1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年六月十日(金曜日)
午後二時二十五分開議
出席委員
内閣委員会
委員長 宮澤 胤勇君
理事 高橋 禎一君 理事 辻 政信君
理事 江崎 真澄君 理事 高橋 等君
理事 森 三樹二君 理事 田原 春次君
長井 源君 保科善四郎君
眞崎 勝次君 粟山 博君
小金 義照君 田中 正巳君
福井 順一君 茜ケ久保重光君
渡辺 惣藏君 鈴木 義男君
農林水産委員会
理事 井出一太郎君 理事 白浜 仁吉君
理事 大野 市郎君 理事 鈴木 善幸君
理事 稲富 稜人君
赤澤 正道君 安藤 覺君
五十嵐吉藏君 伊東 岩男君
石坂 繁君 楠美 省吾君
小枝 一雄君 笹山茂太郎君
原 捨思君 本名 武君
助川 良平君 田口長治郎君
有馬 輝武君 淡谷 悠藏君
伊瀬幸太郎君 日野 吉夫君
出席国務大臣
国 務 大 臣 川島正次郎君
出席政府委員
総理府事務官
(行政管理庁管
理部長) 岡部 史郎君
農林政務次官 吉川 久衛君
農林事務官
(大臣官房長) 安田善一郎君
委員外の出席者
農林事務官
(農林経済局統
計調査部長) 野田哲五郎君
農林事務官
(食糧庁総務部
長) 新沢 寧君
農林事務官
(林野庁林政部
林政課長) 奥田 孝君
内閣委員会専門
員 亀卦川 浩君
内閣委員会専門
員 小関 紹夫君
内閣委員会専門
員 安倍 三郎君
内閣委員会専門
員 遠山信一郎君
農林水産委員会
専門員 藤井 信君
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本日の会議に付した案件
行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(
内閣提出第五二号)
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〔宮澤内閣委員長委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/0
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001・宮澤胤勇
○宮澤委員長 これより内閣委員会、農林水産委員会連合審査会を開会いたします。
私が法案の付託を受けました内閣委員会の委員長でありますので、先例により、本連合審査会の委員長の職務を行います。
行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。川島国務大臣。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/1
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002・川島正次郎
○川島国務大臣 ただいま議題となりました行政機関職員定員法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明いたします。
今回提案いたしました行政機関職員定員法の一部を改正する法律案は、昭和三十年度における各行政機関の事業予定計画に即応して、必要やむを得ない事務の増加に伴う所要の増員を行いますとともに、業務の廃止及び減少に伴う余剰定員の縮減を行いまして、行政機関全般の定員の適正化をはかろうとするものであります。
次に法律案の内容について申し上げますれば、第一に、今回の改正によりまして、第二条第一項の表における各行政機関職員の定員の合計六十三万二千三百十三人に対しまして、六千三百三十六人の増加を行うとともに二千三百十七人の縮減を行い、差引四千十九人を増加いたしまして結局合計六十三万六千三百三十二人といたしました。増員及び減員の内容の詳細につきましては、それぞれ各省庁から御説明いたしますが、そのおもなものについて申し上げますれば、増員のおもなものといたしましては、文部省国立学校の学年進行、学部、学科の増設によるもの七百五十八人、厚生省国立結核療養所及びらい療養所の増床によるもの五百九十六人、郵政省の郵便取扱い業務量及び電話業務量の増加によるもの三千二百七十一人等でありまして、いずれも現業的業務の増加に伴う必要やむを得ないものであります。減員のおもなものといたしましては、大蔵省国税庁の奢侈繊維品消費税関係に予定いたしておりました未使用の定員六百八十人、郵政省の電話業務を日本電信電話公社の直轄に移管することに伴うもの四百人、建設省の営繕関係業務量の減少によるもの二百二十人等であります。
なお、奄美群島の復帰に伴い各行政機関の現地における機関が引継いだ職員の定員は、従来奄美群島の復帰に伴う琉球政府の職員の引継の暫定措置等に関する政令で規定しておりましたが、右の職員の定員に関する限り暫定措置も終了いたしましたので、今回の改正を機としてこの定員七百三十七人をこの法律の定員に合併して規定することといたしました。
第二に、総理府本府、警察庁、大蔵省、文部省、通商産業省及び建設省につきましては、事務の縮小等に若干の期間を必要とするものがありますので、それらの事情を考慮の上必要な員数の定員を昭和三十年七月一日から一カ月ないし九カ月の間経過的に附則で新定員に附加することといたしました。第三に、調達庁、文部省及び厚生省の職員であって、昭和二十九年度において決定されました人員整理の年次計画によりまして、昭和三十年度以降同三十二年度にわたる定員の増減によって整理されるものにつきましては、その実施を一層円滑にするために、整理される職員の申し出に基いてこれを指名いたしまして、定員のほかに置くことができることといたしました。この場合、定員のほかに置くことができる期間ほ、十カ月以内で政令で定めることにいたしております。指名された職員は、ての期間中職務に従事しませんが、これらの者には本俸、扶養手当及び勤務地手当を支給することとし、かつ、恩給法及び国家公務員等退職手当暫定措置法の適用につきましては、職務に従事するものとみなして取り扱うようにいたしております。
この改正法律は七月一日から施行することといたしておりますが、職員を指名して定員のほかに置く関係規定は公布の日から施行することといたしております。
以上がこの改正法律案の主要な内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/2
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003・宮澤胤勇
○宮澤委員長 これより質疑を行います。通告がありますので、順次これを許します。有馬輝武君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/3
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004・有馬輝武
○有馬(輝)委員 最初に川島さんにお伺いいたします。ただいま提案になりました行政機関職員定員法の一部を改正する法律案の提案理由の説明で、いささか明瞭を欠くきらいがありますので、その点をまず第一にお伺いいたしたいと存じます。
それはこの提案理由の説明の中に、「昭和三十年度における名行政機関の事業予定計画に即応して、必要やむを得ない事務の増加に伴う所要の増員を行いますとともに、業務の廃止及び減少に伴う余剰定員の縮減を行いまして、行政機関全般の定員の適正化をはかろうとするものであります。」こうなっております。ところが同様な意味合いにおきまして、五月の二十四日ですか、内閣委員会におきましてもそのような提案理由の説明がありまして、そのあと岡部政府委員の方から補足説明がなされております。ところが今川島さんの御提案になりました、この私が読み上げました条章は非常に簡潔をきわめておりまして、私たちどういう工合に受け取ったらいいかわからないのであります。ところが岡部政府委員の補足説明は、各省庁の具体的な人員増減の理由とその員数を説明してあるにすぎませんで、その間において、具体的には各省庁に対してどういう基本的な構想というものが管理庁自体にあって、それに基いて具体的にはどのように行われたか、そこらの辺がいささか明瞭さを欠くのではないかと思うのであります。ですから、管理庁としてこの定員法改正に当りましてどのような基本的な構想でもって臨まれたかを、いま少し具体的に御説明願いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/4
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005・川島正次郎
○川島国務大臣 行政各機関の定員を今後どういう方針で増減するか、扱うかということにつきまして、政府といたしましては前年来約六万人に達する行政整理の減員をいたしまして、大体これが完了して若干残っておる程度でございますが、これ以上に現内閣といたしまして行政整理の意味の縮減をする考えはございません。ただ平素各行政部門の合理簡素化を考えております。同時に職員の増加を極度に押えておるのでありまして、今回御審議を願います案も、現業的の、やむを得ざる増員だけに限りまして、事務的の職員の増加は一切認めないという方針をとって、各省とも相談の上これを圧縮いたしておるのでございます。結論的に申し上げれば、今後とも行政整理の意味の減員はいたしませんけれども、各官庁の簡素化、合理化をはかりまして増員は極力押える、こういう方針のもとに今回の案を作ったわけでございます。私どもが持っております根本の方針を申し上げて御了解を得たいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/5
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006・有馬輝武
○有馬(輝)委員 それでは次にお伺いいたしますが、先ほど私が読み上げましたものの中に、事務の増加に伴う所要の増員を行いますということと、それから定員の適正化をはかる、この点につきまして公務員制度調査会なり、あるいは各省庁との話し合いはどのような形で進められたのか。少くとも今回提案されたものにつきましては、現在の、あるいは予想されるところの三十年度の事業計画に支障のない形であるという自信をもって提案されたのかどうか、その点をもう一度お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/6
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007・川島正次郎
○川島国務大臣 公務員制度調査会は昨年来熱心に調査研究を続けておりますが、主として機構の改革の点を取り上げて、ただいまやっておるのでありまして、直接今回の定員法改正については公務員制度調査会とは相談をいたしておりません。各省庁とはむろんよく相談をいたしまして、この程度ならば各省庁とも事務にさしつかえない、こういうことに一致をしたものを今回提案いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/7
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008・有馬輝武
○有馬(輝)委員 今各省庁と話し合いをされて納得したものを提案された、これは委員会としては当然の答弁でありましょうけれども、その点もし各省で無理があるということであるならば、将来これを改正する含みを持たせての話し合いであったかどうか、各省庁の意向を十分尊重したと言われるけれども、ある一定の限度を設けて、いわば必要やむを得ないというこの言葉の中に、ある程度の事業量は増加しても、とにかく押えるのだというようなことで押え過ぎたきらいがないかどうか、この点をいま一度お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/8
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009・川島正次郎
○川島国務大臣 今回提案いたしましたのは、現在の各省の事務量を勘案して出したのでありまして、今後事務の内容が増大するというような場合には、当然定員法の改正に触れてくるのでありまして、現在の各省の事務の分量ではこの程度で支障なし、こういうふうに認めたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/9
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010・有馬輝武
○有馬(輝)委員 川島さんの御努力によりまして、とにもかくにも四千十九人という増員を見ていただいておりますことについて私は敬意を表するものであります。たとえば逓信業務が非常に多くなっておる。あるいは厚生省の結核関係の事業がある、こういった点について事業量の増加に伴って考慮していただいた点については私非常に敬意を表し、また喜びにたえない次第であります。しかしこの基本構想というものが果して今おっしゃったように、事務の増加に——現在の、そうして予想される三十年度の事業に対して適正——ここでも定員の適正化ということをうたっておられますけれども、それがそのままじかに受け取られるかどうかという点についてはいささかの疑問を持っております。この点についてあとで、本日合同の委員会の審査にかかっておりますところの、農林省の定員について具体的に御質問いたしたいと存じますが、その審議の過程で、これはやむを得ない、またほかの省庁において増員になったものと比較して、これも当然考慮すべきであるというような点について問題が明らかにされましたときの川島さんのこれに対する措置、並びに三十年度予算はすでに通過いたしておりますが、少くともこの行政機関職員定員法の一部を改正する法律案をこの委員会にかけられるからには、内閣委員会においてもそうでありますけれども、これは当然修正されることも予想しておいでだと思います。そういった点について三十年度予算との関連はどうお考えになっておるか。三十年度予算が通過したのだから、形式的には内閣委員会と農林水産委員会との合同の委員会にかけるけれども、これで納得してもらわぬと困るのだというような形式的な手続で出されておるはずはないと思いますので、その点ははっきりしておいていただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/10
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011・川島正次郎
○川島国務大臣 むろん予算と関連性があるのでありますけれども、根本といたしましては、各省の事務の分量を勘案いたしまして、それに必要な人間を盛ることが当然でありまして、今日提案して御審議願っているのは、各関係官庁と十分相談をいたしました結果、この程度の人員ならば仕事はできるというところで落ちついた数字でございます。従いまして現況におきましてはこれ以上増員をする考えはございません。ただ今後事務が非常にふえてくる、事情が違ってくるというときは、それはまた別問題として考慮しなければならぬと思うのでありますけれども、現在の事務量におきましては、これは各省においてもこの程度でできるということを言っておるのでありますから、私どもこれを認めていただきたい、こう考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/11
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012・有馬輝武
○有馬(輝)委員 今の問題は非常に重要な問題です。少くとも一つの法律をかけて、とにかく予算はきまったのだから何が何でも納得してもらうのだという答弁に今受け取ったわけであります。国会といったところはそういったところですか。いま一度その点をはっきりしてみていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/12
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013・川島正次郎
○川島国務大臣 私はそういうことを申し上げたのではないのであって、定員法はむろん予算には関係があるけれども、それよりももっと先の問題として事務量と人間の関係とを研究して作る必要があるのであって、今回提案しておるのは、各省と相談の上、現在の事務の分量ならばこの程度の人間でいいということが納得ができましたから、立案して御審議を願っておるわけであるということを申し上げたわけでありまして、予算が通ったから一切これは修正まかりならぬというようなことは、議会の本質としてはできるものではありませんので、その点考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/13
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014・有馬輝武
○有馬(輝)委員 納得のいく答弁をいただきましたので、われわれあれですが、先ほどの答弁の私の受け取り方がわるかったのだろうと思いますが、少くともこの定員法について審議の結果増員すべきだという点が認められるならば、当然予算もそれに順じて修正されるという点は確認してよろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/14
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015・川島正次郎
○川島国務大臣 現在政府といたしましては、改正定員法を作りまして、それに相応するだけの予算措置をして別に御審議を国会に願っておるわけでありまして、私どもは予算案も、またこの定員法も、御審議の上御協賛を得られるもの、こういう確信のもとに出しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/15
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016・有馬輝武
○有馬(輝)委員 そうなってくるとまた答弁が食い違ってくるのですよ。少くともこれは法律としてまだでき上っていないですよ。審議の過程なんです。予算が通ったから、また各省庁が納得しておるから、これに協力してほしい、そう思っておる、これじゃ困るのですよ。法律は私たちが作るのですよ。今までの手続につき、あるいは希望についてはわかります。しかし建前をはっきりしておいていただかなければ、この連合審査会は何のためにやっておるのかわからないということになりますので、この点を最初にお伺いしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/16
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017・川島正次郎
○川島国務大臣 政府といたしましては、各官庁がよく連絡をとりまして相談の上この定員法の改正が必要だ、こう考えて提案して御審議を願っておるわけでありまして、私どもといたしましては、これだけの人数を増員すれば大体仕事を円滑に運ぶものだという確信に立っておるのでありますから、そういう意味で申し上げるのであります。国会の方でこれを修正されるのはこれはまた別のことでありまして、政府の立場というのは私が申し上げた通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/17
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018・有馬輝武
○有馬(輝)委員 今の御答弁の経過を通じまして、川島さんとしては、政府としてはこれが最善のものだと思うし、これの通過を願っておる。しかし委員会において修正されるような手続が行われるならば、それに伴って予算も考慮される、これは別の問題であるし、またそういったことも考えられるというふうな御答弁として受け取ってよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/18
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019・川島正次郎
○川島国務大臣 ただいまの有馬さんの御発言は国会審議の本質に関係する問題でありまして、国会はむろん審議権があり修正権があるのでありますから、国会でこれを修正されれば政府としてはそれに従うのが当然のことであります。これはひとりこの問題だけではなしに、国会には審議権があるのでありますから、決して私はそれを否定するものではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/19
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020・有馬輝武
○有馬(輝)委員 次にお伺いいたしますが、先ほどもお話いたしましたように、四千十九人という増加についてな非常にけっこうなことでありますけれども、これについて事務量の増加という点、各省によってアンバランスがないかどうか。先ほどお伺いしたところでは、少くとも提案理由の説明に書いてあること以外に突っ込んだお話がなかった。また岡部政府委員の説明によっても、ただ抽象的に、郵政省ではこういう事業量が増加したから、厚生省ではこうなったからということであって、これがほかの省庁で要求されたものとどういう関連をつけてどういう基準で考慮されたかという点について納得のいく説明がなかったのでありますが、その点についてここはこうだったからということを言い切れる御自信がございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/20
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021・川島正次郎
○川島国務大臣 私どもは現況におきましては今の定員法で差しつかえないと思っておるのでありますが、有馬さんの方におかれて、ここが足りないのだ、あそこが足りないのだという御指摘があれば、それについて考慮もするし、また資料をもって御答弁いたしますが、一体どこが足りないのか、こういうことを御指摘願いませんと、広範にわたる行政官庁でありますから、私の方からこういうことを申し上げにくいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/21
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022・有馬輝武
○有馬(輝)委員 ただ基本的な構想だけお伺いしておきたいと思うわけです。そうしませんと、あとで農林省の各関係につきまして各局かちお話を伺いましても、それが結局川島さんからそういったことはできないということになると、今の点についてはその程度にお伺いしておきまして、結論的にまたお願いいたしたいと思います。
まだ川島さんにお伺いするのですが、次に非常勤の問題があります。これは森政務次官も、六月四日の内閣委員会におきまして、現在常勤あるいは非常勤というものが全部で五十九万人にも上っている。これはたとえば昭和二十六年の行政整理、その後の行政整理、またそれ以前にもありましたけれども、これは理論じゃないはずですが、業務の実態に応じた行政整理じゃなくて、とにかく一般的に行政機構を簡素化しなければならない、それに応じて人員の整理をしなければならないということで整理してきた結果、実際には定員内の職員と同じような形で仕事をしなければならないけれども、定員法ではそうなったから、やむを得ず仕事をさせておるという形で、そういった厖大な常勤あるいは非常勤の職員を各省庁がかかえておるという実態になっておると存じます。しかもその中で農林省は、これはあとで農林省の官房長にもお伺いしたいと思っておりますけれども、五十万人くらいの非常勤をかかえる。これは岡部政府委員の説明によるのです。この問題について岡部さんも、これは定員の中に繰り込むのが至当であると考えておるというような御答弁を、六月四日の内閣委員会においてもしておられるようでありますが、川島さんはこの問題について、今後どうしようとしておられるか、基本的な点だけでけっこうでございますから、御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/22
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023・川島正次郎
○川島国務大臣 大体非常勤職員の扱っている仕事は、一時的の仕事が多いわけでありまして、恒久的の仕事となれば、当然常勤職員に当るべきものだと思うのでありますが、一時的な労務的の仕事でありまして、これを直ちに定員法を改正して、定員の中へ繰り入れてやるのが適当かどうかということについては、いろいろな観点から考えて考慮の余地があるのではないか。たとえば一時的の仕事ならば、これは出来高払いにする方法もあるでしょうし、また請負に出す方法もあるのでありまして、非常勤職員をどう扱うかということについては、行政監理庁といたしましても、かねて研究をいたしておりますし、また公務員制度調査会におきましても、この問題は大きな問題として取り上げて、解決点を見出そうと思って今考究しておるわけであります。現在の姿が決して健全な姿とは私は考えておりませんけれども、常勤的非常勤というものを、ただちに定員に繰り込むことが果して適当かどうかということについては、相当深く突っ込んだ考究をいたしたい、こういう段階に今日おります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/23
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024・有馬輝武
○有馬(輝)委員 川島さん全くのんびりしたことを言われるのでがっかりするのですが、少くとも岡部さんが六月四日の内閣委員会においても、今答弁にありましたことの中で二点重要なことがあるのですが、「ただこの非常勤職員のうちに、きわめて勤務の形態が常勤的なものがあるということも否定できません。」こういうことを答弁しておられます。さらにこれは郵政の関係についての関連でお話しておられますけれども、公務員制度調査会等におきまして、すみやかに何かの結論を出して、何かの措置を講じなければならぬ、このままの状態でふえていけば云々という答弁をしておられます。しかも今申し上げますように、五十九万の常勤、非常勤の職員をかかえておる実態というものは、今川島さんがおっしゃったようなのんびりした状態で放置していい状況じゃないと思う。これは速急に本日から、ただいまからでも結論を出して、何らかの対策を講じなければならない状況にきておると思います。しかもこの常勤なり非常勤なりの職員の実態を、ずっと各省庁の諸君の仕事ぶりを一ぺん見ていただきたいと思います。本定員と変らない仕事をしておる諸君がほとんどなんですよ。しかも身分、給与の面については、きわめて不安定な中に置かれて、ああ本定員の人は夏季手当が出るのだ、机を並べていて仕事をして、むしろ本定員の職員より仕事をしている諸君が、夏季手当もどうか、出ない。旅費や超勤もない、そういった状況の中に置かれておるのです。それを早急に云々する段階ではというような御答弁では、はなはだ不満なんでして、この点についてきわめて早急に結論を出していただくというふうにしていただきたいと存じますが、その点いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/24
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025・川島正次郎
○川島国務大臣 常勤的非常勤職員の問題は、先ほども御答弁申し上げた通り非常に重大な問題でありまして、私どもの主管しておる行政監理庁においてもこの解決策を考えておりますし、また公務員制度調査会におきましても、特にこの問題を取り上げて今考究しているのだということを申し上げたのでありまして、ただ常勤的非常勤職員が仕事がほとんど常動職員と同じだから、これはすぐに定員の中に入れろ、こう一概にお話がありましても、その仕事はたとえば恩給局あたりで、ほんとうに機械的に労務的にカードを勘定しているとか、あるいは封筒書きをしているとかいうような人も、これは恒久的なものになっておりますが、そういうものを直ちに定員の中に入れて職員にすべきか、あるいは請負に出すべきか、出来高払いにすべきかということにつきましては、いろいろ考慮する余地があるのでありまして、そういうものを十分考慮した上に決定したい、こう考えてこれを放置しているのではございません。取り上げて考えているということを先ほど申し上げたわけでありまして、この数十万人の非常勤者に対する問題というものは一つの大きな問題でありますから、政府においても十分関心を持って今考えている。ただすぐに定員の中に入れるがいいかということについては、ここで私は御返答申し上げる段階でないということを先ほど申し上げたわけであって、常勤的非常勤者の待遇について冷淡だという意味ではないのでありますから、そこは御了解願っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/25
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026・有馬輝武
○有馬(輝)委員 今の点につきましては、冷淡でない証拠をきわめて早い機会に見せていただきたいということで、これ以上は一応川島さんにおまかせしておきます。
次に奄美関係の仕事でございますが、六月一日の内閣委員会におきまして岡部さんから、少くとも奄美でやっていた仕事を受け継いだ形で一応支障のないものをこの定員の中に繰り入れたということで、各省関係のお話がございました。新規事業なりについてはどのような構想で大島関係については考慮されたか、この点をちょっと岡部さんからお聞きしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/26
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027・岡部史郎
○岡部政府委員 お答えいたします。奄美大島の行政権が日本にもどりました際におきましては、あすこで琉球政府でやっておりました人員とそれから業務量というようなものがはっきりつかめなかったものでありますから、現在日本政府でその当時引き継ぎました総数をそのままとりあえず日本政府の職員として引き継いで、その職員をその当時あるがままに引き受けましたので、それが一千余人ございました。それをその後逐次関係各省検討いたしまして、ほぼ内地の行政機関における職員の基準と見合う程度にまで人員関係の検討が終りましたので、この際これを恒久的定員として定員法の中に繰り入れる措置を講じようとするわけでありますが、従いまして三十年度におきましてこの際繰り入れようとします七百八十七名という職員は、三十年度における奄美大島の政府出先機関の業務量に一応見合う数字とこう考えておりますので、御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/27
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028・有馬輝武
○有馬(輝)委員 岡部さんも大局的にはおわかりにならないと見えて、きわめて政府的の御答弁をされる。ただその中でとにかく業務に支障のないような形にしたいというその点を重要視してお伺いしておきます。あとで農林省の各局長にお伺いしますから、そこで支障があったら考慮していただくということにしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/28
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029・宮澤胤勇
○宮澤委員長 川島国務大臣にはもうよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/29
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030・有馬輝武
○有馬(輝)委員 最後にまた来ていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/30
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031・川島正次郎
○川島国務大臣 きょうでなくてよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/31
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032・有馬輝武
○有馬(輝)委員 きょうあとでちょっとだけでよろしいですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/32
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033・宮澤胤勇
○宮澤委員長 今どうですか。きょう合同審査は終りますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/33
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034・有馬輝武
○有馬(輝)委員 それでは川島さんいらっしゃらなくても、きょう農林省の政務次官も来ておられますので、納得のいかない点については全責任を持って、吉川さんが言われる通り修正いたしますということを、おまかせ願えればそれでけっこうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/34
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035・川島正次郎
○川島国務大臣 有馬さんの御意見でありますが、委員会全体なり国会全体の意思でもって御決定になれば、これは従うことは言うまでもないことであります。ただ有馬さんがおれの意見に従えと言っても、これは私としてもちょっと何とも御返事できないのでございまして、政府委員もおりますから、十分一つ御意見をお聞かせ願いまして、その上で適当に処置するようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/35
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036・有馬輝武
○有馬(輝)委員 いま一つだけ川島さんがおられるうちにお伺いしておきます。これは昨年の農林委員会、それから農林委員会と内閣委員会の連合審査会だと思いますが、少くとも農林省の定員については、きわめてすみやかな機会に検討し是正しなければならない、こういうことが論議されたというふうに聞いております。そういった点について川島さんの方でお伺いになっておるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/36
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037・川島正次郎
○川島国務大臣 昨年のいきさつは、私は全く関知しておりませんし、ただいまの農林省の定員について特に考究するというような話は、私としては聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/37
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038・有馬輝武
○有馬(輝)委員 その点は、農林水産委員会の方でよく調査させていただきますが、そういった話し合いがなされておりますので、十分その意に沿うような努力を今後していただきたいと思いますから、念のため申し上げておきます。
次に今度は岡部さんにお伺いしたいと思いますけれども、この六月一日の補足説明の中で、きわめて明瞭に、政府の提案理由の説明の基本に沿ってお話になったことだろうと思いますけれども、次のような点がございます。「次に農林省について申し上げますと、おもなものといたしましては、奄美大島の統計調査事務所の出張所あるいは植物防疫所の職員の定員への組み込みということがおもな増加でありまして、それ以外はもっぱら事務の廃置の分合によるものでありまして、特段のものはございません。食糧庁、林野庁、いずれも同じでございます。」こう言っておりますが、特段のものはなかったのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/38
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039・岡部史郎
○岡部政府委員 先般の定員法の補足説明におきましては、時間の関係もありましたので、農林省の分に至りますると、少し簡単に端折りましたので申しわけございませんが、時間のお許しをいただけますれば、この席におきましてなお追加させていただいてけっこうであります。先日は時間の関係で端折りましたので、不十分な点がありましたが、その点御了承いただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/39
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040・有馬輝武
○有馬(輝)委員 言葉が不十分とか何とかいうことを申し上げておるわけではないのです。たった一行でもよろしい。特に農林省からはこれくらいの要求があったけれども、とかいうのであれば、一行でも僕は納得するのです。特段のものはございませんということであったが、そういうふうに認定されたかどうか、また農林省の諸君が、そのような説明しかしなかったのかどうかという点をお伺いしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/40
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041・岡部史郎
○岡部政府委員 農林省からの折衝に際しましては、いろいろの段階があるわけでございますが、最終的な段階におきましては、御提出いたしました説明資料に基く程度の人員の増減、すなわち、大局的に申しますれば、現在の農林省の総定員大体七万七千余で三十年度の事業計画をまかなおうというのが、一致した根本方針でありまして、もちろん農林省の内部におきましても、三十年度において新たな重要な仕事がございますが、それは極力内部の人員の配置転換によってこれをまかなっていこう。と申しますのは、この際私どもも農林省も一致した意向といたしましては、極力各省一致して人員の増加を防ごうという大きな要請があるのでございますから、それと調和し得る範囲において、最大限度に人員の不自由を忍ぶ。そういう見地から、配置転換を極力いたしまして、大ワクとしてこれでとどめよう、こういう結論に達したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/41
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042・有馬輝武
○有馬(輝)委員 日本語というものは非常に重宝なんで、形容詞をたくさん使ってあると、きわめて当然みたいに聞えるけれども、その当然みたいに聞えるところに問題がある。配置転換その他ででき得る場合とでき得ない場合がある。だから私が先ほど川島さんに、基本的に事務の増加に伴って適正に行われている自信があるかどうかということをお伺いした点も、そこにあるわけです。これは岡部さんにも同様だけれども、それは今から農林省の方々にお伺いしますので、よく聞いておいていただきたいと存じます。
次に安田さんにお伺いしますけれども、先ほど申し上げましたように、昨年度の農林委員会においては、これは全会一致で、党派を越えて、農林省の定員については再考慮すべきだというような意向が表明されております。しかも昭和二十六年の行政整理で、七千八百四十七名という方々が、これは業務の実態に応じてじゃなくて、時の政府の、とにかく行政整理を行おうという基本方針にのっとって、一割ぶっかけてきたものの中で整理されていっております。それが先ほども申し上げましたように、現在全く本定員と同じような形で、常勤あるいは非常勤という形で仕事をしておられる。この状態については、安田さんは百も承知のところでありますが、それに続いてさらに昨年度また五千九百八十三名という行政整理が行われている。ただでさえ労務過重になって、安田さんも御承知のように、その労務過重のために、結核患者がずいぶんふえているという実態であります。統計事務所へ行く、食糧事務所へ行く、試験場へ行く、どこへ参りましても、だれかが労務過重のために結核で休んでいるという状態が、全国的に出てきております。それに今度、あとでもお話申し上げますが、各庁において、それこそ川島さんが言うところの、事務の増加という事態が出てきているのに、わずか三十九名の増員でこの仕事を消化するということを、農林省は御承知になったのかどうか、その点をまず冒頭でお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/42
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043・安田善一郎
○安田(善)政府委員 有馬委員の御質問にお答え申し上げますが、農林省といたしましては、先ほど川島国務大臣から政府の方針をお述べになりましたが、その方針のもとに本案でやることになりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/43
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044・有馬輝武
○有馬(輝)委員 川島さんは、事務の増加に伴う所要の増員を行い、定員の適正化を期するということを基本構想として述べておられます。それでは逆にお伺いいたしますけれども、二十六年なり昨年の行政整理は、これは先ほども申し上げましたように、仕事の実態に応じてされた行政整理でないということは、安田さんも百も御承知のところでありますが、そのときでさえも、無理な状態の中で新規の事業がふえて行く、その関係を御了承されたのかどうかということをお伺いしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/44
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045・安田善一郎
○安田(善)政府委員 川島国務大臣は、あわせまして現定員をふやさないという原則を立てられまして——絶対的なものではございません、有馬委員も御指摘のように、四千何百名の増員に敬意を払っておられまして、それらの調整があったかに聞いておりますが、基本的な考え方は現定員をふやさない方針もあわせて持っておるとおっしゃいましたが、それが政府の方針の一つになっておったようでございます。農林省といたしましては、過去の整理基準、整理方法はいろいろな沿革がございまして私も存じておりますが、行政事務の性質及び事務の分量と、これに見合う定員とは極力合うべきものである。あわせまして定員は本定員でありましても、人夫と普通称しておりまする非常勤の職員でありましても、行政事務に携わり、また人の生活をすべきものとして、最も慎重に考慮しなくちゃいけないと思っておりますが、過去のことは、それだけ年数がたちますと、その間に事務の執行の仕方におきましても調整が行われることも加えまして、また今般はその過去の成り立っておる定員のあり方の上の事務量を三十年度について見る。また農林省につきましては、必ずしも全く三者の行政事務に携わる者を変動せしめない、特に増加もいたさないということではございませんで、それぞれ調整をいたしまして、三十年度分についての変化を今回御提案申し上げておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/45
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046・有馬輝武
○有馬(輝)委員 私が前の行政整理の点をお伺いしたのは、不合理なといっては語弊がありますからあえて言いませんけれども、業務の実態に即応しない行政整理が行われてきて、そして現在、先ほども申し上げましたように、職員の労務過重という実態が極度に高じてきておる。その中で、たとえば林野庁におきましては、あとで御質問いたしまするけれども、北海道の風倒木の問題がある。あるいは統計調査事務所においては災害調査を現在まで県単位であったものを郡単位にまでおろす、これは当然やらなければならない仕事です。また食糧庁におきましては、着地検査の問題があり、サイロの問題がある。あるいは黄変米の試験研究の問題や、仕事がふえてきておる。その仕事の増加に対して今でさえも極端に労務過重になっておるのに、この新規増加を、ほかの省庁においては四千何名というありがたい増員がなされておるのに、農林省だけなぜ増員がなされなかったのかという点をお伺いしておるわけであります。配置転換ででき得る状態にあったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/46
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047・安田善一郎
○安田(善)政府委員 御指摘の山林関係の風倒木等は、去年においても一部増員もあり、本年度もしかるべく増員をいたしまして、農作物の被害調査につきましても常勤労務者の増加をいたしまして、その他につきましては事務の減少もございますので、減少を直ちに定員減といたしませんで、配置が之をして職務をかえることにいたしまして、定数は動かさないでやっていけるだろうということになったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/47
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048・有馬輝武
○有馬(輝)委員 私がお尋ねしておるのは、前々から行政整理になって、僕は、一人当りの事業量というものを考慮しますと、非常に無理な状態に置かれておったのではないかと存じますけれども、その点について、その実態をそのまま認めておられたのかどうか、この点をまずお伺いしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/48
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049・安田善一郎
○安田(善)政府委員 過去の農林省におきまする人員整理のように大量の場合におきましては、ともかく行政の仕方といたしましても相当の人数的な面におきまする変化がございますので、経過過程におきましては、人数と合った行政事務の執行の仕方というものになれない面が出てきておるかと思うのでありますが、これは一つの行政の運営の方法をも加えまして、この定員の中に合せて業務をやろうということで当時定員はできたと思います。率直に申しまして、その当時の経過、手続等にかんがみまして十分徹底して、この人数が減っても全く労務過重が来ないというふうなことで、定員法が人員整理の内容をもちましてきまったと言い切れないものもあるかと思うのであります。しかしきまった以上は、その上で事務の執行上の調整も行うということを加えてのことであると思いまして、それが遺憾ながら、まだ十分にいっていない部分も残っておるかとも存じますが、さらにこれを加えることといたしまして、過去の人員整理、定員法の改正は現定員を基礎に置いて、その以後のことについて今回は改正をしようということとして了承をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/49
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050・有馬輝武
○有馬(輝)委員 今の安田さんの答弁にも見られますように、そうしてまた私が先ほど申し上げました非常勤の数、こういった実態から見ますように、そうして実際現地へ行ってみてわかりますように、現在の農林省の定員というものはアブノーマルな形に置かれておるわけなんです。で、こういったことを質問しても、安田さんと岡部さんは話を合せなければならないから、答弁されないだろうと思いますので、あえてお尋ねはいたしませんけれども、今度農林省でどの程度要求されたかわからない、行政管理庁でどの程度それを見られたかわからない。ですから今度査定される場合には、岡部さんの方でも簡単に、大した問題じゃございませんでしたというような形で片づけていただいては困りますので、先ほど私が申し上げましたように、常勤の本定員の繰り入れを急いでいただくとともに、少くとも来年度においては、この実態に即応して、今度提案になった、この提案理由の説明に即応するような形での定員法の改正というものを、ぜひ出していただきたいと存じます。
それでは統計調査部の部長にお伺いをいたしたいと存じますが、農業共済の損害評価——先ほど私がちらっと触れましたが、現在まで県単位に行なっていたものを郡単位までおろしていただく、こういうことになったと聞いております。私は少くとも農林統計は農業政策の基本ともなる上におきまして、この統計調査事務の占める役割というものは非常に大きいし、せんだって政務次官にお会いしたときにも、この業務にりいては力を注いでいきたいということを言っておられましたので、非常にうれしく存じておりました。ところが今申し上げました農業災害の補償制度協議会の答申にもあったこ思いますけれども、農業災害の調査をするには予算と人員が伴わなければ仕事ができないと思いますが、形式的には被害調査費として昨年度は一億二百五十八万がことしは一億五千二百三十一万になっておりますけれども、これは純増と見てよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/50
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051・野田哲五郎
○野田説明員 その差額は純増と見ていただいてけっこうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/51
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052・有馬輝武
○有馬(輝)委員 ほかの業務には支障のない純増でございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/52
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053・野田哲五郎
○野田説明員 そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/53
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054・有馬輝武
○有馬(輝)委員 それではお尋ねいたしますけれども、耕地面積及び耕地利用の実態調査費が一億九百十一万から六千三百八十八万に減って、作況調査費も七百万減っておりますが、こういった手を抜いて純増だとおっしゃるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/54
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055・野田哲五郎
○野田説明員 ただいま申し上げましたのは、被害調査だけについて申し上げたわけでありまして、統計調査部でやっておりますいろいろの調査に関する諸経費につきましては増加したものと減少したものといろいろあります。トータルといたしまして前年度三十六億七千万円が本年度三十六億円ということになっておりまして、約七千万円減少したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/55
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056・有馬輝武
○有馬(輝)委員 今度は農林行政に詳しい河野さんが農林大臣になられ、しかも吉川さんは非常に熱心な方で、吉川さんは統計調査事務を非常に重要視するというので私は喜んでおった。ところが新しい事業が追加されて、その経費がこういった形でほかのものを犠牲にしたら、ただでさえこの前の農林委員会におきましても統計調査事務をもう少し充実しなければならない、これは各委員から率直に述べられている意見であります。それに逆行するような形でこういつた予算削減を見て、充実した統計調査事務を行い得るのだということを言われるのかどうか、その点今後の基本構想をお聞かせ願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/56
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057・野田哲五郎
○野田説明員 予算につきましては各費目についておのおの増減があったわけでございますが、減少のおもなるものといたしましては、臨時農業基本調査が昭和二十九年度において実測を終りまして、三十年度以降におきましては集計段階に入りますので、これによりまして昭和二十九年度に対して減少いたしましたのは一億三千万円でございます。
それから増加いたしましたおもなるものといたしましては、人件費の増額が六千万円、それから被害調査の増額が五千万円、こういうことであります。
それから一般的に統計調査機構の充実につきましては、各方面からその必要性を要請されまして、私どもも非常に意を強うして邁進しておるのでありまして、本年度の予算におきましてもそのつもりで大いに努力したわけでございます。御承知のように、本年度予算におきましては窮屈な面が多々ありましたので、われわれ統計調査部といたしましては、この程度の経費ということでありますれば、相当予算上は考えてもらっているというふうに思うのであります。しかしながら、この仕事自体に即して考えまして、ほかの機関とのバランスというようなものを抜きにして考えて参りますと、もっともっと充実すべき点がたくさんありますので、この点につきましては大いに今後努力したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/57
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058・有馬輝武
○有馬(輝)委員 これは今の程度の御答弁でよろしゅうございますけれども、今後もっともっと努力したいと思いますというようなことで毎年過ごされないで、三十年度だめだったのですから、三十一年度にはしっかり実態に応じた増加要求をしていただきたいと思います。その点岡部さんもしっかり覚えておいて下さい。少くともどの程度にやらなければならないかという目標については、あなた方の方で一つの基準があるはずなんです。現在統計事務所の諸君があの事務分掌に示されたところの仕事をするために、どのような労働過重に陥っているか御承知のはずなんです。それをさらに郡単位におろして被害調査もやる。しかもこの仕事はただ単に同じ定員の中でこの時期にやればいいのだということで、季節的なあれで勘案できるような状況に置かれていないのです。この点はしっかりお願いしておきます。
次に今の点について安田さんは、先ほど岡部さんの答弁にあったように必要やむを得ない事態が起きてきた場合に、どのような措置をされるか。また現在の農林省の非常勤の職員の身分の安定というようなものについて、いついかなる時期にどのような方法でこの問題を解決されようとするのか、これをちょっとお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/58
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059・安田善一郎
○安田(善)政府委員 各省行政官庁は政治のもとにありますから、政治情勢がそのチャンスを生みましたときには、機を逸せずにやるつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/59
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060・有馬輝武
○有馬(輝)委員 どうも安田さんは答弁らしい答弁で終ってしまうので困る。少くとも四千何名というものが増員になっているのです。これを政治的なチャンスを言わずしてチャンスがあるものですか。ことしみたいなチャンスをのがしたのは一大失策ですから、来年度は決してのがされないようにしていただきたいと思います。
次に食糧庁関係についてお伺いいたしたいと存じます。着地検査の事業が行われるようになりましたことは、きわめて慶賀すべきことだと存じております。これは黄変米の問題その他でも問題になりましたが、それ以前に、やはりこれは基本的に着地検査というよりもむしろ現地検査を行うべき性質のものではありますけれども、それがまあ着地検査の程度に落ちついたといたしましても、大きな進歩だと私考えておりまして、この着地検査の仕事に対しましては、ただ検査の手数だけではなくして、現在までは一回の清算払いでよかったものが、概算払いをやってまた清算払いをやらなければならない、そういった付帯事務の増加が相当出てきておりますけれども、食糧庁としてはこの問題だけに限って考えた場合に、少くともどの程度の人員を必要とされるか、現在十三港ですか、これに応じた人員はどの程度の人員を適正と考えておられるか、この点についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/60
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061・新沢寧
○新沢説明員 お話の通り、輸入食糧の受け入れにつきまして、従来の発地検査ファイナルのものを着地検査を最終とするという制度に切りかえましたために、輸入港におきます事業量というものは非常にふえて参りました。これは確かでございます。この輸入港におきます事業量に対応いたしまして、人員を新たに配置をいたすということでいろいろ折衝を重ねて参りました結果、最終的にきまりまして現在計画し実施いたしておりますのは、各港に常勤労務者及び非常勤職員両者を通じまして、百三十六名の人間を配置しておる次第でございます。もちろん非常に新しい仕事はなかなか大へんな仕事でございますので、百三十六名だけでこの仕事を完全にまかなうということは非常に困難な点がございますので、これに加えまして各事務所、港以外の事務所の業務の繁閑に応じまして、人員の彼此融通をすることによりまして、港の事務所の事業の忙しさの補いをするという意味合いで、特にそういった事務所間においての人員の有機的な派遣につきましての特別な旅費というものも、予算上に計上しておるわけでございまして、その旅費の運用によりまして動員される可能の人数というものを、私ども一応百十名というふうに押えておるわけでございます。従いまして、着地検査に伴いましてこの仕事に従事し得る人員数を申し上げれば、二百四十六名というものがこの仕事に従事し得る態勢になっている、こういうふうに申し上げられるかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/61
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062・有馬輝武
○有馬(輝)委員 そういった形について私はわからないことはないけれども、問題は、現在はたしてこの食糧事務所の職員を仕事の繁閑に応じてそういった形で動員せられる状態にあるかどうかということです。これははっきりしております。いなであります。そこで私の申し上げたいのは、これは災害調査に関する統計調査部の人員の要求にしてもそうですが、とにかく仕事の繁閑に応じてこちらから一応足りない分は持ってきまずからということで、行政管理庁の岡部さんに意気投合してしまう点に問題がある。やはりこれは人員を整備しなければならない。実際の業務量に応じたところの支障のない形を整備してこそ、初めて国家公務員としての任務、責任というものが果し得るのです。一つの限界をこえて仕事をしろといっても無理です。せっかく着地検査という新しい業務がふえて、大きなロスをなくしていい仕事をしようというのに、それに即応する人員が伴わないのではせっかくの施策というものが実を結ばない。これは避けなければならないことです。この点についても食糧庁当局は今後の問題として十分御検討いただきたいと存じます。
次にサイドの問題について、これも名古屋と横浜にできるということになりまして、中間経費が削減されていくということで非常に結構なことだと存じておりますが、現在横浜ではどういった業務の実態になっておるか、この点について最初にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/62
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063・新沢寧
○新沢説明員 横浜サイドに配置いたします人員につきましては、配置転換等によりまして実行計画として八十二名の者を配置をいたす、こういう計画でおるわけでありますが、いろいろ配置困難に伴います事実上の困難がございまして、現在まだ本格的な操業に入っておりませんが、現在までに充足し得ております人間は四十三名でございます。もちろんまだ本運転の段階に入っておらないのでありますが、過去に行いました一、二回の試運転の結果によりますと、もちろん現在おりますこの四十二名ではとうてい足らないわけでございますので、当初の計画通りできるだけ早い機会に、急速に八十二名の実行計画まで充足いたしたいというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/63
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064・有馬輝武
○有馬(輝)委員 農林省はああ言っておりますが、岡部さんどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/64
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065・岡部史郎
○岡部政府委員 行政管理庁の根本的な立場といたしましては、どこまでも業務量に合った適正な定員を求めていって、これを実現するということに尽きるのでございまして、本来行政というものは国民に対してサービスを提供する、その必要なサービスの提供ができないような定員であってはならない、こういうのが私どもの根本的な態度でございますから、御了解いただきたいと存じます。しかしまた現実に毎年毎年新しい仕事がふえていく、これについては必要な定員をふやさなければならぬけれども、まず政府部内として努めなければならぬことは、第一には従来の業務に従事している職員及び従来の業務で幾らかでも必要性がなくなったその余裕のある者をそちらに振り向けるということに最大の努力をしなければならない。たとえて申しますと、このたびも農林省の努力によりまして昨年五百五十人の競馬監督の職員がいた、これを競馬を民営に移管いたしましたことによって、四百六十五人に削ったわけでございますが、その後の推移によりまして、さらに削る余地があるかどうか、農林省におかれましても非常に真剣に検討されまして、十二人減した、このように減し得れば、これを新しい仕事の方に振り向ける、今の一例はわずかな数字でありますが、私どもといたしましてはそういうような努力を払って行って、片一方でふえるものは、片一方でできる範囲内でこれを埋め合さなければならぬ、こういうことを根本的に考えております。
それから仕事がふえるにつきましても、これが一体その役所の恒久的な、あるいは恒常的な仕事量として考えていい段階のものかどうか、あるいは先ほど大臣も申されましたが、単に一時膨脹しただけの分量のものであるかどうかということも考えなければならぬ、その場合には臨時の職員でこれを当てていいのではなかろうか、そういたしますと、そこに問題が出て参りますのは、その臨時の職員が少し恒常化しますと、これの待遇、処遇あるいは身分の安定というような問題があるのでありますが、この点に関しましてもいろいろ考えなければならぬ問題が起きてくるのであります。臨時の職員というものは、採用のときに当りましても、ほんとうの恒久的な職員と同じようなメリット・システムに基いて採用されたわけではないのでありますから、そういうような任用上の難点をどういうふうに解決するかという問題も含んでこようかと思うのであります。いろいろな問題があるわけでありますが、これらの点につきましては、行政管理庁といたしまして真剣に考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/65
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066・有馬輝武
○有馬(輝)委員 この点につきましては、今食糧庁の総務部長からお話のありましたように、きわめて危険な状態に置かれております。私はあえてここで取り上げませんけれども、電源のスイッチを入れたときに片腕をなくした人たちがもうすでに出ているのです。船がついたときには、この四十三名の人たちは二十四時間労働をやっております。従って私は今後の事態が恐ろしいのです。私は今岡部さんがおっしゃったように、原則論についてはわかるのです。不急不用の人員を何も抱えておる必要はないが、しかしさっきから私が繰り返して申し上げておりますことは、業務の実態に応じた定員というものは確保されなければならないという原則でもって貫いてほしいということなんです。今片腕一本なくすということはたいへんなことです。これは本定員であった、農林省の職員であった、人夫であったということでないはずなんです。もし将来、そういった事態が今のままの定員で起った場合にはどう責任を負いますか。ことは人命に関する問題です。私があえて冒頭に川島さんにお尋ねしたのもそこら辺にあったのです。ほんとうに業務の実態に即したところの人員が確保されているかどうか。これは早急に措置していただきたい問題であります。
それから、これは各局に関連する問題でありますけれども、大島の定員は、その当時業務をやっておったものを一応引き継いだから、支障はないのだというような御説明でございましたけれども、私はそういう工合にはなっておらぬと思います。たとえば統計調査事務所の事務にいたしましても、一番近いところで鹿児島県の肝属郡か囎唹必郡と面積もほとんど同程度であるにもかかわらず、定員はその何分の一しか考えられていない。これは食糧事務所においても同じであります。大島だけは特に近ごろ入ってきたから、食糧管理にしても、統計調査事務にしても、三分の一か五分の一やればいいということであれば別といたしまして、大島は御存じの方ははっきりするだろうと思いますけれども、その交通の不便さは内地の比じゃないのです。私らがここら辺でそよ風と思うような風がちょっと吹いただけでも、あそこは隣村に行くには船を利用しております。あそこで私を案内した逓信省の郵便屋さんは、うちの父はかやからちょっと手を出していて、ハブにかまれてそのまま行ってしまいましたと、気楽に話しておりましたけれども、山越えをやるということはとんでもない話です。だから船を利用しなければならない。その船を利用するだけでも、内地の実態に比べて、どれくらい業務量に対する評価の基準というものを違えなければならぬかということは、これは常識で考えてもはっきりしております。ところがその統計事務所や食糧事務所や営林署の職員を、内地の基準に比べて三分の一か五分の一置いておくというのでは話にならない。支障のない形で本定員に繰り入れましたと、これじゃちょっと工合が悪いと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/66
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067・岡部史郎
○岡部政府委員 お答え申し上げます。奄美大島の農林省の出先機関のうち、ことに統計調査関係につきましては、これはもちろん理想をいえば限りはないという見方も出ようかと思うのでありますが、他の出先機関に比して、どちらかといえば比較的充実しているのが統計事務所ではなかったかと思うのであります。従いまして、これは野田さんにお聞きしてもいいのですが、割合統計事務所は満足できる状態ではなかったか。従ってこの定員を定員法の中に繰り入れるにつきましては、一応かなりの程度に満足していただけるのじゃないか、こう思っております。ただ食糧事務所関係につきまして足りなかったことは、これは事実なのであります。あそこで食糧配給関係で配給業務が十分に行われなかったという関係もありますので、その後人員を最小限度に見て、足りないところはがまんしていただきまして、最小限度に定員を是正したことはございますが、そういう関係で内地に比べて三割、四割というようなことは決して考えておりません。できるだけ実情に即してこの定員は考えたつもりでありますので、御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/67
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068・有馬輝武
○有馬(輝)委員 今申し上げました交通の面、それから農家戸数が多い。しかも内地の場合の農家の耕作反別などとは比較にならないくろい零細なんです。それに対してやはり一筆調査なりなんなりを進めていく、予想収穫高を把握する、実収高を把握する、これがどうしても基礎にならなければならない。それに今おっしゃったようなことでは簡単に実情に沿いませんから、この問題も再検討していただきたいと思います。
次に林野庁の問題についてお伺いいたしたいと存じます。この政府の出しましたところの昭和三十年度予算の説明の三十四ページに、特に国有林野事業特別会計の項といたしまして、「この会計の三十年度予算は、二十九年度に比し相当の増加を来たしたが、そのおもな理由は、(イ)二十九年に発生した第十五号台風による北海道地区の風倒木(約五千四百万石)を早急に処理するため、歳出において製品、林道、造林等の事業に必要な経費の増加をはかることとしたこと(他面、素材等の売払数量増加に伴う収入増加をみるに至った)、(ロ)国土の保全と森林資源の保続生産をはかり、あわせて公有林野経営の基礎を確立するため、一般会計で実施する水源かん養林造成と並行して、この会計における公有林野官行造林事業を拡充することとし、これに必要な経費を増額計上することとしたことである。なお、二十九年度から始められた保安林整備臨時措置法(二十九年法八十四号)に基く民有保安林の買上と治山事業の実施は、二十九年度とほぼ同一規模で行われることとなる。」ということを特に強調して予算説明がなされております。私のここでまず第一にお伺いしたいことは、林野整備法が三月三十一日で切れましたが、これらの事業量が相当増加しておるが、せめて二十六年度からでもけっこうでありますから、事業量の増加した分を一つ列挙してみて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/68
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069・奥田孝
○奥田説明員 ただいま最後にお尋ねのございました保安林の整備事業でありますが、これは昭和二十九年度から始められました保安林の買い上げ事業でございます。この事業のためには昭和二十九年度に百名の定員の増加を認めてもらいました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/69
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070・有馬輝武
○有馬(輝)委員 私は、昭和二十六年度からどのような事業がふえてきたかということをお尋ねいたしておりますので、その点を御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/70
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071・安田善一郎
○安田(善)政府委員 お手元に資料がございませんので、別途資料を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/71
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072・有馬輝武
○有馬(輝)委員 昭和二十六年度の森林法の改正に伴って、新しく発足した民有林の森林計画による伐採調整並びに造林事業に関する業務がふえてきておる。毎年々々昭和二十八年度、二十九年度、三十年度と、先ほど読み上げましたようにふえてきておるわけであります。この事業量の増加に伴って、林野庁当局としてはどのように対処してこられたか、幾ら事業量がふえ予算がふえても、これをやり得る人間がふえなければどうにもならないのですが、この点についてお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/72
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073・奥田孝
○奥田説明員 ただいまお読み上げになりました事業量の増加の分についてまず御説明申し上げます。
北海道の風倒木処理の事業、これは御承知のように昭和二十九年の秋の台風の結果の仕事でございます。この分につきましては、昭和三十年の四月から常勤作業員を百名増加する、そのほかに内地の営林局から三百数十名のものを応援に出すというぐあいにして対処いたしておるわけでございます。
それから昭和三十年度から官行造林事業が拡大実施されることになりましたが、この分につきましては本年の十月一日から常勤作業員五十名を増加するということによって処置をいたしたい、かように思っておるわけでございます。それから保安林整備事業につきましては、先ほど申し上げましたように、昭和二十九年度から始まったわけでございますので、その分については二十九年度から定員を百名増加する、こういうことで、処置いたしておるわけでございます。
昭和二十六年度以降の事業量がどういうぐあいにふえたか、それからそれに対処して定員がどういうぐあいにふえたかということにつきましては、ただいま詳細な資料がございませんので、後ほどまた資料を作りましてお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/73
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074・有馬輝武
○有馬(輝)委員 今の資料を、後日でけっこうでございますが出していただいて、その際にやはりこの事業量を消化するためにはどの程度の人員が必要であるということを、農林省の考え方としてあわせて御提出願いたいと存じます。
問題は、現在担当区主任で欠員になっているもの、これも三百何名出ております。これは兼務しております。こういった状況もよく御承知のはずなんで、そういったものもほったらかしておいていいのかどうか——私はさっきからえらく皮肉な質問ばかりするようですけれども、こういった点やはり慎重に考慮してもらいたいと思います。
それから今申しました二十九年度からの保安林の整備強化の人員についても早急にやらなければいけない。また北海道の風倒木の問題にしましても、その石数から見まして、約二億八千万石くらいですか、二千八百七十……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/74
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075・奥田孝
○奥田説明員 五千四百万石くらいでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/75
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076・有馬輝武
○有馬(輝)委員 これは人員はどれくらいいりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/76
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077・奥田孝
○奥田説明員 御承知のように、風害木の処理というのは臨時的な作業でございます。二十九年度で全体の二〇%、三十年度四〇%、三十一年度四〇%と、三カ年計画で処理する考えでございます。そこで林野庁といたしましては、先ほど申し上げましたように、この四月から常勤作業員を百名増加いたしました。それから内地の営林局から定員内の職員、定員外の職員合せまして約三百八十名ほど応援に出して処置いたす考えでございますが、大体それでもって可能である、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/77
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078・有馬輝武
○有馬(輝)委員 次に、民有林の国営造林についてはどの程度の人員を考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/78
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079・奥田孝
○奥田説明員 いわゆる国営造林という構想がどういう工合に実を結びましたかと申しますと、いわゆる水源林の補助事業の拡充ということと、それから官行造林事業の拡充という形で実を結んだわけでございます。そのうち水源林の補助事業の増加は、これは面積が増したということでございますので、特に人員の増加は考えなくていいのじゃないかと思います。官行造林の方は、これは実際営林局が木を植える仕事でございますので、これはやはり人手がいるわけでございます。その分につきましては、さっき申し上げましたように、本年十月から常勤作業員を五十名増すという措置をとりましてやっていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/79
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080・有馬輝武
○有馬(輝)委員 本日お尋ねいたしましたのは、統計調査部なりあるいは食糧庁なりあるいは林野庁についてでありましたけれども、農林省内の内局におきましても同様の事態は、あらゆる試験研究機関に出ております。岡部さんも特に来ておられますが、この職員がこういった定員の少いために労務過重に陥っているばかりでなくして、ことし事業量の増加に伴ってある程度予算増が見込まれておりますけれども、たとえば試験研究機関においては、何か研究会がある、その出張旅費はどうかというと、自費で出して行っております。超勤についても同じような状態
であります。結論的に申し上げたいことは、やはりこういった事業量に伴うところの予算的な裏づけというものは当然なされなければならないということが第一点であります。
第二点といたしましては、やはり事業量の増加に伴って、少くともこの行政管理庁で出されました基本方針にのっとって適当な人員の増加というものは当然行わなければ、せっかく計画された事業というものが、特に日本の産業の基礎である農業政策を遂行していく上において大きな支障を来たす。農林省は今まであまりにも人がよすぎたんじゃないかとぼくは考えております。これは支障はないと存じます。今御答弁の中にもほとんどが支障がある事態をはっきりさせております。これは大胆率直にやはり人員を要求し、自治庁の方においてもそれなりの基準をきめていただいてけっこうですから、事業量の実態に応じたところの定員の考え方というものをぜひ実現していただきたいと存じます。
次に、先ほども申し上げましたように、岡部さんの御答弁によりますと、五十九万人の常勤的非常勤の職員があるという。この諸君の身分の安定ということは一日も早く実現しなければならないことであります。もちろんその中には川島さんが先ほどお答えになりましたように、早急に繰り入れ得べき性質のものでないものもあるかもしれませんけれども、しかしそのほとんどが本定員と同じような仕事をしておっても、身分的に非常に不安定な状況におります。給与の面においても差別待遇を受けておる。これは定員法自体がおかしいのであって、むしろ早急に定員法に対する基本的な概念というものを政府の方において考えられて、これに対する措置をなされるのが基本的な対策と存じますけれども、それがなされる以前においても、この常勤の諸君に対する身分、給与の面での安定を与えてやるということは、早急に措置されなければならないことであると存じます。ですから農林省におかれましても、各食糧庁、林野庁、統計調査事務所、こういったところはもちろん、内局におきまして実際に本定員と同じような形で仕事をしておる職員の本定員繰り入れへの努力、それがなされるまでの身分、給与の安定の問題について、早急な措置をしていただきたいと存じます。
先ほども申し上げましたけれども、政務次官も統計調査事務については特に力を入れていきたいと思うと、非常にありがたい言葉でありますが、やはりそれを予算の面においても、定員の面においても具体化していただく。河野農林大臣がせっかく来られたんだから、あえて私は政策の問題についてはここで申し述べませんけれども、新集荷制度みたいなわけのわからないことを言う前に、やるべきことはこういった点にあると思います。農業政策の基本を、やはりこういった定員の適正化を行わないでやっていこうとするところに問題があるのであります。早急にこの措置を行なっていただきたいと存じます。ですから今申し上げましたことを三十一年度においては必ず実現するというお約束をまずいただいておきたい。そしてその間の経過措置についても支障のないことを行う、予算面においても考慮する。これは事業費でできる面もあるのでありますから、そこら辺についてこれは政務次官から御答弁をいただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/80
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081・吉川久衛
○吉川政府委員 有馬委員の御意見にも、また御指摘になられました点につきましても同じような考え方を持つ点が多々ございます。制度についての矛盾等も私ども痛切に感じている点もございます。公務員制度調査会を督励いたしまして、かような点についてはできるだけ早く結論を得るようにしていただきたいと思いますと同時に、今日までのはなはだ不十分な点については御指摘のように最大の努力をいたすつもりでおりますから、さよう御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/81
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082・有馬輝武
○有馬(輝)委員 質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/82
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083・宮澤胤勇
○宮澤委員長 他に御質問もないようでありますから、質疑はこれをもちまして終了いたします。
これにて本連合審査会は終了いたしました。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204945X00119550610/83
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