1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年二月二十七日(火曜日)
午前十時二十九分開会
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出席者は左の通り。
委員長 安部 清美君
理事
手島 榮君
寺尾 豊君
野上 元君
委員
白井 勇君
新谷寅三郎君
鈴木 恭一君
谷村 貞治君
永岡 光治君
国務大臣
郵政大臣 迫水 久常君
政府委員
郵政大臣官房長 金澤 平蔵君
郵政省郵務局長 西村 尚治君
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本日の会議に付した案件
○郵便切手類売さばき所及び印紙売さ
ばき所に関する法律の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
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001・安部清美
○委員長(安部清美君) ただいまより開会いたします。
郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず政府より提案理由の説明をお願いいたします。郵政大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/1
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002・迫水久常
○国務大臣(迫水久常君) ただいま議題となりました郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。
現行の郵便切手類及び印紙の売りさばき人に対して支払う売りさばき手数料の率は、昭和三十三年四月に改正されて今日に至ったものでありますが、その後における労賃その他の諸経費の増加及び売りさばきの実情を勘案いたしますと、この手数料率では実情に即しない部分が出て参りましたので、これを適正なものに改めるため、この法律案を提出いたそうとするものであります。
改正内容の第一は、売りさばき人の切手類等の買い受け月額のうち、一万円以下の部分の手数料率を百分の七から百分の八に引き上げようとすることであります。最近において労賃その他売りさばきに要する諸経費に増加の傾向が見られ、ことに売りさばき月額の少ない場合の売りさばき原価が割高になってきている実情にかんがみまして、その売りさばき原価を償ない得るよう、この料率引き上げを行なおうとするものであります。これによりまして、切手類等の買い受け月額が一万円以下の売りさばき人はもちろん、それが一万円をこえる売りさばき人についても買い受け月額のうち一万円以下の部分について、手数料が増加することになるものであります。
次に、切手類等の買い受け月額のうち百万円をこえる部分の手数料率は、現行では一律に百分の一となっておりますが、この法律案におきまして、買い受け月額のうち百五十万円をこえる部分については、手数料率を百分の〇・五に引き下げようとしております。これが改正の第二点であります。ここ数年来、買い受け月額が百万円をこえる売りさばき所の数が増加しその売りさばき金額も相当多額となっているものが増加してきておりますが、その実情を見ますと、比較的手数を要しない高額の印紙の売りさばきによることが多いように見受けられます。そこで、全般的な手数料率の均衡を考慮いたしまして、この改正を行なおうとするものであります。
以上がこの法律案の提案理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/2
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003・安部清美
○委員長(安部清美君) これより質疑に入ります。御質疑のある方は、どうぞ順次御発言を順います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/3
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004・野上元
○野上元君 本件については、ただいま私は初めて伺っておるので、その内容について、もう少し詳細に説明をいただきたいと思うのですが、せっかく郵務局長が見えておられますので、今の説明資料に基づいて、さらに細部にわたってどういうふうになるのか、一応御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/4
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005・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 大体のアウトラインは、ただいま大臣から御説明のございましたとおりでありますが、もう少しこまかく御説明申し上げますと、現在売りさばき所は全国で約九万カ所ほどございます。そのうちの三一%程度のものが、実は買い受け月額三千円未満のものでありまして、しかも、そうしたところは農山僻地、比較的まあ僻遠の地でありまして、郵便局の補助施設としての役割を果たしておるにもかかわらず、売り上げ月額が三千円未満でございますから、手数が比較的かかる。五円とか十円とかといったような小口のものを売りさばかなければならない。にもかかわらず手数料がきわめて零細でありまして、郵便局の補助機関としての本来の使命を果たしてもらうのにどうかと思われるような節もよく見受けられたわけであります。と申し申すことは、仕事をしてもらう意欲を失うようなおそれも間々見受けられた。今の手数料では低過ぎるから何とかもう少し上げてほしいという切実な声も、方々にございまして、われわれのほうとしては、これは営業としてやってもらうものではなく、そういう意味におきましてたばこの売りさばきなどとは違うのでありますけれども、ある程度売りさばいてもらうための実費を、補償するくらいなものは出さなければならないだろうというようなことからいたしまして、コストを計算してみますと、大体七分一厘余りかかるのでありまして、現行のものはそれに対しまして手数料としてわずか七分しか払っておりません。これではコストを割るという実情でございますので、これを百分の七を百分の八に改めたということでございます。
今申しましたのは三千円未満と申しましたが、実は一万円までのものが平均いたしまして七分一厘何毛になるのでありまして、一万円以下のものを総じて百分の七の手数料を百分の八に改めたい、これが一番大きなねらいでございますが、さらに今回新たに買い受け月額百五十万円をこえるものを、従来手数料一分でございましたものを五厘に引き下げました。これはどういう趣旨かといいますと、百五十万円をこえる売りさばき月額の売りさばき所は、従来非常に数が少なかったのでありますけれども、最近データをとってみますと三百カ所ばかりになってきております。と申しますことは、経済が活発化いたしまして、高額の収入印紙が流通しておる、そういった関係だと思いますが、その高額の売りさばきをするところは、実情を見ますと大体五千円とか一万円といったような収入印紙の取引が大部分でございまして、売りさばき月額が多くなりましても、大口のものでありますために、そう手数はかからないというデータが出て参ったのであります。しかも、こういったところは主として非営利法人でございまして、個人の営業にかかるものは比較的少ないのであります。そういったような関係からいたしまして、百五十万円をこえるものを従来どおり一分にしておく必要はない。他の一万円以下、あるいは三千円以下のものとの権衡から考えまして、これを五厘程度に引き下げることを至当と認めて、こういう段階を新たに設けたようなわけでございます。
そういったようなことで、一口に申しますと、この両方の改正によりまして、売りさばき手数料の適正化をはかったということを一つのねらいとしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/5
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006・野上元
○野上元君 コストの計算をする場合には、一万円以下の買い受けの場合も、あるいは売りさばきの場合も、百五十万円の買い受けの場合も、コストの計算としては、あまり変わりはないじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/6
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007・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) コストの、手数その他においては変わりはないのでありますが、実は一万円未満の場合の資金と、二百万円、あるいは五百万円の買い受け月額の場合の資金などは、かなり差があるわけでありまして、このコストの中には、そうした資金の金利も見ておりますし、それから保官箱なども若干違うであろう、それから危険負担なども若干違うであろうというようなことで、コストの中には多少差異があります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/7
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008・野上元
○野上元君 そうすると、コストよりもむしろ権衡をきわめて大きく見たということになるわけですが、その権衡は、従来も、百分の一と百分の七ですか、でしたから、それで権衡を保っておったと思うのですが、片一方を百分の八にすることによって片一方は逆に百分の〇・五にすることによって権衡が保てる、こういうふうに郵政当局ではお考えなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/8
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009・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 権衡だけでありませんで、むしろ主眼はコストのほうを申し上げますと、一万円以下のものにつきましては七分一厘五毛、それから百万円の場合には三厘四毛というコストになるのでありまして、大体このコストに合わせて、さらに両者の権衡を考えた。そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/9
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010・野上元
○野上元君 もう一度言って下さい。一万円以下のものは、先ほどおっしゃったように、大体七分一厘五毛。そうすると、百五十万円以上の場合のコストはどれくらいになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/10
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011・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 百五十万円をこえるものは三厘一毛。先ほど申しましたのは百万円ですが、百万円は三厘四毛ですけれども、百五十万円をこえるものは三厘一毛という計算にたります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/11
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012・野上元
○野上元君 そうすると、この改正を見ても、なおかつコストの比較ということになると、非常に大きな差があるということは言えるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/12
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013・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) コストの比較とおっしゃいますと………。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/13
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014・野上元
○野上元君 今あなたが言われたように、一万円以下のものは七分一厘四毛のコストになるわけですね、百五十万円以上の場合には三厘一毛にしかならないということになると、片一方は七分二厘五毛のコストが、片一方は三厘一毛のコストだということになれば、改正をしてみても、このコストから見れば、非常に大きな差があるということが数字で明らかにされたと思うのだが、その点は、そういうふうに解釈してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/14
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015・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) これは実は、ちょっと説明が足りなかったかと思いますが、実額はそう違わないわけですけれども、まあ金利の点その他若干の相違がありますけれども、そう大きな開きはないわけですが、それを、一万円に対する率、そしてこちらは百五十万円に対する率ということではじきますために、率としましては、片方は七分一厘五毛になり、片方は三厘一毛になるという結果になるので、その率から手数料をはじいた、こういう数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/15
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016・野上元
○野上元君 で、今回の改正によって、一万円以下のものは手数料が上がるということで、これは売りさばき人から見れば歓迎すべきことだと思うのですが、逆に百五十万円以上の場合は手数料が減る、こういうことについては、売りさばき人としては、おそらく不満が出るだろうと思うのだが、その点についての考慮をどういうふうに払われたか、お聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/16
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017・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 百五十万円をこえるものは、実は従来より手取りが減ることになりますので、相当不満であろうかと思います。あろうかと思いますけれども、ただ、そういう百五十万円以上も売りさばいておりますところは、主として収入印紙でございまして、切手は非常に少いのであります。しかも、扱っております売りさばき所は大半が非常利法人であります。裁判所の構内だとか、登記所の構内だとか、そういうところの非営利法人でございまして、そう個人の営業に影響するほどのものではないと思われますのと、率をとってみますと、この改正案によりまして、よくなるものは全体の九九、六%が、わずかながらでもよくなるわけであります。不利になりますもの、従来よりか手取りが少なくなりますものは、わずか〇、四%ということでありますので、全体のためには、これをひとつしんぼうしてもらうよりほかないのではないかと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/17
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018・野上元
○野上元君 個人的な営業として売りさばいている人が若干の収益が上がるということは、これはわかるのですが、非営利法人がこの大口のものを扱って、その収益を上げたそれは、どういうものに使われておるかということについて、あなたのほうでは特段に調べたことはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/18
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019・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 裁判所の構内、登記所の構内等で扱っており すものは、調べましたところによりますと、消費生活協同組合だとか、共済組合だとか、そういうところのようでありまして、そういうところの何かの資金に充てているのだろうと想像しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/19
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020・野上元
○野上元君 そうすると、結論的に言いますと、一万円以下のものは現在までのところコストを割っておった、手数料が……。したがって、これをコストを償うものに直した、逆に百五十万円以上のものはコストよりも手数料のほうがはるかに高かった、したがって、二万円以下のものに見合うように引き下げた、しかも、コストは十分にまかない得る、償い得るこういうものにした、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/20
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021・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) おっしゃるとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/21
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022・野上元
○野上元君 私は、上げるほうについては当然これはコストを割っておるということになれば幾ら公共現業といえども、個人にこれを請け負わせているのですから、当然だと思うのですが、引かれるほうは、かりに今まで若干余分にもらっておったとしても、これを減額されるということになると、やはり問題が出てくると思うのですが、その点についての自信はありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/22
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023・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 自信というほどのものは実はないのでありますけれども、法律案が通りますれば、ひとつ協力してもらうよりほかないと、まあ協力してもらえるであろうと期待しておるであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/23
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024・野上元
○野上元君 私の聞きたいのは、これは突然一方的にあなたのほうでなされたものか、あるいはまた適当な筋を通じて内面的な指導をされておったのか、その点をひとつお聞きしたいのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/24
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025・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 実は内面的な指導というようなものはいたしておりませんが、売りさばき人組合というものの全国的組織がございます。そちらのほうには一応こういうことにならざるを得ない事情は説明してございます。必ずしも賛成ではないようでありますけれども、通りますればやむを得ないのではないかというような気持でおるのではないかと思っておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/25
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026・野上元
○野上元君 売りさばき人組合というのは、この表で見ますというと、大体九万人を若干上回る数字のようですが、この組織はどういうようになっておっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/26
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027・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) これはまだそう強力な組織ではないようでございまして、九万カ所の売りさばき所のうち、加盟しておるものは半分、四万五千カ所くらいのようであります。しかもまだ法人となっておりませんので、任意団体でありますから、そう強力なものとは申せませんが、将来は、何か遠からず法人化する動きがあるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/27
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028・野上元
○野上元君 そうすると、この改正をしてもらいたいという、言いかえれば引き上げてもらいたいという要望というのは、この組合を通じて郵政当局に今日までなされてきたというふうに認識してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/28
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029・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 組合のほうからも確かにそういう要望はございましたし、また、私どものほうの事務的な検討の結果からも、こういった下のほうの段階では——一万円以下の段階では——実費を償っていないようだというようなことで、早晩これは何か改正しなければならぬという意向を持っておったわけでございます。両々相待って今回の改正案になったような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/29
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030・野上元
○野上元君 私がしつこく質問するのは、こういうものを改正する場合に、郵政当局はこういう売りさばき人にお願いしてやっておるわけなんだから、この場合に、おそらくこういう手数料というものがきまったと思うのですが、それを一方的に変えるということになると、やはり問題があろうと思うのですね。一方的に上げる場合にはさして問題はないかもしれませんが、一方的に下げる場合には、やはり相当文句が出ると覚悟しなければならぬと思うのですが、その事前的な工作がなされておったかどうかが非常に重要だと思うし、われわれとしても、これを承認する場合にも、そういう苦情がほうふつとして起きてくるということになると、これは非常にわれわれも責任を感ずるわけですから、その点、若干心配があるので、あなたのほうにその確信を聞いておるわけなんですが、その点は大丈夫ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/30
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031・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 今までの手取額より少なくなるということになりますれば、だれしもそう喜んで賛成はしないわけでありますけれども、事情を話しまして、協力を求めますならば、法案が通りましたあとで、必ず協力をしてもらえるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/31
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032・野上元
○野上元君 私は、その組合があなたのほうに陳情された場合に、片一方は上げるが、片一方は下げるぞといった場合に、若干の不満が出された、しかし、何とか承認してもらえるだろう、こういう気持でこの法案の作成に当たられたようですが、その点が確信があれば、私のほうとしてはそう大きく問題にすることはないというように実は考えておるのですが、しかし、その不満が大きいということであるならば、若干考慮しなければならぬという気がするわけです。しかし、この売りさばき業務に対する考え方が、先ほど冒頭に述べられたように実費主義である、営利を目的とするものではないのだ、国の出先機関として実費主義でやってもらうのだということが組合の人たちに納得されておれば……。私は今説明を聞いておりますと、百五十万円以上のものでもコストは三分三厘一毛であり、手数料は五厘でありますから、十分にコストは償い得るものを出すということにはなるわけですから、理屈の上からは大して問題はない、かように実は考えておるわけですが、さらにあなた方としては、この法案が通った場合には、十分な指導をされるように私のほうは希望をしておきたいと思うのです。
それから、もう一つお聞きしたいのは、これも読めばおそらくわかると思うんですが、ついでにお聞きしておきたいのですが、これだけの引き上げによってどれくらい郵政省は手数料の負担増となるのか、その点ひとつお知らせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/32
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033・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) この改正案が通りますれば、年間六千三百五十五万円の持ち出しになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/33
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034・野上元
○野上元君 その内訳をお聞きしたいのですが、上がる分が幾らで、下がる分が幾らかという点を聞かせてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/34
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035・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 上がる分が八千七百十万円でございます。それから百五十万円以上の率を下げましたために節約になりますものが二千三百五十五万円でございます、差引六千三百五十五万円ということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/35
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036・野上元
○野上元君 さらにお聞きしたいのですが、この売りさばき所の数の変遷といいますか、それを最近の一、二年にわたっての動向を知りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/36
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037・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 売りさばき所の数は、毎年二、三千カ所くらいずつふえておりますが、大体のあらましを申し上げますが、昭和二十七年には、ラウンド・ナンバーで申し上げますと、約七万カ所でございます。それが昭和三十一年には八万カ所と相なっております。昭和三十五年には八万七千カ所、そうして現在では約九万カ所ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/37
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038・野上元
○野上元君 そうしますと、この率の引き上げによって郵便の事業の経理にとっては、重大な影響があるということは考えられませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/38
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039・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 事業経理上にはそう大した影響はないはずでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/39
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040・野上元
○野上元君 本法案についての私の質問は、大体その程度で終わりたいと思いますが、この機会に、一、二郵便事業について質問したいと思います。
まず第一は、年末に遅配が起きたときに、都内に私設郵便局がだいぶできたようですが、この私設郵便局の内容と、その後の動向について、あなたのほうが取得された結果をひとつ御報告願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/40
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041・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 私設郵便局とおっしゃいますのは、ダイレクト・メールの輸送配達をやっている——あの当時ちょっと新聞に出ました——そういった種類の会社のことを意味されているものと思います。これにつきましては、実は監察局のほうで一回ちょっと調べたようでありますけれども、まだ内容を聞いておりません。聞いておりませんけれども、大体こういうところは、団地などの集団地域に対するダイレクト・メールを業者から預かって配達をしているということのようでありまして、そういった会社が東京都内でも数社あるということでございまして、詳細はちょっと監察局のほうでないと、まだわからないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/41
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042・野上元
○野上元君 そうすると、その内容についておわかりにならないようですから、それはまた次の機会に聞くとしまして、こういうダイレクト・メール専門であっても、私設の郵便局のようなものができるということは、郵便法上はどういう解釈になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/42
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043・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 郵便法上から申しますと、信書——信書というものは、あくまで郵政省で国営として独占でやっていく建前のものでございますから、信書まがいのものをそういった民間会社で輸送、配達されるということは、法律違反になりまして困るのでありますが、現在やっております私設会社の配達しておりますものは信書ではございませんで、ダイレクト・メールのようであります。デパートとか銀行、会社などから、団地などの住居者にあてて差し出されるもの、こういうものはまとめて配達できますために、コストがそう高くかからぬ。そういう関係でペイするらしくて、そういうものが数社あるようでありますが、そのダイレクト・メールであるうちはいいのでありますけれども、ダイレクト・メールが往々にして信書まがいのものが、実はままあるようでありまして、たとえばどこどこデパートで何月何日にこういう催しものをいたします、おいでになりました方には景品を差し上げますとかといったような印刷文を刷りまして、しかも相手が持定の個人あてのダイレクト・メールになっておる。こういうものは厳密に解釈いたしますと、信書とも言えるではないかという見方も成り立つのでありますけれども、その辺のところは、ひとつ監察局のほうでよく検討してもらわなければならぬということで、まあそういった実例なども集めてもらっておるはずでありますが、あまり信書まがいのものが多くなりますと、郵政省としても放置しておくわけにいかない、郵便法違反ということで摘発しなければならぬということになろうかと思いますけれども、現在のところでは、そう目に余るようなものはないように実は聞いておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/43
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044・野上元
○野上元君 ダイレクト・メールならば、こういうものがあってもよろしいということが法律的には解釈できるという考え方なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/44
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045・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 御承知のように、郵便法では信書の独占は明記してございますけれども、小包だとか、ダイレクト・メールのようなものは、これを独占とするといったような条文はございませんので、これは純粋なダイレクト・メールあるいは小包であれば郵政省以外のものが営業としてやっても認められる建前になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/45
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046・野上元
○野上元君 そうすると、ダイレクト・メールというのは、その内容そのものか、あるいは形式的なものか、たとえばダイレクト・メールであっても完全に封書になっておる場合、しかし現実に業者は中はダイレクト・メールだと言っておる。しかし、外見から見たら、完全に封をしてしまってあるというような場合は、どういうふうに解釈されるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/46
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047・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) これは、ダイレクト・メールとして郵政省のほうに出される場合には問題ないわけでありますけれども、会社がそういった私設会社に託して配達してもらう場合、その形式が封書に入っておろうとおるまいと、信書と認定されるようなものでありますれば、これはやはり郵便法違反になろうかと思います。封書に入っておりましても、はがきの形態でありましても、さっき申しましたように、何か通信文的のものが書いてありまして、しかも通信文といいますか、個人から個人への意思の伝達的のものが書いてありまして、そして相手が特定の人である、名あてが明記してあるというようなものは、やはりこれは信書と、通信と認定せざるを得ないのではないかと思いますので、実はそういうふうに厳密に見ていきますというと、現在ダイレクト・メール会社、こういった私設会社がやっておるようなものの中にも、どうかと思われるようなものもあるのではないかと思われるのでありますが、実は私どものほうといたしましても、まだそこまで個々に目を光らして調査する余裕がございませんで、特に郵務局といたしましては、遅配の解消に目下全力をあげておるような状況であります。まあこちらのほうがすっきり軌道に乗りますれば、そういった面についての検討調査等も考えていかなければならぬのではないかというふうに思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/47
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048・野上元
○野上元君 私はその考え方は若干危険だと思うのですよ。遅配が解消ができればそういう問題にも手をつけたいというのですが、そのこととこれとは性質が違うと思うのですね。もしもかりに遅配解消が必ずしも思うとおりにいかない、時間が非常にかかった、こういう私設郵便局のようなものが、どんどん生まれてしまったということになると、こういうことがもうすでに新聞紙上に騒がれておって、現実にもうその存在がある場合には、それにいち早くあなたのほうで調査をしなければ、暗黙のうちにこれを承認したということになるおそれがある。したがって、この問題については遅配解消云々とは関係なく、郵政当局としては責任をもって調査し、その内容が郵便法に触れておるのか触れておらないのかということについて、すみやかに調査すべき義務が私はあると、こう考えるのですが、いまだそれをやっておらないとすると、これはきわめて重要な問題だと私は考えるのですが、その点、郵務局長としての意見を聞きたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/48
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049・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 実は、私ただいまそう申し上げましたが、いつまでもほおっておくというのもどうかということで、年末、監察局のほうが一、二度調査に行った経緯もあるのであります。その結果を実はまだ聞いておりませんのですけれども、調査した結果、どういうあれでありましたか、そうたいして日に余るものはないように聞いておりましたので、そのままにしておったわけでありますけれども、もしあれでしたら監察局のほうの関係者に来てもらいまして説明させていただいたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/49
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050・野上元
○野上元君 たとえば、この仮称私設郵便局で出すダイレクト・メールは完全に封がしてある、そしてあなた方が調べに行った場合、これは完全に内容はダイレクト・メールであります、したがって郵便法違反ではありませんと言った場合に、あなたのほうは開封して見せろということが言えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/50
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051・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) どうもちょっと監察官の御所管でございまして、私ども、はっきり責任ある答弁をいたしかねるのでありますが、あしからず……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/51
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052・野上元
○野上元君 私が心配するのは、新聞にはこういうふうに書いてあるのです。「郵便の遅れが日ましにひどくなっているおり、東京に私設郵便局がぞくぞく生まれている。いまのところ宣伝のダイレクト・メール専門だが「郵便より早く、確実」を看板に大繁盛。
郵便法違反の疑いもあると郵政省はにらんでいるが「郵便には頼れない」という利用者の声援で業者は強気。同省でも「取り締まろうにもこの遅配状態では……」と〃遅配の生んだ意外な伏兵〃に頭をかかえている。こういうふうに書かれておるわけです。ということになると、郵便法違反とか何とかというよりも、むしろ遅配が今日の状態なんだから、それを解消するために私設の郵便局があってもいいじゃないか、郵便法云々を言う資格は、郵政省にはないのじゃないかということを、この新聞は明らかに言外に表明しているわけです。
そうした場合に、あなたのほうの立場としては、私は非常につらくなるのじゃないか。しかしやはり郵便法がある以上、郵便法が適正に守られていくということが、好ましい法治国の状態だろうと思うのです。その点を私は心配しておるから、この問題についても掃く手をつけないと、郵便遅配云々でこの私設郵便局が広がってしまって、もう確固たる基礎を作ってしまうということになると、これを廃止するということは、非常に困難になる。しかもダイレクト・メールだと言ってがんばられた場合に、それを検査する方法がないということになれば、自然にこういうものが出てくる、こういう結果を招来しやしないかという心配があるので、実はあなたのほうにお聞きしてみたのですが、この問題については、近い機会に再質問いたします。
したがって、あなたのほうでは、十分に調べておいてもらいたいと考えるわけですが、その後のこの私設郵便局の状況、あるいは営業として成り立っておるかどうか、将来発展性があるのかどうかというような点についても、あわせて調べておいてもらいたい。そう希望します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/52
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053・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/53
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054・野上元
○野上元君 それからもう一つは、機械化の問題なんですが、先般白井前委員長とともに、京都の中央郵便局を見せてもらいました。機械化の問題について、いろいろ勉強して参ったわけですが、京都の中央郵便局における機械化は、全国的なモデル・ケースとしてやられて、モデル・テストとしてやられておるようですが、あれはうまくいっておりますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/54
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055・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 京都のモデル局の機械化設備には、書状区分機、小包区分機、搬送設備と、大まかに言いまして三種類あるわけです。その中で小包区分機と搬送設備は、これはきわめて順調にうまくいっておるものと確信いたしております。ただ、書状区分機につきましては、これは日本で初めて研究し、作成した機械であります上に、実は納期がこの三月末日であったものを、昨年の秋、国際会議がありましたが、その国際会議のメンバーにぜひ見せたいといったような事情からいたしまして、納期以前、早めに備え付けまして試験をしたわけでございます。目下試験中あるいは調整中でありますので、所期の効果は、率直に申し上げまして、まだ十分上がっておりません。いろいろと試験をして見ますと、研究段階に予期しなかったような問題も出ておるようでありまして、そういった意味で調整中であるわけでありますが、正式の納期の三月末日までには、まだ一カ月ありますし、メーカーであります日立製作所のほうからも、毎日関係者が詰めて研究をしておりますので、おそらく正式の納期までには、完全ないいものにでき上がるのではないかというふうに期待をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/55
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056・野上元
○野上元君 私が拝見したところでは、あの機械化の目的は、一体どこにあるのかという点について視察をしてみたのですが、どこにあるのか、ちょっとよくわからないのですね。あなたのほうではあの機械化を莫大な費用を投じてやられたのですが、その目的は何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/56
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057・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 目的はと申しますと、やはり郵便業務処理の能率化、それから従業員の労力軽減、事業全体の合理化、そういったようなことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/57
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058・野上元
○野上元君 その目的を達していますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/58
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059・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 実は新しい機械というものは、取りつけましてすぐから所期の目的を発揮するということは、なかなかむずかしいと、これはひとり郵便機械に限らず何でもやはり一応の調整段階、試験段階というものを経なければ、十分な所期の効果を上げるわけにはいかぬのではないかというふうに、常識的に一般論としては言えるのであります。特に、郵便のような、日本で初めてのこれは機械でありますので、そう私どもが当初期待いたしましたようなものは、さっき申しました書状区分機を初めといたしまして、そうまだ十全なるものとは申せないかと思いますが、それは機械だけでなくて、それを操作する職員の未熟練という点もあわせまして、まだそう所期の効果は上げているとは申しかねますけれども、少なくとも搬送機械につきましては、一階から四階、さらに地下と、上下の郵便物の輸送が今までは人間の労力に主としておんぶしておりましたものが、シュートとかベルト・コンベヤリ、フトも、あらゆるそういった搬送設備の、これは諸外国にも負けない程度の設備でありますが、将来はトロリー・コンベヤといったようなものも取り入れたいと思っているわけでございますけれども、現段階においては、諸外国にも負けないような搬送設備であり、またそれなりに効果は発揮しておると思います。発揮しておらない点は、まだ設備しましたために若干予期しなかったようなものが、たとえば小包を運ぶパンが少しゆがんだといったような点がありましたり、あるいは従業員が操作になれていなかったりというような関係でのハンディキャップはありますけれども、およそこれは効果を上げていると思います。
また小包につきましても、これもたしか日立の製品だったと思いますが、外国のアメリカ、イギリスなどの小包区分機に比較しますと、きょうは実は詳細な資料を持ってきておりませんのですけれども、方面別それから一分当たりの処理能力等から見まして、性能としては決して遜色はありません。むしろすぐれておると言ってもいいかと思います。ただ遺憾ながら、繰り返しますように、まだ従業員のほうが、それに十分なれておりませんので、機械の性能をフルに発揮しておるとは言えませんけれども、従業員がオペレーターがなれて参りますれば、相当効果を発揮するのではないかというふうに期待しております。
問題は書状区分機でありますけれども、書状区分機は、調整段階でありまして、まだ本格的な操作をしておりません。模擬紙によりまして、一日のうち何時間かやっておるという程度のものでありますので、十分なものとは言えませんけれども、これから調整をし改善を加えまして、今後りっぱなものにしていきたい。これがりっぱなものになりますれば、相当労力の軽減また能率の向上には確かに役立つというふうに期待をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/59
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060・野上元
○野上元君 私も、そういうように拝見してきたのです。キャリアのほうは、おおむね性能を発揮しつつあると思うのです。
ただ、問題は書状区分機、これはまだ動いておらなかったので、はっきりすることができなかったのですが、あれは郵便物の書状の規格を郵政当局ががっちり統制をした上でないと、十分な能率を発揮することができないのじゃないかというような気がしたわけですよ。それとあの書状区分機を施設するためには、相当大きな局でないと、あまり意味がないのではないかというような気もするわけです。
それで、ちょっとお聞きしておきたいのですが、どの機械に一番費用が大きくかかるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/60
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061・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 機械によりますのですけれども、京都の例で申しますと、書状区分機よりも、小包み区分機のほうが、金額としては多くかかっております。搬送設備が大体——搬送設備はただ、各種ありますので、一単位どういうふうになりますか、全体としては、搬送設備が一番経費はかかっております。
ただ、今後そのほかにたとえば分類機だとか、取りそろえ押印機だとか、いろいろなものを引き続き民間会社に研究してもらっておりますが、しかも局の幅にマッチするように、同じスケールのものでなくて、若干スケールその他も、変えられるようなことも研究してもらっておりますが、どの機械が一番どうといったようなことは、それは機械の性質上、ちょっと申し上げかねると思います。ケース・バイ・ケースでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/61
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062・野上元
○野上元君 私は、さらにこの問題は検討していかなければならぬと思いますが、感じたことは京都の程度の郵便局で、あれだけの大きな設備をするということは、必ずしも私は効率的ではないのではないかという気がしたのですが、さらにもっと大きい大阪あるいは東京等については、非常に効率を発揮していいんじゃないかというような気もしましたが、あまり小さい局は、ああいうものをどんどん施設していくことは、ちょうど五反農家に耕耘機を買い入れるようなもので、使うときはいいんですが、遊んでいる時間を入れると、効率というのは非常に下がってくるのじゃないかというような気が実はしたわけなんで、そういう点についても、十分ひとつ御検討をいただきたいと、こういうふうに考えて帰って来たわけなんで、それはまた、いずれ資料を取りそろえていただいて、十分にひとつ御説明を聞きたいと、かように考えております。
私の質問は、きょうのところは以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/62
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063・永岡光治
○永岡光治君 今度の改正案によって、所要予算はどのくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/63
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064・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) これによりまして、新しく必要となります、持ち出しとなります予算は六千三百五千万円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/64
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065・永岡光治
○永岡光治君 百五十万円以上の売りさばき個所は、大体どのくらいございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/65
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066・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 三百四十二カ所でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/66
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067・永岡光治
○永岡光治君 これは主として、どういうところですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/67
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068・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) こういうところは、主として収入印紙を売りさばくところでありまして、たとえば税務署とか、裁判所とか、登記所とか、そういうところの構内にある売りさばき所が大部分でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/68
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069・永岡光治
○永岡光治君 私どもが町に出まして、はがきとか切手を買う場合があるわけですが、そういう意味で、これを上げたのではないかと思うのですが、用を足さない売りさばき所があるわけですね。その切手がないとか、はがきが切れておるとかというようなところがあるんですが、何かその指導については、所轄の局で、ずっと定期的に回ってみるとか、そういうような指導の方法は考えられておるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/69
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070・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) これは実は、売りさばき所法に一般の需要を充たすに足る数量の切手なり、印紙なりまして、所轄の郵便局で、これを指導する建前になっておりますけれども、一々それを回ってみるという手数とか時間とかいうものがありませんために、まま売りさばき所において常備すべきものも常備していない、公衆に御迷惑をかけるというようなことも、ままあるようでございます。それはひっきょう手数料が少な過ぎるために、課せられた義務を遂行するのに意欲がわかなかったといったような点も手伝っておったようでありますが、そういう面からも、少しでも手数料を引き上げねばなるまいということで、今回の改正案を作ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/70
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071・永岡光治
○永岡光治君 これは調べればわかるんでしょうけれども、大体金利として、どのくらいに回るんでしょうかね、この一万円以下のところで、今度の引き上げによって……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/71
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072・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 金利として、どれくらいに回るかという御趣旨、ちょっとわかりかねるのでありますが、実は手数料を引き上げますのにつきまして、一体こういった切手や印紙を売るのに、どれくらいの実費、コストがかかるであろうかということを計算したわけであります。そのコストの中には、月に、常備すべき切手なり印紙なりを、これはあらかじめ買い受けるわけですから、郵便局から、その買い受けるための資金が要るわけです。その資金につきまして金利をみております。そのコストの中に、そうした資金の金利を計算しておるのでありますが、その金利は年利八分でみております。これは一般の市中の相互銀行その他で取引されております金利の最発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/72
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073・永岡光治
○永岡光治君 おそらくこれは切手売りさばきだけでやっているところはあまりないだろうと思うのですけれども、大体たばことか、そういうものと一緒にやっておるんじゃないかと思いますが、兼業の種類を何かお調べになったことありますか。たとえば九万七百三十一カ所ということになっておりますが。そのうちでも、どういう兼業になって、その兼業の種類は、どういうふうになっているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/73
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074・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) これは詳細に調べたものはございませんのですけれども、大体、たばこ屋とか、文房具屋とか、雑貨屋とか、そういうものと兼営でやっておるところが大半のようであります。ただ、収入印紙の売りさばき所につきましては、これは非営利法人を指定することになっておりますから、裁判所だとか、登記所とか、税務署などの構内にある非営利法人がやるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/74
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075・永岡光治
○永岡光治君 それで兼業のところはしばらくおくといたしまして、今御説明のありました営利をやっていないといいますが、兼業をやっていない裁判所その他の収入印紙を主として売るところということですが、最高、月どのくらいの手数料を実績としてもらっておるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/75
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076・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 最近調査いたしましたところでは、売りさばき月額一千万円以上のところが八カ所ございます。そういったところには、前の手数料で計算いたしまして、十万七千八百円の手数料が月々入っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/76
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077・永岡光治
○永岡光治君 百五十万の手数料——けれども、一千万円以上というものが八カ所ですが、最低が三千円に満たないところが二万八千二百十七カ所あるわけですが、これは、おそらく地方の農村のようなところの売りさばき所ではないかと思うのですけれども、それは実際はどういうふうにしているのですか。一年に一回ぐらい郵便局で買っておるのですか。それとも何か、一月一回ぐらい買っているのでしょうか。何かそういう実情はわかりましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/77
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078・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) おっしゃるとおり、三千円未満の売りさばき所は、大半が農山漁村等の僻地のものが多いのでありますが、これも、大体、毎月々々買い受けしてもらっておるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/78
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079・永岡光治
○永岡光治君 そこで、先ほど私がちょっと質問した中に、お話を聞きますと、売りさばき所で切手類がないとか、用意されたはがきがないので困っておるとかいったところが、東京の都内でもまま見受けるのでありますが、今のお話によりますと、別段定期的にそれを指導するというようなことはしていないと、こういうのでありますが、積極的にそういう方法を講ずると同時に、富山の薬売りみたいなことにはいかないかどうかわかりませんが、月に、郵便集配員がずっと回るわけですが、そういう人は、出納管理はやりませんので、むずかしいところはあると思うのですが、何かお前のところは千枚なら千枚、あるいは五百枚なら五百枚という、一定の基準を設けて、それに足りなければ、いつも置いてくるというような、そういう便法は特段講じないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/79
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080・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) そういう話も、かつて出て、検討もしたこともありますけれども、出納員などの関係もございますし、いろいろ支障が予見されますので、結局実現を見なかったのでありますが、今後常備すべき切手を常備していないで、公衆の便益に、どうも差しつかえるというようなことがあまりに目立つようでありますれば、そういった御趣旨のような点も、考えてみる必要があろうかというふうに思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/80
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081・永岡光治
○永岡光治君 それから、もう一つお尋ねしておきたいのは売りさばき所の設置は、大体、ポストを置くところだろうと思うのですけれども、そういう基準が、大都市と、そのほかの地方では違うだろうし、郵便区の市内と市外とは違うだろうと思います。現在のこの設置基準ということは、どういうことになっておりましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/81
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082・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 実は売りさばき所を設置すべき場所といたしましては、規則に明定してございまして、ポストの設置されている場所から五十メートル以内の場所を指定する、原則として、そういうことになっているわけであります。
それではポストの設置基準はどうなっているかと申しますと、これは郵便区の市内におきましては、隣りのポストとの距離が二百五十メートル以上、享便戸数が二百戸以上、これは郵便区市内についての基準でありますが、郵便区市外につきましては、たとえば隣りのポストとの距離が四百メートル以上、享便戸数は二百戸以上とかいうような段階で、いろいろ内規が設けられております。それに従って措置発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/82
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083・永岡光治
○永岡光治君 それからもう一つ聞いておきたいのです。この郵便切手売りさばき組合というのが、全国にいろいろあるように聞いているわけですけれども、そういう組合についての指導とか何とかいうようなことは、されておりますか。全然それには関与しておいでになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/83
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084・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) 売りさばき人組合というものは、昨年の一月に結成されたようでありますが、実はまだ強力な組織にはなっておりません。で、全国の売りさばき所のうちの半分に満たないもの、四万三千カ所が加入しているにすぎないようであります。組合のほうといたしましては、これをできるだけ全員加入の組織にして、しかも今、まだ任意団体でありますけれども、遠からずこれを法人組織にしていきたいというふうに考えているよう下あります。郵政省といたしましては、特別にこれについて指導する、措置するということはいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/84
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085・永岡光治
○永岡光治君 それで、もう一つ最後にお尋ねしておきたいと思いますが、そういう組合という組織がいいかどうかは別といたしまして、全国に九万カ所に及ぶ郵便切手類あるいははがき類の売りさばき所があるわけでありますが、いうなれば、郵便の末端機関になるわけですけれども、そういうものを活用して、郵便のPRなり、あるいはサービスなり協力なり、いろいろな問題についての活用といいましょうかね、そういうものをお考えになったことありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/85
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086・西村尚治
○政府委員(西村尚治君) これは郵便事業の周知あるいは協力をしてもらうといったような面で、たいへん有力な機関でございますので、郵政省としましても、この売りさばき人組合には、実はこの法律の第四条で、郵政大臣は売りさばき人に対して順守すべき準則を定めることができるという規定があるわけでありますが、各郵政局で、売りさばき人の順守すべき準則というものをきめております。その中には、郵便局への協力条項というものを入れまして、周知宣伝などに関するポスターなどの掲示だとか、付近のポストに異常があれば、すぐ連絡をしてもらうとか、その他いろいろ郵便事業の周知のためあるいは協力のための、いろいろな義務づけと申しますか、協力をお願いしておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/86
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087・安部清美
○委員長(安部清美君) 速記を止めて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/87
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088・安部清美
○委員長(安部清美君) 速記をつけて。
他に御質疑もなければ、本案に対する質疑は、本日のところ、この程度にとどめておきたいと存じます。
本日は、これにて散会いたします。
午前十一時四十一分散会
————・————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00819620227/88
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