1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年三月三十一日(火曜日)
午前十時四十一分開議
出席委員
委員長 徳安 實藏君
理事 伊能繁次郎君 理事 辻 寛一君
理事 永山 忠則君 理事 八田 貞義君
理事 石橋 政嗣君 理事 田口 誠治君
理事 山内 広君
安藤 覺君 岩動 道行君
佐々木義武君 壽原 正一君
高瀬 傳君 塚田 徹君
綱島 正興君 野呂 恭一君
藤尾 正行君 保科善四郎君
前田 正男君 松澤 雄藏君
湊 徹郎君 渡辺 栄一君
茜ケ久保重光君 中村 高一君
村山 喜一君 受田 新吉君
山下 榮二君
出席国務大臣
国 務 大 臣 山村新治郎君
出席政府委員
内閣法制局参事
官
(第二部長) 真田 秀夫君
総理府事務官
(行政管理庁行
政管理局長) 石川 準吉君
総理府事務官
(臨時行政調査
会事務局次長) 井原 敏之君
委員外の出席者
臨時行政調査会
会長 佐藤喜一郎君
総理府事務官
(臨時行政調査
会事務局長) 山口 酉君
専 門 員 加藤 重喜君
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三月三十一日
委員塚田徹君辞任につき、その補欠として安藤
覺君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員安藤覺君辞任につき、その補欠として塚田
徹君が議長の指名で委員に選任された。
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三月二十八日
靖国神社の国家護持に関する請願外五件(逢澤
寛君紹介)(第一五五五二号)
同(中馬辰猪君紹介)(第一五八〇号)
同外四件(橋本龍太郎君紹介)(第一五八一
号)
同外一件(久野忠治君紹介)(第一六〇〇号)
同外八件(佐々木義武君紹介)(第一六〇一
号)
同(浦野幸男君紹介)(第一六二六号)
同(久野忠治君紹介)(第二八二七号)
同(久野忠治君紹介)(第一六七六号)
同(久野忠治君紹介)(第一六九八号)
同外十件(植木庚子郎君紹介)(第一七三四
号)
同(久野忠治君紹介)(第一七三五号)
同外一件(正力松太郎君紹介)(第一七三六
号)
同外五件(永山忠則君外三名紹介)(第一七三
七号)
同外一件(二階堂進君紹介)(第一七三八号)
同(藤枝泉介君紹介)(第一七三九号)
同(木部佳昭君紹介)(第一七五九号)
同(佐藤洋之助君紹介)(第一七六〇号)
同外四件(今澄勇君紹介)(第一七八五号)
同外三件(關谷勝利君紹介)(第一八一一号)
同(田中伊三次君外四名紹介)(第一八一一
号)
同(大高康君紹介)(第一八四四号)
同(佐藤洋之助君紹介)(第一八四五号)
靖国神社の国家護持に関する請願(中馬辰猪君
紹介)(第一五五三号)
同(上林山榮吉君紹介)(第一五七九号)
同(上林山榮吉君紹介)(第一五九九号)
同(上林山榮吉君紹介)(第一六七五号)
同外一件(伊東隆治君紹介)(第一七五八号)
同(二階堂進君紹介)(第一七六一号
同外二件(今松治郎君紹介)(第一七八四号)
元南満州鉄道株式会社職員であつた公務員等の
恩給等通算に関する請願(石橋政嗣君紹介)(
第一五五四号)
同外二件(大石武一君紹介)(第一六七九号)
同外一件(永山忠則君紹介)(第一七四五号)
同外一件(内藤隆君紹介)(第一八一三号)
同(永山忠則君紹介)(第一八四九号)
元満州電信電話株式会社役職員の恩給等に関す
る請願外五十九件(井手以誠君紹介)(第一五
五五号)
同(大村邦夫君紹介)(第一五五六号)
同(川野芳滿君紹介)(第一五五七号)
同(小宮山重四郎君紹介)(第一五五八号)
恩給、年金等受給者の処遇改善に関する請願外
一件(地崎宇三郎君紹介(第一五八二号)
同外二件(本名武君紹介)(第一五八三号)
同外一件(泊谷裕夫君紹介)(第一六〇九号)
同(佐藤洋之助君紹介)(第一七四〇号)
同(松田竹千代君紹介)(第一七四一号)
同外二件(篠田弘作君紹介)(第一八三〇君)
建国記念日制定に関する請願(佐々木義武君紹
介)(第一六〇二号)
同(藏内修治君紹介)(第一八〇九号)
建設省設置法の一部を改正する法律案等反対に
関する請願外一件(沢田政治君紹介)(第一六
二八号)
同(栗林三郎君紹介)(第一七六九号)
同(川俣清音君紹介)(第一八二六号)
旧軍人等の恩給に関する請願外九件(佐藤洋之
助君紹介)(第一七七号)
同(砂田重民君紹介)(第一八五〇号)
基地周辺民生安定法の制定に関する請願(木村
剛輔君紹介)(第一六七八号)
国立大学教官の待遇改善に関する請願(金子一
平君紹介)(第一六九七号)
同(椎熊三郎君紹介)(第一七四二号)
同(塚田徹君紹介)(第一七四三号)
同(大平正芳君紹介)(第一七五七号)
同(田中彰治君紹介)(第一七八六号)
同(竹本孫一君紹介)(第一七八七号)
同外一件(櫻内義雄君紹介)(第一八一〇号)
同(篠田弘作君紹介)(第一八二九号)
同(藤本孝雄君紹介)(第一八四八号)
公務員の賃金引き上げ等に関する請願(田口誠
治君紹介)(第一七四四号)
祝祭日制定に関する請願(進藤一馬君紹介)(
第一七六二号)
恩給、年金の増額等に関する請願(中馬辰猪君
紹介)(第一七八八号)
公務員の給与引き上げ等に関する請願(茜ケ久
保重光君紹介)(第一八〇六号)
同(東海林稔君紹介)(第一八〇七号)
同(村山喜一君紹介)(第一八〇八号)
同(栗原俊夫君紹介)(第一八二七号)
同外一件(二宮武夫君紹介)(第一八二八号)
同外五件(戸叶里子君紹介)(第一八三一号)
宇都宮市に勤務する国家公務員に寒冷地手当支
給に関する請願外三件(森下國雄君紹介)(第
一八三二号)
同外五件(高瀬傳君紹介)(第一八四六号)
同外四件(渡辺美智雄君紹介)(第一八四七
号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
臨時行政調査会設置法の一部を改正する法律案
(内閣提出第二八号)(参議院送付)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/0
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001・徳安實藏
○徳安委員長 これより会議を開きます。
臨時行政調査会設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を継続いたします。
質疑の申し出がありますので、これを許します。石橋政嗣君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/1
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002・石橋政嗣
○石橋委員 先週若干お尋ねをしたわけでございますけれども、時間の制約を受けておりました関係もございまして、十分に意を尽くさない点が多々ございますので、あらためて若干御質問してみたいと思っております。
この間私申し上げました問題点というのは、行政機構の改革は何のためにやるか、これはもう結局国民のための行政、すなわち行政サービスを向上するためにやるんだということになると思うのですけれども、実際には、過去の幾多の経験の中からも、非常に難事業である。それではなぜこの行政機構の改革というものが簡単にできないか、いろいろの原因があるということを探求しつつお尋ねをしたわけでございます。それをそういう立場に立って考えてみますときに、何が必要かということを考えた場合に、まず第一に、現在の場合で申し上げますならば、臨時行政調査会自身が公正妥当な運営をやって、国民の絶大な支持を得られるようなりっぱな報告、答申をつくり上げるということが、まず第一の条件でなくちゃならぬ、こう申し上げたわけですけれども、残念ながら現在までの行政調査会の作業を見ておりますと、必ずしも万全の運営をやってきたとは思えない節があるわけであります。最近、新聞の社説にもそのことが指摘されておるわけでございますので、お読みになったと思いますが、引用してみたいと思うのです。三月十六日の毎日新聞の社説に、こういうふうに指摘がされております。今度半年延長しなくちゃならないという理由に関連して述べられておるわけですが、「このように、作業がおくれたことに対して社会党が指摘するように、調査会の運営にミスのあったことも率直に認めねばなるまい。七人委員会が、まず基本的態度を決定し、これに従って各部会が作業を進めていたら、いまになって調整に苦しむこともなかったであろう。」こういうふうに述べております。しかし、最終的には、「行政調査会はその期間延長がせっかく上程されているのだから、過去の運営のミスは反省するとして、行政改善を阻止しようとするあらゆる圧力に屈することなく、勇気を持って行政改善実現の原動力としての役割を十分果たすことができるよう努力してもらいたい。」ということで結んでおるわけですが、この後段の「あらゆる圧力に屈することなく、勇気を持って」というところにお互い注目したいわけなんです。現在そのような腹がまえが臨時行政調査会自体にあるかどうかという点で、多少私はこの間疑問を持ったわけであります。少なくとも一生懸命作業していただいているわけですが、それが形式化してはならないと思う。何といっても、ポイントはここに置かれなくちゃならないんじゃないか。この圧力に屈しない、勇気を持ってやるというかまえがないところに、多大の国民の支持を獲得する力も出てこないんではないか、かように考えておるわけです。そこで、これからいろいろお尋ねをするわけですが、そういった心がまえをひとつ腹に置いてお答えを願いたいと考えております。
第二の問題点としてあげましたのが、結局行政機構改革を一番困難にしております最も大きな原因であるところの、官僚の抵抗を排除することができる政府の熱意なりあるいは政治力というものが、はたして現在の池田内閣に期待できるのかどうかということ、これが一番根本問題でもあり、先週の質疑応答の中では、どうしても私どもが納得できない面がここに集中的にあるわけであります。はたして池田内閣に当初言明しておったような熱意、そういうものが継続して現在維持されてきておるか。あるいはこの難事業をやり遂げていくだけの政治力というものがあるのか。そういうものがないとするならば、いかにりっぱな作業をし、答申をつくっても、これは一片のから手形、空文に堕してしまう、このことを私どもは憂えておりますので、一つ一つ具体的な例をあげて実はお尋ねをしてまいったわけであります。
そこで、なるべく先日と重複をしない形で、また具体例をあげながら、はたして政府に熱意ありや、政治力ありやということを明らかにしていきたいのでございますが、まず第一は、昨年の八月十三日に出されました首都行政に関する意見の扱いでございます。臨時行政調査会としましては、この首都行政については、緊急な問題だというので、一般の作業が終らないままにこの問題だけを抜き出して、早々に昨年の夏報告書を提出されたわけであります。ところが、これが出されたあと一体政府でどういう作業が行なわれておるのか、全く私ども見当もつかない。臨時行政調査会としては、首都行政の問題は緊急を要するのだからというので、急いで結論を出して、早々と内閣に出した。ところが、内閣のほうは、それをもらって、何か行政改革本部かなにかをつくっただけで、あとはたな上げしてしまっているのじゃないだろうか、こういう感じを受けるわけです。もしこれが前例となりますならば、おおよそ今後の動きも予想がつくわけなんでございますけれども、一体、政府としてこの出された報告を受けてどういうふうにやっているのか。今国会に法案を提出される予定もないようでございます。臨調のほうでまだ作業中のものについては出そうという動きがあるが、実際に結論が出たものについてはほおかぶりという、こういうかっこうが出ておるような印象を受けておるのでございますが、この報告書についてどういう扱いをなさっておるのか、行政管理庁の長官からひとつ御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/2
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003・山村新治郎
○山村国務大臣 首都圏の行政改革につきましての御意見につきましては、行政改革本部をつくりまして、不敏ではございまするが、私がその長となりまして、検討を進めております。現在までに大体六回の検討をいたしておりまして、熱心にこの答申を尊重するたてまえから、政府といたしましてこの問題に取り組んでおる次第でございます。たまたまこの初めての答申の検討でございますので、いろいろ政府部内におきましても意見がございまするし、特に後段出てまいりまするところの、これからいただきまする総合調整の問題との関連等もございまするときに、実はまだ結論が出ておりませんことは、まことに申しわけないと考えておる次第であるのでございます。しかし、実は明日、もう一ぺんこの首都圏の問題の取り扱いにつきましての行革本部の会議を開く予定になっておりまして、との明日の会議におきまして、一応この首都圏問題につきましての取り扱いをどうするというような結論を結びたいつもりでございまするが、しかし、ちょうど先ほど申しましたように、この臨調からこれからいただきまする答申との関係もございますることが、意見の一致を見ない内容の一点でございまして、それらの点ともにらみ合わせまして、ひとつ十分に検討をいたしたいという態度でただいまおる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/3
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004・石橋政嗣
○石橋委員 この報告書の中において述べられております点で、私どもも納得できる面が非常に多いわけですが、「根本的には現在の首都、これは人口、産業の集中拡大に伴う社会、経済の急激な変化に原因があるが、特に政治、経済、文化の中枢的管理機能が集中しているという首都たる特性に起因しているものである。他方、この構造的な変化によって必要とされる諸種の行政需要の拡大にもかかわらず、この解決の任に当たるべき行政主体は弱体であり、また制度面においても不備、欠陥があると考えられる」という点については、このとおりだと思うのです。このような事案の上に立って勧告が出されているわけですが、機構の問題として、首都圏庁を総理府の中に設けるとか、あるいは評議会を付置するとか、この評議会運営の効率化をはかるために、評議会の内部に常任委員会を設けるとかいう具体的な勧告が出されておるわけでございますけれども、いまの大臣のお答えによりますと、その他の臨時行政調査会の報告を待ってやるのが妥当と思われるというような返事に聞こえたわけでございますが、そうなりますと、臨調自体が、首都圏の行政についてはこれは緊急性があるといって先にやったことは、意味がないということにも聞こえるわけなんですが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/4
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005・山村新治郎
○山村国務大臣 私申し上げたことが、何かあとの問題についての答申が出ないうちはできないというような結論に聞こえたとすれば、この点はひとつ多少訂正していただきたいのでございますが、現在の問題につきましても、何しろこういう重要問題についての、政府にとりましては初めての討議でございますので、いろいろと意見がありますることは当然でございます。したがって、その調整に手間をとっておるというのが偽らざる実態でございます。ただ、このあとの全部の御答申を得てからという御意見もあるということをつけ加えて申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/5
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006・石橋政嗣
○石橋委員 この答申の扱いにつきましては、行政改革本部の中で非常に批判的な声が強い。今度の国会提出が見送られておるのも、そういった批判的な見解を十分に聞いた上での措置であるというような報道が一般的になされておるわけでございますけれども、そういうことはないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/6
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007・山村新治郎
○山村国務大臣 これだけの大問題でございますので、いろいろの御意見のあるのは当然のことじゃないかと思います。したがいまして、特に臨調の蝋山委員長にもおいでを願いまして、行革本部といたしましては、十分意見を伺いながら調整もいたしておる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/7
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008・石橋政嗣
○石橋委員 この間私提示しなかった問題として、一ついま出したわけでございますけれども、昨年の夏に臨時行政調査会が緊急と判断して切り離して出されたこの答申の行くえというものも、非常にあいまいになっているわけです。これが何か臨時行政調査会の将来の答申の行くえも占っているかのごとき感を与えているわけですが、一つの事例としてあけておきたいと思います。
それから次は、この間ちょっと申し上げましたが、目下本委員会に付託されております法案、各省設置法の中で、新設、昇格その他を含め三八局三部の構想が提示されておるわけですが、これは緊急やむを得ないものはしょうがないから出したんだと行管の長官はおっしゃったんですけれども、どう見ても私ども緊急性というものを納得できない面があります。一つ一つお聞きしたいのでございますが、時間の関係もございますから、代表的なものをあげてみたいと思うのですが、あと半年たてば臨時行政調査会の最終的な作業が終わるというときに、いまこれを昇格させなければならないのかどうかという点で疑問を持たれるものの代表として、二、三お尋ねをしてみたいのですけれども、たとえば厚生省の国立公園部、この部を局に昇格させる、こういうのですが、はたしてそれほどの緊急性があるのか、私には納得できません。試みに、現在国立公園部として局になりたいと言っておりますこの部門において、どの程度の仕事を持っているのかということをお聞きしてみたいと思うのです。その規模を、人員についてもけっこうですし、あるいは予算についてもけっこうですが、緊急に局にしなければ行政面で支障を来たすと厚生省が言っているのでしょうが、一体これを行政管理庁として納得した理由をまずお尋ねをしてみたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/8
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009・山村新治郎
○山村国務大臣 新しい局並びに部の裁定にあたりましては、先般申し上げましたように、政府といたしまして緊急な、やむを得ないものにつきましての新しい局、部を認めた次第でございますが、そのうちの具体的例として国立公園の問題についてのお尋ねがございましたが、これは私もいろいろ御要望あるいはまた過去のいきさつ等を検討いたしてみますると、たまたま運輸省にございましたところの国際観光局と最初は同じ部の立場であったようでございます。ところが、この国際観光局の関係が、一応議員立法の形におきまして局に昇格いたしました関係もございまするし、私としての政治判断からいたしまするときに、やはり日本の国立公園を管理する役所というものが、このオリンピックを控えましてある程度まで権威あるものにあらしめたいという政治的配慮のもとに、実は最後にこれを私は決定いたした次第でございます。
なお、局の内容につきましては、事務当局から御説明申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/9
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010・石川準吉
○石川政府委員 ただいま御指摘いただきました国立公園の昇格問題につきましては、現状は、御承知のごとく厚生本省の大臣官房に国立公園部として、部長のもとに三課がございます。その陣容は二百五名でございます。厚生省の全部の局の人員を調べてみますと、援護局の四百七十二名以下——これが一番多いのでございますが、年金局は六十二名、児童局は七十一名、その他大体百数十名の陣容をもって構成されておるのでございますが、現在の所堂事務は、御承知のように新宿御苑をはじめ、直接厚生省が出先にそれを管理する責任の機関を設けておるほか、厚生行政を主といたしまして、全国各地にほうはいとして起こっております国定公園あるいは国立公園の地域指定、それに伴う諸般の手当て等が最も重要な仕事でございまして、その指定区域内における施設整備とともに、各般の国民の厚生行政の具体策を推進しておるのでございますが、これ自体の業務は、現状におきましては大臣官房の一部としてすでにやっておることでございますので、緊急性と申す点はあるいはいろいろ議論をする余地があろうかと存ずるのでありますが、官房全員の陣容が一千三百二名でございまして、この中における二百五名の国立公園部は、本来厚生大臣の最も中枢の総合調整、調査、企画、立案の中枢センターたる官房機能の中にいつまでも置いておくことがはたしていいものかどうか。厚生行政全般を見ますと、社会制度の一大改革が企図せられて、過去数年におきましてはいろいろそれが具体的に実施されておるのみならず、さらに今後も社会制度の問題としては、行政として多くの企画、立案すべきものを持っておるように存ずるのでございます。そのような意味におきまして、官房よりこの一部を分離いたしまして、その意味における官房の強化をはかるということは、重要な判断の一つと心得たのでございます。むしろ前段の国立公園局の機能の緊急性よりは、間接に官房を強化する、こういうところにおいてこの案を認めた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/10
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011・石橋政嗣
○石橋委員 いまの説明だけでもわかると思うのです。この国立公園部を局に昇格する緊急性などというものは、ほとんどありませんよ。単なる機構内部の、そういった官房の強化なんというわきのほうにねらいがある。いますぐにこれを局に昇格しなければならない何ものも、私はないと思うのです。現実に、オリンピックを控えて観光面をもう少し強化したいというのであるならば、これは運輸省の問題でありますし、いま御説明の中にもありましたように、国立公園の指定だとか、国定公園の指定だとかいうような程度のものを、局でやらなければならない何ものもないわけです。国立公園部といい、あるいは局といっても、実際に国立公園に流れていっている金なんかは微々たるものだということは、御承知のとおりだと思うのです。一体一つの国立公園に、年間どのくらいの予算補助が流れていっておりますか。それこそ事務的な繁雑さを招いて、一度長崎の場合などは、そんな補助金なら要らぬ、手数料よりも少ない、そういうふうな議論が出たことも、私は記憶しておるわけですが、何ら予算は見ないで、本庁の機構だけを大きくして、一体国立公園の充実などということがどうしてできますか。ほんとうに裏づけをして、りっぱな国立公園にし、国定公園にしようというためには、機構が問題じゃない、金が問題なんだ。金はつけないで、金のかからない機構だけを大きくしていこうという役人的なセンスが、ここに一番露骨に出ているのですよ。こういうところもチェックできないというのでは、嘆かわしいと思うのです。
それから、今度は別の角度から、大蔵省の証券局あるいは国際金融局というような問題があげられると思うのです。一体、現在の資本主義機構の中で、証券局にこれを強化していくという考え方が正しいのかどうか。最近も大蔵大臣の言動が再三批判の対象になりました。一種の株価操作じゃないかというような批判すら出たことも、御承知だと思うのです。そこへ持ってきて、さらに証券局という、この機構の拡大強化をはかるような行き方をとることが、一体妥当なのかどうか。あるいは国際金融局にしましても、従来の為替局の名前を変えるのだと思うのですが、いわゆる自由化経済、そういう状態の中で、為替局の使命というものはなくなってくるわけです。為替局という名前を残しておくと、どうもぐあいが悪いので、存続のために、名前を国際金融局というふうにすりかえて存続をはかっているんじゃないか。必要なものが、あればこれを認める、これはある場合にはやむを得ないでしょうが、その裏には、不必要になった場合には、これをやめるということが、うらはらになければ話にならないんですよ。ところが、証券局は片一方で昇格をさせる。もうだんだんそんなものは要らぬじゃないかと、為替の自由化に伴ってそういう声が出てくるおそれのあるものは、早々と手を打って、為替局というのをやめて国際金融局というものにしておけばいい。ここにはっきり官僚の権限温存、あるいは機構の温存が出ているじゃありませんか。何ほどの緊急性がありますか。これをすら行政管理庁としてチェックできない。これはみんな大臣の責任ですよ。これは先ほども例にあげました国立公園局とはちょっと見方が違うわけですが、はっきりその緊急性などというものはないのですよ。あるのはただ官僚のなわ張り根性だけですよ。一度築いたとりでは絶対くずさせない、どんどん横に広げていく、それだけを考えておる。これをどうにもならないという池田内閣の政治力なり行政管理庁の力なりを露骨に示しておるのです。こういう立場に立って私たちは批判しておるのです。こういう一つ一つの問題を片づけるだけの心がまえなりあるいは力なりがなくて、もっと大きな機構改革の報告が出てきたときに、一体どうするのか。完全にお手上げですよ。こういうのが当然じゃありませんか。
もう一つあります。これはまた別な角度ですが、総理府の青少年局、経済企画庁の国民生活局、これなどは、いま臨時行政調査会で作業のまつ最中だと思う。それはおかまいなしにパッと出してきてしまう。臨時行政調査会として、支障を来たしませんか。とにかくこういうふうな局の昇格を野放しに、あるいは新設を野放しに認めていくという態度は、あなた方が幾ら口で臨時行政調査会の報告が出たら尊重いたします、あらゆる困難を排除してこれを実行に移しますと言ってみたところで、これは単なるお題目ですよ。小さくはないけれども、その最終的な報告に比べれば、ある意味では小さいこういう一つ一つの問題を処理する能力を養っておいてこそ、われわれの信頼も得ることもでき、国民の信頼も得ることができる、力を養うこともできるわけです。そうお感じになりませんか。長官にひとついまの総括的なお答えを願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/11
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012・山村新治郎
○山村国務大臣 新しい局の設定につきまして、具体的な例をあげましての石橋さんのいろいろの御意見は、十分私ども拝聴いたしております。そうしてこの局をつくりましたことにつきましては、全部私の責任として実はこれを処理した次第でございますが、そのうちの証券局の問題並びに国際金融局の問題、この大蔵省関係の問題等は、やはり緊急性を有する重要な問題であるという見方をいたしております。なおまた、青少年局の問題にいたしましても、あるいは国民生活局の問題にいたしましても、これは見方は違うかもしれませんけれども、私は、重要な緊急性を有するものと判断をいたした次第でございます。そういう次第でございますが、しかし、これらの問題につきまして、臨調からいろいろと御批判なり、また同時にこれについての御意見が正式答申として出てまいりました暁におきましては、十分この御意見は尊重することにやぶさかではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/12
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013・石橋政嗣
○石橋委員 その緊急性というものは、認められませんよ。少なくともあと半年待てないほどの緊急性を持っておるとは、どうしても納得できません。いまの長官の御説明も、私のその疑問を解くに足る説得力は持っておりません。これはどなたが聞いておっても、いまの長官の説明であと半年、一年が待てないという緊急性があることを理解される方は、おらないと思うのですよ。そういう点では、私ども非常に不満を持つわけです。
その次にお尋ねをしたいわけですけれども、ことしの正月だったと思いますが、臨時行政調査会の太田薫委員が、いわゆる太田メモ、太田試案という形で一つの具体例を示したことがございました。その直後の閣議でこれが非常に問題になったのですが、先週も申し上げましたように、太田試案は現実放れしておる、とても実現できるものではないといったような議論をされた大臣が、閣議の中でもおられたそうでございますが、この太田試案というものは、一つの例示として、これから各省の意見を聞くという形で発表されたように聞いております。事実各省を呼んでこの意見を聞いたそうでございます。たしかあれは百三くらい具体例が示されておったと思うのですが、各省の反応はどうでございましたか、一体賛成と言ったものがございましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/13
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014・井原敏之
○井原(敏)政府委員 お答えいたします。
太田試案に対する各省の反響でございますが、総理府を除く全各省、十一の省の代表を招きまして、意見を聞いたわけでございます。私全部に立ち会っておりませんけれども、大部分の様子を聞いておったわけでありますが、一応あの試案に対しては全面的に反対でございます。若干の点について同意を示したというところがございます。ただ、これはお断わりいたしておきますけれども、委員会の段階に問題が上がりまして、部会の段階でああいう統廃合を中心の観点で実は調査をしておらなかったわけであります そういう点で、太田委員が担当されてからの仕事の開始でありますので、やや実態的な調査にまだ欠ける点も、むろんあったわけであります。そういう意味では確かに試案でございまして、委員会にもこういうことで調査を進めるという了解のもとに、太田さんも進められたような経緯でございます。七人委員会としても、あの中身の、こういう提案をする第一次の打診をするという、こまかい報告の上で調査を進められたわけではないので、あくまで試案でございまして、そういう段階でありまして、まあ言うならばラフな点もあるわけであります。にもかかわらず、一応全面的な反対を受けたという段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/14
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015・山村新治郎
○山村国務大臣 ただいま事務局次長から、事務的な段階におけるところの折衝過程におきましての反対があったところの御説明があったようでございますが、実は、これは正式の会合ではございませんけれども、三、四の大臣から、いろいろおれのほうでも反対はあるけれども、太田君があれだけの案を出してくれたことについて、まだ正式の省議にははかっておらないけれども、大筋としていいじゃないかというような、大臣からの私的なお話のあったこともっけ加えておく次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/15
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016・石橋政嗣
○石橋委員 井原次長から御説明があったように、ほとんど全部反対なんですよ。わずかに賛成した分が二%程度あるそうですか、それは機構の拡大膨張をもたらす部分だけだそうです。かりそめにも現状を改革するような案については、一切反対なんです。これはいまの説明でも裏づけられているわけですが、これが官僚の本質ですよ。それだけにたいへんな仕事なんです。なまやさしい心がまえ、気がまえ、そういうものでは、行政機構改革などというものは絶対に成功おぼつかない。一つには、私たち国会にも責任がございます。少なくともわれわれが、この官僚機構の温存に加担するような動きを示したらば、これはもう絶対に機構の改革などというのは口頭禅に終わると思うのです。これは委員長にも要望しておきたいと思うのですが、われわれのき然たる心がまえを示すためにも、今度出されておる八局の新設、昇格などというものをフリーパスするというような姿勢は、おとりになるべきじゃないと思う。き然とした態度で、ほんとうに緊急性があるかどうかという判断の上に立ってチェックをするくらいのかまえが、今度の機会で示されておらなければ、私は実行し得ないと考えております。それと同時に、今後報告、答申が出されてきたならば、これを受けるために衆参両院でどういうふうな体制をとるかということにつきましても、お互いに真剣に考えておかなければいけないんじゃないかというふうに思っておるわけです。
ところでまた政府のほうに移るわけですが、この間もちょっとお伺いしたのでございますけれども、最終的な報告が出されてくる段階において、この受け入れ体制としてどういうものを考えておるのか。この間、夏に出されました首都圏行政に関しての受け入れ体制としてつくられた行政改革本部、これでお茶を濁していくつもりであるか。それとも、もっと強力なものを内閣の中につくろうという構想を担当の大臣としてお持ちなのかどうか。この辺もお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/16
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017・山村新治郎
○山村国務大臣 石橋委員御指摘のように、行政改革という仕事は、なかなか容易な仕事でないことは、全く同感でございます。したがって、この答申、特に全般の答申をいただいた暁におきましては、これはほんとうに内閣が相当の決意を持ってこれに臨まなければ、この答申を全面的に実現する段階に至ることは、なかなかむずかしいのじゃないかと考えております。実は私も、先般首都圏の問題をちょうだいいたしましてから、行革本部長として、各省の事務次官レベルを一応部下といたしましてこの問題に取り組んでおりしますが、お説のごとく、官僚機構のなかなか牢固として抜くべからざるところの力は、ほんとうに石橋君と全く同じ感じを抱いております。しかし、少なくともこれだけの国会の御承認のもとに、りっぱな臨調の答申をいただいた以上におきましては、どうしてもこの臨調の答申のなるべく多くを実現させることこそ、政府といたしまして、実は国民に対するところの責務であると思う次第でございます。したがって、首都圏の問題だけでも、事務次官レベルの段階における問題はすでに終わりを来たしておると思いますので、これから閣僚段階におけるところの問題に取り上げてまいる必要を痛感いたしております。したがいまして、全般的な問題が出てまいりました場合におきましては、より以上強力な体制におきまして、この問題に取り組まなくてはならないということを感じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/17
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018・石橋政嗣
○石橋委員 行政機構の改革をやろうという段階において、官僚機構のトップにおる事務次官クラスが中心になって、一体何ができるかということです。現在のように、閣僚自身が官僚の代弁者に成り下がっておるようなことであっては、閣僚クラスで構成したって、意味がないと言えるかもしれません。しかし、やはり国務大臣たる任務を忘れないでやろうという大臣だっておるはずですから、またそういうふうな心がまえを持たなければ、こんなものをつくったこと自体が意味がないわけです。最初から当てにならないような官僚機構のトップクラス、事務次官クラスにこの問題を投げかけて、そして処理をまかせるという無責任な態度でなくて、国務大臣自身が相当の決意をして中心となるという体制をつくらなければ、形だけでやる気なしという判断を下されてもやむを得ないと思うのです。そういう点で、私はいま大臣がおっしゃったように、少なくとも閣僚段階でこれを受け入れるという機構を早急に考えていただきたいと思いますので、再度お尋ねをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/18
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019・山村新治郎
○山村国務大臣 いろいろ行政改革に対するところの御熱意の結果といたしましての御意見、まことにありがとうございます。ただいまの御意見には私も同感の点がございますので、十分に善処いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/19
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020・石橋政嗣
○石橋委員 そこで今度は臨時行政調査会の側にお尋ねをいたしたいのでありますが、この報告という形になるのですか、答申になるのですか、最終的にこれを出される場合には、内閣総理大臣に報告するというだけにとどまらず、設置法に規定されておるように、国会にも報告するように申し入れるつもりでおられるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/20
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021・佐藤喜一郎
○佐藤説明員 御指摘のとおり、委員の大部分の意向は、私はそうだろうと思います。何と申しますか、意見がきまりまして、総理に報告すると同時に、これは国会にぜひ報告してもらいたいという要望をつけるだろうと私は信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/21
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022・石橋政嗣
○石橋委員 ぜひそういう形にしていただきたいと思います。総理大臣に報告するだけではなく、設置法で規定されておるわけでございますから、総理大臣を通じて国会に直接報告する形をとられることが望ましいと思っております。
ところで本論に入りたいと思いますが、先週問題になりました国家行政組織法の一部改正と防衛庁の昇格についてであります。いまいろいろと大臣と私との質疑応答をお聞きになっておって、臨時行政調査会の責任者としての佐藤会長にもいろいろ感ありと思うわけでございますが、実際に現在の池田内閣に、行政機構に取り組む意欲がいまだに残っておるのかどうかという点で、多少の御懸念をお持ちになっているんじゃないかと思います。これは私の主観ではございません。一般の世論の中にも、そういう危惧が非常に強く出てきておるわけです。これまた最近の朝日新聞の社説を引用してみたいと思うのですが、三月二十九日に出ております。ちょっと読んでみますが、「社会党の反対理由として伝えられる中に、臨時行政調査会の答申が出されようとする直前になって、政府が防衛庁の昇格案をはじめ、各種の機構改革案をこの国会に提出、あるいは提出しようとしているのは、行政改革に関する同調査会の答申を尊重する態度とはいえないから、調査会の延長はもはや無意味である、といっている点は、考えさせられるものがある。」こういうふうに社説でいっております。「多額の国費をついやし、民間の衆知や要望をとり入れた行政調査会の改革案が、もし政府、各省によって尊重せられないとするならば、全くの精力の浪費にすぎなくなってしまう。現在起っている問題でも、例えば防衛庁の昇格案については、そのイニシアチブをとったのは、与党の政調会の国防部会であって、内閣自体はこの法案の引起す波紋を警戒して容易に首を縦にふらなかったが、結局与党内一部の強硬論に押切られたという格好である。いくら行政機構だけ改革しようとしてみても、党と内閣とを一本に統率してゆく力が欠けていては、政治の場と行政の場とは容易に一致しないことを銘記すべきである。」こういうふうに社説を掲げられておる。全く私は同感だと思う。池田内閣の政治力をもってしては、もはやどうにもならぬのじゃないか、そういう気持ちを持っておるわけです。そこへもってきて、臨時行政調査会自身の姿勢、心がまえ、腹がまえというものまでが、私どもに言わせれば、最近は多少不安を感じてくるわけでございます。こういうふうにたるんできた池田内閣に、ひとつ気合いを入れるという役割りもあわせて持ってもらわなくちゃいかぬのじゃないか。そんなことはおれたちの知ったことじゃない、おれたちは作業さえ進めていけばいいんだということでは、これはせっかく臨時行政調査会の作業に精魂を込めておられる方々としても、十分な態度とはいえないんじゃないかという感じがするわけです。
そういう立場に立って再度お尋ねをしたいわけでございますけれども、まず第一に行政管理庁長官にお尋ねをいたしますが、国家行政組織法の一部改正、これをぜひとも臨調の結論を見ないままに何らかの形でまとめて国会に出そうというお気持ちを、いまだにお持ちになっているのかどうかということです。最近、非常に国会軽視の風潮が、行政府の中で出ております。最近も本委員会で審議されました北海道東北開発公庫法の一部改正、あるいは他の委員会に付託されましたが、公営企業金融公庫法の一部改正という一連の公庫の資本金を、国会の審議を待たずしてどんどんふやしていこうというような案も出されてまいりました。そういう考え方と、あるところでこれは一致しておると思うのです。結局定員あるいは行政機構内部の部その他の変革、新設、そういうものを国会から離れて、単独で政府の側だけでどんどんやってしまおうという考え方も、この裏にはあるんじゃないかと思うのですが、そういうこともひとつ勘案して、慎重を期していただきたい。しかし、そのことにいま重点を置いて私はお尋ねをしておるのではございません。せっかく臨時行政調査会で精魂込めて作業しておる段階に、一日を争って結論を出さなければならない問題であるとお考えになっておるのかどうか、この点についてのみお尋ねをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/22
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023・山村新治郎
○山村国務大臣 国家行政組織法の問題につきましては、実は政府内並びに与党の一部から、ぜひともこれはある程度まで改善をしようではないかという声のあったことは事実でございます。したがいまして、またただいま石橋君の御議論がございましたけれども、いろいろ何でもかんでも国会にこまかいことまで御審議を願うということが、はたして妥当かどうかという御意見等もありまして、これは一応検討を要する問題であると考えまして——特にこの行政組織法は、昭和二十三年制定のものでございますので、いろいろ現状に合わない点もございまするから、これを検討いたしているのは事実でございます。しかし、この内容を検討いたしまするにつれまして、やはり何といいましてもただいま臨調で御審議願っておる問題と、だいぶ関連がございます。したがって、これを出す暁におきましては、一応臨調にも御相談申すつもりでございますが、ただいまのところ検討いたしておる次第でございますので、いまのところは、まだ御相談申し上げておらない次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/23
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024・石橋政嗣
○石橋委員 それでは、今度は防衛庁の昇格の問題について佐藤会長にお尋ねをしたいと思うわけですが、臨時行政調査会自体といたしましても、先週、私御指摘申し上げたように、この防衛庁の機構の問題については、種々御検討なさっておるようでございます。専門部会からすでに七人委員会のほうに報告書も提出されておると見ておるわけでございますが、この専門部会で作業をされました考え方と相いれない部分が、非常に強く出ております。今回の防衛庁の昇格、これについて臨時行政調査会としての御意見があろうかと思うのです。正式に七人委員会を開いてこれを論議したことがないというのであるならば、これは非公式に話をされた内容でもけっこうでございますけれども、一体こういうふうに臨時行政調査会に仕事をまかしておいて、ひとつお願いいたしますと言っておきながら、それとは何の関連もなしに、しかも重大な機構の改革に類する問題をどんどん政府の側で進めていくという、こういうやり方について、何らかの御見解を持っておられると思うのです。その点について一応お尋ねをしてみたいと思うのですが、こういうふうに既成事実を臨調の作業とは関係なしに積み上げていく態度に対して、会長としてどのようにお考えになっておられるか、これをまずお尋ねをしておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/24
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025・佐藤喜一郎
○佐藤説明員 いま御指摘の点でありますが、会長としてというよりも、臨調の意見は、私、実は七分の一だけしか持っておりません。しかし、委員会でいままで出た話をいろいろ総括して申し上げますと、いま御指摘のような、われわれが作業しているような問題に関連ありと思うことが出た場合には、あるものについては、不満を表明される委員もあるし、あるものについては、毎日の行政をやっている政府のことだから、そうやめろと言うわけにもいかぬだろうというような意見を述べられる委員もあるようなわけで、必ずしも政府が何をやってもわれわれはそれに賛成しているんだというふうにおとり下すっては、委員会の空気を映している事態でないと思いますから、このことだけは申し上げておいていいだろうと思います。
なお、防衛庁のお話がございましたが、第一専門部会で内閣の総理府の機構に触れていきました研究の過程におきまして、防衛庁の問題のあり方その他について解説的に論評が加えられておることは、御承知のとおりであります。いままだ委員会としてはそこまでいっておりません。と申しまするのは、委員会の主力が、国民のための行政というようなことに非常に力を入れておりました関係と、また地方を歩きまして国民の声を聞いた場合におきましても、防衛庁に関する批判とか注文とかいうようなものを、実は一言も聞かなかったということもありまして、幾らかこの点については委員会がいままでそれについて真剣なる検討をしていないということは、事実であります。また、委員の少数の方——あるいはみんな聞いたわけではございませんが、委員の中には、これは政治問題じゃないかというふうにお考えになっている方もありはしないか、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/25
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026・石橋政嗣
○石橋委員 先ほどの行政管理庁長官の答弁の中に、国家行政組織法の改正についても、もし今国会に提案するためにまとめなければならぬというような場合には、臨時行政調査会に相談をしたいというおことばがございました。それから先週の総理の答弁の中には、この防衛庁昇格の法案が、政府部内においてまとまって、これまた国会に提出しようという段階になれば、臨時行政調査会に御相談をするということの答弁がございました。そうしますと、少なくともいますでに国会に出されております局の新設や昇格の問題は、もうわれわれのほうに回ってきておるわけですが、これから出そうというふうに政府の中で考えております問題の中で重要と思われますこういった機構改革の案件については、臨時行政調査会に相談をするということを総理なり担当の大臣がおっしゃっておるわけでございますけれども、相談をかけられた場合には、七人委員会のほうで、従来の専門部会で検討を加えて七人委員会に上げられたものとあわせて、慎重に御審議をされるつもりであるかどうか、その辺の扱い方についてお尋ねをしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/26
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027・佐藤喜一郎
○佐藤説明員 いま御指摘のとおり、仮定のようでありますが、もし政府のほうからこの問題はどう考えるかというふうに御照会があれば、もちろん委員会においてこれを慎重に審議するということは、当然だろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/27
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028・石橋政嗣
○石橋委員 それでは長官にお尋ねをしておきたいと思うのですが、以上の問題については臨時行政調査会に相談をする、臨時行政調査会では相談があれば慎重に検討する、こうおっしゃっているわけですが、その検討が終わって報告が出されてくるまで、無理やりに国会に法案を出すというようなことはやらないおつもりであるかどうか、お答えを願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/28
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029・山村新治郎
○山村国務大臣 当面担当の国家行政組織法の問題につきましては、先ほどお答え申し上げたとおりでございます。
なお、防衛庁の昇格の問題につきましては、先般も総理がお答えいたしましたように、臨調に御相談するということでございますので、おそらくやそのような運びに相なることと思います。私どもといたしましては、その相談をいたしました結果に基づきまして善処いたしたいつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/29
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030・石橋政嗣
○石橋委員 一応私この辺で質疑を終わりまして、あと山内委員のほうから続けてやっていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/30
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031・徳安實藏
○徳安委員長 山内広君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/31
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032・山内広
○山内委員 三年間の長い間、この困難な問題に取り組まれました臨時行政調査会の努力に対しては、私ども敬意を払いたいと思います。あと六カ月で最終結論が出るという段階であります。また、作業もこういう非常に広範なものでありますから、できればりっぱな実を結ぶことに協力するには、私どももちろんやぶさかではないわけです。ぜひそういうふうにしていただきたいと思います。
ただ、佐藤会長にこの委員会に来ていただきたかったいままでの経過が、だいぶあるわけです。しかし、自主性を認めて、中に行管の長官がお入りになって、いろいろ話し合いはこの内閣委員会との間で重ねられてまいりました。そこを信頼しておったわけです。ところが、長官がおかわりになりまして、前回、きょうと石橋委員の指摘されたような問題がたくさん出てまいりますと、さかのぼってこの行管を設立した当時の申し合わせとか、附帯事項とか、いろいろ議論の内容というものをもう一ぺん振り返って考えていただかないと、実施する段階になっていろいろ問題が出ようかと思いますので、前回の川島長官がいろいろ述べられた点で重要と思うものをこれから申し上げ、それを確認していただけるのか、それとも大臣がかわったので考え方が違うのか、その点をいささか明らかにする必要があろうかと思います。
私から申し上げるまでもなく、この臨時行政調査会は、行政審議会の第五次答申に基づいて設立されたものであります。で、前々の長官である小澤さんがこれを提案されたときは、残念ながら私ども反対の立場をとりまして、とうとう国会審議が未了に終わって、廃案になったという事実があるわけであります。それから川島さんが長官になられまして、いろいろ私どもの考え方を申し上げました。川島さんは、非常に率直に臨時行政調査会の必要と、それから行政改革に取り組む決意を、非常にはっきりと表明されたのであります。私の政治生命をかけても貫く、そうまで表現されておるのであります。そこで、私ども反対した理由は、この困難な事業にそれだけの決意で取り組むのはなみなみでないであろう、そういう長官の決心を私どもあれしたことはいなめないと思いますけれども、そのほかに一番私ども心配しておったのは、行政改革が公務員の首切りを前提とし、そういう先入観で事を運ばれたら、これはとてもやれない、その点のはっきりした保障を長官の口からいただきたいということで、私どもずいぶんこの点はしつこいくらいに粘ったのであります。ところが長官は、はっきりと、決して首切りを前提としておらない、これはもう何度も言われておるのであります。ただ、行政のアンバランスというものがあり、行政の実態をあらゆる角度からとらえておくということは、私ども党としても考えるべきことで、そのことについては異存がないわけです。そういう意味で、それではもし公務員が余った、多いという事実があったならば、それをどうするのか。長官も、この点では自分も考えておらないということで、私ども実は具体案を出したのでございます。というのは、もしかりに公務員が多いというふうに結論がなっても、いま時代の置かれている時間短縮、七時間勤務というようなものを考えられないのか、そこまで考えに入れて、政府もその気でやるというならば、これは首切りでない保障であるから、私どもこれに賛成しよう。長官はそのとき——ここに速記録も持ってまいりましたが、大事なところでありますから、ちょっとその部分だけ読んでみたいと思います。いろいろありますが、最後のほうでこう言われておるのであります。「勤務時間を七時間にするかどうかということは、これは重大問題でありまして、ひとり公務員だけでなしに、一般経済界とも関連する問題でありまして、軽々に私がここで申し上げるわけにいかないのですけれども、非常に貴重なる御意見ですから、御意見を調査会に取り次いで、一つ検討してもらうということをこの前申し上げてあります。また、そのつもりでおります。」行政調査会にはこの問題も含めて検討させる、こういうことであります。この前の質問のときは、私は時差出勤の問題とかいろいろ意見は申し上げましたが、こういうことで公務員の首切りは絶対前提でない、そういう回答があったわけです。ところが、いよいよこの審議会が設立しまして初会合のときに、佐藤会長は、これは御存じなかったと思いますけれども、首切りの問題をお話しになった。そのために新聞は大きな活字を使ってじゃんじゃん書いた。それで私どもとしては、話が違うではないか、そういうことで長官と話し合いをしました。ところが、私どもの主張をそのまま佐藤会長には取り次がなかったことも一つ、それから佐藤会長のお話も、新聞に書かれたようなものでもなかったような回答があったわけです。それで、この点は十分に連絡をとって、会長にそういう先入観でこの作業を進めてはいけない、そういうことは申しますということを強く主張されておるのであります。それで私どももその点を了解いたしました。ところが、この臨時行政調査会の現況というか、中間報告ですか、これを一通りずっと目を通してみましたが、この問題については触れておらないのであります。一体会長は、いま申しました前の長官の公務員の過剰定員について、どうお考えになっておるのか、話し合いを当時どういうふうに理解されておるのか、今後この問題をどうされるのか、この点については会長と長官とのお二人の御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/32
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033・山村新治郎
○山村国務大臣 前長官の川島大臣のあとを受けまして、不敏でございまするが、行管の長官の職をいたします私といたしましては、力はとうてい川島先生に及びませんけれども、との行政改革の熱意につきましては、ぜひと毛川島長官の熱意をそのまま受け継いでまいりまして、今後とも進めてまいりたいと存ずる次第でございます。なお、したがって、この前の国会におきまして川島大臣が当委員会におきまして述べられた問題につきましては、私も速記録を拝見いたしております。その御意見には全面的に賛意を表する次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/33
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034・佐藤喜一郎
○佐藤説明員 委員会発足のときに——ちょうどこれで三年と先ほどおっしゃいましたが、二年になるわけであります。二年前の発足のときに、われわれの間で運営の申し合わせをいろいろいたしまして、国会におきます附帯決議というものは尊重するというような申し合わせをしております。また、これは私だけの意見でありますが、人員整理ということはほとんど念頭にないものでありますから、どうしてそれがやっかいな問題であろうかというふうに、私はむしろ軽く考えたくらいでありまして、何とかして行政の能率化をはかりたい、かたがた人が万一余ったときは、もちろん現在の情勢下において、政府は十分離職者が出たような場合には処理し得るような経済情勢ではなかろうかと私も考えておったわけであります。そういうわけで、申し合わせを申し上げますと、本会が設立されるに至った経過と趣旨、並びに国会の附帯決議を尊重し、設置法に従って運営することとする、そういうふうにわれわれ申し合わせをいたしておりますので、御回答申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/34
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035・山内広
○山内委員 答弁は幾分用意されてきた答弁のようでありますからそつはありませんが、いまの会長のお話しの中で、かりに首切りがあっても、当時の経済情勢からは消化できるという見通しに立って発言されたというお話しですが、どうもそうなりますと、一貫性を欠くようで、あるいは景気がよくなって公務員の吸収力もあるとなれば、やはり無視される心配も出てくるわけです。特に会長さんにお願いしておきたいことは、政府の側としては、答申は答申なのだ、それをやるかやらぬかはこっちだというような、そういうニュアンスのお話しも実はあったわけです。しかし、川島さんは、あくまでもそれを尊重し、あくまでも実行するというたてまえでこの委員会で説明があったわけですが、そういう意味で、あなたのほうでは首切り案でないものを出したにしても、政府がやろうと思えばやることもあるでしょうし、逆にあなたのほうは首切らないといっても、こっちのほうでやろうと思えば、そこの関係というものは、実は答弁の中からは表裏一体になったような強い連帯性というものが出てこないわけです。特に今度、ことしの九月でもってあなた方の臨時行政調査会がなくなる。これはどういう機構で、具体的にどうしてこれを実行させる機会を残すかは、また長官に具体的なものをお尋ねしたいと思いますけれども、そういうことで、私ども非常にこの点を心配しておるわけです。もう一ぺん会長の御答弁をいただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/35
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036・佐藤喜一郎
○佐藤説明員 全会一致ということに委員会の運営は原則としてやることになっておりますので、重要な問題について全会一致を必要とすることを、まずお考えおき願いたいと思います。
それからまた、いま首切りというようなお話でございますが、一応は配置転換程度のことは必要が起こるのじゃなかろうかということを、委員の間で非公式に話が出たことはある。それ以上のことは、どの委員もあまりお考えになっていないと私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/36
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037・山内広
○山内委員 行政のアンバランスを是正するのですから、私どもも、ある場合には人員の調整というものは生じてくると思います。しかし、その事態になりましたら、またこれは政府は、具体的に公務員に不測の不利益を及ぼさないような措置は、十分お考えいただけると思います。
ただ、さっきもちょっと触れてお聞きしましたが、九月一ぱいで任務を終わってこの臨時行政調査会がなくなって、あとのこれを実施するところの強力な機構と申しますか、長官の決意はわかりますけれども、それを具体的にどういう形で残すのか。たとえばこの報告書が、先ほど石橋さんの質問に答えて、国会にも報告されます。次々と今度はこの報告に基づいてあなたのほうで提案されてくる場合に、私どもいろいろこの答申と照らし合わせて意見も言わなければならぬ。そういうときに、もう調査会はなくなったのだ、あれはあのときの答申で終わりだということになりますと、またこれで力を失ってくると思うのです。その具体的な九月以降の措置についてお聞きいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/37
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038・山村新治郎
○山村国務大臣 九月に臨調の任期が終えまして、りっぱな答申をいただきました暁におきましては、政府としては、先ほど石橋委員にお答えしたようなつもりでございまして、相当の決意をもってこの問題に前向きの姿勢をもって取り組むつもりでございます。特に山内委員からただいま貴重な御意見が開陳されたのでございますが、せっかく臨調の皆さま方が一生懸命になって御研究なさりましたこの成果というものは、国民の方々もこれを相当重要視いたしておると思うのでございます。その場合におきまして、この貴重な御意見を一応臨調が解散したあとにおいて政府としてどういうような扱いにおいて、あるいは今後御意見を聞いたり、またいろいろな調査資料を整えたりするかという問題は、非常に大事な問題でございますので、これはひとつ十分検討いたしたいと思います。ただ、臨調の内部におきましても、漏れ承るところによりますると、市民委員会のような形において、この行政改革の推進のあり方についての見守り方をするという御意見等もあるということを聞いておりまするが、いずれにいたしましても、これは一般国民の間の盛り上がる形においてできることと思いまするが、政府としても、この問題につきましては、十分今後検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/38
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039・山内広
○山内委員 それじゃ質問もまだ若干は残っておりますけれども、もうきょうは年度最後の日でありますから、きょうはこれで終わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/39
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040・徳安實藏
○徳安委員長 村山喜一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/40
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041・村山喜一
○村山(喜)委員 私は、この際、内閣が今日まで国家行政組織法に基づきまして、それぞれの審議会なりあるいは調査会等をつくっておるわけでありますが、それの基本的な考え方についてお尋ねをいたしておきたいと思うのであります。
政府の発表いたしました数字によりますと、現在審議会なり調査会は、二百九十という数を数えているようであります。これはいずれも法律に基づくものであるという説明でありますが、この三十九年度の今回の国会開会中に、さらに新たな審議会なり調査会を設けるという法律案等が出ておりますが、その数は幾つになるのか、お尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/41
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042・石川準吉
○石川政府委員 お答えいたします。
国家行政組織法第八条の付属機関としての審議会等は、本年は新設の要求が十二でございましたが、これに対しまして査定をいたしたのは六でございます。このほか、一部期間の延長その他変更を求めてまいったのが十、廃止を要求してまいったのが十二でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/42
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043・村山喜一
○村山(喜)委員 そういたしますと、今度もしすべての法案が通過するということになりますと、二百九十六ということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/43
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044・石川準吉
○石川政府委員 廃止の十二がございますので、差し引き二百八十四となる予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/44
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045・村山喜一
○村山(喜)委員 これはいずれも八条に基づくところの審議会なり調査会でありますが、これに基づかないものが幾つあるか、その点について説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/45
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046・石川準吉
○石川政府委員 その点につきましては、実は参議院の内閣委員会におかれまして、法に基づかない根拠をもって運営されておるものの実情についてのお尋ねがございましたので、すでに一カ月有半以前に各省庁に連絡をいたしまして、そういうものを全部にわたって調査中でございますが、ただいままで法に根拠した二百九十のものについては出てまいっておりますが、その他のものにつきましては、なお目下集計調査中でございます。そのうち結論が出ると存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/46
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047・村山喜一
○村山(喜)委員 私がここに持っているのは、これは二月の二十四日現在の審議会等の調べでありますが、この内容を見てみますと、法に基づかないものが、閣議了解事項という形で行なわれているようであります。とするならば、この閣議了解事項のもとに設けられた審議会は、一体どういうところに根拠があるのか。これは国家行政組織法の第八条に違反をするものではないか、こういうふうに私たちは見ているわけでありますが、それについて、行政管理庁長官はどういうふうにこの審議会等の取り扱いをお考えになっておるのかを承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/47
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048・山村新治郎
○山村国務大臣 審議会の問題につきましては、あくまでもこれは国家行政組織法八条に基づいた法律的根拠がなされておると存ずる次第でございます。御指摘は、他の懇談会のような形のものについての問題だろうと思いまするが、この点は、実はいままでの当委員会におきましてもたびたび問題になった点のようでございますので、政府としても十分注意をいたしておりまするが、あくまでもこの懇談会のような形のものは、いわゆるこれは会員の方々の個々の意見を聞くという形におきまして懇談会をいたしておるのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/48
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049・村山喜一
○村山(喜)委員 個々の意見を聞くために、そういうような審議会なりあるいは調査会というものがつくられるわけです。それはそういうような意見をお持ちの方の意見を十分に取り入れていこうということから発足をしたわけですから、当然国家行政組織法の第八条によって、それ以外にはあり得ないというのが外部的には正しいのではないですか。内部的には、行政の調整的な、そういう意味においては、そのような連絡調整的な機能を果たすものがあることは否定はいたしません。しかしながら、外部の人たちをこういうのに入れていくという考え方は、それはやはり国家行政組織法の第八条によらなければおかしいということになると思うのですが、その点については、いままで参議院においてはそういうような説明がなされておる。ところが、いまの話を聞きますと、それは自由にできるような印象を与えるのですが、その点再度お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/49
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050・山村新治郎
○山村国務大臣 この問題につきましては、先般の参議院の委員会におきましてもだいぶ問題になりましたので、政府といたしましての統一見解をいたしました。要するに、懇談会等におきましては、一つの会としての意思決定をしない、これが大体の主軸でございます。なお詳しいことにつきましては、事務当局から御説明申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/50
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051・石川準吉
○石川政府委員 この問題につきましては、参議院の内閣委員会におきましてしばしば論議されたいきさつは御承知のことと存じ上げますが、その間に、ただいま御指摘の八条付属機関としての審議会等を種類別に検討いたしますと、あるいは資格審査的なもの、必要的経由機関としての審議会等は、大部分法の根拠で設立せられておるように思うのでありますが、問題になりますのは、一定の範囲の学識経験者その他を集めまして、行政運営の必要上参考にすべく個々の参集者の意見を尋ねて運営する、こういうものにつきましては、ただいま御指摘のような法の根拠をもって設立をすべきものと、あるいは任意に、その必要なきものというボーダー・ラインの議論が、しばしば繰り返されたのでございます。かつまたその結果、あるいは廃止をいたし、あるいはまた根拠を法に求めまして設置法その他に切りかえた事例も、過去十年間くらいにはその論議のつどございますが、その結果、政府が行政管理庁並びに法制局で統一解釈として確定いたしました見解は、大体さような形態の審議会等といわゆる懇談会というものを二つに分けて考えまして、個々の法の根拠を要するものとしては、それらの参集者が、個々の意見にあらずして、当該機関としての意思を決定するものであることが一つ、並びに国家行政組織法の示しますような行政管理の所掌事務と権限につきまして明確なる範囲のものが規定せられておること、この二つの条件を備えて、実質的な行政機関としての実体を持つものについては、当然組織法八条に基づく法的措置を要するが、しからざるいわゆる懇談会程度は、平易に運営することを許容されるのであろう、こういうことに到達いたしておるわけでございます。今日まで、先ほど申しましたような実態調査を行ないました中で、なお多少疑念のあるものにつきましては、自主的に相当整理をなさった省もございます。今後も、そういう政府の一応定めました見解に基づきまして、十分に行管としては検討いたしてまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/51
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052・村山喜一
○村山(喜)委員 行政管理庁は、やはり法律にしたがって忠実に仕事をやっていただかなければ困ると思うんですよ。そういうような必要性があるがゆえに設けられる場合には、当然組織法に基づいて国会に対して要請をすべきであって、それを懇談会というような、個人的な責任がどこにあるのかわからないような形の中で運営をされ、しかも三十四国会において、二百五十六もそういうような法律に基づく審議会なり調査会があった。それに対して、これは縮小すべきであるということが満場一致で決議された。この決議がされているにもかかわらず、今日においてなお二百八十四もそういうようなものが拡大をしてきている。しかもその内容を調べてみますと、一人の委員で四十五の委員を兼ねている例があります。大体どれぐらい兼ねているのかというのを調べてみますと、二十五ぐらいは無数にあるといってもいいぐらいです。そして一年の間に一回も会合を開かない審議会、調査会もある。しかもそのひどい委員の例になりますと、五十回ぐらいの開会のうちに、出席したのはわずかに二回ないし三回という例がある。一人の人がそういうような各種委員を四十五も、あるいは二十五も兼ねて、そしてその方はほかにも自分の仕事をお持ちになっている。こういうようなところに、大体無理な姿があるわけです。そう
いうようなのをチェックできないような行政管理庁であれば、一体何のために行政管理庁が存在をしているのかというふうに私たちは受け取られるわけですがね。そういうような点から、いまの機関としての決定をずるようなものや、あるいは所掌事務の明確な範囲に入るようなものは法律によって、その他懇談会というようなものはワク外につくられるのだという、えてかってな解釈であなた方が進められるとするならば、一体総理大臣個人というものがあり得るかどうか。あるいは黒金官房長官が現在庶務を担当しております人つくり懇談会、こういうようなものがある。そうすると、黒金官房長官は個人としてやっておられるのかということになりますと、非常におかしい。この人つくり懇談会の会合は、総理大臣限りのもので、その立場から、形式をとらずに、事務局もなく、庶務は黒金官房長官が行なっている、こういうような説明を聞くわけです。しかしながら、これも非常におかしいと思うんですよ。やはりこういうような必要性があるならば、諮問的なものは当然法律に基づいてやるということになっているのですから、そういう行政の筋をやはりあなた方はしっかりお持ちになっておいでにならないと、国会で決議をしたものと逆に審議会等がどんどんとふえている。しかもその内容は、いま申し上げましたような状況になっている。こういう事実をどうお考えになりますか。そしてまた、これに対して臨時行政調査会のほうではいろいろ検討をされているようでありますが、こういう実態にあるということを考えますときに、これは行政のいわゆる国民に対する隠れみのの存在しか果たしていないような実情に相なっている。民主的に行政を進めるという、そういう言いわけの隠れみのになっているという実態がすでに出てきている。こういうところに国費を乱費していくような姿は正しいものではないと考えているわけですが、これに対する会長の御意見もお伺いしたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/52
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053・山村新治郎
○山村国務大臣 行政管理庁が国家行政組織法の八条に対しても忠実なこれに対する監視をしなければならないということにつきましては、お説のとおりでございます。たまたま各種の委員会におきまして、いろいろ兼任者が多いという御指摘がございましたが、これは実際問題といたしまして、たとえば新聞界代表なら新聞界代表から選ぶということになれば、どうしてもその新聞界から同じ人が出てくるという場合もありますし、あるいは農業界代表ということになりますと、その会長さんが出てくる傾向が多いというようなこともございまして、重複しておった傾向もございます。しかし、この点はたびたび当委員会におきましても御指摘があったり、その他の国会の委員会においても御指摘がございましたので、十分注意をいたしておりまして、だいぶ最近は減ってまいっております。特に、行管としては、あまりに兼務の多い委員の方々の問題、並びに名前だけ出して実際は出てこない委員の方々の問題につきましては、積極的に整理を行なっておりまして、最近その整理がだいぶはかどっておる現況でございます。
なお、人つくり懇談会等の問題に関連しての御意見でありますが、実際に行政をやってまいりますと、どうしてもいろいろと打ち合わせをしなければならぬという場面が多分に出てくるようであります。すなわち、先ほど問題になりました国家行政組織法の問題につきましての与党内並びに政府の一部におきましての改革の意見というものも、実際問題といたしましての必要性から生じた意見であると見ることができると思うのでございます。しかし、実際は法律がございます以上は、この行政組織法の八条を守らなければなりません。たまたまこの人つくり懇談会の問題等は、総理が個人的に一般学識経験者の御意見を聞くという形でやっておる次第でございますが、その他のまぎらわしい問題につきましては、皆さま方の御指摘になりました非常にまぎらわしい問題はなるべく避けようという方針のもとに、各省におきましては、大体これを整理いたしておるのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/53
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054・佐藤喜一郎
○佐藤説明員 私にも御質問があったと存じますので、お答え申し上げますが、委員会のほうで部会のほうにこの審議会、調査会等につきまして実態調査をやらせまして、いま御指摘があったように、兼任しておる人が非常に多いじゃないかということや、一向に開かれないものがあるじゃないかというような、いろいろな問題についての実態調査をずっとやっております。はたして今後必要欠くべからざるものだけにどうしたら限定できるか、要らなくなった場合にどうしたら手っとり早くそれが廃止できるか、そういうような基準をどういうふうにしていったらいいだろうかというような面で、目下検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/54
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055・村山喜一
○村山(喜)委員 総理府だけでも、四十五もそういうような法律に基づく審議会、調査会があるのです。これの出席の状況を調べたのもございます。私は、具体的にその内容を、個人的な名前を申し上げるようなことはいたしませんが、いま申し上げましたような状況にあることだけは事実であります。だから、これを早く是正しなければ、何のために審議会なり調査会を設けるかということにも発展をしてまいります。だから、この点は善処方を要望申し上げておきたいと思いますが、ここでお尋ねをいたしたいのは、昨年の十二月二十六日に総会が開かれまして、第九次の地方制度調査会の答申がなされました。これは三十九年の一月十三日に任期満了ということになっておりますが、この調査会のいわゆる答申の内容を見てみますと、そこには住民参与の原則と地域総合性の原則、さらに機能的分担と協力の原則という三つの柱のもとに、国の事務なり府県の事務、あるいは市町村の事務というものがそれぞれ分担、明確にされているわけです。ところが、この基本的な考え方をとってまいりますと、これはやはり都道府県に行政の総合調整に必要なる統合のいわゆる源泉が存在をする、こういうたてまえになっております。そうして第一次の地方自治体であります市町村に行政の重点を置きなさいということも、原則として示されている。ところが、 このような考え方からまいりますならば、当然都道府県という第二次的な地方の行政庁が、一つの完全自治体として総合的な調整機能としての役割りを果たしていくという考え方が、基本的に立てられているわけです。そういう考え方から申し上げますならば、これは調査会の第二部会の第四章で書いてあります臨時行政調査会のほうの考え方との間に矛盾点が出てくる。具体的に申し上げますならば、広域行政というのは、国の地方出先機関を強化すべきであるという考え方が、確かに臨調のほうには出てきています。さらに総合行政で縦割り行政の弊害を防がなければならない、そのために地方庁というものを設けてそれによって処理すべきである、そのためには調整機関を設置する、あるいは地方開発局を設置する、こういうような内容のものが第二部会で取り上げられておる。さらに、国の出先機関に対する権限を委譲して事務処理ができるようにしなさい、現場第一主義に立った考え方をとるべきである、こういう基本的な考え方がすでに述べられております。もちろんこれらは冒頭に掲げてありますように、この七人委員会が最終的な意見として打ち出したものではないということが出ておりますから、その点においては内容的には、公務員の問題をめぐりましても、第一部会と第三部会の間に矛盾が起こっている点も、そういうような点からくるだろうと思うのです。また、統一的な見解ということも言えないと思いますが、しかしながら、あなた方がそういうような考え方を持っておられるので、その考え方に基づいて今回建設省設置法で地方建設局を強化する、あるいは過去において地方農政局を設置した、そういうような事例がすでに出ているわけです。今回の設置法の改正の中にも、いま申し上げましたように、いわゆる地建を強化する考え方として建設省設置法の一部改正等が出てきていることも事実であります。こういうような考え方と、あなた方の考え——それは全部の考え方ではないでしょうが、一部にそういうような意見があることは確かに事実です。そういうような臨時行政調査会の意見というものと、第九次のいわゆる地方制度調査会のこの総理大臣に対する行政事務再配分に関する答申、この間には基本的な考え方において食い違いがある。そういうような問題点が、二つの立場から答申が出された場合において、どういう立場に立って内閣は調整の機能の役割りを果たしていくのかということが、一番大きな問題になってくるわけであります。それについて、山村長官はどういう立場で、これらの食い違って出されてくる答申等に対する対処をおやりになるのかという点をお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/55
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056・山村新治郎
○山村国務大臣 お答え申し上げます。
実はまだ正式な答申をいただいておりませんのに、それに対するところの批判は政府といたしましては避けさせていただきたいと存じますが、いずれにいたしましても、地方自治を尊重いたしまして総合調整をはかるという趣旨のもとに調整をいたしたいつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/56
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057・村山喜一
○村山(喜)委員 地方自治の尊重というのは、だれも言っている。これは首都行政の改革の意見の中にも、地方自治の尊重ということばが出ている。その内容を調べてみると、これは従来われわれがいう地方自治の尊重という概念よりも別な概念が入っている。というのは、各民主団体の意見を入れた評議会、そういうようなものでやっていくのであって、いわゆる住民が議会に直結して、議会が住民の代表的な機能としての役割りを果たしているという地方公共団体としての性格を、われわれは地方住民のための地方自治の尊重という立場でいままで考えておる。ところが、その概念と蝋山委員会の意見書の原案の中に流れる思想との間には、食い違ったものがある。しかしながら、その前文においては、地方自治の尊重ということでいずれも規定されておる。またいま長官が言われたとおり、地方自治の尊重ということばでお逃げになる。だから、その中身が問題になるわけです。ただ単に地方自治を尊重するというだけでは筋が通らないし、一体どうするのかさっぱりわけがわからない。だから、もっと説明をしてもらわなければ困るのです。明快な答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/57
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058・山村新治郎
○山村国務大臣 先ほど申しましたように、まだ部会段階にあります問題につきまして、政府といたしまして、これについていろいろと批評がましいことを申し上げることは、失礼であると考えております。したがいまして、どういう答申がいただけるかわかりませんが、しょせんは結論において違った答申がまいりましても、やはり国民のための地方行政の尊重という趣旨につきましては、必ず一貫した思想が貫かれておると思うのであります。ちょうど村山議員と山村議員の違いのようなものでありまして、議員としては、結論においてりっぱな国会の運営をしたいということにおいては、同じものがあると考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/58
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059・村山喜一
○村山(喜)委員 私はいまの答弁はどうも納得しませんが、首都行政改革の意見をお出しになったいきさつ、これはやはり内閣が要請をしたので、緊急性を考えてそういう意見書をお出しになったものだ。だれかその調査会にまいりまして、この首都の問題については緊急性があるから、早急に出してもらいたい、こういう要請をなされたものと思うのでありますが、そうすると、だれがあなた方のところに要請にきたのか。われわれが聞くところによりますと、政務次官が見えて要請があったので、それに基づいて出したのだとかいうような話もありますが、これは長官がお見えになったのですか。そのいきさつをちょっと御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/59
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060・井原敏之
○井原(敏)政府委員 事務的な経過でお答えをしたほうがよろしいと思います。
首都圏行政の問題が差し迫っておるということは、道路、交通、住宅、ゼロメートル地帯、公害、その他ごらんのとおりの実情でありまして、放置しがたいという問題意識といいますか、そういうものは、七人委員会は発足の当初から持っておったわけでありますが、ただ、言うなれば特殊な問題でもございますので、初めから部会に振り当ててやるという体制でのすべり出しはやらなかったわけであります。一昨年の秋ごろだったと思いますが、地方制度調査会の小委員会と都政調査会の答申——都政調査会は都知事の諮問機関でありますが、いずれも首都圏問題についての行政機構なり運営の問題の答申が出たわけであります。そのときに、都政調査会の答申と地方制度調査会の首都圏小委員会の考え方とに少しニュアンスの違いがございまして、時の行政管理庁長官の川島大臣が、関係の代表を集められまして懇談をなさったわけであります。そこで結論としまして、臨時行政調査会あたりがまとまった一本のものにして意見を出してくれればたいへん政府としても扱いいいという趣旨のお話が、七人委員会に見えましてあったわけであります。それがきっかけとなりまして、急遽特別部会をつくりまして、蝋山委員を部会長とする編成をいたしまして、この問題だけは緊急である、また一般的な問題とちょっと違うという点で、別個の検討をいたしまして、したがって、引き離して別個に意見を出した、こういう経過であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/60
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061・村山喜一
○村山(喜)委員 そういうような緊急性が必要な問題として、当時の川島国務大臣からの要請に基づいて出された。それに基づいて意見書を出した。意見書を出したのが昨年の八月、それを受けて六回の会議を持たれた、明日さらにこの七回目の合同会議を持たれる、こういう話です。ところが、そういうような緊急性のあるものが、会議を持っていって煮詰めていく場合において、これは内容をつぶさに検討してまいりますと、非常に大きな問題をこの行政制度改革の内容は含んでいるし、一体日本の今後の行政機構というものは、地域割りを中心にすべきなのか、縦割りと地域割りとの調整をどういうふうに持っていくべきなのか、総合開発行政を中心に考えるのか、いろいろな問題を含んでいるわけなんです。そうなってまいりますと、この問題の検討を進めていくためには、緊急性は十分われわれもわかりますが、内容的にはきわめて重大な内容がある。そして、ただ首都行政の改革にとどまらないで、日本の国政の改革につながると見ます。そういたしますならば、いま行政全般についての改革の検討を進められているのが、片一方においてあるわけです。それを六カ月ほど延長しいたしまして出されてきた場合に、その中におけるところの一つの問題点として、重要な問題でありますが、取り上げていかなければならない、こういう立場から考えられるとするならば、緊急性あるものとして出されてはおるけれども、事実問題としてそれを消化していくために、一体全般的な答申が出ない段階の中で、これがはたして実施の段階において可能性があるのかどうかという点について、私は非常に問題があると思うのです。その全般的な中の一環としてこれと取り組んでいく考え方をお持ちなのか、緊急性ありとして諮問をしたのだから、緊急に措置して今国会に何らかの法律案でも出してやるという決意があるのか、この点について承っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/61
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062・山村新治郎
○山村国務大臣 いただきました答申は、いずれも国民のためになり、国家のためになる答申でございますので、なるべく早くこれを実現することは、国家のために、国民のために望ましいことであると存じます。しかし、実際は、おそらくや相当早くできるものもございましょうし、また同時に、相当の年月をかけなくちゃできないものもあると存ずる次第でございます。たまたまこの首都圏の問題が、緊急性ありといたしまして、非公式ではございますが、前長官が参りましてお願いをいたしましてちょうだいした答申でございまするが、初めて行政機構に取り組みまする試金石でもございますので、検討いたしてまいりますと、だいぶ影響するところが大きいのでございます。お説のように、縦割り行政の問題、あるいは総合調整等の問題とのかね合いもございまして、明日行革本部を開いてこの結論を出したいと考えておりまするが、確かにいま村山委員御指摘のとおりに、全般の問題をちょうだいしてからでないとなかなか決しかねる問題が多分にありますることは、同感でございます。いずれにいたしましても、結論は明日行革本部を開いて出したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/62
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063・村山喜一
○村山(喜)委員 明日結論を出す。それは意見書に対する結論を出して、措置すべきものは措置し、そして全般的に措置できないものはあとに譲る、こういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/63
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064・山村新治郎
○山村国務大臣 明日行革本部におきましては、私の出します議題は、一応この首都圏の問題をいただいてから、この通常国会を控えまして、この通常国会にはたして具体的な法案として出すかどうかという問題まで、これを含めて検討いたしたいと存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/64
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065・村山喜一
○村山(喜)委員 見通しはいかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/65
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066・山村新治郎
○山村国務大臣 おそらくや賢明な村山委員におかれましては、私の先ほど来の説明でおわかりのことと存じますが、やはり全般的な問題とのかね合いというものが非常に重大な議論になっておりますので、その要素が多分にありますることを率直に申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/66
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067・村山喜一
○村山(喜)委員 この調査会を六カ月ほど存続を延長をするということになるわけでありますが、調査会の事務当局の説明によれば、二カ月で大体見通しはつくだろう、こういう説明を参議院段階においてされておりました。しかしながら、諸般の事情を考えて、六カ月ほど延長をする、こういうことでありますが、そういたしまするならば、この首都圏の問題にいたしましても、あるいは行政全般に対するところの問題を考えていかなければならないという立場からいたしまするならば、先ほど出されました第九次の地方制度調査会の行政事務の再配分に関する答申の問題にいたしましても、これはすべて一応臨時行政調査会の最終的な意見書というものが出そろってこなければ、いずれにいたしましても解決の見通しがつかない、こういうように段階的には考えざるを得ないと私は思う。というのは、幸いにしてその行政事務の再配分に関する地方制度調査会の答申する内容のものと、臨時行政調査会の意見書が一致するような方向にいくならば、それはきわめてけっこうなことでありますが、それが食い違うおそれも私はあると思う。そうした場合に、いずれをとるか、いずれのほうを第一義に取り扱いをするのかということも、当然考えておかなければならないと思うのですが、そういうのを内閣の調整機能としての役割りを果たしていくためには、すべてのものが出そろったところでこの問題を解決していくのだという考え方に立たなければならないと思うのでありますが、そういう考え方であるのかどうか。この点実際は二カ月程度で事務的には終わるだろうけれども、その他いろいろな情勢等を考えて、六カ月ほど延長するということになりますかどうか、その間におけるところの見通しの問題を御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/67
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068・山村新治郎
○山村国務大臣 先般参議院の委員会におきまして、事務当局から御説明申し上げましたが、たぶん三カ月ぐらいということについての要請をしたという御説明があったと、私は記憶いたしております。確かに事務当局から非公式に、三カ月ほどいただけばよろしいということについての期間延長の申し出が私にあったのでございますが、しかし、私といたしましては、何カ月でも延長するということは、この法案自身も、最初には延長しないという期待のもとにおそらくやったにもかかわらず、それだけの延長をしなくちゃならぬ結果になったわけでありますので、またまたこれを延長するということはできませんので、十分の余裕を見たいという見方と、法律的に前例を調べてみますと、やはりこの種の任期の延長につきまして、六カ月延長というのは最長のようでございます。したがいまして、これらの前例ともかね合いまして、六カ月の延長というお願いをいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/68
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069・村山喜一
○村山(喜)委員 佐藤会長にお尋ねいたしますが、大体事務的には三カ月程度で終わる見通しだという当初の考え方ですが、それで十分六カ月程度は要するだろう、最終的に慎重に検討しなくちゃならぬ点等もあるということから、六カ月というふうに要請をされたものか、三カ月程度でやっていけるのだという御自信をお持ちになっているのか、その点をこの際明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/69
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070・佐藤喜一郎
○佐藤説明員 私が、昨年の暮れに行管のほうに、これはどうも間に合いそうもないということを申し上げました中には、かりに意見がまとまっておりましても、印刷物、それから字句の修正、そうして最後に総理大臣のところに行って意見を申し上げるときに、委員でないと困る、調査会が存在しないと困るというふうに考えまして、まず一番先に言い出したことなんでございます。したがいまして、それまでに意見がまとまるとかなんとかいうほかに、私どもは、印刷に付し、字句を修正し、そして総理に会見を求めるという段階でも、なお調査会が存在していないと困ると考えた結果、延長を申し出たわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/70
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071・村山喜一
○村山(喜)委員 時間の関係がありますので、そう時間をとるわけにはまいりませんので、法制局の方に出ていただきましたけれども、これは次のときに譲りたいと思います。
そこで、この第一の試金石として、首都圏庁の設置等をめぐりまして臨時行政調査会が答申をされたその内容を検討いたしますと、私も批判を持っております点がなきにしもあらずであります。しかしながら、こういうような形で鋭意努力をされて画期的なものをお出しになった。それを迎え入れる体制というものを、山村長官を本部長といたしましておつくりになっていらっしゃることも知っております。しかしながら、これを日本の政治の中で実現をしていくためには、よほど大きな決意のもとに取り組んでいかれなければ、現在の行政組織のあり方を根本的に変えるような内容まで含んでいるので、いまのようなやり方でいくならば、緊急性ありとして出されたものが非常におくれてくる、こういうことも事実であります。この問題にいかにして積極的に取り組むかという姿勢の中に、政府が臨時行政調査会の意見をどれだけ将来において取り入れていくかという一つの姿が出てくると思うのであります。明日その態度をはっきりきめられて、これからの方針をお定めになると思いますが、十分にそういうようなところを国民が期待をしておる。この問題についてはひとつ真剣な御努力を願うことを要望申し上げまして、終わりといたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/71
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072・徳安實藏
○徳安委員長 田口誠治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/72
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073・田口誠治
○田口(誠)委員 大臣が一時から参議院に出なければならぬということでありますし、あと受田先生も質問するということですから、端的にお伺いをいたしたいと思います。それで私は質問をする前に、いままで各委員から質問をして政府から答弁のありましたその内容を確認をして、それから質問に移りたいと思います。
それで、この臨時行政調査会を設置するときの質疑応答から私は考えてみたわけでございますが、そのときには、いずれにいたしましても、現在の官庁は、膨張していくけれども能率があがらない、こういうことから、十分に総合調整ということも含めて、やはり官庁のあり方というものを検討をして、そうして能率的に国民の奉仕者としての義務を果たさなくてはならない、こういうことからこの法案が出されたのでございますが、特にそのときに川島長官が言われましたことは、この問題は、調査会にも相当の権限を持っていただき、特に担当国務大臣は閣内においても発言権を強化して、その答申を実施するような方向に持っていきたい、こういう真剣な考え方からこの法案を出したのだ、こういう答弁があったわけです。したがって、私どもの考え方としては、そのとおりいくかいかないかということには大きな疑問がございましたけれども、しかし、長官が非常に誠心誠意真剣な態度で答弁をされましたので、賛成をいたしたわけでございますが、その後今日までの経緯を見ますると、やはり政府自身といたしましては、相当多くの局部の新設等もありまして、この点は各委員から指摘をいたしたとおりでございますが、その中でも、二日間にわたって質問をし、答弁をいただいた中で特に重要視されますことは、何といってもいま計画されておるところの国防省の新設の問題であろうと思うのです。それで少なくとも臨時行政調査会が検討をしておるさ中において省を新設するということ、また防衛庁を省に昇格するということについては、これはほんとうに真剣に考えて、あらゆる方面から検討を加えなくてはならない問題であろうと思いますので、この点については、石橋委員のほうからいろいろな角度から質問をいたしたわけです。けさほどの大臣の答弁を聞いていますると、いずれにいたしましても、この問題につきましては、総理大臣もやはり調査会のほうに相談をする、こういう言明もいたしておるし、調査会自身としても、そういう相談のあった場合には真剣に、まじめにこの問題に取り組んで慎重検討をするという答弁がございましたので、この点で私は今後の臨調の延長の問題につきましても、余すものをほんとうにまじめに検討されて、そうして結論を出されたものは政府自身としてもほんとうにまじめにこれを取り上げて、行政の上に乗せられるものである、こういうように私は聞いておりましたので、そういう点の確認をいたし、最後に申しましたことに対して大きな期待をかけておるわけでございますので、その点について長官の、再答弁までも不必要だと思いますけれども、念のためもう一度御答弁をいただいて、私の質問に入りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/73
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074・山村新治郎
○山村国務大臣 防衛庁の昇格の問題につきましては、すでに当委員会におきまして総理大臣から答弁がありましたごとくに、その問題の具体的な成案が出た場合におきましては、一応臨調に御相談を申し上げるというお話がございました。なおまた臨調の会長さんからも、相談があった場合には検討するという答弁があった次第でございます。私ども行管といたしましては、これは行政組織を管理するというたてまえから、ただいまこの問題について十分に検討いたしております。しかし、御存じのように、この問題は党におきましてはすでに決定いたしておる党議でございます。党議といたしまして実は重要な問題でございますので、これをいずれの観点からいたしましても重要視いたしまして、慎重に検討をいたしておる次第でございます。なおまた、この全般的な臨調の答申をいただきました暁におきましては、もとより田口委員御指摘のごとくに、容易ならぬ問題でございますので、ひとつ本格的な体制のもとに前向きの姿勢をもって取り組んでまいるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/74
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075・田口誠治
○田口(誠)委員 ただいまの御答弁で了解をいたしたいと思います。
そこで、いま村山委員のほうからもいろいろと質問をいたしておったわけですが、いずれにいたしましても、公社、公団あるいは審議会、調査会、委員会というものが非常に多くあるわけでございまして、その中には有名無実のものもあるわけでございます。この点はしばしば私どもが質問の中で要望を申し上げておるわけでございますけれども、中に内容的に同じようなものは統合されたり廃止したりしておりますが、まだまだ私どもが見ましても整理を要するものが相当にあるように考えております。したがって、なお答申そのものがどの程度生かされておるかということについては、私どもの調査をした段階においては非常に問題もございますし、それから他の方面からもこういう点の指摘も大いにあるわけでございまして、これは直接に監査委員会等からの意見も出ておるようなわけでございますから、今後こういうものに対して、どの程度の認識の上に立って処理をされようとするか、また運営の妙を発揮されようとするか、この点ひとつお聞きいたしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/75
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076・井原敏之
○井原(敏)政府委員 七人委員の一人であります太田薫委員は、この問題の担当でございまして、公社、公団の検討を進めておりますが、その中身には、いま仰せになりました整理統合の問題もむろん含まれるかと思いますけれども、いま中心に考えておりますのは、こういうものをつくりまして、政府の統制監督の問題——せっかく独立採算なり、そういう趣旨で本来の行政から切り離してつくってはみたものの、あまり統制がきびしいとつくった意味がなくなりますので、そういうものに対する監督、なかんずく予算の関係での統制等について、中心に検討しておるわけでございます。それからこういうものが年々新設されるわけでありますが、そういうものについては、なろうことなら設立の基準といいますか、目安というようなものも、調査会の改革意見の中に織り込まれたらということで、太田委員がいま鋭意検討を進められておる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/76
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077・田口誠治
○田口(誠)委員 ただいまの御答弁の内容でございますが、臨調のほうでもこの点を取り上げるべく試案を検討中ということでありますが、これはやはり延長期間のうちにかっこうがつきますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/77
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078・井原敏之
○井原(敏)政府委員 太田委員は、その目途で一生懸命やっておられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/78
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079・田口誠治
○田口(誠)委員 答弁はそういう答弁になろうと思いますが、くどいようでございますけれども、この審議会、委員会、調査会は、会議を開く回数、それから出席人員の内容、こういうものから見ますと、全く有名無実のような感があるわけです。こういう点は一応の調査をなされて、現在の試案をつくりつつあるということなのか。これは十分その内容は把握されておるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/79
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080・井原敏之
○井原(敏)政府委員 私の先ほどのお答えは、多少問題の焦点がぼけておったかと思いますが、公社、公団については、そういうものをつくった以上はこれを生かさなければならない、これが第一点であります。それから審議会、調査会、委員会等については、これは太田委員ではございませんで、別のところで、いま御指摘になりましたような資料は、行政管理庁に実は相当あるわけでありますから、その資料の提供等、あるいは調査会の協力も得まして、そういうもののほんとうのあるべき姿ということは、当然改革意見の中に言及されるものと認めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/80
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081・田口誠治
○田口(誠)委員 公社、公団の関係は、予算の面と相当に関連があるのですが、これはそれぞれ各省に関係があるものでありますので、予算編成をする場合に、そうした関係省の連携というようなことは、従来なされておるのかどうかということと、そしてそういう点の必要性を考えておられないか、これをひとつ伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/81
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082・井原敏之
○井原(敏)政府委員 これは委員会において各委員が事項を分担してやっておる具体的な調査の中身になりますので、私こまかい御説明なり状況のあれができないわけでありますが、ただ、いまおっしゃいました問題は、実は公会や公団をつくりましても、主管の省と大蔵省の予算編成の関係、これが公社、公団を中心にして考えますと、相当錯綜しておるわけでございます。そういう問題については、極力こういうものは独立採算なり自主性を特たせるために行政から切り離した趣旨が生かされるように、そういう配慮で太田班では検討が進んでおるように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/82
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083・田口誠治
○田口(誠)委員 そこで、これはこの臨調をつくるときにも政府の答弁の中にありましたように、現在各省間においてそれぞれ行政の組織を持っておりますけれども、非常にセクト主義におちいっておるから、こういう点の是正もしなくてはならない、こういう理由もあったわけです。したがって、いまの公社、公団の関係も、やはり関連省がそうした面を大きく打ち出して、予算要求のときにいろいろと努力し合っておるわけです。だから、どこかでやはりこういうものの取りまとめをするようなことをやらなければならない。もちろん内閣総理大臣は、全体的な面を見て最後の仕上げをされるのですけれども、しかし、専門的にこういう点の監査をする必要があろうと思うので、ただいま質問申し上げたのですが、おそらくただいまの答弁以外の進んだ答弁というものはないと思いますので、私はあえて答弁は求めませんけれども、そういう必要性がありますので、延長期間における能率の面からいって、こういう点に触れられるということができるならば、私はやはりこの点に対しての結論も出していただきたいというように希望を申し上げておきます。
それから、各省ではそれぞれ必要に応じて公団というのを設けておりますが、公社とか公団によっては、監督するところの省においても手に負えないというようなところがあるわけなんです。たとえば国鉄と運輸省の関係、こういうところがあるわけでございますので、こういう点については、それぞれ法律は法律として規定はされておりますけれども、そのとおり運営がなされておらないというのが、実際の現象としてあらわれております。だから、私は、こういう点についても十二分にこの際検討をしていただかなくては——これはせっかく必要ありとして担当省が公社、公団をつくられても、それが監督省として手に負えないというようなことになりましては、私は行政上非常に支障を来たすと思いますので、この点もつけ加えて検討をしていただき、そういう隘路を解消してもらうようにお願いをいたします。
いろいろとまだ質問はございますけれども、受田委員が残っておられますので、これで質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/83
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084・徳安實藏
○徳安委員長 受田新吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/84
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085・受田新吉
○受田委員 私は、山村長官と佐藤会長さんとお二人に二つ問題を出して、簡潔にお答えを願いたいと思います。
一つは、この前総理にもちょっと伺ったわけでございますが、調査会の答申が出るに先立って、すでに国家公務員法の改正案等を国会へお出しになっております。この国家公務員法の改正案の骨子を見ますと、人事院を骨抜きにして、総理府に人事局を設けて、人事管理行政を一本化しようとしておられるおけです。このことは人事行政上の基本的な大問題なのです。これをすでに法案をお出しになって、国会の通過をはかろうとされておるわけでございますが、今度、人事院の機構及び人事行政の基本問題に対して、佐藤会長さんの主宰されるこの臨時行政調査会が、人事院機構は存置すべきである、こういう答えを出されたときに、この国家公務員法の改正が成立されておったとしても、この答申を尊重して、またもとへこれを復元するということがあり得るのかどうか。人事行政に関する限りは、政府の既定方針に基づいて、たとえ臨時行政調査会がどのような答申をしようとも、曲げるものではないというお考えなのか、お答えを願いたいと思い
ます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/85
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086・山村新治郎
○山村国務大臣 人事院の改組の問題につきましては、これは数年前からの問題でございまして、臨時行政調査会が発足する前から懸案になっておる問題でございます。したがいまして、今回一応ILO関係として提案いたしました理由もそこにある次第でございますが、いずれにしても、臨調の答申というものは十分尊重するつもりでございますから、臨調の答申が出てまいりました暁において善処いたしたいつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/86
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087・受田新吉
○受田委員 そうしますと、この法律案の審議を要望されておるわけですが、政府の要望どおりにこの国家公務員法が通過しても、臨調からの答申が出れば、その答申の線に従うように措置をする、こういうお答えでございますか。誤解がないように、はっきりお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/87
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088・山村新治郎
○山村国務大臣 誤解がないようにお答え申し上げたいと思います。
すでに先ほど申し上げましたように、この人事局の問題につきましては、政府から提案をいたしております。この成立は政府といたしまして望む次第でございます。なお、その後におきまして臨調がどういう答申を出されるかわかりませんが、出ました答申は十分尊重するということをはっきり申し上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/88
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089・受田新吉
○受田委員 ただ、人事院が改組されて人事局ができた、またこれを人事院に復元するというような機構の大変革を軽々しくやることは、可能ですか、どうですか、お答えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/89
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090・山村新治郎
○山村国務大臣 決して機構いじりを軽々しくやるつもりはございませんが、いずれにいたしましても、臨調の答申は十分尊重する精神であることを、はっきり誠意を持ってお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/90
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091・受田新吉
○受田委員 佐藤会長さん、あなたにひとつ信念を持ってお答え願いたいのですが、あなたの調査会が二つの専門部会にわかれて、行政の総合調整の面と公務員の問題と、両面からこの大事な人事行政に関する問題に取っ組んでおられます。この御熱意に対して、政府がすでに国家公務員法の改正という、あなたのほうで一番大事な問題にしていることを取り上げているわけでございますが、そういうことにおかまいなく、自信と勇気を持って答えをお出しになられ、そしてこれを尊重させようとしておられるかどうか、お答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/91
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092・佐藤喜一郎
○佐藤説明員 いま、専門部会のほうから、人事関係につきまして調査の報告がきております。調整を要する段階でありますので、目下委員のほうで検討しているわけであります。政府の態度いかんにかかわらず、き然たる態度でもってやるつもりであるかどうかというお話でございますが、もちろんそのつもりでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/92
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093・受田新吉
○受田委員 この重要事項については、全会一致という方針を申し合わせておられるようです。大綱に関し一人の反対委員があったならば、答申は成立しないと了解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/93
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094・佐藤喜一郎
○佐藤説明員 私どもは、原則として全会一致という申し合わせをしておりますので、私は委員の全部がそういう気持ちであれば、全会一致でなければできないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/94
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095・受田新吉
○受田委員 このことは大事なことですから、ひとつはっきりしていただきたいのですが、大綱に関する全会一致の答申以外の答申はあり得ないとわれわれは了解してよろしいかどうかを申し上げておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/95
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096・佐藤喜一郎
○佐藤説明員 そういう意味ではございませんので、委員の全員がぜひこれは全会一致にしたいと言えばそうなりますし、またその場合の委員の考えが、せっかく七人のうち六人までが賛成で一人が御反対で、その一人も少数意見として出すことは差しつかえないと言ったならば、そういう結果に出ることもあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/96
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097・受田新吉
○受田委員 会長としては全会一致を要望しておられる、やむを得ない場合には少数意見を付して多数決答申ということもあり得る、この二つの考え方で答中が予想されると了解してよろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/97
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098・佐藤喜一郎
○佐藤説明員 よろしゅうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/98
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099・受田新吉
○受田委員 長官の一時からの用に間に合わせるようにおしまいにしますが、私の懸念しておることは、この基本的な臨時行政調査会のせっかくの御審議の結論が、政府によって曲げられるようなことがあってはならないし、また、臨調の当事者といたしましても、調査会の目的に合致するようなことをやっていかれるということも、私は一応了解します。ただ、私がおそれますことは、歴史的に見て、行政改革はなかなか容易でないわざであるということ、したがって、山村長官が内閣を率いるようなよほどの決意を持って、担当大臣として一たとえ池田さんがこの答申が出たころにおやめになっておられて、新しい首班ができておったとしても、その首班は、当然内閣総理大臣としてこの法律の執行に注意をしなければならぬと思うのです。その意味において、従来にない大規模な調査会に御苦労をおかけし、答申が出た場合は、徹底的な形でこれを実施していただきたい。要望を申し上げて私の質問を終わらしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/99
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100・山村新治郎
○山村国務大臣 お答え申し上げます。
いろいろと行革に対する御激励、ありがとうございます。確かに行政改革という問題は容易ならぬ問題でございますが、これは受田委員の御激励にこたえまして、私も政治生命をかけて今後ともがんばってまいります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/100
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101・徳安實藏
○徳安委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/101
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102・徳安實藏
○徳安委員長 これより討論に入るのでありますが、別に申し出もございませんので、直ちに採決に入ります。
臨時行政調査会設置法の一部を改正する法律案について採決をいたします。
これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/102
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103・徳安實藏
○徳安委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/103
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104・徳安實藏
○徳安委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおりに決しました。
〔報告書は附録に掲載〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/104
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105・徳安實藏
○徳安委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は、来たる四月二日午前十時理事会、十時半委員会を開会することとし、これにて散会いたします。
午後一時一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X01619640331/105
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