中川以良
○委員長(中川以良君) 木村管財局国有財産第一課長です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/24
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025・野溝勝
○野溝勝君 そこで関連して御質問をするのでありますが、どうも私は富士宮市から申請のあつた払下問題が世間で問題になつておりますので、あわてて法律的根拠を示めすためにこの法案が出されたものだと思うのでございますが、これは行き過ぎの考えかも知れません。併し今当局の説明するところから見るというと、私の判断が当つていると思います。と申しますのは、この法案に基いてやろうということを言明いたしました。これは速記録を委員長あとで見て下さい。この法律に基いてということは、この法律を根拠にしてというふうに私は解釈をいたします。して見ますれば、さようにまだ法律的依存的根拠のない前に、当局が軽卒にもこの富士宮市の申請を妥当のものなりというような解釈を発表するということは、これは許しがたきことだと私は思うけれども、発表しやしない、たまたまいろいろな判断を総合して新聞は書いたというなら、私はこれ以上質問いたしませんが、若し今のようなことを発表したというならば、只今当局の説明との間に相容れないものがありますから、この点を一つ明らかにしておいて、私は質問を続行したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/25
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026・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) 先ほどこの法案の改正の内容につきまして御説明申上げたわけでありますが、今回の改正の内容は法律そのものを改正して新らしい権限、新らしい内容を持たせようということではございませんので、従来ありました社寺境内地処分審査会、これに諮問していろいろな決定をいたす。こういう規定の、その社寺境内地処分審査会を廃止しようというのが、この法律の改正案の趣旨でございます。で先ほどちよつと申上げましたように、社寺境内地処分審査会は問題となつておりまする富士山の八合目以上の譲与の問題につきましては、すでにその答申を了しているわけでございます。そのやるべきだけのことはやつてしまつて消滅している、これは設置法のほうで昨年の十二月末までが設置の期限であります。やるだけのことはやつてしまつておるわけであります。現在残つている措置は、それに基いて大蔵大臣がどう決定するか、こういう措置が残つているだけでありまして、今回の法律の改正、どう改正されるか如何は、冨士山の頂上処分の問題については関係がないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/26
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027・野溝勝
○野溝勝君 それならばお伺いいたすのですが、一体社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律が、一応富士宮市から申請した問題はこの法案では関係ないようでございますが、一応社寺境内地処分審査会を解体するということは、結局この問題について検討をすることにならんのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/27
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028・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) ちよつと御説明徹底しなかつたと思うのでありますが、社寺境内地処分審査会は、富士山の問題につきましてはすでに会議を開きまして、答申を済ましたわけであります。それ以上審査会としてはいたすことは何も現在ではないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/28
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029・野溝勝
○野溝勝君 それでは百何十万坪の申請に対して五万坪の決定をした、五万坪の決定をしたということは、社寺境内地処分審査会の答申によつて大蔵大臣がこれを決定したのですか、それが一つ。それから今一つは、新たに不足だという訴願を出して来た、この訴願に対して、一体この法案ではこれに対する何らの関係もないと言われるのですか、この訴願に対してはこの法案は関係を持つものであるかどうかという点を一つ、二点聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/29
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030・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) 当初約五万坪の譲与を決定いたしました際には、やはりこの審査会に諮問した上で決定いたしたわけであります。この決定に対しまして訴願の提起がありましたので、改めてこの審査会に又申請をいたしました。それに対して答申があつたということであります。今回の訴願に対する大蔵大臣の裁決を行うということにつきましては、先ほど来申上げましたように、すでに審査会は答申を了しておりますので、大蔵大臣が処分を出すだけの行為が残つております。この法案の今回の改正は、その意味におきまして関係がないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/30
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031・野溝勝
○野溝勝君 私は改めてお伺いするのですが、社寺境内地処分審査会の権限なりメンバーなりを一つ資料として御提出願いたいと思います。それから質問を続行したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/31
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032・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) 提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/32
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033・中川以良
○委員長(中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/33
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034・堀木鎌三
○堀木鎌三君 遅く参りまして、御説明が済んだあとで非常に申訳ないんですが、もう一度済みませんが、社寺境内地処分審査会をやめる的確な理由を教えて頂きたいと思います。提案理由の説明だと、大きな役目を果したのでありますが、現在の段階におきましてはその設置の目的を達成したと認められるに至つた、こういうようなことが書いてあるのですが、どうしてその設置の目的がもう済んじやつたのかという点をお聞きしたいのが一点。それからこれがなくなりましたときの訴願についてはどういうふうな救済方法が別個にあるのか、普通の訴願の形式によるのかどうか、そういう点につきましてちよつと御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/34
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035・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) この法律に基きまして譲与或いは半額で売払うという処分をするときには、この審査会に諮問してやる、こういう規定になつておつたわけでありますが、その譲与或いは売払いの処分が申請に対して行われるわけでありますが、提出されました申請が八万三千余件あつたのであります。それに対する処分が殆んど全部と言つていいくらい完了をいたしたのであります。で残つておりますものは訴願が三件残つておるだけであります。そういうような状態になりましたのですが、一方におきまして大蔵省の設置法のほうにおきまして、この審査会は中央の審査会が昨年の十二月末限りしか存続しないことになつておりまして、現在審査会は消滅しておる状態になつております。それでこの規定を生かしておくとしますと、審査会を引続き生かして更に設置するか、それでなければもうこの規定をやめて、大蔵大臣限りで処分できるようにするか、どちらかにするほかないわけでありますが、もうすでに訴願が三件という程度の仕事になりましたので、今後は大蔵大臣だけで処分ができるようにいたそうというような趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/35
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036・堀木鎌三
○堀木鎌三君 昨年の十二月末で申請がなくなつたということは、法律に基いて期限が来た、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/36
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037・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) その通りでございまして、先般改正になりました大蔵省設置法の規定におきまして、十二月末まで期限を実は延して存続させてあつたのでありますが、いよいよ仕事も済みましたので、これ以上延す必要はないだろう、こういうようなことなのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/37
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038・堀木鎌三
○堀木鎌三君 訴願の三件が係争になつおるというその訴願の三件については、今後は普通の行政訴訟による以外には救済の方法がないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/38
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039・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) 訴願につきましては、この法律に基きまして訴願がすでに期限外に出ておるわけでございます。それに対して処分を大蔵大臣が裁決をいたすわけであります。この委員会に諮問しないで裁決ができる、こういうことになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/39
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040・中川以良
○委員長(中川以良君) ほかに御質疑ありませんか発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/40
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041・菊川孝夫
○菊川孝夫君 この社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律というのは、これは新たにやはり憲法の二十条に基いて進駐軍が占領当時の命令と言うか、指示によつてこれはできたものでございますか、この法律自体は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/41
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042・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) 憲法の二十条ということはございませんので、これは憲法の八十九条に関係があるわけでありますが、憲法の八十九条の規定によりまして、まあ関係のあるところだけ読んで見ますと、公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用に供してはならない、利用に供してはならない、こういう規定がございますので、それで従来国有境内地というものは昔社寺から寄附を受けたとか、上地されたというような沿革がありますので、無償で貸していたわけでありますが、この憲法の規定によりましてそれができなくなりましたので、それならば本来そもそも上地された元の所へ戻してやつたほうが趣旨に合うんじやないかと、こういうようなことでこの法律ができたのだというふうに聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/42
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043・菊川孝夫
○菊川孝夫君 ちよつとよくわからんのですが、そういうふうな「宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない」云々というこの八十九条ですか、これより、国の国有財産を貸しているというのは、二十条で特権を与えてはならないというようなのがあるのですが、「いかなる宗教団体も、国から特権を受け」これに該当して、これはそれにしてはならん、だから諮問委員会で以て審査をして、特権であるかないかということを審査して与える、こういうことになつているんじやないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/43
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044・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) 直接には八十九条の関係であると思うのですが、この思想としましては、国が宗教に特権を与えるとか、特に或る特定の宗教に保護や利益を与えるということが好ましくない、こういうところから出て来たものだと、勿論私はそういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/44
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045・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうすると、これは占領の遺物としてできたものですか。結局は占領の遺物というか、新憲法に基いてできたものであるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/45
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046・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) まあ占領の遺物という表現が適当であるかどうかちよつと問題であるかと思いますが、やはり憲法の改正に関連いたしまして、こういう法律を出さなければ憲法との関係において矛盾が出るというような事態が生じて来たところが、この法律の制定されました大きな動機であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/46
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047・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうすると、社寺に無償で貸付けてあるというものは全然なくなつてしまつたわけですか、国有財産が……。今の訴願の三つを除いては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/47
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048・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) お尋ねの通りでございます。処分を終了してしまつたのであります。それで譲与されなかつた、或いは売払いされなかつたというものにつきましては、今後この法律の規定に基きませんで売払いの処分をする、或いは貸付けてあつたものを取上げる、こういうような措置をするわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/48
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049・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そういたしますと、もうこの法律自体が、「貸し付けてある国有財産の処分に関する」云々、この法律そのものが必要でないのではないかと思うのですが、この点如何ですか。一般の国有財産と同じように処理する方法にしたら如何でございますか、未だにこの法律を残しておかなければならん理由を一つお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/49
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050・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) 只今残つております訴願数件、或いは只今申上げました富士山頂で処分を了していないものがございますので、そういう関係から言えば積極的にこの規定が必要あるわけでございます。そういう処分が全部完了いたしますれば、勿論この法律を新規に積極的に使うという場合はなくなるわけでございます。お説のうに法律を整理するという意味でそういう暁にはこれはなくしても別に支障はない法律でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/50
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051・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そういたしますと、今社寺等に無償で貸付けてある国有財産というのは、今おつしやつた三件と富士山だとおつしやいますが、どういうのが具体的にあるのかということをお示し願いたい、これによつて貸付けてあるのがどれだけ残つておるのか、これは資料でなくてもわかると思いますが、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/51
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052・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) 富士山の関係のは別といたしまして、これは和歌山県の青岸渡寺、これは那智の滝のそばにあるお寺でありますが、これが境界争い等の関係がありまして訴願が出ておりまして、まだ決定してないという形になつております。極く僅かの狭い所の境界争いの問題で問題になつておる、こういう関係であります。それから増上寺も譲与、売払いをいたしたのでありますが、一部の土地につきまして問題がありますために、残つております。訴願が極くこれも一部の土地が残つております。もう一つは靖国神社であります。これもまあ譲与等の処分は済みましたが、一部の土地につきまして多少引つかかりが残つておりまして訴願になつておる、未定になつておるわけであります。それだけが現在残つておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/52
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053・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうしますと、それらの原則としては、無償で貸付けてあるものとしては、成るべく今後は今問題になつて残つておるのはその社寺へ無償でやるというつもりか、それとも個人に処分するつもりか、あなたはどういう方針を考えておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/53
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054・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) それにつきましては、別段社寺などへやるとか、或いは個人にやるとか、そういうふうなことではございませんので、この法律に基いて的確に譲与が受けられるもの、或いは売払いが受けられるものかどうかということをやはり訴願なり何なりで判定いたしまして、それによつて措置すると、こういうことになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/54
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055・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうすると、審査委員会は設置法によつてなくなつてしまつておる。従いましてもうこれからは大蔵省においてまあ管財局の事務として処理をされると、行政的に処分をされる、こういうことになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/55
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056・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) おつしやる通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/56
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057・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうしますと、この問題のあるところを大蔵省で以て勝手に処分をしてしまうということになつて参りますと、いよいよこの利権と言いますか、それから増上寺のごときは、これは今あすこは大事な地所だと思うのですが、場所柄から考えましても那智の滝のようなものはこれはまあ大したことではないと思うのですが、増上寺あたりには恐らくあの近くは土地でもいろいろな問題が紛争して来ると思うのですが、それを大蔵省が勝手にやつてしまうことになりますると、非常に混乱をする危険があると思うのですが、この際どういうふうな処理を考えておられるか、あなたの管財局で事務的に処理をすると、こういうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/57
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058・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) 只今残つております一番大きな問題は、先ほどもお話に出ました富士山ですが、これはまあ審査会にはすでに諮問済み、答申が出ておることでありますので、これはもう済んでおるわけであります。大蔵大臣がその決定に応じて大蔵大臣として裁決処分をするという段階でございます。只今御指摘のありました増上寺につきましては、これは実は増上寺全般的の処分はすでに完了しておるわけであります。ただ小さいお寺がございますが、増上寺の外側に小さいお寺がたくさんございます。その一部におきまして坪数は百坪以下だと思いますが、宗教上の用途に使つておるかおらないかというような点が問題になつて参おりまして、訴願になつておるわけであります。増上寺全体の問題として見ますと相当大きい問題でありますが、極めて小さい問題でありまして、これが現在問題になつて残つておる、こういう状態でございまして、大体もう社寺境内地処分審査会の存続期限を延長してまでやる必要もないであろうというふうにまあ判定いたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/58
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059・菊川孝夫
○菊川孝夫君 大蔵省の設置法の改正のときに十分お尋ねする機会を失してしまつたのですが、これはこの前の行政簡素化で各委員会を整理するその一環としてこれはやられたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/59
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060・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) 勿論そういう趣旨もございましたと思いまするし、大体十二月末までには処理が完了するであろう、こういう見通しの下に十二月末まで、大体三月末までで期限が一応終つておつたのでありますが、それを更に延長して十二月末までに全部完了する、こういうことでやつたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/60
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061・菊川孝夫
○菊川孝夫君 次に、この法律に基いて処分をされたもので、社寺等におきまして相当不服、不服と申しますか、従来の慣習からしてこういう処分をされては困るというような問題が起きておるのではないですか、この点お伺いいたしたい。社寺境内地処分審査会は通つた、而も大蔵大臣の判定も下つたにもかかわらず、現地の社寺等におきまして長い間の習慣から考えて、こういう処分をされては困るというような問題が提起されておるのではないか、この点について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/61
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062・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) これらにつきましては、先ほど申上げましたように、八万余件ありました譲与、或いは売払いの申請に対して処分を一応完了したわけであります。それに対して訴願が出て来たものも多少ございまして、その訴願に対する裁決も一応今の三件を残しまして済んだ、こういう状態になつておるわけですが、その訴願に対して裁決をいたしましても、なお当事者が不服でありましたら、今度それに対して訴訟が出て来ます。現在訴訟になつておるものは一件だけしかございません。大体今後もそういう不服、不満があつて、訴訟まで起して決定の結果を争うというようなものは、そう出ましても余りないのじやないかというふうに私どもとしては見ておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/62
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063・菊川孝夫
○菊川孝夫君 もう二点だけお伺いしますが、この社寺等に無償で貸付けてあるというのは、これは一体いつ頃無償で貸付けたか、これはどういうときに歴史的な因縁を持つておるんですか、国有財産として無償で貸付けたというのは。
それからもう一つ、どこの社寺等にも大低このようにして無償で貸付けておつたんですか。その点はどういう関係で無償貸付というものが行われておつたか、その点ちよつとお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/63
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064・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) このことにつきましては、大分古いところははつきりしないところがありますが、明治初年に社寺の土地を上地した、或いは地租改正に当つて国の所有になつた、そういう沿革でありまして、国有財産にはなつたわけでありますが、それをそのまま社寺の境内地として社寺に管理さしておつたというようなことが最初の無償貸付のような形をとりました沿革であろうと思います。国有財産法が大正十一年にできまして、国有財産に対する法規を整備することになりましたそのときに、国有財産法に基く無償貸付という形式をとることになつた、その後ずつとそういう形になつて来ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/64
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065・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そういたしますと、明治か徳川時代からずつとそのお寺の大体所有地であるぐらいに見ておられたのが、明治時代になつて地租の改正その他によつてお寺の所有地かどうか、所有権がはつきりしなかつたものを皆国有財産に編入してこれを無償で貸付けられてあつた、こういう歴史的なものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/65
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066・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) 大体におきまして、そういうふうな感じのものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/66
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067・菊川孝夫
○菊川孝夫君 中には耕地になつておる、いわゆる農作地になつておる、社寺等が持つておる畑であるとか田圃であるとかいうようなもので、そういうものに該当するものはないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/67
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068・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) これは形式的に境内地として無償貸付になつておりまする土地でありましても、実体が農地になつておるというものは、これは農地といたしまして農林省のほうに移管しておる。自作農その他に解放しておる、こういう手続になつております。その他社寺の境内地になつておりましても、実際上例えば家屋が建つており、料亭に使つておるというようなものがありますれば、そういうものは宗教上必要なものと認められませんので、そういうものは譲与或いは半額売払の処置はいたしてないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/68
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069・菊川孝夫
○菊川孝夫君 実はその点について、皇大神宮の境内では、農地であるか、皇大神宮の所有地であるかというので、未だに係争になつておるのが一件あるということを先般大蔵委員会で出張いたしましたときに説明を受けたのでございますが、それも歴史的な因縁もよくわからないのだが、農地と社寺の境内地とで今争いになつておるのが一件あるというのでありますが、今出ておる訴願のうちには出ていないようですが、これはやはりこの法律によつていずれは処分をしなければならん問題だろうと思いますが、よく御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/69
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070・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) 訴願関係の農地につきましては、約十二万坪ほどと記憶しますが、農地として解放いたしたものがございます。併し農地の形たいたしておりましても、伊勢神宮の宗教の性質上、宗教用に使うというような性質の農地もございまして、そういうようなものは譲与される、こういう形になつております。それで只今その処分に対しまして問題になつておるものがあるというような仰せでございましたけれども、只今のところ神宮に対する譲与或いは売払の処分に対しましては、訴願が出ておるものはないように承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/70
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071・中川以良
○委員長(中川以良君) よろしうございますか、ほかに御質疑ございませんか。ちよつと速記をやめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/71
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072・中川以良
○委員長(中川以良君) 速記を始めて下さい。
それでは只今の法律案に対する本日の質疑は一応打切りまして、次にそれでは保険業法の一部を改正する法律案につきまして、質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/72
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073・野溝勝
○野溝勝君 簡単ですが、一点だけお伺いしておきます。先ほど政府当局の御説明によりますると、確かに本法案は性格を改変するというようなものではないことはよくわかりました。そこで私はこの保険業の損害保険ですけれども、今度は基金を十万円を三千万円にすることにするという改正案でございますが、一体金の価値が下りまして、物の価値が幾何級数的に上つておるこの際に、かような小額の基金で特にこれからの航空保険事業などをやろうということは、私は内容敵にお聞きすると、非常に矛盾と言いましようか、無理がありはしないかと思うのです。こういう点に対して、私は素人で、よくわかりませんが、運営に妙手があつたならば、一つお知らせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/73
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074・狩谷亨一
○説明員(狩谷亨一君) 只今の内容説明につきまして御説明申上げましたことは、実は多少説町が不足であつたかと存じますが、保険会社の資本金或いは基金につきましては、第三条の規定によりまして、総額三千万円以上ということに定められております。この規定には沿革がございまして、明治三十三年だつたかと記憶しますが、第一回の保険業法ができました当時から昭和二十三年まで十万円と書いてございました。それを昭和二十三年におきまして、現在の三千万円に一挙に引上げたわけでございます。勿論三千万円あれば十分だとは、その後の貨幣価値の変動等を考えますと、三千万円で必ずしも足りるかどうか、なおこの点は多少の問題はございますかと思います。又三千万円でスタートするといたしましても、最近の情勢に鑑みますと、相当いろいろなむずかしい問題もあろうかと思います。三千万円あれば必ずよろしいということではなくて、少くとも三千万円以上なくてはならないという意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/74
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075・野溝勝
○野溝勝君 お伺いしますが、併し三千万円以上ときめたところで、三千万円が一つの基準でしよう、これには間違いないでしよう。そうすると三千万円なら妥当であろう、可能であるということですね。ですからそういうことであれば、私は三千万円という最低限度で果してこういう保険事業で対応し得るかという自信の点についてよくわからないから、この点についてお伺いするのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/75
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076・狩谷亨一
○説明員(狩谷亨一君) 三千万円というのは、只今申上げましたように最低限度の意味でございますが、農近の昭和二十三年当時には、或いは三千万円ならば相当しつかりした火災保険会社ができるというような見通しがあつたかと思いまするが、只今のところではいささか低きに過ぎるという感じは持つております。従いまして大体五千万円乃至は一億円見当は少くとも必要ではないかと実務上は考えております。又業種につきましても、航空保険事業につきましては、これは相当やはり責任準備金の積増しがあるとかその他の条件が整いませんと、一件の事故が起つた場合の損害が相当大きいことを考えますと、三千万円あれば直ちに保険事業ができるということは言えないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/76
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077・中川以良
○委員長(中川以良君) よろしうございますか。ほかに御質疑ございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/77
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078・中川以良
○委員長(中川以良君) それではお諮りいたしますが、別に御発言もないようでございまするが、本法律案に対する質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/78
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079・中川以良
○委員長(中川以良君) 御異議ないものと認めます。よつてさように決定をいたします。ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/79
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080・中川以良
○委員長(中川以良君) 速記をつけて。
それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。ございませんか、……格別御発言もないようでありまするが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/80
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081・中川以良
○委員長(中川以良君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。保険業法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/81
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082・中川以良
○委員長(中川以良君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお、本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条により、本委員会における質疑、討論、表決の要旨を報告することにしてあらかじめ御承認を願うことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/82
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083・中川以良
○委員長(中川以良君) 御異議ないものと認めます。それから本院規則第七十二条により、委員長が議院に報告する報告書に附する多数意見者の御署名をお願いいたします。
多数意見者署名
稻垣平太郎 大矢半次郎
野溝 勝 平沼彌太郎
黒田 英雄 松永 義雄
堀木 鎌三 西川甚五郎
小林 政夫 杉山 昌作
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/83
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084・中川以良
○委員長(中川以良君) それでは次に、旧外貨債処理法による借換済外貨債の証券の一部の有効化等に関する法律の一部を改正する法律案について質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/84
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085・小林政夫
○小林政夫君 この本改正措置に該当する外貨債はどのくらいの金額を見積られておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/85
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086・石田正
○政府委員(石田正君) 先般この改正のもとになりまするところの法案の御審議を願いましたときにも一応数字を申上げたのでございますが、これはなかなか推定が困難な部分がございまするので、その意味で多少不正確なところがあるということを御了承の上でお聞き取りを願いたいと思うのでございます。
大体この問題になりまするところの証券は、日本政府は無効であると言つておるけれども、現物は残つておつて、そうして無記名証券として転転流通されておるほどの可能性を含むものがこの有効化の問題にかかるわけでございます。一番初めこういう証券が一体どのくらいあろうかという総額につきまして、当時いろいろと残存資料に対しまして計算をいたしたのでございますが、そのときの数字は米貨債にいたしまして額面額で八百五十万三千ドル、円にいたしまして三十億円をちよつと超える数字になつております。それから英貨債につきましては六十五万四千ポンドというふうに大体推定されまして、これは大体六億ちよつと上の数字でございます。両者を合せまして大体券面額だけで申しますと、三十七億見当の数字に相成るのでございます。その後この現法律が通りましてから、現法律の枠内におきまして有効化の請求が参りまして、その一号から三号までに該当しまするところの範囲内で、これはどうしても有効化せざるを得ないと認めまして、すでに有効化が済みましたものが、この二月の末日におきまして、米貨債におきましては四百八十二万五千ドルに相成つております。それから英貨債につきましては四千七百ポンドというような数字に相成つておるのでありまして、大体元の額の総額の半分程度のものがすでに有効化されておる次第でございます。従いまして、その残りのものが今後どうなるかということになるのでございますが、この残りのもの全部が今度提案いたしましたこの改正案の全額というふうには必ずしも見えないのでございます。と申しまするのは、イギリスの敵産管理局からすでに有効化の請求を受けておりまするものが十五万ポンドを超えておるのでございます。これは今番号その他を調べておりまするので、筋といたしましては有効化さぜるを得ないと思いまするけれども、その手続がまだ未済でありまするので、有効化するという措置は完了いたしておらないわけでございます。それからなおアメリカのほうにおきましては、大体敵産管理局関係におきまして有効化の要求があつたものが四百七十七万七千ドルというふうな数字、これは先ほど申しました四百八十二万五千ドルのうちでございますが、それだけやつたのでございますが、アメリカ当局のやり方といたしましては、持つているものを全部有効化するというのではなく、その一部々々について、そのときそれに有効化を求めて来るというようなことがございまして、こちらといたしましてもその性格なる数字をいろいろ尋ねておりますが、なかなか洩らしてくれませんので、残りました米貨債の中で、そういう関係で又有効化しなければならんところのものが相当あるかと思つております。それからなおその残りの、それではそういうふうなものを除くものが全部善意取得者のものであるかどうかということに相成りますると、この点におきましては現物はまだ残つておりまするが、一部こちらに証券を渡してくれてそうして穴を明けてもらえるであろう措置がとれるであろうと思われるものが、これは主として英貨債でございますが、三十万ポンド近いものがあるのではないかと我我は考えておる次第でございまして、目下折衝いたしておる次第でございます。従いましてそれらの数字を除きましたものが今度の改正によりまして問題になるところの数字となる次第でございます。ただ併しこれにつきましては、現在のところまだ大きなものの要求がございません。ただ抽象的な問題といたしまして、こうして欲しい、ああして欲しいという要望がありまするし、従いましてこの法律……それから我々のほうといたしましては現在そういうことができないことになつておるからというので、現実において断わらしているというような実情でございます。そういうことでございまするので、具体的にどういう数字に相成るかということは申上げかねるのでございますが、先ほど申上げましたような数字から、一応最大限というものをお考えになりましたならば、一応推定がつくのではないかと、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/86
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087・小林政夫
○小林政夫君 今お話のあつた三十万ポンドこちらで穴明け措置ができるというのはどういうものなんですか。一応借替えをやつた日本人のものなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/87
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088・石田正
○政府委員(石田正君) これは速記をやめて説明さして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/88
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089・中川以良
○委員長(中川以良君) 速記をやめて。
午後三時五十九分速記中止
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午後四時十五分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/89
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090・中川以良
○委員長(中川以良君) 速記を始めて。
それでは本日はこれにて散会いたします。
午後四時十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02619530302/90
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