1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年四月十八日(木曜日)
午後一時四十五分開会
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出席者は左の通り。
委員長 堀 末治君
理事
重政 庸徳君
藤野 繁雄君
清澤 俊英君
河野 謙三君
委員
青山 正一君
秋山俊一郎君
雨森 常夫君
柴田 栄君
下條 康麿君
仲原 善一君
堀本 宜実君
北村 暢君
小林 孝平君
鈴木 一君
羽生 三七君
上林 忠次君
島村 軍次君
千田 正君
衆議院議員
青木 正君
政府委員
農林政務次官 八木 一郎君
農林大臣官房長 永野 正二君
水産庁長官 岡井 正男君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
説明員
農林省農地局建
設部長 清野 保君
水産庁生産部海
洋第一課長 木田 繁君
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本日の会議に付した案件
○湿田単作地域農業改良促進法の一部
を改正する法律案(衆議院提出)
○農林水産政策に関する調査の件
(北洋漁業に関する件)
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001・堀末治
○委員長(堀末治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
湿田単作地域農業改良促進法の一部を改正する法律案(衆議院提出、衆第十四号)を議題にいたします。
この法律案は、去る三月十九日衆議院本会議において全会一致で原案通り可決され、衆議院から本院に送付、同日当委員会に付託されたものであります。
この法律案につきましては、すでに提案理由の説明を聞いてありますので、本日は直ちに審議に入ることといたします。御質疑の向きは御質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/1
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002・重政庸徳
○重政庸徳君 これは農林省に伺うよりほかないのだろうと思いますが、今まで五カ年間やつて、地方の事業量に対してどのくらいできておりますか、進捗しているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/2
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003・永野正二
○政府委員(永野正二君) ちょっとただいま数字が見当りませんので、すぐ連絡してお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/3
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004・堀末治
○委員長(堀末治君) ちょっと速記をとめて、
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/4
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005・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/5
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006・青木正
○衆議院議員(青木正君) 詳しい数字は、いずれパンフレツトをお手元に差し上げることにいたしまして、ごく大ざつぱに申し上げますと、二割程度しか進んでいない、こういうことになります。金額にいたしまして七十四億程度しかまだ支出されておりませんので、全体の二割程度しか進捗していない、こういうことになるのであります。
さらに、詳しい数字を申し上げますと、土地改良事業につきまして、団体の灌漑排水関係では四割程度進捗しております。それから耕地整備事業では約二割程度、それから小団地関係では、これは割合に進んで、おりまして、四割五分でありますが、平均いたしますと二割程度しか進んでいない、こういう結果になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/6
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007・重政庸徳
○重政庸徳君 湿田単作地帯、あるいは積雪寒冷地帯、特殊土壌地帯、急傾斜地帯というように、この法律ができておるのでありますが、このほかの法律による事業量と進捗の状況を、ちょっと念のため、参考のためにお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/7
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008・永野正二
○政府委員(永野正二君) いろいろな特殊地帯の振興のための施策の進捗度の問題でございますが、最近各特殊地帯に対する対策別に必ずしも予算等が計上いたされておりませんので、ただいまの点は至急数字をととのえまして、後ほど提出いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/8
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009・重政庸徳
○重政庸徳君 大ざつぱでいいのですがね。私は、今言うようなこの五つですかというような特殊地帯の立法が、録第三その振興のためにできておる。これがどうなっておるか。おのおの、私は軽重はないと思う。そういうことを農林省は予算のときには総合的に考えて、予算の要求並びにこの計上をしておるかどうか、こういう点を伺いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/9
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010・永野正二
○政府委員(永野正二君) ただいま御指摘になりました各地帯別のそれぞれの事情に応じての対策といたしまして、現在で予算の関係では、小団地の土地改良が三億というものが計上せられておるわけでございます。それ以外の土地改良関係は、全体を一括して計上いたしておりまして、これをおのおのの地帯の状態に応じまして計画を順次採択し、これを実行しておるということでございます、もちろん、全体の予算の範囲内でどの事業を遂行していくかということにつきましては、おのおのの地帯の事情を十分農林省といたしましては考慮いたしまして、やつておるつもりであります、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/10
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011・重政庸徳
○重政庸徳君 私は、そういうことは大体あらかじめ承知しておる。一本で組んで、それを農林省が配分するということは、承知しておる。その配分が、きわめてだれが見ても公平にいっているかいなかということを、お尋ねしておる。それだから、各単行法による進捗の状況を知らしていただきたい。ややもすると、政治力に抑されておるんじゃないかと私は思う。やかましく言う所には農林省は多くの配分をして、そつと非常に品のいい、おとなしくしておる所には、その事業量が少いというように思う。そういうことをやつてもらつちや困る。だから、その点を私はただしたい。それで、必ず農林省は、そういうことではない、きわめて公平に各単行法による事業の進捗に対しては予算の配分をしておる、こういうお答えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/11
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012・八木一郎
○政府委員(八木一郎君) それぞれの必要性に応じた、特殊性を非常に持ち込んで、これを立法化し、法律として、公平な、公正な予算化もこれが実施面において遺憾なくやれるようになっておりますし、だめ押しにお尋ね下さいました通り、最善を尽して適正にして公正な予算の執行計画の樹立、指導に当つておるのでございますが、なお不十分の点はとくと御指導をいただきまして、改善を加えるつもりでございます、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/12
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013・重政庸徳
○重政庸徳君 私は、指導する必要はないと思う。私どもはそういう公平を欠いておるというような見解に立って、そしてただしておる。必ず公平を欠いておるのだ。これは五つの各特殊地帯の農民を救済安定せしむるための、おのおの法律なんです。その特殊地帯の欠陥を是正する法律なんです、だから、これに軽重はないはずだ、で、これは予算では一本になっておるが、私どもは、これに該当する予算はきわめて増額を熱望して、及ばずながら努力しておる。ところが、その配分は、これは農林省が配分をやる。予算面では一本になっておる。ところが、その配分たるや、私は政治力と申しますか、やかましく言う所に多く与え、たとえていえば、急傾斜、これは主として中国、四国地帯がもとになっているのですが、そういう費用は常に、ほかの所に比較すると、私は必らずしも同等に——数字が端数が幾らとか何とかいうのじゃないのですよ。だけれどもきわめて冷遇されておるということを、私は承知しておる。これは、どういうことでそういうことをおやりになるかということをお尋ねしたい。そういうことになっておらぬという数字が出ればいいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/13
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014・清野保
○説明員(清野保君) お答えいたします。湿田地帯、積寒地帯等の耕地整備予算は、今お示しの通り、一本でもつ
て予算が編成されておりますが、これを各特殊立法地帯の予算に配分する場合には、おおむね前年度の予算配分を基礎にいたしまして、それによって配分しておる。大体本年度におきましても、同様な方法によりまして、前年度に配分いたしました各特殊立法地帯の予算の比率によって、本年度も計上する、こういう方法をとつてきたのであります、なお、かくのごとくしまして配分されました各特殊立法地帯の各府県別の配分につきましては、振興計画面積の、湿田等につきましては、その裏作の利用率並びに水田の面積、農家戸数等の要素を基準にいたしまして、府県別に公正な方法で配分いたしております。決して政治力によってこれを加減するということはないつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/14
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015・重政庸徳
○重政庸徳君 私はそうは思わぬ。最も公平なのは、事業量と予算との按分が最も公平なんです、だれが見ても。ところが、その中に水田面積とか何とかいう要素を入れれば、九州とか四国、中国の急傾斜地帯は水田がない。だから、ない要素を入れて配分根拠に置くというわけにいかぬと思う。だから、事業量と予算の額とを按分すれば、だれが、十人が十人、しろうとだつて、これは公平な配分だと、こうなるのじゃないですか。しろうとの——湿田の提案者の御意見、私の言うことが間違つておりますかどうか、もし間違つておつたら間違つておるとおっしゃっていただきたいと思うのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/15
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016・青木正
○衆議院議員(青木正君) 農林省の予算の配分の問題につきましては、これは行政庁の責任においてやつておりますので、私どもからそのやり方について希望はもちろん申し上げなければなりませんが、私としてどうというわけにも参りませんが、ただ、実際問題としてこういうことがあり得るのじゃないかと思います。それは、早くから取り上げられた特殊立法、たとえば積寒の法律等につきましては、計画が相当早く進んでおりましたので、従って、いろいろ事業が早く進んでおる。これに対応いたしまして、予算の配分も比較的他の特殊立法地帯に比べて有利に配分せられる、こういうことはあり得ると思うのであります。しかし、だからといって、しいて農林省が特殊の地帯にやつているのだとも、私ども考えないのでありますが、私は湿単地帯の立場から考えまして、当初、初年度におきましては、非常にわずかしか予算がついていない。これは各府県からの申請がそこまで行っていなかった、こういうこともありましたので、逐次増加等もし、また農林省からも増額をして配付するようになって参つたのでありますけれども、おそらく特殊立法地帯間におきまして、特殊立法が成立した経過から見まして、そうした関連において若干の不公平と申しますが、軽重が、結果において現われておるのではないか、こういうことを私ども考え
ておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/16
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017・重政庸徳
○重政庸徳君 私もその点は認めるのですが、もちろん成立した年限において、一年ないし三年くらいの開きがある。だから、その当初においては一年ないしニカ年ですね、当初においてはそういうこともあり得るだろうと思うのですが、もう五年もたつて、どの単行法も第一期のこの五カ年間に工事を施行するというやつは、もう年限がたつておるのですからね。昨年、湿田単作法以外のものは、五カ年の延長をいたした。湿田単作法が一つ残つて、今議題になっておるのです。だから、もう五年もたつたら、これは最初そうだったからといって、最初のそういうことを踏襲して、非常なそこにおいて工事の進捗、おのおのの単行法間において工事の進行に配分の差異をつけることは、当を得ておりません、この点政務次官、どうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/17
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018・八木一郎
○政府委員(八木一郎君) 最も公平に事業量に応じて、すみやかに初期の効果が上りますように、立法の精神を生かして参りたい、こういう努力を積み重ねて実施して参りました経過が、御承知の通りな結果になっておりまして、これでよいとは考えておりませんが、毎年予算ワクの中で行政を見て参ります経緯から、ただいま清野部長より御説明申し上げたことに、まあかわるべきよりよい方法が見出されるまでは、かような方法において実施いたしておる、こういう事情であることを御了解いただきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/18
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019・重政庸徳
○重政庸徳君 そういう言いわけ的な御答弁では、了解できない。私は、これは研究しておるのです。だから、もう五カ年もたつたら、最初の二年くらいの間はわかりますが、だけれども、五年もたつたら、だれがしろうとの公平な立場に立って考えても、これは事業量とその年の予算を按分したらば、これは小学校の四年生なら、もうできるだろう。按分比例なんですよ。私はまた、これが最も公平なんだと思う。だから、比較して、現在やつておるのが正しいと言われれば、とことんまで、私が間違つておるか、あなた方が間違つておるか、やらざるを得ぬが、これは一つ……。もう第一期の五カ年が済んだ段階ですが、湿田単作もあまりいいようになっておりません。今非常に御遠慮になって御答弁なさったのですが、実際問題といたしますと……。だから、これは一つ、今年はおやりになっているだろうと思うのですが、一つよく是正して下さい、もう一ぺん新たに考えて。そういうことでなければ、私はどうも了解できぬ。政務次官のお答えをお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/19
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020・八木一郎
○政府委員(八木一郎君) ごもっともな御意見でございます。今後に対処いたしますには、御意見のほどを十分に、できるかぎり取り上げて、善処して参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/20
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021・雨森常夫
○雨森常夫君 前の第一期の計画は五カ年で、三十二年度で終るのですが、今度の第二期計画の改訂の、年度が四年になっておりますが、これは何か、どういう理由ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/21
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022・青木正
○衆議院議員(青木正君) 私ども実は当初、この改正案を提出するに当りまして、他の特殊立法と同様に、五カ年間の期限延長をお願いすることがいいのじゃないか、かように考えてみたのであります。ところが、いろいろ検討してみますると、積寒の法律が昨年五カ年間の期限延長になりました。その他の特殊立法の関係を考えますと、この法案成立の当初から問題になつたことでありますが、ばらばらの特殊立法を作ることはどうか、むしろ総括的な一本の法律にした方がいいのじゃないかという御議論もあったのであります。そこで、頭をそろえておいた方が、かりに現状のまま五つの特殊立法をさらに期限延長をする必要があったとしても、やはり一括同時に延ばす、こういう方がいいのじゃないか、また次の機会にそうしたばらばらの特殊立法を一本化する必要があるという問題が取り上げられるとするならば、そのときに一本化することも容易である、そういう意味から、頭をそろえておく方がいずれにいたしましても便利じゃないか、こういうことで、四カ年間延長という案にいたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/22
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023・雨森常夫
○雨森常夫君 今の御説明を承わると、ちょっとふに落ちないことがある。というのは、どういうことかというと、第一計画のときに、計画面積だけで考えてもいいのですが、計画すなわち要改良面積というものを取り上げて、そうして二十八年から本年度まで五カ年計画に、総体、各種事業全部を合わせた大体二五%ぐらいしか実行しておらない。ところが、あと残り七五%を、あとの四カ年計画に乗せているわけなんですね。そうしていくと、この計画通り実行できるとまあ見なければならぬわけなんです。そうすると、四年で済むわけだから、頭をそろえるもそろえないもないのじゃない
か。言いかえると、また今までのように、二〇%しか四カ年間にできないのだということ、初めから考えられておるように思えてならないのだが、どうなんですか。この次四年過ぎたときに頭をそろえるという考え方は、おかし
いと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/23
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024・青木正
○衆議院議員(青木正君) 私どもの希望といたしましては、できることならば、他の特殊立法が五年——今後四年後に終るが、そのときまで、やはり湿単地帯の方の土地改良もそれまでに終わるようにしてもらいたい、そういうことで、三十三年度以降四カ年間に事業量というものは、残つた残事業を四ヵ年で完了するような一応の計画を立て、その方針でやつてもらいたい、こういう考えに立っておるのであります。
しかし、四年後になりまして、われわれは残ることを期待するわけでもなし、またそうでは困りますが、しかし、いずれにいたしましても、四年たつたあと、積寒地帯なり、あるいは特殊土壌地帯、あるいは急傾斜地帯、あるいは湿単地帯におきまして、それらの法律がなくなってそのままでいいのかどうか、あるいはまたせつかくこれらの法律によって土地改良事業をやつたその後の維持管理等の問題もあると思いますが、そういうものもあわせて、さらに一つの法律を立法化する必要も出てくるのじゃないか、こういうことで、四年後に完了することを強く期待いたしますが、同時に、その後における処置につきましても、十分特殊立法か何らかの道を講ずる必要があろうとも考えられますので、やはり同じようにやるべきだ、今までばらばらになっておつたのを、ここで同じような姿にすべきではないか、こういう考え一に立つたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/24
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025・雨森常夫
○雨森常夫君 そういうお考えもあろうかと、まあ思いますが、農林省のこの種の仕事に対しての補助金は非常に少い。特にお述べになりましたような耕地整備に至っては二割しか行っていない。団体営灌漑排水は四割は行っているが、耕地整備は二割しか行っておらぬというような、これはしかも五カ年もかかって計画の二割しかできていないというのは、非常にみじめな予算。これは農林政務次官の御郷里の愛知県でありますとか、あるいは埼玉県のような所に非常に希望が多くて、仕事をやるのにも、この補助金をもらつていると困っているような状態なんです。そういうことを見ますと、四カ年間でこれだけの仕事を計画するということが、今までのような国の予算の計上の仕方であれば、非常に無理な計画であるというふうに思いますが、しかし、農林省の方でこの補助金を、あと四カ年間にどうしてもこの計画に近い線までやつてしまおうという御決意があるのか。八木政務次官から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/25
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026・八木一郎
○政府委員(八木一郎君) 政府といたしましては、この法律案の成立に同意をいたし、その法の期待いたしておりまする実施を、実施面において過去のような遺憾のないように、皆様の特段な御協力もいただきまして、実行に当りたい、こういう決意でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/26
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027・千田正
○千田正君 大へん政務次官は御決意がおかたいようでありまするが、私の前に御質問になつた雨森さんは、この湿田単作地帯の審議会の委員の方でありまして、この方でさえも、まことに残念な御質問をやつておられる。そこで、過去において昭和二十七年当時策定されたものが、五カ年の間に三百七十五億円というものを、策定予算を作つてやろうとしておられたのですが、それにかかわらず、今日に至って、使つたのはわずかに七十五億。これから一体五カ年やっていくのに、どれだけの策定の予定を持っておられるのか。この法律はせつかく五カ年延長しましても、従来と同じような状況であれば、また先へ行って五カ年を延長しなければならないと。そういうふうになってきておりますが、政府の助成並びに今後五カ年延長して、最初計画しておりました通りの三百七十五億円という策定予算、これをわずかに七十五億円しか使つておりませんが、あとの残を今後つけて、五カ年の間に完成するという御意向なんですか。それとも、何か新しくこの財源を見出して、これからの五カ年の間に策定していこう、こういう何かはっきりした見通しがついて出されているのか、その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/27
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028・青木正
○衆議院議員(青木正君) 私ども提案者の立場といたしまして、また提案者でなくて——提案者と申しますか、湿単の審議会の委員の立場も兼ねまして、申し上げるのでありますが、私ども、毎年々々この御指摘のような計画になっておりますので、少くとも年間十五億ないし二十億の予算をつけてくれということを、この前の審議会におきましても、その前の審議会におきましても、強く要望し、大蔵省あるいは農林省等にそのことをお願いしておるのでありますが、実際問題になりますと、いつも、昨年は九億でございますか、その程度しかつかないということで、非常に遺憾に存じておるのであります。しかし、この五カ年間で当初の目的は達成できなかった、そしてさらに四カ年間延長しなければならなかったという実情を考えまして、政府当局におきまして、さらに再延長することのないように、この期間内で完了するように、年間少くとも十九億から二十億程度の金を考えてもらうように強く要望し、またそのことを期待して、この法案を提出いたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/28
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029・千田正
○千田正君 提案者である青木さんから今のお話があったのですが、政務次官にお伺いしますが、今までは二〇%しか仕事をやつていない。あと四カ年で達成するとするならば、過去五カ年でやつたくらいの事業量を毎年々々やらないというと、この法案の通りの完成ができないと私は思います。それだけの御決意があるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/29
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030・八木一郎
○政府委員(八木一郎君) 五カ年の経験は非常に尊いものであり、経済効率を期待することについても、実績の上からりつぱな説明も可能であり、有力な特に力強い皆様の御協力と相待って、お申しつけのような点はぜひ完遂いたしたいという決意でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/30
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031・柴田栄
○柴田栄君 今回のこの法律改正については、ほとんどあまり格別の問題はないと思いますが、こういう特殊地帯の振興対策に対して、今、政務次官から大へん御決意をちようだいいたしましたし、大へん心強いようですが、実際問題としては、また同じくらい、こういう方向でやつておれば、期待する以外にはなかなかむずかしいのじゃないかという気がするのですが、結局農林省として、こういう特殊地帯の振興に対する態度という問題が一つ問題になりはせぬかと思いますが、いかがでしょうか。ということは、結局一般農業政策の関連において、ひつくるめてやつて、その一部をこういう特別法に相応するものに配分するのだという考え方では、とうていこの問題は解決しないと思います。少くとも計画を持って特殊立法をされておる問題については、それぞれを対象として計画を進め、その計画に相応する予算獲得その他の方法を講ずるという態度でいっていただかなければ、これはいつまで過ぎたつて同じことじゃないか、こういう気がいたしますが、いかがなものでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/31
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032・八木一郎
○政府委員(八木一郎君) ごもっともな点でございまして、総合的に全般に目を配りまして、諸般の事情をよく勘案し、最も効率の上ります方法というこの目標に向いましては、予算化の際に最善を尽したい、こういう考えでおりますから、よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/32
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033・柴田栄
○柴田栄君 おそらく、私は、そういうことにでもしなければ、結局特殊立法をいたした意味はあまりはっきりしなくなってしまう、こういうふうに考えますが、そこで率直な話、青木先生あたりも一応調子を合わせて、四年延長して、他の特殊地帯についての振興対策を総合統一するというような方向が想定されるという気がするのでございますが、それだから、どうしてもこういう方法でいかぬとすれば、さらにこれは別々にやるというところに、何となく政治性も弱くなってくるということもありはせぬかと思うので、これを総合統一されて特殊地帯を並行して振興するという方向に持っていって、これらの計画を十分に検討して、しかし、その検討がされて、かつ総合された立法ができるということになれば、農林省として今までの態度を変えていただくということで進める方が、より効果的じゃないかという感じを持っておりますが、今この法律に関連してお答えしていただくということはむずかしいかもしれぬが、農林省としては、そういう方向に対して何かお考えになっておることがございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/33
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034・八木一郎
○政府委員(八木一郎君) 今お述べになりましたような方向は、検討しておるのであります。実際に、御指摘の通り、特殊の立法に基いておる行政ではありますが、これを一丸として、大局的に予算化の態度をきめてかかるということも検討さしていただいておりますから、十分御意見をまたお聞かせいただいて、今後に処したいと思います。よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/34
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035・柴田栄
○柴田栄君 農林省からも御意向を承わりまして、私たちも大へんいい方法だというふうに考えておりますが、このままの計画で、それぞれの特殊地域の振興を考えていきましても、計画倒れになるという危険があるということも考えられますので、ぜひ一つ、この問題は、まあこの法律改正も済み、一応特殊地域のばらばらの振興をあまりいつまでも見ていないで、総合的な有機的な、もっと特殊の対策を双方で研究されるように要望いたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/35
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036・清澤俊英
○清澤俊英君 今もらいましたこの資料の十六ページの茨城県という所に、「その地区の水田総面積は八万六千百十七町歩」云々、こうなっておりまして、その下に来ますと、事業計画の構想、ずっと来て、最後に「県営以下の事業延面積が十二万町」となっているが、この十二万町歩は干拓か何かで出るのですか、どういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/36
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037・清野保
○説明員(清野保君) 十二万町歩というのは、県営以下の、たとえば団体の灌排事業または耕地整理、区画整理、暗渠排水等の事業が重複しておりますので、改良面積が七万四千町歩よりも多くなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/37
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038・清澤俊英
○清澤俊英君 そうすると、新しく造成せられるものが差し引き幾らになるのですか。四万ぐらいふえるわけですね。大部分は重なるが、重なつた数の余りは、新しい町歩という——これだけ新規造成ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/38
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039・清野保
○説明員(清野保君) 御説明が不十分だったために、おわかりにならなかったかと思いますが、十二万町歩というのは、水田面積八万六千町歩のうちでもって、湿田単作地帯として改良を要するものが七万四千町歩であります。七万四千町歩の中で、たとえば区画整理をやります部分と暗渠排水をやる部分とが重複しておりますので、面積が七万四千町歩以上になります。こういうふうに重複するものを加えまして、十二万町歩と申し上げたのでありまして、十二万町歩と七万四千町歩の差額が、これが改良または干拓によるところの造成面積ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/39
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040・上林忠次
○上林忠次君 湿田単作とはちょっと方向が違いますけれども、同じく特殊地帯の、何年前かに立法されました海岸砂地地帯、これの振興対策の法律ができておりますが、先ほどもお話がありましたように、本気になってやる気かどうか。この五つばかりの特殊立法ですか、あまりに予算が少くて、やるのかやらぬのか、何か気安めに作つたのかという疑問が、各特殊立法とも起つております。特にそのうちでもひどいのは、海岸砂地地帯、これは事業量を百八十億と見当をつけておりましたが、年々出るのは一億くらい、百年かかる。実際期待した量だけやるのには百年かかるのではないか。どう考えているのか。特に、河野さんが大臣をしておられたときから、従来食糧々々と、食糧でなかったら、農林省も、あるいは特に大蔵省も金は出さぬ。予算がとりにくいから、食糧本位でやつておつた。これまでの従来の方針、これがすつかり一転されまして……。何にもならないじゃないか。日本の農村で少しでも、この限られた面積から金さえとれたらいいのだ、経営の理想から考えましても、食糧だけではいかぬのだ、一番その土地に適当なものを作り、そうして金をとらせるようにするのが、日本の農村の立て直しの将来のやり方だということになっておりますけれども、そこで十分な措置をとられないのが、特に砂丘地帯じゃないか。あそこで米を作れといったつて、できない。ところが、やつぱり米とか、バレイシヨとか、カンシヨとか、食糧作物を作るのでなければ、これは補助を出せない、計画にも載せないというようなことで、まだ同じような戦後そのままの行き方で、来ているのではないか。食糧でも何でも入れて、その土地に適したものがあるならばそれを取り入れて、一番その土地の金になるものを作るなり、土地改良をするなり、あるいは灌漑排水施設をするなり、土地の利用できるように補助を出して、早く完成さしてやらなければならぬ。ところが、百八十億のうち、まだ十億ぐらいしか出ておらぬという状態であります。こういうような気休め的な法案なら、もうやめたらいいじゃないか。ほんとうに日本の農業の立て直しのために必要なら、もっと強硬にやるように、先ほども話が出ましたが、たとえばこの特殊立法全部まとめて、もっと強力な遂行の方法を考えなければいかぬのじゃないかと思うのでありますが、先ほども申しましたように、これほど農林省の生産計画の方針が変つていても、まだ、食糧でなかったなら土地改良に承認を与えないというような状態でありますか、どういう工合にお考えになっておりますか。まだ同じように、あの戦後の食糧本位のか法によってやつておられますか、ほんとうに農村の収入をふやす適地適作という方向に進もうとしてやつておられますか。八木次官に一つお話し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/40
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041・八木一郎
○政府委員(八木一郎君) 先ほど来出ておりました問題も同じでございます。ただいまお述べになりました御意見、ごもっともだと考えております。ぜひ一つ、五つの特殊立法に基く特殊地帯の振興政策を、日本の農政全般から、農村振興政策はもとより国の経済再建の大きな大所高所から期待されるような成果をもたらすために、最善の努力を期して参りたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/41
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042・上林忠次
○上林忠次君 一言申しておきますが、食糧の作付をするという計画以外にはこの計画に載せないというような、従来の食糧本位の時代から一転してもらつて、何でもいい、その土地の適作なら何でもいい、その土地の収入のために起す事業なら、この法で措置していくということですか。どうもその点がまだ疑問が残つておりますので、まだ、食糧本位でなかったら計画に載せないというようなにおいもあるので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/42
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043・八木一郎
○政府委員(八木一郎君) 従来、ただいま御指摘のような食糧偏重の命令生産的な残骸がある。これは一つ一擲して、もう少し大局的に考えて、海岸の砂地を、その地方の住民のために、国民のために、国家のためになるように考え直せ、こういう御注意でございますから、私は、ごもっともな御注意である、ぜひその方向で、新たな考えに立って参りたいと、こういうことを申し上げておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/43
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044・上林忠次
○上林忠次君 その農林省の方針は、前から承わつておりますけれども、末端まで、出先機関までそれが徹底しておりませんので、そういうような方針をしつかり徹底さしていただく、そういうふうにお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/44
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045・雨森常夫
○雨森常夫君 もう一つ追加的にお尋ねしたいんですが、今いただきましたこの資料の一番おしまいの方に表があるんですが、団体営灌漑排水は進捗度が四〇%、それから耕地整備事業が一九%になっておりますが、すなわち団体営灌漑排水がよく進んでいるというわけではありませんけれども、耕地整備事業が非常にこれに比べて進捗率が少い。私考えますのに、この耕地整備事業というのは非常に効果がてきめんに上るもののように思うのでありますが、そういう国家的に見ても有効な事業であるにかかわらず進捗率が悪いということは、すなわち国の予算の計上が非常に力が弱くいっているということなんですが、どうしてこういうことになっているのか。事務当局の方でもけつこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/45
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046・清野保
○説明員(清野保君) 御質問になりましたように、耕地整備の予算の規模が非常に少うございまして、これに対しまして各特殊振興地帯への配分が、先ほど申し上げましたような方法になっておりますが、なお不十分なために、こういう欠点を持っております。事務的には極力、団体営灌漑排水事業に伴いますところの耕地整備事業を行いませんと、万全の効果が上りませんので、これの予算の獲得につきましては、今後とも十分検討いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/46
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047・雨森常夫
○雨森常夫君 聞いていることとちょっと違うんですが、団体営灌漑排水と区画整理事業を比べるというと、区画整理事業が非常に進捗率が少いが、それはどういうわけですかと、こういうことを……。まあ大蔵省の方であまり好まぬ事業なのかどうか、それを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/47
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048・清野保
○説明員(清野保君) この問題は、耕地整備事業だけにとどまらず、団体営排水、耕地整備に共通な問題といたしましては、大蔵省では、こういうような小規模な事業につきましては、補助事業からむしろ融資事業に切りかえたらどうかというような意見もありまして、なかなかわれわれの要求するように、両事業とも予算の成立が思うようになっておらないのであります、
なお、お尋ねになりました団体灌漑と耕地整備のアンバランスでございますが、別にこれは事務当局といたしましては、片方を少く片方を多くと、こういうような意味で予算を要求しておるのではございませんので、大体前年度の予算——前年度成立予算を一応基準にいたしまして、大蔵省の方で予算を査定されますので、こういう結果になつたのでありまして、はなはだ遺憾と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/48
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049・雨森常夫
○雨森常夫君 そうすると、今のような方法であと四カ年間続けてやつていかれれば、結局前年度のバランスを踏襲していくということになるというと、区画整理事業というものはいつまでたつても伸びていかないということになるわけですが、そういことでよろしいんですか。——それでは、私、耕地整備事業が特にこの中で非常に準業効果がありますから、今までの進捗率を踏襲していくような考え方でなしに、お考え変えを願いたい、これを非常に重要視していただきたいという希望を申し上げて、終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/49
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050・重政庸徳
○重政庸徳君 私は、四年後にこの統合に対して研究するなんていうことはナンセンスだろうと思うんです。今まで五年もやつておいて、また延ばして四年やつて、またその四年後に統合を研究する、そんなことは……。だから、農林省にお頼みしたつて、限界に来ておる。また農林省の方々も、政務次官初め、いつまでおられるかわかりませんから、それでこれは提案者の青木さん、一つ先頭に立って、来年からこの予算について議員を糾合して、私らも驥尾に付していつでもはせ参じますから、どうか一つ、そういう意味で強くやっていただかないと……。その青木さんの御決意を一つ。(笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/50
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051・青木正
○衆議院議員(青木正君) ただいま重政先生から非常に力強い御発言をいただきまして、まことに感謝にたえぬ次第でございます。私ども湿単関係地帯の者といたしまして、また湿単審議会の委員といたしまして、こうしたような結果を見たことは、まことに申しわけなく存じておるのでございます。そこで、何とかしてもう少し強力に湿単の改良を推進せなければならぬという考えに立ちまして、実は先般協議会を作りまして、まあ全国二十五県ほどありますが、皆さんの御協力を仰ると申しましても、地元の近い者がまず率先してやらなければいかぬということで、主として近県である埼玉、千葉、茨城、静岡の各県の方々が集まりまして、強力に推進するように協議会を作つたような次第でございます。今まで微力のために思うようにできなかったことは、まことに残念でありますが、今後どうしても現状のままで放任するわけには参りませんから、ことにこの湿単地帯はいずれの地帯も、気象的にはりつぱな二毛作のできる地帯であります。この国土の耕地の狭い日本におきまして、一年に一回しか土地を使わずに、あとは遊ばせておるということはできないはずであります、何といたしましても、土地を最高限に利用できるようにせなければいかぬということは、これはもう必然的な至上命令と申しますか、当然やらなければならぬと考えておりますので、今後も全力を尽してこれが解消に邁進いたしたいと思うのであります。
なお、先ほどお話のありました食糧増産以外の農業改良につきましても、新しい時代のこの新しい農政に対応いたしまして、単に米麦だけの農業政策ということでなしに、もう少し広い視野に立って農業生産を上げるような考え方に立つべきではないかというお話があったのでありますが、私ども全く同感でありまして、実はこの法律の改正案を出すときに、そうした意味で、食糧以外の作物につきましても、この法案が適用できるように法律改正をしようじゃないかということを話し合つたのであります、ところが、いろいろ研究いたして参りますと、この法律の第一条を見ますると、「食糧その他農産物」ということになっておりまして、他の農業生産につきましても適用できるということでありますので、その点についての法律改正をいたさなかったのであります、しかし、考え方といたしましては、単に米麦を増産するという考え方でなしに、どんな作物でもいい、とにかく土地を最高限に利用するような考え方に立つべきである、こういう考えに立っておるのでありまして、その点は、法律改正をいたしておりませんけれども、改正のこの期限延長をやります場合に十分検討いたしまして、御趣旨と同じような考え方に立っておることをあわせて申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/51
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052・重政庸徳
○重政庸徳君 私が申し上げましたのは、単に湿単事業のみならず、これに類する特殊立法に対する事業を総括的に申し上げたのでございます。なお、青木さんの今のお答えもそういう意味だろうと私は解します。どうか一つ、よろしゅうお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/52
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053・上林忠次
○上林忠次君 今の食糧以外のものでもいいんだと、何でも農林のためになるものを作らすんだという方向は、やる前から農林省はきつておるわけです。きまつておるのが、末端まで徹底しておりませんから、それを書類で徹底するように……。末端でも感づいた結果、農林省の意向は知っておりますけれども、改良事業を起すために計画しますと、最初は麦を作る、次はバレイシヨを作る、何かそういうローテーシヨンを、それも計画の中に入れないと許してくれない。何でもいいから農村のためになるものを作つたらいいのだから、その土地で一番金になるものということで、そういう農村経済ということをまず頭に置いて、それでなかったら日本の食糧の自給自足はできないのだから、これが第一だという方向をまず変えてもらわなければならない、農林省としては変つておるわけです、ところが、そうじゃないのです、今のこまかい指示になりますと、昔と同じ、戦後と同じ方向でいっておりまして、そういうような食糧本位の土地改良でなかったら許可しない、受けつけないというような状態なのです、そこをはっきり、今の農林省内の方向をはっきり地方まで浸透さしてもらいたいというのがお願いです。今、必要なのです。これは農林省の方にお願い申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/53
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054・羽生三七
○羽生三七君 この湿田単作地域の特殊立法ができて数年になるわけでありますが、この特殊立法のできる前に土地改良事業費の中にあったこの種費目ですね、それと特殊立法になってからと、予算上どのくらい増加しておるか、これがもしわかったら、お知らせ願いたい、さらに、それ以外に急傾斜地帯あるいはその他各種の特殊立法が制定される前に、農林省の当該予算と比較して、特殊立法制定後はどれだけふえておるか。今すぐと言っても無理でしようが、大よそわかれば今お聞かせ願いたいし、わからなければ後日でよろしゅうございますが、それをお聞かせ願つて、特殊立法制定というのはどういう意味を持つか、予算上一応伺つておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/54
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055・清野保
○説明員(清野保君) お答えいたします。資料が完全に整理されておりませんので、多少ごたついて申し上げるかもわかりませんが、団体の灌漑排水につきましては、二十五年から最近までの予算成立の状況を見ますというと、二十九年は——物価をスライド化してございませんので、正鵠を得ないと思いますが、二十五年度を一とした場合に、二十六年度以降は予算額によりまして、団体灌排におきましては三倍ないし五倍ふえております。これは特に二十五年度には予算規模がドッジ・ラインで縮小されているという点もございますが、漸次二十五年度以降予算規模はふえております。耕地整理につきましては、暗渠排水、区画整理等を見ますというと、団体灌排に比べての伸びがよくございません。たとえば暗渠排水につきましては、二十五年度に比べまして現在までの伸びが約四倍ぐらいでありますが、団体灌排はそれに比べると五、六倍というわけでございまして、伸びが悪うございますが、耕地整理につきましても、おおむね二十五年度以後に二倍、三倍ないし四倍程度に伸びております。以上。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/55
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056・羽生三七
○羽生三七君 今のことをお伺いいたしたのは、こういう特殊立法ができる当時の事情を考えてみると、農林省の予算を、つまり特殊立法に相当する農林省の予算を削つてきて、名前だけ特殊立法みたいなものにしても意味がないから、それはもう新しくプラスされるものでなければならぬ、予算上。そういうことが強く要望されておるという経過があったわけです。だから、そうでなくて、ただ特殊立法を制定される以前の予算を、名前だけ変えて出されたのでは、意味がないので、私は今伺つたのですが、進歩のあともあるし、増加の傾向にもあるという御説明もあったので、これは了解いたします。あといろいろ希望はありますけれども、それはやめて、今のことだけをお伺いいたしておきます。よろしゅうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/56
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057・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/57
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058・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記を起して。
他に御発言もございませんようですから、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/58
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059・堀末治
○委員長(堀末治君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明かにして、お述べを願います。
別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/59
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060・堀末治
○委員長(堀末治君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより採決に入ります。湿田単作地域農業改定促進法の一部を改正する法律案を、原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/60
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061・堀末治
○委員長(堀末治君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお、本会議における口頭報告の内容、議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、これは慣例によって、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/61
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062・堀末治
○委員長(堀末治君) 御異議ないと認め、さように決定いたしました。
なお、本案を可とせられた方は順次、御署名を願います。
多数意見者署名
重政 庸徳 青山 正一
秋山俊一郎 柴田 栄
仲原 善一 上林 忠次
雨森 常夫 堀本 宜実
島村 軍次 千田 正
羽生 三七 鈴木 一
北村 暢 清澤 俊英
藤野 繁雄 河野 謙三
小林 孝平 下條 康麿
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/62
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063・堀末治
○委員長(堀末治君) 次に、北洋漁業の件を議題にいたします。この件について水産庁から、先般の委員会で御要求がありました北洋漁業の国内措置に関する資料が提出されておりますので、これについて御説明を聞くことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/63
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064・岡井正男
○政府委員(岡井正男君) 日ソ漁業委員会におきまして最終的に、公海における漁獲量が十二万トンということに決定いたしましたので、十二万トンにつきまして、国内措置といたしまして、母船についておる独航船並びに流し網、両方への割り振り、さらに母船側独航船におきましても、アリユーシヤン海区とオホーツク海区と二本建の配分という国内措置を急いでやるということにいたしましたので、お手元へ御配付申し上げたような計数によって割り振りをいたしたのでございますが、考え方といたしましては、十二万トンの漁獲を完全にとりまするためには、前年度出漁を許可いたしました母船の十六船団というものは、そのなりアリユーシヤンに十四、オホーツクに二艘という割り振りを適当と考えたのであります。ただ独航船数におきましては、アリユーシヤン海区における昨年の四百四十一をオホーツクの方へ若干回しまして、昨年五十九隻あったものを六十二隻にした次第であります。従って、独航船の数におきましては、昨年と同様、五百艘を全船稼働できるものといたしまして、許可するという方針をとつたのでございます。
そうしますと、一応漁獲量を適当に配分するという必要がありまするので、漁獲総量につきまして、オホーツク海区におきましては、日ソ委員会において話し合いがつきました一万三千トンというのを据え置き、アリユーシヤン海区における漁獲量というものにつきましては、残りの漁獲量を独航船側と流し網側と両方へ割り振るということにいたしましたのでございます。独航船側と流し網の配分につきましては十対二でございまするので、二万トンが流し網になりましたので、オホーツク海区の分を差し引いたものがアリユーシヤン海区に該当いたしまり。従いまして、独航船一艘当りに割り振りしますと、二百トンを若干切りまして、平均いたしますと百九十八トン、オホーツク海区におきましては、若干の端数が出ますが、約二百十トン、かように相なります。
出すためのもろもろの条件、制限等につきましては、前年同様でございますから、その点は説明を省きたいと思います。
次に、サケ・マス総漁獲量の配分について、相当両方から激しい不満の声が役所の方へは持ち出されたのでございますが、私は、かねがね御答弁の中に申し上げたように、喜ぶのであったら、同じ笑顔で受けたい、おしかりをこうむるのであれば、どちらもしかる程度が同様な発音で受けたいという気持で、割り振つたのでございますが、結果から見ますると、両方から不満の声が同じような程度に聞えてきたので、自分らの措置がそう間違つているというようには思っておりません。その要素といたしましては、豊凶を含む過去二ケ年のオホーツク区域を除きますものを単位漁獲努力当りの平均をとり、本年度の漁獲努力、すなわちオホーツク海を除く独航船の総トン数三万一千トン、流し網一万六千トンを要素の一つにし、また昨年度におけるソ連閣僚決定による規制区域内漁獲量の割当実績——昨年は割当実績をいたしましたが、それをやはり基準の中に入れる、こういうふうな計算方式をとりまして、さらにそれから出たものに、参考といたしまして、オホーツク海区並びにアリユーシヤン海区、流し網海区の三者が割り当てた量によってとれるであろう推定量が出ますが、その推定量によっての収支バランスがどうあるかというのを見ました結果、公平妥当にわれわれが計算いたしました結果といたしまして、母船側についている独航船の利益利潤は一七%になり、流し網関係のものは一八%になるということになりましたので、まずわれわれとしての配分は、両方とも御不満があつても、適当だという確信を得たわけでございまして、双方ともなるたけ早く事務作業に入っていただきたいという勧告をいたしておりまして、各業者から申請があり次第、私の方はいつときも早く出漁準備を整えていただくように取り計らいたいと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/64
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065・青山正一
○青山正一君 岡井長官初め皆さんの御努力に感謝いたします。一、二質問いたしたいと思いますが、独航船の五百隻が、最近独航船の組合の方で多少減船するかのようにいろいろ承わつているわけなんですが、そういうような現象があるわけなんですか、どうなんですか。それに対して政府が何か方法を講じているわけなんですか、どうなんですか、その点ちょっと承わつておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/65
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066・岡井正男
○政府委員(岡井正男君) ただいま青山先生から御指摘のありました点は、そういうことが母船側の方からも、独航船側からも、私の方へまあ耳に入っているわけでございます。しかし、政府側の態度といたしましては、日ソ漁業交渉の際には、失業者を出さぬように、全船稼働であるという姿が国会の空気からいたしましても、業者からいたしましても、最も好ましいのである。最小限度そこへもっていくようにという強い御示唆がありましたために、交渉する場合におきましても、辛うじてでもいいが、全船で稼働できるという線をモツトーとしまして交渉いたしまして、線内においては十二万トンというようなことで、その見通しをもってわれわれは話をつけたつもりでおります。
従いまして、さっき申し上げたように、利潤率は非常に少いのではございますが、とにもかくにも稼働可能なりとして、われわれは打ち出してきております。しかし、幾ら政府がそういう気持でおりましても、各業者の自由意思による、やめたいあるいは休業したいというお気持の人に対して、これはどうしても出なければいかぬというように強要するわけには参りませんので、いかなるお話がありましても、その際の業者へのお答えといたしましては、どこからも圧力もなくどこからも強要されたのでなく、自然の姿で、たとえば船が非常に出すのに不都合な船に相なっているとか、あるいはまた企業としてどうしても自分の方がいろいろの都合で今年は出にくいとか、やむを得ないような、自己判断による自由意思であるというような人が、休業なりおやめになるのは、それはいたし方ございません。役所側としては決して強要はいたしませんという態度で、ずっと進んでおりますが、聞くところによりますと、休業したいというのがやはり何十艘かあるやに聞いているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/66
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067・青山正一
○青山正一君 休業というようなことになりますと、つまり自由意思による休業ということになりますと、政府の方では、たとえば補償とか、金融の道を講ずるとか、そういうふうな点には全然タツチしない、こういうふうな御意向なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/67
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068・岡井正男
○政府委員(岡井正男君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/68
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069・青山正一
○青山正一君 それからこの十二万トン、これは配分の問題はどちらも不満であろうと思うし、ただ利益率から換算いたしますと、流し網は二万トン、母船式の漁業は十万トン、これは適当だと私どもも考えておりますが、この流し網の二万トンは区域内だろうと思いますが、区域外で一体どのくらいとれるようなお見込みですか、その点を一つお教えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/69
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070・岡井正男
○政府委員(岡井正男君) 区域外では、役所といたしましては、大体一万三千三百トンは下らないという予想のもとに措置いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/70
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071・青山正一
○青山正一君 そうすると、その一万三千三百トンプラスすること二万トンの利益率が一八%、こういうふうにみなしてもよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/71
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072・岡井正男
○政府委員(岡井正男君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/72
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073・青山正一
○青山正一君 この十二万トンというのは、豊漁のときの十二万トンとみなしてよろしいのですか。たとえばソビエトあたりは、初めの折衝過程においては、今年は不漁年である、こういうことをおっしゃったかのように聞いておるわけなんですが、そうなるとすると、この十二万トンというのは不漁年における十二万トンとみなしてよろしゅうございますか。それとも、あとからいろいろ変りまして、ことしは豊漁なりというふうなことになつたわけなんですか、その点一つお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/73
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074・岡井正男
○政府委員(岡井正男君) 日本側は、科学委員会で、本年は豊漁年とみなすという結論を出しておりますし、向うも最終的には、いろいろ検討し直した結果、日本側のいう豊年といのではないが、まず日本側のいう豊年に近い形の年であるとげうことは言えるというような意味の結論を持ってきたわけでございます。従いまして、本年度、直線的にかみ合せがなく考えるならば、双方ともことしは豊年であろうということには意見が一致しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/74
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075・青山正一
○青山正一君 ちょっと速記を中止していただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/75
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076・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/76
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077・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記を起して。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/77
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078・青山正一
○青山正一君 流し網とかあるいは母船式漁業のほかに、はえなわ漁業があるわけですが、このはえなわ漁業は四十六度以南ですか、五度以南ですか——五度以南の漁業をさしていうわけなんですが、ことしも相当調査船を出すというようなお話を聞いておるわけなんですが、その通りに運ぶわけなんですか、どうなんでしょうか。つまり昨年通りやるわけなんでしょうか、どうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/78
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079・岡井正男
○政府委員(岡井正男君) これはまだ最終的には割り切つておりませんが、一応私の方は、調査船をも含めた総船数よりも、これはことしはさらに、生物学的にも、やはりこのはえなわで捕えた漁獲物というものについての調べ方もしてみたいと思うし、さらにはえなわ漁業というものが漁獲をどういうふうな姿で的確にやつているかどうかということも、これは監督方面からも十分に査察いたしたいと思っておりまするが、要は、ただいまの考え方としては、はえなわ漁業を今後若干しぼつていきたいという考え方を立てておるのでございます。当面の、今調査船の措置につきましては、まだ最終的な結論を出していません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/79
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080・青山正一
○青山正一君 調査船の問題についていろいろ問題があろうと思うのですが、たとえば非常に政治的に動いた方面のところがこの調査船を非常に確保する、政治的に動けない方面のところは調査船が非常に少いというふうなことで、非常に問題があろうと思うのですが、たとえば調査船を稼働させるならば、これは全部稼働させる方がいい。また政治的に動いたためにそれだけが許されるというようなふうなことが、これは行政官庁としてそういうふうなことはいけないと、こういうふうに私たちは考えるわけなんですが、そういう事実がありますか、どうですか。その点を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/80
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081・岡井正男
○政府委員(岡井正男君) そういう不公平なことをしたら、甲の先生はお気に召しても、乙の先生からは非常なおしかりを受けることは自明の理でございますので、私どもは厳正公平にやりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/81
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082・青山正一
○青山正一君 どうかその点を強く要望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/82
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083・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/83
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084・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/84
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085・千田正
○千田正君 大体青山委員の質問で相当尽されたと思いますが、私のお聞きしたいのは、減船をせずに、昨年と同様の隻数を許可する。また漁獲量においては大した差がない。こういう意味から言って、採算が十分にとれないじゃないか。とれないときにおいては、それはお前たちの自主的な考え方で、やめようとやろうと、お前たちがやるのだ。まことに見方から言えば民主的であつてけつこうな話ですが、一方やる方から言えば、これはだれがやめてだれがやれという意味にはなかなかならないと思うのですが、こういうような問題に対しては、調整とかそういうことに対しては、一切もう水産庁はあずかり知らぬ、漁船は昨年通り出漁するのだ、漁獲量は十万トンと二万トンとしてきめてやつたのだから、その範囲内でお前たちの腕のふるいほうだいにやつてよろしいと、これだけで、一応水産庁としてはこの問題に対して、減船という問題その他の問題にあまり触れたくないというのが、ほんとうの腹でしようね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/85
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086・岡井正男
○政府委員(岡井正男君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/86
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087・千田正
○千田正君 そうしますというと、この結果があるいは豊漁になるかもしれないし、あるいはその思い通りにならないかもしれない。しかし、これは暫定措置として認めたのであつて、来年はまた別だ、こういう考えに立っているわけですか。これはもう本年限りという観点で、今の十万トン、二万トンの量をきめる。それから減船せずに、減船ということはわれわれは指令も何も出さぬ、去年と同じように行けということで、来年のことはまた別の問題だ、こういう観点に立っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/87
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088・岡井正男
○政府委員(岡井正男君) 一応行政的な建前からいいますと、母船に対しても、その他の小漁船に対する——航独船及び流し網を含むわけでありますが、それに対する許可方針は、一年々々の許可方針をとつておるわけでございます。来年を予想してという御質問に対しては、どうも私の方がお答えするのは非常にむずかしいわけでございますが、ただ、もう一つつけ加えて申し上げておきたいのは、本年度豊漁であるとか不漁であるとかいう結果がわかるということは、むしろソ連側の資料を来年の委員会決定前に一つわれわれが確かめてみたいと思われるのは、われわれとして豊漁であるとか不漁であるとかいうことの見通しは、漁獲実績はもう、これはさまつたやつは必ず完璧にとつてしまうと思いますが、むしろとれる魚の羅綱率、あるいはまた年令組成、そういうふうなものから推定して、豊年であったとか、思ったよりも豊年らしからざるような様相であったというのは、そういう方面からわれわれとしては結論を見つけるようなことにはなりはしないか、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/88
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089・千田正
○千田正君 非常に含みのある問題なんですが、これはまあ日本側はその考えでいいでしよう。岡井長官のお考えでいいでしようが、ソ連側が豊漁年の計画量をとれなかった場合、今年はまあ日本側は豊漁年だというて、十二万トンの漁獲量に承諾を与えたが、自分らが計画した豊漁年の計画通りに向うは漁獲高が上らなかった場合は、向う側はこの年は豊漁年じゃない、自分たちのいわゆる漁獲量を中心とした、陸上漁獲を中心とした問題を基礎として、豊漁年ではないということを主張してくるおそれはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/89
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090・青山正一
○青山正一君 ちょっと、千田さんの問題に関連して。たとえば去年の今度の漁業協定というやつは、はっきり申し上げますと、母船式漁業のいわゆる規制であるわけですからして、おそらくソビエトの方のいわゆる漁獲とは全然関係はない、こういうふうに考えられますのですが、たとえば昨年度ソビエトはどれだけの計画でやつた、そうしてどれだけの実績が上つた、今年は一体どんな計画であるか、その点もあわせて御報告願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/90
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091・岡井正男
○政府委員(岡井正男君) 両先生の御質問をあわせてお答えいたしたいと思いますが、まず初めに千田先生の御質問でございますが、ソ連は今年の十二万トンを日本の方でとつてよろしいという協定を結んだ、この年に、ソ連側の方がしいて……。ちょっと速記をやめていただくわけにいきませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/91
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092・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記をとめて。
午後三時十五分速記中止
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午後三時三十三分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/92
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093・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記をつけて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/93
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094・清澤俊英
○清澤俊英君 だいぶ資料が出ておりますが、ただ今言われたようなことで、これは実際できるだろうか。完全にできるだろうか。私ども非常に、この漁業ということにつきましては全くわからない、不明でありますが、新聞などを見ておりますと、今年の漁業交渉自身が非常に資料が足らないので、いろいろ追い込まれておるような形をわしらは見ておる。それで、しばしば、第一回の協定以来、この協定に従って、今度から科学調査をやつてすつきりしたものを出しているんだという御説明に対しましては、すべてのものに非常な期待を持っていた。ところが、本年の交渉においては、そういうすつきりしたものを一つも見ることができなかった。そこで今拝見しておりますと、会議の議事録中にこうこうこういうものをやるのだということになつたら、これに一億かかろうと二億かかろうと、これは採算を無視しても、第一回ぐらいのものを徹底的に調査するのがほんとうじゃないかと思うのだ。私どもは、それに対してまことに役に立たぬかもしれぬけれども、そういう問題でやるならば、徹底的にやつていただきたいと思うのだが、答弁が、これでいい、船の経費が二千万、統計はあとでやっていくのだということなら、われわれは何ともしようがないと思う。これを完遂するにはこれこれの金が要るのだ、徹底的にやるのだ。これは近く、ラツコの問題で、オツトセイの問題で、外務との共同調査がありますが、私は徹底的にそういう点で一つやりたいと思うのだが、あなたの方でそんな気弱なことでは、僕の方ではどうしようもないのだ、これでやれるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/94
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095・木田繁
○説明員(木田繁君) この科学的研究調査の項目といたしまして、基本方針といたしましては、お手元にございます議事録の五の項目に(1)から(7)まで掲げてある項目をいたすということでございます。それで、これを具体的に行います計画といたしましては、海上におきまして、一つは科学調査船によります方法と、もう一つは母船上によります方法と、さらに流し網、はえなわ等、あるいはカニにつきましてもニシンにつきましても、沿岸を根拠としておる船につきましては、沿岸根拠別にこれを調査して、ここに掲げてございます研究の資料を得たいということでございます。
で、現在生物学的な各種の研究につきましては、いろいろ方法論につきましても問題がございますし、またその研究体制につきましてもいろいろ検討を加える必要もあると存ずるのでありまするけれども、現状におきまして、先ほど私が御説明いたしました範囲のやり方によって、これを行いたい。しかも、現況におきましては、生物学的な各種の調査研究につきましては、ソ連側におきましても断片的に利用し得るものはあるということでありますけれども、現状におきまして日本側においても、これを全面的に信頼し得るというものを持っていないわけでございます。で、今まで行われました日ソ漁業委員会におきまして、向うで主張いたします生物学的な調査というものにつきましては、日本側の科学者が十分に信頼し得るものはないという現況でございます。そこで、条約自体におきましては、各種の問題につきまして科学的資料に基きまして検討あるいは決定をする、こういう精神を貫いております関係上、そういった論点のお互いに異なる問題につきましては、共同調査によりましてそれを解決したい、かように考えておるわけでありますが、御承知の通り、調査研究につきましては、本年やりましたから来年直ちに利用し得るというものも、ごく小部分はあるわけでございますが、ここに掲げてございますような根本的な問題につきましては、相当長期を必要とする、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/95
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096・清澤俊英
○清澤俊英君 それだから、ただこんな簡単なことでは、できはしまいと言うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/96
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097・岡井正男
○政府委員(岡井正男君) 清潔先生の言われるのはごもっともでありまして、これは初年度はこういうことでございますが、逐年これは相当額を増額してもらわなければ困ると思うんです。ただ、初年度に非常に多くの金をもらいましても、研究体制、いろいろなもので、その通り消化できるかどうかという問題もありますので、逐年これはふえるものでありますから、先生のおっしゃるように、非常に御好意のある御発言で、将来大蔵省と折衝するときにも、うしろだてになっていただかなければならない時期が早晩早めに来ると思いますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/97
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098・清澤俊英
○清澤俊英君 できましたらね、大体調査項目と予算をつけたプランを至急回してもらいたいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/98
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099・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 別の点からお伺いするんですが、今度のこの十二万トンというものによって、母船式並びに流し網というものの漁獲量の配分がきまつたわけですが、昨年の状態は異例な状態であったかもしれないけれども、相当独航船などはマイナスをしよいこんで困っておるという話も、私ども聞いておる。今年の状態が一隻当り百九十八トンですかで、利益率が一七%という御見解のようでありましたが、これは将来、先ほどから論議されております、来年度は一体幾らに漁獲量がきまるかという問題と非常な大きな関係がある。そこで、この独航船及び流し網漁船が、一隻当り収支のとれる数量ですね、まあ今年は一七%ということで、逆算すればわかるようなものですが、年々の経済情勢も違いましようけれども、まず本年の状態として見た場合に、どれくらいをとれば大体この野業を継続していけるか、このお見通しでありますが、これは従って、速記をとめてお答えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/99
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100・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記をとめて。
午後三時四十二分速記中止
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午後四時三分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/100
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101・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/101
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102・千田正
○千田正君 最後に一、二点だけお尋ねいたしたいと思います。あなたの方では不満があるけれども、なお一応ここで決定したが、両方の不満のおもなるものは何であるかということを聞かして下さい。両方の不満なものは何であったかと。それによって、一応ここで線を引いたというあなたのお話は了承しましたが、母船式独航船並びに片や流し網等の、おのおの主張して譲らなかった点があると思います。その点が、何が一体主張の重点であるかという、二、三重点になるところだけでよろしいですから……。これも将来、これは来年の決定をする場合においても一つのやはりファクターになると思いますので、本年において両方が相当の要望があったと思いますので、どれとどれとが要望の重点であったか、また不満の重点であったか、にもかかわらず水産庁としては公平な立場でこうきめたという、今まで不平だといって述べられたその重点のところを聞かしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/102
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103・岡井正男
○政府委員(岡井正男君) おもな点を私は申し上げて、なお足らぬ場合には木田君の方から補足さすことにいたしますが、まず母船側の不平の中心をなすのは、昨年の九万三千トンという漁獲実績と称せられるものは、これは平和状態でない日ソ両国間の暫定協定に基いた措置であったが、その際に自分らの方は、少くとも漁獲量というものは十六万トンをはるかに上回る漁獲量を当然とり得るものだという計画で、全船出漁したのだと。にかかわらず、早くいいますと、日本とソ連側の漁業証明といいますか、そういうものの交付が非常に手間どつたりして、なおかつとり残しというのは、ゆがめられた七千トンというとり残しがある。だから、常態、あるべき姿の実績ということを考慮して割り当てられるべきである。九万三千トンというのは、現実に大赤字を出したというような、あとで行つた二船団のごときはその顕著な現われではあるまいか。従って、ノーマルな状態における想定のもとに実績というものは換算せなくちやいかぬ。一方四十八度以南の方からいいますと、なるほど昨年は区域内における豊漁ということは否定はしませんと。しかしその量の見方が、役所が見ている数量と自分らが思っている数量との見込みが、相当隔たりがある。従って、最終的な二万トン、十万トンの計数配分というものに対するそういうところが、自分らの思惑と違つて、若干損しておるように思うと。まあ早く言えば、その二点が大きな不満であつて、双方ともこれじや赤字じや、片一方もこれじや赤字じやというようなことを、言っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/103
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104・千田正
○千田正君 それに対して長官としましては、最後に決定して、そのお互いの不平をあなた方の調停なりあるいは条件なりを承服させるためには、どういうふうにして承服さしたのですか。今の十万トンと二万トンという話し合いがつく結論になつたのは、どういうことです。そういう不平があったのだ、そういう条件に対しての要望があったのだ、それに対して母船式はこうこうこうであるからがまんしろ、四十八度線以南はこうこうであるから、お前たちはこれで二万トンなら二万トンでがまんしろという、あなた方から提示をしたのでしよう。その不平に対して一応解消するようにということで、納得させたのでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/104
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105・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/105
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106・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/106
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107・千田正
○千田正君 今、長官の御説明で、一応われわれもわかりましたが、減船の点につきましては、先ほどお話のあったように、それは今後の見通しに対して自主的に、みずから減船するということに対して、水産庁としては、そういうことに対して命令もしないし指示もしない、自主的におやりなさいと、こういうことですが、今度の出漁によって最終的に漁獲がきまり、また漁獲計算が一応立つた後においても、来年度においても自主的な減船ということを、あなた方としては行政指導として考えておるかどうか、この一点だけ最後にお伺いしたい。あくまで自主的に、業者たちの自主的な自己採算のもとにおいて、商売が成り立つか成り立たないかということにおいて、自分らで減船しなさいという今の立場を、今後大した変化がない限りにおいて、来年もそういう方向で考えておられるか、この点だけを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/107
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108・岡井正男
○政府委員(岡井正男君) 明年の予想をするということは非常に困難でございますが、要は、他の許可漁業、早くいえば、全国的に許可漁業というもののバランスというものを見ながら、小限度の——非常に業者がコストも下るげように努力もしていただきますし、いたしました結果、まあ早くいえば、大きなもうけはなくても経営的には成り立つという見通しが継続せられる限り、自主減船あるいは自主休業という形を続けたいと思います。従いまして、明年度以降において、どういうような結果が現われるかということによって、またただいまお答えした以上の変化がございましたら、変化に応じて、一番適当だと思う措置を講じたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/108
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109・上林忠次
○上林忠次君 しろうとの質問ですが、どうも私、お話を聞いておりますと、こっちはむろんとれるのだ、また今年は豊作だということを言って、十万トンを少しふやそうということばかり言って、防禦戦にばかり立って作戦されている、ところが、向うの十四万なら十四万トンと。向うとこちらのバランスはどの程度検討されたか。向うの数字に対して、これは魚のことははっきりした数字もないでしようと思いますけれども、向うの十四万トン、それに対してこちらは十二万トン、こちらは防禦の立場で、何とかふやそうということを努力されたのですか。向うの関係はどういう工合になっておりますか。その点の努力が、何か足らぬような、私らの話の聞き方がまずいのでしようけれども、どうもこちらのことばかり考えて……。その関係は将来大きな問題になりますから、このバランスの問題は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/109
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110・岡井正男
○政府委員(岡井正男君) 一応御質問の意味はよくわかります。ただ、日ソ漁業条約そのものが、領海におけるお互いの鮭鱒漁業というものは一応たな上げいたしまして、公海における漁業規制の問題を中軸といたしました協定でございます。従って、ただいま先生から御指摘になつたように、ソ連の領海において、ソ連の領水においてとるもの、日本が公海漁業においてとるもの、これについてのオール規制というようなことは、科学的な委員会において、そこまで日本がやはり論争して、そういうふうな線で向うと同調してもらうように、大体ひつぱりつけたわけでございます。
先生が言われるように、見合いというか何というか、そんなら向うの計画量にメスを入れた程度というのはどのくらいかというと、向うは資料は提出してきております。たとえば十四万トンの漁業計画というものが、どの地区においてどの程度、どの地区においてどの程度、魚種はどうだということは、細目出しておりますが、ソ連側において、とつちやならぬじゃないかということは、早くいえば権限がないわけです。従って、向うも、北海道沿岸において建網でとるやつは規制しなければならぬ、これはどうだという干渉は、いまだ向うもいたさないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/110
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111・上林忠次
○上林忠次君 一ぺん、最初の審議のときに質問もしたのでありますが、ことしは豊作かどうか、その年のあがつてくる魚の数、いろいろな調査をしておるということでございますが、向うが単独でやつておる調査で、しかもこの調査もこちらで検討しておらぬという状態ですが、そのときに、私、何十カ所向うの検査する場所があるか知りませんけれども、両方で、やつたらどうか。向うに出て行って、向うの領域の中にあるそういう検査場所で、ことしの豊凶の検討をするなり、いろいろなことしの状況を、こちらも一緒に調査したらいいじゃないか。こちらは北海道の一部しかないのだ。向うは相当、あれだけの大きな水域ですから、場所は幾らでもある。産卵の場所もずいぶんうんとある。それは片つ方だけでやるのでなしに、両方でやつて、今年の作の程度はどうだから、それなら今年のやつは十五万トンにしようとか、十八万トンでもいいじゃないか。年々これはきめられると思いますが、豊凶ということは年々検討するのだということなら、向うだけにまかさずに、関係国全体が集まつて検討したらいいじゃないか。費用は相当かかってもしようがないのじゃないかと思うのですが、ただ向うにまかしておいて、いや、できが悪いとか、豊作だとか何とかいっても、これは毎年問題になる問題でありますから、こちらからも出張していく。駐在させる。共同調査にするということにしたら、どうでしようね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/111
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112・木田繁
○説明員(木田繁君) 先ほど長官からも御説明いたしましたように、日ソ漁業条約そのものが、公海におきます漁業に関する規制になっている関係で、ソ連の領水内におきますものにつきまして、当方から強制的にそれをやらせるというわけに参らぬわけであります。そこで、条約上はやはり資源保存を科学的にやりたいという建前のもとに、漁業の規制及び保存措置の経験をお互いに交換しよう、そういう考えのもとに、条約の第五条をもちまして学識経験者の交換をやりましょう、かような関係になっております。そこで、私どもが先ほどから説明いたしましたように、本年は少くとも七名程度の者を派遣いたしまして、長期各所におきます御指摘の点をも十分調査をいたしたい、かように考えております、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/112
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113・上林忠次
○上林忠次君 私は、そういうことで、やつぱり魚族の保護あるいは増殖ということについては、もっと日本は力を入れなければならぬ、向うの魚族拡充のための施設をせねばいかぬのじゃないか。みんな関係沿海国家、おのおのがこの海を、公海を十分に利用するというような施設を考えなければいけないのじゃないかと考えるのであります。魚族の繁殖のために必要ないい施設があるなら、向うの領域に作つてもらう、それについての費用はこっちも出す。そうしてアリユーシヤンからオホーツク海の、あのあたりで、近接した国家の畑にしていく、なるべくよけい生産を上げていくというところまで行かねばいかぬのじゃないか。ただ自然にまかしておいて、豊作だから今年はよけいにしよう、減産だから少しみなで抑制しながらとろうというようなことでは、ちょっとおそいのじゃないかですかな、やり方が……。もっと利用する方途を考えなければならないという工合に考えますが、それだけの熱意はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/113
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114・岡井正男
○政府委員(岡井正男君) 大体学識経験者の七名の交流によりまして、向うの集積されたポイントはつかめると思います。ですから、非常に詳細に私の方も査察するというわけには参りませんが、大体の荒見当はつきますので、大体豊不漁を向うが非常にゆがめた発言をしておるかどうかというくらいの程度であれば、わかるわけであります。
それからもう一つ、それじや歯がゆいじゃないか、そんなことじやなまぬるいというお説でございますが、それは基本的に、先ほど課長からお答え申し上げましたように、条約の基本的な行き方が領水内においてはお互いに干渉せぬという行き方で、公海における、となっておりますので、どうしても向うが同意せぬ限りは、私の方で強要をするというわけにはいかないわけであります。強要しても向うがのむという範囲というのは、やはり学識経験者を交流して、お互いに見合いつこしましょうというのが、今の段階としては一ぱいではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/114
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115・上林忠次
○上林忠次君 もう一つ。さっきソ連の方で、十四万トンの申し合せをしたことが、十二万トンに下げるというようなことになっているらしいということを聞きましたけれども、ああいうような点からいくと、十四万トンというのは、将来の日本とのバランスの大きな一つの数字を出しておる。実際はそんなにとれないのだから、だから十二万トン実行計画は作つている。この十二万トン、こちらが十二万トンなら、向うは十四万トンではなしに、捕獲のバランスは向うは十二万トンが適量だ、現状においては。とれないのだというような状態でないかということになりますと、そんなら、向うの十四万トンというのは、どうしてそんなものをこちらが簡単に容認したのか。もう少しつつつくなら、向うのサバ読んでることがはっきりするじゃないか。これも将来のわれわれのもとの数になりますので、どうしてそういうような、向うが実行計画を下げるようなそんな数字をのんだか、何かそこにこちらの足らぬところがあったのじゃないかしらと思うのですが、そんなことはなかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/115
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116・岡井正男
○政府委員(岡井正男君) 向うが計画を領水内の魚でやるのでありますから、かりに向うの方が公海における沖とりを向うがやつて、それをプラス・アルフアするとか、マイナスするという場合には、こちらもうんと干渉して、そういうことはおかしいじゃないかと、こう言えますが、領水内における計画量の変更は向うの自由でございまして、たとえば北海道地区において今までにかりに六千トンとつておつたやつを、一万トンの大体目標にいたしますというと、道庁の計画であつても、これはけつこう。かりに三千トンにいたしますと言っても、それもけつこう。こういうたとえばでございますが、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/116
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117・堀末治
○委員長(堀末治君) 本日は、これにて散会いたします。
午後四時二十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X03019570418/117
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